平成30年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 2 号)
平成30年3月6日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 村 上 宏 治
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
主査 戸 塚 教 仁
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 千 葉 茂 樹
企画理事 岩 間   隆
企画理事 大 平   尚

秘書広報室長 保   和 衛
秘書広報室副室長
兼首席調査監 上和野 里 美

政策地域部長 藤 田 康 幸
政策地域部副部長
兼政策推進室長
兼主席ふるさと
振興監 南   敏 幸
政策地域部副部長
兼地域振興室長兼
台風災害復旧復興推進室長 鈴 木   敦
政策監兼
ふるさと振興監 小 野   博
市町村課総括課長 臼 井 智 彦

文化スポーツ
企画室企画課長 畠 山   剛

環境生活企画室
企画課長 黒 田   農

保健福祉企画室
企画課長 中 野 文 男

商工企画室
企画課長 阿 部   博

農林水産企画室
企画課長 照 井 富 也

県土整備企画室
企画課長 嵯 峨 俊 幸

復興局長 佐々木   信
復興局副局長 内 宮 明 俊

教育企画室
企画課長 鈴 木   優

議会事務局長 大 友 宏 司
次長 千 田 利 之
参事兼総務課
総括課長 小 倉   茂
政策調査課長 佐々木 一 弘

総務部長 佐 藤   博
副部長兼総務室長 高 橋 勝 重
総合防災室長 石 川 義 晃
参事兼管財課
総括課長 猪久保 健 一
特命参事兼
管理課長 佐 藤 法 之
入札課長 稲 葉   亘
放射線影響
対策課長 八重樫   学
人事課総括課長 佐 藤 一 男
財政課総括課長 小 原   勝
法務学事課
総括課長 松 本   淳
特命参事 黒 田 敏 彦
私学・情報
公開課長 岡 部 春 美
税務課総括課長 横 道 栄 雄
防災危機管理監 西 島   敦
防災消防課長 山 田 壮 史
総務事務
センター所長 山 崎   隆
〇高橋元委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
田村誠委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第20号まで、議案第28号から議第31号まで、議案第35号から議案第38号まで、議案第40号、議案第41号、議案第49号、議案第51号から議案第53号まで、議案第55号及び議案第56号の以上36件を一括議題といたします。
本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
これより、昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。高田一郎委員。
〔高田一郎委員質問者席に着く〕
〇高田一郎委員 日本共産党の高田一郎でございます。
まず最初に、生活困窮者自立支援事業について質問いたします。
いちのせき生活困窮者自立相談支援センターの活動について、この間伺ってきました。新規相談者だけでも、年間、180件前後となっており、専門職員がわずか3人であること、また、委託先である一関市社会福祉協議会では、食料支援など独自の支援も行っているなど、さまざまな課題があると感じてきました。
そこで伺います。生活困窮者自立支援に取り組む県内の実態、相談件数や任意事業に取り組む自治体、そして支援員の配置数など、相談体制についてどうなっているのでしょうか。
〇千葉副知事 生活困窮者自立支援の取り組みについてでございますが、平成27年4月に施行されました生活困窮者自立支援法に基づきます生活困窮者自立支援事業につきましては、町村部につきましては県が、市部は各市がそれぞれ実施主体となりまして、生活に困窮されている方々に対し、包括的な支援を行っているところでございます。
この事業の必須事業でございます自立相談支援事業は、全ての市町村で取り組んでおりまして、平成28年度の実績は、県内23の自立相談支援機関で受け付けました新規相談件数が前年度比50件増の2、575件に上り、そのうち402人が就労につながったところでございます。
また、任意事業につきましては、地域の実情を踏まえながら実施が拡大されてきておりまして、今年度におきましては、就労準備支援事業は28市町村、家計相談支援事業は12市町、一時生活支援事業は1市、子どもの学習支援事業は12市町で実施されておりますが、平成30年度におきましては、家計相談支援事業では、6町村ふえまして18市町村、一時生活支援事業では、19町村ふえまして20市町村、子どもの学習支援事業では、4市町村ふえまして16市町村で事業が実施される見込みでございます。
生活困窮者自立支援事業の支援員の体制でございますけれども、相談件数あるいは各社会福祉協議会の状況に応じて異なるところでございますが、兼任も含めました県全体の人数では、自立相談支援事業の支援員は81名、就労準備支援事業の支援員は25名、家計相談支援事業の支援員は14名、延べ120名の支援員を配置し、各種相談に対応しているところでございます。
〇高田一郎委員 引きこもりがちな兄弟を、地元スーパーにお願いして、店頭で3日間アルバイトをさせて自信をつけさせて就労につなげたと、大変苦労したお話を現場でお聞きしてきました。
相談件数の6割が、20代から50代の働き盛り世代であります。就労準備支援事業も一関市ではやっていないのですけれども、これもぜひ必要であるし、相談には時間がかかると。余りにも支援体制が弱いのではないかと思いますが、現場も増員を求めています。県として、これらのところに体制を強化すべきでありますが、支援について県の考えを示してください。
〇達増知事 生活困窮者自立支援事業については、多様な課題を抱えた生活困窮者が相談支援のワンストップサービスを受けられるようにする自立相談支援事業に全市町村が取り組んでいますほか、就労準備支援事業等の任意事業についても、その取り組みが年々拡充してきています。
県では、国が実施する研修会に自立相談支援機関の支援員等を派遣するほか、県主催の研修会も実施し、支援員の資質向上を図るとともに、県、自立相談支援機関及び関係機関で構成する支援調整会議を開催し、各地域において、生活困窮者自立支援事業の実施体制の強化に努めています。
また、生活困窮者の自立支援の充実に当たりましては、適切な支援員の配置が必要であり、広大な県土を有する本県の実情に応じて、事業実施体制を確保するための十分な財政措置を講ずるよう、引き続き国に対して要望してまいります。
〇高田一郎委員 相談を受ければ就労支援もやらなければならないし、車上生活者がいれば、宿泊とか食料支援にも取り組まなければならないと、本当に一体的に取り組まなければならないのですね。大事なことは、市町村では、任意事業をやっている自治体がばらばらですから任意事業を広げていくということが必要ですし、さらに、この事業の国の基準額というのは人口規模なのです。面積も考慮されていない。1件相談するにも1日がかりとか、こういう状況になっております。ですから、増員すればもっと解決できるのだというのが現場の声です。ですから、現場の声を踏まえて、その実態に即した支援をお願いしたいと思いますけれども、改めてお伺いしたいと思います。
〇達増知事 町村部の事業実施に当たりましては、県が、平成27年度から、支援ニーズの高い就労準備支援事業と、予算事業として実施していた子どもの学習支援事業を実施しております。また、家計相談支援事業については、事業ニーズを十分に把握できていないことから当初は事業化していませんでしたが、自立相談支援事業において、プランを作成して支援したケースの多くが家計管理の問題を抱えている実態が明らかとなり、生活困窮者の自立促進のためには、専門職員の配置による家計管理支援の強化が効果的であると考えられることから、平成29年度において、家計相談支援事業を盛岡広域振興局管内で実施したところであります。
家計相談支援事業の実施地域の拡大は必要と考えておりまして、平成30年度は、県北広域振興局管内3町村、宮古保健福祉環境センター管内3町村においても実施することとし、学習支援事業については、これも実施地域を拡大し、宮古保健福祉環境センター管内、盛岡広域振興局管内でそれぞれ新規の実施、拡充を行ってまいります。あわせて、一時生活支援事業についても、平成30年度から任意事業に取り組むこととしておりまして、この町村部における任意事業の充実に、県としても力を入れてまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 平成28年度の相談件数が2、575件と、年々増加しているのです。ですから、現場の実態を踏まえて対応していただきたいと思います。
そこで、生活保護を受けるべき人を、無理やり就労支援に結びつけるというのは非常に問題だと思うのです。制度の趣旨に反していると思います。そこで、生活困窮者の権利擁護とか、あるいは支援のコーディネートなど専門性が求められますけれども、支援員に対する研修というのは十分やられているのかというのが一つです。
あわせて、住宅事情についてもお伺いしたいと思います。
北海道札幌市東区で、生活困窮者の共同住宅で火災が発生して大変な犠牲が出ました。公的介護施設に入れずに民間賃貸住宅でも敬遠されて、行き場を失った生活困窮者の悲劇ではないかと思います。こうした生活困窮者に対する住宅事情について、県はどのように把握して進めているのでしょうか。
〇千葉副知事 まず、支援員の研修についてでございますが、支援員は、自立相談支援機関の窓口といたしまして、今もお話がございましたが、多様で複合的な課題を抱えております生活困窮者の方々の相談に向かい合い、一人一人の状況に合わせた支援計画を作成し、社会参加、自己実現の機会でもある就労の場の確保、あるいは家計の管理を行う意欲を引き出し、生活する力を高めるなどの役割を担っておりまして、この包括的な支援を継続するためには、生活困窮者に寄り添う支援員の果たすべき役割は大きいものと認識しております。
これまで、県におきましては、このような支援員の資質と専門性を高めるため、毎年度、国において実施しております生活困窮者自立支援制度人材養成研修に、これまで76名を派遣しております。また、自立相談支援事業従事者等を対象として、毎年開催します研修会においては、国の研修受講者によります伝達研修や、実際の支援例を活用したケーススタディー、特定課題についての意見交換などを実施しておりまして、今年度は47名が受講しております。
いずれにいたしましても、今後とも、さまざまな研修を通じまして、支援員の資質と専門性の向上を図っていきたいと考えております。
次に、生活困窮者の住宅事情についてのお尋ねでございますが、この生活困窮者につきましては、具体的な定義については法律上も定めておらないところでございます。したがいまして、住宅事情について具体的に把握することはなかなか難しいところがございます。
去る1月31日、札幌市で全焼いたしました生活困窮者支援を目的とした共同住宅につきましては、報道によりますと、札幌市は、現行福祉関係法制度に位置づけのない施設と判断したとのことでございまして、これらの施設を対象に、平成27年度に厚生労働省が実施しました社会福祉各法に法的位置付けのない施設に関する調査によれば、県内には同様の施設が9施設確認されているところでございます。
なお、生活困窮者のため、無料または低額の料金で宿泊所等を利用させる無料低額宿泊所として社会福祉法に基づきます届け出をしている施設は、県内では確認されていないところでございます。
また、生活保護世帯につきましては、福祉事務所のケースワーカーが担当する世帯を定期的に訪問いたしまして、住宅など生活環境を把握しておりまして、平成29年6月末時点におきましては、本県の被保護世帯1万470世帯のうち約7割の7、340世帯は、住宅扶助を受給してアパート等で生活されております。
〇高田一郎委員 調べてみますと、生活保護世帯の公営住宅入居は20.9%、1、531世帯が入居しているのです。住宅扶助についても、岩手県の場合は3万1、000円程度となっております。
私もさまざまな方から相談を受けましたけれども、例えば生活困窮者はトイレが共同とか、あるいは老朽化した建物で、本当に不自由な状況の中で生活している場面も何度も見てきました。
今、副知事は、なかなか生活困窮者の住宅事情の把握が難しいという話をされましたけれども、生活保護で言えばケースワーカーとか、あるいは生活困窮者自立支援事業に取り組んでいる支援員の皆さんも、住宅事情というのは把握しているわけです。だから、こういった方々とよく連携をしながら実態把握をして、市営住宅の拡充とか低廉な家賃で入居できる住宅整備を検討していく、そういう対応をすべきだと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
〇千葉副知事 生活困窮者の居住環境の整備についてでございますけれども、今お話がありましたけれども、生活保護のケースワーカーや生活困窮者自立支援事業の支援員が、家庭訪問等を通じて、これまでの住居に住み続けることができなくなる状況等を把握した場合におきましては、御本人の希望を確認の上、公営住宅など、新たな住宅の確保についてさまざまな助言、指導等を行っているところでございます。
住宅は、生活していく拠点といたしまして、自立にはその確保が欠かせないものであると考えておりますことから、関係機関と連携し、引き続き住宅事情の把握に努めながら、生活保護制度による住宅扶助費の支給や生活困窮者自立支援制度によります住宅確保給付金の支給等により、適切な住居環境を確保できるよう支援をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 次に、子ども食堂についてお伺いいたします。
子ども食堂は、1月末現在で13市町村、19カ所において実施されています。県は、全県に広げるために、取り組む団体のネットワーク化を図るための対応をしようとしておりますが、さらに全県に広げていくために立ち上がりへの支援も必要と考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇千葉副知事 子ども食堂の立ち上げ支援についてでございますけれども、公益財団法人いきいき岩手支援財団におきましては、いわて子ども希望基金を設置しておりまして、子育て支援や児童の健全育成活動を対象とする助成制度を設けておりますが、子ども食堂の立ち上げ等に要する経費も助成対象としております。しかしながら、まだその制度の周知がなされていない面もございますので、今後とも、県が財団と連携いたしまして、制度の周知に努めていきたいと考えております。
また、平成30年度当初予算案には、子供の支援に取り組む団体のネットワーク化と、その活動を支援するための経費も盛り込んでいるところでございますが、当該ネットワーク組織においては、新たにその子ども食堂を開設しようとする団体へのさまざまなアドバイス等についての支援も行うことを想定しているところでございます。
いずれ、これらの取り組みを含めまして、子ども食堂の立ち上げを支援してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 立ち上がりの資金については財団の支援があるということでありますが、十分な財源的な支援があるのでしょうか。手を挙げればすぐ対応できるのかどうか。現在行われている19団体のうち、子ども未来応援基金はわずか2カ所であって、他は民間企業からの寄附となっているのです。
滋賀県では、全県で300カ所、全小学校区に開設を目指しているということでありますけれども、こういった視点で私は取り組むべき必要があると思いますし、先ほど言った、手を挙げれば財源的に十分対応できるのかどうか、この点も含めて答弁をお願いいたします。
〇千葉副知事 いずれ、今、県内において、どの程度立ち上げをお考えになっている団体等があるか私も承知しておりませんが、その状況等も踏まえながら、財団と相談しながら、できる限り、立ち上げを支援できるように努めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、生活保護制度についてお伺いいたします。
生活扶助基準の見直しは、就学援助とか公営住宅家賃、介護保険料の減免など、さまざまな制度の利用の可否、利用料にも影響するものです。厚生労働省は、47の事業に影響が出るとしておりますが、県としてどのように把握されているでしょうか。
今回の5%削減については、一般低所得世帯の消費支出が減少しているからということでの理由でありますが、これでは負のスパイラルになってしまうのではないでしょうか。2013年度にも引き下げの改定が行われましたけれども、引き下げたときの影響はどうだったのか伺います。
〇千葉副知事 生活扶助基準の見直しの影響についてでございますけれども、本年1月19日に厚生労働省が公表いたしました生活保護基準の見直しに伴い他の制度に生ずる影響についてによりますと、今回の生活扶助基準を含む生活保護基準の見直しに伴いまして、国の47の制度が直接影響を受けることが示されており、このことについては承知しております。しかしながら、就学援助や保育料の免除等43の制度につきましては、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限り、その影響が及ばないように対応するということを基本的な考え方とするという方針も示されておるところでございます。ただ、その詳細につきましては、今後、国から正式な通知を見ていろいろと調査、判断する必要があるものと考えております。
また、平成25年8月から3年をかけて段階的に実施した前回の生活扶助基準の見直しにおけます本県の生活保護世帯への影響についてでございますが、生活保護世帯のうち、生活扶助費が減額となった世帯の割合は、平成25年度は79.7%、平成26年度は消費税率の改定等に伴う増額分の影響もあり11.5%、平成27年度は87.1%となっている状況でございます。
〇高田一郎委員 就学援助の問題については、本会議で教育長から、影響が出ないようにと前向きの答弁がありました。一関市においても、就学援助については、収入基準を見直して生活保護基準の1.2倍から1.3倍にするということで、県内でもそういった取り組みが広がっております。
3月1日に、生活保護基準の見直しの案の説明会がありまして、そこで詳細な中身が説明されたようです。国の通知を待ってからということでの対応でありますけれども、影響試算をしっかり行って、県民生活に影響を及ぼさないような対応を求めたいと思いますが、改めて副知事にお聞きします。
〇千葉副知事 今回の見直しに関しまして、国の社会保障審議会生活保護基準部会の報告書等によりますと、地域や世帯類型ごとの増減が検討されておりますことなどから、本県におきましても、地域や世帯類型により、生活保護費の見直しの内容が異なる場合が見込まれているところでございます。したがいまして、具体的な影響を判断するためには、今回の改定の詳細について国からの正式な通知を待つ必要があるという答弁をしているところでございますが、いずれ、詳細が判明し次第、その影響額についてさまざまな試算を行い、どういう対応をしていくべきかについては検討していく必要があるものと考えております。
〇高田一郎委員 そこで、現在の生活保護基準は、健康で文化的な生活水準になっているのか、また、捕捉率は2割ということも言われていますけれども、岩手の現状はどうなっているのか、要因も含めてお伺いいたします。
〇千葉副知事 生活保護基準についてでございますが、生活保護は国が定める基準に従い実施しておりますが、この保護の基準につきましては、生活保護法によりまして、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないということが定められておりまして、現行の保護の基準につきましては、国の社会保障審議会における検証等を踏まえて定められているものと理解しております。
この生活保護のいわゆる捕捉率についてでございますが、平成22年度に、厚生労働省が公表した生活保護基準未満の低所得世帯数の推計においてでございますけれども、低所得世帯数に対する被保護世帯数の割合として15.3%から29.6%が示されております。ただし、この割合は全国数値でございまして、都道府県別の数値は示されておらないところであり、私どもとしては、その数値は手元に持っていないところでございます。
生活保護を受けない要因につきましては多様な理由があると考えられますが、厚生労働省のナショナルミニマム研究会におきましては、委員から、生活保護に対する恥の文化、生活保護制度への理解が不足していることなど、その他さまざまな要因が指摘されておりまして、平成25年の生活保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議におきましては、制度の周知や相談窓口で適切な相談対応を行うことなどが決議されているところでございます。
〇高田一郎委員 窓口で適切な対応が必要だという話がありましたけれども、最近、生活困窮者の支援に取り組んでいる方々からお伺いいたしましたけれど、捕捉率は2割ではないけれども、それに近い形になっているというお話もいただきました。特に、事前に窓口で指導して、そこで諦めてしまうと。例えば車を保有できない、借金があったらそれをなくすまで申請はできないのだという間違った解釈で対応しているという話もありましたし、親族に扶養の義務を求めても、親族に余り迷惑をかけられないからそこで諦めてしまうというケースもある。法の運用に課題があると、窓口の対応に課題があるというのが関係者の声であります。
そこで、最近はケース会議とかケースワーカーの研修が非常に不足しているということも言われていますけれども、窓口でしっかり丁寧に相談に乗って、保護に結びつけるようなケースワーカーの研修が非常に大事になっているのではないかと、しっかりとやるべきだと思うのですけれども、その点についていかがでしょうか。
〇千葉副知事 生活保護のケースワーカーに対する研修でございますが、これについては私も非常に重要な取り組みだと考えております。
私も地域福祉課長をさせていただきましたし、保健福祉部長もさせていただきましたが、少し前でございますと、まさに生活保護一筋というケースワーカーが、県でも市でも多かったわけでございますが、世代交代がありまして、そういうベテランの方が、県も市も減ってきているという事実がございます。したがいまして、ケース会議などでいろんな研究もしているわけでございますが、外部からケースワーク体験に精通した方をお呼びしての研修とか、そういうものも強化していく必要があるものと考えております。
いずれ、窓口で正確な説明をする必要があるというのはそのとおりでございまして、受給の資格がありながらその時点で諦めてしまうということがないように、その辺は十分指導していく必要があるものと考えております。
〇高田一郎委員 そこで、知事に質問したいと思います。
捕捉率が低いのは、副知事から先ほどお話がありましたけれども、生活保護が恥だという意識、生活保護バッシングですね。それで、生活保護をためらうということがあると思います。最近、ネット上でも、生活保護を受給するというのは税金の無駄遣いなのだという書き込みがあって、非常に私も心を痛めています。生活保護を利用することは決して恥ずかしいことではないのだと、憲法第25条に基づく国民の権利なのだということを、知事の口からもはっきりと表明していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇達増知事 生活保護を受けることは憲法第25条に基づく国民の権利であり、恥ずかしいことではありません。生活保護制度は、全ての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障する日本国憲法第25条の理念に基づくものであり、経済的に困窮した方を支える最後のセーフティネットとしての役割を十分に果たしていく必要があります。
県では、ホームページやパンフレットの配布等により、生活保護制度に対する県民の理解の醸成に努めており、民生委員、児童委員等と連携しながら、生活に困窮している方々の相談に結びつけるよう取り組んでいます。
今後とも、経済的に困窮し、真に支援が必要な方に対して適切に生活保護を実施し、被保護者一人一人に寄り添ったさまざまな支援が受けられるようにすることで、みんなが安心して暮らすことができる社会を実現してまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 次に、給付型奨学金制度の問題について質問いたします。
新年度から始まる独立行政法人日本学生支援機構による給付型奨学金は、住民税非課税とか成績優秀者と対象がかなり狭くなっております。県内の申請状況はどうなっているのか。また、学業成績が著しく不良な者は返還させることができると法律にも明記されています。学校側からは、推薦に当たって、低所得世帯の選考をしなければならない、申し込む世帯はどの世帯も苦しいし、学業成績も考慮して決めるのは問題だと、こういう声も出ていますけれども、県は、今回の給付型奨学金制度をどう評価し、受けとめているのでしょうか。
〇千葉副知事 まず、給付型奨学金制度の申請等の状況についてでございますが、独立行政法人日本学生支援機構の今回の給付型奨学金制度は、意欲や能力があるにもかかわらず、経済的事情により進学が困難な生徒の大学等への進学を後押しするために創設した制度であり、本年度は対象者を限定して先行実施されたところでございます。
この給付奨学生の推薦に当たりましては、家計支持者が市町村民税の所得割を課されていないこと、生活保護を受給していること、児童福祉法上の措置として、児童養護施設等に入所等をしていることの3要件のうち、いずれか一つに該当することが前提条件となっているところでございます。
本年度の先行実施におきましては、児童養護施設退所者等の社会的養護を必要とする者や、私立の大学等に自宅外から通学する住民税非課税世帯の者など、特に経済的に厳しい状況にある大学1年生が大学を通して申請をしておりまして、支援機構におきましては、都道府県別の採用者数の集計を行っていないということでありまして、本県の県立高校卒業生の採用者数については県として把握していないところでございます。
平成30年度からは、国公立大学に通う者や自宅から通う者も対象となるなど、本格実施されるところでございますが、現高校3年生が在籍する高校を通じて申請しておりまして、本県の県立高校におきましては、199名を支援機構に推薦し、そのうち197名が採用候補者として決定を受けております。
なお、不採用となった2名の理由については、県に対して示されていないところでございます。
次に、学業成績を選考の基準とすることについてでありますが、給付型奨学金の対象となります生徒の日本学生支援機構への推薦につきましては、各高校におきまして、学校の教育目標や実情を勘案して推薦基準を策定し、支援機構から審査を受けた上で、その推薦基準に基づき、今申しました三つの要件のいずれかに該当する者を対象に、あらかじめ示されました高校ごとの推薦者数の枠内で選考を行っているところでございます。
各高校の推薦基準は、人物、健康、学力及び資質、家計等の要素を総合的に勘案して策定されておりまして、学業成績のみを優先して選考を行っているものではないと承知しております。
なお、独立行政法人日本学生支援機構法におきまして、奨学金を返還させる事由の一つとして、学業成績が著しく不良となったときが規定されておりますが、これは、卒業の延期が確定した場合等が該当するものでございまして、意欲と能力のある学生の学業成績が一時的に低下した場合等は、これに該当するものではないという説明を受けております。
〇高田一郎委員 推薦が197人ということは、1クラスに1人程度の数なのですね。圧倒的に少ないと思います。
今、貧困と格差が広がる中で、家計の収入が減少して進学を断念せざるを得ない。また、入学しても、在学中にアルバイトに追われて、学生の半分が奨学金を借りなければならない現状にあります。そして、奨学金を借りても、多額の借金を背負いながら社会に出ていかなければならない、そういう現状にもあります。
滋賀県米原市あるいは政令指定都市である70万人の相模原市でも、給付型奨学金制度が独自に来年度からスタートするということが報じられております。将来を担う人材の育成と地元への定住促進、そして、何よりも安心して学業に取り組めるようにするためにも、県としてもこういった独自の対応をすべきだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇千葉副知事 現在の大学生等の就学を支援する奨学金についてでございますけれども、旧日本育英会が実施しました高校生、大学生を対象とします奨学金事業は、特殊法人の整理合理化によりまして、高校生を対象とする事業が、平成17年度以降の入学者から都道府県に移管された一方で、大学生等については引き続き国が担うこととされまして、基本的な考え方といたしましては、今後とも、国、県それぞれの役割をしっかりと担っていく必要があるものと考えております。
県といたしましては、高校卒業後の教育の機会均等を図る上で、意欲と能力のある学生への経済的な支援が重要であると考えておりまして、これまで、繰り返し、大学生等を対象とした国の奨学金制度の拡充を要望したところでございます。
国におきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、給付型の奨学金事業の実施が始まりましたが、これは、本県の要望の趣旨が一定程度反映されたものと考えております。
また、本県におきましては、東日本大震災津波により親御さんを亡くされました学生等を対象としたいわての学び希望基金奨学金の給付や、医師や看護職員、介護福祉士、社会福祉士、保育士、獣医師等を志望する学生に対しましては、一定の条件により、返還免除制度を有する修学資金の貸与も行っております。これらに加えまして、産業界等と連携して、ものづくり企業等の技術力、開発力の向上等を担う人材育成を支援するため、いわて産業人材奨学金返還支援制度の取り組みを進めているところでございます。
今後におきましても、意欲と能力のある学生への奨学あるいは地元定着に向けまして、本県の奨学金制度の定着等に努めますとともに、国の給付型奨学金制度については、その充実に向けまして必要な要望を行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 生活保護世帯については、現在の制度では、大学に進学すれば世帯分離となって生活保護費が減額されるのです。高校を卒業したら働くことが前提になっている、そういう生活保護制度になっています。社会的養護が必要な子供たちについても、優秀な子供を進学させられなかったという施設関係者の声を聞くときに、生活困窮者が進学する希望があれば、そういう人たちに対してしっかりとした対応になっていないじゃないかと思うのです。生活保護世帯あるいは児童養護施設入所者への進学支援というのは、十分な対応がされているのでしょうか。
〇千葉副知事 生活保護世帯等の子供への進学支援についてでございますけれども、県におきましては、生活保護世帯を含む生活困窮世帯の高校生に対する進学支援策といたしまして、平成30年度から、新たに生活困窮者自立支援事業によりまして校舎外での学習支援を始めるほか、生活保護制度の見直しによりまして、生活保護世帯の高校生が大学等へ進学する際には、新生活を始める費用として、進学準備給付金が来年度から給付されることとなっております。
また、児童養護施設入所児童に対する進学支援策といたしましては、施設職員が児童の学習支援を行っておりますほか、学習塾への通塾を支援し、学力向上や進学を希望する児童への学習支援をきめ細やかに行っているところでございます。
大学への進学に際しましては、大学進学等自立生活支度費の支給や施設によります各種奨学金等のあっせんに加えまして、進学後の住居費及び生活費の経費につきましては、就職後一定期間就労を継続した場合にその返還を免除できる、児童養護施設退所者等自立支援資金の貸し付け等により支援を行っているところでございます。
こうした支援制度によりまして、生活保護世帯あるいは児童養護施設の子供たちが希望する進路を断念することがないよう、引き続き支援をしてまいりたいと思いますし、国に対してさらなる制度の拡充も要望してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 国に対する要望をぜひやっていただきたいと思うのですけれども、岩手県の場合は、大学等への進学率は67.1%、生活保護世帯は29%、児童養護施設は20.8%、これは平成26年度の数なのですけれども、子供の貧困対策を考えても、生活保護世帯とか児童養護施設に入っている方々の率を高める必要があると思うのです。子供の貧困対策の中でも重要な対策だと思います。
