平成19年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成19年10月16日(火)
1開会    午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課長 切 金   精
  議事担当課長 保 原 良 和
  主任主査   菊 池 達 也
  主査     鈴 木 文 彦
  主査     石木田 浩 美
  主査     佐々木 ユ カ
  主査     菊 池 芳 彦
  主査     渡 辺 謙 一
1説明員
  議会事務局長  藤 原 健 一
  議会事務局次長 中 田 光 雄
  総務課長    長 岡 栄一郎

  総務部長     川 窪 俊 広
  総務室長     瀬 川   純
  総合防災室長   小 野 雅 章
  総務室
  管理担当課長   松 川   章
  法務私学担当課長 鈴 木 浩 之
  入札担当課長   小 向 正 悟
  人事課総括課長  高 橋   信
  予算調製課
  総括課長     中 村 一 郎
  税務課総括課長  佐 藤 文 男
  管財課総括課長  川 口   眞
  防災消防担当課長 阿 部 一 哉
  防災危機管理監  越 野 修 三
  総務事務センター
  所長       大 森 芳 美

  総合政策室長   勝 部   修
  首席政策監    千 葉 茂 樹
  政策調査監    木 村 卓 也
  政策調査監    大 平   尚
  政策調査監    八重樫 幸 治
  秘書担当課長   新 屋 浩 二
  国体担当課長   八重樫 典 彦
  政策推進課
  総括課長     小田島 智 弥
  調整担当課長   渡 邊 健 治
  政策推進課
  管理担当課長   伊 藤 孝 栄
  政策担当課長   岩 間   隆
  経営評価課
  総括課長     高 橋 嘉 行
  政策評価担当課長 保   和 衛
  調査統計課
  総括課長     佐々木 幸 弘
  広聴広報課
  総括課長     齋 藤 信 之
  情報公開担当課長 西 村   豊
  報道監      古 川 良 隆

  地域振興部長   藤 尾 善 一
  地域企画室長   望 月 正 彦
  地域振興支援室長 鈴 木 健 夫
  交通政策参事   菅 原 和 彦
  地域企画室
  企画担当課長   畠 山 智 禎
  地域企画室
  管理担当課長   浅 沼 康 揮
  交通担当課長   平 野   直
  市町村課総括課長 浦 上 哲 朗
  NPO・国際課
  総括課長     佐々木   健
  IT推進課
  総括課長     桐 田 教 男
  行政情報化
  担当課長     中 野   栄
  県北沿岸振興
  担当課長     吉 田 和 明

  出納長      上 村 俊 一
  副出納長兼
  出納局長     平 澤 石 郎
  管理担当課長   小 守 武 義
  指導審査担当課長 中 里 格 己
  人事委員会
  事務局長     稲 田   収
  総務課長     佐 藤   新
  職員課長     菊 池 正 佳

  監査委員     菊 池 武 利
  監査委員     谷 地 信 子
  監査委員事務局長 小 川 明 彦
  総括監査監    門 口 正 雄
〇新居田弘文委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成18年度岩手県立病院等事業会計決算から認定第14号平成18年度岩手県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算まで、決算14件を一括議題といたします。
 これより部局審査に入ります。
 質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、平成18年度決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とし、質疑事項が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑につきましては、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、また、要望のみで終わることのないよう、御協力をお願いいたします。
 本日は、議会、総務部、総合政策室、地域振興部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇藤原議会事務局長 平成18年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、148ページをお開き願います。
 第1款議会費第1項議会費の支出済額は14億623万円余であります。内訳でありますが、第1目議会費の支出済額は9億2、351万円余であり、これは、議員の報酬及び旅費等の議会運営に要した経費であります。次に、2目事務局費の支出済額は4億5、916万円余でありますが、これは、事務局職員35名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費であります。次に、151ページにかけてでございますが、3目議員会館費の支出済額は2、355万円余であり、これは、議員会館の維持管理等に要した経費であります。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、二つに分けて簡潔にお聞きします。
 一つは、政務調査費に係る訴訟の審理状況と論点について御報告いただきたい。
〇藤原議会事務局長 政務調査費に係る訴訟の審理状況と論点についてでございますが、昨年9月14日に、開かれた行政を求めるいわての会─略称市民オンブズマンいわて─が、住民監査請求に係る監査結果を不服として、平成17年度政務調査費を執行した県議会議員54名に、訴状記載の金額4、129万484円を返還させるよう知事に求める住民訴訟を盛岡地方裁判所に提起したところでございます。県としては、原告の請求の棄却を求めて応訴しているところでございますが、これまでに、口頭弁論が3回と争点整理のための弁論準備手続が1回行われたところでございます。
 また、この間、本年1月と3月に各会派に属する関係議員が本件訴訟に利害関係者として補助参加したところであり、県と補助参加された議員とで政務調査費としての支出に違法性はない旨の主張を行っているところでございます。
 具体的には、これまでの審理において、原告は、訴状に記載された政務調査費の支出に係る各議員の活動内容について具体的な釈明を求めております。これに対して県は、政務調査費に係る知事の調査権限は、議員の政治活動の自由を保障する観点から限定的なものであるという基本的立場を明らかにしたところでございます。
 また、補助参加人は、訴状に記載された政務調査費の支出のうち、議員連盟等の会費について、議員連盟等の活動は議員活動の一環のものであり、これらに関する支出に違法性はない旨の主張を行ったところでございます。
 なお、訴訟の論点でございますが、議員連盟等の会費のほか、飲食が伴う会合会費、調査委託費、事務費・人件費の案分率が50%を超える支出等の適否が主な論点になるものと見込まれます。
 県といたしましては、引き続き補助参加人と連携を図りながら訴訟対応に当たってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 この訴訟については、裁判で今争われていますので、注視しつつ、県議会としても全国一透明性が高いと私は思っていますけれども、透明性が高いことと、そのとおり透明に使われていることとはまた別な問題でありますので。
 次に、まとめて聞きますが、平成18年度の政務調査費は公開されていますが、その執行状況について、海外視察使用というのはどのぐらいあったでしょうか。
 飲食が主の会費や個人的に参加すべき団体への会費等の支出があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 人件費支出が政務調査費の過半を超えるのは、本来、議員自身が調査すべき性格から好ましくないと思いますが、実態はどうでしょうか。
 次に、議会の情報公開の状況と内容について示していただきたい。
 また、議会改革、今、県議会も取り組んでいるところでありますが、この間の岩手県議会の議会改革で、全国にも報告、紹介できる主な成果をこの際示していただきたい。
 最後ですが、定例会の議事録の作成について、次の議会の直前に作成されていますけれども、せめて10日前議運までに作成できないか。そうしますと議事録を我々精査をして次の議会に臨むことができるので、ぜひそういう改善ができないか質問します。
〇藤原議会事務局長 政務調査費の状況についてでございますが、平成18年度政務調査費交付分による海外視察の状況につきましては、4名の議員が政務調査費を使用して実施しており、件数は5件で、金額は117万円余でございます。なお、視察先は中国、東南アジア、インドであり、1件当たりの平均額は約23万円でございます。
 次に、飲食が主の会費や個人的に参加すべき団体への会費等の支出についてでございますが、政務調査費の事務処理マニュアルにおいては、政務調査費から支出できない経費として、テープカットやあいさつのみの会合、新年会や忘年会など明らかに飲食を主目的とする名称の会合への出席費用、個人的な資格要件で参加している団体や趣味の会の会費等を挙げております。事務局としては、各議員から収支報告書の提出があった際には、このような支出がないかを確認しているところでございますが、明らかに事務処理マニュアルに抵触する支出はなかったと認識しております。
 次に、人件費の支出が政務調査費の過半を超えることが好ましくないのではないかということでございますが、政務調査費は、議員が行う議会の調査研究に資するため必要な経費の一部として交付しているものであり、広範な分野での議員活動の経費のうち、どの経費に政務調査費を充当するかは、条例、規程及び事務処理マニュアル等を踏まえて、議員の裁量にゆだねられているものと認識しております。
 次に、情報公開の状況と内容についてでございますが、県議会においては、より一層開かれた議会の実現を目指し、独自の条例として平成11年12月に岩手県議会情報公開条例を制定し、平成12年6月1日から公文書開示の請求を受け付けております。
 施行日以降の公文書開示請求件数は平成18年度末までに119件で、うち平成18年度は15件となっております。なお、今年度は現時点で12件となっております。
 また、開示請求内容は、政務調査費収支報告書、委員会会議記録、県外調査、海外調査に係る文書、議会に提出された要請書などであり、これらの請求に対しては、条例に定める非開示情報及び条例施行日以前の開示対象とならない文書を除き、開示を行ったところでございます。なお、開示状況は、全部開示83件、部分開示35件、非開示1件、これは条例適用期間外の文書の開示請求に係るものでございますが、となっております。
 次に、議会改革の具体的な実施状況についてでございます。
 本県の議会改革についてでございますが、地方分権改革の進展による地方公共団体の自己決定権の拡大に伴いまして、議会の役割と責任の重要性が増しておりますことから、議会機能の一層の充実強化を行うため、これまで、議会運営委員会や特別委員会あるいは議長の諮問機関として設置されました検討委員会等において、開かれた県議会の推進、政策立案機能の強化、執行機関に対する監視機能の強化などの観点からさまざまな取り組みが行われてきております。
 具体的な事項は多岐にわたりますが、代表的なものといたしましては、一つは、本会議や予算・決算特別委員会の様子、本会議議事録や委員会記録をインターネットを通じて公開したこと。二つには、議員発議による政策的条例の提案が活発に行われ、平成15年度以降、5件の条例が制定されたこと。ちなみにこれは、ここ5年間では宮城県の7件に次いで全国2番目ということでございます。三つは、決算審議の状況を翌年度予算の編成に反映させるため、普通会計決算の審査時期を前倒ししたこと。四つは、議員定数の削減及び選挙区の見直しを行ったことなどが挙げられます。今任期におきましても、御案内のとおり、議会のあり方調査特別委員会や費用弁償のあり方検討小委員会が設置され、県議会基本条例の制定に向けた取り組みや費用弁償の見直しなどが進められております。
 また、最近、各常任委員会に付託された請願案件等について団体で傍聴を希望するケースがふえてきていることに対応いたしまして、傍聴定員を5名から9名に増員したほか、委員会に入り切れない傍聴希望者が各常任委員会の審査の状況を他の会議室等で聞くことができるよう音声放送設備を整備することとし、補正予算として本定例会で議決をいただいたところでございます。
 なお、この設備につきましては、入札等の契約事務手続や議会日程等を考慮し、1月中旬以降に使用できるよう進めることといたしております。
 次に、会議録の作成についてでございます。
 定例会会議録については、これまで、6月、12月、2月定例会分を次期定例会の招集日に、9月定例会分については、閉会から12月定例会招集日までの期間が短いことから、1月の閉会中の委員会開催日に配付しているところでございます。
 会議録については、その正確を期すため、速記者から原稿の提出後、事務局職員により整文作業を行った後、印刷業者に発注するという手順で作成しております。事務局としてはできるだけ早期の作成に努めてはいますが、今のところ、これ以上の期間の短縮は非常に困難な状況にございます。
 このため一方で、議員の議会活動に資すること及び議会の審査状況を県民にできるだけ迅速にお知らせすることの重要性にかんがみまして、事務局職員による整文が終了した段階、定例会閉会後おおむね1カ月をめどでやっておりますが、この段階で、印刷した正式な会議録ではないものの、内容的にはほぼ同等な速報版の会議録を県議会ホームページに掲載しているところでございます。
 ちなみに、6月定例会、12月定例会、2月定例会については、この速報版が10日前議運までに間に合う状況にございます。しかし、9月定例会については、12月定例会招集日までの掲載は可能と考えられますものの、10日前議運までの掲載は難しい状況でございます。
 今後とも、会議録の早期作成に努めてまいりますが、当面は速報版を御活用いただくようにお願いいたします。
〇斉藤信委員 大体了解いたしました。
 政務調査費については、議員の責任で提出したものを議会事務局が評価するというのはなかなか難しいことなので、これは我々が自主的な改革をすべき課題だというふうに受けとめました。
 以上で質問を終わります。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇川窪総務部長 平成18年度決算の概要についてでございますが、全体の概要につきましては、昨日、出納長から説明がございましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと存じます。説明書の42ページでございますが、第3表の一般会計の財源別収入状況でございます。県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、一番上の行にありますように5、060億3、588万円余で、前年度に比べて375億6、349万円余、8.0%の増となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中ほどの行になりますが、2、705億9、367万円余で、前年度に比べて292億4、377万円余、9.8%の減となっております。
 一般財源収入額が前年度と比較して増加した要因といたしましては、県税が55億8、092万円余、5.1%の増、地方譲与税が150億207万円余、124.6%の増、その他が258億1、000万円余増加したものでございまして、その他の増の主なものは繰入金でございまして、291億7、373万円余の増加となっております。また、特定財源収入額が前年度と比較して減少した要因は、国庫支出金が246億6、629万円余、24.5%の減となったことなどによるものであります。
 次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書、こちらによって説明させていただきます。
 その6ページをお願いいたします。まず、第1款県税の収入済額でございますが、1、146億1、533万円余で、前年度に比べ55億8、092万円余の増となっております。また、調定額に対する収入済額の割合であります徴収率は98.0%で前年度より0.1ポイントの増となっておりますが、収入未済額は22億1、123万円余と、前年度より5.8%増加しております。
 この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は、市町村民税と合わせて市町村が賦課徴収することとなっておりますので、関係市町村とより一層の連携を図りながらその徴収に努めてまいる考えであります。
 次に、18ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じて地方消費税収を清算するものであり、収入済額264億8、690万円余で、前年度とほぼ同額となっております。
 次に、20ページをお開き願います。第3款地方譲与税でありますが、収入済額270億3、816万円余で、前年度比124.6%の増となっております。これは、国庫補助負担金の一般財源化に伴い、所得譲与税が150億8、852万円余、202.0%の増となったことによるものであります。
 次に、22ページをお開き願います。第4款地方特例交付金でありますが、収入済額6億5、558万円余で、これは前年度に比較し、87億5、149万円余、93.0%の減となっております。これは、平成17年度の税源移譲予定特例交付金が、平成18年度には所得譲与税に振り変わったことによるものであります。
 次に、24ページをお願いいたします。第5款地方交付税の収入済額は2、399億8、196万円余で、9、892万円の減ということで、前年度とほぼ同額となっております。
 次に、26ページをお開き願います。第6款交通安全対策特別交付金は、収入済額6億3、377万円余となっており、前年度と比較して4.6%の増となっております。
 次に、28ページをお願いいたします。第7款分担金及び負担金の収入済額は50億2、085万円余で、前年度と比較して22億3、547万円余、30.8%の減となっておりますが、これは、公共事業の減などに伴い、農林水産業費負担金が減となったことなどによるものであります。
 次に、34ページをお願いいたします。第8款使用料及び手数料の収入済額は91億4、785万円余で、前年度比4.6%の減となっております。
 次に、50ページまで進ませていただきまして、第9款国庫支出金でございますが、収入済額は887億4、822万円余で、国庫補助負担金の一般財源化などにより、前年度と比較して248億51万円余、21.8%の減となったものでございます。
 以下、91ページまでは国庫支出金の内訳となっております。
 次に、92ページをお願いいたします。第10款財産収入でありますが、収入済額は24億142万円余で、前年度と比較して12.1%の増となっておりますが、これは、土地売払収入の増などによるものであります。
 次に、98ページをお開き願います。第11款寄附金の収入済額は、県外産業廃棄物の搬入に係る事前協議に関する条例に基づく環境保全協力金1、861万円余、職員互助会からの寄附金5億円などにより、5億3、775万円余となっております。
 次に、100ページをお開き願います。第12款繰入金は462億3、387万円余で、前年度と比較して291億7、373万円余、171.0%の増となっております。これは、県債管理基金や公共施設整備基金などからの繰り入れが増加したことなどによるものであります。
 次に、104ページをお開き願います。第13款繰越金は124億998万円余で、前年度より4.6%の減となっております。
 次に、106ページをお願いいたします。第14款諸収入は、収入済額769億4、145万円余で、前年度と比較して5.2%の増となっておりますが、これは、貸付金元利収入の増などによるものであります。
 140ページまで進ませていただきまして、第15款県債でございますが、収入済額は1、257億7、640万円で、前年度に比べ6.7%の減となっております。
 なお、平成18年度末の一般会計の県債残高は1兆3、922億1、416万円となっておるところでございます。
 以上、款別に申し上げましたけれども、歳入の合計額は、146から147ページにありますように、予算現額が7、974億9、646万円余、また、調定額が7、841億866万円余、収入済額7、766億2、956万円余となっており、収入済額は、前年度に比べ83億1、972万円余、1.1%の増となっております。
 なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金の欠損処分額が大部分でありますが、これは、地方税法の規定により、納入義務が消滅したもの、あるいは時効の完成等に伴い処分したものでございます。
 次に、歳出につきまして御説明申し上げます。
 まず初めに、総括的な御説明でございまして、先ほどの歳入歳出決算説明書の資料にお戻りいただければと存じます。この説明書の54ページでございます。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況の表をお願いいたします。
 歳出決算を性質別に申し上げますと、左側区分に従いまして、義務的経費につきましては、計欄にありますように3、685億8、587万円余で、前年度に比べて0.8%の減、決算総額に占める割合は48.0%で、前年度より1.1ポイント低下しております。
 その下の投資的経費につきましては、計の欄のとおり1、438億4、807万円余で、前年度に比べて10.6%減少しており、構成比は18.7%でございます。これは、前年度比で2.6ポイント低下しております。これは、普通建設事業費が減少したことなどによるものでございます。
 なお、ここの表には記載しておりませんが、公債費比率は前年度より4.4ポイント上昇して22.9%となっており、また、財政構造の弾力性の尺度である経常収支比率につきましては95.6%と、前年度より2.6ポイント上昇しておりまして、財政構造は依然として厳しい状況が続いているところであります。このため、引き続き自主財源の確保に努める一方、政策評価をもとに緊急性、重要性の観点から徹底した選択と集中を行うとともに、創意工夫を凝らしながら、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。
 次に、総務部関係の歳出決算の概要について御説明申し上げたいと存じます。
 最初に、資料なしの御説明で恐縮でございますが、総務部関係の所管業務等について御説明申し上げます。総務部関係は、持続する行財政構造の構築という点と、総合的な防災対策等の推進を大きな二つの重点的な課題ということで事務事業に取り組んできております。これらの重点項目ごとの事務事業の総括的な成果と今後の取り組み方針につきまして、口頭で恐縮ですが、御説明申し上げたいと存じます。
 まず、持続する行財政構造の構築についてでありますが、国の財政構造改革、いわゆる三位一体の改革の動向を見きわめつつ、県税等の収入に見合った予算規模となるよう、各種行政水準、予算編成方法の見直しなど、持続可能な財政構造への転換に取り組んだところでございます。また、組織・職員体制については、事務事業の徹底した見直しを行いながら、スリムで効率的な体制の構築に努めたほか、いわてマネジメントシステムの展開など、業務カイゼンにも取り組んだところでございます。
 また、県税収入等の確保対策としては、県と市町村合同による研修会を開催し、徴収技術の向上を図ったほか、県有未利用地の処分などにも取り組んでまいりました。今後は、厳しい財政状況に対処し、持続可能な行財政構造の構築の第一歩となるよう、地方税財政制度の改革の実現を含め、あらゆる角度から歳入確保の取り組みを進めるとともに、歳出についてもゼロベースで徹底した見直しを行い、新しい地域経営の計画に沿って、限られた財源をより優先度の高い政策に集中させ、県民生活の向上につながるよう努めたいと考えているところであります。
 次に、総合的な防災対策の推進についてでございますが、極めて高い確率での発生が予想されております宮城県沖での大地震を想定し、自主防災組織の育成強化、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震への防災対策を重点的に推進したところでございます。また、衛星系無線設備の機能充実と映像のデジタル化への対応を進め、災害時における情報通信の万全な体制の確保に努めたところであります。今後におきましても、防災関係機関との連携体制の強化に取り組むとともに、発災時の県庁の対応力を最大化するため、参集訓練、対策本部設置訓練、図上訓練などの各種の訓練を全庁的に展開してまいりたいと存じます。
 総務部といたしましては、各部がその機能を最大限に発揮できるよう、必要な価値と限られた資源を効果的かつ効率的に提供することによりまして各部を後方支援し、最終的に県民満足の実現と自立した地域社会の形成に貢献してまいりたいと考えているところでございます。
 それでは、この後、資料にお戻りいただきまして、総務部の決算の詳細につきまして御説明申し上げたいと存じます。
 総務部関係の支出済額は2、139億212万円余となったわけでございますが、その概要は、今度は分厚い明細書の152ページからをごらんいただきたいと存じます。第2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にございますように14億4、410万円余でございますけれども、これは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費が主なものでございます。
 なお、今後、以下の説明につきましては、いずれも支出済額について申し上げたいと存じますので、御了承をお願い申し上げたいと存じます。
 次に、2目の人事管理費は45億3、349万円余でございますが、これは、職員の研修や退職手当及び公務災害補償などに要した経費でございます。154ページに参りまして、3目文書費6、453万円余でございますが、これは、文書の収受、発送や県報の発行などに要した経費でございます。次の4目財政管理費10億4、872万円余につきましては、予算編成事務等支援システムの運営や財政調整基金の積立金等が主なものでございます。156ページに参りまして、6目財産管理費は30億3、217万円余でございますが、庁舎・公舎の維持管理や、県有資産所在市町村交付金等に要する経費でございます。次の158ページに参りまして、7目県外事務所費2億3、810万円余につきましては、東京、大阪などの県外事務所費や、いわて銀河プラザの管理運営経費でございます。次の8目公会堂費1、915万円余は、公会堂の管理運営に要した経費であります。その次の9目恩給及び退職年金費5、446万円余は、恩給などの給付に要した経費でございます。次の10目諸費のうち、総務部関係は、備考欄にございますように13万円余でございますが、これは、宗教法人設立認証事務等の事務的経費でございます。
 次に、少し飛びまして166ページをお開き願います。4項徴税費の1目税務総務費24億2、768万円余でございますが、これは、税務職員に係る人件費等の経費でございます。次に、168ページに参りまして、2目賦課徴収費20億1、147万円余につきましては、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費でございます。
 次の170ページに参りまして、6項防災費の1目防災総務費6億1、322万円余につきましては、防災担当職員の人件費や航空消防防災体制の強化、津波避難対策の推進などに要した経費でございます。172ページに参りまして、2目消防指導費1億3、342万円余は、産業保安業務の指導や、消防学校の管理運営等の経費でございます。
 次に、大きく飛びますが、342ページから344ページにかけてをお願い申し上げたいと存じます。第10款の教育費8項大学費1目大学費45億6、119万円余でございますが、これは、公立大学法人岩手県立大学に対する運営費交付金でございます。
 また、次の9項私立学校費1目私立学校費55億275万円余につきましては、私立学校の運営費補助、私立高等学校等授業料減免補助など、私学の振興に要した経費でございます。
 次に、352ページをお願いいたします。12款公債費でございますが、1項公債費1目元金1、347億1、838万円余のうち、総務部関係は、県債償還元金1、344億635万円余でございます。次の2目利子246億5、801万円余は県債償還利子であり、その次の3目の公債諸費1億4、242万円余につきましては、県債の償還事務費及び県債管理基金の積み立てに要した経費でございます。
 354ページに参りまして、13款諸支出金でございますが、このうち4項地方消費税清算金120億23万円余につきましては、都道府県間の地方消費税の清算に要した経費でございます。
 次の5項利子割交付金4億178万円余から、356ページの11項自動車取得税交付金26億2、601万円余までにつきましては、いずれも市町村に対して交付いたします税関係交付金でございます。
 次の12項の利子割精算金32万円余でございますが、これは、都道府県間の利子割額の精算に要した経費でございます。
 358ページに参りまして、最後になりますが、14款予備費3億円につきましては、1款議会費、2款総務費及び10款教育費にそれぞれ充用いたしましたものでございます。
 以上で、歳入歳出の構造、歳入の全般、そして総務部関係の歳出決算の概要につきましての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇千葉康一郎委員 平成18年度の歳入歳出決算説明書を見ますと、4ページに予算執行率について説明があります。歳出決算額7、674億6、904万円で執行率が96.2%となっており、前年度に比べ0.4ポイント下回ったとされております。予算執行率が高いことがかつては公務員の仕事ぶりとしては褒められた時代があったかもしれませんが、厳しい財政状況では、こうした数値で県の仕事ぶりが評価される時代ではないと思います。県財政が危機的状況にあるとの説明が盛んになされ、行革の取り組みをさらに強化する、いわば乾いたぞうきんをさらに絞るように、今後、事務事業の総点検とあわせて集中改革プログラムの策定、実行に取り組んでいく必要があると思いますが、予算の適正執行に関して2点伺います。
 まず、近年、不用額が多額になっている点、平成18年度一般会計決算では30億3、000万円、平成17年度22億400万円、平成16年度26億8、700万円と多額になっております。適切な予算計上、つまり最終予算の計上精査が甘いのではないかという面があります。財源調整の面で、適切な減額補正予算が計上されれば、新年度の予算編成の財源に多少なりとも回すことができます。一方で、予算計上されたものを全額執行しないで不用額として処理し、これも翌年度以降の財源として活用することが可能となるものでありますが、見方によっては、近年、不用額が多額になっていることはそのあらわれではないでしょうか。
 そこで、質問の1点目は、予算執行の適正化の観点から、年度末に旅費や需用費、備品購入費などが集中して執行されるようなことはないかという点であります。つまり、不要不急な用務による出張、消耗品類などの一括大量購入、十分に使用に耐えられるのに安易に新機種に更新するための備品購入などがないか、厳しい財政状況下において、予算の適正執行に向けた厳しいチェックが必要と考えます。そこで、財政当局、特に予算調製課として、予算の適正な執行についてどのような指導をしているのか、俗に言う使い切り予算となっていないか伺います。
 2点目として、契約関係について伺います。契約の透明性、公平性、競争性を確保するためには入札によることが必要であります。この結果としてコストの低減も可能と考えるが、平成18年度決算に関係し、県の公共調達に係る随意契約の状況はどうなっているのか、また、契約事務の適正化に向けた取り組み状況はいかがか、お示し願います。
〇中村予算調製課総括課長 まず最初に、予算の年度末執行等についてのお尋ねでございます。
 歳出予算の執行に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえまして、年度当初に各部局長に対しまして、予算の適切な執行について通知により徹底を図っております。また、補正予算等の編成の都度、各部局に対しまして、経費の徹底した見直しと、県全体としての効率的かつ適正な予算執行について徹底を図っているところでございます。特に、一般行政経費におきます物件費及び維持補修費につきましては、全庁的に一定の節減努力を行っており、また、入札残等の取り扱いにつきましても、県単独事業のものにつきましては使わずに2月補正で減額措置を講じるように努めております。
 委員が御指摘のとおり、現在、策定を進めております集中改革プログラムにおきまして、さらなる予算の適正化、効率化を図るようにするとともに、予算の計画的かつ厳正な執行に努めるよう、各部局に対して徹底を図ってまいりたいと考えております。
 2点目の随意契約の実態等でございますけれども、随意契約の適正化につきましては、総務省からの要請もございまして、行財政構造改革プログラムに関連した取り組みの一環として、昨年度、委託料などの随意契約案件について点検を実施したところでございます。平成17年度の知事部局本庁執行分の随意契約のうち、1件当たりの契約額が地方自治法施行令に定める限度額を超える契約を対象に行ったところ、785件、145億4、100万円の随意契約事案があったところでございます。これらの契約事案につきましては、特に違法な契約は認められなかったものでございますが、随意契約額が多額となっておりまして、契約事務の一層の透明性の確保、競争原理の導入を図る必要があるものと認識しております。
 今後、公共調達に当たりましては、原則、競争入札によるものとし、また、随意契約を行う場合であっても、できる限り企画コンペ等を実施するなど、透明性、競争性に配慮しながらコスト削減に努めてまいりたいと考えております。
〇千葉康一郎委員 2点目の随意契約でありますけれども、予算執行する場合には伺いでチェックしていると思いますけれども、入札の例外規定を適用して随意契約をしているものが相当数あるのではないかと思うのであります。
 そこで、この指導を徹底すべきではないかということを申し上げて終わります。
〇中村予算調製課総括課長 ただいま委員から御意見がございましたとおり、今後とも、各部局に対しましてそのように徹底を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 私からは、159ページのいわて銀河プラザ管理運営費と153ページの入札事務改善推進費、この2点についてお聞きしたいと思います。
 まず最初に、いわて銀河プラザ管理運営費でございますけれども、こちらの意義と実績はどういうふうになっているか改めてお聞きしたいと思います。
〇松川総務室管理担当課長 まず、意義と実績でございますけれども、意義につきましては、いわて銀河プラザは商工労働観光部所管の施設でございますが、大消費地である首都圏におきまして、岩手の魅力を総合的にアピールし、県産品の販路拡大から観光振興を含めました岩手のイメージアップを図るため、平成10年に設置したものでございまして、総合的な情報発信拠点の施設ということで機能しております。
 実績でございますけれども、設置以来、販売額、購買客数ともに伸びておりまして、平成18年度は4億9、000万円の売り上げで、順調に県産品の販路拡大に寄与していると思っております。
〇高橋雪文委員 聞くところによりますと、いわて銀河プラザを海外にも出したい、そういうことがうわさになっているというか、そういう方針のようでございます。基本的には商工労働観光部が担当ということでございますが、私は、この管理運営費が1億1、000万円ほどになる、そして、東京事務所など、実はそちらにも管理費が非常にかかっている、この辺を見直すことによって新たな財源創出ができるのではないか、コスト削減ができるのではないか、プラザそのものの運営の形をこれから考えていく必要があるのではないかと思います。商工のほうとの関連でこのいわて銀河プラザの価値があるというのであれば、もう少しコスト削減しながら運営を続けていく施策を考えていく時期に来ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇松川総務室管理担当課長 銀河プラザに入居している出店企業は県内の比較的中小零細の企業が多うございますので、そのためにも銀河プラザで首都圏に売り込める場を提供するということはまた必要なことと考えておりますが、委員御指摘のとおり、費用対効果を考えながら、効果的な運営は必要と考えておりますので、関係部局のほうにもよく伝えまして運営するようにしてまいりたいと思います。
〇高橋雪文委員 いずれ県外の事務所のあり方というものをもうそろそろしっかりと見直しながら、存在意義、価値を見出していかなければならないと思うわけでございますけれども、総務部長はどのようにお考えなのでしょうか。
〇川窪総務部長 県外事務所につきましては、東京、大阪、名古屋ほか何カ所か置いてございまして、東京の場合には行政的な役割と観光面、さらに県産品の販路という部分もございますし、また、それぞれの地域ごとに企業誘致を中心に頑張っている事務所もございます。それぞれの存在意義が時代とともに少しずつ変わりつつも、今のところ必要性があるということで置いておるわけでございますが、やはりそこは御指摘のように、将来に向けましては、どのような仕事をどのぐらいの人数の県職員を異動の中で派遣といいますか、現地駐在させながらやっていくかについては、また不断に実情をよく聞きながら、見直しの観点も含めて検討していきたいと思っております。
