平成29年2月定例会 予算特別委員会会議録

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予算特別委員会会議記録
(第 7 号)
平成29年3月14日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 田 内 慎 也
主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
1説明員
教育長 高 橋 嘉 行
教育次長兼
学校教育室長 川 上 圭 一
教育次長兼
教育企画室長 菊 池   透
参事兼教職員課
総括課長 今 野 秀 一
教育企画室特命
参事兼企画課長 菊 池 正 勝
特命参事兼
予算財務課長 佐々木   亨
学校施設課長 佐々木   哲
首席指導主事兼学力・復興教育課長 小野寺 哲 男
首席指導主事兼
義務教育課長 藤 岡 宏 章
首席指導主事兼
高校教育課長 岩 井   昭
高校改革課長 木 村   久
首席指導主事兼
特別支援教育課長 佐々木   徹
首席指導主事兼
生徒指導課長 菊 池 広 親
生涯学習文化課
総括課長 松 下 洋 介
文化財課長 斎 藤 邦 雄
首席指導主事兼
スポーツ健康課
総括課長 八 木 浩 之
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 荒 川 享 司
首席経営指導主事兼県立学校
人事課長 小田島 正 明
財政課総括課長 小 原   勝
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
木村幸弘委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
議案第1号から議案第19号まで、議案第21号、議案第27号から議案第30号まで及び議案第32号の以上25件を一括議題といたします。
本日は、教育委員会関係について、16人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
それでは、教育長に教育委員会の説明を求めます。
〇高橋教育長 教育委員会関係の平成29年度岩手県一般会計予算等について御説明を申し上げます。
初めに、教育委員会における当初予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、教育委員会におきましては、現在策定中の第3期復興実施計画に基づき、引き続き、学びの場の復興に全力で取り組むとともに、人を育む教育は社会形成の礎であるといいう認識のもとに、いわて県民計画やふるさと振興総合戦略等の諸計画に基づき、現下の課題に適切に対応しつつ、また、中長期的な展望も見据えながら、学校教育の充実や、生涯学習の推進などに努めていくことといたしております。
平成29年度におきましては、特に知事部局における文化スポーツ部の設置を機に、教育委員会におきましても、事務局本庁の組織体制を現行の2室3課体制から1室5課体制に再編し、児童生徒一人一人に向き合い寄り添う教育の充実、切れ目のない学びの保障の実現に向けて、学校教育における諸課題の解決に、これまで以上に重点的に取り組んでまいります。
また、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会のレガシーを継承する観点等から、本県の文化、スポーツの振興の基盤となる学校教育における文化芸術活動や学校体育の充実に重点的に取り組むとともに、文化スポーツ部への移管業務の円滑な移行や、同部との十分な連携にも努めてまいります。
全体的な方針につきましては、去る2月16日の今議会開会日に行わせていただいた演述で申し上げたとおりでありますので、繰り返しの御説明は省略し、早速ではございますが、一般会計予算の歳出予算について、資料に沿って御説明を申し上げます。
お手元の議案その1の8ページをお開き願います。
教育委員会が所管する予算の合計額は、10款教育費の1、496億4、281万円余のうち、総務部が所管する1項教育総務費の一部と、下のページ、9ページの一番上の8項大学費と9項私立学校費を除いた1、398億7、142万円余に、次の11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費の3億5、778万円余を加えた総額1、402億2、921万円余であります。これを平成28年度当初予算額と比較いたしますと15億8、456万円余、率にして1.1%の減となっております。これは、後ほど御説明を申し上げます文化スポーツ部への事業移管による減などによるものでございます。
以下、予算の内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
予算に関する説明書の209ページをお開き願います。10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費のほか、説明欄六つ目の被災児童生徒就学援助事業費補助は、東日本大震災津波により経済的理由から就学が困難となった小中学校の児童生徒を対象として、市町村が行う就学援助事業に対して補助しようとするものであります。次のページ、210ページをお開きいただきまして、一つ目のいわての学び希望基金奨学金給付事業費は、東日本大震災津波により親御さんを亡くされた児童生徒等に大学までの奨学金を給付するものであります。3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。下のページ、211ページに参りまして、4目教育指導費は、被災した幼児児童生徒の心のサポートや学校教育に係るソフト事業に要する経費であり、教育委員会分の五つ目の児童生徒健全育成推進費は、東日本大震災津波の影響により心に負担を受けた児童生徒や、不登校、いじめ等による学校不適応などの児童生徒に対応するため、スクールカウンセラーを全ての小中学校と県立高校で活用できるように配置するほか、沿岸部の公立学校を支援する巡回型カウンセラーを継続して配置するとともに、教育事務所に配置するスクールソーシャルワーカーを増員するなど、専門的な相談体制を充実、強化しようとするものであります。あわせて、いじめ等に悩む児童生徒及び保護者の電話相談の実施やいじめ問題対策連絡協議会の運営など、いじめの未然防止や早期発見、早期対応に取り組む経費も計上いたしております。二つ飛びまして、特別支援教育推進事業費は、いわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や看護師を配置するほか、職業指導支援員を沿岸部等の特別支援学校に配置し、県内企業との連携を強化するとともに、新たに特別支援学校技能認定制度を導入するなど、特別支援教育の充実に要する経費であります。三つ飛びまして、いわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒の進路希望の達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、進学対策講座の開催や各学校における進学指導の取り組みに要する経費であります。二つ飛びまして、グローバルいわて推進事業費は、高い課題解決能力や外国語でのコミュニケーション能力を持つ人材を育成するため、イングリッシュキャンプや海外派遣研修を通じた語学力向上、国際理解を促進する取り組みを実施しようとするものであり、三つ飛びまして、県立学校復興担い手育成支援事業費は、沿岸地域の高校生にキャリア教育や進学支援講座等を実施し、生徒一人一人の多様な進路の実現を支援しようとするものであります。一つ飛びまして、防災教育・復興教育推進事業費は、岩手の復興、発展、地域防災を支える人材を育成するため、防災教育を教育活動に位置づけ、いわての復興教育スクールや小中学校での副読本活用による復興教育を推進しようとするものであります。次の指導運営費は、学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、外国語によるコミュニケーション能力や問題解決力等の国際的素養を身につけたグローバル人材の育成、小規模な県立高校の教育課程の充実に向けた遠隔教育のシステム構築など、文部科学省からの委託事業等の実施に要する経費であります。次のページ、212ページをお開き願います。5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であり、次の6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等でございます。
下のページ、213ページに参りまして、2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等のほか、二つ目のすこやかサポート推進事業費は、児童の基本的な生活習慣の定着と基礎学力の向上を図るため、非常勤講師の配置に要する経費であります。
次のページ、214ページをお開き願います。3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費等のほか、生徒指導や学習定着状況調査等で課題のある学校をサポートするための非常勤講師等の配置に要する経費でありますが、少人数学級の推進につきましては、新たに中学校第3学年にも拡充し、中学校全学年を対象とすることとしたところでございます。次の2目学校管理費は、県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費であります。
下のページ、215ページに参りまして、4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等であり、2目全日制高等学校管理費及び次のページ、216ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれの学校の管理運営等に要する経費であります。下のページ、217ページに参りまして、4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備や、工業、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、中ほどの高校奨学事業費補助は、高校生向けの奨学資金等を公益財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものであります。三つ飛びまして、いわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費は、東日本大震災津波で被災し生活基盤を失った高校生に対して、教科書、制服及び修学旅行に要する経費を給付するものであり、次の公立高等学校等就学支援金交付事業費及び次の奨学のための給付金支給事業費は、保護者の経済的負担の軽減を図り、高校生の就学の機会を確保するため、公立高等学校の授業料相当分の支援や、低所得者世帯への給付金の支給を行おうとするものであります。一つ飛びまして、被災地域県立学校産業教育設備等整備費は、被災した沿岸地域の県立高等学校の産業教育設備や部活動設備を整備し、教育活動の充実を図ろうとするものであります。5目学校建設費は、高等学校の校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費であり、一つ目の校舎建設事業費は、老朽化した県立久慈高等学校の校舎耐震改築工事や、県立福岡工業高等学校の校舎耐震改築工事の設計を行おうとするものであり、次の校地整備事業費は、県立千厩高等学校のグラウンド整備等に要する経費であります。三つ飛びまして、産業教育実習船代船建造費は、老朽化した潜水作業実習船種市丸の代船建造に係る設計に要する経費であります。次のページ、218ページをお開き願います。6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
下のページ、219ページに参りまして、5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校の管理運営のほか、三つ目の施設整備費は、県立盛岡となん支援学校の校舎新築整備や、県立釜石祥雲支援学校の移転整備に向けた検討などに要する経費であります。
次に、221ページをお開き願います。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、学校、家庭、地域等が総ぐるみで地域の教育課題の解決に自主的に取り組む教育振興運動の推進や、青少年の家の管理運営に要する経費等であり、説明欄下から二つ目の学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費は、子供を中心とした地域活動及び地域住民の学習や交流の機会を通じた地域コミュニティーの再生支援に要する経費であります。222ページをお開き願います。2目文化財保護費のうち、二つ目の文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助等に要する経費であり、次の遺跡調査事業費は、沿岸地域の復興事業を円滑かつ迅速に進めるための埋蔵文化財調査等に要する経費であります。次の柳之御所遺跡整備調査事業費は、柳之御所遺跡の発掘調査及び史跡公園の整備等に要する経費であり、次の縄文遺跡群世界遺産登録推進事業費は、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みに要する経費であります。3目芸術文化振興費は、中高校生の芸術文化活動への支援に要する経費であり、一番下のいわての学び希望基金被災地児童生徒文化活動支援費補助は、被災した児童生徒の文化活動の大会への参加に要する経費を補助するものであります。4目図書館費及び下のページ、223ページに参りまして、5目博物館費及び6目美術館費につきましては、それぞれ県立図書館、県立博物館及び県立美術館の管理運営等に要する経費であります。
次に、225ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、県立学校医や児童生徒の検診、その他保健管理に要する経費等であり、五つ目の児童生徒放射線対策支援事業費は、学校給食食材の測定のほか、学校環境放射能モニタリング検査に要する経費であります。2目体育振興費は、生涯スポーツの推進、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費等であり、三つ目の児童生徒の体力向上推進事業費は、希望郷いわて元気・体力アップ60運動の実施など、運動習慣の定着を図る全県的な取り組みを推進しようとするものであります。226ページに参りまして、一番上のいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援事業費は、被災した生徒に対して、運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助するとともに、学校体育施設が被災した沿岸の中学校、高等学校の運動部活動の充実に向け、内陸部の体育施設へ生徒たちが移動するためのバスの借り上げ等に要する経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、238ページをお開き願います。11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立高田高等学校の艇庫や講義棟の整備など、県立学校施設の災害復旧に要する経費であり、次の2目体育施設災害復旧費は、東日本大震災津波により全壊した県立高田松原野外活動センターの災害復旧工事に係る建築等の設計及び用地測量に要する経費であります。
次に、債務負担行為について御説明いたします。
議案その1にお戻りいただきまして、14ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、教育委員会関係のものは、事項欄53の県立学校授業料等収納システム整備から、事項欄56の体育施設災害復旧事業までの4件であり、その内容は、システムの整備や県立高校校舎の整備、県立高田松原野外活動センター災害復旧工事に係るものであり、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
以上が教員委員会の所管事業等についてであります。
続きまして、文化スポーツ部の設置に伴う主な移管事業等について御説明を申し上げます。
議案その1の6ページにお戻りいただきたいと思います。
教育委員会から文化スポーツ部へ移管する予算の合計額は、2款総務費8項文化スポーツ費の27億521万円余のうち、14億807万円余であります。
次に、予算の内容につきまして、再び予算に関する説明書の102ページをお開き願います。2目文化振興費のうち、下のページ、103ページに参りまして、説明欄の中段少し下の県民会館管理運営費及びその下の県民会館施設整備費は、県民会館の管理運営に要する経費及び県民会館の耐震補強工事等の整備に要する経費であります。少し飛びまして、下から二つ目の世界遺産登録推進事業費は、世界遺産に登録されております平泉の文化遺産と明治日本の産業革命遺産橋野鉄鉱山の文化財保護を除く保存活用とともに、平泉の文化遺産の世界遺産への拡張登録、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた機運醸成の取り組みに要する経費であり、その下の平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業費は、平泉の文化遺産を総合的に紹介、情報発信するためのガイダンス施設の整備に係る基本設計等に要する経費であります。次の3目スポーツ振興費のうち、説明欄一番下の体育大会開催、派遣事業費は、国民体育大会や東北総合体育大会への選手派遣等に要する経費であります。次のページ、104ページをお開きいただきまして、説明欄三つ目のオリンピック選手等育成・強化事業費から六つ目の希望郷いわて指導者育成事業費補助までの4事業は、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成果をレガシーとして継承し、国際大会等に向けて競技力の維持、向上を図るため、全国トップレベルの優秀な指導者の招聘やスーパーキッズを育成するとともに、トップアスリートなど選手の活動支援に要する経費であります。
次に、債務負担行為について御説明いたします。
議案その1に再びお戻りいただきまして、11ページをごらんいただきたいと思います。第2表債務負担行為の表中、文化スポーツ部関係のものは、事項欄1の県民会館施設整備及び事項欄2の平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業の2件であり、その内容は、それぞれの施設の整備に係るものであり、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
以上で一般会計予算の説明を終わらせていただきます。
最後でございますけれども、予算に関連する議案について御説明を申し上げます。
議案その2の19ページをお開き願います。議案第29号高等学校生徒等修学等支援基金条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、本年度末とされていた国の交付金を財源とする本基金による事業の終了期限が延長されることから、条例の有効期限を平成33年12月31日まで延期しようとするものであります。
施行期日につきましては、公布の日から施行しようとするものでございます。
以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇軽石義則委員 それでは、大きく2点について質問をさせていただきます。
まず、1点目ですけれども、希望郷いわて競技力向上事業についてお伺いをいたします。
関係者の皆さんの御努力によりまして、希望郷いわて国体・いわて大会が大きな成果を出したわけでございますし、各競技においても、世界そして全国に通用する選手がどんどん岩手から活躍をされているという現状があるわけであります。こういう流れを、絶えることなく継続、発展させていくための事業であると理解はしておりますので、その状況において、競技力向上に対する現状の課題、それらをどのように把握されているのか。特に岩手県体育協会というところがあって、その果たす役割も大きいと思いますけれども、これから人口減少を含めて、競技人口の確保というのも非常に難しくなると思いますけれども、まずはその現状と課題についてお伺いをいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 競技力向上の現状と課題についてでございますけれども、希望郷いわて国体に向けた強化事業を通じ、本県の競技力は確実に向上しており、近年、岩手から全国トップレベルの選手や世界の舞台で活躍する選手を輩出していることや、先般終了したながの銀嶺国体において、県勢は天皇杯順位第4位、皇后杯順位第3位と、昨年の希望郷いわて国体冬季国体と同等のすばらしい結果を残す活躍を見せており、国体のレガシーが継承されていると認識しております。
今後の課題といたしましては、岩手国体で培った競技力の維持、向上が重要であるとともに、オリンピックなどの国際大会で活躍するトップアスリートの輩出やトップコーチの育成、少子化における競技人口確保などに取り組んでいく必要があると捉えております。
また、体育協会における役割でございますけれども、岩手県体育協会は、本県における総合的なスポーツ振興を担う団体であり、県民の体力向上、健康保持増進、スポーツ精神の涵養を図っている団体でございます。
競技力向上に伴う具体的な役割としては、県内各競技団体への指導や各競技の選手強化、指導者育成、スポーツ医・科学サポート、優秀選手、指導者の表彰等に係る事業を行っているところでございます。
先般行われました希望郷いわて国体では、天皇杯、皇后杯ともに第2位というすばらしい成績をおさめたところであり、各競技団体の力はもとより、岩手県選手団を統括した岩手県体育協会の支援の成果と捉えてございます。
〇軽石義則委員 各競技、それぞれ成果を出していただいているということでございますし、課題についてもしっかりと把握をされているようでございます。これからさらに、それを具体的に新年度から展開をするわけでありますが、競技力向上と言ってもいろいろな種目や各団体等あると思いますけれども、それらに対してどのように支援をしていくかというのがこれから大事だと思うわけです。具体的にこの事業を見ますと、支援団体、強化指定クラブなどありまして、具体的にそれがどういうものなのかはまだ見えてきていないところもありますので、当然、ある程度の基準を持って指定をしていくものと思われますけれども、支援団体や強化指定クラブの強化を指定していく基準というものをお示し願いたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 競技力向上支援事業における支援団体の指定基準についてでございますけれども、競技力向上支援事業は、希望郷いわて国体を契機に高まった選手の競技力や競技団体の指導力の維持、向上を図り、ことしの国体で目標の天皇杯順位第10位台の達成や、平成30年以降、安定的に天皇杯20位台を維持していくことなどを目的としております。このことから、この事業で支援する競技団体は、国体において競技得点を競う陸上競技、水泳競技など正式競技の全ての競技団体としておりまして、遠征や優秀指導者の招聘などの強化事業に係る経費の補助を行う予定としております。
また、強化指定クラブの指定基準についてでございますが、平成29年度からは、岩手県体育協会が強化指定クラブへの補助事業を担うことから、現在、県教育委員会と岩手県体育協会において、指定に係る要綱案について詰めの作業をしているところでございます。
案の段階ではございますが、指定基準としては、国体正式競技のうち、成年種別の団体競技であること、定期的な強化活動を実施していること、過去3年で国体ベスト16位以内などの実績があることなどについて、競技団体からの推薦を前提条件として選定する予定でございます。
今後は、県体育協会の理事会において要綱案の御承認をいただき、来年度の県当初予算の成立後に、指定を受けようとするクラブの取りまとめをしていく予定としております。
〇軽石義則委員 県体育協会が主となって指定をしていく、県教育委員会も強化指定についてはこれから具体的に考えていくという状況のようでございますけれども、県内を見ますと、県体育協会には所属をしていなくても、独自に地道な努力、それぞれ選手や家族を含めてボランティア的に育成している団体も多くありますし、そういうところから、野球で言えば大谷選手などいろんなところを経て今に至っているわけでありますが、県内の競技団体の中で、県体育協会に属さない団体の状況をどのように把握をされているのでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県体育協会に属さない競技団体の状況ですが、なかなか情報収集ができない部分であり、その支援、現状については把握しておりません。ただ、県体育協会の加盟団体については委員御案内のとおり、競技人口が減少しているという部分もありますので、さまざまな支援が必要になるとは感じております。
〇軽石義則委員 把握をされていないということでありますが、種目の中でもいろんな団体が、野球で言えばスポーツ少年団であったり、リトルリーグであったり、いろいろな団体がありますし、それぞれの種目ごとに、県体育協会に属してはいないけれども連携を図っていかなければならないのではないかと思われる団体があると私は思っているんですけれども、そういうところをぜひ調査した上で、今後、その強化なり支援をできるような体制づくりは考えていらっしゃるでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県体育協会に属さない競技団体についての御質問でございますが、岩手県スポーツ少年団の例を申し上げますが、県スポーツ少年団では、県の登録団であれば、日本スポーツ少年団主催等による東北大会、全国大会等の県外開催への出場に際し、旅費とか宿泊費等でございますけれども補助がございます。委員御案内のようなチームに対する支援のあり方については、この岩手県スポーツ少年団の例を参考にしながら、子供たちの活動の支援について研究をしていきたいと思っております。
〇軽石義則委員 これからの人口減少の中において、いろんな競技人口を確保するという、競技間の争いというようにはなってこないようにしたいと思っているんですけれども、ただ、1人で何種目もするような時代が来るのではないかとも言われておりますので、オールラウンドの選手を育成できれば最高なんでしょうけれども、世界に通用するとなれば、なかなかそういうふうにはならないと思います。そういう意味では、地道に努力している各団体にもしっかり目を向けていくことによって、いろいろな選手が発掘できる状況になってくると考えております。
今後の取り組み、支援のあり方について、今の部分以外に少子化の対策などを含めて、これから進めようとしていることがあればお示し願いたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 全体的な競技力向上に対する考え方でございますけれども、今後の取り組みについては、岩手国体を契機に高まった選手の競技力の維持、向上を図ってまいりたいと思っております。
また、近年の少子化などの進展により、競技人口の減少が重要な課題となっておりまして、中学校及び高等学校の運動部部員数の減少は顕著で、一部の競技においては、団体競技で学校単独での大会出場が困難な学校もございます。近隣学校との合同チームでの大会参加をしている状況もございますので、引き続き、トップアスリートや各競技団体への強化費の支援、指導者の育成、スポーツ医・科学などの競技力向上事業を推進するとともに、競技人口の拡大に向けた取り組みも継続することとしております。
今後も、各競技の普及等に努めていきたいと思っております。
〇軽石義則委員 成長過程においてもスポーツの果たす役割というのは大きいと、私自身、実感しております。私も専門高校で、ラグビー科ではなかったんですが、そのラグビーを通じて、今、ここで仕事をさせていただいているとも思っておりますから、人として成長させていただいたというふうに感謝をしているところでありますので、そういう意味では文武両道は当然だと思いますが、全てそれができればさらにすばらしい県になると思いますけれども、選択できない環境を改善していくのは私たちの仕事だと思いますので、やりたいところにやれるような環境づくりというものが大事だと思います。ぜひ、そのことも含めて今後対応を願いたいと思います。
そのことで、教育長、何かありましたらお願いします。
