令和2年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇6番(岩城元君) 希望いわての岩城元です。
 質問に先立ちまして、昨年の台風第19号によりお亡くなりになられた方々に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、お一人お一人に寄り添い早期の復旧、復興に取り組んでまいります。
 また、現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が非常に懸念されております。感染力や潜伏期間が不明であること、そして、何より目に見えない脅威にさらされております。東北ではまだ感染は確認されておりませんが、本県では、国内流行を想定した医療体制の構築を検討するとともに、社会、経済に及ぼす影響を最小限にするよう対策に万全を期すため、達増知事を本部長として、庁内各部局が連携する対策本部を設置されたところであります。今後の情報収集をタイムリーに行い、県民の安全、安心に万全を尽くしていただくよう対応をお願いいたします。
 改めて、このたび登壇しての質問の機会をいただきましたことを先輩議員、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。
 それでは、通告に従い順次質問を行います。さきの質問と重複する項目もありますが、割愛することなくお伺いいたします。
 初めに、防災、減災対策について2点お伺いいたします。1点目は、令和元年台風第19号災害からの復旧状況についてであります。
 昨年、本県に甚大な被害を及ぼした台風第19号災害について、河川の河床掘削や堤防の応急的な復旧作業は行われておりますが、県では、被災者一人一人に丁寧に寄り添い、早期の復旧に取り組んでいくこととされています。
 毎年、日本各地で大災害が発生している状況の中、復旧のさなかに災害が起こり得ると想定すべきでありますが、そうしたリスクを低減するためにも、早期の災害復旧が必要であると考えますが、本格復旧に向けた現在の状況についてお伺いいたします。
 2点目は、今後の災害対策についてであります。
 この冬は、気温も高く、降雪量も少なく暖冬傾向であります。これも一つの異常気象ではないでしょうか。このような不安定な気象状況は、また災害が起こるのではないかと、県民の皆様や近年多くの災害に見舞われてきた被災地にとって大変な不安となっております。
 今後発生する災害に備えて、強靱な県土づくりを推進し、予期せぬ災害にしっかり対応できる防災体制の整備を進めることとされておりますが、現在、想定する範囲を大幅に見直し、河川の氾濫被害や土砂災害に備えるべく防災と減災に努めるべきと考えますが、具体的な取り組みの状況についてお伺いいたします。
 二つ目は、第1次産業の振興についてお伺いいたします。
 1点目は、農業特産品の振興についてであります。県では、中山間地域活性化のためのワイン産業の振興について取り組んでおりますが、現在、県内では13社のワイナリーがあり、それぞれの特色を生かし、中山間地の活性化を図りながら、地域の特産品として生産に励んでおります。
 県では、いわてワインヒルズ推進事業費の拡充を図り、ワイナリーの開業に必要な知識、技術を学ぶワイン生産アカデミーの運営と醸造用ブドウの生産拡大、また、栽培技術の指導などを行っているところですが、中山間地域活性化のためのワイン産業の振興に今後どう取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いいたします。
 また、ヤマブドウの生産支援についてでありますが、八幡平市や葛巻町、野田村を中心に栽培が行われているヤマブドウについては、現在、生産者や加工、流通事業者の努力と近年の健康食品ブーム、地元志向の高まりやワインの人気により県内外に需要が増している状況にありますが、生産者の高齢化や後継者不足等によりヤマブドウの生産量は横ばいの状況にあります。
 今後、こうした状況を踏まえつつ、しっかりと原料を確保し、事業者や消費者のニーズに応えていくべきと考えますが、生産者への支援にどう取り組んでいくのか、お考えをお伺いします。
 2点目は、漁業振興について伺います。サケ稚魚の放流について。記録的な不漁となっている今期の秋サケ漁ですが、その影響で県内のふ化場では、サケ稚魚を生産するために必要な卵を十分確保できなくなっており、1月末日現在の採卵数は計画の4割程度にとどまっている状況とのことです。
 また、県内のサケふ化場には、東日本大震災津波による復旧整備を終えたところに、平成28年台風第10号、昨年の台風第19号と相次ぐ自然災害に見舞われ、ふ化場のみならず稚魚を放流する河川の環境が大きく変わり、川の流域や河口に大量の土砂が堆積する状況も見られるなど、サケの稚魚が安心して川を下れない場所も随所に見られます。
 そこで、サケ資源の早期回復を進めるためには、まずは、今期確保できた貴重なサケの卵をしっかりと稚魚に育て、海へ送り出し、3年後、4年後のサケの回帰につなげる必要がありますが、河川の環境が変化している中でも確実にサケ稚魚の放流が行えるよう、県としてどのような指導をしようとしているのかお伺いいたします。
 次に、サケ、マス類の養殖について伺います。全国的に秋サケの回帰率が大幅に低下している状況にあることから、これまでの放流事業の推移をしっかりと精査し、見直しや改善を図りながら、回帰率の向上に取り組むことはもちろんのことですが、一方では、新たにサケ、マス類の海面養殖や陸上での養殖を推進することも必要と考えますが、県のお考えをお伺いいたします。
