平成30年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 6 号)
平成30年3月12日(月)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
労働委員会
事務局長 桐 田 教 男
審査調整課
総括課長 小笠原 隆 行

商工労働観光部長 菊 池   哲
副部長兼
商工企画室長 藤 澤 敦 子
雇用対策・労働
室長 八重樫 浩 文
ものづくり自動車
産業振興室長 戸 舘 弘 幸
参事兼産業経済
交流課総括課長 押 切 拓 也
商工企画室
企画課長 阿 部   博
商工企画室
管理課長 岩 渕 伸 也
経営支援課
総括課長 高 橋   毅
地域産業課長 高 橋 孝 政
観光課総括課長 平 井 省 三
雇用対策課長 高 橋 利 明
労働課長 鎌 田 徳 幸
特命参事兼
ものづくり産業
振興課長 藤 田 芳 男
自動車産業振興
課長 瀬 川 浩 昭

企業局長 畠 山 智 禎
次長兼
経営総務室長 菊 池   満
技師長 中屋敷    暢
経営総務室
管理課長 黒 澤 俊 一
経営企画課長 藤 原 清 人
業務課総括課長 細 川 普 基
電気課長 村 上 敏 弘

財政課総括課長 小 原   勝
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
田村誠委員、工藤勝博委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第28号から議第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上36件を一括議題といたします。
本日は、労働委員会、商工労働観光部及び企業局関係について、延べ17人の質問を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇桐田労働委員会事務局長 労働委員会関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、説明書の148ページをお開き願います。5款労働費3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、237万9、000円は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要する経費であり、委員15人に対する報酬及び旅費等の事務費であります。次に、2目事務局費9、002万円は、事務局の管理運営に要する経費であり、事務局職員10人の人件費及び旅費、需用費等の事務費であります。合わせますと、149ページの計の欄の1億2、239万9、000円となるものであります。
以上で労働委員会関係の歳出予算についての説明を終わります。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝委員 今回の予算特別委員会で、それぞれ質疑が交わされているところであります。私は後ろの席ですが、あとは年をとったせいか、ちょっと耳が遠くなったかもしれません。質疑の中身がよく聞こえないときがあります。それは、質問する側もそうですが、答弁のほうが、最後、尻切れになったり、もやもやとしか聞こえないときがあります。したがって、そういった答弁の仕方についても、委員長も配慮して、あるいは音量の調整もやっていただければと思います。音が高いときは、みんなが高いぞと注意すればいいかもしれません。よろしくお願いします。
〇高橋元委員長 ただいまの意見もございましたが、議事録の作成上もありますので、質問者、答弁者とも、はっきりと大きな声で発言をしていただきますように、よろしく御協力をお願いいたします。
〇軽石義則委員 1点質問させていただきます。労働委員会の運営についてお伺いをいたします。
労働委員会の平成29年度の上期の労働相談件数等を見ますと、過去最高であったという平成28年度を、上期の段階で既に上回っているという報告もされているわけですが、昨年度全体の取り組み経過、そして課題などについてお伺いいたします。
〇小笠原審査調整課総括課長 労働委員会のこれまでの取り組み経過と課題についてでありますが、まず、取り組み経過につきましては、労働委員会では、県民にとって身近で利用しやすい組織となることを目的に、3カ年計画である岩手県労働委員会活性化計画を策定し、委員が各地域に出向いて行う無料労働相談会のほか、関係団体や学校において、労働法に関する解説を行う出前講座、マスコミを活用してのPR等、計画的に取り組んでいるところであります。
これらの結果でありますが、県労働委員会への不当労働行為の申し立てや、使用者と個人との争いに関するあっせん申請は、ここ数年、1桁台で推移しておりますが、相談件数につきましては、平成28年度は494件と、5年前である平成23年度の87件に比べ、約5.7倍と大幅に増加しているところであります。
次に、課題でありますが、労働相談の件数が増加しておりますことから、労働委員会の認知度は年々高まっていると認識しておりますが、労使紛争は全国的に集団紛争から個別紛争に移行していることを踏まえ、個人、特に小規模事業者に対し、ワークルールの周知や、紛争が生じた場合の相談窓口の周知等が必要と考えております。
〇軽石義則委員 大分相談内容、件数もふえて、多分内容もかなり複雑になってきていると思うのですが、それらの内容についてはどのように分析しているのでしょうか。
〇小笠原審査調整課総括課長 労働相談の内容でございますが、今年度を見ますと、最も多いのが賃金、手当に関するもの、次にパワハラ、嫌がらせに関するもの、次に退職に関するものと、この三つが多くなっておりまして、この傾向はここ数年変わってはございません。
〇軽石義則委員 労働委員会も制度創設70年を超えて大分定着してきていると思いますけれども、社会の経済状況や労働環境等の変化によって、その対応も大分変わってきているのではないかと思います。
さらに、今、働き方改革等国会でも議論されておりますけれども、岩手においても雇用がかなり拡大されてきますと、労使がしっかりと向かい合って働き方改革に取り組まなければ結果はなかなか出しづらいと思いますし、労使だけで解決できない課題があるからこそ労働委員会制度、まさに、あっせん、仲介、そして職場に戻ることができる、働き続けることができる制度として定着をしてきたわけです。また新しい年度を迎えるわけですけれども、第2次岩手県労働委員会活性化計画、平成28年度から平成30年度の計画の最終年度を迎えるに当たってどのような取り組みをしていくのか、ポイントを含めてお示し願いたいと思います。
〇小笠原審査調整課総括課長 新年度の取り組みということでありますが、平成30年度は、委員御指摘のとおり第2次岩手県労働委員会活性化計画の最終年度に当たりますので、基本的にはこの計画に沿って事業を実施することとなりますが、新たな試みといたしまして、これまで休日に開催しておりました委員が各地に出向いて行う出前無料労働相談会につきまして、より多くの県民の方に利用していただくため、土日が勤務となる職場が多いと思われる県南地域におきまして、平日の夜間に開催しようと考えております。
また、近年、出前講座の希望がふえておりますことから、希望に沿えるよう、柔軟に取り組んでいくこととしております。
〇軽石義則委員 出前講座も、学校等を含めて教育の場にも出ていくのも大事だと思っておりますが、そういう部分にはどのような対応をするのでしょうか。
〇小笠原審査調整課総括課長 学校におけるワークルールの周知についてでありますが、学校を所管する教育委員会それから商工労働観光部、これらとの連携のもとに効果的に実施していく必要があると考えております。このため、この3者で協議の場を設けまして、より効果的な学校におけるワークルールの周知方法について協議して進めているところでございます。
〇軽石義則委員 働く前にしっかりルールを知ってもらって、また、困ったときにはどこに相談をすればいいのかということを知っているか知らないかで、その道の進み方もかなり変わってくるというのがこれまでも現実的に課題として出ておりますので、ぜひ今後も対応していただきたいと思います。また、働き方改革などの対応で、企業側も、働く側も、しっかり働き方をチェックしなければならなくなってくると思いますが、労働委員会としての働き方改革などに対する対応もしっかりこれから検討していくことも大事だと思うのですが、その部分についてはどのようにお考えでしょうか。
〇小笠原審査調整課総括課長 働き方改革に関係する労働委員会の取り組みでありますが、労働委員会は、労使間の紛争の解決を図るために設けられた機関でありますことから、紛争が発生した場合に万全の体制で臨むことができるよう、日ごろから研さんを積んでおく必要があると考えております。このことから、県労働委員会では、今年度、岩手労働局の職員を講師に招きまして、委員を対象とした働き方改革についての研修会を開催したほか、有期契約労働者の無期転換に係る事例研究を行うなど、労使紛争が発生した場合に備え、準備を行っているところでございます。
また、そういった紛争に至る前の予防活動ですが、啓発活動につきましても、商工労働観光部でハンドブックを作成しておりますので、それらを利用して、先ほど申し上げました出前講座や労働相談で周知を図るなど、連携して取り組んでいるところでございます。
〇軽石義則委員 ぜひその点についても、関係団体、関係箇所等の連携というものが大事だと思いますので、引き続きやっていただきたいと思います。
労働委員会は盛岡市、県庁内にありますけれども、この広い岩手県の中で、県北、沿岸また県南、それぞれの地域で特色を持っておるわけです。出前で相談会も実施すると言っておりますが、それぞれの地域とブロックごとにどのように捉えて、どのように特色をつけていこうとしているのか、その対応についてお伺いいたします。
〇小笠原審査調整課総括課長 県内、地域ごとの労働委員会の対応ということでございますが、平成29年度の2月末までに当労働委員会に寄せられた労働相談は404件でございます。このうち、約4割が県央地域、3割が県南地域、合わせて7割が県央、県南地域となっております。したがいまして、沿岸、県北からの相談が少ないという状況がございます。労働者の絶対的な数の違いもあるとは思いますけれども、そういった違いがございます。
なお、参考までに申し上げますと、相談内容につきましては、地域ごとに明確な違い、特徴があるとまでは言えず、先ほど申し上げましたとおり、賃金、手当等に関する相談が多いという状況でございます。
そういうことから、県北、沿岸地域における認知度向上のため、例えば平成28年度はIGRや三陸鉄道の車内、平成29年度にはそれらの駅舎においてポスター掲示を行ったり、平成28年度には、久慈市内のショッピングエリアで、委員みずから啓発用ポケットテッシュを配布して周知活動を行ったり、あるいは出前無料労働相談会につきましても、被災地については手厚く開催したりということで対応しているところでございます。
〇軽石義則委員 地域ごとに労働者の数の違いもあるとは言いながらも、数が少ないところにはさらに深い課題もある可能性もありますので、今後も地域ごとというよりも、全県に対応できる体制というものをしっかりとつくっていただきたいと思います。
労働委員会は、先ほどもお話ししましたけれども、紛争解決のみならず、和解という制度に対応できる委員会制度だと私は理解しております。最後、働く立場、経営者の方もそうだと思いますけれども、職場をしっかり守ったり、自分たちの生活を守るためにいろいろ条件を整えられる、お互いがより歩み寄れるところだと思っていまして、その役割の大きさというのはこれからも変わらないと思いますし、さらに重みを増してくるのではないかと思います。それらの役割または利用の仕方、やはり県内全域は広いわけですので、しっかりと理解をしていただいて、周知をさらに深めていただかなければならないと思いますが、その取り組みについて局長から、ぜひ一言いただいて終わりたいと思います。
〇桐田労働委員会事務局長 労働委員会の役割につきましては、今委員から御紹介いただきましたように、労使間の紛争の解決を図るということでありますが、その特徴は、中立、公正であるということであります。
その理由といたしましては、公益委員、労働者委員、使用者委員によるいわゆる3者構成という、労使どちらにも偏りがなく、労使それぞれの立場を理解した委員が当事者に寄り添って事案を聞くので、労使双方が安心をして利用できるというメリットがあると考えております。
今後の理解、周知ということでありましたけれども、労働相談件数が増加傾向にあるということは先ほど御紹介いたしましたが、県内にはまだまだ潜在している労使トラブルがあると我々は考えております。働き方改革による新たなトラブルも今後考えられるのではないかとも思っております。したがいまして、今後におきましても、各種広報活動、出前講座や出前労働相談会のような県内各地での現場活動を通じて、県民ニーズに対応したより身近で利用しやすい機関であることを県民の皆様方に知っていただくよう、15人の労働委員会委員の方々を補佐しながら、全力で取り組んでまいります。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
労働委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇菊池商工労働観光部長 商工労働観光部関係の平成30年度歳出予算について御説明申し上げます。
初めに、当部の予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、東日本大震災津波からの復興と、その先の地域経済の持続的な発展に向け、暮らしの再建やなりわいの再生の取り組みを着実に推進するとともに、いわて県民計画に掲げる産業創造県いわて実現への取り組みを一歩一歩進め、あわせて雇用、労働環境の整備を促進するための予算として編成したところであります。
まず、復興計画関係の取り組みについてでありますが、暮らしの再建については、産業振興施策と一体となった安定的な雇用の創出や労働環境の整備に取り組んでまいります。
また、なりわいの再生については、地域経済の持続的な発展につなげるため、被災中小企業の事業再生を初め、創業やまちづくりと連動した新たな商店街の構築など、地域商業への支援に加え、全県的な課題でもある事業承継の支援強化も図ってまいります。
次に、産業創造県いわての実現についてでありますが、まず、地域経済を牽引するものづくり産業の振興を図るため、自動車、半導体関連産業の集積促進に加え、今後の技術革新を見据えながら、各分野のものづくり産業を育成します。
また、企業誘致や、県内企業の生産性、付加価値向上を図るほか、産学官金が連携し、地域産業を支える人材の育成と県内への定着を促進します。
次に、中小企業の持続的発展のため、中小企業振興基本計画に基づき、総合的かつ計画的な施策の推進に努めてまいります。
また、県産品への信頼を一層高め、販路拡大を図るため、商品の魅力向上や新たな購買層の開拓、いわて希望応援ファンドを活用した県内企業の新たな事業活動の促進に取り組むとともに、アパレルや漆など、すぐれた地域資源を生かした産業の振興を推進いたします。
さらに、国内外からの観光客の誘致を促進するため、新たな交通ネットワークの活用も図りながら、魅力的な観光地づくりと効果的な情報発信等を進め、東北絆まつり2018盛岡や来年のラグビーワールドカップなど、大型イベント開催の好機を生かしたプロモーション展開や受け入れ態勢の充実に取り組みます。
また、若者や女性の県内就業の一層の促進を図るため、いわてで働こう推進協議会を中心に、U・Iターン支援強化も図りつつ、働き方改革や、人材の育成、定着促進の取り組みを官民を挙げて推進します。
以上が予算編成に当たっての基本的な考え方でありますが、施策推進に当たっては、地域が持つ特性や魅力、人材などの資源が最大限に活用されるよう、広域振興局の産業振興体制の強化も図りながら、関係機関と連携して取り組んでまいります。
それでは、予算議案について御説明申し上げます。
まず、議案第1号平成30年度岩手県一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、1項労政費及び2項職業訓練費の合計33億9、272万8、000円と7款商工費の1、302億1、749万9、000円、9ページの11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費の70億8、857万7、000円と13款諸支出金3項公営企業負担金の一部3、142万1、000円、これら合わせまして1、407億3、022万5、000円が商工労働観光部関係の予算の総額でございます。これを前年度の当初予算と比較いたしますと73億2、236万円の減、率にして4.9%の減となっております。減額となった主な内容といたしましては、中小企業東日本大震災復興資金貸付金の27億2、601万円余、中小企業等復旧・復興支援事業費の15億6、777万円余の減などによるものでございます。
以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
それでは、予算に関する説明書の143ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、関係職員の給与費や労働情報の把握及び労働組合調査などに要する経費であります。2目労働教育費でございますが、労働環境の整備や労働紛争の未然防止等を図るための雇用・労働フォーラムの開催などに要する経費であります。144ページに参りまして、3目労働福祉費でありますが、説明欄一つ目の労働者等生活安定支援資金貸付金などに要する経費でございます。4目雇用促進費でありますが、説明欄上から八つ目のいわてで働こう推進事業費は、若者や女性の県内就業の一層の促進を図るため、いわてで働こう推進協議会において、オール岩手で人材の確保、定着の取り組みを推進しようとするものであります。次のいわてしごと人材創生事業費は、求職者への就職、職場定着支援、企業への採用、人材育成支援及び首都圏の大学生等を対象としたインターンシップの支援に加え、新たに岩手U・Iターンクラブを創設し、U・Iターンの取り組みを強化しようとするものであります。次のいわて働き方改革等推進事業費は、正規雇用の拡大等に向けた優良な取り組み事例の紹介、助成、支援制度の普及啓発のほか、長時間労働の是正などの働き方改革を推進するため、新たに先駆的な取り組みモデルの創出などを支援しようとするものであります。次の事業復興型雇用支援事業費は、被災地の事業所が被災求職者を雇用する場合に、雇い入れに要する経費の補助や新たに求職者の雇い入れのために要した住宅支援経費の助成等を実施しようとするものであります。
146ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、説明欄一番下のいわて地域産業高度化人材育成事業費は、本県経済を牽引するものづくり産業や新たな成長分野等を担う高度技術、技能人材の育成、確保、定着を促進しようとするものでございます。2目職業訓練校費でありますが、説明欄上から一つ目と二つ目の管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。147ページに参りまして、説明欄一番上の就職支援能力開発費は、離職者等の職業能力開発の実施による再就職の支援、母子家庭の母等に対する自立促進を実施しようとするものであります。
次に、180ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、説明欄一番上の管理運営費は、関係職員の給与費や事務経費など、管理運営に要する経費であります。その七つ下のものづくり人材育成定着促進モデル事業費は、関係機関と連携し、高校生等に対する地元企業への理解促進や早期離職対策等の取り組みを推進しようとするものであります。説明欄下から七つ目の中国における岩手認知度向上促進事業費は、中国における岩手の認知度の向上と輸出拡大を図るため、企業の多様なビジネス展開を支援しようとするものであります。次の雲南省経済交流等推進事業費は、友好協力協定を締結した雲南省との経済交流を促進するため、南アジア博覧会への出展、バイヤー招聘などを実施しようとするものであります。その二つ下の欧州県産品プロモーション推進事業費は、コルマール旅行博やミラノ国際博覧会などで構築したネットワークなどを活用し、県産品の販路拡大と交流人口の拡大につなげる取り組みを実施するほか、ジャポニスム2018へ参加し、県産品のPRを実施しようとするものであります。次に181ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、説明欄上から二つ目の地域牽引型中小企業育成支援事業費は、沿岸地域の中小企業の活性化を支援するため、官民連携による経営人材の育成や企業の新事業展開の取り組みを促進しようとするものであります。その七つ下の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、被災事業者に対し、所要資金を貸し付けるための原資の一部を金融機関に預託し、早急な事業活動の再開などを支援しようとするものであります。その八つ下の商工業小規模事業経営支援事業費補助は、商工会議所等が行う小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費を補助しようとするものであります。その四つ下の岩手産業復興機構出資金は、被災事業者の二重債務問題の解決を図るため、債権買い取り支援を行う岩手産業復興機構に出資している岩手中小事業者支援投資事業組合に対し出資しようとするものでございます。次の中小企業被災資産復旧事業費補助は、市町村が行う被災事業所の施設等の復旧に対する補助事業に要する経費を補助しようとするものであります。次の被災商店街にぎわい支援事業費は、被災地域の商業機能の回復及び持続的な発展を図るため、専門家派遣等により、商店街や共同店舗の整備、運営に係る取り組みを支援しようとするものであります。次の被災中小企業重層的支援事業費は、各商工団体等が行う被災事業者の再建支援に要する経費に対し補助等を行おうとするものであります。一番下の次世代経営者育成事業費は、産業支援機関と連携し、創業支援や経営革新等の取り組み拡大に向けた施策の展開を図るとともに、中小企業の事業承継の円滑化に向けた取り組みの強化を図ろうとするものであります。182ページに参りまして、説明欄二つ目の地域なりわい再生緊急対策交付金は、平成28年台風第10号災害で甚大な被害を受けた岩泉町のなりわいを再生するため、同町が実施する中小企業や商店街、観光施設等の復旧、復興事業を支援しようとするものでございます。その四つ下の自動車関連産業創出推進事業費は、自動車関連産業の集積に向け、展示商談会の開催、地場企業の生産体制強化の支援、アドバイザーによる総合的支援等を実施しようとするものであります。その五つ下のものづくり革新推進事業費は、企業における高付加価値製品の開発や生産性向上を支援するとともに、メイカー塾の開催やファブテラスいわての利用促進などにより、メーカームーブメントを推進しようとするものであります。その二つ下のIT活用型新分野開拓推進事業費は、第4次産業革命技術等を活用し、生産性向上やものづくり分野と農業分野等との異業種連携による新製品や新サービス、さらには新産業の創出を支援しようとするものでございます。その八つ下のいわての漆産業新時代開拓事業費は、県産漆の生産拡大や漆文化の魅力向上を図るため、漆振興に向けた推進体制の強化や情報発信を実施しようとするものであります。次のいわて新事業活動促進支援事業費補助は、県内事業者等の新たな事業活動を促進するため、独立行政法人中小企業基盤整備機構及び県内金融機関と連携したいわて希望応援ファンドを活用し、運用益と合わせた補助事業を実施しようとするものでございます。183ページに参りまして、3目企業立地対策費でありますが、説明欄上から二つ目の企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し、設備資金を貸し付けるための原資の一部を金融機関に預託し、企業立地の促進を図ろうとするものであります。次の企業立地促進奨励事業費補助は、工場等の立地を促進するため、市町村が行う補助事業に対し、その経費を補助しようとするものであります。その二つ下の特定区域産業活性化奨励事業費補助は、立地企業の大型投資を促進し、一層の産業集積や産業の高度化を加速させるため、特定区域における産業の活性化に関する条例に基づき、企業の大規模施設整備等の経費の一部を補助しようとするものであります。4目中小企業経営指導費でありますが、説明欄二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、中小企業やベンチャー企業の育成を図るため、公益財団法人いわて産業振興センターが行う経営指導等の事業に対し補助しようとするものであります。5目貿易振興費は、日本貿易振興機構盛岡貿易情報センターの事業運営経費に対する負担金であります。次に、184ページに参りまして、6目工業技術センター費は、地方独立行政法人岩手県工業技術センターに対する運営費交付金及び施設設備整備に要する経費の補助であります。
次に、185ページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、説明欄一番上の管理運営費は、関係職員の給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。説明欄中ほどのいわてインバウンド新時代戦略事業費は、海外市場に対して、戦略的、効果的なプロモーションを実施するとともに、外国人旅行者の受け入れ態勢の充実、強化を支援しようとするものであります。その五つ下の東北絆まつり2018盛岡開催費補助は、東北絆まつり2018盛岡の開催により、三陸を初め全県への誘客拡大と広域周遊を促進するため、開催に要する経費の一部を補助しようとするものであります。次の三陸復興・絆観光キャンペーン事業費負担金は、本年6月の東北絆まつりの盛岡開催、宮古-室蘭間のフェリー就航、来年の三陸を舞台とした広域的、総合的な防災復興行事の開催などを見据え、三陸への誘客促進を図る観光キャンペーンを展開しようとするものであります。次に、186ページに参りまして、2目観光施設費は、岩洞湖家族旅行村等の県有観光施設に係る修繕等を行おうとするものであります。
次に、飛びまして、235ページをお開き願います。11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、中小企業等復旧・復興支援事業費、いわゆるグループ補助でございますが、被災事業者が一体となって復旧、復興を行う場合に、国と県が連携して当該事業に不可欠な施設等の復旧、整備に対し、補助しようとするものであります。
次に、また少し飛びまして、242ページをお開き願います。13款緒支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、説明欄一番下の工業用水道事業会計負担金は、工業用水を低廉かつ安定的に供給することにより、企業立地施策の推進及び雇用の維持、拡大を図るため、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設の維持に係る経費の一部を負担しようとするものであります。
以上で一般会計歳出予算の説明を終わらせていただきます。
次に、債務負担行為について御説明いたします。
議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄2から7までの6件でございます。内訳は、損失補償に係るもの3件、保証料補給に係るもの1件、離職者等再就職訓練に係るもの1件、特定区域における産業の活性化に関する条例に基づく補助金に係るもの1件であり、これらについて、それぞれの期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものでございます。
次に、特別会計について御説明申し上げます。
32ページをお開き願います。議案第6号平成30年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額をそれぞれ61億3、018万5、000円とするものであります。
次に、33ページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入でありますが、1款繰入金1項一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
2款繰越金1項繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものでございます。
3款緒収入1項貸付金元利収入は、設備資金貸付等の貸付償還金であり、2項預金利子は、歳計現金の利子、3項雑入は、中小企業高度化資金の延滞違約金収入等であります。
4款県債1項県債は、被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付金の貸付原資として、独立行政法人中小企業基盤整備機構から借り入れしようとするものであります。
次に、34ページに参りまして、歳出でございますが、1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、公益財団法人いわて産業振興センターが行う被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付に要する資金の貸し付けのほか、国、独立行政法人中小企業基盤整備機構及び一般会計に対する償還金等であります。
2項貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費のほか、公益財団法人いわて産業振興センターが行う被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付等に要する事務経費に対する補助であります。
以上が商工労働観光部関係の当初予算の内容でございます。
引き続きまして、予算に関連する議案について御説明させていただきます。
お手元の議案その2の40ページをお開き願います。議案第31号緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。
現在、緊急雇用創出事業に要する経費の財源として、緊急雇用創出事業臨時特例基金を設置しておりますが、先般、国の平成30年度当初予算案が閣議決定されたことに伴いまして、事業復興型雇用確保事業の実施期間が平成33年度末まで延長される見込みでありますことから、条例の有効期限を、精算期間を含め平成34年度末まで延期しようとするものであり、公布の日から施行しようとするものでございます。
以上で商工労働観光部関係の議案の御説明を終わらせていただきます。御審議のほどどうぞよろしくお願いいたします。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に、大きな声でしっかりと発言していただきますように、よろしくお願いしたいと思います。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋但馬委員 1点お伺いいたします。
