令和2年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和2年3月9日(月)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主査 上 野 公一郎
主査 鈴 木   忍
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
環境生活部長 大 友 宏 司
副部長兼
環境生活企画室長 小 島   純
環境担当技監兼
廃棄物特別
対策室長 田 村 輝 彦
若者女性協働
推進室長 藤 澤   修
環境生活企画室
企画課長 高 橋 利 典
環境生活企画室
管理課長 前田敬之
温暖化・エネルギ
ー対策課長 高 橋 光 羊
放射線影響
対策課長 川 村   守
ジオパーク
推進課長 藤 澤 壮 仁
環境保全課
総括課長 佐々木 秀 幸
資源循環推進課
総括課長 佐々木 健 司
自然保護課
総括課長 谷 藤 親 史
県民くらしの
安全課総括課長 坊 良 英 樹
県民くらしの
安全課特命参事 新 沼   司
食の安全安心課長 佐 藤   敦
県民生活安全課長 武 蔵 百 合
消費生活課長 高 橋 雅 彦
再生・整備課長 八重樫   満
廃棄物施設
整備課長 田 村 良 彦
青少年・男女共同
参画課長 高 井 知 行
連携協働課長 工 藤 祝 子

警察本部長 島 村   英
警務部長 大 塚 健 滋
生活安全部長 吉 田 良 夫
刑事部長 中 野 和 朗
交通部長 小田島 洋 憲
警備部長 新 家 勝 昭
警務部参事官兼
首席監察官 石 川   康
警務部参事官兼
警務課長 玉 澤 賢 一
警務部参事兼
会計課長 千 田 敬 喜
生活安全部
参事官兼
生活安全企画課長 菅 野 一 也
刑事部参事官兼
刑事企画課長 高 橋   仁
交通部参事官兼
交通企画課長 佐々木 雅 夫
警備部参事官兼
公安課長 乳 井   博
総務課長 吉 田 知 明
監察課長 金田一 正 人
生活環境課長 加 藤 秀 昭
交通規制課長 南 部 一 成
警備課長 今 野 清 彦

財政課総括課長 小 原 重 幸
〇柳村一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 軽石義則委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第31号まで、議案第39号及び議案第41号から議案第44号までの以上31件を一括議題といたします。
 本日は、環境生活部及び警察本部関係について、延べ22人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
 初めに、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇大友環境生活部長 令和2年度岩手県一般会計予算のうち、環境生活部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 なお、組織改編により、来年度、当部から保健福祉部に移管予定の事業につきましては、当部において説明させていただきますので、あらかじめ御了承願います。
 初めに、当部における予算編成の基本的な考え方でありますが、東日本大震災津波及び令和元年台風第19号災害からの復旧、復興に最優先で取り組むとともに、2年目となるいわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の着実な推進を図るため、まず、復興推進関係については、災害に強く安全で安心な暮らしを支える防災都市、地域づくりに向け、災害時にも対応できる自立、分散型のエネルギー供給体制の構築や、原子力発電所事故に起因する放射線影響対策の推進に取り組んでまいります。また、地域コミュニティーの再生、活性化のため、NPO等が行う復興支援活動等を支援するとともに、観光資源の再生と新たな魅力の創造に向け、三陸ジオパーク活動を通じた交流人口の拡大を図ってまいります。
 次に、政策推進関係ですが、家族・子育ての分野では、健全で自立した青少年の育成のため、青少年が、個性や主体性を発揮して自立した活動ができる環境づくりや、愛着を持てる地域づくりに取り組んでまいります。また、動物の命を大切にする社会をつくるため、動物愛護の意識を高める普及啓発の取り組み等を推進してまいります。
 居住環境・コミュニティの分野では、快適で豊かな暮らしを支える生活環境をつくるため、市町村等が実施する水道施設の耐震化や老朽化対策等を支援してまいります。
 安全の分野では、事故や犯罪が少なく安全・安心に暮らせるまちづくりを進めるため、防犯活動や性犯罪等の被害者に対する支援、交通事故抑止対策や消費者施策の推進などに取り組んでまいります。また、食の安全・安心を確保し、地域に根差した食育を進めるため、食の信頼向上の推進などに取り組んでまいります。
 自然環境の分野では、多様ですぐれた環境を守り、次世代に引き継ぐため、生物多様性の保全や自然との触れ合いを促進するとともに、良好な大気、水環境を守る運動や環境学習、三陸ジオパークに関する取り組みなどを推進してまいります。また、循環型地域社会の形成を進めるため、廃棄物の発生抑制や再使用、再生利用の推進、災害に強く持続可能な廃棄物処理体制の構築、産業廃棄物の適正処理の推進に取り組むほか、地球温暖化防止に向けた低炭素社会の形成のため、温室効果ガス排出削減対策の推進や、再生可能エネルギーの導入促進、気候変動の影響への適応策などに取り組んでまいります。
 参画の分野では、性別や年齢にかかわらず活躍できる社会をつくるため、男女共同参画社会の実現に向けた環境の整備を行うとともに、若者や女性の活躍を支援してまいります。また、幅広い市民活動や多様な主体による県民運動を促進するため、多様な主体の参画、協働に向けた機運醸成とネットワークづくりや、官民連携による県民運動の展開などに取り組んでまいります。
 以上が、環境生活部の令和2年度予算編成に当たっての基本的な考え方でございます。
 続きまして、予算議案について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。環境生活部関係の予算は、3款民生費2項県民生活費の14億7、800万円余と、7ページに参りまして、4款衛生費2項環境衛生費の111億4、300万円余、9ページに飛びまして、12款公債費1項公債費の一部400万円余、及び13款諸支出金2項公営企業負担金の一部900万円余でありまして、総額で126億3、600万円余であります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと10億4、300万円余の増、率にいたしまして9%の増となるものですが、これは、産業廃棄物処理施設整備事業促進費において、次期最終処分場の工事の着工による増額などによるものです。
 なお、3款民生費1項社会福祉費の一部200万円余につきましては、当部から保健福祉部へ移管する予算となっております。
 以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 お手元の予算に関する説明書の123ページをお開き願います。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費ですが、右側説明欄上から六つ目の消費者行政活性化推進事業費は、県及び市町村の消費生活相談窓口の機能強化を図るとともに、高齢者や若者の消費者被害防止、成年年齢引き下げなどに対応した消費者教育を推進しようとするものです。三つ飛びまして、食育推進全国大会開催準備費は、令和3年度に予定している第16回食育推進全国大会の開催に向け、出展者の募集や、会場レイアウトの企画など、開催準備を行おうとするものです。一つ飛びまして、NPO等による復興支援事業費は、活動経費の助成や、担い手となるNPO等の運営基盤強化のための取り組みを実施しようとするものです。一つ飛びまして、いわて県民情報交流センター管理運営費は、県民の交流、連携の拠点施設であるアイーナの施設管理運営や保守、修繕等に要する経費です。一番下の多様な主体のパートナーシップ推進事業費は、多様な主体の参画、協働を地域づくりにつなげるとともに、県政全般に広げていくため、県民理解の促進や、官民連携の推進を図るための取り組みを実施しようとするものです。次に、124ページをお開き願います。2目交通安全対策費ですが、一番上の交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動を推進するとともに、市町村が交通指導員を設置するために要する経費を補助しようとするものです。3目青少年女性対策費ですが、五つ目のいわて青少年育成プラン推進事業費は、いわて希望塾の開催や、青少年活動交流センターを拠点とした活動、交流への支援等の取り組みを実施しようとするものです。一つ飛びまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、男女共同参画センターを拠点として各種講座の開催や相談事業、LGBTへの理解促進等の取り組みを実施しようとするものです。一つ飛びまして、いわて若者活躍支援強化事業費は、いわて若者カフェの運営や、若者活動等の情報発信、若者団体が実施する取り組みへの資金面での支援等を実施しようとするものです。次のいわて女性活躍支援強化事業費は、いわて女性活躍企業等認定制度の普及や業種を超えたネットワークづくりに取り組むほか、女性リーダーとなるためのステップアップセミナーの開催などを行おうとするものです。
 ページを少し飛びまして、137ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費ですが、四つ目の環境学習交流センター管理運営費は、同センターを拠点として、環境アドバイザーの派遣や講座の開催、地域活動団体への支援等を行おうとするものです。二つ飛びまして、循環型地域社会形成推進事業費は、環境に配慮した産業活動を促進し、環境関連産業を育成するとともに、企業や地域等における廃棄物の発生抑制やリサイクルの推進に向けた取り組みを支援しようとするものです。五つ飛びまして、地球温暖化対策事業費は、温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロに向けた県民運動の展開や、地球温暖化防止活動推進センターを拠点とした普及啓発等を実施するとともに、気候変動対策への県民の関心と理解を深めるための総合イベントやシンポジウムの開催などを行おうとするものです。次の再生可能エネルギー導入促進事業費は、被災家屋等への太陽光発電設備の導入経費を支援するとともに、自立、分散型のエネルギー供給体制の構築に向けた市町村等の取り組みを支援しようとするものです。一つ飛びまして、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費は、防災拠点となる庁舎等公共施設が非常時にその機能を十分発揮できるようにするため、太陽光発電や蓄電池等の再生可能エネルギー利用設備の導入を推進しようとするものです。次の水素利活用による再生可能エネルギー推進事業費は、水素の利活用や水素関連製品の普及促進、水素関連ビジネスの創出育成のための取り組みなどを実施しようとするものです。次の放射線影響対策費は、原発放射線影響対策を推進するため、放射線に対する情報発信や、東京電力による損害賠償の実現に向け、市町村等と連携した取り組みを行おうとするものです。次の三陸ジオパーク活用強化事業費は、ジオパークを活用した地域振興を図るため、多言語による看板等の設置など受け入れ環境の整備を実施するほか、世界ジオパークをテーマとしたシンポジウムの開催などを行おうとするものです。次に、138ページをお開き願います。2目食品衛生指導費ですが、四つ目の食品の自主衛生管理向上対策事業費は、県内の食品事業者等に対して、HACCPの義務化に係る説明会や現場指導を行うほか、新たな営業届け出制度や営業許可制度の見直し等に係る説明会を開催しようとするものです。次に、3目環境衛生指導費ですが、139ページに参りまして、三つ目の水道施設耐震化等推進事業費は、水道施設の耐震化や老朽化対策等の促進のため、市町村等が実施する事業に要する経費を補助しようとするものです。二つ飛びまして、廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理や不法投棄の監視指導を行う産廃Gメンの配置や、スカイパトロールなどに要する経費です。四つ飛びまして、県境不法投棄現場環境再生事業費は、汚染された土壌等の浄化対策を講じ、原状回復を図るほか、不法投棄の原因者等に対する責任追及を行おうとするものです。三つ飛びまして、産業廃棄物処理施設整備事業促進費は、いわてクリーンセンターの後継となる公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備等を実施するため、事業主体である一般財団法人クリーンいわて事業団に対し、施設整備に要する資金の貸し付け等を実施しようとするものです。次の海岸漂着物等地域対策推進事業費は、岩手県海岸漂着物対策推進地域計画に基づき、市町村等が行う海岸漂着物の回収、処理等に対する支援や、活動団体の連携推進など、環境保全活動の促進、情報発信等を実施しようとするものです。次に、4目環境保全費ですが、二つ目の休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山からの坑廃水の中和処理を実施するとともに、処理施設の老朽化対策工事、坑道の埋め戻し工事等を実施しようとするものです。次に、140ページをお開き願います。5目自然保護費ですが、四つ目の国定公園等施設整備事業費及び五つ目の自然公園施設整備事業費は、令和元年台風第19号で被災した箇所の復旧など、国定公園や自然公園の登山道や遊歩道の改修等の保全対策等を推進しようとするものです。141ページに参りまして、6目鳥獣保護費ですが、三つ目の指定管理鳥獣捕獲等事業費は、ニホンジカ、イノシシの生息状況調査や、捕獲の強化による個体数管理を行うとともに、早池峰山周辺地域における鹿対策等を推進しようとするものです。一つ飛びまして、希少野生動植物保護対策事業費は、イヌワシの繁殖支援や、いわてレッドデータブックの改訂作業等を行おうとするものです。次の野生動物との共生推進事業費は、ツキノワグマ等の生息動向調査や個体数管理の基礎となる生息数調査、人身被害防止のための啓発活動を実施しようとするものです。次に、7目環境保健研究センター費は、同センターの管理運営及び試験研究等に要する経費です。
 次に、ページを飛びまして、245ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、二つ目の電気事業会計負担金及び三つ目の工業用水道事業会計負担金の一部は、総務省の地方公営企業繰出基準に基づき、地方公営企業職員に係る児童手当に要する経費の一部について、それぞれの会計に対して負担しようとするものです。
 次に、保健福祉部に移管する事業について御説明申し上げます。お戻りいただきまして、121ページをお開き願います。3款民生費1項社会福祉費6目婦人保護費のうち、一番下の配偶者暴力防止対策推進事業費は、全県的な配偶者暴力防止啓発運動や、相談、保護体制の充実を図るとともに、被害者の自立のための支援を実施しようとするものです。
 以上で、環境生活部の歳出予算についての説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことがないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 早速質問に入ります。もうすぐ東日本大震災津波から丸9年を迎えます。ということは、東京電力福島第一原子力発電所における事故からも9年たったことになるわけであります。県民は今新型コロナウイルス感染症のほうにばっかり目が行っておりますけれども、この9年間、福島原発事故というのは今も尾を引いているわけでありまして、その経緯、経過の報道が少し遠くなった気がしておりますので、改めて伺いたいと思います。
 先般、福島県双葉町の帰還困難区域が一部解除されたようでありますが、これは除染が進んだ結果ではないかと思います。本県でも、ホットスポットあるいは牧野とかシイタケの原木等、いろいろなところが汚染をされているはずでありまして、その除染をしてきたと思うのですが、現在どの程度まで除染が進んで、あとどのくらいで完了するような手順になっているのか、まずお伺いをしたいと思います。
〇川村放射線影響対策課長 本県での除染の状況についてでありますが、ホットスポットを含む生活環境の除染につきましては、汚染重点調査地域に指定された一関市、奥州市及び平泉町の県南3市町において、各市町の除染実施計画に基づき除染が進められてきたところでございまして、奥州市及び平泉町は平成25年度末までに、一関市は平成28年度末までに、それぞれの計画に記載された除染が完了しているところでございます。
 牧草地の除染につきましては、利用自粛となった牧草地のうち、急傾斜のため耕すことができない箇所等を除きます1万2、396ヘクタールにつきまして、平成26年度までに除染を完了するとともに、再生した牧草の放射性物質検査を行い、暫定許容値以下であることが確認された圃場から順次利用自粛を解除しており、本年1月末現在で1万2、392ヘクタールが解除されているところでございます。
 原木シイタケにつきましては、国が定める指標値を超過した原木、ほだ木の処理や、放射性物質の影響を低減するためのほだ場の環境整備を支援することによりまして、本年1月末現在で国による出荷制限指示を受けている13市町で207名の生産者が出荷可能となっているところでございます。
〇伊藤勢至委員 解除したのがどの程度で、残りが幾らあって、どのくらいで終わるのかというのもひとつお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、東京電力との損害賠償をいろいろやっていると思うのですが、これについては現在どの程度まで交渉が進み、示談なり何なり、そういう方向になってきたのか、あとどのぐらいのものがあるのか、お伺いしたいと思います。
〇川村放射線影響対策課長 除染の残りというお尋ねでございましたけれども、先ほどと一部繰り返しになりますが、牧草地につきましては、急傾斜のため耕すことができない箇所等を除きます1万2、396ヘクタールのうち、1月末現在で1万2、392ヘクタールが解除されているところでございまして、99.9%が解除になっているところでございます。
 原木シイタケにつきましては、生産再開を希望する生産者が1月末現在で283名いらっしゃいます。その中で、先ほど申しました出荷可能となった生産者が207名ということでございましたけれども、このうち4名につきましては、再開後にやめられたとかお亡くなりになられた方がいらっしゃいまして、今後一部解除が必要な生産者が80名、割合にいたしまして28.3%となっております。
 牧草地につきましても原木シイタケにつきましても、鋭意解除に向けて引き続き取り組んでまいります。
 東京電力に対する損害賠償請求の状況についてでありますが、本年1月末現在で、県からの請求額122億3、500万円余に対し、合意額は114億6、400万円余、支払い率は93.7%となっております。また、市町村等からの請求額24億2、900万円余に対し、合意額は10億3、600万円余、支払い率は42.6%となっているところでございます。引き続き、市町村等と協調しまして、東京電力に対し強い姿勢で十分な賠償の実現を求めてまいります。
〇伊藤勢至委員 福島原発が発電した電気は100%東京都が使っているのですよね。ですから、東京都の責任は本当に大きいと思いますので、この損害賠償交渉は県民のためにぜひ頑張って進めていただきたいと思います。
 それから、冷却水が発災以来どんどんたまり続けている状況にあります。このごろは余り報道もなかったのですが、つい先日は、あと1年半ぐらいでいっぱいになってしまうので今後の処理をどうするかということの中で、希釈をして海中投棄をという意見もあったやに聞いております。もちろん決まったわけではございませんが、もしそういったことが今この三陸の海に起こったとしたら、まず風評被害で、今まで以上の大きな被害を受けてしまうと。魚が全然とれない状況の中で、マダラとかスケトウダラとか、あるいは根魚と言いますが、カレイ類だとか、そういったところで細々とつないでいる漁業が壊滅的な状況になってしまう。したがいまして、そういうものには、岩手県のみならず、宮城県も福島県ももちろんですけれども、漁業者が一体となって反対の声を今から上げていかないといけないと思っているのです。そういうことについての情報は、今、県としてはどのようにつかんでいるのでしょうか。
 あわせて伺いますが、平成26年7月17、18日と、当時の岩手県議会の環境福祉委員会で、第二原子力発電所の視察をしてまいりました。翌日、東北大学病院の地域医療復興センターの取り組みについて視察、勉強をさせてもらいましたが、そのときにいただいた冊子の中に大変重要なことが書いてありました。それは、原子力発電所があるところには、万一の場合を考えてヨウ素剤を備蓄している。このヨウ素剤というのは、子供たちが対象のようでありますけれども、仮に被曝をした場合に、リンパ腺に蓄積されて将来大きな影響、健康に被害があるだろうということから備蓄をしているもののようですが、そこの中には、事故の混乱により供給するタイミングを失してしまった、つまり、せっかく用意していたヨウ素剤を使わないでしまったという1行が書いてありました。これは今後大きな問題になっていくものだと思っています。私はそこの部分にマーキングをして、帰ってきてから当局に参考までにと言って資料をお上げしました。
 今後どうなっていくかわかりませんが、いずれ冷却水を海中投棄する問題も、太平洋は黒潮が循環していますので、福島県の目の前に投棄をすればそれで終わりということではなくて、その循環経路は全部が、言ってみれば風評被害なり―トリチウムあるいはストロンチウムが人体にどういう影響があるのか不勉強にしてわかりませんけれども、まずは風評被害ということで痛めつけられないような施策を展開してもらいたいと国に要望しつつ、岩手県の水産漁業環境を守っていかなければならないと思うのですが、ひとつ答弁をお願いします。
〇川村放射線影響対策課長 東京電力福島第一原子力発電所で発生しております汚染水は、多核種除去設備―ALPSなどによりまして処理の上、発電所敷地内のタンクに貯蔵されているところであります。この処理水の取り扱いにつきましては、国の多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会におきまして検討が進められ、本年2月に報告書がまとめられたところでございます。
 この報告書の中では、処分方法については、水蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢であること。また、これまでの放出実績や設備の取り扱いの容易さ、モニタリングのあり方も含めると、海洋放出のほうが水蒸気放出に比べ確実に実施できるとされており、加えて、政府に対しては、地元自治体や農林水産業者を初めとした幅広い関係者の意見を丁寧に聞きながら、責任と決意を持って方針を決定することを期待する旨、記載されていると承知しているところでございます。
 県といたしましては、引き続き国の動向を注視してまいりますが、全国知事会及び北海道東北地方知事会から、国に対し、汚染水問題の解決に向け、原子炉建屋等の止水など、汚染水をふやさないための抜本的対策を講ずるとともに、多核種除去設備等処理水の取り扱いについては、環境や風評への影響などを十分議論の上、国民に丁寧に説明しながら慎重に検討を進めるよう提言しているところであります。いずれそういった風評被害対策も含めて、関係者の意見を丁寧に聞きながら検討を進めていただくよう、引き続き国に求めてまいります。
〇伊藤勢至委員 これまでも世界各国で原子力発電所の事故があったわけでありますけれども、過去に、海中投棄をした国はあるのでしょうか。
〇川村放射線影響対策課長 今現在、福島第一原子力発電所のタンク内に保管されております処理水の中では、トリチウムがどうしても取り除けないというふうなところになっておりまして……。ただ、このトリチウムを含む水につきましては、今回の事故が発生した福島第一原発に限らず、通常運転している原子力発電所におきましても、一定の基準値以下に希釈して、薄めて、海洋放出されているというふうに聞いております。原子力発電所は通常……(伊藤勢至委員「どこの原発だ」と呼ぶ)例えば、近くで言いますと、今は休止していますけれども、女川原発とかそういったところも含まれるかと思います。国内でも海外でも、トリチウムを含む水といいますのは、一定基準値以下まで薄めて希釈して放出しているというところで行われていると聞いております。
〇伊藤勢至委員 私たちは今を生きているということですが、将来にわたってそういった心配を残してはいけないと。こういう思いから、あなたは私に答弁をするのではなくて、120万の岩手県民にそれを説明するというスタンスでこれからもやっていただきたい。そうあるべきだと思っています。
 この環境は、岩手県の県土、あるいは岩手県の上空、岩手県に接する海、それだけを守ればいいという話ではないのですよね。今やもう世界規模、50キロメートル上にはジェット気流が通って、そろそろ黄砂がやってくる時期になるかもしれません。そういう大きな目線で環境というものを捉えていくべきだと思っております。
 大友部長とは長い間いろいろ勉強させていただきましたが、県民に残すもの、あるいは我々議会に残していくべきもの、そういう思いがありましたら、その分も含めて、部長の答弁をいただきたいと思います。
〇大友環境生活部長 まず、原発からの処理水の海洋放出の問題でありますけれども、海洋に放出するというのは、福島県のみならず、本県の海洋にも影響があるものでございまして、今、水産の漁獲高が非常に落ち込んでいる中で、さらにこういった風評被害が生じることがあっては非常に大変な影響が及ぶということで、今、課長から御説明申し上げましたけれども、こういった漁業者の方々等の不安を解消するために、国が直接関係者に説明して、丁寧にそういった方々の意見を聞くことが大変重要ではないかと思っておりますので、私どもも事あるごとに、しっかりと県民の皆さんに情報を伝えるように心がけて対応してまいりたいと思っております。
 伊藤委員から私の御紹介もしていただきましたけれども、課題がいろいろ我々のところに来ますので、そういったものを正面からしっかりと受けとめ、対応していくというのが県職員の務めだと感じております。そういった気構えを持って今後も対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇城内よしひこ委員 鹿対策についてお伺いしたいと思います。
 今シーズンは雪が少なかったために、猟友会、鉄砲撃ちの方々は、鹿の駆除については大変苦慮しているようでありますけれども、今シーズンの実績と、新しい年度を迎えるに当たっての捕獲予定数をお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 本年度の鹿の捕獲実績と来年度の予定についてでございますけれども、本年度の鹿の個体数は、環境省が公表している推定調査によりまして、平成24年度末で4万頭とされておりまして、県においては令和5年度までに個体数を半減することを目標として、年間1万頭以上の捕獲に取り組んでいるところでございます。
 本年度の捕獲状況につきましては、一般狩猟及び市町村の有害捕獲は未集計のため、当部で所管しております指定管理鳥獣捕獲等事業の1月末の実績を申し上げますと、3、378頭となっておりまして、前年同期の3、481頭と同程度の状況となっているところでございます。本年度の状況につきましては、県猟友会のほうからも状況を聞いておりますが、暖冬の影響でなかなか苦慮しているという話を同様に聞いているところでございます。
 また、来年度の具体的な捕獲予定数については、可能な限り捕獲を進めるため、例年7月ごろに開催するシカ管理検討委員会におきまして、関係機関により協議の上、当該年度における目標を定めることとしておりまして、県猟友会や農林水産部局とも連携しながら、引き続き、捕獲の促進に努めてまいります。
〇城内よしひこ委員 前回の決算特別委員会のときには、適正数について、環境生活部長とはちょっと意見の相違があったわけですけれども、いずれ適正数という言葉は、先ほど伊藤委員とのやりとりでもあったように、皆さん、お話しするときには、しっかりと場所を選んでお話ししてはいかがかなと思います。
 五葉山周辺に本来であれば集中をしているべきものだったはずであります。そういったものがいろいろなところに、県内中、そして、秋田県のほうにも、青森県のほうにも行っているという状況が今あるわけでありますので、それを考えますと、何が適正数だったのかというようにも思ったりするところであります。
 そういった中にあって、我々の早池峰山には希少な動植物があるわけでありますが、その動植物の被害、食痕というのもあるやに聞いているところでありますが、その状況というのはどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 早池峰山の鹿対策についてでございます。県では、早池峰地域保全対策事業推進協議会のシカ対策部会における鹿の食害報告を受けまして、高山植物の鹿食害対策の一環として、防鹿柵の設置を平成30年度から東北森林管理局と連携しながら進めております。
 本年度は、シカ対策部会委員の御助言もいただきながら、東北森林管理局と連携して、より効果的に希少植物を保護できるよう、ナンブトウウチソウやミヤマヤマブキショウマなどの高山植物の群生地に配置するとともに、新たに小田越や薬師岳に、県が6カ所400メートル、東北森林管理局が5カ所450メートルを設置しておりまして、その延長は、平成30年度の7カ所300メートルから、11カ所850メートルに拡大したところでございます。
 本年2月、シカ対策部会を開催いたしまして、部会委員である県立博物館の主任専門学芸員が行った防鹿柵の設置効果検証のための植生モニタリング調査の結果によりますと、柵の内部では明らかな植生の回復が見られたというお話をいただいておりまして、鹿の食害防止に一定の効果があったものと考えているところでございます。
 来年度におきましても、防鹿柵を拡大して設置する予定としておりまして、シカ対策部会の意見を聞いた上で、東北森林管理局と調整を図りながら、設置場所や方法について検討してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 いずれ希少植物は歩けないわけでありますので移動できません。そこにあってこそ希少植物であります。鹿はどんどん山に入っていきますので、しっかりと対策をしてほしいと思っています。
