平成16年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成16年12月10日(金曜日)
   

1開会 午前10時3分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
 議事課長 平 澤 石 郎
 議事課長補佐 八重樫 典 彦
 主任主査 千 田 利 之
 主査 小 船   進
 主査 福 田 清 喜
 主査 佐々木 ユ カ
 主査 嵯 峨 俊 幸

1説明員
 県土整備部長 橋 本 義 春
 県土整備企画室長 清 水 眞一郎
 道路都市担当技監 小田島 正 憲
 河川港湾担当技監 西 畑 雅 司
 技術参事兼道路建設課総括課長 海 野   伸
 県土整備企画室企画担当課長 小田島 智 弥
 県土整備企画室管理担当課長 阿 部 一 哉
 用地担当課長 小野寺 満 壽
 建設技術振興課総括課長 小 野 雅 章
 技術企画指導担当課長 沢 口   央
 道路環境課総括課長 畠 山 完 治
 河川課総括課長 佐 藤 文 夫
 河川開発担当課長 若 林 治 男
 砂防災害課総括課長 佐 藤 喜 弘
 都市計画課総括課長 平 井 公 康
 まちづくり担当課長 菅 原   佐
 下水環境課総括課長 大久保 重 男
 建築住宅課総括課長 日 野 康 彦
 建築指導担当課長 澤 口 政登志
 営繕担当課長 岡 田   稔
 港湾空港課総括課長 村 井 研 二
 警察本部長 山 内 正 和
 警務部長 山 手 康 男
 生活安全部長 細 田 敬 一
 刑事部長 伊 東 忠 久
 交通部長 吉 村   浩
 警備部長 佐 藤 久 孝
 警務部参事官兼首席監察官 小野寺 英 一
 警務部参事官兼警務課長 菊 地 啓 一
 生活安全部参事官兼生活安全企画 課長 齋 藤 忠 利
 刑事部参事官兼刑事企画課長 小 方 政 司
 刑事部参事官兼捜査第一課長 船 野   透
 交通部参事官兼交通企画課長 及 川 正 文
 警務部参事官兼公安課長 菅原勝義
 総務課長 佐 藤 善 男
 会計課長 松 井 利 廣
 出納長 橋 田 純 一
 副出納長兼出納局長 千 葉 英 寛
 出納課長 高 橋 民 夫
 監査委員 一 戸 克 夫
 監査委員 谷 地 信 子
 監査委員事務局長 土 井   進
 総務課長 八重樫   良
 監査課長 渡 邉 和 男
 予算調製課総括課長 菅 野 洋 樹
   

〇川村農夫委員長 これより本日の会議を開きます。
 昨日の世話人会の協議結果を御報告いたします。
 斉藤委員から申し出のあった知事の出席を求める件については、知事の出席は求めないこととの結論に至りましたので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部及び警察本部関係の質疑を行い、その後、決算12件について意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、平成15年度決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とし、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のあるもののみについて、短時間かつ簡潔に行い、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。

〇橋本県土整備部長 それでは、平成15年度県土整備部関係の決算について御説明を申し上げます。
 お手元の平成15年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。県土整備部関係の予算規模は、第8款土木費の1、493億7、230万円余、16ページの第11款災害復旧費第2項土木施設災害復旧費の158億2、664万円余をあわせまして、総額1、651億9、895万円余であります。これに対する支出済額は、土木費1、223億9、509万円余及び災害復旧費133億2、782万円余をあわせまして、1、357億2、292万円余となっております。また、平成16年度への繰越額は、第8款土木費及び第11款第2項土木施設災害復旧費をあわせ、292億1、500万円余であります。この結果、県の一般会計決算額に占める県土整備部関係の支出済額の割合は16.3%となっております。
 以上、一般会計の土木費等について総括的に御説明を申し上げましたが、具体的な内容につきましては、平成16年度に地域振興部から移管を受けた事業を含めまして、便宜、歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げます。
 以下、主な事業について御説明を申し上げますが、金額については省略をさせていただきます。
 平成15年度歳入歳出決算事項別明細書の118ページをお開き願います。第2款総務費第3項地域振興費4目交通対策費であります。備考欄1行目の総合交通対策費の一部、同じく、備考欄の下から2行目の新規航空路線開設促進事業費及び3行目の岩手県空港利用促進協議会負担金が地域振興部から移管された事業であり、空港の利用促進等に要した経費であります。
 少し飛びまして、次に226ページをお開き願います。第8款土木費第1項土木管理費1目土木総務費は、人件費など県土整備部の管理運営に要した費用のほか、港湾整備事業特別会計ほか3事業の特別会計に対する県債の償還等に充当するための繰出金等であります。次に、228ページをお開き願います。2目建設業指導監督費は、建設業の指導監督等に要した経費であります。3目建築指導費は、建築確認の事務等に要した経費であります。次に、230ページをお開き願います。4目空港費は、花巻空港の管理運営に要した経費及び空港拡張整備等に要した経費であります。
 第2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、市町村道整備事業に補助した経費等であります。次に、232ページをお開き願います。2目道路維持費の主なものでありますが、交通安全施設整備事業費は、自転車歩行者道の整備を図るとともに、交差点の改良等に要した経費であり、道路維持修繕費は、県管理に係る国道及び県道の維持修繕に要した経費であります。3目道路新設改良費の主なものでありますが、道路改築事業費は、一般国道106号盛岡市簗川ほか22カ所の改良工事等に要した経費であります。次に234ページをお開き願います。地方特定道路整備事業費は、主要地方道盛岡和賀線花巻市笹間ほか76カ所の整備に要した経費であり、地域活性化支援道路整備事業費は、一般国道282号滝沢村一本木ほか12カ所の整備に要した経費であり、クロスロード整備事業費は、一般国道281号山形村下川井ほか2カ所の整備に要した経費であり、物流支援道路整備事業費は、一般国道282号安代町相沢ほか7カ所の整備に要した費用であり、直轄道路事業費負担金は、国道4号などで国が実施した道路事業等に対する県負担金であります。4目橋りょう維持費は、一般国道106号盛岡市源治橋ほか53橋の補修工事に要した経費であります。5目橋りょう新設改良費の主なものでありますが、緊急橋りょう補強事業費は、一般国道342号花泉町天神橋ほか26橋の落橋防止等の震災対策工事に要した経費であります。次に、236ページをお開き願います。6目高速道路対策費は、日本道路公団の委託を受けて、東北横断自動車道釜石秋田線の建設促進対策に要した経費であります。
 第3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、河川水門管理費は、河川及び海岸の堤防水門の管理等に要した経費であり、直轄ダム管理費負担金は、国が管理する四十四ダムほか4ダムの管理経費に対する県負担金であります。2目河川改良費の主なものでありますが、基幹河川改修事業費は、遠野市の猿ケ石川ほか9河川の改修工事に要した経費であり、三陸高潮対策事業費は、宮古市の津軽石川ほか3河川の防潮堤等の工事に要した経費であります。次に、238ページをお開き願います。河川激甚災害対策特別緊急事業費は、東山町の砂鉄川の改修工事に要した経費であり、直轄河川事業費負担金は、北上川上流など国が実施した河川改修事業費等に対する県負担金であります。3目砂防費の主なものでありますが、砂防事業費は、紫波町の中の沢ほか40カ所の堰堤工及び護岸工等の工事に要した経費であり、急傾斜地崩壊対策事業費は、宮古市の藤原ほか13カ所の擁壁工等の工事に要した経費であり、災害関連緊急砂防事業費は、釜石市の松原の沢ほか1カ所の堰堤工工事等に要した経費であります。次に、240ページをお開き願います。4目海岸保全費の主なものでありますが、海岸高潮対策事業費は、種市町の平内海岸ほか1海岸の水門工事等に要した経費であり、5目水防費は、河川情報提供システムを構築するための施設整備に要した経費であります。6目河川総合開発費は、県営の鷹生ダムほか3ダムの建設に要した経費等であります。
 次に、242ページをお開き願います。第4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか5港の港湾管理に要した経費等であります。2目港湾建設費の主なものでございますが、港湾改修事業費は、久慈港ほか4港の施設整備等に要した経費であります。次に、244ページをお開き願います。直轄港湾事業費負担金は、釜石港の湾口防波堤など、国が実施した港湾整備事業に対する県負担金であります。
 第5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、広域公園管理費は、花巻広域公園及び御所湖広域公園等の維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものでありますが、街路事業費は、釜石市の釜石駅東前線のほか5カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。次に、246ページをお開き願います。地方特定道路整備事業費は、平泉町の毛越寺線ほか10カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。3目下水道事業費の主なものでありますが、過疎地域公共下水道整備代行事業費は、湯田町ほか6町村で実施した過疎代行下水道整備に要した経費であります。
 次に、248ページをお開き願います。第6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等5、179戸の維持管理に要した経費等であります。2目住宅建設費の主なものでありますが、公営住宅建設事業費は、一関市の駒下団地ほか2団地55戸の県営住宅の建設に要した経費であります。
 少し飛びまして286ページをお開き願います。第11款災害復旧費第2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものでありますが、河川等災害復旧事業費は、過年災、現年災あわせて1、287カ所の災害復旧工事等に要した経費であり、直轄河川等災害復旧事業費負担金は、国が実施した災害復旧工事等に対する県負担金であります。次に288ページをお開き願います。2目港湾災害復旧費の主なものでありますが、港湾災害復旧事業費は、宮古港ほか2港12カ所の災害復旧工事等に要した経費であります。3目都市災害復旧事業費の主なものでありますが、都市災害復旧事業費は、花巻広域公園の災害復旧工事に要した経費であります。
 以上で一般会計の説明は終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成15年度岩手県歳入歳出決算書の44ページをお開き願います。平成15年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は6億9、510万円余であります。その主な内容は、事業施工者に用地を売り払いした財産売払収入及び県債等であります。
 次に、歳出でありますが、支出済額合計は6億9、492万円余であります。その主な内容は、土地開発基金の管理、県債の償還及び事業用地の先行取得等に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、48ページをお開き願います。平成15年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は116億6、621万円余であります。その主な内容は、流域下水道事業の施行に伴う市町村負担金、国庫補助金及び県債等であります。
次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は107億9、990万円余であります。その主な内容は、北上川上流流域下水道及び磐井川流域下水道の維持管理、建設工事及び県債の償還に要した経費であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、52ページをお開き願います。平成15年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明を申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は27億6、731万円余であります。その主な内容は、港湾施設、工業用地等の使用料、繰入金及び県債等であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は27億4、697万円余であります。その主な内容は、大船渡港の施設整備及び県債償還に要した経費等であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 次に、54ページをお開き願います。平成15年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の決算について御説明を申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は4、160万円余であります。その主な内容は、花巻広域公園ゴルフ場の使用料であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は3、991万円余であります。内容は、花巻広域公園ゴルフ場の管理に要した経費であります。
 以上で岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもって県土整備部所管に係る平成15年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇川村農夫委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇工藤大輔委員 それでは、県営工事に係る資格等級の関係の中で数点お伺いをしたいと思います。
 これまで、適切な入札制度に向けて県土整備部そして総務部の方が中心となり、各団体、協会等から意見を聴取しながら検討をされてきたと思います。実際に15年度、16年度のやり方から17年度、18年度のやり方が今後変わるわけですが、それについてお伺いをしたいと思います。
 まず第1点、この改正に当たってどのような趣旨でこの検討に当たったのか、まず先にお伺いしたいと思います。

〇小野建設技術振興課総括課長 平成17年度、18年度の請負資格者審査の関係の主な改正点ということですが、大きく4点ございます。これについて、1点目は等級区分の統合ということで、現在、19業種について資格を受け付けておりますけれども、その中で土木工事、建築一式工事、あとは電気、管、舗装という5業種については等級を設けているという形になっております。この等級のうち、土木工事につきましては、現行では特AからDまでの5ランクがあるんですけれども、これを特AからCの4ランクに、それと電気工事及び管設備工事については、それぞれAからCまでの3ランクというものを、AとBの2ランクにするとしたものでございます。
 この趣旨につきましては、これは平成10年2月に国の中央建設業審議会の建議がございまして、そういった等級を細かく区分しないでもう少し大きくくくるという話があって、これを受けて、国とか各都道府県等で改正が進んでいるという中で、当県におきましては建設委員会に諮ることになっておりますけれども、14年度からそういう形でやっていきたいということでいろいろ検討した結果、17年度、18年度から実施することにしたものでございます。
 2点目は、発注標準額の引き下げでございます。発注標準額につきましては、直近の改正が平成9年度の改正でございまして、これについても指定5業種それぞれについて見直しを検討しましたけれども、土木工事につきましては、特A分につきましては現行どおり、A級につきましては今まで7、000万円以上となっていたものを6、500万円以上、それとBとCのランクを2、500万円と改正したものでございます。
 建築一式工事につきましては、これまでも土木工事と同様にということで、同じようなやり方で見直してございます。
 管工事につきましては、AとBの境を現行の3、500万円から2、500万円に引き下げたところでございます。
 なお、電気工事と舗装工事につきましては、それぞれ現行の2、500万円、1、500万円というのを据え置いたという形になっております。
 3点目は、技術者数の引き上げでございます。この指定5業種、等級があるものにつきまして、平成15年度、16年度から段階的に技術者数を引き上げているという形で、それを17年度、18年度においても引き上げるとしたものでございます。
 4点目は、主観点の評点項目を追加したということでございます。平成17年度、18年度から、主観点の中で県施策評点項目というのがございますけれども、その中で、地域貢献活動とか企業連携を評点として加えるという形にしたものでございます。これによって、これまでの最大値、客観点と主観点の割合が11対1から10対1と、主幹点の割合が高まってくるものと考えております。
 17年度、18年度の請負資格申請に関して、主にこの4点について改正したものでございますけれども、今後とも、建設業団体等と意見交換を重ねながら、その時々の実態に即した形での改正を検討していきたいと考えております。

〇工藤大輔委員 まず、この等級がそれぞれのところで、特にも、これは土木についてはC、DがCと、また、電気はB、CがB、管の方はB、CがBということで、これは統合というか一緒になったわけなんですが、あとはそれぞれ級によって相当、C、Dまでいってしまいますと数が多いわけですが、これによって県内企業の受注機会はどのような形になると想定してこのような形、そしてまた金額の設定を決めたのか、それをまずお伺いしたいのと、あと、主観点のところの企業連携のところなんですけれども、資料で見ますと、点数が15年、16年では、最高点が170点というところだったんでしょうが、主観点が190点、そして企業連携を加点した場合に380点ということで、大幅に点数が伸びるわけなんですけれども、特にも企業連携を実施した場合、受注にどれだけの影響があるのかどうか、お示し願いたいと思います。

〇小野建設技術振興課総括課長 受注機会の関係につきましては、実は今までも受注機会、ランクづけをする際に、各等級ごとの資格者の有資格者数全体に占める割合とか、あとはこれまでの発注実績、どのランクにどれだけのものが発注されているかというものを検討して決定してきたものでございまして、今回もそういったシミュレーションをやっている中で、特にCからDによって、C、D級、土木において言えば5ランクが4ランクに変わることによって、D級の方がどれだけ影響を受けるかというところもちょっとシミュレーションをしたんですが、技術者要件のところのしばりだけで、今まで2名の技術者がいればいいことが3名になったというところで、これについては業界の方といろいろ状況等についても検討してみたんですが、今現在2名おられる方が3名になるということについては、経営努力の中で十分対応できるという意見もございまして、ここの部分については受注機会が大幅に減ったりするということは多分ないのかなと考えております。
 それともう一つ、企業連携によってどうなるかというところなんですが、実は今回の主観点の中で、企業連携については政策的なものという位置づけで検討しております。というのは、今まで企業連携についても、ほとんどインセンティブがなかったと。そういうことで、経常JVの結成についても、ほとんどこういう制度ができてから今まで二つの経常JVができたというだけで、なかなか成果が出てこないといいますか、そういうものに取り組む企業が少ないということで、その部分の検証がなかなかできなかったというところがございます。そのために、経常JVなり合併するということに対してもう少しインセンティブを与えて、そういう経営努力、企業努力をする企業が参入しやすいような環境をつくっていくということで、これを定めたものでございます。
 金額の設定の関係なんですが、土木についてはA級が500万円ほど下がったという形なんですが、これについてはやはり12年度、13年度、14年度、15年度という形で少しずつ減ってきている、件数、金額が。16年度あたりでもう少し減る幅がちょっとふえてくるのかなと。これは今までの発注状況とちょっとシミュレーションをしてみて、そういうこともございまして、それでA級の発注標準額を引き下げた、あと、それぞれ適切なところを見直したという形にしているんですが、これによって金額の偏りが、大きな変動というものが見受けられないというところもございまして、こういう金額設定にしたものでございます。

〇工藤大輔委員 技術者のところなんですけれども、今、Dの方では、1人1級の方がふえることは企業努力で何とかなるというような話でしたけれども、それ以外の、例えばA、Bでは実際には厳しいと。受注機会が減った、仕事がなくなっていっていると。そういった段階で、技術者だけをふやされても困ると。実際、仕事をとれなければ、この技術者を使うこともできないと、役目を。そういった声があるわけです。そういった声にどのような形でこたえて、実際このような方向に持っていったのか。
 それと、先ほど聞いたのが、企業連携をした場合に、最高点190点から380点に点数が倍になるわけです。それが受注にどれぐらい影響するのかということも聞いたんですが、それもあわせてお示し願います。

〇小野建設技術振興課総括課長 先ほどお話をしました改正の中身で、技術者を引き上げたそれはどういう理由かということですけれども、実は今回技術者を引き上げた背景というものが大きく二つございまして、一つは、建設業法で定められている主任技術者とか管理技術者というのは、ある一定金額以上専任制が求められておりまして、この専任制を確認するシステム、これを工事実績情報サービス、俗にCORINSというんですが、これをもとにしてつくっておりますけれども、このシステムについて、現在では、国とか県とか市町村等の各発注機関が個別に自分のところの発注分だけの技術者の重複を確認しているという状況がございまして、これが今後、公共工事の発注機関が全体として確認をすると。ですから、国、県、市町村の工事に従事する技術者、それがすべて重複の対象になるということで、その範囲が広がってくるという事情が一つございます。
 それともう一つは、こういった制度改正に当たって、これまでも業界団体と何度か意見交換をしていろいろ調整をする部分もございますが、その中で、建設業団体等からは、技術と経営にすぐれた建設業として、各等級ごとの適正な技術者数を確保することが必要だということで、逆にさらなる引き上げということを業界団体から強く要請されています。こうしたことを県として意見交換を重ねながら検討した結果、実は県内企業の技術者の保有状況というそのデータがございます。このデータをいろいろシミュレーションして、今回の改正によって各等級の資格者数に大きな変動はないととらえまして、その辺も含めまして建設委員会に諮った上で決定したところでございます。
 それと、先ほどの企業連携の関係の380点になることによって受注にどう影響するかということなんですけれども、基本的に経常JVなり合併なりというのは、合併してから3年間、経常JVはそれを結成した1カ年度ということは、2カ年の有効なんですけれども、そこの部分については、こういった経常JVなり合併をしたところに受注機会を多く持たせるということの考え方もございまして、逆に構成員企業の受注機会というのがある程度狭まってくるのかという感じはありますけれども、経常JVの部分については、そういう意味で、例えばBとBが結成してAになったという形のところには、そういったAの経常JVに対して受注機会がふえてくるものと想定しております。

〇工藤大輔委員 資格者要件で、これは業界団体の要請だったということなんですが、となれば、県の協会と各支部の意見が食い違う場面もあると思います。実際にこれまでもあったわけです。ですから、これは広く今後また意見を、また考えを聞きながら適切に進めてもらいたいと思います。
 また、合併については、大手の方では合併が今進んでいるわけでもございます。これは各会社同士、または間に銀行が入ったような形で話が進められているということでありますが、県内の場合、実際にどのような形で進むのかというと、なかなか進まないのではないかという思いがあります。間に入る人があるのかどうか、また、各会社それぞれ抱えているものもある中で、本当にそれを出し合って、地域なり今度地域外で合併を進められるのかどうか。私はこれをやっただけではなかなか進まないと思います。それについての取り組みと、あと、受注希望型の入札なんですが、これは上限20社ということで、金額は5、000万円以上ですかやっているわけですが、これも地域によって現在仕事が減っている、また、今後さらに減る中で不満があるように聞いています。実際、隣接する市町村に進出できるといっても、例えば盛岡市は20社以上の会社の数、該当する会社がある。行きたくても行けないし、余りできれば行きたくないというか、近いところで、やはり地域で仕事をさせてもらいたいというのが建設業者の声じゃないかと思いますが、それについて実施してみて、そして現在までの評価を聞かせてもらいたいと思います。

〇小野建設技術振興課総括課長 合併とか企業連携、経常JVの結成も含めて、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、委員御指摘のとおりなかなか進んでいないというところで、その中でも、県内でも、例えば中央コーポレーションとか千葉正建設とかというところが合併を進めているというケースもございますし、経常JVの結成についても、そういったインセンティブを与えることによって、今後どれだけの企業の方々が取り組むかというところもございますので、今回は業界とか企業の方々の意見を反映して、一つそういう政策をつくってみたと。今後はこの政策がどう反映されていくのかというところを見ながら、経営基盤の強化という点に着目しまして、そういうものが進んでいくような施策というものを次々と考えていきたいと思います。
 それと、受注希望型の指名競争入札の関係なんですが、実はこれ入札制度の改善ということで総務部の入札担当課の方がやっておる中で、今、委員がおっしゃっているようないろんな意見なり不満みたいなものも聞いておりますが、県土整備部としましては、総務部の入札担当課と定期的な打ち合わせなり連絡協議会を開催しておりますので、その中で、今言ったような話を伝えながら改善を図っていきたいと考えております。

