平成30年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 5 号)
平成30年3月9日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
保健福祉部長 八重樫 幸 治
副部長兼
保健福祉企画室長 熊 谷 泰 樹
副部長兼
医療政策室長 野 原   勝
医務担当技監 菅 原   智
参事兼障がい保健
福祉課総括課長 高 橋   進
保健福祉企画室
企画課長 中 野 文 男
保健福祉企画室
管理課長 菊 池 優 幸
健康国保課
総括課長 藤 原 寿 之
地域福祉課
総括課長 渡 辺 英 浩
長寿社会課
総括課長 近 藤 嘉 文
子ども子育て
支援課総括課長 後 藤 賢 弘
医務課長 福 士   昭
地域医療推進課長 高 橋 幸 代

医療局長 大 槻 英 毅
次長 千 葉 雅 弘
経営管理課
総括課長 小 原 重 幸
職員課総括課長 三田地 好 文
医事企画課
総括課長 鈴 木 吉 文
業務支援課
総括課長 小笠原 秀 俊
薬事指導監 菊 地 英 行
看護指導監 高 橋 明 美

医師支援推進室長 佐 野   淳
医師支援推進監 赤 坂 高 生

財政課総括課長 小 原   勝
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
田村誠委員、工藤勝博委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第28号から議案第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上36件を一括議題といたします。
本日は、保健福祉部及び医療局関係について、延べ23人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇八重樫保健福祉部長 平成30年度の保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明いたします。
初めに、平成30年度予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、当部では、第3期復興実施計画に基づく東日本大震災津波からの復興と平成28年台風第10号災害からの復旧、復興を最優先としながら、いわて県民計画に掲げる岩手の未来をつくる七つの政策の一つである医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向け、地域の保健医療体制の確立、家庭や子育てに希望を持ち安心して子供を生み育てられる環境の整備、福祉コミュニティの確立の3点を政策項目として掲げ、ふるさと振興の取り組みと一体的に推進する予算として編成したところであります。
まず、復興計画の推進でありますが、被災者の生活の安定を図るため、国民健康保険等の一部負担金や利用料の免除、保育料の減免に対する支援に引き続き取り組んでまいります。被災地において、新たなまちづくりに連動した、災害に強く、質の高い保健、医療、福祉提供体制を整備するため、被災した医療施設や社会福祉施設等の再建、被災地における医療従事者や介護人材の確保、地域包括ケアシステムの構築などに取り組んでまいります。応急仮設住宅での生活の長期化や災害公営住宅への転居による生活環境の変化を踏まえ、被災者及び被災児童の健康の維持増進、心のケアを進めるため、岩手県こころのケアセンターやいわてこどもケアセンターによる診療、相談対応、保健師や栄養士による健康相談、保健指導の実施、住民の自主的な健康づくり活動への支援など、きめ細かな心と体のケアに取り組んでまいります。また、高齢者や障がい者等を住民相互に支え合う福祉コミュニティーの体制づくりを進めるため、応急仮設住宅や災害公営住宅等において被災者への必要な見守りを行う生活支援相談員を配置するとともに、中長期的な見守り支援体制の充実に向けて、地域づくりワークショップの開催や地域住民の居場所づくりなど、新たな福祉コミュニティー形成の支援に取り組んでまいります。
次に、いわて県民計画に掲げる医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向けた施策の推進であります。
政策項目の一つ目、地域の保健医療体制の確立については、県民一人一人がみずからの心身の健康づくりに主体的に取り組み、県民が必要な医療や健診等を適切に受けることができるとともに、感染症などによる健康被害を心配することなく安心して生活できる体制を確立するため、奨学金による医師の養成と適切な配置調整による偏在の解消、看護職員の県内定着や離職防止、復職支援などに取り組んでまいります。
また、地域医療構想を踏まえ、医療機関の機能分化と連携体制の構築を進めるとともに、岩手医科大学附属病院の高度救命救急医療等提供拠点整備への支援、ドクターヘリの運航を初めとした救急医療体制の充実、産科診療所等の開設支援などを通じた周産期医療体制の整備を進め、質の高い医療サービスの提供に取り組んでまいります。
さらに、全国高位の生活習慣病による死亡率を改善するため、働き盛り世代を対象に、生活活動量の増加や食生活の改善など健康増進の取り組みを新たに展開するとともに、新型インフルエンザやウイルス性肝炎などの感染症対策、危険ドラッグなどの薬物対策を実施し、県民が一体となった健康づくりに取り組んでまいります。
次に、政策項目の二つ目、家庭や子育てに希望を持ち安心して子供を生み育てられる環境の整備でありますが、安心して子供を産み育てられる環境の整備に向け、結婚、妊娠、出産、子育ての各ライフステージを切れ目なく支援してまいります。結婚サポートセンター-i-サポを中心とした結婚支援や、妊娠、出産を望む方々の願いに応える特定不妊治療費助成の実施、保育所の整備や保育士等の人材確保、放課後児童クラブ等の運営支援など、各種保育サービスの充実に引き続き取り組んでまいります。
また、子供たちが生まれ育った環境に左右されることなく将来に希望が持てるよう、子供の貧困対策を推進するため、子どもの生活実態調査を実施し、また、子ども食堂などの子供の支援に取り組む団体のネットワーク化を進めてまいります。
さらに、障がい児が乳幼児期から青年期まで一貫した支援を受けることができるよう、関係機関の連携による地域療育ネットワーク機能の充実を支援するとともに、医療的ケアを要する在宅の超重症児・者等の短期入所事業所の受け入れ体制を充実し、障がい児の療育の質の向上、及びその家族の負担軽減などに引き続き取り組んでまいります。
政策項目の三つ目、福祉コミュニティの確立であります。
県民誰もが、必要な福祉サービス等を利用しながら住民相互で支え合い、安心して生活できる福祉コミュニティーづくりを進めるため、地域福祉活動コーディネーターの育成など、住民参加による生活支援の仕組みづくりなどを推進してまいります。
高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、介護サービス提供体制の充実を図るとともに、認知症疾患医療センターを中心に、認知症の方及びその家族に対する支援に引き続き取り組んでまいります。
また、障がい者が、希望する地域で安全・安心に暮らし、その経済的基盤を確立できるよう、グループホーム等の住まいの確保や農福連携の取り組みなどによる就労の場の拡大に取り組んでまいります。
さらに、生活困窮世帯の自立を支援するため、住居確保給付金の支給や就労準備支援、家計相談などを包括的かつ継続的に支援するとともに、子供の学習支援について、新たに沿岸地域に拡充するなど、その取り組みを強化してまいります。
また、自殺対策を総合的に推進するため、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などに引き続き取り組んでまいります。
以上が平成30年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
まず、議案第1号平成30年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。
当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費949億8、311万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く860億1、815万円余と、7ページの4款衛生費273億9、754万円余のうち、2項環境衛生費を除く166億2、853万円余と、9ページに参りまして、11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費3億5、954万円余と、12款公債費1項公債費の一部74万円と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、3項公営企業負担金の一部を除く321億2、078万円余であり、合計で1、351億2、775万円余の予算額となっております。これを平成29年度当初予算と比較しますと93億3、069万円余の減、率にいたしまして6.5%の減となっております。
以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の110ページをお開き願います。
なお、説明欄に記載の主な事業の内容を中心に御説明申し上げ、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきます。
3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、上から9番目、生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金貸付事業と、生活支援相談員による相談支援の取り組みに対し補助しようとするものであります。111ページに参りまして、上から5番目、生活困窮者自立支援事業費は、生活困窮者の自立を支援するため、相談窓口を設置し、包括的な支援を行おうとするものであり、子供の学習支援事業について、新たに宮古圏域に拡充するなど、施策の充実を図ろうとするものであります。この目の一番下、被災者見守り支援事業費は、中長期的な見守り支援体制の充実に向けて、新たに、地域づくりワークショップの開催や、災害公営住宅がある地域の住民も広く対象とした居場所づくりなどの取り組みを実施しようとするものであります。2目障がい者福祉費に参りまして、下から7番目のチャレンジド就労パワーアップ事業費は、障がい者がその経済的基盤を確立できるよう、障がい者就労支援事業所の工賃向上に向けた取り組み等を実施しようとするものであり、新たに、農林水産部や教育委員会等と連携の上、農福連携の取り組みを展開しようとするものであります。112ページに参りまして、この目の一番下、障がい福祉サービス等利用者負担特例措置支援事業費補助は、被災者の生活の安定を図るため、市町村が被災者の障がい福祉サービス等の利用者負担免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。3目老人福祉費に参りまして、この目の上から10番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症疾患医療センターを中核とした専門的な医療提供体制を充実するとともに、本人及び家族への相談支援、かかりつけ医等を対象にした研修の充実、実施など、総合的な支援体制を構築しようとするものであります。113ページに参りまして、一番上の介護人材確保事業費は、施設等における介護人材を確保するため、介護の仕事の魅力発信や介護職員採用等に要する経費を補助しようとするものであります。次に、この目の下から2番目、介護保険サービス利用者負担特例措置支援事業費補助及び次の後期高齢者医療制度一部負担金特例措置支援事業費補助は、被災者の生活の安定を図るため、市町村等が利用料または一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。114ページに参りまして、5目国民健康保険指導費のうち、この目の下から2番目、国民健康保険特別会計繰出金は、平成30年度から都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い、国民健康保険の収入及び支出を経理するための特別会計を設置し、その運営に必要な経費の一部を一般会計から繰り出ししようとするものであります。次の国民健康保険一部負担金特例措置支援事業費補助は、被災者の生活の安定を図るため、市町村が国民健康保険の一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。
少しページを飛びまして、119ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、上から10番目、保育対策総合支援事業費は、地域の実情に応じた多様な保育需要に対応するため、保育の受け皿の確保や保育を支える保育士の確保に必要な措置を総合的に講じることで待機児童の解消を図り、子供を安心して育てることができる環境整備を行おうとするものであります。次に、下から4番目、重症心身障がい児(者)等支援事業費は、重症心身障がい児等への支援を充実するため、相談支援専門員等の支援員を養成するとともに、市町村が行う在宅の超重症児・者等に対する短期入所事業の介護給付費への加算、及び事業者が行う医療機器等の整備に対し支援しようとするものであります。120ページに参りまして、一番上の児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の発生予防や早期発見などの取り組み、職員研修、対応力向上のための体制強化を図るとともに、被災児童の心の健康の回復を図るため、いわてこどもケアセンターを運営し、継続して子供の心の専門的ケアを実施しようとするものであります。次に、7事業ほど下がりまして、いわての子どもスマイル推進事業費は、“いきいき岩手”結婚サポートセンターの運営等に要する経費であり、盛岡、奥州、宮古の3センター体制でマッチング支援などの結婚支援を展開しようとするものであります。次に、この目の下から4番目、子どもの未来応援地域ネットワーク形成支援事業費は、子供の貧困対策を推進するため、新たに子どもの生活実態調査を実施するとともに、子ども食堂などの子供の支援に取り組む団体のネットワーク化を図ろうとするものであります。
123ページに飛んでいただきまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
125ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費のうち、当部の一番上、救助費は、平成28年台風第10号災害による被災者に対し、応急仮設住宅の供与などを行おうとするものであります。
次に、127ページをお開き願います。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費のうち、上から2番目、母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾病児等に対する医療給付などを行うほか、周産期母子医療センターの運営に要する経費の助成や、周産期医療情報ネットワークシステムの運用等に取り組もうとするものであります。次に、この目の下から8番目の生活習慣病重症化予防推進事業費は、がん、脳卒中の罹患情報の登録、分析や、がん検診等の受診率向上のための県民への普及啓発を実施するとともに、糖尿病の悪化に伴う糖尿病性腎症を予防するため、今年度策定しました岩手県糖尿病性腎症重症化予防プログラムが各市町村、医療保険者において円滑に実施されるよう支援しようとするものであります。3事業ほど下がりまして、県民主体の健康度アップ支援事業費は、全国高位の生活習慣病による死亡率を改善するため、働き盛り世代を対象に、生活活動量の増加や食生活の改善など新たな健康増進の取り組みを展開し、県民が一体となった健康づくりを推進しようとするものであります。その次の被災地健康維持増進費及び次の被災地健康相談支援事業費は、被災者の健康状態の悪化を防ぐため、応急仮設住宅や災害公営住宅等を定期的に巡回し、健康相談、保健指導及び口腔ケア等を実施しようとするものであります。128ページに参りまして、3目予防費のうち、この目の上から3番目、特定疾患対策費は、難病患者の医療費の負担を軽減するため、医療費助成を行おうとするものであります。次に、下から4番目、肝炎総合対策推進事業費は、肝炎に関する正しい知識の普及や検査体制の充実を図るとともに、肝炎及び入院治療を行う肝がん患者の医療費の負担を軽減するため、医療費助成を行おうとするものであります。129ページに参りまして、4目精神保健費のうち、上から5番目、精神科救急医療体制整備事業費は、精神科救急医療施設を指定するとともに、精神科救急情報センターで24時間対応の相談等を行うことにより、精神科救急医療体制の充実を図ろうとするものであります。次に、この目の下から3番目、自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策を総合的に推進するため、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを実施しようとするものであります。次に、この目の一番下の被災地こころのケア対策事業費は、被災者の精神的負担を軽減するため、県こころのケアセンター及び地域こころのケアセンターを運営し、長期にわたる継続した専門的ケアを実施しようとするものであります。5目高齢者保健費のうち、この目の上から3番目、地域リハビリテーション支援体制整備推進事業費は、脳卒中の既往のある者等が住みなれた地域で適切なリハビリテーションが受けられるよう、地域リハビリテーション体制の整備を推進しようとするものであります。
少しページを飛びまして、139ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費のうち、上から4番目、医師確保対策費は、医学部進学者に対する修学資金の貸し付けや、臨床研修医の確保、定着の促進、病院勤務医の勤務環境向上や処遇改善、中核病院に対して開業医が診療応援を行う取り組みなどを支援するとともに、岩手県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るなど、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の救急医療対策費は、高度救命救急センターや二次保健医療圏単位で実施される病院群輪番制への支援、ドクターヘリの運航支援などにより、本県の救急医療体制の充実に取り組もうとするものであります。140ページに参りまして、一番上のがん対策推進費は、がん診療連携拠点病院が行う医療従事者研修や相談事業などの取り組みを支援するとともに、がん患者や家族に対する情報提供、がんに関する理解の促進に向けた普及啓発などを実施しようするものであります。次に、5事業ほど下がりまして、産科診療所開設等支援事業費補助は、分娩取扱医療機関が少ない地域に産科診療所の開設等を促進するため、診療所整備に要する経費を補助しようとするものであります。141ページに参りまして、上から4番目、公的病院医療提供体制強化施設整備費補助は、北上済生会病院の新病院建設に伴い、地域の政策医療を確保する観点から、救急医療や周産期医療等の診療部門に対し、その整備費の一部を補助しようとするものであります。次のデータヘルス分析研究推進費は、国が進める健康、医療分野のビッグデータ活用の推進に向けた改革に対応するため、各種保健医療データの分析手法やその活用方策について調査研究を進めようとするものであります。次の新生児ヘリコプター搬送体制整備費補助は、本県の救急医療及び周産期医療の充実を図るため、新生児のヘリコプター搬送に必要な医療機器等を整備しようとするものであります。3目保健師等指導管理費のうち、この目の上から2番目、看護職員確保対策費は、看護職員養成施設の在学生に対して修学資金の貸し付けを行うとともに、看護の質の向上や医療安全の確保、看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備などに総合的に取り組もうとするものであります。
次に、ページを飛びまして、231ページをお開き願います。11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費は、被災した保育所等の災害復旧事業に要する経費を補助しようとするものであります。
次に、ページを飛びまして、239ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち74万円が当部の所管ですが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金であります。
240ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
241ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
242ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
以上で一般会計についての説明を終わります。
次に、議案第2号平成30年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。
予算に関する説明書の300ページをお開き願います。歳入と301ページの歳出の予算総額は、それぞれ3億4、912万円余であります。302ページから306ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金及び諸収入であります。次に、307ページから309ページにかけましての歳出は、母子家庭及び父子家庭、寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
以上で、母子父子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
次に、議案第10号平成30年度岩手県国民健康保険特別会計予算について御説明申し上げます。
国民健康保険特別会計は、平成30年度から都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となることに伴い、国民健康保険の収入及び支出を経理するため、改正後の国民健康保険法の規定に基づき、新たに設置しようとするものであります。
便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。予算に関する説明書の380ページをお開き願います。歳入と、381ページの歳出の予算総額は、それぞれ1、140億8、712万円余であります。
382ページから391ページにかけましての歳入は、1款は、市町村からの負担金である国民健康保険事業費納付金、2款は、国民健康保険事業に係る国の負担金及び補助金、3款から5款までは、それぞれの事業に係る社会保険診療報酬支払基金等からの交付金、7款は、一般会計からの繰入金などであります。
392ページから393ページにかけまして、歳出1款総務費は、職員給与費などの事務的経費、国民健康保険団体連合会への負担金、国民健康保険運営協議会に係る経費であります。
394ページに参りまして、2款国民健康保険事業費は、国民健康保険事業に係る保険給付費等交付金、後期高齢者支援金、介護納付金、特別高額医療費共同事業事業費拠出金などであります。
395ページに参りまして、3款保健事業費は、市町村が行う保健事業や医療費適正化の取り組みを支援するためのヘルスアップ支援事業に要する経費であります。
396ページに参りまして、4款基金積立金は、国民健康保険財政の安定化を図る事業等に要する経費の財源に充てるため、国民健康保険財政安定化基金に積み立てを行うものであります。
以上で国民健康保険特別会計についての説明を終わります。
引き続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。
議案その2の37ページをお開き願います。議案第29号国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でありますが、この条例は、国民健康保険法等の一部改正に伴い、基金事業交付金を交付する特別な事情及び財政安定化基金拠出金の徴収について定めるなど、所要の改正をしようとするものであります。
次に、39ページの議案第30号後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例でありますが、この条例は、後期高齢者医療広域連合から徴収する拠出金の算定に係る拠出率を引き下げようとするものであります。
次に、54ページの議案第37号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、保健福祉部関係の改正につきましては、58ページから59ページにかけましての別表第4、保健福祉事務関係手数料であります。介護保険法等の一部改正に伴い、長期療養が必要な要介護者に対し、医療と介護を一体的に提供する介護医療院が創設されることから、新たに介護医療院の開設許可手数料等の額を制定しようとするものであります。
以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 私からは、1点、今回、新年度に保健福祉部でいわての学び希望基金を使った新規事業が三つほど用意されているようでありますので、その内容についてお伺いいたします。
医師確保対策推進事業費、それから看護職員修学資金貸付金、保育士修学資金貸付金補助、この三つの事業が並んでおりますが、事業内容と目的についてまず教えていただきたいと思います。
〇福士医務課長 医師修学資金及び看護職員修学資金へのいわての学び希望基金の活用についてでございますけれども、この基金は、東日本大震災津波により著しい被害を受けた学生等に対する修学支援を事業目的の一つとしております。
岩手医科大学地域枠入学者に貸し付ける医師修学資金につきましては、平成20年度に事業を開始して以降、一般財源により貸付事業を行ってまいりました。平成29年度までの貸付者総数は145名となっておりまして、このうち20名を超える沿岸市町村出身者に貸与してきたところでございまして、震災による罹災者等の修学支援にも寄与してきたところでございます。
また、看護職員修学資金につきましては、平成23年度から震災後に毎年度貸付枠を110名とし、このうち10名分につきまして罹災者の優先貸付枠としてきたところでございまして、国の地域医療再生基金を主な財源などとして貸付事業を行い、これまでに延べ67人に貸与してきたところでございます。
今般、看護職員修学資金において国の財政支援が終了することを受けまして、一般財源で対応してきた医師修学資金とあわせまして、こうした被災者の修学支援の趣旨に合致するいわての学び基金を活用することとしたところでございまして、該当する貸付分に充当する財源として当初予算に計上したところでございます。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 次に、保育士修学資金貸付事業についてでございます。
今年度から開始いたしました現行の貸付事業につきましては、国庫補助を活用して、毎月5万円の基本額に加えまして、初回貸付時に上限20万円の入学準備金を、また、最終回貸付時に上限20万円の就職準備金をそれぞれ加算いたしまして最大で160万円の貸し付けが受けられる制度としておりまして、保育士養成施設を卒業後、県内の保育所等で保育士として5年間勤務した場合には返還を免除することとした制度でございます。
来年度におきましては、いわての学び希望基金を活用いたしまして、新たに沿岸希望枠として10名分の貸し付けを行う経費を当初予算案に盛り込んだところでございます。
この沿岸希望枠は、沿岸部の東日本大震災津波の被災者で、保育士資格を取得しようとする方を対象とするものでございまして、貸付額等の基本的な部分は同じでございますけれども、貸し付けを受けた方が沿岸部に戻って保育士として勤務する場合には最大40万円の就職準備金を加算することとしておりまして、一般の貸付者よりも20万円多く、最大180万円の貸し付けを受けられるようにしたところでございます。
〇関根敏伸委員 そうすると、医師確保対策推進事業と看護職員修学資金の部分については、財源をいわての学び希望基金に振りかえたという理解でいいですか、ここだけ確認させてください。
〇福士医務課長 財源の関係でございますけれども、今、委員御指摘のとおりでございます。ただ、こうした財源を充当することによりまして、二つの修学資金貸付事業が今後とも継続して行えるということと、被災した学生への中長期的かつ安定的な修学支援につながるといった部分では非常に大きな効果があると考えておるところでございます。
〇関根敏伸委員 非常に期待しておりまして、枠が広がるのかなとか、そんな気がして見ていたのですけれども、いずれ事業自体はまさに必要なものだと思っておりますので、これはぜひうまく活用していただきたいと思っております。
保育士の部分については沿岸希望枠ということで10名分が確保されて、さらに準備金なるものが20万円加わって、今までマックスで160万円だったものが180万円までということでありまして、非常にありがたいと思っております。
この保育士の部分については、義務履行についても沿岸被災地での勤務が課せられるということになるのですか、ここだけ確認させてください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 義務履行といいますか、償還免除は、基本的には県内で5年間勤務した場合という形になりますが、特に沿岸の場合は過疎地域も多くなっておりまして、そういった過疎地域、沿岸部に戻った場合には3年間の勤務で返還免除が可能という形になっているところでございます。そういった形で、できるだけ沿岸に戻る生徒を多くしたいということでこういった希望枠をつくったところでございます。
〇関根敏伸委員 予想していたのとちょっと違ったものですから。いずれ、財源振りかえの部分があるにしても、きっちりとこの三つの事業を活用して、医療人材と保育士の確保と充実に努めていただきたいと思います。
加えて、このいわての学び希望基金を使って、新年度、教育委員会を含め、新規事業、拡充事業が多いわけですけれども、この事業活用については部局間の連絡調整会議でいろいろ調整が行われて決定されるということでありました。この一環の流れの中で、やはり医療人材とともに介護人材も非常に不足している現状があると思うのですが、この基金を使った介護人材の確保について、こういった連絡調整会議等の中で議論がなかったのかどうか、その辺だけ確認させていただきたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 いわての学び希望基金を活用した介護人材確保の対策についてでありますけれども、本県の介護人材確保対策につきましては、国費と県費を活用いたしまして平成26年度に県に設置いたしました地域医療介護総合確保基金を財源として取り組んでいるところでございまして、県みずから各種事業を実施しているほか、市町村や関係団体に対して補助金を交付し、その取り組みを支援しているところでございます。
当該基金の活用に当たっては、国から対象となる幅広いメニューが示されておりまして、また、対象となる取り組みの拡充や基金の積み増しも行われていることから、県といたしましては、まずはこの基金の積極的な活用によって介護人材確保対策の充実を図っていきたいと考えております。
地域医療介護総合確保基金の対象とならない取り組みを実施する場合には、一般財源を含めて他の財源の検討が必要となりますけれども、委員御指摘のいわての学び希望基金については、その使途が東日本大震災津波により被災した児童生徒等に対する就学の支援、あるいは教育の充実等とされておりますことから、その目的に従った活用が必要ということで、介護人材確保に振り向けるという部分については慎重な検討が必要と考えております。
〇関根敏伸委員 いずれ、いわての学び希望基金の状況についてはいろいろ質疑もあったようであります。当初70億円ぐらいの基金がありまして、長期的にこの基金を使ったさまざまな事業を拡充、新規事業を行ったとしてもしっかりと事業が完遂できる見込みがあるようでありますので、今後も、医療人材、保育士、介護人材を含めたさまざまな活用の可能性も探りながら、より一層の充実に努めていただければと思います。
〇福井せいじ委員 関連。私、今の質疑を聞いていてちょっと疑問に思ったことがあるのですけれども、医療、介護、保育士等の人材の育成等、私は、被災者の教育の担保というものは、そもそもやはり目的が違うのではないかと思うのであります。そういう意味では、いわての学び希望基金は被災者に限定しているものでありますから、非被災者-被災者でないほうの財源の担保というのはどうやっていくのか。いわての学び希望基金を使って、被災者のほうは担保されるわけですけれども、同じ目的のものに違う財源を使うとなると、将来的に制度の維持の担保が非常に危うくなるというか、そういった危険があるのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 保育士修学資金の貸し付けの関係でございますが、確かに福井委員が御指摘のとおり、通常の貸付部分については国庫補助を活用しておりますし、沿岸希望枠として設けましたものはいわての学び希望基金を活用しているわけでございます。こういった形で、確かに対象者それぞれ分かれているわけではございますけれども、基本的に、こういったものについて、継続については今後それぞれ毎年度検討していく形になるわけでございますが、被災者の方についてはいわての学び希望基金を活用してこういった貸し付けを行う。それから、それ以外の沿岸出身者の方で被災者でない方もいらっしゃるわけでございますけれども、そういった方については現行の制度を活用して貸し付けを行うということで、確かに財源については違う形になっているわけでございますけれども、そういった形で全ての方々が対象になれるように、いろいろと今後検討してまいりたいと考えております。
〇福士医務課長 医師修学資金、そして看護職員の修学資金についてでございますけれども、こちらにつきましては、もともと沿岸も含む県内の医療従事者の確保といったことで、医師につきましては、地域枠に関しての部分にはなりますが、例えば全体で55人の貸付枠を今は利用しておりますし、介護につきましては、被災者分も含めて110名を確保しているというのはそのとおりでございます。これらにつきましては、国の例えばさまざまな医療従事者の需給の動向といった検討も踏まえまして、例えば看護職員につきましては、今後、需給見通しのようなものを策定していくこととしておりますし、医師につきましても、国の検討の動向も踏まえて、例えば大学の定員増などとあわせて、修学資金の今後のあり方といったものが今後検討されることとなります。その中で、必要な貸付者の数あるいは財源といったものも当然検討されることとなるわけでございますし、その中で、被災者の方がそういった中に含まれるものであればこういった財源も活用する。一体で財源と事業の必要性というものを判断していくものとなると考えております。
〇福井せいじ委員 私が言っているのは、制度の維持そのものについてはありがたい、是とするものでありますけれども、その制度を担保する財源が異なったものから出ていっていいのかと。一方の財源がなくなった、一方の財源は残っている、そういったときに制度そのものはどうなっていくのか。財源の融通というのはある意味ではいいでしょうけれども、今度は制度の維持の担保という意味でそれはどうなっていくのか、それをお聞きしたいです。
〇熊谷副部長兼保健福祉企画室長 委員御指摘のとおり、本当は一つの安定した財源があって、それが基金というような形で長期間にわたってあることが望ましいわけでございますが、一般財源の有効活用というところで、できるだけ国費を使う、国から来た基金を使う、そういった国の制度を使いながら多方面の事業を展開しているところでございます。
この貸付制度についても同様でございまして、ただ、国の制度になりますと終期が来て、でも、この事業はやめられないということになりますと、何か財源を見つけて継続させなければならないという事態も出てまいります。そういった場合には、ほかの国庫補助を見つけるなり、なければ一般財源を投入するなり、それはそのときそのときで、大変申しわけないのですけれども、そういうような財源のやりくりを検討しながら事業の確保に努めていく形になろうかと思います。
〇福井せいじ委員 これで終わりにします。
そういったその場その場での対応というのはマネジメントでは必要と思いますけれども、私がお願いしたいのは、一方の財源がなくなったから、一方の財源が残っているからといって、こういった人材の育成について、そのものの目的を失うことのないように継続していただきたい。いわて学びの希望基金はあって違うほうの財源がなくなったからといってこの制度をやめることがないようにお願いしたいということを申し述べて終わります。
〇城内よしひこ委員 人を育てるというのは大変だなということで、看護師確保についてお伺いしたいと思います。
県立高等看護学院で学んでいる方々が、どういう形で県内に、あるいは県外に就職するのか、その状況と今年度の見込みをお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 県立高等看護学院の県内就業の状況についてでございますけれども、県内に3カ所ございます県立高等看護学院について、未定の者もまだ含まれますが平成30年3月卒業生85人の就職内定状況でございます。現時点で、3高等看護学院全体で県内への就業を予定している者は49人となっておりまして、就業率は57.6%を見込んでおるところでございます。なお、県外就業を予定している者は22人となっております。
〇城内よしひこ委員 なるべく県立高等看護学院の生徒たちには、県内にとどまる方向でやっていただかないといけないと思います。そういう意味でいうと、学んでいる間に県内に振り向ける、そういうPRも含めて、少し足りないのではないかと思うのです。なぜ皆さんが県立高等看護学院に入ったかという意味も含めて、確かに職業の選択の自由はあります。ですが、縁があって県立高等看護学院に入ったわけですので県内になるべくとどまってほしいと思うのですが、その辺の取り組み状況はどのようになっていますか。
〇福士医務課長 県立高等看護学院の卒業生の県内就業の状況につきましては、これまでも過去数年間50%から60%代で推移してきているところでございまして、今年度の結果につきましても、まだ確定ではございませんが、例年と大差ない状況でございます。今回の結果におきましても、特に一関高等看護学院において進学した者が結局就業率からはじかれてしまう関係もございまして、これが7名に上ったことで低調になったと考えておるところでございます。
こういった学生に対しましては、いずれ県立高等看護学院の担当の教員とも十分連携を密にしまして、卒業生がなぜ高等看護学院に入学したのかとか、使命と言ったらいいのでしょうか、そういったところもきちんと理解させ、卒業後は県内に就業できるように強く働きかけていきたいと考えております。
また、高校進学の段階からもきちんと、県内の養成所に入学する場合、地域医療に貢献してもらえるようにといった形で高校生向けのセミナー等も開催しているところでございますし、今年度は高校向けにそういった養成所を紹介するようなDVDの作成等も進めているところでございますので、そういった中で定着を図ってまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 そこでお伺いするのですけれども、その中で今、話題になっています奨学金を利用した方々は何人ぐらいいて、その奨学金を利用した方々の就職状況はどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 今年度の県立高等看護学院の卒業生のうち、修学資金の利用者の状況と、それらの者の就職の状況でございますけれども、先ほど申し上げた卒業生85人のうち18人が看護職員修学資金の貸し付けを受けており、そのうち16人が県内に就業するという状況となっておりまして、その差の2人につきましては、例えば大学とか他の助産師の学校に進学すると聞いておりますので、そういった者につきましては猶予という形になりまして、そういった学校を卒業した後に県内就業になる見通しでございます。
〇城内よしひこ委員 奨学金を使って学んでくれている若者は、本当にそういう思いがあって残ってくれるのだなというふうに思いますが、いずれ県内にある学校ですし、県立の高等看護学院ですので、ぜひ県内に残るような方策も含めて導いてくれればいいなと思います。
次に移ります。
いわてナースアクションの平成30年度の取り組みについて、ラジオ等でいつもPRしてくれていて、一度現場から離れた方々に対するいろいろな活動を呼びかけているのは私も耳にしていますけれども、そういった活動が功を奏しているのかどうか、確認も含めてお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 平成30年度のいわてナースアクションの取り組みについてでございますけれども、県では、このナースアクションの取り組みも含めまして、いわて看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、先ほどの修学資金の貸し付けや学生のセミナー等々、就職相談会の開催とあわせまして、いわてナースアクションをキャッチコピーとしたテレビCMの放映、あるいは今年度は岩手日報にタブロイド紙を折り込みをするなど、こういった形で広報活動を積極的に展開しているところでございます。