〇高橋雪文委員 それでは、入札事務の改善推進費にかかわって質問させていただきたいと思います。
 こちらは大きな建設工事についての入札をできるだけクリアにしていこうということでございますけれども、大きな工事以外にも、いろいろな部、そして振興局、医療局、企業局、それぞれのところでさまざまな入札業務を行っている。こういう入札の業務についてどのように指導されて、そしてどのように整合性を図っておられるのか、質問させていただきます。
 また、県議会でも請願書、意見書などを採択して、建設工事のさまざまな入札については、地元でできることは地元で、分離発注できるものは分離発注でという原理原則をしているわけでございますけれども、その辺をどれだけ実践されているものか、どのように把握しているものか、お聞かせいただきたいと思います。
〇小向入札担当課長 まず、入札業務に係る整合性等についてでございますけれども、知事部局における建設工事の入札執行につきましては、各種規程や要綱のほか、入札手続について実施要領等を定めまして、本庁、振興局等において統一的に運用しておるところでございます。
 医療局、企業局におきましては、基本的には、地方公営企業法の規定によりまして、公営企業管理者が入札制度を定めて入札を執行することになるわけでございますけれども、医療局、企業局の両局長は、県営建設工事の入札制度の改善等について検討を行っております入札制度改善等検討委員会の構成員にもなっておりますことから、両局においては、知事部局における入札制度の状況を参考にしながら、入札制度の組み立てあるいは改善等に取り組んでいるものと認識しております。
 次に、地元発注等についてでございますけれども、これまで、県内の企業の育成、地域経済の活性化、雇用の確保等の観点から、県内業者の施工が可能と認められる工事につきましては、県内業者で施工することを基本に、県内業者の受注機会の確保、受注率の向上に努めてきたところでございます。
 本年7月からの条件付一般競争入札の全面導入に際しましても、透明性、公正性、競争性を十分に確保することを基本としつつ、工事の規模に応じてきめ細やかに地域要件を設定することなどを通じて、県内建設業の健全な発展や地域振興の面にもできる限り配慮したところでございます。
 今後とも、県営建設工事の県内経済に及ぼす影響にも配慮しつつ、適正かつ厳正な発注に努めてまいりたいと存じております。
 なお、平成19年度における県内受注率につきましては、8月末現在の数値ではございますけれども、件数で94.8%、金額で89.2%が県内受注となっておるところでございます。
 次に、分離発注についてでございますけれども、発注自体は、一体で行うか、あるいは分離するかは発注部局の判断によるものでございまして、入札サイドでかかわっているものではございません。ただ、一般的に公共工事の発注に当たりましては、閣議決定されております中小企業に関する国等の契約の方針におきまして、効率的な執行を通じたコスト縮減を図る観点から、適切な発注が確保されることを前提として分離発注に努めることとされているところでございます。こういったことから、これまで、建築工事における電気や機械設備等の専門工事において、それぞれの特性を十分に配慮しながら、可能な限り各部局において分離発注に努めているものと承知しております。
〇高橋雪文委員 分離発注について少し突っ込んでお話をさせていただきたいのですが、この分離発注は、専門施工業者に対する配慮が非常に大きいのではないかと私は考えるところでございますけれども、入札の条件によって、実は直接施工できない業者が入札に参加して、しかも低価格でその入札を落として、それを直接施工できないゆえに、また専門業者、下請に流すという事態が現実に起こっているというのを聞いておるところであります。当然、分離発注の原理原則は直接施工できることが第一義ではないかと思うわけでありますけれども、今日、非常に低価格で入札するという問題もあるわけでございますが、その点どのように考えておられるのか、どのように認識しておられるのか、御説明いただきたいと思います。
〇小向入札担当課長 今、分離発注、下請等について御質問ございましたけれども、工事の形態につきましてはさまざまございまして、直接みずから施工するもの、あるいは、みずからは施工全体の管理を行いながら一定の部分を下請に出すものとさまざまな形態がございますが、それらの形態は建設業法上どちらも認められていることでございますし、県営建設工事においてもそのようなことを認めている状況にございます。
 ただし、一括下請であるとか丸投げであるとか、あるいは不当に低い価格での下請の強要などということにつきましては、建設業法上違法な行為であり、許されるものではないと認識しておりますけれども、今のところ、県営建設工事においてそのような事実により処分等を受けた者はないと、そのように認識いたしてございます。
〇高橋雪文委員 私、部長にお聞きしたいのですが、現実に専門施工業者の皆さん方から陳情なり意見などが当然本庁のほうに来ているはずでございまして、それをもとに私も質問させていただいているところでございます。
 大きな入札業務は総務のほうに行って、それこそ公平性等を保つために努力されているのはよくわかりますけれども、やはり地域の声をある程度考慮しながら、そして県議会は、分離発注、地元でできることは地元でということで意思表示をしたわけでありまして、その観点の配慮が、やはり総務の入札の中でも、さらには地方振興局、医療局、企業局の入札の業務の中でも連携がとれていないというか、その思いがそれぞれに伝わっていないという気がするわけでございますけれども、こういう実態をいかに改善して、どのように地域還元できるような入札業務に変えていくのか。そして、入札事務改善推進費と、こういう項目であるわけでございまして、今後、こういう予算を使いながら、どのように適正なものにしていこうとされるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
〇川窪総務部長 入札制度の中で、個々の入札でどのような条件をつけていくかということにつきましては、制度をつくっている原則に照らしつつ、また、一方でその工事がより適切に、品質の高いものとしてしっかり実施されるようにということを考えながら条件を設定していくということになるのだと思っておりますけれども、先ほど課長からも申し上げましたけれども、建設業法上の原則というものが一方にございまして、一括的な下請、丸投げ、不当に低い価格での下請強要みたいなことが起きることがないようにという意味で目を光らせていく。また、そういう処分のレベルには至らないまでも、そういう問題に近いことが起きているのではないかというような御指摘につきましては、私たちも事情をしっかり教えていただきながら、その事情を踏まえまして、基本的な制度の原則はございますけれども、そういう原則を踏まえつつ、できる限りの対応をしていくというような考え方では取り組んでまいりたいと思っております。また、個々の条件の設定の仕方につきましては、個別の事案に応じまして適切にやるべく努力してまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 専門施工業者は、技士を抱えて会社運営もしている。言うならば、地域の人材の確保というものにも非常に力を入れているわけであります。そういう専門業者に対して一定の配慮というものが、やはりこれからも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〇小向入札担当課長 我々の方としては、先ほど部長が答弁申し上げましたけれども、一定の基準に基づきまして入札条件というものを設定してございます。その中で、今、委員が御指摘しておられます、いわゆる技術者の関係でございますけれども、これにつきましては、特に小さい工事といいますと、1億円以下の工事ということで我々は分離してございますけれども、そういった1億円以下の工事につきましては、施工実績云々というよりは、建設業法上のそういった工事ができる資格があるかどうかという部分を客観的に判断する材料として使っておるものでございます。個々の技術者がいいか悪いか云々ということを行政の中で恣意的に判断しないように、そういった基準を県民の皆様に公開する中で、この技術者はこれに当たるんだという部分を明確にした上で、技術者の件につきましては設定しているということで御理解いただきたいと存じます。
〇高橋雪文委員 やっぱりここは部長に聞かなければならない。現実に施工ができない業者が入札に入って、取って、それを下請しているという声が各業界から来ているのではないかと思います。そういうことに対して、やはり配慮ある入札業務の改善というか、改正ということが私はやっぱり必要なのではないかと思うわけでございまして、その点について、もう一言お願いしたいと思います。
〇川窪総務部長 さまざまな御意見また御指摘を、さまざまなお立場からいただいておりまして、それらについては一生懸命私どものほうもお聞きして、どのような改善が可能なのかということも検討していかなければならないと思っているところでございますが、もちろん制度的に、技術者要件でありますとか、実績要件でありますとか、そういったものにつきましては、やはり一定の客観的基準ということも必要でございまして、そういった形での運用もしなければならないという要請もございますので、そこらあたりの入札のやり方として、できる限りさまざまな御意見に耳を傾けつつ、方式としては、1個1個でばらばらな基準というわけにもいかないところがございますので、一定のルールを定めながら、ルールのあり方ということについていろんな御意見を伺いながら検討していくということで考えているところでございます。
〇柳村岩見委員 今の質問について、ちょっと関連してお尋ねいたします。質疑として見えてこないので、ある一定の業種をちょっと設定してみたいと思います。
 専門工事における─専門工事ということは土木工事一式、建築工事一式以外の専門工事で、その28業種の中で、塗装工事、吹きつけ工事とイメージした場合、入札に指名される業者というのは、特定建設業において二つ以上にまたがる業種を取得している。塗装工事を取得している特定建設業者、あるいはまた吹きつけであれば吹きつけ工事を許可として取っている特定建設業者が指名されて、入札の結果、落札し、工事を請け負う。ところが、実態は、その落札した業者は塗装工事をやらない。吹きつけ工事の場合も、吹きつけ工事をやらないで下請に出すんです。当然、建設業法上の条件として主任技術者がいなければいけません。元請としていなければいけませんし、下請もいなければいけません。それはそれでそのとおりなんですが、要するに、1級施工管理技士が塗装工事も管理できる範疇という免状であります。だから、いるんです。ところが、いたってやらないんです。ふだんやっていないんだもの。たまにしか来ない工事だから。そうすると、本当の専門工事、主任技術者のいる塗装業者あるいは吹きつけ工事業者に、実際は工事が下請として行くのです。その実態があるんです。なのに県の入札制度というのは、特定建設業者をがらっと並べて指名をするんです。ここにミスマッチが起きているんですよ。でも、考えてみれば、30年前に分離発注の議論が起きて、要望が行われて、今日、分離発注が行われていることを思えば、このことも何年かたてば解決するのでしょう。ただ、そのミスマッチが起きているという現状の御認識がありますか。
〇小向入札担当課長 今、委員から御指摘いただきましたとおり、専門工事であるか、あるいは一式工事の中の一部の工事であるかということで、これは県の発注の方針がまた違ってくるという形になりますし、実態として、実際に施工するかどうかという部分について言えば、一式工事の場合は、そこの部分については下請に出すというようなことは十分考えられることでございまして、これを県営建設工事で禁止しているというものではなく、建設業法上も認められているという中でございます。そういった意味で、我々のほうとしては、どういう形で技術者なり何なりというものを判断するかという部分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、その実態云々というよりは、建設業法で定められた技術者が配置できるかどうかといった部分について条件を設定いたしまして、それが確認できれば、これは施工できるというような判断をしているところでございまして、個々に技術者が最終的に下請なのかどうか、あるいはみずから施工するものなのかどうかというもので判断しているものではございません。
〇柳村岩見委員 入札制度として、方法として間違っておりません。間違っているという指摘はしておりません。間違ってない。正しくやっています。ただ、実態がほかにある。落札した業者がその仕事をしないという実態がある。下請に出す。丸投げもしていません。ちゃんと管理を入れてやっていれば、丸投げではありませんから。そのために主任技術者がいるんですから。だから、そのことは言ってない。実態がそうありますので、そして、その上でこれからの各建物、施設であれ、公構造物が耐用年数が来ても財政難で改築改修ができないという時代に入っております。そこで、そういう公構造物をもたせる、何とか建物を延命させるということの方法として、塗装、吹きつけということが大事になってくる世の中です。その世の中にあって、今度は財源がないから効率的にコストを下げてやるといった場合に、直接専門業者に発注したほうがいいじゃないですか。だって、丸投げできないのだから、管理費がかかる。その分を元請業者がはねる。直接行ったら、主任技術者がいる専門工事屋に発注したら安く上がるでしょう。そのことについて、市町村がもう気がついている。要するに、工務店に発注しない。もっと下の専門業者に発注する。もちろんルールの上でですよ。主任技術者がいるという範疇の上で発注する。そうすると、コストが安く上がるんです。皆さんもそれを勉強しなきゃ。工事が30%ぐらい安く上がるそうです。これから大いに研究して、皆さんがおっしゃる建前の建設業法における─昭和24年にできた建設業法ですよ、それに余りとらわれないで、頭をやわらかくしなければいけない部分があるんだよということ。現実があるからそうなんだよということを答弁できますか。
〇小向入札担当課長 専門業者のほうが安くなるという部分につきましては、そこを完全に分離して発注して、そこが独立した工事であれば、そういった部分は御指摘のとおりだと思いますけれども、ただ、一式工事のようにさまざまな工事がまざっている場合、それを分離発注して細かくなってしまう、あるいは非常に出合い帳場的な部分ができるということになりますと、逆にコストが高くなるという部分もあると思いますし、あるいはそういったさまざまな工事がそれぞれ分離されるということによって、管理が非常に大変になる、あるいは安全上非常に問題があるというようなことで一式工事で発注し、その一式工事のいわゆる元請が管理した中で、それぞれの下請が施工するというような部分も、これまた一つあるのかと思いますけれども、委員の御指摘等も参考に、今後検討してまいりたいと存じます。
〇新居田弘文委員長 柳村委員、簡潔にお願いします。
〇柳村岩見委員 お断りしておきますが、質問では一式工事を省いた話をしましたから、それは私の質問に入っていません。
〇田村誠委員 簡単に1点だけ御質問をさせていただきます。
 岩手県は、財政状況が大変厳しいということから、予算編成方式では各部局の予算枠を一律削減し、これまで事業を実施してきたわけでございますが、このことによって事業執行に支障を来している分野というものはかなりあるんだろうと思います。御理解を得るために、例えば自然保護の関係でちょっとお聞きしたいと思いますが、私どもも、岩手が持つすばらしい山、海、川、こうした自然を守り、そしてともに親しみながら楽しんで行こう、あるいは地域の活力を求めていこうという目的で自然保護議員連盟をつくりまして、名山と言われる岩手山、早池峰山といった山々を歩きながら、そのすばらしさを改めて実感してまいりましたし、そして、今、県内外から、この名峰を含めた岩手の自然に親しみたいというお客様も数多く御来県をいただいているわけであります。
 こうした自然公園の管理等々につきましては、それでなくてもなかなか厳しい財政状況の中で、今までも先送りをしてきた経緯があるのだろうと思います。こうした予算規模が小さい中での一律カットというものは大変大きなものであり、これは自然保護のみならず随所にそうしたものはあるのだろうと思いますけれども、今後、政策的判断によって、いわゆる知事のリーダーシップによって、そうした一律カットというものはやめていくんだということになったわけでありますが、例えば今お話をいたしました公園管理などを見てみますと、登山道がかなり傷み始めてきている。これをやることよって、自然破壊につながったり、あるいは早池峰山の管理人がこれから果たして採用できるのかどうか。こうしたものなどを見てみますと、あのすばらしい山野草が盗掘されたり、いわゆるそうした自然破壊につながる、あるいは事故につながる。そうしたことになってきますと、やっぱり他県から来ているお客様も、岩手の公園は危ないというイメージになってしまいますと、これは観光客の流入などにも大きな問題が提起されるのだろうと思いますけれども、こうした分野への予算配慮というものは、今後の政策的判断で予算をやっていくといった場合には、ぜひ意を注いでいくべきだと思います。これは自然保護で、今、私はお話をしましたけれども、こうした今まで規模の小さい予算事業を執行してきた分野でおくれている部分の配慮というものをどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
〇中村予算調製課総括課長 今、来年度の予算編成の関連でお尋ねがございましたけれども、委員御指摘のとおり、これまでのやり方につきましては、部局枠ということで、その中で一律削減方式といったことが行われてきたということで、これにつきましてはいろいろ課題も指摘されてきているところでございます。そこで、来年度の予算編成におきましては、一つは、政策的経費につきましては、一律削減や部局予算枠を原則として廃止いたしまして、政策の重点化を確保する仕組みに見直ししたいということを考えております。
 それから、各部局におきましての要求でございますけれども、要求方法につきまして、基本的には既存の事業を一たんゼロベースで見直ししていただくという前提で作業していただきながら、現在のそれぞれの各部各課の予算枠といったものにこだわらずに、必要と思われる所要額については、要求していただけるような仕組みということで考えてございます。こういった要求方法の見直しを行うことによりまして、先ほど申し上げました課題解決に当たりましては、財源の制約なく、現場のニーズに即した事業の再構築が可能になるのではないかと考えております。
 なお、最終的には、確保可能な財源の範囲内で、政策の優先度等に応じまして事業の採択をしていくことになるものでございます。
〇大宮惇幸委員 私はごく簡単な御質問を申し上げます。
 最近と申しますか、近年、俗に言う片仮名語あるいは片仮名言葉というものを目にしたり、耳にしたりします。今回の決算特別委員会に出されている資料の中にも、随所とは言いませんが、ところどころに片仮名が使われているというのが現実であります。その片仮名を使うという意味は、我々議員なり県民に理解を深めるように使われているのか、その理由をまずお聞かせいただきたいと思います。
〇鈴木法務私学担当課長 片仮名語の公用文への使用の理由についてというお尋ねでございますが、外来語や造語など片仮名で表記されるいわゆる片仮名語につきましては、言いかえるための適切な日本語がないことや新鮮な感じを与えることなどから、県の行政文書でも利用されているところでございます。しかし、読む人にとっては、なじみがないと意味が伝わらないとか、また、受け取り方によって文書の内容が誤って伝わることもございます。
 そこで、総務室といたしましては、片仮名語の行政文書への使用にあたりましては、日本語として定着しているものを除きまして、適切な日本語に言いかえることを原則とし、言いかえる適切な日本語がない場合等の理由により、やむを得ず一般に定着していない片仮名語を使用する場合には、括弧書きや注意書き等により意味の説明をするなど、読み手の立場に立ったわかりやすい文書となるようお願いしているところでございます。
〇大宮惇幸委員 今、片仮名語が日本語に置きかえられないというようなお答えでありますけれども、やっぱり日本人は日本語を使うのが基本だと私は思っております。実は、さきに示された新しい地域経営計画の素案を参考に申し上げます。この中身を見ますと、186カ所に片仮名が使われている。後でお目通ししてください。これが果たして県民に理解をいただけるような素案なのかどうか。しかも無理して用語解説までつけているんですよ。こういう実態の素案が果たして県民に理解が得られるものかどうか、私は疑問に思っています。だから、やっぱり県民にわかりやすいような行政用語を使うべきではないか。我々が主食としている米も、ライスとかスープじゃないんです。みそ汁と御飯なんです。それがわかりやすいんです。役所といいますか、行政でも県民にわかりやすいような日本語をこれからは使うべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇鈴木法務私学担当課長 委員仰せのとおり、県民の皆様方にわかりやすい文書を作成するということは大変重要なことと考えているところでございます。今後に当たりましても、外来語を初めとする片仮名語を乱用することなく、読み手の立場に立ったわかりやすく、親しみやすい文書となるよう今後も留意の上、周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。
〇小野寺有一委員 まず、一般会計、特別会計の議案になっております数字のとり方についての御質問を申し上げたいと思います。我々がいただいている議案書では、一般会計、特別会計という仕分けになっているわけでございますが、それ以外に普通会計という概念があるわけでございます。純粋な財政規模をとらえるため、一般会計と特別会計の会計間における繰り入れ、繰り出しなどの重複分を控除した純粋額で作成されるというのが普通会計だと承っております。
 そこで、公債費について御質問を申し上げますが、一般会計では平成18年度の公債費について1、595億円余という形になっているわけでございますが、普通会計では1、304億円余という数字になっております。一般会計に特別会計を加えた普通会計のほうが、我々素人としては多額になるように思われるわけでありますが、それがどうしてこういった形の数字としてあらわれてくるのか、この点について御説明をお願いしたいと思います。
〇中村予算調製課総括課長 普通会計は、今、委員からお話があったとおり、一般会計に、公営事業会計を除く特別会計分を加えたものでございます。そのため、一般的に考えますと、普通会計の公債費のほうが一般会計の公債費よりも多くなるのではないかと思われるところでございますが、普通会計は、個々の地方公共団体ごとの各会計の範囲が異なっているという事情があることから、財政比較や統一的把握が困難であるということで、総務省のほうにおきまして、地方財政統計上、統一的に用いられる会計の区分としてのルールを定めているというものでございます。
 今お話のございました公債費につきましては、例えば本県の場合は、借換債というものを一定額発行してございます。この借換債につきましては、返すということとセットで借りるという両方の行為が行われて、歳入と歳出に同額計上されるということがございますので、先ほど委員からもお話がありましたとおり、純計で普通会計は計上するという原則がございますので、こういった借換債発行の場合には、その金額につきましては、経理上除外して算定するということになってございます。したがいまして、平成18年度の普通会計の公債費は、一般会計の公債費1、595億円に公営事業会計以外の特別会計の公債費29億円を加えまして、そこから借換債の分、318億円を控除した金額ということになりまして、結果といたしましては、一般会計の公債費よりも普通会計のほうが少ないという状況になっているものでございます。
〇小野寺有一委員 大変丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 今お尋ねしたことを踏まえてでございますけれども、ただいま課長のほうからも、普通会計に属する会計、公営事業会計に属する会計というお言葉がございましたけれども、普通会計に属する会計と公営事業会計に属する会計、それぞれの現段階での県債残高をお示しいただきたいと思います。
〇中村予算調製課総括課長 まず、普通会計決算の県債残高の会計ごとの内訳でございますが、一般会計分につきましては1兆3、922億円、農業改良資金特別会計分3億円、県有林事業特別会計分479億円、中小企業振興資金特別会計分58億円、土地先行取得事業特別会計分11億円、計1兆4、473億円から、過疎代行事業による下水道事業等想定企業会計分の33億円を除外した1兆4、440億円が平成18年度末の普通会計の県債残高となっております。
 また、公営事業会計に属する会計ごとの内訳でございますが、病院等事業会計分1、387億円、電気事業会計分64億円、工業用水道事業会計分58億円、流域下水道事業特別会計分203億円、港湾整備事業特別会計分168億円、過疎代行事業や漁業集落排水などの下水道事業分33億円、計1、913億円となってございます。
〇小野寺有一委員 それでは、引き続きまして、普通会計における県債の現在高の状況についてお尋ねしたいと思います。
 この県債現在高の状況の中で、借入先別の内訳というものがございますが、その中で、本県では、市中銀行から5、421億円借り入れているということになっております。その内訳を示していただきたいと思います。また、本県では、東北他県に比べて、その他の金融機関からの借り入れというものが1、701億円余りとなっておりまして、他県に比べましてかなりの高額になっておりますが、その理由と相手方を教えていただければと思います。
〇中村予算調製課総括課長 まず、普通会計ベースにおける平成18年度末の市中銀行からの借入金の内訳でございますが、地元銀行でございます岩手銀行が4、775億円、北日本銀行が291億円、東北銀行が193億円のほか、地元銀行以外の銀行が162億円の計5、421億円余となってございます。
 それから、その他の金融機関についてのお尋ねでございますが、こちらにつきましては、平成18年度末現在高で、農協系統金融機関が1、613億円、信金系統金融機関が88億円の計1、701億円余という状況になってございます。その他の金融機関と申しますのは、信用金庫でありますとか各種協同組合などを言うものでございますけれども、本県において、その他の金融機関からの借り入れが東北他県と比較しまして多いという状況になっているのは、先ほど申し上げましたとおり、農協系統金融機関でございます農林中央金庫及び県信連からの借り入れが多いということでございますけれども、これは県の資金調達に御協力をいただいている結果と言えるのかと思います。
〇小野寺有一委員 同じ県債現在高の状況の中で、東北他県との比較においてのお話でございますが、宮城県では市場公募債というものを3、669億円余発行しておりまして、岩手県は80億円余にとどまっているということでございますが、なぜこのように差が開くのか、そういったことの理由を教えていただきたいのと、それから、本県でも、宮城県のようなそういう市場公募債を発行できる可能性があるのか、その点について教えていただければと思います。
〇中村予算調製課総括課長 市場公募債のお尋ねでございますけれども、本県におきまして80億円の発行というお話がございましたが、これにつきましては、平成15年度から、青森県、秋田県と共同いたしまして、北東北みらい債という住民参加型の市場公募地方債を発行しております。これが毎年度20億円を発行しておりますので、平成18年度まで計4年間分として80億円の累計になっているという状況でございます。
 もう一つ、宮城県で発行しているような、これは全国型の市場公募債と言われるものでございますけれども、近年、地方分権の推進でありますとか財政投融資制度の改正を背景といたしまして、地方公共団体におきましても、市場原理に即した資金調達を行うことが求められてきてございます。この資金調達方法の多様化を図るという観点からも、今後、本県におきましても、全国型市場公募地方債の発行について検討してまいりたいと考えてございます。
〇小野寺有一委員 それから、同僚の委員の皆様方からも、先ほどから何度か入札のことについてお話がございました。若干関連が出てくるかもしれませんが、お尋ねしたいと思います。
 地方自治法第234条第6項では、競争入札に加わろうとする者に必要な資格は政令で定めることとされ、地方自治法施行令第167条の4第2項では、その後2年間、一般競争入札に参加させないことができるとされております。行政実例によりますと、このできるということは、一定期間を定めて入札の参加を制限すべきものと解するとされておりますけれども、そもそも競争入札の参加の可否の要件は、この施行令によりますと、できるという規定になっておりますが、文理解釈上では、おのおのの自治体が、その一定期間というものをそれぞれ決めればよいのではないか。逆に、参加させなくてもよいのではないかと読み取れるわけでございます。行政実例というのは、まずこれは行政指導にすぎないわけでございまして、それを金科玉条のごとく従うというのは、この地方分権の時代にはそぐわないのではないかと考えるわけでございますが、県当局の御見解をお伺いしたいと思います。
〇小向入札担当課長 参加資格の停止といいますか、いわゆる指名停止等につきましては、本県におきましては、指名停止等措置基準というものを設けておるわけでございますけれども、いずれ、地方自治法及び関係政省令の範囲の中で、各自治体で定めることと認識しております。
〇小野寺有一委員 最後にいたします。
 同施行令によりますと、第167条の2第1項では、競争入札に付することが不利と認められるとき、あるいは、競争入札に付し入札者がないときには、随意契約が認められているわけでございますけれども、このような場合の随意契約の相手というのは、指名停止中の業者でも認められるのか、あるいは認められないのか。そして、認められないとすれば、その根拠となるのはどういった法令によるものなのか、そういったことを教えていただければと思います。
〇小向入札担当課長 指名停止を受けた業者との随意契約につきましては、県において策定し、県民の皆様に公表しております指名停止等措置基準の中で、指名停止の期間中の有資格業者を随意契約の相手方としてはならない旨、規定しておるところでございます。
〇飯澤匡委員 予算編成システムについてお伺いします。
 これは、平成17年の決算特別委員会、そして平成18年の予算特別委員会でも、その時点での予算編成システムの課題、そして、今後、予算の編成において、非常にタイトな状況であるということを踏まえて、当時の総務部長に質問したところ、現在、今度変わろうとしている予算編成システムの方向づけがなされたと私は推察するわけですけれども、まず、この間、知事が変わって、あたかも知事の考えが主体であるようには思うのですが、私は、底流的にはやはり、庁内でそのような課題の洗い出しがあって、そして今度の予算編成システムにつながった、変更の方向に行ったのではないかと思っているところでございます。
 さて、先ほど、知事が変わったという部分もあるわけですけれども、今度の予算編成システムの変更は、私は6月議会の代表質問で言ったんですが、まだそのときは検討中だということでありました。まだ確定的なお話はいただけませんでしたが、先ほど、底流ではそういうものが流れていたということは認識しつつ、こういう新しい編成システムに変わったというプロセス、意思決定がどこでどのようにされたのか、まずお知らせをいただきたいと思います。
〇中村予算調製課総括課長 新しい予算編成システムについての、その結論に至るまでのプロセスというお尋ねでございます。これまでの予算編成システムにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、いろいろ一律削減等の課題が指摘されているといったこととか、部局枠配分方式と全庁調整枠の両方が併存しているといったような形の中で、全庁的な優先度が本当にできているのかといったような御指摘もいただいておったところでございます。そういった課題等も踏まえながら、来年度の予算編成がいかにあるべきかといったようなことにつきまして、我々総務部のほうと総合政策室のほうで、いろいろ事務的に協議しながら一つの案をつくって、それにつきまして、三役、関係の部局長等を入れて何度か議論して、最終的には9月末の政策評価推進会議という、これは三役、各部局長が構成メンバーとなっている会議でございますが、こちらの会議におきまして、来年度の予算編成方法の見直しと来年度の予算要求・調整基準につきまして決定いただいたということでございます。
〇飯澤匡委員 この決定事項については、何も意見を申し上げるつもりはありませんが、ただ、前回の時澤総務部長が課題として挙げておったのは、今、中村総括課長からお話のあった全庁的な優先順位をどのようにつけていくかという点と、もう一つ大きな点で踏み込んで課題として挙げていたのが、財政的な面での評価、いわゆる総合政策室で事業進捗の評価、これらについては政策評価の中で十分やってきたけれども、財政的な面での評価というのは今まで欠けていたのではないか。要は、効率性の悪いものについては思い切って撤退していくのだということまで当時の部長はおっしゃっていましたが、このような評価は、恐らく平成19年度からその考えが予算編成の中に少しずつ反映されていると思うんですが、この点での検討というのは庁議の中でどの程度反映され、どういう意見が交わされたのか、その点をちょっとお知らせ願いたいと思います。
〇中村予算調製課総括課長 ただいまお話にございました財政効率的な部分での評価についてでございますけれども、今、委員から御指摘いただきましたとおり、これまでの予算編成の仕組みにおきましては、一つの課題といたしまして、政策評価、事務事業評価と予算編成との連携、評価のあり方があったのではないかと認識してございます。これまで、部局主体の予算編成とともに、政策評価等も各部局が主体に行ってきたわけでございますけれども、その評価は、ともすればやっぱり施策推進の観点からの評価が中心になってきたのではないかといったようなことがありまして、財政効率的な評価、すなわちどれぐらいお金、予算を使ったかということに対してどのような効果があったのか、効率的な事業執行となっているのかどうかといったような観点からの評価という面では、少し弱かったのではないかというようなお話も出ております。
 このため、来年度の予算編成につきましては、事務事業の総点検を実施し、人件費を含めましたトータルコストの面につきましても検証を加えて、予算要求とあわせて、事務事業評価につきましても一体的に行うということを考えておりまして、これまで以上に予算編成と評価の連携を強化していきたい。それから、各部の予算要求に対しましても、総務部におきましても、ただいまお話がありました財政効率的視点からも調整を行ってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 ということは、来年度の予算編成からというようなことは検討しているということで理解をしてよろしいですね。
〇中村予算調製課総括課長 はい。
〇飯澤匡委員 わかりました。
 そこで、関根委員また田村誠委員への御答弁の中でも、政策的な経費については、知事自身が、全庁的な視点で政策の最優先度に応じて財源の範囲内で事業を採択していくというようなことをきのうもおっしゃっておりまして、既存事業についてはゼロベースで見直して、先ほど御答弁いただいた財政的な効果、そしてまた、政策的な評価を加えてやるのでしょうけれども、この部分は、そうすると、何といいますか、特枠みたいな印象を受けますが、これは政策的な知事の考え、マニフェストに沿ったものをやる意味では、ある程度大事なものだと思うんですが、今まで財政課があった時代のものをさらに復活して、そこに特枠を設けたような印象を受けるんですけれども、この解釈自体をどのようにしたらいいのか、これは部長にお伺いします。
〇川窪総務部長 特別なプロジェクト的予算枠といいますか、特別的な枠については、先般、10月2日でしたかに、公表といいますか、決めました予算要求・調整基準の中では、平成20年度予算については、あらかじめ設けるということについては想定せずにやっております。これは、今までの予算編成のやり方が、どちらかといいますと、既存の事業を一定割合小さくしつつ、残しながら、そこに、2段目といいますか、上乗せになるような形での特別枠をというようなスタイルが多かったのでございますが、今回は、もちろん知事が変わったということも一つのきっかけではございますけれども、そういった既存の事業全体につきまして、いわば政策的経費全体を一つの政策予算枠というようなイメージでとらえまして、その中身全体をゼロベースで見直していくべきだという考え方に立っております。こういう考え方にすることによりまして、先ほどの財政的評価という面につきましても、むしろしっかり見直しがしやすい。といいますのは、一方で本当に必要だと思う部分については、いわば上限なく要求が所要額でできるということであれば、既存の事業についても、守りの気持ちだけではなく要求ができるのではないかというような考え方も議論の過程でございました。そういった考え方を取り入れつつ、今回のような整理にしてございますので、政策的経費全体が、そういういわば、全庁的な視点での政策を選んでいく枠組みになるというような考え方で整理しているものでございます。
〇飯澤匡委員 予算枠をどの程度想定しているかという質問もあったんですが、恐らく今の時点ではそういうことは言えないと思いますので、編成システムは県庁内でやはり柔軟に対処すべきものだと思うし、私は逆に歓迎しているものでございますが、やはりそこには、変更するという意味合いにおいての理由づけ、それらもきちっと言っておかないとだめだと思うんです。したがって、来年度の予算編成が、達増知事の考えに基づいた、今度の新システムに沿った考えでいくと思いますので、ぜひ、そこら辺も予算編成の際には、前回との違い、際立ちというものを総務部の中でもきちっと説明できるようにお願いしたいんですが、そのお考えについてはいかがでしょうか。
