令和2年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録 |
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〇37番(斉藤信君) 県立遠野病院の問題について関連質問いたします。
問われている一番の問題は、総看護師長によるパワーハラスメントによって超過勤務の申請ができず、電子カルテ導入後に病棟外来の一元化や12時間2交代制がごり押しされて、大量の看護師がやめざるを得ない状況になったということであります。 この2年間に正規の看護師が10人、臨時が7人、合わせて17人が退職しています。異常な事態であります。こうした状況を改善しようと遠野に骨を埋める決意で取り組んできた2人の医師が院長や医療局に改善を求めましたが、総看護師長のパワーハラスメント問題の解決と改善の方向が示されず昨年末に辞職を申し出たことは、極めて重大であります。 なぜ看護師の皆さんがやめざるを得なかったか、超過勤務が申請できなかったか、具体的な告発の内容を紹介します。 総看護師長が2年前に県立遠野病院に転勤してから超過勤務の申請はできません。主任看護師に超過勤務は書いていいのだよと言われ、超過勤務を書いた看護師は、看護師長に何で書いたのと言われ、陰口を言われ、悪者扱いになり、後にこの超過勤務を書いた看護師は退職しました。超過勤務を申請したら削除するように看護師長に言われた人も何人もいます。総看護師長が看護師長に書かせないように圧力をかけているのであります。超過勤務は仕事ができない人がすることだ、ばかだから仕事ができないのだと暴言を吐く主任看護師がいて、精神的ストレスがたまり病休になった看護師も何人もいます。 実際に県立遠野病院の看護師の超過勤務はこの2年間に激減しました。平成29年度は1人当たり月9.6時間だったのが、平成30年度は月2.0時間、今年度は12月末までに月0.4時間に急減しています。あり得ないと看護師は言っています。 もっと深刻な例は、難病で障害者手帳を持っている看護師が地域連携室で勤務していましたが、一昨年の暮れから病棟勤務夜勤を打診され、何度も診断書も提出し話し合いましたが、聞き入れてもらえず、絶望して退職を決意しました。18年間勤務した看護師は、この方も身体障がい者の認定を受けていた方です。母子家庭であり、子供を育てるためには何としてもやめるつもりはありませんでしたが、負担の大きい外来の救急当番を命じられるとか、休憩もとらず勤務することを強いられ、超過勤務を請求することもとめられました。時間内に終えることができないのは能力が劣っていると判断されました。そんな職場に恐怖と不安を覚え退職を決意しました。私の人生も大きく変えられたと思っています。どうかこの声が届くように願います。 この2人の看護師は、障がい者雇用にカウントされている看護師であります。超過勤務を書けないから転勤を希望する看護師もいます。実際に転勤した看護師は、脱北に成功と喜んでいる状況であります。 医療局長に質問します。なぜ超過勤務が激減したか。超過勤務が書けない実態を把握しているか。釜石労働基準監督署に告発され、その指導を受けた調査はどうなっているか具体的に示してください。今の状況でも不法行為は明らかではないでしょうか。 私は、具体的な総看護師長によるパワーハラスメントの実態を示しました。医療局にも県立遠野病院にもパワーハラスメントの告発、相談が寄せられていると思いますが、パワーハラスメントの実態をどう受けとめ、どう対応してきたのでしょうか。 〇医療局長(熊谷泰樹君) 県立遠野病院の超過勤務の状況についてでございますが、超過勤務が減少した理由につきまして、看護師2人がパートナーとなり、お互いに補完し、協力し合い看護を提供するパートナーシップ・ナーシング・システムを開始したということ、それから、超過勤務として行っていた時間外の救急外来患者への対応を、看護業務の一体的な運用により、交代制勤務者が勤務時間内の業務として行うようになったことによるものと聞いております。 次に、超過勤務の管理に係る釜石労働基準監督署からの指導に基づく調査についてでありますが、県立遠野病院では、全ての看護職員の昨年4月以降のタイムカードによる出退勤時間、超過勤務時間、業務以外で在院した時間等の整理、確認を行い、当該確認結果を踏まえ、職員からのヒアリングを実施するなど、現在、超過勤務の手続や実績について調査を行っているところでございます。 次に、ハラスメントに関する相談についてでございますが、平成29年度は1件、平成30年度は3件、本年度は実績はございません。相談の内容は、言葉遣い、休暇の取得であり、その都度、対象者に事実確認を行い、面談等で指導を行っております。 ハラスメントにつきましては、職場内秩序を乱し、各組織の正常な業務運営の障害となり得るほか、職員の勤労意欲を減退させ、ひいては精神的な障がいに陥る職員を発生させる要因にもなりますことから、病院限りの対応とせず、医療局全体で適切に対処していく考えでございます。 〇37番(斉藤信君) 医療局長のそんな答弁だから、2人の医師がやめるというような状況になっているのですよ。私は具体的なハラスメントの実態を示したじゃないですか。 達増知事に質問します。総看護師長による異常なパワーハラスメントによって超過勤務が申請できないことは、労働基準法に違反する行為であります。看護師の実態と要求に背を向けて退職に追い込んできたことは、最も悪質な行為です。こうした異常な事態を憂い、改善を求めた医師が、県立遠野病院をやめるようなことは絶対にあってはならないと考えますが、知事の認識をお聞きします。 医療局長に改めてお聞きいたします。総看護師長による超過勤務を認めない行為、私は具体的に指摘をしました。認めないと言っているのですよ。例えば、始業前の仕事は自己研さんにしなさい、こう言っているのですよ。5時15分になったら終業の打刻をしなさい。