今年度は、先ほども申し上げましたとおりDVDの作成等も予定しておるなど、高校から看護師養成所に入る段階、あるいは養成所から就職する段階、それぞれの段階に応じた確保、定着の取り組みを進めているところでございます。
平成30年度につきましては、こうした取り組みに加えまして、ナースアクションにつきましては、今後、具体の中身については今年度の成果等も見ながら検討することとしておりますけれども、アクションプランの取り組みといたしましては、助産師確保のための修学資金の貸付枠の創設や、訪問看護に従事する新人看護師の育成支援などにも取り組むこととしておりまして、県立高等看護学院に限らず、県内の養成所から県内に就業する方々の確保、定着の支援の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 いずれ、医療資源としての偏在はあると思っていますし、その確保はやっぱりしていかなければならない。介護の現場でも看護師は必要ですし、いろいろなところで看護師の果たす役割は今、大きくなっています。ぜひそういった意味では、離職防止も含めて、一度入った方々は何とか現場にとどまってもらえるような方策を今後とも頑張ってほしいと思います。県立病院のことは医療局のほうでまた別途聞きますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
次に、インフルエンザについてお伺いしたいと思います。
今シーズンも、大分A型、B型、いろいろはやりました。今シーズンのワクチンについては、熊本地震等の影響もあってなかなか絶対数を確保できなかったということで、その結果が今シーズンの悪い蔓延につながったのではないかと私は思っていますが、その辺の感想も含めて、平成30年度の準備状況はどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 今シーズンのインフルエンザの流行につきましては、委員から御紹介ありましたとおり、2011年、2012年のシーズンに次ぐ規模の大きな流行となっております。この要因につきましては、さまざま言われておりますけれども、インフルエンザには幾つか型がございまして、A型インフルエンザが2種類、B型インフルエンザがあって、最初のシーズン初期にA型が流行してその後B型が流行するという形ですが、今シーズンに限りましては、A型2種類、またB型、この3種類が同時に流行いたしまして、それに伴いまして大規模な流行になったものと理解してございます。
また、委員から御指摘がありましたとおり、今シーズンにつきましては、ワクチンの流通につきまして、熊本地震の影響等がございまして懸念があったところでございまして、県といたしましても、卸業者、また医療機関等と情報共有をしながら、県内の各医療機関に適切に行き渡るように調整に努めたところでございます。
来年度のワクチンの供給につきましては、国が7月ごろにその動向、供給量等を示すこととなってございますので、私どもとしましても、県内、全国各地で必要な方々がインフルエンザワクチンが接種できるようにこの配給体制について国に求めるとともに、来シーズンにおきましても、インフルエンザワクチンの供給体制について関係機関と連携して整えまして、準備に当たってまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 医療機関によっては、数を制限して、もう打ちどめにすると。まさに打ちどめだと思いますけれども、そういう医院もありますし、そのことによって、本来インフルエンザワクチンを接種してほしいという方々も選択肢が狭まってしまうということがあるようであります。ぜひ告知も含めて、予防接種をしたい方々には行き届くような方策をしっかりととってほしいと思います。丈夫でかからないという人もこの中にはたくさんいますけれども、私も毎年、予防接種をしています。こう見えても虚弱体質です。やっぱり皆さん、しっかり打ちましょう。
その辺の所感をお伺いして終わりたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 インフルエンザは、ワクチンによって予防することももちろん重要でございますが、一方で、インフルエンザワクチンは全て発病をブロックできるわけではございません。インフルエンザ流行シーズンには、マスクをつけたり、せきエチケット、手洗い、うがいをきちっと行うといった基本的な予防も必要でございますので、ワクチン接種、医療体制、また、県民への予防の啓発、こういったものを総合的に進めまして、インフルエンザ対策を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 大きく二つについてお伺いしたいと思います。
最初に、介護の関係ですけれども、県においては、県内の介護人材不足をどのように認識されているのかお伺いいたします。
〇近藤長寿社会課総括課長 県内における介護人材不足についてでございますが、本年1月の県内の有効求人倍率を見ますと、全産業では1.46倍であるのに対し介護職では2.46倍と高く、地域によっては5倍を超える状況にあるなど介護人材の不足は顕著な状況にあり、県として、市町村や関係団体等と連携しながら、引き続き積極的に介護人材の確保に取り組んでいく必要があると認識しております。
〇佐々木努委員 今おっしゃったように大変な状況です。私も介護事業者の方といろいろ話をする機会があるのですけれども、以前は介護報酬を何とか上げてほしいというお話でしたけれども、最近は、誰か介護士がいないか、1人でいいから回してくれというせっぱ詰まったような状況が今の県内の介護事業所の厳しい状況だと思います。このままでいくと、介護事業者そのものが成り立っていかない、立ち行かなくなるのではないかと思うのです。
この間の新聞で、平成29年の1年間で介護サービス事業者の倒産は全国で111件もあったということなのですが、県内では平成28年あるいは平成29年は、そういう事例はあったのでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 県内における介護事業所の休廃止の状況でありますけれども、平成28年度に廃止、休止した事業所は県内で139カ所ございました。この139カ所の中には、経営法人の主体の変更など事務手続的な廃止なども含まれておりますので、そういったものを除いた実質的な廃止、休止事業所は112カ所となってございます。なお、そのうち人材不足を主な理由とした事業所は71事業所となっております。
それから、平成29年度は上期9月末までの状況でございますけれども、全体で54事業所、実質的な事業所が47カ所、主な理由として人材不足を挙げたところが30カ所となってございます。
〇佐々木努委員 ますます大変な状況がこれから続いていくと思うのですけれども、県として、平成29年度はどのような対策を講じてきて、その成果はあったのか、効果はあったのか、来年度はどういう取り組みをされていくのか、簡単で結構ですので、お聞きしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 介護人材の確保に向けた今年度の取り組み状況とその効果等についてでありますが、県では、参入促進、資質の向上及び労働環境、処遇の改善の三つの視点から総合的に介護人材の確保に取り組んでいるところでございます。
まず、参入促進については、県内各地に7名の介護人材キャリア支援員を配置いたしまして求人、求職のマッチング支援を行い、ことしの1月末までに新たに228名が県内の事業所に採用されたところであります。また、県の財政支援のもと、岩手県社会福祉協議会において介護福祉士養成施設の学生82名に修学資金の貸し付けを実施しております。
また、資質の向上については、ことしの1月末までに介護職員初任者研修に係る受講料を26名分補助したほか、単独での研修の実施が難しい小規模事業所の方々を対象として合同研修会を7回開催し、合計140名に参加いただいたところであります。
また、労働環境、処遇の改善については、事業者に対して処遇改善加算の活用を働きかけ、その結果、本年1月1日現在の加算の届け出率は90.7%と、前年同期比で1.3ポイントの上昇が見られたところでございます。
来年度におきましては、これらの取り組みを継続するとともに、新たな取り組みとして、介護ロボット導入への支援を行うほか、中高年の方々や元気な高齢者の方々にも介護の仕事についていただけるよう介護の入門研修を実施することとしておりまして、所要の経費を平成30年度当初予算案に盛り込んだところでございます。
〇佐々木努委員 県としてもやるべきことはやっているのだと思いますし、新年度はバスツアーまで計画しているということで、多分、取り組みも行き詰まりを見せているのだろうと承知はしているのですけれども、ただ、これは県全体の問題として、市町村は市町村、県には県の役割があると思いますので、人材確保を新年度においてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
それで、介護人材の不足に対応するために国では外国人の活用を積極的に考え始めているということなのですけれども、参考までに、現在、県内で外国人の介護従事者はどの程度いらっしゃるのかお聞きいたします。
〇近藤長寿社会課総括課長 県内における外国人介護従事者の人数でありますけれども、外国人介護従事者については、平成20年以降、経済連携協定に基づきまして、インドネシアなど一部の国から特例的に介護福祉士候補者を受け入れてきたところでありますが、これに加えて、昨年、介護福祉士資格を取得した外国人留学生への在留資格の付与や、技能実習制度への介護職種の追加等の制度改正が行われたところでございます。
平成30年2月末現在でありますけれども、ただいま申し上げました経済連携協定に基づき、県内の2施設で6名の外国人を受け入れていると伺っております。また、技能実習制度での実習生はこれから入ってくるということになるかと思います。それ以外の県内における就業状況等についての詳細は把握してございません。
〇佐々木努委員 昨年、外国人実習生が介護分野にも拡大されましたので、これから、さっきおっしゃったように、どんどん入ってくるのではないかと思うのですけれども、県内のその動きについて県では把握されていますか。
〇近藤長寿社会課総括課長 県内における外国人介護実習生の受け入れに向けた動きでありますけれども、ことしの1月30日に、公益社団法人日本介護福祉士会が、県内の事業所等を対象に盛岡市内で開催いたしました外国人技能実習生の指導者向けの介護職種の技能実習指導員講習会がありまして、これに県内の事業者や専門学校から約60名の参加があったと伺っております。
また、現時点で、外国人介護実習生の受け入れ窓口となります監理団体が県内で4団体設立されておりますことから、今後、近いうちに本県の介護施設においても外国人が技能実習を受けるようになってくるものと考えております。
〇佐々木努委員 私の住む地域でもそういう動きがあって、今、準備を進めているということなのですが、その監理団体も含めて、外国人実習生を、県内の介護サービスの向上、質を低下させないという意味でも、県として支援していく必要がこれから出てくると私は思っていますので、直接的に県の仕事ではないかもしれませんけれども、外国人の実習生を受け入れることによって起きるさまざまな課題を解決するために、県として準備を進めていってほしいということと、さまざまな監理団体あるいは実習生の相談にしっかりと乗っていただけるような体制をぜひつくっていただきたいと思います。
それから、外国人で対応しなければならないということは非常に残念なことではありますし、本来、基本は、日本人は日本人がちゃんと面倒を見るということが介護の世界でも大事なのだと私は思いますので、今、介護離職の一番の要因となっている介護従事者の低収入を改善するために、県として、国に対してしっかりと、介護報酬の引き上げも含めた形の要望をしていただきたい。これは議会でもやっておりますけれども、一緒になってこの取り組みをぜひ進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
二つ目です。i-サポについてお伺いいたします。
これまで、i-サポのPRをどのように行ってきたのか、そして、次年度はどういう形でPRをしていくのか、これも簡単で結構ですので、お示しいただきたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 i-サポのPRについてでございますけれども、i-サポにおきましては、これまで全県を対象といたしまして新聞広告を実施してきましたほか、沿岸地域の会員拡大に向けて宮古地域の情報誌等を活用して周知を行ってきたところでございます。
また、今年度から、新たな取り組みといたしまして、i-サポの職員が市町村主催のイベントに参加し、直接来場者等にi-サポのPRを行ったほか、地元の商店等を訪問いたしまして、i-サポの紹介やリーフレットの配架を依頼するなど積極的に周知活動を行ってきたところでございます。
また、県におきましても、県の広報媒体を活用いたしまして、新聞、いわてグラフ、テレビ、ツイッターなどにより機会を捉えて周知を行うとともに、市町村に対して、広報等を通じた住民への周知を依頼したところでございます。
また、企業、団体等に対しては、i-サポの職員とともに企業、団体等を訪問いたしまして、会員登録の促進などのPRに努めてきたところでございます。
今後におきましては、i-サポが実施する新聞、情報誌等を活用した広報に加えまして、県の広報ですとか、特に地域住民にとって身近な市町村等の広報媒体を有効に活用して、積極的な周知を図っていきたいと考えております。
また、市町村とも連携いたしまして、企業、団体等への利用促進の働きかけを行いますとともに、市町村が配置するいわゆる結婚相談員等の方々とも連携した会員確保の取り組みにつきましても検討していきたいと考えております。
〇佐々木努委員 私も、どうやったらこの周知が進むのか、非常に頭を悩ませているわけなのですけれども、先日、ある方から、お宅に独身の方はいらっしゃいませんかとi-サポから我が家に電話が来たと言われて、ちょっとショックを受けまして、i-サポはそういうことはしませんよという話をしたのですが、何が何だかわからないという方々がまだまだ多いですし、そもそも企業の方々がわからない。多分、企業に勤めている独身の方は少なからず認識はあると思うのですけれども、肝心の背中を押す企業が全く知らないという状況です。ことしの1月のある企業の新年会で、私は、いただいたパンフレットをそれぞれのテーブルに配りながら、皆さん、何とかi-サポに入って相手を見つけてくださいと言って回ったのですが、そのときに社長がそれを見て、こういうものがあったのを知らなかった、ぜひうちの会社でも協力したいと。会員の年会費を会社が見てもいいから協力したいという話があって、やっぱり企業に協力をいただかないと、入会もそうなのですけれども、なかなか成婚につながらないのだなということを改めて感じました。
それで、これまで企業からの支援はどういう形でいただいているのか、その辺についてもお聞きしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 お尋ねのございました企業からの支援の状況についてでございますけれども、i-サポが実施する結婚支援事業の趣旨に賛同いただきましてi-サポの運営を支援していただける企業、団体等を協賛団体として募集を行っているところでございます。協賛期間は1年間としておりまして、協賛金は1口1万円で、3口以上の場合は、i-サポのホームページにバナー広告を掲載することができることとしておりまして、これまでに2社から申し込みがあったところでございます。
このほか、i-サポの運営に対する直接的な支援ではございませんが、沿岸地域において、社員がi-サポに入会する際の入会登録料を負担している企業があると伺っております。
〇佐々木努委員 今おっしゃられたように、企業の支援が進んでいないと思います。バナー広告も2社とおっしゃいましたね。1社のバナー広告しか私の手元の資料にはないわけですけれども。
協賛金もそうなのですけれども、さっきも言いましたが、社員の背中を押してくれる企業、社員の結婚応援企業募集中とちゃんとホームページにありますけれども、そういうものをふやしていく必要があると思うのです。それは、ただ、ホームページにそれを載せたからといって企業の代表の方が見るわけでもないし、わからないのですよ。直接企業に対してアプローチをしていかないと、こういうものは周知がなかなか進んでいかないと思うのです。
これは、いきいき岩手支援財団に委託しての事業ですけれども、そちらのほうも、もしかしたらそこまで手が回らない状況なのではないかと。センターそのものの運営はちゃんとやっているけれども、PRとか、一番大事なところにかける人手がないのではないかと思うのですが、その辺はどのような認識をされていますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 i-サポの状況でございますけれども、確かに、委員がおっしゃられるとおり、i-サポで勤務しておる職員は、日々、結婚相談といったものの対応が主になっている形でございまして、なかなか忙しい状況なわけではございますが、ただ、そういった中でも、先ほど答弁させていただきましたとおり、市町村主催のイベントに参加して直接来場者等にi-サポのPRを行ったり、あるいは地元の商店を訪問してi-サポの紹介等を行ったり、リーフレットの配架を依頼するなどしていただいているところでございます。
また、来年度等におきましても、i-サポの紹介の小さなカード等をつくりまして、例えば美容室等に置いたらどうかといった検討も今進めていただいているところでございまして、なかなか多忙な中ではございますけれども、i-サポの趣旨をどうやったら効果的なPRができるのかといったところにつきましては、i-サポの職員の方々もいろいろ考えていただいているところかと思っております。
〇佐々木努委員 前にもお話ししましたけれども、県だけとか、財団だけでやろうと考えないで、市町村とかそういうところもちゃんと巻き込んでやらないと、絶対これは広がっていかないと思うのです。周知こそがこの制度の命だと私は思っているので、新年度、さまざまな方々を巻き込んだ形で周知に取り組んでいただいて、今年度以上の成果が上がるように、ぜひお願いしたいと思います。
せっかくですから、部長、意気込みをよろしくお願いします。
〇八重樫保健福祉部長 先ほど委員から御紹介のありました、企業に行って、中には企業の社員全員に入会を勧めてくれたという例も承知しておりますので、企業、団体等の訪問を、市町村なりいろんなところを巻き込んでというお話でしたけれども、先ほど御答弁申し上げましたけれども、市町村に結婚相談員の方々もいらっしゃって、そういうサポートをしている方々がいらっしゃいますので、そうした方々ともネットワークをつくって、会員確保を含めて、企業、団体等の訪問によって企業に対しての働きかけも強化して、平成30年度、さらなる会員確保なり、あるいはi-サポ自体の周知に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 それでは、最初に新専門医制度についてお伺いします。
2018年度から導入される新専門医制度なのですが、平成29年度末に初期臨床研修の修了が見込まれる県内の65名の研修医の方々の次なる専門医採用というのはどのような形になろうとしているのかお伺いします。
〇赤坂医師支援推進監 初期臨床研修を修了する研修医の専門医の採用についてでございますけれども、今お話がありましたとおり、3月1日時点で、平成29年度末に県内で初期臨床研修を修了する見込みの者は65名おりまして、県立病院の専門医プログラムに採用となった者が9名、岩手医科大学の専門医研修のプログラムには28名の採用予定であり、計37名の予定でございます。さらに、これに、県外で初期臨床研修を終えられた21名の方が県内のプログラムに進んでまいりますので、計58名が平成30年度から県内で専攻医として採用されて専門医研修を開始する見込みとなっております。
〇工藤大輔委員 そうすると、65名のうち37名は県立病院と岩手医科大学附属病院への採用ということになりますが、残りの方々はどのような形になるのか。これは県外に出る方も相当出てくるかとも思いますが、その状況と、その理由というのか、背景についてお伺いします。
〇赤坂医師支援推進監 今、委員がおっしゃられたとおり、いろいろなプログラムのところに進まれる方がいらっしゃいます。県外へのプログラムに登録される方もいるわけでございますが、来年度から始まる新専門医制度に対応しまして、県内の病院に勤務しながらに専門医資格を取得可能なプログラムを……失礼いたしました。
差分の内訳に関しましては、もちろん県外のプログラムに登録する方もいらっしゃいますし、プログラムに進まず、専攻のプログラムを受けずにそのまま医師として残る方もいらっしゃいますし、プログラムを将来どうしていくかとまだ決められないで登録されていない方もいらっしゃるところでございます。
〇工藤大輔委員 まだ決められていない方がいるということであれば、より多く県内のプログラムを選択してもらえるように積極的にまたアプローチをかけていただきたいと思います。
それで、このプログラムは、19の診療分野の研修プログラムがあるわけですけれども、選択をされた58名の方々の傾向はどうかということをお伺いしたいのと、特に小児科とか産婦人科も県内で医師が非常に足りないということですので、そういったところについてはどのようなことだったのか。また、全国知事会等で、総合診療科の医師を育成しようということで国のほうにもよく要望されたり、全国の知事の方々も含めて進めてきたわけですけれども、その状況について今回にどう反映されているのかお伺いします。
〇福士医務課長 まず、今回の専攻医採用予定者の診療科等の傾向についてでございますけれども、58名のうち最も多いのが内科で20名となっておりまして、内科の専攻といったものは、高齢化の進展に伴い医療需要の増加等にも対応できる選択だったのかと思っております。
また、全国的には外科が減少傾向と言われておりますけれども、本県につきましては7人確保されているということで、一定数の確保ができたものと考えております。
小児科、産婦人科につきましては、従前のものと制度が異なるので、一概になかなか比較できないところではありますけれども、こちらにつきましては、やはり全国的に確保が困難と言われているものでございまして、今回は各1名というところでございます。
全体の数的なもので申し上げますと、これまでは県内の学会の認定施設と言われるところで養成が進められてきたところでございます。今回は、大学等が基幹病院になってプログラムを作成し、県内の関連病院と連携しながら養成医を確保するという仕組みになっているところでございますが、大学の関係者からは、おおむね例年どおりの専攻医は大学としては確保できたという話も伺っているところでございます。
それと、小児科、産科の今後の確保に向けての話でございますけれども、専攻医が、いずれは産科、小児科を目指す医師のスタート地点になるわけでございます。こういった志向といいますか、そういったものをどのようにしていくのかというのは、本人の考え方だったり、大学のいろんな考え方だったり、そういった側面もあろうかと思いますけれども、本県といたしましては、まずは奨学金養成医師の確保、定着を進めているわけでございますので、そういった中で、産科、小児科を専攻する医師については、できるだけキャリアを生かしながら義務履行と両立を図っていただくということで、こういった診療科に向かうように働きかけを強めてまいりたいと考えておるところでございます。
総合診療科につきましては、本県は採用数がゼロで非常に残念な結果となっているところでございます。全国的に見ても、47都道府県のうちの11県が採用数ゼロとなっておりまして、全国的にも合計153人の採用と伺っているところでございます。
こうした背景につきましては、全国的にも全国学会の立ち上げのおくれといいますか、そういったものもあったと伺っておりますし、あとは、プログラムを審査する専門医機構におきましても、手順といいますか、審査のおくれや混乱があったと聞いているところでございまして、臨床研修医が専攻医を選択するわけでございますけれども、その過程の中でいろいろと判断した結果なのかと受けとめているところでございます。
また、県から国に対する要望につきましては、県では、国の働きかけも受けまして、平成28年に新専門医制度協議会を立ち上げまして、大学関係者や県立病院の医師あるいは県内の私立病院の先生方等も委員にお願いして、専門医制度の県内の取り組み状況あるいは今後の新専門医制度を開始する上での問題点について協議をしてきたところでございます。
そうした協議結果も踏まえまして専門医機構に要望も出しているところでございます。また、専門医制度の開始に当たっては、医師のさらなる地域偏在、診療科偏在を招かないように、日本専門医機構に対してきちんと配慮を求めるようにということで、県の政府要望を行ったところでございます。
こうした取り組みは、本県のみならず全国の自治体から行われているところでございまして、こうしたところが、例えば全国5大都市といいますか、5大都府県といいますか、医師が非常に集まっていると言われているところの専攻医の定数にキャップをはめるとか、そういったことにつながったものと思っております。また、プログラムの審査においても、連携の組み方の配慮といったものが行われたものと認識しております。
〇工藤大輔委員 先ほどの県内の必要とされる診療科は全て足りないと思います。全て必要なのですが、そういった中でも、特に岩手の地域の実情等をあわせて見ると、産科、小児科というのは大事ですし、また、県土の広さと、県立病院、市町村立病院、民間病院の多い少ないとか、地域にもよりますけれども、そういった中では総合的な力を持った診療ができる医師の確保、育成も非常に重要な視点かと思います。
そういった中で、総合診療科を選択された方はゼロだったということについては、岩手としても、どういった医師が必要か、どういった方が取り組んでほしいのだということをもう少し強く、医師、大学等も含めてつくり上げていく、導くというところが必要かと思います。
また、制度の改正に当たっては、これ以上、地域の偏在、そしてまた診療科の偏在が起こらないように制度改正をするというのは本来の国の役目なのだとも思います。
そういった中で、例年どおりの人数を確保できたということなのですけれども、今後の新専門医制度が岩手のこれからの医療においてよりよい制度になっていくのかどうか、それについてどのような認識を持たれているかお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 まず、初めにお話がありました総合診療に関しましては、岩手医科大学におきましても、今年度、新しく総合診療科を立ち上げたところでございまして、自治医科大学出身の先生が教授に就任されております。
そういった中で、今後、いろいろと総合診療医の重要性も県内に広く広めていく中で、大学とも連携をとりながら、総合診療医の確保あるいは専攻医の増加につながるように考えていきたいと思っております。
また、専門医制度自体につきましては、医師の自律的なシステムといいますか、もともとは医師の専門診療を行っていく上での技術や知識を認定するような資格によるものでございますので、制度の中でどこまで偏在を解消していくのかといった部分については、国にもきちんと要望していきたいと考えておるところでございます。
また、この制度の中で、今後、県としてどのようにというお尋ねでございますけれども、来年度の臨床研修医の確保といった部分でマッチングが昨年10月に行われたところでございまして、今回、この数は本県で最高の数字で、90人となったところでございます。
この背景といたしましては、岩手医科大学に29人マッチングしたということに起因しているところでございますけれども、これは、初期研修の段階からその後の専門研修を見据えて、医学生が初期研修先を選択しようといった志向が働いているのではないかと考えておるところでございまして、こうした臨床研修医の増加は今後の専攻医の確保にも相乗効果をもたらすと考えておるところでございますので、こういった初期研修から専攻医研修につながるような流れというのを大事にしていきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 本県とすれば、初期臨床研修医プラス専攻医ということで一貫した体制をとったというのは、大学を卒業される方々への大きなPRになったのだと思います。そういった意味では、プログラムをさらによりよいものに磨き上げてもらいながら、より多くの方々に評価していただけるように、さらなる取り組みを期待したいと思います。
次に、病院の耐震化についてお伺いしたいと思います。
これまで、耐震性を有する病院の状況は全国平均を若干下回る数値で推移してきたわけですけれども、最近の状況、また、そういった病院に対する改修だとか、指導とまでは言いませんけれども、進める方向性についてどのように取り組んでこられたか、実績についてお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 まず、本県の病院の耐震化の状況についてでございますけれども、平成29年9月1日現在、県内の92病院のうち、全ての建物で耐震性がある病院は64病院、耐震化率は69.6%となってございます。また、平成24年の調査では51病院、耐震化率は56.0%となっておりまして、全ての病院で耐震性がある病院は年々増加しているところでございます。
病院の耐震化についての取り組みでございますけれども、県では、毎年、全ての建物に耐震性がない病院、一部の建物にのみ耐震性を有している病院、耐震性が不明である病院に対しまして、耐震工事や耐震診断実施計画の調査を行っているところでございまして、この調査にあわせまして耐震診断とか耐震改修に係る補助制度を周知いたしまして、制度の活用を促してきたところでございます。
今年度の調査結果では、来年度以降に改修を予定している病院が5病院となっておりまして、平成32年度末においては72の病院が耐震性のある病院となり、耐震化率は77.4%となる見込みとなっております。
〇工藤大輔委員 年に1回の調査等を進められていることというのは、さらにそういった事業者への意識が高まっていくということで、これは国の求めによるものとも理解しておりますが、そういった点について、全部改修できなくても、一部、この部分だけを改修することによって、有事の際に患者を耐震性がある部分には移すことができるだとか、全て危険だということではなくて、例えば病院内のここは大丈夫だというところをつくるだとか、あるいは業務継続計画は義務ではなくて努力目標ということのようなのですけれども、業務継続計画を策定することを求めながら、現場においては、有事の際の避難であったり、さまざまな対応については認識を持ってはいると思うのですけれども、ただ、やはりそういった訓練をしなければならないでしょうし、また、この計画等を策定することによって、さらに意識が深まったり、今、病院で持っている有事の際の対応について、もっとブラッシュアップできるのではないかと思います。
そういった中では、特に改修がすぐできないところにおいては、こういった意識がより高くなるような計画策定を求めていくだとか、岩手独自の取り組みがあってもどうかと思いますが、これに対する見解をお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 災害等への対応についてでございます。先ほど、委員のほうから業務継続計画の策定ということでお話がございましたけれども、平成24年3月に国から災害時における医療体制の充実強化に関する通知がございまして、医療機関はみずから被災することを想定して業務継続計画の作成に努めることとされているところでございまして、また、平成25年9月には国から病院災害対応計画の手引きが示されておりまして、県では、各病院に対してこれらの周知を図って取り組みを促してきたところでございます。また、平成28年度には、熊本地震の教訓を踏まえまして、業務継続計画の考え方に基づいた災害対応マニュアルの策定について改めて要請しておりまして、県内全ての病院を対象に、その策定状況の調査も行ってきたところでございます。
調査の結果、業務継続計画の考え方に基づいて災害対応マニュアルを策定しているのは、県立20病院については100%となってございますけれども、民間病院も含めました全体では4割弱にとどまっているところでございまして、今後とも継続して策定状況の調査を行いながら、未策定の病院に対しては策定を働きかけていきたいと考えております。
また、この計画策定につきましては、今年度、国のほうで初めて業務継続計画の策定研修を開催しているところでございまして、本県からも研修会に参加しているところでございます。
また、耐震改修につきましては、多額の工事費を要することもございますので、病院の状況に応じて計画的に耐震改修を進めていただいている状況でございます。先ほど申し上げたように、さまざまな耐震改修、耐震診断の補助制度も御紹介しながら進めているところでございますけれども、一方、県といたしましても、国に対して、耐震化の促進に係るさまざまな財政支援の充実について要望を行っているところでございまして、今後とも、引き続き国に対しても要望を行っていきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 だんだん時間にもなってきたので、最後の1点を聞きたいと思います。
福祉施設における災害対策についてでありますけれども、今、福祉事業所の災害対策等においては、ハザードマップだとか、土砂災害危険個所の区域がどうかということ、まず自分たちが置かれている事業所の立地状況をしっかりと認識しながら、災害リスクを共有しなければならないのだと思います。
そういった中で、水防法の改正が行われ、新たに危険だというような箇所も出てきたのではないかと思いますけれども、その状況がどうかということと、災害時の行動基準となる非常災害対策計画の策定もあわせて進んでいるかと思います。その取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
〇中野保健福祉企画室企画課長 水防法の改正により新たに対策を講じる必要のある社会福祉施設の状況でございますが、昨年6月の水防法及び土砂災害防止法の一部改正により、洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地し、市町村地域防災計画にその名称及び所在地を定められた社会福祉施設や学校などの要配慮者利用施設の管理者等は、法改正前は努力義務でございましたが、改正後、避難確保計画の作成や避難訓練の実施が義務づけられたところでございます。
県内の市町村の地域防災計画に定められた要配慮者利用施設のうち社会福祉施設等の状況につきましては、本年1月末現在の調査結果では、洪水浸水想定区域においては、立地する571の社会福祉施設のうち、229施設が市町村の地域防災計画に定められたところでございます。また、土砂災害警戒区域においては、立地する280施設のうち、53施設が市町村地域防災計画に定められているところでございます。
続きまして、社会福祉施設等における非常災害対策計画策定の状況でございますが、本年1月末現在の調査結果では、洪水浸水想定区域に立地する571施設のうち、十分な計画を策定している施設は479施設、その割合は83.9%でございます。また、同地域で避難訓練を実施済みの施設は450施設でございまして、その割合は78.8%でございます。
さらに、土砂災害警戒区域に立地する280施設のうち、十分な計画を策定している施設は230施設、その割合は82.1%でございます。また、同地域で避難訓練を実施済みの施設は224施設、その割合は80%でございます。
〇工藤大輔委員 この計画の策定状況はかなり進んでいるかとも思いますけれども、平成28年台風第10号の際も、夜間対応だとか人員の体制、そういった中でも適切に判断ができる人材の育成なども含めて、その計画に見合うような形、あるいは補えないものは、地域のかかわり等も含めながら、どのようにしてそういった施設を守り、そして安全を確保していくかということ、いろいろなことが考えられると思いますので、地域の力もかりながらも、よりよい体制が組めるように、これは要望して、質問を終えたいと思います。
〇郷右近浩委員 私のほうからは、まず最初に、農福連携総合支援事業費についてお伺いさせていただきたいと思います。
この事業費につきましては、今回、新規事業ということで提案されておりますけれども、これは、私自身は、平成29年度に障がい者農福連携事業として600万円の予算で行ってきた事業の後継事業ではないかと拝見させていただいておりましたけれども、そうすると、どのようなことをさらに進めようとして1、700万円超えという新規事業として今回の予算を組んだのかお伺いさせていただきたいと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 農福連携総合支援事業についてでございますが、今年度は、障がい者農福連携事業といたしまして、農家や障がい者就労支援事業所への専門家派遣による技術支援、農家と事業所の作業受託に関する調整、事業所が生産した商品の展示、販売を行うマルシェの開催などを実施するとともに、農林水産部や広域振興局との勉強会や先進地視察などにも取り組んできたところでございます。
そうした中で、農業分野におきましては、障がい者に任せられる作業がわからない、福祉分野におきましては、就労先としての農業についての認識が薄いといったような課題があることが明らかになってきたところでございます。
このため、平成30年度におきまして、新たに、農協の営農指導員や県の農業普及員を対象とした研修会を開催いたしまして、農業分野における障がいへの理解を促進し、施設職員や生徒、保護者等を対象とした農業の知識を学ぶセミナー等を開催して農業分野の就労への意識の醸成を図るとともに、コーディネーターを増員いたしまして、農業者と就労支援事業者との作業受託に関するマッチング支援を強化することとしております。
あわせて、農福連携マルシェについては継続し、加えて、消費者と福祉施設等との交流なども行いまして、農福連携の普及啓発あるいは販路拡大を図ります。また、こうした取り組みを円滑に進めるため、福祉、農林水産分野に加えまして、教育、商工等の分野も含めた連携体制を構築して、農福連携の取り組みが全県的に広がり継続されるよう総合的、多面的に支援しようということで、農福連携総合支援事業費として当初予算に事業費を計上したところでございます。
〇郷右近浩委員 何となくわかりました。これは平成29年度も600万円という予算で、大体同じような形で進めてきており、今後どのような形で進めていくかの部分なのですけれども、これまでも広域振興局等で、地域経営推進費等を活用して農林サイドからの普及啓発であったり、体験会であったり、農作業就労支援等を行ってきていると。
冒頭の説明のときにも、部長より、教育委員会や農林水産部と連携の上、農福連携を行っていくというようなお話もありましたし、今、御説明でもいただいておりましたけれども、そうすると、予算をどのように使っていくかというイメージがとれなくて、これまで、特に農福連携を進めていったところは現場のほうが動いてきて、それぞれのJAとのいろいろなやりとりも含めてやってきたということを考えると、今回、保健福祉部で行っていくということが、平成29年度にやってきた中での例えば啓発行為であったり、団体に対する説明というか、事前段階の部分というようなものと何となく捉えていたものですから、何かもっと違う、もう前線にお金を出していいのではないかという思いをしているわけであります。
今回、平成30年度予算でも農林水産部としては特別に予算を確保しているようには私自身は見受けられなかったものですから、そうなりますと、平成30年度においては、これまでやってきた流れを踏襲すると、各広域振興局であったり、農林水産部であったり、そうした中で地域経営推進事業として対応していく形になっていくようにしかイメージがとれないのですけれども、先ほどの説明の各部局等との連携を図っていく、それを前に進めていくといったときに、どのような形で進めていくのか、もうちょっと具体的に、見えるような形で御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 農福連携につきましては、以前から事業所単位あるいは地域内で行われている取り組みでもございまして、特に、委員からも御指摘がございましたとおり、県南地域におきまして、農協や農業改良普及センターがかかわって作業の調整を行うなどの先行した取り組みがされてきたと承知しております。
平成30年度において取り組みます農福連携総合支援事業は、先ほど申し上げたとおり、農福連携の取り組みが全県的に広がるよう総合的、多面的に支援を幅広くやっていこうというものでございまして、そうした中で地域で取り組みが行われる具体的な連携につきましては、これまでと同様に広域振興局等において地域経営推進事業なども活用していただいて支援することによって、相乗効果が期待されるものと考えております。
来年度は、農福連携総合支援事業の中で、先ほど申しましたとおり、連携体制を構築して進めることと考えておりますので、その中で、そうしたことも含めてしっかりと議論して、農福連携総合支援事業と各地域の具体的な取り組みが相まって、農福連携が一層推進されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 昨年の障がい者農福連携事業なのですけれども、これは、岩手県の社会福祉協議会に事業委託ということで、最初は啓発であったり、もちろん、農業サイドにであったり、社会福祉法人であったり、そうしたところに対しての説明をしていくときに、それはそれできちんと有効に働いたものだとは思っております。