〇中村予算調製課総括課長 ただいま委員のほうからお話があった、今回そういった編成システムを見直すということでございますので、来年度の予算案を県民の方にお示しするときには、これまでとどういう点で違っているのかといったこともわかるような形でぜひお示しをするように努めたいと思っております。
〇亀卦川富夫委員 県外事務所の状況と防災についてお伺いいたします。
 まず、県外事務所でございますが、先ほどもございましたが、それぞれその目的、役割があると思いますが、この決算を通してどのように評価されているのか。共通の部分、あるいは特色をそれぞれお伺いしたいと思います。
 その上で、県外の主要都市に配置しているわけでありますが、それぞれの地域で取り組んでいる施策で、岩手県にとって非常に参考になるものもあるのだろうと思います。そういった意味で、積極的にこれら情報収集を行うべきと思いますが、これまでの成果と今後の取り組み方についてお尋ねいたします。
〇松川総務室管理担当課長 まず、県外事務所の設置目的、あるいはその役割ということでございますけれども、県の総合的な情報発信の拠点という機能を持つとともに、県政全般の窓口という役割を担っておると考えております。
 特色ということでございますけれども、東京事務所におきましては、中央省庁の情報収集やその他県北・沿岸振興本部の首都圏営業部というような看板もことしの6月から掲げまして、首都圏での農産物等の販売戦略などを展開しております。それから、先ほども銀河プラザのことがございましたけれども、東京、大阪、福岡の各事務所ではアンテナショップを開設しておりまして、県産品の販路拡大に成果が出ていると認識しております。
 それから、主要都市に配置しているわけですけれども、それぞれの所在する地方を広く所管しているということで、人的なネットワークを拡大したり、あるいは企業誘致活動に結びつくような情報収集もやっておったり、あるいは観光宣伝ということで、旅行代理店に企画提案なども行っておったりして、岩手県との結びつきを強めるような活動をしていると考えております。ただ、限られた人員体制でございますので、委員から御指摘がございましたような他県の進んだ施策を取り入れるということについても、今後、その情報収集をするようにしたいと思っております。
〇新居田弘文委員長 ただいま亀卦川委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 亀卦川委員、御了承願います。
   午前11時54分 休憩
午後1時3分 再開
〇嵯峨壱朗副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇亀卦川富夫委員 引き続きお尋ねいたします。
 ここには県外事務所費ということで、6カ所の分がまとまって記載されております。あくまでこれは、各部局にそれぞれの事務所、商工なら商工で主目的をそういった意味では、農産物とか県産品の販売、あるいは東京事務所においては国の動向の調査、そういったことがそれぞれ行われていると思います。そういった意味では、まとめての答弁というのはなかなか難しかろうとは思うのですが、やはり県外事務所それぞれの機能がどれだけ果たされているのか、我々もお聞きしたいところでありますので、今後、成果あるいは取り組み状況については、ある程度まとめていただければと思います。
 その上で、岩手県政で今非常に大きな課題となっているのは医師確保であります。医師の確保というのは、こういう出先の部分で、そうした機能を果たす、業務をそういう意味まで拡大する、こういうことも非常に必要ではないか。そういった意味では、医師確保を、この岩手の移住政策などとリンクさせた形でやっていく。岩手の移住政策一つとりましても、私はこういう出先の部分というのは非常に大きな役割を果たすのだろうと思いますが、ぜひそういうものに位置づけてやっていく。
 特に、今、選択と集中ということが、予算を編成する上において非常に苦労されるところだと思いますが、ある意味では、こういうものもスクラップ・アンド・ビルド、これから大連なども視野に入っているようでありますので、限られた人員とはおっしゃっておりますが、拡大も含める、あるいは思い切って廃止するところはする、こういうものが基本にあってしかるべきだろうと思います。そういう意味で、県外事務所を統括している部署の御見解をお尋ねしたいと思います。
〇松川総務室管理担当課長 まず、県外事務所の県政の重要課題への対応でございますけれども、確かに、医師確保対策あるいは移住政策など重要な課題もございますので、その地方の例えば県人会などを通じまして、情報を発信したり収集したりということも必要だということで、あらゆる機会をとらえて横断的に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、事務所の選択と集中ということでございますけれども、例えば、東京事務所を除く北3県で合同している四つの事務所、北海道、名古屋、大阪、福岡とありますけれども、これについては職員数も1人から4人ということで、小規模ではございますが、3県で合同することによって、3県の職員も合わせて何人かでということで、共同設置しているメリットもございますので、経費節減などを図る一方で、そういうメリットもあるというところで、いろいろ着実な成果を上げているのではないかと思っております。
 事務所の配置につきましては、各県の配置の状況なども参考にさせていただきながら、政策的に判断も必要かと思いますので、慎重に検討してまいりたいと思います。
〇亀卦川富夫委員 次に、防災についてお尋ねいたします。
 ただいま、地震予知・予告など、防災に対する関心は非常に大きいものがあります。本県では、この決算によりましても、通信衛星を活用した防災行政情報通信ネットワークを整備したところでありますが、現場における活用状況、これは非常に広い範囲で行われているようでありますが、その活用状況をまずお尋ねしたいと思います。
〇阿部防災消防担当課長 次世代衛星系通信設備の活用の件についてでございます。
 平成18年度に整備を行った内容は、老朽化により故障が頻発するようになった県庁局の衛星通信設備の改修と、それから、平成20年度からの映像のデジタル化に対応するため、県庁局の映像の送受信設備の入れかえを行ったものでございます。これにより、県庁局につきましては、音声、ファクス、映像と、すべてデジタル化対応となったものでございます。
 この整備によりまして、県庁局の映像のチャンネル数は従来の1チャンネルから5チャンネルにふえることになります。このことによりまして、県庁と他の自治体間において、同時に複数の映像の送受信が可能となったものでございます。
 平成19年度は、県の防災関係機関62局、それから市町村消防本部70局の映像のデジタル化整備を行っておりまして、この完成によりまして、これらの局でもデジタル映像の受信ができることとなります。
 このようなことによりまして、今後、訓練映像あるいは被災状況の映像等の受発信が効率的になりますので、有効にこれを活用してまいりたいと思います。
〇亀卦川富夫委員 そういう意味では、非常にこの防災は進化した形で進んでいるのだろうと思います。そういう中で、そういうものはものとして、私は、県民の安心・安全という意味では、消防の果たす役割というのは非常に大きいと思うんです。人的な体制という意味では、消防というのは非常に大きいと思います。
 いわゆる義勇消防ということで、いろいろな職業を持っている方々が、それぞれ消防団に入って活躍されているわけです。市町村の消防団の存在が非常に大きいのでありますが、年々消防団員確保に苦労されている、このようにお伺いしております。この現状認識についてお伺いいたします。
 その現状認識に立って、その対策でありますが、これはすぐれて市町村がやるべきではあると思いますが、県としてもやはりこれは大きな課題としてとらえて、防災の観点からこの対策について乗り出すべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
〇阿部防災消防担当課長 まず、消防団の現状認識でございます。
 本県の消防団員数でございますけれども、平成19年4月1日現在で2万3、463人、前年度比で400人の減となってございます。10年前の平成9年に比べ2、171人、8.5%の減という状況でございます。
 地域の実情に精通した消防団は、大規模災害時はもとよりでございますが、身近な災害への取り組みなど、地域の安心・安全の確保を図る上で中核的な存在でございます。その減少が長く続くことは、大きな支障になるものと認識しております。
 消防団確保対策についてでございますけれども、県といたしましては、これまでも、県知事表彰や消防業界を通じた消防操法大会の実施、消防団への教育訓練などを通じ、団員の確保に努めてきたところであります。今後においては、市町村と連携しながら、消防団協力事業所表示制度、あるいは機能別団員、機能別分団制度、これら新しい動向のものの導入を図るなどしながら、団員の確保に重点的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
〇亀卦川富夫委員 最後に、私は、この消防団員、それぞれ皆さん本当に意識を高く持ってやっておるのですが、社会全般的にそういう意味での理解といいますか、認識をもっと深める必要があるだろうと思います。そういった意味では、確かに防災室でいろいろ担当することも必要でありますが、例えば教育委員会等々と十分この辺タイアップしながら、学校教育の現場において、こういった防災に対する意識の涵養も図っていくべきだろうと私は思いますし、さらに企業に対して、さっきは何か表示するということでありましたが、企業の地域貢献という意味で、消防団に対する認識等を十分深めていただくような面での県の取り組み方等が必要ではないか。
 市町村と十分タイアップしてやっていくという御答弁でありますが、その辺の観点で、やはり部局横断的に、県としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。ひとつその辺の考え方をお聞きして終わりたいと思います。
〇越野防災危機管理監 教育現場の防災対応についてでございますけれども、災害の発生時に被害の軽減を図るためには、防災意識の浸透が必要でありまして、学校において、地域の実情に応じて、消防署などと連携をしながら、避難訓練などを通じて、災害時にみずから適切な行動ができる能力の向上に努めております。
 また、県においては、防災教育につきまして、小さいうちからの継続した取り組みが必要であるとの考えから、平成17年度に小中学生向けの津波防災学習教材の開発を行ったところでありまして、今後、引き続き、県内の教育委員会等の協力を得ながら、全県の小・中学校での活用を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 企業などとの連携した防災の取り組みでございますが、大規模な災害が発生した場合、特に物資、資機材等の供給につきましては、県独自では十分な災害応急対策活動を行うことは困難でありまして、企業や民間団体等と連携して対処することが求められていることから、県はこれまで、岩手県地域防災計画に明示されておりますように、相互応援協力の具体化に努めております。現在、通信情報、緊急輸送、生活必需品、食料等や復旧活動などの各分野において、86団体と93の協定を締結しまして、災害発生時の対応に万全を期しているところでございます。また、地域防災力強化の観点から、企業等に対しまして、消防団の機能別分団となることや、企業等を単位とした自主防災組織の結成などを、所在する市町村を通じて働きかけているところでございます。
〇伊藤勢至委員 ただいまの亀卦川委員の防災という点に関連いたしまして、1点お伺いいたしたいと思います。
 新聞報道によりますと、気象庁は、10月1日午前9時から、地震の初期微動をとらえ、大きな揺れが来る数秒から数十秒前に知らせる緊急地震速報を一般向けに提供し始める。直下型地震の場合には速報が揺れの到達に間に合わないが、離れた場所で起きる地震では、屋内で机の下に隠れたり、外でブロック塀の近くから離れたりして、けがを防げるケースがあると期待されるとありました。これはもう既にシステムに入っていると思いますが、この報道は、言ってみればダイレクトに家庭のテレビに入ってくる、あるいはラジオに入ってくる、こういうことであります。
 しかし、今、県内の現状を考えますと、このことが広く普及されているか、その考えが浸透しているかについては大変疑問があります。そういうふうに考えますと、かえって混乱あるいはパニックを起こしかねないことも想定されるのではないかと思います。地震ですから、いつ、どこに発生するかわかりません。特に我々沿岸の場合は、地震の後の津波ということまで常に考えなければならないわけでありますが、そういう点の伝達といいますか、このシステムが始まったということに対しまして、県は、防災の観点からどのように県民に対しての周知を図っていこうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇小野総合防災室長 緊急地震速報の関係につきましては、気象庁が10月1日から本格稼動するという話をしておりましたけれども、実はこれ、今、委員がおっしゃったように風評被害になりかねないということで、気象庁では、ある一定期間延長して、緊急地震情報のPRをずっとやってきた形になっているところでございます。今、委員おっしゃったように、近場の地震については、P波とS波の関係のタイムラグは余りないので有効に働かないという欠点もあるということで、この地震速報に余りにも過度に期待して対応しようとすると、そういった問題が出てくるのではないかと感じています。
 ただ、この緊急地震速報については、特に、三陸沿岸の津波ということもありますので、こういったものを活用することは非常に重要だと考えております。県としてはジェイアラートでこの情報をとれるような形になっていますし、釜石では、これを住民に一斉通報するというようなモデル事業を今やっていまして、その中でいろいろな欠点とかを洗い出して、直そうとしているところでございます。将来的には、こういう形で初動対応、特に県民個々の対応を考える上では重要な手段だと思っておりますので、これについては、気象庁ともども、普及、啓発に対して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 新聞報道によりますと、伝達手段は当面、NHKと民放のテレビあるいはラジオとなっていますが、ただ、報知音も統一されていない、全く個々ばらばらの状況にあるわけでありまして、こうなりますと、やはり県の防災担当部局が音頭をとって、沿岸の地震イコール津波という部分に関係するところの発信音なり取り組みなりをリードしていく必要があるのではないかと考えております。あす来るかもしれませんし、私が座った途端に来るかもしれません。いずれこれは急がなければいけないことだと思いますので、ぜひ早急な取り組みをお願いしたいということを要望しておきます。
〇高橋博之委員 大きく分けて四つ質問させていただきます。
 まず、1点目でありますが、人事についてであります。
 先日、内閣府の調査によりますと、県庁の女性管理職の割合は、全国平均が5.1%に対して、本県は総括課長以上職員439人のうち女性はわずか1.1%、5人という結果が出ております。この開きの理由、それから、この対策についてお尋ねいたします。
 2点目でありますが、財政課に占める女性職員の割合についてお尋ねいたします。
 最後、3点目でありますが、職務能力向上プログラムについてお尋ねいたします。
 プログラムの現在の対象人数とその効果、それから改善が見込めない職員についてはどのように対処するおつもりか、お答えをいただきたいと思います。
〇高橋人事課総括課長 まず、第1点目の女性管理職の件でございます。
 本県知事部局の場合、総括課長級以上に登用されている職員はおおむね50歳代となっておりますので、この年代の職員について見ますと、50歳代の職員のうち、女性の占める人数がそもそも7.9%と低いことが、現時点での管理職に占める女性の割合の低さに大きく影響しているものと考えているところでございます。
 年齢別の女性職員の割合で申し上げますと、40歳代中盤を迎える世代以降その割合が増加しておりまして、近年では、新採用者に占める女性の割合が3割から4割といった水準に達してございまして、順次、女性職員が増加している状況にございます。こうしたことを踏まえまして、先日、条例改正につきまして御議決いただきました育児短時間勤務制度の導入といった取り組みを推進いたしまして、仕事と家庭が両立しやすい職場環境の整備を図ると同時に、男性、女性、性別にかかわりなく、職員一人一人の意欲ですとか能力を総合的に勘案しながら、有能な人材の登用を進めることによりまして、女性職員の管理職への登用を図っていきたいと考えているところでございます。
 2点目でございます。予算調製課が財政を担当しておりますが、平成18年度で見ますと、予算調製課に占める女性職員は、全体18名のうち女性職員1名で5.6%になっているところでございます。
 次に、3点目でございます。職務能力向上プログラムにつきまして、平成18年度におきましては、10名の職員に対して、このプログラムを適用して実施したところでございます。その効果についてでございますが、このプログラム適用職員については、総じて職務能力の向上が認められたところでございまして、特に顕著な能力向上が認められた2名につきましては、このプログラムの適用を取りやめたといった状況にございます。
 それから、改善が見込めない職員についてでございますが、本制度の目的といたしましては、職員の職務能力の向上ということでございますが、このプログラムの適用によりましても期待するような良好な勤務成績が得られない場合ですとか、その職に必要な適格性を欠くと認められる場合には、例えば、現在より下位の職につける、昇任の反対で降任と呼んでおりますが、そういった降任などのいわゆる分限処分の実施も視野に入れましてその措置を検討していくものでございます。
〇高橋博之委員 1点目の管理職についてでありますが、先ほど、3割から4割女性職員が増加しているということでありますが、いろいろ聞きますと、男性職員の場合、さまざまな職場で、多種多様な仕事を担当させられる一方で、女性職員はどこの職場に配置されても庶務を担当させられる傾向が一部に見られるという話も聞きます。その傾向が例えば25年続いたときに、果たしてどちらが管理職に向いているかといえば、これはおのずと男性ということになってしまうと思います。つまり、何を言いたいかというと、生まれ持った能力差ではなく、まさにつくられた能力差がこのような1.1%という数字につながりかねないと思いますので、ぜひそのような体制を改めていただきたいと思いますが、この点について御所見をお伺いします。
 それから、予算調製課についてでありますが、なぜこのような質問をしたかといいますと、県庁において、政策形成面で中枢機能を有する職場の一つがこの課になると思いますが、県庁におけるすべての課がかかわりを持たざるを得ないのもこの課であります。従来この課は、今お話にもありましたように、18人のうち1名が女性、17人、ほとんどが男性ということでありますが、予算の内容は、住民の生活や活動に大きく影響するものであります。その住民の半分は女性であります。にもかかわらず、その予算編成作業をすべて男性だけで行うとすれば、結果的にずれや県民の皆さんとの思いの違いが生じてしまうことにもつながると思います。ですから、ぜひこの予算調製課におきましても、女性職員の割合をもう少しふやしていったほうがいいのではないかと思いますが、この点についても御所見をお伺いします。
 それから、3点目でありますが、先ほど職員の能力向上プログラムについて、10人に対して行ったというお話がありました。改善が見られなかったときは、降任などの分限処分をしているということでありますが、私は、例えば公務員は、少々言葉が過ぎるかもしれませんが、どんなに仕事ができなくても、悪いことをしなければ一生職を失うことはない、といった意識というのもやはり時代情勢にかんがみて変えていく必要があると思います。その意味で、他の都道府県では、勤務実績がよくない場合、プログラムの改善が見られない場合に、分限免職をすることができるという規程にのっとって、実際やめていただくこともやっている県があるようでありますが、ここまで踏み込むつもりがあるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋人事課総括課長 まず、職員配置の所属の件でございます。
 新採用者を含めまして、若手職員につきましては、幾つかの異なった対応といいますか、職場を複数経験させることによりまして、これは男女を問わずですけれども、その職員の能力とか適性を見きわめた上で、その後の職員の育成でありますとか、配置先といったものを順次見きわめ、判断していくといったシステムをとっております。そういった中で、女性職員も全体の流れの中で適切な対応をしていきたいと考えております。
 それから、2点目の予算調製課の件でございますが、これも先ほどの流れの中ということになりますけれども、そういった個々の職員の、男女を問わず、適性を見きわめて、適任の者を配置していくということで臨みたいと思っております。
 それから、3点目のプログラムの関係でございますが、委員のおっしゃったようなことも含めまして、個々の職員の実体といいますか、能力、適性を踏まえまして幅広く検討していきたいと思っているところでございます。
〇高橋博之委員 給与の削減あるいは人員削減ということだけではなしに、職員の質の向上に向けて、引き続き取り組みをしていただきたいと思います。
 次に、2点目でありますが、県の防災体制についてお尋ねいたします。冒頭、総務部長からも、主な事務事業として、総合的な防災体制の構築に取り組んだというお話がありましたが、2点お尋ねさせていただきたいと思います。
 まず、1点目でありますが、防災会議費についてお尋ねいたします。現在、防災会議を構成しているメンバーについて、どういった方々で構成されているのか、これについてまずは1点目、お尋ねしたいと思います。
 2点目でありますが、今、県内の防災体制でありますが、盛岡、岩手中部あるいは気仙、釜石、宮古、久慈、二戸、こういった形で九つに広域の防災体制を組まれております。それぞれに消防本部を置いて広域の防災体制を組まれているわけでありますが、その多くが、一部事務組合形式をとっております。本来、消防は市町村の行う分野であり、市町村単位に組織を構成することを建前としておりますが、これまでの我が国の市町村の規模が余りにも小さくて、これを前提とした消防体制を敷いた場合、余りにも非効率な編成となり、機動的な消防行政を実現することが困難であることから、このような一部事務組合方式の広域消防体制をとってきたわけですが、今後、想定されます宮城県沖大地震のような大きな災害が起きた場合、このような一部事務組合方式の広域消防によって十分に対応が可能なのかどうか、この点についてお尋ねいたします。
〇小野総合防災室長 私のほうから、県の防災会議の委員の構成の関係について御説明いたします。
 県の防災会議は、災害対策基本法を根拠としておりまして、岩手県の防災会議条例の中で、その委員の数を定めております。会長は知事という形になっておりますが、委員数が56名という状況になっております。これは、今現在でございます。
 この内訳ですが、指定地方行政機関から15名、指定公共機関等から21名、そういう形で、要は職がほとんど指定されている構成だというふうな状況になっております。
〇阿部防災消防担当課長 県単位による消防防災体制の確立ということでございますけれども、現在の消防体制は、消防組織法に基づきまして、市町村が責任を有するものと規定されておりまして、市町村消防として組織されております。委員から御発言ありましたとおり、県内では一部事務組合から成る広域消防本部が八つございます。それから、市の単独消防が四つ、合わせて12の消防本部体制でございます。
 県におきましては、現在、岩手県消防広域化推進計画調査検討委員会を設置いたしまして、本年度中を目途に、消防本部の広域化のあり方を検討することとしております。これは、昨年の消防組織法の改正に基づきまして、全国の都道府県で今年度中に行わなければならない作業でございますが、岩手県も同様に検討することとしております。その中で、本県に適した消防本部のあり方が議論されていくものと考えております。今後、県といたしましても、この検討委員会の議論を踏まえまして、県の推進計画を策定していくということで取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋博之委員 岩手県の防災会議でありますが、知事をトップにして56名ということでありますが、このうち女性は何割占めているかお尋ねいたします。
 それから、先ほど、2点目の質問で、今、議論をしているところのようでありますが、いつ宮城県沖の大地震が起こるかわからない状況の中で、早急に議論をして、不備がないのかどうか、県の防災体制をいま一度点検をしていく必要があるだろうと思います。
 そこで、一部事務組合方式の消防体制でありますが、鳥取県でかつて西部地震が起きたとき、同様に一部事務組合形式の消防体制を敷いているわけですが、大きな弱点が露呈したようであります。この一部事務組合方式の場合、中心のしんになる市長が通常管理者ということで陣頭指揮をとるわけでありますが、建前では組合の構成市町村全域に関心を持つべきなのですが、広域的に大きなダメージを受けたとき、どうしても自分の属する自治体のことを第一に考えてしまって、管理者として、他の周辺市町村の区域に足を踏み入れることができなかった、あるいは周辺市町村のことまでなかなか手が回らなかったといった事態が見られたようであります。
 それから、もう一点、この弱点でありますが、既に常備消防の仕事を広域組織に預けてしまっているので、防災業務全般まで権限と義務を移譲しているかのような錯覚が市町村の側に見られ、防災業務を扱う組織をきちんと設けていないだけではなく、防災を担当する専任職員すら置いていない自治体もあったということであります。本県では、同じような大きな災害が起こった場合、このような事態にはならないのでしょうか、この点についてお尋ねいたしたいと思います。
〇小野総合防災室長 防災会議の委員の関係でございますけれども、先ほど56名の委員がおりますという話をしたのですが、実は、さっき言ったような形で法令等で職が指定されている委員が多数を占めているため、そこに女性の管理者がいないと、この委員になかなかなれないという実態がございまして、今現在は、女性の委員はゼロという形になっています。
 これについては、女性委員の登用という観点からすれば非常に好ましくないことは重々こちらも知っているのですが、そういった縛りがございまして、これは法律の中でそういう規定がございまして、女性委員の登用がなかなか進んでいかない状況でございます。
〇阿部防災消防担当課長 まず、一部事務組合方式による弱点という御指摘でございましたけれども、消防に限らず、一部事務組合の場合は意思決定の迅速さにやや欠けるとよく言われておりますが、本県の消防の一部事務組合に関しまして、諸会議の折等も含めて、公式にそのような問題点といいましょうか、そういった部分についてお聞きしたことは私はございません。
 それから、常備消防と市町村の防災業務との関係がうまくいかないケースが県内でもあるのではないかという御指摘でございます。確かに、一部事務組合の構成市町村数が多くなると、一般的にそういう懸念が起きるところではございますけれども、例えば、本県で一番大きい盛岡地区の消防本部、これは構成市町村も多いわけですけれども、そういった消防本部においても、それぞれ市町村の防災とのそごがあったという話は聞いておらないところであり、こちらについても、市町村の防災部門と常備消防、消防本部との連携はうまくいっているものと考えております。
〇高橋博之委員 岩手県の防災会議で女性がゼロということでありますが、仮に大災害が発生したとすると、当然、被災者の半分は女性であります。ですから、防災における女性の視点というのも欠かせないのだと思います。例えば、備蓄に関していえば、男性だけで検討すると、食料品として乾パンだとか缶詰などは思いつくと思いますが、粉ミルクまで考えが及ぶのかということになると、なかなか難しいだろうと思います。あるいは紙おむつや生理用品なども欠落しかねないことがあるようでありますから、ぜひ女性をそこに入れるべきだと思います。例えば、看護協会の代表さんを委員に入れることも一つのやり方だろうと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 最後の一部事務組合方式についてでありますが、例えば、この一部事務組合方式の欠陥を是正し、大災害などに際して、一体的かつ柔軟に対応できる組織づくりとして、一つは、県と市町村との広域連合方式、あるいは市町村から県に対して、常備消防の事務を委託してもらうやり方など、なかなかこの一部事務組合方式が機能しなかった県では、今、検討しているようであります。これまで、他の都道府県でこのような大きな災害に遭って、一部事務組合方式がうまく機能しなかった事例があると思いますから、そういった事例をぜひ研究していただいて、本県として、想定される宮城県沖の大地震に備えて、しっかりと不備のないような防災体制をつくっていただきたい、点検していただきたいと思うわけでありますが、この点についての御所見をお伺いいたします。
〇小野総合防災室長 防災会議の構成委員の関係につきましては、岩手県だけではなくて、全国の都道府県で同じような問題を抱えておりますし、この防災会議の中で議論する全体の防災施策の流れと、あとは個別に、今言った備蓄の体制とか、県でいえば各部局が担当する所掌事務がございます。そういったそれぞれの個別の部門の中では、女性が入っていろいろ検討していることもありますので、今のところは、この防災会議の委員に女性を入れることについては、縛りがある関係上、非常に難しいところがあるという形には考えていますけれども、その辺の女性登用のあり方については、今後も検討していきたいと考えております。
 それと、先ほどの一部事務組合の関係ですが、実は、岩手県の場合は、消防長会、これは一部事務組合の消防本部の消防長も、単独の消防本部の消防長も一緒になった組織がございまして、その中でいろいろな形で、今の消防のあり方ということについても議論して、いろいろ検討しているところでございます。その中で、要は岩手県の場合は、逆に一関消防のように、過去に広域消防であったのが市町村合併によって単独消防になった、その両方を経験している消防長さんもおられますので、そういったところで、単独消防と組合消防のメリット、デメリットをいろいろ検討して、宮城県沖地震のこともありますので、そういったことも含めて、実は先ほど説明した検討委員会の中に、そういった方々も入っておりますので、その中で消防組織のあり方というものを早急に検討していきたいと考えております。
〇高橋博之委員 いずれ県民の生命にかかわる問題ですから、抜かりのないよう点検をしていただいて、早急に整備をしていただきたいと思います。
 次に、3点目でありますが、自治体財政の健全化法についてお尋ねいたします。
 今回の新しい法律の一つの売りになっているのが、自治体財政の健全性をはかる尺度として、連結決算的な考え方を導入したことであります。この点については、マスコミ報道などでも総じて高く評価されております。従来の自治体の財政状況の判定は、もっぱら一般会計を中心に行われており、特別会計や外郭団体に不良体質があったとしても、なかなか顕在化してこなかった面があろうかと思います。
 しかしながら、これから連結決算的な考え方で、自治体の財政状況を把握することになるとすれば、これはすなわち、外郭団体の負債までをも基本的には自治体が引き受けることを前提としていることになります。そもそも、外郭団体を設立した理由は幾つか挙げられますが、その最たるものは、官庁の経理や財務に比較して自由度が高く、民間的な手法を取り入れられる点にあります。事業の予算化や実施の手続は、自治体のそれと比較しても簡単であり、柔軟であります。事業資金の調達についても、自治体のそれに比較して、規制はほとんどないに等しかったわけです。しかし、自由には当然リスクが伴うわけです。外郭団体には、経営面において、それなりに高いリスクが生じることを覚悟しておかなければなりません。そこで、そのリスクを自治体本体に及ぼさないために、これまで自治体とは別の法人として組織し、そのリスクを分離、遮断をしてきたわけです。
 ところが、ここに至って、自治体のトータルな財務状況を把握するという触れ込みのもとに、外郭団体の債務をも連結するということになってしまえば、せっかくリスクを自治体本体から分離して別枠にした意味がなくなってしまうのではないだろうかという懸念があるわけです。結果として、事業活動や資金調達は柔軟に、しかし、リスクが顕在化したら負担は自治体にということにもつながりかねないという懸念があるわけですが、このことについてどのようにお考えになっているのか、御所見をお伺いいたします。
〇嵯峨壱朗副委員長 高橋博之委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないように、議事の進行に御協力をお願いします。
〇中村予算調製課総括課長 自治体財政健全化法の関連のお尋ねでございます。
 今回の法律におきましては、自治体の健全化を判断する指標といたしまして、四つの指標を設定してございますが、その中で、今、御指摘がございましたように、将来負担比率ということで、これは、自治体本体の財政状況だけではなくて、いわゆる出資法人等の負債の額でありますとか、損失補償債務等のうち、実質的にその自治体に負担が見込まれる額につきましても、この比率にカウントして健全化を判断していくものでございます。
 今回の法律によりまして、自治体が出資法人の債務を負担するとかしないということでは必ずしもないと考えておりまして、これは、自治体が、出資法人の政策につきましては、慎重な判断のもとに、例えば一定の場合に損失補償等をやっているケースがあるわけですが、そういった場合、出資法人がそれを返済できない場合は、自治体がその債務をかわって返済していくといったことが出てくるわけです。そういった場合に、自治体本体の財政状況とその出資法人の財政状況をセットで判断していこうというものでございます。
 そのために、当然自治体側といたしましては、出資法人の経営状況につきまして、十分常日ごろから把握して、必要な指導助言を行っていくことが必要になってくるわけですが、今回、こういった法律が施行されるに当たりまして、今まで以上にそういったことに自治体の側が意を用いなければならないと考えております。そういったことが、ひいては自治体側の債務負担未然防止にもつながっていくものと考えております。
〇高橋博之委員 必ずそうなるということではないと思うのですが、そうした傾向になってしまう可能性もゼロではないと思いますので、ぜひともその点については留意をしていただきたいと思います。
 私も世話人ですので、最後にします。
 予算編成についてお尋ねいたします。
 歳入に見合った規模となるように引き続き歳出の見直しを図っていくということで、基本的に予算を組んでいるわけでありますが、これでは、中長期的に見て、財政運営の健全化になかなかつながらないのではないかと思うわけであります。つまり、家計ではそれでいいと思うのですが、財政学上は本来逆で、歳出の規模に合わせて税負担が連動するような、つまり受益と負担が直接リンクして、わかりやすくするような形で予算編成を考えていくべきだろうと私は思うわけですが、この点についての御所見をお伺いします。
〇中村予算調製課総括課長 歳入に見合った歳出規模の見直しといったお尋ねだったかと思いますが、今、委員から御指摘あったとおり、基本的には、確保可能な財源の範囲内で、事業を採択して予算編成をするのがこれまでの一般的なやり方ではなかったかと私も考えてございますけれども、歳入の状況が非常に厳しくなっておりますし、かつ、歳出削減につきましても、例えば、もうこれ以上削減が難しいといった状況となった場合には、受益と負担のあり方を判断していく中で、税に限らず、幅広く負担のあり方を検討して、新たな財源の確保の検討をしていくことも必要になってまいるものと考えております。
〇高橋博之委員 この予算編成について、一番最後の質問になります。
 ぜひ総務部長にお尋ねさせていただきたいわけでありますが、受益と負担をリンクさせることを考えるとき、私は、県立病院のあり方について考えなければいけないと思うわけです。きのう、関根委員の質問の答弁にもありましたが、今、一般会計から180億円ほど持ち出して県立病院に入れている状況になっているわけでありますが、財政運営上、これが足かせになっていく可能性が私は大きいと思います。県の財政規模あるいは財政状況から考えて、身の丈に合った県立病院の規模に今なっているのかと懸念するものであります。
 東北6県の県立病院に対する一般会計の繰入金を見ますと、本県は180億円、青森県は38億円、宮城県は42億円、秋田県は35億円、山形県は98億円となっております。もちろん、秋田県は市町村立の病院が多いというように、いろいろ県によって状況は違うわけでありますが、平成20年の時点で県立病院改革が終わるわけでありますが、その後、やはり今の県立病院の規模をさらに統廃合あるいは診療所化を進めるという議論になっていくのだろうと思います。県民の皆さんが、今のこの医療サービスの質を維持していきたいと言ったときに、私は、病院新税というものも視野に入れて、受益と負担をリンクさせるような議論をしていくべきだと思うわけでありますが、この点について、総務部長の御見解をお伺いしたいと思います。
〇川窪総務部長 結論的に申し上げますと、現時点では、そういう新税導入を図ることが必要かどうかという点についての考え方があるとか、あるいは整理しつつあるといったような状況ではございません。
