平成19年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成19年10月17日(水)
1開会    午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長 切 金   精
  議事担当課長 保 原 良 和
  主任主査   菊 池 達 也
  主査     鈴 木 文 彦
  主査     石木田 浩 美
  主査     佐々木 ユ カ
  主査     菊 池 芳 彦
  主査     渡 辺 謙 一
1説明員
  商工労働観光部長 阿 部   健
  商工企画室長   田 村 均 次
  参事兼企業立地
  推進課総括課長  齋 藤 淳 夫
  商工企画室
  企画担当課長   福 澤 淳 一
  商工企画室
  管理担当課長   八重樫 一 洋
  経営支援課
  総括課長     佐 藤 義 昭
  科学・ものづくり
  振興課総括課長  黒 澤 芳 明
  地域産業課
  総括課長     橋 本 良 隆
  観光課総括課長  菊 池 和 憲
  労政能力開発課
  総括課長     伊 藤 昇太郎
  労政能力開発課
  特命参事     寺 本 樹 生

  労働委員会
  事務局長     伊 藤 瞬 一
  審査調整課長   中 澤   一

  環境生活部長   菊 池 秀 一
  環境生活企画室長 小田桐 文 彦
  産業廃棄物不法投棄
  緊急特別対策室長 古 川   治
  環境生活企画室
  企画担当課長   菅 原 伸 夫
  環境生活企画室
  管理担当課長   津軽石 昭 彦
  県民生活安全
  担当課長     谷地畝 範 彰
  食の安全安心・
  消費生活担当課長 高 橋   誠
  環境保全課
  総括課長     加 藤 陽 一
  資源循環推進課
  総括課長     谷 藤 長 利
  自然保護課
  総括課長     菅 原 和 弘
  資源エネルギー課
  総括課長     青 木 俊 明
  青少年・男女共同
  参画課総括課長  遠 藤 譲 一
  調査追及担当課長 杉 村   孝
  再生 ・整備
  担当課長     吉 田   篤

  出納長      上 村 俊 一
  副出納長兼
  出納局長     平 澤 石 郎

  監査委員     菊 池 武 利
  監査委員     谷 地 信 子
  監査委員事務局長 小 川 明 彦
  総括監査監    門 口 正 雄

  予算調製課
  総括課長     中 村 一 郎
〇新居田弘文委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成18年度岩手県立病院等事業会計決算から、認定第14号平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算14件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部、労働委員会、環境生活部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇阿部商工労働観光部長 平成18年度の商工労働観光部関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 初めに、当部の所管事業に係る総括的な評価と成果、及びそれを踏まえた今後の取り組み方向等について御説明を申し上げます。
 平成18年度につきましては、現場からの発想を基本としながら、地域産業の振興や、企業の強化に確実につながるステップアップの実現を業務推進の基本的スタンスとして幾つかの最重要課題を掲げ、重点的に取り組んでまいりました。
 1点目は、県北・沿岸圏域における産業振興の強化であります。
 この圏域の特色ある資源を生かした食産業や観光産業、そして、ものづくり産業の育成に取り組んだところであります。食産業におきましては、地域の中核となる企業や生産者等を重点的に支援し、県内外の優良企業との取引拡大が図られたところであり、観光産業では、専任の県北・沿岸観光産業チームを設置し、アクションプランの作成を通じて、地域における企画力の醸成に努めたところであります。また、ものづくり産業では、県北圏域の立地企業に対する大型補助を行ったほか、県北・沿岸地域の中小企業振興に係る特別融資制度等により、中小企業の経営改善や新事業展開を支援し、雇用創出などに一定の成果が得られたところであります。
 今後も、県北・沿岸圏域における産業振興の基本方向に基づき、これら三つの産業等を柱として、県北・沿岸圏域の産業振興と雇用の場の確保に向けた取り組みを一層強化してまいります。
 2点目は、ものづくり基盤の集積拡大であります。
 県内の産学官によるいわて自動車関連産業集積促進協議会を6月に、さらには、宮城、山形との連携組織を7月に設立するとともに、8月には、トヨタ自動車本社で3県合同展示商談会を開催するなどして、県内企業の市場開拓、企業間取引の拡大を図ったところであります。また、学校、企業、行政によるものづくり人材育成の仕組みとして、北上川流域ものづくりネットワークを設立し、地域ぐるみで学校と企業の行き来を盛んにし、工業高校の生徒の技能向上等に取り組んだところであります。
 今後におきましては、こうしたものづくり人材育成の取り組みを県内全域へ拡大していくとともに、有力部品メーカー等の誘致や、川上と川下企業群のすり合わせ、接点の拡大に努めながら、自動車産業や半導体関連産業を中心とした連峰型の産業集積の実現を目指してまいります。
 3点目は、新たなビジネス・成長期待分野の展開強化であります。
 産学官連携等による新事業・新産業の創出を図るため、トリアジンチオールなど事業化への展開が有望な研究開発に対して支援を行ったところであり、大学発ベンチャー企業の設立や研究内容の商品化、国の外部資金獲得など、成果が出てきているところであります。また、県内企業の海外市場展開を促進するため、各海外事務所からの情報提供や、商談会などを通じた販路の開拓などにより、新規取引企業数は延べ29社となるなどの成果が見られたほか、東アジアを中心とした旅行商品の販売支援等により、海外からの観光客数の増加が図られたところであります。
 今後も、産学官の共同研究を支援するとともに、東アジアをターゲットとした県内企業の海外展開や観光客の誘致拡大に向けた取り組みを強めてまいります。
 このほかに、障害者の雇用促進につきましては、二戸地区へのチャレンジドジョブ・スポットの設置や、障害者職業能力開発事業の拡大を通じて、障害者が住みなれた地域での就業支援や職業訓練が受けられる体制を整備したところであり、就業している障害者の方々の増加が見られたところであります。
 今後は、本県でも障害者の一般就労への移行促進が一層求められていることから、企業の障害者雇用の意識を高めながら取り組みを強化してまいります。
 また、中心市街地の活性化につきましては、まちづくり三法見直しの対応とともに、有識者による岩手県中心市街地活性化懇談会を設置し、本県における施策の方向性等の整理を進めるとともに、商店街の個店における成功モデルの創出に取り組み、客数や売り上げの増加を見ているところであります。
 今後は、懇談会における提言を踏まえ、コンパクトシティーの具体的推進やまちづくりの機関、体制、人材の強化支援とともに、大規模集客施設の立地誘導制度の創設に取り組んでまいります。
 続きまして、旧総合雇用対策局分について御説明を申し上げます。
 平成18年度は、岩手県総合雇用対策の推進を基本に、雇用の創出とともに、若年者の就業支援及び団塊世代の大量退職への対応を課題として取り組んできたところであります。
 まず、岩手県総合雇用対策の状況でありますが、計画の最終年度である平成18年度までの雇用創出目標3万6、000人に対して、実績は3万8、149人となっております。また、若年者の就業支援に向けた取り組みでありますが、ジョブカフェ事業につきましては、4万7、617人が利用し2、550人が就職したところであります。さらに、二戸地区に新たに地域ジョブカフェを設置し、地域単位の就業支援を充実するとともに、若年者の早期離職の抑制を図るために、エリアジョブコーディネーターによる事業所訪問など、職場定着のための取り組みを強化したところであり、これらの取り組みは、新規学卒者の就職率の改善など、若年者の就業に寄与したものと考えております。
 団塊世代の大量退職への対応でありますが、団塊世代の経験を生かして、企業と学校のかけ橋となる取り組みを、県南広域振興局一関支局管内においてモデル事業として実施し、中学校や高校生の就業体験の拡充などに成果を生んだところであります。
 今後の雇用対策につきましては、各種の産業振興施策と緊密に連携しながら、県北・沿岸圏域の雇用環境の量的な改善や公正な雇用の確保、若年者の就業支援などに、一層力を入れて取り組んでまいります。
 以上、平成18年度の総括的な成果と今後の取り組みについて御説明を申し上げました。
 続きまして、決算の詳細についてでありますが、旧総合雇用対策局分を含めまして、一括して御説明を申し上げますので御了承をお願いいたします。
 まず、一般会計でありますが、平成18年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。商工労働観光部の決算は、5款労働費のうち、3項労働委員会費を除いたものと、14ページに参りまして、7款商工費のすべて、また、16ページにお進みいただきまして、12款公債費の一部であります。これらの支出合計は、商工労働観光部所管分が539億5、247万円余、旧総合雇用対策局所管分が1億7、044万円余、合わせまして541億2、292万円余となっております。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、お手元の平成18年度歳入歳出決算事項別明細書によりまして御説明を申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明を申し上げますので、御了承をお願いいたします。
 それでは、平成18年度歳入歳出決算事項別明細書220ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、商工労働観光部所管に係る管理運営費は、労政部門の職員人件費等管理運営に要した経費であります。労働関係等調査費は、労働経済等の調査分析などに要した経費であります。旧総合雇用対策局所管に係る管理運営費は、同対策局の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。2目労働教育費でありますが、各種労働講座開設費は、県内4地域の雇用・労働フォーラムの開催に要した経費であります。3目労働福祉費でありますが、労働者等生活安定支援資金貸付金は、事業主都合により離職した者の求職活動中の生活安定を図る貸し付けなどに要した経費であります。222ページをお開き願います。4目雇用促進費でありますが、若年者等就職支援事業費は、若年者の就業体験の実施や岩手県Uターンセンター、この職業アドバイザーの設置などに要した経費であります。障害者雇用対策費は、障害者等の職場適応訓練の実施や、勤労身体障害者体育施設の管理に要した経費であります。チャレンジド就業支援事業費は、障害者の求職から職場定着に至るまでの相談・援助活動を行う就業支援センターの運営などに対する補助や、職業訓練の実施に要した経費であります。若年者就職支援センター管理運営費は、ジョブカフェいわて及びサテライトセンターの設置、運営等に要した経費であります。地域若年者雇用対策強化事業費は、高校生を中心とした若年者の就業支援を実施するため、各地域へのエリアジョブコーディネーターの配置指導に要した経費であります。
 次に、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、職業能力開発指導監督費は、職業能力開発部門の職員人件費等の経費であります。認定職業訓練費は、職業訓練法人による認定職業訓練の実施に対する補助などに要した経費であります。技能向上対策費は、岩手県職業能力開発協会が実施する事業への補助などに要した経費であります。ものづくり人材育成事業費は、技能五輪全国大会の参加選手の育成強化に対する補助などに要した経費であります。224ページに参りまして、2目職業訓練校費でありますが、管理運営費は、県立産業技術短期大学校を初めとする県立職業能力開発施設の職員人件費であります。公共職業能力開発費は、県立職業能力開発施設において実施する職業訓練などに要した経費であります。公共職業能力開発校施設設備整備費は、県立職業能力開発施設の訓練機器の整備及び施設の改修などに要した経費であります。就業支援能力開発費は、離転職者を対象とした職業訓練の実施などに要した経費であります。
 次に、飛びまして276ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、管理運営費は、産業振興部門の職員人件費等管理運営に要した経費であります。いわて産業人材育成事業費は、本県のものづくり基盤を支える人材の育成を推進するため、財団法人いわて産業振興センターによるいわてものづくりアカデミーの開催などに要した経費であります。地域ものづくりネットワーク推進事業費は、北上川流域ものづくりネットワークの設置、運営に要した経費であります。戦略的事業化発展推進事業費は、成長可能性の高いベンチャー企業に対する支援などに要した経費であります。酸化亜鉛産業クラスター形成事業費は、産学官連携による酸化亜鉛関連の実用化研究開発に対する支援に要した経費であります。新夢県土いわて戦略的研究開発推進事業費は、産業化が有望な大学等の研究課題に対する研究資金の支援などに要した経費であります。岩手医科大学医療・薬学研究センター整備支援事業費補助は、岩手医科大学が開所した産学官連携関連施設の整備に対する補助に要した経費であります。運輸事業振興費補助は、社団法人岩手県トラック協会が実施する輸送サービスの改善、安全運行の確保等の事業に対する補助に要した経費であります。278ページをお開き願います。国際経済交流推進事業費は、県内企業の国際協力を高めるため、東アジアにおけるビジネスフェアの開催などに要した経費であります。次に、2目中小企業振興費でありますが、食の産業支援強化事業費は、地域の中核となる企業等の育成に要した経費であります。商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者の設備改善等に要する資金、中小企業経営安定資金貸付金は、売り上げの減少などにより、経営の安定に支障を来たすおそれのある中小企業者に対する運転資金、県北・沿岸地域中小企業振興特別資金貸付金は、県北・沿岸地域の中小企業者に対する雇用の増加、事業の拡大に要する資金であり、これらの貸付金は県単融資制度の実施に要した経費であります。信用保証事業支援費補助は、岩手県信用保証協会による県単融資制度を利用する場合の保証料負担の軽減措置に対する補助に要した経費であります。商工業小規模事業対策費は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う商工業小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に対する補助に要した経費であります。280ページに参りまして、中小企業等新事業活動支援事業費補助は、新商品・新技術開発等、新たな事業活動を行う中小企業等への補助などに要した経費であります。中心市街地活性化総合検討事業費は、中心市街地活性化方策を検討するための岩手県中心市街地活性化懇談会の設置、運営等に要した経費であります。自動車関連産業創出推進事業費は、自動車関連産業の生産工程の改善指導や人材育成に対する補助、展示商談会の開催などに要した経費であります。組込みソフトウェア産業振興事業費補助は、組み込みソフトウエアに係る県内中小IT企業の技術者育成支援に対する補助に要した経費であります。県北・沿岸地域起業化支援事業費は、県北・沿岸地域の強みを生かしたビジネスに取り組む起業家等の育成支援に要した経費であります。いわてクラフトビジネス展開事業費は、伝統工芸品産業等の再構築を促進するため、販路開拓、観光との連携、営業力向上などの課題解決に対する支援に要した経費であります。次に、3目企業立地対策費でありますが、企業立地促進資金貸付金は、立地企業が行う設備投資に対する貸し付けに要した経費であります。企業立地促進奨励事業費補助は、市町村による誘致企業への助成事業に対する補助に要した経費であります。282ページに参りまして、自動車関連産業集積促進奨励事業費補助は、市町村による自動車部品製造企業への助成事業に対する補助に要した経費であります。特定区域産業活性化奨励事業費補助は、特定区域に指定した久慈地域において、工場等の新設を行った企業に対する補助に要した経費であります。次に、4目中小企業経営指導費でありますが、中小企業ベンチャー支援事業費は、財団法人いわて産業振興センターが実施する専門家派遣事業、取引支援事業等への補助に要した経費であります。5目貿易振興費でありますが、貿易振興団体助成費は、海外販路拡大の支援基盤整備のための独立行政法人日本貿易振興機構への負担金であります。6目工業技術センター費でありますが、これは、地方独立行政法人岩手県工業技術センターに対する運営費交付金であります。
 2項観光費1目観光総務費でありますが、管理運営費は、観光部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。財団法人岩手県観光協会育成事業費は、同協会が実施する観光客受け入れ態勢の整備や観光情報の発信事業などへの支援に要した経費であります。北東北大型観光キャンペーン事業費は、北東北デスティネーションキャンペーンの全国展開に向けて実施した全国宣伝販売促進会議の開催及び受け入れ態勢の整備などに要した経費であります。国際観光推進事業費は、本県への外国人観光客の来訪促進を図るため、ミッション派遣事業や旅行エージェントの招聘事業などに要した経費であります。次に、284ページをお開き願います。未知の奥・平泉観光振興事業費は、平泉文化遺産の世界遺産登録を目指す取り組みと連動して実施した観光客の受け入れ態勢の整備や、情報発信などに要した経費であります。次に、2目観光施設費でありますが、観光施設機能強化事業費は、岩洞湖家族旅行村の改修など、県有観光施設の機能強化を図るために要した経費であります。
 次に、飛びまして400ページをお開き願います。中小企業振興資金特別会計の決算について御説明を申し上げます。
 この特別会計の予算総額は、402ページと404ページに記載しておりますが、歳入歳出それぞれ27億4、131万9、000円であります。
 まず、歳入につきましては、お戻りいただきまして、400ページから403ページに記載しておりますが、収入済額が総額27億3、139万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金、繰越金及び貸付先企業等からの償還金等の諸収入であります。
 次に、歳出につきましては404ページに記載しておりますが、支出済額の総額は17億9、289万円余であります。
 1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが実施した設備資金貸付事業及び設備貸与事業に対する貸し付け、並びに高度化資金貸付金の貸し付けなどに要した経費であります。
 2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した事務経費であります。
 以上で商工労働観光部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川幸子委員 私からは、観光施策についての1点のみお伺いいたします。
 岩手には、全国に負けないすばらしいところが数多くあります。そこで、全国に向けた発信が大変重要であると考えます。観光に向けた取り組みについてどうだったでしょうか。そしてまた、先ほど来お話がありました平泉の世界遺産登録に向けた取り組みはどうだったでしょうか、お答え願います。
〇菊池観光課総括課長 岩手の観光施策に係る取り組み状況についてでございますが、今年度は、特にも北東北大型観光キャンペーンの実施や、平泉の文化遺産の世界登録に向けた観光客の受け入れ態勢の整備に力を入れているところでございます。また、ホスピタリティーの向上や観光施設の整備、地域からの情報発信力の強化といった視点から、いわて観光おもてなしマイスター制度の創出、それから、観光施設の経営基盤を強化するための旅館、ホテルに対する経営指導、着地からの情報発信を推進するため、県の観光ホームページの機能強化などに取り組んでいるところでございます。
 次に、平泉の世界遺産に向けた取り組みについてでございますが、平泉の文化遺産の世界遺産登録に向けまして、その効果を全県に波及させるため、本年5月に、県内の行政や経済団体などを構成員とするいわて世界遺産観光推進会議を立ち上げたほか、旅行商品の企画や誘客活動については、平泉と県内各地をつなぐ広域的なモデルコースの設定、首都圏の旅行会社との商談会の開催、それから情報発信につきましては、いわて世界遺産情報局というホームページを立ち上げました。また、受け入れ態勢の整備につきましては、地域限定通訳案内士の養成などを進めているところでございます。
〇及川幸子委員 それぞれ大きな取り組みをなされているということで伺ったところですが、この平泉の世界遺産登録に向けた取り組みは、現地に行きましても電柱の地中化なども行われており、本当にやっているんだなという実感が大変わきました。
 次には、せっかく観光の取り組みの中で、この間まで放映されていましたNHKの朝のテレビ、連続ドラマ「どんど晴れ」ですけれども、こういう全国に向けた発信を利用しない手はないと思います。そしてこの番組のときには、必ず県内の旅館のおかみさんがコメントを出しておりました。私も毎日興味深く見ておりまして、この視聴率も大変なものだったと思います。NHKさんにはとても感謝しているところですけれども、この「どんど晴れ」の放映を利用した施策というのはどうだったでしょうか。その効果というのはどうだったでしょうか。
〇菊池観光課総括課長 放送による効果は相当大きいものがあったと思っております。地域別の観光客の入り込み数の状況につきまして、本年1月から7月までを前年と比較しますと、盛岡市が2.7%の増、遠野市が7.3%の増となっておりますほか、本年の1月から6月までとなりますけれども、平泉町で7.1%の増、岩手山を含む八幡平地域が5%から10%の増となっております。特に、盛岡市内の定期観光バスの輸送状況につきましては、4月から8月までの間で前年比47%の増、盛岡さんさ踊りにつきましては、対前年比8.7%、128万2、000人となったところでございます。
 なお、JRグループと7月から9月まで実施しました北東北大型観光キャンペーンの効果もあることから、「どんど晴れ」の効果ばかりではございませんけれども、放送の効果は相当なものがあったと思っております。
〇及川幸子委員 本当に効果があったということで、毎日テレビを見ていた者にとっても本当にエールを送りながら、引き続きこの部分については取り組んでいただきたいと思います。
 それで、観光はそうやって進めると、観光地はまずお客さんが来ると、それには欠かせないのが食だと思います。その地にどれだけおいしいものがあるか、やっぱり女性ならば、すばらしい景色、すばらしいところだな、すばらしい温泉だな、しかしながら、あそこの出された食事はちょっとまずかったなと、そういうこともございます。その食べるものはどういうふうに施策をとられているのか。
 私も中央の方々を、特に宮古とか釜石、陸前高田、大船渡、そっちの方に海のものを食べによく行くんですけれども、とてもすばらしい食だと言って褒められます。また行ってみたいということでございますが、この食の取り組みについては、どういうふうにやっているのでしょうか。
〇菊池観光課総括課長 県内におきましては、前沢牛とか吉浜アワビなどの全国的にも知名度が高い農畜産物や食文化を有しておりまして、県内各市町村では、地域の食材を生かしたイベント等を開催しておりますことから、県では、滞在型の観光を目指しまして、これらのイベントを観光資源として、より有効に活用した旅行商品の開発を促進してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 宮古のほうを東京からのお客様と一緒に訪れたときに、お昼だったんですけれども、残念ながらウニは1食しかありませんと。ウニを食べにいったんです、ウニ丼を。そのときに、さてさて困ったなと思った経緯がありました。いろいろなところで、そういう地域ならではのものをどの程度出されるのかも把握されて、1食しかありませんということがないように、例えばですが。せっかく売り込むわけですから、そういうところも今後注意して取り組んでいただければなと思います。
 それから、大きいところでは、北東北連携による観光の取り組みですね、北東北の取り組みというのはどのように進められているのでしょうか。
〇菊池観光課総括課長 北東北の広域観光を推進するために設立しました北東北三県観光立県推進協議会では、観光パンフレットやマップの作成、それから、ホームページによる情報発信、首都圏での観光キャンペーン、それから、るるぶ北東北の発行の支援、それから、県内合同事務所を活用しました誘客活動など、国内外に向けまして北東北との連携を図りながら、本県の観光PRに取り組んでいるところでございます。
 また、北東北デスティネーションキャンペーンを実施したところでございますけれども、JR東日本の旅行商品で本県を訪れました観光客が前年同期と比べて60%増となるなど、協働によるキャンペーンの成果があらわれております。このことからも、今後とも、北東北との連携を図りながら、観光振興に努めてまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 キャンペーンの成果があらわれているということですが、北東北を歩いた場合に岩手が引き立って、やっぱり岩手に行ってよがったやーというような部分が感じられるような取り組みを、ぜひ引き続きお願いしたいと思います。
 いろいろお聞きしましたけれども、私、宮崎県の東国原知事の活動をテレビでよく見ているんですが、何しろ元気があるので驚きます。宮崎県を何とかせにゃあかんということで、宮崎県品を売り込んで、私も買い物に訪れたときに、ついつい東国原知事のにっこりの顔が見えて、地元のものを買えばいいところですが、やっぱり宮崎県、食ってみっかーという感じなんですね。味はまあまあだったんですが、やっぱり岩手県も達増知事、すばらしい知事が誕生しました。若い知事。元気が感じられるように岩手県産品を─今まで増田知事の顔を売り込みながらやられた経緯があったんでしょうか。
〇菊池観光課総括課長 本県におきましても、本年の9月に、東京におきまして知事によるトップセールス、おでんせ観光王国いわてin東京を開催しまして、知事を初め、県内の市町村それから観光事業者など総勢約120名が首都圏の旅行代理店に参りまして、商談会を行ったところでございます。当日は、知事から、本県の観光産業に係る強い意気込みや主な取り組みについてプレゼンテーションを行ったほか、高橋平泉町長からも、平泉の文化遺産を活用した観光をPRしたところでございます。このおでんせ観光王国いわては、今後も名古屋、大阪のほうで開催したいと思っておりまして、知事にも出席をお願いしているところでございます。
〇及川幸子委員 どうぞ、知事と一緒に岩手県産品が全国各地のスーパー、コンビニ等に並べられるように、そういう取り組みを頑張っていただきたいと思います。
 これは要望で終わります。ありがとうございます。
〇佐々木一榮委員 平泉観光について、関連して質問いたします。端的に言います。
 まず、1点目でありますが、平成18年度県南広域振興局内にあります平泉担当の部署の成果についてお伺いいたしたいと思います。
 それから、2点目でありますが、町への支援体制。きのうも地域振興部で合併論議がありましたけれども、平泉町は当面自立の方向でありまして、大変厳しい財政環境にある中で来年の世界遺産登録を迎えます。それで、町の中にそういった平泉の世界遺産登録、この観光分野に向けた専任の人材を配置するというのは非常に町自体は厳しいわけでありまして、ここに県からの支援というのを期待するところでありますが、県が平泉町の現地のほうに人を派遣したり、また、県ではなくても、財団法人岩手県観光協会にも多くのスタッフがいるかと思いますが、そういう方々をぜひ現地、これは中尊寺、毛越寺を含め、また、奥州市の藤原の郷とか、現地に近いところにそういったスタッフがいるべきと思っておりますが、この点についてお伺いしたいと思います。
