平成30年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

予算特別委員会会議記録
(第 3 号)
平成30年3月7日(水)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
秘書広報室長 保   和 衛
副室長兼
首席調査監 上和野 里 美
総括調査監 千 葉 幸 也
調査監 小 國 大 作
秘書課総括課長 藤 澤   修
秘書課管理課長 橋 場 友 司
広聴広報課
総括課長 佐々木 真 一
報道監 新 沼   司

政策地域部長 藤 田 康 幸
理事兼科学ILC
推進室長兼国際監 佐々木   淳
副部長兼
政策推進室長 南   敏 幸
副部長兼
地域振興室長兼
台風災害復旧復興
推進室長 鈴 木   敦
国際室長 佐々木   隆
参事兼調査統計課
総括課長 伊 勢   貴
政策監兼
ふるさと振興監 小 野   博
評価課長 竹 澤   智
調整監 葛 尾 淳 哉
政策推進室
管理課長 佐々木 ユ カ
市町村課総括課長 臼 井 智 彦
情報政策課
総括課長 菊 池 芳 彦
地域振興監 菅 原 健 司
県北沿岸振興課長 竹 花 光 弘
交通課長 渡 辺 謙 一
地域連携推進監 鈴 木 暁 之
ILC推進課長 熊 谷 郁 夫
台風災害復旧復興
推進課長 植 野 歩 未
国際監 高 橋 雅 彦

復興局長 佐々木   信
副局長 内 宮 明 俊
副局長 千 葉 一 之
復興推進課
総括課長 熊 谷 正 則
まちづくり再生課
総括課長 和 村 一 彦
産業再生課
総括課長 小 原 由 香
生活再建課
総括課長 工 藤 直 樹

会計管理者兼
出納局長 新 屋 浩 二
会計指導監 清 水 雅 典
出納局管理課長 高 橋 栄 治
審査課長 菅 野 正 男

人事委員会
事務局長 菊 池   透
職員課総括課長 蛇 口 秀 人

監査委員事務局長 熊 谷 正 和
監査第一課
総括課長 千 葉 達 也
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 小 原   勝
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
田村誠委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第28号から議案第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上36件を一括議題といたします。
本日は、秘書広報室、政策地域部、復興局、出納局、人事委員会及び監査委員関係について、延べ27人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
初めに、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇保秘書広報室長 平成30年度の秘書広報室関係の予算について御説明申し上げます。
初めに、当室における重点事項について御説明申し上げます。
秘書広報室は、知事、副知事の日常的な活動と直接かかわる秘書、調査と、県民とのコミュニケーションを重視した県政推進のために重要な広聴広報を担当しております。
事業の中心となる広聴広報関係につきましては、県政懇談会などを通じて県政に関する御意見、御提言を把握し県施策への反映に努めるとともに、県政番組などを通じて県民の皆様に県の重要施策や復興の歩みを適時的確にお伝えるするほか、県外に向けましては、震災の記憶を風化させず、復興への継続的な支援あるいは岩手ファンの拡大につなげるため、復興に取り組む姿や岩手の魅力を発信してまいります。
それでは、予算について御説明申し上げますが、議案その1の6ページをお開き願います。秘書広報室所管の歳出予算でございますけれども、2款総務費2項企画費の総額が19億8、165万円余でございますが、このうちの5億5、617万円となっております。
その内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。厚い冊子の予算に関する説明書の89ページをお開き願います。
まず、2款総務費2項企画費1目企画総務費でございます。説明欄の秘書広報室管理運営費は、人件費及び一般管理費でございます。
以下、金額の読み上げにつきましては省略させていただきまして、事業についての御説明を申し上げたいと思います。
次のページに参りまして、90ページの3目広聴広報費でございます。まず、広聴活動費でございますが、これは、県民の県政に関する御意見、御提言等を把握するための広聴活動全般に要する経費でございます。次の県政広報事業費は、県民の皆様の安心と希望につながるよう、県の重要な施策や取り組みを、県政広報誌いわてグラフあるいはテレビ、ラジオ、新聞などにより適時的確にわかりやすくお知らせしまして、県政への理解、参画、協働を促進しようとするものでございます。また、この中には、平成31年度の県のホームページのリニューアルに向け、誰でも利用しやすいデザインの検討あるいは速やかな情報発信ができるシステムの設計といったことを行おうとするものも含まれております。
次のいわて情報発信強化事業費でございますが、県外に向けて、復興に取り組む姿や岩手の魅力を発信するものでございます。震災の記憶を風化させず、復興への継続的な支援につなげるとともに、岩手ファンの拡大を図ろうとするものでございます。
最後に、いわてファンづくり情報発信事業費は、来年度の新規事業でございますけれども、各部局が県外で開催している各種イベントの連携を強化いたしまして、来場者の方々が岩手の魅力に触れる機会をふやすことなどによりまして、岩手ファンの一層の拡大を図ろうとするものでございます。
以上で秘書広報室の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、重複した質疑は避けるなど議事進行に御協力をお願いいたします。執行部の答弁も手短によろしくお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村一委員 広聴広報費について伺いたいと思います。
ホームページについて、平成29年度までのアクセス数と管理運営の状況、平成30年度にホームページ改修するということですが、どのように改修するのかお伺いします。
〇佐々木広聴広報課総括課長 ホームページの運営状況についてでありますが、現行のホームページは平成26年2月にリニューアルいたしまして、このホームページで提供する情報については、各部局の職員が記事の作成ですとか更新等の基本作業を実施しております。
リニューアル後の平成26年2月から平成30年2月までのアクセス件数は、平均で年間約2、200万件、月にしまして約181万件であり、アクセス件数が最も多いトップページにつきましては、平均で年間約273万件、月平均約23万件となっております。
現行システムの保守契約は平成31年3月末をもって終了することから、来年度、ホームページのリニューアル作業を民間事業者への業務委託により行うこととしております。
今回のリニューアルにおきましては、ホームページで提供される情報を、高齢者や障がいのある方にもさらに便利に御利用いただけるように、改正JIS規格等に準拠するアクセシビリティ環境へ改善を図るとともに、緊急時においても最新の情報が得られるように改修いたしまして、その利便性を維持、向上させてまいります。
〇柳村一委員 平成31年度以降の運用開始ということですけれども、今までのホームページの運用コストと、リニューアルした後の運用コストというのは現時点ではまだわからないのか。もし、わかるのであればお伺いしたいのと、今までは各部局の職員がページを更新していたということですが、平成31年度以降はどのような運用方針を考えているのかお伺いします。
〇佐々木広聴広報課総括課長 まず、現行のホームページに係る運用保守経費についてでございます。現在、年間のホームページの運用保守の管理費は510万円余となっております。これに、あと音声の読み上げツールの利用料というものも58万円余ございまして、合わせますと、570万円余ということになります。
それから、リニューアル後でございますけれども、現時点におきましては、来年度予算におきましてリニューアルの経費について予算を計上しているところでございます。これにつきましては5、100万円余ということになっておりまして、参考までに申し上げますと、前回リニューアルした際の経費は5、500万円余ということでしたので、前回よりも若干ですが低廉な価格ということで考えております。
それから、記事の更新等につきましては、引き続き各部局の職員がそういった基本的な作業を行うということになります。
保守料金の見込みについてでございますが、おおむね現行と同程度になるものと考えております。
〇柳村一委員 最近ですと、リンクしてSNSの活用もやっているようですけれども、そこら辺は、リニューアル後、考えているのかどうかお伺いします。
〇佐々木広聴広報課総括課長 現在でもSNSの活用ということを図っておりまして、ホームページから例えば広聴広報課が運営しておりますツイッター、フェイスブック等にリンクを張っておりますが、同じような機能を引き続き持たせるとともに、さらに利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 今、つくろう!いわて総合計画というフェイスブックがあって、私もフォロワーの一人ですけれども、フォロワーが78人しかいないのです。それで、投稿がいろいろされているのですけれども、今までの最高のいいね!はたった9人ということで、県庁職員が何千人いらっしゃるのかわかりませんけれども、リンクを張るのはいいけれども、それをやっぱり見てもらわないと広聴広報にならないということで、リニューアル後はそこら辺もしっかりと対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、ホームページの中に広聴広報課のページがありまして、その中に懇談会等というものがあります。それの現状と、平成30年度の計画についてお伺いします。
〇佐々木広聴広報課総括課長 懇談会等の現状と平成30年度の計画についてでございますが、知事が直接広く県民から御意見、御提言を聴取し県政に反映させるとともに、県民の県政への参画と協働を推進するために、平成19年度から平成22年度までにおきましては、岩手フロンティア懇談会、草の根地域訪問、希望郷いわてキャンパストークなど、分野別にネーミングをいたしまして懇談会を開催してきたところです。現在、ホームページ上にもこれらの情報が掲載されております。
東日本大震災津波の発災以降につきましては、県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会に統一いたしまして、被災された方、被災者支援に取り組んでいる方々の御意見を伺うほか、平成25年度からは、未来を切り開く取り組みでありますILCやジオパークといったものもテーマとしたほか、平成26年度からは、若者、女性のみを参加対象にしたものも開催しております。
今年度につきましては、復興やふるさと振興、未来を切り開く取り組みを主要テーマとして実施しておりまして、今年度、沿岸地域で6回、内陸地域でも6回、合わせて12回開催したところでございます。
平成30年度につきましても、引き続き、県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会といたしまして、今年度と同程度の開催を予定しております。
〇柳村一委員 ホームページを見ると過去のものがあるのですけれども、更新されていないように見えるので、今までの懇談会等を別にして、今やっているのは県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会なんだなということで、過去にどういう話し合いがされたのか、資料的な見方ということもされると思いますので、そこら辺をちょっと改良したほうがいいのかと思います。
この前、県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会に参加させていただいたのですけれども、その中で、過去のものを見ましても、県側の参加者は知事、担当の広域振興局長、秘書広報室長という形になっていますけれども、さまざまな県民の御意見を聞く場としてはとても有意義な場だと思いますので、若者、女性とか、例えばILC、ジオパーク-過去に岩手医大のときには保健福祉部の担当が入ったりしていますけれども、その担当が入ったりして、今後、県の施策に吸い上げていくためにはとても有意義な場だと思うのですけれども、今後の県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会のあり方について、何か所感がありましたらお願いします。
〇佐々木広聴広報課総括課長 今年度は12回開催したということを御説明申し上げましたけれども、例えば懇談テーマにつきましてはさまざまなものを取り上げまして、今、委員からもお話がありましたとおり、担当部局の部局長等も出席して、参加した方々からの意見を県政に反映させるということで工夫して取り組んでまいります。
来年度におきましても同様の考え方で取り組んでまいりたいと考えますが、特に新しい総合計画の策定といったこともございますので、留意しながら取り組みを進めてまいりたいと思います。
〇柳村一委員 今は広域振興局単位でやっていますけれども、それをまたがるようなやり方というのも、特に観光などは全県挙げてやっているわけですから、そういう部分では広域振興局単位ではない意見交換会、分野ごとに各広域振興局から担当が来てやるというような意見交換会をやってもいいような気がしますので、そこら辺の取り組みも御検討願えればと思います。
特に保秘書広報室長にはまだ聞きたいことがありますけれども、この後、延べ26名の質問者がありますので、私はこれで終わります。
〇ハクセル美穂子委員 私からはいわて情報発信強化事業についてお聞きしたいと思います。
この事業は、復興に取り組む姿を全国に発信すること、岩手の魅力を全国に向けて発信することの二つの意図があって実施されていると認識しております。それぞれの目的というのは、風化の防止と復興への継続的な支援につなげるということと、岩手への関心を高め岩手ファンの拡大を図るということですけれども、この事業によって風化防止とか支援にどの程度つながったのかという、事業の効果についてお示しいただきたい。
もう一つ、この事業で拡大したというか、岩手ファンの広がりをどのように、どんな形で確認されているかということについてお示し願います。
〇佐々木広聴広報課総括課長 いわて情報発信強化事業についてでございますが、最初に、この事業の概要について改めて御説明させていただきますと、この事業では、震災の記憶の風化防止や復興への継続的な支援につなげるため、復興に取り組む岩手の姿を動画ですとかポスターで発信する、また、岩手への関心をさらに高め、岩手ファンの拡大につなげるため、村上弘明氏をいわて☆はまらいん特使にお願いし、震災を経ても変わらない岩手の魅力、そして新たに生まれた岩手の魅力というものを動画やポスターで発信しているところでございます。
今年度につきましては、復興に関する動画、ポスターについては、復興新時代をいわてから。と題しまして計4種類、そして魅力発信の動画、ポスターにつきましては、いわての不思議に会いたくてと題しまして、岩泉編と遠野編の2種類を制作し展開しているところです。
ユーチューブに設置いたしました岩手県公式動画チャンネルでの視聴回数は、昨年10月に公開しました魅力発信の動画が2編とも5万回を超えております。また、ことし1月から順次公開しております復興動画につきましても、最初に公開した久慈秋まつり編が既に5万回を超えるなど、それぞれにこれまでの最速ペースで視聴いただいているところでございます。
この事業によりましてどれだけ岩手ファンがふえたかという効果の測定というのはなかなか難しいものの、こうした動画の視聴回数の伸びを見ますと、新たに多くの方々に岩手に対する関心あるいは共感を抱いていただいていると考えておりまして、少なからず岩手ファンの拡大につながっているものと認識しております。また、こうした情報発信を継続して行っているということが、全国からの復興支援というものにつながっていると考えております。
〇ハクセル美穂子委員 5万回という視聴回数を誇っているということですが、本当に視聴回数が多いのであれば、それこそ私が提言をしたいと思ったのは、秘書広報室でやっている動画から、各部局でやっているさまざまな広報活動のサイトだったり、いろいろなものがありますから、そこにつながる仕組みをぜひこれからやっていただきたい。観光課などでもそれぞれいろいろなコンテンツをつくっていらっしゃいますけれども、これだけ見てもらっているところから、その次のステップとして、こういう観光資源があるんだよとか、行き方についてはこうだよというところにつなげるだけでもいいと思いますし、ポップアップで出てくるような形にしてもいいと思います。さまざま工夫をしていただいて、ぜひ、県政のそういった広報活動にまた寄与するような形で事業を進めていただきたいと思います。
もう一つ、いわてファンづくり情報発信事業についてもお聞きしたいと思いますが、これも岩手ファンの拡大のためという目的が書かれておりました。さきに質問しましたいわて情報発信強化事業といわてファンづくり情報発信事業の二つの事業の違いをどのように考えて事業を行うことにしているのか、その点についてお聞きしたいと思います。
〇佐々木広聴広報課総括課長 いわてファンづくり情報発信事業につきましては、県外在住の岩手ファンの一層の拡大というものを目的に、各部局が県外で開催しております各種イベントをスタンプラリーの手法を用いてつながりを持たせまして、来場者に岩手の魅力に継続的に触れていただこうとするものでございます。
岩手ファンの拡大といったことを考えた場合に、これまでに岩手との接点が余りなかった方よりも、岩手に少しでも関心がある方々をターゲットとするほうがより効果的であると考えておりまして、そうした方々に、より深く岩手に触れ、岩手ファンになっていただくことが本事業の主眼となっております。
スタンプラリーという手法を活用し、幅広い年齢層に訴求し、繰り返しイベントに来ていただく、そして岩手の魅力に多く触れていただく、岩手に興味と関心を持つ県外在住の岩手ファンをふやし、ひいては本県に来県してもらうきっかけになればいいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 いただいた資料の事業内容だけだとそこまでわからなかったので、聞かせていただきました。深い岩手ファンは、Uターンとか移住につながるということを私も感じておりますので、さらにそういった部分を頑張っていただいて、移住とかUターンの部局とも連携して事業を進めていっていただければと思います。
〇中平均委員 私からも、いわてファンづくり情報発信事業について質問させていただきます。
事業の内容については、今の説明のほかに、県外での各種イベントまたは他部局との連携とありましたけれども、どういうイベントなのでしょうか、また、どういう連携を図っていくのかということをもう少し具体的に教えていただきたい。
〇佐々木広聴広報課総括課長 御質問のありましたいわてファンづくり情報発信事業の中でどのようなイベントを開催するのかということでございますけれども、例えば首都圏等で各部局において物産展等を開催するということがございます。そうしたイベントを開催するに当たり、現在、それぞれにおいて部局連携は一応図られているものの、岩手ファンをふやしていくためには、もう一歩踏み込んだ取り組みが必要ではないかと感じているところでございます。
そこで、これらの県外イベント間の連携をさらに強化し来県へのきっかけともなるようにという狙いで、来場者の方々が岩手とつながる機会をふやすためにスタンプラリーの手法を用いることを考えております。
具体的には、近年、スマートフォンの普及により魅力的なデジタルスタンプラリーができるアプリケーションというものもございます。これらの活用も視野に若い年代の人たちに訴求するほか、従来からある台紙を使ったスタンプラリーというものを用意しまして、幅広い年齢層を対象とするものにしたいと考えております。
また、こうしたスタンプラリーの手法につきましては、2019年に本県で開催されますラグビーワールドカップ2019や、広域的、総合的な防災復興事業などにおける誘客ツールとしての可能性もあると考えており、来年度の実施状況も踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 他部局のイベントとは、今の御答弁だと、対象は首都圏のイベントと考えてよろしいのでしょうか。
それから、例えば、銀河プラザに毎月とか定期的に岩手の各自治体がイベントを行っています。今は久慈市が行っているはずですけれども、そういったところとも連携したスタンプラリーにしていくという意味合いなのか。また、スタンプラリーと聞くと、確かに、アプリケーションを使っての魅力的なスタンプラリーというのは私もわかりますが、東京駅に行くと、山手線1周ドラゴンボールスタンプラリーとか、今、JRを初め各路線でいろいろなイベントをやっています。そういったものに対して、今回、県単の予算であえて新規事業としてこれからやっていく、そして2019年につなげていくということであれば、今の説明では、ちょっと弱いのではないかと。もう少し具体的に、どういうイベントがどうつながっていくかと。それをもっとつなげていって具体的にしていく、それが最終的に岩手ファンになってラグビーワールドカップを見に来ていただくとか、復興の風化をさらに防止していくための別の事業につながると思うのですけれども、そういった点をどう考えているのかお聞きしたいと思います。
〇佐々木広聴広報課総括課長 ただいま御質問のありましたイベント等はどういったものをターゲットにしているか、首都圏以外ではというお話もございましたが、実は、今回の事業の実施に当たりましては、対外的な売り込み活動の部局横断組織でありますいわてまるごと売込み隊で設置しておりますデジタルプロモーション研究会の活動の一つとしても位置づけて、全庁的に連携していこうと考えております。実際、既にデジタルプロモーション研究会の中で議論を行っておりまして、来年度、各部局が行うイベント等についてもリストアップしながら、どういったものを対象にできるか検討を進めているところでございます。
先ほど、例の一つとして首都圏等で開催していると申し上げましたが、イベント等の開催というのは確かに首都圏が多いということになりますが、来年度の各部局のイベント開催状況なども踏まえまして、例えば東海地方ですとか関西地方といったところでの実施なども視野に入れ、全庁的な連携のもとにこの取り組みを進めていきたいと考えております。
〇中平均委員 資料請求もしましたけれども、例えば、今回、新規事業ということであれば、成果目標というものはもうつくっていますか。それとも、これから具体的にやっていって、政策評価結果等いろいろやるのでしょうけれども、それにどういう数字を挙げてくるかというのも大きく問われてくるのかと思います。その点はここで答弁は求めませんけれども、これをやっていくことによってきちんと成果が出てきて、あえて秘書広報室でこの事業をやった意義というのはこういうことだったのだということをまた聞きますので、そこに向けて事業を進めていっていただきたいと思います。
あとは、これは提言といいますか、意見ですけれども、今度、ホームページをリニューアルするということでございます。私もアクセス数の何万分の1のうちの1人で見ていますけれども、今の県のホームページは、欲しい情報に行くまでに階層が三つも四つも五つも下がっていく。そのうちに嫌になってやめてしまうということが正直あります。そういった点を踏まえて、検索して、ほしい情報にすぐ行き着く。例えば申請書類のダウンロードであったりとか、すぐに見つけられないということがままありますので、そういう点も踏まえながら、今後、リニューアルしていっていただければと提言して、終わります。
〇斉藤信委員 最初に、私は、秘書広報室の一番の仕事、役割は知事のトップマネジメントを支えるということだと思うのですが、今年度、どういうふうに知事のトップマネジメントを支えてきたのか。来年度の強化方針、体制は強化されるのかを含めて答えていただきたい。
〇保秘書広報室長 まず、今年度のトップマネジメントの支援ということでございますけれども、今年度は、東日本大震災津波及び平成28年台風第10号災害からの復旧、復興が一番大きなテーマでございましたけれども、それに加え、働き方改革を具体的に進める、女性の活躍をもう少し広げていくといった取り組みを強めていくということ、それから、銀河のしずくに続き、金色の風を初めとするさまざまな県外への県産品の売り込みということにも力を入れたものでございます。さらに、文化スポーツ部が新設されまして、これを、文化、スポーツ関連の施策はもちろん、さまざまな議論もございました観光関係、あるいは障がい者の支援、後押しといった施策と連携した部局横断的な取り組みにどう持っていくかということ、それから、全国知事会議が開催されましたけれども、そちらのバックアップ、知事がリードをとったものでは、そういったことがございました。
こういった知事が先頭に立って進めてきたものに対しましてさまざまな支援をしているということでございますが、来年度も、先ほど申しました現在の計画の大きな二つがいよいよ最終年度を迎えるということ、次期総合計画の策定を本格的にやるということになります。この過程では、知事あるいは副知事のほうからさまざまな指示が出るだろうということで、そういったものをいかにきちんと計画の中につくっていくかということに関しては、私たちもしっかりバックアップする必要があると考えております。
そのような中で、私どもとしましては、知事の指示を速やかに各部局に伝達したり、調査や分析を行ったりというようなことを通じて、しっかりマネジメントのサポートをしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 来年度、副知事2人体制ということで最終日に提案される予定ですけれども、そのことによって秘書広報室の体制も強化されるのですか。
〇保秘書広報室長 副知事が2人の際の秘書課、あるいは調査を担当する調査監がおりましたけれども、そちらを参考に、現在検討を進めているところでございますので、ある程度の強化はあると考えております。
〇斉藤信委員 次に、震災復興、風化の問題というのが大変切実な課題になっております。復興の取り組みを県内外に発信する今年度の取り組み、来年度の取り組みを示していただきたい。
もう一つは、先ほども取り上げられましたが、復興ドラマです。私も見ました。30分という短いものですけれども、本当に気持ちの伝わるドラマだったのではないかと。5万回のアクセスということでしたが、これは具体的にどう活用されているのか。今年度だけのことにしないで、これは今後も活用できると思いますが、全国の反響を含めて示していただきたい。
〇佐々木広聴広報課総括課長 最初に、復興の取り組みの県内外への発信についてでございますが、まず、今年度、県内に向けては、年5回発行し、全戸配布しております県政広報誌いわてグラフにおいて、復興に取り組む団体の紹介などを毎号掲載しているほか、3月号においては、震災から7年、復興の今とこれからと題しまして、県民に向けた知事メッセージや分野ごとの復興の進捗状況などを特集で取り上げ、全県で復興に向けた意識が共有されるよう情報発信に努めたところでございます。
また、週5日放送している県政テレビミニ番組いわて!わんこ広報室において復興の話題を定期的に取り上げているほか、今週末、3月10日になりますが、知事が復興の進捗を伝える県政特別番組を放送予定でございます。
それから、県外に向けては、復興の歩みを進める岩手の今を伝えるポスターを4種類作成しておりますが、このポスターをあす3月8日から都営地下鉄全線の車両での中づり広告を実施するほか、現在、首都圏の駅構内で、デジタルサイネージへの掲示による発信を実施中でございます。
また、岩手県復興ポスター展として、県内外の52団体、合計162カ所の自治体施設などで復興ポスターの掲示を行い、多くの方々にごらんいただくような取り組みを行っております。
平成30年度におきましても、こうした取り組みを継続し、震災の記憶を風化させず、復興への継続的な支援につなげる取り組みを進めてまいりたいと考えております。
続きまして、平成28年度に制作しました岩手復興ドラマについてですが、最初に説明申し上げますと、先ほど答弁申し上げましたのは復興動画ということで、毎年度制作している動画についてのお話で、現在、ユーチューブ上で5万回視聴いただいているということでございます。
この復興ドラマについて改めて説明申し上げますと、昨年3月に県内6会場で上映会を実施したほか、県内の民放2局、そして全国放送となるBSで1局、計3局でテレビ放送を行っております。
上映会には約2、300人の方々に足を運んでいただき、来場者アンケートも実施しましたが、被災地では、心にしみ込み感動した、被災した当時を思い出し、少しでも前向きに生きたいと感じたなどの意見、そしてまた、内陸在住の方々からも、忘れないことの大切さを再認識したなどの意見を多数頂戴しております。
現在、岩手復興ドラマの動画はユーチューブの岩手県公式動画チャンネルで視聴いただけるようになっておりますが、こちらにつきまして、3月5日現在で約1万5、000回の御視聴をいただいているところでございます。
さらに、今年度は、全国知事会議in岩手で、沿岸被災地視察に向かうバスの車内で参加いただいた知事等にも視聴いただいたほか、12月に都内で開催しましたいわて三陸復興フォーラムin東京においてもビデオ上映を実施し、また、県内外のケーブルテレビでの放映なども行っておりまして、さまざまな機会を用いまして有効活用をしているところでございます。
〇斉藤信委員 新しいポスターを私も見させていただいて、大変明るい雰囲気だけれども、前のポスターのほうができはよかったかなと、そんな感じがちょっとしました。大変明るくなっているという私の印象ですから。
次に、岩手ファンづくりの問題は、この間、取り上げられたので、私はダブらないように。
この岩手ファンづくりは、どうやって岩手にリピーターとして来れる人を広げていくのかと。例えば、ふるさと納税は850件ぐらいですけれども、そういう人たちに対してどうアクセスするのか。いろんなアクセスというか、アプローチの仕方があるのではないかと。だから、岩手ファンクラブみたいな形でやって岩手のリピーターになってもらわないと、スタンプラリーにならないわけです。だから、そういう工夫もぜひやっていただきたい。これは提言だけにとどめて、最後の質問です。
知事と沿岸市町村長との意見交換について、私は、来年度は、三陸防災復興博(仮称)や三陸鉄道一貫経営など、その準備、取り組みの大変大事な時期を迎えると思います。それだけに、沿岸市町村長との意見交換はじっくり時間をかけて、膝を交えてやる必要があるのではないか。今後の復興の局面というのは、個々の市町村の復興とあわせて三陸一帯をどう連携して進めるかということが新たな課題だと私は思うのです。そういう意味でも、沿岸市町村長との意見交換、懇談の場を今まで以上に充実させるべきだと思いますが、今年度の実績、来年度の方針を示してください。
〇藤澤秘書課総括課長 今年度は、秘書課として把握している分で、沿岸市町村長とは10回、延べ12市町村長との懇談を行っておりまして、30分以上の懇談を例にしますと、8回行っております。
今後におきましても、引き続き関係部局と連携し、知事が出張等で沿岸地域に出向いた場合など、さまざまな機会を捉え市町村長との懇談の機会を設定するとともに、できるだけ多くの懇談時間を確保するように配慮してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 残念ながら、気持ちが伝わらない答弁でしたね。私はかなり重視してこの問題を取り上げたのです。
10回と言いますけれども、4回は現地調査のついでですよ。こういうものは意見交換と言わない。現地での説明程度ですよ。
私も、今度の議会直前だけでも陸前高田市長、釜石市長、大槌町長に会ってきました。30分なんていう時間では、意見交換は短くてできません。そういう意味で、本当に復興が大事な局面を迎えて、三陸鉄道も一貫経営になる、三陸防災復興博(仮称)を沿岸全体でやろうというときに、県議会でも議論されているのだけれども、私は、今まで以上にじっくり意見交換の場を設けて、心一つに進める必要があるのではないかと。私は、知事は頑張っていると思うけれども、沿岸の首長の気持ちは、知事とじっくり話をする機会がないというのが率直な感想です。
最後に室長にお聞きしますけれども、復興の大事な局面、とりわけ三陸沿岸12市町村が一体で取り組むべき大事な課題に直面しているときに、この点を本当に腹に据えて取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
〇保秘書広報室長 平成30年度は、今お話があったとおり、いろいろな意味で沿岸地域で大きな動きがある大事な年になるということは重々承知しております。
私どもも、知事の日程を組んでいく際にできるだけ配慮しながらやっているわけですが、私たちだけでというよりも、段どりといったことになりますと、それぞれの事業、あるいは復興、イベントであったりということと密接に関連してきますので、そういうところとも十分意思疎通しながら、できるだけ努力したいと思います。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで秘書広報室関係の質疑を終わります。
秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
次に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇藤田政策地域部長 それでは、平成30年度の政策地域部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
なお、組織改編により、来年度、当部から環境生活部に移管予定の事業につきましては当部において説明させていただき、県土整備部から当部に移管予定の空港振興関係事業につきましては、現在所管しております県土整備部より御説明させていただきますので、あらかじめ御了承願います。
まず、歳出予算について御説明申し上げます。
早速、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。
政策地域部関係の予算は、2款総務費のうち、1項総務管理費の一部11億8、300万円余、2項企画費の一部5億8、500万円余、4項地域振興費の77億7、700万円余、5項選挙費の5、600万円余、7項統計調査費の4億6、600万円余、総額で100億6、900万円余でございます。これを前年度の当初予算額と比較いたしますと、19億2、200万円余、約23.6%の増となっておりますが、その主なものは、4項地域振興費のうち、三陸鉄道運営支援事業費20億2、400万円余の増などによるものでございます。
なお、4項地域振興費のうち2億1、400万円余につきましては、県土整備部から当部へ移管される予算となっております。また、このほか4款衛生費2項環境衛生費の一部、9、300万円余につきましては、当部から環境生活部へ移管する予算となっております。
それでは、予算の内容につきまして、予算に関する説明書によりまして御説明申し上げます。
予算に関する説明書の87ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費7目情報システム管理費11億8、300万円余は、財務会計や税業務など庁内行政情報システムの管理に要する経費でございます。
次に、89ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の当部所管3億5、500万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。右側の説明欄をごらんいただきたいと思います。
まず、政策地域部とあります。その中の2行目でございますけれども、いわて三陸復興のかけ橋推進事業費は、県内外からの復興支援活動を促進するため、首都圏を中心とした企業等との協働による被災地支援のマッチングや、ポータルサイト等を活用したネットワークの強化等を行うものでございます。一つ飛びまして、高等教育機関連携推進費につきましては、県と県内の大学の連携により、雇用創出や若者定着など地域課題の解決に向けた取り組みを促進するため、市町村の地方創生総合戦略の推進支援や地元中小企業との共同研究、地域での起業を目指す人材の育成を行うものでございます。その次の産学官連携拠点整備費補助につきましては、産学官連携による水産業等の質の向上や、水産系の専門人材の育成等を推進するため、岩手大学が実施する釜石キャンパス整備に要する経費の一部を補助するものでございます。次に、90ページをお開き願います。2目計画調査費の当部所管3、400万円余のうち、右側の説明欄でございますけれども、政策地域部の中の下から2行目の次期総合計画策定費につきましては、次期総合計画の策定に向け、県民や有識者からの意見聴取や専用ホームページによる情報発信等を行うものでございます。次の91ページをごらんいただきたいと思います。4目科学技術振興費1億9、400万円余のうち、主なものでありますが、右側の説明欄のところでございます。まず、上から4行目の科学技術イノベーション創出促進事業費につきましては、岩手発のイノベーションの創出に向け、将来有望な研究シーズや地域資源を活用した研究開発の支援等を行うものでございます。少し飛びまして、下から三つ目でございますが、海洋エネルギー関連産業創出促進事業費につきましては、釜石沖海洋再生エネルギー実証フィールドにおける関連産業の創出を促進するため、県内企業による研究開発への支援を行うものでございます。その次の洋上ウィンドファーム事業化促進事業費につきましては、洋野町沖合海域の洋上風力発電事業化に向け、地域の合意形成や情報発信等を行うものでございます。その次のプロジェクト研究調査事業費につきましては、ILCの実現に向け、受け入れ環境の整備等に関する具体的な検討や国内外への情報発信、関連産業への参入促進支援等の取り組みを行うものでございます。
