令和2年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和2年3月10日(火)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主査 上 野 公一郎
主査 鈴 木   忍
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
文化スポーツ部長 菊 池   哲
副部長兼文化
スポーツ企画室長 岩 渕 伸 也
参事兼スポーツ
振興課総括課長 藤 田 芳 男
オリンピック・
パラリンピック
推進室長兼
ラグビーワールド
カップ2019
推進室長 木 村   久
文化スポーツ
企画室企画課長 中 村 佳 和
文化スポーツ
企画室管理課長 鈴 木   忠
文化振興課
総括課長 高 橋 久 代
世界遺産課長 佐 藤 嘉 広
オリンピック・
パラリンピック
推進室
事業運営課長 松 崎 雄 一
オリンピック・
パラリンピック
推進室
連携調整課長兼
ラグビーワールド
カップ2019
推進室
大会運営課長 高 松 秀 一

教育長 佐藤 博
教育次長兼
教育企画室長 佐 藤 一 男
教育次長 梅 津 久仁宏
教育企画室
教育企画推進監 大 畑 光 宏
予算財務課長 山 本 洋 樹
学校施設課長 新 田 芳 文
教職員課総括課長 山 村   勉
首席経営指導
主事兼小中学校
人事課長 金 野   治
首席経営指導
主事兼県立学校
人事課長 高 橋 一 佳
首席指導主事兼
学校調整課
総括課長 木 村 克 則
首席指導主事兼
産業・復興
教育課長 軍 司   悟
特命参事兼
高校改革課長 藤 澤 良 志
首席指導主事兼
生徒指導課長 橋 場 中 士
学校教育課
総括課長 小久保 智 史
首席指導主事兼
義務教育課長 小野寺 哲 男
首席指導主事兼
高校教育課長 里 舘 文 彦
首席指導主事兼
特別支援教育課長 高 橋   縁
首席指導主事兼
保健体育課
総括課長 清 川 義 彦
首席社会教育主事兼生涯学習
文化財課総括課長 佐 藤 公 一
首席社会教育
主事兼文化財課長 岩 渕   計

財政課総括課長 小 原 重 幸
〇柳村一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 軽石義則委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第31号まで、議案第39号及び議案第41号から議案第44号までの以上31件を一括議題といたします。
 本日は、文化スポーツ部及び教育委員会関係について延べ22人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
 初めに、文化スポーツ部関係の審査を行います。なお、菊池オリンピック・パラリンピック推進室特命参事は公務のため欠席となりますので、御了承願います。
 文化スポーツ部長に文化スポーツ部関係の説明を求めます。
〇菊池文化スポーツ部長 それでは、令和2年度岩手県一般会計予算について、当部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 初めに、令和2年度当初予算編成に当たっての当部の基本的な考え方についてでありますが、東日本大震災津波からの復興を力強く進めるとともに、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる県民みんなで目指す将来像の実現に向けた取り組みを推進する予算として編成したところであります。
 まず、復興推進の取り組みについてでありますが、被災者の暮らしの再建に係る郷土芸能の保存、継承や文化芸術の鑑賞機会の確保の支援などに引き続き取り組みます。
 また、復興五輪を理念とする東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、復興の姿と本県の魅力を国内外に発信する絶好の機会であり、県民の機運醸成を図り、聖火リレーや聖火フェスティバルの実施などの取り組みを進めます。
 次に、政策推進の取り組みについてでありますが、まず健康・余暇分野につきましては、岩手芸術祭や、さんりく音楽祭2020の開催、アール・ブリュットの振興などに引き続き取り組みます。
 また、県民誰もが、障がいのある人もない人も、ともに生涯にわたってスポーツを楽しむことができる共生社会の推進などに取り組みます。
 次に、教育分野についてでありますが、各競技団体等に対する選手強化事業への支援や、スポーツ医・科学サポート、最新競技用具の整備等により、本県選手の競技力の一層の向上を図るとともに、若手トップアスリートの育成に取り組みます。また、障がい者トップアスリートの競技力向上に向け、複数種目の体験機会を創出するとともに、大会出場や遠征を行う選手等に対する支援に取り組むほか、スポーツインテグリティーの確保に向けた指導者等に対する教育、支援体制の充実などに取り組みます。
 次に、居住環境・コミュニティ分野についてでありますが、スポーツ大会、合宿の積極的な誘致や、スポーツクライミング第3回コンバインドジャパンカップ2020の開催に向けた取り組みを進めるとともに、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催のレガシーを生かしたモメリアルイベントの開催などにより、継続的な人的、経済的な交流の一層の拡大につなげてまいります。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化プログラムの展開や海外との文化交流などに取り組みます。
 次に、歴史・文化分野についてでありますが、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録や平泉の文化遺産の拡張登録及びガイダンス施設整備などを推進します。
 続きまして、当部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。当部関係の予算は、2款総務費8項文化スポーツ費の42億3、700万円余であります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと5、600万円余の減となっておりますが、その主なものは、ラグビーワールドカップ2019開催準備費12億2、100万円余の皆減でございます。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げにつきましては省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 お手元の予算に関する説明書の110ページをお開き願います。2款総務費8項文化スポーツ費1目文化スポーツ総務費でありますが、右側の説明欄、管理運営費は、職員の給与費や事務経費など管理運営に要する経費でございます。次に、2目文化振興費は、岩手県民会館や岩手県公会堂の管理に要する経費のほか、説明欄上から三つ目、東北復興文化プログラム推進事業費は、復興支援の感謝と本県の文化的な魅力を国内外に発信するため、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした文化イベントを実施しようとするものであります。次の、いわて文化芸術王国構築事業費は、各広域振興圏に文化芸術コーディネーターを配置し、地域の文化芸術活動を支援するとともに、文化芸術企画調整マネジャーを配置し、官民一体による文化芸術推進体制の構築を推進しようとするものであります。一つ飛びまして、郷土芸能復興支援事業費補助は、被災地における郷土芸能活動の保存、継承を支援するため、市町村が実施する郷土芸能団体等への活動再開支援に要する経費を補助しようとするものであります。続きまして、111ページに参ります。説明欄上から二つ目、障がい者芸術活動支援事業費は、障がい者の文化芸術活動を支援する人材の育成や関係者のネットワーク形成を行うため、障がい者芸術活動支援センターを運営して支援活動を実施しようとするものであります。次の、いわてアール・ブリュット魅力発信事業費は、県民のアール・ブリュットへの関心を高めるとともに、県内のすぐれた作品を集めた巡回展を開催するほか、県民への普及を拡充しようとするものであります。二つ飛びまして、いわての民俗芸能活性化交流促進事業費は、民俗芸能の保存、継承や後継者の育成等を図るため、岩手県民俗芸能フェスティバルを開催するほか、首都圏の高校生等との交流や若年層に対する普及啓発の取り組みを実施しようとするものであります。四つ飛びまして、岩手芸術祭開催費は、本県最大の文化芸術の祭典、岩手芸術祭を引き続き開催しようとするものであります。一つ飛びまして、さんりく音楽魅力発信事業費は、被災地の文化芸術を通じた地域活性化を推進するため、官民が連携して、さんりく音楽祭2020を開催しようとするものであります。七つ飛びまして、世界遺産保存活用推進事業費は、本県の二つの世界遺産及び御所野遺跡の価値等の理解促進を図るとともに、世界遺産を中核とした関連文化資源のネットワーク構築に向けた取り組みを進めようとするものであります。次の世界遺産登録推進事業費は、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録や、平泉の文化遺産の拡張登録に向けた取り組み、明治日本の産業革命遺産の世界遺産委員会決議事項に対応した取り組み等を実施しようとするものであります。次の平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業費は、平泉の文化遺産を総合的に紹介する施設整備を進めようとするものであります。次に、3目スポーツ振興費は、スポーツ施設の管理やスポーツ大会への選手派遣に要する経費のほか、説明欄上から四つ目、地域活性化スポーツ推進事業費は、スポーツ振興を通じて地域の活性化を図るため、いわてスポーツコミッションによるスポーツイベント等の誘致や、トップスポーツチームとの連携によるスポーツ機運醸成等を実施しようとするものであります。次のスポーツクライミング推進事業費は、ボルダリング施設の完成記念大会として、スポーツクライミング第3回コンバインドジャパンカップ2020の開催に向けた取り組みを実施しようとするものであります。次の生涯スポーツ推進費は、県民が生涯にわたってスポーツを楽しめる環境を整備するため、総合型地域スポーツクラブの育成や指導者養成などのほか、中学生のスポーツ環境整備に向けた調査研究を進めようとするものであります。次の障がい者スポーツ振興事業費は、障がい者スポーツの振興を図るため、スポーツを行う機会の提供や指導者養成を実施しようとするものであります。次のスポーツを通じた共生社会づくり推進費は、総合型地域スポーツクラブにおける受入態勢を整備するとともに、障がい者スポーツ用具を整備し、スポーツ参加機会の充実に向けた取り組みを進めようとするものであります。続きまして、112ページに参ります。説明欄上から四つ目、オリンピック選手等育成・強化事業費は、スーパーキッズの発掘、育成のほか、トップアスリートや潜在能力を持ったアスリートの活動支援を実施しようとするものであります。一つ飛びまして、パラリンピック選手等育成・強化事業費は、障がい者スポーツ選手育成研修会の開催や、障がい者トップアスリートの活動支援等の取り組みを実施しようとするものであります。次のパラアスリート拡張支援事業費は、障がい者アスリートに対する複数の競技種目の体験機会の創出や、競技用具の整備等の取り組みを実施しようとするものであります。次の、いわて競技力向上事業費は、岩手県体育協会が実施する競技団体への競技力向上支援に要する経費を補助するとともに、最新競技用具の整備等の取り組みを実施しようとするものであります。四つ飛びまして、復興五輪ムーブメント推進事業費は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の機運醸成や聖火リレー、聖火フェスティバル等を実施しようとするものでございます。次のラグビー県いわて推進事業費は、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催のレガシーとして、メモリアルイベントの開催や海外との交流等に向けた取り組みを進めようとするものであります。
 次に、債務負担行為について御説明を申し上げます。
 お手元の議案その1にお戻りいただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、文化スポーツ部関係は、2平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業で、当該施設の展示制作委託業務が翌年度以降にわたるため、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。次の、3盛岡南公園野球場(仮称)整備事業費負担金は、県と盛岡市が共同設置する新野球場の整備に要する負担金の支出が翌年度以降にわたるため、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものでございます。
 以上で文化スポーツ部関係の議案につきまして御説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことがないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 私からは、1件について数点、質問させていただきたいと思います。
 希望郷いわて文化大使の活用についてということで通告を出させていただいておりました。もとよりこの大使の任命等については、秘書広報室のほうで対応していると承知しておりますけれども、ただ、実際問題として、大使になっていただいた方々にしっかり活躍していただくといった面では、もちろん商工労働観光部の観光の部分であったり、また、さらには、特に、この文化スポーツ部の中での大使の方々の発信力に期待しているといった中で、これまでの活用の部分についてお伺いしたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の影響で対応に苦慮されている中でも、本年度も文化スポーツ部において、さまざまな文化、芸術、スポーツの分野で、岩手県内外に発信していく各種事業を準備していただいていると思います。そうした中で、これまでの県事業への文化大使のかかわり方についてお伺いしたいと思います。
〇中村文化スポーツ企画室企画課長 希望郷いわて文化大使の件でございます。文化、スポーツにおきましては、大使の役割であります本県の文化、スポーツの魅力発信やPR活動を行っていただくとともに、個別事務事業に対しまして、大使の専門分野を生かした御意見等をいただき、あるいは事業に参画していただいているところでございます。
 具体的に申し上げますと、例えば文学の国いわて推進事業につきましては、昨年度には作家の若竹千佐子さん、今年度は映画監督の大友啓史監督に講師として御講演いただいております。また、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催の際には、日本ラグビーフットボール協会の森重隆会長などに御尽力していただき、あと、女優の志田友美さんには各種セレモニーとかイベントに参加していただいているところでございます。
〇郷右近浩委員 資料をいただいた中で、文化大使は令和元年12月4日現在で145名ということで、またさらには、岩手においてはILCサポーターとして登録していただいている方や、さまざまな形で岩手のPRに一役買っていただいている方々がいらっしゃると存じております。
 そうした中で、今、具体例を挙げていただきましたけれども、ただの広告塔ではなくて、しっかりと岩手を売り出すアイデア、企画などを持っている方々もたくさんいると思っているわけでありますが、その中で、さらに実働隊として動いてもらう観点もあっていいのかなと思っているところであります。部局としてさらに求めていくこと等あれば、その点についてお伺いしたいと思います。
〇中村文化スポーツ企画室企画課長 委員御指摘のとおり、希望郷いわて文化大使につきましては、学術、文化、スポーツなど各界で活躍されている方が委嘱されているということでございます。
 希望郷いわて文化大使の役割につきましては、設置要領によりますと、県外の方に委嘱しているということで、本県の文化を中心とした魅力ですとか情報等について積極的にPR活動を行っていただくことですとか、あるいは県のイメージアップにつながる意見や御提言、情報提供をいただくことなどとされておりまして、基本的には、その役割に応じて文化スポーツ部の取り組みを支援していただきたいと考えておりますけれども、委員御指摘のとおり、大使の方々に御活躍いただくことで、事業がより充実したものとなることから、文化、スポーツ分野における岩手ファンの拡大ですとか交流人口の拡大に御協力いただきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 私自身もいろいろな形で活躍していただきたいと思っているわけでありますけれども、今回いただいた名簿の中に、IMGJapanのCEOを務められている菊地さんという方がいらっしゃいます。ほかにも各界で活躍している方がいらっしゃるわけですけれども、その菊地さんとちょっと話をさせていただきました。彼の会社がラグビーワールドカップにもかかわっていたりといった中で、今回カナダ対ナミビアの試合をどのような形で進めていくのかということを皮切りにちょっと話をさせていただいて、その中で、岩手ではもっといろいろやっていいのではないのか、私自身が持っているつながりを使ってやるのであれば幾らでも協力を惜しまないよ、といったお話を聞いております。
 例えば、以前に北上市で開催したアジアマスターズの陸上大会を世界マスターズというような形で。アジアマスターズのときは全体で3、500名ぐらいの選手、役員の参加者でしたが、世界マスターズとなると1万人を超えると。これまでの実績値だと、おおよそ1万1、000人ぐらいですか、そのような形になるものであったり、これも、もちろんIMGJapanでいろいろな形でかかわっている。また、さらには、例えばミスユニバースの開催などにおいても、25日間ぐらいイベントをやる中で、ゲストや出席者に4、000人ぐらい来ていただくと。また、この放映については、約6億人の方々がテレビで見られるであったりとか、さまざまな効果が出ると。そしてまた、その出場者の方々をその地域の、例えば岩手で開催するなら岩手の各地域のイベント等に引っ張り出して、広告塔になってもらえるという効果にも使えるといったものでありました。
 そのように、この岩手を盛り上げていくためにいろいろやれることがあるのだけれども、こうしたものはどうだろうといったアイデアを持った方々に、さらに力を発揮していただいて、そして、岩手の新しい未来に向かっていく力にしていただければと思います。そのような観点というか、さらに深く、大使の方々と一緒になって、この岩手を盛り上げるべく進めていこうと、そのようなお考えはどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
〇中村文化スポーツ企画室企画課長 御指摘のとおり、希望郷いわて文化大使につきましては、さまざまな専門分野の知見を持っている、あるいはノウハウ、経験等を有しているということでございまして、それらを事業運営に生かしていくことは、当部の事業を充実していくためにも有効であると考えているところでございます。
 県といたしましては、一部、今年度も大使を活用しながら事業運営をしてきたところでございますけれども、来年度も、さまざまな事業がありますので、事業の目的とか内容によりまして、文化大使の専門的な知見等もおかりしながら、より効果的な事業展開を図っていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 せっかく岩手の応援団と言うべき方々であります。そうした方々の力をかりて、この岩手を盛り上げるべく、また頑張っていただきたいと思いますが、この件に関して部長の所見を聞いてもよろしいでしょうか。
〇菊池文化スポーツ部長 まさにさまざまな、海外で活躍されている方々も含め、幅広く文化大使を委嘱させていただいておりまして、繰り返しになりますが、いろいろなノウハウやネットワークの肝を押さえていらっしゃるような方々、ビジネスにもつながるようないろいろなアイデアを持たれている方々がたくさんいます。いろいろな形で御意見をいただいて、県としても、限られたマンパワー、行財政資源ですね。財政的にも限界はございますので、民間活力の活用という観点からも、そういったネットワークを駆使して、これから文化振興、スポーツ振興、さらには県勢発展へとつながるような取り組みにもなるものと思いますので、特に配意して考えていこうと思っております。
〇神崎浩之委員 平泉の世界遺産について1点、爽やかに質問してまいります。毎日毎日新型コロナウイルス感染症続きでありますけれども、岩手の観光もことし非常に落ち込むのではないか。そういう中にあって、平泉の世界遺産が10周年を迎えるということでありますので、お聞きしてまいります。
 冒頭、部長も、この拡張登録とガイダンス施設について述べられておりました。まず初めに、平泉世界遺産の拡張登録の進捗状況、スケジュール、見通しについてお伺いいたします。
〇佐藤世界遺産課長 平泉の拡張登録の進捗状況と見通しについてでありますが、平成29年の文化審議会において新たな物証を示すことなど複数の課題が提示されたことや、幾つかの遺跡については、海外から招聘した世界遺産の専門家から、価値の証明になお時間を要することが指摘されたことから、引き続き、文化審議会から提示された課題等を解決するため、県と関係市町が、それぞれ所管する遺跡について、発掘調査など調査研究を進めているところであります。
 今年度は、柳之御所遺跡について、海外から考古学や仏教史などの専門家を招聘して国際研究会を開催し、仏国土(浄土)としての学術的検討を行い、一定の成果が得られたとともに、再推薦に必要となる史跡の追加指定についても進展が見られたところです。
 令和2年度は、国や専門家の指導のもと、関係市町と連携し、引き続き、価値証明の取り組みを継続するとともに、推薦書案の提出に向けた準備を進め、早期に追加登録が実現されるよう取り組んでいくこととしております。
〇神崎浩之委員 柳之御所につきましては、県のほうでも大分大きく支援をしていただいておりますので、ぜひかなうように御尽力いただきたい。
 次に、ガイダンス施設の進捗状況を全体予算も含めてお伺いしたいと思います。これは、世界遺産からは外れておりますけれども、まさに柳之御所遺跡の真ん中という位置づけでもありますが、お伺いいたします。
〇佐藤世界遺産課長 ガイダンス施設の進捗状況についてでありますが、建物の建築工事につきましては、令和元年11月に着工し、令和3年5月の完成に向け工事を進めているところでございます。
 展示内容につきましては、昨年度末に策定した展示基本設計をもとに、地元関係者を含む有識者委員会からの指導や、平泉町など関係市町の意見を受け、今年度末に展示実施設計を取りまとめる見込みとしておりまして、令和2年度は、模型やパネルなど、展示資料等の制作に着手することとしているところでございます。
〇神崎浩之委員 次に、世界遺産は10周年を迎えます。ということで、ことし大きく観光客が激減する、その復活を目指して、今から10周年の取り組みについて頑張っていただきたい。その上で、進捗状況と、町と一緒になった企画、それからプレ大会みたいなこともあるのかどうか。それから、委員会を設置する等の県の動き、地元とのタイアップした企画についてはどのようになっているのか、お伺いいたします。
〇佐藤世界遺産課長 平泉登録10周年への取り組み状況等についてでありますけれども、世界遺産登録10周年に向けましては、登録5周年の取り組みをしっかりと踏まえながら、平泉町を初め関係市町や関係団体により、事業の推進組織を設置し、令和3年度の10周年事業実施の準備を進めることとしております。
 特に、平泉の文化遺産ガイダンス施設においては、登録10周年の令和3年度の開館に向けて準備を進めておりまして、世界遺産平泉のガイダンスとともに、体験学習や調査研究など、情報発信や来訪者対応の拠点となる施設として、市町と連携した事業展開を検討することとしております。
〇神崎浩之委員 町との連携を濃厚にとっていただきたい、連動していただきたいと思っております。昨年もガイダンスハウスができる、そして、もともと町の文化遺産センターもあるということで、観光協会があったり駅があったりということで、そういう既存の町の施設等との連携、連動、役割分担がうまくいくのかどうかということを心配しております。それから、環境が大きく変わります。平泉のスマートインターチェンジもできますし、そこに車を置いて、道の駅とかを含めてバスで周遊させるような観光客の誘導体制をとりたいということもあります。そんなことも含めて、特に平泉文化遺産センターの関係、それからスマートインターチェンジ、道の駅等々、十分に町と連携をとって、一体的な取り組みを進めていただきたいと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
〇佐藤世界遺産課長 平泉町との連携等についてでありますが、ガイダンス施設の整備に当たっては、これまで基本構想の策定、基本計画の策定、展示基本設計の取りまとめなど、それぞれの段階で県と関係市町等で構成する岩手県世界遺産保存活用推進協議会において協議しながら、進めてきたところであります。また、有識者で構成する平泉遺跡群調査整備指導委員会におきましても、関係市町に出席いただき、情報の共有を図りながら検討を進めてきたところであります。
 来年度におきましては、ガイダンス施設の展示内容を初め、登録10周年を見据えた取り組みとして、完成後のガイダンス施設を活用した教育、展示活動や普及啓発などの市町と連携した事業の展開について検討していきたいと考えておりまして、その検討の中で、町の文化遺産センターとの役割分担なども具体化させていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 最後にしますが、一つ、町だけではなくて、観光客は一ノ関駅におりますので、そことの連携もぜひ考えていただきたい。
 最後に部長に聞いて終わりますけれども、これらについて、どのように職員の皆様に部長の思いを残していくのか。冒頭に言いましたけれども、ことしは観光客の入り込みが大幅に打撃を受けるということで、その次を目指して、この世界遺産の10周年に踏み込んでいっていただきたい。その中で、釜石もありますし、それから御所野もあります。10周年とそこをやはりつなげていただきたい。特に平泉、そして釜石―と言っても遠野の延長ですよね。ということで、実は釜石と言いながら、遠野の観光にも、そしてそこから沿岸に向かうというルートでもあると。平泉、そして橋野鉄鉱山、そして御所野遺跡、この活用についても、残る職員の皆様に対する気持ちと、それから次のステップにおいても、これを起爆剤に岩手の観光振興につなげていただきたいと思いますので、そこをお願いいたします。
〇菊池文化スポーツ部長 御所野遺跡は、御案内のとおりでございますが、登録となれば、奈良県と並んで世界文化遺産三つを有する県になるということで、これは望んでもなかなかすぐには、あるいは物理的にも歴史的にもなかなか、どこにでも機会のあるものではなくて、岩手ならではの強みになると思っております。
 観光振興においても、観光所管部局のほうで当然考えているわけですが、世界遺産というのはかけがえのない強力なアイテム、コンテンツでございまして、これから交流人口の拡大、あるいはいろいろな地域とのつながりを形成して、持続的に岩手県に人が訪れ、いろいろな消費をしていただいて、魅力を味わってまた来てもらう、あるいはそこに二地域居住など、いろいろな形で岩手県とかかわっていただけるような状況をつくっていくことは、まさに各部の共通した課題でもあると思っております。
 文化スポーツ部としても、そうした価値をよく理解していただいて、滞留していただく、さらには周遊していただく、そして何かを学んで、またテーマを見つけては来ていただくというような好循環をつくっていくような魅力づくりが―特に10周年を契機としてガイダンス施設も整備されます。先ほど答弁しましたように、平泉の周辺環境もいろいろ整備してくる中で組み合わせながら、さらには世界遺産関連ネットワークなども整備を進めて、より魅力ある岩手にしていくことが重要だなと考えております。
〇工藤大輔委員 それでは、スポーツ関係についてお伺いをしたいと思います。
 まず最初に、競技力向上に向けては、スポーツ医・科学サポート、指導者養成などさまざまな分野について、これまで県でも取り組んできたと思っております。その中で、希望郷いわて国体に向け養成したいわてアスレティックトレーナーは、当時60名ほど養成したと思いますが、いわて国体後の活動状況はどのようになっているのか、その評価とあわせてお伺いします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 いわてアスレティックトレーナーの活動状況ということでございます。
 御指摘のとおり、このトレーナーは、平成20年度から希望郷いわて国体に向けてトレーナー養成ということで開始したものでございまして、委員御指摘のとおり67名を養成したということでございます。その方々につきましては、いわて国体後、岩手県のスポーツ医・科学に基づいた選手へのサポート等、各競技団体からは高い評価をいただいたところで、私どもとしても非常にありがたい言葉を頂戴したというように考えております。
 この方々の現在でございます。令和元年度は、実際に活動しておられる方は22名となっております。また、競技団体からニーズが高い女性のトレーナーもその中におりまして、22名のうち2名が女性のトレーナーということで、これらの方々は、競技団体からの要請に基づきまして、合宿などの強化事業でのトレーニング指導でありますとか、東北総体または国体に行っていただいて、コンディショニングなどのサポートを行ってきておられるという状況でございます。
〇工藤大輔委員 67名養成した中で実質22名ということで、活動の実績からすると、人数的には少し少ないなと感じるところです。私も、幾つかの競技団体のほうからそういった声も以前から聞き、これまでも質問等で、新たに養成する時期ではないのかというようなことを申し上げてきたと思っております。
 そういった中で、今年度、新たに養成する事業を進めておりますが、当初は30名程度養成するのかなと思っていたのですが、現状についてお伺いしたいと思います。その中で女性はどの程度いらっしゃるのかについてもお伺いします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 いわてアスレティックトレーナーの第3期ということで、今年度から募集している件でございます。
 私ども、当初、平成25年度でこの養成を終了しております。その理由につきましては、東日本大震災津波がありました。また、プログラムの設定等々を抱えまして、養成できなかったというか保留してきました。また、委員からの新たなトレーナー養成の必要性ということも勘案しながら、今年度から第3期生ということで、いわてアスレティックトレーナーの養成を開始したところでございます。
 3年間かけて養成いたします。私どもは、正確には15名ぐらいということで募集したところ、60名の応募がございまして、その60名の方全てを受講者として、3年間アスレティックトレーナーとして養成したいと考えております。そのうち女性トレーナーにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、競技団体から女性のアスリートはやはり女性のトレーナーという声も強くございまして、14名の応募があったところでございます。
〇工藤大輔委員 そうすると、女性もこのまま進めば以前よりふえ、競技団体からの今のニーズに人数的には十分合致するかと思いますけれども、養成するまでの数年間も含めて、少しタイムラグがあるかと思います。その間、各種大会の競技力向上に向けてどのようにしていくのか。また、当初養成された67名の方々にも改めて再度お願いしながらも、活動を強化しなければいけないと思いますが、それに向けての考えをお伺いします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 競技団体からのニーズに十分に応えているのかという質問かと思います。
 国体の種目は41ございまして、今年度は29の団体からトレーナー派遣の要請を受けております。個々のトレーナーの方の希望等も含めて、各競技団体へ派遣、具体的には大会等に派遣しているという状況でございます。競技団体からは、1人ではなく複数派遣してくれと。あと、先ほど申し上げたように、女性トレーナーを派遣してほしいというリクエストがございます。ゆえに、要請の全てには応えていないというのが現状ではございますが、そこを改善しようという形で、今回のトレーナーの養成ということでございます。
 委員御指摘のように、3年間の養成でございますとタイムラグが当然生じることになりますが、これにつきましては、先ほど申し上げました第1期で養成した方々の再登場、また私どもの職員にも医・科学専門員がおりますので、その専門員等を補充的に競技団体等へ派遣しながら、タイムラグを埋めるような形に努めていきたいと考えております。
 また、トレーナーということではございませんが、いろいろと知見を有する私どもの職員もいますので、その職員を、トレーナーというよりは、アドバイスを発したりという形で、各大会等に参加させているという状況をつけ加えさせていただきます。
〇工藤大輔委員 わかりました。日本体育協会のアスレティックトレーナー養成に、毎年1名、岩手県からも推薦し育成されているわけなので、合わせて体制を整えながら進めていただきたいと思います。
 それから、障がい者スポーツ向けにも派遣を強化するという文言もございました。また、近年パラスポーツに向けてのサポートを県は強化しているなというように感じ、来年度の予算の内容を見ましても、パラリンピックあるいは障がい者スポーツ、さまざまそういったパラスポーツに向けての事業が盛り込まれております。障がい者アスリートの発掘、育成を進めながら、練習環境はまだまだ十分ではない中にあって、どのような形で来年度は取り組もうとしているのか、お伺いします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 障がい者スポーツの振興、特にアスリートの養成ということでございます。
 ことしは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の年でもございまして、障がい者スポーツ、また共生社会への国民、県民の理解も一層高まっていく、そういう期待を私どもしております。そういう中で、障がい者アスリートのさらなる技術力の向上ということで、新たな事業といたしまして、パラアスリート拡張支援事業という名称のものでございますが、当初予算案に計上させていただいたということでございます。