 それから、御存じのように今プレでありますが、来年、宮城で大規模なデスティネーションキャンペーンを開催いたします。これには当然ながら平泉がターゲットに入っておりまして、松島、平泉ルート、山寺ルートがもう既にできておりますけれども、この辺を利用しました、ことしは北東北でありますけれども、宮城のデスティネーションキャンペーンにどういうかかわりを岩手県として持っていかれるのか、お尋ねいたします。
〇菊池観光課総括課長 県南振興局に観光と世界遺産登録を担当する課がございますけれども、あそこの成果というのは、自分たちが守る地域につきまして、要するに管内の分全部なわけですけれども、平泉町ともさまざまな連絡を取り合いながらやっておりますことから、成果はあるものと考えています。
 町への人材の派遣につきましては、その話、うちの方にも一回上がってきたことがありますが、県南振興局の世界遺産登録の推進課がございますので、そちらのほうで、派遣という格好ではないんですけれども、業務のお手伝いをするということで聞いておるところでございます。
 それから、宮城DCとの関連でございますが、確かに私どものほうのことし行いました北東北3県のキャンペーンは、1県当たり大体3、000万円、2年間で3、000万円、3県ですから9、000万円でやりました。宮城のほうは大体2億円の予算で、その2億円の予算も民間を入れまして、それから市町村も入れまして大々的にやっております。そういうことから、確かに宮城DCのほうが規模が大きく盛り上がりが非常に高いんですけれども、私たちのほうが県単独自でやったものですから、盛り上がらなかったというわけにはいかないんですが、商品はいずれ伸びましたので、それなりに成果があったものと思っていますし、平泉をターゲットにしているということも聞いております。我々も、宮城だけではなく、岩手にも来てもらうということなので、そのお客様方をぜひ盛岡まで来てもらうという、ましてや宮古まで来てもらうという、そういう戦略を立てて頑張っていきたいと思っています。
〇佐々木一榮委員 まず、冒頭の県南の推進課の話でありますが、私も県南広域振興局に行ってお話を伺ってきました。この水沢にいないと仕事ができませんかと。逆に言うと、あなた方みんな平泉の役場のスペースを借りて、そちらに行ったほうが町の役場の方々とも連携をとれるし、また、しょっちゅう中尊寺、毛越寺からもさまざまな方々がいらしていますし、地元の観光協会もあるし、そうすると、同じ県職員同士の方々ですから、本庁とも同列で話ができるでしょうと。やっぱり、役場の人というのは県の人に対して遠慮がありますから、そういった意味では行ったほうがいいんではないですかと。奥州市にどうしてもいなくちゃだめですかと言ったら、いや、それはないんじゃないですかと。我々としては、そういうことがあれば平泉の方に席を移して、席といいますか、机を移して、そちらのほうで一緒にやっていっても構わないんじゃないかというようなお話も現場では聞いてまいりました。ぜひこの辺は、来年のことでありますから、御検討をお願いしたいと思います。
 2点目でありますが、宮城のDC、これはもう既に一関市、平泉町はメンバーに入って、しょっちゅう仙台に呼ばれて会議に入っています。宮城のデスティネーションキャンペーンのコースを、盛岡、宮古、これは理想でありますが、せめて同じ岩手県でありますから、何とか岩手県の、さっき及川委員からもありましたが、地場産品、来てもらった方々に地場の産品を買ってもらうだとか、そういうような施策でもいいと思うんですね。余り無理しないで、そこでとにかく岩手のために何ができるかということを、ぜひ検討していただきたいと思います。
 最後でありますが、これは部長にお伺いしたいと思います。前から言っておりますが、自動車関連それから観光、大連事務所もそうでありますけれども、北東北3県は増田県政の私は政策だったと思います。やっぱり宮城との連携というのは非常に大事でありまして、報道によりますと、トヨタ関連のセントラル自動車だと思いますが、宮城県に誘致するであろうと。そうすると、同じグループで金ケ崎の関東自動車の関連も出てくると思うんです。そういった意味では、仙台にぜひ私は岩手県の出先の事務所を、観光それからものづくり、さまざまな分野、それから医師確保、いろんな意味で仙台に事務所を持つべきということを前からも言っておるんですが、部長は、県全体を考えてそういった部分、ものづくり、特に商工労働観光部であれば、ものづくりとそういった観光分野でどうお考えでしょうか。
〇阿部商工労働観光部長 仙台に県のいわゆる事務所といいますか、出先機関を置くという話でありますが、事務所を置く効果性というのはあると思います。今、仙台のほうでは、我々情報を求めますときに、仙台に支店のある銀行とか、それからあそこに鬼の手会という県人会がございますので、そこから情報を得ながら、また、そういった人を介しながら、いろんな販路の開拓とかマーケットの開拓とか、いろいろお願いをしております。
 今、仙台に対しての効果性は非常にあると思うんですが、事務所を置いてやるといった場合にコスト性と、それからまさに県南局当たりが中心になって、いわゆる出かけていってそこの中で体制を整えるという、その辺を一つ吟味もしなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、今お話が出ました宮城との連携、これから自動車の関係は特に県南と宮城県北の連携といいますか、そこの中の取引が非常に活発になると思っておりますし、仙台に事務所を置くべきなのか、あるいは県南局をある程度強化しながら、そこの中でやるべきなのか、ちょっと状況も見ながら進めていかなければならないと思いますし、また、いろいろと県内の企業さんで、東京もそうですけれども、仙台のほうにどんどん売り込みたいという企業さんもいらっしゃいますので、その辺のお話もちょっと聞きながら、この辺は吟味させていただきたいと思います。
〇樋下正信委員 私からも、観光費の観光施設費というところでお聞きしたいと思いますけれども、備考の観光施設機能強化事業ということで、先ほどの説明で岩洞湖の家族村の整備という説明でございましたが、この整備の内容をひとつお聞かせ願いたいと思います。
〇菊池観光課総括課長 内訳でございますが、船越家族旅行村がさわやかトイレの改修工事をしておりまして、約320万円ほど、それから、岩洞湖の家族旅行村の給水設備に要した経費が約1、050万円ほどとなっております。
〇樋下正信委員 それで家族村、私も行ってみたことがあるんですけれども、施設はそれなりに整備されているということでございますが、岩洞湖を取り囲んでいるといいますか、道路がございますよね。これは県で管理しているか盛岡市で管理しているか、ちょっとその辺も教えていただきたいと思いますし、455号ですか、これは県で管理ということでございますでしょうけれども、その反対側の家族村があるほうの道路は、舗装がされている部分とされていない部分、ここを一周すると約四十数キロあると家族村の職員の説明でございまして、ここはぜひ舗装をしていただければ、家族村に来た人たちが自転車とかサイクリングとか、すばらしい場所になるのではないかなというようなお話がありましたので、今後そのような見通しといいますか、盛岡市との連携等も考えて、そういうことがあり得るのかどうかまずそこをひとつお聞きしたいと思います。
〇菊池観光課総括課長 家族村まで行く道路に関しまして、ちょっと私、ここの場で、県道なのか市道なのか、資料がないのでどちらともお答えできないんですが、いずれ、県道であれ市道であれ、そういう要望があったということを関係機関のほうにお伝えしたいと思います。
〇樋下正信委員 ぜひ、ではその辺はよろしくお願いしたいと思いますし、御存じのとおり、岩洞湖は冬はワカサギ釣りが盛んなところでございますし、また、藪川の日本そばですか、というようなところで家族村を中心といたしましてプラスになる、観光に大きく資するところではないかなと思っているわけでございます。この整備がなされたわけでございますけれども、その周辺の整備もぜひ今後─この間早坂トンネルも開通しまして、岩泉との行き来もかなりよくなってきておりますので、中間地点にあるということもありますので、ぜひその辺も考えて今後の整備をお願いしたいということでございますけれども、最後、それについて御所感があればお願いしたいと思います。
〇菊池観光課総括課長 今の要望につきましては、私も関係機関と協議しながら頑張っていきたいと思います。
〇工藤勝博委員 新聞等でもたびたび報道されましたけれども、県の出資法人であります八幡平観光株式会社の経営状況について何点かお尋ねいたします。
 平成16年には、県の出資法人見直し検討委員会におきましての報告によれば、八幡平観光株式会社は、金融機関等の協力を得て再建は可能であるという内容でありますけれども、現在の経営状況はどのようになっておりますか、各部門ごとに詳しくお尋ねいたします。
〇菊池観光課総括課長 出資法人であります八幡平観光株式会社は、ここ数年、ホテル宿泊者やスキー場利用客の落ち込みから売り上げが減少しておりまして、大変厳しい経営状況にあると承知しております。営業部門につきましては、ホテル、食堂、それからスキー場、それから東北自動車道岩手山サービスエリアで、レストランと売店の営業を行っております。
 ホテル、食堂につきましては、先ほど申し上げた宿泊客が非常に少なくなったということで、この4月から休業している状況でございます。それから、スキー場につきましては、昨年度、平地のほうに雪が降らないで山のほうに降ったものですから、八幡平スキー場のほうへの利用客がふえたということもありまして、昨年は黒字経営でございます。それから、東北自動車道岩手山サービスエリアの食堂部門等につきましては、黒字経営と聞いております。
〇工藤勝博委員 去る9月26日には株主総会、さらには取締役会がなされたわけですけれども、県からはどのような議決がなされたのか、また、どなたが取締役会に出席したのか、お尋ねいたします。
〇菊池観光課総括課長 東北自動車道岩手山サービスエリアの部門につきましては、本年10月1日付で、営業を岩手県北自動車株式会社に譲渡を行ったというところでございます。9月末の取締役会には、私、観光課総括課長が取締役に就任しておりまして、私が出席してまいりました。
〇工藤勝博委員 八幡平観光で唯一の収益を上げているサービスエリアの部分を県北自動車に譲渡したということですけれども、残された赤字部門でこれから経営が成り立つのか、そしてまた、間近にスキーシーズンが控えております。そのスキー場の営業はどのような形でなされるのか、二つの点をお願いします。
〇菊池観光課総括課長 事業の譲渡に当たりましては、八幡平観光の負債についてもあわせて移転させる考えと聞いておりまして、同社の負債が軽減されるとも考えております。
 なお、八幡平観光株式会社の今後の経営につきましては、現在、金融機関等と協議がなされている状況と聞いております。
〇工藤勝博委員 八幡平観光は長い歴史があるわけですけれども、御承知のとおり、歴代社長には副知事がなった経緯もあります。その経営には県としても深く関与しておるわけでございますけれども、当然、経営的にも責任があると思います。そのことについて、今後、県のほうではどういうかかわりを持っていくのかお示しいただきたいと思いますし、また、昭和46年に県の企業局が建設いたしました蓬莱荘、旧松尾村あるいは今の八幡平観光が引き受けておったわけですけれども、現在は無残な形の中で放置されている、観光客の皆さんからも大変不評を買っております。その辺の撤去についてはどのように考えておるのか、お尋ねいたします。
〇菊池観光課総括課長 八幡平観光につきましては、スキー場の営業の継続に向けまして、民間企業等の支援先を探していると聞いております。スキー場存続に向けました県の支援につきましては、スキー場の今後の方向性を見きわめながら、また、地元八幡平市の考えもお聞きしながら検討してまいりたいと思っています。
 それから、蓬莱荘の件でございますが、現在、八幡平観光株式会社の資産として残っております。そのことから、県としましても、八幡平観光株式会社と撤去方法等につきましても、今後、協議してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 先ほどの八幡平観光の経営について再度お尋ねいたしますけれども、取締役会あるいは株主総会において、会社にとっては唯一利益の上がるサービスエリアの部門で、会議の中では異論は出なかったのか、その辺改めてお尋ねいたします。
〇菊池観光課総括課長 当日の株主総会は5分程度で終わりまして、何も異論なく承認されたところでございます。
〇工藤勝博委員 最後に、周辺にはすばらしい源泉もあるわけです。ホテルのそばにあるわけですけれども、また、旧松尾鉱山の跡地ということで産業遺産、あるいは北上川の清流化のもとになっております中和処理の施設ということで、教育的にも学習の場もたくさんあります。そこも含めて八幡平の入り口ということで、無残な姿にならないように、これからぜひ資源が眠らないような形にしていただきたいなと思います。その辺を含めて、部長のほうから見解をお願いします。
〇阿部商工労働観光部長 八幡平の全体的なこれからの観光振興というお話だと思いますが、先ほどの蓬莱荘の関係、非常に景観を損なうということで、ずっと八幡平観光株式会社のほうと今までいろいろ話をして、現在、金融機関も入ってこれからの経営改善をどういうふうにやっていくかと今協議をしているところでありますので、その中で、ここも含めた形で対応していきたいと思いますし、それから、地元のほうとも今いろいろとお話をしておりますが、近くでボーリングをやってお湯が出てくる可能性がある、あるいはこれから多分国の話が出てくると思いますが、産業遺産ということで、松尾鉱山のそういった話、それから今非常にトレッキングということで、盛岡の振興局でいろいろ八幡平のトレッキングのモニターもやっておりますが、そういった全体的な中で八幡平エリアの観光振興、これに向けまして、地元ともいろいろ協議しながらプランニングをつくりながら進めていきたいと考えております。
〇喜多正敏委員 旅行商品を造成しPRをし、誘客を図っているわけでありますけれども、その受け入れ先である今お話もありましたけれども、中小の旅館、ホテル、今、設備投資の旧債返還とかあるいは運営面で非常に苦境に陥っている企業もあるわけでありますけれども、こうしたことについての経営指導、それからおもてなしといったような内部の経営指導については、県はどのような観光振興の立場からなされておられるか、お伺いしたいと思います。
〇菊池観光課総括課長 ホテル、旅館等の経営状況につきましては、岩手県中小企業団体と連携をしながら、昨年度は久慈地区を中心に経営指導を行ってまいりました。今年度も引き続き久慈地区に重点的に入って、経営の改善に努めていきたいと思っています。
 それから、いわておもてなしマイスターのお話がございましたが、今年度は観光協会のほうで初めてマイスター制度を創設しました。公募したところ60名の参加がありまして、第1回目の研修会を10月に終わったところでございます。11月に今度は平泉町を中心として世界遺産の勉強をしようということで、現地に出向きまして研修をし、最後は試験を行いまして、その試験に合格した人をおもてなしマイスターとして認定し、今後の観光のおもてなしのリーダーということで活動してもらいたいと考えているところでございます。
 先ほど、私、久慈というお話をしましたが、昨年度は宮古地区でございます。失礼しました。
〇岩渕誠委員 私からは、県産品の販売戦略につきまして何点かお尋ねをしてまいりたいと思います。特にも首都圏の販売戦略についてお聞きをしてまいりたいと思います。
 首都圏における県産品の販売戦略の拠点というのは、いわて銀河プラザということになると思うんですが、都道府県の中では、北海道それから沖縄に次いで大変状況がよろしいかと思います。昨日の審査の中でもあったわけでありますけれども、改めまして、いわて銀河プラザの稼動状況等につきまして、その推移も含めてお示しを願いたいと思います。
〇橋本地域産業課総括課長 いわて銀河プラザの稼動状況についてでございますけれども、御案内のとおり、いわて銀河プラザにつきましては、平成10年10月に開設をしたところでございまして、開設以来、毎年、販売額、購買客数とも伸びてきておりまして、平成14年度に販売額が初めて4億円を突破いたしまして、18年度は4億9、000万円ほどになってございます。また、設置当初、70万円程度と見込んでおりました1日の売り上げにつきましても、昨年度は130万円を超える状況ということになっております。さらに、出品業者につきましては250社、出品アイテム数も1、800以上となるなど、購買客数につきましても、平成18年度には30万人を超える状況と順調に推移しておりまして、順調に県産品の販路拡大に寄与しているものと認識しているところでございます。
〇岩渕誠委員 成功している類に入るのだろうと思います。本当に関係者の御努力、それからやはり改めてこれの原動力は県産品のよさというものを理解していただいているということにほかならないと思うのでありますが、ただ、私も先日、銀河プラザを調査してまいりましたけれども、幾つか気づいた点を申し述べたいと思うのですが、確かに充実しておりますし、リピーターも多いようでございます。ただ、品ぞろえの中で、日配品等は大変充実しておるのでありますが、特にも農産品の関係、1次産品、これは林業関係、水産関係も含めてなんですが、そこはトータルバランスとして非常に悪いのではないかという印象を持ってまいりました。例えば野菜は、銀河プラザの中でほとんど売られておりません。さらには、お米についても、本当はこういう新米のシーズンでありますと、炊きたてを振る舞うとか、そういった形でのよさを味わっていただくということも必要だと思うんですが、なかなかそういったところにも至らない。そして、私が最もがっかりしたのは畜産の関係でありました。岩手県は東京の食肉市場に対して最大の供給県になっておりますけれども、そしてまた、いわゆる格づけで言うとA4、A5という、いわゆる上物についていいわけなんですが、東京の銀座のど真ん中にある、岩手県のいいものを売っているというはずのいわて銀河プラザにおいて出されている牛肉というのは、残念ながらすそ物でありました。上物というのはほとんど並ばないということでありました。やはり今、県内の農家収入、農産品収入の中で大変苦労している方々が多い中で、東京にこういったいいものを、岩手のナンバーワンだというものを集めたショップで、こういう状況というのは大変課題が多いのではないかと思うのでありますが、どのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
〇橋本地域産業課総括課長 御指摘のありましたとおり、リピーターのお客様が約7割というような状況になってきているわけでございますが、そういった中で、お客様の声等も随時把握しながら、品ぞろえ等についても配慮してきているところでございます。そういった中におきまして、生鮮食料品、とりわけ野菜につきましては、安全で安心、そして新鮮でおいしいというような岩手の野菜には一定の評価をいただいているというところで、一つの売りになる商品の位置づけになってきてございまして、最近は、金曜日、土曜日、日曜日におきまして、県内の産直グループ等の皆様方の御協力をいただきながら、1日で売り切りという形ではございますけれども、そういった野菜等も取りそろえて販売を行っているところでございます。また、イベントコーナーにおきましても、店舗の面積の制約がある中で、レイアウト等も考えまして、新鮮な生鮮食品、野菜等も今後とも積極的に取り入れながら販売を図っていきたいと思っておるところでございます。
 また、肉製品等につきましても、お客様の嗜好といいますのが、例えば銀河プラザですと、切り落としのショルダーベーコンというものが販売の上位を占めるというような、いわばリーズナブルな、お手ごろでおいしいものを求めるという傾向もございますものですから、いただきました御意見も参考にさせていただきながら、今後、さらに肉製品等についての品ぞろえについても検討してまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 野菜についても、デイリーでぜひやっていただくようにお願いしたいと思いますし、また、販売戦略とすれば、本当に岩手のいいものを、イメージアップにつながる貴重な場所でありますので、カタログショップ等も含めて、生産者と首都圏の消費者を結ぶような形で、その役割を果たしていただきたいと思います。
 おおむね銀河プラザの活動につきましては評価するわけでありますけれども、ただ、こういう非常に右肩上がりの状況の中で、そろそろ2次展開を考えるところにきているのではないかという思いをしております。といいますのは、今もお話があったように、リピーターも7割ついているということで、消費者に対しての部分は大変成功していると思うんですが、一方において、食品卸などへの働きかけというのは非常に弱いのではないかと思っております。今後、県では、特に県北・沿岸振興や県南振興局の食のクラスター等で食産業を振興していこうということでありますけれども、その販売先となる特に大きな首都圏において、食品卸といったところへの働きかけを、いわて銀河プラザあるいはいわて銀河プラザを運営している岩手県産等、あるいは東京事務所等と協力してやっていかないと、なかなか本来の意味で食産業の振興が一本にならない、つながらないと思うのでありますが、どのようにお考えでしょうか。
〇橋本地域産業課総括課長 首都圏にアンテナショップを設置して、間もなく10周年を迎えるという節目の年も迎えようとしているわけでございまして、今後、これを契機に、さらに首都圏の消費者の皆様方に訴求できる岩手の安全で安心なおいしいものをたくさん購入していただくために、銀河プラザショップはもとよりですが、岩手県産株式会社─産地問屋としての位置づけで営業しているわけでございますが、さらにその強化を図りながら、東京事務所の職員も、営業についても従事するという形の中で、一体となって岩手を総合的に売り込む戦略を立てながら取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇岩渕誠委員 おっしゃるとおりだと思います。ただ、その中でやはり県の果たすべき役割というものは極めて大きいものがありまして、この点については6月議会でも取り上げさせていただきましたけれども、専従職員等の配置をもって相当セールスをするのだと。今、知事がトップセールスを盛んにやっておりますが、それを下支えする営業マンというのはどうしても必要になります。兼務辞令というのも結構なんでありますけれども、やはり専従でそういったことをする人間の配置も含めて、ぜひ踏み込んでお願いしたいと思います。
 それから、これはちょっと通告しておらなかったのでありますけれども、1点、指摘とお願いをしたいんですが、一つは、食産業の販売戦略の中でなんですが、今、岩手の盛岡に盛岡冷麺を食べに来たいという人も結構おるのでありますけれども、そうなると、大体焼肉屋さんに行くわけなんでありますけれども、そこで盛岡の焼肉はおいしいという話になるんですが、では、実際入ってみて、前沢牛が食べたい、あるいは私の地元ですと岩手南牛というものがあるんですが、岩手県の肉が食べたいと入るんですが、どうも、焼肉店をめぐりますと、わざわざ盛岡まで岩手の肉を食べに来たんだけれども、一押しは米沢牛ですとか、そういったケースがままあるわけでありまして、地産地消の観点からも、わざわざ観光で岩手に来て、山形県の肉を食わなきゃいけないというのは大変問題がございますので、そういった点についての今後の努力を期待して、これは指摘にとどめます。
 もう一点、これは観光課長にお伺いいたします。
 平泉の世界遺産登録の関連で、一関の骨寺村荘園跡というものが対象になっておりますけれども、先日も岩手日報の紙面に取り上げられておりましたけれども、ここは中世の遺跡で、まさに生活の残った遺跡ということで、特に荘園跡がそのまま残っているということなんですが、実はあそこの風景を残すために、地元の農家は大変な御努力をしております。つまり、今、減反が生産調整という中であるわけですけれども、その景観を維持するために作物を植える。ところが、そこは田んぼですからお米を植えるわけなんですけれども、過剰作付になるということで、自分の田んぼにお米を植えるのに、過剰分はお金を払って作付をしているという状況があるわけです。今後、世界遺産登録になりますと、当然そういう状況が続いてくるんだと思うんです。景観を維持して何ぼの世界遺産だと思うんですが、そういった負担について、これは観光振興の面からどのようなお考えを持っているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
〇菊池観光課総括課長 観光サイドでの稲作についての補助制度というのは、現在はございません。国のほうにも照会しておりましたが、国のほうでもございませんでした。県土整備部のほうで、まちづくりに関しての交付金のような制度があるそうでございまして、金額的にはそんなに大きくはないと聞いていますが、いずれ、骨寺村の田んぼに該当するかどうかは別にしまして、都市計画のほうではそういう補助制度も持っているようでございますので、そちらのほうに御相談されていただきたいと考えます。
〇岩渕誠委員 いずれにせよ、世界遺産登録に当たっては、そうした観光サイドだけではなくて、地域の生活にかかわる分野も多く含まれておりますので、トータル的な世界遺産、観光振興の中でこういった問題があるということをぜひ御検討いただきたいと思います。最後にその辺の話を部長にお聞きして、質問を終わります。
〇阿部商工労働観光部長 今お話がありました骨寺の景観を守るための稲作の関係の継続は、あそこの景観を守る上で大変大事であり、かつ、これは平泉にとって本当に大事な観光遺産であって、観光資源であると思っております。
 せんだって、あそこでいろんな方々が集まって稲刈りとかをやったわけなんですが、ここを維持するという意味で、オーナー制度とは言わないですが、そういった多くの方々であそこを維持していく、あるいは制度の話も今ありましたが、そういったものをきちんと整理しながら、負担が少ない中で、あそこが観光資源、地域の資源として守られるように進めていきたいと考えます。
〇高橋比奈子委員 中心市街地活性化、中小企業振興費などさまざまな決算が計上されていますので、その支援について伺いたいと思います。
 (仮称)大規模集客施設の立地誘導等に関する条例案も出てきていますけれども、私は、10年ぐらい前からこのような条例を盛岡市を通じて県にもお願いしてきたことをまずお知らせしたいと思います。今回のこの条例ですけれども、10年前だったら非常に効果があったと思うんですが、中心市街地や中小企業振興に対する効果というのは、今では郊外に出店した1万平米前後の大型店をガードすることになるような条例になるのではないかと私は不安を持っています。県外でこのような条例を制定したところでは、このような条例に合う形態での大型店が中心市街地に入ってきているとも伺っています。
 そこで質問なんですけれども、県はどのようなお考えで中心市街地の活性化や持続可能なまちづくり、中小企業振興を進めてきて、予算をたくさん決算として使ってきたのかを伺いたいと思います。
〇佐藤経営支援課総括課長 今度、大規模集客施設の立地誘導等の条例というものを12月議会を目途に提案したいと考えてございますけれども、確かに、これまで、中心市街地につきましては大規模店がまちの中から撤退していくというようなことで、中心市街地の疲弊というのがかなり加速されてきたと思っているところでございます。
 その中で、これまで県のほうでは、中心市街地の商店街全部をというのはなかなか難しいと考えておりましたので、結局、やる気のある、意欲のある商店主等を中心にしまして、さまざまなアドバイスなり助言なり、一番効果のあるのは、商店主たちの意向というのが一番重視されると聞いておりますけれども、そういう中で振興してきたということでございます。また、TMOという部分で、中心市街地活性化法に基づきまして、例えば大型店への入れかえ等による支援という部分、あるいはアーケードの補修という部分についての国からの補助についてやってきたところでございます。それで、現在の大店立地法が、改正前でございますけれども、郊外のほうにかなり立地しているということで歯どめがきかなくなっているというような状況でございましたので、国のほうでは都市計画法の改正がなされまして、11月末からでございますけれども、床面積が1万平方メートル以上につきましては、立地できるところを、商業地域、近隣商業地域あるいは準工業地域という形で規制をかけるということで改正したところでございます。
 県といたしましては、さらに、1万平方メートル以下の部分につきまして、条例等によって、適地というようなところに誘導していきたいという形で、今回考えているものでございます。