来年9月25日、10月13日、ラグビーワールドカップ2019が釜石市でとり行われます。今まで以上に外国人観光客が、ここ岩手の地に来ると思っておるわけですけれども、いわてインバウンド新時代戦略事業費についてお伺いします。
予算額、平成29年度4億9、900万円余から平成30年度は5億2、900万円余と、約3、000万円ほど増額されているわけですけれども、平成29年度の実績を経てどのように事業展開を図っていくのかお知らせください。
〇平井観光課総括課長 いわてインバウンド新時代戦略事業費の事業展開についてでございますが、平成29年度におきましては、東北各県と連携しての食や雪などをテーマといたしました広域観光のプロモーション、また、民間事業者や市町村とも連携して、海外旅行博への出展や旅行会社へのセールス活動、宿泊、観光施設に対するメール翻訳サービスの提供や、無料公衆無線LAN、多言語表示、洋式トイレの整備等への支援による受け入れ環境整備、クルーズ船の誘致に係るモデル周遊コースの構築などに取り組んできたところでございます。
その結果でございますが、平成29年の1月から12月までの本県の外国人宿泊者数は、国の速報値によりますと約19万3、000人泊と過去最高を更新するとともに、平成28年に比べて、約46%の増と大きく増加したところでございます。
平成30年度につきましても、さらに更新すべく、これまでの取り組みに加えまして、台湾における本県初となる国際定期便の就航を見据えての台湾航空会社や旅行会社と連携したPRの展開、中国や香港、さらにはラグビー人気が、高くラグビーワールドカップ2019の開催により、訪日客の増加が見込まれております欧米の市場に対するプロモーションの強化、それから増加が見込まれます個人での外国人旅行者、これらの県内周遊の拡大を促進するための二次交通の利便性の向上や受け入れ環境の整備に引き続き重点的に取り組みまして、外国人観光客のより広く、より長い県内の周遊、滞在型の観光を促進し、誘客とこれに伴う観光消費の拡大を図っていく考えでございます。
〇高橋但馬委員 国内の観光はもちろん大切なのですけれども、さらに外貨を稼ぐためには、新たな国からの外国人観光客が日本に来てもらうために取り組んでいかなければならないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、その中の受入環境整備事業について、当初はWi-Fiの無料公衆無線LANの整備であるとか、外国語表示の整備等のみでありましたけれども、客室の和洋室化等、新たな環境整備も追加してきた経緯がありますが、新年度に向けて新規の環境整備はありますか。
〇平井観光課総括課長 外国人観光客等受入促進環境整備事業でございますが、この事業につきましては国の交付金を財源として充てておりますので、新規とかメニューの改編につきましては、国との協議が事前に必要となるものでございます。
今回平成30年度予算を編成するに当たりまして、メニューの拡充について検討させていただきました。新たな補助対象といたしましては、外国人観光客の観光消費を促進するという観点から、これまでは海外カード決済システム、この整備は補助対象としておりましたが、新たに、現在中国からの旅行者を中心に利用が増加しています電子マネーの決済システム整備についても追加する事業内容で国に対して協議したいと考えております。
〇高橋但馬委員 ぜひ県の要望が通るように、しっかりと国と協議を進めていただきたいと思います。
次に、細部のところなのですけれども、客室の和洋室化、これは条件として、客室へのシャワーのみを含む入浴設備、または洋式トイレの導入を必須とするとありますけれども、なぜこのような縛りがあるのか、お知らせください。
〇平井観光課総括課長 先ほども申し上げましたが、補助対象要件につきましては国との協議が必要でございまして、国からは、単なる和室にベッドを導入するとか、そういう形ではなくて、総合的に和室を洋室化するような形でという協議結果でございました。
〇高橋但馬委員 わかりました。国では、客室をどのように洋式化するというのはあると思うのですけれども、例えば、平成5年から平成6年より後に建てたホテルとか旅館というのは、もう既にトイレもついているわけです。洋式のトイレなわけです。客室を洋式化するから改めてトイレもつくり直してというと、莫大なお金がかかってくるわけです。そうなったときに、例えば入浴設備とか洋式トイレが、何ていうのでしょう、ある場合でも中の洋室化を進められるように県から協議をしていただきたい。もし、トイレとか風呂がない部屋だとしたら、申請が上がってきたときにそちら側を優先しますという形にして、申請が上がってこなかった場合は、トイレとか浴室のあるホテルの部分もしっかりと吸い上げていただくように協議をお願いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 客室の和洋室化につきましては、委員から御指摘いただいたとおり必須条件がございます。これにつきましては、緩和する方向で一応国と協議したいと考えております。
〇高橋但馬委員 それを含めて、申請の受け付けがあると思うのですけれども、その交付決定から整備事業の実施の流れについてお知らせください。
〇平井観光課総括課長 交付決定後でございますけれども、まず交付決定通知を受けて、事業者は事業に着手していただくと。これは岩手県補助金交付規則、それから当該補助金交付要綱に定めておりまして、その後、事業者は、事業完了後に実績報告書とそれから補助金請求書を提出いただきまして、県において完了確認と審査の上、補助金を交付するという流れでございます。
〇高橋但馬委員 1月に、平成29年度外国人観光客等受入促進環境整備事業補助金の第3回目の募集がありました。応募の期間が、平成30年1月29日から2月13日ということで、ある業者というか施設が、新しく4カ国語のパンフレットをつくろうということで申請をしたのです。交付決定が出たのが2月20日。そこから日本語のパンフレットをつくって、それを4カ国語に直さなければいけないわけです。それをつくって、県から全納品の期日が3月10日と来たのですけれども、期間的にかなりタイトで難しい条件だったのですね。そこは、今回は申請を取り下げるということでやめたわけなのですけれども、例えば支払いだけを先に済ませて後から商品が納付されるとか、ちょっと長くスケジュールを取らないと、せっかく外国人を受け入れるためにやろうとしているのに、申請が通っても取り下げる環境というのは私はちょっとおかしいと思うのです。残っている予算の関係もあると思うのですけれども、2回目の募集期間をもう少し長くするとか、スケジュールの部分をもう少し考えていただきたい。これも、もしかしたら国と協議になるのですか……。県で決められるのですね。であれば、その辺をよく考えてやっていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
〇平井観光課総括課長 この補助事業につきましては、より多くの事業者の方に活用していただけるように、まず、一つの事業者が1回で申請できる補助メニューを限定して、1メニューに限定しまして、その後、予算額に達しない場合は2回目、3回目の募集をかけるというスタイルで行っております。また、1回目で補助採択された方につきましても、2回目以降も、別なメニューでも同じメニューでも申請できるという形をとっております。ただ、今委員からお話がございましたとおり、事業者の使い勝手がいいということも必要でございます。まずはそのスケジュールについて、より使いやすいように見直していきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 ぜひ岩手の地に外国人観光客がより多く来てもらえるように、環境の整備をしっかりと進めていただきたいと思いますし、その辺も、申請されるいろいろな業者の方々がいらっしゃると思うのですけれども、事前の打ち合わせをしっかりして、スムーズにいくようによろしくお願いしたいと思います。
〇福井せいじ委員 何点かお伺いします。
まず初めに、伝統工芸産業の振興について伺います。
先日は一般質問で質問しましたけれども、伝統的工芸品月間国民会議全国大会の誘致、ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたい。応援しますのでよろしくお願いします。
そこで、漆産業についてお話をしたいと思います。
国産漆の生産量は国内使用量の約2%で、本県の生産量は、国産漆の約7割のシェアを有しています。さらに、文化庁が平成27年に、国宝重要文化財の修繕等に国産漆を使用する方針を示したことから、国産漆の需要が高まっています。しかし、漆器を含む工芸品については、ライフスタイルの変化等による国内需要の減退が見られています。課題としては、漆増産に向けて漆原木の適正管理や造林の必要性、漆かき職人の高齢化や後継者不足、歴史、文化を含めた漆産地の情報発信の必要性、消費者ニーズに対応した商品提案の必要性などが挙げられます。
これらの現状や課題を踏まえ、県当局では、二戸市を初めとした漆産地自治体と連携を図り、さまざまな対策に取り組んでおられるようですが、国産漆の高シェアを有する本県が取り組むべきこととして、漆の質の高さの維持、質の高さに見合った価格の維持、漆産業に関係する職人の所得確保などが必要であると私は考えております。
また、県当局は、二戸市と連携し、浄法寺漆のGI(地理的表示保護制度)取得にも取り組んでおられるようですが、これらの取り組みについて、当局で持っている考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋地域産業課長 漆振興につきましてですけれども、最初に、所得の確保についての御質問でございます。
漆産業に携わる職人の所得向上の取り組みについてですが、県では、平成29年5月に、関係市町それから漆関連団体、研究機関などを構成員とするいわて漆振興実務者連携会議を設置したところでございます。この連携体制の中で、漆の収量を高めるための試験研究、それから漆共進会の開催による品質の確保、産地認証制度の活用によるブランド力の向上、漆かき職人の育成や技術向上を図り、県産漆の質の高さと価格の維持に努めることとしたところでございます。
一方で、漆かきに携わる職人の確保や漆かき職人が安心して働ける環境づくりが課題の一つであると認識しておりまして、冬期間の就労先の確保などを初め、地域社会でどのように支えていくのか検討する必要があると考えているところでございます。
また、漆器を初めとする漆製品の新たな展開や高付加価値化などについても、引き続き産学行政が一体となって研究を進め、漆関連産業の拠点形成に向けた取り組みも進めていきながら、こういった所得向上に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
それからもう一つ、GIについての取り組みでございますけれども、浄法寺漆のGI、いわゆる地理的表示保護制度取得の取り組みについてでございますけれども、制度そのものにつきましては、GIは、平成27年6月1日に施行された特定農林水産物等の名称の保護に関する法律に基づきまして、地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物や食品のうち、品質など特性が産地と結びついており、その結びつきを特定できる名称を知的財産として保護する制度でございます。
浄法寺漆をGIに登録することにより、登録団体以外が不正使用した場合は、国が不正使用を行っている生産、加工業者に対し、不正表示の除去または抹消を命令することができるなど品質の確保が担保され、ブランドを守ることが可能となるものでございます。
この登録には、おおむね25年以上の生産実績が必要とされており、産品を生産あるいは加工する団体からの申請が必要であることから、浄法寺漆の登録につきましては、平成29年12月に浄法寺漆生産組合から申請しているところでございます。
現在国で書類審査中ということでございまして、登録申請が非常に大幅に増加しているという状況がございまして、審査に時間を要していると伺っております。
〇福井せいじ委員 このGIについては、さまざま手続が難しいこともありますし、また、GIに関してしっかりとした工程管理とかルールを決めなければ、さまざまなトラブルもあると伺っております。
八丁味噌のGIも、最も老舗とされている業者のつくったものがGIの製法と異なるということでそこには入らないとか、そこで訴訟があったと聞いておりますので、ぜひともGIの登録管理については、しっかりと県としても何とか補助していっていただきたいと思っております。
あと、工芸品が非常に低迷しているということなのですけれども、今度、県産品に新ブランドといって、これも2月25日の新聞にありましたが、デザイナーとか経営者が共同出資会社を設立し、ものづくり商品の新ブランドiwatemo(イワテモ)を立ち上げるという情報があります。これは、フィンランドの世界的デザイナーなどが商品デザインを手がけ販路を拡大していくということですけれども、こういった中にも漆の工芸品等を入れて、新しい使い方とかも開発することが必要であると思いますが、こういった取り組みについて、漆の商品とはどういったかかわりがあるか、今あるとすれば教えていただきたいと思います。
〇高橋地域産業課長 委員からお話がありました、県産品の新ブランドということで新会社設立の件もございますけれども、先ほど御指摘ありましたとおり、現在、県で伝統工芸品のライフスタイルに合った製品開発ということで、昨年から、工芸では異業種連携ということで、さまざまな工芸品をつくっている職人の方と、それからデザインをされる方ですとか販売をされる方、それぞれの関係者が集まってのワークショップを開催しております。
新たに立ち上がった会社の関係者の方々も、そちらのワークショップに入っていただきまして、現在、その設立された会社で、木工品ですとか鉄器とかといった関係者も入りまして、漆器につきましても、さまざまそういったところをこれから、まずは、現在構成されている会社の方が中心になって、フィンランドのデザイナーの方々と商品開発をし、それらの様子を見ながら、徐々に県内の漆器も含めた工芸品の製品開発について進めていく予定でございます。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、新しい視点でこの漆の使い方を開発していただきたいと思っております。いいものだとわかっているのですけれども、実は食器洗浄機に入れられないとかといった課題がもう明確になっていますので、その課題を乗り越えて、ぜひとも、新しい使い方、新しい生活の場面、暮らしの場面に取り入れられるような工夫をしていただきたいと思います。
次に、中小企業振興条例について伺いたいと思います。
中小企業振興条例が制定されまして、県当局もさまざまな取り組みをなさっていますが、実は、皆さんからいろいろ情報をいただくため、意見交換会等もなされていて、その意見交換会も、さまざま意見が挙げられております。
人手不足というキーワードは何回も出てくるのですけれども、その中に、支援制度はたくさんあるが、どこが実施しているかわからない、あるいは制度の利用促進に向けてさまざまな団体との連携が必要ではないかということが挙げられております。
こういった支援制度、経営支援情報の提供をもっともっと充実していく必要があると思いますけれども、このことについて当局はどのように考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 経営支援情報の提供の充実についてでありますけれども、県では、中小企業者を対象とした施策について、これまでも、県の広報媒体によるお知らせ、あるいは市町村、商工指導団体等を通じた周知、利用促進等の取り組みを行ってきております。
さらに、今年度ですけれども、そういったさまざまな支援施策を円滑に活用していただけるよう、県に限らず、関係省庁や関係機関、団体の御協力をいただきながら、岩手県地域産業支援施策活用ガイドブックを作成したところです。
このガイドブックは、中小企業や産業振興に関する多くの支援策のうち、特に重要な国、県、関係機関による支援施策を体系的に1冊にまとめ、経営や技術、観光イベント、人材確保など12のテーマ、137項目に整理して、支援施策の内容や問い合わせ先などを紹介しております。
県としては、これらの中小企業の支援施策が効果的に活用されるよう、ホームページへの掲載ですとか関係機関への配布を行うとともに、商工指導団体の研修会等で直接説明を行うなどしておりまして、これからも引き続き、その一層の周知を図っていきたいと思います。
〇福井せいじ委員 今のガイドブックの作成というのはありがたいと思っております。隣の秋田県でも、頑張る中小企業応援中という中小企業振興条例のガイドブック、パンフレットを出しておりますし、三重県でも、全ての助成制度が網羅された一つのガイドブックを出しておられます。ちょっと遅かったかと思いますけれども、今始まったということで、それは非常にいいことかと思っております。
そして、今度は、この作成した後ですけれども、先ほどさまざまな経済団体から落とし込んでいくということだったのですが、商工会議所の組織率はそんなに高くないです。むしろ事業者組合のほうが事業者としては身近な存在でありますから、ぜひとも事業者組合との連携も図っていただきたいし、そしてもう一つは、事業者と一番接点があるのは、実は金融業者であります。金融機関の方々にも徹底してさまざまな助成制度を伝達していただきたいのですけれども、そういった方々との連携については何かお考えがありますでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 ガイドブックにつきましては、事業者組合を県全体で指導していますけれども、中小企業中央会という組織がありまして、そこにも配布しておりまして、そこを通じて事業者組合への周知等をお願いしていますし、この冊子自体が結構厚いものですから、ホームページで必要なところを見てほしいというところとあわせてお話をしております。
それから、金融機関等との連携につきましては、特に、事業承継などもそうなのですが、金融機関でも地域密着の活動をしているということで、ワーキンググループをつくりまして、中小企業の支援施策についての研究なども行っております。
〇福井せいじ委員 かなり厚い、三重県のものは40ページ、50ページにもわたるのですけれども、秋田県のものは10ページ以内にコンパクトにまとまっています。例えば、代表的な助成制度を載せて、その他またあるよといったつながりがあってもいいかと僕は思っています。
そしてまた、実は小規模事業者あるいは中小企業者の高齢の経営者には、ホームページとかインターネットという言葉すら、ちょっと拒否感がある方もいらっしゃいますので、そういった意味では、ぜひフェース・ツー・フェースで、金融機関の方あるいは事業者組合の方からお伝えいただけるような仕組みをつくっていただきたいと思っております。
そんな中で、先ほど経営者の話をしましたが、それでは、一方でその中小企業振興条例を通して経営力の強化についてどのような取り組みを行っているか、また、事例等がありましたらお聞かせいただきたいのですが、いかがでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 経営力強化の取り組みについてでありますけれども、委員からもお話があったとおり、県では、中小企業振興施策を総合的、計画的に推進するために、平成28年に岩手県中小企業振興基本計画を策定し、中小企業の経営力強化に向けた取り組みを支援しているところです。
経営力の強化を図る上では、個々の事業者に応じた支援が重要であることから、基本計画においても、経営に関する相談、指導、研修等に係る体制の整備等の取り組みの中で伴走型支援を推進することにしておりまして、商工指導団体等と連携しながら、事業活動の経営革新ですとか、各種補助事業の積極導入などさまざまな取り組みを行っています。
具体的には、経営革新については、中小企業者が取り組む新たなビジネスを事業化するため、事業計画の策定からフォローアップまで切れ目のない支援を行っておりますし、また、計画策定後の事業展開に当たって、生産性向上ですとか販路開拓等を図る各種補助事業の導入支援を行っております。
今後においても、地域の中小企業者に寄り添った伴走型支援が積極的に展開されるよう、市町村、商工指導団体と一体となって取り組んでまいります。
〇福井せいじ委員 今、経営力についてお聞きしたのは、次の質問にも関連するのですけれども、事業承継であります。経営力の中には、一つの大きな問題として、事業をいかに継続するか、いかにその会社の寿命を延ばしていくかということが大きなテーマになっていくと思います。
そういった意味では、事業承継が一つの大きなテーマになるのですけれども、この事業承継については先日も質問しましたが、そのときに質問できなかったことをお聞きしていきたいのですが、県ではアンケートをとっておられます。今後発生が予想される廃業事業者の推移、あるいはそれが税収へどのような影響を与えるか、そしてまた、大量廃業時代を迎える中で、県内の金融機関、業界団体、組合へはどのような影響を与えるかということについて、把握しておられればお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 事業承継と廃業予定等のお話ですが、委員からお話があった県の調査といいますか、県で今年度、関係機関と連携してネットワーク事業をやっておりますけれども、その抽出調査の中で、事業承継の候補者がいるかといったようなところを聞いておりまして、廃業予定者の推移や税収などを調査したものではありません。
ただ、県では、先ほど言ったとおり、さまざまな経営力強化に向けた取り組みをしており、その一環としては調査等も行っておりますが、廃業に関しては国で調査をしております。国の調査によりますと、廃業予定者の推移として、今後10年間で経営者の年齢が平均引退年齢である70歳を超える中小、小規模事業者は全国で約245万者あるというデータがありまして、その約半数の127万者、日本の企業全体の約3割では、後継者や後継候補者がいないと推計されています。
国によるこの推計では、この127万者が今後10年間に廃業すると仮定した場合には、累計で650万人の雇用と約22兆円のGDP-国内総生産が失われる可能性があるとしています。
また、この推計で、国でも税収への影響については推計をしていないところです。
県では、先ほど言ったとおり、こういった調査データを持っておらず、推計を行っておりませんので、県単独のお話は御容赦いただきたいと思います。
それから、金融機関、団体等への影響ということですけれども、先ほど言ったように、今後、事業者数が減少していくという流れがもしあるとすれば、金融機関、団体等への影響が量的、質的にもあるものと思っております。例えば、民間のシンクタンクでは、融資先事業所の廃業により、貸出金残高が減少して金融機関の収益力が低下する懸念があるのではないかといったような分析もされています。
いずれ、県としても、これまで、商工指導団体や金融機関等と連携して県内中小企業の円滑な事業承継に取り組んできたところです。今後、こうした取り組みを強化して、また、商工指導団体や金融機関等との先ほどお話ししたワーキンググループでも、持続的発展を支援するさまざまな取り組みについても引き続き研究してまいりたいと思います。
〇福井せいじ委員 この前もちょっとお話ししたのですけれども、私は、実は企業あるいは事業者というのは、ある意味、公器であると思っております。それは、この地方経済を支える、あるいは先ほどから話している雇用を持続させる、そして、何よりも人が流出するのを防ぐのが、やはりこの地域の事業者ではないかと私は思っているのですね。
その中で、県はそういった統計、推計をとっていないとは言われましたが、全国で約245万者の廃業が予想される。そして、そのうち約120万者が後継者がいないというデータがあるとすれば、県は、1%経済という推計を今までとってきていると思うのですけれども、245万者のうち1%だとすると2万4、500者が岩手県内でなくなってしまう。さらには、1万2、000者は後継者がいないということが予想されるのではないかと私は思うのですね。
その中で、どういった形でその対応策をとっていくかというのは一般質問のときにも言いましたけれども、アクションプランをつくるのであれば、私は、かなり人数が必要、マンパワーが必要、あるいは時間が必要、そしてまた、きめ細かい対策が必要になってくるのではないかと思うのですね。
実は、盛岡市内に、ある精肉店があります。こちらは、従来の経営者から、全く違う業種の方が後継者として入りました。これは、従前の経営者が、10年ぐらいかけて後継者を見つけようといったアクションがあったわけですね。ビジョンがあったわけですね。
また、実はその隣に衣料品店がある。地元の衣料品店。こちらも昨年、経営者がかわりました。社長が顧問になった。新しく来た方は、10年前にその会社に来ていた保険の外交員だったというのですね。その方は、こいつはいいなと思って、こいつに目をつけて、10年間かけて説得して連れてきたというのですね。
そしてまた、その隣には実は釜屋があります。釜屋。もう何十代も続いてきた釜屋です。ここも最近、経営者がかわったのですね。これは何年かけてきたかというよりは、もう学生時代から何となく伝えてきたというのですね。
これほど事業承継というのは時間がかかる、手間がかかる、そして、意識を変えていかなければいけないのですね。
県にとってもそういった取り組みが必要だと私は思うのですよ。どんどん人口が流出していく、社会減をゼロにすると言いながら、どういう手だてが必要なのかというときに、まさに事業承継、この中小企業者、小規模事業者をなくしてはいけないというところに原点があるのではないでしょうか。いかがでしょうか、部長、そのことに関して。
〇菊池商工労働観光部長 委員の思い、よくよく受けとめました。私が言うまでもなく、中小企業者あるいは企業の経営者の方々は、まさに委員がおっしゃるような思いがあり、いろいろな御苦労があり、悩みを抱えながら、当然ながら、皆様が興した、あるいは引き継いだ企業は持続的に続けていきたいと思っていますし、さらに発展させたいと思っているのは重々受けとめております。であるがゆえに、我々としては、さまざまな支援策を用意しているつもりです。
実際に、個々の経営のあり方について考えていただくに当たって、先ほど来お話ししています商工指導団体とか、市町村の商工関係担当者の方々が、まずはフロントに立っていただいて、先ほどガイドブックの御説明もしましたが、いろいろ多角的に話し合っていただきながら、どうあるべきかを見つけていっていただく。やっぱり1対1といいますか、個々の企業者が動いていただくことが大事だと思っています。
そういった意味で、10年来のビジョンが事業承継につながった例も、これはまさに、委員おっしゃるまでもなく、中小企業の皆さんはみんな理解していて、そうありたいと思っている人もいますし、事業承継の一つの形態ではありますが、いわゆる再編統合も含めた発展も考えていると。
皆様方が心一つに、従業員や家族をしっかり守っていきたいという熱い思いが、その企業者の皆さんにありますので、我々から廃業予定とか見込みとか言うつもりは全くありません。皆さんが持続的に、家族、従業員が、看板はなくなっても、新しい経営体として働き続けていただきたいですし、いろいろな富を生み出してほしいと思います。
ちなみに、事業者数が減ってきても、富は、県内生産はふえてきた、そういう例はいっぱいあります。これは、まさに1対1の継承ではない、さまざまな形態の中の事業展開が、ある意味の第2ステージの展開がいろいろなところで生まれて、雇用も維持されていくというような好循環になっていけばいいと思います。そこには、一人一人の経営者の皆さんの納得といいますか御理解があり、次にバトンを託すという熱い気持ちが必要だと思っていますので、そういったところでは、市町村や商工指導団体と一緒になって、金融機関も、ことしからワーキンググループに入っていただいて、そういった地べたの取り組みから進めておりますので、御理解願いたいと思います。
〇福井せいじ委員 思いが共有されているなというのは、菊池部長、非常によくわかったのですけれども、あとは具体的なアクションプランだと思うのですよ。先ほど言いました国の推計で約120万者に後継者がいない。そうすると、例えば岩手県であれば1万2、000者が後継者のいない企業だとすれば、5年間では何者に当たれるのかなと。伴走型支援と言いましたけれども、5年間で何人の経営者と伴走できるのか。1万2、000者だとして、5年間だと1年間で2、400者ですか。1年間に2、400者なら、1カ月200者、これくらい必要になってくる。200者に当たるのであれば、100人で1人2者。そういった一つ一つの積み上げが私は県の産業振興につながっていくと思いますので、ぜひ、その点もしっかりと考えて取り組んでいただきたいと思っています。
最後に、観光産業についてお聞きします。先ほど高橋但馬委員からはインバウンドについて質問がありましたけれども、私もインバウンドについてお聞きします。
以前も話をしましたが、インバウンドは受け入れ態勢も必要、来てからの体制も必要なのですけれども、いずれ来ていただかなければいけないと私は思っています。そのために私は、仙台空港のLCCの拠点化、仙台空港から、例えば三陸縦貫道を通って三陸に人を連れてくる、さらには内陸に人を連れてくる、そういったルートづくりが必要ではないかと思います。
実は、民営化してから仙台空港では国際線が週10往復から23往復、それから、国内線は51往復が54往復になった。さらに、ピーチアビエーションは仙台空港を拠点化しております。今後、一層LCCの拠点化を図り、仙台を拠点とした東北の観光ルートをつくっていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇平井観光課総括課長 仙台空港を拠点といたしまして岩手県への誘客ということでございますが、委員おっしゃるとおり、仙台空港から本県に訪れている外国人観光客も相当数おります。それから、仙台空港では国際定期便または国際チャーター便の誘致が活発に行われておりますので、やはりここを活用して、岩手県により多くの方に宿泊していただき、回遊していただくことが非常に重要だと認識しております。
このため、現在の取り組みでございますが、宮城県などと連携いたしまして、仙台空港を利用いたしました海外旅行会社、それからメディアなどの招請事業を実施しておりますし、また、仙台空港への国際定期便の就航地であります上海、北京におきまして、スキーセミナーや商談会を共同で実施するなどという誘客拡大に取り組んでございます。
また、東北各県とも連携いたしまして、仙台空港を起点といたしました東北全体の周遊を促進するために、海外の航空会社と旅行会社をセットで東北に招請いたしまして、仙台空港を初めとする空港視察でありますとか、空港を起点といたしますモデルツアーの実施にも取り組んでございます。