 また、漁業者の所得向上につながる磯根資源対策についてですが、漁業関係者は、秋サケやサンマ、スルメイカ等の不漁に加え、アワビ、ウニなどの磯根漁業の不振により将来に展望を持てず窮地に立たされております。重要な磯根資源であるアワビ、ウニについては、餌となる天然の昆布やワカメなどの海藻の生育不足が大きな要因の一つと考えられます。
 磯根資源造成のために漁協ではアワビの種苗放流などを行っておりますが、漁業者の所得の向上につなげるためには、餌となる海藻の育成とあわせて餌の量に見合う資源量の適正な管理が必要と考えますが、県の考えをお伺いいたします。
 質問項目の3番目は、環境問題について2点お伺いいたします。1点目は、温室効果ガス排出ゼロへの取り組みについてであります。
 次期岩手県地球温暖化対策実行計画について。知事は、昨年11月27日の記者会見で、2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを宣言し、新技術を活用し、生活と環境の向上を両立させる地域づくりに取り組めば達成可能という発言でした。岩手県地球温暖化対策実行計画にどういった施策を盛り込み目標を達成するのか、お伺いいたします。
 また、同じく昨年12月2日に横浜市と協定を締結している岩手県北9市町村―久慈市、二戸市、葛巻町、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町が、再生可能エネルギーを軸とした広域連携により地域循環共生圏の形成を目指すとし、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにすることを宣言いたしました。
 地域循環共生圏とは、各地域が美しい自然環境等の地域資源を最大限活用しながら、自立、分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方です。また、農山漁村も都市も生かす我が国の地域の活力を最大限に発揮する構想であり、その創造によりSDGsやソサエティー5.0の実現につながるものです。
 去る2月18日に久慈市内において北岩手循環共生圏の結成式が環境省総合環境政策統括官や連携する関係市町村長と横浜市温暖化対策統括本部部長の出席のもと盛大に開催されたところであります。式典の中で小泉進次郎環境大臣のビデオによるメッセージも披露されました。北岩手循環共生圏では、横浜市に再生可能エネルギーの供給を行うとともに、地域の食材の供給や交流人口の拡大を図っていくとのことです。
 県として、今後、北岩手循環共生圏を構成する北岩手9市町村と排出量ゼロの目標達成に向けて、どのように連携や協力をしていくのか、あわせてお伺いいたします。
 2点目は、企業局の電力供給についてお伺いいたします。
 こうした宣言の上で、本県は多くの自然に恵まれ、再生可能エネルギーについて多くのポテンシャルを持っております。いわば自然エネルギーの宝庫であると考えます。
〔議長退席、副議長着席〕
 現在、企業局において次期長期経営方針の策定に取り組んでおりますが、水力や風力、太陽光の発電所を運用し電力を供給しており、さらには、今後の10年間で四つの発電所について新規開発または再開発を行う計画であります。まさに時宜を得た事業方針であります。さらには、プロポーザル方式により売電先を選定の上、県内に電力を供給し、エネルギーの地産地消に貢献していく計画であります。
 先ほど申しました水力、風力、太陽光は、100%再生可能エネルギーであり、発電時の温室効果ガスは非常に少ないものです。このことから、知事が宣言を行ったことへの取り組みに合致するものと考えます。
 また、RE100という国際的な環境活動があります。どのような活動かと申しますと、事業活動によって生じる環境負荷を低減させるために設立された環境イニシアチブの一つであり、事業運営に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うことを目標とする活動であります。まさに、先ほど申し上げた本県のエネルギー政策に合致した内容であります。
 この純粋な再生可能エネルギーを地域で循環させることで、地場産業は環境活動を積極的に行っている事業者として企業価値が上がり、また、多くの企業が全国から岩手県に関心を持つことが期待されます。
 このようなことから、知事が宣言をした2050年温室効果ガス排出量の実質ゼロとそれに向けた取り組みである脱炭素に向けた主な取り組み、政策の中で、全国トップクラスの再生可能エネルギーのポテンシャルを最大限に活用することに大きくつながっていくものと期待するところであります。
 そこでお伺いいたします。企業局では、令和2年度から2年間の新たな売電契約において、一般の小売電気事業者のほか、県内の地域新電力を対象とした枠を設けたとのことですが、これまでの取り組みと課題、そして、今後県内にどのように電力の供給を行っていくのかお伺いいたします。
 次に、世界遺産の観光への活用について2点お伺いいたします。1点目は、御所野遺跡への誘客についてであります。
 世界遺産登録を目指す北海道・北東北の縄文遺跡群でありますが、特別史跡である青森市の三内丸山遺跡や鹿角市の大湯環状列石などとともに構成する縄文遺跡に一戸町の御所野遺跡も含まれております。先週開かれた世界遺産保存活用連絡会議で周辺環境を保全する景観計画策定に取り組んでいるとのことです。今後、市町村や4道県との連携も大事になってくると思います。
 世界遺産となれば、全国はもとより世界からも注目され、観光スポットになることは確実なわけですが、そこで、県としてどのように誘客を図っていくのかお伺いいたします。
 2点目は、県内の世界遺産との観光連携についてお伺いいたします。
