平成30年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 7 号)
平成30年3月13日(火)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
文化スポーツ部長 上 田 幹 也
副部長兼文化
スポーツ企画室長 泉   裕 之
文化スポーツ
企画室企画課長 畠 山   剛
文化スポーツ
企画室管理課長 安 藤 知 行
文化振興課
総括課長 中 里 裕 美
スポーツ振興課
総括課長 工 藤 啓一郎
ラグビーワールド
カップ2019推進課
総括課長 木 村   久

教育長 高 橋 嘉 行
教育次長兼
教育企画室長 今 野 秀 一
教育次長 岩 井   昭
教育企画室
企画課長 鈴 木   優
特命参事兼
予算財務課長 佐々木   亨
学校施設課長 佐々木   哲
教職員課総括課長 永 井 榮 一
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 荒 川 享 司
首席経営指導主事
兼県立学校
人事課長 梅 津 久仁宏
学校調整課
総括課長 小久保 智 史
首席指導主事兼
産業・復興
教育課長 鈴 木 智 香
高校改革課長 藤 澤 良 志
首席指導主事兼
生徒指導課長 菊 池 広 親
首席指導主事兼
学校教育課
総括課長 中 島   新
首席指導主事兼
義務教育課長 佐 野   理
首席指導主事兼
高校教育課長 佐 藤   有
首席指導主事兼
特別支援教育課長 佐々木   徹
首席指導主事兼
保健体育課
総括課長 荒木田 光 孝
首席社会教育主事
兼生涯学習
文化財課総括課長 佐 藤 公 一
文化財課長 鎌 田   勉

財政課総括課長 小 原   勝
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
工藤勝博委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第28号から議案第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上36件を一括議題といたします。
本日は、文化スポーツ部及び教育委員会関係について、延べ22人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、文化スポーツ部長に文化スポーツ部関係の説明を求めます。
〇上田文化スポーツ部長 それでは、平成30年度岩手県一般会計予算のうち、文化スポーツ部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
なお、当部に移管予定の北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みに係る事業につきましては、現在所管しております教育委員会から御説明いたしますので、あらかじめ御了承願います。
初めに、平成30年度当初予算編成に当たっての当部の基本的な考え方についてでありますが、平成30年度は、東日本大震災津波からの復興に最優先で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向け、文化芸術の振興と豊かなスポーツライフの振興の各政策項目に基づく取り組みを進め、ふるさと振興を着実に推進する予算として編成したところであります。
まず、東日本大震災津波からの復興につきましては、被災者の暮らしの再建に向けて、伝統文化等の保存、継承や文化芸術の鑑賞機会の確保などを支援してまいります。
また、地域のなりわいの再生に向けて、外国人観光客の誘客拡大を図るため、本県の文化の魅力を国際的に発信する環境の整備などに取り組みます。
次に、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けた文化芸術の振興につきましては、文化芸術基本法改正を踏まえ、文化芸術振興基本条例を見直すとともに、県民の文化芸術活動の活性化に向けて、本県最大の文化芸術イベント岩手芸術祭の一層の充実や、本県ゆかりの作家による講演会の開催などに取り組みます。
また、国内外からの交流人口の拡大に向けて、伝統芸能や世界遺産を初めとする本県の文化の魅力を漫画やICT等も活用しながらわかりやすく発信するほか、聖地巡礼の受け入れ態勢の整備などに取り組みます。
さらに、文化芸術が持つ創造性を生かして地域の活性化を図るため、その担い手として期待される若者の文化芸術活動を支援してまいります。
アール・ブリュットにつきましては、県内のすぐれた作品を集めた巡回展の開催に加え、障がい者芸術活動支援センターを設置し、支援人材の育成や関係者のネットワーク形成などに取り組みます。
世界遺産につきましては、北海道・東北の縄文遺跡群の世界遺産登録や平泉の文化遺産の拡張登録等に取り組むとともに、平泉の文化遺産を総合的に紹介するガイダンス施設の整備を推進いたします。
次に、豊かなスポーツライフの振興につきましては、スポーツ基本法に定める地方スポーツ推進計画として、仮称でございますがスポーツ推進計画を策定し、県のスポーツ振興の方向や具体的内容を明らかにしてまいります。
また、総合型地域スポーツクラブの育成など、県民誰もが生涯にわたってスポーツを楽しめる環境の整備を推進いたします。
さらに、競技団体が行う強化事業への支援やスポーツ医・科学サポート等によって、希望郷いわて国体、希望郷いわて大会で高められた本県選手の競技力の維持向上を図るとともに、オリンピック等の国際大会で表彰台を狙う若手トップアスリートの育成に取り組みます。
障がい者スポーツにつきましては、新たに総合型地域スポーツクラブと連携し、障がい者がスポーツを行う機会を拡充するとともに、障がい者トップアスリートの競技力向上に向けて、海外遠征を行う選手等に対する支援の強化などに取り組みます。
スポーツの振興による地域活性化につきましては、ラグビーワールドカップ2019釜石開催や東京2020オリンピック、パラリンピックに向けた準備を着実に進めるとともに、本年6月に開催されるスポーツクライミング第1回コンバインドジャパンカップ2018の成功に向けて、関係機関、団体等と連携して取り組みます。
また、いわてスポーツコミッションが中心となってスポーツイベントや大会、合宿の誘致等を進めるとともに、トップスポーツチームとの連携によるスポーツ機運の醸成等に取り組みます。
続きまして、文化スポーツ部関係の予算につきまして御説明申し上げます。
お手元の議案その1の6ページをお開き願います。文化スポーツ部関係の予算は、2款総務費8項文化スポーツ費の31億500万円余であります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと4億円余の増、率にいたしまして約14.8%の増となるものであります。
なお、このうち700万円余につきましては、教育委員会から当部へ移管される事業に係る予算となっております。
以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げにつきましては省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
お手元の予算に関する説明書の103ページをお開き願います。2款総務費8項文化スポーツ費1目文化スポーツ総務費でありますが、右側の説明欄の一番上、管理運営費は、職員の給与費や事務経費など管理運営に要する経費であります。次の三陸地域文化・スポーツ未来へのかけ橋推進事業費は、沿岸広域振興局が企画立案した広域振興事業でありますが、ラグビーワールドカップ2019等の機会を見据え、ラグビー触れ合いイベントの開催や三陸地域の情報発信等を展開し、交流人口の拡大などによる地域振興を促進しようとするものであります。2目文化振興費は、岩手県民会館や岩手県公会堂の管理に要する経費のほか、説明欄上から2行目、岩手の文化魅力発信事業は、本県の文化の魅力を国際的に発信するため、日仏友好160周年を記念してパリで開催される日本文化紹介行事ジャポニスム2018に出展しようとするものであります。次のいわて文化芸術王国構築事業費は、本県の文化の魅力を国際的に発信するため、ホームページいわての文化情報大事典の多言語化を柱とした再構築のほか、文化芸術イベントの企画調整を行う文化芸術企画調整マネジャーや各広域振興圏に配置した文化芸術コーディネーターが地域の文化芸術活動を支援しようとするものであります。一つ飛びまして、郷土芸能復興支援事業費補助は、被災地における郷土芸能活動の保存、継承を支援するため、市町村が実施する郷土芸能団体等への活動再開支援に要する経費を補助しようとするものであります。次の海外との絆を活かした文化芸術形成促進事業費は、地域の文化芸術活動の盛り上げを図るため、海外の一流芸術家による公演や交流を実施するほか、地域で主体的に取り組む文化芸術イベントの開催経費の一部を負担しようとするものであります。104ページに参りまして、一番上でございますが、障がい者芸術活動支援事業費は、障がい者の文化芸術活動を支援する人材の育成や関係者のネットワーク形成を行うため、障がい者芸術活動支援センターを設置して支援活動を実施しようとするものであります。次のいわてアール・ブリュット魅力発信事業費は、県民のアール・ブリュットへの関心を高めるとともに、アール・ブリュット作家の創作意欲の醸成を図るため、県内のすぐれた作品を集めた巡回展を開催しようとするものであります。二つ飛びまして、訪日外国人向け伝統文化鑑賞・体験プログラム開発事業費は、伝統芸能の魅力を国際的に発信するため、訪日外国人向けに伝統文化の鑑賞、体験プログラムを開発しようとするものであります。二つ飛びまして、被災地児童生徒文化芸術支援事業費は、被災した児童生徒の心の復興を図るため、文化芸術に触れる機会を提供しようとするものであります。一つ飛びまして、岩手芸術祭開催費は、県民のすぐれた文化芸術活動の発表の場と鑑賞の機会を提供するため、本県最大の文化芸術イベント岩手芸術祭を開催しようとするものであります。次の岩手芸術祭地域活性化魅力発信事業費は、岩手芸術祭の全県的な盛り上げを図るため、芸術体験イベントや地域の文化催事との連携イベントを開催しようとするものであります。次の文学の国いわて推進事業費は、本県における文芸活動の振興を図るため、本県ゆかりの作家による講演会等を開催しようとするものであります。恐縮でございます、五つ飛びまして、ソフトパワーいわて戦略推進事業費は、国内外で注目度が上昇している漫画を活用し、伝統芸能、工芸、食文化など本県の魅力を発信するとともに、交流人口拡大の仕組みづくりを推進しようとするものであります。次の若者文化振興事業費は、文化芸術が持つ創造性を生かした地域の活性化を図るため、次代を担う若者の文化芸術活動を後押しするいわて若者文化祭の開催経費の一部を負担するほか、各広域振興圏で非営利団体等が実施する若者文化関連イベントの開催に要する経費を補助しようとするものであります。次の世界遺産の理念・価値普及事業費は、平泉の文化遺産及び橋野鉄鉱山、並びに新規登録を目指す御所野遺跡の理念や価値等の理解促進を図るため、一体的な情報発信を実施しようとするものであります。次の世界遺産登録推進事業費は、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録や平泉の文化遺産の拡張登録に向けた取り組み、明治日本の産業革命遺産の世界遺産委員会の決議事項に対応した計画策定の取り組み等を実施しようとするものであります。次の平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業費は、平泉の文化遺産を総合的に紹介するガイダンス施設の整備に係る実施設計等を実施しようとするものであります。3目スポーツ振興費は、スポーツ施設の管理やスポーツ大会への選手派遣に要する経費のほか、説明欄上から三つ目、スポーツ振興戦略推進費は、スポーツ振興を通じて地域の活性化を図るため、いわてスポーツコミッションによるスポーツイベント等の誘致や、トップスポーツチームとの連携によるスポーツ機運醸成等に向けた取り組みを実施しようとするものであります。次の復興五輪ムーブメント推進事業費は、東京2020オリンピック、パラリンピック競技大会に多くの県民が参画できるよう、ホストタウンや事前合宿の誘致、聖火リレーの実施に向けた体制整備等を実施しようとするものであります。次のいわてスポーツクライミング拠点形成推進事業費は、県営スポーツクライミング施設を活用した地域活性化を図るため、スポーツクライミング第1回コンバインドジャパンカップ2018の開催や国際大会の開催準備等の取り組みを実施しようとするものであります。次の生涯スポーツ推進費は、県民が生涯にわたってスポーツを楽しめる環境を整備するため、総合型地域スポーツクラブの育成や指導者養成、各種スポーツイベント開催等の取り組みを実施しようとするものであります。次の障がい者スポーツ振興事業費は、障がい者スポーツの振興を図るため、スポーツを行う機会の提供や指導者養成、総合型地域スポーツクラブにおける受け入れ態勢整備等を実施しようとするものであります。105ページに参りまして、説明欄上から三つ目、オリンピック選手等育成・強化事業費は、オリンピックを初めとする国際大会等に向けて競技力の向上を図るため、スーパーキッズの発掘、育成やトップアスリートの活動支援を実施しようとするものであります。次の東京オリンピック等メダリスト育成事業費補助は、東京オリンピック等で表彰台を狙う若手トップアスリートを育成するため、岩手県体育協会が実施する競技団体への若手アスリートの育成、強化支援に要する経費を補助しようとするものであります。次のパラリンピック選手等育成・強化事業費は、パラリンピックを初めとする国際大会等に向けて競技力の向上を図るため、障がい者スポーツ選手育成研修会の開催や障がい者トップアスリートの活動支援等の取り組みを実施しようとするものであります。次のいわて競技力向上事業費は、本県選手の競技力向上を図るため、岩手県体育協会が実施する競技団体への競技力向上支援に要する経費を補助しようとするものであります。二つ飛びまして、スポーツ医・科学サポート事業費は、本県選手の競技力向上と県民の健康増進を図るため、競技団体へのトレーナー派遣や各種研修会開催等、スポーツ医・科学に基づくサポート活動を実施しようとするものであります。次に、ラグビーワールドカップ2019開催準備費は、ラグビーワールドカップ2019釜石開催の成功に向けて、共同開催の釜石市と連携し、開催機運の醸成や受け入れ態勢の整備を実施しようとするものであります。
以上で文化スポーツ部関係の議案につきまして説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも大きな声で簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 それでは1点、ラグビーワールドカップ2019開催準備費についてお伺いいたします。
一般質問でも県民がそれぞれ機運醸成のために取り組みをしている支援についてお伺いしましたけれども、これからの残された時間も限られてきているわけでありますので、具体的に釜石開催の準備状況についてお示し願いたいと思います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 釜石開催の準備状況についてでございますが、昨年4月に、県と釜石市を初め県内外の146者で釜石開催実行委員会を立ち上げ、四つの専門部会を設け、大会成功に向けた具体の準備を進めているところでございます。具体的には、大きく4点になりますが、大会の機運醸成、観客の輸送、観客の受け入れ態勢の構築、そして防災、セキュリティーなど安全・安心の確保について検討を進めております。
今年度は、盛岡市、釜石市での2年前イベントのほか、これまで県内で38回、県外で21回の大会PRを実施したほか、来場動向予測を行って交通輸送基本計画の検討を進めているところでございます。また、観客の受け入れ態勢の関係につきましては、ファンゾーン会場や都市装飾、さらに防災、医療救護に関する各基本計画の検討を進めているところでございます。
〇軽石義則委員 これまで進めてきていることが順調に進んでいるということでありますけれども、まさにこれからが本番に向けての大事な時期になってくると思います。その部分で、進める上では必要な経費も発生すると思います。今回、実行委員会への負担金4、600万円が計上されておりますけれども、実行委員会そのものを総額幾らぐらいの予算で運営しようとしているのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 実行委員会の運営経費でございますが、現在は平成30年度予算で4、600万円を計上させていただき、平成29年度は2、000万円ということで、合わせて県は6、600万円、釜石市と合わせると2倍の金額となります。
平成31年度の本大会を見据えますと、交通輸送の関係や観客の受け入れにかかわってのファンゾーンの運営経費は現在検討中で未確定であるため、総額のところでのお示しが現在できない状況にあるところでございます。
〇軽石義則委員 総額の見通しがまだつかないのであれば、これからどのぐらいのことをしてどういうふうに進めるかという具体的な取り組みに進むには非常に不安があると思いますし、当然、県がどのぐらい負担するか示さなければ、開催地である釜石市も、さらにどのぐらい準備するかも含めて大変ではないかと思いますが、その点はどうなのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 実行委員会に関する部分につきましては、県と釜石市がそれぞれ1対1で負担するということでソフト事業の検討を進めているところでございます。
特にこれからの部分でございますけれども、観客の輸送等をどういう形で進めていくかという部分の基本的計画の検討を現在進めている状況にございますので、その検討状況を見据えて、本大会に向けた金額について、県と釜石市、実行委員会において、どのように進めたらいいかという部分とあわせて詰めていかなければならないと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 県と釜石市だけで全てができるとは思っておりません。実行委員会には先ほど146者が参加していると聞いておりますので、その146者それぞれができる分担はしていかなければ積み上がっていかないと思うのですが、その点についてはどうなのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 釜石開催実行委員会におきましては、さまざまな主体が大会成功に向けて取り組んでいかなければということで、四つの部会を設けて、大会の機運醸成については構成団体の方々のほうでそれぞれ取り組んでいただいている部分でございます。観客の受け入れになりますと、今後ボランティアの募集等も出てまいりますので、そうしたところに県民の皆さんあるいは企業、団体等の方々からも御協力いただく部分がございます。計画、経営のところについては、ある程度県、釜石市で考えなければならないのですが、大会を盛り上げていくために皆さんに参画していただくという取り組みは、この146者の実行委員会のみならず、県民の皆様に向けて発信していかなければならないと考えております。
〇軽石義則委員 希望郷いわて国体、希望郷いわて大会という経験値があるわけですので、今回、会場は釜石市1カ所ですから、それをある程度参考にしていけば、どのぐらいの規模でどういう予算になっていくかというめどはつけられるのではないかと思うのですけれども、そのことについて考えてはいるのですか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 国体の事例を参考としながらということでございますが、国体開会式の入場者数、そこに必要となったバスの台数や集め方、そういった事例は十分ベンチマークさせていただきながら、ただ、沿岸で復興のさなかに行うということがありますのでなかなか国体の例のとおりとはいかない部分もございますけれども、十分関係者と協力しながら、国体のレガシーも生かしながらこの準備を進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ経験したことを生かして進めていただきたい。4年に1回ではなく一生に1度とうたってこの大会を開くわけでございますので、そういう意味で期待しているところも多くありますし、ファンのみならず沿岸被災地の皆さんに非常に力になる、元気を送る開催にしなければならない。これは被災地のみならず、全県挙げてやるのは当然と思っておりますし、国内外からも多くの支援をいただかなければならないと思っています。
そういう意味で、公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会にはかなりの金額を負担しているわけですけれども、組織委員会から開催に対する支援というのはどのようになっているのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 組織委員会との関係でございますが、平成27年度から平成29年度まで、岩手県と釜石市がそれぞれ3カ年にわたって5、000万円を開催地の負担金という形で負担させていただいているところでございます。組織委員会自体、この大会にかかわる準備がチケット収入だけではなかなか賄えないということがあって、我々も大会にかかわる運営費について国等への要望等もしているところではございますが、現在のところは組織委員会から金銭的な助成はないところでございます。
〇軽石義則委員 組織委員会からの支援もなければ成功に導けないということもあると思いますので、開催を決定していただいたことが最大の支援ということで終わらないように、成功するまでが支援ということになると思いますので、引き続き連携をとっていただきたいと思います。今、実行委員会も、そういう意味では財政見通しもなかなか厳しい環境の中で進んでいると思いますけれども、実行委員会として取り組んでいる課題についてお伺いいたします。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 実行委員会で取り組んでいる部分の課題でございますけれども、大会の機運醸成にかかわっては、先ほども答弁で申し上げましたが、県民の参画意識をどのように高めていくのかということがございます。観客の輸送にかかわっては、スタジアム、そして会場周辺のインフラ整備を見据えた交通輸送にかかわる対応策を検討していく必要があります。観客の受け入れ態勢の構築に関しては、ボランティアの確保策。そして、防災、セキュリティーなど安全・安心の確保については、警察、消防、医療機関など関係機関との具体的な連携体制を構築し、しっかりと検討を進めていくことが重要と考えております。
〇軽石義則委員 しっかりと一つずつ、現場の声を聞いた上で対応していくことも大事だと思いますので、引き続きお願いしたいと思います。
先ほどチケットの販売についてもお話がありましたけれども、釜石会場のチケットを私も申し込みましたが、運悪く抽せん漏れになりまして、次の機会を今お願いしているのですけれども、前売り状況はどういうふうになっているのか。
また、私のところにも何枚準備してくれという問い合わせがあるのですが、私は準備できないと言っているのですけれども、インターネットで申し込むということ自体が周知されていなかったり、どこで売っているんだという問い合わせがいまだに来たりするわけです。そういうインターネットで買わなくてもちゃんと買えるんだよという周知と、心配なくもう既に売り切れ状態ですというのであれば問題ないのですが、チケットは売れたけれども実際人が来るかどうかというのが次の課題になると思うのですが、現状をどう把握しているのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 釜石会場のチケットの販売状況についてでございます。
委員御指摘のとおり、このチケットにつきましては、平成30年1月19日から2月12日まで、一つのチームの全ての予選が入りましたチームパック、そして、一つの会場、例えば釜石会場等で行われる全ての予選が入ったスタジアムパックの抽せん発売が行われました。組織委員会の発表では、この期間中に全世界で101の国と地域から合計86万4、000枚の申し込みがあり、抽せんによりまして約30万枚が当選したと聞いております。
なお、釜石会場についてはスタジアムパックの抽せん倍率が上位とされておりますが、詳細については、組織委員会から公表されていないため、県では把握していないところでございます。
チケットの関係につきましては、委員御指摘のとおり、今度3月19日から岩手県民向けの先行抽せん発売も始まりますので、県内各地でブースを出展し、PRを行うなど、今後も大会の情報発信にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
また、チケットの購入に当たって、公式サイトでの事前登録が必要ということについての周知でございますが、そのような声もいただいているところですので、さまざまなイベントの際にワールドカップのブースを出展してきたところでございますが、その際にはチケット申し込みに関する相談にも応じているところでございますので、今後の岩手県の先行抽せん発売に合わせてもそのような対応をしてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 かなり人気があるということはうれしいと思いますし、それをさらに成功に結びつけることが大事だと思います。私も会場で見られなくてファンゾーンでしか見られないかもしれませんけれども、そのファンゾーンを県内どういうふうに広げていくのか、各市町村との連携も含めて大事だと思うのですが、そういう部分も含めてどのように今考えているのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 市町村との連携の関係につきましては、大会を成功させるには、岩手県、釜石市はもとより、県内全市町村、県民が一丸となって取り組みを進める必要があると考えております。そのため、県内全市町村を初め、各関係機関が参画して釜石開催実行委員会を設立し、大会の準備を進めているところでございます。
これまで、市長会や町村会などの会合、そして県内4カ所で開催しました最新情報説明会などで情報を共有の上、市町村で開催されるイベントへのブース出展、あるいは市町村の広報紙を活用した住民向けのPRなどの連携に取り組んできたところでございます。
引き続き、交通輸送にかかわっての駐車場の確保等に向けて連携して取り組むとともに、ボランティアの確保や、あるいは市町村を単位として行われる県民の自主的な取り組みへの支援、あるいはファンゾーン周辺での県内市町村の観光物産PRの仕組みづくり等につきまして、市町村としっかり連携して進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ファンゾーンを市町村と連携してやるということですが、県内で大体何カ所ぐらいを考えているのか、わかればお願いします。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 ファンゾーンの設置の関係でございますが、現在、釜石市に1カ所設置することで組織委員会と協議を進めております。
県内各地でのファンゾーンということでの御質問でございますけれども、必ずしもファンゾーンという形でフルで行うだけではなく、パブリックビューイングという形での開催ができないものかということ等についても現在、組織委員会とその取り扱い等について協議しているところでございます。まだ具体に県内でどのようにというところまではいっておりませんけれども、そういったことも視野に入れて検討してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 釜石市で1カ所ということでありますけれども、会場とファンゾーンとかなりの人が集中するとすれば、交通対策を含めて、もう少し県内全域でカバーできるように対応していったほうがいいのではないかと感覚的に感じるところです。これから組織委員会と詰めるというお話ですけれども、やはり岩手の場合は、特に沿岸は、交通網も整備されたといっても、いろいろな意味で万が一のときの避難を含めて対応しなければならないと思いますので、ぜひ幅広く、岩手全体でどうするかという考え方を持っていただいたほうがいいのではないかと思います。
各種イベントをこれから開催すると思いますが、釜石会場のみならず国内では12会場あって、それぞれ開催地の特色を生かす部分もあると思いますので、その各開催地との連携も大事だと思いますし、ワールドカップ2019は岩手を海外にさらに発信する絶好の機会であると思いますけれども、海外との関係も含めて、それぞれ今考えていることがあればお示し願いたいと思います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 国内開催地との連携についてでございますけれども、今年度、日本代表戦が開催されました東京スタジアム周辺の会場において岩手・釜石会場への来場促進のためのブースを出展し、PRを行ったほか、同じく日本代表戦の会場となりました熊本県、静岡県、神奈川県のスタジアムにおいてパンフレットやノベルティーを配布するなど、他の開催都市のラグビーファンに対し、岩手・釜石開催や本県観光のPRを行ってきたところでございます。また、秋田県で行われましたねんりんピック、宮城県で開催されましたハイウエイフェスタ、盛岡市内で開催された地元テレビ局主催のイベントや国際交流イベントなど、県内外を問わず、大勢の来場者が訪れるイベントにブースを出展し、PRを行い、釜石開催の認知度向上に取り組んできたところでございます。
現在、東北各県に、大規模イベント等でのブース出展を初め、PRについて協力を要請しておるところでございまして、東北地方における釜石開催の認知度向上と一般発売に向けたチケットの販売促進について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
海外との関係でございますが、今年度、ラグビーワールドカップ2019釜石開催に関する英語版のパンフレットを作成し、広く配布してきたところでございますが、さらに県のホームページを通じまして、ラグビーワールドカップ2019岩手・釜石開催の意義や、東日本大震災津波による被災から開催都市決定に至るまでの経緯のほか、これまでの支援に関する御礼と復興状況について世界中に発信しているところでございます。
また、観光課と連携いたしまして本県への外国人観光客来訪に向けた情報発信に取り組むほか、釜石開催を契機とした海外からの誘客拡大に向けまして、釜石市で試合を行うフィジーを初めとした海外メディアあるいは旅行会社を招いての現地視察ツアーなども実施し、PRを図ったところでございます。
〇軽石義則委員 開催したで終わらないように、次にしっかりつながる取り組みにするのが大事だと思っておりますので、引き続きそれらにも留意してやっていただきたいと思います。
私は、機会があって、昨年、その前も花園に行って、どのようにラグビーワールドカップが宣伝されているのか見ましたけれども、東大阪市だけがブースを持っていて、その他の開催地はどこも来ていなかったのです。いよいよ本年は開催1年前として、全国大会-高校のみならず大学のいろいろな大会があると思うのですけれども、そういうところにもしっかりと発信していくことが大事だと思うのですが、その点はどうでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 国内開催都市の連携で広く国内各地で行われるラグビーイベントにおけるPRにつきまして、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 県民全体が、見たということではなくて参加したと。一緒にこの大会をつくって、岩手を次世代につないだというものにしていくために、さらに努力をするという部長の決意を聞いて終わります。
〇上田文化スポーツ部長 ラグビーワールドカップ釜石開催まであと2年でございまして、今の時期がその準備の非常に大きな山場でございます。さらに、委員からお話がございましたとおり、釜石開催後の展開について、今、青写真なりをつくっておくことは非常に重要と考えております。そういったことにつきまして、組織委員会を初めとしたさまざまな団体、それから県内市町村、そして何よりも県議会の皆様と一丸となりまして、スクラムを組んで積極的に全力で取り組んでまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 関連。ラグビーワールドカップ担当の皆様には、頑張ってもらっていることに敬意を表します。
基本的に、2巡目国体の北上会場の開会式、閉会式が成功裏に終わった、それをイコール沿岸に移行させればいいという考えを持っているのは間違いだと思います。国体の開会式、閉会式では470台のバスを用意して、1万6、000人のキャパシティーをほぼ埋めたと言われております。しかし、釜石会場の場合、周囲の半分は海なんですよ。北上は360度陸ですけれども、釜石市の場合は半分が海だということを考えていただかなければいけないと思っています。
それから、明治150年、過去の歴史を見ても、沿岸にある市に1万人以上が集まったイベントいうのは三閉伊一揆しかないのです。三陸・海の博覧会釜石会場でも8、000人ぐらいだったでしょうか。ですから、1万6、000人を2回-2試合、釜石市に集めるというのは非常に難しいと考えなければならないと思います。
ただ、いろいろな文化、文明が変わってきていますし、世界からも観客が来るということでありますからそこは違うところでありますけれども、条件的には北上市よりずっと悪く、しかも交通の便がいいとは言えない。したがって、ラグビーの熱だけで人を集めようということではかなりつらいものがあろうと思います。ただ、せっかく皆さんの力をいただいて誘致に成功したわけでありますので、これはこれで僥倖としながら、次の若い世代に残すためにぜひとも成功させなければならない。ベース的には非常につらいものがあるけれども、それは何としても超える、そういう気持ちをみんなで持ち合わなければいけないと思います。
我々は、復興スクラム議員連盟というものを解散して、岩手県スポーツ振興議員連盟に吸収合併していただきました。これはラグビーだけでラグビーをやろうという思いではなく、ラグビーをオールスポーツで応援していただきたい、そういう思いからであったわけでありまして、ラグビーだけでなく、いろいろなゲームが来たらオール岩手で取り組むことが大事だと思ってのことでありました。
あと2年と言われますけれども、こつこつとボディーブローを打っていくしかないわけでありますので、しっかりとした計画を立てて、ぜひ成功をかち取る、もう一度上田部長の決意をお聞きしたいと思います。
〇上田文化スポーツ部長 釜石会場の開催につきましては、非常に大きな注目を集めていて日本中から関心をいただいていると思っております。先ほど担当の課長から申し上げました抽せんの状況でございますが、抽せん倍率が上位というお話をいたしましたけれども、これはメーン会場の東京都、それから横浜市に次いで第3位という内々の情報がございます。それだけやはり、釜石市で開催し、それも被災地で、復興というところも十分にわかった上で釜石市で開催される大会に期待を寄せている方がたくさん国内にいらっしゃると存じます。そういった方々の期待に応え、そして、三陸地域を中心としまして県内にそういった波及効果がくまなく行き渡るように、これから皆様からのお知恵を十分頂戴しながら検討を重ねてまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 私も、軽石委員、そしてまた伊藤委員の質問を受けて、関連で一つラグビーワールドカップについて聞きたいのですけれども、イベントをやる意義というのは、そのイベントを成功させることももちろん大切だと思いますけれども、それをどう生かすかということを先ほど軽石委員も伊藤勢至委員も言いましたが、私は、ラグビーワールドカップを契機として、ラグビーの競技人口をいかにふやしていくか、あるいは競技力をいかに強化していくかということも一つの大切なテーマになるのではないかと思います。かつて新日鉄釜石ラグビー部の選手たちが日本中を沸かせたように、再び釜石市がラグビーの聖地となるように、そのためにどう次につなげていくか。選手強化あるいは競技人口の増加、あるいはもう一度聖地をよみがえらせるために、その後の取り組みについて何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 このラグビーワールドカップを生かしての競技力等の向上という部分についてでございます。
ラグビーワールドカップ開催にかかわりましては、日本ラグビーフットボール協会と県ラグビーフットボール協会、そして開催都市である岩手県、釜石市等で、今後ラグビーの競技人口をふやしていくためにどのような取り組みをしていくのかということでの計画を現在検討しているところでございます。