今後におきましては、このような取り組みに加えまして、仙台空港と、現在国際定期便の誘致を行っておりますいわて花巻空港とを組み合わせて、東北を周遊する、または北海道や東京など外国人観光客に人気のありますこういう観光地も組み合わせた形で、その中で本県により広く、それから、より長く周遊、滞在していただくような誘客活動に取り組んでいきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 質問に入る前に、きのう釜石市を経由して宮古市まで追悼式に行きましたが、やはり物流としての幹線が非常に整備されているなということを実感しました。これからいろいろな物流環境を整備する上に立って、宮古港はフェリー航路が開設されるということですが、これはしっかりと心に刻んでほしいのですが、航路だけではだめなのですね。しっかりと集荷業務をして、それの二次展開を図ることが必要です。コンテナ港はそれなりの波及効果がもうすぐ出てきますが、フェリーとなると、やはり港湾課だけではなくて、商工労働観光部がそのところの集荷、コンソリデーション(混載)でありますとか、そこから、どのように宮古-盛岡というルート、これも考えなければならないと思いますので、その点しっかりとやっていただきたいと思います。
それでは質問に入ります。私は、岩手の漆産業新時代開拓事業費についてお伺いします。
平成29年、昨年度は1、400万円余、ことしは5、000万円余ということで、積極的な漆産業を展開しようとする商工労働観光部の思いは、非常に高く評価したいと思います。
それで、県産漆の生産については、御案内のとおり、二戸市の浄法寺が今主産地として、いわゆる私の表現では在来型、これも付加価値がついて、それはそれで高く評価しなければならない。
しかし、やはり国産漆の生産量をこれからどんどん確保しなければならないという観点に立って、ここでやっぱり森林県の岩手も、その潜在価値を大いに発揚するといいますか、この機会を捉えて、しっかりと産業として確立することが必要だと思います。
それで、浄法寺漆産業が県南地区、私の大東町に拠点を設けて、新しい方式の漆の生産量を拡大しようということが、ことしの1月から始まっております。
まず、この生産拡大について、二戸市の今の在来型、そしてまた、全県広域に拡大する方策、また事業化について、当該部は今どのような考えを持って進めようとしているのか、その点についてお伺いします。
〇高橋地域産業課長 県産漆の生産拡大についてでありますけれども、これまで国宝や重要文化財の修繕などで国産漆の需要が高まっていることを背景といたしまして、国内随一の産地であります本県では、漆の植栽や漆かき職人の育成など、漆の生産拡大に向けた取り組みを進めているところでございます。
委員からお話がありました県内最大産地であります二戸市におきましては、地域おこし協力隊の受け入れや二戸市が事務局となっている日本うるし掻き技術保存会の研修によりまして漆かき職人を育成しているほか、漆の苗木供給の仕組みづくりや漆造林地の整備など、漆の生産拡大に努めているところでございます。
また、県といたしましても、二戸地域の森林所有者等を対象としました漆林保育管理研修会の開催や、苗木生産の技術を継承していくための苗木生産マニュアルの作成などにより、二戸市と連携した取り組みを進めているところでございます。
さらに、漆生産の拡大や漆関連産業の振興を図る目的で平成29年5月に設置した、いわて漆振興実務者連携会議の取り組みを進めている中で、例えば、八幡平市においては、漆を植栽して試験林の展開を進めてきたほか、先ほどお話のありました県南の一関地域におきましても、地元住民による漆の植栽や民間企業主体による生漆生産に係る新技術の開発なども進められてきているところでございます。
県といたしましては、今後においてもこれらの取り組みを支援していくとともに、産学行政が連携して、生漆の生産拡大に取り組んでいきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 全国的にもやっぱり着目して、既に活動、また事業化しているところがあるわけですが、他県の取り組み状況、それからまた、ただいまちょっと触れられましたが、本県のさらに産業化をするという目指す産業立県としての展望についてお伺いします。
〇高橋地域産業課長 他県の取り組み状況と本県の目指す産業立県としての展望についてでございますけれども、他県の取り組み状況につきまして、岩手県に次ぐ国産漆の産地であります茨城県におきましては、平成28年1月に県が事務局となった組織を設置し、漆の生産体制の強化を図っているところでございます。
また、漆器等で有名な石川県では、平成23年1月に民間主体による実行委員会を設置し、漆の学習会や植栽を行っていると伺っているところでございます。
県といたしましては、先ほど述べた産地形成に向けた取り組みに加えまして、平成30年度事業におきましては、漆器を初めとする漆製品の新たな開発や高付加価値化や、マーケット拡大に必要な漆文化の情報発信による国内外の需要の拡大に向けた取り組みも強化していくこととしておりまして、将来的には、本県が国内漆産地関連産業の拠点となっていくよう取り組みを進めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 それで、今は、てこ入れをする絶好の機会、その時期だと思います。それで、新しい漆の抽出方法、これは衝撃波による破砕方法ですね。私もその特許を取っている沖縄県の高等専門学校の機械を実際に見てきました。これは、一関市とも連動して、そろそろどこに設置して稼働するかという話がもう具体的に進んでいます。
やはり、皆さん方が、今申し上げた漆文化を発信するイベントだったり、漆製品の開発支援、いろいろな商品を売り込むにしても、量を確保しなければならない。この点もしっかりとした体制を組まなければならない。
あわせて、やはり商工労働観光部ですから地域の地場産業として確立をする。特に、中山間地にとっては、非常に原料に近い場所ですから、また、木に親しんだ高齢者の方々も産業化した場合には容易に従事できるという、高齢化社会にとっては非常にありがたい話だと思っています。
でありますから、開拓事業費については今年度は5、000万円余、皆さん方からこのペーパーをいただいて、1、2、3、4とこの四つの骨子で推進するという話ですが、ぜひとも、地域産業を育成するという観点に立った新技術を生かした取り組みというものも、その支援の対象といいますか、注意を怠らず事業として育てていただきたい。
これも、恐らく他県も狙っているでしょうし、一気に先進地として進めていかないと、時機を失してしまいますと、やはりメリットが出てこないという点もありますので、そこの点をどう考えているか、今具体的に示しましたので、その点についての支援策、展開策をお示しいただきたいと思います。
〇高橋地域産業課長 地域産業としての漆を振興する中での取り組みというところでございますけれども、今、お話のありました県南、一関市の取り組みにつきまして、私も現場でいろいろお話を頂戴したところでございます。漆生産につきましては、大東町でも、地元住民の方々が組織して、もともと漆という文化が県南にもあったという状況もございますので、やはり地域主体となった取り組みを一関市と連携しながら進めているところもございます。
それから、産業化につきましても、現在、農林水産部サイドともいろいろ連携を図りながら、現場の指導も含めまして、資金的な部分も、農林水産部サイドの民間資金を活用しながら事業展開しているという状況もございます。
それらの取り組みを生かしながら、先ほど申し上げた連携会議という組織の中で全県的な取り組みとして進めながら、先進県岩手としてもおくれのないように、連携会議の中に文化庁、林野庁の方々にもオブザーバーに入っていただきまして、非常に応援するような御発言もいただいているところでございますので、そういったところについては、県としてもしっかり取り組みを進めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 この破砕装置については、さまざまな用途で発展性があると。山形県では、既にクロモジから芳香剤といいますか、いろいろな点でも売り込みをかけている。それだけではなくて、消臭効果もあるというような話も聞きました。これは、まず、今は漆の話ですから、これはしっかりと取り組んでいただきたい。特に、どうしても県庁の場合は縦割り主義ですが、林業関係、農林水産部との連携がぜひとも必要ですから、今お話しになった連携会議を一つの軸としながら、次の二次展開もしっかりと視野に入れながらやっていただくことを大いに期待したいと思います。
これは2年後、3年後の話にもなりますので、最後、部長の所感を聞いて、終わりにします。
〇菊池商工労働観光部長 漆の関係につきましては、委員るる御指摘いただいたような状況に今来ているということで、まさに本県は、二戸市浄法寺地区だけではなくて、県全体として国の国内生漆の活用方針が出たり、あるいはインバウンドの拡大などが進んでいる中で、これは絶好の機会になってきているなという認識でございます。去年から漆産業振興を立ち上げまして、先ほどの連携会議でも生まれてきたように、まさに一関地域の民主導の、あるいは産学連携の取り組みが生まれてくるなど、いい方向に来ていると思っています。
一方で、委員も御理解いただいているとおり、漆を産業化していくにはいろいろなハードルがありまして、中長期的な視点も必要になってくるということで、先ほどの連携会議を中心に、生漆の部分と、それを加工し、そして出口という3段階を連携して取り組んでいかなければならないという認識で、実は中長期的な取り組みが今、緒についたところでございます。
産学の取り組みをどんどん生かしながら、行政として支援できることをしていくと。一つの中間的なターゲットは、一般質問でもお話ししました、例の伝統的工芸品月間国民会議全国大会でどういう見せ方をするか、どういうアピールをするかということも大事だと思います。例えば、一関地域においては、昔から生漆産地であって、浄法寺から漆かき職人が出稼ぎに行っていたりする状況があったのを私も知っておりまして、いわば全県が漆の産地でもあるわけですので、これは、あそことこことか、ここだけというつもりはありません。
また、ILCを視野に置きますと、インバウンドのお話もしましたが、漆についての関心が高まってきていますし、ライフスタイルが変わってきている中でいろいろな提案ができる。食器やそういったものに、たんすも含めてですけれども、岩手の伝統工芸品をライフスタイルに取り込むことにお金を出すことをいとわない人たちが、岩手の地で生活されて、活動される、情報発信されるといういい機会が来ているなと思っております。
この機会をしっかりつかんで、使える支援メニューは、漆でつくった事業でなくても、中小企業の技術高度化、あるいは新製品開発のいろいろな既存メニューもございます。そういったものを使いながら、産学官、そして行政が連携して漆産業に取り組んでいきたいと思いますので、これからも皆様方、応援をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
〇工藤誠委員 それでは、私は、県北地域における産業振興、観光振興についてお伺いしたいと思います。
以前にもお聞きしておりますけれども、二戸、久慈地区の拠点工業団地の分譲率、できてからもう相当期間もたっております。多分5割ぐらいはもう超えているだろうとは思っておりますが、最近の状況はどうなのかということと、その数値の分析をどのようにされているのかをお伺いしたいわけです。
そして、加えて、平成29年度に新設されましたインセンティブ制度で県北広域産業力強化促進事業費というものがございました。これの活用実績と効果についてどのように分析されているのか、そして、平成30年度は何か変わったことがあるのかどうか、その辺をお願いしたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 まず、二戸、久慈地区の拠点工業団地のお尋ねでございますけれども、これらの団地につきましては、事業主体であります岩手県都市開発公社と地元二戸市、久慈市、そして県が連携しまして企業誘致に取り組んでおりますほか、段階的に価格の見直しを行い、そして、委員から御指摘のありました企業立地促進奨励事業費補助金の対象業種の拡大あるいは補助要件の緩和など、インセンティブを強化しながら分譲促進に取り組んでまいりました。分譲率は、現時点で、二戸地区では4割弱、久慈地区では約3割となっているところでございます。
数値の分析というお話がございましたけれども、分譲が非常に進まない理由ということだと思いますが、企業が進出するに当たりましては、工場用地や上下水道といったインフラのほかに、人材確保、それから関連産業の集積度合い、取引先との近接性、物流コストなどを総合的に判断して決定されるものと認識しております。分譲が進まない理由も多岐にわたるものと考えておりますので、県といたしましては、地元市等とも連携しながら、一つ一つこれらの改善を図っていきたいと考えております。
地元市等と連携しまして、今年度からこの企業立地促進奨励事業費補助金の要件緩和を行いました。これを積極的にPRしながら誘致活動を進めているところでありまして、現在、二戸地区拠点工業団地におきましては、複数の企業が進出を検討しております。
また、久慈地区拠点工業団地におきましては、去る3月5日に立地企業の増設に伴う用地の追加取得が発表されておりまして、分譲に向けた動きが見られるところであり、これもインセンティブを強化してきた効果、地元市等との連携した取り組みの成果であろうと受けとめております。
平成30年度につきましても、基本的には、これまでさまざま取り組んできたことを引き続き地道に取り組んでいきたいと考えております。
〇工藤誠委員 常任委員会のときも何度かお聞きしていますが、なかなか進まないなと。県南地区では工業団地がもう手狭になって、新たに用地を取得しなければならないというお話も聞こえてきている中で、まだ30%、40%というのは残念でならないわけでありますけれども、これまでも企業誘致については一生懸命やってこられたと思います。インセンティブ制度も頑張ってこられたと思います。しかしながら、なかなか進まないということで、これまでの取り組み状況と成果について伺いたいわけです。
そのこととあわせて、部長から冒頭御説明がありましたように、各広域振興局に産業振興室を新たに、新設というよりも改組ということで、室長に総括課長級を配置して充実させるということでありました。そういうことであれば、県北地域においては、県北広域振興局においては、こういう組織にどういう特徴を持たせて企業立地なり産業振興を図るのか、そのことを含めてお話をお願いしたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 県北地域につきましては、これまでも、食産業ですとか電子部品産業、造船業など地域の中核となる企業の誘致、それから業容拡大に取り組んできているということでございまして、これは、今後ともそういった取り組みを継続する必要があろうと思っております。
特に、本年度におきましては、国内最大規模となりますブロイラー加工工場が操業を開始したということがあります。また、洋野町で、昨年度立地が決定いたしました医療用機械器具製造企業が操業を開始したということで、将来に向けての二次展開なども展望されているとお聞きしておりますので、そういった新たな動きも出てきているものと受けとめております。
広域振興局の体制のお話もございましたが、こういった新たな動きも踏まえまして、地域企業の高度化、あるいは人材の面でも、県北地域にはまだまだポテンシャルがあると思っておりますので、そういった人材をしっかりと確保して、地元に定着させる取り組みを行ってまいりたいと思います。
〇工藤誠委員 今、ブロイラーのお話もありました。それから、精密機械工業誘致のお話もありました。確かに、私もそのとおりだなと思うところもありますが、ブロイラーと漆と、もう一つ、後半にお話ししますけれども、アパレルということが今、県北では基幹産業であるというお話があるわけでありますが、やはりこれだけでは、今の県北の人口減少、特に若い人たちの人口減少には歯どめがかからないわけですね。実際にその数値がそれをあらわしているわけですね。ですから、やはりそのやり方として、どういうところにターゲットを絞っていくかというところのポイントがずれているのではないかと私は思ったりもするわけです。
それで、繰り返しになるのかもしれませんけれども、製造業の誘致というのは、私は絶対に必要ではないかと思っています。そのことについて、これまでの取り組みと、平成30年度に何か新たな展開をしようとしているのか、そこの違いと、充実するのであれば、その充実の内容についてお知らせいただきたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 企業誘致も含め、地元の産業をどう振興していくかでありますけれども、基本は、やっぱり地域にある資源を活用する、それから、既に立地している企業があるわけですので、そういった企業が、働く場としていかに魅力があるかも広報していかなければなりません。そういった企業の業容拡大や、それから、取引先の企業を誘致する等、今あるものからしっかりとこれを広げていく取り組みが肝要だと思っておりますので、そういった取り組みに引き続き力を入れてまいりたいと思っております。
〇工藤誠委員 それでは、先般、アパレルの関係では、第5回北いわて学生デザインファッションショーが久慈市で初めて開催されました。部長以下、商工労働観光部の方々もたくさんいらっしゃっていました。大変盛り上がっていたと思っています。
それでは、そのアパレル産業について、現在の状況ですけれども、雇用とか生産額とかというものは、ここ数年の状況としてどのような伸びを示しているのか、また、地域の若い人たちの雇用を吸収できているのか、その辺の認識についてお伺いしたいと思います。
〇高橋地域産業課長 アパレル産業の現在の従業者、それから生産額等についてでございますけれども、これまで県北地域におきましては、こういった国内屈指の技術力を有する縫製事業者の集積ということで、メーカーとの取引拡大ですとか縫製技術指導等、さまざまな取り組みを進めてきたところでございます。
従業者数につきましては、ここ数年減少傾向にございます。数字的には、県北地域における従業者数でございますけれども、平成25年から比較いたしますと、平成25年が1、082名で、平成26年には1、039名、平成27年は954名ということで減少傾向にございます。
それから、出荷額につきましては、平成25年には県北で38億円、平成26年は40億円、平成27年が41億円ということで、出荷額については増加傾向にございます。
〇工藤誠委員 わかりました。新たな製造業の誘致が必要なことは確かであるわけでありますし、また、アパレルなり、従来からあるものについても、てこ入れしていただくことも両立してやっていかなければならないわけですが、特に、アパレル産業については今、力を入れているということでありますので、ぜひ、さらにいろいろな事業を展開していただきたいと思います。
そういう中で、もう時間も余りないので、ちょっと飛ばして、2点目は省きます。
3点目ですけれども、観光についてお聞きしたいのですが、御所野遺跡等観光資源連携推進事業費が県北広域振興局の新規事業として予算化されています。この事業内容、目的、それから、これが県北地域の観光振興にどのような役割を果たすと認識されているのか、その辺についてお話をお願いいたします。
〇平井観光課総括課長 御所野遺跡等観光資源連携推進事業についてでございますが、まず、この事業の内容でございます。この事業は、御所野遺跡の世界遺産登録に向けた機運醸成を図るとともに、御所野遺跡を初めとする地域資源を生かした体験交流型観光を推進することを目的に、来年度、新規事業として当初予算案に盛り込んでいるものでございます。
事業内容は大きく二つの柱で構成しておりまして、一つ目の柱は、御所野遺跡の世界文化遺産登録に向けた機運醸成であります。具体的には、二戸地区でのシンポジウムの開催やPRツールの作成、盛岡、八戸、鹿角地域や首都圏のアンテナショップなどでの情報発信イベントの実施、それから、旅行商品造成を目的とした御所野遺跡を組み込んだモニターツアーの実施となっております。
また、二つ目の柱は、地域資源を生かした体験交流型観光の推進でございます。具体的には、体験メニューを組み込んだ観光パンフレットの作成、SNSなどを活用した観光情報の発信、それから、体験メニューインストラクターの資質向上のための先進地研修となっております。
このような事業の実施によりまして、まずは、御所野遺跡の魅力を対外的にどんどん発信していくこと、そして、御所野遺跡を核といたしまして、これを組み込んだ旅行商品の造成促進を図っていくことで、震災で落ち込みました二戸地域の観光入り込み客数の増加、それから、縄文文化につきましては海外でも関心が非常に高うございますので、県のインバウンド事業とも連動いたしまして、外国人観光客の誘致拡大を目指そうというものでございます。
〇工藤誠委員 新規事業で御所野遺跡という名前が冠につくことは、これからの登録にも弾みがついて大変ありがたいことだとは思っています。
そういう意味で、これは、あくまで県北広域振興局なので県北全体の関係ではあるわけですが、中心となるのがやっぱり二戸郡一戸町だということで、二戸地区と久慈地区との連携をどのようにしてこの事業によって効果を持たせていくのか。市町村の役割とか広域振興局の役割、そのあたりの協力体制はどうなっているのかということと、観光客の誘導とか教育旅行の誘致というのは、これまでもやってきているわけですね。その事業との違いは何なのかというところをお知らせいただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 この二戸地区、久慈地区を含めての事業の展開につきましてでございますが、やはり県北広域振興局全体を見まして、まずは、御所野遺跡をこの地域における核となる観光コンテンツだと位置づけて、また、久慈地域では、沿岸のほうであまちゃんで人気の出ました各種観光地、こういうものを組み合わせた周遊型観光をしながら、また滞在、いわゆる宿泊も含めて狙いまして、県北地域全体の広域周遊をしていくようなルート造成に取り組んでいきたいと考えております。
また、その取り組みに当たりましての体制でございますが、これは広域振興局の事業ではございますが、やはり県の事業との連動も大変必要でございまして、当方のいろいろな広域周遊バスツアーの運行助成とかと合わせまして、取り組みを進めたいと考えております。
協力体制といたしましては、県全域では、県や県内全市町村、それから観光関係団体等で構成いたしますいわて観光キャンペーン推進協議会という組織がございます。ここが中心となりまして広域的な誘導をしていくと。また、地元におきましては、このキャンペーン推進協議会の地域部会に当たる組織が、県北広域振興局管内では、全域の市町村を対象としました北いわて広域観光推進会議というものがございます。また、その中で二戸地域に限定いたしました二戸地区広域商工観光推進協議会というものがございます。こういう体制と連動して取り組みを進めていきたいと考えております。
〇工藤誠委員 それでは、最後になりますけれども、観光資源については、県北地区は余り多くないということで、御所野遺跡が世界遺産になることについては大変大きな意義がある、また、観光面でも大きなメリットがあると思います。また、漆かき技術がユネスコの無形文化遺産になるというお話もありますので、こういうことも弾みになるのではないかと思っています。
それで、加えて、三陸復興道路の開通とか、三陸鉄道の久慈-盛間の一貫経営とか、それからまた、定期フェリーの就航で、これまでの県北における観光施策のあり方が今度大きく変わってくるのではないかと私は思っています。そういうことで、刻々とそういう状況、資源が変わっていきますので、県北地域が目指す広域観光のあり方について戦略の見直し等が必要になってくると思われますが、今後どのような進め方、方向性をお考えになっているのかをお聞きして、終わりたいと思います。
〇平井観光課総括課長 今後の施策の展開でございます。先ほども委員から御質問がございました今までの手法とどのように違うのかというところにもかかわってまいりますが、やはり、これから県北の観光振興をする上で、県北地域にはどのような観光コンテンツがあって、それをどのようにまとめて、いわゆるブランドのイメージをつくっていく情報発信が必要でございます。今、私どもでは、先ほどお話のありました浄法寺塗などの伝統工芸品、それから日本酒でありますとか、雑穀でありますとか、果物でありますとか、そういう多彩な資源を集めまして、いわゆる県北地域の観光イメージはどのようなものがあるかを工夫いたしまして発信していく形をつくりたいと思っております。
それから、2点目でございますが、やっぱり広域周遊が大切でございまして、盛岡はもちろんでございますが、例えば青森県、秋田県との連携も必要になってくると思います。既に組織として3圏域、いわゆる二戸、久慈、八戸の広域的な連携組織もございます。そういうものも活用いたしまして、広域周遊、まさに先ほど委員がおっしゃいました沿岸のいろいろな道路整備、それから交通インフラの整備というものがございます。こういうものと連動させていきたいと思います。
それから、何よりも核となるコンテンツといたしましては、今回の事業でもございます世界遺産を目指します北海道・東北の縄文遺跡群でございますが、この中で御所野遺跡は、いわゆる首都圏側から見て玄関口に当たります一番南にございます。ですので、北海道は外国人にも人気がございますが、そういうところともあわせまして、北海道と北東北3県が連携した広域ルートにも取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時2分 休 憩
午後1時3分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ12人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔、なお、言語明瞭にお願いをいたします。
質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 私から、いわてで働こう推進事業費について、いわてで働こう推進協議会の議論の内容や取り組み、今後の方向性について伺いたいと思います。
いわてで働こう推進協議会においては、若者や女性の県内就職や創造の促進の目指す姿として、平成31年度に社会減ゼロを目指しておりますが、政策評価レポート2017によると、ふるさと振興総合戦略が始まる前でありますけれども、平成26年が2、975人の社会減、平成28年が3、649人、平成29年が4、496人と、社会減が拡大をしている方向にあります。この政策評価レポートには、転入、転出の推移、また、被災地沿岸部とそのほかを分けたデータを記載しておりますけれども、県はこの状況をどのように分析しているのか。この社会減というのは全国的な流れなのか、他の都道府県との比較もあわせてお示しをいただきたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 社会減ゼロ目標と政策評価レポートデータの分析についてでございますが、平成29年の本県の社会減4、496人を年齢別に見ますと、15歳から24歳までの転出超過数が3、836人と、約85%を占めており、進学、就職期の転出が顕著となっております。
また、47都道府県のうち社会増-転入超過は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、福岡県の7都府県のみとなっており、国による東京一極集中の是正に向けた取り組みが不可欠であるとともに、本県の社会減対策においては、若者の県内での進学、就業の促進に向けた施策の推進が重要であると考えております。
沿岸部につきましては2、025人の社会減と、前年の1、255人から拡大しており、その要因は、年齢別の社会増減数が公表されていないため具体に把握するのは困難でございますが、基本的には、全県の動向と同様に、進学、就職期の転出が一つの要因と考えております。
なお、転入、転出の理由等を個別に把握できないため、あくまで推測になりますけれども、沿岸部の人口の社会減の内訳を見ますと、転入者が前年と比較して580人程度減少していることから、建設業を中心とした復興事業への就業者が減少していることも要因の一つではないかと考えております。
〇佐々木朋和委員 そういったことで、ポイントとしては絞れてきているということでありますが、全国的な、また、東京一極集中の流れの中で、なかなか成果が出ていないという状況かもしれませんけれども、一方で、取り組んでいる事業の評価また分析を見ますと、岩手県ふるさと振興総合戦略の取り組み状況、岩手で働くのうち、当部所管は、商工業・観光産業振興、仕事創出プロジェクトを含めた3プロジェクトがあるわけですけれども、いずれも達成度が約80%、また、政策評価レポートでも、産業、雇用の部分はおおむね順調で80%ということでございまして、事業の評価を見ると、達成度はよいというところでありますけれども、社会減の縮減にはつながっていないということであります。
県としてはこの部分をどう捉えているのか。このままこの方向で進んでいけば、時間の経過とともにだんだんに結果があらわれてくるのか、それとも、政策的なチェンジが必要なのか、この辺をどのように捉えているか伺いたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 事業の評価達成度と社会減の縮小についてでございますけれども、平成28年度のふるさと振興総合戦略のKPIの達成状況は、岩手で働くの54指標のうち、おおむね達成以上の指標の割合が87%と、おおむね順調であるものの、施策推進目標のうち、社会減ゼロについては、現時点では各種取り組みの効果が直ちには発現していない状況にございます。特に、社会減ゼロにつきましては、平成28年の実績は3、708人と3年ぶりに縮小に転じたものの、平成29年の実績は4、543人と、再び拡大に転じておりまして、年齢別には15歳から24歳までの転出超過数が全体の約85%を占め、若者層の転出が顕著になっております。
こうした状況を踏まえ、総合戦略の後半となる来年度以降も、施策推進目標の達成状況を的確に分析しながら、より効果の高い取り組みを重点化するなど、本県の人口減少に歯どめをかけ、岩手への新しい人の流れを生み出すためのふるさと振興に強力に取り組んでまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 お答えをいただきましたけれども、さっきの繰り返しのようで、今の方向性でいいのかどうかというところはなかなかはっきりとしてこなかったわけでありますが、平成29年6月には、県内の若年者雇用動向調査の結果が出たということで、先ほどおっしゃっておりました15歳から24歳のより細かな動向というのがはっきりしてきて、これから、まさに平成30年度は、その分析をもとにした、よりきめ細やかな政策の実行というのが求められているのだろうと思っております。