少し飛びまして、94ページをお開き願います。2款総務費4項地域振興費1目地域振興総務費38億5、200万円余のうち、主なものでございますが、右側の説明欄の、まず、上から4行目の地域経営推進費につきましては、広域振興局体制のもと、各圏域の目指す将来像の実現に向けた取り組みや、市町村間連携の推進に資する取り組みに対する支援等を行うものでございます。一つ飛びまして、携帯電話等エリア整備事業費補助につきましては、携帯電話の利用可能地域の拡大を図るため、市町村が行う整備事業に要する経費を補助するものでございます。その次の県北・沿岸振興費につきましては、地域資源の活用による交流人口の拡大等、県北・沿岸圏域の振興に向けた戦略的な対策を講じようとするものでございます。その次の県北地域重点活性化事業費につきましては、県北地域の活性化を図るため、アパレルなどの地域資源を活用した産業の振興を支援するものでございます。その次の三陸総合振興推進費につきましては、三陸地域の交流人口の拡大、地域資源の付加価値向上等による地域振興を図るため、推進体制の検討を行うとともに広域的、総合的な防災復興行事の開催に向けた準備等を行うものでございます。その次のいわてへの定住・交流促進事業費につきましては、被災地の復興や過疎地の活性化を担ういわて復興応援隊を配置し、地域の活性化を図るとともに、将来の人材定着につなげる取り組みを行うものでございます。一つ飛びまして、ふるさとづくり推進事業費につきましては、定住、交流人口の拡大を促進するため、全県的な移住推進体制や相談窓口体制の充実、市町村等が行う移住推進の取り組みに対する支援を行うものでございます。その次の地域総合整備資金貸付金につきましては、地域の振興、地域経済の活性化と魅力あるふるさとづくりに資するため、民間事業活動を支援するための資金を貸し付けするものであり、平成30年度は北上済生会病院の移転工事に要する経費の一部について貸し付けするものでございます。一つ飛びまして、北いわて若者・女性活躍支援事業費につきましては、県北広域振興局が企画立案した広域振興事業でありますが、県北地域における若者の地元就職、Uターンに向けた取り組みや、若者や女性が活躍できる地域づくりを支援するものでございます。次に、95ページをごらんいただきたいと思います。2目市町村振興費8億6、000万円余のうち、主なものでございますが、まず、説明欄の一番上の市町村行財政事務調査費につきましては、被災市町村における復興人材の確保や、派遣職員のメンタルヘルスケア対策等を行うものでございます。少し飛びまして、下から2行目の市町村振興宝くじ交付金につきましては、市町村への貸し付けの原資や交付資金として活用するため、公益財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付するものでございます。次に、3目交通対策費28億8、900万円余のうち、主なものでございますが、まず、説明欄の上から3行目の三陸鉄道運営支援事業費のうち、四つ目の三陸鉄道復興地域活性化支援事業費補助につきましては、宮古市の新駅整備に要する経費の一部を補助するものであります。その次の三陸鉄道経営移管交付金につきましては、JR山田線の経営移管に伴う車両、駅施設の整備等に対する交付金を交付するものでございます。その次の三陸鉄道安全輸送設備等整備事業費補助につきましては、三陸鉄道の安全性向上に資する設備投資経費に対しまして、県と市町村が連携して補助するものでございます。その次の並行在来線対策事業費のうち、いわて銀河鉄道経営安定化基金積立金につきましては、県と沿線市町が連携し、車両更新に要する経費等について、いわて銀河鉄道経営安定化基金に積み立てるものでございます。その次のバス運行対策費につきましては、国庫補助制度に基づき、バス事業者に対して、運行欠損額及び車両購入費を補助するものでございます。一つ飛びまして、地域公共交通再編・活性化推進事業費につきましては、全県的な公共交通のマスタープランを策定するとともに、市町村が実施する地域公共交通ネットワークの再構築等への支援を行うものでございます。次の96ページをごらんいただきたいと思います。説明欄の2行目でございますけれども、被災地通学支援事業費補助につきましては、被災地において、公共交通機関が実施する高校生等への通学費用の負担軽減支援に要する経費を補助するものでございます。次に、4目国際交流推進費1億7、500万円余のうち、主なものでございますが、まず、説明欄の2行目国際交流推進費につきましては、本県における国際交流を推進するため、語学指導等を行う外国青年招致事業による国際交流員の招致や多文化共生社会の実現を目指した取り組みを行うものでございます。二つ飛びまして、いわてグローカル人材育成推進費につきましては、産学官の連携によるいわてグローカル人材育成推進協議会において、世界とつながる若者の活動支援等の取り組みを行うものでございます。その次の世界と岩手をつなぐ地域の国際人材育成推進事業費につきましては、地域を支える国際人材を育成するため、世界と岩手をつなぐ強い意欲を持つ高校生を対象とした海外派遣研修を行うものでございます。その次の雲南省友好交流推進事業費につきましては、本県と雲南省とのネットワークの強化を図るため、青少年の相互交流を実施するほか、県民向けに情報発信を行うものでございます。一つ飛びまして、地域多文化共生推進事業費補助につきましては、国際交流、多文化共生の推進を図るため、災害時の在住外国人支援体制の構築の取り組み等に要する経費を補助するものでございます。
97ページをごらんいただきたいと思います。2款総務費5項選挙費でありますが、1目は、選挙管理委員会費といたしまして5、400万円余、2目は、選挙啓発費といたしまして260万円余をそれぞれ計上しております。
少し飛びまして、101ページをごらんいただきたいと思います。2款総務費7項統計調査費1目統計調査総務費2億4、800万円余は、統計調査業務に係る人件費及び一般管理事務費でございます。2目地方統計調査費540万円余につきましては、県単独で実施する統計調査に要する経費でございます。102ページをごらんいただきたいと思います。3目委託統計調査費2億1、200万円余は、国の委託により実施する統計調査に要する経費でございます。
次に、環境生活部へ移管する事業について御説明させていただきます。
少し飛びまして、131ページをごらんいただきたいと思います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費のうち、右の説明欄の一番下でございますけれども、三陸ジオパーク活用強化事業費につきましては、ジオパークを活用した地域振興や交流人口の拡大を図るため、情報提供機能の強化や、来訪者の受け入れ態勢の整備を行うものでございます。
以上で政策地域部関係の歳出予算について説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小野共委員 海洋再生可能エネルギー事業の県の基本的な今後のスタンスについてお伺いしたいと思います。
平成27年4月、当時、海洋再生可能エネルギーの実証フィールドの公募がありまして、それに釜石沖が追加認定されました。結局、当時の国の方針というか方向の転換によりまして期待していたほどの予算はつきませんでしたが、幸いにも、NEDOで海洋再生可能エネルギーの発電装置の研究開発事業をやっておりまして、4年で7億円という事業でありましたが、それに釜石沖が採択されました。4年で7億円でありますので、1年に直すと1億8、000万円ほどとなります。県からも側面的な補助をいただきまして、年額にすると、過去4年間、2億円を超える予算がこの海洋再生可能エネルギーの実証フィールドの発電開発事業についておりました。そのNEDOの事業がこの3月末に切れることになります。平成30年度の県の予算は、先日お聞きしましたら1、000万円ほどの予算となっております。過去4年、2億円ほどの予算、事業規模でありましたが、それが今回、新年度は1、000万円ほどの規模ということになりました。今後の事業展開、海洋再生可能エネルギー事業に対する県の姿勢は今後どのようされていくつもりなのか、その方向性を示していただきたいと思います。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 釜石地域について申し上げますと、太平洋側で唯一国の実証フィールドとして選定されていることは意義があると捉えております。波力の新しいエネルギーポテンシャルが釜石沖にはありますが、これまで、波力発電の研究、それから発電機器類の固定に不可欠な中間ブイの研究開発といったものを地元の企業を中心に進めている状況でございます。
今後は、三陸発、釜石発の波力発電の実用化が重要と捉えており、NEDO事業後も、その研究成果を生かし、新たな研究開発プロジェクトの導入にまさに今、取り組ませていただいているところであります。
また、中間ブイにつきましては試作段階にまで至っており、こうした実証フィールドの環境の機能強化が海洋エネルギーの利活用にもつながると考えておりますので、地元の企業の技術向上、あるいは新しい産業としての振興も図っていくことで、今まさに途上にある状況でありますので、ぜひ釜石沖で新しい波力発電を開発するといったところを実現したいと思っております。
〇小野共委員 事業を展開していきたいという話でありましたが、今度1、000万円規模の予算でそれは大丈夫ですか。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 発電装置あるいは機器類を実験する際に、固定してエネルギーの開発をすることが必要ですが、その固定する中間ブイにつきましては、地元の企業が中心になって2年間開発を行い、実際、水深130メートルのところまでは実証試験を行っております。その試作機はこれから実用化の形で運用につながっていくと捉えており、今度新たに、開発にかかわる地元の企業の実証にかかわる技術開発を進めようということで、中間ブイについては一定のめどが立って、これからいろいろ活用していく。別に、新しい実証フィールドの活用に必要な技術開発を地元で進めていくための研究開発費が約1、000万円の予算ということで、地元企業の産業化に向けて、ステージを上げて企業の技術力向上等に進んでいる状況と御理解いただければと思います。
〇小野共委員 先日の総括質疑の中でも飯澤委員から話がありましたが、今回、通常国会で新しい法案が出されつつあるということであります。促進区域の話です。その促進区域を国が公募して、その促進区域に指定された海域が30年間その事業をする。そして、それを認めるという法律でありました。
釜石のほか、沿岸には洋野海域というものがあります。それぞれ釜石と洋野の海洋再生可能エネルギーの完成形をどのように考えていますか。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 まず、洋野沖でございますが、遠浅で、完成された技術をもって洋上風力発電ができます。着床式ということで、陸上の風力発電設備が海上にあるような形で、技術開発等はおおむね終わっておりまして、実用化段階にあります。したがって、洋野沖につきましては、漁業者の方々と調整をして、漁業の振興にもつながる、漁業者の理解があった上で洋上風力発電を行う。それがまた地域振興につながるよう研究会を開催している状況ですので、洋野沖につきましては、まさに発電を実用化することが目標となっており、地域振興にいかにつなげていくかというところを検討しているということで、いずれ実用化です。
釜石沖につきましては、波力あるいは浮体式洋上風力が実証フィールドとして指定されていますが、これはまさに今、開発されている新しい技術です。釜石については、波力発電が釜石発の新しい技術として発電装置が生まれていくといったところを一つの目標としていることと、もともとエネルギーポテンシャルがありますので、そこでの発電もいずれは行っていくということで、ローカルエネルギーの確保と、技術開発としての釜石発の製品をつくり出していく、そういったところが目指す姿かと思っております。
今回の新しい法律でありますが、これから閣議決定が行われて今国会に提出されると聞いております。我々もいろいろと聞き取りをしておりますが、例えば、規模などの指定する要件、あるいは施行時期、それから法案の条文には漁業者に支障を及ぼさないことが見込まれること等々、いろいろな条件がございます。我々とすれば、漁業者との合意が法律上明文化されると聞いておりますので、まずは漁業者との合意形成をしっかりやって、具体の制度情報を先取りする形で入手しながら、海洋再生エネルギーが着実に実用化に向かうように対応していきたいと思っております。実際に新しい法律がどの程度の規模を要件として、どういうものが指定されるか未定でありますので、我々とすれば、当然、そういったものが必要であれば対応していくというスタンスで臨みたいと思っております。
〇小野共委員 お聞きするのはちょっと早いのかもしれませんが、促進区域の指定、今、国会で議論されておりますように、漁業者との調整あるいは促進区域に指定された場合の漁業者との話し合いみたいなものが今回応募する海域ではもう始まっているという話も聞いております。今回、法律がつくられて公募することになったとき、洋野町は、風力発電-洋上風力の促進区域に応募する可能性があるのかどうか。あるいはどんな条件がクリアされれば立候補することになっていくのか、そこをもう少し深く聞かせていただきたいと思います。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 新法案につきましては、実際に所管しているところに確認をとっていますが、まだどこも決まっていない。向こうサイドからは、地区などの話は出ていない状況でございます。新聞報道には具体的な箇所等も出ているところですが、それは報道サイドの記事ということで我々としては理解しています。
洋野沖につきましては、やはり漁業者の了解のもと、漁業者と一緒にやっていくという理解が十分まとまり、指定要件が合致するものであれば、我々としても一緒に国の指定の中で発電事業をやっていくのは当然あると思っておりますので、まずは法案の具体の要件を先取りしながら、あとは漁業者の理解をしっかりと得ながらやっていくということで、可能性からいいますと、法律の内容にもよりますが、可能性はあるものと考えております。
〇工藤勝子委員 私は、ILC実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
この件につきましては、一般質問でもありましたし、総括質疑でも行われました。私も昨年の9月、佐々木室長と一緒に海外の研修にも行ってまいりました。非常にすばらしい研修でありまして、ああいう夢が岩手県、東北に広まる、日本に誘致されるということであれば、非常に大きな効果があるのではないかと思って見てまいりました。そういう意味も含めて、議会の中でも一人でも多くこういう質問をすることによって機運が高まっていけばいいと思っています。重複する部分もあると思いますが、御了承願いたいと思います。
受け入れ環境整備の取り組みについて具体的にお伺いしたいと思います。
国内外への情報発信や関連産業への参入の促進、外国人研究者の受け入れの環境整備、加速器関連産業の集積拠点の形成などといろいろありますけれども、今日までこういう取り組みをやってきている中で、私は、県民に見えていないような気がするのです。動きがよく理解されていない。見えていないという思いがありまして、ぜひ具体的な計画についてお伺いしたいと思います。
〇熊谷ILC推進課長 受け入れ環境整備の計画についてでございますが、誘致決定前の期間、決定後の建設までの準備期間、建設期間、運用期間に分けて、生活支援や産業振興など分野ごとに課題抽出とその対応策について検討を進めているところでございます。
さらに、本県では外国人を対象とした取り組みを着実に進める必要があるという認識から、例えば生活支援の分野では、平成30年度にはワンストップサービスの機能や仕組みについて自治体と連携して検討を進める考えでございます。また、産業振興面では、加速器の実物をつくばに行かなくても見られる環境により、具体の参入検討や試作開発を促進したいと考えているところでございます。
今後とも計画的に受け入れ環境の整備を進めてまいります。
〇工藤勝子委員 そういう中において、来年度は要望活動を強化するという文章がございました。では、この要望活動を強化するために、国に対してどのような働きかけを行っているのか。今日までどういう要望をして国に少しでも御理解をいただいているのかということです。この強化についてお伺いしたいと思います。
〇熊谷ILC推進課長 要望の強化についてでございますけれども、これまでも政府予算要望などの場面で要望しているところでございますが、重要な時期と捉え、東北ILC準備室も含めて、関係機関とより一層綿密に調整した上で要望活動を進めていく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 要望もさることながら、もう最終段階に入ってきているのではないかと私は思うのです。多分ことしの夏から秋にかけて国がこの件について発表するのではないかという予想の中で、今までの情報発信も含めて、私は、後手後手に回っているのではないかという気がするのです。
国に対してただILCの誘致という形で要望をするのではなく、東北がこれによってどう変わるのか、日本がどう変わるのか、そしてさらに、私たちには震災という大きなこともあったわけですけれども、例えば関連企業の配置とか、そういう青写真も含めて国に要望していらっしゃるのかどうかお聞きしたいと思います。
〇熊谷ILC推進課長 国に対しては、これまでもILCの実現に向けたプロセス等の明確化等も要望してきているところでございます。去る2月7日、達増知事、鈴木県立大学学長、鈴木国会議員、谷村県推進協会長の4者による要望の中でも、同様に早期の実現について求めているところでございます。
〇工藤勝子委員 それはよくわかります。行ったこともわかりますけれども、こういう誘致に向けた具体的な内容まで話し合われているかということを聞きたいのです。いかがですか。
〇熊谷ILC推進課長 地域の取り組みや、今進めております東北でのマスタープランの策定の中でも、地域の取り組みをアピールしながら国へ要望しているところでございます。
〇工藤勝子委員 なかなか私も理解できないのですけれども、だから県民に見えていないのではないかと思うのです。これがもうちょっと県民に見えるような形で、情報発信することが非常に大事ではないかと思っているのです。皆様が一生懸命取り組んでいることも理解しますし、御苦労もわかります。ですけれども、もっと広く、県民にこういうことで国に働きかけているのだというところが見えてくればもっと効果的になるのではないかと思っています。
そういう部分において、国内において、ILCに対する認識は広まっていると思っておりますか。
あわせて、東北についても聞きたいと思っております。岩手県としては、北上山地にできるわけですので県民も大体理解してきているだろうと思っていますけれども、日本海側の山形県、秋田県、青森県を含め-宮城県も一生懸命ですけれども-、そういう部分にもこのILCの実現に向けた取り組みというのは広まっているのでしょうか。
〇熊谷ILC推進課長 ILCの国内における認知度についてでございますが、東北においては、東北ILC推進協議会を中心に、講演会や企業参入の働きかけなど、さまざまな機会を通じて広く理解されるよう努めているところでございます。
一方、全国的には、高エネルギー加速器研究機構や先端加速器科学技術推進協議会などが、イベントやキャラバンの実施、映像作品によるPR、各種学会を通じた活動を行っていることに加え、本県においても、全国規模のイベントへの参加やSF小説による理解増進に努めているところでございます。全国的な認知度については、確かなデータは持ち合わせてございませんが、全国的な盛り上がりはより重要になるとの考えから、平成30年度には首都圏でのPRを推進していくこととしております。
次に、東北における反応についてでございますが、東北では、本県も参画している東北ILC推進協議会東北ILC準備室を中心に、大学のオープンデーや市民向けイベント等でILCの紹介を行っております。また、スーパーサイエンスハイスクールを中心に、東北の各高校での講演会の開催、実際は延べ22校、約7、700人が聴講しているほか、産業分野では約700社の関心がある事業所向けに参入支援を行っているところでございます。
また、これまで、北海道東北地方知事会や北海道・東北六県議会議長会などさまざまな団体等が国へ要望する際は東北が一体となって活動を行ってきているところでございます。
今後とも、東北の各県とも連携を深めながら、各種要望活動や普及啓発活動など、東北一丸となった取り組みを進めてまいります。
〇工藤勝子委員 具体的にありがとうございました。
プロジェクト研究調査費の1億500万円の予算についてお聞きしたいと思っています。
まず、この予算で十分だとお考えなのかお聞きしたいと思います。
〇熊谷ILC推進課長 平成30年度に必要と考えられる年間予算として当初予算要求をさせていただいているところでございます。
〇工藤勝子委員 ですから、これで十分ですかと。これから最終段階に向けていろいろな事業をしていく上で、1億円ぐらいで間に合いますかと私は聞いているのです。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 先ほど来委員から御指摘の、全国にも東北にもよく知れ渡っているのかという点につきましては、やはり我々も問題意識を持っておりまして、まだまだ足りないということがありますので、平成30年度の予算については、首都圏にこれまで以上に出張ってPRすることが重要であるという認識で、そういった予算も盛り込ませていただいております。
東北ILC準備室も同じような問題認識を持っておりまして、まだまだ遅いという御指摘は御指摘として承りながら、東北ILC準備室も、広報活動をより積極的にやろうということで、今、つくばのKEK、あるいは、一般者社団法人先端加速器科学技術推進協議会-通称トリプルエーという全国の産学官の組織があってそれぞれがそれぞれの記者発表などをやっているのですが、みんなチームになって、一体となって全国に広報しようという動きがございますので、できるだけ多くの方々に声が届くように努めていきたいと思っております。そういったものに岩手県も参画して一緒に取り組むことになっております。
この1億円強の予算でありますが、まずは当初予算として、重点的に取り組むべき広報の予算、それから受け入れ環境については、これまで一定の予算をいただいていろいろな検討をさせていただきました。今後は実践者の方々を交えて、より具体的な受け入れ環境を整えるということで予算要求をさせていただいております。それから、産業系については、東北、岩手県が中心になって今、企業参入をやっていて、共同研究も2件から3件、もう具体的に進んでいるものもございます。そういった産業促進のために、新しいクライオモジュールといった実機を持ってきて企業参入を進める等々、まずは受け入れ環境をしっかりすること、PRをしっかりすること、ある種この1年の前半かもしれませんが、そういったことを強く意識して予算要求をさせていただいております。状況の変化、あるいはこれは必要だと委員の皆さんから御指摘の声があった際には、また予算については御相談をさせていただくことになろうかと思っております。
〇工藤勝子委員 非常に大事な年になってきますので、私は、この予算を見たとき、これで大丈夫なのかしらと思ったのです。そういう意味も含めて、当初予算がこのような形で出ましたので、私たちとすれば、いろいろな取り組みを強化して、これで予算が足りないということであれば補正予算だって賛成するという形の中で持っていきたいと思っておりますので、余り当初予算にこだわらないでどんどん進めてほしいという思いがあります。
そこで、東北にもいろいろな連携組織があるわけですので、山場を迎えるに当たって、例えば岩手県で、産学官、議員連盟も含め、こういう人たちを集めて大きな集会、選挙でいえば決起大会とも言うのですけれども、そういう大きな盛り上がりをやろうということは考えていらっしゃらないでしょうか。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 やはり県内の盛り上がりも大事だということで県の推進協議会とも相談していて、県民の集いといいますか-県民集会というのはかたい表現ですが-、県民皆さんがこぞってILCへの関心を高め、みんなで運動するというか応援しようといった場は設けたいですねというような話が今、進みつつあります。そういった趣旨にのっとった形になろうかと思いますが、そういったものはぜひ実現したいと思っております。
〇工藤勝子委員 最後になります。
そういう集会も予定されるということならば、例えば、外国から来た研究者の皆さんの住まい、どういう住まいが求められているか。私も見てきたのですけれども、住まいやインターナショナル学校、それから高齢者の方もおいでになる。家族と一緒においでになられたら、病院、介護。県民に対して、スライドみたいなものでもいいのですけれども、そういう青写真みたいなものをきちっと提案しながらぜひ最終段階に向けて取り組んでほしいという思いがありますけれども、そういうものも入れられるかどうかお話を伺って終わりたいと思います。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 やはり理解を深めていただくには、具体的な事例や、こういう形はどうかといった見える形が大事だと思っております。委員御指摘の意思に沿うよう努めてまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 私から、次期総合計画について何点かお聞きいたします。
達増知事は、3期11年になりますが、危機を希望に変えるということを掲げ11年経過していると思います。その成果をこの場では議論いたしませんが、次期総合計画のキーワードということで、県民一人一人が幸福を追求する権利を保障することをコンセプトに総合計画をつくるということ、まさに崇高な思いでの総合計画になるだろうと思いますけれども、その計画を県民一人一人にどう伝えるのか、伝わっていくのかが大きなポイントになると思います。
そういう中で、伝えるための行政コストも当然考えていかなければならないと思いますけれども、その辺の部分についてまずお聞きしたいと思います。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 次期総合計画におきましては、幸福をキーワードに、岩手が持つ多様な豊かさ、つながりなどに着目した将来像を描いていく方向で現在検討を進めており、その実現に向けては、必要な施策を積極的に推進するため、必要な財源が安定的に確保されることが重要と考えており、今、委員からお話がありました行政コストの面も非常に重要な要素と考えております。
一方で、社会保障関係費の増加など、今後も厳しい財政状況が続くことが見込まれております。あらゆる手法で歳入確保を図りながら、政策の優先度が高い事業へ財源を集中させ、限られた財源で最大の効果が発揮されるようにすることが重要でございます。
次期総合計画の長期ビジョンに掲げる施策の方向性や、それを踏まえた取り組みなどを盛り込むアクションプランにつきましては、総合計画審議会などでの御議論を踏まえ、今後、具体的な取り組み、施策の内容を検討していくこととなります。次期総合計画の策定に当たりましては、総務部とも密接に連携し、県財政の持続性を確保しながら、将来に向けた施策展開を図ることができる計画となるよう、実効性のある計画となるように、十分に行政コストの件につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 県も市町村もそうです。やはりその地域で暮らす住民の命と暮らしを守るのが最大の行政サービスになると思いますけれども、現状の岩手県の中でいろいろな課題が出ていると思うのです。本会議でもいろいろな議論があります。子供の貧困、あるいは医療の問題、そしてまた、人口減少はそのとおりですけれども、東日本大震災津波からの復興もそうです。それらも含めて、幸せを感じるその前に、日々の暮らしをどう生きるかということが今、私は一番求められているのかなという感じもしています。それらを踏まえた中で、本当に幸福を追求するのだと。個々の問題になると思いますけれども、逆に、幸福になりたいがために、じゃ、県は何をしてくれるのだということも当然出てくると思うのですけれども、その辺の受けとめ方、どういう形で計画に盛り込むのかお聞きしたいと思います。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 次期総合計画におきましては、岩手の幸福に関する指標研究会の最終報告書で示されました健康、子育て、教育、仕事など幸福に関する12の領域をもとに、ある程度組み合わせを行い、健康と余暇、家族と子育て、教育でありますとか、仕事と収入、歴史、文化、自然環境、そして、これらを支える社会基盤を加え、全体で8プラス1の政策分野を設定する方向で、現在、総合計画審議会で議論をいただいているところでございます。
先ほど委員からございました幸福を抽象的な概念にとどまらせることなく、どういうことを通じて県民の皆様が幸福を実感されるかといった観点から12の領域に分割し、さらにこれを政策の柱として8プラス1で立てることによって、具体的な取り組みを今後、次期総合計画の中で描いていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 岩手で暮らして、よその県と比べてやっぱり岩手は暮らしやすい、幸せを感じる場所だということが岩手の大きな売りだと思います。そのための手段が次の総合計画には当然入っていくのだと思いますけれども、もう一つの別の観点から、人口減少対策から岩手県ふるさと振興総合戦略があるわけですけれども、この戦略は平成31年度で一応一区切りということです。この戦略は国からの交付金もかなり入っているのですよね。平成30年度も国では1兆円の予算が決まる予定となっておりますけれども、そういう中で、ふるさと振興総合戦略と今度の新たな総合計画はどういう形で整理をつけていくのか。
そしてまた、この総合戦略は5年で終わりますが、私は、当然終わらないと思うのです。事業が終わっても人口減少がおさまったということにはならないだろうと思いますけれども、その辺も含めてお聞きしたいと思います。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 ふるさと振興総合戦略を策定するに先立ち、県として岩手県人口ビジョンを策定いたしました。この中で2040年に100万人程度の人口を確保するという展望を掲げており、その実現に向けて、総合戦略において、人口減少に歯どめをかける生きにくさから生きやすさへの転換、そして岩手への新しい人の流れの創出に向けた取り組みの方向性などについて掲げ、取り組みを進めているところでございますけれども、次期総合計画においても人口減少対策は重要な要素になると考えております。
次期総合計画につきましては、先ほど申し上げました8プラス1の政策分野を掲げる方向で、現在、議論を進めておりますけれども、人口減少問題を解決するに当たりましては、特定の分野ではなく、自然減、社会減対策両方について、さまざまな、あらゆる分野と申し上げてもよろしいと思いますけれども、各政策分野にわたって総合的に取り組むことが必要と考えております。次期総合計画におきましても、これら8プラス1の政策分野を基本として、ふるさと振興総合戦略との整合性を図りながら、施策を盛り込む方向で検討を進めてまいりたいと思います。
また、現行の総合戦略は、国の地方創生の考え方に基づいて、平成31年度までとなっております。今のところ国からは正式にその次について特にお話はございませんけれども、岩手県人口ビジョンにおいて2040年100万人程度の人口を確保すると掲げておりますし、総合戦略の取り組み状況を見ますと、やはり特に社会減ゼロといったことも含め、取り組みはこれからまだまだといったところもございますので、次期総合計画におきましても、先ほど申し上げましたが、このような人口減少問題につきましてもしっかり位置づけてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 重要課題、政策分野8プラス1ということで、それを盛り込むということはまさにそのとおりだろうと思いますけれども、今、進行中のふるさと振興総合戦略も指標や目標数値は出ているのですよね。それにどれだけ近づいているのか、それらも含めて示していかないと、なかなか表現だけでは難しいと思います。
そういうことで、八つの重要課題ということであります。それをいかに克服しながら、岩手で暮らしている我々にとって、暮らしやすいのか、やっぱりだめだと言われるのか、その辺は十分に次期総合計画の中に入れていただければと思います。
そこで、有識者の中でいろいろ検討されるということですけれども、有識者の選定はどういう形でなされるのか。どの目線で有識者を委嘱するのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 県政の総合的な計画の策定及び推進に関する重要事項を調査審議いただく、有識者の皆様から成る総合計画審議会についてですけれども、岩手県総合計画審議会条例に基づき、20名以内で2年間の任期といった形で審議をお願いしているところでございます。
審議会委員の構成につきましては、条例の規定により、市町村長のほか、学識経験者として、大学教授、企業経営者、地域づくり活動や地域の課題解決に取り組む団体のリーダーなど、さまざまな分野で活動している方を中心に、さらに女性委員や若手委員の構成、そして県内各圏域などの地域性にも配慮しまして選任しているところでございます。
さらに、次期総合計画に関する各政策分野の目指すべき方向性を集中的に審議いただくため、総合計画審議会に暮らし、仕事、学び・文化・スポーツ、それから若者の四つの部会を新たに設置いたしました。この四つの部会におきましては、総合計画審議会委員に加え、各部会の分野で活躍されております外部委員を2名ずつ追加選任しまして、より幅広い視点で審議を進めていただくこととしているところでございます。
〇工藤勝博委員 今までの有識者の選定の流れは審議会条例に基づくということですが、次期総合計画は10年というスパンですけれども、10年先のことはなかなか想定できないわけです。今回の総括質疑でも、会派の飯澤代表が5年ぐらいがいいのではないかと。経済的な流れも含めればそれぐらいのスパンで想定しなければならないのではないか。60代、70代の皆さんの、経験は確かに必要なのですが、10年先を想定するのであれば、20代、30代の皆さんから次期総合計画を練ってもらうような感覚で、これからのことを含めて盛り込んでいかないと、何だ岩手、また同じことをやっているのかという感覚に私はなるだろうと思います。次期総合計画について、誰がこれを練るかということになれば、次の世代が中心になることをぜひともやっていただきたい。20人と言わずに、もっとふやしてもいいのではないですか、30人ぐらいで。それぐらい大事な計画です。必要があれば条例も変えながら、若い人たちが、そしてまた、今、女性の皆さんもどんどん参加しないといい内容にはならないと思いますので、それらも含めて、その辺について、部長は岩手のことを恐らく知り尽くしてきたと思いますので、ひとつ考えをお伺いして終わりにします。
〇藤田政策地域部長 次期総合計画のスパンの10年ということと関連して、次の世代を担う人たちを中心に議論したらどうかということですが、それはまさにおっしゃるとおりだと思っております。総合計画審議会という会議の中に、委員御指摘の視点は非常に重要ということで、先ほども申し上げましたけれども、四つの部会の中に若者部会を一つつくりまして、若い世代の人たちの視点から、これからの岩手をどうしていくべきなのか、今の岩手の強み、弱みはどういうところなのかを集中的に議論していただきました。かなりいい御提案といいますか、非常に示唆に富む御提案もいただいているところでありまして、そういった御意見を大事にしながら次期総合計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 私からは、2点お伺いいたします。
高等教育機関の連携促進と地域貢献の推進ということで、事業連携ということで県内大学と連携しているということでございます。最初の説明等でもありましたので、岩手大学の釜石キャンパス設置の経費とかICTと企業マインドといったところ以外の連携の実績などがありましたら教えてください。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 県内大学との連携状況でございますけれども、御質問がございましたCOCプラスの事業を中心に、県内大学、それから市町村等、産学官連携しながら取り組みを進めているところでございます。