〇高橋比奈子委員 今、全部は難しいので、意欲のあるところを応援したいというお話がありましたけれども、その考え方の中で、行政とか、法律とかが今回のように条例をつくって、以前もそうですけれども、その法律、条例を守りながら大型店が出店するというイタチごっこに近いような状況でもあると私は思っているんです。中小企業そして地域に根差した商店が減ってきているというのに、法律、行政が出すものでは限界があると思っているのはきっと私だけではないと思うんです。現場を持っている自治体が、今、課長がお話ししてくださったように、地元が意欲があって、この付近をこういうまちづくりにしたいという要望をしたならば、それを誘導、そして助成・補助、または何をしたいかによって規制緩和なども必要になってくると思うんですけれども、その地区のテーマによって個別対応をどんどんしていただきたいと思うんです。例えばどういうことを言っているかというと、盛岡市は、以前、東大通りの亀ケ池の前に共同店舗をつくりました。今、盛岡市の青山町ですが、住民が、県営アパートとか市営アパートを含めたあの老朽化した部分を含めてまちづくりをどうするかということで、人が集まり始めています。こういう県と市と住民が一体となって、地区のテーマによって行政も後押しをどんどんしていくという時代になっていくと思うんです。画一的なルールでさあどうぞという時代だと思うんですが、こういう市町村、県、住民との連携をして、バックアップをしていく持続可能なまちづくりに対しての県の今後の考え方というか、そういう進め方について、もう一歩お聞きしたいと思います。
〇佐藤経営支援課総括課長 委員御指摘のとおりだと思います。まちづくりにつきましては、やはり地域に住まれる住民の方、そこの市町村、地方公共団体、県あるいはさまざまな商工団体が一体となってまちづくりをしていくのが必要なのではないかと考えてございます。
 県といたしましても、今、一体何が問題になっているかという部分については、既にいろいろ把握等をしてございます。その中で、先ほども申し上げましたけれども、やはり後継者難というものもございます。それで、後継者のいるようなところにつきましては、人材の育成強化、つまり個店になるわけですが、起点の強化、支援ということもございますし、あるいは中心商店街ですと、地権者との絡みでなかなか土地の売買というのは流動的に行えないというような事情もございますので、何とか商店街の方たちとか、あるいは地元市町村と一体となりながら、そこら辺の集積の組みかえというものができないかということもございますし、あるいは意欲ある新規で参入しようとしている事業者がいた場合につきましては、ハードとかソフト面にわたるような新陳代謝を促していく、そういう形での促進策を、現在やっておる部分もございますけれども、これからもより力を入れてやっていきたいと考えております。
〇高橋比奈子委員 ぜひ連携を誘導していただくような立場に県がなっていただいて、地区のテーマによっての個別対応などもしていただければと思います。
 1点だけ、条例案を例としてちょっと踏み込んでお聞きしたいんですけれども、地域貢献という部分があります。公表制度があるんですけれども、例えば地産地消の推進となっていますけれども、大型店はほんのちょっとだけ地産地消をして、それがマスコミに大きく報道される。地元のお店はずうっと地産地消をやってきている、地道にやっている。こういう点をぜひマスコミの方々にも御協力をいただきながらPRをしていただきたい。
 それから、雇用面では、私は去年の一般質問でもお話ししましたけれども、地元商店からの従業員が減った分、そっくりその人数でパートとか正社員ではない人たちがふえている。雇用は確保されているけれども、質は下がっている。
 それから、防犯、青少年非行防止対策に関しても、深夜営業の大型店付近での青少年を含む犯罪数が多いというデータも提示されていますので、県は公表制度としたいと言っていますけれども、県民の意見をすっかり伝えて対応してもらうということがなければ、公表するだけではだめだと思うんです。持続可能とか、中小企業の振興とか、住民の協力がなければだめだということを私は今も話しましたけれども、今後どのように進めていかれるかという点と、青少年の健全育成に関しては、夜、私たちのために仕事をする方々にも本当に感謝しながら、必要とは思うんですが、大方は夜は寝るべきだと思うんです。ですから、健康にもそのほうがいいので、神戸市のように、24時間営業とかではなく、営業時間にまで要望をある意味では出せるような施策を私は今後考えてほしいと。以前にも話しましたけれども、やはり健康、保健、すべての面から考えて、夜はやっぱり遅くまでやっているところに犯罪が出てくるというのは、周知の事実となっておりますので、最終的にここまで踏み込んでいただくような方策を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤経営支援課総括課長 今、いろいろお話しいただきました地産地消とか雇用面の関係につきましては、結局、今回考えております条例案の中では、地域貢献活動計画というようなことで、さまざまな例示といいますか、そういうものを大規模集客施設の設置者のほうに例示という形で提示しながら進めていきたいと思っております。当然、その中には地産地消なり雇用面での強化という部分についても、それはやはり考えていく必要があるのかなと。ただ、これは大規模小売店舗のほうにとりましては、何といいますか、そこまで言われる必要はないとか、あるいは我々はそれに向けて取り組んでいるというようなところもございますので、なお、その部分については一層要請等はしていきたいと思います。
 あと、深夜営業の部分につきましても、これはいろいろ青少年の非行防止とか、あるいはその地域の治安の維持とか、そういう部分で大変懸念される問題点というのが出てくると思います。この部分につきましても、現在考えている条例案のほかにも、これは大店立地法の中での環境とか騒音という部分もございますので、それらと一体となりながら、いずれ、ガイドラインの中で、業者のほうから計画、あるいはその実績はどうだったのかという部分は、きちんと県のほうで県報に載せるような形で公告をして、県民にお知らせをしていきたいと考えてございます。
〇高橋比奈子委員 そうしますと、大店立地法とかの中では、そういう深夜営業とかという部分も考えてくださるということですか。それ以外は前向きな御答弁をいただいたので、ちょっと確認です。大変丁寧な御答弁、ありがとうございます。
〇佐藤経営支援課総括課長 営業規制ということで、営業時間の部分につきましては、今のところ、営業の自由というものがありまして、結局規制できないというような形になってございます。それで、県内には、閉店時間で申し上げますと、午後11時とか0時あるいは午前1時、24時間営業をやっているところを合わせて全部で70店舗ございます。そういうところに対しても、一応、今回は6、000平米を超えるような部分につきまして、きちんと要請をしていきたいと思っております。
〇木村幸弘委員 私からは、第5款労働費の雇用促進費について、1点お尋ねしてまいりたいと思います。雇用対策の課題については、一昨日の総括質疑等でも各委員から大変重要な課題として取り上げられております。本決算の状況の中で、個別具体的な内容について、県の施策等を、私自身、より勉強したいという気持ちで質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 そこで、雇用促進費の中で、若年者就労支援の対策についてであります。本決算で若年者等就職支援事業費と地域若年者雇用対策強化事業費等が載っているわけでありますけれども、若年者の雇用対策について、冒頭、部長からはいわゆるジョブカフェ等における実績等の報告がされたわけでありますけれども、具体的なこの事業の成果、そしてこの事業を行ったことによって、課題等がもし浮き彫りになっているとすれば、それらの課題がどのようなものであるのかについてお示しをいただきたいと思っております。そしてまた、この浮き彫りになった課題があるとすれば、平成19年度を含めて、これからの対策の中にどう生かされていこうとするのか、それらの点についてお考えをお聞きしたいと思います。
〇寺本労政能力開発課特命参事 雇用促進費の平成18年度の成果と課題でございます。
 まず、若年者等の就職支援事業費は、Uターン関係と若年者の就職支援と二つございまして、まず、Uターンにつきましては、希望者への情報提供や相談に対応するために、東京に職業アドバイザー2名を配置しております。U・Iターン希望者の登録事業なども実施しているところでございます。実績は、相談件数としまして640件、無料職業紹介が46件、うち7名が県内に就職しております。U・Iターンの希望者は157名の新規の登録がございまして、うち21名が県内に就職しました。
 課題といたしましては、相談件数あるいはU・Iターン希望者の新規登録数は伸びていないということで、事業の周知を図って登録者の数をふやしていくことが必要だと考えております。この点につきましては、今年度、各事業の周知あるいは利用者の利便性の向上を図っていくために、広報活動の強化や、登録事業や職業紹介においてインターネットで登録ができるようにするといったような取り組みを進めていきたいと考えております。
 続きまして、若年者の就職支援でございますけれども、未就職者を対象としまして就業体験やセミナーなどを実施いたしました。就業体験につきましては30名が行いまして、7名が就業いたしました。課題としましては、体験者の方々は、やっぱり自分一人だけではなかなか就業できないということがありますので、体験終了後にも支援が必要だということでございまして、今年度におきましては、体験終了後に就職活動の支援を行うこととしまして、就業体験者を就職に結びつけるようにしていくということでございます。
 二つ目の地域若年者雇用対策強化事業費でございますけれども、これは、県内各地域にエリアジョブコーティネーター─これは県の非常勤の職員でございますけれども─を18名配置いたしまして、企業訪問や学校訪問を通じて、若年者の職場定着、就業に関する相談への対応などを実施しているものでございます。実績は、企業訪問が2、401件、学校訪問が1、084件で、9、275件の就職相談に対応したものでございます。
 課題としましては、新規高卒就職者の早期離職率が依然として高いということがございますので、離職率の抑制に直接結びつくような取り組みをしていく必要があるものと考えております。今年度におきましては、1年以内の早期離職を抑制するということで、今後も引き続きまして企業訪問とか学校訪問を中心にしてとり行うわけですけれども、本人に対する相談対応や情報提供、あるいは事業所の受け入れ環境整備の支援などを関係機関と連携しながら行って、就職時のミスマッチを減らすように取り組んでいきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 今いろいろと成果と課題についてお伺いしたわけですが、そこで、若年雇用対策の離職率等の解消も含めてですけれども、職業訓練費の中で、いわゆる日本版デュアルシステムの訓練事業などもとり行いながら、体験型の就労支援という取り組みが進められているわけです。雇用のミスマッチの問題を含めて、実際に職場体験をしながら、その中で自分がこの仕事に向いているのかどうかなどを含めて、いろいろと自分で実際の仕事の経験上から判断して、そして、これであればしっかりと仕事が勤め上げられるのではないか、あるいはどうしても今回のこの仕事には自分は向いてないなという判断をする機会とか、そういうところを、この訓練やあるいは就労あっせんを行っていく中でのシステムとして、しっかりと確立していく必要があるのではないかと思うわけであります。
 今決算の中でも、第8次岩手県職業能力開発計画、平成18年度から平成22年度までの実施計画の中において、一つの成果として行われたデュアルシステムの事業の内容の報告を聞いておりますけれども、その中では非常に枠が限定されておりますけれども、平成17年度の実績から平成18年度においては、定数枠にほぼ近い受講者数になって、しかも就職者数が70%に達するという結果が出ているわけであります。こうした具体的な事業が進められていることも踏まえながら、未就職若年者に対する雇用対策というものをよりしっかりと強化していくべきだと考えますし、同時に、この計画では、平成22年度までの目標として、この訓練システムの実施定員数が年60人と設けられているわけですが、既にもう平成18年度で58人がこの定員の中に入り、さらに、就職者の就職率の目標数値が平成22年度で65%以上と掲げられ、平成18年度でクリアするという状況でありますから、そうしますと、この事業そのものをより拡大し、より効果的に若い人たちの就職あっせんに努められるようなシステムとして充実を図っていくべきではないかと思うわけですけれども、その点についてお伺いいたします。
〇伊藤労政能力開発課総括課長 今お尋ねがありました日本版デュアルシステム訓練でございますけれども、第8次岩手県職業能力開発計画における目標値は、平成22年度におきましても60人定員枠で実施したいということでございますので、厳しい予算状況の中でも引き続き60人枠を確保しながら、訓練に取り組んでいきたいというものでございます。
 実績値として目標を65%ということで掲げていますが、今も木村委員のほうからお話がございましたとおり、訓練は受けたけれども、なかなか就職に直ちに結びつくというものでもない状況が今の状況でございます。そういうことで、たまたま平成18年度は受講者58名、就職者41名、就職率70.7%ということで、就職には大変直結したと思っております。このやり方については、65%というのは平成17年度までの平均値でもってきたわけですけれども、この率を維持しながら、この訓練が座学と実習という両方の組み合わせですので、そういう組み合わせを通じながら、就職者が本当に自分の就職したいところに行けるように、平成22年度まで引き続きもっていきたいという趣旨で計画に掲げているものでございます。
〇木村幸弘委員 今、御答弁いただいて、財政的な問題もあって、平成22年度までこのままの枠組みでいくんだというお考えですけれども、ただ、平成17年度では、例えば開催地区が2地区、平成18年度は5地区に拡大してこの実績を上げたということを考えていくと、これから県内各地、さらには県北・沿岸の雇用対策を含めて、実施地区の拡大も図りながら取り組んでいくとすると、平成22年度まで当面5年間ずっと60人枠なんだという考え方で、本当に雇用対策として実績を上げることができるのかと私は疑問を感じるわけなんです。そういう意味で言うと、いずれ、さまざま雇用対策問題で、昨年までの雇用対策局が廃止されて、廃止された経過・経緯、あるいは今なお、県内においては正規雇用率の引き上げ等も含めた雇用対策が一層充実されなければならないという県議会の総意としての意見も大勢を占める中で、雇用対策としてしっかりと取り組むために、この計画の見直しも含めて、ぜひ、財政的な措置等を含めた対策が重要ではないかということを改めてお考えをお伺いしたいと思います。
 最後になりますけれども、こうした体験型就労支援策を取り組む際に、例えばいろいろな制度があるのでしょうけれども、あるいはいろんな言い方がされているわけですが、トライアル雇用制度であるとか、国のいろんな施策等もあるわけですが、そうした就労に、あるいは正規雇用に極力結びつけられるような取り組みというものを行う際に、それに協力いただく事業所、企業、そうしたところのかかわりも大変重要になってくるだろうと思うわけです。このデュアルシステムなどを通じた実習あるいは実体験をするそういった職場の協力体制について、どの程度、企業の協力や理解あるいは参加があるのか、あるいはその協力をしていただく中で、就職に向けた、具体的な採用に向けての協力なり、あるいは正規雇用者としての採用枠などについての理解と協力を求めるなど、そういった事業の連携の中での企業あるいは事業所とのやりとりといいますか、調整といいますか、そういったところの考え方はどのような形で進められているのか。
 あと、先ほどの成果と課題のところで御答弁いただいたわけですが、いずれ、実際にこうしたシステムや事業に参加し、あるいは就職を決定された方、あるいは残念ながら就職に至らなかった方々が、その後、この事業を受けたことによって、その方自身がこの制度に対してどのような意見を持ったのか、あるいは何か足りないことはなかったのか、そういった追跡調査なども含めた課題をしっかりととらえていくことが、次の事業展開にとって重要だと思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
〇伊藤労政能力開発課総括課長 日本版デュアルシステム訓練でございますけれども、この60名の枠というのは県分の枠ということでございまして、実はこれ以外に、雇用・能力開発機構が国のほうの枠分として、今ちょっと手元に数字はございませんが、およそ400人ぐらいの枠になるかと思いますけれども、ございます。これらは県内各区域で開催してございますので、本県分と合わせての枠になりますので、県分として実施している分は60人で小さいですが、全体としてはもっと数があるということでございます。そういうことで、計画上で掲げた数字は、県が実施する分について引き続き確保していきたいという趣旨で60人を目標に掲げているものでございます。なお、各地域での実施に当たっては、雇用・能力開発機構と常に協議しながら、その地域の若年者の方々の求職動向を踏まえながら、大体この程度の定員枠でいこうではないかということで、地域全体を割り振っているということでございます。
 なお、日本版デュアルシステムの受講につきましては、原則として職業安定所の受講指示、推薦を前提としております。ですから、求職申し込みをしていただくということの意思表示が必要になってまいりますので、その点できっちりとした気持ちを持った方に受講していただく。
 それから、この訓練に伴う企業との連携でございますけれども、これらにつきましても民間職業訓練機関等に委託するなどして実施しているものでございますので、その受託した団体におきまして、企業のいわゆる実習先の開拓ということで頑張っていただいているということでございます。
 雇用への結びつけでございますけれども、これは先ほど申し上げましたが、職業安定所の所長の受講指示あるいは推薦を受けて受講しますので、その後、職業安定所のほうにおいて、若者の就職支援ということで、今度は求人申し込み等の中から、いわゆる訓練を受けた中身とマッチングしそうなものについて紹介していくということで連携をとっているものでございます。
 それから、正規雇用の関係でいきますと、近年は、特に北上地域を中心にパートとか非正規の方々の求職者の数が逆に減ってきている、なかなか供給できないという中で、企業に対しては、ハローワークのほうでは積極的に正規の求人を出すようにお願いしたいと。求人を出さないとなかなか就職者を御紹介できませんよということが最近の状況だと聞いております。ハローワークでは、とにかく今後正規雇用の拡大に向けて積極的に正規の求人を出していただくように企業にお願いをして歩くと聞いておりますので、そういうものとのマッチングを積極的に進めていただきたいと思っております。
 先ほどの雇用・能力開発機構の枠でございますけれども、380人ということで持ってございますので、合わせますと440人ということでございます。これを受講された方につきましては、平均的には60人から70人ぐらいまでいっております。今後、デュアルシステムについては、私どもも、雇われる能力の育成という意味でも大変いいのではないかと思っておりますので、引き続き、第8次職業能力開発基本計画の中で定めたとおりに進めてまいりたいと思っております。
〇小野寺有一委員 商工業総務費の中の運輸事業振興費補助という項目についてお尋ねしたいと思います。
 先ほど、部長の説明の中で、運輸事業振興費補助というのはトラック協会が実施する事業への補助だという御説明がございましたが、決算書を読んでみますと、総務費交通対策費の中にも2、825万円余の同じ項目名、運輸事業振興費補助というものが盛り込まれておりますが、それはどういった仕分けになっているのか、その点を教えていただきたいと思います。
〇橋本地域産業課総括課長 運輸事業振興費補助事業についてでございますけれども、この補助制度は、昭和51年の税制改正におきまして軽油引取税の引き上げがなされたところでございます。これに伴いまして、その影響を大きく受けるトラック事業及びバス事業に対しまして、営業用自動車の公共性を配慮いたしまして、当時の自治省、運輸省の通達に基づき、輸送力の確保あるいは輸送サービスの改善、安全運転の確保などを目的として設けられた制度でございます。これに基づきまして、本県といたしましては、昭和52年3月に岩手県運輸事業振興費補助金交付要領を制定いたしまして、社団法人岩手県トラック協会及び社団法人岩手県バス協会に対し補助を行ってきているものでございます。補助に当たりましては、それぞれの団体を所管いたします商工労働観光部及び地域振興部が補助金を交付してきているものでございます。
〇小野寺有一委員 引き続きまして、企業立地促進奨励事業費補助についてお尋ねいたしたいと思います。
 先ほど、部長の説明の中で、この補助の中身というのは、市町村による誘致企業への助成に対する補助であるという御説明だったかと思いますが、その内訳について示していただきたいと思います。
 また、特に工場建設などのそういった企業の意思決定から事業化までの時間というものが、企業としては大変短くなってきていると思うのでございますけれども、そうしたことに対して、こういった補助事業が進出企業あるいは立地される自治体のニーズに的確にこたえていけるような制度になっているのかどうか、そういった点についてお尋ねしたいと思います。
〇齋藤参事兼企業立地推進課総括課長 企業立地促進奨励事業費補助金につきましては、製造業を対象にいたしまして、県内に立地する企業を対象に、御案内のあったとおり、市町村を通じまして補助金を交付するものでございます。ですから、市町村が出した補助金に対して、県がその2分の1を負担するという形で支出しておりまして、対象となる事業は、用地の取得、工場の建設、機械・設備の取得などを対象にしております。総事業費の10%を限度に出してございますが、岩手県の場合は、県北・沿岸地域については20%の補助率を設定しておりまして、補助金の限度額は3億円という中身になっています。
 お尋ねの平成18年度の実績でございますが、9件ございます。これは県の支出ベースでございますので、最終的に企業に行く場合は、この倍の7億4、000万円近くが企業に支出されたという形になります。
 それから、ニーズの把握はどうかということでございますが、企業誘致そのものは地元市町村と協調して連絡をとり合いながらやっておりまして、知恵を絞って、工業団地などのインフラ、人材の確保、こういった補助金の提案を含めて総合的な提案をしています。我々も、御案内のとおり、スピードが命と思っておりまして、できるだけ速い情報の収集、そして迅速な提案というものをモットーにしてやっております。この補助金につきましては、工場が建設され、まさに操業開始直前に実際にチェックを行って交付するものでございますので、決してスピードを妨げるというものではございません。
〇小野寺有一委員 大変申しわけありません。通告をしていなかったのでございますけれども、同じ費目の中に特定区域産業活性化奨励事業費補助というものがございますけれども、こちらのほうで昨年度5億円の支出がなされているわけでございますが、先ほどお尋ねいたしました企業立地促進奨励事業費補助と特定区域産業活性化奨励事業費補助の区分けがどのようになっているかというものをまずお尋ねしたい。そして、平成18年度に行われた5億円の支出によって得られた効果に対して、どのような評価をなされていらっしゃるのかということをお尋ねしたい。
 それから、その効果を踏まえまして、今現在、こういった特定区域産業活性化奨励事業費補助の事業が具体的に進んでいるプロジェクトというものがあるのかどうか。先ほど、部長の御説明の中では、現場からの発想を基本として、県北・沿岸振興のさらなる強化を図っていきたいというお話があったわけでございますが、もしも、こういった具体的に進んでいるプロジェクトがあるのであれば、その産業分野あるいは圏域、もしも具体化される時期といったものがわかれば、教えていただきたい。
 それについて、今現在、何か進んでいるプロジェクトがあれば、それについての問題点や課題、あるいは必要な条件整備等があれば、あわせてお示しいただきたいと思います。
〇齋藤参事兼企業立地推進課総括課長 この補助金の根拠となりますものは、平成18年度に、4月1日でございますが、特定区域における産業の活性化に関する条例というものを設立させていただきました。これは県版の特区に値するものでございまして、大きな要素として三つございます。
 一つは、特区を市町村が申請してまいりますが、そこに立地する企業は、地場も誘致企業も問わず、全く区別せず、新設についても減税のインセンティブ、優遇措置というものを差し上げております。県におきましては、不動産取得税、法人事業税、市町村においては固定資産税、これは県ではおおむね3年間免除、市町村も3年間免除です。4年目、5年目は、ほとんどの市町村が2分の1ずつの減免という形で、非常に魅力的な制度設計を行っております。
 もう一つのメニューが大型融資ということで、従前は10億円の上限というものを融資の枠で設けておりましたが、これを20億円に拡大しております。
 3番目が、御案内のあった大型補助金でございまして、さっき申し上げた補助金は、市町村を通して、市町村が2分の1乗せて出すという補助金でございますが、これは県が直接企業に支払う補助金です。なぜかと申しますと、昨今、他県の例を見ますと、非常に大型の企業立地案件が相次いでおりまして、県としましても、他見との競争を考える上で、大型補助金というものを設定しないと、もう競争に勝てないという事情がございます。したがいまして、私どもも全国最高のインセンティブをつくろうという発想のもとで、上限のない大型補助金というものを設定しております。恐らく現時点では全国トップクラスではないかと思います。
 具体的な事例といたしましては、昨年、久慈市に北日本造船という造船会社が、これは岩手県にとっては初めての本格的なケミカルタンカーの造船会社でございますが、この会社が久慈市に進出していただくということで、非常に県勢におきましても、県北・沿岸振興にとっても大きな影響力を持つ企業であるということで、大型補助金制度を適用させて、県といたしまして、直接5億円を北日本造船に補助金としてお支払いしたということでございます。
 その効果ということでございますが、当初、北日本造船は、70人の正規雇用ということで私どもに計画を出されましたが、県、久慈市の対応が、自画自賛で恐縮でございますが、大変よかったということで、現時点で、操業してまだ1年ちょっとでございますが、140名の雇用をいただいています。実は、さらに増設を決めていただきまして、来年には200名の雇用ということで、これは補助金だけではございませんが、トータルとして企業からも非常に評価をいただき、地域の雇用にも貢献できたのではないかと評価しております。
 それから、現在動いているプロジェクトはないかということでございますが、これは決まってからひとつ発表したいということで、具体のものにつきましては、ちょっと御勘弁いただきたいと存じます。
〇新居田弘文委員長 この際、昼食ため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時59分 休憩
午後1時3分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇及川あつし委員 それでは、私は3目の企業立地対策費のうち、いわゆるコールセンターについてお伺いをいたしたいと思います。
 この事業については、創設当時から飯澤委員も含めいろいろ御提言がなされ、いわゆる緊急雇用対策の側面も含めて県当局にいろいろ対応をお願いしてきた経緯もございます。平成18年度決算ということでありますので、一定の年次を区切った事業だったと思っておりまして、この主要施策の説明には、そのコールセンターというつづりできちっと評価の分がございませんでしたので、まず、このコールセンターの誘致という問題について、これまでの事業成果、実績等について御披瀝をいただきたいと存じます。
〇齋藤参事兼企業立地推進課総括課長 本事業につきましては、コールセンター業務を行う企業に対しまして、事務所の新設、そして通信回線使用料、事務所賃借料に要する経費というものを補助事業といたしまして、平成14年度から16年度まで3カ年の事業として実施したものでございます。一度これ採択されますと、3カ年通信回線の補助等継続できますので、18年度はその最終年度という形で1、300万円の補助実績を計上したところでございますが、その実績でございます。
 平成14年度以降のコールセンターの立地状況につきましては、7社が立地しております。そのうち、2社が撤退、そして現在4社が操業で、つい直近でございますが、テルウェル東日本というNTT系のコールセンターに立地を決めていただきまして、この10月末に操業開始となってございます。
〇及川あつし委員 私がおりませんでした4年間の間で、常任委員会でも質疑があって、佐々木博委員また斉藤信委員から、雇用の形態についての問題点もいろいろ指摘があったようでありますが、仕事がないよりはあったほうがいいだろうと。あっても、非正規よりは正規がいいだろうという意味で、もちろん非正規の方も多かったわけですが、ある一定の事業成果はあったんではないかなと思っております。