ただ、今回、今の説明ですと、何となく、平成29年度にそうした形で委託してやってきたことの繰り返しになるのではないかと。さらに、平成29年度予算で実施した中で、農家等と事業所との作業受託に関する調整ということもいろいろやっていただいておりますけれども、これなどは、例えば先ほど県南広域振興局というお話をいただきましたが、県南広域振興局農政部であったり、JAであったり、そこでセミナーを開く中で、またさらに結びつけていくといったことで、現場で動いていくところであって、そこに、私自身、県の社会福祉協議会が関与したというのが、何となく感覚として見えないというか、もともと関与すべきところなのかどうかも含め、そこまで社会福祉協議会のほうで全部やらなければいけないのかというところも含めて、どうもうまくマッチングにならないという状況で、先ほどの繰り返しになりますけれども、現場のほうで動けるような形を、お金を出していただければと。
さらに、それぞれの広域振興局がいろいろな形で地域経営推進事業費を使いながらやっていく中で、私は、せっかくこうやって農福連携事業をやっていくのだという県の考え方があるのであれば、地域振興のために何にでも使えるようなお金を使うのではなくて、このためにきちんと使うというようなお金を準備して、そしてきちんと当たっていくべきではないかと思うところであります。
これまでやってきた事業の中で、平成29年度から職員同士の勉強会等も始めているということで、これなどは、保健福祉部、農林水産部、農業改良普及員、広域振興局であったりと、いろいろなそれぞれの担当の方が集まって意見交換をしながら、どのようにしていったらいいかということを日々いろいろやってきていただいていて、そこから進んでいくのだろうということで、それはそれとして、事業を行っていく側の体制づくりとしてしっかりやっていく。だけど、現場ではどんどん前に進めていくといったことをぜひやっていただきたいと思うところであります。その点についてお考えがあればお伺いしたい。
その中で、私は農福連携というのをぜひ進めていただきたい。もちろん、農業者の方々が、担い手がいないというか、働く方々の労働力が欲しいという声もあるということは私自身は認識しております。ただ、それ以上に、今回、この事業でいろいろな形で、土を初めていじったではないですけれども、畑、田んぼに出た方々が、施設の方々から見ると、すごく明るくなっただとか、何か前向きになったとか、いろいろな声が聞こえております。
そうしたことがさらに工賃等にも跳ね返ってくるようにそれぞれがいい形で進んでいければいいと思います。そのときに、今現在、就労継続支援A型事業所等では6万円から7万円、就労継続支援B型事業所で1万5、000円から2万円ぐらいと言われる月工賃でありますけれども、この工賃を何とか上げていくような形を目指し、他県では工賃が就労継続支援B型事業所で5万円ぐらいだというような前例も出ておりますし、さらには、この展開次第では、社会福祉法人自体が自分たちで農園を運営してやるといった中での高収入というか、きちんとした収益を取れるといったこともやっております。そうしたものも含めて、特に、保健福祉部からの動きとしては啓発がまず第一という部分があるのではないかということも理解するわけでありますけれども、ぜひ前に進めていただけるような形にもっていっていただきたいと思いますが、あわせて御答弁いただければと思います。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 まず、地域、現場での安定的な取り組みができるようにしていくべきだというお話でございますけれども、私どももそう考えております。繰り返しになりますけれども、来年度は、農林水産部を初め商工労働観光部とか教育委員会も含めた連携体制を構築しまして、その中で、どうやって現場のほうが安定的に取り組みが進められるようになるかといったことについてもしっかり議論してまいりたいと考えております。
また、工賃あるいは賃金についてでございますけれども、農福連携総合支援事業につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、農福連携の取り組みが全県的に広がって継続されるように総合的に支援しようとするものでございまして、現段階では、具体的な工賃の目標値を定めているものではないところでございます。
一方、県におきましては、岩手県障がい者工賃向上計画を策定しておりまして、就労継続支援B型事業所の平成29年度における目標工賃は月額2万円ということになってございますが、平成28年度の実績で申しますと、月額平均で1万8、808円となっているところでございます。
県といたしましては、農福連携の推進により、まずは障がい者の就労機会の拡大を図るということを考えておりまして、それが工賃の向上につながっていき、ひいては目標工賃の達成にもつながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 郷右近委員に申し上げます。質問は簡潔にお願いいたします。
〇郷右近浩委員 委員長、申しわけありませんでした。気をつけます。
この後、周産期の医療体制についてということで、代表質問の際の答弁に再質問できなかったものですから、聞きたいところがいろいろあったのですが、こちらについては取りやめさせていただきまして、農福連携の部分で、もう一点だけ聞かせていただきます。
今、御説明がありましたけれども、ただ、その2万円の賃金がいいのかどうなのか。親御さんたちからすれば、自分たちが将来どのようになっていくかわからない中で、自分の子供たちに何とかきちんとした収入を幾らかでも取れるようにしたいといった思いもあり、いろいろな可能性の中で、私は、農福連携というのは前に向かっていけるものではないかと思っているところでございます。
そうしたことも踏まえまして、部長に、今後の農福連携に対しての考え方に対する所感をいただければと思います。
〇八重樫保健福祉部長 農福連携の取り組みを進めながら、ユニバーサル就労と申しますか、まさに本人の個性だったり能力に合わせて多様な働き方をつくり出して、自分の意思で社会経済活動に参加してもらう、そういったところにもつながっていくと思います。
ユニバーサル就労の関係で、弘前市のリンゴ農園でユニバーサル就労を目指す取り組みがあります。さまざまな作業工程を分解して、障がい者の方にできる工程でやっていただくというような取り組みもあるのですけれども、まさに農福連携というのは、今は農業との連携ですけれども、さまざまな分野との連携によってユニバーサル就労を目指していく、それによってさらに工賃向上なりを図っていくという考え方でございますので、教育委員会あるいは農林水産部と連携しながら、そうした農福連携の取り組みを平成30年度はしっかり取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時3分 休 憩
午後1時2分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、審査を予定している部局について、延べ18人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〇神崎浩之委員 インフルエンザ予防、それから胃がん予防等を通告しておりましたが、インフルエンザにつきましては先ほど御答弁がありました。国の予防接種の調整以外の分野で、県の皆様には取り組みをお願いしたいと思います。
これに絡んでですけれども、予防接種、それから健診とさまざまあるわけですが、例えばワクチンや抗体を入れて強化する、それから悪いものを早く見つけてそれを取り除く、さまざまな疾病予防があると思います。それから個人の疾病を予防する、それから集団に対して集団で守っていく、さまざまな疾病予防の方法があると思いますが、県といたしまして、これらの予防についてどういうふうに整理して対応されていくのかお伺いしたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 予防の考え方についてでございます。
予防につきましては、早期発見、早期治療という形で、疾病を早く発見して治療につなげる、二次予防というもので、例えばがん検診といったものがこれに当たると理解しております。そのほか、委員から御紹介ありました予防接種につきましては、健康な方に対してワクチンを接種することで感染症に対する免疫を増強し、個人の発病や重症化を予防するほか、集団における感染症の蔓延を防止する目的で行われておりまして、我が国では予防接種法によりまして実施されているところでございます。
この予防接種は疾病予防のための重要な施策でございますが、主に健康な子供を対象とすることから、実施に当たりましては、有効性のほか、高い安全性も求められると考えております。そのため、新たなワクチンの開発や導入に当たりましては、国の審議会等でその効果や副反応等について慎重に審議されているものと理解しているところでございます。
〇神崎浩之委員 早目の予防が年齢的にも非常に重要ということはわかるのですが、ちょっと心配なことがありまして質問するわけであります。
胃がんの予防対策としてピロリ菌検査の実施についてお伺いするわけですけれども、胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌はオーストラリアの2人の医師によって発見されて、この方々はこれでノーベル生理学・医学賞を受賞された。ピロリ菌は人の胃に生息して、これに感染しますと慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃がんの発生につながる。厚生労働省でも国内に3、500万人いるという報告をされております。WHOでは、胃がんの8割がピロリ菌の感染が原因であり、ピロリ菌を除菌することにより胃がんの発生を3割から4割減らせるということを報告されておりました。
こういう中で、今、全国の自治体には、できるだけ早い時期にピロリ菌を除菌することが胃がん予防に効果的だとして、ここからが重要ですが、中学生や高校生に対しピロリ菌に感染しているかどうかを検査して、感染が確認された場合は除菌治療に助成するといった施策を展開しているところもあります。ここが不安なところですけれども、県は、こうした全国の自治体における中高生のピロリ菌検査の実施状況を把握しているかどうか。それから、県単位で実施している自治体があるのかどうか。それから、実施している場合は、具体的な実施内容についてどのようになっているのかお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 中高生に対するピロリ菌検査及び除菌についての全国の実施状況についてでありますが、国等で調査したデータはありませんが、県において自治体のホームページ等により中高生に対してピロリ菌検査を実施している自治体を調査したところ、51自治体-48市町村及び3府県で確認できたところであります。確認できました自治体に対し改めて実施状況について調査を行いまして、回答があった48自治体の状況でございますが、対象者は、中学生が43自治体、高校生が2自治体、中学生から高校生まで通して対象としているのが3自治体であり、中学生の中では中学2年生を対象としている自治体が最も多いところでございます。
検査につきましては、尿検査、血液検査、便検査、呼気検査などの組み合わせで複数のパターンがあるわけですが、1次検査、いわゆるスクリーニングを尿検査で行いまして、1次検査で陽性となった生徒に対しまして2次として呼気検査を実施している自治体が33自治体で最も多いところでございます。陽性になった生徒に対する除菌の費用について、公費助成を行っている自治体が29自治体ありました。
都道府県で実施している状況でございますが、都道府県では京都府と佐賀県と鹿児島県が実施しておりまして、京都府と佐賀県では大学の研究事業として実施しているところであります。
京都府では平成27年度から高校1年生を対象に実施しておりまして、平成27年度3校、平成28年度6校、平成29年度からは府内全ての高校で実施しているところであります。実施方法は、1次は尿検査、2次は便検査とし、陽性となった生徒に対しての除菌については、実施可能な医療機関を紹介しておりますが、費用の助成等は行っていないところでございます。
佐賀県につきましては、平成28年度から県内全ての中学3年生を対象に実施しておりまして、検査の方法は京都府と同じでございますが、陽性者に対する除菌につきましても全額公費で助成しているところであります。
鹿児島県は、今年度から高校1年生を対象に1次で尿検査だけ実施しておりまして、これは、検査の目的が胃がん予防の普及啓発ということでありまして、2次検査や除菌は行っていない状況であります。
〇神崎浩之委員 今、中学2年生の実施が多いという報告もありました。先ほど野原副部長からは、病気が見つかって治療するのと、健康な体の状況の中でワクチンを打ったりということ。健康な体に何かするということで、子宮頸がんワクチンも実施しておりましたが、副作用なり事故がありまして、今やめていますね、若い女性は。そういうこともあって、メリットもあるけれどもデメリットもあるということで、ちなみに、10代、20代、若い世代でピロリ菌による胃がんの発生というのはどういう状況なのかお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 胃がんの罹患率でございますけれども、平成25年度の岩手県地域がん登録事業の報告書で、年齢階級別のがんの罹患率のデータがございます。人口10万人当たりの胃がんの罹患率でございますけれども、これは平成25年度の数字でございますが、10代はゼロ人、20代前半は1.9人、20代後半でゼロ人、30代前半で1.5人ということで、若いころはほとんどまれなケースということになりまして、40代あたりから胃がんが出てきて、ピークになるのは70代といった形でございます。
〇神崎浩之委員 周りに若い世代で胃がんの人はいないので、なぜ10代でやるのかと思っておりました。
一昨年、県医師会と岩手県との協議会において高校生におけるピロリ菌検査の尿中抗体検査導入について要望があって、意見交換されておりました。県ではこれを受けて、ピロリ菌検査の実施や感染が確認された方への除菌の実施等について、医師など学識経験者等から成る検討会を設置したということでありますが、その検討状況、それから検討結果、課題にはどういうものがあったのかということと、あわせて、これから議論していくと思いますけれども、県は今後どのように検討していこうとしているのかお伺いしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 ピロリ菌検査についての県の検討状況でございますが、県では、学識経験者、県医師会、それから検査機関、そういった関係者等で構成しておりますピロリ菌検査課題等検討会を今年度立ち上げまして、2回検討会を開催しています。中高生に対するピロリ菌検査及び除菌の実施の必要性、メリット、デメリット、課題等について検討したところでございますが、必要性、メリットとしては、ピロリ菌感染が胃がんの主な原因であることは確かなので、除菌することにより、将来、胃がんになるリスクを下げることができること、それから、ピロリ菌の感染は幼少期における親からの感染であることから、若いうちに予防することにより世代間感染を減少することができることなどが挙げられたところであります。デメリットとしては、除菌治療で使用する薬や抗生剤につきましては副作用が起こる可能性があること、それから、15歳未満の若い人に対してこの薬を使った場合の安全性が確認できていないことなどの意見が出されたところであります。
実施に当たっての課題としては、対象年齢や検査方法の設定、あるいは除菌治療を行うかどうか、それから費用、費用負担、検査機関、医療機関、大学等を含めた検査及び除菌の実施に当たる体制の整備、それから生徒や保護者への説明、同意、相談対応等の体制の整備、それから除菌後に副作用が起こった場合の対応といったさまざまな意見が出されたところであります。
ピロリ菌検査に係る今後の検討ですけれども、今年度開催いたしましたピロリ菌検査課題等検討会の意見をもとに、今年度調査した実施自治体の事例についてさらに調査分析を行った上で、来年度も検討会を開催して議論を深めていきたいと考えております。
なお、現在、日本小児栄養消化器肝臓学会において、小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドラインの検討を行っておりますので、こうした関係学会の検討状況なども注視しながら検討を進めていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 最後に、さまざまな課題について整理して野原副部長に聞いて終わりたいと思いますけれども、除菌することによって胃がんのリスクが下がるということで、それはいいと思うのです。ところが、40代ぐらいから胃がんということがあるので、やはり10代、20代にやることに対する心配というのを私、持っているわけであります。健康な体に何か医学的なアプローチをすることによるリスクであります。
方法についてもやり方があります、呼気や尿とか便とか。今、学校で検便とか検尿はやっていないので、子供たちの抵抗感も我々の時代よりはある。
それから、学校の説明をどうするかということで、何かアクションを起こすとき、学校の先生方、保健の先生方がどういうふうに最初の説明、それからその後の説明をしなければならないか。県南の放射能の尿検査のときも学校側は結構大変だったのですけれども、そういうことがあります。
それから、本人、保護者への説明をどうしていくのか、それから、他の医療機関等々への説明をどうするかということでありまして、学校側、本人、保護者の心配、それから検査方法、その後の処置の方法。それから、何といいましてもやはり中学2年生は受験を控えておりますし、思春期ということもあるので、仮に中学2年生で検査してピロリ菌がある、それを高校生になってから除菌しなさいと言われても、何か変なものがあるということで、やはり気になさる。受験を控えている時期であるということ。それから、いじめにもつながるのではないか、例えばピロリと呼ばれるとか。そういうことで、非常に心配なことがあります。
何件か文献も読みました。それから医療機関の話も聞きました。それから、小中学校の子供を持つ親御さんにも聞いたのですけれども、不安なところはないのかと。そんなことを思っておりますが、県としてはどういうふうに課題を持って今後進めていくのかを聞いて終わりたいと思います。
〇野原副部長兼医療政策室長 県として、ピロリ菌検査についての課題と今後の対応でございます。
課題につきましては全て委員から御紹介していただいた点でございまして、我々の検討会におきましても委員から御紹介いただいた点については御検討いただきまして、我々も課題として深く認識しているところでございます。
一方で、医療サイドといいますか、予防したいサイドの考え方に立ちますと、予防に関しては、若いうちにある程度の除菌をしたほうが胃がんのリスクは確かに減らせるだろうという考えがあるのも事実でございます。
また、ピロリ菌検査に関しましては、尿検査を1次検査として行いますので、比較的子供たちに負担が少ない検査で安全に実施できること。また、1次検査に関しては費用もそれほどかからない。いわゆるスクリーニングの条件としてはある程度満たしている検査ということで医師会等から御提案があったと理解しております。
最終的には、子供たちのメリットとデメリット両方をどのようにバランスをとって施策を決めていくのかということと理解しておりますので、先ほど課長から答弁したとおり、学会等の科学的なガイドライン、また、県内有識者の意見、また、実際、実施するとした場合の体制といったものについて慎重に議論を進めまして、検討を進めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、いわてで家族になろうよ未来応援事業について御質問したいと思います。
この事業は平成29年度は5、100万円ぐらいの予算額で実施された事業ですが、平成30年度は2、600万円余りということで、大きく減額となっております。その減額となった理由についてお示しください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 御質問のございましたいわてで家族になろうよ未来応援事業についてでございますけれども、この事業を実施するための財源は内閣府が所管しております地域少子化対策重点推進交付金を活用しているところでございますが、この交付金につきましては、対象事業や補助率が毎年改正されているところでございます。
平成30年度の県の事業の予算が減額となりました主な理由につきましては、まず一つ目といたしまして、企業団体等と連携して行う結婚支援の取り組みや全国の優良事例を横展開する取り組みなどを行う地域少子化対策重点推進事業におきましては、前年度と同一の内容で行う継続事業は基本的に認められないことに加えまして、事業メニューの変更により市町村の取り組み内容が毎年変わり、事業額も変動すること、さらには、補助率が引き下げられたことにより市町村事業費が減額となっているところでございます。
また、二つ目の、新婚世帯に対して住宅取得費用や引っ越し費用の支援を行います結婚新生活支援事業につきましては、前年度と同一の内容とする継続事業が認められたことによりまして実施市町村数は増加いたしましたものの、補助率が引き下げられたことが影響して減額となったものでございます。
〇ハクセル美穂子委員 いろいろと事業の取り組みの内容等が変更になったということを今、御説明いただきましたけれども、国が前年度からの単純な継続事業を認めていないのは、それなりの目的があってそういうふうにしているのではないかと思うわけです。平成29年度、私が見ていて、これは確かに広まってほしいという事業が結構あるのです。優良事例の横展開支援事業などは、男性の出産直後の育児休暇の取得などを支援する事業です。これは、働き方改革でもかなりいろいろと取り組まれている中でぜひ進めてほしい事業ですが、それが平成29年度4市町村で、平成30年度も4市町村、結局のところ全く広がっていない状況だったと。それで補助率が下がったので事業費も下がったということ。国が前年度からの単純な継続を認めていないというのは、多分、今わかったことではないと思うのですが、こういった事業の内容がわかった時点で、それでは次の年にどういった事業展開をしていけばいいのかということを考えて市町村に情報提供などをされたのでしょうか、その点についてお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 市町村に対する支援でございますけれども、確かに先ほど御説明しましたとおり交付金の対象事業等が毎年度改正となっておりまして、毎年度の事業内容がわかりにくくなっておりますことから、市町村が事業を円滑に実施できるように、市町村からの照会等の際、あるいは申請書等の提出等もございますので、その申請書等の確認等を行っていく中におきまして適宜助言等を行っているところでございます。
毎年、申請書の作成や、KPIと申しまして、達成すべき成果目標を毎年度毎年度つくらなければならないということもございますので、そういった設定の際、取り組み等の際につきまして、今年度どうする、それから次年度以降どうするか、そういったことも含めまして各市町村には確認を行っているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 そういった申請の確認のときにお話しされているということですけれども、まず、優良事例の横展開支援事業というのは、平成30年度の分でスタートした事業ではなくてその前の年から事業メニューとしてつくられているわけで、例えば県内の市町村が他の市町村の優良事例を自分たちの市町村でもやりたいと思ったとき、県内市町村の優良事例というものを県が提示しなければ、それは独自でいろいろリサーチしてやりなさいというような形の県の指導だったのかなというふうにも感じてしまうのですけれども、県内の優良事例を横展開するために県は何か取り組みをされたのか、その点についてもう一回お伺いしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 いわてで家族になろうよ未来応援事業につきましては、内閣府が所管しております地域少子化対策重点推進交付金を活用していると先ほど答弁申し上げましたが、この重点推進交付金の活用に向けまして、内閣府で基本的な事例の公表を行っております。全国にこれを広めたいということでかなり内閣府でいろいろ行っているわけでございまして、県ではそういった事例を当然各市町村にも紹介しておりますし、内閣府からもこういった事例を広めていろいろ取り組みを進めてくださいということでかなりお話は来ておりますので、そういった面につきまして、県内の各市町村にもいろいろ通知をし、あるいはそういった説明、各取り組み事例を紹介させていただきながら取り組みを進めたいということで各市町村に連絡しているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 これまでも子育ての関係で私も質問させていただいていろいろ教えていただいていますけれども、一般質問の中でもお話ししましたが、市町村の皆さんといろいろな事例をざっくばらんに話し合う機会がないと、市町村の担当者の方それぞれが、どういったものを自分の市町村で展開していったらいいのかという情報を広域に集めるのはなかなか大変なわけです。例えば盛岡市の近郊の市町村であれば盛岡市近郊の事例はわかりますけれども、県南の事例が常に来るかというと、それもまた微妙なところなのではないかということで、病児にしろ、子育て、未来応援事業にしろ、やはり市町村に対する情報を提供する体制というのは県がやっていかなくてはいけないというか、県が考えてそういう場をつくっていく役割があるのではないかと感じております。そういった役割をしっかりと進める、内閣府も進めたいというような今、御答弁がありましたけれども、内閣府は内閣府の進めたいという気持ちでやっておられますので、岩手県も岩手県として県内に子育て支援の機運を高めていくための取り組みをしっかりとやっていただきたいと思いますので、平成30年度に向けて-平成31年度に向けるのかもしれないのですけれども、これからどういった形で市町村に対しての情報提供と、さらに強化していくための取り組みはお考えなのか、この点についてお伺いします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 御提案がありました市町村との会議といいますか意見交換の実施の関係でございますけれども、確かに全県集まっての意見交換会というのはなかなか難しい面もございます。こういった形でいろいろと会議等を開催しているわけでございますし、そういった意見交換の場は広域振興局単位でいろいろ行っているわけでございますが、この事業にかかわらず、子育て支援をどのように進めるかについて、いろいろと意見交換しながら進めなければならないというのはそのとおりでございますので、方法等については今後いろいろ検討していきたいという概念を持っているところでございます。
それから、特にこの事業につきましては、各市町村と話をしておりますと、かなり使いづらい事業ということで御意見をいただいておりまして、これがなかなか広まらない原因だと考えております。
また、補助率につきましても、例えば初年度が10分の10でありましても次の年は4分の3になり、さらにその翌年には2分の1になりということで、どんどん市町村負担がふえていく事業といったことも実情としてございまして、そういったことも市町村としては使いづらい部分かなと概念を持っております。
したがいまして、例えば国に対して、これまでも財政支援の拡充等を要望しているところでございますけれども、使いやすい交付金となるよう、そういったことにつきましても要望してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 概念を持たれているということだったのですけれども、概念ではなく、しっかりやっていただきたいというお願いで私も話をしているわけでして、使いづらいのもそのとおりなのかもしれません。確かに内容を見ますと、企業とやりなさいというような内容なのですね。保健福祉部の中だけで、では、企業と連携してというのができるかというと、私はちょっと厳しいのかなと、さっきのi-サポの話もありましたけれども。であれば、商工労働観光部で、今、働き方改革というのをやっています。そこと一体になってやっていかないといけない時代になっているということをぜひ認識していただいて、お願いして、やってもらえるところはやってもらうべきではないかと。例えば商工会とか、そういった団体で、i-サポがあるよとか、こういう子育ての未来応援事業というのがあって、男性の育児休暇取得のときにいろいろ補助があるといったら経営者の方だって使いたいと思う方がいらっしゃると思います。
ぜひそういった部分についても臨機応変にいろいろな形で連携して進めていっていただきたいと思いますので、その点について部長に答弁をお願いして終わりたいと思います。
〇八重樫保健福祉部長 この事業で全国の優良事例の横展開をするということについては、まさに県内のみならず、全国の先進事例の情報をもとに県内の市町村が事業を考えていくことも必要だと思います。
また、今、委員から御指摘いただいたとおり、働き方改革や女性活躍の関係の部局とも連携しながら、委員から一般質問でお伺いしたとおり岩手労働局の助成金などの情報もしっかり伝えるということで、関係機関、関係部局と連携して、市町村も含めて意見交換の場が持てるように努めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 私は、2点について質問させていただきます。
1点目は、保育対策総合支援事業費に関連してでございます。
岩手県保育士・保育所支援センターの現状、これは、やはり待機児童解消は今、重要なテーマということでこれまでも多くの継続した努力をしているわけですけれども、そのセンターが果たしている役割をまずお聞きしたいと思います。いろいろな相談にも対応しているようですし、地域的な課題等もあればそれぞれ含めて現状をお知らせください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 ただいま、岩手県保育士・保育所支援センターの現状等についてお尋ねがございました。
保育士・保育所支援センターにおきましては、潜在保育士の再就職支援等を主に行っているところでございまして、そこに置いております再就職支援のコーディネーターを昨年度の11月からこれまで1名だった体制を2名にいたしまして、再就職支援のためのマッチング、そういった働きかけを強化しているところでございます。
このセンターの現状についてでございますけれども、平成28年度の相談件数は延べ1、187件でございましたが、今年度は2月末時点で延べ1、244件となっているところでございます。その内訳は、求人に関する相談が平成28年度は643件、今年度は2月末時点で672件となっております。また、求職に関する相談は、平成28年度が544件で、今年度は2月末時点で572件といずれも増加傾向にございまして、求人、求職者間のマッチングを行って潜在保育士等の再就職支援等につなげているところでございます。
また、これを地域別に見ますと、やはり県央地域がやや多くなっているのが事実でございますが、県央、県南といった内陸部がやや多くなっておりまして、沿岸等については幾らか少ない状況になっております。
〇軽石義則委員 大分相談件数も増加しておりまして、体制も2名体制にしたということでありますけれども、この広い岩手県全体を2名でカバーできるのかという課題もあると思います。潜在保育士の発掘と再就職のマッチングということですが、潜在保育士は今、県内にどのぐらいあるか現状を把握しておりますか。また、その内容をどういうふうに分析しているのでしょうか。離職者の数もその中には含まれていると思いますし、なぜ離職しているのかという原因の深堀りもしていかないと再就職のマッチングにもつながらないのではないかと思いますけれども、潜在保育士の現状、そして再就職の現状をどのように把握して分析しているのかお示しください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 2点お尋ねがございました。
まず最初に、潜在保育士の現状等でございますけれども、保育士につきましては、就業先あるいは居住地を登録する制度がないことから、離職者の数を把握することはなかなか難しい状況にございます。
離職の原因でございますけれども、これにつきましては、県の保育士・保育所支援センターが再就職を希望して求人登録をした方270人を対象にアンケート調査をした結果によりますと、その主な要因といたしまして、保育士個人の事情にかかわるものとしては、現在の勤務条件では子育てとの両立が困難であるとか、結婚と出産あるいは子育てに専念するためとか、転居となっているところでございます。また、職場環境等の面では、法人や施設の方針に合わない、雇用条件、収入等で不満がある、あるいは人間関係などとされておりまして、複合的な要因が離職につながっているものと考えているところでございます。
また、潜在保育士の再就職の関係でございますけれども、これもなかなか難しいところもございますが、保育士・保育所支援センターにおけるこれまでのマッチング件数は、平成27年度は102件、平成28年度は115件、今年度につきましては2月末時点で97件となっておりまして、マッチング件数については年々増加してきているところでございます。
〇軽石義則委員 なかなか現状を把握し切れていないようですけれども、ある程度見える数の中での原因分析はされているようですが、私もいろいろな方から相談を受けます。やはり労働条件と賃金が合わないのも一つの大きな要因になっているのではないかと言われておりますけれども、それは新規の部分も同じだと思うのです。学校を卒業して新しく保育士になろうという方々が、ある統計によると、学校を卒業して保育士の資格を持っていながら半分ぐらいしか就職していないという報告もされているようですけれども、新規就職者の現状、推移。それから正規と非正規、いろいろ雇用形態もあるようですが、その部分はどのように把握されているのでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 県内の保育士養成校を卒業して新たに保育所等に就職する方の就職状況でございますけれども、これにつきましては、平成29年3月に県内の保育士養成施設等で保育士資格を取得して卒業した方が304人おりまして、このうち、保育所や認定こども園など保育関係施設に就職した方は250人となっておりまして、そのうち152人程度が県内の保育関係施設に就職しているような状況になっております。
また、正規、非正規ということでのお尋ねがございましたが、正規、非正規ということでございますと、例えば県内全ての保育所を対象に県が毎年行っている職員採用に関するアンケート調査によりますと、正規職員につきましては、例えば平成28年度は43人の募集に対しまして採用数が44人となっておりまして、採用率は102%となっているところでございます。一方、非正規のフルタイム雇用職員につきましては、平成28年度は109人の募集に対しまして採用数が100人となっているところでございまして、採用率は91.7%となっているところでございまして、若干正規、非正規によりまして、その採用条件によって差が生じているところでございます。
〇軽石義則委員 非常に人が足りないと言われながらも、そこに就職していない方もいる現実が数字としてもあらわれているわけです。
先ほど離職の原因等の調査もしておりまして、その原因をやはり一つずつ分析して対策に結びつけていかなければ、保育士の方の数がふえなければ結局待機児童の解消にもつながっていかないのではないかと思っています。離職防止を含めた保育士の業務負担軽減対策が求められていると思うのですけれども、それらの実態をどのように把握されているのでしょうか。
私のところに相談に来た方は、日中はまず子供のことを中心にしっかり対応をしなければならない。後の事務作業もかなり膨大で、小学校に上がる年代になってくると小学校に出す書類も膨大で、手書きにしなければならない市町村もあるようでございまして、訂正印はだめだとなれば、最後、1文字間違うとまた最初から書き直しというような、非常に複雑、煩雑な膨大な業務を持っていると、その仕事が好きでもその職場から離れたくなるというような相談が来ているのも現実です。中には、そういう事務作業は機械を導入して機械化されている事例もあるようですけれども、まだまだ対応の仕方がばらばらです。
そういう意味では、県がある程度市町村の状況を聞いた上で、統一的に業務を効率化、そして省力化していって、子育て、いわゆる保育に専念できる体制づくりを支援していくことも大事ではないかと思うのですが、その部分に対する対応はどのようになっているのでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御紹介のありましたとおり、確かに保育所の保育現場におきましては、そういった事務作業が結構大変になってきているという声も聞こえてきているところでございまして、そういったことが日常業務にも影響を及ぼしているというような形の御意見も伺っているところでございます。
このため、県におきましても、やはり保育士の就労体制を強化して就労継続と離職防止を図るとともに、保育士の業務負担を軽減するために、例えば給食の配膳や片づけなどの従事者に地域住民や子育て経験者等を配置する事業や、保育士資格を有しない保育補助者を雇い上げる費用等に要する経費を当初予算案に盛り込んでいるところでございます。
また、事務的な面で申しますと、市町村では、国庫補助事業を活用いたしまして、保育に関する記録や保護者との連絡、子供の登園や降園の管理等の業務につきましてICT化の推進を図っているところでございます。
県では、こういった事業実施市町村の拡大に向けまして引き続き事業の周知に努めることとしておりまして、こういった事業の普及拡大により、保育士の業務負担の軽減等を図っていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 忙しいという感情とか、そういう部分だけで整理できない課題が多くあると思います。ある調査によりますと、やはり客観的なデータをしっかりとって、示して、そのデータに基づいた対策を具体的にしていかないとこの職場は改善できないのではないかという論もあります。今お話しされたように、現場の声をしっかりと把握した上で、県だけではできないのは当然承知しておりますので、市町村なり事業者、関係する団体と連携をとっていただいて、正確な情報、現状を把握する調査も必要ではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から現場の声ということでお話がございました。保育士の確保もそうですし、それから就労体制の強化、離職防止、業務負担の軽減、いずれにいたしましても取り組むべき課題と思っております。
県といたしましても、例えば岩手県社会福祉協議会によります保育協議会、日本保育協会の岩手県支部、それから全国の私立保育連盟、そういった方々が属しておりますそれぞれの関係団体がございますので、そういった関係団体との意見交換等も行いながら、特に来年度から行います研修等の関係でこれからいろいろ意見交換をする機会等もございますので、そういった機会等も活用しながらしっかりそういった声を吸い上げ、あるいはどういった形であれば取り組みやすいのか、そのあたりも相談しながら進めてまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 ぜひそういう形で目に見えるような取り組みをしていただきたいと思いますし、そのことによって、客観的データに基づいて対策が講じられて働きやすい職場になっているということを伝えることによって保育士に戻ってきたり、さらにそこに就職しようという形に進んでいくと思います。
これから岩手県は、特に北上川流域においては新しい工場の進出や業務拡大などによって求人が多くなってくる対応の中で、子育て中の皆さんにもそういう場面で働く機会が多くなってきて、働きたいけれども預け先がない、どうしても求人に対する求職の数が合わなくなってくるということも考えられますので、そういう新規の企業が多く来るところにおいては、今から保育、子育てに関する支援対策をとっていく必要があるのではないかと思いますけれども、その部分については今どのような考え方を持っているのでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 近年の雇用拡大に伴う保育ニーズ対策についてでございますけれども、県では、昨年度から今年度にかけまして、トヨタ自動車東日本株式会社からの要請によりまして、企業主導型保育事業の実施に向けまして、金ケ崎町など関係機関で構成するワーキンググループに参画いたしまして、開所に向けた手続等に係るいろいろな助言等を行ったところでございます。
また、今年度から新たな取り組みといたしまして、平成29年4月1日時点で待機児童が発生しておりました10市町村を対象に個別に意見交換を行ったところでございまして、その中で、例えば北上市からは、東芝メモリ株式会社など新たな企業進出に伴い増加が見込まれる保育ニーズへの対応等に係る相談がございまして、施設整備などいろいろな方法につきまして助言等を行ったところでございます。