そういった中で、いわてで働こう推進協議会、また、高卒者の県内就職ワーキンググループ等での検討の結果、動向調査を分析の上、平成30年度はどのような施策を実行していくのか、平成30年度の事業に反映をさせていくのか伺いたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 若年者雇用動向調査結果の平成30年度事業への反映についてでございますけれども、昨年実施いたしました若年者雇用動向調査の結果によりますと、本県出身者の地元志向は強いが、県内企業が余り知られていないこと。U・I・Jターンを決意した時点では希望する就業が可能となるか、不安視している者が多いこと。仕事内容について、若年者の認識と企業での実態とのミスマッチが生じていることなどの傾向が見られました。このため、県内就業の促進のために、まず高校生に対しましては、これまでも広域振興局等に配置しております就業支援員が新規高卒者の県内就職の支援に取り組んでまいりましたが、来年度は、今年度開催いたしましたいわてとワタシゴト展を拡充するとともに、市町村等と連携した学校における地域の産業や企業に関心を持ち知ってもらう取り組み、あるいは高校生と県内企業の若手社員等の交流会を強化することによりまして、県内企業の認知度向上に取り組んでいきたいと考えております。
また、大学生に対しましては、これまでも本県企業でのインターンシップの実施等に取り組んでまいりましたけれども、来年度は、首都圏等の大学を対象に、岩手U・Iターンクラブを新たに設置し、大学側の協力のもと、学生のU・Iターン就職の拡大を図るなど、県外からの人材確保に取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、3年以内の離職対策につきましては、これまでの就業支援による職場定着支援に加えまして、来年度は、新たに人材育成・定着支援員を県内各地域に配置いたしまして、いわゆる就職のミスマッチの解消に向けた取り組みを強化するとともに、経営者や職場の管理者、育成担当者の面談スキルを向上させるセミナーの開催など、若年者の職場定着支援に取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 数点ちょっと深掘りをさせていただきたいと思うのですけれど、今御紹介いただきました分析のところで、県内の若年層の県内就職の希望は高いということでございました。この動向調査の結果を見ましても、県内出身者であれば7割ぐらいが県内就職を望んでいるということでありました。一方で、企業の認知度不足ということで、本県に本社がある企業の認知度について、1件も知らないというのが4割ということだったのですけれども、私はちょっとこれに疑問がありまして、実際に本県の子供たちは高卒で66.3%が地元就職をしています。何ていうのですか、県内の就職の希望者が7割いて、認知度において、企業を知らないが4割で、仮に、就職を実際している人が5割くらいであれば、ああ、認知度を上げていけば7割に近づくなというのがあるのですけれども、もともと、この就職している人たちは7割に近くて、その状況の中で、企業の認知度を高めていくことが、県内の子供たちの県内就職につながっていくのかというのは疑問だと思うのです。また、本社が県内にある企業ということですけれども、それでなくても誘致企業であったり、企業が県内にはいろいろあるわけですから、調べた結果として、何で本社がある企業を調べたのか、いろいろな全国の動向調査がある中でそういった聞き方をしたのか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 この若年者雇用動向調査につきましては、実施をしていただきましたのが岩手労働局でございまして、この調査のもとにしておりますのが、厚生労働省で5年に1度実施しております若年者雇用動向調査でその項目を活用させていただいたところでございます。
〇佐々木朋和委員 そうであれば、我が県はこの認知度不足という結果が出たわけですけれども、その厚生労働省の全国調査と比べても、本県は低いということなのでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 本県の若年者雇用動向調査結果につきましては県内に本社を持つ企業を知らないと回答した割合は37.3%ということでございましたけれども、全国の状況は今手持ちがないですが、基本的には、各地方では同じような傾向になっているということで理解はしております。
〇佐々木朋和委員 急に聞いて申しわけありませんでしたけれども、他県ともし状況が一緒なのであれば、そこの認知度アップというよりも、高卒者の県内就職ワーキンググループでも参考にしておりますが、山形県は高卒者の約8割が県内就職をしているわけであります。平成31年度目標が67.0%というのをもっと引き上げて、目標修正をした上での高校生の県内就職のアップに向けた取り組みが必要なのではないかと思いますけれども、御所見はいかがでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 委員がおっしゃいましたとおり、今年度におきましては、高卒者の県内就職率の向上を図るために、いわてで働こう推進協議会に高卒者の県内就職ワーキンググループを設置し、県内就職率の高い山形県を調査いたしまして、本年2月に開催された協議会に対して提言が示されたところでございます。
具体的には、学校等の場を活用いたしまして、岩手県内の企業を知ってもらう取り組みを強化すること、あるいは進学者等への地元就職支援の充実に向けた取り組みを強化すること、そして、いわてで働こう推進協議会の各構成団体が一体となって、県内の高校生が働きたいと思える雇用、労働環境の整備を促進することの三つが提言として示されたところでございます。県といたしましても、この提言を受けまして、各構成団体とも連携しながら、学校との連携による県内企業の認知度向上に一層取り組むこととしておりまして、本県における新規高卒者の県内就職率がさらに高まっていくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私の問題意識は、認知度向上というのはもちろん頑張っていただきたいと思うのですけれども、より深い理解を目指すということが大事だと思っておりまして、3年離職率が高いという話もしていただきましたけれども、一方で、高校生よりも4年制大学の卒業生のほうが、全国の離職率とのギャップが6.5ポイントあるということでございます。そういった中にあっては、ワーキンググループでも指摘をしておりますけれども、普通高校での企業を知る機会をとるべきだと、インターンシップを含めて、私はそう思うわけでありますけれども、この点について今後強化していくつもりはあるのか、お伺いをしたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 高校生と県内の若手社員等の交流会というのを、来年度、事業として実施いたしますけれども、これは主に普通高校です。普通高校の生徒でありますと県内企業を知る機会がなかなかないという実情もありまして、教育委員会と連携しながら進めているところでございますけれども、特に釜石市で実施しておりますKAMAISHIコンパスというモデルがございまして、このモデルを参考にして実施していきたいと考えおります。その際、釜石、大槌地域では、地元の企業の方、あるいは先輩社員等が講師となって実施しているわけでございますけれども、実施した生徒の方々からは、地元への恩返しをしたいという気持ちが強くなったなど、前向きな御意見もいただいているところでございまして、地元就職への意識づけや郷土愛の醸成に寄与しているという取り組みがございましたので、こういった取り組みを実施していきたいと考えております。特に、モデル的に普通高校2校で実施していきたいと考えておりまして、実施に当たっては、総合学科等の時間帯を利用してきめ細やかに対応していきたいと考えております。
なお、実施するに当たっては、事前の学習を行って、交流会を行って、事後のフォローアップもするという形で進めさせていただきたいと考えております。
こういった取り組みをしながら、特に進学校であるとか、一度県外に出られる方あるいは大学に行かれる方であっても、県内企業を知る取り組みにつなげていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 最後にしたいと思います。
ぜひモデル事業を行いながら、全県的に取り組んでいただきたいと思っております。
県内の産業の担い手育成という視点ももちろん大事で、それは一番にやっていただきたいのですけれども、生徒側に立って、生徒が県内で自分の夢を実現させるにはどういったものがあるかという、逆の視点からも広く、生徒が企業を知る以上にもっと深めるというところで-と申しますのは、この分析データを見ると、みんな仕事の内容とか職種で自分の仕事を決めているのに、3年以内の離職で一番多い理由が、仕事が合わないという結果が出ているということですから、これについて深く受けとめて、認知度のアップだけでなくて、より深く知る、仕事に触れる機会を創出していくということをやらないと、どんなに就職率がアップしても、離職率がこのままであればだめだと思います。
もう一点は、生徒が仕事を選ぶ場合、今は賃金よりも労働時間、休暇を重視するというデータも出ております。そこで最後に部長に聞きたいと思うのですけれども、今、働き方改革、ワーク・ライフ・バランスということで働き方改革アワードを行ったり、企業についても働きかけをしていますけれども、県内においては、ワーク・ライフ・バランスの調査を見ますと、全国の完全週休2日の率が49.0%に対して県内では34.2%で、15ポイントも差が開いている。いろんな取り組みをやっていただいておりますが、こういったシンボル的なと言ったらあれですけれども、そういったところに全県で取り組むことによって認知度も高まっていくし、また、県内で就職をしたいという子供たちをふやしていくことになるのではないかと思うのですけれども、最後に所見を聞いて終わりたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 まず、認知度の関係でございますが、おっしゃるとおりでして、知っているか知らないかではなくて、地元企業の魅力をしっかりとわかってもらうような取り組みを、今までもインターンシップとか出前授業とかをしながら普及には努めてきたのですけれども、まずはよく知ってもらうという意味の認知度ですが、これからもそういったものを知ってもらっていくことが大事だと思っています。その辺は小学校レベルからも、中長期的なスパンにもなりますけれども、小学校レベルでの興味、関心を持っていただくところにも注力していく事業を今後展開していくことにしております。
また、働き方改革の必要性については、経営者の皆様方と私もいろんな形で触れ合ってきましたけれども、認識はされております。いろいろな提示の仕方をしたいところは山々なのですけれども、一方では、おわかりのとおり、端的に一つの典型例を申し上げますと、岩手県の産業の多くは下請企業でございまして、量と納期が決められて仕事が預けられる、仕事を獲得するということですので、長期的な見通しをなかなか立てにくい現実もこれありでございます。なので、そのままでは困りますので、単なる下請ではなくて、我々は産業振興施策の中では高度化を提案し、パートナーとなる企業となっていく、経営力の強化も支援しております。そういった取り組みを進めながら、各企業も、できるところからでいいので働き方改革を進めていただくと。
例えば、ある経営体では有給休暇のとり方を工夫したり、きょうの朝まででもいい、ぎりぎりまで休みの調整をしていただいているところがあります。そういった工夫を少しずつされている事例が皆さん共有されてきていますので、働き方改革はそういった形でもっともっとこれから皆さんにアピールできるようになると思いますし、就職しようとする高校生等についても、どういう仕事をしたいというのと何を実現したいのかというのが、結構一緒にはなっていないところもあって、そういったところはキャリア教育の充実を図りながら、地元企業で働いている先輩たちの姿を見せながら、ミスマッチ解消に向けた取り組みをしていきたいと思っております。
〇川村伸浩委員 いわてインバウンド新時代戦略事業についてお伺いをいたします。
午前中にも高橋但馬委員それから福井せいじ委員からも話がありましたが、私からも別な目線で質問させていただきます。
平成29年の全国での外国人の延べ宿泊数でありますけれども、7、180万人泊で前年比112.1%。東北では94万5、000人泊ということで145.8%。全国に比べると東北は非常に伸び率がいいということであります。岩手県は平成28年が12万5、000人泊、平成29年が18万9、000人泊ということで150.9%、約50%の伸びであります。東北では、青森県の166.6%に次いで非常に進捗率がいい。逆に言いますと、まだまだ全国に比べると、東北なりあるいは岩手県の伸びしろがかなりあると思っております。
そういった中で、聞きますと、宿泊施設というのはWi-Fiの設置がもう必須だと言われております。この事業が過去に導入をされてきているわけでありますけれども、現状の普及率といいますか、整備率がどうなっているのかということをまずお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 宿泊施設におきますWi-Fi-無料公衆無線LANの整備状況でございますが、昨年2月時点の数字になりますが、岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合に加入しているホテル、それから国際ホテルに登録しているホテルに聞き取り調査をいたしましたところ、約80%の施設がWi-Fiを整備していると。さらに約73%の施設が、部屋でもWi-Fiが利用できるという状況でございます。
なお、今年度につきましては、県で外国人観光客等受入実態調査というのを実施しておりまして、現在、数値については取りまとめ中でございます。
〇川村伸浩委員 館内で80%、それから客室で73%ということでかなりの整備率とは思いますが、多分大きな規模の宿泊施設が、かなり整備率がいいのではないかと思います。それで、直接インバウンドの外国人のお客さんが泊まる泊まらないにかかわらず、国内からのお客さんも含めて、宿泊施設というのはWi-Fiの整備というのは非常に重要になってくるのかなと思っております。今年度、これについて、特に規模の小さい宿泊施設について、どういった取り組みをされるのかお伺いします。
〇平井観光課総括課長 Wi-Fi整備につきましては、県で外国人観光客等受入促進環境整備事業という補助事業を制度化しておりまして、この中で、宿泊施設に限らず、観光施設等につきましても、Wi-Fi等の整備をする場合は、その整備経費の2分の1を補助するというスキームで助成しているものでございます。
〇川村伸浩委員 2分の1でということでございます。宿泊施設そして観光施設、いわゆるどこに行ってもWi-Fiが使える環境というものが大切なわけでありまして、観光バス、いわゆる岩手県に入って移動中にWi-Fiが使える環境、バスのWi-Fiの整備状況はどうなっていますでしょうか。
〇平井観光課総括課長 私どものほうで、県内のバス事業者が保有しているバスのWi-Fiの整備率については把握しているデータはございません。
〇川村伸浩委員 データがないということでありますけれども、いずれ、これからは移動中でもWi-Fiが使えるような状況をつくっていくというのがサービスの向上につながるし、誘客の向上につながるものと思っておりますので、ぜひ検討をお願いしたいと思います。あるいは調査をお願いしたいと思います。
次に、団体観光客の誘客についてでありますけれども、聞きますと、東北ではないので余り参考にはならないのですが、佐賀空港を利用した外国人、インバウンドで来られた方には、1泊5、000円の補助を出していると。あるいは、青森県は1泊3、000円の補助を出しているとお伺いをしました。宿泊に対して競争になって補助合戦みたいな形になるのは余り好ましくはないと思いますけれども、ただ、隣の県がやっている、では岩手県はどうなのという話にもなってくるのかなと思いますが、その辺についての考え方をお願いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 海外からのお客様の宿泊への支援でございますけれども、本県におきましては、いわて花巻空港への国際チャーター便の誘致とあわせて宿泊助成、それから本県に泊まる旅行商品を造成する旅行会社とタイアップしたPRの展開という形で支援をしているものでございます。
なお、今後、この結果、チャーター便の誘致につきましても、また、外国人宿泊者につきましても過去最高を記録しているわけでございまして、今後も必要に応じてこの支援についてはいろいろと、また、海外の旅行会社の方の御意見も聞きながら、強化についても検討してまいりたいと考えております。
〇川村伸浩委員 直接宿泊費にかかわらない金額であっても、岩手県はこういう部分で結果としてインバウンドのお客さんにアプローチしているということをきっちり持って進めていただきたいと思っております。
次に、宿泊業者がさまざまなインバウンドに対しての営業をしているようであります。県内でも八幡平市とか盛岡市あるいは花巻市の宿泊施設というのは、非常に宿泊者が伸びております。聞きますと、エージェントではなくて、直接宿泊施設が海外に行って営業活動をしながら誘客をしているとお伺いをしております。聞いたら、花巻市では、1施設に対して50万円の営業活動への支援といいますか補助をやっているようでありますけれども、こういったことに対して県として、地域というよりも全県に向けた対応ができないものかなと思っておりますが、そこについてお伺いをしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 まず、民間事業者の営業活動でございますけれども、これからインバウンドをどんどん拡大していくためには、官民が一体となって海外に出向いてそういうプロモーションを実施するということは非常に効果的であると考えております。このため、これまでも、海外の旅行博、また、これに合わせて商談会というものが設定されます。海外の旅行会社と、こちら側の旅行会社もしくは宿泊施設と商談会の設定を県でさせていただきまして、セールス活動への支援をさせていただいております。
また、昨年9月には、インバウンド促進を図っていこうということで、いわて観光キャンペーン推進協議会という官民一体となった組織の中にインバウンド推進部会を設置いたしまして、ここに県、市町村、それから事業者の方々と一緒になった体制を組むということで今進めております。
また、委員からお話のありました支援策につきましても、いろいろと議論をしていく中で、公共性ということや産業振興上の必要性というものも検討しなければなりませんので、そういうことも踏まえて検討していきたいと考えております。
〇川村伸浩委員 さまざまな場面をつくりながら官民一体になってやっていくという部分は非常に大切でありますし、また、意欲のある、ただ、資金力がないような業者といいますか施設もあるかと思うのです。ですから、そういったことも考えながら対応していかないと、パワーのあるところだけが、一人勝ちではないのですが、誘客できるというのではなくて、力のあるところ、それからちょっと資金力はないけれどもチャレンジしたいのだという方々にも、ぜひ手を差し伸べていただきたいと思います。
最後になりますけれども、個人旅行客の二次交通対策についてお伺いをしたいと思います。
海外から来られる旅行客は、JR東日本では新幹線の乗り放題のチケットがあって、かなり国内といいますか、JR東日本管内でしょうけれども、移動しやすくなっている、あるいはかなり金をかけないで移動できるという話であります。ただ、例えば盛岡に着いた、それから宿泊施設に行こうといったときに、便のいい宿泊施設であればいいのですが、ちょっと不便なところになると、なかなか二次交通が見つからないというか、タクシーで移動すればいいだろうと、あるいは宿泊施設が迎えに来てくれればいいだろうということにはなるのですが、ただ、実際、それに対応できるところとできないところがあるわけであります。二次交通対策として低額のタクシーとか、あるいはレンタカー、あるいは観光タクシーとかを充実していかないと、これからFIT、個人旅行客がふえてくるという傾向にあると思うので、そういったところの対応をいかにしていくか、お伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 二次交通の充実の関係でございますけれども、特に東北全体という中での考えがございまして、東北6県で連携いたしまして、例えばレンタカーを利用していただこうということで、レンタカーの利用ガイドブックの作成でありますとか、実際に海外のSNSで発信していただこうということでブロガーの方を招請してレンタカー旅行していただいて、それを海外に発信していただくという取り組みをしておりますし、また、フリーパスでいいますと、高速バスのフリーパスも東北全体で取り組んでおりまして、そういうものの利用促進にも取り組んでいるところでございます。
また、いわて花巻空港を玄関口といたしました二次交通強化につきましては、いわて花巻空港を所管します県土整備部空港課とも連携しながら検討を進めているところでございます。その中で、今後、我々だけではなく、二次交通に実際関係している方々にも御意見を伺うために検討会を立ち上げまして、その中でいろんな議論を踏まえながら、二次交通の充実というものに取り組んでいきたいと考えております。
〇川村伸浩委員 さまざまな立場の方々の御意見をぜひ聞いて、そして、できるだけ早い対応をしていくことが大切だと思います。東北の中ではガイドブックとかブロガーという話もありましたけれども、例えばいわて花巻空港に来たらこうだよという対応も必要だと思いますし、ぜひ早目の対応をお願いしたいと思います。
〇千葉絢子委員 私からは、雇用、労働環境の整備についてお伺いしたいと思います。
まず、平成29年度の政策評価結果等の政策等への反映状況報告書におきまして、雇用・労働環境の整備の課題の3番目に、新卒者等若者や女性の県内就職、定着を促進する必要があると、このように問題認識をしていることがわかります。来年度はこの分野に関する事業のうち、女性にも関係する事業を四つ御提示いただきましたが、このうち、女性、離職者等の就職支援策である就職支援能力開発費は、昨年度の5億2、000万円から1億円余り増額をされて、来年度は6億3、300万円となっています。この増額の根拠をまずは教えてください。
〇鎌田労働課長 今お尋ねがありました就職支援能力開発費についてでございますけれども、就職支援能力開発費により実施する離職者等再就職訓練事業につきましては、国から県への委託事業という形で実施しておりまして、再就職に当たりまして、職業能力の開発を必要とする求職者に対する多様な職業訓練の受講機会を提供する離職者等再就職訓練、それから座学と企業等での実習を一体的に組み合わせた日本版デュアルシステム訓練、あと社会的スキルが不足している学生などを対象とした就職困難学生等コースなどを計画いたしまして実施しております。
このうち、平成30年度において増額した部分につきましては、離職者等再就職訓練のうちの長期高度人材育成コースがございまして、それが拡充されたという内容となっております。このコースにつきましては、これまで能力開発の機会に恵まれなかった非正規雇用労働者の方々が安定した雇用環境に、正社員という形ですけれども、そういった転換を図るために、企業が求める高度な国家資格を習得することを支援する職業訓練となっておりまして、平成29年度は13コース、定員が110名(後刻「101名」と訂正)としておりましたけれども、平成30年度は19コース、定員が222名ということとしております。
〇千葉絢子委員 この就職支援能力開発費、この対象は離職者及び母子家庭の母の就職を支援するためにも訓練を実施すると御説明をいただいております。このほかにも女性に限った施策としては、女性就業支援事業774万円の事業も来年度実施されますが、これも対象の中には、育児や介護のために退職するなどした女性を対象にということになっています。その就職支援能力開発事業と女性就業援助事業の対象となっている女性について、区別というのはあるのでしょうか。
〇鎌田労働課長 先ほど数字を間違って答弁いたしました。訂正させていただきます。長期高度人材育成コース、平成29年度は13コース、定員が101名になっております。失礼いたしました。
あと、今、お尋ねのございました就職支援能力開発費と女性就業援助事業の違いということについてでございますけれども、就職支援能力開発費につきましては、対象者が主に雇用保険を受給している求職者の方、そして訓練期間は、3カ月から24カ月までということで幅広くなっております。訓練内容は、事務系、情報系あとは建設系とか、幅広いところで多様な講座を開催いたしまして、たくさんの方に職業訓練の機会を提供するということでコース設定しております。
一方、女性就業援助事業につきましては、対象者は女性の求職者ということで、こちらは雇用保険加入の有無に関係なくということになります。そして訓練期間が7日から25日間ということで短目になっております。訓練内容は、女性が就職しやすい医療事務系あるいは介護系を中心とした訓練となっておりまして、対象者が違いますので、それに伴いまして訓練期間それから訓練内容も違ってきております。
〇千葉絢子委員 では、どちらの事業も基本的には資格の取得などを目指した職業訓練と考えてよろしいものなのでしょうか。
〇鎌田労働課長 先ほどお話ししたとおり、長期高度人材育成コースにつきましては、資格取得を目指しておりますけれども、コースの中には一般的なOA事務とかもありますので、必ずしも資格取得を目指していないコースもございます。資格について申し上げますと、それぞれコースごとで設定が違っているということになります。
〇千葉絢子委員 各部局の予算のポイントというのを拝見しますと、雇用・労働環境の整備の項目の中で、女性・離職者等の就職支援と、女性という言葉が出てくるのがこの就職支援能力開発費のみとなっています。それで、具体的にどんな女性に対してのコースがあるのかとお伺いしましたところ、事業の対象自体は1、152人、全部で78コースと伺っておりますが、特に女性に限定したものというと、11コース、55人なのです。見出し的には、これを見ると、女性・離職者等の就職支援で6億3、300万円といっています。知事の言葉を借りるとすれば、見てわかりやすい予算編成となっておりますが、実態は11コース、55人の女性を対象としているということを考えると、これを果たして女性の就職支援の目玉としてこのような書き方をしていいものかという印象を私は受けるのですけれども、この点については皆さんの印象としてはいかがでしょうか。
〇鎌田労働課長 女性に関連する事業は3事業ございますということで、事前に資料は提供させていただいております。
あと、コースには、母子家庭の母等を対象とした職業訓練コース、それから託児サービス付きコース、そして育児等に配慮した再就職支援コースの三つのコースがございますけれども、ただ、実際、就職支援能力開発費全体で見ますと、こちらの事業を活用した訓練コース全体で1、043名受講されておりまして、そのうち実は70%を超える率で女性の方に受講していただいているという実態がございますので、非常に女性が意欲を持って職業訓練を受けて就職活動をしているということは十分こちらでも把握しておりますので、女性が受講しやすい環境、あるいはコースというものは引き続き検討して実現させていきたいと考えております。
〇千葉絢子委員 こういう書き方だと、女性に対して具体的にどのような就職支援、就業支援をしているのかというのが、トータル的な部分だけで書かれてしまうと見えにくい部分があるのです。なので、もうちょっと具体的な書き方とか資料提供のあり方というのをしていただいたほうが、これだけ岩手県は頑張っているのだというのを、私たち議員も有権者の皆さんにお伝えしやすいですし、岩手県では若者だけでなく、女性に対しての支援も積極的にやっているということがわかるかなと思うのです。
予算のポイントのところを拝見すると、三つの柱として、長期・安定的な雇用の創出・拡大、人材の確保・定着及び就業支援、若者・障がい者等に対する支援、この三つになっていて、女性という文言がないのです。ですから、女性の就業支援ということもきちんと政策のポイントとして明記をしていただきたいというのが一つ要望になります。
それから、いわて女性の活躍推進連携会議でしょうか。いただいた資料で連携会になっていたのですが、連携会でよろしいですね……。はい。連携会の中に、女性の就業促進部会というものが設置されるということで、これは来年度になりますか。もう既に設置をされている……。設置してある。はい。この具体的な中身と、考えていらっしゃる施策の方向性について伺います。
あわせて、その中で、女性の起業促進にも取り組むようですけれども、この中では女性がどんな事業を立ち上げて、どれぐらいの業績を上げることを目指しているのかということもお聞きしたいと思います。
〇阿部商工企画室企画課長 女性の就業促進部会につきましては、平成26年度に設置されましたいわての女性活躍促進連携会議におきまして、より広い分野での女性活躍の取り組みを推進するため、平成29年度新たに設けられた五つの部会の一つでございます。
女性の就業促進部会につきましては、企業の現場でマネジメントされている方8名を委員といたしまして、多様な働き方の実現や企業の経営力向上、活力ある地域づくりなどの観点から、女性の就業に関し現状を詳しく把握した上で、女性の就業促進について事業者や行政に対する提言、提案につなげることを狙いといたしまして、意見交換を重ねてまいりました。
これまでの議論を通じまして、育児休暇等の取得促進は経営者の考え方によるところが大変大きいということ、あるいは女性の発想やアイデアを収益性や競争力のある事業へどのように結びつけていくのか、あるいは社会の変化に伴い、新たなライフモデルを考え出していく必要があるのではないかといった経営者、管理職の観点から、幅広に御意見をお伺いすることができたところでございます。
この議論を進めていく過程では、就業環境や人手不足など、女性の就業促進において、企業が抱える課題を経営者が取り組むべきこと、経営者と従業者がともに取り組むべきこと、社会全体で取り組むべきことの三つの視点に整理をいたしましたほか、これらの課題に各委員の皆様方がうまく対応した事例につきまして、情報共有を図ってきたところでございます。
来年度につきましても、部会において引き続き議論を深めていきますとともに、部会委員以外の方からも意見を伺う機会を設けるなど、この議論のネットワークを広げていくほか、ほかに四つ部会がございますので、それらの部会との連携を進めることによりまして、今後の施策展開に資する意見や事例の収集に努め、部会として女性の就業促進に向けた提言などを行ってまいりたいと思っております。
また、起業の促進につきましては、就業形態の一つである起業につきましても、提言や提案につながる意見交換を行ってもらっております。これまでの議論を通じまして、先ほどお話をいたしました女性のアイデアをどう事業化にうまく結びつけていくかといったような御意見ですとか、起業や就業に係る悩みなど、さまざまな相談や意見交換ができる場が必要であるという御意見も頂戴しているところでございます。
また、国のアンケート調査でも、女性が起業時に必要としていた支援策として、経営者など同じ立場の人との交流の場や、経営に関するセミナーや講演会の回答比率が男性に比べて女性のほうが高いという調査結果もございますことから、女性起業家には相談に乗り、助言を与えてくれる同じ立場の人の存在が重要と考えられると分析されているところでございます。