〇工藤大輔委員 さまざま制度に当たって、私はちょっと総務部の方に別の件を聞いてしまって、今こちらの方に聞いたわけなんですが、これ一本にしてもらって、答えてもらうところも一つにしてもらわないと、それぞれ違うというのは本来おかしいのじゃないかと思います。ですから、それについて連携をとるのも結構ですが、連携をとっているのであったら、しっかりどちらでも答弁できるのか、あるいは一つにするのか、その辺を統一してもらいたいと思います。これについては検討を願いたいと思います。
 今後、事業が減っていく中で、今回17年度、18年度に実施するやり方というのは、県内建設業者に大きな影響を与えるものであります。体力のないところ、小さいところはなくなってもいいのだという考えで進めるのか、この厳しい環境をみんなで何とか乗り越えて次なる時代をと考えるのか、その考えによって大きくこの県内の状況は変わってまいります。そしてまた、地方振興局によって企業数が違います、また、事業内容も違います。それは適時適切に地域の関係の方々で仕事ができるようにしなければ、地域の会社は残っていけないわけであります。となると、地方振興局とも相談をしながら事業の適正化、地域に合った事業をというふうにぜひ考えてもらいたい。そうしなければ残れないということを強く要望して質問を終えます。

〇高橋雪文委員 私の方からは1点、233ページ、除雪費関連について御質問をさせていただきます。
 まず最初に、私は盛岡市議会の方でも除雪対策でいろいろやっているのですが、県道の対応が非常にすばらしいということで、日ごろの活動に深く感謝したいところであります。
 まず、平成15年度の実績と今年度の見込みについてお願いします。

〇畠山道路環境課総括課長 除雪の実績ということでございまして、15年度の除雪につきましては19億3、000万円ほど要してございます。その中で、融雪剤の散布についてでございますけれども、今までの経験的に10%から12%ということでございますので、2億から3億円程度が融雪剤散布に使用されているというのが実態でございます。
 さらに、延長につきまして4、220キロ、うちの管理する道路があるわけでございますけれども、その中から雪崩等で危険がありまして冬季は通行どめをしている区間がございます。その区間を除いた3、839キロについては、鋭意除雪をやっているという状況でございます。

〇高橋雪文委員 県の場合、どちらかというと車優先の事業ということでお聞きしておりますけれども、私ども市内等に住む普通の住民からすると、歩行者対策というのが非常に求められていると思います。その歩行者に対する除雪を、どのように県として指導されておられるのか。
 また、実は障害者世帯、今、高齢者世帯も非常に多くなっているんですけれども、その障害者、高齢者世帯に対する除雪をこれからはやはりしっかり考えていかなければならない。特に除雪をすると雪だまり、山のようになって実は出口、玄関の前をふさいでしまうというようなことがありまして、それをどけるのに高齢者世帯は非常に難しいですし、障害者の場合、非常に大きなバリアになってしまうと。これが非常に問題なんだということを強く訴えられているところであるんですけれども、この件に関しまして、県の方の考え方をぜひともお知らせいただきたいと思います。

〇畠山道路環境課総括課長 県で管理しております歩道につきましては約1、800キロ近くでございまして、そのうちの大体90%を超える部分の1、683キロについては、除雪対応をしているところでございます。ただ、皆さんから非常にそういう要望があるわけでございますけれども、除雪した際に路肩に雪がたまるということにつきましては、再三パンフレット等でも、地域の方々に協力をお願いしているというのが実態でございます。
 今、身障者それから高齢者の方々の支援をしないのかという御質問もありましたけれども、この件につきましては、当方で個別の、個々の家の支援というのはやはり地域の方々にお願いしたいという姿勢で臨んでおります。今後、いろいろ住民の方々と一緒に除雪をやろうという取り組みも今始めておりますので、その場で考えていきたいと思います。

〇高橋雪文委員 除雪に関しては、もう少しきめ細やかな除雪が必要であろうと思うんですけれども、今、財政難ですから、行政がすべてできると言えばそれはうそになる。各市町村とも連携をしながらやらなければならないんですけれども、県としても各市町村にきめ細やかな除雪を対応できるように伝えていかなければならないのではないかと思います。
 また、沢内村ではスノーバスターズというボランティアがあったり、あとは盛岡市内でも各中学校の生徒が、自主的に高齢者世帯に対して除雪をお手伝いしているという事例もあります。こういう育成も実はしていかなければならない。予算がついているところが道路維持費のここの部分ということで、もう少し横断的な取り組みが今後必要になってくるのではないか。どこの課かがイニシアチブをとってやっていかなければならないと思いますので、ぜひその点も考えながら、今後の行政の運営に尽力いただきたいと思うのですが、部長から最後お聞きしまして、終わらせていただきます。

〇橋本県土整備部長 ただいま、スノーバスターズ系のお話もございましたし、また、生徒さんたちが協力している実例なども御紹介いただきました。
 先ほど道路環境課総括課長がお答えしましたけれども、私どもどちらかというと車道優先でやっているわけですけれども、地域によって、ブロックとして、例えば弱者の方々が住まれている場所があるとか、そういうところについては特に地域の方とまた別なグループをつくって、詳細な除雪ができるかどうかについてもまた検討していきたいと思っていますし、また、盛岡市が除雪機の貸し出しなんかもやっていますので、それらについても私どもも情報を収集しながら研究してまいりたいと思っています。また、そういう新たな取り組み等がありましたら御紹介をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇関根敏伸委員 大変大きな数字が並ぶ県土整備部の決算の中で非常に小さな数字でございますが、景観づくりにつきまして何点か御質問をさせていただきます。
 245ページ、都市計画総務費のまちづくり・景観づくり推進事業、162万円余が計上されておりますが、平成15年度の具体的な事業内容について、まずお知らせをいただきたいと思っております。

〇橋本県土整備部長 まちづくり・景観づくり推進事業についてのお尋ねでありますけれども、地域のすぐれた景観の保全と創造によりまして、誇りと愛着を持つことができる美しい県土の実現を目指しまして、平成5年に、岩手の景観の保全に関する条例を制定したところでございます。このまちづくり・景観づくり推進事業は、この景観条例に基づいて施策を実施しているものでありますけれども、その主な内容といたしましては、まず、景観に大きな影響を与える行為の届け出に対する現地調査、それから指導等を行っています。また、まちづくりや景観形成活動に対するアドバイザーの派遣でございます。それからもう一つは、県民を委嘱して景観形成活動等に積極的に参加していただくように、景観サポーター会議というのを開催してございます。
 これらの平成15年度の実施状況でありますけれども、景観に影響を与える行為についての届け出の受理件数につきましては322件ほどになってございますし、アドバイザーの派遣は延べ5名となっています。また、景観サポーター会議の開催は3回ほど実施したところでございます。

〇関根敏伸委員 三百何十件というのは、景観指定地域の指定と理解してよろしいのですか。そういうこととはちょっと違いますか……。よろしいです。
 質問を続けます。そういった背景、条例制定による施策の実行ということだと思いますが、具体的なことをちょっとお聞きいたします。
 県内の景観形成重点地域の指定ですとか、住民協定の推進あるいは公共事業の先導的な取り組み、住民参加の推進協議会の設置などが具体的な事業推進として盛り込まれているわけでございますが、今の現状をまずお聞かせいただきたいと思います。
 また、県の条例とあわせまして、市町村での必要施策の実施ですとか条例制定化が盛り込まれております。また、市町村独自での景観の形成に向けた地域指定ができると理解をしておるわけですが、実情につきまして詳しくお聞きをさせていただきたいと思います。

〇菅原まちづくり担当課長 景観形成重点地域等の現在の進捗状況でございますが、景観形成につきましては部長が申し上げましたように、平成5年に景観条例を制定しております。この景観条例に基づき、景観形成重点地域の指定を行うとともに、そのほか、市町村が行う景観形成施策の実施や県民、事業者が行う景観形成活動に対して財政的な、また、技術的な支援を行ってきたところであります。
 その進捗状況でありますが、景観形成重点地域につきましては、平成10年、岩手山ろく・八幡平周辺地域を指定し、また、平成12年には平泉周辺地域を指定しております。そのほか、平成14年からは、南三陸地域の新たな指定に向けて調査を進めているところでございます。
 それから、住民協定につきましては、平成6年から平成11年にかけて、遠野市や沢内村など6地域で協定が締結されているところでございますが、平成12年度以降の締結は進んでおらないという状況でございます。
 それから、市町村の取り組みの現状でございますが、市町村につきましては、平成6年に盛岡市が都市景観形成建築等指導要綱を定めております。そのほか、水沢市、松尾村、田野畑村が条例を制定しておりまして、それから、来年1月1日からは平泉町の条例が施行される予定となってございます。
 それから、このほかの市町村につきましては、県が平成8年に市町村景観形成基本方針の策定というものを支援しておりまして、県内のすべての市町村で条例、要綱または基本方針を保有しているという状況でございます。

〇関根敏伸委員 この条例の浸透と最終的に定める目標の推進につきましては、やはり県、市町村を含めた行政それから県民、事業者の相互理解が本当に必要だと考えるわけでございますが、県の条例化、平成5年ということで全国的にも比較的早い時期の制定だったと考えておるわけでございますが、ちょうど10年を経過した段階で、県内の景観に対しての県民の意識調査の動向ですとか、10年にわたる条例化以降の事業実施の評価というものを担当部局としてはどのように認識をしていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

〇菅原まちづくり担当課長 県民意識についてでございますが、県民意識の動向について、県民全体に対するアンケート調査は実施していないところでありますけれども、県条例に基づいて届け出を行った方々に対するアンケートを少しやってございます。標本数はかなり少ないのですが、アンケート結果につきましては、景観に関する認識が変わったという方が36%、それから景観について話題になることがあるというものが58%となってございます。ですので、県民の景観に関する関心というのは高まっているのではないかと思っております。
 それから、良好な景観づくりを進めていくというためには、行政とか事業者だけではなくて、県民が主体的に、景観が県民の共有の財産であるという認識のもとに自主的に取り組んでいただくことが重要なのかと考えております。そのため、平成16年度には新たな事業も起こしまして、美しい県土づくり推進事業を創設しまして、地域の景観点検とか岩手の残したい景観の収集、シンポジウムなど、県民の参加を促進するような形で取り組んでいるところでございます。

〇関根敏伸委員 今月の23日にはシンポジウムも開催されると聞いております。県内各地のNPO等の活動事例も報告になるようでございまして、ぜひ私も参加させていただきたいと考えております。
 私、条例の持つ意義と背景というものは、大変大きなものがあると考えております。景観の保全・創造によって、県民が誇りを持てる県土を実現するというこの目的自体もすばらしいものだと思いますが、同時に、この条例に定める施策を推進するということは、今後ますます求められる地域特性を生かした、より地域再生の切り口になると私は考えているものでございます。農林業の分野におきましては、優良な農地、森林の確保にもつながると思いますし、耕作放棄地の解消も図られると考えます。また、いわゆる無秩序な郊外化、いわゆるスプロール現象というんですが、この抑制化が図られることによって、適正な市街地の形成による中心市街地空洞化の歯どめも図られると考えておりますし、これからの社会資本整備を考えたときにも、効率化という点でも大いに資するものがあるのではないかと考えております。地域の個性を伸ばすことによって、観光面での集客も期待できますし、いわゆる県民生活と経済活動の調和による質の高い県民生活というものが実現できると考えております。
 実は私、先日、全国都道府県議会のヨーロッパ視察に、議員の皆様の賛同を得て参加をさせていただきましたが、ヨーロッパ各地の景観に基づいた地域づくりというものも目の当たりにいたしまして、この条例の持つ意義というか、施策の方向性というものに大変大きな感銘を受けたものでございます。ヨーロッパでもそのように言っていましたが、質の高い生活を実現する地域にはおのずと人が集まってくると、企業の集積も図られるということが事例で非常によく理解できたと認識しております。
 そこで最後になります。県土整備部長にお伺いをいたしますが、この条例に定める施策のさらなる推進と目的実現のためには、今後、何が必要かお考えをお聞かせください。
 それと、今触れられましたが、平成16年度以降、美しい国づくりに呼応した県土づくり事業というものが推進されるようでございますが、これが景観形成の推進にどのように進化したものとして事業実現が図られるのか。それから、国が定める景観整備機構というのを設置後も可能のようでございますが、この活用の状況はどうなっているのか、実態につきましてお聞かせください。
 最後になりますが、私も9月の一般質問でも取り上げましたが、いわゆる景観づくりだけではなくて、県庁内の他部局、いわゆる商工労働観光部、農林水産部等との連携によりまして総合的な地域づくりに向けた体制づくりといったものが非常に必要になってくると思っております。この実現性に向けての部長の認識、御見解などがありましたら、ぜひお聞かせをいただきたいと思っております。

〇橋本県土整備部長 美しい県土づくりの推進に対する今後の私の取組姿勢だと思いますけれども、今年度もやってきたところでありますけれども、この事業によりまして来年度はさらに県民への啓蒙、それから意識の高揚を図るということでさまざまな施策を考えていますが、まだ来年度予算のことでもございますのでここで申し上げることはできませんが、少なくても今年度行った事業の発展型で、もう少し手広くやっていこうということで考えているところであります。
 それから、景観設置機構についてちょっと私、手持ちに資料がないので、あとで担当課長の方に説明をさせようと思いますけれども、まちづくりに関しましてですが、他部との連携のお話がございましたが、私どもで考えておりますのは、県としてはコンパクトなまちづくりということをうちの都市計画の理念として掲げてございまして、マスタープラン等も作成したところでありますけれども、そういうのをキーワードにしまして、市町村とか農林水産部あるいは商工労働観光部と連携を図りながらこれまでも進めてきたところでありますし、さらに、先ほど申し上げました美しい国づくりや県土づくりもありますので、それらの情報交換も十分やりながら対応していきたいと思いますし、また、基本となるようなまちづくり3法もありますので、それらもよく理解をしながら取り組んでいきたいと思っております。
 先ほど申し上げましたように、機構については申しわけございませんけれども、担当課長の方から説明させていただきます。

〇菅原まちづくり担当課長 景観整備機構、景観整備推進機構のことかと存じますが、この景観整備推進機構は、このほど6月に制定されました景観法に基づく組織でございまして、この機構は合意形成、それから景観重要建造物等の管理をすることができるということになってございます。この法律は今月の17日から施行ということになってございますので、今後、市町村等とも調整を図りながらこれらの検討を進めてまいりたいと思います。

〇関根敏伸委員 先日来の商工労働観光部などの質疑でも亀卦川委員が取り上げられまして、中心市街地のことは質疑をされていまして、商工労働観光部長からも、今の大店立地法を含めたまちづくり3法のいわゆる全国的な見直しの機運が動いているという御答弁をいただいておりました。ぜひ、広い意味で、国からではなくて逆に地方の実情に合わせて地域づくり、まちづくりに向けまして、ぜひ全庁的な形で施策の実現、国への具申等を進めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

〇木戸口英司委員 私からは大きく2点をお聞きいたします。
 まずは、花巻広域公園そして県民ゴルフ場につきましてお伺いいたします。
 まずは県民ゴルフ場につきまして、平成15年度の入場者数につきましては報告をいただきまして1万66人、そして前年度が6、510人でありますから、3、556人ふえております。それによって、さまざまな取り組みもあったと思いますが、歳入実績額が4、160万円余で、そのうちの使用料3、999万円余は前年より617万円余ふえております。何より、県からの繰入金が前年4、154万円余だったものが、15年度はゼロになったことは特筆すべきことだと思っております。歳出実績額が前年の7、555万円余から3、991万円余に大幅削減になったことは、やればできるじゃないか、そういう思いをするところでありまして、現状は依然として厳しい中でありますが、諸改革の効果があらわれ始めた兆しであるとすれば大変喜ばしいことであります。
 県は、15年度の収支をどのように評価されておりますでしょうか。また、具体的にどのような改革に努めた結果がこのような入場者の増加と歳出削減の効果を生んだのかお伺いいたします。
 また、これまで有識者による県民ゴルフ場検討委員会が設置されておりますが、今後の県民ゴルフ場のあり方について検討がなされております。委員会においてどのような検討がなされてきたのか御紹介をお願いいたします。

〇平井都市計画課総括課長 まず、平成15年度の収支の結果をどのように評価しているかということでございますけれども、県民ゴルフ場の平成15年度の収支につきましては、平成3年に県民ゴルフ場をオープンして以来初めて収支が均衡した――黒字になった――ものでございます。このことによりまして、県民ゴルフ場についても、先ほど委員がおっしゃいましたように、やり方によっては収支をもって運営管理が可能となるような、例えば私たちが今考えております利用料金制度の導入ができる可能性があると考えました。
 2点目でございますけれども、具体的にどのような改革に努めてこの結果を生んだのかということでございますけれども、まず私たちは、今までの状況を見たとき、このままではまずいということでいろいろな諸施策は打ってきたつもりですけれども、その中でやはり大きかったのは、アンケート調査等の結果や周辺のゴルフ場の関係からいっても料金の割高感があったことは否めませんで、それで思い切って料金の値下げを行いました。あわせて、私たちも一人のセールスマンになったつもりで積極的な宣伝を行った結果が利用者数の回復と収益の増加につながったと考えております。一方で、人件費とかゴルフ場の管理費について、農薬等、これは非常に高いものでございますけれども、これをいろいろ安いものを探す努力もいたしまして削減を図りました。もう一つは、受託者である岩手県スポーツ振興事業団と徹底的に何度も会議を開きまして、人件費も含めた管理委託料の見直しを討論した結果、管理費の削減にもつながったと考えております。
 次に、委員会においてどのような検討がなされたかでございますけれども、県民ゴルフ場検討委員会は、その構成が都市計画、経営の専門家、地元自治体、ゴルフ精通者の6名から成る委員会でございます。その中で県民ゴルフ場の存続を含めた今後のあり方について検討いただいたところでございます。委員会は延べ4回にわたりさまざまな観点から検討いただいたところでございまして、その結果、ことしの8月5日、2点の御提言をいただいています。1点は、今後も低料金で、初心者も気軽に楽しむことのできる県民ゴルフ場として存続することが望ましいという提言をいただきました。2点目でございますけれども、今後の管理運営については、指定管理者制度の導入にあわせ、利用料金制度を導入するなど、適切な収支のもとに運営する、この二つの提言をいただいたところでございます。
 県といたしましては、この提言を尊重しながら、今、指定管理者制度の導入に向けて動いてございますけれども、県民ゴルフ場のあり方について判断したいと考えております。

〇木戸口英司委員 さまざまな御努力がなされた結果ということがわかりました。まだまだ検討されるべきこと、努められるべきこと、サービスの点とかさまざまあると思っております。またさらなる取り組みを要望いたします。
 県民ゴルフ場を抱えます花巻広域公園についてでありますが、近年の管理運営費の推移、入場者数の推移についてお知らせいただきたいと思います。県は、その数字等を見ながら当公園の現状をどのように評価されているのか。また、昨年より公園の利用促進を目的に、NPOが中心となりまして、さまざまな取り組みとして、イベント開催などもその一つでありますが、行われておるようでございます。その効果とその評価はいかがでしょうかお伺いいたします。
 この公園も大変すばらしい施設であります。この中にありますゴルフ場も、この間私、久々に行ってまいりましたが、大変すばらしい管理がされておりまして、グリーンも大変すばらしく、速いグリーンでありまして、同僚議員、先輩議員の皆様に御報告と宣伝を申し上げるところでありますが、花巻市は観光地でもありますし、一層連携を図られて、広域公園、そしてゴルフ場を一つの観光商品として位置づけて利用促進を図っていくべきと考えますが、現状の取り組みと、今後そのような考えに立って進められるのかお考えをお聞きしたいと思います。
 それから、先ほど県民ゴルフ場検討委員会の提言についてありましたが、ゴルフ場の存続と、そして民間、また、民間非営利団体――NPOの管理の道を開くという意味で指定管理者制度の導入が提言されている。それを県も今検討されているということでありますが、どのような考えに立ってこれを進めていくことになるのか。また、花巻広域公園の管理運営もゴルフ場と同じ管理運営、委託となっておりますけれども、指定管理者制度の導入ということも考えているのだろうと思いますけれども、公園とゴルフ場の一体的管理運営が私は現実的であり効果的と考えますけれども、この点はいかがでしょうか。