今後も、引き続き、地域の実情に応じてきめ細かく支援をしてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 既に取り組みもされているということでありますけれども、ただ、必要な指導、助言だけでは物事は解決しなくて今の現状があると思っておりますので、先ほど話をしたとおり、やはり客観的データに基づいた具体的な対策もしっかりサポートしていくことが大事ではないかと思います。今、シニア世代にいかに有効に手助けをしていただくかという取り組みもいろいろな業界で広がっているわけでありまして、特にシニア世代の保育に関する業務に携わった経験豊富な皆さんには次の世代の人材を育成するためにも非常に有効な役割を果たしていただいていると思いますし、さらにこれからもっと必要になってくると思いますので、その部分についての対応等を含めて、お考えがあればお示し願いたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 今、委員からいろいろ御提案等がございました。客観的なデータに基づいてということでお話ございましたが、いろいろな調査はしているわけでございますけれども、どうしても限りがあるところもございますので、いずれそういったところも可能な限り調査しながら、それに基づいてまたさらに、先ほどの関係団体、そういった方々の意見もいろいろ伺いながら、今後さらに一層の取り組みを進めてまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 ぜひ進めていただいて、決算が出るときには、こういう形で客観的データが示せるようになりましたというふうにしていただくとさらに保育ニーズにもしっかりと対応できると思いますので、引き続き取り組みを強力にお願いしたいと思います。
2点目、メディアユニバーサルデザインについてお伺いいたします。
これは、特に福祉の関係で、年齢や身体能力などに関係なく多くの人に情報を共有化できるものとして有効に広がりを見せているわけですが、これまで、このことについて具体的な取り組み、そして、そのことによっての効果など把握しているでしょうか、そのことについてお聞きいたします。
〇渡辺地域福祉課総括課長 メディアユニバーサルデザインのこれまでの取り組みの状況と効果についてでございますが、県では、ひとにやさしいまちづくり推進指針を策定いたしまして、印刷物や案内表示、ホームページなどにおいて、誰もが必要な情報をわかりやすい形で得ることができる情報提供のユニバーサルデザイン-メディアユニバーサルデザインを推進してきたところでございます。
具体的な取り組みといたしましては、県のホームページにおいて、文字の大きさ、文字の色と背景のコントラストなどに留意して作成しておりますほか、施設のバリアフリー情報を提供しておりますいわてユニバーサルデザイン電子マップでは、コントラストのはっきりとした単純な図で表現いたしますピクトグラムを使用したつくりとなってございます。県立施設の新築に当たっては、建物内の表示や掲示について改善に努めているところでもございます。
これまでの取り組みの効果につきましては、具体的な把握は困難なところでありますけれども、岩手県ひとにやさしいまちづくり推進協議会などにおきまして、これまでの県の取り組みについて障がい者団体の関係者から御意見をいただき、今後の取り組みに反映するように努めてきたところでございます。
〇軽石義則委員 具体的に取り組みをしていただいているということでありますが、ただ、県内全体に浸透しているかといえば、まだまだそこまでいっていないような気もいたします。県内全体にそういう考え方なり取り組みを市町村や関係団体を含めて進めることが大事だと思いますけれども、それらについてのお考えをお示し願います。
〇渡辺地域福祉課総括課長 メディアユニバーサルデザインの促進につきましては、高齢者、障がい者、子供、外国人などを含めまして、誰もが自分の意思で自由に行動し、社会参加の一層の促進を図るためには大変必要なことと思ってございます。このようなメディアユニバーサルデザインを含むひとにやさしいまちづくりの推進につきましては、県民、事業者、関係団体、県と市町村などが連携、協力しながら取り組んでいくことが重要であることは、先ほど御指摘いただいたところで、同感でございます。引き続き、県広報誌やホームページなどによる周知や、県内各圏域においてひとにやさしいまちづくりセミナーを開催するほか、障がい者が社会参加するために必要な配慮に係る事例の紹介などを通じまして県民のひとにやさしいまちづくりへの理解の醸成を図るとともに、市町村の取り組みを促進してまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 ぜひそのような形で県民の皆さんにも理解浸透していただくことが大事だと思います。
一例ですけれども、これはヘルプマークを活用したかるたです。小学4年生以上を対象に、このマークは何か、これはどういうときに使うのかをかるたをしながら覚えていく、こういうものもありますので、そういうものもぜひ活用しながら、教育委員会との連携もあると思いますけれども、やはり小さいころからなれていれば、あのマークは何なのか、困っている人はこういう形で表示しているのだという認識が共通化されていくのが大事だと思います。こういう取り組みについてもぜひ前向きに積極的に取り組むことをお願いして終わります。
〇佐々木朋和委員 私からは、放課後児童クラブについてお伺いしたいと思います。
県では、具体的な推進方策、指標は、平成26年現在で306カ所の設置でありましたが、平成28年、目標316カ所に対して実績は323カ所の達成度Aとなっておりまして、平成30年度目標の326カ所に迫っております。また、教育分野でも、放課後の公的な居場所がある小学校区の割合は、平成28年は93.1%、達成度Aとなっております。この点については評価させていただきますが、一方で、国は、放課後子ども総合プランにおいて、平成31年末を目標に新たに30万人分の放課後児童クラブを設置し、全小学校区に放課後児童クラブ-子ども教室一体型または連携型を設置すると。うち半数を一体型とすると言っております。また、余裕教室の徹底活用を掲げております。県が教育分野で掲げている言い方は、公的な居場所がある小学校は全小学校ということで、これは、子ども教室、放課後児童クラブのどちらかがあればいいというような表現でありまして、そこにそごを感じるところであります。
一体型もしくは子ども教室については教育委員会ということですので、この場では放課後児童クラブのみについてお伺いしたいと思いますけれども、まず、小学校区で整備されている放課後児童クラブの割合は本県ではどうなっているでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの割合についてのお尋ねでございますけれども、平成29年4月現在で、県内の324小学校区のうち、放課後児童クラブが利用できる小学校区は268校区あり、その割合は約83%となっております。
この268小学校区のうち、学校内に放課後児童クラブを設置しておりますのは99クラブとなっておりまして、その割合は約37%となっているところでございます。
〇佐々木朋和委員 いわて県民計画の推進目標で、教育分野でありますけれども、公的な居場所がある小学校区の割合だと93.1%ということで、一見、国が進める放課後子ども総合プランの数値に近いようなイメージを抱いておりましたが、今の話ですと放課後児童クラブが設置されているのがまだ83%ということでありますし、学校の中に設置されているのも37%ということでありましたので、まだまだかなと思っております。
一方で、これは国のほうで共働き世代を応援するという目的で、子ども教室は平成25年度平均で年間開設日数は111日ですけれども、放課後児童クラブは原則として長期休暇を含む年間250日以上というような取り組みでありますので、やはりそういった意味で、春休み、夏休み、冬休みの開所も重要であると思うのですけれども、長期休暇も開所している割合をお示しいただきたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 長期休暇も開所している放課後児童クラブの割合でございますけれども、平成29年5月1日現在で、放課後児童クラブは県内に342カ所ございます。この中で、夏休みなどの長期期間中におきましては、平日の授業実施日と同様に全てのクラブが開所しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 全て開所しているということでありますね。わかりました。
先に進みたいと思いますけれども、では、新しく学校が開校されたときに放課後児童クラブを学校内に設置していっているところがあるかどうか、この点について伺いたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 新しく整備された小学校での放課後児童クラブの設置の状況でございます。
これにつきましては当部だけではわからない部分がございますので教育委員会からもいろいろ資料等をもらったりしたわけでございますが、例えば平成30年度に開校する小学校が6校ございますが、小学校区の中に放課後児童クラブがあるのは、その6校のうち5校という状況になっております。平成28年度から今年度にかけて整備されております一関市の千厩小学校のように校舎内に放課後児童クラブの整備が進められている事例もあるところでございますが、例えば宮古市では校舎の新設はなかったものの小学校の統合を行ったわけでございますけれども、その際に、放課後児童クラブの利用児童数の増加が見込まれたことから、学校内ではございませんが、学校の敷地内に整備したという事例もあったところでございます。
〇佐々木朋和委員 学校内での設置というのは、やはり子育て世代の応援ということもあって、放課後児童クラブに送り迎えしなければいけないようでは意味がないわけでありますから、やはりできるだけこれから教育委員会と連携してぜひとも進めていただきたいと思いますし、既存のところでも、空き教室の積極的な活用ということも言われておりますので、これは進めていただきたいと思います。
さっき言っていた、342ある放課後児童教室では長期休暇もやっていると。最初に言っていただいた数字は学区内であるところということですが、そこの268と342はそごがあっていいということですね。(後藤子ども子育て支援課総括課長「そうです」と呼ぶ)はい、わかりました。
〇千葉進委員 私からは、新たに創設された子どもの未来応援地域ネットワーク形成支援事業費ということで二つ質問させていただきます。
特に一般質問あるいは総括質問でも話題になった部分があるわけですが、子どもの生活実態調査ということで、まず、タイムスケジュールを提示していただきたい。いつごろ質問項目ができ、そしてアンケートをとるのがいつで-例えば夏休みとか、そして集めて、それから集計するというスケジュールがどういうふうになっているのか教えてください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 来年度実施を予定しております子どもの生活実態調査の内容、スケジュール等でございますけれども、来年度は、小学5年生と中学2年生の保護者全てを対象に行います調査と、生活保護世帯や就学援助制度利用世帯等の保護者を対象に行う調査、それから、小学1年生から中学3年生までの全世帯を対象に行う調査の3種類の調査の実施を予定しております。これら幅広く詳細な調査を、現在のところ、8月下旬に学校を通じて配布、回収する方向で関係部局と調整をしているところでございます。
調査の結果につきましては、3種類の調査を行うこともございまして、集計や分析に一定の時間が必要と考えておりますので、途中、中間取りまとめ、報告等を行いながら、来年度中に取りまとめたいと考えております。
〇千葉進委員 来年中というのは、まだ3月ですけれども、来年中なのですか、それとも再来年度のことなのですか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 来年度中、すなわち平成30年度中でございます。
〇千葉進委員 それで、その対象となる部分が3種類ということで答弁いただきましたけれども、一つ目のところが子供たちと保護者、そして2点目、3点目は保護者という形で理解しているのですが、対象とするのに、まず一つ、特別支援学校の生徒は対象となるのかどうか。二つ目、公立学校だけなのか、私立の小中学校は入るのか。三つ目ですが、高校生は対象とならないのか、お願いします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 3点ほどお尋ねがございました。
まず、特別支援学校の児童生徒と保護者の関係でございますけれども、特別支援学校の児童生徒の関係につきましては教育委員会と調整することが必要と考えておりまして、今後、教育委員会と調整をしていきたいと考えております。
次に、高校生を対象にするかということでございますけれども、先ほど申し上げました調査は、学年を抽出しますのは小学5年生と中学2年生ということでございまして、そのほかの就学援助世帯等の利用調査も小中学生ということで今のところ考えているところでございまして、高校生は現在の時点では対象にしない考えでございます。
それから、公立だけかということでございますが、現在、教育委員会等と調整をしておりますのは、公立の小中学校を対象にということで検討しております。
〇千葉進委員 教育委員会との調整が必要ということですが、特別支援学校も対象にしていただきたい。
それから、生徒、子供たちについては、小学5年生と中学2年生ということですので、高校でも、例えば高校2年生という一つの学年を対象にするといえばできるのではないかと思います。
きょうの新聞にもこういうものがありましたけれども、虐待の疑いが6万人突破と。18歳未満の子供はという形で、子供の貧困絡みもあるのですが、いじめあるいは虐待という形の中の家庭内虐待という部分もあったりするわけですので、そういうのを見たときには高校生-もう一つは奨学金給付絡みもあるのですけれども、ぜひ、高校生も1学年を対象としていただければと思います。また、県内の子供たちの実態を知ろうとするのだったならば、公立に限るのはおかしいのではないかと。私立も岩手県には少数ながらあるわけですので、ぜひ、そこのところも対象にしていただきたいということをまず要望はしておきたいと思いますし、ぜひ、教育委員会と調整していただきたいと思います。
そのアンケートの仕方ですが、膨大な量になると思いますし、記述部分もかなりあるかと思います。集計に時間がかかるだろうと思うのですが、選択式のようなアンケートなのですか、それともマークシートが使えるアンケートなのですか。全体として記述の割合はどれぐらいになりそうか、それぐらいはわかりますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 調査項目といいますか、調査内容でございますけれども、今想定しておりますのは選択式、例えば、設問のうちどれに該当するかに丸をつけてもらうというような形で考えておりまして、マークシートではございません。項目によりまして、当然、自由記載欄もございまして、今のところ、いろいろ検討はしているところでございますけれども、世帯構成とか住環境といったものについてはこの中から選ぶということもございますし、例えば放課後の過ごし方はどうしているかといったところについての自由記載欄もございます。自由記載欄のほうが少なくはなる予定であり、基本的にはその中から選ぶというほうが多くなる見込みでございます。
〇千葉進委員 集計はかなり厳しいだろうと思います。何とも言いようがないです。
それにかかわった部分で、実態調査は1年かかるということですけれども、その間にもいろいろな課題は並行してないことを願うわけですが、当然、実態としてあるわけです。先ほど言いました虐待という部分もあったり、あるいは進学を断念するとかいろんな形で子供たちの貧困にかかわる課題はあるわけですので、ぜひそこは同時進行で対応していただきたいわけですが、その中の一つとして、二つ目の質問ですが、子ども食堂についてお伺いしたいと思います。
この間の答弁では、岩手県には子ども食堂が19施設あるとお伺いしていますが、地域的にはどういうところに集中しているとか、何かそういう特徴がありますでしょうか、これが1点。
そしてまた、その子ども食堂の開いている時間帯とか曜日、例えば朝もやっているとか、週2回とか、そういう具体的にわかっているような内容があったら教えていただきたい。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 子ども食堂についてのお尋ねでございます。
まず、地域別でございますけれども、現在の県内の子ども食堂につきましては、1月末現在、13市町、19カ所において開設しておりますが、その内訳といたしましては、盛岡広域振興局管内が3市町で行われております。県南広域振興局管内では5市町、沿岸広域振興局管内でありますと4市町、県北広域振興局管内でありますと1町という形で、13市町、19カ所において開設されているところでございます。
開設の頻度ですとか時間帯ということでございますが、中には、確かに朝食の提供等を行っているところもございますので、朝から開設しているところもございますが、開催回数につきましては、毎日開催している団体から不定期開催としているところまでさまざまでございますけれども、月1回の開催としている団体が9団体と最も多くなっております。
〇千葉進委員 それで、私の地元でも子ども食堂を開設しようかという話を聞いておりまして、その方から、子ども食堂をなぜ開かなければいけないのかと、そこから質問されているのです、存在意義というか。そういう中で、貧困で食べられないのかとか、親が朝食をつくる時間がないのかとか、いろんな形で聞かれているのですけれども、子ども食堂の存在意義というのもちょっとおかしいのですけれども、どういう形で県としてはその意義を捉えているのかお伺いしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 子ども食堂の意義ということでございますけれども、子ども食堂の活動内容といたしましては、子供たちやその保護者等に、無料もしくは低廉な料金で温かな食事の提供を行うといったことに加えまして、子供の居場所もしくは遊び場の提供、さらには学習支援、相談事業等も行っているところもございまして、こういった子供たちが安心して集える場所といった一つの形態が子ども食堂かと考えております。
〇千葉進委員 予想していたとおりです。そういう面で、今、19の施設で開所していただいているようですけれども、今おっしゃったような無償、安い、温かいという形、そして子供たちの居場所になっている、学習場所になっている、遊び場所になっているというような形で、何か、19の施設の中でこういう特徴があるよとか、こういう形でやっているよというようなものがあったら紹介してください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 19カ所のそれぞれの子ども食堂の実施状況はかなり多様でございまして、中には月2回あるいは月3回実施しているようなところもございますし、先ほど申し上げましたように、月1回という形のところもございます。皆さん、それぞれ独自に取り組まれているところでございますが、NPO法人がやっている例もございますし、地域の民生委員、主任児童委員等が中心になりまして、地域のデーサービスの施設をお借りして食事等をつくりながら、そういった提供を行っているところもございます。
それから、朝食の提供を行っているところ、逆に昼食の提供を行っているところ、そういった食事の提供に合わせて学習タイムを設けて、例えばこれはある地域でやっている、老人の方が中心になっているかと思いますが、昔話を話したり、読み聞かせをするといったようなこと、あるいはそういったことを話しながらいろいろ子供たちの相談にも乗っている事例もあるところでございまして、どれがいいということではないかと思いますが、いろいろな取り組みがなされているものと承知しております。
〇千葉進委員 そういう面でそれぞれの特徴があると思うのですけれども、どこまで言えるかわかりませんが、どのような方々にそういったものを開いていただいているのか。特に、今回、私が相談を受けている方は、子供たちの貧困だけではなく、偏食等もあるので食事改善といったものなども含めて子供たちの健康な体づくりなどもやれないかというような提起もされているのですけれども、それをやるにしても、どういう手続をすればいいのか、あるいはパンフレットとかがあるのか、さらにはどういう人たちが今までやってきているのか、そういった部分をぜひ聞いておいていただきたいと言われているのですけれども、いかがでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 子ども食堂の実施主体となっているのがどういうところかということでございますけれども、NPO法人とか市町村の社会福祉協議会等がやっているところが多くなっておりますし、そのほか、例えばライオンズクラブですとかロータリークラブの人たちがやられている事例もございます。市町村内の有志の方が中心になっているところも数カ所ございまして、例えば自分が本当の食堂の営業をしている方等が、朝とか昼に、自分の営業時間が終わった後にそういったことをやる、あるいは休日の日にそういった食事の提供を行っているというような事例もあるところでございます。
そういった形で、いろいろと実際に取り組まれている事例があるわけでございますけれども、例えばその立ち上げの支援等につきましては、市町村等を対象とした国の事業でありますとか、国が主導で創設された子供の未来応援基金といったものを導入して実施している団体もございます。
〇千葉進委員 ぜひ、そういう面でもっとアピールするような形で、しかもわかりやすいようなパンフレットなどもつくっていただきたいと思います。また、こういう助成金があるのだよというところも、ぜひ、今後ともPRしていただきたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 私は3点通告しております。保育の関係、社会的養護の関係、公的病院の関係です。
先ほど、軽石委員のほうから保育士確保の課題がありましたので、そのところは少し割愛をしながら質問させていただきたいと思うのですけれども、まず、待機児童の状況です。
保育所の待機児童は、平成28年10月では710人、隠れ待機児童650人、計1、360人いたということになっておりますけれども、今年度、平成29年10月現在の状況はどうなっていますか。それから、新年度の定員数はどうなりますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 保育所の待機児童と新年度の定員の関係でございます。
国が実施しております保育所等利用待機児童数調査-これはまだ国のほうが最終集計を行っておりませんので速報値によりますと、平成29年10月1日現在の待機児童数は17市町村で681人となっておりまして、昨年10月1日現在の数の650人と比較いたしますと、市町村数は同数、児童数は29人の減となっているところでございます。
また、育児休業中の方や特定の保育所等のみを希望しているなどの私的な理由で利用しない方など、国の調査上、待機児童とならないいわゆる隠れ待機児童の方につきましては628人となっておりまして、昨年度から22人の減となっているところでございます。
来年度の定員の関係でございますが、現在、市町村が子ども・子育て支援事業計画の見直しを進めておりますが、この中で、保育所や認定こども園、地域型保育事業も含めました保育を必要とする利用定員につきましては、平成29年4月の3万716人が、平成30年4月には、1、586人増加いたしまして3万2、302人となる見込みでございます。
〇佐藤ケイ子委員 そうすると、計算上は待機児童はなくなるという話になるのですけれども、現実的には、潜在的に、保育園に預けたいけれども預けられないという方々がもっといらっしゃるので、やはりこの待機児童問題はなかなか難しい問題だと思います。
何しろ、保育士の確保が一番の課題でありまして、現在も、保育士が確保できないために保育施設を閉鎖するという横浜市の例がおとといの情報で入ったり、認可保育所を閉鎖しなければならないという情報が入ったりしています。事業所内保育所も小規模保育も進めているわけですけれども、どうも、保育士の要件が緩い、面積要件も緩いので国はどんどん進めるわけですが、それでもそこにも保育士が確保できない状況だと。その中では、設置要件が緩いのだけれども、食事の問題とか、保育室の環境とか、余り好ましくない事例が指摘されていたり、本当に課題が多い状況になっております。
それで、新年度の予算を見ますと、画期的な予算をつけていらっしゃるのではないですか。大幅増加ですよね。新年度の保育所整備について、認定こども園も大幅に増額される予算となっておりますけれども、つくっても本当に保育士が確保できるのだろうかと心配しながら、その施設整備は何カ所整備して、どういう形になるのか伺いたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 保育施設の施設整備の関係でございますけれども、保育所等の施設整備の関係は、予算の関係ではかなり複雑になってございまして、保育所と地域型保育事業に係る施設整備費につきましては、国、市町村及び事業者が負担することになっておりまして、国の交付金が市町村に対して直接交付されるという形になっておりますので、県の予算措置は要しないところでございます。
先ほど委員から御紹介のありました子育て支援対策臨時特例事業費等の関係ですが、この分につきましては認定こども園の整備の分ということでございまして、認定こども園の整備につきましては、保育所機能部分は厚生労働省が、幼稚園機能部分は文部科学省がそれぞれ補助する仕組みとなっております。
平成30年度の施設整備の財源につきましては、両省が県に対して交付した交付金を原資といたしまして、県が造成しております、いわゆる安心こども基金を活用して実施するスキームとされておりますことから、国の交付金相当額のうち、保育機能部分を子育て支援対策臨時特例事業費、幼稚園機能部分を認定こども園施設等整備費補助として補助することとしているところでございます。
したがいまして、これは両方とも同じ施設を整備する形になるわけでございますが、平成30年度は、認定こども園の創設や増改築等といたしまして、5市の私立の施設、7施設分の整備費を計上しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 私立の認定こども園が5カ所ふえるということですよね。そうすると、全部の施設数は、保育所、認定こども園を合わせて幾らになりますか。わかりますか。わからない。じゃ、そこはいいです。
実は、国の政策で保育士確保プランとか、待機児童ゼロとか、保育料無償とか言われているわけですけれども、なかなか改善されていない実態にあります。公定価格の問題で保育士の処遇が悪いとか、国の制度、政策を変えていただかないとちょっと厳しいなと。市町村も県もそれぞれ取り組んではいるのですけれども、私は、この制度ではなかなか維持できない、安定雇用ができないということを国にもまた要請ほしいと思っております。
保育士の確保の問題については、申し上げたいことはいっぱいありますけれども、軽石委員がおっしゃったので、そこはやめます。
次に行きます。社会的養護の自立支援事業、里親の委託促進事業の関係であります。
社会的養護ということで、虐待や経済的理由で保護者のもとで暮らせなくなった子供たちが全国には4万5、000人いると言われていまして、そのうち3万人が乳児院や児童養護施設、5、000人が里親で養育されているということだそうです。県内の状況はどうなのでしょうか。
来年度予算は児童養護施設の3、590万円余ですけれども、新規です。児童養護施設の退所者の状況はどのような状況になっているか、支援内容、事業内容はどうなのかお伺いしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 今の御答弁の前に、先ほどの佐藤ケイ子委員の保育施設の関係で、施設整備の数でございますけれども、5市の私立の7施設分の整備を行うということでございましたので、よろしくお願いしたいと思います。
今の児童養護施設の退所者等の関係でございますけれども、平成29年3月に児童養護施設を退所した児童の高等学校卒業後の進路につきましては、卒業者23名のうち、短大等の進学者が4名、就職者が14名、その他が5名となっております。
先ほど委員からも御指摘がございましたとおり、虐待を原因として施設に入所した場合ですとか、施設退所後に保護者の支援が得られない児童もいると承知しているところでございます。
また、就職や進学に伴う生活環境の変化ですとか、生活費等の金銭的な負担、問題に直面した際に家族や友人にも相談できないことなどを要因として、離職や中退等のリスクを抱えているおそれがあるとも聞いているところでございます。
このため、児童の就職や進学に際しまして、就職支度費や大学進学等自立生活支度費の支給等を行っているところでござして、こういった形で支援が必要な子供へのケアを行っているところでございます。
平成30年度におきましては、新たな支援策として、御紹介のありました社会的養護自立支援事業に取り組むこととして、児童養護施設等を退所した方が、そのまま施設に引き続き居住することができるよう、あるいは里親委託されている方が、そのまま里親委託することができるように住居費や生活費の支援を行いますほか、生活支援相談員が将来への不安や交友関係など生活上の問題について相談対応することにより離職や中途退学を防止するとともに、卒業時の就職支援等も行うこととしております。
平成30年3月の児童養護施設の退所者は今のところ22人を見込んでおりますが、その全員に対しまして、必要な支援がなされるよう、新たに配置することとしております支援コーディネーターが全員の支援計画を策定することとしておりまして、先ほど申し上げましたように、退所児童一人一人の状況に応じた適切な支援が行われるように取り組んでいきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 児童養護施設にいる方々もなかなか大変だと思うわけですけれども、岩手日報の論壇に書かれていたのが、CAP岩手といって暴力から子供たちを支援する人たちがいるのですけれども、児童養護施設で暮らす子供たちにCAP児童養護施設プログラムを実施するということをやって何回も触れ合いを持ったけれども、児童養護施設の職員の方々の愛情を持った養護の仕方に本当に感激したとか、こういう子供たちの居場所をつくってほしいという記事がありまして、本当にそうだなと思っております。
そこで、今度、里親のことですけれども、厚生労働省は、こういう子供たちをどんどん里親に預けてくださいということで、目標数値を出しているのです。厚生労働省のホームページによると、今は全国平均で18%ぐらいの里親にお願いしているのだけれども、それを、年齢によりますが、50%とか70%とかにする目標を掲げてありますが、その里親委託を取り組んでいるのは自治体の意気込み次第だみたいなことがあって、本当にそうかなと思うのです。例えば新潟市では51%、さいたま市が6%から33%に上がったとか、どんどん30%台に増加させていると言っているのですが、これも本当はさまざまな問題はあるのです。本県の場合は、里親委託をどのように進めようとしているのか、方針をお伺いしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 里親委託の促進についてのお尋ねでございます。
まず最初に、委員から御紹介のありました、国が昨年8月に公表いたしました新しい社会的養育ビジョンの関係でございますけれども、このビジョンにおきましては、家庭養育優先などの平成28年改正児童福祉法の理念を具体化するために、里親委託率につきまして、就学前の子供の75%以上、学童期以降の子供については50%以上を実現するとの数値目標が盛り込まれたところでございます。
これに伴いまして、施設等における滞在期間等につきましては、乳幼児は数カ月以内、学童期以降は1年以内、特別なケアが必要な学童期以降の子供であっても3年以内を原則とするなどの数値目標がビジョンには盛り込まれたところでございます。
これを受けまして、昨年の9月に、県内の里親会や児童養護施設等関係者を構成委員として開催しております岩手県家庭的養護推進検討会の中で各委員から意見を伺いましたところ、ビジョンの方向性は理解できるものの、数値目標等については、ビジョンのとおり進めるのは難しいのではないかとの意見が大勢を占めたところでございます。
また、このビジョンに対しましては、全国児童養護施設協議会から、里親等の人材や支援体制が不十分な中で、原則、施設への新規措置入所を停止するとの表現は踏み込み過ぎであり、行き場のない子供たちを生み出すことにもつながりかねないとの懸念が示されるなど、各団体から慎重な議論を求める意見が出されているものと承知しております。
国からは、平成30年度中に都道府県計画-岩手県家庭的養護推進計画-の見直しを行うように求められておりますけれども、こうした状況を踏まえまして、現在、国におきましては、ビジョンに基づきまして、里親委託について、現行計画の委託率を上回る計画とすることなどを内容とする都道府県計画の見直し要領を策定中と伺っているところでございます。
このため、県といたしましても、こうした国の動向を引き続き注視してまいりますとともに、本県の計画の見直しに当たりましては、先ほど申し上げました児童養護施設等関係者あるいは里親会等の関係機関等からの意見を十分に伺いまして、意見調整を図りながら検討を進めていくこととしております。
〇佐藤ケイ子委員 私の知り合いにも里親をやっている人がいるのです。苦労したり、喜びもあったり、こういう里親があるということを知ってほしいと言われておりまして、積極的に里親の会議などにも出ているようですけれども、県、市町村だけでなくて、いろいろな方々が、里親というものはどういうものか体験してほしいということもおっしゃっておりました。
目標を定めて、目標を達成するようにぎりぎりと行くというのは難しい話で、現実的ではないと思います。慎重にやっていただきたいと思います。
先ほど、現行の委託率を上回れるようにという答弁がありましたけれども、現行の委託率は、県は、今、何%になっているのでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 現行の里親委託率の状況でございますけれども、本県の場合は、里親の場合には他県と異なる部分がございます。すなわち東日本大震災津波によりまして両親を亡くされた方をおじいさん、おばあさんが引き取って養育している親族里親という方もございまして、そういった方を全部含めた里親委託率は22.6%となっております。また、震災関連を除いた里親委託率、これが通常の里親委託率になりますが、平成28年度で17.1%となっている状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 里親の普及というか、PRをお願いしたいと思うのですけれども、里親月間での取り組みというのもあるようなのですが、どうも、そこだけに終わってしまっていると思いますので、ぜひ、PR活動もお願いしたい。里親で子供を引き取って幸せを感じている人もいます。悩みもあるのですけれども、本当によかったということで、2人、3人を預かる方々もいます。少子化で悩んでいる方もいますけれども、そういう事例も紹介いただければと思います。
次は、公的病院の関係でございます。盛岡赤十字病院、北上済生会病院、済生会岩泉病院ということで公的病院があるわけですけれども、新年度予算を見ますと、北上済生会病院の新築移転ということで5、500万円ぐらい措置されておりまして、では、これまでの通常どおりの支援はどうなるのかと思って心配になりました。
それで、三つの公的病院への支援の状況、新年度の措置をお知らせください。
〇高橋地域医療推進課長 盛岡赤十字病院、北上済生会病院、済生会岩泉病院の三つの公的病院は、それぞれ周産期医療、僻地医療、救急医療などの政策医療を担っていただいております。
県といたしましては、本県の政策医療を確保する観点から、これらの病院に対して財政的な支援を行っているところでございまして、具体的には、盛岡赤十字病院に対しまして、周産期及び救急医療に関連して2、500万円、北上済生会病院に対しましては、周産期や感染症などに関連いたしまして約4、000万円、済生会岩泉病院に対しましては、僻地医療に関連いたしまして約800万円の支援を当初予算案に盛り込んでおります。
これらの医療機関は本県の政策医療を確保する上で大きな役割を担っていただいておりますことから、県といたしましては、引き続き必要な支援を行っていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 それで、北上済生会病院の関係なのですけれども、今度、新築移転をするということで、今、旧県立北上病院は解体工事を行っておりまして、アスベストとかもあって、ちょっとおくれそうですけれども、解体を終わったら北上済生会病院の建築に入るわけです。
来年度当初予算案の5、500万円余ですけれども、その予算は何年間補助されるものなのか。単年度補助なのか、どうなのか。
それから、3月8日の政策地域部の審査における高田一郎委員の質疑の中で、地域総合整備資金ということで、ことし5億円ついていて、トータルでは20億円の貸し付けを受けるのだという答弁もあったわけです。そうすると、そのほかに国へも要望してほしいということが出ているわけですけれども、医療施設近代化施設整備事業費補助金ということを要望されているはずですが、その要望について、国はどのような対応をしようとしているのか伺いたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 北上済生会病院の移転新築に対する支援でございますけれども、県では、この新築移転に伴いまして、同病院が公的病院として本県の保健医療計画における周産期医療、救急医療、感染症等の政策医療を担っていただいていることを踏まえまして、移転新築に係る経費に対し、県単独予算での補助及び医療介護総合確保基金によります病床転換施設整備費による補助を行う予定としております。
新たな病院は平成30年度から3カ年にわたって整備されると伺っておりまして、当初予算案には、平成30年度に予定されている整備の割合に応じた県単補助の所要額を盛り込んだところでございます。なお、平成31年度以降も、整備事業の進捗状況に応じまして補助を継続する予定としております。
国の補助事業でございますが、今回の整備事業に当たりまして、厚生労働省の医療施設近代化施設整備事業、感染症病床の整備を対象といたしました保健衛生施設等施設・設備整備事業、国土交通省の都市再構築戦略事業の活用を見込んでいるところでございます。
先ほど委員から御紹介がありましたように、医療施設近代化施設整備事業費につきましては、ここ数年、交付率が3割程度と基準額を大幅に下回っておりますことから、国に対しましては、十分な予算の確保について要望しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 ぜひ、国に対しても基準どおりの交付ができますように配慮をお願いしたいと思います。
北上市でも北上済生会病院の新築移転については15億円ぐらい用意しなければならないということで、数年にわたって補助することになっておりますけれども、胆江地区からの方々もたくさん利用していらっしゃるのです。周産期医療の部分では、胆江地区に産婦人科がないということなどもあって市民病院的なものでもありますけれども、広域的な病院として、中部病院とともに一緒になって活動しておりますので、ぜひ応援をお願いいたします。
〇阿部盛重委員 私からは、要援護高齢者支援事業の洪水浸水想定区域の高齢者施設の避難計画についてお伺いいたします。
先ほど工藤大輔委員からも質疑がございましたけれども、昨年の6月に改正水防法が施行されまして、洪水浸水想定区域内に立地する特別養護老人ホーム、介護老人保健施設の避難計画を作成されているようですが、不備と未策定の施設があるという状況でもあると。また、土砂災害区域内の施設についても同じような状況であるということです。水害や土砂災害に備えた避難訓練も全ての施設では行われていないという実態なのでございますが、本県の災害もそうなのですけれども、これほど想定外な災害があるにもかかわらず、避難計画の未策定、一部不備があるというところはどのような原因、それに対する対策はどのようになっておりますでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 避難計画未策定施設の原因と対策についてでありますけれども、県所管の高齢者施設のうち、避難計画の性格を有します非常災害対策計画が未策定の施設は、平成29年8月末時点で117施設中20施設でありました。これは、洪水浸水想定区域内の高齢者施設ということでございます。
未策定の理由といたしましては、策定の仕方がよくわからないとか、記載すべき内容がわからないというようなノウハウの部分が多かったものでございますので、県において、社会福祉施設等における水害・土砂災害に係る非常災害対策計画策定等のための事例集を作成いたしまして、各施設へ情報提供して、早期の策定を促したところでございます。
これにより、平成30年1月末時点での未策定施設は8施設まで減少して、また、この8施設についても既に策定作業を進めておりまして、近く策定される見込みでございます。