 そこでお尋ねいたしたいわけでありますが、県としてこの事業は一応の終了を迎えたわけでありますけれども、当初から、ただ単にコールセンターを誘致するだけではなくて、そこで集積されたいろんなノウハウ、またデータ、また人材、これを次なる戦略的な産業育成にぜひつなげていかなくては、特定の事業体に相当な、表現は悪いですけれども、大盤振る舞いをして誘致にこぎつけたわけでありますので、今後の事業展開というのが大事になるのではないかなと思っております。その点において、どのように戦略的に今後の産業育成につなげていく御予定であるのか。また、それに関係してくると思いますが、このコールセンターの市場動向というのも、年々、日々刻々変わっているようでありますので、市場動向をどのようにとらえて展望されているのか。
 また、この事業につきましては、相当多くの県でも補助事業を採択してやってきているわけですが、他県との状況の比較等も含めてお知らせいただければと思います。
〇齋藤参事兼企業立地推進課総括課長 まず、コールセンターの現在の状況ということについてお話ししますと、最近盛岡に進出を決めていただきましたテルウェル東日本という会社につきましては、これはNTTが間もなく定年を迎える人が、大量に退職者が出ると。NTT自身では、正規職員をふやすのではなくて、やめた部分はアウトソーシングで対応するという動機でコールセンターをつくるようになったと。これは既に沖縄で成功しまして、ぜひ次は岩手、この次は秋田という形で全国展開を図っていく。そういう意味では、会社のアウトソーシングという意味でのコールセンターの需要というのはまだあると思われます。ただ、補助制度を持っている県を今調べたところでございますが、全国で補助制度を持っている県は十数県ございますが、その大半が東北、それから四国、南九州、沖縄のみでございます。先ほど委員のほうから御案内あったとおり、雇用情勢の厳しい県ほど、この制度を残して雇用の場を確保するのだという、背に腹はかえられない事情があると私たちは思っておりますが、当県としますと、やはり14年度から16年度の間─これは先ほど申し忘れましたが約600名の雇用がございます。それなりの成果があったと考えておりますし、私どもとしますと、やはり付加価値の高い製造業というのが本来の、我々の企業立地の使命と考えてございますので、先ほど申し上げました特定区域の条例のような形で、県全体をにらんだ形の産業振興、企業立地というものに力を入れてまいりたいという形で、3カ年の事業にとどめたということでございます。
 これが今後どうつながるかということでございますが、盛岡に進出した会社で岩手CSKというコールセンターと、それからソフトウエア開発を中心にした会社でございますが、これが近年、県立大学と組みまして、非常にソフトウエアのほうにシフトした業務展開を行っております。本日、10月17日は、企業立地促進法の第2次の計画認定で、盛岡を中心とする区域とそれから県北久慈区域が、大臣から計画の認定をいただいたという日でございますが、盛岡区域におきまして新しく考えてございますのは、ソフトウエアを中心とした産業振興を行おうということで、既にその芽はございまして、ことしの8月にアイシン・コムクルーズという、組み込み系ソフトウエアの会社が盛岡に立地をいたしたところでございますし、それからつい最近、東京コンピュータサービスという、これも日本最大手のソフトウエアのメーカーでございますが、これも立地を決めていただいて、これ間もなく100人規模にしたいという意向をお持ちのようでございます。ですから、どちらもパソコンと場所さえあればできるものなのですが、業態は似ていますが、かなり付加価値の高い、むしろ正規雇用を望める仕事なものでございますから、私どもはこちらのほうに力を入れて振興を図ってまいりたいと、将来はそういうふうにつないでまいりたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 ぜひ、今の御答弁のとおり、さらに産業育成に向かっていろんな角度から、コールセンターの事業補助というものはなくなったと思いますけれども、同趣旨で御努力をいただきたいと思います。
 あと1点、過去の議事録を検索しておりまして、若干、その後の御答弁がないので気になる点がありまして、平前議員のほうから、いわゆる外資系の保険会社の地方の本社自体の進出ですか、これに関するコールセンターに関係した質疑がございまして、当時の酒井部長のほうから、積極的に取り組んでいきたいというような御答弁の内容もあったようであります。アリコのAIGグループは長崎、アメリカンホームは那覇、プルデンシャルが仙台、日本興亜損保が秋田、非常にそういった動向も当時あったように思いますが、その後どういう御努力をされて、今何かつかんでいることがあればお知らせをいただいて、質問を終わりたいと思います。
〇齋藤参事兼企業立地推進課総括課長 現在につきましては、ちょっと動きが少しやんでございまして、私どもとしましても、そういったものに引き続き取り組んでまいりたいと思いますが、今のところ、お話しできる事項はちょっとございません。
〇高橋雪文委員 私は当該委員でございますけれども、旧総合雇用対策局というこの問題について少し質問をさせていただきたいと思いまして、時間を拝借したいと思います。
 この中で、若年者就業支援センター管理運営費、いわゆるジョブカフェの事業について計上されているわけでございますが、先ほど木村委員のほうで、その実績、効果などを教えていただいたわけでございますが、相談件数9、000名余りということでございますけれども、実際それがしっかりとした雇用にどれだけ結びついたのか、まだお示しいただいていないので、その辺を教えていただきたいと思います。
 また、今までは国の事業で推移していたわけでございますけれども、この雇用対策局の最後の遺産のように、1年間、県の単独事業でこの事業を進めていったということでございますけれども、その1年間の評価をどのようにしておられるのか。そしてさらには、今後の見通しをどのようにしておられるのか、それをお示しいただきたいと思います。
〇寺本労政能力開発課特命参事 ジョブカフェ事業についてのお尋ねでございます。この取り組みの実績と効果についてのまず御説明をしたいと思います。
 ジョブカフェ事業のキャリアカウンセリング、あとは各種セミナー等も実施しておりますし、そのほか、高校のほうに入りましてガイダンスの開催とか講師等の派遣とか、そういうものをやってございます。さらに、中小企業のほうを支援するということで、中小企業が参加するような会社説明会の開催、そういったことをやって企業支援に取り組んでおります。
 平成18年度の利用の実績は4万7、617名が利用しておりまして、就職の決定者は2、550名という形でございます。
 ジョブカフェの今年度の状況と、あと来年度の見通しについてでございますけれども、今年度も昨年度に引き続きまして、同じようにキャリアカウンセリング等を中心として県単事業として実施をしておりまして、利用者の状況は、昨年度に比べまして若干減ってはおりますけれども、なお必要性は非常に高いものと思います。
 最近の特徴としますと、景気が少しよくなってきたというのがあって、来る方は少なくなっているんですけれども、反対にセミナーみたいなものを中心として、そちらのほうに参加するような形がありますので、必要性は非常にまだあるものと考えております。
 今後の見通しについてでございますけれども、今度の新しい地域経営の計画の中では、雇用環境改善で、中・高・大学生などのキャリア形成の支援ですとか、あるいは高校生の就職支援、あるいは年長フリーターを初めとする既卒の若年者の就業支援、そして、中小企業の採用力の強化といったものを書き込んでおりますけれども、そういうものにジョブカフェというのは非常に役割を果たすものということですので、来年度以降、そういったものに取り組んでいきたいと思っております。
〇高橋雪文委員 単年度で予算が決まるということでございますけれども、やはり今評価されたように、ある程度継続性を持って取り組むべき事業ではないのかと思うわけでありますけれども、その点どうか、お聞かせいただきたいと思います。
〇寺本労政能力開発課特命参事 予算につきましては、どうしても単年度予算の原則がありまして、これだけ例外というのはなかなかいかないものですから、予算上は単年度という形になっております。
 新しい経営計画の中でと先ほど引用しましたのは、今後、雇用の環境というのは非常に重要だという認識を持っておりまして、それとジョブカフェの果たす役割は必要だなということで、今後の見通しについて今お答えできる限りのお答えをしたつもりでございます。できるだけ、こういった役割を果たすように継続していきたいと思っております。
〇高橋雪文委員 平成18年度で総合雇用対策局というのがとりあえず役割を終えたということで、一定の評価をするということでございますけれども、私自身は、まだまだ部局を横断したこの雇用対策の取り組みが必要なのではないかと思うところでございます。そして、求むべき雇用の状況、そういうものが今後も示されなければならないと思うわけでございますけれども、私が一番これまでの取り組みで感じるのは、確かに3万9、000人余りの雇用創出をしたという、その結果についてはいろいろと評価されてもよろしいのではないかと思うところがあるんですが、現実に、若年層の人口流出が非常に顕著であると。特に、昨年度のデータを見ますと、約6、000人強の若年層の県外流出が現実に起こっているわけでございまして、それが岩手県内の人口減に非常に拍車をかけていると、こういうところがあるのではないか。では、このジョブカフェ事業も含めて、若年者雇用の部分で本当に評価を与えていいのだろうかと、そして横断的な取り組みであるこの総合雇用対策局というような役割をなくしていいものかということを非常に懸念するわけでございます。そういった観点から、今後一定の評価ということでございますけれども、今後の求めるべき雇用の状況、特に若年層の雇用の目指すべき方向、それをわかる範囲で示していただきたいと思います。
〇寺本労政能力開発課特命参事 雇用対策につきましては、今度の新しい地域計画、そして、それに基づきます今後の雇用対策の方向というもので検討しておりまして、四つの重点取り組み事項を掲げております。
 一つは、県北・沿岸が非常に雇用情勢が悪いということなので、雇用の創出ということが一つございますし、あと正規、非正規の問題がございまして、公正な雇用の確保ということ、そして三つ目に、若年者の就業の支援、そして障害者の就業支援ということだろうと思いまして、これにつきましてはそれぞれ目標を掲げて取り組んでいきたいと思います。
 若年者の雇用に関連しますけれども、御指摘のように、20歳から24歳の社会減が18年で2、134名という形になっておりまして、これらにつきましては、一つにはU・Iターンの対策でもってやっていくということもございますし、あと、人口流出を食いとめるということも必要なので、新たな雇用をつくっていくということで、産業振興施策として5、000名、正規雇用をこの4年間でやっていくということで、雇用の場をふやすということで、人口流出自体をとめていくといった形も必要なのかなと思っております。
 ジョブカフェ事業につきましては、直接的に雇用を創出するということではございませんけれども、若年者のいろんなキャリアアップ支援という形で、しっかりと支援してまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 先ほど部長は、今後、量的な改善を求めていくというような言葉もされておりました。部長にお伺いしたいのですが、私は総合雇用対策局のように、横断的な取り組み、そういうものが今まさに求められていると思います。そして、以前、増田県政の中でその雇用創出の数を具体的に示しながら、やっぱり雇用が重要なんだということで取り組んでいるわけでございますけれども、今回示された計画案などを見ますと、それがなかなか県民に理解されているような状況に私はないと思いますが、横断的な取り組みの部分、そして量的な改善という、そこの目標数値の部分、それをどのように考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
〇阿部商工労働観光部長 これからの雇用対策の考え方でありますが、これまで雇用対策を行いまして、そして今課題となっておりますのは県北・沿岸を中心といたしまして、一つは量の問題、それからもう一つは、質的に正規、非正規の問題がありますが、ここをどうやっていくかというところだと思います。そこの中で、目標としましては、全体的なものを見れるものとして求人不足数、ここの縮小を図っていきましょうと。それからもう一つは、正規の求人不足数、ここの部分の縮小を図っていきましょうと、これを目標に掲げたところであります。
 それから、いわゆるこれら二つの目的に向かう場合にやはり一番重要なのは、いかにこの岩手県内の産業、企業、この活動を活発化させるのかと。その場合に、産業活動を活発化させる施策、これを一つきちんとやっていかなければならないと。それから、まさに正規雇用、そういったものに向けた要請なり動き方は、これしっかりやっていかなければならないという形で目標等をやったところでございます。それで、特に前回の3万6、000人のときにも施策の部分だけ見ますと、いわゆる産業振興あるいは企業誘致あるいは農林関係の産業振興部門、これですと大体7割ぐらいを占めているわけですが、まさに今回、正規、これに向けても動くとなると、ますますウエートが高くなると考えておりまして、商工労働観光部、ここを中心にしまして産業政策を強くやっていくと。そこをどんどん数字のほうに、縮小のほうに波及させるような形をつくっていこうということでございます。
 それで、横断的なお話がございました。これは総括質疑で知事のほうから、商工労働観光部を中心にして各部局しっかりと取り組むという答弁をしておりますけれども、今回この計画に基づきましては、商工労働観光部が中心になりまして、実は今計画の方向性の関係につきましては、外部の方々も入れながら議論しているところでありますが、量の問題とそれから質の問題とそれからもう一つは障害者の方、それから若年者の方、この4本柱を一つの方向性に持っていこうとしております。ここの部分を庁内の各部にきちんと共有を図りながら、各部のほうでこれに向けていろいろ施策の立案、実施、それから結果、それらにつきまして、我々商工労働観光部とまとめながら、総体としてこの雇用対策を推進していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私も簡潔にお聞きをしたいと思います。青年の雇用対策について。
 一つは、高卒の3年後までの離職率が約5割です。これがいわゆる非正規になるわけですね。この約5割という高過ぎる離職の要因をどのように把握されているのか。企業側の要因、また、青年の側の要因というのを一つ示していただきたい。
 あと二つ目に、2人に1人の青年が非正規雇用だという現状にかんがみた雇用対策はどうなっているのか、これが二つ目です。
 三つ目は、今ジョブカフェの取り組みの質問がありました。4万7、617人利用して2、550人の就職だったと。今年度、これ県単で予算も少なくなったと思いますが、何がどう変わって、今年度の直近でどういう利用と就職の成果が上がっているのか示していただきたい。
〇寺本労政能力開発課特命参事 新規高卒就職者の早期離職の理由についてでございます。
 全国の傾向を見ますと、平成15年の厚生労働省の委託調査がございまして、就職1年目に離職する方の理由といいますのは、仕事が自分に合わない、つまらないという方が39.1%を占めておりまして、就職のミスマッチの問題があると思います。また、賃金や労働時間等の条件がよくないというのが32.6%、人間関係がよくないが28.3%となっておりまして、受け入れ側の対応にも問題があるものと考えられます。
 県では、早期離職対策としまして、年度当初、4月から7月までが主ですけれども、エリアジョブコーディネーターが高卒を採用した事業所を訪問しております。このうち、盛岡管内の実例をお話ししますと、196件の事業所を訪問いたしまして、新採用の社員が既に44名離職しておりました。事業所から聞き取りをいたしましたところ、仕事が合わないとか、仕事内容が考えていたものと違うと、やっぱり自分の思っていたイメージと現実とにギャップがあって、それが受け入れられない状態になってやめていったという例が多いものということでございます。
 こうしたことから、就職決定前の情報不足によってミスマッチが発生して、それが早期離職につながったものと考えております。
 なお、実際にやめる前に、企業とかあるいは出身高校あるいはジョブカフェもそうなんですけれども、それに相談しているケースが割と少ないということもありまして、冷静に検討する機会を持たずにやめている例も多いのかなと思っております。
 続きまして、非正規雇用の打開策についてでございますけれども、県内各地の商工関係団体に対しまして、国や市町村と連携をしながら要請活動を実施しております。また、各広域振興局等に配置しております地域雇用相談員が事業所を個別に訪問いたしまして要請をしております。また、シンポジウムあるいはフォーラムの開催などによりまして、企業の理解が得られるように働きかけておるところでございます。今後も、こうした取り組みを継続したいと思います。
 また、先ほど設置いたしましたと御説明いたしましたけれども、岩手県雇用推進会議において商工関係団体も構成メンバーになっているわけでございまして、そうしたメンバーが主体的に雇用創出に向けて取り組むような話し合いを進めていくというものでございます。
 三つ目でございますジョブカフェの今年度の取り組みについてでございますけれども、ジョブカフェにおきましては通常の、先ほど実績を御説明しましたけれども、キャリアカウンセリングとか各種セミナーとか、あるいは高校支援、企業支援というのをやっているわけですけれども、こうした活動を継続するということと、新たに社会人基礎力というのを重点的に取り組んでいきたいということを考えておりまして、社会人基礎力のセミナーを毎月開催するとか、あるいは県立高校の総合学習の時間を用いて、社会人基礎力の授業をモデル実施するといったような取り組みを行っております。そして、9月末時点でジョブカフェの利用者数は2万3、872名、就職の決定者は992名となっております。
〇斉藤信委員 私ここでやめますけれども、最後の質問ですから。
 今、離職の要因をお聞きしました。これは青年の側にも、また、私はそれ以上に企業の側にも要因があると。だから、そういう意味では、先ほどの質問の中でもエリアジョブコーディネーターが2、400件、企業を訪問していると。それぞれの問題を解決していかないと、この3年間で5割という深刻な離職の問題は解決されないんじゃないか。この点、ぜひ県も労働局と協力し合って打開の道を探っていただきたい、これが第1にお聞きしたいことであります。
 第2に、ちょっと非正規の打開策はもうひとつ抽象的でありましたが、新しい地域計画の素案では、私今回、これだけは評価したい。正規で、4年間で5、000人目指すという、この正規で5、000人目指すというこの目標設定は評価したい。
 それで、具体的なことを聞きますよ。
 ことし1、250人なんですよ、ことしの目標が。私のこの間の質問に対して、知事は、今年度誘致企業の新規雇用拡大数は600人だと。そうすると、あと650人はどこからふやすのか。1、250人の、これは今年度もう半分過ぎていますからね、ここのいわば目標達成に向けた取り組みというのを示していただきたい。
 最後に、部長、今、高橋委員から私は大変大事な質問があったと思うんですが、実は私、総括質疑の中でも知事に質問して、知事はこう答えているんですよ。
 県庁内部においても、商工労働観光部を中心に、庁内各部がしっかり連携して取り組むように進めると。ここの後半戦が大事なんです。商工労働観光部が中心になるのは、私、当然だと思います。しかし、福祉の雇用の場もある。農林業で産業振興もある。だとするなら、私は各部局が本当に知恵を結集して、緊張感を持って取り組む体制が必要なのではないかと。私はそういう意味で、商工労働観光部が中心になりながらも、増田前県政が雇用対策の県の本部を設置しました、雇用対策局も設置しましたが。私は、県レベルのこういう総力を挙げた体制というのは当然産業の振興の場からも、また、非正規の打開というさまざまな点からも必要になってくるのではないかと。以上です。
〇寺本労政能力開発課特命参事 早期離職につきまして、現在、エリアジョブコーディネーターが2、000を超えて事業者訪問をしております。これにつきましては、ハローワークとも連携をとって一緒に歩いているところでございますし、その実績につきまして、問題があったところにつきましては、高校のほうにもフィードバックをしております。そういう両方の連携をとりながら、しっかりとした対策を進めていきたいと思います。
 二つ目の1、250人につきまして、ちょっと手元に資料あれですけれども、企業誘致の関係と、あと経営支援の関係、そしてものづくりの関係、その他という形で大体企業誘致が過半数を占めるわけですけれども、という形で1、250人を積んでおります。
 ちょっと資料、後で用意します。
〇阿部商工労働観光部長 庁内の連携の関係のお話でございます。
 商工労働観光部を中心に庁内各部がしっかりと連携して取り組む、こう知事が答えているわけでございますが、先ほど御答弁申し上げましたが、今般の雇用対策に向けましては、まさに県の産業振興といいますか、企業の活性化、これを図りながらやっていくという形で産業振興、ここを中心にと考えております。そういったことで、商工労働観光部が中心になるということなんですが、当然ながら、これとは別個に、例えば介護施設、そういったところの整備によりまして、そこから民間の方々いろんな雇用が発生するという部分もございます。それで、考え方といたしまして、先ほど申し上げました4本柱、この部分をきちんと各部に共有化を図り、各部の中でそれに基づいて施策をつくってもらう、実施してもらう、そしてその結果を商工のほうでまとめるし、また、先ほどの福祉関係とかそういうようなものをまとめながら、総体として共有化の中で進めていきたいと考えております。
〇寺本労政能力開発課特命参事 失礼いたしました。
 先ほどの19年度の雇用創出の計画でございます。企業立地関係が862人、経営支援の関係で213人、ものづくりが71人、その他104人、合わせて1、250人というものでございます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗副委員長 質疑がないようでありますので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇伊藤労働委員会事務局長 労働委員会関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 224ページをお開き願います。第5款労働費のうち、第3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算総額1億2、587万5、000円に対しまして、支出済額は1億2、459万1、000円余となっております。支出の内訳といたしましては、1目委員会費3、036万2、000円余は、委員15名に対する報酬及び委員会の運営に要した経費でございます。2目事務局費9、422万8、000円余は、事務局職員10名の人件費と事務局の管理運営に要した経費でございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗副委員長 質疑がないようでありますので、労働委員会関係の質疑をこれで終わります。
 次に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇菊池環境生活部長 平成18年度の環境生活部関係の決算について御説明を申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえた次年度以降の取り組み方針について御説明いたします。
 お手元に資料がなくて恐縮でございますが、まず、総括的な評価についてであります。
 当部では、環境と共生した持続可能な地域社会の構築と、県民生活の安定と向上に向けた安全で安心な社会の構築の二つを基本的な方針に掲げて取り組んでまいりました。
 主な取り組みですが、環境分野につきましては、まず、環境に優しい地域社会の実現に向けて、CO2ダイエット・マイナス8%いわて県民運動の展開などによる地域温暖化防止対策を推進するとともに、環境学習交流センターの開設を通じて県民の環境学習の取り組みを支援したほか、自然環境の保全に向けて希少野生動植物の保護や人との共生、ボランティアとの連携による自然環境保全活動などの取り組みを進めてまいりました。また、循環型地域社会の形成に向けて、ごみの減量化や産業廃棄物の不適正処理への監視強化、北上川の清流化対策、青森県境の不法投棄廃棄物の撤去などに取り組んできたところであります。
 次に、生活分野では、県民が安心できる生活の実現に向けて、犯罪のない安全で安心なまちづくり条例を制定するとともに、食の安全・安心アクションプランや食育推進計画に基づく普及啓発の推進、消費生活相談の充実などの消費者支援対策、さらには、交通安全対策などに取り組んでまいりました。また、青少年の健全育成や男女共同参画社会の実現に向けまして、青少年活動交流センター、男女共同参画センターの開設を通じて、青少年の活動の支援や男女共同参画のための普及啓発などに取り組むとともに、青少年のための環境浄化に関する条例を改正いたしまして、青少年の健全育成対策の強化を図ったところでございます。
 こうした取り組みにより、総体としてはおおむね順調に推移しているものと考えておりますが、取り組みがおくれている分野もございます。具体的には、まず、ゼロエミッション型社会の構築の分野では、一般廃棄物の1人1日当たりごみ処理量は微増、リサイクル率についても低位の状況にございます。このため、一般廃棄物について、市町村の特性に応じた施策への助言、提案を通じて、ごみ減量化やリサイクルを促進する取り組みへの誘導や支援を行ってまいります。また、人と環境にやさしいエネルギー対策の促進の分野におきましては、新エネルギーの導入が県内の電力需要の伸びに追いついていない状況にありますので、本県の地域特性を生かしたバイオマスなどの新エネルギーの利用拡大について取り組んでまいります。
 そのほか、全体に共通する今後の取り組みといたしましては、地球温暖化対策や男女共同参画の推進などに代表されますように、環境分野、生活分野ともに、県民一人一人、そして事業者がそれぞれの課題についてみずからの問題としてとらえ、身近なところから行動していただくことが重要でありますことから、県民意識の改革につながる意識啓発に重点的に取り組んでいく必要があるものと考えております。
 以上、総括的な評価と取り組み方針について申し上げました。
 引き続きまして、平成18年度当部関係の決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成18年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。決算書12ページでございます。環境生活部の決算は、3款民生費2項県民生活費、4款衛生費2項環境衛生費の一部であり、平成18年度から平成19年度への繰越額は、環境衛生費の2億3、814万1、000円であります。次に、16ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業出資金及び3項公営企業負担金の一部を含めまして、支出済額の総額は73億3、786万円余となるものでございます。
 以下、決算の内容につきましては、平成18年度歳入歳出決算事項別明細書、厚いほうによって御説明申し上げます。歳入歳出決算事項別明細書の189ページをお開き願います。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
 3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、備考覧の管理運営費は、生活部門の職員28人分の人件費など、管理運営に要した経費であります。消費者行政推進費は、消費生活審議会や消費者に対する啓発などに要した経費であります。食の安全安心総合対策事業費は、食の安全安心委員会の運営や県民を対象とした意見交換会の開催などに要した経費であります。191ページに移らせていただきます。2目交通安全対策費のうち交通安全指導費は、市町村が交通指導員を設置する場合の補助などに要した経費であります。次に、3目青少年女性対策費の主なものでございますが、青少年育成県民会議運営費補助は、青少年の健全育成を図るため、社団法人岩手県青少年育成県民会議の事業運営補助に要した経費であります。青少年活動交流センター管理運営費は、青少年育成・支援の拠点施設としてアイーナに設置した青少年活動交流センターが行う青少年の活動支援や交流促進、情報提供などの事業に要した経費であります。いわて少年交流体験セミナー事業費は、団体活動や社会参加活動を積極的に行う少年のリーダーの育成を図るため、県外での研修などの実施に要した経費であります。男女共同参画センター管理運営費は、男女共同参画推進の拠点施設としてアイーナに設置した男女共同参画センターが行う意識啓発や交流促進、情報提供などの事業の実施に要した経費であります。