これらを踏まえまして、平成30年度の部会におきましては、女性起業家や起業希望者のネットワークの形成や、女性起業家にとって有用な交流、情報交換の場のあり方に加えまして、県や国などによります創業支援制度の一層の活用促進策についても議論、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇八重樫雇用対策・労働室長 前段の千葉委員から御指摘のありました事業の概要のポイントの件でございます。
県では、いわてで働こう推進協議会においても、若者、女性の雇用促進ということをうたっておりますので、ただいま答弁申し上げた中では、例えば母子家庭の母等を対象とした職業訓練コース、こちらは御案内のとおり、父子家庭の父も対象にしているという面もございますので、いただいた意見を参考にしながら、今後、事業のポイントの書き方について工夫していきたいと思います。
〇千葉絢子委員 今、御答弁をいただきました。女性に対する支援というのはなかなか目に見えにくい部分があると思っております。母子家庭にしても離職にしても、結局、原因は何かというところに私は尽きると思っているのです。女性の就職支援の全体的な印象として、出発点が、女性がつく仕事というのは、はっきり言ってものづくり産業以外のような気がしております。例えば事務職とか販売職とか食品加工とか、いわゆる取りかえのきく労働者として考えられていて、非正規もやむなし、また、職業能力についても、貧困であるから結婚して育児することになれば退職して、さらに一旦やめると再就職も難しいという意識が恐らく県民の中にも根強いのではないかと私は推察しているところなのです。ですから、支援策はあるけれども出口まで考えられていない、どれぐらいの就職率を目指すのか、正規雇用で訓練の結果、どれぐらい採用されたのかというところまでフォローしてあげる体制になっていないのではないかと思っているのです。
女性にとってなぜ離職するのかという問題ですけれども、育児や介護の多くが女性の役割とされているほか、夫の転勤に伴って転居するため正規雇用につきにくいという、非正規で働くしかないというケースも私はあると思っているのです。決して職能がないからではないのではないかと考えています。つまり、働く場、さらには一旦休んでから戻る場の道のりが遠いので、だとすれば起業してしまえというような施策であっては、私は不十分だと思っています。ただでさえ収入の低い女性にみずから起業を進め、借金をさせて、いずれ廃業、自己破産という最悪のケースに追い込むことになっていかないかというのが起業支援の部分での私の懸念であります。
来年度、環境生活部で実施するいわての女性活躍推進に関するアンケートですけれども、これは県内の1、000社を対象に女性労働者に対してアンケートを実施する予定と伺っています。
私の問題意識としては、一般の女性労働者が離職しなくて済むような企業風土、それから社会意識の醸成、さらには、一般の労働者向けの環境整備を商工労働観光部が率先して行い、環境生活部の男女共同参画それから保健福祉部と連携した施策を展開してほしいと願っています。
それで、来年度策定する新しい総合計画では、起業支援から、それぞれの企業、事業所の歯車として女性一人一人がしっかり、がっちりとかみ合って働けるような施策展開を計画に盛り込んでいただくようにということを願っているのですが、ただでさえ弱い女性の労働施策においてどのような方向性で策定に臨んでいくのか、ここは部長にお伺いをしたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 女性活躍の場面というのは、我々としては間口の広い選択肢を用意して、キャリアアップもそうですし、企業側、経営者側にも理解を求めながら、中途であっても何であってもしっかりと登用していただき、しっかりキャリアアップしていただいて、経営人材としてなっていっていただくことを願っていまして、一見、女性に向けてこれをというようなピンポイントを絞ったようにはなっていないのですけれども、実態上は先ほどるる御説明していただいたように、女性も選択でき、女性が前向きに取り組めるいろんな職業訓練の講座もつくっています。これは商工労働観光部という産業振興の部分からのアプローチとしては定番でございまして、皆様が選べる、そして皆様が自助努力で頑張って獲得していくという一つの産業振興のダイナミズムの中に入っているやり方です。
一方で、女性の起業支援というのはいわゆるインキュベンチャーですけれども、そちらは決して逃げ道で使っているわけではなくて、さらに派生的に生まれる、ではやってみようかという意欲を持った女性が取り組みやすい環境を用意している。決してどっちか、オルタナティブではなくて、その発展系の中に、女性が生き生きと取り組んでいく中にある選択肢の一つですので、そういったものもこれから力を入れていかなければならないということで、これまでいわて希望ファンドでいろんな小さなまちの中の起業家とか、そういったものをいろいろ支援してきました。これは女性がまさに活躍しやすい商店街ですとか、地域社会で活躍したいところに公立の補助を充てまして促進しているのですが、決して始めたら知らんぷりするつもりではございませんで、経営支援、経営指導をやっていますし、ビジネスにしっかりなっていただいている女性企業家もたくさんいます。
そういったいろいろな選択肢を用意して支援していくのが我々の立場でございますが、女性に着目した動きとして、女性の就業促進部会のお話をしました。これは、女性が今までの職場社会で御苦労されながら、それなりの経営マネジメント層に今つかれている方々で、振り返りをしながら、女性にとってより主体的に、なおかつ自由に選べる働き方を追求してもらうということで、1回休んでも、休業してもまた活躍できる場面をどうやってつくっていけるかという、まさにその提言、提案を考えてもらう使命も帯びて活躍していただいていまして、来年度に向けてそういった方向性は出せると思います。方向性は出せると思いますが、施策にどうつなげられるか、これはまた議論していかなければいけないと思います。これは同時並行的にやっていかなければならないと思いますが、来年、そこら辺をしっかり頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
〇千葉絢子委員 先ほどちょっと雑談の中でハクセル委員ともいろいろと、女性の就職、就業支援をどういうふうにしていったらいいかという話もした中で、例えば、母子家庭の手取り収入をどれぐらいまで上げてあげるかとか、あとは、母子家庭の所得を上げていくために、具体的な資格取得を目指して、例えば保健福祉の分野では足りないと言われている看護師や保育士を補うような看護助手、それから保育補助のような本当に実態に即した、人手がないよというところに、あえて必要とされる資格を取らせていくような職業訓練のあり方とか、それから、一般の女性労働者向けだと、例えば代読とかドローンのオペレーターとかといったスキルアップのために資格が取れるような職能開発などを進めていって、一石二鳥、この社会的な課題も一緒に解決できるような就業支援のあり方もいいのではないかと話をしたところでありました。
せっかく女性向けには11コース、託児つきコースがありますから、母子家庭で就労を必要としているお母さんのために、本当のスキルアップを目指しての事業を展開していただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、三次元設計開発人材育成事業についてお伺いいたしたいと思います。
この事業は、国際競争力の高いものづくり産業の振興という中で、本当に岩手が日本の先端を担うという事業を今までつくってきたのですけれども、その先行きがどうなるのかが少し不安なところがありましてお伺いしたいのです。この三次元設計については、いわてデジタルエンジニア育成センターにおいて、開発技術者の育成、県内企業の技術力向上支援の取り組みを実施してまいりました。これは4、370万円の事業費が計上されておりまして、前年と同額なわけです。これは3年ぐらい前に予算が縮小されてから、このところはこういう規模の事業費になっておりますが、新年度において、予算は同じだけれども、この事業内容が違ってくるのではないかという話をお聞きしておりますので、変更はあるのかどうか伺いたいと思います。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 三次元設計開発人材育成事業についてでございます。
県では、委員御案内のとおり、自動車などのものづくり産業の競争力強化、付加価値の高いものづくりを促進するためには、設計開発力の強化が重要と考えておりまして、平成21年度から、北上市と連携いたしまして、今御案内のいわてデジタルエンジニア育成センター、いわゆるDEセンターを開設し、三次元設計開発人材の育成を支援してきたところでございます。
三次元設計開発技術は、設計業務の効率化にとどまらず、受注の拡大でありますとか生産プロセスの効率化等にもつながる技術でございまして、ものづくり産業の振興を図る上でますます重要になってくるものと認識しております。
これまで、センターを取り巻くいろいろな環境の変化に対応いたしまして、必要な見直しを行いながら事業展開をしてきたところでございます。平成30年度の事業内容につきましては、受託予定者と協議、調整を進めているところでございまして、事業効果が企業の設計開発力の強化でありますとか、ひいては付加価値の向上につながるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 どうも答弁の内容がよくわからないことがあるんですけれども、それでは、このDEセンターが今まで取り組んできている事業の実績をどう評価しているかをお伺いしたいところです。
このDEセンターの実績は、年間の定期講習、それから企業、学校へのオーダーメード派遣講習で、右肩上がりで約1、000名が受講されている、これは日本ナンバーワンだということとか、企業の相談、課題解決、人材育成で年間400件以上、これも右肩上がり、これも日本一の事業だということなどがあります。最近では、南部鉄器の職人技術と3D技術の融合を図って、新製品の開発、世界初の鉄瓶としての特許も申請しているとか、非常に革新的なものづくり産業の先端を行っているということなわけでございますが、県としてはどのように評価をされているでしょうか。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 DEセンターの取り組みの大きな柱といたしましては、委員御案内のとおり、人材育成と企業支援が二つの柱でございまして、人材育成の取り組みにつきましては、御案内にありましたとおり、受講者数が大幅に増加しておりまして、これまで延べ1、327人の実績がございます。また、県内の工業高校等を対象にした研修講座では、平成23年度の41名から、平成28年度には278名と受講者数が大幅に増加しております。また、高校生を対象にした資格取得講座におきましては、三次元CADの高度資格を取得した工業高校生も最近出てきている状況でございます。
また、もう一つといたしまして企業支援の取り組みでございますが、企業の業務内容に適合した三次元設計の技術指導でございますとか三次元データへの変換の支援などを行いまして、新たな受注につながる例など、多様な企業支援によりまして県内企業の競争力の強化に貢献しているものと認識しております。
本センターは、3D開発人材育成の拠点でございます。また、企業の設計開発部門の誘致でございますとか事業の誘致に有効に作用している、また、地場企業における設計開発や生産技術の高度化でありますとか、そこに働く従業員の皆さんの育成を通じまして、企業の取引拡大でありますとか収益力向上に大きく寄与しておりまして、その実績は高く評価されるものと認識しております。
〇佐藤ケイ子委員 高く評価されるというお話がございまして、それでは、本当にこのセンターの維持、管理、運営が安定して行われるのだろうかということをいつも不安に思っているわけです。このDEセンターでは、現在、障がい者用の義肢義足、補装具といったものとか、セラミック加工、コネクターとか、さまざまな開発を行っておりまして、CAD、3Dものづくりの活用を推進しているわけですが、これが今、東北のキー、鍵になっているということであります。
それから、日本のどこにもない3Dものづくり技術のプロフェッショナルな支援施設だということで県外からも認知されているということです。このDEセンターの取り組みを他県で今まねし始めているというか、別の形で見習っているそうなのです。宮城県でも、みやぎデジタルエンジニアリングセンターをつくったり、島根県とか富山県などでも行っていますし、国でも、今度ひたちなかテクノセンターでもそういったことをやらないかということでスタートし始めるなど、まさに岩手県のDEセンターが、ものづくりの先端を行っているわけです。
ところが、地元では予算規模がどんどん縮小されているということで、なかなか難しい状況になっておりまして、安定的に運営されるために、工業技術センターのように県のサテライト施設のような位置づけができないのだろうか、毎年毎年運営に不安を来すような状況でいいのだろうかということが言われているのですけれども、どうでしょうか。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 DEセンターの今後の運営体制等についてでございます。
私どもといたしますれば、センターの重要性に鑑みて、また、3D設計技術の県内への波及、そして産業の高度化等を含めまして重要な施設というのは、先ほど申し上げたとおりでございます。
一方、厳しい財政状況のもとで推移している環境にございますことから、企業、求職者、学校のニーズ等を踏まえまして、関係機関等の意見を聴取しながら、基本的には事業受託者でございます株式会社北上オフィスプラザが、企業支援を中心として事業運営の自主性を高めていけるような方向になればいいかと考えておりまして、鋭意、協議、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 株式会社北上オフィスプラザですけれども、そこが事業主体になってくれればいいなという県の思いかもしれませんが、そこはそういう事業主体になれるような組織ではないです。北上オフィスプラザのビルの管理とか、企業支援もやっていますけれども、実際的には、やっぱり県の事業を受託して、ものづくり産業全体の支援をしているわけでして、北上市の企業の支援のためにやっているわけでもないのです。自動車産業全体、それから、これからの岩手のものづくり産業全体の研究開発のために、人材育成のためにやっているのでありまして、北上市の事業ではないと私は思っております。どうもその認識が違うのではないかと思っていますし、この予算化の中でも、これから協議をする部分があるということで、現場でも、県の対応、認識に納得いかないという状況になっております。
その中で、次の項目と関連するのですけれども、今度は、ものづくり産業の集積推進について、北上に5人駐在させて、産業集積推進課長、それから就業支援担当課長など5人入っていらっしゃるわけですけれども、その事業費が予算書を見ても見えないわけですね。人件費は大枠でくくられていると思うのですけれども、その方々が入る家賃とか事業費とかが予算書の中では見えてこないのですけれども、どうなっているのでしょうか。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 平成30年度にものづくり自動車産業振興室内に設置する産業集積推進担当、これは北上市のオフィスプラザに駐在予定ということでありますけれども、国内大手メーカーの新工場建設等を契機といたしまして、さらなる産業集積の推進や関連する地域企業の取引拡大、技術の高度化を支援する、それから、地域産業全体として人材確保が大きな課題になってまいりますので、市町村と連携、協働しながら、産業人材の育成、確保、定着に取り組んでいくこととしているものであります。
予算の内容が見えにくいという御指摘がございましたけれども、予算事業といたしましては、いわて地域産業高度化人材育成事業という、今、予算化をお願いしている事業でありますけれども、これによりまして、岩手で働く若手人材の情報発信や人材育成プログラムによる技能者、技術者養成などに取り組むこととしておりますほか、既存の事業でありますけれども、いわてものづくり産業人材育成事業、これは工業高校の生徒たちの工場見学とかインターンシップなどに充てている事業でありますが、このいわてものづくり産業人材育成事業やものづくり人材育成定着促進モデル事業、これは普通高校の生徒にも工場見学等の場を拡大しているものでありますが、こういったものづくり人材育成の関連事業など、1億4、600万円余を当初予算案に盛り込んだところであります。
それから、管理運営に要する経費でありますけれども、家賃も含めまして約1、400万円余を盛り込んでいるところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 それでは確認いたしますけれども、このDEセンターの事業費の中身が700万円減額されて、この新しい産業集積の推進のところに700万円が組みかえられるということはどうなのか。そうなのか、そうでないのか。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 今、受託者と協議しておりますのは、賃料相当の700万円云々を組みかえるというよりは、今後のDEセンターにおける企業支援のあり方と申しますか進め方を来年度どうしようかということを考えながら、その自主的運営に係る経費をどのように考えるかということを含めまして協議をしている最中でございます。
〇佐藤ケイ子委員 協議をしている最中。協議になっていないと私はお聞きしているのですけれども。確かに施設長とか担当の方がいらして、お話は聞いたけれども、まだ納得できていないと。でも、また協議しますからと言って、そのままになっているのだとお聞きしております。ですので、家賃と三次元CADの事業費の組みかえとかといったことはないように、ぜひお願いしたいと思います。
今、北上市では企業人材確保が非常に大変な状況でございまして、今度、新しく北上市に駐在して就業支援とかをやってくださるのは大変ありがたいことだと思っております。コンビニエンスストア業界の工場ができてから、24時間、低賃金、派遣で働く方が非常にふえております。そして、結局離職も多い、ですので求人も多いという状況で、人材確保がどの企業でも問題になっております。
今度、東芝メモリ株式会社がいらっしゃるということですが、本当にその人材確保ができるのだろうか、しかも高度な人材を確保しなければならないという中で、これは北上市内だけではもう人材を確保できるわけもないので、県内、県外から就職してもらうような取り組みをしてもらわなければ、なかなか大きい東芝メモリ株式会社の工場拡張には対応できないという状況になっております。
どうでしょうか、この人材確保、それから、ものづくりの研究のことについて県がどのような対応をしていくのか、決意をお聞かせいただけないでしょうか。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 先ほど御答弁申し上げましたものづくり自動車産業振興室に設置する新組織の北上駐在でありますけれども、これも、委員御指摘のとおり、北上地域を中心として県南地域の人材確保が非常に大変になってきているという状況を踏まえて、オフィスプラザに駐在させ、DEセンター、そして北上産業支援センターとも連携を強化しながら取り組むということで設置したものであります。それとの関連も含めて、今DEセンターと新年度の事業内容については協議をしているところでございますので、十分な納得を得られるような形で協議を進めて、よく連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 ぜひお願いします。DEセンターの方々は今、ヘッドハンティングに遭われているというか、ここの待遇が悪いのであれば、全国で活躍できるところがあるからということで引っ張られそうになっているということ、それから、不安定雇用の中で、来年はどうしようか、来年はどうしようかと、毎年そういう状況が続いているということもありますので、ぜひ、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
次に、商工業小規模事業経営支援事業費補助金のことについてでございます。
これは、商工会が合併して商工会議所となって10年を経過するところがどんどんふえてきたわけですけれども、10年間は今までの補助金を確保しますということだったのですが、10年過ぎても毎年特例措置でずっと措置していただいております。またこれも、商工会議所では、来年はどうなるのだろうかと大変不安に感じているのですけれども、新年度の方針について伺います。
〇高橋経営支援課総括課長 商工業小規模事業経営支援事業費補助金についてでありますけれども、この補助金は、商工会議所、商工会等の商工指導団体が、小規模事業者に対して行う経営改善指導事業等に要する経費、具体的には、主に経営指導員等の人件費に対する助成でありまして、もともとは国の補助事業として行われてきたもので、補助金の額等については、国庫補助事業当時から、団体の管内に所在する小規模事業者数をもとに算定することとなっているものです。
また、いわゆる平成の大合併に呼応して、一市町村一商工指導団体の体制が望ましいといった考え方のもと、補助事業のスリム化、効率化が進められまして、平成18年度には、国の補助であったものが県単独の補助金となったものです。
こうした経緯もある中、県としては、急激なサービス低下を招くことがないように、合併団体に対して劇変緩和のための措置を行っているほか、大規模合併を行った団体や東日本大震災津波への対応が必要な団体、そういった実情に即した制度改正、さらには、商工指導団体からの要望も踏まえた人件費補助の柔軟な運用など、十分な指導、支援ができるよう対応を行ってきております。平成30年度当初予算額については、平成29年度より0.2%増の13億4、041万円余を盛り込んでおります。
このほか、台風などの災害からの復旧、復興に向けた経営指導や円滑な事業承継支援等、さまざまな指導、支援事業も時代の要請にあわせて行っておりまして、こうした事業に要する経費として、小規模補助金に加えて、全体として5、600万円余の助成についても予算案に盛り込んでいるところです。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。ぜひ、中長期的に経営指導員とかの人数、事業所に対する指導員の人員配置の積算根拠があるわけですけれども、その計算方法についても中長期的に検討いただいて、商工団体としっかりと連携していただきたいと思います。
〇阿部盛重委員 私からは、障害者雇用率制度についてお伺いいたします。
国は障害者雇用率制度を設けて障がい者の雇用を義務づけしておりますけれども、求人していても採用しない企業が多く見られる状況でございますが、この点どのように受けとめておるかお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 採用しない企業についてどう受けとめているかについてでございますけれども、まずもって、障害者雇用率制度につきましては、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づきまして、障がい者が地域の一員としてともに暮らし、ともに働くことを当たり前にするために、全ての事業主の方々には、法定雇用率以上の割合で障がい者を雇用する義務があることから、求人しても採用しない企業につきましては、企業の諸事情もあろうかと思いますけれども、引き続き、岩手労働局等関係機関と連携しながら、障がい者雇用の促進に努めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 企業が障がい者を雇用しないというのはいろいろな諸問題があるかと思うのですが、例えば、障がいの状況に応じた職務の設定が非常に難しい、作業内容も難しい、手順の改善が難しいとか、それから、採用選考に関するノウハウが企業としてちょっと乏しい状況でもあると。それから、指導者の配置及び人的支援体制の整備が企業としては非常に難しいところがある。それから、障がい者の状況に応じた労働条件の設定が困難などという理由は挙げられるかと思うのですが、この点はどう問題点を捉えておりますでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 雇用しない理由、問題点についてでありますけれども、岩手労働局で個別の企業で障がい者雇用が進まない要因として考えられるのが大きく三つあると聞いております。
具体的には、まず一つ目が、障がい者雇用に対する理解が不足しているケースでございます。こちらにつきましては、障がい者に対する誤解や偏見を持っているケースや、障がい者雇用に対する不安を持っているケースがあるということでございます。
二つ目が、具体的な雇用のノウハウが不足しているケースということでございます。こちらにつきましては、障がい者雇用は進めたいと考えているけれども、雇用経験がないなどの理由で具体的な方法がわからないといったケースでございます。
三つ目が人材のミスマッチでございます。障がい者を募集しても応募者が集まらないケースや、採用しても職場定着が実現しないケースなどがあると聞いております。
以上のほかにも、企業特有の事情があるということを伺っているところでございます。
〇阿部盛重委員 いずれ、今の問題点、大きく三つに分かれるということですが、そこの改善がされない限りは何も変わらないと思います。ただ、2018年から精神障がい者の雇用が義務化という状況になっておりますし、障がい者雇用率を上げるために、促進に向けたいろいろな指導、支援、また企業への啓発活動が必要となっておりますけれども、県としてはどのような対応策をお考えでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 県におきましては、これまでも企業における障がい者の雇用の一層の促進を図るために、障がい者雇用優良事業所等の知事表彰や優良事例の紹介であったり、広域振興局に配置している就業支援員の事業所訪問などに取り組んでいるところでございますが、これに加えまして、今年度、新たにチャレンジド就業支援事業を始めたところでございまして、県内事業所における障がい者雇用率の向上を図るための企業向けのセミナー、就労支援機関向けのスキルアップ研修を行ったところでございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。具体的な内容が表示されてきておりますので、これから法定雇用率も変わってくるかと思いますけれども、先ほど岩手労働局等と連携ということですが、ハローワークを含めて、それから、ジョブカフェいわてあたりとの連携、協働はどのようになっているか、そこだけお伺いして、終わります。
〇高橋雇用対策課長 国におきましては、岩手労働局あるいはハローワークによる障がい者の法定雇用率を達成していない企業に対する訪問等による指導、あるいは障害者就業・生活支援センター等と連携した個別支援を実施していると聞いております。
県におきましては、岩手労働局等と連携いたしまして商工団体等に対する要請活動を実施しておりますし、あとは、その際に、国の各種助成金制度がございますので、こちらの制度の周知も含めて実施しているところでございます。
いずれにいたしましても、今後も岩手労働局等と連携しながら、これらの取り組みを実施いたしまして、障がい者雇用の一層の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 いわて観光キャンペーン推進協議会負担金についてお伺いします。
県内全域へ誘客拡大を図るため、地域資源を活用した観光地づくりの推進や観光キャンペーンによる情報発信を官民協働により展開するとしておりますけれども、平成30年度の取り組みについて伺います。
〇平井観光課総括課長 いわて観光キャンペーン推進協議会負担金についてでございますが、まず、この協議会につきましては、県や県内全市町村、観光、商工関係団体、交通事業者、報道機関、金融機関などで構成している団体でございます。
平成30年度のこの負担金によります事業は、大きく二つの柱で構成しております。一つ目は、宣伝誘客事業でございます。具体的には、広域周遊を促すためのモデルコース、それから、二次交通などを紹介した観光ガイドブックの制作でございます。二つ目が、首都圏などの旅行会社に対する観光ルートなどの説明会の開催、それから、県内外での誘客イベントでの情報発信などとなっております。
また、二つ目は、受入態勢整備事業でございます。具体的には、県内各地の観光地づくりを支援するために、それをコーディネートする観光コーディネーターを商工会議所連合会と協働で設置おります。それから、沿岸地域を初め、世界遺産、それから、いろいろな内陸の観光資源を周遊するバスツアーを運行する場合に対する運行支援にも取り組んでいるものでございます。
〇柳村一委員 協議会の取り組みについて、ガイドブックや説明会、観光コーディネーターとかバスの関係ということですけれども、観光にとって大切なのは、いろいろなものとの連携だと思うのです。そういう立観点からお伺いしたいのですけれども、沿岸地域は三陸DMOの関係で一生懸命力を注いでいらっしゃいますけれども、各広域振興局の予算を見ますと、沿岸広域振興局以外は事業名が違いますが、それぞれ観光振興の予算を掲げています。
それだけ沿岸とほかの広域振興局との力の入れぐあいが違うのかとも見受けられるのですけれども、広域振興局と県の観光に関する連携の考えについて伺いたいと思います。
〇平井観光課総括課長 広域振興局と本庁といいますか県庁との観光振興に対する取り組み、役割分担、その相乗効果についてでございますが、まず、三陸地域につきましては、やはり東日本大震災津波で大きな被害を受けておりまして、観光施設そのものが消失した地域もございます。そういう意味から、特別に、県で、まず観光地づくりから支援していこうということで、三陸DMOセンターを立ち上げまして観光地づくりの支援から始めているものでございます。
また、沿岸以外の地域におきましては、広域振興局が中心になりまして、まずは地域内にある観光資源をつなぎ合わせて、その域内で宿泊しながら周遊する、必ず1泊はするようなルートをつくることを中心に取り組みを進めております。
県といたしましては、特に海外に対しては、やはり岩手県というブランドで売り込んでいかなければならないということもございますので、そういう広域振興局のものをつないで、インバウンドにつきましては、目標としては、やはり県内に2泊はしていただくというような形でのルートづくり、それから、そういう支援をさせていただいております。
〇柳村一委員 広域振興局とか地域とのかかわりはわかったのですけれども、他部局との連携もまた必要になってくると思います。環境生活部のいわての環境の魅力発信・利活用促進事業では、自然公園を核とする観光エリアのブランド化を図るということを平成30年度から始めて、今回は八幡平エリアで事業展開するとこの前お聞きしましたけれども、このような他部局との連携、あと市町村との連携の取り組みについての考えをお伺いします。