〇平井都市計画課総括課長 まず、1点の近年の花巻公園の運営経費及び入場者数の推移についてでございますけれども、近場の3年についてお話しさせていただきますと、平成13年度は6、920万円余でございます。平成14年度が6、588万円余、平成15年度は6、018万円余となってございます。また、近年の入場者数の推移でございますが、これはあくまで推計でございまして、駐車場にとまっている駐車台数とかそういったものから換算して概略で推計したものでございますけれども、平成13年度が約10万2、000人、平成14年度が約10万7、000人、平成15年度は約10万8、000人と、毎年ほぼ10万人の方に御利用いただいていると考えてございます。
 それから、花巻広域公園の現状をどのように評価しているかということでございますけれども、当公園は、主に花巻、北上から胆江地域の方々のレクリエーション需要に対応することを目的として、本県の大規模公園の第1号として昭和57年に開園したものでございます。毎年大体10万人程度の御利用をいただいていることから、所期の目的はおおむね達成していると認識してございます。しかし一方では、毎年利用者からアンケートをとって利用促進も図っているわけですけれども、利用者からは、このようによい公園があるのに知らなかったというおしかりも受けていますので、県としては、さらに多くの県民の方に御利用いただけるように今後ともPRに努めていかなければならないと考えてございます。
 次に、NPOが行っているさまざまな取り組みの効果と評価についてでございますが、花巻広域公園20周年を契機に、15年の夏と秋に2回、NPOの主体で花巻広域公園まつりを開催いたしました。時期的に秋口だったということもあって雨模様でちょっと肌寒かったんですけれども、そういう中でも2、000人を超える入場者がございまして、アンケート調査もやりましたけれども、おおむね好意的な評価をいただいてございます。
 また、それにあわせて、今後の利活用を考えるワークショップを4回ほど開催しておりまして、地元の方々、それから地元以外の方々、NPOなど幅広い参加をいただいてさまざまな御提言をいただいています。提言いただいた内容につきましては、具体的なものとしては桜を植えたらどうかという話とかいろいろございまして、今言った桜の植樹はもう本年度既に実施いたしましたし、できるものからすぐ実行していこうということで、その提言内容は公園運営に積極的に取り入れているところでございます。本年度もNPOと公園の利活用の促進について協働で取り組んでございまして、今後とも地元の方々に親しまれる公園とするため、NPOなどと連携して公園の管理運営に努めてまいりたいと考えております。
 次に、花巻広域公園、県民ゴルフ場、こんなにいいものがあるんだから観光商品として位置づけ、利用促進を図っていくべきではないかという話でございますけれども、地元には、委員御存じのとおり、温泉、宮澤賢治に関するいろいろな施設がございまして、観光資源としては非常に大きいものだと考えております。私たちも、この公園を一緒にすることで相乗効果が図られるのではないかと考えておりますので、NPOとか地元の方々と連携しながら、さらに御利用いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、指定管理者の募集、選定で、検討委員会からの提言を受け、どのような考えに立って進めるかということでございますけれども、最終的にはまだ要綱を詰めてございませんけれども、基本的な考え方としては、指定管理者の募集に当たっては、やはり幅広い方の参入の機会を確保いたしまして、競争原理を働かせるために公募を考えております。2点目は、指定管理者の選定に当たっては、第三者の意見というのは大事でございますので、そういう意見を反映させるため、有識者等による選考委員会を組織して御審議いただくのが一番いいと考えてございます。また、審査の透明性を高めるため、なぜこの方が選ばれたのか、そういう審査基準についても事前に公表することで進めたいと考えております。
 それから、最後と思いますけれども、花巻広域公園と県民ゴルフ場の一体的管理が現実的であり、効果的と考えるがというお話でございますが、実は、花巻広域公園と県民ゴルフ場を一体で指定管理者を指定することについては、先ほどお話あった県民ゴルフ場検討委員会の中でも意見が分かれました。また、去る11月12日、今回の指定管理者に向けて、県民の方々を対象に県立都市公園のあり方についての意見を聞く会を開催いたしまして、指定管理者制度についていろいろ御意見をいただいたんですけれども、アンケート調査等もした中では、それぞれNPOの方もいらっしゃいますし、企業の方もいらっしゃるし、ゴルフのノウハウを持っている方もいらっしゃるということで、それもやはり意見が分かれました。そういうことですので、私たちは、どちらが適当かさらに検討して、指定管理者のスケジュールがもう大体見えてございますので、そのスケジュールに合わせて判断してまいりたいと考えております。

〇川村農夫委員長 議事進行に御協力をお願いします。

〇木戸口英司委員 県民に親しまれる施設ということであれば、ゴルフ場、広域公園というのはやはり一体のものと私は考えますので、相乗効果を生むためにも一体的管理運営が引き続き行われるべきということをつけ加えておきます。
 次の質問に行きます。
 岩手県住宅供給公社についてお伺いいたします。
 これは、平成15年12月に示されました岩手県出資法人改革推進プランにおいて廃止対象法人となり、平成20年度までに解散に向けて事業整理に取り組むこととなっております。保有資産の処分の進捗状況はいかがでしょうか。分譲宅地の販売は、現状の経済状況、ニーズの低下でかなり苦戦しているのではないでしょうか。宅地価格を下げるにしても、既に購入している顧客との関係、また、負債の増加も招くものであり、難しい判断となると思いますが、いかがでしょうか。
 また、公共施設用地等の処分も、各自治体の財政難は言うまでもなく、進んでいない状況と思いますが、いかがでしょうか。
 公社保有資産の鑑定評価額は、現在の地価下落傾向によりまして、簿価と比べ評価減となっていると思いますが、この点はいかがでしょうか。金額等の状況もお知らせいただければと思います。
 資産処分が計画どおり進まないとすれば、公社の財務状況は当然厳しいものとなると思いますが、県として現状をどのようにとらえ、指導していく考えかお伺いいたします。

〇橋本県土整備部長 岩手県住宅供給公社についてのお尋ねでありますけれども、まず、保有資産の処分の進捗状況についてでありますけれども、分譲宅地につきましては、平成15年度末までに695区画を保有しておりまして、その処分対策としては、公社は、分譲宅地の購入者が行います外溝工事等へ50万円を限度として支給するなど、各種の販売促進策を講じているところでございます。12月8日現在、募集に対しまして67区画の申し込みを受けているところでありまして、本年度の販売計画が152区画でありますので、約44%の状況となっているところであります。
 それから、宅地分譲価格についてでございますが、販売価格の設定につきましては、鑑定評価額を基本に、それぞれの住宅の販売状況等を踏まえて公社が決定しているところであります。
 それから、公共施設用地等についてでございますけれども、集合住宅などの用地10区画、約2.7ヘクタール、それから、宅地分譲目的の未造成土地3カ所、約29ヘクタール、特定優良賃貸住宅93戸等を保有しておりまして、本年5月以降、関係市町と取得の可能性について協議してきたところでございます。
 県としましては、本年5月に関係市町と県及び公社を構成員とします岩手県住宅供給公社整理対策連絡会議を設置しまして、円滑な資産処分が図られるように協議、調整を行ってきているところでありますけれども、公社とともに、直接関係の市町に取得要請等も行っているところでございます。厳しい状況にありますけれども、一部取得の意向を示している市町もありますことから、これからも引き続き努力していきたいと思いますし、また、サンタウン松園のゴルフ練習場など既に処分が完了しているものもあるところでございます。
 次に、保有資産の評価減についてでありますけれども、公社の保有資産は、平成16年5月に公社において鑑定評価を行いました結果、約79億7、000万円となっておりまして、簿価額に対して約19億7、600万円の評価減となっておりますが、平成15年度末の借入金は31億1、100万円でありますので、約48億6、000万円の資産超過となっており、健全な財務状況にあると認識しています。
 なお、公社が本年9月に策定しました岩手県住宅供給公社整理・経営計画(案)は、この鑑定評価等実勢価格により策定したものでございます。

〇木戸口英司委員 健全ということでありますが、これも資産が処分できればということが前提だろうと思うんですが、平成20年度までに解散ということでありますけれども、確認させていただきますが、この保有資産を全部処分できないでしまう場合、解散ということの現実がどうなるんでしょうか。解散の後、この保有資産はどうなっていくんでしょうか、この点確認させていただきます。
 それから、先般、裁判もありましたが、公社職員による事件も発生し、大変遺憾に思うところであります。ここは指摘にとどめておきますが、これと関連することではないのでありますけれども、解散後の職員の処遇について、廃止対象の法人はすべて同様の問題を抱えていると思いますけれども、再就職への支援状況も大事だと思っております。厳しい整理の業務に当たる職員、大変な仕事に当たっているわけでありますが、このモチベーションにも大変影響があるのではないか。今、厳しい経済状況の中で県も当然支援をしていかなければならないことと思いますが、現在の状況をお伺いいたします。
 さらに、これは法律上のところでありますが、解散に至るには現行の地方住宅供給公社法の改正が必要だとお聞きしております。現状の中での解散ということですね。これは国において検討がなされていると聞いておりますが、この状況はいかがでしょうか。

〇橋本県土整備部長 まず、保有資産が処分できない場合はどうするかというお尋ねでありますけれども、現在は処分できるということでとらえておりますので、処分ができないことについては特段定めているものではございません。
 それから、公社職員の再就職への支援についてでございますが、公社におきましては、専門の再就職支援会社を活用した再就職のためのカウンセリングであるとか研修の実施、それから求人情報の提供などを行っているほか、早期退職優遇制度を導入しまして、退職金の優遇措置、資格取得支援研修制度の導入、さらには将来設計や再就職に関する相談窓口を設置するなどしていまして、再就職が円滑に進むように積極的な支援をしているところでございます。県といたしましても、有用な情報を入手した場合には速やかに提供するなど、サイドからでありますけれども協力してまいりたいと考えているところでございます。
 最後に、地方住宅供給公社法の改正のお尋ねでありますけれども、地方住宅供給公社法の改正につきましては、自主解散規定を盛り込むことを含めまして、現在、国において委員御指摘のとおり検討中でございまして、法案の提出時期については未定だと聞いておりますので、今後の推移を見守ってまいりたいと考えております。

〇木戸口英司委員 いずれ資産の処分をすべて行うということでありますが、ことしの目標の達成状況が44%と、現実に厳しい状況であります。その取り組みをこれからも指摘してまいりたいと思っております。

〇中平均委員 私は、この総合計画実施状況報告書の第4章第2節交流・連携を支えるネットワークの整備の評価を見まして、この施策の達成状況を見ますと、まず、指標の到達度が高い、また、県民意識調査では、各分野とも満足度は中程度以上となっており、おおむね順調ではあるが、沿岸部においては交通ネットワーク整備に対する満足度が内陸部に比べて著しく低いとなっています。この原因をどのようにとらえているかお伺いします。

〇橋本県土整備部長 県民満足度に係る御質問でありますけれども、この満足度は、平成15年2月に県内7、000人を対象にして行いました県民意識調査におきまして、まず1点目は、高速道路や新幹線、空港の整備などが進み、楽に遠くに出かけられること、二つ目としまして、日常生活や近隣の市町村に出かけるときに使う道路が快適であること、この2項目において、沿岸地域におきましては満足度が低いという結果になっているものでございます。
 この原因につきましては、一つは、交通ネットワークが不十分だということ、それから、内陸との高速交通のネットワークもまた未整備であることが反映されているものと認識しているところでございます。

〇中平均委員 今、3割削減をやっている中で、これをどういうふうにして満足度を上げていくかということをお伺いします。
 次のページにある指標のところを見ますと、基準年次が10年で、15年の到達指標というんですか、例えば90分構想のエリア内ということで、久慈市から盛岡までが104分から99分に短縮、宮古からだと105分から104分で1分短縮、釜石からだと150分が127分で23分間短縮、大船渡からだと130分から108分で22分短縮になったということで、これは評価すべきことだと思います。ただ、これの書き方とかで見ますと、到達度がもう100%と書いてあるんですね。90分構想というのがなくなったわけでは当然ないですし、やっていく中、中間年次において100%だという意味だとは思うんですが、この表現でいいんですか。例えば、これは90分に対して残りあと何%あるという表現をしていくべきではないかと思うんですが、そこら辺も含めてお伺いします。

〇橋本県土整備部長 満足度向上の施策でありますけれども、御案内のとおり、本県では、特に北上山地を通過するため、峠道だったり雪道だったりしているわけですけれども、横断軸の整備が大事だということで、現在も釜石秋田道については直轄も含めて県も精いっぱい整備を進めているところでありますので、まずは現在着工しているところの重点化をさらに図りまして整備を推進していきたい。そのことによって沿岸と内陸との時間が短縮されるものと認識しているところでございます。
 関連しまして、90分構想についてのお尋ねがございました。これは、主要な広域生活圏中心都市から県都盛岡市への到達時間を90分以内とする長期構想として進めているところでありますけれども、御指摘がありましたように、県の総合計画では、この構想の実現に向けまして、平成22年度における目標数値と、それから中間年次であります17年度の目標数値について定めてございます。これまで新幹線二戸駅開業に伴うアクセス道路の重点的な整備であるとか、東北横断自動車道の、先ほど申し上げました釜石秋田線東和-花巻間の完成等によりまして、中間年次であります17年度における目標は達成されたということで、委員御指摘のとおり、それで100になっているということでございますが、この指標でよろしいかということにつきましては、その指標の総合的な管理といいますか、調査しています総合政策室の方とまた私どもも打ち合わせをさせていただいていますので、今後の指標の見直し等については検討していきたいと考えております。

〇中平均委員 この資料は当然一般にも公開になっているとすれば、全県的にはこの数値の満足度が高い、その中でぱっと見て100%となると、もう沿岸部の方もできているんじゃないかという錯覚も当然起きてしまうんじゃないかと思うんです。そういう点も含めて、この指標の書き方は担当部局の方とも調整していただきながらやっていただきたいと思います。
 次に、公共事業の落札率、先般93%とお聞きしておりましたけれども、事業予算が減ってきている中で93%。そうすれば、予定していたより当然残額が生じてきているということだと思うんですが、それはどのように使用されているのかお聞きします。

〇清水県土整備企画室長 入札に伴いまして執行残が生じた場合、これが継続事業である場合につきましては事業の進捗率を高めるため工事の前倒しを行いまして、完了事業である場合は他の箇所への流用を図るなどいたしまして効果的な活用に努めているところでございます。

〇中平均委員 なかなか決算の書類の方ではそこまで見えてこないものであえて質問させていただきましたけれども、これから予算的にも厳しくなっていく中ですので、そのような形の執行残、執行残という表現が適当かどうかあれですが、そういうものもより有効に使っていく方策を考えていくべきだと思いますし、その点、今後も私の方でもいろいろ提言させていただきたいと思いますけれども、とりあえずきょうは質問をこれで終わります。

〇伊沢昌弘委員 環境首都に関係する部分も含めてお伺いしたいと思っております。
 環境に配慮した公共事業ということで2点お伺いいたします。
 河川改修工事による自然回復事業についてでありますが、決算書の中には河川改良費、水辺環境再生事業ということで15年度決算が計上されているところでありますけれども、県事業として、環境保全や水辺に親しむ環境づくりの観点から、コンクリートで固めてきた護岸を自然に近い形に回復させる事業の推進が示されて、盛岡の諸葛川等について、具体的に工事箇所を含めてやってこられたと思っております。洪水対策にも配慮して、堤防の強度を保ちながら浸水性――水が浸透する、さらには草木が生える、そういう護岸に変える事業と私は高く評価するところでありますけれども、具体的な工法とか、これまで検討されてきた状況等についてお示しいただきたいと思います。

〇橋本県土整備部長 環境に配慮した河川の工事についてでありますけれども、河川の整備に当たりましては、これまでも治水対策とともに、河川環境整備事業やふるさとの川再生・創造事業等によりまして、地域の方々が親しめる水辺空間の整備に取り組んできたところでございます。平成15年度に創設しました水辺環境再生事業は、これまでの事業に加えまして、既に護岸等の整備がされた区間を含めて、豊かな環境と良好な水辺空間を復元あるいは創造するものでございます。
 具体的な工法というお尋ねでございますけれども、まずは、コンクリート護岸で整備して人々が近づきにくい構造になっている急勾配の護岸等につきましては、一定の区間について緩傾斜の覆土護岸にかえるなど在来植物の植生回復を進めることや、親水性を高めるための階段であるとかスロープを設ける等の計画をしているところでございます。
 平成15年度から盛岡市の諸葛川や花巻市の後川で取り組んでいるところですが、計画の策定に当たりましては、ワークショップや懇談会を開催しまして、地域の皆様方と意見を交換して、その意見を反映しながら取り組んでいるところでございます。

〇伊沢昌弘委員 2カ所ということで御答弁がございましたけれども、若干込み入ってお聞きしたいんですが、急勾配のコンクリート、言ってみれば急なものに下から土を積み上げてコンクリートはそのままにという形でやるのか、あとは勾配を直すために、上部の方をコンクリートを削る形で、改めて強度をやるためにいろいろな工法があって、その上には土が入るのか、箇所によって大分違うと思うんですけれども、その辺についてはどうなんでしょうか。
 実はこれは見た目での環境と、実際河川というのは、二面舗装とか三面舗装の中で、水がすぐ川に入るのではなくて、地下に浸透する形で改めてわき出す、そういった形での浄化作用を含めて自然再生にも寄与できているものかなと思うものですから、その辺どうなんでしょうか。

〇橋本県土整備部長 急な勾配の護岸を緩くするためには当然土地が必要になるわけでございまして、どこでも土地を買って広げるというのはなかなか困難なことでございます。先ほど一定の区間と申し上げましたのは、既にそういう河川のそばに使える土地がある場所であるとか、あるいは公園で、土地を取得してでもやはり親水性を高める必要があるというところについては川幅を広げて緩い勾配にしている例もございます。
 それから、自然への回帰につきまして、治水機能も高めなければならないということもございますので、すべて土でというわけにはいきません。ただ、見えないところに護岸が入っているところもありますが、背面からの排水等については抜ける構造にしたり配慮していまして、いわば河川に地下水が流れ込むことについては阻害しないような構造にしているところでございます。

〇伊沢昌弘委員 そういった部分も含めて、場所的に全部というわけにはいかないと思いますけれども、河川に人が行けるような、そういった形での配慮をぜひお願い申し上げたいと思います。
 2点目、同じようなことでありますけれども、自然環境に配慮した――動物に配慮したと言った方がいいでしょうか――道路工事の方法についてお伺いしたいと思います。
 他県においては、私も調べてみましたが、山岳地帯を走る道路の建設に当たりまして、動植物の生育に配慮した工法を採用している例がある。エコロードと呼んでいるようでありますけれども、本県における道路工事において、これまでこのようなものを採用してきている例があるのでしょうか。あるとすればお示しいただきたいと思います。

〇橋本県土整備部長 自然環境に配慮した道路工事でございますけれども、山岳部におきます道路計画に当たりましては、自然環境や希少野生動植物への影響を考えましてルートの選定をしているところでございますけれども、構造物等でそういう環境に配慮した事例があるかということでありますが、一例としましては、国道283号の仙人道路におきまして、小動物が側溝等に落ちた場合上がれなくなる可能性がありますが、そういうところにスロープをつけて上がれるようにした構造にしているとか、あるいは動物が通り抜け可能な横断暗渠をつける。路面を歩かなくても道路の反対側に行けるような装置、それから植生等については、外来種の持ち込みではなく在来種を植える、あるいは種をまくという工法の採択、それから、動物が誤って道路に出ないような防止さくの設置であるとか、あるいは虫が集まりにくいナトリウム灯を照明として使用したりしている例がございます。このほかにも、それぞれ地方振興局等で独自に検討してやっているところがあると理解しています。

〇伊沢昌弘委員 小動物がはい上がれないで側溝で死んでいる、こういう状況の中ではやっぱりそういったものもあると思いますけれども、今後の取り組みの中で配慮していくことになると思うのですけれども、これらの工法をやった場合は、それは場所によっても工法によっても違うと思うのですけれども、通常の部分に上乗せがかかるようなものもあろうかと思うんですが、盛り土をして例えば道路をつくる場合、あらかじめ道路にけもの道をつくって埋め込んでその上にやるということであればさほどお金もかからないし、土の部分が減るので土の運搬費も減るのかなと、こう簡単な思いもするんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。とんでもなく高くなるというものなのかどうか、もしわかれば教えてもらいたいと思います。

〇橋本県土整備部長 盛り土区間の、横断暗渠に多分なると思いますけれども、対象動物が大きいものである場合は大規模なものが必要でありますけれども、本県、通常の場所であればさほど大きい穴ではないと想定すれば、つくってから穴をあけるのであれば非常にお金もかかりますけれども、つくりながらといいますか、盛り土する前に構造物をつくるのであればそんなに負担になるものではないと思いますし、また、そのくらいの費用を使っても自然環境には配慮していくべきだと考えているところであります。

〇伊沢昌弘委員 いろいろな意味でこれまでは道路も河川も効率性が中心だったと思います。私も県議会に来てからいろいろな意味で環境に配慮した道路とか河川の話をさせていただきました。当時はそんなことは言っていられないという部分もあったんですが、今は大分変わってきたということで、今後、河川、道路、その他の工事に対しての自然環境等に十分配慮した形、取り込まれているとは承知していますけれども、これが県民にもわかるような形で、ぜひPRもお願いしておきたいと思います。

〇斉藤信委員 私は最初に、津付ダムの再評価の結果と県の対応についてお聞きしたいと思います。
 津付ダムの再評価の結果はどういう内容だったでしょうか。

〇若林河川開発担当課長 津付ダムの再評価にかかわって検討結果はどうだったかというお話でございますが、県が多目的ダムから治水専用ダムに見直して事業を継続するという方針については妥当であるという判断をいただきました。ただし、その際に5項目の附帯意見をつけていただきました。この5項目につきましては、基本高水流量という目標とする流量があるわけですが、これは、我々は雨量をもとに一般的な手法でもって算定しておるのですけれども、それに対して、実績流量に基づいた解析もあわせて行って妥当性を検証してくれというお話が一つあります。それから二つ目でありますが、これは、事業費の精度を高めるために、付けかえ道路の地質調査を先行させて事業費の精度、ダム費の精度を高めなさいということです。それからもう一点は、超過洪水、近ごろよく来ていますけれども、一定の計画規模以上の洪水が来た場合にも壊滅的な被害にならないような方策を流域全体で考えてくれというお話がありました。それから、上下流住民の利害調整を含めて地元住民に計画の内容をさらに十分に説明し、理解を得なさいということです。それから、これらのそれぞれの取り組みにつきまして、毎年1回専門委員会に報告しなさいという五つの意見をいただいております。それが検討結果だと考えております。