 ちょっと長くなりますが、この事業は三つの柱で構成しております。説明をいたします。まず一つは、障がい者アスリートを分析、もしくは障がい者スポーツ協会からの意見等を踏まえて考えているのですが、複数の競技種目に取り組む機会をつくりたいと。例えば、夏のスポーツをされている方が冬のスポーツもできるという形のものが、経験則もしくは他県の例等でございますので、例えば冬に行いますカーリングを夏の選手にもやっていただく機会を増やすとかであります。二つ目は、コーディネーターを配置いたしまして、スポット的に学校でありますとか所属している会社等を巡回訪問しながら、アスリートの資質がある方を発掘しよう。また、三つ目は、より高いパフォーマンスを発揮できるように、車椅子を初めとした競技用具がございまして、結構高額でございますので、これを県のほうに整備して貸与しようという形の、三つの柱で構成しているものでございます。
 これを進めるに当たりましては、私ども単独でということではなくて、障がい者スポーツ協会からの意見も十分に取り入れながら、事業化をさせていただいたということでございます。
 また、これと同じような形で、裾野の拡大ということでございまして、障がいのある子供たちがスポーツの機会をいっぱい得ようということで、新たにバスケットボールとテニスの子供用車椅子も購入しようと思っています。これも障がい者スポーツ協会に置いて、手続きして子供たちに貸与しながら経験してもらうというような形で、令和2年度は裾野の拡大につきましてもしっかり取り組む考えでございます。
〇工藤大輔委員 お伺いしたいと思ったことを答えていただきましたが、いずれ環境はまだまだ整っていないなと思っております。私の地元でも、大井利江さんは、長くパラリンピックの第一線で活躍されて、また大会にも出場するわけですけれども、投てき等の競技でみれば、投げたものを取ってくることが必要で、周りのサポートも必要なのですけれども、本当に奥様と二人三脚で取り組まれてきたということで、環境という意味では、器具だけではなくて、企業の理解であったり、学校側の発掘をするような形においても理解をしていただきながら、とにかくさまざまな環境を整えていくということが、理解をふやしていくというのが、これからもまだまだ必要だと思いますので、そういった分野についても、さらに取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、スポーツイベント、合宿等の誘致についてお伺いしたいと思います。今年度の誘致実績を踏まえ、来年度どのように取り組むのか、見通しとあわせてお伺いしたいと思います。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 スポーツイベント、合宿等の誘致の件でございます。
 私どもは、平成29年度にいわてスポーツコミッションというものを組織いたしまして、市町村と競技団体等とともに、合宿相談会でありますとか、いろいろな展示会への出展等を行ってきております。平成29年度から平成30年度、令和元年度についてはまだ集計中でございますが、その流れで申しますと、国際大会、全国大会は、平成29年度の19大会から、平成30年度は26大会。そして、また、合宿につきましては、平成29年度の45チームから平成30年度は60チームという形で、着実に増加しているのではないかと考えております。
 来年度につきましては、このような取り組みを進めるということでございますし、東京で2回の合宿相談会を行っております。ここでは、本県の夏の冷涼な気候、そして冬は上質な雪質でありますとか、またホスピタリティーと申しますか、おもてなしの心もあるという形をアピールしながら、大学チームであるとか中央競技団体等の訪問もあわせながら、さらなる増加を図りたいと考えております。
〇工藤大輔委員 沿岸のほうの広域振興局長の取り組みの中でも、この分野を強化したいということで、総合計画の中にも載っているところでもあります。特に沿岸部のほうは、やませの気候もあるので、夏はかなり冷涼なので非常にいいのかなと思いますけれども、いかんせん距離もあったり、あとは、市町村それぞれ、宿泊なのか何なのか、協力を求めたりさまざま必要なものが出てくるかと思います。そういった意味で、市町村の協力体制はどのような状況になっていると感じているのか。あわせて、スポーツの練習環境は非常に市町村も整っているものもあると思いますので、野球場等も含めて、特に特色を持って取り組む必要もあると思います。あと、今後どのようなスポーツを特に誘致していきたいかなど、取り組みの強化方針等があれば、お示し願いたいと思います。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 今後の取り組みのポイントと申しますか、重点的な事項と考えてお答えいたします。
 市町村との協力体制でございます。いわてスポーツコミッションには全市町村加盟しておりますし、先ほど申し上げました合宿相談会への市町村の出席も、昨年度は、夏に行ったときは8市町村でございましたが、冬に行った2月は14市町村と、確実にふえている状況でございまして、私ども個別の市町村だけ単独で誘致というのはなかなか難しい面もありますので、複数の市町村とタッグを組んだような誘致もあわせて提案するという形にしております。
 また、特色のある誘致ということでございますが、例えば釜石鵜住居復興スタジアムは、当然、私どもはチラシに入れながらPRしておりますし、また三陸沿岸道の完成等も見据えながら、岩手の震災からの変化というハード面もPRして、行っていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、生涯スポーツの推進についてお伺いしたいと思います。
 生涯スポーツ推進費の中の、地域スポーツ推進事業で、総合型地域スポーツクラブの育成や活性化等支援ということで、令和2年度も進められるということをお聞きしております。総合型地域スポーツクラブというのは、県民が身近な地域でスポーツを楽しむ機会をその地域の人たちがつくり上げていくものであって、県内でも非常に先進的な取り組みをしている地域もありますし、反対に、なかなか取り組みが進んでいないという地域もございます。この県内のスポーツの格差是正というのを文化スポーツ部ではどのように考えて進めていこうとお考えなのか、お伺いいたします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 総合型地域スポーツクラブは、県内26市町村に58クラブ創設されておりまして、会員の数を足しますと約1万3、000人余という形になっております。しかしながら、7市町村ではまだできていないという状況にございまして、県といたしましては、まず、このような総合型地域スポーツクラブの設立を応援しようということで、県の体育協会に委託いたしまして、岩手県広域スポーツセンターというものを設置して、この活動を通した支援をしているという状況にございます。
 ただ、委員お話のありましたとおりに、総合型地域スポーツクラブの中では、競技等のスポーツ教室でありますとかキッズの運動教室、親子交流イベントなど、いろいろなイベントを仕掛けているクラブがある一方で、運営するスタッフが少ないでありますとか、運営のノウハウがないということで、十分な活動ができていないクラブがあると私どもは認識しております。そのため、先ほど申し上げました岩手県広域スポーツセンターと情報共有等を図りながら、来年度は、総合型地域スポーツクラブの活動状況の調査でありますとか、クラブの運営等々に向けた支援、助言をさらに進めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 そうですね。地域の人たちがつくり上げていく部分もありますので、格差というのは通り一遍に是正されるものではないというのは、私も認識しています。
 ちょっと違う観点で見ると、文化スポーツ部では、いわてスーパーキッズ発掘の事業をされています。スーパーキッズの取り組みによって、スポーツの世界で世界的に活躍する若者というのは確実にふえてきています。私もこの取り組みには別に反対だというわけではないのですが、このスーパーキッズの事業で培われたものを普通の子供たち、普通のキッズに波及していくように本当は進めていくべきことなのではないかなと思っています。もちろんスーパーキッズはスーパーキッズとして、能力の高い子供たちに、さらにその能力を高めてもらうような事業をしていくのもいいのですけれども、その中で、いろいろ携わってきた方々が、普通の子供たちにとっても有効な取り組みを見出しているのではないかと思っています。ですので、そういった波及効果をつくるような取り組みを、この総合型地域スポーツクラブのあり方とも組み合わせて、ぜひ進めていっていただきたいなと私は考えているのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 スポーツ医・科学の知見を生かしました関係でございますが、私どもの職員が、既に、小学校でありますとか中学校から要請されまして、実際に学校現場に行って、児童生徒に、体操の仕方でありますとか栄養の必要性等々を行っておりますので、こういった取り組みを来年度ふやそうというように考えております。最近では、新聞報道もされましたが、中学校に私どもの職員が行きまして、受験生に心身ともに、どういう体操をしたらいいとか、栄養的にどういうものを食べたらいいのかという具体的なものを伝えながら、委員御指摘のような取り組みに努めているという一端もございますので、来年度もさらに派遣数等をふやしていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 取り組みの内容を教えていただきました。私もスポーツ医・科学の授業については、最初からこれはいい授業だなと思っていましたし、それが中学校の普通の子供たち、それから小学校の普通の子供たちにも波及していくような取り組みをしていただいていることに、本当に感謝をしております。
 一方で、この質問をしておりますのは、普通の子供たちというか、スーパーキッズ以外にも、普通にスポーツをしていく子供たちをさらにふやしていかないと、岩手県は肥満の子と運動をする子が二極化しているという現実もあります。それから、子供たちの人口が減少しているので、スポーツをする機会も地方のほうではだんだん少なくなってきているなというのをひしひしと感じています。特にチームスポーツなどは、人数が足りないということで、スポーツ少年団が徐々に減ってきているという現状もありますので、何とかいろいろなスポーツを小さいときからできるような環境というのを、私たちもちょっと今までの枠を外して考えていかなければならない時期なのではないかと思って、提言させていただいています。
 この総合型地域スポーツクラブの事業を国が進める初めのほうに、とても特徴的な事例があったので、これもこれから岩手県でも考えていかなくてはいけないのかなと思ったので、少し御提案をさせていただきます。
 どんどん子供の数が少なくなっていった地域で、結局、チームスポーツができなくなったので、この総合型地域スポーツクラブの枠組みを利用して、スポーツ少年団が集まってこのクラブを設立して、そして地域の子供たちにいろいろなスポーツをするような機会をつくろうというような形で運営されているところが―県内ではないのですけれども、ありました。これは、もしかしたら、将来的に岩手県内でも、そういった形で考えていかなければいけないのかなと思っています。ただ、その難点としては、スポーツをそれぞれ今、年間を通してみんなやっているので、大会が重なって、野球をやって何とかをやってというようにできないのが、今の岩手県の現状なのではないかと思います。
 ですから、これから長い目で見て、シーズンを分けたりしながら、小さいうちは二つ、三つの競技をやれるような環境をつくっていくということを、文化スポーツ部だけではできないかもしれませんが、教育委員会とか中体連、高体連を巻き込んで、ぜひそういったことを考える機会をつくっていただきたいと思っております。その点については、今はないとは思うのですが、どのようにお考えなのかを、では、部長にお聞きしましょうか。お願いいたします。
〇菊池文化スポーツ部長 まさに、健やかに生涯にわたって、スポーツといいますか、まずは運動です。日ごろ運動することで健康な生活を送っていただくというのが、体育であったりスポーツ振興であったりの根源的なところでございまして、地域によって、あるいは子供たちの構成によって、広く一般的なスポーツができないような状況になってはならないとは思っております。
 それで、お話しいただいたように、総合型地域スポーツクラブが中心となった機会の提供もあります。また、クラブ活動との連動のお話になりますと、今、教育委員会とも連携して、基礎調査研究等を進めることとしていますが、またクラブ活動のあり方についても整理しながら、子供たちにとってよりよいスポーツ、運動する環境の整備に向けて、取り組みを進めていく必要があるという認識をしております。今年度も頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇ハクセル美穂子委員 ありがとうございます。これは将来的なビジョンのところになってくるお話なので、ぜひ少しずつでもいいから進めていただきたいと思っていますし、小学生のうちは、いろいろなスポーツをして、いろいろな筋肉をしっかりと発達させることというのが、スポーツ医・科学のほうでも言われていますので、ぜひその点について御配慮いただいて事業を進めていただきたいと思います。これは要望して、終わります。
〇臼澤勉委員 私からは、文化スポーツレガシープロジェクトの中で、今までもハクセル委員とか工藤大輔委員からもありましたスポーツ医・科学の取り組みについてお伺いいたします。
 私の視点は、スポーツの力を使いながら、健康な社会の実現にどう取り組んでいくのか、大きなテーマになっていると思っております。それで、これまでのアスリートの強化策の振り返りと、本県の取り組みの特性をどう分析して新年度予算に反映しているのか、この視点からお伺いいたします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 アスリート強化に関するこれまでの振り返りと新年度予算でございます。
 競技力向上につきましては、これまで、医療関係者ですとか大学と連携いたしまして、四つの柱、つまり、組織の拡充、強化とか指導体制の確立、そして選手の育成、強化、スポーツ医・科学サポート体制の拡充を柱としながら各種事業を展開しております。委員御指摘のスーパーキッズ事業でありますとか、スポーツ医・科学の知見に基づいたサポートが代表的な例でございまして、これが本県の取り組みの特性と考えております。
 その結果といたしましては、御案内のとおり、希望郷いわて国体では第2位、また、いわてスーパーキッズ事業では小林陵侑選手の活躍等々がございまして、着実にこれらの取り組みが成果を上げているのではないかと考えております。
 来年度予算への反映でございますが、今までの取り組みを一層強化いたしまして、上位の入賞を狙える層の厚みを増すために、トップアスリートのちょっとした―ちょっとというのは失礼でございますが、新たに、それに準じた能力があるアスリートへの活動支援を行います。また、例えばカヌー艇とか自転車とか、競技によって用具で差がつくということにつきましては、これを県で整備して対応する新たな事業を計上しているところでございます。
〇臼澤勉委員 さまざまな取り組みがありますし、スーパーキッズにおいても、若いときから多様な種目を経験する、例えば野球をやっている子供はボクシングをやったり、ラグビーをやったり、そういう機会を育てていただいているのは私も実感しておりますし、評価をしております。一方で、部活動での負傷の状況をいただいております。種目別に見ても、野球とかバスケ、年間200件くらいのけががありまして、こういった意味でもけがのないように、そして若いときに負傷したりすると、自分の夢の実現がなかなか達成できない部分もあって、私の周りにもそういった選手が多くおりました。ただ、挫折もある意味それもまた人生、いい意味で転換していかなければいけないと思っております。
 そこで、指導体制をしっかりとしていく必要があろうと思っております。スポーツ医・科学面の視点からの指導体制、さらなる充実にどう取り組んでいくお考えなのか、お伺いいたします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 私ども、指導体制につきましては、競技力向上を図る等々において重要な取り組みと考えております。これまでも、委員御指摘の、最新のスポーツ医・科学の知見を有する講師による講習会、また、国体の監督でありますとか県体協の指定するトップコーチ、チームなどに、競技力向上を担うような受講を進めながら指導者の資質向上に努めてまいりました。
 一方で、インテグリティーの話がございました。これにつきましても、昨今いろいろと言われておりますので、研修会、中央からの講師等を集めながら、指導の徹底等に努めてきております。
 また、資質向上の取り組みといたしましては、先ほど申し上げましたいわてアスレティックトレーナーの養成を今年度から開始し、また、競技団体から要望の強い女性トレーナーも含めた指導者の人材育成を進めていきたいと考えておりまして、今後とも、コーチングでありますとか栄養学の指導等々、スポーツ医・科学に立脚した指導体制のさらなる充実に努めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 けがの予防も含めて、指導体制の充実に努めていただきたいと思います。
 そして、スポーツは、競技力向上の面もありますけれども、私は、幅広い年代で健康づくりと体力の向上に向け、これから県政課題としても重要な取り組みが求められてくると思っております。そういった意味で、スポーツ医・科学の知見に基づく運動プログラムの提供の推進、新年度に向けて新たな取り組みや重点的な取り組みをどのように図っていこうとお考えか、お伺いします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 健康づくり事業の関係でございます。
 私ども、現在でも、スポーツ医・科学の知見を有するスポーツドクターでありますとかスポーツ栄養士、トレーナー等の専門家を講師としていろいろなところに派遣しておりまして、子供から高齢者までの幅広い年代の、健康づくりと体力向上の取り組みを支援しているところでございます。
 データだけ申し上げますと、平成30年度の取り組みでは、私どもの職員を学校とか企業等に派遣する事業でございますが、全部で41団体、参加人数が5、638名でありましたが、令和元年度には44団体、6、552名参加していただき、増加傾向にあると考えております。
 具体的な例を申し上げますと、社会福祉法人遠野市保育協会には、保育園とか児童クラブ職員へのトレーニングの指導とか、滝沢市の消防団員へのトレーニング指導、また、いわて転倒予防研究会が企画した取り組みに対して、私どもで転倒予防に関するトレーナーの派遣という形で、幼児、児童から幅広い年代への支援という観点で進めているわけでございまして、今後とも、こういう幅広いニーズに対応した職員の派遣等を考えております。
〇臼澤勉委員 そういった中で、ことしは御案内のとおり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の年でありまして、この年こそ、今まで凍結になっておりましたスポーツ医・科学サポートの拠点のあり方を含めて、再度、検討に着手すべき年になってくると思います。この東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を機に、岩手のスポーツあるいは健康づくりの取り組みがまたさらに前に動き出したということを、また次の世代に向けて残していきたいと思っております。そういった視点から拠点のあり方、どう考えて研究を進めていくのか、御所見をお伺いいたします。
〇藤田参事兼スポーツ振興課総括課長 スポーツ医・科学サポートの拠点のお話でございます。
 いわて県民計画(2019〜2028)では、スポーツ医・科学の知見を生かした健康づくり、競技力向上を図るために、いわてスポーツ推進プラットフォームを構築いたしまして、その活動拠点の整備に向けた検討を行うことにしております。この方針を受けまして、今年度、私ども新たに産学官のメンバーで構成するいわてスポーツ推進プラットフォーム研究会を設置いたしまして、プラットフォームに求められる機能とか体制等についての議論、もしくは検討に着手しております。
 そのスポーツに関する視点といたしましては、先ほど委員からお話がありました県民の健康増進とかアスリートの育成、また、交流人口の拡大でありますとか、スポーツ資源を生かしたビジネス展開等、幅広い点について整備することになっております。
 今後とも、この研究と申しますか検討を進めまして、まずはスポーツ医・科学などのソフト面での取り組みを先行して、民間の活力も活用したこれらの一層の充実を図りながら、引き続き、先ほど申し上げました研究会において、そのプラットフォームの設立に向けた動きを加速していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 このいわて県民計画(2019〜2028)の政策推進プランの工程表にも、まさに今答弁のありましたスポーツ推進プラットフォームの構築ということで、2019年については組織の検討、そして2020年からは設置運営をして、整備に向けた検討を2022年までの工程で進めていくということであります。その際にも、市町村との連携によるスポーツの拠点化の取り組みもしっかりと図りながら、活動推進プラットフォームの構築に向けて前に進めていただければと思います。
 最後に、部長の御所見をお伺いしまして終わりたいと思います。
〇菊池文化スポーツ部長 スポーツの拠点づくりのお話でございます。委員からお話しいただきましたようなプログラムに沿って、検討、研究作業等を進めていくこととしております。刻々と状況、技術革新等もございますので、行政だけではなかなかしっかりとしたもの、そして持続的なもの、システムをつくっていくには大変ですので、民間の活力、民間の知恵も生かした拠点整備ということで、まずはソフト面から考えていくことにさせていただいております。また、市町村でも、既存の施設をどうバージョンアップするか、機能強化するかということもありますし、あるいは集約されたり、いろいろなリストラクチャリングの方法があると思いますが、いろいろ御検討されているのも伺っているところでございます。岩手県全体として、各地域がスポーツを支える、そして進行するポテンシャルを高めていくように、いろんな形の連携があると思いますので、それについては今後も検討していくことになると考えております。
〇佐々木朋和委員 私からも世界遺産について御質問をさせていただきたいと思います。
 本年度は橋野鉄鉱山の登録5周年、また、令和3年度は平泉文化遺産登録10周年、そして7月に御所野遺跡の登録となれば、先ほど部長がおっしゃっておりましたとおり、奈良県と並んで世界文化遺産を3件抱える県となります。その中で、世界文化遺産登録効果の持続ということで御質問させていただきたいと思います。
 この橋野鉄鉱山、また、平泉文化遺産の世界遺産登録から現在の入り込み数の推移はどのようになっているのか、また、所感も含めて伺いたいと思います。
〇佐藤世界遺産課長 世界遺産への現在までの入り込み客数の推移等についてでございますが、まず、平泉ですが、世界遺産に登録された平成23年は125万9、000人、平成24年には170万4、000人と最大となりまして、平成30年は88万8、000人となっております。橋野鉄鉱山では、世界遺産登録直前の平成26年が6、000人、登録された平成27年は4万3、000人と最大となりまして、平成30年には1万3、000人となっております。
 世界遺産を広く理解してもらうためには、世界遺産へ直接来訪していただくことが特に重要であり、来訪者数を確保していくことは必要なことと認識しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 登録から時が過ぎれば、やはり効果は薄まっていくということは、一方ではしようがないことでありますが、登録5周年あるいは10周年という節目にアピールしていく、また、検証を深めていくことで、この効果を持続させることが重要だと思います。今、文化財についての計画も立てていらっしゃいますが、活用が大きなテーマになっている。また、人口減少対策、ふるさと振興戦略の中でも、岩手で暮らす、岩手とつながるという中で、文化財についての観光客数を確保していくこともKPIになっていることを考えれば、この数字は重要だろうと思っております。
 一方で、商工労働観光部の平泉への観光入り込み客数を見ると、増加傾向となっているわけです。平泉文化遺産入り込み客数の減少、それと平泉への観光入り込み客数との対比をどのように分析されているのか、お伺いをしたいと思います。
〇佐藤世界遺産課長 平泉への入り込み客数の分析についてでございますが、観光入り込み客統計では、平泉町内の観光地点、行事や祭り、イベントに訪れた人数等を調査しているところでございます。一方で、世界遺産平泉の来訪者数は、中尊寺や毛越寺などの構成資産に訪れた人数を調査しておりまして、調査地点など調査方法の違いはございますが、基本的には連動しているものと捉えております。しかしながら、平成29年と平成30年におきまして観光入り込み客数が増加し、世界遺産平泉の来訪者数の増減が対応していないことにつきましては、道の駅平泉など集客力のある施設が整備されたことなどにより、観光入り込み客数のみが増加したことによるものと捉えております。
〇佐々木朋和委員 御指摘をいただきました。まさに道の駅ができると、観光入り込み客数は、例えばツーポイントに10万人、10万人行っていた。今までは一つの地点しかなかったから10万人だったのが、同じ人が2カ所に行くと20万人とカウントされてしまう。そういう数字のマジックがあるわけであり、今後、ガイダンス施設が整備されると、またお客様が行っていただくポイントができて、また平泉の観光入り込み客数は増加したけれども、一方で、世界遺産への入り込みはどうなのだという議論が出てくると思って指摘をさせていただいているところであります。
 ちなみに、質問の順番を変えますが、人口減少対策の中で、歴史、文化に関係する観光地点での入り込み客数、KPIということも今度加わっておりますが、この数のとり方はどうなっているのでしょうか。また、KPIを達成するための取り組みも一緒に示していただきたいと思います。
〇高橋文化振興課総括課長 歴史、文化に関係する観光客入り込み数についてでありますが、まず初めに、本県には二つの世界遺産に加えまして、世界遺産登録を目指す御所野遺跡のほか、二つのユネスコの無形文化遺産、また、先ごろ提案候補として選定されました風流踊を初め、多種多様な民俗芸能が残されておりまして、こうした歴史、文化の厚さを本県の強みであるものと考えているところでございます。
 こうした本県の強みを生かした取り組みを通じまして、ふるさと振興に資することが重要であることから、今般、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略案のKPIとして、歴史、文化に関する観光地点での入り込み客数が盛り込まれたところでございます。
 このKPIの算定方法につきましては、観光課が毎年公表しております岩手県観光統計の歴史、文化に関する入り込み客数の2017年の値を現状値としまして、過去の伸び率を参考として、本県の歴史、文化の魅力を発信する取り組みなどにより、毎年度、1万人の増加を見込みまして、2024年の目標値を設定したものでございます。
 この目標達成に向けました県の取り組みとしましては、令和3年度に向けて平泉の文化遺産ガイダンス施設を整備し、世界遺産との新たな魅力を発信していくほか、世界遺産を核とした三つの文化遺産ネットワークを構築しまして、人的、文化的交流に取り組むこととしております。
 また、岩手県民俗芸能フェスティバルの開催や、令和2年度に新たに行うこととして当初予算案に計上させていただいております首都圏と本県の高校生との民俗芸能を通じました共演の実施などによりまして、交流人口の拡大に向けた取り組みを進めることとしております。
〇佐々木朋和委員 今、KPIの説明もしていただきました。観光課の統計をもとにしてということでありましたけれども、先ほど言ったように、平泉全体の入り込み数のような形ではまた正確な数は出てこないと思うのですが、どうなのでしょうか、先ほど当部で最初に示していただきました施設への入り込みのような形でのはかり方なのですか。それとも、観光課でやっているような数え方なのでしょうか。どうなのですか。
〇高橋文化振興課総括課長 観光課で実施しております岩手県観光統計の歴史、文化の分類につきましては、本県の歴史、文化にかかわる幅広な基点における統計をとっているものでございまして、まさに歴史、文化の奥深さ、幅広さをあらわす統計数値として使わせていただいているものでございます。
〇佐々木朋和委員 ちょっと抽象的で、例えば中尊寺への入り込みということでとっているのですか。それとも、例えば歴史、文化のある町村の観光入り込み客数でとっているのですか。
〇高橋文化振興課総括課長 今申しました歴史、文化の分類につきましては、小分類として、史跡ですとか神社仏閣、庭園、博物館、美術館等々、産業観光地点も含めて数値を把握しているところでございまして、こういった幅広な基点においてとっております観光入り込み客数を使わせていただいているところでございます。
〇佐々木朋和委員 それはいかがでしょうかと申し上げておきたいと思います。観光全体の入り込み客数ももちろん大事でありますけれども、今回、ふるさと振興総合戦略の中で、なぜ文化を特出しにして、暮らしあるいは関係人口のほうに持っていきたかったかというと、そこでより深い結びつきの中で岩手ファンをふやしていこう、関係人口をふやしていこうということであります。そういった意味で、当部所管のKPIのはかり方としてこれはいかがなものかと。また、そういったところをまずは指摘をさせていただきたいと思います。
 私は米内委員が政策地域部の審査の中で、エビデンスに基づいた政策の展開という、大変重要な指摘をされたと思っております。そういった中で、観光のほうでとった平泉が右肩上がりだというものをもとにした、今後、平泉の10周年そして三つの世界遺産がそろったときの文化財の活用と、あるいはこれから世界遺産登録の効果をもう一回持続させていく、一段高めていった上で三つそろった世界遺産をアピールしていく、これでは、アピールの仕方、施策の展開方向というのは違ってくると思っております。
 そういった視点でお聞きをしたいと思いますが、来年度、世界遺産保存活用推進事業費、また、関連文化資産活用推進事業費、また、平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業費が並んでおります。先ほどKPIのところで少し説明もいただきましたが、来年度はどういった具体的な内容で進めていくのか、事業内容をお示しいただきたいと思います。
〇佐藤世界遺産課長 まず、世界遺産保存活用推進事業費の内容でございますが、これまでも実施してまいりました世界遺産事業やパネル展の開催に加えまして、新たに三つの世界遺産を核とした県内の関連文化遺産のネットワークを構築して、県内の文化資源を活用する事業を立ち上げることとしております。令和2年度は、釜石市の橋野鉄鉱山を核とした製鉄関連遺産ネットワークの構築に着手する予定としておりまして、具体的には、有識者委員会の立ち上げ、ワークショップの開催、ロゴマークなどを予定しているところでございます。
 また、明治日本の産業革命遺産登録5周年、平泉の文化遺産登録10周年の節目の機会を捉えまして、世界遺産等の価値の理解と保存活用の取り組みを推進するため、フォーラム等の開催または開催の準備を進めることとしております。
 続きまして、平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業費の内容についてでございますけれども、建築工事を継続するとともに、展示制作につきましては、令和3年度の展示設営に向けまして、平泉の世界遺産としての価値を伝え、平泉の世界へと誘うという展示テーマに基づいた映像の制作や、柳之御所遺跡の実像を伝えて実感を促し、史跡公園へ誘導するための政庁、平泉館のジオラマや出土品のレプリカ等を制作することとしております。
〇佐々木朋和委員 新たな取り組みもスタートするということでございますので、ぜひとも、先ほど指摘していただきました世界遺産登録の効果持続にも向けて、商工労働観光部とも、あちらの数字は右肩上がりですから、ぜひ文化スポーツ部からも指摘をして取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、部長にお聞きして終わりたいと思います。神崎委員からも指摘がございました。令和3年度に向けては世界遺産平泉の登録10周年、そして三つの世界遺産がそろうタイミングでありますし、東北デスティネーションキャンペーンもございます。本来であればオリンピック後の落ち込みを抑える、または効果を持続させるための取り組み、タイミング、チャンスだったわけでありますが、さらに新型コロナウイルス感染症対策の影響から抜け出す大きな使命を負った令和3年度に向けての取り組みだと思っております。文化スポーツ部としてどのように取り組んでいくのか、今後また立場はかわりますが、ぜひお話をよろしくお願いしたいと思います。
〇菊池文化スポーツ部長 委員御指摘のとおり、タイミングとして来年度は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大きな年ですが、新型コロナウイルス感染症の関係とかいろいろハードルも高いということでございます。それにしても、しっかりとした情報発信をして、岩手をまずしっかりと認知してもらうこと。特にラグビーワールドカップ2019の関係の経験を言えば、相当長期間にわたって、岩手・釜石の認知度が深まって浸透したものだと思っております。何よりも世界文化遺産という強力なコンテンツを持っておりますので、これを軸に、国内外に、文化振興の面でも当然力を入れていかなければならないと思いますが、観光面、交流人口の拡大、そして滞在周遊型の広域観光をしていただくことで、いろんなところに立ち寄っていただいて、お金を、外貨を落としていただく、好循環をつくっていくことが何よりも持続的な地域経済発展のためには重要だと思っておりますので、商工労働観光部、地域政策を担当する部署あるいは広域振興局等、そして市町村等ともよく連携して、この大事な宝物をフルに活用して持続的な地域振興につなげていくことが重要だと考えております。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで文化スポーツ部関係の質疑を終わります。