今、副知事が、生活保護世帯でも進学準備給付金が出るという話をされました。10万円とか30万円とか出るという新しい制度です。しかし、3月1日の生活保護の説明会の資料を見ますと、逆に生活保護世帯は大変になるという数字なのです。つまり、18歳から19歳になれば母子加算手当がなくなってしまうと。そして、大学進学になると世帯分離になってしまって、その分、生活保護がなくなってしまうということで、逆に減額になると説明されているのです。ですから特別な対策、支援がないと、国に対して拡充を求めるということは大事なのですけれども、子供の貧困対策を考えたときに、県としても、こういった方々に対するさらなる財政支援というものが必要ではないかと思うのですけれども、この点について改めてお伺いいたします。
〇千葉副知事 今のお尋ねにつきましては、私も詳細な資料をまだ熟読といいますか、分析しておりませんのでお許しをいただきたいと思いますが、いずれ、そういう形で制度を拡充するという一方で、マイナスの面があるとするならば、その辺の影響についてきちっと把握した上で、繰り返しになりますが、国に対する要望等もきちんとしていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 それでは、次に、平成28年の台風第10号災害からの復旧、復興の課題についてお聞きいたします。
あれから1年半がたちましたけれども、仮設住宅、みなし仮設、修繕しない被災した自宅での生活など、大変な生活を余儀なくされています。被災者への見守りについてどのような対応をされているのでしょうか。
医療費、介護保険利用料の免除は、被災者に大変喜ばれております。町が負担して12月までの対応となっておりますが、岩泉町は、御承知のように東日本大震災津波の10倍の被害となっており、県としてもさらなる財政支援をすべきと思いますが、どのように検討されているでしょうか。
〇達増知事 まず、被災者の見守りについてでありますが、平成28年台風第10号災害に際しては、甚大な人的被害、住家被害が発生したところであり、市町村では、全ての被災者を対象にした保健師等による各戸訪問等を通じて、被災者それぞれの状況に応じた支援を実施してきています。
特に被害が大きかった岩泉町においては、保健師等による巡回のほか、岩泉町が配置する生活支援相談員による見守り支援、生活再建のための相談窓口の開設、支援関係者による連携会議の開催など、各関係団体が連携して被災者への見守りや相談支援を実施しています。
県では、岩泉町からの要請に応じて、保健師等を被災者の健康調査に派遣するなど支援していますが、今後におきましても、市町村や社会福祉協議会等の関係機関と連携し、被災者一人一人に寄り添ったきめ細かな支援に努めてまいります。
平成28年台風第10号被災者に対する医療費等の一部負担金免除についてでありますが、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険においては、災害等により一部負担金等の減免を行った場合、一定の基準を満たした保険者に対して、減免に要した費用の8割が国の特別調整交付金で交付される制度があり、国の基準を下回った場合は、国民健康保険については県の特別調整交付金により、減免に要した費用の8割を交付することとしています。
災害等により一部負担金等の減免を実施するかどうか、減免の基準をどのようにするかなどについては、各保険者の判断により決定するものであり、平成28年台風第10号の被災者に対する国民健康保険、介護保険の一部負担金等の減免については、被災市町村において、減免の基準や実施期間などを決定して実施しているところであります。
東日本大震災津波の被災者に対する一部負担金等の免除については、県が国の特別な財政措置を引き継ぐ形で特例として実施しておりますが、国が示した免除基準により、県内統一して行っているものであります。
〇高田一郎委員 住宅再建が最も切実な課題であります。被災者生活再建支援金のうち、基礎支援金の申請が1、056件、加算支援金は610件となっております。特に岩泉町は、補修による加算金を受けた被災者は281件となっており、大規模半壊でも住宅を修繕して再建する被災者が大変多くなっています。県としてもしっかりと支援をすべきと思いますが、この点についていかがでしょうか。
生活橋の再建の見通しについても伺います。
寄附金の取り組みは大変厳しいというお話も伺っていますが、県の支援策はどうなっているのでしょうか。
〇達増知事 住宅再建についてでありますが、平成28年台風第10号災害では多くの住家被害が生じたところであり、被災者一人一人に丁寧に寄り添いながら、一日も早く安心して暮らせる環境を取り戻すことが重要であります。
大規模半壊の住家被害を受けた被災者に対しては、被災者生活再建支援法に基づいて、全壊の住家被害の場合の半額の基礎支援金50万円が支給され、加算支援金は、被災した自宅を補修することとした場合には、自宅を新築した場合の半額の100万円が支給されるものであります。
平成30年2月1日現在、自宅を補修することとして加算支援金を申請した岩泉町の被災者の割合は82.1%と、新築等による申請と比べ高い状況にあります。このため、県としては、被災者の方が安心して自力再建できるよう、国に対し、被災者生活再建支援金の増額及び制度の要件緩和と充実を求めていますほか、幅広い財政需要に対応できる弾力的で自由度の高い総合的な支援制度の創設等を要望しているところであり、今後も機会を捉えて、必要な財源措置や制度改正等について要望してまいります。
〇藤田政策地域部長 生活橋の本復旧につきましては、今後本格化する河川改修の進捗に合わせて進められる見込みでございまして、現段階で再建の終了時期を見込むことは困難でございますけれども、今年度中に1カ所の本復旧が見込まれておりまして、岩泉町の平成30年度当初予算におきましては、本復旧のための経費として1、800万円を計上していると伺っております。
岩泉町では、生活橋の本復旧に向けまして、支援募金を開始して寄附の受け付けを行っているところでございますけれども、先月末現在で、1、295万円余の受け入れを行ったと伺っております。
県といたしましては、この支援募金につきましての企業、団体への橋渡しなどの支援を行ってきたところでありますが、これに加えまして、先月からは県が仲介を行いまして、大手ポータルサイトによる募金も開始したところでございますが、けさの時点で62万円余となっておりまして、今後もできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 終わります。(拍手)
〇高橋元委員長 次に、小西和子委員。
〔小西和子委員質問者席に着く〕(拍手)
〇小西和子委員 社民党の小西和子でございます。
まず最初に、将来の県政の財政見通しについて伺います。
2018年度の予算を見て心配になるのは将来の見通しです。県の2018年度末の県債残高は約1兆2、800億円で、現在の人口で計算すると、県民1人当たりの借金は102万円となります。財政調整基金など貯金に当たる財源対策3基金は、2018年度末の合計残高228億円となる見込みです。近年の当初予算編成における収支ギャップを考慮すると、大きな不安を残す内容となっています。
東日本大震災津波と平成28年台風第10号豪雨からの復興、よりよい復興、三陸復興、創造に全力で取り組む内容になっています。また、岩手県ふるさと振興総合戦略に基づく人口減少対策は、次世代を担う若者や女性の活躍推進、子育て支援等の取り組みを一層強化し、最終年度となる県復興計画やいわて県民計画の仕上げを図り、次の10年に向け発展の基礎を築けるか、重要な年度となります。
2019年度は、次期県民計画のスタートとなる年度でもあります。必要とされる事業が山積する中、どのように県民の不安を解消する安定的な財政運営を行っていく考えか、知事に伺います。
あわせて、2019年度からの新しい総合計画のもと、次の10年を見据えた財政運営についても伺います。
〇達増知事 次期総合計画の策定を見据えた持続可能な財政構造の構築が必要となりますことから、歳出面では、事業効果や効率性等を踏まえて事務事業を1件ごとに精査し、一層の選択と集中を図ることにより、限られた財源の重点的かつ効率的な活用を進めてまいります。
歳入面では、地方創生を強力に進めるため、国に対して、地方創生推進交付金等の国庫財源の拡充や地方一般財源総額の確保等について全国知事会等と連携しながら強く求めるほか、企業誘致を初めとした産業振興や、仕事の創出などによる税源涵養や未利用資産の売却など、あらゆる手法により歳入を確保し、収支ギャップの縮小と財源対策基金残高の確保に努め、必要とされる事業を確実に実施できるよう、安定的な財政運営を図ってまいります。
〇小西和子委員 県民の不安を解消するためにも、ぜひ発信をしていっていただきたいと思います。
次に、東日本大震災津波等からの復興に向けた県の組織体制等についてお伺いいたします。
多くの命を奪われ、ふるさとが失われた東日本大震災津波から、7年が過ぎようとしています。復興道路の完成や災害公営住宅などの入居により生活環境が改善され、目に見えて完成イメージがつかめるようになったと評価する声がある一方、新たなコミュニティーの構築が課題との声もあります。
いまだに応急仮設住宅等に7、700人余が入居しております。県職員を初め、関係の方々は、身を粉にして復興に奮闘しておりますが、マンパワーの不足、財源問題など、今も多くの課題を抱えています。中でもマンパワーなくして復興は進みません。
2018年度県組織体制が2月5日に示され、職員定数は今年度並みの方向としています。昨年4月1日時点の県職員の欠員数は123人です。特別募集とともに、任期付職員の採用及び他県応援職員の確保に努めましたが、震災前の欠員規模50人から60人までの回復には至らず、依然として厳しい状況にあります。欠員解消はもとより、各行政分野における推進体制の確保が不可欠です。
そこで知事に伺いますが、来年度の欠員の解消見通し及びそれを踏まえた人員確保策についてどのような見解か伺います。
〇達増知事 来年度の欠員数については、他の都道府県等からの応援職員の応諾状況や任期付職員の採用意向などを確認しているところであり、具体的な数字をお示しできる段階にはございませんが、現在のところ、今年度当初の欠員数に比較して、一定程度の減少が見込まれるところであります。
これまで、東日本大震災津波、平成28年台風第10号災害、新たな政策課題などの行政需要に対応するため、新採用職員採用数の大幅な拡大、任期付職員や再任用職員の採用、都道府県等からの応援職員の受け入れ、特別募集の実施などによってマンパワーの確保を図ってきたところであり、今後におきましても、必要人員を確保できるよう、これらの取り組みを継続して職員体制の充実に努めてまいります。
〇小西和子委員 これまでと余り変わらない対策ではないかと思って聞いておりました。効果が期待できるような対策を打ち出すべきだと考えます。
次に、専門職種の人材確保に向けて、処遇改善を含めた対策が必要であると県議会の場で求めてきましたが、県行政の専門性確保の観点から、専門職種の充足状況はどうなっているのでしょうか。また、専門職種のうち、地域の偏在も言われている獣医師について、処遇改善を含めた具体的対策をどう講ずるのか、見解をお伺いいたします。
〇佐藤総務部長 専門職種における充足状況についてでございますが、ことし2月1日時点におきまして、一般行政職を除いた専門職種の欠員は68人となっております。主な職種は、総合土木職の41人、獣医師の6人となっており、総合土木職が全体の約6割を占めているところです。
次に、獣医師の確保についてでございますが、これまで、修学資金の貸し付けや獣医系大学の訪問による就業促進に加えまして、インターンシップの受け入れや免許所有者の随時募集、初任給の引き上げや手当の増額などの取り組みを行ってきたところでございます。このうち、修学資金の貸し付けにつきましては、今年度から貸付額を月額7万円から12万円に引き上げたほか、貸付対象者数の拡大及び獣医系私立大学への県内高校生の入学枠の設置を行ったところです。さらに、来年度からは、貸付額を月額18万円に引き上げる予定としており、制度の充実、拡充に努めているところです。
今後におきましても、所管部局と連携しながら、獣医師の確保のための取り組みを進めてまいります。
〇小西和子委員 大分充実させていますという御答弁でございましたけれども、紫波町の食肉加工施設の増設が予定されており、県では、屠蓄検査体制の拡充が喫緊の課題と捉えていると聞きました。そうなるとマンパワーの奪い合いになるのではないかとも考えますので、先ほどは具体的にさらに処遇改善をしましたというお話でしたけれども、ほかの県に負けないようなさらなる処遇改善を要望します。
続きまして、今県議会に本年4月から職員の退職手当を引き下げる条例案が提案されており、職員の勤務意欲の失墜となるのは明らかです。さらに2月16日、政府は、関係閣僚会議において、公務員の定年延長に向けた論点整理を了解し、今後、人事院において詳細な制度設計を行うとしていますが、総額人件費抑制のため、60歳以上の給与水準を引き下げる方向が示されるなど、賃金水準の一層の抑制が前提となっており、極めて問題のある内容と言わざるを得ません。
これらの状況を踏まえ、知事は、職員の勤務意欲確保に向けてどのように職員の処遇改善を図る考えであるか、見解をお伺いいたします。
〇達増知事 これまで、職員の負担軽減やワーク・ライフ・バランスの確保の観点から、通勤や単身赴任に係る手当額の引き上げや子の看護や家族の介護に係る休暇の拡充など、勤務条件の改善を図ってきたところであります。また、平成28年6月にイクボス宣言を行い、その後、庁議や職員への訓示などの際にワーク・ライフ・バランスの重要性を伝え、各部局長などの管理職もイクボス宣言を行うとともに、各所属の年間の業務方針に働き方改革に関する事項を盛り込むなど、職員の仕事と生活の調和がとれる職場環境づくりを進めてきたところであります。
今年度は、さらにワーク・ライフ・バランスをテーマに、広域振興局の若手職員と知事との意見交換会を開催し、職員と具体的な働き方に関する意見交換を行いながら、働き方改革の機運の醸成を図っているところであります。
今後におきましても、職員の勤務意欲の確保に向け、さまざまな視点からの取り組みを進めてまいりたいと思います。
〇小西和子委員 次に、2020年4月から、臨時、非常勤職員の処遇改善を柱とする改正地方公務員法が施行されます。臨時、非常勤職員は、知事部局に1、000人以上の方が配置され、かつ、各学校にも1、700人を超える方が講師として配属されており、県政の重要な一翼を担っております。処遇改善は不可欠と言えます。
施行に向けた取り組み状況と今後の対応についてお伺いいたします。
〇佐藤総務部長 今般の法改正によりまして創設される会計年度任用職員制度の適正かつ円滑な実施を確保するため、国から、改正法の運用上の留意事項、あるいは制度導入に係る想定スケジュール等が盛り込まれました事務処理マニュアルが昨年8月に通知されてございます。このマニュアルに基づきまして、県では、現在、全ての機関における臨時、非常勤職員の任用根拠や勤務実態について調査を進めているところです。
今後、この調査結果を踏まえまして、国のマニュアルのほか、他の都道府県の動向等も勘案した上で対応を検討してまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
次に、震災復興やその後の地域振興を担うマンパワーの確保、臨時、非常勤職員の処遇改善を初め、県政推進のためには財政基盤の確立が不可欠でありますが、今後、政府による2019年度の地方財政計画の検討が本格化する中、一層の地方財政措置の確立に向けた対策が重要となります。県としてどのように取り組む姿勢か、見解をお伺いいたします。
〇佐藤総務部長 国の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針2015におきましては、平成30年度までの地方一般財源総額を確保する方針が示されていたところでございますが、委員御指摘のとおり、平成31年度以降の地方財政の中長期の一般財源確保のあり方については、今後、議論が本格化するものと認識してございます。
県といたしましては、今後の地方財政計画策定において、地方の実情に即した地方創生を強力に進めるために必要となる財政需要を的確に反映するよう、また、偏在性の少ない安定的な地方税体系の構築や、地方交付税を初めとしました地方一般財源総額の確保について、地方6団体とも連携しまして、引き続き強く要望してまいります。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
県職員の自己都合による退職者数は近年増加傾向にあり、特に20代、30代の若い職員の退職が増加しています。また、採用内定辞退者数についても同様に増加傾向にあります。この状態が続くと、次の10年の施策展開に必要な県職員の確保がさらに困難になることが懸念されます。
退職者数及び採用内定辞退者数がふえている要因と今後の対応策について、知事に伺います。
〇達増知事 東日本大震災津波直後からの傾向を見ますと、平成23年度には少なかった退職者が、その後ふえているという実態があり、20代、30代に同様の傾向がございます。
退職理由については、本人の意向等もあり、その全てを把握することは困難でありますが、職員個々の事情にも配慮した職場環境の整備を進め、離職の抑制に努めてまいりたいと思います。
また、採用内定者の辞退理由は、併願先の他の公務員試験の合格に伴うものが多く見られ、現在実施している県職員希望者への業務説明会のほか、内定者を集めたガイダンスや職場実習の取り組み等を継続しながら、県職員の仕事のやりがいや魅力のアピールに努め、人材の確保を図ってまいりたいと思います。
〇小西和子委員 先日お聞きしたのですが、先ほど欠員の多い部署についても話がありましたが、児童相談所とか農業改良普及センターなども欠員が多い部署なわけです。欠員の多い、勤務環境の厳しい職場で育児休暇をとっている職員は、復帰をしたときに育児と仕事の両立ができないのではないかと今悩んでおります。不安を抱えております。中には退職しようかと考えている職員もいると聞いております。
やっぱりマンパワーなくして施策の推進はできません。他の都道府県がさまざまな取り組みをしておりますけれども、囲い込みの政策とか地域を限定するとか、いろいろありますが、他の都道府県の取り組みを上回る対策をどうぞ検討していただきたいと思います。お願いいたします。
最後に、学校における働き方改革について伺います。
岩手県の教職員の働き方について、知事はどのように捉えているのか伺います。
〇達増知事 岩手における教職員は、教育への強い使命感を持ち、子供一人一人の成長や自己実現に真剣に取り組んでこられているし、また、今もそうであると捉えています。
昨年4月に公表された国の調査において、全国的に教員の勤務時間が大幅に増加している実態が明らかになり、その後、12月には中央教育審議会における中間まとめや文部科学省の緊急対策が示されていますが、本県におきましても、早急に教員の負担軽減に取り組み、教員が心身を健康に保ち、子供たちとしっかりと向き合うことのできる環境を整備していくことが、喫緊の課題となっていると認識しております。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
無定量な働き方になっている要因を知事にお伺いいたします。
〇達増知事 いじめや不登校など教育課題の多様化や子供の貧困対策への対応等、学校や教員に対する期待の高まりに加え、社会の急速な変容への対応の必要性が増大してきていることなどが、教員の負担が増加している主な要因と承知しておりますけれども、加えて、労働法制上の特例である教員の給与等に関する特別措置法が抱える課題も、その一因であると考えております。
〇小西和子委員 そうですね。給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)についての見解、知事はどのように捉えていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
〇達増知事 教員の勤務時間については、原則的には超過勤務命令を行わないこととされ、その勤務の多様性に対して教職調整額という給与上の措置を講じることを趣旨とする給特法には、さまざまな方面から課題が指摘され、国においては、その制度のあり方について検討を進めていくこととしていると聞いておりまして、県としては、その動向も見きわめながら適切に対応していく必要があると考えております。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
中央教育審議会働き方改革特別部会の中間まとめについて、どのように受けとめているのか、知事にお伺いいたします。
〇達増知事 中央教育審議会の中間まとめでは、学校における働き方改革の目指す理念として、長時間勤務をよしとするこれまでの働き方の慣習等から転換し、教員が子供たちにしっかり向き合い、効果的な教育活動を行うことができるようにするとされており、この理念を本県としてもしっかり受けとめ、負担軽減の取り組みを着実に進めていくことが重要であると考えております。
〇小西和子委員 無定量な業務が行われてきた要因の一つに、外部からの要請に応えて、減らすことなく業務をふやしてきたことを挙げています。中間まとめと照らし合わせて、岩手県としての対策をお伺いいたします。
〇達増知事 来年度予算案におきましては、教育委員会がこれまで進めてきた取り組みに加え、新たに県立学校へのタイムカードの導入による客観的な勤務時間の把握の推進、地域人材を活用した部活動指導員の配置などによる業務の役割分担と適正化の推進、教職員の健康確保策の充実など、働き方改革の推進に向けた事業を計上しているところであり、教員の勤務負担軽減に向けた総合的な対策に取り組んでまいります。
〇小西和子委員 文部科学事務次官の通知が出されまして、限られた時間の中で授業やその準備に集中できる時間、教師みずからの専門性を高めるための研修の時間や児童生徒と向き合うための時間を十分確保するよう、さらには、給与負担者である教育委員会において、新たな業務を付加する場合は、積極的に調整を図る体制を構築することとありますので、よろしくお願いいたします。
では、岩手県の学校における働き方改革の目指す姿を知事にお伺いいたします。
〇達増知事 中央教育審議会の中間まとめにおいては、学校における働き方改革の実現により、教師は魅力ある仕事であることが再認識され、教師自身も誇りを持って働くことができるようになり、それがひいては児童生徒の教育にもよい影響として還元されるものと考えるとされていますが、私もそのような児童生徒本位の働き方改革の実現を望むものであります。
なお、その際、やはり中間まとめが指摘していることでありますが、教師以外の人材や学校外の地域社会との連携が重要と考えます。
〇小西和子委員 次の10年を見据えた教職員の確保についてお伺いいたします。
教職員の採用人数の推移と定年退職者を除く退職者の推移と要因から、学校における働き方改革を急ぐべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
〇達増知事 本県の学校現場においては、大量採用した年代の教員の退職等に伴って、教員の採用数が増加してきており、新たに採用になる教員を含めた全ての教職員が、心身ともに健康で、やりがいを持って教育活動に専念できる環境を整備していくことなどが重要であると考えておりまして、教育委員会においては、国の緊急対策などを踏まえ、学校における働き方改革にしっかり取り組んでほしいと考えております。
〇小西和子委員 新採用者1人が今年度退職しました。すごく残念であります。
講師経験者が他県に流出している状況から、教職員を確保することが困難になることが懸念されます。今後の対応策について知事にお伺いいたします。
〇達増知事 本県において教員採用試験の受験倍率が高かった時期に、本県で教員を目指す方々が、その夢をなかなかかなえられず、他県で教職につく選択をされた方が多かったと聞いておりますが、教育委員会では、本県の教育に有為な人材を確保するため、平成26年度の採用試験から、他県で勤務している教員を対象とする特別選考の実施や、平成27年度からは、公立学校での講師経験のある者に対する一部の試験科目の免除措置などを行い、実務経験のある教員の確保にも努めていると承知しております。
教員採用試験のパンフレットには、教員として岩手で一緒に働こうという私のメッセージも掲載しておりますが、教育委員会においては、引き続き、子供たちのあすをつくり、岩手の地域地域や日本の未来をつくる大きな役割を担う教員の確保に向けて取り組んでほしいと思います。
〇小西和子委員 県内の教員養成課程のある大学で、人員減のために取得できる免許が減っております。現状を解決するためにも、県が、それぞれの大学の枠を超えた講座の開設とか単位の取得とかといったものを積極的にコーディネートして、人材確保に努めていっていただきたいと思います。
これは通告をしておりませんでしたので、もしも何か御見解がありましたならば、お伺いしたいのですけれども。
〇達増知事 大学の運営には、大学の自治ということがございますけれども、一方、岩手において高等教育を担う大学には、地域貢献ということも期待されますし、私も期待するところであります。
この教員免許の取得など将来の進路希望に応じたカリキュラムを受けられるようにするには、県内の大学が相互に、単位の融通なども含む教育の連携も図っているところでありますし、県とそれぞれの大学との情報共有、連携の場もございます。また、いわて未来づくり機構のように、オール大学、そしてオール経済界と県のコーディネーションの場もありますので、そういったところも活用しながら、岩手の子供たちが、特に、岩手において希望を実現していくことができるよう、大学との連携を図っていきたいと思います。
〇小西和子委員 実は大学でも大変困っております。今、岩手大学では、技術という教科の免許を取得できなくなってしまっているということを先日お聞きしまして、驚きました。この先、さらに教科が絞られていくことが懸念されます。それを高等教育で連携をして、だったら、ここはできるのではないか、この教科については数校が協力してできるのではないかというようなこともあろうかと思いますので、どうぞ前向きに御検討をお願いして、終わります。(拍手)
〇高橋元委員長 次に、小野寺好委員。
〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明党、小野寺好です。
平成30年度は、減反政策の廃止、農家の収入保険、森林環境税、民泊の開始等が県政に大きくかかわってきますので、これらについてお伺いいたします。
昭和45年に始まった米の生産調整、いわゆる減反は、周知のとおり、ことしから廃止となります。米は本県農業の柱で、多いときには年間40万トン生産されていましたが、消費低迷等による生産調整で減少が続き、平成30年産米生産目安は前年と同量の26万5、000トンとなる見通しです。
県農業総生産額自体がピーク時の3、600億円から2、600億円まで下がり、うち平成28年の米産出額は511億円でした。一方、隣県の米産出額実績は、秋田県944億円、山形県804億円、宮城県712億円等で、さらに減反廃止の中、他の14道県では増産すると言われますが、本県としては、減反廃止によりどの程度の影響を見込んでいるのでしょうか。
〇千葉副知事 生産調整見直しの影響についてでございますが、米政策が見直されます平成30年度以降におきましても、国は毎年の米の需給見通しを公表するとしておりまして、平成30年産については、安定供給を確保できる生産量を735万トンと設定したところでございます。
これをもとにいたしまして、東京都及び大阪府を除きます45道府県全てで、これまでの生産数量目標にかわります生産目安を設定したところでございまして、その合計は738万トンでございます。国が示しました生産量と同程度になっておりますので、全国で需要に応じた米生産を行う体制づくりが進んでいると考えております。このため、全国で生産目安に即した生産が実行されれば、需給への大きな影響はないものと考えているところでございます。
県といたしましては、国全体で米の需給の安定を図ることが重要と考えておりまして、これまで、国に対しましては、実効性ある推進体制の確立を要望してきたところでございます。引き続き、必要な対応を国に対して求めてまいります。
〇小野寺好委員 前年と同量とはいっても、盛岡以南の北上川沿いの生産目安は増量、しかも、銀河のしずく、さらに金色の風といった新銘柄米投入とあって大いに期待いたしますが、予想される収益はいかがでしょうか。また、近年の飼料用米の生産拡大、業務用米の不足などバランスを欠いていますが、本県米生産の今後の基本方針をお尋ねいたします。
〇千葉副知事 今後の本県におけます稲作の基本方向についてでございます。
お米は、本県農業の大きな柱でございますので、消費者あるいは実需者に支持されるブランド米あるいは業務用米などの戦略的な生産を進めますとともに、国の助成制度を活用しながら、大豆等への転換あるいは野菜、花卉等の高収益作物の生産拡大を図ることで、農業者の所得向上に向けて取り組んでまいります。
〇小野寺好委員 平成22年の参院選から我が党の重点政策として掲げてきた農家の収入保険が、昨年の改正農業災害補償法の成立で実現することとなりました。農業を続けていく上で、自然災害や農作物の価格下落時に、農家の農業収入全体を対象とした新たなセーフティネットで、農業共済とあわせ貴重な制度であると考えております。
平成31年産からほぼ全ての農産物が対象となりますが、加入促進に向けて昨年11月から説明会が行われています。農業共済団体も加入推進に向けて全力を挙げると聞いておりますが、新たに生じる保険料負担や青色申告が加入要件になるなど農家に困惑などはないか、県内の推進状況はいかがでしょうか。
〇千葉副知事 収入保険制度の推進状況についてでございますけれども、昨年6月、農業災害補償法が改正されまして、本年4月から農業保険法として施行されることになっておりまして、農業者にとりましては、新たなセーフティネットとなる収入保険制度が、平成31年1月から実施されるところでございます。
制度の対象は、収入を正確に把握するため、青色申告を5年間行っている農業者を基本とはしておりますが、保険限度額を選択することで、1年間の実績があれば加入できるとされたところでございます。
また、農業者がそれぞれの経営形態に応じ、収入保険制度と現行の農業共済制度等のいずれかを選択して加入できるとされたところでございます。
収入保険制度の実施主体となります農業共済組合では、昨年6月の法案成立以降、県内各地で延べ300回以上の地域別説明会を実施しておりますほか、各地域センターに相談窓口を設置し農家の相談に対応するなど、きめ細かに制度の周知と加入促進に取り組んでいるところと承知しております。
さらに、現在、加入申し込みが始まる本年10月に向けまして、全農家を対象とした加入意向調査を実施しております。
県といたしましては、今後も農業共済組合など関係機関と連携して、制度の周知と加入促進を進め、農業者が適切なセーフティネットを選択できるよう支援してまいります。
〇小野寺好委員 食料自給率が38%の我が国が、農水産物、食料の輸出額が平成31年には1兆円となることを目指し、昨年は8、000億円にまで拡大したと報じられました。和食ブームや健康志向が追い風になっているようです。
このために、農水産物を新鮮な状態に保管できるよう、国土交通省は、北海道石狩湾新港等を手始めに、冷蔵機能電源供給装置を整備することになっています。
本県も高価な農水産物を中国や東南アジアに輸出していますが、最近の状況と今後の方針をお伺いいたします。
〇岩間企画理事 農林水産物の輸出の状況と今後の方針についてでございますが、県ではこれまで、関係団体、企業で構成いたしますいわて農林水産物輸出促進協議会を主体といたしまして、海外の流通関係者との結びつきを深めながら輸出拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。
こうした取り組みによりまして、平成28年における県産農林水産物の輸出額は21億8、000万円となりまして、水産物は不漁により減少したものの、米やリンゴ、牛肉等の農産物は、アジアや北米地域を中心に順調に伸びております。
さらなる輸出拡大に向けましては、品質の高い日本産食材へのニーズの拡大を的確に捉え、安全・安心で、品質やおいしさにすぐれた県産農林水産物のブランド化を進めるとともに、生産及び品質管理体制の整備を図ることが重要であると考えてございます。
このため、平成29年3月に策定いたしましたいわて国際戦略ビジョンに基づき、経済成長が著しく日本食への関心が高まっておりますアジア地域等をターゲットに、海外フェアを開催するなど戦略的な海外への販路拡大に取り組むほか、港湾での冷凍、冷蔵コンテナ用電源装置の設置、あるいは食品HACCPに対応した食肉処理施設の整備を積極的に支援してまいります。
〇小野寺好委員 民有林を整備するために特別の住民税を徴収することについては、今では37の府県と横浜市において、年300円から1、200円の範囲で独自の税金を課しています。
本県では、平成18年度からいわての森林づくり県民税が創設され、10年間に72億円の税収プラス1、900万円の寄附で1万5、500ヘクタールの森林において間伐等の整備がなされました。
