平成16年12月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成16年12月9日(木曜日)

1開会 午前10時11分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
 議事課長 平 澤 石 郎
 議事課長補佐 八重樫 典 彦
 主任主査 千 田 利 之
 主査 福 田 清 喜
 主査 佐々木 ユ カ
 主査 嵯 峨 俊 幸
 主査 安 藤 知 行

1説明員
 農林水産部長 今 泉 敏 朗
 農林水産企画室長 和 嶋 憲 男
 農政担当技監 千 田   勉
 林務担当技監 千 田 壽 光
 水産担当技監 千 葉 信 明
 農林水産企画室企画担当課長 徳 山 順 一
 農林水産企画室管理担当課長 長 岡 栄一郎
 団体指導課総括課長 高前田 寿 幸
 指導検査担当課長 藤 沼 豊 頼
 流通課総括課長 佐々木 和 博
 農業振興課総括課長 及 川 傳 弘
 経営体育成担当課長 幅 下 順 一
 農業普及技術課総括課長 阿 部 郁 夫
 農村計画課総括課長 田 山   清
 農村建設課総括課長 佐 藤 具 揮
 農産園芸課総括課長 中 正 保 治
 水田農業担当課長 高 橋 伸 夫
 畜産課総括課長 菅 原 好 秋
 振興・衛生担当課長 三 浦 牧 夫
 林業振興課長 和 佐 健 介
 緑化推進課総括課長 西 村 和 明
 緑化育成担当課長 関 口 一 昭
 森林保全課総括課長 千 田 育 郎
 水産振興課総括課長 宮 澤 公 明
 漁業調整担当課長 寺 島 久 明
 教育長 佐 藤   勝
 教育次長兼冬季国体推進室長兼全国スポーツ・レクリエーション祭推進室長 及 川 宣 夫
 教育次長兼高校改革推進室長兼県立埋蔵文化センター所長 伊 藤   勝
 総務課総括課長 千 田   永
 教職員課総括課長 田 村 均 次
 小中学校人事監 岩 田 俊 雄
 県立学校人事監 山 田 市 雄
 学校教育課長 遠 藤 洋 一
 生徒指導監 高 橋 嘉 雄
 学校財務課総括課長 千 葉 勇 人
 生涯学習文化課長兼県立埋蔵文化財センター副所長 渡 邉   淳
 文化財保護監 中 村 英 俊
 スポーツ健康課長 佐々木 正 春
 高校改革推進監 鎌 田 善 昭
 冬季国体推進監 高 橋 光 彦
 全国スポーツ・レクリエーション祭推進監 高 橋   保
 出納長 橋 田 純 一
 副出納長兼出納局長 千 葉 英 寛
 出納課総括課長 高 橋 民 夫
 監査委員 一 戸 克 夫
 監査委員 谷 地 信 子
 監査委員事務局長 土 井   進
 総務課長 八重樫   良
 監査課長 渡 邉 和 男
 予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
 

〇川村農夫委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 本日は、農林水産部、教育委員会関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、平成15年度決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とし、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、農林水産部長に農林水産部関係の説明を求めます。

〇今泉農林水産部長 農林水産部関係の平成15年度の決算について御説明申し上げます。
 平成15年度歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。
 まず、一般会計についてでありますが、農林水産部関係、6款農林水産業費及び16ページの11款災害復旧費のうち1項農林水産施設災害復旧費であります。予算現額は、農林水産業費1、143億8、031万円余、農林水産施設災害復旧費49億1、236万円余、合わせて1、192億9、267万円余であります。これに対する決算額は、農林水産業費1、088億3、136万円余、農林水産施設災害復旧費45億9、653万円余、合わせて1、134億2、790万円余となり、前年度に比較して243億7、546万円余、率にして17.7%の減となっております。また、執行率は95.1%となっております。
 なお、一般会計の翌年度への繰り越しは38事業で56億8、057万円余となっており、前年度に比べて65億3、105万円余、53.5%の減となっております。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成15年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に簡潔に御説明申し上げますので御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細の174ページをお開き願います。6款農林水産業費1項農業費であります。農業総務費は、農政関係職員の人件費などの管理運営に要した経費や国土調査に要した経費等であります。次に、176ページをお開き願います。農業金融対策費は、農業近代化資金などの貸し付けを行う農協などの融資機関に対し利子補給などを行ったものであります。次に、農業構造改善対策費の主なものでありますが、経営構造対策事業費は、地域農業の担い手となる農業経営を育成確保するため、経営体質強化施設や経営多角化施設などの整備に対し補助したものであります。次に、178ページをお開き願います。農業改良普及費の主なものでありますが、農業改良普及センターの管理運営に要した経費のほか、新規就農者の育成確保のための相談窓口の整備や技術研修などに要した経費であります。次に、農業振興費の主なものでありますが、備考欄下段の中山間地域等直接支払事業費は、農業生産活動を通じて、中山間地域における耕作放棄地の発生を防止し、中山間地域の果たす国土保全、水源涵養等多目的機能を維持・確保する必要から、中山間地域などにおいて農業生産活動を行う農業者に対し交付金を交付したものであります。また、181ページに参りまして、備考欄の基礎的バイオテクノロジー技術開発促進事業費は、水稲、野菜、果樹などの優良品種の作出や有用微生物利用技術の開発研究を促進するため、試験研究機関におけるバイオテクノロジーの基礎的研究や調査に要した経費であります。次に、いわて農業担い手支援総合対策事業費は、意欲ある担い手を育成確保し、地域ぐるみ農業を推進するため、生産から流通に至る各種機械や施設設備に対し補助したものであります。次に、農作物対策費の主なものでありますが、備考欄下段の冷害対策費は、異常気象災害により、水稲・大豆に著しい被害を受けた農業者が、次年度の再生産に必要な優良種子を確保するための経費に対し補助したものであります。次に、畑作振興費の主なものでありますが、いわての園芸産地ステップアップ事業費は、生産者の高齢化や担い手不足などに対応し、省力的な栽培による高品質な園芸作物の生産の推進やオリジナル品種の供給体制の整備などに要した経費であります。次に、182ページをお開き願います。北上奥羽山系開発費は、北上奥羽山系地域で実施した広域農業開発事業における地元負担金の償還に要した経費であります。次に、植物防疫費は、病害虫の防除指導のほか、農産物生産者及び農薬販売者に対する農薬の適正使用、適正販売の取り締まりなどに要した経費であります。次に、184ページをお開き願います。農業協同組合指導費の主なものでありますが、農業協同組合経営改善特別対策資金貸付金は、債務超過農協に対する支援事業を行う岩手県農業協同組合中央会に対し、支援資金の原資の積み立てに要する資金を貸し付けたものであります。次に、農業共済団体指導費は、岩手県農業共済組合連合会及び農業共済組合の運営費に対して補助したものであります。また、冷害対策費は、異常気象災害により水稲の障害不稔などの被害農家に対する共済金の早期かつ適正な支払いにより、農家の経営安定を図るため、農業共済組合が行う損害評価経費に対し補助したものであります。次に、食糧管理費は、主要食糧である米の計画的な集荷、供給などに要した経費であります。次に、農業研究センター費は、同センターの管理運営及び試験研究に要した経費であります。次に、186ページをお開き願います。農業大学校費は、同校の管理運営及び教育環境の充実を図るための施設整備に要した経費であります。次に、188ページをお開き願います。蚕業費は、中核的養蚕農家の育成確保のため、養蚕団体を中心とした普及指導体制の整備などに要した経費であります。
 次に、2項畜産業費であります。畜産総務費は、畜産関係職員の人件費及び岩手県肉牛生産公社の経営改善を図るための無利子の貸付金などであります。次に、畜産振興費の主なものでありますが、畜産振興総合対策事業費は、生産性の高い経営体の育成を図るため、生産から流通・消費に至る総合的な地域畜産振興対策に要した経費であります。次に、191ページに参りまして、備考欄の地域有機物資源活用促進事業費補助は、資源循環に配慮した家畜ふん尿の堆肥化の促進及び活用を図るため、簡易堆肥舎の整備などに対し補助したものであります。次に、同じく備考欄下段の死亡牛適正処理施設整備事業費補助は、BSE検査済みの死亡牛を区分して処理するため、化製業者が行う施設整備に対し補助したものであります。次に、草地対策費の主なものでありますが、県営畜産経営環境整備事業費は、環境汚染の防止と畜産経営の安定を図るため、家畜排せつ物処理施設などの整備に要した経費であります。次に、家畜保健衛生費の主なものでありますが、193ページに参りまして、備考欄の牛海綿状脳症防疫対策事業費は、24カ月齢以上の死亡牛全頭のBSE検査体制の整備などに要した経費であります。農業研究センター費は、畜産研究所の管理運営及び試験研究に要した経費であります。
 次に、194ページをお開き願います。3項農地費であります。農地総務費は、農地関係職員の人件費などであります。次に、土地改良費は、農地等の区画形質の改善、農道・用排水路などの整備、農業集落排水施設の整備など、農村の生活環境や生産基盤の総合的な整備に要した経費であります。次に、196ページをお開き願います。農地防災事業費は、農地・農業用施設の洪水被害などを防止するための防災ダムや水門などの海岸保全施設の整備及び老朽化した水利施設の整備に要した経費であります。開墾建設事業費は、農業経営の規模拡大などを図るため、農地造成、用排水施設などの整備に要した経費であります。次に、198ページをお開き願います。農地調整費の主なものでありますが、農地保有合理化促進費は、農業経営の規模拡大、農地の集団化などを促進するため、岩手県農業公社が行う農地などの売買、賃貸借などの業務に要した経費に対し補助したものであります。
 次に、4項林業費であります。林業総務費は、林政関係職員の人件費、いわて森のトレー事案に係る訴訟費用など負担金及び償還金、また、県有林事業特別会計への繰出金などであります。次に、200ページをお開き願います。林業構造改善対策費は、担い手の育成と競争力のある地域林業を確立するため、木材加工施設の整備に対し補助したものであります。次に、林業振興指導費の主なものでありますが、森林組合育成強化対策事業費は、森林組合の経営体質の強化と広域合併の促進を図るため、財務改善に要する資金の貸し付けなどを行ったものであります。次に、203ページに参りまして、備考欄の岩手しいたけ王国確立総合対策事業費は、安全で良質、新鮮な県産しいたけのブランドを確立し、安価な輸入品や他産地との競争力を高めるため、生産性の向上を図る施設などの整備に対し補助したものなどであります。次に、備考欄下段の森林ふれあい学習館整備事業費は、岩手山周辺地域振興ビジョンに基づき、環境学習・教育の推進のため、県産木材の展示機能を備えた森林環境拠点施設を整備したものであります。次に、森林病害虫等防除費は、松くい虫などの森林病害虫の防除と被害拡大の防止のほか、五葉山周辺のシカ被害の防止に要した経費であります。次に、204ページをお開き願います。造林費は、森林の公益的機能の維持増進と森林資源の充実を図るため、森林の育成管理や広葉樹林の整備に対し補助などを行ったものであります。次に、林道費は、山村地域の生活環境の改善と林業生産基盤の整備を図るため、県営47路線、市町村営14路線などの林道整備などに要した経費であります。次に、206ページをお開き願います。治山費は、山地災害を未然に防止し県土の保全を図るため、治山事業140カ所、地すべり防止事業4カ所の実施などに要した経費であります。次に、林業技術センター費は、同センターの管理運営及び試験研究などに要した経費であります。
 次に、208ページをお開きください。5項水産業費であります。水産業総務費は、水産関係職員の人件費及び水産科学館の管理運営に要した経費であります。次に、210ページをお開き願います。漁業構造改善対策費は、効率的かつ安定的な漁業経営を育成し、流通の衛生管理向上を図るため、ワカメ、昆布などの養殖施設や海水殺菌装置などの整備に対し補助したものなどであります。次に、水産業振興費の主なものでありますが、備考欄中段のいわてブランド水産加工品創造事業費は、加工関連設備の省力化・合理化の促進や低利用・未利用の水産資源の有効活用のための加工技術開発など、県産オリジナル加工品の商品化などに要した経費であります。次に、さけ・ます増殖費は、サケ・マス資源の維持安定を図るため、調査研究や稚魚の買い上げ、河川への放流を行うとともに、増殖効率化施設の整備などに対し補助したものであります。次に、水産業協同組合指導費の主なものでありますが、213ページに参りまして、備考欄下段の漁業協同組合信用事業統合促進資金貸付金は、漁業系統団体の信用事業の統合を促進するため、低利の長期資金の融資を行う岩手県信用漁業協同組合連合会に対し、無利子資金の貸し付けを行ったものであります。次に、漁業調整委員会費と漁業調整費は、海区漁業調整委員会などの開催並びに漁業調整などに要した経費であります。次に、214ページをお開き願います。漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営や漁業取締船の運航などに要した経費であります。次に、水産技術センター費と、次の216ページの内水面水産技術センター費は、両センターの管理運営及び試験研究に要した経費であります。次に、漁港管理費は、県管理漁港施設の維持管理などに要した経費であります。次に、漁港漁場整備費は、水産業の振興のため、漁港・漁場・漁村の総合的な整備、漁港海岸の整備など水産基盤施設及び海岸保全施設などの整備に要した経費であります。
 次に、大きく飛びまして284ページをお開き願います。
 11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費であります。農地及び農業用施設災害復旧費及び林道災害復旧費、286ページの治山災害復旧費及び漁港災害復旧費は、いずれも過年災害と現年災害の災害復旧事業に要した経費であります。
 以上、一般会計の決算について申し上げました。
 次に、特別会計の決算について御説明申し上げます。恐れ入りますが、平成15年度歳入歳出決算書にお戻り願います。
 32ページをお開き願います。農業改良資金特別会計についてでありますが、予算現額は4億8、729万3、000円であります。これに対する決算額についてでありますが、収入済額は4億8、075万円余で、貸付金に係る償還金がその主なものであります。次に、支出済額は3億3、488万円余で、その主なものでありますが、新たな農畜産物の生産や加工開始または販売方法を改善するなど、農業経営の改善を図ろうとする農業者などに対し、無利子資金を貸し付けたものであります。
 次に、34ページをお開き願います。県有林事業特別会計についてでありますが、予算現額49億2、826万1、000円であります。これに対する決算額についてでありますが、収入済額は49億3、812万円余で、一般会計及び県有林造成基金からの繰入金、立木処分に係る売り払い収入などであります。次に、支出済額は48億9、629万円余で、県行造林造成事業などの下刈り、除伐、素材生産などに要した経費であります。
 次に、36ページに参りまして、林業改善資金特別会計についてでありますが、予算現額は20億3、011万1、000円であります。決算額についてでありますが、収入済額は20億3、252万円余で、貸付金に係る償還金がその主なものであります。次に、支出済額は6億1、372万円余で、林業経営の改善を図るため、林業従事者などに対し林業生産高度化資金などを無利子で貸し付けしたもの、及び森林組合などに低利の運転資金を融通するため、その原資を金融機関に対し預託を行ったものであります。
 次に、40ページをお開き願います。沿岸漁業改善資金特別会計についてでありますが、予算現額は9億2、867万1、000円であります。決算額についてでありますが、収入済額は9億2、996万円余で、貸付金に係る償還金がその主なものであります。次に、支出済額は1億1、357万円余で、沿岸漁業の経営改善を図るため、漁業従事者などに対し経営改善資金などを無利子で貸し付けたものであります。
 以上で農林水産部関係の決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇川村農夫委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇渡辺幸貫委員 私は先ほどの本会議のときに競馬について御質問しました。今度委員会に付託されておりますが、私はあいにくその委員会のメンバーではございませんので、きょうお尋ねさせてもらいたいと思います。
 前回、私が質疑をした際に、今泉部長は、競馬規約の11条で赤字が出たときには分賦しなければならないと書いてあるんだけれども、なぜ分賦しなかったかということに対して、なぜ分賦しなかったかということでありますが、単年度会計でありまして、次年度からの繰り上げ充用で赤字が出ないよう処置していたということで分賦を行ってこなかったと御答弁いただきました。さらに、同様に、じゃ、知事に対して同じことを質問したところ、知事は、競馬の収支をよくしていこうということで繰り上げ充用という法律で許された考え方の中で翌年度の予算をきちんと編成していこうという考え方でとられたもので、非常に緊急避難的なもので、積み重なれば大変経営を圧迫するわけでありまして、そうしたやり方は、もうほぼ限界だ、こういう御答弁をいただいております。
 そこで、法律で許された範囲ということを私は、どういう理由で法律で許されたのかをお尋ねしたい。私も新自治法講座だとか、ぎょうせいなどが発行しているそういったものを実は4部ぐらいコピーをとって読んでみましたが、どこなんだろうと、私はちょっと探し得なかったんですね。つまり、繰り上げ充用による処置というのは、繰り上げ充用は予測し得ない事態など、当初の見込みと異なる結果により、結果として生じた歳入不足を埋め合わせる緊急避難的な処置であり、数年にわたる累積欠損金のように、当該年度で処理し切れず、当初から歳入不足が見込まれる場合にはとり得る方法でないと考えられておりますが、これについての見解、要するに法的に許されたと知事が答弁された、その辺の御見解をお伺いしたい。

〇和嶋農林水産企画室長 繰り上げ充用についての御質問でございますけれども、繰り上げ充用は、会計年度経過後に至って、委員が今おっしゃったように、歳入が歳出に不足するときに、翌年度の歳入を繰り上げてこれに充てる制度でございまして、会計年度独立の原則の例外の一つでございますが、地方公共団体の決算において、赤字を予期していないことから、これを避けるための繰り上げ充用による措置が認められているものでございます。
 地方競馬を主催する地方公共団体は、歳入不足が生じた場合には、一般的に一般会計からの繰り入れという措置がございます。これは県とか何かが直営でやっている場合ですね。それから、あと、基金の取り崩しで対応する場合がございます。当競馬組合の場合は財調が底をついていたという状況がございますけれども。それから、今お話のありました翌年度歳入の繰り上げ充用、そして、あとは各構成団体の分賦、そのいずれかの方法によって歳入不足を解消できるとしていると読めますけれども、他県の一部事務組合にあっても、いずれ、従来から、基金の取り崩しによって処置できない場合には、翌年度歳入の繰り上げ充用の措置を講じてきているのが一般的なやり方でございます。
 本競馬組合も、平成12年度の決算で初めて歳入不足を生じたわけでございますが、そのときも他県の例を参考にしながら、やむを得ず翌年度歳入の繰り上げ充用を措置してきたものでございます。
 先般、知事が法律で許される考え方の中で行っていると答弁しましたその趣旨は、このことを申し上げたものでございます。

〇渡辺幸貫委員 今そうおっしゃった。それでは、さらに細かく聞きますよ。繰り上げ充用は、本来的には国庫補助金負担金、交付金等が年度内に収入できなかったとき、これが1番ですね。2番目、予定した地方債の年度内借り入れができなかったとき。3番目、地方税の滞納、災害による減免等により予定額が得られなかったとき。4番目は、その他歳計現金の亡失により不足が生じたときなど――こんなことはないと思いますが――に行われるものであり、乱用を避けるためにも、単なる財政運営の不手際、無計画性に起因するようなものは厳に戒められなければならない。今おっしゃったものは四つの中のどれに該当するか、まずお尋ねしたい。そして、もしそういうことをやったとすれば、理由をひとつ。
 2番目には、決算においても、翌年度歳入の繰り上げ充用を行うことは、繰越明許費にしろ、事故繰り越しにしろ、予算の繰越使用が当該年度内において収入の確定した財源の範囲内においてのみ行われるべきものであり、また、団体の収支全体として赤字を生ずるような場合にはこれを行うべきではないと。これはもう、昭和31年12月10日付の通知で、発26号で我々岩手県もいただいているはずであります。これについて、その理由づけを再度伺いたい。

〇和嶋農林水産企画室長 いわゆる不足が生じた場合に繰り上げ充用制度をとったということは、分賦をすれば構成団体の方から埋め合わせになるわけでございますけれども、いずれそれは、各構成団体に大変な負担を強いるということの観点から、今まで競馬組合の方では、そういう分賦の方法をとらないで、繰り上げ充用という制度で処置してきた。これについては、先ほど申し上げましたように、全国の競馬組合、一部事務組合等の処理については、まず、ほとんどがこのやり方でやってきてございます。

〇渡辺幸貫委員 今言った四つの理由のどれなんですか。私は見つけられなかった。今言った理由のどれなんですか。繰り上げ充用を適用する場合の理由を。

〇和嶋農林水産企画室長 いずれ、当該年度の歳入の不足を補うための制度として自治法で定められているものでございまして、その制度によって繰り上げ充用を行ったということでございます。

〇渡辺幸貫委員 それでは、つまり理由はどれか、自治法に定められたものですよ、今、法律にのっとってお話ししたんだけれども、そのどれに該当するか明確にお答えできないということでありますね。2回も聞いたんだから。
 そして、そういうことで、足りないですから決算をなさった。そのときに、例えば、ことしの平成16年度競馬組合の予算に関する説明書の中で、足りないものは、款としては諸収入で入れて、そして、繰上充用金として104億円載せてありますね。四捨五入しますと105億円載せてありますが、そこで、諸収入の中身は今おっしゃったことで、どういうものにして、売り上げが足りなかったから翌年続けさせたいと思ったので、そうすると、売上か何かに目か何かがなっていなければおかしいんじゃないですか。いかがですか。

〇和嶋農林水産企画室長 翌年度の売り上げを繰り上げ充用したということでございます。

〇渡辺幸貫委員 それじゃ、別の解釈です。翌年度繰入予算にこれに見合う財源をまず計上しなければならない。いいですか。そのときに、年度当初で繰り上げ充用に充てる歳計現金がない場合には、実際的には翌年度予算として一時借入金により処置する以外に方法はないこととなる、こう書いてあります。つまり、これは、要するに目のことが、おたくのものは売上と書いていないじゃないですか。ここに歳入欠陥補てん収入と書いてありますよ。御答弁とこの予算説明書の目の名前が違いますが、いかがですか。

〇菅原畜産課総括課長 当県といいますか、それぞれの組合で実施しているこの繰り上げ充用につきましては、先ほど委員からお話がありましたように、その原因はということですが、国庫支出金等が年度内に収入できなかった場合ということで、その原因を判断した上で処置をしたということになっているところでございます。

〇渡辺幸貫委員 私は今、耳を疑ったんですが、これは国庫支出金ですか。売り上げが足りないような話をさっきされたでしょう。知事だって、何とかそうしたいというようなことで法律で認められたという言い方をした。今のお答えは、国庫支出金が理由なんですか。

〇菅原畜産課総括課長 失礼いたしました。いわゆる繰り上げ充用をする方法として、国庫支出金等の年度内収入ができなかったということで、大変失礼申し上げました。
 その他、絶対収入の不足、それから、ただいま申し上げました国庫支出金の年度内収入ができなかったこと、それから、地方債が予定どおり借り入れされなかった場合、その他災害等による減免等によって予定収入が得られなかったとき、こういうことでございますけれども、本事例につきましては、当該年度に予定していた収入が得られないという不測の事態が、今回の充用を行った理由ということになっております。

〇渡辺幸貫委員 ですから、さっき私、一番最初に言いました。不足したときに、それは認められていますかと。それは通知で、団体の収支全体として赤字を生じる場合には、これを行うべきでないということの通知をもらっているのではないですかということを最初に申し上げていますよ。ですから、これを無視したことになりませんか。

〇今泉農林水産部長 結局、繰り上げ充用の是非ということになるわけでありますけれども、今、担当課長等が御答弁したように、少なくともこれまで、平成13年にそれをやるかやらないかという判断をしたときに、他県の例をならいながら、それにのっとってやったということであります。ただ、そのときの根拠について、どういうふうにやったのか、そこは何を根拠にしたかということは、私自身ちょっとつまびらかではありませんが、少なくとも他県がやっているということで、そこを少しならったんだろうと今考えております。
 その受ける科目が歳入補てん収入だということでありますけれども、結局財源は、私が了知している限りは、一時借り入れでそこの財源を充てて、繰り上げ充用していたと私は理解しております。

〇渡辺幸貫委員 つまり、目は借入金とならなければいけないところを、ルール違反で歳入欠陥補てん収入にしてしまったということですね。

〇今泉農林水産部長 そのように認識しております。

〇渡辺幸貫委員 それで、さらに翌年その歳入欠陥を、借入金であったとすれば、それを返済するのは売り上げだとしますよね。そうすると、例えば、これは決算して、予算をするわけでありますが、予算に関するときに、最初に、3月に競馬組合の皆さんは、例えば平成16年3月の事業収入は365億9、000万円を見込んでおりますね。そうすると、もし翌年を借入金か何か知らんけれども、売り上げをこちらの100億円を超えるものに、105億円に充てなければならんとするならば、売り上げを減らすか何か、この予算に関する説明書のこの二つの3月と5月の、決算と一緒に補正予算を組んだんだろうと思うんですが、この数字的なやりくりをしなければならなかったのではないですか。つまり、片方をもう既に見込んでしまっている。そうすると、補正予算の収入はこれじゃまずいんですよね。だろうと私は思うんですが、いかがでしょうか。

〇今泉農林水産部長 委員御指摘のとおりだろうと思います。

〇渡辺幸貫委員 終わります。

〇工藤勝子委員 ほ場整備事業の91億4、000万円余についてお尋ねいたします。
 前年度に対する増減額で減の35億4、000万円ほどとなっております。食料・農業・農村基本法の見直しについても、担い手を明記しながら農地の集約を担い手にというようなことでお話が進められておりますけれども、やはり農地の保全、集約営農など、新しい農業農村のあるべき姿のためにも、現在行われている圃場整備の早期完成をすべきではないかということでございます。
 それにおきまして、かなり、前年度の予算に対しまして35億円減というこの現状をどうとらえているのか、お聞きしたいと思います。

〇佐藤農村建設課総括課長 ほ場整備事業の予算の減についてのお尋ねでございます。
 ほ場整備事業につきましては、営農の効率性向上を図るために圃場の大区画化、あるいは区画を整形するということにあわせまして、担い手に農地利用の集積を図ることによりまして担い手を育成するということを目的とした事業でございます。したがいまして、我が県の農政の最優先課題でございます水田農業改革を推進する上でも、非常に重要な事業であると認識しております。
 一方、委員御指摘のとおり、近年、非常に厳しい財政状況のもと、公共事業全体について非常に大きな縮減を求められている状況にございます。そういう中で、ほ場整備事業を初めといたしました農業農村整備事業についても、より一層の重点化・効率化を図りながら進めていくことが必要となっております。
 その中で、ほ場整備事業につきましては、特にも重点化を図る事業と私ども位置づけまして事業推進を図っておるところでございます。確かに非常に大きい減額があったわけでございますが、例えば、県営の農業農村整備事業の中でのほ場整備事業の減額の位置づけがどうかと申しますと、県営事業の農業農村整備事業、平成16年度は対前年、これは事業費ベースでございますが、全体で74%減額だったわけでございますが、ほ場整備事業については対前年85%にとどめたということでございますし、また、シェアにつきましても、ソフト事業と合わせまして約4割のシェアを確保しているという状況でございます。
 ただ、こうした減額によりまして新規地区の採択が抑制される、あるいは工期が延伸されるということはあるわけでございますが、このような重点化を図って対応してきているということでございます。
 今後とも、ほ場整備事業に予算を重点化するとともに、地域の実情に応じた創意工夫によるコスト縮減にもしっかり努めながら、引き続き事業を推進してまいりたいと考えております。

〇工藤勝子委員 重点化・効率化を図りながらこの事業を重点的に進めてほしいと思っております。
 それで、水田面積の作付の配分がなされました。県南の方は面積が増となりましたし、県北・沿岸部の方は減となりました。それで、このほ場整備事業、例えば県北・沿岸部に行われている事業に関しては、これを水田のみではなくて、やはり畑地として使えるような事業を行わなければならない、そういう整備が必要と思われますけれども、その点の状況についてお尋ねいたします。

〇佐藤農村建設課総括課長 県北での圃場整備を進めるに際しては、畑地化への転換も考慮すべきではないかというお尋ねの件でございます。
 ほ場整備事業を進めるに当たりましては、水田の汎用化をあわせて実施することによりまして、水田を畑地にも利用できるという事業特性がございます。そういう特性を生かしまして、転作の本作化というものを進めている地域もございますし、また、受益者の意向に応じて水田を畑地化したいという場合がございますれば、ほ場整備事業等によってそういう対応も可能と考えております。したがいまして、今後、地元の意向をしっかりと把握しながら、地元の意向に沿った整備を進めていきたいと考えております。

〇工藤勝子委員 もう1点お尋ねいたします。松くい虫等防除事業についてお尋ねいたします。
 松くい虫防除費として4億8、900万円余となっております。この防除によって効果は大きいものと認識いたしておりますが、この防除の成果についてお尋ねいたしますし、また、この松くい虫に侵されております山林の面積、市町村の割合、まだ松くい虫が入っていない地域市町村への指導等についてお尋ねいたします。

〇関口緑化育成担当課長 最初に、松くい虫の被害状況ですが、平成15年度の松くい虫被害量は昨年とほぼ同程度の5万4、000立方メートルとなっております。また、平成15年度に新たに被害が確認された市町村はなく、現在のところ、内陸の北部は紫波町、沿岸部は大船渡市であります。被害市町村数は23市町村となっております。
 平成16年度においては、9月末現在の被害量は約3万2、000立方メートル、昨年同期の約4%減となっており、平成11年度から15年度まで増加してきた被害が、若干ですが減少しておるという状況です。
 それから、今後の被害対策ということでございますが、発生前の対策とすれば、各地方振興局に配置しておる松くい虫防除推進員により、被害材の移入防止のための監視を強化していく、それから、航空機による空中からの被害木調査を行って、被害の早期発見、徹底駆除に努めてまいります。
 また、誘引器による媒介昆虫の生息調査等、未発生地域における監視体制を強化してまいります。
 さらに、除間伐等の適正な森林管理によりまして、松くい虫等病害虫に強い健全な山づくりに努めてまいります。
 発生後の対策としましては、被害木の伐倒薫蒸、それから焼却等により適期に対策を行いながら、地域によっては予防対策として薬剤の空中散布、地上散布等を行うこととしております。
 今後とも、関係市町村・団体等と連携しながら、より効果的な被害対策を行ってまいりたいと思っております。

〇工藤勝子委員 やはり防除の成果があらわれているものと思っております。
 林業政策研究会で大東町のシイタケ農家を視察したときに、山林の松が松くい虫にやられまして、ほだ場に太陽が入り過ぎて、また、危険でほだ場として活用ができないという悩みを抱えておりました。やはり、山林を見ておりましても、なかなかその処理が追いつかないのが現状ではないかと思っておりまして、今後そういう対応についても、適切に処理できるようにお願いしたいと思います。
 また、宮城県におきましては、松くい虫の防除に追いつかず防除を中止したという情報がありますが、そのことは本当でしょうか。秋田県にも入っているようですけれども、宮城県、秋田県、隣接する県との連携はどのようになっているでしょうか、お聞きいたします。

〇関口緑化育成担当課長 宮城県、秋田県との連携ということでございますが、宮城県とは、県南部の地方振興局それから市町村が県境会議といったものを行っており、必要に応じて、連携しながら被害対策を実施しておるところでございます。
 また、秋田県境については、被害地域から離れておるということで、現在のところ被害が伝播する可能性は低いということから、秋田県とは特に連携した被害対策は実施しておりませんが、今後の状況を見ながら、必要があれば連携してまいりたいと思っております。

〇工藤勝子委員 最後にもう一つ、今後、やはりそういう松の植林というのはかなり厳しくなってくる状況にあると思うんですけれども、広葉樹の拡大をどうとらえているかお聞きして、終わりたいと思います。

〇関口緑化育成担当課長 現在、岩手県の人工林率は43%ということでございます。その中で、近年、森林の多面的な機能というものが求められておりまして、広葉樹の造成にも目が向いてきておるということで、今まで育てた人工林とあわせながら、広葉樹の育成、手入れというものも進めてまいりたいと思っております。

〇工藤勝子委員 ありがとうございました。

〇亀卦川富夫委員 2点についてお伺いいたします。
 まず最初に、農業についてでありますが、広大な面積を有する農業県でありますこの岩手、現在まで安全・安心な食品としての評価も非常に高まっているようでございますし、地産地消ということで県内の消費にも頑張っております。
 そういう中で、リンゴの試験輸出などを試みられております。こういった点で、今後の輸出といいますか、農作物の対外的な販売といったことに対するこれまでの、リンゴの例を挙げますと、リンゴの試験的な輸出、こういったものの成果と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

〇佐々木流通課総括課長 農林水産物の輸出というのはいろいろな意味があると思ってございます。一つは、新たな販路が開拓できるということで経済的なメリットが十分出てくるだろうと。それから、もう一つは、国内需給の状況に影響を与えて国内の販売環境を整えていくのだというねらいもございます。さらには、海外で評価をいただくということで、生産する者にとっても自信と誇りにつながるという効果があるだろうと思ってございます。
 特にも輸出、最近、東アジアの経済発展が目覚ましいということで、農林水産部としては、当面、東アジアをターゲットにと考えてございますし、品目につきましては、委員お話のリンゴについては極めて有望であろうと思ってございます。
 リンゴ類の輸出につきましては、昨年度も試験輸出に取り組んだところでございますけれども、本県の安全・安心なリンゴ、特にも無袋のサンフジにつきましては、味がいいということで、特に台湾から高い評価をいただいているということで、本年度も、引き続き台湾への試験輸出に取り組んでおるところでございますし、リンゴにとどまらず、ほかの品目を掲げていくための調査なりも徹底してまいりたいと思ってございます。
 さらには、中国本土につきましても、巨大マーケットととらえて、その可能性にチャレンジしてまいりたいと考えてございます。

〇亀卦川富夫委員 大変いい取り組みだと思います。
 そこで、この冒頭に申し上げました安全・安心というのは、日本のみならず、今もお話になった中国の方々も、多分そういう観点での評価があると思うんですが、実際、中国の方々のそういう受けとめ方、味のみではなくて、安全とか安心ということについての評価はどうなんでしょうか。

〇佐々木流通課総括課長 食の安全・安心に対する関心の高まりというものは、我が国のみならず、世界的な潮流でございまして、特に本県が取り組んでございます生産履歴を明らかにし、それをきっちり情報開示していくという取り組みは、我が国のみならず、海外でも十分評価されるものと考えてございます。

〇亀卦川富夫委員 次に、現在競馬の再建に取り組んでおられますので、その点について触れたいと思います。
 まず一つは、県当局、今までは競馬組合ということで、岩手県の関与は当然あったと思うんですが、部長以下、県当局の本当にこの再建に関する決意と申しますか、その辺をお聞きしたいわけでありますが、御案内のとおり、この岩手の競馬は歴史が非常に古いわけです。戦前戦後――戦前戦後と言っても昭和20年の戦前戦後でございますが、そういった時期、ずっとこの岩手の競馬はあったわけですね。これが昭和39年に今の組合に、県、水沢市、盛岡市ということで、例えば水沢市ですと、一関市の災害復旧の競馬などもやってきておるわけです。昭和39年以来、組合競馬となってきたわけであります。
 この間、財政競馬という観点から言えば、400億円を超す財源を生んだ、あるいは社会資本とか畜産振興、そういったことに対する大きな寄与があったと思います。ここに来て、非常に厳しい状況にありますが、そういった長い歴史という重み、それに携わってきた多くの人々、これには、生活もかかって、人生をかけてきた人たちの歴史があるわけでありますが、そういった重みをどのように踏まえてこの再建計画というものに取り組んでいくのか、まず、この決意をお聞きしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 競馬再建にかける決意ということでございますが、今議会の中で及川幸子議員だったかと思いますが、残すも地獄、やめるも地獄という思いを抱いたというお話を開陳されました。私も、その言葉を聞いて、まさに今、私どもが立たされているところはそこだなという思いを抱いております。
 確かに、どちらも大きなリスクを伴います。やめれば、今委員御指摘のとおり、例えば2、800人の雇用の問題、あるいはこれまで培われてきた社会地域資源としての根が絶たれるかもしれないというようなリスクがございます。また一方、残して再建に取り組むかというと、これまたこれで、やはり大きなリスクがございます。どちらにしても、私らは今一つの岐路に立っているという思いはございます。
 ただ、やはり今、例えば競馬法が改正になって一つの大きな可能性が出てきたということであれば、この可能性というものをとことん我々としてまずやってみるべきではないだろうか。やれることをやってみた上で、それでだめなときにはという、今そういう思いでやっております。
 どっちにしてもリスクが大きいということは、大変感じておりますし、本当に両の肩に重い荷物をしょっているわけでありますけれども、ただ、どっちにとって一番いいのか、私は、やはり今ここで可能性をどこまでも試して、その上で再建に努めてまいりたいという思いでいっぱいでございます。

〇亀卦川富夫委員 もう少し、これは性根を込めてやってもらわないといかんのではないかと。したがって、この計画を私も拝見しました。やはり法改正というものを十分取り入れたといいながら、まだ見えないところがありますので、この点などは、どうだかわからんというようなふらふらした考え方じゃなくて、しっかりと、本当にこの法改正の意味というものをもっとよく理解して、国の法律ですから、これの運用とか、あるいは今後の改正なども視野に入れながら、私はもう、岩手発で大いに頑張っていただきたい。その辺をお聞きしたいのであります。まずそれを一つ聞かせてください。
 万が一、廃止となった場合のリスクと今申されたので、若干その辺をお聞きしておきたいと思います。
 本会議での知事の答弁では、もしという場合に360億円余の金額を発表されました。過日、水沢市議会の特別委員会は、やはりこれは構成団体ですから、今、本気になって取り組んでおります。そこで柴田副管理者を招聘してお話をお聞きしたんですが、これによりますと、恐らく400億円を超すのではないかと。解体費とか何かということを見ればということになるのでしょうが、その辺をもう一度整理してお聞かせ願いたいと思います。金額的なものでお示し願いたい。ちょっとギャップがありますので。