具体的には、子供たちのラグビースクール等、裾野を広げるための取り組みも検討されておりますし、釜石市にできる競技場を使ってさまざまな大会を行うことによって競技力の向上等にもつなげていくという計画を今、日本ラグビーフットボール協会と県の協会等と検討をさせていただいているところでございます。
〇福井せいじ委員 恐らく文化スポーツ部の方も御存じだとは思うのですけれども、競技人口そのものはすごく少なくなっています。高校におけるラグビー部の存在も少なくなっております。私の母校のクラブもなくなってしまったのですかね、部長。ありますか、今。たしかそういう形で、非常にラグビー部そのものが少なくなっている。そういった意味では、これを契機にまた競技人口をふやして、ラグビーの聖地である釜石市の価値を取り戻していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告しておりました質問に戻りますけれども、私は、障がい者の創作活動の支援についてお聞きしていきたいと思います。
障がい者の芸術作品の公開に対する支援をまず第1点目に聞きたいと思いますが、これまで県では、障がい者芸術祭、あるいは-これは一つの障がい者の作品を公開する機会となりますが-アール・ブリュット巡回展等も開催されておりますが、この内容について、どういったところで、いつやっているのか、あるいはどういった作品が展示されているのかをお聞きしたいというのがまず1点であります。
それから、先ほど部長の説明にありましたが、障がい者芸術活動支援センターを設置するということで、この活動支援センターの内容についてもお聞かせいただきたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 障がい者の芸術作品の公開に対する支援についてでございますが、まず、障がい者文化芸術祭でございます。
県では、平成5年から毎年岩手県障がい者文化芸術祭を開催し、絵画、書道、写真、工芸、文芸の5部門の応募作品を展示するとともに、優秀作品を表彰しております。25回目を迎えた今年度の文化芸術祭は昨年11月16日から12月3日までふれあいランド岩手で開催しまして、324の個人、団体の作品を展示いたしました。
今年度は、このほか、いわて・きららアート協会が平成10年から毎年開催しているいわて・きらら・アート・コレクションの優秀作品等を展示するいわてアール・ブリュット巡回展を県内4カ所で開催しまして、その来場者数は4会場で合計2、921人であったところでございます。
次に、障がい者芸術活動支援センターでございますが、来年度、先ほどお話ししましたような取り組みを継続するほか、新たに障がい者芸術活動支援センターを設置しまして、障がい者の創作活動に対する相談対応や、県民の目に触れていない障がい者の芸術作品の調査などを行いたいと考えております。
〇福井せいじ委員 障がい者の作品を公開するというのは私は非常に意義があることだと思いますが、こういった芸術作品展や文化芸術祭をやっていることや、あるいは、先ほどお話があったいわて・きららアート・コレクションなどのすばらしい展示会が余り知られていないというのが現状ではないかと思います。見る側-私たちにも知られていないし、また、障がい者の方々にも知られていない。そしてまた、障がい者がいらっしゃる施設の方にも知られていないのが現状ではないかと私は思うのですけれども、もう少し告知をしていただきたいのですが、その告知の方法、PRの方法をもう一度確認したいということ。
それから、施設長の方々が知っていても、現場の職員の方に伝わらないために障がい者の方の作品が出てこない、あるいは障がい者の創作活動がままならないという現状もあるやに私は伺っております。そういった意味では施設長の方々の理解促進も必要ではないかと思うのでありますが、この2点についてお聞かせいただきたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 県民の皆様にお知らせすることについてでございますが、今年度開催しましたいわてアール・ブリュット巡回展につきましては、テレビCMなども活用しまして広く広報させていただきまして、多くの方にごらんいただいたと思っております。そのほかの取り組みにつきましては、やはりこれまで皆様への周知が足りなかったということもございますので、今後力を入れていきたいと思っております。
また、施設長や施設の担当者の意識の問題でございますけれども、今年度もそういう方を対象としました研修を実施しております。来年度は、障がい者芸術活動支援センターを設置いたしますので、センターの事業として研修をやっていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 障がい者の方々の作品を公開する機会、場をこれからもぜひふやしていっていただきたいと思っております。
そこでまたお聞きしたいのですけれども、先ほど障がい者芸術活動支援センターを設置するというお話でした。一方で、いわて・きららアート協会のような民間団体が主催している展示会、展覧会活動に対する支援体制の充実も求められていると思っておりますが、その点に関してはいかがでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 民間団体に対する支援でございますが、県の文化振興事業団と連携しまして、同事業団が所管している岩手県文化振興基金の助成事業を見直しまして、県内の福祉団体等が取り組む障がい者芸術活動に要する経費の一部を助成するメニューを来年度から新しく設置することといたしました。
〇福井せいじ委員 民間の方々は非常に困っています。会場使用料や作品を展示するときの経費、あるいは作品をつくる際の材料の確保などにも困っていますのでこういった助成制度をぜひ充実させていただきたい。もう一方で、これは提案ですけれども、作品展をやるときに県の施設あるいは市町村の公共施設を使う場合、会場費の減免などはお考えにならないかということと、あと、県の芸術祭との連携についてはいかがなものでしょうか。芸術祭の中で一つ障がい者の創作作品を展示するとか、そういったコーナーも設けてもいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 会場使用料につきましては、先ほど御紹介させていただきました基金の新規事業の対象経費になっております。県の施設ごとの会場使用料の減免につきましては、それぞれの施設ごとに検討がなされると考えております。
芸術祭との連携でございますが、その基金の中に障がい者のメニューを追加するという形で、文化芸術の振興を障がい者と健常者の垣根なく進めていくことは当然必要でございますので、委員から御提案のありました点を参考に今後検討を進めてまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 先ほどの会場費の減免ですけれども、ぜひこういったことは県のほうから各市町村あるいは施設に対して呼びかけていただきたい。県側としてそういった障がい者の作品を展示する、公開する機会を設けていきたいという思いがあるのであれば、そういった働きかけをぜひやっていただきたいと思っています。
次に、2点目ですけれども、障がい者の芸術作品の活用という意味でお聞きしたいのでありますが、実は、作品を事業者に活用してもらうという仕組みがあります。これは一般社団法人の、名前を言いますとだんだんボックスというところでしていまして、障がい者の作品をデザイン化して、段ボールとか封筒に、その作品をデザインとして活用する。そして、そこで得た収益を、経費を除いて障がい者に還元する仕組みですけれども、こういったことによって作品が世の中にどんどん見えるようになってくる。そしてまた、その作品を使った企業も、障がい者のために活動しているという意識を持てるし、さらには障がい者にも収益が還元されるという、非常に皆さんがいい、ウイン・ウインの関係を構築できるような仕組みでありますけれども、こういった作品をいかに活用するかというシステムを、県でも、行政でも、構築していただければありがたいというのが一つ。
それから、そういった活動に対する、何かしら助成制度というものも設けていただければ、もっともっとよい活動が民間の中に広がっていき、さらには、障がい者の作品が世の中に出ていくのではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 県におきましては、今年度からアール・ブリュット巡回展を開催するということで、県民の皆様に広く作品のすばらしさを知っていただく取り組みを始めたところでございまして、作品の活用という視点、観点での事業等につきましてはこれからという状況でございます。県としてどのようなことができるか、助成制度も含めまして研究してまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 こういった活動を継続するには大変な思いもありますし、エネルギーも要りますので、それを広げるために何かしら仕組み、仕掛けを考えていただきたいと思います。
障がい者の方々というのは、施設におる方もいる、あるいは在宅の方もいますけれども、ふだんはできないことをできるようにしてほしいということを求められている。障がいを持ってストレスがある中で、創作活動というのは自分を表現する、存在価値を伝える、伸び伸びとした表現、活動だと私は思っています。それによって、自分が生きていくエネルギーが得られる活動だと思います。そういうことを今度は公開する、あるいは皆さんに見ていただくことによってまた新たにエネルギーが戻ってくる、そういった場をぜひつくっていただきたいと思いますけれども、部長、いかがでしょうか。これからも障がい者の芸術作品、芸術活動に対して、岩手県として大きな支援をしていただきたいのですが、思いをお聞かせいただければありがたいと思います。
〇上田文化スポーツ部長 昨年の4月から当部がスタートいたしましたが、その設置の目的の一つには、障がい者の方々の文化、スポーツへの参画、あるいはその活動に対する理解を県民全体に、県全体に広げていくのが大きな目的の一つだったろうと思います。そういったことで、ただいま担当の課長から申し上げたとおり、障がい者の文化活動に関しては基金を活用いたしまして、かなり事業メニューは充実をさせていただいたところでございます。活動の発表する機会を充実させてほしいといった求めがたくさんございます。それは承知しておりますので、今後とも、そういった活動に対する支援のあり方について検討いたしたいと思いますし、委員から御提言いただきました内容を含めて、検討を深めてまいりたいと思います。
〇千葉絢子委員 私からはいわて若者文化祭についてお伺いしたいと思います。
この開催は平成26年度から始まっていますけれども、本来の開催の目的と、これまでを含めてどんな成果を求めているか。また、数ある若者支援策の中での位置づけについてお伺いしたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 いわて若者文化祭は、復興を進めていく中で、地域において多くの若者が活躍しているということがございまして、岩手の未来を創造していくためには、若者の継続的な力が不可欠であるという考えのもと、若者が取り組むさまざまな活動の成果を発表し、互いに交流する機会を提供して、若者の活動を後押しすることを目的に開催をしているところでございます。
若者文化祭の開催によりまして、地域活性化の担い手として期待される若者の活動がさらに活発になり、学校、職場、地域の枠を超えたつながりが生まれ、若者活躍のネットワークづくりや基盤づくりにつながると考えております。
また、さまざまな若者活躍支援策がございますが、その中で、いわて若者文化祭は、若者の主体的な活動を促し、交流の機会を提供する重要な取り組みの一つであると考えております。
〇千葉絢子委員 これまでの開催の4年間に、目指す成果に対してどのような結果になっているか、事業評価についてお伺いしたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 事業評価についてでございますが、いわて県民計画アクションプランにおきまして、地域の活性化に向けた若者の活動の活発化と、学校、職場、地域の枠を超えたつながりの創出という、先ほど申し上げました目指す成果に対しまして、若者文化祭に出演、出展し、交流を行った人数を目標値として設定しているところでございます。
目標値120人に対しまして、平成28年度は362人、平成29年度は375人となっておりまして、達成度はAとなっているところでございます。
〇千葉絢子委員 この事業は、当初、3年計画で始まったと聞いております。それで、これまでの4年間にかかったトータル金額は4、283万円余りということで、1年当たり1、060万円ぐらいかかっているわけです。
この根拠がちょっと、私は前職がイベントを実施する会社でありましたので、そういったところから考えると、予算が年平均で1、060万円というのが適正かどうかというところで、判断しにくい部分があります。
それから、ここは県内の東広社という会社が随意契約となっています。なぜ随意契約になっているのかも教えていただきたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 いわて若者文化祭の事業実施に当たりましては、県、大学、経済団体等で構成されるいわて若者文化祭実行委員会が公募を行いまして、企画コンペにより委託事業者を選定しているところでございます。
具体的には、いわて若者文化祭実行委員会に企画提案審査部会を設けまして、企画内容を審査の上、委託候補者を選定し、実行委員会において事業者を決定して契約を締結しているものでございます。
〇千葉絢子委員 この中で、開催されて集客のところをお聞きしましたら、大体3、000人から4、000人のところで推移をしていて、去年に関しては、10月1日にもりおか歴史文化館前広場のところで3、500人の来場者があったということです。県としては、その事業継続に関しては、入り込み数だとか出演者の人数がふえているというところが評価の根拠になっているのかもしれませんけれども、ただ一方で、協賛企業に関しまして見ると、昨年は、岩手銀行が、赤レンガ館の会場使用料を協賛、それから盛岡市教育委員会が、もりおか歴史文化館前広場の会場使用料を全額免除というか、提供という形になっています。それ以外に、民間企業などからの協賛が得られていないという理由についてはどのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。
〇中里文化振興課総括課長 いわて若者文化祭への協賛につきましては、平成26年度は6者から24万円、平成27年度は2者から21万6、000円の協賛がございました。平成28年度は2者から、29年度は6者から会場使用料の減免と、コンテスト入賞者への商品の提供という形での協賛をいただいたところでございます。
いわて若者文化祭を若者の期待に応えてさらに盛り上げていくためには、民間との連携が非常に重要であると考えておりまして、引き続き、民間団体等の理解を深めて協力いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 協賛企業は二十数者あるということですけれども、1、000万円を超える費用のうち、企業協賛はわずか二十何万円という実態となっています。これは広く若者文化祭というイベントのあり方が、民間の人たちも含め、受け入れられていないということを示す根拠ではないかと私は考えます。
先日お伺いしたときに、若者文化祭ブランドというものができ上がってきていると課長がお話しになっていましたけれども、もし若者文化祭ブランドというものがおっしゃるように世に認められてきているのであれば、協賛企業も協賛額もふえていってしかるべきと思うのですが、この点についてどのようにお考えか、いま一度お聞かせください。
〇中里文化振興課総括課長 若者文化祭につきましては、来場者についても、第1回が3、186人、第2回が3、363人、第3回が4、441人、本年度の第4回が6、955人と着実にふえてきております。
また、出演者、出展者、来場者からは、郷土芸能のジャンルで若者の発表の場が少なく、大変貴重な機会だと思うとか、このようなイベントを待っていた、毎年楽しみにしていますなどの声が寄せられておりまして、若者の活動の発表の場、若者同士の交流の場として効果があったものと受けとめております。
さらに、平成28年度からは、県内各地で行われるイベントに、若者文化祭出演団体を派遣する取り組みを実施しておりまして、地域からの派遣要請に応じて、平成28年度は4団体、今年度は6団体を派遣し、今年度中にさらに2団体を派遣することとしております。
若者文化祭につきましては、参加を目指して日々練習を重ねている若者も多くおりますので、来場者等からの期待に応え、来年度においても内容を充実させながら継続することといたしまして、当初予算案に盛り込んでいるところでございます。
〇千葉絢子委員 では、私は継続の妥当性について次は質問をしていきたいと思います。
目標とか目的となる数値、例えば来場者や協賛企業数、協賛額、それから先ほどおっしゃいました地域の活性化が図られているかということを具体的に示すスケール、物差しをはっきりしないまま事業継続となっているような気がして私はたまらないのですけれども、きちんと検証しないまま3年の計画が4年、5年と続いていることについて問題はないのでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 若者文化祭につきましては、いわて県民計画のアクションプランにおきまして、平成30年度までの交流を行った若者の人数ということで、目標を立てて開催しているところでございます。協賛企業数につきましては、目標ということでは特に立ててはございません。地域の活性化が図られているかということにつきましても、なかなか数値であらわすのは難しいところではございますが、県がこの若者文化祭ですとか、若者活躍支援に取り組んでいることが契機となりまして、例えば昨年度から開催されている滝沢市の漫画、アニメをテーマとした同人誌即売会イワケットですとか、平成29年7月に平泉町で開催されました伝統芸能やダンスを発表するまつりフェス、あるいは先月、大槌町で開催されましたアニメやグルメ、郷土芸能の祭典、三陸コネクトフェスティバルなど、県内各地で若者文化関連イベントが開催されるようになってきておりまして、着実に若者文化の取り組みが広がってきていると認識をしております。
〇千葉絢子委員 そうした実績というのは、県民にわかりやすいものでなくてはいけないと思っています。先ほどから自主性とか、地域の活性化とおっしゃっていますけれども、その自主性についてお伺いしたいと思います。
協賛を集めるなど、実行委員会は自力で例えば資金を調達してくるとか、それからイベントの企画、運営力をどの程度つけていっているとごらんになっているのか。私は開催から4年、そして来年度で5年を迎える今、企業協賛の二十数万円を除いた1、000万円余りを県が出資し続けているというイベントに、自主性という言葉が果たして適当かどうかというところが非常に疑問であります。その自主性について、今後どのような方向で導いていらっしゃいますか。
〇中里文化振興課総括課長 いわて若者文化祭の開催に当たりましては、先ほども御紹介いたしました県、大学、経済団体等からなる実行委員会のもと、さまざまな考えや経験を持つ若者で構成する当該委員会の企画部会が推進エンジンとなって実際の運営にも当たっているところでございます。
企画部会の若者は、学業ですとか仕事で忙しい中、意欲を持って積極的にかかわっておりまして、若者の発想で企画内容を提案するほか、委託事業者や県の職員と実際の業務をともに行うことで、運営力も身につくものと考えております。
この企画部会が、実行委員会の中での役割をさらに大きくしていくことは重要であると考えておりまして、そうすることによりまして、若者がさらに企画力ですとか運営力を高めていくことになるだろうと考えております。
〇千葉絢子委員 この実行委員会のメンバーが、学業、仕事で忙しい中、本当に自分たちでこのイベントをやりたい、続けていきたいと思うのであれば、それこそ、地域の活性化を促すために、みずからが地域の中の企業に働きかけ、団体などにも働きかけ、ネットワークをつくって推進していくのが本当の自主性だと私は考えています。県から予算がつくからいいや、だとしたら、自分たちが好きなことをやってお客さんに見てもらう、その場に出られる、こんなありがたいイベントははっきり言ってないのです。本当に若者の自主性を育てていく、若者の企画力、運営力、文化的水準、ネットワーク構築力を高めたいというのであれば、県が100%近く出資するようなイベントのあり方は考えるべきだと、そういう時点に来ていると私は思っています。
この若者文化祭の予算、平成26年は840万円で始まりました。平成27年856万円、ほぼ横ばいですけれども、平成28年には1、387万円までいきなりアップしています。そして平成29年も1、200万円、そして来年度も960万円の予算がついています。
この若者関連イベントについてですけれども、もともとの担当部局であった環境生活部所管のものと合わせますと、ことしは環境生活部でも3、200万円の予算をとって若者カフェ、若者会議などを運営しておりまして、この若者関連イベントにかけているお金は、来年度4、100万円に上るのです。これが10年続けば4億円になるんですよ。それで果たしてその事業対効果、費用対効果がどの程度出ているか、これを検証しないまま安易に事業を継続していくということに対して、私は反対であります。ですので、そろそろ事業の効果を検証する時期に来ていると思いますが、その点について部長はどのようにお考えでしょうか。
〇上田文化スポーツ部長 若者文化祭につきましては、さまざまな地域で活躍している若者が活動を発表する機会でありますし、意義は大きいものと捉えております。これに関して、例えばほかの国の機関等からも非常に評価するという声を聞いております。ただ、今回5年目を迎えるわけですけれども、やはり節目ではありましょう。これまでの間も、さまざまな改善を図りながら内容について検討を重ね、例えば若者の関与の仕方についても、かなり深くかかわっていただくように工夫をしてまいりました。
今後のあり方については、運営形態のあり方等も含め、検討してまいりたいと思います。
〇千葉絢子委員 私が前職で経験したところによりますと、1、000万円の根拠、これは発注した業者に対してどれぐらいかかっているのか、検証はすべきだと思います。
例えばジャニーズのSMAPも、10年前の全盛期であっても、1日、お一人の出演料は50万円ぐらいでした。何に1、000万円かかっているのか、会場の使用料も御協賛をいただいているということであれば、屋外にステージを組んでやる必要が本当にあるのか。屋外にステージを設けると天候に左右されるわけです。実際、去年の実施内容を見ても、もりおか歴史文化館前広場、9月30日の土曜日は509人の来場者でした。10月1日の日曜日は3、500人となっていますけれども、天候次第でどうなったかわかりません。ですので、本当に入り込み数を確保したいというのであれば、屋内での開催に変えるとか、そうすれば、照明それから音響などについてのお金というのももっと抑えられると思います。ですから、あり方自体、本当にどうしていくべきか根底から考えて、これが本当に若者の地域のネットワークづくりにどれぐらい寄与しているか、しっかりと検証した上で予算を再来年度は立てていただきたい、再来年度に向けて検証をして考えていただきたいと思っております。お願いをして終わります。
〇工藤誠委員 私のほうからは縄文遺跡群の世界遺産登録についてお願いいたします。
平成30年度からこの事業については、登録も利活用も文化スポーツ部に一本化されるということでございますので、末永いおつき合いをお願いしたいのですが、まず、文化スポーツ部への質疑については理念の普及とか機運の醸成についてしかお聞きできないということで、そのことをまず最初にお聞きしたいと思っております。
機運の醸成というか、理念の普及も含めてですけれども、いろいろと平成29年度も取り組まれたと思いますけれども、実績というか内容。それと、平成30年度は新たな事業計画なども予定されているのか、予算内容なども含めてお伺いしたいと思いますし、また、それをやってみてその成果、それから課題、その辺もお聞きしたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 縄文遺跡群の機運醸成についてでございますが、今年度、県が実施をいたしました普及啓発の取り組みの実績といたしましては、県内二つの世界遺産とともに、御所野遺跡を周遊するスマートフォンを活用したスタンプラリーや県内イベントでの世界遺産ブースの出展と講演会、また、盛岡駅と二戸駅において実施をいたしましたパネル巡回展などがございます。
それらの成果についてでございますが、スタンプラリーにつきましては300名ほどの方々に参加をいただきまして、参加された方には、世界遺産を間近に見て、触れて、理解を深めていただけたものと受けとめております。
今後におきましても、世界遺産の早期実現とともに、より一層の機運の醸成を図ることが重要であると考えておりまして、平成30年度におきましても、今年度に引き続き、スタンプラリーを充実させて展開するとともに、新たに航空機内誌を活用するなどにより、縄文遺跡群の魅力を県内外に発信するということで取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 いろいろやっていただいているようでありましていいと思うのであります。その中で私、一つ気がついたことがあるのですけれども、巡回パネル展ですが、盛岡駅と二戸駅でやられたということで、私は盛岡駅には行けなかったのですけれども、二戸駅は地元ですので伺いました。どなたか担当の方はいらっしゃっているとは思いましたが、1時間ぐらい見ていました。二戸駅の通路は余り人は通らないと言っては悪いのですけれども、盛岡駅と比べると通行する人数というのは極めて少ないのです。そして二戸駅は東口、西口に分かれていて、西口は工業高校がありますので生徒はそのまますっと行ってしまうし、東口はIGRがありますので利用者はそのまま東口に出てしまう。あそこの通路を通って足をとめてパネルを見ている方はいませんでした。
それで、平成30年度もやられるのでしょうけれども、この寒い2月の時期に、風が吹くような場所に、細かいパネルを34枚も並べておくようなやり方はいかがなものかと私は思いました。それから、説明する人もいない。四つのトレーにパンフレットがありましたけれども、一つは空でした。一体誰が管理しているのか。見てほしいのか、わかってほしいのか、どうしたいのか、全く意味がわからない。そういうことを申し上げておきますので、来年度に向けてしっかりとその辺は対応されたらいかがでございましょうか。そう思いますので、余りそのことは申し上げませんから、ぜひ記憶の隅にとどめておいていただければありがたいと思っています。
それで、二つ目に移りますけれども、世界遺産センターの整備ということで、地元からもいろいろ要望が上がってきております。それで、なぜこれが必要なのかというのはいろいろ議論があるわけでありますけれども、17構成資産、4道県、14市町の中で御所野遺跡が南の玄関口に当たるということで、17構成資産全体の一番最初に見ていただく場所として位置づけるためにそういうセンターを設けて、そこで全体の中身もわかるという意味で、こういうものが必要なのではないのか。そのことが結局、県北振興なり地域振興、観光振興にも役立つのだという話になっているわけです。当然、平泉、橋野鉄鉱山のことも含めてなわけですが、このセンターの設置の必要性ということについても、県はどのように認識しているかということを伺いたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 世界遺産センターの整備の必要性ということでございますが、縄文遺跡群の世界遺産登録につきましては、関係自治体で構成する縄文遺跡群世界遺産登録推進本部でさまざま取り組みを進めていると認識しております。その本部の包括的保存管理計画に情報発信拠点施設の整備ということが位置づけられておりますことから、その必要性については、推進本部を構成する自治体間で共有されていると受けとめております。
〇工藤誠委員 本部の包括的保存管理計画の中に情報発信基地として位置づけられているということであれば、必要はあるという認識があるわけですね。それに対して4道県、14市町の中の南のゲートウェイとしての御所野遺跡にそれがあったほうがいいという認識は、県はございませんか。
〇中里文化振興課総括課長 縄文遺跡群の世界遺産登録につきましては、縄文遺跡群世界遺産登録推進本部で関係自治体が連携をして取り組んでいると認識しております。今後、その情報発信拠点施設としての世界遺産センターの整備につきましては、推進本部の場において、関係自治体間で検討を進めていくことが重要であると考えております。
〇工藤誠委員 その議論に任せておけば、皆さんもわかるとおり、17構成資産で一番最初に目立つのは青森県の三内丸山遺跡です。今、あそこは縄文時遊館というすばらしい施設が、今はもう増築が終わったのか、もう一つの立派なものができていますけれども、そこに行きますよ。青森空港は近いし、それから新青森駅、新幹線も近いし。それでは、観光客なり視察をする人たちは、周りを回らないでしょう。やっぱり南の岩手県の御所野遺跡のところから始まって、そして八戸市のほうに行くなり、秋田県のほうに行くなり、そういうスタートとしての位置づけが必要ではないですかと。ただ単に自治体の協議に任せておくというのはおかしいのではないですかと、私はそう思うのです。ですから、そこは県がもう少しリードをとって、地元と連携しながらやっていくべきじゃないですか。再度認識を伺います。
〇中里文化振興課総括課長 世界遺産センターの整備につきましては、今委員からお話をいただきましたとおり、位置ですとか、そこからどのようなルートで世界遺産となった資産を回っていただくかということも本部の中で検討され、三内丸山遺跡の既にある施設がどのようなもので、既にどのぐらい整備されているのかということも含めて検討されると考えております。
〇工藤誠委員 どうもすっきりしない話で、いずれ登録にならないうちはどうにもならない話だということであれば、これ以上は言いませんが、いずれ早い者勝ちというわけではないのですけれども、準備として、登録を前提としてすぐに進めていくことが必要だと私は思いますので、よろしくお願いしたいと思います。いろんな場でそういうお話はされていったほうがいいと思います。
地元も別に県に全部つくってくれということは考えてはいないと思いますので、PPPなりPFIなり、さまざまなやり方があると思いますので、岩手県は今三つ目の登録を目指しているわけですから、そういう優位性も生かしていただくことは必要だと思います。
ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、部長にも確認したいのですけれども、岩手県は今三つ目の登録を目指していると。そして、いずれ平泉の拡張登録についても今年度は推薦書を出せなかったようですけれども、いずれは出して、登録になって、四つの世界遺産を持つ岩手県になります。これは全国にもない例だと思っています。
それで、登録から利活用、そして岩手の地域振興にまでこの世界遺産というものをどう結びつけていくのか。これは文化スポーツ部にとっては大きな課題でもあると私は思っています。その辺の部長の認識をちょっとお伺いしたいと思います。
〇上田文化スポーツ部長 委員から御指摘がありましたとおり、文化の持つ力というのが地域活性化に果たす役割は非常に大きいと感じております。世界遺産登録は、非常に大きなインパクトがございます。ぜひこれからの取り組みを進めていきたいと思いますけれども、文化に関する振興条例がございます。国の法改正に伴いまして、そこの見直し作業を進めたいと考えておりまして、その中で世界遺産も含めた文化の持つ力を地域活性にどう生かすかということについて、明確に位置づけてまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 ぜひ文化の持つ力を地域振興にもしっかりと役立てていただきたいと思います。
2点目ですけれども、復興五輪ムーブメント推進事業費ということで1、500万円ほど予算措置されております。これは東京オリンピック、パラリンピックの大会に向けてホストタウンの関係とか、それから事前合宿の関係、そういう体制整備を図るものだということであります。それで、現在のホストタウンとか事前合宿の登録状況でありますけれども、これには一般的なホストタウンと、それから復興「ありがとう」ホストタウンですか、その二つの種類があるということなので、それを分けて教えていただければいいと思いますので、よろしくお願いします。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 ホストタウン、それから復興「ありがとう」ホストタウンの登録状況でございます。
ホストタウンにつきましては、東京2020オリンピック、パラリンピックに向け、自治体が相手参加国、地域の選手や関係者等との交流や応援を行うことを目的に申請し、国において登録するものであり、現在、盛岡市と遠野市の2市が登録されております。
また、昨年9月には、東日本大震災津波の被災3県の自治体を対象に、これまでの支援に感謝を伝える交流事業等の実施を目的に、復興「ありがとう」ホストタウンの制度が新たに設けられまして、現在、陸前高田市や野田村など6市村が登録されているところでございます。
〇工藤誠委員 復興「ありがとう」ホストタウンのほうは、被災3県の中では多いほうだということなので、非常に苦しい状況の中でも、頑張ってそういう取り組みをされていることについては敬意を表したいと思いますが、一般的なホストタウンの強化合宿、事前合宿のほうが2カ所ぐらいしかないということですが、これはどうなのでしょうか。全国的に見て岩手県は少ないということなのかどうか、そのあたりの現状を、少ないのであればなぜ少ないのか、理由の分析もお聞きしたいわけですし、今後手を挙げたいという自治体があればまだ間に合うものなのかどうか、その辺も含めてお知らせ願いたいと思います。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 全国のホストタウンの登録件数が218件ということになっておりまして、自治体数が1、741ということでございます。1、741分の218件。岩手県の場合ですと、33市町村のうちの2件ということになりますが、若干少ないのかなという認識でおります。
この理由といたしましては、東日本大震災津波の影響により、体育施設の多くが被災しているということがございましたし、それから、本県の沿岸部の市町村も含めて、平成28年に開催した希望郷いわて国体、希望郷いわて大会に注力していたという事情がございまして、若干取り組みのスタートがおくれたということがございました。
このような状況を踏まえて、国では、復興「ありがとう」ホストタウンという制度を新設していただいたわけでございますが、もちろん、一般的なホストタウンにつきましても、今後とも随時受け付けるということでございますので、引き続き、登録等については推進してまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 いろいろとこれをやるには相手国のこともありますので、コンタクトがどうとれているのか、また、何かいろいろなつながりがあるのか、さまざまなそういうこともあって、手は挙げることにちゅうちょされるところもたくさんあると思うのですけれども、市町村任せというところがちょっとあるのではないかという思いがあります。
岩手県は、今国際室というものもつくっていますし、ことしは中国雲南省に事務所も開設されるということもありますし、当然、来年はラグビーワールドカップ、それから三陸防災復興博(仮称)などがあって、インバウンドにもかなりの力を入れているわけです。海外との交流というのは、今は当たり前の話になってきているわけですから、さらにこういうことを進めたほうがいいのではないかと私は思います。そういう意味では、市町村にいろんなアドバイスをしていかなければならないのではないかと私は思うのですが、県がどのようなかかわりをされてきているのか。
それから、受け入れをするとすれば、費用の問題というのが必ず出てきます。そういう場合に財政的な支援というものはあるものなのかどうか、また、その制度の仕組みなどもわかったら教えていただきたいと思います。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 まず、県の支援でございますけれども、県は、市町村がホストタウンとして登録したいと、あるいは復興「ありがとう」ホストタウンとして登録したいというお話ができるように、まずもって、市町村を対象とした説明会ですとか、個別の相談会といったものを開催しておりますし、あとは各市町村を巡回してきめ細かくお話を伺うという取り組みも実施しております。そういったことを通じまして、できるだけたくさんの市町村が手を挙げられるような形での支援に努めてきております。