今後さらに1万ヘクタールの整備が必要であると見込まれていますが、本来の目的である間伐のほかに、森林の荒廃を防ぎ公益的機能を維持する上で、県民税を計画的な再造林の支援に活用できないものか伺います。
〇千葉副知事 いわての森林づくり県民税は、本県の豊かな森林環境を次の世代に良好な状態で引き継いでいくために、県民みんなで支える仕組みとして平成18年度に創設したものでございまして、5年を一つの期間として事業を実施し、現在、2020年度を終期とする第3期の取り組みを進めているところでございます。
この県民税の使途は御案内のとおりでございますが、森林環境保全に関する施策に要する費用に充てるものとしておりまして、水源の涵養などの公益的機能の高い森林へ誘導する間伐や、県民理解の醸成を図るための地域住民活動などを支援しているところでございます。
したがいまして、現行制度では再造林への支援は制度対象とはなっていないところでございますけれども、本県の県民税の使途やあり方につきましては、今後、国において創設が予定されております森林環境税の使途等を精査し、本県の県民税との関係を整理いたしますとともに、県民税の第3期におけます取り組みの成果や課題を踏まえまして、県民の皆様を初め、事業評価委員会あるいは県議会の御意見なども伺いながら検討してまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 平成30年度の与党税制改正大綱に森林環境税の創設が盛り込まれました。納税者の個人住民税に年1、000円上乗せして徴収とのことですが、2024年度の徴収開始に先行して、2019年度から都道府県及び市町村に森林環境譲与税を配分するとしています。
国の配分基準から試算した譲与額は幾らになるか、また、譲与の開始が2019年度からとなり、県民税の第3期の課税期間と2年間重複しますが、重ねて徴収ということにはならないので、県民税は、予定どおり2020年度まで行うことに理解を得られると思いますが、いかがでしょうか。
〇千葉副知事 森林環境税の創設についてでございますが、森林環境税の譲与額につきましては、1月に林野庁から示されました譲与基準により試算しました結果、税収の全額が譲与されます2033年度以降の譲与額は、各年度、県に1億8、000万円余、市町村に16億8、000万円余となりまして、県、市町村合計で18億7、000万円余を見込んでいるところでございます。
本県の県民税の税収の平成28年度決算額は7億5、000万円余でありまして、それと比較しますと、県への譲与額は約5億7、000万円下回るものの、県、市町村合わせた譲与額は約11億2、000万円上回るものでございます。
また、県民税と森林環境税の課税期間の関係につきましては、現行の県民税の課税が2020年度までである一方、国の森林環境税の譲与は2019年度から開始されますものの、課税は2024年度からとなっておりまして、今、委員からもお話がございましたが、課税期間は重複しないものという形になっております。委員御指摘のとおり、県民の負担の観点からは御理解が得られるものと考えております。
なお、今後の県民税のあり方につきましては、先ほど申しましたが、さまざまな御意見を頂戴しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 政府では、農地中間管理機構と同じ考えで、新たな森林管理システムの創設が検討されています。規模を拡大したい林業経営者に対し市町村に仲介してもらおうとする試みですが、条件の不利な森林はどうしても残ってしまうと思われます。
路網整備や高性能林業機械の導入、若手従事者の育成といった本県林業の現状を踏まえ、新たなシステムを活用した林業経営をどのように考えているか伺います。
〇千葉副知事 新たな森林管理システムの活用についてでございますが、本県の人工林資源は利用期を迎えておりまして、北上市の合板工場や県内5カ所の木質バイオマス発電施設の本格稼働など国産材需要の本格的な高まりから、林業の生産現場では、施業の集約化あるいは高性能林業機械の導入が進んでおりまして、素材生産量は震災前を上回る状況となっております。
また、本県におきましては、平成18年度から地域単位で森林経営を担う地域牽引型林業経営体の育成に取り組んでおりまして、既に43の経営体が生産性の高い森林経営を実践しているところでございます。
現在、国が検討を進めております、市町村を介して小規模な森林を意欲と能力のある林業経営体に委ねていく新たな森林管理システムにおきましても、このような形態が地域の林業経営の主体として位置づけられておりまして、このシステムが動き出すことによりまして、放置されていた森林が経済ベースで活用され、地域経済の活性化に寄与していくものと考えているところでございます。
このため、県におきましては、こうした経営体に対しまして、引き続き、路網整備や高性能林業機械の導入などで重点的に支援いたしますほか、いわて林業アカデミー等により、将来的に林業経営体の中核を担う人材養成にも取り組んでおりまして、本県の森林資源の適切な管理と林業の成長産業化を進めていきたいと考えております。
〇小野寺好委員 近年の公共施設への県産材利用促進、新規民間住宅着工、大型合板工場の創業等、本県林業は成長産業としてさらに支援すべき分野と思われますが、県産材の利用促進策の最近の成果を伺います。
次に、森林資源が枯渇しないよう将来を見据えた再造林ですが、森林所有者だけの責任において負担するというのは収支が合わず不可能だと言いますが、どのような支援策を講じているか伺います。
また、知事は、民間団体が組織した岩手県森林再生機構の顧問になっていますが、どのような思いであるのかお伺いいたします。
〇達増知事 まず、県産材の利用促進策の最近の成果についてでありますが、県では、岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画を策定し、木材利用に率先して取り組んでおり、これまで計画目標を上回る木材利用実績を上げていますほか、市町村等に対しても県産材利用を働きかけ、役場庁舎や学校施設などで木造化が進んでいます。
また、さらなる県産材の需要拡大につながるよう、東京2020オリンピック、パラリンピック関連施設での県産材利用に取り組み、昨年10月には、選手村施設整備において県産材利用が決定しましたほか、本年1月には、新国立競技場整備での県産材利用が発表されたところです。
今後とも、こうした取り組みを通じて本県の高品質な木材、製材品を国内外に発信していくとともに、県による県産材の売り込み活動や県内事業者と大手メーカー等とのマッチング支援に取り組むなど、県産材の需要拡大を図ってまいります。
再造林支援についてでありますが、県内では、大規模な木材加工施設や木質バイオマス発電施設等の整備が進み、木材の需要が増大している中、再造林面積は人工林伐採面積の3割にとどまっており、将来に向けて安定した森林資源を確保していくためには、再造林を着実に進めていくことが極めて重要であります。
再造林を推進するためには、森林所有者の負担軽減を図る必要がありますことから、県ではこれまで、森林整備事業の要件を緩和し、低密度植栽やコンテナ苗木を補助対象としてきたほか、伐採から再造林までの作業を連続して行う一貫作業システムの普及など、再造林コストの低減に取り組んでまいりました。
また、平成29年6月に林業、木材産業関係団体を構成員とする岩手県森林再生機構が設立され、平成30年度から再造林経費の助成を開始することとしており、県としても、再生機構と一体となって再造林を推進してまいります。
その岩手県森林再生機構の顧問についてでありますが、県内では、戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎え、今後、主伐の増加が見込まれる状況にあること等を踏まえ、公益的機能の発揮及び計画的な資源造成を図るためには、再造林が不可欠なものと認識しております。
岩手県森林再生機構は、再造林の実行を促進し、将来の森林資源の確保と森林の持続的経営の推進を図ることを目的に設立されたものであり、本県の豊かな森林環境を次の世代に引き継ぐとともに、県民計画に掲げる造林の推進にも大きく寄与することが期待できますことから、その趣旨に賛同して顧問をお受けしたところであります。
〇小野寺好委員 農林水産省は、全農地の約2割に相続未登記かそのおそれありとして、農業における所有者不明土地問題が農地集積を阻んでいる要因の一つであり、10年以上の利用権を設定し、農地バンクから農家に貸し出せるようにしたいとしています。
また、林野庁は、所有者不明森林の経営管理権を市町村が取得し、林業経営者に活用を委託したいとしています。
本県の農地、林地に関しては、所有者不明土地問題はどのような状況にあり、対策は講じられているかどうか伺います。
〇千葉副知事 所有者不明土地問題についてでございますけれども、相続未処理などによりまして所有権移転登記が行われておりません農地は、本県農地の約2割の約3万8、000ヘクタールでありまして、林地は、県内の状況については把握できておりませんが、法務省の調査によりますと、全国的には未登記の森林は約3割と言われております。
これらの農地や林地につきましては、所有権者の特定に困難を来しておりまして、農地では、経営の規模拡大を目指す担い手への集積、集約に影響が、また、林地では、効率的な施業を行うための集約化や計画的な路網整備の実施に支障を来しているところでございます。
今般、国におきましては、土地の所有権の一部しか判明していない場合でありましても、所定の手続を経ますことで、意欲ある担い手に対し、農地の貸し付けや森林経営の委託などを可能とする内容の関係法案を今国会に提出し、審議する予定と承知しております。
県といたしましては、関係法案の審議の動向を注視しまして、法律が成立した場合には、市町村や関係団体等と連携し、これらの制度を十分に活用しながら、農地や林地の集積、集約化を図り、生産性の高い農林業経営が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 最後に、いわゆる民泊について伺います。
昨年、我が国を訪れた外国人観光客は2、869万人で、再来年は4、000万人を目指しています。
一般家庭やマンション、農山漁村への滞在を認めようと、昨年6月16日、住宅宿泊事業法が公布され、ことし6月15日に施行されることになっています。民泊サービスについて、その健全な普及を図るため、事業を実施する場合の一定のルールが必要だというわけであります。
日本のよさを知ってもらおうとか、国民同士のコミュニケーションが深まるいい機会になるなど肯定的意見がある反面、外国人による騒音やごみ出し等の近隣トラブル、犯罪の温床化、闇民泊の横行といった反対論もあります。
いずれ、民泊事業者は、この3月15日から各自治体へ届け出をすることにより事業を実施できることになります。地方議会としても、必要があれば条例制定することになります。
本県の戸建て住宅やマンションを賃貸するウエブサイトが広がりを見せており、大都市だけでなく、盛岡周辺も住宅宿泊事業法成立以前から紹介されていますが、どのように認識しているか伺います。
〇千葉副知事 いわゆる民泊についてでございますけれども、現状を把握するため、いわゆる民泊紹介サイトを確認いたしましたところ、平成30年2月時点で、県内に掲載されております宿泊施設数は72施設ございまして、そのうち48施設は、旅館業法の営業許可を取得した施設、11施設は、無料で宿泊させることにしておりますため旅館業法の適用外施設となっております。
残り13施設のうち、盛岡市内の4施設につきましては、盛岡市保健所から、場所が特定できず実態は不明であると聞いております。その他の地域の9施設につきまして、2施設は、営業許可を取得していないことが判明したため、現在指導中でございまして、7施設は、場所が特定できず実態は不明となっております。
住宅宿泊事業法に基づきます住宅宿泊事業の届け出が3月15日から開始されますが、当該届け出がありました場合には、県の要綱に定めるところによりまして、届け出受理後に、法第17条に基づく立入検査を行い、遵守事項が守られていない場合には、必要に応じて同条に基づく報告を求めますとともに、届け出者に対し行政指導を行うこととしております。
また、行政指導による改善が見られない場合には、住宅宿泊事業の適正な運用を確保するため、法第15条に基づく業務改善命令を行うこととなっております。
なお、住宅宿泊事業法第18条に基づき委任されております県施行条例の制定につきましては、昨日、名須川委員に御答弁したところでございますが、現在、総合的な検討を進めているところでございます。
〇小野寺好委員 この民泊が犯罪等に利用されないよう、よろしくお願いしたいと思います。
以上、終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇高橋元委員長 次に、樋下正信委員。
〔樋下正信委員質問者席に着く〕
〇樋下正信委員 無所属の樋下正信でございます。どうぞよろしくお願いします。
知事は、新年度の予算を県民の明日への一歩と共に進む予算として編成をしております。活気に満ちた岩手をつくるために、ぜひ前向きな御答弁をお願いします。
最初に、県税収入の動向についてお伺いいたします。
本県の税収の推移を見ておりますと、平成28年度決算で1、333億円を超え過去最高の水準となってから、減少局面を迎えています。県では、この県税収入の動向をどのように分析し、税収確保のため今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
〇佐藤総務部長 県税収入についてでございますが、平成29年度の最終予算で見ますと、個人県民税は、個人所得の伸びにより増収となってございます。一方、法人事業税は、税率改正によりまして減少となるほか、軽油引取税及び自動車税は、ほぼ横ばいで推移するものと見込んでございます。県税全体では、前年度の平成28年度決算に対しまして29億円、2.2%の減と見込んでいるところです。
平成30年度当初予算で見ますと、個人県民税及び法人事業税は、個人所得や企業収益の伸びにより増収を見込んでいるほか、軽油引取税及び自動車税は、引き続き横ばいで推移するものと見込んでおりまして、県税全体では、平成29年度最終予算に対しまして22億円、1.7%の増と見込んでおります。
県税収入の確保に向けては、企業誘致を初めとした産業振興等の取り組みにより税源涵養につなげていくほか、地方税財源の充実、確保に向けて、これまでも申しているとおり、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築することが重要でございますので、全国知事会等を通じまして国に働きかけてまいります。
〇樋下正信委員 いずれ、力強い県政運営を進めていくためには、税収確保をしっかりと進めていかなければならないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、農業の担い手確保に向けた取り組みについてお伺いいたします。
農業においては、高齢化と担い手不足が深刻であり、意欲のある若手への支援が重要であると思っております。県では新規就農者への支援を行っておりますが、若い方が農業を志して研修を受けたとしても、その後、農地の問題とか住まいの関係とか、農業を継続できない例が多いという話も聞こえてきます。
この要因を県はどのように分析し、対応していくのかお伺いします。また、県では、リーディング経営体の育成等を進めているところですが、新規就農者に限らず、今後、意欲ある若手農業者をどのように支援していくのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、新規就農者の営農定着についてでございますが、本県農業を持続的に発展させていくためには、意欲を持って就農していただく若い農業者の経営を早期に安定化させていくことが重要であると考えております。
県におきましては、新規就農者の経営安定に向けまして、より効果的な指導を行うため、昨年度、農業次世代人材投資資金の受給者を対象に、定着状況と経営課題の把握調査を行ったところでございます。定着率は約97%と非常に高いものの、やっぱり就農5年後の販売目標額の達成割合は約4割にとどまっておりまして、今後の定着に支障を来す懸念もあるところでございます。
この達成割合が低い要因でございますけれども、栽培管理技術の不足、繁忙期の労働力不足、販売先の確保が不十分などが挙げられたところでございまして、個々の状況に応じました綿密な生産計画と販売戦略を作成し、それに基づいた実践が必要となってくるところでございます。
このため、県といたしましては、新規就農者個々のレベルに応じた技術指導を行うことに加えまして、経営計画の作成や複式簿記の習得など、きめ細かなフォローアップを行うことで、早期に経営が安定し、地域の担い手として定着できるよう積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に、意欲ある若手農業者への支援についてでございますが、県におきましては、これまで、意欲と能力のある農業者の育成を図るため、岩手大学等と連携した、いわゆるいわてアグリフロンティアスクールによります経営感覚、企業家マインドの醸成に加えまして、農地中間管理事業を活用しました農地の集積、集約化によります経営規模の拡大、また、いわて地域農業マスタープラン実践支援事業によります農業機械、加工施設の整備など、経営発展のための支援に取り組んできているところでございます。
さらに、本年4月には、農業団体と連携いたしまして、新たに農業経営相談センターを開設いたしまして、経営の規模拡大や法人化に向けまして、さらにきめ細かな支援を行うこととしておりまして、ハード、ソフト両面で、本県を牽引し地域経済を支える農業経営者の育成を図ってまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員 実は、私の知り合いの若手の農業者なのですけれども、サクランボとリンゴ農家の方がおりまして、その方は、規模拡大ということで5ヘクタール以上の畑を有しているわけでございます。そして、補助金をいただきながら農作業小屋とか格納庫、また倉庫などを建設しながら、障がいを持った方を、いろいろな仕事はできないと思いますけれども、そういう方を雇い入れてやっている方もおります。ぜひ、そういう方にもしっかりと支援をしていただきたいと思います。
それで私が、将来どういうところに販売したいのだと聞いたんですよ。今は、東京のほうに直接行って、デパートの一部で販売しているらしいのですけれども、最終的には海外に打って出ていきたいという話でありまして、海外とはどこだと言いましたら、ラスベガスでリンゴとかサクランボを売りたいのだと。そんな話まで出て、本当に頼もしいなと思っております。いずれ、そういう方に、やる気のある人にどんどん支援していただければと思っております。
次に、これも副知事でございますけれども、結婚支援についてお伺いしたいと思います。
人口減が見込まれる本県においては出生率向上の取り組みが必要となりますが、そのためには、まずはカップルが誕生することが重要だと考えております。
県では、既に結婚サポートセンター、i-サポを設置しておりますが、この取り組みの成果と課題についてお伺いいたします。
また、i-サポへの登録を待つだけではなく、登録者の掘り起こしやカップルを誕生させた世話好きのおじさん-私もおじさんですけれども-やおばさんに、これはできるかどうかですが、報償金というような何らかのお手当が払えるような仕組みも有効ではないかと考えますが、今後、県といたしまして結婚支援をどのように進めていくのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、“いきいき岩手”結婚サポートセンター、いわゆるi-サポの成果と課題についてでございますが、i-サポにつきましては、昨年10月にi-サポ奥州を開設しまして、現在、盛岡市と宮古市と合わせて県内三つのサポートセンターで運営を行っているところでございます。
本年2月末の会員数は1、139人で、今年度の目標でございました1、000人は上回っております。また、今年度の成婚数は2月末現在で22組となっておりまして、成婚数の目標30組には達していないところでございますが、現在交際中の会員も数多くおりますことから、年度末までに成婚数の上積みも期待しているところでございます。
このほか、i-サポに登録したことを契機といたしまして結婚への意識が高まり、婚活に積極的に取り組むようになったことなどによりまして、会員以外の方と結婚し退会した会員が39人いるとも聞いております。そういう意味で、さまざまな成果も出ていると考えております。
課題といたしましては、さらなる成婚数の増加に向けまして、いわゆる新規会員の確保、特に女性の会員確保が重要であると考えております。
今後におきましても、県と市町村の広報媒体を有効に活用し、積極的な周知を図りますとともに、新聞あるいは女性向け広報誌等にもより広く周知することで、女性会員確保に向けた取り組みを強化していきたいと考えております。
次に、さらなる結婚支援の取り組みについてでございますが、先行して取り組んでおります他府県の例を見ますと、若者の出会いの相談や仲介などを行うサポーターの活動が成果につながっているとのことです。委員御指摘のとおり、本県におきましても、市町村が委嘱していますいわゆる結婚相談員と連携した登録促進や会員のお見合い、交際等をサポートする体制を構築していく必要があるものと考えております。
そのため、来年度におきましては、現在結婚相談員等を配置しております11市町村の職員、あるいは実際の75人の結婚相談員の方々との連携体制を構築していくことが重要であると思っております。
また、これらの方々から、先行他府県の取り組みあるいは今後の方向性などについて御意見を伺いながら、岩手県としてのサポート体制をどのようにしていくべきか検討してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員長 樋下委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
樋下委員、御了承願います。
午前11時57分 休 憩
午後1時3分再開
〇高橋元委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇樋下正信委員 次に、健康づくり支援についてお伺いいたします。
県は、来年度、健康づくりを促進する新規事業を実施予定ですが、これを含めて、県は、県民の健康づくりをどのように推進していくのかお伺いします。
また、近年は、健康のためのウォーキングをしている人をよく見かけます。以前、私は、沖縄県で、歩け歩け健康の医者は2本の足という標語を見かけました。これも健康志向のあらわれだと思いますが、こういった方々が、ただウォーキングをするだけではもったいないと思っております。防犯の観点から、地域見守りウォーキング中などと書かれたベストやたすきなどを着用していただき、見守り活動もお願いしてはいかがでしょうか。健康づくりと防犯と一石二鳥の施策になると考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、県の健康づくりに対する取り組みについてでございますけれども、県民の3大死因であります、がん、心疾患、脳卒中の予防への取り組みが極めて重要でございまして、県では、これらの生活習慣病の発症予防と重症化予防を徹底いたしますため、食生活改善、身体活動、運動の促進、禁煙など、生活習慣の改善の取り組みを強化いたしますとともに、がん検診、特定健診受診率及び特定保健指導実施率の向上に向けて、疾病の早期発見と重症化予防など、健康対策に総合的に取り組んでいるところでございます。
本県は、特に男性におきましては、65歳未満の若い年代から既に全国より年齢調整死亡率が高い状況にございまして、昨年実施いたしました県民生活習慣実態調査におきましても、歩行数、肥満、野菜摂取量などの生活習慣病に関連する要因が、前回調査より悪化しているところでございます。県では、こうした課題等も踏まえまして、現在、第2次健康いわて21プランの中間評価を行っておりまして、乳幼児期から高齢期まで、それぞれのライフステージに応じた健康な生活習慣づくりの施策などに重点的に取り組むこととしております。
平成30年度におきましては、新たな取り組みといたしまして、県民主体の健康度アップ支援事業を当初予算案に盛り込んだところでございまして、内臓脂肪量と運動、食事に着目し、メタボリックシンドローム対策に効果を上げております民間企業のノウハウを活用しながら、例えば従業員の歩行数の増加と食生活改善への支援、企業の社員食堂や弁当事業者等への内臓脂肪を減らすレシピ等の指導などの取り組みを行うことにより、働き盛り世代の生活習慣改善につながる取り組みをしたいと考えております。
また、現在策定を進めております次期総合計画におきましても、政策分野の一つとして、健康・余暇を掲げる方向で県総合計画審議会で御議論をいただいているところでございまして、長期的視点に立ち、岩手の健康づくりの推進にさらに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、ウォーキング時の防犯活動についてでございますが、専門家の方々によりますと、安全で安心なまちづくりのためには、地域において、人の目の多いほうが犯罪抑止効果が高いということは言われているところでございます。したがいまして、ウォーキングの際に見守り活動をすることは、防犯の上でも有益なものと考えております。
県内でも、現在、盛岡市松園地区におけます犬の散歩、あるいは盛岡市境田町におけます自転車による買い物、あるいは紫波町佐比内地区におけます農作業などに合わせた形での見守り活動の例も承知しているところでございます。
委員から御提言のございましたウォーキング時の見守り活動につきましても、毎年度実施しております市町村担当者会議あるいは防犯ボランティアリーダー研修会において御紹介をさせていただくなど、地域における防犯力の強化につながる一つの方策として参考にさせていただきたいと考えております。
〇樋下正信委員 いずれ、健康年齢を高めるように、これからも県の御指導をよろしくお願いしたいと思います。
次に、最後になりますけれども、観光客増加に向けた取り組みについてお伺いします。
外国の例ですが、アメリカ合衆国のテキサス州サンアントニオというまちがあります。そこは西部開拓時代の雰囲気を残した人気の観光地でございます。メキシコからのテキサス独立を志し、戦争の舞台となったアラモのとりでが、世界各国から多くの観光客を集めています。また、まちの中心地を水路が流れ、リバークルーズもでき、カフェなどが立ち並んでおります。
本県にも世界遺産平泉などがありますが、残念ながら、県都盛岡にはそのような目玉となる施設がありません。岩手に多くの観光客を呼び込むためには、まずは盛岡城跡公園にお城を再建したり、今申し上げたとおり、大通りを水路にして観光の呼び水にするなど、大胆な施策が必要ではないかと考えますが、国外、県外からの誘客促進に向けた今後の取り組みについて、知事のお考えをお伺いいたします。
〇達増知事 本県の観光振興を図るためには、議員立法であるみちのく岩手観光立県基本条例の前文にうたわれているとおり、岩手の自然、歴史、文化などを地域の大切な資源として着目し、観光産業を初めとするさまざまな産業に活用し、地域経済の発展につなげていくことが重要と考えます。このため、本県の多彩な観光資源をブラッシュアップし、これを組み合わせた魅力ある周遊、滞在型観光を売り込みますとともに、東北各県とも連携して、外国人観光客の誘客拡大にも取り組んでいるところであります。
今後に向けては、ことし6月の東北絆まつりの盛岡開催を初め、来年の三陸地域を会場とする広域的、総合的な防災復興行事、ラグビーワールドカップ2019釜石開催と、国内外からの誘客拡大の好機が続きますことから、まずはこうした機会を生かして、本県観光産業の東日本大震災津波からの着実な復旧、復興に注力していくことが重要という認識のもと、特に内陸と沿岸をつないでの誘客拡大を図るため、ことしの春から夏にかけて、三陸復興・絆観光キャンペーンを展開していく考えであります。
〇樋下正信委員 東北絆まつりは、一過性といいますか、長期にやるものではないと思いますけれども、いずれ、さまざまな機会を捉えて、外国人の誘客、国内の方々に来ていただくような施策をどしどし進めていただければと思います。
北上川がまちの中心地を流れておりますけれども、有名な北上夜曲という曲がございますので、ぜひそういうものも活用しながら、誘客に向けられるような施策を、議論を進めていただければいいのかなと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
〇高橋元委員長 次に、吉田敬子委員。
〔吉田敬子委員質問者席に着く〕(拍手)
〇吉田敬子委員 無所属の吉田敬子です。
平成28年5月の児童福祉法改正により、医療的ケアが必要な児童への支援が努力義務とされました。また、国では、医療的ケア児が普通学校に通うことができるよう、学校に看護師を配置するための補助金の交付対象を、特別支援学校だけでなく、小中学校にも拡大したことで、多くの自治体で配置が始まっています。
一方、本県では、医療的ケア児の受け入れを可能としている保育所は多数あるものの、私は盛岡市のある保育所での受け入れ実績を知るのみで、実際には、受け入れられていない状況ではないかと認識しています。また、昨年度、一般の小中学校に通った医療的ケア児は6名おりますが、全て保護者の付き添いによるものです。
また、昨年度、全国の公立小中学校に配置された看護師は420名いると聞いていますが、本県はゼロです。大阪府では、保育所においては、厚生労働省の事業を活用し看護師配置の事業を、また、小中学校においても10年も前から独自の事業を開始し、看護師配置に対する市町村への補助を行っています。今年度からは、国から市町村への直接補助が開始されたことから、来年度から看護師研修や医療的ケア児受け入れに必要な施設整備補助を開始すると聞いております。
看護師不足である中、1校1看護師配置でなくとも、現在居宅のみとなっている訪問看護の規定を居宅等とすることができれば、学校等へも付き添いができるようになることから、本県独自で枠組みをつくってみてはどうかとも考えています。
そこで伺いますが、県は、来年度、医療的ケア児の受け入れ体制や支援の輪を広げ、支援者育成にも取り組むとされていることに大変期待はしておりますが、医療的ケア児の保育所及び小中学校の受け入れ実態をどう把握し、医療、福祉、保健、そして教育との連携強化を具体的にどう図るのかお伺いいたします。
また、本県においても、保育所及び小中学校への看護師配置等を検討していただきたいと考えておりますが、県の御所見をお伺いいたします。
〇達増知事 人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障がい児、いわゆる医療的ケア児の保育所と小中学校の受け入れ実態については、毎年、国が実施している全保育所及び全小中学校を対象とした調査により、本県では、平成28年度において、保育所が2カ所、小学校が5校、中学校が1校で、それぞれ1人、計8人の受け入れとなっています。
こうした調査結果も踏まえ、県では、平成30年度において、既存の岩手県重症心身障がい児・者支援推進会議に、保健、保育、教育などの関係者を加えて連携体制を強化し、保育所や小中学校などの受け入れ実態や、在宅で生活している医療的ケア児も含めた県内全域の実態把握に努めながら、具体的な支援策や受け入れ体制の整備に向けた取り組みを進めてまいります。
保育所への看護師配置に向けた取り組みについては、国のモデル事業を実施している他県市町村の取り組みなどの情報収集を行いながら、医療的ケア児の受け入れに向けた必要な支援を検討してまいります。
また、小中学校への配置については、国において、看護師の配置や体制整備を進める事業を実施していることから、同事業の導入も含め、市町村教育委員会と連携しながら、医療的ケア児への支援体制の構築に取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 突然ですが、知事は、医療的ケア児に会われたことはありますでしょうか。
〇達増知事 重症心身障がい児・者の集まりに何度か行って、そこで重度の心身障がい児には会ったことがあります。
〇吉田敬子委員 先ほど、盛岡の保育所の事例の話をしたのですけれども、ここに通う児童はリンパ管腫の児童なのですけれども、生まれてからNICUに半年間入院した後に、鼻から経管栄養が必要で、見た目は経管栄養が必要なパイプがついているのですけれども、知力、体力、知能とも一般の子供と同じで、今は盛岡の一般の保育所に通っていて、できれば地元の小学校に通いたいということで考えていらっしゃいます。重度の方もいらっしゃいますけれども、ちょっとした支援があると一般の学校に通える子供たちもいますので、ぜひ現場の声を知事も伺っていただきたいと思います。