〇今泉農林水産部長 もう少し具体的な意気込みをということでございますけれども、やはり岩手発というものを、まだまだこういう可能性があるんだ、こういう展開ができるんだというものを、ですから、まさに岩手発というものをやっぱり我々としてつくり上げていきたいと思っております。
 それから、仮に整理する場合の発生負債額はどのくらいなのかということのお尋ねでございますが、知事が先般御答弁申し上げましたのは、一番最下限のところで、あのときも、かなり幅はありますけれども、おおよそ積み上げてみれば362億円というふうな答弁を申し上げたと思います。柴田副管理者が水沢市で申し上げたのは、多分、さらにそこからもっとふくらんでいくと。最低が362億円で、それは状況次第によっては400億円に達するぐらいの負債というものが発生してくるのではないか、そういう危惧を申し述べたものであります。

〇亀卦川富夫委員 その積み上げた材料というのはあると思うんですね。それをお示し願えませんか。

〇川村農夫委員長 ただいま求められた資料は提出できますか。

〇今泉農林水産部長 先般、知事が議会で答弁した際の362億円の内訳でございますけれども、地方債の元金、これは、仮に16年度末で解散すればここの額は大体確定するわけでございますが、これが大体139億円、その後の、これから申し述べるのは、若干これは変動する可能性はありますけれども、今時点で、仮に16年末に整理すると、廃止するとして、ではどの程度かかるかというあれでございますけれども、例えば一時借入金が146億円、あるいは情報関係でございますコンピューターに係る特別損失とかいったものがございますけれども、大体これが42億円ほどです。それから、組合、公社職員の退職金、これは通常計算より若干これに割り増しを加味したものにしてございますけれども、これが大体10億円、あるいは水沢のスタンドを、そうなれば当然、老朽化が進んでいますので撤去が必要ではないだろうかということで、これの10億円、そういったものを見込んで大体362億円とはじいたものでございます。
 恐らく水沢で多分柴田副管理者がお話し申し上げたのは、これにさらに例えば今のオーロパークが、果たしてなくなったときに建物としての価値があるのかないのかという問題も出てくるかと思います。恐らくそれがゼロとなって、ではこれを撤去しなくてはいけないと出たときにというようなこと、それの撤去費、あるいは厩舎関係者の見舞金というものもございますけれども、我々この中では大体恐らく10億円程度と積んでおるわけでございますけれども、果たしてこれがこの程度で終わるのかというようなものもございまして、そういったものを加味して400億円というようなお話を申し上げたのではないかと思っております。

〇亀卦川富夫委員 これがいわば直接の分ですね。そこで、一方、先ほども触れましたが、もし廃止のときは大変なこれは広がりを持つ部分があるんだろうと思うのです、岩手の経済。これは岩手県の経済としても大きな位置づけだろうと思うのですが、例えば2、800人の雇用、それにまつわる家族、それから先ほどお話ししたとおり非常に長い歴史があるものですから、これに直接、間接の関連産業、そういったことでこうむる影響というのは、あるいは被害というものは非常に広範囲に大きいものがあると思うのですが、これらはなかなかお金に換算はできませんが、これらの認識をどのようにお持ちですか。また、その辺、実態的にもしお話しできるのでしたらお答え願いたいと思います。

〇今泉農林水産部長 その辺の影響、私も具体的な数値である程度お示ししたいと思っていろいろと調査してみたのですが、なかなか競馬組合がなくなった場合のその影響度を調査する産業連関表の割合がよくわからないということもございまして、具体的な数値としてちょっとお示しはできないわけでありますけれども、亀卦川委員御心配のとおり、やはりかなり大きな影響というものが出てまいるだろうとは認識しております。

〇亀卦川富夫委員 私は、雇用あるいは関連産業、そういったことに非常に大きな影響があると思う。ですから、冒頭申し上げたとおり、本当に真剣な性根を持って、今までは組合任せのようなところがあったと思う。ですから、県も一緒になって取り組むと、これは先ほど決意をお聞きしましたので、要望して私の質問を終わりますが、頑張ってください。よろしくお願いします。

〇嵯峨壱朗委員 ちょっと関連して質問させていただきます。
 今の部長の説明、恐らくという言葉をよく使いましたけれども、本来であれば、これが今一つの焦点になっているわけですから、恐らくではなくてきっちりとそこの部分は調べるべきだったと思います。なぜしないだろうかというのが一つの疑問です。
 もう一つは、知事が議会で発言して何日もたたない間のこの柴田さんの発言ですよね。これがやっぱり焦点になるわけですから、正確性はともかくとして副管理者と管理者はやはり同じような答えを出すべきだと思うのです。ということは疎通がないというか、裏を返すと、本当に計画も含めて知事と、いわゆる管理者と副管理者は話し合っているのかという、きっちり合意して計画を立てて管理者は熟知しているのかというところまで疑問はいくと思うのです。その辺をどうとらえているか、お聞かせ願いたいと思います。

〇今泉農林水産部長 管理者と副管理者が意思疎通をきちんと行っているかというお尋ねでございますけれども、これは機会あるごとに打ち合わせ等を行っておりまして、管理者と副管理者の間の意思疎通には、私はそこには問題ないだろうと思っております。

〇嵯峨壱朗委員 いや、問題があるから違うんじゃないですか、これ、意思疎通がないから。ということを指摘しているわけなんですよ。だから、今のはちょっと私の質問の答えになっていないですね。と思うのですけれども、どうでしょう。

〇今泉農林水産部長 362億円と400億円、何でその違いが出てきたのかというお話……(嵯峨壱朗委員「そういうことじゃない」と呼ぶ)じゃなくて、意思疎通が図られているかということでございますか。そこは、先ほど申し上げましたとおり、機会あるごとにお互いの問題意識というのは共有し合ってございますので、そこの間でお互いに認識のずれがあるとか、そういったものはないと私は見ております。

〇嵯峨壱朗委員 何回もしたくないですけれども、認識のずれがあるからこういうふうになっているのではないですか。だから、そう思っているかもしれないんですけれども、恐らく管理者と副管理者とのいわゆる共通認識が欠けていると私は理解します。それでいいですか。

〇今泉農林水産部長 先ほど言いましたように、362億円から400億円ぐらいの差があるということは、管理者、副管理者ともにそこは了知していたことであります。知事は議会の中ではその最下限の方をお話し申し上げ、副管理者はたまたま水沢で説明し質問を受けたときに多分高い方で、そこが最下限ではないよと、要するに、やればここまで広がる可能性はあるよということをお話し申し上げたのだと思っております。いずれ、仮に廃止するとした場合にどのくらいの債務が発生するかということについて、管理者、副管理者の間に私は認識の違いはないと理解しております。

〇嵯峨壱朗委員 一言、私は、これについては部長の説明わかりましたと言っておきますが、いずれそういった一連の流れの中でいくと、やはり計画そのものにもずれがあるのではないかという認識というふうに理解しておきます。

〇佐々木一榮委員 1回で聞きます。雇用の面からでありますが、2、800人の競馬関係者の内訳をお聞きしたいと思います。
 それから、テレトラック、岩手県外の部分は東北映像から借り上げていると思いますが、例えばの話、廃止になった場合、恐らく長い期間での契約になっていると思いますが、訴訟なりそういう委託業者から訴えられる可能性はありませんか。

〇今泉農林水産部長 2、800人の内訳について今ちょっと数字を調べておりますので、わかり次第まとめて御説明申し上げますが、4カ所の場外建設に係る借入金残額というものは、やはり一応この中で見ております。それは当然私どもで言ってみれば借りている部分でございますので、この分は賃貸借契約を結んでおりますので、ここはやはりきちんとその契約に沿って処理しなくてはいけないだろうと考えておりまして、ここを一応数値としては見込んでございます。

〇川村農夫委員長 すぐ答弁出ますか。では、1点目については後ほど答弁します。

〇吉田洋治委員 ただいまの、リスクという問題が出されましたのですが、この岩手県競馬組合経営改善推進クロス・ファンクショナル・チームの報告書、この前私どもちょうだいしました。まず、総括の中に、その廃止または存続について検討されている岩手県競馬組合云々とありまして、これは客観的に要するに今後の存続を前提とした報告書なんですね。例えば、経営改善の方策から始まりまして、6番の委託業務の費用対効果の検証まで存続を前提とした報告書です。今、亀卦川委員から廃止の場合のリスクということで、今御答弁がありましたけれども、廃止の場合のさまざまな影響等についても、やはり私はこういうプロジェクトなりそうした、どのような影響が出てくるのか、これは大変はかり知れない影響があると思うのですが、そうしたところまで検討したのかどうか、その辺まで、このプロジェクトチームで検討しているのかどうか、これがまず一つです。
 それから、今362億円とも、それから400億円ともそうしたお話があるわけですが、これは競馬組合規約のさまざまな規約がありますが、11条には、不足した分とかそうした分賦の面については構成団体がその責めを負うということですね。構成団体、岩手県は55%ですね、水沢市が25%、盛岡市が20%ということになっていると思うのですが、今までは配分です。35年間407億円の配分をしてきたわけです。それ以降五、六年ないわけですが、その認識でいいのですかね、分賦の配分と負担の関係、そういう認識でいいのか。
 それから、もう一つ、実は今期の競馬は1月4日で終了と承知しているわけですが、ただ、新潟中越地震義援の3日間、1月8日から3日間開催をすると、この前新聞報道で承知をさせていただきましたが、来年の、平成17年度の競馬開催をするかしないか、競馬組合でこれは決定をしていくということなんでしょうが、これを申請しなければならないと思うのですよ、来年度の申請を。これ、いつがタイムリミットなんですか、いつまでに申請をするのですか、17年度の開催についてですね。その辺がもしわかるのであればお知らせを願いたい。

〇今泉農林水産部長 まず、検討しているのか、それから解散した場合のその負担の割合をどうするのかというところは私の方で答弁します。あとは担当の方に答えさせます。
 クロス・ファンクショナル・チーム、言いにくい名前なんですが、そこではいわゆる課題がどこにあるのかと、問題はどこにあるのかということを明らかにするということを目的に集めて検討したものでありまして、解散したときにどういう影響が出てくるのかということ、そこまでは踏み込んで議論はしてございません。
 それから、解散したときその360億円から400億円ぐらいが見込まれるわけでありますが、それはやはり最終的に分賦ということで、それぞれの構成団体の負担割合でもってそこが負担していかなければならないのだろうと考えております。

〇菅原畜産課総括課長 まず、先ほど御質問ございました2、800人の関係者の内訳でございます。人数が非常に動いておりますけれども、岩手県競馬組合関係が650名、それから岩手県競馬振興公社関係が約420名、これは嘱託職員等も含みます。それから、社団法人馬主会が720名ほど、それから岩手県調騎会、これは調教師あるいは騎手が主体でございますが80名ほど、それから厩務員会が、厩務員の主体でございますが、これが280名、その他共済、それから会社関係で申しますと、東北映像、アール・ナック等が100名ほど、それから関連業者ということで、食堂関係とかあるいは警備員、あるいは保守員ということで約500人ということでなってございます。
 それから、来年度のいわゆる競馬開催についての手続でございますが、これは年度といいますか、年末12月末から協議を始めまして、1月から2月当初で申請がされるものと認識してございます。

〇高橋雪文委員 先ほどオーロパークの価値がゼロだった場合撤去ということだったんですけれども、さきの本会議で増田知事が答弁した中で、財産――土地、建物――で323億円ほどあると、そして清算する債務とその差額が支払い義務であるということで40億円程度ではないかという話をされました。減価償却も入っていないということで試算のあり方が大きく違ってくるのだと思うのですけれども、先ほどの答弁でオーロパークの価値がゼロだとすると、ということをおっしゃいましたが、とするとこの財産――土地、建物――の試算というのは全く異なると、増田知事が言っていることは明らかにおかしいということになりまして、また、その我々の支払い債務も大きく数値が異なると思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

〇今泉農林水産部長 知事が先般申し上げたのは、要するに帳簿価格ではということで申し上げました。ですから、仮にこれが廃止になったという場合、建物が、ではどこまで、要するにその残存価値というものは別にしても、では本当にそれが価値か、売れるのか売れないのかというところから見れば、公認会計士等の中には、やはりそこはゼロで評価すべきではないのかというような非常に厳しい御意見をおっしゃる方もございます。ですから、ここのところは全く未知数ということになるわけでございます。そのときになって実際それがどういう評価をされるかということによって、全くそこが動いてくるということがございます。そういうことでそこは御理解いただければと思います。

〇高橋雪文委員 それならば、やはりこれが廃止された場合の負担をある程度数値は押さえていなければならないと思うのですけれども、構成団体である岩手県、そして盛岡市、水沢市の負担というのはどれぐらいになるかというのをお示しいただきたいと思います。

〇菅原畜産課総括課長 ただいまお話し申し上げましたように、いわゆる最終欠損金が確定する上に立って、その分賦ということになろうと思いますが、今規約11条の解釈の関係からしましても、いわゆる清算した後の欠損ということになりますと、このいわゆる分賦割合ということでの、県55%、水沢市25%、盛岡市20%、こういうことでの配分になろうかと認識してございます。

〇阿部富雄委員 11月20日にこの実行計画を発表した席上で知事はこういう言い方しているんですね。希望が持てるか持てないか、傾向が見えた時点で廃止を含めて判断すると。ということは、希望が持てるかどうかというのは2年になるか3年になるかわかりませんが、いずれこの実行計画が計画どおり進まないと、そういうふうに判断したときには、廃止を含めて判断すると、こう言っているわけですね。そうであれば、まず少なくとも今、先ほど来議論ありますように、今の段階で廃止した場合にはどれだけの負債があって、そして負担がどうなるかということをきちっと示すべきでありますし、知事が廃止を含めて判断するという2年後、3年後の中ではどういう経過でこれらの負債が推移しているかということも、やっぱりきちっと見通しを示してもらわないと、再建計画だけ私たちは議論しても、将来2年後、3年後さらに債務が膨らんでそれがさらに大きくなった場合の負担をどうするかという、こういう問題だって出てくるわけですから、その辺の見通しをきちっと廃止を含めた中身も示すべきだと思うのですが、その点についてはどのような対応をされるのかお聞きします。

〇菅原畜産課総括課長 知事が答弁しておりますように、今回の経営改革の中で18年度まで経営を見たその上で判断するという話をしてございます。改革案の中にも示しておりますように、平成18年度でほぼ均衡を図り、平成19年度に黒字決算が見込めるというような経営の実態がそのときに成立するということが一つの判断の材料になろうかと考えております。

〇阿部富雄委員 それは知事が言っているその廃止を含めて判断するというその時期だということはそのとおりです。問題は、その18年度までにさらに債務が膨らむという可能性だって十分考えられるわけでしょう。だから、知事は廃止を含めて判断するんだと言っているわけですから、少なくとも現時点で廃止した場合の債務はどうなるのか、それから18年度の債務状況を見てどうなるかという、その辺の見通しを、いわゆるそのいい面からだけで見ないで、廃止するということも頭に入れた場合のその試算もしておかないと、私は、判断は難しいと思うのです。その辺をぜひ出していただきたいということです。

〇今泉農林水産部長 その場合どういうふうになるかということは、早急に試算はしてみます。

〇川村農夫委員長 ここで、この際、関口緑化育成担当課長から発言を求められておりますので、これを許します。

〇関口緑化育成担当課長 先ほど工藤勝子委員の方からの松くい虫の質問に対して答弁漏れがありましたので、追加で答弁したいと思います。中身は、宮城県において松くい虫の防除をやめたというような話があるが、いかがでしょうかということでしたので、それにお答えしたいと思います。
 宮城県では松くい虫の防除はやめていないということですので、答弁します。

〇伊藤勢至委員 まず、先に森林整備にかかわりまして1点お伺いをしましてから、競馬の方に私も質問したいと思います。まず水を入れましょう。
 201ページからの森林整備事業等に関連するわけでありますが、森林整備地域活動支援交付金が14年度から18年度までということで実施をされているわけでありますが、これの15年度の県内の実績はどうだったのか、まずお伺いをしたいと思います。

〇千田森林保全課総括課長 森林整備交付金の15年度の交付額はおよそ7億2、600万円となってございます。(伊藤勢至委員「どことどこに何箇所か、もうちょっと丁寧に」と呼ぶ)失礼いたしました。宮古管内におきましては、15年度は7、064万円、そういったような状況になってございます。

〇伊藤勢至委員 元気がないよ。この森林整備地域活動支援交付金ですが、林家が自分の森林を1年に1回以上現況調査等を行って、森林施業計画を樹立して、そして申請をしてそれを認めてもらうということですね。そうすると、これをやってまいりましても、県からの森林整備事業の補助が全体に減っているために、施業計画を立ててもそれが行き渡らないということから、この補助金、交付金そのものを引き揚げられるケースがある。こういうことでジレンマがあるわけでありますが、そういうことについてはどのようにお考えなんでしょうか、まず1点。
 それから、森林整備事業費についての県内の12地方振興局の中で、それぞれ地域性はあるわけでありますから一概に横一線ではないにしても、地方振興局ごとで随分出たり引っ込んだり、極端に落ち込んでいるところがあって平均的ではないのではないか、こういう声が宮古・下閉伊地区からあるのですが、これについてはいかがでしょうか。

〇千田森林保全課総括課長 交付金の引き揚げの問題につきましては、これは市町村長が認定して、その認定を受けた施業計画に基づきまして森林所有者が施業を進めるわけですけれども、達成率とかいろんな問題で市町村長さんが認定を取り消した場合には、交付金の返還という問題も生ずることになりますけれども、私たちの方ではその施業計画の認定に対する考え方は、例えば、できなかったからすぐ取り消すということではなくて、やはり次年度なり何なりに延ばしてもそれに向かって努力をするといったようなことであれば、取り消しというのはそうあり得ないものかなと、こんなふうに認識しております。
 それから、交付金の交付状況でございますけれども、まず対象森林というのが、施業計画をつくっているという面積でございますが、それに対しましては県下全体で半分ほど、50%ほどの交付状況になってございます。そういったことで、交付、確かに20%台から60%台までのばらつきが出ている状況でございます。

〇伊藤勢至委員 それで、今、山、川、海の連携が言われてきまして、山はまさに酸素供給とか水の涵養とか、あるいは土砂崩壊とかの防止をしているわけでありまして、やっと山に目が向いてきて、それを支援する事業だと思うのですが、国は今般、5億円ぐらいのこの森林整備事業費の枠を持っていたのにもかかわらず、県が継ぎ足し補助といいますか、かさ上げ補助といいますか、5、000万円どうしてもつけられなくて5億円の枠が岩手県に来なかったのではないか、こういう質問もあったんです。今どき5、000万円を10倍の5億円に使って森林整備事業ができるというのは、これは考えようによっては10倍に使えるわけですから大変有効になるんだろうと思うのですが、それについてはどうなんでしょうか。
 これと、もう一つついでに伺っておきます。県内で多分宮古地方振興局が随分落ち込みが激しいと聞いています。それで、何とかしてくれ、復活してくれというお願いをしますと、確かにこたえていただいているようではありますが、年度末のこの12月あるいは1月、そのころに何とかあちこちで余ったお金をということでもらえるときもあったようでありますが、現実この冬期間の山での作業というのは、積雪、凍結等があって現実こなせないと、あるいは危険が伴うということから、お金としてはいただけるチャンスをいただきながら、それが活用できないということも言われているわけでありますので、この辺もあわせて、せっかく配慮してもらって交付をしてもらうのであれば、それが具体に実際に使えるような、そういう時期を判断して支援をしてもらいたい、こういうこともありましたので、あわせてお伺いをします。

〇千田森林保全課総括課長 交付金の関係につきましては、市町村長さんからの要望にすべて対応しようということで、今年度予算につきましては補正でさらに追加して実施しております。昨年度も補正で追加をして実施してございます。ちなみに昨年度は、当初は6億1、600万円でございましたのですが、補正で7億2、600万円と、1億1、000万円ほど、当初はまずもって市町村の方から希望をとりまして、その上で当初予算を組みまして、補正でさらに追加要望がございましたので2、800万円ほど補正して追加して、いずれ市町村の要望にこたえるように交付金については対応しております。
 それから、森林整備事業予算については、緑化推進課でございます。

〇関口緑化育成担当課長 今、伊藤委員の方から森林整備事業費の地方振興局への配分ということでお話がありました。実は森林整備事業も公共事業ということに位置づけられておりまして、大変国も県も予算が厳しい状況にあります。そういうことで、厳しいながらもやはり森林整備を図っていくという大変重要な業務でありますので、重点的な事業を進めていくわけでございますが、地方振興局への配分は地方振興局の希望、全量を取り入れるわけには今のところできておらないわけですけれども、地方振興局の要望、それから前年度実績、そういったものを考慮しながら適正に均等配分をしてやっておるという実態でございます。いずれにしても、国の予算、県の予算厳しいわけですが、これからも、我々も苦慮はしているわけですが、今後とも国の動きを注目しながら、予算の確保について努力していきたいと思っております。

〇伊藤勢至委員 補助金をいただいてありがたいということで、こっちも気を使って質問をしているのですから、おたくたちも気を使ってひとつ答弁をしてください。要望しておきます。
 次に、競馬についてお伺いをしたいと思います。
 今、大変県民世論が大きな意味で二つあると思ってございまして、そういう意味から大きな、岩手県財政が一体どうなるのか、そういう観点からの議論も必要だと思っております。県はこのままでまいりますと06年には1、750億円の歳入不足が見込まれ、財政再建団体に転落をしてしまうという今方向、流れに残念ながらあるのだと思っております。三位一体改革、つまるところトータルで200億円の交付金が削減をされるというのも本議会で明らかになりました。さらに、この景気低迷ですから県の税収もやはり落ち込んでいくと思います。そういう中にありまして、まさに関係者の皆さんが営々と築いてきた部分をいかに存続するか、あるいはまた、思い切った決断をするか、大変重い決断を今、議会は預けられていると思っておりますが、そういう中であなたたちは、私たちがずっと特別委員会等をつくって提言をしてまいりました提言にこたえていない。
 その第1番目は、資料の開示というところについて全く誠意がない。私はこう思っております。そういう中で、先般、議長からの要望もこれあり、プロジェクトチームがつくったと言われます――新聞に載ったわけでありますが――報告書を全議員ちょうだいしたところであります。ところが、私が議長室でほかの何人かと一緒に見せられましたときの、これは詳しく触れておりませんが、厚みだけを見ましたが、議長に提出をされたのは少なくともこれの3倍の厚みがあったと思っております。随分減らされた中でのこれは報告書である。私はこのように思っておりまして、知事は、関係するところは抜いてもと、こう言いましたが、随分薄くなってしまって、この薄くなった部分の中にむしろこれからの再生計画の一番重要な部分が詰まっていたのでないか。そう思うわけであります。
 先ほど阿部富雄委員も言いましたけれども、再建計画でありますから、当然資金繰り計画等があって、そういうものの中で我々は想像、判断をしなければならないんだと思います。野球をやれと言われても、ボールも与えられない、バットも来ない、ミットもベースもない、何で判断ができるんだと、こう思うわけであります。そして、これは我々が県民に対して説明をする際の何らの資料がないということは、我々の判断を非常に迷わすものであります。
 したがいまして、この情報開示がいまだに正確に正当になされていないということについては、大変私は不誠実さを感じまして、肉を切らせて骨を切るという計画であるならば、議会と一体になってやるというお覚悟であれば、そういうものをすべて開示して、しかも、こっちも議会としても約6カ月かけてまとめた、再建するならばという前提に立っての提言をしてきたわけでありますが、それに対して真剣にこたえていない。私はそう思うのでありますが、いかがでしょうか。

〇今泉農林水産部長 情報開示が適時適切になされていないという御指摘でございますが、これにつきましては、本当に私おわびをするしかないと思っております。これも私の至らなさというふうに受けとめております。それで、いずれ、今後、遅きに失しているかもしれませんが、なるたけ情報は出してまいりたいと思っております。本日もちょっと私どもの手違いで若干時間のずれが出てしまいましたけれども、アクションプランの中の増収策部分について、どういう考え方でこういう数字をはじいたかというような基礎資料をきょうお出しさせていただきました。いずれ、これから情報がおくれることのないように、言われてから出すということではなくて、私どもの方でももう少し積極的に出すということで取り組んでまいりたいと思っております。いずれ、これまでの間の経緯につきましては、これ全く私、本当、おわび申し上げるしかないと思っております。いずれ、これを機に今後情報の出し方、改めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしく御了解いただきたいと思います。

〇伊藤勢至委員 先ほどの阿部富雄委員の質問にも関連をするわけでありますが、やはり再建計画と言うからには、ある程度の見通しを示して、そしてこれをぜひともやり遂げると、そのためにはこうだというものがなければ、私たちが説明がつかないと、こう思います。そういう中で新しい情報としては、新潟の復興支援の競馬という、これはいいニュースだと思いますが、一方、宮崎県のシーガイアをめぐる住民訴訟では、県に29億円返還で和解と、こういうことで、全く条件は違うかもしれませんが、こういう面で今県民が非常に注目をしているんだと思っております。本年1年だけでも中小企業の倒産は大した数に上ると思っていますし、リストラというのも大変あると思っております。そういう中で、確かに厳しいのでありますけれども、その情に流されることなく、岩手県の台所そのものがこけてしまったのではいけないという議論からやるべきだと思いまして、それについてまだまだ情報が本当に不足をしている。そのように思っておりまして、大変遺憾に思っております。
私自身は今ニュートラルでありますけれども、きょういただいたその資料も日がないのでありますけれども、みんなとまた見ながら、ただ、本当に遅いですね。今回のプロジェクトチームが配付をすると言って出したのも一般質問の最終日に、終わってからですよ。つまりこういうものを見て管理者である知事に質問する我々の当然の議会議員としての権利を奪うやり方でありませんか。既に8月にはできて、上がっているものなんですよ。そういうのは全くこそくなやり方だと思っておりまして、フェアでない。このように思いますよ。もう一回聞いて終わります。

〇今泉農林水産部長 今の伊藤委員の言葉、重く受けとめて、今後の情報開示につきましては万全を期してまいります。

〇菅原畜産課総括課長 先ほど資料の厚さの話ございましたですけれども、議長にお上げしたのは片面コピーでお上げしたということで、今回は両面コピーで提出させていただいたということで、大変失礼なお話でございますけれども、そういうことでございますので、御了解いただきたいと思います。

〇伊藤勢至委員 切り返しが来るとは予測もしておりませんでしたが、実は違いますよ、完全に。この中では外れている部分に、一番重要だと思われる2社との長年の競争原理の働かない部分が一番大事だと書いてあったんですよ。そこが外れているじゃないですか、ここに、何言っているんですか、あなた、冗談じゃないぞ。コピーがダブルだ、シングルだの問題でありません。重要なところが抜けているんですよ。そして、おれらに判断をどう出せと言うんですか。ひきょうじゃないですか。

〇今泉農林水産部長 済みません、これは全く私の不徳のいたすところです。私は同じものが出ていたと認識してございました。そこはすぐ調査して、抜けている分がございましたら、それは早速追加で配付させていただきます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木博委員 今の件について、私はいただいた資料がすべてだと思っておりましたけれども、これは大変なことだと思います。それで、調査してということですが、これきちんと報告していただかないとこれからの議事が進められない、信頼関係の問題だと思いますので、そこがはっきりするまで委員長にお取り計らいをよろしくお願いしたいと思います。

〇川村農夫委員長 ただいま議事進行がありました。その点も配慮するということで、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時53分 休 憩

午後1時5分 再 開

〇柳村岩見副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、農林水産部長から発言を求められておりますので、これを許します。

〇今泉農林水産部長 これから資料の提出につきましては誠意を持って対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。

〇佐藤正春委員 それでは、部長、伊藤勢至委員の質問には誠意を持って資料を提出するということでございます。私の方もぜひそうしてくださいね。
 まず、今泉農林水産部長に伺いますが、あなたは本会議で私の質問に対しまして、10カ所以上にわたって、聞いておりません、あるいは承知いたしております、こう言っているんですね。残念ながらこれ、自分で、自分の言葉がないんですよ。さきの本会議の質問でございますがね。それで今一番疑惑の焦点となっている森のトレー疑惑が実際解明できるかどうかというんですね。しかも、知事が先般出席されたときの復命書の黒塗り、これは、あなたは十分責任を感じているのではないかと思っておりますが、そこで、実際に今までの経過を見ていると、私は、どうも農林水産部長は、森のトレーの場合は、県民に対して答弁しているのではなくて、森のトレーのグループといいますか、森のトレーの隠ぺいグループの方に加担しているのではないかという気がするわけですよ。
 そこで伺います。さきの答弁の中で組合の11億6、000万円の内訳ですが、林業構造改善事業の事業費から補助金額を差し引いたものが11億6、000万円でございます。これは組合が負担する金額でございます。なお、そのうち11億5、000万円は借入金となっております。こう答弁していますね。あなたが答弁したんですからね。そうしますと、差し引き1、000万円が自己負担ということになりますね。ところが、私の調査では、トレー事業にかかわるところの事業予算、もう一回繰り返しますが、26億9、200万円の内訳は、国庫補助金が12億7、900万円、県費補助金2億5、600万円、自己資金11億5、700万円、自己資金のうち11億5、000万円は借り入れ、残る組合の自己負担金は700万円です。私の調査では。そうしますと、この300万円の差額はどこに行ったんですか、何に使ったんですか。それをまず伺っておきます。

〇和佐林業振興課長 大変恐縮でございますが、ちょっと数字を確認させていただいて、お答えさせていただきたいと思います。

〇佐藤正春委員 部長、これは皆いろいろと質問があるわけですから、答弁は簡単でいいですから、1分以内でいいですから。余り言いわけみたいなことは言わなくていいですから。
 まず、トレーの販路について確認いたします。
 50万個のうち50%を引き受ける会社、20%を引き受ける会社名を明らかにしてください。残りの30%の販売先、これも明らかにしてください。
 2番目。また、岩手林材はトレー組合から製品化されたトレーを購入していたとのことでありますが、これは何に基づく購入なのですか。さきの販売提携契約との関係はどうなっているんですか。
 3、5、000万円のトリニティ工業からの借入金については、12月、5月に投書が来ました。私にも参りました。私はずっと後ですが、来ました。これはリベートなんです。庄内鉄工からトリニティ工業に移しかえたのはリベート目当てでございます。県が推薦した庄内鉄工ならふぐあいは起きなかったわけですね。部長はどう思いますか。
 次に、本会議の5、000万円の借入金の質問に対して、5、000万円以外にトリニティ工業から借り入れがあったかどうかについては承知いたしておりません、こう答弁しています。借入金の承認議決は、平成12年5月31日の臨時会で方針決定したと聞いております。借り入れについては、平成12年7月6日の組合との打ち合わせに係る復命書に記載があったと答えております。これも私の調査では、平成12年10月25日の5、000万円借り入れ前の12年6月30日に2、000万円をトリニティ工業から短期借入金として借り入れていますね。これは後からあなたの方から出した資料で発見したんですよ。あなたはこれを言ってないんだから。この借入金は何なんですか。本会議の私の質問に対する答弁のときに把握していたのですか、いなかったのですか。返済したのですか。だめですよ、うそばかり言ってはね。これははっきり答えてください。私でさえ発見できるんだから、当事者のあなたが発見できないことはないでしょう。あの弁明書を見てみてもね。いいですか。
 次。月500万円の試作品代金は材料代、電気代、機械等の調整に要する経費だったと承知いたしております、また、そう答えております。組合はトレーを製造する協同組合でございますから、電気料等を毎月支払っていることは、これは当然、領収書もあって認めております。平成12年6月と7月のトリニティ工業からの電気料入金に対して、確かに組合ではそれに対応する電気料の支払いをしております。しかし、これ以降のトリニティ工業から入金になった金額の根拠やそれを何に支払ったのか不明です。これを詳しく出してください。これはなぜ出さないんでしょうか、この資料を。何回言っても。おわかりでしたら出してください。
 調査では、平成12年9月29日と平成13年4月27日のトリニティ工業からの入金のあった日に、機械納入代金の支払いをトリニティ工業に行っております。これはリベートですね。そうでしょう。じゃ、何ですか、これは。はっきり答えてください。
 次に、月500万円の試作品代金と言っておりますが、入金の状況を調べますと、500万円の入金はありません。20万円から1、000万円を超えるものまでさまざまです。月500万円ずつなんて全然入っていません。いいですか、何を根拠に月500万円の試作品代金と言っているんですか。なぜそういう答弁をしたんですか。あなた、全然でたらめじゃないですか、全部。さんざんさっきも競馬で言われていたけれどもね。
 私の調査では、組合は平成12年12月28日に1、600万円、平成13年2月8日に1、800万円を普通預金から払い出して、3月末まで、多いときには3、400万円近くの現金を手元に置いていることになっております。これは現金元帳にそう記載されているんです。多額の現金を手元に置いておかなければならない理由は何だったんですか。全くこれは不自然でございますね、この出し入れは。
 次に、5、000万円の借入金にかかわる返済金を岩手林材から借入金で捻出したことは問題ありませんか。また、この岩手林材からの借入金は返済されているんですか。平成12年8月に組合から岩手林材に6、000万円を超える支払いがございます。かなり大きいですよ。これは何なんですか。
 組合では、岡野友保専務理事へ平成12月7月28日に380万円、8月24日に80万円支払っております。同様に、岡野朝雄理事長には8月24日に1、270万円支払っています。この支払いは何なんですか。この間、お答えなかったですね。
 今回の追加建物建設工事の契約では、分離発注の場合と随意契約の場合と比較した積算で2、480万円の節減が図られたと言っておりますが、どのように検証したんですか。また、今回のような随意契約では他社から見積もりをとらないのが一般的と答弁しておりますが、契約事務処理上は問題ありませんか。処理はどうなっていますか。
 完了確認時、県の文書によりますと、不具合が発見できなかったとすると、これは当然、組合、県の責任があるわけじゃないですか。一部は認めておりますが。じゃ、なぜそのときにトリニティ工業を訴えないんですか。おかしくありませんか。
 本会議でも申し上げましたが、トレー組合は平成13年3月以降、補助金で取得した財産を担保に供するという重大な補助金適正化法違反を犯しております。これは、以前も申し上げましたが、久慈市議会でも問題になっているわけです。県は今、組合の勝訴に向けて裁判を支援しておりますが、組合に対する責任はなぜ追及しないんですか。こういう重大な補助金適正化法違反を犯しているのに、なぜ組合にそういうことを追及しないんですか。追及すると――いいですか、ここが大事なんですよ。追及すると、裁判の原告、組合に逃げられるわけですよ。そうすると、裁判が続行できないんです、不可能なんです。そういうことですね。わかりやすく言ってください。
 国からの補助金返還命令を受けて、補助金適正化法に基づく延滞金が発生していたので、県では、組合からの回収を待たずに先行返還したとのことでございます。このことにより延滞金の発生はなくなったのか、延滞金は免除となったのか、これも確認しておきます。
 知事にも伺いましたが、組合は解散したい、岡野さん自身は自己破産したい、こう言っているんです。これは、そういう弁明書も出ております。岡野さんに支払い能力がなく、裁判すら遂行できないのに、あなたは引き続き組合の勝訴に向けて全面的に支援していきたい、こう言っているんですね。こう言っているんです。なぜこんなでたらめな補助事業の失敗に、県民の税金を使って裁判の費用まで負担しなければならないのか。これは知事にも聞いたんですが、責任者だから、あなたからもひとつお答え願います。
 来年度の裁判費用は、議会では恐らく承認しませんよ、これは。こんなでたらめなものは。そのときは裁判の続行ができないし、知事は言明どおり責任をとると言っているんですから、あなたもそのとき知事と一緒に責任をとりますか。まずこの点について伺っておきます。