 通告はしていませんでしたけれども、イノシシはどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 本年度のイノシシの捕獲状況についてでございますが、平成23年度に一関市で捕獲されて以来、徐々に生息域が拡大しておりますことから、可能な限りの捕獲に努めているところでございます。
 本年度の捕獲状況につきましては、一般狩猟及び市町村の有害捕獲はまだ未集計でございますので、当部で所管する指定管理鳥獣捕獲等事業の状況でお話しさせていただきますが、1月末現在で118頭と、前年同期の87頭に比べ31頭ほど増加しているという状況にございます。
 また、来年度につきましては、本年度と同様に、可能な限りでの捕獲に取り組む予定としております。県猟友会や農林水産部局とも連携しながら、引き続き、捕獲に取り組んでまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 イノシシも、実は、洋野町種市のほうまでもう行っているということであります。そういうことを考えますと、県内各地に拡散をしていますし、また県境を越えて他県、青森県とか秋田県のほうにも、早晩、多分行くのだろうなと。早いうちにしっかりと手を打ってほしいと思うところであります。
 ただ、これもまた、なかなか捕獲というのは難しいというように思っています。四、五年前に岩手県で見かけたと言われてから、もう既にこれだけの数が捕獲されるようになっていますので、事件、事故、そして農業被害の防止にもしっかりと努めてほしいというところでありますが、なかなかこれは打つ手がないのでしょうか。有効な手段はないものか、お伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 イノシシにつきましては、平成23年まで捕獲の実績がなかったということで、当初ハンターの方々に捕獲技術がなかったということもございまして、先進地から講師をお招きして捕獲技術の研修会を続けているということ。それから、やぶの中に潜んでいるということもございますので、そういったわなの関係のハンターも必要だということで、捕獲の担い手対策にも取り組んでいるところでございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひしっかりと対策をお願いしたいと思います。
 あと、熊はどのようになっていますか。ことし、冬眠しなかった熊もいるという話を猟友会の方からお伺いしました。熊も四六時中活動されると、これもまた厄介だなと思うのですが、そういった状況はどのようになっているでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 本年度の熊の状況でございますが、ツキノワグマの市街地への大量出没ですとか、人身被害や農林業被害が毎年発生するなど、人とのあつれきが問題となっているということで、人と熊との共生を目指した個体数の管理や、被害防除対策などが求められているところでございます。本年度におきましては、熊が人里に大量に出没することが予想されておりましたことから、昨年3月にツキノワグマに関する注意報を発表いたしまして、県民への注意喚起を図ったところでございますけれども、出没数については、1月末現在の状況で申し上げますと2、776件となっておりまして、近年最も多かった平成28年度の3、070件に次ぐ状況となっているところでございます。
 人身被害の状況でございますが、本年度15件16名でございまして、昨年度の12件12名を上回る状況となりました。
 また、1月末の捕獲数は389頭でございまして、過去5年では、平成28年度の391頭に次ぐ状況となっているところでございます。
〇城内よしひこ委員 熊も、温暖化で、また食べ物もたくさんあって、個体数がふえているようでありますので、農作物に対する被害もですけれども、一番は人的被害を未然に防いでほしいと思いますし、そういった注意喚起はしっかりと行ってください。
 次に、水素利活用推進プロジェクトについてお伺いしたいと思います。
 議員連盟でこの視察等を重ねてきたところでありますが、なかなか岩手では普及が進まないように思うところでありますが、その取り組みの内容と本県の課題についてお伺いしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 水素利活用推進プロジェクトについてでありますが、本県の豊富な再生可能エネルギー資源を最大限に活用し、再生可能エネルギー由来の水素を多様なエネルギー源の一つとして利活用する取り組みを通じて、低酸素で持続可能な社会の実現を目指すこととしております。
 今年度は、再生可能エネルギーの余剰電力からつくられた水素を中山間地域などで利活用する再生可能エネルギー由来の水素の利活用の推進、水素ステーションの整備促進に向けた研究会の設置や燃料電池自動車の導入促進などの水素関連製品等の普及促進、再生可能エネルギーから水素製造、貯蔵、メンテナンスなどへの県内事業者への参入支援を行う水素関連ビジネスの創出、育成、水素の安全や利便性について普及啓発や環境学習を通じた水素の理解促進などの取り組みを進めているところでございます。
 今後は、温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロを見据え、本県の再生可能エネルギーの高いポテンシャルを有効に活用した水素利活用や、水素関連ビジネスに係る地域企業の参入促進などに取り組むことが重要と考えており、水素利活用推進プロジェクトに掲げる施策につきまして、今後着実に進めていきたいと考えているところでございます。
〇城内よしひこ委員 福島県にも巨大な水素ステーションができたようであります。今後、東北でも進んでいくものとは思っているのですけれども、水素ステーションができても、車であったり、利活用というところがまだまだ、私自身も含めてですけれども、県民の方々に理解がないのではないかと思うところであります。今後、PRも含めて、もう少しうまく県民の方々に広がりを持てるような仕組みというのは、予算の規模から見てちょっと大変そうだけれども、考えてはいかがかなと思うところでありますが、どのように考えているのかお伺いしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 現在、商用の水素ステーションにつきましては、東北では宮城県まで設置されておりますけれども、岩手県を含む北東北3県には、まだ設置されていないというような状況でございます。水素ステーションを整備することによりまして、燃料電池自動車の導入もあわせて図られるものと考えております。本県としましては、今後、そういった水素ステーション整備、あるいは燃料電池自動車のよさを県民の皆様にもしっかりとPRした上で、今後、将来的に水素関連の製品が普及されるように取り組んでまいりたいと考えています。
〇城内よしひこ委員 いずれ大切な取り組みだと思いますので、しっかりと頑張っていただくようお願いをして、終わります。
〇工藤勝子委員 関連でお伺いいたします。
 環境生活部として、鳥獣の農業被害、それから林業、例えば植林したときの被害等がわかればお示し願いたいと思います。
 また、鹿の個体数における放射性物質の保有はどのようになっていますか。
 それから、大槌町で、多分猟友会のメンバーだと思いますが、ジビエの加工処理、食材活用を始めるというニュースがございましたけれども、この件について県はどのように対応されるのかお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 農林業被害につきまして、当方で押さえておりますのは、平成30年度末の状況でございまして、鳥獣の農業被害の総額で1億8、800万余と聞いております。
 それから、野生鳥獣の放射性検査の状況でございますけれども、こちらは本年度2月末現在の状況でお話しさせていただきます。当県では、熊肉、鹿肉、山鳥肉の3種が出荷制限の規制を受けているわけでございますが、熊肉につきましては、22検体を調査しておりまして、1検体が規制超過となっております。それから、鹿肉につきましては、50検体を調査いたしまして規制超過が3検体。それから、山鳥肉が20検体を調査いたしまして規制超過が1検体。まだ年度途中の状況でございますが、こういった状況になっておりまして、昨年度に比較いたしますと、熊肉が、昨年度は8検体ございましたので、若干落ちてきているのかなと思っております。鹿肉は、昨年度3検体で、同じ超過の状況。山鳥肉につきましては、昨年度末で3検体でございましたので、それよりは落ちてきているという状況でございます。
 それから、大槌町のジビエにつきましては、昨年の12月ごろから御相談をいただいておりまして、農林水産部と当方で情報を共有しながら、その対応に当たってきているところでございます。当初、本県ではそういった検査の事例がなかったということで、対応について両部で協議いたしまして、現在、その検査に関しては農林水産部のほうで対応していただくという形で、両部で連携しながら取り組ませていただいているところでございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。大槌町のジビエの加工処理の関係につきましては、農林水産部ということでございます。放射性物質の規制超過件数は、確実に減っているような気がいたしますけれども、こういう形の中で、今年度も放射性物質の検査は進めていくのでしょうか、お伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 この出荷制限の規制を解除するためには、1市町村3検体で、全ての市町村の検体が未検出という状況にもっていかなければならないということでございますので、継続して行う必要がございます。国に対しては、規制解除の方向性がかなり厳しいのではないかということで要望はしておりますが、現状では継続せざるを得ないという状況にございます。
〇工藤勝子委員 山のキノコに対しては今年度から全部解除という形の中で、これは全域でしょうか。県南のほうはまだ野生キノコの販売は許可になっていないでしょうか。その辺のところをお伺いいたします。
〇佐藤食の安全安心課長 野生キノコでございますが、山のキノコ等は管理が困難ということで、なかなか解除には結びついていないというところで、現在も9市町で出荷自粛や出荷制限指示ということになっております。県といたしましては、山菜等に関しましても、春先に市町村の協力をいただきながら検査をして、少しでも情報が伝わるようにという取り組みを進めているところでございますが、キノコに関しましてはそういった状況でございます。
〇工藤勝子委員 遠野市の野生キノコは解除になっていないでしょうか。遠野市の人たちはことしから産直で売れるという話があったのですけれども、それは間違いでしょうか。
〇佐藤食の安全安心課長 遠野市は、現在、国の出荷制限指示対象市町に含まれていると承知しております。野生キノコの国の出荷制限指示対象市町は、大船渡市、遠野市、一関市、陸前高田市、釜石市、奥州市、金ケ崎町、平泉町、住田町というように承知しております。
〇高橋但馬委員 動物愛護センターについて伺います。
 令和元年度第1回岩手県動物愛護推進協議会の議事録を見ますと、動物公園の再生計画に携わる企業が設立されたが具体的な協議が進んでいないということで、先月の同協議会では議題とされなかったと聞いておりますけれども、基本構想での来年度整備に向けた県の考えをお知らせください。
〇佐藤食の安全安心課長 動物愛護センターの整備に向けた県の考えについてでございますが、動物愛護センターについては、動物の命を尊重し、返還、譲渡の推進による殺処分ゼロを目指し、動物愛護の普及啓発により、命の大切さや、ともにつながり支え合う心を育む拠点となる施設として、盛岡市と共同で設置する方向で検討を進めてきたところでございます。
 平成30年4月に策定しました動物愛護センター基本構想においては、令和3年ごろをめどに整備することを目指すとしておりましたが、引き続き、盛岡市と協議を重ねてまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 基本的には来年度の整備に向けて動いているということでよろしいですか。
〇佐藤食の安全安心課長 基本構想は当然念頭に入れながら、協議を進めているという状況でございます。
〇高橋但馬委員 わかりました。それでは、共同設置を検討している盛岡市との話し合いの中身についても、ちょっとお知らせ願います。
〇佐藤食の安全安心課長 盛岡市との協議状況についてですが、平成30年12月に盛岡市から動物公園内への動物愛護センターの設置は可能であるとの検討結果が県に示され、これまで盛岡市の動物愛護センター整備担当部局及び動物公園担当部局との間で、整備に当たっての諸条件など、さまざまな協議を続けてきたところでございます。昨年9月には、県から盛岡市に対し、感染症対策や施設運営などの考え方について七つの条件を示して、これらの確実な履行に向けて、現在、盛岡市と協議をしているところでございます。
〇高橋但馬委員 今も答弁の中にありましたけれども、老朽化や感染症対策の課題にあった県の鳥獣保護センター整備基本構想によると、動物愛護センターとの一体的な整備に向けた検討とのことでありますけれども、救護個体は感染症に罹患している場合もあって二次感染の可能性もあると考えるのですけれども、一体的な整備に向けて盛岡市との協議と、感染対策をどう考えているかお知らせください。
〇佐藤食の安全安心課長 動物愛護センターと鳥獣保護センターを一体的に整備する上では、感染症対策が非常に重要であることから、これを県が盛岡市に示した条件の一つとしており、診療、治療施設の専用化や、職員の衛生管理などの対応策について検討することとしております。今後も引き続き、動物愛護推進協議会の委員や専門家の方々の意見なども聞きながら、感染症対策が徹底されるよう、盛岡市と協議を重ねてまいります。
〇高橋但馬委員 いずれ同じ敷地内につくることになれば疫学や公衆衛生上の取り扱いにも注意していかなければならないと思いますので、その辺の議論はさらに深めていただきたいと考えております。
 次に、東日本大震災津波では自宅に取り残されたり飼い主とはぐれたペットが放浪するケースが多発して、環境省ではガイドラインでペットと同行避難するよう呼びかけたということも聞いております。動物保護、救護の必要性が生じると考えますが、動物愛護センターの役割について県としてどう考えていますか。
〇佐藤食の安全安心課長 動物愛護センターの災害時の役割についてでございますが、県では、岩手県地域防災計画に基づき、愛玩動物の救護対策として、負傷動物の保護、収容や治療その他の必要な措置を講じるとともに、飼い主と避難した動物の飼養、環境衛生の維持に努めることとしております。
 こうしたことを踏まえまして、動物愛護センターについては、災害時のペットの一時預かり、救護ボランティア活動支援、平時のペット同行避難に係る普及啓発など、動物救護の拠点としての機能を担う施設とする必要があると考えております。
〇高橋但馬委員 避難所では共同生活でありますし、動物が苦手な人やアレルギーを持つ人もいると考えております。その部分を考えますと動物愛護センターの役割は大きいと考えておりますので、災害が起きてからではなく、災害発生前から動物愛護センターのあり方や内容を普及啓発していくことも大切と考えますが、どうでしょうか。
〇佐藤食の安全安心課長 動物愛護センターのあり方は、さまざまな委員の方にも意見をいただきながら構想を練ってまいりました。災害時にも重要な役割を担うということで県民の方々にも広く知ってもらう。特に、ペット同行避難については県の役割と明確に示されております。今年度は県主催のペット同行避難訓練は実施できなかったのですが、各地域の保健所や動物愛護団体が共同で実施しておりますし、来年度におきましては、一関地区で実施されます岩手県総合防災訓練においてペット同行避難訓練を行う予定としております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、3点質問したいと思います。
 最初に、いわて女性活躍支援強化事業費に関する質問をさせていただきます。この事業の実施状況や課題、今後の取り組みは事前に教えていただいたので、その内容に基づいて質問したいと思います。
 いわて女性活躍支援強化事業費のこれまでの取り組みによって県が課題として見ている部分について、小規模な事業所へのいわて女性活躍企業等認定制度の普及がなかなか進んでいないことを挙げています。この課題に対して令和2年度はどういった内容で取り組むのかも出していただいていますが、これはこれまでの取り組みと何か違いがあるのでしょうか。課題に対して改善する点はどういったことをされるのか、その点についてお伺いいたします。
〇高井青少年・男女共同参画課長 いわて女性活躍支援強化事業について御質問をいただきました。
 令和元年度には、女性が活躍できる職場環境づくりを促進するため、今お話がございました、いわて女性活躍企業等認定制度、イクボスなどの普及、女性活躍セミナーや女性活躍ステップアップセミナーなどを実施してきたところでございます。業種を超えた活躍をする女性のネットワークづくりを構築するため、岩手で輝く女性大交流会の開催、若手女性社員へのロールモデル提供事業の実施、あるいは女性の起業事例の情報発信のためにPR冊子の発行などにも取り組んできたところでございます。
 課題でございますけれども、いわて女性活躍認定企業数は増加しているところですが、今後さらに普及していくため、企業等のトップや管理職の意識啓発を進め、制度を周知していく必要があると認識しているところでございます。
 令和2年度に改善を進めようとしているところでございますが、いわて女性活躍企業等認定制度などのさらなる普及のため、いわて女性活躍推進員の個別の企業訪問に加え、商工会議所や建設産業団体連合会などの関係団体を通じた制度の周知に取り組むなど、より多くの企業への働きかけを行うこととしているところでございます。
 また、女性のキャリア形成支援のため、若手女性社員にロールモデルを提供するセミナーの開催を2回から4回に拡充するとともに、新たに、女性リーダーとなるためのステップアップ支援セミナーを広域圏ごとに4回程度開催したいと考えているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 今後の取り組み内容を詳しくお話ししていただきました。その中でちょっと変わったと思ったのは、商工会議所等に働きかけをしてくださるということでした。
 小規模事業所が多く、女性のキャリア形成やリーダー養成に取り組むのは困難という事業所経営者の声が多いことを課題として挙げていますけれども、小規模事業所は県内にすごく多いと思います。小規模事業所の方々はなぜ困難と言っているのか、その辺についてのしっかりとしたヒアリングをした上で来年度の取り組みを考えられたのでしょうか。何が困難だという声が上がっているのか、具体的なところがもしわかりましたら教えていただきたいと思います。
〇高井青少年・男女共同参画課長 小規模事業者の声でございますけれども、先ほど来御紹介しておりますいわて女性活躍推進員が個別に企業訪問をしておりまして、その中でいろいろと制度の普及促進ということでお話を聞いてくるのですけれども、小規模事業者の方は、女性に対するそれぞれの育成などのところまでなかなか手が回らないと。そういったお話を聞きながら事業を構築しているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 企業訪問されている方からのヒアリングもしっかりとしていただきたいと思います。実際のところは人手が足りないのではないかと私は思います―自分もそうですけれども。
 例えば5人ぐらいの会社で男性が4人で女性が1人だったら、何をしたらいいのかと悩むのでないかと思います。その中で一般事業主行動計画を立ててくださいとだけ言うと、何だか小難しい計画を立てなければならないのかと思ってしまうのではないかと私は推察します。そのときに、一般事業主行動計画というのは、会社の中でできることを計画してみんなと共有するために書面に落とすものですよという働きかけなどもしていかないと、小規模事業者の方に幾ら普及します、つくってくださいと言っても、多分進まないのではないかと思っています。
 それから、商工会議所に働きかけしていただけるのは本当にありがたいのですが、商工会議所のほうでも、働き方改革とか経営者がやらなければならないことだけいっぱい羅列されているようなイメージで、なかなかポジティブに捉えていないのではないかと最近お話を聞くところです。会社の成長にとっても、それから両立支援の助成金にもつながるということもしっかりと伝えられるような普及の体制を、ぜひ令和2年度に分析したり検討したりして取り組んでいってほしいと思うのですが、この点についてもう一度教えていただきたいと思います。
〇高井青少年・男女共同参画課長 今後の取り組みでございますけれども、来年度は、これまでの女性活躍推進員の個別の企業訪問に加えて商工会議所等複数のところにも回ろうということでございますが、そういった中で、さらに声を聞きながら御助言をいただいたところを進めていきたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 よろしくお願いします。
 次に、三陸ジオパークの活用強化事業について御質問したいと思います。
 三陸ジオパークについてですが、これまでもさまざま取り組んでいただいています。今後の課題としては、持続的な活動の継続的な展開と書かれています。持続的にジオパーク活動にかかわる人材の育成が一番必要と思っているのかなと思っておりますし、受け入れ環境の整備等についても、これまでもやってきましたが、それをどのように地域の中で定着させていくかが非常に大きい課題と思っています。
 今後の取り組みの中では、いろいろ看板とか人材育成のためのシンポジウムなどをやるとなっていますが、県の役割として、みちのく潮風トレイルと三陸ジオパークの連携強化が必要ではないかと思っております。みちのく潮風トレイルは環境省で行っていますので、そちらの取り組みと三陸ジオパークの取り組みをどのように連携させていくのかという点についてどうお考えなのかお聞かせください。
〇藤澤ジオパーク推進課長 三陸ジオパークのジオサイトにつきましてはみちのく潮風トレイル沿いにございまして、県では、三陸ジオパークの理解や活用を一層推進していく上で、環境省が整備したみちのく潮風トレイルとの一体的な取り組みを進めていくことが有効と考えております。
 このことから、三陸復興国立公園のビジターセンターへの三陸ジオパークVRゴーグルやインフォメーションパネルの配置、三陸ジオマップなどへのトレイルコースの表示、ジオパーク案内板への解説の表示、さらには、トレイルを歩くジオツアーなどの共催などに取り組んでいるところでございます。
 環境省には現地の自然保護官事務所を中心にジオパーク活動の推進に協力をいただいており、今後も連携を図りながら、ジオパークとみちのく潮風トレイルの一体的な取り組みを進めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 今も継続していろいろ連携してくださっているようなので、ぜひそれは進めていっていただきたいと思います。
 この間、議員連盟で環境省の方からみちのく潮風トレイルに関するお話を聞く機会がありました。今後、環境省としては、アメリカにあるアパラチアン・トレイルのように―長いトレイルですけれども―国民の皆さんにその期間、その期間で楽しんでもらえるようなトレイルにつくっていきたいというお話もありました。それには、地域の方々、例えば釜石市なら釜石市、宮古市なら宮古市の方々と地元の商店との連携というのは絶対に不可欠であると思っております。要するに、必要な物資をここに来ると買えますよみたいな、長いトレイルの中でこことここが必要なものを買えるところだし、トイレはここという表示もこれから環境省のほうでさらに進めていくような感じのお話をされていたので、ぜひ三陸ジオパークで培った地域とのつながりをそちらにも生かしながら、全体的に観光施策にも寄与する活動になるように取り組みを進めていただきたいと思います。
 それに関連しますけれども、県には国定公園と自然公園がありますが、観光施策との関連というか、国定公園と自然公園の施設整備を進めるに当たって、観光コンテンツとして活用する機会が多分これからさらにふえてくると思いますが、観光コンテンツとしての磨き上げと、それから施設整備、どういうふうにお互い連携体制を築いて進めていくのか、そういった方向についてお伺いいたしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 国定公園等の自然公園施設の整備についてでございますけれども、現状を申し上げますと、国定公園等の自然公園施設につきましては、老朽化した施設や自然災害により被災した施設が多くございまして、再整備に関する要望が多い状況にあります。環境省の自然環境整備交付金を活用して、緊急度を勘案して優先順位を定めて、計画的に整備を進めているところでございます。
 また、比較的軽微な維持修繕につきましては、施設を管理委託している市町村や自然公園保護管理員などの関係者の意見を踏まえて利用者のニーズに随時対応しているところでございますので、今後におきましても、環境省や関係機関と連携しながら、国定公園の自然公園施設や周辺環境の改善などに努めてまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 事前にお話を聞いたとき、施設整備は環境生活部で、それを観光コンテンツとして普及や利用拡大を図る宣伝は商工労働観光部の担当とお聞きしました。岩手県の自然というのは、県民が活用していくのももちろん必要で、こういうふうに国定公園とか自然公園をつくっているのもあるのですけれども、非常に魅力的な観光コンテンツにもなると。実際にいろいろな計画の中にそういったことも書かれております。宣伝するほうがお客様というか利用される方の声をいっぱい聞くと思いますが、そこを全県的に広域的な視点の中で、ここでこういう声が上がったというのをまとめるところは今、余りないのではないかと感じています。そういった役割も施設整備のときにしっかりと検討した上で進めてほしいと思っておりますが、そういった連携は今のところは余りないのでしょうか。その点について教えてください。
〇谷藤自然保護課総括課長 先ほどのジオパークとの連携や八幡平での国立公園満喫プロジェクトといった大きな事業など、当然国の交付金を活用して進めるような整備につきましては、観光部局とも連携会議などを通じ、お互いに情報を共有した中で整備と観光との連携が図られているところでございます。小さな修繕と一緒にお話しさせていただいたので誤解を招いたかもしれませんが、そういった取り組みはさせていただいているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 三陸ジオパークと八幡平の取り組みは先進的な取り組みなので、その取り組みをしっかりと進め、それを県内の国定公園や自然公園の連携のほうにも将来的に生かしていくべきだと思いますので、そういった視点も盛り込みながら、ぜひ国の施策、観光との連携をどうやって次の別の公園の施策に反映していけるかという点も注視して進めていただきたいと思います。そのことを要望して終わります。
〇高橋はじめ委員 私からは、新たな公共関与型産業廃棄物最終処分場についてお尋ねしたいと思います。
 令和2年度の当初予算で18億3、190万円、これは本体工事に着手するという説明でありました。産業廃棄物最終処分場の建設については、一般財団法人クリーンいわて事業団が県の指名により事業主体となって進めていると説明がありました。財源として、国の補助金、県の融資等によって進めると。
 平成29年10月に私、当時、在籍しておりました環境福祉委員会において、計画概要の説明を受けました。そのときの説明では、平成28年度に周辺環境整備事業に着手、以降、環境影響評価、大規模事業評価、実施設計、用地取得と進め、平成31年度―令和元年度から本体工事に着手し、令和4年度から供用開始できるように、工事を進めるということでありました。
 昨年、本体工事に着手する予算を計上するのかなと思っておりましたが、それがなくて、今月初めの3日の本会議においては、同処分場整備に関して当初予算に6億7、483万1、000円を計上しておったのですが、それの3分1相当の2億3、855万2、000円の減額補正ということで、議会で議決されました。今年度の本体工事開始が1年おくれで令和2年度に予算計上して工事を始めるということからすると、全体の整備スケジュールというか工事のロードマップというか、そういったものがいろいろ変化しているのではないか、そんな思いがしました。また、予算についてもどうなのかとちょっと疑問に思っておりまして、その辺の現状と、それから、現在の整備計画の進捗状況についてどのようになっているのかお尋ねいたします。
〇田村廃棄物施設整備課長 次期最終処分場の建設計画と進捗状況等についてでございますが、委員御指摘のとおり、一般財団法人クリーンいわて事業団が事業主体となりまして、基本計画、基本設計、環境影響評価、実施設計などに取り組んできたところでございます。今、委員御指摘のとおり、平成29年10月の環境福祉委員会の際に平成31年度着工で供用開始は平成34年から35年という説明をさせていただいたところですが、その後、さまざま建設工事に向けた準備を進める中で、令和2年度着工、供用開始は令和5年度内と多少変更しているところでございます。大きなスケジュールとしてはそのようになっているところでございます。
 進捗状況でございますが、現在の計画どおり令和2年度内の建設工事着手に向けて用地の取得や産業廃棄物処理施設設置許可の取得などに取り組んでいるところでございまして、予定どおり令和5年度内の供用開始を目指しているところでございます。
 来年度の予算の関係でございますが、18億3、100万円余を当初予算案として計上させていただいております。このうち、クリーンいわて事業団への貸付金として12億5、300万円余、この貸付金のうち、来年度建設工事に要する費用として9億4、600万円余を計上させていただいております。
 建設工事に係る経費でございますが、当初の整備基本計画は、全体計画としてはI期からIII期まで3段階で整備を進めるわけですが、来年度から令和5年度までのI期工事に係る分については約133億円、全体では252億円で、それに変更はございません。
〇高橋はじめ委員 およそ1年ぐらいずれている。それでも、当初の大きな計画、スケジュールについては問題が起こらない範囲内のずれということで、それは私も理解するところです。