 飛びまして、207ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでありますが、管理運営費は、環境部門の職員216人分の人件費など管理運営に要した経費であります。環境保全等管理事務費は、いわてクリーンセンターを建設した際等に、電気事業会計から一般会計に資金を借り受けましたので、その元金及び利子の支払いに要した経費であります。環境学習交流センター管理運営費は、環境学習の拠点施設としてアイーナに設置した環境学習交流センターが行う環境に関する情報の収集や提供、県民の学習支援などの事業の実施に要した経費であります。循環型地域社会形成推進事業費は、循環型地域社会の形成を図るため、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等のための調査研究、製品製造に対する補助等に要した経費であります。土地利用対策費は、適正な地価の形成を図るための地価調査などに要した経費であります。エネルギー確保対策費は、エネルギーの確保や新エネルギーの導入、新エネルギーの促進を図るための諸調査や、連絡調整及び電源立地地域対策交付金の交付に要した経費であります。209ページに移りまして、地熱熱水有効利用促進費は、雫石地域地熱熱水供給事業実証調査が平成17年度で終了したことに伴い、民間の熱水利用者に対する代替熱源の補てん等に要した経費であります。屋内温水プール管理運営費及び屋内温水プールチップボイラー等導入事業費は、屋内温水プールの運営及び新たな熱源として木材バイオマス資源を活用するチップボイラーや地下水利用型ヒートポンプの導入に要した経費であります。地球温暖化対策推進費は、CO2ダイエット・ポイント推進事業などの地球温暖化防止に向けた普及啓発事業の実施などに要した経費であります。3目環境衛生指導費の主なものでありますが、211ページに移りまして、上から九つ目の事業でございますが、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置やスカイパトロールの実施など、廃棄物適正処理の指導・監督等に要した経費であります。産業廃棄物処理モデル推進費は、財団法人クリーンいわて事業団に対する運営資金の貸し付けなどに要した経費であります。廃棄物処理モデル施設整備費は、仮称でございますが、第2クリーンセンターを九戸村に整備するための事業用地の取得などに要した経費であります。県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県境地域に不法投棄された廃棄物について、代執行による撤去及び原因者や排出事業者等の責任追及などに要した経費であります。
 なお、繰越額がございます。
 まず、繰越明許費のうち、工事請負費4、212万6、000円は、県境不法投棄現場環境再生事業費に係るもので、工法の変更が必要となり、不測の日数を要したため翌年度に繰り越したものであります。また、その下の1億8、900万円は、産業廃棄物処理モデル推進事業費に係るもので、談合情報により入札及び契約に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 次に、4目環境保全費の主なものでございますが、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理などに要した経費であります。化学物質環境対策費は、ダイオキシン類のモニタリング調査などに要した経費であります。大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、工場や事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費でございます。213ページに移りまして、次に、5目自然保護費の主なものでございますが、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費であります。国立公園等施設整備事業費、国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費は、国立公園、国定公園等の自然公園における自然歩道、登山道及びトイレなどの整備に要した経費であります。
 なお、繰越額がございます。
 繰越明許費701万5、000円は自然公園施設整備事業費に係るもので、関係機関との調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものでございます。
 次に、6目鳥獣保護費の主なものでありますが、鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置など鳥獣の保護及び狩猟の適正化に要した経費であります。シカ特別対策費は、五葉山地域等に生息するニホンジカを適切に保護管理し、農林業被害の防止を図るなどの総合的な対策に要した経費であります。
 飛びまして、355ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業出資金1目公営企業出資金でありますが、工業用水道事業会計出資金は、工業用水道事業の経営の健全化を図るため、工業用水道事業会計に対して出資したものであります。
 次に、3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当の一部について、それぞれの会計に対して負担したものであります。
 以上で環境生活部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 211ページの環境保全費、休廃止鉱山坑廃水処理事業費補助、この件について確認をしながらお伺いをしてみたいと思います。
 今回の本会議でも、いわゆる北上川清流化の問題でありますが、このことに関しましての質疑もあったわけでありますけれども、実は私はこの件に関しまして、平成8年2月から自分なりに取り上げてきた思いがあります。予算特別委員会、決算特別委員会合わせて4回、そして平成11年の2月には、本会議の一般質問でも取り上げさせてもらいました。
 当時の議事録をひもときますと、私の当時の質問の内容は、平成7年が清流化になってから20周年だということでの入り口だったと思っていますが、20年たったということは、人間の記憶が仮に5歳より上にしかないとすれば、25歳以下の人は、この北上川が揚子江のような濁った川であったということを知らない人が多いだろうと。したがって、これは本県の最大の環境保全の取り組みだということで、これを全国にアピールをしていくべきだという取り組みで私は聞いてきたつもりでありました。そして、大体岩手県の中のそういう若い層が知らない。特に北上川流域の方々は若干知っている人が多いとしても、県民全体の中では、ほとんどが忘れているんではないか。それから、これについての清流化事業、今からですともう32年たっているわけですが、この間ずっと8億円なり7億円なり6億円なりのお金をいただいて、五つの国の省庁からずっとやってきたわけでありますが、32年たったとすると、当時よりもますます北上川の本来の、本来のといいますか、かつてのああいう汚れた川だということを知らない人が多くなってきている。国の予算の要望、陳情するにつきましても、彼らはもっと知らない、こういうことだと思ってまいりました。
 そこで、当時の清流化になる前のビデオなどをつくって陳情要望先にもそういうものを見せて、広めて、あるいは県内にも広めて、そういう対策を打っていくべきではないかという提言もしてきたつもりであります。
 そうしましたところ、今度は平成9年だったと思いますけれども、財政改革で国の補助削減あり得るのではないかという報道がありまして、このときも、これは大変だということから質問をした気持ちがあります。結果的には、この事業は大変重要な問題であるからということで、当時は通産省から満額予算をいただいたということでありましたが、私が伺いますには、旧ですけれども通産省、建設省、自治省、林野庁、環境庁、五つの役所からそれぞれのお金をいただいてやってきたと、こういうわけでしたが、このときは通産省でありました。今はどういう形になっているんでしょうか。それが一つと、岩手県はこれについてどのくらいの負担を毎年やっているのでありましょうか、確認の意味でお伺いをいたします。
〇加藤環境保全課総括課長 北上川の清流化でございますが、現在、新中和処理、昭和57年の4月から新しい中和処理施設で清流化を保っているわけでございますが、今の事業につきましては、経済産業省の国庫補助をいただいてやっているものでございます。補助の割合といたしましては、4分の3の国庫補助、4分の1の県費負担があるわけでございますが、これにつきましても80%の特別交付税措置がなされておるという実情にございます。
〇伊藤勢至委員 その補助についてでありますけれども、現在の補助は要綱での補助だと伺っています。したがいまして、県として長くお願いをしてきましたのは、これを法律に基づく補助にしてもらいたいと。つまり、毎年毎年要望しなくても、しっかりとしたルールがはまってしまえば、未来永劫、これはしなくちゃならない施設なわけですから、そう聞いていますけれども、そういう動き、運動、展開はしているんでありましょうか。
〇加藤環境保全課総括課長 この補助の規定につきましては、今伊藤委員がおっしゃったように、要綱に基づく補助でございます。県といたしましては、国の財政事情によってこの補助率が左右されては大変だということで、何とか法律に基づいた補助にしていただきたいということで、毎年度、国に対して要望を行っているところでございますが、なかなか国のガードもかたくて実現はしておりませんが、ただ、しかしながら、4分の3という、本来は国が処理をするものと考えますが、補助の中では高い補助率が何とか保たれていると考えております。
〇伊藤勢至委員 4分の3、確かに有利な補助かもしれませんが、これは本来国策としてやってきた部分ですよね。戦前、東洋一を誇った松尾鉱山でありますが、戦後は、外国からの硫黄が安く入ってくるということで、操業がいかなくなって廃止をしたと。そもそも始まりは国策なわけでありますので、国が全部面倒を見てしかるべきものだと思います。ですから、現在のこの要綱であっても、有利な補助はそれはそれで確保しながら、やはり法律での補助に切りかえるべく機会をとらえてやっていくべきだと思います。
 これは、まさに人工清流でありまして、7億円かけてやっている中和処理を1年とめると、もとの揚子江の川に戻ってしまうという、しかも松尾の鉱床にはまだ9割も原石といいますか、そういう素材が残っているということでありますので、これは私の代ではなくて、未来永劫、このお金をかけてやっていかなければならないものだと思っていますので、そういうことをまず県民にもあるいは国のそういう官庁の人たちにもぜひわかってもらうべきだということから、実はビデオをつくって啓蒙を図るべきだと言ってまいりました。その結果、平成10年6月に、ビデオがたまたまあったのでリニューアルをしてダビングをして、当時の商工労働観光部長、生活環境部長、2人の名前で北上川流域の市町村の教育長に配布をしたと。これは小学校、子供たちに見せようということだったと思うんですが、実は残念ながら私これを見ておりません。やはり県民の一人としてもぜひ見たいと思っていますので、これ有償でも構いませんが、ぜひ私にも一ついただければと思います。そしてこの際、こういうものを途切れることがないように後世に伝えていくべきだと思うんですね。匂いやさしい白百合のって、今立派な北上川ですが、その北上川が昔の色に戻ったら大変だということを、これはやはり教えていくべき問題だと思っていますので、そういうものも使って、まず継承していくということが大事だろうと思っています。
 それから、平成8年に質問した中で、実はそのころの北九州市は炭鉱のまちだったわけでありまして、1平方キロ当たり80トンの粉じんが降っていたそうでありますが、行政が環境保全ということからこれに取り組んで、ほとんどないところまで頑張ってきた。そうしたところ、リオデジャネイロで開かれた環境と開発のための地球サミットで北九州市は表彰されております。今度は、国連の中のグローバル500という賞もいただいているわけであります。これを当時の北九州市長は逆手にとって、環境保全に取り組む北九州市ということをアピールしたと聞いております。
 したがいまして、北上川清流化の問題につきましては、これは後始末という感覚でとらえるのではなくて、我々が手をかけてやって清流化を保っているんだというプラス思考の動きをこれから加速させていくべきだと思います。そして、鉄酸化バクテリアによる鉱山廃水処理技術を、現在、中国を初め開発途上国へ普及啓発もしているようでありますが、これをやっぱり岩手発の環境保全の技術ということで大いにアピールして、国内外にこのことを知らしめるという観点が必要だと思いますので、提言をいたしまして、部長の覚悟のほどを聞いて、終わりたいと思います。
〇菊池環境生活部長 委員御指摘のとおりでございまして、新中和処理施設が昭和57年に稼働しまして、もう25年になっております。ということで、サケが上る清流北上川というイメージが先行しておりますけれども、1日も休まず処理施設が稼働して清流を保っているという裏の姿というものを知らない世代がかなりふえている。また、かつてを存じ上げている方々も記憶が薄れてきているという、御指摘のとおりだと思っております。そういうことで、こうした本県の環境問題の原点とも言っていい課題だと思っておりますので、さらに情報提供に努めなければならないと思っております。
 今の取り組みといたしまして、昨年度、新しいビデオとDVD「北上川の清流を守り続けて」というものを作成いたしました。ただ、枚数が少ないということもありまして、新中和処理施設に置いておりますのと、自然保護課でつくりました松尾八幡平ビジターセンターに置いたりしております。あと、アイーナの環境学習交流センターにも置いておりまして、随時放映をしたり、あるいは貸し出しをというような便宜も図っておるんですが、さらに一般の方々にどうやって伝えていくかというあたりにつきましては、さらに努力していく必要があると思いますので、そういったところについては知恵を絞っていきたいと思います。
 また、5省庁連絡会議を毎年度こちらのほうから招集して開催しておりますが、今年度は現地で開催するということになります。その際にも、こういったビデオを流し、あるいは現地の実情を見ていただきながら、国においても、そういった記憶が風化しないように、そして、先ほどお話がありましたように、国が本来やるべきものを県が代行してやっているという事実を伝えていくという努力を、引き続き重ねてまいりたいと思っております。
〇高橋雪文委員 私のほうからは環境衛生費にかかわる3点についてお聞かせいただきたいと思います。
 まず、207ページ、北東北3県環境施策連携推進費4万3、750円ということで、名前のわりには非常に金額が少ないので、あえて聞かせていただきたいと思うんですけれども、この事業の内容と実績、そして、今後、北東北3県でどのような環境施策について連携していくのか、その辺をまずお聞かせいただきたいと思います。
〇菅原環境生活企画室企画担当課長 北東北3県環境施策連携推進費についてのお尋ねでございますが、この事業の内容は、北東北3県知事サミットの合意に基づき、さまざまな環境施策を推進しておりますが、これを3県で調整、協議するということのための事務的経費でございます。平成10年度の第2回北東北知事サミットにおきまして環境がテーマとして取り上げられまして、それ以降、合意事項の実現に向けまして、3県の環境政策部署で全体的な協議とか調整を進めておりましたが、その後、各分野においての事業化あるいは制度化が進みましたので、最近は、関係する所管課が直接に協議を進めております。平成18年度の当該経費は、私どもの環境生活企画室で所管しております北東北子ども環境サミット、あるいは児童向けの環境副読本の業務の協議等に要した経費でございます。
 今後の方向につきましては、環境分野でこれまでに産業廃棄物税条例を初めとしまして、いわゆる森川海条例、あるいは産業廃棄物の不適正処理の監視など多くの取り組みが実現しておりますので、こうした連携を着実に推進していきますとともに、さらなる連携の可能性としてどういったものがあるかといったようなことについて、青森県あるいは秋田県とも協議しながら検討を進めていきたいと考えております。
〇高橋雪文委員 今お話を聞いた限りでは、予算計上してこれからもやっていくのかどうかというのは、非常に不安に思うところであります。要は、今まで実績を重ねて、環境について何も進んでないということをはっきり明言されたのと同じような思いがするわけでございますが、もっと具体的に3県でこういう取り組みをするんだというものがなければ、幾ら少額とはいえ、これまで積み重ねてきたものもあるのではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
〇菅原環境生活企画室企画担当課長 北東北3県知事サミットが平成17年度までに9回ほど開催されまして、そこで環境関係についての合意事項が28項目ございます。このうち17項目については条例を制定したり、あるいは共同事業を展開したりということで既に実現しておりますが、まだ検討中で事業化に至らないものが11事業ほどございます。主なものとしては、二酸化炭素の削減について北東北3県で共同して取り組む内容、あるいは地域におけるエネルギーの活用を促進するような仕組みなどでございますが、こういったことにつきましては、各県それぞれ施策を展開しておりまして、必ずしも共通的な枠組みにすぐ移行できるかということになりますと、さらに検討を要するというような状況もございまして、今、そういったことについて継続しての検討を進めている状況がございます。このほかに、平成17年9月に、北東北のグランドデザインということで、これは取り組みのいわば事例ということですが、幾つかの提言もいただいておりますので、そういった項目も含めまして、さらにこれから青森県、秋田県とも協議を進めていく必要があるのではないかと考えております。
〇高橋雪文委員 ネーミングだけで終わらないというのがやはり重要だと思いますので、その点は指摘をさせていただければと思います。
 次に、同じページの新エネルギー導入促進事業費についてお聞かせいただきたいと思います。
 先ほど、部長の説明ですと、ゼロミッションの推進とともに、この分野は非常に力不足であったというような趣旨をお話しいただいたわけでございますが、これからの時代を考えたときに、やはり新エネルギー導入というのが非常にポイントになるのではないか。特に環境改善のための部分でのポイントになるのではないかと感じます。ぜひ、その内容と実績、そして新エネルギーの方向性について、もう少し具体的な県の施策についてお示しいただきたいと思います。
〇青木資源エネルギー課総括課長 新エネルギーのお尋ねでございますけれども、まず、内容と実績でございますが、平成18年度は新エネルギーの導入促進を図るため、地域での取り組みを通じた県民への普及啓発が重要であることから、市町村職員等を対象にした新エネ・省エネ促進研修会を開催したほか、新エネルギーに関する岩手県の取り組みですとか、県内における新エネルギー導入の状況等の紹介を通じて、県民ですとか事業者の方々の意識啓発を図るためのパンフレットを作成したものでございます。
 また、新エネルギー導入の実績についてでございますけれども、平成18年度におきましては、雫石町にございます県営屋内温水プールへチップボイラーとヒートポンプを導入してございます。また、県立山田病院におきまして太陽光発電の導入を進めたところでございます。その結果、平成18年度末におきましては、原油換算の数字ですが、28万9、000キロリットル余ということでございまして、新エネビジョンの目標値、これは平成22年度で39万9、000キロリットルという目標値がございますが、その目標値に対する達成率として72.6%という数字になっているものでございます。
 今後の新エネルギーの県としての取り組みの方向性等についてでございますけれども、まず、県営施設への太陽光発電装置ですとか、チップボイラー、ペレットボイラーなど新エネルギーの率先導入を進めるほか、いわて木質バイオマスエネルギー利用拡大プランに基づきまして、ペレットストーブですとかボイラーの導入促進を進めていく。さらには、県単独での補助制度の活用ですとか、国の各種支援制度の積極的な導入によりまして、太陽光ですとかバイオマスエネルギーなど新エネルギーの導入支援に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋雪文委員 先ほど部長が、この新エネルギー導入の部分では少し手薄だったというような趣旨のことを言いました。しかしながら、今お聞きしたところによりますと、平成22年度の目標数値と比べると、もう既に72.6%も達成していると。ここら辺を聞いてみて、一体どこにその力が足りなかったのか、これを示していただきたいのと、平成22年度の39万9、000キロリットルという数値の目標というのは、私は低過ぎる目標なのではないかという思いを今持ったわけでございますけれども、この目標の設定についてどうお考えなのか、その点をお知らせいただきたいと思います。
〇青木資源エネルギー課総括課長 新エネルギーの導入促進につきましては、岩手県の地域特性であります木質バイオマス関係を中心に取り組みを積極的に進めてきたところでございますが、電力の関係で申しますと、発電量の推移がございますけれども、新エネルギーによります発電量の導入の量に比べまして、県内の電力需要がそれ以上に伸びてきている。ここ数年、かなり急激に伸びてきているというような背景がございまして、相対的に導入量の割合が進んでいないというのが、この一、二年の状況であるということでございます。背景としましては、そういう意味で電力需要等外部的な要因がかなりございまして、数字としては伸び悩んだ数字になっているということがございます。
 それから、39万9、000キロリットルという目標値でございますが、平成11年に新エネルギービジョンを策定いたしまして、数値を目標値として設定してございまして、今日まで取り組みを進めてきているところでございますが、その時点におきましては、かなり背伸びをした大きな数字として設定していたところでございます。そういう高い目標を掲げて県としては取り組んできたという状況でございまして、この先、まだ3割程度残りがあるということでございますので、残りの期間において、この部分の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 ぜひ、高い目標、志を掲げて取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、最後の項目でございますが、次の209ページの地球温暖化対策推進費について質問させていただきたいと思います。
 日本全国、そして世界各国で、この温暖化問題というのは非常に重要なテーマとして掲げられておりまして、議員各位もそれぞれ温暖化対策ということでテーマを設定して取り組んでいただいているところでございます。この分野について、県の取り組みの内容と実績、そして効果、それらをまずお示しいただきたいと思います。
〇青木資源エネルギー課総括課長 地球温暖化対策の内容、実績、効果というお尋ねでございますが、県ではCO2排出量8%削減を目標に設定いたしまして、県民、事業者、行政がそれぞれの主体的な役割分担のもとに、新エネルギーの導入ですとか、事業者等の省資源・省エネルギー対策、さらにはライフスタイルの変革に向けた県民の取り組みの推進など、地球温暖化防止に向けた対策の推進に努めてきているところでございます。平成18年度におきましては、家庭、地域、事業者の取り組みの促進を図るため、まず身近にできるCO2削減の取り組みを推進するCO2ダイエット・マイナス8%いわて県民運動を展開したほか、家庭における省エネを促進する環境家計簿の普及に取り組んだところでございます。そのほか、地域ぐるみでの取り組みを促進する地域協議会の設立支援ですとか、企業の積極的な取り組みを認定するいわて地球環境にやさしい事業所制度の普及などに取り組んだところでございます。しかしながら、直近の二酸化炭素の排出量は、2004年の排出量の数字が直近のものでございますけれども、基準年であります1990年と比較いたしまして、全体として0.1%増加している。特に業務部門で28.8%、家庭部門が20.3%、運輸部門が12.5%と、それぞれ増加している状況にございます。これは、電力需要の増加ですとか、ガソリン消費量の増加などによるものと考えてございます。
 県といたしましては、地球温暖化問題につきましては、県民、事業者がみずからの問題としてとらえ、身近なところから取り組みを進めていく、それを一つ一つ積み重ねていくことが大事だということで、そのための意識改革を進めることが大切だと考えております。そういった観点で、CO2排出量の現状等も踏まえながら、家庭、地域、事業所における取り組みの促進を重点に施策を展開してまいりまして、8%削減目標の達成に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 さまざまな施策をもとに、いろいろと努力しているというのは十分わかるわけでございます。しかしながら、実際の経済動向もあるでしょうが、目標数値にほど遠いというのが現実なんだろうと思います。こういう中で、増田県政下では、環境首都岩手のようなキャッチフレーズで取り組んできたわけでございますけれども、その名前に足り得る活動が本当にできたのかどうかというのは、私は甚だ疑問に思うところであります。しかしながら、待ったなしの問題でありまして、やはりこれからの取り組み、そして目標達成というものが問われているんだと思います。このあたりを県の指導的立場である部長はどのようにお考えなのか、最後にお聞きしたいと思います。
〇菊池環境生活部長 これまでの環境首都の実現ということで、自然と共生する、あるいは循環型社会の実現に向けてということで、さまざまな取り組みを進めることによりまして、本県が環境に関するさまざまな情報の受発信の場になるようにということで取り組んでまいりました。そうした意味で、一番代表的に言えるのが循環型地域社会条例によって全国に先駆けた取り組みをしたとか、あるいは森川海条例の制定による水環境の整備、あるいは産廃の発生抑制とかさまざまな取り組みをしてきたわけでございますけれども、冒頭の説明の際にも申し上げましたように、まだ達成に至ってないということで、一般廃棄物のごみの量、あるいはリサイクルの率、そして先ほどの新エネルギーの関係というものがございました。こういった問題というのは、県民の生活様式あるいはライフスタイルといいますか、そうしたものを変えていく、あるいは民間の積極的な取り組みを引き出していくということが課題になるかと思っております。そういう行政が先導的にできるものは行政のほうでやりやすいわけですけれども、いかに民間の力を引き出すか、県民の方々にこういう取り組みをしていただくかという意識啓発というものがやはり一番の中心になるのかと思っております。そういうことで、やはり県民の方々が、あるいは事業者の方々が環境問題というものをみずからの課題としてとらえて、身近なところから取り組んでいただく。そうした活動がどんどん広がっていくことによって、環境首都の実現に近づいていくのかと考えております。そういうことで、まず、これまでのさまざまな取り組みがございますので、そういったもののいい面はさらに伸ばし、また、不足する面についてはどうやってそれを引き上げていくかということに思いをいたしながら、県としてのそういう特性も踏まえながら、より一層活動が活発になるような取り組みをこれから一生懸命検討してまいりたいと思っております。
〇高橋雪文委員 CO2の削減マイナス8%の達成は、いつを目標にされているのでしょうか。
〇菊池環境生活部長 平成22年度において達成するという、国と同じ年次で目標設定しておりまして、なかなか高いハードルではございますけれども、その実現に向けて一生懸命努力してまいりたいと思っております。
〇亀卦川富夫委員 交通安全対策についてお尋ねいたします。
 交通事故あるいは飲酒運転といった悪質な交通違反が頻発しております。まことにこれは憂慮すべき大きな社会問題だろうと思います。この防止には警察当局の強力な取り締まりと、もう一つ、やはり我々の社会において、日常的な交通安全思想の普及あるいは啓発というものが大変大切なことだろうと思います。そこで、岩手県において取り組んでおります交通安全思想の普及啓発といった状況についてお尋ねいたします。