〇今泉農林水産部長 森のトレーにつきまして何点かお尋ねでございますので、お答えしてまいりたいと思います。
 まず一つは、トレーの販路についてでございます。
 販売先でございますが、当初、生産計画50万個の販売計画におきましては、50%が兼松日産農林株式会社、20%が株式会社オージー、残りの30%の販売先につきましては、組合によりますと日商岩井及びスドウを念頭に置いておりましたが、利益率の高いエンドユーザーへの直接販売ルートを確保したいと考えていたことを承知しております。
 次に、岩手林材のトレー購入についてであります。
 何に基づく購入なのか、あるいは、今申し上げました販売提携契約との関係はどうなっているのかというお尋ねでありますが、当時、組合は製品販売体制につきまして、販売部門は組合員が行うべきであるとの話を受けて、岩手林材が販売を担当していたというものでございます。販売提携契約を締結した平成10年10月時点では、組合がまだ設立されておりませんでしたので、この契約は岩手林材と販売先との間で結ばれていたものでございます。
 次に、庄内鉄工なら不具合は起きなかったのではないかというお尋ねについてでありますが、まず、庄内鉄工からトリニティ工業に乗りかえたのは、当時、トレー組合はコンサルタントの指導を受けまして、いかにコストダウンを図るかを検討しており、庄内鉄工ともコストを下げるための製造ラインの検討を行っていたものでございます。その検討の中で、庄内鉄工とはトラブルが生じて、それまでの連携関係が解消になり、その後、トリニティ工業からトレー組合の意向に沿う製造ラインの自動化の提案があって、トレー組合は、最終的にトリニティ工業の生産方式を採用するに至った、そのように認識しております。
 次に、では、庄内鉄工なら不具合は起きなかったのかということでございますが、結果として、生産コストの面でトリニティ工業に乗りかえたわけでありますので、仮に庄内鉄工で行った場合、生産コストが合わず問題が生じたという可能性も全くないわけではないだろうと考えられるわけでございます。また、トレーの縁をカットする刃、トムソン刃と言うのだそうでございますが、その耐久性で問題が発生したという可能性も否定し切れないのではないだろうか。したがって、庄内鉄工なら不具合が起きなかったかどうかについては、やはり何とも言えないのかなという感じを持っております。
 次に、トリニティ工業からの2、000万円の借り入れについてでございます。これは5、000万円以外の借り入れではないのかという御指摘でございますが、委員御指摘のとおり、平成12年6月30日に組合はトリニティ工業から2、000万円借りております。その後、10月25日に5、000万円借りております。同月27日に、組合はこの5、000万円の中から2、000万円トリニティ工業に返済しております。したがいまして、この2、000万円の借入金は、トレー製造ラインの不具合により組合が資金難に陥ったことから、工場運営に要する経費の負担について組合とトリニティ工業の間で協議を重ねる中で、運転資金として借り入れたものであり、これは限度額5、000万円の範囲内であると認識しております。
 9月定例会の本会議において議員の質問に答弁するときに、このことについては把握しておりましたが、今申し述べましたとおり、借入限度額の5、000万円の範囲内の話という認識のもと、5、000万円以外にトリニティ工業から借り入れがあったかどうかについては承知しておりませんと回答したものでございます。あくまでも両者の間で合意されたこの5、000万円の間の金のやりとりと認識しております。
 次に、トリニティ工業からの入金と支払い内容についてでございます。
 議員御指摘の入金は、平成12年6月16日の入金及び12年8月21日から13年6月6日までの計6回のトリニティ工業から組合の口座への入金であると考えますが、組合によりますと、これらの入金額は、組合が既に支出した経費のうち、トリニティ工業が負担することを合意した金額でございます。トリニティ工業は1カ月当たりおおむね500万円を目安と考えていたようであります。平成12年4月から6月まではトリニティ工業が主に組合の機械を使用していたため、電気代と水道代の全額を負担することになったわけでございますが、それ以外の経費につきましては、トリニティ工業が全額負担について応じなかったということで、このような支出内容になっていると認識してございます。
 もう少し具体的な話ということでございますが、現在、その裏づける資料を入手しておらず、確認できていない現状にございます。
 次に、トリニティ工業からのリベートではないのかというお尋ねについてでございますが、トリニティ工業から組合への費用負担金は、平成12年6月から平成13年6月にかけて11回に分けて入金されております。また、組合からトリニティ工業への機械代金につきましては、平成12年5月から平成13年4月にかけて4回に分けて支払われております。委員御指摘のとおり、このうち平成12年9月29日と平成13年4月27日の2回につきましては、トリニティ工業からの費用負担金の入金日と補助事業に係るトリニティ工業への機械代金の支払い日が一致してございますが、これは、たまたま重なったものではないのかと私どもは認識いたしております。
 次に、月々500万円の支払い金を試作品代金と表現した理由についてでございますが、組合とトリニティ工業との協議の中で、機械設備の調整及び改良に協力するための経費負担として、トリニティ工業が目安にしていた金額が月額500万円と考えられることから、そのように申し上げたところでございます。トリニティ工業が主に組合の機械を使用していたことから、全額負担していたという平成12年4月から6月までの電気料金分と水道料金分を差し引きますと、1月およそ500万円、正確には459万5、000円といった内容になるものでございます。
 次に、平成12年年末に多額の現金保管がある、その理由は何かということでございますが、現金元帳にはそのとおり記載されておりますが、実際に現金があったのではなく、通知預金の証書として管理されていたものでございます。
 その中身は何だったか、それはなぜだったのかということでございますが、当該通知預金は、機械等の代金支払い後の長期借入金等の残金であり、他の支出金として手をつけないようにするために、区分するために通知預金に処理していたものでございます。
 次に、岩手林材からの借り入れと返済についてでございますが、トリニティ工業からの5、000万円の借入金に係る返済金、これは平成13年6月29日に288万円返済しているわけでございますが、その後、再度調査いたしましたところ、これは岩手林材からの借入金ではなく、直接的には消費税の還付金により手当てしていることがわかったものでございます。したがいまして、岩手林材からの借入金で捻出したということではないということであります。したがって、岩手林材からの借入金は返済されているかというお尋ねについては、このことで御了承いただきたいと思っております。
 それから、平成12年8月に6、000万円を超える支払いがあるが、これは何かということでございますが、これは、岩手林材に対する未払い金と買掛金への支払いであることを元帳で確認してございます。
 次に、岡野理事長、岡野専務理事への支払いの中身についてということでございますが、組合が岡野友保専務理事に支払った380万円と80万円、並びに岡野朝雄理事長に支払った1、280万円は、組合で支払わなければならなかった経費、人件費、借入金利息というものでございますが、手持ちの資金がなかったために、両人から借り入れて支払いを行っていた、その借入金の返済であると組合から確認しております。
 次に、追加建物建設工事に係る随意契約の問題についてでございます。
 トレー組合は工事を随意契約するに当たりまして、地方振興局の指導を受け、随意契約とする理由を明確にするため、建物ごとに積算した場合、いわゆる分離発注と言われるものでございますが、それと合算して積算した場合の二つのケースの設計積算を行い、比較資料を作成しておりました。この比較資料におきまして、合併発注の方が設計額で総額2、480万円の経費節減が図られるというものでございました。当時、久慈地方振興局の職員は、この内容を確認しております。
 次に、他社からの見積もりをとらなかったことが契約事務処理上問題にならないかという御質問でございますが、トレー組合は、作業用建物などを発注するに当たりまして、既に隣り合った作業用建物の工事が行われていたことから、工事全体を円滑かつ効率的に進めるため、また、工事費の節減も図られますことから、既に始まっていた工事の発注者であった本間組・山田建設特定共同企業体に随意契約したものであります。通常、このように契約予定人を特定して随意契約を行おうとする場合、見積もりは当該予定人1社からのみ徴収し、他社からは徴収しない。こういったこの手続には問題がなかったと認識してございます。
 次に、完了確認の不備と訴訟についてでございます。
 完了確認時、不具合が発見できなかったとすると、組合、県の責任ではないのか。なぜトリニティ工業を訴えているのかというお尋ねであったと受けておりますが、組合が機械の受領検査において、また、県が補助金交付に当たっての完了確認において、機械の性能を完全に確認しないまま、その後の補助事業上の手続を進めたことは不適切であったと考えております。
 しかしながら、木製トレー生産事業が破綻に至ったそもそもの原因は、生産設備の性能不良により、当初の計画に従った生産ができなかったことにあると考えております。このため、契約上予定されていた性能を有する生産設備を製作、納入しなかったトリニティ工業に対しまして、債務不履行の責任を追及する訴訟を提起しているものでございます。
 次に、組合に対する責任は追及しないのかということでございますが、組合が補助金で取得した財産を担保に供した責任につきましては、既に事業中断の責任とあわせて追及するため、久慈市を通して補助金全額の返還を命令しているところでございます。
 延滞金の発生はなくなったのかというお尋ねについてでありますが、本年3月23日に先行返還しました4億2、600万円余につきましては、翌24日から延滞金の発生はなくなったものでございます。しかし、残る8億5、200万円余につきましては、現在もまだ規定による延滞金が発生しているところでございます。ただ、これら延滞金すべてについて、昨年11月の知事と林野庁長官との会談におきまして、補助金の一部返還、その後の補助金の回収に最大限の努力をすれば、免除について林野庁としてできる限りの対応を行うという考えが示されており、最終的には免除の道がはっきり残されていると考えているところであります。
 最後に、訴訟支援の進め方についてであります。県としては、先ほど申し上げましたように、事業破綻の主な原因は、トリニティ工業が製造し、納入した生産設備が所期の性能を発揮しなかったことにあると考えており、このことに係る同社の責任を訴訟への支援を通じて明らかにしてまいりたいと考えております。
 このため、県といたしましては、訴訟遂行上必要な経費を予算計上するなど、今後とも、原告の弁護士及び久慈市の弁護士と十分に協議しながら、組合、久慈市、県それぞれの立場でできることに全力を傾けてまいりたいと考えております。

〇佐藤正春委員 質問が長いので、これを一々また取り上げると時間がかかるので、同僚議員の皆さんにも迷惑をかけるから、これは引き続き、私も来年に持ち越して、これは徹底的に追及していきます。
 今、同僚議員も聞いておわかりのとおり、部長は、相変わらずですよ、相変わらず、こう承知しております、こう聞いております。自分で行って調べて、自分で確認したものは一つもない。ですから、自分の言葉に責任が持てないわけですよ、この人は。いいですか。
 それから、私どもは議員ですから、あくまでも本会議、委員会等での質疑、これは権威があるわけですから、議事録をもって私は質問しているんです。あなたの本会議における私の質問に対する答弁に対して私は質問をしているんですよ。いいですか。あなたは何と言っているかというと、例えば、この販売先についても、実際あなたが行って調べたんですか。私の調べたものと違いますよ。調べていないでしょう、あなた。それから、5、000万円の借り入れの前に2、000万円借りたというのは、あなたは本会議では言っていないんですよ。今、言いわけをしているわけです。ですから私は、あなたが本会議に答弁したことについて質問しているんです。2、000万円借りたということは本会議の答弁では言っていないです。ところが、ここへ来て、5、000万円の中だから答弁しなかった、こう言っているわけでしょう。全部そういう言いわけです。
 あとは、例えば月々、不具合に対する月500万円ですね。月500万円の不具合のトリニティ工業からの金にしたって、どうですか、あなた、500万円なんか出ていないじゃないですか。20万円だったり、1、000万円だったり。あなたは答弁で何と言ったんですか。月に500万円と言ったんですよ。だから、全部でたらめなんです、あなたの言っていることは。信用ならないんです。これは先ほどの競馬組合と同じですよ。伊藤勢至委員は怒ったけれども、私は気が静かだから怒らないけれども、でたらめだ、続けてこれはずっと、あなたの言っていることは。あなた、やめなさい。だめですよ、あなたね、部長としての資格がないよ。私は正式な議会における答弁に対して言っているの、議事録を見て。いいですか。
 ですから、1点だけここで確認しておきます。知事は森のトレー疑惑の私の質問に対して、トリニティ工業との契約は全く問題がなかったとは言いがたいと断言しているんですよ。あなた、おわかりでしょう、知事はそう言っているんです。トリニティ工業との契約は全く問題がなかったとは言いがたい、こう言っているんです。同時に、さきの決算特別委員会では、組合、県、久慈市にもそれぞれの責任があります。そこで、真犯人はだれだと言ったらば、トリニティ工業だと知事もまた答えている。知事自身も矛盾しているんですが、答えている。
 それはなぜかというと、今、金があるのはトリニティ工業と県だけなんですよ。あとは、組合にも金はないし、久慈市なんか払わないんだしね。金があるのは県とトリニティ工業なんです。ですから、裁判に勝って、トリニティ工業から金を回収しなければ払えないわけ。知事はそう言っているんだから。25億円取ると言っているんだからね。そうしないと払えないから、つじつまを合わせるためにトリニティ工業を犯人にして、現在争っているわけですよ。結果的には、知事は恐らく任期切れを待っているんでしょう。そうするほかないんだから。これは民事だから10年かかるんだから。今のところは、トリニティ工業を相手にして闘わなかったらどうにもならないわけだ、全部金がないんだから。
 県が推薦した専門業者、庄内鉄工からなぜトリニティ工業に変更したか。今、あなたはこれも言いわけをいろいろ言っていた。本当は何なんですか、これは。いいですか。何で庄内鉄工から、専門業者だから、県が推薦しているんですよ。あなたが一番わかっているでしょう。専門業者の庄内鉄工から、なぜトリニティ工業に変更したか。トラブルがあったと。トラブルがあいまいなんだ、何のトラブルか。あなた自身は、岡野専務からトラブルがあったから変更したとの説明を受けた。調べているのではない、あなたの答弁は、説明を受けた、こう答弁している。自分が調査したのではないですよ。
 そして、トレー組合は、営業に来ていたトヨタ自動車から紹介されたトリニティ工業と契約したんでしょう。こんなあなた、国から県の補助金を得た大事業を自動車のセールスマンから紹介された人と契約しますか。随分安易なものだね。どうなんですか。自動車を売りに来た、どんなに優秀なセールスマンか知らんけれども、その人から、トリニティ工業がありますよ。ああ、そうですか。じゃ、それを紹介してください。ああ、これはいいと、調査もしないで、そんなに簡単に契約するものですか。あなたはそう答えているんですよ。トリニティ工業は専門業者じゃないんですよ。今度の仕事は初めてですよ。全く軽はずみというか、安易というか、疑えば、何か一緒になって組んだんじゃないの。そう思いませんか。
 実は、今まで申し上げましたとおり、5、000万円借りる前に2、000万円も借りている。5、000万円の中とは言うけれども、要するに専門業者の庄内鉄工、これは庄内鉄工の周りから私らも聞いたんですが、庄内鉄工はリベートを出してくれないんです。そこで、後でトラブルがこのように発生すると思わないで、おいしい業者のトリニティ工業――トリニティ工業はおいしいんですよ。金を貸してくれるかということで、もう話がついていたんです。リベートを出してくれるかと。本当はリベートだったんだけれども、こういうふうに事業がポシャってしまったから、だから今、金銭契約に切りかえて、逆に今、残金返せと訴えられているわけだ。これが実態ですよ。それがあなた、わからないんですか。わかっていて黙っているんですか。どうなんですか。
 だから、最初は、庄内鉄工からトリニティ工業に変更したというのは、専門業者から素人業者に移ったというのは金なんですよ、金。そこを知っていて、あなたは知らんふりしているんだ。よく調べなさい。いいですか。
 あなた自身が言っていることは、庄内鉄工を一生懸命勧めたが、組合はトリニティ工業を採用する意思がかたかったと述べているでしょう。これはあなた自身が言ったの。岡野さんに言ったんですか。どうなの、これも。あなた自身がそう言っているじゃないの。庄内鉄工を一生懸命勧めたが、組合はトリニティ工業を採用する意思がかたかった、こう言っているんでしょう。
 だから、なぜ庄内鉄工からトリニティ工業に変更したのか。素人業者なんだから、不具合を出すということは承知しているわけでしょう。ここをもう一度詳しくひとつお答え願いたい。いいですか。今ここでもう一度詳しく言ってください。そのことで、私ももう一回調査しますから。あなたは知っているわけだ。それで終わりますからね。

〇今泉農林水産部長 私が調べた範囲内でのお答えになります。その中身がまだ足りないというのであれば、私自身ももう少し調べたいと思いますが、少なくとも、当時、トレー組合は、ある程度のロットで生産しなければコストを削減できない、その中で利益を上げることができないという状況にあったと私は受けとめております。
 ただ、庄内鉄工は、少なくとも私が知る範囲におきましては、それほど大きなロットを生産できる能力の機械を持っていなかった。それで、どうしてもコストのところで折り合いがつかなかった。それで、最終的に庄内鉄工とトレー組合との間が、そのことが原因で関係が切れたと私は認識しております。
 そのときに、たまたまトヨタグループの中で、確かにトリニティ工業は、委員御指摘のとおり、そこは全く未知の領域の会社なわけでありますけれども、恐らく、やはり何らかの形で自分のところの業態拡大をしたいという企業のそういう気持ちがあったのかもしれません。そういったことで、自分のところでそれに取り組んでみたいということで、多分、そこでトリニティ工業とトレー組合との間の出会いがあったのではないかと私は思っております。私が知る限りで、庄内鉄工からトリニティ工業にかわっていった、その辺の事情というのはそういうことなのかなと認識しております。
 いずれ、これもまた私ももう少し時間をかけて調べて、不明なところはもう少し明らかにしていかなければいけないだろうとは思っております。

〇佐藤正春委員 部長、自分の言っていることに気がつかないの、あなた。庄内鉄工を勧めたのはあなたですよ。農林水産部長ですよ。そういう答弁をしているじゃないですか。庄内鉄工を勧めたのは県ですよ。県が勧めたんですよ。県が庄内鉄工は専門業者だということで勧めたわけでしょう。そうすれば、庄内鉄工の専門業者としてのあり方はわかっているわけでしょう。今おっしゃることは、勧めていながら、コストの面でとても合わないからトリニティ工業に移ったと聞いている、こういうことでしょう。じゃ、最初からわかっていたんじゃないですか。どうなんですか。わかっているから庄内鉄工を推したんでしょう。そして、今度、組合から言われたから、コストが合わないからトリニティ工業に移ったということです。どうなんですか、それは。どっちが本当なんですか。

〇今泉農林水産部長 組合の方から庄内鉄工からトリニティ工業に乗りかえたいという話があったときに、県としては、やはり実績のある庄内鉄工の方がいい、そういう指導をした経緯はございます。

〇佐藤正春委員 それはあなた、本会議でもちゃんと答弁しているんだよ。そうだと、県で推したと。だけれども、県で推したからには、庄内鉄工の専門業者としてのあり方、技術力、資金力をみんな知っているわけでしょう。ところが、組合の岡野さんの方からトラブルがあったということは、コストが合わないということでしょう。そう言われたんでしょう。コストが合うとか合わないということもみんなすべて承知の上で庄内鉄工を推薦しているわけでしょう。そこがどうして違うんですか。そのことを聞いているんだから。

〇今泉農林水産部長 私、そこまでは今回の調査で実際に触れていませんので、どういうやりとりがあったかわかりませんが、恐らく察するに、当時そういうことに取り組むということは、全く新しい事業でございました。当時の担当者とすれば、やはり実績のあるところにやった方がいいのではないだろうかということでの指導だったかと思います。ただ、それが最終的に、トレー組合の方がトリニティ工業にかえたということは、トレー組合自体の事業計画の中で、50万という大きなロットを生産していかなければいけない、それを考えていけば、やはり庄内鉄工ではなくて、トリニティ工業でないとできないんだということで、あとは、最後、そういう組合の強い意向を県としても尊重してそれを認めたんだろうと、今、私は考えております。ただ、いずれ、ここはもう少し……(佐藤正春委員「まずいいや、後でまた。さっきのが残っているから」と呼ぶ)

〇和佐林業振興課長 今、答弁を至急確認しておりました。それで、本会議の部長答弁の中で11億6、000万円とお答えしております。そのうち11億5、000万円が借入金ということでございますが、この11億6、000万円という数字が、実際は11億5、700万円でございまして、これを四捨五入して11億6、000万円と申しておりまして、そのうちの300万円が委員のおっしゃっている差になるのではないかと思います。

〇佐藤正春委員 実にいいかげんだね。県では300万円を四捨五入するの。我々は、300万円といったら大変な金額ですよ。300万円ぐらいは、あなたの方でははした金なんですか。部長、どうなんですか。四捨五入したというのは、はした金だからという意味ですか。私が調べなければ、ここは正確にはわからないんです。どうなんですか。すべてがインチキだよ、いいかげんだよ。私はこれはまだ来年も引き続いてやりますけれども、どうなんですか。あなたの方の部長の答弁では、300万円というのははした金で四捨五入なんですか。そこを答えてください。

〇今泉農林水産部長 決して300万円がはした金だという認識は持っておりません。公金でございます。1円たりとも大事なお金だと考えております。ただ、説明する中で、細かい数字で御説明申し上げるよりは、四捨五入した方が全体を把握しやすいかと思って……(佐藤正春委員「わからないから調べたのだ」と呼ぶ)わかりました。以後、数字はなるたけ生の数字を使うように心がけます。

〇新居田弘文委員 3点ほどお聞きします。
 一つは、農業担い手対策事業でございますが、意欲ある担い手育成事業のいわゆる地域農業の中核を担う認定農業者の確保についてお伺いします。
 ここに示されております岩手県総合計画実施状況報告書によりますと、目標に対する平成15年度末の到達度は43.7%でありまして、かなり厳しい数値になっております。まず、この実態を県はどのようにとらえ、その原因は何であるか、その辺の分析の状況についてお伺いいたします。
 なお、できるのであれば、地域別、大まかで結構ですが、水田地帯とか、あるいは畑作地帯、あるいは山間部、沿岸とか、もしそういう区分けができるのであれば、その辺の状況についてもひとつお知らせいただきたいと思います。
 それと関連しまして、認定農業者に認定されるためには、例えば水田地帯であれば、いわゆる土地利用農業ということで、面積の集積を図り、効率的な農作業が前提となりますし、そのためには、午前中、工藤勝子委員からもお話がありましたように、土地基盤の整備、あるいは用排水施設の整備その他、作業機械が効率的に運行できるような条件整備が必要でありますが、圃場整備の状況を見ますと、平成22年目標の70%に対しまして15年度末が59%であると報告を受けております。しかも、一部穀倉地帯であります胆江あるいは一関地区が49%と低い状況でございます。確かに厳しい予算の中で効率的に、あるいは集中的にというようなことでいろいろ答弁あるところでございますが、圃場整備は単なる作業効率上の面だけではなくて、去年の冷害のように、深水管理をすることによって冷害対策に非常に大きく役立ったというような事例もございますので、そういう意味で、今後は単なる公共事業の一部ということではなくて、生産する手段だというような位置づけの中、ぜひもっと積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、その点についてまずお伺いいたします。
 二つ目は、一学校一農園の取り組みについてでございますが、子供たちが農作業を通じまして収穫の喜びとか、あるいは自然との触れ合いとか、いろいろな感動を味わえる大きなテーマでありますので積極的に進めるべきだと思いますが、今のこの事業費614万4、000円が決算として数字が出ておりますが、これを進めるに当たっての県の教育委員会の関係とか、あるいはどのようなものを対象にしてこの費用が出ているのか、あるいは、全体的に岩手県内の、普及率というのは当たらないかもしれませんが、どのような割合でこれが進められているかということについて、二つ目にお聞きします。
 三つ目は、主要農産物の生産動向について同じ資料の中にありまして、米と鶏以外の主要農産物については、目標数字に対して非常に悪いデータが示されておりまして、むしろ基準年次よりもほとんどが右肩下がりということで非常に残念な結果になっております。食料供給県を標榜する岩手県にとっては、これでは余りにも寂しいような思いがするわけですが、その辺の分析と個々の対応、取り組みについてお伺いします。

〇今泉農林水産部長 ただいま3点お尋ねがございましたが、一番最後の主要農産物の生産動向につきまして私が答弁いたし、残りにつきましては、関係の課長から答弁させますので、御了承願います。
 本県の農業産出額は、昭和60年に3、595億円でピークに達した後に、気象災害による若干の変動はあるものの減少傾向で推移している、これは、御案内のとおりでございます。これは、担い手の減少、高齢化などが進み、作付面積や飼養頭羽数が減少するとともに、輸入農産物の増加に伴い、やはり農産物価格が全体的に低下していること、また、米の生産調整が拡大する中で収益性の高い作物の導入が十分進まなかった、こういったことによるものだろうと私どもは分析しております。
 こうした中で、農業産出額の減少に歯どめをかけていくためには、やはり将来にわたる地域農業の担い手を確保・育成するとともに、適地適作を基本とした作物再編をさらに推進し、収益性が高く、また消費者に選択される安全・安心で高品質な農産物の生産のほか、食品産業などの実需者に有利に販売できる仕組みづくりというものもこれから大変重要になってくるのではないだろうかと考えております。
 こうした考えから、集落水田農業ビジョンに即した担い手の育成、あるいは農地の利用集積、特別栽培米などの売れる米づくり、さらには戦略作物の振興等の実践活動に対しまして、市町村・団体と連携してそういった取り組みを支援しているところでございます。
 また、販売面におきましては、流通実態の把握や生産者研修などにより、産地と実需者との契約栽培の拡大について、農業団体と一体となって推進しているところでございます。要するに、生産はされても実需者とつながらないということであれば全体の生産額は上がっていかないだろう。やはり、生産されたものが、間違いなく実需者のところに届く、その関係というものを今後はきちんと構築していくことが大事ではないだろうかと考えております。
 既に、県内では、県南地方のエコファーマートマト、あるいは県北地方のレタスなどで、量販店などとの契約栽培が進むなど、大変厳しい状況の中で、全体的に産出量が下がっている中で、非常に健闘しているところも出てきております。今後は、こうした取り組みを県内各地に波及させることにより、生産を拡大し、生産動向、目標に対して、早くそこがクリアできるように努力してまいりたいと考えております。

〇及川農業振興課総括課長 認定農業者が計画どおり確保できないということの中での分析の状況でございます。
 委員御案内のように、認定農業者制度につきましては、効率的で安定した魅力ある農業経営を目指す農業者がみずから作成する5年後の経営目標なわけでございますけれども、農業経営改善計画を最寄りの市町村長に提出いたしまして、そして、市町村が定める基本構想に照らして市町村長が認定するものでございます。
 このため、農業経営改善計画が、市町村の基本構想に定める目標所得を達成する必要があるわけでございます。
 そういうことから、近年、認定農業者の認定が伸び悩んでいる状況にあります。この伸びにつきましては、決して減っているわけではなくて、歩みは遅いんですけれども、1日に1人ぐらいの割合でふえておるわけですが、もう少しふえる速度が必要なわけでございます。
 その理由は二つ考えられまして、一つは、農産物輸入の増加などに伴う生産物価格の低迷などによりまして、やはり経営環境が悪化しているということがございます。担い手農家が経営拡大に慎重になっているというような面がありまして、そういう市町村長が定める目標所得を達成する経営計画の策定が困難になっているということが一つではないかということでございます。もう一つは、やはり認定農業者へのメリット措置がさまざまあります。制度資金なり、あるいは割り増し償却制度等がありますけれども、県といたしましてもいろいろPRはしておるわけですが、その辺、十分生かし切れていないのかなという認識がございます。この二つが大きな理由じゃないかと思っております。
 そういうことで、やはりこの認定農業者の育成、本県の農業の中枢を担う農業者を育成する必要があるわけでございまして、昨年度から県下で集落水田農業ビジョンに取り組んでおります。その中で、地域の話し合いをもとに担い手が明確化されてきておりますので、この明確化された担い手の中には、まだ認定農業者になっていない方がかなりございます。その方々を認定農業者に誘導してまいるということでございます。
 そのほかにまた、担い手が不足する地域におきましては、やはり地域全体で農業を維持する集落型経営体といいますか、さらには、認定農業者というのは、特定農業法人の設立を進めながら、やはり認定農業者の拡大に努めてまいりたい。そういうことで、県の農業の大宗を占める担い手の育成を進めてまいりたいと考えております。
 地域別の状況でございます。それにつきましては、県下全体で1、000戸予定しているわけですけれども、地域別に見ますと、総じて地域的にはそう大きな多寡はないわけでございます。水田農業地帯だからといって進んでいるということではないわけで、やはりこれは、市町村が市町村ごとの基本目標で定めている戸数でございます。総じて、高いところは盛岡地域が7割ぐらいのことになっておりますし、花巻地方が75%ぐらい、それから北上地方が85%ぐらい、水沢におきましては62、63%ぐらいの進捗率になっておる状況でございます。ややそういう、60%から70%の間で県下各地域ごとに進んでいるということでございまして、いずれこういうような状況を見ながら、農業認定者の育成に努めてまいりたいと思っております。

〇田山農村計画課総括課長 農地集積を進めるに当たっての圃場整備の効果についてでございます。
 近年実施しているほ場整備事業では、すべての地区で農地の利用集積を促進するためのソフト事業を一体的に実施しており、地域農業の担い手確保と農地の利用集積に取り組んでございます。平成15年度までに事業完了した39地区におきましては、事業着手時と比較して農地利用集積率が平均で32ポイント上昇するなど、ほ場整備事業は農地の利用集積にも極めて有効な手段と認識してございます。
 水田の整備率につきましては、委員御指摘のとおり、米主産地の一つである水沢、一関地域では、現在、集中的に圃場整備を推進しているものの、整備対象面積が多いことなどから県平均を下回っております。
 今後は、公共事業予算が大幅に削減される状況にあっても、ほ場整備事業に予算を最重点で配分するなど、事業の選択と集中をさらに徹底するとともに、いわてNNスタンダード、いわゆる農業農村整備のローカルスタンダードでございますけれども、これによって一層の効率化を図り、水沢、一関地域を初めとした地域の水田整備を進めていきたいと思っております。

〇阿部農業普及技術課総括課長 一学校一農園運動についてのお尋ねでございますが、この事業以外にもいろいろな取り組みがございますので、トータルの農業体験学習ということでお答えさせていただきたいと思います。
 農業体験学習につきましては、子供たちの豊かな人間性をはぐくむとともに、農業への理解を深め、将来的には担い手育成につながることもございますので、農林水産部としても、その取り組みを支援しているところでございます。
 具体的には、小中学校対象の取り組みなわけでございますが、農業体験農園の設置によりますモデル的な体験学習を支援申し上げましたり、それから、学校の先生方、今農業の経験のない教職員の方々が多いものですから、そういう方々を対象にした農業研修を実施しております。あと、農業インストラクターと申しておりますけれども、地域の篤農家の方々でありますとか、農業改良普及員も含めてでございますが、そういう技術者の方々などを派遣して学習会をやる。それから、現場の農業見学でありますとか、現場の研修先をあっせんするとか、そういう取り組みを市町村、農業団体等と一緒になって取り組んできているところでございます。
 実施した学校からは、委員のおっしゃるように、実体験の不足な子供たちが、豊かな自然環境の中で学びまして、自然との触れ合いを深め、ともに作物を育てる、生き物を育てる体験等を通じて、勤労のとうとさでありますとか、喜び、あるいは友達との協力の大切さというものが醸成されまして、思いやりの心がはぐくまれていると学校から声が寄せられてきております。
 普及率でございますが、新しいデータはちょっとございませんけれども、おおむね8割の小中学校が、何らかの学習を取り入れていると考えております。学校の方からは、まだまだそういう知識とか技術を持っている教職員の方々が多くないといったような課題が寄せられておりますので、今後も引き続き、農業大学校、あるいは現場の普及センター等でそういう研修も御支援してまいりたいと思っております。

〇新居田弘文委員 それでは、先ほどローカルスタンダードの話があったんですが、実は、この春の一般質問でも知事にそういう質問をしまして、いろいろ検討しているというお話をいただいたんですけれども、その結果はどうなったかわかりませんが、今、ほ場整備事業については一定の基準がございますね。例えば、担い手圃場整備ですと1ヘクタール以上の区画が40%以上なければならないと、具体的なあれがあるんですが、その地域にとってはそういう規制があるためになかなか導入できないという厳しい自然環境の場所もあるわけですけれども、それは国の制度でいながらも県でもひとつ意見を述べながら、もっと実態に合ったような導入ができるような制度づくり、ひとつ工夫なり努力をしていただきたいと思います。
 それから、一学校一農園の普及、よそよりも高いなと思ったのですが、80%実施しているということですが、その効用については今答弁の中にもありましたように、農家の子供ですらどんなところに何がなっているか、収穫できるかというのがわからない方も中にはいるんですけれども、まして都市部ですとそういうことになると思いますので、今はマンションの屋上とか、あるいは百貨店の屋上などでもそういう農園をつくるとか菜園をつくるような時代でもありますので、ぜひ学校関係については今まで以上に普及をひとつお願いしたいものだと思います。
 それから、先ほど部長からお話しあったいろんな農産物の努力、工夫についてもいろいろあったのですが、結果的にこういうことでありますと、岩手県が本当に食料供給県として首をかしげたくなるような状況にございますので、今まで以上に力を入れていただいて、数字として示されるような、結果が出るような努力をひとつ進められたいと思います。

〇今泉農林水産部長 私、岩手の農業を見たときにまだまだやれる可能性のある、まだ残されている部分があるのではないだろうかと思っております。いずれ先ほど申し上げましたように、やはり生産と実需のところをどうつなげていくかというところ、そこのパイプというものはやっぱりきちんとつなげていくと、今以上に生産量も拡大していくでしょうし、逆にまたそれが担い手の確保にもつながっていくという、そういった好循環が生み出され、結果として生産量が基準により近づいていくのではないだろうかと考えております。いずれ今後そういった取り組みに全力を傾けてまいりたいと思います。

〇田村正彦委員 先ほどの新居田委員のほ場整備事業関連で御質問を申し上げます。
 三位一体改革で補助金カットの俎上に圃場整備あるいは農道整備がのっておったのですが、これが交付金制度に変わるやに、そういう方針が打ち出されているやに聞いております。そういった、例えば、今までのがんじがらめの補助金ではなくて交付金制度になった場合、先ほど委員の質問にもありました基盤整備をする場合のその地域の実態に合ったような整備の仕方というのが可能になるものかどうか、これは農道も同じことなんですが、その辺のところを確認したいと思います。

〇田山農村計画課総括課長 三位一体に関する御質問でございました。確かに圃場整備あるいは農道整備については、三位一体改革の中で補助金削減の対象になってございましたけれども、圃場整備につきましては、現在では交付金化というお話はまだ伺っておりません。圃場整備については補助金制度で残ると伺っております。ただ、農道については一部他省庁の所管の事業との連携を図るということで交付金化ということが打ち出されておりますので、より一層その地域の要望にこたえられるよう、小回りのきくような形で運用していきたいと思っております。

〇田村正彦委員 基盤整備、いわゆる水田の圃場整備については交付金化ではなくて、従来どおり補助金化の可能性もあるというお話だったのですが、どんなものでしょう。例えば、補助金であったとしてももっと地域の裁量というんですか、補助金なんだけれどももうちょっと地域に合ったような、地域のその受益者の要望にこたえられるような裁量を持たせるような補助金になりつつあるのか、それとも今までみたいな、こうでなければだめだというようながんじがらめの補助金の体系で今後も進むのか、どう予測なさっているんでしょうか。

〇田山農村計画課総括課長 圃場整備につきましては、地域の皆様の要望にこたえられるような形でということで、これまでかなり国の方に向かっても要望申し上げ、県の意見を聞き入れていただいております。例えば、道路の幅員についても、排水路の規格についてもいろんな形で国の方に要望申し上げ、県の意見を聞き入れた形で今圃場整備の制度が変化しつつあると認識しております。

〇平澄芳委員 牛の話をしようと思ったのですけれども、先ほど午前中の伊藤勢至委員の資料請求のことですけれども、あれはいついただけるのか、それをまずお伺いしておきたいと思います。

〇今泉農林水産部長 来週の常任委員会までには何とか出したいと思っております。あれですね、例の要するに廃止した場合にどれだけの影響が出るかという資料……、ではなくてですか、済みません。

〇平澄芳委員 2社がどうのこうのという御指摘が委員からあったような気がしますけれども、具体的な会社名挙げて、会社名ではなかったですか、2社というような資料請求があったやに私は受けとめましたけれども。

〇今泉農林水産部長 先ほど調査したところ、もし漏れているものがあれば、それは私どもの方ですぐお出しいたしますということで御了解いただきたいと思います。(「漏れているわけですか」と呼ぶ者あり)漏れていません。というふうに理解しております。

〇平澄芳委員 漏れていないということは、そういう資料はなかったということなんですね。伊藤勢至委員が、ひきょうだというふうなことまで言い切ったわけですし、かなり確信のあるようなお話でしたから、私は、それはあるものだろうなと思って、いついただけるものかなと、そういう御質問でございます。

〇今泉農林水産部長 きちんとしたものを先ほどお届けいたしまして、御了解とりました。漏れはなかったというふうに認識しております。

〇平澄芳委員 ちょっとよくわからないんですけれども、言っていることがよくわからないんですけれども、2社について、ちょっと表現忘れましたけれども、癒着と言ったか何かわからないけれども、そういうたぐいの話があったような感じがいたします。今の話だとそういう資料はなかったというふうなことで解釈していいんでしょうか。

〇菅原畜産課総括課長 昼休みに確認をさせていただきました。資料は1ページから81ページまでございます。これを確認した結果、確実に1から81ページまでそろった内容であること……。

〇柳村岩見副委員長 同一のものということね。

〇菅原畜課産総括課長(続) それを差し上げたところでございます。

〇柳村岩見副委員長 答弁の言葉の選び方だ。

〇和嶋農林水産企画室長 お昼休みに、私どもの方で配ったものを再度お持ちしまして、それと前にお配りしていたものが、もし落丁等によってページが合わない場合には、こちらの方のものと差しかえてくださいということでお願いをいたしました。そのページは今、課長が申し上げましたように、1ページから81ページまで、途中で落丁等が、もし失礼なことがあればお取りかえ当然いたします。

〇平澄芳委員 こればかりやっているわけにはいかないんですけれども、でも、そうすると伊藤勢至委員の指摘――指摘といいますか、要請する文書そのものはなかったんだということなんですか。

〇柳村岩見副委員長 言葉を選んできちっと答弁するように。

〇和嶋農林水産企画室長 いずれ、あの報告書でいわゆる提出漏れというか、公表されていないものはございません。

〇平澄芳委員 それが部局横断的なプロジェクトチームによる報告書なのか、あるいはそのコンサルタントの出した報告書なのか、あるいはそれ以外のものなのか、それはちょっとわからないんですけれども、伊藤勢至委員の要求したそういう資料があったのかなかったのか、そこだけちょっと確認したい。

〇柳村岩見副委員長 暫時休憩します。
   午後2時16分 休 憩

午後2時17分 再 開

〇柳村岩見副委員長 再開いたします。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇菊池勲委員 今の話では話が違う。午前中に資料が違ったからと言って休憩とったんだから、何もなかったという話ではないんだよ。伊藤勢至委員が、おれの見たのとは違うんじゃないかと、あなたと言って、課長は、裏表印刷したから厚さは薄くなったけれどもと言ったが、落ちていると言われたんだからさ、そのために休憩とったんだよ、1時間……(「議事進行もかかった」と呼ぶ者あり)議事進行、それだから、それは何もなかったという話ではないんだ、一切全然報告ないんだもの、ここへ出ていないんだもの。そういう答弁では話が違う。そこの分だけ削除しなければ話が違うんじゃないの、違う、議事録に、間違ったって言っているんだ、委員席から。そのために休憩とったんでしょう。そこのところはっきりしなければだめだよ。これじゃ話にならぬ。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇斉藤信委員 今のやり方について、今の事態について、ぜひ世話人会開いて対応してください。