計画の策定はしているものの、その内容が不十分な施設に対する指導でありますけれども、内容が不十分な施設に対しましては、管轄の広域振興局において改善に向けた指導、助言を行いまして、定期的に改善状況を確認しているところであります。
また、内容に不備がない施設に対しても、施設を集めて行います集団指導や戸別訪問による実地指導を行う際などに、先ほど御紹介いたしました県で作成した非常災害対策計画策定のための事例集などを活用して、定期的に必要な見直しを検討するように求めていくこととしております。
〇阿部盛重委員 ノウハウがないということは、それ自体が施設のほうで問題があるかと思うのですけれども、その指導もされているのでしょうが、ただ文面だけで、こういうフォーマットがある、だからこれに基づいて進めなさいと言われても、多分、なかなか進まない状況かと思うのですけれども、そのあたりはきっちりと訪問されて対応をされているというところもあるのでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 施設においては、火災対策というのを従来から非常に充実されていたわけでありますけれども、今回の平成28年台風第10号災害のような非常に甚大な、想定外というような大災害については、想定した計画がなかなかつくられておらなかったものですから、そういったものを想定した計画をどうつくったらいいのかというような悩みがあったものかと思います。
そういったものに対応できるような、フォーマットのような形でお示ししたものでありますけれども、それが実際に機能するためには、避難訓練等を定期的に実施して、課題があれば改善しながら実効性のあるものにしていく必要がございますので、避難訓練の実施等についても同様に指導しているところでございます。
〇阿部盛重委員 先ほど工藤大輔委員からも御指摘がありました、夜間の施設で職員数が最低限度の範囲で運営されているのが、基本的に全ての施設がそうなのですが、そのあたりに対しての指導、対応などは、特に県からは要望、指導がありますでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 夜間の対策についてでありますけれども、勤務している職員が少ない夜間におきましては日中と異なる対応が必要になりますので、非常災害対策計画に、夜間の災害等に対応した指揮命令系統でありますとか、職員の招集や消防機関あるいは地域住民との連携なども含めた避難体制といったものを定めるとともに、夜間を想定した避難訓練を実施するように指導しているところでございまして、施設を訪問して行う実地指導などの際に、その状況を確認して、実効性のある計画になるように指導しているところでございます。
〇阿部盛重委員 次に移ります。
生活困窮者らの自立支援を掲げる札幌市での共同住宅で11人が死亡されたということがありました。高齢者、生活困窮者らが身を寄せる住まいでの火災が続いている状況なのですが、本県での高齢者、生活困窮者の無届け施設の把握はされておりますでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 無届け施設の把握の状況でございますけれども、厚生労働省が平成27年度に、無届け施設といいますか、法律上位置づけのない施設の調査はしてございます。そこで、本県におきましても9施設ほど確認されてございます。
〇阿部盛重委員 そこの施設に関しては、もう数字も把握しているということでございますから、安全確保だとか防災対策などの点の指導及び何らかの対応はされているのでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 無届け施設の安全確保や防火対策についてでございますが、生活保護のケースワーカーや生活困窮者自立支援事業の支援員が、生活保護受給者などが入居しております、無届け施設も含めてでございますが、そういった施設に定期的に訪問を行い、その住環境の確認に努めているところでございます。
現行福祉関係法制度に位置づけのない施設で、高齢者や生活困窮者が居住します、いわゆる無届けの集合住宅施設などにつきましては、平成21年度に厚生労働省から、そういった生活保護受給者が生活しております法制度上位置づけのない施設と、生活困窮者などが暮らしております無料、低額宿泊所の取り扱いについての通知が出ておりまして、その中で、ケースワーカーによる生活保護受給者への定期訪問に際しまして入居施設の防火安全体制などについて確認し、必要に応じ消防署などに情報提供を行うなどの連携を図っているところでございます。
また、県では、先ほどお話のありました平成30年1月31日に札幌市で発生した生活困窮者の共同住宅の火災を踏まえしまて、避難等に当たって配慮を要する方が入所する社会福祉施設における防火安全体制の確保について、改めて関係法令に基づき万全を期すよう、平成30年2月6日付で関係機関を通じ各施設管理者に通知を出したところでございます。
〇阿部盛重委員 対応がしっかりされているということで安心しました。
次に移ります。生活保護受給者への支援体制についてお伺いいたします。
情報の提供は、システム的には市役所、民生委員、児童委員、地方包括支援センター等へという流れかとは思うのですが、その点の連携はきちんとされておりますでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 生活困窮者の方たちへの連携でございますが、今お話がありましたような民生委員、児童委員の方たちと連携を図りまして、そういった方たちが日ごろの活動の中で発見された、あるいは問題を把握された方について、自立相談支援機関ですとか福祉関係機関に連絡がとれるような形で連携を図っているところでございます。
〇阿部盛重委員 支援員が訪問してニーズを把握されて生活を支える仕組みの支援体制かと思うのですが、実際の支援状況はどうでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 支援員などによります実際の支援の状況でございますが、先ほど申し上げました生活保護のケースワーカーあるいは生活困窮者自立支援事業の支援員による生活保護受給者などの自宅や施設への定期的な訪問に際しまして確認しておりますのは、住居の状況だけではございませんで、家族の健康状態、子供の養育状況、就労や経済状況なども確認し、必要に応じて新たな住居の情報提供や就労支援、介護などの各種福祉サービスにつなげるなど、生活扶助費の支給だけではなく、生活保護受給者の生活全般を支援している状況にございます。
今後とも、多様な課題を抱えます生活保護受給者などの生活状況について、訪問活動などを通じて丁寧な把握に努めまして、生活保護受給者に対し適切な助言、指導を行い、生活への自信と希望を持っていただけるような適切な支援をしてまいりたいと思っております。
〇阿部盛重委員 その後のお話になるのですけれども、自立をさせる就労支援で企業との連携もあるかと思うのですが、その企業から見れば、どのようなことに注意して、具体的にどういう内容にしていけばいいかという声もあるようでございますが、その点の指導はどのような形になっているのでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 生活困窮者などに対する就労支援ですが、実は、生活困窮者自立支援事業などで就労支援をする対象の方については、単に就労先が確保できないということではなくて、そもそもふだんの生活の朝起きるですとか、人と会って挨拶をする、人とコミュニケーションを図るといったところから支援を要する方などがいらっしゃいます。そういった生活支援から始まりまして、企業に受け入れていただけるような段階まで達しましたら、今度は企業のほうに、そういった配慮をしていただきたいということを伝えながら、一緒に見守り、支えていくというような関係をつくりながら、応援しているところでございます。
〇阿部盛重委員 最後になりますけれども、障がいの疑いがある方に対する支援についてはどうでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 障がいの疑いのある方に対する支援でございますが、生活保護のケースワーカーなどから話を聞きますと、今、精神的な障がいや発達障がいといった外形的にはなかなかつかみにくい障がいを抱えて困っている方がいらっしゃると。そしてまた、そういった方に対してどういった支援をしていいかが、正直に言うとなかなか難しいという話を聞いております。そういったこともありますので、毎年、研修会なども行っているのですが、その際に、有識者、大学から先生などをお呼びいたしまして、発達障がいや精神障がいで配慮を要する方に対する支援の仕方、発見の仕方といったものについて研修を重ねているところでございます。
〇阿部盛重委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時56分 休 憩
午後3時14分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日、審査を予定している部局について、延べ11人の質問者が予定されております。簡潔明瞭に、スピーディーに質疑、答弁をよろしくお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〇柳村一委員 老人福祉費の中で、平成30年度からの第7期介護保険事業計画についてお伺いします。
第7期介護保険事業計画の主な改定内容と、市町村の第1号被保険者保険料の基準額への影響についてお伺いします。
〇近藤長寿社会課総括課長 第7期介護保険事業計画の主な改定内容についてでありますが、介護保険法の一部改正によりまして、第7期計画におきましては、これまでと同様に高齢者人口の見込み等に対応した介護サービスの見込み量を設定するほか、地域包括ケアシステムを深化、推進する観点から、新たに被保険者の地域における自立した日常生活の支援、要介護状態等となることの予防または要介護状態等の軽減もしくは悪化の防止に関する事項、いわゆる自立支援、重度化防止の取り組みや、介護給付等に要する費用の適正化に関する事項などを盛り込むこととされました。
このため、市町村等各保険者においては、地域の高齢者の心身の状況や置かれている環境等について必要な調査を行った上で、自立支援、重度化防止に向けた取り組みや介護給付適正化の取り組みを数値目標とともに新たに計画に盛り込むなどして所要の改定作業を進めているところでありまして、そういった取り組みの効果も見込みながら保険料の設定をしているところでございます。
〇柳村一委員 市町村の第1号被保険者保険料が、昨日でしたか、指定都市の部分で出ましたけれども、盛岡市は据え置きということでしたが、県内の市町村の状況はどのようになっているのでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 第7期計画中の第1号被保険者の保険料基準額でありますが、3月7日時点の見込み額になりますが、県平均で月額5、985円となっており、第6期の平均5、577円と比較しますと408円上昇しております。
保険者ごとに保険料を見ますと、据え置き、引き下げの保険者も3保険者ほどありますけれども、県内24保険者中多くが引き上げとなっておりまして、被保険者の負担増が見込まれるところでございます。
〇柳村一委員 今回、介護給付費財政調整交付金の算定の部分で、現行の2区分が3区分になって、二つの計算式によって算出されたそれぞれの係数の合計を2で除して得た数値を第7期計画における係数とするということで、これは激変緩和措置です。これが第8期計画になると3区分になるわけですけれども、調整交付金が-激変緩和ですけれども-変わった部分で、影響額というのはどのように考えているのでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 介護給付費財政調整交付金の基準の変更が県内の保険者保険料に与える影響についてでありますけれども、介護給付費財政調整交付金は、保険者の責任によらない要因、一つには後期高齢者と前期高齢者の比率、もう一つが被保険者の所得水準になりますが、これらの要因による保険者間の財政力の差を解消するために国から交付されるものであります。委員からも御紹介がありましたけれども、今回の改正では、特に年齢が高い高齢者の分布をきめ細かく反映させるため、交付基準となっている年齢区分を、前期高齢者と後期高齢者という従来の2区分から、後期高齢者を75歳から84歳、それから85歳以上に分けて三つの区分に変更されることになっております。
これに伴う県内保険者保険料への影響でありますが、国においては激変緩和措置を講ずることとしていることもありまして、来年度から始まる第7期介護保険事業計画期間中の介護保険料を試算する中で市町村が調整交付金の試算等も行っておりまして、この状況を見ますと、今回の改定により影響がないわけではないと思いますが、直ちに大きな影響が出る保険者はない、そうした声は聞いていない状況にあります。
〇柳村一委員 ほとんどが保険料引き上げということで、これの影響ではないとは思うのですけれども、調整交付金の場合は国が20%、都道府県が12.5%、市町村が12.5%、第2号保険料が28%で1号が22%、残りの5%を介護割合によって調整するというものですけれども、例えば、後期高齢者が多くて低所得の高齢者が多い場合は調整交付金が膨らむわけですね。そうすると、1号保険料が少なくなる。逆に、後期高齢者が少なくて低所得の高齢者が少ない場合は、調整交付金が小さくなって、その分1号保険料がふえるということですよね。公的な資金の割合は変わらないわけですから、国は調整交付金で調整していると言っているけれども、結局はそれプラスお年寄りの保険料も使って操作しているということになると思うのですけれども、そこら辺、そういう認識でいいのでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 介護給付費財政調整交付金につきましては、先ほど申し上げましたとおり、保険者の責によらない要因をもとにする保険者間の財政力の格差を埋めるために行っているものであります。ということで、そういった要因があって、財政状況のいいところには、基本は5%ですけれどもそれよりも少ない調整交付金が行く、財政状況の悪いほうには、5%が基準だけれどももうちょっと多い調整交付金が行くという形になりますので、保険料はむしろ余り影響のないように、あるいは保険財政に影響のないようにということでやられているものと認識しております。
〇柳村一委員 課長に国の施策をああだこうだ言っても困るだけだと思うのですけれども、要は、使っていないところから使っているところに回すと。その中で、使っていないところの健康な人たちの保険料がふえるというのは、やっぱり矛盾があるわけです。それだけ高齢者がいて使っているところは負担も分相応にやるべきだと思うのですけれども、それを考えると国のこの考え方というのはちょっとおかしいと思うので、次、第8期、第9期介護保険事業計画がどうなっていくのかわからないですけれども、ここら辺は、それによって市町村の保険料がどうなっているのか県でもチェックしていただきたいと思います。
次に、財政安定化基金についてですけれども、第6期計画で交付または貸し付けを行った実績があるかどうかお伺いします。
〇近藤長寿社会課総括課長 県の財政安定化基金を交付または貸し付けを行った実績でありますが、県の財政安定化基金は、第1号被保険者の保険料収納率の悪化、あるいは保険給付費の計画を上回る増加などの理由によって市町村の介護保険財政に歳入不足が生じた場合、県の介護保険財政安定化基金から資金の交付あるいは貸し付けを行って市町村介護保険財政の安定化を図り、一般会計からの繰り入れを回避するという仕組みでございます。
平成27年から平成29年を期間とする第6期の計画期間中におきましては、平成29年度は交付が1保険者、金額的には98万円余、それから貸し付けが2保険者、金額としては合計2、200万円余という実績でございます。
〇柳村一委員 合計で3市町村が何かしら計画が思いどおりいかなかったということだと思いますけれども、以前、滝沢村が1回目でこれを使った経緯があります。どうしてそうなったかというのは、この調整交付金が要因だったのです。滝沢村は高齢化率が県で一番低い村だったので、その当時、調整交付金が5%来るものと試算したところ3.2%ぐらいしか来なかったのでこういうことになったということで、結局は今回も、いろいろ保険料を算定していった市町村にとってはここは大きな部分だと思います。計画ではちゃんとしたけれども、入ってくる金額を見たらあれっということになってくるということで、そこら辺は、県もしっかりと調整交付金が適正に支払われているのかどうかをチェックして、市町村を支援していただきたいと思います。
もう一つ伺いたいのですけれども、市町村の介護給付費準備基金についてです。これについて、県はチェックしているかどうかお伺いします。
〇近藤長寿社会課総括課長 最初に、先ほどの答弁で交付1件、貸し付け2件と申し上げたところですが、保険者の内訳でいいますと、一つの保険者が交付と貸し付けを両方受けていましたので、2保険者ということになります。
それから、市町村の介護給付費準備基金の関係でありますが、年度末の状況等は把握しておりまして、平成28年度末の県内の各保険者の準備基金の残高は69億4、100万円余となっております。
〇柳村一委員 先ほどの2件の財政安定化基金を借りた保険者も第7期計画期間中の保険料で返していかなければいけない部分も出てくるので、それもやっぱり算定されるわけですよね。さらに、この介護給付費準備基金というのは、介護保険料をもらった分を3年間でトータルで使ったときに余った金額を積んでおくというもので、最終的には3年後にゼロになるのが当たり前のものだと思います。今お話を聞くと、69億円も積んでいるということは69億円も保険料を取り過ぎていると解釈できると思うのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 この準備基金につきましては、介護保険財政を運営していく中で、単年度の黒字が生じた場合にはこの基金に積みますし、赤字が生じたときはそれを取り崩して埋めるという形になります。3年間で金額も積み上がっていく形なのですが、次の計画期間の保険料を設定する際などに、これを充当しまして保険料の急激な上昇を抑えるということもやっておりますので、平成28年度末の金額はかなり大きな額にはなっているのですが、次期計画期間中の保険料を設定する際に、これを取り崩して急激な保険料上昇を抑えている市町村がほとんどでございますので、無駄に積み上げになっているものではないということでございます。
〇柳村一委員 お年寄りですので何年も生きるわけでもないのですけれども、自分が払ったお金が自分のために使われずに次に使われるというのはやっぱりおかしな話ですので、できれば準備基金は3年間でゼロにするような計画を立てるのが保険料を払う人にとってはいいことだと思うので、そこら辺もしっかりとチェックしながら指導していただきたいと思います。
第7期計画のポイントの中で医療計画との整合性みたいなものもうたわれておりますけれども、そこら辺、市町村と県との計画策定のときに連携みたいなものはとられたのでしょうか。
〇近藤長寿社会課総括課長 今回の計画改定に当たりましては、医療計画と介護保険事業計画の調整を十分図って計画を策定することとされておりまして、特に、在宅医療と介護連携というのは従来から言われていることでありますので、そういった部分はもちろんやりますけれども、医療の面での新たなニーズや、あるいは療養病床の一部が廃止になる見込みでもありますので、そういったものも高齢者福祉施設等で受け入れざるを得ないところがありますので、そういったところの調整を医療関係者と福祉関係者等々あるいは行政関係者との間で協議の場を設けて、圏域ごとに協議した上でニーズ量等の調整を図った上で策定したということになってございます。
〇柳村一委員 やっぱり、医療、介護、行政が連携して行っていかないとなかなか難しい部分でありますので、今後ともよろしくお願いします。
最後に、部長にお聞きしたいのですけれども、3年ごとに改正する介護保険計画、7期目ということで、今年度で18年を迎えるわけです。3年ごとに改正されるのですけれども、国からの改正内容を示されるのは年度末ということで、県の長寿社会課の職員や市町村の担当の方は大変御苦労されていると思うのです。医療面では、県は、地域医療構想などで全国に提言している先進県だと私は思っています。ですので、国の対応に追われているこの介護保険の分野でも、県として老人福祉はこうあるべきだという施策を一本立ててもらって、それに向かいながら県の施策も取り入れていくということが岩手県には必要ではないかと思いますけれども、最後に御所見を伺って終わります。
〇八重樫保健福祉部長 今後の2025年度を考えたときにも、地域包括ケアシステムを初め、まさに先ほどお話のあった介護と医療の連携は非常に大切な部分でありますし、医療資源が少ない中で、どのようにそういうシステムを構築していくかというところが岩手県にとって非常に重要な課題であります。
そこで、今、県立大学などともいろいろ一緒に研究等もしているのですけれども、まさに岩手型のそうした地域包括ケアシステムのようなものをぜひつくり上げていきたいということでさまざまな研究もしておりますし、今、委員から提言のありました介護保険制度についても、その制度改正等、必要に応じて国にも要望していきながら、県としてしっかりと介護保険制度の円滑かつ安定的な運営に努めていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 関連。当該委員ですので簡潔に質問したいと思います。国の話題でもありますけれども、私の住んでいる自治体、または地域でも、特に過疎指定も受けている非常に高齢化率の高い地域で関心も高いわけでございますが、この影響をどういうふうに考えられているかというのを、先ほど御答弁あったかもしれないのですけれども、お聞きしたいと思います。
といいますのは、第6期が計画だと第2号被保険者の負担率が28%、これが第7期計画では27%になるわけでして、全体、また、市町村への影響等どういったものが想定されているのか、それをお聞きしたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 第2号被保険者の負担率のお尋ねでございます。
第2号被保険者の負担率と申しますのは、第1号被保険者と第2号被保険者の1人当たりの平均的な保険料がほぼ同じ水準になるように、両方の人数の比率で案分して、国が3年に1度-全国レベルでですけれども-設定するものであります。ですので、3年に1回ずつその割合は……。いわゆる被保険者が負担する50%の中の何%をお互いに負担するかという部分の割合になるわけですけれども、第2号被保険者がこれまで28%負担していたということは、第1号が22%。これが、第2号-65歳未満の方が27%になると65歳以上の方々が負担するのは1%ふえるという形なのですが、ただ、一人一人の負担は同じで、65歳以上の方々の人数がふえるのでトータルとしては金額がふえるという形になります。お一人お一人の負担がバランスが崩れるというものではございませんので、その点は、市町村-保険者の財政への影響は幾ばくかはあったと思いますけれども、個々の方々の保険料の負担には影響がない形かと思っております。
〇高橋元委員長 答弁はもう少し明瞭によろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 それでは、被災者支援と心のケアの取り組みについてお聞きしますが、被災者見守り支援事業費950万円が新規で来年度計上されております。中長期的な見守り等の支援体制の充実を図るためとしていますけれども、この事業の趣旨と内容について示していただきたい。
〇渡辺地域福祉課総括課長 被災者見守り支援事業費についてでございますが、他県の大規模災害のデータになりますけれども、阪神・淡路大震災の災害公営住宅などにおきましては、発災後23年が経過した現在におきましても、高齢被災者の孤立防止などのため、見守りやコミュニティーづくりの支援などを継続している状況にございます。当県の東日本大震災津波の被災地を見ましても、やはり同じような見守りが必要な状況にございますので、被災者の中長期的な見守り体制の充実が必要と認識しているところでございます。
災害公営住宅や応急仮設住宅などにおきまして、被災者が孤立を深めることがないよう、生活支援相談員などによる個別支援-これはこれまでも当然やってきたわけでございますが-、これに加えまして、同じ地域で暮らす方々が互いに支え合う仕組みづくりを促進するため、平成30年度におきましては、中長期的な見守りなど支援体制の充実に向けた課題や取り組みの方向性について有識者を交えての検討、市町村との意見交換の開催を行いますとともに、災害公営住宅のある地域の住民などを広く対象といたしまして、ワークショップの開催や食事を囲んで会話、相談をし合う、いわゆるコミュニティー食堂を実施することによる居場所づくりを行うこととしてございます。
今後も、被災者が安心して暮らすことができるよう、被災者に寄り添ったきめ細かな支援を行いまして、新しい福祉コミュニティーの形成支援に努めていくところでございます。
〇斉藤信委員 これは、私は極めて重要な取り組みだと思うので、被災者支援センターをどのように継続、発展させていくのか、これは頑張ってやっていただきたい。
子供の心のケア、被災者の心のケアの事業費も拡充されておりますが、子供の心のケア、被災者の心のケアの今年度の実績、そして特徴、来年度の拡充の中身、新規事業の子どもの心の診療ネットワーク事業費の内容、関連を含めて示してください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 大変恐縮でございますけれども、斉藤委員の御質問にお答えする前に、先ほど私、佐藤ケイ子委員の御質問の中で答弁漏れが1点ございましたので、その点について御説明させていただきたいと思います。大変申しわけございません。恐縮でございます。
先ほど、佐藤ケイ子委員から平成28年度の措置委託児童数のお尋ねがございました。養護形態別の措置委託状況がどのようになっているかということでございますけれども、平成28年度の各月初日措置児童数の平均になりますが、平成28年度合計で401人ございます。このうち、本体施設養護、いわゆる児童養護施設等に措置している児童が257人。それから、グループホーム養護と申しまして、分園型の小規模グループケアあるいは地域小規模児童養護施設等で行っている養護でございますが、このグループホーム養護が46人。それから、家庭的養護、いわゆる里親委託でございますが、家庭養護が98人となっておりまして、合計が401人という状況でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、大変恐縮でございますが、斉藤委員の御質問にお答え申し上げたいと思います。(斉藤信委員「だめだ、こんな答弁のやり方」と呼ぶ)
大変失礼いたしました。
子供の心のケアについてでございますけれども、県が矢巾町に設置しておりますいわてこどもケアセンターにおきましては、東日本大震災津波による心的外傷後ストレス障害など心の不調を訴える児童に対して児童精神科医による専門的な治療を行いますとともに、教員や保育士など子供の支援者を対象とした研修会や症例検討会等を開催いたしまして、支援者の専門性の向上や関係機関との連携強化に取り組んでいるところでございます。
このいわてこどもケアセンターの受診件数は年々増加しておりまして、本年2月末現在の受診件数は速報値で7、021件となっておりまして、昨年度の6、379件を上回っているところでございます。これに伴いまして受診待機期間も長期化しておりまして、この改善に向けまして、来年度におきましては、先ほど委員から御紹介のありました子どもの心の診療ネットワーク事業を行いまして、心の相談に対応できる関係機関等の養成に取り組みますとともに、医療や保健、福祉、教育等関係機関のネットワークの構築を図ることとしております。
具体的に申しますと、相談内容に応じまして、適切な診療、相談機関につなげることによりいわてこどもケアセンターに受診希望が集中している状況の改善を図りまして、被災による治療、相談を必要としている児童のケアを早期に行える環境の整備に向けて取り組んでいきたいと考えております。
このため、いわてこどもケアセンターや地域の保健、医療、福祉、教育等の関係機関が連携できるようなネットワークの構築を目指しまして、心の相談に対応できる関係機関の養成や相談窓口における関係機関からの相談対応と、相談内容に応じた適切な関係機関の紹介、さらには、関係機関が対応しているケースへの支援などに取り組むこととしております。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 続きまして、被災地こころのケア対策事業の拡充についてでございますが、県が設置しておりますこころのケアセンターの相談件数-こちらは12月末現在でございますけれども、今年度6、547件となっておりまして、昨年同期に比べると600件ほど減少しております。このように相談支援件数は近年やや減少傾向にございますけれども、依然として年間でいいますと1万件近い件数がございまして、心のケア対策は中長期的な取り組みが必要と認識しているところでございます。
ハード面の整備が進む中、生活環境の変化やトラウマ関連障害など、時間の経過に従って被災者が抱える問題が複雑多様化するとともに、これまで気づかれなかったストレスが表面化する状況なども見られるところでございます。
このため、県では、住民がみずからの心の不調にできるだけ早い段階で気づき、専門機関等に相談することにより、将来的なハイリスク者を縮小させる予防の取り組みが重要と考えております。平成30年度におきましては、市町村等とも連携して、健診機器等を活用した住民向け講座の開催や啓発用リーフレットの配布など、心の健康に関する地域住民の意識を啓発する活動の充実を図ることとしており、こうした機器の整備やリーフレットの製作などに要する経費を当初予算案に盛り込んだところでございまして、こういった意識啓発の活動の充実を図って早期の支援に結びつけるとともに、こころのケアセンターにおける専門スタッフの確保やスキルアップにより、支援の質を高めて被災者の心をしっかりケアしてまいります。
〇斉藤信委員 子供の心のケア、そして大人の心のケアもいよいよ大変重要になっている。私、内容、特徴を聞いたのだけれども、就学前の子供が倍増していますね。小学生の子供、いわば小さい子供の受診件数がふえているというのが特徴だと私は思うのです。
そこで、医務担当技監にお聞きしたい。
急増しているそういう中身の特徴とあわせて、今度は新規事業で、拠点病院を中心にして医療機関、関係機関のネットワークを構築すると。これは大変いいことでありますけれども、岩手での取り組みの意義、今後の取り組む方向についてお聞きしたい。
〇菅原医務担当技監 大人の心のケア事業、子供のケア、両方とも同じことが言えると思います。まず、岩手のやり方は、御存じのとおり、県が岩手医科大学に委託というような形で行っております。これは、宮城県、福島県の他県は既存の組織でやっていますので、やり方が違います。まずここが一つのポイントだと思います。これは、全国から精神科の先生方に応援をいただいてやっていただいて、岩手医科大学でも随分苦労なさっているようです。
そして、そのように件数が減らない、高どまり。それから子供にあっては、委員おっしゃったように、小さい子供からの相談件数がどんどんふえていて待ち時間が長くなっている。これを何とかしようということでの新規事業なわけでございます。
相談体制だけではなく、それを治療にタイムリーに有機的に結びつけるためにはネットワークが必要なわけで、それは医療機関、行政を含めてのネットワークで、これもまたニーズに応えたやり方だろうと思っています。
このようなやり方は、国庫事業が入って平成32年度まではやれますけれども、年々予算が少しずつ少なくなっているのがちょっと心配なわけです。ですから、宮城県、福島県の、数字だけでもって必要ないというようなしぼませ方ではなく、岩手県のやり方でもって、このような需要があってますます必要だということをアピールしていって、まだまだ続く事業だと考えております。
〇斉藤信委員 突然の質問で、ありがとうございました。
次に、子供の貧困問題について、一般質問に続いて取り上げたいと思います。
今回は、5歳未満での貧困の経験はその後の子供の発達に大きな影響を与える、専門家がこういうふうに指摘しております。そこで、乳幼児からの貧困対策について、乳幼児健診の結果と対応、未受診の状況と対応はどうなっているでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 乳幼児からの貧困対策についてでございますけれども、市町村におきましては、乳幼児全戸訪問事業や1歳6カ月児健診あるいは3歳児健診等によりまして、全ての子供の心身の発達状況を確認しているところでございます。
平成27年度のデータで恐縮でございますが、平成27年度における健診状況は、1歳6カ月児健診では、受診率が95.7%、未受診率が4.3%となっております。また、3歳児健診では、受診率が94.6%、未受診率は5.4%となっているところでございます。この健診の未受診者に対しましては、文書や電話のほか、必要に応じまして保健師等が個別訪問を行うなどにより受診勧奨に努めていると伺っております。また、健診の結果、身体面や精神面で問題があった場合には精密検査や医療受診等へつなげておりますほか、育児、生活環境で要観察となった児童につきましては、個別訪問や保育施設等と連携するなどによりまして養育環境の把握に努めていると伺っているところでございます。このうち、子供の養育を支援することが特に必要と認められる家庭につきましては、市町村要保護児童対策地域協議会において情報共有することにより、関係機関が連携して支援する仕組みとなっているところでございます。
県といたしましては、児童相談所の職員等が市町村要保護児童対策地域協議会に参画しているところでありまして、この協議会での助言などを通じて市町村を支援していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 1歳6カ月児健診で受診率は95.7%ですけれども、未受診の実数は389人、3歳児健診の未受診の実数は501人です。パーセンテージで見ると小さいように見えるけれども、実数で見るとこれは決して少なくない。これは、その後できちっとフォローされているのかされていないのか、このことを改めてお聞きします。
もう一つは、受診の結果、異常なしというのが1歳6カ月児健診で70%です。30%は異常ありということですね。3歳児健診は、異常なしが62.6%。異常ありという実数は幾らになるかというと、1歳6カ月児健診で2、576人、3歳児健診では3、295人になります。これも決して少なくないというか、かなり大きな数ではないかと。
例えば、要観察となった乳児を見ますと、育児、生活環境に問題ありというのが313人、3歳児健診だとこれが330人になります。だから、この乳幼児健診の結果を、私は、子供の貧困問題打開のある意味突破口といいますか、出発点に位置づけて取り組む必要があると思うけれども、その対応はどうなっていますか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 1歳6カ月児健診、それから3歳児健診は市町村が行っているので市町村から伺っているところでございますけれども、基本的には、医療面で要観察となった子供につきましては、要医療、要精密等々のほうへのマッチングに努めていると伺っているところでございますし、また、先ほどの育児、生活環境問題で要観察となった子供につきましても福祉関係部門などにつなぎながら対応していると伺っているところでございます。
〇斉藤信委員 残念ながら具体的回答がありませんでした。
私は、子供の貧困問題は、全国的課題でもあるけれども、まさに県政の重要緊急課題だと思います。一般質問でも取り上げましたけれども、幸福をキーワードと言うのだったら、子供の貧困問題の打開がまさに県政の緊急課題です。そういう位置づけで、健診は健診にしないで、子供の貧困打開という大きな枠の中で位置づけていくと。専門家は、ある意味、就学前の対応が重要なのだと。このときにどれだけチェックできて対応できるかというところに貧困問題を食いとめる鍵があると私は思っています。
そこで、もう一つ伺いますが、保育園での対応ですけれども、貧困がうかがわれる保育園児の対応はどうなっているでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 保育園での貧困がうかがわれる乳幼児への対策等についてでございますけれども、いわての子どもの貧困対策推進計画に基づきまして、保護者の生活支援として、例えばひとり親家庭の子供の保育等を確保するために、今、市町村におきましては、保育所に優先して入所できるようにしてその利用が促進されるように取り組んでいるところでございます。
また、保育所におきましては、厚生労働省が定めております保育所保育指針におきまして、子供の健康状態や発育の状態を把握いたしますとともに、子供の心身の状態を観察し、不適切な養育の兆候が見られる場合には、市町村や関係機関と連携し、適切な対応を図ることとされているところでございまして、この指針に基づきまして、子供の状況の把握や支援がなされているものと承知しております。
県では、引き続きこの計画に基づく取り組みを進めますとともに、子供の養育を支援することが特に必要と認められる保護者に対して、養育に関する相談、指導、助言等が行われるよう、市町村等の取り組みを支援していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、小学校、中学校、高校にはスクールソーシャルワーカーが配置されているけれども、ソーシャルワーカーの配置が保育園にも必要だと思います。これは提言をしておきます。保育園も含めて、就学前の貧困対策をしっかりテーマとして位置づけてやっていただきたい。
貧困問題でもう一つお聞きしたいのは、50%以上が相対的貧困状態にあると言われるひとり親家庭の対策ですけれども、実態をどう把握して、具体的な対応策はどうなっているか示してください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 ひとり親家庭の子供の実態把握等についてでございますけれども、県では、5年ごとに実施しております母子世帯等実態調査により、ひとり親世帯の就労、収入や住居の状況に加えまして、子供の就学状況や未就学児の保育の状況などのひとり親世帯の子供の状況等についての把握に努めているところでございます。
直近の調査-平成25年度に行った調査結果におきましては、ひとり親家庭等においては、各種福祉制度の認知度や利用度が低い状況にあり、効果的な情報発信が求められていること、あるいは、母子世帯の就労状況につきまして、37.0%が臨時、パート等の非正規雇用であること、さらに、母子世帯の就労収入につきまして、月額15万円未満の世帯が66%となっていることといった課題が浮き彫りとなったところでございます。
このため、県では、岩手県ひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、弁護士による法律相談のほか、平成27年度からは、母子・父子自立支援員等広域振興局職員が各市町村に出向き出張個別相談会を実施するなど相談機能の充実に努めておりますとともに、ひとり親家庭等就業・自立支援センターに配置した就業相談員による就業相談や就業講習会の実施による就業支援対策の充実、さらには、児童扶養手当の支給や母子福祉資金の貸し付け、ひとり親家庭医療費助成に加えて、平成26年には父子福祉資金を創設するなど、経済的支援の充実などに取り組んできたところでございます。
当該調査につきましては来年度が実施年度となりますので、その経費につきまして当初予算案に盛り込んでいるところでございまして、その調査結果も踏まえながら、今後、必要な具体的な支援策の拡充等についても検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 ひとり親家庭の実態については、去年、盛岡市が詳細な調査をやって、かなり具体的、リアルな実態が明らかになりました。その実態からすると、岩手県のひとり親家庭自立促進計画というのは、全くかみ合っていないと思います。
一つは、県の調査でも90%は働いている。盛岡は91%働いているのです。働いても15万円以下なのですよ。どうやってこれを自立させるのですか。就労支援といったって、働いているのです。働いても15万円以下にとどまっている。
その働き方も、こうなのです。夜勤勤務が57.6%、早朝勤務が27.9%、土日勤務が76.8%。いつ子供の面倒を見るんですか。子供の面倒が見られない状態で働いているのです。働いている人たちの自立をどう支援するか。