 文化スポーツ部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤教育長 教育委員会関係の令和2年度岩手県一般会計予算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会における当初予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、教育委員会におきましては、いわて県民計画(2019〜2028)、岩手県教育振興計画の諸計画等に基づき、学びと絆で、夢と未来を拓き、社会を創造する人づくりを基本目標に掲げ、東日本大震災津波からの教育の復興と学校教育及び社会教育、家庭教育の充実の二つを大きな柱として、岩手県特有の課題にも向き合い、中長期的な展望も見据えながら、学校教育の充実や社会教育の推進などに取り組んでいく考えであります。
 令和2年度においては、特に学びの場の復興のさらなる推進と、学校教育及び社会教育、家庭教育の充実に向けた取り組みを推進するとともに、ICTを活用した学びの充実や、地域や地域産業を担う人づくり、新たな県立高等学校再編計画後期計画の策定などの重要課題に積極的に取り組んでまいります。
 なお、全体的な方針につきましては、去る2月14日の開会日に行わせていただいた教育長演述で申し上げたとおりであります。
 それでは、一般会計予算の歳出予算について、資料に沿って御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開き願います。教育委員会が所管する予算の合計額は、10款教育費の1、476億4、900万円余のうち、ふるさと振興部が所管する1項教育総務費の一部と、下のページ、9ページでございますが、一番上の、8項大学費と9項私立学校費を除いた1、363億8、261万円余に、次の、11款災害復旧費4項教育施設災害復旧費の45億7、623万円余を加えた総額1、409億5、884万円余であります。これを令和元年度当初予算額と比較しますと2、301万円余の減となっております。
 以下、予算の内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げにつきましては省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の214ページをお開き願います。10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。2目事務局費は、事務局の管理運営等に要する経費のほか、説明欄五つ目の被災児童生徒就学援助事業費補助は、大震災により経済的理由から就学が困難となった小中学校の児童生徒を対象として、市町村が行う就学援助事業に対して補助しようとするものであります。一つ飛びまして、いわての学び希望基金奨学金給付事業費は、大震災津波により親御さんを亡くされた児童生徒等に対して、大学院まで奨学金を給付するものであり、次の、いわての学び希望基金大学等進学支援一時金給付事業費は、大震災津波により被災した高校生等が、経済的な理由により進学を断念することのないよう、大学等への進学に伴い必要となる費用等の一部を給付しようとするものであります。下のページ、215ページに参りまして、3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費やスクールサポートスタッフ、部活動指導員の配置など、教員の勤務負担軽減を図るための経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。次のページ、216ページをお開き願います。4目教育指導費は、被災した幼児、児童生徒の心のサポートや学校教育に係るソフト事業に要する経費であり、教育委員会分の説明欄五つ目の児童生徒健全育成推進費は、幼児、児童生徒の心のサポートや教育相談体制の充実を図るため、全ての公立学校でスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを活用できるようにするための経費や、復興・創生期間後の相談体制のあり方の検討や、学校支援の充実を図るための経費であります。あわせて、いじめ等に悩む児童生徒及び保護者の電話相談の実施や、不登校の未然防止、初期対応の学校体制づくり等の調査研究に取り組む経費も計上しております。二つ飛びまして、いわて教育情報ネットワーク整備費は、いわて教育情報ネットワークを効果的、効率的に運用し学校情報化を推進するとともに、セキュリティー対策を強化し、ICT教育の充実を図るため、ネットワークの整備を行うものであり、その下、特別支援教育推進事業費は、いわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や看護師を配置するほか、特別支援学校高等部生徒等の実習先や就労先の拡大を図るため、職業指導支援員を配置するほか、特別支援学校技能認定会の実施など、地元企業と連携した雇用の支援体制の充実を推進するための経費であります。一つ飛びまして、いわて地域担い手育成支援事業費は、本県の特色ある産業、文化を担う人材を育成するため、学校の実践的な教育活動や生徒の進路実現に向けた取り組みと、新たに取り組む小規模校における地域との協働による魅力ある学校づくりに要する経費であり、次の、いわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒一人一人の進路希望の達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、進学対策講座の開催や各学校における進学指導の取り組みを進めるとともに、数学、理科の学力向上を図るため、新たに探究プログラム事業を実施し、探究プログラム重点校において、理数教科に関する探究的な学習を行い、生徒の科学的思考力を育成しようとするものであります。その下の、大学入学者選抜改革対策事業費は、令和3年1月実施の試験から導入される共通テストに向け進学を希望する生徒が目標を達成できるよう、学力向上及び教員の指導力向上に向けた取り組みに要する経費であり、2つ飛びまして、いわての地域国際化人材育成事業費は、グローバル人材の育成のため、中学生に加え高校生段階でも英語力の向上のための把握、分析を実施するとともに、実践の機会としてイングリッシュキャンプを開催しようとするものであります。一つ飛びまして、小中高をつなぐ子どもの学びの履歴構築事業費は、児童生徒の確かな学力を育成するため、小中学校の学力、学習状況に関する調査を一体的に実施し、事業改善や履歴データの活用に向けた研究等を実施しようとするものであり、その下の、県立学校ICT機器整備事業費は、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた事業改善を図るため、県立学校に大型提示装置等のICT機器を整備しようとするものであります。さらにその下、いわて学びの改革研究・普及事業費は、ICT機器等を活用した授業改善を図るため、大学等と連携した実証研究や、ICT普及セミナーを開催しようとするものであります。二つ飛びまして、県立学校復興担い手育成支援事業費は、沿岸地域の高校生を対象としたキャリア教育や進学支援講座等を実施し、生徒一人一人の進路の実現を支援しようとするものであり、一つ飛びまして、いわての復興教育推進事業費は、岩手の復興、発展を支える人材を育成するため、いわての復興教育スクールや震災学習列車活用スクール、復興教育副読本を活用した教育活動を実施し、いわての復興教育を一層推進しようとするものであります。下のページ、217ページに参りまして、5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営及び施設設備整備に要する経費であり、6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 次のページ、218ページをお開きいただきまして、2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等であり、説明欄二つ目のすこやかサポート推進事業費は、児童の基本的な生活習慣の定着と基礎学力の向上を図るための非常勤講師の配置に要する経費であります。
 下のページに参りまして、3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費等のほか、生徒指導や学習定着度状況調査等で課題のある学校をサポートするための非常勤講師等の配置に要する経費であり、次の、2目学校管理費は、県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費であります。
 次のページ、220ページをお開きいただきまして、4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等であり、説明欄二つ目の高等学校教育改革推進費は、新たな県立高等学校再編計画後期計画の策定と令和2年度から設置する県立宮古商工高等学校の教育環境整備に要する経費であります。2目全日制高等学校管理費及び下のページ、221ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれの学校の管理運営等に要する経費であります。次のページ、222ページをお開きいただきまして、4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備や、工業、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、説明欄中ほどの高校奨学事業費補助は、高校生向けの奨学資金の貸与に要する経費の一部を公益財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものであります。三つ飛びまして、いわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費は、大震災津波で被災し生活基盤を失った高校生等に対して学校生活で必要な経費を給付するものであり、次の、公立高等学校等就学支援金交付事業費は、保護者の経済的負担を軽減するため、国から交付される高等学校等就学支援金を授業料に充当しようとするものであり、その次の、奨学のための給付金支給事業費は、低所得世帯に対し、授業料以外の教育費を支給するものでありますが、今回、新たに専攻科の生徒を対象に追加しようとするものであります。一つ飛びまして、専攻科等修学支援金事業費は、公立高等学校の専攻科に通う生徒を持つ家庭の教育費負担を軽減するため、国からの補助金を低所得世帯の授業料に充当しようとするものであります。次の、被災地域県立学校産業教育設備等整備費は、被災した沿岸地域の県立高等学校の産業教育設備や部活動設備を整備し、教育活動の充実を図ろうとするものであります。5目学校建設費は、高等学校の校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費でありますが、説明欄一つ目の、校舎建設事業費は、福岡工業高等学校及び伊保内高等学校の校舎耐震改築工事等を行おうとするものであり、次の、校地整備事業費は、千厩高等学校及び久慈高等学校のグラウンド整備に要する経費であります。その次の、校舎大規模改造事業費は、西和賀高等学校及び大槌高等学校の大規模改修や県立高校の普通教室等への冷房設備整備等に要する経費であります。下のページ、223ページに参りまして、6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
 次のページをお開きいただきまして、5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校の管理運営に要する経費のほか、説明欄二つ目の施設整備費は、老朽化した特別支援学校の校舎等の改修や盛岡ひがし
支援学校及び盛岡みたけ支援学校へ給食を提供するための共同調理場の整備等に要する経費であります。
 次に、226ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、子供、家庭、学校、地域、行政の5者が一体となって地域の教育課題の解決に自主的に取り組む教育振興運動の推進や、青少年の家の管理運営等に要する経費であり、説明欄下から二つ目の、学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費は、被災地域の子供を中心に、地域と学校の連携、協働による学習支援等を実施することにより、学習環境の好転や地域コミュニティーの復興促進を図ろうとするものであります。2目文化財保護費のうち、下のページ、227ページに参りまして、説明欄一つ目の文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助等に要する経費であり、一つ飛びまして、柳之御所遺跡整備調査事業費は、柳之御所遺跡の発掘調査及び史跡公園の整備等に要する経費であります。3目芸術文化振興費は、中高校生の芸術文化活動への支援に要する経費であり、説明欄一番下の、いわての学び希望基金被災地児童生徒文化活動支援費補助は、被災した児童生徒の文化活動の大会への参加に要する経費を補助しようとするものであります。4目図書館費及び次のページ、228ページに参りまして、5目博物館費及び下のページ、6目美術館費については、それぞれ県立図書館、県立博物館及び県立美術館の管理運営等に要する経費であります。
 次に、230ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、県立学校医や児童生徒の検診、その他保健管理等に要する経費であり、2目体育振興費は、生涯スポーツの推進、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費等であり、説明欄三つ目の、オリンピック・パラリンピック教育推進事業費は、オリンピック・パラリンピックへの興味関心を高め、スポーツを通じた国際、異文化、共生社会への理解等を深めるため、オリンピアン、パラリンピアンを学校へ派遣しようとするものであり、二つ飛びまして、いわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援費補助は、被災した生徒に対して、運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助しようとするものであります。その下の、全国高等学校総合体育大会推進事業費は、令和2年度に本県で開催されるインターハイの3競技、卓球、ハンドボール、ボクシングでございますが、この支援組織である県実行委員会への開催準備負担金であります。下のページ、231ページに参りまして、説明欄下から二つ目の、中学生スポーツ・文化活動調査事業費は、関係団体や有識者で構成する研究会を設置し、中学生のスポーツ及び文化活動のあり方を検討しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、241ページをお開き願います。11款災害復旧費4項教育施設災害復旧費2目体育施設災害復旧費は、県立野外活動センターの移転復旧工事に係る用地造成及び管理宿泊棟などの工事に要する経費であります。
 次に、債務負担行為について御説明いたします。
 議案その1にお戻りいただきまして、13ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会関係のものは、事項欄44の校舎建設事業及び事項欄45の校地整備事業の2件であり、その内容は、県立学校の校舎耐震改築工事、グラウンド整備工事に要するものであり、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上が教育委員会の所管事業等についてでありますが、あわせて、令和2年度からの新学習指導要領の実施に向けた対応や県民の皆様からの教育に対する信頼の確保に向け、教職員の服務規律の確保などにも引き続き取り組んでいく考えであります。
 以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時55分 休 憩
午後1時2分再開
〇吉田敬子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、16人の質問者が予定されております。進行に御協力に願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 教育委員会関係の説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 それでは、新型コロナウイルス感染症関連につきまして質問をさせていただきます。
 まず臨時休校の関係であります。3月2日に臨時休校が開始されまして、そして約2週間が過ぎました。きのうは国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、19日ごろまで、また臨時休校を継続しなければならないと。一定程度持ちこたえているが警戒を緩めるわけにはいかないと、こういう理由のようであります。つきましては、この3週間ほどになると思いますが、本来受けるべき授業を子供たちは受けられないことになります。3週間の未習が発生するわけでありますけれども、これに対して文部科学省はどういう指導をしているのか、まずこの点につきましてお尋ねいたします。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 臨時休校に伴う未習分について、文部科学省の指導についてでありますが、文部科学省では、児童生徒の学習に著しいおくれが生じることのないよう、可能な限り臨時休業中において家庭学習を適切に課したり、終了後には補習を行ったりするなど配慮することという通知を出しているところであります。
 そこで、習っていない部分についての対応ですが、通知によると、これから進級する先あるいは進学する先と現在の教員が情報を共有すること、そして、その情報共有に基づいて、必要に応じて指導していない分の補充的な指導を、次の年度等に授業を行うことなどを示しております。あわせて、この休業期間中の学習について、文部科学省開設の学習支援コンテンツポータルサイトということで、そのような情報も示されているところであります。
〇佐々木順一委員 コンテンツのそのような情報も示されているところでありますという御答弁がありましたが、具体的に例えば国語とか算数はどうなっているのか。あと、新年度その分を補うというような御答弁がありましたが、現実的にそれは可能かどうか、御答弁いただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 国語とか算数等の例についてでございますが、例えば、今学んでいる教科書で残っている部分について読んで考えていく、あるいは、これまでの学習を深めるということで、復習をして、ノートやドリルなどを繰り返していくという例も示されております。
 また、あわせまして、来年度の授業で可能なのかというお尋ねでございましたが、来年度につきまして、4月からのところで、未習分について、その担当の先生が授業をしながら、例えば算数の授業で指導して、ここが不十分であるなと感じた場合には、補充的な指導を行っていくというような対応をすると捉えております。
〇佐々木順一委員 4月に新年度から授業が開始できるかどうか、現時点では誰もこれは保証できないわけであります。感覚的には、19日といえども、恐らくそれ以上に休校が継続するのではないかというのが、大体皆さんの一般的な感覚ではないかと思っております。
 また、新年度から受けることができなかった授業を少しずつやっていくということのように理解いたしましたが、果たしてそれも4月1日から可能かどうかわからないし、時間がたてばたつほど、生徒と、児童と、あるいは教科担任にかかる負担は大きなものがあるわけでありますから。そしてまた、今の具体的な先生の対応は、一つは、感想文を読むとかですよね。それから、習った分について復習をするとか。今の答弁をお聞きしますと、とても未習分を完全に補うような内容には、文部科学省の指導はなっていないという理解を、受けとめをするところでもあります。間違いなく学習のおくれは避けられないことになると思いますが、この点について、おくれが生じるわけでありますから、それが本当に可能かどうか、もし自信があれば御答弁をいただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 実際に授業をしていて、子供たちの理解度が十分かどうかということについて、指導している教師がつかむわけですが、これについては、例えば全部の授業を何の休業措置もなく行ったとしても、児童生徒の中には苦手と思う場合もあるわけです。そのような場合には、担任教師が中心となって指導するということが通常でありますので、今回の件につきましても、最大限の努力で指導をして、なるたけおくれがないように取り組むものと考えております。
〇佐々木順一委員 おくれがないようになるたけ努力するということのようでありますが、いずれそれはそれで御努力していただきたいと思いますが、ただ動かしがたい事実は、簡単に言うと、教育を受けさせる義務を国みずから放棄したということがまずあると思います。もう一つは、子供たちは教育を受ける権利がありますから、これを結果として奪ってしまったと。しかも、まず、今計算できるのは3週間でありますが、これが本当に年度をまたいでその分を盛り返すことができるかどうか、これは現時点で誰も確信が持てないし、ひょっとしたらさらに休校が続く可能性もあるし、あわせて、新年度から始まる通常の諸行事もほとんどできないことになる可能性も十分にあるわけでありますから。
 いわば突然休校を要請したわけであります。しかも、感染症ということについて科学的根拠もなく、さらに法的根拠もなく、いわば日本の国で一番偉い人が、政治判断という形でこの休校を決断したわけであります。要請をしたわけでありますから、これはいわば大きな権利の侵害をしたわけでありますので、この事実は動かしがたい事実であります。社会が冷静さを取り戻してから、この問題については検証をしていかなければならない重要な問題であろうと思っておりますが、これまでの文部科学省の対応を含めて、事務的に教育行政をつかさどる教育長はいろいろな苦労をされてきていると思うのですが、今までの対応について国に対して何らかの意見があれば、含めてお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 ちょっとさかのぼっての時系列で申し上げれば、2月25日に国の方針が決められ、そしてその当時、県立高校にあっては卒業式を控えているという中で、その対応をいろいろと検討してきました。
 現実的には、2月25、26日には、国公立の入試二次試験もあって、首都圏に行っている生徒もいると。そういう生徒が戻ってくることもあって、卒業式に在校生と接触すると言いますか、実際に一緒になる機会もある。そういったところでも、とにかく卒業式の対応について検討しなければならないと。そして、可能な限り短縮、工夫をしながら、在校生については最小限の参加にとどめるというようなことで対応せざるを得なかったと。
 そして、そういった対応を検討しているさなかに、2月27日の夜、唐突に安倍首相の全国一斉の臨時休業という話が飛び込んできて、本当に驚いたところでございます。正式な文部科学省からの事務次官通知は、翌日28日の午前中でありました。大臣の記者会見の後に通知がなされ、3月2日からの一斉休業となるとなかなか対応が難しいということもありますが、そういった中でも国からの強い要請ということもあり、急遽私どももどういった対応をとらなければならないか、いろいろと検討し悩みながらも、やはり児童生徒の健康安全を第一に考えていかなければならないということで、28日には一斉休業について御理解と御協力をお願いしたいというように、市町村教育委員会のほうにもお伝えしました。
 学校現場を預かる教育委員会として、それから市町村教育委員会のほうにも伝達、指導と助言をする立場として、非常に時間のない中でさまざまな対応が求められると、学校現場も混乱するおそれがあるということも想定はされましたが、そういった中で可能な限り柔軟に対応していただくこともあわせて通知をしながら、何といっても児童生徒の感染リスクを抑えなければならないと、健康、安全を第一に考えまして、対応せざるを得なかったというところはございます。
 そうした中で、先ほど委員からも御指摘があったように、休業中の学習であるとか、さまざまな問題等が出ております。私どもは、そういった市町村教育委員会の抱える課題、あるいは学校現場で抱える課題等について丁寧に把握をしながら適切な対応等について支援をしていこうと思っていましたし、この間、学校現場を預かっている教職員、保護者の皆さん、関係者の方々が大変御苦労されていることと思いますが、子供たちの健康、学習、さまざまな課題等に、工夫をしながら対応していってもらっているということについては、本当に感謝を申し上げたいと思います。
〇佐々木順一委員 さまざまな複雑な胸中を御披瀝いただきまして、敬意を表したいと思っております。いずれかつてない経験であります。体験したことのないことが日本全国各界各層の仕事の分野に、県民一人一人の生活の分野に、あるいは子供たちの教育の現場に、いろいろな問題を投げかけているわけでありまして、みんな不安に思っているところでありますから。特に教育行政の中において、子供たちに、本来仕事は勉強することでありますので、それ以外の不安を感じさせないように、こういう感染症という制約をされたきょう現在でありますけれども、ぜひ不安心理の払拭に御努力いただきまして、教育行政の健全化に努めていただきたいと思っております。
 あわせて、給食費、そしてまた食材、さらには乳製品、牛乳、これらを含め、補償はどうなっているのかということと、さらに、スクールバスの事業者もおいでになります。いろいろな事業者がいると思いますが、そういったことに対する補償の件について、国はどういう指導マニュアルまがいのものをおろしてきているのか。そしてまた、給食費についても、きのうですか、総理が対応するというような報道もありましたが、その辺も含めて、学校教育行政にかかわる補償について、きょう現在どうなっているのか、御答弁いただきたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校給食等事業者への補償についてでございますが、文部科学省から示されております一斉臨時休業に関するQ&Aの3月9日時点の内容におきましては、臨時休業により、学校給食が実施されないことによって事業者等に生じる負担については、各自治体の対応状況等にも注視しつつ、現在、政府として、予備費の活用による緊急対応策の取りまとめを行っているところであり、これらの活用も含めて、今後どのような支援ができるか、検討を進めていきたいとされているところでございます。
〇佐々木順一委員 では、まだ具体的には何もないということですよね。これだけの緊急事態で、しかも国民全員の協力を仰ぐのであれば、結果論でありますが、それを国民に求める限りは、やはりそれを補完するような事業についても、あわせて公表していただかなければ、これは、結局、危機管理の意識が薄いと、希薄だと、欠如していると、これを言わざるを得ないと思います。いずれこれから国の第2次補正関連予算もあると思いますので、万全を期して県教育委員会においては対応していただけますように、お願いを申し上げたいと思います。
 これ以上突っ込んでも、国の方針が固まらないと、教育委員会の自主的にやれる事業というのは本当に限られておりますので、性質上やむを得ないと思いますので、次の質問に入らせていただきます。
 また、御父兄さんの休業に伴う損失の補填とかは、多分労働局絡みの商工労働観光部だと思いますので、あえて教育委員会ではお尋ねしませんので、次の質問に入らせていただきます。
 それでは、コミュニティ・スクールにつきましてお伺いいたします。
 コミュニティ・スクールについては、このたび法律が改正になりまして、努力義務に変わっております。ついては、コミュニティ・スクールの協議会の役割について、どういう役割があるのか、御答弁をいただきたいと思います。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 コミュニティ・スクール学校運営協議会の役割でございますが、主に三つございます。一つ目は、校長が作成する学校運営の基本方針を承認すること。二つ目は、学校運営について教育委員会または校長に対して意見を述べることができること。三つ目は、教職員の任用に関して、教育委員会規則で定める事項により、教育委員会に意見を述べることができること。以上でございます。
〇佐々木順一委員 今、何と言いましたか。教育委員会の規則で定める事項について、人事のところですよね。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 教職員の任用に関して、その教育委員会の規則に定める事項により、教育委員会に対して意見を述べることができるということでございます。
〇佐々木順一委員 簡単に言うと、協議会が人事について意見を述べることができると、こういうことでありますので。ただし、地域の学校運営協議会が、人事の面の運用によっては、個別の人事に不当に介入するおそれもないとは言えないわけでありますから。そのために、教育委員会規則で定める事項ということになっていると思いますが、この教育委員会で定める事項というのは、今の段階でどういった文言に、表現になるのか。これがある意味では人事への不当介入の歯どめにもなるのではないかと思いますが、その辺、どういう書き方になるのか、書きぶりについてお尋ねいたします。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 教職員の任用に関する運用方法についてでございますが、今般の平成29年の法律改正によりまして、任用に関する意見具申について、教育委員会規則で定めることができるようになったものでございます。本年4月1日から施行を予定しております本県の県立学校の規則におきましては、特定の個人に係るものは除くとするとともに、教職員の任用に関する意見を述べるときは、あらかじめ校長の意見を聴取すること、そういうことにより慎重な意見となるよう配慮しているところであり、懸念されるようなことのないように規定したところでございます。
 なお、当該法律におきましては、コミュニティ・スクール学校運営協議会から人事に関する意見具申がなされたとしても、当然、その内容は尊重されるものの、これまでの市町村教育委員会の内申権、校長の意見具申権には全く変更は生じないことが明記されているものでございます。
〇佐々木順一委員 運用については、いずれ細心の注意を払って運用に努めていただきたいと思っております。
 時間がないので最後の質問に入ります。不登校の問題についてお尋ねいたします。
 平成29年度、平成30年度、不登校の数がふえております。これは年々ふえております。これについて、半分は家庭における事情ということになっておりますが、あとの半分は、友達の関係とか、あるいは先生との関係とか、生徒、児童、あるいは学校側の事情によってが、不登校の大きな要因になっております。
 しかしながら、不登校が年々ふえているということは、ある意味においては、児童生徒に問題があるという捉え方もできると思いますが、違った視点で見ると、学校側にも問題はないのかということも挙げられると思います。一般的には児童生徒の学校への不適応ということが挙げられますが、ある人は逆に学校側の児童生徒に対する不適応という見方をする人もいるわけです。
 これはなかなか整理できない要素だと思いますが、いずれにしろ年々ふえている不登校について、教育長は現実に起きていることについてどういう見方をされているのか、まずそれをお伺いいたします。
〇佐藤教育長 不登校児童生徒の状況ですが、ここ数年、全国及び本県でも増加傾向にあるという状況にございます。全国に比較すれば本県はまだ低いほうではあるものの、やはり実数として増加傾向ということで、課題であると認識しております。
 不登校というのは、先ほど委員から御指摘がありましたけれども、学校や家庭であるとか、それから個人に係る多様かつ複雑な要因、背景によって、結果として不登校状態となっているということかと思います。
 不登校という結果をもって問題行動と判断しないということが大事でありますし、それから要因等を限定的に捉えるということをしないで、不登校児童生徒に寄り添って支援していかなければならないと考えております。そういった意味でも、児童生徒が落ち着ける場所をしっかり確保するということが大事なのではないかと考えております。
〇吉田敬子副委員長 佐々木順一委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇佐々木順一委員 かしこまりました。
 資料によると、平成29年度は小中学校を合わせて1、044人、平成30年度は1、258人、これは本県のデータであります。不登校が自死の要因になることにもなりかねないわけでありますから。しかも、今申し上げたデータは、学校を通じてのデータでありますので、間違いなくバイアスがかかっていることは確かだと思いますが、いずれ増加傾向にあることだけは、そのとおりであります。
 一方において、これは文部科学省の調査でありますが、平成18年度の小中高の児童生徒の自殺者が332人―平成18年度のデータのようであります。前年度と比較すると32.8%の増となっておりまして、まさに悲しむべき数字であります。自死を選択せざるを得ないということは、家庭にも学校にも居場所がないということのあらわれでもあると思います。本県でも性質は違うわけでありますが、自死が発生しております。いずれにしろ、不登校から自死に変化するというおそれは否定できないわけであります。
 これらを踏まえて、来年度、教育長は―教育長の演述にも不登校並びに自死をわざわざ取り上げておりましたので、こういうことを起こさないということについて、不登校がふえることに対する取り組み、あるいは自死を生まないという取り組み、これらについてどういったお考えで来年度の教育行政に努めてまいるのか、このことをお聞きしまして、質問を終わります。
〇佐藤教育長 まさに自死事案の発生は、あってはならないものであることは当然でありますし、私どもは自他の生命を尊重するという教育にも取り組んでおります。また、委員がお話しされたように、居場所づくりも大事でありますし、それから、児童生徒が友達同士で悩み事も話し合えるような、あるいは教職員に対しても相談しやすい、そういった形をしっかり整えていく。また、児童生徒一人一人にしっかり寄り添って、冒頭申し上げましたように、自他の生命を尊重し、そして将来に向かってしっかりと生きる力を育んでいくということに取り組んでまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 県指定文化財、放課後子ども教室、そして宮古恵風支援学校の三つを通告しておりました。順番を変えさせていただきまして、二つ目の新型コロナウイルス感染症対応の質問から行きます。