 いわてクリーンセンターで、ことし1月24日に最終処分場残余の容量測定業務の入札をやっておりました。正確にどのくらい容量があって、今後どのくらい搬入できるのかというところをしっかり押さえたいということかと思っておりますけれども、令和5年の供用開始までは間に合うという見込みなのかどうか、その辺についてお尋ねします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 奥州市江刺のいわてクリーンセンター最終処分場の残余年数の関係の御質問でございますが、いわてクリーンセンターでは、ここ数年4万トン程度の埋め立てを行っております。残余容量は、廃棄物処理法に基づきまして、毎年度、年度末の状況を報告するもので、その一環としての調査ではないかと考えておりますが、前年度の残余容量が二十数万立方メートルございます。これと大体4万トン程度を考え合わせますと、あと五、六年程度の残余容量はあると見込んでおりますので、現在、令和5年度開始予定というところにはきちんと引き継いでいけると考えております。
〇高橋はじめ委員 当初の見込みどおり推移しているということで、それを聞いて一つは安心しました。
 もう一つ、気になったのは、昨年、令和2年度政府予算提言・要望書において、環境省に対して同処分場に対する財政支援を要望している。これはII期、III期に向けた要望なのか、それともI期についてまだ国からの補助金等が確定していないのか。前に環境省に問い合わせをしたときには、全国各地で同様の処分場がたくさん要望があって、岩手県にだけ集中して予算配分できない、こんな話も伺ってきておりましたが、それからすると足りない部分も出てこないのかと心配しておりました。そういうときにこういう政府要望が出てきたものですから、国の支援はしっかり担保されているのかどうか、そのことを心配しておりますので、その辺のところ。これを要望した経過、事由とあわせて、しっかり国の支援をもらえるのかどうか、その辺はどうなっていますか。
〇田村廃棄物施設整備課長 次期最終処分場の整備費につきましては、令和2年度政府予算要望におきまして、交付金事業による整備完了までの財源を確実に確保するよう要望したところでございます。I期からIII期までの全体工事に対する財源確保ももちろんでございますが、I期整備工事を来年度から令和5年度まで予定しておりまして、環境省としては、毎年度、要求するものでございますから、それに向けてこちらも要望していくという、二段構えといいますか、そういったことでございます。今の交付金の制度としては、I期工事については十分担保されているものでございます。
〇高橋はじめ委員 それを聞いて安心しました。
 大変高額な整備予算です。平成29年度に聞いたときは、I期工事で約152億円という数字でございました。今の課長の答弁では133億円ぐらいになるだろうと。少しは圧縮になったのかなという思いもしていますけれども、これは実施計画ができていろいろ精査すると予算もある程度は絞り込まれてくると理解するところです。
 本当は、私はずっと前から言っておりますが、奥州市江刺のように一体で産業廃棄物の処理場があればよかったなと。要するに焼却もして、あるいはさまざまな産業廃棄物を破砕して、そういったものを近くで埋め立てしていく、こういう姿が望ましかったのですが、第2クリーンセンターは焼却施設だけ二戸市だったか九戸村だったか県北につくって、処分場は今度は八幡平市と。この非効率。ものづくり産業が集中する県南からすると、100キロメートル、150キロメートルぐらい物を運んでいかなければならないという不便さもあって、この場所でよかったのかなと思っていたのですが、それらも含めて、産業廃棄物が不法投棄されないように、それぞれの搬入している事業主としっかり連携をとりながら処分がきちんとされるように今後も進めていただければと思っています。そのことをお伝えして終わります。
〇臼澤勉委員 まず、私から、海岸漂着物等地域対策推進事業についてお伺いします。
 漂着量、漂着物の種類、漂着地、発生元の追及等はどのようになっているのでしょうか、お伺いします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 海岸漂着物対策についてでございますが、平成30年度に県や市町村管理の海岸施設を対象とした海岸漂着物の調査結果によりますと、海岸漂着物のうち、海岸の管理上支障があるものとして回収処分された量は約436トンであり、このうち、流木などの自然物が約290トンで全体の約67%、プラスチック類が約20トンで全体の約5%を占めている状況でございます。
 また、発生元、漂着地ですが、流木等については沿岸部の河川から海域に流出し、漁網、漁具につきましては風や波などによりまして県内外の沿岸部から漂流したものと推測されましたが、これら以外のプラスチック類については、発生源を推定できる情報が少ないことや分布に傾向が見られないことから漂着要因の推定には至っておりません。
〇臼澤勉委員 三陸沿岸、海岸地域においても非常に大きな問題になっております。新年度の施策展開、対策はどのように進めていくお考えか改めてお伺いします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 来年度の対策でございますが、当部といたしましては、海岸漂着物対策は、山、川、海へとつながる水の流れを通じて海岸に漂着することを踏まえ、川の流域と沿岸地域が一体となって清掃活動や普及啓発活動に取り組むことが重要と考えております。
 県では、環境省等が主催する5月30日から6月8日までの海ごみゼロウイークの期間や6月の環境月間などにおきまして、市町村、民間団体等のさまざまな主体と連携して海岸や河川での清掃活動を実施するとともに、啓発パンフレットの作成やフォーラム等の普及啓発活動を実施することとしております。
 また、市町村と連携しまして、海岸漂着物の回収処理を行うとともに、沿岸の数カ所における海岸漂着物の組成や存在量等を把握するための定期的な調査も行うこととしております。
〇臼澤勉委員 ぜひしっかりと対策をとっていただきたいと思いますし、環境生活部は水の流れをしっかりと取り扱っている所管部局でもありますので、期待したいと思います。
 先ほど城内委員から早池峰山周辺のニホンジカ対策の質問がありました。その中で植生への食害の報告などがございましたけれども、拡大していると理解しているのか、あるいは、もういろいろな対策で食いとめられていると理解しているのか、現状の認識をお伺いしたいと思います。
 国では、ニホンジカの森林影響調査ということで、森林管理局が調査しております。昨年12月1日に早池峰フォーラムがアイーナで開催されたとき、生息密集度が5.5倍ぐらいに広がっているというお話もありましたけれども、県としての御認識をお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 早池峰の植生の状況でございますが、平成30年度に森林管理局の生息状況調査によって5.5倍にふえているのではないかという御指摘、それから県立博物館の主任専門学芸員の調査などによって食害に大きな影響が出ているということを受けまして、平成30年度から防鹿柵などに取り組ませていただいているところでございます。その後、当方、それから県立博物館などでもセンサーカメラを置きまして、鹿の食害の状況を追っているところでございます。
 森林管理局では、平成29年度に5.5倍にふえたというお話がございまして、平成30年度からカメラの調査を行っております。昨年とことしのカメラの設置の状況でお話しいたしますと、県で設置しているカメラのうち13地点を平成30年度と令和元年度で比較いたしましたところ、平成30年度より増加の撮影が見られたところは2カ所、減となったところが7カ所で、鹿柵等の影響でおおむね横ばいに推移したのではないかと分析しているところでございます。
 また、県立博物館の学芸員からの報告では、防鹿柵の効果ということで、設置した箇所については明らかな植生の回復が見られたという報告などもいただいておりますので、平成29年度はかなり鹿はふえてしまった状況になるかもしれませんが、防鹿柵によって一定の抑制の効果はあったと聞いております。
〇臼澤勉委員 自然植生への影響がない生息密度は1平方キロメートル当たり3頭から5頭と言われておりますけれども、平成29年度の調査によれば8.2頭まで生息密度が高まっているという報告がありますので、ぜひ科学的データに基づいた対策をしっかり進めていただきたいと思います。
 防護柵というか、植生の保護柵のお話もありました。県で400メートル進めたということは、私は本当にすごく頑張ったと思って理解していますし、全体として850メートル設置されていることは評価いたしますが、次年度以降どういう計画で全体の計画を予定されているのかお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 来年度の防鹿柵の設置計画でございますが、森林管理局と学識者の意見を踏まえ、これまでナンブトウウチソウやヤマブキショウマの群生地を中心に設置してきているところでございますが、追加して設置する場所が改めてあるかないかを協議いたしまして、来年度300メートルほど延長することは計画しております。ただし、実際にどこに設置するか、本当に300メートル必要かなどといった部分については、今後協議して検討しながら進めていくこととしております。
〇臼澤勉委員 ぜひ国とも連携しながら、しっかり対策を進めていただきたいと思います。
 なぜあえて聞いているかというと、前もお話ししましたけれども、私は、県の責務……。県は、環境基本条例の6条で、関係機関との役割分担あるいは総合調整に当たるのだと。そして必要に応じて国と協力し合うのだということが明記されて、さまざまな施策、対応をされていると理解しております。この早池峰周辺のニホンジカ対策は、まさにこの6条に基づいて、関係機関との役割分担を明確にした効果的な取り組みを推進すべきと思いますが、最後に御所見をお伺いし、その意気込みをお聞かせいただきまして終わりたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 平成30年度から早池峰の鹿対策に向けて早池峰地域保全対策事業推進協議会のシカ対策部会を中心に協議を進めてまいりまして、森林管理局、県猟友会、森林総合研究所などにも参画していただきながら進めてきているところでございます。
 このシカ対策部会は県が事務局をさせていただいておりますので、こういった関係者の中でしっかり連携をとりながら、今後、各機関の鹿対策の調査研究を共有いたしまして捕獲の推進に努めてまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 私は、総括質疑でも取り上げたいわて女性の活躍促進連携会議についてからお伺いいたします。
 平成29年9月11日の第1回会議におきまして、子育て支援部会の報告では、部会長である盛岡大学の大塚教授から、7月に行われた第1回の部会で論点が三つ出されたと伺っています。項目は、女性の就労の継続、再就職をかなえるための取り組み、女性の就業やキャリア形成をさせるための支援ということで、県が取り組もうとしている女性の活躍推進には、子育て支援の観点からも就労に関する観点が問題になっていることがわかります。
 これらの論点、問題提起について、連携会議ではこれまでどんな議論が交わされ、政策的な検討あるいは施策につながってきているでしょうか、お伺いいたします。
〇高井青少年・男女共同参画課長 いわて女性の活躍促進連携会議についてでございますが、保育所関係者や小学校長会などで構成されている子育て支援部会では、女性活躍に向けた子育て支援についての意見交換が行われているところでありまして、保育所での年度途中からの子供の受け入れのための支援、あるいは放課後児童クラブでの預かり時間の長時間対応、仕事と子育ての両立に対する企業トップの理解促進などが必要との意見があったところでございます。
 これらの意見については、年度途中の保育需要に対応するための補助制度の創設、放課後児童クラブの運営費に係る補助制度の活用の促進などの県の施策に生かされてきたところでございます。また、部会等における議論をもとに、今議会に報告していますいわて子どもプラン(中間案)を策定したほか、企業トップセミナーの開催など、来年度の新規事業にもつながっているところでございます。
〇千葉絢子委員 昨年3月の会議で、私―これは予算特別委員会の総括質疑でも指摘させていただきましたが―、岩手労働局、国の機関がうまく進んでいないと指摘しております。この会議には知事も出席なさっているわけですけれども、この会議の中で何度も女性の就労や大卒女性の就職の問題が取り上げられているのに、知事は会議において、大卒女性の就労を促進するのは大変大事な観点だと思いますという感想だけで、実際は何も進んでいないのではないかという視点が去年3月、1年前の時点で岩手労働局から盛り込まれているわけです。
 この点について、施策に落とし切れていないと、もし環境生活部のほうでお考えになることがあるとすれば、進んでいない理由。先ほどハクセル委員からも指摘がありました、制度の周知が進んでいないのではないかと。そのあたりの理由についてはどのようにお考えでしょうか。
〇高井青少年・男女共同参画課長 我々としましてもいろいろと普及啓発活動を行っているところでございますけれども、意識の浸透、変化は確実にあるとは感じているのですが、まだ必ずしも経営者の皆様に完全に……。そういう問題があることは認識しつつも、その次の、実際に企業内の制度改善までには進んでいない部分はあると思います。
〇千葉絢子委員 いわて女性の活躍促進連携会議には、防災部会、子育て支援部会、女性の就業促進部会、農山漁村で輝く女性部会、けんせつ小町部会という五つの部会が設けられています。子育て支援の観点からも熱心に意見交換されたことを考えますと、やはり職場における男女共同参画をいかに進めていくか、これが子育て支援部会からも大きな指摘をされている事項だと私は読み取りました。
 つまり、女性の就労環境を整えることが、今、子供を育てているワーキングマザーだけでなく、これから結婚し子供を育てていこうという男女にとって非常に大事な施策の方向性を示すのではないかと私は思うわけです。ただ、労働に関する県の部局の関与が余り見られないばかりか、平成29年第1回の会合以来、この子育て支援部会からの発言内容は―大塚先生が出席なさっていないことも理由に挙げられるかと思いますが―昨年度の取り組み方針を維持といった内容が目立ち、子育て支援部会からの提言も、第1回会議ではすると言っていたのも行われず、その発言の中身もボリュームも停滞してきているように感じています。
 最近の会議録ですと、子育て支援部会からの発言は5行程度になってしまっていて、最初に何十行もあったのがたった5行で、去年の取り組みを維持してまいりますという内容になっているのは、非常に私は残念というか停滞しているなと思っていますけれども、この子育て支援部会の事務局はどちらになりますか。保健福祉部でしょうか。
〇高井青少年・男女共同参画課長 事務は保健福祉部で行っております。
〇千葉絢子委員 いわて女性の活躍促進連携会議全体の事務局を務めるのは若者女性協働推進室だと思いますけれども、会議録もごらんになっていると思いますし、私も御提供いただきましたが、全体の事務局を務める環境生活部として、この情報共有と施策への反映についてはどんな印象をお持ちでしょうか。
〇高井青少年・男女共同参画課長 部会の連携というお話でございました。
 さまざまな分野の女性の活躍を一層推進するため、平成29年度に子育て支援部会のほか、先ほど委員からも御紹介いただきました防災部会や女性の就業促進部会、農山漁村で輝く女性部会、けんせつ小町部会の計五つの部会を設置したところでございますが、今年度におきましては、例えば女性の就業促進部会と農山漁村で輝く女性部会とが連携して現地調査や交流会を実施するなど、分野を超えた新たな取り組みも行われているところでございます。
 そういった部会の取り組み状況につきましては、庁内組織であります女性活躍推進本部会議におきまして情報共有、関係部局との連携を図っているほか、いわて女性の活躍促進連携会議においても情報共有、関係団体との連携に十分留意しておりまして、子育て支援部会につきましても情報共有をあわせて図っているところでございます。
〇千葉絢子委員 今の取り組みで本当に十分かというところを高井課長にお伺いしたいと思います。
 環境生活部だけでは乗り切っていけない問題を指摘されていますよね。このいわて女性の活躍促進連携会議において当初から一般企業などで働く女性の就労環境について言及されていたにもかかわらず、労働施策についての団体ジョブカフェいわてが加わったのは、ようやく去年の3月の会議からです。まだ1年しかたっていないし、その後に開かれた全体会議は9月か10月の1回。間もなく今年度2回目がありますけれども、実効性としてはまだ出てきていないのが現状です、平成29年からこの会議が始まっているにもかかわらず。
 その会議で出た意見は会議録とか全体会議で披露はされますけれども、具体的な方策が出されないまま今日まで来ているのでは、この連携会議の実効性自体にも私は疑問を感じております。この中身を充実させて施策として進めていくという思いが、この会議録と出てきている施策を見ても、いま一つ感じられないというのが私の印象ですけれども、現在、商工労働観光部や保健福祉部との連携は十分だと考えていますか。環境生活部の問題意識を伺います。
〇高井青少年・男女共同参画課長 連携というお話でございます。
 先ほども御紹介いたしました部局の取り組み状況につきましては、庁内組織の女性活躍推進本部会議で情報共有しておりまして、具体的な施策は今後どんどん進めていくことになると思いますけれども、情報共有はそういった会議等を通じて一生懸命頑張っているところでございます。
〇千葉絢子委員 会議録を見ても、皆さん、情報共有で終わっているのです。そこからどのような施策に展開していくかという発展した議論が見られていないのを私は指摘しているのであります。
 この会議がうまく機能していないと感じていらっしゃるのならば―本音のところは―、どうしたらうまく回るか、やはり各部とちゃんと情報を共有して、その提言なり意見をどの程度施策に反映していこうとしているのか進捗管理する必要があると私は思っております。そこで初めてこの連携会議の政策提案機能が発揮できるのではないかと思うのですが、そういった仕組みをぜひつくっていただきたいと思っています。これは商工労働観光部や保健福祉部の審議の際にもハッパをかけたいと私は思っていますから、高井課長、一緒に頑張りましょう。よろしくお願いいたします。
 ここで上げておいて、次に落としてしまいます、済みません。若者施策についてお伺いいたします。
 ネクストジェネレーションフォーラムが始まっておりますけれども、県はこれまで、若者文化祭やネクストジェネレーションフォーラムなど、若者の発表や交流の場、そして情報発信の活動を支援することを目的にイベントを開催してきています。来年度の予算規模と事業内容を具体的にお示しいただけますか。
〇高井青少年・男女共同参画課長 来年度のネクストジェネレーションフォーラム事業でございます。
 来年度のこのイベントに関する予算案は880万円余としているところでございます。昨年度までは、多様な分野で活躍している若者が議論を交わして新たな活動につなげる場としての若者会議と、若者が取り組むさまざまな活動の成果を発表して交流する機会としての若者文化祭をそれぞれ別に開催してきたところでございますけれども、今年度、昨年11月にいわてネクストジェネレーションフォーラムという形で一体的に開催したところでございまして、来年度におきましても、若者社会参画につながるテーマを設定したフォーラムを開催しようと計画しているところでございます。
〇千葉絢子委員 交流、発表の場をつくることで若者のふるさと大好き魂に火をつけて、その地域に就職したり、構成員の一員であるという意識につながっていき、地元定着が図られるという流れが理想だと思っておりますが、この限られた予算の中で、そして財政硬直度も96%を超える中で、なお一層の選択と集中が求められていると私は考えております。
 若者施策は、岩手県の大きな課題の一つである若者の地元定着にどのような施策として効果を出しているか検証をしているでしょうか。あわせて、今後の施策の方向性について伺います。この路線を継続するのか、それとも転換を考えているのか明確にお答えください。
〇高井青少年・男女共同参画課長 若者の県内定着につながる取り組みということでございます。
 我々、先ほども御紹介いたしましたように年に1回いわてネクストジェネレーションフォーラムという形で交流イベントを開催しているところでございますけれども、そのほか、若者の活動、交流スペースである若者カフェが公会堂の地下に限られたスペースですがありまして、そちらを通じて年間のイベントや勉強会もやっております。そういった活動を通じて、今後も、大きな目的であります、先ほど委員からおっしゃっていただきましたふるさと大好き魂、確かにそのとおりだと思います。若い方々が岩手県でいろいろなプロジェクトにかかわることで、県内に愛着を持って、岩手県で暮らすことを選択する人たちがふえていくことを目標として頑張っているところでございます。
〇千葉絢子委員 若者女性協働推進室は、女性の活躍、若者の定着といった本当に岩手県が抱えている課題を一手に引き受けて頑張っている部署だと私は思っておりますが、何でもかんでも若者女性協働推進室だけで頑張ろうとするのではなく、適切な事業仕分けというか、どこかにお願いするというか、そういった分担をうまくやっていくために、商工労働、そして保健福祉の分野ともっと対話をしていただきたいと思っています。
 来年度は、この予算特別委員会の席上いろいろ言われておりますけれども、法人事業税、法人県民税の法人二税を含め軽油引取税の減少などが見込まれておりまして、現時点でも県税収入は42億円の減収が予想されています。新型コロナウイルス感染症の関係でも世界的な経済停滞に陥っていくのではないかと。きょう、実質GDPがマイナス7.3%と出てきて深刻な影響を受けている中で、岩手県は非常に厳しい財政運営を迫られる状況にあると理解しています。
 この中で生産年齢人口を減らさない取り組みが求められていますが、若者の活躍に関する施策に寄与する取り組みが岩手県でも一層求められていくと思います。現在の発表会や交流会という中身でこの厳しい財政の中で若者施策を継続していく必要性をやはり一度考え直すべきではないかと私は思っています。発表の場、交流の場が欲しいのであれば、若者の発表会ならば、岩手県立大学前学長の中村先生が主催者のお一人になっているヤングフェスティバルもあります。こういうイベントではだめなのか。若者女性協働推進室ならではのイベントというか若者施策のあり方というのも模索していただきたいと思っております。
 交流や発表の場を与えることは余りにも危機感や問題意識に欠けたのんきな政策だと私は思っておりますが、いま一度この認識をお伺いして終わりたいと思います。
〇高井青少年・男女共同参画課長 先ほども御紹介いたしましたが、いわてネクストジェネレーションフォーラム、年に1回そういったイベントもやっているところでございますけれども、若者カフェという場所を通じまして、そのイベントの前後、連続するように取り組んで、大きな目的に寄与するように進めていきたい、頑張っていきたいと思います。
〇柳村一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時2分 休 憩
午後1時3分再開
〇吉田敬子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ15人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇佐藤ケイ子委員 私は、消費生活相談と性犯罪等被害者支援の2項目について質疑させていただきます。
 まず、消費生活相談ですけれども、消費者行政推進費、消費者行政活性化費、多重債務問題などが予算化されております。消費者行政の活性化については6、400万円余ということでありまして、このうち2、700万円くらいは市町村補助に入っていくということで、県と市町村がお互いに消費者センターの運営をしていく、消費者相談をしていくということになるわけです。
 ホームページを見ますと、相談の件数ですと、平成30年度は1万64件あったということでありまして、そのうち市町村が7、390件の相談だったということでありました。微増傾向だなと思って見ておりましたけれども、最近の相談の内容の傾向はどうなのか。そして、困難事例がたくさんあると思うのですけれども、どのように対応してきているのかお伺いしたいと思います。多重債務の問題とか、詐欺まがいの案件とか、電話でしつこく勧誘するとか、さまざまな案件があって、相談員の御苦労もあると思うのですけれども、どのように対応しておられるのかお伺いいたします。
〇高橋消費生活課長 消費生活相談の状況についてでございますが、委員御指摘のとおり、県と各市の消費生活センター約1万件の相談の中で、主なものは、電話やインターネットの回線の切りかえなどに係る運輸、通信サービスに関するものが1、979件、19.7%、はがきによる架空請求など商品の種類を特定できない商品一般に関するものが1、577件、15.7%、そして、多重債務など金融、保険サービスに関するものが1、300件、12.9%となっておりまして、これら三つの分野で全体の約半分、48.3%を占める割合となっております。
 これらの相談の中には、インターネット回線の利用料に係る事業者の債権が他の事業者に譲渡されているといったような、権利義務関係が複雑で法的な解釈や整理を要するような契約事案や、多重債務で自己破産手続を行わざるを得ないような債務整理が必要な事案など、解決が困難な事例も当然含まれております。
 こうした相談につきましては、消費生活相談員が相談者の方から詳細に事情を聞き取った上で、弁護士相談の場に同席し、一緒に解決策を探るなどしており、丁寧な対応に努めて、トラブルが円滑に解決されるよう配慮しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 私も何度もNTT何とかという業者、いろいろな業者から電話をいただくことがあって本当に困ったものだなと思っておりますけれども、多くの方々がこういったさまざまな問題を電話とか訪問とかでされていて、本当に困ったものだと思っております。
 そういったときに頼りになるのが相談員なわけです。消費生活相談員の関係についてお伺いしたいのですけれども、消費生活相談員があっせんを行って解決を行っているとか、さまざまな専門スキルが必要になってくると思うのですけれども、消費生活相談員の人員体制はどうなっているでしょうか。県民生活センター、それから11カ所の各市の消費生活センターの人員体制はどうなっているでしょうか。
〇高橋消費生活課長 人員体制でございます。県民生活センターと各市の消費生活センターを合わせて45名の消費生活相談員の方が配置されております。
〇佐藤ケイ子委員 そのうち有資格者はどうなっているのでしょうか。本当にこの資格が難しいのですね。消費生活相談員という国家資格と、国民生活センターが付与する消費生活専門相談員とか、日本産業協会が付与する消費生活アドバイザーとか、日本消費者協会が付与する消費生活コンサルタントといった資格があるわけですけれども、県の募集を見ますと、資格を持っていなくてもいいですよという募集要項があったり、盛岡市の消費生活センターは資格が必要ということを条件にしているのですけれども、有資格者の状況はどうなっているか。
 それから、もう一つ、消費生活相談員の人材バンクというのをやっていて、登録者を募集しているようなのですけれども、こういう資格のある方の登録の状況はどうなのでしょうか。
〇高橋消費生活課長 有資格者の状況でございますが、先ほど消費生活相談員は県内に45名いると申し上げましたが、そのうち有資格者の方は32名で、割合でいきますと71.1%という形になります。
 あと、人材バンクの関係でございますが、昨年4月に各市の消費生活センターにおける有資格者の人材確保を支援するために、私どものほうで岩手県消費生活相談員人材バンクを設置したところでありますが、現時点での登録者は1名にとどまっているところでございます。このことから、引き続き、人材バンクの一層のPRに努めて、登録者の確保に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。こういう高度な資格を持っている人というのは世の中にそんなにいるわけではなくて、それから、資格を持っていれば、市町村の消費生活センターの相談員として既に活動していらして、どこの市町村でもこの資格者が必要だということで大変苦慮しております。ですから、こういう方々を育成するということもなかなか大変なことですけれども、県、市町村のそういう相談を資格がなくても受けつつ、また資格を取っていくというような育成の仕方というのもあるのかもしれません。
 この消費生活相談員の待遇が問題なのではないでしょうか。特に県の消費生活相談員の関係については、総務部の部局審査のときにも、斉藤委員からも質問があったのですけれども、会計年度任用職員制度に切りかえになることによって賃金が下がる。消費生活相談員の報酬が下がってくるというようなことなど、問題のある対応ではないのかということであります。なぜ県の消費生活相談員は資格を不問にしているのか。それから、盛岡市の消費生活センターや各市町村の相談員との待遇の差があるわけですけれども、この処遇改善について、どのような経過があったのかお知らせください。
〇高橋消費生活課長 消費生活相談員の待遇ということでございますが、本県が任用する消費生活相談員の報酬について言えば、職務の内容とか責任とか必要な知識などのほかにも、県の他の相談員の方々の報酬とか、東北の各県の消費生活相談員の報酬などを踏まえて決定されたものと承知しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 なんかよくわからないのですけれども……。いずれ、この消費生活相談員に求められる専門性というのは、どんどん高度化していると。それから、どんどん時代とともに変化した相談内容が出てくるということで、常に新しい手口に対する情報の収集や、特別措置法のようなものがたくさん出てくるので、そういう知識の習得が求められてくるわけです。ですので、消費生活相談員の処遇を改善して、そして育成して確保していくということをどうぞ検討していただきたいと思っております。いかがでしょうか。
〇高橋消費生活課長 委員御指摘のとおり資質の向上も必要ですから、各研修への派遣とか、私どもでも研修会を開催して、新しい手口やその対処法の習得もお願いしているところでございます。