 ただ、御指摘がありますように、毎年度、多額の一般会計からの繰り出しを行っておりまして、このことは、いわば他の事業の事業費を抑制せざるを得ない形でありますとか、あるいは基金を大きくこれまでも取り崩してきた形でありますとか、そういう形で、実際にはやはり、県民の皆様方といいますか、県の負担に既になっているということも事実かと思います。
 こういった問題の対応策といたしましては、医療計画の策定等を踏まえまして、今後の県立病院の必要な機能や規模を整理していくというのがまずあろうかと思います。財政を担当する立場としては、それが一定の繰出金縮小効果を生んでくれることを、一つは期待するということになります。また、県立病院がある水準の機能、規模が必要となったといたしましても、その病院経営をできるだけ効率的にやっていただくことによって、必要な繰出金を縮小できる方向にということをまた期待するというのがあるかと思います。その上で、なお、一般会計からの繰出金が引き続き必要になる部分については、次のポイントとして、交付税措置の充実など、国の支援についてもやっぱり努力していかなければいけないとも考えております。
 さらに、県民負担を考えなければいけないというようなことがあった場合には、いわば、財源の中で何を優先するか、県立病院ネットワークを維持することと他の事業との間でのバランスの問題でありますとか、あるいは、何らかの形で県民に追加負担をお願いすることが、本当に予算全体の中で泳ぐことができなくなって必要になるのかどうかというような物の考え方で、検討していくことになると思いますが、これは、県民生活に直結する大きな問題でございますので、全庁的に、また、県民全体でしっかり考えるというステップが必要と思っておりますので、今すぐにという方針はございませんが、こういった御指摘を一つのきっかけといたしまして、関係部局ともよく相談をして検討してまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 私からは、ただいまの橋委員の質問の中で、防災体制について、1点だけ関連して質問させていただきたいと思います。
 平成18年度の決算の中で、防災訓練費、それから、防災対策推進費ということで、いわゆる、防災に向けて、関係機関と連携協力体制を図りながら、種々の訓練あるいは、その備えに対する取り組みが行われてきたわけであります。こうしたときに、実際の防災体制が災害発生時に構築された場合、国あるいは当該市町村、そして県というところの、指揮命令系統を含めた体制のあり方の中で、警戒本部あるいは対策本部が立ち上がった中で、県はどういう役割を果たしていくのか、あるいは果たしているのかということについて確認させていただきたいと思います。
〇小野総合防災室長 県が災害対策本部を立ち上げたときの役割ということですが、実は、県の災害対策本部の設置規定がございまして、今回のような大雨洪水の場合には、各市町村の状況を見ながら、例えば、警戒本部をつくっておきながら、市町村の災害対策本部を設置する数が非常に多くなった場合については、県としては、総務部を中心とした災害警戒本部から、県を挙げた対策本部のほうに移っていくという流れになります。
 そのときの対応ですが、当然、初動対応でいろいろな災害情報などを収集して、必要な応急対策、例えば自衛隊の派遣とかヘリの派遣とか、あとは市町村で対応できないときには緊急消防援助隊の派遣とか、そういう全県的な対応をするのが県の役割だと。市町村の災害対策本部というのは、その市町村域の中における災害対応をとりあえず自分たちでやっていく中で、自分たちで対応ができなくなったときには、県のほうに要請をする。県も、県だけで対応できないような、例えば複数の県にまたがるような災害とかが起きたときには、国と連携しながら災害対応をしていくという流れになっております。
〇木村幸弘委員 平成18年度決算の取り組みについては、もっぱら地震災害対策等に及んだ内容であったと思うのですが、今、お答えいただいたように、今回の大雨洪水対策の中で、今お話のあった初動の対応の部分で、私の場合は花巻地区になりますけれども、当日の県あるいは市町村、さらには北上川にかかわって国土交通省、これらの洪水災害対策に対する初動の対応が十分に機能したのだろうかということを、実は現場を回って歩きながら実際に感じたわけであります。
 一つは、北上川の増水に伴って、主流の内水がいっぱいになったということで、内水ポンプの稼動が始まったわけですが、それに応じて、とてもこれでは間に合わないということで、可動式ポンプの要請がされるわけです。私がちょうどその現場に居合わせた際、国土交通省の担当の職員から、県あるいは市町村の対策本部等から具体的な指示が来ていない、しかし、もう待っていられないので、この稼動ポンプの要請をしなければならないという現場の判断に基づいて行われたという部分を、直接その場に居合わせた職員と話をしながら、ぜひその措置をやってほしいとお願い申し上げたわけです。いずれにしても、この洪水対策の経験の中で、市の役割、それから県が情報収集等に努めながら、その間に立ってどのような指示を下していくのかとか、そういった部分がふだんの訓練の中でどのような形で行われてきたのだろうかということをちょっと感じたわけであります。
 そういった部分が1点ありますので、それらの対応について、いま一度お考えをお聞かせ願いたいと思いますし、また同時に、災害が発生した場合、先ほど亀卦川委員の質問の答弁の中で、さまざまな企業との連携で応援協力、86団体と93の協定で、さまざまな物資運搬等を含めた協力体制をとられているというお話だったんですけれども、今回の大雨洪水災害の中で、例えばそうした事業者に協力要請をする場合、一つの例で、実は市と県の土のうの備蓄量が全くどこにも足りない状態でありまして、その中で、建設業者に要請をしながら1、500袋以上に及ぶ土のうを緊急に各現場に持ち込んだという実態もあったわけです。そうした事業所関係でも、市町村と、それから……
〇嵯峨壱朗副委員長 木村委員に申し上げます。関連質疑は、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう御協力願います。
〇木村幸弘委員(続) そこで、まとめます。県の役割、それから市町村、国とそれぞればらばらに関係事業所に要請している嫌いもあったわけです。そういった調整なども含めて、応援・協力体制の内容もしっかりと把握して、今回の事例に照らし合わせて取り組んでいくべきだと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
〇小野総合防災室長 委員御指摘のとおり、今回の大雨洪水災害というのは、消防団と水防団のすみ分けというのはなかなか難しいという問題が前からずっとあり、要は、消防団でありながら水防団を兼ねているという方々がおられるので、洪水対策というのは、どちらかといえば河川の管理者、ですから水防管理団体のほうの流れの中で、例えば土のうを積むとか、そういう対応をしていく。水防団が充実しているところは、水防団が土のうを積んだり、そこが弱いところについては、建設業協会の各支部との協定の中で、土のう積みを行うという形になっていますので、基本的には市町村のレベルで対応できるものは、市町村のそういった協定とか、それまでの関係の中で対応していって、その中でどうしても対応できないようなものについては、県なりがそれを支援していくという形になっていくわけです。北上川のような国管理の河川の場合は、要は、その水位状況とか何かというのは、県も十分承知しておりますし、そうした中で情報については市町村にも提供するような形になっていますので、そういう意味での連携で対応に戸惑ったということではないという認識は持っております。
〇斉藤信委員 先ほど、県立病院の問題について、県の持ち出しが多いとか、受益と負担の関係だとか、新税だとか、とんでもない話で、そういう発言の真意は、政和・社民クラブの方々の統一した話ではないと私は思いますよ。
 それで、地方自治法の自治体の目的の中に何と書いてあるかというと、住民の福祉を守るですよ。岩手県の県立病院は全国一で、県民の命と健康を守るすばらしい役割を発揮しているんだと私は思いますよ。
〇嵯峨壱朗副委員長 斉藤委員……。
〇斉藤信委員(続) いやいや、これは極めて県政の重大問題だから、私は言っているんですよ。
 それで、部長、県立病院、医療というのは受益と負担になじまないのですよ。金がある人が病気になるんじゃないんですよ。金がない人ほど病気になるのですよ。だから、そういう命を守るというのは、地方自治体の使命に基づいて、社会保障の立場で対応すべきだと私は思うけれども、これをきっかけに議論するなんていう答弁はだめですよ。
〇川窪総務部長 先ほどの冒頭、結論的にと申し上げましたように、現時点でそういう新税が必要かどうか等について、何か考えているとか、整理しているとかという話ではございませんで、あくまで、県立病院に関して岩手県の場合に、一定の県民負担といいますか、県の財政負担が生じていると、これを将来に向けてどのように考えていくかということが議論として必要ではないかと、今のところはそういう段階の話でございます。
〇斉藤信委員 特に県立病院というのは、県議会超党派で県立病院を守るために頑張ってきたんですよ。
 それで、第一に、平成18年度の決算というのは、増田県政3期12年の決算が問われるものでありましたので、私はまず、県債残高、基金残高は12年間でどう推移したか、示していただきたい。
 二つ目に、三位一体改革で、地方交付税、国庫補助負担金はどれだけ削減されたか。
 そして3番目に、県財政が危機的状況となった要因は何なのか、だれに責任があるのか、示していただきたい。
〇中村予算調製課総括課長 まず、県債残高についてでございますが、平成6年度末の県債残高は5、940億円、平成18年度末の県債残高は1兆3、922億円、12年間で8、000億円弱の増という状況になってございます。
 次に、基金残高でございますが、平成6年度末の主要3基金の残高は1、479億円、平成18年度末の主要3基金の残高は282億円、12年間で1、200億円弱の減少という状況になってございます。
 続きまして、三位一体改革の削減の状況でございますが、平成15年度改革分から平成18年度改革分までを積み上げますと、平成18年度の当初予算ベースで、税源移譲に結びつく改革に係る国庫補助負担金の削減額は、238億円程度と試算してございます。一方、地方交付税は、臨時財政対策債を含んだ額でございますが、平成15年度と平成18年度の決算額を比較いたしますと、397億円の減少という状況になってございます。
 それから、県財政が危機的な状況になった要因というお尋ねでございます。本県が厳しい財政状況となった要因といたしましては、一つは、国の経済対策に呼応いたしまして、社会資本整備を前倒しで進めてきたということに伴いまして、その財源として新規に発行する地方債の規模を増加させたことなどによる多額の起債残高に伴い、公債費が高水準で推移していること、また、近年の交付税の大幅な削減などが挙げられるものと考えております。さらに、近年、地方財政全体におきまして、法人関係税などを中心に、地方税が増加していることなどを背景といたしまして、交付税が削減されてきておりますが、このことによりまして、都市部と本県のような地方部の財政格差が拡大してきているといったことで、交付税のあるべき機能が適切に発揮されていないことなどによりましても、本県が厳しい財政状況に置かれている要因であると認識いたしております。
〇斉藤信委員 今、3期12年間の決算を聞きました。8、000億円借金をふやして、基金は1、200億円減らしたと。増田前知事が県政にもたらしたものは9、200億円ですよ。出納長、増田県政を支えた三役として、私は、増田前知事は県政にどういうものをもたらしたのだろうか、改革派なんて言えるような実態ではないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 もう一つ、あわせて聞きます。
 増田前知事が三位一体改革、地方分権を強調してきた。しかし、今、答えがあったように、岩手県財政だけで635億円ですよ。635億円減らされたら、どんな努力をしたって大変ですよ。それは県民に全部犠牲を押しつけるしかなくなってしまう。私は、この点でも地方分権改革、三位一体改革というのは、県政に被害しかもたらさなかったんじゃないかと思いますけれども、この2点、出納長、どうお考えですか。
〇上村出納長 この件に関しましては、本会議で知事が答弁しているとおりでありまして、私もそういうふうに考えております。(斉藤信委員「私は決算で聞いているんだよ。本会議ではないんだ、ここは。委員長、だめだ、そんなのは。そういう答弁はないだろう。中身がないじゃないか」と呼ぶ)
〇嵯峨壱朗副委員長 斉藤信委員、もう一度質問してください。
〇斉藤信委員 本会議の議論を踏まえて、私はここで決算で聞いているんですよ。今の中身のない答弁は答弁でないでしょう、委員長。ちゃんと答弁させてください。
〇上村出納長 出納長としての任務につきましては、三役の一員としての話だと思いますけれども、私は私なりに増田県政の評価をしているつもりであります。ただ、今日のこういった地方と中央の格差が生まれた原因についても、もっとしっかりやるべきだと思っております。
〇斉藤信委員 極めて言葉少ない話でしたが、これ以上聞くのは酷なのでやめますが、本当に3期12年間がもたらしたものは大変厳しいものだったと。だから、達増県政が増田県政を継承するという立場では、本当の意味での県政改革にならないということを、ここは指摘だけにとどめます。
 それで、第2の問題は防災対策でありますけれども、まず最初に、予想される宮城県沖地震・津波への対応についてお聞きします。
 昨年度も津波注意報が発令されて、7、000世帯に避難勧告が出たけれども、74人しか避難しなかったという問題がありました。ことしも、警報が出て避難勧告が出たけれども、ほとんど避難する人はいなかった。私は、津波対策というのはやっぱり避難だと思うんですよ。3月の予算特別委員会のときにもこの問題を聞きましたが、そのときには、地域住民のアンケート調査をやっていると。それを踏まえて対策を講じたいということでしたが、アンケート調査の結果と津波避難のあり方、この点についてお聞きしたい。
 あわせて、本年2月に設置された岩手県沿岸地区津波対策連絡協議会はどういう協議や取り組みをされているのでしょうか。
〇越野防災危機管理監 まず、津波注意報に対する避難状況とアンケートの調査結果についてでございますけれども、今回の調査は、平成19年1月13日に本県沿岸部に津波注意報が発令されたことを受けまして、いわゆる遠地地震における地域住民の行動実態、避難に関する意識について、沿岸地域の住民の方々を対象としてアンケート調査を実施したものであります。
 アンケート結果におきましては、その課題として、避難を促す情報の正確な伝達、津波注意報発令時における危険性の周知徹底、津波注意報の内容に応じた避難の呼びかけ方や避難を促す時期、防災教育等の徹底など、いわゆる遠地地震特有の課題が抽出されたわけでありまして、県では、この調査結果について、今言われました岩手県沿岸地区津波対策連絡協議会を通じて情報の共有化を図ったところであります。今後は、宮城県沖地震・津波を想定した防災対策について、津波防災学習教材による普及活動、あるいは地域住民等を対象としたワークショップや講習会等を実施するなどして、さらなる地域防災力の強化を進めてまいる所存でございます。
 続きまして、岩手県沿岸地区津波対策連絡協議会の取り組み状況についてでございますけれども、本連絡協議会については、平成19年2月に、沿岸市町村や東北地方整備局三陸国道事務所など39団体を構成メンバーとして組織し、第1回の協議会においては、津波対策の初動対応からそれぞれの局面、すなわち初動対応、復旧とか、そういうような局面ごとに検討することとしたところであります。さらに、本年の5月に本連絡協議会の分科会を開催しまして、この1月の津波注意報発令時における住民意識のアンケート調査結果を情報共有いたしました。いわゆる遠地地震における初動対応や応急対応についての課題を抽出して、意見を交換したところであります。今後は、年内をめどに開催する連絡協議会におきまして、宮城県沖を震源とする、いわゆる近地地震の津波警報発令時における市町村の初動対応等について検討することとしております。
〇斉藤信委員 問題は極めて具体的なわりには、答弁は難しかったですね。何をやりたいんだか、ちっとも見えませんでしたね。
 それで、私は端的にお聞きします。地震対策といったら、中越地震の教訓でも、阪神淡路大震災でもそうなんですが、住宅の耐震化、耐震改修ですよね。これをなんで岩手がやらないのか。もう一つ、津波対策と言ったら避難対策なんですよね。命を守ると。私は、地震津波はこの二つがポイントだと思うけれども、室長にお聞きします。私は、地震津波はかなり焦点は定まっているんだと思うんですけれども、差し迫った宮城県沖地震に対して、この二つの点でどういう対策が今講じられているか、講じられようとしているか。それと、岩手大学も地域防災センターを設置したようですが、これとの連携も含めて答えていただきたい。
 あと、防災問題の最後に、先日の9月の大雨洪水対策は、実は盛岡は1日当たりの降水量、24時間当たりの降水量は観測史上第1位だった。県内各地もこうした形で、今まで観測史上1位の大変な大雨洪水になりました。この大雨洪水対策に当たった防災対策上の課題や問題点、今後に生かすべき教訓も含めて示していただきたい。
〇小野総合防災室長 地震津波対策の関係ですが、耐震化の関係につきましては、県土整備部を中心にいろいろ対応していますし、その中身については、こちらのほうでもいろいろ情報提供は受けています。
 それと、津波の関係ですが、実は、今回なぜ答弁の中で遠地地震というとらえ方をしたのかというのは、アンケートをしている中で、震源地が遠いと、要は津波の到達時間というものが出てくるんですけれども、それがかなり時間がたっている。そうすると、気象庁が津波注意報を発令しても、テレビとか何かでリアルタイムで情報がわかってきますから、なかなか避難行動に移らないという形のものがあって、これは津波意識が低下しているのではなくて、そういう状況で情報をリアルタイムに見過ぎることができるから、自分の判断がまだいいやみたいな形になっている。こういうことが3度ほど続いているわけですけれども、これが逆に三陸沖を震源とするような地震津波が起きたときには、そういった余裕がないわけですから、そういった余裕があるものだと誤解を重ねる方々もふえてきているということがあって、先ほどの沿岸地域の対策協議会の中では、もう一度最初に返って、三陸沖を震源とする地震のときの、そういった初動の大切さとか、避難の重要さみたいなものをもう少しみんなで共通認識を持ちながら、起きてくるような課題とかについては、その中で検討して初動対応の万全を期すようなやり方をとっていきたいと考えております。
 それと、今回の大雨洪水対策の状況についてでありましたけれども、委員御指摘のとおり、今回の大雨洪水災害においては、盛岡とか花巻市の豊沢などでは、先ほど言ったように、日降水量とか最大24時間降水量というのが観測史上最高を記録した。北上川の水位もかなり上昇しているということがございまして、こういう情報については、気象台、三陸国道事務所など国の国土交通省関係とそういった情報共有は当然やっておりました。その中で、避難の指示とか避難の勧告等が広範囲に発令されてきているという実態も承知しております。この中で、結果として2名の死者とか、浸水、冠水等の被害が発生している。こういうことを受けて、市町村の中では、その被害の状況を見て災害対策本部を設置したり、警戒本部で情報収集に当たったりと、それぞれの実態に即した対応をしているものだと考えていまして、実は、県のほうでも、県土整備部のほうといろいろ連携をとりながら、これ以上雨量ふえたり、水位がふえたり、ダムの放流があったりするときには、洪水の浸水地域がもっとふえるだろうということも踏まえて、対策本部への移行も検討した経緯もございます。その中で、結果として、その時点から雨量も少なくなって、水位も下がってきた状況でございました。こういうことを反省材料というか、踏まえて、今後は、関係部局と連携して、そういった水位状況の対応とか、浸水状況への対応、市町村の応援というものについて、さらに的確な対応の確保に努めていきたいと考えております。
 岩手大学の地域防災センターとの連携の関係でございますが、これはたしか前回の議会のときも聞かれたと思うんですが、この地域防災センターは、宮城県沖地震・津波というものを想定した防災とか減災の各種研究とか、津波災害などの風化が懸念される住民意識の喚起を促すというようなことを目的にして、本年の3月に開設されたというものでありまして、岩手大学の独自の取り組みと認識しております。
 県は、そのセンターの開設以前から、岩手県内での自主的な地域防災活動の現状把握の調査とか、津波防災学習教材の作成とか普及活動ということに対して一体的に取り組んできているという経緯もございますので、今後とも、このセンターの防災に関する専門的な知識とか災害対応のノウハウを一緒になって活用していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、入札問題についてお聞きします。
 昨年度の入札結果について、落札率95%以上、90%以上、80%以下、この落札件数、率を示していただきたい。
 低入札価格調査の実施件数と、その結果はどうでしょうか。
 落札率のこの間の推移と、落札率低下の経済的効果、節約効果を示していただきたい。
 公正取引委員会から摘発された91社の談合事件の審判の状況、何が論点になっているか、示していただきたい。
〇小向入札担当課長 まず、昨年度の入札結果についてでございますけれども、昨年度普通会計における県営建設工事の入札結果でございますが、随意契約を除いた落札件数が合計で1、803件ございます。このうち、委員お尋ねの落札率が95%以上となった工事は55件で、その割合は全体に対して3.0%でございます。90%以上、95%未満となった工事は820件で、割合は45.5%となっております。また、80%以下となった工事につきましては564件で、その割合は31.3%となっております。
 次に、昨年度の低入札価格調査の結果でございますけれども、低入札価格調査の対象となるのは1億円以上の工事ということになりまして、これは、医療局分でこちらのほうで執行した分も含めて、1億円以上の工事というのは132件ございましたけれども、このうち29件が、いわゆる調査基準価格以下の入札があり、低入札価格調査を行ったものでございます。発生率ということになりますと、22%という中身でございます。そのうち最低価格での入札者、いわゆる一番札の入札者でございますけれども、これを失格した件数が29件中14件ございます。48%は一番札を失格にしているということでございます。
 続きまして、落札率の推移と経済的な効果の部分でございます。
 まず、落札率の推移についてでございます。過去5年間の普通会計における落札率についてでございますけれども、随意契約除きで出したものでございますが、平成15年度が94.7%、平成16年度が93.1%、平成17年度が89.2%、平成18年度が85.6%、本年度は、8月末現在の数字でございますけれども、84.5%となっております。
 また、落札率低下のいわゆる経済的な効果というお話でございましたけれども、いわゆる入札残、すなわち予定価格と落札額の当初契約時点での差額について申し上げたいと思います。平成15年度分から申し上げますが、平成15年度は58億8、000万円余、平成16年度は55億4、000万円余、平成17年度は74億5、000万円余、そして平成18年度は102億2、000万円余となっておりまして、この分の財源がさまざまな形で生かされているものと認識しております。
 最後にお尋ねの91社のいわゆる談合事件に係る審判の状況についてでございますけれども、91社に対する排除勧告に係る審判につきましては、平成17年10月26日に第1回の審判が行われまして、以降、これまで10回の審判が行われております。この間、公正取引委員会が排除勧告において主張いたしました受注調整の事実を認めた業者はなく、公正取引委員会と91社側との間で、それぞれ主張、反論が繰り返されてきているところでございます。また、本年5月に開かれました第9回の審判からは、91社側が申請した参考人に対する審尋が行われ、これまで3名の参考人が審判の場において陳述したところでございますけれども、いずれの参考人も受注調整の事実を否定したところでございます。今後、12月までの間に3回の審判が開かれ、引き続き参考人の審尋が行われると承知しております。
〇斉藤信委員 落札率の推移を見ますと、私は、確実に改善は図られているのではないかと。同時に、二極分化といいますか、一部の談合が疑われる例と、もう一方でいけば、やっぱりダンピング競争が激しくなっているという両側面を見て、引き続き改善に取り組んでいただきたい。
 最後の質問ですが、新昇給制度と超過勤務の実態についてお聞きします。
 本庁は今年度から、この新昇給制度が既に実施されておりますが、県職員はどのように評価され、昇給などが実施されているのか、示していただきたい。また、超過勤務の実態を示していただきたい。また、県職員の出勤時間、退勤時間の把握が、県庁の場合は民間と比べて極めてずさんだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
〇高橋人事課総括課長 まず、新昇給制度についてお答えいたします。
 給与構造改革によります勤務成績に基づく昇給制度を運用するため、知事部局におきましては、昨年6月に新人事評価制度を創設いたしまして、その評価結果を平成19年4月1日の昇給から反映させているところでございます。この昇給に係る評価は、組織目標への貢献、職員個人の努力を主な評価項目とする評価シートをもとにいたしまして、職員と所属長等が定期的な面接を行い、所属の業務推進への貢献はどうか、当該職員の業務課題の成果はどうか、計画的、効率的な業務遂行が見られるかなどの観点から評価を実施しているところでございます。
 なお、勤務成績による昇給区分は、良好、を一般的な評価といたしまして、極めて良好、から良好でない、の5段階評価とされているところでございますが、知事部局における平成19年4月1日の昇給発令におきまして、極めて良好、または特に良好、として昇給の加算が行われた者は、その人数といたしましては、極めて良好が201人、特に良好が798人となっているところでございます。
 それから、超過勤務の実態ということでございます。知事部局の平成18年度職員1人当たりの年間の超過勤務時間数でございますが、これは合計で102時間となっておりまして、前年度118時間に比べまして13.6%の減少となっているものでございます。
 それから、出退時間の確認ということでございますが、職員の始業時刻につきましては、管理監督の立場にある職員が、出勤簿により確認しているものでございます。他方、終業時刻につきましては、管理職員がみずから確認できる場合は、その確認により、それから、当該職員が超過勤務命令記録簿に終業時刻を記録し、翌日、これにより確認するという方法もございます。
〇斉藤信委員 県職員を5段階に選別評価するやり方は、私は極めて重大だと思うんです。幹部職員の場合はA区分が9.9%、一般職員は4%ですよ。B区分は、幹部職員は34.7%、一般職員は16.2%で、幹部職員に甘い評価なんですね。私は、これはおかしいんじゃないかと思う。幹部職員が評価して、幹部職員はA評価、B評価が高い。こんな甘い評価を幹部自身がしていたら、一般職員は納得しないんじゃないでしょうか。Aと、いわば標準と言われるCとの賃金格差はどのぐらい出ますか。BとCの比較も示していただきたい。幹部職員優遇のこういうやり方でいいのかと、これは改めて第1点、お聞きします。
 二つ目に、今、私は勤務時間、超過勤務の問題を聞きましたが、県職員は平均して102時間というのは、超過勤務手当支給実績ですね。いわば手当を支給した実績しか超過勤務として、今、県は見ていない。これがIMS、成果主義の結果ですよ。いわば職員一人一人が評価されるということになると、超過勤務しても報告できないというシステムになってしまうんです。だから、厚生労働省がサービス残業根絶のために何度も通知を出している。それはどういう通知かというと、出勤時間、退勤時間を客観的に記録しなさいということですよ。何時に出勤して何時に帰ったか、タイムレコーダーがあったら、これはすぐできることなんですよ。私は、そういうことをしなかったら、今のIMSとか新昇給制度の成果主義の中で、サービス残業は横行するということになりかねないと思いますが、いかがですか。
〇高橋人事課総括課長 まず、第1点の新昇給制度の昇給幅といいますか、区分のことでございます。特定職員、特定職員以外、幹部と、それでない者ということでパーセンテージがそれぞれ分かれておりますが、これは、この新昇給制度に伴う枠組みの中で、幹部職員についてはこの割合におおむね合致するように、それ以外の職員はこの割合に合致するようにといったガイドラインが示されておりまして、それにおおむね合致するというようなことで評価しているものでございます。
 それから、大きな1点目の二つ目でございます。給与の差ということでございます。職員の給与はいろいろございますので、本年度、人事委員会勧告がございましたが、その中で、職員の行政職の平均給料月額34万九千幾らというデータがございますので、便宜上、この行政職4級で34万9、000円と仮定して、それをベースに試算いたしますと、月例給と、一部ボーナスにも反映するところがございますので、それらを通常の昇給幅の者、C評価の者と比較いたしますと、Aの場合ですと年間およそ10万円の差、Bですと5万3、000円の差ということになるものでございます。
 それから、2点目の超過勤務のことでございます。超過勤務手当につきましては、必要に応じて行わせた超過勤務につきましては、その実績に応じた適正な超過勤務手当を支給するということで対応しているものでございます。
 それから、出退時間の確認につきましては、先ほど申し上げましたような方式によっているところでございますが、厚生労働省の通知の中にございますように、タイムカードとかそういったものでできない場合は、いろんな留意点を踏まえながら、適正に時間の管理をするようにということでございますので、現行のやり方で適正に把握してまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗副委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 これで最後にします。委員長の言うとおり最後にします。
 本来、公務労働というのは県職員が協力共同して行う仕事なんですよ。そこにやっぱり差別と分断を持ち込む、AとCで10万円以上、幹部職員だったらもっと大きいと思いますよ。こういう賃金格差を持ち込むというのは、やっぱり本来の公務労働にとっては障害になりかねない。実は、滝沢村の柳村村長が、ある聞き取り調査でこう言っているんです。フラット制を導入したと、メリットは、ポストがなくなって、その分、決断・決定が速いということはあるけれども、これは限界がある。今度はチェック機能がなくなってミスが起きると。フラット制というのはチェック機能がなくなるんですよね。これは本当に考えなければだめだ、助け合うサポートが必要だということを指摘しているんです。私は、今の体制も含めて、本当にこれは見直していただきたい。
 超過勤務の問題を最後に言いますけれども、県職員の年次休暇取得は平均11.5日です。半分しか取れていない。そういう中で、超過勤務手当を出した分しか超過勤務がないなんていう考えられないような管理体制というのは、改善しないと空気がよどみますよ。やっぱりきちんと仕事をした時間を客観的に記録する。民間ならどこでもやっています。そういうことをきっちりとやってこそ、私は、本当に県民のために意欲を持った仕事を進めることができるんだと思いますが、年次休暇の取得もみんなが取れるようにどう改善しますか。最後にこれを聞いて、終わります。
〇高橋人事課総括課長 評価の関係につきましては、先ほど御説明いたしましたように、この評価の大きな項目の中に、組織目標にどう貢献したか、どういった努力をしたかといったような観点で評価をしようということになっておりまして、その中には、当然、個人だけの業績が上がればいいということではなくて、組織全体としての目標にどうかかわっていくかということが、評価の対象になるということでございますので、そういった観点から、この制度を運用してまいりたいと思っております。
 それから、年次休暇と超過勤務の関係でございます。いずれ、それぞれの職員が仕事を進めていく上で、職員個人が効率的に仕事を進めるというのはもちろんでございますが、それぞれの職場におきまして、年間の業務の平準化でありますとか、全体的にむだといいますか、余り多くの業務に携わらなくてもいいというような形で、その業務自体を見直すといったようなことを含めまして、これは超過勤務時間に限らずですけれども、全体の勤務時間、労働時間を減らすにはどうしたらいいかとったような観点から、それぞれの業務のあり方等を見直すということによって、全体の労働時間を短縮していく中で、あわせて年次休暇の取りやすい環境づくりにも努めていくといったようなことで対応してまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 大分時間も経過しているようでありますので、私も簡潔にお聞きします。簡潔な答弁で結構でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 防災費と私立学校費についてお尋ねします。先に、順序を変えて防災関係から申し上げたいと思います。
 高橋博之委員から一部質問がございましたが、私は違う角度でお尋ねします。いわゆる消防の広域化に関してでございますが、総務省の消防庁、平成18年の告示第33号ということで先ほど御答弁がありましたけれども、広域化について、都道府県に対して自主的な市町村の広域化の推進計画をまとめるようにということで、先ほどの御答弁では今年度中ということでございました。平成18年から取り組みをされているということは、事前にいろいろな調査でお聞きいたしているところでございますけれども、お伺いをしたいのは、先ほど、年度内に推進計画をまとめるといった答弁がありました。しかしながら、検討委員会というものを9月25日に立ち上げたと。決しておくれているという意味でお聞きするものではありません。というのは、もう他県では推進計画ができているところもあるやに伺っておりますが、本県独自の課題があろうかという意味で、これまでの取り組みと、ここまでどういう経緯で検討されてきたのか、その中身をお尋ねするものであります。
〇阿部防災消防担当課長 消防組織の広域化のこれまでの取り組みと今後の予定についてでございます。昨年の法制度化の部分等を踏まえて委員からの御質問でございますので、法律施行後の部分ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 昨年の7月に消防庁から基本指針ということで告示されて、それを受けまして、県といたしましては、8月に、市町村の消防防災担当課長、各消防本部の消防長を対象とした説明会を開催いたしました。その後、年明けの平成19年1月には、各消防本部から、消防力の現況、人員あるいは装備の現況、広域化に関する意見等について、事務的ではございましたが、ヒアリングを行ったところでございます。その後、全国の状況等々の調査なども踏まえながら、県の内部的な調査検討を続けてまいりまして、先ほど委員がお話のとおり、9月25日付で委員会を設置したところでございます。第1回目の会議を来週の月曜日、10月22日に開催し、本年度末までに、おおむね3回ほどとは考えておりますけれども、会議を開催しながら、そこでの議論を踏まえて、県の推進計画を作成していくという予定でございます。
〇及川あつし委員 ちょっと質問の趣旨をもう一度改めて申し上げますが、本県独自の問題があると思うんです。自主的な広域化ということでありますので、無理やり広域化ということではないと思うんですが、その点をちょっとお答えいただきたいと。なぜこれをお尋ねしたかといいますと、とにかくどの分野もお金がないという中で、消防の広域化に関しても、例えば、盛岡については、いち早く広域化がなされているということで、他の都道府県に行って先進説明というようなことでもやっているようでありますけれども、いずれにしても、無線のデジタル化というものも踏まえて、消防本部の設備費が今後かなりの問題になろうかと思います。今回の広域化の問題とは直接的には関係していないと思いますけれども、非常に大事な関連する問題だと思っておりますので、本県独自の固有の問題と、あと、広域化にあわせた本部機能の充実について、県のほうからも、ぜひ市町村に対してバックアップしていただきたいという意味の質問であります。再度御答弁いただければと思います。よろしくお願いします。
〇阿部防災消防担当課長 本県の状況でございますけれども、全国的に見ましても、面積が広いですとか、あるいは人口密度が低い、歴史的な地域地域の背景が異なる、あるいは地勢的なものといいましょうか、地理的な面といいましょうか、そういった面がございまして、消防庁の指針等によれば、人口30万人程度とか、そういったものが一応の目安としてというような表現がございますけれども、直ちに岩手県がそれを目指すという状況にはないのかなと。前段のほうで申しましたような事情がありますので、そういったものを踏まえながら、本県にふさわしい消防本部のあり方という面で議論をしていきたい、調査検討委員会の中で議論を進めていただきたいと思っております。
 それから、委員からお話がありましたデジタル化は、消防の無線につきましては、平成28年5月末がアナログからデジタル化への切りかえの期限でございますので、それに向けて、消防本部主導のものにはなるんですけれども、県もその調査検討等を支援しながら、一緒に検討していきたいと思っております。
〇及川あつし委員 無線のデジタル化に合わせた本部機能の強化は大事な課題で、多額の財政を伴うものだと思っておりますので、ぜひ、着々とお進めいただきたいと思います。