先ほどお話がございましたほかにも、大学のシンクタンク機能を生かして、市町村の地方創生に関する助言、指導、それから市町村職員の課題解決能力の向上を図る研修会などを実施する市町村地方創生支援事業や、岩手大学に委託し、地域での起業等を志向する県内高等教育機関の学生を対象として、起業マインドを醸成する実務教育を行うふるさといわて起業家人材育成道場プロジェクト事業などを実施しております。この人材育成道場につきましては、今年度上期、下期合わせまして、岩手大学、県立大学を初めさまざまな県内大学の学生32名にお集まりいただき、事業を進めているところでございます。
さらに先ほどお話しがありました釜石キャンパスの件もございますし、岩手県と県立大学、それから岩手大学との間では、毎年、大学の学部長、それから県の幹部職員が集まり、その中でそれぞれ地域課題や大学の地域貢献も含めた研究の取り組み方向などについて情報共有を行い、そこで一緒に連携して進めていくことができるものはないかといった意見交換の場も設けているところでございます。例えば、岩手大学とは、今年度は国際化をテーマに意見交換を行ったところでございます。
〇中平均委員 そういった中で、連携促進については総括質疑でもやりましたが、やはりもう一歩進めていただきたい。産業の関係でも、県内の高校生がオープンキャンパス的なもので各大学に行ったりしていますので、そこに合わせて企業のブースをつくって、県内大学に行って県内企業に就職するというような流れを何とかつくっていきたいと各大学もやっていると聞いています。そういったところの連携について、県でもそこにうまくかかわっていけば、それこそ人口の社会減を減らすといったところにまた一歩、近づけられるのではないかと考えます。
また、教育のほうでいいましても、先般、小西委員からお話もございましたが、幼稚園教諭の資格が県内でどこも取れない状況になってくるとか、教育学部の中でいろいろな分野が減らされていっている。これは教育委員会のほうの話だとは思うのですけれども、そこもきちんと連携をとっていかないと、社会減を減らしましょうと、総合計画で取り組んでいくものですけれども、結果的にはみんな縦割りの中で動いていかない。
これは政策地域部でやるのがいいのか別の部局になるのかもしれませんけれども、そういった中での高等教育機関との連携というのをもう一歩進めて、県内の高校生が就職するときはなるべく県内にと今、各自治体は誘導しています。それが本当にいいことかどうかはまた別な話ですけれども、そうやって社会減を減らしていこうとやっていくのであれば、この高等教育機関との連携というのも今やっているものをもう一歩進めて、そして県がきちんと中間に入ってコーディネートする、そういった役割をきちんと果たしていくべきではないかと思うのですが、その点をお伺いします。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 大学等高等教育機関との連携の強化についてでございます。
県といたしますと、地方創生、人口減少対策を初め、それから地域課題の解決も含めまして、やはり高度の知見を有する研究機関としての大学、それから多くの学生を有しております大学との連携が重要と考えております。また、大学におきましても、特に地域との連携といったことが大きなテーマになっていると考えております。
こうしたことから、県といたしまして、引き続き大学との連携について取り組んでいくことが必要と考えております。特に、来年度の政府予算に盛り込まれております地方大学・地域産業創生事業などにつきましては、まさに県、大学、それから地方産業界などが一緒になって、コンソーシアムを形成して取り組んでいくことが重要でございます。
詳細については今後国から明らかになると考えておりますけれども、こういった具体の取り組み一つ一つにつきまして、県から大学にお邪魔して意見交換を行う、こういった姿勢で取り組んでおります。引き続き大学との連携について強化してまいりたいと思います。
〇中平均委員 ぜひとも各大学と連携を組み、そして大学ごとの強みを生かしていきながら、それがさらに岩手の強みにつながっていくことを期待しております。そのように次期総合計画に反映していただきたいと思います。
次期総合計画について1点。
今、策定しているところですが、人口減少、社会減を計画で何とかゼロにしようと。自然減はある程度とまらないで進んでいくということだと思うのですが、この中で、今までの計画を見ていても、どうしても分野分野の点が縦割りに見えるところがあるのです。そういったところをどういうふうに考えていくのか。
当然、子育て支援、移住、定住対策、若者、女性活躍支援、これはもう人口が減っていく中でやっていくことだと思うのです。そうしても人口はまだまだ下がる。右肩上がりの時代というより、今、下がっていく。現状を維持するのが精いっぱいな時代になってきている中で、その対策のほかに、地域の産業なりさまざまなインフラなり、地域交通もそうですけれども、人が減っていく中でも住んでいる以上それは当然維持していかなければならない。
経済的な面も含め、今、120万人いる岩手県民が100万人になっても維持できる社会をどういうふうな施策を持ってやっていくのだというものを盛り込んでいくべきだと思うのですけれども、その点はどのような検討状況になっているのでしょうか。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 次期総合計画における人口減少対策の盛り込み方についてでございます。
現在の総合戦略の中では、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らす、この大きな三つの柱に基づき取り組みを進めているところでございます。人口減少対策は、委員お話しのとおり、一部の施策を実行することによってこれが実現するものではございませんで、自然減、社会減双方に対して効果をもたらしていくためには、自然減対策としての直接的な取り組み、それから社会減対策として、働く、教育の点、さらには暮らすといったところで岩手の魅力を高めていく。まさに総合的な取り組みをそれぞれの政策を組み合わせて行っていくことが重要と考えております。
次期総合計画におきましては、先ほどお話しいたしました8プラス1の政策分野を柱として検討を現在進めておりますけれども、その中では、例えば一つの柱といたしまして、健康・余暇といった柱を立てたいと考えております。それから、家族・子育て、教育、さらに仕事・収入など、8プラス1を考えております。さらには、プラス1ですけれども、社会全体にわたっての社会基盤といったことでございまして、さまざまな分野にわたって人口減少に取り組んでいく上で、こういった8プラス1の取り組み分野は非常に切り口としても有効であると考えております。
そういったことがございますので、現在の総合戦略の三つの柱の考え方はしっかりと生かしつつ、次期総合計画の8プラス1にうまく整合性を持って当てはめていくといった策定作業を進めてまいりたいと考えております。
〇中平均委員 そのとおりだと思うのです。ただ、それをやっていって全部うまくいったとしても、人口がふえてくるかというのはまた別の話ですよね。県全体で見てもそうですし、各自治体を見ても減っているわけです。そういったところで、例えばコンパクトシティー的なものをやっていきながらインフラなどの維持管理費を減らしていく方向をとるべきなのか、そういったいろいろな議論が出てくるのではないかと思うのです。どれが正しいというのはそれこそ10年の計画なのでありませんけれども、そういうところを見越していきながら計画を考えていかなければならないというのがあるのではないかという点と、また、それをやっていく上では、県、各自治体、地元の市町村首長たち等の意見もいろいろまぜ合わせていきながら組んでいかないとこの先厳しい。計画はつくったとしても達成は厳しい。全部うまくいったとしても、人口が減ったという話になっても大変だと思って、今、質問したところでございますので、この点は、時間も時間ですので、提言ということで終わらせていただきます。
〇高橋元委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時1分 休 憩
午後1時3分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行します。
〇佐々木朋和委員 まず、通告しておりました質問の前に、午前中に工藤勝子委員から、ILCについて、県民への見え方あるいは東北、全国への認知という課題提起があったと思いますけれども、私は、やはり受け入れ態勢のマスタープランがまだ発表されていないというところが大きいのではないかと思います。概念でいろいろなことは話になるのですけれども、ここにこういうものが建つといったことも含めた提示があると、やはり違うと思います。東北ILC推進協議会で3月中にもプランを完成させるという報道もあったところでありますけれども、今どのようになっているのか。先ほどの答弁では、県民集会みたいなこともということもありましたから、そこはやはりマスタープランがあってこそだと思いますので、その点について今の状況をお知らせいただきたいと思います。
〇佐々木理事兼科学ILC推進室長 東北のマスタープランにつきましては、今、東北ILC準備室において鋭意作成中ということで、年度末を目途に取りまとめる予定と進捗状況を聞いております。
そういった大きな柱があって求心力もあり、また広報にもつながっていくものと思いますので、早くマスタープランが示されて、それが活用できればと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ県からもプッシュしていただいて、いろいろな計画変更もあって時間がかかっているのかもしれませんが、今年度中の完成というところに向けて県も努力をしていただきたいと思います。
それでは、通告しております質問をさせていただきたいと思います。
まず、公共交通について、バス運行対策費及び地域バス交通支援事業費補助並びに地域公共交通再編活性化推進事業費についてお伺いしたいと思います。
平成28年度の主要施策の成果に関する説明書(いわて県民計画実施状況報告書)によりますと、具体的な推進方策指針の361番、広域的なバス1路線当たりの平均乗車密度、目標値が平成30年度で4.0ということで、これは県単独の補助のラインということでありますけれども、平成26年度の現状値が3.8だったところが、平成28年度の実績値では3.5と悪化しておりまして、平成29年度の見込みも国庫補助路線で3.5、県単路線だと3.2となっているとお聞きしております。
平成32年度には、被災地特例の激変緩和措置もなくなると言われておりますが、このままの数値でいけばどのぐらいの路線が国庫補助対象外となってしまうのか伺いたいと思いますし、要件割れは輸送量15人以上ということでありましたけれども、平均乗車密度が5人以下になると補助も減少する、また、県単も4.0以下になると要件割れとなりますけれども、あわせてこの予想をお示しいただければと思います。
〇渡辺交通課長 被災地特例の終了により補助対象外となる路線についてでございますが、平成29年度におきましては、現時点での見込みではございますけれども、国庫補助路線、県単補助路線につきまして、県では64路線、県費ベースでございますが、2億6、581万1、000円の補助を行っているところでございます。仮に現状の利用状況のまま被災地特例が終了しますと、25路線、県費ベースで7、120万2、000円、率にして約4割の路線が補助を受けられなくなるということが想定されております。
〇佐々木朋和委員 大きな数字だと思っておりますし、激変緩和措置は国に倣って県もこれまでやってきたと思うのです。被災地の路線ではないところの期日は示されてないのですけれども、恐らく平成32年度と同時か、その前かと思うのですが、県としては、国の激変緩和措置が終わったとしたら、それは県の補助としてやっていくということの認識なのか、また、激変緩和措置は県も国にあわせて終わらせるということなのか、今、この辺はどのようにお考えでしょうか。
〇渡辺交通課長 現時点での考えということで御理解いただきたいと思いますが、これまでも国に倣った形で制度設計しておりますので、国の被災地特例の終了によりまして県の特例も終了ということで考えております。
〇佐々木朋和委員 ということは、激変緩和措置は国と同時に終わらせると。その上で、国の補助の対象から漏れてしまったものについては、県の補助要件の4.0にあるものは県単補助で救っていくという意味でしょうか。
〇渡辺交通課長 数字にもよりますが、そのとおりでございます。
〇佐々木朋和委員 いずれ、そういったときには、これからの公共交通を考えていかなければいけないということでありますけれども、県も努力していただいておりまして、今年度は、岩手県地域公共交通活性化検討会議ということで、5度ほどでしょうか、会議を行ってきていると思っています。また、こういった激変緩和措置の終了、平成33年度問題とも言われておりますけれども、その結果を受けてどのような対策を打っていくのか伺いたいと思いますし、来年度は交通政策室ということで新たに室を立ち上げまして、空港や鉄道を含めたゲートウエーと地域公共交通との連携を図りながら、交通に係る業務を一体的に推進するとしておりますけれども、その対策も含めてお示しいただきたいと思います。
〇渡辺交通課長 ただいま委員からもお話のありましたとおり、今年度、県におきましては、国、市町村、バス事業者あるいは有識者による地域公共交通活性化検討会議を設置いたしまして、本県の交通ネットワークの再構築に向け、取り組みの方向性等を御議論していただいたところでございます。
この取りまとめを踏まえ、来年度、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成を目指して、法定の協議会として地域公共交通活性化協議会を設置し、公共交通のマスタープランとなる地域公共交通網形成計画を策定することとし、当初予算案にも関連経費について計上させていただいているところでございます。この計画の策定の中で具体的な対応について検討してまいりたいと考えております。
また、交通政策室の関係でございますが、空港の利用促進と地域公共交通の連携強化を図りながら、交通に係る業務を一体的に推進することとしておりますが、具体的には、生活交通である路線バスと花巻空港等からの二次交通を、観光利用を連携させながら、交流人口の拡大と地域公共交通の活性化につなげるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 観光との連携という話もございました。また、法定の協議会として進めていくということで、その要件としても観光との取り組みというのはあったと認識しております。
そういった中で、私も以前、予算特別委員会か決算特別委員会で、外国人の方も使いやすいようにICカードでありますとか、もしくは、観光客の方も使いやすいような路線の統合でありますとかバスロケーションシステムの提案などもさせていただいたところでございます。また、ICカードを使いますと、路線の組みかえにも情報を的確に把握できるということもあります。そういったものの導入に向けて補助等もしていくべきと思いますが、その点についてはどのように考えていますでしょうか。
〇渡辺交通課長 ただいま委員から御指摘がありましたとおり、ICカードの導入により、乗降調査やいろいろなデータが取れるということで、これは大変有効なものとして、今年度行いました検討会議におきましてもそういった提言がなされております。ただ、導入には相当程度事業費がかかるということで、これは、基本的には事業者の責任で行うべきものということでございますが、それに対して何が支援できるかも含めまして、今後検討させていただきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 基本的には事業者がということでありましたが、本県の事業者の設備投資という意味では、ノンステップバスの導入などについても全国的にも下位であったりとか、そういう状況を見ると、果たして自前でそろえていくことができるのかということは大きな課題だと思っております。
観光分野では、インバウンド受け入れに向けてWi-Fiの整備でありますとか、今、そういった補助金も入ってきているわけでありまして、私は、そちらも使いながら、もしくは誘導しながら補助をしていくということも、政策地域部としてもぜひとも進めていかれればと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
低床バスあるいはノンステップバスの導入も本県ではなかなか進んでいないという状況だと思うのですけれども、検討会議の取りまとめを見ますと、バス網をつくっていくのが、今まではスポーク型と言われているものから、階層型ということで、効率的だけれども乗りかえの多いバス網をつくっていくという方針が出されております。そういったときに、高齢者向け、または福祉の観点からもノンステップバスの導入ということも考えていかなければいけないのではないかと思うのですが、その点については県としてはどのように考えていますでしょうか。
〇渡辺交通課長 検討会議の中におきましても、大きな視点として、今、委員から御指摘があったとおり、今のスポーク型から階層型に変えていく必要があるだろうという提言がございます。ただ、それについては、乗りかえがどうしても必要だということで、まずは乗りかえ拠点をどこにするかということと、乗りかえの場所の整備というのが課題になるだろうということが一つございました。
それと、ノンステップバスの関係でございますが、これも基本的に事業者の責任でということでございますが、国の補助金等の活用についても事業者に情報提供しながら、県内におけるノンステップバス等のユニバーサルデザインに応じたバスの導入が進むよう支援してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 課題認識は持っていただいているということで認識いたしましたので、ぜひともそちらのほうも進めていただきたいと思います。
今、県のほうで路線網をつくっていくということでありますけれども、一方で、地域内のバスとの兼ね合いと申しますか、そちらは市町村で、それを越える部分については県でという役割分担があると思うのですけれども、ただ、両方相互に機能を分担しながらも有機的につながってということが取りまとめにも書いております。
そういった中で、市町村の取り組みがまだまだ弱いのではないかと報告書を見ると感じるわけでありまして、市町村では専任の職員もまだいなかったり、また、マスタープランについても、検討している段階というものも含めて半数も行ってないというような状況でありました。そういった状況にあって、県としての地域内の交通へのかかわりというところをどのように考えているのかというのをお聞きしたいと思うのですけれども、検討会議の意見の中にも、市町村は、人口減少が進む中で地域内のバス路線の維持がこれから大変になってくるだろうという話もありました。
今、地域交通活性化推進事業費補助においては、デマンド型の乗り合いタクシーについても、初年度の導入についての補助はあるけれども、継続するような補助がないということもありました。そういった補助も含めて、県として地域内のバス路線等公共交通の取り組みに対する支援の仕方というものをどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
〇渡辺交通課長 市町村への支援ということでございます。検討会議におきましても、市町村への支援というのは課題であるということもあったわけでございますが、現在、国におきましては、幹線路線に接続するバスあるいはデマンドタクシーに対する補助の制度がございます。そのほか、コミュニティーバスなどの運行に要する経費については特別交付税で8割が措置されるという状況でございます。
そういう状況も踏まえた上で、県といたしましては、公共交通利用推進事業費により、有識者による活性化支援アドバイザーの派遣、あるいは公共交通活性化推進事業費補助金により交通体系の再編に伴うデマンド交通などの実証運行への補助などを行っているところでございまして、とりあえずはこの事業を通じて市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 最後にしたいと思います。
1点、確認。今の話でありますと、コミュニティーバスは運行についての交付税措置が国からあるということですね。デマンドタクシーについては導入のみではなく、その後もあると。了解いたしました。ありがとうございます。
本県は、私の住んでいる一関市もそうですけれども、合併市町村が多くて、合併前までは市町村をまたぐ路線バスだったのが、今はコミュニティー内ということになって、そういった意味でも維持するということは大変ではないかと私は思うし、そこの路線が守られないと、生活に密着した路線というのは守られていかない。そこがないと、県が所管する幹線路線というものにもつながっていかないと思っております。そういったことで、これから計画をつくっていくという中にあっては、市町村の半分はまだマスタープランができてないということですから、その危機感を共有しながら、ぜひ市町村を引っ張りながら計画を進めていっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
〇岩崎友一委員 代表質問で佐々木努議員からもありましたけれども、私もきょうは1点、三陸防災復興博(仮称)についてお伺いいたします。これは仮称が大事ですよね。
この復興博については、県のほうで昨年の11月から2月にかけて、市町村長を回って戸別に訪問、意見の聞き取りを行ってきたということでありますけれども、その主な意見は、いただいた資料では、取り組み自体は評価すると。これも意味深ですけれども、そういった意見があったり、復興博という名称に違和感がある、2019年はやっと再建が形になるころであり、被災者が置き去りにならないよう配慮してほしい、復興が完了したとの誤解をされないよう、名称、コンセプトをしっかり考えてほしい等々の御意見があったかと思うのですが、この名称に関しては、準備委員会の段階では今年度の実行委員会までに決定するということでありましたけれども、今、どのような検討がされているのかというのが一つ。
それと、これは質問通告をしていませんでしたが、準備委員会のときに、体制について、沿岸市町村と沿岸地域選出の議員だけではなくて、これまで復興はオール岩手で進めてきたというか、知事がそういった言い方をしてきましたので、こういったイベントも県内33市町村全部、そして議員も全員が参画して行うべきであると提言させていただきましたけれども、その後の検討状況、まずその2点をお伺いします。
〇菅原地域振興監 まず、名称についてでございますけれども、この行事の趣旨でございます東日本大震災津波の教訓と災害への備え、あるいは復興の歩みを進める三陸地域の姿を発信することを踏まえる名称であるとともに、復興が終わったと誤解されないよう、博覧会や博の使用を避けて検討を進めているところでございます。
これにつきましては、昨年11月に設立しました三陸防災復興博(仮称)準備委員会で決定いたしました基本構想に基づき、沿岸の市町村を初めとした準備委員会の委員等の御意見を伺っているところでございまして、今月予定しております三陸防災復興博(仮称)準備委員会及び実行委員会において決定する予定としております。
また、体制でございますけれども、オール岩手での体制でという御意見をいただいており、やはり沿岸の振興のためには内陸部との連携も重要と考えておりまして、内陸の市町村にも参画いただくような方向で、今、調整を進めているところでございます。同様に、沿岸地域選出の県議会議員の皆様にも顧問として参画していただいているところでございますけれども、オール岩手の体制ということで、全議員の皆様に参画していただきたいということで、この後、改めて御相談をさせていただきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私は、開催の趣旨、意義といったものに異論はありませんけれども、やるからには絶対成功しなければならない。本来の目的が新しい三陸地域の創造につなげるということもありますので、しっかりと成功させたいという思いもありまして、ただ、そういった中で懸念がありますので、その辺に関してきょうは質問をさせていただきたいと思います。
まず、開催時期も今年度内の実行委員会で決めると準備委員会では説明があったのですが、来年の6月から9月までの間の60日間程度というのが基本的な部分だと思うのですが、今の検討状況はどうなっているのでしょうか。
〇菅原地域振興監 会期についてでございますけれども、2019年は三陸鉄道の一貫経営あるいはラグビーワールドカップ2019釜石開催といった三陸が注目される年となっております。それで、より多くの方に三陸地域に訪れていただき復興の現状を見てもらえるように、5月の大型連休明けから夏休みまでの間の、いわゆる観光の端境期となる6月及び7月を中心に開催期間の検討を進めているところでございます。こちらにつきましても、準備委員会の委員等の御意見を伺いながら検討を進めているところでございまして、準備委員会及び実行委員会において決定する予定としております。
〇岩崎友一委員 時期的には的を射ているように思うのですが、ただ、これは県と各市町村が連携してやる事業であるかと思います。このイベントを成功に導くために、まず大事なのは、市町村がしっかり開催できる体制、成功に導ける体制をつくれるかどうかという部分なのですが、最初に確認したいのは、震災と平成28年台風第10号の関係で、被災市町村に応援職員を派遣いただいておりますけれども、新年度の充足状況についてお伺いします。
〇臼井市町村課総括課長 まず、東日本大震災津波に係る市町村の応援職員の来年度の確保見込みについてでございます。
現在調整中のものもございますので、今後変動の可能性があるということで御理解いただければと思いますが、3月1日時点で取りまとめたところ、東日本大震災津波に関しましては、必要数581人に対して確保見込みが516人、充足率は88.8%となっております。
また、平成28年台風第10号災害に関して、平成30年度の見込みでございますが、同じく3月1日時点で取りまとめたところ、宮古市、久慈市、岩泉町の3市町におきまして、必要数29人に対して23人が確保される見込みということでございます。充足率は79.3%で、今年度よりも8.9ポイント向上しているという状況でございます。
〇岩崎友一委員 今、御答弁いただきましたとおり、最優先でやるべき復旧、復興事業の人手も足りていない中で、果たして新しいイベントをやるだけの体制を市町村が組めるのかと。特に、震災に関しても沿岸の南のほうの復興がおくれているといっても過言ではないと思うのですが、まだあすさえ見えない生活をされている方々が多くいる状況で、私が聞いている限りですが、市町村からも実際に人を割くのは厳しいという声が上がってきています。
この御意見にはないのですけれども、各市町村と意見交換をしていて、人員の関係、体制をつくれるかどうかということについて、首長の方々から意見はなかったのでしょうか。
〇菅原地域振興監 まず、市町村長等からの御意見でございますけれども、課長クラスの担当者会議をした上で、各市町村長等の意見を個別に伺っているところでございますけれども、開催の意義に対しましては、復興がここまで進んだという状況とあわせて、まだ復興に取り組んでいる状況を発信してほしいということで、行事の必要性についてはおおむね理解をいただいているものと認識しております。
人的体制という部分では、マンパワーが心配だというような意見も伺っているところでございますけれども、復興の情報の発信は市町村とともに一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
現在、個別の企画を検討しているところでございますけれども、個別の企画ごとに、実施時期あるいは各市町村での実施の可能性も含めて市町村から御意見を伺っているところでございまして、各市町村からは、実施に向けて早期にスケジュールや体制を示してほしいというような御意見もいただいておりますので、市町村のそれぞれの状況に十分配慮しながら、オール岩手の体制で準備を進めていきたいと考えてございます。
〇岩崎友一委員 オール岩手の体制で準備を進めるということは、人員の件に関しては、どうしても体制を組めない市町村があれば、例えば県から職員を派遣したり、内陸の市町村にお願いをして派遣するということも検討されているという解釈でよろしいですか。
〇菅原地域振興監 事業につきましては、実行委員会が主催する事業と、県、市町村、民間等が実施する事業を組み合わせながら、相乗効果が上がるように取り組んでまいりたいと考えております。
実行委員会が主催する事業につきましては、市町村の状況も勘案しながら、県が主体になる部分と、市町村の状況に応じて一緒に調整しながら連携をしていく部分とがあると考えておりますけれども、県のほうで個々の状況に応じて配慮していきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 まだ懸念が残るのですけれども、もう一個、大きな懸念を先にお伺いします。
財政的な部分ですけれども、復興博は現段階ではどのぐらいの予算規模で行おうとしているのか。また、その財源の根拠です。例えば復興交付金が使えるのかとか、県単独予算でやるとか、その辺についてと、市町村の負担が生じるかどうかも含めてお伺いします。
〇菅原地域振興監 まず、行事の開催規模ということでございますけれども、現在、開催費用につきましては、企画の検討とともに準備委員会で整理しているところでございまして、個別の企画内容に係る準備委員会の構成員や、特に沿岸市町村の御意見を踏まえながら精査を進めて、必要となる事業費の検討をしていくこととしておりますので、現時点で費用の見込みをお答えするということはちょっと困難な状況となっております。
財源についてでございますけれども、県の一般財源のほか、使えるものにつきましては、国庫補助金でありますとか、現在でも地方創生推進交付金を活用しておりますけれども、国の財源等も最大限に活用しながら取り組んでまいりたいと考えております。
また、市町村の負担でございますけれども、基本的には実行委員会が実施する部分につきましては市町村の負担というものは考えておりません。市町村の役割といたしましては、市町村が独自に取り組んでいる事業を充実させていただきたいと考えております。また、市町村の実施する事業につきましても、この事業が具体化される段階で、例えば地域経営推進費といった既存の制度を活用した支援を考えていきたいと思っております。
〇岩崎友一委員 既存の制度というのは、具体的にどういったものなんですか。
〇菅原地域振興監 地域経営推進費の活用を想定しているところでございます。
〇岩崎友一委員 実行委員会とか準備委員会ということで、県が実際に音頭をとっているのですが、実際聞いていますと、来年は物すごく忙しい年でありまして、市町村でも統一地方選挙という年でもありますが、元号が変わったり、我々も県議員議員選挙、知事も選挙、ラグビーワールドカップ、消費税の増税もある。さまざま忙しい中で、実際は人を本当は出せないんだよね、どうしようという悩みというか、悲鳴のような声が聞こえてきているわけです。ただ、実際やるのだったら成功させたいという思いでいけば、この開催時期に関しても再度御検討をいただいたほうがよろしいのではないかと思います。こっちを成功させるために人を割いてしまって、本来最優先で進めるべき復興がおくれるようなことがあっては本末転倒であると思いますし、開催の意義がどこにあるのだとなってしまうと思います。
私も、準備委員会からこの間、開催時期についてもずっと考えてきたわけであります。前回、知事のマニフェストに復興博の開催がありました。任期中にやらなければ公約違反になるためにやるのではないかとは思いたくはないのですけれども、当初よりも復興がおくれている状況ですので、そういった被災地の状況も鑑みて、確かに、来年は三陸鉄道だったりラグビーワールドカップということで、的を射ている感じはするのですが、成功するための体制を整えてしっかりやるという意味では、延期ということも含めて検討すべきだと思うのですが、その辺のお考えについてお伺いします。
〇菅原地域振興監 三陸防災復興博(仮称)につきましては、復興に力強く取り組んでいる地域の姿を発信し、東日本大震災津波の風化を防ぐとともに、国内外からの復興への支援に対する感謝を示し、また、被災県として大震災津波の記憶と教訓を伝えながら、日本国内や世界の防災力向上にも貢献していこうという趣旨でございます。
また、復興需要の減少が懸念されている中で、交流人口の拡大という取り組みも必要と考えておりまして、こうした考え方につきましては、市町村長からも行事の必要性については理解されているものと考えております。
確かに、三陸鉄道の一貫経営、そしてラグビーワールドカップ2019の開催ということで注目が集まる契機でございますので、こういったチャンスを逃さずに、また、それぞれの取り組みの相乗効果が図られるようにということで考えていきたいと思っておりますけれども、その体制とか負担というところにつきましては、それぞれの状況にも十分配慮しながら進めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私はよくわからないのですけれども、風化防止と言いますけれども、風化の防止は大切なのですが、風化を防止するのであれば、復興計画を次期総合計画に入れずに延長すべきだと思うのです。何か、統一されていない感じがして、県の主な方針というか、そういうものが見えないのですが、私も必要性に関しては否定しているわけじゃないのです。やることの意義、趣意に関しては賛同していますが、やはりその時期です。成功させなければならないのです。成功させるためには、しっかりした体制を組んでやったほうがいいと。あと、プラスアルファで言えば、この開催時期にも、まだ応急仮設住宅で避難生活をされている方々がいるんですよ。まだ全員出られない状況で開催するわけでありますから、知事の言う一人一人に寄り添うという思いを酌めば、開催時期をおくらせて、何をもって復興かという考え方がありますけれども、例えば全員が応急仮設住宅から出たとか、ハード面の整備が終了したという一つの区切りの段階で行うということも一つの選択肢だと思うのですが、この開催時期に関しては今後検討する余地はあるのでしょうか、どうなのでしょう。
〇菅原地域振興監 三陸防災復興博(仮称)の準備委員会におきまして基本構想を決定したところでございますけれども、その中では6月から9月の間の60日間程度の開催ということで決定しているものと承知しております。
ただいまさまざまな御意見をいただいているところでございますけれども、三陸鉄道の一貫経営や、陸前高田市に設置する(仮称)震災津波伝承施設の開館でありますとか、あるいはラグビーワールドカップ2019の開催ということで、こうした国内外から注目が集まるこのチャンスを捉え、防災復興行事について、県、市町村が力を合わせて一体的に取り組みを推進することによって、より三陸地域への関心を高める、あるいは認知度の向上につながっていくものと考えております。
〇岩崎友一委員 これは、例えばですけれども、実行委員会で構成員である各首長の方々から延期の要望というか、要請があった場合には検討することも可能なのですか、どうなのでしょう。
〇菅原地域振興監 準備委員会の基本構想の中で決定しており、それ以外の延期の部分についてというところは想定しておりませんので、ちょっと今、お答えすることはできないのですけれども、行事の開催の必要性、意義についてはおおむね御理解をいただいているところでございますので、予定では、この案でもって協議を進めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 多分、準備委員会でも各首長の方々はいろいろな思いがあったと思うのです。自分の市町村に持ち帰っていろいろ相談したら、先月ぐらいからですか、人を出せないという声が結構聞こえてきました。開催がもう決まって、やる気になればやれると思うのですけれども、無理にやって、それゆえに復興事業におくれが生じてもだめだと思いますので、その辺はもうちょっと融通をきかせるというか、再度、市町村長の方々の本音といいますか、ちゃんとできますかということを聞いていただいて、もしできなければ、県として、例えば内陸の市町村から何人出せますよとか、金銭的な負担に関しても県がこのぐらいちゃんと面倒を見ますとか、そういうものもセットで提示しながら、一度、丁寧に話を進めていかなければ、開催はしました、ただ何も残らないと思うのです。次につながらないと思いますので、その辺を、再度、各市町村長とも丁寧にお話をして、必ず成功させるように進めていただきたいと思うのですが、その辺の意見を聞いて、きょうは終わります。
〇菅原地域振興監 これまで、市町村長との意見交換の中では会期の案も示しながら御意見をいただいているところでございまして、個別の企画の内容につきましても、例えば心のケアや防災現地ツアーなどをテーマとすることで役割を果たしていきたいでありますとか、各市町村の祭り等のイベントも関連づけてほしいといった前向きな御意見もいただいているところでございます。
今後につきましても、各市町村の皆様と意見交換をしながら、個別に具体的な企画について、どのようなことができるのか、お互いに連携をして、どうやったら効果が上がっていくのか、役割分担等も含めながら、そういったところをきちんと協議してまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 今の中で答弁がなかったのですが、本当に足りなかった場合の人の支援とか財政的な支援も含めて、ちゃんとお話をしていただきたいという思いも込めて言ったのですが、その辺もお願いできますか。