 新型コロナウイルス感染症対応で、放課後児童クラブ等所管の福祉部局が忙しくなっております。そもそも教育部局としての受け皿は何ができるかなと私も考えておりまして、10年ぐらい前に市議会でも放課後子ども教室はどうかという質問をしたことがあるのですが、それを思い出しまして、その活用についてお伺いしたいと思います。
 まず、現在、教育委員会として休校時の児童への対応、例えば家庭訪問等を含めて、どのように対応しているのかお伺いいたします。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 家庭訪問についてのお尋ねでございます。各市町村教育委員会におきまして、家庭訪問の必要性について学校長会議などで伝えているのは、必要かどうかを判断し必要な場合は行うこと。もちろん学校によっては規模もありますので、気になる子、あるいはこの子にはぜひとも家庭訪問という場合があろうかと思いますので、そのような場合に家庭訪問の対応をとるというように捉えております。
〇神崎浩之委員 教育委員会として休校時の児童への対応はどうしているのかいうようにときちんと通告していますので、ぜひ答えてください。何もしていないのか。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 学校教育の領域と社会教育の領域でまたがっていたものですから、順番をちょっと間違ってしまいました。失礼をいたしました。
 先ほど委員からは放課後児童クラブの関連で、教育委員会におきましては同じような放課後子ども教室という事業がございますけれども、そのことに関する対応について御説明させていただきます。(神崎浩之委員「それは次に聞くから。教育委員会として」と呼ぶ)教育委員会全体としての対応というお話でございますよね。(神崎浩之委員「全体として」と呼ぶ)先ほど申し上げたとおり、私ども社会教育のほうの領域、いわゆる学校教育課程以外のところのことについて今御答弁申し上げようと思っていたのでございますが……。
〇小久保学校教育課総括課長 失礼いたしました。臨時休校に伴う子供の居場所の確保ということでございます。
 国のほうからは、国としての一斉休校初日になりました3月2日の夜でありましたが、文部科学省と厚生労働省からの連名通知によって、放課後児童クラブ等を活用しながら子供の居場所を確保してほしいというような通知が示されたところでございます。その段階におきましては、幾つかその選択肢が示されていました。子供の居場所確保について、放課後児童クラブ、放課後等デイサービスでの受け入れについて、各学校等の実情に応じながら、教員も必要に応じて、実情に応じて携わりながら支援をしていくといったようなことですとか、学校において子供を預かる、受け入れることも実態に応じて可能であるということも示されております。それに伴う学校の教室の有効活用といったことも示されています。
 県といたしましては、この通知を踏まえて、保健福祉部との連携のもと、市町村、それから県立学校―県立学校といいましても主には特別支援学校になるわけですけれども、実情に応じて柔軟に対応してくださいということでお願いをしております。
〇神崎浩之委員 二つ目に、放課後児童クラブの活用について質問通告を出していました。その前段として、一つ目には、学校として担任の先生も含めてどのような対応をしているのか。宿題をつくったり家庭訪問をしているとかいうようなことをテレビの報道でされておりました。そういう質問でありました。
 では、今の件、放課後子ども教室ということでありまして、平成18年度から、国において、地域社会の中で放課後の子供たちが安全で健やかな居場所づくりということで、文部科学省の放課後子ども教室事業と厚生労働省の放課後児童クラブが一体的に連携して実施する総合的な放課後支援事業ということでありました。今となっては、今回の新型コロナウイルス感染症対応では、教育委員会としての一つの重要な社会資源がここにあると考えて質問したわけでありますが、この内容と福祉でやっている児童クラブとの違い、それから県内の今までの市町村の児童クラブの状況について、時間がないので、あわせて、新型コロナウイルス感染症対応における国の放課後子ども教室、それから市町村の放課後子ども教室の状況について、新型コロナウイルス感染症対応という観点からお答えいただきたいと思います。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 まず、両者の内容や違いなどについてでありますが、放課後子ども教室は、参加を希望する全ての児童が対象でありまして、地域住民の参画を得て、児童にさまざまな体験活動や交流活動の機会を提供する取り組みでございます。県内の実施状況を見ますと、週に1日から2日程度、平日の場合は放課後3時間程度の開催が多く、基本的には利用者の経済的負担はないというものになっております。
 一方、保健福祉部が所管します放課後児童クラブは、御案内のとおり、保護者が労働等により昼間家庭にいない就学している児童を対象とするものでありまして、放課後に適切な遊びや生活の場を与えて、その健全な育成を図るということで、原則として長期休業を含む年間250日以上、平日の場合は放課後3時間以上、休業日の場合は原則1日8時間以上の実施が求められ、利用に当たっては費用負担があるというものでございます。
 放課後子ども教室は、今年度、県内25の市町村121教室で実施されており、学習、スポーツ、文化芸術活動等、多様な活動が展開されているところでございます。
 次に、新型コロナウイルス感染症対応の状況でございますけれども、先ほど説明があったとおり、厚生労働省から放課後児童クラブは原則開所、文部科学省からは放課後子ども教室の柔軟な対応について求められているところでございまして、その後、両省連名により、放課後児童クラブを利用する児童や、放課後、保護者のやむを得ない事情により自宅で過ごすことが困難な小学校低学年の児童を対象に、通常学校で過ごす時間帯の範囲内において学校で受け入れることや、放課後子ども教室も活用し、子供の居場所を確保するよう追加の通知を受けているところでございます。
 また、その後、文部科学省より、家庭での学習習慣が定着していない、あるいは学習機会が十分でない子供たちについて、その機会を確保するため、放課後子ども教室について追加して予算措置する旨通知が出されており、このことを市町村に通知したところでございます。
 昨日現在、新型コロナウイルス感染症対策として放課後子ども教室を実施しているのは、奥州市、普代村、一戸町の3市町村であり、合計8教室が開設されていると把握しております。そもそも放課後子ども教室には、放課後児童クラブとの関係性において、一体型と言われる一体的に運営されている場合、それから両者の活動が時々一緒に行われるような連携型と言われるもの、そしてその他ということになっておりまして、いわゆる一体的に活動している放課後子ども教室というのは、そもそも県内16しかないというような現状にございます。その中の合計8教室が開催されていると把握しております。
 いずれにいたしましても、県内小学校におきましては、休業に入ったのは先週の後半からが多いと把握しております。今週以降、状況の変化が見込まれることから、今後とも市町村の動向を注視し、必要な支援を講じていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 新型コロナウイルス感染症の関係はいつどうなるかわからない。こういう教育委員会の事業がありますので、ぜひ市町村と連絡をとって対応をいただきたい。
 次に、宮古恵風支援学校であります。
 数ある県立支援学校、15ありますけれども、私は九つ行っていますが、特に地理的環境が一番厳しいのが、この宮古恵風支援学校ではないかと思っています。現在の環境、課題をどう感じているのか、そして今後の計画についてお伺いしたいと思います。
 11月の県の教育委員会定例会議におきましても、これは台風後だったと思いますけれども、宮古恵風支援学校は、学校自体は被害を受けていないものの、学校まで行く道路や交通網に大きな被害を受けたと。以前から感じていたが、障がいを持つ子供たちが学ぶ場として、立地はあまりよくないように思います。今後、台風、地震、交通遮断が起こる立地ではないかと思っているというような教育委員からの御意見もありますので、これも踏まえて、今後の計画について教えていただきたいと思います。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 宮古恵風支援学校の現在の環境についての課題ですけれども、昨年10月の台風第10号(後刻「19号」と訂正)により、電気、水道、電話等のライフラインが閉ざされた状況になりまして、通学路においても市道において土砂崩れが数カ所発生するなどして、10月15日から10月23日までの7日間―土日祝を除いた形になりますけれども、7日間の臨時休業をしたところです。また、通学路において、一般車両の通行が可能となった後においても、市道の土砂崩れの対応については応急処置的な状態であり、土砂崩れにより通行どめになる可能性が今後も高い状態が継続している状況にあると承知しております。そのため、通学環境の整備について、安心・安全な状態が十分確保されていない状況にあり、大きな課題であると認識しております。
 このため、宮古恵風支援学校の環境改善につきまして、現在進めております特別支援学校の整備計画の策定を踏まえて考えていくということになり、現状と課題、地域や児童生徒の実情や要望等の把握に努め、宮古市との情報共有及び調整を行うとともに、関係各所からの意見聴取も丁寧に行いながら進めていくと考えております。
〇神崎浩之委員 もともと宮古市立であったとか、隣のはまゆり学園が一部事務組合で広域でやっているということもあって、さまざまな経過があってあそこに来ていると思いますが、いずれあそこは災害があれば遮断されるということでもありますので、ぜひ検討いただきたい。
 最後の質問でありますけれども、やわらかめに、県の指定文化財であります。
 平泉町教育委員会は、平泉町長島にお大師さまというのがありまして、平成28年3月に平泉町有形文化財に指定されました。平泉町の教育長からも、中尊寺からも、県指定、国指定とステップアップしていただければという話があります。宮司からも、町指定になったことで、町外、県外からも注目度が高くなり、福島県からのお参りのツアーもあったということであります。
 このお大師様は、頭巾をかぶって袈裟を身につけ、膝の上では印、座禅を結んだ高さ1メートルほどの石仏でありますけれども、伝教大師―天台宗の最澄、または中国の天台の祖と言われる方ではないかなということで、調査研究では12世紀の石仏であることがわかったと。奥州藤原氏の時代ということであります。
 そういうことも含めまして、地元の要望であります県指定へ、そして国指定へというような、この登録について、進捗状況と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
〇岩渕首席社会教育主事兼文化財課長 平泉町の月館大師堂にある石仏についてですが、奥州藤原氏の時代に製作されたものとされ、委員御指摘のとおり、平成28年度に平泉町指定文化財となったものであります。県指定文化財への指定手続につきましては、調査研究等の進捗により価値づけの明らかになった文化財のうち、所有者の同意を得るなど条件の整ったものについて、岩手県文化財保護審議会に対し、県指定文化財としての諮問を行うこととしております。県教育委員会といたしましては、今後も引き続き平泉町と連携し、当該石仏に係る明確な価値づけの検討を継続していきたいと考えております。
 また、国指定文化財への指定手続につきましては、都道府県や市町村からの情報提供を参考にしながら、国の指定基準を満たすものがその候補として取り扱われることになります。当該石仏につきましては、平成29年度に文化庁調査官の現地指導を受けており、今後も文化庁との情報共有を継続していきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 平成28年に町指定ということになったのですが、その当時は野ざらしであったという状況があって、これ以上劣化が進まないようにということで、地元では遺構の保存ということで、ちょっと屋根をつけたということもありますが、この保存支援と、それから、この文化財について広報や情報発信を進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 1分ぐらい時間がありますので、最後に、最初の質問に戻って、学校の休業に伴う教育委員会として、学校現場として、放課後子ども教室以外に学校独自で家庭訪問等々を含めて、どのような対応を今とっているのか。福祉にばかりに任せることではなくて、どのように総合的に各学校では取り組んでいるのか、もう一度御質問いたします。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 学校現場といたしましては、それぞれの学校に置かれた実態、子供たちの状況、家庭の状況等を把握しながら、もしかしたら個別に呼んで学習をするという場合もあると思いますし、あるいは家庭訪問をして子供の支援ということもあるかと思いますし、さまざまな状況があろうと思います。あわせて、学童の活動についても、教員を派遣することができるという通知も来ておりますので、それらも踏まえて、相互に情報共有しながら、適切に子供たちへの対応に当たっていきたいと考えております。
〇田村勝則委員 端的に2点ほど質問してまいります。教育問題について質問するわけでございますけれども、私は基本として、さきの戦争で北朝鮮から5歳を頭とする3人の子供を伴って帰国した藤原ていさんという方の教育論、教育は家庭からというのに非常に賛同しているわけですが、一方で、やはり家庭だけでは解決できない問題も近年多々噴出しております。そういう中で2点ほど質問をいたします。
 まず、義務教育における医療的ケア児への積極的な支援についてということで、まとめて三つほど指し示していたと思いますが、お聞きいたします。まず、現状について、2点目、国の施策に対応した県の支援策について、3番目、今後の課題解決に向けた取り組みについてということで、お伺いいたします。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 義務教育段階における医療的ケア児への支援の現状についてでありますが、特別支援学校においては、令和元年度の医療的ケアを必要とする児童生徒は40名であり、特別支援学校医療的ケア体制整備事業のもと、看護師を配置しております。
 小中学校においては、平成30年度の調査によりますと、市町村で医療的ケアが必要な児童生徒は小学校に4名おり、そのうち看護師が対応している児童は3名、保護者が対応している児童は1名であります。
 国の施策に対応した県の支援についてでありますが、特別支援学校においては、先ほども申し上げましたが、特別支援学校医療的ケア体制整備事業のもと、経管栄養等の医療的ケアを必要とする児童生徒の学習環境を整備し、保護者の付き添い介護の負担軽減を図ることを目的として、看護師を配置しております。令和元年度は、児童生徒40名に対して30名を配置しております。
 県教育委員会においては、国の動向や関連する情報、特別支援学校における医療的ケア体制整備事業の取り組みなどを市町村教育委員会に提供するとともに、市町村教育委員会から具体的なケースについて相談に応じるなど、個々に応じた学習環境を整備することの必要性や取り組みについて理解を図っているところでございます。また、県教育委員会におきましては、特別支援学校が配置している看護師を対象に研修会を行っており、市町村教育委員会の担当者等への研修の場としも活用できるよう案内しているところです。
 次に、課題についてでありますが、一人一人の子供たちの実態や医療的ケアの内容を本人や保護者と関係機関が十分に共通理解した上で、子供たちにとっての適切な学びの場や必要とされる支援等について検討することが大切と考えています。また、各特別支援学校の副校長を就学支援アドバイザーとして委嘱しており、学びの場を決定する市町村教育委員会に対して適宜助言、援助を行うことができるようにしております。教育事務所におきましては、特別支援教育エリアコーディネーターを活用しまして、児童生徒や地域の実情等を情報収集するとともに、既に看護師を配置した市町村の取り組みの好事例や特別支援学校における取り組みについて情報を提供するなどして、市町村教育委員会が設置している小中学校についても、丁寧な対応を進めるよう取り組みを進めていくと考えております。
〇田村勝則委員 御丁寧な御答弁をありがとうございます。今のような対応は、岩手県ふるさと振興総合戦略の中にも、医療的ケアが必要な児童生徒に安心して教育を受けられる環境を整備するというようなことで書かれております。それをしっかりと実践しているということでありますが、特別支援については、看護師の配置なども今年度も8、900万円でしたか予算化しておりましたし、しっかり手当てされているわけですが、普通学校ですね。例えば、今、3名が看護師も配置している対応、もう1名は保護者が対応ということで4名ですけれども、これから医療的ケアを必要とする児童生徒がふえてくる中で、普通学校に行きたいという方々も恐らくふえてくるのだろうと思います。このように今はなさっておられるわけですけれども、そういうことについてどのような対応をしていこうとしているのか、まずお伺いしたいと思います。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 市町村の教育委員会におきまして、そういった看護師の活用は、国庫のほうから3分の1補助が出るという状況もありまして、国の整備事業の活用も進めながら看護師を配置していくという形での取り組みについて、私どものほうから進めていくような形で情報共有しております。
 今後人数がふえるかどうかにつきましては、個々のケースに応じて丁寧に対応していく部分が必要になります。各学校の様子とか、あと、子供たちの様子も含めまして、教育相談も含めてきちんと丁寧に対応していくことが最も必要になると考えております。
〇田村勝則委員 本当に丁寧に対応していただきたいと思います。参考までに、これまで障がい保健福祉課では、平成30年度も実態調査並びにアンケート調査をなさっております。この中では、保護者のアンケートの要望として、看護師の配置をしてもらいたいということが書かれております。今は3名配置しているということでありますが、ぜひこれから全てにおいて配置できるように、いろいろな課題もあると思いますけれども、対応をしていただければと思います。
 それと、先般2月13日には、医療的ケア児・者支援推進会議も開催されているようでございまして、その中で課題等も示されております。一々申しませんけれども、御承知だと思いますが、その課題をしっかりと捉えて、現場の声を聞いていくというのが大事だと思います。長くならないように私の提言をします。
 推進会議の委員のほか、市町村教育委員会や市町村保育関係課等を委員に加えることも含めと、この推進会議の最後にありますけれども、できれば保護者の代表等もしっかりとここの中に加えていただいて、現実的な対応と理想の対応と、その辺のバランスをとった対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 委員御指摘の会議でございますが、私も事務局として参加しておりますし、その会議の中には保護者の代表の方々、医療の方々、福祉の方々、多くの方々が委員として御参加いただいておりますので、そこの場を含め、情報共有して、今後も進めていきたいと考えております。
〇田村勝則委員 よろしくお願いします。
 続いて、フリースクールへの支援策について伺います。2点、不登校児の問題とフリースクールと出しておりましたけれども、不登校児については佐々木順一委員のほうからのお話で了解をいたしました。
 そこで、フリースクールの支援策ですが、私自身、先般の一般質問でも行ったわけですけれども、現場はニーズがどんどん多くなっているということは、多分認識を共有していると思います。そういう中で、県としても、先ほどの岩手県ふるさと振興総合戦略の中にも、フリースクール等と連携し教育機会の提供に取り組むというようなこともありますし、二つほどそういう項目が書かれております。しっかりと対応していくためには、講師として出向いていろいろな勉強会をするのも大事だとは思いますけれども、もっと切実なところを聞き取って、県としての独自な施策も含めて取り組んでいくべきだと思うわけですが、いかがでしょうか。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 本県としての支援策についてでありますが、フリースクールの支援や連携について、これまで各教育事務所に配置しております在学青少年指導員であるとか指導主事が、フリースクールを定期的に訪問させていただきながら、その状況等についての情報を共有しているところであります。また、県の教育委員会のスクールカウンセラーも、フリースクールが開催しております講演会の講師を務めて、県の考え方であるとか子供たちの支援のあり方であるとかを講師として紹介しているところもございます。また、指導主事が、教育機会確保法にかかわるパネルディスカッションのパネリストとしても参加したりしているところでございます。
 フリースクールに対する他県の支援の状況等については、現在、情報収集をしている段階ということで、あまり情報は持ち合わせてはおらないところでありますが、教育関係情報誌等によると、自治体が設置している連携推進会議等を立ち上げた際に、フリースクールの代表者等を構成員などとしているということも承知しておりますし、国において不登校児童生徒の実態把握等に関する調査研究が進められるということで、経済的な支援のあり方についても今後研究が進められるということもございますので、そのようなところに注視をしてまいりたいと考えております。
〇田村勝則委員 御丁寧にありがとうございます。
 そこで、国の取り組みとか他県の取り組みは今お聞きしてよくわかりましたが、今、岩手県内の現状はどういう状況であるのかお聞きしたいと思いますが、どうでしょうか。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 現状につきましては、先ほどのとおり、着手したばかりでございますので、フリースクールの実態把握であるとか、状況把握に努めている段階にとどまっております。来年度以降も連携のあり方を考えまして、より子供たちの支援に役立つような連携をしてまいりたいと考えております。
〇田村勝則委員 今から始まったということで、これ以上お聞きするのはやめます。ふるさと振興総合戦略の中にも盛り込まれているわけですが、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、最後に教育長にお尋ねしますけれども、教育長は演述の中で、岩手だからこそできる教育、やるべき教育の視点と、もう一つは、学びと絆で、夢と未来を拓き、社会を創造する人づくりに向け取り組むとおっしゃいました。両方とも、医療的ケア児もそうですし、不登校、フリースクールの問題もそうですが、教育長がおっしゃったことを実現するためには、今、小さいこういう課題の解決に向けて取り組むことが必要だと思いますけれども、教育長の御答弁をお伺いして、私は終わります。
〇佐藤教育長 いろいろな分野で取り組まなければならないわけですけれども、特に不登校児あるいはフリースクールに通っている子供たちに対しても、支援のニーズがどういったものがあるのか、私どももいろいろな場面で連携をしておつき合いをしているわけですから、そういったところで具体のニーズ等についても把握しながら、そして国でもいろいろ調査をする、研究すると言っていますので、私ども国の動向あるいは他県の取り組み状況等も注視しながら、本県としての支援のあり方について研究してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 最初に、公立高校と地域の連携についてお伺いします。
 これまで公立高校と地域の連携についてはどのように行われてきたのか、簡単で結構ですのでお示しください。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 公立高校と地域の連携についてでございますが、県立高校におきましては、総合的な探究の時間や課題研究等を活用いたしまして、地域課題の解決や地域産業の振興に向けた探究活動を行っております。今年度でございますが、文部科学省の地域との協働による高等学校教育改革推進事業を活用して、大槌高校におきまして、本年度から3年間にわたりまして地域と連携した学習活動を展開してきており、昨年12月に、県内の教員を対象とした大槌高校の授業公開や研究会を行い、大槌高校の先進的な活動を各学校に波及させる取り組みを行ってきているところでございます。また、来年度当初予算案におきましては、新たに高校の魅力化促進事業を立ち上げ、小規模校において、地域理解の学習活動を一層充実させ、地域と連携した魅力ある学校づくりを図ってまいります。
〇佐々木努委員 各高校でそれぞれ工夫されて、今おっしゃられたこと以外にも、ボランティア活動なども含めて取り組まれていると私は理解しているわけです。
 それで、次の質問ですが、私の認識が実は誤っていたので、それを確認させていただきます。
 県が取り組もうとしている公立高校のコミュニティ・スクール制度については、私は、教育長演述で、新たに県立高校におけるコミュニティ・スクールの導入を促進するということでありましたので、次年度、学校運営協議会制度を実施すると理解していたのですが、いただいた資料をもう一度見たら、今年度と来年度の2カ年で西和賀高校と高田高校をモデル研究地域としてやるということで、新年度にコミュニティ・スクールを導入するということではないという認識で構いませんか。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 本県の県立学校におけるコミュニティ・スクール―学校運営協議会制度の導入につきましてでございます。現時点では、本県の県立学校においては導入はなされておりません。導入に向けて今準備を進めているところでございまして、今年度からモデル校を設定いたしまして、まだコミュニティ・スクールに入っていないのですが、どうすれば滑らかに導入が進むのかという観点から、指定校ということで西和賀高校と高田高校を指定して、今年度取り組んでいただいたところでございます。これは2カ年ということで進めております。そういうノウハウを普及させつつ、県内全体に広めていきたいという思いが一つです。
 もう一つは、コミュニティ・スクールにシフトできる高校にはシフトしてもらおうというところがございまして、そういう環境づくりが必要。つまり、教育委員会の規則を設定するであるとか、学校運営協議会の経費をきちっと確保するであるとか、そういう取り組みを令和2年度の当初予算案に要求させていただいたところでございます。既に、西和賀高校は来年度から導入に着手するので今話が進んでおりまして、そのほかにも、状況把握によって、ぜひシフトしたいというところには、それができる環境づくりを来年度から具体的に進めていこうということが経緯でございます。
〇佐々木努委員 わかりやすく説明していただいてありがとうございました。
 この学校運営協議会制度―コミュニティ・スクールについては、私は積極的に導入すべきだという思いを持っているわけでありますけれども、県として、このコミュニティ・スクールの導入の目的は何だと考えているのか、そこをお示しいただければと思います。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長
 学校運営協議会制度は、御案内のとおり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づきまして、学校運営に関することについて地域のより広い関係者で協議し、学校運営に保護者や地域住民の声を積極的に生かし、学校が地域と一体となって特色ある学校づくりを進める学校の体制でございます。
 現在、県立学校におきましては、学校評議員制度を導入いたしまして、校長の求めに応じて意見を述べる体制となっておりますが、学校運営協議会制度への転換、もっと一歩踏み込むことによりまして、一定の権限と責任を持って学校と地域が共有した目標の達成であるとか抱える課題の解決策に向けて協議し、具体的に取り組むことができるようになり、これまで以上に、学校、地域が一体となった学校運営や特色ある学校づくりが期待されると、その仕組みづくりとしての意義があるものと考えております。
 また、広い県土を持つ本県におきましては、地域によって特色や課題が異なる点もあることから、関係市町村とともに、コミュニティ・スクールの導入による魅力ある学校づくりを進めることが、その地域ならではの新しい価値を創造する人材であるとか、産業界に求められる人材の育成にも取り組むことが重要であり、意義があると考えております。
〇佐々木努委員 今課長がおっしゃられた最後の部分です。地域に根差す人材を育てていくためのものだということ、これが私は一番大事なところであって、今までも学校評議員制度等を導入しながらいろいろな地域の意見を聞いて高校運営を行ってきたということがあったり、あるいは高校独自で、冒頭申し上げましたが、さまざまなボランティア活動とか、地域行事への参加を通して地域とのかかわりを持ってきたということがあったわけですが、それがもしかしたらまだまだ足りなくてというか―もしかしたらではなく、間違いなく足りなくて、ある一定の子供たちの地域外流出、県外流出にもつながっているのではないかと私は思っています。そういう思いがありますので、ぜひ学校運営協議会制度については積極的にやっていただきたい。
 これは私の地元の前沢高校の事例なのですけれども、この間市民劇、前沢劇場というのがあったわけです。校長先生が準主役で出演をなさいました。そして、校長先生だけでは寂しいからということで、生徒に声をかけて、10人を超える生徒が、キャストなりスタッフなり、音響とかにも携わって、最後にその子供たちが、学校を卒業したら、またこの前沢劇場で自分も出演したいとか、かかわりたいと、地元でそういう活動をしたいとおっしゃっていたのが非常に私は印象深くて、高校生というのは、これまで地域とかかわれることがあるようでなかったのではないか、そういう活動を通して地元はいいなとか、地元で暮らしていきたいと思う子供がふえていくのではないかと思いましたので、ぜひこれは積極的に進めてほしいと。
 あとは、前沢中学校の話をすると、前沢中学校はさまざまスポーツが盛んですし、比較的強いところで、全国大会とか、結構、毎年行くのですけれども、お金が足りなくてどうしたらいいかということになって、結局、前沢に住んでいる方々全戸に、1戸当たり幾らということでお願いをした経緯があるのです。そういう取り組みをもっと進めるためには、学校と地域がどれだけかかわっていくかということで、自発的に地域から、では、子供たちのためにお金を出しましょうという話になるとか、そういうことを進めていくためにも、学校運営協議会、コミュニティ・スクールというのはこれから力になっていくのではないかと私は思っています。
 岩手県は、小中学校のコミュニティ・スクール導入率は全国と比較すると非常に低いと。今7%、8%弱くらいですか、高校はゼロということですけれども、これは全国並みに上げるとか、それ以上を目指していくとか、学校としては、確かに面倒かもしれませんけれども、これから絶対、地域とかかわっていくことが必要だと、よりかかわっていくことが必要だと思うので、それを県教育委員会で先頭に立って私はやっていただきたいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
〇佐藤教育長 学校が地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくと、いわゆる魅力化アップとか、そして、その地域ならではの価値創造をしていくと、地元の方々と一緒に取り組んでいくことが非常に大事だと考えております。
 県立高校にあっては、新年度予算で魅力化促進事業という形で、1学年3学級以下の小規模校には、1学校当たり20万円から30万円の間くらいになるかと思いますけれども、全体で700万円ほどの予算を措置しまして、そして地域と一体となった取り組みができるような形で予算化も考えております。そういったものを使いながら、地域と一体となって学校の魅力づくりにも使っていただいて、そして取り組んでいただければと考えております。
〇佐々木努委員 小規模校にということでありますけれども、私はむしろ、進学校と言われている大規模校にも、積極的に導入してほしいと思うわけであります。どこの高校にいようが、最終的には、岩手県で生まれた子供は、可能な限り、地元岩手で活躍してほしいと思っていると思うのです。全員が、みんな大学のために、首都圏に行けばいいとは誰も思っていないと思うので、進学校に行く子供たちであっても、いずれ地元に戻ってきて、地元の担い手として頑張ろうと思うような子供を育てていくためにも、それがコミュニティ・スクールがいいかどうかまた別として、地域との交流を、より取り組めるような教育を私はしていただきたいと思います。
 それからもう一つ、部活動のことについてお伺いします。一般質問でも取り上げさせていただきましたが、時間がなくてはしょってしまった部分があるので、再度確認をさせていただきます。