次に、高齢出産、低出生体重児の割合の増加に伴い、ハイリスク妊娠、出産に対する医療や高度な新生児医療の需要が一層高まる中、医師不足などいまだ地域偏在が存在しているのが現状です。
一方で、今年度から開始した産科診療所開設等支援事業費補助において、延べ10件の施設設備整備が実施されたことに加え、来年度はその支援が拡充されるほか、新生児ヘリコプター搬送体制整備補助が新たに盛り込まれるなど、創意工夫で対応されていることには心から敬意を表します。
そこで伺いますが、妊産婦や新生児に対する必要な医療の適切かつ迅速な提供のため、地域で支える体制づくりや市町村との連携など、来年度以降、どのように周産期医療体制の充実に取り組むのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 周産期医療体制についてでございますけれども、県では、これまで、県内四つの周産期医療圏を設定いたしまして、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の確保を図ってまいりましたほか、医療機関と市町村が妊産婦等の情報を共有いたします周産期医療情報ネットワークシステム-通称いーはとーぶでございますが-の運用や、超音波画像伝送システムの導入によります連携診断体制の構築など、ICTを活用した医療連携を推進することで、周産期医療体制の充実に努めてきたところでございます。
今年度からは、県内全ての市町村がいーはとーぶに参画いたしまして、医療機関との情報連携体制が強化されましたほか、新たに潜在助産師の掘り起こしや、人材育成研修の実施によります市町村の産前産後ケア事業への支援及び分娩取扱施設の維持、開設に係る補助制度の創設にも取り組んできたところでございます。
今後も、これらの取り組みを継続いたしますとともに、当初予算案に分娩取扱施設の再開等に対する支援の拡充、新生児のヘリコプター搬送体制の整備、総合周産期母子医療センターのスタッフの増員によります救急搬送コーディネート体制の強化、救命救急士を対象とした新生児蘇生法及び母体救命研修の実施などに要する経費を盛り込みまして、分娩取扱施設のさらなる確保と母体、新生児の救急搬送体制の一層の強化を図ることとしております。
現在策定中の次期保健医療計画におきましても、産科医等の確保と救急搬送体制の強化を重点施策の一つとして掲げたいと考えておりますほか、新たに、市町村、産科医療機関と連携した産後うつや精神疾患を合併した妊産婦への対応、あるいは地域で妊産婦を支える取り組みを促進していくこととしまして、県では、これらの取り組みを総合的に推進しながら、周産期医療体制の充実に努めていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 新生児のヘリコプター搬送についての確認なのですが、これは妊婦も入るのか。また、岩手県は、青森県、秋田県、宮城県との広域搬送体制の整備という中に含まれているのか、今わかる範囲で伺いたいと思います。
〇千葉副知事 今調べますのでお時間をいただきます。
お話がありました1点目のいわゆるドクターヘリの搬送については、当然、妊産婦(後刻「産婦」と訂正)については、対応させていただいているところでございます。
3県の連携体制については、済みませんがもうちょっとお時間をいただいてから、委員の御質問時間の中で回答するようにいたしますので、少々お時間をください。
〇吉田敬子委員 県は、子ども・子育て支援事業計画に基づき、多様な保育施設の整備や待機児童の解消、就労形態の多様化に対応した各種保育サービス等の充実、支援に取り組んでおりますが、例えば岩泉町では、一時的な児童減少により、以前は町営で、現在は県内では珍しい保護者等で構成される地域運営協議会方式の小規模な保育所が、来年度から2カ所閉鎖されると聞いています。中山間地域の多い本県において、このような事態はどの自治体でも起こり得ると想定されますが、人口減少社会の中で、子供一人一人を大切にする視点で取り組むべきとも考えております。
岡山県では、岩手県も同様に、需要の高い1歳児から2歳児の受け入れに積極的に取り組む保育所を支援する市町村に対する補助を来年度開始すると聞いております。これは、1歳児から2歳児に比べ、保育士の配置人数が倍となるゼロ歳児の入所者増が保育士不足につながり、待機児童が発生しているとも分析し、1歳児から2歳児の受け入れを拡大する施設がふえればゼロ歳児で申し込むケースが減り、長期的には待機児童解消にもつながるのではと期待されています。
また、東京都では、ゼロ歳児から2歳児を対象に、保育所などに入れない待機児童を持つ保護者ら向けに、ベビーシッター代を最大9割近く補助する制度を来年度創設すると聞いております。本県も同様に、多様できめ細やかな対応が今後さらに求められると考えますが、保育を必要とする方の利用定員は来年度どうなるのか、また、保育所は市町村事業でありますが、県として市町村をどのように支援していくのかお伺いいたします。
〇達増知事 保育所や認定こども園、地域型保育事業を含めた保育を必要とする利用定員については、施設整備等による拡充により、平成29年4月の3万716人が、平成30年4月には、1、586人増加し3万2、302人となる見込みです。現在、市町村では、子供の出生動向、利用希望者の意向や市町村内の保育施設の立地状況などを踏まえ、子ども・子育て会議の意見も聞きながら子ども・子育て支援事業計画の見直しを進めており、現時点では、保育利用ニーズを上回る定員が確保される計画となる見込みです。
県では、施設整備に対する財政支援を行い、受け皿のさらなる拡充を図りますほか、保育士・保育所支援センターによる潜在保育士のマッチング支援や保育士修学資金貸付事業の拡充などにより、保育士の確保に努めることとしておりまして、保育の充実に向け、引き続き市町村の取り組みを支援してまいります。
〇吉田敬子委員 先ほど樋下委員も取り上げられた県民の健康づくりについて、前置きを割愛して伺いますが、県民主体の健康度アップ支援事業費を新規に今回盛り込んでおりますが、具体的にどのような成果を期待しているのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 先ほど樋下委員からもお尋ねがございましたので、簡単に全体を申し上げますと、本県は特に男性におきまして、65歳未満の若い世代から既に全国より年齢調整死亡率が高い状況にございます。昨年度実施しました県民生活習慣実態調査におきましても、生活習慣病に関連する要因であります歩行数、肥満、野菜摂取量が前回調査よりも悪化しているところでございます。このため、県におきましては、65歳未満の働き盛り世代に対する生活習慣改善に向けた取り組みの強化が必要だと考えております。
県内企業におきましては、従業員の健康が企業経営の安定化につながるという、いわゆる健康経営の取り組みが徐々に進んできておりまして、県や市町村、民間団体が地域において取り組んでおります地域づくりのノウハウによりこの取り組みを支援していくことが働き盛り世代の生活習慣病予防の促進につながるものと考えております。したがいまして、先ほど申し上げました県民主体の健康度アップ支援事業におきましては、内臓脂肪量と運動、食事に着目いたしまして、メタボリックシンドローム対策に効果を上げております民間企業のノウハウを活用しながら、従業員の歩行数の増加と食生活改善への支援、企業の社員食堂や弁当事業者等への内蔵脂肪を減らすレシピ等の指導などの取り組みによりまして、持続的に県内企業の健康経営の取り組みを促進してまいりたいと考えております。
また、この事業におきましては、事業に参加する従業員の運動習慣や食生活改善を通じまして、その家族への波及効果も期待できるものではないかと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 次に、昨日、名須川委員も取り上げられた動物愛護について、以前、私も名須川委員とともに盛岡の保護施設を視察した経緯があります。
改めてお伺いしますが、動物愛護思想や殺処分ゼロ啓発などを含め、全国的に整備の進む動物愛護センターの設置に向けて、県としてどう取り組むのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 動物愛護についてでございますが、県では、平成26年3月に第2次岩手県動物愛護管理推進計画を策定いたしまして、動物愛護思想の高揚、適正飼養の推進、譲渡の拡大などを通じまして、人と動物が共生する社会の実現に向けて積極的に取り組んできたところでございます。特に、東日本大震災津波以降、動物愛護に関する県民の関心がより高まってきておりまして、動物愛護施策の推進が今後重要であると認識しているところでございます。
このような状況を踏まえまして、動物愛護センター設置についての検討を進めることといたしまして、岩手県動物愛護推進協議会にセンターのあり方について御検討いただき、昨年11月に提言書が県に提出されたところでございます。
この提言書におきましては、動物愛護センターを設置することが必要であること、担うべき機能として五つの機能、動物愛護思想の普及、適正飼育及び飼主のいない猫対策の推進、生存の機会の拡大、人獣共通感染症対策・調査研究及び災害発生時の動物救護を備えることが望ましいこと、設置に当たりましては、盛岡市との共同設置が望ましいことなどの御提言をいただいたところでございます。
この提言書を踏まえまして、昨年11月に、県から動物愛護センターの設置検討について盛岡市に申し入れをいたしまして、昨年12月には、双方の担当部局からなります動物愛護センター整備検討協議会が設置され、現在、盛岡市と共同でセンターを設置する方向で検討を進めているところでございます。
また、動物愛護思想や殺処分ゼロの啓発に向けた取り組みにつきましては、これまで、終生の飼養への指導や飼い主への返還の取り組み、さらには、新たな飼い主への譲渡事業などに取り組んできたところでございますが、平成30年度におきましては、新たに動物愛護を考えるシンポジウムやポスターコンクールを行うこととしておりまして、関係経費を当初予算案に盛り込んだところでございます。
今後とも、引き続き、人と動物が共生する社会の実現を目指してまいります。
〇吉田敬子委員 次に、最近、盛岡市松尾町にあった歴史ある馬検場が解体されると聞き、大変残念に思っておりますが、いにしえから継承されてきた岩手の馬事文化は、継承、発信すべき、世界に誇れる観光資源でもあると考えております。
そこで伺いますが、馬事文化振興に向け、今年度から開始した馬事文化プロモーション推進事業を通じてどのような成果につながったと認識しているのか、また、県の今後の取り組みについてもあわせてお伺いいたします。
〇千葉副知事 馬事文化振興についてでございますが、馬の飼養頭数が減少する中、イベントの開催等で必要な馬資源を確保し、効果的に活用するための仕組みを構築いたしますとともに、本県が誇る馬事文化の魅力を活用し、地域の活性化を図るため、本年度から馬事文化プロモーション推進事業を実施しているところでございます。
この事業では、新たにコーディネーターを設置し、チャグチャグ馬コ同好会など、馬に関係する団体や市町村が参加いたします馬事文化地域連携連絡協議会を設立するなど、馬事関係者間のネットワークを構築いたしますとともに、シンポジウムの開催や馬事イベントの実施、専用ホームページでの情報発信等を行ってきたところでございます。また、台湾や香港で開催されました観光プロモーションにおきまして、本県馬事文化の魅力を広くPRしたところでございます。
このような取り組みによりまして、馬資源の広域的な利用調整や馬事関係情報を一元的に情報発信する体制が整備されますとともに、国内外において、馬事文化に対する理解が進むなど、一定の成果があったものと考えております。
平成30年度におきましても、関係市町村や馬事関係者との連携を図りながら、馬資源を活用したイベントなどの円滑な実施に取り組みますとともに、本県馬事文化の評価が高まり、旅行客の増加など、地域活性化につながるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 釜石市に三陸駒舎というところがありまして、馬がいる施設なのですけれども、昨年、岩手県で初めて国の障害福祉サービスの指定を受けて、児童デイサービスを、いわゆるホースセラピーを開設されました。来年度、保健福祉部で農福連携ということで、農業と福祉という分野をやられますけれども、馬事文化の中でもこういった農福連携という、子供たちとか障がい児支援というものの連携も、今後ぜひ、岩手らしいというところで取り組んでいっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に伺います。平成29年度までは、就職を主とする普通高校ではいわて未来創造人サポート事業に、専門高校や専門学科では、学校・地域の協働によるキャリア教育推進事業に取り組んでまいりましたが、来年度からは学科に捉われず、一体的に取り組むことと見直されたことは大変よいと考えております。
これまでも、高校生向け保健教育の啓発資料を活用したライフプランニング支援の重要性について訴えてまいりましたが、私はキャリア教育とライフプランニング支援は一体であると考えております。
そこで伺いますが、これらの事業を一体化してほしいということではなく、女性特有疾患の若年化、妊娠適齢期や不妊等について若いうちから正しい情報提供をすべきとの考えから、ぜひ社会人、男女問わず、講話等の中でも、先輩方が結婚、妊娠、出産、子育てとどう両立してきたかなどもお話ししてくださるよう工夫するなどしていただきたいが、県の今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇千葉副知事 キャリア教育とライフプランニング支援についてでございますけれども、現代社会も大きく変容し、ライフスタイルも多様化する中におきまして、高校におけますキャリア教育の推進に当たりましては、高校生みずからが進路を選択する際に、就職のみならず、結婚、出産、育児等のライフイベントを踏まえた生活のあり方も視野に入れながら、総合的に考える機会を充実させていくことが重要であると考えております。
高校におきましては、地元産業界の皆様から御協力いただきながら、社会人へのインタビューや出前授業等を行いますとともに、特にライフプランニングにつきましては、国が作成いたしました副教材などの活用や、産婦人科医や助産師等の専門家を講師といたしました妊娠、出産、疾患等に関する講演を実施することなどによりまして、生徒一人一人が主体的に就職、出産などの人生設計を立て、みずからの進むべき道を選択し、決定する能力を育んできているところでございます。
今後におきましては、高校におけます保健体育や家庭科に加えまして、総合的な学習の時間などにおいて教科横断的な学習を進めますとともに、ライフプランニングを盛り込みました社会人講話等の効果的な実施を促進するなど、ライフプランニング支援を含むキャリア教育の充実に努めてまいります。
なお、妊娠、出産、疾患等に関する講演をまだ実施していない学校も若干ございますが、少なくとも生徒が在学中に一度は機会を設けるよう、県教育委員会から要請しているところでございまして、引き続き取り組みの促進に努めてまいります。
あと、恐れ入ります、先ほどのお尋ねに対しまして答弁しかねましたドクターヘリの関係でございますが、1点修正と、1点追加をさせていただきます。
1点につきましては、先ほど私、ドクターヘリでの搬送の中で、妊産婦ということで一緒にしゃべってしまいましたが、正確には、産婦の搬送が可能でございまして、妊婦については、ヘリ内での出産に当然対応ができませんので、妊婦についての搬送はできないことになっております。
また、北東北3県との新生児広域搬送につきましては、防災ヘリの搬送も含め、3県で対応しているところでございます。
〇吉田敬子委員 2013年の若者の意識に関する調査から、男女とも年齢が高くなるほど妊娠する確率が下がるなどについて、よく知らないまたは知らない人というのは、高校生に当たる15歳から19歳まででは44%もいるという結果が出ておりまして、特に妊娠と年齢の関係についてよく知らない人が多いことがわかるという文部科学省のデータがあります。ぜひ引き続き、学校のほうでのキャリア教育を考えるときに、自分自身のライフプランというのを、キャリア教育と一緒に努めていっていただきたいと思います。
よろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)
〇高橋元委員長 次に、臼澤勉委員。
〔臼澤勉委員質問者席に着く〕(拍手)
〇臼澤勉委員 無所属の臼澤勉でございます。
総括質疑の最後の質問者でありますが、これまでの質問と一部重複いたしますが、よろしくお願いいたします。
初めに、知事は、来年度の予算をふるさと振興総合戦略を強力に推進し、県民の明日への一歩を共に進む予算と述べておりますが、あすとは、どのようなあすを描いているのでしょうか、どこに向かっていくのでしょうか、御所見をお伺いします。
〇達増知事 平成30年度当初予算案は、次期総合計画の策定も見据えながら、第3期復興実施計画に基づく東日本大震災津波からの復興と、平成28年台風第10号災害からの復旧、復興を最優先に、ふるさと振興総合戦略を強力に推進する予算として編成したところでございまして、県民一人一人が、あすの自分の生活、あすの自分の仕事、また、あすの自分の学びに関連する事業を見つけることができると考えています。
復興基本計画では、いのちを守り、海と大地と共に生きる、ふるさと岩手・三陸の創造を目指す姿として掲げており、また、岩手県人口ビジョンでは、子供からお年寄りまで、あらゆる世代が生き生きと暮らしている岩手、県外とつながり、新しい発想にあふれている岩手、若い世代を初めとする多くの人々が集い、イノベーションが創出され、活力ある地域社会が形成されている岩手を本県の2040年の姿として描いており、こうした岩手の将来像に向かって取り組んでいく考えであります。
〇臼澤勉委員 平成30年度は、岩手県ふるさと振興総合戦略の折り返しの年であります。岩手で働く、育てる、暮らすの三つの柱に沿った事業を展開しておりますが、今後、未来を見据え、児童福祉や教育など、岩手で育てるを重点的に取り組む必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇藤田政策地域部長 ふるさと振興総合戦略についてでございますけれども、自然減と社会減からなる人口減少問題を解決するためには、自然減対策と社会減対策の両方に取り組むことが必要と考えております。このため、ふるさと振興総合戦略に掲げる岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの三つの柱はいずれも重要でございまして、合計特殊出生率の向上という、自然減対策を主な目的としている岩手で育てるにつきましても、重点的に取り組む必要があると考えております。
このような認識のもとで、平成30年度当初予算案では、体制等を拡充した“いきいき岩手”結婚サポートセンター-i-サポの運営による結婚支援や、産科診療所開設等の支援並びに周産期医療体制の強化、保育士の確保と保育所整備に対する支援などに取り組むこととしているところでございます。
〇臼澤勉委員 ここ数年の県予算を見ますと、生産年齢人口1人当たりの労働費、商工費、あとは総人口1人当たりの衛生費が高い傾向にございます。知事が言う、希望が持てるあすに向かって、ぜひ私は15歳未満の人口1人当たりの児童福祉費や教育費についても、バランスのいい予算編成に取り組んでいただきたいと思います。
次に、財源の確保対策が何よりも重要と考えます。平成30年度の県税収入は前年度比1億円の減と、おおむね横ばいの見込みでありますが、内訳を見ますと、法人事業税は、税率改正の影響を理由に4億5、900万円の減となっております。法人事業税は、平成28年度税制改正により、課税ベースを拡大しつつ所得割の税率を引き下げ、企業活動を活性化するという考えのもとで改正されておりますが、本県において減収となる理由と今後の対応についてお伺いします。
〇佐藤総務部長 法人事業税については、平成29年度当初予算額269億円を最終予算額として253億円に減額したところでございますが、これは、外形課税部分の税率引き上げと所得課税部分の税率引き下げに伴うものでございまして、うち税率引き下げによる減収が予想以上に大きかったことによるものでございます。
一方、平成30年度当初予算額は、企業収益の伸びが見込まれますことから、平成29年度最終予算額に対しまして約11億円増の264億円、4.3%の増と見込んでございます。
今後の対応につきましては、企業誘致を初めとした産業振興等の取り組みにより、税源涵養につなげてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 自主財源の確保対策は、中長期的な観点から、企業誘致あるいは産業の活性化、雇用促進、土地利用対策など、積極的に進めていただきながら県税の増収確保対策を強化する必要があると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、あすを見据えた県組織についてお伺いいたします。
広域振興局体制が10年経過いたしますが、これまでの広域振興局体制をどう総括しているのか。また、さきの一般質問の答弁において、広域振興局の体制を強化すると答弁されておりましたが、課題認識と狙いは何か、重点的、優先的に取り組もうとしていることは何かお伺いします。
〇藤田政策地域部長 広域振興局体制についてでございますけれども、広域振興局は、産業振興による地域経済の活性化を主眼といたしまして、地域ニーズに即した施策展開が一層可能となるよう、市町村本位の考え方で、市町村への支援や広域的、専門的なサービスの提供などを行うことを目的に設置したものでございます。
これまで、産業振興の面では、広域振興局長のリーダーシップのもと、食産業やものづくり、観光などの分野において広域的な連携組織を構築いたしまして、ビジネスマッチングの促進や産業人材の育成、広域的なイベントの開催など、地域の特性やニーズを踏まえた広域的な施策を展開してきたところでございます。
また、東日本大震災津波や平成28年台風第10号災害の対応では、四つの広域振興局にまとめたスケールメリットを生かしまして、内陸部の広域振興局から沿岸部の市町村等へ迅速な人的支援や物資の供給を行うなど、機動的な災害支援業務の展開が図られまして、現在の体制は定着してきているものと考えております。
一方、若者の転出等による人口減少への対応や東日本大震災津波等からの復興の推進に当たりましては、若者の地元定着や、U・Iターンにつなげるための魅力のある仕事づくりや産業振興の取り組みを一層推進する必要があると考えております。
このため、平成30年度からは、各広域振興局の経営企画部に産業振興室を設置いたしまして、本庁の商工労働観光部との連携の強化を図りながら、産業人材の確保、育成や地域特性を生かした産業の振興、外国人観光客の拡大を含めた観光振興などに重点的に取り組んでいくこととしております。
〇臼澤勉委員 通告しておりませんが、知事にお伺いしたいのですけれども、知事は就任当初、コミュニティーと広域に注目した新地域主義という戦略を効果的に展開していくと述べておられました。これの手応えといいますか-なぜそういうことを聞くかというと、広域振興局体制も10年を迎えまして、まさに仕事とか暮らしが広域化していると。そこが活性化しないと、岩手全体の成功につながらないと知事は就任当初述べておりましたけれども、そこの所感をお伺いしたいと思います。
〇達増知事 縦割り行政の弊害と言われるようなものを克服するため、県内をエリアで見ていくことが重要と考えまして、一つには、複数市町村を含むような広域、もう一つは、個々の市町村の中のコミュニティー単位の地域、そういった地方自治法上の自治体とは違う枠組みの地域というものに注目しようということで新地域主義と名づけたわけでありますけれども、日常の産業振興、また、地域振興の推進に役に立つ視点だったと思いますし、特に東日本大震災津波発生時には、この市町村を超えた広域的な連携や、また、市町村の中のコミュニティーに着目した避難、応急仮設住宅時代の生活、そこから恒久住宅へ、そして新しいコミュニティー再建といったようなところで、そういった視点が災害対策から復旧、復興という取り組みの中でも生きたのではないかと思います。
〇臼澤勉委員 その枠組みも大事ですが、私は組織の活性化というか、人の部分というのがさらに大事になってくるかと思います。
そこでお伺いします。岩手県職員憲章がございます。五つの行動基準が示されてございます。県民本位、能力向上、明朗快活、法令遵守、地域意識となっております。現在の組織、職員をどう評価されておりますか。また、組織を活性化させるために知事として重要視されていること、重点的に取り組もうとしていることは何か、御所見をお伺いします。
〇達増知事 県職員は、東日本大震災津波や平成28年台風第10号災害など、近年多発している自然災害からの復旧、復興を初め、さまざまなつながりの力を結集して大成功をおさめた希望郷いわて国体、希望郷いわて大会の開催など、そういった取り組みに対してさまざまな創意と工夫を積み重ねながら懸命に対応してきていると認識しておりまして、県組織全体の底力も高まってきているものと考えております。
組織の活性化のためには、知事としては、職員と議論したり、一緒に現場を回ることが重要と考えておりまして、これまでもかなりの時間を割いてきたところであります。
また、職員の主体性を引き出すことが重要と考え、坂本龍馬の海援隊をもじったI援隊を呼びかけ、事業化されたところであります。その後、職員のこうした主体性の発揮は、改善事例を全庁で共有して優良事例を表彰するG・Iグランプリや、政策提案型調査研究コンテストでありますWild Cup、次期総合計画の策定に向けたアイデアコンテスト等の取り組みへと展開を見せており、頼もしく感じております。
また、今年度はワーク・ライフ・バランスをテーマにして、広域振興局の若手職員と知事との意見交換会を開催し、職員に直接、働き方の具体的な意見交換を行う場を設けながら、働き方改革の機運の醸成を図っているところであります。
現在、次期総合計画の策定に県組織を挙げて取り組んでいるところでありまして、県職員が今後10年の岩手のあるべき姿を自由闊達に描きながら、活発に行動してもらいたいと考えています。
〇臼澤勉委員 私も、何よりも行動が大事だと思います。ニューヨーク県人会の岩崎会長が私に、臼澤君、アクション・イズ・ファースト、これを大事にしろと言われた言葉が私にはずっと心に残っております。ビジョンなき改革は失敗に終わる。行動を伴わないビジョンは夢にすぎないという言葉があります。
さらに一層、県の組織が行動する集団に変革するために、何が必要、そしてどう取り組むか、再度、知事からちょっと御所見をお伺いします。
〇達増知事 そうですね、行動する集団というところについては、むしろ現在、ワーク・ライフ・バランスの問題で、家庭生活も大事にするようにというところを強調しているところでございますけれども、これは反面、仕事の時間は減らしたとしても、その分、いわゆる1人当たりの生産性を高めることで、仕事の成果はふえていくような方向性でやっていこうと語り合っているところであります。そして、職員一人一人さまざまで、子育てと仕事の両立がテーマになっている職員もいれば、出会いの場を得て、結婚から家庭をつくるといった問題意識を持つことが望まれるというのも、これは言い方によってはパワハラになりますので微妙なところがあるわけですけれども、そういったところにテーマとしての可能性が開けているような世代の職員もいます。そして、親の介護ということが深刻になってきている職員もいます。そういった職員一人一人の生活があるということをちゃんと上の者といいますか、リーダーもわかった上で、1人当たりの仕事の生産性を高めて働いていこうという問題意識を共有しながら、具体的なやり方についても一緒に考え、話し合ったりしながら取り組んでいくということが、結果としていいアクションをしていく組織につながっていくと考えます。
〇臼澤勉委員 職員の皆さんも志高く県に入ってこられて、それぞれの立場で頑張っております。ぜひ仕事を通じて自己実現の欲求というか、そういうものも満たしながら行動集団に。そして、何よりも行動基準の明朗快活という言葉を大事にしてほしいなと。朝行ったらおはようございます、ありがとうございました、お先します、そういう挨拶の基本を徹底して、職場を活性化していただきたいと思います。
次に移ります。あすを見据えた社会増の取り組み、移住、定住対策についてお伺いします。
地方への人の流れをつくるための規制緩和を進めるため、効果的な制度の検討に私は着手すべきだと思っております。これまでも、定住、3世代同居の促進だとか、空き家対策、田舎暮らしのための住環境整備、こういった部分を私は訴えてきましたが、移住、定住しやすい環境づくりにどう取り組もうとしているのかお伺いいたします。
〇藤田政策地域部長 移住、定住しやすい環境づくりについてでございますけれども、県では、全県的な移住推進体制や首都圏における移住相談窓口の整備を行うとともに、移住情報の一元的な発信や首都圏での移住相談会の開催、あるいは移住体験ツアーの実施など、さまざまな移住、定住の取り組みを進めているところでございます。
また、移住の前提となる魅力ある地域づくりや移住者の受け入れ環境の整備につきましては、市町村や地域団体の役割が重要でありますことから、県では、NPOなどの地域団体が行う移住、定住の促進に資する取り組みに対する補助や、中山間地域における地域資源を活用した商品開発や都市住民との交流活動の実施など、地域のアイデアを生かした取り組みに対する補助を行っているほか、今年度からは、県外からの移住者が市町村の空き家バンクを利用して空き家を改修する場合に必要となる費用に対しても補助を行っておりまして、関係部局と連携しながら、移住施策の拡充を図っているところでございます。
こうした取り組みとあわせまして、地方への人の流れをつくり、東京一極集中を是正するために、首都圏から地方への移住に係る税制上の優遇措置等について国に対して要望しているところでございます。
今後とも、市町村や関係機関等と連携を図りながら、移住、定住しやすい環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 藤田部長におかれましては総務省からいらしておりますので、岩手にいらっしゃる間に、先駆的な取り組みを実践していただきたいと思います。
次に、私が住んでいる矢巾町内で、市街化調整区域においても人口減、高齢社会の進行により空き家がふえてきております。集落におけるコミュニティーの維持が困難となるなど、地域活力の低下といった課題が発生しております。
市街化調整区域の古民家など、観光振興や移住、定住促進に活用できるよう、国では開発許可制度の運用指針の見直しを行ったと承知しておりますが、観光振興や移住、定住促進のために、県も開発許可制度の運用を見直すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇千葉副知事 ただいま委員から御案内の国で改正いたしました開発許可制度運用指針でございますけれども、制度の具体的な運用に当たりまして、市町村の都市計画マスタープランや地域振興、観光振興に関する計画との整合、道路、上下水道等、公共施設への影響等に配慮することとされておりますことから、県におきましては、関係いたしております自治体、盛岡市、滝沢市及び矢巾町と、これまで3回にわたりましてワーキンググループを開催し、現在検討を重ねているところでございます。
現在、矢巾町におきましては、矢巾町空家等対策計画の策定に向けた取り組みも進めておられると承知しておりますので、県といたしましては、そのような取り組みにも十分配慮しつつ、関係する市町の意向等も十分踏まえながら、この弾力的な運用について検討を進めていきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひよろしくお願いしたいと思いますし、市街化調整区域内で、例えばコンビニエンスストアの設置についても、盛岡市と矢巾町で立地基準について少しバランスを欠くようなところもあるとの声も聞いておりますので、ぜひそこら辺も含めてお願いしたいと思います。
次に、全国の自治体でシェアリングシティーという、共助の取り組みが行われております。昨年11月には釜石市も認定されて、個人所有の車をシェアして、来訪者等への移動手段として提供する取り組みが動き出したところであります。シェア乗りで安く移動して、浮いたお金でラーメンを食べて歩きたいという声もあります。また、空き部屋や家を一時的に借りて泊まる民泊も6月に本格的に解禁されてきます。
以前、一般質問で、シェアリングエコノミーについて問いましたら、さまざまな可能性を有しており、国の動きも注視しながら、活用と可能性について研究を進めるとのことでしたが、規制とのバランスには課題はあるものの、ふるさと振興の新たな視点として、次期総合計画に盛り込む必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇藤田政策地域部長 シェアリングエコノミーについてでございますけれども、国の未来投資戦略2017では、シェアリングエコノミーは十分に使われていないもの、空間等の遊休資産をICTの活用によって共有する幅広いビジネスであり、新たなビジネス領域の創出による経済の活性化や生活の利便性の向上、新しい生活産業への導入による地域経済の活性化への寄与が期待されているとされておりまして、また、民間部門の創意工夫を最大限尊重することによって、シェアリングエコノミーの普及促進を図るとともに、安全・安心等の確保に向けて必要な検討を併せて行う必要があるとされているところでございます。
