令和元年12月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇40番(工藤大輔君) いわて新政会の工藤大輔でございます。
 議案第4号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例に、会派を代表し、賛成の立場から討論いたします。
 本条例改正の趣旨は、秘書広報室及び政策地域部を再編し、新たに政策企画部及びふるさと振興部を設置しようとするものであり、政策の企画立案に係る部門の組織再編は10年ぶりとなります。
 平成22年度の再編では、全県的な政策の立案機能と地域振興施策を融合させ、政策形成機能の一元化が図られたところであります。この見直しの背景には、アメリカの金融危機に端を発した世界経済の悪化による厳しい経済雇用情勢や長引く景気低迷、地方交付税の大幅な削減を背景に行財政改革が進められ、職員も5、300人から4、000人体制に移行する過程でありました。大幅減となる職員体制でありながらも、いわて県民計画の着実な推進と広域振興局の支援機能の充実を図るといった行政需要に対応するため、いかに効率を高め、機動性を重視した組織体に改編させるかといった視点が、必要不可欠な時期であったと理解をしております。
 今回の本庁部局の再編の目的は、第1に、いわて県民計画(2019〜2028)の着実な推進を目指そうとするものであります。
 国内外に目を転じると、経済、社会のグローバル化の一層の推進、IoTや人工知能などといった第4次産業革命の進展等により環境の変化が急速に進んでいます。また、深刻化する地球温暖化に対応した低炭素社会、循環型社会、自然共生社会を実現していくことも必要であります。加えて、県民の価値観は多様化しており、個性と能力を十分に発揮できる社会を築いていくことも必要であります。
 このような中にあって、本県を取り巻く変化や将来を見通し、最適なシナリオを組み立てながら迅速かつ的確な政策形成や分野横断的な取り組みの一層の展開を図ることにより、県政課題の解決に当たらなければなりません。
 また、人口減少、少子高齢化が進展する中で、持続可能な地域社会を構築していくため、市町村との関係の強化を進めるとともに、職員派遣や連携事業の推進に当たっては、時に垣根を越えた取り組みも求められます。
 現在の秘書広報室は、秘書課と広聴広報課の2課体制であり、知事、副知事の政策の企画をサポートする業務の一部は調査監が担っておりますが、十分な体制とは言いがたいと感じております。知事のトップマネジメント支援を担う秘書広報室と政策部門が一体となることにより、本県を取り巻く環境の変化を捉え、自治体間競争を勝ち抜くため、知事の県政運営の方針を迅速に政策の企画立案につなげるとともに、県政懇談会などの広聴広報活動を通じた県民の声をより的確に政策に反映していくことが期待されるところであり、私は、新たに設置しようとしている政策企画部の体制のほうが、本来、望ましい形であると考えております。
 また、総務委員会における説明や私の質疑への答弁で、ふるさと振興部の体制について詳細は検討中としながらも、全県にわたる地域振興や県央、県南地域の振興を担う地域振興室を設置するとともに、県北・沿岸地域の振興を担う県北・沿岸振興室を設置し、この2室で三つのゾーンプロジェクトなどを推進する方針が示されており、さらに、二つの組織の職員体制は現行の倍程度に増員される方向で調整しているとのことでありました。
 また、組織再編に合わせた県北・沿岸振興について、今後、財政的にも検討を進めており、目に見える形で強化策を示していくとの方向性も示されたことは、県の意気込みが伺え評価いたすところであります。
 人口減少社会において、資源が限られる中、行政サービスを安定的、持続的かつ効果的に提供していく観点で、近年、県の役割が拡大しています。その現状を踏まえ、県の組織を地域振興施策の推進に注力できる体制に見直していくことは必要な視点と考えます。時代の変化に対応し、地域振興施策の成果が上げられるよう、その組織運営に万全を期していただきたいと望むものであります。
 今回の本庁再編によって、これまで政策の最終的な意思決定を行ってきた秘書広報室、総務部、政策地域部から全庁的な政策立案と調整機能を有する政策企画部、予算や職員など行財政資源の配分を担う総務部、地域振興施策の中核を担うふるさと振興部の3部体制になることにより、政策、予算、推進というバランスが整った行政運営を進められるものとも考えます。
 もとより、組織体制は、直面する県政課題や時代の要請に応じて随時見直していくべきであります。また、その体制にベストだと言えるものはなく、さまざまな形が考えられますが、目的に沿って適切に機能させていくことが何よりも重要であります。
 事業を担う各部局においても、たび重なる災害対応や新たなニーズに即応するため、厳しい人員体制で業務に当たっております。
 今回の本庁部局の再編と合わせて、広域振興局や室、課の体制においても、本来の課題に機動的に当たられるよう必要な体制強化を行いながら、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策を確実に推進し、県民が希望を持つことができる岩手の実現に、知事、職員一丸となって邁進されますよう強く要望し、議案第4号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例に賛成の討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(関根敏伸君) 次に、千田美津子君。
   〔1番千田美津子君登壇〕

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