〇斉藤信委員 大体合っていますが、最初のところが違うのですよ。というのは、こうなんです。要検討(見直し継続)とした県の評価は妥当と認められる。これは今までにない評価なんです。私は、公開質問状を出してこの真意をただしました。どういうことですかと。そうしたら、その回答はこうですよ。答申の内容と精神をまとめて言うならば、石川参与の判断と意見を生かし、流域住民の参加のもとに検討を加えることを必要とする。それが実行されているかを毎年1度はチェックさせてもらうということに尽きます。これはすごく大事な中身なんです。今、紹介されたように、五つの条件というのは再検討に匹敵する内容です。基本高水流量を見直して検討しろ、これは、ダム建設で一番基本的な問題なのですね。超過洪水対策は、県下で最初のモデルケースにしなさい。あとは付けかえ道路の地質調査、これは大変な仕事なのですね。それによって事業費がふえたらまた再評価ですよ、だめになりますよ、こういう中身であります。
 部長、これは大事な問題だから、この大変重要な再評価の答申をあなたはどう受けとめていますか。

〇橋本県土整備部長 附帯意見につきましては真摯に受けとめまして、それぞれの意見に対応しながら事業をやっていきたいと思っております。今、要検討(見直し継続)についてのお話がありましたけれども、いただいた意見に真摯に対応していくことで私たちの責務が果たせると考えているところであります。

〇斉藤信委員 先ほど私が紹介したように、石川参与の判断と意見を生かしというのは、岩手県が委嘱した専門家である石川参与が大変重要な意見を出したんですよ。それを全面的に生かしたものですというのが首藤委員長の私に対する回答でした。石川参与はどういう意見を出したのですか。

〇若林河川開発担当課長 大規模評価専門委員会に際して、専門家の意見をいただくということで東京工業大学の石川教授から御意見をいただいております。要点を言いますと、計画規模は、我々が想定しています治水安全度の70分の1は妥当であろうと。ただし、それが全部の区間に当てはまるかはちょっと検討の余地がありますねというのが一つです。それから、基本高水流量の決定に当たりましては、雨量から流量を算定するといろいろな人為的な操作が加わるということですから、流量から持っていったら一番わかりやすいのではないかという御指摘だったと思っております。その流量について、それぞれの地域、流域の住民の皆さんにお示しして、理解を深めてコンセンサスをとった方がいいだろうということであります。実際、流量は昭和50年代以降17年間のデータしかないのであります。今、我々は、特に治水対策、ダム計画をする際には、大正5年ぐらいから雨量のデータはございますので、その大正5年からの雨量のデータを使ってやるのが全国的な……。

〇川村農夫委員長 答弁の途中でありますが……(斉藤信委員「解説はいいから、石川参与の意見を言って。あなたが評価委員じゃないのだから」と呼ぶ)、簡潔にお願いします。

〇若林河川開発担当課長(続) 失礼いたしました。
 それで住民のコンセンサスを得るということであります。
 それから、先ほどお話がありました超過洪水への対処ということで、これは、今一定の規模まで対応するということで、河川審議会の答申等にも超過洪水という計画規模を超えたものについていろいろ配慮していきなさいという答申を受けておりますが、これを踏まえて、もっと一歩進めて、流域全体で土地利用も含めていろいろ考えた方がいいのではないかというアドバイスをいただいております。それが総合治水の部分であります。大体主なものとしては以上だと考えております。

〇斉藤信委員 まあ、いいでしょう。
 私たちもびっくりするような抜本的な専門的意見でありました。それを受けた条件が五つの条件でありました。五つの条件を県はどのように真摯に受けとめて具体化に取り組んでいるんですか。

〇川村農夫委員長 答弁は簡潔にお願いします。

〇若林河川開発担当課長 五つ目は、毎年1回でありますので、それは報告するということであります。四つについて、基本高水流量の流量について検証するということでありますが、それについては流域内にあります企業も含めたデータがありましたので、それを今一生懸命取りまとめている最中であります。これについては年度内を目途にまとめて、流域の住民の皆さんにもお示ししたいと考えております。
 付けかえ道路の地質調査でありますが、既に国道397号の付けかえ道路については地質調査を行っています。ただ、1本町道がありまして、そこの地質調査を現在発注したところであります。年度内にこれもさらなる事業費を高めることにしております。
 超過洪水でありますが、これは、河川の管理者だけではなかなか対応しかねる部分がありますので、これは、地方振興局、それから地元の市町とも連携を図りながら、ちょっと時間をいただきながら検討してまいりたいと考えております。
 上下流住民の利害調整については、既に陸前高田市において、11月15日から24日にかけて11地区で説明会を開催しております。今後は、住田町で5地区ほど開催する予定にしておりますので、その中で対応してまいりたいと考えております。

〇川村農夫委員長 斉藤委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時55分 休 憩

午後1時3分 再 開

〇川村農夫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 質疑を続行いたします。

〇斉藤信委員 津付ダムの最後に、部長も真摯にこの再評価の答申を受けとめると言いました。それで、地元で、陸前高田市で11カ所の説明会をやられているのだけれども、前の計画でまた説明会をやっても意味がないのですよ。いわば、答申で出された五つの条件をやっぱり具体化する中で、地域住民に対して説明すべきなのですよ。だから、その点を聞きたい。改めてまたやるのか。例えば基本高水流量を設定し直して、これまた説明しなければだめですよ。首藤委員長はそう言っていますよ。きちんとこういう条件をつけられたものを具体化して、地域住民との理解を得られるようにしなさいと。
 もう一つは、同時に、前の流域懇談会の議論が不十分だったからまたやったのでしょうけれども、今回はかなり地域住民の厳しい反応があったと思うけれども、それはどうだったでしょうか。

〇若林河川開発担当課長 今の答弁に関する前に、午前中に私答弁をいたしまして、付替道路に関して、地質調査を先行して事業費を高めると言ってしまいまして、事業費の精度を高めるということで訂正させていただきます。済みません。
 それでは、今の質問についてでございますが、基本高水流量につきましては、流量確率でもってさらに検討を加えて、その資料について再度地域住民の方々には御説明をしたいと考えております。これは、今回陸前高田市で、11地区で開催した地域住民との懇談会についても、その際に、今後も開催してくれという要請もありましたことから、それを踏まえて今後も継続的に開催していきたいと考えています。
 なお、その際には、近々は基本高水流量の話になると思いますけれども、長いスパンを考えますと、総合治水とかそういうものも視野に入れながら、地域の皆様とともに治水対策を考えていきたいと思います。

〇斉藤信委員 流域住民の反応がなかったけれども、これだけ厳しい再評価の答申を出されるより、私は津付ダムそれ自身が根本的に見直されるべきだと思いますよ。さきにダムありきで、ダムの効果が本当にない。ダムをつくっても、30年の洪水に耐えられないんですよ、ダムだけでは。河川改修の方が早く、当面の整備計画で言ったら、ダムだったら160数億円かかるのに、河川改修だったら90億円程度で済むんですね。すぐその効果があらわれる。私はそういうこともきっちり住民に示して、この津付ダムの計画については抜本的に見直しを求めたい。
 あわせて、簗川ダムの問題についてお聞きします。
 きのうの農林水産部のところでも聞きましたけれども、豊沢川の土地改良区が農業用水の利水は中止すると。そして盛岡市も3万トン以上の利水を見直して、余り根拠がないけれども4、300トンと。利水も大幅に、これはなくなるぐらいの見直しがなされました。
 私はそれで、盛岡市の利水問題について県の立場を聞きたいけれども、実はあなた方が6市町村の水需給調査をしたときに、盛岡市は現状では4万4、400トン余ると。だから6市町村で調査をして、6市町村でやると足りなくなるので簗川への利水参加が必要だとあなた方は出しました。知事も記者会見をしました。あなた方は、4万4、000トン余ると言っているのに、何で盛岡は4、300トン必要だと言っているんですか。

〇若林河川開発担当課長 津付ダムにつきましては、委員からのお話を受けまして、またきちっと対応してまいりたいと思っています。
 それから、簗川ダムに関してお話をいただきました。昨年来、盛岡市と意見交換を進めてまいりました。その中で、盛岡市は人口推計が当初と大きく実際変化をしてきていると。そこまで至っていないということも踏まえまして県と意見交換をしてきたわけですけれども、盛岡市は、3万1、000トンを計画をしていたわけですけれども、それを4、300トンに縮小して、その必要性については、リスクというか水源汚染などの危機管理への対応などについて一つ必要になったということであります。
 それからもう一つは、矢巾町とそれから盛岡の南部地区が今非常に開発が進んでおりまして、その水需要が近々迫っていると。なお、それをカバーしている沢田浄水場の配水が非常に稼働率が高くなってきておりますので、南部地区への中期的な配水を見直すということを盛岡市は考えているようでありまして、そちらからでも有効であるということで、これは盛岡市も矢巾町もその取水事業について、水源手当てについて厚生労働省の補助事業でやっておりますので、岩手県内市町村公共事業評価委員会を踏まえて、その審議を経た上で判断をしたと聞いております。

〇斉藤信委員 実はあなた方、去年1年間、県と市で簗川ダムの利水問題について協議をしてきたのですよ。2003年8月18日の取りまとめ素案、その検討結果はこうなっているのです。
 盛岡市単独では簗川ダム水源の必要性は薄い。広域的に見ても、6市町村の場合において必要性が明確となると。あなた方の判断は必要性がないのです。4万4、000トン余るのです。これは盛岡独自の判断ですよ。リスク対応というのは、普通要らないのです。それを無理無理ありもしない――私きのう紹介したけれども、御所ダムの上流でタンクローリーが転落をして、御所ダムの水が全部使えなくなったという想定をやれば、5万トン必要だと。とんでもない話ですよ、日常的に5万トン余分な水を確保するなんていうことは。
 そして今、あなたは南部地域の人口がふえるというけれども、南部地域は御所の水源なのです。沢田浄水場じゃないのです。盛岡の水系も変えるのですよ、だから。余っているのに。わざわざ沢田浄水場から引っ張るために。私はそういう点で、盛岡市は、県は全く必要のないと判断した4万4、000トンも余るとしたこの水を、日常的に確保するというむだ遣いで、わずか4、300トンばかりの簗川ダムの利水参加をすると。ダムを高くしてむだなダムをつくることになりますが、いかがですか。

〇若林河川開発担当課長 盛岡市、矢巾町は、今それぞれが抱える水道事業者の事情を踏まえまして、現状で簗川ダムに縮小して参加した方が今後の対応にとってよかろうという判断のもとに参加していると聞いておりますので、ダム事業者としては、利水者の意向を尊重するということを基本に考えていきたいと思います。

〇斉藤信委員 もう一つ言いましょう。
 4、300トンの根拠です。なぜ4、300トンになったか。今までの盛岡市のダム負担金が17億円で、それを換算すると4、300トンなのですよ。全然根拠がないんですよ、これ。水の必要性からではなくて、今までむだな水のためにお金を払ってきた。その17億円に対応するのが幾らですかと、4、300トンですと。とんでもない話ですよ。結局、今までむだ遣いをして、そのむだ遣いをまた続けるということですよね。そのために、ダムの事業費は幾らふえますか。盛岡市が4、300トンで矢巾町が700トンだから、5、000トンですよね。ダム事業費、それで幾らふえますか。

〇若林河川開発担当課長 盛岡市の4、300トン、矢巾町の700トン、あわせて5、000トンで、約20億円と考えております。

〇斉藤信委員 20億円。むだ遣いのために、17億円のむだ遣いをやって、それをこれから固定するためにさらに20億円のむだ遣いということになりますね。そうじゃないですか、今。違いますか。あなたの答弁、間違ったですか。間違った。訂正してください。

〇若林河川開発担当課長 3万1、000トンから5、000トンの部分につきましては、今、(斉藤信委員「3億円だろう」と呼ぶ)3億円……、盛岡市と矢巾町の負担額でありますので、約20億円、19億円になります。

〇斉藤信委員 私が聞いていることをちょっとあなた誤解しているのですよ。
 20億円というのは、3万1、000トンやめた場合に20億円軽減されるのだよね。そして5、000トン、無理にダムに参加すれば3億円だというのじゃないのですか。違いますか。

〇若林河川開発担当課長 そのとおりでございます。失礼しました。

〇斉藤信委員 結局、17億円むだなお金を払って、さらに3億円むだなお金を払うということですよ、これは。私はこんなむだ遣い、やっぱり許せない。
 もう一つ、私は簗川ダムの利水の問題について言いますけれども、そもそもリスク対応ということが異常だけれども、盛岡市の水需給のいわば人口推計が過大なのです。例えば、盛岡市は平成37年の人口を28万人にしているのですよ。今、28万8、000人ですよ。平成37年に28万人なんかいるわけないんです。日本統計協会は26万人、岩手県水道整備基本計画では25万7、000人ですよ。ここでもサバを読んでいるのですよ。ここでもサバを読んで、そのサバを読んだやつでも4万4、000トン余る。この人口推計が2万人もずれたら今の給水能力で十分対応できるのですよ。県と市がわざわざ協議してきたのだから、1年間も。私はそういう点で本当に厳密な、科学的な、財政危機のもとでむだのないようなことにしていただきたい。
 治水の問題についてもこれから見直しがかかるでしょうから、これは予算委員会にゆだねますけれども、簗川ダムだって、ダムをつくるよりは河川改修で対応した方が早く対応できるし、さらに安く対応できる。
 それで私はこのことにかかわって一つ聞きたい。
 実は、新潟の水害事件で今全国的な河川堤防の調査をしています。岩手県はこの河川堤防の調査をしていますか。簗川は10年程度の洪水で決壊したんです、簗川の堤防が。いわば10年程度の洪水で決壊するようではだめなんです。こういう調査はしているでしょうか。

〇佐藤河川課総括課長 本年7月の新潟・福島豪雨、あるいは福井豪雨につきましては、県管理河川の堤防が各所で破堤しまして甚大な被害をこうむりました。そこで、県におきましても、国が管理している堤防も含めまして、緊急に堤防点検を実施したところでございます。
 結果につきまして、国の管理堤防については要対策箇所はございませんでした。それから、県管理河川の堤防約640キロメートルの堤防につきまして亀裂がないか、あるいはモグラなど小動物による穴があいていないか、あるいは護岸の基礎等が変形していないかなど、目視による点検調査を行いました。その結果、石鳥谷町の葛丸川、それから東山町の砂鉄川、花巻市の鍋割川の3カ所におきまして、堤防の裏面の小規模な陥没、表面の崩落、護岸の裏込め材の沈下が見つかりまして、すぐに修繕を行ったところでございます。

〇斉藤信委員 最後の質問です。
 花巻大曲線、これは笹峠地区の問題について、私、質疑で聞いたんですけれども、部長の答弁が残念ながらつっけんどんな、中身のない答弁でした。改めて聞きます。
 この花巻大曲線というのは、湯田から奥羽山脈を越えて秋田県の六郷町そして大曲に伝わる道路であります。今やっている区間は、延長1、120メートル、幅員4メートル、全体事業費12億円、事業計画が平成8年から18年度まで。今、実績はどうですか。

〇橋本県土整備部長 笹峠の進捗に対する御質問でありますけれども、盛岡横手線から秋田県境まで9.4キロメートルあるわけでございますけれども、その区間で整備が終わっておりますのは8.4キロメートルございまして、延長による整備率といたしましては89%となっているところでございます。

〇斉藤信委員 平成8年からやっていますからもう10年ですね。10年で8.4キロメートル、今年度まで9億5、000万円ですよ。――違うんじゃないの。0.84キロメートルじゃないですか、延長が1、120メートルだから。違いますか。

〇橋本県土整備部長 私、ただいま申し上げましたのは、盛岡横手線からの分岐からのことで申し上げましたので違いますが、今委員がお尋ねになっている現在手をつけているところということでありましたら、全体で着工しているのが、今の工事区間は1.12キロメートルでございますので、現在の進捗は、事業区間の事業費による換算の進捗率は79%でございます。

〇斉藤信委員 だから、結局900メートルぐらいでしょう、1、120メートルのうち。900メートルで9億円金をかけている。その工事というのは山を崩して道路をつくっている。そして私は本会議でも指摘したけれども、秋田県境は大変な地すべり地帯です。雪くぼ状という特別なものがあって、今、ルートを変えるという計画までしていますよ。これは課長でいいから、岩手県もさまざまな環境調査、地質調査をやっていますね。この結果を言ってください。

〇海野技術参事兼道路建設課総括課長 環境調査についてのお尋ねでございます。環境調査につきましては、地質調査も含めまして平成10年から進めております。先ほど地すべりの関係がございましたけれども、地すべりに関しまして、この環境調査の中で調査した結果におきますと、現在、湯田町地内で15カ所地すべり危険箇所というのが登録されております。ただ、現在のルート上にはこの地すべり危険箇所はないと調査結果が出ております。

〇斉藤信委員 環境調査も聞いたでしょう。

〇海野技術参事兼道路建設課総括課長 環境調査の中で地すべりと思われると、存在するであろうという報告書にはなっておりますが、事業推進に当たって、その都度ボーリング調査等もしながら今現在進めているわけですけれども、そういう中では存在しないという結果となっております。

〇斉藤信委員 今の答弁大変問題ですよ。例えば、これは平成10年度、11年度の予測評価業務報告書、これは東北地域環境計画研究会が出した報告書ですよ。
 23ページに、当該地周辺では地すべり地形が数箇所存在し、これらの場所は軽石凝灰岩によって構成されている。近年、活動している地すべりは、軽石凝灰岩中の弱層とわき水が関与し、南、北方向及び北東、南西方向の断層地すべり当部として活動している。今後も、同地質条件の地域では、地すべりの発生する危険性は大で、かつ、過去の陸羽地震で発生した滑落も推定されることから、地震による地すべりや崩壊を誘発する可能性は高い。
 雪くぼ地形というのもあって、それであなた方ルートを変えたんじゃないですか。そして、私、環境調査と言ったのは、植物、動物、鳥類、本当にレッドデータブックに指定されるような植物、イヌワシ、クマタカなどの絶滅危惧種、本当に豊かな自然環境が残されている地帯ですよ。ブナ林、原生林の大木があって、そこを通る予定だったけれどもやめてルートを変えたと、こういうことですよね。調査を踏まえて変えたのでしょう。だから私は、そういうところをむだな工事で道路を通していいのかと。
 最後に聞きますが、あなた方が進めている根拠に、あなた方のB/C、いわば費用対効果分析があるのですね。それを見て、あなた方のB/Cは1.0です。必要性は20点に対して15点、重要性は30点に対して10点、緊急性は15点の15点、効率性は30点の14点、熟度は5の4。100点満点の58点。
 必要性が何で15点もあるのですか。道路をつくっても通りませんよ、これ。いいですか。107号が整備され、高速道が整備されているんですよ。そっち回った方が早く行くのですよ、六郷町に。半年間は雪に埋もれる道路で、雪崩地帯ですからつくれば壊れる道路ですよ。あなた方の事業評価の根拠を示していただきたい。

〇海野技術参事兼道路建設課総括課長 環境調査についてもう一回答弁させていただきます。
 環境調査につきましては、平成10年から11年にかけまして、東北地域環境計画研究所に委託してやっております。その後、のり面の復元状況とかそれについては毎年実施しております。その中で、確かに雪くぼ地形というものがありまして、これは地すべりとの関係ではなくて、雪が堆積してそれが侵食するなり何なりしてくぼ状になったという、珍しい地形という評価になっております。
 それから、地すべりの関係に関しましては、周辺部については地すべり地帯ということで、先ほど言いましたように湯田町内で15カ所地すべり危険箇所が、これは地域防災計画の中に載っておりますけれども、それについては当該ルートにはなっていないと。ただ、先ほど委員からお話がありましたように、地すべりの形跡が見えるという調査結果になっておりますので、ルート上でそういう危険というか、そういう地すべりの存在するであろうというところについては、ボーリングをしながら、確認をしながら現在進めているという状況でございます。
 それから動植物につきましても、現在植物等も報告書の中では報告されておりますが、現在のルート上で重要なものについてはまだとっていないというのが現状でございます。
 それから動物につきましても、周辺でのツキノワグマとかそういうものの形跡がございますが、これについて、工事の中で分断しないような形の配慮をするとか、そういうことで今進めているところでございます。
 それから、B/Cの関係でございますけれども、先ほどのB/C、1.0につきましては、現在進めています1.1キロの区間についてB/Cを出した場合に、行きどまり道路という評価がまずあります。そういうことで、いずれ、通らないことには交通量がふえないということもありまして、そういう評価の内容があります。なかなかそういうことで、B/Cが上がってこないという事情にはなっています。
 それから、必要性ということですけれども、この事業そのものは、最終的には秋田県とつないで、最短経路で結ぶという目的でやっておりますので、そういうことでは必要な道路だと理解しております。

〇斉藤信委員 私、もう少し正確に紹介しますが、この雪くぼ地形というのは、こう言っているのですよ。雪や地すべり等が成因となったと見られるいわゆる雪くぼ地形と。そして、ほかのところには保全上の配慮事項ということで、計画路線のヘアピンカーブとなっている付近一帯は脆弱な構造を持つこれは軽石凝灰岩地帯であり、道路建設のためのカットによって地すべり性崩壊が発生しやすい危険性を有している。
 だから、900メートルで9億円かかっているのですよ、今まで。10年間かかって。これからまた10年間もかかって100メートル1億円の道路をつくるんですか。それでこの計画は、恐らく高速道路、107号の整備とどういう関連をあなた方は考えてやったのですか。実際にこの道路をやったって通りませんよ。地元住民に聞いてください、どれだけ活用するか。そしてこういう雪崩地帯、地すべり地帯ですから、維持・修繕費が莫大にかかりますよ。さっき20点のうちの15点が必要性となっているけれども、そういう客観的条件をあなた方は踏まえて出しているのですか、これは。そこを答えてください。