もう一つは、こういう働き方の中で、子供は、3分の1はひとりでいるというのです。この問題をどうやって解決するのか、支援するのか。これは新たな調査をまたなくてもはっきりした事実ですから、そういう点について、本当に今困っているひとり親家庭や子供たちを支援する対策が必要ではないか、この点どうですか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 今、御指摘がありましたとおり、確かに母子世帯等の就労収入月額15万円未満の世帯がかなり多数という形になっております。こういったことについては早急に取り組みを進めなければならないということで、収入が低い場面、特に臨時、パート等の非正規雇用であるといった面もございますので、そういった方が資格等を得て正規の職員にかわることも必要かということもございまして、例えば高等職業訓練促進給付金ということで、看護師あるいは保育士等の資格取得あるいは准看護師の方が看護師の資格取得、そういった形で支援をしているところでございまして、こういった養成機関で学ぶ場合には、所得に応じて毎月給付金を支給してそういった資格を取得して、さらに上の資格を持って働くことができ、それが収入増につながるような取り組みも行っておりまして、そういったものに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 実態を見ていただきたい。今、高等職業訓練促進給付金、平成28年度は3人、平成29年度は3人だけですよ。機能していないのですよ。だから私は言っているのです。こういうのがありますといったって、使えていない。なぜ使えていないのか。そういう実態がちゃんと出ているわけですから、あなた方の事業がかみ合っていないというのはそういう意味なのです。なぜ使われていないのか、使えるようにするためにはどうすればいいのか、そういうことをしっかり検証して、必要なことに直ちに取り組むようにしていただきたい。
この問題の最後に部長にお聞きしますけれども、私は、子供の貧困問題というのは全庁的な取り組み体制が必要だと。子供の貧困問題に取り組む独自の部署が必要だし、そして、全庁的な体制と県民運動が必要だということで達増知事にも提言いたしました。この点について部長はどうお考えでしょうか。
〇八重樫保健福祉部長 委員から御提言がありましたとおり、幼児期からの子育て期における切れ目のない支援を行える体制づくりを目指していくということでございます。
御提言のありました庁内の推進体制や組織などにつきましては、来年度、子どもの生活実態調査を行います。その結果、あるいはその中間的な取りまとめを行って、それを参考にしながら推進体制、組織等について検討してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 半年、1年おくれるのですよ。私は、次期総合計画の中にこの子供の貧困問題をしっかり位置づけて、総合計画の中でそういう体制も運動も提起されることが必要だと思います。
このことは提起だけにとどめて、最後、保育の待機児童問題についてお聞きいたします。
先ほど答弁があって、平成29年10月1日段階の待機児童は681人、隠れ待機児童が628人ということでした。合わせると1、309人の子供が入りたい保育所に入れなかった。私はこれは本当に深刻だと思います。そのために、働きたくても働けない、この現状をどういうふうに見ているのか。いつまでに県はこの待機児童を解消するつもりなのか。待機児童解消というのは4月1日じゃないですよ、年間を通じてこの待機児童をいつ解消するのか示してください。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 待機児童解消についてのお尋ねでございますけれども、この関係につきましては、現在、市町村では、子ども・子育て支援事業計画に定める保育定員等の見直しを行っているところでございますが、その見直し結果によりますと、平成30年4月1日ではなかなか解消は無理という形になっておりますが、現時点では、平成31年度におきまして保育の利用ニーズを上回る利用定員が確保される計画となる見込みでございます。この計画の見直しに伴いまして、各市町村で今後いろいろ取り組みを加速すると聞いているところでございまして、そういった形の取り組みがなされることを県としても支援していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 最後の質問をしますけれども、私、盛岡市の実態を聞きました。ここは161人が待機児童。このうちゼロ歳児が77人、1歳児が74人、圧倒的にゼロ歳児、1歳児なのです。隠れ待機児童は293人、これもゼロ歳児が132人、1歳児が82人。ゼロ歳児、1歳児ですよ、圧倒的に待機しているのは。ゼロ歳児、1歳児というのは、子供に対する保育士の配置基準が高いのです、3人に1人とか6人に1人とか。だから、保育士を配置しないとできないのです。
それともう一つ、盛岡市はこれだけ待機児童があるのだけれども、平成28年、平成29年にかけて314人の定員をふやしたのです。内訳を聞きました。認可保育園はたった20人。認定こども園は141人、小規模保育が153人。私は、一番大事な認可保育園の増設が進まないところに一番の問題があると思います。小規模保育園は3歳で退園なのです。だから、3歳のときにまた保育所探しをしなければだめなのです。3年目にまたピーク、簡単にそのままいかないのですよ、これ、小規模をふやしても。
そういう意味で、私は、この内容もしっかりつかんで、認可保育園の大幅増設を軸に、そして保育士の待遇改善を軸に進めるべきだと思いますが、最後にこれを聞いて終わります。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 待機児童を解消するためには、各市町村におきまして、それぞれの地域の実情や利用者の希望等に応じて幅広い選択肢の中で対応していくことが重要と認識しております。そういった関係で、各市町村で、先ほど委員から御紹介のありました認定こども園の整備あるいは小規模保育あるいは保育所の整備、いろいろそれぞれの地域の実情に応じて取り組みを進めているという形で考えておりまして、そういった市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。(斉藤信委員「保育士は」と呼ぶ)
失礼しました。
保育士の確保に向けましては、県が設置しております保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の掘り起こしやマッチングといったものをさらに強化していくことと、それから新たに、新規の保育士の確保に向けましては、保育士修学資金の貸付事業を今年度から創設したこと、それから、来年度からは沿岸希望枠を設けてさらにその養成数をふやしていく、こういった形で考えているところでございまして、こういった取り組みをいろいろと来年度以降も進めていきたいと考えております。
〇小西和子委員 まず、発達障がい児・者の支援体制についてお伺いいたします。
発達障がい児につきましては、今、学校現場では一番の課題とみんな捉えております。盛岡市にあるウィズという団体に2016年度寄せられた相談は延べ3、603件。県内の学校現場などで、発達障がいなど、社会生活に困難がある児童生徒らへの対応が大きな課題であることがこれからも見えます。
発達障がい児・者に対応する医療従事向け研修ということで、今年度は国が開催した3回の研修に医師など延べ6人を派遣し、その伝達研修を開催したということでした。支援体制はどのように充実したのでしょうか。あわせて、次年度の取り組みについてもお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 発達障がい児・者の支援体制についてでございますが、県では、発達障がいを地域において早期に発見し、早期に支援につなげる取り組みを進めており、その一環として、最初に相談を受け、または診療することが多い小児科医などの医療従事者等の対応力向上を図るため、今年度初めてかかりつけ医等発達障がい対応力向上研修を実施しているところでございます。
この研修は、先ほど委員からも御紹介がございましたけれども、県医師会と連携して、国の研修に6名を派遣して、その内容を2回に分けて伝達しているものでございまして、昨年11月に1回目を開催したところであり、2回目をことし3月18日に実施する予定としております。1回目の研修につきましては、県内各地域から医師や看護師のほか教育関係者や保育関係者なども含めまして362名が受講しておりまして、発達障がいに対する関心や課題認識の高さがうかがわれたところでございます。
県としては、この研修や、別途実施しております地域の相談支援専門員等を対象とする研修によりまして、地域における支援者の育成が図られてきているものと考えておりまして、来年度におきましても今年度と同様に研修を実施し、県内各地域における支援体制の整備を図っていきたいと考えております。
〇小西和子委員 発達障がい児の行動等について理解していただけるようにいろいろな場面で広めていっていただきたいと思いますし、保護者の方も苦しんでいらっしゃいますので、その方々を安心させるような取り組みも行っていただきたいと思います。
次に、被災地発達障がい児支援体制整備事業の今年度の実績をお伺いいたします。次年度の支援体制は要請に見合う体制か、それもあわせてお伺いいたします。
先ほどの話もありましたけれども、東日本大震災津波後の混乱期に乳児だった子の落ち着きのなさというのは、先ほどお話があったようなことが学校現場でも顕著になっております。震災直後に生まれた子供とその保護者を対象にした調査で、先ほどの医務担当技監からのお話と重複いたしますけれども、岩手県では、保護者の約40%が精神的不調で、その子供の発達におくれがあったと報道されております。継続した手厚い支援が必要と考えますけれども、そのことも含めまして次年度の支援体制は要請に見合う体制かお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 被災地発達障がい児支援体制整備事業についてでございますけれども、今年度も釜石市内に発達障がい沿岸センターを継続して設置してございまして、発達支援コーディネーターなど4名の職員を配置し、沿岸地域の発達障がい者児・者の相談支援や地域の相談支援事業者等の支援を実施してきたところでございます。
その実績は、平成30年2月末現在、個別の相談支援員の対応が452件、研修の実施が26件、相談支援事業所等の支援機関に対するスーパーバイズや保育所等におけるペアレントプログラムの指導などの技術的支援が163件となってございます。
県といたしましては、地域における相談支援専門員の着実な育成といった取り組みの進展などによりまして、相談件数自体は落ち着きを見せていることから、平成30年度の予算案において2、300万円余の事業費を-ほぼ今年度並みでございますけれども-計上いたしまして、発達障がい沿岸センターに今年度と同数の職員を配置する予定としているところでございまして、引き続き、盛岡市にあります県の発達障がい者支援センターと連携して、支援方法の向上に取り組みながら個別の相談等に対応していくこととしております。
また、保護者の精神的な不調などが震災後に生まれたお子さんたちの生活環境などにも影響を与えているということにつきましては、我々もそういったこともいろいろお聞きしているところでございます。これにつきましては、先ほども斉藤委員の質疑で答弁しましたとおり、予防的な取り組みがやはり必要だということもございまして、来年度、心のケアの部分で、そういった方たちに自分の不調というものに早く気づいていただくといった取り組みを進めてまいりたいと思っております。そのほか、例えば自殺対策の取り組みもいろいろ行っております。そういった中で、ゲートキーパーの養成とか専門的な相談支援といったこともありますので、いろいろなところにアクセスできるような形で、保護者の方の精神的なケアといったものも実施できればと考えております。
〇小西和子委員 次に進みます。地域で支える周産期保健医療支援事業についてであります。
これは、花巻市が今年度から始めた産前産後ケア事業は大変好評です。また、東北初であり、助産師を中心に、看護師または保健師が活躍しているということを聞いております。
今年度初の事業でありましたが、どのような成果があったのかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 この事業は、地域の助産師等を活用いたしまして、地域で安心して妊娠、出産、子育てができる体制づくりを目指して、今年度、県助産師会等と連携ながら取り組んでいるものでございまして、具体的には、市町村における産後ケア事業等の導入を支援するため、潜在助産師の掘り起こし、人材育成研修、市町村との事業導入に向けた調整のほか、周産期ガイドブックの作成を行っているところでございます。
潜在助産師につきましては現時点で34名がリストアップされておりまして、これらの助産師等を対象として集合研修、また、今年度、先ほど委員から御紹介がありました、デイサービス型の産後ケア事業を実施している施設での実際のケアのやり方を体験していただく実地研修も実施しているところでございます。
また、産後ケア事業の導入を検討している市町村に実際に出向きまして、検討状況、課題等を共有して、事業導入に向けたアドバイス等の支援を行っているところでございまして、来年度において、新たに産後ケア事業は4市2町、産前・産後サポート事業は3市で実施が予定されているところでございます。
周産期ガイドブックにつきましては、妊産婦や高校生等を対象として、妊娠、出産に関する意識啓発、本県の周産期医療体制、医療の現状について情報提供するものでございまして、今後、これらを活用して周産期医療に関する県民の意識啓発と理解の促進に努めていくこととしております。
〇小西和子委員 大変効果があったということであります。
ところが、予算が360万円から140万円に大幅に減額となっております。地域に密着し、母子のみならず父親や家族にとっても有意義な事業であることから、地域を拡大して、先ほど、やりますとお答えになりましたけれども、産科の少ない岩手県で助産師の力をさらに生かすべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇高橋地域医療推進課長 事業地域の拡大と助産師の活用についてでございますが、国におきましては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を実施するため、平成32年度までに子育て世代包括支援センターを全国の市町村に展開することにしておりまして、このセンターを核といたしまして、産前・産後サポート事業や産後ケア事業を実施して、妊産婦を支える地域の包括支援体制を構築することにしております。
産前・産後サポート事業や産後ケア事業などは助産師が行う寄り添い型の支援ということでございまして、産後鬱の未然防止、児童虐待予防の効果ということが指摘されているところでございます。
本事業を推進することによりまして、こうした市町村の取り組みにおける助産師の活用が進み、産科医師の負担軽減、妊産婦の安心感の醸成につながるなど、地域で安心して妊娠、出産、子育てができる体制が構築されるものと考えております。
県といたしましては、引き続き、関係機関や市町村と連携しながら、潜在助産師等を活用した地域で妊産婦を支える体制づくりに取り組んでまいります。
なお、先ほど委員から御指摘がありました当初予算額の減額でございますが、事業としては、来年度も引き続き継続することとして当初予算に盛り込んでおりますけれども、額については、今年度、助産師会のほうに潜在助産師の掘り起こしの事業を委託しておりましたけれども、来年度はそれが減額になるので、その分が減っているという状況でございます。
〇小西和子委員 妊娠、出産、子育て、女性、家族支援のシステムを岩手県全体に広げることは地域活性化のもとになると思われますので、次年度も力を入れていっていただきたいと思います。
最後に、児童虐待対応についてお伺いいたします。
児童相談所が対応した昨年度の虐待件数が6割増の942件でありました。現状の相談対応体制では、兼務のため現場対応ができない職員も含まれていることから、相談受付はできても、その後の専門的な対応に手が回らない状況ではないでしょうか。
児童虐待の世代間連鎖を悪化させないためにも、来年度、児童福祉司等の増員は示されておりますけれども、退職する職員もいることから、相談対応体制のさらなる強化が急務と考えますが、いかがでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 児童虐待相談に対応する体制の強化ということでございますけれども、増加する児童虐待相談に的確に対応するために、改正児童福祉法におきましては、平成31年度までに児童福祉司を段階的に増員することとされているところでございます。
同法の配置基準によりますと、本県の平成30年度における配置必要人数は27人とされているところでございますが、現在の配置人数は32人となっておりまして、さらに来年度は、先ほど委員からも御案内がありましたが、5人増員することとしているところでございます。あわせて、児童心理司を3人増員することとしておりまして、より一層の体制強化を図ることとしております。
さらに、本年度から義務づけられました児童福祉司義務研修-各種研修がございますが、児童福祉司への研修を初めとする虐待対応研修や、児童虐待事案を想定した児童相談所と警察との現場対応合同訓練の実施などによりまして、引き続き職員の知識、能力の向上や対応力の強化に努めていきたいと考えております。
〇小西和子委員 先日、児童相談所の職員の方とお話をする機会がありましたけれども、ある方は、夜間の勤務を終えて、そのまま日中の勤務も行っていると言っておりましたし、採用されて2年目の方も、1年目から訪問をしたりしていると。実はベテランの方がそういうことを行っていたのだけれども、どのぐらい前だかわかりませんが、今は新採用の人もそういうふうに大変な仕事も任されているということ。それから、育児休業で休んでいる方が何人かおりますけれども、そういう仕事であれば、果たして復帰したときに育児と仕事の両立ができるのだろうかと今悩んでいるということです。人数的にはふえるかもしれませんけれども、人数はふえたけれども全然変わらないよという声が現場から聞こえてきます。どういう人と言ったら失礼ですけれども、やはり大変な仕事ですので、現場で対応できる人をちゃんと配置するということをやっていかなければ、児童相談所の体制は変わらないと思います。なる人がいなくなると思います。警察と一緒ではありますけれども、体を張って踏み込むわけですし、そういうことでさらなる強化、人数だけではなくて、どういう方を配置すればいいかということも考えていただきたいと思います。
次に、中央児童相談所の相談件数の半数が盛岡市からであります。私は、盛岡市の次年度予算要望のヒアリングの際に、毎回、中核市である盛岡市に児童相談所を開設すべきと要望してきました。回答は、多額の経費がかかるし、相当数の人材確保が必要になることから、国や他の中核市の動向を注視していると、毎回同じです。
ところが、4月から子ども家庭総合支援センターを開設するという報道が先日ございました。これは児童相談所ではありませんけれども、一歩前進したかなとは思っております。中核市である盛岡市に児童相談所を開設すべきと考えますが、盛岡市との協議の進捗状況はどうなっているでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 お尋ねのありました盛岡市との協議の状況でございますけれども、先ほど委員からも御紹介がありましたが、盛岡市では来年度からの新たな取り組みとして、児童虐待の早期発見や家庭の継続支援を担う子ども家庭総合支援拠点-これも市町村への設置が求められているものでございますが、まずは創設するのだということで、子ども家庭総合支援センターを4月1日から盛岡市保健所1階に開設する予定だと伺っているところでございまして、児童相談所の設置につきましては、継続して情報収集等を行っている段階であると聞いているところでございます。
盛岡市とは、県でもさまざまな機会を捉えていろいろと連携等を行っているところでございますが、県としては、今後も引き続き、盛岡市の意向も確認しながら、必要に応じて国の児童相談所の設置促進施策等についての情報提供や意見交換等を行っていきたいと考えております。
〇小西和子委員 児童相談所の大変な状況を少しでも改善するには、今言った中核市の盛岡市との協議の場を設置すること。市町村児童福祉人材育成への支援を強化すること。面前DVを心理的虐待にカウントするようになってからいきなり児童虐待対応件数がふえたわけです。だから、それを減らすための部局連携も必要だと思いますし、先ほどの花巻市の例もありましたけれども、気仙地区の母子保健の充実というのはすごく大事だと思うのです。これは、もちろん人員体制の強化もそうなのですけれども、待ったなしです。
そこで部長に、今後の児童虐待対応についてお伺いいたします。
〇八重樫保健福祉部長 児童相談所の相談対応体制については、先ほども申し上げましたとおり、体制の強化ということもしますけれども、委員から御指摘がありましたとおり、若い職員、経験年数の少ない職員が多くおりますことから、その研修であるとか質の向上にも取り組んでおるところでございますし、児童相談所に虐待対応専門チームを設置して、そこで体制強化を図っているところでございますので、そのことについては、引き続き今後も体制強化に努めてまいりますし、今、委員からお話のありましたとおり、部局との連携ですとか、あるいは児童虐待について市町村へ送るケースがあるのですけれども、実は市町村で、児童虐待とか子育てとかさまざまなものを対応していて、なかなかそれに対応できないということもありますので、そうした市町村の職員の質の向上も含めて、市町村との連携も含めながら、児童虐待にしっかり取り組んでいきたいと考えております。
〇高田一郎委員 私からは、まず最初に一関病院の分娩取りやめに伴う対応についてお伺いいたします。
今月末で一関病院が分娩を取りやめるということです。年間大体250件前後の分娩数でありますので、地域医療に対する影響はかなり深刻になっていくのかと思います。県立磐井病院も周産期医療を担っているわけですから、現在、600件の分娩数から、さらに800件、900件となると、この周産期医療体制もかなり深刻になるのではないかと思います。
県立磐井病院への医師とか助産師を増員していくべきだと思うのですが、新年度、どう対応されるのでしょうか。
〇高橋地域医療推進課長 一関病院の分娩取りやめに伴う周産期医療への影響についてでございますが、一関病院は、委員から御指摘のあったとおり、年間相当数の分娩を取り扱っておりまして、帝王切開等のハイリスク分娩にも対応している病院でございます。4月以降、これらの分娩につきまして、基本的には県立磐井病院と圏域に2カ所あります産科のクリニックで対応することになりますが、特に県立磐井病院の役割が大きくなるものと考えております。
このことから、医療局におきましては、関係大学への派遣要請等によりまして、平成30年度から産婦人科医師の増員、助産師の増員によりまして受け入れ態勢の強化を図る予定だと聞いております。
また、一関病院の分娩取り扱いの問題を含めました両磐圏域の周産期医療に関する課題を共有するために、昨年6月2日に、一関保健所が主催いたしまして、県立磐井病院の産婦人科の医師を初め圏域内の産科の医師、市町村、県も参加いたしまして、両磐圏域の周産期医療に係る連絡会を開催したところでございます。この会議におきまして、圏域内の分娩リスクに応じた連携体制の確認、助産師の育成、確保-このときに出た御意見は、産科の医師がいたとしても、助産師がいなければ分娩はできないのだということでした。なので、助産師を確保する、育成していくということがやはり重要だということを先生方は強調されておりました。それらについての意見交換を行ったところでございます。
一関市におきましては、これらの意見を踏まえまして、来年度、助産師確保に向けて、現在市で持っております医療介護従事者修学資金貸付金の対象に新たに助産師を加えて拡充を図るほか、潜在助産師や退職助産師の復職支援を目的といたしました助産師カフェを開催するなど、新たな取り組みを検討していると聞いておりまして、市町村の取り組みも始まっていると考えております。
〇高田一郎委員 それで、新年度から県立磐井病院にどのぐらいの体制が強化になるのか、具体的な答弁がなかったので、それが1点です。
今回、一関病院の分娩取りやめの一因は、今お話があったように、助産師も足りなかったと。先ほどの答弁の中でも、先生からも助産師の養成が大事なのだというお話がありました。それで、県内全体で助産師不足の実態がどうなっているかというのが一つです。
それから、今度、岩手看護短期大学が岩手医科大学の看護学部に移管されるということも伺っております。定数が若干減るのかという話も聞いていますけれども、助産師養成校の状況がどうなっているのか。修学支援とか、本当に増員に結びつくような対応をされているのかどうか、この点についても伺います。
〇高橋地域医療推進課長 県立磐井病院の来年度の医師、助産師の体制でございますけれども、現在のところ、来年度、産科医師を1名増員し、5名体制となると伺っておりますし、助産師につきましては、2名増員し、20名体制になると伺っております。
〇福士医務課長 県内の助産師不足の状況についてでございますけれども、県では、これまで、いわて看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、修学資金の貸し付けによる助産師を含む看護職員の養成などの施策を総合的に進めてまいりました。
現在、県全体では第七次岩手県看護職員需給見通しで見込んだ平成26年時点の需要予測を満たす助産師数は確保されていると考えております。一方で、事情によりまして助産業務に携わっていない助産師もおられるということで、助産師の確保が困難な地域あるいは施設があると考えているところでございます。
助産師の養成施設の県内の状況でございますけれども、現在、助産師養成の募集を行っている施設につきましては、県立大学看護学部の助産師養成コースと岩手看護短期大学の専攻科の2施設となっておりまして、定員は今は30人となっておるところでございます。委員御指摘のとおり、2020年度以降は、県立大学の看護学部はそのままでございますけれども、岩手看護短期大学が岩手医科大学の看護学部に移行するという形で2施設、定員は5名減の25名となるところでございます。
また、助産師の確保に向けた修学支援あるいは復職支援などの県の取り組みでございますけれども、潜在助産師につきましては、現時点では未就業の状態で就業を希望する助産師がどれぐらいいるかといったものの把握はなかなか難しいところでございます。
こうした中で、平成27年10月から、これは国の制度でございますが、看護職員の離職時届出制度というのが始まって、そのときの助産師の届け出者数につきましては、2月時点で27人となっております。
こうした未就業の助産師に対しましては、県の看護協会に設置しておりますナースセンターにおきまして、再就業を希望する助産師からの相談等も受けて、就業のマッチングなどに取り組んでいるところでございます。
また、県では、助産師確保対策をより一層推進していくということから、平成30年度から、看護職員修学資金の110名の貸付枠の中に助産師特別募集枠10名分を新設することとしているほか、助産師として再就業を希望する方へのきめ細かなマッチングあるいは復職支援のさらなる充実-どうしても、助産師として就業、復職するときには、病棟勤務ですとか夜勤等も伴うものですから、こういった心配とか懸念といったものを払拭できるような研修も充実を図ってまいりたいと考えておりまして、こうした事業費を当初予算案に盛り込んだところでございます。引き続き、いわて看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、助産師を含む看護職員の確保、定着に取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 産後ケアを充実させていくということとか、市町村へ支援センターを広げていくということで、今後、助産師の果たす役割も大きくなっていくと思いますので、しっかり対応していただきたいと思います。
次に、生活保護制度についてお聞きいたします。総括質疑でも若干お聞きしましたが、改めてお聞きしたいと思います。
現在、被生活保護世帯はこの10年間で7、530世帯から1万575世帯と非常に増加傾向にあります。そしてまた、市町村の保護率も、大船渡市の3.6パーミルから岩泉町の25.55パーミルとなっております。
県として、増加になっている要因、受給者の特徴、保護率にこんなに格差があるというのはなぜなのか、県としてどう分析しているのか、まず伺います。
〇渡辺地域福祉課総括課長 保護率の格差などについてでございますが、本県の被保護世帯の動向につきましては、平成10年度以降増加傾向にございまして、平成23年度以降、ほぼ横ばいで推移しているところでございます。
ここ10年間の増加の主な要因といたしましては、厚生労働省の被保護者調査などによれば、年金が十分ではない、あるいは親族の援助を受けることのできない単身高齢者世帯がふえていることなどが考えられるところでございます。また、保護世帯数が急増しました平成21年度から平成22年度にかけましては、世界金融危機によります景気の悪化の影響などが考えられるところでございます。
本県の被保護世帯数は高齢者が約5割を占めるなど、このことにつきましてはおおむね国と同様の傾向にございます。ただ、本県の特徴といたしましては、平成23年度の東日本大震災津波の影響によりまして、平成24年度以降、沿岸部において保護世帯数が減少していることが挙げられると思います。
市町村ごとに保護率に差がある要因につきましては、明確には把握できていない状況にはございますけれども、地域における産業集積の状況の差、あるいは東日本大震災津波による影響など、さまざまな要因により差が生じているものと思われます。
〇高田一郎委員 私も総括質疑の中で、ケースワーカーの対応、窓口での課題などについても質問いたしました。
そこで、現在、生活保護を担う窓口での相談件数と、実際、生活保護申請を受理した状況というのはどのように把握されているのでしょうか。
もう一つ、借金も含めて資産の保有、民法上の扶養義務者の支援というのは、生活保護申請をやる上で前提の条件になっているのか。窓口でも対応がまちまちになっているような感じも見受けられますので、まず、法の運用上どうなっているのか、この点についてお伺いいたします。
〇渡辺地域福祉課総括課長 生活保護の窓口での相談件数あるいは受理件数などについてでございますが、平成28年度、県内の福祉事務所で対応した面接相談は2、552件で、1、630件が生活保護申請につながっているところでございます。
生活保護等に関する相談があった場合には、まず、相談者の状況を丁寧に聞き取りまして、制度について十分に説明し、保護申請の意思が確認された方に対しては、申請書の交付、申請手続についての助言を行っているところでございます。
また、保護の申請に至らなかった場合などにありましては、必要に応じまして、生活困窮者自立支援法など他の制度で適切な支援につなげるよう努めているところでございます。
生活保護法の規定に従いまして、預貯金など保有する資産をまず活用すること、あるいは扶養義務者から可能な支援を受けることなどが求められているところでございます。ただ、申請者の事情により対応が異なってございまして、必ずしも預貯金を持っているから保護が受けられない、あるいは民法上の扶養義務者がいらっしゃるからといって保護が受けられないということはございませんので、生活保護の申請の前提とはなってございません。
引き続き、県では、福祉事務所の窓口に面接相談に訪れた方が生活保護申請について正しく理解ができるよう、適正な申請につながるように、指導監査などを通じて指導に努めてまいりたいと思っております。
〇高田一郎委員 そうだと思うのです。預貯金があれば生活保護の対象にならないとか、あるいは借金も含めて、車とかそういう資産があれば生活保護申請の対象にならないというのはないと思うのです。ただ、現場ではそうなっていないのです。そして、市町村の生活保護のしおりなど県内の状況を見てみましたけれども、例えば、ある自治体では、生活保護を受けることができる三つの条件。一つは、生活保護の申請を済ませていること、二つ目、一定の基準以下の収入であること、三つ目は資産を保有していないことが条件で、この三つを最低でもクリアしていないと生活保護が受けられないという説明をしている自治体もあるのです。これを見れば、生活保護を私は受けられないのだなとなってしまうのです。
生活保護の実際の保護率が低いのは、生活保護に対する意識とか生活保護バッシングもありますけれども、窓口での対応にも大きな影響があると私は思うのです。
私は、神奈川県小田原市のしおりを拝見いたしました。これは、昨年、生活保護なめんなというTシャツを着て生活保護行政をやったということで大問題になったところで、それを教訓に、生活保護はこうあるべきだという議論を内部でして立派なチラシをつくったのです。私も見ましたけれども、生活保護は憲法で保障されている権利なんだということを初め、自動車とかの資産を持っていても、基本的にはだめなのだけれども、必ずしもだめではないのですよとか、あるいは民法上の扶養義務についても、それも要件ではないのですよ、相談してくださいという丁寧なしおりをつくっているのです。
私が質問したいのは、県内の市町村の対応もまちまちです。間違った説明資料をつくっているところもあります。これは県の責任で総点検をして、適切な、わかりやすいしおりといいますか、PRをやっていくべきだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
〇渡辺地域福祉課総括課長 保護のしおりなどについてでございますが、今、委員がお持ちのしおりのようなものは全ての窓口で用意してございまして、もちろん、それは全てのそれぞれの団体でつくっておりますので、内容的には若干異なっている点があろうかと思います。
御紹介いただきました小田原市の保護のしおりを見させていただきましたら、確かに、生活保護の相談から開始までの手続でございますとか、生活保護受給者の権利、義務などがわかりやすく記載されてございます。そういった点につきましては、保護のしおりを今後更新する際に参考とさせていただきたいと思ってございます。
保護のしおりにつきましては、窓口において必ずお渡しして、相談に来た方に正確に理解していただくもの、あるいは受給されている方に対しても理解していただくために使っておりますので、内容がもし誤っている点ですとか不十分な点がございましたら、今後、確認しながら修正に努めてまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 私は、しおりも含めて県内の生活保護行政の実態をよく把握して、間違った運用があれば是正させるという対応をしていただきたいということを申し上げたので、この点についてもよろしくお願いしたいと思います。
時間がないので、次に、社会的養護の必要な子供たちへの支援についてお伺いいたします。
先ほども議論がありました。新年度は社会的養護自立支援事業3、600万円が計上されています。これは現場からの強い声もあって、こういう予算措置をされたということは大変いいことだと思っております。
そこで、重複しないようにお聞きしたいと思いますけれども、今度の社会的養護自立支援事業については、コーディネーターとか生活支援相談員をそれぞれ配置するということでありますけれども、具体的に児童養護施設に2名ずつそれぞれ配置するということなのでしょうか。ちょっとイメージがわからないので、その点についてお伺いいたします。
それから、退所した後も、さまざまな理由があって、引き続き児童養護施設で養護が必要な22歳までという説明でありましたけれども、児童養護施設などに行きますと、就職したり、大学に行っても、その後、つまずく。そういう方々のさまざまなケア、児童養護施設での支援員というのは親のようなものですから、何かあった場合には、そこに来ていろいろな相談に乗ったりするということもたくさんあるという話なのです。だから、そういった方々も含めた相談とか支援というか、そういったことまで含めて対応していただけるような社会的養護自立支援事業費なのかということについてお伺いしたいと思います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 社会的養護自立支援事業費についてのお尋ねでございますが、先ほど委員から御紹介のありました支援コーディネーター、生活支援相談員の配置の関係でございますけれども、この事業につきましては、支援コーディネーターの配置、生活支援相談員の配置といったことを委託により実施することとしておりまして、退所予定者との面接等を通じて継続支援計画の作成を行う支援コーディネーターと、生活上の問題等について相談を行う生活支援相談員を各1名、委託先のほうに配置する予定にしているところでございます。
今年度、それぞれ児童養護施設を退所する児童等々がいるわけででございますけれども、その退所者につきましては、基本的には全員、支援コーディネーターが支援計画をつくって、その後につきましては、生活支援相談員が全員と面談あるいは相談等を行って、退所後のそれぞれの児童の生活等の自立、将来の不安を防止するといった相談対応を行う形にしているところでございまして、この事業によりまして、それぞれの児童養護施設を退所した児童の支援として、社会的養護を受けた子供たちの自立の支援につながるよう運営してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後に、介護保険制度について質問したいと思います。
現在の介護施設の経営状況、人材不足というのは県としてどのように把握されているでしょうか。
時間がないのでまとめてお聞きいたします。
介護施設の待機者の現状と、第6期介護保険事業計画の整備状況、また、第7期介護保険事業計画がこれから始まろうとしておりますけれども、必要な整備が行われるような計画になるのか。あわせて、県内の介護保険料がどうなるのかということです。
先ほどの答弁では、県内平均ですと408円値上がりするということで、年間にすれば5、000円近くになるということですが、ここまで数字が明らかになっていれば33市町村の数字もわかるのかと。多いところで年間大体どの程度になるのか、その数字がもしわかれば示していただきたいと思います。
〇近藤長寿社会課総括課長 大きく3点ほど御質問を頂戴しました。
まず最初に、介護施設の経営状況と人材不足でありますけれども、国が実施いたしました平成29年度介護事業経営実態調査によりますと、事業所における介護サービスの収益状況を示します収支差率ですが、多くのサービス種別において前年度を下回る結果となっております。また、県と介護保険施設の事業者団体との意見交換におきましても、法人の形態や運営規模にかかわらず、一様に経営状況は厳しいという声を伺ってございます。
次に、介護人材不足の状況についてですが、本年1月の県内の有効求人倍率を見ますと、全産業の1.46倍に対し、介護職では2.46倍と高いということで、地域によっては5倍を超える状況にあるということでありまして、人材不足が顕著な状況にあると認識しております。
このため、県では、介護の仕事に対する理解の促進や求人、求職のマッチング支援に取り組むとともに、安定的なサービス提供が図られる適切な水準の介護報酬の設定や、介護人材確保対策の一層の拡充について、継続的に国に要望しているところです。
今後とも、国による介護報酬改定の効果検証や、事業者団体との意見交換等を通じて実態の把握に努め、必要に応じて国への働きかけをさらに行っていく考えであります。
2点目の介護保険事業計画の関係でありますが、まず、特別養護老人ホームの待機者でありますけれども、平成29年4月1日時点で、今後1年程度以内に入所が必要となる見込みの方を含むということでありますが、市町村によって早期入所が必要と判断されている在宅の方は985人となっております。
次に、第6期介護保険事業計画期間中の施設整備状況でありますけれども、特別養護老人ホームが620床、老人保健福祉施設が140床、認知症グループホーム299床が、前期第5期の計画以降、新たに開設される見込みとなっております。
平成30年度から始まります次期第7期計画の整備の見込みでありますけれども、現在、各市町村等保険者において、入所待機者の状況や高齢者の人口動態、社会資源など地域の実情を勘案しながら策定作業を進めているところでありまして、ニーズに応じた整備が行われていくことになると考えておりますので、県としても、市町村が計画に基づいて行う施設整備が着実に進むように、引き続き支援してまいりたいと思っております。
最後に、県内の介護保険料の関係でありますけれども、一応調査はしておるわけでありますけれども、個別の市町村名までは表に出すという前提で聞いておらないものですから、金額だけで御容赦いただきたいと思いますが、県内で今のところ見込まれる介護保険料は、一番高いところで申し上げますと、8、100円ということになってございます。一方、一番低いところで申し上げますと、5、200円ということになってございます。
〇高田一郎委員 では、時間がないので一言。
大変なことだと思うのです。先ほどの佐々木努委員の質問の中でも、人材不足や経営難で平成28年は113件も事業所を廃止していると。今年度の整備計画でも、当初予定した施設が13件も取り下げられる。そして、特別養護老人ホームの入所も介護度3以上とか、どんどん制限させて、一方では、今お話ししたように、介護保険料もどんどん値上げされる、待機者も解決にならないと。これは介護保険制度の破綻だと私は思うのです。今のような介護保険制度の中身で推移していたら、とても大変なことになると。この制度はもう破綻なのだということで、この制度の見直しを国にしっかりと求めていくべきだと思うのですけれども、最後に部長に聞いて、終わります。
〇八重樫保健福祉部長 今回の国による介護報酬改定の効果検証であるとか、あるいは委員から今御指摘のありました保険者の財政状況等が非常に厳しいということもありますので、公費負担の割合の見直しなど、市町村負担の緩和に向けた制度改正を国に要望してまいりたいと思いますし、必要に応じて国に制度改正等も要望しながら、介護保険制度の安定的な運営に努めていきたいと考えております。
〇小野寺好委員 1点だけ、肝炎総合対策推進事業費1億8、612万円の内容について伺います。