 既に世界遺産に登録となっている平泉―仏国土浄土を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群には、年間200万人ほどの観光客が訪れております。また、明治日本の産業革命遺産、製鉄・製鋼、造船、石炭産業の橋野鉄鉱山においても、2015年7月に世界遺産に登録となりました。これらを観光地としてどのようにつなげて県内の観光を振興していくのかお伺いいたします。
 5番目の質問は、三陸沿岸道路全線開通を見据えた取り組みについて3点お伺いいたします。
 東日本大震災津波からの復興に向けたリーディングプロジェクトと位置づけられた三陸沿岸道路、いわゆる復興道路は、普代―久慈間や田野畑南―尾肝要間の開通見通しが立ち、来年度末までに全線が開通する見通しとなりました。
 三陸沿岸道路の開通は、道路の走行性改善による輸送の効率化の実現や迅速な救急搬送の確保、そして、周遊性の向上によりツアーの広域化が期待されるところです。
 県では、いわて県民計画(2019〜2028)において、この新たな交通ネットワークを活用し、県内をより広く周遊し、より長く滞在する旅行商品や産業、自然、文化、スポーツなど岩手ならではの地域資源を活用した高品質な旅行商品の開発、売り込みにより観光消費の拡大を図ることとしております。
 1点目は、地域資源を活用した誘客について。沿岸には三陸ジオパークやみちのく潮風トレイルなどの悠久の地球の活動を間近に感じ触れることができる資源が豊富にそろっております。また、東日本大震災津波により多くの犠牲者と被災状況を後世に伝えていく伝承館や震災遺構なども沿線には数多く存在しております。
 これらの沿岸地域固有のコンテンツを効果的に情報発信し、誘客を図る必要があると考えますが、今後どのように取り組まれるのかお伺いいたします。
 2点目は、フェリーの宮古寄港再開への取り組みについてであります。三陸沿岸道路を利用した北海道と東北、首都圏を結ぶ新たなルートと期待された宮古港と室蘭港を結ぶ本県初となるフェリー航路が平成30年6月に開設されましたが、収益の柱であるトラックの乗船台数が当初見込みを大幅に下回るなど厳しい航路運営が続き、本年3月末で当面休止との発表がありました。来年度中に三陸沿岸道路が全線開通する予定でありますが、開通後の物流状況や、物流会社やドライバーからの要望などしっかりと精査した上で航路復活の要望を行っていくべきと考えますが、今後の取り組み方針についてお伺いいたします。
 3点目は、重要港湾の利活用についてであります。
 物流拠点として重要な役割を担っている大船渡、釜石、宮古、久慈の港湾ですが、三陸沿岸道路開通により、さらに重要性が増すものと考えます。平成29年の県内の港湾取扱貨物量は606万トンであり、東日本大震災津波の発災前と比較して約109%となっております。特に釜石港は、ガントリークレーンの整備による物流機能の向上や東北横断自動車道釜石秋田線の開通、三陸沿岸道路の整備進捗によるアクセス性の向上により、コンテナ物流の取り扱いの増加、また、ラグビーワールドカップ2019釜石開催による建設資材の輸送に貢献したことで、ポート・オブ・ザ・イヤー2019に輝きました。
 このようなことから、令和2年度の三陸沿岸道路の開通を見据え、釜石を含む県内四つの重要港湾のさらなる取扱量の増加に向け、どのようにポートセールスを展開しようとしているのかお伺いいたします。
 6番目の質問は、地域医療についてであります。
 1点目は、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会についてお伺いいたします。
 去る1月31日、達増知事の呼びかけに応じた青森、福島、新潟、長野、静岡の県知事6人を発起人とした地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会が発足しました。この知事の会は、昨年、新たな医師偏在指標が公表され、医師の不足や地域偏在に対する全国的な関心が高まっていることから、同様の課題を持つ県が、それぞれに行ってきた取り組みを共有し統一的な動きとすることにより、医師の不足と地域偏在の解消を強力にアピールすることとしております。また、ことし6月中には、各県が今年度中に策定する医師確保計画をもとに、共同で政府の2021年度予算編成に向けて、国に対し提言、要望をまとめる方針を掲げております。
 そこで知事に伺います。厚生労働省は、2040年を展望した医療提供体制の改革について2025年までに着手すべきこととして、実効性のある医師偏在対策の着実な推進のほか、地域医療構想の実現、そして医師、医療従事者の働き方改革の推進、これらを三位一体でする必要があるとしておりますが、今回、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を発足させ、特に医師確保に力を入れようとしているのはどのようなお考えからなのかをお伺いいたします。
 2点目は、地域医療構想についてでありますが、昨年9月、厚生労働省は、再編統合の議論が必要として424の公立、公的病院を実名公表しました。先月には、このリストから1都6県の7病院を除外した一方、20の病院を新たに追加し、最終的な再編統合対象病院は440にふえたところです。
 本県においては、10病院が対象病院として公表されております。県では、これらの医療機関においては、平成29年度以降の2年間で一定程度病床機能の転換や病床数の見直しが実施または検討されており、今回の公表内容がそのまま大幅な見直しにつながるものではないとしております。地域医療構想調整会議で合意された公立・公的医療機関等の具体的対応方針が真に地域医療構想の実現に沿ったものとなっているのか、再検討の上、改めて協議し、合意を得るよう求められているところです。
 そこでお伺いいたします。公表後の地域医療構想調整会議における議論の進捗はどのような状況でしょうか。また、今後の見込みはどうなっているのかお示しください。