〇高橋教育長 スポーツの果たす役割につきましては、ただいま委員から御案内のとおり、人間の成長に当たりまして、学力をつけていろんな研究に積極的に取り組むという、そういう知的な能力を育むのも大事ですけれども、一方、部活動、それからスポーツを通じて社会性を育んでいくと、そしてまた、この岩手の地に大きな元気をもたらす、これは国体での成功の成果というのは多くの県民の皆さんで共有しているところでございまして、今後、多くの世界大会等もございます。そういうことを目指してこのスポーツを盛り上げていくというのは、極めて大事な視点だというように思っています。
一方で、人口減少等の中で、そのような課題も出てきておりますので、その課題をどのように克服していくか、これは全体的にスポーツを振興するという方向の中で、具体的な対応というものを今後考えていきたいと思っております。
〇軽石義則委員 ありがとうございます。ぜひお願いします。
次に、2点目に入ります。教育振興についてお伺いをいたします。
教育設備の現状、いわゆる専門高校における教育実習等を含めて、設備がしっかりしていなければ、今の先端技術に対応できる技術者養成とか、求められている人材育成につながっていかないと考えておりますけれども、現状、課題をどのように把握されているのかお示し願います。
〇佐々木学校施設課長 専門高校における教育設備の整備ということでございます。
教育設備の整備費につきましては、学校からの要望を基本といたしまして、老朽化の状況ですとか、必要性を勘案した上で予算化を図っているということでございます。
平成29年度の当初予算案におきましては、産業教育設備整備費の中に、工業高校用の金属加工機でありますとか電気実験用機器、農業高校用の穀物乾燥機の整備費などを盛り込んでいるというところでございます。
課題ということでございますけれども、教育設備につきましては、老朽化が進んでいるものやあとは高額なものが大変多くございます。必ずしも学校の要望に十分応えることができない状況にあるということも事実でございまして、適切な管理ですとか維持修繕を行いながら、財政負担の平準化なども考慮して適切な教育水準を確保するという観点からも、計画的な整備を進める必要があるものと考えております。
〇軽石義則委員 計画的に現場の声を聞いて進めているということでありますけれども、東日本大震災津波等で被災した沿岸地域においては、経済団体等の支援もあって、かなり設備については復旧してきたと聞いておりますが、その現状はどうでしょうか。
〇佐々木学校施設課長 御紹介がありましたように、東日本大震災津波以降でございますが、沿岸地域の県立学校における産業教育設備につきましては、経済同友会が立ち上げましたIPPO IPPO NIPPONプロジェクトによる多大な支援をいただいたところでございまして、こういった支援のもとに教育設備の充実が図られているという状況がございます。
それから、この支援が平成28年度で終了ということもございまして、平成28年度からは、いわて学び希望基金を活用しまして実習用機器の整備を行っておりますし、平成29年度の当初予算にも所要額を盛り込んで、設備の充実を進めることとしております。
これに従来からの予算を含めまして、震災以降は、県内トータルとしては、震災以前を上回った整備を進めることが可能となっておりますので、引き続き、着実に整備を進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ、しっかり現場の声を聞いて、今求められているものを今対応していかなければ、技術革新にはついていけないと思っておりますので、引き続き、その対応をお願いしたいと思います。
設備が充実すれば、次にその設備を使ってしっかりと教育訓練を専門高校の中で、即戦力の育成というものにつなげていかなければならないと思っておるんですけれども、専門の教育をする職員の不足、高齢化も含めて現場のほうからは聞こえてきているんですけれども、その現状と課題はどうなっているでしょうか。
〇小田島首席経営指導主事兼県立学校人事課長 専門の教職員の不足の状況というお尋ねでございますけれども、特に水産関係で、専門性、商船とか特別な技術を持った教員が必要とされておりますが、いかんせん、専門の資格を持った教員というのがなかなか集められない、これは全国的な状況でございまして、全国を股にかけて連携をとりながら、他県との情報交換を密にしながら、人選に当たっているという現状でございます。
〇軽石義則委員 全国的に状況は厳しいと。であるとすると、私は12月定例会の一般質問のときに、特に世界的に不足をしていくのではないかという潜水土木の技術者養成については、これは岩手としてはなくしてはいけないし、当然、岩手が世界にその人材を輩出しているんだというところにつなげていかなければならないというお話をさせていただいて、たしか、教育長からも前向きな取り組みをしていきたいというお答えをいただいておりました。そのことのみならず、地域の現場では、復興事業を含めて現場の技術屋が足りないということで多くの人材求められておりますが、そういう科目のほうに、専門高校もなかなか募集しても人が集まってきていないというのも現状ではないかと思います。そういう意味で、しっかりと技術者を養成するためには、それらを指導する立場の方々も大事ですので、これからは業界と、県庁内で言えば他の部局、商工労働観光部と連携をした上で取り組まなければならないと思いますけれども、関係業界や他部局との連携というのはどのようになっているんでしょうか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 まず、関係業界との連携についてでありますが、産業教育振興会、北上川流域ものづくりネットワークや県北ものづくり産業ネットワークなどの関係団体、そして加盟する企業等と連携しながら、幅広い職種での職場体験やインターンシップあるいは地域の技術者による専門高校での実技講習会、そして、地域の企業人による普通高校への出前講座を実施するなど、生徒を社会全体で育成するという観点に立ち、学校の取り組みや生徒の活動に対して支援をいただいております。
他部局との連携についてでございますが、商工労働観光部が実施しているいわてものづくり産業担い手育成事業においては、企業技術者による技能講習や生徒、教員等の企業見学を実施するなど連携を深めております。
また、県の機関における高校生インターンシップの受け入れに当たっては、農林水産部や政策地域部など、多くの他部局の協力を得ながら実施することで、産業人材の育成を行っているところでございます。
〇軽石義則委員 ぜひ、そういう現場の声をしっかり聞いた上で、専門高校の現場の中で、次の仕事につながっていくものにしていくことが大事だと思いますし、今、即戦力が求められていることは間違いないので、そのためには、その技術者教育をしっかりしていくという方針を立てていただいて、つないでいただくことが大事だと思っています。
専門高校に希望して入ってくる子供たちが、行きたくても、勉強したくてもその地域に学科がなかったり、もしかして、これから学校がなくなってしまうかもしれないということがあるとすれば、これまでも言ってきましたけれども、広い県内で、勉強がしたいという子供たちに、できる環境をつくっていく、通学できないところには、通学しなくてもそこにいて勉強ができるように、県で寮を確保するかどうかも含めて、検討する時期に来ているのではないかと思っておりますし、そのことに対して、業界や各部局と連携をしながらその組み立てをしていくというのも大事だと、これまでも訴えさせていただいておりますが、そのことについて今お考えがあればお示し願いたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 今後の技術者の教育方針についてでございますが、科学技術の進展、グローバル化、あるいは産業構造の変化等に伴い、専門的な知識、技術も変化するとともに高度化しているため、スペシャリストとして真に必要な基礎的、基本的な知識、技術を定着させていくことが必要であると考えております。そのためには、高等学校の専門学科においては、必要な専門性の基盤となる基礎、基本を一層重視し、さらに課題研究等の探求的な学習を通して、基礎、基本に裏打ちされた課題発見能力あるいは課題解決能力をしっかりと身につけ、将来にわたって主体的に学び続ける技術者の育成に努めてまいります。
一方、これからの社会は、委員御指摘のとおり、少子化とともに、各分野における人手不足が一層進むとともに、技術革新がこれまで以上の速さで進むことも想定されます。技術革新にも耐え得る即戦力の育成が求められるものと捉えております。その点に関しましては、これまで取り組んできた企業や地域の皆様との連携を一層充実させることで、企業や地域の持つ教育資源を活用し、体験的学習を通して実践力を磨き、技術革新にも対応できる能力を養成していくこともまた必要であると捉えております。
〇名須川晋委員長 軽石委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇軽石義則委員 最後にします。
それでは、それらを含めて、教育長から、これまでも寮をどうするかということも訴えてまいりましたけれども、そのことを聞いて終わります。
〇高橋教育長 産業人材の育成、これはこれからの岩手の発展を考えたときに、産業を振興していくというのは極めて重要だと思っておりまして、その中で、今の子供たちが、そういう人材に育っていくという、そこに軸足を置いてしっかりと育てていくということが大事だと思っております。
寮の話でございますけれども、これは高校全体という中では、できる限り自宅からも通えるような教育環境を、学びの機会を保障するということで前回の一般質問でも申し上げさせていただきました。ただ、一方では、今後、高校再編それから専攻科等がございます。今はアパート生活だとかさまざま、学校でも生徒とは話し合いをしながらそういう環境を準備しているということでございますけれども、そういう中で、対応が仮に難しいとなった場合には、新たな展開というものも検討することは必要かなと思っています。
いずれ、どういう面で教育を充実させていくかというのは、その時々の時代の変化に応じて、必要なことというのは変化していくと思いますので、学校の意向それから地域の実情等も十分踏まえて対応していきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 学校不適応、それから不登校児童生徒の実態と課題についてお伺いしたいと思います。
希望郷いわて国体が開催されまして、子供たちが選手として、また応援、本当にすばらしかったと思っておりますし、今、文化面でも非常に活躍されている状況が伝わってきておりまして、岩手の子供たちは本当に頑張っているなと思っております。その反面、児童生徒も年々減少している中において、学校にどうしても行けないというんですか、不登校になっている児童がふえてきている現状があるわけであります。平成25年度に1、236人、平成27年度には1、357人、これは小・中・高であります。全体として121人がふえている。各学校にもそれぞれスクールカウンセラーを配置する、特に沿岸のほうにもきちっと配置されているわけですが、その実態と課題について、どう捉えているのかお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 平成27年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査におきまして、県内の公立学校、校種別で言いますと、小学校が189人、中学校が829人、高等学校が339人、合計で1、357人が不登校という数値となっておりまして、これは前年度に比べますと69人の増加という現状でございます。
不登校の原因につきましては、それぞれのお子様が持っているさまざまなケース、多岐にわたっているということになりますが、一律的に解決策を見つけていくというのは非常に難しい面もございますけれども、同調査によりますと、小学校におきましては、親子関係や生活の変化など家庭に係る状況というのが多く、中学校、高等学校におきましては、人間関係をめぐる問題や学業不振、あわせますと、学校に係る状況に影響を受けている生徒が多いという結果になってございます。
また、小・中・高とも、不安とか無気力といった児童生徒本人が抱える心理的な要因というのもありますので、非常に多岐にわたっているという現状でございます。
〇工藤勝子委員 わかりました。非常に多岐にわたって難しい問題ではあると思っております。そういう中において、東日本大震災津波から6年も経過してきているわけですが、逆に、震災当初より6年たった今、沿岸地域における現状はどうでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 県教育委員会におきましては、東日本大震災津波発災直後から、心とからだの健康観察というものを全県の公立学校で実施をしておるところでございます。
この心とからだの健康観察というのは、児童生徒が抱えているストレスの状況を把握する一つのツールでございまして、このアンケートの結果につきましては、各学校にフィードバックをして教育相談等をお願いしているところでございます。
狙いとしましては、児童生徒の学校不適応、それから不登校の問題等、その未然防止を図る取り組みとして行っているものでございますが、この集計結果におきまして、沿岸部の部分とそれから全県の部分でこれから申し上げますが、教育相談が必要と考えられる要サポートと呼ばれる児童生徒の割合は、全県におきましては、平成23年が14.6%でございました。その後、経年とともに減少しておりまして、平成27年におきましては11.5%と、右肩下がりという形になっております。
沿岸市町村におきましては、平成23年度が15.8%となっております。平成24年、平成25年は13.6%、そして平成26年が14.0%、平成27年が13.7%となっておりますので、全体と比べますと沿岸の市町村は高い傾向にございます。このような現状も踏まえまして、沿岸市町村の児童生徒に対しては、昨年ありました台風第10号の影響も鑑みまして、より一層の心のサポートが必要であろうと考えておるところでございます。
〇工藤勝子委員 家庭的なこともあるでしょうけれども、やはり一番悩んでいるのは子供じゃないかなと。何で自分は学校に行けないんだろうと、悩んでいるのは一番子供じゃないかと思っています。それをサポートしてくれるのが家庭の親でもあるんだろうと思っていますけれども、それぞれの役割があるんだろうなと思っておりますが、教育委員会のほうでもスクールカウンセラー等を十分に配置されて対応しているので、全体としては右肩下がりになってきていると。これは今後とも継続してやっていかなければならないんだろうなと思っているところでもあります。
そういう中において、現場からは、このスクールカウンセラーが不足していると、もう少し欲しいという声もあるわけでございますけれども、これについての配置の考え方はいかがでしょうか。
〇名須川晋委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今後のスクールカウンセラーの配置の考え方でございますが、先ほど申しました現状を踏まえまして、これを年々ふやしていくという方向で考えております。来年度につきましては、スクールカウンセラーを、1人増員する予算を盛り込んでいるところでございますので、今後におきましても、増員等も含め、教育相談体制の充実を図っていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 そういう中において、非常にスクールカウンセラーだけではどうしても対応できかねる部分もあると。そうすると、学校の先生方にもある程度対応してほしいという部分も、多分教育委員会にはあるだろうなと思っています。今、先生方も非常に多忙な中において、新たに子供たちのこういう不適応というか、不登校の児童の対応まで教職員が持つということは非常に厳しいこともあるでしょうけれども、先生方もある程度、そういう心の悩みに入り込んで相談に乗ってやれるような研修は考えていないでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 学校配置のスクールカウンセラーでございますが、具体的な職務を申しますと、一つは、児童生徒のカウンセリング、これは当然行っておりますが、そのほかに、その児童生徒に対応する方法、コンサルテーションと申しますが、そういうことも実施しております。このコンサルテーションの数は年々増加しておりまして、教員のその部分の資質向上は年々図られているものと認識してございます。
加えまして、スクールカウンセラーにつきましては、児童生徒の理解等の研修を各学校で行えるという体制を構築しておりますので、委員御案内の部分、学校の先生方の資質も含めて向上させ、子供たちの教育相談体制の充実を今図っているところでございます。
〇工藤勝子委員 新年度というんですか、新学期というんでしょうか、もう4月から始まるわけでありまして、非常にいい時期がめぐってくると。新しい年度になれば新しいスタートを切ろうとする子供たちがあるわけでありまして、今、3月の春休みのこの時期が子供たちに接する非常に大事な時期になってきているんじゃないかなと思っております。そういう中において、新年度から新たに35人学級を中3まで拡充するという教育長の話がございました。学級数がふえるということが端的に考えて予想されますが、中学校の教職員が今後ふえていくことになるのかというところをお聞きしたいなと思っております。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 本県におきましては、毎年50学級程度の減少が続いているところでございます。したがいまして、来年度におきまして、教職員も今のところの試算ですと115名ほど減少する見込みでございます。中3までの拡充によって学級数がふえる学校もあるのですが、統廃合等も中学校はありますので、その関係で、全体的には学級数はふえないという現状にございます。
〇工藤勝子委員 単純に考えると学級数がふえていくと思うけれども、統廃合等もあるとのこと、なるほどと思いました。
ここの中で非常勤講師として働いている方々もありまして、遠野のあるお母さんから、やっと採用になりましたという話をお伺いしました。全体の教職員の中で非常勤講師として働いている人たちは何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 常勤講師ですと全体の教職員の8%ですが、非常勤講師につきましては、県雇用のすこやかサポート、学校生活サポートを合わせますと210名でございます。そのほか、市町村単位で雇用している非常勤講師の数字については把握できかねる状況にあります。
〇工藤勝子委員 そういう中において、非常に身分が不安定だというお話もよく聞きます。新年度になると、やめなければならないのかどこかの学校に回されるのかわからない。この身分について県教育委員会はどうお考えになっているのでしょうか。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 講師の配置につきましては1年ごとの見直しでございますが、講師から状況を聞き取って、なるべく移動距離等も勘案して配置しているところでございます。
身分について、確かに委員御指摘のとおり不安定な部分がございます。県といたしましては、前回の教員採用試験から、本県で講師を1年以上経験している方につきまして受験科目を一部免除するという措置を講じておりますし、さらに、受験年齢の上限を44歳までだったものを49歳までに引き上げまして、講師のモチベーションの維持向上にも配慮しているところでございます。
〇工藤勝子委員 非常勤講師の皆さんが再度、採用試験を受けられると思いますけれども、その合格率はどうですか。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 講師が再度、採用試験を受けたときの合格率は、今、採用が年々増加しているところでございまして、講師、新卒半々の合格率でございます。
〇工藤勝子委員 通告していますのでもう一点聞きますけれども、子供たちが学校不適応と言いましたけれども、逆に先生で、学校に行けない、教職を休職している方はどのくらいの率になりますでしょうか。何人ぐらいというのでもわかればお願いいたします。
〇今野参事兼教職員課総括課長 いわゆる心の悩みによって長期に休んでいる教職員の状況でございますが、精神疾患によって、6カ月の病気休暇を超えて休職の状態にある教職員で申し上げますと、昨年末-平成28年12月末現在、小中学校で39人、県立学校で18人の計57人となっているところでございまして、なかなか減少していない状況にあるところでございます。
〇工藤勝子委員 では、今のこの数字を受けて、県教育委員会としてこの先生方にどのような対応をしているのか、今後どのようにしていこうとしているのかお伺いします。
〇今野参事兼教職員課総括課長 対応ということでございますが、一般の職員に対するメンタルヘルスについての啓発ということで各種研修がございますし、管理職によるマネジメントも非常に大切ということで、そういった観点でのセミナー等も実施しているところでございます。
それから、巡回健康相談という形で職員の相談に対応しておりますし-これは保健師等が行うわけでございますが-、また、専門医によるメンタルヘルス、相談事業といった形で対応させていただいております。さらに、今年度からでございますが、人事異動がそういったきっかけになることもございますので異動者向けの観点からメンタルヘルスセミナーを開催しているところでございますが、それを初任者に対しても拡充します。巡回健康相談については、今までは隔月-1カ月置きの実施でございましたが、これを来年度から通年で実施する形にさせていただきたいということで対応の拡充を図りたいと考えているところでございます。
〇工藤勝子委員 ぜひいろいろな対応をしながら、せっかく採用されても休んでいる先生方がいるということは非常に私からすればもったいない話だと思っているわけでありまして、精神的な部分の問題もぜひクリアして、そういう先生が岩手県にはいないような状況をつくってほしいと思っております。
もう一つですけれども、キャリア教育についてお伺いしたいと思っております。
岩手で暮らす、岩手で育てる、岩手で働く、そして社会減ゼロを目指す、この方向について県教育委員会はどうかかわっているのかまずお聞きいたします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 社会増減ゼロを目指す方針に係る取り組みについてでございますが、これまで、高等学校の進路指導に当たっては、進学にせよ就職にせよ職業選択の自由を尊重しながら、生徒自身の興味、関心あるいは意欲を尊重するとともに、保護者の意向等も受けとめながら丁寧に対応してまいりました。
一方、委員御案内のとおり、県の総合戦略における社会減ゼロを目指すという方針を受けまして、学校教育におきましては、郷土に関する教育を充実させ、将来、ふるさとの発展に貢献したいと考える人材の育成も求められておりますので、今後におきましては、小・中・高校の連携を図りながら、郷土に愛着や誇りを持ち、岩手の復興と発展、地域の防災を支える人材や地域の伝統文化を理解、尊重し、さらに国際的な視野からも主体的に行動、発信できるグローバルな視点を持った人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 今日までキャリア教育を推進して進めてまいりました。そういう中において、人材育成としてのキャリア教育の成果と課題についてお伺いいたします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 地域産業を支える人材育成としてのキャリア教育の成果と課題についてでございますが、各高等学校においては、企業や地元の皆様の協力を得ながら、インターンシップや課題研究などのキャリア教育に取り組んでおりまして、例えば遠野緑峰高校が収穫後廃棄物となるホップのつるを再利用し、ホップ和紙の研究に取り組むなど、地元に目を向けた学校と地域産業界との連携が充実してきたことは、地域産業を支える人材を育成する上で大きな成果であると捉えております。
一方、課題といたしましては、小・中・高等学校それぞれのキャリア教育の取り組みは充実してきておりますが、人口減少社会の到来を機会に、ふるさと振興の観点から、将来、地域の発展に貢献したいと考える人材を育成するため、地元産業を理解したり体験したりする機会をふやすなど、小・中・高等学校を通じて共通の目標に立ったキャリア教育を展開する必要があると捉えており、今後におきましては、小・中・高等校校の一層の連携を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 最後になります。
平成29年3月の高等学校卒業者の就職状況の調査結果をいただきました。学校ごとに出ておりましたが、それを見てみますと、普通高校と比べ工業高校の県内就職率が低いんですね。例えば全日制であれば大体平均64%、そして定時制は80%、工業高校になると40%台に落ちているという現状が見えてきました。工業高校の子供たちは、非常に技術者として県内で活躍できる人材になっていると思いますけれども、県内就職率が低いことをどう捉えて……。多分これは、ものづくり産業、例えば工業高校を出た子供たちが就職する企業が県内には少ないのかと。自分の目指す企業がないのか、どう捉えているのか、その辺をお聞きしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 県内の特に工業高校卒業生の県内就職の割合についてですが、委員御指摘のとおり、工業高校における県内就職の割合は普通科に比べて低い状況にあることは確かでございますが、東日本大震災津波以降、県内に就職する卒業生の割合は年々高まってきておりまして、それは復興需要もありますし、県内企業からの求人がふえてきているといった状況もあります。
その中で県外に出る生徒も少なくない状況については、それまでの各高校の進路指導の経緯、企業とのつながり等もありまして、非常に求人が苦しい状況にあった際にいろいろと面倒を見ていただいた企業も結構ありまして、そういった企業とのつながりも大事にしなければならない状況もあります。
そういった中で、高校では、3年間かけて地域と連携しながら地元の地域の理解を深めるような取り組みも行っておりますし、またさらに県内における企業の集積も進んでおります。そういった動きを受けて、商工労働観光部と連携した取り組みとして、今後、いわてで働こう推進協議会の設立の動きなど、そういった動きと連携しながら、今後は地域に貢献したいという人材の育成にも努めていく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 ぜひよろしくお願いいたします。決して私は低いとは言っておらないわけでありまして、ただ、工業系の子供たちの就職率がちょっと低かったねということでお話をさせていただきました。
教育長に最後に、今まで少人数学級に取り組んできました。今度、中3まで拡充されるということでありまして、子供たち一人一人に目の届いた教育ができるだろうと思っております。これまでの成果と、これからの少人数学級の取り組みについて期待しているところを聞いて終わりたいと思います。
〇高橋教育長 少人数学級の推進につきましては、これまで段階的に、そしてまた一方では制約要因として教職員定数の確保という大きな課題がございましたので、その辺を慎重に現状を押さえつつ、そしてまた国の理解もいただきながら、加配定数の確保に努め、ここまで来たという状況でございます。
各学校現場からの評価について申し上げますと、やはり一人一人に寄り添ったきめ細かな対応ができる。これは学力の面でもそうですし、不登校、いろいろ心の悩みを抱えた子などに対して、教員によって教育が実践されておりますので、そこで寄り添った教育を展開することは極めて重要と思っております。
ということで、今回は中学校段階で35人学級を実現するということでございますけれども、これは、現在の教職員定数を何とかやりくりしてここまで来たという状況にございます。小学校4年生、5年生はこれからの課題でございますけれども、全体的な教職員定数、これは常勤職員もそうですけれども、講師、非常勤職員等の配置等を県単で措置している部分もございます。そういう面をどのように活用していくかという全体的な検討を進めつつ、何よりも全体的な教職員定数の充実が必要でございますので、国にその実現に向けて強く働きかけていくことを通じながら将来的な方向性を定めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 関連。今、工藤勝子委員から社会減ゼロを目指す課題と、高卒の県内就職率が低いという問題提起がありました。私は、これは12月定例会の一般質問でも取り上げました。
教育長にお聞きしたいけれども、岩手県の高卒の県内就職率は64.1%で、全国的にも東北でも低いんです。宮城県は80%、そして山形県は78%です。北陸3県は大体90%を超えている。社会減ゼロというのは大変大胆な目標です。これを実現しようと思ったら、今、低い高卒の県内就職率をせめて10%以上上げるという目標を持って取り組まなかったら裏づけがなくなると思うんです。