それから、費用負担でございますけれども、ホストタウンに登録された市町村におきましては、負担する費用として、主に相手国との交渉に要する経費、それから各種交流事業の実施に係る経費、事前キャンプを行う場合ですと、事前キャンプを実施する場合の施設の整備費などが想定されております。このホストタウンに登録された場合は、これらの各種交流事業等の実施に係る経費の2分の1が特別交付税で措置されることになっております。それから、スポーツ施設の改修に要する経費につきましては、地方債の対象となる財政支援措置が国から受けられることにとなっています。
これは、復興「ありがとう」ホストタウンでも全く同様でございます。
〇工藤誠委員 あと2年ということなので、急がなければならないと思いますので、ぜひそういう市町村へのPR、それから指導というわけではないのでしょうけれども、積極的に参加していただけるような体制をお願いしたいと思います。
それで、最後になりますけれども、岩手県に外国の方がたくさんいらっしゃれば、岩手国体で全県民が培ったおもてなしの心みたいなものをこれからもしっかりと発信していかなければならない、対応していかなければならないと思います。これを県民運動としても盛り上げていかなければならないと私は思っていますが、そういうことについてのお考えをお伺いしたいのと、先ほど私お聞きするのを忘れたのですが、聖火リレーのスタートとルートというのはいつごろ決まるものか、それを最後にお伺いして終わりたいと思います。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 まず、県民運動につきましてでございますが、復興五輪を理念に掲げる東京オリンピック、パラリンピックは、本県にとって、全世界からいただいた御支援に対する感謝の思いを伝え、復興の姿を世界中に発信する絶好の機会と認識しております。この機会を生かすため、県としては、まず市町村におけるホストタウンや復興「ありがとう」ホストタウンの取り組みを促進するとともに、登録された市町村において、相手国との交流事業や事前キャンプなどが実を結ぶよう情報提供等の支援に努め、さらに、東京オリンピック、パラリンピックに向けた機運の高まりが、一部の市町村にとどまらず、全県的な動きに広がることが重要と考えております。このため、当初予算案に東京オリンピック、パラリンピック2年前イベントの開催事業を盛り込みまして、全県を挙げての一層の機運醸成に取り組むこととしたところでございます。
また、希望郷いわて国体、大会のレガシーを生かしまして、交流事業等により、本県を訪れる選手や関係者などを、岩手ならではの温かなおもてなしで迎えられるよう、市町村や関係部局と連携して取り組みを進めてまいりたいと考えております。
それから次に、聖火リレーのスタート地点、ルートでございますけれども、これにつきましては、来年度のどの時点かちょっとはっきりしないのですけれども、いつかの時点で組織委員会から示されるのではないかと考えております。
スタート地点もまだ全く情報がございませんし、ルートにつきましても全く情報がないという状況にございます。
〇阿部盛重委員 私のほうからは、アール・ブリュット、障がい者芸術活動支援事業についてお伺いいたします。
先ほど福井委員から質疑がございましたけれども、重複しないところを質問させていただきます。
まず、正規の美術教育を受けていない人たちが表現した芸術表現ということでございますが、今、全国的にかなり評価が上がってきているということです。巡回展は継続されているようですが、さらに認知度及びレベルアップを図るためには、大きい会場で年1回行うということも私は必要かなと思っています。大きい会場となると美術館ということになるのですが、そのあたりの計画及び方向性はいかがでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 アール・ブリュット作品の展示についてでございますが、来年度も、先ほど御紹介させていただきました障がい者文化芸術祭での作品展示、あとはアール・ブリュット巡回展につきましては、継続して開催したいと考えているところでございます。
今、委員から御提案のありました大きい会場あるいは県立美術館での展示ということは、来年度の予定はないということでございます。
〇阿部盛重委員 ないのはわかるのですが、今後の方向性といいますか、お考えはどうでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 県としまして、いわて・きららアート協会が開催するいわて・きららアート・コレクションを支援しているという状況がございます。ただ、それのみならず、今御提案をいただきました大きい会場でより多くの方に見ていただくということも重要だと認識しておりますので、今後、検討してまいりたいと思います。
〇阿部盛重委員 ぜひよろしくお願いいたします。
それから、絵を描いたり造形物を制作したりしていらっしゃるのですけれども、それの評価といいますか、芸術的な価値を見出せない問題点も多大にあるということですが、障がい者芸術活動支援センターとの連携もあるかと思いますが、具体的に価値を見出すためにはどのような指導、対応をされていくのかお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 価値を見出すということで、障がい者の方が創作活動をやっている、例えば障がい者福祉サービス事業所ですとか特別支援学校であったりということもございますが、そこで支援をする職員の方が芸術に対する理解というものを得るというのが必要だと考えておりまして、今年度も研修会を開催させていただいたところです。県では、それを2月に開催したところなのですが、来年度、障がい者芸術活動支援センターを設置いたしますので、センターが中心となって、障がい者福祉サービス事業所職員の育成ですとか、あるいは相互のネットワークづくりのため意見交換会、ワークショップなども開催しながら意識を高めていくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 職場の職員に関しましてはわかるのですけれども、在宅で書いている方もいらっしゃるので、そのあたり、御家族に対する対応はどのようになりますでしょうか。
〇中里文化振興課総括課長 来年度設置いたしますセンターの取り組みの一つとしまして、県民の目に触れていないというのは、家庭の中で芸術作品の創作に取り組んでいる方がなかなか外から見えにくいということがございまして、保健福祉部とも連携をしながら、そういう方の調査ですとか発掘に取り組んでいく必要があると考えております。そうした際に、家族の方とも意見を交換するような場面があるかと思いますので、そちらのほうで意識醸成の取り組みを行いたいと考えております。
〇阿部盛重委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。
〇高橋元委員長 阿部委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。御了承願います。
午前11時54分 休 憩
午後1時3分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ18人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〇阿部盛重委員 ラグビーワールドカップの開催について、先ほど、軽石委員、それから伊藤委員、福井委員からも質疑がございましたけれども、私からも若干質問させていただきます。
入場券の購入についてですが、基本的には、御年配の方々がパソコンやスマートフォン等での対応が非常に難しいということで、先ほど、ブースを設けて自治体ごとに販売及び予約等を行うというお話をいただいたのですが、これは全県的に各自治体でブースを設けて行うということでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 ブースを設けてチケット購入に係る御相談等に応じたというのは、県内各地ではありますけれども、全市町村かと言われると、そのような形ではございません。
ただ、これに加えまして、県と釜石市ともに、一般県民の皆様からの電話での御相談あるいは来所によるチケット申し込み等の問い合わせにも対応させていただいているところでございます。
〇阿部盛重委員 なかなかそのブースまで行けなかった方が非常に多いと思います。大きいイベント等ではもちろんネット販売は当たり前に行われているのですが、やはりチケット販売協力店やコンビニでの販売を希望する方も出てくる可能性もあるのですけれども、そのあたりの御対応というのはお考えなのでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 チケット購入にかかわっては、組織委員会で公式サイトでの登録が必要ということがございますので、開催都市でそこを変えられる制度にはなっておらないところでございます。そのため購入しにくいという声も受けまして、ショッピングセンター等にさまざま出展をして県民の皆様の近くでそういった御相談等のお手伝いをさせていただく、あるいは、県庁ないし釜石市に電話で御相談をお受けする際、コールセンターのような形ではないのですけれども、画面なり、そういうものを電話でお話しさせていただきながら進めているところでございます。
IDではチケットを6枚まで買えるということもございますので、御本人がそういった手続をできない場合に、近くの方々等でそういったことができないのかということなども御紹介しながら、なるべく多くの県民の方々が購入できるように御支援をしていければと思っております。
〇阿部盛重委員 いずれ県民総参加ということになると思いますので、御対応も大変と思いますけれども、ぜひいろいろとよろしくお願いいたします。
会場に関しては、交通手段ですけれども、情報では、パーク・アンド・ライド輸送及び直通ライナーバス運行、自家用車はだめという方向ですが、ただ、障がい者の方々は一部どうしても車が必要だというところがありますので、そこに対しての御対応と、それから、県内鉄道駅主要地点の会場と結ぶライナーバスの起点に関しての方向性はどのような計画になっているかお伺いいたします。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 本番の際のお客様の交通輸送の関係についてのお尋ねでございます。
輸送に関しましては、釜石開催実行委員会におきまして、交通事業者、交通業界の関係団体や運輸局など国の関係機関等で構成する観客の交通輸送等に関する専門部会を設けて対応策の検討を進めているところでございます。
今年度は、公共交通機関の輸送力などの現状を踏まえた上で、その対策の基本方針について検討を行ってきたところでございます。この検討に当たりましては、業務委託先であります大手旅行会社による観客来場動向のシミュレーションの資料なども参考にして検討を進めているところでございます。
委員からお話がありました直通ライナーバスの関係でございますが、この中で、県外から新幹線を利用したり、周辺から在来線等でターミナルとなる駅まで移動してきたお客様がさらに試合会場まで移動する場合、公共交通機関等では輸送し切れない事態が生ずるという予測が示されたことから、それへの対応ということで、これらの駅など起点となる場所から試合会場に直通運行するライナーバスの運行を行う方向での検討をしているところでございます。
また、組織委員会からは、スタジアム内への観客の皆様の直接乗り入れができないという話がありまして、パーク・アンド・ライドという取り扱いも検討しているところでございます。
障がい者の方の来場にかかわってということでのお話がございましたが、釜石会場には車椅子席という形で設けられる席がございますので、そこにおいでになる方々の来場方法等については、現在、組織委員会とそのあり方も含めて検討しておりますので、一般のお客様とはまた別な対応も必要になってくるだろうということも含めて現在調整させていただいているところです。
〇阿部盛重委員 十分な御対応のほう、よろしくお願いいたします。
それに関連しまして、バス等が大体300台ほど必要であるという情報ですが、今、半分程度の確保ということです。もちろん時間があるようでないのですけれども、バス駐車場の確保とバスの確保対策の進捗状況はどのようになっておりますでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 バス輸送の関係でございますけれども、業務委託先の来場動向予測のシミュレーションの資料をもとに検討を進めておりますが、この中で、観客の輸送に必要な大型バスの台数は250から300台程度という予測が示されたところでございます。一方、釜石開催実行委員会が昨年9月に県内バス事業者に対して調査を行った結果では提供可能な大型バスの台数は約150台でございましたが、これは、試合日程の発表以前の時期に行われた調査だったということで、おおよその数値と考えているところでございます。このため、来年度におきましては、試合日程等を考慮した借り上げ希望日を提示した上で改めて調査を行って、より精度の高い提供台数の把握を行いたいと考えております。
また、並行して、台数や使用日あるいは拘束時間などの具体的な借り上げ条件の検討も進めた上で、これらをもとに県内バス事業者に車両確保を依頼していくほか、必要に応じて、県外のバス事業者に対しても協力要請等を行う方向で検討を進めていきたいと考えております。
次に、バス駐車場の確保でございますが、大規模なバス駐車場が必要となってくるのは試合会場周辺となるわけですけれども、試合会場の周辺には市が将来的に公園として整備する予定の市有地が存在しますので、現時点では当該市有地を利用する方向で検討を行うこととしております。
〇阿部盛重委員 先ほども御質問がありましたけれども、万が一にもあってはならないことですけれども、試合中に地震、津波等が発生した場合の避難計画に関しましては、各支援の方々との役割分担等があるかと思うのですが、そのあたりの考案は今どのような状態でしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 試合中に地震あるいは津波等が発生した場合の避難誘導の関係でございますけれども、試合会場における防災対策については、釜石開催実行委員会に設けました消防、医療の関係団体、そして県社会福祉協議会や国際交流協会、県警あるいは県、市の防災担当部局による試合会場の防災等に関する専門部会で検討するとともに、交通事業者等の関係団体や運輸局など国の関係機関で構成する観客の交通輸送等に関する専門部会においてもこの対応策の検討を進めているところでございます。
具体的には、観客の誘導に関しては、大きく、観客席からスタジアム敷地等の退場口までと、そこから周辺の高台等までの区間に分けられると思いますが、それぞれの区間に応じて効果的な安全対策を構築することが必要でありますので、それらの具体的な方法について、専門部会において引き続き検討を行う予定としております。
〇阿部盛重委員 それからバリアフリー対策ですが、障がい者の方、車椅子、高齢者ということでノンステップバスも必要になってくると思うのですが、そのあたりの導入計画、予定はどのようになっておりますでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 ノンステップバス等についての方向性ということで答えさせていただきますが、国土交通省自動車局が昨年
12月に公表いたしました資料によりますと、去年の3月末現在で県内では84台のノンステップバスが導入され、各地の路線バスとして供用されていると把握しております。このように台数が限られていることもございますので、大会時の借用に関しましては制約があるものと考えているところでございます。
このため、障がい者の方等に関しましては、スタジアム周辺のバス運行起点等へボランティアを配置し、必要な支援を行うなど、円滑な来場ができるような体制を整えてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 最後ですが、ボランティアのお話も出ましたけれども、開催に当たり、ボランティアの方々のお力が非常に大きいというのが国体関係でもあらわれているわけですけれども、その中に障がい者の方々もおるわけでございまして、また、そういう方々もぜひ参加したいというような御希望も強くあるようでございますが、そのあたりの計画はどのように組まれておりますでしょうか。
〇木村ラグビーワールドカップ2019推進課総括課長 ラグビーワールドカップ釜石開催におけるボランティアの関係でございますが、昨年7月に釜石開催実行委員会に教育、宿泊、観光、社会福祉、国際交流等の各関係団体等で構成します専門部会を設けて、釜石開催に係るボランティアの役割や必要な人数等について検討を進めております。今月中には組織委員会より募集要項等を記載したボランティアプログラムが発表され、4月以降、大会ボランティアの募集手続が具体化していく見込みであります。
また、委員御指摘のとおり、障がい者の方々にボランティアとして積極的に大会にかかわっていただくことは、誰もが楽しめる大会を目指す上で大変意義のあることと認識しております。このような大会ボランティアのほか、開催都市独自ボランティアという形もありまして、大会にかかわっていただくことも可能でございますので、今後、より多くの障がい者の方々にボランティア参加していただくことにつきまして、関係者と協議の上、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 十分な配慮をされることと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇柳村一委員 私からは、1点、いわてスポーツクライミング拠点形成推進事業費についてお伺いします。
事業費内訳と、スポーツクライミングについての県の考えを伺います。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 まず、いわてスポーツクライミング拠点形成推進事業費の内訳についてでございます。
この事業は二つの細事業に分かれておりまして、一つは、本年6月、国内初のコンバインドの全国大会として開催されるスポーツクライミング第1回コンバインドジャパンカップ2018の開催に係る経費でございまして、1、500万円を見込んでおります。
なお、この開催経費につきましては、県の負担も含め、現在、大会主催者である日本山岳・スポーツクライミング協会と調整しているところでございます。
それから、二つ目ですけれども、先月、本県での開催が決定されましたクライミング・アジア選手権2020の開催に向けた調査等に係る経費でございまして、89万円を見込んでいるところでございます。
次に、スポーツクライミングについての県の考えでございますが、県はこれまで、国体等に向けた選手強化やスポーツクライミング教室を実施するなど、トップアスリートの育成や競技人口の拡大に取り組んできたところでございます。
また、クライミング施設の整備についても進めてきたところでございまして、リード施設につきましては、競技用の壁が上部、下部とも可動するなどすぐれた機能を備え、国内外から高い評価を得ております。それからスピード施設につきましては、荒天時でも大会や練習が実施できるよう、屋根と壁を備えるなどの施設整備を現在行っておりまして、今月末に完成すれば、ボルダリング施設と合わせまして3種目の施設がそろう国内屈指の環境が整うことになります。
さらに、昨年8月には、県営運動公園登はん競技場が日本オリンピック委員会のJOC認定競技別強化センターとしての認定を受けたところでございまして、このような優位性を生かし、いわてスポーツコミッションを中心にこれまで大会誘致に向け取り組んできたところでございます。本年6月には国内初のコンバインドジャパンカップ、また、2020年にはクライミング・アジア選手権の開催が決定したところでございます。
今後においては、両大会の成功に向け準備を進めるとともに、引き続き国際大会や全国大会、合宿などの誘致を積極的に行い、岩手県が、国内はもちろん国際的なスポーツクライミングの拠点となるよう取り組んでいきたいと考えております。
〇柳村一委員 確認ですけれども、スポーツクライミングはリード、ボルダリング、スピードと3種類ありますけれども、国体のときはボルダリングは特設会場でやったと思います。現在、県営運動公園の中には掘っ立て小屋みたいな小さなボルダリング会場しかないような気がするのですけれども、6月のコンバインドの全国大会のときのボルダリング会場はどういう感じでイメージしているのでしょうか。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 国体の際は、盛岡市において仮設の競技場を設置いたしました。今度のジャパンカップの際には、県営運動公園の隣にございます岩手県勤労身体障がい者体育館を活用いたしまして、そこの中に仮設でボルダリングの壁をつくるという構想でございます。
〇柳村一委員 会場的には道路を挟んでちょっと遠いというのと、国体のときもそうでしたけれども、ボルダリング会場とリード会場が結構離れていて、移動の時間で競技が見られなかったりするので、こういう大会をやるときにはやっぱり一体型でやったほうがお客さんの利便性もいいでしょうし、選手にとっても負担がかからないような気がするのですけれども、今後、常設でボルダリング会場の設置の考えはあるかどうかお伺いします。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 現在、県営運動公園にございますボルダリング施設ですが、実は2カ所ございまして、1カ所は非常に小さい本当に練習用の施設でございます。もう一つが比較的大きい練習場でございまして、これは屋内に設置されていますけれども、観客が見るというわけにはいかず、どちらかといえば練習施設と考えております。その施設につきましても実は平成18年につくった施設でございまして、現在ボルダリング施設があることからすると、新たに整備するのは考えにくいところではないかと考えております。
〇柳村一委員 拠点にしたいと。JOCからも認定を受けているということなのでもう少し整備していただければいいと思いますけれども、費用面を考えるとしようがないということです。
1巡目国体のとき岩手町がホッケー会場になって、その後、岩手町はいまだにホッケーがすごく盛んです。2巡目の希望郷いわて国体のときはこのボルダリングに県としても力を入れてきて、これがレガシーの一つになるのではないかと思いますけれども、国からも認定を受けて拠点として考えている上で、スポーツクライミング選手の育成や指導者の育成について、どこにどのような形でお願いして方向性を考えているのかお伺いします。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 スポーツクライミングに関する競技力の向上といった観点でございますが、学校の部活動ではほとんど行われていない状況にございます。現在、県内での競技力の向上に関しては岩手県山岳協会が主に担っているところでございまして、山岳協会傘下のスポーツ少年団がジュニアを育成し、中学校、高校のレベルになりましても、県営運動公園の施設を活用して山岳協会がジュニア育成を図っている。高校になりますと若干部活動もあったりはしますけれども、そういったところと連携しながら競技力の向上を図っていると聞いておりますので、県としても、岩手県体育協会と連携いたしまして、競技団体に対して強化費を支援することにより選手強化を図っていくという考えでございます。
〇柳村一委員 スポーツクライミングは個人でできるので個人の努力も必要でしょうけれども、リードやトップロープという部分ではビレイヤーが必要になってくる。そうすると、やっぱり1人ではできない。だからボルダリングが今すごくはやっているのでしょうけれども、そういう競技を育成するためには、部長が最初に基本的な考えでおっしゃったような総合型スポーツクラブみたいなものをつくっていって、岩手県がスポーツクライミングの聖地になるような取り組みをしていただきたいと思います。
最後に、今は県山岳協会でやっているということでしたけれども、日本山岳協会が公益社団法人になったとき、最初は山岳協会だったのですけれども、名称を日本山岳・スポーツクライミング協会に変えました。県山岳協会も今度公益社団法人化しそうな気配ですが、名称にはスポーツクライミングという言葉は入らないというような話を聞いたのですけれども、そこら辺は御存じでしょうか。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 岩手県山岳協会とは頻繁に意見交換をしておりますけれども、公益法人化についてはお話をしたことがございませんで、スポーツクライミングという名称が入るかどうかについては把握しておりません。
〇柳村一委員 拠点にしたい、JOCの認定も受けているということで、これからますますスポーツクライミングは盛んになると思いますので、県としてもどういう育成の仕方をするのかを考えながら、施設をつくるだけではなく、もっと発展させるようにお願い申し上げて終わります。
〇菅野ひろのり委員 私からは、海外に対する文化の魅力発信等について、3事業について伺いたいと思います。
順番は変わりますが、まず最初に、岩手の文化魅力発信事業ジャポニスム2018について伺いたいと思います。
これは、平成30年7月から平成31年2月までの約8カ月間続くイベントの中で、文化スポーツ部が10月中旬に民俗芸能団体をお連れして御披露する事業と聞いております。世界的に日本の文化を発信できることは、復興途上の中で非常にすばらしい有意義なことと思っておりますが、このジャポニスム2018に参加しようとした目的、動機など、理由について県のお考えをまず伺わせていただきたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 日仏友好160周年を記念して、本年7月から来年2月にかけてパリを中心に大規模な日本文化紹介行事ジャポニスム2018が開催されるということで、本県としましては、東日本大震災津波からの復興に対して世界中からいただいた多くの支援に感謝の意を伝えるということ、あとは、本県の郷土芸能や漫画などのさまざまな文化の魅力を広く発信しまして、外国人観光客の誘客、人的、文化的交流の拡大につなげたいということで出展をすることにしたものでございます。
〇菅野ひろのり委員 その民俗芸能の団体を幾つか、今回1、600万円という予算の中でお連れするということだと思いますが、希望郷いわて国体でも、さんさ踊りや鬼剣舞、百鹿大群舞のような非常に多くの芸能団体が出演されました。また、最近はそういった大型のイベントで御披露する機会がないということで民俗芸能の魅力がだんだん縮小してきていると。実際にその団体の方も少し寂しいといったことを述べられていますが、では、この団体をどのように選定していくのか、また、これに係る周知はどういうふうにしていくのかお伺いしたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 参加団体の選定についてでございますが、郷土芸能の公演につきましては、本県を代表する鬼剣舞、鹿踊り、神楽、虎舞を考えております。選定に当たりましては、市町村や関係団体等から御意見をいただきまして、それを参考に参加団体の選定を行いたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 実際にこういった芸能を見られた方、海外の方も含めてですけれども、次には自分がやってみたいと次に進むと思います。その中で、今回、文化スポーツ部では、体験プログラム開発事業というのも行うということ-既に行われていると思いますけれども、今、例えばインバウンド観光-商工労働観光部になるかもしれませんけれども、物を買うという消費から今度は体験する消費にシフトしている中、この体験プログラムが提供できるというのは非常に重要なことだと思っていますし、つなげていかなければいけないものだと思っています。
そこで伺いますが、平成30年は新たに宿泊を伴う形の事業を行っていくということで、これは商工労働観光部ではなく文化スポーツ部でされるということですが、文化スポーツ部としては何を目指すものなのか伺います。
〇中里文化振興課総括課長 訪日外国人向け伝統文化鑑賞・体験プログラム開発事業でございますが、今年度から取り組みを行っておりまして、来年度も行うものでございます。県では、本県が誇る伝統文化である民俗芸能の魅力を国際的に発信したいということで、ジャポニスム2018への出展もそのとおりですが、今年度、県内4地区をモデル地区に選定しましてプログラム開発に取り組んだところでございます。
具体的には、盛岡市、釜石市、二戸市、一関市の各モデル地区において、市や民俗芸能団体など関係団体に御協力をいただきまして、外国人モニター-外国からの留学生などを対象とした民俗芸能の体験イベントの実施やリーフレット等のPR媒体の作成を行いまして、各モデル地区における体験メニューを取りまとめたところでございます。外国人モニターの方々には、体験イベントを通じて本県の民俗芸能の魅力を理解していただけたと考えておりまして、次回も参加したいというような声をいただいているところでございます。本県の民俗芸能が外国人にとって魅力的な観光コンテンツになることを期待しております。
文化スポーツ部としては、文化資源を活用して観光コンテンツをつくるというところが役割と考えております。県としては、今後、増加が見込まれる訪日外国人を対象に、開発したプログラムを活用して本県の伝統文化の魅力を発信していきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 通告していなかったのですが、観光コンテンツをつくられていく中で、商工労働観光部との連携というものが非常に重要になる。文化スポーツ部が設置されるときに観光も一緒にしたらどうかという意見もあった中で、これはどのように連携しながら観光の増進、インバウンド観光につなげていくのか。特に今、何かそういうモデルがあるのか、そこら辺、もしわかれば教えていただきたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 この事業は東北観光復興対策交付金を活用した事業でございまして、その申請等の際には商工労働観光部観光課と内容について詰めて、観光の視点も考慮しながら検討をしているところであります。
〇菅野ひろのり委員 そうすると、今度は海外の方が、では、どんな芸術があるのだろうかとか、岩手ってどんなところだろうということで岩手県のサイトなどにアクセスしてくるわけですが、今回、いわての文化情報大事典多言語化事業ということで、簡単に言えばホームページの多言語化へのリニューアルを掲げられています。900万円というのは、これだけ見るとちょっと多いなという印象を受けたのですけれども、サイトを見ると、なかなか古風な、平成14年につくられたテキスト中心のものなので、これはいち早くリニューアルすべきだと考えているのですが、先ほど挙げた観光体験やインバウンド観光の契機になる興味、関心を高めるウエブサイトに構築していかなければいけないと思っています。
事例を一つ御紹介したいと思うのですが、体験プログラムの情報発信の中では、御存じと思いますが、仙台ツーリストインフォメーションデスク-これは体験型の展示会場と言うのですか、仙台市にそういうブースを設けて情報発信しています。例えば体験プログラムということで、和装で歩く松島海岸とか伊達武将隊とまちめぐりなどのプログラムが人気で、新聞サイトや訪日ラボなどのインバウンドサイトで取り上げられています。また、ウエブサイトと連動する、フェイスブックやインスタグラム、動画、さまざまな仕掛けをしていて、今の岩手県のサイトとは全然違うなと感じているわけです。
これからコンペをしながらつくり込んでいくということだと思いますが、どのように岩手の文化芸術の魅力を捉えて発信していくかが最も大事なサイトコンセプトだと思うのですが、何に力点を置いて情報発信、そしてホームページの再構築をしていくのか伺いたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 いわての文化情報大事典の再構築についてでございますが、先ほど委員からも御紹介いただきましたとおり、このホームページは平成14年度に運用を開始したものでございます。平成28年度のホームページ訪問者数は延べ36万611人となっておりまして、活用はしていただいていると考えております。また近年、増加傾向にあります。
岩手の文化芸術の魅力を発信することが目的の大事典であるわけですが、岩手の魅力としては、国指定重要無形民俗文化財でありユネスコの無形文化遺産にも登録されている早池峰神楽を初めとした多彩な民俗芸能が伝承されていること、また、多様な郷土料理、方言や民謡など、生活に根差した文化も息づいていること、文学、音楽、美術など各分野で活躍された岩手ゆかりの方々が数多くいらっしゃることなどが挙げられ、これらの情報を掲載しているのが大事典となっております。
昨年度行われました希望郷いわて国体、いわて大会を契機に醸成された県内の文化芸術活動の盛り上がりを生かしまして、今後もこれらの魅力を国内外に発信して、文化の一層の振興にも努めていきたいと考えておりますし、先ほどの訪日外国人向け伝統文化鑑賞・体験プログラム開発事業と同様に、国の東北観光復興対策交付金を活用しましてこのホームページのリニューアルを図りたいと考えております。ですので、外国人向けに外国語ページの整備もあわせて行うとともに、SNS等を活用して情報交換ツールの充実も図りたいと考えております。
また、先ほど委員からお話のありましたとおり、観光につながるような工夫も必要と考えております。例えば、訪日外国人向けの事業で開発したプログラムもこの中で運用するというようなことも考えていきたいと思っております。
〇菅野ひろのり委員 政策評価でホームページ訪問者数を目標設定されていて、達成度は平成27年はAということですが、この数値も、平成30年の目標はありますけれども、リニューアルすることでさらにアクセス数もふえるでしょうし、この内容も変わってくるのだろうと思っています。
いずれにしましても、本県には非常に多くの魅力的な伝統文化がありますが、まだ県内にとどまっているところもありますけれども、東京オリンピックも含めて、ラグビーワールドカップもそうですし、披露する機会が多いと思います。それを一つのポータルサイトに集めながら、さらにインバウンド観光に生かして好循環をぜひ生んでいただきたいと思いますので、引き続きお願いしまして質問を終わらせていただきます。
〇樋下正信委員 私からは、県営運動公園の改修等についてお伺いいたします。
県営運動公園は、1回目の国体が昭和45年に行われた際に整備されまして、あれから50年近い年数がたっているわけでございまして、施設等が老朽化しており、また、立ち木、危険木の問題もあるのではないかと思っております。何らかの対応が必要になると思いますが、対応については計画的に検討した上で進めていかなければならないと思っております。
そういった中で、県では既に公共施設等総合管理計画を策定し、今後、県営運動公園の施設も個別施設計画が策定されるものと考えますが、県では、県営運動公園の施設設備について今後どのような方針で改修を行っていくのかお伺いいたします。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 県営運動公園の改修等についてのお尋ねでございますが、県営運動公園を初め、県営スポーツ施設の多くは昭和45年の国体時に整備されたものでございまして、全体的に老朽化しておりますことから、安全対策や定期点検を行いまして、財政面も考慮しながら計画的な維持補修などに努めてきているところでございます。
また、県営スポーツ施設の老朽化の進行等を踏まえ、外部有識者による県営スポーツ施設のあり方に関する懇談会におきまして、県営スポーツ施設の今後のあり方等について検討いただき、昨年末に意見が取りまとめられ、県に報告をいただいたところでございます。
報告では、県営スポーツ施設に係る基本的考え方として、県民が生涯にわたりスポーツに親しむことができる環境を市町村と連携して確保することが重要であること、全国的な競技会を開催できる水準のスポーツ施設は、競技ごとに県で少なくとも1カ所以上あることが望ましく、市町村において保有していない施設機能については、補完的機能を担う県の役割として改修等を検討していく必要があることなどが示されたところでございます。
また、県営運動公園内の個別施設につきましても今後のあり方と当面の措置に係る方向性が示され、例えば陸上競技場については、ほかに1種公認陸上競技場が県内にあることから、2種公認を維持していく必要があるとされたところでございます。
今後、岩手県公共施設等総合管理計画に基づき策定することとされている個別施設計画の中で、懇談会報告や委員の御意見も参考にさせていただきながら、それぞれのスポーツ施設について、改修等も含め整備のあり方等について整理していきたいと考えております。