 3点目は、県立病院の病床機能や病床数のあり方についてお伺いいたします。
 昨年12月、県立久慈病院において久慈地域県立病院運営協議会が開催され、私も委員として参加させていただいたところです。県立久慈病院は、救命救急センター機能を有しているほか、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟があり、6病棟289床を運用し、久慈地域の医療の拠点であります。当協議会では、その病床利用率は、平成26年度以降、平成28年度を除き60%台で推移しており、今年度においては63.8%と、平成26年度以降一番低い値となっていることが報告されました。
 総務省が平成27年3月に策定した新公立病院改革ガイドラインにおいては、3年間連続して70%未満の病院にあっては、地域の医療提供体制を確保しつつ、病床数の削減、再編、ネットワーク化など、抜本的な見直しを検討すべきとしているところです。公立病院が安定した経営のもとで僻地医療、不採算医療や高度先進医療等を提供する重要な役割を継続的に担っていく必要があり、経営的視点からも不断の見直しが求められているものと考えます。
 医療局においては、今年度を初年度とする県立病院等の経営計画を策定しておりますが、今後、県立病院の病床機能や病床数のあり方についてどのようなお考えなのかお伺いいたします。
 7番目の質問は、県北振興について2点お伺いいたします。
 1点目は、北いわて型スマート農業についてお伺いいたします。
 県北地域は、沿岸部ではホウレンソウや菌床シイタケ、内陸部ではレタス、キュウリ、果実や雑穀、そして地域全体で酪農、養豚、ブロイラーなど県内有数の産業が形成されている地域ですが、高齢化等の進行により、今後、農業従事者の減少が見込まれているところです。これに対応するため、新たな生産技術の導入や安全・安心を確保する取り組みの普及により、一層の生産性、収益性の向上が必要となっております。
 県ではスマート農業を推進しており、令和2年度当初予算案で北いわてスマート農業プラットフォーム創造事業の実施に当たり2億9、600万円余を計上しております。岩手県農業研究センター県北農業研究所を拠点とし、農業者、研究者、大学との連携の場をつくるとともに、自動走行農業機械や環境制御ハウスを整備することとしておりますが、実証で想定している農産物や経営体の規模、また、実証後の導入計画などをお伺いいたします。
 2点目は、北いわて建設技術向上促進事業費についてであります。
 現在、建設業では、三陸沿岸道路を初めとした港湾の整備など、東日本大震災津波からの復旧、復興に、また、たび重なる台風災害からの復旧など、社会基盤の整備に鋭意取り組んでいただいているところです。
 しかしながら、建設業においても従事者の高齢化や、今後、技術者の退職が見込まれるなど、人材の育成、確保に大変苦慮しております。そうした状況の中で、令和2年度当初予算案に北いわて建設技術向上促進事業費を計上しておりますが、県内建設業において、ICT建機を所有している事業所はどれくらいあるのでしょうか。また、この事業によりどのような効果が期待できるのでしょうか。
 あわせて、建設業の生産性向上や経営基盤強化に向けた建設業総合対策事業費を活用したICT化への取り組み状況についてお伺いいたします。
 以上で登壇しての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 岩城元議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、中山間地域活性化のためのワイン産業の振興についてでありますが、本県の中山間地域は、寒暖の差が大きく、北上高地を中心に広がる南向きの緩斜面、石灰質の土壌など、醸造用ブドウの栽培に適した環境、地質等を有しており、さらに、近年の気候変動により、優良な栽培適地として注目を集めるなど、今後一層の需要拡大が見込まれています。
 こうした動きを捉え、県では、平成29年度にいわてワインヒルズ推進事業を立ち上げ、醸造用ブドウの一層の生産拡大や、県内のワイナリーや関係機関、団体と連携しながら、いわてワイン生産アカデミーの開講、県産ワインの販路開拓、拡大などに取り組んでまいりました。
 この事業により、これまで、アカデミー修了生4名が県内にそれぞれワイナリーを開設し、5名が新たに醸造用ブドウの生産に取り組むなど、県産ワインを牽引する担い手が順調に育ってきています。また、今月開催したいわてワインを楽しむ夕べでは、県内外から多くの方々に参加いただき、品質の高さやおいしさなど県産ワインの魅力を堪能され、大好評を得たところであり、各種メディアにも大きく取り上げられました。
 県といたしましては、今後とも、一般の消費者からワインの愛好家までそれぞれに支持される魅力あるワインを送り出す全国有数の産地として高い評価をいただけるよう、これまでの取り組みに加え、新たに、本県の気象条件に適し、醸造適性にすぐれた白色ブドウ品種モンドブリエの普及拡大や、さまざまな機会を捉えた県産ワインのPR活動の展開、さらには、ワインツーリズムによる交流人口の拡大に取り組むなど、ワインを核とした産業の振興と地域の活性化を図ってまいります。
 次に、次期岩手県地球温暖化対策実行計画についてでありますが、地球温暖化対策は、環境分野のみならず、エネルギー、産業、経済、交通、運輸、林業など、温室効果ガスの排出抑制等に関係のある施策を総合的に推進していくことが重要であります。
 そのため、県では、岩手県地球温暖化対策実行計画を策定し、温室効果ガス排出抑制等の対策、再生可能エネルギーの導入促進、森林吸収源対策の3本の柱を掲げ、柱ごとの施策の推進方向に基づき、取り組みを進めています。