 さらに、報酬の額等につきまして、待遇全般につきましても、今後引き続き、県の他の相談員とか他県の状況等も含めまして、処遇については注視していきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。では、次の質問に行きます。性犯罪等被害者支援についてであります。
 これは591万9、000円ぐらい予算化されているようですけれども、性犯罪、性暴力被害者ワンストップ支援センターの相談の状況はどうなっているでしょうか。これは、いわて被害者支援センター、はまなすサポートラインとか、県警の被害者支援室とか、県民くらしの安全課とかで対応しているようですけれども、毎年二、三百件くらいの相談があるのでしょうか。最近の傾向などお知らせください。
〇武蔵県民生活安全課長 本県の性犯罪、性暴力被害者のワンストップ支援センターであります、はまなすサポートセンターの平成30年度の受け付け実績について申し上げますと、まず電話相談が延べ185件、面接相談が延べ54件、メール相談が延べ46件、その他の相談が延べ18件の計303件となっております。また、警察や医療機関等への付き添いですとか、裁判への傍聴付き添いなどを行います直接支援の実績については、延べ198件となっております。
 次に、平成30年度の電話相談185件の内訳をお話しいたしますと、男女別では、女性からの相談が157件、約85%、男性からの相談が28件となっております。また類型別では、強制性交等が69件、強制わいせつ40件、DV、ストーカーに関する相談が19件、準強制性交等18件などとなっております。
 相談内容についてでございますが、対応に当たっております専任の相談員によりますと、職場の同僚からの性的嫌がらせ、あるいは友人や知り合いに体をさわられた、また過去に受けた性的被害の話をまず受けとめて聞いてほしいといった御相談内容ですとか、そのほか、被害に遭った御本人以外の方からの相談などもあると聞いております。
〇佐藤ケイ子委員 性犯罪ですけれども、最近の裁判事例でも、子供のころの性虐待を大人になってからどうしても納得できないというか、心の病とか生活に支障を来すような生活をずっとしてきたというのが訴えられたりして、でも、身内だということで無罪になったり、それでいいのかというのでまた世論からさまざま騒がれていたりするのですけれども、こういう相談があるということを今になって知ったということも大きな要素になっているようです。加害者がずっと野放しになってきているというようなことを何とかしなければならない。
 ワンストップ支援センターは、各県に1カ所ずつあるわけですけれども、24時間対応の施設は20カ所くらいしかないのですね。それから、病院が整備されているというのは12カ所ぐらいだという資料です。本県の場合も、相談は一応24時間ということにはなっているようなのですけれども、はまなすサポートラインも警察のほうも平日の時間帯、それから警察のほうは夜間は当直の職員とか、そういうことで24時間対応と言えるのかという問題はあると思います。
 それから、電話相談が主体になっているこの相談体制なのですけれども、今の時代だと電話をするのもなかなか難しいというのがあって、メールでの相談をまずするということになってくるのだと思うのですが、そのメールでの相談対応は大丈夫なのかと思って、このことを取り上げているのです。メール相談は、返信に数日かかる場合があります、急ぎの方は電話でというように記載されているのですけれども、本当にそれでいいのだろうか。やはりメールでの対応もしっかりとしていかなければならない、そういう時代なのだろうと思います。この対応の方向性について改善の余地はないのか、どのようにお考えになっているのかお聞きします。
〇武蔵県民生活安全課長 はまなすサポートの24時間体制に対する御指摘でございます。委員御指摘のとおり、現在のはまなすサポートの電話等による受付時間が、土日、祝日及び年末年始を除く午前10時から午後5時まで。また、全国ナビダイヤルによる相談受付が午前7時半から午後10時まで。また、はまなすサポートの構成機関であります岩手県警察本部におけるハートさんの相談が夜間、休日対応ということで、これらをつなぎ合わせますと24時間という体制をとっているところでございます。
 他県の状況でございますが、委員のお話にもございましたとおり、私どもで承知している数ですと、令和元年8月現在では6都府県において24時間体制をとっているということですが、この体制につきましては、やはり専門的知識を要する臨床心理士等による相談を必要とする観点からも、人材確保等の体制整備に大きな課題があるということも指摘されているところでございます。
 本県につきましては、先ほど申し上げたとおり、三つの電話等のつなぎ合わせで現在24時間体制をとっているところでございますが、こういった先進の他県の状況等も見ながら、必要な人材の確保についても注視して対応してまいりたいと考えております。
 また、二つ目の御指摘でございましたメールでの相談対応についてでございます。メールを初めといたしまして、例えばSNSといった若者が用いるコミュニケーション手段による相談というのはとても有効であるということは、各方面でも言われているところでございます。特に性犯罪被害というのはなかなか申し出にくいといった観点からも、この事業において有効的な手段の一つであるということは承知しているところでございます。他方、国の調査研究等の報告書によりますと、気軽に相談できるという観点から、潜在化していた相談の掘り起こしにつながるという利点がある一方で、それに対応するマンパワーの確保が追いついていないといった指摘も上げられているところでございます。また、若年層による独特の言葉遣いが真意を酌み取りにくいですとか、また相談対応に当たる職員のスキルも追いついていないというところの課題も上げられていると聞いております。
 したがいまして、メールでの相談あるいはSNSといったようなコミュニケーションを用いた相談対応にするためには、やはり何といっても人的体制、あるいは職員の資質向上に努めるべきだと考えておりまして、そういった研修等も通じて本県も対応してまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 本県もそうですけれども、全国多くのワンストップ支援センターが、脆弱な財政基盤のもとで、医師の多忙と低賃金のスタッフ、ボランティアに支えられている現状にあります。やはり病院拠点型センターということで目指してもらいたいわけですけれども―医療的ケア、証拠保全を行うという意味でも、最低でも各県1カ所、そういう病院拠点型センターをつくってもらいたいという全国からの要望もあります。ぜひ受けとめていただければと思っております。終わります。
〇高橋穏至委員 私からは、多様な主体のパートナーシップ推進事業費の事業に関連して、1項目のみ質問させていただきます。
 本事業に関しては、令和元年度の施策の評価とその課題に対応ということで、市民活動への参加、参画機運の醸成や、地域の実情に応じた多様な主体の連携、協働ネットワークづくり及びNPOの自立的な活動に向けた運営基盤の強化を図るということで事業化されているのですけれども、具体的にどのような事業を想定されているのか。また、平成10年に社会貢献活動の支援に関する条例が施行されて、翌年にNPO法人の1号が誕生してちょうど20年がたっているわけですけれども、この間、多様な事業がやられてきたのですが、それらの事業をどう総括しているのか、あわせてお伺いします。
〇工藤連携協働課長 新規事業についてお尋ねいただきました。多様な主体のパートナーシップ推進事業費に関してですけれども、まず、今年度策定いたしましたいわて県民計画(2019〜2028)におきまして、10の政策分野の一つとして、新たに参画というものを加えさせていただいたところでございます。この基本方向を踏まえまして、多様な主体の参画、協働を地域づくりにつなげるということで、県民、企業、NPO、行政など多様な主体がみんなで力を合わせて地域づくりをしていくと。あと、それを県政全般に広げていくための県民理解の促進や、官民連携の推進を図る取り組みということで、この事業を実施することとしております。
 具体には、県民の理解促進、機運醸成を一層促進するためには、4広域振興局エリアごとに、その地域の県民に身近な地域づくり活動をテーマとして、協働の実践活動事例紹介や、さまざまなプロジェクトと連動した内容について今後検討していくということで予定しております。
 二つ目の質問は、NPOの今までの支援についてということでございます。県では、平成10年に施行された特定非営利活動促進法や本県の社会貢献活動の支援に関する条例の趣旨を踏まえまして、これまで、市民活動の普及啓発を図るため、平成18年に市民活動の支援拠点となるNPO活動交流センターを設置し、県内の中間支援NPO等と連携しながらNPOの活動支援を進めるとともに、運営能力強化の講習会、人材育成研修、復興支援と地域課題解決の活動費助成、企業とのマッチング交流会等を実施してまいりました。
 このような取り組みにより、県内のNPO法人数は、令和元年12月末現在で495法人となり、この20年の間にNPOと行政、企業等が協働した活動は県内で徐々に定着し、さまざまな取り組みが展開されているところでございます。特に、東日本大震災津波の発災以来、NPOは復興支援の主要な担い手として、行政では手の届きにくい、きめ細かな被災者の生活支援や健康、心のケア、コミュニティーの形成などの取り組みにおいて、大きな役割を果たしてきていると認識しております。
 一方で、人口減少や少子高齢化の急速な進行などにより、地域が抱える社会課題はより多様化、複雑化しており、公共サービスを支える役割を期待されているNPOを初め、県民、企業、市町村や県など多様な主体が協働し、さまざまな取り組みを進めていくことの重要性が一層高まっております。
 このために、先ほど申しましたとおり、県民計画のもと、新規事業ということで、この多様な主体のパートナーシップ推進事業費を立ち上げることとしたものでございます。
〇高橋穏至委員 この質問をするに当たって担当課からもお話を伺ったのですが、この課は初めてなのでなかなかよくわからないというお話もありました。一応、昨年の岩手県社会貢献活動支援審議会の議事録とか資料を全部見させていただいたのですけれども、15年くらい前と大して変わっていないという状況で、私は会議の様子を拝見いたしました。県がNPOとの協働を進めるガイドラインをつくったのは平成14年で、そして、その後、平成18年から協働マニュアル等もつくっていろいろ取り組んできているのですが、県内のNPOの置かれている状況は、東日本大震災津波が起こった後の震災復興にかかわる事業でNPOがいろいろ活躍したものですから、状況的にはかなり一変してきているとは思うのですけれども、それぞれのNPOとかその地域で抱えている課題というのはあまり変化していないのかなと感じて質問しているわけです。
 そんな中で、NPOの活動基盤の強化ですとか支援といったときに、フォーラムとか講演会ではなかなか実践力が身につかない部分がいっぱいあって、その中でさまざまな事業をされていますので、そういった事業を通して支援していくというのが大事かなと思います。同じ環境生活部の主要な事業の中で、震災復興絡みの事業がたくさんございまして、そこにNPOがかかわってくるというような事業もございます。やはりそういった事業を通して進めていくべきだと思いますし、そこで次の段階が出てこないのは、一番地域に密着している行政である市町村との連携がしっかりとできていないのではないかなという気がしています。県とNPOだけではなくて、県と市町村とNPOが一緒になって、そして、できれば、将来のNPO支援とか協働の推進は、市町村とNPOのつながりがしっかりできるような形ができていかないと、いつまでたっても同じような状況で、県がやらなければいけないという状況があると思うのですが、いかがでしょうか。
〇工藤連携協働課長 委員御指摘のとおり、これから市町村とNPO、もちろん県が、本当に手を携えて取り組んでいかなければならないと考えております。市町村を含め多様な地域の課題に適切に対応していくためには、市町村やNPOを初め、多様な主体との連携、協働を今最も進めることが必要であると認識しております。また、連携、協働の取り組みは、NPO等の持っているネットワークや専門性、柔軟性といった強みを十分に生かして、特に、市町村の計画ですとか、さまざまな事業との整合を図りながら取り組みを進めていく必要があると考えておりますが、具体的な取り組みにつきましては、他の都道府県の事例等も踏まえながら、今後研究してまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 参考までにといいますか、私もNPOに当初からかかわっていましたので、一つの事例として、県の役割は何かなと考えたときに、平成13年から平成15年まで、その当時は北上地方振興局でしたけれども、振興局がNPOの促進に関する調査の予算をNPOに委託し、その予算の執行に当たっては、県の担当課を通して執行するようにとしたのですね。当時はNPO法ができたばかりですので、市のほうもよくわからないということで、一緒に勉強しながらNPOの仕組みをつくって、北上市では、平成17年に協働に関する条例ですとかを市のほうが用意して、協働の体制をNPOとつくっていく。その延長線上で、今度は、自治基本条例になるまちづくり条例の中にしっかりと位置づけて、協働推進と一緒になってまちづくりを進めていくというような仕組みをつくっていくということをやったのですが、この質問をするに当たって県内の幾つかの市町村を見たのですけれども、なかなかそこまでできていないのかなと感じておりました。
 そういった意味でも、先ほど4振興局単位で事業をやるとおっしゃられましたので、その辺、ぜひ市町村としっかりと連携をとりながらNPO推進を進めていただきたいですし、また活躍の場を広げるという意味では、例えば先週審議された復興公営住宅のコミュニティーづくりの課題等ありました。そういったコミュニティーの課題に関しては、やはり当事者性のある地域が主体になってやらないと長続きしないのだろうなと。そういったところに、例えばNPOといった団体からも提案をいただきながら協働事業にしていくとか、そういったものも今後検討いただければなと思っておりますが、所感だけいただいて終わりたいと思います。
〇工藤連携協働課長 委員のほうからいろいろと御提言いただき、ありがとうございます。
 今までのさまざまな取り組みというものは、NPOは、復興支援活動を初め、市民活動や地域課題解決の担い手として、本当に活躍を期待していたものでございます。そして、今後、市町村と中間支援NPO等との連携をますます図りながら、また、この20年間の課題も踏まえまして、我々、NPO、そして県民のニーズを的確に把握して、より効果的な支援に取り組んでいきたいと考えております。今後の取り組みにつきましては、委員の御提言を踏まえながら研究してまいります。
〇菅野ひろのり委員 私からは、海岸漂着物等地域対策事業費について伺います。
 午前中、臼澤委員からも質問がありましたが、漂着物の実態については、先ほど、回収したのが436トン、そして漂着の要因を推測するには至っていないということでしたが、今回予算を約5、000万円いただいている中で、この予算執行に当たって、海岸漂着物が実際にどの程度あって、その分をどのぐらい回収できるのか、していかなければいけないのかというのを正確にやっていかないと、実態である海洋ごみの対策はしっかりと推進できないのかなと思っています。このごみの実態把握はどのようにしていくのか。その必要が私はあると考えているのですが、県の考えを伺いたいと思います。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 先ほど臼澤委員からもデータなどの御紹介がありましたので、そこの部分は省略させていただきますが、まずは、県では、来年度の予算の中におきまして、市町村と連携して海岸漂着物の回収、処理を行うとともに、沿岸の数カ所における海岸漂着物の組成とか存在量も把握して、データをきちんと積み重ねていくということは行っていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 細かくて恐縮ですが、実際にどの程度把握するというのは、もう決まりがあって、目標みたいなものはあるのでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 これは当部ではなくて海岸管理者の県土整備部等が行いますので、具体の調査につきましてはそちらに委ねますけれども、これまでわかっていないような組成ですとか量をきちんと把握していくというものは、少なくともやっていきたいと考えています。
〇菅野ひろのり委員 実施するのは管理者の県土整備部で、計画が環境生活部ということであるとは思いますが、今回市町村に10分の7の補助、これは非常に大きいので大変ありがたい事業です。それに伴って岩手県海岸漂着物対策推進地域計画が作成されて、今後漂着物のごみをどのようにしていくのかということなのだろうと思いますが、これを見させていただいて、今問題になっている海洋プラスチックごみの対策の内容が、少し私としては弱いのかなと思っています。基本方針の2の中に、廃プラスチック類の排出の抑制等に努めるというのみで、もう少しありますけれども、ちょっと具体的なところに踏み込んでいないのかなと思っていますが、今後この海洋プラスチックごみへの取り組みをどのように行っていくのか、その考えを伺います。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 プラスチックごみの削減の取り組みについてでございますが、現在、海洋プラスチックごみを原因とした地球規模での環境汚染による生態系などへの悪影響が懸念されているという状況がございます。その取り組みは非常に重要であると考えております。
 県では、当部の事業としては、ごみのポイ捨てや不法投棄をしない、あるいはレジ袋などの使い捨てプラスチックの使用を控えるなど、環境と共生するために必要な行動をいわて三ツ星ecoマナーとして掲げまして、市町村ですとか民間団体等のさまざまな主体と連携して、プラスチックごみの削減に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、河川、海岸などにおきましても、清掃活動や不法投棄監視パトロールを行うとともに、レジ袋の削減等に積極的に取り組む店舗として県が認定しましたエコショップいわて認定店と連携しまして、マイバッグの持参、使い捨てプラスチックの使用を控えるなど、普及啓発活動を通じまして、プラスチックごみの削減に取り組んでまいりたいと考えています。
〇菅野ひろのり委員 そのプラスチックごみですけれども、岩手県は、その内訳を見ますと21トンの5%。一方で、環境省の平成17年度の全国10地点の状況は、半数以上がプラスチックごみであると。多いところだと、東京都や宮崎県は9割を超えていて、山形県は80%を上回っているという中で、岩手県は5%、これは実態をしっかり反映されているものなのでしょうか。また、その大半は河川からの流出であるというような報道もあります。この点はどのように考えていますでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 プラスチックごみの実態でございますが、環境省が行った全国の実態調査の結果などを見ますと、委員御指摘のとおりプラスチックごみが最も多いという結果になっております。そういったことも踏まえまして、これまで海岸線は、東日本大震災津波の影響でいろいろな工事が入っていて入れなくて、調査を行うことができなかったところもありますので、今後そういった定点観測などを通じて実態を積み上げていきたいと考えております。
 また、先ほど御案内した海岸施設での調査結果も、重量ベース、重さではかっておりますが、専門家の話によると、プラスチックごみは容積ではかるというのでも、ボリューム、量が多いというのがわかるのではないかという御意見もいただいておりますので、そういったことに取り組んでいきながら、まず実態把握をし、全国との比較も行いながら、対応策も考えていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 その実態把握はこれからも引き続きしていただきたいのですが、海岸に漂着していても、結局それがどこのごみかというのはわからないわけですし、どうやって来るのかもなかなか難しいのだと思います。漂着した時点でごみがあるなということになると思うのですが、岩手県の特徴としては、やはり河川が多いということが一番大きなものですし、生活の中から出ていくごみの実態として理解できるのだと思います。
 そして、河川に関しては、岩手県では岩手県ふるさとの森と川と海の保全及び創造に関する条例、これは広域振興局ごとに各流域基本計画が策定されていると。では、ごみに対してはどうなのかというと、ボランティア組織という位置づけで、お願いしているというか、やっていただいているという状況だと思いますが、今後、河川からのごみの流出をどうやって防止していくべきと考えるか伺います。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 河川からのごみの流出の防止についてでございますが、海岸漂着物は、委員御指摘のとおり、山、川、海へとつながる水の流れを通じて海岸に漂着するということなどを踏まえまして、川の流域と沿岸地域の方々が一体となって、清掃活動や普及啓発活動に取り組むことが重要と考えております。
 県では、環境省等が主催します5月30日、これはごみゼロの日と言うのですけれども、ここから6月8日までの海ごみゼロウイークの期間ですとか、6月の環境月間等におきまして、市町村、民間団体等のさまざまな主体と連携して、海岸ですとか河川での清掃活動を実施するとともに、啓発パンフレットなどを作成して普及啓発活動も行っていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 今、啓発活動ということを答弁いただきましたが、少し事例を紹介したいのですが、山形県は2011年には漂着物の計画を立てている状況でして、また少し前に戻りますが、2001年に、最上川がありますから、美しい山形・最上川フォーラムというのを県が設置して、美しい山形・最上川100年プラン―100年続けてきれいにしていこうというような趣旨だと思いますが、やっています。
 そこで、先ほど啓蒙活動という言葉がありましたが、そこで言われているのが、清掃活動は、参加者に対するごみ問題についての意識向上等の啓発効果、そして一時的な環境の回復効果はあるものの、ごみ散乱の防止、削減という根本的解決にはなり得ていないというのが現状であるという指摘もあります。
 今回私はなぜ取り上げたかというと、この計画は大事なものであると思いますし、海岸の管理者あるいは実際に回収していただく方に対して、国からの予算―回収実施は4、000万円ぐらいでしょうか、そういった予算が投下できてきれいになっていくというのはすばらしいことだと思うのですが、計画自体に根本的なごみの抑制、その課題解決のための手法というのが盛り込まれて、まだ足りないのではないかという問題意識があるわけであります。
 これは昨年策定されたわけですから、ぜひこのとおり実施していただきたいと思うのですが、その上位にあります岩手県環境基本計画は来年度までの期間の計画であると認識しております。中身を見ますと、これは10年前につくられているものですから、まだ海洋ごみ、プラスチックごみ等は当然ないわけでありますが、今後これはどのように盛り込んでいくお考えなのか。また、策定のスケジュールなどをお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋環境生活企画室企画課長 次期岩手県環境基本計画についてでございますが、次期計画の策定に当たりましては、現計画の成果と課題でありますとか、パリ協定を初めとする気候変動への対応、海洋プラスチックごみなどによる地球規模での海洋環境の汚染などの環境課題を踏まえますとともに、環境、経済、社会のさまざまな課題を統合的に解決し、持続可能な社会を目指すSDGsの考え方も活用しながら、令和3年度以降の本県の環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標と、政策の方向性を定めることとしております。
 昨年6月には、岩手県環境審議会に対しまして、次期計画の基本方向について諮問したところでございまして、令和2年度中の策定に向けて検討を進めているところでございます。
 海洋ごみ対策につきましては、生態系、生活環境、漁業、観光等への悪影響が懸念されるなど、委員御指摘のとおり重要な課題と認識しているところでございまして、環境審議会において有識者から専門的な知見等をいただきながら、計画に盛り込む施策の内容等について検討してまいります。
〇菅野ひろのり委員 その計画の中で、柱立ては、今は大きな7項目の施策の方向ということでひもづけられておりますが、その7番目に、環境を守り育てる産業の振興ということで、主な指標、自然環境の保全に資する農業の生産方式を導入した農地面積ということで、農業に関して前回は盛り込まれているわけですが、今、岩手県内の、農業も課題ではありますけれども、特に水産業は、漁獲高がどんどん減っている中で、気候変動のこと、水温上昇のことも言われています。まだまだ原因不明なところも当然あると思いますけれども、生態系という話でいうと、プラスチックであるとかビニール袋であるとか、そういったものを食べてしまっているという魚の生態の問題もある中で、ぜひ漁業関係も含め、海洋ごみの対策をあわせて盛り込んでいただきたいと思います。その点、部長の考えを伺いたいと思います。
〇大友環境生活部長 ただいま、岩手県の環境基本計画の見直しにつきまして御質問を頂戴いたしました。昨年6月に審議会に諮問しておりますけれども、次期環境基本計画の期間が2021年度から2030年度ということになりますので、今回、この環境基本計画の策定に当たりましては、2050年の温室効果ガス排出量の実質ゼロを掲げる方向で、今、検討を進めているところでございます。具体の施策の検討や目標設定に当たりましては、またこれも、令和2年度に岩手県地球温暖化対策実行計画も検討する予定としていますので、現在の海洋関係の漂着物対策等もあわせながら、それに反映させるよう具体的な検討を進めてまいりたいと考えています。
〇菅野ひろのり委員 次に、指定管理鳥獣保護等の事業について伺います。
 午前中、城内委員からも質問がありましたので、ポイントだけ質問いたしますが、ニホンジカの増加に対して農業被害が多くなっていると。午前中は山の生態への影響が多いということでありました。私も地元の方々と話す中で、猟犬を活用してみたらどうだという声があるということを聞いています。特に北東北は、過去にさかのぼればマタギの文化、歴史があったところでありますが、本県では昭和30年から個体の保護のために猟犬を禁止されております。この猟犬の活用をどのように考えているか伺いたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 猟犬の活用についてでございますが、本県では、委員御指摘のとおり、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づきまして、有害捕獲や指定管理鳥獣捕獲等事業を除きまして、鹿の捕獲に猟犬を使用する猟法を禁止しているところでございます。一般狩猟における猟犬使用の規制の解除につきましては、平成29年度からの現行の第12次鳥獣保護管理事業計画の策定時におきまして議論された経緯がございまして、継続して検討していくこととされたところでございます。
 県の猟友会からは、猟犬が回収されず放置され野犬化、野生化するおそれや、猟犬を使用した狩猟により鹿の群れが拡散するなどの問題があると聞いているほか、全国では子供が猟犬にかまれるなどの事故も発生している状況にございまして、安全面の観点からも十分な検討が必要と考えているところでございます。
 令和4年度からの次期鳥獣保護管理事業計画の策定も見据えまして、県の猟友会など関係機関からの意見を聞きながら、猟犬の使用の可否について引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 令和4年度に向けて検討していくということでありました。あわせて、御検討いただくのであれば、県の鳥獣に対して猟犬を活用するということでありますが、県外からも、一般の方にも開放できるということが、さらに個体数の抑制に資すると思うのですが、一般の開放に関してはいかがでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 ただいま申し上げましたのは、有害捕獲や指定管理鳥獣捕獲につきましては、既に規制はかかっていない状況でございますので、今後の検討と言いますのは、一般の方々の狩猟を対象にした形の検討をさせていただきますということで御答弁させていただきました。
〇菅野ひろのり委員 失礼しました。ありがとうございました。
 あと、今回取り上げさせていただいたのが、狩猟の担い手の確保について。県でも、対策というか、事業を使いながら担い手の確保ということをやっているわけですが、県税収入の狩猟税のところからも見てみました。今回、法人税の減少等ある中で、狩猟税もどんどん減少傾向にあると。三つほど種類があるのですが、その中でも散弾銃やライフルの第一種狩猟税がトータル1、300万円のうちの1、200万円ぐらいを占めますので、ほぼほぼこれではあるのですが、一般の方に開放して県外でもしていただくことによって、全体の額からすると大変少ない額ではありますが、狩猟税の増収にもつながると思います。また、あわせて、手数料もあるわけですから、昨年と比べて手数料も300万円ほど下がっているという状況もございますので、ぜひこの点も御検討いただきたいと思います。
〇武田哲委員 私のほうからは、全部で3点お伺いさせていただきます。
 まず、県の環境政策について2点お伺いいたします。
 その中で、まず、環境コミュニケーションに参加した企業の方から、すごくよかったと。環境コミュニケーションに参加してみて、企業としての価値、それから従業員とともに考えることができて、とてもよかったと。そうした中で、県の取り組みがなかなか見えてこないよねと。ホームページに本当は載っているのですけれども、同じところに載っていないせいでなかなか気がつかないのだと思うのですが、県の取り組みと、そして、県民への環境政策に対する周知について、まずお伺いしたいと思います。