 それと、その中の一つ、交通指導隊について私はまず今回お伺いしたいと思いますが、交通指導隊が各市町村ごとに組織されております。交通指導隊は、学校に行って、日常的といいますか、季節ごとといいますか、児童に対する交通安全指導、あるいはいろいろな地域社会における行事、事あるごとに出動いたしまして交通整理等に当たっている。交通指導員はそれぞれボランティアと申しますか、非常に志を高く持って交通安全に当たっているという立場の方々が組織しているわけでありますが、190ページにある交通安全対策費は、大半がそれの補助ではあると思いますが、しかし、先ほど申し上げましたようにボランティアのような組織でありますために、存立する基盤というものが弱いのだろうと私は思います。そこで、各市町村における交通指導隊の実態と、県ではそれをどのように認識して進めているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇谷地畝県民生活安全担当課長 最初に、県としての交通安全の啓発についての取り組みでございますが、県のほうでは交通安全計画というものをつくってございます。これは5カ年計画でございますけれども、この中で、例えば年間死者数を平成22年までに83人以下にしようとか、交通事故件数を5、000件以下にしようという目標を立ててございます。そういった目標の中で、例えば警察関係、若干ハード関係もございますけれども、そういったものを計画的に推進していくということになってございます。
 この中で、特に啓発活動につきましては、委員お話のとおり、県民みずからが事故に遭わない、起こさないといったようなことで、そういう自覚は当然でございますが、交通ルールをきちんと守っていくこととか、それを実践していくという継続の繰り返しだと思ってございます。そういった面で、実際の事業といたしましては、県の交通安全対策協議会と一体となりまして具体的な事業を進めてございます。この中で、例えば高齢者とか自転車対策といったものも進めてございますし、あと、年に5回の季節運動を県ではやってございます。全国的には春と秋なんですが、それ以外にも県のほうでは夏と、これから始まります薄暮時、冬という格好での啓発活動を進めているところでございます。
 それから、交通指導員の関係でございますが、実際、先ほどの普及啓発の関係と交通指導員の方々の任務というのは非常に関係してございまして、各地域の交通安全対策となりますと、当然、市町村とか交通安全協会というものもかかわり、連携して行ってはおりますけれども、具体の、例えばお話がありました朝夕の街頭での子供とか歩行者への交通指導、安全教室の関係というところで、交通安全思想の普及面で住民と身近に接する活動といったことでは、交通指導員の果たす役割は非常に大きいと考えてございます。
 交通指導員につきましては、4月現在でございますが、1、064人ということで、平均活動日数は大体93日ぐらいとなってございます。身分につきましては、市町村長が任命する非常勤職員でございますが、存立基盤云々の話につきましては、県のほうでは、交通安全指導費を計上してございまして、交通指導員に対する報酬、被服補助を行ってございます。この決算額につきましては、平成18年度では交通安全指導費は全体で5、990万円余ございますが、そのうちの交通指導員関係の助成は5、122万円ということで、9割程度はそちらのほうに充てているという状況でございます。
 それから、市町村のほうで交通指導隊を結成してございまして、全県レベルのそういう連絡協議会も組織してございまして、その辺では当方で事務局をやってございまして、いろんな研修事業、国の講座への派遣といったことでレベルアップを図っておりますし、さらに、長年の労に報いたいといったことで知事表彰もございます。年数に応じまして、10年以上とか15年以上とか20年以上、それから25年以上で退任された場合については感謝状を贈るといったことで、そういった面で士気の高揚を図っているところでございます。県としましては、交通指導員につきましては誇りを持って活動ができますよう、可能な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
〇亀卦川富夫委員 本当にいろいろ手を尽くしても、交通事故は、特にこれは道路の構造とか、車両の欠陥等もいろいろあろうかと思いますが、何といっても心構えということになろうかと思います。そこで、飲酒運転など非常に悪質なもの、これは我々も本当に襟を正してやっていかなければならないわけでありますし、よく教育委員会等でも、いつも申しわけないというようなことで御報告があるわけであります。そういった意味で、この辺は県としてもしっかり取り組んでいくべきだろうと思います。
 そこで、先ほどちょっと触れました交通指導員、交通指導隊は、お話のとおり、これはもう少しふえているところ、減っているところもあろうかと思いますが、年間平均93日で、本当にこれはボランティア的な活動だろうと思います。市町村長の任命というようなことではありますが、やはり存立基盤というものは決して強くない。ですから、これの充足率というものがどういうふうになっているのか、その辺をまず一つお尋ねして、その上で、この充足率が足りないとすれば、いかにしてこれをふやすといいますか、定数までもっていくというようなことも、県としても市町村と一体になってやっていかなければならないのではないかというような気がいたします。
 もう一つ、やはり交通指導員になった方々は、身命を賭してといいますか、非常に危険な場所場所でやるわけでありますから、服装なども一見警察官と見間違うぐらいのしっかりした装備等でやっているわけでありまして、これらの費用等もばかにならないと思うわけであります。そういった意味で、県のほうでもできるだけそういった助成、あるいは先ほど表彰というようなお話がありましたが、本当に誇りを持って取り組む、そういうものに報いるためのできるだけの手だてをすべきだろうと思いますが、その辺を伺って、終わりたいと思います。
〇谷地畝県民生活安全担当課長 交通指導員の充足率でございます。県が市町村にお願いした際には、人口1、000人当たりに1名以内となっているんですが、先ほど申し上げたとおり、市町村長が任命するということで、条例のほうで設置しているのがほとんどの市町村でございます。これによりますと、県の合計で1、193人の定員になってございまして、現員数は1、064人ということでございます。実際は百二十何人不足している。いずれ、市町村のほうの財政状況とか、いろんな状況がございますので、その辺は市町村にお任せしながらやるしかないと思っていますけれども、こちらとしてはいろんな格好でできるような支援をしたいと思っています。実際、交通指導員の方々も高齢者の方がふえている、やっぱり仕事との両立がなかなかできないということで、なり手がない、なってもやめる方もいらっしゃるというような状況でございます。ただ、最近の傾向としましては、女性の方の割合が高くなっている、数的にもふえているようでございます。その辺は、男の世界だけでなくて、女性の方もそういった格好での登用も少しずつは進んでいるのかなと思ってございます。そういった面については、市町村とも相談しながら、確保できるように私どもも支援してまいりたいと思ってございます。
 それから、服装の関係でございますけれども、実は、交通指導員制度が発足するに当たりまして、県のほうでは服装の基準というものを定めてございます。一応これに倣ってやりましょうという格好でやってございます。この中で、こういった服装基準を使って、全市町村だと思いますけれども、そういった格好で交通指導員の方にも市町村のほうで支給している。支給した場合については、県のほうではそれについて補助しているということでございます。
〇亀卦川富夫委員 いずれ、こういうものはあると当たり前のようになって、常々何かのときにそういったことをしっかり我々も認識して、理解して、いろいろ進めていくべきと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇工藤大輔委員 数項目について質問したいと思います。
 まず初めに、先ほど高橋雪文委員からも質問があったところですが、地球温暖化対策促進費についてお伺いします。先ほどの答弁の中で、温室効果ガスの達成率というか、数値がどうだったかということで、1990年の基準値から0.1%ふえているという答弁がありましたが、前年との対比をした場合にはどうだったのでしょうか。その対比をした場合に、ふえているとすれば、その要因、減っているとすれば、その要因について述べていただきたいと思います。
 また、先ほど、これも同じ部長のほうから、達成にはかなりハードルが高いという話があったわけですが、もともとの8%の基準がどういう根拠で設定されたか、改めてお伺いしたいと思います。といいますのも、もともと岩手県の総CO2というか、これは温室効果ガス、ほとんどがCO2なわけですけれども、これの排出量と、あとは森林吸収分というか、O2を排出している量を差し引けば、どのぐらいの差があるのか示していただきながら答弁をいただきたいわけです。個人的には、かなり環境には貢献している県なのかなと思い、質問するところですが、まず、その点についてお答え願いたいと思います。
〇青木資源エネルギー課総括課長 本県のCO2排出量についてでございますが、先ほど、2004年の排出量について申し上げましたけれども、前年の2003年と比較いたしますと、0.6%の増ということでございます。ちなみに2003年の排出量は1、280万9、000トンでございますが、この数値は、基準年の1990年と比較しますと0.5%下回るという数字でございます。2004年は前年度に比べて若干上回ったということでございますけれども、その主な要因として考えられますのは、例えば家庭部門の場合ですと、世帯数がふえてきている。それに伴って家電製品の普及が進んでいるということが挙げられます。また、運輸部門につきましては、自家用自動車の保有がふえているという関係もございまして、ガソリンの消費量がふえてきているといったことがあると考えております。さらに民生業務部門、いわゆる小売、ビル等々の業務にかかわる部門でございますが、これは前年に比べまして、各企業、事業所での省エネの取り組みが進んできているということも反映したと思いますけれども、対前年に比べて減少ということになってございますが、1990年に比較しますと、これもかなり伸びている部分がございまして、その伸びている部分につきましては、店舗等の売り場面積が一貫してふえてきているといったことが原因として挙げられるのではないかと考えてございます。
 それから、8%と設定した理由でございますけれども、国では、御承知のとおり、6%の削減を目指しているということでございますが、岩手県におきましては、環境先進県を標榜するということもございまして、地域からの貢献を果たしていくということで、国の6%を上回る取り組みを進めていこうということで、8%と設定したと承知しております。
 森林吸収につきましては、国の計画では3.8%の削減を目標に取り組みを進めているところでございます。本県におきましては、本県の地域推進計画に基づきまして、3.5%から4.5%の間で吸収の可能性があるということで取り組みを進めているところでございますが、この森林吸収源の数値につきましては、平成15年に試算した数値がございますけれども、平成15年以降の各年度の推計量につきましては調査をしていないということで、数値としては把握していないという状況でございます。
〇工藤大輔委員 端的に、例えばその差し引きをした場合に、岩手が環境にどれだけ貢献しているかという指標か何か、数値で出せるものがあるのかどうか。あるとすれば、そういった形で再度お答えをいただきたいと思います。
 また、私は、国の6%という基準は、今振り返ってみれば、見通しが相当甘かったな、対策についても甘かったのではないのかと。それにのっとって単純に2%増で計画を組んだ岩手県の目標も甘かったというか、達成可能かどうかというところよりも、単に国の数値を上回って、その気概を見せよう的な進め方、目標設定であったのではないかと思うんですが、いかがだったでしょうか。
 そして、再度、2010年度までは厳しいという先ほどの部長答弁もあったわけですが、果たしてこれが達成可能かどうかといった場合には、私は、達成は不可能だ、そのような状況に来ているのではないかと思います。もう残りあと数年という状況の中にあって、私は、これからの岩手のやるべきことは、やはり再度目標をしっかり設定し直して、そこで成果を出していくということのほうが、より現実的ではないのか。また、6%というのが果たしていいのかどうか。もっと貢献しているとすれば、3%の線でもいいのかどうか。そういったことを再度検討し、そして県内の進め方をするほうがいいのではないか。それの中身によって、やる対策も当然異なってくる。3%を達成するのと、6%を達成するべき行動、また8%を達成させるべき取り組みというのは、当然変わってくるものだと思いますので、私は、改めて検討を要すると思いますが、いかがか、お伺いしたいと思います。
〇青木資源エネルギー課総括課長 森林吸収量につきましては、先ほども申し上げましたとおりに、直近の吸収量についての具体のデータは県としてもまだ持ち合わせてないところでございますけれども、推進計画におきましては、100万トン程度の吸収量を期待できるということで推計をしているところでございまして、この数字につきましては、具体的に他県と数字を比較したものはございませんけれども、かなり大きな数字を本県としては貢献できるものと考えているところでございます。
 それから、8%の目標自体の設定についてのお話でございます。国全体におきましては、2005年度が7.8%、基準年に比較して増加しているということがございまして、京都議定書の達成計画の見直し作業を、今進めているところでございまして、6%削減というこの目標達成に向けて、今後取り組みをさらに強化していくという動きがございます。
 それから、参考までに岩手県の数値を申し上げましたけれども、隣県の排出量でございますけれども、例えば山形県におきましては、2004年度の排出量が基準年に比較しまして30%ぐらいふえているという状況もございまして、周辺のデータは把握できる範囲で比較して、本県の場合はかなり低い排出量になっているという状況にございます。そういったこともございますし、国の状況もございますので、私ども県といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、推進計画に基づきまして、家庭、地域、事業所における取り組みの促進を重点的に今後とも進めながら、8%の目標達成に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 これからも一生懸命取り組んでいただきたいと思いますが、いずれ、私は、この環境面に関するもの、例えば新エネルギーの導入についても、税制面での国の対策というのは何よりも必要だと思いますし、また、県内での取り組みということになれば、今、活動されているような中身であったり、例えば家庭の割合は少ないかもしれませんが、やはりもととなる家庭の中でのごみの減量化であったり、また運転等、交通渋滞を減らすだとか、公共交通をどのようにして利用していくのか、使っていくのか、またクールビズ等の定着だとか、それぞれあるんだと思います。ですから、それぞれの各分野について、県民がこの問題について積極的に取り組める環境を今後とも促すよう、一生懸命取り組んでもらいたいと思います。
 次に、二戸・田子の県境不法投棄の関係でお伺いしたいと思いますが、全体量の25万7、000トンについて、こちらも2010年全量撤去という方向で今進んでおるわけでございますが、平成18年度までの状況において、どのような状況できているのか。計画どおりだったかどうかということを改めて確認したいと思います。
 また、通常、やはり自県内処理というのが基本になってくると思いますが、このたび、塩素の多いB地区の汚泥等については秋田県のほうで処理すると決まったという報道がありました。それで、このような他県に運んでまたやらなければならない事例というものが、今後発生する可能性があるのかどうかについてお伺いしたいと思います。
〇吉田再生・整備担当課長 廃棄物の処理の現状でございますけれども、25万7、000トンを平成22年度までに撤去を完了するということで、今、邁進しているところでございます。
 現状でございますけれども、この9月末で10万1、000トンほど撤去を終えております。実は今、B地区というところに取りかかっておりますけれども、ここが8万トンを超えるということで、非常に山場でございまして、ここを何とかと、今、一生懸命取り組んでいるところでございます。
 それから、他県への処分委託ということでございますけれども、県内に廃棄物の処理ができる施設は、実はあらかたもう当たってしまったと。セメント工場が一番大きなところでございますけれども、市町村の施設もなかなか余力がございません。一般廃棄物を処理した上での余力でございますので、どうしても県外にも求めなければならないという事情がございまして、エコシステム秋田という隣県で廃棄物を専門に処理している会社がございます。こちらは廃棄物を専門に処理しておりますので、例えば塩分の高い廃棄物、セメント工場で不適な廃棄物でも処理ができるということで、今年度、3、900トンの契約をしております。9月に契約しまして、10月4日に第1便で30トンを搬送してございます。このほかに処理施設─できるだけ多い処理施設が確保できればよろしいのですけれども、なかなか近くにない。遠くになればなるほど運送費がかさみますので、それについては、今後さらに検討していかなければならないと考えてございます。
〇工藤大輔委員 県北でも第2クリーンセンターが、先ほどの説明でもあったように、今、着々と準備がされておるということですので、ここで処理できるものがあったら、一番近い場所ですので、期間内であれば、ぜひ、そちらのほうで多くの処理をしていただきたいと思いますが、これについては、もともと第2クリーンセンターで処理する予定の量というのは決めてあったのかどうか。この進捗状況によっては、当然多くなってみたり、少なくなってみたりすると思いますが、現状についての認識をお伺いしたいと思います。
 また、このような不法投棄の事案等を今後やはりなくさなければいけない。そのためには監視等を徹底しなければならないということにつながってくると思いますが、県のほうでもヘリを飛ばして、6月、10月に不法投棄の監視というか、現状について把握等をされてきましたけれども、例えばこういったヘリを飛ばしたときの状況において、新たに発見するケースがどれだけあったのか、運用の実態についてお伺いしたいと思います。
〇古川産業廃棄物不法投棄緊急特別対策室長 まず、1点目の第2クリーンセンターの処理計画でございますが、第2クリーンセンターで何トン処理するという計画は現在持ち合わせてはございません。もちろん、できるだけたくさんの処理施設を確保したいと思っておりまして、第2クリーンセンターの完成後は、ぜひそこでも処理を受けていただきたいと期待しております。
 なお、監視については谷藤総括課長からお答え申し上げます。
〇谷藤資源循環推進課総括課長 ヘリを飛ばしての監視、いわゆるスカイパトロールでございますけれども、これまでどういったものが見つかっているかという中で、今年度、6月に飛んだときには、ある県央部の事業所敷地の中に不適切に保管されているものを発見いたしまして、それの適正な処理を講じるよう指導いたしまして、解決した事例もございます。あるいは過去には不法投棄の状況を発見したり、あるいは野焼きの状態を発見して、是正を求めていったというような形で、今、件数としては正確に把握してございませんけれども、こういったような効果を発揮してございます。
〇大宮惇幸委員 1点、お尋ねいたします。
 県営屋内温水プールについてでありますけれども、この温水プールの利用は、平成14年度以降は年間5万人以上の利用者で推移してまいりました。いずれ、その中には大会を開催したり、あるいは合宿等が入ったり等々の利用者であるわけでありますが、最近になって、電光掲示板関係が作動しないということがわかったわけでありますが、どうしても温水プールには必要なものであると私は思います。そういう意味で、きのう、きょう壊れたようなものではないと現場からも伺っておるわけでありますが、県営の施設であるわけですから、これらの対応についてどう取り組もうとしているのか、お尋ねいたします。
〇青木資源エネルギー課総括課長 県営屋内温水プールの電光掲示板、全自動計時審判装置についてでございますが、委員のお話のとおり、老朽化に伴いまして作動不良が発生するということがございまして、本年度に入りまして、岩手県水泳連盟などが主催する各種の公式競技大会がこのプールで開催されていないところでございます。公式競技大会をこのプールで開催するためには、新たな装置の整備が必要になるということでございますが、設備の更新には多大な費用が見込まれるということから、現下の県の厳しい財政状況を勘案しますと、現時点では更新整備は難しい状況にあると考えてございます。昨年度までこのプールで開催されてございました公式競技大会は、昨年度の場合は10回ほどございましたけれども、本年度は盛岡市立総合プールにおいて開催されているところでございます。盛岡市からは、今後とも公式競技大会の会場を盛岡市立総合プールで引き受けていただける見込みでございまして、関係者の皆様に御理解いただくよう対応していきたいと私どもは考えているところでございます。
 なお、本年度は、公式競技大会は開かれていないものの、強化合宿などで多くの団体に利用していただくなど、全体としての利用状況も昨年度を上回って推移しているという状況でございます。こういった面での私どものプールの特色をも打ち出しながら、水泳関係者のニーズにこたえていきたいと考えているところでございます。
〇大宮惇幸委員 そこで、今お答えの中にありましたが、県の財政難の事情は私も百も承知いたしておりますけれども、せっかくの県営の施設であります。その中にこういう電光掲示板が動かないということはあってはならないと思います。
 そこで、部長、大変財政難の中であると思いますけれども、あす、あさってにやれということではありません。どうか、来年度の予算に、この改修費と申しますか、これをやっていただきたいというお願いでありますけれども、見通しをお示しいただきたいと思います。
〇菊池環境生活部長 先ほど、青木総括課長からも申し上げましたけれども、いずれ、今年度スタートの段階からそういうこともあったということで、更新をしないまま現在に至っております。そういう中で、関係者からのどういう意見が出るかというあたりをこれからもいろいろな方面の意見を聞きながら、そして、今のところは盛岡市のプールを利用していただいておりますけれども、そういった利用の状況からの声とかを聞きながら、予算編成はこれから始まりますので、そういった中で議論して判断してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇大宮惇幸委員 ぜひとも実現に向けて努力していただきたいと期待いたしております。
〇嵯峨壱朗副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時56分 休憩
午後3時13分 再開
〇新居田弘文委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇野田武則委員 それでは、189ページの食の安全安心総合対策事業費に関係いたしまして質問したいと思います。
 ミートホープとかあるいは白い恋人、赤福などの食品表示が問題となっておりまして、県民の食の安心・安全に対する関心は非常に高いものとなったと思っております。
 そこで、岩手県は大丈夫かという心配をするわけでございますが、県民の食の安心・安全のために取り組まれております平成18年度のその取り組み状況につきまして、そしてまた、その実績につきましてお示しをしていただきたいと思います。
 あわせて、そのような食品表示の不正が平成18年度ございましたら、あるいは今時点までありましたら、その点につきましてもお示しをしていただきたいと思います。
 あわせて質問したいと思います。
 消費者の食品への不安の上位というのは残留農薬だと思いますが、昨年ポジティブリスト制度というものが施行されまして1年が経過いたしました。ポジティブリスト制度というのは、農林水産部の所管だろうと思いますが、どちらかというと、それは生産者に顔が向いていると思っております。そういうわけで、消費者に顔が向いているこちらの環境生活部のほうからしまして、そのポジティブリスト制度の取り組み状況を把握されているかと思いますが、その内容についてちょっとお伺いをしたいと思いますし、あわせて、不備な点とかあるいは今後の課題等につきまして、何かこちらの部署のほうからの評価というものがありましたら、その点についてもお示ししていただきたいと思います。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 食品表示の関係、最近、大変偽装等の問題が起こりまして、不安を助長しているかなと思っているわけでございますが、実は食品表示につきましては、規制する法律が四つほどございます。
 主なものといたしましては、まず食品衛生法という法律がございまして、これは飲食に起因する衛生上の危害を防止するという観点から消費期限、賞味期限、それから添加物、そういったものを表示するということになっておりまして、これは保健福祉部のほうで担当しております。また、JAS法といいまして、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律というものもございます。これは、消費者の商品の選択に資する、商品選択する場合の参考になるような表示、例えば原産地がどこであるかとか、原料にはどんなものを使っているか、そういったものを表示する法律、これは環境生活部で対応しております。また、景表法といいまして、不当景品類及び不当表示防止法というものがございまして、虚偽、誇大な表示を禁止するという法律でございます。これも環境生活部でございます。また、健康増進法というもの、健康の増進効果について何々にきくとか、余り誇大に表示をしてはいけないというようなもの、これにつきましては保健福祉部ということで、それぞれ法律の目的に向かって店舗に赴いての点検、それから事業所に出向いての監視指導というものを行っております。
 これの中で、どのような違反があったか、その実績ということなのかもしれませんけれども、それについては、県内においては、食品衛生法についてもあるいはJASについても、何ぼ検査して違反が何ぼあったかということについては、ちょっと手元のほうには、実績についてはございません。ただ、そういう問題が発生した場合の対策、これにつきましては、一つの事案が関係部局にまたがるということが多いものですから、その都度情報共有を図りながら、法令に従って改善命令などの行政処分を行ってきております。
 それから、ミートホープ事件なんかもありまして、この反省点として出されたのは、国と県、道の連絡体制が非常に悪かったという反省がありましたので、これは岩手農政事務所、これは国の機関でございますけれども、ここが中心となって、この8月に岩手食品表示情報交換会というものを設置しまして、今後、定期的に勉強会を開催するとか、疑義案件等が発生した場合に、共同調査あるいは連携した取り組みを行うということで、効率的、効果的な対応を図ることになっております。
 また、ポジティブリスト制度でございます。これは中国からの農産物等、非常に残留農薬が多いと。しかしながら、基準を決めてあるものについては、農薬が検出されても禁止できないというような問題意識から平成15年の食品衛生法の改正をいたしまして、それで施行が去年の5月29日からでございます。この検査も保健福祉部において食品衛生監視指導計画という計画を毎年立てて、その計画に沿って検査検体、あるいは項目数を設定して計画的に検査しております。
 これについては、昨年の実績、検査状況でございますが、野菜、果実、穀類、それぞれ県内産、県外産、国外産、合わせまして224検体を検査いたしまして、その結果、いずれの検体も残留基準値の超過はないとなっております。
 これは県内の対策ですが、川下のほうの対策とあわせて、委員御指摘のとおり、生産者側も農薬の使い方、そういったことについての研修会あるいは指導の徹底ということで、そちらでもかなり力を入れておりますし、また、出荷に先立って自主的に検査をし、国内では川上の対策、川下の対策はどちらもしっかりやられているところでございます。また、輸入品につきましても、検疫所というところにおきまして、水際作戦ということで厳しく検査をしておりまして、そこでも防ぐという形で、今、ポジティブリスト制度が導入されたことによって、その辺の残留農薬についてのリスクというのは、大幅に減っているものと認識しております。