 このうち、再生可能エネルギーについては、太陽光や風力を中心に順調に導入が進んでいるほか、森林吸収源対策については、造林や間伐などの森林整備や木質バイオマスの利用拡大などが図られています。
 一方、温室効果ガス排出抑制等の対策については、温室効果ガスの排出量が東日本大震災津波からの復興需要等により平成25年度以降横ばい傾向で推移しており、今後さらなる取り組みが必要と考えております。
 2030年度を目標とする次期岩手県地球温暖化対策実行計画の策定に当たっては、温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロを見据え、積極的な目標と実効性ある施策を検討するとともに、全県的な団体、機関で構成する温暖化防止いわて県民会議を中心に、住宅の省エネルギー化の普及啓発や事業所における省エネルギー設備の導入、エコドライブの推進など、具体的な行動に取り組む県民運動を展開し、県民総参加による地球温暖化対策を推進してまいります。
 次に、北岩手9市町村との連携、協力についてでありますが、久慈市や二戸市など北岩手9市町村では、昨年2月に横浜市との間で再生可能エネルギーの供給や交流による地域活力の創出などの取り組みを推進するため連携協定を締結するとともに、昨年12月には、横浜市に共鳴し、それぞれの市町村が二酸化炭素排出量の2050年実質ゼロを目指すことを宣言しました。パリ協定では、自治体や企業など、政府とは異なる組織の行動の重要性が指摘されており、北岩手9市町村におけるこのような取り組みは、パリ協定の目標達成に地域から貢献する観点として重要であります。
 地域循環共生圏の実現を目指す北岩手9市町村は、再生可能エネルギーの高いポテンシャルを有する地域でありますことから、県として、北岩手9市町村と連携、協力し、引き続き、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトの施策と連動させながら、風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーの導入促進に取り組むとともに、送電網への接続制約等の課題解決に向けて国等への働きかけを行ってまいります。
 次に、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会についてでありますが、医師の不足や地域間の偏在を根本的に解消し、住民がその居住する地域で必要なときに適切な医療を受けられる体制を構築するためには、国全体で地域医療を守る仕組みが必要です。また、2025年に向けて効率的で質の高い医療提供体制の構築を目指す地域医療構想や、医師の労働時間短縮、健康確保と必要な医療の確保の両立を進める医師の働き方改革を推進するためには、医師の確保が大前提であり、医師確保、偏在対策が進まなければ地域医療構想と医師の働き方改革を進めることはできないと考えられます。
 このため、本県から、新潟、そして青森、福島、長野、静岡の各県に提案を行い、6県の知事が発起人となって地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を設立し、全国の医療関係者や行政関係者への理解促進、国民の機運醸成、そして実効性のある医師確保、偏在対策の実現に向けた国への働きかけを行うこととしたところであります。
 各県ではこれまでも医師の確保に努めてきたところであり、同様の課題に直面する県が、これまでにそれぞれ行ってきた取り組みを共有して統一的な動きとし、強力にアピールすることにより国を動かして、医師の不足と地域偏在の解消につなげていく考えであります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いします。
   〔県土整備部長八重樫弘明君登壇〕
〇県土整備部長(八重樫弘明君) まず、令和元年台風第19号災害からの復旧状況についてでありますが、被災した公共土木施設については、再度災害や被災の拡大防止のため、迅速かつ適切な対策を講じ、早期復旧等に万全を期すことが重要であると認識しています。
 このことから、道路、河川などの被災箇所のうち、背後に人家や道路等があり、被害の拡大が懸念されるなど緊急に対策が必要な箇所約80カ所については、被災後直ちに工事に着手し、復旧を進めているところです。
 これらの箇所も含め、先月末まで実施された国による災害査定の結果、災害復旧事業として、県、市町村合わせて884カ所、150億1、000万円余が決定されたところであり、今後、順次、工事の発注を行い、一日も早い復旧に向けて取り組んでまいります。
 次に、防災、減災対策についてでありますが、昨年の台風第19号では、記録的豪雨により、関東甲信越や東北地方の広い範囲で中小河川を含む多くの堤防決壊による浸水被害が発生したほか、土砂災害危険箇所以外で土砂災害が発生するなど、想定を超えるような被害が報告されているところです。
 国では、このような状況を踏まえ、今後とも想定を超える気象現象は起こり得るという考えのもと、社会資本整備審議会河川分科会において、中小河川における浸水想定区域の設定を迅速化する手法や、土砂災害警戒区域の抽出精度の向上などについて検討を進めているところです。
 県では、国の検討状況を注視しながら、住民の円滑かつ迅速な避難を促すため、新たに土砂災害警戒区域に指定すべき箇所の抽出を進めるとともに、水位周知河川や想定最大規模の洪水浸水想定区域の指定拡大など、県土の強靱化に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、フェリーの宮古寄港再開への取り組みについてでありますが、県はこれまで、宮古市や室蘭市と連携し、フェリーを利用するトラックを対象に意見を広く収集する物流効果等実証事業等により、物流事業者やトラックドライバーからの意見の収集を行ってきたところです。また、今月、県、宮古市、室蘭市及びフェリー運航会社を構成員とする宮古・室蘭フェリー航路連絡調整会議を設置したところであり、この会議の場を活用しながら、収集した意見等を参考にトラックの利用拡大に向けた課題などについて検討していくこととしています。