だから、県内就職率が低いという認識があるのか、そして社会減ゼロとのかかわりで、せめて10%以上は引き上げるということで……。確かに工業高校はいろいろな企業との関連はあります。しかし、10%上げるという程度のことは、私は、沿岸の振興にとっても県内中小企業の人材確保にとっても最低限の課題だと思うけれども、そのことについて教育長にお聞きしたい。
〇高橋教育長 今、県内就職率の他県の状況について御紹介がございました。それについてはそのとおりでございます。
ふるさと振興総合戦略の中で、地元定着率をできるだけ上げていこうということで、1%ずつですが上昇の目標を定めております。地域の活力を生み出していくためには、やはり地元定着率は思い切ってできる限り努力していく必要があると考えています。
ただ、その一方で、この実現のためには、それぞれの子供たちの意識、保護者の意識もございますし、それから岩手の産業に対する理解をしっかりと深めていくことが極めて大事だと思っておりまして、県の基本的な方向性を十分踏まえながら、関係部局とも連携しつつ地元定着率の向上に向けて努力していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、岩手県の目標が今、64.1%で低い。しかし、どこまで上げるかというと66.7%とほとんど現状と変わらないような目標になっていたら、上げられないでしょうと私は提起しているんです。せめて宮城県や山形県に追いつくようなところまで、社会減ゼロと言うんだったら、やっぱり県教育委員会が目標を持ってやらなかったら県立高校の県内就職率は高まりません。私は、高める客観的条件はあると思います。そういうところに県教育委員会としてしっかり積極的な目標を持って取り組むべきではないのかと改めて聞いて終わります。
〇高橋教育長 人口の社会減の大きな要因として、高校卒業時、それから岩手県出身の大学卒業者がなかなかUターンしないことが大きな課題と思っております。そのためには、やはり岩手を理解するということで-さまざまな意味で-、ただいま御指摘いただいたことを大きな課題と十分頭に入れながら教育を進めていきたいと考えています。
〇佐々木努委員 1点だけ、中学校、高校の部活動の休養日についてお伺いしたいと思います。
この問題はかなり前から全国的に議論になっていて、平成9年、当時の文部省の指針を受けて、全都道府県で休養日を設けるという取り組みが行われてきたと思っていまして、岩手でもそのような取り組みが実際に行われてきていますけれども、平成9年の文部省の指針が出て以降、県としてどのように取り組んでこられたのか。
もう一つ、あわせて伺います。
その結果、現在、中学校、高校の部活動はどのような環境、状況になっているのかということと、それから、県のこれまでの取り組みの評価もあわせてお聞きしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 平成9年度の国通達以降の県教育委員会の取り組みについてでございますが、平成9年度の国の運動部活動の在り方に関する調査研究報告において、目安として、中学校では週当たり2日以上、高等学校では週当たり1日以上の休養日の設定例が示されたところでございます。
県教育委員会といたしましては、指針である児童生徒のスポーツ活動の在り方において、中学生の運動部活動は、週当たり1から2日の休養日を設定することが望ましいが、2週間当たり1から2日以上の休養日を設定すること、高校生の運動部活動は、週当たり1日以上の休養日を設定することが望ましいと休養日の設定に係る目安を示したところでございます。
その後、市町村教育委員会、県立学校及び関係機関への通知等により適切な休養日に配慮するよう周知徹底を図るとともに、研修会や会議等において、休養日の重要性について教職員や外部指導者の理解を広げ、効率的、効果的な部活動の充実を図ってきました。
また、平成25年度の文部科学省の運動部活動での指導のガイドラインに基づき、平成27年度より、部活動について校内で実施状況や課題を共有する機会を設定することや、保護者、外部指導者と共通理解を図るための部活動連絡会が実施されるよう、各中学校に指導してきたところでございます。
部活動の現状と取り組みの評価についてでございますが、平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査において、1カ月当たり土日に1日以上休養日を設定していると回答した中学校の割合は本県では74.9%であり、全国平均の57.4%を上回っている状況でございます。また、週当たりの休養日を学校の決まりとして設けていないと回答した中学校は本県では15.0%であり、全国平均の22.4%よりは低いものの、週当たりの休養日の設定については、徹底までには至っていない状況でございます。
中学校において、週当たりの休養日の設定について十分な徹底がなされなかった要因としては、休養日の目安は示したものの、いわば努力目標としての基準であったため、その取り組みに対する学校の理解や生徒等への意識の浸透に温度差があったものと考えております。
〇佐々木努委員 私の子供たちも中学校、高校で運動部でしたが、親も子供も部活のあり方でかなり苦労したという思いがあります。そのほかにも私のほうにはいろいろ保護者の方から部活についてもっと何とかならないかという相談を受けて、一般質問でも取り上げました。
子供も親も先生も、かなり部活動に縛られて大変な状況になっている中で、今回、2月に中学校、高校に対して休養日を設けるように教育委員会が通知を出したということですが、私は、本当に守られるのかと疑問を感じています。今回、国の指導があったから県教育委員会として改めて市町村教育委員会あるいは県内の県立高校に出したということだけれども、裏返せば、もし国の指導がなければこれはやられていなかったということになるのではないか。さっき、徹底は十分ではなかったという評価ですけれども、そうであれば、徹底させるように県としてこれまでもっと努力すべきだったのではないかと思うわけです。国がどうのこうのではなく、県として、100%休養日を設けて子供たちを休ませよう、先生を休ませようという取り組みが必要だったのではないかと思うんです。
もう20年近くになりますか、前回の取り組み、そして今回の取り組み、どこにどう違いがあるのか。通告していませんけれども、そこをお示しいただきたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今後の取り組みについてでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、努力目標としての基準であったということは反省しつつ、今後につきましては、部活動の休養日について、委員御案内のとおり、2月17日の通知によりますが、中学校では、平日週1日及び第2日曜日、第4日曜日を休養日とする、高校では週1日以上の休養日を設けるということで、現在、県体育協会、それから各競技団体、スポーツ少年団本部、県中体連、県高体連等にも通知し、関係団体における趣旨の浸透を図っているところでございます。
通知の内容については、先日、開催した県立学校長会議、市町村教育長会議においても徹底した取り組みを県教育委員会から要請したところでございまして、県教委といたしましては、各学校の状況を適切に把握しながら、休養日の設定について徹底を図ってまいりたいと思っております。
〇佐々木努委員 学校の先生方に聞くと、部活が終わったらスポーツ少年団だと。その区別が全くつかなくなっている。そこが曖昧になっているから、学校は休養日を守ってきたけれども、スポーツ少年団をやられるから結局は休めないということになってしまって、それが守られなかった大きな要因の一つではないかと私は思っています。スポーツ少年団は所管が教育委員会のはずですから、スポーツ少年団との連携はしっかりとやっていただきたいと思います。
最後に、私は、これはしっかりと100%になるまで徹底すべきだと思うんですが、県教育委員会として、それが徹底されているかということをどのようにチェックしていくのか。守られなかったときはどうするのか、そこをお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 徹底についての取り組みでございますが、各学校における休養日の設定状況について、今後、調査いたしまして、課題が見られる学校に対しては指導し、徹底を図っていきたいと考えております。中学校につきましては、各市町村教育委員会と連携しながらこの徹底を図っていきたいと考えてまして、国も平成29年度には新しい運動部活動の総合的なガイドラインをつくることとしておりますので、この動きに合わせて、岩手版のガイドラインを作成しながら休養日の徹底を図っていく取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 県教育委員会がしっかりと責任を持って全県に浸透させるようにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
〇工藤大輔委員 まず初めに、種市丸の関係でお伺いしたいと思います。
来年度、実習船種市丸の設計費用を予算化していただきました。前々から地域も含めて要望していた件で、大変ありがとうございます。感謝申し上げます。
今度つくられる実習船の設計においては、来年度1年間かけて設計を行い、その翌年に実際の造船ということになろうかと思いますが、その方針等について、あとはどのような設計等になっていくのかお伺いしたいと思います。
といいますのも、現在、種市高校では東京大学の海洋教育との連携に取り組まれており、座学中心の教育だけではなく、海洋フィールドを活用した、より実戦に近い、あるいはよりわかりやすい教育の中で、実習目的だけの船ではなく、海洋教育にも活用できるような実習船に設計していく、またつくっていくべきと思いますので、その点について考えをお伺いします。
〇佐々木学校施設課長 種市丸の建造に係る設計費を当初予算に盛り込んだ件、その設備整備の面につきましては私から御答弁させていただきます。
現在、種市丸の総トン数は33トンになっております。基本的には同程度を基本といたしまして、学校からはさまざまな要望がございます。生徒の安全を守るために船の形状を少し大きくしてほしいとか、例えば高さを低くしてほしい、あと、安全の仕組みを導入してほしいと。その辺につきましては、今後1年間、設計の機会がございますので、丁寧に学校の御意向を聞きながら、設計に反映できるように検討を進めてまいりたいと考えております。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 東京大学の海洋教育と種市丸との連携でございますが、種市高校は、平成26年度に東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと協定を締結いたしまして、以後、継続して海洋教育に取り組んでおります。
今年度におきましては、東京大学、洋野町、種市高校の共催による海洋教育促進事業・海はともだちを開催いたしまして、種市高校では地元小学生による種市丸乗船体験を行っており、種市丸の活用を図っております。
種市丸の機能の充実につきましては、ただいま佐々木学校施設課長からも答弁いたしましたが、現在、代船建造の計画を進めているところでありますので、まずは安全を最優先にしながら、今後、設計を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 これから海洋フィールドを活用してとなると、その他水産高校等も関係すると思いますが、どういった計画があるのか。また、それぞれの近い地域において海洋フィールドを活用した教育等ができればよりよいと思います。他部局にもかかわるのかもしれませんが、今の方向性があればお示しください。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 種市丸の活用についてでございますが、種市丸は、基本的には種市高校の海洋開発科における実習を行うことが目的の第一義でございまして、その機能の充実あるいは継承が第一と考えております。その上で、ただいまお話ししましたように、地元の小学生あるいは中学生に種市丸を活用してもらうことはこれまでも行っており、今後も活用できるものと考えております。それ以上に拡大することにつきましては、種市高校の教育課程の実施状況、種市丸の運航状況も考えながら必要な連携をとっていく必要があると考えております。
今、日本潜水協会が中心となって種市高校の人材育成を支援いただくという動きもありまして、そういった関連業界との連携も今後一層強まるものと考えておりますので、そういった方面での活用も今後期待できるものと考えております。
〇工藤大輔委員 先般、八戸工業大学で2018年度の学科改組、改編において工学科に海洋学の副コースを開設する方針が示され、4月下旬に認可される見込みという報道がなされております。生命環境科学科では海洋生体を、土木建築学科では海洋土木をテーマとするカリキュラムが組まれるとのことであり、これは海洋技術者の育成を目指したもので、国立研究開発法人海洋研究開発機構-JAMSTECの人材育成機能を活用するようであります。
日本潜水協会からも種市高校や全国の水産高校の上部となるさらなる教育機関が必要ということで要望等もかなり出されていたとも聞いておりますけれども、種市高校で実施される海洋開発、海洋土木のその上の教育が受けられるカリキュラムがつくられるとさらにその教育性が高まっていくと思います。
これらの情報を把握されていると思いますが、より近い八戸工業大学ですから、これから教育を含めた連携をとっていきながら、ぜひ種市高校の海洋開発の生徒がさらなる教育を受けられる機関、あるいは、八戸工業大学が求める、要は実習プールも含めて八戸工業大学にない機能を種市高校で持っている。さまざまな連携がとれると思いますが、今後、どのような対応、また連携をとっていくのか、また求めていくのかお示しください。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 八戸工業大学の海洋教育との連携についてでございますが、八戸工業大学では、委員御案内のとおり、JAMSTECとの連携を平成27年度に締結し、同機構からの教員派遣によって、平成28年度は海洋工学関連の講義が開講されていると聞いております。委員御案内の新しい学科の設置については、これらの取り組みの成果であると考えております。
この動きと並行いたしまして、種市高校におきましても、高度化する技術に対応できる技術者の育成や地域内での人材育成の促進を目指して平成27年度に八戸工業大学と協定を結び、平成28年度からその取り組みを進めております。
今後におきましては、種市高校の教育実践や人材育成の充実に向けて、八戸工業大学の進める海洋教育とどのように協働できるかなどを協議しながら、双方の施設設備等の活用、利用や大学の学生と種市高校の生徒の交流などを通して、水中土木分野の技術革新に向けて連携を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 潜水関係については、以前、軽石委員からも拡大的、発展的な御指摘等もいただいていたところであります。
そこで、日本潜水協会の現状からすれば全国で百六、七十人ぐらい潜る方が退職しているという状況の中、新しく潜水関係に就職していく全国の人材は六、七十名程度ではないかと日本潜水協会から話がありました。その中で約20名から30名程度が種市高校の出身者ということで、潜水関係でいうと、三つの潜る教育を全て教えているのは、全国で種市高校のみ。他の高校では一つの種類しか教育がなされていないということで、関西以南にも人材が欲しいけれどもなかなか入ってもらえない状況で、この分野の人材育成のニーズはこれから高まっていくものと思っております。
八戸工業大学の学長のコメントも、どれだけのニーズがあるか見定めて拡充も検討していくということであり、今の日本潜水協会、業界等の支援体制、大学との協力関係、また、新造船ということで、まさにそういった大きな柱となるものがそろって、より高い産業人材教育、育成ができる環境が整ってくると思っております。よって、行政も含めてより連携をとっていくべきと思いますが、これから、行政、業界あるいは高校、それぞれ3者の連携をどのように強化していこうとしているのか再度お示し願いたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 種市高校の進める人材育成と関係業界との連携についてでございますが、現在、日本潜水協会からの支援をきっかけとして、日本潜水協会を含めた関連団体及び行政との6者による包括協定を締結する方向で検討が進んでおりまして、財政的支援のみならず、関連企業のインターンシップの受け入れ等による就職活動の支援や工事現場見学会の実施等による教育面の支援、あるいはポスターを作成し、種市高校の魅力を全国に発信することで生徒募集につなげる人材確保の支援など、具体的に連携して取り組んでいくこととしております。
〇佐々木朋和委員 私からは2点、総合型地域スポーツクラブと県立図書館についてお伺いしたいと思います。
まず初めに、総合型地域スポーツクラブについて端的にお聞きします。
県は、総合型地域スポーツクラブの役割をどのように捉えているのか。これまでも、いわて県民計画、またふるさと振興総合戦略の中でKPIを設けて組織数や会員数の増加の取り組みを進めてきていますが、どのような支援策を行っているのか。創設後、活動が厳しくなっているクラブはないのか伺いたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 総合型地域スポーツクラブの現状についてでございますが、総合型地域スポーツクラブは、多種目、多世代、多志向といった三つの多様性に対応して、地域において幅広い世代の方々が、それぞれの興味、関心、競技レベルに合わせてさまざまなスポーツに触れる機会を提供するスポーツクラブであると位置づけており、県としては、住民誰もが、いつでも、どこでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツの環境としての役割があると捉えております。
現在、県内30市町村に76のクラブが創設あるいは創設準備中であり、創設されたクラブに対しては、クラブ育成を専門とする指導員による巡回指導や、クラブ運営者を対象とした研修会の開催などの支援策を行っております。これらの取り組みにより、クラブの活動充実の目安としてのクラブ会員数も年々増加しております。
創設後に、クラブ運営のノウハウが不足しているなどの理由により相談を受けるケースが出てきておりますが、クラブの現状について丁寧に聞き取り、改善に向けた取り組みや、ほかのクラブの参考例等について紹介しながら対応しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 質問の趣旨は、1番目の質問者でありました軽石委員と同様でありまして、体育協会あるいは学校部活動以外のこういった組織の活動について、なかなか支援が少ないのではないかということであります。
国体においてもオープン競技でさまざまな種目が県内で行われて、大変多くの県民の皆さんがそれに参加することによって国体に参加していただいたと思っております。1年かけて、うちの地域でも例えばスポーツ吹き矢なんかをずっと住民の皆さんにやっていただいた結果、オープン競技でも多くの競技者が集まって、これは大きな国体のレガシーだと思うんです。そういった競技団体の皆さんが、総合型地域スポーツクラブとして今後も活動していくところもございます。
そういったとき、例えば拠点がなかったり、あとは体育館を借りる、グラウンドを借りるにしても、体育協会や学校部活動以外だと日程調整会議にもなかなか入れないということで、活動の中で日々の練習場所についても困るような形があるのではないかと認識しております。
県としては、こういった日常活動についての実態を把握されているのでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 日常活動については、クラブアドバイザー-各総合型のクラブを指導する者が当課から行って、現状を把握しながら課題についてアドバイスをしているところでございます。
各スポーツクラブの活動場所等の状況については、今の時点では把握していない状況でございます。
〇佐々木朋和委員 やはりこれから健康増進も大事でありますし、国体のレガシーとして、県民が気軽にスポーツを体験できる環境をつくっていくという意味でも、それを結ぶ総合型地域スポーツクラブは重要であると思っておりまして、ぜひともこの地位をもう少し上げて、地域で活動しやすい団体に育てていくことが、県として創設を進めたわけでありますから、重要なのではないかと思っております。
また、先ほど目的を言っていただきましたが、岩手県内で生涯スポーツという位置づけはわかるんですけれども、人口減少が進む中でクラブ活動ができなくなっている種目が結構あると思っているんです。例えば9人そろわない野球部とか11人そろわないサッカー部を-先ほど近隣学校との合同という話もありましたけれども-その学校で部活として認めて、その上で総合型地域スポーツクラブでの活動を部活動として認めているというケースも全国にはあると聞いております。
先ほど来、休養日についての議論もありましたけれども、学校部活動と総合型地域スポーツクラブの連携をどのように考えているのか伺いたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 学校部活動と総合型地域スポーツクラブの連携についてでございますが、現在、地域の中学校の運動部活動に指導者を派遣する総合型クラブや、校外の部活動として指導を依頼される総合型クラブがあり、学校とクラブが連携した部活動の取り組みも見られます。例えば、中学校における硬式テニスにおいては、盛岡市や滝沢市において、生徒が在籍する中学校が部活動と認めた上で地域の総合型クラブを拠点として活動し、専門的指導を受けるなど、総合型クラブが学校と連携し、クラブが有する人材や場所を提供しながら運動部活動を支援している事例がございます。
今後は、このような事例を参考にしながら、部活動と総合型クラブの連携により、充実した運動部活動の推進が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、そういった中で連携が進んでいるということで、私はこういった動きを進めていただきたいと思っております。
私の地元でも人口減少が進んで、野球部のない学校に通う生徒が硬式野球のリーグに行ってやっているということですけれども、一方でそういった生徒は部活動としては認められないので、違う部活動に入りながらそういったところに通っているような状況もお聞きしております。そういったことがないように、やはり校外での活動がその生徒の評価につながることも重要だと思いますので、これから部活動のあり方を休養日も含めて議論していくべきだと思っております。
そのような中で、総合型地域スポーツクラブの支援というか位置づけも、子供たちの部活動としても期待する団体ということであれば、やはりもう少し場所であるとか優遇されるべきなのかなというのも感じたところでありました。
この件の最後に教育長にお聞きしたいと思うんですけれども、今回の議会でも、部活動のあり方、休養日について議論がありました。先ほど佐々木努委員からもお話がありました。私は、そういった中で、休養日を設けるということは、その休養日に何をするかということもやはり議論されていくべきだろうと思っております。
先ほどはスポーツ少年団との境目がわからなくなって大変だったという話もありましたけれども、そういった話も含めて、休養日に総合型地域スポーツクラブでまた別な種目をやる機会を与えるとか、一方でほかの地域と交流することも必要だと思うんです。今後、今回のこの休養日の話を、ただ休養日を設けるで終わるのか、それともそういった総合型地域スポーツクラブと連携を図っていくとか、もしくは学校部活動優先主義をどう考えていくかということまで発展して議論をするべきだと思うんですけれども、教育長の所見を伺いたいと思います。
〇高橋教育長 今、なかなか難しい御提案をいただいたと思っています。
まず、教員の多忙化という大きな課題がありますけれども、教員の多忙化が一番というだけではなく、同等に子供たちの健全な育成をどう図っていくかという観点でやはり両面から検討していく必要があるということで、市町村教育委員会等を含めまして関係者で構成した協議の場におきましていろいろな面から検討した上で、PTA関係者等の御意見もお伺いしながら部活のあり方について一定の合意形成を図ったところでございます。
そういう中で、週、それから2週に何日という目標をきちんと守っていこうと歩み出したわけでございまして、それとあわせて次に今度は部活動と総合型地域スポーツクラブ、何もかにもとなると、これはまた同じ問題を起こします。その辺をきちんとひもといて、まずは定着、その次の段階としてどうあるべきかというように道筋をきちんと立てていかないと、一気にそれをやるというのはまた無理が出てくると思いますので、御提案の趣旨も十分踏まえながら検討させていただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 わかりました。順序立ててということでございましたので、それは了解いたしました。
しかしながら、一方で、今、子供たちが少なくなっているので、学校にその部活動がないから家から遠い学校に通うといったことも起きていることも事実でありますので、ぜひともそういった部分にはこういったものも活用していっていただければと思っているところでございます。
次に、県立図書館についてお伺いしたいと思います。
1月10日の岩手日報に、日本図書館協会が初めて全国調査をして、地方創生が今、叫ばれている中、まちづくりや地域振興に役立てることを目的とした図書館事業を行っている自治体がアンケート回答のうち47%に上ったという記事がございました。今、県内を見ておりますと、被災地やほかの自治体でも公民一体となった図書館併設のショッピングモールでありますとか人のにぎわいをつくる中心として、地方創生の一環としてそういったところを整備していくところもありますし、これから自治体によっては、財政が厳しい中で民間委託をしていく図書館も出てくると思っております。
そういった状況、図書館の事情の中にあって、県は県立図書館にどのような役割が求められていると認識しているのか伺いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県立図書館が担う役割についてでございますけれども、県立図書館は、県民の学習ニーズに対応する情報の拠点であるとともに、県内市町村立図書館等の支援拠点であると捉えております。
委員御案内のとおり、図書館を中核としたまちづくりの取り組みを行っている市町村も県内に出てきておりますので、県立図書館が担っております市町村立図書館の支援拠点としての役割が重要になってきているものと認識しております。
〇佐々木朋和委員 県立図書館がそういった体制、予算状況になっているかでありますけれども、来年度の県立図書館の図書購入冊数はどのようになっているのか、また、経年変化も含めてお示しいただきたいと思います。
また、さっき言っていただきました各自治体図書館を支える県立図書館の支援体制はどのようになっているのか伺いたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 まず、県立図書館の図書購入冊数の推移でございますけれども、平成25年度は約7、700冊、平成26年度が約7、300冊、平成27年度が約7、200冊となっておりまして、今年度は、まだ確定しておりませんが平成27年度と同程度の図書を購入する見込みとなっております。
図書資料の選定につきましては、その収集方針に基づきまして選定会議を開きながら購入しているところでございまして、図書の1冊当たりの金額の多寡に結構差がございますので、現時点で平成29年度に何冊見込んでいるかお示しすることは難しい状況でございますけれども、利用者のニーズ等を踏まえながら、効果的、効率的に図書購入に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、県立図書館として市町村立図書館を支援する体制でございますけれども、県立図書館におきましては、館長、副館長を含めまして9名の県職員を配置しておりまして、このうち3名は司書資格を持った者を配置しているところでございます。
また、市町村立図書館への資料の貸し出しやレファレンスサービス等は指定管理者に委託しておりまして、指定管理者として総括責任者を含めまして47名の職員が配置されているところでございます。このうち40名は司書資格を持った者となっております。
〇佐々木朋和委員 図書購入冊数について、また予算については、県立図書館が今のところに移転した時期から数年間は多くついていたんですけれども、それ以降は少なくなっていると認識しております。県立図書館の本は古いねという声、そんな話も聞いているところでございます。