〇野田武則委員 きょうはちょっと通告しておりませんでしたので、具体的な数字が出てこないと思いますが、ただ、やはり食品衛生法の関連が保健福祉部、あるいはJAS法はこちらということで、それぞれ担当部署が分かれているかもしれませんが、県民からすれば、岩手の食の安心・安全をだれが守っているのかという点からすれば、やはり窓口はここなんだろうと思うんですね。ですから、通告していなくても常に数字は把握しておいていただきたいと思いますので、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それと、JAS法につきましてですが、JAS法はこちらの担当ということで、食品表示ウォッチャーという方がおられまして、それぞれ業務に携わっていると思いますが、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
 食品表示ウォッチャー、どういう仕事をなさって、何人おられるのか。そしてまた、ここ数年、この人員がどのように増減しているのか。多分ふえているんだろうと思いますが、その点をお伺いしたい。
 それから、食品表示110番というものがあるそうでございますが、これに寄せられました情報といいますか相談というのは、平成18年度どのぐらいおありになるのか、教えていただきたいと思います。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 ウォッチャーでございます。ウォッチャーは平成15年度から設置しておりますが、任務は日常のお買い物をする中で、食品表示を見て、気がついたら報告をしていただくということがまず原則でございまして、年4回、定例報告という形で報告をいただくような仕組みでございます。全県で、発足当初100名を任命しております。今年度からは人数を半分に減らしまして、それで対応しているところですが、そのかわり、研修会を2回やってウォッチャーのレベルをアップしていくということでやっております。
 ウォッチャーの報告につきましては、こちらから課題を示しまして、例えば生鮮食品の表示で原産地表示があったものはどれくらい、あるいはなかったものはどうですかということを見てもらっているわけですが、それではほとんど表示については欠けているものがないという状況でございます。特に、JAS法の食品表示につきましては、平成14年度の表示率というのが、80%の商品がまず大丈夫だというお店が40%だったものが、平成15年度、16年度、17年度、18年度、4年間、すべての店舗を点検して指導するということをやってきた結果、その表示率が93.8%まで上がっています。したがって、これはかなり飛躍的に上がってきています。ただ、業態、大手スーパーはすごくしっかりしているんですが、小さなところがなかなか意識がいかなくてちょっと悪いということで、そういう中で、これからは全体をいっぱい見て回るのではなくて、悪かったところを重点的に指導していくというようなことになってきております。
 それで、違反率というのも実は数字、膨大なんですね。一つ一つとれば相当あることはあるんですが、ケアレスミス的なものを、罰則とかなんかではなくて、もう現場で、口頭で指導するということがあって、それを数字的になかなか把握していないということでございます。
〇新居田弘文委員長 執行部に申し上げます。
 先ほど野田委員の質問の、実績に関する資料は、審議中に答弁できますか。それとも、間に合わない場合は全員に資料を配付願うこととなりますので、御了承願います。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 ただいま手元に数字がなくて大変御迷惑をかけております。後ほど数字を探しまして、皆様にお配りいたしたいと存じます。
〇野田武則委員 御配慮いただきましてありがとうございます。
 先ほどもう一点、食品表示の110番について質問したんですが、答弁が漏れていますのでひとつお願いしたいと思います。
 あわせて、私の勉強不足なのかどうかわかりませんが、食の安全に対して県のほうでもいろいろ取り組まれているのは承知していますが、いわゆる情報公開といいますか、どういう取り組みをして、今の数字の問題もそうなんですが、なかなかちょっと県民にわかりづらいところがあるような気がするんですが、そういう情報公開についてどのように今後取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 まず110番の話でございます。これは、環境生活企画室の中に電話110番という格好で設置しておりまして、食品表示専門員という非常勤職員を配置いたしまして、日常的な食品に対する相談、疑問に対してお答えしております。これにつきましても、大変申しわけございませんが、今手元に資料がございません。これにつきましても、今調べて、後ほどお答えしたいと思っております。
 それから、情報公開ということでございますが、これについても、違反事実がしっかり把握できていないということもあります。今御指摘ありましたとおり、今後はきちっとそういったものを把握して、数字は発表できるかと思います。ただ、業者名等につきましては、悪質でなおかつ、業者名を公表できるものしか発表できないことになっておりますので、それはそういう時点で個々に発表してまいりたいと思っております。
〇野田武則委員 本当に申しわけないです。具体的な通告をしていればよかったんですが、いずれ情報公開といいますか、広く県民に知らせるということが重要だと思いますので、ただいまの御答弁のとおり、ぜひ取り組まれていただきたいと思います。
 そしてまた、食品表示の110番ですけれども、件数が少ないというお話もお伺いしておりますが、恐らくそういうものがあるということも県民の皆さん知らないんじゃないかなと思うんですが、110番というものがあるんだということも広くアピールすべきだと思います。先ほど申し述べましたとおり、食の安心・安全ってすごく関心が高くなっているだろうと思いますので、ぜひ取り組まれていただきたいと思います。
 最後にですが、先ほど岩手県の新しい委員会を設置するということでしたか、そういうお話がございましたけれども、ミートホープはまさにそのとおりでございまして、内部告発があったわけですよね。ところが、その告発にもかかわらず、いわゆる関係省庁の縄張り争いといいますか、あるいは国と県と市町村との関係といいますか、そういったものの連携が不備なために、結局摘発がおそくなったと、こういうことだと思います。そういうわけで、岩手県におきましても、先ほどお話がありましたとおり、食品衛生法は保健所あるいはJAS法はこっち、あるいは畜産あるいは水産物は農林水産部とそれぞれ分かれているわけでございまして、先ほど申し述べましたとおり、だれが責任を持って県民の食の安心を守っているんだと、こういうことを私申し述べたいわけで、ぜひ連携を深めていただきまして取り組まれていただきたいと、こう思っています。
 先ほど申し述べましたミートホープの問題ですが、あれを踏まえて先ほど新しい委員会を設置したということでございますが、もう一回部長のほうから、その辺の新しい取り組みにつきましてお答えをいただきまして終わりにしたいと思います。
〇菊池環境生活部長 県のほうでは県民の安全・安心な食生活の確保というのは大変重要でございますので、生産段階、流通段階を含めまして、一連の県民協働で取り組もうということで、平成15年度になりますけれども、基本指針というのを策定しております。それをもとにことしの2月に、第2次になりますけれども、アクションプランというのを策定いたしまして、県庁内各関係部局との連携のもとで、総合的な対策を講じようということで進めております。そういった意味で、うちの部が窓口となりまして、食の安全・安心を進めるという体制で臨んでおります。
 そういった中で、今委員から御指摘ありましたように、全国での事例等を見ますと、国と県庁との連絡あるいは情報共有の不徹底、あるいは県庁内の相互の情報共有が不足していたと、こういったような事例がもとになってさまざま指摘される問題が起きているということも承知しております。そういった意味で、当部が窓口となりまして、各部との連携を強化する。そして国の食料事務所とも機会あるごとに意見交換をしたりしておりますので、そうした国との連携も含めながら消費者の視点に立って、消費者の軸足に立って、そうした食の安全・安心のために努力してまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 私からは2点につきましてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、第1点目につきましては、循環型地域社会の形成推進事業費の一環といたしまして、優良な産業廃棄物処理業者、この格付業者の今後の育成支援策についてお伺いをいたしたいと思います。
 それで、県におきましては、来年度からこの格付業者を優先的に利用してまいるということで、これは非常に評価のできることではないのかなと、県がこのように積極的に取り組まれることについては敬意を表する次第であります。
 そこで、まず一つは、私ぜひお聞きいたしたいのは、平成16年度から格付制度が始まっておるわけでございますが、今現在、80社が格付をされておるということで、お聞きするところによりますと3段階に格付をされているということで、その格付の内訳と、そして格付の方法、そして評価の方法についてお示しをいただきたい。そして、私は、この格付業者が県内の許可業者830社のうち80社と、1割にも満たないということでございます。そこで、私、ぜひお願いいたしたいのは、産業廃棄物処理業の許可権者であります県が、やはりしっかり責任を持ってこの制度を定着させなければならないのではないのかなということでございます。
 そこで、私は、この格付業者以外の許可業者に不利益が生じないように、そして何といいましても底上げをしっかりと図っていただきたい。そのためにも、私は格付業者以外の許可業者のこれからの育成、そして支援策を県が今後どのように取り組むのかということについて、お伺いをいたしたいと思います。
 そして二つ目にですが、その一方、特にも県内の排出事業者の皆様方に、この制度がしっかり周知されるように、そして、特にも県を中心に各県内の市町村、業界が一体となって、そして連携を図って情報の共有化を図りながら、県内の排出事業者にこの制度がしっかりと理解されるようにぜひ促していただきたいということで、県が今後このことについてどのように取り組まれるか、お伺いをしたいということでございます。
 第2点目につきましては、廃棄物処理事業の改善とか指導については、県は立場としてぜひ努めていかなければならない義務があるわけでございますが、そこで、今、県内でごみ処理の有料化についていろいろ議論が交わされておるわけでございますが、まず一つは、このごみ処理の有料化について、県内の市町村の取り組み状況がどのようになっているか、お伺いをいたします。
 そして、二つ目には、一般廃棄物は市町村の固有事務であるわけでございますが、県といたしましても、過去に廃棄物税の導入に先導的な役割を果たされるとともに、実績と経験を積まれてきておるわけですので、ぜひその経験、実績を生かして、今県内の市町村でいろいろ賛否両論がありますが、このごみの有料化について県がどのようにお考えになって対応されていこうとされているのか、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
〇谷藤資源循環推進課総括課長 まず、優良事業者の育成の関係でございます。この循環条例に基づきます産業廃棄物処理業者の格付制度は、全国に先駆けましてスタートさせたものでございます。本年9月末現在におきまして、格付事業者の数でございますが、3段階に分かれております中で、いわゆる三つ星を取得している事業者が8事業者、二つ星が43事業者、一つ星が28、それから3段階制に移行する前の星がまだついていない1社の、計80事業者となってございます。
 格付の方法それから評価項目ということでございますけれども、これは、県が指定してございます産業廃棄物処理業者育成センターにおいて審査委員会を持ちながら、評価をした結果として行っているわけでございまして、その評価項目といたしましては、法令基準の遵守等の必須項目をすべて満たしております産業廃棄物処理業者につきまして、さらに情報の公開度あるいは環境保全の取り組み状況などの評価項目により加点を行いまして、評価をしているところでございます。
 環境保全の取り組み状況といたしましては、例えばISO14001等の認証の取得ですとか、あるいは岩手地球環境に優しい事業所の認定取得等といったものがございますし、情報の開示状況といたしましては、会社情報、その許認可を受けています業の許可の内容、あるいは財務諸表、料金内容等の公開といったような項目を評価しているものでございます。
 優良業者の育成についてということでございますが、この制度は、排出処理事業者が処理を委託する際に、優良の業者を選択することで、悪質な処理業者が排除されて不適正な処理の未然防止が図られるということを期待しているものでございまして、処理業者みずからが、法を遵守して不適正処理を行わないという強い自覚を持って、自主管理あるいは自主規制によりまして業務改善を進めることが、産業廃棄物処理業界全体の底上げにつながるものだと考えてございます。
 そういった観点から、これまでも岩手県産業廃棄物協会とも連携をしながら、処理業者に対する制度の普及に努めてきたところでございますし、先般、県が率先活用する方針を表明したことによりまして、この制度の運用を行っております、先ほどの育成センターへの照会等もふえてきているような状況にございますし、それから、そういった処理業者の関心も、これまで以上にこの制度について高まってきております。
 今後とも、産業廃棄物協会とも連携しながら、廃棄物の管理あるいは社内の組織体制の見直しを進めることが、処理業者にとってもメリットがあるんだということを十分お伝えをして、理解をいただきながら育成に努めてまいりたいと考えてございます。
 それから、排出事業者の理解を促す必要があると、今後の排出事業者についてのこの制度の浸透ということでございますが、もちろん県が率先活用を行うという中で、県が産業廃棄物の排出者としての責任を適切に果たすということで先般表明したものでございますけれども、今般の条例改正の中におきましても、格付事業者の活用を排出事業者の責務として例示をしておりますほか、優良事業者を活用した県外廃棄物の搬入期間の延長を行うといったようなことで、こういうメリットも付加をしてきているところでございます。こういった点を踏まえて、今般、条例改正に合わせた排出事業者を対象とした説明会、およそ1万3、000社を考えてございますけれども、これを予定してございます。この説明会に合わせまして、格付制度の趣旨やあるいは排出事業者の責任の説明、特に排出事業者が発生から最終処分までの責任を有しているといったことから、不適正に処理された場合の企業イメージの低下ですとか、あるいは経営上の損害といったこともございますので、こういったことも含めて広く廃棄物について認識を持っていただくよう、事業者の理解を深めてまいりたいと考えてございます。
 それから、ごみ処理の有料化のことでございますが、全国で見ますと、ごみ処理の有料化を導入している市町村がないのは岩手県だけという状況になってございます。そうした中で、北上市が来年度から導入するという計画で、現在、地域説明会などを行って、市民との意見交換会を行っているということが報道等されてございます。他の市町村におきましては、審議会等で議論されているというようなことは承知してございますけれども、具体的な動きにはまだなっていないという状況になってございます。
 有料化につきましては、先ほど委員からも御指摘のありましたようにさまざまな意見がございます。メリットとして挙げられているのは、ごみの減量化やコスト削減につながるといったようなことですとか、削減に努力した人としない人の負担の公平に資するのではないかといったようなものがございますし、一方で、デメリットとしては、ごみの減量化の効果は一時的ではないかといったようなものとか、あるいは不法投棄につながるのではないかといったようなさまざまな意見がございますが、こうした中で、国は有料化の導入もごみ減量の施策の一つとして進める方向を示してございますので、県としても注目をしているところでございます。このため、昨年度からですけれども、全国の事例等を踏まえて、県内で導入する場合の課題や支障などにつきまして、市町村と一緒に研究会を持っていろいろ議論等を重ねてきているところでございます。
 北上市の取り組みも踏まえながら、引き続き市町村と一緒に研究を重ねてまいりまして、市町村の取り組みを技術的な部分を含めまして、技術的な部分の援助というのは県の責務でもございますけれども、支援をしてまいりたいと考えてございます。
〇新居田弘文委員長 先ほど野田委員の質問に対する答弁保留がありましたので、執行部のほうから答弁をさせます。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 先ほど大変申しわけございませんでした。
 食品表示110番、こちらに寄せられた件数でございますが、平成18年度は32件となっております。それぞれにつきまして、食品表示専門員が電話等で確認をしたり、それから指導をしたりしてすべて解決済みでございます。
 それから、食品表示ウォッチャーからも監視指導の実績の報告をいただいております。平成18年度におきましては、ウォッチャー100名で、店舗点検をしたのが1、325件でございます。そのうち、不適正だという報告があったものが283件でございました。この283件の中身を見ますと、改善について指導したものが131件、残りの152件は勘違いで、中身は適正だったというものでございました。
 以上、ウォッチャーの監視実績、それから110番の実績をお話ししましたが、JAS法のほかの店舗点検の数、指導実績でございますが、実は平成15年度から18年度にかけて、第1次の岩手県食の安心安全アクションプランというものがございまして、これで4年間で7、000店舗、点検をするという計画を立てておりまして、それに基づいて各年次やっておるわけですが、平成18年度の実績は、2、354店舗を回って点検指導をしております。したがって、こういう形でやっていますので、違反というよりは、ケアレスミスのものを指摘して直させるということが多いので、一々違反の件数という格好でとらえていないところでございます。ただし、先ほど委員から御指摘ありましたとおり、JAS法に限らず食品衛生法の違反、それからほかの違反、そういったものも把握して情報公開するようにしていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 最初にBSE検査問題について、これは本会議で請願が採択をされましたし、大事な問題になっております。それで、食の安全安心委員会では、BSE検査問題についてどう審議をされていたのか。BSE検査に必要な費用は幾らになっているのか。これまでの県のとってきたスタンスを含めて示していただきたい。
 二つ目に、全国で独自にBSE検査の実施を明らかにしている県は、どう把握されているでしょうか。
 3番目に、これは部長にお聞きしますが、県議会の請願採択をどう受けとめているでしょうか。
〇菊池環境生活部長 県議会の請願採択の関係について私からお答えさせていただきますが、請願の内容につきまして、国の補助金が打ち切られた場合でも県単独で継続検査をすることというお話でございます。そういった意味で、全国統一の検査体制が継続されるということになりますと、請願の内容に従うことになるのかなというふうに思っております。そういうことで、まずもって、全国統一の検査体制の継続が図られるように、それを優先ということで、知事会等を通じた取り組みを優先的に進めてまいりたいと考えております。
 また、あわせまして、いろいろ各県の対応がまちまちとなった場合、もし、国のほうが継続をしないということで各県にゆだねた場合ということになりますと、例えば本県産牛も、成牛全体で見た場合ですけれども、70%以上が他県で屠畜されているという実態にあります。そうしますと、県のほうで継続で全頭検査するとした場合でも、他県で屠畜されたものをどうするのかという課題、あるいは、そちらで検査しないで戻ってきた検査済みと未検査のものが混在するということによる消費者の混乱ということもございます。その表示をどうするのかというあたりもまだこれからの課題だと思っております。そうした課題も一緒になって検討しながら、とりあえずは、まず最優先で全国一律の体制を維持していくということのほうに力を注いで取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 県の食の安全安心委員会においてどのような議論がされたかということでございますが、厚生労働省が生後20カ月以下の牛を対象としたBSE検査費用の全額補助を打ち切るという方針が出たことを受けまして、食の安全安心委員会で意見交換をお願いしたところでございます。その中で出された意見でございますが、幾つか紹介いたしますと、リスクについて否定できない報告があったと聞いており全頭検査を継続すべき、それから、畜産県であり、県産牛の安全・安心を発信するために全頭検査をしていくべき、それから、消費者に理解が得られていないので、安心を伝える努力が必要という意見が多かったところでございます。また、流通面のほうからは、単県レベルで判断せず、全国統一で考えるべきという意見もあったところでございます。
 また、検査費用でございますが、平成18年度の決算ベースでございますが、20カ月齢以下の検査頭数が2、003頭でございまして、それにかかりました検査費用は、合計で195万2、000円でございます。その内訳は、国庫補助が141万1、000円、県費負担が54万1、000円となっております。
 それから、独自に検査の実施を明らかにしている県の把握ということでございますが、これはマスコミ報道によってしか把握できないのでございますけれども、10月3日付の日本経済新聞によりますと、宮崎県、鹿児島県、佐賀県、和歌山県の4県が、自主的に検査を継続することを表明したと報道があったところでございます。今のところ、4県になるのかなと思っております。
 それから、県のこれまでのスタンスというお話でございました。これにつきましては、平成16年9月定例会におきまして、増田知事の答弁の中で、本県のスタンスということで、消費者の安心感の醸成、それから新しい知見、科学的な知見を獲得、それから国の新たな政策の提示などの状況の変化があれば、その段階で食の安全安心委員会の意見なども聞きながら、本県の対応を考えていくというスタンスを表明しているところでございます。
〇斉藤信委員 部長、私、請願の採択をまともに受けとめていないんだと思いますよ。県議会が採択した請願は単独でやれって、そんな単純なものじゃないのですよ。国がやりなさいと。しかし、今国がやらないと言っている中で、そうであれば、県単独でもやるべきじゃないかと。ちょうど数年前もそうだったでしょう。国はもうやらないと言ったときに、地方が国に求めながら独自にでもやりますよと言って、結局は都道府県に対して補助をするという仕組みになったわけでしょう。国がやることを待っていますというようなことでは、私は、国を動かす力にはならないと思いますよ。私は、国がやることと県がやることを対立させるのではなくて、国にやらせるためにも、畜産県である食の安全・安心に真剣に取り組んでいる岩手が先に声を上げなかったらどうなるんだと、これが請願の趣旨です。そして、それは岩手県の今までのスタンスだったんですよ。そういう立場で食の安全安心委員会にあなた方、意見を聞いたわけでしょう。圧倒的多数が、そういう場合は県単独でもやるべきだというのが意見のほとんど多数だったと。この県のスタンス、この経過から見て、部長、もっとまともに受けとめて、岩手県が早く声を上げる必要があるのではないですか。スタンス変えたんですか。
〇菊池環境生活部長 国のほうで経過措置ということで、今回の全国一律の検査体制を進めてきているわけですけれども、スタンスの違いというお話でございますけれども、国が、経過措置とはいえ、そういった全国統一の検査体制をとってきたという、そういうことで消費者の安全・安心に寄与してきたということが言えるかと思います。そういった意味で、今回経過措置の打ち切りという国の一方的な方針が打ち出されたわけですけれども、当時と違いまして、全国統一で実施してきたという経緯がございますので、全国統一でやってきたということに立つ共通認識というのはやはり立ちやすい状態に、昔と違っているのではないかと思っております。したがって、こうした経緯を踏まえますと、やはり各県とも畜産県を標榜している県は同じような立場にあると思います。そういうことで、今後とも全国統一という方向を打ち出していくには、共通の理解が昔と違って得やすいのではないかなと思っております。そういうことで、国に対して、知事会等を通じて働きかけるということを通じまして、同じような立場にある県が、足並みをそろえることができないかということについて検討しながら対応してまいりたいということを考えております。
〇斉藤信委員 少しかみ合わないところがあるんだけれども、例えばこの背景には一つ外圧があるのですよ。アメリカが、ゆくゆくは日本の検査体制を弱めて牛肉自由化を進めたいと。ところが、10月5日に、韓国に対して特定危険部位つきの牛肉がまた輸出されていたということで大問題になって、アメリカのずさんな体制がまたまた明らかになったのが一つありますよ。
 あともう一つは、国内の国の調査会でも、専門家の意見が決して全部一致しなかったんですよ。そして、BSEの感染経路というのはいまだに明らかになっていないでしょう。だから専門家は、こういう検査体制をもうしばらく継続する必要があるんだという、これは根強い意見ですよ、専門的な。だから、私はそういう意味で、専門家の中でも一致していない中で国が3年たったからやめますという、こういうやり方は問題なんだと。請願にはそういう県民の願いが込められているということを、これは指摘だけにしておきます。
 次に、六ヶ所村の再処理工場の放射性廃棄物海洋投棄問題についてお聞きをします。
 一つは、三陸沿岸の漁民や住民、自治体首長から、放射性廃棄物の海洋投棄に反対し、現地での説明会を求める強い要望が引き続き出ていますが、県はこの間、どういう対応をされてきたか。
 二つ目、再処理工場のこの間のトラブルが続出していますが、どう把握されているでしょうか。
 また、海洋に放出される予定の放射性廃棄物の量、これはどうなっているでしょうか。専門家の指摘ですと、原発1基分、1年間分の放射性廃棄物が1日で海や空に放出されると、こういう指摘もありますが、どう受けとめているでしょうか。
 三つ目、柏崎刈羽原発、これは世界最大の原発でありましたが、想定を超える地震の直撃を受けて大事故を起こしました。今、すべての原発の耐震設計の総点検、耐震補強が求められていると思いますけれども、県はこの原発が受けた地震の教訓をどう受けとめているでしょうか。
 四つ目、実は六ヶ所村の再処理工場のわずか3キロ付近に出土西方断層、これ約6キロと言われますが、断層があります。再処理工場の真下にも断層が2本あると指摘をされています。私はこうした中で、耐震設計の全面的な再検討を岩手としても求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇加藤環境保全課総括課長 まず1点目の現地説明会の要望に対する対応でございますが、県内での説明会の開催につきましては、事業者である日本原燃が難色を示した経緯もありましたことから、県といたしましては、県民へのわかりやすい広報と情報提供について、日本原燃とさらには国に対して働きかけてきたところでございます。これを受けまして、アクティブ試験開始後、日本原燃では、5回にわたり本県の沿岸地域を対象として新聞折り込みチラシ、約7万部でございますが、これを配布し、国におきましても、5回にわたり県内市町村、漁業関係団体へパンフレットを配布するなどの対応がされたところでございます。
 2点目のトラブルの把握と、それから海洋に放出される予定の廃棄物の量という点でございますが、日本原燃が国に対して報告をした中間報告書によりますと、第1ステップから第3ステップまでの間に、アクティブ試験の過程で発生した不適合の件数は21件、アクティブ試験の工程には関係しておりませんが、例えば部屋の漏えい検出器─放射性物質の漏えい検出器でございますが、これの動作不良やヨウ素フィルター交換時のクレーンの操作不良といった不適合の件数が186件となってございます。