本県におきましては、シェアリングエコノミーの活用によって、地域課題の解決に取り組む自治体の一つといたしまして、委員御指摘のとおり、釜石市がシェアリングエコノミー協会からシェアリングシティーの認定を受けたところでございまして、企業と連携した民泊事業の推進や自転車シェアシステムの釜石駅への導入、あるいは個人所有車のシェアなど、ラグビーワールドカップ2019などを見据えたサービスが導入されているところでございます。
このように、シェアリングエコノミーは黎明期にありまして、法規制、利用者の安全性、信頼性の確保などの課題はある一方で、さまざまな可能性を有しておりますので、県といたしましては、引き続き国の動向を注視しながら、次期総合計画への反映も視野に、その活用可能性について検討を進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
最後に、岩手で暮らす対策として、高度な福祉人材育成が重要であると私は考えます。子供、子育て支援の環境整備に向け、県立大学の臨床心理士の養成を強化するなど、児童心理専門職等の相談支援専門員の育成と確保対策が喫緊の課題であります。
また、不登校児童の増加や発達障がい児童生徒への対応の面からも、社会福祉士、精神保健福祉士など、高度な社会福祉人材の育成について県立大学での養成を含め、早急に対応すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇千葉副知事 高度な福祉人材の育成についてでございますけれども、県におきましては、平成21年度から、岩手県立大学、岩手県社会福祉協議会、岩手県社会福祉事業団、岩手県社会福祉士会などの県内の主要な福祉関係機関、団体と、いわて福祉コンソーシアム・トークセッションを開催いたしておりまして、本県の福祉介護人材の確保、育成についても意見交換を実施してきているところでございます。
この意見交換の成果を踏まえまして、平成27年3月には、福祉介護人材の確保及び育成に関する基本的な指針を定めまして、事業者や関係機関、団体、市町村等との連携や役割分担のもと、福祉、介護人材の確保、育成を総合的に推進してきているところでございます。
具体的には、社会福祉士養成施設生徒への修学資金の貸し付け、岩手県福祉人材センターによります就労マッチング支援、社会福祉士や児童心理司などの職務能力向上を目的とした専門研修の実施などについて取り組んできたところでございます。
また、県内の大学や専門学校におきましては、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士などの専門人材の養成に継続して取り組んでいただいておりまして、県、市町村、医療機関、社会福祉協議会などに卒業生を送り出していただいております。特に県立大学では、平成28年度について申し上げますと、社会福祉士33名、精神保健福祉士15名を養成したところでございます。
現在、先ほど申しましたいわて福祉コンソーシアム・トークセッションの議論の中で、不登校への対応など教育相談体制の充実に向けまして意見が交わされているところでございまして、県では、県社会福祉士会等と連携しながら、スクールソーシャルワーカーの確保に努めているところでございます。
また、発達障がい児・者の相談や支援のニーズが増大しておりますことから、身近な地域で支援を担う専門資格を有する相談支援専門員の育成にも重点的に取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、引き続き、福祉人材の処遇改善や職場環境の整備を支援いたしまして、人材の定着を図りますとともに、大学や福祉関係機関、団体、事業者が一団となって、本県におけます専門性の高い福祉人材の確保、育成に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 そういった方々、新しく資格を取った方々の、例えば雇用の場の確保とかといった部分についてもぜひ取り組んでいただきながら、これから生まれてくる子供たちのために、人生100年時代を迎えますので、新たな人生設計の見直しに合わせた環境整備を行うのが私たちの仕事であります。どうぞ着実かつ創造的な県政運営をよろしくお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇高橋元委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
午後2時6分 休 憩
午後2時38分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより各部局別の審査を行います。
質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として、短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて、御協力をお願いいたします。
また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、この後、議会、総務部関係について延べ10人の質問者を予定しておりますので、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行について御協力をお願いいたします。
初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇大友議会事務局長 平成30年度の議会関係の歳出予算について御説明申し上げます。
予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、81ページをごらん願います。
第1款議会費第1項議会費のうち、第1目議会費の9億4、373万円余は、議員の報酬、旅費等の議会運営に要する経費であります。次に、81ページから82ページにかけてでありますが、第2目事務局費の4億6、343万円余は、議会事務局職員の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要する経費であります。次に、82ページでありますが、第3目議員会館費の2、778万円余は、議員会館の管理運営に要する経費であります。
以上で議会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 来年度の議会費の予算は今年度比7、000万円の増額となっていますが、その主な理由、内容は何でしょうか。
〇大友議会事務局長 平成30年度における議会費の予算額が今年度より7、000万円増額となった理由等についてでありますが、特別委員会室の放送設備改修に要する工事費及び設計委託料で2、820万円余、来年度末に定年退職を迎える職員2名分の退職手当4、200万円余を計上したこと等が増額の主な要因となっております。
〇斉藤信委員 特別委員会室の放送設備の改修が2、820万円ということでありました。これは、実際に決算特別委員会でしたか、音響が不調で大変苦労したということですけれども、この放送設備のふぐあいの原因と、その責任はどこにあったのか示してください。
〇大友議会事務局長 昨年9月定例会での特別委員会室の放送設備のふぐあいの原因等についてでありますが、委員の皆様御承知のとおり、昨年10月12日の決算特別委員会2日目に、特別委員会室の放送設備が故障し、カメラやマイクがうまく動作しないふぐあいが発生しております。
特別委員会室の放送設備については、開会日当日の朝に職員が毎日点検をしており、ふぐあいが発生した前日の決算特別委員会1日目も問題なく動作していたところでありますが、2日目の朝に放送設備を起動した際に、突然故障が発生したものであります。
業者からは、ふぐあいの原因は、マイクの操作とカメラの操作を連動させる機器が経年劣化により故障したものと聞いております。
本会議場及び特別委員会室の放送設備については平成22年に同時に更新しておりますが、老朽化が進み、動作が不安定な状況となっているところであり、今後、同様のふぐあいが発生し議会運営に支障を来すおそれもあることから、両方の設備更新を予定することとし、設計委託費用と、特別委員会室のみの放送設備改修工事費用を来年度予算に計上することとしたものでございます。
〇斉藤信委員 平成22年に更新をしたと。この耐用年数はどれくらいだったのですか。
〇大友議会事務局長 耐用年数につきましては、一つの機器のみで構成しているのではなく、いろいろな機器の組み合わせなので、はっきりしたところが一概には言えないわけですけれども、5年から6年程度が更新の期間だということで業者から言われております。
〇斉藤信委員 そういうことであれば、これは更新の時期を迎えたため改修するということで受けとめてよろしいわけですね。
それで、先ほど予算がふえた理由では示されませんでしたが、議長公用車の更新というものもありますね。これは860万円という話でありますけれども、東北各県の議長公用車の車種、取得費用はどうなっているのでしょうか。私は、岩手県の積算はそれと比べれば高いように見えますけれども、いかがですか。
〇大友議会事務局長 議長公用車についてでありますが、現在の議長公用車は、平成13年7月に取得したトヨタセンチュリーでありまして、16年以上が経過し、調べてみましたところ、全国の都道府県議会の議長公用車の中で一番古い車両となっております。
平成27年の山形市への公務の際に、エンジントラブルのため途中で引き返すなどの支障が生じた事例もありまして、経年劣化による老朽化が著しいことから、来年度更新を予定することとしたものでございます。
公用車の配置基準では、議長公用車は知事公用車と同様に3、000cc以上のセダンとされているところであり、環境基準への対応や地域振興への配慮などを考慮した上で希望車種を選定し、来年度予算に所要額を計上することとしたものでございます。
本県以外の東北各県の議長公用車についてでありますが、車種については、トヨタセンチュリーが1県、トヨタクラウンが2県、日産フーガが2県となっておりまして、また、取得価格につきましては、取得年次に大きく差がありまして、リース方式を導入しているところも一部ありますので単純に比べることができないと考えておりますが、実績で一番高い県が991万円余、一番安い県が373万円余と聞いております。
新しい議長公用車につきましては知事と同種のものを希望しておりますが、知事公用車と比較して走行日数、走行距離の実績が少ないことや価格面などを考慮しまして、知事公用車よりも車格が下のタイプのものを想定しております。
各県ごとに更新のスパンが異なりますので、一概に比較することは難しいところですけれども、現議長公用車のように長期間使用することなどを総合的に勘案すれば、極端に高いものではないと考えております。
〇斉藤信委員 答弁がリアリズムに欠けるんだよね。リアリズムで私がお話ししますと、福島県は日産フーガ、平成25年購入で、これは373万8、000円、そして、秋田県はトヨタクラウンマジェスタ、これは平成26年からリース5年なのですね。リース5年で年間135万9、000円ですね。私は、リースはかえって高くつくと思います。宮城県はトヨタクラウンハイブリッド、これは平成21年購入で623万円、青森県は日産フーガ、これは平成23年購入で、588万円。
そうすると、東北各県のスタンダードな購入価格は大体500万円から600万円というところではないのかと。だから、クラウンのハイブリッドでも十分なのではないかと私は思うけれども、クラウンハイブリッドと、レクサスにこだわった何か特別な理由はありますか。
〇大友議会事務局長 議長車ですけれども、先ほど公用車の配置基準で申し上げましたが、知事公用車と同等ということもありますので、知事と同種のものでよろしいのではないかということで選定したものであります。やはり議長の職責に見合った車種である必要があると事務局としては考えております。
〇斉藤信委員 知事車と比べたらだめだと思うんですよ。あれは1、400万円かかって、高過ぎたと当時大問題になったんですよ。
それで私は、東北各県の大体のレベルを具体的に紹介したけれども、東北各県のスタンダードでも十分なのではないかと。そういうことで、予算額は860万円とっているわけですけれども、予算が決まったら慎重に検討して、対応していただきたい。
それで、実は議会資料の予算審議資料の中に議会費がないのですよ。代表者会議には議会費関係、平成30年度当初予算の概要というものが出されるのですが、我々には出されないのですよ。こういうものはきちんと議会資料に載せるべきではないですか。議会費も予算案なのだから。事務局長、次からは大丈夫ですか。
〇大友議会事務局長 ただいまの斉藤委員から御指摘のあった件でございますが、これまで提出予定議案等説明会があった際に、議会費の予算は、議員の報酬なり職員の人件費等管理運営費的なものが主なものでございましたので、提出予定議案等説明会とかで議会事務局として説明する機会はございませんでしたけれども、今年度は、特別委員会室の放送設備の改修や、今の議長公用車の件もございましたので、説明する事項があれば、議会事務局としての枠を確保し、説明する機会があってもよろしいかと考えておりますので、その辺につきましては、来年度予算編成時期に向けて対応したいと考えております。
〇斉藤信委員 丁寧にやっていただきたい。代表者会議に出している資料で、ほかのところには出さないというのは変な話ですから、きちんと対応していただきたい。
次に、都道府県議会の海外視察の今年度の実施状況、岩手県議会の海外視察の今年度の実施費用、1人当たりの費用についてお聞きします。
〇大友議会事務局長 平成29年度における全国の都道府県議会の海外行政視察の実施状況についてでありますが、本年1月22日時点で、実施が本県を含め32道府県、実施せずが11県、未定が4都府県となっております。
また、今年度の岩手県議会の海外行政視察の実施費用についてでありますが、視察議員数12名の旅費、現地通訳料等総額で1、073万円余、1人当たりの派遣費用は89万円余となっております。
〇斉藤信委員 今の時点で未定というのは、ないと思うのですね。そうすると全国の15都府県は海外視察はないということですよ。東京都を含めて。やっているのは32道府県。私は、やっぱり全国から応援職員も含めて応援を受けている岩手県議会としては、これはいかがなものかと思います。
そして、今回の視察は1人当たり89万円、90万円の上限ぎりぎりですね。後でお聞きしますけれども、政務活動費もかなりの返還額があるのですね。やはり政務活動費を最大限使って自主的な研修でやるべきだったのではないかと私は思います。
これは指摘だけにとどめて、最後の質問、政務活動費の問題について。昨年度の執行状況と返還額はどうなっているでしょうか。
〇大友議会事務局長 平成28年度の政務活動費についてでありますが、議員48人に対し1億7、856万円余を交付し、そのうち1億4、316万円余が執行され、交付額に対する執行率は80.2%となっております。返還額が生じた議員数は40人で、返還額は3、539万円余となっております。
〇斉藤信委員 返還額が3、539万円ということですから、私は、この政務活動費の活用こそ議員とすれば考えるべきではなかったのかと。
それで、昨年9月にNHKが議員連盟の繰越金の問題を提起して、事実上、この年度末の議員連盟会費は、今年度分は返還という方向が出されましたので、私はこういう方向で行くと思いますけれども、今年度の議員連盟の繰越総額はわかりますか。
〇大友議会事務局長 手元にあるものがNHKの調査による平成27年度実績の報道ですけれども、会費を徴収しております25議員連盟の繰越額の総額が400万円という報道がされております。
〇斉藤信委員 今は平成27年度実績、平成28年度もこれは決算されているのですね。平成29年度は今年度ですけれども、平成28年度はわからないのですか。
〇大友議会事務局長 私どもの手元に数字もございませんし、議員連盟の経理を全て議会事務局で把握しているものではございませんので、御了承願います。
〇斉藤信委員 それでは、これはわかった段階で教えていただくことにして、最後の最後ですが、政務活動費の領収書のホームページでの公開について、全国都道府県議会、県内市町村議会の実施状況はどうなっているでしょうか。
〇大友議会事務局長 領収書のホームページ公開の全国の状況についてでありますが、本年2月1日現在、大阪府など8府県において議会のホームページで公開しております。平成30年度から新たに宮城県、東京都など5都県で公開する予定と聞いております。
また、県内市町村の状況についてでありますが、本年2月1日現在、盛岡市、一関市など5市町において領収書をホームページで公開しております。
〇斉藤信委員 全国の都道府県議会でも、このように領収書のホームページにおける公開が広がっていると。県内でも5市町ですよ。岩手県議会は、当初は議会改革の先頭に立ってきた議会で、私はこうした取り組みは、岩手県議会こそ率先して進めるべきだと。委員長、ぜひ、これは議長なりのところに申し伝えて、この議会改革を推進するようにお願いしたい。
それで、議会事務局にお聞きしますが、事務的な障害、課題はないと思いますけれども、いかがですか。
〇大友議会事務局長 事務的な対応についてのお尋ねでございますが、政務活動費の領収書等をホームページ等で公開するためには、PDF等のデータファイルを作成する必要があり、議員から提出された全ての書類についてスキャンし、大量のデータファイルを作成する作業が生じることから職員の業務量が増加することになりますが、仮に公開すると決まれば、事務局として対応しなければならないと考えております。
〇田村勝則副委員長 御意見として承っておきたいと思います。
ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
議会事務局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇佐藤総務部長 それでは、総務部関係の議案につきまして御説明申し上げます。
資料の説明に入ります前に、平成30年度予算の編成に当たりまして、総務部の基本的な考え方を御説明申し上げたいと存じます。
東日本大震災津波からの復興と平成28年台風第10号災害からの復旧、復興に最優先で取り組むとともに、ふるさと振興を着実に推進する中、地域防災力の強化、岩手県立大学における教育、研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として予算を編成したところであります。
まず、地域防災力の強化に関しましては、東日本大震災津波の教訓や平成28年台風第10号災害等の各種災害を踏まえ、災害発生時の被害の軽減を主眼とした減災の考え方に基づき、自主防災組織の組織化、活性化に向けた取り組みや被災地等における情報収集体制の強化、市町村の風水害対策への支援等を実施しようとするものであります。
また、火山防災対策を推進するため、岩手山における火山防災マップの改訂や栗駒山における避難計画の策定に向けて取り組もうとするものであります。
岩手県立大学における教育、研究の充実に関しましては、第3期中期目標、中期計画を踏まえ、地域に根差した高等教育機関として、教育、研究の質の向上と地域貢献等を推進しようとするものであります。
私立学校の支援に関しましては、私立学校の安定的な教育環境の確保を図るため、引き続き、私立学校の運営費補助等を行うとともに、新たに私立専修学校が県内企業等と連携して実施する県内就職の促進等に向けた取り組みを支援するなど、私学教育の振興を図ろうとするものであります。
このほか、歳入の確保を図るため、県税につきましては、引き続き、岩手県地方税特別滞納整理機構の取り組みや、各広域振興局における市町村との連携強化等により、個人県民税の収入未済額の縮減に取り組んでまいります。
あわせて、事業効果や効率性等の検証、事務事業の見直し、行政の簡素化や効率化を推進するとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化を進め、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいります。
以上が平成30年度予算編成に当たりましての総務部の基本的な考え方であります。
続きまして、議案第1号平成30年度岩手県一般会計予算中、総務部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
なお、説明においては、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について申し上げます。
お手元の厚い冊子、予算に関する説明書83ページをお開き願います。平成30年度当初予算一般会計の総務部関係の予算総額は、共通経費、予備費を含み1、829億8、100万円余であり、前年度と比較し79億1、500万円余の減額となっております。
第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費は、平成30年度当初予算額30億35万円余のうち総務部関係は、説明欄の上段に記載しております21億8、484万円余、説明欄の下段に記載しております共通経費の1億9、839万円余を合わせた23億8、323万円余であり、職員の人件費などの管理運営費のほか、入札事務や外部監査などの管理事務に要する経費であります。
84ページをお開き願います。第2目人事管理費は、職員研修費や退職手当などであり、第3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送及び保存に要する経費のほか、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進などに要する経費であります。85ページに参りまして、第4目財政管理費は、財政管理事務や各種基金への積立金などであります。86ページをお開き願います。第6目財産管理費は、県庁舎や地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理などに要する経費であります。87ページに参りまして、第8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要する経費であり、第9目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に関する経費であります。88ページをお開き願います。第10目諸費は、宗教法人設立認証事務や公益法人関係事務等に要する経費及び共通経費であります。
少し飛びまして、92ページをお開き願います。第3項徴税費第1目税務総務費は、税務関係職員の人件費などの管理運営費及び県税の還付に要する経費であり、第2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
また、少し飛んでいただきまして、99ページをお開き願います。第6項防災費第1目防災総務費は、防災関係職員の人件費などの管理運営費のほか、防災会議の開催や防災ヘリコプターひめかみの運航に要する経費などであり、第2目消防指導費は、消防学校の運営に要する経費や危険物の取り扱いの指導等に要する経費であります。
次に、飛びまして、131ページをお開き願います。第4款衛生費第2項環境衛生費第1目環境衛生総務費のうち、説明欄の下から二つ目の放射線影響対策費は、来年度から環境生活部に移管するものであります。
次に、飛びまして、212ページをお開き願います。第10款教育費第1項教育総務費第4目教育指導費のうち総務部関係は、いじめ防止対策推進費の64万円余であります。
次に、飛びまして、228ページをお開き願います。第8項大学費第1目大学費は、公立大学法人岩手県立大学の運営費交付金等であります。
229ページに参りまして、第9項私立学校費第1目私立学校費は、私立学校運営費補助など私学教育の振興を図るための経費であり、説明欄の上から八つ目、私立高等学校等授業料等減免補助は、私立高等学校等の生徒が安心して修学できるよう、従前からの家計急変世帯の授業料の減免補助等に加え、新たに就学支援金の国の交付額を超えた授業料の負担軽減に要する経費に対し補助しようとするものであります。
次に、飛びまして、239ページをお開き願います。第12款公債費第1項公債費第1目元金986億5、026万円余のうち、総務部関係は983億9、493万円余であり、第2目の利子と合わせ公債管理特別会計へ繰り出し、県債の償還を行おうとするものであります。第3目公債諸費は、銀行等引受債の発行手数料などであります。
次に、飛びまして、243ページをお開き願います。第13款諸支出金第4項地方消費税清算金第1目地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算を行う経費であり、次の244ページ、第5項利子割交付金第1目利子割交付金から249ページの第10項自動車取得税交付金第1目自動車取得税交付金までについては、いずれも市町村に交付する交付金であり、250ページの第11項利子割精算金第1目利子割精算金は、都道府県間での利子割の精算を行う経費であります。
251ページの第14款予備費は、前年度当初予算と同額の3億円を計上しようとするものであります。
恐れ入りますが、議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、総務部関係は、1税務総合オンラインシステム改修業務であります。これは、当該システムの改修が翌年度にわたるため、期間及び限度額を定め、債務を負担しようとするものであります。
以上で総務部関係の一般会計歳出予算の説明を終わります。
続きまして、議案第8号平成30年度岩手県公債管理特別会計予算について御説明申し上げます。
予算に関する説明書の368ページをお開き願います。平成30年度の公債管理特別会計の歳入、歳出それぞれの予算総額は1、677億6、366万円、前年度と比較し123億567万円余の減額となっております。
370ページから373ページは公債管理特別会計の歳入であり、県債管理基金の財産運用収入や一般会計及び県債管理基金からの繰入金並びに県債であります。
次に、374ページをお開き願います。公債管理特別会計の歳出は、県債の元金及び利子の償還、県債管理基金への積立金及び銀行等引受債の発行手数料などであります。
続きまして、総務部の予算以外の議案につきまして御説明申し上げます。
重ねて恐縮でございますが、また冊子がかわりまして、議案その2の54ページをお開き願います。議案第37号岩手県手数料条例の一部を改正する条例中、総務部関係は、別表第1総務事務関係手数料であり、これは、高圧ガス保安法施行令の規定に基づく容器検査等に係る手数料の額について、60ページをお開き願いまして、同表中、消防法の規定に基づく危険物取扱者免状の交付等に係る手数料の額について、それぞれ地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、当該政令と同額に改定しようとするものであります。
以上で総務部関係の議案の説明を終わります。何とぞよろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐々木朋和委員 私からは、ふるさと岩手応援寄付募集費について伺いたいと思います。
ホームページに掲載しております平成28年度の寄附金の受け入れ額は5、980万2、792円、1、143件でありまして、いわての学び希望基金への申込額の減少とともに、近年は全体のふるさと納税についても減少傾向にあると認識しておりますが、平成28年11月より、県では、事業応援型、施策分野応援型という寄附の目的別に受け入れ態勢を変更するという工夫を行っております。平成29年度の現在の受け入れ状況、トータルと主な事業分野ごとの内訳をお示しいただきたいと思います。
また、岩手県民が他の自治体に寄附をした分に対応する県民税の控除額も、あわせてお示しいただきたいと思います。
〇横道税務課総括課長 ふるさと岩手応援寄付の受け入れ状況についてでございます。
平成30年1月末現在の受け入れ状況でございますが、トータルで833件、7、587万円余となっているところでございます。
内訳でございますが、主な寄附項目といたしましては、まず、事業応援型でございますが、いわての学び希望基金、616件、3、501万円余、三陸鉄道の活性化等の支援、53件、2、381万円余、災害復旧等対策に活用、85件、632万円余でございます。
次に、施策分野応援型でございますが、ふるさとの未来を担う人づくりに活用、14件、60万円余、保健、医療、福祉充実に活用、4件、21万円余などとなっているところでございます。
次に、県民が他県に寄附をした分に対応する県民税の控除額ということですが、他県に行っているか自県の中の別の市町村に行っているかという区別ができませんので、その合計でお答えいたしますが、総務省の取りまとめによりますと、平成28年分で2億1、538万8、000円となっているところでございます。
〇佐々木朋和委員 これまで、今御説明いただきましたとおり、減少傾向にあったものが、いわて学び希望基金分で800万円余の減少にあるにもかかわらず、増加に転じたということは、評価をさせていただきたいと思います。
また、いわての学び希望基金以外で1、000万円を超える事業が三陸鉄道の活性化ですけれども、柱が出てきたのは大変いいことだと思っておりますが、県は、この要因をどのように分析しているのか伺いたいと思います。
〇横道税務課総括課長 増加に転じた要因でございますけれども、ただいまもお話がございましたが、昨年度、平成28年11月に寄附項目を見直したところでございまして、見直しに当たりましては、三陸鉄道の活性化、震災津波伝承施設(仮称)の整備、国際リニアコライダーの実現に活用などの具体的な事業を寄附先として用意したところでございます。
このように具体的な事業を明示したことで、寄附者から一定の御理解をいただき、寄附が増加しているものと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 そういった具体的にイメージしやすい事業を選んだことが、寄附の増加につながっているということでございました。
その中で、先ほど数字も示していただきましたけれども、県民税の控除額について、県外に寄附を行っているか県内の市町村に行っているかわからないがという話でした。しかし、やっぱり県税としては減少している分だと思いますので、ふるさと納税については、そのシステム自体がどうかという議論はあるわけでありますけれども、やはり歳入を確保するという意味、また、外に出ていくのを防ぐという意味では、出ていく分はしようがないとしても、しっかりと受け入れ額を確保していくことが重要だと思っております。
地方交付税措置をされて控除額分の75%は戻ってくるという話でありましたけれども、それでも、平成28年度分で比べると若干のプラスにとどまっているということでございました。
そういった中で、県の平成30年度の受け入れ額増加に向けた取り組みをどのように行っていくのか伺いたいと思いますし、また、このふるさと納税については、歳入の確保という以上に、ふるさと振興の観点からも、岩手ファンをふやす、あるいは岩手出身者とのきずなをつくる、返礼品を活用して県産品のアピール、販路の確保及び拡大等の効果も期待されているところでありますけれども、県は、ふるさと応援寄付を政策的にどのように位置づけているのか、また、どのような部局連携によって運営を行っているのか伺いたいと思います。
〇横道税務課総括課長 まず、平成30年度の受け入れ額の増加策についてでございますが、マスコミ等を活用した広報活動を行うとともに、希望郷いわて文化大使や首都圏の県人会などへのリーフレットの配布、東京、大阪、福岡の県のアンテナショップでのチラシ配布などを通じて積極的にPRしてまいります。それから、各部局と連携いたしまして、イベントの場などを通じまして、周知、広報に引き続き努めてまいります。
次に、ふるさと岩手応援寄付の政策的な位置づけについてでございます。
事業応援型につきましては、県において当面注力する事業を推進するものとして、また、施策分野応援型につきましては、ふるさと振興の支援として設定しているところでございます。
また、これらにあわせて返礼品を送付することで、寄附者への謝意をあらわすとともに、本県とのつながりを持つ方々をふやしていく手段にもなっていると考えているところでございまして、ふるさと納税の制度の趣旨を踏まえまして、今年度から寄附項目に応じた節度ある返礼品を送付しているところでございます。
次に、部局連携の取り組みでございます。