私は、でも、そういうものなのだろうと思うんです。これから各自治体もまちづくりの中心に図書館を置きながら、どこかの県立図書館のように、経年すると本がそろえられなくなってきて古い本があるという中にあって、どうやったら魅力を出していけるのかということは、こういったレファレンス機能やまちづくりに特化した事業をやっていくことが生きる道なのかなと思っているところであります。
そういった中で、もう一つだけ聞きたいんですけれども、県立図書館の図書館員が各自治体の図書館員に指導する形の勉強も必要であって、先進的な図書館も見てきていただきたいという思いもあるわけですけれども、そういった研修というのはできているのでしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 図書館職員の研修についてでございますけれども、県の事業といたしまして専門研修や新任図書館長の研修を実施しております。また、岩手県の図書館協議会の事業といたしましても、初任者研修、中堅研修等、研修を実施しております。平成28年度におきましては、市町村立図書館におきまして出前の研修も実施してきているところでございます。
さらに、研修ではございませんけれども、各市町村を訪問いたしまして、意見交換や図書館運営に関する助言を行うといったことにも県立図書館においては取り組んできているところでございます。
〇佐々木朋和委員 先進地などは見にいけているのですかという質問ですけれども、端的にどうなんですか、そういった研修は。
〇松下生涯学習文化課総括課長 図書館の職員が全国どこを回っているか、済みません、詳細な資料を持ち合わせてございませんので、今お答えすることができません。
〇佐々木朋和委員 最後にしたいと思います。
余りそういった研修にも行けていないのかなという思いで質問させていただいたわけですけれども、そういった意味で、私は、図書館も、今、地方創生の中で、それを支えるバックボーンとして必要と思っております。ほかの県においては、ふるさと納税を使って本を買うものに回したりといったこともやっております。ぜひとも予算をとる工夫もしながら、応援のつもりで質問しておりますので、検討をお願いしたいと思います。
〇名須川晋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時0分 休 憩
午後1時2分再 開
〇高橋孝眞副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
委員各位及び執行部に申し上げます。この後、11人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇松下生涯学習文化課総括課長 午前中の佐々木朋和委員の御質問にございました県立図書館職員の先進地視察についてでございますけれども、今年度は、秋田県、宮城県の県立図書館に視察に行くとともに、全国図書館大会や県外での研修会の機会を捉えまして、他館の取り組み状況の把握に努めているところでございます。
また、指定管理者におきましても、先進地視察を行っているところでございまして、視察結果について、県職員との情報共有というのも行われております。
今後におきましても、他県の取り組み事例を参考としながら、県立図書館の機能が充実するよう、職員の資質向上に努めてまいります。
〇高橋孝眞副委員長 質疑を続行いたします。
〇嵯峨壱朗委員 予算の中で、日本の次世代リーダー養成塾負担金というのがございますけれども、これは予算額が40万円となっていますが、この金額でいいんですか。どういうことをされるのか、説明願いたいと思います。
〇菊池教育企画室特命参事兼企画課長 日本の次世代リーダー養成塾に係る経費でございますが、平成29年度当初予算におきましては137万5、000円を計上しております。日本の次世代リーダー養成塾、その運営に係る経費として100万円、それから、平成29年度から沿岸部の被災した高校生にこの塾を受講させようとするものに関しまして37万5、000円、都合137万5、000円を計上しているところでございます。
この日本の次世代リーダー養成塾でございますが、これは、これからの日本を担う人材、それから国際舞台で活躍する人材の育成を目的といたしまして、産学官の連携により、平成16年度から、毎年福岡県内で夏休みに開催しているものでございます。本県からは、これまでの13年間で126人の高校生が参加しております。塾におきましては、各界を代表する講師陣による講義、それから、講義後におきましては、国内外からの参加者でのグループディスカッション等を行っておりまして、参加した高校生からは、総じて、これまで高い評価を得ているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。単純にこの説明資料の中に記載された予算額に0.4と書いてあったので、それは何をするのかなと思って聞いたんです。この0.4というのは、今言われた137万5、000円に入っているということなんですね。0.4というのは40万円ということですか。
〇菊池教育企画室特命参事兼企画課長 委員お持ちの資料の0.4という部分につきましては、まさに40万円でございまして、先ほどの御説明で申し上げました後段の部分でございます。この運営に係る負担金100万円のほかに、平成29年度から、被災地の高校生をこの塾に参加させたいと考えておりまして、当初予算のほうに計上しているものでございます。
今回、これを提案しておりますのは、毎年10人程度の高校生が参加しておりますが、被災後、沿岸地区の高校からの参加がなくなっているという状況がございます。被災前におきましては、久慈高校、大船渡高校、釜石高校といった沿岸部からの参加がございましたが、何分、自己負担が12万5、000円かかるものでございますから、これが一つのネックになっているのではないかというように考えまして、こういったせっかくの研修の機会でございますので、これを県で負担して被災地の高校生を参加させようと考えているものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。でも、こういうふうに0.4という数字での説明ですけれども、金額的に珍しいですよね。そう思って、どうなのかなと思って確認したんです。
あと、北海道・北東北縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みの推進、これは一つには、推進事業費として810万円載っていましたけれども、幾つかに分かれているかと思うんですけれども、登録に向けて、来年度は総額でどれほどの予算を組んでいるのかお尋ねしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 北海道・北東北縄文遺跡群の世界遺産登録の関連の予算でございますけれども、平成29年度の予算案におきましては、総額983万7、000円となっております。
事業の内訳でございますけれども、教育委員会で所管いたします縄文遺跡群世界遺産登録推進会議への負担金等といたしまして812万6、000円を計上しておりまして、このほかに、文化スポーツ部で所管いたします縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた機運醸成の取り組みといたしまして、171万1、000円を計上しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 登録までの手続はどういう流れになっているのかということもお聞かせ願いたいのと、あと、例えばですけれども、この柳之御所遺跡発掘調査、これは8、100万円とか、8、200万円ぐらいです。これは悪いとかじゃなくて、いいことだと思うんですけれども、一連のそういったのと比べると、いざ勝負という年だと思うんですけれども、それにしては少ないのかなと単純に思ったりして、それで確認しています。
〇松下生涯学習文化課総括課長 柳之御所遺跡の発掘調査事業と比べて予算が少額ではないかという御指摘でございますが、先ほど申し上げました負担金につきましては、4道県と、あと、各構成資産を持っている自治体からの負担により共同で実施している事業でございまして、世界遺産登録4道県全体で見れば、これよりもっと大きな金額になるという状況でございます。
また、登録の流れでございますけれども、関係自治体で構成しております縄文遺跡群世界遺産登録本部から今月末に推薦書案を文化庁に提出いたします。その後、国の文化審議会世界文化遺産特別委員会で、各関係自治体から提出されました推薦書案の審議が行われまして、ユネスコへ提出する国内の世界遺産の候補を審査し、例年であれば7月ごろに国内推薦候補資産が決定される見込みとなっております。文化庁が国内の候補を決めた後、政府の関係省庁連絡会議が開催されまして、正式に政府としての推薦候補が決まるという流れになっております。
その後、平成30年2月1日までに政府が推薦書をユネスコに提出するということになっておりまして、平成30年の夏から秋にかけまして、世界遺産登録の審査に当たります専門機関でございますイコモスの調査員による現地調査が実施され、平成31年夏ごろに開催されます世界遺産委員会において審議が行われ、登録の可否が決定するという流れとなっております。
〇嵯峨壱朗委員 この本部というのは、青森県でしたか。ということは、主に青森県が先頭になって、文化庁やイコモスなどと対応をしていくという捉え方でいいんですか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 この推進本部の事務局は青森県にございまして、青森県知事が本部長となっております。各県の知事または教育長につきましては副本部長という位置づけで、共同して取り組んでおりまして、例えば文化庁への協議ですとか、そういう場面には関係自治体が集まって一緒に行っておりますし、今後、行われるであろうイコモスの調査におきましても、各自治体が所有しております資産については、各自治体が責任を持って説明していくということになると考えております。
〇嵯峨壱朗委員 もうやめますけれども、外に対する窓口は青森県の推進本部であるけれども、それぞれが持っている遺産等については、それぞれの自治体が対応していくということで、今までの世界文化遺産のかかわり方と違うわけですから、どういう立場で岩手県はかかわっているのかなと、それがどうなのかなと思って聞いたまででした。登録になるように頑張ってまいりましょう。よろしくお願いします。
〇田村勝則委員 遺産に関連して私も質問事項を出しておりましたので、ここで端的に質問をさせていただきます。
今、嵯峨委員から、どういう中身かという指摘がございました。実は、新聞等にも報道されておりますとおり、これまでの取り組みの中で指摘された部分、例えば定住の達成など、素案に盛り込む文言の中でいろいろな指摘がなされております。これは非常にポイントになるのではなかろうかと思うわけですが、定住の達成と環境への適応を普遍的価値のテーマとした素案は、極めて一般的であるというような指摘の中で、そのほかにも、例えば農耕せずとも長期定住できたと説明できないかとか、具体的に結構ヒントを与えてもらっていることがあるわけですけれども、4道県の数人の担当者で改訂の素案をまとめるということであろうと思いますけれども、これらの指摘を踏まえて、本県では、どのようなことを4道県の中で強調して持っていこうということで進めておられるのか。御所野遺跡を見ても、高田館長の講演をお聞きしても、非常に私は世界的にも普遍的な価値がある遺産だという感覚を持っております。
山に飢饉なしという言葉もあるんですが、ここにあるような、例えばそういうことにも通じていくわけです。それと、過般、世界宗教者平和会議というのが伊勢市で行われたことがございます。ここで日本の評価の大きな価値として、自然との共生ということが強く共感を覚えるということでの共同声明が出されております。そういう意味からも、非常にそういう点を訴えていくということが、御所野遺跡の普遍的な価値あるいは理念を示すということにつながっていくのではなかろうかと思いますが、素案の中身で、岩手で大きく主張していくという部分はどのようなものになっているのか、お伺いをしておきたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 縄文遺跡群の世界文化遺産登録推薦書案の作成に向けた取り組みについてでございますけれども、昨年7月に、国の文化審議会から九つの課題が示されておりまして、これらの課題解決を図るため、専門家との意見交換ですとか、文化庁、関係自治体と協議を重ねてきているところでございます。そして、今、3月末に提出するために、最終的にその推薦書案の調整を行っているという状況でございます。
具体的に、昨年度の推薦書からどのように変えていくかということでございますけれども、端的に申し上げれば、他の地域-縄文時代というのは、文化圏というのがその分野では設定されるということで整理されておりますけれども-他の地域との比較を充実させることですとか、今、17で構成している構成資産の特徴をより強調していくこと、また、最終的には英語の推薦書を出していくわけでございますが、英訳を念頭に、その価値証明を簡潔でわかりやすい表現に改めていくということで、現在、関係道県と最終的な推薦書案の内容を充実させているという状況でございまして、引き続き、関係自治体との連携を密にしながら、来年度のユネスコへの推薦の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇田村勝則委員 そこで、例えば新年度の予算にも盛り込まれている機運の醸成という部分では、今回、崖っ縁というような思いで教育長も強く岩手からも発信していると思いますが、12日にも、登録実現を目指す機運を高めるということで、青森市で気勢会というのが開かれております。基本的には、素案にしっかりとした説得力のある文言を、特徴を盛り込んでいくということがまず重要でありますとともに、気勢会という名前のとおり、しっかりと登録に向けて取り組むという意気込みを文化庁のほうにもしっかりと伝えていかなければいけないだろうと思いますので、その点をお聞きしてこの件については終わります。
〇松下生涯学習文化課総括課長 今、御指摘ございました機運醸成の取り組みを含めてということでございますが、まず推薦書案の内容を充実させると、そこが第一の優先課題だと捉えているところでございますけれども、縄文遺跡群の世界遺産登録の機運醸成に向けまして、来年度におきましては、本県独自の取り組みといたしまして、県内の4広域圏ごとに縄文遺跡群を中心といたしました世界遺産登録に関する巡回展を実施するということを計画しておりますし、また、公用車を活用したPRなども計画しておりまして、所要の経費を平成29年度予算案に計上しているところでございます。
また、4道県も連携しながら、フォーラムの開催ですとか、首都圏でのPRというのをやっていく予定になっておりまして、引き続き、機運醸成に含めて、世界遺産登録を実現するように取り組んでまいりたいと考えております。(田村勝則委員「教育長に一言お願いします」と呼ぶ)
〇高橋教育長 今、基本的な考えにつきましては生涯学習文化課総括課長から答弁させていただきました。御案内ありましたとおり、先般、12日の日曜日に気勢会が青森でありました。これは国会議員連盟主催ということで、それで4道県からも担当、教育委員会それから知事部局の職員が参加しましたし、それ以上に県議会の皆様方にも御参加いただきました。皆さんで気勢を上げたということでございます。
演述でも申し上げさせていただきましたけれども、崖っ縁というか、今度こそはという思いで、みんなで、4道県同じ立場、対等の関係で、何とか世界遺産をかち取るというような思いを持ち続けながら、頑張っていきたいと考えております。
〇千葉絢子委員 それでは、私からは二つの観点から質問をさせていただきたいと思います。
まず一つは、少人数学級の拡充についてということですけれども、これは、私も、そしていわて県民クラブのほうでも、政策要望という形でずっと出させていただいているものなんですけれども、県教育委員会が考える少人数学級のメリット、デメリット、それから、チームティーチングのメリットとデメリットをどのように考えているかというところをまずお伺いしたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 少人数学級のメリット、デメリット及び少人数指導(TT)のメリット、デメリットとのことでございますが、まず、少人数学級につきまして、実施校へのアンケート調査結果を行っておりまして、その結果から、メリットとして、学級集団の人数が減ることで教師の目が行き届きやすく、安全管理や健康管理、それからトラブルの未然防止などでメリットがある。また、学習面におきましては、児童生徒の発言や体験の機会が増加するということの効果があると捉えております。
一方、課題といたしましては、少人数になりますので多様な意見が、多様な考えが出にくくなることや、中学校におきましては、学級がふえることで教師の授業時間数がふえるということが挙げられております。
次に、少人数指導、TTのメリットといたしましては、複数の教師が協力して授業をすることで、教師の授業改善の意識の高まりや教師間の連携による指導力、教師の授業力の向上という面で効果があると捉えております。
一方で、課題といたしましては、学級集団の人数が多いために、特に生徒指導面における児童生徒への支援や声かけの機会が、少人数学級に比べると少なくなるということが挙げられております。
〇千葉絢子委員 少人数学級ということのメリットのほうが私は大きいと思っていまして、本県では小学校5年生、6年生を除いて、義務教育課程全部で実施をされることになったわけですけれども、小学校高学年というのが一番先生の目が届きにくく、いじめ、不登校の問題というのも顕著になってくるときなんですね。
小学校6年生で不登校になった子というのは、中学校に行っても、またさらに環境が変わりますのでなかなか学校に行きにくいということで、前年に比べて127人ふえているというような実態にもなっているんだと思うんです。よって、小学校高学年に拡充をすべきだというのが私の観点でございますけれども、学校の先生からそして子供たちの立場からも、適正規模というのは40人ではないんじゃないかと。もう少し少ないところで自分の意見も先生に聞いてもらいたい、先生にもきちんと子供たちの心の揺れだとかそういったものを見てほしいという声もありますので、ぜひ、そういった方向に向けて御検討いただければいいなと思っております。
先ほど少人数学級のメリットの中で、発言、体験の機会を確保できるということがありました。近い将来、小学校においては英語が科目化されるということ、それから、プログラミング教育といったものも入ってくることになっております。こういったものが導入されると、発言、自分で声を出して言語活動をするということ、それから、実際に電子機器を操作して体験をしてみるということが、知識、経験の向上になっていくと思うんです。
私たちもパソコンとかを習うときに、やっぱりわかっている人に1対1で聞くとよく上達しますし、それを40人の中でやるのが本当にいいことなのか、そういった指導体制も含めて考えていく必要があると思っております。
少人数でこそ実施すべき言語活動、それからプログラミング教育の導入に向けての指導体制、電子機器などの整備方針は今のところどうなっているか、お伺いしたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 ただいま小学校における英語教育の導入とプログラミング教育についての御質問があったわけですけれども、少人数で学習をするということのメリットは、もちろん、今委員御指摘のとおりあろうかと思います。
小学校の高学年における外国語の指導につきましては、まず、教員自身が指導内容の理解を進めるとともに、デジタル教材等を活用した指導が求められておりますので、指導者としての専門性を有する、工夫のあり方を勉強するということが必要になってくるかと思います。
あわせまして、現在、本県の場合は、外国語活動等でも多くの学校が1人の担任の先生で進める、または、ALTの先生とTTを組むという状態があるわけですけれども、専科指導または外部人材の活用ということも今後視野に入ってくるかと思います。そういうような指導体制をどうつくっていくのかということについて、県教育委員会といたしましても、市町村教育委員会と連携を図りながら進めていく必要があると思っております。
これまで、教員の指導力の向上につきましては、中核となる教員の研修や、国において指導を受けたリーダーによる指導改善研修を行うなどして進めてきたところですが、平成29年度からは、高学年における英語科指導に重点を置いた研修へと移行しながら、各学校の教員の指導力の向上に努めていきたいと考えているところです。
プログラミング教育も含めまして、教育機器、電子機器等の整備状況ということになるわけですけれども、外国語活動等を導入する段階で、多くの学校で電子黒板やデジタル教材を使えるようなコンピューターを整備するということを進めているところでございます。実際、平成28年度の英語教育実施状況調査を見ますと、98.8%の小学校がICT機器を活用した授業を進めているという報告をいただいているところでございます。内訳は、パソコンが79.8%、電子黒板が66.8%ということなっております。
一方、プログラミング教育につきましては、これからいよいよ学んでいかなければいけないという状況もありますので、御指摘のとおり、環境の整備と指導の方法、両面について考えていくということが今後の課題として残っているところでございます。
〇千葉絢子委員 英語に関しては、私の娘が5年生で、この間、授業参観がたまたま英語活動の授業でございましたので、私も実態を見てまいりました。発音もばらつきがないようにDVDを使った教材で、きちんとネイティブの方の発音をまねしてスピーキングするというか、そういったところまでされていますし、私たちが英語を習ったときは、ディス・イズ・ア・ペン、マイ・ネーム・イズから始まっていましたが、5年生にして、既にウィズ・ユー・ライク何とかというような、実際に使える英語から入っているということで、随分進んでいて、これだったら外国に行ってもすぐ注文ができるなと、そういった興味を引くような授業の展開がされているなと思ったところでした。
余り人数が多いところでやってしまうと、しゃべらないで終わってしまう。実際、発音をするのに照れくさくて終わってしまう。だけれども、誰も気がつかない。そういう授業になってしまっては本当にもったいないと思っておりますので、先生がきめ細かく見て、一人一人の発音がきちんと聞き取れるような、自分も発音できるような、そういった指導というのをやっていくほうが、きっとこれからの子供たちが成長した際に社会に適応できるんだろうと思っております。
それから、IT機器を使った授業に関しても、実際触れる機会が全員に与えられるようなものでないと、今、ゲーム機とかパソコンを日常に使っている子供たちもいますけれども、そうではない環境の子供たちもいるわけで、これからグローバルに活躍していく人材というのは、パソコンが使えて当たり前、英語もしゃべれて当たり前というようなことになっていきますので、そういった広い意味で世界に通用する人材育成ということを義務教育できちんとできる環境を整えていく。それはどこの地方でも格差がないようにやっていかなければいけないんだろうと思っておりますので、整備についてはぜひ早目の検討をしていただきたいと思っております。
次に、復興学習についてお伺いをしたいと思います。
3月11日に私も釜石市と県の合同追悼式に参加をしてまいりました。出発する前に、うちの娘も土曜日で家におりましたので、新聞を読んだかとか、ニュースも見たかと言ったんですけれども、彼女は、別な番組を見ながら、ええーっという感じで、余り興味がなさそうにしておりました。なので、お母さんが帰ってくるまでにこれを見ておきなさいと新聞を渡して出かけたわけですけれども、実際、内陸の子供たちは、今、復興教育、学習、現地に行って話を聞いたり、同年代の子供たちと交流をして当時の話を聞いたりといったような、実際の被災者に触れるという復興学習をどの程度実施しているのかというところをお伺いしたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 内陸の子供たちが被災地を訪れて行う学習についてですが、本年度は、内陸部に位置する市町村の中から、いわての防災スクール実践校として、小学校4校、中学校4校、高等学校10校、特別支援学校1校の合計19校を指定し、地域の実情に応じた実践的な防災教育、復興教育を推進してまいりました。
交流の中身といたしましては、いわゆる横軸連携として平成23年度から継続実施しているところですが、平成28年度はいわての防災スクール指定校の約80%の学校が被災地を訪問しております。
具体的な取り組みといたしましては、語り部から当時の様子を学ぶこと、復興状況の見学、被災地におけるボランティア活動などの取り組みが行われております。特に今年度は、当初の予定を変更し、急遽、台風第10号豪雨被害の被災地へのボランティア活動を実施するなどの例も見られました。
〇千葉絢子委員 娘の学校でも、毎年、宮古市の磯鶏小学校と震災当初からのおつき合いというか、そういった連携で学習をしているようです。ただ、磯鶏小学校に赴くメンバーも全員ではなくて、例えば6年生の児童会執行部の児童というように限られた数人が行って、実際に話を聞いてきてというような、限られた子どもたちの交流であると聞いております。せっかく震災以降、支援の取り組み、内陸の1校に対して沿岸の1校という形で連携をして、支援それから継続して交流ということをやっているのであれば、それはもっと継続をしていくべきではないかと。震災の風化、記憶の風化というのは、子供たちの間でももう既に始まっています。震災後は沿岸からの転校生もあって関心を持っていたものの、2年、3年、4年たつうちに、どんどん関心が薄れていっているというのも子供たちのほうが早いような気がしています。
その原因は何だろうと考えたときに、もしかすると、内陸から沿岸の被災地に行く、勉強する際に、交通手段の問題があるんじゃないかと。例えば、去年、娘の小学校では、台風第10号のボランティアというか学校で集めた義援金を、児童会の生徒が見前中学校と一緒になって持っていったということがありました。そのバス代をどうするかというところで、校長先生とのやりとりがあったようです。1校ずつそれぞれ行くよりも、2校で負担をして行くほうがいいんじゃないかと、タイミングを合わせて行こうというような話にもなっていたようなんです。震災からの復興、それから台風第10号からの復興に関して内陸の子供たちが沿岸に赴く場合、ボランティアなどに行く場合も、何とかバス代の支援などをいただけないかと、それが子供たちの復興の気持ちを風化させないために必要なことであるんじゃないかと。その機会がもしバス代がないということで奪われているのであれば、何らかの措置を考えることも必要ではないかと思うんですが、その見解をお聞かせください。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 バス代を含めた交通費についてですが、全県の調査はないものの、今、委員が御指摘のとおり、募金を集めてそれを使うだとか、学校によっては、学校行事として児童生徒、保護者からの集金により実施する事例や、教育振興としてのPTAの活動費からの補助、あるいは市町村によりましては、独自に予算化する事例などを把握しているところです。
なお、防災スクールの指定校につきましては、事業費として補助しているところであります。
県教育委員会といたしましては、今後も防災スクール事業などを継続するとともに、いわての学び希望基金の活用のあり方等の検討も含めまして、今後、内陸部と被災地との横軸連携の推進を図ってまいりたいと考えております。
〇中平均委員 では、私からも質問させていただきます。県立美術館、博物館の運営等についてということで通告させていただいております。
最初にですけれども、直近、3年間の県立美術館と博物館の入館者数の増減、横ばいであると思うんですが、その理由と、来年度に向けての目標値というところをお聞かせください。
〇松下生涯学習文化課総括課長 県立美術館、博物館の入館者数についてでございますけれども、まず、県立美術館の入館者数につきましては、平成26年度は約4万6、000人、平成27年度が約4万7、000人、平成28年度は1月末までの実績ですけれども、約3万6、000人となっているところでございます。平成29年度の目標値といたしましては、入館者数6万人を目指しているところであります。
続きまして、県立博物館についてでございますが、平成26年度は約3万3、000人、平成27年度は約4万人、平成28年度は1月末までの実績ですが、約3万8、000人となっているところでございます。平成29年度の目標値といたしましては、入館者数3万8、000人を目指しているところでございます。
〇中平均委員 基本的に横ばいの状況なのかなと思って今お聞きしておりました。今、お話のあった平成29年度の目標値の数字が妥当なのかどうかというところもあるかと思うんですが、その点もちょっとお聞かせ願いたい。あとは、目標の入り込み数を目指していくということですけれども、例えば博物館の年間の行事予定の公表の時期というものがどうなっているのか。