〇海野技術参事兼道路建設課総括課長 この道路の整備につきましては、いずれ秋田県六郷町それから岩手県の湯田町、これら両町の要請といいますか、そういう中で建設促進期成同盟会等も設立されて、いずれ、この道路の完成を非常に熱望していると理解しております。この期成同盟会は毎年早く完成してほしいという意味を込めまして、峠越えの中でいろいろ活動しているということもありまして、いずれ必要な道路であろうと理解しております。そういう意味で、現在進めている区間についての整備については進める必要があると思っておりますし、先ほどのヘアピンカーブのところの地すべりというものにつきましても、報告書の中で平成9年にそういう報告が出されまして、そのときは浅い状況の中でボーリング調査をやったということで、さらに平成10年度に深い面までボーリングをして、そこは地滑りではないという確認もとりながら進めているということでございます。

〇斉藤信委員 私が今あなたに紹介したのは、平成10年度、11年度の調査です。これは平成12年度に出された調査です。いいですか。誤解しないでくださいよ。
 それで私は、107号や高速道路が整備された段階で本当に必要性があるのですか、そういう検討したのですかと聞いているのですよ、今の段階で。それで必要度が15点なのですかと。もうこの事業を始めた段階と、10年たって全然客観的状況が変わっているのじゃないですか。そのことをお答えください。そして、これは来年公共事業評価委員会にかかりますね。そのことだけ聞いて終わります。

〇海野技術参事兼道路建設課総括課長 この道路の目的につきましては、秋田県と岩手県を最短ルートで結ぶというものと、この道路を使っての地域の活性化、こういうものが目的になっております。そういうことで、やはり確かに高速道路なり107号ということで立派な道路はできていますけれども、地域にとっては重要な道路になろうと認識しておりまして、必要性は高いものと思っております。
 それから、公共事業評価の関係につきましては、公共事業評価のルールにのっとって進めたいと思っております。

〇吉田昭彦委員 斉藤委員の津付ダムに関連いたしまして申し上げたいと思いますが、大規模事業評価委員会の答申を得まして、事業の促進を図ってもらいたいという流域住民の声なき声が多くあります。
 そこで、洪水不安、これはこれまでもいろいろ論議をされてきておるところでありますが、住田、陸前高田、流域住民の洪水不安は大変なものがあります。そういう意味では、津付ダムの建設はぜひとも必要だというのが流域住民の切なる願いであります。
 そこで、そのような地域住民の意向もそんたくしながら、環境対策それから地権者対策に万全を期しながら、引き続き流域住民の切なる願いを一日も早く達成できるように、当局のさらなる促進を求めるものでありますが、部長、いかがでしょうか。

〇橋本県土整備部長 津付ダムについてでありますけれども、先ほど来から担当課長が御答弁申し上げていますように、大規模評価専門委員会に諮りまして、県として推進するという方向性を出しています。その上で、条件について真摯に対応するということで、協議あるいは説明会も進めさせていただいていますので、その中で地域の方々の意向を酌み取りながら、必要な措置、整備を進めていきたいと考えています。

〇吉田昭彦委員 今、部長の力強い御答弁をいただきました。引き続き、流域の環境対策それから住民の理解、それから地権者対策には重ねて申し上げますが、十分な対策を講じながら事業の促進を図られるように求めまして、質問を終わります。

〇樋下正信委員 私も今、吉田昭彦委員と同じような関連になりますけれども、先ほど来から斉藤委員の、今回に限らず、私、1期目のときも同じように質問させていただいたわけでございますけれども、簗川ダムでございますけれども、こちらのダムも水需要のことを議論されておりますけれども、実は地元の方々からお話を聞きますと、水ばかりではないと。このダムができることによって、さまざまな振興につながるというような地元の方々からお話をされております。現在、道路とかさまざまな部分で工事が始まっておりますけれども、実は今始まっている工事に携わっている地域の方々がかなりおります。そういった中で、振興策ということでお話しになるわけでございますけれども、現在そうやって携わっている地元の方々もおりますし、また、このダムができることによって、地域の方々からはさまざまな活用が考えられるというようなお話もされております。例えば、観光面とか、東部に位置している簗川でございますけれども、東部においての林間を活用した事業とか、いろいろな話が今もう模索されたり出ているような状況にあります。ということから申し上げますと、水だけではなく、そちらの方からも大きな部分でのダムになるのではないかと考えるものでございます。
 また、アメリカのネバダ州というところにフーバーダムというのがあります。このダムは、アメリカで規模からいけば2番目のダムというように聞いておりますけれども、そこのダムは、水はラスベガスに供給しているし、電力も供給していると。そこに行ってみましたら、そこはもう一つの大観光地になっております。立体駐車場もついておりまして、365日、もう全世界から観光客が来ているような状況のダムでございます。ぜひ私は、この簗川ダムもそういう日本を代表するようなダムになっていただきたいと願うものでございます。部長の御所見をお願いしたいと思います。

〇橋本県土整備部長 簗川ダムについてでありますけれども、簗川ダムにつきましても先ほど来から御説明申し上げておりますように、多目的ダムとして鋭意整備を進めているところでありますし、付替道路の106号も、おかげさまをもちまして大分形が見えてきた段階にございます。ダム完成の暁には、ただいま委員お話しになりましたような、本来に加えた目的も可能かと考えておりますし、また、通常私どもが施行しておりますダム事業におきましても、完成に合わせて周辺環境整備等をやることにしておりますので、できる限り早く完成に向けて努力してまいりたいと考えております。

〇大宮惇幸委員 斉藤信委員の花巻大曲線の湯田工区に関連いたしまして質問いたしますが、実はこの工区を私は今年の8月に、幸か不幸か間違ってその道路に入ったわけなんです。何の道路だろうかなと思ったわけでありますが、今、課長のお話を聞きますと、地元の要望も強いし期成同盟会もあると、要望があるということでありますが、実は問題となっておりました松尾と雫石にまたがる奥産道路なわけであります。これもまだ両町村の強い要望があります。そして期成同盟会も生きております。当然行きどまり道路になっておる道路であるということは御承知だろうと思いますが、花巻大曲線を開通するならば、やはり今工事を中断しております奥産道だって、行きどまりの道路ではなく私は結んでほしいと、こういうことでございます。
 そこで、県土整備部長、この奥産道の整備の再開についての御所見を伺いたいと思います。

〇橋本県土整備部長 奥産道の再開のお話でございますけれども、これにつきましては再開を断念したということで、現在そういう状況になっておりまして、自然条件の回復等について、今、鋭意努力をしているところでございますので、当面、そちらの方に私たちは傾注すべきだと考えているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。

〇菊池勲委員 余りにもお粗末な御議論なのだよ、花巻大曲線。奥羽山系の中に湯田町と沢内村という大きな自治体がある。私、選挙区なのだな。これが完成したらば、あの村は今、平成17年の3月の合併に一生懸命努力している。何十年以来の合併なのだ、これ。私ども北上は、旧和賀町、江釣子村が北上と合併したのは平成3年の4月1日だ。そのとき、おれは県議会議員ではなかったから選挙区ではなかったのだけれども、この村と町をずっと岩手県の中において離したって、すぐ隣は秋田の山内村なのだね。県境だから合併できるので、二つで合併する世紀の1回目の合併なのだ、これ。私は花巻大曲線が完成すると、恐らくこの世紀の将来には、花巻と北上が合併する時代が来るだろうと。この大曲線からすれば、湯田、沢内も吸収できるというのが大きな路線なのだよ、これは。秋田に通じなくて、岩手県内に、8の字路線の1本なのだ、これ。沢内村は、盛岡横手線1本しか県道がないのだよ。あとは全部村道ですよ。そこに暮らしている村民のために私は政治を展開しているわけだな。な、賢輔委員、そうだよな。そこをただ、大宮委員、必要ないからうちの奥産道をやってくれとか、こちらは当時の計画で今107号、秋田線ができたらそんなの要らないだろうという議論には全く外れている議論なのだ。な、斉藤委員。ちゃんと聞いてよ、おれしゃべっているのに。私はこれを早く完成させて、そして次の段階に行政の統合なども視野に入れながら、立派な8の字路線の1路線なのだ、これ。ね、部長。どう思うかね。おれはそう認識しているのだよ。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

〇大宮惇幸委員 菊池委員が今、私の発言に、いわゆる花巻大曲線の、私はやめろとは言っていません。それを完成するならば、奥産道も考えてみていただきたいと、こういう内容で発言したわけでありますが、その辺、菊池委員、御理解をいただきたいと思います。

〇菊池勲委員 間違って入ったらこれはどこに行く道路かわけがわからない、けもの道入ったような話をするものだからこういう議論になるわけだよ。これを立派な幹線道路にしようとするならば、行政の統合にも使える道路だということを私は言っている。だからこそ、大きな金をかけて山の中、奥羽山系の中を一生懸命トンネルを通しているのだ。ね、斉藤委員。これを認めなければ、何も秋田に行くだけが能じゃなくて、結論的には道路ですから、だめだから秋田県に抜くような格好になっているけれども、秋田線もできる、107号も整備している。だけれども、これは要らないという議論にはならないということだ。ね、部長。答弁してや。

〇橋本県土整備部長 ただいま菊池委員お話になりましたのは、花巻から沢内までのお話が8の字路線ということで、それは現在も着実に進めさせていただいておりますし、大宮委員がおっしゃったのは、さらにそこから秋田に行く路線でございますから、同じ路線ではありますけれども、箇所が多少違っておりますので、そのとおり御理解をお願いしたいと思います。

〇小野寺好委員 本県の交通の大動脈であります国道4号でありますけれども、関係各市町村では早期の完全4車線化、毎年毎年お願いしているところでありますけれども、15年度はどの程度これが進められたかお伺いしたいと思います。
 また、盛岡市内の茨島跨線橋以北、話題にはなりますけれども、進みぐあいが全く一般の者には見えないので、どのような見通しになっているのかお尋ねしたいと思います。
 国道4号を含めて県内の交通渋滞箇所、なかなか解消されません。私ども公明党岩手県本部で昨年9月、井上衆議院議員ともどもこういった渋滞箇所を調査いたしまして、国土交通省の岩手河川国道事務所に改善を申し入れたりなどしておりますが、15年度において緊急渋滞対策街路事業、こういった部分でどのような成果があったかお尋ねしたいと思います。

〇橋本県土整備部長 国道4号の4車線化についてのお尋ねでありますけれども、そのうちの平成15年度の実績はいかがかということでありますが、国道4号は平成15年4月1日現在、196.1キロメートルの実延長、本県内でございますが、それに対しまして53.5キロメートルが4車線化となっているところでありまして、その4車線化率は27.3%でございます。平成15年度は盛岡市厨川地内の500メートルと、北上市大堤地区の200メートルが4車線化となっておりまして、4車線化率としては27.6%に上がったところでございます。
 それから、茨島以北の今後の見通し、先が見えないがという、あるいは進みぐあいが見えないがというお尋ねでありますけれども、茨島跨線橋以北の道路整備につきましては、国におきまして、当該区間の道路整備のあり方について検討を重ねてまいりました国道4号盛岡滝沢道路懇話会の提言を踏まえまして、現在、計画路線の都市計画決定に向けて検討を進めているということを聞いているところであります。県といたしましては、この区間の拡幅改良整備は盛岡都市圏の交通渋滞緩和に大きな効果をもたらすと認識しておりまして、早期に事業着手するよう、これまでもさまざまな機会を通じまして国に要望してまいったところでありますけれども、今後とも引き続き強く働きかけてまいりたいと考えてございます。
 その他の御質問につきましては、それぞれ事業担当をしています総括課長等から答弁させますので、御了承をお願い申し上げます。

〇平井都市計画課総括課長 御質問の緊急渋滞対策街路事業につきまして、これは決算書の方では渋滞スポット解消街路事業と私たちの方では受けとめてお答えさせていただきます。
 この事業は、県独自の施策として平成11年に実は創設いたしまして、15年度までの5カ年の事業として取り組んできたところでございます。箇所的には、盛岡市、二戸市など県内7カ所において右折レーンの設置による交差点改良、それからバスベイの設置など、局部的な、スポット的な整備をこの事業の中で行ってまいりました。
 平成15年度の成果ということでございますけれども、盛岡市南仙北におけるバス停の整備、それから歩道の整備が終わっております。それから滝沢村の迫地区、これは滝沢ニュータウンの滝沢鵜飼小学校の方の交差点と考えていただければよろしいかと思いますが、そこの右折レーンの設置が終わっております。それから、二戸市の落久保の右折レーンの設置、これは合同庁舎があるところから二戸大橋というものがございますけれども、それに右折レーンをつけさせていただいた、この計3カ所が終わりまして、こういう整備を進めて渋滞緩和の措置を講じてきたということでございます。
 その結果として、具体的な事例といたしましては、二戸市の落久保交差点では、そこ1カ所だけ調査させていただきましたけれども、渋滞延長、通勤・通学時250メートルあったというのが、それが90メートルまで減ったということで、その成果は認められております。

〇小野寺好委員 次ですけれども、ダムの土砂堆積、これに対して土砂の流入防止とかしゅんせつに関してどのような対処をしているかお伺いしたいと思います。
 特に、盛岡市内の四十四田ダム、これは国土交通省が事業主体なんでありますけれども、ことしあたり、北上川に対して非常にたくさんの放流がありまして、いまだかつてなかったような盛岡市内の館向とか材木町のあたり、非常に住民の不安が増しております。洪水調整機能が本当に大丈夫なのかという、そういった心配がありますけれども、このことをまずお尋ねしたいと思います。
 あと一関の方で、一関遊水地に増水の状況がわかるような、インターネットで見ることができるようなそういった仕組みがあると2年くらい前に聞いておりますけれども、確かに危険な増水をしているところに近づくというのは非常に危ないことなので、そういったもので確認できればと思いますけれども、こういった装置、ほかにはふえているんでしょうか、お尋ねしたいと思います。

〇若林河川開発担当課長 ダムは一般的に上流域の地質の状況などによりまして、通常100年分の流入する土砂量を想定いたしまして、堆砂として必要な容量を算出してダム規模を決定しております。御指摘の四十四田ダムでありますけれども、現在計画を上回る堆砂が進んでおります。しかし、まだ洪水調節機能に影響は与えてはおりませんけれども、非常に進行状況が激しいということで、貯砂ダムの設置など恒久的な堆砂対策について検討を進めていると伺っております。
 また、洪水についてでありますが、ことしの9月29日、台風21号での大雨の際には、昭和43年にダムができたわけですが、それ以来、最大の流入量毎秒960トンありまして、ダムでは毎秒460トンほど洪水調節をいたしまして、ダムからの放流量毎秒500トンに抑えたということで、何とかダム下流域の浸水被害を軽減したと聞いているところであります。

〇佐藤河川課総括課長 お尋ねの洪水時の情報等カメラで見られるかというお尋ねですけれども、ライブカメラで見られるのはそれほど多くはございません。県内では木賊川に1カ所つけておりまして、インターネットによって木賊川の状況がわかるようになっております。
 洪水時の情報につきましては、雨量や水位の情報を、今、河川課のホームページで公開しておりまして、また、携帯電話からでも情報が入手できるようになっております。

〇小野寺好委員 ことし我が国に台風が10回上陸したということで、非常に各地に災害をもたらしておりますけれども、報道とかを見ていますと、まさか自分が避難所生活を送るとは思わなかったと、そういった声が本当に多く聞かれます。
 そこで、災害対策として本県で河川、橋梁、トンネル、こういった部分について緊急に対処すべき箇所の調査、また、措置がどの程度なされたかお伺いしたいと思います。あわせて通常の凍雪害対策費、これの内容をお聞きしたいと思います。

〇佐藤河川課総括課長 災害対策についてでありますが、先ほども斉藤委員の御質問にお答え申し上げましたが、ことしの大災害を契機にしまして、緊急に堤防を点検したところでございます。また、平成14年7月の災害対応につきましては、砂鉄川におきまして、国、県で災害復旧に関する事業をそれぞれ進めております。また、砂鉄川の上流部にあります猿沢川あるいは興田川などにおいても、災害関連事業等において取り組んでいるところでございます。

〇畠山道路環境課総括課長 橋梁、トンネル等についても同じく質問でございましたけれども、まず橋梁でございますけれども、防災点検について御説明申し上げます。
 阪神・淡路大震災を契機にいたしまして、平成8年、9年の2カ年にわたりまして、道路総合防災総点検を行ったところでございます。この結果、対策が必要であるという結果が出た橋梁が678橋あります。現在、順次、耐震補強と申しまして落橋防止対策、それから橋脚補強を進めているところでございます。
 それから、トンネル点検ということでございますけれども、トンネルで最も危険とされます坑口部の点検につきましては、平成8年2月10日に北海道の豊浜トンネルの岩盤崩落事故がありまして、その際にトンネル総点検をした結果、大体危険が予想されるというトンネルは21カ所、それからロックシェッドが9カ所、あわせて30カ所ありましたけれども、これらについては、ロックボルトとかそれらの対策は平成12年度まで完了してございます。
 凍雪害対策費のことでございますけれども、まず、凍雪害対策事業ということでございまして、皆様御承知のとおり、本県全域が寒冷地帯であるということでございます。そのうち、沿岸部を除く78%が積雪地域の厳しい条件下にあります。このことから、特措法がございまして、積雪寒冷特別地域における道路交通確保に関する特別措置法に基づきまして、円滑な冬季の交通の確保を図るために、凍雪害事業によりまして路面消雪工、堆雪帯工事、雪崩、地吹雪対策などを進めているところでございます。
 主な箇所といたしますと、国道106号川井村門馬地区とか国道282号安代町の赤坂田地区、防雪対策工事としましては、国道340号遠野の土淵地区などを整備してございます。

〇小野寺好委員 平成14年12月の一般質問の際に、盛岡市内の県管理河川、簗川、木賊川、南川の改修についてお尋ねいたしましたが、その後どう進められていますでしょうか。
 例えば、南川については二層構造で進めると聞きましたけけども、その後2年間、全く見えないような気がします。その辺お聞きしたいと思います。

〇佐藤河川課総括課長 盛岡市内の県管理河川の改修の状況でございます。
 まず、簗川につきましては、河川改修とダムを組み合わせた治水対策を現在進めておるわけですが、河川改修につきましては、北上川合流点から上流4キロの地点までは河川改修は概成しているところです。
 それから、木賊川についてでございます。木賊川の改修計画は、木賊川と巣子川の合流点に設置する遊水地と木賊川から諸葛川へ分流するための分水路、それから分流先となる諸葛川の一部河川改修と、それと木賊川の河道拡幅工事からなっておりまして、当面は、早期に事業効果が期待できる分水路を先行して実施しようと考えているところでございます。
 木賊川の河川改修事業の進捗率は、16年度末で、事業費ベースで約8%の見込みでございまして、今後、早期に工事に着工できるように進めていきたいと考えております。
 次に、南川でございます。南川につきましては、今委員御指摘のとおり、二層構造の河川で改修する計画としております。この計画は、北上川合流点から国道4号までの区間については県が統合河川整備事業として実施しておりまして、16年度末での進捗率は24.1%見込んでおります。また、国道4号から上流につきましては、盛岡市が都市基盤河川改修事業として実施しておりまして、進捗率は16年度までで28.7%を見込んでいるところでございます。

〇小野寺好委員 最後、公営住宅の駐車場についてお伺いいたします。
 一律に、1世帯1台について県営住宅の場合は整備が終わりましたということなんですが、こういった車社会になりまして、実態は1台を超えて持っているということで、路上なんかでマイカーが占拠しまして、あるいは住民同士で場所の取り合いのいさかいになったり、場合によってはタイヤにきりで刺したりとか、そういったことまで起こったりしている例がありますが、一律にやっているものを、場合によっては郊外と市街地とで別な扱いにしてもいいような気もしますが、その辺の対処についてお伺いしたいと思います。

〇日野建築住宅課総括課長 県営住宅におけます駐車場の整備についての考え方でございますけれども、委員御指摘のように、私どもといたしましては、1世帯1台ということで整備を進めさせていただいてございまして、本年9月末現在におきまして、管理戸数5、122戸ございますが、駐車場、順次整備を行っておりますがまだ100%にはなっておりませんで、4、675区画を整備いたしておりまして、整備率91.3%ということになってございます。
 今後の整備につきましてでございますけれども、私どもといたしましては、県営住宅に入居をしていただく際に、1世帯当たり1台ですよということで、そういうことを明記いたしました入居者のしおりを配付いたしますとともに、お入りいただく方に十分に御説明も行わせていただいておりまして、入居の方に御理解をいただいた上で入居をいただいていると考えております。しかしながら、昨今の状況などを考えますと、さらに入居者の方々に理解をいただくように努力をいたす必要があろうかと考えておるところでございます。
 なお、現在の敷地の状況、立地状況などから考えますと、駐車場の整備に当たりまして、市街地の団地はもとより、郊外の団地におきましても、利用できる敷地についてはすべからく駐車場という形で利用させていただいておりまして、郊外であっても2台の駐車場を確保することにつきましては物理的にも困難な状況になってございますので、入居者の方に十二分に御理解いただくように今後とも運用面で努めてまいりたいと考えておるところでございます。

〇川村農夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇川村農夫委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 この際、山内警察本部長から、先般の人事異動により新たに就任された方を御紹介願います。

〇山内警察本部長 警察本部で人事異動がありましたので、紹介させていただきます。
 去る11月9日付で東北管区警察局総務監察部監察官から山手康男警視正が当県警警務部長に就任いたしました。

〇山手警務部長 警務部長の山手でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)