返礼品の選定に当たり、例えば、三陸鉄道の支援につきましては、政策地域部におきまして、車両運転体験といったサービスを事業者と調整して準備するなど、寄附先事業の推進と寄附への誘導が図られるように取り組んでいるところでございます。
また、各部局の主催する各種イベント等におきまして、参加者にリーフレットを配布するなど、周知を行っているところでございます。
引き続き、施策担当部局と連携して、効果的なPRに努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 昨年度は具体的な事業内容などを組みかえたことによって効果を出したと思うのですけれども、平成30年度については、こういった具体的な事業についての組みかえといったことは考えていらっしゃらないのでしょうか。
〇横道税務課総括課長 平成30年度につきましては、まず、今回、項目を見直したことで寄附金がふえてきているということでございますので、これは、周知する範囲を広げていって、裾野を広げていくということで考えております。
〇佐々木朋和委員 しかしながら、一方では、データを見ますと、三陸防災復興博(仮称)の開催事業については1件、1万円とか、文化芸術スポーツ振興に活用は1件、2万円とか、周知が足りないという話もありましょうけれども、こういったものを組みかえていくことも一つではないかと思っております。特に、ついこの間までオリンピックで我が県の関係の選手たちが活躍したわけですから、そういった意味では、選手の育成といったところに、今の旬な話題を載せていくことも一つではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇横道税務課総括課長 新しい取り組みにつきましては、各部局の考え方もあると思いますので、情報を共有しながら、各部局と連携する中で、一緒にどういった取り組みができるか考えていきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 最後に部長にお聞きしたいと思いますけれども、きのうは総括質疑でも歳入の確保というところで、このふるさと岩手応援寄付にも言及されて、特段に取り上げていただいておりました。
そういった中で、やはり私は歳入の確保とともに、ふるさと振興という意味でも、本県人口の社会減が進んでいる中で、若者に、ぜひとも、外に出ていってもつながりをつくるツールとして使っていただいたり、岩手県においては余り返礼品というものは用いない方向ではあるのですけれども、県産品の活用といったことも踏まえて、ふるさと振興という観点からも、この点についてふるさと岩手応援寄付をさらに進めていただきたいという思いがあるのですが、所見を伺って終わりたいと思います。
〇佐藤総務部長 ふるさと岩手応援寄付の受け入れでございますが、施策的な展開とある程度リンクした形でやっていけばよろしいのではないかという御提案と受けとめました。
実際に、平成29年度に受け入れた寄附金額は1月末現在で7、600万円弱でございますが、その中では、三陸鉄道の活性化利用促進等に向けた支援ということで大口の寄附がございました。そういった寄附をいただいた寄附者の思いといいますか気持ちも踏まえまして、平成30年度当初予算におきましては、宮古市が行う三陸鉄道の駅舎整備の財源として活用したところでございます。
こういったことで、先ほど委員からもいろいろと、本県の岩手ファンを拡大するとか、さまざまなきずな、そして、その交流を広げていくということと、地元の地域振興というようなことで、ひとつ今回活用した事例がございますように、寄附者、そして県の施策推進、そして三陸鉄道にとっても、また、これは広く県民の福祉向上にも還元されるということで、三方よしといったことにつながっていると思います。
そういった意味でも、平成28年11月に寄附項目の見直しをして、それぞれの分野に御賛同いただける形で寄附をお願いしております。引き続き、各部局の事業、施策との連携、そしてまた、広報等についても御協力をいただきながら、広くこのふるさと岩手応援寄付に賛同を得られるようにして、歳入の確保を余り前面に出すわけではなくて、やはり岩手を思ってくれて、岩手のために使わせていただくというようなことをしっかり訴えて、そして、御協力をいただくように努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 私から、火災予防についてお伺いしたいと思います。
近年、春先になると岩手で山火事が大変多く発生するわけでありますが、それを未然に防ぐため、今年度はどういう取り組みをされているのか、まずお伺いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 春の時期の山火事の予防でございますけれども、まず、発生状況を申し上げますと、平成29年の林野火災は、速報値ですが44件ということで、前年よりも14件減っておりますが、焼損面積が413ヘクタールの増という状況でございます。
特に、御存じのとおり、昨年5月に釜石市で、焼損面積が413ヘクタールという大規模火災がございましたので、県の山火事防止対策推進協議会で山火事警戒宣言を発令した例もございました。
これからまさに山火事への警戒が必要になる時期ということで、毎年この時期には、県から各市町村、消防本部に対しまして、警戒強化を呼びかける通知を発出しておりますし、市町村の消防防災主管課長会議、あるいは消防長が集まります岩手県消防長会定例会の場において、直接、注意喚起を行っておるところでございます。
また、あわせて、山火事への初動対応として防災ヘリコプターの出動が重要でございますので、積極的な活用も呼びかけております。
今後とも、関係部あるいは関係団体と連携いたしまして、県民への広報でありますとか、火災が発生した場合の早期の延焼防止を、関係機関とともに連携を深めて進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 わかりました。
そこで、防災ヘリコプターひめかみが新しくなったわけですが、その出動状況と点検時期をお伺いしたいと思います。防災ヘリコプターには点検時期があるということでしたし、先ほどの説明にあった山林火災の起きやすい時期に、それがマッチしないような形で設定していると思いますが、その辺の状況をお伺いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 年度の数字がまとまっております平成28年度の運航状況でございますけれども、件数で286件、時間で289時間となっております。
主なものとしましては、救急、救助活動などを行います災害業務が101件、県や市町村の防災訓練等に出動します防災業務が46件、航空隊の訓練等の運航管理業務が130件となっております。
今お話のありました点検時期でございますけれども、法定の年1回の耐空検査がございまして、これが2カ月ほどかかりますので、山火事の多発が懸念される時期の前にこの点検が終わるように、例年11月末から1月末の2カ月の間で点検を行っております。今年度も2月2日にこの耐空検査を終えておりまして、現在は、いつでも出動できる態勢になっております。
〇城内よしひこ委員 わかりました。ぜひ、その辺はしっかりとお願いしたいと思いますし、山火事については、各地域の持っている防災行政無線といったもので定期的に喚起をしてもらわないといけないのではないかと。書き物だけではなかなか見る人が少ないということで、実際に山に登っている人に聞こえるようなタイミングでやってほしいと思います。
次に移ります。東日本大震災津波で被災した消防団の屯所の復旧状況と、団員の方々の安全を確保するための装備の状況についてお伺いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 東日本大震災津波によりまして消防団屯所は12市町村で96カ所が被災しておりまして、このうち、本年度末現在で79カ所が復旧済みまたは復旧見込みとなっております。
今後とも、市町村において計画的に復旧を進めていくものと考えております。
また、団員の方の装備の充実ということでございますが、震災後、平成26年2月に消防団の装備の基準が改正されまして、地方交付税も増額されているというところで、各市町村におきましては、地域の事情を踏まえつつ、防火衣でありますとか防じんマスク、あるいは救助用の半長靴といった必要な装備の充実が進められているところでございます。また、この財源といたしまして、一般財団法人自治総合センターなどの助成事業も活用されているところでございます。
〇城内よしひこ委員 団員の安全の確保は、やっぱり最優先させるべきものだと思っております。そこで、岩手県は広いわけでありまして、海や山だけではなくて、いろいろな風水害もあるわけですので、団員と連絡をとるための無線の充実とか、救命胴衣、平成28年台風第10号の際も、やはり危険な状況で、皆さんが腰綱をつけて、夜、暗い中で救命活動をしたのを私も見ていますので、ぜひそういったことのないような形はとらなければならないのではないかと。
いずれ、どの地域でも頻繁に起きるこの風水害、もちろん防災ですから、消防団の方々に力を発揮してもらわなければなりませんけれども、そういう中にあっても、やっぱり生命を守ることを優先させることは必要だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
〇山田防災消防課長 私が直接承知している陸前高田市の消防団では、震災後に全員に無線を配備したところでございますし、各市町村におきまして、計画的に、あるいは優先順位を決めながら、こういった装備の充実を進めているということで、県としても、この助成制度の周知等を支援してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 まだまだ屯所も仮設で、それこそ不自由な活動をしているところもありますし、どうせ新しい屯所をつくる際には、しっかりとした装備で、充実した消防活動ができるような形をとっていただけるように、周知徹底を図っていただきたいと思います。
次に移ります。未利用資産の処分についてであります。
この未利用資産というのは県内にはたくさんあると私も思っていますし、今回の平成30年度の当初予算編成においても、未利用資産の処分をすることによって、身軽になりながら県財政の健全化を図るということでありましたが、現在の未利用資産の状況と平成30年度は、処分をどのようにしていくのか、見通しについてお伺いしたいと思います。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 県が保有いたします未利用資産の状況についてでございますが、平成29年3月末現在で、土地103件、585ヘクタール余、建物41件、7万4、893平米となっております。
平成30年度の処分の見通しでございますが、土地12件、5ヘクタール余、建物3件、5、013平米の未利用資産につきまして、必要な条件整備を行った上で処分を進めることとしております。
〇城内よしひこ委員 相手があることですからその辺は慎重に、県民の財産を処分するということですので、むやみやたらに、めったやたらに処分することではないと思いますし、その辺の一定の配慮は必要だと思います。
そこで、宮古市において、旧警察署、旧旧警察署の跡地がありますが、なかなか前の前の警察署の跡地というのは処分がされていません。震災前から塩漬け状態であります。また、一つ前の警察署もまだ立派な状況でありますが、そういった建物の処分の見通しというのはあるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 旧宮古警察署跡地、それから、その前の旧旧宮古警察署跡地の処分の見通しのお話でございますが、私ども所管しております警察本部からさまざまな情報を聞いておりますけれども、旧警察署跡地につきましては、地元市での活用ということでその辺の調整を行っておりますけれども、まだ調整中というお話を伺っております。旧旧警察署跡地につきましては、震災での応急仮設住宅にお住まいの方々の駐車場用地として一時活用がされていたかと思いますけれども、その状況の変化を待って、周辺の需要に応えていける見通しがあるのではないかと捉えております。
〇城内よしひこ委員 宮古市築地のほうの古い更地になっている跡地につきましては、今おっしゃったとおり、応急仮設住宅の方々の駐車場に使っていたというのはそのとおりであります。ですが、今はもう応急仮設住宅がなくなりましたし、こういったときにしっかりと処分していかないと、またこれで近隣にいろんなものができて、いろんな弊害、障害というのが発生してからどうしようという話になってはいけないのではないか。売るにはチャンスがあると思いますし、機を見てというのは大事なことであろうかと思います。ぜひその部分について部長からお伺いしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤総務部長 宮古の古いほうの警察署の跡地ということで、現状については委員から御指摘のあったとおりでございますし、また、その処分に向けては、しっかりとした活用が図られる形での処分が望ましいと考えますので、警察本部と連携を図って進めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 関連。今、城内委員から消防団の屯所におけるさまざまな装備について話があったので、その件について確認したいのですけれども、消防団の分団においてさまざまな装備、例えば防火服であるとかヘルメット、防火手袋、長靴、実は消防活動あるいは防災活動において必要な装備があるのです。先ほど、平成26年に総務省から基準が示されて地方交付税が措置されたということでありましたが、実はそれまで非常に脆弱なというか、予算措置がなかったという、まさになきに等しい状況であったと私は把握しております。これは市町村の担当になるかもしれませんが、県としても、県土を守るという観点からお聞きしたいのですけれども、それまでは自前であったり、消防団の分団の後援会というのがあって、後援会が負担して装備を完備していたということでありますが、そういうことについて県では把握しているのかということ。各市町村に分団がたくさんありますけれども、装備の状況、どういうところが足りないのかとか、どういうところが満たされているのかということを把握しているのかどうかということをお聞きしたいということが一つ。それから、今後、地方交付税措置がなされた後、どのような形で装備をしていくかのスケジュールと予算の確保についてお聞きしたいのですけれども、よろしいでしょうか。
〇山田防災消防課長 恐れ入りますが、手元に経緯等の詳細を持っておりませんので、平成26年基準、改正前の状況等はつまびらかには承知しておりませんけれども、各市町村で計画的に装備の充実を進めている状況につきましては、折々情報をいただいて取りまとめをしているところでございますが、個々の消防団レベルあるいは分団単位のものについて、何がどこまでという一覧的なものが手元にはなく、承知をしていないところでございます。
〇福井せいじ委員 突然の関連質疑で大変申しわけないのでありますけれども、今、災害が多発してきている、それに対してどのような形で災害に対応するかということで、消防団員も足りない、団員が足りなくて団員を募集している。しかし、そこには装備が完備されていないというのでは、非常に行政の施策としては矛盾があると私は思います。ぜひともそういった意味で、国に対して我々も働きかけていきたいのですけれども、一方で募集をする、一方では装備が完備されないという矛盾をぜひなくしていただきたいというのが私の要望であります。
そしてまた、操法大会というのがあります。これは県も関連していると思いますが、実はこの操法大会に出るに当たって、練習用のホースというのも分団の後援会が支援して確保しているのです。この後援会というのは町内会が基礎でありまして、町内会のほうでは、何でそういった防災体制を練習するのに住民が補てんしなければいけないのかといった声も寄せられております。ぜひともそういった意味で、今後、政策の整合性をとっていくということが必要だと思いますけれども、その所感、そして国への働きかけについて御意見をお伺いして終わりたいと思います。
〇山田防災消防課長 委員御指摘のとおり、地方交付税措置されているとはいうものの、これはある程度、一定の基準に基づいて地方交付税措置がされておりますので、必ずしも現実の消防団活動に十分ではないということは私も承知をしておるところでございます。また、地域の方々のいろんな形での御支援で消防団の活動が成り立っているというのも、折々伺っているところでございます。これは岩手に限らず、まさに全国的な消防団の育成強化、団員確保、需要という中でのそういった装備の部分も合わせてということは御指摘のとおりと存じますので、本県のみならず、折々機会を見ながら国への要望等も、あるいは県でも県消防協会という消防団の取りまとめをされている団体もございますので、歩調を合わせて、必要な所要の予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、私立学校の関係について御質問いたします。
私立学校等授業料等減免補助が平成30年度当初予算額で、昨年に比べて6、600万円の増となっていますが、その理由についてお示しください。
〇岡部私学・情報公開課長 私立高校に対する授業料等減免補助の増額理由についてでございますが、今年度の県内私立高校の授業料の平均額は30万8、308円であり、各校の授業料の値上げに伴いまして、低所得世帯の生徒への就学支援金交付額の上限であります29万7、000円を超え自己負担が生じることとなったこと、さらには、既に公立高校にあっては、その一部を除きまして授業料が無償化されている中におきまして、私立高校においても、生徒が家庭の経済状況にかかわらず、安心して修学できるような支援が必要との要望があったことから、新たに低所得世帯の授業料に対する減免補助の仕組みを拡充することによりまして、私立高校に通う生徒のさらなる修学支援を図ろうとするものでございます。
〇ハクセル美穂子委員 この私立学校等授業料等減免補助というのは、低所得世帯に対する授業料が増になった分について増額したということで、低所得世帯に限定した補助であるということでよろしいですか。その確認をもう一回お願いします。
〇岡部私学・情報公開課長 補助の対象でございますけれども、就学支援金で年収350万円未満相当の方々に対する補助になるということでございます。
〇ハクセル美穂子委員 実は県立学校では、少子化の影響で、募集しても0.9倍という応募の状況にもなってきたりして再編を進めています。それは皆さんも御存じのとおりだと思います。その一方で、私立学校の位置づけというのは、公立学校ではできないような多様な学びの場をつくってくれているということは私も理解していますが、公立学校では再編を進めているにもかかわらず、私立学校のほうでも可能な限り無償に近づくような形なのか、負担軽減の補助が増額されてきています。公立も私立でも、教育の負担に差がだんだんなくなってきているのではないかということで、私立を選んで入学をされる方がいると。そういった方は子供たちの志向によってではあるのですけれども、その一方で、都市周辺部の公立学校では定員割れをしたりして、それは地域で努力が足りないのではないかというお話もされています。私としては、県として、私立学校に補助をふやしていくことが、公立学校にも影響があるということをわかった上でやっていらっしゃるのか。県全体の高校教育の配置のあり方などは、どうお考えなのかということをお聞きしたいと思います。
〇岡部私学・情報公開課長 公立学校との協議の場でございますけれども、公立と私立の高等学校の教育に関する諸問題を協議したり、相互の連絡を図ったりということで、県の高等学校教育の振興に資することを目的といたしまして、私立学校関係者と県教育委員会との間で岩手県公私立高等学校連絡会議を開催いたしまして、定期的に意見交換を図っているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 そういった協議の中で、将来的に公立学校と私立学校の間で、県の高校の教育とか配置についてお話をされているのかという点についてお伺いしたいと思います。
〇岡部私学・情報公開課長 連絡会議の中におきましては、公私比率については特に設定等をしていないところでございますけれども、さまざまな教育課題がございますので、そういったところの意見交換をしているところでございますし、あとは私立学校の入学状況の動向を情報提供いたしまして、高校の教育の充実について意見交換をしているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 それでは、今の御答弁の中にははっきりは言われていませんけれども、私立学校に対する補助も増額されてきているということは、県教育委員会と私立学校の関係者の協議の中で、私立学校のほうもこれからはかなりの割合を占める形で配置を考えていくとお話がされているからこそ、私立学校に対する負担軽減に要する補助なんかも上がってきていると考えてよろしいのでしょうか。その点についてお伺いします。
〇岡部私学・情報公開課長 全県の定員に占める私立学校の割合が約2割というところでございます。そういった中で、私立学校も公教育を担っており、建学の精神とか教育の理念に基づいて学校法人の判断により運営されていることから、自主性は尊重されるべきところもあると考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私立学校の建学の精神に基づきというのは私も理解をしていますけれども、これからは県立高校も再編で、かなりいろいろな痛みも、地域で廃校になったりする可能性も出てくると。そういうところも踏まえれば、私立学校だけはそのままという-そのままでもいいのですが、どういった多様な学校を県内に配置していくかというのは、私立学校と公立学校の中できちんと整合性をとって総合的に話し合われるべきではないかと考えますので、その点について私立学校を担当されている総務部から、県教育委員会とともに県としての方向性はどう考えているのか、その点については部長に御答弁をお願いしたいと思います。
〇佐藤総務部長 まず初めに、私立学校等授業料等減免補助の今回拡充した趣旨をちょっと御説明させていただきますが、これまでは国の就学支援金の基準額、年収250万円未満の世帯ですと29万7、000円、年収350万円未満の世帯ですと23万7、600円までの中に本県の授業料はおさまっていました。最近、県内の私立高校の授業料が値上げをしてきまして、県立高校は既に就学支援金の中でカバーされているのですけれども、私立学校は県立高校に比較して授業料が高い上に、国の基準額を上回って自己負担がふえているということがありますので、特に年収350万円未満の低所得者の世帯で私立学校に通われている生徒に対して支援を拡充するというのが趣旨でございまして、県立高校の再編との関係は一切関係のないところでございます。あくまで、私立学校に通われている生徒の家庭の支援に今回拡充させていただくというものでございます。
次に、県立高校とのいろいろな協議でございますけれども、年に数回、公立、私立の学校の連絡会議を開いておりまして、募集定員とかの情報のやりとりは、毎年きちんと行っております。
それから、今、教育委員会が主体となって新たな教育振興基本計画の検討に着手しておりますが、そこにも私立学校もきちんと入りまして、本県の教育振興に向けて、私立学校としても本県の教育振興に資するため参画していくという形で今対応しているところでございます。
いずれ、県立高校では再編の計画等が進んではおりますが、私立は私立で、それぞれの建学の精神に基づいて学校を設立し、定数を決めて募集して運営しているということもあります。
基本的には、県立も私立もともに、岩手の学びの場をしっかり確保して、そして、今、私立学校の生徒も平昌オリンピックでも活躍していますし、OBの方もいます。そういったことで、岩手の子供たちという広い視点で応援していきたいということを御理解いただければと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私立学校も定員を減らすべきだという意見ではなくて、ただ、全体的に、例えば2割、2.5割を私立学校に担ってもらうという方向が出ているのであれば、公立のほうはこれぐらい減ってしかるべきという感じにもなるのかなと、県民の皆さんもわかりやすいのかなと私は思います。実は、何年間か定員よりも多く生徒を受け入れていた私立学校があって、その学校がきちんと定員を守ったら、私の地元ですけれども、雫石高校にも何人か来るのではないかという淡い期待を抱いていたら、全然来なかったということもあるのです。その辺について、地域の皆さんは努力が足りないのではないかと言われて、何が足りないのだろうかと悩んでいる方もおられるので、そういったところの私立に対する考え方と県立に対する考え方、総合的に県としての考え方も提示していただかないと、県民というか、小さな学校を抱えている地域の人は、どちらが本当の意図なのだろうかと感じているのではないかと私自身も感じている部分があるので質問させていただきましたが、そういったところをぜひ明確に提示しながら、多様な高校のあり方を示していただきたいということをお願いして、次の質問に移りたいと思います。
次は、県職員の働き方改革の取り組みについてお伺いしたいと思います。
これまでもメンター制度とか、さまざまな働き方改革について取り組んでいらっしゃったということは承知しておりますが、平成30年度、県職員の皆さんの生産性の向上を図るためにと説明は書いてあるのですけれども、新しい取り組みというのはあるのでしょうかということをお伺いしたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 県におきましては、これまで、次世代育成支援及び女性活躍推進のための特定事業主行動計画を策定いたしまして、仕事と家庭の両立のための支援制度の充実を図っていくということで、働き方改革の取り組みを進めてきたところでございます。
生産性向上の新たな取り組みとして今お話がございましたが、テレワークというのが一つございます。これは今申し上げました特定事業主行動計画におきましても、在宅勤務制度あるいはテレワークの導入検討を行うこととしておりまして、これまでタブレット端末等を活用した在宅勤務、あるいはモバイルワーク-これはモバイル端末等を活用して場所を問わず勤務するという、実証実験を今行っているところでございます。この実証実験は、政策地域部の情報政策課が中心になって行っておりますが、今後、この実証実験の結果や端末の整備状況等を踏まえながら、導入の時期とか課題を洗い出して対応を検討してまいります。
それから、そのほか女性職員のロールモデルとなる女性リーダーを育成する研修、今お話をいただいたメンター制度、あるいは男女問わず、職員の多様な個性を理解しながら組織マネジメントのできる管理職を養成するということで、ダイバーシティマネジメント研修など、新たな研修も行ってきているところでございますが、今年度から、さらに各所属の年間の業務方針に働き方改革に関する事項を盛り込むといったこととか、総括質疑でも答弁しておりますが、広域振興局職員と知事の意見交換会で、知事が直接イクボスとしての思いを語るという取り組みを今年度から新たにスタートしております。
いろいろな取り組みを今後も進めて職員の仕事と生活の両立を応援できるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 テレワーク等も実証実験をされているということで、非常にいい取り組みだと思っております。
実は県職員の知り合いの方から、子供の保育園の迎えの当番の日は、どうしても午後7時までに保育園に迎えに行かなくてはいけないので、午前7時とか6時とか朝早くから勤務して、午後7時の迎えに間に合うようにやっているお父さんもいらっしゃるという話を聞きました。その朝の分の残業手当は、一体ついているのだろうかという話を奥様のほうからされたことがあるのですけれども、そういった部分については、職員の皆さんはどういった制度があるのかときちんと把握されているのか、そういう周知についてはどのような取り組みをされているのか、お伺いしたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 ただいまお話をいただきました事業あるいは取り組みの周知、職員は知っているのかというお尋ねだと思いますが、こういう制度を創設した場合は、必ず人事課なり総務部から通知を出しておりますし、あるいは仕事と子育て両立支援に係る管理職員の役割をまとめたパンフレットなども、所属に対して配布するという取り組みをことしも行っております。
それから、勤務時間のお話がございましたが、平成29年4月から、午前7時半、8時、8時半、9時、9時半出勤という五つのパターンを用意しまして、それぞれ現時点で働きやすい勤務時間を選択している職員がいる状況にございます。
〇ハクセル美穂子委員 平成29年4月から行われていると。私がその話を聞いたのは6月ぐらいだったので、もしかすると、その時点ではその職員の方は時差出勤がわかっていなかったかもしれませんが、ぜひそういったお父さん、お母さんが県職員の中にもいらっしゃるのは皆さんも御存じのことだと思うので、制度の周知についてもこれからも行っていただいて、県職員の皆さんが幸福になることが、幸福度を上げる一番本当の最初のところなのではないかと私も感じますので、ぜひこれからも取り組んでいただきたいということをお願いして終わりたいと思います。
〇工藤誠委員 私のほうからは、地域防災力向上支援事業ということで、自主防災組織の関係についてお聞きしたいのですが、この件については一般質問で既に何人かの議員が詳しく質問されておりますので、改めて確認の意味も含めてお聞きしたいと思います。
答弁の中では組織率の低い地域もあると、県北・沿岸地域が低いということで、資料をいただいていますけれども、一番低い地域は31.9%ということで、私の住んでいるまちではないのですが、近くなので非常に私も肩身が狭いわけでありますけれども、低いところについては各市町村の担当者からヒアリングなどを行っていると思います。それで、なぜ低いのかという原因分析をどのようにされているのかということをお聞きしたいと思います。
〇山田防災消防課長 自主防災組織の組織率が低い理由ということで、私ども、市町村の担当者からも聞き取りをしておりますけれども、例えば、その中では、災害が余りない地域なので防災に対する住民の意識が低いでありますとか、広い地域に住家が点在しておるので組織化が難しいといったお話も伺っているところでございます。
こうした市町村に対しましては、直接訪問もしておりますし、こちらから組織化を進めるための方策といたしまして、例えば、それぞれ市町村の中の自治会を対象とした研修会に、県に登録していただいている地域防災サポーターを派遣するとかいたしまして、この自主防災組織の重要性をまず理解していただいているということでございます。
また、今年度、市町村職員の方を対象に、県内6ブロックに分けましてブロック別説明会もしておりまして、まず、市町村職員の意識の高揚を働きかけておりますし、あるいは各市町村長に対しましても、直接、危機管理トップセミナーの場におきまして、この自主防災組織の組織化でありますとか、活性化をお願いしているところでございます。
〇工藤誠委員 今、具体的な対応策までお話をいただきましたが、そういうことに尽きるのだろうと思います。一気にどうこうというわけにはいかないのでしょうけれども、これは、最終的には、法的に100%にならなければならないものなのでしょうか。それとも、今でも全国平均を既に上回って85%を超えているわけでありますけれども、組織率を引き上げるのか、100%を目指すのか、そのことのお考えはいかがでしょうか。
〇山田防災消防課長 これは義務づけということではございませんけれども、組織率とは、自主防災組織がその市町村の世帯において、どれだけカバーしているかというカバー率でございますので、まずは100%を目指すというのは基本的な考え方でございますし、あわせて、今度はその中身、質の部分も活性化するように、その次の段階としては市町村と一緒に働きかけてまいるということでございます。
〇工藤誠委員 限りなく100%を目指すということであるとは思います。ただ、やはり先ほど答弁があったとおり、我々が住んでいる地域は山間部に集落が点在していたり、さまざまな要因があります。一つの集落が30戸とか、40戸とか、そういう集落があるわけです。そういうところが幾ら加入したとしても、組織率とすればなかなか上がらない。そういう地域の実態というものをしっかり見きわめないと私はいけないのではないかと思います。そういう意味で、今は本庁の防災消防課長から答弁をいただいているのですが、広域振興局に、防災関係の専門の職員というのは配置されていらっしゃるのでしょうか。