というのは、総括質疑のためにいろいろ調べていたときに、美術館のホームページを見ていると、行事予定が3月末までは書いてあるんです。この平成29年4月以降、来月以降のが出ていない。そして、そういうものなのかなと思って見ていくと、前の年、年間を通して当然企画展から何から出ているんですけれども、次年度の分がまだ見えてきていないという点等もありまして、その理由をちょっとお聞きしたいなと思いますので、よろしくお願いします。
〇松下生涯学習文化課総括課長 美術館、博物館の入館者の目標についてでございますが、過去の利用実績ですとか、来年度企画しております企画展の内容を踏まえながら設定しておりまして、美術館につきましては6万人を目指しているところでございますが、ここ3年ぐらいは4万5、000人程度で、入館者数増のさらなる取り組みが必要だということで認識しております。
また、美術館、博物館の年間行事の公表についてでございますけれども、企画展の実施につきましては、実施するための予算の裏づけが必要であるということから、例年、県議会において予算が議決された後に速やかに行うこととしているところでございます。
〇中平均委員 議会に配慮をいただいて議決終了後、予算成立後ということでございます。それはそれでまず本当にありがたい話だなと思うんですけれども、例えば、例年の企画展とかを見ても、4月の半ばくらいからとか、5月の連休からスタートということで、そうすると、告知する期間というんでしょうか、圧倒的に短い期間になってくると。そのため、年間入館者数を6万人と目標にしている中で、最初のスタートのときから当然入館者が少なくなってしまうということがあるんだろうと思うんです。そういった面で、今、実際運営をしていて、目標人数を定めている中で、年間のスケジュールの公表する次期が、今はまず議決を経てからということは私たちも重々わかるんですが、もうちょっとここが柔軟になれば楽なのになということがあると思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 広報の開始時期でございますけれども、広報活動は入館者数をふやすために重要な取り組みであると認識しているところでございますが、やはり予算の裏づけというところも必要であろうということで、現在は、予算議決後速やかに行えるように、それまでの間に各館において準備を進めておりまして、可能な限り、早く年間行事予定を発表できるように努めているところでございます。
〇中平均委員 今の制度上ということなんでしょうけれども、どうなんでしょう、運用として。例えばほかの予算であれば繰り越しをしてやっているとか、4月に出すのに議決が必要であれば、例えば9月とかに予算の裏づけをしておけば、年間通して運用ができるわけです。4月からの当初予算と別にどこかで補正を組むみたいなイメージで、制度上、財政上の問題等あると思うんですけれども、そういうやり方をしていきながら、年間を通じてきちんと告知をしていけるという形のほうが、結果的に、運営として広く県民の皆さんに来てもらえるとか、そういうことにつながっていくんじゃないかと思うんですけれども、そういうやり方はできないものなんですか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 広報の開始時期につきまして、東北の各県の状況を調べてみたところ、本県と同様に、予算の議決に合わせて開始しているというところがほとんどでございましたけれども、債務負担行為を組みまして、翌年度の企画展に要する経費を計上し、前年度から広報を行っているという美術館も1館ございました。今後、本県におきましても、他県の事例を参考にしながら、入館者数をふやすための取り組みの一つといたしまして、予算計上のあり方も含めまして、広報期間を十分確保するような方策について検討してまいりたいと考えてございます。
〇中平均委員 ぜひ検討していただきたいということと、何でこういう質問をしたかというと、文化スポーツ部の所管に来年なるのかちょっと私把握していませんけれども、ほかの部局でもそうなんですけれども、財政上、こういうルールでできないとか、今の話だと、ほかに1県、債務負担行為を組んでやっているところがあるのであれば、岩手県でもやりようによってはできるわけです。通年でやってきちんと企画を組んでいけると。そういうふうなところを見ながら検討していくというのではなくて、もっと積極的にやっていく。例えば、先ほどから縄文の関係等話も出ていますけれども、博物館で縄文関係の展示を4月、この期間が迫ってきてすぐやらなければならないというときでも、議決がなければやれません。議決がなくてやれないのは予算の裏づけだから当然なんですけれども、そういうふうな端境期的なものが出ないようやっていくべきじゃないですかと思うわけです。それをやることによって、通年の予算が多くなるわけでもない。ただ、時期がずれていくだけですから。そういうふうなところを運営してやっていくべきじゃないのかなと。例えば、3月末から4月にかけてやっている企画展があるとすれば、一般的には学校が春休みの時期ですから、岩手県に県立博物館は一つしかないわけですし、そういうふうなところに合わせて来るとか、学校の行事とかの計画も組みやすくなってきたりすることも出てくるんだろうと。そういった面で、制度を検討する。検討していくんでしょうけれども、それをきちんと形にして見せていくようにしたほうがいいんじゃないかなと、やっていくべきじゃないかと思うんです。
教育長にお聞きしますが、例えば今は美術館と博物館にだけですが、指定管理者制度についても行っていますし、県の施設をどういうふうにしたら県民の皆さんに広く使ってもらえるかという考え方がこれからもっともっと出ていって、これは美術館に限らず、いろんな施設でやっていくべきじゃないか。そういう考えの一例として出しているんですけれども、その点どうでしょうか。
〇高橋教育長 ただいま、この社会教育施設のみならず、公の施設全般についてさまざまな工夫をしたらいいのではないかという御提案、御指摘を頂戴いたしました。この公の施設全てに共通するのは、県民の皆さんにいかに有効に御利用いただくかという、県民本位での運営ということがすごく求められているというように思っています。特にその中でも、美術館、博物館については、文化財それから美術品等、岩手の歴史それから岩手の地で育まれた人材のすばらしい作品を展示いたしておりますので、多くの県民の皆さんに御利用していただきたいと思っております。
そういう中で、広報のあり方でございますけれども、ただいま委員から非常に貴重な御指摘を頂戴したと思っております。そこは予算編成上の技術的な問題、これをどうクリアするかという、そういう一つの考え方はございますけれども、一方で、具体的な運用の中で、それぞれの運営費も年間予算として毎年度計上しているわけですので、主要なものについて、特に企画展等について、こういうことを予定していますということを明らかにするというやり方もあるのかなと思っておりまして、どういうやり方がいいか、関係部局とも相談しながら適切に対応していきたいと考えております。
〇中平均委員 ぜひお願いしたいと思います。今の話は、新しい予算をつけるとか、そういう話じゃないと思うんです。今までの予算の使い方を少し工夫するだけで、今までより効果が出てくると。そう考えていけば、いろんなやり方ができるんだろうと思います。私自身も博物館とかにお邪魔して見させてもらっていますので、広く見てもらったほうがいいんだろうと。特にも復興道路の関係で発掘したものが全部出ていますし、今、それを見ていかないとというのもありますので、そういった点も含めてです。今の運営のやり方、予算をどう組んでいくかということは、前向きにやっていくという御答弁をいただきましたので、あとはどういう形で広報をやっていきながらこれから目標の6万人、そして、できることならもっと広く来ていただきたいというところがあると思うんですが、そういった点について取り組んでいくのかを聞いて終わります。
〇松下生涯学習文化課総括課長 ただいま御指摘ございました広報のあり方も含めまして、入館者数増に向けた取り組みでございますけれども、例えば美術館におきましては、マスコミと連携した企画展の実施ですとか、ナイトミュージアム、そしてファミリータイムと称しておりますけれども、お子さん連れの御家庭が来やすい日程の時間の設定ですとか、ミュージアムコンサートなど、集客に向けたさまざまな取り組みを現在実施しているところでございまして、その中におきましても、広報というのが重要な位置を占めてくると思いますので、ただいまいただきました御意見を踏まえながら、今後さらに入館者数を増加していくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 ただいまの県立博物館に関連して一つお伺いをしたいと思いますが、東日本大震災津波から満6年が経過いたしまして、7回忌ということになります。そういう中で、県立博物館のそもそもの目的は、そこの中に入ればずっとこれまでの岩手県の歴史がわかると。あるいは、他県から来た人にもそういうものを見てもらいたい、トータルとしてそういうことだと思うんですが、実は、今回の東日本大震災津波の生々しい映像というのは余り合わないのかもしれませんけれども、今まで歴史の中で、例えば最も近くて昨年の8月末の台風第10号ですね、その前が東日本大震災津波の3年前ですか岩手・宮城内陸地震、一関かいわいが被災をしまして十数人が犠牲になっています。その前だと、昭和35年のチリ地震津波、さらには昭和8年の三陸地震、いっぱいあるわけですが、そういう中で博物館に入ってそれらに関してある記述は、歴史の中の1行的なものでしかないんですね。あるいは若干絵があったとしても、それは動かないものでありますので、例えばシアターほど大きくなくてもいいのかもしれませんが、宮古のシートピアなあどの、あの屋根が全部黒い波に飲み込まれてしまったシーンや、市役所後ろの防潮堤を黒い波が越えてくるシーンでありますとか、あるいは旧田老町の大防潮堤を越波してきた状況でありますとか、そういうものを映像で、余り人が流されるとか建物が流される、そういったものではなくて、いかに大きな波が来たかという映像を見られるようなコーナーを持つことが、風化を妨げ、そして次なる対応に、みんなの心に響くような、そういうものになりはしないかと今思ったところなんです。
皆さんが風化のことを御心配されていますので、ありがたいことでありますが、また津波が来ないとも限りませんし、その際の心の準備というのはそれぞれあったほうがいいわけで、それには紙で、字で見るよりは、なかなか見られないシーンでありますので、そういうものを小さなビデオでも置いておいて、こういう状況でしたというのを、余りお金もかかることではないと思うのですが、そうやって語り継いでいくことも大事ではないかと今思ったところなんですが、いかがでございましょうか。
〇斎藤文化財課長 今、委員御指摘のお話でございますけれども、防災教育という面から言っても非常によいアイデアだなと思っております。県立博物館にはビデオ等を流す部屋もございますので、ただ、内容については、博物館の学芸員等と相談しながらということになるかとは思いますけれども、資料等についてはあちこちから借用もできるはずですので、内容も検討しながらということになるかと思います。
〇阿部盛重委員 私のほうからインクルーシブ教育についてお伺いします。
昨年4月に障害者差別解消法が施行されまして、一人一人の困り事に合わせた合理的配慮を行うことが義務化されました。それによりまして、学校の通常学級でも、障がいのある児童に対して、個別のきめ細かい対応を先生が行うことが求められるようになっております。その合理的な配慮をどう捉えて、学校現場では十分に配慮され、教育がされているのか、お伺いいたします。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 平成27年11月26日に、文部科学省からの通知のありました文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針において、一人一人の障がいの状態や教育的ニーズに応じた適切な配慮を行うとともに、何らかの配慮を求める意思表示があった場合、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために、必要な合理的配慮を行うことが示されております。
本県におきましては、通常学級におきましても、その考え方に沿った合理的配慮に基づいたインクルーシブ教育を進めているところでございます。
県教育委員会におきましては、特別支援教育に関する研修の場で、合理的配慮について教職員の理解を深めるとともに、各校においては、学習場面や生活状況に応じた必要な配慮について、児童生徒や保護者と相談を重ねて合意形成を図り、個別の指導計画や個別の教育支援計画を作成することなどにより、児童生徒一人一人のニーズに応じた合理的配慮の実現に努めております。
〇阿部盛重委員 わかりました。ありがとうございます。文部科学省の2015年度の調査で、公立小中学校の通常学級に通う子供の約6.5%が発達障がいと言われております。小中学校で通級指導を受けている子供が約9万人と。本県では平成26年11月の調査で、公立小中学校の通常学級に通う児童のうち発達障がいともとれる数が5、521人の実態であるとお伺いしております。
通常学級では、特別支援学校とは異なりまして、先ほどお話があったんですけれども、指導計画等、支援計画というのが特に義務化されていないと聞いています。その分だけ発達障がい児について先生方が豊富な知識を持った正しい対応ができないのではないかと非常に疑問点もあるんですけれども、その点はどのように捉えておりますでしょうか。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 発達障がいを含む特別な支援が必要な児童生徒の指導に当たりましては、個々の教育的なニーズや実態を把握して指導、支援の充実を図ることが大切でございます。そのため、県教育委員会におきましては、高等学校特別支援教育コーディネーター研修ですとか、特別支援教育支援員研修などの研修を開催いたしまして教職員の研修を進めるとともに、研修後には、各校に戻られてから伝達講習や報告会を実施することとしており、学校組織全体の支援体制の強化に努めております。しかしながら、委員から御指摘のありましたような個々のニーズに対して専門的な見地から指導、支援の必要な事例もありますので、そのような場合には、特別支援教育エリアコーディネーターですとか、特別支援学校のセンター的機能を生かした幼稚園、保育所、小学校、中学校への継続型訪問支援などを実施し、その解消に努めております。
今後とも、継続して特別支援教育への理解を深め、教職員の専門性の向上に努めてまいりたいと思います。
〇阿部盛重委員 この教育は、本職の職員はもちろんでしょうけれども、非常勤の先生方も対応はされるんでしょうか。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 非常勤の職員に関しましては、非常勤職員等講師も含めましてですけれども、経験のまだ少ない講師に関しての講習も実施しております。
〇阿部盛重委員 本県の特別支援教育支援員の配置数が540人いうことなんですが、この人数に関しましては十分に足りているものでしょうか。それとも、増員されるものでしょうか。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援教育支援員の配置につきましては、地方財政措置に基づいて、各市町村において配置しております。本県において公立小中学校、義務教育学校に配置している特別支援教育支援員は、先ほど御案内のありましたとおり、今年度は540人という数字になっております。年々配置数はふえているところでございます。
県としましては、地方財政措置の有効活用による支援員の適正配置がなされるように市町村に働きかけをさせていただいておりますとともに、支援員を対象とした研修会も県として毎年実施して、実際の授業における具体的な支援方法を取り上げるなどして、なお一層の研修の充実を図り、支援員の質的な向上も図っているところでございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、夜間中学の今の状況と今後の流れをちょっと教えていただければと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 夜間中学についてでございますけれども、本年度、文部科学省から委託を受け、岩手県中学校夜間学級設置に関する検討委員会を立ち上げまして、本県の状況を把握する調査と、今後の方向性について検討してきたところでございます。
中学校夜間学級は、戦中戦後の混乱による義務教育未修了者を対象として設置されたという経緯があるわけですけれども、今後は、不登校等により、中学校での学習が十分でなかった者の学び直しの場としての役割も期待されているところでございます。
そのように、学びの機会や可能性を提供する仕組みを構築していくことは重要なことと認識しており、本事業を進めているところですが、本県においては本委託事業を活用して、学齢を超えた方の就学希望の状況等について調査を行いました。
その調査の結果を見ますと、調査の趣旨に沿ったニーズが顕在化している状況は認められなかったところでございます。
本調査をもとに、3回の検討委員会において検討を行いました結果、検討委員会からは、現段階で早急に中学校夜間学級を設置する状況にはないということ。また、一方で、さまざまな状況において潜在的なニーズがあることも考えられることから、一定のニーズが確認されたところで改めて具体的な設置のあり方について検討する必要があること等をまとめた報告書を提出いただいたところでございます。
県教育委員会といたしましては、検討委員会の報告を踏まえまして、継続して定期的に全県的な中学校夜間学級へのニーズ調査を実施するとともに、学びの機会の保障や中学校卒業認定制度というものがございますので、その制度等の周知に努めてまいりたいと考えているところです。
〇阿部盛重委員 この状況はよくわかったんですけれども、新たに設置する場合の希望する方々の人数は、どの辺で設定されるものでしょうか。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 人数によって設定されるということよりも、人数の多寡ではなくて、やはり必要な状況があれば設置に向けて検討しなければいけないということは教育としての大事な役割と思っているところです。戦中戦後の混乱のためにという部分について、平成22年の国勢調査によりますと本県で義務教育を修了していない方は1、731名という数字となっており、多くの方が60代以上ということで、入級の意思を確認することは極めて困難な状況だったということが調査を行った感想等でも上がってきているところでございます。
不登校等につきましても、毎年200名程度そのままの状況で卒業する生徒がいるわけですけれども、そのうち9割は高校に進学しているのが本県の状況でございます。
また、本調査の対象として外国籍の方についても調査したところでございます。県内で約6、000名程度在住しているという数字に基づきまして、県内33の国際交流センター等に協力をお願いして調査したところですが、回答が上がってきたのは1カ所のみでございました。入級について検討したいというニーズにつきましては、いずれの方も母国で既に義務教育段階を終えられている方でございましたが、ニーズについては変化することも考えられますので、継続した調査をしながら、設置に向けてどういう状況を整備していくことが必要なのかを継続して考えていくことが大事と捉えているところです。
〇阿部盛重委員 いろいろな状況が変化していくと思いますけれども、ぜひ継続しながらよろしくお願いいたします。
次に、心の問題を抱える生徒や家庭環境などに複雑な背景のある生徒への専門家による支援体制を整備しなければならないということで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについてお伺いいたします。
本県では、スクールソーシャルワーカーが16人と聞いております。プラス、今後の予定でお二人。そしてスクールカウンセラーが90人で、先ほど工藤勝子委員の質疑の中で1人追加されるということでございます。スクールソーシャルワーカーの雇用形態について、以前からいろいろな問題といいますか改善が求められているのは事実ですが、その点、本県の対策はどのようにお考えかお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 委員御案内のとおり、本年度、全県、6教育事務所に16人のスクールソーシャルワーカーを配置させていただいているところでございます。この事業は、国の補助事業によりまして非常勤職員として雇用しております。現在、16名の方はスクールソーシャルワーカーとして以外に他に従事している職があるということでございますので、喫緊に常勤化するのは非常に困難な現状にございます。国におきましては、議論の中で、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを学校に配置し常勤化するという動きがありますので、この動きを県としても注視してまいり、その方向についても適宜確認していきたいと思っております。
委員御案内のとおり、来年度につきましては2名増員して教育相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
〇阿部盛重委員 先に県が動く体制もあるのかなと思ってお聞きしましたけれども、ありがとうございます。
最後に、24時間いじめ相談ダイヤル事業の成果と課題についてお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ相談ダイヤル-24時間子供SOSダイヤルでございますけれども、この事業は、平成18年度から文部科学省の補助事業として進めております。成果としましては、ここ数年の相談件数でいいますと200件前後の相談がございます。その200件前後の中で、児童生徒本人または保護者の相談を合わせますと90%を超えているという現状でございます。
この相談の中には、至急対応しなければならないような事案も含まれております。このような事案を受け取った場合には、もちろん相手方の了承を得た上で該当する機関等に情報提供して適切な対応をし、早期の対応ができた事例も散見されるところでございます。
課題といたしましては、年間相談件数が200件ということですので、周知の部分につきましてはまだ課題が残ると思っております。現段階におきましては、県内の公立学校の児童生徒全員(後刻「県内全ての児童生徒」と訂正)に紹介カードを配布しているところでございますが、それ以外にも関係機関等との会議等もございますので、その中でこのダイヤルについてさらに周知を深めてまいりたいと思います。
〇阿部盛重委員 お子さんはわかるんですけれども、両親への連絡といいますか、周知はどうなっているんでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 全ての子供たちを通じて配布しておりますので、御家庭に1枚はあるという状況でございます。
〇阿部盛重委員 受けている専門の方が余りにも相手のお話を聞き入れて、助言が的確ではないときもあったという話もありまして、そのあたりの御対応はどうされているものでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 現在、対応としましては、相談員の方と総合教育センターの自立支援相談員、それから私どものほうで24時間を分担しながら対応しておるところでございます。教育相談にかかわっては、御指摘のように研修等も大切でございますので、今のところは年に1回、情報交換、それからこういう事例があった等を含めまして、それぞれ相互の研修を行っているところでございます。
〇阿部盛重委員 非常に大事な役目だと思いますので、いろいろな角度から御支援いただきながらしっかりとした対応をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇城内よしひこ委員 まず、主権者教育について、本年度の成果と課題、あわせて平成29年度の主な取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 主権者教育の成果と課題についてでございますが、成果といたしましては、総務省が昨年9月に発表した第24回衆議院議員通常選挙(後刻「参議院議員通常選挙」と訂正)の18歳、19歳の都道府県別投票率によりますと、本県の投票率は18歳が47.97%、19歳が37.74%でございました。この数字を、前回-平成25年の第23回参院選における全国の20歳から24歳の投票率31.18%と比較いたしますと、18歳で17ポイント近く上回っております。これはこれまで取り組んできた主権者教育の成果であり、生徒の政治や選挙への関心は一定程度高まったものと考えております。
また、選挙管理委員会と連携して実施している明るい選挙啓発授業の拡充にも努めておりまして、実施校は昨年度の24校(後刻「25校」と訂正)から本年度は40校以上に大幅に増加しておりまして、これも学校と県選挙管理委員会、市町村選挙管理委員会との連携が広まった成果であると評価しております。
一方、課題といたしましては、昨年、ことしと副教材が配布されましたのが10月末から11月にかけてでありましたので、卒業生を中心に大変時間のないところで主権者教育に取り組んでまいりましたが、今後は、しっかり学校の教育活動に組み込まれておりますので、各校が計画的かつ継続的に主権者教育を実施し、各校の実態に即した内容の充実を図っていくことが課題と捉えております。
平成29年度の主な取り組みについてでございますが、昨年7月の参院選において初めて選挙権を持つ高校生が国政選挙に参加したわけでございますが、平成29年度は、県内15の市町村で首長が、四つの市町村において議会議員が任期満了を迎えることになっております。これに伴いまして、各自治体での選挙が予定されております。そのことを踏まえますと、今後の主権者教育を進める上では、国のあり方にとどまらず、生徒が地域の諸問題等を現実のこととして、あるいは身近な自分の問題として捉え、選挙に臨むことが求められてくるものと捉えております。
したがいまして、県教育委員会といたしましては、明るい選挙啓発授業等で引き続き県選挙管理委員会と連携することはもとより、市町村選挙管理委員会との連携を広げていくことによりまして、身近な政治的課題を取り上げるなど内容の充実を図ってまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 昨年の取り組みの中で、私的にはもう少し生徒たちが投票に行ってくれるのかなという期待感があったんですけれども、47%であったり37%ということでありました。これから課題を解決すべきと思いますので、行かなかった方々に対する調査というのはなかなか難しいでしょうけれども、そういったことや課題意識を持って、今年度、各種首長選挙や地元の選挙があるわけですので、選挙をより身近に感じ、しっかり自分の意思を持って投票行動することによって国政の選挙にも結びついてくるものと思います。ぜひしっかりと指導してほしいと思います。
この間、選挙違反等の問題はなかったですよね、1点だけ確認しておきます。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 そういった指摘は当方では把握しておりませんし、なかったものと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ違反のない、きれいな選挙をよろしくお願いします。
次に移ります。
不登校の児童生徒についてですが、午前中から工藤勝子委員が取り上げていますので、私は、1点、高校生の中退の状況はどのようになっているか、この点をお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 高校生の中退者数でございますが、平成27年の問題行動等調査の結果によりますと、平成27年は298人という中退者数になっておりまして、前年度より7人減少している状況でございます。
〇城内よしひこ委員 その理由は、追跡調査も含めてされているのか。また、そういうことにならないように多分慰留はしていると思いますが、その辺の中退の理由というのはわかっているのでしょうか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 高校を中退する生徒の中退理由ですが、統計的に把握しているものではございませんが、学業不振によるもの等、あるいは興味、関心が学校に向かなくなってしまったということ、あるいは部活動に対する挫折や人間関係の行き詰まり等、さまざまな要因があるものと考えております。
これまでの経験から考えますと、きっかけとしてはやはり授業がわからなくなることも大きな理由かなと。したがって、まず、しっかりわかる授業を実施することもそういった生徒の中退を防いでいく、少なくする一つの方策と考えております。