〇平井観光課総括課長 まず、部局連携でございますけれども、例えば、文化スポーツ部との連携はもちろん、今、委員からお話のありました十和田八幡平国立公園につきましては、環境省の国立公園満喫プロジェクトに採択されておりまして、こちらの主な目的が、そういう国立公園を外国人観光客に楽しんでいただく一つの誘客資源としようということでございます。この環境生活部の取り組みとあわせまして、岩手県、青森県、秋田県の3県の連携で、国立公園にお客様を呼ぶソフト的な事業を私どもで組ませていただいております。
また、市町村との連携でございますが、市町村には、観光地地域づくりをしていただこうということで、今、市町村で地域DMOを設立しようという動きがございます。こちらは地域の観光関係者のみならず、いろいろな事業者の方々と連帯して、いわゆるお金をきちんと落としてもらうような観光地をつくっていこうというもので、今、政府で推奨しているものでございます。各市町村で少しずつこういう動きが出ております。
私どもは、先ほど申し上げましたいわて観光キャンペーン推進協議会の中にDMO推進部会をつくりまして、県と市町村が一緒になって、三陸DMOセンターを初め、各市町村の地域DMOも設立していただこうということで、そういう協力体制をつくっているものでございます。
〇柳村一委員 私に言われるまでもなく進めているということで、ありがとうございます。
八幡平エリアは外国人観光客の誘客を進めるということですけれども、昨年度でしたか、八甲田で外国人観光客が落書きをしたということもありますので、そこら辺も対策をしながら進めていかないと、どうしても、日本人はわかっていても外国人にはわからない部分があると思いますので、そこら辺もお願いします。
インバウンドについて取り組みを一生懸命始めているようですけれども、日本を訪れる外国人が多く訪ねるところは、やはり今まで日本人が多く訪ねていた観光地なのですね。日本人が観光地と認識されているところは、外国人にとっても、ここは観光地だと認識されるので、今後、県内の観光地のブランド化やイメージアップなどの取り組みがすごく必要になってくると思うのですけれども、外国人だけではなくて、国内に向けた魅力の発信やPRの考えについてお伺いします。
〇平井観光課総括課長 国内に対するPRの考え方でございますが、やはり数字的なものを見ましても、岩手県にお泊まりいただいている方、いらっしゃっていただいている方は、圧倒的に国内からのお客様が多いわけでございます。ただ、その中でも、今、国内観光の流れといいますか潮流は、お客様のニーズが非常に多様化しているというものがございます。お金を使う層も多様化していますし、その興味となるコンテンツ、対象となる、訪れる観光地の好みも多様化しています。
そういうことを踏まえまして、私どもでは、非常に消費単価の高いお客様から、そうでないお客様など層によって、どういう受け入れ態勢が必要なのか、どういう宣伝、プロモーションが必要なのかというものを、一つだけではなく、多様性を確保しながら国内誘客を拡大していこうという考えでございます。
〇柳村一委員 PRのツールの一つとしてホームページもあるのですけれども、平成29年度政策評価結果等の政策等への反映状況報告書の中で、ホームページの情報発信の必要性を認めているようでございます。今、課長がおっしゃったようないろいろな魅力づくりとか、観光地をしっかり確立化していく上では、ホームページを見てくるお客様にアピールしなければいけないのですが、その中でいろいろな団体、市町村もやっていますし、県も観光協会も個人もホームページをやっています。
そういう部分で、岩手県にちょっと行ってみたいなといったときに、まず、ホームページの入り口がしっかりしていて、こんなにいろいろなところがあるんだなと見てもらえるようなホームページがあると、観光客も訪れやすいのではないかと思いますので、最後、観光についてのホームページの今後のあり方についての考えをお伺いします。
〇平井観光課総括課長 ホームページの今後の活用といいますか展開でございますけれども、私どもがいろいろなところでデータを分析しておりますと、今、ホームページにつきましては、パソコンで見るよりも、モバイル端末を使ってごらんになる方が非常に多く、そこを意識した情報発信が必要になってきます。どちらかといいましたら、文字よりも写真とか、一見してわかるようなイメージに注目したような形で、岩手県にはたくさんいろいろな資源がございますので、そういうものが見やすく、そしてモバイル端末で検索しやすいといいますか、選びやすいような形に今後改良していきたいと考えております。
〇柳村一委員 一生懸命発信して、お客さんがいっぱい来るように頑張ってください。
次に、産業振興についてお伺いします。
ものづくり革新推進事業費など、いわて県民計画最終年度の取り組みの推進における、次代につながる新たな産業育成の平成30年度の取り組みについてお伺いします。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 県では、自動車、半導体関連産業に続く新たなものづくり産業でありますとか地域資源を活用した新しい産業の創出に向けて、産学官金の関係機関を連携いたしまして、多様な技術シーズの創出による新たな産業の芽の育成に取り組んできているところでございます。
委員御指摘のありました平成30年度におきましては、ものづくり革新推進事業といたしまして、生産性の向上でありますとか製品の高付加価値化の促進ということで、具体的には、工業技術センターと連携いたしまして、企業の皆様の三次元造形技術でありますとか、情報通信技術を活用した新たな高付加価値製品の開発、製造のための支援等を考えているものでございます。
また、情報関連も含めまして、平成30年度の新たな取り組みといたしましては県立大学への委託を考えておりますが、IoTでありますとかAIなどの第4次産業革命技術の活用を県内のやる気のある企業に促進するために、IT活用型新分野開拓推進事業を設定いたしまして、例えばIT産業とものづくり産業が連携して生産性向上の取り組みを進めるでありますとか、IT産業とものづくり分野、また農業の分野も入れて、例えば、スマート農業にも関係いたしますが、薬剤の散布をどのようにしてAIに設定するかというような取り組みなども想定した、専門家の派遣であるとかコーディネートをする事業を新たに設定しているところでございます。
今後におきましても、引き続き、産業支援機関等と連携いたしまして、県内ものづくり産業の強みを生かしながら、委員御指摘の次代につなげる産業の新たな育成に努めてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 中核的な産業の自動車とか半導体というものは結構元気にやっていますけれども、景気の変動とか企業の方針が変わると、雇用の面でちょっと不安な部分が出てきますので、雇用の受け皿として地域の多様な産業の集積がやっぱり必要になってくると思います。
科学技術イノベーション指針で、将来有望な研究シーズの創出と育成が求められていると課題を上げておりますけれども、政策地域部との連携が今後出てくると思うのです。商工労働観光部は、稼ぐ部分の分野では強いと思いますし、政策地域部が担当しているところは考える力ですね。それをうまく融合して、連携することによって、岩手のいろいろな場所で産業を集積して、地元を元気にするためにもっともっと頑張っていかなければいけないと思いますけれども、その考え方についてお伺いします。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 科学イノベーション関係について、政策地域部と商工労働観光部との連携ということでございます。
まず、一番考えやすいのは、私どもはILCと考えております。ILCの関連につきましては、頭脳部分-と委員御指摘されましたけれども-については政策地域部で、私どもは、それに関連する加速器関連産業も含めた産業の振興ということでございます。
私どもの具体的な取り組みといたしましては、日本加速器学会での企業展示の出展支援ということで、県内企業5社が出展している事業もございますし、また、ことし2月末にKEK-高エネルギー加速器研究機構と言われるILCの国の推進機構で、茨城県の業者と県内企業との合同展示会をやりまして、産業の振興に係る取り組みを実務的と申しますか、産業振興の観点で進めておる最中でございます。
今後とも、その連携を図りながら、産業振興の分野では具体的な取り組みとして推進してまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 先ほど来、県北とか沿岸とか、いろいろなところの産業について委員の皆様からお話がありました。その地域地域の特徴を生かして岩手の産業をよくしていただきたいのですが、最後に部長にお伺いしたいのですが、基本的な考え方の中の最初の部分で、産業創造県いわてに向けて、各分野のものづくり産業の推進や産学官金の連携で人材を育成するとおっしゃっていましたが、今後の方向性について伺って、終わります。
〇菊池商工労働観光部長 産業創造県いわて実現のために必要不可欠なのは人材です。人材は、高度技術者やいわゆるワークレベル、作業レベルの現場の人材もそうですが、次代の地域産業を担う経営人材も必要になります。あるは、その未来のイノベーションを開いていく高度技術人材も必要ということで、さまざまな階層の人材が一気に必要になってくるのがこれからです。
第4次産業革命は、技術の展開もそうですし、車の関係も御指摘がありましたけれども、車の次の展開、次代の展開は御案内のとおりですが、それに対応した、いわゆるエレクトロニクスの対応も大きく出てきますし、あるいはエコシステムへの対応、分野も広がりますし求められる人材もさまざまな分野の、さまざまなレベルの人材がたくさん必要になってくるということなので、平成30年度予算においては、人材の育成、確保、定着が大きなキーワードとして、国の予算を獲得しながらいろいろ展開しようとしているところでございます。
こういった取り組みを市町村、関係団体とも一緒になって、それぞれが現場、持ち場の人材発掘もありますし、マッチングもあります。ミスマッチのないように、就労をしっかりと結びつけていく役割を市町村や団体にもお願いしながら取り組んでいきたいと思います。
〇菅野ひろのり委員 私からは、いわての漆産業新時代開拓事業について、これは先ほど2名の方からありましたので割愛させていただき、1点質問させていただきます。
伝統工芸支援事業費について伺わせていただきます。
この事業は、展示販売会やバイヤーの招聘を継続的に行っているものでございますが、政策評価結果では、物産展の開催が目標に行かなかったということで達成度はCですが、ほかが達成度がAということなので、当局の皆さんとしては比較的順調と評価しているのだろうと思っていますが、平成29年のこの成果をどのように捉え平成30年の事業に生かしていくのか、行っていくのか伺います。
〇高橋地域産業課長 伝統工芸産業支援事業費についてでありますが、伝統工芸品の売り上げ低迷を受けまして、販売機会の創出や情報発信、首都圏のバイヤー招聘による商品開発支援に取り組んでいるところでございます。平成29年度におきましては、昨年8月に全国各地の伝統的工芸品の実演、展示販売を行う伝統工芸青山スクエアにおきまして、岩谷堂箪笥と岩谷堂くらしな展を開催し、伝統工芸士による実演を行いまして、外国人を含む来場者への情報発信を行ったところでございます。
また、販路開拓に向けまして、消費者ニーズを反映した商品改良や新商品開発につなげるため、昨年5月に首都圏大手百貨店のバイヤー招聘を行いまして、展示販売会に向けたアドバイスを受けたところでございます。11月に開催された展示販売会におきましては、浄法寺漆を中心に県内から多くの工芸品が出展いたしまして、2週間で600万円を超える販売につながったところでございます。
平成30年度におきましては、これまでの取り組みにより築いてきた首都圏での販売機会をさらに活用していくとともに、全国の特色ある工芸品を扱うセレクトショップへの商品提案など、さらなる販路開拓を図っていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 基本的には、今年度も首都圏であったりセレクトショップ、国内での販路をしっかりと生かしていくということだと思うのですが、今、伝統工芸品の売り上げを見ますと、南部鉄器は海外で比較的好調になってきて、漆もそのとおり注目を浴びてきたなという中で、やっぱり岩谷堂箪笥は非常に厳しいなということを今実感として思っています。
前回の決算特別委員会でも取り上げさせていただきましたが、この販売が、県出資法人、45.8%を出資しています岩手県産株式会社が専売している状況でございますが、その製造元の藤里木工が倒産したという経緯もあったり、販売数量にあわせた生産体制にしてほしいということを、岩手県産の社長から直々に話があったりとか、岩谷堂箪笥における状況はなかなか厳しいのだなということを実感しています。
そこで、いろいろ調べさせていただいたときに、平成28年の県出資等法人運営評価結果の事業目標に、1、地場産業からの仕入れ増加に努めるというような項目が記載されています。これは目標も設定されているわ
けですが、しかし、先ほど御紹介した販売数量にあわせた生産体制にしてほしいという社長の意見とこの目標とは矛盾するのではないかと私は思っています。ただ、私も直接聞いたわけではありません。そういうことがあるのだなということで御質問しているわけです。
株主の構成を見ましても、55%が県も含めた自治体関係者ということであれば、これは幅広くそれだけの売り上げ、仕入れ額としても41億円の目標を立てているわけですから、ある程度融通をきかせた中で伝統工芸品の販売がもっと柔軟にできるのではないかと私は思っています。
そこで伺いたいのですが、終わったことはしようがないので、では、平成30年度はどうやっていくかということだと思います。具体的な目標設定、そして、販売戦略をどのようにしていくのか伺います。
〇高橋地域産業課長 岩谷堂箪笥の販売と販売戦略についてでございますけれども、まず、岩谷堂箪笥の岩手県産株式会社における販売目標についてでございますが、現在、同社において平成30年度の経営計画を策定中でございまして、その中で設定されるものと伺っております。御指摘のとおり、卸売ですとか小売という形での経営目標を定めるわけですけれども、個別具体的なところにつきましては、現在策定中と伺っております。
それから、販売につきましてですが、販売拡大につきましては、御指摘のとおり、岩谷堂箪笥総販売元としての家具問屋への卸売ですとか、卸先の新規開拓を進めていくことはもとより、直営店やアンテナショップでの販売、それから、物産展、岩谷堂箪笥感謝祭など販売イベントの開催、ホームページの特設サイトでの情報発信やインターネット販売など、多チャンネルでの展開を図っているところでございます。
県といたしましても、岩手県産株式会社と連携して、国内外での物産展等を開催いたしまして、岩谷堂箪笥を初め、伝統工芸品全般の販売拡大に向けた取り組みを進めているところでございます。
特に、有力な市場である首都圏で開催される、先ほど申し上げた伝統的工芸品の展示会への出展ですとか、それから、百貨店と連携した展示販売会の開催、異業種グループとの連携を促進しながら、新商品開発を支援しながら、こういった販売展開を進めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 1点確認ですが、先ほど平成30年は個別具体的に策定するというのは、例えば岩谷堂箪笥だったら岩谷堂箪笥、浄法寺塗だったら浄法寺塗というカテゴリーごとに作成されるという認識でよろしいでしょうか。
〇高橋地域産業課長 個別というお話を申し上げましたけれども、小売の部分とか卸売という形なので、そういった細かい部分までは設定しない状況でございます。
〇菅野ひろのり委員 どういうくくりになるかですけれども、岩谷堂箪笥ですとか、伝統工芸の分野ごとにつくるわけではないということですね。
私がお願いしたいというか御指摘している部分がまさにその点でして、伝統工芸、地場産業でやっていきましょうとなったときに、カテゴリーを見ながら販売計画を立てないと、これはなかなか売り上げは難しいのではないかと思っています。といいますのも、先ほどから御答弁いただいていますように、岩手県産が主体的にやっているのは展示即売会のような場所の提供であって、いかに、どうやって売っていくかというプッシュ型のものではないと。確かに事業内容を見ても、インターネット販売であるとか百貨店、カタログ云々と書かれているのですけれども、今どんな商品でも、物はあふれていますから、場所を展開して、来てみてください、売りますよという時代ではないのではないかと思ったときに、これは当局の皆さんというよりも、岩手県産の事業内容自体にしっかりとメスを入れていく必要が、もしかしてあるのではないかと思っています。これは、私自身が経営状況を直接見ているわけではありませんからわかりませんけれども、ただ、御報告の内容を総括すると、私はそのように感じてしまいます。
時間も区切りのいいところでと思っていますから、もう一点だけにしたいのですけれども、そういうことで、売り上げのところはさらに深掘りして、役員の方も当然多数いますから、お願いしたいと思っております。
もう一点の課題が、売れない責任は、別に岩手県産だけにあると私は思っていません。やっぱりこれは、どうやって売っていくかというのは、岩谷堂箪笥生産協同組合であったり自治体と情報が連携されていないことが、一番の課題ではないかと思っています。
所管部局の評価、方策にも、情報交換を密にする、また、企業の見える化を推進するため、情報公開の一層の推進に向けて指導すると述べられています。また、現場からは、売れる理由を述べるのではなくて、市、組合とともに努力する取り組みを行ってほしいという声も届いている状況です。
今後どのように情報共有や連携を強化させて、一緒になって拡販していくのか伺いたいと思います。
〇高橋地域産業課長 販売に係る岩手県産株式会社、奥州市、組合を含めた連携強化についてでありますけれども、岩谷堂箪笥の販売拡大に向けては、これまでも、先ほど申し上げたとおり、岩手県産株式会社が総販売元ということで中心になって進めてきたところでありますが、岩谷堂箪笥生産協同組合におきましても、新たなライフスタイルに対応した商品開発ですとか、新規需要の見込まれる地域での新たな販売会を開催するという取り組みを進めておりまして、それぞれの役割に応じた取り組みを進めてきたところでございます。
県といたしましても、関係者の情報共有や連携は重要であると考えておりまして、今年度は、岩谷堂箪笥の置かれている厳しい販売状況もございましたので、県、奥州市、組合、それから岩手県産が一堂に会しての意見交換の機会を持ったところであります。今後も、このような場を持つなど関係者間での情報共有を十分図りながら、販売拡大に向けた支援に努めてまいりたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時4分 休 憩
午後3時23分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇高田一郎委員 それでは私から、いわてで働こう推進事業費にかかわって幾つか質問いたします。
働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査結果については、先ほど来からも議論がありましたので、この内容については改めて答弁いただかなくても結構です。
〇高橋元委員長 もう少し大きい声でお願いします。
〇高田一郎委員(続) はい。それで、取り組んだ企業の中には、生産性の向上につながって残業時間が削減されたとか、あるいは介護支援制度では退職者の減少に効果があったなど、さまざまな効果があるという調査結果であります。しかし一方では、半数以上の企業については、支援制度を知らないとか、あるいは6割の事業者がワーク・ライフ・バランスについて喫緊の課題ではないという結果になっています。経営者の意識改革とか、あるいは小規模事業者については、取り組みたくてもなかなか取り組めない難しさもあると思うのです。こういう結果を踏まえて、県として、どう取り組む事業者を拡大していくのかということが今後の大きな課題だと思うのですけれども、新年度の具体的な取り組み方針について示していただきたいと思います。
〇鎌田労働課長 今回の調査結果について、どのように来年度取り組んでいくかというお尋ねかと思います。
県内企業の労働環境の実態につきましては、先ほどお話がありました働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査のほかにも、全国的な統計調査も含めて全体像を考えながら取り組んでいく必要があると考えております。そして、それを見ますと、県民1人当たりの年間総実労働時間が長いとか、週休2日制の導入状況とか、さまざま課題が把握されているところでございます。
県では、平成30年度におきましては、いわてで働こう推進協議会を核といたしまして、女性の仕事と生活の両立、あるいは長時間労働の是正、あるいはワーク・ライフ・バランスの実現につながる働き方改革推進運動などを通じまして、全県的な働き方改革の普及に努めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 小規模事業者でも、ワーク・ライフ・バランスにかかわる課題については成果を上げている小さな事業者もあると思うのです。そういう経験、教訓を広げるという努力が必要だと思います。
それで、この問題を解決する上では、長時間労働の是正とか、あるいは非正規から正規への転換、こういった労働環境の改善というのが根本的な課題だと思うのです。それで、県として労働時間短縮とか正規雇用への転換に今後どのように取り組んでいこうとしているのか。特に労働時間の問題では、全国的にも労働時間が102時間長い、週休2日制も少ないということが指摘されています。この間の時間外労働改善助成金の活用など、さまざまな取り組みが行われていますけれども、実際、労働時間削減に取り組む企業がふえているのかどうか。
それから、正規雇用の転換についても、国のキャリアアップ事業などにも取り組んでいますけれども、これは成果に結びついているのか、この労働時間と正規雇用への転換の問題について具体的に示していただきたいと思います。
〇鎌田労働課長 労働時間の削減に取り組む企業の状況についてでありますけれども、働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査結果によりますと、残業時間の縮減に取り組む企業は半数以上となっております。そして、そのほか時間に関しましては、時間管理意識の向上であったり、有給休暇の促進などに取り組む企業も次いで多い状況になっております。
次に、国が実施する労働時間削減に関する助成金の状況についてですけれども、制度といたしましては、職場意識改善助成金制度がありまして、岩手労働局からの資料によりますと、平成28年度のうち、職場環境改善コース、これは労働時間短縮の関係ですけれども、これは2件の助成の状況と聞いております。
今後とも、岩手労働局と連携いたしまして、国の助成金制度と普及啓発をあわせまして、あと、労働時間短縮の関係につきましては経済団体にも要請活動しておりますので、あわせて行っていきたいと考えております。
〇高橋雇用対策課長 キャリアアップ事業の成果についてでありますけれども、岩手労働局によりますと、正規雇用への転換を進めるためのキャリアアップ助成金の活用状況は、12月末での支給件数は246件となっておりまして、昨年度同時期に比べて88件増加している状況にございます。
また、支給額につきましても2億5、684万4、000円となっており、昨年度より9、654万1、000円増加し、助成金の活用は年々増加しているという状況でございます。
また、県の正規雇用への転換に向けた取り組みにつきましては、岩手労働局と連携いたしまして、処遇改善セミナーを初めとする各種セミナーや講演会等による普及啓発、あるいは非正規雇用の処遇改善に関する法令や国の助成制度の周知を図るとともに、岩手労働局や市町村と連携いたしまして、関係団体への要請活動を行ってきたところでございまして、今後も、正規雇用の拡大につなげていくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 労働時間短縮とか正規雇用の転換についても、この間の働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査結果の中でも、比較的取り組んでいるのは大きな企業が中心だと思うのです。だから、小さな企業にも広めていく努力は、今後とも引き続き対応していただきたいと思います。
それで県内就職の問題の中の、県内就職率を引き上げるという課題についてですけれども、私は先月、陸前高田市の水産加工会社を訪問して、役員の皆さんと懇談しました。専務も驚いていたのは、進学校の大船渡高校の生徒が訪問してきたという話でありました。東京の大学に行くのだけれども、将来は地元に戻ってきて、それで地元に貢献したいのだという話をされまして、東日本大震災津波を経験して地元に貢献したいという学生がふえている。県内の就職率を高めるという意味では、努力し頑張れば、今の64%ですか、65%ですか、これを5%、10%引き上げることができるのだという思いをいたしました。
それで、目標率を高めるという問題では議会でも何度も繰り返し質問がありましたけれども、なかなか10%引き上げるという明快な答弁がありませんでした。私は10%引き上げる決意を持ってやらないと、なかなか前に進まないのではないかと思いますし、これはやらなければならない課題ではないのかと思うのです。これについては、菊池商工労働観光部長から答弁をいただきたいと思います。
それでもう一つは、先ほどの佐々木朋和委員の質問の中で、ワーキンググループからの提言を受けて三つの課題について取り組んでいきたいと。一つは、県内の企業を知ってもらう、二つ目は、進学者への地元企業の周知、それから三つ目は、高卒者が働きたいと思えるような労働環境の整備という、三つの提言を受けたというお話がありました。この三つは、恐らくこれまでもそれなりにやってきた中身だと思うのです。さらに突っ込んでこういう提言を受けたわけですけれども、改めて、新年度、この提言を受けて具体的に何を、どうしようとしているのか、この点について具体的に方針を示していただきたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 新年度の県内就職の目標を上げていくというお話でございますが、当然ながら、私どもも少しでも多くの県内就職が実現するように頑張っているところでございます。目標値との関係についてでございますが、現在、次期総合計画を検討しているところでございまして、平成30年度においては、さらに一歩踏み込んだ、中長期的な視点も含めた県内就職への促進の取り組みを図りながら、次期総合計画の検討の中で、数値的なものについては検討を進めていきたいと考えております。
〇高橋雇用対策課長 高卒者の県内就職率の向上を図るために、いわてで働こう推進協議会において、高卒者の県内就職ワーキンググループを設置いたしましたけれども、提言が三つあったところでございます。学校の場を活用して県内の企業を知ってもらう取り組みを強化することと、進学者等への地元就職に向けた支援の充実に向けた取り組みを強化すること、そして最後に、いわてで働こう推進協議会の各構成団体が一体となって、県内の高校生が働きたいと思える雇用労働環境の整備を推進するということでございます。県といたしましては、この提言を受けまして、各構成団体と連携しながら、学校との連携による県内企業の認知度向上に一層取り組むこととしておりまして、来年度より新たに市町村や高校等との連携による生徒への県内産業、企業等の情報発信の強化、進学校の高校生と県内企業の若手社員との交流会の開催、保護者を対象とした県立高校における地元企業を知るガイダンスの実施などに取り組んでいくこととしております。
その中で、特に学校との連携による県内産業、企業の情報発信の事業でございますけれども、これまで企業見学会等、どちらかといいますと企業の側にいて行っていたというものを、今後は、もっと学校と一緒に行うこととしております。学校との連携により、生徒等への県内産業、企業の理解を促進する授業や、空き教室等の学校内のスペースにおきまして、地域の産業であったり、企業等の製品やパネルの展示等を行って、生徒への地域の産業、企業を理解するための情報発信を行うとともに、そういった場合には、地域の産業、企業の業務内容等を紹介する出前授業とあわせて実施するという形で進めてまいりたいと考えております。
こうした取り組みを実施することによりまして、新規高卒者の県内就職率がさらに高まっていくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 東北の中でも県内就職率が低いという課題と、それを打開する方針についてもより明らかになってきましたし、部長からは、新年度計画で、目標をしっかり持って取り組んでいくという方針でありましたので、新年度もしっかり取り組んで、県内就職率を高めるような対応をしていただきたいと思います。
それにかかわって、質問の順序が逆になりますけれども、いわて産業人材奨学金返済支援制度も県内就職率を高める上での施策の一つなのかと思いますけれども、これは今年度、県と県内企業がそれぞれお金を出し合って就職支援をするという中身になっていますが、現在の募金状況と応募状況、申請状況は今どのようになっているのでしょうか。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 いわて産業人材奨学金返還支援制度についてでございます。
この制度は、地域産業の牽引役となる産業、また、戦略的に振興する産業、それぞれに必要な人材を確保するために、行政と産業界が協力して基金を設置いたしまして、奨学金の返還を支援するという制度でございます。
まず、民間からの寄附の状況でございますが、各業界団体の総会等の場でのPR、また、個別に企業を訪問してのPR等々、さまざまな機会を捉えて企業等への制度の周知、寄附の依頼について努めてきたところでございまして、本年2月末までに県内外26の企業、団体、個人から6、875万円の寄附の申し入れをいただいたところでございます。
また、奨学金返還を支援する学生、Uターン者につきましては、50名程度と見込んでおりましたが、実際は58名の方々からの応募を頂戴いたしまして、要件等を満たした54名を支援の対象と認定したところでございます。
〇高田一郎委員 大きな成果が上がっているということです。わかりました。
次に、被災事業者の再建と経営支援についてお伺いいたします。
震災後7年がたちましたけれども、グループ補助金などで再建した事業者の経営状況が今どのようなっているのか、あわせて仮設店舗についても一緒に質問いたします。
一般質問の中でも議論がありましたけれども、12月末現在で304社がまだ仮設店舗で営業しているという状況です。期限の問題もありますけれども、現在、この344社のうち、本設再開がどの程度になっているのかとか、あるいはこの機会に事業をやめるとか、具体的な仮設店舗入居者に対する意向把握がされているのでしょうか。もしわかれば、直近の数字を示していただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 まず、東日本大震災津波で被災し、それから再建した事業者の経営状況ということですけれども、県で被災事業所復興状況調査というものを実施しておりまして、昨年8月の調査では、現在の業績が震災前と同程度または上回っていると回答した事業所の割合は、46.9%となっております。