〇菅原地域振興監 人的な支援、体制の部分でございますけれども、県から人を派遣するというところまでは現時点では想定しておりませんけれども、企画の実施に当たって、どういった体制でできるのかということにつきましては市町村の状況に応じて県としても配慮すべきところはしていかなければならないと考えております。
また、財政的な部分につきましても、先ほど申し上げましたように、市町村の取り組みについても支援ができるように検討を進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私も三陸防災復興博(仮称)についてお伺いしたいと思います。これは一般質問でも取り上げましたけれども、理解が深まりませんでしたので、再度お伺いしたいと思いますし、今、岩崎友一委員からもるる質疑があったところでありまして、私が通告していたものとほぼ同じ内容ですので、できる限り重複しないように、あるいは重複するところは少し私の思いを述べさせていただきながら質問させていただきたいと思います。
一般質問の際に、知事から、こういうコンセプトで、こういうものをやるというお話をいただきました。防災や復興をテーマとしたシンポジウムの開催、一貫経営する三陸鉄道の車両や駅を活用した企画、体験旅行プログラム、特産品の開発、こういうものを挙げていただきました。博覧会という言葉を使わないようにしていることなのですが、私のイメージとしては、博覧会というか、県全体として取り組むイベントとしては、中身的に少し薄いのじゃないか、弱いのじゃないかという感じがしますが、シンポジウムならこうやる、車両や駅舎の活用はこうやるとか、そういうものをもう少し具体的にイメージできるように説明していただけないでしょうか。
〇菅原地域振興監 開催の意義を伝えるための企画ということでございますけれども、防災や復興をテーマとしたシンポジウムの開催につきましては、3回から4回程度、テーマを変えて開催することを検討しております。また、被災により文化芸術活動の継承が危ぶまれた中にありまして、多くの支援を受けながら再開した虎舞あるいは神楽といった民俗芸能等の復興の姿を示す祭りのイベントの実施でありますとか、音楽活動を通じて被災地支援を継続している音楽家との協働による音楽祭の実施、さらに、復興の先を見据えた地域振興にもつなげていくために、三陸ならではの体験旅行プログラム、あるいは豊かな食材を活用した特産品の開発といったものを検討しているところでございまして、これらの内容につきましては、市町村等の意見も伺いながら、今月予定しております三陸防災復興博(仮称)準備委員会及び実行委員会で決定する予定としております。
また、これはオープンエリア型での開催ということでございますので、実行委員会が主体となる企画のほか、県や市町村、民間が実施する事業とも連携し、相乗効果が上がるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私がイメージする、例えばパビリオンを回るとか、全くそういうものではなくて、かなり地味なものというイメージでよろしいわけですね。
次に予算のことでありますけれども、先ほど、岩崎委員のほうからも予算について示してほしいということで、今、精査しているので答えられないということでしたが、国体のときも、まずこのぐらい、百何十億でしたか、そういうことで最初にこの範囲でという形で示されて、それに対して募金を集めるとか、そういうやり方だったのですけれども、今回、事業をこれからどう企画していくかということによって大きく変わってくるとは思うのだけれども、大体このぐらいはかかるだろう、このぐらいの予算規模でやろうという想定は当初からしているはずだと思うのですが、どのぐらいを見込んでいるのか程度でもお示しできないでしょうか。例えば5億円とか10億円とか20億円、30億円、そういうことで、このぐらいが復興行事としては可能なのじゃないかという見込みはあると思うのですけれども、それを示されませんか。
〇菅原地域振興監 現在、効果的な事業を展開していくためにどういった企画があればいいかということで、事業者からの提案を受けて、それをたたき台として、準備委員会の委員あるいは沿岸の市町村長の御意見等も踏まえながら検討を進めているところでございまして、これらの事業を積み上げ、さらには事業について、会場市町村となる市町村の体制といったところも勘案して、実現の可能性等も詰めていく必要がございますので、それらを組み合わせながら、総合的に事業費については検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私は、大体このぐらいの予算でというものを決めないとまとまりがつかなくなると思いますし、一体どういうものをやっていくのかというそのものも見えてこないと思うのですけれども、では、予算の規模も何もなくて、まず積み上げて、最終的に財政課でいいと言われれば、それで行くという、そんなことなのですか。
〇菅原地域振興監 事業の検討に当たりましては、現在、委託事業を発注いたしまして、その中で企画の検討のたたき台をつくっているところでございます。これにつきましては、事業費の一応の目安として、実行委員会とすれば、5億円程度をまずは一つの基準として検討をお願いしたいということで発注をしておりますけれども、ただ、この5億円につきましては財政的な裏づけがあるものではございませんので、まずはこれをたたき台として、必要な事業規模というものを精査してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 通告していました市町村の役割とか財政的、人的負担については、先ほど、岩崎委員のほうからも同じ質問がありましたので、最後に行きます。
これも同じような質問になりますが、三陸防災復興博(仮称)を平成31年度に何としても行わなければならない理由をもう一度教えていただけないでしょうか。
〇菅原地域振興監 2019年に開催する理由ということでございますけれども、繰り返しになりますが、この行事につきましては、復興に力強く取り組んでいる地域の姿を発信し、東日本大震災津波の風化を防ぐとともに、国内外からの復興への支援に対する感謝を示しながら、また、被災県として大震災津波の記憶と教訓を伝え、日本国内や世界の防災力向上にも貢献していこうとするものでございます。
こういった意義のもとに、この開催の時期につきましては、三陸鉄道の一貫経営あるいは陸前高田市に設置する(仮称)震災津波伝承施設の開館、釜石市におけるラグビーワールドカップ2019の開催など、三陸地域が国内外から大きな注目を集めるチャンスでございますので、この2019年の上期に、市町村を初めとする関係団体と連携しながら、広域的、総合的な防災復興行事を三陸地域全体で集中的に開催することにより、国内外からの関心や認知度を一層高めることができるものと考えてございます。
〇佐々木努委員 そういう大きなイベントがちょうどその時期に来て、一体的にやることがチャンスなのだという話は知事も本会議のときにお話をされましたけれども、私もすごいチャンスだと思うのです。ラグビーワールドカップができるのは全国で数カ所ですし、しかも、あれだけの被害があった釜石でラグビーワールドカップができるということは本当にすばらしいことで、関心を集めるすごいチャンスだと思うのです。だから、そのチャンスを生かしてもらいたいというのは、私もそのとおりですけれども、そのチャンスをそこで、平成31年度で終わらせてはだめだと私は思うのです。そのほかにも定期フェリーの就航とか、いろいろ行事がそこに重なる、それはそれで一体的にやればいいけれども、では、それが終わったらどうするのだということを県は考えなければならないのではないかと。復興防災行事をそこにぶつけて、精力、労力から何からみんなそこにつぎ込んで、そこで終わったら、その先の復興は一体どうなるのだということを考えるべきじゃないかと私は思っていて、これも一般質問のときに言いました。私は反対ではないと。やること自体は反対ではないけれども、やることに対してマイナス要素がいっぱいあるのに、わざわざそこにぶつける必要がどこにあるのかと。それをずらして、例えば次の年、東京オリンピックに重なりますけれども、もしかしたらこっちには直接影響がないかもしれないので、じゃ、オリンピックの年に合わせてこっちで復興イベントをやるとか、その次の年、10年過ぎたから、応急仮設住宅もみんな撤去されて、派遣の職員の方々もみんなお帰りになって、よし、いよいよ岩手県はこれから頑張るぞというものを示すためにそういう時点でやるとか、そういうふうに考えるのが普通じゃないかと私は思うのです。
知事は、マニフェストに復興博を盛り込んで、何としてもやはり来年の任期までにはやりたいという気持ちも私はわかるのですよ。それはわかりますけれども、絶対守らなきゃならない公約と、守らないほうがいい公約とがあると私は思うのです。それは知事ひとりだけの考えということではなく、県職員の方がこんなにたくさんいらっしゃるし、岩手県、あるいは復興のために頑張らなきゃならないと思っている方がたくさんいらっしゃるのだったら、人的、経済的なこと、そういうものを考えれば、この時期はまずいのではないですかとか、もうちょっと先延ばしをしてオール岩手で取り組むことが大事ではないですかということを議論できる、言える状況をつくるべきじゃないかと私は思うのです。これは聞いてもちょっとあれかもしれませんけれども、私はそういうことが必要だと思うのです。ですから、来年度いろんなものが重なる、しかも復興途上にある中での復興行事というのがどうしても理解できないのです。部長から、私が理解できるような、どうしても来年度やらなければならない、そういう理由をもう一回私に説明してくださいませんか。
〇藤田政策地域部長 三陸防災復興博(仮称)のことについて、復興途上の中で開催することについての課題ということは私どもも重々承知しておりまして、そうした中で、大変難しい判断でありますけれども、2019年に特にラグビーワールドカップという海外の方が多く集まるビッグチャンスを捉えていくということは大変重要なことではないかと思っていますし、復興途上であっても、復興需要がこれから縮小していく中で、三陸地域の今後の地域振興をどうしていくのかといった懸念といったところへの対策といったことも早目早目に打っていくべきなのかと考えております。
そうした中で、先ほど申し上げたラグビーワールドカップで特に海外からお客さんがたくさん集まる時期を捉えて、60日間程度、集中的に三陸地域をアピールするというようなイベントを開催するということは、その後のインバウンド対策にもより大きな効果が出てくるのではないかと思っていまして、また、そういったことも目指してやっていかなければいけないという思いで取り組んでまいりたいと思っております。
〇佐々木努委員 部長も言いづらいことがあると思いますし、いろいろお考えのこともあると思いますので、これ以上のことはお聞きしません。私は、言うべきことは言いたいと思ってはっきり申し上げますけれども、岩崎委員と同じように、時期を変えるべきだと。2年後あるいは3年後、本当に県民が、この時期ならみんなで頑張ろうという時期に計画を改める、そういう勇気が必要だと私は思うし、そういう先を見る目というものも必要だと思います。
ラグビーワールドカップのお話もされましたけれども、あれは、あれだけで十分なチャンスなんですよ。そのほかに広げなくても、あれだけで人を呼べる。チャンスは1回だけじゃなく2回、3回と自分たちでつくって、何度もチャンスをつくって人を呼ぶようなことをしていかないと、そこで一発打ち上げ花火を上げて、それで終わりということには絶対してはならないと思いますので、準備委員会、実行委員会が年度内にあると思いますが、私は、準備委員でも実行委員でもありませんけれども、これは時期を変えて延期すべきだということを今はっきりと申し上げたいと思います。
〇飯澤匡委員 関連。今の三陸防災復興博(仮称)は、どうも、皆さん方の苦渋の答弁をひたひたと感じるわけですよ。
まず第1に指摘しますと、ラグビーワールドカップというのは9月、10月ですよね。それと軌を一にするというお話は説得力がかなり低いのじゃないかと思います。
もう一つ、6月、7月というのは参議院議員選挙ですよね。市町村のいろんな人的負担というのも多いのではないでしょうか。
それを踏まえて一つ質問しますが、成功というメルクマールは今の時点でどういうことを考えているのか。これをやったら大体成功だと。まさか、お金を突っ込んで、それで成功だということにはならないと思うのですが、その点についてお答え願います。
〇菅原地域振興監 成功のメルクマールということでございますけれども、現在、具体的な目標というところはまだ掲げておりませんけれども、復興の取り組みの現状を発信する、そして、まだ復興に取り組んでいるという現状を発信していくということが重要と考えておりますし、また、交流人口の拡大につなげていかなければならないということで、やはり県外からのお客様や誘客がある程度一定数図られることが一つのメルクマークになると考えております。
また、このイベントをこの先の三陸振興につなげていくということで、現在、例えば三陸DMOセンターでは地域資源を生かした観光プログラムや体験プログラムの造成等に取り組んでいるところでございますし、また、食材を使った商品開発といった取り組みを進めながら、防災復興行事を一つのスタートラインとして、そこで成果を発表しながらその先の振興につなげる契機にしていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 以前、総務委員会で今の途中経過を鈴木地域連携推進監からお話しいただきました。そのとき課題として、人口が急減している中で、人材育成という観点を忘れてはならないという話をした記憶があります。今までの質疑の中で全然出てこないんですよね、被災地の人材をどう育成していくか。お金を投資して、どの程度効果が出るかということは、今、被災地に一番重要なのは確かに交流人口の拡大ですが、これは、私は、ラグビーワールドカップ2019が十分それに対応するということで2019年は恐らくいいのだろうと思います。ですから、お金の投資の仕方として、本当にこういう防災復興博を2019年に行う必要があるのか。ましてや復興庁はことしを含めてあと3年あるわけです。ですから、何かと軌を一にする、そういうタイミングというのは、佐々木努委員がおっしゃったように、市町村との信頼関係の中で連携を図っていく上では、時期は、前段申し上げたことも含めて、考え直すのが被災地自治体にとってもありがたい話だと私は思います。
これは、知事がマニフェストに掲げたのでやらざるを得ないと。皆さん方も大変な立場でなさっているのは私も重々承知しています。ただ、お金を投資するのだったら効果が出る方策で考えていかないと。とにかく今の達増県政は、シンポジウムをやって何人集まったから成功というようなイベント型でやって、私はそれを一番おそれているのです、お金の使い方として。
ですから、もっと実のある人材育成、人をつくっていくという観点で復興博をやるのだったら、私は大賛成です。だけど、今の話を聞いているとどうもその骨格自体も揺らいでいる感じがするし、その時期についても説得力が欠けるような感じがしてなりません。
やっぱり被災地自治体の方の心情をよくおもんぱかって、来年、ラグビーワールドカップがあるのだったら集中的に9月、10月、釜石にどどーんと人を入れて、交流人口の拡大をここを基点にしてもう少し頑張りましょうとやったほうがよほど効果が出ると思うのですが、私の言っているのは間違いでしょうかね。関連ですから、所感を求めて、これでやめます。
〇菅原地域振興監 御指摘をいただきましたように、人材育成は重要な視点だと考えております。現在、DMOで旅行商品造成の取り組みをするに当たりましても、やはり地域のキーマン、旅行商品を造成できるようなプランナーの育成ということで人材育成の取り組みをしておりますので、そうした成果が防災復興博の中でも発現できるように取り組んでまいりたいと考えておりますし、さらには、民間の取り組みも巻き込みながら、それぞれ地域振興に取り組んでいる成果も防災復興博の中で発現できるように、多様な主体の力を結集しながら相乗効果が上げられるようなイベントにしていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 関連。少しだけ聞きたいのですけれども、まず、今回、三陸防災復興博(仮称)の主催者は誰になるのかということと、関連する自治体の位置づけ。また、主催者という話をしたので、どういった形の組織でこれを運営するのか教えていただけますか。
〇菅原地域振興監 三陸防災復興博(仮称)の開催準備ということで、現在、準備委員会を設置しておりますけれども、その後、実際に実行に移していく実行組織として、実行委員会を年度内に立ち上げる予定としております。よって、防災復興行事の主催者につきましては実行委員会になります。
これに加え、実行委員会が主催する事業とあわせて、県が実施する事業、市町村が実施する事業、あるいは民間の取り組みを組み合わせながら、相乗効果が上がるような行事にしていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 そうすると、例えば開催する、開催しないというような最終的な意思決定、これは準備委員会が行うことになるのでしょうか。
〇菅原地域振興監 準備委員会におきましては、基本構想を昨年11月に決定したところでございますけれども、この決定した基本構想に基づき、基本計画案を決定することとしております。それから実行組織に移行しますので、実行委員会で基本計画を策定するという流れにしております。最終的な基本計画の策定については実行委員会で行う予定としております。
〇福井せいじ委員 基本計画の中には例えば開催期間や会場、組織も含まれる。これを決定するのは準備委員会ということでよろしいのですか。そうすると、その意思決定者は準備委員会で、準備委員会の構成者は誰になるのですか。
〇菅原地域振興監 準備委員会につきましては、知事を会長としまして、沿岸13市町村の首長と市長会、町村会の会長、そして各種団体の長で構成しているところでございます。また、沿岸地域選出の県議会議員の皆様にも顧問として加わっていただいておりますが、実行委員会につきましては、オール岩手の体制での推進ということで、内陸の市町村と、そして顧問として全議員の皆様に加入していただきたいという方向で検討しているところでございます。
〇福井せいじ委員 そうすると、準備委員会によって詳細を最終的に意思決定するということで、最終的な意思決定がいつになるのか聞いて終わりたいと思います。
〇菅原地域振興監 3月下旬、具体的には23日の開催ということで調整を進めております。
〇柳村岩見委員 関連。短くお尋ねしますが、やるということが決まらなかったら準備委員会は結成されないのではないですか。だから、そこで決まる話などという答弁はないのではないですか。やるということが決まって準備委員会が開かれ、実行委員会に変わっていくということでしょう。だから、意思決定はもっと前ですよ。
〇菅原地域振興監 準備委員会で基本構想を決定しておりまして、その中で、2019年6月から9月の間の60日間程度の開催ということで、それについては意思決定がされているものと考えております。
それに基づき、具体の実施内容ということで基本計画の策定に今、取り組んでおりますので、その基本計画の意思決定については実行委員会でなされるものと考えております。
〇伊藤勢至委員 関連。ただいま三陸防災復興博(仮称)についていろいろ意見が交わされたようでありますけれども、私は、いつまでも東日本大震災津波の忌まわしい思いにとらわれ過ぎておりますと、復興して立ち上がっていこうというきっかけがないままに自然死をして命を終わっていく人があるのではないかと。7年がたちましたから、ここで宗教論を交わそうとは思いませんけれども、私は今まで死なない人を見たことがありません。これまで7年、宮古市の場合は自然死が毎年400人ぐらい、産まれてくるほうが300人から350人となっていますから、どこの市町村だって1年ごとに亡くなっていく人がいらっしゃるはずです。その原因が大自然災害であれ、あるいは病気であれ、全くの天寿を全うした方であれ、死なない方はない、こういうことになると思います。
ただ、忘却とは忘れ去ることなりということを知っている人間でありますから、つらい思いは思いとして伝えていかなければなりませんけれども、そこからさらにみんなで立ち上がって、いいものをつくって次の人に残していこう、こういう決断をいつかしなければならないのも当然だと思います。仏教の世界では、人が亡くなって葬儀をしない方はいません。一回忌、三回忌、七回忌、十三回忌、三十三回忌、五十回忌まではできないでしょうけれども、そういう仏教の中では-別に宗教がどうのこうの言っているわけではありませんが-神仏合体ということもありますけれども、人間はそういうものだと思うのです。
私も身内、あるいはもっと親しい兄弟分のような人も亡くしておりまして、本当に大変な場面を見た思いというのはいまだに胸の中に残っていますけれども、いつかはそばに行くという思いもあったり、そういう中で、いつまでも事象にこだわっておりますと、子供がまず元気が出てこないと思います。自分よりも若い者にいいものを残していく、それのきっかけにする、そういう精神的なものを含んでいるのであれば、それが早いか遅いかは終わってからの判断ということになるのではないかと私は思っております。
そういう中で、方向性もやる方向に立ってきたのであれば、そういうことも考えながら、大変な大災害には遭ったけれども、ここを乗り切っていかなければならない、そのきっかけの日にしようと。今まで沿岸地域は何度も大きな津波の被害を受けていますから、あるいは縄文、4、000年前にはすい星が地球にぶつかって、奥州市江刺のあたりには400メートルの津波が来たという本を書いている人もいますから、そういうものを読めば、人間がいかにちっぽけなものであるか、人がどうのこうの決めたことに対して、結果が出ないうちにそんたくをすることはない。したがって、決めたら、みんなでいいものを残す、そういう方向でおやりになっていただきたい、このように思います。
〇阿部盛重委員 先ほど、工藤勝子委員、佐々木朋和委員からも質問がありましたが、ILCについてちょっとだけお伺いいたします。
フランス、ドイツがILC建設に積極的で、日本の体制が整っていないのはまずいと。文部科学省などへの働きかけを強めるようにというようなお話もありました。先ほど、2月7日に誘致に向けた過程や投資、人材の国際分担の考え方について早期明示を要望されたようですが、文部科学省からは具体的なお話というのはありましたでしょうか。
〇熊谷ILC推進課長 要望に対する文部科学省からの指示等についてでございますが、先般の要望の際、文部科学省としては、国際リニアコライダーに関する有識者会議の検証結果を踏まえて今後の対応を検討する旨のお話があったところでございます。こういったことから、この1月から再開された有識者会議の作業部会に、必ず職員を出席させ、状況を確認しているところでございます。
〇阿部盛重委員 文部科学省からそういうお話であれば次の段階に進まれると思うのですけれども、2月20日から22日にILD(国際大型測定器)の研究チームによりまして国際会議が開かれ、測定技術の開発、性能評価が発表されて本県のPRが行われましたけれども、研究者から何か具体的なお話はありましたでしょうか。
〇熊谷ILC推進課長 国際会議への支援に対する研究者からのお話でございますが、県では、一昨年、盛岡市で開催されたリニアコライダーワークショップ2016の経験を生かしまして、各種学会等の誘致を初め、各種機会を活用した国内外への本県のPRに努めているところでございます。
今般行われたILDミーティングは、ヨーロッパを中心に63名の研究者の方々が参加しておりまして、議論に集中できる会議室の選定や宿泊ガイド、緊急のけが、病気の際の医療通訳の派遣などの準備を進めてきたところでございます。また、開催地の一関市を初め、関係自治体、県の推進協議会とも連携し、ILC普及啓発活動に係る地域の取り組みを発信する展示や、物産品、郷土芸能の紹介などを行ったところでございます。こうしたことから、主催者からは、地元からの運営支援により円滑に会議が開催された。また、参加者の方々からは、建設候補地への理解が進んだという声もございまして、おおむね評価をいただいたものと考えております。
〇阿部盛重委員 中国国内でILCのライバルとされる巨大円形加速器-CEPCが2020年ごろに計画中というお話でありまして、ILCへの参加も視野に入れて考えているようですけれども、CEPCの開発が現実のものとなるとILCの計画が非常に厳しくなるのではないかという懸念もあるようですが、その点はどのように分析されておりますでしょうか。
〇熊谷ILC推進課長 中国の計画によるILCへの影響についてでございますが、中国においては、本年1月、大型科学技術プロジェクトで国を主導する方針を打ち出しておりまして、巨大円形加速器建設計画の設計が進められているとの報告があるところでございます。
ILCは、世界の研究者により約30年にわたって検討されてきており、世界にただ一つ建設されるものとして進めてきているところでございまして、中国の動きはこうした流れとは全く異なるものでございますが、ILCの全体計画に影響がないとも言い切れないと考えております。このため、去る2月7日には、国に対して、中国の動向やヨーロッパの5カ年計画も含め、ILCの早期実現について要望を行ったところでございます。
〇阿部盛重委員 誘致活動が本格化して以来、ヨーロッパの次期科学計画が2020年5月に実行されるためにことし夏ごろの最終判断が想定されているようですけれども、夏までにどのような行動をされて誘致決定までこぎつけるのかお伺いいたします。
〇熊谷ILC推進課長 まず、国の誘致表明に向けた取り組みが最も重要な時期という認識から、関係団体等と連携して、さまざまな機会を通じた国等への要望活動に取り組んでまいります。
また、全国の盛り上げのため、首都圏等でのPR、国内外からの具体の応援の促進、建設候補地としての東北マスタープランを踏まえた受け入れ環境の整備が政府の判断の後押しとなるものとして取り組んでまいります。
あわせて、ILCの効果が最大限発揮できるよう、第1次産業から第3次産業までの産業振興策の取りまとめや、外国人研究者の生活環境や医療、教育などへの対応による多文化共生社会の構築にも取り組んでまいります。
〇阿部盛重委員 いずれ岩手県民全員が誘致決定を望んでおりますので、いろいろな課題等あると思いますけれども、行動のほうをよろしくお願いいたします。
〇城内よしひこ委員 バス路線についてお伺いします。
佐々木朋和委員が先ほどやりましたので、私は、被災地に新たにできた団地等へのバス路線の状況についてお伺いしたいと思います。
〇渡辺交通課長 被災地の新たな団地等への路線の状況についてでございます。
平成29年6月に市町村を対象として、県が行った調査によりますと、調査時点で完成している災害公営住宅、防災集団移転地合計231カ所のうち、バス路線等の経路になっている箇所は212カ所、率にして91.8%となっております。このことにより、災害公営住宅における公共交通はおおむね確保されているものと認識しております。
なお、残る19カ所、8.2%につきましてはバス路線の経路となっていない状況でございますけれども、この主な理由といたしましては、まちづくりに合わせた路線の再編を検討中であることなどから、今後の路線の再編に伴いまして、さらに災害公営住宅等の公共交通の確保がなされていくものと考えております。
〇城内よしひこ委員 バス路線については、交通弱者と言われる方々の大切な足でありますので、ぜひそういった方々に対する配慮を忘れず、新たにできる団地等への配慮もお願いしたいと思います。
次に移ります。
マイナンバーカードについてお伺いしたいと思います。
まず、マイナンバーカードの利用状況、普及状況はどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇菊池情報政策課総括課長 本人の申請に基づき交付されるマイナンバーカードにつきましては、マイナンバーを必要とする手続の際、このカード1枚でマイナンバーの提示と本人確認を完了することができる公的な身分証明書となるほか、カードのICチップが持っている個人認証の機能によりオンラインでの税の確定申告等の手続を行うことができるほか、現在、県内では、宮古市など5市町で住民票などのコンビニ交付、陸前高田市など10市町においては、児童手当などの子育てに関する手続のオンライン申請の環境を整備しており、マイナンバーカードを活用した住民の利便性の向上の取り組みを進めております。
さらに、葛巻町では、国の事業も活用しながら、平成28年度からマイナンバーカードの個人認証機能とケーブルテレビを活用しまして、高齢者世帯への見守りといいますか、健康管理や行政情報の発信といった事業にモデル的に取り組むなど、市町村においてもマイナンバーカードの活用の取り組みや検討が進められている状況でございます。
〇城内よしひこ委員 取り組み状況についてはそのとおりでありますが、カードを申請して、それを皆さんが持つようにはなっていないと私は思っています。そのカードを持つような方向に行かない理由として、いろいろなところでマイナンバーカードが周知、認知されていなくて、例えば、まだ免許証はありますかという形でお話しされるということがあると思います。
そういうことを考えますと、今後はそういったことを解消するためにいろいろな普及活動が必要だと思いますが、今年度以降、どういう形で普及に取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。
〇菊池情報政策課総括課長 マイナンバーカードの普及に向けた取り組みについてでございますが、本年1月末時点でマイナンバーカードの交付状況は全国平均で国民の約10.5%、本県でいいますと県民の約9.5%となっており、県民、国民とも交付がなかなか進んでいない状況はそのとおりでございます。
カードの普及促進に向けては、県民の方々にマイナンバーカードを持つことの利便性やメリットを享受できる環境を整備しながら、あわせて広く取得に向けた周知を行っていくことが重要と考えております。
県としては、まずはその普及率向上のため、県職員が率先して取得しましょうということでさまざまな機会を捉えて積極的に啓発しておりますし、運転免許センターに対して、運転免許証の返納者にカードの取得を呼びかけていただく要請や、あとは市と連携した取得促進キャンペーンなどの取り組みも行ってきたところです。
県では、今後も引き続き、こうした啓発活動に加え、先ほど触れました、一部市町村で行っている住民票のコンビニ交付や子育てに係る手続のオンライン申請の環境整備に取り組む市町村を拡充していくことや、現在、国が自治体のポイントとクレジットカード会社のポイントを合算して地域の特産品の購入に充て、地域経済を活性化していきましょうというようなモデル事業を実施しておりますが、そちらへの市町村の参加を呼びかけるなど、そういった市町村への働きかけなどを行いながら、市町村と連携してカードの普及促進に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 岩手県は広い県土で、コンビニもない地域もありますし、御高齢の方々はまだ認知度も低いけれども、もう既にマイナンバーが付与されていますから、必要性を感じていないわけではないと思います。ただ、それを利便性に変えていく仕組みがまだ見えてこないからチャレンジしないのだと思いますが、その辺について、少し気合いを入れてやらないといけないのではないかと思いますが、どのように感じていて、今後どうやっていこうかという意気込みを、部長にお伺いしたいと思います。
〇藤田政策地域部長 マイナンバーカードの普及につきましては、大変現状としては低迷しているところでございまして、私が着任してからもこの普及促進に力を入れていこうということでやっているところでございます。やはりおっしゃるとおり、マイナンバーカードを持つことによるメリットが余り認識されていないのではないかと思っておりまして、先ほどお話のあった、LINEというアプリを使って子育て関係の申請をオンライン上でできるもの、あるいはそれ以外でもオンライン上でいろいろな行政手続ができるというメリットがございます。実はこういった手続というのは、役所の窓口があいている時間帯にわざわざ役所に出向かなくてもできる。これは、考えてみれば、子育て世代への支援、あるいは働き方改革にも資するものではないかと思っていまして、県庁の中でも関係部局にも依頼しまして、いろいろ関係する団体にそういったメリットを愚直にアピールしていくことをお願いしているところでございまして、引き続きその普及に向けた取り組みを一層考えてまいります。
〇城内よしひこ委員 まず、県の窓口等で免許証の有無を聞く前にマイナンバーカードをお持ちですかと声がけができるようになっていかないと、私は普及していかないと思います。免許証に負けないように頑張ってほしいと思います。
次に移ります。
三陸ジオパークについてであります。
本会議等でも質問に取り上げられましたけれども、条件つき再認定の理由と、再認定に向けた取り組みについて再度お伺いしたいと思います。
〇竹花県北沿岸振興課長 条件つき再認定の理由と再認定に向けた取り組みについてですが、審査を行った日本ジオパーク委員会からは、三陸ジオパーク推進協議会の体制強化に関する課題を中心に、関係機関との情報共有や連携、ジオパークの理解や活用に関する課題の指摘があったところです。
こうしたことから、県としては、来年度、環境生活部にジオパークの専担組織を設置するとともに、三陸ジオパーク推進協議会の事務局体制も拡充するなど、県と協議会の推進体制を強化してまいります。さらに、協議会の構成団体である沿岸市町村においては、ジオパークの地域への浸透と活用を推進する地域協議会の設置についても検討していただいているところでございます。
現在、協議会の構成団体である市町村、これは市町村長の参加もいただきながら、今後2年間の改善策を盛り込んだ行動計画の策定に取り組んでおります。推進体制の強化と行動計画の的確な実行により、次回の再認定審査に万全を期してまいります。
〇城内よしひこ委員 私は、以前、一般質問で世界ジオパークを目指すべきだという話をしましたが、日本ジオパーク委員会の評価がこれだけ悪いということは、この間の取り組みに問題があったのではないかと。首長の方々からは、もう少し県に頑張っていろいろな意味で音頭をとってほしいという話をされてきました。その結果が日本ジオパーク委員会の指摘につながっていると思いますし、条件つき認定ということでありますので、短期間にこれを回復しないとこれは認定されないことになると私は思っています。取り下げということなのかどうかわかりませんが、ぜひ取り下げにならないような形でしっかりとやってほしいと思います。
これは次の質問にも関連しますけれども、潮風トレイルということで、今いろいろな方々に沿岸地域に来てもらっていますし、震災遺構も見てもらったり、観光の目玉にもなっています。そういうこととの連携をする上でも、やはりジオパークであるかないかというのは大きな問題だと思います。
以前、私は、女性の方々は、地質を見てもなかなか興味が湧かないという話をしたことがあります。若い女性の方々が興味を持ってくれるようなことも含めてPRしていかないと難しいような気がするのですが、その辺の取り組みと連携についてはいかがでしょうか。
〇竹花県北沿岸振興課長 みちのく潮風トレイルとの連携についてですが、三陸ジオパークの理解や活用を一層推進するためには、環境省が整備を進めるみちのく潮風トレイルとの一体的な取り組みを進めていくことが重要であると考えております。このことから、平成30年度当初予算案に計上している三陸ジオパーク活用強化事業では、ジオパークやみちのく潮風トレイルをテーマに、旅行商品の造成等による国内外からの誘客、道の駅等でのインフォメーション機能の強化による周遊環境の整備、あわせまして、VR(バーチャルリアリティー)技術を活用したトレッキング等の魅力を発信する取り組みを実施してまいりたいと考えております。
環境省とは、三陸ジオパークの認定以来、現地の自然保護官事務所を中心にジオパーク活動の推進にも協力をいただいており、今後もさらに協力関係を発展させ、ジオパークとみちのく潮風トレイルが一体となった取り組みを推進してまいります。
〇城内よしひこ委員 ぜひお願いします。環境省のレンジャーの方々は、出先機関の方ですので、機関決定するのにちょっと時間がかかるということがありますので、その辺のラインもしっかりと再構築というかパイプを太くしてほしいと思います。
今、説明がありましたトレッキングコースですけれども、東日本大震災津波あるいは平成28年台風第10号と毎年のように来ている爆弾低気圧等で遊歩道が傷んでいます。そういった整備も県が主体的に関与していかないといけないのではないかと思います。もちろん環境省に対する要望も必要だと思いますが、そういう連携はそこまでできているのでしょうか。
〇竹花県北沿岸振興課長 遊歩道整備につきましては、環境生活部の自然保護課が担当しております。ジオパークの関係も含めてそちらとは連携しておりますし、環境省との連携、あとは市町村からの要望についてもしっかり把握して実施しているところです。
これは環境生活部の事業になりますけれども、国の補正予算に対応し、平成29年度補正予算での遊歩道整備等も追加計上しているところでございまして、速やかな復旧等を含めて遊歩道の整備を進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 残りの遊歩道の部分は環境生活部で再度お伺いします。終わります。
〇柳村一委員 三つほど聞こうと思っていましたが、重複していますので、私の聞きたいところだけお聞きします。
まず、高等教育機関連携推進費についてお伺いします。岩手県立大学雇用創出研究推進事業費とふるさといわて起業家人材育成道場プロジェクト事業費については、午前中、中平委員の質問で答弁されているので、割愛させていただきます。