〇佐々木環境保全課総括課長 環境コミュニケーションについてでありますが、県内の事業者においては、事業者がみずから行っている廃棄物や二酸化炭素、化学物質等の排出量削減、自然保護や河川清掃などの環境に配慮した取り組みの情報を周辺住民に伝え、お互いの理解を深める活動に積極的に取り組んでいるところでございます。県では、事業者による環境コミュニケーションの促進のため、その目的や意識を浸透するためのセミナーを開催するとともに、事業者の取り組み情報を住民等に公表する環境報告書の作成を支援する研修会を開催しているところでございます。
 これらの情報は県のホームページに掲載しておりますが、委員御指摘のように、県でも、平成10年度に制定した岩手県環境の保全及び創造に関する基本条例に基づき、県における環境の現状や課題、その解決に向けた施策を取りまとめ、毎年環境報告書を作成し、県のホームページに掲載しております。別なところに載っておりますので、今後、わかりやすいホームページの作成に努めてまいりたいと思います。
〇武田哲委員 県としても、地球温暖化対策第4次岩手県率先実行計画も策定されたりとか、さまざま取り組んでいることはわかるのですが、環境コミュニケーション、あと子供たちが参加する地球温暖化を防ごう隊とか、これまでもさまざま取り組んでおります。
 そして、この環境コミュニケーションに参加している会社数は、広域振興局単位で見ていくと、県南広域振興局が一番多くて六十数社、盛岡広域振興局管内が24社、それから県北広域振興局、沿岸広域振興局に関しては1桁台という形になっています。そして、この環境コミュニケーションの参加募集状況を見ていても、アナウンスをするところが盛岡であったり、県南地域だけだったりしているのですよ。もっと企業ともしっかり結びついてやっていかなければならないと思いますし、沿岸、県北のほうも、しっかりと目標を持って来年度取り組んでいただきたいと思っています。そこのところの目標をお伺いしたいと思います。
 あと、地球温暖化を防ごう隊は、小学校の参加状況を見ると、平成22年の83校をピークに、平成30年度は41校までと、半分以下に減ってきています。カウントの仕方等さまざまあるかもしれませんが、15年以上前から取り組まれた事業ではありますけれども、もう少しふやしていかなければならないと思います。県民とともにこの環境問題についてどのように取り組んでいくのか、その点をお伺いして、この環境コミュニケーションについては最後にしたいと思います。
〇佐々木環境保全課総括課長 当課で担当している環境コミュニケーション事業の部分に関して御説明させていただきます。
 今年度盛岡市で開催している研修会を宮古市でも開催しております。沿岸の事業者の参加が少ないということは認識しておりまして、来年度以降も参加が少ないところで研修会やセミナーを開催するようなことも、引き続き検討してまいりたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 地球温暖化を防ごう隊の件数が年々減少傾向にあるということでございますけれども、これにつきましては、例えば盛岡市の場合は、市独自の取り組みということで、市オリジナルの環境、CO2削減の学校で取り組む内容のものがございますし、そういった市町村独自の取り組みがふえてきているという部分の影響もあって減少しているというのが一つございます。また、学校自体がさまざまな取り組みをしている中で、総体的に減少してしまっているというような状況もございます。
 今後につきましては、市町村、広域振興局と連携しながら、より参加しやすい体制、あるいは多く参加していただけるような内容について検討してまいりたいと考えています。
〇武田哲委員 まず、地球温暖化を防ごう隊は、新しい形に変えていってもいいのかなと思いつつ見ているところです。ぜひ今後とも頑張っていただきたいと思います。あと、環境コミュニケーションに関しても、沿岸部、それから県北の企業の参加をふやしていただきたいと思います。
 次に、盛岡広域ごみ処理県央ブロックの取り組みについてお伺いいたします。
 まず、さまざま新聞等をにぎわしていますけれども、なかなか遅々として進まないという感覚を持っております。県の立場としてどのように感じているのか、その点をお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進化総括課長 県央ブロックのごみ処理広域化についてでございますが、県全体のごみの発生量のうち4分の3を燃えるごみが占めるということと、あとは、県央ブロックにおきましても、施設の老朽化が進むなどという状況があり、そういったごみ処理施設の広域化、集約化を検討されているということだと思います。
 このごみ処理集約化の課題としては、県央ブロックの中では稼働年数の経過に伴う維持管理費の増嵩ですとか、焼却処理量が減少する中で、施設規模の見直しが必要となっているという課題があるため、平成27年1月に県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想を策定したという旨、記載されているという状況でございます。この基本構想におきまして、3Rの推進に基づく廃棄物処理システム、環境負荷の軽減及び災害対策の強化による安全・安心な廃棄物処理システム、効率的な廃棄物処理システムの三つの基本方針に基づきまして、環境や費用面でのメリットを考慮し、一施設に集約するとされたところでございまして、いろいろな御意見を踏まえて、今検討中という認識でございます。
 県としましては、家庭ごみなどの一般廃棄物処理における県の役割というのは市町村等に対して技術的な助言等を行うこととされておりますので、今後とも8市町に対し必要な助言をしていきたいと考えております。
〇武田哲委員 県央ブロックは余りにも広域で、量もかなり出ていると。広域なせいか、それぞれの自治体の方々の取り組み状況も温度差があるように感じているところもあります。こういった温度差が出てきているのは、どこに焼却炉を置くかということばかり問題になっていますけれども、実は、最終処分場のことも一緒に進めていかなければならないはずです。
 最終処分場を決めるには、炉がストーカ炉でいくか溶融炉でいくかによって出るごみの量も変わってきます。そこのところもはっきりしない中で最終処分場の場所もなかなか話されていない。いろいろな地域の人たちが、うちに来るのではないか、うちに来るのではないかと。いろいろな自治体の人たちがお互いに来ないほうがいいなとなっているところがあります。しかし、これは、炉をどこに置くか決めると同じように進めていかなければ、この後、またさらに問題の先送りにもつながっていくと思います。
 そういったところをしっかりと、誰が働きかけて、そしてお互いに挑発し合っているような今の状況、最終処分場をどこに置くか決まっていない状況の中で本当に適正なごみ処理が保たれるのか。そういったところが見えてこない中で、県としてもやはりここはもう少ししっかりと対応しなければならないと思いますし、そして住民にもわかりやすい説明をしていかなければならないと思いますが、その点をお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 最終処分場も効率化などいろいろ検討してはということでございます。
 私、手元に県央ブロックのごみ処理基本構想のチラシのコピーを持っているのですが、その中に最終処分場の整備の方向性というのがありまして、その他の中間処理施設ですからリサイクル施設ともあわせてという書き方ですが、各市町の既存施設の状況に合わせて整備を実施していくとともに、将来的に収集運搬の統一化を図ることも含めて広域化を推進しますとございます。
 先ほど答弁したとおり、優先順位として燃やせるごみの焼却施設を優先するという考えのもとですが、委員御指摘のとおり燃やせば灰や溶融スラグが出るという状況もあるので、あわせて考えることは大事とは思いますけれども、特にそこが課題として8市町から上がってきている状況ではございません。まずは事業主体の8市町において、委員御指摘のとおりの焼却方式を決めることとあわせて、処分場の整備も考えなければならないというのであれば、そこは必要な助言を県としてしてまいりたいと思いますので、ぜひともいろいろ御相談いただければと思います。
〇武田哲委員 最終処分場に関しては、持っている市と持っていない市、例えば雫石町のように滝沢市に全てお願いしている。もともと最終処分場もない、焼く方法も滝沢市にお願いしている。雫石町のようにあくまで最終処分場もノーという考え方でいるところもあります。でも、そこのところはお互いにしっかりと方向性を決めてやっていかなければなりませんし、いずれ最終処分場はどこの町村も埋まっていきます。最終的に統一するわけですから、その準備を今からやっておかないと、またお互いにけんかするような状態になったら住民がただただ不安になっていくと思います。やっぱり方向性をきちんと出していかなければならないと思っておりますので、その点の御検討をお願いいたします。
 最後に、イノシシに関してです。イノシシに関しましては、午前中、城内委員、またいろいろな委員の方々から質問がありました。簡単にお伺いしたいと思います。
 まず、県内での発見状況を見ますと、ある程度集中した地域に限られてくると思います。雫石町周辺や洋野町や県南であると思います。その中で、たくさん発見されている町村だけが頑張っている感じがあります。しかしそれは、発見される個体がある程度固定化しているのではないか。そこにすみついているから多く発見されると思うので、そういった意味で、周辺の町村ともしっかり連携をとりながら、あるいは自治会で集団でくくりわなの申請をとっている地域も見られるようです。そうしたところも含めて、イノシシの今後のつかまえ方、そして個体の状況をどのように考えて今後対策を練られていくのか、その辺をお伺いして最後にしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 イノシシへの今後の対応でございますけれども、イノシシは県南を中心にどんどん生息域が拡大しているのではないかという御指摘をいただいておりまして、毎年、可能な限りの捕獲に努めるということで、環境生活部サイドでは指定管理鳥獣捕獲等事業、それから農林水産部では市町村の有害捕獲という形で両方並行して進めさせていただいているところでございます。
 何より大切なのは狩猟者の確保でございますので、その確保に向けては、狩猟免許試験を年3回開催するなど受験機会の拡大を図ることに加え、狩猟免許の取得に向けて、法令等の知識を教える予備講習会を開催して合格率の向上に努めているところでございます。また、狩猟免許試験の実施に当たりましては、可能な限り市町村からの希望を踏まえながら試験会場を選定して、より多くの方々に取得の機会が得られるように努めているところでございます。
 その他、狩猟への興味や関心を高めるためのイベントへのハンターブースの出展や、農林水産部と連携して、捕獲技術の向上を図るための技術研修会などもあわせて実施しているところでございます。
 今後も、県猟友会や市町村と連携しながら、地域の狩猟免許取得者がふえていくよう取り組みを続けていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 最初に、令和元年台風第19号災害の復旧状況についてまとめてお聞きします。
 一つは、水道管の破裂などの被害がありました。水道施設の復旧、そして復旧の際には耐震化を含めた改良復旧という要望が大変強かったのでありますけれども、改良復旧になっているかどうか。
 二つ目に、自然公園施設、みちのく潮風トレイル等の復旧状況はどうなっているか。
 三つ目、災害廃棄物の量、その処理状況、広域処理の状況、そして完了の見通しはどうなっているでしょうか。
〇坊良県民くらしの安全課総括課長 まず、水道施設の復旧についてであります。
 令和元年台風第19号によりまして、宮古市、久慈市ほか5市町村において、道路崩壊等に伴う水道管の破損などで2、142戸の断水が発生したところでございます。こうしたことにつきましては、仮配管などの応急復旧によりまして、昨年10月29日までに全て断水が解消されたところでございます。
 被害を受けた水道事業者である市町村におきましては、国の災害復旧事業などを活用して本復旧することとしております。遅くとも令和3年度までには全ての水道事業者において復旧が完了する見込みと聞いております。
 水道施設の耐震化についてでございますけれども、これも災害復旧事業の対象とされておりまして、この復旧の際にはいわゆる改良復旧ができることになっております。
〇谷藤自然保護課総括課長 自然公園施設の復旧状況でございますけれども、令和元年台風第19号災害によりみちのく潮風トレイルの一部となる歩道や木道橋など、沿岸8市町村において自然公園施設が被害を受けているところでございます。これらの施設の復旧に要する事業費につきましては、令和元年度補正予算及び令和2年度当初予算により確保する予定としております。
 これらの施設の復旧については、国や市町村と連携し、早期に復旧工事に着手していくこととしております。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 令和元年台風第19号における災害廃棄物の処理の状況ですが、まず、量ですけれども、被災した10市町村において処理しておりまして、おおむね5万トン程度の発生見込みです。昨年11月に県で災害の処理指針を策定したときも約5万トンとしていましたが、おおむねその程度の量で推移している状況でございます。
 処理状況につきましては、家屋解体などを除く災害廃棄物は年度内に終了する見込みでございまして、特に3町村で処理は終了している状況でございます。
 また、広域処理の見通しですが、発災当初に、久慈市の可燃ごみが盛岡市クリーンセンターで合わせて22トン、普代村の可燃ごみが二戸地区クリーンセンターで51トン処理されている状況でございます。これが県内での広域処理の状況でございます。
 処理の見通しでございますが、今後、家屋解体などに事業着手されることになります。これから処理が始まりますので、家屋の所有者の皆さんから解体の同意書をいただくなどの手続がありまして、時間を要する状況でございます。市町村からの情報によると、これらもあわせて、災害廃棄物の処理はことしの秋ぐらいをもって終了したいという見通しでございます。
〇斉藤信委員 災害廃棄物もことしの秋ぐらいに完了の見通しということでした。当初は3年ぐらいかかるという話だったので大変心配しましたが、しっかりやっていただきたい。
 二つ目の質問は、地球温暖化防止対策であります。
 達増知事が2050年までに温室効果ガスの実質排出量ゼロを目指すという表明をして大変評価しているところでありますけれども、実際の地球温暖化防止対策の現状、実績はどうなっているか。進まない要因は何なのか。復興事業がありますから、復興事業でどれだけ影響を受けて、その他のところではどうなのかも含めて示していただきたい。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 地球温暖化対策の実績と要因でございます。
 本県の温室効果ガスの排出量につきましては、東日本大震災津波からの復興需要等により、平成25年度以降横ばい傾向で推移しております。再生可能エネルギーにつきましては、太陽光を中心に順調に導入が進んでいるほか、森林吸収源対策については、造林や間伐などの森林整備や木質バイオマスの利用拡大などを推進しており、全体では、令和2年度25%削減目標に対して、平成28年度で基準年と比べ10.1%の減少となっているところでございます。
 復興需要以外の主な要因でございますけれども、家庭部門につきましては、エアコンやオール電化が普及しており、全体としては基準年と比べて3.3%ふえている状況でございます。また、産業部門につきましては、輸送機械、食料品といった部分での産業がふえてきており、こういった部分で製造業を中心に排出量がふえている状況でございます。また、民生業務部門につきましては、売り場面積の増大等により電気関係の排出量が増加している状況でございます。
〇斉藤信委員 温室効果ガスの排出量削減の実績は、平成2年比で、これは平成28年度実績しか出ていないので、10.1%減ということですね。25%減の目標に対して10%減にとどまっていると。復興需要もあったと思いますが、今のお話を聞くと家庭部門でも産業部門でもプラスということですからね。
 ということになると、では、どこでどう努力してきたのかということになるわけです。復興需要はぐっと落ち込みますから、私は、その点では、知事の実質ゼロ宣言というのは大変な課題だと。2050年までということですけれども、国際機関はこの10年が勝負だと言っています。2030年までにどれだけ排出削減するのかと。温暖化のテンポが急速なのですね。この10年間でどれだけ抑えられるかが焦点になっている。2030年を目指す、温室効果ガス排出量を大幅に削減する基本方向、計画はどうなっているのか示してください。
 あわせて、これは行政だけでできるわけではないので、企業には何を求めるのか、県民には何を求めるのか、そして県は独自にどういう取り組みをするのか、このことも含めて示してください。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す方向と2030年の計画の関係でございますが、地球温暖化対策につきましては、環境分野のみならず、エネルギー、産業経済、交通運輸、林業など、温室効果ガスの排出抑制に関係のある施策を総合的に推進していくことが重要であり、今後さらなる取り組みが必要と考えております。
 そのため、2030年度を目標とする次期岩手県地球温暖化対策実行計画の策定に当たりましては、温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロを見据え、積極的な目標設定と実効性のある施策を検討していきたいと考えております。
 また、具体的な施策でございますけれども、温室効果ガス排出量の大部分につきましては、県民生活、社会経済活動に直接起因するものでございまして、地球温暖化対策を進めていく上では、県民、事業者の自主的な行動を促進することが重要であると考えているところでございます。
 そのため、全県的な団体、機関で組織する温暖化防止いわて県民会議を中心に、住宅の省エネルギー化の普及啓発や事業所における省エネルギー設備の導入、エコドライブの推進など、具体的な行動に取り組む県民運動を展開し、県民総参加による地球温暖化対策を推進していきたいと考えております。
 岩手県におきましても、率先実行計画等により、県の施設としての削減目標を掲げ、取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 2050年の実質ゼロ宣言、そして2030年に向けた実行計画、私は本当にここがポイントになると思うので、県民、事業者に何をなすべきかを明確にアピールする形で、そして行政はこういう努力をするということが見えるように、ぜひ計画の具体化を求めたい。
 次に、県央ブロックごみ処理広域化計画についてお聞きします。
 昨年3月に盛岡市の前潟地区に絞ったようでありますけれども、この進捗状況はどうなっていますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県央ブロックごみ処理広域化計画の進捗状況についてでありますが、ブロック内8市町の首長で構成する県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会により検討が進められ、4カ所の整備候補地のうちから、本年2月27日に開催された広域化推進協議会において、最も有力な候補地である盛岡インターチェンジ付近について、地域との協議を継続することとされたと聞いております。
〇斉藤信委員 昨年3月に前潟に絞って、全然進んでいないわけです。全然進んでいない理由は何かというと、地域住民の反対です。前潟地区、隣の太田地区で4、000名の反対署名が広がって、これは平成28年だったと思いますけれども、前潟自治会があそこに誘致を表明したのですね、自治会長の名前で。しかし、これは自治会に諮っていなかった。だからこれは撤回されたのです。誘致要請は撤回しますと。ますます住民の合意を得ることは難しくなってきたと。あの交通の要衝、インターチェンジの近くですよ。商店街もある。ああいうところに日量500トンのごみ焼却施設を整備すること自体が本当に考えられない愚策だと。
 8市町の中でも、意見はさまざまです。八幡平市長はこう言っています。岩手県に対して、20年以上たって進まないのだから見直すべきだと何度も言っていますと。こういう声は届いていますね。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 八幡平市長の御意見ということですが、県には現在のところそのような要望はされておらず、また、先日の広域化推進協議会においても反対の意見は出ていなかったと認識しております。
〇斉藤信委員 盛岡市の事務局が8市町が納得しているわけではないことは理解している、こう言っているのです。8市町が集まると、そこで反対の声を上げるのはなかなか大変だと、こういう話をしています。恐らく県に対する予算要望の席上などで八幡平市長は言っていますよ。私たちには堂々と言っていますよ。もう20年たって進まないものを、そんな20年前の計画にこだわる必要はないのではないかと。
 昨年3月29日付で環境省環境再生・資源循環局の通知が届いております。そこでどういうことが言われているかというと、こういうことが言われています。前回策定の広域化計画の評価をして、人口及びごみ排出量等の将来予測を検討して、見直しなさいと。20年、30年後の人口及びごみ排出量等を予測し、考慮した上で計画策定すべきだと、こういう通知が来ていると思いますけれども、この通知を踏まえて、私は20年前の計画、進んでいない計画をしっかりと検証し、見直すべきだと思うけれども、いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 委員御指摘の国の通知というのは、環境省が通知しました持続可能な適正処理の確保に向けたごみ処理の広域化及びごみ処理施設の集約化という文書のことだと思いますが、この文書の中には、将来にわたり持続可能な適正処理を確保していくためには、中長期的な視点で、安定的、効率的な廃棄物処理体制のあり方を検討する必要があるということで、県は、市町村と連携し、広域化、集約化を進めることということが趣旨でありまして、この広域化を進めるに当たっての留意事項の一つとして、20年、30年後の人口及びごみ排出量等を予測し、考慮した上で計画策定を行うこととされているものでございます。
 県では、平成30年に岩手県ごみ処理広域化指針を策定しておりまして、その中で本県の人口やごみ焼却量の予測を2040年度までして県指針の内容をつくっておりますので、国の通知に即した形での指針、計画と認識しております。
〇斉藤信委員 少なくとも県央ブロックのごみ処理広域化計画、ごみの減量計画がない、資源化の計画もありません、目標もありませんよ。20年後の人口減少を加味して、どれだけごみが減るのか、減らすのか、それがあって初めてごみ焼却場の規模が決まるのではないですか。今の計画は、8市町の日量500トンの大規模なごみ焼却場を盛岡市に一極集中するという計画なのですよ。ここに無理があるのではないですか。違いますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 平成27年に県央ブロックがごみ処理基本構想をつくっておりますが、その時点での人口やごみ処理量をもとに、令和11年度にどのようにごみ量が推移していくか検討をした上でこの基本構想がつくられていると考えておりますので、その当時のデータとして、きちんとそういった事項が取りまとめられていると考えております。
〇斉藤信委員 わざわざ去年の3月の日付で、見直しなさい、検証しなさいとなっているのです。課長、今、答弁したけれども、8市町のごみ減量の計画はないのですよ。資源化の計画もないのですよ。私、計画が反対だと思いますよ。これだけ減らして資源化して、最小限これだけの規模の焼却施設が必要だというのだったら半分納得する。しかし、それがないのだから。大規模な日量500トンのごみ処理計画、それを盛岡市の商店街の中心のところに持っていく、交通の要衝に持っていく、ここにみんな不安を感じているのです。
 当初、この8市町のごみ処理計画は、ごみ焼却施設を3カ所に集約して長寿命化で対応するという方針でした。これは今もそうですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県央ブロックのごみ処理計画は、必要に応じて、今の6施設を長寿命化などして令和11年度に一つに集約するという計画と認識しています。
〇斉藤信委員 盛岡・紫波地区環境施設組合は長寿命化したのですね。盛岡のクリーンセンターはあと20年もちますから、平成でいうと平成41年集約化と。滝沢のクリーンセンターが長寿命化すればそれ以上もつと。そもそも平成41年の集約化までまだあと10年ありますから、これは全然慌てないで、しっかりと3カ所に集約するならして、長寿命化して進めるべきではないですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 8市町のごみ処理施設の広域化につきましては、長寿命化して最後に一つにしていくということですが、ごみ処理施設の長寿命化というのは、おおむね5年から10年の安定したごみ処理施設の稼動というものを期待しております。令和11年度まで今の6施設が環境上、問題なく安定して処理していくための長寿命化でございますので、それ以降については、8市町では一つに集約して進めていくという考えだと思います。
〇斉藤信委員 盛岡・紫波地区環境施設組合のクリーンセンターは、長寿命化に幾らかけて何年もちますか。いつまでもちますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 盛岡・紫波地区環境施設組合は、詳しい総額は覚えておりませんが、40億円程度の長寿命化工事をしたと考えております。10年程度安定した設備を保持するという長寿命化だと記憶しております。
〇斉藤信委員 時間なのでここで終わりますけれども、平成41年―令和11年ですか、集約化と。全然、今、慌てる必要はない。そして、しっかり長寿命化して対応すべきだと。40億円かけて、10年以上もちますよ、現実問題として。当初は、3カ所長寿命化して、このほうが建設費がかからない、ライフサイクルコストもかからない、こうなっていたのです。1カ所集約化しかないような進め方というのは……。私は、長寿命化対策の中で、時間をかけて、場所も含めてしっかりと住民の合意を形成しながら、8市町の合意を形成しながら進めるべきだと思いますが、最後に聞いて終わります。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 8市町が決めた平成27年の基本構想におきましては、今、御案内のとおりのライフサイクルコストやライフサイクルアセスメントを、1施設、3施設、6施設に統合した場合というもので比較検討した上で、1施設が最も合理的、効率的ということでまとめられたものでございますので、長寿命化を含めてやっていって、今は令和11年度に一つにするという基本構想になっているものでございます。
〇小西和子委員 私からは、2点お伺いいたします。
 最初に、人口減少対策とジェンダー平等実現についてお伺いいたします。
 日本の男女格差ランキングは、昨年、153カ国中121位でした。世界経済フォーラムが発表しております。これは、お隣の中国よりも韓国よりも、そして女性の人権が大変軽んじられているというアラブ首長国連邦よりも下であります。
 ジェンダー平等は日本の優先課題であるというのはどこでも共有されている課題ですけれども、各都道府県や市町村では、人口減少対策として前面に打ち出して取り組んでおります。岩手県は、社会全体として約7割が男性のほうが優遇されていると回答するという県であります。
 人口減少について長年研究している方の話を先日お伺いしました。確かに首都圏との賃金格差もあります、女性の雇用の少なさもありますが、その方が最初におっしゃったことは、若い女性が男性の倍、県外に流出している要因は、閉塞感であると。性別役割分業意識、嫁の役割だ何だかんだ。それから、男性優位意識が強いということを挙げました。
 驚いたことに、親御さんが出ていけ、出ていけと。岩手県にいたってだめなのだから出ていけとおっしゃるのだそうです。その中でもお母さんが言うのだそうです。だから、お母さんがどんな思いで暮らしていらっしゃるのかということも問題だと思うのです。
 今年度までの5年間、取り組んできたふるさと振興総合戦略には約7割が男性のほうが優遇されているといった記述があるのですが、来年度からの次期岩手県ふるさと振興総合戦略では、男女平等という4文字だけで、ほかの記述がありませんでした。政策推進の基本方向に後から参画というのを無理くり入れましたけれども、本来であれば、この政策推進の基本方向には、参画、つまりジェンダーの視点がどの政策にも盛り込まれていなければならないと考えるわけです。2020年度のジェンダー平等実現のための取り組みについてはどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
〇高井青少年・男女共同参画課長 ジェンダー平等実現のための取り組みについてお尋ねをいただきました。
 平成30年度の県民意識調査によりますと、男は仕事、女は家庭といった固定的な性別役割分担意識に同意しないとする割合が前回調査より増加して約7割となっている一方で、社会全体として男性が優遇されているとする割合は依然として約7割となっていることから、我々といたしましても、男女共同参画の視点に立った意識改革や制度、慣行の見直しが必要であると考えているところでございます。
 このことから、令和2年度においても、男女共同参画センターを中心に、男女共同参画フェスティバルの開催などを通じた意識啓発や学習機会の提供などに取り組んでいくこととしているところでございます。
 また、女性活躍推進につきましては、官民が一体となっていわて女性の活躍促進連携会議を設置して取り組みを進めてきたところでございますが、引き続き、女性活躍のための経営者セミナーや女性のキャリアアップセミナー、いわて女性活躍企業等認定制度の普及などに取り組んでまいります。
 男女共同参画の推進につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)の―先ほども御紹介いただきましたが―10の政策項目の参画の分野に位置づけておりまして、今後とも、男女平等や多様な性について理解し、尊重する社会となるよう、ともに生きやすく、多様な生き方が認められる男女共同参画社会の実現に向けた環境づくりを推進してまいります。