〇川村農夫委員長 以上で人事紹介を終わります。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。

〇山内警察本部長 平成15年度におきます警察費の決算について御説明申し上げます。
 お手元の平成15年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。第9款警察費の歳出予算現額は303億3、675万円余であります。これに対して支出済額は300億5、029万円余となっております。また、平成16年度への繰越額は6、210万円余となっております。不用額は2億2、434万円余であります。
 以下、個々の内容につきましては、平成15年度歳入歳出決算事項別明細書により、項目別に御説明申し上げます。
 250ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費の支出済額775万円余は、公安委員の報酬など、公安委員会の運営に要した経費であります。第2目警察本部費の支出済額249億9、238万円余は、職員の給料や手当などの人件費が主なものであります。このほかに、警察業務の高度情報化のための警察情報管理システム開発事業費、駐在所勤務員と同居して警察業務に協力している奥様などに支給している駐在所等報償費などに要した経費であります。次に、252ページをお開き願います。第3目装備費の支出済額3億1、847万円余は、犯罪捜査などに的確に対応するための警察装備品の整備と維持管理に要した経費で、警察機動力の中枢である警察車両などの購入のほか、車両、警備船、航空機の維持管理などに要した経費であります。第4目警察施設費の支出済額10億183万円余は、治安維持の根幹をなす警察署、交番、駐在所などの施設整備や維持管理に要した経費であります。主な施設整備といたしましては、交番・駐在所を4カ所新築したほか、職員待機宿舎4棟を改修整備したところであります。第5目運転免許費の支出済額5億2、425万円余は、交通事故防止を図るため、高齢者講習、運転免許の行政処分を受けた者に対する処分者講習など、運転者対策に要した経費であります。次に、254ページをお開き願います。第6目恩給及び退職年金費の支出済額8、629万円余は、恩給及び退職年金の支出に要した経費であります。
 次に、第2項警察活動費第1目一般警察活動費の支出済額6億734万円余は、交番機能強化の一環として、交番相談員を配置するなど、安全な地域づくりを推進するために要した経費のほか、新通信指令システムの整備などに要した経費であります。第2目刑事警察費の支出済額3億4、476万円余は、少年の非行を防止するための活動、悪質巧妙化する犯罪に対する的確な捜査取締活動及びハイテク犯罪に対処するための活動などに要した経費であります。次に、256ページをお開き願います。第3目交通指導取締費の支出済額21億6、719万円余は、交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、交通指導取締活動の推進などのほか、交通安全施設の整備拡充などに要した経費であります。平成15年度における交通安全施設整備の主なものは、交通管制センターの整備充実、幹線道路における交通の円滑化対策、交通弱者等の保護対策、主要幹線道路の交通事故防止対策などであります。
 次に、繰越明許費6、210万円余は、交通信号機の移設や建てかえ工事に伴うもので、道路管理者の工事がおくれ執行できなかったため、本年度に繰り越したものであります。
 以上をもちまして平成15年度における警察本部関係の決算の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

〇川村農夫委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇阿部敏雄委員 新潟中越地震救助に関連してお伺いいたします。
 先般の地震で被害に遭われました方々にお見舞い申し上げますとともに、県警の皆さん方には、この広い県土の治安、そして生命、財産を守っていただいていることに対しまして感謝を申し上げまして質問させていただきます。
 新潟県中越地震には、当県からも多数の職員、ボランティア等の人員派遣や救助物資など支援活動を行っているところでございます。この震災に当たっては、さまざまな場面において私たちは大きなショックと感動を受け、そして反省、教訓を突きつけられたわけでございます。本日は警察本部の審査でございますので、その中から災害救助について伺いますが、この震災で10月23日夕方から行方不明になっていた長岡市内の母子3人が土砂崩れに巻き込まれ、二次災害の危険がある中、その捜索・救助に当たったのが東京消防庁のハイパーレスキュー部隊であります。まことに格好いい名前でありますが、その救助の様子が盛んに報道され、一躍名を上げたところであります。私も、この場面についてのテレビは何十時間も見ておりました。その中で救助の様子が盛んに報道されたわけでございますが、皆川優太ちゃん2歳が4日ぶりに無事救出されたわけで、子供の生命力の強さに感動いたしました。新聞の報道の中には、まさにこの優太ちゃんこそは神の子ではないか、神様の子だということも報道されておりました。残念ながらお母さんとお姉ちゃんの真優ちゃん3歳は結果的に遺体で収容されるという痛ましい結果となったわけですが、この救助活動は、全国の国民が最も注目した場面であります。
 テレビ画面で見ておりますと、ハイパーレスキューのオレンジの服がまことに頼もしげに見えたんですが、ふとこのオレンジの中にブルーの服がまじっていることに気づき、また、以後、現場が遺体収容作業になりますと、救助隊はオレンジからブルーに変わっておりました。これはもうテレビを見た方々だれしもがそう感じたと思っております。最初のハイパーレスキューのイメージが余りにも強過ぎて、このブルーも消防隊であろうと思っておりましたが、後で聞きますと、警察の広域緊急援助隊であったそうであります。皆さんは聞いたことがありますか。私もびっくりしました。これだけの活動をしていながら、余り国民、また県民には知られていないようであります。
 今回の震災で自衛隊と消防はその活動を大いに紹介されていながら、同じような活動をした警察の影が薄いのは、明らかにPRの不足ではないでしょうか。PRと言えば語弊がありますが、啓蒙の仕方が少なかったのではないかと思っております。もう少し国民、県民に警察の活動を理解してもらう必要があるのではないでしょうか。岩手県もPRが下手ですが、先般いろいろお話が出ましたがんばらない宣言には4年間で2億円の金が使われたようですが、それまでしなくても、やはり県民に警察の活動というものをある程度PRすべきだと思います。
 この広域緊急援助隊には、岩手県警からも機動隊を中心に15名の隊員と車両3台が派遣されたとの報道もありますし、その隊員は、埼玉国体の警備から帰ったその足で新潟に出動したと報道されました。また、全国ニュースで、ビルに取り残されました72歳の女性が救助された映像が流されました。新聞にも報道されました。救出に当たったのは岩手県警の隊員だったそうであります。
 このような立派な活動をしているわけですから、ぜひこの場で広域緊急援助隊の発足経緯、今回の震災派遣での活動状況など、PRも兼ねてお話しいただき、県民からの信頼をより確かなものにしていただきたいと思います。

〇佐藤警備部長 広域緊急援助隊は、阪神・淡路大震災の警備の教訓などから、大規模な災害等が発生した場合に、迅速かつ的確な警備活動を行うため、平成7年6月1日に全都道府県警察に設置されたものであります。全国の隊員数は約4、000名と承知しておりますけれども、岩手県警察では、機動隊や交通機動隊の隊員の中から50名ほど選抜いたしまして、訓練等を積みながら有事に備えているところであります。
 去る10月23日に発生しました新潟中越地震におきましては、その任務が行方不明者の捜索と救助ということでありましたので、救助機材の操作等に習熟した隊員15名を選抜いたしまして、要請のあった5日間派遣したところであります。本県の部隊は、主として小千谷市内で活動しておりましたけれども、委員御指摘のように、10月27日に72歳の女性を救助いたしまして、その状況は、新聞、テレビ等で報道されたところであります。
 県警察といたしましては、今後とも部隊の充実強化に努めまして、県民の期待にこたえてまいる所存であります。なお、委員御指摘のPRという面につきましても十分配意させていただきたいと思っております。

〇阿部敏雄委員 今の佐藤警備部長からの答弁に関連して、今回、出動された広域緊急援助隊員への手当がどうなっているのか、派遣に対する処遇はどうなっているのかお聞きしたいと思います。いかに職務といいながらも、自分の生命を顧みず、その後の余震が6度、本当にテレビ画面を見ていても、もしその地震が起きたらその隊員の方々の命はなくなるんです。しかし、職務であるから自分の生命を顧みず救助に当たっていることを考えたとき、やはりそれに対する処遇についてはきちんとすべきだと。過酷な勤務条件の中で活躍されているわけですから、厚い処遇があってもいいと思います。我々がやれないことに警察は職務といいながら家族を捨てて行っているんです。テレビを見ていて、その家族は、この岩が倒れたらお父さんが即死するというような状況です。それは県警の方は私以上に知っていると思います。うちの子供すらもそれを話していました。県民からその処遇に対して反対はないと思います。絶対心配ないと思います。胸をたたいて、任せなさいと言って、ぜひ頑張ってほしいと思います。

〇山手警務部長 派遣した隊員に対する手当でございますけれども、今回の広域緊急援助隊の派遣につきましては、国費の旅費及び県費の手当が支給されております。旅費につきましては、部隊出動の扱いになりますので、警察庁旅費取扱規則によりまして1人一律1日1、700円、これは日当でございます。あと、宿泊料としまして1泊3、900円が支給されます。なお、今回の出動は4泊5日でございますので、1人2万4、100円の旅費が支給されることになります。
 なお、手当として申し上げますと、災害などの警備に出動した場合に支給される災害応急作業手当が1日840円ということで、3日分で2、520円が支給されることとしております。なお、出動した隊員は超過勤務を行ったわけでございまして、超過勤務手当1人19時間分が支給されることになります。

〇阿部敏雄委員 金額を皆さんはどう聞き取ったかわかりませんけれども、やはりこの件については県警は予算措置をとるべきだと思います。それに対しては……(斉藤信委員「あるのか、予算」と呼ぶ)、斉藤委員は反対かもしれませんけれども、あとの皆さんは本当にもろ手を挙げて賛成すると思いますので、どうか勇気を持ってよろしくお願いいたします。

〇平沼健委員 私は、1点についてお尋ねいたします。
 県内沿岸部、今、寒い時期に入ってきまして、サケ、そしてまたアワビの時期でございまして、そこで、密漁事案の検挙状況と防止対策について伺いたいと思っております。
 本県の水産業を取り巻く現状は、国際漁業規制の定着や周辺水域の資源状況の悪化などから漁業生産量が著しい減少傾向を示していることに加え、輸入水産物の増大により魚価が低迷し、大変厳しい状況にあり、漁業従事者は、その生活を守るため日々さまざまな努力を重ねているのですが、明るい兆しはなかなか見えてまいりません。特に、サケ、ウニ、アワビなどは本県漁業の重要な資源でありますが、この厳しい水産業の現状に追い討ちをかけるように、これらをターゲットとした密漁が日常的に行われ、漁業関係者の生活を脅かし、また、本来のなりわいに加えて、密漁監視という負担までも背負わされている状況に私は激しい怒りを感じております。密漁者の多くは暴力団などが関与し、組織的な犯行を繰り返していると聞いておりますし、ほとんどが県外の者であるとも聞き及んでおります。
 そこで伺いますが、平成15年度における密漁の検挙状況はいかがだったでしょうか、本年の状況とあわせてお聞かせいただきたいと思います。
 また、この防止のためにどのような対策をとっておられるのか、地元の漁協や県、海上保安署など関係機関との連携も含めてお聞かせ願いたいと思います。

〇細田生活安全部長 最初に、平成15年中における県内の密漁事案の検挙状況でございますが、6件、9人となっております。前年比1件、2名の増加でございます。主な検挙内容といたしましては、がらがけを使用したサケの密漁や非組合員によるウニ、アワビの密漁でございます。
 また、本年10月末現在の検挙状況ですけれども、15件、23人で、前年に比べて9件、14人の増加となっております。特に、10月に検挙いたしましたグループによるアワビ密漁事件では5人を逮捕し、さらに密漁したアワビの買い手側も逮捕しており、今後の密漁に対する抑止効果も大きかったものと考えております。
 次に、防止対策でございますが、密漁事案は、委員御指摘のように、本県の漁業資源と漁業関係者の皆様の生活基盤を脅かす極めて悪質な犯罪でありますことから、平成14年4月から警部1名を県漁業取締事務所へ派遣するとともに、沿岸を管轄する警察署においても、各漁協を初め、海上保安署、県漁業取締事務所等関係機関との情報交換等による連携や警備船等による合同訓練も実施しているところでございます。また、本年11月にも実施いたしましたけれども、沿岸ブロックの警察署が一体となったプロジェクト体制による警戒及び取締活動も推進しているところであります。
 警察といたしましては、今後とも関係機関・団体との連携を一層緊密にするとともに、隣接県の警察とも連携しながら取り締まりの強化を図ってまいりたいと考えております。

〇平沼健委員 私も沿岸に住む一人といたしまして、密漁に対する県警察の徹底した取り締まりを望むものでありますし、また、大いに期待しております。
 今、アワビの大がかりな密漁というお話がございました。この密漁、毎年の状況を見ておりますと、大がかりな、見張り役とか、あるいは物流をちゃんと決めた形での密漁、あるいは釣り客を装った形での密漁、いろいろな形があるようでございます。アワビなんか、現在、口開けといって、朝6時から8時までとか時間を決めて、しかも年に四、五回しかとれない。沿岸漁民は、資源保護といいますか、そういう形でもって大事にしているわけでございます。
 県警の皆さん方の取り締まりに期待することもございますけれども、やはりこれは、私を含めた沿岸に住んでいる住民が個々にお互いに監視をするというか、日常生活の中でもっと意識を高める必要があると思っております。そういうことで、何かその件につきまして御所見があればお聞かせいただきまして終わります。

〇細田生活安全部長 住民の皆さんに対する意識の啓蒙ですけれども、沿岸警察署においては、特にさまざまな各級のレベルの会議あるいはミニ広報紙とか地域警察官によります巡回連絡等を通じまして密漁等の実態を広報あるいは理解してもらって、住民の皆さんの視点での、委員がおっしゃっていました監視とか、そういった意味で早期の積極的な情報提供を促していきたい。そのためにいろいろな広報をしたい。今回の例でお話ししましたけれども、買い手側にそういった逮捕者が出たことも一つの抑止力になるのかなと。そういった意味での警鐘あるいは指導も考えていきたいと考えております。

〇佐々木俊夫委員 関連でございますので、通告しておりません。
 警察当局は、1人の犯罪人をつかまえるために相当な努力をされて成果を上げているわけです。そして逮捕して起訴、それぞれ手続があるわけでありますけれども、皆さんが受けている感じは、どうも罰則が弱いのではないかと。あれだけの悪いことをしているのに、若干の罰金を払って、またその人が繰り返すようなこと、そういう事例があるのではないかということで、もっと罰則強化をすべきだ。これは確かに警察当局というよりは水産資源保護法等のことでございますけれども、やっぱり警察当局の方からこの罰則では甘いという意見が出てきませんと、また、世論が必要だと思うんですが、いかがでしょう、その辺の感覚は。

〇細田生活安全部長 罰則の甘さということでございますが、これは岩手ばかりの話ではございませんで、県警といたしましては、他の法令もあわせて活用あるいは駆使する、そういった視点で考えていきたいと思っております。

〇ザ・グレート・サスケ委員 私からは、まず、いわゆるおれおれ詐欺についてお尋ねいたします。
 本県における平成15年度の発生・被害状況は前年度と比較してどのようでしょうか。未遂も含めました発生件数や被害金額の比較データなどがあれば教えていただきたいと思います。そして、平成15年度の具体的な対応策はあったのでしょうか教えていただきたいと思います。あわせて、被害の窓口になってしまう金融機関との連携した対応策などはとられていたのでしょうか。
 そして、おれおれ詐欺という名称、呼び名なんですが、これは鳥取県警が暫定的に使ったことから名前だけがひとり歩きしている感があるんですが、現在、広島県警ではなりすまし詐欺と呼んでいるということで、本県ではこの呼び名をどのようにするつもりでしょうか。まずはこの点をお尋ねいたします。

〇伊東刑事部長 最初に、本県におけるおれおれ詐欺の平成15年の発生状況でありますけれども、認知件数が135件、うち既遂が76件、未遂が59件であります。被害総額が約4、200万円であります。本年1月から11月末までの発生状況でありますけれども、認知件数が326件、うち既遂が84件、未遂が242件、被害総額が1億1、900万円と、おれおれ詐欺の発生件数、被害金額とも2倍強の増加となっている状況であります。
 具体的な対応策、金融機関と連携した対応策でありますけれども、県警では、おれおれ詐欺に関しまして、いわゆる通帳詐欺で40件、11名を検挙しているほか、関係機関・団体と連携して広報等に努め、被害の未然防止を図っているところであります。また、身近な知能犯罪抑止対策班を警察本部に設置いたしまして、おれおれ詐欺はもとより、預貯金口座の不正開設・売買等犯罪を助長する行為に対する取り締まりを強化するとともに、金融機関防犯対策会議等の開催あるいは犯行に使用されている預貯金口座に対する取引停止依頼等、金融機関と連携して被害の防止対策を進めているところでございます。
 三つ目が、おれおれ詐欺を広島県警ではなりすまし詐欺と呼んでいるが、本県ではどうかということでありますけれども、おれおれ詐欺の手口は、当初、孫等の身内を思う人のよい高齢者等を標的にして、近親者を装った電話で現金の振り込みを要求していたというものですけれども、最近では、複数の者が役割を分担する、例えば交通事故示談を口実に、被害者の夫あるいは警察官、弁護士、保険会社の担当者等、劇場型とも言われておりますけれども、それぞれ役割を担った者が次から次へと登場して、間髪を入れずに相手を困った状況といいますか、パニックに陥れて、次から次へと考えさせる余裕もなく金を振り込ませるという巧妙な手口がふえてきているということであります。このおれおれ詐欺の名称につきましては、種々の意見が出ているところでありますけれども、けさの新聞でもありましたけれども、警察庁では、全国的におれおれ詐欺と架空請求詐欺及び融資保証金詐欺を総称して振り込め詐欺、振り込みではなくて振り込め詐欺――こういうふうにして振り込めということから来ているんだと思いますけれども――と呼称して国民に注意を喚起しているということで、これは、全国的に警察庁の方で指導しておりますので、当県といたしましても今後は振り込め詐欺ということで、この三つの手口を総称してそういうふうに指導していきたいと考えております。

〇ザ・グレート・サスケ委員 今後は振り込め詐欺ということで、どうぞ具体的な対応策をどんどん打ち出していただきたいと思います。
 私は、ちょっとした印刷物のようなものを金融機関の全窓口に置いたりとか、あるいは自宅の電話の前に張り出して、簡単なイラスト入りの対応マニュアルなどのようなものを配布すると大分効果が上がるのではないかと思います。
 最後に、幼児・児童連れ去り事件についてお尋ねいたします。
 今月既に県内でも3件の未遂事件が起きているようですが、先ごろの一般質問でも取り上げられておりましたが、平成15年度に行われた幼児・児童連れ去り事件についての具体的な対応策はございましたでしょうか。また、昨日の教育委員会審査でも、防犯講習会、地域ボランティアあるいは教員による同伴下校もしくはシニア・OB警官を配置するとか防犯ブザーの貸し出しとか、こういった警察との連携策の答弁がございましたが、私は、このような対応策というのは全く絵にかいたもちで、効果がないと思うんです。精神を病んだ大男が出刃包丁を持って敷地内に突如乱入するというのが実際起きている事件でございますから、やはりシニア警官とかOB警官という対応では手に負えないと思うんです。例えば全小学校の下校時間に合わせて警察官を配置するなどの措置は行われたのでしょうか、あるいは今後行うのでしょうか、この辺をお尋ねいたします。

〇細田生活安全部長 いわゆる連れ去り事案についてでございますが、平成15年度の具体的対応策につきましては、学校の先生や保護者が子供の安全教育として活用する子ども防犯テキスト、こういうものでございますが、これのカラー版で、これにCDをあわせて、県内の全小学校、460校余りと聞いておりますけれども、ここに配布いたしております。これは、さまざまなケースを想定して、紙芝居とか漫画的に具体的に絵で示してありますので、非常に使いやすいと聞いております。現場で有効活用されていると思います。このほか、従来から実施しております幼稚園、学校等と連携した防犯教室の開催、不審者に関する情報提供、緊急避難場所としての子ども110番の家、これは11月末現在で県内1万2、000件余でございますけれども、そういった設置を推進しているところでございます。
 また、二つ目の下校時間帯等の警察官の配置ということでございますが、委員御指摘のとおり、非常に全国でもこうした事案が頻発しておりますので、本県においても、地域警察官を中心としてパトロール活動を強化しているところでございます。また、不審者が出没するなどの具体的な情報を把握した際には、これもお話ありましたが、登下校時間帯に合わせて、通学路を重点としたパトロール活動を実施しているところでございます。また、これもお話ありましたシニアポリス、警察官のOBとか防犯隊あるいは学警連とか、そういった方々のお力もいただいてパトロール活動をあわせて実施しているところでございます。

〇伊沢昌弘委員 サスケ委員の質問に関連するんですが、私もおれおれ詐欺、架空請求に関してお伺いしたいと思っていたわけであります。
 毎日のように取り上げられていて、新手なものも出てくるということで、私からは、今お話がありましたように、彼らも、単なるおれおれ詐欺から劇場型を含めて、いろいろな脅迫型、進化があるような気がするわけであります。やっぱり進化に追いついていかないと予防もできないという意味から、現在までに県警で把握している新手のものについてお伺いしたいと思っています。
 なぜこれを聞くかといいますと、私の周辺で、広告詐欺といいますか、新聞に広告を載せて、電話で注文をとった。名前だけぽろんと載せて、どこのだれとも言わない。何とも書いていない、名前だけです。伊沢昌弘と書いたようなものに数万円払え、こういうことで来るわけであります。身に覚えがないと言っても、いや、新聞と一緒に送りました、よって払いなさいという形で、実は相談を受けた経緯もあったわけであります。そういうのが一回来ると、別なところからも、今度は金額が違う請求書、振込用紙が送られてくる。だから振り込め詐欺となると思うんですけれども、そういったものが来ているということで大変困っているという形になります。
 そこで、先ほどお伺いしたように、新手な手段といいますか、県警の方で把握しているものがあれば教えていただいて、これも広報も含めてやってもらいたいと思うんですけれども、まず、その状況をどのようにつかんでいるか教えていただきたいと思います。