それから、現在仮設店舗で営業している事業者の本設意向に向けた意向についてでありますけれども、県では商業者を初めとする被災事業者の状況について市町村を通じて把握に努めております。市町村でヒアリング等を随時行っているのですけれども、仮設店舗で営業している商業者の中には、決めかねているといった方も調査のたびにあるということで、市町村でもなかなか正確な数字を把握することが難しいという状況で、344社について具体的な数字は把握はできていない状況ですけれども、先ほどお話をした県の被災事業所復興状況調査にあっては、仮設店舗等事業者で本設再開を予定している方は63.4%となっております。
〇高田一郎委員 46.9%という数字もありましたけれども、グループ補助金という制度で事業を再建しても、なかなか大変な状況になっているのかなと思います。二重ローンで猶予されていた借金が、いよいよ返さなければならないという時期に来て、なかなか魚がとれないあるいは人手が不足しているという状況は、まさに大災害に匹敵するような困難な状況なのではないかと思います。だから、県として困難をきわめている事業者に対してどう支援をしていくのか。返済猶予も含めて抜本的な対策をとらなければ、事業者がばたばた行き詰まっていくのではないかと思うのですけれども、県としてこういった状況の中でどう対応されようとしているのか。
それから、仮設店舗の問題については、34の業者のうち63.4%が本設再開ということです。ただ、具体的な意向についてはまだ正確に把握されていないということですから、ここはしっかり把握して、きめ細かな対応をする必要があると思うのですけれども、問題は、仮設店舗の期限の延長の問題なのです。今の段階になって時期が示されない、延長が示されないということになりますと、多くの仮設店舗で営業している方々が廃業に追い込まれるのじゃないかと危惧しております。既に新聞報道を見ても、山田町が7月末、陸前高田市が9月末、大槌町が9月から10月、釜石市が来年3月となっているわけですから、期限の延長の問題を今月中にでも明らかにしてもらわないと、ばたばた廃業する事業者が出てくるのじゃないかと思うのです。期限の延長について一般質問がありましたが、それは先月のことですけれども、今の段階で国はどういう方針を示しているのですか。
〇高橋経営支援課総括課長 2点ありまして、再開した事業所の支援、それから仮設店舗助成制度の期限の関係です。まず、被災事業者の再建支援ということですけれども、特に今大きく動いている本設再開の関係でいいますと、被災地の新しいまちづくりは、その市町村が住民や事業者の意向を踏まえながら計画づくりをやっております。商業施設のほうが先に立地しているといった場合もありますし、まちづくりに合わせて住宅への張りつけがだんだん進んでいるという状況もあるかと思います。県では、再開した事業者、本設移行した事業者の方々の経営力あるいは店舗の魅力の向上を図るため、セミナーの開催ですとか、商店街や共同施設の運営を支援するアドバイザーの派遣などを行っています。それから販路開拓の支援ですとか、大手コンサルタント会社と連携した経営相談、会計指導なども行っております。
それから、グループ補助金などで特に施設整備の負担軽減を図っているわけですけれども、自己資金分に対応する高度化スキーム貸し付けでは、営業が安定するまでの間、最大5年間の返済据置期間を設けていますので、そういったところでの対応もしておりますし、また、なかなか計画どおりに売り上げが戻らないといった場合には、返済期間の条件変更についても、貸し付けを行っているいわて産業振興センターで相談対応しておりますので、具体的な資金繰りについても支援を行っているところです。
まちづくりの主体である市町村や商工指導団体などと連携して、特に商業関係の集客を図る取り組みについては、引き続き支援をしていきたいと考えています。
それから、仮設店舗の撤去費用の助成期限についてでありますけれども、中小企業基盤整備機構が整備した仮設店舗の撤去費用等の助成については、本県等が要望を行い平成26年度に制度が創設されまして、助成期間の延長についても要望を行って、平成28年2月に、当面、平成30年度末までの延長となっています。これについては、市町村でも、助成期限がある関係で、仮設施設の使用期間を決めているといった事情も聞いておりまして、県としても、平成30年度までに本設が終わらない地域があるということで国には要望を行っております。また、市町村も、国ですとか中小企業基盤整備機構にそれぞれ要望を行っているということを聞いております。ただ、これについて、まだ国からは具体的な回答というのは今のところ示されておりませんので、我々としても引き続き強く要望を続けてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 仮設店舗については、廃業か本設再開か、どうしようかと悩んでいる方々がたくさんいると思うのです。早く中小企業基盤整備機構に決断してもらわないと本当に困るわけで、しっかり取り組んで、今月中に方向性が示されるように、引き続き県としても対応していただきたいと思います。
時間がないので、最後にあわせてお伺いいたします。
小規模事業者持続化補助金について、一般型と台風激甚災害対応型の両方があるわけですけれども、その活用状況がどうなっているのかについてお伺いします。
この事業は、申請は大変ですけれども、直接支援をするという点では画期的な事業だと思うのです。これは商工会とか商工会議所がかなり担っていまして、商工会、商工会議所の事業負担も大変になっているのではないかと思います。事業継承の議論もありましたし、震災関連の事業も大分ふえてきました。現場からは、経営支援員を増員するマンパワーの確保も要望されていますけれども、商工会や商工会議所が担う経営改善指導費についてどのような推移になっているのか、減っているのか、ふえているのか、この現状についても示していただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 まず、小規模事業者持続化補助金の活用状況でありますが、この補助金は、小規模事業者が商工会、商工会議所と連携して経営計画を作成し、機械装置等の購入費や商談会参加費など、販路開拓に取り組む場合の費用を助成する国の制度です。平成25年度の制度創設以来、本県からは1、365件の採択を受けております。特に平成28年度補正予算では、434件の採択を受けておりますけれども、このうち、平成28年台風第10号の激甚災害地域である本県の宮古市、久慈市及び岩泉町の小規模事業者等を対象に、補助上限額の引き上げ等の特例措置ということもあって、これの台風激甚災害対策型での採択は133件となっております。
それから、商工会、商工会議所が行う経営改善普及事業に対する補助額の推移でありますけれども、この補助事業は、基本的に各商工会、商工会議所の管内の小規模事業者数に応じて補助額を定めるということにしておりますけれども、ここ3年間の当初予算としましては、平成27年度が13億7、211万円余、平成28年度が13億4、067万円余、今年度が13億3、840万円余と、ほぼ横ばいで推移しております。
平成30年度当初予算額については、前年度より0.2%増の13億4、041万円余を盛り込んでおります。
商工指導団体はさまざまな経営指導事業を行っておりますし、震災対応ですとか、先ほど言った台風災害の対応など、さまざま行っておりますので、来年度は商工業小規模事業経営支援事業費補助金に加えて5、600万円余の助成についても当初予算案に盛り込んでおりまして、社会経済状況の変化に応じた経営指導、各種支援をしっかりとできるよう対応してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 高田委員に申し上げます。委員の質疑に係る時間が長時間に及んでおります。議事の進行に御協力をお願いします。
〇高田一郎委員 最後に一言。商工会や商工会議所に対する経営改善事業費が横ばいになっているという話でありましたけれども、震災後に調べてみますと、逆に10%近く減っているのです。全国の状況を見ますと、鳥取県は40%ふえているとか、先ほど担当課にお渡ししましたけれども、岩手県の場合は事業者の数によって算定しているということですけれども、他県はそうではないのです。企業の数が減れば減るほど、どんどん商工会や商工会議所に対する経営改善指導費が減っていくわけです。これではまずいのではないかと思うのです。岩手県の場合は、そういったことで、中小企業の減りぐあいが少ないのです。
〇高橋元委員長 簡潔にお願いします。
〇高田一郎委員(続) 予算が多いところは、減りぐあいが少ないのです。そういうことから、経営改善指導費、企業の数でやるのはちょっと問題ではないかと思うのですが、その点について質問して終わりたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 委員のほうからお話がありましたが、補助金の額は国庫補助事業当時からそういうやり方が基本になっていますが、そのとおりにやりますと、非常に補助金の額が大きく動くというところもありまして、岩手県としても激変緩和ということで措置を講じていますし、東日本大震災津波で対応が必要な部分も、加算といったような対応をしております。
それから、先ほども申し上げたのですけれども、台風への対応ですとか事業承継ですとか、新しく対応すべき課題が出てくるということで、商工業小規模事業経営支援事業費補助金とはまた別に、来年度も予算案を盛り込むということにしておりますので、そういった形で、商工会、商工会議所が必要な指導事業をきちんと行えるように、団体のほうとも協議しながらこの事業を進めているところです。
〇斉藤信委員 関連。いわて産業人材奨学金返還支援制度では、54名が認定になるというので、私は大変大きな成果が上がっていると思うのです。ただ、今、寄附金の額はまだ6、875万円と。当初、県が1億円、寄附が1億円という計画だったのです。集まらないから、県が1億円出したけれども、今度また8、000万円出すんですね。これは事業者に大きなメリットのある、事業者のための人材確保なのです。私はそういう点で、なぜ民間企業からの寄附が集まらないのか、どこでどれだけ集まっているのか。ぜひIT企業とか、ものづくり企業とか、金融機関とか、その他、それぞれの寄附金の状況も示していただきたい。
あわせて、54名の内訳について、Uターン者が何人で、県内の大学等の新卒が何人なのかも示してください。
〇藤田特命参事兼ものづくり産業振興課長 答弁が逆になりますが、まず初めに奨学金返還の対象となった方の状況をお伝えいたします。
応募総数が58名でして、新規学卒者、いわゆる新卒が49名、Uターン者が9名という状況になっております。そして県内の状況でございます。岩手大学、岩手県立大学、一関工業高等専門学校を含めまして34名の応募がありまして、全体の6割が県内出身学校の方ということでございます。
次に、寄附の状況でございますが、委員からお話のありましたとおりに、全体で2億円で、県が1億円、そして民間が1億円という計画でスタートしたものでございます。先ほどの御質問で、8、000万円を県が新たにということがございましたが、この8、000万円は、民間からの寄附は先ほどの6、875万円と、そして今年度見込まれるものを含めて算定して約7、000万円、県が新たに1、000万円を足して8、000万円ということでございます。
県がなぜ1、000万円足したかと申しますと、今年度の実際の支援額を算定いたしますと、民間からの寄附を先ほど7、000万円と申しましたが、1.7億円ですと3年間回らないということがありまして1、000万円を追加したということでございます。
また、寄附の状況でございますが、基本的には26社のうちIT企業からは5社、ものづくり関係が11社、そして電力関係が2社、金融機関関係が4社、産業支援団体が3社、その他が1社ということで、この単位は社とか個人とか団体と考えていただければ、都合26社という状況でございます。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、回らないから県が1、000万円補填せざるを得ないと。どうなんですか。今、ITそしてものづくり、電力、金融、商工団体とありましたけれども、部長、これは県のもくろみが崩れているわけです。私は出すところはしっかり出してもらうというふうにすべきだと思うけれども、その点どうですか。
〇菊池商工労働観光部長 この制度の趣旨について、狙いについては御案内のとおりでございまして、地域産業、地域企業の高度技術者と次代を担う技術人材、経営人材などを確保して、県内の企業あるいは県内経済を活性化し、持続的な発展に持っていくための有用な制度だと思っておりまして、私の長い思いが実現できた一つの制度だと思っておりますが、御指摘のとおり、なかなか企業の反応はまだまだ緒についたところです。取り崩し基金ですので、当初2億円という目標はまさに向こう3年間、この制度を運用していくに当たっての目途となる必要な一定の金額を設定して、今、再三、産業界等に働きかけをしているところでございまして、これからもまだまだお尋ねして、御訪問をして、御理解を得ていきたいと思っているところでございます。
御指摘の部分ですが、額そのものは寄附、出捐ですので、なかなか明確な、具体的な額は御提示できませんが、例えばIT企業からは1社ですけれども、300万円を超える寄附、出捐をいただいているところもございますし、先ほど委員が金融機関ということでお話をいただきましたが、県内いわゆる地銀3行関係の出捐は合計で300万円には至らない額でいただいているなど、いろいろ多寡にわたって幅広い出捐額の分布となっている状態です。
〇千田美津子委員 私からは雇用問題を二、三お聞きしたいと思います。
一つは、障がい者の雇用の現状で、先ほど阿部委員からも質疑がありましたが、一つは、一昨年から障がい者の差別解消法と改正障害者雇用促進法の施行によって、全ての企業に法定雇用率以上の障がい者を雇用しなければならないということが義務化されました。現在の障がい者雇用率は2.0%となっておりますけれども、来月、4月からは雇用率が変更になりますが、具体的にどのように変わっていくのかが一つです。
それから、現在の障がい者雇用の現状について、雇用されている障がい者の数、実雇用率、法定雇用率達成企業の割合について具体的にお知らせをいただきたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 障がい者の法定雇用率についてでありますが、平成30年4月1日から障がい者雇用義務の対象といたしまして、これまでの身体障がい者、知的障がい者に精神障がい者が加わり、あわせて法定雇用率も変わるものでございますが、具体的には、民間企業が現行の2.0%から2.2%に、国、地方公共団体等が2.3%から2.5%に、都道府県等の教育委員会が2.2%から2.4%とそれぞれ引き上げになります。
続きまして、障がい者雇用の現状についてでございますけれども、岩手労働局の調査によりますと、平成29年6月1日現在における民間企業の状況は、雇用されている障がい者の数は3、098人(後刻「3、089.0人」と訂正)、障がい者の実雇用率は2.16%、法定雇用率達成企業の割合は57.5%となっております。
次に、県の状況は、雇用されている障がい者の数は191人、障がい者の実雇用率は2.42%、法定雇用率達成機関の割合は75.0%となっております。
次に、県教育委員会の状況につきましては、雇用されている障がい者の数は194.5人、障がい者の実雇用率は2.35%、法定雇用率達成機関の割合は100%となっております。
訂正させていただきます。民間企業の状況でございますが、雇用されている障がい者の数は、3、089.0人となっております。
〇千田美津子委員 本当は100%達成すべきなのですけれども、いただいた資料では、北海道・東北ブロックでは最も高い水準となっているというお答えでございました。だからいいというのではありませんけれども、引き続き努力をしていただきたいと思っています。
それで、阿部委員への答弁の中でも、いろいろ企業に対してあるいは商工会議所への要請等々お話がありました。それらは積極的にやっていただきたいと思うのですけれども、実は精神障がい者の方の職場定着が非常に悪いという状況があるようで、それが引き上がらない要因となっているのではないかと思っています。
私が調べたのでは、身体障がい者の平均勤続年数が10年、知的障がい者が7年9カ月、精神障がい者の方は4年3カ月程度になっているという現状があるようです。これから制度が変わるということもあって、法の精神にのっとった形での取り組みが、小まめな、より丁寧な対応が必要ではないかと思いますので、その点お聞きをしたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 障がい者の雇用の関係で定着支援ということでございますけれども、県といたしましては、広域振興局に配置している就業支援員の事業所訪問などに取り組んでいるところでございますし、あと、国におきましては、岩手労働局あるいはハローワークによる障がい者の法定雇用率を達成していない企業に対しては訪問等で指導しておりますが、そういった中での訪問活動、あるいは障害者就業・生活支援センター等と連携した個別支援、そういったものと連携しながら進めていきたいと考えておりますし、先ほどもお話をしました企業へのセミナーあるいは就労支援機関向けのスキルアップ研修も、今年度やりましたけれども、来年度も引き続き実施するということで、委員からお話のあったような懸念ができるだけないように取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
それでは二つ目、就職支援能力開発費に関連してお尋ねをいたします。
先ほど千葉絢子委員からも質問があったわけですが、私も特に母子家庭の母等への支援が商工労働観光部ではどうなのかということを非常に関心を持って聞いておりました。それは後で言いますが、この就職支援能力開発費を使っての事業がさまざまあったわけですけれども、この事業によって一体どのくらいの受講者の方が就職に結びついたのかということをひとつお聞きしたいと思います。
それから新規事業の中で、就職困難学生等のコースがあります。決して多くはありませんが、1コース10人という枠ではありますけれども、私もこれは非常に大事な施策ではないかと思っていますので、この事業の背景となるものがどういうことだったのか、この2点をお聞きしたいと思います。
〇鎌田労働課長 まず初めにお尋ねの就職状況についてでありますけれども、職業支援能力開発費で実施しているコースは全体で87コース開講されておりまして、1、043名が受講している状況で、そのうち、就職率が、まだ年度途中ということで数字のぶれは今後出てくることは予想されますけれども、現時点で83.3%という数字になっております。
あと、就職困難学生等コースについてでありますけれども、どういった学生が受講するかというのは、社会的スキルが不足しているということで、なかなか面接とかを乗り越えられないという学生を対象にいたしまして実施する内容になっております。
〇千田美津子委員 確認ですけれども、87コース、1、043人というのは間違いありませんか。いただいた資料だと、93コース、1、171人になるのですけれども、そこを確認です。
それと、就職困難学生等のコースについては、目的はわかりました。結局そういう人がいるからというだけじゃない、どこからの要望かとか、そういう何か背景があると思うのですけれども、それついてお聞きをしたかったのです。
〇鎌田労働課長 まず、数字のほうを整理させていただきたいと思います。まず、平成28年度の受講者につきましては1、298名、そして平成29年度の途中までの受講された方が1、043名ということになっております。
そして、どのような背景でそういったコースが設けられたかというお話でしたけれども、これは先ほど答弁したところもありますが、国からの委託事業で、国で設定されたということで、詳細まではこちらで把握しておりません。御了承いただきたいと思います。
〇千田美津子委員 今のはわかりました。一つ、先ほど千葉絢子委員も最後に言われたことだったのですけれども、母子家庭の母等への支援というのは非常に大事なことです。それで、保健福祉部でも同じような資格取得の助成がありますね。高等職業訓練促進給付金等事業ということで、資格取得のための2年とか3年の期間に必要な1カ月10万円とか支援をして資格を取ってもらうと。看護師とか保育士とか。今不足している職についてもらうための支援があるわけです。ただ、この間の保健福祉部の審査のときに、その活用が悪いという答弁があったのですが、私はこういう本来の正規雇用につながる支援は部で抱えないで、本当に必要な人に必要なアドバイスを行って、有効に利用されることが大事だと思っています。商工労働観光部では、女性の求職者に対して7日間から25日間の訓練期間ということで、本当に短期のコースなわけですけれども、私は正規雇用を拡大していくという点で、他部署の管轄の事業であってもいろんな場面で知らせて、利用につなげることがもっと必要だと思いましたので、ぜひみんなに有効に利用してもらうための周知も含めて連携をもっとやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇鎌田労働課長 母子家庭のお母さん方の就業支援ということにつきましては、受講者の方から逆に見ると、母子家庭等のコースであったり、あるいはきちんとした2カ月以上のコースであったとか、あるいは女性就業支援援助事業であったりとか、さまざまな入口があるのが大事だと思っております。まず第一に求職者の方がアクセスする場所がハローワークですので、毎月、担当者レベルですけれども情報交換をいたしておりますし、計画づくりにおきましても3者連名で出しているというところがありますので、それらは引き続ききちんとした形で連携していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 ぜひお願いをしたいわけですが、実は先ほど紹介した母子家庭等の高等職業訓練促進給付金等事業は市で使えるような状況にしていないと、私使いたいのですと言っても使えないのです。ですから、市町村との連携も大事だなと。例えばハローワークでこういうのがありますよと言っても、市でそれらの事業費の予算計上がないと使えない。補正対応とかをしてもらえばいいのですけれども、補正しなければその年は使えないということになります。ですから、これらはぜひ市町村も交えた形でもっと使いやすいように連携を強めていただきたいと思いますので、もう一度答弁をお願いします。
〇鎌田労働課長 これにつきましては、保健福祉部と相談いたしまして、できるだけ使いやすいような形にできればと期待しております。
〇千田美津子委員 それでは通告しておりましたけれども、認定職業訓練、いわて地域産業高度化人材育成事業については割愛をいたします。
大きな質問の3点目ですが、自動車関連産業の現状と今後の見通しについてお聞きをしたいと思います。
まず一つ目は、岩手県自動車関連産業振興アクションプランがありますけれども、それの進捗状況についてお聞きをいたします。
〇瀬川自動車産業振興課長 岩手県自動車関連産業振興アクションプランの進捗状況についてでありますが、プランは四つの戦略で構成されております。
まず、戦略1でございますが、サプライチェーン構築支援については、アクションプランを策定した平成24年度以降、トヨタ自動車東日本において、人気車種アクアやC-HRの生産があったということもございまして、新規の企業立地が15件、それから増設が19件と、昨年発表されたデンソー岩手の新工場建設を代表例として、誘致企業は順調に推移しております。
また、これら企業誘致によるサプライチェーンの構築に伴い、地場企業の新規参入や取引拡大が進展するなど、順調に推移をしております。
それから戦略の2、研究開発促進及び戦略3、人材育成・定着については、産学官が連携し、将来のコンパクトEVの生産拠点化を見据えて、環境性能向上に資する軽量化技術の研究ですとか、EV人材の育成などに取り組んでいるところでございます。
戦略4につきましては、立地環境整備、道路網等の整備なども順調に推移しているところでございます。
人材育成を初めとしたこうした取り組みが企業側から高く評価され、企業誘致を初めとしたサプライチェーンの構築につながるなど、各戦略が密接に関連して自動車関連産業の振興につながっており、全体として順調に推移していると認識しています。
〇千田美津子委員 このアクションプランですが、全体として順調に推移しているということで、本当にすばらしいなと思っております。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
それでは2点目として、トヨタ自動車東日本株式会社岩手工場の、この間も質問してまいりましたけれども、雇用の現状がどのようになっているか、お聞きをしたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 トヨタ自動車等の雇用の状況についてであります。
まず、トヨタ自動車東日本株式会社岩手工場の雇用状況ですが、平成30年1月1日現在で、正社員2、080人、期間社員330人、派遣社員320人、合計2、730人と伺っております。
それから、この正社員の割合でございますが、現在76.1%と過去最高水準と伺っています。
次に、県内に生産拠点を有するトヨタ系主要自動車部品メーカー7社の2月1日時点での社員総数は、約2、500人です。うち正社員は2、000人です。全従業員に占める正社員の割合は約80%と、引き続きこれも高い水準を維持してございます。
〇千田美津子委員 正規社員は2、080人ということで、雇用率は過去最高になっていますね。関連産業も含めて本当に高い水準に引き上がってきているということで、すばらしいなと思います。新年度の新採用見込みについてはどのように把握をされているか。
それからもう一つですが、期間社員が、去年の9月1日の人数が383人で50人減っているのですけれども、これは正規雇用が9月からふえているわけではないのですが、この原因は何かわかりますでしょうか。
〇瀬川自動車産業振興課長 トヨタ自動車東日本岩手工場のことし4月1日採用予定の正社員ですが、59人と聞いております。この59人は全て高卒でございまして、大卒に関しては4月からの研修が何カ月かあって、その後で配属先が決まるということで、まだ詳しい人数は決まっていないということでございます。
それから、昨年9月1日以降からの人数増加の分でございますが、トヨタ自動車の場合は定年が、誕生月が退職の月になるものですから、その辺で人事異動がさまざま定期的にあったり、去年の10月1日付けで期間社員の正規雇用が30人ほどありましたので、そこで人数がふえたものと理解しております。
〇千田美津子委員 関連産業も正規雇用が80%ということで、トヨタの取り組みがすごいし、自社だけじゃない関連産業も波及効果が大きいということで、ぜひこれを広めていただきたいわけですが、この間、期間社員から正規社員への登用で一番多かったのが、平成28年度の101人ですね。平成29年度は28人と私は思っていたのですが、それに間違いないでしょうか。
それから、もしこれからの見通しというか、どんなふうになっていく状況にあるかがわかれば、お知らせいただきたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 大変失礼しました。約30人というのは、正確には平成29年度は28人でございます。平成28年度が101人、その前の平成27年度が99人という推移でございまして、近年は非常に高い水準で期間社員の正社員化が進んでいると認識しております。
来年度以降につきましては、我々からも今いろいろとお願いはしているところでございますが、トヨタ自動車東日本では来年以降も高い水準で、新しい車種の生産等が予定されているとも聞いておりまして、いずれ、今後も正社員化の方向性は堅持していただけるのではないかと期待しているところでございます。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
商工労働観光部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇畠山企業局長 企業局関係の平成30年度当初予算につきまして御説明申し上げます。
初めに、事業運営に当たっての基本的な考え方についてでありますが、平成30年度は、第5次中期経営計画に基づき、電力システム改革や工業用水の新たな需要等の経営環境の変化に的確に対応しながら、引き続き、電力と工業用水の安定供給に努めるとともに、再生可能エネルギーを活用した新規開発を進め、県内の電力自給率の向上に取り組んでまいります。
電気事業では、県内への電力の安定供給を第一に、施設や設備の長寿命化や耐震化を進め、健全経営の維持に努めてまいります。また、電力システム改革に伴う発電、小売の自由化に対応し、電力会社との基本契約が満了した後の平成32年度以降の売電方法について、本格的に検討してまいります。
新規開発では、本年1月1日に運転を開始した一戸町の高森高原風力発電所については、通年での安定的な運転に努めてまいります。盛岡市の簗川発電所については、平成33年度の運転開始に向けまして、引き続き現地工事を進めてまいります。
地域貢献では、市町村等へのクリーンエネルギー設備等の導入や平成28年台風第10号により甚大な被害を受けた公共施設の復旧を引き続き支援するとともに、電力会社と連携し、県内企業を対象とした割安な価格での電力供給と震災復興やふるさと振興の関連施策への財政支援を一体的に行ういわて復興パワーの取り組みを推進してまいります。
工業用水道事業では、送配水管の老朽化対策や耐震化、さらなる業務効率化等に取り組み、安定供給と安定経営に努め、県内経済を牽引する企業の生産活動を支えてまいります。また、新たな水需要に対しても、組織体制を整え、関係部局及び関係機関と連携して的確に対応してまいります。
それでは、議案について御説明申し上げます。
議案その1の63ページをお開き願います。議案第14号平成30年度岩手県電気事業会計予算についてであります。
第2条は業務の予定量ですが、(1)は、年間販売目標電力量であり、その合計を、64ページの上から2行目に記載のとおり、5億6、513万7、000キロワットアワーと見込むものであり、(2)は、主要建設事業として、昨年度に引き続き、簗川発電所を建設しようとするものであります。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款電気事業収益は66億2、300万円余で、その主な内訳ですが、第1項営業収益50億8、700万円余は水力発電の電力料収入などであり、第2項附帯事業収益13億300万円余は、風力発電及び太陽光発電の電力料収入であります。
次に、支出の第1款電気事業費用は62億7、600万円余で、その主な内訳ですが、第1項営業費用48億4、300万円余は、職員給与費、修繕費及び減価償却費などであり、第2項附帯事業費用11億6、900万円余は、風力発電所及び太陽光発電所の運転管理費用などであります。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。65ページにお進み願います。収入の第1款資本的収入は2億8、200万円余で、その主な内訳ですが、第1項負担金400万円余は、仙人発電所共有施設工事負担金であり、第2項長期貸付金償還金2億6、900万円余は、一般会計などからの長期貸付金に係る償還金であります。