〇城内よしひこ委員 その辺の取り組みをしっかりやってほしいと思いますが、いずれ300人近い子供たちが毎年途中で中退していく。その子たちが社会に出ていくか、また次の別な学校に移るかというのは捉えていらっしゃるのでしょうか。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 中退後の状況につきましては、統計的なものは持ち合わせておりませんが、そのまま不幸にして家に引きこもる生徒もいたり、あるいはもう一度社会に出直すきっかけを得て、別な道を探し、自分の進む道を見出して新たな道に踏み出す人もいますし、あるいは高校に入り直して、または定時制に移って、定時制の少人数の温かい人間関係の中で不登校の経験から立ち直って学校に出てくるようになって就職を決めて卒業していくという例もあります。
指導といたしましては、退学する際に担任等が本人の希望も聞きながら、中退後の進学や就職の相談等にも対応しておりますし、県教育委員会といたしましても、ハローワーク等の関係機関のほか、若者の職業的自立支援を目指すもりおか若者サポートステーション運営協議会等との連携を強化して、中途退学者等への切れ目のない支援を実施するよう、学校、高校を指導しております。
それから、先ほどの退学の主な理由ですが、課程別の退学者数は全日制で137人、定時制で35人、通信制で126人いますけれども、退学理由の主なものといたしましては、学校生活、学業不適応が83人で全体の27.9%、進路変更が52人で17.4%、問題行動等が14人で全体の4.7%となっております。
〇城内よしひこ委員 もうちょっとちゃんと通告しておけばよかったところですが、ぜひ退学した子供たちをしっかりと次のステップに導いていけるような手順を踏んでいっていただきたいと思います。先ほど話が出ましたけれども、その子らが不幸にしてニートになったりするとまた大変でありますし、その後に担当する方々も大変な思いをしていきます。特に若いうちであれば再チャレンジはできると思いますし、そういう丁寧なアフターフォローがあればなおいいと思っています。その点はお願いしたいと思います。
次に移ります。
スマートフォンの普及による影響についてお伺いしたいと思います。
年度が変わるわけでありますし、新たに進学、進路を目指す中で、またスマートフォンを新たに導入する子供たちがあるということであります。そういった子供たちに対する安全な取り扱いの指導についてはこれまでも議会で取り上げられてきましたが、普及率と現状と課題を一気にお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 スマートフォンの普及等についてでございますけれども、全国学力・学習状況調査によりますと、スマートフォン、携帯電話の所持率という部分がございまして、小学校6年生におきましてはおよそ49%、中学校3年生になりますとおよそ73%、そして高等学校は高等学校校長協会の調査によりますが、高校2年生で98%くらいとなっております。
その現状、どれくらい使用しているかについてですけれども、1時間以上使用している県内の児童生徒につきましては、小学校6年生でいうと15%くらい、中学校3年生でいいますと43%、そして高校2年生になりますと90.6%となっておりまして、学年が進むにつれて1時間以上の使用の状況がふえているという状況でございます。
〇城内よしひこ委員 現状はわかりました。これだけ利用頻度が年齢を増すにつれて上がっていくということで、学業に対する弊害や事件、事故に関連するような課題があると思いますが、そういった課題と、課題解決に向けた取り組みをお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 課題としましては、今、委員御案内の部分も含め、そしてこれくらいの時間をスマートフォン等で割いているわけですので、家庭学習時間の減少、もしくは、他県にはあるようでございますけれども、ネット依存というところも視野に入ってくると思っております。
県教育委員会におきましては、その対策としまして、総合教育センターにおいてスマートフォンを使った体験ができる機器等がございますので、それを使った体験型ソフトの活用による適切な利用法を学ぶ取り組みを進めておりますし、今年度から3カ年の計画で、県内公立学校に情報モラル教育を指導できる先生が少なくとも1人はいるという体制をつくる、その指導者養成の研修講座を実施しておるところでございます。これを継続して実施して情報モラル教育の徹底を図り、不適切な活用、もしくは適切な時間の使い方という部分をあわせて周知してまいりたいと思っております。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 大変申しわけありません。先ほどお答えいたしました主権者教育の成果と課題につきまして言い誤りがありましたので、訂正させていただきたいと思います。
総務省が昨年9月に発表した投票率でございますが、私、第24回衆議院議員通常選挙とお話ししてしまいましたが、正しくは参議院議員通常選挙でございます。ここを訂正いたします。
それから、明るい選挙啓発事業の拡充ですが、実施校、昨年度24校からとお話ししたようですが、正しくは25校でございました。
2カ所について訂正させていただきます。大変申しわけございませんでした。
〇城内よしひこ委員 スマートフォンについては、使い方によってはもろ刃の剣であると思いますので、ぜひ子供たちにしっかりとした使い方、多分、今の子供たちは賢いから大半の子供はわかっていると思いますが、中にはチャレンジする子供もいますので、チャレンジする子供たちをしっかりと、痛い目に遭ってからでは遅いわけですので、ぜひ指導をしっかりとお願いしたいということで、終わります。
〇佐々木順一委員 主権者教育について、関連して質問させていただきます。
来年度から文部科学省と総務省が公立高校の図書館に新聞を4紙配布する、こういう地方交付税措置を講じたと報道されておりますが、この新聞の選定は誰がどのような手続で行うのか。
それから、新聞といってもいささか広いわけでありますので、いろいろ全国紙から政党の機関紙まであるわけですから、これはどういう基準で選ぶのかまずお聞きしたいと思っております。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 高等学校で購入している新聞についてでございますが、まず、選定につきましては、各学校がその実態に応じて図書委員会で選定したり、あるいは3年生については、就職等、進学等について、社会に対する興味、関心を高めるために各クラスで購読する例もございまして、そういった場合は学年団で選定しているものと考えております。私のこれまでの経験からお話しております。
新聞の選び方につきましては、地元紙-岩手日報は当然のこととして、購読者の多いと思われます全国紙-朝日新聞、読売新聞、あるいは予算によっては毎日新聞等、そういった全国紙を中心に購読している学校が多いと思われました。政治的中立性も求められておりますので、偏った新聞購読にならないように、バランスをとった選定をしているものとこれまでの経験から考えております。
〇佐々木順一委員 4紙と区切ったこと自体、私は問題だと思うんです。新聞報道によれば、平成12年度からは小中学校に1紙のみ配布したと。1紙であればそれはそれなりに、主権者教育が始まる前でありますので、これは社会教育上、予算の関係もあるから1紙でも何紙でも私はいいと思うんですが、主権者教育が始まって、さらに主権者教育の重要性に鑑みて4紙まで地方交付税措置する。こういう予算の計上の仕方というのは、文部科学省がやるべきではないと思うんです。4紙にしようが5紙にしようが何紙にしようが、それは現場に任せる、こう言ったほうが私はやりやすいのではないかと思うんです。
それにしても、主権者教育に新聞を活用するというこの発想自体、私は貧弱だと思っております。なぜなら、メディアの媒体はいっぱいあるわけです。新聞に限らないわけでありますので、その選考は、先ほど御答弁があった現場のいろいろな委員会に委ねればいいと思うんです。そういった予算措置を私はすべきだと思うんですが、関連質問でありますので教育長の見解を聞いて、終わりますから、よろしくお願いします。
〇高橋教育長 新聞については委員の方々にいろいろな思いがあろうかと思いますので、なかなかはっきりしたことを申し上げるのは難しいんですけれども、今回の文部科学省の地方交付税措置につきましては、できる限り地方公共団体、公立学校を支援したいという中で出てきたものと思っております。
これはあくまでも地方交付税措置でございますので、何紙をとると確実に決められているわけではございません。ただ一方で、それを十分に活用するという視点を我々は持たなければならない。そしてまた、委員御指摘のとおり、社会の実情を知るには新聞だけでは足りないと思っています。地域の実情を目で見ることも極めて大事でございますので、その中の一つとしてNIE教育もあっていいのかなと思っておりますので、政治的中立性を確保する中でしっかりした活用に努めていくように各学校を指導してまいりたいと考えています。
〇佐々木順一委員 できるだけ地元紙を活用するように希望を申し上げまして質問を終わります。
〇田村勝則委員 先ほど通告しておりました3点のうち1点目を関連質問でいたしましたので、2点について御質問いたします。
まず一つは、学力向上やいじめ、不登校、これらの改善策として一番大きなポイントになるのは教師の授業力を上げることだという言葉を私の近所にいる校長先生を終えた方が言っておりました。細かい統計も実はいただいております。
そういう中で、私自身もかつて小学生もやりましたし中学生もやりました、落ちこぼれぎみではありましたが、一応高校生もやりました。実感としてそのような思いを持っているわけでございますけれども、これまでの取り組みと新年度における-先ほどわかる授業という話もございました-取り組みについてまずお伺いいたします。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 教師の授業力向上についてでありますが、全くそのとおりでございまして、学校の授業がわかるようになることが、学力向上の観点に加え、学校が子供にとって楽しい場所になり、また、自己肯定感が向上するという生徒指導上の観点からも大切であり、いじめや不登校を未然に防止することにつながるものと考えております。
県教育委員会では学力の向上に取り組んでおり、知徳体のバランスのとれた人材育成を目指しておりますが、いわて県民計画アクションプランにおきましては、特にわかる授業の割合を目指す姿の指標として掲げ、その実現に向けて、指導主事による訪問指導や研修の充実に努めているところであります。
現状といたしまして、授業の内容がわかると答えた児童生徒の割合は、平成26年度実績が69%でありましたが、本年度の実績は72%であり、少しずつですが着実に伸びてきているところであります。
今後におきましても、わかる授業を重視した授業改善が進むよう、学校組織による取り組みを強化しながら、引き続き教師の授業力向上の取り組みを推進してまいります。
〇田村勝則委員 おっしゃるとおりだと思います。
私にいろいろアドバイスをしてくださった方は、提言としてこういうことを述べておりました。管理職は学校現場を、授業の現場をしっかりと見ることが大事だと。私は地元の中学の生徒の声も聞いております。先生が1回も自分たちのほうを振り返らず、黒板にだけ向かって授業を終える先生とか、本当に何のためにこの授業時間があるんだろうというような、子供にそういう不信感を与えるような授業をする先生もいるということで、その元校長先生からは、校長先生や副校長先生がまず現場を見る。そして地元の自治体の教育委員会は、県とやはり連携をしっかりとって、先生方が現場で一生懸命授業力の研修会等をしていることは私も存じ上げておりますが、それらがうまくかみ合っていくように努力をしていくべきではなかろうかという提言もいただいております。その点についてのコメントをもう一度お願いします。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 管理職が授業を見て、現場の教職員に対して必要な指導をすることは当然必要なことであります。加えて、それを指導した上で、さらにもっと改善するための方策として、地元の市町村教育委員会の力をかりてその教員へのブラッシュアップ、力の向上を図るのも大切であると捉えておりますので、今後とも、管理職の意識啓発、行動化等、市町村教委と連携をとった取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇田村勝則委員 2点目に入ります。
日本的情緒あるいは豊かな心を育む心の教育についてお伺いいたします。
今、子供の貧困ということも言われるわけですけれども、授業力の向上も大事ですし、子供たちのありようとしてどういう姿が求められるか。私の尊敬する人の言葉に、男も女も頼もしい人になってほしい。頼もしい人になるということが、自立した社会人として、あるいは人間として、社会に奉仕するといいますか、社会に認められる人間になっていくということをおっしゃっておりました。そのためには、やはり現場における道徳、倫理あるいは規範意識を高める心の教育が重要ではなかろうかと思います。その点についてこれまでと今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 豊かな感性や情操を育む教育の充実を進めるとともに、好ましい人間関係を形成する能力の育成を図るために、学校における道徳教育を中心とした豊かな心を育む教育の推進は非常に重要なことであると捉えております。
本県においては、県内全ての公立小中学校において、道徳教育のかなめとして教育課程に位置づけられている道徳の時間を学習指導要領に従い適切に実施しているとともに、集団宿泊活動やボランティア活動、自然体験活動などを通しながら、思いやりの心や規範意識、協調性、責任感、感性など、豊かな人間性を育む教育を推進しているところでございます。
道徳の教科化にかかわる学習指導要領の一部改訂を受けまして、小学校では平成30年度から、中学校では平成31年度から特別の教科、道徳が実施されることとなっており、内容の改善や指導方法の工夫を図ることが現在求められていることを踏まえまして、道徳的な課題を児童生徒一人一人が自分自身の問題と捉えて向き合う、考え、議論する授業への転換を目指して、現在、各学校では授業改善に取り組んでいるところでございます。
県教育委員会といたしましては、国の研修会への教員派遣、県内における授業研究会、研修講座の開催、研究推進校を指定しての充実を図る取り組みを進めておりまして、教員の指導力の向上を図るとともに、校内の指導体制の整備に向けて、各学校の取り組みを継続して支援してまいることとしております。
〇田村勝則委員 皆さんもおわかりと思いますけれども、かつて世界一衝撃的なスピーチをしたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領は、いろいろな活動をする中で、たしか13年か14年の間牢獄に入っていたそうです。これは日曜日に紫波町の図書館で借りてきた本の中に書いてあった文言でございます。この大統領は世界一貧乏大統領としても知られているわけですけれども、世界一貧乏な大統領と言われたとき、この人はこういうことを言っています。私は貧乏だと思ったことはないと。その次に、貧乏な人とは少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、幾らあっても満足しない人のことだと。例えば、自分の心のありようによって貧乏という観点もこのように変わるわけです。
人というのは、価値観はそれぞれ違うわけですが、自分がいい方向につなげていく心のありようというものを学校現場でもしっかりと教えていくことが大切ではなかろうかと思います。
岩手県は、達増知事もこれから幸福度を向上させていく県土をつくっていくということでございますけれども、その核となるのは心のありようだと私は思います。足るを知ると日本の言葉にもございますけれども、そういうことをしっかりと先生方が向き合って伝えていくことも重要な教育の一環ではなかろうかと思いますが、その点についてお伺いしておきたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 ただいま御紹介のありました先人、偉人等についても、さまざまな形で教材として開発しながら進めることも一つの方向として大事なことではないかと思っております。
本県におきましても、本県ゆかりの先人にかかわる道徳の指導資料も作成して小学校、中学校に配布しているところでございますので、外国の方のみならず、まず地元の方々にも目を向けながら豊かな道徳教育を進めていければと思っておりますし、道徳教育は、今、委員御指摘のとおり、自分自身を振り返る大事な時間でもあるとともに、多様な考え方、価値観を持った方々に理解を示すということも進めていかなければいけない時間だと考えておりますので、指導要領に述べられている趣旨をしっかりと理解しながら、各学校で創造的に進めていくことができるよう、県教育委員会としても支援してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 私からは、大きく2点、1点目は民俗芸能、2点目は農業高校についてお伺いいたします。
まず1点目でございます。
民俗芸能伝承推進事業費について、平成29年度は2、300万円計上されております。本県におきましては、早池峰神楽、そして鹿踊、剣舞、さまざまな民俗芸能を有しているわけでございますが、今の現状としまして、本県の民俗芸能の団体数がどのように推移しているのかお聞きしたいと思います。
あわせまして、平成29年度、改めて指定されていく芸能は具体的に何があるのか、わかればどの程度あるのかお聞きしたいと思います。
〇斎藤文化財課長 県の無形民俗文化財の指定の状況でございますけれども、県教育委員会では、これまで34件の民俗芸能等を無形民俗文化財として指定しております。先般開催いたしました文化財保護審議会の答申を受け、本年4月を目途に新たに2件の指定を予定しているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 その2件について、具体的なお名前はお聞きできますか。
〇斎藤文化財課長 1件は、盛岡市の大宮神楽という民俗芸能団体でございます。もう1件は、大原水かけ祭り、年中行事ということで、民俗芸能ではございませんけれども、それを指定する予定でございます。
〇菅野ひろのり委員 江刺甚句まつりが入るかと思っていましたが、残念でございました。
今、民俗芸能の伝承の課題は、後継者の育成、公演の機会の確保だと思っています。昨年はありがたいことに希望郷いわて国体のオープニングでさまざまな芸能が披露されて、私は特に何もタッチしていないわけですが、地元の方から本当にいい機会を与えていただいたとおっしゃっていただきました。この場をかりてお礼申し上げます。ありがとうございました。
その中で、平成29年度、これはもう予算措置されていますが、これからそういった機会の創出をふやしていく可能性もしくはお考えはお持ちなのかお聞きしたいと思います。
〇斎藤文化財課長 後継者育成のため、今後どういうことをやっていくかということでございますけれども、県教育委員会では、県内で活動している民俗芸能団体の発表の場を確保するため、民俗芸能フェスティバルを毎年開催しております。子供たちを含め幅広い世代で構成し、活動している団体に出演していただくことにより、民俗芸能の後継者育成に一定の役割を果たしていると認識しております。また、今年度からは、岩手県高等学校文化連盟とも連携し、岩手県高等学校総合文化祭出場校からも1校出演してもらっており、若い世代に発表の場を提供する取り組みも始めたところでございます。
今後におきましても、岩手県民俗芸能団体協議会や岩手県高等学校文化連盟などと連携を図りながら、子供たちの活躍の場を確保し、後継者の育成に努めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 次に質問しようと思っていた項目もお答えいただいたのでそれで結構でございますが、いずれにせよ、場所の確保、人材の育成に一体的に取り組んでいただきたいと思っております。
次に移ります。
農業高校についてお伺いします。
特に専門高校の定員割れ等さまざまな課題があるわけでありますが、その中で、平成29年度、新たに設備投資等、予算の中で力を入れていく予定があるのか。また、今、農業分野でもスマートICT等、ICTを活用した農業等が話題になっていますし、教育でもあると思います。そういったものも農業高校等で活用していく予定があるのか、現状をお聞きしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 農業高校の設備投資についてのお尋ねでございましたけれども、平成29年度当初予算におきましては、教育振興費に産業教育設備整備費という費目を設けまして、その中で産業教育に関する設備の整備費を計上しているところでございます。これは、先ほど軽石委員への答弁の中でも申し上げたところでございます。
なかなか総額は確保しにくい中でございますけれども、その中で、各学校の要望に応じたものをそれぞれ措置しているということでございまして、残念ながら、新しいものというよりは既存のものの老朽化等に伴う更新や教育環境の整備のためにというような投資が多いという状況にございます。
このほか、来年度の投資ということで申し上げますと、当初、平成29年度当初予算への計上を予定していた盛岡農業高校の牛舎改築に要する経費1億5、000万円余につきましては、国の補正予算に呼応した事業としてさきの9月定例会におきまして予算をお認めいただいたところでございまして、前倒しして着手しております。本格工事につきましては平成29年度に繰り越して実施する予定としているものでございます。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 続きまして、農業高校におけるICT活用の取り組みについてでございますが、県内の農業高校では、農業情報処理という専門科目の中で、情報モラルや情報技術、農業情報及び環境情報の活用等について学んでおり、こうした学習活動の中でICTへの理解を深めております。
また、花巻農業高校におきましては、文部科学省が進めているスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール、これはスーパーサイエンススクールやスーパーグローバルハイスクールといったスーパーハイスクールの一つでありまして、専門高校向けの事業でありますが、そのスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールに現在申請しているところで、今、採択の結果を待っているところでございます。その中で、県の農業研究センターなど地域の関係機関と連携し、ICTを活用したスマート農業について学び、先端技術への理解を深める取り組みなどを計画に盛り込んでいるところでございます。
今後におきましても、農作業における省力、軽労化などを進めるスマート農業への取り組みが期待されておりますので、こうした先進的な取り組みを行っている専門高校の教育実践を県内に情報発信し、農業高校におけるICTの取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 設備投資については、確かに老朽化への対応が先行するのだろうと思いながら、ICTの新しい教育も進められているということで、ぜひそれは進めていっていただきたいんですが、きょう何をお話ししたいかというと、やはりこの定員割れの状況、あとは専門高校、これは農業だけに限らず水産業もあると思いますが、本県は特にそれが重要産業を占めておりますから、どのようにそれを盛り上げていこうかという思いで質問させていただいております。
先日、高校入試がありました。本県は志願倍率が0.92という定員割れの状況が続いております。特に農業高校、専門高校は非常に悪い状況だなと。水沢農業高校-地元ですが、環境工学科は0.31という非常に厳しい状況もあるわけです。当然、母数の問題もありますけれども。また、卒業後の進路も、農林水産、農林業に進む人が少ない。盛岡農業高校では9.4%しか農林業に就職していないといった状況があるんですが、この原因をどのように分析されて、専門課程の役割は時代とともに変わってきていると推測していますが、そこら辺どのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 専門高校の役割でございますが、当然、専門教育を施すことによってそれぞれの道の専門人材を育成して、最近であれば、ふるさと振興の観点から、地域の発展に貢献できる人材を育成することが求められております。そういったことが専門高校には求められていると認識しております。
定員割れの理由につきましては、それぞれ学科別あるいは地域によって事情があるものと考えておりますが、全般的な傾向として見ますと普通科においても厳しい状況にある高校はありまして、倍率で見ますと、どちらかというと専門高校における倍率のほうが高目に出ていると捉えております。ただ、学科によっては倍率が高いところ、低いところもありますので、地域性や地域における生徒の志向等もあると思います。
その中で、昨年度-平成28年度入試から高校入試の制度を若干改めまして、推薦入試において、スポーツや文化活動の実績に基づいた従来の推薦に加えて、将来の職業に対する意欲を見ようという推薦基準も設けまして-推薦Bと言っておりますが-、一部の農業高校の学科において推薦Bの志願者が多い状況がありますので、内容によっては、学びたいという生徒が農業についても一定数いると評価しております。今後は、入試制度も工夫しながら生徒募集に取り組んでまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 御説明ありがとうございました。
先ほど、岩井高校教育課長から御答弁いただきました。2点重要だと思っておりまして、1点は、専門人材の育成ということはやっぱりそうだなと思っております。一方で、盛岡農業高校のウエブにしかその進路が詳しく載っていなかったんですけれども、平成27年度卒業生は193名いらっしゃって、地域の担い手になる方は17名ということです。農林業に関しては合計で10名。この数字だけを見てしまうと、専門人材の育成に寄与しているのかとどうしても疑問視してしまいます。これは責めているということではなく、時代、ニーズが変わってきているのだろうと思っています。
また、指導要領の中でも特色を出した農業をつくっていくのは恐らく難しいだろうと思いながら、そこについては私、課外授業の取り組みがヒントになるのではないかと思っています。
何をお伝えしたいかというと、青森県の五所川原農林高等学校は、今、JGAP農業が日本ではやっていますけれども、2016年にグローバルGAPの大賞を受賞されて、オランダの世界大会で表彰されたと。これは授業の一環ではなく、恐らく課外活動だと思うんですが、そういった取り組みの中で評価されている。募集の状況を見ても悪い状況はないということを見ると、そういった課外活動への取り組みが非常に重要ではないかと考えています。
ここは通告していなくて大変申しわけないんですけれども、本県において、課外授業への県教育委員会としてのバックアップ体制、もしくは具体的な取り組みがあるのか、予算措置も含めて、その点、わかれば教えていただきたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 ただいま課外授業についてのお尋ねでございますが、ちょっと趣旨から外れるかもしれませんけれども、課外授業だけではなく、専門高校においては必履修科目として課題研究という取り組みがありまして、これは、ふだんの教科学習の基礎・基本に基づいて、それを踏まえて生徒みずからが課題を設定して、自分たちで研究活動に取り組み、成果を出すという探求的な学習活動であります。これは農業、工業、商業それぞれの専門学科において行われておりまして、学校の中だけの取り組みではなく、県内で発表する機会も設けており、学校ごとに学校の代表が発表会を通じて、お互い切磋琢磨してレベルを上げるといった取り組みが行われております。
派手なところはないかもしれませんが、先ほどもお話しした遠野緑峰高校のホップ和紙づくりは文部科学大臣賞を受賞しておりますが、そういった全国的な成果を上げる活動もあらわれてきておりますので、そういった面に対しましては、県教育委員会といたしましても、材料費について予算面といったもので支援しております。
〇菅野ひろのり委員 まさに先ほどおっしゃっていただいた和紙の取り組み、こういう明るい材料というか、非常にいい取り組みがたくさんあると思っています。例えば盛岡農業高校も動物学科をつくって、そこからトリマーなど専門学校へのルートを開いたり、さまざまな取り組みがあると思っています。