〇山手警務部長 ただいま、おれおれ詐欺及び架空請求についての御質問でございますので、お答えいたします。
 県警察におきましては、本部及び各警察署に警察安全相談窓口を設置しておりまして、県民の方々からの各種相談に対応しております。いわゆるおれおれ詐欺は、子供や孫を装って高齢者らに電話をかけ、交通事故示談金、妊娠中絶費用、金銭借用名下、傷害事件の示談金等々の名目で現金を口座に振り込ませる手口から、最近は、警察官とか弁護士を装ったり、中には暴力団を装って脅迫したり、詳細な筋書きに沿って複数の人物が登場いたしまして、いわゆる劇団型が目立っている状況にございます。
 また、架空請求についてでございます。これまでは、架空の債権回収業者をかたった明らかな架空請求とわかるはがきを送りつけるものが多かったわけでございますけれども、最近は、法務省認可法人とか法律事務所をかたったもの、あるいは地方裁判所、少額訴訟受付センターと名前が入ったはがきを用いるなど、一部実在する団体の名称を用いるなど、手口が非常に巧妙となってきております。そのほか、適当な業者を名乗って、電話やメールにより、有料サイト利用料金が未納になっているとの有料サイト料金名下の手口が増加している状況でございます。

〇伊沢昌弘委員 どこまでいくのか予想がつかない部分でイタチごっこみたいな気もするわけですけれども、ぜひいろいろな情報の開示もお願いしたいと思っています。
 そこで、今お話ありましたように、警察の方に相談に行けば一定程度解決するものもあるのではないかと思います。サスケ委員の御質問で、件数がかなりふえてきているということでありましたけれども、これは、いわば振り込んだり、振り込もうとして未遂もあったというのは事前にとめたものだと思うんですけれども、ことしの2月議会の予算特別委員会で我が会派の阿部委員が架空請求について聞いているんですが、8、500件ほど2月時点で相談を受理したと。その後、この詐欺まがいに係る相談件数の推移はどうなっているのか。ふえているのではないかと思いますので、その件数を教えてください。それから、相談に対してうまくいったもの、警察の方で処理をしたり弁護士さんを入れたり消費生活センターで処理したもの等々あると思うんですが、警察の方でうまく処理した事例があったとすれば教えていただきたいと思うわけであります。うまくいったということがあれば、こういうものがあって警察に相談に行けば何とかなるということで、県民も助かると思うんです。どこに持っていったらいいかわからないということもあろうと思いますので、こういったことについてお示しいただきたいと思います。

〇山手警務部長 おれおれ詐欺及び架空請求の相談の推移についてお答えいたします。
 おれおれ詐欺の相談は、昨年7月以降に受理し始めまして、昨年中は136件でございましたが、ことしは、情報の提供にとどめるものも含めまして、既に616件と急増しております。また、架空請求の相談につきましては、本年10月末で1万296件、昨年同期に比較し4、101件の増加を見ております。
 次に、相談を受理し、解決した好事例でございますけれども、悪質な業者等につきましては、指導・警告を発する等の事例、それから、都市銀行にお願いいたしまして口座を凍結依頼し、被害回復した事例、そういったものがあります。
 警察といたしましては、今後とも、関係機関と連携を図りながら、広報も含めまして迅速、適切な対応に努めてまいる所存でございます。

〇伊沢昌弘委員 相談がこれだけあって、行かないで送り込んだという方もいっぱいいると思うんです、表に出ないものも含めて。大変なことだと思うわけであります。いずれ手口が巧妙化してくる部分も含めて、対応した部分も含めて、今後、県警としてもぜひ、県のホームページもしくは県警のホームページもあると思うんですけれども、広報に努められて、一人でも被害が少なくなるように最大限の御努力をお願い申し上げまして質問を終わります。

〇阿部静子委員 一つだけ質問いたします。
 12月5日付の岩手日報に、風俗環境浄化作戦の展開に関して、クリーンな県都盛岡へ徹底作戦という見出しで、本日御出席なされておられます齋藤生活安全部参事官の談話が載ってございました。県外から訪れる人たちにもクリーンな盛岡を印象づけたいと説いておられます。また、風俗エステ店は暴力団の資源源になっているケースが多く、イタチごっこにはしない。また、違法とわかって場所を貸すのだから責任逃れはできないと、貸し主対策にも力を入れるともお話をしていらっしゃいました。御承知のとおり、近年、盛岡の繁華街は怪しげな店が軒を並べ、電話ボックス等へのピンクチラシや外国人女性の客引きなどが目につき、旧来の町並みを知る者といたしましては、非常に嘆かわしい思いでいっぱいでございます。青少年への悪影響、売春や買春、暴力団の資金源、ひいては年少者雇用や外国人不法就労など、はた目には違法行為の温床のように感じられてなりません。来年2月には岩手りんどう国体の開催も予定されております。全国から多数の競技関係者などが来県するわけでございます。クリーンな盛岡にとどまることなく、クリーンな岩手を目指して、ぜひ県警察におきましては徹底した取り締まりと劣悪な性風俗環境の根絶をお願いいたしたいと思っております。
 そこでお伺いいたします。本県における性風俗関連の営業店は、平成15年どれくらいだったのでしょうか。その総数と業種内訳をお教えいただきたい。また、これらの不法行為の摘発は年々ふえている状況にあるのでしょうか。営業店舗数の推移とあわせて近年の状況をお示しいただきたいと思います。

〇齋藤参事官兼生活安全企画課長 まず、性風俗関連の営業店の総数と業種内訳についてお答えいたします。
 いわゆる性風俗関連の営業店とは、店舗型性風俗特殊営業、無店舗型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業などが風営適正化法に規定されております。これらの店舗の10月末現在における県内の届け出状況につきましては、店舗型性風俗特殊営業は、いわゆるソープランドと呼ばれます個室つき浴場が2件、店舗型ファッションヘルスが2件、ストリップ劇場等が3件、モーテル、ラブホテル等が88件、アダルトショップが10件となっております。次に、無店舗型性風俗特殊営業につきましては、いわゆるデリバリーヘルスと呼ばれる派遣型ファッションヘルスが202件、アダルトビデオ等通信販売が2件となっております。いわゆるテレホンクラブと呼ばれる店舗型のものが2件、ツーショットダイヤル、伝言ダイヤルと呼ばれる無店舗のものが2件となっております。
 性風俗関連特殊営業の店舗数の推移につきましては、平成15年10月末と比較いたしまして、店舗型であるモーテル、ラブホテルが2件、テレホンクラブが1件減少している一方で、無店舗型である派遣型ファッションヘルスが年々増加している傾向にあり、22件増加しております。
 次に、性風俗営業店の摘発状況についてでございますが、禁止区域における店舗型ファッションヘルス営業、派遣型ファッションヘルスでの年少者使用など、平成14年は5件、平成15年は3件、本年は7件を検挙しております。これらの営業は、直接性を売り物にする営業であり、暴力団の資金源となっておるケースが多いことから、貸し主対策を含めて今後とも強力な取り締まりを継続して行い、風俗環境の浄化を図ることとしております。

〇阿部静子委員 旧来の町並みを知る者として、盛岡生まれの盛岡育ちにとりましては、あの情緒ある落ち着いた盛岡の夜のまちというのが大変心に残っていて、県外からいらした方にもそういうまちなんだということを知っていただくため、そして、もう一度来たいという思いを抱いていただくためにも、どうか警察の皆さん、大変なことだろうと思いますけれども、このまちの巡ら等も兼ね合わせながら、そして、冬場は少なくなりましたけれども、地ベタリアンと称する若者たちも多く盛岡に押し寄せてきている風潮がございますので、そういう点もあわせながら、クリーンな盛岡徹底作戦をまさに徹底していただくような御努力をお願いいたしまして終わります。

〇川村農夫委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩

午後3時18分 再 開

〇川村農夫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 この際、齋藤生活安全部参事官から発言を求められておりますので、これを許します。

〇齋藤参事官兼生活安全企画課長 先ほど阿部静子委員から、風俗関連の営業店の総数と業種内容につきまして、平成15年中の件数と本年との推移について質問されたのに対しまして、私は、平成15年の10月とことしの10月現在での推移について申し上げましたので、訂正いたします。
 平成15年末の数字につきましては、個室付浴場が2件、それから店舗型ファッションヘルスが2件、ストリップ劇場が3件、モーテル・ラブホテル等が90件、アダルトショップが10件、派遣型ファッションヘルス187件、アダルトビデオ通信販売が2件、それからテレホンクラブ、これが2件、伝言ダイヤル、これが2件でございます。
 ことしの10月末の推移で申し上げますと、店舗型でモーテル・ラブホテルが2件、それからテレホンクラブが1件減少しておりますけれども、無店舗型である派遣型ファッションヘルスが15件増加しているということであります。

〇阿部静子委員 聞いただけでなかなかメモできませんので、後ほど資料をお願いいたします。皆さんにも。

〇川村農夫委員長 はい、わかりました。

〇斉藤信委員 それでは、警察本部の不正支出疑惑問題についてお聞きをしたいと思います。
 北海道や福岡、静岡など、全国の警察で捜査費や旅費などの不正支出事件が明らかになりました。既に返還まで示されているところでありますが、全国的な状況についてどう把握されているでしょうか。

〇山手警務部長 ただいまの御質問でございますけれども、会計経理をめぐる不適正事案等の概要につきましては、承知をしております。

〇斉藤信委員 あなた、質問をちゃんと聞いてください。どう把握されているかと聞いているのだよ。知っているか知っていないか、聞いていないのだよ。どう把握しているか聞いているのですよ。答えられないのですか。

〇山手警務部長 北海道や福岡、静岡など、全国の警察での状況についてどう把握されているかという質問内容と私承知いたしまして、その内容につきましては、会計経理をめぐる不適正事案として概要を承知しているということでございます。

〇斉藤信委員 せっかく私が親切であなた方に質問原稿を出しているのに、国語の問題だよ。全国的な状況についてどう把握されていますかと聞いているのですよ。いいですか。北海道、福岡、静岡、私が指摘をしたのですよ。その他全国にそういう不正があるから、どれだけの不正があるか聞いている。国語の問題ですよ、あなた。よく見て答えなさい。全国的な状況を聞いているの、3件じゃなく。

〇山手警務部長 ただいまの御質問でございますけれども、承知しているのはこの3件で、不適正事案の概要、これを承知しているということでございます。

〇斉藤信委員 最初からふまじめですね。会計検査委員会が最近出しましたね、警察の不正経理。どうなっていますか。会計検査院が全国の警察の不正があったと指摘したでしょう。それは知っていますか。

〇山手警務部長 ただいまの御質問でございますけれども、会計検査院が対象とする検査は国費でございまして、そういった内容で、私はここに出ている内容につきまして承知しているということを話しているわけでございます。

〇斉藤信委員 国費でも県費でも不正は不正なんだから、国費は不正をやってもいいと、県費はまずいと、あなたそう思っているんですか。
 会計検査院のやつは国費だけじゃないでしょう。新聞紙上で明らかになっていることを、今、全国がどうなっているか。
 北海道はこれは御承知のとおりです。これは最高幹部も証言をして、北海道警そして監査委員による特別監査報告まで出ました。青森県、青森県警現職警部を名乗る男性がオンブズマンに裏金づくりを証言。群馬県警、元警部補の男性が実名で裏金づくりを証言。福岡県警は、銃器対策課捜査費不正支出、これも明らかになりました。鳥取県警、5署で署員の印鑑の一括保管が発覚。長崎県警カラ出張。熊本県警もカラ出張。愛媛県警も捜査費不正支出。高知県警、捜査費虚偽請求による裏金疑惑。京都府警も捜査費、旅費振り込み用の通帳・カードの一括管理。報償費の一部がキャリアへのせんべつに利用されたとの疑惑。静岡県警はカラ出張。これは情報公開が最高裁判決で公開になって、公開になる直前にみずから明らかにしたというお粗末なやつです。愛知県警もカラ出張疑惑。警視庁、これもカラ参考人、日当疑惑とか、旅費カラ支給の疑惑。これだけ今明らかになっているんですよ。いわば、当時の担当者の証言を含めて。
 警察というのは、全国的な組織体制です。私は岩手県警もそういう点では実態が同じではないかと思いますが、警察庁は全国の不正支出問題についてどういう調査等の指示、通知などを出していますか。県警としてそれにどう対応していますか。

〇山手警務部長 県警としての対応ということでございますので、県警といたしましては、警察庁からは予算執行について一層の適正化を図ること、捜査協力者からの領収書の徴取のあり方、県監査委員による監査への対応などにつきまして通達などを受けているところでございます。これを踏まえまして、県警としまして実施のために必要な措置を講じるとともに、適正な会計経理に関して警察署長会議を初めとする各種会合において指示し、職員一人一人の意識の徹底を図っているほか、岩手県警察会計事務の監査に関する訓令、これを定めまして、監査体制を強化する中で計画的に監査を実施し、予算執行のより一層の適正化の推進に努めているところでございます。

〇斉藤信委員 全国的な不正問題、これは全国的な社会問題になっていますよね。岩手県は内部調査はしたのですか、しないのですか。岩手県警の中にそういう不正支出はなかったのですか。捜査費、捜査報償費、旅費、超過勤務手当、その他内部調査をやったかどうか。県警の中にそういう不正支出はあったのかどうか、確かめましたか。

〇山手警務部長 内部調査をしたかどうかの御質問でございますが、ただいま申し上げましたとおり、平成16年度からは監査規定、これは岩手県警察会計事務の監査に関する訓令、これにのっとりまして、全所属に対して定期監査を実施しております。うち、捜査用報償費関係につきましては、平成15年度を対象として正確性、合規性、効率性及び有効性の観点から、捜査費、経理関係書類とこれに関連する旅費命令簿等の関係書類を照合するとともに、取扱者を初めとする関係職員から聞き取りを行っております。その結果につきましては、それぞれの手続に従った支出事務が行われておりまして、適正に執行されていたところでございます。

〇斉藤信委員 今の答弁は、平成15年度だけ、捜査費だけ調査をしたということですか。

〇山手警務部長 会計事務に関するすべての内容を見ております。特に、重点として行ったところが捜査費というところでございます。

〇斉藤信委員 それでは、15年度しかやっていないというのも問題ですけれども、少し具体的に聞きましょう。
 住民監査請求と監査委員の勧告に基づいて、県警は激励慰労費29万7、000円の返還を決めました。どういう理由で全額返還したのですか。

〇山手警務部長 いわゆる激励慰労費の返還の理由に関するお尋ねでございますけれども、本県激励慰労につきましては、今回監査委員から勧告を受けたことを踏まえまして、改めて調査・検討したところ、他の事件対応等のため欠席者が多数に上っておりました。結果的に、部内で定めた支出基準を上回る点があったことから、全額返還したものでございます。

〇斉藤信委員 それでは、代表監査委員にお聞きしますが、県警の約30万円の激励慰労費の返還の勧告をしましたね。返還の勧告をした理由は何ですか。

〇一戸代表監査委員 お尋ねでございますけれども、県報で公表しておりますけれども、要点を申し上げますと、一つ、捜査と密接不可分であるとする公務性が明確でない。二つ目に、その精算方法も不適切である。三つ目、職員同士による会食であると認められるものであり、公費支出による会食の具体的必要性が見当たらない。四つ目、食糧費の性格を有するものであり、本県の食糧費執行要領の趣旨から見ても、妥当ではないと判断したものであります。

〇斉藤信委員 今、監査委員から返還を求められた理由は四つですよ。あなたの理由と違いますね。
 いいですか。県警は、監査委員の勧告をどう受けとめて全額返還にしたんですか。今の四つの理由についてあなた方の態度を示していただきたい。

〇山手警務部長 ただいまの監査委員の方からのいわゆる指摘ということで、それについてということでございますけれども、県警察といたしましては、日曜日を返上して日夜努力しておられるそれぞれの捜査員、この方々を慰労するということが第1点としてございました。さらには、捜査員の慰労ということになりますと、それぞれ情報を共有しまして、今後の捜査運営を円滑にするという目的、こういう観点から判断いたしまして、これは適正であるということで執行しております。

〇斉藤信委員 県警が30万円全額返還したのはそのとおりですよ。しかし、あなた方の本当の意味は、警察庁が3、000円まではいいと。その基準を超えたということでしょう。そして一部返還すれば裁判になるので、裁判回避するために3、000円の分も全額返還しただけじゃないですか。
 いいですか。捜査が終わって、情報交換が必要だったら会議をやったらいいじゃないですか。何で飲み食いしなきゃだめなんですか、公費で。ましてや、職員同士の飲み食いだし、公務性があるんですか、そういうのに。情報交換が必要なら会議をやればいいでしょう。何で飲み食いしなくちゃだめなんですか。
 県警本部長、あなた方は結局返したけれども、監査委員の勧告をまともに受けとめていないということですよ、これは。それでいいんですか。そしてなぜ全額返還したんですか。基準を超えたというのなら、3、000円以上だったでしょ。3、000円も含めてなぜ返したんですか。全国にそういう例はないんですよ。

〇山内警察本部長 先ほど警務部長からも答弁申し上げましたように、激励慰労につきましては、警察としては長期にわたる重要事件などの解決に向け、昼夜を問わずあるいは休日を返上して捜査活動に取り組んだ捜査員や、長期、大規模な体制で取り組むような警備実施に従事した警察職員に対しましてその労を慰めるとともに、職員相互が捜査活動などにおける反省、教訓を共有するためのものでございまして、警察としては必要なものと考えておるところでございます。
 なお、今回の激励慰労費については全額返還したところでございますが、その理由につきましては、本警察におきまして、監査委員からの勧告を受けました支出について改めて調査検討したところ、他の事件対応等のためとはいえ欠席者が多数に及び、結果的に部内で定める支出基準を上回るなど適切さを欠く点があったことを踏まえ、諸般の事情を総合的に勘案し、全額返還することとしたものでございます。

〇斉藤信委員 私は監査委員の勧告を正面から受けとめなかったと。裁判回避で、3、000円という基準があるけれどもそれも含めて全額返したということですよ、あなた方のやり方は。しかし、これからもあなた方、こういうことをやるつもりですか。もう、そんな時代じゃないですよ。公費で飲み食いして情報交換なんてする時代じゃないですよ、今。そこだけこの問題については最後、本部長に聞きたい。これからもやるんですか、こういうことを。

〇山内警察本部長 この点につきましては、勧告に対して警察本部で回答するときに公表させていただいているところではございますが、今後の激励慰労のあり方につきましては、今回こういった勧告・意見も出されたことなども踏まえまして、捜査用報償費による支出以外の方法について、今後、職員の激励慰労を図る方策について考えていきたいと思います。

〇斉藤信委員 ワールドカップの激励慰労会も、これは情報公開された分だけですよ。岩手署と千厩署でやられました。これはなぜ返還しないんでしょうか。県警本部全体ではこのワールドカップの激励慰労会はどう実施されたんですか。

〇山手警務部長 なお、このワールドカップの激励慰労に関しましては国費の対応でございますので、あくまでも参考ということで御答弁をさせていただきます。
 ワールドカップの激励慰労につきましては、警察庁の定めた基準にのっとり適正に執行されたものでございますので、問題はないと考えております。
 なお、本部及び各警察署をあわせまして18所属で実施しておりまして、総勢213名が参加し、総額で62万5、735円を執行しております。

〇斉藤信委員 この点については、また後にしましょう。
 それで、問題は警察の不正支出疑惑について具体的にお聞きしたいと思います。
 私に具体的な内部告発が寄せられました。こういう内容です。
 これはT氏ですが、このT氏が上司へ数百万円のつけ届けで警部になったと。このT氏は、ある所属で女性警察官にもセクハラをして、この女性警察官はそのために退職したと。その後、飛ばされたんですね。飛ばされて上司にまた吸い上げられて、M署で、これは交通課長の時代ですけれども、私腹を肥やして交通捜査費、帰省費、職員の超過勤務手当はすべて上司に渡され、一部が人事担当の警察官にも渡った。T氏は、今N署の警務課長だと。このN署で、カラ出張、カラ捜査費の捻出を刑事に押しつけ、裏金を毎月500万円つくり本部に上納し、警視昇任を約束されている。
 こういう内部告発ですよ、大変リアルな。私は県警の内部にもそういう疑惑があるのではないかと、このように思いますので少し具体的にお聞きします。
 県警の捜査費、捜査報償費は国や県からどのように渡され、県警はどのように各警察署に渡すのか、この5年間の推移を含めて示していただきたい。

〇山手警務部長 まず初めに、御質問のような不正云々の事実はないということをここで申し上げておきたいと思います。
 続きまして、質問の具体的内容に入ります。
 捜査費及び捜査報償費はどのように国、県から渡されているのか、そのような趣旨の内容でございました。これにつきましては、会計手続にのっとってやっているわけでございますけれども、捜査費につきましては、これは国費でございます。これは警察庁から、また、捜査用報償費、これは県の方から前年度実績及び所要額を勘案しまして、それぞれ予算額を示されております。捜査費につきましては、所要額を現金化いたしまして、現金書留で取扱者である所属長に送付、また、捜査用報償費につきましては、所要額を取扱者名の銀行口座に振り込んでおります。
 なお、この5年間の推移についてのお尋ねでございますので、お答えいたします。
 捜査費につきましては、11年度7、237万円余、12年度6、980万円余、13年度5、544万円余、14年度5、237万円余、15年度4、557万円余。次に、捜査用報償費につきましては、11年度4、167万円余、12年度3、989万円余、13年度3、258万円余、14年度3、219万円余、15年度3、061万円余となっております。