〇小西和子委員 フェスティバルや何とかセミナー、啓発がずっと続いてきたのですね。もう啓発ではなくて、実際にその政策の中に盛り込んでいかなければならないと考えます。岩手県も、女性にとって働きやすいし暮らしやすい県とするために、出ていこうとしている女性の皆様方の声をしっかりと聞いて、分析して取り組んでいかなければならないと思います。先進県や先進市町村の取り組みはたくさん出てまいります。ぜひそこに学んで、人口減少に歯どめをかける政策、それにジェンダー平等の視点をしっかりと盛り込んでいただきたいと考えます。
 先ほど、岩手県男女共同参画センターが中心となってというお話がありました。決算特別委員会の答弁で、岩手県男女共同参画センターの相談員にとって働きやすい環境となるように配慮していきたいと答弁をいただきましたが、どのように改善されたのかお伺いいたします。
〇高井青少年・男女共同参画課長 男女共同参画センターの相談員についてでございます。
 これまで、相談員の負担を減らすため、東北各県の男女共同参画センターの相談時間を参考に、一般相談時間の短縮を行うなどの見直しを行ってきたところでございます。また、男女共同参画センターの相談員の給与につきまして、県の会計年度任用職員制度に準じて見直しを行っているところでございます。
 男女共同参画センターに寄せられる相談につきましては、一般相談が減少する一方で、LGBT相談や男性相談が増加しているなどの傾向があることから、今後とも、相談ニーズの変化に応じて相談時間を見直すなど、相談員にとって働きやすい環境となるよう配慮してまいります。
〇小西和子委員 会計年度任用職員の給与に準じてというお話がありましたが、岩手県の会計年度任用職員は全国でも最低レベルと聞いております。相談員の皆さんは、専門性を求められますので、スキルを積んでいるわけです。専門性のある職種につきましては、きちんとそれに見合うだけの賃金を充てる配慮が必要ではないかと思います。
 もりおか女性センターの予算は、県の男女共同参画センターの3倍あるそうです。驚きました。もりおか女性センターの方とも親しくさせていただいておりますので、びっくりしてしまいました。
 岩手県男女共同参画センターは、全国的にもモデルとなるようなすばらしい活動をしているセンターであります。それに見合うだけの待遇をしていかなければならない。相談員が、優遇される他県に行ってしまうかもしれません。
 それから、若者女性協働推進室の皆様方の人員や予算をここ数年間、私、追いかけてまいりましたけれども、年々予算も少なくなり、人員も少なくなっている。その中で奮闘していらっしゃることに心から敬意を表したいと思います。
 次に移ります。
 関係人口や交流人口の拡大を図るための早池峰地域のユネスコエコパークの登録についてお伺いいたします。
 早池峰地域のユネスコエコパークの登録に向けたこれまでの取り組みをお伺いいたします。民間団体の取り組みも御存じであればお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 早池峰地域のユネスコエコパークの登録に向けたこれまでの取り組みについてでございますが、平成27年度以降、民間団体において、ユネスコエコパークに関するフォーラムの開催などが行われていると承知しております。
 今のところ、早池峰周辺の3市では登録に向けた動きはないと伺っているところでございます。
〇小西和子委員 盛岡市や宮古市も入れると4市になりますでしょうか、遠野市と花巻市とで。なかなか押し合いへし合いで、どの市がリーダーシップをとるかは見えないですけれども、すばらしい資源を持っている地域であります。早池峰地域が登録された場合の期待される効果をお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 登録された場合の期待される効果でございますが、ユネスコエコパークについて研究していらっしゃいます岩手県立大学の渋谷晃太郎教授によりますと、地域活性化、国内外への情報発信力の強化、環境保全の推進、ブランド価値の向上、環境教育、研究の拠点の4点が挙げられていると承知しております。
 一方、登録に当たりましては、地元自治体による相応の財政負担なども生じるものと見込まれることから、メリット、デメリットを十分に見きわめて対応していく必要があるものと考えております。
〇小西和子委員 メリット、デメリットというお話もありましたけれども、これは世界に発信するわけです。ですから、かなりのメリットが期待されると関係者は話しております。
 最後に、地域の関係者や住民を巻き込み、オープンかつ参加型アプローチをとることが求められております。4市の調整を行う岩手県の役割が重要と思われますけれども、今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 ユネスコエコパークに関する県の取り組みについてでございますが、委員御指摘のとおり、ユネスコエコパークの登録に当たりましては、構想、計画、実施などの全てのプロセスにおいて、地域の関係者や住民を巻き込み、オープンかつ参加型アプローチがとられることなどが求められております。
 国内の登録地域の多くは地元市町村が推進協議会の事務局を担っておりまして、地元市町村も含めた、さらなる地域での機運醸成が必要になると考えられるところでございます。それらの状況も踏まえつつ、引き続き先行事例の状況など必要な情報収集を行っていきたいと考えております。
〇小西和子委員 機運醸成のためにも、岩手県が、ではやりませんかというコンダクターになっていただければいいのではないかと思っております。
 私が何でこういうことを話すのかといいますと、次期岩手県ふるさと振興総合戦略の4本の柱の中の一つ、岩手とつながるの(4)−1は関係人口・拡大戦略であります。(4)−2はいわてまるごと交流促進戦略、国内外から観光誘客や岩手の地域資源を生かした観光地域づくり、農山漁村の交流体験やグリーンツーリズムを通じた国内外の人々との交流が広がる地域づくりというのを明記していらっしゃるのですね。これは本当に早池峰エコパークにぴったりだと思いました。すぐ始めましょうというのではなく、議論を始めて少しずつ進めていってはいかがかと思いました。
 では最後に、部長、ジェンダー平等と自然を生かしたエコパークについてお話を伺って終わりたいと思います。
〇大友環境生活部長 まず、ジェンダー平等の関係でございますが、男女共同参画の推進を今回、いわて県民計画の10の政策項目の中の参画の分野に位置づけたということで、非常に重要なことだと思っております。それに向けた体制で、きょう、さまざまな委員の方々からもイベントに偏りがあるとか、いろいろな御指摘を受けました。そういったことも踏まえまして、やはりこれは各部にまたがって対応しなければなりませんので、各部任せにならないように、そこの調整機能をしっかりと発揮できるような体制を目指してやっていかなければならないと思っておりますので、委員の皆様からもさまざま引き続き御支援をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
 それから、ユネスコエコパークの関係でございます。
 ユネスコエコパークの取り組みの考え方なり、そういったものを私もいろいろと見させていただいております。考え方とすると、生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的とするもので、早池峰地域の持っているポテンシャルからすれば、既に登録されている10カ所に匹敵する十分な価値がある場所だと思っております。
 ただ一方で、ユネスコエコパークの登録の際に重要視されているのが地域主導の活動となっているかでございまして、今回のポイントになっております。昨年12月に再認定を受けましたジオパークも、ユネスコの登録基準に準じた審査が行われてきたものでございます。
 平成30年4月に環境生活部の所管になりまして、ジオパークの再認定登録は何としてもやり遂げなければならないということで私も2年間やってまいりまして、ようやく今回、スタートラインにつけたということです。認定に当たっての最後の決め手は、地元市町村長の皆様のリーダーシップと活動に携わっている方々の熱意だったと思いますので、ユネスコエコパークの関連も、やはり地元の方々の熱意みたいなものがもう少し盛り上がってくる段階になれば県と一緒に進めるということもあろうかと思いますので、そういった機運の盛り上がりをぜひお願いしたいと思っております。
〇吉田敬子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田敬子副委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時52分 休 憩
午後3時13分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、9人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇島村警察本部長 令和2年度の警察本部関係の予算について御説明を申し上げます。
 初めに、令和元年における警察業務の推進状況について御説明を申し上げます。
 県警察は、令和元年の基本姿勢に、県民の期待と信頼に応える力強い警察を掲げ、東日本大震災津波及び令和元年台風第19号により被災した地域におきまして、パトロール活動や巡回連絡など、被災された方々の心に寄り添う活動を推進するとともに、次世代を担う子供や女性、高齢者が犯罪等の被害に遭わないようにするための活動を推進するなど、県民の安全・安心の確保に努めてきたところであります。
 また、県内の治安情勢を顧みますと、殺人や強盗などの凶悪事件が発生したほか、特殊詐欺被害が増加傾向にあるなど、県民が安全・安心を実感できる地域社会を実現するためには、なお一層、効果的な対策を推進する必要があります。
 さらに、交通事故につきましては、目立つ街頭活動等の推進や関係機関、団体との連携により、交通事故死者数は45人となり、年間の交通事故死者数を50人以下に抑止するという目標を達成することができましたが、さらなる減少に向けての取り組みが必要であります。
 こうした情勢を踏まえまして、県警察では、令和2年の基本姿勢を、昨年に引き続き、県民の期待と信頼に応える力強い警察とするとともに、活動重点として4項目、一つ目が、県警察の総力を結集した被災地の復興を支える警察活動の推進、二つ目が、子供、女性、高齢者の安全を確保するための活動の推進及び犯罪の徹底検挙、三つ目が、運転者の安全意識を高める目立つ街頭活動及び交通指導取り締まりの推進、そして四つ目が、民官一体となったテロ対策の推進及び災害等への対処能力の向上を掲げ、各種施策を着実に推進することにより、県民が安全・安心を実感できる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
 それでは、令和2年度岩手県一般会計予算のうち、警察本部関係の歳出予算について御説明を申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開き願います。警察本部が所管する予算は、第9款警察費291億4、220万円余であります。これを前年度当初予算額と比較しますと10億2、180万円余の増、率にいたしまして3.6%の増となっております。これは、東日本大震災津波の被災地で整備が進められている復興道路等への交通安全施設の整備費の増などによるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明を申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書207ページをお開き願います。9款警察費1項警察管理費1目公安委員会費は、公安委員3名の委員報酬及び活動経費であります。2目警察本部費は、警察職員の給料、職員手当などの給与費が主なものであります。次に、208ページをお開き願います。3目装備費は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両、警備船、警察用航空機の維持管理などに要する経費であります。4目警察施設費は、治安の基盤となる警察署、交番、駐在所などの警察施設の整備や維持管理に要する経費であります。次に、209ページをお開き願います。5目運転免許費は、自動車運転免許試験、免許更新、行政処分などに要する経費であります。次に、210ページをお開き願います。6目は恩給及び退職年金の経費であります。
 次に、211ページをお開き願います。2項警察活動費1目一般警察活動費は、110番通報を処理する通信指令システムなどの警察通信設備の維持管理などに要する経費であります。2目刑事警察費は、犯罪の捜査や取り締まり、安全・安心なまちづくり推進事業などに要する経費であります。次に、212ページをお開き願います。3目交通指導取締費は、交通安全や指導取締活動、交通信号機等の交通安全施設の整備及び維持管理などに要する経費であります。
 以上で警察本部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇名須川晋委員 それでは、質問させていただきます。まず初めに、児童生徒の登下校の安全確保対策について、県警はどのように取り組んでいるか伺います。
 滋賀県大津市では、園児の散歩途中の列に車が突っ込んできた。あるいは、川崎市では児童を含め20人の殺傷事件が登校中にございましたけれども、こういうことが起こってはならないということで、どのような対応をされているか、まず伺います。
〇吉田生活安全部長 児童生徒の登下校の安全対策の取り組みについて御質問いただきました。
 県警察といたしましては、平成30年に決定されました登下校防犯プランを踏まえまして、通学路等における警戒活動を強化いたしますとともに、不審者に関する情報の提供等の対策を進めております。また、関係機関、団体と連携しながら、登下校時における防犯対策についても、意見交換、調整を行う地域の連携の場の構築を進めておりますほか、子供110番の家の機能強化を図るために、研修会費等を当初予算案に計上しております。引き続き、登下校の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 私は花巻選挙区でございますけれども、私の事務所のある学区は、過日、見守りのボランティア―スクールガードと言うのでしょうか、そのグループが主催で、交番の警察官の方と、花巻市の職員と、そして交通指導員という方々が、初めて情報交換をしたということがございました。
 これは、交通指導員とか教育委員会というところとはやっているのかもしれませんけれども、果たしてどういう人たちがそういうメンバーで情報交換をしているとおっしゃられているのか。スクールガード、あとスクールガードリーダーとか、一堂に会して、地域の危ない地点とか、あるいはちょっと不審な情報とか、そういう情報が実は共有されていないというのが、自分の地元の例を挙げてお恥ずかしながら今お話をするわけでございますけれども、果たして岩手県内ではどの程度情報が共有されて、その会合の中にはどういう方々が入っているのか。もしかして個別にやられているのではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
〇吉田生活安全部長 教育委員会を含めまして、さまざまな機関と警察本部あるいは警察署と連携していることは、これは事実として申し上げておきたいと存じます。
 事例で申し上げて恐縮でございますが、今年の1月でございましたけれども、警察署の協議会の県下全体の集まりがございまして、今委員が御指摘のような情報共有に関することも、実は話題として出たところでございます。地区名はちょっと伏せさせていただきますけれども、活発だというところの情報の共有のあり方を聞きますと、例えば見守りをなさる方々は、下校の時間の連絡を毎日学校からもらっております。実は、警察から学校に何か危ない情報あるいは不審な情報について提供があれば、その情報が学校から見守りの方々に伝達をされていますというような例をお聞きいたしました。それから、一方で、その話題が出たときに、私どものほうにはそういう情報は来ていないというような御意見も賜ったところでございます。
 したがいまして、情報の共有が十分かという観点で申し上げた場合には、必ずしもそうでないかもしれないという認識をいたしたところでございまして、先ほど答弁でも申し上げましたけれども、地域の連携の場の構築を進めるということも一つの項目に挙げておりますので、御意見も踏まえながら、さらにこれをしっかりと浸透できるように進めてまいりたいと思います。
 また、例えば県下全体の不審情報等につきましては、皆様も御存じかと思いますが、県警のぴかぽメールと称しまして、メールの配信を行っております。これは、いろいろな不審な情報等を含めて、サイトにアクセスしていただければわかりますけれども、御自分が欲しい地域の情報を、何々警察署管内の情報が欲しいということを選択して受けることができます。こういったもので、県下全体の中でも、とりわけ県民の皆さんのニーズに合った情報を、可能な限りリアルタイムで御提供できるように進めているところでございます。
〇名須川晋委員 恐らくまだらの状況ではないかと思われますし、主導するのはそれぞれの自治体であろうかと思いますけれども、情報共有という中で、さまざまな団体がしっかりと共有できるような形を県警としても、指導ではないですけれども、しっかりと、それこそ見守っていただきたいと思います。
 交通指導員のなり手が今非常に少なかったり、あるいはスクールガードリーダーも、また地元の例を出しますと、たしか花巻では2人しかいないというような……。1人当たり12校ぐらい受け持っているということで、非常に範疇が広過ぎて、全てを網羅することができないのが実情だということをその会議で伺うことができました。スクールガードリーダーの増員については、今回の国の補正予算でもたしか入っていたかと思うのですけれども―皆さんもプロパーの方がいらっしゃれば、恐らく退職されれば、そういうところで御活躍をされる方もこの中にいらっしゃるかと思いますが―そういうところの人数が少ないとか、あるいは交通指導員のなり手がいないとか、スクールガードや見守りボランティア自体もどんどん高齢化してなり手がいないという状況があります。これはそれぞれの教育委員会とか自治体だけでなく、県警のほうでも何かしら取り組みを進めていくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
〇吉田生活安全部長 防犯ボランティアの高齢化、あるいは担い手の不足に関してでございますけれども、県警察といたしましても、委員御指摘の点については懸念をしているところで、認識は同じでございます。
 各種ボランティア活動に従事されている方々につきましては、安全・安心に暮らせるまちづくりに重要な役割を果たしていただいておりまして、県警察といたしましても、日々発生する犯罪情報等を提供いたしますとともに、各地域において研修会を開催するなど、その活動の支援を行っているところでございます。
 先ほど委員から御指摘があったとおり、それぞれのボランティアの方々の委嘱をする機関というのは、必ずしも一つではないということは現実にございますけれども、可能な限り関係機関と連携を図りながら、各種ボランティア活動の支援に努めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 登下校の安全確保対策にかかわる皆様方が一堂に会するような機会をそれぞれの自治体がつくり、うまくいっているところもあればそうでないところもあるという状況とならないように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 キッズゾーンというのが、昨年11月に、未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策ということで決定されております。基本的には厚生労働省のようでございますけれども、恐らくこれからキッズゾーンの設定ということで―保育所や認定こども園等の周囲500メートルぐらいを目安として設定をするということになっておりますけれども、この辺の県内の動向について、あわせて、ゾーン30は警察の管轄でございますので、現在のその状況も伺いたいと思います。
〇小田島交通部長 初めに、キッズゾーンの設置についてでありますけれども、設置主体となる市町村、そして関係機関等と協議し進めることとなっておりまして、私どもも現在連携を図っているところでございます。
 次に、ゾーン30の状況についてでありますけれども、道路管理者と連携しながら、平成25年に盛岡市内に3カ所整備して以降、毎年計画的に進め、現在32カ所を整備しております。ゾーン30は、生活道路における事故防止対策を進める上で重要な位置づけでありますことから、来年度以降、令和4年までにさらに6カ所以上整備するという目標を掲げておりまして、それ以降におきましても、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 児童生徒の安全確保対策について、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、昨年の6月に一般質問で伺った内容でございますけれども、警察車両におけるドライブレコーダーの搭載について、それ以降、何らかの指示を行われたでしょうか。また、あわせて、現状の搭載率はどのようになっていますでしょうか。
〇大塚警務部長 警察車両におけるドライブレコーダーの装備についてでありますが、令和元年6月21日時点におきまして、パトカーのドライブレコーダー装備率は約24%でございました。その後、委員からの御指摘を踏まえまして整備計画を策定し、警ら警戒活動を行うパトカーへの装備を優先して作業を進め、現時点で、パトカーのドライブレコーダー装備率は約70%に達しており、警察車両全体では約52%となっております。
〇名須川晋委員 整備計画というのをつくったわけでございますね。わかりました。なかなか随分とすぐ取り組んでいただいてありがとうございます。その100%になる目標年次をお聞かせください。
 そして、最後でございますが、本県はどうもあおり運転の摘発数が非常に多いという状況のようでございます。東北では最多ということなのでしょうか。その要因と対策について伺います。
〇大塚警務部長 令和2年度中には、全パトカーへのドライブレコーダー装備を完了するとともに、他の警察車両への装備を進める方針でございまして、当初予算案に計上しております。
〇小田島交通部長 あおり運転の摘発についてであります。いわゆるあおり運転について、現在のところ定義というのはございませんけれども、前の車と車間距離を必要以上に詰めたり、あるいは妨害の目的で幅寄せ、あるいは割り込みといったような、他車を威嚇するような危険な行為と認識をいたしております。
 東名高速道路におけるあおり運転を発端とした死亡事故など、そういった事案を引き起こす悪質危険な運転が社会問題となりまして、厳正な対応を求める国民の声が高まる中で、取り締まりを強化いたしました結果、昨年は高速道路上におきまして必要な車間距離を確保しなかったという違反により、前年比92件増の434件を検挙いたしたところでございます。また、同じく昨年、県内では、あおり運転行為を最も重い危険運転致傷罪、さらには刑法の罪を適用し暴行で、それぞれ検挙いたしております。今後も、悪質なドライバーに対しましては、厳正に対処してまいります。
〇名須川晋委員 ドライブレコーダーについては、令和2年度で搭載率100%ということで、島村警察本部長初め皆様の御英断に感謝を申し上げたいと思います。
 ただいまのあおり運転でございますが、高速道路ですと、盛岡南インターチェンジから花巻南インターチェンジまで、スピードの上限が120キロメートルに上がりましたけれども、それがかかわっているということはあり得るのでしょうか。
 私もよく経験があるのですけれども、追い越し車線のほうに80キロメートルから90キロメートルで走っている特に大型車両がおりますと、それはないだろうと思うのですけれども、向こうも追い越しをかけているという状況でございますから。ただ、それが2キロメートル、3キロメートルぐらいになると、なかなかこっちもちょっと、ちょっとですね……。それがひょっとしてあおり運転になるのではないかと。私の場合は、自動で車間をとる機能を使っていますから。ただ、その車間もいろいろ設定できますので、結構近くなることもあるのです。こちらがあおり運転の気持ちがなくても、車のほうでそういう判断をするものですからそうなっているのですが、あくまでそれはあおっているということでよろしいのですよね。その判断について。それと、120キロメートルというところがやはり要因の一つなのかというところを御答弁ください。
〇小田島交通部長 個別の状況は、はっきりといたしませんので、ちょっと答弁は控えさせていただきたいのですけれども、ある特定の区域を重点的にということではなくて、やはりこういうあおり運転というのは許しがたい行為だということで、我々はそういった取り締まりに重点的に取り組んでいるということが一つでございます。
 あと、車間距離につきましては、あおるという行為というのは外見的に判然とするものでありますので、一般的に申しますと、一瞬的なものがどうのということではないと考えております。
〇城内よしひこ委員 あさってで、東日本大震災津波発災から9年になります。この間、警察の方々の毎年の捜索であったり活動には大変敬意を表するところであります。いずれまだ復興期間が終わらないうちは、被災された方々が安心を取り戻せるように、何とか皆様の御協力をお願いしたいと思います。
 そこで、交通安全対策についてお伺いしたいと思います。
 新しい道路があと1年で全部開通すると、国土交通省は発表しております。そういった中で、もちろん新しい道路もさることながら、新しい町並みができてまいりまして、その中には新しい道路もできているということであります。そういうことで、多分、地域からの交通安全対策要望が上がってきていると思います。そういった中で、先ほどの本部長のお話にもありましたとおり、ことしは10億円ほどの増で、信号機の設置や移設というのも、補正でしたかどこかでお話をされたかなと思っていますけれども、そういう対応対策をことしは力強くとっていくのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
〇小田島交通部長 安全施設の整備についてでありますけれども、被災地の復興に伴いまして、町並みの形成とともに、関連する新たな道路の整備や既存道路の改修が行われてきたところでございまして、これまで道路管理者や地域の要望を踏まえながら、必要な信号機を整備してきたところであります。引き続き、要望があった場合には、交通の流れや交通量などを踏まえ、設置について検討してまいりたいと思っております。
〇城内よしひこ委員 あと、あおり運転については、先ほど名須川晋委員が質問しましたので、逆走等について。
 自動車専用道路が立派にできまして、7月になると、宮古田老道路も開通するし、久慈北道路も開通しました。ますます道路網が整備されてくるわけでありますが、インターチェンジと言うのですか、道路の入り口から乗ったりおりたりするというのが、高速道路と違う形式でバーがないものですから、一回閉まるということがなくてですね。そういった対策も含めて、逆走の指導であったり、取り締まりの状況はどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
〇小田島交通部長 逆走防止対策についてでありますが、まず、道路管理者と連携を図りながら、正しい進行方向を示す路面表示や看板の設置等の対策を講じております。また、インターチェンジを中心とした警戒活動のほか、パーキングエリア、沿線の道の駅駐車場におきまして、ドライバーに向け、逆走の危険性や具体的事例を記載したチラシを使用しての指導や、開通する三陸沿岸道路周辺地域での講習会等を通じ、注意喚起等を行っているところでございます。
 逆走事案につきましては、通報等がございますれば、すぐに臨場して、適切に対応しているところでございます。
〇城内よしひこ委員 今年は東京2020オリンピック・パラリンピック協議大会があって、復興五輪ということで、この沿岸部にも多くの方々がいらっしゃる予定であります。今のところですよ。そういったことも含めて、今後、多分カーナビゲーションに載っていない新しい道路がたくさん出るのだろうと思っています。山の中とか海の中とか走る……(「海はない」と呼ぶ者あり)たまにはあるのですけど―、そういう状況があることを想定するならば、交通指導も含めて、取り締まりも含めて、指導をしっかりお願いしたいと思います。ぜひその辺はお願いしたいと思いますが、夏場、観光地の交流人口が拡大する時期に向けての取り組みの予定等も含めて、お知らせを願いたいと思います。さくっと。
〇小田島交通部長 ただいまお話がございましたとおり、そういった状況を踏まえながら、さまざまな施設の面、あるいは活動の点、取り締まりの点を含めて、適切に、迅速に対応したいと思っております。
〇城内よしひこ委員 岩手に来てくださった方々が、気持ちよく帰ってもらえるようにお願いをして、終わります。
〇千葉盛委員 まず、6歳未満のチャイルドシートの着用について質問させていただきます。
 平成14年から義務化されたようですけれども、岩手県は全国的に見ても、着用していなかったり、また正しい着用がされていない率がかなり高いようでありまして、非常に残念に思っているところです。それで、質問しますけれども、過去3年間の県内のチャイルドシートの着用率はどうなっているのか。また、チャイルドシートを使用していなかったことにより負傷した6歳未満の子の推移はどうなっているのか。あわせて、現状課題についての県の認識、また、これまでどのような対策を行ってきたのか、質問いたします。
〇小田島交通部長 初めに、チャイルドシートの着用率の現状でありますが、JAFとともに実施をいたしました調査結果では、過去3年、5割から6割ほどの着用率にとどまっております。昨年は全国平均と比較して15.1ポイント低くなっているという状況にございます。
 次に、チャイルドシート非着用による未就学児童のけがをされた方等についでありますけれども、過去3年間、亡くなられた方はおりませんが、けがをされた方につきましては、おととし1人増加いたしましたものの、昨年は4人減少し、3人ということでございました。
 最後に、現状課題、これまでの取り組みについてでありますが、現状といたしましては、昨年、着用率が幾分か増加いたしまして、非着用によるけがをされた方が減少したということでございます。課題といたしましては、委員御指摘のとおり、やはり依然として着用率が低調というところでございます。これまでの取り組みといたしましては、子育て世代が集うショッピングモール、保育所等での啓発活動、各種講習会を通じた安全教育、街頭での着用指導等を実施してきたところでございますけれども、今後は、この課題の克服に向け、より効果的な取り組みを進めてまいります。