 次に、私立学校費について申し上げたいと思います。
 まず、私学助成について、平成18年度はどのような考え方で取り組まれたのか、また、今後どのようであるか、お知らせをいただきたいと思います。
 次に、私立高校の退学者について、中退者の状況、どのような問題意識、権限上のどのような対応を考えているか、お示しください。
 3点目は、きのう、知事に一部御質問申し上げましたが、幼保の一元化であります。認定こども園については、3件認定されているとホームページでも拝見いたしました。では、相談状況はどうなっているのでしょうか、お示しを願います。
 また、児童家庭課との連携、連絡、あと、教育委員会ともあると思うんですが、外形的にどういう会議をやったかというのも、全部ホームページに出ておりますので、中身の協議部分、県民利益に資する部分についてお示しいただきたいと思います。あわせて課題もお知らせ願います。
〇鈴木法務私学担当課長 まず、私学助成についてでありますが、平成18年度におきましては、重点施策の一つとして、未来を担う人づくりが掲げられておりまして、その中で、私学助成につきましては、各私立学校が個性的で魅力のある教育の場として、本県の公教育の一翼を担っていけるよう、厳しい県の財政状況の中にあって、私立学校運営費補助金を中心として、各学校の特色ある学校づくりを支援するなどの財政措置を講じてきたところでございます。今後ということでございますが、平成20年度以降におきましても、県の財政状況は大変厳しい状況にございますことから、各学校法人や私立学校のニーズをよく把握し、既存の事業のスクラップ・アンド・ビルドに努め、私立学校の安定的な経営や魅力のある学校づくりを支援できるよう、助成を行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、私立高等学校の中途退学者の状況についてでございますが、平成18年度の県内私立高等学校における中途退学者は194名でございます。前年度の平成17年度に比べ3名減少しておりまして、ここ数年間、減少傾向にあるものでございます。中途退学の理由は、学校生活・学業不適応が最も多く75人となっており、次いで進路変更33人、問題行動等24人等となっているところでございます。
 この中途退学についての県の問題意識、対応についてということでございますが、本県中学校卒業者のほとんどが高等学校に進学する状況の中で、高等学校生徒の能力・適正、興味・関心等は非常に多様なものとなってございます。このような生徒の実態を踏まえて、各学校におきましては、生徒の状況に応じたきめ細かな指導を行うことが重要であると考えているところでございます。私立学校に対しましては、各学校の生徒の状況に応じた教育課程の改善を進めることや、進路指導や生徒指導の充実、個に応じた学習指導の改善等を進めるよう、これまでお願いしてきたところでございまして、今後も引き続き指導を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、3点目の認定こども園についてでございますが、委員仰せのとおり、本県における認定こども園の認定につきましては、本年7月までに3施設を認定したところでございますが、現在、県で申請を受けて審査している施設が2施設ございます。このほか、幾つかの施設から相談を受けているという状況にあるものでございます。
 次に、児童家庭課との連携の関係でございますけれども、認定こども園制度の運用に当たりましては、まさに関係部局が連携して取り組むことが重要でございまして、私立幼稚園を所管している当総務室、保育所を所管する保健福祉部児童家庭課、そして公立幼稚園を所管する教育委員会事務局学校教育室の3者が、幼保一元化推進検討会におきまして、定例的に協議を行って、制度の運用や認定に関する問題点の協議等、小まめな情報共有とか検討を連携して行っているところでございます。
 最後の認定こども園の課題ということでございますが、この制度は、保護者の勤務する実態が、勤務している、していないにかかわらず子供をお預けできるというような施設でございます。また、地域における子育て支援を推進するという施設でございまして、その課題に対して貢献できる施設であると考えているところでございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、本県における認定こども園の認定数は3施設にとどまっているという状況でございます。そういう中で、課題といたしましては、やはり、昨年度法制化された新しい制度ということでございまして、まずもって、私どもは県民の皆様方に対する制度のさらなる周知が必要ではないかと考えているところでございます。やはり、設置していただく幼稚園、保育所の施設関係者の皆様方に対しまして、さらに施設の認定こども園制度について理解を深めていただき、地域のニーズに応じた認定こども園制度が普及、整備されていくことが必要だと考えているところでございまして、そのような課題の解決に向けまして、例えば幼稚園、保育所、そして県の関係部局の者が一堂に会しまして、就学前の子供に関する教育・保育に係る懇談会というものを設置いたしまして、定期的に意見交換等を実施しているところでございます。
〇及川あつし委員 余り時間がないようでありますので、まとめて申し上げたいと思います。
 幼保の一元化については、きのう、知事から答弁いただいた以上の答弁は絶対出ないと思いますので、私は意見を申し上げますが、議事録を読みますと、平野ユキ子前議員、野田委員、関根委員もこれまで問題点を指摘しているとおりであります。今、御答弁がありましたけれども、きのうの答弁でも気になったんですが、県庁の中の議論をやるということと、県民の保育や幼児教育に携わっている人間から見る窓口というのは違うと思うんです。やはり皆さんがやられているのは内部協議中心であって、私も関係者の一人でありますが、これまで一生懸命皆さんが取り組まれてきていると思いますけれども、どうも、窓口がしっかり見えてこないという部分も、認定こども園がなかなか進まない理由の一つになっていると私は思っておりますので、今後の課題として、部局横断で、知事部局に置いたり、教育委員会に置いたり、宮城、和歌山、高知でいろいろやっておりますので、参考にしていると思いますけれども、ぜひ、県民に見える形で窓口の一本化をお願い申し上げたいと思います。
 私学助成は、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 あと、私立高校の退学者についてであります。これは県教委のほうにも後でお聞きしたいと思っているわけですが、公立高校のほうの退学者は、平成18年度でおよそ1.56%。今、課長の御答弁では比率は言われなかったと思うんですが、2.6%です。1.1%ぐらい私立学校のほうが退学者が多いというような状況にあることを、まず御理解いただきたいと思っております。
 指導していくというお話がありましたけれども、もちろん、総務の私学の担当ということでありますので、学校法人としての審査、形態というものをしっかり、見てはいらっしゃると思うんですけれども、教育という部分について言うと、幼児教育から高等教育に至るまで、教育という視点から指導するというポイントが、職員の体制の問題もあると思うんですけれども、弱いのかなと前々から思っておりまして、その意味で、きのう、総括でもお聞きしたわけでございます。部長にも御答弁いただきたいわけでありますが、公立高校と比べて中途退学者が多いという現実を見て、どうお考えになっているか、まずお聞きしたいのと、あと、具体の高校名を出すと問題になりますので申し上げませんが、私が聞いているところによれば、10%を超える退学者を出した私立の高校も近年あるやに伺っております。お答えは結構でございます。こうした学校にも、私学助成を出しているわけでありますので、もちろん、何人の退学者を出したから助成金を削るとか、そういう対応はできないと思いますけれども、学校経営上、いろいろ問題もあろうかと思いますので、しっかりと対応していただきたいと思うわけでありますが、退学者の問題等について、御所見があれば、部長も含め、御答弁をよろしくお願い申し上げます。
〇川窪総務部長 私学の場合、県といたしましては、私学の自主性といいますか、そこを尊重しつつ、一方で私学助成等を通じまして、教育の質の向上をお手伝いする、図っていくという立場でございますので、公立学校の場合と全く同じ対応ということは、なかなか難しい面もございますけれども、私学助成を行っている立場からいたしましても、それぞれの学校において、どのような課題や問題があるのかというようなことについては、退学の問題に限らず、しっかりお話を伺ったり、実情を把握したりする。そして、必要に応じて、改善に向けて努力を促していくというようなことも必要だと考えております。退学者が多くなっているという御指摘をいただきましたので、その点につきましても、実情をよく把握しながら、必要な対応をとっていきたいと考えております。
〇及川あつし委員 今は法人の監査的な立場のお話だったと思うんですが、もう一点申し上げました。いわゆる総務部に、教育をきちっとわかって、私学の所管をここに置くというのであれば、教育という観点から、しっかり取り組んでいただく人材の強化というものも本当に大事だと私は思っておりますが、この点についても御見解を賜って質問をやめます。
〇川窪総務部長 教育の内容につきましても、総務部といたしまして、しっかり実情を見きわめながら、必要な対応をしていかなければならないと考えておりますが、前提として、やはり私学の自主性の尊重ということもまたございますので、そこをバランスよく考えながら対応してまいりたいと考えております。
〇嵯峨壱朗副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋昌造委員 私からは2点お伺いいたしたいと思います。
 まず第1点目につきましては、平成19年度から税源移譲が実施され、これまで以上に、自主財源であります県税の税収確保が、県政課題の中でも最重要課題になってくるものと考えられます。午前中、川窪総務部長から、県税の収入未済額について御説明があったわけでございますが、県税全体で22億1、100万円余、そして個人県民税がそのうち11億4、000万円ということで、50%を超える割合なわけでございます。また、各市町村におきまして賦課徴収されます個人、市町村民税を含めた今後の住民税の徴収の確保対策をしっかり講じていかなければならないと思うわけでございます。
 そこでお聞きいたしますが、県税の税収確保策と市町村税の徴収支援のために、昨年の10月に岩手県地方税特別滞納整理機構が設立され、事務事業が実施されておるわけでございますが、その取り組み状況と成果についてお聞きいたしたいということでございます。
 第2点目については、県税の徴収率の向上対策についてお伺いをいたしたいということで、まず一つは、今話題になっておりますヤフーによります差し押さえ財産のインターネットの公売について、本県の取り組み状況がどのようになっておりますか、お伺いいたします。
 そして、二つ目には、今まさに、納税者の利便性の向上のために、もう既に他県では導入が実施されておりますコンビニエンスストアを利用した納税の導入について、本県では今後どのような取り組み、また対応を考えられておりますか、お伺いをいたすところでございます。
〇佐藤税務課総括課長 岩手県地方税特別滞納整理機構の取り組みと成果についてでございますけれども、昨年10月に県と23市町村で設立しまして、平成19年4月からでございますけれども、新たに9市町村が参加していただきまして、県と32市町村が一体となって、大口滞納事案、徴収困難事案の滞納整理を行っているものでございます。
 その成果でございますけれども、個人住民税を含む市町村税で、平成18年度の成果といたしましては、加入市町村が機構移管予告催告書というものを発付します。この発行によりまして、納付または納付誓約された額は3億9、238万円余でございます。それから、滞納整理機構が市町村から引き継いだ事案を処分徴収等をした処理額でございますけれども、6、413万円余でございます。合わせた成果としましては4億5、651万円余でございます。さらに、平成19年度でございますけれども、8月末現在におきましては、機構移管予告催告書の発付による成果でございますけれども、3億8、549万円余となってございまして、滞納整理機構が処理した額は3、629万円となってございます。合わせた合計額では4億2、178万円余となってございます。
 県と市町村が一体となって取り組むことによりまして、市町村の徴収力の向上が図られているものと考えております。具体的に申し上げれば、機構職員が市町村を訪問しまして、滞納事案の個別相談とか、市町村職員を対象とした滞納整理研修会などを実施しておりまして、収入未済額の縮減に努めているところでございます。
 次に、インターネット公売についてでございますけれども、公売財産によっては、より高価に売却が期待できるものもありますので、本県では昨年の9月から導入しているところでございます。平成18年度は4回実施しまして、公売物件数は46件、このうち23件が12万3、000円ほどで落札されたところでございます。平成19年度におきましては、これまで2回実施しまして、7件の公売物件で、5件が約31万円ほどで落札されたところでございます。
 次に、コンビニ収納でございますけれども、平成19年度までに導入した都道府県でございますけれども、32団体ございます。本県としても、県民の納税の利便性の向上の観点から、平成20年度の導入に向けて、今、検討しているところでございます。なお、このコンビニ収納のメリットとしましては、納税者の納付機会の拡大と利便性の向上を図るほかに、納期内納付率及び収納率の向上が期待されるところでございます。
〇嵯峨壱朗副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗副委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時6分 休憩
午後3時23分 再開
〇新居田弘文委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、総合政策室長に総合政策室関係の説明を求めます。
〇勝部総合政策室長 平成18年度の総合政策室関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 総合政策室では、岩手の自立のための政策の展開、それから、行政経営の視点に立った組織などの改革、これら二つの視点に立って、総合計画の推進や行財政構造改革プログラムの実施などに重点的に取り組んでまいりました。
 まず、岩手の自立のための政策の展開についてでありますが、総合計画の進捗状況や課題などを把握するため、政策評価を実施するとともに、40の政策を軸に、地域の自立に向け、政策形成プロジェクトを初めとする県政全般にわたる施策を進めてまいりました。このような取り組みによりまして、自動車関連産業を中心としたものづくり産業の集積の促進や高齢者などが住みなれた地域で暮らせるよう支援する仕組みづくりが進むなどの成果が得られてきていると認識しております。
 次に、行政経営の視点に立った組織などの改革についてでございますが、行財政基盤をしっかりとしたものとするため、歳入、歳出全般にわたる改革を進めるとともに、民間手法を活用した業務プロセスの改善などに全庁挙げて取り組んでまいりました。このような取り組みによりまして、行財政構造の徹底した簡素化、効率化を図ってきたほか、県民本意の質の高い行政サービスを提供する組織づくりに向けた改革が着実に進んできているものと認識しております。
 また、広報業務につきましては、県の重要施策について県民の理解が得られるように、政策推進型広報を進めるとともに、行政情報については、積極的な公開に努め、行政の透明性の確保に努めたところでございます。
 さらに、調査統計業務につきましては、国や市町村などと連携しながら、平成18年事業所・企業統計調査を初めとする各種統計調査を円滑に実施するとともに、調査分析機能を充実させて、政策形成支援機能の向上に努めたところでございます。
 なお、平成19年度は、今後4年間の政策推進の方向性や県民本意の分権改革、行財政改革の取り組みなどを明らかにする新しい地域経営の計画の策定の取り組みを進めているところでございます。
 それでは、決算状況について御説明申し上げます。
 お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開きいただきたいと思います。総合政策室の決算は、2款総務費のうち、2項企画費及び7項統計調査費でございますが、これらの支出済総額は13億1、802万円余でございまして、不用額は1、821万円余となっております。
 それでは、便宜、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書によりまして、各項目ごとに御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書158ページをお開きいただきたいと思います。2款総務費2項企画費1目企画総務費についてでございますが、支出済額6億6、889万円余の主なものは、まず、管理運営費でございますが、これは、人件費及び一般管理事務に要した経費でございます。次に、行政経営推進費でございますが、これは、行政経営の品質向上や職員の戦略的な政策形成能力の向上を図るために要した経費でございます。続きまして、160ページをお開きいただきたいと思います。2目計画調査費の支出済額2、811万円余の主なものについて御説明申し上げます。まず、政策形成推進費は、政策及び施策の企画、立案に資する各種調査や情報収集を行うために要した経費でございます。次に、政策評価推進費でございますが、これは、外部の有識者で構成される政策評価委員会の意見を反映させながら、政策等の評価を行うとともに、県民参加型の外部評価を推進するために要した経費でございます。3目の広聴広報費の支出済額1億8、215万円余の主なものについて御説明申し上げます。まず、広聴活動費でございますが、多様な県民ニーズを的確に把握するため、県政懇談会を初めとする広聴活動を行うために要した経費でございます。次に、県政広報事業費でございますが、県の政策などについて、県政広報誌のいわてグラフなどにより、広く県民に周知し、県政への参画を促進するとともに、本県の魅力や地域づくりの取り組みを県内外へ情報発信するために要した経費でございます。
 次に、飛びまして、172ページをお開きください。7項の統計調査費1目統計調査総務費の支出済額2億5、188万円余の主なものは管理運営費でございますが、これは、人件費及び一般管理事務に要した経費でございます。続いて、174ページをお開きください。2目地方統計調査費の支出済額は1、345万円余であり、いずれも県単独で実施した統計調査に要した経費でございます。3目の委託統計調査費の支出済額は1億7、352万円余でございますが、これは、国の委託により実施した統計調査に要した経費でございます。
 以上で総合政策室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋博之委員 2点質問させていただきます。
 1点目でありますが、知事が掲げております最大の目標と言ってもいいでしょう、所得向上についてお尋ねいたします。
 我が国の今後の経済見通しをどのように考えているのか、当局の考えをぜひ聞いてみたいわけでありますが、所得向上、私は、少し楽観的に過ぎる目標設定ではないのかと思います。今後、国の経済状況あるいは税制がどのように変わっていくかによっても随分県民所得が影響されるように思うわけであります。いずれ、経済成長、生産性で決まるわけでありますが、唯一、技術力、これが伸びる要素があると思うわけですけれども、私には、人口の減少、圧力をはね返すほどの技術力があるように思えないわけです。当局として、今後の経済見通しをどのように考えているのかお尋ねいたします。
〇勝部総合政策室長 我が国の経済見通しについてでございますけれども、国において、本年1月に公表しております日本経済の進路と戦略によりますと、平成19年度から平成23年度までの我が国経済の将来展望について述べておりまして、実質成長率で1%台前半から2%程度と見込んでいるところでございます。
 本県におきましても、人口減少社会が到来する中で、安定的で持続的な地域経済基盤を構築していくためには、国並みの成長率を目指すこととしているところでございまして、昨年、産業成長戦略を策定したわけでございますけれども、その中でも、本県の経済成長を1.0%から1.8%と掲げているところでございます。そういう国並みの成長率を目指していきたいというのが県のスタンスでございます。
 それから、数値目標が今度の計画の中にはっきりしていない、甘いのではないかという御指摘でございます。県民所得の向上の目標値につきましては、本県議会の一般質問並びに昨日の総括質疑でも答弁で触れておるわけでございますけれども、さまざまな政策課題が横断的にかかわっているマクロ的な目標であるということが一つ言えると思います。それから、国の経済政策や地域産業政策など、外的な要因が目標値に及ぼす影響が非常に大きいということでございまして、そういう要素を踏まえまして、我々、素案の段階では、具体的な数値目標を定めることはしなかったということでございます。
 しかしながら、この県民所得の数値目標につきましては、これまで素案についての説明会をさまざまなところで開催させていただきまして、広く御意見をいただいているところでございますけれども、その中で、もう少し具体的に設定したほうがよりわかりやすいのではないかという御意見をたくさんいただいております。したがいまして、今後、成案化に向けた作業の中で、どのような目標値がいいのか、どのように取り扱っていくのがいいのかについて、今後さらに検討を深めていきたいと思っております。
〇高橋博之委員 今の御答弁を聞いておりますと、やはり不確定要素があるというふうに私は聞こえるわけでありますが、所得の向上を最大の目標と打ち出していて、例えば4年後、所得が上がっていなかったということになれば、危機を希望に変えるどころか、むしろさらに失望を招いてしまう結果にもなってしまうのではないだろうかと私は思います。
 知事も、9月18日の記者会見で次のように述べております。県民所得という数字はなかなか上がらないとしても、それを補うような、お金ではかれないようなNPO活動、ボランティア活動、そういったもので本当の意味での豊かな生活が岩手の中で確保されていけばよいので、数字を上げることだけにこだわって、かえってそういう数字に出てこないところがおろそかになってもいけないので、県民所得については、数値目標を今回は示していないところでありますというふうに記者会見でおっしゃっておるわけですが、全く私もそのとおりだと思います。ですから、今後、新しい地域経営を策定していくと思いますが、その中で、言葉の使い方、県民所得の向上というのを、余り高々と掲げてしまうのは、私は少し慎重にしたほうがいいのではないかと思います。
 その点についての御所見と、最後に1点、人口減少社会についてお尋ねいたします。
 新しい地域経営の素案の中に、人口減少を前提にした新しい社会のあり方を部局にまたがってパッケージで考えるという視点が欠けているように感じます。限界集落の出現は、これまで耕地や居住地を拡大してきた人間活動が縮小に転じる転換点と言えます。限界集落の再生、移転あるいは公共交通網の再構築、中心市街地の活性化、地域生活支援サービスの充実、高齢者の居住環境の整備など、厳しい財政制約のもとだからこそ、各部局が人口減少社会に散発的に取り組むのではなくて、各部局が連携し、効率的、効果的に新しい社会の形を創造し、提示していくべきだと思いますが、この点についての御所見をお伺いいたします。
〇勝部総合政策室長 ただいまの橋委員の、まず、県民所得の向上についてのところは、貴重な御提言としっかり受けとめさせていただいて、今後の成案化に向けた検討の中で検討を深めてまいりたいと思います。
 それから、人口減少社会についてのお尋ねでございましたけれども、今後、人口減少によって生ずることが予想される諸課題の解決に向けまして、県民、企業、NPOなど地域社会を構成するすべての主体の総力を結集していくことが必要でございます。そうした中で、特にも県においては、政策の選択と集中を徹底した上で、委員御指摘のとおり、部局の枠組みを超えた効果的な施策を展開していくことが極めて重要で、これが一番不可欠なものとなってまいります。
 そのような認識を我々持って、今、作業に入っておるわけでございますけれども、総合計画の後期実施計画として位置づける今般の新しい地域経営の計画ということでございまして、我々は部局横断的な視点を意識した上で、それを常に念頭に置いて、具体の事業プロジェクトや予算編成を進めていくものと考えてございますが、委員御指摘の、新しい社会の形の創造については、非常に大きい目標になってまいります。そういう目標につきましては、目指すべき大きな目標ということになるでしょうけれども、次期総合計画を検討する段階で議論を深めていくべきものという認識でございます。
 今般の計画については、後期実施計画に位置づけて策定していくものでございまして、次の基本計画、基本構想、次の総合計画の策定の際には、委員御指摘の、そういう人口減少を前提とした新しい社会のあり方という非常に大きいテーマについては、当然議論を深めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、決算の県政の到達点と絡めて、新しい地域経営計画の素案の問題点についてお聞きしたいと思います。
 新しい地域経営計画の素案に全体の考え方が書かれていますが、冒頭は、これまでの主な取り組みに、おおむね10年間の成果となっています。おおむね10年というと、大体増田県政12年の成果ということになるわけです。私は、総務部のところで財政的な決算はお聞きしました。借金と基金の取り崩しで9、200億円に及ぶという大変な破綻状態でありましたが、新しい地域経営計画の素案をつくるに当たって、これまでの県政の到達点、成果をどういうふうに受けとめたのか、この表現は一部のいいとこどりだけですよ。
 全体として聞きたいのは、例えば、県民の所得、雇用者報酬、岩手県の経済、県民総生産、福祉の水準、人口減少、こういうのは全体として後退したのではないか。後退したとするなら、その要因、原因は何なのか、そこを明らかにしてこそ、新しい経営計画というのは打ち出せるんだと思うんですが、そのことについて最初にお聞きしたい。
〇勝部総合政策室長 前知事の増田県政の政策の評価についてでございますけれども、前期の岩手県総合計画の総括の部分につきましては、平成17年度政策評価レポート2006というもので、平成11年度から平成17年度実績について公表されているところでございます。
 前半につきましては、安全で快適な県民生活の実現と産業振興のための基盤づくりを視野に入れて、全国と比較して立ちおくれていた社会資本の整備を重点的に進めてきた。後半においては、こうした社会資本を活用したソフト面の施策に積極的に取り組み、自動車関連産業の集積を初めとした地域産業の強化、ご近所介護ステーションといった地域力を生かした福祉分野の取り組み、これら民間の活力や地域の潜在力を引き出すことに力を注いだと認識しているところでございます。
 具体的なものにつきましては、県民の暮らしでありますとか、雇用の面でいろいろ評価すべき部分もあるし、それから、なかなかプラスに転じなかった部分もありまして、個々のものについては、それぞれ雇用とか福祉、医療、産業、経済の面で認識はしておるわけでございますけれども、そこまでは今般の計画の中には具体のものについては書き込んでおらなかったということでございます。
〇斉藤信委員 極めて私はお粗末だと思いますよ。というのは、新しい地域経営計画ではそれぞれの指標を出しているのですよ、前進させるという指標を。しかし、今まで、例えば10年、12年、経済全体が縮小してきた。県民所得も雇用者報酬も後退してきた。例えば、先ほど、岩手の自立で、自動車産業が前進したと言いましたね。製造業全体で県民総生産は大幅に後退しているのですよ。それは何が原因なのか。高齢者が住みなれた地域に住めるようにご近所介護ステーション、このご近所介護ステーションって、何人でもないんですよ。一方で6、000人の高齢者が特養に入れないで待機しているんですよ。だから、いいとこだけ部分的に評価したって、次の目標は出てこないのですよ、私が言っているのは。私が言っているのは一部ではないですよ、経済全体、所得、報酬全体。例えば、福祉の事業だって、行財政構造改革プログラムで116事業を見直して、19億円福祉の予算が削減されたんですよ。
 そういう意味で、私が聞いているのは部分的なことではありません。経済全体、県民の生活全体、そういう問題が縮小、後退しているとすれば、そこの要因を明らかにして打開しなかったら、あなた方が新しい地域経営計画で出している指標というのは何の根拠もないということになりませんか。
〇勝部総合政策室長 縮小、後退している部分についても、私ども、この作業をする過程の中で十分念頭に置いて作業をしてきたつもりでございます。
 今後とも、この成案化に向けた作業の中でも、そういう認識のもとに作業を進めてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 これから4年間、新しい地域経営計画をつくって進もうというときに、私の質問に全く具体的に答えられないというのは、最初から破綻ですよ、これは。
 私は、県政の破綻は三つあると思っているんです。一つは、増田前知事が進めた公共事業優先、大型開発で、先ほど言ったように1兆4、000億円の財政破綻を招いた。二つ目は、競馬の破綻ですよ。330億円税金投入して、基金が枯渇してしまった。三つ目は、私は、三位一体改革、地方交付税の削減だと思いますよ。先ほど総務部の答弁でも、650億円、交付税と補助金の削減でこれだけ影響を受けたら、本当に県独自の努力だけでは何ともならないぐらいの窮地に陥っていると私は思います。
 だから、ここの反省に立って、新しい計画や事業を打ち立てなければならない、私はそう思うんですが、いかがですか。
〇勝部総合政策室長 部分的なものでなくて、全体的なものにもということでございますが、当然、我々もその計画を策定していく中で、県の施策全般にわたっての部分について、一つ一つ検証を踏まえた上で、指標の策定に取り組んできたところでございます。
 今後とも、そういう、県民にとってよりわかりやすい指標というものに努力しながら作業を進めていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 余りしつこく聞くつもりはないんですが、室長がそう言うのであればちょっとお聞きしたい。
 産業振興について、この間ずっと減少しているのに、なぜ、新しい地域経営計画では増大にできるのですか。電気、機械産業の落ち込みは大きいんですよ。自動車産業は確かに前進していますが、それだけでは落ち込みを回復できないというのがこの間の実態ですよ。農林漁業の産出額の増加は、もっと根拠がありません。米価の暴落で、きのうもNHKでやっていましたけれども、1人平均15ヘクタールの大潟村で赤字ですよ。農業をやめざるを得ないという事態に陥っているときに、大規模化を進め、農民を5割も6割も切り捨てるような品目横断対策では、私は農業縮小にしかならないと思いますけれども、どういう根拠でそういう生産額が増加するということが出たのですか。
〇小田島政策推進課総括課長 今回の産業振興、農業も含めてでございますが、ものづくり、食品産業、それから農林水産業、ベースになっておりますのは、昨年度策定いたしました岩手県の産業成長戦略でございます。昨年11月でありますので、施行されてから計画の実施期間がまだ短いわけではありますが、その中では、ものづくり産業につきましては、10年間で2割増を目指すということになっております。それから、食品産業については1割伸ばそうということになっております。農林水産業につきましては、全体として100億円増ということでありますが、この間いろいろな努力をしておりまして、そういうことを織り込みながら数字を伸ばした部分がございます。それぞれ、そういうベースの根拠を持ちながら、今回、みんなで取り組もうということで数値目標を掲げたものでございます。
〇斉藤信委員 結局、産業成長戦略がベースだと。しかし、その根拠が逆にいけばないのですよ。10年間で2割ふやすと決めたから今度の指標が出たと。農林水産業だってそうでしょう、100億円ふやすって、先に目標ありきなんですよ。根拠がないのですよ。
 今まで私は、やっぱり目標設定のときには、産業にしても農業にしても後退をしているから、目標を設定するときにはそのぐらいの根拠がなかったらだれも信用しませんよ。前進しているときに前進した目標を出すのであれば、それはわかる。農業というのは、最高時3、500億円の生産額が、今、2、000億円なんですよ。製造業だってそうなんですよ。私は、もっと現状をシビアに見て、それを上げる目標を掲げることは結構だが、それだけの根拠がなかったらただの数値目標ですよ、これは。破綻は明らかですよ。増田県政12年間の評価をきっちりすべきだと私が言うのは、そういう到達点を見て、そこから、では、どう打開すれば前進するのかということが計画にないと、全く絵にかいたもちになってしまう。
 これ以上は言いません。私は、各分野でもう少し立ち入ってお聞きしようと思いますが、今、基本的なことを聞きましたが、残念ながら、先に目標ありきだというところが大変大きな問題ではないか。
 次の問題、私は、やっぱり今後、計画を立てるに当たって、県政、県民にとって最も重大な問題は、構造改革路線のもとでどうするかだと思いますよ。その点で、規制緩和路線による影響や三位一体改革による影響、特に私は、この文書に書かれているグローバル化の影響というのを、どういうふうに受けとめているのか、ちょっとずれているのではないかと思いますが、いかがですか。
〇勝部総合政策室長 構造改革路線による影響をどうとらえているかという御質問でございます。
 規制緩和路線による影響ということで考えますと、規制緩和の影響につきましては、経済活動を主とした緩和であったことなどから、全国的に指摘されている影響と同様の傾向の影響が本県でもあると認識しておりまして、具体的には、例えば、労働者派遣事業での製造業などへの派遣拡大がありました。これによって、非正規雇用の従業者が増加した、そういう傾向が見られる。それから、大型店の立地規制緩和による郊外型大型店の増加によって、中心市街地の空洞化が問題となっている。それから、タクシーやバスの営業規制の緩和による参入過多は、利益率の減少につながっている部分もあるだろうと。それから、深夜における就業制限の撤廃によって、女性の深夜労働等に結びついている。そういうさまざまな影響があったものと認識してございます。
 それから、三位一体改革による影響という部分でございますけれども、これにつきましては、国庫補助負担率の引き下げという数字合わせの決着に終わったととらえておりまして、国の財政再建に軸足が置かれていたために、地方の自主性であるとか自立性が、地方分権の観点からは、不十分な内容に終わってしまったということが言えると思います。
 本県においても、平成18年度までの改革の期間中に、地方団体の財政格差を是正する役割を担うべき地方交付税が減額されておりますし、平成19年度の地方財政計画においても、マイナス4.4と大幅な減となっている、厳しい状況になってきているという状況でございます。
 それから、グローバル化のお話もございました。グローバル化の影響については、県内企業の輸出額の増加というものも一つ見られます。そういう傾向もあります。それから、海外からの観光客、特にも、アジア地区から岩手県への観光客の増加も数字ではっきり増加に転じております。これらプラスの影響もあります。
 しかし一方で、世界市場での競争力向上のため、岩手県内企業の海外シフト、誘致企業の閉鎖、撤退という問題、それから、バイオエタノール生産のための穀物価格の高騰による家畜飼料や食料品の価格上昇など、世界経済の動向を反映したマイナス面での影響も深刻な状況にあると認識しております。
〇斉藤信委員 地域計画はこれで終わりますけれども、この素案の中で、情勢分析の冒頭が、本県を取り巻く社会経済情勢の変化の第1がグローバル化の進展なんですよ。民間大企業は、確かに今、世界を相手にしてやっていますよ。しかし、県政、県民への影響というのは、確かに観光客はふえていますけれども、微増ですよ。私は、こういうところから分析したら間違うと思いますよ。
 もう一つ指摘しておきますが、地方分権改革の進展って、今お話あったように、ほとんど進展ないですよ。それどころか、地方がやっていけないぐらいの犠牲、これこそ地方分権改革の姿で、そして、財政で圧迫させて、市町村合併推進なんですよ。これに乗っかったのでは、県も市町村もやっぱり立ち行かなくなる。私は、情勢分析というのは大変不正確だと指摘しておきます。
 私がもう一つよく見えないのは、明確な顔を持った広域振興圏の確立ということが打ち出されているんですね。4広域振興圏が明確な顔を持つというのはどういうことなのか。実は、広域振興圏が決まるときにいろいろな議論があったんだけれども、その当時の県の答弁は、産業の共通性と言うだけでした。私は、盛岡の広域圏が、産業の共通性を持っているとは全く思いませんよ。県南広域圏だってそうではありませんよ、西和賀から遠野までなんですから。私は、そういう意味で、大きくして、明確な顔を持った広域圏をつくるというイメージが全然見えてこない。どこに合理性、必然性、発展性があるのか、地域経営計画の最後にこのことをお聞きします。
〇小田島政策推進課総括課長 明確な顔を持った広域振興圏の確立でありますが、広域振興圏につきましては、平成18年3月に4広域振興圏に組みかえた際に、その基本的なあり方として、産業振興の基本的な方向をお示ししたところであります。今回、初めて、新しい地域経営の計画におきまして、圏域としての将来像を定めたところでありますが、今後、四つの広域振興圏が明確な顔、あるいは特徴を持っていくためには、圏域ごとの強み、あるいは弱みをしっかりと認識した上で、それぞれの特色を生かしていくという視点に立ちまして、固有の地域資源や人材を活用し、地域産業経済基盤の確立に向けた取り組みを進めていくことが必要だと考えております。