その答弁の中で、地方大学・地域産業創生事業についてお話しされていましたけれども、この事業について、平成30年度の事業はどのような形で取り組むのか、その点についてお伺いします。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 国の平成30年度当初予算案に計上されました地方大学・地域産業創生事業についてでございますが、地域の産業振興、専門人材育成等の取り組みを推進し、地域の生産性の向上と若者の定着を促進するとともに、全国や世界から学生が集まるキラリと光る地方大学づくりを推進する大学の取り組みを支援するものでございます。詳細な事業スキームや公募の方法につきましては、現在、関連法案が国会で審議中でして、成立次第示される見込みでございます。現在得ている情報によりますと、産学官連携のコンソーシアムを構築して計画策定を行うこととなる予定でございます。
また、全国や世界から学生が集まる魅力ある大学組織改革の一つのポイントとなるものと考えております。こうしたことから、詳細が明らかになった際に速やかに対応できるように、現在、岩手大学や県立大学を初めとする関係機関と情報共有を図りながら、その活用に向けた検討を進めているところでございます。
〇柳村一委員 国の指針の詳細が示される時期というのは、現時点でいつごろかおわかりですか。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 現状のところ時期については確認できておりませんけれども、いずれ新年度早々にも具体的な、先ほど申し上げました計画づくりといった段階に入ることも想定されますので、それに備えて関係機関と協議、相談を進めているところでございます。
〇柳村一委員 示されてから一生懸命つくるのもいいのですけれども、素人考えですが、岩手県立大学雇用創出研究推進事業やふるさといわて起業家人材育成道場プロジェクト事業、あと、大学に関係するものであれば、いわて戦略的研究開発推進事業費、これらはたしか県単独予算でやっている事業ですよね。こういう今やっている事業を絡めて国費で行うということが県としてはいいのではないかと思うのですけれども、そこら辺を絡めてというようなことは考えられるのでしょうか。
〇小野政策監兼ふるさと振興監 現在行っております二つの高等教育機関連携推進費についてでございますけれども、国の特別交付金を活用して行っているものでございます。また、現在、国会において審議中の地方大学・地域産業創生事業につきましては、先ほど申し上げましたように、大学における組織改革といった点、それから地域の産業振興、そして専門人材育成、この三つが大きなポイントとなっているところでございまして、特に大学の組織改革といった点をうまくこの計画の中に絡めることがポイントとなっております。その際には、世界、そして我が国のかなり優秀な研究者なども招聘し、事業の計画の中にそれを取り込んでいくことも見込まれるところでございますので、既存の事業とはまた別に、大学の専門的な知識等も生かしながら計画づくりを進めてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 全国に発信できるような新しい事業を創生していただいて、全国から学生が集まるような大学づくりを目指していただきたいと思います。
次に移ります。
今、城内委員が話していました三陸ジオパーク活用強化事業費についてお伺いしたいのですが、内容については城内委員が質問しましたので、私は、内部的な部分についてお伺いしたいと思います。
この事業を環境生活部に移管した理由と、三陸ジオパークの今後の各部局の役割分担はどのような考えなのかお伺いします。
〇竹花県北沿岸振興課長 環境生活部への移管につきましては、ジオパーク業務が環境生活部に移管されるのに伴って事業も移管されることになっています。
また、三陸ジオパークの各部局の役割分担ですが、ジオパークの取り組みは、資源の保護や保全、教育、観光等による地域振興など多岐にわたることから、2年後の再認定審査も見据え、関係部局が一体となって取り組みを加速していくことが必要と考えています。このことから、今後、庁内に関係部局で構成する三陸ジオパーク推進本部(仮称)を設置するなど、ジオパークの取り組みを部局横断で実施できるよう取り組んでまいります。
〇柳村一委員 部局横断でということは、全部の部局でやるということで理解してよろしいのでしょうか。
あと、2年後の再認定調査のためにそれをやるということですけれども、もしおわかりであれば、条件つきで今回認定されたのですけれども、その条件というのはどういうものだったのかお伺いします。
〇竹花県北沿岸振興課長 条件につきましては、三陸ジオパーク協議会が広大な範囲を持つ三陸ジオパーク全体を統括的に管理運営しているとは言いがたいというところと、地域及び関係機関との情報共有と連携が不十分といったこともあってジオパークの理解と活用が進んでいないというところが、日本ジオパーク委員会から発表されています。
このほか、日本ジオパーク委員会から、運営体制や保全に関してはこういう点にということで、細かなところについての指摘を書面でいただいているところでございます。
〇柳村一委員 ジオパークはなかなかいいものですし、進めていただきたいと思いますけれども、県民にまだ理解されていない部分というのは大きいと思います。2年後に向けて部局横断でやるということですので、そこら辺もしっかりと踏まえて検討していただきたいと思います。
もう一点、交通対策費についてお伺いします。これも佐々木朋和委員と重複していますので、質問の要旨の部分は割愛させていただきます。
個別的な部分でお伺いしたいのですけれども、地域公共交通網形成計画の策定状況についてですが、平成29年11月末に策定済みの県内の市町村は8市町になっており、今後、策定予定の市町村もありますけれども、策定予定がない市町村もあるということで、この計画というのは策定義務はないのでしょうか、そこら辺についてお伺いします。
〇渡辺交通課長 策定の義務はございません。
〇柳村一委員 県が、交通政策をやるに当たっては、市町村の交通網の形成計画を踏まえた上で広域的にどうやっていくか考えるのが一番いいと思うのですけれども、そのときに策定予定がないところがあったり、もう策定していて、次の実行計画の認定を待っているところもあるわけです。そのときに広域交通についてどのような考え方をしているのかお伺いします。
〇渡辺交通課長 先ほども御答弁申し上げましたが、今年度、国、県、事業者、有識者をメンバーとした地域公共交通検討会議を設置し、交通関係の方向性について御議論いただいたところでございます。その中で、やはり県として交通網形成計画を立てる必要があるということで、来年度当初予算案に計上させていただいております。県として交通網形成計画を立てるといった中では、全県というのもありますが、やっぱり地域によって実情が異なりますので、今のところ広域振興局ごとに地域別部会を親部会の下に設置し、地域ごとに検討することを考えております。当然、市町村におきましてもそれぞれ地域内の公共交通について交通網形成計画を立てたり、あるいは地域公共交通会議で検討をいただいているところですが、県といたしましては、県としての方向性を県の交通網形成計画でつくり、なおかつ市町村の交通網計画等と整合性を図りながらやっていくということで考えております。
〇柳村一委員 今年度から始めて来年度からだんだん実行していくという感じでよろしいのでしょうか。
〇渡辺交通課長 交通網形成計画は、来年度、新たに法律に基づく協議会を設置して、そこで交通網形成計画の策定についての検討を行う予定でございます。ということで、計画に基づく事業実施等につきましては再来年度以降ということになると思います。
〇柳村一委員 県としても交通網形成計画を立てるということで、有識者、自治体や事業者でやるということですけれども、協議会のメンバーに利用者も入るのでしょうか。
〇渡辺交通課長 来年度の交通網形成計画を作成するための法定協議会のメンバーといたしましては、先ほどお話のありました有識者のほかに、利用者として考えておりますのが、公共交通機関の利用者で一番多いのが高齢者と学生-高校生ということで、そちらの関係の方々にも入っていただく。それと、市町村につきましても、親の協議会に全市町村が入ると余りにも人数が多くなるということで、地域部会には全ての市町村に入っていただく。その地域部会の中から町村部あるいは市部の代表として親の協議会のメンバーになっていただくということを考えております。
〇柳村一委員 最後にしますけれども、地域にとって一番いい計画を立てていただくのがいいことだと思いますが、計画を立てても、今度はバス運転手の不足などの課題も出てきますので、運行面でもいろいろ考えていかなければいけない部分等があります。
その中で、スクールバスの活用をしているところがあったりデマンドバスを使ったりとかさまざまなことがあると思いますが、利用者にとっては、今、使っていて便利か不便かということしかわからないわけです。だから、いろいろなものを提示して、その中で、それだったら私も使える、これだったらこうやれば使えるというさまざま事例が出てくると思いますので、ただ話し合うのではなく、現状と成功事例、失敗事例なども踏まえた上でその会議をやっていただいて、より実効性のある計画にしていただきたいと思います。
〇田村勝則副委員長 提言でよろしいですか。
〇柳村一委員 はい。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時54分 休 憩
午後3時13分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ13人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑を続行いたします。
〇神崎浩之委員 1点、交通対策費についてお伺いいたします。これにつきましては、先ほど3人の委員から質問がありました。それだけ地域の足の確保ということは非常に重要で、大きな課題であります。今、運転免許証の返納が盛んに行われておりまして、車を運転できない高齢者の足の確保をどうするかということで、さらに課題に拍車がかかっております。
そこで、部長にお聞きしますが、これは東京で生活しているとなかなかぴんと来ないのですが、四国4県に匹敵する岩手県を回ってみていただいて、岩手県における地域公共交通の役割、今後の重要性、そして推進の決意まで含めてお伺いしたいと思います。
〇藤田政策地域部長 公共交通の関係でございますけれども、特にバスにつきましては、委員御指摘のとおり、通勤、通学、特に車をお持ちでない方、あるいは車を運転できない高齢者の方々にとっては、生活の足として大変切実な問題だと思っております。私自身も、岩手に来てから車を持っておりませんでして、そういう意味でもその必要性というのは非常に痛感しているところでございます。
地域公共交通については、役割分担として、市町村は各市町村で主体的にやっていただく、そして、広域的なところは県が主導的にとよく言われますけれども、そういった役割分担を基本としつつも、実際にはこれらが密接に連携してやっていかないと、うまくいかないのではないかと思っております。
そういった連携の一つとして、県といたしましても、市町村がそれぞれの地域の中でバスの路線を再編していく、あるいは地域によって、その実情に応じてデマンド型のタクシーに切りかえていくといったときに、専門人材の派遣を無料でやるですとか、あるいは実験的なところについて経費の補助をするといったことは現在もやっているところでございます。
さらに来年度は、今年度、検討会議で積み上げてきた議論を踏まえて全県的な地域公共交通網形成計画を策定していくという方針でございますけれども、この策定をしていく中でも、やはり各市町村との連結性というものが極めて重要ではないかと思っておりまして、先ほどもありましたけれども、地域別部会などを通じて各市町村とよくコミュニケーションをとりながら、最適な路線網というものを模索していくということで考えているところでございます。
また、検討会議の取りまとめの中では、特にバス事業者から、ICカード対応のシステムの導入ですとかバスロケーションシステムの導入については強い意見がございます。
私は、岩手県に来る前、3年間韓国におりましたけれども、韓国はバスの路線が非常に充実しておりまして、それに加えてICカード対応は当たり前になっている。バスロケーションシステムも非常に充実していまして、スマートフォンで自分が乗ろうと思っているバスが今どこを走っているかということも全部わかるようになっておりまして、そういったことも功を奏してなのか、若い方々から高齢者まで幅広い年齢層の方々が多く乗っているという状況でございます。
そういったことと比べると、岩手県もそうですけれども、日本が全体的にICカード対応ですとかバスロケーションシステムの導入が非常におくれているという実感がございまして、これは、すなわちバスを使おうと思っている潜在需要を逃しているのではないかと思っていますし、実際、私自身もそういう潜在需要を逃しているのではないかということを実感しているところでございます。
この点は経費の面が特に問題になるわけですけれども、現在、バス協会に出している県の補助もございまして、そういった状況も踏まえながら、バス事業者の要望にしっかりと応えるべく対応してまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 ICカードもスマートフォンもいいのですけれども、その前にまず路線をつくらないと活用されないということで、苦労している市町村に具体的なノウハウ、情報を提供していただきたい。先ほど、佐々木朋和委員の質問もあったわけなのですが、そこからもう少し市町村に踏み込んでいただきたい。
市町村は本当に困っているわけです。独自にいろんな方策に取り組み、そして悩んでいるわけですが、市町村、自治体のさまざまな対応状況、今後の推進の動きについてお伺いしたいと思います。
例えば巡回、循環バスとかデマンド型交通、福祉バス、患者輸送バスだとか、その他いろいろあるのですけれども、これらについて、県のほうでは、いくつの自治体で何路線やっているのかということを把握しているのかお伺いしたいと思います。
〇渡辺交通課長 ただいま委員からお話のありましたとおり、市町村におきましては、コミュニティーバスを中心に、ドア・ツー・ドアのデマンド交通やNPO等による自家用有償運送、スクールバスや患者輸送バスへの一般混乗などの多様な交通手段の組み合わせにより、地域内の交通ネットワークを構築しているところでございます。
平成28年度の数字になりますが、市町村が行う有償のコミュニティーバスにつきましては12市町村、デマンド交通につきましては11市町村、NPO等による自家用有償運送については4市町において行われているところでございます。また、無償のスクールバスが30市町村、患者輸送バスが15市町村で導入しているといった状況でございます。
高齢化の進展に伴い、日常の移動手段のみならず、医療、福祉といったものに対応するための広域的なものも含む移動手段として、公共交通の役割は今後一層増していくものと認識しております。県におきましては、市町村と密接に連携しながら、適切な移動手段の確保について支援していきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 先ほど、佐々木朋和委員の質疑中でアドバイザーを派遣するという答弁がありました。これについて具体的にもう少し教えていただきたい。
それから、公共交通利用推進事業は、地域課題の解決支援をする、地域公共交通再編活性化推進事業の中で全県的な公共交通のマスタープランを策定し、市町村の地域交通ネットワークを再構築するとなっているのですけれども、もう少し具体的に、どういうふうに市町村にアプローチしていくのか。連携とか、会議を一緒にいうことではなくて、どういうふうに踏み込んで市町村とこれらのことを進めていくのかお伺いしたいと思います。
〇渡辺交通課長 まず1点目、活性化支援アドバイザーの関係でございます。これにつきましては、公共交通に関する個別の地域課題の解決支援を通じて、公共交通利用や効率的な公共交通体系の構築を図るためにアドバイザー-具体的には大学の准教授の方あるいはNPOの専門家の方を派遣して、市町村に実際に行って個別に市町村の悩みを聞いたりアドバイスをするといった事業でございます。
市町村との関係ということでございますが、来年度、地域公共交通網形成計画を策定するために法定協議会を設置して、その中で本体の下に地域別部会を置くということにしておりますが、そこには全ての市町村に入ってもらい、具体的にその路線について、どういった指標でその路線を評価していくべきか、あるいは階層型ネットワークを組む際の結節拠点、乗りかえの拠点となる場所をどういったところに設定したらいいかとか、そういう具体的なものも含めてそこで検討していくということで考えております。そういった中で市町村としっかり連携してまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 先ほど、例えば有償のコミュニティーバスは12市町村、デマンド交通は11市町村という数字があったのですけれども、一つの市町村の中にあっても、巡回バスでやっているとかデマンド交通を使っているとか、いろいろな組み合わせがありますので、ぜひ、アドバイザーと一緒に県の皆さんも地域の実情を把握して支援していただきたい。
それで、どういうふうに路線をつくるかということが一番大切だと思うのです。自治体のほうで路線を組んでも、使えない時間帯があったりすれば、使えなくなるということで、私は、JR大船渡線のBRTに学ぶべきだと思っているのです。あれ自体は賛成ではないのですけれどもね。大船渡線は鉄路での復旧はされていないのですけれども、ただ、BRTを見ていますと、陸前高田市の復興に合わせてルートが変わったり、バス停がふえたりしているのです。ということで、それは住民の利便性、ニーズに合わせた路線の組み立て方、バス停の設置箇所を拡大していると思うのです。
そこで、BRTの運行経路の箇所数で拡大しているところの数字等があれば、教えていただきたいと思います。
〇渡辺交通課長 陸前高田市、大船渡市のBRTの関係でございます。JR大船渡線は、宮城県気仙沼市を含む沿線自治体の合意のもとに、平成25年にBRTによる仮復旧での運行が開始され、その後、本格復旧ということで現在に至っているわけでございますが、JR東日本では、まちづくりの進捗に合わせ、沿線自治体と協議しながら、利用者のニーズに合わせた新駅の整備あるいは運行経路の見直し、専用道化率の向上に取り組んでおります。
具体的には、BRT開業時は2駅だった新駅が、県立病院や高校の高台移転等に伴い、現時点では8駅まで増加しております。また、専用道化率は1.9キロメートル、4.3%から、現在、16.2キロメートル、37.1%まで向上しており、これらに合わせて運行経路も随時見直しが行われているという状況でございます。
〇神崎浩之委員 そういうこともありますので、自治体が路線を組むとき、そういうルートをいかにしてニーズに対応して柔軟にできるかということが成功の秘訣だと思っておりますので、そういう例もぜひ提示していただいて、お願いしたいと思います。
最後に部長にお聞きして終わりますけれども、いずれ、地域の足、田舎の足なのです。今は特に冬ですから、ますます実感が湧くわけですけれども、買い物を含めた住民生活、福祉、高齢者、障がい者、医療の問題もあります。通勤、学校もそうでありますが、観光だと新幹線から沿岸までの二次交通も非常に大切だと思っております。それから、社会参画、ボランティアもですけれども、私もさまざまな地域にボランティアに行くのですが、高校生たちがなかなか来れないということもありますので、さまざまな面で地域の足というものを充実させていただきたい。
住みなれた地域で安心して生活できる環境づくりというのは、いろいろな計画のフレーズで必ず出てくるのです。そのためにはやはり地域の足を確保していかなければならないと思いますので、最後になりますが、部長のほうからもう一度この決意を聞いて、終わりにしたいと思います。
〇藤田政策地域部長 地域公共交通というのは、住民の方の生活の足ということで大変重要な役割でありますけれども、生活の足と言ったときに、委員も御指摘のとおり、各市町村の中でも、その地域によって大分事情が違ってきている、あるいはそのバス路線を必要としている方々のニーズの種類もまちまちだったりするといったこともあろうかと思います。
そういった地域の実情を市町村の方々がよく御存じだと思いますので、そういった市町村の方々と密接に話をしながら、住民の方が安心できる交通網というものを形成してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、2016年の台風第10号災害からの復旧、復興について、台風第10号災害の対策室が今年度で終わるということもありますので、しっかり聞いておきたいと思います。
被災者の今後の住宅確保の意向把握はどうなっているでしょうか。現状はどうなっているでしょうか。
〇植野台風災害復旧復興推進課長 被災者の今後の住宅確保の意向把握についてでありますが、岩泉町が昨年8月に取りまとめた住宅再建意向調査によりますと、全壊等となった406件のうち、被災した場所とは別の土地への自力再建希望の世帯が32世帯、全体の7.9%、被災した場所での再建または補修希望の世帯が203世帯、全体の50.0%、災害公営住宅への入居希望世帯が74世帯、全体の18.2%となっております。
また、岩泉町が本年2月に策定した災害公営住宅及び被災者移転地整備計画によると、災害公営住宅の整備戸数が81戸、町が整備する移転地は25戸と計画しております。
被災者の中には、河川改修の計画を見きわめるなど、いまだ未定の方もいる中にあって、岩泉町では本年4月を目途に住宅再建意向の再調査を行う予定と伺っており、引き続き町と連携し、きめ細かに被災者の相談に乗ってまいります。
〇斉藤信委員 406件のうち203件がもとの場所で再建すると。これには自立再建と補修とあるわけですけれども、この自立再建と補修の内訳はわかりますか。
〇植野台風災害復旧復興推進課長 残念ながら、岩泉町が元地再建と補修を一緒のくくりで調査をしておりますので、合算した203件という数字になっております。
〇斉藤信委員 これは被災者生活再建支援金の加算支援金を見るとわかるのです。圧倒的に補修が多いのです。圧倒的に補修が多いというのは岩泉町の特徴で、全壊、大規模半壊規模でも、補修でもとの場所で生活している、これが実態だと私は思います。
それで、対策本部会議の資料を見ましたら、昨年の8月から11月上旬まで被災者の健康調査を実施しています。これは1、026人の在宅、応急仮設住宅入居者を対象とした調査ですけれども、全戸訪問してやっているのです。回答が874人ですが、生活で困っている者45%、身体の症状あり60%、心の症状ありは、大人が48%、子供が55%と。そういうかなり厳しい状況の中で避難生活をしていると私は思いますが、これについての対策はどうなっているのですか。
〇植野台風災害復旧復興推進課長 被災者の見守りの取り組みについてでございますが、岩泉町におきましては、応急仮設住宅での新しい環境における生活を余儀なくされてる被災者の方々が大変多くおりますことから、町の保健師が、県の宮古保健福祉環境センター及び岩泉町社会福祉協議会の協力を得ながら、訪問による健康調査及び保健指導のほか被災世帯の巡回、見守り、被災者の集いの場の開設を、継続して行っております。
また、生活支援相談員6名を町及び町内関係団体に配置して、被災世帯の巡回、見守り、相談支援などの取り組みを行っており、本事業は平成30年度も継続して実施する予定と伺っております。
そのほか、社会福祉協議会やNPO法人など支援団体による支援連携会議を毎月開催し、各関係団体が連携して被災者の支援、見守りに取り組んでいます。
〇斉藤信委員 東日本大震災津波のときにも、自宅を補修した人たちというのは支援が切れて実態がつかめなくて大変だったと。岩泉町は十数人の保健師と6人の支援員で、町としてはかなりやっていると私は思うけれども、先ほど紹介したように、健康実態調査はかなりシビアな厳しい結果が出ていますので、しっかりした対策を引き続きとるようにしていただきたい。
それと、全壊、大規模半壊の補修というのは、しっかりした補修にならないと私は思うのですよ。だから、このフォローをしっかりして、必要があれば支援していくということが必要だと思いますけれども、この点はどうですか。
〇植野台風災害復旧復興推進課長 ただいま委員御指摘のとおり、岩泉町は補修の世帯が大変多いのが実情でございますので、岩泉町と協力しながら、町の保健師も一緒になって、住宅再建の取り組みについて、被災者に寄り添いながら相談に乗ってまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 次に、生活橋の再建整備ですけれども、総括質疑での答弁でしたか、来年度、1カ所の本格整備が町の予算で出ていると。生活橋が73カ所被災して、51カ所は応急復旧をしていると。町は、財源的な措置が何もないので寄附を募って対応すると。しかし、5億円必要だと言われているのですが、1月31日現在、1、241万円しか集まっていないと。
私は、この点で、寄附を募ってはいるものの、今の時点ではなかなか見通しがないのではないかと思います。引き続き国に対する要望も含めてこれは考えないと、生活橋は、ある意味、もとの場所で生活するためのライフラインですから、今、軽トラックも動かせないというような状況になっていますので、その点をどう考えていますか。
〇植野台風災害復旧復興推進課長 生活橋の再建の取り組みでございますが、73カ所の生活橋のうち、今年度中に1カ所の本復旧が見込まれ、町の平成30年度当初予算におきまして、本復旧のための経費として1、800万円を計上していると伺っております。
生活橋の本復旧に当たりましては、今後本格化する河川改修の進捗に合わせて進められるということで、複数年かけて直していくというような現状でございまして、県といたしましては、先ほど委員がおっしゃいました岩泉町が開設した支援募金について、企業、団体への橋渡しなどの支援を行ってまいりますし、国への要望についても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今年度1カ所整備して、来年度は1、800万円の予算いうことですね。その1、800万円で再建するのは何カ所かはわからないですか。
〇植野台風災害復旧復興推進課長 橋の形状によりそれぞれ事業費は違うと思うのですが、町では10カ所程度の再建を考えているということを聞いております。
〇斉藤信委員 それで、応援職員の問題は先ほども答弁がありました。私からは、岩泉町に限って、今年度、来年度の応援職員の必要数と充足の状況を示していただきたい。
〇臼井市町村課総括課長 岩泉町における応援職員の状況でございます。
まず、今年度でございますけれども、3月1日時点で、必要数19人に対して確保数16人という状況でございます。
また、平成30年度の見込みでございますが、これも同じく3月1日現在で、23人の必要数に対して19名の確保見込みという状況でございます。
〇斉藤信委員 これから本格的な発注の時期を迎えてくると思うので、今年度よりは来年度が若干ふえるようでありますけれども、必要数もふえているので、ぜひしっかりした支援をしていただきたい。
次に、東日本大震災津波からの復興にかかわって、被災地の公共交通確保の取り組みはどうなっているか示していただきたい。
〇渡辺交通課長 被災地の公共交通確保の取り組みについてでございますが、復興まちづくりが進められる中、災害公営住宅や高台団地などの生活拠点と新たに形成されるまちを結ぶインフラとして、また、高齢化が進む被災地での日常生活を支えるインフラとして、被災地で公共交通の果たす役割はますます重要になるものと認識しております。
このため、三陸鉄道や広域的なバス路線など、基幹的な公共交通を県が中心となってしっかり維持、確保するとともに、被災地の市町村と連携しながら、地域の公共交通についても維持、確保を図ることが必要と考えております。
このことから、県といたしましては、先ほどもありましたが、有識者による活性化支援アドバイザーの派遣、あるいは地域の公共交通会議への参画などを通じて被災地の公共交通計画の検討を支援するとともに、国の特定被災地域公共交通調査事業や、県の公共交通活性化推進事業費補助などのデマンド交通の実証運行等を支援する制度の活用などを通じ、被災市町村と連携し、地域の実情に応じて交通の再建、構築を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、被災地というのは課題の先進地だと思うのです。防災集団移転促進事業により新しい高台団地がつくられ、そして災害公営住宅が点在し、中心市街地はこれから整備がされるという感じですよね。ですから、新しい交通ネットワークが求められている。
ところが、特定被災地域公共交通調査事業というのは、あくまでも応急仮設住宅を経由したものしか対象にならないと。これは10年間は継続するということですけれども、10年間で応急仮設住宅はなくなるわけだから、課題先進地として、新しく必要な公共交通に対する今まで以上の国の支援策が必要だと私は思うけれども、その点はどうですか。
〇渡辺交通課長 私どもも全く同じ認識でございます。特定被災地域公共交通調査事業は、復興まちづくりが進み、生活拠点が応急仮設住宅から高台団地あるいは災害公営住宅などに移る中、引き続き、応急仮設住宅経由のみが対象とされており、委員御指摘のとおりでございます。結局、復興の現状に必ずしも即した制度になっていないということで、今年度、政府予算要望におきましても、高台団地や災害公営住宅経由の路線を補助対象とすることなどについて要望したところでございます。
県といたしましては、この事業は被災地にとって本当に大きな役割を果たしておりますことから、引き続き、国に対して要望、提言を行ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、三陸鉄道の一貫経営の対応についてお聞きいたします。
三陸鉄道は、全国最長の第三セクターになるわけで、これはチャンスであると同時にリスクも背負うわけです。実際に今でも赤字経営ですよね。赤字の実態を示してほしいのだけど、私は、再来年から一貫経営になるということを契機に、本格的に三陸鉄道の利活用、赤字から黒字に転換するため、沿岸12市町村と県が一体となって取り組むことが必要なのだと思うんですよ。それぞれの市町村が自分のことだけ考えていたら、三陸鉄道の一貫経営は全然チャンスにならない。三陸鉄道の一貫経営を本当にチャンスにして、全市町村と県が一緒になって赤字を黒字に転換させるような一体的な取り組みが必要だと思うけれども、いかがですか。
〇渡辺交通課長 三陸鉄道の一貫経営後の利用促進についてでありますが、JR山田線宮古-釜石間の三陸鉄道への経営移管後の運営を軌道に乗せることは、沿線市町村等とともに、一貫運行のメリットを生かしながら利用促進にしっかり取り組む必要があると考えております。県及び市町村等で構成する岩手県三陸鉄道強化促進協議会を中心に、利用促進の強化を図ってまいりたいと考えております。
具体的には、まず1点目として、住民の利用促進ということで、時刻改正を含めた通学、通院の生活路線としての利便性を向上させる取り組み、あるいは子供向けに三陸鉄道の乗り方教室の開催といった地元住民のマイレール意識の醸成を図る取り組み、2点目としては、観光利用の需要喚起ということで、全国一長い第三セクター鉄道となるメリットを生かした企画切符の造成、あるいはジオパークなどの地域資源や各種イベントなどを組み合わせた企画列車、ツアーの造成といったことに、三陸鉄道と連携しながら、三陸鉄道強化促進協議会を中心に取り組んでいきたいと考えております。
三陸鉄道の実態でございます。今年度の収支決算見通しですが、取締役会で示された数字によりますと、今期、5、186万円の赤字ということで、昨年度も5、000万円程度の赤字でしたので、そういった厳しい状況ということでございます。
〇斉藤信委員 私が提起したのは、三陸鉄道強化促進協議会というのは当然で、そうではなくて、沿岸12市町村が目の色を変えて、マイレールとして三陸鉄道の一貫経営を機会に利用促進をどう進めるかということなのです。例えば官公庁の関係の人たちは基本的には三陸鉄道を使うぐらいの取り組みをしなかったらだめですよ、人口減少が進むんだから。そういうことが軸になって知恵も出てくる。そういうことを私は提起したので、ぜひそれを踏まえて、しっかり県と市町村が責任を持って自分たちの鉄道を守ると。これを生かして観光も、交流人口も、いろんな意味で発展させるという位置づけをしないと、何とか維持するなんていう発想では、私は、これは衰退するだけだと思います。そういう問題提起をしたので、しっかり受けとめてやっていただきたい。
三陸防災復興博(仮称)について、いろいろここでも議論がありました。私は、準備委員会の設立総会と第1回準備委員会の議事録を読ませていただきました。この設立総会と第1回準備委員会-第1回しかやってないのですよね-でも、やっぱり意見が出ているわけですよ。例えば田野畑村長からは、名称はどうなのか、時期はどうなのかということが出ていました。第1回準備委員会では、大槌町長からも、財源の問題とか人手不足の問題が出ていました。
私は、これだけのことをやるのだったら、しっかり市町村と意思疎通をして進めることが必要だと思います。準備委員会の前に意見交換をしてやったと思うのですけれども、結果的には実際の場でこういう意見が出るわけだから、心一つにという感じではないんですよ、これを見ていると。だから、今度の第2回準備委員会で基本計画案を立てるということだけれども、そこに向けて本気になって心一つにできるのかどうか。岩崎委員からは、何で沿岸12市町村なんだと。今まで県内33市町村で頑張ってきたじゃないかという提案もされているわけでしょう。そういう点で、県議会でこれだけ議論になったというのはそれなりのことがあるわけだから、私は、3月23日の第2回準備委員会に向けて、きっちり意見も聞き、議論も進めながら、第2回準備委員会が心一つになるような状況をつくっていただきたい。いかがですか。
〇菅原地域振興監 三陸地域における広域的、総合的な防災復興行事の実施に向けましては、昨年11月に設立いたしました準備委員会で決定した基本構想に基づきまして、その方向性でもって、具体的な企画案について、沿岸の市町村を初めとした準備委員会の委員の御意見を伺いながら、具体の企画内容の検討を進めているところでございます。
沿岸の市町村長に対しましては、具体の企画内容のほか、例えば会期案でありますとか名称案ということもお示ししながら御意見をいただいているところでございます。また、オール岩手での体制というところで、内陸の市町村とも、これは部課長レベルということになりますけれども、担当者会議を開催いたしまして、内陸と沿岸との連携の促進といった、オール岩手の体制での推進ということで協力をお願いしているところでございます。
現在、基本計画案につきまして調整を進めているところでございます。現在も意見を聴取しているところでございますので、丁寧に御意見を伺いながら準備を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 2019年というのは三陸鉄道が一貫経営になる。これは4月でしょう。4月、5月というのは、ある意味全国からも注目されますよ。しかし、6月、7月にかけて参議院議員選挙があるのです。5月は新しい天皇が即位する、9月はラグビーワールドカップだと。だから、時期的にもなかなか複雑というのは事実だと思うのです。そこを一律にしないで、時期の問題も含めて、よく沿岸市町村の意見も聞いてしっかりやってほしい。
部長、これは、心してやらないと大変なことになると私は思いますよ。心して、心一つになるようにしっかりやっていただきたい。
〇藤田政策地域部長 委員御指摘のとおり、三陸防災復興博(仮称)につきましては、特に東日本大震災津波で大きな被害を受けた沿岸市町村の方々にとっていい行事になるように、真摯に意見をお伺いしながらしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 では、時間も迫ってきたので、最後、1問だけにします。
若者の定住対策について、復興支援員、地域おこし協力隊員の現状と県内定住の状況はどうなっているか。
若者の定住にとって、若者定住住宅というのが大変大事なポイントになってくる。住宅確保というのは新規学卒者の県内就職にとっても大事なのです。そういう意味で、若者定住住宅の県内の整備状況、取り組みはどうなっているか示してください。
〇菅原地域振興監 復興支援員、地域おこし協力隊の現状等についてでございますけれども、平成29年度の実績が取りまとまっておりませんので、平成28年度の実績ということになりますけれども、復興支援員につきましては、県で34名、8市町村で142名の計176名が活動したところでございます。市町村の部分は把握できておりませんので、このうち県が委嘱した復興支援員について申し上げますと、現在までに退職者29名のうち、約7割の21名が県内に定住しているところでございます。
また、地域おこし協力隊につきましては、18市町村で80名が活動し、平成28年度までに退任した18名のうち、全国平均と同程度となる約6割の11名が県内に定住したところでございます。