 また、放出する放射性廃棄物の予定量ということでございましたが、実績も既に出ております。平成18年度の実績値を御紹介したいと思いますが、トリチウムにつきましては、4.9掛ける10の14乗ベクレル、これは490兆ベクレルという大変けたが大きいわけでございますが、放出の管理目標値予定量といたしましては、1.8掛ける10の16乗でございましたので、放出実績はこの放出管理目標値に比べて2.7%の割合となってございます。それからヨウ素129でございますが、これの実績が9.4掛ける10の7乗ベクレル、これに対しまして放出管理目標値が、4.3掛ける10の10乗でございましたので、割合としましては0.2%。さらに、もう一つの核種でございますヨウ素131でございますが、これにつきましては、18年度の実績が3.1掛ける10の6乗ベクレル、310万ベクレルでございます。放出管理目標値が1.7掛ける10の11乗ベクレル、1、700億ベクレルでございましたので、これに対する割合としましては0.002%という数字になってございます。
 それから、3点目の柏崎刈羽原発が受けた地震の教訓でございますが、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の影響につきましては、現在まだ国と事業者が被害の状況を調査中であると聞いております。今般の地震災害にかかわらず、国民に不安が生じないよう、安全対策につきましては国と事業者の責任のもとに、万全を期していくものと考えてございます。
 それから、4点目の六ヶ所の再処理工場の耐震設計の再検討を求めることについてでございますが、再処理工場の耐震設計につきましては、平成18年9月に原子力施設の耐震指針などの改定がなされております。今般の中越沖地震による原発の被害なども踏まえ、さらに国と事業者が見直しをしていると聞いております。その教訓が十分に今後反映されるものと考えております。
〇斉藤信委員 県民が求めているのは説明会であって、一方的な広報ではないんですよ。ところが、岩手県は国に加担して、日本原燃が難色を示しているから広報にしましたと。こういうことでは、もう沿岸漁民や住民の不安、払拭になりませんよ。今、お話しあったように、あれだけの、もう実施段階直前にして事故や不適合が出ているのですよ。原発以上に危険な施設なんですよ、再処理工場というのは。いわば、これから本格稼動する直前でも、こういう事故が相次いでいるということは極めて深刻で、耐震問題でいくと、新指針から見て戦術を見直して耐震補強もしたばっかりなんです。私はそういう意味でいけば、柏崎刈羽原発というのは、世界の原発で初めて地震の直撃を受けた。しかし、あれは今まで何て言っていたかというと、あらゆる地震を想定して耐震設計していると言っていた。ところが、直下の活断層を見逃していたのですよ。専門家からは、断層がそこまで行っているよと指摘があったのですよ、実際には。それを無視してきた。今の原発の安全というのは、その程度なんですよ。私はそういう意味でいくと、本当に原発以上に危険な施設が六ヶ所村にあって、岩手県民にとって一番心配なのは、放射性廃棄物の海洋投棄ですよ。
 もう一回お聞きしますが、今、平成18年と言ったってまだ実験段階ですからね、これから本格稼動する前のデータを言っても仕方ないんで、私が言ったように、原発1基分の、1年分の放射性廃棄物が1日で出るのでしょう、計画としては。そして、実はこの再処理工場をつくるときには、トリチウムなど基本的には出さない、抑制する装置をつけるというのが当初段階にはあったのです。金がかかるからやめたのですよ。本来、放射性廃棄物なんというのは出すべきじゃないのです、海洋に。
 イギリスの施設では、深刻な放射能被害の影響が出ていますよ。白血病も生まれていますよ。10年後、20年後、そういうことが起きたのでは困るのです。基本的にこういうものは出すべきでないと、出さない技術があるとしたら、きちんとそれをやらせるというのは当たり前のことじゃないですか。その点について、岩手県としては、一番これは危惧しているわけだから、ちゃんと対応すべきじゃないですか。
〇加藤環境保全課総括課長 再処理工場におきましては、原子力発電所の1年分の放射能の量が1日で放出するのではないかというお話でございますが、原子力安全委員会が、平成13年に一般公衆の線量評価ということで放出放射能を算出をしたデータがございます。これと比べますと、六ヶ所の再処理工場が1年間に放出する放射能の量は約180倍ということで、2日で1年分に該当する量ではございます。しかしながら、これは放出する放射能量で健康への影響を評価するのではなく、最終的には、それによってどういう被曝を受けるかと、その線量が幾らであるかによって安全性を評価するものでございます。日本の現在の仕組みがそうなっております。それによりますと、どちらも基準としては1ミリシーベルトという基準がございます。しかしながら、これをできるだけ低く抑えるという国の考え方もありまして、原子力発電所につきましては、0.05ミリシーベルトを努力目標として挙げております。これに対しまして、六ヶ所の再処理工場は、計画段階では0.022ミリシーベルトという数値を出しております。しかしながら、平成18年度の実績を見ますと、もちろん本格操業に比べまして、処理トン数が少ない、あるいは燃焼度が高くはないという条件の違いはございますが、平成18年度の数値では0.00054ミリシーベルト、いわゆる被曝線量、線量評価では低い値が得られております。
 それから、第2点目の除去装置でございますが、これにつきましても海洋放出するトリチウム、それから大気放出するクリプトン85のお話だと思いますが、トリチウムにつきましては、現在確立された技術はないというお話を聞いております。クリプトン85につきましては、確かに回収する技術についてはあると。しかしながら、これを固定して安全に長期間保管する技術はまだ確立されていないという説明を聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 この問題の最後に、今、再処理工場の存在意義そのものが実は根本から問われているんですね。再処理工場というのは、目的はプルトニウムの利用でありました。このプルトニウムというのは、高速増殖炉だったら本当に夢のエネルギーとして使われる。ところが、これはもんじゅが失敗して、この路線、破綻しました。今、出ているのはプルサーマル計画です。プルサーマル計画というのは、プルトニウムとウランを一緒にして新しい燃料にする。ところが、古い原発でこの燃料を使うわけですよ。そうすると、今まで以上に原発の危険性が高まる。ここで使ったMOX燃料というのは、もう二度と使えない。プルトニウムは劣化してしまう。いわば放射性廃棄物がどんどんふえていくシステムなんです。そして、再処理工場に2兆円かけましたけれども、経済性もない。放射性廃棄物もふえていく……。
〇新居田弘文委員長 斉藤委員に申し上げます。質問をしてください。
〇斉藤信委員(続) だから今聞いているじゃないですか。いつも途中でやるから長くなるので─そういう再処理工場の、今専門家は全くこういう無駄遣いをやめるべきだと。放射性廃棄物がふえるだけだと指摘していますが、どう受けとめていますか。
〇加藤環境保全課総括課長 プルサーマル計画でございますが、原子力政策につきましては、我が国の産業や国民生活を支えるエネルギーの確保という重要な役割を担っております。これにつきましては、国の責任において、国民の理解を得ながら進められるべきものと考えてございます。
〇斉藤信委員 私は県民の安全という立場から問題にしているので、国の政策が間違っていたら県が物を言う、当然のことですよ。これは指摘にだけとどめておきますよ。県民の安全を守るということで頑張っていただきたい。国がやることだから仕方ありませんと言ったら、何にもできませんよ。
 それで、あとまとめてお聞きしますが、第2クリーンセンター建設の経費と需要予測はどうなっているか。江刺のクリーンセンターをつくったときには、10年ぐらい採算合わなかった。大変苦労しましたけれども、第2クリーンセンターはどうなのか。
 次は、雫石の板橋地区に産廃施設の建設計画があって、既に事前協議が出されています。小岩井農場という岩手が誇る自然環境と観光地、この入り口なんですよ。岩手山の景観形成地域にもこの周辺は指定されているというので、地域住民、町内会長さん含めて反対していますが、県の対応はいかがでしょうか。
 最後ですが、多重債務の問題について、最近、国も多重債務問題改善プログラムというのを出して、県も市町村も、各部局連携をして対応をとるべきだと、こういう方向を示しましたが、岩手県の多重債務の相談件数や対応体制を含めて、この国の方針にどう対応するのか示していただきたい。
〇谷藤資源環境推進課総括課長 まず、第2クリーンセンターの建設の経費と需要予測についてですけれども、第2クリーンセンターの建設費につきましては、民間事業者が負担するというPFI事業契約を昨年6月に締結してございます。PFI事業者からは、約45億円程度の建設費経費を見込んでいると聞いているところでございます。
 それから、需要の予測でございますが、県では、平成16年度にPFI可能性調査を行っておりまして、この調査では、日量80トンの需要があるという結果でございました。また、平成18年度には、PFI事業者が独自に調査を行ってございまして、この結果でも、日量80トンであったと聞いてございます。これらの調査結果に基づいて、現在、日量80トン規模の施設を整備しているところでございまして、この調査に沿った形での需要があるものと見込んでございます。
 それから二つ目です。
 雫石の板橋地区への産業廃棄物処理施設の設置についての今後の対応でございますが、地元の反対があるということは、先般、県の方にも陳情が出されて承知してございます。現在、提出されておりました事前協議につきましては、循環型地域社会の形成に関する条例に基づきまして審査を進めてございますけれども、この条例の趣旨に基づきまして、事業者と地域住民との相互理解が進められるよう、論点を整理して関係者に伝えるようにしながら、合意形成に努めるよう事業者に指導してまいりたいと考えてございます。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 多重債務対策でございますが、まず件数ということでございました。平成18年度の多重債務関係の相談件数でございますが、1、254件となっております。この件数につきましては、平成15年度に1、726件あったわけですが、それから年々減っている状況でございます。
 それから、国のプログラムに対応した県の対策というお話でございましたが、国のプログラムに示された中身に沿って申し上げますと、まずは、県のみずからの相談窓口の体制の充実を図ろうということで、県といたしましては、県における当面の多重債務者対策というものを国のプログラムに対応してつくりました。その中で、柱が4点ほどございますが、まず一つは、県みずから相談窓口の体制を充実するということでございます。そのために、相談員のスキルアップ研修をしたり、また、多重債務者相談マニュアルという形で相談を受けるときに丁寧な対応ができるような、そういったマニュアルを策定しているところでございます。また、市町村に対しましても、住民に身近な市町村が懇切丁寧な相談を受けられるようマニュアルの説明会等を実施して、市町村への支援をしたいと考えております。
 また、多重債務者対策につきましては、相談に来るのを待っておっても、借金のことですので、なかなかお話ししにくいというようなこともございます。いろいろ困っている事例、事態を、県民に接するいろんな部署部署で、困っているところに触れた場合、そういった中で多重債務者がいた場合には相談機関に連絡するということが必要でございますので、今、眠っている多重債務者を掘り起こしてちゃんと指導していくということのために、関係機関との連携をして情報共有を図りながら、一緒になってやっていくということを考えております。
 それから、何よりも未然防止、多重債務に陥らないために、やっぱり教育あるいは普及啓発ということが大事だと思いますので、これも高校卒業予定者を対象とした消費者金融セミナー等をやりながら、社会に出ていくときには気をつけなさいよということをやっていきたい、このような形で対策をとろうと考えてございます。
〇斉藤信委員 最後ですけれども、今の多重債務の問題について、1、400万人がサラ金を利用して、200万人は多重債務者だと言われていますが、日本弁護士連合会で、弁護士が対応した事例を分析したら、約6割は生活苦・低所得、そして18%が失業・転職と。そういう意味では今の不況・不景気の中で出ている多重債務なんですね。それで、先日、実は盛岡市の消費生活センターが、すばらしい取り組みだということで民法テレビで紹介されました。相談に来た方々に対して、必ず解決してあげますという形で親身に解決まで面倒を見ているというので、盛岡市以外からも相談が来ていると。こういうすばらしい事例も盛岡市で取り組まれています。私は、ぜひ、国もこういう方向を出したので、県民生活センターが軸になりますけれども、やっぱり解決のめどがつくまできちんと対応していただきたい。そして、こういう多重債務者が国保税とか自動車税とかいろんな滞納をしているのですよ。個別の借金取り立てをしたって解決しないんです。こういう多重債務を解決してやれば、逆にこうした納税にも結びつくというのが先進的事例の教訓ですので、そういうことでぜひ抜本的な改善、強化を図っていただきたい。いかがですか。
〇新居田弘文委員長 簡潔にお願いします。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 盛岡市の例は大変立派な例ということでございまして、県庁におきましても、10月3日に庁内の連絡会議を開きました。この中で、今御指摘のあったように、国保税の滞納をしたり、税務の窓口でも滞納者が困っているとか、県営住宅の家賃滞納といった関係部署も全部集まっていただきまして、例えばよその県で、多重債務者にかわって国保税の担当者が貸し金業者に対して過払い金の返還を求めるというところまでやって、多重債務者も救われるし、国保税の滞納も解消するという取り組みも紹介しまして、県庁あるいは市町村においてもそういった取り組みが進めば本当にいいなと思っておりまして、今後、そういった情報共有、先進事例を学びながら、解決に結びつく対策をとってまいりたいと考えてございます。
〇佐々木一榮委員 事項別明細書の127ページをお願いします。14款の8項雑入4目雑入4節衛生についてお伺いします。これは収入でありますので、環境生活部にお伺いする前に、先に出納局にお伺いしたいと思いますが、予算現額13億7、200万円余、調定額が43億7、400万円余となりまして、収入未済額が30億2、800万円余となっております。これは恐らく環境生活部にかかわる産廃関係だと思いますが、この内容についてお伺いしたいと思いますし、前年比はどうなっているか、まず出納局にお伺いします。
〇平澤副出納長兼出納局長 30億2、857万円余の収入未済の内訳ですが、県境不法投棄現場環境再生事業求償金が30億970万円余であります。それから、産業廃棄物適正処理推進センター交付金というものが1、886万円余でございます。
〇佐々木一榮委員 県境産廃不法投棄に関する求償金ということで、これが約30億円というお話でありました。これは前年比のこともお尋ねしたんですが、前年よりも12億円ぐらいふえているというように承知しております。
 それで、環境生活部のほうにお伺いしたいと思いますが、調定額43億円は、当然、当初予算の現計のときにはこれは出てこないわけでありますが、どの時点で、どういう協議の中でこの調定額が出されたのか、まずお伺いします。
〇杉村調査追及担当課長 調定額につきましては、これは行政代執行に要した経費ということでございまして、前年度に要した事業費でございます。これが確定した段階で、翌年度、その額を調定するものでございます。
〇佐々木一榮委員 そうしますと、求償金という部分でありますけれども、例えばここの30億円に対する企業数、金額は明らかになるのでしょうか、お尋ねします。
〇杉村調査追及担当課長 この求償金につきましては、不法投棄を実行いたしましたのが2社ございます。三栄化学工業というところと県南衛生の2社でございます。この2社が不法投棄を実行いたしまして、この2社が基本的には現場から産業廃棄物を撤去するべきでございますが、資産がないということでございまして、これを県がかわりまして行政代執行を行っております。ただ、行政代執行を行いますけれども、それは県が行うわけなんですが、その費用につきましては、原因者であるこの2社に当然求償すべきということで、この額を求償してございます。
〇佐々木一榮委員 そうしますと、今年度の決算では収入未済額となっておりますが、これが不納欠損金になるという可能性が非常に高いと思うんですが、いかがでしょうか。
〇杉村調査追及担当課長 御指摘のとおりでございまして、この額につきましては30億円ほどございますけれども、実はこれは納付期限までに納付されないということでございまして、県といたしましては、この会社の資産を調査いたしまして、現・預金の差し押さえ、あるいは本社不動産─これは八戸にございますけれども─につきましても差し押さえを行っております。そのうち現金につきましては150万円ほど三栄化学工業のほうから回収してございますし、もう一つ、県南衛生につきましては、もう既に破産しておりまして、破産管財人のほうから210万円収納してございます。ということで、合わせまして両者からは現金では360万円は回収してございますが、残る分については未回収ということでございます。これにつきましては、差し押さえてございます不動産がございますので、これを換金するということで、平成17年度から毎年度、3カ年続けて公売入札を実施してございます。ただ、残念ながらこの3回とも買受者があらわれませんで、言ってみればそのままになっております。原因とすれば、不動産市況の低迷とか企業の設備投資意欲の低迷といったものが原因かと思いますが、現在、不動産はまだ売却されておりませんので、いずれ、これを換金した後につきましては不納欠損となるものと思われます。
〇佐々木一榮委員 この2社以外に、その後、新たに県のほうで、特命課長もいらっしゃいますが、排出事業者責任ということで追及していったと思います。現在までのところ何社で、幾ら回収できたというような状況と、今後の見込みについてもお尋ねします。
〇杉村調査追及担当課長 原因者につきましてはそういう状況でございますので、今現在は、その原因者に対しまして、廃棄物の処理を委託しておりました排出事業者の責任を徹底して追及しております。その実績でございますが、措置命令というものがございます。これは行政処分でございますが、違法な委託を行った、要するに違法のある業者でございますが、これにつきましては25事業者で726トン、それから、違法性の追及の段階で立入調査等を行うんですけれども、この調査の過程におきまして、事業者みずからが、法違反の有無にかかわらず、いわゆる社会的責任とか排出事業者の責任といったものを自覚いたしまして、自主的に撤去を申し出るケースがふえてきておりまして、これが実績で21事業者で、現在まで8、970トンほどの申し出がございます。
 今後の見込みについてでございますが、全部で1万2、000社ほどの排出事業者を確知してございますが、このうち、岩手県と青森県がそれぞれ分担いたしまして、岩手県につきましては5、200社を担当しております。この5、200社のうち、実際に委託があったと思われるのが3、700社ほどでございますが、このうち、すべてが法違反があるということではなかなか難しい状況ではございますが、そういったことで明らかに法違反があるのではないかと疑われる企業、あるいは排出量が多量に及ぶ事業者が大体100社ほどございますので、この100社を優先的に調査、追及を進めていきたいと考えております。
〇佐々木一榮委員 先ほど、不納欠損金にほぼなるだろうというようなことだと思いますが、それで、参考のために、これは出納でしょうか、お尋ねしますが、例えば、これが今年度予算になるかどうかわかりませんが、いずれ今年度予算は予算で、通常の雑入という形で、それぞれの目、節ごとにありますけれども、欠損金にかかわるものはないんですよね。恐らく欠損金となった段階になるかと思うんですが、その際はどういう処理に県の予算はなっていくのでしょうか。
〇平澤副出納長兼出納局長 不納欠損に処理した段階で収入未済から消えてしまう。あと、決算では最後に不納欠損額という欄に今度は載ってくるということになります。
〇佐々木一榮委員 そうしますと、整理しますけれども、要は補正予算ですとか、そういうものと、調定額ですから、これは全然かかわりを持たなくて、あくまでも決算で1回で処理してしまうと。両立てといいますか、そういう形にするということでよろしいですか。
〇平澤副出納長兼出納局長 おっしゃるとおりでございます。
〇小野寺好委員 食育について伺います。食の乱れはひいては国の乱れといった懸念の声もありますが、国においては食育の推進に関する法律も施行されているところであります。また、私ども公明党も、県内において、昨年、各地で食育セミナーなどを開催いたしましたが、県として、平成18年度に食育、どのような施策を講じたか。その結果として、一時社会問題となりました欠食とか、孤独な食事、孤食といったものの改善が見られたかどうか伺います。
 もう一点ですけれども、振り込め詐欺とか、支払い能力の疑われるような高齢者の高価な商品の購入とか、あるいは幾ら買い物をしてもお金は減りませんよとか、そういういろんな巧妙な話があるわけですけれども、皆、賢くなってだまされなくなるのかなと思っていたんですが、身近なところでもそういった事例がちょっと聞こえてきますので、県としてはどのような対策を講じてきたか、あるいは被害実態を把握している部分があれば、お聞きしたいと思います。
〇高橋食の安全安心・消費生活担当課長 食育についてでございます。今までどのような対策をとってきたのかということでございますが、大きく分けて、まず、県がみずからやってきたことがございます。これは部局連携で、環境生活部、保健福祉部、農林水産部、それぞれプロジェクト事業に基づいて、例えば普及啓発事業でありますとか、保健福祉部では食育支援事業ということで、保健所単位に食育ネットというものをつくって、学校との連携のもとにいろんな事業を進めております。
 それから、県がやっている事業のほかに、さらに食育は県民運動として進めていくことが非常に重要である、すそ野の広い運動をやっていくことが非常に重要だという観点から、昨年7月に岩手県食育推進ネットワーク会議というものをつくって、食育に関係する団体が連携をしながら効果的に事業を進めようということで、これは去年立ち上げて、ことしは2年度目になりますが、双方の情報共有や連携のためのコーディネートといったものを今やって、少しずつ動きをつくろうとしているところでございます。
 その結果、例えば朝食の欠食などがどのように改善されたかということでございますが、これにつきましては、平成18年度を初年度とする食育推進計画というものをつくっておりまして、その中に欠食率というものも指標に挙げまして、減らすということでやってきております。今、細かい数字はないんですが、欠食につきましては、各年齢、学年層ごとに相当減ってきております。ですから、かなりの程度、朝食を食べようということについては浸透してきているかなと思っております。ただし、肥満、やせの関係は数値が少しずつまだ悪くなっているということがございますので、この辺については弱い部分ですので、引き続き力を入れていかなければならないと思っているところでございます。
 それから、悪質商法の関係でございます。振り込め詐欺等の事案につきましては、これは詐欺事案あるいは刑法事案ということで、それの直接的な件数は今は把握しておりませんが、県民生活センターに、架空請求とか不当な請求、インターネットの接続をした覚えがないのにやっただろうとか、あるいは見覚えのない債務をあなたは持ってますよというはがきが来たりとか、そういう事案はございますけれども、これにつきましては、平成19年度上半期におきまして1、139件あったところでございます。これは、昨年同期では1、957件でしたので、40%ほど減ってはいます。これにつきましては、いろんな広報媒体、報道等でもされていまして、そういった手口をしっかり発表して、それに陥らないようなこと、防衛といいますか、そういったことができてきたのかなと思います。ただ、依然としていろんな手口で悪徳商法というものが出てきておりますので、県の対策といたしましては、まずは新しい手口が出た段階で、ホームページ等で手口を公表する。それから、今、悪質商法講座というものを何回かやっておるわけですが、そういった各種講座の場でもしっかり、こういう手口があるということを特に注意喚起を図っているところでございます。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇熊谷泉委員 具体的な文言がないので、多分、3目か4目にかかわると思いますが、ごみ焼却場について1点お伺いいたします。
 県内ではダイオキシン対応で新しい焼却場が何年か前につくられましたが、そこに古い焼却場が残っているところが多くありますけれども、これらは緊急の場合に代替稼働するということで残されているものもありますが、現状では、解体にかかる費用が多くかかるということで、先送りをされているものがあると思いますが、県ではどのように御認識をされているか、伺います。
〇谷藤資源循環推進課総括課長 県内のごみ処理施設の解体ということでございますけれども、現在、使用を休止しておりまして解体を必要とする状況になってございます焼却施設が、県内に15施設ございます。計画的に解体を進めるよう、市町村のほうにはいろんな制度等の周知をしているところでございます。
〇熊谷泉委員 それでは、4点ほどまとめてお伺いいたします。
 先ほど15施設ということですが、1施設あたり解体費用が大体どのぐらいかかるのか。
 次に、これらの解体には国の助成があるものかどうか。あるとすれば、どのぐらいなのか。
 もう一点、こういう旧施設をほかの目的に使用されているものがあるかどうか。
 次に、もし解体するに当たれば、直接炉の部分とか、そういうことで解体に伴ってダイオキシンとかの危険性があるものかどうか。
 以上、それをお伺いいたします。
〇谷藤資源循環推進課総括課長 焼却炉の解体費用でございますけれども、施設の規模に応じて単価等もいろいろ動くということはございますが、聞いているところによりますと、処理能力で1トン当たり300万円から400万円程度かかると聞いてございます。そうしますと、30トンぐらいの規模になりますと、1億円を超えるようなことも起こり得るということでございます。
 この費用にかかる国の補助制度でございますけれども、平成17年度より制度化されております循環型社会形成推進交付金という制度がございます。ただし、この場合につきましては、ごみ焼却施設の解体撤去後に引き続きまたは5年以内に跡地を利用して廃棄処理施設の整備を行う必要があるとされてございます。この制度ですけれども、地方財政措置と合わせまして、経費の約60%が国から措置されるというものになってございます。廃棄処理施設の整備など跡地利用を行わない場合でございますけれども、これは交付金の対象となりませんが、地方単独事業で市町村が解体を実施することとなりますけれども、この場合には、地方財政措置として経費の30%が特別交付税で措置されるという制度がございます。
 県内の休止した焼却施設を使っている事例でございますけれども、大船渡地区環境施設組合が、釜石市に可燃ごみを運搬してございますが、そのための積み込み中継施設として使用している例がございますし、西和賀町では保管施設として使用している例がございます。現在、一関市では旧東磐環境組合の焼却施設をリサイクル施設として改修してございまして、平成20年10月に稼働を予定しているといったようなものがございます。現在、計画ということでございますけれども、盛岡・紫波地区環境施設組合におきましては、平成21年度に改修を予定していると聞いてございます。
 もう一点ございましたけれども、解体に伴うダイオキシン等の問題ということでございますが、厚生労働省が廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱というものを示してございます。この要綱に基づきました措置を講じることによりまして、解体作業に従事する労働者の安全、あるいはダイオキシン類の周辺環境への飛散等の防止が図られるものと考えてございます。
〇熊谷泉委員 広域組合は、それにかかわった市町村が責任を持っていくと思いますが、将来にわたって合併等があれば、解体がおくれればおくれるほどいろんな問題が出てくると思いますので、県も、年次において古いものから順次解体を進めるよう指導するべきと思いますが、その辺の御所見を伺って、終わります。
〇谷藤資源循環推進課総括課長 先ほど申し上げました制度等を活用していただきながら、計画的に施設の解体等を進めていただくよう指導してまいりたいと思います。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、環境生活部関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時38分 散会

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