 県では引き続き、令和2年度の三陸沿岸道路等の全線開通を見据え、開通区間の順次拡大に応じた交通量と物流の変化や物流事業者等のニーズの把握に努めながら、宮古市や関係機関と連携し、フェリー運航会社への要望活動や、宮古港へのアクセス性の向上のPRなど、寄港再開に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、重要港湾の利活用についてでありますが、震災前に556万トンでありました県内港湾の取扱貨物量は震災直後212万トンまで大きく落ち込みましたが、平成24年以降増加してきており、平成29年には606万トン、令和元年の速報値では631万トンとなっているところであります。
 県では、いわて県民計画(2019〜2028)において、港湾を産業の基盤となる社会資本の一つとして利活用を推進することとしておりまして、引き続き、取扱貨物量の増加を図るため、これまでも毎年度、東京都内においていわてポートフォーラムを開催し、荷主企業や物流事業者等を対象に知事や港湾所在市の市長によるトップセールスを行っていますほか、本年度は、ポートフォーラムに加え、県内に進出している首都圏の企業等が参集する企業ネットワークいわてin東京において、港湾所在市と連携し、本県の港湾利用のPRを行ったところです。
 今後とも、港湾所在市と緊密に連携を図りながら、整備が進む本県の新たな高速交通ネットワークの効果や増加する港湾利用の実績をPRするなど、本県港湾の利用促進に向けたポートセールスに取り組んでまいります。
 次に、北いわて建設技術向上促進事業費についてでありますが、まず、県内建設業においてICT建機を所有している企業は、県営建設工事競争入札参加資格者を対象として実施した平成30年度建設業構造実態調査によりますと、回答のあった935社中23社、割合としては2.5%となっているところです。
 また、本事業につきましては、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトに資するものとして、北岩手の建設企業を対象に、ICTを活用した施工や維持管理に携わる人材の育成を目的とした現場講習会を開催するものであります。
 さらに、令和2年度当初予算案においては、建設業総合対策事業費に建設企業のICT機器等の導入に要する経費の一部を補助する内容を盛り込んだところであります。
 県としましては、これまでも県発注工事におけるICT活用工事の工種の拡大等に取り組んでいるところでありますが、北いわて建設技術向上促進事業や建設業総合対策事業を通じて、建設業の経営力の強化や生産性向上、災害対応や維持管理に携わる担い手育成等への支援を推進してまいります。
   〔農林水産部長上田幹也君登壇〕
〇農林水産部長(上田幹也君) まず、ヤマブドウの生産支援についてでありますが、本県のヤマブドウは県北地域を中心に栽培され、生産された果実は、主に県内の加工者におきましてジュースやジャム、ワインなどといった地域特産品として商品化されるなど、地域の産業振興を図る上で重要な品目であります。
 一方、ヤマブドウは、多く含まれるポリフェノールなどの機能性成分への関心の高まりや、ヤマブドウワインの生産拡大に伴い需要が拡大している中で、生産者の高齢化や後継者不足などがあって生産量はここ数年横ばいで推移しており、今後、生産力の一層の向上に向け、担い手を確保、育成することが課題であります。
 このため、県では、若手生産者などを対象に、平成30年3月に策定いたしました栽培マニュアルに基づく研修会を実施するとともに、国庫事業を活用した優良品種への新植、改植に対する支援を行うなど、生産性向上などに向けた取り組みを進めてきたところであります。
 今後は、こうした取り組みに加え、需要に的確に応えられるよう、岩手県農業研究センターにおいて多収で醸造適性にすぐれる品種の育成を進めるとともに、意欲ある担い手の確保、育成や、安定生産に向けた栽培技術の向上に積極的に取り組んでまいります。
 次に、サケ稚魚の放流についてでありますが、県では、水産関係団体等と連携し、今期に確保したサケの種卵について、各ふ化場において適切に育成管理を行い、健康な稚魚の生産、放流に努めることが重要であると認識しているところであります。
 例年、サケ稚魚を放流する春は雪解け水で河川が増水する時期に当たり、稚魚は水量の勢いに乗って川を下り海へたどり着きますが、河川水量の減少や土砂の堆積等によりサケ稚魚の放流に影響が出る場合は、雨上がり後の増水時や海の潮位が高くなる大潮の時期に放流するなど、適期に放流を行うよう指導しているところであります。また、予定した河川での放流が特に困難な場合におきましては、緊急対応として、稚魚を近隣の河川に輸送して放流した事例がございます。
 県では、現在、水産関係団体等と連携し、ふ化場に対し稚魚の適切な育成管理を指導しているところであり、今後とも、サケ稚魚の放流が計画的、そして効果的に行われるよう取り組みを進めてまいります。
 次に、サケ、マス類の養殖についてでありますが、県では、サケなどの主要魚種の資源回復に取り組むとともに、海洋環境の変動に左右されない安定的な魚類の養殖など、新しい取り組みを進めていくことが重要と認識しております。