県では、復興支援員や地域おこし協力隊を対象に、任期後の定着も視野に入れながら、活動のスキルアップや隊員のネットワークづくりのための研修会の開催、起業の支援制度や各種セミナーなどの情報提供などを行っているところでございまして、引き続き、市町村や関係団体と連携し、本県への定住につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、若者定住住宅の整備状況でございますけれども、若者の移住、定住の促進に当たりましては、仕事の確保とともに住居の確保が重要でございまして、県内の市町村におきましては、釜石市や雫石町が雇用促進住宅を取得し、新婚世帯やU・Iターン者などを対象とした定住促進住宅として活用している例がございます。また、葛巻町や一戸町が、若者や子育て世帯向けの定住促進住宅を整備している例があり、市町村でも定住促進住宅を整備する例が少しずつ広がっております。そのほか、空き家バンク制度を活用した取り組みも広がっているところでございます。
県といたしましては、市町村に対し、このような住宅施策を含めました県内外の移住施策の情報提供を行うとともに、今年度からは、県外からの移住者が行う空き家バンク登録物件の改修支援を行う際に市町村に対する補助を行っているところであり、市町村との連携を強化しながら、若者の定着に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇高田一郎委員 私も、まず最初に移住、定住対策について伺います。
Uターン、Iターンのこの間の実績は、推移を含めてどの程度になっているのか、まずお伺いします。
〇菅原地域振興監 岩手県への移住者数についてでございますが、こちらは、ハローワークを通じて県外から就職された方、市町村の窓口を通じて移住された方などを積み上げたもので、平成26年度が1、107人、平成27年度が1、387人、平成28年度は1、333人となっており、いわて県民計画第3期アクションプランに掲げる目標を上回って推移しているところでございます。
〇高田一郎委員 平成23年度は998人でしたから、移住、定住者も年々ふえて、計画を上回るような結果で推移しているということは、関係者の皆さんの努力のたまものではないかと思います。
ただ、先進県を見ますと、島根県では平成28年度で4、257人ですから、そういう点ではまだまだ、取り組みいかんでは岩手ももっと移住、定住者をふやす可能性を秘めた地域であると思います。
それで、移住、定住対策については、今、ふるさと創生とか人口減少対策ということで、どの自治体も力を入れている、いわば競争なんですね。そういう意味では、岩手らしい取り組みをどう強化していくのかということが大事になってくると思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
〇菅原地域振興監 移住、定住対策の取り組みでございますけれども、県では、全県的な移住推進体制や首都圏における移住相談窓口の整備を行うとともに、専用ホームページやパンフレットでの一元的な移住情報の発信、首都圏での移住相談会の開催、移住者をコーディネーターとした本県ならではの移住体験ツアーの実施など、市町村や関係団体と連携したさまざまな移住、定住対策の取り組みを行っているところでございます。
また、移住の前提となる魅力ある地域づくりや移住者の受け入れ環境の整備については地域団体の役割が重要であると考えておりまして、県では、NPOなどの地域団体が行う移住、定住の促進に資する取り組みに対する補助を行っているところでございます。
また、先般、首都圏在住の本県とゆかりのある若者などが岩手を盛り上げるイベントとして開催した岩手わかすフェスには、3回目の開催になりますけれども、本県出身者や岩手に関心のある800名の方々が参加したところでございまして、このイベントと連携し、県としても移住希望者との交流会を実施したところでございます。
今後におきましても、市町村や関係機関のみならず、NPOなどの地域団体や首都圏での若者のネットワークとも連携しながら、移住、定住の取り組みを積極的に行ってまいります。
〇高田一郎委員 先ほどの質問の中で、復興支援員の岩手への定住率は7割とか、地域おこし協力隊は6割という答弁もありました。これが高いか低いかはわかりませんけれども、かなりの方が岩手に定住していただいているのかと思います。
それで、私も毎年参加しているのですけれども、1月に行われたいわて復興フォーラムでは、応援職員の活動について発表したり、そういう話を聞いて、みんな岩手の魅力を感じて、地元に帰っても引き続き応援していきたいという話をされます。つまり、岩手で暮らすことによって魅力を感じるといいますか、岩手の自然や水と緑がきれいだと。岩手の人間性にほれるとか、岩手に来てある程度生活することによって魅力を感じると。先ほどの情報発信をして岩手のファンをつくっていくということも大事ですけれども、やっぱり岩手で暮らして、魅力を感じて定着するということが非常に大事だと思うのです。
一昨年、私が島根県に行ったときに、そこでは産業体験事業というものをやっていて、月12万円、最長1年間そこで暮らして、その後、そこに定着する率が5割近くになっていると。この20年間で800人近くがそこに定住しているということなのです。情報発信も大事ですけれども、岩手で暮らして体験するという事業を雫石も去年から始めたというお話も聞きました。こういったことをヒントに対応、検討していくことも必要ではないかと思いますけれども、それを含めて、今後の移住、定住対策で、特にこういったところに力を入れなければならないというものがありましたら答弁いただきたいと思います。
〇菅原地域振興監 まずは岩手ファンになってもらい、そして岩手に来てもらうということで、岩手のさまざまな特色、魅力をどう伝えていくかということで情報発信の部分も重要でございますけれども、これに加え、本県では、先ほど申し上げました移住体験ツアーでは、今年度は例えば神楽を体験してもらうとか、仕事を体験してもらうということでさまざまな工夫を凝らしておりまして、そこに参加された移住希望者の方につきましては、ツアーに参加してから、次は市町村が実施しているツアーに参加するですとか、首都圏で行う移住イベントにも継続的に参加していただいているというような状況があります。
このように、県の施策、市町村が行っている取り組みというものもさまざまありますので、これらを連携し、いろいろと岩手にかかわっていただくということを重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 葛巻町では、移住を進めるための就業体験中は宿泊費を全額補助して滞在費用を支援するというような積極的な取り組みが始まりました。2日、3日の体験ではなく、もう少し長期間にわたって岩手暮らしを体験するということが非常に大事だと思いますので、全国の例を参考にしながら、岩手でも強力に進めていただきたいと思います。
そこで、岩手の出生率を高める上で、ちょっと参考になるといいますか、気になる数字があるのですけれども、沖縄県の合計特殊出生率が1.94で全国1位になっております。続くのが島根県、宮崎県、鳥取県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県と九州、中国地方中心に全国平均をかなり上回っていると。若者が移住して暮らしやすい環境を整えていることが出生率とリンクしているのではないかと思います。岩手県の出生率を高める上で非常に学ぶべき点があるのではないかと思いますけれども、県として、この点をどのように分析、評価しているのか、もしわかればお伺いしたいと思います。
〇伊勢参事兼調査統計課総括課長 沖縄県などの出生率が高い理由でございますけれども、出生率が高い、低いということについての分析というのはなかなか難しい面がございまして、公式に分析されたものはないようでございます。ただし、平成17年厚生労働白書の中に記載がありまして、沖縄県の出生率が高い理由として、沖縄県は他の都道府県と比べて、一つ目として、共同社会的な精神がまだ残っており、子供を産めば何とか育てていける、二つ目として、男子後継ぎの意識が強く残っているので、男児が生まれるまで産児を制限しないという説があると紹介がされております。
今お尋ねの人口流入と出生率向上の関係については、分析しているものはございません。
〇高田一郎委員 沖縄県だけではなくて九州とか中国地方が高いので、今後、研究していただきたいと思います。
次に、地域総合整備資金貸付金について、午前中の説明では、北上済生会病院の新築に対する貸し付けということで、公共性がありますので、これは了としたいと思いますけれども、ただ、事業費が103億円程度の中で、5億円の貸し付けとなったのはどういうことなのか。
それから、この地域総合整備資金貸付金というのはさまざまな条件があって、今回の場合であれば10人以上の新たな雇用が必要だとあります。北上済生会病院は、地域医療構想の関係で28床の病床を削減するということも聞いておりますが、そういう雇用が新たに見込まれるのか。貸し付け要件をクリアしたから貸し付けるのでしょうけれども、この点について説明をいただきたいと思います。
〇菅原地域振興監 地域総合整備資金貸付金でございますけれども、北上済生会病院の新病院建設事業に対する貸付金として、平成30年度当初予算案におきましては5億円を計上しているところでございますけれども、新病院の建設は、平成30年度から平成32年度までの計画になっており、事業者からは、地域総合整備資金貸付金として全体で20億円の借り受けをしたいという希望が寄せられているところですので、事業計画に沿いながら、平成30年度におきましては5億円を計上したというものでございます。
貸付事業の要件でございますけれども、対象となる事業につきましては、公益性、事業の採算性等の観点から実施されるもので、御質問がございましたように、都道府県から融資を受ける場合については、10人以上の新たな雇用の確保が見込まれることが要件になっております。
ただ、こちらにつきましては、移転事業の場合、例えば、事業を継続しなければ廃止になり雇用が失われてしまうものを、そのまま継続するといった場合の換算をする制度があると伺っております。この貸し付けは、専門的な知見を有する一般財団法人地域総合整備財団が貸し付け、返済に係る事務を実施することになっておりまして、この財団が事業計画、資金収支計画などの提出を受け、総合的な調査、検討を実施した上で貸し付け決定がなされるものでございますので、この辺の公共性、事業の採算性、雇用の確保については担保されるものと考えております。
〇高田一郎委員 最後に、地域公共交通再編活性化推進事業費について伺います。
この事業の内容については、先ほど議論がありましたので説明は結構です。ただ、今度の事業の中に一部新規事業があります。広域生活圏再編推進モデル事業ということで、説明資料を見ますと、生活圏を設定して、公共交通のネットワーク化の再構築にかかわる利用促進に対するモデル的な事業を実施するということになっています。このモデル事業の1カ所というのはどこの広域生活圏になるのか、それから、広域生活圏といのうはどういったものを指すのか、この点についてお伺いします。
〇渡辺交通課長 モデル事業の広域生活圏の1カ所でございますが、これは、これからの選定になっておりますので、まだ未定ということになっております。
それと、広域生活圏の考え方ですが、基本的には広域振興局の管内を想定しておりますが、ただし、どうしても広域振興局だけでは生活圏と一致しない部分がございますので、それについては、関係する市町村もオブザーバー的に参加していただきながら検討するということで考えております。
〇高田一郎委員 広域振興局は生活圏になっていないというのは、ちょっと不思議に思いましたけれども、いずれ、先ほどの議論を聞いていますと、広域的なことに関しては県が行って、市町村は地域の実情に合った公共交通政策を進める。そこは連携してやっていくということだと思うのですけれども、農村地域で暮らしていますと、買い物難民、それから通院難民が大変増加しているのです。これまで農村地域は、ある程度共助の精神といいますか、お互い助け合いで、買い物に行ったり病院に連れていったりというのがありました。そういう共助の取り組み、助け合いというのがどんどん薄れてしまっているのが現状だと思うのです。県や市町村がマスタープランをつくっても、地域の実情に合った公共交通政策をやらないと計画倒れになってしまうのではないかと思うのです。
そこで、やはり私は、地域の話し合いと人的な支援-そこに入って一緒に考える、そして財源といったものが必要だと思うのです。例えばデマンド交通にしても、町が無償で貸与して、その地域の実情に合ったボランティアでやるなどという方法もありますけれども、財源がなければなかなか難しいわけです。地域の話し合いと、それを応援する人材と財源が必要だと思うのですけれども、地域で今、本当に困っている買い物対策や通院難民に対して-これは役割分担からすれば市町村かもしれませんけれども、県としてしっかりした対応や支援策があってもいいのではないかと思うのですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
〇渡辺交通課長 地域での取り組みへの支援でございますが、まず、人材の支援ということで、確かに市町村におきましても公共交通の専任担当者がいなかったり、あるいは担当がいても他の仕事と一緒にやっているということで、なかなか市町村における人材が不足しているというか充実していないという面もございますので、県におきましては、市町村職員に対する研修会を開催して人材の育成に対して支援をしているところでございます。
地域での財源ということでございますが、地域によっては、それぞれデマンド交通であったり、あるいは、先ほど共助というお話がございましたが、交通空白地域において、市町村あるいはNPOが実施する自家用有償運送という制度がございまして、こちらを行う場合にあっても特別地方交付税の措置がされるということでございます。そういった情報も市町村に提供しながら支援してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 今も、それからきょうも多くの委員からバス交通対策について質問があったわけですが、私も二、三関連してお伺いいたします。
去年も私は国道397号沿いのバス路線が大幅に間引きされるということについて質問したわけですが、今回、地元の江刺のバスセンターから北上駅前までの路線が3月末で廃止されるということで、今、市がいろいろ対応策を練っているところです。平成28年度からは国の地域協働推進事業を実施して、特例措置で何とか路線を維持し、平成29年度は昼の便を減らして対応したようでありますけれども、それでも利用者数の向上にはつながらず、県単補助にも達しなかったということで廃止を決めたようです。
この岩黒線のみならず、県内にはこういう路線がほかにもあるのではないかと思いますし、また、ことしではなくても、廃止の危機にある路線があると思っているのですが、それらについて把握されているかどうかお聞きしたいと思います。
〇渡辺交通課長 平成30年度からの廃止は今、御紹介のありました岩黒線でございますが、そのほか数路線がやはりその対象になっており、現在、県が路線ごとに実施しているあり方検討会におきましていろいろ検討している状況でございます。
〇千田美津子委員 これからマスタープランがつくられるということで、それはそれで将来的に大事なことですけれども、ことし、そしてこのままでいくと来年廃止というところもあると思っています。
一つは、一関市でも藤崎線が奥州市と同じようにもう既に県単補助も打ち切られていますので、ここが減っています。それから、葛巻町の路線も乗車密度が1.幾らというのが3年くらい続いており、すぐに廃止ということにはならないと思うのですが、いずれそういったことで、県内ではそういう状況が差し迫っていると見ています。
何を言いたいかといいますと、例えば、あり方検討会で路線ごとの検討をされていますよね。その検討の中で一つよかったなと思うのが湯田の山伏線で、平成26年あたりに乗車密度が2.8人と3人を大幅に切っていたのが、昨年は5.3人になっているのです。多分運行回数を減らしたことも理由かなと思うのですけれども、やっぱりこういう経験をほかに広げていくこと、乗車密度が基準に合わないから廃止するというのではなく、それを回避したところの経験を広げていくことが私は大事だと思うのです。そうでないとどんどん減っていくことになりますので、それらについて、教訓として把握していることがあればお知らせいただきたいと思います。それが一つ。
それから、先ほども高田委員から財源が必要だということでお話がありました。路線バスが廃止された後は、市町村がコミュニティーバスやデマンドバスなどいろいろ対応するわけですけれども、県が支出している補助金の中に、余り多くはないのですが地域バス交通等体系整備支援事業費補助があります。例えば、私の地元の奥州市で1億円かけてコミュニティーバスなどを手だてしているのですけれども、特別交付税があるとしても、県の補助が82万円程度なのです。これはデマンドバスに対する補助かもしれませんけれども、8割の特別交付税があるといっても2割は負担になるわけですから、そういった意味ではもう少し県の補助をふやしていくことが喫緊の課題ではないかと思うわけですが、その点についてお聞きしたいと思います。
〇渡辺交通課長 まず、他の地域への教訓ということでございますが、路線ごとに行っておりますバスのあり方検討会につきましては、県が主催しておりまして、全てのあり方検討会について当方の担当者が行っておりますので、他地域での議論、あるいは改善の事例などはその都度紹介しながらやっているところでございます。
あと、財源の話でございますが、地域バス交通等体系整備支援事業費補助につきましては、市町村が補助する場合に県が同額補助するという制度になっておりまして、それに特別交付税が8割ということで、それ以上の県の支援ということでございますが、今のところは今の制度で支援してまいりたいと考えてございます。
〇千田美津子委員 今の時点は今の基準でというのはわかります。言いたいのは、例えば、一関市も奥州市も非常に市域が広いわけです。そういう中で、これから路線の検討をするといった場合、より困難な面が多々あるのです。そういうこともあって、マスタープランではないかもしれませんが、県の支援というのも一定程度考慮する必要があると。私はそういう点で、ぜひこれからの部分で検討していただきたいと思っています。
先ほど言った岩黒線の廃止に伴って、地域では大変な騒ぎになりました。今、市がコミュニティーバス等の対応で試行運転をすると。多分北上市もそういうふうになると思います。幾らいろいろな国の特別交付税などがあるにしても、奥州市の場合は今、トータルで年間2億円の予算をバス交通にかけていますので、相当な負担になっているわけです。ですから、今の基準だけにこだわらず、そういう支援の手だてをとるということ、人的な活性化チーム、専門家の派遣と同時に私は財源の対応も必要だと思いますので、ぜひ今後の検討にしていただきたいと思いますので、その点について。
〇田村勝則副委員長 今のは……。
〇千田美津子委員 面積要件もあるので、そういった部分でのコメントをお願いします。
〇鈴木副部長兼地域振興室長兼台風災害復旧復興推進室長 ただいま御質問がございました県の支援の関係でございますけれども、状況をお聞きして、大変な状況というのはわかりました。基本的には今の制度の中での対応ということになろうかと思いますけれども、それを踏まえた上で、地域での状況というのも詳しくお伺いしたいと思います。
〇吉田敬子委員 グローバルネットワーク推進事業費の南米移住者等交流活動支援事業と県の国際戦略の取り組みについてお伺いいたします。
これは1、920万円ほど予算計上されているものですけれども、ことし、ブラジル岩手県人会60周年記念式典等の経費が計上されています。本県と南米地域の交流促進につなげる目的ですけれども、これまで何十周年という記念のときに何度か訪れていると思いますが、どのような成果につながっているのかまずお伺いしたいと思います。
〇佐々木国際室長 本県から南米県人会への訪問と成果でございますが、まず、南米への県人の移住につきましては、国の海外移住政策に基づいて、県も啓発、支援したという経緯がございます。このため、移住者の皆様が困難な状況下で農地を開拓し、移住受け入れ国の発展に貢献した労苦に報いるべきだとの考え方に基づき、5年または10年ごとにブラジル、パラグアイ及びアルゼンチンで開催される40周年、50周年といった周年行事に知事等が参加してきたところでございます。平成に入りましてからは、これまでに、知事あるいは副知事、部長等が合計で13度、南米の県人会を訪問しております。
また、訪問に際しましては、知事等による県人会への激励とあわせて、本県のさんさ踊りや鬼剣舞等の郷土芸能団体や民謡使節団等が同行しており、現地での披露とあわせて技術指導を行うことで本県の文化や伝統芸能の継承が行われているところでございます。
関連して、このほか、訪問先となっている南米県人会の子弟の方を技術研修員として毎年本県に受け入れており、本県と南米県人会との結びつきを強化するとともに、将来の県人会の担い手になる人材の育成にもつながっているところでございます。
本県と南米県人会との交流は、海外との貴重なネットワークの形成に寄与することから、今後とも、これらの活動を通じて、南米各県人会活動の活性化、本県との交流の促進を進めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 県人会に今現在どのくらいの方がいらっしゃるのかお伺いします。
これまで、知事、副知事もしくは県の職員の方や伝統芸能団体の方が行かれているのですが、周年行事ごとに単発で行かれたり、あとはあちらから技術研修員がいらっしゃるということですけれども、長期的なビジョンで取り組まれていることはないのでしょうか。
多分これはこれからも継続的にやられていく事業だと思うのですけれども、ことし、国際室が設置されていわて国際戦略ビジョンもつくられ、いろいろな事業が新規であったり、またはやめたりということがあると思うのですが、岩手出身の方々は、ブラジルだけでなく、アルゼンチン、ペルー、パラグアイ等にもいらっしゃると思います。こちらからの交流、伝統芸能だけでなく、例えば学生の交流ということもほかの事業ではやっているのですが、必ず行く地域として南米というのはこれまでもこれからもあると思うのですが、長いスパンで考えたときに南米移住者との交流活動支援事業というのは何か考えられているのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木国際室長 まず、県人会の人数ですが、例えばブラジルですと、ブラジル岩手県人会がございまして、ここは249人の会員がおります。それから、パラグアイにはピラポ、イグアス、アスンシオンという三つの県人会がございまして、ピラポの県人会は220人、イグアスの県人会は124人、アスンシオンの県人会は187人となっております。同じ南米で、アルゼンチンの県人会は50人。それから、ブラジルですけれども、ブラジル県人会のほかにベレン県人会というのもございまして、こちらで45人というのが南米県人会の主な人数でございます。これらにつきましては、平成29年8月末現在の数字でございます。
それから、長期的な南米との交流というお話がございました。先ほどの答弁と若干重なる部分がありますけれども、周年事業ということで、5年、10年というサイクルで知事等が南米を訪問するということで岩手県とのつながりを-毎年行くのはなかなか大変ですので、南米にいる方に岩手とのつながりを再度確認をしていただくというような取り組みをしているのが一つございます。
あとは、先ほど申し上げた技術研修員につきましては昭和56年から受け入れを始めておりまして、今年度までで合計213人の方をお迎えしております。この213人は世界各地からということになりますので、南米を取り上げますと、パラグアイから73人、ブラジルから42人、アルゼンチンから18人といった形で、南米から多くの県人の子弟の方をお迎えしているということでございます。
こういった形で、岩手にいらっしゃる方は毎年違うのですけれども、その取り組みを継続することによって、岩手で研修された方が本国に帰られてからまた岩手のことをお話ししたり、身につけた技術を持ち帰って活用していただくということで本県とのつながりを長期的に維持できる方向に持っていければと思っているところでございます。
〇吉田敬子委員 岩手だけではなく、日本は、移民政策の取り組みにより、中南米とのつながりが世紀を超えて長いわけですけれども、日本とは地球の反対側にあるので、その情報はなかなか岩手に入ってこないと感じます。例えば、日本は鶏肉を中南米から70%も輸入していますし、サケ、マスも54%、コーヒーも67%と、そういったものがすごくたくさんあります。
短期的にその都度都度行かれるのももちろんいいのですが、せっかくこういった事業をやられていて、岩手からも移民の方々がたくさんいるということですから、ことしがブラジル移住110周年ということで県人会も60周年ではありますので、そういったときだけでもいいので、もうちょっと岩手でも、せっかく行かれているので、中南米の情報発信もぜひしていただきたいと思っているのですが、御所見を伺いたいと思います。
〇佐々木国際室長 国際戦略ビジョンも当室で所管しておりまして、そのビジョンの中でも県産品の販路拡大をうたっているところでございます。
最重点市場という軽重をつけて取り組みを進めているところでありますが、南米というと距離が遠いということがあります。南米に県人の方がいらっしゃるので、気持ちとすれば岩手の食材を輸出したりということができればという思いは私も持っているわけでございますが、距離、それから費用という制約がございますので、なかなか難しいかなというふうには感じているところでございます。
ただ、来年度、南米を訪問する機会がございますので、そういったところも活用して、岩手のいいものを御紹介できればと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 私の質問は、中南米の情報を岩手の若い人たちに、ということで、もちろん距離の問題はあるのですけれども、情報というのは距離は全く関係ないのです。もちろん戦略として、例えば台湾などに岩手のものを売るという戦略があるのは当然だと思うのです。そうではなく、私ごとで恐縮ですが、私の遠い親戚も静岡県からブラジルに移民していてあちらのほうにいるのですが、私もそれは大人になってから実は知ったことで、そういう政策があったということを継承していかなければいけないというか、そういうことをわからなくなってしまうということはすごく残念だなと。距離があるから忘れられるというのはすごく寂しいと思います。中南米の情報は岩手の歴史の一つでもあると思うので、アジアのように近いから情報発信をいっぱいするとかではなく、子供たちがもっと世界のことを知らなければいけないと思うので、そういう意味で現地の情報を岩手にもっと発信していただきたい。
私の質問の仕方も悪かったのですけれども、これは多分ずっと続く事業ですので、毎年やる必要はないと思うのです。何かのきっかけのときに、大人である私たちも忘れてしまうので、子供たちにももっとそういうことを教えていっていただきたいと思いますが、改めて御所見を伺います。
〇佐々木国際室長 大変失礼しました。
県人会の活動につきましては、県で支援しているものもございますので、そういったところからは活動報告のようなものを頂戴しています。そういった中で、県民の皆様にお知らせできるものがある場合には、県としても広くアピールをしながら、お話があったとおり、そのつながりというのを県民の皆様にもお知らせできればと考えております。
〇臼澤勉委員 それでは、私からも数点お伺いさせていただきます。
まず初めに、ILCの関連について、既にいろいろな委員の方から質問が出ておりますが、私からも若干、重複しないようにお伺いしたいと思います。
一般質問において私も質問させていただきましたが、その答弁でILC実現を見据えた振興策を取りまとめるという回答がございましたが、具体的にどのような内容を考えられているのか、まずお伺いいたします。
〇熊谷ILC推進課長 ILC実現を見据えた振興策についてでございますが、県ではこれまで、副部長級をメンバーとするILCの研究会を設け、建設準備期、建設期、運用期の段階を想定して、六つの分科会で、ILCへの課題対応とあわせ、まちづくりや第1次から第3次産業までの新たな展開方策について検討してきたところでございます。
振興策の取りまとめに当たりましては、実際に現場で活動されている方の声や関係団体等との調整が必要であり、平成30年度は、医療や教育の分野でその対応を進めてまいります。
今後、公表される東北マスタープランや経済波及効果の試算を踏まえながら、次期総合計画の議論とも並行して、県としてILCの効果が最大限に発揮される形で取りまとめを行っていく考えでございます。
〇臼澤勉委員 ちょっとお伺いいたしますが、ことしの夏ごろに政府決断というお話がありますが、県として政府決断までにあと何カ月あると捉えておりますか。
〇熊谷ILC推進課長 ヨーロッパの素粒子物理戦略の次期5カ年計画の議論が始まるのがことしの9月と言われておりますが、はっきりした期間を私のほうから述べるわけにはいかないかと存じます。
〇臼澤勉委員 私は、知事にも昨日、あすってどんなあすだと。どこに向かっていくのかという質問をしました。知事からも2040年の姿を見据えた答弁がありました。
私は手元に百年カレンダーを持っておりまして、2040年を見据えたカレンダーを私自身も毎日見ながら過ごしておりますが、この決断に向けて、あともう6カ月を切っているというこの状況において、政府が決断するかしないかの重要なポイントは何と考えているのかお伺いします。
〇熊谷ILC推進課長 まず、国の誘致表明を後押しする取り組みとして最も重要なのは、やはり国へ積極的に要望を行わなければいけないということでございます。これにつきましては、関係団体等と綿密に協議し調整した上で、国へ積極的に要望を行っていきたいと考えております。
また、全国の盛り上がりもそうしたことにつながることから、首都圏でのPRや積極的な情報発信を行うことと考えております。
あわせて、安心して研究や生活が行える環境の整備も重要と考えております。ILCの効果が最大限発揮できるよう、第1次から第3次産業までの振興や、外国人研究者の生活環境や医療、教育などへの対応を通じた多文化共生社会の構築など、本県の振興策も含め、取りまとめてまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 私は、ことしの9月までに決断が下される。これを見据えて、地元市町村等、多分候補地も含めて大分すり合わせをやっているとは思いますけれども、いずれもう決まるということを見据えながら準備を着実に進めて、県民に対しても示していくべきだと考えております。
昨年、海外視察調査で行った際も、県あるいは行政に対しては、研究者の生活立ち上げのつなぎ役をしっかりやってほしいというアドバイスをいただいております。受け入れについてのつなぎ役ももう既にできるわけです。既に外国人の方も県内でいっぱい生活されていますし、年度が変わって、あるいはALTの方もいろいろ来ますので、ぜひ受け入れに対する取り組みも今からやるべきと思いますが、御所見をお伺いします。
〇熊谷ILC推進課長 これまで県として、海外の研究者や外国人研究者を招聘しての意見交換やネットアンケート調査など、外国人のニーズや意向をできるだけ多く聞き取ることに努めてきたところでございます。これらの中には、教育環境の意見を初め、医療提供体制、言葉の壁といった意見がございます。平成30年度には、教育、医療などの分野では、先ほども申し上げましたが、現場の声を反映した具体の対応策の取りまとめを行うとともに、外国人居住環境の分野では、地域のワンストップサービスの検討を深めていく考えでございます。
今後とも、岩手のよさを十分に生かしつつ、外国人等が快適に暮らせる環境づくりに地域と連携しながら努めてまいります。
〇臼澤勉委員 ぜひトライアルでもいいので、やれることをどんどん進めていくということが積み重ねだと思います。
それから、今年度、東北大学と地質調査を行っておりますけれども、現在の取り組み状況をお知らせ願います。
〇熊谷ILC推進課長 東北大学との地質調査の取り組み、共同研究の状況でございますが、科学的に地質の変化が考えられる地形部分の調査から始まりまして、今年度においておおむね20キロメートルの調査範囲をカバーしております。現在、地質データの分析が行われておりまして、年度末までに報告書が取りまとめられ、一定の地質の状況が整理される見込みでございます。北上サイトはおおむね安定した地質が均一に広がっていると聞いているところでございます。
〇臼澤勉委員 ぜひそういった調査、環境調査も含めて丁寧に進めていっていただければと思います。
次に、被災地の通学支援についてお伺いいたします。
平成30年度新規事業で、いわての学び希望基金を活用した通学費用の補助を予定されております。どの程度の利用を見込んでいるのか、また、今まで沿岸被災地の高校生はどの程度公共交通を使って通学されているのか、来年度の利用見込みも含めてお伺いします。
〇渡辺交通課長 被災地通学支援事業費の利用見込み等についてでございますが、本事業は、沿岸被災地に居住する生徒等の通学交通費の負担軽減を図るため、公共交通機関が行う通学定期券の割引販売に要する経費を補助するものであり、対象となる公共交通機関の沿岸地域における販売実績等に基づき、所要額を見積もったものでございます。
内訳といたしましては、三陸鉄道の南北リアス線分として2、300万円余、平成31年3月の開業を予定している-現在のJR山田線になりますが-山田線区間分として1、000万円余、これは3月に開業するということで、1年間分は見ておりません。それと、沿岸被災地を運行する路線バス分として1、500万円余、合わせて予算額4、900万円余と見込んでいるところでございます。
生徒の利用数の見込みですが、生徒1人当たり年間所要額を単純に計算しますと8万3、000円程度ということで、これから逆算しますとおおむね900人程度と試算しているところでございます。
〇臼澤勉委員 この対象となる交通機関の選定基準はどのように決定されているのかお伺いします。
〇渡辺交通課長 交通機関の選定基準でございますが、本事業は、交通機関の運賃水準に着目し、通学定期券の平均賃率、1キロメートル当たりの平均運賃がJR東日本の2倍以上の交通機関を補助対象としておりまして、具体的には、三陸鉄道と路線バス3社-岩手県交通、岩手県北自動車及びJRバス東北を対象としております。
〇臼澤勉委員 私も被災地も歩きながらいろいろな声を聞くんですけれども、今回、BRTで通われている高校生は対象にならないことになっております。具体的に言うと、大船渡市や陸前高田市から通学される子供たちは今回の費用補助の対象にならないことに結果的になろうかと思うのですけれども、私は、ある程度事業の公平性や平等性を確保しながら、ましてやこの財源はいわての学び希望基金ということで、全国から被災地の子供たちへの応援の思いが寄せられた基金でございますので、ここはもうBRTも含めて、通学されている子供たちの費用負担、半額補助というような形で検討されてもよろしいのかなと。そういったことも考えられると思うのですけれども、改めてそれに対する御所見をお伺いいたします。
〇渡辺交通課長 本事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、被災地における通学交通費の負担軽減を図り、高額な通学費が進路選択の幅を狭めることのないようにすることを目的に事業を組み立てたものでございます。本事業により、JR東日本の運賃と比べて高額となっている公共交通機関の運賃を引き下げて被災地における通学定期券の運賃水準の平準化を図ることは、いわての学び希望基金の趣旨にも合致するものと考えております。
〇臼澤勉委員 それではちょっとお伺いしますが、BRTを利用して通学されている生徒はどの程度いらっしゃると把握されておりますか。
〇渡辺交通課長 私どもでも仮にということでBRTを対象にした場合を算定する際にJR東日本に聞いてみたのですが、公表されていない数字ということで、当方では把握できない状況でございます。
〇臼澤勉委員 私は、やはりこの事業の目的というか原点は、沿岸被災地で学ぶ生徒への通学費、そして広域で市町村をまたいで通学されている実態にありますので、市町村ごとのアンバランスや、あるいは市町村の中でも対象になる子供と対象にならない子供ということで、結構混乱といいますか、そういった声も少し聞くものですから、財政課の担当者も今聞いておりますけれども、ぜひ今後そういった市町村の声も再度聞いていただきながら検討していただければと思います。
最後に、情報通信基盤の整備についてお伺いします。
携帯電話利用可能地域の拡大、あるいは中山間地域の地理的条件不利地の解消に向けて、情報通信基盤の整備に県としてどう取り組んでいくのかお伺いします。
〇菊池情報政策課総括課長 まず、携帯電話の不感地域対策についてでございますが、携帯電話の不感地域はいずれも世帯人口が少ない地域でありまして、採算面の課題等から民間事業者による整備が進まないのが現状でございます。
そうした地域におきましては、これまで、国の補助制度を活用し市町村が基地局整備を実施しておりますが、本年度は紫波町など4町の5地域で事業採択されたところであり、平成30年度については、宮古市など4市町の4地域で事業実施の条件となる通信事業者の参画が得られており、当初予算案に整備事業費補助経費を計上させていただいているところです。
県としては、引き続き、市町村の要望を把握した上で、災害時の通信手段としての重要性なども強く訴えながら通信事業者のこの事業への参画を要請するとともに、あわせて、事業者みずから事業活動としてエリア拡大の取り組みもしていただけるように要望していく考えでございます。
同様に、条件不利地域における情報通信基盤、光ファイバー等の整備につきましても、国の補助制度を活用して市町村が整備を進めてきたところです。