〇千葉盛委員 少し細かい話になるかもしれないですけれども、お父さん、お母さんたちの着用があまり進んでいないのか、それとも、おじいちゃん、おばあちゃんの世代の着用が悪いのかどうなのか。そういったところについて、もし分析ができているのであれば、どういった原因で着用率が低いことになっているのか、ちょっとその辺をお聞かせください。
〇小田島交通部長 この調査に当たりましてアンケートはとっておりませんけれども、ちょっと古い、何年か前の全国的な調査を見ますと、一番多いのは、近い距離でしか車を使っていないからというのと、使う期間が短い。あと、経済的な面とか、そういったことで使用していないという理由。あと、委員のほうからもお話がありましたけれども、実際はチャイルドシートを設置しているのですけれども、着用の仕方が悪かったり、あるいは、ただ座らせている。あと、割合は若干少ないのですけれども、大人の方とかがだっこしているとか。ある程度の気持ちは持って対応しているのですけれども、ただ、きちんとした着用が少ないという状況にございます。
〇千葉盛委員 子供の命、安全を守るためですので、何とか啓発活動をよろしくお願いしたいと思いますし、取り締まるというよりは、そうやって啓発をして、まず安全を守っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、保育所周辺の生活道路の交通安全対策についてお伺いいたします。先ほども名須川委員から通学路等の安全対策がいろいろ出ていましたけれども、保育所周辺ということで、まず簡単に、緊急安全点検の実施結果、対策の状況はどうなっているのかお伺いいたします。
〇小田島交通部長 保育所等周辺の安全対策についてでありますけれども、昨年6月の閣議決定を受け、幼稚園、保育所、認定こども園等の未就学児等が日常的に集団で移動する経路におきまして、昨年9月末までをめどに、施設側、道路管理者等と合同で緊急安全点検を実施したところでございます。
 その結果、警察対応分といたしましては、横断歩道や押しボタン式信号機の新設など39の改善必要箇所を認めまして、早急に対応可能な歩行者用信号の青色秒数の延長及び横断歩道の塗りかえ、合わせて13カ所の整備を終えております。残る押しボタン式信号機の新設など26カ所につきましては、必要な事業費を新年度予算案に計上するなど、計画的に整備することといたしております。
〇千葉盛委員 安全対策ですので随時進めていっていただければと思います。
 今の警察の管轄で、安全対策ということで、先ほどの通学路の話もそうですし、保育所周辺の歩道の設置だとか、道路改良だとか、ガードレールとか、さまざまな安全施設の設置が行われていると思いますが、設置するのは道路管理者ということで、市町村だったりするわけです。
 ちょっと地元の話になって申しわけないのですけれども、いろいろそうやって道路が改良されたり歩道が設置されるのですが、そこに、こういうふうにしてほしいといういろいろな人たちの意見が―地域の関係者だったり学校の関係者、スクールガードさんだとか保護者だとか、いろいろな人たちの意見が入って、最終的にでき上がった後に、どうしてこんな、かえってなんか危ない感じの道路になってしまうのかという、ちょっとなかなか……。歩行者のために設置する道路なので、車がスピードを出さないようにとかいろいろなことを考慮されて多分つくるので、かえって車が走りにくくなってしまって、そこで車が事故を起こしてしまって、子供たちに被害があるのではないかみたいな状況が起こったりして、再度改良が行われたりすることが何件かありました。
 それで、どうしてこういう形状になるのかなと思ったら、やはりさまざまな助言があって、その中に警察の意見が色濃く反映されている部分がありまして……。なので、できるだけ現場に沿った―現場は、いろいろな助言があるので、いろいろな意見の中で総合的にそうなっているのだと思うのですけれども、最終的には警察の意見が強く反映されていることがありましたので、できるだけ現場を見ていただいて道路管理者の方々にさまざまな助言をしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、スマートフォンに関する犯罪について少しお聞きしたいと思います。
 スマートフォン等を所持する高校生、中学生は年々増加してきております。これはほかの委員会でもお話をされたような気がしますが、スマートフォンを使ってSNSを利用して犯罪に巻き込まれるというか、大人対子供でもない、子供対子供でSNSを利用したポルノ犯罪に巻き込まれそうになっているというようなことも私の耳にも入るようになってきているのですけれども、そういった県内の状況と、それから、それに対する令和2年度の県警の取り組みをお示しいただきたいと思います。
〇吉田生活安全部長 SNSの利用に起因した児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反事件の昨年の検挙は10件でございまして、被疑者数は8人、被害児童数は9人でございました。8人の被疑者は、成人が5人、中学生、高校生、無職の少年がそれぞれ1人ずつでございます。
 犯罪の態様といたしましては、いわゆる児童買春が4人、児童の姿態を撮影した児童ポルノ製造が3人、撮影した児童ポルノ画像等を第三者が閲覧可能な状態に置く―公然陳列と申しますけれども、これが1人でありまして、被害児童は全て高校生の女子でございました。
 次に、県警としての対策についてでございますが、県警察では、教育機関と連携をいたしまして、各警察署員や警察官OBのスクールサポーターを小中学校、高校のほか保護者会に派遣をいたしまして、児童生徒や保護者に対して、具体的な被害事例等をもとに、SNSを含むインターネットの特性や危険性を呼びかける情報モラル講和や非行防止教室を行っております。また、保護者や携帯電話販売業者に対して、フィルタリングの効果と重要性を訴え、導入の促進を要請しているところでございます。
 今後とも、児童ポルノ事件の取り締まりを強化いたしますとともに、関係機関と連携した広報啓発活動を展開しながら、被害防止を図ってまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 事案の中身を聞いているだけで、すごく私自身もドキッとするような犯罪が低年齢化している、そういった状況が感じられるような御報告でした。被害者の方は高校生の女子ということで先ほどお話がありましたが、多分この検挙数に入っていない、その手前の、もしかしたらそこにつながっていくのではないかという事案の中には、実は中学生も入っているのではないかというように、これは推測ですが思います。
 この被害に遭ったときに、発覚したとき、その親御さんはこれが起こったことは御存じだったのか、そういったところまで、わかるのであれば教えていただきたいと思います。
〇吉田生活安全部長 事案ごとに親御さんがすべからくその状況を御存じだったかどうかというのは、大変申しわけございません、手元の資料ではちょっと確認ができませんが、お子様たちのスマートフォンの活用、SNSの活用について親御さんがしっかりと管理ができているかいないかというのは、非常に問題提起になることであろうと、私自身も認識をしております。私どもとしても、お子様御自身の教育もさることながら、先ほど答弁いたしましたとおり、保護者の方々に対する教育あるいはその現状の認識というものが、被害を生まない大きな要素になると思っておりますので、そういった点について引き続き対応してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 同じ問題意識で本当にありがたいなと思っています。子供がスマートフォンを持ったとしても、どこまで親がきちんと管理できるかというのは非常に難しい問題ですし、それから、知らないところで、この程度だったらぎりぎりポルノ犯罪のところに触れないのではないかという勝手な子供たちの判断でやったことが、実際はその一歩手前まで来ているというようなケースも、県内の状況で私自身も耳にいたしましたので、この問題を提起させていただいています。
 警察の方も迅速にその後の対処についてはやってくださっているということもお聞きしていますし、警察の方々が来てくださることによって、子供たちは事の重大さに気づくと。親御さんたちも、その事の重大さに気づいていらっしゃるケースがあるということでしたので、高齢者の方々によくやられているスケアードストレート講習で、本当にそのままの怖さを実体験して、それを予防につなげるというもの。このSNSに関してもそういった考え方で、簡単に考えていたことだけれども、警察の方々が県内のいろいろな事例を提示して子供たちの前で講習していただくことによって、これは本当にやってはいけないことなのだ、すれすれのことなのだということをしっかりと伝えていくことは、非常に重要だと思っています。
 また、子供たちだけでなく、親御さん、PTAとの教育振興運動とか、いろいろ教育委員会のほうでもありますので、そういった中でぜひ連携して、警察力とよく言われますその力を発揮していただければなと思っています。私も、自分の子供もいますので、もし本当に巻き込まれるというか、やってしまったり、やられてしまったりしたときに、どうしたらいいのだろうなと本当に悩むところがありますので、ともに学んでいく機会というのを、交通安全指導のように、これからはぜひつくっていっていただきたいなと思います。その点について本部長に考え方をお聞きして、終わりたいと思います。
〇島村警察本部長 委員御指摘のとおりでありまして、先ほど生活安全部長から御答弁申し上げましたとおり、インターネットの特性や危険性を呼びかける情報モラル講和、あるいは非行防止教室を今後とも行っていって被害の防止を図るということと、もう一つ大きな柱として、同種事犯の取り締まりを一層強化してまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私のほうから2点、交通安全施設整備費関係について、まずお伺いいたしたいと思います。
 信号とか道路標識、横断歩道の白い塗装とか、たくさん市町村から要望が出ていると思いますけれども、なかなか整備が進まないように感じているところです。新年度は大幅にその予算が増加したようでありますので期待したいところではあるのですけれども、復興道路関係とか、新しい道路の整備に係る安全施設整備ということで、今までの要望に応えられる状況ではないのではないかというように、私はちょっと心配をしているところなのです。
 私の地元でも、横断中の小学生の死亡事故があったり、新しい企業誘致とか新病院建設の関係で、新設道路とか新しい信号とか、さまざま要望があるわけですけれども、なかなかその実現というのは難しいのかなと思って、何とかしてほしいという思いなわけです。
 この予算を見ると、毎年あまり増えていないわけです。国のほうでも、この10年間で交通安全の予算をどんどん削ってきた。それから、地方の単独事業費もどんどん減少させてきたという流れがあるようなのですけれども、本県における予算計上の方針というのはどうなのでしょうか。前年度比何%減という方針でおられるのか、どうなのでしょうか。
〇小田島交通部長 交通安全施設の整備の関係でございますけれども、委員御指摘のとおり、震災復興に伴う信号機等の新設等に加えまして、老朽化した交通安全施設の更新、廃止などへの対応も急務となっております。安全施設は、日々、道路を利用される県民の方々が安全・安心を実感できる交通環境をつくり上げる上で、非常に重要な役割を担っているものでありますことから、今後ともさまざまな御要望、御意見を踏まえながら、中長期的な視点で交通安全施設を整備してまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 今、中長期的な視点で整備というお話があって、そうしていただければいいのですけれども、ところが、警察庁のほうでは、信号機設置合理化計画を各都道府県に策定しなさいという通達を出したようであります。これは全国の信号機のうち、総点検して3割程度削減をさせるようにしましょうという、必要性の高い信号機を点検しなさいということ。そして、その点検、撤去計画を令和元年12月までに策定しましょう。策定したならば、令和5年度末までに撤去を終了させるようにしましょうという通達が出ているようであります。そしてまた、各都道府県における信号機撤去の必要性を世論に訴えていくことが重要であるとかいうのが警察庁から出されているということなのですけれども、本県はこの合理化計画に対してどのように対応しているのでしょうか。
〇小田島交通部長 合理化計画というのは警察庁から昨年3月に通達がございまして、信号機設置の必要性を点検して、必要性の低下した信号機の撤去または移設を図ることを目的としたものでございます。
 本県では、これを受けまして、各署から、例えば、大型商業施設が撤退するなど、設置当初と比較しまして交通量が低下した箇所、あるいは学校の統廃合が予定されており必要性が低下すると予想される箇所などについて報告を受け、これを踏まえ、今後の撤去等を見据えた合理化等計画を策定したところでございます。
 ただ、この合理化と申しますのは、本来設置したときには本当に必要性がございましたけれども、そういう必要性が低下しているところで、例えば設置したままでありますと、信号無視が繰り返される、あるいは信号待ちをすることで渋滞を招くとか、そういった安全、円滑の面がございますし、また一方で、信号機の更新等の問題もありますので、そういうものを総合的に判断してということの内容でございます。
〇佐藤ケイ子委員 老朽化した信号機の更新というのも大事なわけですし、それから、交通事情が変わってきて必要性が低下してきて統廃合というのは、それはそれでわかるわけですけれども、30%を目標に削減という方針についてはどのように対応しているのですか。
〇小田島交通部長 今、各署からの報告を受けて取りまとめをし、その内容を精査しておりますので、実態がその数字を伴うかどうかについては、現在精査中というところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 あまりはっきり言いたくないのかもしれないですね。県警察に対して県民の信頼は高いわけでありまして、それから、交通安全の施設についても十分対応してほしい、早期に対応してほしいという要望が強いわけですから、何とか皆さんの期待に沿うように予算化をしていただく、安全施設の更新なども対応をいただきたいと思っているところでございます。お願いいたします。
 次に、飲酒運転のことに触れます。
 最近も、公務員の飲酒運転が摘発されて公表されて処分されるというのが、大分身近に感じるようになっております。大変多く感じていますけれども、公務員以外でも飲酒運転はあるのだろうと思います。公表されていないわけですけれども、近年の飲酒運転の違反件数はどのようになっているでしょうか。
〇小田島交通部長 飲酒運転の検挙件数でございますけれども、平成27年は410件、以降、289件、359件、341件、そして昨年は330件と、300件から400件前後の間で推移をしており、減少傾向には至っていないという状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 警察署管内、エリア的な特徴というのはあるのでしょうか。それから、重点的に取り締まりをしている警察署とか、あるのでしょうか。どうなのでしょうか。
〇小田島交通部長 まず、全ての警察署では、飲酒運転というのは非常に大きな問題だということで、これまでもずっと検挙しておりますし、また、発生の懸念される場所がございますれば、重点的に取り締まるということもございます。
〇佐藤ケイ子委員 大分前の調査ですけれども、なぜ飲酒運転をしたのかという理由の中に、4割は、自分は捕まらないと思っていたと答えているようであります。やはりその意識の低さがあらわれるわけですけれども、なぜか自分だけは捕まらないだろうと思い込んでしまう。
 私などは、ちょくちょく車をとめられます。深夜に結構動くことがあって、うちの事務所は飲食街に近いものですから、車を出すと必ず―必ずとは言いませんけれども、パトカーが来て、飲んでいませんよねと声をかけられます。何度も声をかけられます。だから、そういうことはいいことだなと思っています。頑張っているなと思っております。そうやって一所懸命やっているわけですけれども、そのように警察がしっかり動いているのだというのをわかっていない方が、自分だけは大丈夫だろうという認識があるのかなと思っておりまして、飲んで運転すればみんな捕まるのですよということをはっきりさせたほうがいいのではないかと私は思っているのです。
 新聞などにも、公務員については公表されますけれども、一般の方々は何も公表されない。別に氏名を公表しろとは言わないですけれども、昨日の飲酒運転はどこの警察署でありましたとか、飲酒運転はしっかりと取り締まりをしているのだというメッセージをちょこちょこ出していただいたほうがよいのではないかと思っているのですけれども、どうなのでしょうか。
〇小田島交通部長 その辺、検討したいと思います。
〇斉藤信委員 最初に、岩手競馬の禁止薬物問題の捜査についてお聞きいたします。どうなっていますか。
〇吉田生活安全部長 競馬法違反事件の捜査についてでございますけれども、県警察では、この事案が岩手競馬のみならず県政にも大きな影響を及ぼす事案であるとの認識のもとに、私以下、警察本部及び関係警察署の合同捜査体制によりまして、公平中立な立場で、予談や先入観を排しつつ、あらゆる可能性を視野に入れた上で、事案の全容解明に必要な事項等について、県競馬組合に所要の要請をしながら、鋭意捜査を継続しているところでございます。
〇斉藤信委員 敷いている稲わらから禁止薬物が出たという報道もありますよね。禁止薬物がどういう経路で競馬のほうに行っているのか。そういう点はどうなのですか。
〇吉田生活安全部長 今、委員から稲わらについての御発言がございましたけれども、そういった報道があったことは県警察としても承知をしておりますが、捜査の具体的内容につきましては、その内容を明らかにすることによりまして、捜査の相手方に手のうちをさらすことになり、捜査に支障を及ぼすおそれがありますので、答弁は差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 わかりました。それで、今、鋭意捜査をしていると。なぜ、岩手医科大学元教授の覚醒剤事件については、捜査しているとも、していないとも言えないのですか。
〇中野刑事部長 競馬法違反事件につきましては、公の機関である競馬組合が事実を公表し、関係する情報の提供を受けていること、事案の重大性や社会に与える影響等の観点から、総合的に判断した上で例外的な措置として捜査していることを答弁したものと承知しております。
〇斉藤信委員 岩手医科大学の事件は週刊誌で大々的に報道された事件で、岩手医科大学も調査特別委員会を設置した事件ですよ。岩手県を代表する大学病院にかかわる深刻な事件で、覚醒剤を打たれた女性が告発した事件ですよ。それについて、何年たっても捜査しているともしていないとも言わない、それはしていないということでしょう。違いますか。
〇中野刑事部長 捜査状況の公表につきましては、捜査をしている、していないを含めて捜査状況を明らかにすることは、捜査の手のうちをさらし、被疑者に何らかの対抗措置をとられるおそれがありますことから、捜査状況に関する答弁は差し控えることとしております。
〇斉藤信委員 誰が聞いても説得力のない話ですよ。もう数年もたって、この元教授は翌年の3月にやめているのですよ。潔白だったらやめる必要はないのだから。だから私は、真っ黒とまでは言わないけれども、かなり黒に近いダークグレーだった事件だったと思います。そこに当時の刑事部長が天下りしたということで私はずっと取り上げているのだけれども、そちらが言わない限りこれは永遠のテーマになりますので。
 次に、釜石市の昨年8月24日発見の女性殺害容疑事件、これも報道ですけれども、捜査本部も設置して捜査をしていると。半年以上が経過しましたが、これはどうなっていますか。
〇中野刑事部長 ただいま委員から8月24日発見とのお話がありましたが、警察といたしましては、令和元年8月23日、釜石市甲子町地内において本件殺人事件を認知しまして、翌24日、釜石警察署に本職以下155名体制の捜査本部を設置して鋭意捜査を進めております。
 なお、詳細につきましては、捜査に関することでありますので、答弁を差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 その近辺では不審な火災も発生しているということで地域住民は大変心配していますので、ぜひしっかりと捜査を尽くしていただきたい。
 次に、3点目でありますけれども、特殊詐欺事件が昨年再び増加していますが、その主要な手口はどうなっているのか、県警の対応はどうなっているのかを示していただきたい。
〇吉田生活安全部長 令和元年中の特殊詐欺被害状況につきましては、未遂を含めて55件、被害額は1億5、000万円を認知しており、前年比で認知件数は28件、被害額は約6、000万円増加しております。
 主要な手口といたしましては、オレオレ詐欺、架空請求詐欺のほか、窃盗手口によりキャッシュカードを狙う事案をそれぞれ17件認知しております。
 特徴といたしましては、警察官や銀行職員をかたるオレオレ詐欺や窃盗手口による被害が大きく増加しているほか、高齢者の被害割合が高水準で推移しております。
 次に、今後の課題と対応でございますが、高齢者の被害を防止しつつ、新たな特殊詐欺の手口に対応することが重要であると考えておりまして、被害全体の8割弱を高齢者が占めている現状を踏まえ、被害防止広報センターからの電話による注意喚起、県担当部局との連携による民生委員等からのチラシ配布による啓発活動の取り組みについて引き続き当初予算案に計上しておりまして、関係機関、団体と連携した広報啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
 また、先ほど別の委員からの質問でも答弁したところでございますけれども、ぴかぽメールなどを活用したタイムリーな情報発信、巡回連絡時の高齢者との個別面談における被害防止啓発などのほか、新たな手口に対応するため、県内金融機関の協力のもと、本年1月28日に立ち上げました特殊詐欺被害防止ワーキンググループによる検討を踏まえながら、引き続き県民の防犯意識の高揚を図り、この種事案の抑止のための施策の推進に努めてまいります。
〇斉藤信委員 犯罪者もプロで、いろいろな新たな手口を開発してくるということなので、私は本当にこの点で機敏な対応を求めたい。
 ラジオで「県警察の佐々木です。」と、あれはしょっちゅう聞くのです。なかなかいいものだと思うけれども、私は車を運転しているからあれを聞くのです。自宅にいる高齢者がラジオを聞くのかなと。だから、本当に高齢者に伝わるメッセージの仕方をもう一つ工夫する必要があるのではないかと思いますので、狙われやすい高齢者、特にひとり暮らし高齢者にどうメッセージを伝えるのかを工夫していただきたい。
 次に、児童虐待の取り扱い件数とその内容についてお聞きいたします。
 この間の児童虐待の取り扱い件数、児童相談所への通告件数、その内容はどうなっているでしょうか。あわせて、事件として検挙した件数は何件になっているでしょうか。
〇吉田生活安全部長 児童虐待の取り扱い件数等について御質問をいただきました。
 初めに、児童虐待の推移でございますけれども、平成27年は201件、平成28年は372件、平成29年は395件、平成30年は443件、そして昨年―令和元年は489件でございまして、平成27年以降増加傾向が続いております。
 次に、児童相談所への通告状況でございますけれども、令和元年中の通告人員は768人でございまして、前年と比較して157人増加しております。
 通告した768人の内訳でございますが、虐待の態様別に、身体的虐待が131人で前年比27人の増加、性的虐待が5人で前年比3人の増加、ネグレクトが46人で前年比42人減少、心理的虐待が586人で前年比169人増加となっております。
 続きまして、事件として検挙した状況でございますが、令和元年中、事件として検挙した件数につきましては10件でございまして、前年比3件の増加でありました。
 特徴といたしましては、検挙した事件の8割が父親からの暴行、傷害でございました。
〇斉藤信委員 児童虐待で幼い子供が亡くなる。今、裁判の様子などもテレビ等で連日のように報道されている状況であります。
 件数の中には、面前DV―心理的虐待が圧倒的に多いわけであります。面前DVということは、DVが行われている現場に子供がいたということですよね。
 その点で私、お聞きしたいのだけれども、では、DV被害の全体の取り扱い件数はどうなって、その検挙数はどうなっているのか、これを示してください。
〇吉田生活安全部長 DV事案、いわゆる配偶者暴力でございますけれども、相談件数で申しますと416件でございまして、前年比70件の増加となっております。
〇斉藤信委員 今、裁判になっている千葉県の事例で心愛ちゃんの件ですけれども、やっぱりDVがあって、その奥さんも抵抗できなくなって死まで追い詰められるという実態が明らかになって、私は、そういう点でいくと面前DVの相談が586人まで来ていることは解決の糸口になっていると思います。
 同時に、DVそのものをなくす手だては、県警としてはどういう機関とどのような形で協力、協働しているのか。児童虐待の件も含めて、その協力、協働の取り組みの状況を示してください。
〇吉田生活安全部長 DV―ドメスティックバイオレンスというのは夫婦間や近親者におけることでございまして、必ずしも一つの機関が何かくくって対応しているということではございませんけれども、もちろん警察もそうでございますし、市町村、県の関係機関とも協力しているところでございます。
 また、児童の、先ほどございました心理的虐待、とりわけその中にある面前DVなどの対応は非常に重要と思っておりまして、児童相談所との連携を強化いたしまして、私ども岩手県警察としては、速やかな情報共有を図ること。緊急性のあるものは速やかに情報共有を図っておりますし、いわゆる切迫性、緊急性が必ずしも高いものでないものにつきましても、全件の共有を図るということで児童相談所との情報共有を徹底しているところでございます。
〇斉藤信委員 最後の質問ですけれども、この間の捜査報償費の決算額の推移を示していただきたい。そして、来年度の捜査報償費の予算額はどうなっているか示してください。
〇大塚警務部長 捜査報償費の決算額の推移についてお答えいたします。
 平成27年度は1、072万4、000円、平成28年度は1、040万7、000円、平成29年度は864万6、000円、平成30年度は700万1、000円、令和元年度につきましては、当初予算として1、289万4、000円を計上しているところでございますが、2月補正予算で294万2、000円を減額補正しているところでございます。ただ、最終的な執行見込みにつきましては、まだ年度の途中でございますので、確定的なお話はできないところでございます。
 捜査報償費の来年度予算額につきましては、令和2年度は当初予算案に1、204万4、000円を計上しておりまして、前年比85万円の減でございます。
〇斉藤信委員 捜査報償費が確実に減少している。これは警察の裏金問題が起きたときに、裏金の原資の一つがこの捜査報償費だったということで、私は一貫してそのことで取り上げているわけです。毎年これだけ確実に減っているということは、やっぱり必要のない経費だったのではないか、これは客観的な事実だと思います。そういう点でいけば、私は、この捜査報償費というものは引き続ききちっと精査されるべきだと思います。
 ところが来年度の予算は、平成30年度の決算額が700万円にもかかわらず1、204万円と。実績と比べてちょっと乖離があり過ぎるのではないでしょうか。いかがですか。ちょっと予算を計上し過ぎではないですか。
〇大塚警務部長 当初予算案の計上額は、基本的に前年度の実績、各所属の事件捜査の状況等を勘案いたしまして積み上げたものでございます。
〇斉藤信委員 前年度の実績と言うのだったら、700万円なのですよ。700万円が1、200万円になったら、500万円増。これ、1.何倍ですか。だから私は実績と乖離しているのではないかと言っているのですよ。違いますか。実績だったら、決算でしょう。平成30年度の決算額、ずっと減ってきて700万円。それが何で1、200万円となるのですか。これは算数の問題ですよ。
〇大塚警務部長 捜査報償費の執行額は、事件の規模、性質、形態や捜査の期間などのさまざまな要因によるものでございまして、執行額の増減は、事件捜査を行った結果でございます。繰り返しになりますが、当初予算案の計上額は、基本的に前年度の実績、各所属の事件捜査の状況等を勘案して積み上げたものでございます。
〇斉藤信委員 警察の答弁は機械的なのですね。私、だから今までの決算額の推移を聞いたのですよ。1、200万円から毎年確実に減っているではないですか。これが実績なのですよ。実績を踏まえて予算化したと言っているのだったら話が違うのではないのと私は聞いているのです。でこぼこがあるのだったら、不測の事態に対応するという理由は通じますよ。毎年、確実に減ってきているときに、その減っている実績を踏まえて予算化するのが当たり前の話じゃないですか。よく根拠を示してお話をしていただきたい。
〇大塚警務部長 捜査報償費の執行額は、事件の規模、性質、形態、それから捜査の期間などさまざまな要因によるものでございまして、執行の増減は事件捜査を行った結果であるということで御理解をいただきたい。一概には申し上げられないところでございます。
〇斉藤信委員 最後にします。
 そういう答弁でなくて、私は根拠を示してほしいと言ったのです。今までだって毎年いろいろな事件があるのです。しかし、5年間、確実に減ってきているから私は指摘したのです。実績700万円に対して、プラス500万円ですよ。何%ですか、これ。160%か170%でしょう。それは実績を踏まえてということにはならないでしょうということで私は指摘した。
 何回も同じ答弁で、答弁不能になっているからもう終わりますけれども、今は論理的に根拠を示してやることが大事なのです。そのことを指摘して終わります。
〇小西和子委員 私から、2点お伺いいたします。
 一つ目、交通事故防止対策についてお伺いいたします。
 令和元年も、発生件数、死傷者数ともに16年連続で減少しております。これまでの皆様方の御奮闘に敬意を表したいと思います。
 死者数は4年連続減少しております。令和元年の全事故に占める高齢者死者の割合は68.9%で前年と比べて1.1ポイント増加しておりますけれども、人数で比較すると9人減っております。22.5%も減っていることになります。歩行中が14人で最も多く、全体の45.1%を占めております。この状況をどのように分析しているのか、あわせて今後の対策について伺います。