 これは、考え方を今お話ししておりますが、例えば盛岡を中心とした、いわゆる県央圏域につきましては、産業関係でありますと、リンドウなど全国的なブランドを確立している農業などの地域の特色を生かした産業が展開している一方、北東北3県における広域観光や産業経済活動の拠点としての役割が、ますます高まっていくものと期待されるところであります。それぞれの圏域ごとに特色がありますので、それをどんどん育てていく、そういうふうなイメージで、顔を持ったという表現をしているものであります。
〇斉藤信委員 これまた先に結論ありきなんですよ。4広域圏で、最初から明確な顔を持った、自立した広域圏と言っているんですよ。そうではなくて、やっぱりその広域圏の中のさまざまな特徴、違い、ここを明確にして、きめ細かな個別の対策をとる。共通の部分と、違いのほうが大きいわけだから、無理して一つの顔なんて言ったって、これは絶対だめですよ。このことは指摘だけにとどめておきます。
 最後です。コンサルタント行政について、行政経営推進費が2、178万円余となっています。平成19年度から総務部の関係も総合政策室に移管したようですから、これまで、社会経済生産性本部や人と経営研究所などとの契約、その額はどうなって、その成果が何で、なぜ平成19年度、今年度からやめることになったのか明確に答えていただきたい。
〇高橋経営評価課総括課長 まず、行政品質向上運動についてお答え申し上げます。
 県がこれまで取り組んでまいりました行政品質向上運動は、職員一人一人が顧客の視点に立って、仕事の仕組みや進め方を継続的に改善することによりまして、質の高い行政サービスを提供していこうとする取り組みでございまして、具体的には、幹部職員のリーダーシップの向上でございますとか、社会情勢の変化への的確な対応など、県の行政を経営的視点から評価、改善する一連の取り組みとして、平成12年度から取り組んできたものでございます。
 この取り組みによりまして、各部局、各課等におきまして取り組むべき方向性を明らかにいたします業務方針を基点としたPDCA型の業務運営スタイル─このPDCA型の業務運営スタイルと申しますのは、方針策定、それから実行、評価、そして改善という一連のマネジメントサイクル─が定着してきておることでございますとか、あるいは改革・改善活動に対する職員の意識が向上してきていることなどの効果があらわれてきているというように評価しているところでございます。
 しかしながら、一方で、これまでの運動を振り返りますと、取り組み手法が画一的であったということでございますとか、業務プロセスの簡素化、効率化への取り組みに比べまして、標準化によるサービスレベルの確保が低いということなど、課題も明らかになってまいりました。また、あわせまして、委員御指摘の民間コンサルタント、外部人材の活用方法の見直しを初めといたしまして、運動の取り組みを県民の皆様にわかりやすくお示しすることなど、本年度におきまして、行政品質向上運動を再構築したところでございます。
 県といたしましては、行財政資源の制約が強まってきている中で、県民の皆様の負託にこたえていくためには、行政コストの縮減に努めながら、環境変化に迅速かつ的確に対応できる職員の意識高揚を一層促進することでございますとか、これまでの取り組みによりまして蓄積されました知識や経験を十分に活用していくこと、さらには、知事からの指示を受けております幹部職員みずからが率先して改革、改善を行っていくことなど、本県独自の自立した活動として進化させていきたいと考えているところでございます。
 これまで、委託に関してどれだけコストをかけてきたかということでございます。この場は昨年度決算ということでございますので、まず、平成18年度について申し上げます。
 人と経営研究所に対しましては、知事と部局長との意見交換の機会、そういう研修の場をつくるということで230万4、000円でございます。それから、社会経済生産性本部でございますけれども、これは、行政品質向上運動のモデルといたしております日本経営品質賞を策定しているところでございますが、そこに対しまして、行政品質向上のセミナーの開催等で95万6、000円を使ったということでございます。
 平成17年度でございますけれども、この、人と経営研究所に対しましては344万8、000円、それから、社会経済生産性本部に対しては47万8、000円という委託料の支出になっているものでございます。
 それから、IMSについてでございましたでしょうか。(斉藤信委員「IMSに関しても僕は聞いているんだよ、こっちで聞けというから」と呼ぶ)
 IMSについてお答え申し上げます。
 このIMSにつきましては、県が行政品質向上運動に取り組んできたということは先ほど申し上げましたけれども、その中で、業務プロセスの改革・改善活動が弱いということで、それを強化するために、民間手法を参考に、無駄を省いて質の高い行政サービスを提供できる本県独自の仕組みづくりなどを目指して、平成16年度から農林水産部に導入いたしまして、平成18年度に全庁的な取り組みとして展開してきているものでございます。
 この取り組みといたしましては、平成18年度におきましては、職員から提案された延べ1万7、000件余の改善に取り組みながら、全業務量のおよそ3割に相当する時間を削減し、この時間を新たな行政課題に対応する時間などに充ててきたことでございますとか、また、職員1人当たりの年間超過勤務時間について見てみますと、先ほど総務部審査のほうでもございましたけれども、超過勤務が縮減しているということで13.6%の削減となりまして、コスト低減効果も実現してきたところでございまして、業務プロセスの改革、改善に継続的に取り組む組織風土の定着に貢献してきていると認識しているところでございます。
 今後におきましては、各部局ごとの自主的、自律的な取り組みを基本としながら、行政品質向上運動と一体的に推進することといたしまして、新しい段階の活動にステップアップさせていきたいと考えているところでございます。
 それから、この委託料についてでございますけれども、平成18年度決算におきましては委託料は計上してございません。平成17年度でございますけれども、ケーズエンジニアリングに対しまして3、750万円の委託ということで、いわてマネジメントシステム推進支援業務ということで支出したという実績でございます。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、せっかく私、総決算のつもりで聞いているんですが、不正確なんですね。IMSは3年間で5、556万円かけているんですよ。去年は、いわば報償費、旅費でやっているんですよ、旅費で。倍高い旅費を出しているんですよ、前の年より。社会経済生産性本部とは7年でしょう、人と経済研究所とは6年でしょう、総額何ぼかけたのか、コンサルタント行政で何ぼかけたのか、これをはっきりさせてください。
 もう一つは、質の高い行政サービスと言うけれども、サービスを切り捨ててきたのが実際ですよ。それでコンサルタント行政を受けて、取り組み手法が画一的になったというのも変な話でしょう、行政改革に取り組んでいたら画一的になって、平成19年度からやめるのだから。私は、本当にこれは、コンサルタント行政との癒着ではなかったのか、だから、今回すぱっとやめることになったのではないか、このように受けとめておりますが、最後の最後ですが、IMSの担当課長というのは、これももうやめるべきではないですか。これを最後に聞いて終わります。
〇高橋経営評価課総括課長 IMSの担当課長につきましては、知事部局の本庁につきましては、本年度から、その業務を各部局の管理担当課長が担うということで廃止したところでございます。現在、各地方振興局と広域振興局の企画総務部に配置いたしておりますけれども、この経過でございますが、本庁のほうは先んじてIMSに取り組んできたという経過等もございましたので、本庁については廃止したと。それから、振興局については平成18年度からということで、本年度存置したということでございまして、来年度以降の体制につきましては、行政組織なり職制については、不断に見直しをしていくということでございまして、来年度の体制に向けて、各部局からの意向等も踏まえながら調整されるというように認識しているところでございまして、現段階で、その件につきましては、今後の検討ということで御理解賜りたいと思います。
〇岩渕誠委員 当該委員でありますけれども、1点に絞ってお尋ねしてまいりたいと思います。
 増田県政における県議会の中での議論のポイントの一つは県外出張の多さということだったと思います。平成18年度決算において、最後のところでございますので、改めて確認の意味でお尋ねしたいと思います。
 まずもって、平成18年度における知事の県外出張、県内出張の実態について、前の年度との比較等も入れてお示しいただきたい。
〇新屋秘書担当課長 知事の出張の状況についてでございますが、平成17年度は、98件の旅行のうち、県内が53件、県外が45件になってございます。平成18年度につきましては、113件中、県内が49件、県外が64件となってございます。
〇岩渕誠委員 いろいろ事情はおありかと思いますけれども、県議会の議論、指摘とは違って、随分県外に行ったんだなという思いを改めてしております。
 そこで、二つ問題点といいますか、課題についてお尋ねしたいんですが、特に東京方面への出張については、大阪府知事等が実家に泊まって食事費をちょうだいしていたというような問題があって、過日、返還をしたという事案がございました。岩手県において、東京の出張において、前知事は東京に自宅を持っておったわけでありますから、その辺、どういうような支給のされ方をしていたのかというのが1点です。
 それから、県外出張の内容についてお尋ねしますが、政府関連の仕事がどの程度あったのか、知事会関連の仕事がどの程度あったのか、県単独の仕事がどの程度あったのか。さらには、県内出張において、昨年は、振興局、市町村を回ったケースが多かったと私は思っておるんですが、直接県民に触れ合った機会というのは何回あったのか、それぞれお示しいただきたいと思います。
〇新屋秘書担当課長 前知事が東京に出張した場合、自宅に泊まることがあったわけでございますが、平成10年か11年ごろだったでしょうか、旅費制度が改正になりまして、自宅に泊まった場合、宿泊料は出ない取り扱いになってございますので、一切出てございません。
 それから、県外出張の内訳でございますが、平成17年度は、先ほど45件と御説明申し上げました。この内訳ですが、政府関係委員の用務が含まれる出張が1件、全国知事会関係が17件、その他県の用務が27件となってございます。平成18年度につきましては、県外出張64件中、政府関係委員用務が38件、全国知事会用務が5件、ただし、出張の用務は一つだけではございませんで、政府関係委員用務38件の中には、政府関係委員用務と全国知事会用務、両方の用務がある旅行が12件含まれてございます。その他の県用務が21件、トータル64件となってございます。
 それから、県内出張の状況についてでございますが、平成17年度は、振興局関係用務が14件、市町村関係用務が9件、その他が30件、トータル53件。平成18年度につきましては、振興局関係の用務が6件、市町村関係の用務が12件、その他の用務が31件、トータル49件となってございます。
〇岩渕誠委員 出張の旅費の関係については、問題がないものということでよろしいのでしょうかね。
 出張の内容については、やはり岩手県の知事として、政府委員用務として、国に物を申すことも役割の一つだというふうには理解いたしますけれども、やはり岩手県の用務に比して多いのではないかという思いがしております。実際、生産現場等に行きますと、どうも東京の市場等で知事の姿を見たことがない、卸関係に県産品の売り込みをしたのを聞いたことがない、こういう声があったのも事実でありまして、こういった点につきましては、現知事においては、反省を踏まえてやっていただきたいものと思います。
 この中で私が指摘したいのは、現場主義というのを片方で話をしておいて、県内の用務にかける部分が少ないということになれば、地方の声というのは一体どこから発せられたものなのかという疑問を持たざるを得ない、こういうことなんです。やはり、どうしても霞が関の仕事が多くなりますと、自分では地方の声、岩手県の声だと思っていても、実は、地方の声というのはメード・イン・東京であったり、メード・イン・霞が関の声になっているのではないかということを危惧しているものであります。
 また、振り返って、県庁内でも、やはり、現場主義とは言いつつ、だんだん現場の関係者に対しての接触についてハードルを高く設けるような規定もありまして、なかなか現場におりてこない、こういうことがございます。岩手の声もメード・イン・県庁になってはいないか、こういうような危惧をいたしておるのでありますが、その点について、室長、どのようにお考えでしょうか。
〇勝部総合政策室長 少なくとも現達増知事の場合については、就任直後にいろいろなことについて御協議させていただいた際に、まずは現場に足を運びたいという強い思いがありました。しかも、県北・沿岸地域に何はさておき足を運びたいという思いが強うございましたので、就任直後、県北、沿岸の市町村長さんたちとの意見交換を個別に持ったわけでございます。
 知事がよく私どもに言いますのは、知事という言葉は知る事と書くんだと。地域でどんなことが問題になっているのかを知る、どういう解決策があるのかを知る、それが知事だということを知事がみずから申しております。私もまさにそのとおりだと思いますので、ただいま委員が御懸念されましたことがないように、私どもも、知事のトップマネジメントをしっかりサポートしていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 ぜひ、そのような姿勢でやっていただきたいと思います。やはりトップの姿勢というものはその組織を左右いたします。
 先ほど斉藤信委員との議論の中で、コンサルタントの話がありました。農業公社のコンサルタントの問題、トヨタ方式の問題、そして、人と経営研究所等の問題がございます。これは、いずれも、前知事の主導のもとで連れてきて、そして総合政策室を基点としてやってきたものであります。ともしますと、これは権力とコンサルタントとの癒着ということがありますが、また別の観点から言いますと、もう一つの県庁内の権力の源泉になっていたということが言えると思います。総合政策室で、こうしたコンサルタント業務を担当していた職員が他部に転出した場合、その職員が、また同じコンサルタントを使って、ほかの部に行ってコンサルタント業務に基づく改善をするというケースもまま見受けられたのでありますが、こうしたことは、やはりトップの姿勢が大きく影響してきた部分だと私は認識しておりますので、こういったことのないように、見直しも進めたということでございますので、ぜひそういう形でやっていただきたいと思います。
 要望を述べて質問を終わらせていただきたいと思います。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、総合政策室関係の質疑をこれで終わります。
 次に、地域振興部長に地域振興部関係の説明を求めます。
〇藤尾地域振興部長 平成18年度の地域振興部関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、地域振興部所管の事務事業に係る総括的な評価、成果及び今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
 まず、地域振興部所管の事務事業に係る総括的な評価についてであります。
 当部では、地域の自立に向けて、地域のあらゆる資源を結集しながら、住民参加による協働の社会づくりなどを推進し、地域の力を高めていくとともに、分権社会の中核をなす市町村の行財政改革を支援するほか、地域を支える基盤となる情報通信網の整備や地域公共交通の維持確保を基本方針として掲げて取り組んできたところであります。
 岩手県総合計画の分野ごとの評価におきましては、交流と連携による地域づくりの推進や、世界に広がる交流連携ネットワークの形成、情報ネットワークの構築等の多くの分野において順調に成果を上げてきたところでございます。
 しかしながら、高度情報通信社会を担う人づくりの分野において、平成17年度までに育成した地域IT専門家を中心とする、市町村主体の人材育成活動の展開を期待したところですが、活動が活発化しなかったこと、情報通信基盤の整備の分野におきまして、テレビの難視聴地域解消、携帯電話エリア拡大に向けた取り組みを実施しているものの、いまだ不感地域等は存在しており、さらには、平成23年7月の地上デジタル放送への完全移行による新たな難視聴地域の発生も懸念されていること、また、ブロードバンド環境につきましても、いまだサービスが利用できない地域が多く、インターネット人口やブロードバンド世帯などの指標では全国水準を大きく下回る状況にありますことから、これらの分野においてはさらに取り組みを強化していく必要があると考えております。
 次に、今後の取り組み方針についてでありますが、政策評価結果を踏まえ、次のような点について、選択と集中を図ってまいりたいと考えております。
 まず、市町村の自主的な合併の推進や自立に向けた支援を行うとともに、岩手県分権推進会議における市町村と県の望ましい役割を整理しながら、県事務の市町村への権限移譲を行うなど、市町村の行財政基盤の強化に取り組んでまいります。
 次に、県際及び広域振興圏間において、それぞれの地域資源などを生かし、相乗効果を発揮しながら振興が図られるよう連携の強化に取り組みます。
 次に、日常生活のみならず、地域文化の創造・保全、まちづくり、災害時における助け合いなど、地域コミュニティが多様な機能を発揮できるよう取り組んでまいります。
 また、各政策を推進する上での基礎となる地域交通ネットワークの維持確保や、情報通信基盤の整備につきましても、市町村と連携しながら取り組んでまいります。
 次に、県民の幅広い参加と協働による多様な市民活動が行われるよう、活動の促進に向けた環境整備を行い、豊かでゆとりある地域づくりを進めてまいります。
 最後になりますが、団塊の世代を中心とした定住と交流の促進につきまして、独自の情報発信により岩手ファンの拡大を図るとともに、市町村の取り組みへの支援や地域が求める人材とのマッチングなどにより、地域活動の担い手として活躍する場を創出し、定着者の拡大を図ります。
 続きまして、決算の概要につきまして御説明申し上げます。
 地域振興部関係の決算は、お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページの第2款総務費のうち、3項地域振興費及び5項選挙費でありますが、これらの支出済総額は120億9、738万円余であり、翌年度への繰越額は3、697万円余、不用額は1億1、978万円余となっております。
 続きまして、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書によりまして、各項目ごとに、主な事業を中心に御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書の162ページと163ページをお開き願います。2款総務費3項地域振興費1目地域振興総務費の支出済額54億7、898万円余のうちの主なものについて御説明申し上げます。
 まず、いわてへの移住促進事業費443万円余は、首都圏等の団塊世代の本県への移住を促進するため、市町村及び関係団体と連携し、情報発信等を行うために要した経費でございます。次に、地域総合整備資金貸付金5億8、000万円は、県内民間放送事業者3社が行う地上デジタル放送設備の整備に対し、金融機関と協調し、資金の貸し付けを行ったものでございます。次に、NPO協働推進事業費903万円余は、県民の参加と協働による地域づくりを推進するため、NPOの運営力向上のための各種講座等の実施に要した経費であります。次に、いわて県民情報交流センター管理運営費7億3、394万円余は、平成18年4月に、盛岡駅西口にオープンしたいわて県民情報交流センターの管理運営に要した経費でございます。次に、地域活性化事業調整費4億2、138万円余は、広域振興局等において、地域住民の要望等を踏まえ、地域の特性を生かした個性豊かな地域振興を図るため、市町村と一体となって地域性や総合性を発揮した事業等を行うために要した経費でございます。次に、県北・沿岸産業推進費1、814万円余は、県北・沿岸地域における食産業やものづくり産業等の地域産業を振興するため、産学官連携等による戦略的な事業の実施に要した経費でございます。次に、エコパーク平庭高原(仮称)整備事業費2、650万円余は、ふるさとの自然と文化を体験・学習できる拠点として整備するエコパーク平庭高原(仮称)について、施設の設計及び受変電設備の工事に要した経費でございます。
 なお、繰越明許費486万円余は、エコパーク平庭高原(仮称)整備事業費の一部を繰り越したものでございます。
 次に、2目市町村振興費の支出済額38億4、595万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。165ページをお開き願います。まず、合併市町村自立支援交付金14億2、648万円余は、合併特例法の適用を受けて成立した合併市町村が、自立に向けた新たな行政課題等に先導的に対応していくために必要な取り組みに対して交付したものでございます。次に、自治振興基金貸付事業費6億300万円は、市町村の公共施設整備促進等のため、電気事業会計から借り入れた原資の償還元金及び利子でございます。次に、市町村振興宝くじ交付金8億8、377万円余は、市町村の単独事業等に対する貸付事業及び交付金の原資として、財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの販売収益金を交付したものでございます。次に、市町村総合補助金7億2、713万円余は、地方分権時代に対応した市町村の自主的な地域づくりを支援するため、市町村等が実施する施策の展開、市町村総合開発計画等の目標達成等に要した経費について助成したものでございます。
 次に、3目情報化推進費の支出済額14億6、609万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、携帯電話エリア拡大推進事業費3、064万円余は、地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため、移動通信用鉄塔の整備実施主体である市町村に対し、経費の一部を助成したものでございます。次に、地上デジタル放送利活用推進事業費199万円余は、地上デジタル放送の高度な機能、サービスの利活用に向けた研究のほか、県内の辺地型テレビ共同受信施設の実態調査に要した経費であります。次に、情報システム最適化事業費2億198万円余は、情報システムの最適化を図るため、広域振興局等に分散するサーバーの統合及びより効率的な運用を目指し、新たなグループウエアの構築に要した経費であります。
 なお、繰越明許費3、210万円余は、オンラインシステム運営費の一部を繰り越したものであります。
 次に、4目交通対策費の支出済額7億4、350万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、三陸鉄道強化促進協議会負担金1、630万円は、三陸鉄道の利用を促進するため、三陸鉄道強化促進協議会が実施する誘客促進事業等に要した経費の一部を負担したものでございます。次に、167ページをお開き願います。並行在来線対策事業費3億1、392万円余は、IGRいわて銀河鉄道株式会社による鉄道事業の経営の安定化を図るため、いわて銀河鉄道経営安定化基金を積み立てるとともに、通学定期運賃の激変緩和及び鉄道設備の更新等に要した経費を助成したものであります。
 次に、5目国際交流推進費の支出済額1億3、153万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。まず、国際交流推進費7、728万円余は、本県の国際交流を推進するため、語学指導等を行う外国青年招致事業等に要した経費であります。次に、グローバルネットワーク推進事業費1、514万円余は、海外ネットワークの維持拡大を図るため、海外研修員等受入事業等に要した経費であります。
 次に、169ページをお開き願います。5項選挙費についてでありますが、支出済額4億3、130万円余は、県選挙管理委員会の運営に要した経費等であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願いいたします。
〇新居田弘文委員長 冒頭にも申し上げましたが、世話人会の申し合わせにより、平成18年度決算の審査でありますので、当該年度の決算に関する質疑に限り簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明の対し質疑はありませんか。
〇小田島峰雄委員 各部局の決算の説明をお聞きしてまいりまして、現在の非常に厳しい県財政が如実にあらわれた決算だと改めて感じた次第でございます。そういう中で、県もそうでございましょうけれども、翻って、市町村の決算を見まするに、やはり同様の傾向でございましょう。そういう中で、この決算を通じて合併の功罪というものを若干考えてみたいと思うのであります。
 質問の第1でございますけれども、市町村決算は、早いところで、合併後2回の決算を経験しているところもあるのでありますけれども、その決算から見まして、合併前と合併後の決算にどのような変化があるのか。合併特例債などというものもございますから、いろいろ数値上は変化があるとは思うのでありますけれども、また、先ほど説明がありました合併市町村自立支援交付金などというものもございます。それらを含めて、決算上、どのような変化があるのか、そういったことをお聞きしたいと思います。特にも、地方交付税が、きのうの質疑にもございましたように、総じて下がってきているということはわかるのでありますけれども、合併前と後ではどう違うのか。一番お聞きしたいのは、合併の効果がその数値から読み取れるのかということでございます。
 まとめてお聞きします。
 2番目の質問でございますけれども、逆に今度は、自立を選択した町村でございます。いわゆる小規模町村でございますけれども、旧法の期限の前と後の決算でどのような変化があるのか、どのようなことが認められるのか、それについてお聞きしたいと思います。逆に、合併しないことを選択した町村の決算上のデメリットみたいなものが、そこから読み取ることができるかという点について、まずお聞きしたいと思います。
〇浦上市町村課総括課長 まず、合併市町の決算における特徴でございますが、合併市町におきましては、合併からまだ2年前後しか経過してないという状況の中で、現在、新しいまちづくりのために、合併効果の早期の発現を目指して、積極的な取り組みを進めている途上であるという点に留意しながら、合併旧法下で合併した12市町における、合併前の平成16年度決算と合併後の平成18年度決算について、合併しなかったいわゆる非合併町村の決算と比べて、その特徴を申し上げたいと思います。
 まず、歳入についてですが、総額について、合併市町はプラス3.7%であるのに対しまして、非合併市町村はマイナス3.6%となっております。特に、委員のおっしゃった歳入の3割以上を占めます地方交付税、これは臨時財政対策債を含むということでございますが、それにつきましては、合併市町がマイナス0.4%であるのに対して、非合併市町村はマイナス5.3%となってございます。
 歳出につきましては、人件費でございますが、合併市町はマイナス0.6%であるのに対しまして、非合併市町村はマイナス7.0%となっております。投資的経費である普通建設事業でございますが、こちらは合併市町がマイナス3.1%であるのに対しまして、非合併市町村はマイナス15.4%という大幅な減となっております。また、これまで整備した施設などの機能を保持するための維持補修費と言われているものにつきましても、合併市町についてはプラス3.6%でございますが、非合併市町村はマイナス11.7%という状況になってございます。
 合併特例債の発行状況でございますが、平成18年度の県内各合併市町における合併特例債発行額につきましては、110億5、000万円余となってございます。
 また、地方交付税につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、合併市町はマイナス0.4%、非合併市町村はマイナス5.3%ということで、これは、合併市町に対する普通交付税の合併算定がえとか、または合併補正、特別交付税の財政支援措置によるものと考えております。
 それから、決算において合併効果が認められているかどうかについてでございますが、合併効果の検証につきましては、市町村合併審議会に対して諮問しているところでございますので、その審議会での議論を待ちたいと考えてございます。
 もう一点、2点目の御質問で、旧合併特例法の期限までに合併しなかった人口1万人未満の9町村、いわゆる小規模町村と言われている町村の平成16年度と平成18年度の決算を比較しますと、歳入につきましては、総額が小規模町村はマイナス5.0%となっておりまして、これは、先ほど申し上げたとおり、合併市町はプラス3.7%、非合併市町村はマイナス3.6%でございますので、それより大きいマイナスとなっております。
 また、歳出につきましては、人件費については、小規模町村がマイナス9.5%となっておりまして、合併市町はマイナス0.6%、非合併市町村はマイナス7.0%ということでございますので、これも大きい数字になっているということでございます。
 また、普通建設事業費は、小規模町村はマイナス26.1%となっておりまして、合併市町がマイナス3.1%、非合併市町村がマイナス15.4%に比べると、大幅に減少させているというような状況でございます。
 それから、先ほど申し上げた維持補修費につきましては、小規模町村はマイナス13.2%ということで、こちらは合併市町がプラス3.6%であるのに対しまして、非合併市町村はマイナス11.7%ということでございます。
 平成18年度の決算において、小規模町村を見る限りにおいては、やはり合併市町に比べますと、歳入の確保ということに大変苦労されているのかなということが見て取れます。人件費、普通建設事業費に限らず、維持補修費まで大幅に削減しなければ収支を賄い切れないといった厳しい財政運営の状況があらわれているのではないかと認識しております。
〇小田島峰雄委員 ただいまのお答えにありましたように、決算の数値から見まして、小規模町村、自立を選択した町村の行財政運営は非常に厳しいということが理解できるわけでありますけれども、昨年の6月に質問した際には、お答えは、いずれ小規模町村は自立を選択したとしても、早晩、財政運営に行き詰まって合併せざるを得ないだろうという内容の答弁でございました。昨日、達増知事が合併審議会に二つの諮問をするんだということをおっしゃっておられました。一つは合併の効果といったもの、もう一つは合併協議会設置勧告のあり方と、この二つだとお答えになっておられました。そういう中で、合併効果の検証ということがあるのでありますけれども、ただいまお話ししました審議会に諮問するまでもなく、しっかりと分析を進めていくべきだと私は思うのであります。
 そこでお尋ねしますけれども、合併協議会設置勧告のあり方は、合併を進めるための諮問ではないということをおっしゃっておられました。合併の当否も含めて、その当否を判断するための協議会の設置のあり方を諮問するのだというお話でございましたけれども、今の答弁をずっと総括いたしますと、県の基本的なお考えというのは、やっぱり昨年から変わっておらなくて、さまざまな紆余曲折を経て自立を選択した町村を、しゃにむに合併に追い込んでいくと感じられてならないわけでありますけれども、昨日の達増知事の答弁にありましたとおり、最終的には、合併については自治体の判断にゆだねると理解してよろしいのかどうか、お聞きしたいと思います。もしそうであれば、新法の期限というものもありますけれども、その期限にこだわらず、じっくりと議論の熟度の高まりを待ってみるのも必要になるのではないかと思います。繰り返して申し上げますけれども、今、県がなすべきは、平成の大合併が何をもたらしたのか、何を得て何を失ったのか、きちんと検証すべきことだと。まずこれに全精力をつぎ込むべきだと私は考えますけれども、それについての御見解をお伺いしたいと思います。
〇浦上市町村課総括課長 委員おっしゃるとおり、市町村合併につきましては、最終的には当然住民の判断によるものと考えておりまして、押しつけるとか強制的にやるつもりは全くございませんが、住民が判断する際に、的確に判断できるきちんとした材料を提供するということが、県としても必要な支援ではないかと考えているところでございまして、合併審議会に諮問した二つの事項につきましては、そういった趣旨から諮問させていただいたというものでございます。
 また、合併新法にとらわれずに、団体の議論の熟度が高まるまで静観すべきではないかというような御指摘でございましたが、合併新法につきましては、例えば地方税の不均一課税とか、または議員の在任特例とか、地方交付税の合併算定がえの特例とか、合併する際の障害を除去するための措置というものが、合併旧法と引き続き同じように存置されているということ。それから、財政支援措置については、旧法下で合併特例債、いわゆる充当率が95%で、交付税措置率が70%と非常にいい起債があったわけでございますが、それはございませんけれども、新法下においても、合併推進債というものがございまして、充当率90%、交付税措置率40%から50%というのが用意されているところでございまして、新市の一体感醸成のために必要な事業の財源については、合併新法下においては手当てされているというような状況でございまして、その特例措置等を受けるためには、新法期限内に合併する必要があるということでございますので、新法期限ということを頭に入れていただいて、今議論すべきことというのは、みずからの将来のまちづくりについて真剣に議論していただきたいと考えているところでございます。
〇小田島峰雄委員 先ほどお答えがございましたとおり、各小規模町村の首長さんを初め皆さん方は、人件費を削減し、投資的経費を削減し、さまざま経費をやり繰り算段しながら市町村経営に当たっておられるわけでございまして、そういう中で、自由に自治体の判断で合併をしなさいと言っても、かなり厳しいものがあるかと思います。そういった面で、自立市町村を追い込むことのないように、逆から言えば、こうして当面自立を掲げて頑張っておられる町村を、少しでも県としてはやっぱり支援すべきではないかと私は思いますが、そのお答えをお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。
〇藤尾地域振興部長 市町村合併に関しまして、県のスタンスといたしましては、繰り返し申し述べるようでございますが、地元住民の判断によるべきものという、それは全く変わりないものでございます。しかし、現に、小規模な市町村がいろいろなやり繰りをされているという実態にある中で、今、委員がおっしゃったような形で、何とか、そういった自治体も生き延びていくような支援もしてほしいというお話でございますが、今、いろいろ審議会に諮問している中で、特に関心を持って我々もその結果を共有しなければならないと思いますのは、やはり自立と言い得るためには、単年度収支が単に均衡するだけではなくて、必要な住民サービスというものを将来とも持続的に、安定的に提供できるような仕組みをつくっていく。そういうことのために、何をどうすればいいのかといったような観点での議論をやっぱり深めなければならないのだろうと思っておるわけでございます。
 いずれにしろ、そういった基礎的な自治体にあって存在するのは、域内の自治を支える草の根のコミュニティといいますか、そういったようなものが現に存在し、さまざまな行政と協働しながら、いろいろな取り組みをしておるわけでございますから、それが結いの精神に支えられつつ、岩手県特有の取り組み方をしてきている。そういったところは我々としても何とか維持、再生をしなければならないという考え方に立っておりますので、いろいろと今おっしゃられたような課題も念頭に置きながら、市町村あるいは住民の方々と議論を深めながら、あるべき方向というものを探っていきたいと思います。
〇小田島峰雄委員 一つお聞きするのを忘れておりました。
 この審議会の審議状況と、いつごろを目途にこの答申を得るのかということをお聞きしたいと思います。また、この審議会の委員の皆様方は、大分積極的に合併を進めたいとお考えになっている方々とお聞きしましたけれども、先ほど申し上げましたように、慎重に、しっかりと合併の効果を検証しながら、審議されますことをお願い申し上げる次第でございます。
〇浦上市町村課総括課長 合併推進審議会の開催状況と答申の時期ということでございますが、合併推進審議会は8月31日に1回目の会議を開催しまして、そこで知事から二つの事項について諮問したということでございまして、現在、12月までの予定で、審議会の委員による市町村長への聞き取り調査ということで、各市町村に出向いております。年度内には、あと3回程度会議を開催して、来年の3月までに答申を得る予定でございます。
〇飯澤匡委員 平成18年度は広域振興局がスタートした年でありますので、その点についてお伺いします。
 広域振興局の設定の一つの大きな理由は、産業振興という大きな柱が理由だったと思っています。