〇柳村岩見副委員長 世話人会を開きたいと思いますので、暫時休憩いたします。
   午後2時18分 休 憩
   午後3時24分 再 開

〇柳村岩見副委員長 再開いたします。
 ただいまの世話人会の協議結果を報告いたします。
 午前中の佐々木博委員の議事進行に対して、午後会議を再開後、執行部から答弁したところでありますが、改めて当職において伊藤勢至委員と執行部双方に確認をいたしましたところ、配付漏れはなかったとのことでありましたので、御了承願います。
 質疑を続行いたします。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇柳村岩見副委員長 世話人会の協議結果はただいま申し上げましたとおりであります。御了承願います。
 議事を進行いたします。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇菊池勲委員 それでは納得はできないんですよ。午前中は伊藤勢至委員の発言で、昼飯にはちょっと時間早いけれども精査するために休憩をとったんですよね。その結果として両方とも納得したという議論では、私は納得できないの。彼は絶対自信があって、間違っているとはっきり質問しているわけだから、それは同じであったという議論にはならぬと思う。だとするならば、伊藤勢至委員のあの最後の発言は取り扱いに多少問題があると思うので、そこをひとつ委員長に取り計らい願いたい。

〇柳村岩見副委員長 そのことで世話人会を開催し、先ほど御報告申し上げたとおり、世話人会で決したところでございます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇菊池勲委員 その報告では納得できないから、その伊藤勢至委員の議事録を精査しながら、再度確認をさせてください。だったら。

〇柳村岩見副委員長 再度世話人会を開催し、議事録を精査いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後3時27分 休 憩

午後4時1分 再 開

〇柳村岩見副委員長 再開いたします。
 ただいまの世話人会の協議結果を報告いたします。
 佐々木博委員の議事進行については、先ほど報告したとおりであります。
 菊池勲委員の議事進行に係る速記録の精査については、後刻報告いたしますので御了承願います。
 議事を進行いたします。

〇平澄芳委員 先ほど来の議論なわけですけれども、部長の方ではそういう資料はないんだ、81ページに欠落はないんだ、そういうお話であります。しかしながら、本当はそういうものはあるのではないかというような疑念もわいてきますし、逆に、部長のことを信ずれば、それでは伊藤勢至委員の方が間違いがあったのかなと、そういうふうにも思います。
 いずれなのかよくわかりませんが、このことは、もう一つ言わせていただければ、聞けば、部長か、あるいは執行部の方か、いずれそちらの方と伊藤勢至委員の方で休憩中にそういう話し合いが行われたということでございます。委員会の席上でそういう話があったわけですから、私は、そのことも含めて、この委員会の席でそういう報告があればなおよかったかな、そのようにも思いますけれども、私も、馬じゃなくて牛の方の質問もしたいし、審議を長引かせるのも不本意でありますから、次の質問に行きたいと思います。
 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律、いわゆる家畜排せつ物法への対応についてでございます。
 この法律は、平成11年11月に施行され、各管理基準の適用が順次始まり、管理施設の構造基準を守ること、つまり家畜のふん尿の野積み、素掘りに蓄積・保管することが本年11月1日から禁止になった、いわゆる完全実施ということでございます。そして、これに対する県の取り組みはどうなっているのか、1点お尋ねいたしたいと思います。
 それから、この法施行に伴って、畜産農家の農家数あるいは飼養頭数等が減ったのか、ふえたのか、あるいは経営意識、意欲といったものなどの動向はどういうふうになっているのか、把握していれば、それをお知らせいただきたいと思います。
 3点目でありますけれども、事業実施の効果及び農家のこの事業に対する反応、また要望にこたえることができたのか、積み残しはないのか、来年度以降、事業を継続するのか、その辺のところについてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。

〇菅原畜産課総括課長 それでは、家畜排せつ物法に関する御質問にお答えいたします。
 まず、完全実施までの事業内容でございますが、本県の畜産農家――牛、豚、鶏、馬――約1万2、500戸ございます。いわゆる家畜排せつ物法の対象となります農家はこのうち4、019戸でありまして、このうち、平成10年、法律ができる前までに既に整備された農家は1、589戸ということで、法が施行された平成11年以降、本年度まで、残り2、430戸の畜産農家について整備を進めてきたところであります。
 このうち、自己資金で整備した819戸を除く1、611戸におきまして、国及び県の補助事業を活用して、事業費約172億1、000万円で1、203の処理施設を整備してきたところであります。その内訳を見ますと、公共事業で217施設、非公共事業で15施設、県単事業で715施設、それから補助つきリース事業で256施設となっております。
 次に、法施行に伴う動向ということでございますけれども、畜産農家の農家数あるいは頭数の増減で見ますと、これは平成16年2月1日現在でございますけれども、これを法の施行された平成11年と対比をしてみますと、乳用牛では、飼養戸数では79%、飼養頭数では91%、肉用牛で、飼養戸数で69%、飼養頭数で82%、豚で、飼養戸数59%、飼養頭数で98%となっておりまして、ブロイラー以外の畜種につきましては、飼養戸数、頭数とも減少しております。ただ、1戸当たりの飼養規模で見ますと、いずれの家畜でも20%ないし60%ほどの増加をしているところでございます。
 また、ブロイラーにつきましては、飼養戸数で105%、飼養羽数で121%ということでいずれも増加しておりまして、1戸当たりの飼養規模が拡大してきているという状況にございます。
 それから、農家の経営意識についてでございますが、昨年、全農が実施いたしました畜産農家の意向調査、これは全県で990戸ほどやってございますが、今後規模を拡大する計画があると答えた農家が13%、それから現状維持が75%、縮小・廃業を考えているというものが12%ございました。このうち、高齢化または後継者の不在によって縮小・廃業を考えているという人が8%、それから、環境問題の対応が困難なため縮小・廃業を考えているという人が2%でございました。
 この回答結果を得ておりますけれども、法律の施行が必ずしも規模縮小、または経営中止を考える要因とはなっていないのではないかと考えてございます。
 それから、三つ目の事業実施の効果、あるいは農家の反応、それから来年度以降の見通しということでございます。
 最初に、事業効果と農家の反応でございますが、事業実施の効果といたしましては、法律の対象であります畜産農家の処理施設の整備が期限までにほぼ完了いたしまして、排せつ物が適正に管理されたこととともに、堆肥センターを中心に、耕種農家など地域内での堆肥利用が拡大されたことであります。それから、農家の反応といたしましては、法律で規制されていることに対する不満や施設整備に対する負担感はあったのでございますけれども、適正な管理の必要性を理解していただいたものと考えております。
 それから、農家の要望または積み残しについてでございますが、施設整備に当たりましては、対象となる全農家の方々の意向を伺いながら整備を進めてきたわけでございます。補助事業等を計画的に予算措置した結果、法律の対象となる畜産農家における10月末の進捗率は、自己資金で施設を整備した方も含めまして99.2%となっております。残り34戸につきましても、年内には整備がされるという見通しでございます。
 それから、来年度以降のことでございますけれども、法律の対応は一段落したということでございますが、今後、規模を拡大する方や簡易な施設でもって、今後、恒久的な施設への整備を要望している方もあることから、平成17年度以降も引き続きまして国庫事業等を活用しまして、計画的な施設の整備を進めることとしているところでございます。

〇平澄芳委員 ありがとうございました。
 すぐ身近なといいますか、私の近くにも、この際、畜産業をやめるという人もいますし、逆に、さらにまたそういった施設を整備してもらいたい、そういう農家もおります。答弁は、大分進んでいるというか、余り取りこぼしがないようなお話でございましたから、その点については安心しておりますけれども、ぜひ今後、支援を要望する農家については支援を続けていただきたいものだと思います。
 2点目にお伺いします。糸安菊など県が所有する種雄牛についてであります。
 脂肪交雑4.0というように非常に優秀な種牛でありまして、非常に評価が高いとも聞いております。県内の繁殖農家・肥育農家にとっては、これは大変いいことなわけでございます。その後の肉質・価格など、市場の評価はどうなっているのか、県内の一般に流通しているほかの血統と比べてどのぐらいの水準にあるのか、あるいはまた、宮崎県とか、他県勢と比べてみた場合、どのくらいの水準にあるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、この糸安菊の精液の需給バランスといいますか供給状態、希望が殺到しているのか、それに対してこたえ切れているのか、そういったところをお伺いしたいと思います。
 それから、その精液が農家に届くまでの流通ルート、農協なのか、そういった経路、流通ルートがどうなっているのかお知らせいただきたいと思います。
 最後ですけれども、その精液の販売単価、価格と、それから農家に届いたときの価格、その辺にいかほどの差があるのか、その辺のところもあわせてお知らせいただきたいと思います。

〇菅原畜産課総括課長 糸安菊の肉質・価格の市場評価でございますけれども、本牛、糸安菊は、平成15年5月にいわゆる産肉能力検定――間接法――が終了いたしまして、枝肉調査の結果、いわゆる霜降りと言われるところの脂肪交雑基準値が4.0と極めて優秀な成績だったということで、県の基幹種雄牛として、現在供用が開始されてきておるところでございます。
 ただ、子牛生産が行われたということで、これからやっと市場に出回ってくるという状況の中で、昨日、県南家畜市場におきまして、精液配布後初めて去勢牛3頭が上場されてございます。当日の平均価格が去勢で53万9、000円でございましたけれども、これを上回る57万4、000円、あるいは56万2、000円という形で取引されてございます。今後、産子が順次上場されてくると見込んでおりますけれども、肥育牛として、いわゆる肉として評価されるまではさらに2年後ということで、平成18年夏以降となるということでございます。現場での種雄牛としての評価はそれ以降になると考えてございます。
 なお、県有種雄牛におきましては、いわゆる間接検定成績におきまして脂肪交雑が4.0というのは、県有種雄牛全体で見ますと2.7ということでございますので、非常に高い、歴代第1位の成績だったということでございます。
 また、宮崎県とか他県との比較でございますけれども、これも同じく能力検定で比較しますと、第1位はやはり主産地県といいますか、九州、第1位の長崎県、雲仙丸という種牛ですけれども、これが4.3でございます。以下、宮崎県とか鹿児島県等、九州地方での種雄牛が1位を占めているということで、本牛、この糸安菊につきましては、東北勢としては唯一、全国で第8位にランキングされているという状況にございます。
 それから、本牛の精液の需給バランスあるいは供給体制でございますけれども、需給バランスにつきましては、現在、岩手県農業研究センター畜産研究所種山畜産研究室に係養されてございまして、年間1万2、000本ほどの凍結精液の生産が可能となってございます。これまで、農家の要望に応じまして9、000本ほど供給してございます。需要に応じた供給が実施されているということでございます。
 また、その供給体制でございますけれども、これは社団法人岩手県畜産協会が、各農協から地域の需要量を一元的に取りまとめをいたしまして、これを県の種山の畜産研究所が調整した上、供給・配分をしているという実態でございます。
 それから、この精液が流通するルートでございますけれども、県有種雄牛はもとより、国の団体であります家畜改良事業団、あるいは他県等の種雄牛の精液と同時に、先ほど申し上げました社団法人岩手県畜産協会が、農協等から購入申し込みを取りまとめた後、県内の各農協あるいは家畜人工授精所に一元的に配給しまして、農家の人工授精に利用されております。
 それから、販売単価でございますけれども、県の種雄牛の場合は、その種雄牛の能力といいますか、いわゆる肉質によって3ランクに分けてございます。一番安いもので1、050円、それから1、575円、2、100円という形で区分してございまして、当糸安菊は最高の2、100円となってございます。
 それから、末端価格でございますけれども、これは県の販売単価に取扱団体であります岩手県畜産協会の手数料というものが加わります。これも精液単価に基づきまして手数料があるわけですが、糸安菊で見ますと、手数料は262円ということで、足した2、362円というのが供給単価になってございます。
 それから、その末端価格のレベルでございますけれども、県内で広く供給されております家畜改良事業団所有牛の、例えば福栄という種牛につきましては、末端価格で1万1、550円、あるいは北仁になりますと3、465円ということで、県産の県有種雄牛につきましては、売りやすい価格で供給しているという実態にございます。

〇平澄芳委員 ありがとうございました。かなり優秀な種が安く行っているということで安心いたしました。
 これは多分、私と、それからその畜産農家、私に話をしてきた畜産農家の勘違いだと思うんです。何か非常に高いんだと。1回で妊娠しないと、2回、3回とつけなければいけない。その精液代も2倍、3倍となると非常に辛いというような話をしていましたけれども、今お聞きしたので安心いたしました。ぜひ、そういうことで、麻薬みたいに末端価格が何十万円とか、そんなことはないかもしれませんけれども、5万円とか、そういうふうにならないようなことをお願いして、質問を終わりたいと思います。

〇柳村岩見副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後4時19分 休 憩

午後4時35分 再 開

〇川村農夫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇大宮惇幸委員 本県農業の重要な位置を占めております稲作、畜産を中心に何点か質問させていただきます。
 今日まで稲作農業者の経営の推移を見ますと、かつては食糧県を目指した岩手が50万トン達成運動を展開し、その後、昭和40年代後半から1割減反が実施され、30数年間、今日に至っては4割に上るような減反政策を強いられて、それでも農業者は今日まで稲作経営を維持経営してきた経過がございます。
 そうした中で、今度は、いろいろ減反の流れの中では、減反、生産調整等々があったわけですが、いずれ減反には変わりはなかったという中で、今度出てきた、この決算にもありますが、集落水田農業ビジョン実践支援事業という決算のこの中身をひとつお尋ねしてから、質問させていただきたいと思います。

〇高橋水田農業担当課長 集落水田農業ビジョン実践支援事業は、集落ビジョンに掲げる地域の振興作物の団地的な栽培とか、担い手が一定規模以上の稲作あるいは転作の作業受託を行った場合に、集落に対して助成等を行ったものでございまして、この結果、稲作では約360ヘクタール、転作では約2、800ヘクタールの作業委託が促進されたほか、園芸作物や雑穀などの地域振興作物の作付もふえるなど、集落ビジョンの実現に向けた取り組みが促進されたものと考えてございます。

〇大宮惇幸委員 この集落ビジョンの実践計画と申しますか、ビジョン作成は、一部を除いて県内の集落がほぼ達成されているというようなお話を伺ってございますけれども、本当にこのビジョンが達成できるのかどうか、私はちょっと疑問が残っているわけであります。といいますのは、今日まで認定農業者なり大規模農業者によって本県の農業なり畜産が支えてこられた部分もあろうと思いますけれども、しかし、県内の耕作面積の平均を下回るような農家でも、本県の農業を支えてきた部分は大変なものがあると私は思っておるんです。そういう部分で、本当にこの集落ビジョンが現実のものになる可能性をどの程度持っておるのか、再度確認いたします。

〇高橋水田農業担当課長 現在、集落ビジョンが1、556ほどできておりまして、全体の集落の9割が参加しているところでございます。あのビジョンは、策定したというだけではなくて、これの実践を通じて地域の経営向上といいますか、全体的な向上を図ることが必要ではないかと思っておりまして、今回、このビジョン実践事業は平成15年で終わりますけれども、引き続き今度、この事業の内容が産地づくり交付金という形で対応可能となっておりましたので、このビジョン実践事業は平成15年度で終了いたしまして、16年からは、米の生産目標数量の市町村間調整とか、新しい園芸作物を産地化するとか、水田の畑地化とか、そうしたものを促進する水田農業構造改革支援事業を創設いたしまして、ビジョン実践の取り組みを支援しているところでございます。

〇大宮惇幸委員 今、県内を見ましても、転作の主要な作物を占めているのは麦なり大豆というようなものがウエートを占めているわけでありますが、しかし、この麦・大豆も全県すべてに合っている作物ではないと私は思いますし、また、この麦・大豆につきましても、連作の障害が出るということも現地の声であります。そうした中で、岩手でこの麦・大豆にかわる転作作物が研究開発されていないのかどうか、この1点をお尋ねいたします。

〇中正農産園芸課総括課長 転作作物としての、まず、麦・大豆の位置づけでございますけれども、全県で麦・大豆の今現在の作付面積は、両方合わせまして8、000ヘクタールほどになってございます。それぞれ4、000ヘクタールずつと理解していいかと思います。そのうち、水田に作付されておる麦・大豆でございますけれども、これが約6、500ヘクタールほどあると承知してございます。そういう意味で、まさに水田農業を確立する上で、麦・大豆というのは土地利用型の非常に重要な作物だと理解してございます。
 ただ、麦・大豆につきましては、今委員おっしゃいますように問題がないわけではない。というのは、実需者とのやりとりの中で、当然、これは買っていただくために品質向上を図るわけでございますけれども、特に麦につきましては、たんぱく質とか、一等比率を上げてくれとか、こういう要望が来てございますし、大豆につきましても、同じように加工適性の高いものをという話がございます。こういった取り組みを進めながら、先ほど申し上げましたように、転作、水田農業推進をきちんと図っていくということを基本にしていきたいと思ってございます。
 そしてまた、さらに農家の規模もいろいろございますけれども、集約型の作物につきましても、あわせて導入して収益確保を図っていく、こういう姿勢でまいりたいと思っております。

〇大宮惇幸委員 そこで、米の価格に関して御質問申し上げますけれども、昨年、平成15年産米と16年産米の生産者売り渡し価格を比較いたしますと、15年産米と今年産米の格差は60キロ単価で6、000円ぐらいある。そうした中で、この水田農業、担い手を育成する、あるいは大規模農家を育成するという観点から、本当に計画を再度見直さなければならないような感がいたします。今年は60キロで6、000円の減収であった、これが実態であります。
 そうした中で、私は、農産物すべてなんですが、流通機構に問題があるのではないかと思っております。我々農業者、生産者からの買い取り価格と末端の消費者が購入するスーパーなりの販売価格の開きというものが余りにもあり過ぎる。農業者は流通業者のために米をつくっているような感がいたします。そういう点で、この流通機構について、担当の課長からお尋ねいたします。
 私は、実は今年8月23日と記憶してございますが、八郎潟の大潟村、全国から優秀な技術を持った経営者が入植しておる現地を見せていただきました。特にも、ことしは塩害で相当の被害をこうむっておったわけですが、その中で何人かのグループで精米工場を立ち上げている。まさに生産から販売まで取り組んでおる実態を見せていただきました。やはり、単なる精米工場ではなかったわけであります。今求められている、当然、白米も売っておりましたし、無洗米、あるいは発芽玄米等々がもう既に全国ネットで販売されておるというような実態を見てまいりました。岩手県としても、そういうような流通機構に乗せるようなシステムを考えられないのか、この点についてもあわせてお尋ねいたします。

〇佐々木流通課総括課長 米の価格につきましては、委員お話のとおり、今年の卸売価格は、不作であった昨年に比べると非常に安い。全体的な水準としては、平成14年産並みの価格で推移してございます。
 卸売価格と小売価格の差ということでございまして、この差につきましては、流通経費なり、あるいは流通業者のマージンなりということになるわけでございますけれども、この部分をできるだけ産地側で取り込んでいくというのは極めて大事な取り組みと思ってございます。
 お米のように大量流通するものにつきましては、いろいろな流通形態があるわけでございますけれども、まず第1に、組織の力を結集して有利な販売に持っていくという部分が一つあろうと思ってございます。これは、JAいわてグループ、農協、全農岩手県本部、あるいは全農全国本部を通ずる大きな流れがございます。これは、自主流通米価格形成センターの入札があるわけでございますけれども、入札のほかに、卸売業者との相対で価格を決めていくという流通形態が多くなってきてございますので、まさに組織の力を結集して、より有利なところに取り組んでいくというのが一つと思ってございます。
 それから、お米の場合、玄米から精米へという過程を経、さらには、最終的に消費者に渡る場合は米袋ということになってくるわけで、これをできるだけ産地のサイドでやろうというのが産地精米の考え方でございまして、県内でも米どころは産地精米に取り組んでございますし、大都市の大手米卸と業務提携した形で産地精米に取り組んでいるという動きもやってございますので、今後、そういう動きを一層強化していくことによって、消費者に岩手という産地の顔を露出していくことができるのではないかと。岩手という産地を露出するに当たっての売りを安全・安心というところに軸足を置いて、これをてこにして、生産者の努力が生産者の手取りとして報われるような、そういう流通の仕組みをつくり上げることに鋭意努力してまいりたいと考えております。

〇大宮惇幸委員 次に、農林水産部長にお尋ねいたしますが、県農政の今後のあり方、あるいは米政策のあり方についてお尋ねいたします。
 と申しますのは、今、国の方では大型農家なり、認定農業者、これらを中心とした今後の助成制度を検討しているようであります。しかし、先ほども申し上げましたとおり、私は、そういう方々ばかりじゃなくても、県の農業を支えているんだ。国ではそういう方々に助成をして、小さい農家を切り捨てる、まさにそういう政策を打ち出しているわけでありますが、農協系統では、これまでどおり幅広い助成をお願いしたい。国の方針は、認定農業者なり、大型農家育成のためにやるんだというような方針を打ち出して、そのずれがあるわけでありますけれども、本県の農業政策、いわゆる米政策は、今後どのようなお考えなのか、農林水産部長にお尋ねいたします。

〇今泉農林水産部長 本県の米政策というか、担い手のあり方をどう考えるかというお尋ねだろうと思います。
 確かに今、国の方では担い手は大型農家を中心にということで考えているようでございますが、一方で、国全体を考えていったときに、やはり農業は構造改革を進めていかなければいけないという一つの大きな課題がございます。そういった課題にこたえていく中で、それは一つの流れとして大事なことなのかなと思いますが、ただ、私は、やはりそれだけではないだろうと。委員御指摘のように、やはりそれだけではないところで、岩手の農業農村というものは守られているわけでございます。したがいまして、私は、国の方に対しましては、基本的にそういったものも含めて、多様な担い手があって初めて構成される農業農村でございますので、そういったことも視野に入れながら、やはりこれからの農業政策を考えていくべきではないのかということは、機会あるごとに提言申し上げているところでございます。また、今後もそういった方向で提言活動をやっていきたいとは思っておりますが、それとは別に、やはり岩手県としても、もっとそういった多様な担い手が農業農村を守っていくといった取り組みというものをやっていかなければいけないのではないかと思っております。

〇大宮惇幸委員 次に、通告いたしておりますけれども、この問題は一般質問でも取り上げられた問題でありますが、決算の中の農業改良普及事業の内容をお示しいただきたいという通告をいたしております。まず、そのことについて答弁をいただきたいと思います。

〇阿部農業普及技術課総括課長 普及事業につきましては、御案内のとおり、農業改良助長法が改正になりまして、現在、その見直し、検討等を進めているところでございますが、本県といたしましては、いずれ、今委員のお話のように、非常に重要な業務を担っていると認識しておりますので、普及指導機能を一層強化していくことにしてまいりたいと思っております。
 本会議の答弁にも部長の方からお話し申し上げておりますとおり、新しい体制というものは、輪郭もまだできておりませんで、今、関係者から御意見をお伺いしておりまして、それを取りまとめているところでございます。
 現在の考え方だけを申し上げてまいりたいと思いますが、まず、今の体制をもっと効率的に動かすために、もっといい体制をとれないかということを検討しておりまして、地域のそれぞれの特性がございます。普及センターにつきましても、同じ普及センターでも、地域によって業務の内容がかなり違いますので、そういったことをくくりをしまして、効率的に動かせないかというようなことを検討しております。
 それから、今話題になっております集落水田農業ビジョン、これも普及センターの指導の最重要課題の一つだと認識しております。そういった中で、今、機動性を持った体制を構築できないか、柔軟に対応できるような体制ができないかという形で検討しております。
 今、もう一つの話題になっておりますように、中核的な農業者の方々だけでなくて、その他の農業者の方々に対しましても、国の施策がそちらの方に集中するというような流れになっておりますけれども、県といたしましては、そちらの方の対応も何とかできないかということで、現在も現場の方では普及センターと農業農村指導士とか、地域の篤農家の方々と協力しながら指導体制をとっているところでございますが、いずれ、現在それぞれ肥料、飼料業界の方々等からも、何とか一緒に連携できないかというようなお話がございましたり、そういうことも一緒に協働できるような仕組みもつくってまいりたいと思っておりまして、その中身を見直しの中心に据えて、今検討しているところでございます。

〇大宮惇幸委員 実は私、通告しておった――すれ違いを感じるわけですが、農業改良普及費の中の6、900万円何がしのこの内容をお尋ねしたかったわけでありますけれども、その点についてお答えはいただけないでしょうか。

〇阿部農業普及技術課総括課長 大変失礼いたしました。
 農業改良普及センターの管理運営費がございますが、これが農業改良普及センターの12カ所、現在、地域普及所を含めて16カ所設置されてございます。農業改良普及センターは262名配置されておりますけれども、これの管理運営に係る経費でございます。

〇川村農夫委員長 答弁内容が違っております。

〇大宮惇幸委員 この179ページの普及センターの管理運営費は理解しています。というのは、その下から3段目の6、978万円何がしという、これの中身を教えていただけないのかという素朴な質問であります。

〇川村農夫委員長 議事進行に御協力ください。

〇阿部農業普及技術課総括課長 大変失礼しました。
 農業改良普及事業費6、978万4、600円でございますが、この中身につきましては、普及指導に要する経費でございまして、例えば、水田農業確立に絡みます普及センターの指導の経費、農業研究センターとか、12カ所の普及センターの、例えば農業再編に取り組んでおりますモデル地区の指導経費とか、あと、細かい話になりますが、改良普及員の資格試験の経費でありますとか、それから、普及センターの必要な機材の整備経費、高齢者とか女性の指導に要する経費、普及職員の研修に要する経費等々でございます。これの合計額が今の金額になるものでございます。
 大変失礼いたしました。

〇大宮惇幸委員 了解いたしました。
 そこで、この農業改良普及員の果たしてきた役割、大変なものがあると評価いたします。しかし、最近この普及センターの統合整備の話が出てまいりまして、私も、地元の認定農業者なり、大規模農家の方々に、最近普及員さんとお会いしたことがありますかというお話をしたところ、最近はちょっと見かけないなというようなお話もあります。そうした中で、かつては集落の座談会とか、営農指導会とか、そういう部分にも本当にきめ細かく入ってきた時代もありました。しかし、今、大型農家なり、認定農業者の方々が、言い方がまずいかもしれませんが、非常に、情報なり技術がかなり高いものを持っているというのも事実だと私は思います。そういう意味で、これからの農業改良普及員のあるべき姿というのはどういう方向でやっていくのか、その1点を確認したいと思います。

〇阿部農業普及技術課総括課長 現在、今委員のお話がありましたように、現場の方になかなか顔が見えないという御指摘をいただいていることもお聞きしております。実は、普及職員が、現在、35歳以下の職員が46%を占めるほど若返ってきております。いろいろ活動時間を洗ってみておりますけれども、指導の内容自体がいろいろ複雑になっておりますので、そのことも関係しているかと思いますが、指導準備に要する時間が非常に多くなっているようでございます。そういったこともありまして、関係機関・団体と昔のようにきめ細かに連携してといいますか、お話し合いをする時間がなかなかとりにくいようになっているような状況もあるようでございます。
 そういった内容もございますので、これから検討していく段階では、資質向上を図っていかなければならないと思っております。農家の方々からも、もっと高い技術といいますか、技術を高めてほしいというような御要望もございますので、それをひとつやってまいりたいと思っております。
 あと、もう一つの批判が、御意見をいただいておりますのが、指導の対象を余り幅広くいたしまして、活動が分散して充実した指導ができないのではないかというような御指摘もいただいております。現在、所内の体制が、三つの課で構成しまして、それぞれそれの下に職員が張りついておりますけれども、どうも見ていれば、実際活動している単位が課単位で動いているようにも見えないところもございます。現在、先ほど申し上げました内容の中で検討しておりますのが、柔軟性と機動性を確保する観点から、先ほど、地域によって活動内容が相当違うという話を申し上げましたけれども、それぞれの地域で課題に対応した小チームで動けるようなチーム制をとったらいいのではないかと考えております。それが若い人と、それから中堅とベテランとを組み合わせたようなチームで、一番頻度の高いところで動けるような形をとってまいりたいと思っておりまして、これが一つの若い方々のレベルを向上させるOJTと申しますか、現場での仕事を通じた教育で資質の向上が図られるのではないかと思っておりまして、そんな体制も考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、これからまた御意見をお伺いいたしまして、さらにいいものにまとめてまいりたいと思っております。

〇大宮惇幸委員 今のお答えの中にもありましたとおり、やはり現場の期待にこたえられるような普及員の育成なり養成というものに力を入れてほしいという要望をいたします。
 次に、3点目でありますけれども、堆肥センターに関連して先ほど平委員の方からは個々の堆肥センターの質問がありました。それは割愛をいたしまして、県内の大型堆肥センターと申しますか、年間1、000トン以上処理している堆肥センターが県内にあるわけであります。28カ所と承知しておりますけれども、若干ふえている可能性もあるかと思いますが、その各センターの収支状況を見ますと、余り内容がよくないという報告があります。その原因は何なのかです。まず、その点からお尋ねをいたします。

〇菅原畜産課総括課長 まず、県内の堆肥センター、1、000トン以上ということで大型のセンターになるわけでございますけれども、今お話しありましたように、ことし3月末で28カ所ほど県内の堆肥センターがございます。今年度新たに4カ所が整備されておりましたので、今年度には32カ所となってございます。このうち年間の処理が完結しているところは21カ所ございまして、この21カ所の経営状況を見ますと、いわゆる生産コストとそれから供給価格の間に若干アンバランスがあるといいますか、比較的安い価格で供給をしていると、せざるを得ないというような要因がございまして、経営的には非常に厳しいところが多いというのが実態でございます。

〇大宮惇幸委員 稼働している大型堆肥センターのお話を聞きますと、堆肥の需要時期というのは、計画では年間使うという計画なわけでありますけれども、実際は春と秋なわけであります。実際大量に使う時期というのは。その間ストックしているわけですね。この問題と、あとは畜産農家なりそういった方々が持ち込む際にも料金を払う、引き取る際にもまたトン何千円という価格で引き取らなければならない。やはりそうなると、本当に堆肥を使いたくても、行って戻ってくるにトン五、六千円はかかっているんだと、そうなると思い切って、良質な堆肥ではあるんだけれども、現場としてはちょっと使えないという声があるんです。そこで、何とかこういう堆肥の利用促進、有機なりそういう話が出ておるわけでありますから、これらに対する助成と申しますか、設置している市町村では大変なわけです。これにも負担をしなければならないということで。これらの円滑な運営をするためには、何らかの施策が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。

〇菅原畜産課総括課長 まさに生産された堆肥が十分に、言ってみればいわゆるコストに見合った価格で販売されるということが一番好ましい姿なわけでございますけれども、使う側にもいろいろな要求がございまして、どうしても今、委員お話しございましたように、生産コストよりも安い5、000円とか6、000円で供給をせざるを得ないというようなところで、結果として経営が非常に厳しいと、それを市町村とか農協が負担しているというのが実態だろうと思います。今後はそういうことで地域、地域のやっぱりその利用促進を図るという意味で、例えば耕種農家と連携して、いわゆる良質な土づくりをしながら耕畜連携でやるというような取り組み、最近いわゆる肥料会社とか、あるいはホームセンター等に積極的に販路を拡大して流通を図っていくというような取り組みもございますので、そういうことの取り組みに対していろいろな支援をしていきたいということで、現在、県では各地方振興局単位で堆肥の利用推進協議会というのを設置してございまして、これをフル稼働しまして地域でのそういう堆肥の利用促進といいますか、それといわゆる耕種側との土づくりとあわせた取り組みもいろいろ進めていきたいと考えております。

〇関根敏伸委員 私の方からは、県内の農業振興に対しまして大きな役割を担っております農業大学校と農協につきまして、手短に何点か御質問をさせていただきます。
 まず、県立農業大学校についてでございますが、昭和7年の設立以来、何度かの変遷を経て現在の形となっている同校でございますが、農業者並びに農業指導者養成という一貫した目的を堅持して現在に至っているものと思われます。
 そこで、まずお聞きをいたしますが、同校の近年の入学者の状況、並びに卒業後の就業の状況についてお知らせをいただきたいと思います。また、ここ数年の状況につきまして何か特徴的なものがあれば、あわせてお示しをいただければと考えております。
 続きまして、次代の担い手を育成するという、長年にわたり同校が果たしてきた役割についてでありますが、これに関しましては県内の農業の指導的な立場にある多くの人材を同校が輩出しておると認識をしておりますが、改めてこの果たしてきた役割についてどのような評価をされていらっしゃるのか。そして、これからの米政策改革に伴う新たな水田農業の確立、食の安全・安心への要求、市場、消費者重視の視点に立った農業への転換など、21世紀型農業に向けての同校が果たすべきこれからの役割とその実現に向けた変革への取り組み、またその実情につきましてお知らせをいただければと考えております。

〇阿部農業普及技術課総括課長 農業大学校についてのお尋ねでございますが、近年の入学者と卒業者の動向でございます。平成16年度、直近の入学者につきましては、本科が63名、研究科が15名、合計78名でございます。蛇足でございますが、このうちの72名が県内出身者でございます。

〇川村農夫委員長 答弁の途中でございますが、もう少し大きい声ではっきりと答弁してください。

〇阿部農業普及技術課総括課長(続) 失礼しました。
 卒業生の進路の状況につきましては、直近の平成15年度でございますが、本科、研究科あわせまして75名の卒業生がございます。直ちに就農した者が23名、全体の3分の1、33%でございます。それから、即就農しないで先進農家等に研修に行ってから就農するという学生もおりますので、その先進農家等への研修が7名ございます。それから、中には農業関連企業あるいは農業団体に勤務いたしまして指導的な立場で活躍していただく方もいますけれども、こういう職場への就職が13名、17%でございます。それから、進学が15名となっております。それで、ここ数年、3年ほどは大体こんな傾向でございまして、総体では大体最終的には7割ぐらいが実際に就農しているのではないかと思っております。特徴的な動きでございますが、最近では特に教育内容の中で花卉――花ですが、これが人気が非常に高いということで、たしか県外の出身者もここに入っているのが大半と理解しております。
 それから、これまでの評価でございますが、大学校はいずれ、今、委員からもお話しありましたように、現在県内で唯一の実践的な教育機関と認識しております。これまでも高度で先進的な実務的な教育といいますか、研修といいますか、そういうことで、それに対応した施設整備を進めながら、特に最近ではバイオテクノロジーなどの先進的なカリキュラムを導入しながら、数多くの青年農業者を育成しているところでございます。
 御承知のとおり、こういった方々は県内各地で中核的な農業者として活躍いただいているわけでございます。このほかにもう一つ実際の農業をやられている方あるいはこれから農業をしようとする方の短期の研修等もやっております。特に最近では、いわて農業入門塾というような取り組みもしておりまして、そういった研修も含めてトータルな研修関係の、短期、長期の研修含めて、先ほど申し上げました正規の課程の卒業生とは別個にやっておりまして、それが平成15年度――昨年度では研修生の延べ人数が、長期の1年、2年という研修もございますけれども、短期の延べ人数といたしまして7、000名を超える研修生の方々に受講していただいております。
 現在、今もお話しございましたように、新たな教育内容ということで、今お話しありました食といいますか、作物の安全・安心、それから環境保全、そういった取り組みも強化してきております。いずれ時代がかなり大きく変わってきておりますので、今日的な課題にも柔軟に対応できるような知識、技術あるいは経営感覚を養うように、これからも充実してまいりたいと思っておりまして、来年度からも早速教育内容を若干変更してまいりたいと思っております。

〇関根敏伸委員 先ほど新居田委員からも御質問がございましたが、担い手育成の事業の信託状況が大変おくれている。これは新規就農者に対しても同様かと認識をしておりますが、同校が果たすべき役割はますます重要になると考えております。ますますの取り組みをお願いしたいと考えております。
 引き続き、この大学校についてでございますが、学校運営の面でございますが、今学校に関しましても経営的視点を持った組織運営が求められる環境になっております。岩手大学、県立大学につきましても運営面におきまして独立法人化という動きが見られておるわけでございますが、農業大学校での法人化の動きが出ているものかどうか、その辺につきましてお伺いをさせていただきます。
 あわせて、今度は引き続きまして農協関連の方に質問させていただきますが、農業協同組合指導費におけます経営改善特別対策資金についてお伺いをいたします。
 先ほど御説明にもございましたが、この資金は平成10年から15年までにわたって債務超過農協の信用事業の内容改善、あわせて合併促進に向けた貸付事業、このように承知をしておりますけれども、改めてその事業内容と5年間の事業評価につきましてお聞きをさせていただきます。
 さらに、今年事業が終了して1年以上が経過して、来年4月いよいよペイオフの解禁が迫っておるわけでございますが、この時期を迎え県内18農協の全般にわたります財務体質にわたって、担当部といたしましてどのような認識をお持ちでいらっしゃるかお聞かせをいただきたいと思っております。

〇阿部農業普及技術課総括課長 農業大学校の独立行政法人化についてのお尋ねでございますが、大学校につきましては、現段階ではまだ検討いたしてございません。

〇高前田団体指導課総括課長 農協の経営改善特別対策資金についてでございます。
 この資金につきましては、金融自由化や金融危機といった社会経済情勢のもとで、平成10年3月に債務超過状態にありました住田町農協などの県内6農協について、農協の信用事業の停止に伴う信用不安や地域経済に与える影響を回避するとともに、あわせて農協合併を促進するということを目的といたしまして、県、それから市町村及び農協系統組織が連携をいたしまして、県農協中央会に対しまして、平成10年9月から平成15年9月までの5年間にわたり、52億6、000万円を無利子で貸し付け、その運用益を支援金の財源の一部に充てたものでございます。
 次に、5年間の評価についてでございますが、債務超過状態にございました6農協につきましては、資金支援の結果、平成12年度末までに債務超過から脱却をいたしますとともに、広域合併が実現されたところでございまして、本県農協の経営基盤の強化に寄与したものと考えております。
 次に、もう一点のお尋ねでございますが、ペイオフ解禁を間近に控えた県内農協全般の財務体質に対する認識についてでございますが、県内の農協におきましては、現在、合併協議が進められております和賀中央農協を除きまして、現時点ではJAバンクグループの自主ルール上の経営の健全性を判断する指標でございます自己資本比率8%を確保している状況にございます。しかしながら、金融情勢の変化でございますとか、民間企業との競合の激化、それからさらには、農家経済の悪化などによりまして、平成15年度決算におきましては、県内の18総合農協の中で8農協が繰越損失金を計上するなど、依然、予断を許さない状況にあるものと認識しております。