先ほどおっしゃっていた発表のところでいうと、盛岡農業高校では、全国的に農業クラブという組織がありますけれども、これは県大会、東北大会、全国大会があり、その全国大会の中で非常に優秀な成績を今までおさめられているといった中、先ほど予算のお話をいただきました。では、その成果を広報として、いかに高校生の取り組みや成功事例を発信しているのか。けさ、来るとき、今、野球で不来方高校がすごく露出されておりますけれども、本県は農業県で、その人材を育成していくのであれば、ニッチかもしれないけれども、JAを通じて農業分野の方にそういった高校生の取り組みをお伝えするとか、そういったところまで県教育委員会に踏み込んでいただいて、活躍の光を高校生に与えることが、親御さんが農業高校に行ってみろというアドバイスにつながるのではないかと考えていますが、そこら辺の御所見をお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 高校における教育活動の成果の広報活動についてでございますが、確かになかなか広く一般県民の方に広まっている状況はないのかもしれませんが、できる手段を使って、ホームページに掲載したり、あるいはマスコミ、教育記者クラブ等を通じてこういったことに取り組みますということで広報したりしているんですが、なかなか取材に来ていただけないこともあったりして、全ての取り組みが広く周知されているとは限りませんけれども、地元紙を中心に結構取り上げていただいているとは思っております。
また、直接、中学生に対しての広報につきましては、学校行事として、夏休みに入った直後のところで中学校3年生を対象にした一日体験入学、あるいは、多く秋に行われております文化祭を一般開放して、中学生あるいは小学生にも来場を呼びかけるとかして広報活動に取り組んでおります。そして、自分がどういった高校で勉強したいかということの参考にしてもらう機会は設けております。
また、生徒、保護者への広報も大事ですけれども、中学校の教員に対する広報も大事ですので、地区によって、高校によっては、中学校の担任の教員を対象にした高校の説明会、あるいは授業を見てもらった後に放課後は情報交換するとか、入ってきた卒業生がどういった進路に進んでいるとか、そういった情報を提供して進路選択の参考にしていただく取り組みをしております。
〇菅野ひろのり委員 丁寧な御答弁ありがとうございました。
子供たちのそういった活躍の場がしっかりと農業分野においても伝わるようにしていただきたいと思っておりますし、いずれこれも広報事業として予算に計上されることを願いつつ、また、その広報が地元紙であるということを願いまして質問を終わらせていただきます。
〇高橋孝眞副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時4分 休 憩
午後3時22分再 開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 先ほどの阿部盛重委員の質問にありましたいじめ相談ダイヤル事業につきまして、紹介カードの配布の先ですけれども、私、答弁で、県内公立学校とお話をしたところでございますが、県内全ての児童生徒に配布しておりますと訂正をお願いしたいと思います。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に、被災地での子供の学習環境の課題についてお聞きいたします。
阪神・淡路大震災では、応急仮設住宅は5年で終了いたしました。東日本大震災津波では、もう6年、7年目に入っておりますけれども、長い仮設暮らしによる子供たちの健康とともに、学習環境への影響も大変心配されるところです。
そこで、第1に、現在、応急仮設住宅の子供の入居状況、そして第2には、被災した学校の施設の再建は予定どおりきちっと進んでいるのか。そして、第3には、グラウンドを利用できる見通しなど、学習環境が改善されているのかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
あわせてお聞きしますけれども、放課後の学習支援の状況はどうなっているのか、継続されているのか、この件についてもまとめてお伺いいたします。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 1点目の応急仮設住宅の子供たちの入居状況についてでありますが、沿岸12市町村においては、調査を始めた平成24年10月においては3、239人おりましたが、平成28年6月段階では1、313人となっており、1、926名減少しております。沿岸を含む県全体で申し上げますと、平成28年6月の段階では1、413名となっており、沿岸の子供たちに加え100名多くなっております。
校種別に申し上げますと、小学校が584名、中学校が381名、高等学校が433名、特別支援学校が15名となっております。
〇佐々木学校施設課長 私からは、被災した学校施設の再建状況等について御答弁申し上げます。
被災して改築を予定した学校は、県立学校の高田高校1校、それから市町村立学校は13校の計14校ということでございますけれども、本年度末、3月31日までに13校の復旧が見込まれております。特に、本年度は大槌学園など9校の校舎建築が完了いたしまして、被災した学校施設の復旧が大きく進んだという状況にございます。
また、東日本大震災津波後に応急仮設住宅が設置され、現時点で使用できないグラウンドのある学校は22校となっておりますけれども、このうち7校につきましては、昨日現在で応急仮設住宅が撤去されていることを確認しておりまして、今後、早期返還に向けたグラウンド整備が進められるものと聞いております。
このように、学校施設の復旧は着実に進んでおりますが、残る施設もございますので、一日も早い復旧完了に向けて関係機関と適切な調整を図るなど、必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇松下生涯学習文化課総括課長 被災地での放課後の学習支援の状況についてでございますけれども、東日本大震災津波による被災で応急仮設住宅に入居するなど、学習環境が十分でない児童生徒を対象に、沿岸の7市町村15カ所におきまして、NPOと連携し、放課後の学習支援を実施しているところでございます。また、沿岸市町村のうち、久慈市と田野畑村におきましては、経済的な理由や家庭の事情によりまして、家庭での学習が困難であったり、学習習慣が十分身についていない中学生等を中心といたしまして、放課後の学習支援の場として地域未来塾というものを実施しております。さらに、沿岸部を含め、県内24市町村116カ所におきまして、放課後子供教室を実施しており、放課後の安全・安心な居場所の確保に努めているところでございます。
今後も、市町村教育委員会等と連携しながら、児童生徒の学習環境がより充実するように、放課後の学習支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 東日本大震災津波発災から6年たつ中で、小中学校、高校を含めて1、413人の方々が、まだ応急仮設住宅暮らしという状況です。学習支援も引き続き継続をしていくということですから、こういった子供たちというのは後戻りすることはできません。学習環境の悪化につながらないように、しっかりと取り組んでいただきたいと、要望だけにしておきたいと思います。
それで、次に、子供の貧困問題についてお伺いしたいと思います。
貧困問題に取り組む上で、学校現場での取り組みが非常に大事だと思います。岩手県で、子供の貧困対策推進計画もつくられて、その中で、学校を子供の貧困対策のプラットホームにすると、こういう表現となっております。これは具体的にどういうことなのか、子供の貧困対策に対して、県教育委員会として具体的にどう取り組んでいるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇菊池教育企画室特命参事兼企画課長 学校を子供の貧困対策のプラットホームと位置づけた取り組みでございますが、計画ではそのように学校を位置づけまして、具体的には、学校教育による学力保障、それから、学校を窓口とした福祉関連機関等との連携などに取り組んでおります。このうち、学校を窓口とした福祉関連機関との連携につきましては、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを活用できる体制を構築し、教育相談体制の充実を図っております。特に、学校におきましては、日々、教職員が子供と向き合っておりますので、何らかの異変等を感じた場合には、学校を窓口といたしまして、生活困窮世帯の子供を早期の段階で生活支援や福祉制度につなぐということに努めております。このほか、学校に通う子供の学力を保障するためのきめ細やかな指導ですとか、ほかの子供教室等による放課後等の学習支援の充実などによりまして、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、必要な環境整備、それから教育の機会均等に取り組んでいるところでございます。
〇高田一郎委員 貧困問題を取り組む上で、学校現場の果たす役割は大変大きいと私も改めて思うんですけれども、子供の行動をしっかり見て、変化に気づいて困っていることがあれば相談に乗る、あるいは今お話があったように、必要な機関と連携して取り組むということが本当に大事だと私も思います。
それで、今、スクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーのお話が出されまして、先ほども議論されましたけれども、私もこの体制、増員を図るべきだということについて通告しておりました。先ほどの質問で全体像がわかりましたので了としたいと思うんですが、ただ、報道などによりますと、国は2019年までにスクールカウンセラーを公立小学校に全て配置し、スクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に配置したいような報道もあります。先ほど国の動向を見て云々というお話がありましたけれども、さらにこれ以上の国の情報、動向があったらお示しいただきたいと思いますし、岩手の場合は、現在どういう配置状況になっているのか。スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーの配置状況はどうなっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 まず、国の動向でございますが、教育相談体制の整備という部分が恐らく最新報告かと思います。本年2月の段階で、スクールカウンセラーにつきましては、委員御指摘のとおり、全ての公立学校に配置。そしてスクールソーシャルワーカーについては、教育委員会、中学校一つというような形で、スクールカウンセラーよりは若干数が少ないような内容が盛られておったと記憶しております。
現在の県の配置ですが、スクールカウンセラーにつきましては、全ての公立の学校が活用できるような体制を今つくっております。
具体的に申しますと、まず、学校に配置するというカウンセラーもございますし、それから、各教育事務所に配置するカウンセラーもございます。加えて、沿岸市町村につきましては、巡回型と言いまして、あちこちをめぐって歩くようなシステムを持っております。ですから、各学校において、配置型以外の学校で何かありました場合には、事務所から駆けつけるという体制ができておるということでございます。(高田一郎委員「配置率」と呼ぶ)
スクールカウンセラーにつきましては、全体で90人でございます。そのほかに、県立学校の配置型及び巡回型も含めて、全体で言いますと、公立小学校においては332校中241校、それから公立中学校におきましては163校中の140校、そして県立学校につきましては、66校中の53校という配置になっております。
先ほど申し上げたように、各学校においてニーズがある場合には、そこに駆けつけるという体制はできておるということでございます。
〇高田一郎委員 恐らくこれからもこういう人的体制はふやしていくという方向だと思うんですけれども、先ほども議論があったように、人件費に対する補助率がなかなか少ないということで常勤化にならないという問題がありますので、国がそういう方向で、全ての公立小中学校への配置、スクールソーシャルワーカーについては全ての中学校区に配置ということを国が考えているのであれば、それにふさわしい財政措置というものをしっかりと国に求めていってほしいと思います。
それで、いずれ、国の動向がどうであれ、岩手県においても、増員を図っていかなければならないと思うんですけれども、岩手県として、巡回型とそれから配置型というのがあります。本来は配置型にして、そして学校の中を巡回しながら問題のある子供の家庭を訪問したり、そして福祉や医療のそういった方々と連携し合うということが大事だと思うんですけれども、岩手県としては、どういう配置計画が望ましいと考えているのか、その点もお伺いしたいと思いますし、いずれ、人材の育成が必要になってくると思います。誰でもやれる仕事ではありませんので、人材を育成していく取り組みも同時に岩手県として取り組まなければならない大変大事な課題だと思いますけれども、この点についてはどのような考えで対応しようとしているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今後の配置の部分につきましては、まず、今、いわて県民計画の第3期アクションプランが平成30年度まであるわけですが、そこの部分につきましては、1人ないし2人の年度ごとの増という計画を既に立てておりまして、今、それについては行っている最中でございます。
なお、今後の人材育成という部分は非常に大きな課題として捉えております。人材確保という面におきましては、発災当初におきましては、全国の臨床心理士会、東日本心理支援センターという全国的な組織との連携、それによって、今現在沿岸部に配置しております巡回型カウンセラー、これは臨床心理士の資格を持った方々を配置しております。
なお、県内での育成となった場合には、大学等の機関との連携が十分必要でありますし、現在においても、各大学と情報交換それから研修等を含めて連携をさせていただいております。そして、卒業を迎える学生たちにも、スクールカウンセラーの応募等に関して御配慮をいただいているというところでございます。
いずれ、人材確保については、先ほど申し上げたとおり大きな課題でございますので、いろんな方策を検討しながら進めてまいりたいと思ってございます。
〇高田一郎委員 それでは、よろしくお願いしたいと思います。
子供の貧困問題を考えるときに、教育の機会均等、教育費の負担の軽減というのは非常に大事だと思います。子供が生まれ育った環境に左右されることなく、高等教育を受けられる環境をつくることが政治の責任だと思います。新年度から給付型奨学金制度もスタートしようとしていますけれども、現在の奨学生の実態と、今度政府が進めようとする給付型奨学金が動き出すことによって、給付型奨学金で対応できる奨学生というのはどの程度になるのか、もし試算をしてあれば答弁をいただきたいと思います。
〇菊池教育企画室特命参事兼務企画課長 大学生等を対象とした奨学金については、独立行政法人日本学生支援機構が奨学金事業を実施しております。県別の人員等は公表されておりませんので、全国の数字ということになりますが、平成27年度におきましては、大学、大学院、専修学校を含めまして、132万人余の方々が貸与を受けられております。
大学生に限った場合で申し上げますと、全大学生のうちの4割弱の方が、学生支援機構の奨学金の貸与を受けられているという実態にございます。また、貸与を受けまして卒業した後、奨学金の返還ということになるわけでございますが、これも平成27年度の数字で、返還を要する方々は約381万人余でございます。そのうち、未返還者、返還が滞っている方々が約32万人余ということで10%弱、8.6%の方が未返還という状況になっておるところでございます。ただ、こういった滞納者の率に関しましては、平成25年度以降、その率は減少傾向にありこれは金額ベースについても同じような状況になっております。
それから、来年度から導入予定の給付型奨学金でございますが、来年度は先行実施という位置づけでありますので、全国で2、800人を対象として給付型奨学金の制度が開始されるという予定でございます。対象は、非課税世帯で私立大学の自宅外の学生、あるいは児童養護施設の退所者が対象ということで、月額4万円の給付、養護施設の退所者につきましては、入学時の一時金24万円も支給されるという制度設計になっております。
先ほど申したとおり、来年度は先行実施という位置づけでございますので、平成30年度からの本格実施の際は、1学年当たり全国で2万人を対象に給付がされるという予定でございます。
〇高田一郎委員 いろいろ詳しく説明していただきましたけれども、いずれ、スタートしようとしているこの給付型奨学金というのは、1学年2万人、進学者のわずか2%という状況ですね。そして、成績が悪ければ返還しなければならないという問題もありますし、財源についても、大学院生の返済免除制度の縮小とか借入金額の制限とか、一方では予算を削って対応するということで、これは本当に課題のある制度だと思うんですね。ただ、国民の大きな運動の中で、わずかではありますけれども、始まったということは大きな前進だと思いますので、これはさらに運動を強化して、対象を広げるような努力を県教育委員会としてもしていただきたいと思います。教育長に見解を聞きたかったんですが、残る質問がたくさんあるので。
就学金制度についてお伺いしたいと思います。
私もこの間、何度も就学金制度の拡充、改善について求めてきました。とりわけ、入学準備金の入学前支給、これも求めてきました。これは既に八幡平市が県内で初めて実施するということで新聞でも報道されていますが、これは金のかかる問題ではないんですね。入学前にお金を支給するということですから、これは市町村に徹底して、ぜひ全県に広げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
そして、支給額の中身を改善しなければなりません。2005年から就学金援助制度も一般財源化になりまして、市町村ごとによって格差が大きく広がっています。ちょっと調べてみましたら、支給率は一番少ない自治体で6.11%から大きいところで59.35%、これは被災地の支援をしていますから当然だと思うんですけれども、内陸部だけで調べてみても、多いところでは15.28%という、こんなに開きがあります。いずれ、子供の貧困率16.3%からしても十分ではないし、支給金額も大きな格差があります。これは入学前準備金の入学前の支給と合わせて改善を図っていく課題ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇名須川晋委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔にお願いします。
〇佐々木学校施設課長 就学支援制度についてお尋ねがございました。準要保護世帯に対する入学準備金の支給につきましては、御紹介がありましたとおり、本年度から八幡平市が始めたということでございますが、実はそのほかにも一関市、久慈市、野田村で開始すると聞いてございまして、徐々にではございますけれども拡充というか、取り組みをする市町村がふえているという状況にございます。
それから、援助費の支給対象費目等につきましては、毎年度、各市町村の教育委員会において検討が行われておりまして、これも徐々にではありますが、拡充が図られているという状況にございます。
いずれにいたしましても、就学が困難な世帯の子供の学ぶ機会を保障するという重要な制度であると認識しておりまして、県教育委員会といたしましては、入学準備金の支給実態などを含めて、必要な情報提供を行うことも必要であると考えておりますし、学校や生活保護を所管する部局などとも連携を図りながら、家計の状況を的確に把握した上で、適切な運用が図られるよう助言してまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 就学援助の入学前支給というのは、現在やっていない自治体というのは、4月に入学してから申請をして、実際は6月とか7月に支給されるんです。そうしますと、その準備のためにお金を工面しなければならない、こういう状況になっています。入学前支給となれば、その点は改善されるわけで、財源が特別かかるということではありませんので、これをぜひ、現在やっている自治体をさらに広げて、全県に広げるような努力を県教育委員会としても頑張っていただきたいと思います。
最後に、平泉文化遺産ガイダンス施設整備事業費についてお伺いいたします。
これは3、800万円余の予算が計上されております。世界遺産の拡張登録にかかわってイコモスから指摘をされておりますし、また、世界遺産の国内外への情報発信、観光振興を図る上で大事な事業だと思います。それで、この施設整備全体のスケジュールはどうなっているのか。そして、運営主体がどうなるのか。また、建設時から建設後の維持管理については、国などからどのような財政支援が図られるのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 平泉の文化遺産ガイダンス施設整備事業についてでございますけれども、本ガイダンス施設につきましては、平成21年度にユネスコへ提出いたしました世界遺産登録のための推薦書でその整備を位置づけておりまして、平泉の拡張登録に向けた取り組みと合わせて、来年度から基本設計等に着手するための所要の経費を予算計上させていただいているところでございます。
スケジュールについてでございますが、平成29年度、平成30年度と基本設計、実施設計等を行いまして、その後、平成31年から躯体工事、これは2年間ほどかかると見込んでおり、順調にいけば平成33年のオープンを目指して計画的に整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
運営体制についてでございますが、これは、県が直営でやる方式と指定管理方式、さまざまございますので、今後、最も効率的な運営形態になるように、関係者からも御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えてございます。
また、整備に係る財政支援でございますが、施設整備に関しまして一部文化庁からの補助が出るということで見込んでおりますけれども、そのほかの財源につきましても、幅広く検討を進めながら、国からの補助をいただける部分につきましては、それを活用して進めてまいりたいと考えてございます。
〇名須川晋委員長 高田委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇高田一郎委員 わかりました。じゃ、最後にいたします。
この事業は、ガイダンス施設の建築設計と展示基本設計となっております。新聞報道で見たときに、たしか2、000平米程度というような報道もありました。これは施設の機能をどうするかとか、人的体制をどうするのかということをあわせて議論しながら施設の整備計画というものがあってしかるべきだと思うんです。この点についてはどのように展開をしようとしているのか、お聞きしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 ガイダンス施設の規模についてでございますけれども、まず、現在計画しております立地につきましては、柳之御所遺跡に隣接しております敷地を想定しておりまして、その敷地上の制約もあるということ、また、今年度、平泉の文化遺産のガイダンス機能のあり方調査におきまして、他県の事例等も現在調査しているところでございまして、その辺の状況を踏まえて、現在1、800平米程度ということで考えているところでございますけれども、確かに、今委員から御指摘がございました機能ですとか運営体制というところも並行してやっていかなければならない課題であると考えておりまして、来年度の展示計画ですとか基本設計に向けて、さらに具体化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇千田美津子委員 私は2点お伺いいたします。
一つは、きょうも質疑がありましたが35人学級と教員の配置増について、それからもう一つは、いじめ、不登校問題について質問いたします。
まず、先ほど工藤勝子委員それから千葉絢子委員からもありましたけれども、私も35人学級をできるだけ早期に全学年に適用させていただきたいと。その上で子供たちが本当にわかる授業を実現するという点で、さらに教員配置が必要と考えます。
そこで、35人学級の実施の現状と今後の対応について、まずはお聞きします。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 35人学級の現状と今後につきましてでございますが、本県におきましては、本年度は、小学校では小学校4年生まで、中学校では2年生まで実施しているところであります。
学級集団のまとまりが築きやすいとか、一人一人に目が行き届くとか、生徒指導面、学習指導面で効果が高く、来年度におきましては、御承知のとおり、進路指導等の重要性が増す中学校3年生に拡充することとしたものでございます。
今後の対応でありますが、一方で、少人数加配や県単独で配置しているすこやかサポートを活用したチームティーチングや習熟度別指導等の少人数指導を実施している学校から、その効果を評価する声も多く、少人数指導の充実を進める必要もあると考えております。
今後、少人数学級を小学校5年生、6年生に拡充するためには、国における抜本的な定数改善計画が不可欠でありますので、国に対し、義務教育の機会均等と教育水準の向上を図るため、その実現を引き続き強く要望していくとともに、少人数学級のほか、チームティーチングや習熟度別指導など、さまざまな方法のベストミックスについて、市町村教育委員会などとの協議等も行いながら研究してみたいと考えているところでございます。
〇千田美津子委員 少人数学級についてまとまりやすいとか、いろいろいい点が紹介をされましたし、また、あわせて、少人数指導、TTとか、それらも評価されているという声があるということで、ベストミックスと言われましたけれども、それはそれで必要なんだろうなと思うんですけれども、私はいただいた資料を見て、対象となる学年でも未実施の学校が結構多いなと思いました。平成28年度であれば、小学校では9校で実施をしていない、中学校では13校です。新年度からは少し減りますけれども、小学校では3校、それから中学校は同じく13校ということで、少人数指導等を選択したのかもしれませんけれども、私は教育長が演述で表明しているとおり、全学年で実施することになるという部分が一番の柱になると思うんですね。ですから、そういうことを基本にしながら、あわせてチームティーチングとか習熟度別指導とか、そういうことがさらにできるようであれば一番いいなと思うんです。ですから、基本をどこに置くかというのがぶれてはいけないんではないかと思いますが、その点もう一度お伺いいたします。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 学習指導、生徒指導における基本は、やはり児童生徒一人一人に、細かい、丁寧な指導をすることが基本だと思います。その方法として、少人数学級がありますし、チームティーチング等の少人数指導もあるということでございます。
〇千田美津子委員 いずれ、先生を抜本的にふやしていただく、これが必要だと私は思いますので、今後ともそういう対応をお願いしたいと思います。
それでは次に、教員の時間外勤務が非常に多くなっていると聞いておりますけれども、現状と対応策についてお聞きをいたします。
〇今野参事兼教職員課総括課長 教員の時間外勤務ということでございます。小中学校につきましては、市町村教育委員会ごとの管理ということでございますので、本日は県立学校についてということで申し上げさせていただきますが、教員1人当たり、月当たりの平均と時間数ということで申し上げますと、本年度は、第1四半期が33.6時間、第2四半期が27時間、第3四半期が27.7時間ということでございまして、平年と比べますと漸増の傾向にあるということでございます。
それから、時間外勤務が月80時間以上の教員の割合ということで申し上げますと、第1四半期が13.9%、第2四半期が9.1%、第3四半期で9.5%というところでございまして、これにつきましても横ばいと申しますか、なかなか減少しない状況にあるところでございます。
こういった状況を踏まえての対策ということでございますが、いずれ、教員等が持っておりますさまざまな事務作業等についての精選、見直しを進めていくということでやってきたわけでございますが、平成27年からは、市町村教育委員会ですとか、それから職員団体等と協議という形で検討の場を設けまして、具体的な負担軽減策について話し合ってきているということでございまして、その場におきまして、きめ細かい話し合いを踏まえながら、各種テーマを設けて、順次検討して実施に移してきているということでございます。本年度につきましては、部活動の関係の答弁が先ほどありましたが、いわゆる部活動の休養日の徹底ということで、子供たちの負担軽減ということもございますが、教員の負担軽減という立場からも、これをやらせていただいたということでございます。