 サケ、マス類の海面養殖につきましては、現在、久慈、宮古、大槌の3地区でギンザケやニジマスの養殖試験が行われ、成果も着実にあらわれてきているところであり、県では、先行するこの3地区に加え、他の地域への普及拡大を進めることとしており、サケ、マス類の海面養殖の推進について積極的に取り組んでいく考えであります。
 また、陸上養殖については、飼育水のろ過や温度管理技術の進歩によりまして、閉鎖循環方式―水が回るというものですが―による養殖技術の高度化が進んでおり、全国的には企業を主体に事業化の取り組みが始まっております。
 本県におきましても、岩手大学がサクラマスの陸上養殖の研究に取り組んでおり、岩手県内水面水産技術センターが養殖用の種苗生産技術の開発で参画しているところであり、引き続き研究を進めていく考えであります。
 次に、漁業者の所得向上につながる磯根資源対策についてでありますが、近年のアワビ、ウニ漁獲量の減少は、餌となる昆布等の海藻の生育量が減少したことが要因の一つとされております。
 岩手県水産技術センターでは、漁場調査の結果から、近年は冬場の海水温が例年よりも高目に推移したため、ウニ等が活発に活動し、この時期に発芽した昆布等が成長前に食害され、繁殖が阻害されたと分析しております。
 餌となる海藻をふやすためは、昆布の養殖技術を応用した海中林と呼ばれる昆布の森づくりや、ウニ等の食害生物を漁場から間引くことが有効であります。
 県では、令和2年度当初予算案に漁場の海藻の生育を促進するための活動を支援する美しい海環境保全対策事業費や、漁港内にウニを移殖し、育成するなど、漁港の多目的利用を推進する水産基盤整備調査費を盛り込んだところであり、今後とも、アワビ、ウニ資源の回復、造成を力強く進めてまいります。
 次に、北いわて型スマート農業についてでありますが、令和2年度当初予算案に盛り込んだ北いわてスマート農業プラットフォーム創造事業は、岩手県農業研究センター県北農業研究所を拠点として、農業者、研究機関、大学等によるプラットホームを構築し、自動操舵農業機械や園芸施設の環境制御に関する技術実証などを実施するものであります。
 北いわて型スマート農業プラットフォームは、農業経営者や研究機関、大学、市町村、民間企業等を構成員とし、北いわて型スマート農業に係るシンポジウム、セミナー、現地研修会などを開催することとしております。
 また、大規模経営体を対象とした雑穀等の土地利用型作物における自動操舵トラクターを活用した作業の省力化技術や、小規模経営体を初めさまざまな経営体を対象とした、キュウリ等の果菜類の飛躍的な単収向上に向けた園芸ハウスにおける環境制御技術の実証に取り組むこととしております。
 こうした取り組みを積極的に進めることにより、北いわて型スマート農業技術の早期の普及に取り組んでまいります。
   〔企業局長藤澤敦子君登壇〕
〇企業局長(藤澤敦子君) 企業局の電力供給についてでありますが、電力システム改革に伴い、新たな売電先については、競争により全国の小売電気事業者の中から選定することが原則とされたことから、将来にわたる安定経営の確保や公営企業としての売電のあり方を課題と捉え、県内への全量供給、安定経営、そして地域貢献の三つを基本方針として設定したところでございます。
 一方で、県内においても、各地で小売電気事業者が設立され、このようないわゆる地域新電力は、地域経済の循環を担う存在でもあることから、今回新たに地域新電力の枠を設けたものでございます。
 今後は、地域新電力を含めた売電先と連携し、再生可能エネルギーの地産地消や地域のエネルギー政策の支援を行うとともに、いわて復興パワーによる震災復興やふるさと振興関連施策への支援などに積極的に取り組みながら、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる低炭素社会の形成に貢献できるよう取り組んでまいります。
   〔商工労働観光部長戸舘弘幸君登壇〕
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) まず、御所野遺跡への誘客についてでありますが、令和3年に世界遺産登録を目指す御所野遺跡は、北岩手を代表する地域資源であり、観光コンテンツとして磨き上げ、その魅力を広く内外に情報発信し、広域的な誘客につなげていくことが重要と考えています。
 このため県では、地域主体で取り組んでいる体験イベントなどを支援するとともに、今年度展開した観光キャンペーンいわて幸せ大作戦!!においては、御所野縄文公園をデザインしたポスターを全国のJR主要駅に掲出するなど広くPRしてきたところであります。
 また、県北広域の観光地をめぐるバスツアーや高付加価値型の周遊モニターツアーの実施、北海道の教育旅行誘致のための関係者の招請など、御所野遺跡への誘客を進めているところであります。
 今後におきましては、令和3年4月から9月にかけて東北DCの展開を予定しているところであり、国内外から多くの方々が本県を含む北東北に来訪される機会となりますことから、遺跡群を構成する資産を有する北海道や青森県、秋田県とも連携しながら、広域周遊観光ルートの構築や発信を行いますとともに、旅行会社への売り込みを通じて旅行商品の造成を促し、誘客を図ってまいります。
 次に、世界遺産をつないだ観光誘客についてでありますが、本県は、全国でも数少ない複数の世界遺産を有する県であり、観光資源としての世界遺産の魅力をより高めるとともに、世界遺産を核として県内各地の観光資源を組み合わせ、県内をより広く、より長く周遊、滞在する観光につなげていくことが重要と考えております。
 このため、まずは個々の遺産の魅力を高めていくことが必要であり、県では、平泉の電線地中化による町並み景観の形成や橋野鉄鉱山での拡張技術、AR機器の導入などにより世界遺産そのものの集客力を高める取り組みを支援いたしますとともに、これらを核として県内を周遊するバスツアーの造成支援などに取り組んでいるところであります。