〇山田防災消防課長 広域振興局に防災専門という職員はおりませんけれども、災害発生時におきましては、本庁と広域振興局職員が一体となって対応していく必要があるということでございますので、平時におきましても、地域防災力の向上の取り組みにも、広域振興局とも連携を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 私は、これからいろんな災害が起きた場合に、広域振興局に窓口になるような職員とかそういうセクションがないというのは、ちょっと理解ができないのです。ないわけではないと思いますけれども。やはりそういう方がいてこそ、その地域に入っていって地域防災力を高めていく活動ができるわけです。年1回、何か集めてそういう自主防災組織のセミナーを開くとか、そういうだけのやり方では組織率は上がっていかないと私は思います。もっとしっかりと連携をとってやっていくべきだという考えがありますので、それはお願いをしておきたいと思います。所感があればお願いをしたいと思います。
〇石川総合防災室長 ただいま説明を申し上げましたとおり、我々は、一昨年に台風第10号災害を経験しまして、公所だけでは足りないと。消防力だけでも足りない。そういったときに自主防災組織、コミュニティーの力がしっかりとしているところが大事だということで、今盛んと力を入れているところでございます。自主防災組織、県本庁、広域振興局、それから何より市町村の力を合わせまして、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 そこは地元の市町村、それから出先のほうもしっかりと連携を組んでやっていただきたいと思います。
次に、消防本部の広域化と救急体制ということについてお伺いをしたいと思います。
報道によれば、消防本部の広域化の期限が来ていて延長されるということでございます。この具体的な目的と効果、また、問題点について、県としてどのように認識されているかということです。
それから、岩手県には今12の消防本部があるわけでありますけれども、所管が30万人以上という本部であれば、岩手県に四つか五つあれば済むのかなという思いもあるわけですけれども、そういう具体的なビジョンみたいなものをつくっているのかどうかもよろしくお願いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 消防の広域化ということでございますが、災害の多様化あるいは大規模化、また、救急等に関する住民ニーズの変化、少子高齢社会といった消防を取り巻く環境の変化ということを踏まえまして、消防体制の確立あるいは消防力の拡充といったことを目的にこの広域化が進められているものでございまして、例えば効果といたしましては、初動の消防力の充実など、住民サービスの向上ということが1点。それから、現場要員の増強あるいは業務の高度化、専門化といった人員配備の効率化と充実というのが2点目。また、高度な設備、資機材の配備、あるいは適切な人事ローテーションが可能となる消防体制の基盤強化というのが3点目として考えられ、期待をされているものでございます。
県計画ということでございますけれども、本県では平成20年に、岩手県消防広域化推進計画というものを策定いたしまして、管轄人口が少ない消防本部が含まれる幾つかの組み合わせパターンというのを示しておりますけれども、このパターンそのものは、今実現には至っていないところでございまして、結局、その間、東日本大震災津波もございまして、被災した消防本部の復旧ということを最優先に取り組んでまいったところでございます。
一方では、広域化の一環といたしまして、平成28年の6月から、盛岡、北上、奥州金ケ崎の3消防本部では、県央消防指令センターという共同の指令センターを運用しておりまして、人員の効率的な配備が可能になったというお話も伺っているところでございます。
広域化の効果等については、そういう整理をしているところでございます。
〇工藤誠委員 わかりました。この消防の広域化については、消防の部分と、救急体制の部分の二つの課題があると思います。私は消防の部分については、先ほど申し上げたような自主防災組織なり消防団とかが充実してくれば、広域化になっても対応はできるのかなと思うのですが、救急体制については、広域化になったほうが近い消防署からすぐに救急車が行く、すぐに拠点病院に搬送する、ドクターヘリを呼ぶとか、私は救急体制にとってメリットがむしろあるのではないかと思うのですが、県の認識をお伺いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 救急体制でございますけれども、今委員からもお話がありましたが、現在も隣接する消防本部同士で協定を結んでおりまして、自分の管轄外でも、より近い救急隊が出動できるという仕組みはございます。さらに本部自体の広域化が図られれば、先ほど申しました要員の増強など、さらに運用の充実が図られるのではないかと考えております。
〇工藤誠委員 そういうことで、この計画も平成20年度につくっていると。しかし、この制度が延長されることによって、改定作業が必要になるというお話でございました。私が住んでいるような山間地は、住民が5万人か6万人ぐらいしかいないのですけれども、久慈地区とかもあるわけですが、改定作業を行う中で、どういうスケジュールを持って進めるのか。国の財政支援もあるので、無理やりという言い方もちょっと言葉が悪いのですけれども、どうしてもその計画に沿って財政措置がある間に広域化を進めるのか、また、市町村や一部事務組合の意見を聞いたり、その辺のスケジュール、一番県民にとっていい方法はどう考えていらっしゃるかということをお伺いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 広域化の取り組みのスケジュールということでございますけれども、消防庁では今年度末、この3月で切れるこの仕組みの期限を6年間延長するということで、平成30年度をまず議論の期間と位置づけておりまして、次の平成31年度からの5年間を取り組みの推進と、合わせて6年間ということで考えておるようでございます。
まず、議論の期間である平成30年度でございますけれども、夏ごろまでに各消防本部におきまして、現状や将来見通しといった本部ごとの分析をしていただいた上で、夏以降、先ほど申しました都道府県計画の改定の作業を進めてほしいということを伺っております。
国からは、新年度になりましてから通知を出すと伺っておりますので、県といたしましては、市町村あるいは県内の消防本部の声を伺いながら、所要の検討を行ってまいりたいと考えております。
〇工藤誠委員 特に救急出動などは年々ふえているわけであります。火災も確かにあるわけですけれども、広域化を進めるということは、やはりいろんな意味で県民にとってメリットもデメリットもありますので、十分その辺は検証されて進めていただきたいと思います。
最後になりますけれども、県の組織体制ということで、いただいている資料には県北地域振興の体制強化ということで、県北広域振興局本局に副局長を配置するということでございました。これまでの取り組みが甘かったということなのかどうか、それをさらにてこ入れするという意味なのか、どういう経緯で決まったのか、この効果も含めてお知らせいただきたいということと、副局長を配置しても実際に動く職員がふえるのか、そのことについてもお知らせ願いたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 県北広域振興局に新たに副局長を配置する目的、効果等についてのお尋ねでございます。
復興の成果を生かしながら復興の先を見据えたふるさと振興の取り組みを重点的に推進していく上で、県北広域振興局長が久慈地域、二戸地域も含めて局全体をマネジメントできる体制や地域振興体制を強化する必要があること。二つ目は、災害発生時の岩手県災害対策本部久慈地方支部の活動につきまして、現状では、経営企画部長が支部長として局内各部長を指揮しておりますが、特に鳥インフルエンザ対応などでは部局横断的に迅速な対応が欠かせないために、二戸地方支部と同様に副局長を配置しましてこれに当たる必要があるということなどを勘案しまして、経営企画部長を兼任する副局長を配置することとしたものでございます。
副局長の配置によりまして、県北広域振興局における復興施策あるいは地域振興施策等が一層効果的、効率的に展開されるとともに、災害発生時の現地対応体制の強化ということが期待されております。
また、新たに配置する副局長は、先ほど申し上げましたとおり、経営企画部長を兼任いたしますことから、平成30年度におきましては、この副局長配置に伴って県北広域振興局に定数を増員する予定はございません。
〇工藤誠委員 そうすると副局長だけだと。そして、経営企画部長と兼任だということで、経営企画部長というのは実質的にはいないというわけではないのですが、兼任でいないわけですよね。こういう例というのはほかの広域振興局でもあるのですか。また、このことによって、経営企画部の事業執行に支障はないのでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 副局長が経営企画部長を兼任するということはございます。例えば盛岡広域振興局や沿岸広域振興局の本局も兼任している状況でございます。
〇工藤誠委員 それは暫定的な措置ということなのか、もう既に3年も5年も続けているという措置なのか、そのことのお考えはいかがですか。
〇佐藤人事課総括課長 現時点で暫定的な措置というものではございません。
〇工藤誠委員 それではわかりました。いずれ、復興支援とか、産業振興ということの関係で、そういう権限を持たせて副局長を配置するということであれば、しっかりまず働いていただいて頑張っていただきたいわけですが、二戸にも副局長がいるということで、二戸のほうにも震災対応なり地域振興の部門があるわけですが、2人の副局長がいて、どういう連携をそこで組んでいくのか、ちょっとわかりにくい部分もあるのですけれども、その辺の整理の仕方はどうなっているのでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 本局の副局長は久慈地域を所管し、二戸市駐在の副局長は二戸地域を所管しており、権限は同じでございます。
〇工藤誠委員 最後にしますけれども、私は副局長と経営企画部長の兼任については反対です。経営企画部長というのは経営企画部長という職責があるでしょうし、副局長というのは副局長としてのしっかりとした職責があると思いますので、今、暫定的なものではないというお話であれば、なおさら私はおかしいものではないかと思います。産業振興とか防災対策に力を入れるのであれば、しっかりと責任を持たせる体制を組むべきではないでしょうか。それをいつまでもそういうふうな、暫定的ではないということはおかしいと思います。部長の所見をお聞きして終わります。
〇佐藤総務部長 先ほど人事課総括課長からも御答弁申し上げましたけれども、これまでも盛岡広域振興局と沿岸広域振興局の本局には副局長兼経営企画部長の形で配置しているところでございまして、県北のほうにそういう形がなかったというところもございまして、今回マネジメント力の強化というようなこと、それから今説明があったとおり、災害発生時や鳥インフルエンザの対応であるとか、三陸防災復興博(仮称)が来年度予定されているということで、沿岸部の事業を推進する上でも県北広域振興局に副局長を置いて、しっかり取り組んでいただこうという趣旨で今回設置をしようとするものでございます。暫定的なものではなく、他の広域振興局と同様の形で組織体制の強化という一環で措置をするものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
〇田村勝則副委員長 質疑の途中ではありますが、この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後4時29分 休 憩
午後4時52分再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇阿部盛重委員 私からは地域防災に関してお伺いいたします。
先ほど工藤誠委員からちょっとお話がありましたけれども、救急車の出動件数が全国的に非常にふえている状況で、昨年度の本県の出動件数が5万242件、そのうち不搬送が3、850件あるということで、誤報とか不要や不急の通報も多かったと思われます。それによりまして、現場到着時間や病院収容時間も遅くなり救命率の低下につながっているということで、これを回避するために#7119救急安心センター事業で消防と医療が連携して、急なけがとか病気等で連携しながら救急車を呼ぶとか、いろいろ対応されているようですけれども、本県の場合、消防庁から設置指導があったかと思いますが、その対応と方向性はどうなっているかお伺いいたします。
〇山田防災消防課長 #7119救急安心センター事業でございますけれども、消防庁からは、平成28年3月に各都道府県に取り組み推進の通知が出ているところでございます。
直近の平成29年12月末現在で全国の状況を見ますと、東京都、大阪府、横浜市といったところを中心に7都府県と4市の計11地域で導入されている状況でございます。
東京消防庁の取り組みを伺いますと、やはり救急出動件数の抑制効果もあるとも伺っておりますけれども、一方で、相談に乗る医師でありますとか看護師の確保などの課題もあると認識しております。宮城県で昨年10月から導入したと伺っておりますので、他都府県の状況等も参考にしながら、関係機関等と意見交換をしてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 ということは、1度目の対応に関しましては、お話を聞いただけでとまっているということなのでしょうか、それとも、その後いろいろと検討しながら対応していくという回答をされているのでしょうか。
〇山田防災消防課長 消防庁からは、毎年書面での意向調査等もございますが、今のところ、すぐの導入予定はないと回答しているところでございます。
〇阿部盛重委員 県内の場合、県立病院が地域ごとにあるわけですが、そことの連動性、連携はお考えなのでしょうか。今後のお話なのですが。
〇山田防災消防課長 救急業務に関しましては、県単位あるいは消防本部単位で地元医師会等との協議の場もございますので、こういった中でも確かに話題に出ているところもございます。
それぞれの機関の声等もきちんと聞きながら、岩手にとってどういうあり方が望ましいかを議論してまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 わかりました。いずれにしても、救急車の出動に関しましては、本当に一分一秒が大事なところでございますので、いろいろと御対応を考えていただければと思います。
次に移ります。火山防災に関しましてお伺いします。
1月23日に草津白根山が突然噴火し、噴火後いろいろな観測データを分析したら、昨年あたりから地震がふえていたという兆候もあったというデータがありました。地震が起きている場所は要注意ということで、噴火の履歴がなくても噴火の可能性はゼロではないという結論が出たようでございます。
本県では、2月19日に県警が岩手山の水蒸気爆発を想定した訓練をされたと。いち早く動いたということでございますけれども、常時観測火山の岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山の現在の分析状況はどのようになっておりますでしょうか。
〇石川総合防災室長 県内の常時観測火山の状況についてでございますけれども、ことし2月14日に開催されました火山噴火予知連絡会によりますと、岩手山と栗駒山については、火山活動に特段の変化はなく静穏に経過しており、噴火の兆候は認められないという評価をいただいております。
また、秋田駒ヶ岳は、男女岳と女岳とございますが、男女岳につきましては、山頂付近では火山性地震がわずかに増加する傾向、女岳では、地熱活動が続いており、今後の火山活動の推移に注意という評価をいただいております。
岩手県の火山活動に関する検討会を県で設けておりますが、こちらにおきましても、岩手山、栗駒山については、落ちついた状態で推移している、秋田駒ヶ岳では、引き続き注視していく必要があるという評価をいただいているところでございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。草津白根山では、監視カメラでの噴火の確認ができなかったと。悪天候等いろいろとあったと思うのですけれども、そのあたりは、こちらの場合は特に問題は起きないものでしょうか。
〇石川総合防災室長 天候が悪い場合の監視カメラについてでございますが、本県の常時観測火山におきましては、気象台が岩手山、栗駒山に監視カメラを設置しておりますほか、岩手河川国道事務所、湯沢河川国道事務所が、岩手山、秋田駒ヶ岳に監視カメラを設置しております。
いずれも可視を前提としておりますので、悪天候により視界が悪い場合には映像による観測は困難でございます。
なお、これらの火山につきましては、気象台などが、カメラのほかに地震計、空振計、傾斜計、赤外線映像装置といった天候不良でも噴火の発生あるいは概略規模を知ることができる観測機器も使って常時観測をしておりまして、異常が認められた場合は、速やかに県や市町村、関係機関に情報が伝達される形になっております。
〇阿部盛重委員 わかりました。今ちょっと回答もいただいたかと思うのですけれども、草津白根山では気象庁と県と市町村との情報収集や発信のあり方に問題が起きたということですが、そのあたりの再点検といいますか、問題はないでしょうか。
〇石川総合防災室長 情報収集のあり方、あるいは伝達、収集、発信のあり方についてでございますが、県内の火山で異常が認められた場合は、仙台管区気象台から噴火予報、噴火警報、火山現象に関する情報等が県、市町村、警察、消防、国の出先機関、マスコミ等に速やかに伝達され、防災行政無線あるいはテレビ、ラジオ放送、緊急速報メール、ホームページ、さまざまな方法で登山客あるいは住民に知らせることとしております。
火山噴火災害から被害を軽減するためには、的確な噴火予知あるいは迅速な情報伝達が何よりも重要でありますことから、先ほども申し上げました岩手県の火山活動に関する検討会、あるいは火山防災協議会におきましては、年に何回か集まりまして火山活動の状況について情報共有をして顔の見える関係をつくらせていただいておりますほか、ことしの1月からは、その協議会のメンバーが、いつでもリアルタイムで火山情報を共有できるように、協議会ウエブという名前でございますが、こちらの試行運用を始めており、引き続き情報共有を進めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 わかりました。火山噴火災害で被害を最小限に軽減するために、基礎科学の研究に従事する火山の防災担当専門家の助言が大事かと思うのですけれども、その点が不足しているというお話もあります。お考えはどうでしょうか。
〇石川総合防災室長 御案内のとおり、本県におきましては、岩手県の火山活動に関する検討会あるいは火山防災協議会に、岩手大学や東北大学などの研究者の皆様に委員として入っていただきまして、研究成果や御提言を頂戴しているところでございます。
ただ、こうした火山研究者は文部科学省の調査によりますと全国で約80人であり国内にある111の活火山をその方々でカバーしているという形でございます。
国におきましても、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトといったものを立ち上げておりまして、平成28年度からの5年間で、研究者を80人から160人にふやしたいということで取り組んでおります。
県としても、こうした国の動向に着目しながら、引き続き、火山研究者の皆様とともに、本県の火山防災を進めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 次に、法的な位置づけが明確でない生活困窮者向けの施設の防火対策についてですけれども、今後、ケースワーカーが生活保護受給者の暮らす共同住宅を訪問する際に、防火体制の項目をチェックしていく方向性になっているようですが、専門知識のない方々が十分対応できるかどうかお伺いいたします。
〇山田防災消防課長 1月に札幌市で起きました生活保護受給者の自立支援施設での火災で、11名が亡くなったという痛ましい火災でございますけれども、新聞報道によりますと、厚生労働省で、ケースワーカーがこういった共同住宅を訪問する際に点検をしていくことを検討しているということは、私どもも承知しておりますが、総務省消防庁にこの件を聞いたところ、今、厚生労働省と協議をしているということで、ケースワーカーでもこの点検ができるような点検項目を定めて、こういった確認をしていただくようなやり方を考えているということでございます。
詳細はまだ検討中、協議中ということでございますので、正式に通知等がございましたら、関係部局とも連携しながら、市町村あるいは消防本部が適切に対応できるように助言等を行ってまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 そういう方向になりますと、例えば、郵便局、金融機関、宅配業者の方々ですとか、町内会の自主防災組織の方々を対象に研修をして、広く協力をいただくような方向性も今後はあり得るということでしょうか。
〇山田防災消防課長 既に地域での見守りという形で、郵便局員や社会福祉協議会あるいは民生委員の方々が、日常的に声かけ運動をされていると思いますので、先ほどの防災や火災予防の啓発に関しましても、地域を挙げて取り組まれるように、市町村あるいは消防本部ともきちんと連携してまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 一応最後の質問になりますけれども、災害用備蓄食料についてお伺いいたします。
熊本地震及び東日本大震災津波の影響で被害想定の幅が広く見直されてきておりまして、全国都道府県の備蓄量が約2倍にふえている状況であると。食料を必要とする人の範囲が、避難者と在宅避難者ということで、災害対策では最低3日分の備蓄をしなさいということになっておりまして、本県は3.07倍に増加しているということですが、備蓄物資は定期的に維持管理と更新がされているかと思うのですが、その実施状況と、その賞味期限が近づいた食料の更新はどのようになっているのかお伺いいたします。
〇石川総合防災室長 備蓄物資の維持管理につきましては、これまでに備蓄しました県内4カ所の備蓄場所について、職員が定期的に現地確認という形で管理しております。
また、備蓄物資の更新につきましては、県で現在備蓄しているアルファ米、乾パン、栄養補助食品、飲料水といったものにそれぞれ賞味期限がございますことから、期限が近づいているものについては、しっかり更新作業を進めているところでございます。
〇阿部盛重委員 そうすると廃棄という表現が正しいのかわかりませんが、その処理方法はどのような形をとっていらっしゃるでしょうか。
〇石川総合防災室長 賞味期限切れの備蓄物資の処理の方法についてでございますが直近で申し上げますと、平成24年度に購入しました乾パンが本年3月に賞味期限を迎えることから、保健福祉部と連携しまして、一部を児童養護施設に提供させていただきました。
賞味期限切れの食料につきましては、可能な限り、賞味期限が到来する前に、総合防災訓練への参加者に配布するなど、県民の防災意識の高揚につながるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 本当に最後になりますけれども、大きな災害になりますと、どうしても交通が麻痺する状況になっていまして、物資輸送がなかなか難しいというところですが、そのあたりの対応はどのようになっておりますでしょうか。
〇石川総合防災室長 陸上での物資輸送ができない場合の対応についてでございますが御案内のとおり、一昨年の台風第10号の際には、かなりの範囲にわたり道路が被害を受けたため、孤立された地域の住民に対してヘリコプターによる物資の提供を行ったところでございます。
今後におきましても、道路の寸断によりトラック等による輸送ができない場合には、あらゆる手段により被災者に物資を提供するように取り組んでまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 私からは、財産管理費関係で、岩手県公共施設等総合管理計画についてお伺いいたします。
施設類型ごとの管理に関する基本的な方針において、公共施設の中で庁舎等や県民利用施設は、長寿命化計画策定指針等の整備を行い、平成30年度から個別施設計画の策定を進めることとしていますが、策定における庁舎等や県民利用施設に対する維持管理や修繕、更新などの費用面と方針や基準についての考えを伺います。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 平成28年3月に策定いたしました岩手県公共施設等総合管理計画におきましては、公共施設における今後30年間の維持、更新等に係る経費の見込みを約7、070億円と試算しております。このうち、庁舎等につきましては約2、499億円、県民利用施設につきましては約944億円を見込んでいるところでございます。
この計画をもとにいたしまして、全庁的な公共施設のマネジメントの取り組みを現在進めております。平成29年3月には、公共施設個別施設計画策定指針を策定したところでございます。
この指針におきましては、施設の統廃合など施設保有の最適化に向けた取り組み、長寿命化と経費負担の平準化に向けた取り組み、施設利用者等の安全・安心の確保に向けた取り組みなどを掲げております。この指針に沿いまして、平成32年度までに、各部局ごとに個別施設計画の策定を進めていくこととしております。
引き続き、施設の現況を踏まえまして、対象施設の特性、利用状況、施設サービスの今後の見通しなどを総合的に評価いたしまして、全庁的に優先度の調整を図りながら、施設の更新、統廃合や長寿命化などにつきまして検討していくこととしております。
〇柳村一委員 基本的な方針の中でコストの削減、財政負担の平準化と規模、配置、機能等の適正化、安全・安心の確保ということで、少ない財源の中でどうやって公共施設を維持していくかがこれから大変になってくると。
特に平成38年でしたか、かなり公共施設の部分の伸びがありましたけれども、その中で一つ注目した統合や廃止の推進方針についてお伺いしたいのですが、国や市町村と連携を図り、相互に類似する機能を有する施設を整備する際には、施設規模や機能分担についての調整に努めるとしております。さらに、県民利用施設については、施設の利用状況、人口減少による施設利用需要の変化等を踏まえた施設規模、総量の適正化に取り組むとしておりますけれども、この個別施設計画の策定を進める上で、ここら辺の重要度というか方針みたいなものはどのような形になっているかお伺いします。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 市町村との連携による施設の統廃合等につきましては、効率的な行政サービスの提供やコスト縮減の観点から、類似する機能を有する施設を整備する際には十分に考慮していく必要があるという認識でございまして、施設規模ですとか機能分担につきましても、市町村と調整に努めていきたいと考えております。
市町村との連携、情報共有について、アンテナを高く張りながら、こういった統廃合の取り組みにも努めていきたいと考えております。
〇柳村一委員 公共施設でありますので、さまざまな部局にまたがって保有されていると思うのですけれども、部局ごとに市町村と連携を図るのか、それとも全庁的にイメージを持って市町村と話し合うというか、ある程度画一化しないと、ある部署ではすごくぼろぼろでも使っていくぞとか、ある部署では、新しいけれども、一緒だからやろうとか差が出てくると思うのですが、県の指針みたいな形で統一するのか、それとも部局ごとに任せるのか、そこら辺の考えについてお伺いします。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 現在進めております個別施設計画の策定につきましては、部局単位で取り組んでおります。直接、施設等を所管する各部局が、関連する市町村の施設等の情報を一番有していると認識しておりますので、まずは、各部局で主体的に取り組んでいただくことを基本に考えております。
〇柳村一委員 わかりました。一番わかっているのが各部局だということですね。
それでは、指定管理者制度を導入している施設についてお伺いしたいと思うのですけれども、県が施設設置者で、指定管理者がサービスを供給するというのが指定管理者ですが、第3期アクションプランの指定管理者制導入施設のサービス向上での年度目標は、平成27年度から3年間連続で達成度Bの見込みです。
このままでは平成30年度の計画目標値を達成度Aにするのはかなり難しい数値になっていると思いますけれども、指定管理者制度に対する平成30年度に向けての施設の対応についての考えをお伺いします。
各部局が担当しているので総務部ではまとまっているものがないと思うのですけれども、施設の統廃合や廃止を前提として、施設の利用度とかという部分があると思うので、そこら辺は、やっぱり大もとを担当している総務部がしっかりと把握して、サービス度が悪くても維持していいのか、そこら辺もしっかり検討しなければいけないと思うのです。
例えば、体育施設の運動健康器具は、県にもあるかもしれませんけれども、サービスがいいからと民間を使っている人だっている。そうなってくると、サービスが悪い県の施設は別に廃止してもいいわけでありまして、そこら辺のさまざまな考え方はあると思いますけれども、そういう議論もしていかないと公共施設の維持管理は大変だと思うので、そこら辺をしっかり考えながら施設を維持管理していただきたいと思います。
次に移ります。防災費の関係で、災害時の情報伝達についてお伺いいたします。
情報伝達のツールでは、防災行政無線、ラジオ、エリアメール、緊急速報メール、SNS、ジェイアラート、公共情報コモンズなど災害時の情報伝達がありますけれども、災害時の情報伝達手段の整備に対する考えを伺います。
〇石川総合防災室長 災害時におきましては、住民に対する迅速、確実な情報伝達が必要でありますことから、東日本大震災津波の教訓も踏まえまして、県及び市町村では、情報通信事業者との協力体制の構築、マスコミやインターネットの活用など複数の手段による情報伝達、伝達手段の多重化と呼んでおりますが、こういったものを進めてまいりました。
具体的には、市町村では、防災行政無線、緊急速報メール、ホームページや消防団等による巡回広報などさまざまな手段により、住民に対し避難勧告等の情報を伝達しております。
また、県におきましても、被害の状況や県、市町村の対応状況等につきまして、ホームページあるいはツイッター等によりまして情報発信をしているところでございまして、複数の情報伝達手段を整備する重要性については、市町村に対し、機会を捉えて助言していきたいと考えております。
〇柳村一委員 複数の情報伝達手段を使ってさまざま、防災無線だけ、メールだけでもだめでしょうから、それはそのとおりだと思います。
それで、危機管理体制の強化についてお伺いしたいのですけれども、第3期アクションプランの職員の災害対応能力の向上において、平成27年度からの3年間、災害対策本部支援室図上訓練を実施されておりまして、平成28年度は、災害情報システムを活用した図上訓練を行っているようでしたけれども、その内容はどのような形だったのでしょうかお伺いします。
〇石川総合防災室長 平成28年度から災害情報システムを取り入れました。これは県、市町村、防災関係機関が、一つの大きなネットワークの中で災害対応を行おうというものでございます。
パスワードとIDさえあれば、どこからでもそこに入って災害情報を提供できる、あるいはそれをみんなで見て、どういう対応が今一番必要とされているのかといったものを展開するシステムでございます。
このシステムになれることが大事だったものですから、平成28年度、平成29年度につきましても、それを使った図上訓練を行っております。
〇柳村一委員 盛岡地区広域消防組合消防本部ですと、火災時に現場を知らせる一斉メールが来るんですね。今までは防災行政無線が鳴って、それで場所を聞いて行くというパターンだったのですけれども、そのメールは防災行政無線の前に来るので、防災行政無線が鳴る前に、もう屯所から出られる状態になっているのです。
今の災害情報システムというのは、それとはまた違うものなのでしょうか。
〇石川総合防災室長 盛岡の消防本部で取り扱っているシステムとは違うシステムでございますが、我々は対応する災害の種類も規模もいろいろございますので、かなり大規模な災害に対しても、このシステムで今後対応していきたいと考えております。
〇柳村一委員 盛岡の消防本部のほうは、1回登録すると、もう自動受信するという形になっているので、防災行政無線より早く出ていって、現場に行ったら、火災にあらずといって戻ってきたりというのは結構あるのですけれども、やっぱり災害情報システムというものも、1回登録すれば自動で受信できるような仕組みにするほうがいいような気がするのですよ。
防災行政無線ですと、家の中にいたり、大雨とか吹雪のときとかは聞こえないわけです。でも、メールは残りますし、情報もしっかりわかるし、その情報共有ができるということと、先ほど火山噴火の答弁で、さまざまなことをやっていると言いますけれども、その中で、やっぱりこれからはメールというものが重要になってくると思います。