〇樋下正信委員 ただいま御答弁をいただいたのですけれども、県内に県単位で1種の陸上競技場が一つ以上必要だと。今現在は北上市にあるわけでございます。かつてはみたけにも運動公園が1種ということで存在していたわけでございますけれども、今のお話を聞きますと、2種で維持していくというお話でございます。陸上競技の関係者から、1種にできないはずはない、できるというお話を聞いております。その辺のところを今後計画に入れていくことができないのかどうか再度お伺いしたいと思います。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 陸上競技場についてのお尋ねでございます。
陸上競技場の1種公認につきましては日本陸上競技連盟の競技規則の中で基準が定められておりまして、基準には、トラックのレーン数や補助競技場あるいは収容人員といったいろいろな項目がございます。その中でトラックにつきましては、8レーンございますので、これはクリアできる。収容人員についても、1万5、000人以上という基準はクリアできます。ただ、難しいのが補助競技場で、補助競技場は400メートルトラックをとらないと1種公認が得られないということですが、現在ある補助競技場は300メートルのトラックでございますので、あれを400メートルにするためには県営運動公園内の施設の再配置が必要になってまいります。
それともう一つは、諸室-更衣室や用器具庫の基準等もございまして、そちらもかなり厳しいということで、これを全てクリアするためにはメーンスタンドの極めて大きな改修が必要になるのではないかと考えているところでございます。
そういった部分も含めて、現段階ではあり方懇談会からは2種公認という意見をいただいているところでございますが、委員の意見を参考にしながら、今後、整理していきたいと考えております。
〇樋下正信委員 陸上競技の関係者から、その辺はクリアできるのではないかというお話を私は聞きましたので、きょうあえて質問させていただきました。機会があれば、さまざまな形で関係者の方々ともお話しいただければありがたいと思います。
それから、県営運動公園の施設といいますか中身といいますか、先ほども冒頭お話しさせていただいたのですけれども、一つは、立ち木の関係です。実は、去年の7月ごろだったでしょうか、運動公園の周辺の道路に50年ぐらい前に植えたケヤキの街路樹の枝が風で折れて倒れて、最終的には根っこのところから切ったのですけれども、そういう危険木がないのか心配されます。あそこにはウオーキングやランニングをしている方がかなりいるようでございまして、そういう方々に枝が折れてぶつかったりしなければいいなというのが一つでございます。
それからもう一つ、ウオーキングやランニングをするところにラインが引いてありますね。1周すると1キロメートルとか、こっちを回れば1.5キロメートルとか。そのラインが消えてきている。そして、舗装面がかなり荒れてきているというお話を聞いております。その辺の整備もする必要があるのではないかと思っております。
それからもう一つ関連して、競技場の外周はウオーキングやランニングができるのですけれども、夜間、暗くなってからそこを利用する方々もいらっしゃると思います。当然暗くなるわけですので、幾らか照明はついているようでございますけれども、夜利用している方々から、もう少し照明があったほうがいいのではないかという声もありますので、その辺の取り扱いについてお伺いしたいと思います。
〇工藤スポーツ振興課総括課長 県営運動公園内の立ち木でございますけれども、昨年、市道の木が倒れた際には、私どもも心配になりまして、県営運動公園内は大丈夫なのかということは確認させていただきました。そうしましたところ、倒れたのは市道の木でございました。運動公園内につきましては、指定管理者でございます公益財団法人岩手県スポーツ振興事業団が立ち木を初めとする植栽の管理を専門の業者に委託しておりまして、定期的に点検、伐採を行うなど、利用者の安全を確保するための管理に努めているところでございます。樹木の整備業務委託につきましては年間数百万円の費用をかけております。また、事業団の職員も、日ごろ見回り点検ということで事故防止に努めているところでございます。
それから、ウオーキングあるいはランニングのラインにつきましては、かなり消えかけている部分があることは承知しておりますし、舗装面につきましては、特に木の根っこが盛り上げて傷んできていることも承知しております。これについても計画的な補修等に努めてまいりたいと考えております。
それから、外周の照明灯等につきましては、希望郷いわて国体の前にLED化した箇所が何カ所かございました。その後につきましてはまだ確認していない部分もございますので、改めて指定管理者と相談させていただきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 それでは、私からも数点お伺いさせていただきます。
まず初めに、今月、文化スポーツ部にとって、国のほうで大きな動きがあったものと私は捉えております。一つは、文化財保護法の改正案の取りまとめがありました。これまでの保存から、さらに文化財をまちづくりに生かしていこうということで、総合的な活用の促進を図っていこうという動きがあります。それからもう一つが、文化芸術基本法に基づいて、文化芸術推進基本計画の閣議決定がされております。これによると、文化GDPは、2015年の8.8兆円から2025年には約2倍の18兆円を目指すということで欧米並みのGDP比の値で、3%ぐらいにまで伸ばしていこうという大きな目標が出ております。
そこで、文化GDPの拡大に向けて、来年度予算に県としてどう反映させて、どの程度経済波及効果を目指しているのか、まずお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 本県には、世界遺産や石川啄木、宮沢賢治に代表される文学、そして受け継がれてきた民俗芸能など多様な文化芸術が息づいておりまして、これらは交流人口を拡大するための貴重な資産であると考えております。
来年度は、先ほども御紹介させていただきましたが、外国人観光客の誘客を促進するため、いわての文化情報大事典の多言語化や、今年度に引き続き、訪日外国人向けの伝統文化鑑賞、体験プログラムの開発等を行うこととしておりまして、多様な文化芸術資源を活用して交流人口の拡大や観光産業の振興につなげ、経済波及効果に貢献できるように取り組んでいきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 具体的な文化GDPの数値は、国も今いろいろと研究している段階なので県ではなかなかまだ出せないと思っております。文化スポーツ部のミッションとは何だろうと、何で教育委員会でないのか、商工労働観光部でないのかと私なりにいろいろ考えました。やはり岩手が誇る文化芸術の資源を一層活用しながら、一つには、やはり経済波及効果を高める取り組み-先ほど来、各委員からもいろいろそういった視点からの御質問がございました。そういった部分の取り組み、それから、やはり地域振興の視点が私は重要なのかなと思っております。商工労働観光部のような、まさに実動部隊というか実践部隊として文化スポーツ部は動いていかなければいけないと理解しております。
今回、文化芸術推進基本計画を改めて読ませていただきましたが、大きく三つポイントがあると思っております。一つは、改めて言うまでもなく、やはり文化が持つ本質的な価値を高めること、それから二つ目は社会的な価値、経済的価値、この大きな三つの視点から新たな需要あるいは高い付加価値を生み出していくといった部分がある。さらには、世界平和の礎となるような取り組みにもつながると理解しています。
そこでお伺いいたしますが、努力義務規定ではありますけれども、地方文化芸術推進基本計画の策定に向けて平成30年度はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 地方文化芸術推進基本計画の策定についてでございますが、昨年、文化芸術基本法が改正されまして、また現在、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律の制定に向けた準備が進んでいると認識しております。ですので、その動向を踏まえまして、来年度、県の文化芸術振興基本条例を改正したいと考えております。その条例改正を受けて、文化芸術基本法に基づく本県の地方文化芸術推進基本計画を策定したいと考えております。
〇臼澤勉委員 新年度は、まさに文化芸術の羅針盤となる条例をつくる重要な年になると思いますので、ぜひ全庁挙げて連携して取り組んでいただきたいと思います。
通告しておりませんが、私は一般質問で、国や市町と連携した、徳丹城跡を初めとした史跡の活用策、日本遺産の登録申請を絡めた質問をさせていただきました。先般、盛岡地区合同庁舎での知事の県政懇談会に参加した際、知事から、平泉の世界遺産あるいは日本遺産の登録、これはそれぞれいいのだけれども、岩手遺産という、岩手の新たな独自の基準で登録といった取り組みもどうだろうかというようなお話も具体にあったわけです。私は、非常におもしろい視点だと思いますし、岩手が持つ多様な文化財を、岩手独自の基準で遺産として登録しながら価値を高めていく、あるいは後世につないでいく、あるいは経済的価値を生み出していくという取り組みはありだと思うのですが、御所見をお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 日本遺産の取り組み、申請につきましては市町村が中心となって行われるということで、県といたしましても、文化庁とのヒアリングの際に同席して、可能なアドバイスをさせていただくなどの支援を行っているところでございます。
岩手遺産の創設についてでありますが、現在のところまだ検討等をしているものではございませんので、御提言の趣旨を踏まえまして、今後の文化芸術施策の参考とさせていただきたいと思います。
〇臼澤勉委員 一般質問でも、私、ゴーギャンの我々はどこから来たのだ、我々は何者だという言葉を引用しました。実は我々は何者だという答えが、この文化芸術、例えば岩手遺産の登録を含めて、そこに何かヒント、答えがあるのではないかと私なりに理解しておりまして、ぜひ、我々は何者だといったところを少し磨いて、深掘りしていただければと思います。
次に、文化芸術振興は、本来的な価値ということで、私は、健康寿命や生きがい対策にもつながる重要な施策だと理解しております。
そこでお伺いいたしますが、スポーツや文化芸術活動による生涯現役社会の実現に向けて、新年度、どう具体的に事業展開をするのかお伺いいたします。
〇中里文化振興課総括課長 文化芸術活動による生涯現役社会の実現に向けた取り組みでございますが、文化芸術は、人々に楽しさや感動、心の安らぎや生きる喜びをもたらすとともに、人や地域の結びつきを強めるなど、大きな力を有しており、生涯現役社会の実現に欠かせないものと考えております。このため、高齢者の文化芸術活動の振興を図るということで、岩手県長寿社会健康と福祉のまつりにおいて、囲碁、将棋大会の開催や日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真などの作品展の開催への支援を行っているところでございます。
また、岩手芸術祭を開催することにより、美術展示、舞台発表、文芸集の刊行など、高齢者を初め、広く県民の皆様に日ごろの文化芸術活動の成果発表と鑑賞の機会を幅広く提供しているところでございます。
このような取り組みによりまして、生涯にわたって文化芸術に親しむ環境を整備し、高齢者の生きがいづくりにつなげたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私は文化芸術を通じて、まさに人間性だとか創造性、こういった部分の涵養をしてやっぱり生きがいですね。生き生きとしたやりがいというか生きがいがあれば、本当に健康寿命は延びていくと私は信じているものでございます。
先ほども福井委員からも、障がい者の文化活動の取り組みについても質問がありましたけれども、私は年齢だとか障がいの有無にかかわらず、文化芸術の取り組みというのは、まさに人が持つ力というか、個性だとか、輝きというのを表現する、これは障がいがあるとかないとか関係なく、もう、言わずもがなではございますけれども、そういった活動の場だと思っております。
新年度どのように事業展開するかは、先ほど質問がありましたのであえて聞きませんが、一方で、私はILCを想定した場合に、研究者の生活の立ち上げ、これがまずは一つの大きなテーマになると思っております。文化スポーツ部としても大きなテーマだと思います。それは障がいがあるなしにかかわらず、あるいは国、外国人であろうが日本人であろうが、国籍にかかわらず、この文化芸術という切り口がお互いを理解するきっかけづくり、場の提供になる、つなぎ役、こういった機会になると思うのですけれども、その点について御所見をお伺いしたいと思います。
〇中里文化振興課総括課長 ILCの実現に向けましても、さまざまな環境整備が必要だと言われております。それに向けて文化スポーツ部といたしましては、より県民の間で文化芸術の振興が図られるよう、さまざまな取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私も、知らないところで生活したり、海外で暮らしたときには、言葉は通じなくても、一つの共通の作品づくりだとか創作活動という場では言葉は要らないわけです。もう表情一つで、お互いを信頼できるような関係を構築できると私は思いますので、ぜひ文化スポーツ部としてもそこら辺の取り組みを調査研究していただきたいと思います。
もう一つ切り口を変えて、通告しておりませんけれども、私は日本語教育というのは、例えば外国人が日本で暮らす場合に必要になりますが、日本語教育プラス、私は岩手語教育という場づくりというのも一つの切り口になるのかなと思います。
ちょっと話がそれますけれども、志村けんさんの有名な言葉で、だいじょうぶだぁという言葉がございます。これは、実は、湯本温泉に泊まったときに、ある旅館宿のおやじさんに、食事をとるときに、これ食っても大丈夫ですかと志村けんさんが聞いたら、そのおやじさんが、だいじょぶうだぁって言ったそうなのです。そして、だいじょうぶだぁと言ったことに対して、食え食えって、けっけって言ったそうなのですね。そういうやりとりの響きがあることと-何を言いたいかというと、湯田とかの言葉で、そうです、そのようですという言葉が、んだ、ふんだという言葉。これも、志村けんさんのあの有名な言葉が岩手の言葉から発しているという、こういう説があります。いや、説ではありませんが、私も伝え聞いた話でございますけれども。
このように、何を言いたいかといいますと、言葉が、日本語、岩手の言葉には、まんずだとか、ぺっことか、ALTで岩手に暮らした人も、まんずまんず、ぺっこぺっこというのを、楽しそうに私にもよく言うのです。こういう言葉を通じて岩手の魅力を感じていただきたい。そこら辺に対して、岩手語教育についての御所見、どのようにお考えか部長にお伺いいたします。
〇上田文化スポーツ部長 大変意義深いお話かと存じます。今、都会のほうで女子高生とかを中心に、各地の方言を会話の中に入れるというのが非常にはやっていると聞いたことがございます。これは響きがおもしろいというほかに、背景にある文化とかを感じるといったことが大きいのではないかと思います。
そういったことで、文化スポーツ部といたしましても、いろんな意味で岩手の文化を皆さんにわかっていただいて、その魅力を感じていただきたい。そういったことのツールとして方言が使えないかということについて、今後検討してまいりたいと思います。
〇田村勝則副委員長 質問は簡潔にお願いいたします。
〇臼澤勉委員 言葉はまさに文化だと思いますので、ぜひそういった切り口についても、文化スポーツ部が所管する文化の定義というのは、狭義の意味での範囲ではなくて、私は食文化だとか生活文化も含めた広い範囲だと思っておりますので、ぜひ今後の振興、岩手の魅力発信を含めてよろしくお願いしたいと思います。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで文化スポーツ部関係の質疑を終わります。
文化スポーツ部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでございました。
次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇高橋教育長 それでは、教育委員会関係の平成30年度岩手県一般会計予算等について御説明を申し上げます。
初めに、教育委員会における当初予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、教育委員会におきましては、大震災からの教育の復興といわて県民計画の着実な推進の二つを大きな柱として、人を育む教育は社会形成の礎であるという認識のもとに、総合教育会議の場などを通じて、知事と教育委員会との一層の連携を深めながら、岩手の子供たちの確かな学力、豊かな心、健やかな体を備え調和のとれた人間形成に向け、現下の課題に対応しつつ、中長期的な展望も見据えながら、学校教育の充実や社会教育の推進などに取り組んでいく考えであります。
平成30年度においては、特に学びの場の復興と、その先を見据えた教育の充実に取り組むとともに、学校における働き方改革や新たな大学入学者選抜改革など、新しい課題にも積極的に対応し、学校教育の課題解決に向けて重点化を図って取り組んでまいります。
全体的な方針につきましては、去る2月15日の県議会定例会開会日に行わせていただいた演述で申し上げたとおりでありますので、繰り返しの御説明は省略し、早速ではございますが、一般会計予算の歳出予算について、資料に沿って御説明を申し上げます。
お手元の議案その1の8ページをお開き願います。教育委員会が所管する予算の合計額は、10款教育費の1、509億5、663万円余のうち、総務部が所管する1項教育総務費の一部と、下のページ、9ページの一番上の8項大学費と9項私立学校費を除いた1、405億5、673万円余に、次の11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費の17億8、453万円余を加えた総額1、423億4、127万円余であります。これを平成29年度当初予算額と比較いたしますと21億1、206万円余の増、率にして1.5%の増となっております。
以下、予算の内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
なお、金額の読み上げにつきましては省略し、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
予算に関する説明書の210ページをお開き願います。10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。2目事務局費は、事務局の管理運営等に要する経費のほか、説明欄六つ目の被災児童生徒就学援助事業費補助は、大震災により経済的理由から就学が困難となった小中学校の児童生徒を対象として、市町村が行う就学援助事業に対して補助しようとするものであります。一つ飛びまして、いわての学び希望基金奨学金給付事業費は、大震災津波により親御さんを亡くした児童生徒等に対する奨学金の給付額を引き上げ、給付対象も、これまでの大学生から大学院生段階までに拡大しようとするものであり、次のいわての学び希望基金大学等進学支援一時金給付事業費は、大震災津波により生活の基盤を失った低所得世帯の高校生等に対して、新たに大学等への進学に要する費用を一時金として給付し、経済的な理由により進学を断念することのないように支援しようとするものであります。下のページ、211ページに参りまして、3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費やスクールサポートスタッフや部活動指導員の配置など、学校における働き方改革に向けた取り組みに要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。次のページ、212ページをお開きいただきまして、4目教育指導費は、被災した幼児児童生徒の心のサポートや学校教育に係るソフト事業に要する経費であり、教育委員会分の五つ目の児童生徒健全育成推進費は、震災の影響により心に負担を受けた児童生徒への対応や、いじめ、学校不適応などの児童生徒へ対応を図るため、スクールカウンセラーを全ての小中学校と県立高校で活用できるように配置するほか、沿岸部の公立学校を重点的に支援する巡回型カウンセラーを継続して配置するとともに、教育事務所にスクールソーシャルワーカーを配置するなど、専門的な相談体制を充実、強化しようとするものであります。あわせて、いじめ等に悩む児童生徒及び保護者の電話相談の実施やいじめ問題対策連絡協議会の運営など、いじめの未然防止、早期発見、早期対応などに取り組む経費も計上いたしております。二つ飛びまして、特別支援教育推進事業費は、いわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や看護師を配置するほか、職業指導支援員を沿岸部等の特別支援学校に配置し県内企業との連携を強化するとともに、特別支援学校技能認定制度の定着を図るなど、特別支援教育の充実に要する経費であります。一つ飛びまして、いわて地域担い手育成支援事業費は、本県の特色ある産業、文化を担う人材を育成するため、生徒個々の進路実現に向けた各県立高校における独自の取り組みに要する経費であり、次のいわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒の進路希望の達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、進学対策講座の開催や各学校における進学指導の取り組みに要する経費であります。その下の大学入学者選抜改革対策事業費は、2021年度から新たに導入される大学入学共通テストの実施に向け、本県の高校生が円滑に対応できるようにするための教員の指導力向上等に要する経費であり、二つ飛びまして、いわての地域国際化人材育成事業費は、イングリッシュキャンプの実施や、英語能力測定テストの活用などを通じたグローバル人材の育成に要する経費であり、二つ飛びまして、学校における新聞活用推進事業費補助は、新聞を活用した情報活用能力育成に資するため、日本新聞協会等が主催し本県で開催されるNIE全国大会の開催を支援しようとするものであります。その下の県立学校復興担い手育成支援事業費は、沿岸地域の高校生を対象としたキャリア教育や進学支援講座等を実施し、生徒一人一人の進路の実現を支援しようとするものであります。一つ飛びまして、いわての復興教育推進事業費は、岩手の復興、地域防災を支える人材の育成や、大震災の教訓を未来に継承していくため、小中学校での副読本の活用によるいわての復興教育の推進や、いわての復興教育スクールの取り組みを行おうとするものでありますが、来年度においては、これまでのさまざまな取り組み等を取りまとめ、いわての復興教育プログラムの改訂にも着手いたします。次の指導運営費は、学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、文部科学省からの委託事業等の実施に要する経費であります。5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であり、下のページ、213ページに参りまして、6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
次のページ、214ページをお開きいただき、2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等でありますが、少人数学級の推進につきまして、これまで小学校1年生から4年生までと中学校の全学年を対象に、段階的に35人学級の導入を進めてきたところですが、平成30年度におきましては、平成31年度からの小学校6年生までの導入を視野に、新たに小学校5年生に少人数指導との選択制による35人学級を導入することといたしております。二つ目のすこやかサポート推進事業費は、児童の基本的な生活習慣の定着と基礎学力の向上を図るための非常勤講師の配置に要する経費であります。
下のページ、215ページに参りまして、3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費等のほか、生徒指導や学習定着度状況調査等で課題のある学校をサポートするための非常勤講師等の配置に要する経費であります。次の2目学校管理費は、県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費であります。
次のページ、216ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等であり、2目全日制高等学校管理費及び下のページ、217ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれの学校の管理運営等に要する経費であります。次のページ、218ページをお開き願います。4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備や、工業、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、中ほどの高校奨学事業費補助は、高校生向けの奨学資金の貸与に要する経費の一部を公益財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものであります。三つ飛びまして、いわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費は、大震災津波で被災し、生活基盤を失った高校生等に対して、教科書及び修学旅行等に要する経費に加え、新たに、高等学校等への入学に要する経費を給付するものであり、次の公立高等学校等就学支援金交付事業費及び次の奨学のための給付金支給事業費は、保護者の経済的負担の軽減を図り、高校生の就学の機会を確保するため、公立高等学校の授業料相当分の支援や、低所得者世帯への奨学のための給付金の支給を行おうとするものであります。一つ飛びまして、被災地域県立学校産業教育設備等整備費は、被災した沿岸地域の県立高等学校の産業教育設備や部活動設備を整備し、教育活動の充実を図ろうとするものであります。5目学校建設費は、高等学校の校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費であり、一つ目の校舎建設事業費は、老朽化した久慈高等学校及び福岡工業高等学校の校舎耐震改築工事等を行おうとするものであり、次の校地整備事業費は、千厩高等学校のグラウンド整備等に要する経費であります。その下の校舎大規模改造事業費は、教育環境の改善を図るため、建築後おおむね30年以上を経過した校舎の大規模改修工事等に要する経費であり、一つ飛びまして、産業教育実習船代船建造費は、種市高等学校の潜水作業実習船種市丸の代船建造に要する経費であります。下のページ、219ページに参りまして、6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
次のページ、220ページをお開き願います。5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校の管理運営のほか、三つ目の施設整備費は、県立釜石祥雲支援学校の移転整備に係る設計や、新たな特別支援学校の設置に向けた県立盛岡となん支援学校旧校舎の改修等に要する経費であります。
次に、222ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、学校、家庭、地域等が総ぐるみで地域の教育課題の解決に自主的に取り組む教育振興運動の推進や青少年の家の管理運営等に要する経費であり、説明欄下から二つ目の学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費は、子供を中心とした地域活動及び地域住民の学習や交流の機会を通じた地域コミュニティーの再生支援に要する経費であります。下のページ、223ページに参りまして、2目文化財保護費のうち、二つ目の文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助等に要する経費であり、一つ飛びまして、柳之御所遺跡整備調査事業費は、柳之御所遺跡の発掘調査及び史跡公園の整備等に要する経費であります。3目芸術文化振興費は、中高校生の芸術文化活動への支援に要する経費であり、一番下のいわての学び希望基金被災地児童生徒文化活動支援費補助は、被災した児童生徒の文化活動の大会への参加に要する経費を補助しようとするものであります。4目図書館費及び次のページ、224ページをお開きいただきまして、5目博物館費及び下のページ、225ページの6目美術館費につきましては、それぞれ県立図書館、県立博物館及び県立美術館の管理運営等に要する経費であります。
次に、226ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、県立学校医や児童生徒の検診、その他保健管理等に要する経費であり、五つ目の児童生徒放射線対策支援事業費は、学校給食食材の測定のほか、学校環境放射能モニタリング検査に要する経費であります。2目体育振興費は、生涯スポーツの推進、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費等であり、三つ目の児童生徒の体力向上推進事業費は、学校等と家庭、地域との連携のもとに、希望郷いわて元気・体力アップ60運動を展開し、幼児児童生徒の運動習慣の定着に全県的に取り組んでいこうとするものであり、その下のオリンピック・パラリンピック教育推進事業費は、オリンピック、パラリンピックへの興味、関心を高め、スポーツを通じて国際、異文化理解、共生社会への理解等を深めるため、オリンピアン、パラリンピアンを学校へ派遣しようとするものであります。下のページ、227ページに参りまして、いわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援事業費は、被災した生徒に対して、運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助するとともに、学校体育施設の活用に制約を受けている沿岸の中学校、高等学校の運動部活動の機会を確保するため、内陸部の体育施設へ生徒たちが移動するためのバスの借り上げ等に要する経費を支援するものであります。
次に、ページを飛んでいただきまして、238ページをお開き願います。11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、高田高等学校の第1グラウンド復旧工事の設計や教員住宅の復旧工事を実施するなど、県立学校施設の災害復旧に要する経費であり、次の2目体育施設災害復旧費は、県立高田松原野外活動センターの移転建築設計、用地取得及び用地造成等の工事に要する経費であります。
次に、債務負担行為について御説明いたします。
議案その1にお戻りいただきまして、14ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会関係のものは、事項欄59の教職員人事給与情報システム整備から、事項爛61の体育施設災害復旧事業までの3件であり、その内容は、人事給与情報システムの整備や県立高校校舎耐震工事の設計、県立高田松原野外活動センター災害復旧工事に要するものであり、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
以上が教育委員会の所管事業等についてでありますが、あわせて、県民の皆様からの教育に対する信頼の確保に向け、教職員による不祥事の発生防止に全力で取り組むとともに、教職員一人一人が意欲を持って子供たちに向き合えるよう、士気の高揚、風通しのよい職場づくりなどにも不断に取り組んでまいります。
最後に、他部局へ移管する事務事業について御説明申し上げます。
また、予算に関する説明書をお開きいただきまして、103ページをごらんいただきたいと思います。2目文化振興費のうち、恐縮ですけれども次のページをおめくりいただきたいと思います。104ページの説明爛の下から二つ目の世界遺産登録推進事業費のうち、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に関する事務事業につきましては、新年度からは文化スポーツ部に移管して、その実現に取り組んでいくことといたしております。
以上で説明を終わらせていただきます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 一昨日が東日本大震災津波からの丸7年の日でありました。ここまで参りますといろんなことが見聞きをされ、今後、絶対にあってはならないこと、してはいけないこと、それらがはっきりわかってくるものと思っております。特に今を生きております私たちが一番してはいけないことは、自分よりも若い者を犠牲にしてはいけないということだと思います。そういう中で、小学校、中学校、高校の例を三つほど挙げさせていただきまして、まず、子供たちに教える先生方が、ふだんからお持ちになっていなければならないものを確認させていただきたいと思います。
まず第一番目でありますけれども、宮城県石巻市の大川小学校の例であります。これは隣の県でありますけれども、地震発生後、校庭に避難をした子供たちに、何の指示も出さないまま津波の来る時間を迎えてしまって、87名でしたか、とうとい犠牲を出してしまいました。今現在、この学校は廃校の方針のようでありまして、そうしますと、廃校にして、解体をして、埋め立てをして、そこに墓標が立って、子供たち殉難の碑というようなものが立って、恐らくそれで終わりでありましょう。したがいまして、我々は、そういうものを語り伝えていかなければならないと思っているところであります。これは宮城県だから、岩手県だからではなくて、次の世代を背負って立つ子供たちをこういう目に遭わせてはいけないという、それを今我々が確認をして伝えていかなければならないものと思います。
次は中学校でありますけれども、小学校と中学校をまとめて聞きますが、釜石の奇跡と言われた事案がございました。現在、ラグビーワールドカップのスタジアム建設中の鵜住居でありますけれども、小学校の子供たちが、地震の前には、定期的に大学、短大の先生に来ていただいて、津波の際の避難等の勉強をしていたようであります。その小学生たちは、中学校に逃げようということで自発的に中学校まで逃げた。その中学生たちは、当然、小学生を経験しているわけでありますから、その中学生たちも小学生のころにはそういう話を聞いていた。おお、よく来たよく来た、じゃ、お兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒にもっと高いところに逃げようということで、津波発生の1週間前に開通したばかりの鵜住居-釜石間の三陸縦貫道の一部でありますけれども、その道路に向かって避難を始めた。そうしたら、大型の平ボディーのトラックが通りかかって、どこに行くのだと。こういうわけで逃げてきたと。よし、ここに乗れということで、中妻のほうまで、避難場所に指定されているところまで運んで事なきを得たという、釜石の奇跡ということであります。
これは、国土交通省にとっては大変いい話になったようでありまして、だから道路が大事なのだということで、残っていた三陸沿岸道路が一気に着工して進むこととなりました。この行動が全国的に、国土交通省に評価をされ動きになったと、こういうことであります。立派なことだと思います。
ただ、大変残念ながら、この鵜住居では、大人がある建物に集中しまして、約200人近い方々が犠牲となりました。それは、避難場所ではなかったのですが、鵜住居地区防災センターとかいう2階建ての建物でありまして、そこでしょっちゅう-しょっちゅうといいますか、勉強会はしていた。でも、避難場所ではなかった。避難する場所ではないけれども、習い性となったのか、建物の2階にぎゅうぎゅう詰めに人を集めて、だけれども2階の天井まで水が来て、ただ1人生き残った人は、この天井板が、30センチメートル近くの穴がぽかっと空いて、そこに首を出して上につかまることができてその人は助かったと。そういう事例もあります。したがって、小学校、中学校、この辺について副読本とか何とかも大事ですけれども、その場に立った先生がみんなで逃げよう、避難しようと言える部分を持っていないといけないのではないか。まずこれについてお伺いします。
〇鈴木首席指導主事兼産業・復興教育課長 東日本大震災津波の際は、学校は児童生徒の命を守るために最善を尽くしたと認識しております。しかし、詳細に話を聞きますと、間一髪の状況であったということや、避難がおくれていたら児童生徒を亡くしていたかもしれない状況にあったということも把握しており、このような教訓につきましては、しっかりつないでいかなければいけないと考えております。