県としては、市町村事業への国庫補助の導入に向けた国との調整など市町村の取り組みを支援するとともに、これまで、国に対して条件不利地域における通信事業者の設備投資が促進されるような支援制度の充実、創設等を要望しているところでありまして、引き続き、市町村の要望も踏まえながら、補助制度の活用に向けた国との調整や通信事業者による整備促進に向けた要望活動を行っていく考えでございます。
〇臼澤勉委員 私がなぜこれを取り上げたかというと、本日も交通政策において、例えば先ほどもICカード対応のお話もございました。あるいは防災のお話がありましたし、福祉、観光など、これからの未来を見据えたとき、まさに情報インフラは、道路と同じぐらい、道路以上に非常に重要なインフラになってくるという認識のもと、聞いているわけでございます。
岩手で暮らす、育てる、働くということの基盤づくりにこれは欠かせない基盤だと私は認識しておりまして、先ほど藤田部長も韓国での生活のお話をされていました。韓国がなぜそこまで公共交通などの整備が進んでいるのかというと、やはりITインフラがしっかり整っていることが最大のポイントになると思います。
藤田部長から、御所見をお伺いして終わります。
〇藤田政策地域部長 先ほど韓国でのお話もございましたけれども、おっしゃるとおり、韓国と日本を比較したとき、私も生活していてすごく実感しましたのは、韓国が非常に日本よりも進んでいる面はITと交通というのは間違いないだろうと思っております。
ITについては、特に国策として進めてきたということもございますし、また、交通について、なぜあそこまであまねくITを活用したシステムが構築されているのかというところを突き詰めていきますと、やはり経緯的に国の統治機構に行き着いていくわけですけれども、いずれにしても国策として進めてきたという経緯もございます。その点、日本の場合は、特にバスについては、地方分権と言えば聞こえはいいかもしれませんけれども、地域に任せているところが非常に強いと思っていまして、現在でも、バスについては国からの補助はありますけれども、これは運行費の赤字補填的な補助がメーンということもありまして、果たしてそれ一辺倒でずっと続けていくのがいいのかという疑問は私も感じております。IC対応のシステムやバスロケーションシステムについての補助もやはり国のほうで創設してもいい時期なのではないかと感じておりまして、そういった考えを今後の検討に生かしてまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇高橋元委員長 質疑がないようでありますので、これで政策地域部関係の質疑を終わります。
政策地域部の皆さんは退席されて結構です。
次に、復興局長に復興局関係の説明を求めます。
〇佐々木復興局長 平成30年度の復興局関係の歳出予算について御説明申し上げます。
初めに、平成30年度予算編成に当たっての復興局の基本的な考え方についてでありますが、東日本大震災津波からの復興の着実な推進に向け、次の五つを施策の柱として予算を編成したところです。
第1は、第3期復興実施計画の進捗管理と次期総合計画における復興の計画の策定であります。
第3期復興実施計画の推進及び次期総合計画における復興の計画の策定に資するよう、復興委員会等による調査審議、現地における意見交換や各種指標によるモニタリングを行います。
第2は、災害に強い安全なまちづくりの実現です。
復興事業の円滑かつ迅速な実施を支援し、早期の住宅再建を図るため、社会資本の復旧・復興ロードマップの更新により被災者に情報提供を行うとともに、防災集団移転促進事業により市町村が買い取った移転元地の利活用など、市町村のまちづくりを支援してまいります。
第3は、安心して心豊かに暮らせる生活環境の実現です。
被災者一人一人の復興が地域の復興につながることから、市町村、関係機関、NPO等と連携して被災者の状況に応じたきめ細かな支援を行います。
第4は、なりわいの再生と地域経済の回復です。
沿岸地域の産業復興を促進するため、若者や女性を初め被災地で起業等を行おうとする方を支援するとともに、基幹産業である水産加工事業者の人材確保を市町村と共同で支援いたします。
第5は、復興に係る情報発信ときずなづくりです。
国内外から支援等で岩手に来ていただいている方々とのつながりやきずなを交流へと発展させていくとともに、記憶の風化防止や教訓を生かすため、積極的な情報発信と交流の機会づくりを行うほか、震災津波を伝承する施設の整備に取り組みます。
続きまして、歳出予算について御説明申し上げます。
お手元の議案その1の6ページをお開き願います。復興局関係の一般会計歳出予算は、2款総務費のうち、2項企画費の一部8億4、000万円余と、3款民生費のうち、7ページの5項災害救助費の一部76億1、200万円余、及び9ページに参りまして、12款公債費の一部1億1、700万円余であり、合計で85億6、900万円余の予算額となっております。これを平成29年度当初予算と比較いたしますと、金額にして9、700万円余、率にして1.2%の増となっています。
以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の89ページをお開き願います。
なお、説明欄に記載の主な事業の内容を中心に御説明申し上げ、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきます。
2款総務費2項企画費1目企画総務費の説明欄の中ほどにあります復興局の二つ目、復興情報発信事業費は、震災の記憶の風化防止等のため、いわて三陸復興フォーラムの開催や復興を担う人づくり、いわて復興だよりの発行など、復興に関する重層的な情報発信を行うものであります。二つ飛びまして、震災津波関連資料収集・活用等推進事業費は、東日本大震災津波の事実と教訓を今後の国内外の防災活動等に生かすため、いわて震災津波アーカイブ~希望~への資料の蓄積及びその周知を図るとともに、関係機関と連携し、さらなる活用を促進するものであります。一つ飛びまして、震災津波伝承施設(仮称)整備事業費は、東日本大震災津波の記憶や経験を語り継ぎ、その教訓を国内外に発信し、次世代に継承していくため、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内において、国等の関係機関と連携し、震災津波を伝承する施設の整備を進めるものであります。一つ飛びまして、地域基幹産業人材確保支援事業費補助は、被災地の基幹産業である水産加工業の早期復興のため、水産加工事業者が新たに人材を確保するために必要な宿舎整備に要する経費の一部を市町村と共同で補助するものであります。次のさんりくチャレンジ推進事業費は、復興まちづくりに合わせたなりわいの再生を促進するため、若者や女性を初め、被災地で起業や新事業に挑戦する方に対し、事業計画の策定や資金調達、販路開拓など総合的な支援を行うものであります。90ページに参りまして、2目計画調査費の一番下、復興計画推進費は、第3期復興実施計画の進捗管理及び次期総合計画における復興の計画の策定のため、施策や事業の進捗状況について進行管理を行うものであります。
次に、少し飛びまして、125ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費のうち、説明欄の中ほどにあります復興局の二つ目、救助費は、災害救助法に基づき、引き続き応急仮設住宅の維持管理やみなし仮設住宅の借り上げを行うほか、応急仮設住宅の解体撤去や仮設住宅用地として利用したグラウンド等の原状復旧、入居者の仮設住宅間の移転費用の一部負担などを行うものであります。四つ飛びまして、総合的被災者相談支援事業費は、いわて内陸避難者支援センターにおいて、内陸部及び県外に避難されている方に対し、恒久的な住宅への移行支援等を行うとともに、沿岸部の被災者相談支援センターにおいて、相談員や専門家が被災者からの生活再建に関する相談に総合的に対応するほか、新たに被災者生活設計アドバイザーを委嘱し、訪問による相談対応を強化するものであります。一つ飛びまして、被災者住宅再建支援事業費補助は、持ち家による住宅再建を促進するため、住宅が全壊するなどの被害を受けた被災者に対し、住宅の建設、購入に要する経費を市町村と共同で補助するものであります。次の被災地コミュニティ支援コーディネート事業費は、被災者の生活再建先におけるコミュニティー形成を円滑に進めるため、市町村と被災者支援を行う民間団体等の調整役となるコーディネーターを配置するものであり、支援対象地域を内陸部にも拡大し、市町村の取り組みを支援するものであります。次の被災者の参画による心の復興事業費は、被災者が参画し、みずから活動する機会の創出等を通じ、被災者の心の復興を支援する民間団体等の取り組みに要する経費を補助するものであります。
次に、大きく飛びまして、239ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち1億1、700万円余が当局の所管でありますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございます。
以上で復興局関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇高橋元委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
2時間が経過しました。この際、世話人会の申し合わせにより、10分ほど休憩いたします。
午後5時10分 休 憩
午後5時32分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 いわての学び希望基金についてお伺いしたいと思います。
いわての学び希望基金「活用状況のご報告」によりますと、平成29年9月30日現在、2万589件、91億200万円余の支援をいただき、94人の孤児、489人の遺児を初め多くの被災地の子供たちの支援に使われておりますが、手元の数字で平成28年度末で74億8、467万円の基金残高があり、その活用をどのようにするか、これまで議論があったと思っております。
今般、県では、平成30年度に新規事業を立ち上げ拡充を行うとしておりますが、平成29年度2月補正後の数字で3億9、458万4、000円の事業費であったのに対し、平成30年度は事業予算でどのぐらい拡充されるのか、また、主な新規事業、拡充事業をお示しください。
〇熊谷復興推進課総括課長 いわての学び希望基金についてでございますが、今年度は、基金のさらなる活用に向けまして、4月から、関係部局をメンバーとする連絡調整会議を新たに設置しまして検討を重ねてきたところであり、その結果、教育委員会では、遺児、孤児の方々を対象にした奨学金の給付について、月額の給付額の増額や給付対象を大学院まで拡大するほか、政策地域部では通学費用の負担軽減により修学を支援する事業を新たに実施するなど、拡充を図ったところでございます。
これによりまして、平成30年度当初予算案における基金を活用する事業ですが、新規または拡充の11事業を含む22事業を実施し、合計で8億8、400万円余となっており、これは、今年度と比較しまして、金額で約2倍となっております。
〇佐々木朋和委員 今のお話ですと、毎月の給付額、一時金が増加されるということですけれども、それぞれどのぐらい増加されるのかお聞きしたいのと、あとは、保健福祉部では、それぞれ看護師、医師、保育士確保についての資金貸付事業も実施しているということでありますけれども、これについては給付型なのでしょうか、その辺も詳しく教えていただきたいと思います。
〇熊谷復興推進課総括課長 遺児、孤児の皆さんを対象にした奨学金の給付についてでございます。例えば小学生については月額2万円だったものを3万円に、中学生は2万円から4万円に、高校生は4万円から5万円に、大学生は、今回から自宅と自宅外という区分を新たにつくりまして、自宅外の場合は6万円から10万円に引き上げしております。また、新たに設定した大学院生につきましては、自宅の場合は6万円、自宅外の場合は月額10万円となっております。
また、看護師あるいは保育士、医師の修学資金の貸し付けにつきましては、沿岸出身者の枠をつくって実施するものですが、それぞれ一定の期間、県内に勤務した場合には免除するという規定がございます。
〇佐々木朋和委員 来年度から支援対象となる子供たちが小学校へ入学するというタイミングにおいてこのように拡充し、また、いわての学び希望基金の趣旨に沿った形で拡充されたということ、これまでの検討に心から敬意を表させていただきたいと思います。
いわての学び希望基金による支援は、今度、小学校に上がる子供たちが社会人になるまで継続的になされなければいけません。そういった中で、県は毎年どの程度の支援を見込み、どのぐらい先まで予測を立てているのか、基金残高は大丈夫か、県庁内のコンセンサスはしっかりととれているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇熊谷復興推進課総括課長 今後の見通しについてでございます。例えば、今回拡充します奨学金給付事業につきましては、教育委員会では、遺児、孤児の方々が大学院まで修了した場合の2035年度あたりまでの給付を見通したシミュレーションを行って、今後の見込み額を試算しております。
また、今回の拡充によりまして、今後の寄附金の活用につきましては、今集まっている寄附金の額で一定のめどが立っているものと考えております。
来年度におきましても、関係部局による連絡調整会議を継続して開催しまして、基金の効果的な活用に引き続き努めていきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 基金の残高からしても大丈夫だということでございました。しかしながら、一方で社会情勢の変化等、まだまだ拡充すべきところもあるかと思います。
そういった中で、寄附額が平成28年度が4、200万円余だったのに対して、平成29年度は、1月末ですけれども、3、500万円余と減少傾向にあると思っております。これから、いわての学び希望基金は、爆発的な金額を集めるということではないかもしれませんが、長く支援をいただくという定着の時期に来ているのではないかと思っております。また、これまで基金残高が多いということで、もしかしたら、寄附する方には、もう十分なのではないかといったメッセージも伝わっていたかもしれません。そういった中で、今回、新規事業を拡充したという段階で、いま一度、引き続きの支援を呼びかける時期かと思いますけれども、所感と思いを局長からいただきたいと思います。
〇佐々木復興局長 いわての学び希望基金につきましては、県内外から数多くの御支援をいただきまして、まことにありがたいことだと思っております。
これまでもふるさと岩手応援寄付として広く協力の呼びかけを行ってまいりましたほか、当復興局におきまして発行しておりますいわて復興だより、あるいはいわて復興の歩みといった紙媒体にも記事を掲載して協力をお願いしておるところであります。また、企業等から県に対する寄附金の贈呈式があった際には、そういった様子について県のホームページにアップするなど、さまざまな形で協力要請を行ってきたところであります。
委員から御指摘のありましたとおり、今後とも、被災地の子供たちに対して安定した支援が行えるよう引き続きの呼びかけが必要かと考えておりますので、さまざまな機会を捉えて、そうした協力についての呼びかけを行ってまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 いわての学び希望基金「活用状況のご報告」の中には、大学院に行って研究したいという男の子の思いも載っておりました。そういった中で、今回、大学院までも拡充されたというのは本当によかったと思っているところであります。また、こうした子供たちの声を聞きながら拡充していく部分というものも不断にあるかと思っております。我々議員も、地域に戻って引き続きの支援を呼びかけたいと思いますので、ぜひとも復興局からもそういった声を出していっていただきたいと思っております。
次に、震災津波伝承施設(仮称)整備事業についてお伺いしたいと思います。
この予算については、来年度、震災津波伝承施設(仮称)の中の展示物等について着手するというところであるかと思います。これについては、高田松原津波復興祈念公園有識者委員会のもとに、空間デザイン検討委員会、協働体制検討ワーキンググループ、震災津波伝承施設検討委員会と三つ委員会が置かれているわけでありますが、そのうちの震災津波伝承施設検討委員会の議事録も見させていただきました。
その中で、委員の皆様方から、毎回のように施設の中身の部分の検討はするのだけれども、これを実際に運営していく皆さんはどうなるのだと。これが、2番目に申し上げた協働体制検討ワーキンググループで、協働の形から、そういった皆さんたちに主体になっていただくようにという会議であるのですけれども、そういったところがまだ見えない中で、施設の検討をしていかなければいけないと苦慮する姿が目に浮かぶような議事録だったのかと思っております。
本来であれば、施設を検討するという中にあっては、どういった使い方を主体がしていくのだというところも含めて検討されるべきだと思うのですけれども、こういった委員会が別々に同時進行で行われてきたということについて、この経緯をまずお示しいただきたいと思います。
〇和村まちづくり再生課総括課長 震災津波伝承施設(仮称)が整備される高田松原津波復興祈念公園整備の検討においては、公園全体の計画、設計等について検討を行う高田松原津波復興祈念公園有識者委員会を親委員会とし、その下に、テーマごとに具体的な検討を行うため、それぞれの専門分野の有識者等をメンバーとして、公園における空間デザインを検討する空間デザイン検討委員会、公園における市民等が協働した管理、運営体制等を検討する協働体制検討ワーキンググループ、震災津波伝承施設に必要な機能や展示内容等について検討する震災津波伝承施設検討委員会の三つのワーキンググループ等を設置して検討してきたところでございます。
この有識者委員会及びワーキンググループは、それぞれ国と県及び陸前高田市が事務局となっており、全ての会議にこれらの関係者が出席し、検討を進めております。
また、協働体制検討ワーキンググループにおいて、適宜、伝承施設の検討状況について説明を行うとともに、伝承施設検討委員会においても、他のワーキンググループ等の検討状況を報告するなど密接に連携を図りながら、それぞれのワーキンググループ等の検討を進めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、御説明いただきましたけれども、実際に伝承施設検討委員会の議事録を見ると、この検討委員会では、ワーキンググループでどういった施設の使い方をするのだというところの議論を期待した部分もあったのですが、それに対して、公園全体についての意見は出たが、伝承施設そのものの使い方については意見が出なかったという報告もあるところであります。
そういったお互いの役割というのは、例えば、伝承施設検討委員会のそういった期待というのはワーキンググループには届いていたのでしょうか。その辺はどのようにお考えになっていますか。
〇和村まちづくり再生課総括課長 伝承施設の管理運営につきましては県で行うということで、協働体制検討ワーキンググループにおいて、公園全体の周辺の整備ですとか管理を検討しているところでございまして、実際、施設そのものにつきましては、伝承施設検討委員会の中で管理等についても検討しております。
〇佐々木朋和委員 今のお話だと、ワーキンググループで施設の使い方についても検討していたということなのでしょうか。
〇和村まちづくり再生課総括課長 協働体制検討ワーキンググループの中におきましては、公園全体の中で伝承施設をどう位置づけるかということを検討しておりまして、当然、その中では伝承施設をどうつくるかも報告しておりますし、その施設と遺構等につきまして、どう関連して使うかということを検討しております。
〇佐々木朋和委員 少し遠回しのような、公園の中の位置づけということで検討していたようなお話だったのかと思います。であるならば、伝承施設検討委員会で、この施設をどうやって使いたいのだと。例えば展示のみなのか、それともボランティアガイドがついて見せるような施設なのか、もしくは学芸員もついて、防災教育についてもう少し深く学ぶ施設なのか、そういったところも含めて、伝承施設検討委員会に振ればよかったのではないかと。その辺がどこで検討されるべきか、今の伝承施設検討委員会もその主体を待っているというような感じが見受けられたものですから、聞き方として、来年度から着手する震災津波伝承施設はどのように使われるものだと県は認識しているのか。来ていただいたお客様に展示を見ていただくのか、それともボランティアガイドがついて、地域の皆さんで運営しながら説明も聞けるような施設なのか、もしくは学芸員が入って防災教育をしっかりと受けるような施設なのか、この点についてはどのように考えていらっしゃいますか。
〇和村まちづくり再生課総括課長 この施設につきましては、フリーでいらっしゃる方も当然おりますけれども、団体で教育学習ということでいらっしゃった方々につきましては、きちんとこちらのほうでプログラムをつくりまして、深く学んでいただくというふうに考えております。その中にいろいろな企業ですとか専門家の方々も交えまして、プログラムをつくっていこうと考えております。
〇佐々木朋和委員 もちろん、この検討委員会では、コンセプトであるとか、また、どういった施設であるかというのはしっかりと検討していただいてすばらしいものが出ていると思うのですけれども、実際に受け入れる観光の視点というんですか-こういった防災施設を観光という言い方をするのはちょっと語弊があるかもしれませんが、この施設がこれだけの予算、これだけの広さを使って、年間1万人来るところなのか、10万人来るところなのか、それとも平泉と並ぶような100万人来るようなところなのか、そういったところは、地域の復興、地域の振興にとっても、経済効果といった面でも大変大きいのではないかと思っているところであります。
そういった意味での利活用、観光の視点での検証がなされているのかというのが次の質問です。
検討委員会の議事録では、展示スペースについて、ワンバス40人を定員として想定していると言っておりますけれども、これは1周どのぐらいかけて見ていくような施設なのか、また、次の団体は何分置きにスタートすることが可能なのか。修学旅行の受け入れといったときには、何クラスまで同時に受け入れられるのか。それを受けて、年間何万人の入場を目標とするということが出てくると思うのですけれども、そういったところについての検討はなされているのかというのを伺いたいのと、あとは、この施設は通過型になるのか、それともその場で宿泊をして、しっかりとした合宿プログラムみたいなことを組んでいけるようなものになっていくのか、こういったことも重要な視点だと思うのですけれども、この点について検証がなされているのかお知らせいただきたいと思います。
〇和村まちづくり再生課総括課長 震災津波伝承施設は、東日本大震災津波の事実と教訓の世界そして未来への伝承、復興に立ち上がる姿と感謝の発信とともに、三陸沿岸地域へのゲートウエー機能を有する施設として整備することを整備方針に掲げております。
このため、観光の視点も取り入れながら整備を進めることが重要であると認識しており、沿岸市町村の震災関連施設や観光情報について展示するなど、伝承施設を訪れた方々に他の市町村にも足を運んでもらえるような仕組みにするとともに、国外から訪れる方々に対応するため、英語、中国語、韓国語での展示解説も予定しております。
また、修学旅行や防災学習での利用を想定しまして、施設内に設置するセミナー室を活用した防災学習等の教育、普及プログラムの提供も検討しております。
今後は、団体で訪れる方々にきちんと対応するため、展示施設を見学するグループ、セミナー室で防災学習をするグループ、公園内の震災遺構を見学するグループなど、団体利用者が同時に見学や合宿ができるような仕組みについて、観光を担当する部署などとも連携しながら検討を進めたいと考えております。
なお、標準的な施設を見る時間としましては1時間ぐらいと考えております。また、グループにつきましては、一つのグループが入場したとしても、違うグループはセミナールームで勉強するとか、伝承施設を見るとか、遺構を見るとかいろいろありますので、大体5グループ、40人のクラスであれば、約200人と考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、そういった観光の視点というものも入れて、検討をより深くしていただきたいと思います。
検討委員会がこれから続いていくのかどうかちょっとわかりませんけれども、専門家をお呼びしてという場面もあるようですから、観光のプロにも、修学旅行を造成するような人にも来ていただいて、この施設をどうやって使うのかということの御意見をぜひともいただければいいのではないかと思います。よく、高校生同士だと、違う学校が一緒になるのはまずいとか、いろいろあるかと思いますので、ぜひともその辺はしっかりプロにも見ていただいてやったほうがいいと思います。
最後に局長にお聞きしたいと思いますけれども、我々県議会として、最初のつくる段階の予算が出てきて、これが年間大体どのぐらい、何万人の人が来るのか、もしくは維持管理-この前、公益社団法人中越防災安全推進機構の稲垣さんが、東日本大震災津波復興特別委員会でいらっしゃいましたよね。そのときにもやっぱり維持管理、更新というのが大事だということもあって、そういったところに幾らかかるというのもわからない段階でこれを審議して承認くださいというのは、なかなかつらいものがあると思います。
県の建物というのはそうなのかもしれませんけれども、私は、これは審議するほうもなかなか厳しいと思っておりました。津波伝承施設は、陸前高田市のみならず沿岸にとってもこれから大事な施設だと思いますので、ぜひとも有効に使っていただきたいという思いで、最後に所感を聞いて、終わりたいと思います。
〇佐々木復興局長 この伝承施設につきましては、東日本大震災津波の事実と教訓を次世代に伝承するとともに、また、世界に対してこれを発信していくという非常に大きな役割を持っております。この施設を充実させることが、いろいろ国内外から支援を受けた我々の使命だとも思っております。
そういった意味で、委員から御指摘のありましたとおり、さまざまな観光の視点も取り入れ、あるいは防災教育、震災教育というのは非常に重要ですので、そういった機能も充実させながら、そして、総括課長から答弁申し上げましたが、ゲートウエーとして、陸前高田市のみならず、そこから沿岸各地域、各被災したところを見ていただくといった機能も果たせるように、しっかりとした施設をつくってまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私からは1点のみでございます。代表質問でも岩手県東日本大震災津波復興計画のあり方を取り上げましたけれども、質問に対して答弁がかみ合っておりませんでした。かみ合っていないのは今回だけではないのですが、改めて確認させていただきたいと思います。
新年度は復興計画8年目の最後ということで、県は、それ以降は次期総合計画の第1章に組み入れるというような形で今進んでいるかと思います。私は、そういった話が出たときからちょっと違和感を感じて、復興計画を延長すべきだと思っていたのですが、今調べましても、復興計画の8年内に全員が応急仮設住宅から出られるわけでもない、ハード面の整備事業も、71%は終わる見込みで、29%は残るという現実があります。
そういった中で、私はやはり復興計画を延長すべきと思うのですが、これは延長するのか、しないのかというはっきりした答弁をまずいただけますでしょうか。
〇熊谷復興推進課総括課長 復興計画の期間の関係についてでございます。ちょっと経緯をお話ししたいと思いますが、平成23年度の復興基本計画の策定に当たりましては、甚大な被害状況や復興に向けた各分野の取り組みに要する期間を踏まえて、できるだけ迅速な復興を目指すという観点から、複数の計画期間のパターンを東日本大震災津波復興委員会などに示して議論いただいた上で、現行の総合計画と終期を一致させるため、計画期間を8年として、その旨、復興基本計画に定めているところでございます。
また、第3期復興実施計画におきましても、2019年度、平成31年度以降でございますけれども、次期総合計画において、東日本大震災津波からの復興に向けた基本方針に位置づけた二つの原則の考え方を引き継ぐとともに、復興の取り組みを明確に位置づける旨を定めております。
このようなことから、昨年開催しました総合計画審議会や東日本大震災津波復興委員会でも議論いただきまして、2019年度からの東日本大震災津波からの復興については、次期総合計画の中において定めることとしたものでございます。
〇岩崎友一委員 簡単に言えば、今の段階では延長しないというか、次期総合計画に入れるということであるかと思いますけれども、発災当初は、8年の計画でこれを頑張りましょうという目標を立ててやるのはいいと思うんですよ。ただ、復興を推進していく中で、実際おくれてしまっている部分が出てきたというときに、一番大事なのが、復興計画を延長せずに次期総合計画の中に入れ込む過程でどういった議論があったのか。その議論の中には、復興がおくれている、8年間終わってもまだ29%の事業が残るのだ、応急仮設住宅にもまだ人が残っているのだと、そういった被災地の現状というものもしっかり議論された上で決定されたのか、その決定過程についてお示しいただきたいと思います。
〇熊谷復興推進課総括課長 総合計画審議会等の委員の中で、発災当時の東日本大震災津波復興委員会から携わっていた方の発言を見ますと、現行のいわて県民計画と終期を一致させることで、復興がいつまでかかるかわからないけれども、その時点で復興に必要な取り組みは次の総合計画の中で取り組んでいけるようにできるというような発言もあります。
そういったこともありますし、現在の復興事業の進展を見ますと、総合計画の各件に掲げております施策や地方創生の取り組みと一体的に取り組む必要性が増しているといったところもありますので、最上位計画であります総合計画に定めることで、復興の推進をより図ることができるのではないかと考えております。
〇岩崎友一委員 その審議会なりの諮る場で、復興計画の事業が29%は終わらない、おくれているという事実だったり、まだ応急仮設住宅に残っている人もいるという事実も委員の方々にちゃんと伝えて、そういったものも踏まえた上での判断なのですか。
〇熊谷復興推進課総括課長 復興状況については、社会資本の復旧・復興ロードマップですとかいわて復興インデックスなどの進捗状況の資料をその都度お示しして、議論をいただいているところでございます。
〇岩崎友一委員 わかりづらいですけれども、そうすると、委員の皆さんも、復興計画期間内に事業が終わらない事実、応急仮設住宅に残る人がいる事実をわかった上で、そういう判断をしたということでいいのですよね。
〇熊谷復興推進課総括課長 現在の第3期復興実施計画を、次期総合計画の中でアクションプランとしまして、(仮称)復興プランというものをつくって、しっかり引き継いでいくというような流れになっております。
〇岩崎友一委員 確認ですけれども、委員の皆さんは全会一致で次期総合計画に入れるべきだということなのですか。中には、やっぱり延長すべきだという声もあったのですか。その辺はいかがでしょうか。
〇熊谷復興推進課総括課長 復興委員会に総合企画専門委員会を設けておりますが、その中の委員からは、次期総合計画でも復興の取り組みをしっかり位置づけてほしいという要望ですとか、復興自体のウエートが低くならないよう注意する必要があるなどの意見をいただいております。
〇岩崎友一委員 その件はわかりました。
それで、次に確認したいのが、震災から3月11日で7年になりますけれども、その前に知事が共同インタビューに答えていまして、これでは、国の復興・創生期間-2020年度で県より2年長いのですね。県の復興計画が終わっても、2年間国はしっかりやるという方針を示しています。ただ、2020年度には復興庁を廃止する計画になっておりますので、その後継組織のあり方という部分がありますけれども、知事がこういったコメントをしています。国の体制いかんにかかわらず、震災津波発生に伴う特別な施策は、被災地復興の現場で引き続き必要性がある。国がどういう体制で臨むかについては、市町村の声をよく聞くのが大事だと。私も、今振り返っても、ここまで復興してきましたけれども、思い返せば本当に大災害で、多くの困難を一人一人が乗り越えてきているわけです。より丁寧に進めていかなければならない。知事が言うように、国も市町村の声を聞くのは大事だというのは、まさにそのように思います。
これは組織の話でありましたけれども、大きなものを決めるという意味では、復興計画のあり方、今後どうするかという議論も同様かと思うのですが、県が復興計画を8年で終えて次期総合計画に引き継ぐということに関して、各市町村と協議はされたのでしょうか。
〇熊谷復興推進課総括課長 第3期復興実施計画の策定や次期総合計画の策定を進めるに当たりましては、復興局長が沿岸の全ての市町村長を個別に訪問して県の方針を説明し、御意見を伺っているところでございます。
ちなみに、昨年は4月と9月に2度、全市町村の首長を回りましたし、ことしは1月になってから沿岸南部の市町村長を回って意見交換をしております。
〇岩崎友一委員 その際の意見というのは、どういったものがあったのでしょうか。
〇熊谷復興推進課総括課長 市町村には県より長い復興計画期間、9年、あるいは10年のところや、もう終わったところもあります。そういった計画期間も重要ですけれども、必要な取り組みは、そういう計画期間にかかわらず取り組んでいくという旨を復興局長のほうから話しております。
〇岩崎友一委員 それに対する市町村の意見はどういったものがあったのか。
〇熊谷復興推進課総括課長 おおむね了解を得られたものと思っております。
〇岩崎友一委員 おおむね了解のおおむねのその幅がどれだけかというのもあるのでしょうが、実は私は前にも言ったことがあるのですが、特に被害が甚大であった沿岸南部地域というのは、復興という名のもとに、まだまだやるべきことが残っている。そういった中で、国も2020年度までは復興・創生期間として、お金も含めてしっかりやるという覚悟を決めているので、私が本当は県に-市町村の計画は確かにばらばらです。復興の進捗状況もばらばらですけれども、まだ国もやるということなので、例えば8年の市町村があれば、2年延ばして一緒にやりましょうとか、県がしっかり音頭をとって連携して進めていく姿勢が必要だったと思うのですが、その辺は、これまで県として議論になったのかどうかお伺いします。
〇熊谷復興推進課総括課長 今、委員からお話がありましたとおり、復興については最後の一人までずっと支援していくというスタンスだと思いますけれども、今度、次期総合計画の中でつくる(仮称)復興プランは2019年度から2022年度までの計画となります。これについては、現在の第3期復興実施計画と同様、具体的な施策ですとか事業まで盛り込んだものを想定しておりますので、そうしたことで切れ目のない復興が取り組めるように創意工夫をしていきたいと思います。
〇岩崎友一委員 それは私は聞いてないのです。県のリーダーシップの話を聞いているのですよ。その辺をもう一度答弁ください。
〇熊谷復興推進課総括課長 市町村長を訪問したときには、次期総合計画で復興の取り組みを推進する旨をお話しして意見交換をしているところですが、本当に最後の最後まで、復興が終わるまで県が主体的に支援してまいりますということをお話ししているところでございます。
〇岩崎友一委員 局長、県がリーダーシップをとっていくべきである、あった、その辺はどうですか。
〇佐々木復興局長 復興に関する次期総合計画のあり方につきましては、今、総括課長が申し上げたとおり、いろいろな考え方のもとに、あるいは過去の経緯のもとに、県として一定の方針を持って、私が沿岸の各市町村長の方々とお話をし、その中でいただいた意見をもとに、現在、総合計画審議会あるいは復興委員会のほうに付議しているとおりでございます。
私の説明としては、今の県の復興計画は、復興基本計画と復興実施計画の二本立てであります。復興基本計画の中では、まちづくりのグランドデザインといったところにページを割いて、多重防災型のまちづくりはこんな考え方で進めていくのだというようなことも書いております。そして、三つの原則、10の分野ということで、中長期の取り組みを書いておりまして、それを踏まえて、1期から3期までの実施計画の中で、さらに具体的な工程表も示しているものだということであります。
その中では、基本計画に定めたまちづくりのグランドデザインというのは、今の段階ではもう既にそれぞれまちづくりを進めていますので、改めて計画に定めるものではないだろうと。そうすると、目指す姿は何か、そういったことは県の上位計画である総合計画と連携してきちんと位置づけたいということ、そしてまた、実施計画に当たるものについては(仮称)復興プラン-今の総合計画ですと、政策編、地域編、行政経営編と三つあるのですが、それとは別に復興編的なものをつくり、それは、おおむね今の復興実施計画と同じような構成で考えているという説明をいたしましたところ、各首長の方々からおおむね御了解をいただいたということでございます。
〇岩崎友一委員 リーダーシップの話にまだ触れられていないのですけれども、県がそういう案を提案したのであれば、やっぱり首長の方々もそうなっちゃうんじゃないですか。こういうふうに県で進めていきたいと思いますと言うと、やっぱりそうしかならないと思うのですよね。