〇斉藤信委員 今、捜査費と捜査報償費を聞きました。捜査費は7、200万円から4、500万円に激減していますね。捜査報償費も4、100万円から3、000万円ですよ。これ、減少した理由は何ですか。事件が減ったんですか。

〇山手警務部長 捜査費及び捜査報償費が5年前と差があるという内容でございますけれども、この捜査費の執行額の増減につきましては、その年度にどのような事案があるかないかなど、いろいろな要因が考えられるところでございます。例えば、一般的に申し上げますと、権利意識の変化、都市化の進展等によりまして、情報収集そのものが困難化しているということでございます。
 二つ目といたしまして、警察相談業務の増加等によりまして、捜査以外の業務が増大しているということでございます。
 3点目、いわゆる司法手続、この精密化の要請によりまして、事務的業務が増大しているということなどが考えられる次第でございます。

〇斉藤信委員 今の理由はわかりましたけれども、事件が減っているんですか。捜査すべき事件が減って――その他の仕事というのはわかりますよ。捜査以外の仕事がふえたと。じゃ、捜査すべき事件が減ったのか、ここを示していただきたい。
 それと捜査報償費、これは県費です。どのような場合に捜査報償費は使われるのでしょうか。今問題になっている情報提供者への支出、これは件数、金額、実人員、これを示していただきたい、15年度。そして領収書はすべてあるのか。偽名領収書は作成しているのかどうか、示していただきたい。

〇山手警務部長 まず、事件の数でございますが、これは増加しているのは事実でございます。ただ、事件の増加といわゆる捜査費が連動するというわけではございませんので、私が先ほど申し上げましたとおり、相談業務の増加による捜査以外の業務の増大とか、あとは司法手続の精密化、そういった要請がございまして、業務が増大しているということを御理解いただきたいと思います。
 次に、捜査費、捜査に要する報償費とはどのような場合に支出されているかというお尋ねでございますが、これにつきましては、捜査用報償費は経費の性質上、緊急を要するため、通常の支出手続では業務に支障を来し、または、秘密を要するため通常の支出手続を経ることができない経費で、現金経理による処理が行われているものでございます。
 大きく分けまして、犯罪の捜査等に従事する職員の活動のための諸経費として支出する場合、あとは捜査等に関する情報提供者、協力者等に対する諸経費として支出する場合でございます。
 なお、情報提供者への支出の件数、金額、人数等についてのお尋ねでございますが、捜査用報償費の支出額、これは先ほど申し上げましたとおり、平成15年は約3、000万円の支出でございます。
 なお、情報提供者への支出の件数及び人数につきましては、捜査手法にかかわることでございますので、警察法第2条の責務の遂行に支障を来すために、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、領収書についてのお尋ねでございます。
 捜査協力者から本人名義の領収書を徴取することを原則とはしております。ただし、警察に協力したことにより、捜査協力者本人及びその家族に危害が及ぶことを恐れるなどの事情によりまして、領収書の作成を拒否した場合等はやむなく協力者の保護を考慮し、実名以外の領収書の徴取や、徴取できなかった場合は、徴取できないその理由を捜査員から報告書をもって報告をさせております。
 なお、本年4月からは、本人名義以外の領収書は受け取らないということで運用をしております。

〇斉藤信委員 そうすると、ことしの4月までは偽名領収書があったということですね。領収書がなかったのもあったと。偽名領収書の比率を教えてください。全体の情報提供者、協力者へのいわば捜査報償費、これ額を言わなかったけれども、しかし、全体の中で偽名領収書、領収書のないものは何件あるんですか。比率。

〇山手警務部長 ただいま偽名領収書はどのくらいあるかというお尋ねでございますけれども、過去の領収書が偽名であるか否かにつきましては、個別具体的に調査しなければな判明しないことから、その存否についてはお答えすることは困難でございます。

〇川村農夫委員長 各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事進行に御協力をお願いいたします。

〇斉藤信委員 今、捜査報償費が問題になっているのは、例えば北海道の北見の場合は、内部告発で寄せられた領収書を全部調べたら、全員違っていたと。全部裏金だったと、これが大問題なんですよ。あなた方が隠しているのは、捜査上の理由じゃないですよ。裏金が発覚するからですよ。情報公開がないところ、やみですよ。
 私はそういう点で、監査委員にお聞きしたい。今年度の監査の重点項目が報償費でした。県警の報償費についてどういう監査が行われたのか、その結果はどうだったのか、具体的に示していただきたい。

〇一戸代表監査委員 ちょっと前振りになりますけれども、決算審査の最終場面で御質問をちょうだいして大変恐縮しております。去る7日の審査の際に、3人の委員の皆様から御質問があったわけでございますけれども、大変舌足らずの答弁になってしまったと思っております。通告がなかったというせいもございますけれども、その点では大変失礼したと思っております。
 今の質問に対して、これから委員長の意を体しまして簡潔明瞭に答えさせていただきたいと思います。
 ただいまお尋ねの警察本部の監査結果についてでありますが、これまで決算監査をして警察本部、これは本庁分でございますけれども、これを終えており、現在期中監査として各警察署を実施しているところであります。警察活動報償費及び旅費については、本年度重点的に監査を実施しているところであり、また、超過勤務手当についても抽出により点検しておりますが、これまでのところ、監査した範囲では、関係法令、規則及び監査基準に照らして、指摘あるいは注意に該当するような不適当な事案は確認できなかったところであります。

〇斉藤信委員 代表監査委員に改めてお聞きをしたい。
 捜査報償費、これが適正かどうかという監査の際一番決定的なのは、情報提供者の氏名が明らかになるかです。そして、その情報提供者が実在するかですよ。そういう監査はされたんですか。そして、今超過勤務手当もありました。実は超過勤務手当は県警多いんです。私のところには、もらっていないという声が結構あるんですよ。大変激務をやっている警察官に超過勤務手当が渡っていないという話が少なからず私に届いていますよ。超過勤務手当が実際に職員に渡されているかどうかという確認もしたのですか。

〇一戸代表監査委員 どのような監査をしたかというようなことだと思うんですけれども、警察活動報償費の監査に当たりましては、調書をもとに監査対象年度における月ごとの執行額の最大の月、最低の月及び平均的な月のおおむね三、四カ月分を抽出し、当該支出に係る資金前途精算書、経理簿支払い精算書、領収書などにより調査しております。また、書類監査にあわせて各所属の次長等、これは警視、警部クラスの御協力を得て、個々の執行状況について調査しております。この結果、情報提供者等関係人の住所、指名を捜査活動に支障を来すとの理由で開示されなかったほか、情報提供者に対する謝礼として現金を交付したものの、領収書の添付がないものがございました。これは捜査協力者や情報提供者等の生命の保証のため、または捜査協力や情報提供が困難となり、今後の捜査活動に支障が生じることがないようにするため、捜査協力者や情報提供者等の氏名などは一部開示できないという理由によるものでありましたので、監査委員としては、警察本部長に対して内部調査の実施を要請したところであります。その結果、10月29日に適正なものであった旨、直接警察本部長から監査委員に報告されたところであります。
 このため、監査結果としては、おおむね良好と認められるが、警察活動報償費を初めとする予算の執行に当たっては、より一層適切な執行に努めるとともに、内部監査を厳正に行い、県民の信頼を損なうことのないよう配慮をされたい、この旨の意見を付したところであります。これにつきましては、12月2日付で県議会議長あてに報告をしております。
 また、超過勤務手当については、各課ごとに超過勤務記録簿と勤務実績報告書等について抽出により点検しておりますが、一部の課において超過勤務記録簿は作成されているものの、超過勤務の実績を調査記録している書類が廃棄されていた事例があったことから、勤務実態に即した適切な支給を行うよう、口頭により指導したところであります。

〇斉藤信委員 核心に入ってきました。捜査報償費、監査委員が監査しても、あなた方は氏名も明らかにしない、領収書も示さない、わからないじゃないですか、これでは。
 いいですか。監査委員というのは、地方自治法上、守秘義務を持っているんですよ。こういう方々にあなた方が捜査法上の秘密を理由にして開示しない法的根拠はありませんよ。
 警察本部長、守秘義務のある監査委員になぜ明らかにできないんですか。

〇山手警務部長 ただいまの御質問でございますけれども、先ほど来いろいろとお話を伺って御質問をいただいております。これで重ね重ね申し上げますのは、我々の業務の特殊性を御理解いただきたいということでございます。情報をとる場合に、やはり捜査員個々人の人間と人間とのかかわりの中でこの情報をとる。したがって、信頼関係が第一でございます。さらに、犯罪情報の提供、もしくはその周辺の状況を提供するということは、情報提供者そのものの生命、身体、場合によっては家族に対しても危害が及ぶ可能性がある。そういう観点から、我々は少なくとも、協力者の名前を公表することはできないという対応をこれまでもしてきましたし、これからもしていくつもりでございます。

〇斉藤信委員 監査委員というのは地方自治法上、法的に守秘義務を持っているんです。あなたが拒否する法的根拠を示してください。あなたが拒否する法的根拠がありますか。

〇山手警務部長 法的根拠ということでの御質問でございますけれども、先ほど来御説明しているとおり、警察の業務の特殊性、そういったものを勘案いたしますと、やはり協力者は絶対的にこれは保護しなければならないと、これは当然のことだと私は考えております。(斉藤信委員「法的根拠を聞いているの」と呼ぶ)
 もう一度申し上げますけれども、我々の業務の特殊性、特に捜査活動の特殊性、そういったものを御理解いただきまして、やはり情報提供者、この保護、これは絶対のことでございます。これは警察法第2条の責務を遂行するために不可欠のことでございますので、今後とも同じ対応をしていきたいと考えております。

〇斉藤信委員 結局、法的根拠なしであなた方は隠しているんですよ。そして私が指摘したように、北海道で明らかになったら全部実在じゃなかったというんですよ。だから北海道の道警は大問題になった。それは発端がそれなんですよ。捜査報償費ですよ。明らかにしたら大問題になるからでしょう。私はあなた方のそういうやり方は大問題だと思いますよ。
 それで超過勤務手当、私がこの議会に向けて情報公開請求をしたら、唯一出てきたのが超過勤務調でありました。県警の皆さんが大変頑張っている。私は末端の現場の警察官は頑張っていると思いますよ。問題は、末端の警察官に例えば旅費にしても超過勤務手当にしても出ているかどうかなんですよ。
 超過勤務手当については私調べました。県警本部の総務課、年間1人当たり63万3、000円です。生活保安課64万7、000円、盛岡西署51万4、900円、宮古署49万4、800円。1人当たり、これ出したお金。受け取ったお金じゃないですよ。出したお金ですよ。これだけ本当にもらったかどうか私は聞きたい。どういう形でこのお金を出していますか。

〇山手警務部長 超過勤務と旅費、実際に出しているかどうかということでございますが、これは個々人の口座にそれぞれ振り込みをしております。
 なお、超過勤務につきましては、給与と同じ日に、同時に職員の申請する口座に振り込みをしております。

〇川村農夫委員長 斉藤信委員に申し上げます。
 委員の質疑が長時間に及んでおります。世話人会の申し合わせを踏まえて質疑をされるよう、議事の進行に御協力をお願いします。

〇斉藤信委員 わかりました。
 では、最後まとめて、これで最後にしますが、超過勤務手当、あなたが仕事がふえているという割には、この間、超過勤務時間は減っているんですね。平成13年度471時間、1人当たりですよ。平成14年度453時間、平成15年度1人当たり364時間。364時間でも知事部局の場合は205時間ですから、大変な超過勤務をされている。これは先ほど監査委員の話によると、超過勤務時間の資料がなかったという話ですよね。一人一人の超過勤務時間を把握されているでしょうか。それに基づいてきちんと払われているでしょうか。旅費も超過勤務手当も警察職員の口座は一つですか、二つですか。そのことを示していただきたい。

〇山手警務部長 まず、超過勤務の高い理由とか、そういうお尋ねでございますけれども、超過勤務手当が知事部局に比較しまして突出して大きいということは、これは突発的に発生する事件、事故、これに直ちに対処しまして、早期に解決を図らなければならない警察業務の特殊性から来るものでございます。
 なお、地方財政計画及びこれを踏まえた県予算においても、警察官は給料等の13%、一般職員は7%となっております。
 超過勤務手当につきましては、勤務実績に応じて適正に支給をしております。
 なお、超過勤務時間、これにつきましては管理、監督の立場にある職員が超過勤務の実績を確認いたしまして、その実績に応じ適正に支給をしております。
 最後に、警察職員については減っているというお話でございますけれども、実際の超過勤務の時間と手当、支給時間の乖離がございまして、これを減らすべく事務の効率化、業務管理の徹底に努めた結果、15年度の実際に超過勤務をした時間は1人当たり1カ月平均30時間と、前年度より7時間減少したものでございます。
 なお、職員の旅費支給につきましては、直接旅行者本人の金融機関の口座に振り込まれております。口座については、本人からの申し出による1口座に対し振込みをしておりまして、複数の口座を指定している職員はございません。

〇小野寺好委員 3点お尋ねいたします。最初に、犯罪の発生について伺います。
 殺人等重要犯罪の認知件数は全国的に増加を続けていますが、本県でも平成12年以降100件を超え続け、平成15年は133件となっております。限られた職員での対応で、また、事案の複雑化と相まって検挙率は下がっているような状態で、50%から60%台の検挙率となっております。また、重要窃盗犯、これも同様の傾向と思われます。平成15年は1、589件で検挙率46.6%、対前年比マイナス8.8ポイントとなっております。
 もう一つ、粗暴化も伴ってきている来日外国人犯罪、平成15年は102件の検挙となっております。特に、盛岡と北上で多くなっていますが、これは経済活動の関係なんでしょうか、この2カ所に多く見られます。
 以上のような状況に対し、犯罪の発生抑止と検挙率の向上にどのように努めてきたか、また、何が足りないのかお伺いします。
 先ほど来、超過勤務を減らしていくとか、そういったことを言われておりますけれども、本当に県民の安全のためにしっかり頑張っていただきますことを期待しております。

〇小方参事官兼刑事企画課長 最初に犯罪の発生状況でございますが、本年11月末現在で重要犯罪は104件発生しており、対前年度で19件、約15%減少しております。重要窃盗犯は1、554件発生しており、対前年で83件、約6%増加しております。検挙率は重要犯罪が約67%、重要窃盗犯が約60%となっており、本年11月末現在の全国の数値と比較いたしますと、重要犯罪で13位、重要窃盗犯で4位となっております。
 また、来日外国人犯罪は、窃盗、強盗等が組織的、広域的に敢行されており、11月末までの摘発件数は223件で、昨年1年間の摘発件数の倍以上となっております。
 県警察では、犯罪の発生抑止、検挙のため、パトロールの強化や県民の防犯意識の高揚、刑事企画課や組織犯罪対策室の設置等による体制の強化などを進めてまいり、3年連続して犯罪総数の減少、検挙率の向上が見込まれる状況にあります。しかしながら、県民の犯罪被害に対する不安は依然として解消されていないところでありますので、広域化、スピード化する犯罪に即応できるよう、地域社会との連携を一層強め、組織、人員の効率的運用、初動捜査体制の整備、捜査員の育成、捜査を支援する各種システムの整備等によって対処していく所存であります。

〇小野寺好委員 次に、児童生徒の防犯について伺います。
 爆破予告脅迫、架空請求詐欺、通貨偽造など、本来子供がやるなどということは想定していない、そういう案件でございますけれども、ITの力で児童生徒が容易にこういった犯罪を行えるようになってしまっております。また、一方、予想だにしなかったような犯行によって、児童生徒が犠牲になったりもしています。本県における児童生徒の加害・被害状況はいかがでしょうか。また、子供だけじゃなくて親への防犯教育、学校に出向いての防犯講習など行った実績があるかどうか、お伺いいたします。

〇細田生活安全部長 児童生徒の防犯の関係についてお答えをいたします。
 最初に、本県における少年が被疑者となった犯罪等でございますが、殺人未遂、強盗、強制わいせつ、放火等の重要犯罪で、本年11月末現在で6件、8名を検挙、補導しているところでございます。
 なお、オレオレ詐欺、架空請求詐欺などについては、少年の検挙、補導はございません。
 全国的には、国民を震撼させるような学校を舞台とした児童生徒による殺人等重大犯罪が発生し、大変危惧される状況にありますが、幸いにして、県内ではそのようないわゆる重大犯罪の発生はありません。
 また、二つ目の被害者の関係ですけれども、少年の犯罪被害につきましては、同じく11月末現在で、殺人、強盗等の凶悪犯被害が12名、強姦や強制わいせつが23名、逮捕監禁や略取誘拐等が6名となっております。
 なお、自転車盗の被害等を含めますと、これらが圧倒的なわけですけれども、刑法犯全体で少年が被害を受けたというのが約2、500件認知しております。また、いわゆる出会い系サイトの利用による性被害、飲食店等における年少者雇用事案等、少年の福祉を害する犯罪も26件検挙し、28名の児童を保護しているところであり、少年を取り巻く環境が悪化していることがうかがえる状況にあります。
 最後に、防犯講習等を行った実績があるかということですけれども、今までお話ししたように、少年非行や少年の犯罪被害、非常に厳しい状況にございます。したがいまして、学校における非行防止、犯罪被害防止教室等の開催、あるいは各地域における懇談会等を積極的に開催しているところでございます。例えば、本年11月末までに各署において小・中、養護学校等を対象に不審者侵入時の対応訓練を158回、また、防犯意識の高揚、少年の規範意識の醸成、地域における非行抑止機能の回復等を目的とした地域懇談会を249回開催しているところであります。このほかに、警察本部においても、少年課やハイテク犯罪対策室が各学校などに赴いて、生徒・保護者を対象に出会い系サイト利用の性被害、ネット社会における危険性等についての啓発活動を推進しているところでございます。
 警察といたしましては、今後も、このような非行防止、被害防止の観点から、積極的な各種講習教室を開催してまいりたいと考えております。

〇小野寺好委員 覚せい剤及びこれに類似した薬物事犯についてでありますけれども、単なる興味本位では済まされませんが、全国的にはこういった薬物汚染は低年齢化が進んでいると報じられております。特に、これもITの力で入手が容易になっていて、都市部だけの事案ではなくなってきているようでありますが、本県の状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。

〇小方参事官兼刑事企画課長 11月末現在の薬物事犯の検挙状況と傾向について申し上げます。
 覚せい剤取締法違反の検挙件数は53件で、対前年比プラス14件、検挙人員は37人で、対前年比プラス11人となっており、少年1名が含まれております。
 次に、大麻事犯についてであります。5事件を検挙しており、大麻草など約6キログラムを押収しておりますが、少年の検挙はありませんでした。また、麻薬事犯につきましては、通称MDMAと呼ばれる錠剤型合成麻薬事犯の増加が危惧されるところ、昨年を5件上回る6件を検挙しており、少年1名が含まれております。
 このように、覚せい剤及びMDMA事犯が大きく増加し少年も2名検挙されております実態から、その蔓延を懸念いたしているところであります。

〇川村農夫委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇川村農夫委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました決算12件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議願い、その結果を待って委員会を開き結論を出すこととしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇川村農夫委員長 異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
   午後4時14分 休 憩

午後4時57分 再 開

〇川村農夫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先ほど阿部静子委員から申し出のありました資料については、各委員のお手元に配付いたしておりますので、御了承願います。
   
〔参照〕
県内における性風俗関連営業店の状況
  15年中16年10月末増減
店舗型性風俗特殊営業個室付浴場220
ファッションヘルス等220
ストリップ330
モーテル等8280-2
ラブホテル880
アダルトショップ10100
無店舗型性風俗特殊営業派遣型ファッションヘルス18720215
アダルトビデオ等通信販売220
電話異性紹介営業店舗型220
無店舗型220

 
 次に、決算12件に対する各会派の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 認定第1号については、次の意見、すなわち、平成15年度における本県財政は、国の構造改革等の影響により、地方交付税及び国庫支出金が昨年に引き続き大幅に減少したことから、政策評価による事務事業の重点化、効率化や投資的経費の抑制を図ったものの、過去の経済対策等による県債の元利償還など公債費はなお増加し、非常に厳しい運営を迫られたものとなった。
 経常収支比率や公債費比率は低下したものの、依然として高い水準にあり、当年度末の県債現在高も昨年度末に比べ478億円余増加し、1兆4、297億円余に上るなど、本県財政の硬直化は一層進行しており、さらに危機的な財政状況にある。
 今後の行財政運営に当たっては、真の地方分権確立のため、地方税財源の充実強化を基本とした三位一体改革の実現を引き続き国に働きかけるとともに、安定した行財政基盤の構築と質の高い行政サービスを提供できる行政経営体への転換を推進しつつ、地域経済の動向に配慮し、県民生活にとって重要かつ緊急の課題には積極的に対応し、県民一人一人が豊かさやゆとりを実感し、安心して暮らせる地域社会の形成に努められたい旨の意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第12号までは、認定することとした次第であります。
 これより採決いたします。
 認定第1号については、ただいま報告いたしました意見を付して、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇川村農夫委員長 起立多数であります。よって、認定第1号については、ただいまの意見を付して認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第11号について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇川村農夫委員長 起立多数であります。よって、認定第11号については認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号から認定第10号まで、及び認定第12号の10件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇川村農夫委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第10号まで、及び認定第12号の10件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。(拍手)
   午後5時1分 閉 会


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