 部活動は子供の自主的、自発的な活動だということで、はっきり言えば任意だという認識を教育委員会も我々県民も、新たにしたところだと思うわけであります。一方で、いまだに部活動は任意ではないと、みんな部活動に入らなければだめだという学校現場があって、それに対して保護者あるいは子供たちから、任意になったのではないのかという疑念の声が聞かれるという状況。これについては、この間の一般質問のときの教育長答弁では、県立高校については徹底を図っているという話でしたし、それから中学校に対しては方針の改定、去年の8月に改定した県の方針に沿って働きかけをしているという話がありました。私は4月1日、新たな年度から、これははっきりとさせたほうがいいと思います。新入生はもちろんそうですけれども、在校生においても、希望する人はそのまま部活動をしてもいいでしょうし、そうでなく、勉強を少し頑張りたいとか、あるいは地域の別なスポーツを頑張りたいという子は、学校が無理にやらせないことを徹底すべきだと思いますが、担当課長で結構ですので、今の中学校あるいは高校において、そのような問題が起きていないか、子供たちあるいは保護者からそういう指摘があって現場が混乱していないか、その状況、認識がおありかどうか、その辺を確認します。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 県の部活動の在り方に関する方針についてでございますが、県全体で統一した取り組みをすることが重要と捉えているのですけれども、現状は、まだ方針の改定を進めている途中の市町村もございまして、それに従っての部活の取り組みがさまざまな実態、課題があることも承知しております。こちらといたしましては、新年度に向けまして、県の方針や適切な部活動のあり方についてさらに共通理解を図るよう、指導者の研修会等において方針の内容、趣旨を改めてしっかりと周知させて、各校における部活動連絡会に指導主事を派遣する等の支援を続けながら、県内全ての学校で県の方針に基づいた適切な部活動が推進されるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 これは命令ではなく要請だと思うのですけれども、私は強い要請でなくてはならないと思います。最低でも、高校においては、もう既に方針が変わってできているはずですから、高校は4月1日から、新年度から徹底させてほしいと思います。
 中学校については、新型コロナウイルス感染症対策の関係もあって学校も混乱していることもあるかもしれませんけれども、早い段階でしっかりと方針を策定させて、それを遵守させることが県全体としてのルールではないかと私は思いますので、その辺もお願いし、これも最後に教育長に所感を聞いて終わります。
〇佐藤教育長 県立高校にあっては、校長会議等を通じて趣旨の徹底を図っているところでありますし、それから、市町村についても部活動の在り方に関する方針の改定作業を進めているところでありまして、こういったところは、市町村教育長協議会等の場でも強く要請してまいりたいと思いますし、あとは生徒もしっかりそういったことを理解することも大事なのではないかと。
 私も子供の生徒会会則を見ましたら、部活動には原則として全員加入という書き方がされているのを見ました。そういったところが学校現場にもしっかり伝わっていかないと、そして生徒会でも、そういったことになっているのだということの話し合いが必要になってくるのではないかというのが現実的な対応だと思います。そういったところも含めて、市町村教育委員会にも協力をお願いしていきたいと考えております。
〇佐々木努委員 私ももう一回学生に戻れるなら、間違いなく部活動はやりますけれども、いずれ、部活動が大事だということ、子供にそれはしっかりと教育をしてほしいけれども、一方では、それをやるかやらないかの権利は君たちにあるのだという指導もしっかりやっていただいて、頑張りたい―頑張る方向が子供によって違うし、少なくとも部活動が自分の将来にマイナスの影響を与えることのないようにだけはしていただくことをお願いして質問を終わります。
〇斉藤信委員 私も部活動の問題について関連して質問したいと思います。
 学校関係者から私にもこの問題について訴えがありました。そもそも部活動というのは、学習指導要領で自主的、自発的活動と位置づけられているはずです。ところが、岩手県は、全国で一番、九十数%が強制加入になっているのです。だから、強制加入にしていることが本来の部活動から私は逸脱していると。
 一つ私は現状を、これは何回も文教委員会でも取り上げてきましたけれども、今、強制加入率はどうなっていますか。そして、この自主的、自発的活動というのはいわて県民計画(2019〜2028)にも明記されています。もちろん、部活動のガイドラインにも明記されています。だから、私は、本来のあり方がゆがめられていたのが今までの岩手県の実態だったのではないかと。
 現実に、現段階でどのぐらいまだ強制加入になっているか、明らかにしていただきたい。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 今年度の部活動加入のあり方でございますが、中学校においては、157校のうち任意加入とする学校が4校、運動部、文化部へ加入させる学校が131校でございます。それから、郊外部活動、地域の活動部等を設置し学校外の活動を認めている学校が16校ということです。いずれにいたしましても、4校が任意加入という実態でございます。
〇斉藤信委員 異常な事態ですね。これだけ議会の中では議論されてきて、学習指導要領でもはっきり明記されている。いわて県民計画(2019〜2028)にも明記した。ところが、任意加入にしているのはたった4校と。いわば強制しているのは131校です。教育委員会は何をやっているのだと。本来、部活動というのは、自主的、自発的活動というのはどういうことかというと、生徒自身が積極的に参加する活動という意味なのです。そして、そこを通じて自治意識も醸成するということなのです。強制というのは、本人の意思以外に入らなくちゃならないから、結局は学校顧問の教師が支配するのです。それは本来の部活動にはならないと。私はそういう中で部活動の顧問のパワハラだとか体罰だとか、いろいろな事件が起きているのだと思いますよ。児童生徒が主役の部活動にしていく、楽しい活動にしていくと。
 私は、先ほど保健体育課長の答弁を聞いてびっくりしました。任意加入がたった4校。これ中学校の状況ですか。その点で、何でこんなに方針が徹底されていないのか。
 先ほどの答弁で、市町村教育委員会で部活動のガイドライン、その方針が途中だという答弁がありました。抵抗があるのではないですか、学校の現場に。私は、今の異常な事態を丁寧に、そして強制加入しているのは、岩手県が全国で一番ですから、そこの異常さに気がついて、生徒が主役、生徒の自主性、自発性に基づく本来の部活動に改善、改革していくと。その点でどういう努力をしてきたか、今後どうしていくか、具体的に答えてください。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 国のガイドラインの改定によりまして、県の方針を改定いたしましたのが昨年8月でございます。9月に各校に周知したところでございまして、各県立学校では、その改定に伴って各学校の方針を改定いたしました。それから、先ほど答弁ございましたが、市町村においては、市町村の教育委員会が県の方針を参考にして改定をしております。現在、16市町村が改定済みでございまして、11市町村が改定予定ということでありまして、早急に改定作業を進めていただきたいと要請しているところでございます。来年度以降、新たな改定の方針、特に自主的、自発的な参加による適切な部活動の推進については、さまざまな機会を捉えて強力に進めてまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 新たな県立高等学校再編計画後期計画案についてお伺いいたします。
 地元のことで恐縮ですが、福岡工業高校と一戸高校の再編の方向は、各学校における特色ある学科等の機能を維持した統合により、地域の将来を見据えた専門教育の拠点となる学校に再編するとされております。これに対して、地元住民あるいは関係者の受けとめ方でございますが、二戸市内におきましては、地域検討会議でこのような話題はなかったことに加えて、現在福岡工業高校は改築工事をしている、建てかえ中でございまして、令和3年供用開始予定でございますが、こういう状況で、仮に一戸高校と統合ということになれば、その計画性に疑問の声が上がっております。
 一方、一戸町では、町内唯一の高校が統合の対象になったこと、さらに、仮に統合により廃校となれば、町内から高校がなくなることへの懸念が生じております。加えて、二戸市長と一戸町長も、いわゆる存続を訴えていくとコメントも出しております。総じて、驚いたあるいは寝耳に水だったということだと思います。そういった不安を与えていることの要因の一つには、県教育委員会の描く統合の姿が見えないことでございます。現段階でどのような姿を描いているのか、まずお伺いをいたします。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 統合後の姿についてでございますけれども、一戸高校の校舎のほかに、工業の実習棟につきましては福岡工業高校の施設も利用するなど、両校の施設を活用したいと思っております。一つの学校として機能させる形態の統合を考えております。教員配置や学校の一体感の醸成といった観点から、今後、具体的なあり方を検討していくことと考えております。
 また、学科構成等につきましては、福岡工業高校における工業の学び、それから一戸高校においては、今、農業、商業、介護福祉といった学びが行われておりますけれども、特色のある専門教育といったものを維持しながら、地域の産業振興の状況であるとか、中学生の志望動向等を踏まえて教育委員会から案を示しながら、統合検討委員会等の中で御意見も伺いながら決めてまいりたいと思っております。
〇五日市王委員 両学校とも、地元はもとより、全国の企業への人材供給に大きな役割を果たしております。今、藤澤課長が答えたように、現在の機能をほとんど維持したままということであれば、統合する必要性にちょっと疑問も残る感じもあるのですが、統合によるメリット、デメリットをどのように捉えているのかお伺いをいたします。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 統合のメリット、デメリットについてでございますけれども、令和元年度の両校の入学者の状況を見ますと、一戸高校が120人定員に対して96人、福岡工業高校は80人定員に対して48人となっておりまして、こうした状況が進みますと、一戸高校におきましては現在四つの系列、先ほど申し上げました内容で学習を行っておりますけれども、その維持が難しくなりますし、そうなると、生徒の進路希望に応じた学びの選択も限定的になってくるものと思います。
 それから、福岡工業高校は今48名と申しましたが、40名前後まで落ちていく可能性がありまして、工業の学科の維持が難しくなるものと考えております。こうしたことから、これらの専門分野の特色ある学びを維持しながら、二戸ブロックに専門教育の拠点となる学校を整備することができること、それから、一定の学校規模を確保することができて、また、統合校の男女のバランスもある程度とれるのかと思っておりますので、学習活動、部活動の活性化による学校の魅力向上が期待できるものと考えております。
 それから、課題としましては、生徒の移動が生じますので、その辺が課題になるものと思っております。
〇五日市王委員 そういったこともこれから地元にはきちんと示しながら、検討会議といったもので議論が進んでいくと思います。今後の地元との協議のスケジュール的なものを教えていただきたいと思います。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 現在、パブリックコメントを実施しておりますけれども、この後5月ごろを目途に、地域検討会議をもう一度開催することを予定しております。さらには、県民の方を対象とした意見交換会、夜の部を考えておりますが、あとは同窓会やPTAなどの方々からの要請に応じまして、出前説明会も開催したいと思っておりますので、そうした場において皆様の意見を伺ってまいりたいと思っております。
〇五日市王委員 ぜひ、きめ細かくやっていただきたいと思います。
 統合と言っても統廃合の形式や本校、分校形式、あるいはキャンパス制などさまざまな形態があると思います。今後の地元の協議次第ということになると思いますが、例えば前期計画でも、遠野地区、久慈地区は統合延期という選択もしたわけでございますが、現状維持も含めて、あらゆる可能性を排除しないということでよろしいかどうか、お伺いをいたします。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 今後の統合の内容ということでございますけれども、一つの校舎に生徒全員を収容できない状況であるとか、あるいは既存の施設の有効活用という観点なども考えて計画に盛り込んだものでございますけれども、計画案は、今後生徒が減少する中で、この地域にも産業教育の拠点を設けて人づくりをしっかりしていこうという考え方に基づいたものでございます。地域に将来を見据えた専門教育の拠点を整備したいという観点からですので、現時点では、この公表案について、まずはしっかりと御理解をいただく努力をしてまいりたいと思っております。
〇五日市王委員 教育委員会とすればそうですね。だけれども、これから地元の協議次第では、前期計画でもいろんな変更があったわけです。そういったことも排除しないかという質問なのですが、お願いします。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 前期計画の際の事例を申し上げますと、計画案を公表した後に、久慈地区の統合を1年おくらせまして、平成32年度に3地区の統合でそろえたということはございました。そういったさまざまな可能性があろうかと思いますので、皆様からしっかりと意見を伺ってまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 私からも高校再編、そして高大接続改革に絡めて、予算委員会ですので予算的な観点からお伺いいたします。
 先ほど田村委員からも出ておりましたが、教育長が演述で、岩手だからこそできる教育ということでお話がありました。岩手にしかできない教育、具体的に何で、実現したい取り組みはどのように考えているのか。以前に私も聞いておりますが、岩手だからこそやるべき教育とは何なのか。特に高校教育において、岩手が重点的にやらなければならない教育とは具体的に何で、その実現に向けて新年度の予算にどのように反映しているのかお伺いいたします。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 岩手だからこそできる教育、やるべき教育についてでございますが、本県におきましては、新学習指導要領の理念である社会に開かれた教育課程のもとでございますが、地域への愛着を育み、地域の将来を担う人材を育成していくこと。加えて、広大な県土を有する本県におきましては、地域格差のない教育の質を保証していくこと、学ぶ機会を確保していくことが重要であると認識しております。
 その実現に向けまして、新たに来年度の当初予算案に盛り込みました高校の魅力化促進事業では、小規模校の地域と連携した特色ある取り組みを推進していきますし、同じく探究プログラム事業では、県政課題である理数教育の充実による地域に貢献する人材育成を行っていくところでございます。
 加えまして、このような授業を推進していくためにICTの活用が不可欠でございますので、令和元年度補正予算案や令和2年度の当初予算案におきまして、ネットワーク回線の大幅な増強、大型提示装置等のICT機器の整備を盛り込んでいるところでございます。
〇臼澤勉委員 ちょっと聞き方を変えます。今の答弁だと、全国的にどこでもこれから取り組んでいくような中身かと思うのですけれども、岩手だからこそできる、岩手だからこれからこの10年やらなければいけない、やるべき教育。教育委員会として、他県にない取り組み、岩手だからこそできる教育とは何なのか、簡潔でいいですからお願いいたします。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 岩手で特徴的なのは、地域コミュニティーの力という大きな部分がございます。そういう地域資源等を活用しながら、生徒の豊かな感性等、学力等を育成してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 それでは、岩手だからこそできる、岩手だからこそやるべき教育に向けて、高校再編にどう反映しているのかお伺いします。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 まず、計画案の中では、地域の力という話もございましたけれども、地域の人材育成に向けた高校の役割の重要性、それから地域からの期待等を踏まえまして、地域や地域産業を担う人づくりを基本的な考え方の一つとして、地域の学校をできる限り維持することを今回の後期計画の大きな内容の一つとしております。
 予算面では、こうした観点から、1学級校を含む小規模校においても、生徒の進路希望に対応できるよう、ICT技術の活用とか、地域の教育資源の活用等を進めることとしておりまして、令和2年度当初予算案には、ICT機器の整備による教育環境の充実、それから、小規模校が行う地域と連携した魅力ある学校づくりに向けた取り組みへの支援といった予算を盛り込んだところでございます。
〇臼澤勉委員 いわて県民計画(2019〜2028)をスタートして、上期であります。この時期がこの10年に向けて軌道に乗せていく、山を動かしていくためにも重要な時期だと思います。そういう意味で、今後のいわて県民計画(2019〜2028)の中で実現に向けた上期あるいは中期、下期、ちょっと長くなりますけれども、事業展開をどう考えているのか聞かせていただければと思います。
〇小久保学校教育課総括課長 本県の今後の教育のあり方につきましては、教育振興計画にも基本目標として掲げているとおり、学びと絆で、夢と未来を拓き、社会を創造する人づくりでありますとおり、まさに子供たちの学び、すなわち、資質、能力を育成していくこと。それから絆、すなわち、地域の力によって子供たちを育んでいくことが重要であるというのは、先ほど関係課長から御答弁申し上げたとおりです。
 この4年間を期間とする第1期アクションプランにおきましては、この資質、能力の育成のため、先ほど申し上げたICTもそうですし、それから主に高校段階における探究的な学習の推進、進学支援の充実等々に取り組むこととしております。また、本県のふるさと振興における地域と学校の役割を重視しながら、先ほどの高校再編計画の推進ですとか、魅力ある学校づくりに取り組むこととしております。アクションプランの中には工程表も記載しておりますので、まずは4年間、このアクションプランと工程表に基づいて施策を着実に実施しまして、成果と課題を把握しながら、社会情勢も変化してまいると思いますので、今後の施策の改善に不断につなげていくことが重要と考えております。いずれ、児童生徒の変容ですとか成長に着目した児童生徒本位での施策推進に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ちょうど私が高校に入る時期に盛岡南高校ができました。今回再編計画で、不来方高校との再編のお話も出ておりました。先般、不来方高校の卒業式を見させていただきましたが、30回生がことし出ていったということであります。昭和62年にも、35年くらい前、私が高校を卒業するころにおいても、この議会において県立高校の再編計画について議論がされておりました。このときはちょうど不来方高校ができるときで、いろいろ議会でも、どういう高校にしたらいいのかと、新設して10クラスでつくっていこうということでさまざまな議論があったところであります。この中にも、これからの教育において、まだ人口がふえていく時代でありましたけれども、職業の要望であるとか、社会の変化、地域の要望にしっかりと応えていこうと、そして―ここに議事録があるのですけれども、高校教育の向上、改善を目指して、先導的実践をしていくという理念のもとに不来方高校にさまざまな学系ができた。そして今、30年後に全国にも魅力ある、先駆的な、評価されるような高校ができております。
 それでお伺いいたしますけれども、国においても、多様化する高校教育の改革の基盤的、共通的な施策として、高大接続改革の観点を含めた生徒の進路選択の支援をできるキャリア教育の充実を挙げております。具体的な県の取り組み、展開をどう考えているのかお伺いします。
〇軍司首席指導主事兼産業・復興教育課長 キャリア教育の充実に向けた取り組みについてでございますけれども、現在、各学校におきましては、教育活動全体でキャリア教育に取り組んでいるところでございます。国においては、児童生徒が社会的、職業的自立を実現するために、体系的、系統的なキャリア教育を推進することの必要性、重要性を示しております。このため、県教育委員会では、平成22年にいわてキャリア教育指針を策定しておりますけれども、現在、いわて県民計画(2019〜2028)、岩手県教育振興計画、新学習指導要領の趣旨を踏まえまして、その改訂を進めているところでございます。次年度から、改訂した指針に基づき、各学校が産業界や高等教育機関等との連携を図りながら、社会人講話、インターンシップ、企業見学、学校見学など、さまざまな取り組みを進めることによりまして、キャリア教育の一層の推進、充実を図ってまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 後期高校再編の計画において、重要なことが書かれておりました。4の(1)で、まさにキャリア教育の視点とも絡むのですけれども、県政課題である医師あるいは弁護士を初めとした研究者、技術者の専門的知識を持つ人材の育成に向けた学力の向上であるとか、産業教育の中心として産業人材の育成に向けた多様な専門教育を担う役割がある1学年7学級の学校については、学校規模を確保して教育内容の充実を図っていくのだということが書かれておりました。そういう意味から言えば、例えば、今県政の課題である医師不足と看護師不足などの地域課題の解決に向けて、中学生が高校に入っていく段階においても、医療の進学コースの設置、例えば不来方高校の理数科の2クラスある中の一つを医大との進学の連携に向けて人材を養成していくと。あそこは医療系総合大学でありますから、医師を初め看護学部とかさまざまございます。そういったところの連携を図るような新たな高校のあり方を、今回の再編に絡めて提案していくことも私は重要ではないかと思っております。生徒の能力の実態に応じた教育課程編成の工夫などの取り組み、県教育委員会してどのように進めていくお考えか、お伺いいたします。
〇藤澤特命参事兼高校改革課長 盛岡地区の統合校のあり方ということでございますけれども、医師不足、医師の偏在ということは県政課題の一つだと認識しておりますけれども、その解消に向けては全県的な取り組みが必要だと考えておりまして、まずは広く県内の高校生に医療の道を志す動機づけだとか、地域貢献の意識を高めていくといったことも大事だと思っておりまして、さまざまな授業に今取り組んでいるところでございます。
 それから、今回の盛岡南高校と不来方高校の統合の案につきましては、学校規模を生かした、今現在両校はスポーツであるとか芸術、学業とのバランスのとれた環境がございますので、その両校が一緒になることでよりバランスのとれた環境の中で切磋琢磨し、新たな価値観の獲得であるとか、資質、能力の向上を目指すことになるものと考えております。
 学校規模が大きくなることで、教職員の増加といったものも見込まれますので、探究的な学びであるとか、大学進学対策の指導等も充実が期待できるものと思っております。さまざまな活動について考えてまいりたいと思いますけれども、先ほど申しましたとおり、医学部、医師確保という観点に関しては、まずは全県的な取り組みということを中心に考えてまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますが、県内の医学部の年間入学生60名、看護師も60名規模等々、その程度だったと思いますけれども、岩手で必要な人材を、あるいは県政課題である解決に向けて長いスパンで育てていく、人材を育成していくのだと、そういう中で県内に残る人もいるでしょうし、県外に出ていく人もいるとは思いますけれども、小中学校、高校、そして大学と連携した取り組みが私は必要ではないかという意味で、今回、高大連携の改革のお話をさせていただきました。
 最後に、教育長にその辺の御所見をお伺いして終わります。
〇佐藤教育長 今回の後期計画の考え方でございますけれども、生徒の希望する進路の実現を一つの方針にしています。それから、地域や地域産業を担う人づくり、この二つの大きな考え方で統合の計画をしております。そこにあるのは、先ほど小久保総括課長も申し上げましたけれども、児童生徒本位、児童生徒の視点からも希望する進路実現ということで、医学部を目指す生徒も、そこも実際自分が進学した先、例えばのお話でありましたけれども不来方高校に進学しても、地域の進学校に入学しても、県全体で医学部進学セミナー、保健福祉部とも連携しまして、岩手県全体で医学部を目指す生徒が一堂に会してお互いに頑張っていきましょうと。そしてお互い切磋琢磨しながら医学部進学を果たそうという取り組みも始めたところでございますし、さらに進学支援ネットワークでは、新たに理数教科の強化も予算を新たに措置したところでございます。そういった意味で、県政課題、貢献人材の育成という観点でも、高校生になってからというわけではなくて、早い時期からきちんとした動機づけをした上で、そして非常に難しい勉強をしていかなければなりませんので、そういったところに小中学校、高校一体となって取り組んでいければよろしいのではないかと考えております。
〇吉田敬子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩
午後3時17分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日9人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、不登校の子供たちの学習機会の確保についてお伺いしたいと思います。
 不登校児童生徒の教育機会の確保策として、私の12月の一般質問で取り上げた際に御答弁いただきました。その中で、ICT等を活用した学習支援策の一つであるGアップシートを御紹介していただきました。私も実際に活用する機会があったので見せていただいて、中身については、とても活用しやすいなと思いました。
 教科書と併用しながらこのプリントみたいなのをやっていくというのは、使いやすいですし、親としても子供にさせやすいなというのがあって、いいなと思いましたけれども、わかりやすい解説、自分が解説できないときに、どうやってこの問いについてわからせるのだろうかというときに、ログインのコードがあれば、きっとGベースという動画を見られるサイトにも入れるようだったのですが、学校のほうでもそのログインのパスワード等をどこまで保護者とか子供たちに教えていいのかというのが多分決まりがなくて、教えてもらえなかったのかなとは思いますが、ログインをしないサイトだけで使ってほしいということでした。せっかくすばらしい取り組みだなと思いましたし、サイト自体も結構新しくてさくさくと進んで入っていけたので、これをもっと活用していただければ、さらに困っている方、親御さんも子供たちにやらせられるような、そのように使っていけるのではないかと思いましたので、ぜひこの点についてさらに充実させてほしいなと思っています。
 それプラス、中学生の分はあるのですが、小学生の分は実はなくて、小学生の中にもやはり不登校で悩んでいる子はいますので、そういった子供たちにも使っていただくような形にしていくのが好ましいのかなと思っています。中学校のGアップシートをさらにちょっと発展させた小学校バージョンをつくっていくような形で、ICTを活用した学習機会の確保策を進めていただけるのかどうか、教育委員会のお考えをお聞かせください。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 前回の答弁を踏まえて委員に見ていただいたということで、大変ありがたいなと思ったところでございます。
 不登校対策については、主に人数、また出現率の多い中学校を対象としてつくったものでございますので、その当時から現在まで、小学校への対応の教材とはなっていないものでございますので、今後、御意見をいただきました御見解等も踏まえながら、さらに検討させていただきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 ぜひ進めていただきたいと思います。予算等もあるので、国のいろいろな予算も活用しながら、ぜひ進めていただきたいと思いますし、市町村の教育委員会のほう、それから学校にも活用策を―私からお話をして教えていただいたというのもあるので、あることはわかっているけれども、それをどのように活用するのかというところまで、学校の先生方の中ではまだ浸透していない部分もあるのかなと思いましたので、その点も並行してぜひ進めていただきたいと思います。
 そして、今回Gアップシートを使わせていただいたのは、息子をちょっと短期留学させたというのもあって、留学から帰ってきてから留学期間中の学習をどうしようかというので相談したときに、うちの場合は自己責任で留学させていますので、いなかった期間については自己責任で何とか家庭でやってほしいというような返答だったので。そのとおり、自己責任なのでそうだろうなと思ったのですが、そのときふと感じたのが、これはもしかしたら、不登校に入り始めのお子さん、要因がわからなくて何となくお腹が痛くて学校に行けないというお子さんが―不登校のなり始めはそうなりますよね、それで週2回ぐらいお休みをしてしまうというようなお子さんの家庭でも、結局、なぜなのかというのがわからないまま、学習の部分はそのままにされているのではないのかなというような疑念が私の中に湧いてきました。
 そのとき、たまたま知り合いの方で、そういった状況になった御家庭の方とお話をしましたら、子供が学校に行けなくなったのだけれども、無理やり行かせ続けるのもかわいそうだから、1日休ませて心が落ち着いたら学校に行かせようと思って休ませるのだけれども、そのときに対応する策がなかなか、どうやって家で学習させればいいのか悩んでいるというお話も実際に聞きました。
 それで、このGアップシートをぜひ。先ほど、さらに進めていくというようにお話をしていただきましたが、動画とかもついていると、子供がそこを見ながら、わからないところは先生のように教えてくれるところも見ながら、学習を家でもおくれなく進めていけるようになるのではないかなと思っています。
 不登校になり始めの支援というのは、どうしても手が届いていないなと私自身も感じていまして、ぜひともこのICTを活用した遠隔教育支援を、さらに不登校になり始めの方にも進めていただくように、学校との連携のところを教育委員会でも進めていただきたいと思っているのですが、その点については、今現在、またこれからされることの中で、どのように考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 現在、具体的なものを申し上げる段階には至っていないところでございますが、不登校になりかけのお子さんの支援につきましては、まず一義的には、家庭との連携を踏まえましてどのような支援のあり方があるのかということ、また専門家、スクールカウンセラーとか、そういう方などのアセスメントをもとに、どのような支援が望ましいのかというあたりも鑑みまして、支援を行っていくことが重要であると思います。
 御案内のとおり、ICTを活用したさまざまな支援も有効でございますが、今般国から通知された留意事項の中には、ICT等を活用した、これは出席扱いという不登校生徒についての取り扱いになるわけですが、そのことをもって長期にわたらないよう配慮するという事項もありますので、学校への復帰ということも踏まえまして、お子さんの支援ということを総合的に考えていくような取り組みをしていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私もその通知については拝見いたしました。そのように書いてあります。その点については、確かに、家でホームスクーリングなどをしている方のお話を聞くと、家でももちろんそのようにICTとかで学習活動は進めることができるのだけれども、子供にとっては、社会的な活動というか、みんなでやる活動の機会をやはりつくらなければいけなくて、そういう機会をつくるのが一番難しいというお話もあるので、このICTのところを進めることが長期にならないようにというのは、それは基本的なベースであると思っています。
 ただ、不登校になり始めの子供に対する支援というのは、いろいろなケースを聞いていますが、親もどうしたらいいかわからないし、子供ももちろんわからない。そして、学校も、もしかしたらただお腹が痛いだけなのかもしれないという、その空白期間のようにただただ置かれてしまっていて、子供は、結局休んだことに対する罪悪感と、それから勉強がおくれているのではないかというおそれとか不安、そういうのがだんだん自己否定につながっていってしまう部分もあると思うのです。
 ですので、できるお子さんであれば、やる意欲が、家でだったらできるというのであれば、または教育支援センターの適応指導教室のようなところでやれる子であれば、やれるような機会、こういうのであったらやれるよというのは、出席として扱うかどうかはまた別ですけれども、紹介することはできると思います。少しでも子供がおくれていないという意識を何とか持ってもらいたいなと私も思っていますので、ぜひその点については前向きに、活用の仕方を教育委員会のほうで構築していただきたいと思います。
 そして、スクールカウンセラーにも、実際のところはなかなか会えません。スクールカウンセラーにはどうやって会うのだろうなと思ったら、私のあたりでは学校に問い合わせないと会えないので、まず学校がベースとして、学校の先生にお話をして、そこから次にスクールカウンセラーに会うというような形で運用されているところもあります。
 不登校になり始めというのは、どうなってしまうのだろうと、親も本当に不安だと思います。なので、そのときに少しでも、学習だけでもキャッチアップできるような形で支援策があるのだよというのを伝えられるというのは非常に有効なことだと思いますので、ぜひその点については進めていただきたいと思います。
 同時に、ICTを活用した支援策を子供に伝えるときに、担任の先生だけだと、自分の担任の子供もいて、そのほかにこれもするというのは大変ではないのかなと思っています。それで、文部科学省でスクールサポートスタッフの予算がついているのですが、その中に、不登校とかいじめへの対応でも、学力向上を目的とした学習、学校教育活動支援のためのスタッフに補助が出ているというのを見ましたので、そういった場合は、TTですね。チームティーチングのように補完してくれる先生がいると、担任の先生もやりやすいのかなと思っているのですが、不登校になり始めなのか不登校になってしまったお子さんがいる学校の担任を支援する先生というか、仕組みみたいなものを今後考えていこうとしていらっしゃるのか、その点についてもお聞きしたいと思います。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 今般、チーム学校として学校運営に当たる、また子供たちの支援に当たるということがございますので、各学校では、学習支援も含め、また、いじめへの対応、生徒指導上の課題への対応等も担任任せにしないということがうたわれておりますので、そのような形で担任が家庭訪問すべきときには、かわりの先生が学級に入るであるとか時間割の変更を柔軟にしながら、子供たちの不利益に陥らないような組織としての対応ということをこれまでお願いしてきたところもございますので、そのようなことをまた徹底して取り組んでまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 担任の先生が行くというのもあるし、あとは、ICTを使って勉強するというようなことをカウンセラーと話し合った上で、この子にはこっちのほうが適性があるというのであれば、そういった支援の方がICTで勉強する子に対する支援員としてやっていくというような方策もあるのではないかと思いますので、さまざまな事例を研究しながら、一人一人の個性に合った、多様性にも対応した、学習機会の確保に努めていただきたいと思います。