そのツールを生かすためには、携帯電話の基地局であったり、公共Wi-Fiなどの整備が必要になってくると思いますけれども、最後に、その整備の考えについてお伺いして、終わります。
〇石川総合防災室長 絶えず情報伝達手段も進化しており、そういったものに対応していかなければならないと考えておりますが、例えば、市町村におきましてそういった新しい情報手段を整備しようという場合、県では補助事業みたいなものはないのですけれども、国では、現在、緊急防災・減災事業債というものがございまして、例えばデジタル方式による防災行政無線ですとか、FM放送による自動起動ラジオといったものの導入に活用できることから、県としても、機会を捉えて市町村に助言をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 最初に、来年度当初予算に占める震災復興分と繰り越し分の総額、この推移を示してください。
〇小原財政課総括課長 平成30年度一般会計当初予算の総額は9、533億円余でございますが、そのうちの震災分は2、849億円余でございます。震災分は29.9%でございます。
平成29年度の2月補正までに計上した繰越明許費は1、498億円余でございまして、そのうちの震災分は923億円余でございます。繰越明許費総額に占める割合は61.6%でございます。
平成30年度当初予算と平成29年度繰越明許費の震災分の総額で3、772億円余でございます。
これまでの推移でございます。同様に、震災分の当初予算と前年度から繰り越した繰越明許費の実繰越額を合わせた額でございますが、平成25年度は6、315億円余、平成26年度は5、363億円余、平成27年度は5、726億円余、平成28年度は5、532億円余、平成29年度は4、562億円余でございます。
〇斉藤信委員 震災関連の予算を見ると、減少はしているものの、来年度も3、772億円余というのはかなりの規模の事業費ということになると思いますが、これは、平成31年度、平成32年度の見通しは出ますか。
〇小原財政課総括課長 見通しはまだ立たない状況でございますけれども、進捗に合わせて減少していくとは考えますが、一方で、恐らく数百億円単位で事故繰越額も加わっていきますので、この規模はまだしばらくは続くのではないかと考えております。
〇斉藤信委員 全体とすればピークは過ぎたと言えると思うのですけれども、例えば、陸前高田市の来年度予算は895億円で16%ふえたんですね。これは震災前の予算の8倍ですよ。
それで、私は釜石市長と陸前高田市長にも言われたのだけれども、復興の度合いというのは平均で見てほしくない。一番おくれているところを基準にして見てもらわないと、これは本当に現状を正確に見ることにならないのではないかという指摘でした。
全県的にもまだまだ復興事業が一定程度あるし、陸前高田市、大槌町や釜石市のように、被害が大きくて復興がおくれているところ、私は、県はここにきっちり基準を定めて取り組んでいく必要があると思いますが、部長、どうですか。
〇佐藤総務部長 まさに復興の進捗の度合いに応じた事業の執行というものは当然に求められると思います。また、復興の途上のステージごとに新たな課題が出てくるところもございますので、やはりそういったところをしっかり見きわめながら、そして、この先の見通しの話も出ましたけれども、それは極力少なくなっていくよう、事業の進捗を早めるような形で対応していく必要があると認識しております。
〇斉藤信委員 少しずれたけれどもね。私は、復興の度合いを平均的に見るべきではないと。本当に被害が大きくて一番おくれているところに基準を定めて、しっかり県として支援する必要があるということでお聞きしたので。
それで、第2点目に、3月11日で東日本大震災津波から丸7年を迎えるのですけれども、東日本大震災津波の教訓を本当に後世にどう受け継ぎ、継承していくかというのは、引き続き大事な課題。風化が進んでいると言われているだけに、私は大事な課題だと思います。
そこで、あの東日本大震災津波のときに、避難指示も避難勧告も出さなかった市町村はありますか。
〇石川総合防災室長 各市町村に確認しましたところ、東日本大震災津波の際、大槌町におきましては、避難指示等が発令されていなかったということでございます。ほかの沿岸市町村におきましては、避難指示等が行われたということでございます。
〇斉藤信委員 全県的に6、200名を超える犠牲者が出た。特に、大槌町は1、280名、この犠牲者の率は県下で一番ですよ。それで、犠牲者の数は陸前高田市も多いのだけれども、私は、この陸前高田市、大槌町というのは、二つの深刻な教訓があったと思います。
陸前高田市の場合は、多くの市職員も市民も犠牲になりましたけれども、避難誘導の中で、避難施設に避難して犠牲になったわけですね。これが陸前高田市の特別に重要な問題だったと。
大槌町の場合は、災害対策で一番中枢になるべき役場が、避難勧告も避難指示も出さなかった。出せなかった。私は大槌町の検証報告書を改めて見ましたけれども、犠牲者の7割は避難しなかった人、避難がおくれて自宅周辺にいた人と検証されています。これは本当に役場の責任。災害対策の一番の問題は住民の生命と安全を守ることなんですよ。その役割が果たせなかったというのが、私は大槌町の痛切な教訓ではなかったのかと。
こういう点で、全県的な教訓を検証していると思うけれども、個々のそういう犠牲の多いところの教訓というものももっと踏み込んで県は明らかにし、また、市町村の検証を支援していく必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇石川総合防災室長 委員御指摘のとおり、大槌町では、平成26年3月に検証報告書を取りまとめております。この中では、町役場の建物の耐震性の不安による混乱、停電による防災行政無線の途絶などによって、大津波警報あるいは避難指示等が発令できなかったというような検証がされております。
また、今後の対応の方向性として、情報収集・伝達手段の多重化、情報収集・伝達体制の強化、避難指示等の基準及び町民への伝達方法の具体化などを進めるという形で整理されております。
これは大槌町だけではなくて、やはり県全体で共有すべきものと考えており、県としても、周知に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 大槌町は、最初の検証報告書で、引き続き検証は進めていかなければならないと。そして、昨年7月に、大槌町災害対策本部の活動に関する検証報告書もまとめました。私は、この災害対策本部の検証というものも、まだまだ中途半端なところがあると思います。大津波警報が出たら避難勧告もしくは避難指示を出すということになっていた。それが出せなかったのはなぜなのか、この肝心なところが率直に言って検証されていません。
そういう意味で、今、大槌町では旧役場庁舎を保存するかしないかということが大きな問題になって、これは知事が言っているように、基本的には大槌町の自治の力で解決すべきだと私も思うけれども、あの検証が不十分な中で、その象徴である役場庁舎を解体するようなことがあってはならないと私は個人的に思います。これは質問しません。そういう検証が不十分な中で、この役場庁舎の問題というのは、その象徴として考えていく必要があるのではないか。そして私は、今度の町議会での結果次第では、県の出番も出てくる可能性もあると思っております。
次に、自主防災組織の現状と活性化について質問いたします。
県は、自主防災組織活性化検討会議を立ち上げて、この間検討しています。その協議の特徴、内容、そして、自主防災組織の実態調査、その特徴について示していただきたい。
〇石川総合防災室長 自主防災組織活性化検討会議でございますが、委員お話のとおり、昨年11月に第1回会議を開催いたしまして、自主防災組織実態調査の実施方法あるいは調査票について御意見をいただきました。
また、自主防災組織の活性化を進める上で重要なこととして、地域コミュニティーの基盤がしっかりしているところは、やはり防災活動もしやすい、あるいは自助を鍛えないと共助の力も伸びない、リーダーとなる人材の育成も必要、こういった御意見をいただいているところでございます。
次に、自主防災組織の実態調査についてでございますけれども、今回の調査では、県内全ての自主防災組織を対象に、自主防災組織及び地域の状況、それから活動状況、自主防災組織が抱える課題や県、市町村への要望といったことについて回答をいただいているところでございます。
2月上旬の中間集計で、これは暫定値でございますが、9割の自主防災組織が自治会と同一であることが明らかになりました。また、7割の組織が防災に関する研修や訓練を実施し、約8割の組織が防災セミナー等に参加している一方で、防災マップあるいは活動マニュアルを作成している組織はそれぞれ4割であること、それから、県でいろいろな研修会等を実施しておりますけれども、こちらの認識度も4割ぐらいにとどまっているといったようなことが明らかになりました。
こういった結果を踏まえまして、今月中旬に第2回目の自主防災組織活性化検討会議を開催する予定でございますけれども、委員の皆様、自主防災組織のリーダーや有識者の皆様の御意見をいただいた上で、報告書として取りまとめることとしております。
結果につきましては、市町村としっかり情報共有するとともに、来年度実施を考えております自主防災組織活性化モデル事業といったものに生かしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 この自主防災組織活性化検討会議のメンバーには、大槌町の安渡町内会の会長も委員として参加されていて、1月のいわて復興未来塾でも、私はこの会長のお話を聞きました。大変感心しました。安渡町内会でも、あの津波で大変大きな犠牲を出したと。なぜ犠牲を出したかということを徹底して調査して、そして地区の防災計画をつくっているのですね。そしてその中で、やっぱり要援護者をどう助けるのかということで、15分ルール。助けるほうも15分間で助けると。そのためには玄関まで要援護者に出てもらうと。そういう厳密で緻密な、助けるほうも、助けられるほうも救済する計画を出されていることに、私は大変感心しました。
それで、この実態調査はまだデータだけなのですけれども、ぜひこういう点はしっかり具体化してほしいと思うのは、防災マップの作成は41%、活動マニュアルの作成は41.1%なんですね。いわば防災マップというのは、その地域のリスクを明らかにすることなんですね。沿岸であれば津波でしょう。しかし、内陸であれば洪水とか土砂災害とか、その地域の災害リスクが自覚されないと、これは何の意味もない。そして、それを把握したら、その危険からどのように生命、財産を守るのか、活動マニュアルの作成が大変大事なポイントになってくるのではないか。
あと、もう一つは要支援者名簿です。この実態調査では、要支援者名簿が提供されているのは51.5%でした。半分しか提供されていないということも解決すべき問題ではないのかと。これは、やっぱり行政と自主防災組織とが本当に連携して、要援護者を誰が助けるのかという計画を立てるためには、そういう取り組みが必要だと思うけれども、先進的な事例もしっかり教訓にしながら、今度の実態調査でそういう点を浮き彫りにして、抜本的に自主防災組織の活動を強化するべきと思いますが、いかがですか。
〇石川総合防災室長 委員お話のとおり、自主防災組織の組織化、活性化につきましては、それぞれの地域の市町村としっかりタッグを組みながら進めていく必要があろうかと考えております。
この自主防災組織の実態調査につきましても、現在のところ中間集計ということで、県全体のものしか出ておりませんけれども、今後、地域別の集計なども行いまして地域ごとの課題を明らかにし、先ほどお話のございました要支援者につきましても、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、旧盛岡短期大学跡地の活用について。
私の地元であり、軽石委員や福井委員の地元でもあるのですけれども、盛岡市長が、かなり踏み込んで今対応しようとしています。県が必要とする場所と等価交換できればいい、早目に建物の解体と面積を県と協議し進めたい、今の面積の2倍ぐらい確保したいと。こういう形で市は具体的な検討を進め県と協議する方針だと、8月5日、9月1日の新聞でも報道されましたが、この旧盛岡短期大学跡地の活用について、どう協議がされているでしょうか。
〇佐藤特命参事兼管理課長 盛岡市との協議状況でございますが、昨年8月4日に行われました地元町内会長等で構成されます旧盛岡短期大学跡地利用促進期成同盟会から盛岡市への要望の内容等につきまして、8月29日に市から情報提供等をいただいております。
要望の内容としましては、期成同盟会から、旧盛岡短期大学跡地に市の山王児童・老人福祉センターを移転、整備したいとのことでありまして、盛岡市からは、今後、移転に必要な面積等につきまして内部で検討を進めることとしており、県とは事務レベルで協議を進めていきたいとのことでありました。
また、昨年9月には、直接、期成同盟会から県に対しまして、市との協議を円滑に進めるように要望を受けておりまして、地元の御意向を含めて、市と情報共有を密にして対応していく旨回答したところでございます。
現時点で市から具体的な動きはございませんが、県としましては、引き続き、市と十分に情報交換を行いながら対処してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 しっかりやってください。
最後です。入札問題について最後お聞きします。
私は昨年10月の決算特別委員会のときに、福島県と岩手県を比較して、福島県の場合には、県営建設工事のほとんどが県内事業者に発注されている。発注額も九十数%と。岩手県とどこが違うのかと。この点について稲葉課長は、福島県の事例も比較検討していきたいという回答でありました。
総括質疑でもこれは議論があったところでありますけれども、今の入札状況と福島県との違いの検討は進んでいるのかどうかお答えいただきたい。
〇稲葉入札課長 まず、現在の入札の状況について申し上げたいと思います。
発注件数は1、100件程度で横ばいで推移し、平均落札率も90%前後で横ばいないしは微増で推移しております。ただし、入札不調につきましては、平成27年度は9%、平成28年度が10%でございましたが、平成29年度になりまして、平成30年1月末時点で20%となっております。
また、1者入札につきましては、平成27年度が212件、19.5%、平成28年度が218件、21.4%でございましたが、平成29年度は、平成29年12月末時点の集計でございますが271件と件数もふえておりまして、割合を見ても35.4%までふえてきております。
この要因は、平成28年台風第10号を含めた平成28年の災害復旧工事の発注ピークが昨年1月以降に出てきておりまして、それに伴うものが主な要因と分析しております。
したがいまして、入札制度の改善といったところでございますが、昨年10月の決算特別委員会でもお話ししたところでございますが、福島県における入札の特徴なり状況といったものを現在は情報収集している段階で、業者の数や工事の内容からして、単純に比較、分析まではできておりませんが、今後、昨日も答弁申し上げているところでございますが、入札特例制度の見直しにあわせて入札制度の全般についても見直ししていこうというところでございますので、その際には、他県の事例も検討していきたいというところでございます。
〇小西和子委員 私からは、最初は、直営による守衛業務についてお伺いいたします。
私たちは守衛に危機管理をお願いしているわけですけれども、守衛の業務内容をお伺いいたします。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 守衛の業務の主な内容についてでございますが、県庁舎等の巡視、知事、副知事、要人等の来庁時等の対応、議会開会時の対応、クレーマー等への対応がございます。現在は、それに加えまして、委託業者である警備員への指導などがございます。
〇小西和子委員 守衛業務の継承はどのようにして行われているのかお伺いいたします。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 守衛業務の継承でございますが、これまでの守衛の業務経験ですとか、さまざまな留意事項等につきまして担当職員が聞き取りした上で、守衛・警備業務マニュアルとして整備をするとともに、これらを業務に活用しながら継承に努めてきたところでございます。
今後におきましても、当該マニュアルのさらなる充実を図りながら、業務の継承を行ってまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 来年度は再任用職員の守衛が1人だけになりますね。それで、委託による警備員もちょうど切りかわる、今度入札で決まるということのようですが、業務内容を会得するのに1カ月以上はかかるとお聞きしました。
これはマニュアルとかではとても継承できないわけですので、どのようにして守衛業務の継承を行うのか伺います。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 来年度から再任用職員の守衛が1人になりますが、先ほど申し上げましたマニュアル等による継承のほか、受託業者が変更になった場合につきましては、1カ月なら1カ月といった十分な引き継ぎ期間の確保について検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 実際にずっと守衛の業務を行ってきた方がたった1人になるということで、その方が業務を継承するのはとても大変なことだと思うのですね。マニュアルがあったとしても大変だと私は考えます。
今後、直営による守衛を採用しない場合は、もう数年後になれば再任用職員の守衛も退職になりますので、そうした場合、業務内容を継承できなくなりますけれども、そのときの対策をお伺いしたいと思います。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 将来的なお話として、業務に支障が生じないように、例えば庁舎内での逮捕事案等を踏まえた警察との連携の強化、先ほど申しました警備業務の委託契約を複数年として引き継ぎ期間を充実し、これを徹底させていくこと、警備業法等に定める施設警備2級の検定資格を有する警備員の常駐化、毎朝の朝礼への担当職員の参加を促すなど、警備体制の強化に取り組み、実施状況を踏まえまして、人員配置についても検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 危機管理の面からも、県議会議員や県職員の安全・安心という重要な職務を担っています。
私が県庁のエレベーターホールにたまたまいたときに、クレーマーが大声を上げて入ってきたんですね。すごく私はびっくりしてしまったのです。多分、何人かクレーマーがいらして、時々あんな感じになるのだと思うのですけれども、そのとき守衛は、余りきつくとめられないでしょうし、かといってそのまま、どこに行くのかわかりませんが、突っ込んでいくということもさせたくないだろうし、非常にかげんが難しいということをおっしゃっておりました。
そういう重要な任務を担っている守衛の業務内容を継承するためにも、いろんなお話がありましたけれども、任せられる人員補充を行うべきと考えますが、もう一度お願いします。いかがでしょうか。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 もう一度ということですが、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、先ほどるる述べました警察との連携強化等を初め、さまざまな対応、体制の強化を図り、その実施状況をきちんと把握いたしまして、人員配置が必要かどうかという点について検討してまいりたいと思います。
〇佐藤総務部長 ただいまの守衛の業務、人員体制の件でございますけれども、委員から先ほどお話があったように、昨年、公務執行妨害での逮捕事案が実際に発生したこともあり、来庁者の対応についてやはり改めて見直しをしなければならないと考えており、管財課の参事からも答弁がありましたが、今、警察との連携の強化について具体的に調整を進めております。そして、私どもも警察頼みではなくて、庁舎管理者として、守衛業務のあり方についてもしっかり捉え直して、体制について検討していかなければならないと捉えております。そういった検討作業を今進めております。
〇小西和子委員 次に、運転技士の計画的な配置についてお伺いいたします。
私たちは運転手さんと言っていますけれども、私たちは委員会調査等のときに運転手さんにいっぱいお世話になっておりますけれども、恐らく私たちが知らない業務内容もあろうかと思います。業務内容をお伺いいたします。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 運転技士の業務内容でございますが、公用車の集中管理に伴う各部局からの依頼に基づきまして、出張先への公用車の運転業務が中心でございます。議会の委員会調査のほか、行幸啓などの皇族対応ですとか、県の主要行事に参加されます要人の送迎も担っております。
〇小西和子委員 恐らく、昨年の国体のときなども本当に忙しかったのではないかと私も考えております。それから、除雪機械等を含めた車両の管理業務なども行っていると聞いておりますし、災害時等における迅速な出動なども、地域のことをよくわかっていなければできないことだと考えます。
直近で採用された運転技士の人数と人員の推移についてお伺いいたします。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 直近の運転技士の採用状況でございますが、平成15年度に3名を採用しております。
次に、人員の推移でございますが、公用車の集中管理を開始いたしました平成13年度は、21名体制でスタートし、平成19年度にピークを迎え23名となりましたがその後は退職等によりまして、現在18名という人数になっております。
〇小西和子委員 随分人数が減ったなという印象を持っております。東日本大震災津波や一昨年の台風第10号災害でも、運転技士の人員不足が明らかになったと聞いております。突発的な災害などに素早い対応が求められることからも、正規職員での人員補充が必要と考えますけれども、いかがでしょうか。
〇猪久保参事兼管財課総括課長 御指摘のとおり災害時におきましては、庁内から運転業務への需要が一時的に高まるということが予想されます。災害時における車両の稼働状況等をしっかり把握する必要があると考えておりますので、人員配置も含めた運転技士のあり方について、今後検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 人数が少ないと、再任用されても、とても耐えられないということでやめたりもしているようですので、正規職員での人員補充を要望いたします。終わります。
〇千田美津子委員 一つは、地域防災力の強化策についてお聞きします。
地域防災力強化プロジェクト事業がありますけれども、まず、この主な中身と今後の対応についてお聞きをいたします。
〇石川総合防災室長 地域防災力強化プロジェクト事業の内容でございますが、防災のかなめとなる、自助、共助、公助それぞれの取り組みにつきまして、市町村や防災関係機関と連携しながら複合的に展開し、県全体としての地域防災力の強化を図ろうとするものでございまして、例えば消防団の訓練、自主防災組織への地域防災サポーターの派遣、ハザードマップの作成などの火山防災あるいは総合防災訓練、こういった取り組みをしているところでございます。
来年度につましては、これらに加え、自主防災組織活性化モデル事業の実施、あるいはモバイルパソコン等を活用した情報収集体制の強化などにも取り組んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 一つ新規事業の中で、余り大きな金額ではありませんけれども、女性消防職員の活躍支援事業というのがあるやに聞いておりますが、これは大変いいことだと思うのですけれども、その目指すところは一体何なのか。あわせて、県内の女性消防職員の実態、人数についてお聞きします。
〇山田防災消防課長 まず、新規事業の女性消防職員の研修でございますけれども、県内の各消防本部で採用されている女性消防職員は、平成29年4月現在で36名いらっしゃいます。総務省消防庁のほうでも女性消防職員の採用拡大や活躍の推進という目標を立てて取り組んでおり、今後管理職等にもなっていくことから、これまで、各消防本部で当然研修や訓練はございましたけれども、県が主体的に女性消防職員を対象とした研修会を実施するものです。
それから、全国の女性消防職員の集まりもありますので、年に2人ないし3人を派遣することで、この方々のキャリアアップ-きょう、ロールモデルというお話もありましたけれども、こういった活躍推進の後押しをするという事業の実施を予定をしております。
〇千田美津子委員 実は、私、この間女性消防職員から相談を受けました。それは、全体的に消防署の職員は団結権がないために、いろいろなことがあってもなかなか訴えるところがないということで、パワハラが1カ所のみならず結構ある、全国的にも多いのです。そういう中で、女性消防職員が、雰囲気が悪い部分もあって、もっと私は消防職員として頑張りたいのだけれども、全体がそうなっていないために非常に働きにくいというような、誰が悪いとかではなくて、そういう声がありました。これは女性消防職員に限った事業ではありますけれども、他との交流の中で、働きやすい職場づくりをやっていくことが必要だし、女性職員が働きやすい職場は、全体が、男性職員にとっても働きやすい職場になると思いますので、ぜひこういうことを広めながら、消防職員は本当に連係プレーが求められますから、そういうレベルアップを図るような手だてをぜひとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇山田防災消防課長 女性消防職員の活躍推進、先ほどパワハラのお話もありましたが、パワハラの防止対策には、消防庁としても力を入れて取り組みを始めたところでございますし、県内各消防本部とも情報交換しながら、こういった取り組みが実効性あるものになるように、私どもが後押しをしてまいりたいと思います。
また、女性活躍の分野に関しましては、国としてもいろんな施策、アドバイザーの派遣などがございますが、本年度、環境生活部の若者女性協働推進室が窓口になっているいわて女性の活躍連携促進会議の五つの部会のうちの一つとして防災部会を設けまして、女性消防職員と女性消防団員の方に委員として入っていただいて、女性活躍の取り組みを始めております。
今回の新規事業も、この防災部会の中でいただいた御意見をもとに事業化をするものでございます。引き続き、現場の方々の声も聞きながら、よりよい取り組みになるように進めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 それで、地域防災力の強化という点でこの間も何度も議論があったところですが、消防団員の確保についてです。岩手県でも、消防団協力事業所の登録とか学生消防団活動認証制度の普及、あるいは消防団応援の店の登録等を行われているようですが、まずそれらの現状が一つ。
それから私の地元もそうなのですが、消防団員を確保しふやすどころか減っている、退団者がふえているという状況があるわけですが、この現状について改めてお聞きをいたします。
〇山田防災消防課長 消防団員確保の取り組みの幾つか今お話がありました点について現状を御説明させていただきますと、まず消防団協力事業所表示制度ということで、例えば消防団員の方を多く雇用されている事業所がこの表示証を掲示していただくことで、地域の方々からも、事業所の地域貢献が認められる制度がございまして、県内25の市町村で322事業所が現在登録されているところでございます。
また、県の入札制度におきましても、消防団員への協力についての観点がございまして、地域貢献点として団員の雇用状況等が反映されております。
また、今年度の新規事業といたしまして、消防団応援の店登録事業を始めておりますが、まだ若干日が浅いということで、今、登録数はまだ100件に欠けるところでございますので、私どもも、直接、県内商工会議所あるいは商工会に出向いてお願いもしておりますし、市町村の協力も得ながら、登録店舗をまずはふやしていきたいということで進めておるところでございます。
消防団員の推移でございますけれども、長期的に右肩下がりで減少傾向が続いておりまして、今、県内では2万2、000人に欠けるような状況でございますが、その中でもさまざま新しい取り組みも始められております。例えば機能別団員という役割を限定した消防団員の制度、一旦やめられたいわゆるOBの消防団員の方々が、全ての災害対応ではなく、役割を限って再度消防団員になられている制度もございます。また、盛岡市役所では、新採用職員の方に体験入団をしていただくということも行っており、市町村によっては消防団員がふえているところもあるという状況でございます。
〇千田美津子委員 消防団員がふえているところがあるということでいいと思ったのですが、まず、消防団協力事業所は少しずつふえてはいるようですけれども、導入市町村が25ということは、導入していない市町村は逆に消防団員がふえていると見ていいのでしょうか。そこまで行っていないということなのかどうか。
それから、入札制度にも反映されているということで、事業所にとってもある程度のメリットが私は必要だと思うのですね。今、被用者保険に加入している方が7割を超え8割くらいになっていると思うのですけれども、そういった意味では、前にも言ったことはあるのですけれども、私はぜひ事業所への税の軽減を検討すべきではないかと思っています。
事例を調べますと、静岡県や岐阜県では実施をしているようですが、消防団のさまざまな活動が本当に重要だと言いながらなかなか消防団員がふえていない。そういうことを鑑みますと、事業所に何かもっとメリットを与えて消防団員をふやしていく、それが私は大事ではないかと思いますので、そういう検討がなされているのかどうか、検討する気がないかどうか、お聞きをしたいと思います。
〇山田防災消防課長 まず消防団協力事業所は少しずつふえていますが、25市町村ということで全市町村ではございませんので、引き続き導入について働きかけてまいりたいと考えております。
それから2点目、消防団協力事業所に対する減税について、平成27年の決算特別委員会でも委員のほうから御提案があったと記憶しておりますけれども、岐阜県、静岡県に加えて長野県でも導入されているということで、全国では今3県で法人事業税ないし個人事業税の減税が実施されていると伺っております。直接的なメリットもあるということでございますが、減税に伴う減収額に見合うだけの効果の有無といった点、あるいは他の社会貢献活動との比較による税の公平性という観点も含めて、3県での効果等も踏まえながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 慎重に、しかし、前向きに検討すべきときではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後になりますけれども、きょうも議論があったのですが、私立高等学校等就学支援金の交付についてお聞きしたいと思います。
資料をいただいて、平成30年度当初予算額が平成29年度よりは減っているわけですが、認定状況を見ますと、在籍者数が、平成29年度が7、451人、新年度が7、567人とふえる見込みになっているのですけれども、認定者、認定率が270人くらい減って、認定率も88.8%から84.3%に減る見込みになっておりますけれども、これはなぜなのか。所得がそんなに低くない人たちが入ってくるという見込みのためなのか、これについてお聞きします。
〇岡部私学・情報公開課長 平成30年度の見込みにいてでございますけれども、実績であります平成28年度の認定者数を鑑みまして設定したものでございます。平成30年度は新入生も入ってまいりますので、今後どのような区分になるかは申請をいただいてからということになりますが、平成28年度においては実績も出ているところでございますので、そういったところを鑑みたところでございます。
〇千田美津子委員 きちんとやられると思うのですけれども、それで今後の県の対応としてどのようなことを考えていらっしゃるか、その点を伺って終わります。
〇岡部私学・情報公開課長 今後の対応についてでございますが、県といたしましては、国の制度でありますので、国に対しまして、低所得者に対する加算支給限度額の増額など、さらなる制度の見直し、拡充について要望してまいりたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
総務部の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時17分 散 会

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