令和2年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇13番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
 議案第80号について反対討論を行います。
 議案第80号は、閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。
 今回の契約変更は、閉伊川に新設する水門の設備工事について、非常用発電機及び受変電盤等の電気設備について、ゲート制御に必要な電気容量が決まったことから変更するものであります。
 水門の設備工事は、この間、9回の契約変更を経て当初議決から18億4、327万円の増となり、変更後は75億2、541万円となりました。
 一方、水門本体工事については、この間、水門本体の基礎構造の詳細設計により2016年2月定例会で契約変更が行われ、さらに2018年には、左岸部の基礎くい工施工のための追加の地質調査が2度にわたり行われ、設計変更や工法の変更などで請負契約の変更が行われました。事業費を101億6、200万円増額して、293億円に契約変更されたことから、県は当時、用地補償費や機械設備費工事合わせて、全体の事業費は約400億円に見込んでいると述べてきました。これは、当初の水門案167億円の4.8倍に膨れ上がるもので、当初設計の5倍になる契約変更というのは、民間事業であれば見直しが行われるものであります。
 私たちは、この間、工事費の進捗率が22%であることから事業の検証を行い、そして、水門工事を含めて抜本的な見直しを行うよう求めてきました。
 そもそも、閉伊川筋藤原地区河口部の津波対策というのは、堤防強化と堆積土砂のしゅんせつこそ必要で、水門整備は洪水の原因になりかねないとの懸念が、少なくない宮古市民からありました。当時の宮古市議会でも、水門方式と堤防方式の意見が分かれる中で、2014年6月の宮古市議会では、閉伊川の水門工事に関する閉伊川水門整備計画の詳細な説明を求める決議を採択いたしました。県は、水門方式では167億円、堤防方式では238億円と工事費を積算し、まちづくりへの影響、最大クラスの津波による影響、そして経済性の観点から、閉伊川河口部における津波対策は水門方式が妥当だとして、県が主導してこの間進められてきました。しかし、この間の地質調査に基づく設計あるいは工法の変更などが何度も行われ、事業費も4.8倍に大幅に膨れ上がったことから見ても、河川堤防かさ上げ案が妥当だったのではないでしょうか。
 県は、基礎ぐい工の施工実態がおおむね把握できたこと、今後行われる右岸の工程見直しで、完了予定の令和2年からさらに6年おくれて、令和8年に延伸する見込みとなることがこの間明らかになりました。
 そもそも、閉伊川の河口部というのは岩盤の起伏が大きく、地盤が複雑となっていることも指摘されており、工事の進捗次第ではさらなる事業費の増加も否定できません。民間事業であれば、見直しが行われる事案であります。
 これまでの事業の検証を行うことを求め、反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(関根敏伸君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第80号閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めることについてを採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(関根敏伸君) 起立多数であります。よって、議案第80号閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第51号から議案第79号まで及び議案第81号から議案第86号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(関根敏伸君) 起立全員であります。よって、議案第51号から議案第79号まで及び議案第81号から議案第86号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
〇議長(関根敏伸君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後2時1分 散 会

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