 不登校のお子さんが減るような学校づくりが一番いいのですけれども、既に不登校で学校に行けない方がいらっしゃいます。フリースクールにたどりつければいいのですけれども、そこまでいっていないお子さんも実際はいっぱいいらっしゃるので、その間のところの支援というのも何とか、考えていただきたいと思います。
 これから岩手県も、多様性を認める学校づくりというのをさらに進めていかなくてはいけないと思っています。ILCも決まって、ILCが稼働すれば、いろいろな方が来ますし、外国人労働者の方もふえるとすると、そのお子さんたちもふえてくるかもしれません。そういった意味でも、いろいろな人たちを受け入れて、どのように支援していくかというのをしっかりと捉えて、支援策を考えていただきたいと思います。その点、最後に教育長に御所見をお聞きして、終わりたいと思います。
〇佐藤教育長 不登校の児童生徒の学習機会の確保、それから居場所とか、そういったところをどのようにやっていくか。委員から、ICTの活用というお話もいただきました。先ほど橋場課長からも、学校全体で組織としての対応ということを答弁させていただきましたけれども、一人一人にしっかり寄り添って、そしてきめ細やかな、児童生徒がどういった理由でそうなっているか、そういったところをきちんと把握をしながら、どういった対応が一番望ましいかということしっかりやっていくことが、まず大事なのではないかと思います。
 実際の子供にどう対応していくか、一人一人、多分対応の仕方というのは違うのだと思います。そういったところをしっかり組織で支えていく。あとは、保護者の方、地域の方、関係者の方々とも連携を図りながら、しっかり対応していかなければならないと考えております。
〇郷右近浩委員 何点か質問項目を挙げておりますけれども、ちょっと順番を変えて質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 最初に、新型コロナウイルス感染症への対応について、教育長にお伺いしたいと思います。
 この部分については、ほかの委員の皆様からもこれまで質疑があったところでありますし、常任委員会等でも質疑があったということで、その点については承知しております。
 しかしながら、この週末、土日、地元に戻っていろいろな形で多くの方々と会って―私も小学4年生の子供を持っていて一応まだイクメンなのかなというような感じなので、子供たちの親御さんとの接点がそれなりに結構あるという中で、今学校で起きている一斉休校について、親御さんたちから非常にいろいろな声が挙げられてまいります。
 その声というのが、急にこんなことになって対応がとれないといったことが大きな趣旨の部分であって、子供たちを家で見なければならない。これまで放課後児童クラブに行っていた子たちは行けるけれども、放課後児童クラブに通わせないで、例えば3時半、4時に小学生の子供たちが帰ってくるまでのパートタイムのシフトを組んでもらって働いていたお母さん方は、一体どう対応すればいいのかと。先ほども質疑の中でありましたけれども、放課後子ども教室も、実施しているところ、していないところ、さらに、実施していても小学3年生までといった形での対応をとっている中で、子供たちの面倒をどのように見ていけばいいかというところが非常に悩ましい。また、パートタイム等で働いている方々が仕事を休んだとき、これは教育委員会とは別の話になりますけれども、子供の御飯の用意であったり、自分も結局休んで、なおかつ自分もそこで御飯をどのようにしていくかといったような部分を含めて、経済的な部分も含めて、そしてもちろんそのための時間であったり、そうしたものが非常に悩ましく皆さん感じていらっしゃると。そして、なおかつ、先ほどの繰り返しでありますが、放課後児童クラブであったり、さらには放課後子ども教室に行ける子供との不公平感も非常に持っておられるといった思いを寄せていただきました。
 そのことについて教育長に聞いて、教育長のほうでどうこうという話ではないと思うのですけれども、しかしながら、今は春休み中ということでありますから、4月6日ごろまで学校が休みになるという前提条件で進んでいる中で、きちんと子供たちを安心して見てもらえるような環境整備を、もう一歩、何とか県のほうで進められないのかなと。指導的な形で進められないのか。市町村であったり、それぞれの小学校長の判断で行っている、そうした学校現場に対しての指導的なものは、何かしらつくられないのかなと。そうした思いで、また月曜日から県議会に来たところでございます。ですので、教育長から、そうした部分について、何かしら親御さんたちが安心できるような方向性をつくり上げていくべく、そのような思いがあるのなら、御発言いただければと思うところであります。
〇佐藤教育長 子供の居場所の確保策ということで、文部科学省と厚生労働省からも連名で通知を出され、そして、私どもも、柔軟に対応願いますという形で、市町村教育委員会のほうにも通知をしております。
 実際に、居場所づくりに関して、データは若干古いのですが、3月5日時点での学校における受け入れの有無ということで確認をさせていただいたところ、県内で10市町村が学校で受け入れをしているということ。それから、逆に児童センター等に教職員を派遣して、いわゆるお手伝いの業務に当たっていただくというのが4団体あるということ。最新のデータについてはちょっと把握仕切れていないのですけれども、柔軟に対応ということで、放課後児童クラブ以外でも、学校現場でも受け入れをする。例えば、あいている教室を使うとか、図書室を使うとか、体育館を使うとか、そういった形での受け入れも、柔軟に対応している市町村もございます。
 私どもが通知を発する際にも、柔軟な対応に努めていただきたい、それから実態に即してとり得る対策等をやっていただければということでありますし、丁寧な実態の把握に努めながら、さまざまな助言等、何か不明なところがあれば遠慮なく相談していただきたいというような形で、市町村のほうにもお伝えしているところでございます。
 日々というよりは、時々刻々と毎日状況が変わってきているところであります。また、きょうは3月10日ですから、国では今後の対策の取りまとめをきょうされるということで、私どもにはなかなかその情報が入ってこないというもどかしさはあるのですが、給食の関係であるとか、雇用の問題であるとか、さまざまな課題が現場では起きているということをしっかり把握しながら、国に対しても万全の対策をとっていただくよう伝えていかなければならないと考えております。
〇郷右近浩委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
 そもそもが、学校に子供を通わせることはだめだけれども、児童センターに集めることはいいのか、またそれを教室に違う形で集めることがいいのかというのは、果たしてどうなのだろうと思うことは思っているのですけれども。とはいえ、急に一斉休校という措置になった中で、子供を持つ親御さんたちが不安を感じないで過ごせるような形を、ぜひ幾らかでも道筋を見せていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 次の項目に入りたいと思います。こちらもちょっと順番を変えながらの質問になると思いますが、部活動指導員の配置事業についてお伺いしたいと思います。
 部活動指導員の配置事業につきましては、昨年度は、中学校は51校に65名、県立高校は35校で46名の配置になったということで、平成29年度のモデル事業以来少しずつふえていく中で、それぞれどのような形で部活動指導員の方にお願いすればいいとか、もしくはその活用の仕方とか、大分こなれてきたというか、理解が進んできたのかなと思うところでございます。
 ただ反面、このような形でふえていく中で、令和元年度においてさまざまな課題も出てきているのではないかと思うわけでありますが、令和元年度の成果と課題をどのように捉えておられるか、お伺いしたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動指導員配置事業の成果といたしましては、担当教員の勤務時間の負担軽減が図られただけでなく、担当教員が部活動指導員から専門的知識や指導方法を学ぶことができるといった指導体制が充実しまして、質の高い部活動が展開されたといったところが上げられております。
 課題といたしましては、学校で配置を希望いたしましても、現職と兼業できないという理由から、指導者の確保が困難な状況にあるといったところが挙げられております。
 この人材確保に向けまして、広報等を活用した事業周知に加えまして、協会等の関係団体との連携、また退職教職員を対象としました部活動指導員候補者リストの作成等をいたしまして情報提供を進め、部活動指導員の積極的な活用に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 部活動のあり方という部分において、これまでも、本日の委員会でも、議論があったと思います。例えば、長い時間だらだらやるのではなくて、きちんと3時間なり2時間、質の高い練習というものを与えることができるとするならば、この部活動指導員でさまざまなノウハウを教えていただく、もしくは専門の方に直接教えていただくことは非常に有効であると思います。本当に今の課題のとおり、なかなか指導者を見つけることができない種目であったり地域であったりと、いろいろなことがあると思いますけれども、ぜひその部分についても、教育委員会の中で、教職員OB等も含めて、どのような形かでしっかり対応できるように頑張っていただければなと思います。
 その中において、令和元年度の当初予算については4、600万円ということでありましたが、令和2年度の当初予算においては7、300万円余となっております。本年度の予算においてどのような展開をさらに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 令和2年度の部活動指導員の配置事業に係る予算でございますが、市町村立の中学校につきましては156名、県立学校におきましては64名ということで、県内の各学校1名は配置したいと、配置できる予算を計上したところでございまして、各学校における部活動の質的向上と教員の負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 この予算立てについては、令和元年度の予算についても、一応、各学校1人掛ける何校という形で考えておられたのが、一つの学校で2人お願いするところもあったりというように弾力的に、例えば中学校156、高校64、この学校数部分を予算手当てをして、その中で弾力的に使うものといった形で認識しておりますけれども、そのような形で、ぜひ導入したいという中において、対応できるところに関してはどんどん進めていっていただければと思うところであります。
 そして、今回、新規予算として、中学生スポーツ・文化活動調査事業費というのがついております。これは新規事業として100万円余ではありますけれどもついた中で、もしかしたらこことリンクして、学校現場のあり方等を部活動も含めて考えていくための事業なのかなと見させていただいておりましたけれども、これは事業として何を目的として調査していくのか、お伺いしたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 中学生スポーツ・文化活動調査事業費でございますが、近年の中学生の部活動は、委員御指摘のとおりさまざまな形態がございまして、生徒数の減少ですとか学校単位の部活動の運営が困難な状況にございます。加えまして、学校外のスポーツ、芸術文化等の活動に取り組む生徒も多く見られる状況を踏まえまして、本県の中学生の望ましいスポーツ、文化活動のあり方を研究するといった目的で進めるものでございます。
 研究においては、関係団体や有識者による研究会を立ち上げまして意見を聴取するとともに、他県における先進事例の視察などを進めまして、生徒本意の部活動を含めた有意義なスポーツ、文化活動のあり方についての方向性を検討してまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 わかりました。研究会の立ち上げと、また、さらに他県のということであります。他県においても、地域総合型スポーツクラブであったり、これまで学校現場で見ることができない、これは子供が少なくなってという地域であったり、また、さらには地域としてスポーツクラブがうまく運営されていっているところで、そちらのほうが部活動をのみ込むではないですけれども、うまいぐあいに地域として見られるような環境をつくっているところがあるということで、私も何カ所かお邪魔させていただいておりますが、そうしたところに話を聞きに行って、そしてそれをフィードバックしたりというものと受けとめてよろしいでしょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 委員御案内のとおり、各県では先行的に、自治体を挙げて、民間とタイアップしてのさまざまな取り組みがなされておりますので、そういった成功事例を勉強してまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 わかりました。ありがとうございます。
 それでは、最後の質問に入らせていただきます。学校施設へのクーラーの設置についてお伺いしたいと思います。
 令和元年度の予算において、県内小中学校への設置及び県立高校の保健室、夏期課外教室へのクーラーの設置は完了したものと理解しております。ただ、私自身はこれまで、特に前任期、商工文教委員会の審査の中で、小学校のみならず高校の普通教室へも県として国に求めているという話ではありましたけれども、国が動かないまでも、それだったら県単費ででも早期に設置すべきだということで働きかけてまいりましたが、先ほど教育長がこの予算の説明をされた際にも、高校の教室へのといったようなくだりがあったと受けとめております。県教育委員会では令和2年度はどのような形で進めようとされているのか、考えをお伺いいたします。
〇新田学校施設課長 県立高校への冷房設備の設置につきましては、生徒等の熱中症対策という観点から極めて有効であると考えておりまして、小中学校と同様に整備を進めていく必要があると考えております。そこで、令和2年度当初予算におきまして、高校の普通教室等への整備に係る設計費を計上しているところでありまして、令和3年度以降、計画的に整備を進めていきたいと考えております。
 また、導入に当たって財源の関係でございますけれども、相当程度の財政負担が伴うことから、その財源には充当率の高い有利な起債を活用したいと考えておりますが、引き続き国に対しまして、地方財政措置の拡充を要望してまいりたいと思っております。
〇郷右近浩委員 ありがとうございます。県内の小中学校への設置というのは、もちろん国の緊急対策で予算が出てきたものでありますけれども、しかしながら、もちろん小中学校のみならず高校生の現場。ましてや、ことし小中学校に全部ついて、中学生が卒業して、そして高校へ行くといった中にあって、またさらに、夏の間、大学進学であったりを考えた子供たちが、課外教室自体はクーラーをつけたけれどもという話の中で、やはりきちんとそうした中での環境。尋常ではない暑さの中で勉強をしていた子供たちにとって、しっかりとした形の対応をとってあげるということを何とかなし遂げたいと思っておりましたが、本当にそうした意味では御英断をいただきましたことに、御礼を申し上げたいと思います。
 ただ、その中で、先ほどの教育長の説明のときもですし、今、新田課長からお話しいただいた部分で、普通教室という話がありました。これまでは保健室、それから夏期課外教室、それから今回は普通教室のという方向で話をいただきましたけれども、職員室についても必要ではないか。
 以前に小中学校の現場の話をさせていただいたときも、先生方が授業が終わって職員室に戻ってきて、授業中もそうでしたけれども、またさらに職員室へ戻ってきて、残務というかいろいろな書類をやらなければいけないときに、汗だくになってやっていると。もう頭がぼうっとなって、などという話を聞いておりました。
 そうした中にあって、もちろん子供たちがファーストというのはありがたい話ですけれども、先生方がふだんからそうやって準備をされる、常に学校を運営されている職員室にも設置すべきと考えますが、そうした考えはないのかお伺いしたいと思います。
〇新田学校施設課長 整備に当たりましては、基本的に普通教室を優先的に整備するという方針ではありますが、熱中対策というのは大人も子供も同じであると考えておりますので、その観点からも、普通教室以外の諸室につきましても、来年度の設計を踏まえまして学校側と十分に協議をし、その設置箇所について決めていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 令和2年度の設計調査ということであります。ありがとうございます。ただ、それを設置するのも、ぜひ前倒しでできますよう頑張っていただければということを希望して、質問を終わります。
〇高橋こうすけ委員 私からは、先日の一般質問でも取り上げさせていただきましたICT教育について質問させていただきます。
 学校のICT環境整備にかかわる地方財政措置が国から出され、教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画が始まったところでございますが、ICT環境整備に関する現在の整備状況、それから今後の予定としてはどのように進めていくのか、お伺いいたします。
〇大畑教育企画室教育企画推進監 本県の現在の整備状況でございます。平成30年度文部科学省調査結果によりますと、全学校種平均の数字でございますが、教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数は全国平均5.4人に対して4.8人、普通教室の無線LAN整備率は全国平均41.0%に対して26.8%、普通教室の大型提示装置の整備率は全国平均52.2%に対し7.7%という状況でございます。
 今後の取り組みでございますが、全国平均に比較しても整備がおくれている部分がございますので、何度かこれまでの答弁の中でも出てまいりましたが、令和2年度当初予算案に、県立高校等20校に先行的に大型提示装置等を整備する事業を盛り込んでおりますほか、今年度の2月補正予算におきまして、国の補正予算を活用して、県立学校に無線LAN環境を整備する事業を盛り込んで実施することとしております。
 いずれにいたしましても、市町村教育委員会とも連携しながら、県全体としてICT環境がきちんと整備されていくように取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋こうすけ委員 先ほどお話しいただきました平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査、文部科学省で出しているデータでございますが、私もちょっと調べさせていただきました。コンピューター1台当たり全国平均5.4人に対して岩手県は4.8人となっているが、無線LANの整備率が41%に対して岩手県は26.8%ということでございます。これは全国の中でも下位でございまして、器材は全国平均よりたくさん持っているということだけれども、それを使うための環境整備がまだできていませんよということであるのだなと思っております。
 さらに、校内LANの整備率は、平均89.6%であって、岩手県では71.4%の整備率となっております。実は岩手県は全国で下から2番目の数字となっておりまして、要するに何が言いたいかというと、学校内でのネットワークが使われていないという状況であります。つまり、教員の方々が、例えば指導案とか教材を共有したり、子供たちの学習成果などを保存したり発表したりする学校内でのネットワークでありますが、これを実用的に使うための整備が整っていないのではないかと思っております。
 しかし、また、さらにそのデータを見てみますと、学校におけるインターネットの接続率は、全国の平均が93.4%に対して、岩手県は96.7%であります。要するに、インターネットを非常に使われているということでありまして、ちゃんと需要があるということになると思います。
 ですから、整備をこれからしっかりしていくということで、予算案の中に盛り込んでいたところだと思いますけれども、ぜひ校内LANの整備もあわせてお願いできればなと思っております。というのは、整備をして、器材があって、使える状態になりましたよとなったとしても、学校内での共有だったり、しっかり使っていけるという環境を整えていくことが何より大事なことだと思いますので、さまざまな課題等あるとは思うのですけれども、前向きな検討をぜひお願いしたいと思います。
〇大畑教育企画室教育企画推進監 校内LANの整備についてでございます。
 県立学校につきましては、先ほど申し上げました令和元年度の2月補正予算におきまして、県立学校の校内LANを10ギガバイト対応、それに加えて無線LANを整備するということで進めていきます。
 それから、今回、GIGAスクール構想ということで、国のほうで校内LAN整備に対する補助金も新たに創設をされております。これを活用して県内13市町村で校内LANを整備するという取り組みを今進めようとしているところでございますので、そういった市町村の取り組みも県として支援しながら、校内LANを小中高、特別支援学校できちんと整備されるように取り組んでいきたいと思っております。
〇高橋こうすけ委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
 今のお話も踏まえて、GIGAスクール構想に向けて、今後ほかにも何かやっていこうということがあるのかどうか、計画を立てているのか。まだ本当に始まったばかりのものなので、これから立てていくものなかというところを教えていただければと思います。
〇大畑教育企画室教育企画推進監 国では、先ほど委員からも御紹介ありましたとおり、平成30年度から令和4年度までを期間といたします、教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画を策定しております。県教育委員会におきましては、これに対応した計画は策定しておりませんでして、今のところは、いわて県民計画(2019〜2028)に盛り込みましたICTを活用した学校教育の推進、それから学びの改革プロジェクトをいわて県民計画(2019〜2028)に位置づけて取り組みを推進していくという形にしております。
 一方で、昨年6月に、国におきましては、学校教育の情報化の推進に関する法律が施行されております。その中で、国は、基本的な方針、期間、目標などを盛り込んだ学校教育情報化推進計画を策定することになっております。それに加えて、法律におきましては、地方公共団体におきましても、努力義務ではありますけれども、そういった計画をつくるようにという形が位置づけられております。
 県教育委員会といたしましては、今後、国が計画を策定するということになっておりますので、その国の計画を参考として、この法律に基づく県としての計画、県教育委員会としての計画についても、どういった内容を盛り込むかも含めまして、検討を進めていきたいと考えております。
〇高橋こうすけ委員 これからいろいろな話をしながら進めていくことになるとは思うのですが、今回のGIGAスクール構想の実現に向けて、学校のICT環境整備の自治体の財政負担が大きくなってくるのかなというところもあるとは思うのですが、いろいろなやり方もあると思いますし、共同調達の枠組みの活用であったり、適切な見積もりをとるということによってコストダウンを図っている自治体もあると聞いておりましたので、そういったところも参考にしながら、持続可能な形で調達、整備を進めていっていただければなと思っております。
 あと、先ほどお話しございましたが、このGIGAスクール構想の実現に向けて補助金―公立学校情報ネットワーク環境施設整備費補助金でございますでしょうか、ぜひこれを活用して、または活用できるように、しっかり計画を立てて話し合いをして、進めていっていただければなと思います。
 最後に、これらを踏まえて、改めてICT教育についてのあり方、整備の進め方の御所見をお伺いしたいと思います。
〇大畑教育企画室教育企画推進監 計画につきましては、先ほど申し上げたとおり、国の策定する計画を踏まえて、県としてどのような内容にするか、これから検討していきたいと思っております。
 また、ICT機器の整備につきましては、国のほうで示しましたGIGAスクール構想の中で、令和4年度までに小中1人1台パソコンの実現を目指すという形で、目標年次を定めて取り組むとしております。今回新たに創設された補助事業におきましても、地方負担分については地方債を活用し、それを交付税で地方財政措置を講じますというような形になっておりますので、引き続き国に対してはそういうことを求めつつ、また市町村に対しても、そういった国の考え方を踏まえて取り組みが進められるように、会議等を通じて取り組みを求めていきたいと思っております。
〇高橋こうすけ委員 努力義務ということではあるのですが、せっかく整備していくということで前向きに進んでいる話でありますので、ぜひしっかりとやっていただければと思います。
 補足でございますが、御承知だとは思うのですが、今度、政府のほうで3月18日と27日にインターネットで、環境整備の関係の説明会を生配信するということでしたので、モデルとか紹介もあると思いますので、そういったところを参考にしながら、柔軟に前向きに御検討いただければと思います。終わります。
〇名須川晋委員 私のほうからは、大きくは1点でございます。
 昨年、川崎市や滋賀県の大津市で児童生徒、園児が被害者になるという痛ましい事件、事故が発生いたしましたが、本県では、登下校あるいは散歩の際の安全確保対策についてどう取り組んでいるか、まずは伺います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 児童生徒の登下校時の安全確保についてでございますが、これまで国の登下校防犯プランに基づきまして、地域、関係者等による通学時の児童生徒の安全確保を進めてきたところでございます。
 また、川崎市の事件を受けまして、集団登校の集合場所等に対する安全体制の確認について、各県立学校や市町村教育委員会に対し要請してきたところでございます。その後起きました滋賀県大津市の交通事故を受けまして、未就学児が日常的に集団で移動する経路の交通安全確保についても、保育園、幼稚園等を所管する関係機関に要請してきたところでございます。
 引き続き、家庭や地域、警察等と連携いたしまして、登下校時等における見守り活動の実施、強化等、児童生徒等の安全確保について取り組んでいきます。
〇名須川晋委員 集団登校はそれなりの効果があるとは思うのですが、むしろ危害を加えようと思うやからは非常に大勢いるわけですから、すぐに危害を加えるということもあると思います。ですから、それが果たして安全確保において有効なものなのか。あるいは、一緒に登下校していても、そこに車が突っ込んでしまえば被害者が多くなるという可能性、懸念もあるわけでございますが、その辺については、何か整理はついているものでしょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 委員御指摘のとおり、集団登校、集団で動くことが全て安全かということになりますと、実際に集団登校時における事故ですとか事件が発生していることを踏まえまして、さまざまなことを想定いたしまして、孤立した児童生徒をつくらないこともそうですし、集団時においても、身近な大人、地域の関係者が一体となって見守る、ながら見守りといった活動も推進しながら、目を光らせて子供の命を守る体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 なかなか正解というのはないのかなと思いますけれども、本県のスクールガードリーダーの配置状況はどうなっておりますでしょうか。そして、新年度、国のほうでは予算を3億数千万、4億円ほど増額しているかと思うのですが、本県ではこれについてどのように取り組んでいくのか伺います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 本県のスクールガードリーダーの配置状況でございますが、本県では、国の地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業を活用いたしまして、地域、関係者等による通学時の児童生徒等の安全確保推進のため、各地域のスクールガードリーダーの配置と資質向上に努めているところでございます。
 本県のスクールガードリーダーは、本事業を活用している市町村において、現在17市町村に40名が配置され、巡回指導等を実施しているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、県が主催する連絡協議会の開催回数をふやし、事業に参加していない市町村に対しても、協議会への参加を働きかける等、スクールガードリーダーの重要性を周知して、その配置拡大に努めてまいりたいと考えています。
〇名須川晋委員 そうすると、本県では、今年度はこれから増員できる、する、そういう検討が始まると。それぞれの市町村から要望があれば、それに応えるという意味合いでございましょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 来年度の市町村の事業への参加については、既に申請が済んでおりまして、市町村が決められておりますが、来年度参画していない事業でも、先ほど申し上げたとおり、協議会等にも案内して参加していただいて、次年度以降の配置計画に盛り込んでいけるように進めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 きのうも県警察本部の審査のときに質問させていただいた事例ですけれども、花巻で、私の事務所がある学区ですけれども、そこで初めて、そういう安全にかかわる会合をこの前持ったわけでございます。スクールガード、見守りボランティアの方が音頭をとって、これまでやったことがないからということで、花巻市と、最寄りの警察―派出所の警官の方と、スクールガードリーダーと、見守りボランティア、いわゆるスクールガードといいましょうか、あとは交通指導員の方々ですね。あとは、学校の先生、副校長先生と父母会の会長ということでございましたけれども、そういう機会はこれまでなぜかなかったわけでございまして、スクールガードがスクールガードリーダーに会ったこともないというのが実際でございます。
 17市町ということでございますが、それぞれに多分それぞれの実情があると思うのですけれども、しっかりとその辺をそれぞれの組織、機関が情報交換をするということでないと、なかなか一層の安全は確保できないのかなと思ったところでございます。この登下校防犯プランというのもありますけれども、これを下敷きにして、それぞれの連携というのはどう図られているのか伺います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 関係機関との連携についてでございますが、登下校防犯プランに基づいて、地域の連携の場の設定を各市町村教育委員会に対して働きかけているところでございます。この地域の連携の場は、委員御案内のとおり、学校、地域、それから家庭、警察、スクールガードリーダー、それからボランティア等、関係者が一堂に会する機会ということでございまして、各地域における危険箇所や課題の共有を図りましてその対応策を協議するなど、児童生徒の安全確保に大きな役割を果たしているものでございます。日ごろから県警と連携を密にしながら情報共有に努めてまいっておりますが、子供110番の家の活用等における協議に参画するなど、防犯協会等とも連携を進めておりまして、関係機関が一体となった取り組みに努めているところでございます。
 今後も、各地域における地域の連携の場の開催と、見守り体制の一層の強化に努めながら、登下校時の児童の安全確保対策について着実に取り組んでまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 よろしくお願いいたします。いずれその連携がうまく図られているかといいますと、そうでもない。これは私の地元がそうであるのかなと思っているわけでございますけれども。それぞれ個別では情報のやりとりをやっているかもしれませんが、一斉に集まる機会というのはなかなかないのではないかと思われますし、それぞれの自治体でまたそれぞれなのかなと思われますので、一つの模範的なチャートのような、何か図のようなものをつくって、それぞれの組織や個人、ボランティアの方々も含めた形での情報交換という形を、基本的なものを示していただくのもいいのかなと思っております。以上、終わります。
〇岩渕誠委員 新型コロナウイルス感染症対策関連につきましては、重複したものがございますので割愛させていただきますが、先ほど教育長から、学校現場における休業中の子供の受け入れ状況、それから学童保育現場への教職員の派遣等の状況については、それぞれ10団体、4団体というお話がありました。これは団体ということですから、確認しますけれども、地方自治体ということなのでしょうか。そして、地方団体からそれぞれ各学校という捉え方でいいのでしょうか。端的にお尋ねします。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 先ほど申し上げた数字は、市町村の数でございます。
〇岩渕誠委員 これはそれぞれの市町村で全部やっているということなのか、それとも、学校の判断において、10団体あるいは4団体という中でもそれぞれ学校長の判断によってやっている、こういう認識でいいのでしょうか。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 その市町村において実施している学校があるということでございます。