このため、県教育委員会では、総合防災室との連携のもと、震災の教訓や近年の自然災害の発生状況を踏まえ、学校、家庭、地域、関係機関が連携して児童生徒の命を守る学校防災体制を確立するため、県防災教育研修会を実施しています。
この研修につきましては、昨年度に引き続き、今年度も研修対象者を校長や副校長などとして、危機管理意識や非常時における適切な判断力など、管理職員としての資質の向上に取り組んでいるところです。このほか、指導主事による学校訪問により、各学校の課題への対応や危機管理マニュアルの整備への支援など、学校の防災体制を整える取り組みも行っております。
各学校でも、それぞれの置かれている状況を一つ一つ分析しながら対応を考えていく取り組みも行っており、このようなことを積み重ねながら、地域と一体となった防災力の強化を図ってまいります。
〇伊藤勢至委員 丸7年たったということは、先生方は大体3年から4年で転勤をされますので、当時現場にいらっしゃった先生方は、今はほとんど残っていらっしゃらないと思います。ただ、先生がかわろうとも、そういう事案は残っているわけです。したがって、経験をした方がしていない方に伝えていくと、これがなければ意味がないと思うのです。副読本をつくりました、子供たちには教えます、勉強させます。これも大事です。ですけれども、その場にいたときにイエスかノーか、逃げろ、それが言えるかどうかだと思うのです。
前にも言いましたけれども、次は高校の例を伺います。宮古工業高校であります。津軽石川の水門が川岸のほうにありまして、防潮堤があって、その裏に、内陸側に野球場があって、道路があって、そして約1、500メートルぐらい離れたところに宮古工業高校がございます。そして、道路から1メートルぐらい高いところに野球場、ラグビー場、そして、そこから1メートル高いところに3階建ての鉄筋コンクリート。避難場所の指定は、付近には小学校、中学校があったようでありますけれども、津波が来た状況で海に向かって逃げられるはずがないので、そういう方々は、工業高校のグラウンドになだれ込んできたようであります。そのとき、校長先生が出てきて、さあ、いらっしゃいいらっしゃい、どうぞどうぞと。2階は危ないので3階に上がってくださいと、校長先生みずから3階に案内をした。そうしましたところ、津波は1階の床まで上がりまして、これが3階に避難していなければ危なかったという状況であって、よく受け入れていただいたと思います。
一方、宮古高校です。正門の裏が校庭になっていまして、そして堤防があって閉井川があります。その閉井川に、あと10センチメートル、15センチメートルぐらいで決壊するかもしれないくらいの水が来たと。南町あるいは宮町の近隣の方々は、これはひょっとして津波が来るかもしれないということで、4階建ての鉄筋コンクリートであります宮古高校に避難をしようと思って行ったと。女性の校長先生のようでありますけれども、出てきて玄関で手を開いて、うちは避難場所でありませんと、入ってこようとした人をとめたというのです。これは多分、校門の前に立ってやったわけですから、閉井川に背を向けています。閉井川が決壊をしたら、その校長先生自身も危なかったと思います。宮古工業高校の先生は海のほうを見て、さあ、いらっしゃいいらっしゃいと言っているから、津波が来るのが見えたわけです。だから、宮古工業高校と宮古高校の先生の立場が逆だったら変わったかもしれませんけれども、確かに避難場所になっていないとはいえ、あのような場合に校長の裁量権を発揮して、さあ、どうぞと言えないものでしょうか。副読本なんかをつくる前に、そのほうの覚悟を持たなければいけないのではないでしょうか。それについてお伺いをします。
〇鈴木首席指導主事兼産業・復興教育課長 東日本大震災津波のような大規模な災害の際には、学校の対応に一部混乱が見られたということは承知しております。災害などの非常時において、児童生徒、教職員そして地域住民の命を守るため、校長が迅速に、的確に判断しなければならない場面は想定されることだと考えます。このため、先ほども申しましたが、県教育委員会では、防災教育研修会におきまして、研修対象者を校長や副校長などとして、危機管理意識等の醸成に努めているところでございます。
一方、日常において、校長や副校長などの管理職員が必ずしも学校にいるとは限らないことから、初任者研修を初めさまざまな教員研修においても、危機管理や防災教育の重要性について取り上げるなど、教職員全体の意識の醸成と防災に関する知識、技能の向上にも努めております。
非常時に的確な判断をすることは教育に携わる者の使命であり、引き続き、地域、関係機関との連携のもと、教訓を語り継ぎながら教職員の研修や防災教育に取り組んでまいります。
〇伊藤勢至委員 東日本大震災津波の後は、恐らく首都直下型地震が来るのではないか、あるいは東南海地震が来るのではないかと言われています。ですけれども、これに北海道の東部沖が加わりました。千島海溝。大体ここは過去の例を見ますと400年に1回ぐらいの割で大きな地震が来ている。だけれども、もう400年以上が経過したのに、いまだそこを震源とするものが起きていない。したがって、50年以内に90%の確率で発生すると言われております。私どもの宮古港あるいは久慈港、これはちょうど北海道のほうを向いているのです。したがって、ウエルカム、いらっしゃいの港になっていますので、しかもマグニチュード9なんて言ったら、素人でありますけれども、恐らく20メートルぐらいの津波が予想されるのではないか。そうしますと、岩手県が今つくっていますのは平均高14メートルの防潮堤ですから、当然オーバーするわけです。もう東日本大震災津波が来たからしばらく津波は来ないとは絶対に言えない。そういう中で、ぜひそういう部分をまさに風化させないために、子供たちに向かう先生方が、さあ、一緒に逃げようということを、いつ、どこで発するかの部分がなければ危ういと思うのです。
数十年前に、日本海側の秋田県の男鹿半島の脇に遠足に行った子供たちが、津波に飲まれて十数名が亡くなっていますね。津波が起きた後、津波が来る時間が早かったのです。北海道の奥尻島もそうでした。日本海の津波がこっちまで来ることはないかと思いますが、海によって状況も違うということもありますので、先生方だけに責任をというわけではありませんけれども、授業時間内において向き合っているのは先生だけです。父兄会もいないしPTAもいないので、そのとき先生が的確に、さあ逃げましょうと。こっち、あっちというものを言うことは先生の一般常識と言ってもいいのではないかと思うのですが、これはひとつ高橋教育長から。
宮古工業高校の件に関して、平成23年の連休前でしたけれども、5月ごろにまずは1回、尋ねました。先生方が、デッキブラシや掃除の道具を持ってへとへとに疲れ切っていましたので、あなたに直接電話をして、これは先生方の仕事でありませんと。こういうときは業者を入れて、先生をすぐ学校のことに向かわせてくださいとお願いした経緯もありましたね。この辺も含めてぜひ、二度とこのような、子供たちを失うようなことがあってはならない、起こしてはならない、こういう観点から、ぜひ教育長、皆さんとそうことを共有していただいて、二度とないようにしていただきたいと思うのですが、所感を伺って終わります。
〇高橋教育長 岩手県での大津波の災害というのは、三陸沖を震源とする大津波としては昭和8年、それから明治29年、それから江戸時代にもございました。大体60年ぐらいの間隔で来ると。したがって、今回の東日本大震災津波の前にも来る確率が極めて高くなっていた。これは歴史が証明している、これは岩手県のいわば宿命だと思っております。そういう中で、大震災発災のときに、学校管理下で亡くなった岩手の子供たちが結果的にいなかったと。これは先ほど課長からも間一髪の状況ということでございましたけれども、これは地域で語り継がれた津波てんでんこの話もございますし、津波石もございます。そういう長く語り継がれた地域の力が、間一髪の状況の中でその力が大きかった。そしてまた、地域の力が子供たちの命を救ったと、そういう中で育ってきた岩手の子供たちが、みずからの命を守ったということだったと思っています。
それで、これまでの津波災害は、映像というものがございませんでしたけれども、今回の東日本大震災津波の場合には確実に映像で残っていきます。ということで、これをしっかりと岩手の子供たちには、この岩手の歴史というものをこれまで以上にしっかり伝えていかなければならないと思っております。
大きな地震が来たら常に津波が来るという危機感のもとで、学校それから教員は、しっかりと子供たちを指導していくということが大事だと思っておりまして、そういう中で、防災教育に今、力を入れて取り組んでいるところでございます。
それから学校施設も、これはまさに公共施設の最たるものでございまして、自然災害等の危機的な状況の中で避難場所になるということは、市町村の指定があるなしにかかわらず、受け入れるというのは基本だと思っておりまして、そういう考えは、今、学校にも浸透いたしております。
宮古工業高校のお話も頂戴いたしました。子供たちがお年寄りの方を抱えて3階まで登ったということもございまして、学校の歴史としてもしっかり残ってまいりますので、大震災で得た教訓をしっかりと未来に継承していく努力を学校教育の中で行ってまいりたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時53分 休 憩
午後3時14分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、12人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〇佐々木茂光委員 それでは、早速質問に入りたいと思います。
まず、岩手県の指定する有形文化財についてでありますが、陸前高田市の昔で言う今泉村というところに、吉田家という大庄屋、藩政時代にそういう役割を担った屋敷があったわけでありまして、それが2006年に県の有形文化財の指定を受けたものの、震災で、今、現場にはない状態になっております。震災からもう7年を経過し、その後どのような状況になっているのか最初に聞きたいと思います。
〇鎌田文化財課長 岩手県指定有形文化財吉田家住宅につきましては、東日本大震災津波により全壊、流出し、被災直後から、県教育委員会を初め県立博物館による文化財レスキューやボランティアの方々などにより流出部材の回収が進められました。回収されました部材は、旧生出小学校-現在の陸前高田市立博物館の敷地内に建設されました部材保管庫に収納されております。
〇佐々木茂光委員 大体どのぐらいの部材が回収できたのでしょうか。
〇鎌田文化財課長 流出した部材につきましてはおよそ半数以上が回収されたところでありますが、現在は、回収された部材がどの部分に使用されていたのか、陸前高田市教育委員会が中心となり調査が進められています。また、回収された部材のうち、一部損傷が見られる部材については、強度調査等を行い、強度的に問題なく使用するために必要な修復方法の検討が行われているところです。
〇佐々木茂光委員 実際、文化財として指定されたのは蔵や納屋で、母屋が一番大きな建物になるわけですけれども、そのうち回収されたものが……。ということは、修復なり復元なりという形で、今、現場で動いていると解釈してよろしいのでしょうか。
〇鎌田文化財課長 復元の時期や場所についての見通しですが、復旧の時期につきましては、陸前高田市が進めている今泉地区の復興計画のスケジュールによるものと考えますが、陸前高田市に設置された吉田家住宅復旧計画検討委員会においても復旧計画が検討されているところです。復旧場所につきましては、かさ上げされた現地に再建予定となっております。
いずれにいたしましても大規模な復旧事業となりますので、長期間にわたるものと考えております。地元の意向を確認しながら、今後どのような支援が可能か、国からの補助メニュー等も調査しながら陸前高田市と協議していきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 流出して回収した部材が、要は、図面の中のどの部分にそれが使われていたのか、そういうところも含めて、その辺まで調査は進んでいるのでしょうか。
〇鎌田文化財課長 今、委員がおっしゃいましたとおり、現在、陸前高田市が設置した計画検討委員会においてCGをつくりながら三次元の図面でどの部分が残っているのかを調査しておりまして、この調査結果が出た段階で次の段階に進めるのではないかと思っています。
〇佐々木茂光委員 技術的なことになるかもしれませんけれども、もう200年前の建物ということになりますが、当時、あの地から気仙大工と言われる方々が、今泉から見れば地方に多く出稼ぎに行ったわけであります。そういった技術的なものを残していく必要性も非常に高いと思うのですが、今の段階で、欠けた部材や不足になった部分の例えば補修をする、形をつくるというお話は何か出ているのでしょうか。
〇鎌田文化財課長 100%回収できたわけではありませんし、破損した部材もありますので、その不足部分については、現在残る気仙大工の技術を生かしながら修復、復旧を考えていきたいと思います。
〇佐々木茂光委員 それだけ歴史的な価値もあり、遺構として残されていく物であることから、今、予定されている造成が非常におくれておりますが、それが終わり次第、すぐ現場に復されることをお願いして終わります。
〇佐々木努委員 大きく3点伺います。時間も限られていますので、まとめるところはまとめて質問しますし、順番を変えます。
最初に、部活動のあり方についてお伺いしたいと思います。
昨年2月に、県教育委員会が市町村教育委員会と県立高校に対して部活動の休養日を設けるようにという通知を出してから1年たちました。去年の6月の時点では、たしか全部の学校で休養日が設けられたということですが、通知を出してから1年たった現在において、この休養日は守られているのか。
まとめて聞きます。
休養日を設けたことについて、生徒、保護者、学校側がどのような捉え方、評価をしているのか。あわせて、県教育委員会ではどういう評価をしているのか、そこもお伺いしたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動の休養日についてでありますが、平成29年2月の県教育委員会通知によりまして、中学校では平日週1日及び第2日曜日、第4日曜日を休養日とすること、高等学校におきましては、週1日以上を休養日とすることという基準を示しまして、現在においては、全ての市町村立中学校、県立学校におきまして通知の内容に基づく休養日が設定されていることは確認しているところでございます。
休養日に対する評価でございますけれども、このように、県内の中学校及び高等学校における休養日の設定状況等から、部活動の休養日の必要性につきまして、学校、保護者、外部指導者及び関係団体等の全県的な合意形成が確実に進んでいるという評価を認識しているところでございます。
〇佐々木努委員 共通認識とされたということではなく、設けたことによって、生徒あるいは保護者がどういう受けとめ方をしたか。よかったのか悪かったのか。それとも、もっと休養日を設けてほしいとか、逆に休養日がふえて競技力が落ちて大変だという話もあったのか、その辺のところの評価を聞きたかったのですが。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 私どものほうの捉えとしては休養日が設定されたことに対する評価でございまして、それについての個別の評価については調査していないところでございます。
〇佐々木努委員 ぜひこれは調査すべきですね。よかったか悪かったのか、それは調査すべきだと思いますし、きちんと守られているかについても引き続き調査していただきたいと思います。
それから、スポーツ庁において、今、練習時間が平日は2時間、休日は3時間、そして週2日、休養日を設けなさいということでガイドラインがつくられようとしています。3月いっぱいでこのガイドラインがまとまるということで、いずれ県に対してそのような通達が来ると思うのですけれども、その際の県の対応方針はどのようになっているか伺います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 県版ガイドラインの策定についてでありますけれども、委員御紹介のとおり、国が今年度中に示すとされておりますガイドラインを踏まえ、さらに教員の働き方改革プランとの関連も図りながら、県版ガイドラインを策定していくというふうに計画しておるところでございます。
具体的には、活動時間や休養日の基準等、または適切な指導実績や生徒のニーズを踏まえたスポーツ環境の整備等を、国のガイドラインを踏まえつつ、本県の実情に即して、生徒や教員にとってよりよい運動部活動の実現が図られるように、関係団体等との合意形成等の場を設定しながら策定に向けて速やかに取り組んでいくこととしております。
〇佐々木努委員 そうすると、国のガイドラインに従うか従わないかはこれからの関係者との協議の中で決めるということで、県教育委員会としては、国がこういう方針だから、じゃ、こうやりたいということはないわけですね。そういう考えではいかないわけですね。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 国のガイドラインを参考にしながら、県の実情に応じて関係団体との調整を図りながらやっていく必要があるのではないかと思いますけれども、やはり国のものはベースにして考えていきたいと思っております。
〇佐々木努委員 いずれガイドラインがつくられるということですから、我々もどういうものができるのか注視していきたいと思います。それにつけても、休養日を設けたことについての調査が結局は次のステップにつながっていくと思うので、それはぜひやってほしいと思います。
次に、教育振興運動についてお伺いしたいと思いますけれども、これもまとめてお伺いします。
現在、教育振興運動の意義を県はどのように考えているのか。あわせて、今年度の教育振興運動をどのように評価しているのか。簡単で結構ですので、お願いします。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 教育振興運動は、御案内のとおり本県独自の教育運動でございまして、半世紀以上の間、県内各地において、教育水準の向上や健全育成、教育力向上など、教育環境の整備充実に大きな役割を果たしてまいっております。
最近、核家族化や地域コミュニティーの希薄化等が指摘されますけれども、地域ぐるみで共通の目的や目標に向かって一体的に取り組んできており、組織そのものや機能というものは、非常に長い年月の取り組みの歴史に支えられた確固たる価値のあるものがあると考えております。
御案内のとおり、新しい学習指導要領の改訂の方向性として示されております中央教育審議会の答申におきましても、社会に開かれた教育課程、すなわち地域の教育力を学校の授業の中に活用していくという考え方のもと、学校、家庭、地域社会がそれぞれ本来の機能を発揮して、全体としてバランスのとれた教育が行われるということは重要なところでございます。本県においては、この教育振興運動の仕組みを基盤として、必要な改善を図っていくことで、いわゆる地域とともにある学校づくりや学校を核とした地域コミュニティーの活性化の実現が可能であると考えておりまして、現在、そして将来にわたって、そこにこそ教育振興運動の意義があるものと考えております。
今年度の教育振興運動の取り組みの評価についてでございますが、情報メディアの適切な活用といういわば現代的な課題につきましては、県の旗振りのもと、全県共通課題という形で県内各地でさまざまな取り組みが進められておりまして、利用実態の把握や自主的な使用ルールをつくるといった取り組みが広がりを見せるなど、成果が上がっております。ほかの教育課題につきましても、同様に、市町村あるいは実践区ごとに実情に応じた取り組みが展開されていると考えております。
課題でございますが、教育振興運動の活動の成果がなかなか実感しにくい。あるいは、活動にかかわっている大人が随分限られてしまって地域全体の活動になっていないというような、活動内容や取り組みの過程に関する課題も指摘されているところでございます。
今後は、県内全ての小中学校が掲げるまなびフェスト、学校の実情を踏まえて、どんな重点的な教育活動を展開していくかという目標値も含めて示しているものでございますが、そのまなびフェストの内容を踏まえた地域全体での課題の共有や適切で明確な役割分担、あるいは、かかわる地域住民をもっと広げていくことにさらに改善や充実を図っていくことも大切ではないかと考えております。
〇佐々木努委員 御丁寧にありがとうございました。自信満々におっしゃったのですが、私とはちょっと認識が違うなと思いました。
2年前にもこれは取り上げましたし、そのときの課題について私からもお話をさせていただきましたけれども、残念ながら市町村における教育振興運動は課長がおっしゃった以上に停滞という意味で深刻化しています。上に立つ方もそうですし、事務局の方も、何をやっても人が集まらない、協力をいただけない、住民が教育振興運動に対して全く関心を持たないという状況がもう10年、20年ずっと続いていると。県では平成17年から10年間のプロジェクトで立て直しが図られましたけれども、残念ながら私は、立て直しにならなかったのではないかと現場からの話を聞いて思っています。
教育長がこの間、演述の中で運動の再構築も含めて検討をするとおっしゃいましたけれども、その意味は何なのでしょうか、それをお伺いします。
〇高橋教育長 先ほど開かれた学校の話がございましたけれども、法改正がなされて、実はその法改正には附帯意見がついていまして、コミュニティ・スクールのあり方、法的な義務的な行動になっていないのですけれども、これを全国的に進めようという方向での検討が今なされております。
そういう中で、教育振興運動やいわて型コミュニティ・スクール、さまざまな地域との協働のスタイルというか手法を本県が全国に先駆けて取り組んできておりまして、それとの調整をしっかりしないと、単に手法だけがひとり歩きしてしまう。集中できるものがないと、総花的で実のある行動につながっていかないということも懸念しておりまして、やはり全体的な再構築が必要ではないかということで演述の中であのような話をさせていただいたところでございます。
いずれ、学校経営という視点でもそうですけれども、人口減少、それから児童生徒数が減ってきている中で、地域人材を地域で育んでいくのは極めて重要な視点と思っておりまして、社会とのつながりをどうしていくかというのは、これからなお強化していかなければならないと思います。一方で、現実的な課題等を踏まえて、みんなでそうだねというような方向性を見出していきたいという思いであのような発言をいたしました。
〇佐々木努委員 私は、再構築、すっかりリセットして、次の教育振興計画の中に新たな運動でも位置づけるのかなと、もしかしたらという思いでお伺いしました。いずれ50年以上も歴史のある運動でありますし、そんなに簡単になくせないということは私もよく理解していますけれども、現状、市町村、地域においてはかなり厳しい状況だということを再認識していただく中で、この教育振興運動は開始当時とは全く中身が、目指すべきものが違っていますから、これから何を目指すかをしっかり明確化して、もう一度頑張って立て直しを図っていただきたいと思います。これは要望としてお話ししておきます。
最後になりますけれども、教育振興計画についてお伺いしたいと思います。
新しい総合計画に合わせて、教育委員会でも教育振興計画の策定を今進めていらっしゃると思います。これは本当に大事な計画になると私は思っていて、この間一般質問でもお話ししましたけれども、この10年で子供が2、000人も減っている中で、もしかしたら10年後はさらに2、000人減って6、000人ぐらいしか子供が産まれなくなるのではないかという状況になると、教育の持つ意義というのはこれから大事になってくるのではないかということで、いい計画をぜひつくっていただきたいと思うわけです。
今、策定作業が始まったばかりということですからここで細かいことは議論をしませんし、これは後で議論させていただきたいと思いますけれども、一つ確認だけしておきたいと思います。
これも教育長演述の中で、策定に当たって、岩手だからできる教育、そしてやるべき教育を盛り込むとおっしゃいましたけれども、それはどういうイメージで考えていらっしゃるのか、それをお伺いします。
〇高橋教育長 演述での私の表現についての御質問でございます。
ただいま委員から、教育振興計画の策定に着手したということについてお話をいただきました。そのとおりでございまして、その策定に当たりましては、学習指導要領等に基づく教育を本県の全ての子供たちにしっかりと保証していくことは当然のことでございますけれども、加えまして、本県の長い歴史の中で引き継がれてきております本県ならではのコミュニティーの力は-先ほどのさまざまな課題もございますけれども-全国的には岩手というのはそういう力は大きいと思っております。そういう力や伝統文化の力、さらに東日本大震災津波からの教訓や、発災後からこれまでさまざまなつながりが出てきておりますので、そういうことなどを本県の学校教育にしっかりと位置づけて教育を推進していくことによって、岩手、郷土を愛して、本県の未来を支えていく人材を育んでいきたいという思いからそのような表現をさせていただいたところでございます。
〇佐々木努委員 今、郷土を愛してという話が教育長から出ましたけれども、私はそこが一番教育の大事なところではないかと思っています。さっきも言いましたけれども、子供も産まれない、若い人も高校を卒業、大学を卒業すると出ていってしまうということがもうずっと続いておりまして、これは地域もそうですけれども、岩手そのものがこれから成り立っていくかいかないかという非常に大事な局面をこの10年、20年で多分迎えるのだと思います。
そういうときに、岩手に生まれて、岩手で育って、そこで地域を守っていく、そして夫婦になって子供を産み育てる、これからの岩手の教育においては、ぜひそういうところに主眼を置いてやっていただきたい。そうしないと、幾ら教育を充実させようとしても、子供がいない。子供がみんな出て行ってしまったら、何のために教育をしているのかわからなくなってしまうと思うのです。ですから、私としてはそういうところに主眼を置いて計画を立てていただきたい。
現計画、岩手の教育振興は、みんなではぐくむ学びの場いわてというのが理念になっていますけれども、これは多分、学びの場をしっかりとつくって教育をしましょうということでそういう理念を掲げたと思うのですが、やはり次の計画は人を理念の中に入れてほしい。私もいろいろ考えたのですけれども、岩手を支えるたくましい人材の育成ということをしっかりとうたって、そして人にスポットを当てた形の計画にしてほしいと思うのですが、教育長に所感をいただきたいと思います。
〇高橋教育長 教育振興計画の策定につきましては、現在、岩手県教育振興基本対策審議会の中で具体的な検討をいただいているところでございまして、まさに今、委員からお話がありましたような視点も踏まえつつ議論がなされているところでございます。
具体的に申し上げますと、岩手で、それから世界で活躍できる人材を輩出していくだけではなく、やっぱり岩手で活躍するということも重要な視点だというような御意見等も頂戴いたしております。それから、今、人材不足等の話もございました。これは、経済の動向に左右されますので流動的な面はありますけれども、岩手に生まれて、岩手で育って、岩手で働いてというのもすばらしい生き方だと思います。仮に県外の大学に出ても、岩手にまた戻りたいと思ったり、そして世界に飛び出しても、岩手とつながりを持つ、岩手にルーツを持つということを学校教育でしっかり育んでいくことが重要だと思っておりまして、そういうことも含めまして、さまざま議論を深めていって形にしていきたいと思っております。
〇佐々木努委員 私もちょっと言葉足らずでした。例えば、大谷選手のように、アメリカに行ってアメリカで岩手県民に元気を与えてくれる人ももちろんいらっしゃるし、岩手を出ても、ほかの地で岩手のことを思いながら岩手を支える、そういう意味ももちろんあります。それも含めた形で、いずれ人間として大事な、ここで生まれて、ここで育って、そして子供を産んで家庭をつくって、そして次代につなげていくということもしっかりと教育の中で計画の中にも盛り込みながらいい計画をつくっていただきたいということを申し上げて終わります。
〇工藤誠委員 私からは、一つ、縄文遺跡群の世界遺産登録についてお伺いしたいと思います。
今回でこの問題について教育委員会にお聞きするのは最後になると思いますけれども、気を使っていただいたのかどうかわかりませんが、きょうは皆さん、縄文のバッジもつけてきていただいております。仕事がなくなったからということで外さないように、末永いおつき合いをお願いしたいと思っております。
昨年の文化審議会での国内推薦の見送り後の対応についてお聞きしたいのですが、いろいろなことに取り組まれてきたと思います。細かいことは結構です。プロジェクトチームの動きとかそんなことはどうでもいいので、どういう課題をどう解決したのか、どこをブラッシュアップしたのか。それから、前回の5回目の推薦書改訂版と間もなく出されることしの推薦書改訂版の違いはどこにあるのか、箇条書き的にわかりやすく説明してください。
〇鎌田文化財課長 昨年7月の文化審議会で示された課題につきましては、文化庁や専門家の御指導、助言をいただきながら、4道県関係者で連携して課題解決に努めてきたところです。特に、縄文遺跡群の顕著な普遍的価値をわかりやすく説明することや、地域文化圏としての優位性や特異性等を明確に説明することなどについて鋭意取り組んでまいりました。北海道・北東北の地域文化圏が1万年以上続いた背景や自然的要因等についても、専門家の助言を得ながら、新たに説得力のある説明を加えました。
今年度新設したプロジェクトチーム会議での成果をもとに、17遺跡が全体の普遍的価値に過不足なく貢献していることについて新たな研究成果をもとに再構成し、それぞれの遺跡の特性についてより充実した記載を行うことができました。
今月末に推薦書素案改訂版を提出することとしておりますが、これまでと大きく異なる点としては、地域文化圏を中心に、顕著な普遍的価値をよりわかりやすく説明したこと、個々の遺跡の相互の関係性と、1万年以上続いたことの背景を明確に示したこと、ビジュアル的にも工夫を加えたこと、国際的な理解に資するような表現に努めたことなどが挙げられます。
〇工藤誠委員 しっかりと課題解決に取り組まれたと受けとめました。しっかりと平成30年度に向けて準備が整ったのだろうと思いますので、期待したいわけであります。現在、日本の世界文化遺産の暫定リストには八つ載っていると私は思っていますけれども、そのうちもう既に二つは国内推薦を得ている。それから、ここ何年も推薦書が出ていないものもある。それから、平泉や奈良の藤原宮、これは、ことし推薦書が出るか出ないかというよりも、平泉は出ないというのが決まりました。そうなれば、消去法でいけば、平成30年度の文化審議会に出ていくものは、縄文遺跡群と佐渡の鉱山の二つではないかと私は思っていますが、当局の認識としてはいかがでございましょうか。
〇鎌田文化財課長 現在、世界文化遺産の国内暫定一覧表に記載されている資産は、北海道・北東北の縄文遺跡群を含め、7件となっております。国内推薦資産はこの暫定リストの中から1件のみ選出されることになりますが、国内推薦の主な観点は次のとおりとなっております。
文化審議会が示した課題が解決、あるいはその道筋が示されているか。顕著な普遍的な価値が説得力を持って示されているか。完全性の観点から、過不足ない資産構成になっているか。資産の保護措置や緩衝地帯が担保されているか。包括的保存管理計画等が策定され実効性が担保されているかなどです。
この観点をもとに推薦書素案を各資産が提出することになりますが、この条件がそろっているのは北海道・北東北の縄文遺跡群であると考えております。
〇工藤誠委員 それであれば、昨年も佐渡鉱山、それから百舌鳥・古市古墳群、縄文遺跡群と三つで競ったわけですけれども、百舌鳥が出ていったということで、そのことから考えても、結局二つが平成30年度に競合することになるのではないんですか、改めて認識を伺います。
〇鎌田文化財課長 昨年の文化審議会で審議されたものから考えますと、委員御指摘の可能性はあるのではないかと考えております。
〇工藤誠委員 そのことを前提にしてお話ししますけれども、それであれば、早ければ平成30年度に国内推薦を得られるだろうと。遅くとも平成31年度には国内推薦を得られるだろうということで、これまでいつ国内推薦を得られるのか全くわからなかったところに一つの兆しが見える、そういう期待ができるということだと私は思うのです。ですから、平成30年度は、二つだとすると、フィフティー・フィフティー-五分五分の確率でありますので、これはやってみなければわかりません、何とも言えませんので、期待しますが、万全の体制をとっていただいて文化スポーツ部に引き継いでいただきたいので、準備をよろしくお願いしたいと思います。平成30年度の吉報をお待ちしております。
次に移りますが、去年の12月3日に北海道・北東北縄文遺跡群の世界遺産登録推進フォーラムを開催しました。4道県持ち回りというか、毎年やっているものでしたけれども、200人ぐらい集まったということで、岩手県公会堂の大ホールではちょっと寂しい人数だったと思っていますけれども、県内の方々にその価値や取り組みを知っていただくためには有意義であったろうと。そういう中で、どういうふうな意見が寄せられたのか。アンケートをとっていたようでありましたので、いい意見、悪い意見、また、来年度に生かせるようなもの、その内容についてお知らせいただきたいと思います。
〇鎌田文化財課長 12月に盛岡市内で開催した今年度のフォーラムにつきましては、4道県の皆様に縄文の価値を同じように伝えられるように、各道県において統一したテーマで開催したところです。
成果と課題と申しましょうか、来場の皆様からのアンケートを見ますと、講演やパネルトーク、遺跡の調査報告などによって縄文遺跡群並びに縄文文化の価値が理解できたと評価する回答をいただいております。
一方、アンケートの中には、もっと若い人の参加が必要ではないかという御意見もありました。今後におきましては、より幅広い世代の皆様に参加いただけるよう、周知の方法を検討してまいります。
〇工藤誠委員 そのとおりだと思います。どんどんPRしていただきたいと思いますし、若い人たちにも御理解をいただきたい。また、子供たちにもしっかりとわかっていただきたいと思いますので、そのこともしっかり文化スポーツ部に引き継いでください。
なお、当日は本当に寒かったです、暖房も入っていなくて。ちなみに、公会堂の大ホールを借りて暖房を入れても4万7、209円だそうですから、来年はぜひ暖房等は入れてください。そこはお願いしておきます。
最後です。
このことについては、私も議員になって以来、何度も教育長とやりとりもしました。常任委員会でも議論を重ねてきました。教育長からいろいろお聞きしたいということでこれまでやってきました。この何年間かに平泉も橋野鉄鉱山も縄文にもかかわられたと思います。今度は文化スポーツ部に移管されるということでありますが、教育長はこの縄文遺跡群世界遺産登録推進本部の副本部長は退任されるのですか。そういうことであれば、全くもうかかわりがなくなるわけではないでしょうけれども、そういうことにもなると思うので、この何年間かかかわってきたことの所感と、今後の世界遺産、平泉の拡張登録も含めれば最終的に岩手は四つになるということで、期待も含めて所感をお伺いして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 多くの県民の皆さんからの大きな期待がある中で、過去5回の挑戦で国内推薦が得られなかったことに対しましては教育長としてじくじたる思いがございました。ただ、一方で、昨年の文化審議会において、縄文遺跡群の有する普遍的価値を地域文化圏として再構築したことに対して高い評価がなされましたし、その後行われました文化庁の現地調査等においても具体的なアドバイス等を受けることができました。そういう動きはこれまでになかったことだったように私は肌で感じております。そういう動きがございますので、実現に向けた新たな光が見えてきているという思いをしておりまして、これまで本会議場でも申し上げさせていただいてきたところでございます。
現在、教育委員会におきましては、昨年8月以来、4道県と一体となって推薦書素案のブラッシュアップに努めてきているところでございまして、先ほど課長からその具体的な内容についてはお話しさせていただいたところでございます。先般、本会議で工藤大輔議員からの御質問に知事がお答えしたとおりでございますけれども、いずれ世界に誇れる遺産として、関係者間の力を結集して、まさに今度こそはという思いで全力で取り組んでいくと。事務については文化スポーツ部に移管するわけでございますけれども、これは県政の大きな課題であると考えておりまして、一体となって今後ともかかわらせていただきたいというように思っております。
〇高橋但馬委員 私は、1点、教職員費の学校統合支援加配についてお伺いいたします。