私が何でこれにこだわるかといえば、今、応急仮設住宅に残っている人というのは、老夫婦であったり、おばあちゃんのひとり暮らしなんですよ。情報源はどこかはあれですけれども、県の復興計画は終わっちゃうんだよね、そうしたらどうなるのかねと、そういう声が多いわけですよ。私も説明しますよ。次の計画の中にしっかり入って、一応、方針としてはやるようですと言っても、みんな首をかしげて、どんどん自分が取り残されてしまうという思いをすごく持っているわけです。だから、私の感覚からすれば、知事は被災者一人一人に寄り添うと言いながらも、言っていることとやっていることがずっと違っている気がするのです。だから、今回の復興計画が次期総合計画の中に組み入れられると、自分は、組み入れられるというか、埋もれて終わりだと思うので、今もなお有事であるということを、県内外、国内外にも示していく、大変だからちゃんと国もお金をくださいということを示していくためには延長するのが一番明確で、県民に対してもわかりやすかったと思うのですよ。だから、今これだけ取り上げているのですけれども、その考え方について局長はどのように思いますか。
〇佐々木復興局長 単体としての復興計画を延長すべきという御意見だと受けとめましたけれども、先ほども御説明しましたとおり、復興についての基本的な考え方、目指すべき姿というものは、県の最上位計画である総合計画の中にしっかり位置づけて、総合計画と復興というものの位置づけを明確にし、その上で個々に取り組む実施計画に相当する(仮称)復興プランというものは、ある意味では第4期的なものとしてつくっていくということでございますので、そういった意味で、計画がここで終わるというものではないということであります。
これに関しての説明なりが足りないということなのかもしれません。今回、次期総合計画をつくるに当たっては、パブリックコメントとか地域説明会を計画しておりますので、そうした中でしっかり情報発信し、また、御意見も伺っていきたいと思っております。
〇岩崎友一委員 私はそれで納得しませんし、何か、結論ありきでずっと進められてきたと思うのです。もう計画はこれで終わり、次は次期総合計画に組み込もうと。だから、その過程で、復興の進捗がおくれているから延長しようかという議論もまともになされてこなかったのではないかと強く思うわけです。
何度言っても方針は変わらないようでありますけれども、私も7年目、応急仮設住宅にまだいますが、実際、避難生活はやっぱり大変ですよ。計画をつくるのも大変でしょうけれども、現地で暮らしている方々は大変で、局長はいろいろ行かれて、その辺はわかっていると思うのですけれども、そういった気持ちをしっかりと県の計画にも具体的に生かしていただきたいと思いますので、期待していいのかどうかわかりませんけれども、よろしくお願いします。これは、もうそれしか言いようがなく、堂々めぐりなので、終わります。
〇阿部盛重委員 私のほうからは災害援護資金についてお伺いいたします。
内容的には御存じかと思うのですが、災害で住宅が被災したり世帯主が重傷を負ったりした場合に被災者に市町村が貸し付ける制度であり、震災特例で返済期間が13年、当初6年は猶予期間として返済不要とされ、その後、返済、免除されず徴収できない分は市町村が負担することになっております。また、平成28年度末までの貸し出しが1、065件、27億円ほどで、早い人で昨年11月から返済がスタートした方もいらっしゃいます。
本県では、仕事を失った方や、年金生活者も多いため、返済猶予や小口返済のほか、震災特例で利子減免や返済、猶予期間の延長などが予測されると思うのですが、その点、どのような対応をされるのかお伺いいたします。
〇工藤生活再建課総括課長 災害援護資金に係る東日本大震災津波の特例についてでございますが、災害援護資金の利率につきましては、通常、年3%のところ、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律及び関係法令による特例によりまして、保証人がある場合は無利子、保証人がない場合も年1.5%と軽減されております。
さらに、本県におきましては、保証人のない借受人の利子相当分を市町村が補助する経費について県が補助することとしておりまして、借受人の方の経済的負担の軽減を図っているところでございます。
また、東日本大震災津波に係る特例によりまして、返済開始まで通常3年の据え置き期間のところを、原則6年に延長されているところでございますが、お話のとおり、今年度から、据え置き期間が終了して約定償還が始まる市町村もあるところでございます。
借り受けをされた方からの償還に当たりましては、市町村は、法令、条例等に基づいて借受人の方の資力状況などに応じて、支払いの猶予や少額での返済などの対応もできますことから、県内の市町村では、償還が困難な場合には相談するように促すなど、借受人の方の経済状況に配慮した対応を行っていると聞いております。また、県としましても、償還が困難な方については、それぞれの状況を丁寧に把握して、支払いの猶予など返済能力に応じた対応をされるように市町村に助言をしているところでございます。
〇阿部盛重委員 償還免除の事由の件でお聞きしたいのですが、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第103条第1項、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律の厚生労働省関係規定の施行等に関する政令第14条第5項、災害弔慰金の支給等に関する法律第13条第1項の関係では、通常の償還免除の事由は、借受人が死亡したとき、又は重度障がいにより償還できなくなったと認められたときでありますけれども、東日本大震災津波の被災者への貸し付けについては、支払い期日到来から10年経過後において、なお無資力またはこれに近い状態にあり、かつ償還金を支払うことができる見込みがない場合も免除要件に該当するということになっておりますが、本県も同様の考えでよろしいのでしょうか。
〇工藤生活再建課総括課長 支払い期日から10年を経過後において償還金を支払う見込みがない等の場合の免除についてでございますが、県内の該当市町村は、委員御指摘の関係法令に基づき、条例改正をしておりますので、本県においても、該当する場合は免除となるところでございます。
ただ、この免除要件による免除につきましては、借受人がまず市町村から支払いの猶予を受けているということが前提になり、その支払いの猶予につきましては、法令及び市町村条例に基づいてそれぞれの市町村が対応するものですけれども、先ほど申しましたように、今年度から償還が始まる市町村では、償還が困難な場合には、どうぞ市町村に御相談くださいというように仮受人に促すなどの対応をしているところでございます。
〇阿部盛重委員 民法上の相続対象等のため免除をしないというような話もあるようですが、その点はどうでしょうか。
〇工藤生活再建課総括課長 借り受けをされた方が亡くなられた場合の免除についてでございますけれども、法令によりまして、市町村は、保証人が償還できる場合を除いて、償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができるとされているところでありまして、市町村において法令及び市町村条例に基づいて適切に対応しているものと認識しております。
この償還の免除に係る法令の趣旨につきまして、国から、借受人の死亡によって償還の債務が当然に免除されるものではなく、また、相続の対象となるということで、市町村は相続人や保証人に償還を求めて、相続人等が返済できない場合に免除することができる趣旨であるとの助言がありまして、市町村に対して、そのように助言しているところでございます。
また、借受人の相続人は、民法の規定によりまして相続放棄や限定承認ができますので、県では、市町村に対して、そうした借受人が亡くなられた場合の取り扱いについて、相続人に十分説明するように要請しているところでございます。
〇阿部盛重委員 この件は、貸し出し時、しっかりとお話しされておりますよね。
〇工藤生活再建課総括課長 市町村からのそういったあたりの説明についてでございますけれども、従前から、貸し付け時、償還時についてはこのような取り扱いになりますよということについて、先ほどお話ししましたような国からの助言も踏まえて、県から市町村にお伝えしているところでございまして、それぞれの市町村において、法令、市町村条例に基づいてしっかりとその辺の説明もしているものと認識しております。
〇阿部盛重委員 最後になりますが、阪神・淡路大震災のときのことですけれども、いまだに貸付額の未返済があるという状況のようですが、そのあたりはこれからの問題なのですけれども、そういうことがないように対応をしっかりしていただければよろしいかと思うのですが、その点、いかがでしょうか。
〇工藤生活再建課総括課長 私どもとしましても、今年度から本格的にといいますか、約定償還が始まる市町村もあるということもありまして、これまでも市町村に情報提供とか助言をしてきたところですが、今年度、特にその辺を強化する必要があると考えまして、市町村の担当者会議を何度か開催しているところでございます。そういったところでは、報道でも、阪神・淡路大震災における償還金の回収が課題になっているのではないかということが話題になっていることから、阪神・淡路大震災の自治体の取り組みについても情報収集し、市町村に提供するなど、市町村がしっかりとその辺の事務を行えるように取り組んでいるところでございます。
〇城内よしひこ委員 東日本大震災津波から7年がたつわけで、時系列ごとに新たな問題が発生してきております。この間、被災者の支援ということでいろんなメニューで支援をしてきたわけですが、その中で、土地の利用の件についてお伺いしたいと思います。
復興局で取り扱っている部分でお伺いしたいと思いますが、被災地の未利用の土地が、多分、今後出てくるだろうと。7年もたつと、人が戻ってこないし、事業も再開を断念しようかという方々も2割ぐらいはあるということでありますので、その辺の見通しと、今後、その土地に対してどういう課題認識を持って取り組んでいくか、お伺いしたいと思います。
〇和村まちづくり再生課総括課長 防災集団移転促進事業の移転元地の見通しと課題についてでありますが、まず、現状について、防災集団移転促進事業の買い取り対象となっている移転元地は平成30年1月末現在で約324ヘクタールあり、このうち約54%の元地でいまだ事業化に至らない状況であると市町村から聞いております。
防災集団移転促進事業において移転元地の買い取りを進めておりますが、買い取れる土地が宅地とそれに付随する農地に限られていることや、相続手続が完了していないと買い取れないこと、全ての地権者が売却希望ではないことから、買い取った土地が点在することになっており、また、その土地に段差があったり、地下埋設物が残ったままになっていたりしていることから産業ニーズが生まれず、土地利用を図る上での大きな課題となっております。
県では、事業以外の土地の集約や整地についても復興交付金の対象とすることや、復興交付金制度のさらなる柔軟な運用について昨年6月に国に対して要望を行うとともに、7月と9月には、復興庁岩手復興局の職員に対する現地での説明や意見交換を実施いたしました。
今後とも、被災市町村のまちづくりが円滑に進むよう、市町村との意見交換により課題を把握し、国に対し制度や手法の検討を求め、移転元地の集約が進むように支援してまいりたいと思います。
〇城内よしひこ委員 メニューを導入するときには、こういうことが起こるだろうという想定はしないでやってきたと思っているのです。確かに、早くかさ上げであったり、いろいろな造成であったりということで進めてきました。それは、まさにそのとおりだったと思っていますけれども、今後、先ほど来、岩崎委員のほうからもあった、復興計画が終わってしまって結果として残るのは被災地であって、不利益条件がそのまま塩漬けのような形で残ってしまう。そういうことを今後どのように解決していくかという新たな課題-先ほど、復興庁岩手復興局や国にそういうお話を届けたということですけれども、終わりよければ全てよしという言葉があるように、なかなかすっきりした形で復興が整わないのではないかと思います。約54%も空き地があるということは、実は大きな問題だと思っています。再度お伺いしますが、その辺はどのように考えていますか。
〇和村まちづくり再生課総括課長 移転元地が約54%、まだ計画が立っていないということは、まちづくりにおきましてもかなりにぎわいとかに影響しますので、できるだけ多くの土地を事業化したいと考えております。
なお、国のほうでは、来年度、まちのにぎわい創出等に向け、官民連携による土地活用ニーズの掘り起こしを行うような調査、検討の新規事業を行います。県としましては、その事業を使いまして、できるだけ産業ニーズを起こしまして、土地の利活用計画を進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 我々も頑張りますけれども、国のほうで、土地の利用がしやすい、寄せ引きができるようなフレームづくりをしていかないと、虫食い状態で土地が残ってしまうわけで、所有権だけ残ってしまうと、東日本大震災津波のときのような未登記のまま残る土地が出てくると私は思うのです。自分の住んでいたところ、おじいちゃん、おばあちゃんが住んでいたところを、たまたま権利だけ残していたけれども、何十年たって、全然わからない土地が生まれてしまうという、東日本大震災津波で経験した、勉強したことを、ここでしっかりと生かしていかなければならないのではないかと思いますが、その辺はいかがですか。
〇和村まちづくり再生課総括課長 県としましては、今回の教訓を得まして、国に対し、将来の大規模災害に備える仕組みとしまして、土地等の私有財産制限のあり方などの検討を進め、災害時に土地に関する問題が生じないように提案しているところでございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、そこは復興が終わる前にやっておいてください。それをしないと、先ほど議論になっている、復興計画が終わって、いいところだけ県が取って、被災地にはどんどん悪いところを投げてしまったというそしりを免れないようなことになると私は思います。ぜひ、そこはしっかりとお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、最初に被災者の見守り支援の強化についてお聞きします。
応急仮設住宅における被災者の見守り、災害公営住宅における被災者の見守りについて、重点見守り、通常見守り、不定期見守りなど対象を分析しながらやっていると思いますが、それぞれの見守りの内容、頻度、実数はどうなっているでしょうか。
〇工藤生活再建課総括課長 まず、応急仮設住宅における被災者の見守りにつきましては、県の補助により社会福祉協議会が設置しております生活支援相談員や市町村の支援員等が、個々の世帯の状況に応じた頻度により訪問活動を行っているところでございます。
その訪問活動の頻度につきましては、生活状況の把握を継続して行う世帯を通常見守り、通常見守り世帯よりも訪問回数をふやして見守りを強化する世帯を重点見守り、本人の申し出などによって定期的な訪問を要しないと判断した世帯を不定期見守りとして、被災者の状況に応じた丁寧な訪問活動を行っているところでございます。
その見守り世帯数の実績ですけれども、平成29年12月時点の社会福祉協議会の生活支援相談員活動状況実績報告によりますと、みなし仮設住宅も含む応急仮設住宅では、重点見守りの世帯が211世帯、通常見守りの世帯が2、499世帯、不定期見守りの世帯が785世帯となっております。
次に、災害公営住宅における被災者の見守りにつきましては、応急仮設住宅と同様に、生活支援相談員や市町村の支援員等が、個々の世帯の状況に応じた頻度により訪問活動を行っているところでございますが、災害公営住宅におきましては、重点見守りの世帯が446世帯、通常見守りの世帯が2、941世帯、不定期見守りの世帯が1、132世帯となっております。
また、見守りとあわせて、相談支援や災害公営住宅などにおける住民同士の交流機会、自治会づくりなどの支援も行っているところでございます。
〇斉藤信委員 応急仮設住宅や災害公営住宅の高齢者の比率というのは、今の段階でわかりますか。
〇工藤生活再建課総括課長 応急仮設住宅、災害公営住宅の高齢者の比率につきましては、昨年末で、応急仮設住宅に入居されている3、023世帯のうち、65歳以上の高齢者を含む世帯が1、266(後刻「1、226」と訂正)世帯、40.6%となっております。
また、災害公営住宅に入居している4、410世帯のうち、65歳以上の高齢者を含む世帯が2、719世帯、61.7%となっております。
〇斉藤信委員 災害公営住宅のほうは61.7%ということで、一層高齢化が進行していると。私は、残された応急仮設住宅の見守りを一層強化するのとあわせて、災害公営住宅の高齢者のこうした見守りは本当に思い切って特別の取り組みが必要だということは指摘しておきます。
次に、被災者の住宅再建、住宅確保への支援でありますが、いわて内陸避難者支援センター、沿岸被災者相談支援センターの今年度の取り組みと実績はどうなっているでしょうか。
〇工藤生活再建課総括課長 恐縮ですが、先ほどの答弁で数字を間違えましたので、最初にそれを。
応急仮設住宅の高齢者の比率についてですけれども、応急仮設住宅に入居されている高齢者を含む世帯を1、266と言ってしまったようですが、1、226の誤りでございます。1、226ですので、訂正します。(斉藤信委員「パーセンテージは変わらないのか」と呼ぶ)変わりません。パーセンテージのほうに目が行ってしまいました。失礼しました。
では、いわて内陸避難者支援センター及び沿岸の被災者相談支援センターにおける取り組みと実績についてでございますが、いわて内陸避難者支援センターは、今年度、スタッフを7名から9名に増員して、内陸及び県外に避難している方に対して、沿岸市町村からの依頼を受けて、個別訪問などによって住宅再建の意向の把握や相談対応などを行っているところでございまして、市町村から依頼がありました721件全ての調査を行い、そのうち、昨年末現在で682件、95%の方が住まいの意向を決定されたところでございます。また、今年度の相談実績は、昨年末現在で2、050件となっております。
それから、沿岸の被災者相談支援センターにおきましては、相談員による相談対応のほか、ファイナンシャルプランナーなどの専門家による相談対応も実施しておりますが、相談員による相談件数は、昨年末現在で、平成23年度からの累計でございますけれども、2万5、117件、それから専門家相談の件数は、同じく累計で2、825件となっております。
〇斉藤信委員 沿岸被災者相談支援センターは、住宅確保の支援は具体的にはやっていないということになりますか。
〇工藤生活再建課総括課長 被災者相談支援センターの相談対応の中には住宅にかかわる内容も含んでおりますが、具体性というか、どこまでかかわって支援するかの度合いが違いまして、内陸避難者支援センターは具体的に住宅の計画とかその辺も支援しておりますけれども、被災者相談支援センターは、どちらかというとそういう相談窓口につなぐとか、そういったところでございますので、相談実績の中に入れさせていただいております。
〇斉藤信委員 それでは、応急仮設住宅の集約化と解体の現状、来年度の見通しを示してください。
〇工藤生活再建課総括課長 応急仮設住宅における今後の見通しについてでありますが、全体で1万3、984戸建設しました応急仮設住宅のうち、退去や集約により入居者が不在となった応急仮設住宅について、ことし1月末現在で3、862戸解体しておりまして、供給戸数は1万122戸、入居戸数は2、910戸となっております。
応急仮設住宅の集約については、各市町村において災害公営住宅の整備状況や面整備の状況、それから見通しを踏まえて集約化計画を策定するとともに、必要に応じて見直しを行いながら進めているところでございます。
来年度は2、756戸の解体撤去を予定しておりまして、そのための経費を来年度当初予算案に計上しているところでございます。
〇斉藤信委員 残念ながら集約化の状況は把握していないということですね。これは必要なのだけれども、取り残された被災者にとっては、応急仮設住宅から応急仮設住宅への引っ越し移動というのは本当に大変な課題です。よく把握して、その後のフォローも含めてしっかり対応していただきたい。
次に、先ほど阿部盛重委員も質問しましたが、災害援護資金の課題について、私もダブらない形で質問したいと思います。
岩手県の場合は1月末現在で1、091件と。宮城県仙台市などと比べると活用件数はそんなに多くはない。ただ、平成23年度は444件、10億3、989万円の活用がされているので、平成23年度分は今年度中から償還が開始されると思うのです。仙台市はちょっと異常な感じはするけれども、それでも約3割が返済できない、相談が殺到している、こういう報道もございました。444件は今年度中に償還の時期を迎えるということでいいか、そして、今の段階で償還を迎える方々の相談の状況は把握していますか。
〇工藤生活再建課総括課長 東日本大震災津波に係る災害援護資金の償還の関係でございますけれども、6年間の据え置き期間が終了して、今年度中に約定の支払い期日を迎えるかどうかにつきましては、返済の方法が半年賦とか年賦とかの違いがございますし、あと、繰り上げ償還されている方もいらっしゃったりします。今年度中に約定支払い期日を迎える貸付件数について、市町村に確認しているところでは105件となっておりまして、市町村によっては償還が難しいという相談も何件か寄せられていると聞いております。
〇斉藤信委員 1、091件は活用されているわけで、これから償還期限を次々と迎える。私は、丁寧な対応が必要だと。
それともう一つ、この災害援護資金の申請期日は3月末となっているんですね。これから家を建てる人がかなりおりますので、この申請期限の延長が必要だと思うけれども、その延長の見通しはどうですか。
〇工藤生活再建課総括課長 この災害援護資金の貸付期限の延長につきましては、住宅再建の資金となる場合が多いということで県としましても政府要望を行ってきているところでございますけれども、国において、今後、関係政令を改正して平成31年3月31日まで延長する予定となったと聞いております。
〇斉藤信委員 本当に政府の対応は遅くて、もっと早く延長するものはちゃんと延長して、被災者を安心させると。本当に私はこういうところに国の姿勢が出ていると思いますよ。
次は、なりわいの再生の関係ですけれども、さんりくチャレンジ推進事業、これは、若者、女性を初めとした被災地での起業、第二創業及び新事業創出をしようとする者に対する支援事業ということで、今、どんどん事業者が廃業してなかなか厳しい状況の中で、新規のこういう事業に対する支援というのは極めて重要だと思いますが、この実績を示してください。
〇小原産業再生課総括課長 さんりくチャレンジ推進事業についてのこれまでの実績でございますが、この事業は平成28年度から開始しておりまして、初期費用、それから資金調達支援、販路開拓支援等、総合的に実施しておりますが、これまで、初期費用補助につきましては平成28年度予算で14事業者に、平成29年度予算で41事業者に対して交付決定を行い事業をしていただいております。そのほか、クラウドファンディングによる資金調達については、2カ年で9事業者について支援を行っております。
また、販路開拓支援としましては、デパートでの販売会、それから首都圏企業での販売会、スーパーマーケット等との商談を行っているほか、起業希望者、それから地域内の事業者が相互に交流、連携を図れるようにということで、そちらのほうの連携支援も行っているところでございます。
〇斉藤信委員 これは大変前向きな取り組みで、ただ、これは3年間の事業で、平成30年度まで。来年度は8、000万円の予算も増額されているのですけれども、これはやっぱり3年間で終わらせる事業ではないと思うのです。引き続き継続して地域経済の活性化を応援することが必要だと思うけれども、いかがですか。
〇小原産業再生課総括課長 この事業の来年度以降の継続、それから拡充についてでございますが、委員からお話あったとおり、来年度につきましては、初期費用補助につきましては今年度の採択実績を踏まえて40件に拡充しているところでございます。
それから、こちらの事業につきましては、この事業を使って起業、新事業に取り組まれた方もいらっしゃいますので、そういう方に対する販路開拓等、事業継続に向けた支援については引き続き行っていく必要があると認識しておりますし、平成30年度の事業実績、それから市街地の復興まちづくりの進捗状況等を見ながら、後継事業について来年度中に検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、最後です。
復興基金の活用と残高はどうなっているか。
県内の震災遺構の状況はどうなっているか示してください。
〇熊谷復興推進課総括課長 復興基金についてでございますが、今年度は25事業、約33億円の事業に活用する見込みでございまして、平成29年度末の基金残高は約67億円と見込んでおります。
平成30年度当初予算案には、27事業、約41億円を盛り込んでおり、平成30年度末の基金残高はおよそ26億円と見込んでおります。
〇和村まちづくり再生課総括課長 県内の震災遺構の状況についてですが、沿岸市町村からの聞き取りによれば、遺構として保存するもの、または保存する予定のある施設は六つの市と村で、大規模なもの、小規模なものを合わせて11カ所と伺っております。
〇斉藤信委員 震災遺構は6市村11カ所、わかりました。今回の大震災では、いろいろな形で震災遺構と言うべきものが残っている。今までの大災害とはそこが違うんですね。だから、私は最大限保存して、未来にきっちり受け継いでいくことが大事だと思います。
そこで、先ほども議論になったけれども、来年度は復興計画の最終年度です。既に県は、次期総合計画の中で、この復興実施計画を継続すると。先ほど復興局長は実質第4期の計画だという話で、私はわかりやすかったと思うのです。
それで、復興局はどうなるのか。知事が最近の共同インタビューで、県の復興局の今後について、現在、県の復興局体制を変えようという考えはないし、将来的にも今は全然考えていないと、こう語っているのです。復興局も引き続き継続して復興の取り組みに当たるというふうに理解してよろしいですか、局長。
〇佐々木復興局長 復興の分野に限らず、行政組織のあり方というものは、その時々の行政課題やニーズ、あるいはそのボリュームなどを踏まえて不断の見直しを行っているものと承知しております。復興局の組織のあり方についても、そういった観点から毎年度の組織体制の見直しやあり方を検討する中で、いろいろ復興の進捗状況を踏まえ、また、その時々の課題が何かといったこと、市町村のお考え、住民の方々のお気持ち、そういったものをいろいろ考えながら検討していくものと承知しております。
〇斉藤信委員 私は知事のインタビューを紹介してあなたに聞いたのですよ。知事のインタビューとあなたの話は全然違うじゃないですか。そんなことでいいんですか。
〇佐々木復興局長 来年度8年目、平成30年度については現行の復興局の体制でいくということは確定しております。その後のあり方については、委員から御紹介がありました知事の考え方を踏まえ、あとは、一般論でございますが、その時々の行政課題等、組織というものは不断の見直しを行っておりますので、私は一般論で申し上げたものでございます。
〇臼澤勉委員 私も、各委員の質問と重複しておりますので、端的にお伺いします。
先ほど斉藤委員からも被災者相談支援センターのお話がございました。私からは、最近の相談内容はどのような案件がふえているのか減っているのか、まずお伺いいたします。
〇工藤生活再建課総括課長 被災者相談支援センターにおける相談内容の動向でございますけれども、相談内容につきましては、全般的に件数が減少しているところがありますが、特徴としては、以前よりも住宅関係、家族、健康の問題、そういった複数の問題にわたる御相談の方がふえていて、1回当たりの相談対応の時間が長くなっている傾向があるということをセンターから聞いております。
〇臼澤勉委員 相談件数も減ってきているようですけれども、県は、今後の必要性についてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
〇工藤生活再建課総括課長 被災者相談支援センターの必要性についてですけれども、相談件数は減少傾向にはありますけれども、被災者の方々はさまざまな課題を抱えている状況にありますので、そういった状況に対応していく必要がありますし、それから、応急仮設住宅に入居されていて再建資金への不安をお持ちの方ですとか、恒久的な住宅に移られたけれども、その後の生活費のやりくりに不安を感じているという相談もあると聞いておりますので、そういった相談対応についてはさらに強化する必要があると考えております。
そうしたことで、平成30年度においては、被災者相談支援センターの専門家相談の体制を拡充しまして、新たに専任のファイナンシャルプランナーに生活設計に関するアドバイザーを委嘱して、訪問による個別相談対応を強化するための事業を当初予算案に盛り込んでいるところでございます。
〇臼澤勉委員 私は、相談件数は全体として減っているのかもしれませんけれども、今お話ありましたとおり、一件一件の相談の内容が高度化、複雑化して、あるいは今も解決しないでいる案件といったものがあると思いますので、ボリューム的には減っているとはいうものの、ぜひしっかりと対応していただきたいと思います。
最後に、津波伝承施設あるいは移転元地についてもお話がありましたが、県として、各市町村で対応できない課題といった部分にしっかりと対応していかなければいけない。今も既に対応しているというのは重々承知しておりますが、移転元地の集約について、県として、被災地の移転元地買い取りの状況が地図にどういうふうにプロットされているのか見たことがございますでしょうか、お伺いします。
〇和村まちづくり再生課総括課長 移転元地の買い取り状況につきまして、全てではございませんけれども、いろいろな市町村を回りまして、その際に資料を見せていただきまして、どのように買い取っているかというのは見ております。
〇臼澤勉委員 ごらんになったとおり、買い取りは宅地を基本としながらも、それに付随する農地や一部雑種地的なものも買い取った。私も経験がありますのであえて言うのですけれども、ごらんになったとおり、今後のまちづくりを進める上で、どうにもならない状況でございます。ですから、国にも要望されているのも重々承知しております。私、今回、所有者不明土地の問題についての質疑をしましたけれども、今後、土地の相続や登記の話、変わっていくとは思いますけれども、被災地の土地利用について、岩手だからこそ、防災立県として千年国家の宣言をした岩手から国に対して課題提起というか、強力に発信していただきたいと思います。
最後に、局長、岩手からの復興の進め方といいますか、課題に対する取り組み、御所見を聞いて終わりたいと思います。
〇佐々木復興局長 復興に係る各市町村の課題につきましては、私も沿岸の市町村を訪問し、首長あるいは幹部職員の方と意見交換する中でいろいろお聞きしております。
県として支援、対応できる部分には関係部局に話をつなぐところはつなぎながらやっておりますし、また、県だけではどうしようもない部分、国に対する要望等が必要なものについては県の要望に盛り込むなどして対応しているところであります。
また、市町村が復興交付金を使う際の復興庁とのヒアリングに復興局の職員も同席し、できるだけ助言なりということでその活用が図られるよう取り組んでいるところでございますので、今後ともこういった形で市町村の課題を認識した上で取り組みを支援していきたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで復興局関係の質疑を終わります。
復興局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでございました。
委員の皆さんは少々お待ちください。
次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇新屋会計管理者兼出納局長 出納局関係の予算について御説明申し上げます。
まず、議案第1号平成30年度岩手県一般会計予算のうち、出納局関係ですが、予算に関する説明書により御説明いたしますので、83ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどに記載のとおり、管理運営費6億1、712万円余でありますが、これは、職員85人分の人件費であります。次に、85ページをお開き願います。5目会計管理費3億7、342万円余でありますが、これは、財務会計システム改修事業費及び管理運営に要する経費等でございます。
次に、議案第9号平成30年度岩手県証紙収入整理特別会計ですが、同じく予算に関する説明書の375ページ、376ページをお開き願います。歳入歳出予算額は38億9、394万円余であります。
まず、歳入の主なものは、377ページに記載のとおり、県税に係る証紙収入18億8、712万円余、使用料及び手数料に係る証紙収入20億682万円余であります。
次に、379ページをお開き願います。歳出ですが、これは、県税、使用料及び手数料に係る証紙収入同額を一般会計に繰り出すものでございます。
以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇城内よしひこ委員 私からは、1点お伺いしたいと思います。
県証紙の取り扱いについてであります。
他県では、県証紙を廃止する動きがあるやに聞いております。岩手県とすれば今後どのように考えていくか。また、県民の利便性、先ほど20億円からの取り扱いがあるということですが、ワンストップサービスの観点からいうとそろそろ県証紙の考え方も整理していいのではないかと考えますが、その辺はいかがでしょうか。
〇清水会計指導監 証紙制度の今後の考え方、見直し等についてでございますけれども、昨年度来、県議会でも御質疑をいただいているところでもあり、現在、利用者の利便性や運用コスト、また、制度面の課題等について局内で検討を行っているところでございますが、平成30年度からは、実際に証紙を取り扱っております出納機関の職員を含めて引き続き検討を進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ちなみに、他県の状況はどんな感じになっているか、もしわかったらお知らせください。
〇清水会計指導監 他県の状況についてでございますけれども、本年2月現在、既に証紙を廃止したのが東京都と広島県の2都県、廃止を今後予定しているのが大阪府1府となっていると承知しております。
〇城内よしひこ委員 ワンストップということと、岩手県は、平成の大合併で市町村も大分合併しました。役場も遠くなったという方々もたくさん出てまいりました。そういった中で、利便性、ワンストップサービスということを考えますと、いろいろ一手間二手間かけるよりも、ワンストップで希望の業務が達成されるような形で今後前向きに検討してほしいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
〇新屋会計管理者兼出納局長 証紙制度についてでございますけれども、時代の変化とともに公金収納の方法も多様化してきております。出納局といたしましても、適正かつ効率的な公金の収納事務のあり方について不断に調査研究しているところでございますけれども、ただいま会計指導監から答弁ありましたように、県民の利便性、事務の効率性を考慮し、他県の状況等も見ながら、引き続き研究、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 ないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
出納局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇菊池人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、106ページをお開き願います。2款総務費9項人事委員会費のうち、1目委員会費の684万8、000円は、委員3人分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億4、665万円余は、事務局16人分の人件費、事務費など事務局の任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要する費用でございます。
以上で人事委員会関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
人事委員会の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
〇田村勝則副委員長 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇熊谷監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げます。
お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、108ページをお開き願います。2款総務費10項監査委員費のうち、1目委員費の予算額2、001万5、000円は、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要する経費でございます。次に、2目事務局費の予算額2億712万7、000円は、事務局職員21名の人件費等、事務局の管理運営に要する経費でございます。
以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後7時10分 散 会

前へ 次へ