先月、私の50年来の友人が肝硬変で亡くなりました。肝臓は沈黙の臓器と言われているらしく、お腹に激痛が走るとか呼吸が苦しくなるということはなく、肝臓の病気判明から間もなくあっけなく亡くなるという痛ましいものでした。
昨年10月、決算特別委員会総括質疑で、各種がんの10年生存率の中で肝臓がんのデータは最悪であった、しかし、現在、ウイルス性肝炎は治る、もしくはコントロールできる病気であり、早期検査と治療で深刻な症状に進むことを防ぐことができるので、その対策はどうかということをお伺いいたしました。
副知事答弁では、平成21年に、県肝炎対策計画を策定し、検査、診療に取り組んでいるが、平成29年度は第3期肝炎対策計画の改定を行っており、新たな治療法の周知を盛り込むなどとしていました。
そこで、改めて伺いますが、肝炎ウイルス検査の実績、陽性または陽性の疑いのあるまま治療を受けていない人数はいかがでしょうか。これを踏まえてどのように計画を見直すのか伺います。
また、職域もありますけれども、実質的には市町村が検査の実施主体の大宗となっておりますので、県としては、市町村の担当者にお願いして頑張っていただくしかないと思いますが、知識の普及啓発、肝炎ウイルス検査の勧奨方法についてはいかがかお尋ねいたします。
〇野原副部長兼医療政策室長 委員から肝炎対策につきまして幾つか御質問をいただいたところでございます。
まず、本県の肝炎ウイルス検査の受検状況についてでございますが、40歳以上の住民健診や職域検診等の受検者のデータから、B型肝炎が平成28年度までの30年間の累計で約60万人、C型肝炎は平成28年度までの20年間の累計で約49万人の方が受検しているところでございます。肝炎ウイルス検査は毎年受けるものではなくて、成人になれば、まずはきちっと1回受けて、陽性かどうかを確認すべきだという趣旨でございます。
一方で、平成28年度の実績で申し上げますと、健康増進法による市町村検診は、本県の平成28年度の実績は全体でB型肝炎、C型肝炎を合わせまして2万6、946件で、陽性者は116人、0.43%でございました。
肝炎ウイルス陽性者で未治療者の割合につきましては、厚生労働省で実施いたしました全国調査の結果が全体の約2割でありますことから、本県の感染者数1万4、800人から推計いたしますと、約3、000人程度であると見込まれております。
委員から御紹介いただきましたとおり、肝炎はウイルスに感染しても自覚症状がないため、本人が気づかないまま慢性肝炎から肝硬変や肝がんへ進行する場合があることから、適切な時期に治療を受けることが重要でございます。
したがいまして、県では、現在、第3期となる肝炎対策計画の改定の作業を行っておりまして、この中に肝炎ウイルス検査受検率向上やウイルス陽性者の重症化予防、新しい知識の普及啓発などについて盛り込むこととしておりまして、引き続き総合的な肝炎対策を推進してまいります。
また、知識の普及啓発、肝炎ウイルス検査の勧奨方法の推進についてでございます。
肝炎ウイルスの感染の有無を確認するためには肝炎ウイルス検査を受検することが重要でございますが、検査の重要性について啓発に努めるほか、市町村や保健所の健康づくりセミナー等との共催で市民公開講座を開催し、アクセスの難しい職域にもアプローチをしてございます。
また、市町村の保健師などによります岩手県地域肝疾患アドバイザーを通じまして、市町村や職域等に対しまして、肝炎に係る知識の普及啓発を図ってございます。あわせて、今年度、新たに未治療者への受診勧奨を目的としたリーフレットを作成し、医療機関や市町村に配付いたしまして、さらなる周知に努めているところでございます。
こうした取り組みによりまして、肝炎ウイルス検査の受診勧奨、また陽性者の医療機関への受診勧奨を進めまして、総合的な肝炎対策を推進してまいります。
〇吉田敬子委員 不妊治療等に対する支援についてお伺いいたします。
現在の夫婦の5.5組に1組が不妊治療または検査の経験者であると言われておりまして、生まれてくる赤ちゃんの19人に1人は体外受精で生まれてくるという現状になっています。
県内でも男性不妊治療または女性不妊治療に対する助成をさまざま行っておりまして、件数は増加傾向にある、そして若年化していると私は思っております。県として、これに対するさまざまな相談事業も行っておりますけれども、不妊治療の支援に対してどのような事業の工夫をされていて、その成果があらわれていると認識されているかお伺いいたします。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 委員からお尋ねのありました不妊治療の関係でございますけれども、委員から御紹介がありましたとおり、特定不妊治療の助成件数につきましては平成28年度は877件となり、前年度より若干減少となったところでございます。しかしながら、晩婚化あるいは不妊治療技術の向上などにより、不妊治療を行っている方や関心を持っている方は増加傾向にあるものと考えておりまして、これらの方々が相談しやすい環境を整備しますとともに、仕事と治療の両立に関する社会的理解や、早期に治療を開始することが有効であることなどの普及啓発等が必要であると認識しております。
このため、県では、不妊専門相談センターを設置いたしまして、不妊、不育で悩む夫婦からの相談に応じておりますほか、県の広報媒体を活用いたしまして、特定不妊治療費助成制度の周知、市民公開講座等を通じた不妊の原因や治療効果などに関する正しい知識の普及啓発を行っているところでございます。
近年、企業におきましても不妊治療休暇制度を設けるところも、少しずつではございますが、広がってきておりまして、今年度から、いわて働き方改革推進運動において、すぐれた取り組みを行う企業等を表彰するいわて働き方改革アワードの審査項目の一つに、従業員が望む妊娠、出産を実現するための不妊治療を含む休暇制度の規定の有無を盛り込むなど、仕事と治療の両立支援に向けて、企業等に対する不妊治療の理解促進に努めているところでございます。
引き続き、専門の医師等で構成しております不妊治療協議会の意見等も伺いながら、関係機関と連携して、不妊相談の実施や普及啓発等に努めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 県では、岩手医科大学と保健所で不妊治療の相談センターをそれぞれ設けて事業をされておりますけれども、岩手医科大学では、電話が火曜日と水曜日の午後2時半から午後4時半、面接が木曜日の午後2時半から午後4時半であると私は認識していまして、保健所も、月曜日から金曜日の午前9時から午後4時という日中の時間です。
基本的にほとんどの方が仕事をされており、平日のこの時間帯に電話をしたり、ましてや面接というのはなかなか無理なことなのではないかと思っておりまして、私も、県内の方で、相談したいけれども、その時間に休憩時間をとって電話しているという状況を何件か聞いております。
他県の例を見ると、夜間対応を設けたり、月の何日間かは土日でやっていたり、もしくはメール相談も対応しているということが全国で結構広がっているのですけれども、岩手県はこれに関して何か工夫をされてきた経緯はありますでしょうか。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 不妊専門相談センターにおきます相談の関係につきましては、実施を委託しております岩手医科大学附属病院と、平成29年度の実施方法につきましていろいろ協議をさせていただきまして、電話相談の日程、時間帯、あるいは面接相談の時間帯等をいろいろ変更いたしまして、今年度からこういった形で実施しているところでございます。
その中では、委員からの御提案にありました、例えば夜間でありますとか休日につきましては、まだそういったところまで検討しているわけではございませんが、いずれ、相談しやすい時間帯ということで、今年度からこのように時間帯あるいは日程等を見直したところでございます。
〇吉田敬子委員 仕事をされている方が多いと思いますので、他県の例も含めて、相談しやすい体制というのをぜひ今後検討していただきたいと思っております。
もう一つ、先ほど、いわて働き方改革アワードの一つに、そういった不妊治療に支援する企業も項目に入れられたということで、すばらしいなと思っております。
先日、3月2日に厚生労働省から初めての実態調査の結果が出ておりまして、仕事との両立ができずに離職した人の割合が、男性が2%ですけれども、女性が23%、4人に1人が不妊治療だったり妊活している中で、結局は仕事を離職しているということがわかっております。
県でも、働き方改革は商工労働観光部でありますけれども、保健福祉部のサイドから、働き方改革アワードの中に入れられたということではあるのですけれども、これは東京都の事例になるのですが、そういった企業に対する奨励金というものも始められたりしているようなので、ぜひ、今後も対策を練っていただきたいと思っております。御所見を伺います。
〇後藤子ども子育て支援課総括課長 不妊治療の関係につきましても、これまでも企業等に対しまして、仕事と治療の両立に関する社会的理解の促進を図ってきたところでございますけれども、本日もいろいろな委員から、そういった企業との取り組みをさらに強化すべきだという意見もいただいております。この不妊治療の関係につきましても項目の中に一つ入れまして、検討させていただきたいと思っております。
〇吉田敬子委員 次に、がん対策についてお伺いいたします。特に、小児・AYA世代についてお伺いいたしますけれども、県内における小児・AYA世代のがん患者等の推移をこれまでどのように工夫されて事業に努めてきたか、来年度は具体的にどのように取り組んでいくのか、まずお伺いしたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 小児・AYA世代のがん患者等の課題への対応についてでございますが、まず、患者数の推移でございます。
県では、岩手県地域がん登録事業を通じてがん患者数を把握しておりますが、これによりますと、新たにがんに罹患した小児の患者数は、平成23年が19名、平成24年が15名、平成25年では26名となっております。また、15歳から29歳までのAYA世代の患者数につきましては、平成23年が45名、平成24年が53名、平成25年は39名となっております。
課題といたしましては、これらの小児・AYA世代のがん患者の数が極めて少ないために、がんの種類によっては標準的な治療ガイドラインが確立していないものもあることや、小児科と成人診療科との連携が必要であることなど医療側の課題もあるほか、ライフステージに応じた教育や就労支援等の長期的なフォローアップ体制の整備が求められているものと認識しております。
現在、全国では、東北大学病院を含めて15カ所の小児がん拠点病院が指定されておりまして、さらに、国では、小児がん拠点病院と連携する小児がん診療連携病院を整備する方針ということでございまして、一定の小児がん医療の均てん化が図られていくものと考えております。
県といたしましては、引き続き、医療関係者、教育、就労関係者と連携しながら、教育、就労等のライフステージの課題の解決に向けて取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 小児・AYA世代のがん患者について、学業や仕事と治療の両立支援というものが十分とは言えない状況だと私は認識しております。40歳以上だと介護保険が利用できるのですが、20歳から40歳未満だとそれがないので、そういった医療費の助成というものを他県で開始していたりするところもあります。小学生、中学生の場合は義務教育課程の中で治療と学業の両立というのをきちんと整備されているのですけれども、高校生になると、それがぽつんと抜けておりまして、長期入院している中で、例えば学校の先生が来ていただくような取り組みは岩手県ではまだないので、そういった教育支援が検討すべき課題だと私は思っておりますが、県として、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 小児・AYA世代のがん患者の教育、学業と仕事の両立支援ということでございますけれども、国におきましては、昨年12月に小児・AYA世代のがん医療・支援のあり方に関する検討会を設置いたしまして、支援策の検討を開始したところでございます。委員から御指摘いただいたように、高校生に対する教育の保障というところがやはり弱いところだということは認識しております。県といたしましては、国の検討状況を注視ながら、それらの課題を含め、医療関係者を初め教育、就労関係者と連携を図りながら、次期がん対策推進計画を推進していく中で取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
また、20歳から40歳未満の患者に対する医療費助成とか介護保険の法令に基づいた支援制度でございますが、ここの年代のがん患者に対する支援制度は、今、すっぽり抜け落ちている状況になっておりまして、課題であると認識しております。
この世代に対する支援につきましては、横浜市、神戸市等の政令市で一部実施していると聞いておりますけれども、こうした先進的な取り組みも参考としながら、医療関係者等との意見交換を通してニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。この課題については、本県だけの課題ではなくて、全国共通の制度上の課題だと考えておりますので、国に対する要望を行うことも含めて、検討してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 以前、県が取り組んでいた乳がん患者等の方のための、跡が見えないように温泉等での湯あみ着、入浴着-県ではどちらを呼んでいるかちょっと確認しませんでしたが、啓発活動をされたと思うのですけれども、現在、どのぐらい普及したか、成果をお示しいただければと思います。
〇高橋地域医療推進課長 温泉入浴着の啓発についてでございますけれども、県では、平成28年2月に、衛生部門と連携しながら、乳がん手術などの傷跡の残る方が気軽に入浴を楽しむための専用の入浴着の着用への理解を呼びかける温泉入浴着啓発ポスターを1、300部作成いたしまして、県内の市町村の観光協会を通じて県内の温泉施設等へ配布したところでございます。これまで県のホームページにも掲載するなどの啓発活動を進めておりまして、県内の旅館、公衆浴場等の関係者や県民に対して一定の理解が進んだものと認識しております。
今後とも、県内の温泉施設や患者会、一般県民に対する周知に努めまして、がんを経験した方の生活の質の向上を図る観点から、入浴着を着用した入浴についての理解の促進を図っていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ということは、ある程度、温泉に行くと、それを着用して、ほとんどの温泉で入れるということでよろしいのですね。
〇高橋地域医療推進課長 施設によって、それが可能なところと、そうではないところがまだあると思います。現在、ピンクリボンの宿という取り組みを全国的に進めている団体がありまして、そこを見ると、岩手県内では、入浴着を使って入浴できる施設は4カ所ということでエントリーされております。東北各県を見ても2カ所とか3カ所というような状況なので、まだ取り組みは進める必要があるのかと考えております。
〇吉田敬子委員 ぜひ、さらなる普及拡大に努めていただきたいと思います。
最後に、地域で支える周産期保健医療支援事業についてですけれども、先ほど小西委員が取り上げていましたので、確認でありますけれども、今年度は潜在助産師の掘り起こしで助産師34名がリストアップされたと思うのですが、この方々は来年度に何か新しく事業といいますか、何か展開される方がいらっしゃればいいなと私は思っているのですが、私も、県のやられている研修会に何度かお邪魔させていただいて、助産師の方で沿岸からわざわざいらっしゃっている方で、今までは病院勤務だったけれども、今度はこういった事業をいつかやってみたいなとおっしゃっている方がいらっしゃいました。なので、ぜひふえていっていただきたいと思うのですが、今後の何か、具体的な展開を予定している方々がもしいらっしゃれば教えていただきたいと思っております。
もう一つは、今年度、同じく周産期ガイドブックを作成されていて、今月末までということだと思うのですけれども、これの周知が、妊婦、看護学生、高校生等を対象としたということなのですが、どういったところに配布される予定であるのかお伺いしたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 潜在助産師の活用についてでございますけれども、今年度、助産師会と連携いたしまして34名リストアップしたところでございまして、その後も、引き続き産前産後ケア事業とかに協力いただける助産師については随時リストに加えていただいて、来年度以降も私たちは市町村でこれらの事業を導入することの支援をしていきますので、これらの方々を紹介しながら、事業導入に向けたコーディネートをしていくということを考えております。
ガイドブックにつきましては、高校生については教育委員会を通じて、御協力いただいて配布したいと考えておりますし、県内の看護学部を持っている大学等にお願いして、学生のほうにも配布させていただきたいと思っています。あとは、県内の周産期の医療機関について配架をさせていただくということを考えております。
〇吉田敬子委員 例えば医療機関にはもちろん置かれると思うのですけれども、これから自分が妊娠したいと思っている方だとか、実際に妊活中の方であれば医療機関に接点があると思うのであれですけれども、そういったところにもぜひ手に届くような工夫をしていただければと思っておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いします。
〇高橋元委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後5時21分 休 憩
午後5時47分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 私からは、まず初めに、療育センター内にあります発達障がい者支援センターの相談状況をどのように県のほうで捉えているのか、その御認識をまずお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 発達障がい者支援センターの相談状況についてでございますけれども、個別の相談支援件数は、平成26年度の4、162件をピークとしまして、平成27年度4、141件、平成28年度3、603件、今年度は1月末現在で2、254件となっておりまして、徐々に減少してきております。
そうした中で、相談内容につきましては、発達障がいのある本人の生活に関するものや、家庭において家族ができることなどがふえてございまして、発達障がい者支援センターにおきましては、より専門的な支援が必要な相談対応にシフトしてきているところでございます。
〇臼澤勉委員 私も、個別相談内容が非常に専門的、高度化してきていると認識してございます。盛岡圏域の各市町村の方々からよく聞くのが、この児童の発達を専門的に診る臨床心理士あるいはそういった心理判定員の圏域での不足です。そういった中で、発達支援に必要な専門員の育成にどのように県は対応されていこうとお考えなのかお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 児童発達支援に必要な専門員の育成についてでございますけれども、岩手県発達障がい者支援センターでは、臨床心理士や社会福祉士、精神保健福祉士等の資格を持つ専任スタッフ5名を配置し、相談支援等に当たっております。また、地域において児童発達支援の中核的な役割を担う児童発達支援センターには、基準上、社会福祉士あるいは精神保健福祉士等の資格を有する児童指導員及び保育士等の配置が必要とされております。
こうした臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士などの専門人材の養成につきましては、総括質疑におきまして副知事から答弁申し上げましたとおり、県内の大学や専門学校が継続して取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、こうした専門資格を有する方が相談支援専門員等として身近な地域で支援を担うことができるよう、必要な知識、支援技術や対応力の向上を図る研修を実施するなど、人材育成を進めてきているところでございます。平成30年度当初予算におきましてもこれらの取り組みに係る事業費を計上しているところでございまして、継続して人材の育成に取り組んでいくこととしております。
〇臼澤勉委員 厚生労働省のデータを御紹介いたします。ちょっと古いのですが、平成21年のデータで都道府県別の臨床心理士の人口10万人当たりの数字を見ますと、東北-岩手県を初め、青森県、秋田県、山形県と、全国の中でも人口比順位は下位のほうでございます。なぜ私がこれを取り上げているのかというと、次の自死対策にもかかわってくる話なのですけれども、まさにメンタルヘルスのそういった取り組みについても、臨床心理士の人口10万人当たりのデータの下位の都道府県、これが自死対策のワーストというか悪い数字の都道府県と非常に相関関係が感じられると私は捉えております。
例えば、秋田県、岩手県、宮崎県も全国の自死対策の必要な、手厚いサポートが必要な都道府県のランキングに入るのですけれども、臨床心理士の数も、まさに秋田県や青森県、例えば愛媛県も全国の44番目。ちょっと古いデータですから今どうなっているかはあれですけれども、ぜひここら辺の取り組みを今から……。県立大学でも養成はしておりますけれども、残念ながら、ここ数年、1名ずつぐらいの資格の取得状況になってございます。資格取得をしたからすぐ立派にそういった相談に対応できるかといえば、やっぱり時間もかかりますし経験も必要ですので、10年、20年かかってくるという中で、発達障がいのそういった相談件数についてはふえてくる傾向にありますので、ぜひここの環境整備を……。
私は、行政と臨床心理士の教育現場が一体となったメンタルヘルスの枠組みというのを取り組むべきだということで、質問を自死対策のほうにも移していきたいと思いますが、新年度、子供、若者あるいは妊産婦への対策はどのように考えているかお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 子供、若者や妊産婦への自殺対策についてでございますけれども、県では、多様な主体が連携し、官民一体となった総合的な自殺対策を推進してきておりまして、その中で、児童生徒への対策として、高校カウンセラーの設置や教職員向けゲートキーパー研修など、働く若者への対策として、企業等への出前講座など、妊産婦への対策として、産後鬱スクリーニングなどの取り組みを実施してきたところでございます。また、国では、特にSNSの活用など若者の特性に応じた支援を推進しておりまして、県におきましても、県の公式ツイッターを活用して若者に呼びかけ、相談窓口を周知する取り組みを始めているところでございます。
県としては、平成30年度に次期自殺対策アクションプランを策定することとしておりますけれども、その重点事項に学校におけるSOSの出し方に関する教育や妊産婦への支援の充実などを位置づけることを検討しておりまして、国が昨年8月に出しました自殺総合対策大綱も踏まえながら、子供、若者や妊産婦への自殺対策の充実を図っていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 啓発事業なども私は大事だと思うのですけれども、やはり直接、面談とか相談できる環境整備が重要なポイントになってくると思います。先日、隣の秋田県のNPO法人蜘蛛の糸の佐藤理事長とお話ししてまいりましたが、まさに秋田県も全国でも悪い数字なのですけれども、彼らも一生懸命相談する対応づくりというか体制づくりを産学官連携しながら取り組んでおります。さらに、佐藤理事長から言われたのは、マスコミ。産学官報、報道機関との連携。秋田県では、地元の新聞社が主催するシンポジウムあるいは新聞等による特集などを載せてございます。ぜひ岩手県においてもそういう産学官報の連携に取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 秋田県につきましては、今、委員からも御紹介がございましたけれども、長いこと自殺死亡率で全国ワースト1位といった状況が続いておりまして、関係者の危機意識も非常に強く、マスコミも含めた民間主導で取り組みが進んでいて、それが根づいているものと見ているところでございます。
一方、本県におきましては、庁内に知事を本部長とする自殺総合対策本部を設置するとともに、幅広い分野の関係機関、団体で構成いたします自殺対策推進協議会を設置して、官民一体となり、総力を結集して自殺対策に取り組んできているところでございます。その取り組みの中で、マスコミの協力もいただきまして、9月の自殺防止月間や3月の自殺対策強化月間を中心に、テレビやラジオ番組の制作、CMの放送、新聞への掲載などによりまして、自殺対策に対する正しい知識やゲートキーパーとしての適切な行動等につきまして、県民に対して幅広く呼びかけを行うなどしてきております。
一方、本県では、包括的な自殺対策プログラム久慈モデルを全県的に取り組んできた結果、自殺者数は中長期的に全国平均を上回るペースで減少を続けているところでございまして、今後もこうした取り組みの継続を基本として進めていくことを考えておりますが、秋田県の取り組みなども参考にしながら、先ほど申し上げましたけれども、次期アクションプランを検討していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 これまでの取り組み成果についてもあらわれているということでは私も評価したいと思います。
私は、例えばゲートキーパーの養成研修についても、岩手県単独でやるよりは、秋田県、青森県の共通課題でございますので、ぜひ連携するような取り組み、隣の秋田県の取り組みについても学ぶべきこともあると思いますし、そういった取り組みも進めたらいかがかと思うのですが、御所見をお伺いいたします。
〇高橋参事兼障がい保健福祉課総括課長 北東北3県の連携の取り組みについてでございますけれども、委員からもお話がありましたとおり、青森県、秋田県、本県は、全国の中でも自殺死亡率が高いという課題を共通して抱えているところでございます。そうした中で、北東北3県の自殺対策に取り組む団体が毎年度持ち回りでフォーラムを開催するなどして意見交換や支援技術の研さんを行うなど、民間レベルでの連携が進んでおります。こうした場に県も参加するなどしておりまして、各県の取り組みについて情報交換をしてきております。
今後とも、こうした民間団体の活動への支援なども行いながら、両県との連携や関係者の交流を深める中で、お互いの取り組みを参考にしながら自殺対策を推進していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 本県は東日本大震災津波もございまして、実は、震災後、女性の自死率というのが横ばい、あるいは上昇する傾向もあるという学者のレポートもあります。ぜひそこら辺も含めて丁寧に対応していただきたいと思います。
あと、先ほどの臨床心理士の養成と絡めて、雇用の活躍の場というか受け皿をやはり取り組んでいく、日本においても取り組むべきと私は思います。アメリカでは、EAPということで従業員支援プログラムというものがあって、企業や組織がそういった臨床心理士が活躍する、支援する場が一般的になっております。まだまだ日本では臨床心理士というと活躍する場が限定されているような部分がありますけれども、そういった雇用の場、活躍の場をつくっていくのも、私は公共政策として重要な意味があると思っております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後に、がん対策について。
こちらにつきましても、吉田委員からAYA世代等についてありましたので、私はそこら辺は省略いたしますが、第3期がん対策推進基本計画の見直しを今、行っておりますが、新年度予算にどういうふうに反映させるお考えなのかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 がん対策の予算についてでございますけれども、平成30年度当初予算案における主な事業につきまして、がん対策推進計画の主要分野でありますがん予防、がん医療の充実、がんとの共生の視点で申し上げますと、まず、予防対策といたしましては、健康いわて21プラン推進事業や生活習慣病重症化予防推進事業などを実施いたしまして、県民への健康情報の提供、がん検診、特定健診の受診率の向上対策などを推進いたします。また、がん医療といたしましては、がん診療連携拠点病院機能強化事業を実施いたしまして、拠点病院間のネットワークやがん相談支援体制の確保、それからがんとの共生といたしましては、緩和ケア等の啓発推進事業を実施いたしまして、緩和ケア医療従事者の研修、がん患者、家族会の研修会開催等の実施に要する経費など、次期がん対策推進計画の推進に向けた所要の経費について当初予算案に盛り込んでいるところでございます。
今後、さらに仕事と治療の両立支援、それから相談支援体制の強化、地域における在宅医療体制の構築などの地域におけるがん患者支援などについて、関係者の意見を伺いながら必要な支援について検討いたしまして、さらなる拡充に向けて取り組みたいと考えております。
〇臼澤勉委員 次期総合計画においても、幸福をキーワードにした県のさまざまな政策が取り組まれます。私は、岩手に生まれて、まさに岩手で育つ、そういう若者や子供が例えばがんにかかっても、教育を受けたい、学びたい、だけれどもがん治療に専念せざるを得ないという子供に対しても、しっかりとそこら辺をサポート、支援する輪というか、幸福、岩手に生まれて、岩手に暮らして、岩手で学んでよかった、やっぱり岩手でよかったという思いをつくってもらうように、県教育委員会などとの連携の取り組みというのをぜひ進めていただきたいと思いますが、最後に部長、御所見を聞いて終わりたいと思います。
〇八重樫保健福祉部長 他部局との連携についてでありますけれども、がん対策は、がんの予防からがん医療の提供、また、今、委員から御紹介のありました、療養生活を支える就労、教育など多岐の分野にわたりますので、これまでも、教育部門との連携は、がん教育リーフレットの学校への配布や、環境衛生部門とは、温泉入浴着-先ほど吉田委員から御質問がありました-、そうした啓発ポスターの作成、労働部門とは、患者の治療と仕事の両立支援に関する啓発などを行うなど、各部局と連携しながら取り組みを進めてきたところでありまして、今後とも、医療従事者や教育や就労支援等の関係者との連携、協働を図りながら次期がん対策推進計画の着実な取り組みを推進してまいりますけれども、まさに岩手に生まれた人が、特に健康ということで、保健福祉部としては心の健康づくりも含めた健康増進の取り組みをしっかり行っていきますが、さまざまな課題を抱えた人が、岩手においてはそれをしっかり希望に変えられるような取り組みを各部局とも連携をしながら進めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 岩手の支援力というか底力というか、その支援力がまさに私は問われていると思います。先ほどの自死対策もそうです。ぜひここに力を合わせてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
保健福祉部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
これより医療局関係の審査に入るわけでありますが、医療局職員にかかわる不祥事について、医療局長から発言を求められております。この際、これを許します。
〇大槻医療局長 冒頭にお時間をいただきまして大変恐縮でございます。
医療局において先日発生いたしました不祥事についておわびを申し上げますとともに、その内容と今後の対応等につきまして御報告させていただきます。
去る3月4日日曜日でございますが、南光病院の男性看護師38歳ですが、住居侵入及び窃盗の疑いで逮捕されるという事案が発生いたしました。日ごろから職員に対しましては、公務員として法令等の遵守を率先する立場にあることから、公務中はもちろん、日常生活におきましても県民の信頼を損ねるような行動は厳に行わないよう注意喚起を行ってきたところでございますが、こうした中で職員から逮捕者が出たことはまことに遺憾でございまして、この場をおかりいたしまして、議員並びに県民の皆様に深くおわびを申し上げます。
この事件につきましては、警察において引き続き捜査中でございますので、今後の捜査に全面的に協力いたしまして、その推移を注視していくとともに、事実関係を確認の上、厳正な処分をいたします。また、昨日、各病院等に対しまして改めて綱紀の保持及び服務規律の確保を徹底するよう通知したところでございます。
以上でございますが、職員の不祥事が発生したことを私ども深刻に受けとめているところでございまして、再発防止に努め、県民の皆様の信頼回復に取り組んでまいります。大変申しわけございませんでした。
〇田村勝則副委員長 それでは、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇大槻医療局長 まず、予算の説明に入ります前に、東日本大震災津波による被災からの県立病院の再建に対する御礼と御報告をさせていただきます。
間もなく発災から7年が経過いたしますが、今月1日に新しい高田病院が開院し、被災した県立病院の再建につきましては、昨年度に開院いたしました大槌病院と山田病院と合わせて、これで全て完了いたしました。これもひとえに県議会や県民の皆様方からの御支援、そして全国、さらには全世界の皆様からの御厚情のたまものでございまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
今後、職員全員が感謝の気持ちを持って地域医療の充実に努めてまいる所存でございますので、議員の皆様からの引き続きの御支援、御鞭撻をいただきますようお願い申し上げます。
それでは、平成30年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
初めに、事業運営に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。
平成30年4月の診療報酬改定は、診療報酬全体でマイナス1.19%の改定でございまして、平成28年度の改定に引き続きマイナス改定となるものでございます。また、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在があるなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にございます。本県の県立病院等事業におきましても例外ではなく、医師の確保や定着支援の取り組みを行っているものの、医師の絶対数の不足などによりまして、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれております。
一方、総合入院体制加算や地域包括ケア入院医療管理料など診療報酬の上位の施設基準の取得や、基幹病院での診断群分類別包括支払方式、いわゆるDPCの効率的な運用などの取り組みによりまして患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、安定した経営基盤の確立に向け重点的に取り組んでおりまして、収支の改善が図られてきているところでございます。
こうした状況のもと、平成30年度の事業運営に当たりましては、現在策定作業中の第7次岩手県保健医療計画を踏まえ、岩手県立病院等の経営計画を着実に推進することによりまして、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療を持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
具体的な計画の推進に当たりましては、医師の確保、定着に向けた取り組みといたしまして、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘活動、臨床研修医の積極的な受け入れを継続して取り組むことに加えまして、新たな専門医制度に対応する、県立病院に勤務しながら専門医資格の取得が可能なプログラム策定による専攻医の受け入れ体制の整備や、県奨学金養成医師の計画的な配置などを引き続き取り組んでまいります。
また、医療の質や患者サービスの向上を図るため、職員の効率的な配置等による圏域内の一体的な運営を行うとともに、各職域における業務の効率化への取り組み等によりまして職員の負担軽減を推進するなど、職員の資質向上や離職防止を図ってまいります。
こうした取り組みを進めながら、県立病院間はもとより、他の医療機関との役割分担と連携をより一層図り、医療を取り巻く環境が大きく変化する中でも、安定した経営基盤のもと、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めてまいります。
それでは、議案の説明に入らせていただきます。
議案その1の59ページをお開き願いたいと存じます。議案第13号平成30年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を4、975床と定め、年間延べ患者数を、入院では124万2、000人、外来では188万2、000人と見込むものでございます。
次に、資本的収入及び支出についてでございますが、病院建設工事では、大船渡病院の附帯設備改修工事に係る所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、中央病院等に整備する超電導磁石式全身用MR装置、いわゆるMRIの購入が主なものでございます。
第3条の収益的収入及び支出と、次の60ページをお開き願いまして、中ほどの第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
61ページに参りまして、第5条の企業債は、病院建築及び医療器械整備の財源となる企業債の限度額を88億300万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
第6条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものでございます。
第7条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費を定めようとするものであり、第8条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
第9条重要な資産の取得及び処分は、取得する資産については、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械等を掲げているものでございます。62ページをお開き願いまして、処分する資産につきましては、処分予定価格が1件7、000万円以上で、面積が2万平方メートル以上の土地を掲げているものでございます。
次に、予算に関する説明書の433ページをお開きいただきたいと存じます。平成30年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
初めに、収益的収入及び支出につきましては、まず、収入ですが、第1款病院事業収益は1、066億6、300万円余で、平成29年度の最終予算と比較いたしますと、およそ2.0%の増加を見込んでいるものでございます。
第1項の医業収益は890億6、200万円余で、1目入院収益は562億1、200万円余、2目外来収益は265億6、500万円余でございます。3目その他医業収益は62億8、400万円余で、その主なものといたしましては、健康診断等の公衆衛生活動の収益等でございます。
第2項医業外収益は170億8、200万円余で、その主なものといたしましては、2目補助金5億6、700万円余は、病院群輪番制病院運営費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金129億4、200万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計からの繰入金でございます。5目長期前受金戻入28億6、000万円余は、固定資産の取得財源といたしまして受け入れた長期前受金の戻入収益でございます。434ページをお開き願いまして、6目その他医業外収益7億700万円余は、不動産貸付料等でございます。
次に、支出についてでございますが、第1款病院事業費用は1、056億7、400万円余で、平成29年度の最終予算と比較いたしますと、およそ0.4%の増加を見込んでいるものでございます。
第1項医業費用は1、024億1、400万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費554億5、700万円余、2目材料費251億4、500万円余、3目経費148億6、800万円余、5目減価償却費62億2、100万円余等でございます。
435ページに参りまして、第2項医業外費用は27億5、100万円余で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費でございまして、17億5、600万円余、4目雑損失8億300万円余等でございます。
第3項特別損失4億800万円余は、旧北上病院建物解体費でございます。
この結果、収入計と支出計の差し引きで9億8、800万円余の純利益を見込み、特別利益及び特別損失を除きました経常損益でも8億7、800万円余の黒字を見込むものでございます。