学校統合支援加配は、平成29年度18名、平成30年度28名見込みの措置数があります。この措置数は学校に対する何の支援のためなのか。あわせて配置基準もお知らせください。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 統合支援加配の目的及び配置基準でありますが、この加配は、平成26年度から、学校の統廃合を円滑に推進、支援するために国から措置されている加配であります。
配置基準は、統合前1年、統合後5年の期間にある学校に措置することになっております。新年度は、ほぼ市町村からの要望どおりの措置数となっているところであります。
〇高橋但馬委員 加配の配置状況は、平成29年度は小学校11校、中学校7校、平成30年度は小学校18校、中学校10校の見込みと、県内の多くの学校が統合に向けて動いているところであります。この統合までの期間、それぞれの学校でばらつきはあると思いますが、教育委員会でどのように把握されているかお知らせください。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 統合までの期間の学校での取り組みについてでございますが、子供たちが新たな環境に溶け込み、明るく楽しい学校生活を送ることができるよう、合同授業や合同遠足等を実施する学校や、また、記念誌の作成、式典の開催に向けた準備委員会を設置するなど、委員御指摘のとおり各学校の状況によって多少の違いはありますが、一般的にそのような取り組みを行っておりまして、教職員の仕事量が増すような状況にあると認識しております。
〇高橋但馬委員 これは国から予算が来て、県が各市町村に配分しているものだと思いますけれども、最短のところだと大体1年半前ぐらいから統合に向けて動いていくわけですが、特にそういう記念誌や新たな環境に溶け込むための動きと同時に、例えば、中学校で少人数のところとなりますと、中学3年生で、複式の状態で5教科の先生がいないところもございます。高校受験を控えて、受験というのは人生の一つの大きな岐路となりますが、5教科の免許を持った先生が学校にいないというのは、学校にとっても非常に厳しい状況と思っております。
そういう部分も含めて、県では小規模校の加配など独自に動かれている部分もあると思いますけれども、先ほど配置基準の説明がありましたが、統合前1年、統合後5年の期間にわたりという話がありました。ただ、統合に向けた動きには、親-PTAが子供の学習環境を考えるという部分と、もう一つ地域の校舎の利活用や、地域の方々が学校はどうしても残したいのだという部分があります。そういう話になりますと、どんどん統合に向けた期間が延びてしまう。その場合、子供の教育環境をどう改善していくかというのは非常に重要な問題だと思うのです。
そうなったときに、統合前1年と統合後5年と期間を限定するのではなく、フレキシブルにその辺を見られるようにやっていくことが子供の教育環境を改善する部分でもいいと思いますし、そういう現場の声をぜひ県から国に伝えていただいて柔軟に対応していただきたいと思いますけれども、教育長、どうぞお願いいたします。
〇高橋教育長 学校統合につきましては、市町村立学校の統合の話を頂戴しましたけれども、県立学校の再編についてもいろいろ御議論をいただきまして、非常に難しい問題でございますし、丁寧な対応が必要というのは重々承知いたしております。
市町村立学校の統合に当たりましては、その統合支援加配をしっかりとる。これは一定のルールがございまして、先ほど課長から申し上げたとおりでございます。そういう中で、今の子供たちをしっかりと育んで教育をしていくということが大事でございまして、そういう期間内から外れる場合にあっては、少人数加配等ほかの加配の枠もございますので、丁寧な教育をしていくことが大事だと思っております。そういう点を含めまして、教職員定数の全体的な改善につきましては、今後とも強力に国に対して要請をしていきたいと思っています。県議会からもそのような意見書を提出していただいておりますので、それを力にしつつ、我々も主体的に取り組んでいきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 二つお伺いいたします。
一つは、総括質疑の中で、教員の採用試験の中で講師の特別選考試験という言葉がありまして、私はこれは非常にいいことではないかと思って聞いておりました。地元の校長先生方とも意見交換をしましたけれども、これは非常にいいと、我々も希望しているということでありました。
そこで、特別選考試験の状況、それから評価、そして今後の動きについてまとめてお伺いいたします。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 特別選考試験についてのお尋ねでございますが、小中学校におきましては、主に他の都道府県において正規教員として勤務している方に対する現職教員特別選考と、今、委員おっしゃいましたように、本県において講師経験のある方を対象とする臨時的任用教員経験者特別選考を行っております。
評価につきましては、まず現職教員のほうですけれども、平成26年度に実施以来、計75名が本県の教員として教壇に立っており、優秀な人材を確保をする上で有効な手だてと認識しております。
それから、講師の特別選考の評価といたしましては、講師については、教職専門科目を免除しております。仕事の関係で試験対策の時間を十分にとることのできない講師にとりまして、試験準備の負担軽減になっていると捉えております。例えば中学校教員採用試験ですが、県内講師経験者の合格率は、5割弱だったものが現在6割強まで上がって講師経験者の採用がふえている状況にありまして、実務経験のある人材を確保できているところであります。
〇神崎浩之委員 即戦力ということと、それから人間性なり適性みたいなことも日ごろの仕事ぶりからわかるということで、非常にいいことだという話をされております。
一方、講師が足りなくなっているというふうなお話もされました。年度途中で、産休などさまざまな理由で退職される方がおりまして、その穴埋めというか対応に対してなかなか講師を派遣してもらえないということが言われておりますが、講師の欠員状況とその対応についてお伺いしたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 採用試験で新採用者の数がふえていますので、先ほど申しましたように講師の合格率もふえて、講師自体の数が減っている状況にあります。3月12日現在で、教員の病休、休職、産休、育休の各補充に対する欠員は、小学校で12名、中学校で3名、合わせて15名でございます。4月当初は必要な数に対して講師を確保できておりますが、年度途中の突発的な欠員についての対応がなかなか難しい状況にあります。
今後の対応といたしましては、退職なさった方や免許を保有している方の掘り起こしをするなど、講師の確保に鋭意努めてまいりたいと思います。
〇神崎浩之委員 実際に講師というのはどういうふうにして登録されているのか、何人ぐらいリストがあるのか、その点について、もしわかればお願いしたいと思います。
それから、先ほどの特別選考試験において、この3年ぐらいで合格者の中に特別選考試験で採用された方が何人いるのか。先ほど6割を超えたというお話があったのですが、何人ぐらいの中の何人ぐらいこの特別選考枠だったのかというのがあれば教えていただきたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 まず、講師の登録ですけれども、講師は、本県の教員採用試験を受けた方につきまして講師登録希望の有無を記載するものがありますので、そこで講師登録していただくという状況になっております。ですので、採用試験を受けない方で教員免許を持っている方についてはなかなか我々のほうでは洗い出せないので、先ほど申しましたように、そういう方の掘り起こしをしてリストをつくっていく必要があるだろうと捉えております。
講師の特別選考試験での採用状況ですが、平成30年4月から教壇に立つ方ですけれども、227名の合格者のうち、117名が県内講師であります。昨年度は208名の合格者に対して89名が県内講師となっておりますので、割合もふえているということでございます。
〇神崎浩之委員 次に、学力向上についてお伺いしたいと思います。
義務教育といいますと、小学校、中学校ということで市町村の教育委員会が管轄みたいな感じになるわけですが、趣旨は、県として、岩手の子供たちに統一した体制で取り組んでいただきたいということで4点質問します。まず、小学校、中学校ともに、組織として教員の指導力を向上させる仕組みが県にあるかどうかお伺いしたいと思います。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 まず、組織的な取り組みについてでございますけれども、県教育委員会では、本県独自の研修システムとして授業力向上研修を行っておりまして、小、中、高校の全教員が30代、40代、50代と、それぞれの段階に応じた研修プログラムを受けることにより指導力向上に努めております。
また、授業改善につきましても、平成27年度から学校組織による一体的な取り組みを掲げ、全県で推進しておりまして、各学校では、教科や学級、学年を超えた組織的な取り組みを基盤とした検証改善サイクルを構築し、学校が主体となって教員の指導力向上及び児童生徒の学力保障に取り組んでいるところでございます。
〇神崎浩之委員 新採用時や定期的な研修などでは足りない部分があると思うので、ぜひ組織として、県として統一したというふうなことをやっていただきたい。
次に、統一した授業の進め方、それから板書の仕方、それからノートの書き方というものを県全体でつくられているのかお聞きしたいと思います。
つまずきやすい単元や内容というのがありますよね。例えば割り算に入ったときなどいろいろ私も経験がありますけれども、そういうところはある程度共通していると思います。授業の計画や授業スタイル、黒板の書き方、それイコール、ノートの書き方、こういうことも、学校の先生方はかわっていきますから、そのたびにまた違う板書の仕方とかノートの書き方となると子供たちは非常に混乱すると思いますが、そういうことを含めてどういうふうにされているのかお伺いいたします。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 県全体での指導方法の確立と共有化についてでございますけれども、県教育委員会では、教員が日常の教育活動で活用できるいわての教職員研修ガイドブックを作成しておりまして、その中で、学習指導の基本的な進め方として板書の仕方やノート指導の仕方などを示し、全教員での共通化を図っているところでございます。
また、平成27年には、いわての授業づくり3つの視点というリーフレットを作成いたしまして、児童生徒にわかりやすい授業を提供できるよう、研修会や研究授業等、さまざまな場面でその実践を促しながら全県下への浸透を図っているところでございます。
そのほか、小、中、高等学校の教員が参加する岩手県教育研究発表会で、すぐれた指導法の事例や他県での先進事例、それから、先ほど委員から御案内のありましたつまずきの点なども共有化いたしまして、授業改善や学力向上のための共有化を進めているところでございます。
〇神崎浩之委員 秋田県は、全県的に板書の仕方、それからノートのとり方が共通になっている。それが小学校から中学校まで同じだというのです。ある市町村では3分の1ずつ先生たちがかわっていくということもあって、どの先生が来てもある程度一貫した方法ができるということは非常に子供たちにとって大切だと思っています。個人の力量でやっている部分があると思うのです、学校の先生方というのは。ある程度統一できるところはばらつきをなくすことも必要ではないかと。
次に行きますけれども、チームティーチングの話でありますが、クラスや学年の壁をなくして、複数の教員の目で生徒を指導することについてはどういうふうに行われていますでしょうか。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 クラスや学年を超えた複数教員による指導についてでございますけれども、県教育委員会では、先ほど申し上げました学力向上のための学校の組織的対応の強化を重点目標として掲げ、取り組んでいるところでございますが、各学校では、さまざまな課題解決に向けまして、教科や学級、学年の壁を超えた組織的な対応を展開しておるところでございます。
また、チームティーチングですとか少人数学級の指導のための加配を活用しながら、複数の教員や少人数によるきめ細かい指導も推進しておりまして、児童生徒の学習状況を把握しながら、指導の充実に努めているところでございます。
〇神崎浩之委員 クラス担任がおりますので、そのクラス担任の力量による影響が大きく出てくるところがあると思います。学校全体で子供全員を見るという発想でやっていただきたい。一人の先生だと甘さが出る部分もあるので、ほかの先生に見られるとか、ほかの先生とつくり上げて、不登校だとか、学力、あとは障がい児教育もそうなのですけれども、そういうことをみんなで見ていただくということが必要なのではないか。
国語の授業に家庭科の先生もクラスに入って、今やっているのはここのページだと教えている学校もあるそうです。国語は国語の先生がフォローするのではなくて、ほかの教科の先生も、専門的な指導ではなくても子供たちのフォローはできるということで、学校全体で子供たちを見ていくということが必要だと思います。
それから、4月に全国学力・学習状況調査がありますが、その後に入試があるわけですけれども、それ以外に、全県下で統一したテストをやって、点数の低い学校には、県の指導のチームが入るということは岩手県はやっているのでしょうか。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 全県下での、例えば全科目の単元テストのようなものは実施しておりませんけれども、授業や家庭学習で達成度を見るために活用できるようなGアップシートという中学生向けの独自の教材を作成しまして、総合教育センターのホームページから、全ての学校がダウンロードして活用できるようにしております。
また、学校への指導チームにかわるものといたしまして、県教育委員会や教育事務所の指導主事が、全国学力・学習状況調査ですとか岩手県学習定着度状況調査の結果を活用いたしまして、学力向上のための学校訪問指導を行っております。
〇神崎浩之委員 最後にしますけれども、先生個人の力量で進んでいる部分があると思っております。県として一貫した取り組みが必要であると感じております。個人とか地域によって差が出るとか、義務教育でありますので、県全体がある程度同じレベルであるべきだと思っております。そのためには、県の教育委員会の役割というのは非常に大きいと思うのです。県全体、市町村の教育委員会もです。さっき言いましたけれども、先生たちは人事異動でぐるぐる回りますので、そういうことが必要だと。
それから、授業計画なり教材なり板書やノートとかテストとか、そういうものは先輩の先生たちの財産が、大きな積み上げがあると思うのです。そういうものの活用は、新人の先生がそれを使って標準化していくことで、新人の先生たちも楽になると思いますし、それから教員の多忙化に対しても支援になるのではないかと思っております。
教育長に今の点について、市町村があるのだけれども、県として義務教育の指導方法、教材を統一していただくということについての所感と、あとは、都会は塾とかがさまざまあるわけですけれども、東北の田舎にいても、環境に負けないように我々大人はやっていかなければだめだと思っているわけですけれども、ありったけの力を使って、子供たちのために取り組んでいただきたい思うわけですが、この2点、教育長の所感をお伺いして終わります。
〇高橋教育長 学校教育の推進に当たりましては、県教育委員会と市町村教育委員会が一体となって取り組んでいくことが極めて重要だと思っております。そしてまた、県教育委員会は各市町村立学校の教職員の任命権者でございまして、その能力の向上を図っていく大きな役割も任っております。そういう中で、総合教育センターにおける基本的な研修でありますとか、先ほど申し上げました年代別の節目の研修をしつつ、教職員の能力向上を図っていると。そしてまた、市町村教育委員会においては、日々の学校運営を行っていただいておりますので、ここはやっぱり一体的に取り組んでいくことが大事だと思っています。
それから、先ほど委員からお話がございましたけれども、教職員一人一人の力量というものも、この力の差というのは当然あるわけでございまして、その辺を学校組織全体として組織パフォーマンスを上げていくということが校長に期待される大きな役割だと思っています。そういう意味で、校長研修等の場におきまして、校長、管理職、いわゆる教員の日々の教育活動をしっかり見ると、また、それによって、子供たちではないのですけれども、教員も、管理職が常に見てくれるということによってさらに士気が高まるという部分もあると思いますので、そういうこともしながら、全体的な岩手の教育のレベルを上げていくように努力していきたい。
そしてまた、委員からお話がございました全県での標準的な指導方法というものもさまざま教科ごとにございますので、全体的に岩手の教育はこうだということにつきまして、今後検討してみたいと思っております。
それから、先般の演述におきまして、岩手だからこそできる教育、それから岩手だからこそやるべき教育という思いを込めましたのは、まさに岩手に住むからこそいい教育を受けられるという思いも込めておりまして、まさに教育は国家百年の大計と言われるように極めて重要でございますので、今後なお一層努力していきたいと思っております。
〇軽石義則委員 産業教育関連の設備整備についてお伺いをいたします。
設備整備は基本的にいろんな考え方があって今までも進めてきていると思うのですけれども、専門教師のお話は一般質問でもさせていただきまして、まさに人材的なところはこれからも積極的に取り組むということですが、そのためには設備もしっかりと時代に合ったものにしていかなければならないと思うのですが、設備整備の基本的考え方、基準、方針などがあれば示していただきたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 産業教育関連設備の整備についてでございます。
整備の基本的な考え方につきましては、専門分野ごとの技能、技術の習得が基本になりまして、これに加えまして、資格取得を行う上で必要な機器等について、毎年度、学校の意向を踏まえて、老朽化の度合いですとか、緊急性、財政負担の平準化などを総合的に勘案して、順次、整備、更新を進めているところでございます。
それから、加えて、特に近年、地域産業を支える人材の育成を図る観点というのが大事になってきているだろうと考えておりまして、地域の産業構造の変化ですとか、技術革新などに対応し得る設備の整備を的確に進める必要がございますので、優先度判断の重要な要素として考慮しているところでございます。
〇軽石義則委員 そういうしっかりした方針を持って進めているということでありますけれども、現場の皆さんが要望していることが、当然予算もありますので、なかなかすぐに実現することが難しい点もあって、計画を持って進めていると思うのですが、計画に対して今どのような実施状況なのか。予算に被災地枠もちゃんととっているようですから、被災地においてはどうなのか、また、被災地以外ではどうなのか、お示し願いたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 計画というお話がございました。残念ながら、近年、耐震化ですとか震災の復興事業が多くなっており、設備整備の予算の確保がなかなか難しいという状況にございまして、明確な計画による整備が必ずしも行えている状況にはないところでございます。
また、委員もおっしゃいましたとおり、被災地域における設備整備につきましては、経済同友会のいわゆるIPP0 IPP0 NIPPONプロジェクトによりまして、設備整備の支援をいただいておりました。この支援が終了したことなどを踏まえまして、平成28年度から沿岸地区のものづくり産業を担う即戦力の人材の育成を図るという観点から、いわて学びの希望基金を活用した実習用機器等の整備を行い、教育環境の充実を図っているところでございます。
毎年度、学校の意向を踏まえた整備を行うことを基本として予算案に計上しているところでございまして、3年目となる平成30年度当初予算案におきましては、現在の産業界で活用されているシステムに近い環境で実習を行うことのできる工業高校用の金属加工実習用機器などの整備費を盛り込んで設備の充実を図ることとしております。
それから、それ以外の地域につきましては、従来からの事業でございます産業教育設備整備費による整備を行っているものでございます。これも学校の意向を踏まえて基本的な考え方に基づいて、優先度を見きわめながら予算案への計上を行っているものでございますが、被災地域への産業教育設備について手厚く整備を図っておりますので、これに比較すれば、学校の要望に十分に応えられていない面も確かにございます。基礎的な技術の習得に必要な整備等で老朽しているものですとか、高額なものにつきましては、適切な管理に努め、必要な修繕を行いながら着実な更新を図っているところでございますし、一方で、資格取得ですとか産業界の技術革新にも対応できる設備の整備につきましては、可能な限り学校の希望を踏まえた的確な整備に努めているところでございます。
平成30年度予算案につきましては、学校要望に基づき、資格取得に必要な工業高校用の電気機器実験装置などを盛り込みまして、実習環境の改善を進めることとしてございます。
〇軽石義則委員 計画がないということで、それぞれ学校の要望について対処するということになれば、各学校それぞれ、いろいろな要望なり課題を抱えて今大切に機器を使っている現状だと思うのですけれども、やはり県内全体の設備の状況を一旦整理して、何を優先して、どこに集中していくかという判断もしていかないと、産業構造の変化に学校の設備が間に合わなくなるのではないかということも考えられます。学校現場、いわゆる教員なり生徒の皆さんの要望等もあると思いますが、それぞれそれをどのように今後も把握していくかが大事だと思うのですけれども、学校からの要望はある程度整理をされているのか、また、全部の学校から一気に出てきたときに年度展開で優先順位も判断していかなければならないと思うのですが、それらについてはどのような手続をして決めているのかお示しください。
〇佐々木学校施設課長 学校現場からの要望への対応ということでございます。これについては、特に資格取得に必要な機器でございますとか、地域の産業構造の変化や技術革新に対応できる設備の整備に関しては、教育現場である学校の要望というのは十分に踏まえたものとすることが大変重要だろうと認識しておりまして、予算化に際しましては、毎年度、予算のタイミングに合わせて学校の要望をお聞きするという形をとっているわけでございますけれども、よく聞き取った上で、他の同種の専門高校との均衡ですとか、財政負担の平準化なども総合的に勘案して、順次、整備を進めているところでございます。
なお、学校からの要望に当たっては、現在の実習機器の使用状況ですとか、授業を行う上での支障、それから新たに整備すべき設備等が必要とされる背景なども十分に考慮して行うよう要請をしているところでございまして、学校における検討の過程で、担当教員等の意見が十分に反映されているものと承知しております。
〇軽石義則委員 十分に反映されているとすれば、産業に必要な人材というのは地域ごとに変わってくると思いますので、それを平準化するというのはなかなか難しいのではないか。予算的にならすのはできたとしても、必要な人材をどう育てていくかということはなかなかならしづらいのではないかと思うのです。そういう意味からも、企業現場の技術者の皆さんにも、企業の現場から見れば、学校教育の現場ではどういうものが必要なのかということについて、一旦、学校をチェックしていただいた上で整理をする、外部の目を入れてチェックするというのも大事ではないかと思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼産業・復興教育課長 地域の企業等から要求されている技術との整合性についてでございますが、県立高校では、学校内における教育課程のみならず、地域ものづくりネットワークなどの関係団体や企業の皆様などからの御協力をいただきながら、インターンシップの充実や技能講習会の開催、出前講座の実施などを行って、人材育成に努めております。
その結果、資格取得者の増加でありますとか、生徒の技術力の向上が見られるとともに、学校では、企業に対して、企業が求める人材についての調査を行いまして、自立した社会人としての資質を有する生徒の育成に生かすなど、地域の企業が求める人材について、学校における理解が進んできているものと認識しております。
高等学校の専門学科では、これまでも専門的知識の基礎、基本の定着を重視しながら、将来にわたって主体的に学び続ける技術者の育成に努めており、このことが高度な技術に柔軟に対応する力となるものと考えております。
今後におきましても、産業界の皆様との連携を一層充実させまして、企業における体験的学習や実技講習会などを通して実践力を磨き、地域の企業が求める技術に対応できる人材を育成してまいります。
〇軽石義則委員 人材育成の部分での進め方ということも十分わかりました。設備面については、この設備が本当に今の産業界で必要とされている、人材育成に必要な設備なのか、それとも、もう少し設備を改善することによってさらに高度な技術者が生み出せるのではないかという、外部の目のチェックが必要ではないかという意味でお聞きしているので、その点はどうなのでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼産業・復興教育課長 学校におきましては、学校評議員という方々もおりますので、そういう皆様からのチェックをしていただくことも必要であると考えますし、また、企業の皆様にもぜひ学校にお越しいただきたいと考えております。そして学校での設備等の最新のものというのは財政的な面もございますので、必ずしも新しいものだけとはいかないかとは思うのですけれども、その辺の整合性については学校とすり合わせながら、産業界で使われている装置等との整合性を図ってまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ学校に来ていただきたいということでありますので、日ごろからの連携を積み重ねていくことによって、岩手の企業で働きたいというところにまでつながっていくのではないかと思いますので、その点については特に今後も引き続きやっていただきたいと思います。
産業の構造変化、これから北上川流域には大きな雇用の場がどんどんできてきますし、さらに広がっていくことになるのですけれども、そういう企業や関係団体とこれまでもやってきていると思いますが、さらに地域ごとに特色をつけた対応というのは大事だと思うのです。その部分と、やっぱり時間的なものですね。ことし欲しいと言われて計画が10年後だと、今必要なものはなくなってしまう可能性もありますので、スピード感をどう出していくかということも大事だと思うのですが、最後、教育長にその部分をお聞きして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 専門高校での施設整備に当たって、産業界の皆さんからの御意見を入れさせていただくというのは、極めて重要な視点だと思っています。
これまで地域人材の育成に当たって、どうしても学校教育は学校教育ということもございましたけれども、今、産業界と学校との関係が年々深まってきておりまして、そしてまた、人口減対策としても、教育もまさに地域の重要テーマを担っているという認識のもとで、産業界との、よりこれまで以上の密接な関係を築いていくことが極めて重要だと思っています。
商工労働観光部におきましても、学校と産業界を結びつける新たな予算化等も図っておりまして、その中には教育委員会も参画いたしておりますので、委員から御提言のあった趣旨等を十分に踏まえまして、今後、より専門高校における教育を地域密着型のものになるような方向も頭に入れつつ、学校と一緒になって取り組んでいきたいと思っております。
〇福井せいじ委員 関連。私も一般質問で、先ほど軽石委員がお話しした趣旨の質問をしたのでありますが、課長等からも深い答弁がありましたので、いま一度確認したいのですが、地元事業者あるいは地元の産業界との連携という意味では、今教育長からそういった方向で進みたいというお話があったのですけれども、そこに仕組みをつくらなければいけない。連携をするのであれば、例えば協議会、学校と地元の産業界との協議会をつくって、この地域でどういった産業を伸ばしていくか、そのためどういう人材が必要か、そのために設備をどのようにしていくかという、ちゃんとした順番をつけた形での仕組み、場が必要だと思うのですけれども、そういったものもこれから考えられるのでしょうか。長期的なビジョンが必要であるし、そのビジョンを達成するための仕組み、仕掛けが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇鈴木首席指導主事兼産業・復興教育課長 人材育成につきましては、委員が御指摘するとおり、産業界との仕組みづくりということが非常に大切であると考えております。今年度につきましては、産業界の皆様と学校とが一緒になって、学校の場においての企業説明会というものを試みとして実施をいたしました。2回ほど実施をいたしましたけれども、これらがしっかりと定着していくためには、きちんとした仕組みづくりは大切であると考えております。ただ、一度に全てがうまくいくわけではありませんので、平成30年度につきましては幾つかの学校でこれを実施することとしておりますので、それを足がかりとしまして、きちんとした仕組みづくりに努めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 私なり軽石委員が言うのは、多分、生徒に対する企業の情報開示、それから企業の方向性というよりは、学校あるいは県の教育委員会に対する産業の方向性と教育を一致させるという、そっちのほうが大事ではないかということです。生徒が幾ら企業を望んでも、環境整備をするのは学校であり、そしてまた教育委員会であると私は思うのです。そういった意味では、企業、産業界と教育委員会がどのような形でこれから地元の産業を育成していくか、そして、それを支える人材をどう育成していくかといった仕組みをつくらなければ私はいけないと思います。そういう意味では、部局間の連携も必要だし、あるいは現場の学校と部局の連携も必要になってくる。それをどうにかしてつくっていただくことがこれから必要であると思いますし、そういったものを実現するためには予算も必要です。それは選択と集中という中で学校再編も絡んでくるのではないかと思うのでありますけれども、その点についてお聞きして終わりたいと思いますが、教育長いかがでしょうか。
〇高橋教育長 産業界との連携の場はさまざまございます。具体的に申し上げますと、産業教育振興会がございまして、そこに対する県としての支援も行っております。これは県内の企業の皆さんとそれから専門高校との情報共有の場、そしてまた、人材確保という観点でも、そこが中心になって推進しているということもございますし、それから、いわてで働こう推進協議会にも行政と教育、それから企業という連携のものづくりネットワークがございます。そういうものを複合的にしっかりと生きたものに動かしていくことが極めて大事でして、委員の御提言の趣旨等も踏まえつつ、目指す方向が実現するように努力していくことが大事だと思っております。
〇佐々木朋和委員 運動部活動と教育振興運動、コミュニティ・スクールについては佐々木努委員とかぶらないところでお聞きしたいと思いますのでよろしくお願いします。
まず、学校・家庭・地域の連携協力推進事業費補助、放課後子ども教室についてお伺いをしたいと思います。
国は、放課後子ども総合プランで、平成31年度末を目標に、全小学校区で一体的または連携をした放課後児童クラブ及び放課後子ども教室を整備するとしておりますが、本県の小学校区ごとの放課後子ども教室の整備状況、また、一体型、連携型の整備状況、学校校舎の利用状況、そして、県としての目標値をまずはお伺いしたいと思います。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 放課後子ども教室について幾つかのお尋ねでございます。
まず第1点目の、小学校区ごとの整備状況と学校の利用状況でございますが、平成29年度の小学校・義務教育学校区には、県内合わせて115の放課後子ども教室が設置されております。この115のうち、50カ所は学校の空き教室等を利用しております。残り65カ所は、公民館等での実施ということになっております。
次に、放課後児童クラブと一体型、連携型の整備状況でございますが、小学校の敷地内に放課後子ども教室と放課後児童クラブを設置する、あるいは敷地に隣接させるという一体型は、県内で5カ所、少なくとも一方が小学校敷地内にあって、放課後子ども教室が行うプログラムに放課後児童クラブの児童が参加できるといった連携型は、遠野市などの21カ所、そして、そのほか81カ所という状況になっております。
3点目、県としての目標値でございますが、国の放課後子ども総合プランを受けまして、本県の放課後子ども総合プランを保健福祉部と連携して設定いたしまして、その中におきまして、放課後の公的な居場所設置率、いわば小学校区内に設置される何らかの公的な居場所の設置の割合のことでございますが、そのことについて、近年、目標値を設定いたしまして取り組んでまいりました。
ちなみに、目標値としては、平成26年86.1%、平成29年91.6%、平成31年まで設定しておりまして、平成31年は92.0%という目標設定をしております。
実績値でございますが、これは昨年度までしか出ておりませんが、平成26年は86.1%に対して実績91.0%、平成27年は91.2%に対して実績値92.0%、昨年度は目標値91.4%に対して93.1%と着実にふえている。今後とも、継続的に設置がなされるように取り組んでまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 この分野につきましては、保健福祉部でも数点質問させていただきました。その中で、放課後児童クラブについては82%の整備であったということでございました。県で目標にしている放課後の公的な居場所がある小学校区の割合が今93.1%ということは、恐らく放課後児童クラブがなくて放課後子ども教室があるところもあるのだろうと思っております。
私はこの目標の設定の仕方がいかがなものかと思っております。と申しますのは、国が放課後子ども総合プランを立てた目的というのは、もちろん放課後児童クラブの生徒に高い教育を受けさせたいということで、放課後子ども教室の内容も受けられるようにというものがまずあるのですけれども、もう一方で、小1の壁を打破するということで、子育て支援という観点から、全学校区に一体型の放課後児童クラブと放課後子ども教室を整備しようということであったと思うのです。放課後児童クラブがなくて放課後子ども教室だけとなりますと、これについては時間の関係であるとか、または設定日も、平成25年の平均日数で111日だったと思うのですけれども、そういったこともありまして、長期休暇、春休み、夏休み、冬休みの期間はやっていないということになります。そうなると、共働きの家庭でありますと、どうしても子育てに支障が来てしまうということがあるわけであります。そういった背景があるわけですけれども、このような目標値を真の設定にしたというのはどういった背景があったのか。
また、もしわかれば、県内の放課後子ども教室の平均実施日数もお聞きできればと思います。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 目標値の設定の意図でございますが、まずはどの学校にも居場所をつくろうと、居場所を確保しようということが最優先になったための目標値設定と理解しております。
御指摘のとおり、趣旨を考えれば、今後、この目標値のあり方については検討の余地があると考えておりますので、保健福祉部と今後の放課後子ども総合プランのあり方については協議をしてまいりたいと思います。
それから、開催の日数でございますが、平成28年度の実施状況によりますと、1教室あたりの平均開催日数は年間94日、おおむね月8日間ということは、週2日ぐらいの開催という現状になっております。
〇佐々木朋和委員 今お話を聞きましても、放課後に子供たちの居場所をつくることが大きな目標であったというわけですけれども、放課後子ども教室においても、週2回ぐらいの居場所ということはいかがなものかと、私は一体型のものを進めていくべきだと思います。