 まず第1点は、県南広域振興局について、きのうも若干、産業振興の面について、どの程度成果が上がったのかというような質問がありましたが、改めて具体的な成果と、まだ1年6カ月ですから、その成果物ということにはならないと思いますが、その途上の方向性といいますか、どの程度固まったのかということの地域振興部での御所見を伺いたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 県南広域振興局におけます産業振興上の具体的な成果についてでございますが、まず、平成18年度から平成22年度までの5年間の県南広域振興圏の産業振興の方向性を明確にしたところでございまして、また、県、市町あるいは産業支援機関、大学、公設試験研究機関、民間事業者等の多様な主体の参画と協働・連携によりまして、圏域の産業振興を進めるための七つのネットワークを構築いたしまして、取り組みを進めているところでございます。このネットワークにつきましては、非常に活発な事業展開に取り組んでおりまして、加入団体数が増加してございます。例えば北上川流域ものづくりネットワークに関しましては、平成18年5月の設立でございましたが、当初は141団体でございましたが、現在189団体まで拡大してございます。また、いわて自動車関連産業推進協議会に関しましては、平成18年6月の設立でございましたが、当初179団体が、現在202団体と拡大しているところでございます。このように盛んに取り組みを進めておるところでございます。
 これらの取り組みによりまして、例えばものづくり関係におきましては、企業立地促進法に基づきます地域計画の認定全国第1号ということでございまして、補助事業の本年度導入を図っているところでございます。また、観光関係につきましては、北上川流域観光地づくりプランの認定ということがございます。また、食産業の関係につきましては、食産業プロデューサーの採用、設置によります、広域の食産業への指導の強化などの成果を上げているところでございまして、委員御質問のとおり、具体的な数字、出荷額の増加であるとか観光客の見込み数といったものについては、平成18年度の統計が出ておりませんので、まだはっきり示す段階ではございませんが、以上申し上げたような、さまざまな取り組みを進めてきているところで、成果も上がっているということでございます。
〇飯澤匡委員 それでは、もう一点、これからのことですが、広域振興局の設定に当たっては、先ほども申し述べたとおり、産業振興が理由づけの一つ、大きな柱であったわけですが、このたびの新地域主義戦略の展開、今度の新しい地域経営計画の素案によりますと、4広域振興圏は、それぞれ自立性を高める。一つの明確な顔を持った圏域と。これは産業振興の意味ではそのとおりだと思うんですが、ただ、この圏域をフロンティアとすると。あたかも、岩手県を四つに分けて自立性を高めて、この間、説明会でも質問したんですが、なおさら広域行政も完結性を高めていくんだということは、四つをまず独立国のごとくに扱う方向性なのかなと。いつの間にか、そういうような広域振興局の位置づけを、また広域振興圏の位置づけを、行政の分まで絡めてなったのかなという部分について、ちょっと疑問がありました。その点について、この間の新しい広域振興圏の設置または広域振興局の設置の時系列的な議論も含めて、今後、県の地域振興部として、広域行政の完結性という意味において、どのような考えを持っているのか、お聞きしたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 広域行政の完結性の内容についてのお尋ねでございまして、当部といたしましては、全県的に調整が必要なものを除き、現場主義の視点に基づき、予算要求、組織・人事、許認可など、本庁の権限を広域振興局等にできるだけ移管いたしまして、広域振興局におきまして、本庁に伺いを立てなくても、みずから決定できるようにすることで、広域振興局の機動性あるいは対応性を確保してまいりたいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 その点はわかるんですが、これは決算とは直接的には関係ないんですが、産業振興から一歩飛び越えたというような印象を受けているわけです。この間も議論があったわけですが、自立性を高めるということになれば、医療圏の設定、そしてまた、さまざまな点においても、これから問題になると思うんですが、それらの整合性についてはどのようにお考えですか。
〇畠山地域企画室企画担当課長 医療圏の関係につきましては、それぞれの行政分野に応じまして、それぞれの事情で圏域を設定している分野でございます。そういったものは、一足飛びに四つの形にするというのはなかなか難しい面もあるのではないかと考えておりますので、そういったそれぞれの事情によっては、必ずしもその四つで完結という形にはならないものと今のところ考えてございます。
〇飯澤匡委員 そこら辺がちょっとはっきりしないんですよ、どの程度だか。私は、産業振興だからという部分について、県の役割というのは非常に大きなものがあると。これはいろいろな部分を結びつけながら、県のさまざまな企画性だとか、産業の誘導性というものは大いに発揮されると思うんです。ただ、本当に市町村が、そこまで県のほうで入り込んで、そして、県南広域振興局は市町村合併が進んで、県の権限移譲も含めながら、どんどんこれからそこで自己完結を進めていく。これは県の考えはそのとおりだと思うんですが、そこの広域行政の部分で自立性を高めると。その自立性という範疇において、ちょっと私と認識の違いがあるんですが、おわかりになるでしょうか。そこら辺のところを、部長、ちょっと見解を述べてください。
〇藤尾地域振興部長 広域行政のあり方についての基本的な考え方を踏まえた広域振興局体制ということからすれば、これまでは、委員御指摘のとおり、産業振興を中心に、それぞれのいわゆる特性に応じた効果的な産業施策を打って出て、そして圏域の自立性、競争力を高めるということに主眼が置かれてきたところでございまして、それ以外の行政云々ということにつきましては、今後、いろいろな県民の方々、あるいは市町村等の御意見を踏まえながら検討していくことになるのではないかと考えておるわけですけれども、ただ一方で、広域振興局に対して、これまで以上の権限業務といったようなものを集約して、そして、事業そのものの完結性を高めていく。いわゆるその中でPDCAをやって、さらに改善を加えて次の施策に打って出る。いわゆる産業振興分野でもそうあるべきかといったようなことにつきましては、これまで明確にしてこなかった経緯はあるわけですけれども、ただ、広域振興局そのものの県民への近接性の中で、市町村との業務のすみ分けも当然やった上で、県としてやるべきことについて、自立性を高めるべきであるといったような考え方も、一方ではあるわけでございますので、いかに実効ある広域行政を展開していくかという観点に立ちまして、今後、プロジェクトチーム等もいろいろ検討いたしておるわけでございますから、その中で、繰り返しになりますが、県民、市町村等の意見を踏まえながら、いろいろと検討してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 質問が逆になるんですが、地域コミュニティを機能強化するというのは大変すばらしい考えだと私は評価したいんです。ただ、そこの中で広域行政の、部長がおっしゃった県との接点、そこの境界がなかなか見えにくいというのが私の印象です。
 最後に、質問が逆になったんですが、この圏域をフロンティアということなんですが、このフロンティアというのはどういうことでしょうか。
〇畠山地域企画室企画担当課長 圏域をフロンティアと申し上げているというのは、さまざまな地域振興、産業振興の戦略、取り組みを進める上で、そういう広域圏を単位といたしまして、一緒になって、市町村あるいは民間企業の方、NPOの方、地域のさまざまな主体の方々の総力を結集して、ネットワークを組んで取り組んでいくという思いの言葉でございます。
〇飯澤匡委員 最後にしますが、これからのことでしょうから、これは市町村との協議が大変重要だと思っています。いろいろ温度差もあると思います。市町村は広域圏内での完結性というのはさほど望んでないんじゃないかと思うんです。だから、県の機能をどの程度分担させていくかということは濃密に協議を重ねていただきたいと思います。
〇及川あつし委員 1点だけ、今の飯澤委員の発言に関連して申し上げます。
 先日、盛岡振興圏の際にも、望月室長の御出席のもとに申し上げましたが、改めて、今、知事のマニフェストが手元にありますので、読みます。私は、日本全国を300程度の基礎的自治体に分けることで、真に自立可能な地方自治を確立することができると考えます。岩手県に当てはめると、四つに分けるのがちょうどよく、いわば岩手四分の計。現在、各省庁からひもつきで配られる補助金を、国から地方への一括交付金に変え、地方が自由に使えるように改革する場合、その受け皿としてふさわしいのが、四大広域振興圏ですと、知事のマニフェストにはっきり書かれております。しかしながら、今回、私は、何度説明を受けても、今の答弁を聞いてもわからないのは、知事の言っていた言葉と、今回、皆さんが一生懸命つくられている振興圏のコンセプトとの間にギャップがあるんじゃないかと思っております。であるならば、はっきりと知事が民意を受けたマニフェストを記載して、そして実施して、その後に県民の審判を受けるべきだと私自身は考えておりまして、なぜ、はっきり知事のマニフェストの内容を新地域経営計画に盛り込まないのか、大変に疑問であります。その点だけお聞きします。
〇藤尾地域振興部長 今、引用されましたマニフェストの四つの、どちらかというと、言葉を言いかえれば疑似市的なそういう最終型というものがあるとすれば、今の段階で、地方分権がいろいろ基礎的自治体の体力、体質を強化する形で進んでいる過程の中にあって、今すぐにそういったものを計画に盛り込んで、地域経営なら地域経営というものをやっていくことができるかどうかといったようなことも、当然あわせ考えていかなければならないということで、先ほど、飯澤委員のほうにも申し上げましたけれども、これまでの四つの広域圏というものが、産業振興を念頭に置いて、それ以外の分野は調整するという前提で来て、産業振興以外の分野についても、広域圏ごとに自立性を高めるような仕組みをつくっていくかどうかといったことについては、今、プロジェクトチームで検討しているところだという内容のことを申し上げました。したがって、そういうことからすれば、今、委員がお話しされたようなことにつきましては、そういったプロジェクトチームの中でいろいろと研究し、検討するという段階に今あるということでございます。
〇新居田弘文委員長 及川委員、関連ですので、簡潔にお願いします。
〇及川あつし委員 最後にしますが、将来的には、そういう展望を持って計画をつくっているのであれば、やっぱりそこも盛り込んで説明していかないと、何のために新しい方向性に行くのか理解できないと思いますので、ぜひ盛り込むべきという意見をもう一度申し上げて、終わります。
〇五日市王委員 私も広域振興局のことについてちょっとお伺いしたいと思います。県北・沿岸はこれからスタートするということでもございまして、今、知事のマニフェストのお話も出ました。四分の計で、四つの広域振興局にするというお話の中で、ちょっと確認をしたいんですけれども、今の四つの分け方、枠組みというのは、いわゆる増田前知事の時代にはめられた枠なわけでございます。今、新しい知事になってからは、いずれ、その方向性を平成22年度をめどに一定の姿を示すというような答弁は出ているんですけれども、要は、その一定の方向性というのは、あの四つの枠組みのままで、そのままそれを踏襲してやるということなのかどうかというのを、一つ確認したいんです。
〇畠山地域企画室企画担当課長 広域振興局の枠組みについてのお尋ねでございます。少し丁寧に申し上げますと、人口減少、経済のグローバル化などの経済・社会環境の変化の中におきまして、本県におきましても、それぞれの地域が独自性を高め、自立した特色のある地域として発展する必要があると考えております。そのためには、まず、市町村がその行財政基盤を強化いたしまして、住民に身近な行政サービスは市町村が担うとともに、一方、県におきましては、市町村との適切な役割分担の中で、産業振興を中心とする分野につきまして、広域的、専門的な役割を果たすということが求められているものと考えております。広域圏の設定に関しましては、こうした広域行政の新たな枠組みにつきまして、産業の類似性や隣県との経済関係を視野に入れて設定したものでございます。県といたしましては、この広域振興圏につきましては、地域の競争力あるいは自立性を高める上で、適切な枠組みと考えているところでございます。
〇五日市王委員 ちょっとわかりやすく答えていただきたいんですが、いずれ、もうあの枠組みでいくということなんですか。それとも、これからいろんな協議の方向によっては、その枠組みが変わってくるということなんですか。そこをはっきり教えていただきたい。
〇畠山地域企画室企画担当課長 今の答弁で大体おわかりいただけたのではないかと思っておりますが、いずれ、そういった認識のもとに、今後、その広域圏内における広域振興局のあり方につきまして、市町村あるいは県民の皆様の御意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。
〇五日市王委員 今のところは、もしかしたらそういう答えしか出ないのかもわかりません。今後のスケジュールの関係でも、ちょっとお聞きしたいんですけれども、いずれ、平成22年度までに枠組みを示すというようなことです。そうなると、例えば県北広域振興局の場合は二戸と久慈がありますと。一つにするか、どういうふうにするのかはわかりませんが、例えば一つにするとしたとします。そうしたら、例えば久慈に広域振興局を置きますという姿を示すんですか。そして、それから何年後にそういう体制にもっていきますというスケジュールになるんですか。ちょっとその辺のスケジュールをわかりやすく説明をいただきたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 具体的なスケジュールのお尋ねでございます。県北や沿岸広域振興圏におけます広域振興局の体制につきましては、各地域における合併や県事務の権限移譲など、市町村の体質強化の状況、あるいは産業振興の状況等を踏まえまして、平成22年度を目途に一定の姿を示すということでございまして、現在、その骨格につきまして、プロジェクトチームなどによりまして庁内で議論をしている段階でございます。その後、その骨格につきまして政策会議で方向性を定めた後に、庁内関係部で肉づけをいたしまして、原案をつくり上げていくという段取りでございます。その過程におきまして、市町村あるいは県民の皆様の御意見などもお伺いしながら、県北・沿岸圏域の広域振興局体制に移行する考えでございます。具体的な日程についてまで現時点でお示しすることのできる段階ではございませんが、最優先課題の一つとして鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解を賜わりたいと思います。
〇五日市王委員 であれば、そのスケジュールはいつぐらいにわかるんですか。そのスケジュールというのは、こうなりますよというスケジュールが、いつぐらいにわかるんですかということです。
〇畠山地域企画室企画担当課長 そのスケジュールをお示しできるのはいつかという具体的なお話でございまして、なかなかその辺がいつというふうにお示しできる段階に今ないということでございます。その骨格の議論を、今いろいろしているところでございまして、それの方向性がきちっと出てまいりませんと、なかなか具体的なスケジュールも立てづらいところがございまして、その辺はひとつよろしく御理解を賜わりたいと思います。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇伊藤勢至委員 ただいまの五日市委員の質問に対する畠山課長の答弁は大変無礼であります。私は、13年この議会を踏んできましたけれども、自分の言葉で持って回ったような言い方の説明をして、説明が納得されなくて、再び立って質問された際に、私が言ったことについておわかりをいただけると思います、というような答弁は今まで聞いたことがない。おまえ、立って、ちょっと陳謝をしろ。大体、我々県議会議員というのは、それぞれ、1万人以上の県民の声を背負ってきているんですよ。ただ一人の議員ではないんです。あなた方は、県民に説明をするという態度で我々の質問に答えてもらわなきゃならない。にやにやとにたつき、へらへらと笑って、持って回ったような言い方はやめてもらいたい。委員長から厳重注意をしてもらいたいと思います。
〇新居田弘文委員長 ただいま、伊藤勢至委員から申し出のとおりでございますが、委員長のほうからも、今後の答弁に当たっては誠心誠意、委員のそれぞれの質問の気持ちを酌み取って答弁をしていただきたいと思います。
〇畠山地域企画室企画担当課長 ただいま御注意をいただいたところを肝に銘じまして、今後の答弁に当たりましては、真摯に答弁をさせていただきたいと思います。大変申しわけございませんでした。
〇新居田弘文委員長 以後気をつけてください。
〇亀卦川富夫委員 私からは情報化についてお尋ねいたします。通告は、情報社会への対応は社会資本整備上、大変大切なことだと。特に、岩手県はブロードバンド対応がおくれているとの指摘もありますし、産業振興の面からも、企業からの要望も多い、岩手県の大きな課題だと思うということでお話ししましたが、藤尾部長からは、冒頭、大変おくれている旨の認識が説明でございました。
 そこで、改めてこの認識をお伺いした上で、何でそれがおくれているのでしょうか、そこが一つお伺いしたいところであります。気になるのは、国では、かつてe-Japanをやったことで、地方では一定の整備が進んだという認識にあるようであります。しかし、岩手県は非常におくれている。このギャップというものもあるわけであります。それをこれから克服していかなければならないと思うわけでありますが、この辺の現状認識と今後の進め方について、まずお伺いいたします。
〇桐田IT推進課総括課長 ブロードバンドについての認識と対応についてのお尋ねでございます。ブロードバンドについては、冒頭、部長からも申し上げましたとおり、おくれているという認識でありますが、具体的に申し上げますと、総務省が定期的にブロードバンドサービスの加入可能な世帯率というものを公表してございます。平成18年3月と直近の平成19年6月の数字を申し上げたいと思いますが、平成18年3月は77.8%でございました。それが平成19年6月には86%と上昇はしておりますが、全国順位は46位のままでございます。それから、ブロードバンドのうち、より高速なサービスということで、光ファイバーの利用可能な世帯率ということも公表されてございますが、同じように平成18年3月におきましては43.9%が、平成19年6月においては58.7%と、これも上昇はしてございます。順位も47位から43位と上昇はしております。ただ、依然として全国水準では低くとどまってございますし、東北6県においても最下位でございます。このようなデータに基づきまして、おくれているという認識でございます。
 それから、今後の取り組みについてでございますけれども、新しい地域経営計画の素案におきまして、情報基盤の整備というものについては、快適・安全な日常生活や産業振興を進めていく上で、欠かすことのできないものであると明記してございます。そのような認識で取り組もうと考えております。具体的には、本年8月に、岩手県高度情報化アクションプラン2010というものを策定いたしまして、これは庁内における取り組みを整理して情報を共有したというようなイメージでございますけれども、それと、昨年度にIT推進課に市町村情報化サポートセンターというものをつくりまして、市町村のサポートに当たっております。その活動を踏まえた市町村のブロードバンド整備に係る工程表というものをつくりましたが、それとあわせまして、今、ブロードバンド・ゼロ地域の解消ということに取り組んでおります。
 さらに、具体的な手法といたしましては、アクションプランにおきましても、まず光ファイバーを引くことが大事だろうと。さまざまな情報格差を解消する手段としては有効であろうという認識で、その光ファイバーをいかに引くかという際に、公設民営というような考え方があるのではないかということで、それを市町村と一緒に、市町村を支援しながら取り組んでまいりたいということで、サポートセンターの活動による人的な支援、それから市町村総合補助金という財政的な支援という二つで取り組もうと思って考えております。
〇亀卦川富夫委員 一定の答弁をいただきました。ぜひひとつ大いに進めていただきます。
 今、市町村というお話がありましたが、先ほど来、市町村合併のお話がありました。市町村合併によって、行政の枠組みが非常に大きくなりました。行政機関同士のつながりはもちろんでありますが、私は、地域一円といったものがしっかり結ばれる、市町村合併では道路の結びつき、あるいは橋をかけるというような交通のアクセス網の整備などがありますが、私は、情報整備、特に光ファイバーで結ぶというのは、その地域の一元化といいますか、結びつきには大変必要な観点だろうと思っております。特に、今、医師確保という取り組みを県では非常に推進しております。あるいは、岩手への移住促進ということも皆さんやっているわけでありますが、どういう地域に住むとか、そういう魅力の一つに、この光ファイバーが欠かせないものだろうと私は思います。そういう意味で、進むという認識は、もう当局はお持ちでありますが、部局横断をしっかりとらえて、あるいは市町村とも、その辺の観点で進めていただきたいと思います。国のほうでは、もう既に一定の整備が終わったという認識ではあるようでありますが、まだまだこの辺の整備については、十分なる支援の道はあると私は思いますので、この辺を十分探っていただきまして、取り進んでいただきたいと思いますが、もう一度その辺の進め方について、部長にひとつお願いいたします。
〇藤尾地域振興部長 ブロードバンドの整備につきましては、やはり委員がおっしゃるとおり、地域社会の基盤の一つであろうと。地域公共交通とか、あるいは県外者との交流とともに、いわゆる情報通信基盤を整備するということが、地域的ハンディを克服して、今おっしゃられた防災あるいは医療サービス等々のそういったサービス水準を、どこに住んでおっても、ある一定限度以上のものは受けられるということでございます。残念ながら最下位グループではあるんですけれども、いろいろ国の交付金制度も充実してきておりますし、また、県の市町村総合補助金、この市町村総合補助金の場合には、当然、市町村の裏負担という部分が出てまいります。2分の1補助ございますと、残り半分は市町村が一般財源を用意しなければならないといったようなことがございます。市町村総合補助金も、その活用がなかなか進まないというような中にありまして、市町村宝くじ交付金、サマージャンボをこれまでは貸付金だけの原資にしか使っておりませんでしたが、平成19年度から平成21年度まで、こういったブロードバンド整備関係の予算に使う場合は、それを一部使えるように制度を改正しまして、市町村総合補助金と抱き合わせで、希望する市町村がこういった整備を進めやすいようにしたということでの支援、あるいは先ほどの課長答弁にもございましたが、市町村サポートセンターによりまして、いろいろブロードバンド整備を今こそ進めなければ、ほかとのハンディがますます拡大する、格差が拡大するといったようなことで、市町村長さん方と直にひざ詰めで話し合いをしまして、そして、いわゆるロードマップをつくっていただくといったようなことで取り進めてきております。いずれにしろ、これは重要課題と認識いたしておりますので、今後とも一生懸命市町村とともに取り組んでいきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、一つは市町村合併の取り組みについてお聞きします。
 昨年4月に岩手県が合併構想を打ち出しました。そして、ことしに合併推進審議会に諮問すると。達増県政の特筆すべき特徴は合併推進ですよ。私は、そういう点でこれは大変異常な姿だと感じております。昨年、新市町運営懇談会というものが設置されていますが、この新市町運営懇談会では、合併の成果や課題、問題点について議論をされているのでしょうか。
〇浦上市町村課総括課長 新市町運営懇談会で議論されてきた合併の成果や課題についてでございますが、県は、合併した新市町のまちづくりを支援するために、新市町まちづくりサポートセンターというものを設置いたしまして、その中で、新市町の職員の方によります地域経営の研究の場ということで、新市町運営懇談会というものを昨年9月に開催させていただきました。この懇談会は、県から一方的に何かを教示するというわけではなくて、合併市町の職員それぞれが話し合いをすることによって、お互いの気づきを促して、今後の合併効果の早期の発現につながることを期待して開催したものでございます。
 テーマにつきましては、事前に合併市町をこちらから訪問して、意見を聞いて、二つに絞らせていただきました。一つは、新市町の地域資源を効果的に活用した地域振興について、それからもう一つは、新市町の運営方法についてということでございます。
 まず、1点目の新市町の地域資源を効果的に活用した地域振興については、合併市町からは、合併したことによって、例えば観光などの地域資源が大幅に拡大したことは大きな合併の成果だろうということでございましたが、それらをどう有効活用して、周辺部も含めた地域全体の発展につなげていくかが課題という意見が多かったと認識しております。
 また、2点目につきましては、新市町の運営方法についてでございますが、合併をして人員が1カ所に集中して、より専門的に行政分野に取り組めるようになったというのが合併の成果であって、それらの力を最大限発揮させるために、職員の一体感の醸成をどうしていくか、そういったところが課題だというような意見が多かったと認識しております。
〇斉藤信委員 私、一つの合併のモデルとなった奥州市の幹部職員と懇談をしてきました。私なりの聞き取り調査をしてきました。こういう話でした。合併してよかったという声は聞こえてこない。新建設計画は、旧市町村の計画を持ち寄って、新しい中身はない。学校の耐震化などは含まれていないので、これをどうするか、新しい財源を見つけなければだめだ。人員削減は168人、総合支所方式、本庁機能との仕事の区分けがはっきりしない、本庁機能が発揮されていない。平成21年には国保税だとか固定資産税などの税率改正をして、大幅な引き上げになるので大変だ、こういう話でしたよ。
 一関もそういうことを抱えている。だから、合併した市町村というのは、今、本当に、一関なんかも、1、000項目を超える合併協定の中で、66項目の調整で合併してしまったと。奥州もそうですよ。2、000項目ある中で、本当に調整できたのはほんの一部で、合併してから調整になっているんですよ。私はだから、いい声が聞こえないというのは当たり前だと思うんです。定まっていないんです、合併の姿が。
 私は、そういう中で、今の話は極めて形的ですね。岩手県が入ると、どうしてもそういういいことしか出てこない。私が行くとこういうリアルな話になってくるのですよ。私は率直にお話を聞きましたがね。
 そういう今の合併の現状というのを、部長、あなたは一関の振興局長もされてきたが、どうとらえていますか。
〇藤尾地域振興部長 合併は、いわゆる地方分権、少子・高齢化等の進展、それから行政の広域化、あるいはまた、昭和の大合併が行われてから50年も過ぎた中にあって、将来にわたる持続的な行財政運営ができるような、我々の子供の世代も含めて、20年後、30年後を見据えて、やはり新しいまちづくりのために、いろいろ模索する形で出てきたのが市町村合併であろう、そのように思います。
 確かに、メリットだけではなくて、まだ合併して一、二年ということもございまして、さまざまな問題があります。それは真摯に受けとめたいと存じますし、また、我が部としても、市町村課に設けました、市町村まちづくりサポートセンターでいろいろ市町村の相談に乗りながら、一つ一つ改善をしていく形で、何とか地域の方々が心を一つにして、小異を捨てて大同についた合併が将来にわたり花開くような、そういう気持ちでいろいろと我々は取り組んでいるところでございます。
 市町村合併は、知事はいい合併と答弁いたしておりますけれども、やはりいい合併になるように、いろいろ県としても支援していきたい、そのように考えているところでございます。
〇斉藤信委員 ここはすごく大事なことなんですよ。部長は、さっきの決算説明の冒頭で、市町村の自主的な合併を支援すると言いました。これが大事なんですよ。ところが、今、県がやろうとしているのは、合併を進めたいという声がないのに、自立と決めているときに、上から県は八つの合併構想を決めたから、知事は勧告する権限があるから、合併どうするんだと、こういうやり方ではないですか。これが市町村の自主的な合併を支援する姿ですか。合併をしない、自立、こういう方針を決めているところにも合併を押しつけるのですか、ここを示していただきたい。
〇浦上市町村課総括課長 合併新法の期限まで残り2年半となってございます。そういった、先ほど申し上げたとおりの支援措置等もある状況の中で、やはりもう一度、各市町村では、将来のまちづくりについて、今まさに真剣に議論していただく時期に来ていると認識しております。そこで、広く住民の方に議論していただきたいという気持ちでやっておりまして、そのための材料を提供していきたい。そういった意味で、市町村合併推進審議会に対して、一つは、合併市町村における合併効果の検証について、また、もう一つは、合併協議会設置の勧告のあり方について、調査審議を諮問したところでございまして、市町村合併は、あくまでも最終的には住民の判断によるものでございます。強制的にやろうというつもりは全くございませんが、その判断をするための、住民が的確に判断できる材料を提供することが必要ではないかと考えております。
〇斉藤信委員 私が聞いたことには答えていないんですね、大事なことを。あなた方は、自主的な合併を支援すると言いながら、町が自立を決めている、合併する意思がないというところまで、あなた方は合併の勧告の対象にするのかということを私は聞いているんですよ。これでは全然自主的な合併ではないではないですか。
 例えば、この間、合併推進審議会が三つの町村の首長さんから意見聴取をした。滝沢村、雫石町、紫波町、どこもみんな、うちの村は自立ですと、こう答えていますよ、合併する意思はありませんと。盛岡市はどうかというと、盛岡市は、合併新法の期限にこだわらないと議会で答弁しているんですよ。盛岡も合併の期限にこだわってやろうとしていない、周りも合併する意思はないというときに、こういうのは合併の対象にならないでしょうと私は言っているのですよ。あなた方がそれでも、いや、岩手県は合併のための情報提供をしますと言ったら、これは自主的な取り組みにならないのではないですか。
〇浦上市町村課総括課長 若干、認識の違いがあるかもしれませんが、今現在、市町村合併推進審議会において各市町村の意見を聞いておりますが、まだ5市町しか行っておりませんので、それが全体の意見というわけではないと思いますし、また、聞いた今の市町についても、合併そのものを否定しているわけではございませんので、そのあたりも含めて聴取をして、また、合併協議会設置の勧告のあり方について、いろいろと審議会の中で、全県的な視点から検討していただきたいということでございます。
〇斉藤信委員 意見が違っているのは私とあなたではないんですよ。県と市町村の意見が違っているのですよ。
 私は、知事の合併審議会に対する諮問事項というのに大変重大な危惧を感じます。例えば、諮問の背景ということで、こう言っています。将来的に四つの広域振興圏が自立するとともに、草の根の地域も守っていくためには、合併による市町村の行財政基盤の強化は不可欠だと。ここでも四つの広域振興圏、自立と言っているんですよ。しかし、何ぼ聞いてもあなた方は自立の姿を示さないではないですか。この四つの広域振興圏の自立と市町村合併というのはどういう関係があるのか、私は、これは全く矛盾する考え方だと思いますよ。
 そして、こう言っているんです。そのために、合併すること自体の当否を含め、合併についての諸課題を協議する合併協議会などを、関係市町村において早期に設置することが望ましい。いいですか、合併協議会というのは、合併の意思があって設置するものなのですよ、本来。それを、いわば、合併すること自体の当否を含めて、合併協議会を早期に設置することが望ましいと諮問しているんですよ。おかしいですよ、これは。
 そして、今、大問題になっているのは、合併新法の期限なんです。県は、期限があるからやる。市町村は、その期限にこだわらない。滝沢村は、5年は自立すると言っている。だったら、対象外になるんですよ。私、県がこの期限にこだわって、合併したいというところは支援したらいいと思う。しかし、合併期限内に合併する意思がないのに、県が無理無理上から、合併協議会の設置を求めるなどということはやってはならないと思うけれども、いかがですか。
〇浦上市町村課総括課長 後段のほうの無理くりやっているのではないかということでございますが、まずは、よく議論していただきたいということでございますので、無理やり何かを押しつけて合併をやるというつもりは全くございません。こういった審議会での聴取、調査を通じて、また改めて、いろいろと市町村のあり方、また、新しいまちづくりについて考えていただきたいということでございますので、市町村も将来の財政見通しをきちんと示すとか、合併したときのまちづくりのあり方についてきちんと示していくとか、そういった材料について出していくことは必要ではないかと考えております。
〇斉藤信委員 全然かみ合わない。ごり押しの姿勢しか出てこない。私が具体的に聞くと、答弁はないと。
 それで、この間の聞き取り調査を聞きますと、知事の勧告権、合併するかしないかのやりとりなんですよ。合併効果の検証というのはどういう形でやっているんですか、これが第1点。
 二つ目に、私は、この間の最大の合併効果というのは人員削減だと思うんです。この間の旧法で合併した自治体の人員削減はどうなっていますか。そして、旧町村の、いわば支所になったところの人員削減の実態を把握していますか。
〇浦上市町村課総括課長 合併効果の検証につきましては、やはり一番その地域のことをよく理解されている合併した市町村長さんの話をよく聞いて、総合的な観点から、合併審議会の中で議論していただきたいと考えております。
 また、2点目の質問についてですが、合併市町村における人員削減の状況でございます。平成17年度に合併した11市町の人員削減の状況でございますが、合併後の2カ年で比較しますと、11市町の平均でマイナス5.5%となっております。これは、合併前の2カ年、平成15年から17年までの間の削減率がマイナス4.3%でございますので、合併後は5.5%でございますから、合併後2年間の職員削減率のほうが高くなっているという状況でございます。
 また、旧町村の職員数はどんなふうに把握されているかということでございます。現時点で把握しているものについてでございますが、合併した11市町の旧町村役場の職員数については、合併前の平成17年4月と平成19年4月で比較しますと約24%の減となってございます。一方で、職員の削減を進める中でも、本庁舎の職員はプラス5.9%となってございまして、職員の集約化を進めていると認識しておりますが、これは、旧町村の企画総務部門とか議会事務局とか教育委員会事務局とか、そういったものを本庁部局のほうに移したことによるものと認識しております。
 そういった職員配置につきましては、それぞれの市町の考え方がありますけれども、旧町村の役場における窓口業務などの住民サービスはきちんと維持しつつ、効率化を図っているというふうに認識しております。
〇斉藤信委員 私、独自に調査をしました。平成17年4月1日とことしの平成19年4月1日を比較しますと、546人人員削減しています。一関市は103人、奥州市は139人という調査結果でありました。さっきの幹部職員の数のほうが多いので、ちょっとこれはずれているんですけれども、例えば支所でいいますと、安代総合支所は135人いたのが23人ですよ。遠野の宮守支所は98人いたのが43人、江刺の場合は371人が247人で、124人も減っていますね。衣川は122人が87人で、35人減っている。本当に半分近く減っている、半分以上減っているところも出ているわけです。全体として人員削減は、経済効果はあるのだけれども、周辺地域にとってみたら衰退なのです。だから、人を減らせば効果ではないんですよ。今まで役場があって、商店街があったところが完全にもう衰退をしているというのがわずか2年間の間の、今の段階の特徴ですよ。
 私は、そういう意味で、この合併効果の検証を客観的に優先させてやらないと、やる意思もないところに知事の勧告権を振りかざすような調査の仕方というのは抜本的に見直すべきだと思いますが、いかがですか。
〇浦上市町村課総括課長 当然、合併する際につきましては、住民の間には、市町村合併の結果、旧町村部が特に寂れるのではないか、そういった不安というのはあります。それは事実でございますが、そういったことは、合併市町は合併前から十分に認識していることでございまして、そういった不安を払拭するために、まずは合併前の段階で、旧町村部にも配慮したまちづくりの計画を策定し、また、合併後については、地域審議会などを通じて、旧町村部の住民の意見も反映されるような仕組みをつくられていると認識しております。
 合併によって旧町村の役場をどのように活用するかといったことは、先ほど申し上げたとおり、合併市町のまちづくりについての考え方によると考えております。それぞれの考え方によって、旧町村部の活性化のためにさまざまな取り組みを行っていると認識しておりまして、例えば、県内の合併市町の具体的な取り組みとしては、宮古市では、旧町村の減少率は、旧新里でマイナス9.4%程度、旧田老でマイナス11.3%。そういった、先ほどのところとまた違った取り組みをしておりまして、例えば旧田老町には産業振興担当課の一部を、それから旧新里村には教育委員会を置いて、庁舎の有効活用を図って、旧町村役場庁舎内の職員減を抑制しているとか、また、そうではなくて、花巻市のように、旧市町村の区域よりももうちょっと小さい単位で、小学校区を単位として市内を26の地区に分けて、小さな市役所という振興センターを設けて、職員と財源を配分して住民主体の地域づくりに取り組んで、域内分権を実施しているとか、そういったさまざまな取り組みをされておりまして、いずれにしろ、合併する、しないにかかわらず、そういった人口減少社会に対応した持続可能で自立した地域社会を構築するためにも、旧町村部を含めまして、住民みずからが主体となった活力ある地域づくりが重要と考えております。