支出の第1款資本的支出は20億1、300万円余で、その主な内訳ですが、第1項建設費5億2、100万円余は、簗川発電所の建設工事費などであり、第2項改良費7億3、700万円余は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費であり、第3項電源開発費1億7、800万円余は、電源接続案件募集プロセス工事負担金などであり、第5項繰出金1億5、700万円余は、震災復興・ふるさと振興パワー積立金などを活用し、一般会計に繰り出しを行うものであります。
第5条は、債務負担行為であります。これは、北ノ又発電所キュービクル更新他工事など4事業について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
66ページに参りまして、第7条は、予定支出の各項の経費の金額を流用することができるものを定めようとするものであります。
第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
電気事業会計予算の説明は以上でございます。
次に、67ページをお開き願います。議案第15号平成30年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げます。
第2条は業務の予定量ですが、(1)は、北上工業団地及び岩手中部工業団地内の18事業所に対する給水量について、年間総給水量を1、430万3、985立方メートル、1日平均給水量を3万9、189立方メートルとそれぞれ見込むものであります。(2)は、主要建設事業として、工業用水の安定供給及び新たな水需要への対応に伴い、建設事業を行おうとするものであります。
第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款工業用水道事業収益は9億7、800万円余で、その主な内訳ですが、第1項営業収益9億300万円余は給水収益などであり、第3項事業外収益7、500万円余は、長期前受金戻入のほか、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設(第二期)の維持に係る一般会計負担金などであります。
68ページに参りまして、支出の第1款工業用水道事業費用は9億2、000万円余で、その主な内訳ですが、第1項営業費用8億6、900万円余は、職員給与費、委託費及び減価償却費などであり、第2項財務費用5、000万円余は、企業債などの支払い利息であります。
第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は6億7、000万円余で、その内訳ですが、第1項企業債は、工業用水道施設の建設費及び改良費に係る資金を借り入れしようとするものであります。
次に、支出の第1款資本的支出は10億2、400万円余で、その主な内訳ですが、第1項建設費3億2、100万円余は、第一北上中部工業用水道の沈殿池増設基本設計ほか業務委託等に要する経費であり、第2項改良費3億4、900万円余は、各工業用水道設備の改良及び更新に要する経費であり、第3項企業債償還金2億8、400万円余は、企業債元金の償還金であり、第4項他会計からの長期借入金償還金6、900万円余は、電気事業会計からの長期借入金の償還金であります。
第5条は、債務負担行為であります。これは、第一北上中部工業用水道配水管布設工事について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
第6条は、企業債でありますが、69ページにお進み願います。建設改良事業に充てる企業債の限度額を6億7、000万円余とし、起債の方法などを定めようとするものであります。
第7条は、一時借入金の限度額を6億7、100万円と定めようとするものであります。
第8条は、予定支出の各項の経費の金額を流用することができるものを定めようとするものであります。
第9条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
第10条は、他会計からの補助金についてであります。これは、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設(第二期)の維持に係る一般会計負担金の3、100万円余であります。
工業用水道事業会計予算の説明は以上でございます。
なお、これらの予算に係る実施計画、予定キャッシュ・フロー計算書などにつきましては、予算に関する説明書の474ページから546ページに記載しておりますが、これまで御説明申し上げました予算の明細等でございますので、説明を省略させていただきます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭にお願いし、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 電気事業会計の予算に関する説明書の中で減損損失について、減損損失を認識するに至らなかったとなっております。これは、逆に言いますと開発の可能性がありますということなのだろうと思いますけれども、西和賀町の南本内地点の今後の開発の可能性がどの程度あるのかということをお伺いしたいと思います。
平成29年度はどういうことが行われたのか、そして、新年度計画はどういうことを予定しているのかについて教えていただければと思います。
〇細川業務課総括課長 西和賀町の南本内地点の今後の開発の可能性についてでございますけれども、平成29年度から固定価格買取制度における買い取り区分が細分化され、買い取り単価が引き上げられましたので、発電計画の見直しと経済性の再評価を行っているところであります。
また、再評価に当たりましては、平成30年1月に概略が示されました電源接続案件募集プロセスの負担金額等の目安も踏まえて、検討を進めているところでございます。
平成30年度は、今年度の検討結果をもとに、取水口地点及び発電所地点について、もう少し詳しく検討することとしております。また、今後示されます電源接続案件募集プロセスの詳細な内容を踏まえ、最終的に判断したいと考えております。
なお、電源接続案件募集プロセスに要する費用などについては、平成30年度当初予算案に計上しているところでございます。
〇高橋孝眞委員 自然エネルギーということでありますから、ぜひ開発できるように進めていただければと思います。
次に、もう一点、貸倒引当金でありますが1、136万1、000円、これは日本ロジテック協同組合の関係だと思いますが、この日本ロジテック協同組合に対する債権の回収状況についてはどうなっているのか。平成29年度の予定を見ましても、回収の見込みはないような書き方、回収できないような整理でありますが、現状はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇村上電気課長 日本ロジテック協同組合に対する債権の回収見込みについてでありますが、昨年10月4日に開催されました第3回債権者集会においては、破産管財人から、現時点では、組合の資産と負債は未確定の状況にあり、引き続き調査を行う必要があるが、配当は一定程度あり得るとの説明がありました。
次回の債権者集会は再来週の3月28日に開催される予定となっておりますので、これに参加し、資産と負債の状況を把握し、今後、法的手続にのっとり債権の回収に努めていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 うちだけがいっぱいもらうということにはならないと思いますから、いずれ、できるだけ早目に回収できればいいのだろうと思います。
次に、いわて復興パワーの活用実績についてでありますけれども、東北電力と連携した取り組みということで、いわて復興パワーについて、昨年12月1日から電気料金割引の募集受け付けを開始したと聞いておりますが、現在の活用実績はどうなっているのかについてお伺いします。
〇藤原経営企画課長 いわて復興パワーの活用実績でございますけれども、先週3月8日現在で337件の申請を受け付けておりまして、そのうち325件の活用が決定したところでございます。
今回の支援の全体の対象枠でございます企業局から東北電力への年間売電電力量と、支援対象であります高圧需要家1件当たりの平均消費電力量から、活用見込み件数は1、000件と試算しておりますが、今のところ3分の1程度の実績となっております。
〇高橋孝眞委員 予定に達していないということでありますが、先ほど、企業局長の説明で新年度重点事項項目ですというお話がありましたけれども、今後どのように対応していくつもりなのか、教えていただきたいと思います。
〇藤原経営企画課長 今後の対応についてでございますけれども、これまでに、東北電力と連携しまして、県内10カ所で事業説明会を開催したほか、関係部局や各広域振興局、市町村や関係団体等への協力要請を行いまして、各種広報媒体への掲載など、さまざまな周知活動を展開してまいりました。加えて、関係企業等へダイレクトメールを送付したところ、先ほど御説明しましたとおり、一定の成果が得られたところでございます。
しかしながら、委員御指摘のとおり、現時点で見込み件数に達しておりませんので、関係企業へのダイレクトメールによるさらなる周知を行いますとともに、支援対象要件の見直しによる本事業の利用拡大についても検討するなど、対象枠の最大限の利用、活用に向けて全力で取り組んでまいります。
〇高橋孝眞委員 震災復興やふるさと振興の関連施策への財政的支援も行っているということですが、どのような事業に充当し、その充当の考え方はどうなっているかについてお聞かせ願いたいと思います。
〇藤原経営企画課長 一般会計に繰り出す事業でございますけれども、事業の選定に当たりましては、東日本大震災津波復興実施計画やふるさと振興総合戦略に位置づけられている事業でありますとか、新規性が高く、いわて復興パワーの実施効果やPR効果が高いと見込まれる事業などを要件としまして、各部局から要望のあった事業に対して、震災復興・ふるさと振興パワー積立金の範囲内で、総務部と調整の上、決定しております。
具体的には、県内中小企業者の新たな事業活動支援などの中小企業等支援施策、国際リニアコライダーを契機とした関連産業振興などのILC推進施策、東京2020オリンピック、パラリンピック競技大会における県産材利用のための県産材利用促進施策などの5事業に総額で1億2、550万円を繰り出すこととしております。
〇高橋孝眞委員 総額で1億2、550万円を一般会計へ繰り出すということでありますけれども、平成29年度の予定を見ますと10億円ほどの収益が出ます。今までの積み立て等、利益剰余金、それから評価益を考えても110億円ほどあるわけでして、そういう意味合いでは、どんどんと言うとおかしい言い方になるわけでありますが、もう少し一般会計に繰り出して十分活用できるような仕組みをもっと考えていただければいいのではないかと。
事務局との関係もあるのだろうとは思いますけれども、そうやってできるだけ活用しないと、なかなか電気事業会計は規制があると思っていますので、もう少し知恵を出し合って使っていくべきではないかと思いますが、最後に企業局長に聞いて、終わります。
〇畠山企業局長 委員御案内のとおり、電気事業の利益につきましては、基本的には電気事業へ再投資するということが大原則でございます。これまでそういう投資を中心に使ってきたわけでございますが、電力システム改革により、発電売電の自由化が行われる中で、経営的にも自由度が大変増してまいりまして、その辺の自由が多少きくように流れが変わってきているところでございます。
他県でもこうした地域貢献の取り組みがさまざまな形で行われてきておりますので、私どもも今回、このいわて復興パワーの取り組み、地域貢献の取り組みを始めたところでございます。
今後におきましても、他県の状況なども参考にいろいろ検討し、知恵を絞りながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 高森高原風力発電所について、大きく3点についてお伺いしたいと思います。
一つ目は稼働状況についてですが、本年1月1日から運転を開始しているということでございます。風力発電所の規模は県内で2番目、全国の公営電気事業者としては最大の発電所であるということでございまして、運転開始から2カ月余りの期間が経過いたしましたけれども、稼働実績はどのようになっているのか、当初想定していた発電量を確保できているのか、それから、機器や設備にトラブルはなかったのか、この辺をお伺いいたします。
〇村上電気課長 高森高原風力発電所の運転状況についてでありますが、本年1月1日の営業運転開始以降、順調に運転をしており、また、平均風速も想定しています毎秒7メートルを上回っております。その結果、2月末までの2カ月間の販売電力量は、目標の746万キロワットアワーに対し、1、031万キロワットアワーと大きく上回っており、売電収入は目標を38%上回る2億2、700万円余となっております。
次に、トラブルについてでありますが、運転開始以降、具体には、風車システムの状況を検出するセンサーやブレーカーなどに初期不良等の軽微なトラブルが発生しておりますが、重大なトラブルは発生しておりません。
〇工藤誠委員 それでは、順調にというか予想以上発電されているようでございますので、続けて順調に行けばいいと思っています。
それで、ちょっと教えていただきたいのは、冬の風ですね。夏場と違ってあの場所は、積雪も吹雪もすごいし非常に大変なところなのですけれども、その風をうまく受けるブレードの仕組みはあるのでしょうか。ただ単に風が強いからこれほど予想以上に効果が上がっているのか、その仕組みがあったら教えていただきたいと思います。
〇村上電気課長 まず、高森高原の冬の風況についてでございますが、11月から3月までの5カ月間は、地上高60メートルで平均風速が毎秒7.2メートル程度と想定しており、西風が特に強い状況にございます。これに対し、6月から8月の夏場では、平均風速が毎秒5メートル程度と、風向は余り一定していない傾向でございます。
ブレードの仕組みについてですが、風速に応じましてブレードの角度を変えて、一番効率のいい発電をする仕組みになっております。
〇工藤誠委員 それでは、最新の機器なようですので心配はないようですね。
それで、御案内のとおり、あの場所は非常に積雪が多くて、冬は確かに誰も行くところではないのですけれども、メンテナンスのためには、やっぱり関係者は行かなければならないということで、雪上車を使うということを以前にお聞きしています。ことしの冬は吹雪が非常に多かったりして、予定どおり現場に行けたのか、そして、そのメンテナンスもしっかり行えているのか、その辺の状況をお知らせください。
〇村上電気課長 雪上車による移動についてでありますが、通常は雪上車の格納庫から一番手前の風車まで、片道3キロメートル余りのところを30分程度で到着しております。また、途中で吹きだまりがあった場合でも、雪上車で雪を道路脇に寄せるなどにより、問題なく現地まで行っております。
次に、冬場のメンテナンスについてでありますが、主に風車内部で点検等を行うことから、寒さの中でのメンテナンス作業は支障ございません。
なお、天候不良等により雪上車での走行が危険と判断される場合は点検を延期することも考えられますが、今のところ、そのような状況は発生していないところでございます。
〇工藤誠委員 それでは、2点目のリスク管理についてお伺いしたいのですけれども、高森高原に風車は11基あるということで、そこから今度は蓄電池があるところまで送電線を引いているということになっているわけですが、風車、送電線、それから蓄電池、その施設が広範囲にわたっています。それで、これらにトラブルが生じたような場合に、どういう体制でそれに備えているのかをお聞きしたいと思います。
そして、そういう緊急事態というのは当然想定されるわけでありますので、年に1回、火事であれば避難訓練とかをやるわけですが、東北電力や消防署とかも交えてそういう緊急事態を想定したような訓練も行う予定になっているのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇村上電気課長 トラブルに対する体制についてでありますが、まず、発電所の運転状態は、企業局と風車据えつけ業者である株式会社日立パワーソリューションズと相互に随時監視を行う体制で運用しております。トラブル発生時には、警報が鳴動しメッセージが表示されますので、トラブルの状況を速やかに把握できます。
次に、トラブルが発生した場合の復旧体制についてですが、あらかじめ設備ごとに決めており、風車本体及び発電設備については、包括保守業務委託契約の中で同社の能代サービスセンター社員が現地確認を行い、企業局に状況報告の上、復旧作業を行うこととしております。
そのほかの送電線や蓄電池設備につきましては、企業局内の保守担当職員または保守点検業者が、状況に応じて、速やかに現地を確認し、復旧作業を行うこととしております。
また、緊急事態につきましては、地元消防署と火災発生時の連絡体制を整備しており、連携しながら対応していくこととしております。
なお、緊急事態を想定しました訓練につきましては、消防や警察などの関係機関と相談しまして、必要に応じて対応していきたいと考えております。
〇工藤誠委員 いろいろと体制は組んでいるとしても、いろいろな自然災害等があって、やっぱりトラブルが発生することも考えられないわけではないわけであります。そういう場合に発電ができなくなってしまった、送電がとまってしまったという場合も想定されるわけですね。そうすると売電ができない、売り上げが上がらないということになるわけですが、そういうケースにどう対応するかという対応策をお聞きしたいと思います。
〇村上電気課長 トラブルにより売電収入が減少した際の対応についてでありますが、まず、風車本体の機器故障等による減収につきましては、包括保守業務委託契約の中で、稼働率95%まで受託者が補償することとしております。
また、補償の対象外となる落雷や強風など自然災害等のトラブルにつきましては、復旧費用に加えて営業損失が補償される損害保険に加入することで、万が一に備えることとしております。
〇工藤誠委員 わかりました。損害保険に入っているため、ある程度は補填されるということですので、まず安心しています。
それで、以前問題になったような気もするのですが、希少動植物のことについて議論になって、工事の際もいろいろ配慮をされたと思っています。その後、工事がもう始まっていてお聞きする機会がなかったのですが、今後、稼働が始まっていった場合も、そういう希少動植物の保護の対応策は何か考えられているのかどうか、その辺をお伺いします。
〇村上電気課長 希少動植物に係る環境保全措置についてでございますが、施工前は、鳥類のノスリの保全措置として人工の巣やとまり木を設置し、また、オオジシギの保全措置としては、風車付近の営巣となりそうな草地を刈り払い、生息地を風車エリアから離れたところへ誘導しております。
また、植物につきましては、ノシバの仮移植等を実施しております。
施工中はモニタリング調査を実施しておりまして、今年度の調査では、ノスリが人工の巣で営巣した痕跡や風車エリア外でノスリやオオジシギの飛翔を確認しております。
来年度は、環境モニタリング事後調査としまして、保全措置の効果検証等を行うこととしております。
〇工藤誠委員 では、今後の対応もよろしくお願いいたします。
3点目になりますが、地域貢献ということで、雪が解けて春になれば、たくさんの皆さんが見学に来るのではないかと私は期待しております。開閉所にガイダンス施設を設けることは以前に聞いておりましたけれども、パネル展示だけだということであります。やはり見学したいという方が来たら、説明してくれる方がいたほうがいいのではないかとは思うのですが、企業局は、ほかの施設で見学なども受け入れているでしょうから、その辺の状況なども踏まえて、見学者への対応等についてはどのようにお考えになっているかお伺いします。
〇村上電気課長 見学対応の取り組みについてでございますが、春から秋までの期間は、可能な限り予約を受け、説明者により御案内したいと考えております。
説明者は、企業局職員または見学者案内を受託している関係団体職員を想定しておりまして、開閉所2階では、施設の概要や発電の仕組みなどを説明するほか、建設時の記録映像等をごらんいただくこととしております。
また、企業局が毎年夏に主催している施設見学会においても、一般向けと子供向けの2コースで御案内する予定としております。
〇工藤誠委員 ぜひ親切にお知らせください。そのことが企業局のPRにもつながるわけですので、よろしくお願いしたいと思います。
3月6日の新聞報道でしたけれども、愛称が決まったということで、町内の小学生が考案した星風の丘という名前に決まったということでございました。本当に現地にぴったり合う感じの名前だと思います。
この愛称は、正式名称ではないのですけれども、親しまれていくような形で、この愛称をこれからどのように使っていくのか、また、銘板みたいなものもつくって現地に設置するのかどうか、その辺のことをお知らせください。
〇村上電気課長 発電所の愛称の活用についてでございますが、愛称につきましては、発電所建屋の壁面に表示するほか、道路案内板や観光パンフレットへの掲示、地図作成業者への情報提供等を行い、多くの方々に周知を図り、観光客の誘客に活用していきたいと考えております。
〇工藤誠委員 では、最後になりますけれども、完成までに3年ぐらいかかりましたかね。場所が場所なものですから、資材の搬入とか、いろいろなことで御苦労されたと思いますが、無事完成して稼働もしているということでございますので、今後も期待をしたいと思います。
地元としても、この高森高原風力発電所の稼働については、地域貢献という意味でも非常に大きな期待をしております。地元へ交付金が交付されるということもいいことではあるのですけれども、現地には観光天文台もあり、また、いわて子どもの森もありますので、これらと一体となった観光資源としての活用を考えております。
企業局も、つくって終わりということではなく、今後は、順調な運転を20年間ぐらい続けなければならないわけですから、地元とともにしっかりと歩んでいってほしいと思います。
そこで、今後の地域振興のあり方、地元貢献のあり方について、改めて企業局長から所見を聞いて、終わりにしたいと思います。
〇畠山企業局長 この高森高原風力発電所につきましては、地元の方々の大変な御協力、御理解のもとに完成し、運転を開始しているところでございまして、企業局といたしましても、さまざまな形で地域に貢献し、地元の期待に応えてまいりたいと考えております。
具体的に申し上げますと、今、委員がおっしゃった地元自治体への交付金あるいは災害時の非常電源供給であるとか、また、今お話のあった観光面につきましても、課長から申し上げましたけれども、愛称を活用いたしましての誘客、説明員による見学者への対応、地元のイベントに対して企業局としても出展参加をするといったことも行ってまいります。さらには、地元自治体などの要望を踏まえまして、植樹であるとかLED街路灯などの導入につきましても検討してまいりたいと考えております。
私は先日、愛称の表彰式のため一戸町の小学校を訪問した際に、子供たちから大変愛される発電所であると感じた次第でございます。この高森高原風力発電所、星風の丘は、今後20年間、子供たちと同様に勢いよく動き続けまして、電気のみならず、地域に元気を送り届けてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
〇斉藤信委員 それでは、私も高森高原風力発電所について何点かお聞きします。
先ほどの答弁で、本年1月以降の運転は極めて順調で、2億2、700万円余の売電収入だったということでありました。
平成29年度の収支の見通しはどうでしょうか。来年度予算における収支の見通しも示してください。
建設工事は平成29年度いっぱいで全て完了するのか、完了しないとすれば、その内容、完成予定を示してください。
環境アセスメントについては、事後の調査を実施すると聞いていますが、今後の調査の予定を示してください。
〇村上電気課長 まず、平成29年度の収支の見通しについてでございますが、収入は、販売電力料金などにより税込み3億円余であり、費用は、減価償却費などで税込み2億1、800万円余で、差し引き損益は税込み8、100万円余で、純利益は税抜き6、100万円余を見込んでおります。
次に、平成30年度の収支についてでございますが、高森高原風力発電所の本格稼働により、収入は、税込み11億6、800万円余と大幅にふえますが、費用は、包括保守業務委託や損害保険料等が新たに加わることから、税込み10億5、500万円余となり、差し引き損益は税込み1億1、300万円余で、純利益は税抜き4、600万円余を見込んでおります。
次に、建設工事の完了見込みについてでありますが、風車発電機につきましては、昨年末までに完成し、本年1月1日から営業運転を開始したところであります。
なお、風車組み立て作業におきまして、強風や濃霧等により作業が1カ月程度おくれたほか、昨年は例年より半月程度早い11月上旬に降雪があり、組み立て後に予定しておりました管理用道路の舗装や周辺緑化等については、春以降に繰り延べせざるを得なかったものであります。これらの一部工事につきましては、雪解けを待って本年5月から再開し、夏までには完了する予定となっております。
最後に、環境アセスメントの事後調査についてでございますが、環境影響評価書に基づきまして、風力発電所運転開始後の事後調査として、動物に関する調査を1年間行うこととしております。
具体には、猛禽類のノスリや渡り鳥であるオオジシギの生息状況調査、保全措置として設置した人工の巣やとまり木の効果検証などを行うこととしております。
なお、事後調査の結果により、必要に応じて追加の保全措置を検討することとしております。
〇斉藤信委員 売電収入もかなりの金額なのだけれども、それに匹敵するような費用がかかっていると。意外と収益そのものはそれほどでもないなと。費用がこれだけかかるわかりやすい理由は何なのか。
もう一つ、鉛蓄電池を今回整備したというのが新しいところだと思いますけれども、これは、実際にどう活用されているのかを示してください。
〇村上電気課長 費用につきましては、主に包括保守業務委託料と損害保険料が大きいところであります。減価償却費等も大きいわけですけれども、減価償却費につきましては、17年の耐用年数ということになっております。また、市町村交付金等につきましても、それらの簿価に応じて交付されるものであり、費用的には年々圧縮されていくため、収益は上がっていくことになります。
次に、鉛蓄電池の活用につきましては、本発電所は、電気の出力変動対策を条件に設置していることから、出力がある一定程度の変動となるように蓄電池を活用しているものでございます。
〇斉藤信委員 費用について、委託料、損害保険料、減価償却費は、それぞれおよそどのぐらいですか。
〇菊池次長兼経営総務室長 費用の内訳でございますけれども、減価償却費で6億9、000万円ほど、委託料のうち、風力発電システムの包括保守業務委託料で1億4、600万円ほど、年間分の損害保険料として6、900万円ほどということで、かなりの経費を要するという内訳になっております。
〇斉藤信委員 総事業費が約127億円ということでありました。この投資回収時期はどうなるのか、そして、20年間運転した場合の累積損益はどのように見通せるのか示してください。
〇村上電気課長 投資の回収期間につきましては15年を見込んでおります。また、最終的な営業損益につきましては36億円を見込んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 次に、簗川発電所の問題についてお聞きしますけれども、平成29年度までの工事の進捗状況はどうなっているか、また、平成30年度の工事の予定はどうでしょうか。それと、高森高原風力発電所は投資の回収に15年かかるということですけれども、簗川発電所の場合の収支見通しはどうなっているか示していただきたい。
〇細川業務課総括課長 まず、簗川発電所についてでございますけれども、平成28年度に現場工事に着手し、平成33年度の営業運転開始を目指して着実に建設を進めているところでございます。
平成29年度工事の進捗状況についてでございますけれども、5月に水車発電機等製作据えつけ工事について契約を締結しまして、発電機などの仕様について打ち合わせを進めております。また、平成28年度に引き続き、発電所基礎工事を進めるとともに、11月下旬から水圧鉄管の現場据えつけ工事を行っております。
次に、平成30年度の工事予定についてでございますけれども、平成30年度は、引き続き、ダムの建設工事にあわせまして発電所基礎工事を進めるとともに、発電所建屋建築工事の発注、水車発電機の機器設計などを着実に進めることとしております。
また、電気事業法に基づきます工事計画の届け出、河川法に基づく基礎地盤検査の受検などを予定しているところでございます。
なお、進捗率については、事業費ベースで、平成30年度末で約50%に達する見込みでございます。
最後に、収支でございますけれども、簗川発電所の投資回収期間については、先ほどの高森高原風力発電所は15年と答弁いたしましたが、簗川発電所については9年を見込んでおります。また、20年後の累積損益については、約22億円を見込んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 簗川発電所の総事業費は約17億円となっていましたけれども、これにはダム負担金は当然入っているということで理解をしていいのか。
それと、簗川発電所の場合には9年で投資を回収するということで、高森高原風力発電所よりは、そういう意味でいけば経済効率性はあるのかと。
先ほど高森高原風力発電所の耐用年数は17年と言いましたね。これは、あくまでも減価償却のことで、実際にどのぐらい使用できるのか。17年後をめどに、また大規模な改修をするということになるのか。水力発電所の耐用年数も含めて、最後にお聞きします。
〇細川業務課総括課長 まず、簗川発電所でございますけれども、一般的に水力発電所の電気機械設備については、耐用年数22年を想定して減価償却などを行ってまいります。そのほかに土木施設等もございますので、一般的に水力発電所につきましては40年ほどの営業運転期間をいわゆる寿命と見込んでいるところでございます。
次に、高森高原風力発電所でございますけれども、先ほど減価償却は17年と答弁したところでございますが、固定価格買取制度の買い取り期間が20年ございますので、まずは今、20年間を目標に運転を続けようと考えているところでございます。
次に、簗川発電所のダム負担金でございますけれども、これは、先ほどの事業費の中に含まれております。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
企業局の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時17分 散 会

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