そういった中で、今後の目標値も直す方向で-方向でとまで言っていないですね、保健福祉部と相談をしていただけるということでありますけれども、一体型、連携型の放課後児童クラブ及び放課後子ども教室の整備促進策と、あと、放課後児童クラブのほうになるかもしれませんが、設置に向けての大きなハードルは、人と場所であります。これは学校側にどれだけ協力をしていただけるか。国のほうも余裕教室、あとは使っている教室でも放課後は使っていないというところは、一時使用ということも積極的に取り組んでいきましょうと打ち出しているわけでありますけれども、学校使用についての利用促進策についてもお伺いをしたいと思います。
〇佐藤首席社会教育主事兼生涯学習文化財課総括課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、平成26年に国から出ている放課後子ども総合プランにおきましては、平成31年度末までに、全国的に約30万人分を新たに整備するでありますとか、一体型の放課後児童クラブ及び放課後子ども教室については1万カ所以上実施するという、全国レベルの目標も示されているところでございまして、整備促進については重要な項目だと理解しております。ただ、最も大事にしたいのは、放課後児童クラブと放課後子ども教室は、御存じのとおりそれぞれ特色がございまして、方や登録制であり、方やどの子供も参加可能である、あるいは、方や有料であり、方や基本的に無料であるというそれぞれ特色がございまして、その選択につきましては、学校の状況、施設確保の状況であるとか、子供そして保護者のニーズ、どういう参加形態を望むか、あるいは先ほど御指摘もございましたが、地域の対応可能性と申しますか、地域人材の確保に関することなど多様な状況が想定をされますことから、まずは市町村においてニーズ調査を丁寧かつ継続的に行うように促していくことが重要であると考えております。
加えまして、最近は、特別な支援を要する児童への支援体制のニーズの高まりというのも見られますことから、同様に、状況把握を丁寧かつ継続的に行うように、市町村に対して促していくことがまず重要だと考えております。
さらなる整備促進につきましては、子供の過ごし方、活用の状況、そのよさについて、もっと皆さんに理解を深めていくことが重要なことから、県内の放課後子ども教室あるいは放課後児童クラブには実施しているところもあるのですが、こんな活動をしていますという、広報活動をもっと密にしていく必要がある。あわせて、市町村レベルにおいても、自分たちの市町村あるいは他市町村ではこんな事例があるといった事例提供と申しますか、広報活動と申しますか、そういう取り組みも重要であると考えております。
いずれ、そのあたりを重点項目に挙げながら、今後取り組んでまいりたいと思いますし、あわせて、県が主催します研修会によりまして、資質向上を図る機会もきちっと担保してまいりたいと思います。
〇高橋元委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 課長のおっしゃることの9割、同感いたしました。ただ1割、ちょっと納得がいかないところがございます。
ニーズとは何だろうと思うのです。今、地域ではニーズ調査をやっているのですけれども、さっき課長がおっしゃったように、例えば放課後子ども教室、放課後児童クラブのどっちだといったときに、多くの方が、無料のほうがいいよねとなることが多いのだろうと思います。私の地元でも、そういう声があります。でも、一方では、そういう声の中でも、共働きで放課後児童クラブが欲しいという方がいるのです。でも、それは数人だからかき消されてしまってニーズは放課後子ども教室ですよね、放課後児童クラブは要らないですよねとなってしまう。でも、そういうことを防ぐために国は一体型にしましょうと、子供も少なくなっているときに、放課後子ども教室と放課後児童クラブ、それぞれのニーズの人たちが両方一緒に使えるようにしようよと、これが私はこの制度の趣旨ではないかと思うのです。そういったときに、ニーズによって決めると、それでいいのかなと。私は、市町村でも、何でこういうことをやっているかというのがわからないところが多いのではないかと思うのです。ぜひそこは県からも、市町村とよく話し合っていただいて、そういったニーズを、困っているところを見逃さないように進めていただきたいと思います。そこをやっていただければ10割賛同したいと思います。
続きまして、運動部活動についてお伺いをしたいと思いますが、時間の都合もありますね。
先ほど佐々木努委員からお話がありましたが、国は今、週2回の休養日、少なくとも土日の1日は休養日ということで出しております。今、県内では週1日という話がありましたけれども、では一体、今、県下では今回の、国が出そうとしている動向に合わせた休養設定日の状況というのはどのくらい広がっているのか。
また、スポーツ少年団とのかかわりですね。休みになっていても、実質的にスポーツ少年団がやっていればそれは休養日かという話がありますから、その点についての調査を行っているのか、もしくは、行っていないなら、これからそういった調査をする予定があるのか伺いたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 平成29年2月の通知のとおり、本県の中学校におきましては、平日の週1日と、第2、第4の日曜日の2回の休みと、あと高校では週1日以上の休養日が設定されているというのはそのとおりでございます。
国は、中学校におきましては、週当たり平日1日、土日1日を休養日にしなさいという案は出されており、これからガイドラインが出ますので、それを見て参酌しながら設定していきたいと思っております。
先ほど委員御指摘のとおり、中学校の部活動後に引き続き行われますスポーツ少年団または父母会等の活動につきましては、昨年度県教育委員会で調査しましたところ、おおむね良好な状況でありますけれども、終了時刻や頻度に課題が見られるところもございました。そのところにつきまして、学校に対しましては、保護者や外部指導者との共通理解を図る場である部活動連絡会等を活用しまして、スポーツ少年団等を含め、生徒の生活リズムや健康、安全に配慮した活動が行われるよう、その対応について要請したところでございます。
現在、県教育委員会では、本年度における部活動調査の取りまとめを行っておるところでございますので、その結果を踏まえて、生徒の生活リズムや健康、安全に配慮した活動時間や休養日が設定されるよう取り組みを進めてまいります。
〇佐々木朋和委員 今、週2回休み、土日のどちらかは休みはどのぐらいかというお話を聞きたかったのですけれども、いただいた資料によりますと、週に2回休みは県内では12%、または月4回、土日お休みのところは10%ということですから、これから県としてもガイドラインをつくっていくということですけれども、国のガイドラインに沿うとしたらギャップがあるのかなというところであります。その中で、実質的な休養日を保障していくためには、休養日の必要性を科学的根拠に基づいて浸透させること、また、休養日を設けても部活動が充実感を持って子供たちができるということが大事だと思います。
教育長の演述の中にも、スポーツ医・科学に基づいた指導を浸透させていくということもありましたけれども、専門的知識に基づいた指導も含めて、今後の取り組みをお伺いしたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 委員御案内のとおり、指導者は自分の感覚とかこれまでの経験だけではなく、スポーツ医・科学の見地から、トレーニング効果を得るために適切に休養日をとることが必要であるということは、国で示したガイドラインの案にも示されているところでございます。また、過度な練習がスポーツ障害等のリスクを高めることなどについても、指導者は十分な理解を得ることが重要であると考えております。
県教育委員会としましては、一昨年から、中学校や高校の指導教員及び外部指導者等を対象としました部活動指導者研修会を開催し、その際に、スポーツ医・科学を活用した指導方法についての講義や演習を行っているところでございます。次年度をもって県内の全6地区で開催されたことになりますけれども、この成果を学校や各地区に広めていただくように要請しているところでございます。
また、文化スポーツ部のスポーツ医・科学サポート事業等においても、指導者派遣や研修会等を実施することとしておりますので、文化スポーツ部との連携も図りながら、部活動において、合理的でかつ効率的、効果的な活動が推進されるよう取り組んでまいります。
〇佐々木朋和委員 これから県内に浸透させていくということでしたけれども、新たな県のガイドラインに基づいた部活動が始まるというのは、いつぐらいを想定されているんですか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 3月に国のガイドラインが示されますので、それをもって県でできるだけ速やかに、まずは遅くならない5月、6月、合意形成を図るのに時間がかかりますけれども、速やかに進めたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 わかりました。では、来年度はガイドラインの浸透に努めて、再来年度ぐらいから現場には入っていくのでしょうか。そういったところにまで科学的根拠に基づいた指導、または休養日の理解が浸透できるように、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
最後の質問にできればと思いますけれども、今、生徒数の減少によりまして、団体スポーツでは1個でチームを組めずに、合同チームで取り組んで大会に参加している、活動している部活動があると聞いております。中高での現状、また課題はどのように認識されているのか。
また、部活動のあり方の検討とともに、学校での働き方改革ということになってくると、人数が集まらない部活動は、これから各校で廃部という話が出てくると思うんです。そんなときに、地域で子供たちがいろんなスポーツに触れる機会をどうやって保障していくかということを、県でしっかり考えて市町村と連携してくれないと、学校ごとにやったら、本当に団体の競技ができる学校が地域にないという話になってしまうかもしれません。そういったことも含めて御所見を伺いたいと思います。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 岩手県中学校体育連盟及び岩手県高等学校体育連盟の資料によりますと、平成29年度中学校地区新人大会においては38チーム、高等学校の新人大会においては30チームが、複数校の合同チームにより参加となっている状況でございます。現在は、大会規約等の関係によりまして、当該校の部員数が少ないことが合同チームの条件となっております。学校の組み合わせが大会ごとに変わったり、または遠方の学校と組むことになったりする状況や課題が見られております。
今後につきましては、県中体連や県高体連等との連携を図りながら、生徒にとってより充実したスポーツの環境づくり、体制づくりを推進してまいりたいと考えております。
また、今後の生徒の数が減っていることによってのスポーツのあり方、機会の保障についてでありますけれども、生徒の多様なスポーツ活動を保障するためには、学校単位にこだわらない部活動とか地域のスポーツクラブとの関係のあり方など、さまざまな工夫が求められると考えております。
今後につきましても、今年度中に国が示すガイドラインを踏まえつつ、本県の実情に合った県版ガイドラインを策定しまして、関係者との合意を図りながら、生徒がスポーツを通して、充実した学校生活が送れるように支援してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後5時3分 休 憩
午後5時28分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇阿部盛重委員 私からは、部活動指導員配置事業についてお伺いいたします。
校務教員の負担軽減として外部人材を登用される方向になっておりますけれども、2018年度は約90人の配置予定で、中学校が58人、高校31人という計画になっておるようですが、進捗状況はいかがでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動指導員の配置につきましては、委員御案内のとおり、教員の負担軽減のみならず、指導の充実によって生徒の技術力の向上を図り、部活動の充実を目的として次年度から初めて導入するものでございます。基本的には、専門ではない教員が担当する部活動に対して、文化、スポーツ、科学等の部に部活動指導員を配置することとしておるところでございます。
中学校における配置につきましては、全ての市町村でモデル的に配置していただきたいと考えておりますので、各市町村教育委員会において配置を検討していただくようお願いしているところであります。
今後は、配置の必要性や進め方につきまして、予算成立後速やかに市町村教育委員会への説明会を開催しながら、配置に向けて積極的に働きかけてまいります。
また、県立学校につきましては、意向調査や各学校の実態を踏まえながら、効果的な配置に向けて取り進めることとしております。
〇阿部盛重委員 県内全体では90人ということで、まだまだ十分ではないと思いますが、それ以降の配置に関しましては2019年度以降に行うということでよろしいでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動指導員の最終目標に向けた対応についてですけれども、国の概算要求で示されました、平成30年度から4年間で1校につき3名を配置するという計画を視野に入れつつ、中学校に配置する国の財政措置等を注視するとともに、各年度の実績や成果を踏まえながら、教員の負担軽減と指導体制の充実に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 ぜひ継続しながらよろしくお願いいたします。
90人の配置に関しましては、各教育委員会では強い要請があった学校から配置されていくのか、それともある程度配置基準という項目があって先に配置されていくのか、その点の流れはいかがでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 この配置につきましては、今、委員御案内のとおり学校の意向を踏まえまして、また、市町村の要望等も踏まえまして配置に向けて検討していきたいと思っております。
〇阿部盛重委員 基本的に部活動指導員は外部講師や教員OBがなるケースが多いと聞いています。基本的には、部活動でもやっぱり結果を出さなければいけないと思うのですが、配置指導員のレベル的なものというのはどのあたりを設定されているのでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動指導員の採用についてでありますが、やはり部活動は学校教育の一環として行われるものでありますから、採用に当たりましては、先ほど委員御案内のとおり、教職員OB、または公認指導資格の有無なども参考にしながら、学校において指導実績のある、いわゆる外部コーチの方等も含めながら、学校や地域の実態を踏まえまして、生徒や保護者の理解を得ながら配置を進めてまいりたいと考えております。
また、採用後につきましては、学校の設置者及び学校が部活動指導員に対しまして-生徒に対しての指導がありますので-事前研修や定期的な研修を行って、部活動の教育的意義や活動目標、また科学的な指導や事故対応、そして体罰の禁止や服務等の遵守等について十分理解していただいて、学校の部活動の充実がより図られるように取り組んでいきたいと考えております。
〇阿部盛重委員 外部講師の選定に当たりましては、県教育委員会でされるのか、各市町村の教育委員会でされるのか。各現場の先生方にまたおろされていくと負担がかかって非常に大変かと思うのですが、外部講師の探し方、そのあたりはどのような流れになっておりますでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 部活動指導員の採用につきましては、やはり学校をよく知っている方ということになると思いますので、イメージとしては、まず学校から推薦していただきながら、市町村教育委員会におかれましては市町村のほうで研修を行いながら、県立学校につきましては、学校長の推薦を踏まえて、県のほうで研修を行いながら進めていくという格好になると思います。
〇阿部盛重委員 すると、学校にも少し負担はかかるという流れでございますね。
それから、ちょっと見方は違うのですが、現場の先生で、もちろん教育に熱心な方、それから部活動指導にも熱心な方、命をささげるというような流れで先生になっている方もいらっしゃるのですが、そのあたりのところには配慮的なものというのはあるのでしょうか。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 現在、部活動指導に熱心に取り組んでいる教員の所属している学校への配慮についてでありますが、部活動指導に熱心に、情熱を持って、自分の専門性を生かしつつ、生徒に親身になって、そして生徒に向き合って生徒の個性や能力を引き出している、そして成果を出している教員の方々のおかげで全国大会での活躍、それがひいては県民の勇気や感動に結びついていると認識しているところであります。ですが、先ほど御案内したとおり、一方では、専門的な指導が受けられない、または専門外の顧問を割り当てられて、負担を感じている方もおられるところでございます。
来年度実施する部活動指導員につきましては、そのような専門性を持たない教員の負担軽減、また、いわゆる学校における働き方改革の一つとして県教育委員会が取り組むものでありますので、この趣旨を十分理解していただいて、学校、生徒、保護者の理解も得ながら、部活動指導員を配置して、部活動がより充実して、子供たちが生き生きと学校生活を送れるようにしていきたいとおもっております。
〇阿部盛重委員 十分な配慮もあるということで受けとめておきます。
次に移ります。
免許外教科担任制度についてお伺いいたします。
文部科学省は、中学校、高校の教員が専門外の教科を教えることを1年以内に限って認めているということですが、学校側の申請を受けて教育委員会が可否を判断するわけですが、公立学校及び私立学校の実情はどうなっておりますでしょうか。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 文部科学省の方針もございますけれども、現実的には、公立、私立を問わず免許外の教員が配置されているものと認識しております。
〇阿部盛重委員 今、現状は、公立、私立の学校で270人ほどの方々が対応されているということでしょうか。
〇永井教職員課総括課長 免許外教科担任の現状でございますが、平成30年1月31日現在で、委員御指摘のとおり、公立学校、私立学校合わせて274人について免許外教科担任について許可している現状でございます。
〇阿部盛重委員 政府は、規制改革実施計画の中で、教育の質が心配されるということと、それから教員の負担になっているということで、遠隔教育というものを含めて対策をとるようになってきているのですけれども、県教育委員会としては、その考え方についてはどのような流れになっていきますでしょうか。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 委員御案内のインターネット授業などの同時方向的に行われる遠隔授業につきましては、平成27年の学校教育法施行規則の改正によりまして、高等学校における正規の授業として可能となったところでございます。
本県におきましては、昨年度と本年度の2年間にわたり西和賀高校と岩泉高校の間で遠隔授業に関する調査研究を行いまして、遠隔授業は、小規模校における教育の質の保障をする上で有効な一方策であるといった手応えを感じているところでございますので、活用の拡大も視野に入れながら、実用化に向けた取り組みを一層進めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 そういう流れでいきますと、教科外担任制は徐々に薄くなっていくということでよろしいですね。
〇中島首席指導主事兼学校教育課総括課長 遠隔授業の活用がすぐさま免許外教科担任等に応用できるというか転用できるという段階にまではまだなっておりませんので、現実的には、もう少し先といいますか、今すぐ免許外教育担任の先生方を解消できるかというと難しいのが現状かと思っております。
〇阿部盛重委員 働き方改革ではないのですけれども、負担をいかに減らしていくかというところだと思いますので、十分に考慮しながら御対応をお願いできればと思います。
最後になりますが、教育長にお伺いいたします。
免許外教科担任制につきましては、学校側の持ち時間数や平準化、あとは校務分掌も含めた勤務時間内の平準化のためにということもあるようですが、教員の働き方改革の改善の一つとして、生徒を成長させる教育というところと、そして勝利を目指す選手育成という二つに分かれると思うのですが、教員の負担軽減につながっていくと思われますけれども、その点所感はどのようにお持ちでしょうか。
〇高橋教育長 学校に期待する役割が増大してきたこと等によりまして、職員の勤務負担の実態が看過できない実情にある、これは全国的な状況にもございます。そういう状況の中にあって、個々の教員が、教員としての専門性を生かしながら児童生徒と向き合う時間を十分確保することや、教員の日々の生活の質や教員の人生を豊かにしていくことで教員自身の人間性を高め、児童生徒に真に必要な教育を持続的に行うことができる勤務環境をつくり出すことが学校における働き方改革の目指すところと考えておりまして、この実現に向けて、積極的かつ主体的に取り組んでいきたいと考えております。
学校関係者の理解のもとに働き方改革を進めていくことによりまして、児童生徒の教育にいい影響として還元され、教育の質的な向上や競技力向上にも寄与していくものにしたいと考えております。特に競技力向上につきましては、本県の活力にも直結する重要なテーマでもございますので、スポーツ医・科学を活用した効率的、効果的な指導の一層の充実に向けた取り組みを進めることや、特別強化指定校への指導者の重点的な配置等によりまして、中長期的視野に立った選手育成、競技力向上の推進を図っていきたいと考えております。
〇柳村一委員 私も部活動について通告していましたけれども、お三方の話でほぼ納得しましたので、省かせていただきまして、学校現場における業務改善加速事業についてお伺いします。
中央教育審議会の中間まとめにおいて、学校における働き方改革の実現に向けた環境整備については、教職員の充実と地域との連携や協働体制構築が求められるとしていますが、平成30年度の地域との連携や協働体制の構築への取り組みについて伺います。
〇永井教職員課総括課長 業務改善加速事業についてのお尋ねでございますが、まず、本県内の公立学校においては、それぞれ学校活動を展開していく中におきまして、地域との連携や地域の皆様の御理解をしっかりいただきながら、その活動を地域の皆様に支えていただいているという基本的な認識をしているものでございます。こういった認識のもと、来年度、学校現場における業務改善加速事業を実施したいと考えているものでございます。
業務改善に集中的に取り組む重点モデル地域を指定いたしまして、業務改善の実践研究を行い、その成果やノウハウを共有し、県内の各学校に広げていきたいと考えているものでございまして、実践研究のテーマとしては、専門スタッフの配置によるチーム学校体制の構築、組織マネジメントのあり方に関する研究の推進、この2点について、県中部地区の市に重点モデル地域1カ所を指定する方向で現在調整している段階でございます。
〇柳村一委員 重点地域を決めて県内へ広めるということで、連携が図られていくことが重要ですけれども、平成29年度の政策評価結果等の政策等への反映状況報告書にある児童生徒の学力向上の部分の課題についてです。中学校及び高等学校におけるインターンシップの実施率は向上してきているが、一層のインターンシップの実施及び充実を図る必要があるというぐあいに課題があって、今後、県や関係団体、学校が連携してさらに充実するために取り組みを進めますというようなことが書かれておりました。
インターンシップという部分で地域と学校が連携している事例がありまして、ある中学校で保護者と地域の方による職業ガイダンスを行っております。2年生の総合的な学習の機会として9年間続けてきて、これは新聞等にも取り上げられた事業でございました。それが、来年度はもう実施しないというような連絡をメール1通で受けたそうですけれども、地域との連携などをこれから強化するやさきで、学校現場では連携に対する価値観というのがちょっと足りないような気がします。
ですので、県教育委員会から市町村教育委員会や学校現場に対して、地域との連携についてどのような指導をされているのか。例えば学校現場にどのように地域の連携を反映させるおつもりなのか、お考えをお聞きします。
〇永井教職員課総括課長 今、委員から、地域との密接な連携というものが、特定の事業に関して、メール1通で打ち切られたという御指摘をいただきました。個別の内容は今、手元にございませんけれども、業務改善加速事業については、地域との連携をさらに深く強化していこうとするものです。
メール1通で済ませた背景に誤解があるのかどうかは私も詳しくは承知してございませんけれども、例えば、地域人材の活用により、先ほどから出ている部活動指導員の活用や、あるいは教職員の事務作業の改善といったものに取り組んでまいります。当該指定する実施市教育委員会においては、例えば教員の勤務時間の客観的な把握を行ったり、あるいは、もちろん県教教育委員会や教育の専門研究機関である県の総合教育センターともしっかりと連携をとって、その地域との連携のあり方、それから地域との情報の共有の仕方、あるいは特定課題に対する共通理解のとり方といったものも視野に入れながら、地域との連携促進や協働体制を文部科学省からの支援などを受けながら展開していきたいと今考えているところでございます。
〇柳村一委員 地域でやっている小さなことなのでそういう事業にはのってこないと思いますけれども、断りのメールは、授業時間等の関係もあり実施しないということでした。地域の人が無償でやっていて、昨年度も、35人の地域の保護者や地域でいろいろな仕事をしている人たちが、これはこういう仕事だよというのを生徒たちに紹介する職のガイダンスでありまして、例えば今、人材不足の介護や看護師の仕事を聞いて、生徒たちも将来の参考になったとか、そういう授業であります。地域の人たちもそうやって学校にかかわることができたし、まちを歩いていて、あっ、先生と生徒から声をかけられてすごくうれしかった、そういう声もあります。小さなことかもしれませんけれども、現場の教職員はお忙しいとは思いますが、地域で学校を支えていくという部分では、そういうものをしっかりと教育委員会にも把握していただいて、連携を深めていただきたいと思います。
教育長、先ほど教育についてすごく熱く語られていましたけれども、教育の根本となる地域との連携について、来年度以降どのような考えがあるのかお聞きして終わります。
〇高橋教育長 地域との関係につきましては、さまざまな面で御理解と御協力をいただきながら、学校教育の力になっていただいているという取り組みが県内広く行われております。
今、委員からお話をいただきました具体的な事例について、実は私、今初めてお伺いしましたけれども、そこにはお互いの信頼関係があってこそ、これが継続していくということだと思います。これは学校側だけの一方的なお願いで、そして一方的な判断で打ち切るというようなことはできる限り避けなければならないと思っておりまして、委員からいただいた話等も十分に踏まえさせていただきながら、市町村教育委員会とも情報共有をさせていただきたいと思います。いずれ信頼関係をしっかりとつくっていくことが大事だと思っております。
〇高田一郎委員 私からは、まず最初に、就学援助制度についてお聞きいたします。
まず第1に、新入学児童生徒学用品費の入学前支給、これは私たちも全県に広げていくべきだという立場でこの間、繰り返し求めてきましたけれども、現在どのような状況になっているのか、現在の到達点について伺います。
あわせて、就学援助の修学旅行費、実際は修学旅行が終わってから支給するという自治体も中にはあります。これは、やっぱり入学前支給と同じように、積み立てをしなくてもいいようにすべきと思いますが、この点についても伺いたいと思います。
あわせて、この間、県内でも修学旅行が終わってから支給するということもあって、なかなか積み立てができない、そういう中で修学旅行にも行けない児童生徒もいるといろいろな方から伺っていますが、県として、実際、小学校、中学校で修学旅行に行けない児童生徒があるのか、どの程度把握されているのか、この点についてお伺いします。
まとめてお聞きします。
修学旅行費について、現在、就学援助制度に基づく支給額と実際の修学旅行費というのはどのようになっているのかお聞きします。
〇佐々木学校施設課長 就学援助制度についてのお尋ねが3点ほどございました。
新入学児童生徒学用品費の入学年度開始前の支給でございますが、昨年度、4市村ございまして、今年度は28市町村にその取り組みが拡大しているところでございます。
それから、二つ目のお尋ねでございますけれども、修学旅行費の支給の状況でございますが、委員御指摘のように、対象となる世帯が、修学旅行費について一旦全額を負担する形となっている実態が多くございます。これは修学旅行実施後の支給となっていることに由来するものでございますけれども、これによって修学旅行に参加できなかった個別児童生徒の状況については、申しわけございませんが、把握していないところでございます。
なお、参考までに申し上げますと、支給方法に関しましては、一部ですけれども、交通費や宿泊費など一部経費について事前に支給している市町村や、保護者からの申し出によりまして、学校から旅行業者への修学旅行経費の支払いに合わせて支給を行っている市町村など、対象世帯の負担を考慮した取り組みを行っている市町村もございます。
こうした支援が必要な世帯に寄り添った対応の状況については、各市町村に積極的に情報提供を行いたいと思いますし、多くの市町村が事後の支給となっておりますので、紹介したような取り組みを行う上で、どういった課題があるのかを把握した上で必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。
それから、修学旅行費の支給額でございますけれども、多くの市町村におきましては実費での支給となっておりまして、支給額と実際にかかる費用は同じと考えておりますけれども、一部におきまして、定額支給としている市町村、それから上限を定めて実費によらない支給を行っている市町村もございます。こういった市町村につきましては差が生じることが考えられます。
修学旅行費につきましては、地域により交通費の額が異なることや、旅行人数により必要な金額が変わることも考えられます。その水準について、真に支援が必要な世帯に寄り添ったものとなっているのかどうか、実費支給となっていない事情等、各市町村の実情をお伺いしながら、県内各市町村における制度運用の状況等について情報提供を行うなど、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 修学旅行費については、実費支給になっている自治体が多いということですが、実際なっていない自治体もあるわけで、これはやっぱり実態をよく把握して、実費支給となるように県としてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。新入学児童生徒学用品費についても、この1年間で多くの自治体が取り組んで、先ほどの説明ですと28自治体にまで広がったわけでありますので、残る自治体についても早く入学前に支給できるように、県としてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
修学旅行費については、先ほども課長がお話ししたように、多くの自治体では修学旅行が終わってからの支給になっております。実際どういう問題が起きているかといいますと、積み立てしなければならないわけで、なかなか積み立てができないために、学校の先生がかわって積み立てをして、そして後になってから就学援助で入ってきたものをいただく。中には、生活費に回って、もらえない先生もいるそうです。スクールソーシャルワーカーとかそういった方々に聞くと、修学旅行に行けない子供たちも、人数はわかりませんけれども、いるという話を聞きました。やっぱり子供たちにとって、修学旅行というのは小学校、中学校を含めて一番の思い出になる行事でありますので、県内においては、一部の自治体で経費を事前に支給するとか、あるいは旅行業者との関係で直接支払いをするとか、そういうことで積み立てをしなくてもいいように取り組んでいる自治体もありますので、実態をしっかり把握して取り組んでいただきたいと思います。
就学援助の担当がなぜ学校施設担当になっているのかよくわかりませんけれども、担当の責任で実態をしっかり把握して、新入学児童生徒学用品費についてもこの1年間で一気に広がりましたので、ぜひ課長、どうですか。実態を早く把握して、この1年間で圧倒的多数の自治体が取り組めるように取り組んでいただきたいと思いますが、改めてお聞きしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 私が昨年担当になりましてから、さまざまな御意見をいただきました。各市町村に対しまして、いろいろなアンケートをとったり、各市町村にお伺いした際に実情をお伺いしたりして実情の把握に努めてまいったところでございまして、委員御指摘のとおり、本当に必要な世帯に寄り添った対応が学ぶ機会を保障するという意味で重要だと考えておりますので、引き続き、そういった考え方に基づきまして取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 では、その点ではよろしくお願いいたします。
二つ目は、教職員の働き方改革について伺いたいと思います。
この問題は、教員の命と健康を守ることにとどまらず、教育の質を左右する大きな問題だと思います。そこでまず、教職員の勤務の実態について、現状どうなっているのかについてお伺いします。残業時間80時間以上、100時間以上の勤務実態はどうなっているのか。
あわせて、病気で休職している教員の数、脳、心臓疾患及び精神疾患の状況はどうなっているのか。これがこの間、減っているのかふえているのか、この点についてまず実態を示していただきたいと思います。
〇永井教職員課総括課長 働き方改革について、まず、教員の時間外勤務の状況のお尋ねでございます。
県立学校についてですが、平成29年度第3・四半期の分までが手元にございますので、それで答えさせていただきます。時間外勤務が月80時間以上100時間未満の教員の割合ですが、第1・四半期が5.5%、第2・四半期及び第3・四半期がともに4.2%。また、時間外勤務が100時間以上の教員の割合ですが、第1・四半期が7.0%、第2・四半期が5.0%、第3・四半期が4.6%となっておりまして、今年度の傾向といたしましては、トータルで80時間以上の職員の割合は、昨年度と比べて若干ではありますけれども減少している状況でございます。
次に、病気休職の教員数及び疾病の関係の数字のお尋ねがございました。これも平成29年度の1月末現在でお答えをさせていただきますが、休職者は73人、このうち脳疾患3名、心疾患1名、それから精神疾患37名となっておりまして、これは年度途中の数字でございますので、前年度と比べての増減についてはまだ整理してございません。御了承お願いいたします。
〇高田一郎委員 病気休職者の数は73人と。減っているのかふえているのかと聞いたのですけれども、この間、私も何度も取り上げてきましたが、決して減っている数字ではないのですよね、休職者や精神疾患の病気の数というのは。この数というのは、先ほど残業時間の話を聞きましたけれども、病気休職の心臓疾患と精神疾患の教職員の数-減っているわけではないのですけれども-と長時間労働との関連性について、教育委員会としてはどのように認識しているのか、この点について伺います。
〇永井教職員課総括課長 先ほど御答弁で、ことし1月までの数字ということで申し上げましたが、参考までに平成28年、平成27年を申し上げますと、平成28年度、フルの年度の休職者としては109名、平成27年度としては107名、こういう数字になっております。まだ年度が終わっておりませんので、先ほど言った73名がどういうふうに動くかはこれからの整理となってまいります。
病気休職と長時間勤務との関連性については、厚生労働省の過労死等の防止のための対策に関する大綱を見ますと、長時間にわたる過重な勤務、労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられると。また、脳疾患、心臓疾患との関連性も強いという指摘がございます。
先ほど申し上げた例えば脳疾患の数字、心臓疾患の数字と長時間勤務の状況がどうなっているのか、病気としては、いずれ厚生労働省の資料にもございますが、生活背景や、先ほど申し上げた長時間勤務、ストレス要因等のさまざまな環境と、あとはいわゆる内部的な個々人の要因などもいろいろ絡み合って発症することになってまいりますので、県教育委員会としては、いわゆる事業主として、労働安全管理体制の強化を含めて、引き続き、今後とも教職員の健康確保に努めてまいりたいと認識しております。