〇小田島交通部長 初めに、高齢死者の状況分析でありますけれども、歩行中死者の約半数が自宅周辺で横断中に被害に遭っているほか、約8割を占める夕暮れ時以降に亡くなられた全ての方が反射材を着用されておりませんでした。また、加害者側では、漫然とした運転や下向きライトでの走行により、歩行者を未発見、あるいは直前発見での事故が多くを占めております。
 このほか、歩行中に次いで多い自転車乗用中の事故では、市街地の幹線道路交差点での衝突事故が増加いたしております。
 次に、対策についてでありますが、道路利用者全ての皆様に、誰もが交通事故の加害者や被害者になり得るという当事者意識を抱いていただくためにも、これまでの夕暮れ時における目立つ街頭活動、歩行者保護対策とともに、心に訴えかける広報啓発をより強力に展開してまいります。
〇小西和子委員 横断歩行中ということですけれども、横断歩道を横断していたのか、横断歩道のないところを横断していたのかはわからないと事前にお伺いしましたけれども、私が見ていると、横断歩道がすぐそこにあっても高齢者は横断歩道のないところを渡りたがる傾向があると思いますし、認知症の方も何人か含まれていたのではないかという気がいたします。反射材は非常に有効と言われておりますので、どうぞ対策をよろしくお願いいたします。
 次に、令和元年の沿岸5署における高齢者が関係する交通事故の発生件数、傷者数は前年と比べて減少しておりますけれども、死者数は10人と同数です。令和元年の高齢者の死者数が10人中の9人で、県全体に占める割合は29%であります。ここのところが減ればぐっと死者数が減ると思っていますけれども、この状況をどのように分析しているのか、あわせて今後の対策についてもお伺いいたします。
〇小田島交通部長 初めに、交通事故の状況分析でありますが、死亡事故10件の全てが国道で発生し、亡くなられた10人のうち9人が交通量の少ない郊外での事故でございまして、9人の方が高齢者となっており、最も多い歩行中の高齢者4人の方は、交通量の少ない夜間や、郊外の見通しのよい道路において被害に遭っている状況にございます。
 また、個々の事故実態を見ますと、内陸と比べ事故直前の速度が総じて高いため発見のおくれや未発見での衝突となっており、このことが高い死亡事故率の要因になっているものと分析いたしております。
 次に、対策でありますが、運転者には、交通量、道路環境に応じた速度での走行を意識づけるため、郊外の幹線道路を重点に、沿岸警察署と交通機動隊が連携した警戒活動や速度取り締まりを一層強化するとともに、高齢者の方々には、交通安全教室や家庭訪問等により注意を促してまいります。
〇小西和子委員 復興工事は大分減ってはきておりますけれども、今度、新たな復興道路の開通等で心配事がふえているのではないかと思います。どうぞ万全の対策をお願いいたします。
 次に、子供、女性を犯罪から守る対策についてお伺いします。
 令和元年の声がけ等脅威事犯の認知件数が減少しておりますが、その傾向と令和2年の対策について伺います。あわせて、子供、女性を犯罪から守る取り組みについて伺います。
〇吉田生活安全部長 県内における脅威事犯の認知件数についてでございますけれども、令和元年中は500件で、前年と比較し39件、約7%減少しております。
 特徴的傾向につきましては、道路上における事案が326件で全体の6割以上を占めており、時間帯は、児童生徒の下校時間帯に当たる午後2時から午後6時までが241件で全体の約5割を占めております。
 行為の形態では、声かけや盗撮、他人の姿を撮影する容姿撮影、被害者の後をついていくつきまとい等の形態が全体の6割以上を占めております。
 昨年の認知件数は前年と比較して若干減少しておりますけれども、平成27年以降、500件台の高水準で推移しております。その要因は必ずしも明らかではございませんが、児童生徒、保護者の防犯意識の高まりによることも要因の一つであろうと考えているところでございます。
 次に、子供や女性を犯罪から守る対策についてでございますけれども、県警で行っておりますぴかぽメール等による不審者情報の発信、関係機関等に対する速やかな情報提供などを行っております。
 また、平成30年6月、関係閣僚会議において決定されました登下校防犯プランの関連施策として、子ども110番の家、子ども110番の車の機能を強化するための研修会開催経費等を当初予算案に計上しておりまして、引き続き、先制、予防的活動を推進してまいります。
〇小西和子委員 それでは、令和元年のストーカー相談が増加しておりますけれども、傾向と令和2年の対策について伺います。
〇吉田生活安全部長 ストーカー事案の状況についてでございますけれども、令和元年中の相談件数は250件でございまして、前年と比較しまして10件増加しております。
 ストーカー相談の特徴的傾向といたしましては、元配偶者や元交際相手等の顔見知りからの被害が約7割でありまして、その態様といたしましては、被害者の家などに押しかける行為、拒否されているにもかかわらず復縁や面会を迫る行為、乱暴な言動をする行為、しつこく何度も電話をかけたりメールやSNSでメッセージを送ったりする行為に関する相談が約9割を占めております。
 また、ストーカー規制法に基づく禁止命令につきましては、平成30年中は16件であったものが、令和元年は44件と大幅に増加しているところでございます。
 次に、対策についてでございますけれども、県警察といたしましては、被害者等の保護を最優先とし、加害者の検挙、以後のストーカー行為を禁止する命令や警告を実施しているところでございます。
 このほか、被害を未然に防止するための対策として、ストーカーの被害者にも加害者にもならないための安全教育や啓発について、関係機関と連携して推進しているところであります。引き続きこうした施策を強力に推進し、ストーカー被害の防止に努めてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 被害者にも加害者にもならない安全教育というのがすごく重要だと思います。幼いときからです。相手の人権を尊重するといったことが本当に重要だと思っております。
 実は、昨日3月8日は国際女性デーでありまして、47都道府県でフラワーデモを予定しておりました。ただ、今回の新型コロナウイルス感染症対策で38都道府県に減ったわけですけれども、盛岡でも行われました。これは、相次ぐ性犯罪の無罪判決に抗議して始まったものでありました。7月ごろから盛岡では行われていたでしょうか。
 2月にも私、参加しましたし昨日も話を聞いたりしましたが、参加者の中の1人が来なかったのです。どうしたのと言いましたら、2月のフラワーデモのときにストーカーに遭ったということで、被害に遭わないようにということで昨日は参加しなかったのです。本当にどこで起こるかわからない、怖いと思いました。
 そこでお伺いいたします。令和元年の性犯罪の傾向と令和2年の対策について伺います。あわせて、性犯罪被害者に対する県警の対応についてもお伺いいたします。
〇吉田生活安全部長 令和元年中の県内における性犯罪の認知、検挙状況につきましては、刑法の強制性交等については、認知が6件、検挙が7件、検挙人員が7人、検挙率が116.7%となっております。
 監護者性交等の認知はございません。
 強制わいせつにつきましては、認知が30件、検挙が23件、検挙人員が17人、検挙率は76.7%となっております。このうち、監護者わいせつについては、認知が1件、検挙が1件、検挙人員が1人、検挙率100%でございます。
 次に、令和2年の対策についてでございますけれども、県警察といたしましては、これまでも、児童生徒や女性が多い職場等を対象とした防犯教室、不審者対応訓練に取り組むほか、県警のぴかぽメール、防犯講話や広報などにより県民の皆様のニーズに対応した情報を発信するとともに、発生状況を踏まえ、関係機関等と連携した警戒活動を強化してまいりましたが、令和2年も引き続き性犯罪の未然防止と徹底検挙に努めてまいります。
〇大塚警務部長 性犯罪被害者に対する県警の対応についてでございますが、県警察では、性犯罪被害者が相談をためらうことがないように体制を整え、被害者の心情に配慮した対応、経済的な支援等に取り組んでおります。
 具体的には、警察本部県民課に被害者支援室を設置し、臨床心理士を配置いたしまして犯罪被害者に対する相談や支援を行っておりますほか、各警察署において、女性警察官を含めた被害者支援要員を指定し、病院への付き添い、捜査手続の説明など被害者の心情に寄り添った支援を行っております。また、被害者に対して捜査状況、被疑者の検挙状況やその処分結果等について連絡をしております。
 最後に、経済的支援についてですが、被害者の経済的負担を軽減するため、病院の診察料、診断書料、またカウンセリングの経費等について公費で負担しております。
〇小西和子委員 2次被害を起こさないように御配慮をよろしくお願いいたします。
 前にもお話をしましたが、性犯罪は魂の殺人と言われております。被害者の方の講演を伺ったことがありますけれども、何年にもわたって精神状態も安定しない、フラッシュバックに襲われるといったことが本当に死ぬまで続くと言われているものであります。絶対こういう犯罪を起こしてはいけないと思うのですけれども、最後に、子供、女性を犯罪から守る決意を警察本部長にお伺いして終わります。
〇島村警察本部長 子供や女性を対象とする犯罪は、委員から御指摘ありましたが、いつどこで発生するかわからないものであり、全国的に見ますと痛ましい事件が発生している例もございます。
 警察といたしましては、関係機関等と連携し、被害の未然防止に努めますとともに、一たび犯罪が発生した場合には、被疑者の検挙に向けて捜査を徹底してまいります。
 また、不幸にして犯罪の被害に遭われた方に対しましては、引き続き各種取り組みを推進し、その心情に配意した対応と支援に努めてまいります。
〇千田美津子委員 まず一つ目は、交通安全施設整備についてお聞きしたいと思います。
 先ほど佐藤委員からもお話がありましたが、交通事故抑止対策という点では本当に大事な事業でありまして、沿岸地域への整備かもしれませんが、新年度は今年度比で6億7、000万円増の15億8、000万円に大幅にふえております。その中身についてまずお聞きしたいと思います。
〇小田島交通部長 交通安全施設整備の主な増額事業の内訳についてでありますが、本年度に全線開通が予定されている自動車専用道路に366本の速度規制標識等として前年比約5億8、000万円増の約6億5、000万円、5年ごとに更新を要する交通管制センター中央装置に約1億5、000万円の純増、老朽化した信号制御機など交通安全施設の更新、廃止などとして前年比約7、000万円増の約2億8、000万円となっており、総額約6億7、000万円増の約15億8、000万円の予算を計上しているところでございます。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 二つ目は、更新基準を超えた信号機の実態と今後の更新の見通しについてお聞きいたしますが、この間、警察庁が全国の信号機を調査して、老朽化して更新基準を超えた信号機が2割ということでありましたけれども、県内の状況はどのようになっているでしょうか。
 そして、信号というのは信号制御機、信号柱、それから電球式の車両用灯器、電球式の歩行者用灯器などがあるようですが、それぞれの数と耐用年数をまずお知らせいただきたいと思います。
〇小田島交通部長 更新基準を超えた信号制御機等の数と耐用年数についてでありますが、それぞれにつきまして、本年度末の見込み数、割合で、信号制御機が1、880基、そのうち耐用年数の19年を超えたものが409基で全体の21.8%となります。コンクリート製の信号柱につきましては3、305本、そのうち耐用年数の42年を超えたものが1、087本で全体の32.9%となります。
 なお、これらの耐用年数につきましては、警察庁等から全国一律に基準が示されているものとなります。
 残る電球式灯器につきましては、車両用のものが5、341灯、歩行者用のものが4、152灯でございますが、これらには明確な耐用年数の基準がございませんので、本県では、最も古い灯器が30年以上経過しておりますことから、30年をおおむねの更新基準と捉えて、必要なものから順次交換を行っております。
〇千田美津子委員 今の御答弁ですと、信号制御機で21.8%ということで、409基が老朽化していると。それから、コンクリート製の信号柱は32.9%、非常に多いと思っていますが、それが1、087本ということで、私は、この二つが老朽化で更新しなければならない状況にあることを今の答弁を聞いて痛感いたしました。
 そこで、これまでに更新された数です。今年度の数はわかりましたが、3年間でどれだけ更新されてきているのか。それから、今後の更新計画はどのようになっているでしょうか。その点をお聞きいたします。
〇小田島交通部長 初めに、更新数についてでありますが、それぞれ平成29年、平成30年、令和元年の順に、信号制御機は75基、63基、69基、コンクリート製信号柱は21本、20本、16本、電球式車両用灯器は78灯、60灯、56灯、電球式歩行者用灯器は80灯、64灯、48灯となっております。
 次に、今後の更新計画についてでありますが、従来より耐用年数を超えたものや交換を要するものにつきましては年度ごとに更新してきましたものの、耐用年数を過ぎた信号制御機につきましては委員御指摘のとおり2割を超えていると。そういった現状を踏まえまして、より計画的な更新が必要であることから、2024年度までを計画期間とする岩手県交通安全施設管理計画を昨年策定したところでございます。この計画に基づきまして、毎年度、信号制御機を70基、コンクリート製信号柱を20本、電球式車両用灯器を60灯、電球式歩行者用灯器を64灯を更新してまいりますが、当該計画期間終了後におきましても、新たな計画を策定し、取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 今の御答弁で、例えば信号制御機は3年間で207基更新されて、これから70基ほど1年間に整備していくと。ただ、このペースだと7年くらいかかりますよね。どんどん1年ごとに……。でも、まだこれはいいのです。耐用年数が42年のコンクリート製の信号柱のほうが問題だと思います。3年間で57本更新されて、新年度は20本の整備にとどまっています。このペースでは、耐用年数を迎えた分を整備するだけで50年かかりませんか。そこは確認です。
〇小田島交通部長 委員御指摘のとおり、幾らでも早い段階で全て交換するのが理想でございます。実は、耐用年数42年という一つの目安がございますが、設置場所によって、その辺の老朽化の進行ぐあいも違います。私どもで日常の活動の中でそういう信号等の状態も確認しておりますし、年に1度は信号機、そして大型の標識等も業者に依頼して確認いたしております。その結果を踏まえながら、早急に更新すべきものについて優先的に進めているところでございます。
 基本的には先ほどの数字で進めるということでお話しいたしましたが、これにつきましても、やはり毎年度毎年度そこにプラスアルファ。一つの基本線としての数でございますので、やはり必要があればさらにより多くのものを更新の対象にしていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 私は、ぜひこれは前倒ししてでもやらなければならないのではないかと。今、全国で倒壊、傾斜等がいろいろ発生して大変な事故になりかねない状況が起きているということで警察庁も調査をされたわけであります。
 毎年、県警としても業者に頼んで調査されているのは必要でありますけれども、お聞きしましたら、信号柱はさほど高くないのですね。人件費など入れないと、単価でいうと16万円ぐらいと聞いたのですが、もしそれであればもっとふやして、コンクリート製の信号機が倒れてきたら大変なことです。今、子供たちの安全をと言っているとき、その近くを渡る子供たちにもしそういうことがあったら大変だということで、ぜひ私はこれはもっと前倒しでやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇小田島交通部長 委員のただいまの御意見を踏まえて今後の更新計画に生かしてまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 よろしくお願いいたします。
 先ほど佐藤ケイ子委員もお話しされました信号機設置の一層の合理化の通達のことであります。
 私もこれを見て非常に驚きました。本当に不必要になったところは別としても、3割をあぶり出せというような通達なわけです。県警も今、取りまとめをしているという答弁でありましたけれども、そうしますと、各警察署に3割くらい拾い上げろという指示をされたのでしょうか。
〇小田島交通部長 実際に管内の実態を報告いただいているところでございます。
〇千田美津子委員 本当に日々そういう状況を把握することは非常に大事であります。
 今、この通達によって何が起きているかといいますと、住民に対して計画の公表も説明も行わないで、通学路や生活道路を含めた信号機の撤去が全国では進められているところがあると言われております。それで反対の声が起きているわけですが、岩手県内ではそういうことはないと思いますが、どうですか。
〇小田島交通部長 信号機の撤去についてでありますが、撤去に当たっては、地域住民や道路関係者等と十分に協議、検討を行って、特に地域住民の方々から理解を得ることが大前提でありますことから、信号機の必要性が低下した状況、あるいは撤去を行った後の安全確保方策について説明を行うなどして取り組んできたところでございます。これからもそのような姿勢で取り組んでまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 いずれ、通達にはそのように住民にも丁寧に説明をするようにとちゃんと書いてありましたので、そこを抜きにするといろいろなことが起きてくるわけで、ぜひよろしくお願いします。
 それから、視覚障がい者のための施策という点で、音響式信号機については小林委員が前に取り上げました。さらに横断歩道上にエスコートゾーンという点字ブロックの設置が今、少しずつ広がっておりますが、岩手県内ではどのような状況でしょうか。
〇小田島交通部長 エスコートゾーンにつきましては、盛岡市内2カ所、花巻市内1カ所にそれぞれ設置しております。
〇千田美津子委員 いろいろな管理者との話し合いや地域との話し合いなどが必要と思いますが、私は、やっぱりこういうものもぜひ広める形で取り組んでいただきたいと思いますが、もう一度お聞きします。
〇小田島交通部長 視覚障がい者や関係団体等の要望を踏まえながら、計画的に検討してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 最後の質問になりますけれども、交通事故をなくすための手だてで一つだけお聞きしますが、前回も信号機のない横断歩道での一時停止の話をしました。何らかの手だてをとってほしいということでお話ししました。そのときは、人が横断歩道を渡ろうとしたときにどのくらい車がとまるかという全国調査を昨年8月に日本自動車連盟がして、その結果、一昨年は34都道府県で9割が停止しなかったのに対して、昨年の調査では停止率が17%になったと。上がっているわけです。しかし、それでも8割以上がとまらないという状況がありました。
 そこで、県内の横断歩道での一時停止の実態をどのように把握されているでしょうか。それから、そういう状況に対してどのように対応されるおつもりかお聞きいたします。
〇小田島交通部長 実態についてでありますけれども、死亡事故に占める歩行者被害の多い現状は私どもも十分認識しておりまして、歩行者対策の重要性に基づいた活動を実施しているところでございます。今、委員からお話もございましたとおり、調査結果では1桁から2桁まで上がりましたけれども、まだまだ足りないという気持ちは持っております。
 ただ、個人的には、例えばさまざまな業者の方や知人の方に会うと、とまるようになったねというお声も結構聞きます。
 それにいたしましても、やはりまだ十数%という調査結果でございますので、そういった現状を踏まえまして、ドライバー側の歩行者優先意識の向上を図るため、横断歩道の取り締まりはもちろん、通学路など、特に指導、啓発を必要とする信号機のない横断歩道を安全モデル横断歩道に指定しております。これまで59カ所ほどでしたが、現在は91カ所を指定して、指導、啓発、そして取り締まりもあわせて実施しております。それも関係機関、団体の皆様と連携して、現在、進めているところでございます。
〇上原康樹委員 最後の質問者には何が求められているか重々承知しているところではございますが、質問が三つございます。地下道、拳銃、あおり運転の順でございます。
 まず、地下道、アンダーパスです。
 日常生活の中で不安を覚える場所があります。いわゆる犯罪の予感が漂う場所。その一つに地下道があります。人の目につきにくい。場所によっては薄暗い、見通しが悪い、瞬間的に閉ざされた空間。こういう条件が重なって、夜に限らず、通行するときには少し身構えてしまうことがあります。ましてお子さん、女性の方は怖い思いをすることがあるかもしれません。
 こうした地下道、アンダーパスにおける犯罪発生件数、その事例も含めて、地下道の防犯対策は現在どのように行われているのかお聞かせください。
〇吉田生活安全部長 委員が今、御質問くださいました地下道、アンダーパスなどにつきまして、犯罪の発生が懸念される場所であることは私どもも認識しているところでございます。
 県警察といたしましては、そうした懸念される場所の実態をしっかり把握しつつ、道路管理者等の関係団体と連携の上、犯罪の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
 なお、先ほど、地下道における犯罪の発生状況というお尋ねがございました。通告いただいた内容に件数等の内容はございませんでしたので、手元の資料ではそれを明確に申し上げることはできませんけれども、令和元年中の脅威事犯、いわゆる声をかけられたり、あるいは写真を撮影されそうになったみたいな案件として把握しているものが、手元の資料ですと6件ございます。内容としては、声をかけられた―これは8歳の方―、あるいは写真を撮られそうになったことなどが6件ほど発生しているということでございます。
〇上原康樹委員 そういった不安を払拭したいところですが、それに向けて現場の環境の改善ということが出てくると思います。今もお話しいただきましたが、例えば照明を明るくしたり、それから緊急事態を即座に伝える装置を強化したり、いろいろな手だてがあると思います。県警察本部の仕事の全てではないと思いますが、地下道の管理者と連携して改善することはできないでしょうか。
〇吉田生活安全部長 ただいま委員から御質問がございましたとおり、地下道、アンダーパス等の例えば照明や防犯ブザー、通報装置みたいなものにつきましては、原則として道路管理者において設置するものであると認識しております。
 それから、地下道における具体的な防犯対策についてでございますけれども、地下道等における犯罪の発生を未然に防止することが非常に重要であると認識しておりまして、地下道を含めて、犯罪の発生が懸念される場所の実態をよく把握すること、それから、未然防止を図るための重点的なパトロールや警戒活動を行うこととしております。
 また、施設などを含めた周辺の環境につきまして、防犯上、改善を要すると認められた場合には、施設管理者に対して必要な措置を講ずるように申し入れを行うこととしております。
〇上原康樹委員 次の質問は、拳銃などの銃器の取り締まりについてでございます。
 昨年、盛岡市で元国会議員の男性が知人の男に拳銃で撃たれるという事件がありました。肴町商店街にほど近い場所で、市民の暮らしの真っただ中で起きた事件でした。
 拳銃の不法所持の取り締まりはその後どうなっているのか、強化されているのでしょうか。
〇中野刑事部長 県内の過去3年の拳銃の押収丁数ですが、平成29年は3丁、平成30年は5丁、昨年は3丁となり、暴力団構成員等からの拳銃の押収はありません。
 県警察といたしましては、県民の拳銃に対する脅威や不安感を除去するため、拳銃の摘発や、関係機関との連携を図りながら水際対策を強化するなど、銃器根絶対策を推進しているところであります。
〇上原康樹委員 今は外国からの観光客の方も大勢岩手にいらっしゃる時代でございますので、余り考えたくないところではありますが、人の流れに伴って岩手県内に銃が持ち込まれる可能性について、県警察本部はどのように見て、どういう体制をもって取り締まるおつもりかお聞かせください。
〇中野刑事部長 外国からの拳銃の流入ということですが、過去にも海外で勤務されていた方が荷物と一緒に拳銃を持ち帰ったという事案もありますし、また、外国から入ってくる貨物船から拳銃が発見されたという事案もあります。
 県警察といたしましては、こうした密輸入事犯の水際対策、検挙するために、盛岡地方検察庁、県内の入国管理局、税関支署及び海上保安庁等と連携しまして、岩手県銃器・薬物取締連絡会を平成7年に結成しておりまして、毎年1回以上情報交換等を行って銃器の取り締まりに当たっているところであります。
〇上原康樹委員 次は、先ほどからいろいろな委員の皆さんから質問が出ている件ではありますけれども、私の視点から質問させていただきます。
 私も40年以上車を運転しております。一応金色の免許ではありますけれども、近年ますます車間距離が詰まってきているなというのが実感でございます。ゲーム機のボタン操作のように、必死で先を急ぐ姿が目立ちます。
 先ほど、あおりの検挙数が434件というのはすごい数だと思いましたけれども、やはりあおられている人からの報告、通報も多いのではないかと思います。この辺の数字は把握されていますか。
〇小田島交通部長 まずは110番の通報がございます。ただ、110番と申しましても、その第一報で直ちにあおり運転かどうかは別にいたしまして、その内容から、最初の段階でそういう疑いがあるという110番をうちのほうでは404件ほど、昨年の場合、受理しております。また、これ以外にも、例えばドライブレコーダーをお持ちの方がその映像を持って署を訪れてとか、そういった形で認知する機会がやはり多くなっていると感じております。
〇上原康樹委員 あおり運転を現行犯で検挙するのは難しいことではないかと。先ほど、基準がどうも曖昧なところもあるしということでしたけれども、あおり運転の現行犯の検挙は具体的にどうやるのでしょうか。手のうちの話になるかもしれませんけれども。
〇小田島交通部長 昨年、本県では、警察官の現認でのあおり運転、暴行罪で検挙ということもございます。
〇上原康樹委員 もっと具体的に目に見えるようにお話をいただきたかったと思いますが、例えば白バイ隊員だったらどう動くか、パトロールの方だったらどこで加速してばーっと追い上げていくか教えてください。
〇小田島交通部長 一般的にはやはり現認でございます。例えばそういった疑いのある車両を発見いたしますと、それの行為を客観的にあおりと認められる段階まで継続して警察官が現認をしていくという形になろうかと思います。
〇上原康樹委員 そうしますと、後方から静かに観察しているという、そういうまなざしを感じました。
 私も実際に運転していまして、例えば国道106号などの長い直線が続くところで、先頭の車両がゆっくり走りますと、2台目が追いついて車間距離が詰まり、さらに3台目も車間距離が詰まって、最後は数台鈴なりのあおり運転状態になります。そういう状態を白バイ、パトロールカーが発見した場合、サイレンを鳴らしてウィーンといって、運転手の皆さん、周りを離して運転してくださいというような実際的な指導というのはすることになっているのですか。
〇小田島交通部長 個々の状況につきましては、それぞれの実態を把握しないとこの場で申し述べることは難しいですけれども、違反になれば当然検挙いたしますし、至らない場合には指導、注意ということもあろうかと思います。
〇上原康樹委員 検挙の前に指導が必要だと思います。それが順序だと思います。
 それから、制限速度120キロメートル区間も出てきた東北自動車道ですけれども、私はいつも走行車線にすみついているものですから、追い越し車線をよく観察しております。追い越し車線では、車間を詰めた走行がほぼ常態化しております。前に追いつくとブレーキを踏んで、どうしてそんなに車間距離を詰めなければいけないのか、どうして慌てるのだろうか。これはもう完全に自動車道においてのあおり運転状態となっていますが、そうした追い越し車線における現状を県警察本部としてどうごらんになって、また、どう対策しなければいけないとお考えでしょうか。
〇小田島交通部長 やはり個々の状況に応じて対応するということでございますので、委員お話しのとおり、指導、注意でとどまるのか、あるいは違反としてきちんと検挙しなければならないのか、その状況を警察官が現場で判断するということになります。
〇上原康樹委員 つまり検挙もあり得るということですね。
 あおり運転というのは、あおるつもりはなくても結果的にあおりになっているかもしれないことが多いということでございます。それをどうやって修正したらいいだろうか。私、考えましたが、実際に高速道路に車間確認ボードというのがあります、皆さんもごらんになったことがあると思いますけれども。例えば100メートルなら100メートルを、視覚的に体感的に認識できるというあのボードでございます。運転者の車間距離に対する感覚を修正してくれる大変有効なものだと感じています。この車間確認ボード、標示を一般道にも導入できないものかと私、考えました。一般道ですから速度が50キロメートル、60キロメートルのところがほとんどだと思いますけれども、そうしますと、適正な距離というのは30メートルぐらいかなと。あるいは、所によっては50メートルかなと。そういうボードがあってもいいと思います。
 例えば、区界高原を過ぎたあたりの長い直線コースなどに車間距離を意識させる表示があれば、多少なりともあおりの抑止につながると思います。これもまた県警察本部単独での対処は無理かと思いますが、道路の管理者と連携、検討することは可能でしょうか。
〇小田島交通部長 道路管理者の方々とは定期的に、あるいは随時そういう協議をする場、意見交換する場がございますので、委員の御指摘のようなお話を話題として協議、共有することは可能だと思います。
〇上原康樹委員 ぜひ善処をお願いいたします。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さんはお疲れさまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時18分 散 会

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