 今後におきましても、二つの世界遺産と本県の豊かな食や自然、歴史文化などの地域資源を組み合わせた旅行商品の造成促進や、広域観光ルートの発信などに取り組んでまいります。
 次に、三陸沿岸の地域資源を活用した誘客についてでありますが、三陸沿岸地域は、三陸ジオパークやみちのく潮風トレイルを初め、橋野鉄鉱山や三陸鉄道、豊かな食や自然、暮らしなど、多彩かつすぐれた地域資源を有していることから、これらを組み合わせた体験型観光や、震災学習を取り入れた復興ツーリズムなどによる周遊滞在型観光の展開が重要と考えています。
 このため県では、ジオサイトや地域の暮らしを活用した体験プログラムなどの開発やジオガイド、震災語り部、観光プランナーなど地域の人材の育成を支援するとともに、震災伝承施設や震災遺構を組み込んだ教育旅行、企業研修旅行の誘致を通じて、復興ツーリズムのPRなどに取り組んできたところであります。
 今後におきましても、三陸沿岸道路や三陸鉄道などの交通ネットワークを活用し、三陸防災復興プロジェクトにおけるイベントなど、さまざまな取り組みや沿岸各地の磨き上げられた観光資源をつなぐなど、より広く周遊ができ、より長く滞在ができるモデルコースを構築し売り込むとともに、さまざまな媒体を活用して国内外に発信することにより誘客を図ってまいります。
   〔保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇保健福祉部長(野原勝君) 公立、公的医療機関の再検証についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県では、対象とされた医療機関の大半において、既に病床機能の転換や病床数の見直しが進められていることから、直ちに病床機能の大幅な見直しが求められるものではないと考えており、県全体の医療のあり方について検討する岩手県医療審議会で、その考え方と対応の方向性について了承されたところであります。
 現在、これを踏まえて、各地域の地域医療構想調整会議で協議を行っているところであり、既に協議を行った盛岡及び岩手中部では、病床機能の見直しの状況のほか、直近の救急患者の受け入れ実績や周辺医療機関との連携の状況などに基づき議論を行い、対象医療機関の役割や病床数などの対応方針について合意が得られている状況です。
 他の圏域における対象医療機関についても、今後開催する地域医療構想調整会議において協議を行うこととしており、おおむね今年度中に合意が得られる見込みとなっております。
   〔医療局長熊谷泰樹君登壇〕
〇医療局長(熊谷泰樹君) 県立病院の病床機能等のあり方についてでありますが、今年度を初年度とする岩手県立病院等の経営計画において取り組む事項として、各病院の担うべき役割と機能、病床機能の適正化を掲げております。
 具体的には、一般病床及び療養病床の病床利用率が、平成27年3月に総務省が策定した新公立病院改革ガイドラインに示されている、過去3年連続して70%未満となっている病院については、地域の医療ニーズを考慮した上で、病床機能、病床数、病棟数の見直しを行うこと、医療政策に係る国の動向を注視しながら、地域医療構想調整会議における議論を踏まえ、地域の医療資源の状況等、実情に応じて病院ごとの役割、機能を見直すこととしております。
 公的医療機関の役割は、僻地医療、救急医療、高度・専門医療等採算性などの面から民間医療機関による提供が困難な医療を担うことにありますことから、その役割を果たすことができるよう、地域の実情に応じて病床機能、病床数の見直しを適時適切に行い、県民への良質な医療の持続的な提供及び持続可能な経営基盤の確立に努めてまいります。
   
〇副議長(中平均君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時17分 休 憩
   
出席議員(48名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 武 田   哲 君
10  番 高 橋 穏 至 君
11  番 千 葉 絢 子 君
12  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 田 村 勝 則 君
15  番 佐々木 朋 和 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 岩 渕   誠 君
20  番 名須川   晋 君
21  番 佐々木 宣 和 君
22  番 臼 澤   勉 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 軽 石 義 則 君
31  番 郷右近   浩 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 工 藤 勝 子 君
39  番 中 平   均 君
40  番 工 藤 大 輔 君
41  番 五日市   王 君
42  番 関 根 敏 伸 君
43  番 佐々木 順 一 君
44  番 伊 藤 勢 至 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 工 藤 勝 博 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時38分再開
〇副議長(中平均君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。高橋こうすけ君。
   〔7番高橋こうすけ君登壇〕(拍手)

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