436ページをお開きいただきたいと存じます。次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
まず、収入でございますが、その総額は156億3、500万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債88億300万円で、これは、大船渡病院の附帯設備改修工事及び医療器械整備等に充てるものでございます。
第3項負担金60億6、100万円余は、施設整備等に係る一般会計からの繰入金でございます。
第5項補助金5億6、100万円余は、さきに業務の予定量で御説明申し上げました大船渡病院附帯設備改修工事等に対する地域医療介護総合確保基金等を活用した補助金でございます。
次に、437ページに参りまして、支出総額は242億2、300万円余で、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費95億6、400万円余で、その主な内訳は、2目建物費38億2、800万円余、3目医療器械費43億4、500万円余等でございます。
第2項企業債償還金は132億9、200万円余でございます。
438ページをお開きいただきたいと存じます。第3項他会計からの長期借入金償還金10億円は、一般会計から借り入れた借入金の一部を償還するものでございます。
なお、439ページから473ページまでの予定キャッシュ・フロー計算書、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表、予定損益計算書及び注記につきましては、これまで御説明申し上げた予算の明細等でございますので、説明を省略させていただきます。
以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 何点か質問させていただきたいと思います。
質問に先立ちまして、先ほど局長からも説明がありましたが、まずは全ての県立病院の再建が成ったということで、本当に御苦労さまでした。やっとスタートラインについたということでお喜びを申し上げさせていただきたいと思います。
今回、これで全ての県立病院がもとの機能になったということではありますけれども、これまで、もちろん沿岸の病院の復興を優先でやらなければいけないという形で進めてきたため、ほかのトータル九つの基幹病院、そしてさらに20の病院も、本当に耐用年数というか、これまで幾らかもたせながら進めてきた状況で、大分老朽化が目立つ部分が出てきているということです。それぞれ補修をしたり耐震化補強をしたりということでこれまで進めてきておりますけれども、そうした中で、今後、県立病院すべからくそうした建てかえまでいくのか、またさらに補修していくのか、そうしたことが必要になってくると思われます。これまで、岩手県立病院等の経営計画の2014年から2018年の中で建てかえ等を進めてきていただいた。しかし、では2019年からどうしていくのか。これから県立病院の、もしかしたら機能まで含めてどのようにしていくのだといったような役割分担なり、そうしたものも含めて考えていかなければならない時期に差しかかってくると考えております。
その部分につきまして、今後どのように進めていこうとされているのかお考えをお伺いしたいと思います。
〇小原経営管理課総括課長 今、委員からお話しいただきましたとおり、県立病院の建てかえについてでございますけれども、現在の経営計画は平成30年度まででございますが、そちらのほうでは、いずれ東日本大震災津波で被災した沿岸の3病院の開設、再建に向けて最優先で進めるということにしておりました。また、良質な医療を持続的に提供していくため、一定の年数-おおむね20年程度-を経過した病院の附帯設備につきましては計画的に改修していくということで、現在は大船渡病院を平成31年度まで大規模改修をする方向で進めております。
今、委員からお話がありましたように、次期経営計画につきましては2019年度からということもございますので、そういう計画の検討とあわせていろいろと検討していかなければいけないというのはそのとおりでございます。
その中で、御質問のありました機能や配置を含めた今後の建てかえ等につきましては、二次保健医療圏ごとに設置しております地域医療構想調整会議の中で地域医療構想につきまして議論しておりますので、その議論も踏まえということもございますし、そもそも二次保健医療圏の範囲というものも今後どうなるかというのも見込みながらというか勘案しながら、一番大きいところは建物の劣化の状況という今、御指摘があったものにつきましては、一律に耐用年数に合わせた経過年数のみではなく、実際に劣化度調査等を行っていきたいと思っていまして、その劣化の状況を踏まえて考えてまいりたいと思っております。
〇郷右近浩委員 大船渡病院は現在進行形ということでお聞きしておりました。ただ、そのほかにも、中央病院は昭和61年、またさらには遠野病院は昭和54年、江刺病院は昭和55年、釜石病院は昭和52年の建築年度というような中で、これまでいろいろ手は入れてきているということで私たち拝見させていただいておりましたけれども、しかし、安全な場所という形できちんと病院を維持していくといった面では、幾ら手を入れてもいつかは考えていかなければいけないだろうと思います。そうした中で、私自身心配しているのは、診療科の偏在の今の社会的情勢というか状況というか、そうした中で、では、例えば周産期はどのような形で診ていく形にすればいいのかとか、またさらには、新しい機能として例えば緩和ケアはどうしていけばいいのかなど、いろいろな要素が入ってきていると思いますので、そうしたものをきちんと組み入れた上で、今後、考え方を議会にも披瀝していただきながら進めていっていただければと思うところでございます。その点について、局長から何か所感はございませんか。
〇大槻医療局長 委員から御指摘がありましたとおり、昭和50年代に建てたものも結構残っているということでございます。県民の皆さんあるいは患者にとって一番危ない状況というのは耐震強度があるかどうかという話で、そのことにつきましては、耐震補強は全て終わってございまして、新しい耐震基準を全ての病院がクリアしている格好になっておりますので、そこはまず安心なのかなと。
あと、病院というのは非常に水を使うところなものですから、水回り、まさに配管の改修時期が普通の建物よりも早く来ると思っておりまして、そういった部分はまず、先ほど経営管理課長からも申し上げましたけれども、劣化度調査とあわせて見ていきたいと思っておりました。
それから、機能のこれからの形、それから診療科偏在とあわせた格好で、それは県立病院の建物というよりあり方ということかもしれませんけれども、そういった部分、まだ圏域の中でもいろいろ動きを見ていかなければならない部分もあろうかと思っております。その圏域の中での地域医療構想調整会議、この辺の動きも十分に見た上で、あとは医療法を初めとした諸法律がどういうふうに変わっていくのか、例えば遠隔診療みたいなものが今後もう少し診療報酬のほうでも見られていくといったように、時代も変わってくるかもしれません。そういったところも見ながら、そういった部分におくれないように取り組んでまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 県民にあまねく医療の均てんを、まさに目標としたものを何としても達成できるような形に持っていっていただければと思います。
次に、もう一点お聞きしたいのですけれども、予算の説明書の441ページの部分ですが、こちらに掲示になっている部分で、職員数の減と。またさらに、もちろんそれに伴ってだと思うのですけれども、給与費、その他が減になっていますけれども、こちらに関しては、現状こうだからこうだという話になるものなのか。というのは、皆さん、県立病院の中でもローテーションも含めて大変な形の中で医療に従事していただいていると認識しており、職員が減って、それをよしとするような形だとやはり現場で大変なのではないかという思いでありますし、またさらに、その次のページの部分でありますけれども、手当等でも超過勤務手当については1億1、200万円ほどの減になっております。これについてもどのような形でこのような……。まして人が少なくなったときにやはり大変で、逆に言うと超過勤務手当の支給がふえるのではないかといった思いもあるわけですけれども、その部分について説明をいただければと思います。
〇三田地職員課総括課長 当初予算におけます給与費の関係の御指摘をいただいたところでございますが、給与費を計算するもとになる職員数は、10月1日現在の職員をベースにして、その後の見通しを立てながら積算しているところでございます。県立病院職員の中には育児休業を取得したり病気で休む職員もおりますので、直ちに職員数が現場で勤務する数とは一致しないというところは御理解いただきたいと思います。
それから、当初予算における超過勤務手当の額の計上についてでございますが、御指摘のとおり24億9、800万円余を計上しているということで、前年度と比較いたしまして1億1、200万円余減少している状況にございます。県立病院におきましては、国の働き方改革なども踏まえながら、不要不急の業務の廃止や縮減、それから会議等の運営の見直し、業務マネジメントの徹底や定時退庁日の設定などの取り組みを行って超過勤務の縮減に取り組んできたところでございます。近年の職員の平均超過勤務時間や超過勤務手当の支給総額は前年度を下回る形で推移しているところでございます。
平成30年度の事業運営におきましても、引き続きこういった取り組みを継続しながら、重点的な課題にも位置づけておりまして、さらに減らしていきたいということで、目標も込めた形で当初予算を計上しているところでございますので、引き続き頑張っていきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 10月1日での積算ということで、わかりました。ただ、根拠としてはそのときのそういう数字だということですけれども、やはり減員のままというのは、結果的にそうなってしまえばそれはそれで現場として大変なことだと思いますので、ぜひともちゃんと埋めるような形で。その点についてだけ、最後に、10月1日から今はどのようになっているかという数字があれば教えていただきたい。
それから、超過勤務の部分ですけれども、働き方改革でということでこれまでも減らしてきたと。そうしたことでは、本当にそれがローテーションであれ何であれうまく回って、そして職員の方々の超過勤務がふえないような形でやられているということであれば了とすべきことかなという思いでありますし、目標ということでありますけれども、目標がさらに達成できるように頑張っていただきたいと思うところでございます。
それでは、1点だけ、さっきのところを教えていただければと思います。
〇大槻医療局長 私の手元にあるのは4月1日現在の正規職員の数ですけれども、平成27年度、平成28年度、平成29年度というふうに段階を見ていきますと、合計数で言いますと、平成27年度が4、819人、平成28年度が4、927人、そして平成29年度が4、984人ということで、一応人数的にはふえております。ふえておりますので、そういった中で少しずつ業務の効率化を図ってということを申し上げております。
特に、病院というものは対人業務でございまして、患者あるいは御家族の方と相対する業務でございますので、そういった部分を例えば圧縮してつっけんどんな対応をしてというつもりは全くなく、そういった部分には十分時間をとっていただきたいと思っているのですが、私も見ていてちょっと感じているのが、委員会や会議といったものがございまして、非常に勉強熱心で、勉強されています。それの言ってみればまとめをするときに、ほとんど口述録のような格好でまとめているケースが見受けられまして、そのために皆さん、夜遅くまで事務仕事で残っているというところも見受けられました。そういった部分を、箇条書きでいいのではないかとか、そういうことを春先からずっとお話ししておりました。
一例として今申し上げましたけれども、全ての分野で無駄な事務仕事みたいなものが結構あると感じておりましたので、そこの部分を特に重点的に直していって、できるだけもう少しワーク・ライフ・バランスがとれた生活ができるよう進めていきたいと考えてございます。
〔郷右近浩委員「数字は出てきませんか、なければいいですけれども」と呼ぶ〕
〇三田地職員課総括課長 平成30年度の職員体制につきましては、まだ確定はしておらない状況でございますけれども、正規職員の数といたしましては平成29年度より24名減少する形で体制を整備する予定となってございますが、その中には、入院患者数の減少に伴いまして病棟を休止した病院が幾つかございますので、そういった減の分も含まれているところでございます。
〇城内よしひこ委員 私からは、1点についてお伺いしたいと思います。
県立病院における平成30年度の看護師の充足状況、これは毎回聞いておるわけですけれども、ここ数年、毎年たくさんの方々を採用してきたわけですが、この状況がいつごろまで続くのか、それも含めてお伺いしたいと思います。
〇三田地職員課総括課長 平成30年度におけます看護職員の充足状況につきましては、平成29年7月に職員採用試験の通常募集を行っておりまして、その段階で124名が合格しております。同年11月の特別募集におきましては7名が合格しておりまして、そのほかに定年退職する看護職員を再任用職員として採用するということで、その数が前年度より9名多くなる見通しでございます。この三つを合わせますと合計140名になりまして、単純な比較ではございますが、平成29年度の退職予定者数が135名となっておりますので、退職者数以上は確保できる見通しでございます。
〇城内よしひこ委員 その中で、新採用、県立高等看護学院から行く方の数字というのは、保健福祉部で聞いた数字は16人ということだったのですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
〇三田地職員課総括課長 今現在私どもで持っておりますのは平成29年3月の情報になりますけれども、県内の三つの県立高等看護学院から県立病院に就職する看護職員の数は33名となってございます。
〇城内よしひこ委員 先ほど局長からも冒頭お話がありました。やっぱり質の向上が私は大事ではないかと思っております。急激にたくさん入れてしまうと、いろいろな意味でうまく循環していかないのではないか。ましてや医療も地域包括ケアシステム等で仕組みが大分変わってくる中で、なかなかなじめない方もいらっしゃると聞いていますので、その辺の取り組みはどのようにしていくのか。これは、まさに離職防止、定着にもつながると思いますが、その辺の取り組みをお伺いしたいと思います。
〇大槻医療局長 委員の御指摘のとおり、私どものほうでも、今の状況、満足している今の採用者数ではございません。もう少し実際は欲しいところでございますけれども、さすがに誰でもいいというわけでもございませんし、通常募集につきましても、124名の合格でございますけれども受験者は160名ということで、やっぱり何人かはどうしても御縁がなかったと言わざるを得ない方もいらっしゃるところでございますので、そういった中でぎりぎりのところで採用させていただいております。
あとは、看護師に限らず、新しく入った方々の指導の部分につきましては、特に看護の部分というのは、非常に各病院の師長の方々の連携がとれていまして、その中で委員会みたいなものを組んで、そして育成のやり方-ラダーとおっしゃっていますけれども-をある程度決めて、そしてそれに沿った格好で順次育成していくという形はできております。
ただ、そういった基準は基準としてあるのですが、なかなかそれについてこられなかったり、あるいは心を病んでしまったりという方も中にはいらっしゃるわけでございますので、そういった部分をどうやってすくい上げていくのかということで、私どものほうで、心理のカウンセリングを-特に東日本大震災津波後でございましたけれども-各病院を巡回したような格好で回って、そして御相談を受けているという部分もございまして、なかなかそれの分析につきましては、個人情報的な部分もございまして私どものほうでつまびらかにはできない、私どもに対してもつまびらかにしていただけない部分もあるのですけれども、そういったところで、カウンセリングとかそういうことを通じまして、なじめなくて離職するということがないような格好で努力させていただいております。
〇城内よしひこ委員 県民に信頼される病院づくりをしていってほしいし、そういう医療の現場をつくってほしいと思っております。
以前のように初診から県立病院にかかるということはありません。かかりつけ医があって、そこから紹介状をとっていく。でも、看護師の方々も日々忙しそうに働いていて、その対応が雑だと。これでは、例えば具体名を出すと、宮古病院にぐあいが悪くなりに来ているようなものだという話をする。そういったことがないようにしていかないと、私は、医は仁術だという言葉に尽きると思いますが、一方、算術でもあると思っています。ぜひ、そういうことを考えながら、クレーマーのような患者もいるかもしれませんが、それが全てではないと思いますので、ぜひ、その辺の問題も解決しながら医療の現場を充実させてほしいと思います。
〇飯澤匡委員 それでは、1点、地域病院の医師の充足にかかわる諸問題についてお伺いします。
去年も同じような趣旨の質問をしたのですが、平成28年度から地域枠の奨学金養成医師が県立病院等に配置、県立病院に勤務する医師数は皆増しているというニュアンスで報道されていますが、地域病院は満足した配置がいまだに実現されていません。
冒頭、医療局長が言われましたように、地域偏在、診療科偏在の解消には至っていない。これは政策評価レポートにも書いてあるわけですが、もう少し工夫が必要ではないかと思っているわけであります。
もう一つ、懸念材料は、私の地元である旧東磐井郡は、千厩病院、大東病院という病院があるわけですが、いまだに医師の配置数は適正とは言えないし、どんどん人口が減っているわけです。今、医療の高度化等もあって、これはしようがないのだというような考え方が定常化していくのは非常に怖いなと思っているわけです。
この点について、なぜ改善できないのか、この原因についてどういう分析をされているか、まずお知らせください。
〇赤坂医師支援推進監 県立千厩病院と大東病院の医師の状況についてのお尋ねでございますが、県立千厩病院の医師につきましては、平成29年度から奨学金養成医師が配置されたことによりまして、昨年同期と比べますと、1名多い、常勤医師8名となっている状況でございます。また、大東病院につきましては、昨年同期と同数の常勤医師3名という状況になってございます。
地域病院の医師が増加しない理由でございますけれども、医師は、地方の中小病院ですと、症例数が少ないことなどによりまして技術向上のメリットが少なく専門医の取得ができないことや、学会等への参加が、体制ですとか時間的なもので難しいこと、あるいは生活する上でどうしても不便だというようなことがありまして、全体的な傾向ですけれども、地方や中小病院に行きたがらず、都市部の大病院に集中する傾向がどうしても強くなっているものと思います。
また、派遣元となっている大学の医局員がふえない状況はそのとおりなのでございますけれども、先ほど申し上げました、専門医取得のための症例数が少ないことなどの点においても、大学のほうで医師の派遣をしづらいという事情もこれありと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 そういう原因は大体わかっているので、そういう分析ということであれば、いいです。
去年、同じような趣旨の質問をしたときに、総合医というものがこれからどんどん養成されなければならないという点から、奨学生を対象とした地域医療セミナー等を開催して、地域医療への意識醸成を図る取り組みをしていると。こういうソフト対策はやっているのですが、ただいま答弁があったような現実的な問題のはざまになって、なかなか増加しない。
システムとして、今までは中核病院で経験を積んで、あいている時間だったり、いろいろな取り組みをして、地域病院でも診療していただくというようなローテーション的な考え方でやってきたのですが、これも、数年どころではない、私は議員になってからも大分たつわけですが、これがなかなか軌道に乗らない。その点を踏まえて、新しい考え方で地域病院というもの、医師の充足というものを考えていかないとだめなのではないかと思います。
先ほど答弁がありましたが、いずれ、1人ふえたからといって、8人なわけです。千厩病院にはかつては医師は20人以上いたわけですから。この間の二次医療圏の会議でも、院長が非常に申しわけなさそうに報告する姿を見て、かなり御苦労されているなと思うわけです。医師はふえたのではないかというような地域民の声もこれありで、何でうちのほうは来ないのだろうと。そういうことに対して、医療局もこれは真剣に考えなければならないと思うわけですが、その改善策を何か考えていますか。
〇大槻医療局長 委員の御指摘のとおり、即効性のある手だてというのはなかなかないところだと考えておりますが、特に、私もこういう仕事をやっていて思うのは、基幹病院のほうは何とか回ってきたところもございます。問題は、地域のほうにそれが流れていかないというのが現実でございまして、それは、医師の立場からすると、症例数も少ないしみたいな格好になってしまう。特に年齢を重ねた医師であれば、家庭事情とか、子供の教育とか、そういった部分もあるのですけれども、若い医師については、どちらかというと勉強のほうを考えられているようです。
そういった中で、今、地域枠も出て、義務履行の中でいわゆる地域病院に必ず行くという話になっておりますが、そこを、例えば専門医を取るために大学院に行くということで、将来的には義務履行をしていただけるものと思っていますけれども、それがどんどん先送りになっているというのが現状だと考えています。
そのために、専門医を県立病院でも取れるような体制を組もうということでプログラムを組んでもらいました。それから、できれば基幹病院と地域病院をもう少し連携を密にした格好で、例えば週のうち何日間かは必ず地域病院に行くというシステムもまた大事なのではないかと。1週間ずっと、あるいは1年間ずっといるという話になるとなかなか難しいかもしれませんけれども、そういったことも大事なのかと思って、今、それを研究しているところでございます。
それから、委員もおっしゃいましたけれども、地域医療に対する情熱といいますか、そういうものをつけてもらうにはどうしたらいいのかということで、例えば千厩病院などでことし取り組んだ一つの事例なのですけれども、もしかすると委員も御存じかもしれませんが、国際医療研究センター病院のほうから研修の方々を呼んでございます。1カ月ほど千厩に滞在していただきまして地域医療の勉強をしていただいているということで、単なる地域枠での方々だけではなくて、そういった地域医療ということを真剣に考えてくださっている方々を千厩に呼んで実際に研修をしてもらって、そのときに地域住民との触れ合いといいますか、朝顔のたね-千厩病院を守り隊といった住民の活動も非常に盛んなところでございますので、そういったところでの住民との触れ合いも含めまして、皆さん、高評価で帰っていただいておりますので、そういった部分も、これはこれで地道に進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 局長が言われたプログラムについては大いに期待したいと思います。
もう一つ、藤沢病院には研修医の方がいっぱいいらして、院長のフェイスブックを見ますと、きょうもこの先生が来てどうのこうのと、これはかなりうらやましいと思って、うまく連携できないかと思っているわけなのです。恐らくその先生方は、今、地域包括ケアシステム型の医療ということで、藤沢病院はそういう意味では全国でもメッカ的な形になっています。同じエリア内ですから、そこら辺も何か、ドクターの中でいろいろ連携をしたりとか、そういう工夫をぜひやっていただきたいと思います。
ただいま局長からあったプログラムについては、単なる取り組みを前に進めるということでなくて、事業化、政策化したり、何らかの形で、これは達成した、達成しないというよりも、一定程度の目標値を持ってやっていただきたいと私は思っているわけでございます。
それから、今、県立病院の次期改革プランを策定中ですが、地域病院のありようについては、地域包括ケアシステム等を含めて、今の新しい人口動態も含めて、地域のニーズというのは変わっていっていますから、そこもしっかり捉えて、きちっと書き込んでいただきたいと思っているわけですが、今の策定状況を最後にお聞きします。
〇大槻医療局長 まだ1年以上もあるものですから、緒についたばかりというところではございます。委員の御指摘のとおり、県立病院は20、診療所を入れまして26あるわけでございますが、基幹病院は九つしかございません。あとは地域病院という形になりますので、どうしてもこれは地域密着型の、いわゆるプライマリーケアだけではなくて、もしかすると、地域の入院機能を担うという部分も当然役割として出てくるものだと考えておりまして、今回の診療報酬改定でも地域包括ケアシステムというのが全面に出てきておりますので、まさにここのところは福祉との連携といいますか、そういうところが非常に大事だと思っておりますので、そこの部分は、保健福祉部なり、福祉のまさに現場を預かっている市町村とも十分に協議をして、どのような格好で県立病院を利用していただけるか、あるいは私どものほうとの連携はどのようなあり方がいいのか、そういうところは十分に協議をした上で変えていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 病床削減の大きな問題があったときに、地域医療を考える会の会議を設定せよということで、これは議会提案でやって、私は県南しかわからないのですけれども、一関地域はかなり機能的に作用していると思います。
最後に市町村との関係というものもありましたので、医療局は経営も大変だと思いますけれども、地域の医療というのは、県立病院にかかる期待というのはいまだに大きいものがありますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 最初に、県立病院の医師確保対策についてお聞きします。
私が一般質問で質問したときには、1月現在で、今の経営計画は丸4年目ですけれども、計画時点と比べてマイナス3人だと。これは増員どころか減になっているという大変深刻な状況が答弁されました。
それで、来年度の医師確保の見通しですけれども、奨学生医師の配置、初期研修医、後期研修医、即戦力医師の招聘の状況はどうなっているか、4月1日の見通しを示してください。
〇赤坂医師支援推進監 平成30年度の奨学金医師等の見通しでございます。奨学金養成医師の県立病院への配置につきましては、現在、まだ調整中でありますけれども、3月1日時点で37人が県立病院に配置される見込みでございます。
次に、初期臨床研修医につきましては、御存じのとおり、県全体で90名という過去最高のマッチング数になったわけですけれども、県立病院におきましても、昨年度は52名だったのですが、ことしは59名となっておりまして、今後の国家試験の合否の結果や追加募集などにより増減がありますけれども、対前年度で増加を見込んでおります。
それから、これまでの後期研修医、いわゆるレジデントですけれども、先ほどもお話が出ていました新専門医制度が来年度から始まることで、この制度の専攻医の採用数でお答えすることになりますけれども、県立病院のプログラムの採用予定者は14名となっております。
また、即戦力医師の招聘についてのお話がありました。今年度は9名招聘したところでありまして、現在、来年度中の招聘に向けまして、3名の方とお会いして、県立病院での勤務のお願いをしているところでありまして、その確保に全力を挙げてまいるところでございます。
〇斉藤信委員 それで、後期研修医なのですけれども、初期研修を修了する医師が58名、そのうち新専門医制度による専攻医採用が14名ということでした。これは岩手医科大学に26名、東北大学に15名ということで、この分も県立病院での研修があるやと聞いていましたが、これはどういう形になりますか。
〇赤坂医師支援推進監 今お話がありました新専門医制度による専攻医ですけれども、県立病院で勤務していただくのは、県立病院内で9人、県外の病院から5人で、14名でございます。
それから、岩手医科大学のプログラムを受けて、県立病院から岩手医科大学に行かれる方が26名ございます。東北大学のほうでは15名の方、その他県外が3名、まだ登録なさらないで、そのまま勤務されたりという方もおりますので、それを含めて県立病院の中では14名の採用となっているところでございます。
〇斉藤信委員 私が事前に説明を受けたのと違うのだけれども、岩手医科大学、東北大学で専門医をやるのでしょうけれども、これは県立病院で研修するのだという話だった。違うのですか。
〇赤坂医師支援推進監 失礼いたしました。県立病院以外のプログラムで県立病院に来ていただく方は15名ございます。
〇斉藤信委員 それで、4月1日は、結局、医師はふえる見通しですか。
〇赤坂医師支援推進監 今申し上げました要因によりまして増員を見込んでいるところでございます。4月1日時点ではふえる見込みでございます。
〇斉藤信委員 もう少し、どのぐらい増員するとか、せっかく聞いているのだから、すぱっといかなくても、10人ふえるのか、20人ふえるのか、そこらあたりはわかりますか。
〇赤坂医師支援推進監 大変申しわけございません。今、情報を収集しているところなのですけれども、医師の方々の人事というのは医局人事が大半でございまして、医局人事によるところの情報がまだ確定しておりません。それで、今の時点で人数的なものをお伝えすることが難しいところでございます。
〇斉藤信委員 岩手医科大学に引き抜かれないように頑張ってやってください。新病院の建設で莫大な補助も岩手県から出ているので、そういうときに減らされるということがないように、ひとつ頑張ってやっていただきたい。
それで、勤務医の待遇改善についてはどういう取り組みが行われて、具体的にどう改善されているのか、医師はどう受けとめているのか、簡潔に答えてください。
〇赤坂医師支援推進監 勤務医の待遇改善についてですけれども、これまで、医師手当ですとか介護保険主治医意見書作成時の手当、指導医手当、診療応援手当等の見直しを行ってきたところであり、一番新しいところでは、平成29年4月から医師手当の時間外手術等加算額を創設したところであります。
また、手当以外にも学会出席旅費の増額や海外研修員派遣制度等の見直しを行ってきたところでありまして、これらの待遇改善につきましては、これまで勤務医と意見交換を重ねた上で改善したところでありまして、勤務医の意見を十分お聞きしながらつくってきたところであります。今後とも勤務医等の意見を十分聞きながら改善に努めてまいるところでございます。
〇斉藤信委員 次に、中央病院の救急患者の状況と救急体制についてお聞きしますが、救急患者が特に中央病院の場合はかなり多くて、岩手医科大学は高度救命救急という性格がありますけれども、それと比べても倍近い救急患者になっているのです。これが、岩手医科大学が新病院に移転ということになったら、さらに中央病院に集中する可能性が高いのではないか。この点で、今、どういう体制でこれを強化しようとしているか。施設整備の拡充のことはこの議会でも答弁されているのですけれども、その点の対応はどうでしょうか。
〇小原経営管理課総括課長 県立中央病院の救急患者の状況と救急体制についてでございます。
まず、中央病院自体は、救急告示病院といたしまして、盛岡保健医療圏における二次救急医療の受け入れについて、体制で医師は8名程度、看護師は3交代により24時間体制で対応している状況でございます。
中央病院におけます救急患者の受け入れ状況でございますが、今年度の12月末時点で言いますと1万5、662人、うち救急車による搬送が4、989人でございますので、これを前年の同月と比較いたしますと、救急患者自体は435人の減となっているものですが、救急車による搬送は231人の増という状況になっております。救急車による搬送自体はここ数年は増加傾向となっております。
こうした状況を踏まえまして、今、委員からお話があったように、岩手医科大学附属病院の移転という以前に、そもそも救急施設自体が手狭になっているという状況がございましたので、経過観察のための救急病床を10床程度ふやすということで、改修工事の設計費を平成30年度当初予算案に盛り込ませていただいている状況でございます。
医療局といたしましては、今後におきましても、盛岡保健医療圏の他の二次輪番病院や医師会等と連携いたしまして、地域の救急医療ニーズを踏まえた対応をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 中央病院は来る患者は断らないという形で、この精神は立派なのだけれども、その分、救急患者が中央病院に集中するというのも事実で、しっかりした体制で対応していただきたい。
次に、看護師の増員と待遇改善についてですが、私は一般質問で、9日夜勤がことしも去年を超えて増加している、これは異常だと。2人体制の月8日以内の夜勤、いわゆる二・八体制というのは、本当に看護師の苦難の歴史の中で、皆さんと一緒に合意して、二・八体制でいこうと。それが毎年毎年崩されて、9日夜勤がどんどんふえていると。これを改善する方針を持っているのか。いかがですか。
〇高橋看護指導監 看護職員1人当たりの夜勤回数については、私どもも非常に苦慮しているところでございますけれども、産前産後休暇や育児休業取得職員の増減、新規採用職員の配置などによって影響を受けるものでして、新規採用職員が夜勤に従事するまでの期間を含む第1四半期においては、例年、1人当たりの夜勤回数が増加する傾向にございます。
特に、おめでたいことなのですが、育児休業等を取得する職員の数を予測することは難しいことですので、各病院の看護現場の管理職においては、夜勤可能な臨時職員の募集を初め病院内での勤務交代、さらには県立病院間の相互応援などのさまざまな対策に日々奔走しているところです。
看護職員の夜勤回数の抑制に向けましては、多様な勤務形態の一環としての夜勤専従制度やいわゆる2交代制も有効ではございますが、やはり看護職員の確保がより重要であると考えております。私自身も県内外の就職説明会に参加し、また、看護職員の養成校を積極的に訪問して、県立病院の充実した厚生福利制度や教育体制などを中心に、盛んにPR活動を行っております。
今後におきましても、保健福祉部や県内養成校との連携をより強化しながら、県内出身者の県内就職や県外からのUターンをさらに促進することで、県立病院に必要な看護職員の確保に努めてまいります。
〇斉藤信委員 全然答弁になってない。私は、一般質問でも聞いて、毎年、9日夜勤がふえ続けているという異常さを指摘しているのです。減っていってなくならないというのなら今の答弁はいいですよ。減るどころか、ふえているのだから、あなた方は怠慢じゃないかということなのです。これは深刻ですよ。
看護師の生の声を少し紹介しますと、毎年毎年きつくなるばかりの業務に、もうへとへとです。長く働きたいけど、もう限界です。人手が足りず、毎日昼御飯も十分食べられないスタッフもいます。患者さんにも、働く私たちを見て、ブラック企業だねと言われました。本当にそう思います。年々仕事量がふえ、人はどんどんやめていく。朝早く出勤し、休憩もほとんどとれずに仕事をしているが、それでも帰れない。こういう声ですよ。どんどん仕事がふえて帰れない。ブラック企業と言われると。これだったら看護師は集まらないのですよ。
本当に思い切ってこの改善をしないと-そして、年次休暇の取得も1人当たり平均8.2日と言いますけれども、県立病院の看護師の約800名のアンケート調査があるのですけれども、5日以内しかとれないというのが実に37.7%です。0日、1日、2日、3日、4日、5日を合わせて、5日以内しかとれないというのが37.7%です。これで、どうして県立病院で働きたいと思いますか。そういう意味で、これは局長に聞きましょう、この9日夜勤を解消するという決意と方針があるのかと。
〇大槻医療局長 私もワーク・ライフ・バランスをとった生活をしていただきたいと思っているものですから、非常に心苦しいと思っております。
ただ、先ほど看護指導監が申し上げましたとおり、最近の傾向でございますけれども、一時、職員を少なくした時期がございました。それで、東日本大震災津波以降、職員をどんどんふやしているという格好なのですけれども、これはいずれの業界でもそういう部分があるかと思いますけれども、新人が非常に多くなっているという年齢構成ピラミッドができ上がっておりまして、そうしますと、最初に入ってきた新人の方々に夜勤をそのままさせるというわけにもいかない部分もございまして、そういった部分で第1四半期がいわゆるベテランの主任看護師クラスの方々に非常に負担を強いているという部分が大きくあるのだと思ってございます。
それを解消するには、人数的にはふえていますので、新しく入ってきた方々が一人前になってきちっとやっていただくのも必要ですが、女性の職場でもございますので、女性のいわゆるライフイベントといいますか、出産、育児と重なってくる部分もございます。なので、そこの部分での産前産後休暇、育児休暇への代替職員をできるだけ正規の職員でということで、それも見込んだ形で募集をかけていきたいとは考えているのですけれども、すぐに結果が出るということはなかなか難しいのかと思っております。
ただ、あとは、先ほども申し上げましたけれども、業務に直接関係のない事務仕事とか、こういった部分をできるだけ圧縮してもらって、できるだけ働きやすい職場にしていきたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 不十分で曖昧な決意でしたね。残念です。
私は、もう少しリアルに、800人弱の看護師のアンケートの結果を紹介します。仕事量がふえた57.4%。仕事そのものがふえているということです。それと、不払い労働があると答えたのが73%。これは超過勤務が申請できていないのです。これは極めて重大で、休憩時間もとれない。これは労働基準法違反ですよ。これだけ厳しい仕事をしていて、超過勤務が申請できないというのは異常なことだと思います。学校には来年度からタイムカードが導入されますけれども、私は、医療局もタイムカードを導入すべきだと思います。そうすれば、ちゃんと出勤時間、退勤時間がわかるわけだから。そういうふうにして、やっぱり働いた分は報われるとするべきではないのかと思います。
それと、3交代勤務で休憩時間がとれていないと。準夜勤の場合は58.2%。休憩時間がとれていないというのは管理者の責任ですからね。
あと一つ、二つだけ紹介しますけれども、疲れぐあい。疲れが翌日に残ることが多い、52.6%、休日でも回復せず、いつも疲れている、27.1%、仕事に強い不満、悩み、ストレスがある、68.3%です。
県立病院の創業の精神、基本方針は経営計画にも明記されているけれども、県下にあまねく良質な医療の均てんをということです。四つの基本方針の中の職員が働きがいを持つ職場づくり、職員重視、これが、このアンケートの結果から見れば、職員重視と言えないのじゃないか。医師はもちろん、看護師も大切にして、働きがいのある職場に思い切って改善する手だて、超過勤務の申請はできる、年次休暇もとれる、タイムカードも設置する、そういう改善を行うべきじゃないですか、医療局長。
〇大槻医療局長 超過勤務の改善につきましては、まさに全てを私のほうで把握しているわけではございませんので、行き過ぎた部分もあるかもしれないと思ってはおりますけれども、私どものほうでは、超過勤務命令をして事後確認をするというスタイルをとっておりますので、いわゆるきちっと上司との話し合いの中で超過勤務をするように進めております。ですので、そのやりとりの中での、もしかすると誤解を招く部分もあろうかと思っております。
あとは、超過勤務そのものを減らすことが一番大事なのですけれども、超過勤務だけではなくて、先ほど委員から御紹介がありました教育委員会が導入するタイムカードの関係でございますけれども、皆さんも御存じのとおり、教育職というのは超過勤務がない世界でございますので、その勤務の実態把握ということも含めてタイムカードを導入すると伺ってございます。
今回、私どものほうで、基本的には、タイムカード云々の話についてはこれから職員の組合のほうとも話をしていくことだと思っておりますけれども、勤務の実態把握というよりも、事前命令と事後確認の徹底を図って、あるいはしっかりと上司との間で話し合いをして時間の管理をしていくということが基本ではないのかと思っておりますので、その部分を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 最後にしますけれども、一般質問で医療局長は、やはり人数をふやすしかないと思っていると。これが正解なのですね。だから、抜本的に改善して、看護師や看護学生に選ばれる県立病院になるべきだと。少ない中で夜勤専従とか2交代勤務というのは邪道ですから。例えば夜勤専従は、できればやりたくない、やりたくないというのが、あなた方のアンケート調査でも63.9%ですよ。3交代勤務でさえ、夜勤というのは特別にストレスも疲労もたまる仕事なのです。さらに12時間、14時間、こういうものを導入するということは絶対長続きしませんので、そのことを私は指摘して、終わります。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。医療局の皆さんは御苦労さまでございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時24分 散 会

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