〇関根敏伸委員 農業大学校につきましては、私も独法化がよいという意味で質問したわけではございません。非常に大切な大学だと思います。また、岩手大学や県立大学とはまた違った役割を持っているものと考えておりますので、この辺につきましては、運営面の効率化はぜひ図っていただきたいと思いますが、独法化につきましては慎重な御議論をいただければというような意味で考えておるところでございます。
 農協の話に移りますが、県内の18農協のうち、8農協につきまして財務体質が脆弱であるというお話でございました。この辺につきましては、さらなる注意深い指導をいただけるものと思っておりますが、これは小原宣良委員も質問されました。殊に、北上市にあります両農協の動きにつきましては、団体指導課におきまして大変な御努力をいただきまして現在まで来ていると認識をしておりまして、改めて感謝申し上げます。これにつきましては、新たな動きが出てまいりまして新聞等でも発表になっておりますが、ペイオフ前の資金注入と、9月予定されております合併後の資金注入につきまして、県内各農協の理解度につきまして最新の情報がもしございましたならばお知らせをいただきたいと思っております。
 そして、最後になりますが、農協についてでございますが、農業大学校と同じ観点から質問をするわけでございますが、いわゆる21世紀型の新たな農業基盤の確立を進めていく上で、やはり大学校と同時に農協の果たす役割も非常にこれからますます多様で、かつ重要なものになっていくと考えているわけでございますが、担当部といたしまして、これからの農協に期待するもの、一言ではもちろん言えないと思っておりますが、どういった役割に対して期待を持っているのか。さらに、この実現に向けまして団体指導担当といたしまして、指導のあり方、検査のあり方等を含めましてどのようなお考えをお持ちであるのか、この辺につきましてお聞かせをいただければと考えております。
 信用事業につきましては、知事からも御答弁をいただいております。担保評価に対しての慎重な取り組み等はいただいておりますが、信用事業も含めまして経済事業あるいは営農指導という、こういった部分につきまして指導と検査のあり方につきましての方向性をお聞かせいただければと思っております。
 以上で質問は終了いたします。

〇高前田団体指導課総括課長 2点御質問をいただいておりまして、まず第1点目の和賀中央農協の再編に向けた農協系統組織の支援についての最近の取組状況でございます。
 まず、和賀中央農協につきましては、先般開催されました合併協議会におきまして、来年9月の合併を目標として定めて、それに向けて両農協で取り組んでいくということが協議会で決定をされたところでございます。これを受けまして、現在農協系統組織におきましては、具体的な自己資本比率の8%を確保するための対策ということを鋭意検討いたしておりまして、委員御指摘のとおり、現在、県内の農協の組合長さん方と鋭意協議していると承知しておりまして、近々その結論が出ると伺っております。
 それから、2点目でございます。農協の役割に対する期待とそれから指導の役割についてでございます。
 まず、農協の役割に対する期待でございますけれども、農協は組合員の負託にこたえまして、大きく変化しつつある農業情勢でございますとか社会経済情勢に対応し、適地適作による農業生産の拡大や安全・安心を求める消費者ニーズへの的確な対応、さらには、組合員に対する営農指導の強化などにより、地域農業の振興を図ることが期待されていると認識をいたしております。農協がこうした期待にこたえ、地域農業振興の中核的な役割を担うためには、何よりも健全で透明性のある経営が必要であり、財務や組織体制等の経営基盤を強化することが不可欠であると考えております。
 私どもといたしましては、これまで農協経営の健全性を確保するために、農協法に基づく常例検査でございますとか、特に財務状況等に懸念のある農協の重点的な指導をやってきたところでございます。今後はこれらに加えまして、農協が地域農業振興の中核としての役割を担い、組合員や地域により一層貢献できるよう、農協検査や検査後のヒアリング等あらゆる機会を通じまして、役職員の意識改革と経済事業の改革を積極的に促進してまいりたいと考えております。

〇及川幸子委員 15年度末で既に104億円もの累積赤字が出た岩手競馬について何点かお尋ねいたします。
 質問を大分用意しておりましたが、午前中のいろいろな論議の中で交わされたようですので、削ってまとめながら、私の言葉でわかりやすい質問をいたします。部局の方もわかりやすい答弁でお願いいたします。
 私は水沢生まれでございます。小さいころから古い馬検場を通り田畑に父母と出かけていった思い出が残っております。私には今、岩手競馬存続というゴールを目指して駆けている馬の姿が脳裏に浮かんでまいります。議会が終わり、毎日家にたどり着き、どうしても眠れないのは私だけではないはずです。どうしてもあの馬の美しい目が脳裏に焼きついてまいります。山形の上山競馬、既に一般質問の最後、質疑でも申し上げましたが、何百頭という馬が、一生懸命レースを駆けた末、命を落としていきました。水沢においても多くの馬がレースを待ちながら今飼育されております。水沢に帰り、今、及川さん、一体岩手競馬はどうなるの、北海道に行って買ってきた馬、あの命はどうなるのと、本当に悲しい思いで質問されます。しかしながら、私には今、一体どうなるんだよというそういう返事ができないのであります。
 余りにもこの組合に対する県の融資が突然だったということであります。出資法人等の提言が知事に示されまして、アクションプランも含め県の資料の提出がいつも後になってしまいます。先ほどからその論議も交わされました。その理由については部長から大変申しわけなかったと、不徳といたすところ、何度も聞きました。そして、議場においても増田知事の何度も何度も頭を下げる姿も見ました。私は議員になり5年半、あれほど増田知事が頭を下げるのは見たことがありません。
 そこで、質問いたしますが、県では競馬組合に50億円を貸したいとしておりますが、これは県内の小規模な町村の年間予算にも匹敵する大きな額であります。競馬組合が厳しい経営状況にあることは理解しておりますが、今県財政が苦しい中で県議会として大変難しい選択をしなければならず、議会内でもさまざまな意見があることも事実であります。
 そこで、お伺いいたします。わかりやすく答えてください。今回の50億円の使途は何なのでしょうか。そしてまた、競馬組合は15年度末で既に104億円もの累積赤字を抱えており、今年度の売り上げも減少傾向にある中、50億円はどのようにして返済されるのか。また――ここがポイントです――間違いなく返されるのでしょうか。うそのないところで心のうちを全部明けてください。

〇菅原畜産課総括課長 今般補正予算として提案させていただいた県からの競馬組合への50億円の貸付金は、競馬組合の資金繰りに充当するための運転資金であります。その内訳は、長期借入金――地方債でございますが――この元金の約定償還分約13億円、それから競馬収支の損失分ということで、これには地方債の借入利息償還分の約6億円を含み、実質競馬収支としては21億円ということで、あわせて27億円になってございます。それから、もう一つは、支出が先行しております公営企業金融公庫からの還付金や佐賀、荒尾両競馬との相互発売に係る業務協力金の収入がおくれること等によって一時的な不足分が発生するということで、これが約10億円ということで50億円ということになってございます。
 それから、どのようにして返済するかと、間違いなく返せるかという御質問でございます。今回の短期資金として50億円を貸す場合において、年度末となる来年3月31日に県に償還することとなるわけですが、基本的には市中銀行から借り入れを行って一たん返済することとなります。返済資金として市中銀行から借り入れる資金については、翌年度分の新たな県からの貸付金の貸し付けによって市中銀行に返済することとなるものであります。市中銀行が融資してくれるかどうかというのは、県が競馬組合の実行計画を評価して、計画が確実に実行できるものと判断し、県が資金を貸すかどうかにかかっているということになろうかと思います。
 県としましては、構成団体として、計画を確実に実行していくための資金を提供する。そして、長期的な視点も含め計画が確実に実行されているか、進捗状況を絶えずチェックを行うことによって、おおむね10年程度という期間をめどに組合の累積損失の解消を達成することによって、競馬組合がみずから資金を確保し得る財務構造を確立して、そのことにより県の貸付金額を順次縮減するということを強力に進めていく必要があると考えてございます。

〇及川幸子委員 そこで、銀行に融資をお願いしたという一つの意見と、いや、やっていないという二通りがあるんですが、一体どっちなんですか。

〇菅原畜産課総括課長 昨年度104億円という一次借入金を既にしておるわけでございまして、これにつきましては現実にその後も不足金が生じておるということで、非常に厳しい対応の中で一時金という形で上乗せして借りておるのも事実でございます。

〇川村農夫委員長 答えになっていない。質問の趣旨に答えてください。
 では、質問をもう一度繰り返してください。

〇及川幸子委員 50億円の融資を銀行にお願いした経緯がありますか。それと、お願いしなかったのですかということを聞いたんです。実はお願いしたということと、まだお願いしていないよという二通りのことが示されておりますので、そのところを、どっちが本当なんですかと。その結果、県に要請しているのですかということで聞いたんです。

〇菅原畜産課総括課長 組合としましては、当然市中銀行の方に強力に要請をしている経過はあるというふうに思います。

〇今泉農林水産部長 7月にやっぱり1回どうしても資金ショートの時期が来るということがありました。これはクロス・ファンクショナルの報告書の中にもあったんですが、そのときにいろいろと組合の方で銀行と折衝したという経緯はございます。そのときの印象がやはり大変厳しかったということでございます。ただ、そこの資金ショートを、そこで、組合が一時、ほかの委託とか何かやっておりますけれども、そこの支払いというものを全部延期して何とか7月は乗り切ったわけでありますが、その後やはりどうしてもその資金繰りがつかないということで、再度銀行の方にお願いしたということは聞いてございます。そのときに、経営改善計画に向けての動きが出てきたということで、非常に短期的に、何カ月間という条件で当面のつなぎ資金を借りたというふうには聞いてございます。ただ、今回県にお願いしている50億円については、既にもうその時点で大変厳しいという感触を持っておりましたので、これは何とか県の方にお願いできないだろうかということで要請があったというものでございます。

〇及川幸子委員 それでは、わかりやすくとらえてみました。銀行が断ったのでということですね。ですから県に融資をお願いしたというふうにとらえていいのでしょうか。

〇今泉農林水産部長 大変厳しい感触を受けたというふうに聞いております。

〇及川幸子委員 私どもはこれを何時間かけても論議していかなければ大変重要な問題なので時間かけております。どうぞ本音を言われて、今後の改善がどういうふうに示されるのか、大変注目している県民であり私たちでありますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、今回の50億円についてですが、突然出てきたことでありますが、県の出し方など資料の提出が本当に少しずつ、少しずつ、料理であれば小出しに出すのはとてもいいことなんですが、この資料の小出しというのは非常に困るわけです。私もいっぱい質問を用意していましたらお昼に資料を出されてお昼時間に読ませていただきました。なるほど改善策が打ち出されておりましたが、こういうのを早く出さないと、もうとにかく意見が行ったり来たりでわけわからないんですね。ですから、そういうところで、もうこれからは本当に小出しに出さないで資料は出すべきだと私は思っております。
 そこで、議会内もさまざまに意見が分かれておりますが、もし貸し付けが認められない場合、この岩手競馬はどうなるのでしょうか、部長、50億円を融資して本当に返ってくるのか、そのところを最後にちょっとお聞きしてみたいです。

〇今泉農林水産部長 この融資が認められないとなると組合の経営は大変厳しいだろうと思っております。本当に回収できるか、償還不能になるのではないかということでございますけれども、先ほど担当課長の方から答弁したように、あのような形で仕組みを回していきますから、短期的には県としてはきちんとお金は確保できるということがあります。と同時に、組合全体とすればやはりどうしても累積損失がふえるわけでございますので、先般お示しした改善計画というものを着実に実現してそのコストを削減し、かつ増収策で収入を上げることでそういった累損を解消していくという取り組みが同時に不可欠であると考えております。こういった取り組みが行われれば、私は必ずこれは返ってくるものだと思っております。

〇及川幸子委員 私どもが融資を認めた場合、県民から、認めた議員に大きな責任があるという投書もたくさん来ております。また、指摘もされております。そしてまた、認めない場合にこの競馬組合が倒産するという形になれば、それもこの県議会に対しての責任があると、本当にどちらも私どもに責任が課せられてきます。そこで、厳しいじゃなくて、融資をしなければ岩手競馬がだめになるのかということを、ちょっとそこをお聞きしたいんですよ。厳しいじゃなくて。

〇今泉農林水産部長 簡単に資金繰りの話を申し上げますと、先般、私もちょっと答弁いたしましたけれども、12月、年を越すのは極めて厳しいと思っております。12月中には多分資金ショートをまた起こすんじゃないだろうか、もう起こすことが確実でございます。ここをやはりどう返していくかということが大変今、競馬組合にとって大きな問題ではないだろうかと考えております。

〇及川幸子委員 大変な状況をまた聞きましたけれども、最後に、さまざまな厳しい投書がある中で、夕べ家に帰って新聞に目を向けました。こういう記事が載っておりました。岩手競馬存続改革頑張って、22歳の若い人からです。男の方ですね。
 競馬は確かに賭け事ですが、その収入は何年か後の未来に、岩手県、水沢市、盛岡市の税収として返ってくると信じています。このため、一競馬ファンとしては、岩手競馬を決して無駄なものにはしたくはありません。岩手県競馬組合の方々には岩手競馬存続を目標にして後ろを振り向かず、頑張って改革を進めていただきたいと思っております。
 実は、やめろという多くの意見の中でこういう意見を持っている方もいらっしゃいます。大きな改善策を持って私どもに明るい兆しがこの岩手競馬に見えるように頑張っていただきたいと思っておりますが、いろいろと質疑はまだまだ交わしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。終わります。

〇高橋賢輔委員 私、当該議員ですから大変責任を感じておるわけです。そこで、今まで私ども組合に関しての、いろいろな組合幹部の皆さんから意見を聞いておるわけですけれども、その中で、去年の5月に御推挙されまして組合議員として参画させていただいておるわけですけれども、その中で、特に私行った際に、あれは懇談会というシステムでやられておるわけですが、この際に、いわゆる負債が100億円も超えておると、そこで競馬規約がどうなっているのかというお尋ねをしたわけです。そうしたら、それは今のこの段階では対象外だというようなお話であったわけです。しかし、赤字になれば構成団体でそれぞれの割合で負担すべきものではなかったのかと、いや、それはそうではないと、こういうことを言われたわけです。それではどういう形でこれから運営していくんですかと言ったら、いや、繰り上げ充用と、それで対応できるからと、こういう話だったんですよ。ですから、ああ、そうなんですかということで、その際はそれで納得した形になっておるわけですけれども、その後、先般の9月30日にまた懇談会があったわけです。
 そのときはもう既に本会議でいろいろこの競馬問題でかなり議論された後の何日か後に開かれたわけですけれども、その際に私は、この金額が随分大きいわけですから、取引金融機関とはどういう交渉をやられておりますかと言ったら、全然やっておりませんと、そういう副管理者のお話だったんですよ。ですから、では県に対しての50億円は一体どうなるのですかと、こういうことを申し上げたんです。借り主はだれなんですかと、それから保証人はだれなんですかと、それは保証人も、管理者でもない、そういうふうな話だったんです。借り主もどうなんですかと言ったら、借り主もどうもうやむやなお話だったんですよ。では一体どういう形でこの繰り上げ充用をやっておられるのかということまで言ったんです。これにも明確なお話がなかったんですよ。
 ですから、そういうことで私は今回、本会議の際に、知事は金融機関にも交渉しましたとか、それから繰り上げ充用はそういうシステムがあるからそれで対応してきましたと。ですから、本当に私どもに対して、もっとしっかりした親しみの持てるようなそういう答弁であればよかったんですけれども、何かどうも、この辺まで来ておっても明確な話は出てこなかったんですよ。
 それから、もう一つは、いろんな資料が今出てきているわけですけれども、それらは一言も私どもに話がなかったんです。ですから、私はこういうことではこれからのこの競馬組合の運営は大変危惧する面が多いと感じておるわけです。そういうことについて部長の御所感をお願いしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 組合の対応の問題でございますが、これはそのまま引いて言えば、それを所管するというか監督する立場にある我々の問題でもあります。これは再三皆様方から御指摘受けているように、確かに今回我々にとって反省すべき点はいっぱいあったと思っております。いずれこれらの御指摘を踏まえまして、今後はこうしたことのないようにきちんとした対応をさせていただきたいと思っておりますし、また、組合の方についても今の高橋賢輔委員の発言の向きはきちんと伝えて、今後組合議会の議員に対する対応についても、やはりきちんとしていただくように指導してまいりたいと思っております。

〇佐々木博委員 私も競馬に関係して何点かお伺いしたいと思います。
 最初に、岩手県競馬組合と構成団体である岩手県との関係について実はお伺いしたいのですが、どうも競馬組合に対しては、県は出資をしているわけではありませんが、55%の責任を背負う構成団体ではあります。ですから、そういった観点から言えば、50%以上出資している出資団体とそう違いはないはずだろうと私は実は認識しております。そういった中にあって、どうも今まで県と競馬組合の関係を見ていますと、いい意味では何となく遠慮がちといいますか、悪く言えば何かはれものにさわるような関係だったのではないかと実は思っております。何か今までほかの出資団体等に対して県が発揮する指導力がなかなか競馬組合には発揮されてこなかった。そういった歴史があると思うんですね。
 そこで、まず第1にお伺いしたいのは、昭和39年から平成10年度まで構成団体へ総額で407億円ですか、いわゆる収益配分金を交付しているわけでありますけれども、一番競馬のピークのよかった時点では大体売り上げに対して何%程度の交付だったのか。そしてまた、平均でいきますと大体何%ぐらい売り上げに対する配分金を交付してきたのか。このことについてまず1点お伺いをしたいと思います。

〇菅原畜産課総括課長 ピーク時での収益配分金の売り上げに対するパーセントというお尋ねでございます。収益配分金がピークだったのは、昭和55年から58年の間の27億円というのがピークでございました。分賦割合で岩手県には14億8、500万円、水沢市には6億7、500万円、盛岡市には5億4、000万円が入ってございます。その間に売り上げが最大だった昭和57年度で売り上げが429億円になっておりまして、その割合は6.3%ということになってございます。

〇佐々木博委員 ピーク時ではありますけれども、6.3%というのは収益金としては多分地方競馬ではいい方ではないかと思うんですね。全国平均で大体3%ぐらいだと言われておりますので、それからするといい数字だったんだなと思いますが、しかしながら、中央競馬は黙って売り上げから10%国に吸い取られるシステムに実はなっておりまして、それから比べますと地方競馬は財政競馬だと言われながら、さほど実は財政には貢献していないんだ、そういったことの意見を言う識者も実はいっぱいいる。これもまた事実だろうと思います。実は競馬組合が経営状況が非常によかった時点で、私の知っている範囲では、もうちょっと配分ができないのか、多分県の財政当局も県の競馬組合等と交渉した経緯が実はあるのではないか、しかしながら、なかなかそれがそのとおりなってこなかった歴史があるのではないかと思っておりますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

〇菅原畜産課総括課長 収益配分金の配分の方法ということだろうと思いますけれども、いわゆる地方競馬が地方財政貢献ということからすれば、これが主体的に運用といいますか、配分されていくというのが筋だろうと思いますけれども、今回の岩手競馬を見ますと、やはり収益配分金が売り上げの減少に伴い、あるいはオーロパーク等の整備等に伴い、いろいろな調整の中で変動してきたという推移はあろうかと思います。

〇佐々木博委員 今の私の質問に対して何かきちんとした答えではないと思いますけれども、いずれ財政当局がもう少し配分について、いい配分ができないかという交渉をした経緯はあるというふうに私は聞いております。それで、問題は、財政競馬ですから、少なくともまだ収益を配分できていた時点はよかっただろうと思うのですが、平成11年度から収益の配分ができなくなりました。そして、平成12年度から単年度で赤字に転落したわけであります。問題はここでありまして、普通の民間企業であれば、赤字に転落すれば、その段階で黒字に転換するためのいろいろな対策をそこで立てるのが通常だろうと思います。それが、県はなかなか抜本的な手当てを指導してこなかったといいますか、実際にやるのは競馬組合でありますけれども、その指導をしてこなかったと言えるのではないか。
 ことしの6月に、先ほども問題になったクロス・ファンクショナル・チームですか、実態調査の報告が出ておりますけれども、わずか8名で、1カ月でつくったこの報告書ですよね。やろうと思えばずっと前からやれたわけですよ。しかも、ここに出ている報告書の内容というのは、我々が初めて知った内容もありますが、ほとんど我々も言ってきた、いわゆる委託の単価が高いだとか、関連企業の問題だとか、ほとんど我々がもう既にわかっていて議論していたようなことが、8割ぐらいはそうです。知らないことも含まれてあります。なぜそんなことがこの段階に及ぶまで手がつけられなかったのか。私は本当、不思議でしようがないんですね。なぜ赤字になった段階でそういった対策が打たれないで今日までずるずる来たんでしょうか。私は今度の50億円の提案以上に、そこまで引っ張ってきたことに、一番経営責任があると考えているのですけれども、なぜだったのか、どういった御所感を持たれていらっしゃるか、そのことについてお伺いしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 収益配分がゼロとなったのは平成11年度なわけでありまして、その翌年度には岩手競馬運営改善委員会なるものを設置して、定員の不補充による例えば人員の削減による効率化とか、あるいは増収策の一環として、例えばITを活用した県外へのテレトラックの新設、あるいは広域受委託販売の実施などと、こういったものに取り組んだのは事実であります。したがいまして、競馬組合としても恐らく初めての赤字ということで大変私は危機感を持って取り組んだ、そういったことに対しては、やっぱり危機感はあったんだろうと思いますし、その中で何とか経営を変えていかなくてはいけないという気持ちをお持ちになっていたということは事実だろうと思います。ただ、それがそこで恐らく、あれは外部の委員を入れてつくった研究会でありますけれども、やはりそこで期待していたというんですか、それがやはり出てこなかったというか、あるいはそれ以上に、もしかしたら収入の落ち込みの方がというか、競馬を取り巻く環境の方の悪化の方があるいは激しかったというのが、ここに至った原因なのではないかと考えております。ただ、あとその間、県としてどうしたんだというところは、これはなかなか難しい部分でありまして、そういった反省に立って今年度、これまでにないくらい我々逆に言うと組合の改革の中に関与というんですか、コミットしているということであります。

〇佐々木博委員 部長、なかなか答弁しづらい問題だと思うのです。それで、実はこの問題はこの決算委員会の総括質疑で工藤大輔委員が知事に問うているんですね。なぜ今までやらなかったかと。それに対する知事も、真正面に答えた答弁ではなくて、競馬法の改正で民間が活用できるからこの調査もやらせたような答弁だったんですよ。議事録精査していただけばわかりますけれども、そういった答弁だったんです。ですから、本当に責任を感じて真正面に取り組もうとしているのか、やっぱりそういった答弁に我々は納得できないものがあるんですよね。
 それから、もう一つは、雇用の存在意義の話を非常に最近言います。2、800名だということで。先ほどもそのお話がありました。ただ、県からもらっている今度のリストラの資料によりますと、競馬組合は職員をリストラするのが振興公社とあわせて120名から80名と出ているんですね。先ほどの何か数字によりますと、例えば組合で650名、振興公社で420名というお話がありました。と言いますのは、恐らくこれはいわゆる従事員だとか、臨時みたいな形の雇用の形態の方々がかなり含まれていると思うんですね。実はこの競馬組合の従業員数、以前は1、800とか2、000という話だったんです。最近は2、800説が通説みたいになってきていますけれども、ただ、その中身を子細に調べれば恐らく、私この組合と公社の関係しかわかりませんけれども、関係会社というのはアール・ナックだとか東北映像だというお話もありましたし、それ以外に関連業者というのも、多分こういった形態のものが実際にはかなり多いのではないかと思いますけれども、この点について、もしわかればもう少し詳しい数字をお知らせいただければありがたいんですが。

〇川村農夫委員長 今すぐ答えられますか。まず、そこを答えてください。

〇佐々木博委員 今なければ後でお知らせをいただきたいと思います。
 競馬問題の最後ですけれども、実は先ほど渡辺幸貫委員のいわゆる繰り上げ充用に対する質問に対して、今泉部長の答弁は、ほかの団体でも同様の処理をしているという答弁だったと思います。実際ほかの組合も繰り上げ充用をやって、繰り上げ充用ができなくなれば融資を受けるようになって、最後は返済義務のない組み入れという、大体そういう段階でいっているんですね。ただ、それは一般的に繰り上げ充用をやっていますが、しかしながら、繰り上げ充用はやはりあくまでも緊急避難であって、継続的にやってはいけないということが、これは原則になっているはずであります。今までずっと繰り上げ充用をやってきた。どういった認識でしょうか。要するに、違法なことをやってきたということか、合法的だけれども乱用してきたということか、問題がないという認識なのか、三つのうちのどれかだと思うのですが、そのことについての御所見を聞いて終わります。

〇今泉農林水産部長 その前にちょっと、私、先ほど渡辺幸貫委員にお答えしたときに答え方が少しあいまいだった部分がございますので、もう一度きちんとお答え申し上げて、それで佐々木博委員のお答えにしていきたいと考えておるわけなんですが、組合の会計、県庁の会計と同じように単年度会計でございまして、単年度赤字というのは許されないわけであります。その場合にそれを回避する手法として翌年度歳入の繰り上げ充用の制度というものがあるということでございます。先ほど渡辺委員は、本来的にはということで四つのケースを示して、これ以外に認められないのではないかというような御質問でございました。私がそのときに、ほかの県に倣って岩手県もやったんだという答弁を申し上げましたが、基本的な考えは、繰り上げ充用というのは今申し上げましたように、本来単年度会計の中で赤字を決算ができないという、そういう特質から生じた一つの制度でございまして、渡辺委員が挙げた幾つかのケースというのは、我々の解釈とすればこれまであれは例示であって、あそこに限定されるものではないという、絶対収入が不足して赤字になれば繰り上げ充用はできるのだと、恐らくそういった考え方でこれまでほかの県の組合等についても、そういう同様の措置をしてきたのだろうと考えておるところでございます。したがいまして、我々とすれば繰り上げ充用そのものについては、こうしたケースの場合行うことについて問題はないという認識でおるところであります。
 次に、佐々木博委員の御質問になるわけでございますが、確かに本来繰り上げ充用というのはそういうことで、例外的、緊急避難的な対応として本来認められているわけでございまして、基本的にはやはり経営を改善してそういったものがないようにするのが本来のあり方なんだとは思っております。これ私、憶測でしか物が言えない部分なわけでありますけれども、多分初回に繰り上げ充用を行ったときも、翌年度の経営収支見通しの中でこれは返せるのだというようなことでおやりになったことではないだろうかと思っていますが、いずれ制度の趣旨からすれば、佐々木博委員で言えばちょうど真ん中という考え方もあるかなというふうには認識してございます。

〇川村農夫委員長 質疑、答弁が長時間にわたっておりますが、議事進行に御協力をお願いいたします。
 また、先ほどの佐々木博委員の質問に対してお答え願います。

〇菅原畜産課総括課長 岩手競馬の関係、従事者数の御質問でございました。振興公社あるいは競馬組合等の職員の数でございますけれども、これは正職員とか臨職の分けた数ということだったでしょうか、それとも全体の数で……(佐々木博委員「雇用形態が常用か補助なのか」と呼ぶ)いわゆる競馬組合で見ますと、正職員とそれから嘱託職員、従事員がございまして、正職員が42人、これはちょっと数字的には昨年――15年4月1日現在、手元にあるわけでございますけれども、正職員が42人、嘱託職員が40人、それから従事員が551人でございます。それから、公社へ出向している者が2人でございます。
 それから、いわゆる振興公社は、正職員が21人、組合へ派遣されている者が7人、嘱託職員が26人、事務職員が17人、従事員が375人です。

〇佐々木博委員 ありがとうございました。
 従事員という方の勤務の形態についてちょっと教えていただきたいんですが。

〇菅原畜産課総括課長 従事員が非常に多いわけでございますけれども、いわゆる窓口とか、あるいは場内整理とか、そういう方々になろうかと思います。いわゆる、競馬に直接かかわるのではなく、周辺の補完するような職域に……(佐々木博委員「臨時か正かという意味」と呼ぶ)臨時といいますか、従事員については、その辺、ちょっと確認してから申し上げます。

〇渡辺幸貫委員 関連。
 さっき、私の午前中の質問に対して、今見解が述べられました。それで見解について、まず、私は午前中に言ったんですが、これは昭和31年12月10日にこちらに通知があるはずだと。それは、団体の収支全体として赤字を生ずる場合においては、これを行うべきでないと通知が来ているんだと思うんですが、これは確かに来ているかどうか、そしてまた、それに当たるかどうかの見解を伺いたいと思います。それが1点。
 もう一つは、さっき私が四つのケースを申し上げた。それは単なる例示であるとおっしゃった。そんなにたくさん決算の仕方が地方公共団体にはあるのかどうか伺いたい。

〇今泉農林水産部長 その昭和31年の通達というのは、私が承知している限りでは、繰越明許あるいは事故繰り越しで予算の繰越使用を行うこととしながら、決算でその翌年度歳入の繰り上げ充用を行う場合についての通達と承知しております。したがって、今回のケースには当たらないのではないだろうかと考えておるところであります。

〇渡辺幸貫委員 今の通達がありましたら、それでは、後で結構ですから御提示をいただきたい。
 あと、2番目についての見解。

〇今泉農林水産部長 実は、私どももやはり同じように参考書がございまして、逐条の地方自治法なわけでございます。この中では、決算上、歳入が歳出に不足する場合は繰り上げ充用の措置をとるべきで、繰り上げ充用を行った場合は、財政の再建のための計画を樹立し、これを誠実に実施して、当然、速やかに財政の立て直しを図るべきであるというようなことで解釈が述べられておりまして、私どもとすれば、この解釈にのっとってやってきたものと考えております。

〇渡辺幸貫委員 すなわち、こういうふうに何年度も繰り返されることはだめなんだということを今おっしゃったんですね。つまり、そういうことですよ。じゃ、さっきの佐々木博委員の例をとりましょう。このやり方は、繰り上げ充用は法的に正しかったか、それとも、さっき2番目のところでは、どうもこれは私の主張と皆さんの解釈との法的解釈にお互いずれがある、平行線だ、3番目は、私の方が正しいんだという三つのうちどれか、お答えください。

〇今泉農林水産部長 大変鋭い御指摘をいただいたと思っておりますが、これは、恐らく解釈をめぐる見解の相違ということで落ち着かせていただければ、大変ありがたいと思っております。

〇菅原畜産課総括課長 先ほどの佐々木委員の御質問に漏れておりました。従事員はパートでございます。

〇佐々木順一委員 私からも、競馬の関係で数点お伺いいたします。
 私は平成14年2月の一般質問で競馬問題についてお聞きしました。そのときに、当時の農林水産部長、今の教育長でありますが、平成12年度に発生した不足額15億何がしは、いわゆる繰り上げ充用で措置された、こう言っておりました。それで、平成13年度当時の不足見込みは30億円前後、こういうことであります。
 きょう、繰り上げ充用の問題とか、規約11条の問題とか、さまざま御指摘があったわけでありますが、結論的には、いわばこの規約11条適用を回避して、そして、また繰り上げ充用で処理したと。どうにかなる期待を持ちながらそうやってきたわけでありますが、結果的に底なし沼、そして、今はずぶずぶの関係にある、こういうことになろうかと思っております。
 振り返ってみますと、財政競馬が使命を果たせなかった時点で、この規約11条適用に取り組む勇気がなかったことが今日に至っているのではないかと思っております。いずれ、このいろいろな原因は、一口に申し上げれば、見通しの甘さ、そしてまた、自助努力の欠如とか、危機意識の欠如とか、こういったことになろうと思います。
 一方において、平成15年度、16年度、県からも県職員が再建計画の樹立とか、いろいろな助言、それから指導に出向されているわけでありますが、結果として、その効果は上がらなかったということになろうと思います。
 それで、今日のこういう深刻な問題をもたらしたのは、いわば管理者を含めまして、競馬組合の、先ほど指摘しました自助努力の欠如とか、危機認識がなかった、こういうことになろうかと思いますが、部長、私は、まずその認識を明快に確認させていただきたいと思っております。

〇今泉農林水産部長 私は、必ずしも自助努力が足りなかったとか、危機意識がなかったというふうには思っておりません。そのとき、そのときで、その立場の人たちは一生懸命やったんだろうとは思っておりますが、ただ、結果として、こういう事態になったということは事実であろうと考えております。

〇佐々木順一委員 いわば、過程の努力は、それはそれなりに皆さんやってきたと思うんですが、いずれ結果がこういう状態になっているわけですから、やっぱりそこはしっかりととらえなければ、物事は先に進まないのではないかと思います。
 それで、今50億円の緊急措置の追加提案がなされております。現象的には、議会が競馬組合の生命維持装置、このスイッチを切るか、あるいは入れるか、今こういった現象になっていると思うんですが、我々もそういう深刻な場面に今直面しております。
 しかしながら、県民の方から見るとえらく迷惑な話だろうし、何で今まで放置してきたんだ、こういうことに結果はなると思うんですよ。なぜ結果を私が強調するかといいますと、最悪の場合、競馬組合の存廃の問題までいつか行かざるを得ない場面も来るわけでありますが、その意思決定は、私は、最終的には管理者あるいは組合の組織の方に、そっちの方にあると思うのであります。それで、50億円の融資とこの存廃問題とは次元を異にするものと思いますし、あくまでも存廃の判断は――判断はですよ、管理者及びそちらの当事者側に帰属するべきものではないか、私はこう思うんですが、この点についても明快な認識をちょうだいしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 構成団体として、確かにその存廃の判断についての責任はあるだろうとは考えております。

〇佐々木順一委員 ありがとうございました。
 それで、次に、例の50億円の関係で1点だけちょっと確認したいと思います。
 先ほど、12月の早々といいますか、12月中には資金ショートが生じる、こう答弁を部長はされましたが、これは、どういったものが資金ショートを迎えるのか。例えば、項目が多岐にわたるのであれば、その時系列ごと、具体的な項目と、あるいは金額、その辺を一番早いものからちょっと、わかる範囲でいいんですが、御紹介していただきたいと思います。

〇菅原畜産課総括課長 資金ショートの具体的な項目及び金額についてでございますけれども、12月の一時借入金の償還で資金不足が発生するということです。明年1月以降は、競馬の開催が終了し売上金収入が途切れることから、一般経費の支払いによって、不足額は徐々に増加すると見込まれております。
 さらに、地方債の約定償還が到来する3月下旬にピークが訪れ、その不足額が約50億円になると見込まれるものでございます。
 時系列的に申し上げますと、12月末が24億円程度、1月末が26億円程度、2月末で32億円程度、3月下旬、ピークで50億円程度になるものと見込まれております。

〇佐々木順一委員 よくわかりました。おつむの弱い私でも。算数的な、平仮名的な説明をいただきましてありがとうございました。
 それで、いろいろ問題点やらいっぱい出てきておりますが、もし部長、言い切れるのであれば言ってほしいんですが、50億円が、今後10年間で――50億円は5年間ですよね、融資計画、再建計画を見ますと。これは、回収不可能に陥ることは断じてないのか、あるいはそう言い切れるのか。これ、言い切れないと、また問題になると思うんですが、そこらをちょっとお聞きしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 私どもは、少なくとも再建計画がきちんと軌道に乗っていって、コストが削減され、かつ収入が入ってくるということになれば、累積債務はどんどん減ってまいります。ということは、逆に言うと、県あるいは市中銀行に対する一時借入金の必要も薄らいでいくわけでありますから、言ってみれば、組合の経営が軌道に乗ってくるというわけでございます。そういった状況が出てくれば――というか、それをつくるために、今、何としてもこれが必要だと私らは確信しておるわけでありまして、決してこれが焦げついたりするというような性格の金ではないと考えております。

〇佐々木順一委員 わかりました。
 それで、知事の関係に今度場面を移しますが、本委員会で、みずからの責任で取り組む、また、責任のあり方は追って明快にする、こういう答弁をされましたが、今見ますと、森のトレー問題、それから、ふれあいランド問題、これも責任を適当な日に明快にすると言っておりました。簡単に言いますと、ある意味では、この責任イコール負の遺産であります。こういうものは余り蓄積すると、何が何だかわからなくなるわけであります。したがって、この競馬再建計画に取り組む上においては、こういうものを蓄積することが、結果的に再建計画の信頼度を低下させる一つの大きな要因ではないかと思っております。
 何を言いたいかとなると、今回は、やっぱり管理者としての責任を明確にするのが再建計画に乗り出す出発点ではないか、私はこう思うのであります。
 それから、ある意味では、これは一般会計予算上の一般政策と性質を異にするわけでありますから、もし読み違えているのであれば、これはちょっと間違いだと思うんですよ。
 県の方は健全な娯楽ということを強調しておりましたけれども、県民から見ると、やっぱりギャンブル、こういう率直な気持ちはあろうかと思います。そして、今まさに師走であります。資金繰りで、個人あるいは会社が立ち行かなくなって、みんな師走のごとく走り回る人もいると思います。そして、結果的に、最悪の場合はみずから命を絶つ、こういうことも毎年毎年いろいろなところで不幸ながら出ております。県民から見ると、もう一方では、競馬組合は、自助努力されてきたにもかかわらず、みずからの責任には余り触れないで、最終的には県にお願いすると。
 何を言いたいかとなると、県民感情として、やっぱりお役所の方々はいいなと。ここが、やっぱりここに対する説明をしっかりとすることが、この競馬問題の融資を前進させる一つの要因になるのではないか、私はこう思っております。
 それで、再建計画はいろいろな条件をつけながら、確実にいろいろな条件を満たせば成果が上がる、こういうことでありますが、しかしながら、やってみなければわからん、こういうところもあると思います。私は、そのためには、やっぱり管理者は退路を絶って臨むような姿勢が今求められているのではないかと思っております。月並みな言葉では、まず不退転の決意、こういうことになると思います。知事も乾坤一てきと言っておりましたが、これは何となく客観的な表現なんですよね。私は、そう理解します。したがって、県民の琴線に響く、あるいは県民の心をしっかりと揺り動かすような姿勢と決意が、最初に示されるべきではないかと私は思います。
 部長ですから、なかなか知事の心境まではそんたくできないかもしれませんが、今の私の指摘に対しましてどういった御見解があるのか、それをお伺いいたしまして、なおかつ、最高の指導者として、あるいは管理者として、最後の瞬間まで必死になって努力することが理解を深めることになろうかと私は思います。それが、努力が足りなければ、結果は不幸なことになると思いますので、今の私の指摘について御見解を賜りまして、私の質問を終わりたいと思います。