〇新居田弘文委員長 斉藤信委員にお願いしますけれども、議事進行にも御協力いただき、質問を続けていただきたいと思いますが、答弁者側も、もう少し簡潔に答弁をお願いします。
〇斉藤信委員 協力して進めます。
 今の答弁、私が言いたいのは、市町村合併がコミュニティを守ることにならないと私は言ったんですよ。人員削減すれば、そのかわり周辺は衰退するのですよ。何か市町村合併をやれば、地域のコミュニティを守れる、とんでもない話です。相反する事態が、今、実際に生まれている。宮古市は分庁舎方式をとったからそうなっていて、この分庁舎方式が矛盾を広げているんです、逆にいくと。正確に見てくださいよ。そこを正確に見てやっていただきたい。
 最後でありますけれども、地上デジタル化の取り組みについて、地上デジタル化の取り組みについては、2011年、完全移行ということですが、県内では1万1、000世帯が視聴困難だと、こうなっているんですよ。1局も見られないというところですよ。恐らく、民放を見られないところはもっと多いのではないかと思いますけれども、この予測が具体的にどうなのか。民放を見られないところはどのぐらいあるのか、これをひとつ示していただきたい。
 二つ目に、これは国策ですけれども、2011年になってアナログ放送を見られなくなったら、テレビをみんな買わなければだめなんですよ。これは国民に新たな負担を押しつける、これが一つですね。
 もう一つは、光ケーブルをやったり、共同受信塔をつけかえたりということになると、これは自治体の負担、これまた住民の負担になる。私は、国策でやることに、住民に新たに負担を押しつけたり自治体に新たに負担を押しつけるということはやるべきことではないと。極めて不完全で無責任な地デジのやり方だと思いますが、いかがですか。
〇桐田IT推進課総括課長 地上デジタルの取り組みについてのお尋ねでございましたが、デジタル化に伴いまして、民放が1局も見られなくなる地域でございますが、9月13日に総務省が公表いたしました地上デジタルの市町村別ロードマップにおきましては、本県の場合、デジタルもアナログについても視聴が不可能ではないかと示されておりますのは、今、委員からお話ありました1万1、000世帯と申しますのは、NHKを例にした場合だと思ってございますけれども、新たな難視聴として4、480世帯、デジタル化が困難な場合が、今申し上げました4、480世帯と3、670世帯の合わせて8、150世帯、それから、もともとアナログについても視聴ができなかった地域が3、340世帯ということで、合わせまして1万1、490世帯という例が示されてございます。
 それで、民放が1局も見られなくなるということまでは、総務省が公表した資料ではわかりかねるところでございます。
 続きまして、デジタル化によって、いろいろ負担を押しつけることになるのではないかというお話でございましたが、県といたしましても、デジタル化は、委員おっしゃるように、国策であるという認識は同じでございます。そして、さまざまな場面で、国あるいは放送事業者のほうに、そういう意見だということを伝えて、国と放送事業者の責任でもって、電波によってアナログテレビをごらんになっている県民の方々が、引き続きデジタル放送も見られるようにするべきであるということは、全国知事会及びそういったデジタル化について問題を共有しております道府県の集まりでもって、要望活動を続けております。したがいまして、今後におきましても、国策であるという認識は変わりございませんので、あらゆる場面を通じて、残りの時間について、しっかりと国が、放送事業者とともに責務を果たすべきであるということで、そのような活動を続けてまいりたいと思っております。
〇新居田弘文委員長 簡潔にお願いします。
〇斉藤信委員 これは県を追及しても仕方がないことですけれども、私は、国のやり方が余りにも無責任で乱暴だと思います。今、テレビの台数というのは1億1、000台と言われていますね。大体1世帯当たり2.5台ぐらい。そのうち、今、地デジ対応は2、000万台から3、000万台いかないのではないでしょうか。多くの高齢者は、今のアナログテレビで見られるだけ見たいと。しかし、2011年になったら見られなくなるわけです。まさに地デジ難民と言われている。県内にどのぐらいテレビ台数があって、どのぐらい地デジ対応になっているかわかりますか。
 それともう一つ、私、先日、住田町に行って聞きましたら、住田町はこのために光ケーブルを引いたんですね。これは国の補助事業も導入して、英断と言えば英断。なぜそのためにお金をかけなければだめなのかという疑問も持ったけれども、ただ、引いただけでは見られないわけです。この光ケーブルに参加する利用料が1、500円、インターネットを接続すれば、利用料が月5、500円、これは毎月ですよ。盛岡だったらテレビを自由に見られるのが、地域になったら、利用料、加入料を払わなければ見られないという、私は新たな格差になってくるのではないかと思います。
 そういう点で、岩手の実態、また、こういう対策を本当に早く示さないとだめなのではないかと思いますけれども、いかがですか。
〇桐田IT推進課総括課長 地デジテレビの普及についてでございますが、そのデータについては承知してございません。
 そして、住田町の取り組み事例につきましては、先ほどブロードバンドの御質問がございましたけれども、地域の情報の基盤整備という大きなテーマのもとで、今後の地域づくりをどうしようかという観点の事業だと理解しております。その中で、ブロードバンドの利活用及び地上デジタル放送の難視聴を解消する、それから、携帯電話についても不感地域を解消したいというような、複数の課題を解決するために光ファイバーを国の補助事業でもって敷設して、それをまちづくりに活用したいということであります。
 住民の負担につきましては、委員からお話のあったとおりだと思われますが、住田町の住民の方々と役場当局が十分に情報交換をし、住民の意向を踏まえた上で、そのような料金体系を調整しようとしていると聞いてございますので、その住田町の取り組みについては、今後のほかの市町村の参考にもなると思っており、モデルとしてほかの団体に普及をしていきたいと考えてございます。
〇小野寺好委員 地デジですけれども、第一義的には放送事業者の責任かと思いますが、あえて、県のほうでこれに伴って難視聴が起きないように未然に対策を講じたい、そういったことで取り組んでいるようなのでちょっとお聞きしたいと思います。
 今までの議会の議論の中で、山間部については、共同アンテナとか共同受信施設を改修しなければならない、そういった答弁だったんですけれども、実際、テレビを買ってきてやってみると、現在のアンテナで、その中からVHFとUHFの分波をして、UHFのほうに地デジが入っているので、現在のUHFが見られれば地デジの受信ができると思うんです。結局、放送事業者のほうで、強い電波を出してくれればいいことで、テレビを買いかえれば、あえて受信については心配はないのではないかと思いますが、山間部について改修が必要だというのはそのとおりなのでしょうか、ちょっと確認したいと思います。
〇新居田弘文委員長 簡潔にお願いします。
〇桐田IT推進課総括課長 山間部において、共同受信施設の改修が必要かというのは、場所によりまして、と申しますのは、テレビ放送会社が中継局の整備について、アナログの当時と比べてデジタルの場合では中継局の数を減らして建設しようとしておりますので、従来、アナログの電波を受信していた共同受信施設が受信できなくなるという可能性がありますので、地域によりましては改修が必要となってございます。
〇小野寺好委員 では、山間部ではなくて、都市部なんですけれども、例えば盛岡でも、平成18年は既にNHKが前の年の12月からやっていて、民放も10月からやったと。ずっとやってみて、既にいろいろ普及が広まっているかと思うんですけれども、盛岡の中でも、建物、工作物の陰によって、きちんと受信できない。アナログの場合は多少画面がちらちらしても見られるが、デジタルの場合は、例えば100という数値があった場合、少なくとも80くらいの強さを受信できないとだめだと。それが建物の陰によって40とかであれば全くだめですよと、そういった仕組みになっているんですが、例えば盛岡市内で、地デジについて受信できないというような苦情みたいな何か、もし掌握していれば教えていただきたいと思います。
〇桐田IT推進課総括課長 都市部における受信障害については、データを把握してございません。
 なお、委員おっしゃるとおり、電波なものですから、いろいろな条件のもとで障害が起きると聞いておりますので、その都市障害については、その原因者と受益者の間できちんとした議論が必要ではないかと考えております。
〇小野寺好委員 自分のことで恐縮ですけれども、私、NHKの近くに住んでいるんですが、受信できないと。そのために、あえてケーブルテレビのお世話にならなければならないという、都市部にいながらそういったへんな状況にあるんですが、こういった部分については、県はどのような対処をしていくか、もし考えがあれば。
〇桐田IT推進課総括課長 都市部ということだけではございませんけれども、今、先ほど申し上げました、9月に公表された市町村ごとのロードマップに基づいて、各市町村において受信ができない地域は一体どの辺だろうということについて、そのロードマップを説明する会を開いた際、総務省の担当者に対する疑問がたくさんございました。したがいまして、ロードマップにはどのエリアが具体的に受信不可能なのかというところまでは明確に示されておりませんので、今後、その正確なデータを国、放送事業者に対して求めて、その結果に基づいて、各市町村ごとに、どのような受信対策が必要かということを、先ほど申し上げました市町村情報化サポートセンターの支援のもとで検討していきたい、そのように考えてございます。
〇及川あつし委員 手短に1点だけ申し上げます。
 冒頭、部長の今後の課題の認識についてお伺いしましたので、非常に安堵しているところでございますが、3目の情報化推進費についてであります。8年前からたびたび申し上げてきておりますが、不感地域の解消対策であります。いろいろな事情があって、不感地域があるわけでございますが、きょうの議論にもありましたとおり、ブロードバンドの整備もなかなか厳しい、地デジも難しい、携帯電話も入らない、そういう地域がいまだにございます。先日、その地域で、孫も息子も最近帰ってこない、携帯電話が入らないからだという切実な要望も受けてきたところであります。
 県の施策にあります、いつでも、どこでも、だれでも情報通信ネットワークを利用できるよう、どのように取り組んでいくのでしょうか。特に、前から申し上げているとおり、基幹道路沿線の地域、盛岡でいえば106号、きのう伺いましたら、県北の4号沿いにも不感地域があると聞いております。事故が起きれば死亡率が2倍以上になるという元田教授のデータも以前お示ししたところでございますが、技術の進展もあるやに伺っております。さまざまなブロードバンド、地デジ、携帯電話、いろいろな技術を統合して、いわゆるデジタルディバイドがある地域に対して、どのように具体的に格差解消に取り組んでいくのか、1点だけお伺いします。
〇桐田IT推進課総括課長 携帯電話の不感地域の解消への取り組みでございますが、基本的に、電話事業者に対して、市町村の要望あるいは住民の要望をお伝えして整備を促進していただいているということでございますが、国庫補助制度及び県単補助制度がありますので、その制度を活用して、平成3年度以降、整備を行ってきているところであります。
 それから、基幹道路の沿線の不感地域の解消のことでございましたが、今申し上げましたように、平成3年度から18年度までにおいて、補助制度を使いまして34カ所ほど整備をしてございますけれども、そのうち、国道沿線だと思われるエリア、思われるというのは、国道沿線というエリアがありまして、それが19カ所ございました。ちなみに、平成18年度においては、国道455号沿いの盛岡市の岩洞地区、それから国道340号沿いの住田町の坂本地区、国道45号沿いの田野畑村の沼袋地区において、不感が解消されているところでございます。
 委員御指摘のように、地域においてお孫さんとか都会に出ていらっしゃる子供さんが携帯を使いたいという要望等、それから、沿線における事故あるいは災害の際の連絡確保という面で、どちらも重要だと思っておりますので、市町村の要望、住民の要望を踏まえた市町村からのお話を受けて、国庫補助あるいは県単補助をうまく使いながら、解消に向けて取り組んでまいりたい、そのように考えております。
〇及川あつし委員 最後にしますが、県単とか、あと国庫補助云々、制度についてはよく承知しているつもりであります。
 お願いをしたいのは、いろいろな手があると思うんです。それを県独自に、広域基幹道なら広域基幹道、交通政策も含めて、いろいろなアイデアを、ぜひ市町村やその地域の方に投げていただきたいのであります。地域から申請が上がってきたから、それを全県でどれが重点的かということで予算をつけるだけではないと思うんです。そのほかもやっていると思いますが、本当に地域にとっては深刻な問題でありますので、携帯電話さえ通れば、ワンセグもありますからテレビも見られるようになると思いますし、本当に格差解消、地域対策というのであれば、真っ先に取り組んでいただきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、地域振興部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇平澤副出納長兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 152ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、153ページの備考欄に記載しております出納局の管理運営費3億3、864万円余であります。これは、職員40人の人件費など、出納局の管理運営に要した経費であります。続きまして、154ページをお開き願います。第5目会計管理費の支出済額は2億6、847万円余であります。これは、金融機関などからの一時借入金の支払い利息など会計の管理運営費、あるいは証紙の売りさばき手数料及び電子収納システム運営費であります。
 次に、飛びまして、410ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計についてであります。収入済額の合計は69億7、884万円余であります。また、支出済額の合計は、413ページに記載してございますが、69億6、973万円余であります。これは、一般会計に繰り出しをしたものであり、その内訳は、県税、使用料及び手数料となっております。また、収入済額の合計から支出済額の合計を差し引いた実質収支額につきましては、437ページの実質収支に関する調書に記載しておりますが、911万円余で、翌年度に繰り越しをしているものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋雪文委員 私のほうから2点お聞きしたいと思います。
 まずは、入札業務について質問させていただきたいと思います。
 出納のほうで、物品とか印刷などの入札について指導、管轄をしているということでございますので、この分野で、非常にいろいろな業者の方から、低入札になりつつありまして、その歯どめがかかっていない状態にあるということで、特に印刷業界などから陳情なども来ているようでございます。それをどのように把握されて、どのように改善をされているのでしょうか。
 この理由としては、実は、入札業務全般は地元でできることは地元でということでございますけれども、他県からの業者が参入して、そして、その入札に入るとき、とにかく実績をつくりたいということで、かなり低入札でその業務に入ってくる、こういう事例もあるということでございます。それら全般をどのように把握されておられるのか、お知らせいただきたいと思います。
〇小守管理担当課長 物品の調達に係る入札の関係でございますけれども、物品調達の方法につきましては、昨年度までは、競争入札として指名競争入札を実施してございました。本年度からは、全国知事会の緊急報告、これは都道府県の公共調達改革に関する指針─昨年12月に報告があったわけですけれども─に沿って、透明性、公平性、競争性が、より一層図られるように、原則、一般競争入札ということで、今年度から実施しております。
 参加資格の関係でございますけれども、まずは競争入札参加資格名簿に登載している者、それから、先ほど県内の印刷業者というお話がございましたけれども、原則、県内に本店、支店または営業所等を有することという参加資格を掲げまして、現在、執行しているところでございます。
 低入札ということでございますけれども、最低制限価格制度が工事の場合はございます。物品については、印刷物については、制度上は最低制限価格を設けることができるとございますけれども、本県の場合、印刷物については、比較的少額のものを発注していることが多い、もしくは納品時における十分な検収により、適正な履行の確保がなされるということで、最低制限価格の制度は、現在のところ導入の考えはないということでございます。
 今年度から、一般競争入札をスタートさせたということで、透明性、公平性及び競争性を検証して、総合的に検討し、今後、適切に対応してまいりたい。
 ただ、県内の印刷業者ということがございましたので、県内企業の育成、それから地域経済の活性化、雇用の確保等の観点から、県内業者の受注機会の確保ということで、その辺も検討課題として適切に対応してまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 他県などの状況だと、やはり、他県からの参入を少しでも防止したいという意図を酌んだ制度を構築しているということでございますけれども、その点は把握されているのでしょうか。
〇小守管理担当課長 北海道、東北各県の状況でございますけれども、秋田県は、はっきりと県内業者ということで指定してございます。ただ、他県の例では、はっきりとはそういう明示はしてございませんけれども、実態上は、県内業者しか入れないような、例えば指名競争入札の場合には、県内業者だけ指名するというふうな形になっていると把握してございます。
 昨年度まで本県におきましても、指名競争入札制度があった場合には、県内の業者を優先的に指名しているということだったんですけれども、今年度、先ほど御説明いたしました知事会の答申にのっとって、一般競争入札を導入したということで、その入札制度の中で、他県も入れる余地が若干出てきたと。その辺も今年度検討して、来年度に向けて、適正にといいますか、そういうことを検討して執行してまいりたいと考えております。
〇高橋雪文委員 こういう地元の声を、やはり真摯に受けとめていく、そして、これまで地域の企業さんというのは非常に地域貢献も果たされている。そういうものを酌んで、ぜひとも対応するべきではないかということを私のほうからも強く申し述べておきたいと思います。
 もう一つ、これは通告をしていないんですけれども、聞くところによると、知事公印が複数存在するということで、その印鑑が何個もあるということですが、それはどのように把握されているのか教えていただきたいと思います。
〇小守管理担当課長 公印の管理は総務部で、知事公印は、出納局としては、大きいものが1個と、小さいものを含めれば2個ですけれども、それは管理してございます。ただ、どの程度知事印があるか、例えば振興局などには振興局専用の知事印がたしかあったように記憶しております。ただ、所管が総務部でございますので、その辺詳しいことまでは答弁いたしかねます。
〇斉藤信委員 今は低入札の話でしたが、私は、平成18年度の県警の被服関係購入の入札結果、実は、3月にこれを取り上げました。25件中、100%というのが3件、99%が9件、95%以上というのが19件でした。あり得ないのではないかと指摘しましたが、平成19年度の警察被服等の関係の入札結果はどうなっていますか、100%、99%、95%以上で答えてください。
〇小守管理担当課長 県警の被服関係物品の契約状況でありますけれども、10月5日現在、まだ今年度全部執行しているわけではございませんので、予定価格が160万円以上の契約状況ということで、全体件数は16件でございます。100%が1件、99%台が11件、95%以上から99%未満が4件でございます。
 先ほども説明させていただいたわけですけれども、昨年度は指名競争入札ということでやっておりましたけれども、今年度から原則、一般競争入札ということで、この県警の被服関係物品につきましても、一般競争入札で実施してございます。その結果、契約率については、先ほど御説明しましたが、新規参入等については前の指名競争入札の業者より若干ふえた物品もございますけれども、警察職員に係る被服関係ということで、取り扱う業者が大体限定されているということでこういう実績になっております。
 いずれ、今年度から、新たな取り扱いをスタートさせたばかりということで、透明性、公正性及び競争性を検証するとともに、総合的に検討しまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、こういうことを危惧して3月にも取り上げたんですよ。そうしたら、ますます悪くなっているのではないですか。16件中、100%が1件でしょう。99%が11件、95%以上が4件ですから、全部ですよ、これ、16件全部。
 それで、予定価格は公表していないのでしょう。予定価格を公表していないなら100%になるわけがない。99.8%とか、何でなるんですか。私、これは完全に談合だと思いますよ。入札参加業者を全部見たけれども、ほとんど同じ業者ですね。だから、一般競争入札をやったって、これでは本当に談合の仕組みは変わっていないのではないか。
 入札の仕組みと参加業者、新規参入があったかもしれないけれども、ほとんど同じ業者でやっているのではないですか。
〇小守管理担当課長 確かに業者につきましては、先ほど説明したとおり、警察の被服ということで、特殊物品ということもございまして、取り扱える業者が少ないことは現実でございます。予定価格は事前公表しておりませんけれども、予定価格を策定する際には、前年度実績とか前年度の割引率とか、そういうものを勘案しますので、どうしてもこういうふうになる物品も出てくるということでございます。例えば、印刷物ですと原価計算をして、それと100%というものはほとんどあり得ませんけれども、物品につきましては、ままあるとは申しませんけれども、こういうふうなケースも出てくるということでございます。
〇斉藤信委員 ままあるなんて話ではないんですよ。16件のうち12件が99%以上ですよ。予定価格びったりなんですよ、これ。これは、予定価格、予想されたとしたって、こんなにうまくいきませんよ。競争がされていないということです、実態として。
 私、本当にこれは改善をしないと県の信用が失われるのではないかと思いますが、最後に、代表監査委員、こういうのはきちっと監査しているのでしょうか、どうなのでしょうか、御意見を最後に伺いたい。
〇菊池監査委員 一部書面監査もございますが、大概、本部あるいは東署は毎年監査しております。当然ながらそういう入札結果も監査の対象となっておりますが、何分抽出監査でございますので全容はなかなかわからない部分もございます。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇稲田人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、174ページと175ページをお開き願います。第2款総務費のうち、8項人事委員会費でございます。予算総額1億5、675万4、000円に対しまして、支出総額は1億5、529万9、000円余でございます。内訳でございますが、176ページと177ページに参りまして、1目委員会費の支出済額の684万2、000円余は、委員3名分の報酬など、委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億4、845万6、000円余でございますが、これは、職員17名分の人件費及び事務局における公平審査事務、任用関係事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 県職員の超過勤務の実態を人事委員会としてどう把握されているか。総務部でもこれは聞きましたが、こうなんですよ、総務部は。以前と違って、超過勤務手当を実施した分しか超過勤務として把握していない。これは本当に異常ですよ。サービス残業が全然明らかにならなくなってきた。私は、人事委員会として独自に、実際にどれだけ超過勤務、残業しているかという実態を把握すべきだし、把握できるような管理体制を、民間と同じようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 もう一つは、県庁職員の年次休暇取得は平均わずか11.5日です。これがまともにとれるように改善を人事委員会としては勧告すべきだと思いますが、このとれていない実態をどういうふうに把握されているか。
〇菊池職員課長 2点お尋ねがございましたが、超過勤務の状況の把握ということでございますが、当委員会では、毎年、年度当初に職員の健康保持、それから公務能率の向上という観点から、その全体傾向、実態を把握するということで、超過勤務時間、それから年次有給休暇の取得状況につきまして、各任命権者に対して照会してございます。
 そういうことでございまして、現在、例年の調査におきましては、今申し上げましたような職員の健康保持、それから公務能率を向上させるという観点で行っておりますので、先ほどお話に出てまいりました、支給状況については調査はいたしてございません。
 それから、年次有給休暇の取得状況でございますが、これにつきましては、同じように調査しておるわけですが、平成18年度の年次有給休暇の取得日数につきましては、公営企業を除く全任命権者ということですが、職員1人当たり平均11.5日となってございます。
 当委員会といたしましては、職員の勤務意欲、公務能率の向上という観点から、労働時間の短縮も含めまして、ことし10月に行いました人事委員会勧告の際におきましても、今後とも、管理職員のリーダーシップと、職員との相互理解のもとに、超過勤務の縮減、年次有給休暇の取得促進について、取り組みを一層進めるよう言及したところでございます。
 また、これまでも、職業生活と家庭生活の両立支援策という観点から、休暇制度の改正等を行ってきたところでありますけれども、今後におきましても、国や他の都道府県の動向を注視ながら、研究、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 県の本庁というのは本当に異常なんですよ。県警の場合は、それなりに、残業した分が報告になって、残業手当分というのはまた違った数字が出てくるんです。ところが、本庁は、前はそうだったけれども、今は超過勤務手当支給分だけが超過勤務時間なんですよ。これは本当にサービス残業を隠してしまう、蔓延させてしまうということになりかねない。だから、そういうことで、きちんと出勤・退勤の時間を客観的に確認できるようなシステムにしないと、成果主義が進められている中で、これは大変な事態になりかねないと私は思いますが、人事委員会もそうやっているんですか。人事委員会は、ちゃんと労働時間は確認されるような手法にしていますか。それとも本庁と同じですか。
〇稲田人事委員会事務局長 人事委員会におきましては、管理者が、出勤したときの時間と、超過勤務した場合には、事前に命令する際に、どういう内容について、何時までやるかということを示しておりまして、事後に、それを翌日確認するということにしてございます。
〇新居田弘文委員長 斉藤委員、簡潔に。
〇斉藤信委員 本庁と同じシステムですか、と私は聞いたんですよ。今までは、きちんと職員から超過勤務時間を、これは全貌でないにしても、これだけ残業しましたという報告を受けていた。私が言っているのは、今は違うということです。超過勤務手当を支給した分だけが超過勤務ですと、こういうやり方なんです。こういうやり方は、民間で横行してだめだというので、厚生労働省が通知して改善をしたことなのです。今、本庁は逆行しているということを私は指摘した。人事委員会というのは、人事委員会勧告ができるような権限を持っているのだから、私は、労働者のそういう実態というものを、正確に把握すべきだと思いますが、改めて、これは最後です。
〇稲田人事委員会事務局長 人事委員会といたしましては、適正な超過勤務命令に基づきました超過勤務に対しましては、当然に手当が支給されるものでありまして、任命権者におきましては、適切な対応がとられているものと認識しておりますけれども、今、委員から御指摘がありました、平成13年4月の厚生労働省の通知に基づきまして、今後とも適切に各任命権者が実施できるよう指導してまいりたいと考えてございます。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇小川監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、176ページをお開き願います。
 第2款総務費のうち、9項監査委員費1目委員費の支出済額は1、900万4、000円余りでありまして、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。
 次に、178ページをお開き願います。2目事務局費の支出済額は2億9、869万5、000円余りでございます。これは、事務局職員20名の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。
〇新居田弘文委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇千葉康一郎委員 まず、昨年から決算審査が9月議会に前倒しになったわけでありまして、短期間での監査となりまして、監査委員の方々には大変御苦労なさっているのではないかと推察いたしております。
 そういう中で、昨日の総括質疑で、我が会派の関根委員からも質問しておりますように、ことしの6月、国会で地方財政健全化法が成立し、新たに監査委員が、実質赤字比率、連結実質赤字比率、連結公債費比率、さらに、将来負担比率といった、財政の健全化判断比率を審査することになったわけでありまして、監査委員の責任がますます重くなったと考えているところであります。
 そこで、2点ほどお聞きしますが、順序を変えてお聞きいたします。
 まず第1点目は、監査委員の決算審査意見は拝見させていただきました。監査委員の決算審査については、9月議会での審査も2年目となるわけでありますが、この決算の審査に関し、1年間に監査しなければならないさまざまな機関のうち、4月から9月議会前までの間に、これは、昨年度と今年度で結構ですので、どの程度の割合を実際に監査しておられるのか。そして、その中でどういった課題があるとお考えなのか、あわせてお聞かせ願います。
 また、関連して、今申し上げました財政健全化法でもそうですけれども、昨今、監査の強化、充実が言われておりますが、県の監査委員がどのように監査を進めておられるのか、一般の県民の方々にはわかりづらい点もあります。そこのところを、わかりやすく言えば、監査委員がおられ、そして事務局長以下職員がそれぞれおられるわけですが、これも、昨年度と今年度の分で結構ですので、どういう体制の中で、監査委員と事務局職員がどうかかわって監査していらっしゃるのか、お聞かせ願います。
 2点目ですけれども、監査委員として、ただいま申し上げました、財政健全化比率の審査をどういう体制で、どのように行っていこうとしているのか。また、この法律の成立に当たって附帯意見が出されているわけです。市町村ともに附帯意見が出されているわけですけれども、この附帯意見として、弁護士、公認会計士等有資格者の監査委員への登用など、監査委員の独立性、専門性を高める方策の検討が求められているところであります。監査委員の任用につきましては、これは知事ということになるわけでありますけれども、監査委員として、これら有資格者の活用等について、どのように考えているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇菊池監査委員 ただいまの千葉委員がお尋ねになりました、財政健全化法に関する問題についてお答えいたします。
 財政健全化法によると、知事は、前年度の決算の提出を受けた後、速やかに、実質赤字比率、連結実質赤字比率、連結公債費比率及び将来負担比率など、この比率の算定の基礎となる事項を記載した書類を、監査委員の審査に付しまして、その意見をつけて議会に報告し、公表しなければならないとなっております。これら四つの指標については、同法第2条で定義されていますが、具体的な算定方法などについては、地方公共団体の意見を踏まえて、年内に政省令が制定される見込みであります。監査委員としては、財政の健全化を判断する基準である四つの財政指標の正確性、適切性の審査に当たって、従来の決算審査とは異なったノウハウが求められることから、今後、政省令で規定される具体的な算定方法の内容を踏まえて、平成19年度決算審査に向けて、その審査体制や審査方法を検討していきたいと思っております。
 一方、監査委員への人材登用については、委員御指摘のとおり知事権限でありまして、監査委員の権限でありませんので、コメントする立場にはないわけですけれども、弁護士、公認会計士などの有資格者の活用については、国会の両議院における附帯意見を踏まえ、弁護士あるいは公認会計士など、専門家の知識、経験を何らかの形で活用することが有効と考えております。
 その他、監査結果あるいは体制などについては、門口総括監査監から答弁させます。
〇門口総括監査監 1点目の決算前の実施機関数でございますけれども、定期監査は、会計年度終了後、1年間分について決算審査前に行う監査、これは決算監査と呼んでございますけれども、これと、年度途中に、その年度の途中までの分について行う監査、期中監査と呼んでございますけれども、この二つに分けて実施してございます。このうち、会計年度終了後の4月から議会の決算審査前の9月までに実施している監査でございますけれども、平成18年度は、定期監査対象機関計画数は、279機関中148機関につきまして実施し、その実施率は53%となってございます。平成19年度でございますけれども、341機関中117機関につきまして、4月から9月までに実施しておりまして、実施率は34.3%となってございます。対前年度比31機関の減でございまして、18.7ポイントの減となってございます。
 それから、決算審査の課題でございますけれども、決算審査が前倒しされましたが、課題といたしましては、今年度、事務局職員が2名減となってございまして、会計年度終了後、決算審査前までの監査の実施率が、今申し上げましたように低下しているということがございます。また、関連いたしまして、日程が詰まってございまして、踏み込んだ監査がなかなか難しくなっているということが挙げられるかととらえてございます。
 それから、監査の体制でございますけれども、監査は、事務局職員が平成18年度は20名でございましたけれども、平成19年度は2名減となってございまして、この18名が予備監査を実施いたしまして、その結果を踏まえ、別途、監査委員4名が地区ごとに2班に分かれて監査、これは本監査と呼んでございますけれども、実施してございます。事務局職員による予備監査でございますけれども、通常、事務量が多い機関等にございましては、3から4名による班体制で実施してございます。それ以外の機関にあっては、2名による班体制で、1機関当たり1日から2日かけて実施しているというような状況でございます。
〇千葉康一郎委員 昨年度は、議会の決算審査前に計画数の53%が監査できたということでありました。今年度は、事務局職員が2名減ということで、34.3%しか監査できなかったということですが、決算監査の結果を翌年度の予算に反映させるという、決算審査の前倒しの趣旨からしますと、4月からの半年分ではありますが、34.3%という数字は非常に心もとないと思うのであります。できるだけ、各部局や振興局の1年間の予算の執行状況をきちんと評価し、次の予算に反映させるべきであり、それに対応する監査をする必要があると思うわけであります。県の極めて厳しい財政状況もあるわけですが、逆に、無駄な支出を極力抑え、課題を明らかにした上、真に必要なものに予算を重点配分し、効率的に予算を執行するために、これは早急に監査体制も強化しなければならないのではないかと強く思う次第でございます。多分、ここにおられる同僚委員各位も、同じような考えでおられるのではないかと思いますけれども、これは監査委員として明確に御答弁できかねるものだと思いますので、この実態を人事担当部局に強く申し入れを行うべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
〇小川監査委員事務局長 定数措置の要望ということでありますが、定数措置につきましては、先ほどお話がありましたように、地方財政健全化法等の制定がありまして、監査を取り巻く環境はかなり大きく変わってくることが予想されております。実質赤字比率とか連結実質赤字比率など四つの指標の審査が、今後、監査委員事務局にも義務づけられるということになりますので、専門的な財務分析等、そういうことができるような職員の育成とか、また、決算議会前倒しの際の定数増の考え方は、私は当時、人事課長でございまして、そのいきさつは承知しておりますので、また、その後、減員となったいきさつ等、その辺も十分踏まえまして、要望してまいりたいと考えております。
〇新居田弘文委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇新居田弘文委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時42分 散会

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