〇岩渕誠委員 わかりました。最終的には、学校長の判断というのは大きいと思うのですけれども、そうなりますと、現場で要望、ニーズがあるけれども、どこに言ったらいいのかというのがありまして、ちょっと大変なところがあるわけであります。それはやっている学校とやっていない学校、隣の学校はやっているけれども、隣の学校はやっていないということにつながるわけでありますけれども、これはあくまで学校が実情に応じて決定する権限を今持っていると、こういうことでいいですか。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 市町村教育委員会の指導のもと、学校がさまざまな機関と相談をし、校長が判断をするということであります。
〇岩渕誠委員 了解しました。だとすれば、それは窓口は、学校に対して要望をPTAなどを通じて行うのが一番現実的だと、こういうことですね。はい、わかりました。
 それと、この新型コロナウイルス感染症の関係で言えば、今の学校現場における休業中の子供の受け入れは、今、休校ということに対しての措置であります。そうならないことを祈っているのですが、春休みと連続をした場合に、今の措置は、本来登校すべき人たちが登校していないので学校で受け入れますという話だと思うのですが、これは休業中という扱いになると、これは考え方が学校現場で変わってくる可能性があると思うのですが、ただ、問題の発出点が新型コロナウイルスへの感染を防止するという観点であれば、これは春休み中においてもこの受け入れを継続する必要が出てくると思うのですが、そのあたりの検討は行われていますか。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 現在、緊急の措置として、通常学校に行く期間を臨時休業としているわけですが、この状況に何らかの好転の状況が見られない限りは、春休みにおいても継続するのではないかという想定もしておりますし、もし、好転するようなことがあれば、また何らかの通知が文部科学省、厚生労働省から出てくるものと捉えております。
〇岩渕誠委員 好転しない場合には、ぜひ受け入れの状況をつくっていただきたいと思いますし、その拡充も含めて御検討いただきたいと思います。
 新年度になりますと、4月1日、私の記憶だと、綾里小学校のはかまの入学式から始まって、大体10日までに入学式が終わるわけであります。そして、ゴールデンウイーク前には修学旅行を実施する学校も出てくるわけですが、今の段階でそれをどうするというのはなかなか言えないことだと思うのですけれども、逆算してみると、いつごろまでに決めないと入学式とか修学旅行とかできませんと。特に修学旅行というのは経済的な問題も発生してきますから、このあたりの判断の目安となる期日といいますか、それを県教育委員会ではどのように考えていらっしゃいますか。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 入学式や修学旅行実施の判断基準についてでございますが、明確な判断基準が設定されているものではないため、文部科学省からの通知内容に基づきながら、学校設置者である各市町村教育委員会において、地域や学校の実情を踏まえて判断するものと捉えております。
 入学式等の儀式的行事につきましては、各市町村教育委員会の指導のもと、各学校において、このまま続けば時間を短縮して実施したり出席者を限定して実施するなど、児童生徒の健康や安全を第一に考えた対応をする予定であると捉えているところであります。
 修学旅行につきましては、各中学校において4月実施が多いわけでありますが、現在この状況であることから、秋に実施を延期する方向で調整が図られていると捉えております。
 また、小学校の修学旅行につきましては、多くが6月に実施予定でありますので、この新型コロナウイルス感染症の状況を注視しながら、実施の判断をするものと捉えております。
〇岩渕誠委員 よくわかりました。いずれ、保護者に対する情報提供を詳細にわたってやっていただきたいと思います。
 次に入ります。一般質問でもありましたが、教育改革への準備状況についてお尋ねをします。
 新学習指要領に基づいて小中学校、高校とそれぞれスタートするわけでありますが、各学習における準備状況と現在の課題について、県教育委員会はどのように捉えているかお示しください。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 各学校における新学習指導要領への対応の準備状況と課題についてであります。
 学習指導要領の改訂に伴い、小学校、中学校では、平成30年度から移行措置が始まっております。各学校においては、各教科等の指導計画の見直しが進められております。
 今後の課題といたしましては、指導の充実もそのとおりなのですが、それに加えて、学習評価の充実という面があります。各教科における観点別学習状況の評価が、従来は教科ごとに異なっておりましたが、今般、学習指導要領においては、各教科共通として三つの観点、知識・技能、思考・判断・表現、そして主体的に学習に取り組む態度の3観点に整理されたことを踏まえて、指導と評価の一体化を図る実践が、一層求められてくるものと捉えております。
 県教育委員会では、この学習指導要領に伴って、平成29年度から各地区で説明会を開催してきました。今般、それを発展させ、学習指導要領に基づいた授業とはどうあるべきかについて事例をもとにした協議会を開催することとしております。そのことによって、学習指導、学習評価の充実に関して、一層、工夫、改善を図っていくよう努めてまいります。
〇岩渕誠委員 この学習指導要領の中身は、どのように学ぶかということが今回の教育改革2020のポイントでありまして、文部科学省が言うには、主体的、対話的で深い学びという表現をしていますが、これは、もとはアクティブラーニングだと思います。これはグローバル教育、ICT教育、キャリア教育と並んで21世紀型教育の一つと言われていますが、高校段階あるいは大学段階で学んだのだけれども、要は、社会に行ってなかなか使えないと。知能伝達型にとどまっているという批判の中から出てきたのがこの教育改革2020であって、その中で、学び方としてアクティブラーニングというのが出てきているわけですが、このアクティブラーニングの取り組み、これは高校段階だと思いますけれども、ここについての取り組みはどのように進めるおつもりなのでしょうか。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 アクティブラーニングへの取り組みでございますが、主体的、対話的で深い学びの視点で、高校の新学習指導要領は探究活動が柱になっておりますので、今まで受け身というか、講義型の授業からの脱却ということでアクティブラーニングを進めてきたわけですが、さらに一歩踏み込んだ形で、生徒がみずから課題を設定すると。その自分で設定した課題をどのように解決していくか、どういう情報収集をしながら取り組んでいくかという授業が重要になってくると。そのための一つとして、先ほどから申し上げておりますが、ICT機器の整備等も進めながら、その学力の向上に取り組んでいくということでございます。
〇岩渕誠委員 この教育改革は別の見方をすると、教室改革あるいは教員改革ということになると思います。特に、アクティブラーニングというのは、やったことがない先生がほとんどだと思います。欧米では反転授業という格好でやっているわけですが、大学で少しやり始めていますが、そういったものを目標としてやってくださいというのはわかりますが、では、学校の先生はどう教えていくのかというのが課題だと思っています。実際に教室の改革をするための取り組みというのが必要になってくると思うのですが、これは新年度あるいは次年度でどのようにお考えになっているのでしょうか。
〇小久保学校教育課総括課長 学びのあり方の改善につきましては、大きく二つの方向性があると思っています。一つは、先ほどまで御答弁申し上げておりますICTの活用が一つございます。本県は、ICT、広大な県土を有して多くの小規模校がありますし、それから、急速な情報化の中で情報活用能力、これはICTを使うだけという話ではもちろんないわけですけれども、この二つの点からICTを効果的に活用して、主体的、対話的で深い学びを推進していくことで、環境整備についてはこの予算上措置をしましたし、また、学びの改革プロジェクトの中で、岩手大学、岩手県立大学と連携しながら、ICTも活用しながら、主体的、対話的で深い学びをより進めていくための指導のあり方、教室のあり方というものを研究していこうとしているところでございます。それが大きく一つです。
 それともう一つは、ICTがあるかどうかにかかわらず、この社会の変化に対応していく児童生徒の資質、能力の育成のために、ことし2月に、県としては、確かな学力育成プロジェクトというものを定め、また、その中心となる各教科に共通する授業づくりの基本として、いわての授業づくり三つの視点というものを改訂し、つまずきを生かした児童生徒の主体的な問題解決を大事にした、一人一人を伸ばす授業を大事にしていくということにしています。
 今後、こうした基盤に基づいて、教員研修ですとかさまざま指導主事の個別訪問等々より改善を図って、ICTの面それから地道な授業改善の面、両面から取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 ICTはあくまでツールですから、それが目的ではありませんから。このアクティブラーニングをやっていくときの最大の問題は、今、実は大学あたりで出ているのは、アクティブ教育をやってみたけれども、非常に準備不足で中身が薄っぺらいと。要は、最上位にあるところをやろうとする意欲はあるけれども、そこがなかなかいかないと。その原因がどこにあるかというと、アクティブラーニングをするために必要なのは、まず初めに、知識、議論があって、その次に思考力、判断力、表現力があって、その上に主体性、多様性、協働性というのがあって初めてできるということで、これは文部科学省の言っている学力の3要素の底辺のところがしっかりしないと、この教育改革2020の行き着く先には行かないということだと思っています。
 岩手県の場合は、大変残念ながら、基礎教育の定着の部分、基礎学力をきちんとしないと、最後のところに行ってつまずくという可能性が私は多くあるのではないかと思います。今まで以上に基礎教育に力を入れないと、特にAIとの対抗の場合だと読解力とか、そういう話が今出てきていますけれども、そういうところに力を入れていかなければならないと思うのですが、その流れの中で基礎教育の定着についてはどのように考えていますか。
〇小久保学校教育課総括課長 子供たちの学力のあり方については、委員おっしゃるとおり、知識、技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを引き続き重視した上で、知識の理解の質を高めて、確かな学力を育成していくことが重要であると考えております。
 本県の状況について、全国学力・学習状況調査の点で申し上げますと、質問紙調査の、意欲を持ってみずから進んで学ぼうとする割合ですとか、授業で自分の考えを深めたり広げたりしている割合については、小中学校とも8割程度でございます。一方で、教科調査においては、目的に応じて自分の考えを書くことですとか、実生活のさまざまな場面に活用すること、それから、さまざま知識の意味の理解を問うような問題において課題が見られるという状況でございました。
 先ほど申し上げましたけれども、県としての授業のあり方というものを、児童生徒の視点から捉え直してより充実させていくという視点から、先ほど申し上げた確かな学力育成プロジェクトまたいわて授業づくり三つの視点というものを改訂しまして、子供たちのつまずき、すなわち、わかっているつもりだけれども実はわかっていないのではないかといったようところ、それから、教員の指導と子供たちの受けとめのギャップへの注目といったようなところを中心に、子供たちの基礎学力―基礎学力だけではなくて、全体的なところも含めて向上を図っていきたいと、これまで講じてきた取り組みを児童生徒の視点からさまざま改善を図りながら、市町村と連携して総合的に取り組んでいきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 今までいろんな教育改革が10年ごとにあって、そのたびに期待があるのですが、その効果があったかというと、あったところもあればなかったというところもあって、それぞれの時代を生きる人たちは、我々の世代で言えば新人類と呼ばれ、もうちょっと下の世代はゆとりと呼ばれ、さんざんな言われ方をしてきているわけです。それは、すべからくとは言いませんが、教員の質に基づいていろんな評価をされてきているというのが実態だと思います。
 子供たちの可能性を伸ばすという意味においては、この教育改革の中身を先取りして、どこに力点を当てて、他県に引けをとらないようにするにはどうしていくかということをよく考えてやっていただきたいと思います。
 最後に、少人数学級の関係でお伺いいたします。
 かなり岩手県は少人数教育が進んでいると思います。学校標準法では、40人学級というのは小学校1年生だけですけれども、事実上、今35人学級になっていると思います。しかし、学校標準法が40人ということでありますから、小学校1年生以外の財政出動は独自のものになっておりますが、財政出動の状況をお示しください。
〇金野首席経営指導主事兼小中学校人事課長 少人数教育の実施についてでありますが、今、委員がお話しされたとおり、小中学校等におきましては、標準法定数措置をされております小1以外についても、全ての学年で少人数学級を実施しており、国の少人数学級対応加配に247人を活用して対応しております。
 なお、これらの加配教員に係る給与費につきましては、3分の1は義務教育費国庫負担金及び3分の2は地方交付税措置により賄われているものでございます。
 令和2年度におきましても、要望したとおりの加配数244人が内示されたところでありますので、全学年での35人以下学級について継続して実施してまいりますが、今後、少人数学級を安定的に継続していくためには、国による抜本的な定数改善が不可欠と考えておりますので、加配定数の充実と合わせて、少人数学級の基礎定数化等を国に対し引き続き強く要望してまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 時間も迫っていますので最後にします。
 なぜ私は加配の話の金額を聞いたかというと、これは教育現場の問題でもある一方で、地方分権の問題でもあります。三位一体改革の中で、地方が切り込まれたのは、まさにこの教育の給与費の問題でありました。その成果があったかどうかは、私はちょっといまだに疑問を持っているのですが、今回の措置においても、学校標準法を弾力的に運用すれば、毎年文部科学省にお願いをして加配を頼みますということをしなくても済むし、その事務を割愛して地方に法律どおりやってくださいと言えば済む話だと私は思っています。要望も出ていると思いますけれども、この辺は地方分権と本県の財政事情には本庁内随一だと思います教育長から御所見を伺って終わります。
〇佐藤教育長 三位一体改革で義務教育国庫負担金補助が3分の1にされたということがあって、それ以降、県教育委員会でも新たな教職員定数改善計画を早期につくるようにということをずっと言ってきたわけです。ただ、なかなかそういったことに対応していただけていない状況であります。また、今までの要望の中から、さらに本県のような地理的な条件を抱えた地域によっては、その実情に応じた配置基準というのもあってよろしいのではないかということで、これは次の要望から加えていきたいと考えておりいます。
 教育に対してしっかり、投資という言い方はおかしいかもしれませんが、きちんとお金をかけていかないと、将来の岩手県を任う人づくりというものはなかなか実現できていかないのだと思います。今年度の予算におきましては、ICTとかツールだというお話もありましたけれども、教育環境の整備に向けて、エアコンの整備についてもそうですし、それから大学進学でも理数教科がちょっと弱いということで、進学支援ネットワークにも予算を拡充していただいて、かなり財政当局にはいろいろな意味で御理解をいただきながら、前向きなといいますか、予算措置をしていただきました。ここからは、そういった環境整備を図っていくということで、それを、今度は教育の現場でも多くの期待があるということも児童生徒には理解していただきながら、日々の自分の目標に向かって努力していただくということも大事だと思いますし、それを教職員にも、単に教科書をこなせばいいというわけではなくて、しっかりと授業改善に取り組みながら授業の質を高め、そして取り組んでいただきたいと思いますし、新学習指導要領がこの4月から順次導入されていきます。そういったこともしっかり理解した上で、業務に当たっていただきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 それでは、私のほうからは教職員の働き方改革の取り組み、それから放射線副読本の2項目についてお伺いをしたいと思います。
 新年度の県職員の人件費を見ていたところ、かなりの減額があって、この要因は何だということになると、教職員の人数減が大きな要素だということでありましたのでお聞きしたいわけです。
 新年度からは、小学校の英語専科指導とか中学校の生徒指導の強化とか、さまざまな取り組みが行われるわけですし、また、働き方改革ということで今集中的に取り組まれているところでありますので、そういった中で、新年度の教職員の人数削減はどのようになっていくのか、まずお伺いいたします。
〇山村教職員課総括課長 新年度の教職員の定数でございます。標準法の定数を今年度と比較しますと、小学校が県全体で89人減、中学校が59人減、高等学校が86人減、特別支援学校が10人減でございます。
 主な理由でございますけれども、小中学校は児童生徒数、学校の統廃合による学級減に伴うものでございます。高等学校は、統合なども含めて学級減に伴うもの、特別支援学校は生徒数の減に伴うものでございます。
〇佐藤ケイ子委員 今お答えいただいたとおり、国の財政措置の問題もあるわけですけれども、小中学校、高校、特別支援学校合わせて244人でしょうか、本当に大きなマイナスだと思っております。超過勤務の問題とかある中で、この働き方改革が進められるのだろうかと不安になっております。
 そして何点かお聞きしますけれども、部活動指導員の配置、先ほど郷右近委員から取り上げておりますので、この点については理解いたします。ただ、新年度については、中学校は県内各校1名、県立高校でも各学校に配置する予定での予算計上だということでありますけれども、実態的に本当にその人員が確保できるのかが課題だということもお聞きいたしました。
 次は、スクールサポートスタッフの配置はどうでしょうか。
〇山村教職員課総括課長 スクールサポートスタップにつきましては、令和2年度は7人を配置する予定としております。
〇佐藤ケイ子委員 令和元年度は24人いらして、平成30年度は13人だったと思うのですけれども、そうやってふえてきた。そして令和2年度に少なくする、マイナス17人ということですけれども、教職員の働き方改革では、毎年拡充するはずだったのではないでしょうか。減少させるということはどういう要因になるのでしょうか。
〇山村教職員課総括課長 スクールサポートスタッフは、小中学校で印刷業務などの教員の事務補助を行っているものであります。昨年度及び今年度は、比較的規模の大きい学校などに配置しまして教員の事務補助をしておりました。勤務時間の削減に一定の効果が見られたところでありますが、それだけでは学校全体での時間外勤務の縮減に向けた業務改善の取り組みにまではつながっていないという課題がございました。そこで、来年度は、業務改善等の働き方改革に計画的、積極的に取り組もうとする学校を選びまして、そこにスタッフを配置することにしました。その学校に対して県教育委員会としても重点的に支援をしていこうというもので、そのために人数についても見直しを行ったものです。
〇佐藤ケイ子委員 わからなくはないのですけれども、せっかく全体でスクールサポートも含めてさまざまなスタッフで働き方改革を進めていこうという中で、減員になったというのは残念だと思っております。
 それから、次はタイムカードの導入の状況なのですが、客観的な把握がされていないというのが現場から出ていると聞いておりますけれども、タイムカードで県立高校は全部対応しておりますので、市町村の小中学校の勤務時間の客観的な把握、タイムカードとか、その状況は改善の見込みがあるのかどうか、お伺いいたします。
〇山村教職員課総括課長 タイムカード等の客観的な勤務時間の把握です。市町村立の小中学校については、その状況は令和元年度7月の文部科学省の調査によれば、33市町村のうち13市町村で客観的な把握を行っている状況でございます。
 この勤務時間の客観的把握につきましては、これまでも、県教育委員会としては市町村教育委員会との意見交換の場であるとか、導入に関する調査等も行いながら、市町村教育委員会に対してタイムカード等の速やかな整備について働きかけを行っているところでありまして、引き続き、働きかけを行っていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 引き続き働きかけをしていくということでありますが、新年度で新たに導入しようという動きのある市町村の情報は聞いていないでしょうか。今現在だと、校長の現認により客観的に把握。先生が見て把握しているとか、それから、本人がパソコンに入力したりして把握したとか、自己申告で把握しているとか、ちょっと問題のある状況だと思っておりまして、働き方改革は本当に進んでいるのかと思うのですけれども、新年度への改善の見込みはどうなのでしょうか。
〇山村教職員課総括課長 委員からお話のありましたとおり、学校における勤務時間の管理は、労働法制上、服務監督者であるそれぞれの教育委員会、小中学校で言えば市町村教育委員会に求められる責務でございます。
 県教育委員会といたしましては、先ほど御説明したとおり、今後も働きかけを続けてまいります。新年度、整備ついての計画等もあると思いますけれども、そういった計画等を立てて、計画的に整備していくように働きかけを続けていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 2018年度を初年度として2020年度、新年度までの3カ年間を対象としてこの働き方改革プランを進めることになっておりますが、このような状況だと、本当にこのプランが達成できるのだろうかと思うわけですけれども、その決意のほどをお伺いできますでしょうか。
〇山村教職員課総括課長 学校における働き方改革については、プランをつくりまして取り組んでおります。来年度は3年目でございますので、プランに掲げた目標を達成できるように、プランに掲げた取り組みであるとか、ワーキンググループもつくりまして改善点なども洗い出しをしております。そういった取り組みを着実に進めていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 どうぞ本気度を出してよろしくお願いいたします。
 次は、放射線の副読本のことであります。これは文部科学省でことしの4月から、新1年生に放射線副読本を配布しようとしています。ですが、この中身がいろいろ問題があるのではないかという声をお聞きしております。その前に、2018年9月に改訂された放射線副読本というのがあったそうですが、これも全国の小中学校、高校に配布されたようでありますが、放射能の健康影響を過小評価していたと。原発事故の過酷さや被害者の苦しみにきちんと触れられていなかったため、教材としては著しく不適切なものであったという批判が全国で起こって、回収を決定した市町村教育委員会もあったそうであります。また、配布しないままになっていた学校もあったという情報を聞いているところであります。今回の副読本について、県教育委員会の認識をお伺いいたします。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 放射線副読本についてでありますが、放射線教育は、東日本大震災津波による東京電力福島第一原子力発電所事故後、その重要性は高く、また、現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容として放射線を学ぶことにより、原発事故の状況や復興に向けた取り組みについて理解を深めてきていると捉えております。
 今般、文部科学省が小中学校等の1年生を対象にした放射線副読本では、放射線に関する科学的な知識を理解した上で、放射線の性質や人体への影響、福島第一原発周辺の方々の苦悩、そして復興の歩みが取り上げられていると認識しております。
 本県にとっては、この副読本は、復興教育の一環として、災害を乗り越えて未来に向かうためには何をすべきかを考えるきっかけになることや、風評被害や避難していた児童生徒へのいじめがないようにするために、放射線に関する科学的な知識や放射線との向き合い方などについて、各学校において、社会や理科の内容と関連づけながら適切な指導が行われるよう、県教育委員会として今後とも助言を続けてまいります。
〇佐藤ケイ子委員 今、科学的根拠とか、それから原発に対する認識とか、さまざまな問題意識を持つ意味では有効だろうというお話だったと聞きましたけれども、かなりの問題点が指摘されておりまして、例えば放射線量100ミリシーベルト以上で健康への影響があることは明白に確認されているのですけれども、この本では、100から200ミリシーベルトの放射線を受けた人ががんになるリスクは、野菜不足や塩分のとり過ぎと比較して同程度だとか、野菜不足とがんは関係ないのですが、そんなこととか、それから低線量被曝でも問題がないという書き方とか、いっぱいあるのです。あとは、原発事故とその後の様子、除染の効果、健康調査の報告書も書かれているのですけれども、復興への歩みが進んでいますとか、その中では、原発事故の過酷な状況とか困難な復興、風評被害、現実の汚染が区別されていないなど、問題点が多く見られているそうです。いじめの問題も、風評被害をただすことが解決法だと書かれているのですけれども、国や東京電力の責任については全く触れられていないということがあるようです。まだまだたくさんありますけれども、避難者が本当に苦労していることとか、学校も、再開と復興に向けた取り組みが着実に進められていますとあるそうですが、実際、戻っている子供たちの数は少数だということとか、福島県の健康調査で子供の甲状腺がんがふえていることは書かれていないとか、まだまだたくさんの問題がありまして、こういう問題のあるものを新1年生に配布するのはいかがなものかと思うわけですけれども、再度御見解をお伺いいたします。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 この副読本につきましては、小学校として1冊、6年間のうち適切な場面で使うということにされております。中高生についても同じような考えでございますが、各教科の指導を中心としつつ、その指導の際に、こういう放射線についての学びができると、こういう視点があると、こういう考え方があるという教材として使って、それが果たして事実なのか、何十年たっても同じことが言えるのかなどなど、批判的な考え方を育てることも含め、教材として活用することはあり得るのではないかと捉えております。
〇佐藤ケイ子委員 この教材を使うか使わないか、市町村の教育委員会の判断、学校の判断に委ねるということは可能ですか。
〇小野寺首席指導主事兼義務教育課長 これはあくまでも副読本でありますので、学校が必ず使用しなければならないというものではありません。
〇高田一郎委員 私も新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。
 前段にも4人の委員から質問がありました。学校現場あるいは地域でもさまざまな問題が起きているということを改めて感じました。今回の一斉休校の要請というのは科学的根拠もなく、総理の政治判断で行われたというところに問題があると思います。放課後等デイサービスの負担は誰がするのかとか、あるいは給食がなくなった子供たちに対しては、特に貧困の家庭の方々こそ、大きな負担になっていくのではないかと改めて思います。きょう、政府からさまざまな支援策も出るようですけれども、影響を受ける問題についてはしっかりと把握をして、国に対して財政支援を求めてほしいと思います。
 そこで、岩手県は一斉休校という措置をとりました。学校現場の課題は、具体的にどのように把握されているのでしょうか。特に私は特別支援学校ということで質問を通告させていただきました。子供の居場所が私は一番心配であります。このことも含めて、学校現場の課題について、どう把握されているのか示していただきたいと思います。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校における休校の学校現場の課題についてでありますが、主な課題として三つ考えられます。
 一つは、委員御指摘のとおり、児童生徒の居場所の確保、二つ目は、児童生徒の学習のおくれへの対応、三つ目は、今年度中に実施する計画としている卒業式等の計画変更が課題と考えております。
 居場所の確保については、各学校から保護者に、困っていることがあれば学校に相談するよう周知しております。それから、子供たちの放課後等デイサービス事業所の利用状況、それから、対応状況等を把握しながら柔軟に対応しているところと承知しております。
 課題についてですけれども、児童生徒の学習状況のおくれについては、家庭学習課題を配布したり、臨時休業終了後に授業において適切に指導していく等、学習において著しいおくれが生じないように対応する予定となっております。
 また、各学校において、卒業式の実施については感染防止のための措置を講じたり、時間の短縮、参加人数の限定を行った上で実施することと認識しております。
 県教育委員会では、引き続き、各学校からの聞き取りを実施しながら、学校現場の状況把握に努めるとともに、文部科学省からの事務連絡文書を踏まえながら、各学校の実情に応じた適切な対応を促しているところでございます。
〇高田一郎委員 特別支援学校については三つの課題があるということで今答弁をいただきました。文部科学省からも、この間さまざまな通知が出されていまして、この中身を見ますと、地域の福祉サービス等も活用して児童生徒の居場所の確保に努めると。そしてさらに、自宅等で過ごせない児童生徒については学校施設で受け入れる。スクールバスや給食等必要な対策を行うよう、学校において預かる対応をとるとか、さまざま国からの通知が出されています。県内の特別支援学校に通う児童生徒は千五、六百人ぐらいとなっています。今回、最初からさまざまな問題があるということがわかっていたわけですけれども、ここをしっかり把握してそういう対応をとったのか、その千五、六百人の子供たちの居場所の状況は、県として把握されているのでしょうか。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 現在、県教育委員会で把握しているところですけれども、放課後等デイサービスの利用等により、居場所の確保についておおむね進んでいると伺っております。
 それから、放課後等デイサービスから学校に応援要請はあるかという問いに対しまして、3月9日、きのうまでの段階では特になかったと受けとめております。
〇高田一郎委員 つまり、全体をよく判断しないで一律休校にしてしまったのではないかと私は思うのです。科学的根拠もなく、総理の政治判断でやったということで、特に文部科学省からもよく相談もなくやられていたというところに二重、三重の問題があると思います。3月3日の参議院の予算委員会の中でも、文部科学大臣は、一律休校については設置者の判断を尊重するということで、事実上、一斉休校の要請を撤回したような国会答弁だったと思いますし、その後の事務次官通知においても、家庭の実情を踏まえて柔軟な対応をすべきだと。あくまでも設置者の判断だったということであります。あれからもう1週間以上たちましたけれども、今回、一律に休校にしてしまったことに改めて設置者としてどうだったのか、ここが問われていると私は思いますけれども、この点について、教育長いかがですか。
〇佐藤教育長 先ほどもいろいろと答弁してまいりましたけれども、日々変わってきている、時々刻々と変わってきているということで、昨日の専門家会議でも自粛の継続要請という形でされております。当面、感染者の増加傾向が続くと予想され、警戒を緩めることはできないという意見も出されております。本県ではまだ感染者は出ておりませんけれども、東北でも、秋田県、宮城県それから福島県、近県でも発症者、これはクルーズ船の乗客ということもございますが、ただ、本当にいつ、どこで、どのような形で感染者が出てくるか、これは全くわかりません。そういった中で、私どもは文部科学省からの通知に基づきまして、事前にきちんと把握した上でということではありませんでしたが、短時間の中でそういう判断をせざるを得なかったということもございます。そういったことが全国でも、99%が一斉休業になっているということもございますし、通知した後は柔軟に対応していただくよう通知をさせていただいております。私どもは、現在の状況等各市町村それから学校、そういった状況をしっかり丁寧に把握しながら、次のとり得る手だてを講じていくということで、今は取り組んでいるところでございます。
〇高田一郎委員 国の急な対応で、恐らく県教育委員会も大変困惑したのはわかりますけれども、しかしこの間、埼玉県では地域福祉サービスの受け入れ態勢や児童生徒の居場所を確保するのが困難だったと判断して、県立の特別支援学校、36校全て授業継続を判断いたしました。島根県についても、県内で新型コロナウイルスの感染が出ていないということで、通常授業を実施いたしました。もし一斉休校した場合に、どういう問題、課題が出るのか冷静に判断して、3月3日に設置者の判断で対応できるということが明確に示されたわけでありますから、それは結果論ではなくて、冷静な対応が必要だったのではないかと改めて思うのですけれども、振り返ってみて、改めてどうかというのが一つであります。
 そして、知事が総括質疑の中でこのように述べているのです。かえって子供のリスクが高まるようなことになってはならないと。どんな方法が効果的なのか、そこには学校施設の活用や登校といったことも含めて対応するよう調整を図りたいと、こう述べました。全国各地ではその後、登校するという学校も出ていますけれども、知事の総括質疑での答弁を受けて、何か教育委員会として協議がされたのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 私どもは柔軟に対応という通知を出した後に、例えば放課後等デイサービスとかいろいろと施設の状況を見ますと、非常に狭いところに多くの児童生徒が一緒にいるという状況も、報道等を通じて私も見ました。そういったことを踏まえて、文部科学省でも弾力的に学校の空き教室であるとか図書室であるとか、そういったところも開放していいですよと。それから、教員の派遣についても、弾力的に対応してくださいということもありまして、それも通知しております。実際、そのような形で対処してきているところでありますので、知事のお話は、リスクをいかに低減させていくかという実態面に即してのお話であったと思いますし、私どももそのような形で対応しているところです。