〇今泉農林水産部長 私も、今、佐々木委員がお話になりましたこと、全くそのとおりだと思っております。私は個人として、本当にこの問題に全力を挙げて取り組んでいかなければいけないだろうと思っております。けさ、冒頭、及川幸子委員のお言葉をおかりして申し上げたことは、それが今、まさに私が立っている立場というか、位置だと私は考えておりますし、また、先ほども若い方のお話をお伺いしたわけでありますけれども、やはりああいう話を聞くと、今我々が向かおうとしているところというのは間違っていないんだなと。やはり、若い人たちが非常に大きな関心を持ち始めているということを感じております。
 いずれ、私はそういったつもりでこの問題に全身全霊挙げて取り組んでまいりますし、また、多分方向性は間違っていないんだということをきょう一つ確信を得たわけであります。
 いずれ、ただいま委員から御指摘いただいた件につきましては、私も知事の方に十分伝えたいと考えております。

〇千葉伝委員 関連。
 今、佐々木順一委員から責任という形で知事の話が出ました。この問題については、やっぱり構成団体という中で私は考えるべきだと思います。したがいまして、当然、県、そして盛岡市、水沢市と、この中で、例えば存廃を決めるといった場合は、その中で決められる話であります。したがって、これまでそれをやってきたというのは、この三者に責任があろうと私は思います。したがって、県の知事だけにと、こういう話は、私は片手落ちかなと。したがって、これからの進め方の一つとして、県はもちろんですけれども、今後の融資、あるいはこれからの責任のとり方の中で、盛岡市と水沢市にやっぱりいろいろな相談をかける必要があると私は思います。
 今々の話は、例えば知事は、県が進めてきたから、県が最終責任をとるような言い方もちょっとしているわけですけれども、そこの部分を部長としてどういうふうにお考えか、今後の対応の仕方も含めてお願いしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 私も個人的には、やはり水沢市、盛岡市に今後の対応については別途また御相談をしなければいけない時期が来るだろうとは考えておりました。いずれ、今の千葉委員の御指摘も踏まえまして、今後、水沢市、盛岡市にどのような形で相談を持ちかけていくかということは考えてまいりたいと思います。

〇伊沢昌弘委員 やっと回ってまいりました。競馬の関係で、私も関連しないで今待っていました。1点だけ教えてください。
 3日の本会議場で私もいろいろな意味での資料要求も含めてやりました。3日の本会議が終わった後に、平成16年6月付のクロスファンクショナルチームの報告書、立派なものをいただきました。それときょう、競馬組合の方で委託した報告書もいただいたわけであります。全部見ていきますと、この6月に県のチームが分析をしたこれ、ざっと見た限り、よくできているなと。それと、先ほどちょっとお伺いしたわけですけれども、2、000万円かけたこの報告書、膨大なものがあると思うんですが、これをまとめられて、先ほどいただいたわけでありますが、これの下敷きとなって、実は前にいただきました競馬組合からの改革計画があると思います。流れとすれば、私が今言ったように、6月の県チーム、それから委託をした部分、それらを受けて最終的にこれが出た。
 そこで、私が一つ聞きたいのは、この改革の3ページと9ページの兼ね合いでお伺いしたいんですけれども、先ほど多くの人たちから、50億円の平成16年度の融資の使途について答弁がございました。それぞれ足りない部分、来年度来る部分を含めてやる。この50億円は今年度やるわけでありますが、その50億円を返すのは平成16年度末、これは銀行から短期で借り入れる。それはどうやって返すかというと、9ページにあるこの平成17年度の50億円で充当するということになります。そして、来年度はいろいろ頑張って動いていくわけでありますけれども、平成17年度末、いわゆる来年の今ごろになって資金ショートが起きてくると私は思うんですが、そのときに原資は、17年ではもう既に貸していますからありません。そのときには銀行から借りて、今度、平成18年4月に当初もくろんでいる50億円を充当していくと思うのであります。
 私は、支出も含めて出してくださいということを言った際に、この50億円、50億円、50億円といって、最後、平成25年の10億円まで、実は、借りて返すのだから収入、支出にはあらわれません、こういう御説明を受けているわけです。ちょっとその辺が、平成16年度の50億円と17年度の50億円、それ以降の50億円と40億円に下がっていくこの兼ね合いがいまいちはっきりしないんですが、おわかりでしたら、ここを明らかにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

〇菅原畜産課総括課長 まさに全体の収支を見ますと、平成18年度で収支の均衡を図り、19年度に黒字に転ずるといういわゆるこの改革の中でのコスト削減とあわせた増収対策の中で、収益の部分が上がることによって、岩手県からの貸し付けの額が下がっていくと認識してございます。

〇伊沢昌弘委員 ちょっと理解できません。というのは、例えば先ほどの3ページをごらんになっていただきたいと思います。平成17年経常損益マイナス5億円、18年ゼロ、19年でプラス7億円。18年度は前年度の部分を引き継いで当期純損益が5億円のマイナス、19年からプラスに転じているわけです。そうした際に、5年間50億円が必要だというのは、これは運転資金だと思うんですが、平成17年から18年に移行する際のからくりといいますか、それはやっぱり銀行からお借りする形で、担保は何ぞやというと、17年の今ごろ借りるものは、18年の当初予算に組まれる50億円だと思いますよ。したがって、私が3日に申し上げたのは、今年度の50億円を決めるということは、平成25年までの10年間のこの部分を全部決める話になりますよ。よって、きちんとした説明が必要です、こういうことで申し上げた部分なんです。
 結局、運転資金の回しの部分で、あとはこの中で対応して銀行から借りるんだというのが、これは明らかにしていただかなければならないと思います。50億円を1年間借りれば8、000万円余の利子がつく。県から50億円を借りれば、言ってみれば150万円で済むという形なわけです。したがって、平成17年の当初に貸した部分は、まさに17年度の末まで50億円は岩手県から借りているわけです。その50億円を返すために、最終的には、ぎりぎりのところか、今のあたりにショートしていれば、今ほかから借りなければならない。何カ月間か借りれば、今の利率でいけば1.625%でしたか、それを払う。したがって、これは150万円プラスアルファの資金に対する利子が出てくる。こういうことも含めてなっていくと思うんですけれども、その辺がどういう形でいくのか、これは予測がつかないと思いますが、運転資金が間に合うかどうかわかりませんが、そういうことが前提でなければこの9ページの表というのは成り立たないような気がしますので、その辺の部分をもう一度お答えいただきたいと思います。

〇菅原畜産課総括課長 基本的には、ただいま委員が述べられましたような資金繰りにはなろうかと思います。その中で、先ほども申し上げましたように営業目標というものがございまして、その中で、当然いわゆる営業収益も上がってくるということの中で、組合としての金利も軽減するということで、経営改善をバックアップしていくといいますか、そういうことの位置づけになろうかと考えてございます。

〇伊沢昌弘委員 わからないことがわかりましたけれども、その辺、できれば、これは審査が常任委員会の方に行くと思いますが、ぜひ解明していただきたいものだと思います。
 済みません2点、用意していた質問をさせていただきたいと思います。
 県有林事業特別会計の決算に関連してお伺いしたいと思います。
 県有林特別会計、岩手県の林業公社との合併といいますか、一元化を目指して、昨年度にスキームが出されたわけであります。まだこの1年たっていない状況の中で、今年度から進めるこの計画がどうなっているのかなと、進捗状況をお伺いしたいということで質問したいと思います。
 特に、分収造林契約者の理解のもとで進めるいわば最終的に林業として材木にする部分、一定程度解約をする部分等の契約変更の手続、それから森林管理体制の確立に向けた林業関係法人の再編整備に向けた取り組み、さらには林業公社の清算時点で行う最後の処理、これは関係市町村が出資している部分について、どういうふうになるか、その協議など大変難しい課題が山積しているわけでありますけれども、現時点まででどのように進んでいるのかお示しいただきたいと思います。

〇西村緑化推進課総括課長 ただいま林業公社事業と県有林事業の一元化、その取組状況について、そういうお尋ねでございました。お答えいたします。
 林業公社事業、それと県有林事業の一元化につきましては、委員今御案内のとおり、本年4月から機関造林の経営改善方針に基づきまして進めているところでございます。
 これまでの取組状況につきましてでございますが、まず、林業公社に対する県と市町村の債権につきましては、4月からこれまで市町村と協議を進めているところであります。この中で関係する市町村の皆さんからは、解散時に債権を放棄せずに保全してほしい旨の要請がございました。そういうことから、現在、これらの要請を踏まえた債権処理の方法について協議・検討をしているところでございます。
 次に、収支の改善を図るため契約変更を行うこととしておりますけれども、その前提となる森林の管理方法を区分するため、現在、県内の公社有林及び県有林につきまして、森林現況調査を進めているところでございます。この調査及びその評価につきましては、平成18年度までに終了し、その後、19年度から分収造林契約者と協議を行いながら、契約変更事務を進めることとしているところでございます。
 また、一元化後の森林管理体制につきましては、民間が行うことが適当とされる業務は委託することを基本的な考え方といたしまして、どのような管理のあり方がいいのか、現在検討しているところでございます。
 このほか、利息の軽減を図るための低利資金への借りかえ、あるいは経費の節減のための組織体制の見直しなど管理経費の節減、あるいは県行造林契約者への周知を図るための説明会の開催、さらには、公庫の融資制度の拡充・強化等につきまして、国や公庫に対する要望などを行ったところでございます。
 今後とも鋭意取り進めていきたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございました。
 鋭意検討されているということで、かなりの努力が必要だと思います。競馬も360億円という話が出ているんですが、言ってみれば合わせて1、000億円の長期債務の部分がございまして大変だと思います。ただ、やっぱり山の木、私は、これは1次産業の基本だと思っています。農林水産部のですね。水をつくり、酸素を生み出し、そして雇用を生み出す。その部分でいけば、森林組合の方もかなり大変なんですけれども、そこに雇用対策をも含めた総合的な県のものもやりながら、いわば民間にお願いをする、森林組合にお願いする時点で、受けるところがないという形にならないような形も含めてこれを検討してもらいたいと思うんですが、部長からちょっと、それらに向けた決意もお聞きしたいと思います。

〇今泉農林水産部長 県行造林一元化後の体制をどうするかということにつきましては、やはりその後の森林の管理をいかに適正に行うかということと極めて密接に絡むわけであります。と同時に、やはり地域の中でこれまで生み出されてきた雇用をそのまま継続していくか、さらには、新たにもっと生み出していくかということとも密接に関連するわけでございます。いずれ、まだ若干時間が残されてございます。この時間を利用して、どういうあり方がいいのか、今検討しているところでございます。いずれまた、ひとつ成案ができましたら、いろいろと御相談し、御意見を賜りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございました。
 もう1点、恐縮でありますが、BSE対策に関連して、説明書180ページに農作物対策費、トレーサビリティシステム導入対策事業費が計上されているところでありますので、関連してお伺いしたいと思います。
 BSE対策につきましては、本県においても、平成13年10月からBSEのスクリーニング検査を岩手県食肉衛生検査所で開始しているところであります。先月29日までに5万3、941頭を検査し、すべてが陰性という結果が出ているところであります。また、岩手県中央家畜保健衛生所では、月齢または推定月齢が満24カ月以上で死亡した牛についても検査を行っておりまして、これまで5、287頭すべてが陰性の結果となったことを県のホームページで昨晩確認したところであります。
 安全な牛肉を消費者に提供するために検査に当たってこられた関係者の御労苦は大変なものがあったと思いますので、この場をかりて感謝申し上げたいと思います。
 質問でありますけれども、BSE対策として、食の安全対策も兼ねながら県が取り組んできたもう一つの取り組みに牛肉のトレーサビリティシステムの導入事業があります。本年12月1日に、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法、長い法律ですが、いわゆる牛肉トレーサビリティ法が施行されました。生産から販売段階まで牛肉のトレーサビリティシステムが導入されたわけでありますが、本県では、平成14年2月に、生産者段階でトレーサビリティシステムの導入を始めてきていると承知しているところであります。その後順次、処理加工・流通・販売事業者に広めてきたと思いますが、現在までの県内における普及状況と、普及に当たってどのように進めてこられたのかお伺いいたします。
 また、今後、先ほど申し上げた牛肉トレーサビリティ法の施行に伴い、県として生産者や流通・販売業者等に対してどのように対応していくのかお伺いしたいと思います。

〇佐々木流通課総括課長 いわて牛トレーサビリティシステムについてでございますが、平成13年のBSE発生によって牛肉に対する信頼が大きく損なわれた。本県は、生産県として牛肉に対する消費者の信頼を呼び戻さなければならないということで、実は、平成13年12月補正予算で予算措置をいただきまして、平成14年2月に県独自のシステムとしてスタートしたわけでございます。スタートした時点に参加いただきました小売店は49店舗でございました。
 システムを運用するのとあわせて、県農業団体、それから食肉流通に携わる事業者の方々と一緒になりまして、このトレーサビリティシステムが牛肉に対する消費者の信頼の獲得につながるのだということで、関連する小売店あるいは生産者に対して普及啓発活動を実施いたしました。特にも平成15年6月には、委員お話のトレーサビリティ法が施行され、将来的には国全体の仕組みとしてシステムが走るということでございましたが、本県は畜産県として、とにかくきっちりやることが大切だということで進めてきたわけでございます。
 現在、12月1日が過ぎまして、国によるところのシステムの網がかぶったわけでございますけれども、これに向けまして全国各地でこの法制度を遵守すべく取り組みが行われたわけでございますが、本県におきましては、実は、昨年12月1日にシステム改良いたしまして、もう今日あることを見通して、すべての小売店が参加できるようなシステム開発、システムの改良を行って、あわせて先ほど来お話ししてございます普及啓発活動を進めてきたところでございます。現在、法が施行されてございますけれども、詳細な数字はまだ把握し切れてございませんが、現在400を超える店舗において情報開示できるような状況になってございますし、この法施行日に何ら混乱なく移行できたということは、これまでの取り組みの成果の一つであろうと考えてございます。
 今後におきましては、国のトレーサビリティシステムは、いわゆる基本情報の部分だけ、消費者に対して最少限度のことだけ伝達する仕組みになってございます。これに比べまして、本県独自のシステムというのは、消費者の求める情報をより多く伝達するような仕組みとしてつくってきてございます。ですから、今後におきましては、この本県のシステムを最大限生かし切るような運用に努めてまいりたいと思ってございますし、県外でもいわて牛の取扱店等ございますので、県外店舗におきましても、いわて牛トレーサビリティシステムの端末になっていただきまして、安全・安心を消費者にお届けするとともに、本県いわて牛のすばらしさをPRするツールとしても使っていければと考えてございます。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございます。
 先行して全国のものとマッチするのかどうかもちょっと不安だった部分があります。それから、県の方ではいろいろ、番号を入れれば結果が出るホームページも立ち上げておりまして、私も何度か確認のために使わせてもらったことがあるんですけれども、こういった部分で、ぜひ広がるようにしていただければと思っております。
 宣伝活動を含めて十分やっていると思うんですけれども、今後、この国との関係を含めた部分で、国がやる部分、県がやる部分、そして、生産者と消費者団体を含めてみんなが使える部分、店に行けば、トレーサビリティの番号で見られるような冊子も買う場所に置いてあるとか、いろいろなものがありますが、ぜひ普及活動の中で広げていっていただきたいと思います。
 要望で終わります。質問する部分までちょっと書いてきませんでしたので、終わります。ありがとうございました。

〇川村農夫委員長 審議が長時間に及んでおりますので、この際、暫時休憩いたします。
 なお、世話人の方々は、議会運営委員会室にお集まり願います。
   午後6時47分 休 憩

午後7時24分 再 開

〇川村農夫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 ただいまの世話人会の協議結果を報告いたします。
 菊池勲委員の議事進行の件につきまして、速記録を精査いたしましたところ、問題はないものと認められましたので、御了承願います。
   〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇千葉伝委員 今の世話人会の委員長の報告でありますが、世話人会ではその議事録を見た、こういうことでありますけれども、私どもその分をまだ目にしておりません。したがいまして、委員長に、その議事録の我々委員への配付を求めます。その上でまた話をしたいと思います。

〇川村農夫委員長 繰り返しますが、皆さんから選出された世話人会をもって協議いたしました。その結論は、先ほど報告したとおりであります。
 議事を進行いたします。
   〔千葉伝委員「もう一言だけ」と呼ぶ〕

〇千葉伝委員 今の取り扱いの委員長の話、中身、じゃ、私の覚えている範囲で一言申し上げたいと思います。
 伊藤勢至委員の発言の中にかなり度が過ぎた発言があったと私は認識しております。したがいまして、私は伊藤勢至委員に、その発言に対して度が過ぎたということのおわびをするということを求めたいと思います。委員長にお取り計らいをお願いいたします。

〇川村農夫委員長 先ほど世話人会で協議いたしました議事進行の件、速記録を精査いたしましたところ、問題はないと認められましたので、御了承願います。
 議事を進行いたします。

〇斉藤信委員 それでは、最初に、米政策と集落ビジョンについてお聞きします。
 県の集落ビジョンの現状と内容の特徴について示していただきたい。その中で、法人化を目指している集落はどれだけか、県として今後集落ビジョン作成をした集落に対して、具体的にどういう支援をしていくのか、これまでしてきたのか、示していただきたい。
 産地づくり交付金の総額と集落、農家への交付は今年度どうなっているか。
 所得政策については、対象となる4ヘクタール以上の農家は、現在どれだけ農家戸数があるでしょうか。その比率は農家戸数全体に対してどういう比率でしょうか。20ヘクタール以上の集落はどうなっているでしょうか。
 認定農業者の数とその役割、国や県の支援策はどうなっているでしょうか。

〇及川農業振興課総括課長 集落水田農業ビジョンの策定状況についてでございます。
 集落水田農業ビジョンの現状と内容の特徴についてでございます。
 平成16年10月末現在の集計では、集落水田農業ビジョンにつきましては1、556ビジョンございます。そして、約9割の県下の集落で策定されたということでございまして、全体的には大半の集落で個別経営体や集落型経営体などの担い手の育成方向が明確化されるとともに、米以外の振興作物におきましては、園芸作物を重点品目と位置づける集落が多く、地域別に見ますと、北上川上流で米の減農薬栽培が見られますし、中山間地域におきましては、園芸作物のほか、山菜、雑穀などの特徴ある品目の産地化を目指す集落が多い傾向にございます。
 次に、法人化を目指している集落数でございますが、この集落ビジョンの中で法人化を目指している集落につきましては、今のところ270集落を数えております。
 それから、集落水田農業ビジョンで明確化された担い手の育成については、ビジョンで明確にされた担い手につきましては、大規模経営体に向けて育成するとともに、担い手の不足地域におきましては、集落営農の組織化と高度化を進めまして、集落型経営体を育成するということでございます。
 また、これらの担い手につきましては、熟度に応じて法人化を促進するということにしてございます。
 そういうことで、県としての具体的な支援策でございますけれども、こういう任意の組織から集落型経営体に発展させる上で、これまでの事例を見ますと、特にも経理の一元化が大きな課題になってございます。県といたしましては、本年度から各農業改良普及センターに集落型経営体支援センターを設置いたしまして、集落型経営体や集落営農の法人化を目指す集落に対しまして、経理の一元化、財務管理、そして法人設立の手続等、経営アドバイザーなどを派遣しながら個別具体的に指導してまいりたいということでございます。
 また、必要に応じまして、機械施設整備につきましては、県単独事業でございますが、いわて農業担い手支援総合対策事業などによりまして支援してまいりたいと考えております。
 次に、所得政策の対象となる農家数及び集落数ということでございまして、4ヘクタール以上の農家はどれだけあるかということ、それから、20ヘクタール以上の集落はどうかということでございます。
 水田面積が4ヘクタール以上の農家数、統計で調べますと、きちんとこの分の統計が示されていないということでございまして、階層別に示されております。3から5ヘクタール、それ以上の、6ヘクタール以上、7ヘクタール以上、こういう階層になっておりまして、3から5ヘクタールの間がひとくくりになっております。それで、便宜上、ここの3から5ヘクタールの階層の農家を2分の1と計算いたしましてやりますと、そして、4から5ヘクタールの農家数をとって計算します。そうしますと、水田面積が4ヘクタール以上の農家数は県下全体を見ますと2、854戸ということでございまして、米の販売農家数、県下7万2、788戸ございますが、これの3.9%ということになります。
 それから、20ヘクタール以上の集落数でございますが、水田面積が20ヘクタール以上の生産集落数につきましては1、468集落ございます。これは、全センサス集落3、461集落の42%ということになってございます。
 次に、認定農業者数とその役割についてでございます。
 平成16年8月末現在の県全体の認定農業者数は7、505経営体となってございます。
 認定農業者制度は、効率的で安定した魅力ある農業経営を目指す農業者が、みずから作成する農業経営改善計画を市町村長が基本構想に照らして認定するものでございます。
 したがいまして、認定農業者におかれましては、みずからの農業経営改善計画の達成に向けて努力することはもとより、集落水田農業ビジョンの実践の取り組みの核となって、集落の農業を牽引していくことを期待してございます。
 具体的には、水稲作にありましては、所有している農業機械を最大限に稼働させることによりまして、集落全体の農業機械の過剰投資を解消することなど、それから、田植えや稲刈りなどの基幹作業をこういう認定農業者が受託することによりまして、兼業農家が園芸専作農家、あるいは産直向けの農家、それから加工向け、そういう多様な経営志向に応じた営農の継続が可能になるというようなことがあります。また、集落で耕作できなかった農地を引き受けて有効管理するということも、その役割ではないかと思っております。
 いずれ、これらのことを総合的に見ながら、認定農業者の育成をしてまいりたいと考えております。

〇高橋水田農業担当課長 産地づくり交付金の総額と集落、農家への交付額ということでございますが、平成16年度の各地域水田農業推進協議会、これは市町村単位または広域単位で県内には53ございますが、これらの産地づくり交付金の総額は55億3、474万円余となってございまして、現在、国に対して交付申請してございます。これは地域水田農業推進協議会を通じまして、年内には個々の農家、集落に対して交付される予定となってございます。

〇斉藤信委員 農業集落ビジョンについて、これだけたくさん、1、556集落で作成されてきたと。そのうち、法人化を目指しているものも270あるようでございますけれども、私は大規模農家に聞いて、この法人化の弊害というのは二つあるんですね。法人化をしますと、大規模農家は、自分が大規模になっていますから、これだけで責任いっぱいなんです。ほかの人のところまで広げて法人化すると、全体の責任を持たなければならない。それは大変だという声。あともう一つは、やっぱり集落の農家全体でやりたい、こういう集落が少なくないんですよ。私は、国は法人化を目指しているけれども、岩手県はこれだけ集落ビジョンをつくったら、法人化を目指さないで、みんなでやりたいという、こういう集落を支えて、やっぱり生かすような支援策が必要だと思うんですよ。そのことをどういうふうに考えているか。
 それと、産地づくり交付金55億円余、これは今までの助成金と比べてどうなのか。それと、これは市町村に交付されて、市町村がそれぞれの基準を定めて農家や集落に今回は出されることになりますが、これまでと比べて、いや行かなかったとか、私のところに来なかったとかとならないように、農家が不利益をこうむらないようにきちんとすべきだと思いますが、市町村の交付条件、交付基準は全体としてどうなっているのか、この2点だけつけ加えてお聞きしたい。
 もう一つ、ついでにもう聞いておきますが、簗川ダムのかんがい用水の不参加について、この間の検討経過について示されたい。県が負担した金額はどれだけか、その財源は何か、今年度の分はどうなるか。私は、これまでのいわば負担金は返還を求めるべきだと思いますけれども、いかがですか。

〇及川農業振興課総括課長 いわゆる大規模農家だけではなくて、そういう周辺を取り巻く小規模農家までを含めての取り組みということでございますが、何といいましても、こういう厳しい産地間競争に勝ち抜くための経営体を育成するためには、やはり体質の強い担い手の育成も重要であるわけでございますけれども、小規模農家につきましても、それぞれの営農条件や経営志向に応じて地域の役割を担いながら、地域と一体となった農業生産に取り組むことが大切だと考えております。
 そういうことで、県といたしましても、こうした小規模農家の経営志向に応じた集落営農への参加、あるいは加工、産直への取り組みなどを促進することによりまして、多様な担い手に支えられた地域農業が確立されるような形のものを推進してまいりたいと考えてございます。

〇高橋水田農業担当課長 この産地づくり対策がこれまでの助成金と比較してどうかということでございますが、新たに、平成15年までは水田農業経営確立助成金ということで、国が全国一律の単価を決めていましたが、今回からは、各地域が産地づくりのために、独自に特徴ある単価設定をするということでございます。総額で申しますと、平成15年までの旧対策と今回の産地づくり対策と比較いたしますと、本体部分では4.7%の減となってございます。
 それから、地域協議会がどういうことをやっているかということでございますが、この産地づくり交付金の使途は、国がガイドラインを設定しておりまして、三つございます。米の生産調整の推進、水田を活用した作物の産地づくりの推進、三つ目が、水田農業の構造改革の推進、これは担い手の育成の関係でございますが、この三つのガイドラインを設けてございます。それぞれ各地域協議会がこの三つのガイドラインに即して単価を設定してございますが、単価設定を見ますと、一事例でございますが、一つは、基本助成をやって、その上に担い手加算とか、あるいは集落の取り組みの経費にも助成とか、そうした形が多いようでございます。

〇田山農村計画課総括課長 簗川ダムへのかんがい用水の不参加についてでございます。
 経緯でございますが、本年7月、豊沢川土地改良区から、ダム建設負担金の支払いが将来困難になることが懸念されること、また、不足する用水については、豊沢川からの用水の見直しにより対応したいということで、これまで参加意向を示しておりましたかんがい用水の参加を取りやめたいという文書が提出されたところでございます。
 県では、農地転用によるかんがい面積の減少が約270ヘクタールに及び不足量が少なくなってきたということで、既存の水利施設の見直しによってかんがい用水が確保できるという見通しでございますので、不参加はやむを得ないという判断をしたところでございます。
 次に、県が負担してきた費用についてでございます。
 平成15年度までに一般財源で5、260万円を支出しており、今年度は674万2、000円の負担を予定してございます。このこれまで負担してまいりました分につきましては、ダムの付替道路等に既に支出したものでございますので、返還を求めることは難しいと考えております。

〇斉藤信委員 わかりました。ますます簗川ダムが矛盾に陥っていると。これはあした詳しくやりたいと思います。
 それでは、競馬組合問題について。
 最初に、競馬組合の平成15年度の決算についてまず聞きますが、発売金額が367億円で前年比マイナス75億円、入場人員は230万人、前年比マイナス12万人となった具体的な要因は何でしょうか。
 平成16年度の実績、これは見通しとなりますけれども、前年比でどうなるでしょうか。
 岩手の場合は、入場人員は、最高時240万人でしたが、基本的に維持していると思います。発売金額に結びつかない具体的要因をどうとらえているか、このことをお聞きします。

〇菅原畜産課総括課長 3点についてお答えいたします。
 発売金額、入場人員減等の具体的な要因でございます。
 平成15年度でございますが、開催日数が前年より6日少ない120日としたことによりまして、発売の収入及び入場人員の落ち込みがあって、結果として、1人当たり購入単価の減少による発売収入の落ち込みと分析しております。
 それから、平成16年度実績及び最終見通しでございますが、平成16年12月6日現在――通算で108日間でございますが――時点での成績を見ますと、発売金額は約279億円で前年同期比約84.4%であります。それから、入場人員は約185万人で前年比約88.7%となっております。これは、前年度に比べまして、開催日程の違いによりまして2日ほど少ないということでの比較でございまして、1日平均で見るとそれぞれ2%ほど率は上がるということになってございます。ただ、このまま推移した場合ですと最終成績としては発売金額が約317億円ということで、前年比86%、入場者数は208万人ということで、前年比90.4%となる見込みでございます。
 それから、入場人員の維持が発売金額に結びつかない具体的要因ということでございますが、オーロパークの開設やイベント等のさまざまな振興策によりまして、カップルなどの若年齢層の増加はしておりますけれども、いわゆるヘビーユーザーが減少し、総体的な入場者数は維持しているものの、ファン層の経済力の違いによりまして購入単価の平均値が下がりまして、このような状況になっていると考えてございます。また、景気の低迷が続いていることから、ファンが購入対象レースを絞り込んだり、来場回数を減らしていることも考えられ、売り上げをふやすためにはさらに多くの入場者を獲得することが必要であると考えてございます。

〇斉藤信委員 今、平成15年度の決算の要因については、開催日数が6日減だと、1人当たりの購入単価の減少だということですね。僕は開催日数の減少というのは、いわば開催経費を減らして収益を上げるためにやったのだと思うんですよね。そういう効果はあったんですか、ないんですか。それと購入単価が減少したと言うけれども、平成15年度の購入単価、平成16年度の、これは見通しでもいいですが購入単価幾らになっていますか。

〇菅原畜産課総括課長 1人当たりの単価でございますけれども、平成14年度が1万4、725円、これに対しまして15年度が1万2、842円ということでございます。16年度は今のところ数字を持ってございません。

〇斉藤信委員 私がもう一つ聞いたのは、開催日数を減らして、経費を減らして収益を上げるということでやったと思うんですよ。それは後からまた。
 それで、これからが本論になりますけれども、今50億円の貸し付けに端を発して問われている一番の問題は、組合が出した、これは県と一緒に出した実行計画が本当に再建につながるのかどうかです。そういう具体的な根拠を持ったものなのかどうかというのが私は一番問われていると思うんです。それで、私は本会議の質疑でもそのことについて聞きましたが、具体的根拠は率直に言って何も示されなかったと。それで、昨日ときょうの朝、根拠になる県のプロジェクトチームと、そして日本総研のプロジェクト報告書というのが出されました。今までおくれたので幸い私、全部読むことができました。
 それで、ちょっと聞きますが、日本総研に依頼したこの報告書なんですが、契約書を見ても基本的にはコスト削減なんですね。これ増収策の根拠というのは率直に言ってないですよ。別冊の付録は実行計画の解説をしているだけです。しかし、その実行計画の根拠は何にも示されていません。これがここでも議論になっていましたが、これが2、000万円というのはひどいなと、分量から言ってもね、たったこれだけですよ、片面で、片面でたったこれだけですよ。県の財政分析プロジェクトの方がもっとまとまった分析していたじゃないですか。それで、これは日付がないんです。何月何日出されたんですか、これは。私たちには朝出たけれども、大体、こんな報告書、表紙改ざんしているんじゃないですか。何月何日、組合と県に提案されたのか示していただきたい。

〇菅原畜産課総括課長 先ほどの質問でございましたけれども、6日間の日数の減少に伴う売り上げの減少ということでございますけれども、1日いわゆる限界利益ということで890万円ほど現在把握してございまして、その分の掛ける6日分が少なからず減収につながったものと考えてございます。しかしながら、コスト削減もいろいろ取り組んでおったわけですが、そのコスト削減効果は上がったけれども、それ以上に売上高が減ったというのが減少の要因だろうと考えてございます。
 それから、コンサルタントの報告書、きょうお渡ししたわけでございますけれども、基本的には7月5日までの契約でございました。ただ、いろいろ作業の中でいわゆる開催の日数を120日という形で作業を進めてきた中で最終的には……、失礼いたしました、11月5日でございます。作業を進めてくる中で126日の開催がやはりこの収益を上げる上で妥当な日数だという作業の変更がございまして、それに伴いまして若干数字の入れかえ等もした結果、作業が1カ月ほどずれ込んだということでございます。ただ、契約金等の変更にはつながっておりません。
 また、最初にお配りいたしましたいわゆる調査報告書と今回との違いということでございますけれども、いわゆる先般お配りいたしましたチームの報告につきましては、あくまでも内部報告書ということで、競馬組合も一緒に協力して当然やったわけでございますけれども、非常に短期間の中で現状あるいは課題を中心に検証したものでありまして、具体的な削減策までは踏み込んでおらない内容になってございます。一部提案はございますけれども、最終的な提案にはなっておらないということでございます。
 今回のお示ししました経営改善計画の作成に当たりましては経費全般、もうすべての項目、細目にわたりまして検討してございまして、平成19年度まで見越した合理的な、かつ具体的な削減策を算定することが必要であるということで、専門家のノウハウを導入する必要があるということで委託をしたわけでございます。内部報告書でも指摘されました課題も踏まえて検証を行ったものでありまして、コンサルからの報告の内容というのは今回の実行計画策定に十分活用されておりまして、コンサルへの委託というのは非常に有効であったと考えてございます。御案内のとおり、お配りしましたものは非常に……(斉藤信委員「提出された日付入れてください。中身は後で聞くから」と呼ぶ)

〇川村農夫委員長 まだ答弁中であります。

〇菅原畜産課総括課長(続) 11月5日。(斉藤信委員「期限でしょう、それは。この今のものが提出されたのはいつですか。委員長」と呼ぶ)

〇川村農夫委員長 まだ答弁中でございますので、お待ちください。

〇菅原畜産課総括課長(続) 提出月日はちょっと確認させていただきます。

〇斉藤信委員 私、今の質問はね、きょうの朝渡されたこのプロジェクトの報告書はいつ県と競馬組合に提出されたのですかと聞いたんですよ。その前がだあっと長くて肝心なことは答えていないと、おかしいじゃないですか。

〇菅原畜産課総括課長 11月5日でございます。

〇川村農夫委員長 まだ回答する項目があります。どうぞ答えてください。ありませんか。

〇斉藤信委員 11月5日というのは契約書の期限です。私が聞いたのは、今あれでしょう、120日のもので計算していて、それが126日に条件が変わったからその後もやったんでしょう。だから、私たちの手元にはきょうの朝になったんじゃないですか。この最終のいわば条件変更したものがあなた方に正式にいつ提案されたの。大体、この報告書に日付がないのはおかしいでしょう。こんな報告書ありますか。改ざんしたんじゃないですか、この表紙を、違いますか。

〇菅原畜産課総括課長 特にそういう手を加えているということは一切ございません。提出月日は現在確認しております。

〇斉藤信委員 これ極めて重大ですよ。大体、提出月日をこれから確認するって、信じられないですよ、これ。実行計画の土台となる根拠ですよ、これは。中身見ても実行計画の数と違うんだけれどもね。しかし、これがもとになったんでしょう。後から正確にやってくださいよ。私、枝葉末節を聞いているんじゃないんだ、大事なことを聞いているんだからね。答えられなかったらこれはだめよ、もう。
 率直に言うけれども、今までの議論を通じて言えることは、今、競馬組合は破綻状態ですよ。50億円の融資というのは破綻救済ですよ。あなた方はこの破綻状態だから銀行が金を貸さない、だから県が貸し付けるということですよ。いわば銀行が貸さないということは、銀行はこの実行計画に根拠があると見ていないということです、客観的には。大体市場がそう見ているということは極めて深刻なんですよ。中津競馬場の問題が新聞に出ていました。2年前に銀行からの融資がなくなって、そして幾つかの複数の銀行にしたけれども2年で破綻したと、いわば銀行からそういうふうにみなされるということはそういうことなんですね。だから、本当にこの具体的な中身と根拠が問われているということを肝に銘じて答えてください。
 それで、この日本総研の報告書の2ページを見るとこういうことを言っているんですよ。この現状を打破して競馬事業の存続を図るために、まずピーク時から見れば半減した現在の収入規模に応じたコスト構造を構築することが必要との認識に基づき、コスト構造改革プロジェクトチームを組成し、平成16年7月から10月までの4カ月間活動を行った。いわば半減した現在の収入規模に応じたコスト構造を構築することが必要だ。いわば今の収入、これを維持することが大事だという、こういう立場からコスト削減の中身が検討されているんですよ。実際にはそうではなくて、売り上げをどんと伸ばすという実行計画になった。私は、この報告書と実行計画には大きな乖離があると思いますよ。そこから聞きますか。

〇菅原畜産課総括課長 先ほども御説明申し上げましたけれども、内部の調査チームは基本的にそれぞれの専門分野としてそれぞれの資料を収集の上で検討したということで、あくまでも内部検討という形での取りまとめ、調査の内容と認識をしてございます。具体的なコスト削減ということになりますと、やはり専門的な分野からということで、今回コンサルを頼む経過になったということでございますので……。

〇今泉農林水産部長 ここの2ページに書いているとおりでございます。当初は、やはり歳入に見合ったコスト構造にまずやっていかないとだめだろうということは、まず一つ第一前段としてありました。ただ、次に歳入に見合ったコスト構造をやっていけば、結局、あと累損が解消できない、そのためにはやはり増収策を持っていかなくてはいけないんだということで、この補足の方でむしろコンサルの方から、こういったことをやらなくてはいけないじゃないかという、逆に指導を受けているところでございます。まず、それを受けてあのアクションプランの中ではそれを踏まえてというか、それも踏まえて組合の方で増収策をつくっていたということでございます。

〇斉藤信委員 では、もう一回聞きますが、この日本総研の報告書と実行計画の関係を私は聞きたい。これに基づいて実行計画が立てられたのか、これは参考にして実行計画はそれに上乗せしてつくられたのか。それで、今の部長の話で言うと、実は財政プロジェクトチームが出したのはこういうものだったんですよ。収支だけの均衡は400億円だと、採算点は。いわば公債費の償還金を含める収支の基準は500億円だと言うんですよ。私はこれに合わせたのだと思うんですよ、今度の実行計画は。ちょっとそこらの関係を言ってください。朝出したこのものは実行計画とどういう関係にあるのか。実行計画の根拠になるものなのか、ならないものなのか、そうしないとこれから質問できないから。