あなたがこれを把握していなかったら全く無責任な医療局長ということになりますよ。だから17人もやめているのですよ。 今の臨時職員は15人いますけれども、7人がやめる予定です。看護体制が確保できませんよ。内科の医師がやめたら県立遠野病院は回りませんよ。この内科の医師は感染症対策の責任者なのです。県立遠野病院は指定感染症病床を持っているのですよ。あなたは慰留したと言っているけれども、2人の医師は慰留されていないと言っています。全然伝わっていないのですよ。 そもそも、こうした職場の状況を改善してほしいと、医師にそこまで思わせるような状態があるのですよ。改善の方向を出さなかったら慰留にならないじゃないですか。私は、本気で改善の方向を示して、医療局長が責任を持って慰留すべきだと思います。具体的な改善方法をここで示してください。 〇知事(達増拓也君) 今回、改めて医療局に確認したところ、県立遠野病院では、病棟と外来の看護業務の一元化を初めとする看護師の配置や勤務時間管理をめぐる意見の相違があり、辞職の意向を示している医師がいること、超過勤務の管理に関する釜石労働基準監督署の指導を受け、現在、超過勤務の手続や実績について調査を行っているとの報告を受けたところであります。 辞職の意向を示している医師に対しては、これまで院長が、組織運営上の課題への対応について説明し慰留に努めており、また、医療局本庁においても面談を行い、勤務の継続について要請していると聞いております。 病院など組織の運営に当たっては、職員間の意思疎通が十分に図られ、職員が意欲を持って取り組んでいく環境を整えていくことが必要であると考えておりまして、県立遠野病院においても、こうした職場環境を整え、地域において必要とされる医療を提供するよう、医療局における適切な対応を望むところであります。 〇医療局長(熊谷泰樹君) タイムカードのお話がございました。御指摘のような指示があったとすれば不適切でございます。タイムカードは、職員の出退勤時間を客観的に記録するために行っているものであり、勤務開始前や勤務終了前にもかかわらず特定の時刻に打刻するということは、導入の趣旨に沿わないものでございます。職員に対しては、出勤や退勤時に打刻すべきものであることの再度の周知を図るなど取り組みを行っております。そういったことを引き続きやってまいりたいと思います。 具体的な改善ということでございます。先ほども答弁しておりますが、超過勤務時間の確認については、現在ヒアリング調査を行っているところでございます。その調査を踏まえて適切に対応していきたいと思っています。 今後の対応についてでございますけれども、先ほど議員からお話のあったような内容も私の耳に入っております。一方で、それとは異なる情報も入って、お話も伺っているところでございます。ただ、そうした状況を踏まえると、看護科の中で対話の不足とか信頼関係の構築が不十分な状況にあるのではないかと受けとめているところでございます。 県立遠野病院が、地域にとってよりよい病院となるために、その解決を図っていく必要があると私は認識しております。そうした問題意識に基づいて、現在、看護科の配置体制の検討を行っているところでございます。 また、将来に向けた県立遠野病院の運営のあり方について考えを示し、職員と対話していくように病院長に要請しているところでございます。 今後とも、医療局と病院が一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 〇副議長(中平均君) この際、暫時休憩いたします。 午後4時11分 休 憩 出席議員(48名) 1 番 千 田 美津子 君 2 番 上 原 康 樹 君 3 番 小 林 正 信 君 4 番 千 葉 盛 君 5 番 千 葉 秀 幸 君 6 番 岩 城 元 君 7 番 高橋 こうすけ 君 8 番 米 内 紘 正 君 9 番 武 田 哲 君 10 番 高 橋 穏 至 君 11 番 千 葉 絢 子 君 12 番 山 下 正 勝 君 13 番 高 田 一 郎 君 14 番 田 村 勝 則 君 15 番 佐々木 朋 和 君 16 番 菅野 ひろのり 君 17 番 柳 村 一 君 18 番 佐 藤 ケイ子 君 19 番 岩 渕 誠 君 20 番 名須川 晋 君 21 番 佐々木 宣 和 君 22 番 臼 澤 勉 君 23 番 川 村 伸 浩 君 24 番 ハクセル美穂子 君 25 番 木 村 幸 弘 君 26 番 小 西 和 子 君 27 番 吉 田 敬 子 君 28 番 高 橋 但 馬 君 29 番 小 野 共 君 30 番 軽 石 義 則 君 31 番 郷右近 浩 君 32 番 高 橋 はじめ 君 33 番 神 崎 浩 之 君 34 番 城内 よしひこ 君 35 番 佐々木 茂 光 君 36 番 佐々木 努 君 37 番 斉 藤 信 君 38 番 工 藤 勝 子 君 39 番 中 平 均 君 40 番 工 藤 大 輔 君 41 番 五日市 王 君 42 番 関 根 敏 伸 君 43 番 佐々木 順 一 君 44 番 伊 藤 勢 至 君 45 番 岩 崎 友 一 君 46 番 千 葉 伝 君 47 番 工 藤 勝 博 君 48 番 飯 澤 匡 君 欠席議員(なし) 説明のため出席した者 休憩前に同じ 職務のため議場に出席した事務局職員 休憩前に同じ 午後4時27分再開 〇副議長(中平均君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 〇副議長(中平均君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。 〇副議長(中平均君) 日程第1、一般質問を継続いたします。木村幸弘君。 〔25番木村幸弘君登壇〕(拍手) |
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