〇高田一郎委員 いかにリスクを低減して子供たちの命を守っていくかということだと思うのですけれども、午前中の質疑でも、教育長も同じような答弁をいたしました。子供の健康、安全を第一に考えて今回の対応を行ったということですけれども、特に私は特別支援学校、普通の小中学校についてもそうですけれども、学校現場のほうが逆に安全ではないかと思うのです。特別支援学校は特に私は思います。高橋課長も特別支援学校の現場で仕事をしてきたのでわかると思うのですけれども、1クラスの生徒は数人ですね。そして栄養を考えた給食もあると。保健室もあって、そして看護師さんも養護教諭もいて、準医療施設のような施設もあって、そして先生たちが日々の変化をよく観察して、何か変化があれば保健室に連れていく、そういう対応をしているわけです。放課後のデイサービスの不足。本部会議の資料を見ても、なかなか厳しい面があるということも書かれております。私は少なくとも、特別支援学校というのは、逆に休校しないで対応したほうが、子供たちにとって安全だったのではないかと思います。また、保健福祉部から資料をいただいて、学童クラブの実態も見ましたけれども、県内で400カ所ある学童保育の状況ですけれども、41人以上の登録児童となっている箇所は143カ所もあるのです。学校よりも学童クラブのほうが過密になっているという状況であります。私はそういうことを考えたときに、岩手県は感染者が1人もいない。北海道のようなところと一律に一斉休業させて、さまざまな問題が起きているということを踏まえて、この間の対応というものをしっかりと検証すべきだったのではないかと改めて思うのですが、この点についてお聞きしたいと思います。
 親御さんからは、今まで就学援助で対応して給食費を払わなくてもいいという方が、休校したために今度は子供の弁当まで準備しなければならない、放課後等デイサービスを利用していた方々からも新たな負担が出るという問題が起きておりますので、この間の、1週間、10日間の対応を見てどうだったのか、改めてお聞きしたいと思います。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 委員御指摘のとおり、特別支援学校の環境は非常に子供たちにとってはいい環境だったと思います。
 それから、一斉休校の通知につきましては、県内の特別支援学校においては、2日から一斉にというのではなく、2日から始める学校、それから5日から始める学校と、柔軟な形で対応していただきたいということで通知させていただきました。その3日間のところで準備ができてよかったという学校も聞いております。いろいろな部分で子供たちの感染防止ということを考えた上での休校という判断になったわけですが、委員御指摘の児童クラブには支援学校の子供たちは参加しておりませんが、放課後等デイサービスのほうに、支援学校の子供たちは主に居場所として使っているわけでありますけれども、そちらの状況もよく学校現場のほうで把握しながら、子供たちの安全というか、健康確保をきちんと把握しながら、学校のほうも進めていく形で促してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 柔軟に対応したというお話でありましたけれども、結果として柔軟ではなかったと、一律の対応をしてきたというところに問題があったと思います。改めてこの間の対応をしっかりと検証していただきたいと思います。
 次に、特別支援学校の整備計画についてお伺いしたいと思います。
 教育長の演述の中でも、特別支援学校の整備計画に取り組むということを述べております。東日本大震災津波の関係で、この間整備計画が中断をしてきまして、いよいよ本格的に整備計画を策定して支援学校の環境整備を行うという方針だと思います。現在、どのような方針で環境整備を行おうとしているのか。
 また、まとめてお聞きします。現在の特別支援学校における教室不足の実態がどうなっているのか。できれば、学校ごとに数字がわかれば教えていただきたいと思います。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校の整備計画についてでありますが、県内の特別支援学校及び分教室を含めた特別支援教育全体として、児童生徒等の実態の多様化に伴い、一人一人のニーズに対応した指導、支援や教育諸条件の整備が重要な課題となっているものと認識しております。
 いわて県民計画(2019〜2028)、岩手県教育振興計画及びいわて特別支援教育推進プラン(2019〜2023)において、多様なニーズに対応した全県的な特別支援学校の教育環境を整備するため特別支援学校の整備計画を策定し、計画に基づいて市町村などの関係機関との調整を進めることとしております。
 県全体や校種別あるいは地域別といった視点での現状と課題、地域や児童生徒の実情や要望等を踏まえ、市町村教育委員会等との情報共有及び調整を行うなど、関係者等からの意見聴取も丁寧に行いながら進めていくこととしております。令和2年度末には、策定することとしております。
 それから、教室不足についてですけれども、令和元年度の教室不足数について、トータルでは44の教室不足となっております。盛岡みたけ支援学校が11、花巻清風支援学校1、一関清明支援学校、本校、分校含めますと17、釜石祥雲支援学校11、宮古恵風支援学校4、トータル44となると思います。
〇高田一郎委員 時間ですので最後にしたいと思います。
 教室不足は大変深刻だと思います。これはなかなか改善しないです。県内では不足しているために、恐らく複式学級になっている学校もあると思いますし、図書室や音楽室などの特別教室を使った転用とか、中には、教室をカーテンで間仕切りしながら対応している問題があります。普通の小中学校では、こんなことはあり得ないのですよ。これはやはり一刻も早く解消するべきだと思いますけれども、この見通しについて一つお伺いしたいと思います。
 もう一つは、これは国の設置基準が特別支援学校にはないからなのです。通常では、校舎や運動場の面積とか、あるいは校舎に保健室や図書室や職員室が必要だという設置基準があるにもかかわらず、特別支援学校についてはないために、当たり前に特別教室などを転用していると。この設置基準がないために、あるいは国の財政措置がしっかり措置されないから、こういう問題が起きているのだと思います。こうした問題を是正していくために、国に対してしっかりと改善を求めていくべきだと思いますけれども、県教育委員会としての取り組み状況、あるいは国の動向について質問して、終わりたいと思います。
〇高橋首席指導主事兼特別支援教育課長 教室不足についてですけれども、子供たちの人数が次第に減少している傾向にはございますけれども、整備計画策定を含めたいろいろな改善について、それから、まだ先のことではございますが、釜石祥雲支援学校が新築移転するということもありまして、そういった部分から、ある程度の緩和が見込めると思います。また、今年度4月に開校しました盛岡ひがし支援学校もございまして、そちらのほうに盛岡みたけ支援学校の子供たちが動いている状態もございますので、まだ流動的ではありまして、見通しについてはっきりしたことは申し上げられませんが、何年か後にこの教室不足は解消が見込めると考えております。
 それから、国の動向についてでございますが、設置基準が示されていないということについてですが、文部科学省の有識者会議のほうで特別支援学校における教室不足について議論がされておりまして、その中で、特別支援学校の設置基準の策定について、それが論点の一つになっていると聞いております。そういったことから、今後、その議論にも注視していきたいと考えております。
〇柳村一委員長 おおむね再開後2時間が経過いたしておりますが、質疑を表明している委員があと2名となっていることから、質疑を続行したいと思いますので、御了承願います。
〇千田美津子委員 ダブらないように質問いたします。先ほどもお話がありましたが、まず一つは、教職員の長時間労働の解消について、改めてお聞きいたします。
 この間も、教員の長時間労働の実態があまりにもひどいという状況が指摘されております。現状はどのような状況にあるのか、またどう改善されようとしているのか、お聞きいたします。
〇山村教職員課総括課長 県教育委員会では、平成30年6月に働き方改革プランを策定しまして、教職員の負担軽減、健康確保等を柱とした重点的取り組みを進めているところであります。これらの取り組みによりまして、県立学校では、今年度の第3四半期に―四半期ごとに整理しておりますけれども―月80時間以上の時間外勤務を行った教員の割合が、平成30年度11.2%から今年度は7.5%に3.7ポイント減少するなど、徐々に取り組みの成果があらわれてきていると思っております。
 今後におきましても、市町村教育委員会を初め関係団体と十分な連携をしながら、プランの取り組みを着実に行っていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 計画のもとに着実に進めているということでありまして、資料をいただきました。
 確かに令和元年度で平成30年度から減っている部分もあるのですが、ただ、第1四半期で見ますと、例えば100時間以上の超勤をされている先生方が、平成30年度は216人だったのに対して304人に増えているわけですね。これは年度初めということもあるのかもしれませんけれども、ちょっとそこが気になっております。それから、100時間以上の方は、第2四半期で30人減っている、それから第3四半期で91人減っているということで、相当頑張ってはいらっしゃるのだと思います。ただ、100時間以上の時間外勤務をされている方がこのくらいいるという現実は、普通ではないということをさらに肝に銘じて、頑張っていただきたいと思います。それで、100時間以上もですが、80時間以上100時間未満も、まだまだ多いわけですよね。ですから、この辺についてもぜひ取り組みを強めていただきたいと思います。
 それで、先ほどもお話がありましたが、業務の削減がやはり一番の要になってくると思います。この間、教育委員会としてワーキンググループを設置されて、さまざま検討されていると思っています。どういう検討がなされて、それを現実的にどう取り組まれているのか、そして成果はどうなのか、改めてお聞きします。
〇山村教職員課総括課長 平成30年度から、教員等で構成されるワーキンググループをつくっております。教職員の負担となっている具体的な業務などの洗い出しと、その改善策について検討しております。平成30年度のワーキングで提案された内容に基づきまして、今年度において実行しております。
 例えば、働き方改革に係るリーフリットを作成しPTAの方々に配布したり、地域の保護者の理解醸成に活用しております。また、部活動等関係の団体に大会の精選等を依頼に行ってまいりました。また、学校への先進事例の情報発信などを行っております。また、令和元年度のワーキングでは、ICTを活用した生徒、保護者間の情報共有や、地域行事への対応の精選などの提案がございました。
 今後におきましても、これらの提案について、実現に向けて検討してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 その提言に基づいて、絶対やるという覚悟が一番大事なので、ぜひそういった点でお願いしたいわけです。
 ちょっと先に言わなかったのですが、この間、100時間超えの職員の方々が産業医の相談を受けていない。相談された方が非常に少ないと。希望する方が少ないという話もありましたけれども、現状はどうなのでしょうか。80時間以上時間外勤務をするということは、どんなに若い方でも体にいろいろな支障を来します。そういった意味で、100時間以上はもちろんですが、ぜひそういう方々のアドバイスを受ける職場にしていかなければ、100時間も削減はできないと思います。その点でどのように考えておられるか、お聞きします。
〇山村教職員課総括課長 時間外勤務が100時間を超えるような職員に対しては、産業医の面接指導などにより、健康面でのサポートをしております。
 この産業医の面接指導、平成29年度には受ける者がおらなかったものです。ただ、昨年度、平成30年度には12人が受けております。今年度は15人が申し出をしておりまして、ちょっとタイムラグがありますので実施は10人ですけれども、15人ということでございます。
 私どもの職員が時間外勤務の多い学校を直接訪問しまして、校長に対して産業医の面接指導について教職員にきちんと働きかけるようにお話をしながら、健康面でも働き方改革を実現できるようにしていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 ぜひそういう決意で、必ず実績として見える形になるようにお願いたします。
 それでは、次の部分で、いじめ不登校への対応についてお聞きをいたします。
 特にいじめへの対応ですが、この間の調査の中で、いじめ発見のきっかけが、アンケート調査など学校の取り組みによる発見が多かったと思います。このアンケート調査はどの程度実施をされているのか。また、これまで把握されたいじめの解消はどうなっているのか。そしてさらに、重大事態への対応状況はどうなのか、お聞きいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 まず最初、アンケートでございますが、県内の約66%の学校が年2回から3回の実施をしております。続いて、33%の学校が年4回以上の実施となっているなど、全ての学校においてアンケート調査が実施されております。
 続いて、いじめの解消でございますが、平成30年度間の解消しているいじめの割合は84.7%でございましたが、その後の状況の追調査を実施いたしまして、6月28日現在84.7%であったものが97.7%の解消ということになっております。
 平成30年度の重大事態でございますが、県立学校で発生した3件については、全て解消ということでございます。
〇千田美津子委員 忙しい職場の中にあって、アンケート調査が年2回から3回実施が65.9%、そして4回以上実施されているところが32.7%ということで、現場からそういういじめを早いうちに発見するという取り組みというか、努力がうかがわれる数字だなと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 続けて、24時間いじめ相談ダイヤルの実施状況についてお聞きいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ相談ダイヤルでございますが、平成元年度(後刻「令和元年度」と訂正)における相談件数は、2月末現在でお答えいたしますが、428件でございます。ここ数年では最も多い状況ということになっております。内訳でございますが、児童生徒本人からが54%、保護者からが続いて41%となっており、いじめ被害が最も多く約43%となっており、続いて進路の問題であるとか個人的な問題がございます。
 続いて、相談カードにつきましては、例年、年度初めに15万枚ほど作成いたしまして、県内の国公立のみならず私立学校に通う子供たちにも全て、相談窓口が記載されたカードを配布している状況にございます。
〇千田美津子委員 いじめ相談ダイヤルも428件ということで、前年度比1.46倍になっていて、ちょっと気になるところであります。ただ、アンケートであったり、こういう相談窓口があるということは、困っている状況を早く知ってもらいたいということで非常に大事だし、小さいうちに芽を摘むためにも、これは引き続き継続をしていただきたいと思いますが、その点、もう一度お聞きします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 そのようにふえている要因については、分析がまだ進んでいるわけではありませんが、今年度、生命尊重ポスターというものも各教室に掲げているところでございます。そのポスター内にも相談窓口を周知しておりますので、そのような効果もあったのかなという印象もございます。
〇千田美津子委員 よろしくお願いいたします。
 それから、これまでアンケート調査を実施されて、長期欠席とか不登校について、小学校、中学校、高校とも、本人の不安の傾向が多かったという記載があったと思います。これへの対応策として、先ほど言ったような相談体制とかアンケートとか、それから身近な相談体制の強化が私は求められていると思うわけですが、この間、どのような手だてが講じられてきたのでしょうか。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 委員御指摘のとおり、子供たちの実態として不安が多いというのは、国の調査においても不登校の要因の一つになっているものでございます。県教育委員会では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置いたしまして、教育相談体制の充実に努めているところでございます。今年度には、スクールカウンセラーの役割や学校との連携による組織的な対応のあり方、いわゆる不登校支援のあり方等に対する研修も行ったところであります。さらに、今年度については、第一線で活躍している担任の先生方とか学校の先生方を対象とする研修にも、教育相談の内容を盛り込みまして、そのようなところでも資質能力の向上を図ってきたところでございます。
 今後におきましても、児童生徒一人一人に対する切れ目のない組織的な支援を行ってまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーのお話もありましたので、そのことについてお聞きをいたします。
 文部科学省が、今年度までに、スクールカウンセラーの全公立小中学校への配置、それからスクールソーシャルワーカーについては全中学校への配置を進めてきました。来年度は、いじめの未然防止、早期発見、早期対応のために、新たにスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの重点配置を国が行うとしております。
 そこで、スクールソーシャルワーカーの県内の配置と業務の実態、来年度の配置見込み、さらに勤務形態についてお聞きをします。今はスクールソーシャルワーカーだけ言いましたが、スクールカウンセラーについても同様にお聞きいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 初めにスクールカウンセラーのほうから申し上げたいと思いますが、令和元年度に小中学校に対応したスクールカウンセラーの人数は75名、高等学校については19名でございました。小学校への配置でございますが、配置形態はさまざまございますが、トータルいたしまして、その配置率は80%となっております。また、中学校についても、配置形態についてはさまざまございますが、トータルといたしますと99%になっております。高等学校についても同じく91%という状況でございまして、配置のない学校につきましても、緊急時、要請を受けました場合については、確実に派遣できる体制を整えておりますので、数字上100%という形では申し上げられませんけれども、そのような対応が図られているところでございます。来年度の見込みにつきましては、特に小学校は80%の配置率を上げる方向で、現在、最終的な調整をしているところでございまして、中学校、高等学校には、引き続き同水準というあたりで考えているところでございます。
 続いて、ソーシャルワーカーの配置につきましては、県内六つの教育事務所に18名を配置しておりまして、市町村教育委員会の要請を受け、各学校へ派遣をするというシステムでございます。業務の実態につきましては、教育事務所の管轄する地域の小学校や中学校の不登校、いじめ等の問題行動に対応し、支援の必要なニーズにつきましては年々高まっているような状況がございます。現在、県教育委員会では、スクールソーシャルワーカーの活用指針を作成中であり、新年度早々に各学校全校に配布をする予定となっております。ちなみに、スクールカウンセラーにつきましては、昨年度作成し、既に配布済みでございます。来年度の見込みでございますが、今年度同様、各教育事務所に18名を配置する予定で、最終的な調整をしております。
〇千田美津子委員 スクールカウンセラーは、小学校は来年度80%に配置を引き上げるということで、ぜひお願いをしたいわけですが、国は今年度末までに全部の公立小中学校に配置をするという方針を立ててやってきていたわけで、私は、岩手が80%というのは、残り61校はいじめも不登校もないから配置しないのかなと思ったのですが、そういうわけではないのですね。そこをもう一度答弁いただきます。
 それから、スクールソーシャルワーカーについても、いずれ不登校が決して少なくない中で、前年度と同様の配置という答弁がありましたけれども、各学校からの要請もさることながら、もっと回りやすい体制をつくることが必要ではないかと思いますが、ただ、ソーシャルワーカーのなり手はどうなのでしょうか。大変苦労しているという話も聞いているので、その辺もお聞きをいたします。
〇橋場首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラーの配置でございますが、中学校は、先ほど99%ということでございますので、ほぼほぼ配置をしている状況でございまして、学区の中学校に対して配置をすると。派遣をしながら、その学区の小学校にも派遣できるというシステムを整えておりますので、数字上の配置率は先ほど80%と言いましたが、そのような体制も整えているということですので、スクールカウンセラーが各学校を訪問する回数であれば、もう少しこの回数は上がるものだと思っております。
 スクールソーシャルワーカーにつきましては、活用指針をつくるということ、また、年々そのニーズが高まっているという状況でございます。そのような要請も高まっていることについては承知をしているところでございますが、県内のスクールソーシャルワーカー、いわゆる社会福祉士であるとか精神保健福祉士の方々については、本県ではまだまだその数が、なり手が少ない状況にございますので、今後、養成する大学との連携も深めまして、それに県教育委員会としてもさまざまな連携をとりながら、養成等にも協力してまいりたいと考えているところでございます。
〇千田美津子委員 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーにつきましては、早い時期に子供たちに適切な指導や助言ができる体制をつくることが、今、最も大事だなと思います。そういった意味で、特にスクールソーシャルワーカーについては教育事務所配置ということで、やはりこれでは限界があるのかなと思っています。全部の学校を回れるように。ですから、大学等に要請する前に、県がどれだけ配置をするか。ふやしていくという方針を決めることが最初だと思うのですね。そういったことで、ぜひ増員をされるようにお願いをしたいなと思います。これは要望にしておきます。
 それでは最後になりますが、小学校英語専科教員の配置についてお聞きをいたします。
 新学習指導要領のもとで、小学校の英語教育が、来年度から3、4年生で外国語活動を実施し、5、6年生で教科化されます。これによって小学3年生から6年生の授業時間数が週1コマ相当増加をするために、その負担軽減として、英語専科指導教員が全国で配置をされるわけでありますけれども、岩手県においては、新年度の英語専科指導教員の配置はどのような見通しを持っておられるのか、お聞きをいたします。
〇金野首席経営指導主事兼小中学校人事課長 新年度の小学校英語専科教員の配置についてでありますが、令和2年度は、今年度の16名から33名に増員する予定でありまして、児童の英語に対する興味、関心を高め、質の高い英語教育の実現に、引き続き努めてまいります。
 配置校につきましては、市町村教育委員会の要望や、あとは、英語専科教員の要件であるの中学、高校の英語免許を有している人材の状況等を踏まえまして、効果的に配置したいと考えております。
〇千田美津子委員 今、早いところの情報ですと、一人の先生が3校から5校兼務するという状況が伝えられておりますし、加配されないために担任が対応することになるというような状況も他県では出ているとお聞きしております。ですから、先ほど御答弁があったように、市町村の要望があってからということでは、私は違うのだろうと思います。33名だと、多分何校かかけ持ちですよね。これは抜本的にふやすことでしか対応できないのではないかと思いますが、もう一度お聞きいたします。
〇金野首席経営指導主事兼小中学校人事課長 今年度の16名は、配置校以外の24校におきまして兼務しております。よって、新年度も引き続き、兼務によってさらに多くの学校で指導されるように進めてまいりたいと思います。
〇柳村一委員長 千田美津子委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事進行に御協力をお願いします。
〇千田美津子委員 わかりました。
 今の答弁で、兼務をして対応するということでありますけれども、私はやはり新しい改革というか、改革になるのかならないのかですが、新学習指導要領のもとで岩手の子供たちを健やかに育てる体制づくりは、私たち大人の責任だと思うのですよね。ですから、県がしっかりその辺を対応していくことが全ての問題でかかわってくるなと思いますので、最後に教育長に、その辺の決意をお聞きして終わります。
〇佐藤教育長 英語の専科教員の配置でございますが、16名から33名に増員するということで、新学習指導要領で4月からスタートするわけでございますが、そういった形で配置をしまして、英語教育についても取り組んでいくというようにしております。あとは、国がしっかり英語教育にも力を入れていくということであれば、これはきっちりと人員配置をすべきものであって、それは機会があるごとに要望してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 済みません。お疲れのところでございましょうけれども、通告しておりますので質問させていただきたいと思います。私は、高校の県外枠の新設についてお伺いいたします。
 少子化によって入学する生徒数が年々減少している状況であります。県内の中学校卒業の生徒数は、令和2年度1万660人、令和7年度は9、749人、令和15年度になりますと7、972人と予想されております。こういうことになってまいりますと、令和15年度になると、県内全域の学校廃止、県内全域で高等学校の教育を考える、そういうことを真剣に取り組まなければならない時代がやってくると思っております。
 そういう中におきまして、前期計画で予定しておりました遠野緑峰高等学校につきましては、入学生が20名を割った場合は統合ということであります。そういうわけで、20名以上確保するため、遠野市、また地域、高校再編を考える市民会議、これが一生懸命努力されているわけであります。ですから、県外枠にも大変大きな期待がかかっているわけであります。そういう中において、今年度から募集人数も、5校において7学科3名から8名であります。スタートする年でもありますので多くはないと思いますが、県外入学志願者状況についてお伺いいたします。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 県立高校入試における県外からの志願者受け入れについてでございますが、委員御案内のとおり、5校7学科で本年度から実施いたしましたが、志願者は2校で2名でございました。
〇工藤勝子委員 スタートの年であるにしても、非常に少ないのではないかなという思いが、今しましたところでもあります。ですから、やはりこれはいろいろな情報の発信が必要ではないかという思いをしているところであります。そういう県外に向けた情報発信の周知の状況をお聞きしたいと思います。
 県外からの志願者受け入れという、この情報を取り寄せました。これを見ただけでは、ここの学校に来たいなと思うような状況がないわけであります。こういう特徴的な教育をしているということも見えないわけであります。何か興味を引けば、学校のホームページを開いて、そして資料を取り寄せることも可能だと思っておりますけれども、このままの情報発信を県は進めていくのですか。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 今年度におきましては、スタートということで、ホームページでの周知が主な広報活動でございました。県のホームページの高校入試のページにも、制度の概要と学校名を掲載したところではございますが、どうしても情報発信の主たる周知方法がホームページということになりますと、手軽に情報発信はできるのですけれども、志願者が自分で検索して引っかからないと、ちょっと見つけにくかったのかなという反省もございますので、今後、より一層工夫していく必要があると考えております。
 具体的には、来年度から県立高校の入試のホームページに、今リンクで飛ぶ形にはなっていないのですけれども、リンクで各学校のホームページにすぐ飛んでいけるようにする一方で、それとあわせまして、県外からの生徒募集を行う高校が日本全国から参加している、例えば地域・教育魅力化プラットフォームが主催いたします地域みらい留学フェスタ等々、東京とか大阪とかいろいろなところでやるのですけれども、そういうものにも今後積極的に参加し、首都圏等で周知を進めていく学校をふやしていく方向でございます。
〇工藤勝子委員 たしかこの県外枠の新設について、2校ですけれども、昨年の8月30日にこういう形の中で情報が出たと思っておりますけれども、志願者受け入れの実施要項はいつごろ発信されたのでしょうか。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 受け入れを発表したのと同時に、各学校で受け入れの要項等を作成して、周知に取り組んだということでございます。県では、ホームページには載せたのですけれども、入試要項の中での周知というのがまず正式なものでしたので、それができたのが10月になったところでございます。
〇工藤勝子委員 山村留学で成果を上げている葛巻高校もあるわけでありまして、また、ここに来るまで島根県の隠岐島前高校は7年もかかったという話もありますので、初年度でありますのでそんなに多くの生徒が岩手県に全国から集まってくるとは予想しておりませんけれども、でもやはり、このように生徒が減少する中にあって、県外からも受け入れるという情報発信の仕方というのは非常に重要ではないかと思っております。遠野高校の受け入れ、それから遠野緑峰高等学校の受け入れ状況の発信を見ても、要項だけでほとんどPRされていないというような状況であります。
 そういう面も含めまして、ぜひ県教育委員会における県外枠の情報発信に大きな期待をしたいと思っておりますが、その期待にどのように応えていこうとしているのか、もう一度お伺いいたします。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 ことしはどうしても学校任せの部分もちょっとありましたので、各学校と一緒に、あと地域と連携しながら、周知活動に努めてまいりたいというようには考えております。
〇工藤勝子委員 山村留学の制度についても質問しておりましたので。
 議員連盟のほうで、葛巻町のワインの調査に行くことがありました。そのときに鈴木町長から言われたことは、葛巻町には多くの―多分27名と聞きましたけれども―申し込みがあったけれども、受け入れる寮が少ないために絞ったという形のお話がございました。
 そういう中で、受け入れ要項を見ると、県外枠のほうは下宿となっているのですね。葛巻のほうは下宿というのは認めないで、全寮制という形だと思っているのですね。せっかく岩手県の葛巻町に来たいという子供たちが全国にいる中で、この状況の課題を何か解決する方法はございますか。
〇里舘首席指導主事兼高校教育課長 確かに今年度の葛巻町はかなりの人数がございまして、葛巻町に受け入れ可能な14名に絞らざるを得なかったというのがあります。下宿等も活用できないかというお話もいただいております。単に下宿を活用するのではなくて、例えば酪農をやっているところで体験しながらとか、そういう方法等はあるかなと考えておりますので、今後いろいろ協議しながら、いい方向に進めていければと思っております。
〇工藤勝子委員 ぜひ、よろしく御検討をお願いしたいと思います。
 小規模校の魅力化づくりというのは、教育の質といいますか、教育格差が起きないような教育を小規模高校でもやるべきだと思っているのですよ。そういう関係で、ICTの推進を逆に小規模校でこそ受け入れてやるべきではないかなという思いがあって、この中に小規模校におけるICT教育の方向性についても伺っております。ぜひ、そういう意味も含めて、逆に大きな高等学校よりは、小さな学校に行って、さまざまな地域の課題に自分たちで全面的に取り組んだり、研究をしたり、プロジェクトを行ったり、そして、こういうICT教育の充実ができるというような方向で、地方に子供たちが、逆に盛岡のほうから地方に向かうような、そういう教育方針を立てていくとか、ぜひその魅力づくりについて県教育委員会の発信をお願いしたいと思っております。
 そういう面において、教育の質の確保に対して、教育長から最後に伺って終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇佐藤教育長 まさにICTの活用というのは、本県のような地理的、距離的なハンディキャップを抱える地域にあっては、非常に有効な教育環境整備の一つのツールだと思います。学びにおける時間とか距離などの制約を取り払うということ、また個別に最適で効果的な学びの支援もできます。それから、今回の予算計上案では、プロジェクター等の機器も入れて、こういった活用も図っていくということも考えております。それから、いろいろ話題になっている学校における働き方改革ですね。教材の開発であるとか授業の準備であるとか、そういったところにもICTの技術を活用できると考えております。
 そういった意味で、ICT機器の整備については、令和2年度は20校から開始してまいりますし、2月補正予算では無線LANの整備、これは全ての県立学校に無線LANのWi−Fi環境を整備するとしておりますので、そういった教育環境の整備を進めながら、地域における児童生徒の学びの環境をしっかりつくって、そして地域と一体となって魅力ある学校づくりに取り組んでいきたいと考えております。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆様はお疲れさまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時59分 散 会

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