〇今泉農林水産部長 実行計画の基礎になるものです。

〇斉藤信委員 では、立ち入ってこのきょう朝もらったものをお聞きします。資料の方のコストダウン、年度別損益計算書、これは15年実績から16年度、18年度、19年度と書いています。発売収入は、16年度予測317億円、これは大体合っていますね、予測だから。18年度317億円、実行計画はこれに対応していないんじゃないですか。違いますか。

〇今泉農林水産部長 基礎としたということであって、必ずしもこれとぴったり合ったということを申し上げているわけではありません。これをベースにしながら実行計画は実行計画で組合の方で独自につくっていたと御理解いただければと思います。

〇斉藤信委員 これだけの緻密な計算をしているんですよ、損益計算書で。これと実行計画が違ったら何の報告書ですか、これは。それもおくれにおくれて、いつ出たかわからない報告書ですけれども、最近でしょう、これ。大体、期日が11月5日でおくれたんだから、ほとんど実行計画と日付が合っているし、あなた言っているように120日を126日に換算したんでしょう。大体、売上金額というのは一番基本的な数字ですよ。それが実行計画と違うんですか。

〇今泉農林水産部長 実行計画はやはりあくまでもこの報告書をベースにしながら、組合として独自に積み上げていったものと御理解いただければと思います。

〇斉藤信委員 だったら2、000万円かけてこれだけ試算した意味がないじゃないですか。何で合わないんですか、実行計画と。報告書が出された時期がほとんど一緒なのに。逆に行けば実行計画の後に私たちは目にしたよ、これ。だから、結局実行計画というのは勝手に手直ししたと言わなくてはだめだ、これだけ試算してだよ。私は、これは本当に極めて重大な答弁だったと思います。
 まず、その上で私は、このコスト削減については大変詳しく出ているので、コスト削減について聞きます。今の資料ですが、周辺環境整備事業負担金、これは平成16年度6、722万円、平成15年度は1億9、100万円出していますけれども、18年度以降ゼロです。17年度から4年間ゼロですね。これ周辺環境整備事業負担金というのはゼロにしていいものなんですか、どういうものですか。

〇菅原畜産課総括課長 これにつきましては、テレトラック等を設置しております関係市町村へのいわゆる協力金といいますか、になっているわけでございますけれども、今般の組合の経営状況をかんがみまして、それぞれの市町村におきまして協議の上、この間、支出を見合わすというような状況になっている内容でございます。
 それから、先ほどの資料の提出日でございますけれども、12月5日に出されてございまして、契約期間が1カ月延長されたものでございます。

〇斉藤信委員 だから、ますますこれは矛盾に満ちましたね。実行計画の後に出たものが実行計画のもとになっていない。2、000万円はどうなったんだと。大体、実行計画に先にありきということないでしょう。コンサルタントに2、000万円かけて経営分析その他しているのにね。私は実行計画ますます不思議になってきた。本当にそれでは通らない話です、これは。そんなこと通らないですよ。
 それで、今テレトラックの関係自治体にゼロにしていますね。これは関係自治体との契約とか何かないんですか。一方的にゼロにしていいんですか。

〇菅原畜産課総括課長 現在の契約等の有無についてここでは把握してございません。これも後ほど確認して御報告したいと思います。

〇斉藤信委員 私はきょうもらったのを見てしゃべっているんだよ。あなた方は5日にもらったんでしょう、遅いけれども。答えられないということはないでしょう。この報告書を全然活用していないんですか。根拠があるかどうか私は具体的に聞いているんですよ、きょう朝見て。テレトラックが進出したときの自治体とのあれでしょう。それは後からちゃんとやってください。大体、聞くたびに疑問が出るじゃないですか。まだまだあるんですよ。
 1ページ目からなんですが、賞典諸手当合計で18年度と16年度比較しますと1億6、300万円減になっていますね。この賞典諸手当を減少していいレースできるんですか。
 それで、もう一つあわせて聞きます。競馬開催費、これは全体で11億4、500万円、これ16年度対比で18年度減少しています。11億円です。そのうち委託料が3億7、500万円、使用料・賃借料が6億1、400万円、大幅な減額になっていますけれども、この具体的な根拠と見通しどうですか。

〇今泉農林水産部長 いずれもここに掲げているコスト削減目標につきましては、実現可能と考えておりまして、あるものはもう既に具体的に動き出しておるものもございますし、ここに掲げているものは本当に実現可能だと考えております。

〇斉藤信委員 では、今度は財政プロジェクト言いますよ。財政プロジェクトで、関係団体の財務分析というのをやっているんですよ。競馬振興公社、東北映像、アール・ナック、これは11ページです。財政プロジェクトの分析。ここで東北映像をちょっと読みますと、東北映像の(キ)のところですね。借入金の償還については、減価償却費を主体とした返済財源、14年度は5億1、000万円が毎年確保されるならば特に問題がないものと思料されるが、財源が確保されるかどうかは不明である。これは借入金の償還というのは減価償却費を主体とした返済財源なんですよ。これを減らしたら返済できないということですよ。アール・ナックの場合もそうですよ。借入金の償還については、減価償却費及び無形固定資産償却を主体とした返済財源、14年度1億5、100万円が毎年確保されるならば特に問題がないものと思料されるが、財源が確保されるかどうかは不明である。この2社はどちらも財務体質はやや弱いと、財務体質が弱くて返済財源が減らされたらこれは破綻ですよ。そこからあなた方は6億円も削減しようとしているんですよ。そういう根拠、まずあなた方がこうやって経営分析していて、私が聞いたらわからないと、どうつじつまが合うんですか。

〇今泉農林水産部長 コンサルにお願いしたのは、実行計画をつくってくれということをお願いしたのではなくて、実行計画をつくるに当たってどういう観点でコストを切っていったらいいのか、どういう整理の仕方をしていったらいいのかという、まさにそこのところをお願いしたというものであります。その中で、ですからコンサルはコンサルとしての多分考え方として出てきたものがありますけれども、実行計画はあくまでも彼らの助言、指導を受けながら組合として独自に再建策をまとめていったというものでございますので、そこに若干の違いがあるということは、これは否めないわけでありますけれども、これはこれでやむを得ないものだと考えております。

〇斉藤信委員 そんな答弁、あなた通じないんですよ。実行計画だって、情報関係等委託料は12億円減らすんですよ。来年6億円ですよ。開催関係業務は来年3億円減らすんですよ。一致していますよ、これは。コスト削減は一致しているんですよ、基本的に。わかりますか、なぜだか。日本総研に頼んだのはコスト削減だったからです。増収策は頼んでいないんです、基本的には。矛盾しているのは増収策なんですよ。コスト削減一致しているんですよ。あなた全然わかっていないんじゃないの。

〇菅原畜産課総括課長 基本的にコンサルの方は削減策を中心に検討したということですので、基本的にはいわゆるチームの報告の項目につきましては、同様な検討をされた中で数字が出てきたということであります。したがいまして、今般お示ししましたコストの金額につきましては、ほぼ同額になっているという状況でございます。

〇斉藤信委員 やっとそこまで来ましたね。だから、私の質問に答えてくださいと言うんですよ。東北映像もアール・ナックも分析をして、借入金の償還というのは返済財源なんです。あなた方はそこから来年度6億円減らせると言っているんですよ。減らせるんですかと僕は聞いているんですよ。減らせるんですか。

〇菅原畜産課総括課長 まさに削減の部分としては非常に大きな部分を占めているのは事実でございます。現在この目標に向かいまして関係者と団体と協議をしておるということで、詳細についてはお答えできかねるわけでございますけれども、組合の方では実現可能な内容であるということで、現在鋭意取り組んでいると聞いてございます。

〇斉藤信委員 私は実行計画で出しているんです。その根拠を聞いているんですよ。そして、財政プロジェクトではこういう財政分析しているんじゃないですかと、6億円も来年減らせるんですか、12億円も全体で減らせるんですかということを私は聞いている。これコスト削減の一番のポイントですよ。とんでもないことですよ。
 それで、2ページ目の資料を見てください。ここに議員報酬はゼロにすると書いていますね。私はちょっと違うんだと思うんですよ。知事や副管理者がゼロにするのは当然ですよ、経営者なんだから。議会はそれをチェックする役割なんですね。特別委員会が議員定数を拡大すべきだと、チェック機能を強化すべきだと言ったときに、私は、これは額の多少じゃないと思うんですよ。議員の報酬ゼロにするなどという発想どこに出てくるんですか。それでチェックする気が出ますか。私は法外な報酬は要らないと思うが、仕事にふさわしい報酬をしなかったらチェックなどできませんよ。副管理者が来てそれなりの報酬をもらっているんでしょう。競馬議会の議員をふやしてきっちりチェック機能を強化するということはポイントでしょう、再建の。何ですか、このゼロというのは。

〇今泉農林水産部長 いずれ我々としては、この実行計画を粛々と進めさせていただくと、そしてこれは必ず実現可能なものだと私は考えております。

〇斉藤信委員 部長、申しわけないけれどもあなた答弁不能だ。そして、これは本会議でも議論になったけれども、特別委員会が競馬議会の定数をふやすべきだと提案したんですよ。異常なんですよ、岩手の競馬組合の議員というのは、たった4人で、これだけの規模でね。これどう考えていますか。管理者がどう考えているんですか、これを。そのときに報酬はありません、ちょっと違うんじゃないの。経営者の責任と議会の責任は違いますよ。大体、知事など去年までもらっていたのが異常なんだから。それと議会を一緒にすべきじゃないですよ。具体的に答えてください。どういう発想でそういうことをしたんですか。チェック機能を強める気はないんですか、全然。定数をふやすつもりはないんですか。

〇今泉農林水産部長 特別委員会から御提言を受けて組合議会の議員の定数はふやすということで、今後御相談してまいりたいと思っております。当然そのときに斉藤委員御指摘のように報酬がゼロということはないだろうと考えております。

〇川村農夫委員長 1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事進行に御協力を願います。

〇斉藤信委員 競馬組合の存在がかかっているんですよ。私はその実行計画の大事な中身を聞いているんじゃないですか。やっちゃならないんですか、この質問を。委員長、ここまで待たせてね。
 それで、私は、例えばこのコスト削減は本当に全項目に手を入れたというのはよくわかります。2枚目の一番下から、すべての光熱水費削減ですよ。そして、除雪費も削減ですよ。これで安全確保できるんですかね。どういう基準で減らしたのか。光熱水費とか除雪費というのはどういうむだがあったんでしょうか。それを示していただきたい。

〇今泉農林水産部長 いずれ今回本当にゼロベースですべてのコストを見直したと、その結果がこういう結果になったというものでございます。

〇斉藤信委員 私が幾ら聞いても中身答えられないということだけはっきりしました。私は今コスト削減のことについて聞きました。
 今度は肝心の増収策について聞きますよ。イベント実施40回で20万人を確保して1億円の発売収入を見込んでいますが、その根拠は何でしょうか。今までだって200万人以上入っているんですよ。購買単価が減って売り上げ減っているんですよ。20万人ふやす根拠、20万人の人が1億円の馬券を買う根拠はどこですか。

〇菅原畜産課総括課長 基本的には開催日数をまず6日ふやすということを、先ほど御説明申し上げましたし、それからいろいろな増収策の中でいわゆる営業活動を活発化させて、職員一人一人がいわゆるお客さんを拡大させるというような営業活動に全力を傾注するというような取り組み、あるいは観光サービス業との連携、あるいはホテル業との連携等によってお客さんを招くというような、いろいろな取り組みの中でいわゆる入場者数をふやしていきたい、あるいは増収につなげていきたいというような計画になっておると思います。

〇斉藤信委員 私、だから15年度の決算の教訓聞いたでしょう。入場人員は200万人台維持しているんですよ。しかし、購買単価が減って売り上げは大幅に減少したんですよ。またイベントやって入場人員ふやして、それで売り上げふえるんですか。どこに根拠があるんですか。今までだってイベントやったでしょう。その具体的根拠、私聞いているんですよ。岩手の競馬は入場者を確保するという点では抜群の実績上げているんですよ。その教訓を踏まえなかったら、こんな絵にかいたもちなんだよ。それで、あなたは今、開催日数を126日、6日ふやすと言いました。6日ふやせば6日分の売り上げはふえるでしょう。開催経費も上がるんですよ。しかし、増収策で考えられているのは3場連携であり、JRAの発売なんです。インターネット発売なんです。これをやるんだったら開催日数を減らすべきなんです。おかしいじゃないですか、これは。

〇菅原畜産課総括課長 開催日数の増加につきましては、これまでのいわゆる限界利益――総収入から変動費を引いた価格でございますけれども――これが890万円と試算されておるわけですが、いわゆるこの今実行計画で取り組むコスト削減に伴って、これが増加するということによる相乗的な増収効果もあるという中での取り組みになろうと思っております。現在の開催日当たりの利益はそういうことで限界利益がふえるという見込みがあるわけでございます。その他、例えば佐賀等とのいわゆる連携の開催日数、これは17年度の開催につきましては逆に減らすということでございますけれども、岩手県が6日間ふやすことで3場連携とすれば、むしろ効果的な開催になるのではないかと認識をしているところでございます。
 それから、JRAとの受託販売が、いろいろ議論があるわけでございますけれども、数、回数あるいは発売形態等につきましては、まだ決まっておらない状況ではありますけれども、JRAの開催は土日であるということで、岩手開催と重複する日数が多くなるということでございます。そういう意味から言いますと、集客効果等から岩手にとってもマイナスに作用するとは考えていないということでございます。
 それから、インターネットのお話もございましたけれども、インターネット投票につきましては、発売チャネルをいわゆるインターネットに求めるということで、発売対象である岩手のレース増がふえることによりまして、むしろインターネットの取り組みもプラスに作用するのではないかと理解しているところでございます。

〇斉藤信委員 私たち特別委員会は佐賀に行って調べてきました。佐賀は、3場連携は開催日数を減らしてメリットになると言っているんですよ。これは常識的な考え方です。3場連携で減らした分は岩手の競馬をやればいいんだから、いわば売り上げを――売り上げというか、収支を改善するためには開催日数を減らすことがかぎです。これは佐賀競馬ですよ。岩手は開催日数をふやして3場連携やって、JRAもやって、インターネットもやって、こんなことうまくいくわけないじゃないですか。JRAと一緒にやったときに、JRAの馬券も買う、岩手の馬券も買う、そんなことになりますか。なりませんよ。なりませんよ、そんなことは。だから、126日の開催日数をふやすということは、これは本当に競馬の専門家から言ったら、何考えているんだということなんですよ。メリット何もないんですよ、こんなことしたら。そう思いませんか。あなた方が試算をして3場連携で開催日数ふやしてもメリットになると、JRAと一緒にやってもメリットになるという試算ありますか。

〇菅原畜産課総括課長 正確な数字は持ってございませんけれども、JRAの開催日は間違いなく入場者数がふえているということは確認をしてございます。(斉藤信委員「JRAの馬券買っているんだよ」と呼ぶ)岩手の馬も買うということで、総体的にプラスになるのではないかと認識しております。

〇斉藤信委員 だから、私がその試算の根拠を示したんです。常識的に反対のことをやるよと。あなた方がメリットあるというならそれを示してくださいと、示せないじゃないですか。JRAのときに人が来るのは当たり前じゃないですか。JRAを買いに来るんだから。そうすれば岩手の売り上げは減るんです、同じ日にやったら。常識ですよ、こんなことは。3場連携だってそうなんです。インターネットやったら、インターネットというのは映像あればいいんですから、岩手の競馬開催しなくたっていいんですよ、インターネットというのはね。本当に私は、そういう点では初歩的なところが全く試算も示さない、そういう増収策になっていると思いますよ。
 例えば、実行計画を見ると、企業コラボレーションで1億2、500万円の発売収入を見込む。岩手競馬サポーター3、000人から1万人にふやして、この人たちが競馬に来る人をふやすんですよ。そして、13億5、000万円から38億円に売り上げをふやすんですよ。例えば、これが達成したとしても既存の売り上げが減ると思いますね。だから、とんとんで本当にふえるかということですよ。足し算しかしていないんだ。引き算がないんですよ。今までずっと引き算できたのに、この実行計画になったら引き算がないんだ。足し算ばかりです。これをやればこれだけふえる、これやればこれだけふえる、それをやればこれだけ減るんじゃないかということあるわけでしょう。私はとらぬタヌキの皮算用と言ったけれども、本当にそういうものです。組合、公社、職員の営業で20万人から40万人に入場者をふやして、その売り上げは11億円から20億円ですよ。それでも既存の売り上げは減らないんですよ。今のは増収策で既存は減らない。そんなことないでしょう。そんな足し算私はないと思うんです。
 そういう点で一番の問題は民間委託なんです。民間委託で120億円ふやすという、私はこの根拠が全くないと思います。民間委託でふやす根拠が。インターネットです。インターネットだったら岩手の競馬は買いますか。JRA買うんじゃないですか。400万人の電話投票参加者がいる。そのうちの2%が岩手の競馬を買うと言うんですよ。そういう根拠があったら示していただきたい。岩手競馬がインターネットをやったら87億円売り上げふえる根拠は何ですか。どこにそういう実績がありますか。電話投票やって今まで電話投票売り上げ減っているんじゃないですか。今度やったらディーネットで上がるんですか。ディーネットは今全体売り上げ減っているんですよ。岩手がそれに参加すればふえるんですか。民間委託が一番増収額は多いですが、一番根拠がない。そういう試算があったら、実績があったら示していただきたい。

〇菅原畜産課総括課長 企業コラボレーションあるいはサポーター、組合職員による増収の根拠と、こういう話もございました。例えば、企業コラボレーションで言いますと、現在も一部実施をしておるわけでございますが、例えば県内のホテルの室内テレビに岩手競馬を放映するということで、あるいは逆に岩手の競馬場の大型スクリーンに各ホテルのコマーシャルを流す。相乗的にやることによってそれぞれの人の交流というのが図られるというようなことで、これは一部実施、試みがされておりまして実績が上がっておると聞いてございます。
 それから、サポーターの増加による入場者数の増加ということでございますが、現在県内にはいわゆるサポーターと称する愛馬の会等が三つほどございます。足しますと5、000人くらいの方がこのサポータークラブに所属しておるようでございます。今回のこのいわゆる競馬の存続問題につきまして非常にこのサポータークラブが活動が活発になって、みずからいわゆる競馬場へ誘う行動をとりつつあるというようなことで、このサポーターに非常に大きな期待が持てるのではないかというような話もしてございます。
 それから、組合につきましても、これまでほとんど職員の中でいわゆるお客さんをふやすというような発想は全くなかったと言っても過言ではないじゃないか。要するに自分の与えられた仕事だけをやっておった。これをいわゆる通勤から含めまして営業活動にしていくというようなことでの話が現在進められているというようなこともございます。
 それから、インターネットにつきましては、一応400万人となっておりますが、現在国内で利用されているインターネットはさらに大きくなりまして600万人、800万人、1、000万人というような会員の数になっておるということで、これも試算でございますけれども0.5%あるいは2%というのは十分達成可能な率ではないかという中で仕組まれている計画でございます。

〇斉藤信委員 私はそんな希望的観測で実行計画つくってもらいたくない。JRAでさえ4兆円から3兆円に売り上げ減らしているんですよ。今景気が悪くて、特にインターネットの対象になる若者は不安定雇用ですよ。携帯電話の料金を払ったら残らないんですよ、今。10数万ですよ、月。そういう人たちが競馬買いますか。どこに客観的条件と根拠があるんですか。そういうことを示していただきたい。売り上げふえたってマイナスがあるんですよ。引き算があるんですよ。それで、きわめつきはこれです。岩手競馬、馬事文化情報の共同発信、構成団体の広報紙に馬事文化の紹介とあわせ岩手競馬情報を掲載する。勝手なことを言っています、これは。いわてグラフ140万人、これで16万8、000人が競馬に来るんです。笑ってしまいますけれども、いわてグラフに岩手競馬情報を掲載するなどと勝手に書かないでいただきたい。それで、いわてグラフを見て16万8、000人競馬に行きますか。驚くべき試算ですよ、これは。何かこういう根拠あるんでしょうか。

〇菅原畜産課総括課長 いわてグラフの取り扱いといいますか、掲載ということにつきましても、このたび新たな取り組みということで企画されておるわけでございますが、やはりこれまで目にすることがなかった、比較的目にすることがなかった情報が日常的に入るということでの効果を期待している内容だろうと思ってございます。なお、人数につきましては、年4回の回数でございますので、1回当たり4、350人という内容になってございます。

〇川村農夫委員長 斉藤信委員に申し上げます。委員1人の質疑が約1時間に及んでおります。世話人会の申し合わせにより、質疑は簡潔に行うよう、議事進行に御協力を願います。

〇斉藤信委員 わかりました。全く根拠がないというのがわかったんですよ。この実行計画は出直すべきだ、とてもこれでは県議会通すわけにいかないと私は思います。
 それで、最後ですけれども、増田知事が決算の総括質疑で、財政競馬の役割は終えたと言いましたね。私この答弁は極めて重大だと思うんですよ。財政競馬の役割が終わったら競馬をやる意味がどこにあるんですか。雇用対策で競馬をやるんじゃないでしょう。財政競馬が中心なんですよ、目的の。もし知事がそれを投げ捨てているんだったら、これはもう競馬続けられない。あなた方はその答弁書いたんですか。その真意は何ですか。

〇今泉農林水産部長 まず、実行計画に対する大変厳しい御指摘ございますけれども、この基本的な考え方というのは、ヘビーユーザーだけでなくて、さらにミドルユーザー、ライトユーザーというものを今後どう開拓していくかということを基本につくっているものです。それらがふえることによって全体の計画が回っていくという、それが基本的な考え方になっているということをまず一つ御理解いただきたいと思います。確かに1人当たりの購買金額は減っているんですけれども、入場者数はそんなに落ちていない。むしろライトユーザーがふえているという、そこのところに今回は着目して、そこをもう少しその底辺を広げていけないかということで、今さまざまな取り組みを行う実行計画の中に入れているんだということでございますので、そこはひとつ御理解いただければと思います。
 それから、今の最後の斉藤委員の質問でございますけれども、財政競馬の意義がなくなった、それを取り戻すために再建していくんだというふうに私どもは考えております。そういう趣旨で言った。

〇斉藤信委員 新聞報道ですよ。財政競馬という趣旨は、ほぼおしまいに来ているのではないか。これですよ。私はこの発言は極めて重いので、そして実行計画の中身も全く具体的な根拠を皆さん示せなかったから、知事を呼んでいただきたい。これ諮っていただきたい。これだけ議論して、全くまともな答弁も、知事のこの真意も聞けない。知事を呼んでいただきたい。

〇川村農夫委員長 ただいまの件につきましては、後日世話人会を開き協議の上、決定いたします。
 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇川村農夫委員長 質疑がないようでありますので、農林水産部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。

〇佐藤教育長 教育委員会関係の平成15年度の決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成15年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。教育委員会所管に係る一般会計予算現額は、10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費までと、16ページの11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費でありまして、あわせて1、618億745万円余で、これに対する支出済額は1、615億8、204万円余、執行率は99.9%であります。支出済額は前年度に比べますと53億3、622万円余、3.2%の減となっております。
 なお、翌年度への繰越額は柳之御所遺跡土地公有化事業の2、415万円余となっております。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は19.4%となるものであります。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、お手元の平成15年度歳入歳出決算事項別明細書により、その主なものについて御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略いたしますので、御了承願います。
 決算事項別明細書でございます。256ページをお開き願います。10款教育費の1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要した経費。258ページをお開きいただきます。2目事務局費は、教育委員会事務局の管理運営に要した経費、そのほか保護者向けの広報紙の発行、語学やスポーツの指導支援を行うための外国青年招致事業などに要した経費であります。3目の教職員人事費は、教職員の人事管理や退職手当等に要した経費であります。次に、260ページをお開き願います。4目教育指導費は、児童生徒の健全育成を図るため、心の教室相談員やスクールカウンセラーの配置に要した経費のほか、学習定着度状況調査の実施と、その結果を生かして開催いたしました小・中学校全教員を対象とした授業改善研修会に要した経費であります。いわて教育情報ネットワークの整備と運営に要した経費、特別支援教育の充実などに要した経費も入っております。次に、5目の教育センター費であります。教職員の各種研修等に要した経費。262ページをお開きいただきます。6目幼稚園費は、こまくさ幼稚園の管理運営に要した経費であります。7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 次に、264ページをお開き願います。2項小学校費1目教職員費は、教職員の人件費のほか、小学校1年生入門期におけるきめ細かな指導を行うための非常勤講師の配置等に要した経費であります。265ページの備考欄の2行目にある学校いきいきプラン推進費は、同ページの中学校費、それから高等学校費のそれぞれの備考欄の同じく2行目にございまして、それから少しページ飛んでいただきまして、271ページの養護学校費の備考欄の同じく2行目にございますが、各学校費でそれぞれ実施した事業でありますが、小・中学校では、子供たち一人一人に目配りのきいた教育を実現するために、また、高等学校、養護学校では進路相談や就職のための求人開拓を行うために社会人を非常勤職員として配置した事業であります。
 264ページにお戻りいただきます。3項中学校費1目教職員費は、中学校の教職員の人件費や初任者研修等に要した経費であります。
 4項高等学校費1目高等学校総務費は、県立高校の教職員の人件費や初任者研修等に要した経費。266ページをお開きいただきます。2目全日制高等学校管理費と、3目定時制高等学校管理費は、各高校の管理運営や教育設備の整備等に要した経費であります。次に、268ページにかけての4目教育振興費でありますが、県立高校の産業教育設備、部活動設備、情報処理教育設備及び教育実験実習等に要した経費であります。5目学校建設費は、県立高校の施設整備及び維持補修等に要した経費でありますが、校舎建設は、高校再編計画に伴い、一関第二高校ほか3校の建築工事と盛岡第二高校の校舎建設設計委託、産業教育施設建設は、盛岡農業高校の寄宿舎改築、部活動施設整備は、盛岡商業高校のテニスコート整備、校地整備は、盛岡第三高校と久慈農林高校、大規模改造は、北上農業高校と久慈農林高校の整備と宮古水産高校ほか5校の耐震診断に要した経費であります。次に、270ページをお開き願います。6目通信教育費は、通信教育のための管理運営に要した経費であります。
 次に、5項特殊学校費でありますが、1目盲聾学校費、2目養護学校費は、盲学校、聾学校及び養護学校の管理運営及び施設整備等に要した経費であります。
 次に、272ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、地域の教育力を高め、子供たちのさまざまな体験活動の機会を拡充することを目的とした体験活動ボランティア活動支援センターの設置に要した経費、家庭の教育力の充実を図るために要した経費、主体的に生きるたくましい青少年の育成を図るため、訪問地での体験学習を行う銀河鉄道の旅の実施に要した経費のほか、生涯学習推進センター及び青少年の家の管理運営等に要した経費であります。次に、274ページをお開き願います。2目視聴覚教育費は、視聴覚教育の指導者養成等に要した経費であります。3目文化財保護費は、指定文化財の保存・修理等への補助、柳之御所遺跡の史跡整備を促進するために要した経費、岩手県青少年民俗芸能フェスティバルの開催に要した経費のほか、埋蔵文化財センターの管理運営等に要した経費であります。4目芸術文化振興費は、276ページをお開きいただきますが、芸術文化の振興を図るため、岩手芸術祭や青少年劇場等の開催、高等学校総合文化祭や国民文化祭への派遣、高校生の文化部活動の育成、中学校総合文化祭の開催補助、県民会館の管理運営等に要した経費であります。5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要した経費のほか、図書情報総合センターの整備に向けて、図書資料の拡充と図書情報システムの整備等に要した経費であります。6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び資料収集等に要した経費。278ページをお開きいただきます。7目美術館費は、県立美術館の管理運営と美術品の取得に要した経費であります。
 7項保健体育費1目保健体育総務費は、児童生徒の保健管理に要した経費のほか、岩手県学校給食会に対する貸し付け等に要した経費であります。次に、280ページをお開き願います。2目体育振興費は、平成17年2月に安代町で開催される第60回国民体育大会冬季大会スキー競技会に向けた施設整備に要した経費、平成17年度の全国スポーツ・レクリエーション祭の本県開催に向けた諸準備に要した経費のほか、ジュニア選手強化対策を初め、国体選手強化事業など、競技力向上を図るために実施した事業に要した経費であります。3目体育施設費は、県営運動公園、県営体育館等体育施設の管理運営及び施設改修等に要した経費であります。
 次に、少しページを飛びまして、288ページをお開き願います。11款災害復旧費の3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、三陸南地震により被害を受けた大船渡農業高校ほか6校の復旧工事に要した経費であります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇川村農夫委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇野田武則委員 それでは、要点だけ絞って質問いたします。よろしくお願いします。
 まず最初に、少人数教育に関して質問したいと思います。
 265ページの学校いきいきプラン推進費、すこやかサポート推進事業費にかかわると思います。平成15年から進められておりますが、大変成果が上げられておるということで重々承知をしているところでございますが、各学校関係者、あるいは保護者からの反応といいますか、課題につきましていろいろ調査されているかと思います。その点についてお伺いしたいと思います。
 それから、学校いきいきプランは今年度限りの事業と聞いておりますが、学校では随分不安感が広がっているということでございます。今後も継続する必要があると思いますが、どのように取り組まれるのでしょうか。
 それからまた、少人数教育の幼稚園、あるいは高等学校への拡大は考えられているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
 あわせて質問いたします。261ページのいわて特別支援教育推進事業費についてお伺いいたします。
 この事業費は、いわゆるLD、あるいはADHD、あるいは自閉症児の支援体制についてでございますが、この支援の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 また、どちらかといいますと、こういうLD、あるいはADHDの方に目が向けられまして、少人数だろうと思いますが、緘黙児の、あるいは場面緘黙児も含めますが、そういった児童生徒に対する配慮がなされているのかどうか、その辺の実態についてお伺いしたいと思います。
 続きまして、少人数教育の推進によりまして、恐らく不登校、あるいは登校拒否の生徒数というのはかなり減少しているかと思うわけでございますが、その辺の実態についてお伺いしたいと思います。
 また、岩手県立杜陵学園に自立支援施設があると伺っております。今の不登校や引きこもり、あるいは家庭等の事情のある子がそういった施設に入るということでございますが、定員が60名と伺っておりますけれども、希望者がたくさんいるようでございますが、どういうわけか入学者が少ないということを伺っております。その辺の実態についてお伺いしたいと思います。
 最後になります。学校長を初めとする教職員の使命感についてお伺いしたいと思いますが、過般、教員の健康調査結果というレポートを見せていただきました。その内容によりますと、先生方ですが、多忙である、あるいは肉体的・精神的ストレスがたまる、病気が多いなど、あたかも学校が暗い職場で、教職員の使命感や情熱といったものが全く感じ取れませんでした。実態はいかがなものでしょうか。
 子供たちの成長過程において、家族以外で一番多くの時間を接している教員たちから、感銘や情熱を感じ取ることなく育っていくということは大変不幸なことだと思います。
 そこで伺いますが、多くの教員たちが情熱を抱き、それを学校長などの管理職がまとめ上げて最大の教育効果を発揮すべきと思いますが、教員の使命感を高めるいわゆる涵養策をどのように講じられておられるのか、お伺いしたいと思います。これは教育長にお願いしたいと思います。

〇佐藤教育長 ただいま野田委員から種々質問がございましたので、私からは使命感についてお答え申し上げ、それぞれ担当課長からお答えさせたいと思います。
 今お話ありましたように、学校現場での教職員の勤務の実態、このことが、職員団体などからのアンケートの結果等が私どもにも寄せられておりまして、そこによりますと、大変多忙であるとか、あるいはでき得る限り子供に接したい、にもかかわらず仕事に追われて子供と実際に対話をしたり、あるいは子供と一緒にいろいろなことを話したりする時間がなくて辛いというような、これは、私も現実に教育現場に赴きまして、そこで先生方の意見交換をしますと、そういう声を大変多く聞きます。こういう実態、これを現場自体も何とか、そのむだを省く、それから、同時に私ども行政に携わる側にあっても、その現場の仕事をもう一度見つめ直して、そして、事務事業の点検をきちんとして、でき得る限り時間をつくってやるというようなことが必要だろうと考えております。
 学校現場の現実、先生方は大変多忙の中をその使命感に燃えて子供たちに接し、そして、その子供の希望に沿えるような、その努力が行われているということで、ますますこれをさらに高める方法は、これから、今後、教育委員会内部でも、また現場と意見交換しながら構築していきたいと考えております。

〇岩田小中学校人事監 すこやかサポートの非常勤講師のことでございますが、今年度新たに小学校2年生で35人を超す学級を有する学校に40名、さらに、16人の複式学級を抱える学校に26名を配置しております。小学校1年生へは133校に162名配置しましたので、合計いたしますと173校に202名の非常勤講師を配置したことになります。
 小学校1、2年生の成果につきましては、一人一人の実態に応じたきめ細かな指導が行われ、学校生活が大変安定をしている。それから、すこやかサポートが、不慮の出来事などに即座に対応できまして、学級担任が全体指導を継続できるなどの声が多く寄せられておるわけであります。
 また、複式学級に係る成果といたしましては、国語、社会、算数、理科などの主要教科を学年ごとに単式で指導できるようになりまして、基礎・基本の定着が図られているとか、個別指導により多くの時間をかけることができるようになったとか、発展的指導や補助指導など、きめ細かにできるなどが挙げられております。
 課題は特にはないわけでありますが、昨年度は、打ち合わせの時間が足りないのではないかということがありましたけれども、現場では、逐次、それらの課題を克服しながらやっておるというようなことでございます。

〇遠藤学校教育課長 いわゆる特別支援教育にかかわりまして、本県におけるいわゆるLD、ADHD等、高機能の自閉症の子供たちに対する対応でございます。
 このような、いわゆる軽度発達障害と言われるような子供さん方に対しての、まず実態でございますけれども、人数につきましては、このような子供さん方の場合には、正確な診断は医師の判断が必要なところでございます。その関係で、小中学校における在籍数、正確には把握できておりません。ただ、平成13年度に総合教育センターにおきまして実施した該当のクラスの担任等に対する調査によりますと、その疑いがあると考えられる子供さん方は全体の約2.8%というデータが出てきております。これを県全体の小中学校に在籍する児童生徒の数で当てはめますと、推定で約3、500名いるのではないかと考えております。
 このような子供さん方に対しまして、県の教育委員会といたしましては、まず、モデル事業として盛岡とか花巻、一関の3市に対しまして、そんなふうな子供さん方に対する支援のためのモデル事業を、地区を指定いたしまして、いわゆるADHD児等支援事業というものをスタートさせております。平成15年度から取り組んでおります。さらには、同じ内容で、国の方の委嘱を受けまして、一関市におきましてもLDとかADHD、高機能自閉症児等に対する総合的な教育支援体制というものに取り組んでいただいておるところでございます。
 このようなモデル地区以外の地域への支援に対しましては、各小中学校に特別支援教育コーディネーターというものを配置しております。そのような教員を中心に整備を進めております各学校の校内支援の体制を整備いたします。あるいは、県立盲・聾・養護学校の専門性を生かした、それぞれ特別支援教育相談、あるいは支援センターの機能を盲・聾・養護学校が持っておりますので、あるいは、さらに今話がありました学校いきいきプラン等を活用した非常勤の職員の配置等を活用することによりまして、小中学校に在籍しておりますLDとかADHD等に対する支援や、その保護者への相談というものを充実してまいっているところでございます。
 次に、緘黙児に対する対応というようなお話がございました。いわゆる場面緘黙と言われる子供さん方、実態はこれもなかなか把握できないわけでございますけれども、相当数いるのではないかとも思われます。
 そのような子供さん方に対する指導体制でございますけれども、いわゆる該当の児童生徒が在籍しておる学校、通常学級におるわけでございます。場面緘黙児の場合には、コミュニケーションをとりたいという欲求を潜在的に持っておるのではないかと考えておりますが、それぞれ該当の子供さん方がいる学校、あるいは学級においては、職員全体で、まず場面緘黙児に対して理解を進める、それが前提だと思います。その上で、家庭と連絡をとりつつ、直接的に言葉を引き出すという対応ではなくて、学級等で行われるさまざまな活動、その中に自然な形で参加できるようにというふうな配慮を持ちながら、学級集団に安心して溶け込めるよう配慮を行いながら、社会適応の方法を獲得させるような指導を行っておるところでございます。
 なお、先ほどもお話ししました本県の教育センターには、教育相談室に相談に来る場合もございまして、その数でございますが、平成15年度には、新しい来談者の場合は8件の教育相談がございました。通算で、前年度から通して来ている子供さん方の数を含めますと、該当の場合には85件の教育相談を実施しておるところでございます。
 いずれ、教育相談を通しまして、保護者への支援と同時に本人への心理的なアプローチを行って、ほとんどの子供さん方は学校生活への適応の改善が見られたという報告を受けております。

〇高橋生徒指導監 小中高校の不登校についてでございますけれども、文部科学省が実施した平成15年度問題行動等調査において、県内の不登校児童生徒数は、小学校が193名、中学校が1、030名、高等学校が328名、合計1、551名で、昨年度に比べまして257名減少しております。その結果、小学校は3年連続、中学校は2年連続、高校は5年連続で、いずれも減少しているところであります。
 不登校児童生徒数の出現率は2年連続減少しており、全国と比較しても低位であります。不登校児童生徒数は減少傾向にありますけれども、依然として深刻な状態であることには変わりがないと考えております。今後とも、スクールカウンセラーや学校適応相談員等の相談員の配置、適応指導教室への支援などの施策を展開しながら、減少に努めたいと考えております。
 それから、杜陵学園についてでありますが、所管が保健福祉部ということで、人数等については現在、私どもでは承知していないところでございます。