〇高田一郎委員 そういうことで、新年度、県教育委員会も教職員の勤務負担軽減ということで、さまざまな事業を予定して予算措置もされました。先ほども議論がありましたように、スクールサポートスタッフや部活動指導員など、基本的には、教職員をふやして負担軽減をするのではなく、外部人材を活用して業務の改善などを行うものであります。中身を聞こうとしたのですが、先ほど議論がありましたので、中身は聞きません。
お聞きしたいのは、昨年の暮れに文部科学省が学校における働き方改革に関する中間報告を出しまして、それに基づく緊急対策ということで、今回、外部人材を活用した予算措置になっています。これを見ますと、学校が担うべき業務、あるいは負担軽減をする業務として、登下校に関する対応や校内清掃、給食時の対応、あるいは進路指導、学校行事の準備、運営まで含めた14の事業を見直ししようという国の考えです。この中間報告を見ますと、こういった標準職務を明確にして、モデル案をつくって、優良事例を収集して周知していく。いわば上からモデル的なものをつくって負担軽減していくということですけれども、しかし、実際はどうなのでしょうか。私が思うには、学校現場で子供たちや保護者の意見も聞きながら議論をして、その学校が主体的に業務の改善に取り組むことが必要だと思います。上から決めてモデルを示してやるというのではなく、その地域の学校によって実情が違うと思いますので、学校現場の実情に応じた改革というのが本来あるべきではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇永井教職員課総括課長 中間まとめに関する14業務の前に、先ほどの脳疾患や精神疾患など健康管理のところについて若干補足いたします。
県教育委員会としても新年度事業でさまざまな対策を打ってまいりますけれども、県の教職員共済組合の事業としても、例えば脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクを評価するための検査などを新しく導入したりということで、先ほど御指摘のあった病気休職等を減らしていくように努力してまいりたいと考えております。
お尋ねの14項目の見直しについてでございますが、委員からの御指摘にもあったとおり、登下校の見守りといったものが箇条書きで列挙されております。特に登下校の見守りなどにつきましては、既にもう県内の多くの学校では、交通指導員や地域のPTA、自治会の協力などをいただきながら、これはかなり積極的に推進といいますか定着しているものではないかと思っております。
文部科学省は今までも、この14項目については、委員御懸念のように、上意下達で一方的にやれというようなことではなく、いずれ業務改善の取り組みについては、学校や地域、教職員や生徒の実情に応じて順次適切に取り組みを進めるということが一番最初の柱書きに記載しております。それぞれの地域の実情や学校の現状、先ほど来地域と学校のかかわりについては多々御議論いただいてございますけれども、そういったものを十分踏まえ、市町村教育委員会とも連携しながら、あるいは学校とも連携しながら県教育委員会として取り組みを進めてまいりたいということを基本に考えているところでございます。
〇高田一郎委員 やはり学校現場を主体に取り組んでいくということを基本に取り組んでいただきたいと思います。
新年度の予算には、勤務実態を把握するということで、県立高校についてはタイムカードを設置する、そういう予算措置もされていますが、やっぱり小中学校も含めてそういった対応をしていくべきだと思うのですけれども、今後の方向性についてお聞きしたいと思います。
〇永井教職員課総括課長 委員御指摘のとおり、やはり今回の中間報告や文部科学省の緊急対策では、まず、教職員の勤務時間を客観的に把握するのが一丁目一番地と申しますか、一番基本的な取り組みだという指摘もございまして、県としては、まず、県管理下にある県立学校についてのタイムカードの導入を当初予算案に盛らせていただいているところでございます。市町村におきましても、個別の予算措置はございますが、やはり教職員の看過できない勤務の状況に鑑みて、既に各市町村においてもそれぞれ学校における勤務時間の把握は進められておりますけれども、客観的な手段としてのタイムカード、ICカードの導入などについても、県の導入実例なども御紹介しながら、小中学校、義務教育学校の教員にも同様な取り組みが行われるように、市町村に対しても助言等をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 時間ですので、最後にしたいと思います。
学校図書館の司書の配置についてお伺いいたします。
今年度から学校図書館図書整備等5カ年計画も始まりまして、蔵書をふやす、あるいは司書についても1.5校に1人を配置するとか、そういった国の整備計画も示されております。
それで、現在の岩手県の学校図書館への司書の配置状況、あるいは市町村の図書標準達成率がどういう状況になっているのか、全国との対比も含めて岩手県の状況についてお伺いしたいと思います。
先ほどお話ししたように5カ年計画がスタートしているわけでありますけれども、岩手県としても、1.5校に1人ということになれば-ちょっと計算しましたけれども-、今の実施している学校を2倍にしなければならないような数字になっております。具体的に、県として、国の整備計画を受けて、司書職員の増員も含めた具体的な整備計画があってもいいのではないかと思いますが、そのこともお願いして私の質問を終えたいと思います。
〇永井教職員課総括課長 司書、図書館の整備につきましては、人の手配と蔵書の整備面の二つのお話がございましたが、私からは、司書の配置状況と今後の配置拡充についてお答えをさせていただきます。
まず、司書の配置状況について、全国の状況も含めてという御質問でございましたけれども、本県における図書館担当職員、学校司書の配置状況ですが、文部科学省が全国調査を隔年で実施しておりまして、直近の平成28年度の調査において、県立高校については64校中13校、大体全体の2割程度でございます。全国では3、500校余のうち2、300校余に配置されているということで、配置率としては6割強となっております。
同様に市町村立学校につきまして、配置については管理市町村の権限や配置になってまいりますけれども、小学校においては331校中117校、中学校においては162校中52校ということで、おおむね3割強の配置率になっております。全国では、配置率だけ御紹介させていただきますけれども、小学校については59%、それから中学校については57%、6割弱という数字になっております。
学校図書館図書整備等5カ年計画ができまして、今、年次計画が進行中でございます。司書の増員はどうかというお尋ねでございますけれども、県立学校におきましては、現体制の中で、学校事務職員の役割として学校図書館業務を明確に位置づけるというようなことをやっております。また、校務補助員については来年度増員を予定しておりますけれども、その業務の一部に学校図書館の業務をしっかりと位置づけるというようなことで、各学校の実情を踏まえながら、図書館教育の充実と申しますか、司書の拡充を図ってまいりたいと考えております。また、市町村立学校については、これは市町村に地方財政措置はなされておりますけれども、配置については、最終的には各市町村の御判断ということもありますが、会議等を通じまして、その配置の拡充、配置についてこれまでも働きかけを進めてまいっているところでございます。
〇佐野首席指導主事兼義務教育課長 市町村の図書標準達成率についてでございますが、平成28年度学校図書館現状調査によりますと、学校図書館図書標準を達成している学校は、小学校で330校中208校、63%、中学校で162校中92校、56.8%という現状であります。平成26年度-これは2年置きの調査になりますが-と比較いたしますと、小学校で8.3ポイント、中学校で6.7ポイント達成している学校の割合は増加しており、改善の傾向となっております。
なお、全国の状況ですが、小学校66.4%、中学校55.3%となっております。
引き続き、蔵書については、市町村教育委員会と連携して取り組んでまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 私からは、一つは、35人学級の実施についてお聞きしたいと思います。
きょうも教育長から御説明がありましたけれども、新年度からは、選択制ではありますけれども小学5年生に拡大すると。それから、平成31年度には小学6年生まで拡大するという方針に言及されまして、これによって、小中学校全学年で35人学級が実施される方向が示されたことは大変すばらしいことだと思います。
そこでお聞きしますけれども、35人学級実施に伴って学級数がどのようになっていくか。選択制の部分もありますので、それについてお聞きしたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 35人学級実施に伴う学級増の見込みについてでございますが、平成30年度から実施します小学5年生での増加は、2月1日時点での児童数で算出しましたが、28学級増加の見込みであります。本県が実施しています中学3年生までの35人学級全体といたしましては198学級の増加という見込みでございます。
〇千田美津子委員 あわせて、小学校3年生、4年生、5年生について、少人数指導が行われる見込みがわかれば、それについてもお聞きしたいと思います。
それから、今回の35人学級を5年生まで拡大ということで、教職員の身分はどのようになるのでしょうか。正規職員なのか、それとも臨時とかそういう対応なのか、その点についてお聞きします。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 選択制ですので、今まさに学校のほうで年度末で動いていますので、来年の数は申し上げられないのですが、今年度においては、小学校では3クラス、三つの学校がチームティーチングを選択して、残りのほとんど66校は少人数学級を選択しております。中学校のほうは、84校が少人数学級で、19校、19クラスがチームティーチングと。中学校のほうは、どうしても縦割りをそろえて、縦割り活動、生徒会活動などを充実させたいということで、小学校に比べると選択率が低くなっているところでございます。
教職員の身分が本務者か講師かということですが、国からの加配でやっていますので、加配を全部本務者に充てると……。加配は年度ごとに上下がございますので、一部講師を充てて、一部といいますか半々ぐらいの割合で講師と本務者でやっているところでございます。
〇千田美津子委員 なぜ身分を聞いたかといいますと、やはり講師であれ正規であれ、子供たちにとっては本当に大事な教育の責任者でありますので、ぜひ私は正規雇用をふやすという立場で……。少人数学級をふやしてもらったことはすごくありがたいことですけれども、働く方々にとっても、優秀な皆さんが非正規のままでいることはやっぱり団結上もうまくないことですので、ぜひそれについては改善の方向で取り組んでいただきたいと思いますので、その点一つ。
それから、もう一つは、今回の加配をどちらかというと少人数学級に充てていくということがあると思いますが、少人数学級とともに少人数指導を選択している学校もあるわけです。やはり少人数指導のよさもすごくあるし、今、子供たちが抱える問題が本当に多岐にわたっている状況の中で、きめ細かな指導をしていくという点では、すぐにはいかないかもしれませんけれども、少人数学級プラス少人数指導もあわせて対応していただきたいという現場からの声が届いています。これからの検討にはなると思いますが、ぜひ私は、岩手県の子供たちにはそういうきめ細かな、よりきめ細かな指導をしていただきたいと思うわけですが、その2点についてお聞きしたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 まず初めに、待遇改善といいますか身分のことでございますが、国で少人数指導の加配について、一部基礎定数化を進めております。本県でも七十数人という数が基礎定数になっていますので、そこら辺につきましては本務者を充てることができますし、国が順次拡大していくに従ってそういう措置ができるのかなと希望を持っているところでございます。
それから、2番目のお尋ねの、小学校5年生の少人数学級へ28人、振りかえられるので、その分の加配が減るのではないか。少人数指導、チームティーチングのほうの充実もというお話でございますが、先般、国から加配定数の内示がございまして、小学校5年生に28人振りかえても大丈夫なぐらいの加配増の提示がございましたので、来年度におきましては、今年度と同様の少人数指導、チームティーチングも実施できるという見込みでございます。本県独自のすこやかサポート、学校生活サポートも二百数十名の雇用をしていますので、その方たちも活用しながら、少人数指導のほうも充実させていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、2点目ですが、高校再編の問題についてお聞きしたいと思います。
今回の予算の中で、前期計画の推進と後期計画策定に向けた準備の予算が高校教育改革推進費として計上されておりますけれども、この間も議会で何回も質疑があったところですが、これはやはり本当に地域にとっても子供たちにとっても重要な問題だと思います。
それで、前期計画が平成29年から始まっているわけですけれども、昨年、ことしの受験者数、それから入学状況を踏まえて、今後これらをどう進めようとしているのか、計画どおり進めるということなのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 前期計画の進め方についてでございますけれども、平成30年度の県立高校の一般入学者選抜の志願状況については、先般公表されましたが、全日制課程の最終倍率が0.90倍ということで、全体では51校78学科で志願者が定員を下回っているという厳しい状況と認識しております。
再編計画につきましては、策定に当たりまして、地域説明会等でいただきました多くの県民の皆様からの御意見等をできるだけ反映させることに努めたところでございまして、平成28年度からの5カ年の前期計画では、学級減を中心としておりますけれども、一部、学習活動や部活動の活性化の観点から、近接する地域での学校の設置の実情、公共交通機関の状況などを踏まえまして学校統合ということも盛り込んでおります。
こうしたことから、学科改編等につきましては、原則としては再編計画に沿って実施する考えではおりますけれども、その実施に当たりましては、ブロック内の中学校卒業予定者数や高校入学者の状況等を把握しまして、また、関係者との丁寧な意見交換をしながら進めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 ぜひ、より丁寧にやっていただきたいと思うのですけれども、計画どおり実施するかどうかを最終判断する場合、例えば平成31年の学級は12学級減らす、それから平成32年だと17学級減っていくような状況があるわけですが、例えば平成31年のターゲットになっている学校については、最終判断はいつの時期になるのか、この点お聞きしたいと思います。
〇藤澤高校改革課長 平成31年度の再編計画につきましては、今12校ほど学級減であるとか、学科改編等を予定しておりますけれども、それらについては、今後ブロック内の状況、定員充足状況などを見ながら判断していくことになりますが、具体的には、年度がかわりまして、6月から7月ぐらいに教育委員会の内部で検討し、さらに平成31年度の県立学校の編制案も検討しまして、例年どおりであれば、8月上旬に開催されます閉会中の常任委員会で案を御説明しまして、10月の教育委員会定例会で決定ということを考えております。
〇千田美津子委員 この高校再編問題で学校を訪問したときに、いろいろ頑張っている学校がすごくあるのです。ですから、そういう取り組みを評価しながら、最終判断は、学校ともきちんと話をしてもらうことをぜひやっていただきたいと思います。
それから、後期計画については、どう進めるお考えなのかお聞きします。
〇藤澤高校改革課長 後期計画についてでございますけれども、再編計画では、記載上は平成32年度-2020年度までの前期計画期間における学校統合と学科改編、学級減の予定を示すほかに、後期についての方向性を示しております。その後期計画におきましては、大きな人口の社会増がもしなければ、今後も中学校の卒業予定者数は大幅に減少すると見込まれることから、統合であるとか学級減等の検討が必要になるものと想定しておりますけれども、その際にも、再編計画の中で基本的な考え方としております望ましい学校規模の確保による教育の質の保証ということと、あとは、県内広うございますので、各地では教育の機会の保障というものを大きな柱として、その上で全県的なバランスをとりながら判断していくことが大事だと考えております。したがいまして、2021年度からの後期計画の策定に当たりましては、再編計画あるいは前期計画の策定のときと同様に、県内各地域の皆様としっかりと意見交換をする場も設けたいと思っております。前期計画の実施状況、定員の状況であるとか各校の実情等も十分に踏まえて、また、地域の皆さんのお声も十分聞きながら、よりよい教育環境を整えていくという視点で、また、社会情勢の変化も踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 それでは次に移ります。公立学校施設の耐震化の推進についてお聞きをいたします。
まず一つは、県立高校における耐震診断の実施状況と耐震化の状況、また、今後、耐震改修が必要な校舎がどれくらいあるのか、整備の見通しについてもお聞きいたします。
〇佐々木学校施設課長 県立高校の耐震化についてでございます。
昭和56年以前に建築されましたいわゆる旧耐震施設の耐震診断につきましては、今後、継続して利用が見込まれる施設の耐震診断を本年度で完了したところでございまして、耐震診断結果を踏まえて、計画的に改築や耐震改修等の取り組みを現在進めているところでございます。
耐震化が必要な校舎でございますけれども、現在17校で22棟あると考えておりまして、既に久慈高校ですとか福岡工業高校など、半数に当たる11棟の改築、改修に着手しております。平成30年度におきましては、これらに加えまして、新たに盛岡工業高校の実習棟など6棟の耐震化に着手することとしています。
今後も引き続き、安全・安心な教育環境の早期整備を図るために、必要な取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
〇千田美津子委員 高校については必要な手だてがなされるということでわかりました。
それで、続けて、県内小中学校の耐震診断と耐震化がどの程度進んでいるか、お聞きをしたいと思います。
実は、文部科学省は、この間、公立学校施設の構造体の耐震化を、平成27年度までの完了を目標としてきたのですが、ちょっとおくれが見えるので、その実態についてお聞きをしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 公立小中学校の耐震化についてでございますけれども、耐震診断につきましては、県立高校と同様に、今後、継続して利用が見込まれる施設の診断は、県内市町村においても全て完了しておりまして、計画的に耐震化の取り組みが進められております。
また、耐震化の工事につきましても、既に28市町村において完了しておりまして、今後耐震化が必要な校舎につきましては、5市町村に10校20棟が残っている状況にございます。このうち、平成30年度におきましては、花巻市と奥州市において、大迫中学校など4校10棟の耐震化、半数の学校で耐震化が計画されておりまして、今後も着実に耐震化が進むものと考えております。
〇千田美津子委員 そうしますと、平成30年度にやる部分はいいのですが、残る学校の理由がおわかりであればお聞きします。
〇佐々木学校施設課長 幾つか原因というのは市町村訪問等でお聞きしておりまして、財政的な要因によりまして、計画的に、着実に数棟ずつ進めなければいけないという市町村が若干残っているということ、それから、小中学校の再編計画、再配置計画が同時に進んでおりまして、その計画の決着がついていない学校は、なかなか耐震化の改修に着手できないというお話でございます。
こういった事情もございますけれども、生徒の安全を守るという観点から、できるだけ耐震化については早期に着手していただけるように要請してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 この耐震化の最後の質問にしますけれども、第2期の岩手県耐震改修促進計画では、平成32年度までには公立施設はほぼ100%実施の見込みなのですけれども、私立の学校棟は77.3%、平成32年度でも80%にとどまる見込みだということが書かれておりました。財政面とかさまざまな事情があると思うのですけれども、子供たちの命を守るという施設で耐震化を図っていくということは非常に大事なので、限界があるかと思いますけれども、私はこれらも引き上げるような指導が必要ではないかと思うのですが、その点をお聞きしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 私立の学校につきましては、総務部の所管になっておりますので、直接、指導というわけにはいかないのですけれども、総務部が学校を指導する上で必要な技術的な事項につきましては、教育委員会にも営繕担当等がございますので、そういったことで支援ができればいいかと考えております。
〇千田美津子委員 それでは最後にですが、県立岩谷堂高校の旧校舎が解体されないままになっておりまして、この間、関係者あるいは周辺の方々から、どうなるのだという質問がいろいろ寄せられておりますので、これらの今後の見通しについてお聞きをしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 県立岩谷堂高校旧校舎の活用策等についてでございますけれども、廃校になった校舎棟につきましては、一般的にできるだけ早期に売却を含めた効果的な利活用を図りたいと考えておりまして、所在市町村等と調整を図りながら取り組みを進めているところでございます。
岩谷堂高校旧校舎でございますけれども、現在、調整中の事項もございまして具体的には申し上げかねますが、一部施設について利用の相談を受けております。利活用の可能性について、引き続き検討を進めているところでございます。
それから、老朽化して耐震性が低いことによりまして、今後の利活用が難しい建物も中にはございます。今後、計画的に解体を進めることも重要であると認識しております。
現在、公共施設等総合管理計画に基づく教育委員会所管施設に係る個別施設計画の策定を進めております。この中で、廃校になった校舎の管理についてもあわせて検討を進めているところでございまして、この計画の検討の中で、解体の実施時期等についてもあわせて検討をしていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 それでは、私から数点お伺いいたします。
まず、平成30年度は岩手県教育振興計画を策定するということで教育長が演述でも述べられておりましたが、先ほどの佐々木努委員の質問と重複しないような視点からお伺いいたしますが、岩手だからこそできる教育、やるべき教育という視点を取り入れながら取り組んでいくということでしたが、どのような視点で新年度の事業を展開されるお考えか、まずお伺いいたします。
〇鈴木教育企画室企画課長 教育長演述の趣旨につきましては、先ほど教育長が佐々木努委員にお答えしたとおりでございますけれども、その中で、郷土を愛し本県の未来を支える人材の育成というお話がございました。その視点に沿って、平成30年度につきましては当初予算案にさまざまな事業を計上させていただいているところでございます。
具体的には、本県独自の教育活動でありますいわての復興教育プログラム等について、震災後のさまざまな動きや変化などを踏まえてその改訂に着手するなど、震災の経験や教訓を後世に語り継ぐ活動を一層推進していくこととしております。
また、今お話もございましたけれども、新たな県立高校の再編計画の後期計画の策定に向けて、教育の質の保証とともに、教育の機会の保障を柱に多面的な検討をしていくとしてございます。
さらには、県内企業等との一層の連携により、生徒や保護者、教員の地元企業等に対する理解と関心を高めるキャリア教育の取り組みを推進していくこととしているところでございます。
〇臼澤勉委員 知事から、新年度の予算で明日への一歩という話があり、どういうあすですかと聞かせていただきました。その中に、県民一人一人が学びを見つける一歩にしていきたいのだというお話がありました。新年度の予算においても、県民一人一人が自分たちの学びを、そして目標に向かって達成できるように、ぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
次に、ちょっと順番を変えますが、教職員の定数の戦略的充実についてまずお伺いいたします。
今後の小中学校の需給推計をどのよう見ているのか、そして、退職者数の見通しも含めてお伺いしたいと思いますし、あわせて、基礎定数とか加配定数のカウントの仕方を見直すなど、定数の改善をどのように戦略的に図っていこうとお考えになっているのか、お伺いいたします。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 小中学校教職員の需給推計及び退職者の見通し、そして定数改善についてでございますが、平成29年5月1日現在での教員数は、実人員で7、150人となっております。本県では児童生徒数の減少に伴い、教員定数が毎年100名程度減少しており、この状況は当面続くものと推測されます。
一方で、退職者数でありますが、今年度末は200名程度ですが、平成31年度末は300名を超えます。平成35年の350名がピークで、そこまで増加していく見通しでありますが、先ほど申し上げました教員定数の減少に加えて、再任用教員が増加してまいりますので、新規採用者数は横ばいから徐々に減少していく見通しであります。
教員の採用につきましては、適正な年齢構成のあり方等を踏まえ、今後とも計画的に行っていくものでありますが、あわせて、定数改善につきましては、学校課題が複雑化、多様化する中にあって、学校支援体制の強化が求められておりますので、学校組織の活性化、義務教育の機会均等と教育水準の向上のためには、国による抜本的な定数改善が必要不可欠であると考えますので、その実現を今後も引き続き強く国に対して要望してまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 退職者が出ていくのはしようがないのですけれども、新しい職員というか先生がしっかりと育っていくためにも、ベテラン教員の今までの知識であったり技能といった部分をしっかりと組織の中で継承するような体制づくりというのも必要になってくると思いますので、そういった養成、採用、研修の流れの一体的な育成に取り組んでいただきたいと思います。
それで、次に、公立学校を対象に、教員の業務支援を行う非常勤職員の配置に対してどのように取り組むのかお伺いいたします。
〇永井教職員課総括課長 教員の業務支援を行う非常勤職員の配置についてでございますが、公立小中学校を対象に教員の業務支援を行う非常勤職員の配置につきましては、来年度予算に学校事務補助非常勤職員配置事業ということでおよそ2、000万円余、人数にして13名分の措置をお願いしているところでございます。
この主な職務でございますが、授業で使用する教材等の印刷あるいは物品の準備、それから学校行事等の準備補助ですとか、学校徴収金等の経理事務の補助、その他来客等への対応などを想定しているものでございます。
この13名の配置についてでございますが、現在教育事務所と市町村教育委員会からも意見も聞きながら、1校1名として13校への配置を今検討して調整しているところでございます。各教育事務所ごとに数名の配置ということになりますが、いずれも教員の負担軽減が目的でございますので、教員の勤務時間の把握を行っている学校に配置いたしまして、配置による負担軽減の効果などを検証してまいりたいと考えているところでございます。
〇臼澤勉委員 13名ということで、これが十分かどうか、ましてや、教員の働き方改革も含めまして今後の整備が必要になってくると思います。
私も学校の先生方から、教員の事務作業を補助、サポートしてくれる方々、あるいは簡単なテストの採点であったりコピーだとか若干の事務の軽減というか、サポート体制を充実してほしいという声を多くいただいておりますので、横浜市でも、そういった取り組みに高い評価をいただいているということも聞いておりますし、あとはメンタルヘルスのカウンセラーの支援体制も含めて、学校の環境を整えていっていただければと思います。
次に、運動部活動に係る効果的、計画的な体制の構築についてお伺いしたいと思います。
これまでもさまざまな委員から質問がありましたけれども、大きく、運動部活動における体制の構築をどのように考えているのかお伺いいたします。
〇荒木田首席指導主事兼保健体育課総括課長 運動部活動における効果的かつ計画的な体制の構築についてでありますけれども、運動部活動においては、効果的な部活動にするために、適切な休養日と活動時間の設定に向けた取り組みや、関係機関との連携によるスポーツ医・科学を活用した効率的、効果的な指導の充実に向けた取り組みを進めていきたいと思っております。
高等学校におきましては、特別強化指定校等への指導者の配置によりまして、中長期的な視野に立った計画的な体制の構築にも取り組みながら、部活動の効果的かつ計画的な体制整備に努めてまいりたいと考えております。
また、県教育委員会では、来年度、学校における働き方改革の一つとして進めることとしております部活動指導員の配置について、地域や学校の実情を踏まえながら、指導経験の少ない教員の負担軽減と指導の充実を図り、さらに部活動が充実するように、全市町村教育委員会と連携しながら計画的に取り組んでまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 日本高等学校教職員組合のアンケート調査によると、部活動にかかわりたいと考えている先生方は半数以上いらっしゃるという事情もありますし、特に年齢別で見ると、20代というか若い先生方は、もう積極的に部活動を子供たちと一緒に取り組んでいきたいという思いが強い傾向も伺われます。そういった一方で、改善事項として、部活動指導手当の充実も現場から要望として上がっておりますので、財源的な部分だとかあるいは給与等の特別措置法の見直しとか、いろいろ難しい課題はあると思いますけれども、現場の声を聞いていただきながら教員の働く環境づくり、これにより学ぶべき生徒、子供たちも安心して学べると思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
最後に、次世代を支える科学技術の人材育成についてお伺いいたします。
演述においても、教育長は、人づくりは長期的な視点で取り組む必要があるという考えを踏まえて、教育施策に関する諸計画との連携、整合性を図ることが重要だと述べておりました。私もそのとおりだと思います。これからの未来を見据えた今岩手が置かれている課題、重要施策、まさにこのILCを見据えて、県教育委員会としても科学技術の人材育成に今後どう取り組もうとしているのか。産業人材育成については先ほど来御質問がありましたけれども、その点についてまずお伺いいたします。
〇佐藤首席指導主事兼高校教育課長 ILCを見据えた科学技術の人材育成についてでありますけれども、現行及び次期学習指導要領の柱に理数教育の充実がうたわれており、本県高等学校におきましても、探求的な学習の取り組みや科学的手法、分析を用いた課題研究の実践などに取り組んでおります。
文部科学省では、将来、国際的に活躍し得る科学技術人材の育成を目的としたスーパーサイエンスハイスクールを指定しており、本県では、水沢高校、釜石高校の2校が指定を受け、先進的な科学技術、理数教育の充実を行っております。また、理数科設置校や県内で探究活動を行っている学校による課題研究発表会において、研究成果を発表する機会を設けるなどの取り組みも行っております。
さらには、政策地域部科学ILC推進室が行っております未来のILCを担う人材育成事業で、県立高校4校が今年度は指定を受け、大学教授による講演会や研究所等の施設見学及びILC普及啓発の商品開発あるいは外国農産物の栽培等、ILCを初めとする科学技術分野への関心を高める活動も行っております。
今後におきましても、大学あるいは研究機関、あるいは科学ILC推進室等と連携し、知識、技能を活用し、思考力、判断力、表現力を重視した授業の改善、そして科学的探究活動の充実を図りながら、科学技術人材の育成に努めてまいります。
〇臼澤勉委員 理科教育振興法という法律が昭和28年に制定されて、もう半世紀以上たっております。この法律の趣旨は、科学技術創造立国の基盤として、理科、算数、数学は特に重要なものだという位置づけのもと、議員立法で制定された法律でございます。
小中学校の理科教育をどう推進するお考えか、お伺いいたします。
〇佐野首席指導主事兼義務教育課長 小中学校の理科教育の推進についてでありますが、学習指導要領について理数教育の充実が図られたというのは高校と同じでありまして、特に理科においては、観察、実験などの充実により、学習の質を向上させるということが求められております。
県教育委員会といたしましては、これまでも小中学校における教員の指導力の向上を図るため、教員研修の充実に努めております。
具体的には、小・中学校理科「エネルギー」領域指導力向上研修を実施し、研究協議や実際に教員が実験をしたりしながら、授業にすぐに生かすことができる研修を行っております。
教員がエネルギー教育についての理解を深め、指導の充実を図ることは、児童生徒のILCへの興味、関心を高めることも狙いの一つとしております。
さらに、小学校においては、昨年度から、小学校理科の先進的な取り組みを進めるモデル校を指定しまして、児童にわかりやすい授業づくりのあり方についての実践研究を行い、その普及にも努めております。
また、中学校においては、探究心や創造性のすぐれた人材の育成を狙いとして科学の甲子園ジュニア岩手県大会を実施しております。今年度は参加校が21チームありまして、年々参加チームがふえてきておりまして、科学好きな生徒の裾野を広げていきたいと考えておりました。
今後も、これらの研修や授業の内容、充実を図ることを通しまして、教員の指導力の向上そして児童生徒の科学への興味、関心への喚起、そして学力向上に結びつける取り組みを継続していきながら、理科教育の充実に努めてまいります。
〇臼澤勉委員 理科教育は、観察力あるいは真実を知るという意味で、非常に重要な教科だと私は思っております。そして、自然を相手に見ますので、あるいは宇宙を感じますので、そこから学ぶべき謙虚さだとかがあります。ぜひ岩手として、岩手だからできる教育、この教育を私は率先して取り組んで力を入れていただきたい。
今、オリンピアンの輩出とか岩手県は一生懸命やっておりますが、ぜひ岩手県からノーベル賞を受賞する人材、科学者を輩出していただきたい。教育長、ぜひそこの心を教えていただきたい。
〇高橋教育長 恐らく最後のまとめの質問だと思って、心してお答えしなければだめだと思っているのですけれども、理数教育の重要性につきましては委員からお話がございましたし、課長からも、本県の理数教育に力を入れていきたいという話をさせていただきました。
学校教育の中には、さまざまな教科がもちろんございまして、理数系が重要、では文系は要らないのかと。両方大事だとは思うのですけれども、やっぱり時流というのをきちっと見きわめながら、的確に対応していくことが必要だと思います。
本県からは、芥川賞を2年連続で受賞しているということで、これがさらにノーベル賞につながると、文系だけでもそうあればいいなと思っておりますけれども、科学技術もさらに深く探求することによって、そういう可能性を持つ人材が岩手は常に生まれてきていると。それをいかに花開かせていくか、これは一緒に皆さんと力を合わせて、学校教育も努力していきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 決して理科教育に特化しろと言っているわけではなくて、理科教育を、数学、算数を極めていくことが全ての教科に、全てに関連してくるということを私は言っております。これが基本だということでございます。ぜひ岩手ならではの教育を推進していただきたいと思います。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
教育委員会の皆さんは長い時間御苦労さまでございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時0分 散 会

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