〇平沼健委員 私は3点について続けてお尋ねいたします。
 まず、今回の県立高校再編計画案の示し方についてお尋ねしたいと思います。
 御承知かということで、この高校の再編制、これは避けて通れないということは、総論的には多くの県民が理解していると私は思っております。ところが、おのおの地域で各論に入っていきますと、やっぱり今回のこの統廃合の県教委の進め方、これが余りにも独断的というか、性急過ぎるというか、そういうことが否めないと思っております。そういうことがあって、一部の地域では、その反対運動が激しくなってきているという地域もたくさんございます。
 この再編というものは、その地域にとってみては大変大きな問題であるわけでございまして、今後この案を新しいというか正式な形につくっていくわけでございますが、県教委がもっと地元と密着したというか、地元の声をもっと聞くような形をとっていくべきではないのかなと。今までの反省を踏まえながら、所感をまず一つはお尋ねしたい。
 2番目が、今回のこの案でございますが、各地域でいろいろな要望、あるいは意見が知事あるいは県教委の皆さん方にも届いていると思っております。そういうような要望とか意見をどのような形で反映させようとしているのか。地元の要望というものをどの程度お聞きしていただけるのか、この場でお話できる範囲で結構ですけれども、その考え方をお尋ねしたい。
 最後に、これは国の補助で始まったと思っておるのですが、県立高校、特に実業高校に就職支援相談員の方がおられまして、各地域のいろいろな話を聞いていますと、本当にまじめにというか、本当に忙しく子供たちの就職のために走り回っておる姿が見受けられます。産業界の方々の話を聞いても、やっぱりこの高校の生徒の就職、いろいろな相談にしょっちゅう見えると。本当に大変だという感じがしますけれども、本当にこれはすばらしい一つの制度だなということを皆さん方から聞いております。そういうようなことで、県単でこれも引き続きやっていくべきだと私は感じております。
 ただ、この相談員が毎年かわるんですね。これは、国の制度というか、雇用対策ということもあったと思うんですが、やっぱりこれ、長ければいいということでもないでしょうけれども、その相談員の方、あるいは受ける産業界の方の意向も聞けば、やっぱり少なくとも2年や3年は同じ方が担当した方がいい形が出るのではないのかなということが出ておりますが、この三つについてお尋ねいたします。

〇佐藤教育長 最後の就職支援相談員については担当課長から、私からは、高校の再編問題でございますが、ただいま委員から大変厳しいお話がございまして、と同時に、各地区、私どもできる限り要望にこたえて説明に上がり、また、精力的に説明あるいは意見をお聞きする会を設けて出歩いているつもりであります。今お話あったように、各地区でもそれぞれの地域の事情がございまして、いろいろな意見、提言、あるいは大変建設的な意見も寄せられております。
 私ども、1月初めにマスタープランをお示しし、そして、8月に計画を示して、それぞれ説明に上がったり、意見を聞いたり、さまざましているわけですが、今御指摘あったように、まだまだ足りない部分があったのかなと思いながらも、前期の計画に続く後期の計画でもありますので、今詰めている段階であります。
 ただ、どういうふうに各地域から出てきた意見や提言や、そういうものをやるんだということでございますが、我々は、今詰めている段階でありますが、各地区でちょうだいした意見、それから、もちろん県議会の場におきまして、このようにいろいろ御意見をちょうだいしていますので、これらも勘案しながら、今、地域にとって、それぞれの地域で子供たちにとってよりいい教育環境はどういう形のものかということで詰めている段階であります。

〇遠藤学校教育課長 県立学校の就職支援相談員についてのお尋ねでございました。
 就職支援相談員、これまでは国の緊急地域雇用特別交付金による基金で措置されてきたものでございます。その雇用期間は、御指摘のとおり最長1年間というような形でございました。
 任期が1年で終了することで、就職支援相談員が任期中に蓄積してまいりました経験とか企業との関係が途切れたり、また、地域や学校によっては新たな人材の確保が困難になるとの課題等もあったところでございます。
 このようなことを踏まえまして、本年度で国の基金が終了することになりますので、今後につきましては、就職支援相談員がこれまで果たしてまいりました役割や実績等を踏まえまして、就職を希望する生徒に対して最も効果的な支援が図られるよう、そのあり方について総合的に検討しているところでございます。

〇飯澤匡委員 前段にちょっと質問を用意していましたが、ずばっと聞きます。
 前期の高校整備再編計画で示された、そして統合を見た高校というものがあるわけですね。ところが、現状を見ると、校舎分離を余儀なくされたり、統合と県教委が示しながら、現状とは滑り出しがほど遠いスタートを切っている高校があります。このような現状をどのように県教委は見ていますか。

〇鎌田高校改革推進監 御指摘のある地域の統合についてでございますけれども、私ども、地域の御理解を得て、今、整備検討委員会等で、生徒のための教育で使用する施設等、関係部局と協議しながら整備をする方向で進めておるところでございます。ただ、統合の形態等につきましては、校舎への生徒の収容可能人数とか、そういうものがございますので、これまでも他地域にもありましたけれども、既存施設を有効に使用しながら、専門性等を維持していくために、旧校舎も活用しながら、新しい学習活動等を進めていくことも視野に入れながら検討してまいりたいと考えているところでございます。

〇飯澤匡委員 具体的にはこれから聞こうと思ったのですけれども、一関二高と一関農業、これは農業高校のいろいろな専門分野がありますので、また距離もさほど遠くないということで、これは理解は得られると思うんですが、平成16年に統合予定だったのが18年に、地元ではいろいろな協議、また苦しい協議を進めながら、今申し上げました再編の地元での協議会の中でいろいろな意見を積み上げて、何とか統合に持っていこうというような結論を見たわけです。
 それで平成16年になる予定なのが、今の計画でいきますと18年の新生大東高校――どういう名前の学校になるかわかりませんけれども、これは大原商業高校の2、3年生はそのまま大原商業の校舎にしばらくいる、そして、1年生のみが大東高校に統合する。これは全く統合の意味がなされないのではないですか。併設校のいろいろな利点というものは、県教委はかなり示されておりますけれども、当初からそういう予定では、こういう学校の周辺整備計画がなされないのでは、これは統合の意味がなされないのではないですか。私は、これは伊藤教育次長に聞きたい。これは、まさしく大東高校についてはこういう利点がありますと地元には大変力強く御説明をなさったけれども、この現状はどういうふうに把握して、認識をしていますか。

〇伊藤教育次長 大東高校と大原商業高校の統合についてでございますけれども、地域の中学生の数と二つの学校の学級数との間にアンバランスがございまして、途中で学級数を一つ調整する予定で進めておりました。しかし、統合までの間、経過措置として、現在の学級数をぜひ維持してほしいという地域の強い要望がございまして、その結果、学級数で見ると予定どおり二つの学校が統合すると1学級入れないことが起こっている、こういうことでございます。
 したがいまして、もし、ぜひ一度に入りたいということになるのであれば、途中で生徒の実態に合わせた学級数に調整してから統合するということもあるかと思いますし、あるいは、先ほど推進監が申し上げましたように、1年間は現在の施設設備を活用する中で、別の校舎ではございますけれども、頑張って実績を上げていく。それで2年目に入っていくということもあり得るのではないかと思っております。
 なお、地域の方々から御要望の大変強かった施設設備につきまして、特に産振施設についてでございますけれども、これにつきましては、本来でありますと平成15年2月に統合ということで御理解いただきますと、19年あるいは20年ぐらいにならないと設計にかかわる予算ですとか、設計の時期ですとか、工事とかいうことで大変苦しいわけでございますが、そこのところをできるだけ早く整備する方向で統合の実を上げたい、このように考えておるところでございます。

〇飯澤匡委員 そういう後段の説明は全く私は理解していませんよ。平成16年に開校するということなら、それなりの準備をして当然でしょう。そして、3クラスを4クラスにというその希望については、私もかかわったから存じ上げていますけれども、これはそういう問題じゃないのではないですか。
 そしてまた、その協議会の中で地元の方々が要望申し上げた今の産振施設、実習室について、これを何とかできないかということの要望に対して、これは何ともならないと、もう門前払いじゃないですか。これは学校の意味があるんですか、統合する意味が。地元の、じゃ、何とか東磐井の中で千厩高校と大東高校が切磋琢磨してなるようなそういう学校につくろうという地元の意思があるのに、最初からそういうことじゃ、全然話にならないじゃないですか。今後の見通しをちょっと明確に示してください。

〇伊藤教育次長 当初の計画どおりの統合であれば、早くそれをお互いに理解し合っていればそれに向けた整備ができていただろうと思いますけれども、なかなか理解を深めていただくことができませんで、最終的に、わかった、統合の方向で今後考えていこうという意思表示をいただいたのが平成15年12月でございました。したがいまして、それからのさまざまな準備ということですと、平成18年までには、それなりに努力は申し上げているわけですが、やっぱり限界があったということでございます。
 さらに、今確認させていただきました産振施設と言われているコンピューター実習室等ですけれども、これにつきましては、平成18年の上半期には何とか使えるように整備してまいりたい、このように現在関係部局と協議しながら努力中でございます。

〇飯澤匡委員 じゃ、ちょっと最後に、予算調製課総括課長にも聞きたいんですけれども、これは政策的ないろいろな予算調製の中で、学校建設費と、それから、これに係る部分というのは教育委員会からどのような要望がありましたか。どのように予算調整なされましたか。

〇菅野予算調製課総括課長 いずれ、高等学校の建設、いわゆる教育の施設整備については県政の重要な課題と認識しております。つきましては、教育委員会から現在、教育委員会の内部で予算調整を行った上で県全体で行うところでございますが、今までの御意見等を踏まえ、今後調整させていただきたい、このように考えております。

〇飯澤匡委員 ということは、これは、いろいろな学校建設の計画があると思いますけれども、これ学校の統合というのは大変なことなんですよ。これを優先して統合については予算措置をするべきじゃないですか。教育長、最後にお聞きします。

〇佐藤教育長 ただいま飯澤委員からお話あった件は、まさにそのとおりでありまして、施設の整備とあわせて高校の新しい方向性を見出した計画、これは軌を一にしなければならないといいますか、あわせて一緒にやらなければならないということで、ただいま予算調製課総括課長からも話がありましたが、私どもも常々、計画を立てる、その計画に沿った形でどうするかというすり合わせをしながら、協議をしながら進めている。と同時に、今度の新しい後期計画の方につきましても、同じく年度の割り振りをして、その中で必要な施設の整備については、これも財政当局としての総務部と協議しながら進めておりまして、そごを来しているものではないと私は認識いたしております。

〇飯澤匡委員 そごを来していないというよりも、学校教育のいろいろ現場を考えて、繰り返しになりますけれども、いろいろな思いがあってこの統合にこぎ着けたわけです。それについては、県教委はその意思というものをしんしゃくすべきじゃないですか。
 先ほど来、いろいろな計画の中にあって学校建設の計画があって、これこれという話がありましたけれども、そこの中で優先度というものを決めてしかるべきじゃないでしょうか。そういう意見を申し上げて、何か所感があればおっしゃってください。

〇伊藤教育次長 おっしゃるとおりでございますが、統合について、何年に統合という形での、検討委員会等立ち上げまして、確認できない時点では、なかなか先に先にと設備等を準備しておくことは難しかったということでございます。御理解賜りたいと存じます。

〇高橋賢輔委員 関連。
 私は、教育行政に携わる職員としては、どうも、今の話によりますと説明責任をはたしていないと思うんですよ。花巻農業高校と北上農業高校との問題がまだ残っているわけですよね。それで、関係者から何回となく検討委員会を立ち上げますといって、それの結果はどうなっているんですか。それをお聞かせ願います。

〇鎌田高校改革推進監 御指摘の新しい花巻農業高校の検討委員会についてでございますけれども、花巻・北上地区における将来の農業教育のあり方等を検討していくところでございますが、有識者等も含めまして委員会を立ち上げるということでこの場でも申し上げてきておりましたが、準備委員会を結成しまして、方向性を今話し合っているところでございます。なるべく早く立ち上げて、本格的な論議に入りたいと考えておるところでございます。

〇高橋賢輔委員 もう期間がかなり過ぎているんですよね。そうなものですから、今の飯澤委員に対しても、どうも逃げ口みたいな答えなんです。やっぱり教育の場ですから、教育行政に携わる皆さん方がそんなうそをつくようなことではだめなのだと私は思うのですよ。言葉は悪いですけれども。やっぱりそういうことには本当に素直に対応していただかなければだめだと思います。やっぱり教育ですから、そういうことでひとつ、急いでその結果を詰めさせるようにお願いします。

〇佐藤教育長 ただいま高橋委員からお話がありましたし、それから飯澤委員からも御指摘ございましたが、いずれ地域にとって統合というものはいろいろ難しい問題を抱えておりますし、地域の方々の気持ちというものも、これまたいろいろなものが、私ども今度歩いてみて感じております。これら地域の方々のその思いなり、あるいは子供たちの気持ちなり、そういうものを大事にしながら計画を立て、またその計画を推進していきたい、このように考えております。御理解のほどお願いいたします。

〇木戸口英司委員 私からは、養護学校の高等部の状況についてお伺いいたします。
 本県の知的障害者や肢体不自由の生徒、また病弱の中学生の進学率が年々高まってきているとお伺いしております。養護学校高等部の整備、それに対しておくれている、また一般高校の受け入れ体制もおくれているという状況も指摘されているところであります。
 県内における養護学校在籍者数、これに対して本年度養護学校中等部の進学率、また、そのうちの知的障害者の進学率、また中学校特殊学級からの進学率についてお伺いいたします。
 それで、それを受ける養護学校高等部ということでありますが、この設置状況、受け入れの体制といいますか、人数、状況、これが満足な状態かどうか、これをお伺いしたいと思います。
 また、一般校への進学希望も高まっているとお聞きしますが、その状況と実際の進学率、進学が進まない理由、課題についてお伺いいたします。
 今後、これら問題に対応するため、どのように取り組んでいく考えか、お伺いいたします。

〇遠藤学校教育課長 養護学校高等部についてのお尋ねでございます。
 何点かございましたけれども、まず第1点目でございますが、養護学校の中等部とか、あるいは中学校の特殊学級からの進学率でございますが、平成15年度養護学校中等部卒業者の高等部への進学率は、全体で81.5%となっております。そのうち、知的障害を持つ養護学校では、その進学率の割合が93%となってございます。また、中学校特殊学級卒業者の進学者の割合は75.7%。それぞれそんなふうな割合の子供さん方が高等部に進学しております。
 2点目でございますけれども、こうした状況に対応するための養護学校高等部の設置状況、あるいは受け入れ人数等の状況でございますが、これまで、養護学校は県内に14校ございますが、そのうち8校に高等部を設置してまいりました。来年度、平成17年度4月からは、一関養護学校と釜石養護学校の2校に高等部を新設の予定でございます。これによりまして、平成17年度の受け入れの枠は、養護学校全体では合計30学級、人数でいいますと175名という予定になってございます。
 3点目でございますけれども、一般の高校への進学希望者の状況等でございますが、本年度、平成16年度、障害のある生徒の高校への進学状況でございますが、養護学校からは16名、それから中学校の特殊学級からは同じく16名となってございます。これらの生徒が安全に学校生活を送るために、さまざま課題等も考えられますけれども、施設・設備の整備も一つの大きな課題ではないかと思いますが、県教育委員会といたしましては、該当の高校につきましては、障害者用のトイレとか、あるいは廊下・階段の手すり、エレベーターの設置などに努めておるところでございます。
 今後の対応でございますが、特に知的障害養護学校における高等部入学者が募集定員を上回っているような状況がございます。高等部拡充に対するニーズが高いことについては、重要な課題と認識しておるところでございまして、本年6月には、盲・聾・養護学校の再編整備に関する検討委員会というものを設置して、今後の養護学校のあり方や適正配置等に関する検討を開始しておりますとともに、高等部の拡充につきましても、この中であわせて検討してまいりたいと考えております。
 なお、高等学校への受け入れにつきましては、今後とも、中学校とも連携を図りながら、障害のある子供さん方、生徒が、進学希望の状況をできるだけ早く把握して、適切な対応がとれるように改善して、努力してまいりたいと考えております。

〇木戸口英司委員 わかりました。
 特に知的障害者の進学率が高まっているというお話でありました。100%に近い健常者といいますか、進学率になってきている状況の中で、やはり機会を与えるということは大変重要であろうと思います。
 また、今の一般校への進学ということも、ノーマライゼーションと言われる時代の中で、これは、障害者にとっても、また健常者にとっても、お互いに、これからの社会を構築していく中で大事な要素になってくるだろうと思いますので、その取り組みをお願いしたいと思います。これは教育長に、今の30学級175名という受け入れ体制、これからさらに整備をしていくというお話もあったわけですが、今のこの現状をとらえて、どういう評価をされているかお聞きしたいと思います。
 それで、それに関連しまして、本日は平成15年度決算審査という性質でありますので、今話題になっております高校再編整備・後期計画についての個別具体な問題を指摘するものではないのですけれども、東和高校につきまして、その存続を目指して、地元東和町より県教委に対しまして、東和高校に養護学校の併設、そして地域のノーマライゼーションの拠点施設として、総合養育センターの機能併設を提案していると私どもも伺っております。こういった養護学校の高等部の問題、今、これからのさらに整備と計画も審議中ということでありましたが、これからの大きな問題であることは間違いないであろうと私も認識するところであります。
 また、今、これとはまた別な問題でもあるかもしれませんが、新たな取り組みとして、この高校再編整備計画・後期計画の中で、中高一貫校の問題を提案してきている高校もございますし、また、全体として小規模校の問題など、これらは地元の高校の存続という思いの中で提案されたこととはいえ、それぞれ現在の岩手県の高校教育のこれからの課題、問題をこの地域から県教委に対して指摘してきたものということも言えるのではないでしょうか。地域は必死なこの残したいという願いの中で、こういう行動、また考え方に行き着いてきたということも言えると思います。
 要望どおり、こういった高校が残っていくことが望ましいのでありますけれども、きょうは、県教委、これら重要な問題としてとらえ、検討していく、こういう質問があれば、こういう答えなんでありますけれども、さらにこれから、やはり真摯に受けとめて、全国でも先進事例もあるわけでありますし、議会でもそれぞれ視察をしたりしているところであります。検討を重ねているということでありますが、結論を早く導き出して、こうして各地域、また県民に対してこの方向を示していくということが重要であり、必要であると私は考えます。
 検討に時間がかかるとすれば、検討の経過の段階でも、当分、今の岩手県の高校教育にはこれは必要ないのだというのであれば、そういう判断もあるかもしれませんし、いや、必要だけれども、どうしても今お金がない、あるいは、議会に対して、何とかこれを通していきたいから協力してくれ、こういった方針が示されてくれば、地域の皆さんも、岩手県の高校教育の方向性ということを今回の再編の問題とあわせて考えていける一つのテーマになってくるのだろうと思います。この点、教育長にお伺いしたいと思います。

〇佐藤教育長 ただいま、県内各地域では、今お話ありましたように、東和町からは養育センター、あるいは住田町からは中高一貫教育校、あるいはそのほかの学校でもいろいろ御提言をちょうだいしているということで、そういう今回の新整備計画とあわせて、その計画を終えて、すべてそういう得た御提言をそのままにしておくのではなくて、これもこれから、県民の皆さんの理解のもとに進めなければならないわけです。一方、あわせて一緒に関心もかなり高くなっているということで、これにこたえるように我々も検討し、その検討の経過といいますか、過程においても、中間報告的なものも示しながらやっていかなければならないかな、こう思っております。
 それから、一番最初の問題ですが、今日の特別に支援を要する子供たちへの教育のあり方ということで、特別支援教育については、先ほどもちょっと話が出ましたが、現在、国におきましてもその方向性を議論しているさなかでありますし、あわせて、県におきましても、これからどういうふうにその配置をしたらいいか、その基本的な方向性、これを今、内部で議論しております。
 そういう中で、ただいま御質問のあった高等部への入学の状況、これを過去の数字と比較すると、今日大変大きく伸びてきております。高校進学率が98.4%という数字を示しておりますが、盲・聾・養も同じくかなりの伸びを示しているということで、私どもの方でも受け入れ体制はきちんと整えて、と同時に、そういう中等部の子供たちが高等部に入る、その入りやすいような、あるいは受け入れる側からすれば、それに十分こたえられるような、そういうところを今後も一層充実させていきたいと思っております。

〇高橋雪文委員 私からは2点御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、小学校、中学校の課外学習時の宿泊について質問させていただきます。
 実は小学校で、この校外学習時の宿泊で、男女が一緒に泊まるというような事実があるという投書が参りまして、ちょっと御紹介したいのですけれども、これは盛岡市内の小学校6年生の母親の方なんですが、昨年、平成15年、校外宿泊学習のときに男女同じ部屋の宿泊でした。事前に学校側からそれについての説明はありませんでした。もし、そういう説明があったら反対していましたというような投書もいただいています。
 また、同じ盛岡市内のある小学校5年生、これも昨年度のことですけれども、実施の1週間前に学校から、部屋をとれなかったので、同じテントで男女一緒に寝るようになりますと連絡があったということです。ただ、部屋がとれなくてテントということであれば、男女別々のテントに割り振りするだけで済む話なのですけれども、なぜ、あえて男女同じテントの中で寝かせるのか学校の真意がわからない、そんな投書が来ております。
 この投書を拝見しまして、もしこれが事実であるならば非常におかしな状況になっているのではないかと思います。
 そこでお尋ねさせていただきますが、各小学校――中学校ではまずないと信じておりますけれども、その状況についてお示しいただきたいと思いますし、その事実があれば、その理由についてお知らせいただきたいと思います。

〇遠藤学校教育課長 小学校における校外学習における宿泊ということについてのお尋ねでございましたけれども、本県で本年度、既に修学旅行等校外学習を実施している学校のうち、男女同室での宿泊があったのは、小学校で4校ございました。この4校につきましては、小学校5年生の林間学校におきまして、男女同室で宿泊したものということでございます。
 この4校、いずれの場合でも、今年度の場合ですけれども、今年度の実施校の場合には、保護者に対して事前の説明会を実施しておると把握しております。保護者の了解のもとに男女同室で宿泊をしていたということでございますが、ただ、小学生の高学年でございます。児童の発達段階等の現状を踏まえますと、このような状況は望ましくないのではないか、改善を要するのではないかと把握しておりますので、県の教育委員会といたしましても、今後、該当の市町村に対しましては、改善の旨、指導してまいりたいと考えております。

〇高橋雪文委員 4校ということで明らかになったわけでございますけれども、その理由、根拠となるものは何なのか、それを御説明いただきたいと思います。

〇遠藤学校教育課長 現在のところ、その根拠については把握いたしておりません。申しわけございません。

〇高橋雪文委員 ありがとうございます。
 私たちも、男女共同参画社会ということで、その形成を非常に強く求めているわけですけれども、学校現場では、いわゆる歪曲して男女共同参画の指導も行われているというものも聞き及んでおるところであります。ぜひとも、社会常識と照らし合わせて、その辺は適正に御指導いただくよう要望いたします。
 次に、279ページのエイズ・性教育推進費に関連して質問いたします。
 岩手県内でも、人工妊娠中絶率、10代の中絶率も非常に高まっておりますし、また、10代、20代の性病というものも非常に拡大している、そういう報道がなされております。こういう問題に対して、教育委員会の方ではどのように生徒たちに指導しているのか、その取り組みの現状とその方針について、まずお知らせいただければと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 10代の人工妊娠中絶が高いということと、それに対する取り組みはどうかということでございますけれども、学校におきましては、児童生徒の性的成熟や性意識・性行動の実態を考えると、これらの背景にある家庭や社会の状況を踏まえ、幅広い観点から性教育を充実させる必要があると考えております。
 このことから、学校における性教育は、人間尊重を基盤として、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階に応じて、性に関する科学的知識を理解させるとともに、これに基づいた望ましい行動がとれるようにすることをねらいとして、体育科、保健体育科、特別活動、道徳を中心に、学校教育活動全般を通じて指導しているところでございます。

〇高橋雪文委員 現状ももし示していただければと思うのですけれども、医師会の産婦人科の医師の皆さん方にこの話をさせていただいたときに、その意見の中で、学校は、養護教員もしくは保健体育科の先生のみの対応で、実は、学校長とかそのほかの学校の職員の皆さん方は、非常に見てさわらぬような対応をしているという意見をいただきまして、医師会の取り組みと比較すると、余りにも期待どおりになっていないというような話を聞きます。
 そこでお聞かせいただきたいんですけれども、やはりそういう現状、学校の現場がどういう体制になっているのか、また、こういう子供たちに対してどういう取り組みをしようとするのか、その点をもう少し詳しく教えていただければと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 10代の人工妊娠中絶の現状ということでございましたけれども、岩手県の環境保健研究センターの調査によりますと、15年度における本県の10代の女性1、000人当たりに対しての人工妊娠中絶率は14.3%となっており、全国平均の11.9%と比較して2.4ポイント高くなっております。年齢別では、19歳の中絶率が23.9%と、全国と比較して4ポイント上回っており、19歳以下の年齢別でも最も高い年齢層でございます。次いで18歳が18.1%と全国平均と比較して2.4ポイント上回っております。18歳、19歳の中絶率が高率であるのは全国も同様であります。10代の中絶率は平成13年度までは上昇傾向にありましたけれども、それ以降全国、岩手とも減少傾向にあるのが現状でございます。
 それから、2点目の御質問に対する学校での取組体制はどのようになっているのかというお話でしたけれども、先ほど申し上げましたように、性知識に関する部分は体育、保健体育等で教育しているわけですが、性教育はただ単なる知識のみ教えるというもので解決するものではないととらえております。関係する教科、それから家庭でのコミュニケーション、あるいは今の地域社会でもかなり性情報のはんらんしている状況もあります。それから、雑誌、週刊誌、そういったところでも過激な描写の性情報がはんらんしている状況、そういったことを踏まえて、性教育は単なる学校の教育場面だけでなく、あらゆる場面の中で総合的に指導していくべきだろうと考えております。そういったことから、まず学校の中では、教科の中では行いますし、それから特別活動、ロングホームルーム、学級活動、そういったところで総合的に指導しながら、また、PTA活動、学級懇談会、地区懇談会、そういった中で家庭の中に入り込みながら総合的に指導をして、今後ともその部分を強めてまいりたいと考えております。

〇高橋雪文委員 最後、教育長にお聞きしたいんですけれども、やはりこういう問題は学校現場でもタブー視されていた問題だと思うのですけれども、もうそういう時代ではないと私自身は認識しております。やはり学校と地域と家庭、こういう三者がしっかりと連携をして、どういう子供たちを育てていくか、そういう性についてどういうふうに取り組んでいくかというのを真剣に議論していかなければならない、そう思うのでありますけれども、教育長の御所見をお聞きしまして、終わらせていただきます。

〇佐藤教育長 今の性教育だけではなくて非行問題であるとか、あるいは薬害であるとか、いろいろ子供たちにかかわる大変な、むしばまれるようなそういう環境というのが今一層顕著化している。子供たちがそういう場に今さらされているわけですけれども、ただいま委員からもお話しあったように、学校だけではなくして家庭も地域も一緒になって子供たちの健全性を守るという観点から、一層取り組まなければならないわけですが、今指摘があったように、これは正直、学校現場でそれに対する真摯な姿勢というのは、果たしてどこまで強かったかどうかというあたりは、これは大いに反省する点がありますし、教員のそれに対する指導の方法であるとか、そういうものももちろんこれからチェックしながら、そして全体の中で、学校だけではなくて地域と家庭も一緒になって、その子供たちをそういう場面から救ってやるということに一層力を入れていきたいと思っております。

〇小野寺好委員 1回だけで終わりにしたいと思います。
 児童生徒の安全対策なんですけれども、前に一般質問でお伺いしましたけれども、なかなか世の中、模倣犯みたいなものがずっと続いていまして非常に不安であります。特に学校における児童生徒の安全対策、具体的にどのような策を講じてきたかお伺いしたいと思います。
 二つ目ですが、小・中学校の農業体験活動についてお伺いしたいと思います。
 学力低下が懸念されていて、学力向上を図らなければならないという事情がありますけれども、その一方で、実社会、生活に根差した教育も必要であると思います。農林水産部の方で一学級一農園、こちらの方を一生懸命取り組んでいますが、これは将来の担い手確保をにらんでのことかと思いますけれども、教育委員会として農業体験活動、こちらの方、どのような取り組みをしているか。ふれあい農園とかという名称とかも聞いていますけれどもお伺いしたいと思います。
 三つ目ですが、県立高校の中途退学者、前にお聞きしたときは、できるだけ柔軟に対応して子供たちの相談に応じていきたいといった御答弁いただいていますけれども、昨今どのようになっていますか。推移をお伺いしたいと思います。
 四つ目ですが、幼児教育についてです。幼保一元化の動きが最近とみに強くなっていますけれども、幼稚園での保育、どのように進んでいるのかちょっとお聞きしたいと思います。
 5点目ですが、県立高校での早朝とか土曜日の授業、あるいは日曜日を利用した全国規模の業者テスト、こういったことで一生懸命先生方取り組んでいますけれども、これはその場合、先生たちの手当とか、業者テストのお金の出入り、そういった部分で大っぴらにした方がいいかなと思うのですが、その辺、施設利用料とか日当とかいった部分どうなっているかお伺いしたいと思います。
 最後は、県立博物館、図書館、美術館、決算書を見ますと結構な委託料になっています。それぞれ内容、別ではないかなと思うのですが、どのような内容になっているかお伺いしたいと思います。
 その上で、(仮称)図書情報総合センター、こちらの運営についてどのように予定されているかお伺いしたいと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 学校における安全対策の質問でございます。
 学校内、学校外あるいは通学時、そういった生徒を取り巻く危険なことがあるわけですけれども、最近の新聞報道でもわかるように紫波町内、盛岡市内で女子中学生の連れ去り未遂事件等がありまして大変心配している状況でございます。このことから、県の教育委員会としては、文部科学省の通知を市町村へ、その文書を市町村へ徹底を初め、事件発生時の対応として、県警から情報を県内に速やかに提供し、注意喚起を行っているところであります。
 具体的には、県警の協力を得ながら防犯教室講習会の開催や防犯研究指定校の実践活動を紹介するなど、各校で防犯対策を講ずる資料提供を行っております。また、学校では集団下校の実施、防犯ブザーの配付、地域ボランティアのパトロールなどが行われております。なお、校内に不審者が侵入した場合を想定した訓練を実施している学校も増加してきております。地域では子ども110番が設置され、県内に1万2、000カ所以上が設置されていると聞いておりますが、不審者から逃げ込む場所をつくっております。また、警察官OB――シニアポリスによる巡回パトロールが行われておる状況にございます。
 今後の強化策につきましては、不審者などから児童生徒を守るためには、地域が一体となった安全対策を図る必要があると考えています。そのためには、町内会、防犯協会等の協力を得ながら地域全体で児童生徒の安全対策を講ずる必要があり、学校と地域の連携強化を図るよう指導を進めたい。また、児童生徒みずからが危険を回避できる能力を培う指導も強化してまいりたいと考えております。

〇遠藤学校教育課長 お尋ねの小・中学校における農業体験というお話がございましたけれども、本年度、県内の小・中学校において農作業等の体験活動を実施しておる学校の割合は、小学校では9割ございます。中学校では2割となっておりますけれども、さまざまな形で自然との触れ合いというようなことが実施されていると考えております。
 いずれ子供たちにしっかりとした生きる力をはぐくむためには、農業体験や自然体験、豊かな体験が必要であると考えておりまして、県教育委員会では、都市部から農山村漁村に対する自然が豊かな地域に出かけて農林漁業体験、あるいはその他の自然体験を行ったり、あるいは反対に農山村漁村の子供たちが都市部において都市生活や職業の体験を行ったりするなど、異なる環境における豊かな体験活動を推進しておるところでございます。今後とも農林水産業を通して、みずから進んで学習したり、問題解決を試みたりする等の学習に取り組んでいけるような先進的な学校を取り上げて、そうしたすぐれた実践を県内の小・中学校に普及してまいりたいと考えております。

〇高橋生徒指導監 公立高等学校の中途退学者数でございます。
 平成15年度における公立高等学校の中途退学者数は、全日制484名、定時制88名、合計572名でございます。昨年度に比べ44名減少しております。平成12年度が862名で、調査開始以来最多でありましたけれども、平成13年度からは3年連続で減少しているところであります。公立、私立をあわせた中途退学率は全国と比較すると本県は低位にございます。

〇遠藤学校教育課長 幼児教育に関して幼稚園での保育というお話がございました。本県の市町村立の幼稚園におけるいわゆる預かり保育というふうなものでございますけれども、本年度は、全幼稚園数67園中で25園が実施しております。実施率は37.3%という割合になってございます。この数字は昨年度よりも13.4ポイント増加しており、年々増加傾向を示しておるところでございます。県教育委員会といたしましては、預かり保育等については、地域の実態や保護者の要請によりまして、適切な指導体制を整えるとともに、幼稚園教育の基本及びその目標を踏まえながら、あるいはまた、教育課程に基づく活動との関連とか、幼児の心身の負担、家庭との密接な連携などを配慮して実施していくよう、関係の市町村教育委員会を指導してまいりたいと考えております。

〇田村教職員課総括課長 初めに、早朝あるいは休日の教員の補習に係る賃金というか手当ということでございますけれども、教員には、その職務の特殊性にかんがみまして、他の一般の行政職員などと異なりまして、時間外勤務手当を支給しないかわりに、給料月額の4%に相当します教職調整額というものを支給しておりますけれども、お尋ねの早朝とか休日の学習指導に対応した手当は措置をしていないというところでございます。
 また、もう一点の業者テストの関係の中で日当とかはどうなっているのかということですが、その部分で申し上げますと、昨年度の外部監査でのさまざまな指摘、指導がございまして、それを受けまして、その謝礼につきましても従前いわゆる収入を得ますと源泉徴収をしなければいけないとかいうことがあったわけですが、その辺がきちっとなされていないということがありまして、我々の方としましては、日当と呼んでおりませんが、いわゆる謝礼を受け取るということについてはまずいいだろうと、ただ、金額的にはやはり社会常識の範囲内ということで、1万円を超えない範囲内で対応するようにという指導をしているところでございます。

〇千葉学校財務課総括課長 業者テストに係る使用料でございますけれども、施設使用料につきましては、使用目的が教育上特に必要と認められるということから、行政財産使用料条例によりまして施設の基本使用料は無料としております。ただ、電気料、それから水道料、こういったいわゆる光熱費については実費相当額を徴収しているところでございます。今年度のその許可状況を見まして盛岡市内の数校から聴取したところでは、1校につき1回当たり3、500円程度の徴収となっております。

〇渡邉生涯学習文化課長 博物館、図書館、美術館の委託料の内容でございますけれども、県立博物館と美術館の管理運営につきましては、財団法人岩手県文化振興事業団に施設等の維持管理、各種事業の運営をすべて委託しておる状況でございます。また、県立図書館につきましては直営で運営しているという状況になってございます。文化振興事業団への管理運営委託料は、その15年度決算で、博物館につきましては3億7万円余りとなってございます。この中で人件費や教育普及活動、資料収集、調査研究というものをやってございます。
 また、警備、清掃でございますとか空調・電気の保守などについては、また外部に再度委託しておりまして、その分が1億852万円余りとなってございます。また、美術館も同様の業務を外部に委託しておりますけれども、その合計が2億483万円余となってございます。
 また、県立図書館の運営費は、人件費及び図書購入費で4億3、519万円余でございまして、このうち委託料につきましては、清掃等の業務や図書情報システム整備等に係る外部委託を行ってございます。その金額が1億1、348万円余となっておるところでございます。
 また、図書情報センターの運営についてでございますが、平成18年度に開館予定の新しい県立図書館の運営は、利用者のサービスの向上を目的に蔵書冊数の拡大、また開館日数をふやし、また開館時間の延長というものを計画しておるところでございます。そのためには、運営体制の構築ということは非常に重要であると考えてございまして、一層の業務の効率化を図るとともに、窓口業務などの一部を民間に委託するということを考えておるところでございます。このほか、18年度の開館に向けまして、インターネットでの検索を可能にしたり、また、その各市町村の図書館を通じて貸し出しを行うシステムの整備などの環境の整備というものを行っておるところでございます。また、県民との協働という観点からボランティアの活用も考えてございまして、読み聞かせや図書の修理といったものに活用を図ってまいりたいと考えているところでございます。

〇小野寺好委員 1点だけ、防犯ブザーの関係で、これは使用料みたいな、料金の方どうなっているのかと、あと学年、どの程度の学年なのか、盛岡とか、あるいはほかの市とか、どういったところでやっているか、それだけお聞きしたいと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 防犯ブザーの活用状況ですけれども、15年度は28市町村、115校で5、561個、町村で予算措置しているのは、うち2市町村。それから、平成16年が、取り組んでいるのが33市町村、市町村で取り組んでいるのが4市町村、181校で8、058個を貸し出しております。細かい市町村については資料を持ち合わせておりません。
 それから、児童生徒に対しては各学校でとり行っておるわけですが、児童会とか学級活動等で遅くなった生徒に配付するとか、そういったことがなされている学校もあります。また、保護者の中で購入をして持たせているとか、あるいは地域で購入して持たせているという事例もありますので、その数値はこの数値に入っておりませんので、それより上回る状況にございます。

〇遠藤学校教育課長 申しわけございません。先ほど私がお答えした中で誤りがございましたので、訂正させていただきたいと思います。
 野田委員からの特別支援関係の御質問がございました。その中で、県内三つのモデル地区でADHD児等の通園事業を実施しているとお答え申し上げましたけれども、その該当先の市町村の間違いがございましたので、訂正させていただきます。先ほど私、盛岡と花巻と一関と申し上げたようでございますが、正しくは盛岡と花巻と水沢でございます。大変失礼申し上げました。訂正させていただきます。

〇佐々木スポーツ健康課長 防犯ベルの貸出使用料については把握しておりませんので、申しわけありません。

〇川村農夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇川村農夫委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後10時4分 散 会


前へ 次へ