今後、さらに事務作業の見直しですとか、それから、研究指定校のあり方等といった各種テーマを順次検討して、できるところから速やかに実施に移してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 今御答弁いただいたのは、県立の部分でありますから、小中学校についてはお話があったように、市町村の教育委員会でということになると思いますが、いずれ、傾向とすれば、私は同じではないかなと。ただ、80時間以上の時間外が横ばいだと言われましたけれども、100時間以上もかなりふえているんです。私は100時間以上が、平成27年度は200人だったのが平成28年度の第3四半期で239人と、そのくらいふえているという状況を見ると、これは効果がある対応策、改善策が求められているということだと思います。さまざま検討会議を設けて取り組んでいるのは、それはそれで評価をいたしますが、ぜひ効果のある取り組みをしていただいて、子供たちに向かう先生方が疲れている、多忙であると、やっぱりそれは大きな影響があると思うんです。これについてはぜひ対応策が急務だと考えますので、その点、教育長から御答弁いただきたいと思います。
〇高橋教育長 教育は教員によって行われているということで、教員の健康管理それから士気高揚というのは極めて大事だと思っております。
この超過勤務が多いということについては、これはさまざまな社会的な教育に対する期待が高まっているということもございますけれども、あわせて、部活動等も極めて多いという状況にございます。そういう中で、一部には、部活動が自分の命みたいな-これはいい意味で、一生懸命取り組んでいる教員もございます。ただ、そういう中で、自分自身が知らず知らずのうちに体が疲れてくるということは、結果的に子供に影響がいくということでございますので、協議の場で具体的な実績を話し合いながら実行に移していきたいということでこれまで取り組んできているところでございまして、委員のただいまの御提言等も十分踏まえながら、着実に推進していきたいと考えております。
〇千田美津子委員 今、御答弁がありましたが、私自身も、熱心な先生のおかげでいろいろ部活動を続けることができたという感謝の面もありますが、今教育長がおっしゃったように、もっとゆとりが持てるようにぜひお願いをしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
一般質問でも小西委員が取り上げた問題ですが、被災地への教員配置について改めてお聞きをしたいと思います。
本会議のときの答弁では、今年度は小学校が108人、中学校が81人、義務教育学校が12人、高校が34人、特別支援学校が12人で、現在は247人の教員配置があるわけですが、新年度が、小中学校等が180人と約1割減る。そして、高校が33人、特別支援学校が6人、合計で219人という御答弁がありました。そのときは余り感じなかったんですけれども、トータルで28人減っているということですが、被災地の子供たちへの支援は、まだまだこれから必要ではないかと思うんですけれども、なぜ28人減るような状況になったのか、まず、これについてお聞きをしたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 今、復興加配が28名減、その理由についてということでございましたが、沿岸被災地の教育委員会それから学校を回って、来年度の復興加配数について要望を1件1件お聞きしてまいりました。学校が統廃合で、例えば赤崎小学校と蛸ノ浦小学校が一つになるとか、今度大槌学園が今年度一つになって、両方の学校にあった復興加配が合わさるので、そこの分、復興加配が多くなるということで、そういうところで減ずるようなところもございまして、そうやって1件1件丁寧に精査していったところが、この28名減という数字になったものでございまして、こちらで減ありきということでやったものではございません。
〇千田美津子委員 本会議でもたしかそういう御答弁だったと思うんですが、私がちょっと耳にしたのでは、阪神・淡路大震災のときも、5年経過をして、もう文部科学省はそろそろいいだろうということで加配の職員を1割減じたと。今回もそういうことで減らされたのだというようなことが耳に入りました。統合とかそういうのはあると思うんですけれども、私は、今御答弁あった学校一つ一つ回って、それで積み上げた数が28人減ということになったとはちょっと、その話を聞いて思えなかったんです。ですから、文部科学省とのすり合わせの中で、最終的には1割以上の減になるわけですけれども、そういう形になったのじゃないかなと私は思ったんですけれども、そのようなことはなかったのかどうか、お聞きをします。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 文部科学省から1割減じなさいとか2割減じなさいというお話はありませんでした。ただ、東日本大震災津波から6年になる状況で、状況が変わっているところがあるだろうということで、その状況を一つ一つ丁寧に聞き取った数字でもう一回申請するようにということで、最初、小中学校では200という数字を震災直後のどさくさの中で要望したわけですが-ちょっと失言でしたが-あれは本当に大変な中で、学校の希望を聞いて、その後の6月に追加でどれぐらいの加配が必要かということで、さらに上乗せして200という数字になったものでございまして、それから5年がたって、校舎も建ったし整備がされたというようなことでもう一回基準を変えたといいますか、当時の基準から見直したところ、180という数字が小中学校で出てきたということでございます。
〇千田美津子委員 学校が統合になって減るとか、そういう部分はいいと思うんですが、子供たちの不安な状況とかさまざまな悩みとか、そういう部分についてはより丁寧に私は対応していかなければならないと思うんです。
それで、兵庫県の教育委員会がまとめた、阪神・淡路大震災の影響で配慮が必要な児童生徒の推移というのが出ていまして、確かに5年過ぎて少しずつ割合は減ってきています。ただ、8年たってようやく半減しているという状況で、私は現地の子供たちへの十分な対応という点では、まだまだじゃないかなと思うんです。ですから、県内でそういう子供たちの実態を一人一人見たときに、本当に28人も減るというのが私はちょっと信じられなかったので、新年度はもう決まったことだとは思いますけれども、私は子供たちの実態に沿った対応を県教育委員会としてもっとしっかりやるべきだと思いますので、もう一度お聞きをしたいと思います。
〇荒川首席経営指導主事兼小中学校人事課長 今、千田委員御指摘のとおり、一人一人の状況、6年たちましたけれども、心のサポートにおきましては、発災当時学校に入学していなかった子供たちのほうが、入学して大変な状況にあるということも把握しておりますし、当時、学校にいた子供たちが卒業したからといって安心できる状況ではないということも認識しておりますので、そういうところに対応できるように、我々としても、必要な復興加配について、今後とも継続して国に要望してまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 それでは二つ目、いじめ、不登校の実態と解決に向けての組織的対応策についてお聞きをいたします。
不登校についてはきょうも議論がありまして、小学校では189人、中学校829人、高校が339人ということで、本当に多いなと思いますが、引き続き対応をお願いしたいと思います。
それでは、いじめの状況についてお聞きをしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 平成27年度いわゆる問題行動等調査の県内の公立学校のいじめの認知件数ということでございます。小学校で2、302件、中学校で765件、高等学校で157件、特別支援学校で50件、合計いたしますと3、274件でございまして、前年同期と比べますと1、500件の増加ということになっております。
〇千田美津子委員 いじめの件数がふえているというのは、周辺の認知度が高まってきているということで、これはこれでいいと思うんですが、私が気になるのは、先ほど不登校がふえているという点で、いじめが原因で不登校になっているという状況はないのか、その点をお聞きしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 不登校の原因としていじめがあるかないかということでございますが、率にすれば非常に小さいものでございます。先ほど小・中・高といった場合に、小学校の場合には、家庭的な要因が大きなものを占めておりますし、中高で言いますと、人間関係の部分、それから学業不振の部分、このあたりが大きな原因として捉えております。ただし、いじめがきっかけというところももちろんございますので、そちらに対しても、丁寧な対応はもちろんしていく必要があるとは考えてございます。
〇千田美津子委員 それでは、いじめの解決にさまざま取り組んでおられるようですが、それに向けての研修の実施状況と、組織的対応がどのように行われているのか、改めてお聞きをいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 まず最初に、いじめ問題にかかわる研修の状況ということでございますが、まずは、各学校において研修がなされているかどうかという部分につきまして、本年度、調査をしたところ、校内研修を実施していると回答した割合は88.1%となっております。実は、矢巾町事案がございましたときの緊急調査時に比べますと、27.9ポイント上昇してございます。ですので、各学校におきましては、危機感を持ちながら研修等に取り組んでいるであろうと思っています。
次に、各小中学校それから高等学校、特別支援学校の部分につきましてですが、各小中学校につきましては、県内6教育事務所がございます。その6教育事務所におきまして、いじめの研修をしっかりと行っておるという状況でございますし、それから高等学校、特別支援学校におきましては、県教育委員会のほうで県内8カ所を5月に回って歩きまして、それぞれいじめにかかわる研修を生徒指導主事等に実施したというところでございます。
次に、組織的対応についてということでございますが、同様に行った県教育委員会の調査によりますと、いじめと認知した事案または疑われる事案があった場合に、1人または特定の教員が抱え込むことなく、組織的な対応をしたと回答した学校の割合は99.5%となっております。もちろん、いじめを認知しない学校もありますので、県内学校のほとんど全ては、組織的な対応を行っているものと認識をしております。
いずれ、この研修と組織的な対応というのは、今後におきましても非常に重要なポイントになるものでございますので、今後とも、この部分につきましては、前向きに取り組んでまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 いじめに係るこの種の研修はよく行われているんだなということがわかりました。しかし、一方で、重大事態も起きているのが実態です。何が問題かと言えば、組織的な対応をしていると言われておりますけれども、個々の学校あるいは教育委員会の中で、中身が問題なのかなと思っています。教師全体のものにするために可視化しているということでやられているんですけれども、学校によってそうなっていない、報告とすればちゃんとやっているよということになっているようですが、それがやっぱり全体のものになっていない学校があるんですね。ですから、この状況をどうやったら改善できるかということになるわけですが、そこで、重大事態への対応についてはどのようになされているか、まずお聞きします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ防止対策推進法第28条第1項の重大事態にかかわる対応の部分につきましては、まず、県立学校につきましては、学校から県教育委員会に報告がございます。県教委は、この事実を知事へまず報告をいたします。あわせて、その重大事態にかかわる調査を行うわけですが、その主体が学校であるかまたは県教委であるかという判断を県教委でいたします。一義的には、児童生徒と日常的にかかわっている、よくその子供たちを知っている学校が調査の主体になると定めております。
では、県教委がどういうときに主体的になるかといいますと、まず一つは、学校の調査では十分な調査ができないであろうと思われるような事案、もしくは、学校の調査に時間がかかり、学校の本来の姿、つまり、教育活動を実施できないようなおそれがある場合につきましては、最初から県教委のほうでの調査、つまり、県教委附属機関であります岩手県いじめ問題対策委員会が調査をすることになります。いずれ、学校が調査をしましても、それから附属機関が調査をしましても、その結果につきましては知事への報告をするということになっております。
市町村立学校につきましても、基本的な流れは国の法律によって定められておりますので、このような流れで対応しているものと認識しております。
〇名須川晋委員長 千田委員に申し上げます。世話人会の申し合せにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇千田美津子委員 終わりますが、最後にします。
今、答弁があったんですけれども、小中学校に関しても同じような対応がされていると。ただ、私のところに、高校ではないんですけれども、学校の初動が悪くて、重大事態に発展した事例があります。県教育委員会にお話をしましたけれども、小中学校の場合は、市町村教育委員会が一応第一義的に対応するんですけれども、重大事態については県教委も把握して、ぜひ私はアドバイスをいただきたいと。そうでないと、本当はもっと早く解決できるはずのものが、もう2カ月も実は子供が学校に行けなくなっているという事例もあるんです。ですから、新学期から何とか行きたいということで、今、取り組んでいるんですけれども、ぜひ小中学校についても県教委が、そういう報告を受けながら適切なアドバイスを私はしていただきたいと。いじめに対する基本方針はありますけれども、それの捉え方、それから学校の対応の仕方が違いますので、矢巾等で起きた、そういう事件にならないように、県全体で取り組む必要があると思いますので、その点伺って終わります。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今御指摘のようなことがあるんだと思われます。そこにかかわって、研修というのは非常に大事なウエートを占めるということでございまして、今年度、各教育事務所のところで校長研修講座というのが開かれておりまして、その中で私のほうから三つのことをお願いしております。
一つは、いじめの積極的な認知、二つ目は、情報の共有、そして三つ目として組織としての対応、この三つをとにかくお願いしたいということを含めて、管理職の方々に御理解をいただいたと認識しております。
なお、市町村教育委員会のところで非常に困難な事案を抱えた場合には、県のほうでいじめ問題解決の支援チームというのを持っており、このことについては、市町村教育委員会に周知をしておりまして、要望があれば、その学校に直接我々指導主事と、それから、その事案にかかわる専門家を同行しまして、そこの対応に当たらせていただいているということでございます。
〇斉藤信委員 今、いじめの問題にかかわって関連の質問を行います。
実は、平成28年12月23日に、矢巾町いじめ問題対策委員会、いわゆる第三者委員会が調査報告書を出しました。私は、これは極めて重要なものだと思いますので、一つは、いじめがどう認定をされているのか、自殺の要因についてどう認定されたか、そして、当該学校の対応の問題点は何なのか、どういうふうにこの調査報告書では提起されていますか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今、御質問が三つほどございました。いじめの認知にかかわる部分でございます。そのいじめの認知にかかわる定義につきまして、国の法律とかに照らして当該校におきましては、若干、そのニュアンスが違っており、共通認識に欠けるところがあったという御指摘があったと思っております。
それから、自殺にかかわっての部分でございますが、いろんな情報をその当該教師が抱え込んでしまって、情報共有に至らなかったという部分が御指摘にあったと思います。
そのことも踏まえまして、提言が後段に載っておりまして、これにつきましては、31回の調査の後、12月23日だったと思いますが、ホームページ上にアップされておりました。それについては、各県立学校を含め、各県内の公立学校それから私立学校等に周知をしたところでございます。
加えまして、その問題にかかわっての調査の本体といいますか、全部で200ページくらいに上るものでございますが、それにつきましても、本年2月の段階で、全ての学校に送付させていただいて情報の共有を図っており、再発防止に資しているところでございます。
〇斉藤信委員 せっかく全文を各学校に配布したという割には、突然の質問だったかもしれないけれども、答弁は極めて不正確でした。
この第三者委員会の報告を見ると、いじめについては、いわば点ではなくて線で評価をすると。いじめはあったとこれは認定をされました。これは部活動でのいじめ、クラスの中でのこれは身体的暴力を含めたいじめ、二つの側面でいじめは認定されました。しかし、自殺との関連では、こういう認定なんです。
いじめが希死念慮をもたらした少なくとも一つの原因になっていたと認定すると。いわば、いじめは自殺したいと思う、そういう思いの少なくとも一つの要因と。そして、自殺との関係の結論はこうなんです。現に自殺を決意するに至った経緯が不明と言わざるを得ない。したがって、Aの自殺の主要な原因を特定することは困難であり、いじめが自殺に対してどの程度の影響を与えたのか断定することはできないと認定したと。
私は、これは第三者委員会がこれからもいろいろ出てくると思うけれども、真相究明というのは一番大事なんです。しかし、矢巾町が本当に31回、1年3カ月にわたって調査をされたということには、私は敬意を表しますけれども……
〇名須川晋委員長 斉藤信委員に申し上げます。当該委員でございますので、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえて、簡潔に質疑されるよう御協力をお願いします。
〇斉藤信委員(続) いやいや、何分でもないでしょう、今。委員長、何分も続けようと思っていないんだから、質問の途中で、問題だよ、それ。
〇名須川晋委員長 簡潔にお願いします。
〇斉藤信委員(続) 今、本当に大事な微妙なところを言っているのに。
私は、やっぱり真相の究明というのが、率直に言って結論に至らなかったと思います。
実は、もっと複雑な事件でしたが、滝沢市の事案の結果はこうでした。いじめが直接的原因になったと捉えることはできないが、いじめと自死の間に一連の関連性があったものと考えられる、滝沢はこういう認定です。
第三者委員会のあり方というのがこの間、そういう意味で問われたのではないか。これは教育長にお聞きしましょう。
そして、ここの提言の中で、特に情報共有、先ほど生徒指導課長がおっしゃった三つの点、私は大変大事なことだと思う。ただ、それをやるために、この提言は何を提起したかというと、情報共有や情報提供が円滑に行われるには、教職員同士、教職員と保護者との信頼関係が不可欠である。このような関係の構築は個々の教職員に任されるべきでは決してなく、学校づくりの課題として……
〇名須川晋委員長 簡潔にお願いいたします。
〇斉藤信委員(続) 全教職員が一丸となって取り組むものだと。この提言は私は大変大事だと思うけれども、この点を最後に教育長に聞いて終わります。
〇高橋教育長 第三者委員会の報告につきましては31回に及ぶ調査の結果出されたということで、これを今後、本県の教育に生かしていかなければならないと考えております。そしてまた、そういう情報共有を岩手の教育界でやっていかなければならないということでございます。これまで常任委員会でも考え方についてはお伝えしておりますので、御了解をいただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 スポーツ医・科学の取り組みについてお伺いいたします。
これまでは主に競技力向上、選手育成のためのスポーツ医・科学サポート体制が、国体もありましたので、メーンであったと認識しておりますが、今後は、これまで以上に県民一人一人に対するスポーツ医・科学の普及によるスポーツを通じた健康づくりの取り組みが一層必要であると考えております。これまでの課題、成果を生かしながらどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 スポーツ医・科学サポートの取り組みについてでございますが、これまで、岩手国体等における競技力向上とともに、沿岸被災地の応急仮設住宅で暮らしている住民の健康づくりにも取り組んでまいりました。また、小・中・高校に対しては、子供の健康や体力向上を目的に、スポーツ栄養士やアスレティックトレーナー等のスポーツ医・科学の有識者を派遣し、講習会の開催やトレーニング指導をするなど、スポーツ医・科学の普及に努めてきております。
今後の取り組みにおきましては、市町村体育協会や学校等と連携しながら県内各地においてスポーツ医・科学講習会や相談会を開催し、医・科学を根拠とした指導のもと、体力向上とともにスポーツに対する意欲を向上させ、県民の運動の習慣化を図ってまいります。
また、高齢者、就労層、子育て世代などそれぞれのライフステージに応じて体力測定や運動プログラム指導等を実施し、スポーツの機会を充実させることによりスポーツによる健康づくりの浸透を図ってまいります。
〇吉田敬子委員 その中で、子供の健康、体力づくり、成長期のけが、これは成長期におけるスポーツ障害がさまざまありますが、そういったものに対する県の取り組みの成果と課題を伺いたいと思います。
例えば、スポーツ障害がさまざまある中で野球肘というものがありますけれども、他県では少年野球大会の会場において野球肘検査の診断ブースを設置するのが進んでいるということを県内の講演会で年末伺って、私も勉強になりました。県内の状況についてお伺いしたいと思います。
文化・スポーツ振興戦略の中にも来年度以降に入ってくると思うんですけれども、幼稚園や小学校と連携して、スポーツ医・科学の視点を取り入れた遊びやレクリエーションに取り組まれるということも書かれておりますけれども、それも含めてお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 成長期におけるスポーツ障害に対する今後の県の取り組みでございますが、これまで県では、スポーツ医・科学専門員が保護者や部活動指導者を対象に運動機能チェックテストやトレーニング法の研修会を実施するなど、子供の体力づくりとスポーツ障害予防に取り組んでまいりました。また、地域のスポーツ指導者や保護者に対しては、各スポーツ分野の専門家を招いて、オーバーユースによるスポーツ障害など、ジュニア選手に多い障害の予防やジュニア期のトレーニング法について講習を実施し、障害を防ぐ重要性を伝え、その予防対策を行っているところでございます。
その成果として、スポーツ障害を予防するためには、子供たちの栄養摂取やトレーニング及びコンディショニングづくりが大切であることを理解し、講習会で学んだ知識を指導に生かそうとする指導者や保護者がふえてきております。また、学校からは、スポーツ医・科学講習会開催の要望がふえ、スポーツ医・科学の効果を感じて指導に取り入れようとするなど、その必要性は高まりつつあると感じております。
しかし、これまでの取り組みはまだ一部の地域における取り組みであり、今後も、県内各地において事業を推進し、スポーツ医・科学の普及を推進していく必要があると考えております。
県民のスポーツ医・科学に対する関心はますます高まっておりますので、今後も、スポーツ医・科学を活用した安全で効果的な指導を定着させ、子供の充実した運動、スポーツ環境づくりに努めていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひ県内全域で、そういったスポーツ障害に限らず医・科学の取り組みが広まるよう、来年度以降も大変期待いたしております。
現在のスポーツ医・科学機能の拠点については県営スケート場内にありますけれども、広く県民に対して今の場所で機能を発揮できているのか認識をお伺いしたいと思います。
通告はしていなかったんですが、スタッフ体制と利用者の推移も含めてあわせてお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 スポーツ医・科学機能の拠点についてですが、委員御案内のとおり、県営スケート場の2階に担当スタッフ-医・科学専門員2名、指導主事を2名、非常勤の専門医もおりますので、計6名体制で事業を推進しているところでございます。
これまでは希望郷いわて国体の競技力向上を中心として活動し、体力測定とスポーツ栄養、メンタル指導等に関する講習会をその中で実施してまいりました。現在の環境では、利用人数や指導内容の制限をするなど、スポーツ医・科学拠点としては厳しい状況であると感じております。また、現在の利用状況としては、各競技団体の高校生や成年種別の選手に対する医・科学測定あるいは講習会等を実施している状況にございます。
〇吉田敬子委員 名須川委員長も一般質問の際に取り上げられていましたけれども、新たな野球場を県と盛岡市で共同整備を進めていく中で、スポーツ医・科学の拠点となる施設の整備についても、今回の県営体育施設の整備の一つとして、県の立場としてぜひそういった声を上げていただきたいと思いますけれども、改めて県の見解をお伺いしたいと思います。
あわせて、これは保健福祉部でとっている統計ですけれども、健康いわて21プランの中には県民の1日平均歩数とか運動習慣の割合という統計があります。岩手県民の男性の20歳から64歳の目標値が8、800歩とある中で今年度は6、500歩ということで、県民、特に男性は1日に歩く習慣がないことがわかっています。運動習慣の割合では、65歳以上はすごく積極的にやられているそうですけれども、男女ともに20歳から64歳が運動習慣がないという調査結果が出ております。私は、やはり若いうちからスポーツを通じて生活習慣病予防や介護予防につながる健康づくりを国体を契機に今後進めていく必要があると思いますし、せっかく4月から文化スポーツ部を設置するということで、競技者だけでなく私たち県民一人一人がスポーツに携わるきっかけをつくっていくべきだと考えておりますが、その二つについて御所見を伺いたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 スポーツ医・科学機能の拠点についてでございますが、これまでの医・科学の事業成果により、競技力向上や県民の健康づくりを支えるスポーツ医・科学の持つ役割は今後も大きくなるものと考えております。
スポーツ医・科学センターのあり方につきましては、外部有識者や競技団体等から御意見をいただきながら、現在、県営体育施設の総合的なあり方の検討を進めているところでありまして、その中で方向性を定めていきたいと思っております。
また、就労者層のスポーツの実施率という部分は、非常に県内あるいは全国でも低い状況にございます。文化スポーツ部が新たに組織される中で生涯スポーツが移管されるということでございますので、そういう就労者層に対してスポーツの振興という部分についても伝えられるような取り組みをしていきたいと思っております。
〇臼澤勉委員 私からは、教育長の演述に基づきまして端的にお伺いしたいと思います。
まず初めに、先ほど高田委員からも御質問がありました平泉の文化遺産ガイダンス施設の整備についてお伺いいたします。
世界遺産登録されてから5年になりますが、まず、この平泉文化遺産の価値の情報発信あるいは啓発に対する評価をお伺いしたいと思います。
〇松下生涯学習文化課総括課長 平泉の文化遺産の価値の普及を図るため、県内の各学校を対象にいたしまして、平泉の出前授業を毎年度実施してきているところでございまして、県内の児童生徒への価値の普及を図っているところでございます。また、平泉文化の研究や発掘調査の成果を広く発信するため、県民を対象といたしました平泉文化フォーラムも毎年度開催してきているところでございます。
平泉の文化遺産に関する出前授業につきましては学校からのニーズが高いこと、平泉文化フォーラムにつきましても、参加者からのアンケート結果におきまして平泉文化への関心が高まったなど肯定的な回答を得ている状況でございまして、今後も引き続き平泉の文化遺産の価値の普及に取り組んでいく必要があると考えております。
〇臼澤勉委員 先ほど高田委員からは、スケジュールと運営主体について来年度の基本設計に対する御質問がございましたが、私からは、今ある既存のガイダンス施設の利用状況と、これから県が整備するガイダンス施設のすみ分けをどのように考えているのか。その目的や規模、あるいは展示内容を現時点でどう考えているのかお伺いいたします。
〇松下生涯学習文化課総括課長 ただいま委員から御案内ございました既存のガイダンス施設につきましては、平泉町が運営しております平泉文化遺産センターのことだと思いますけれども、当該センターの来館者数は、平成26年度は約4万5、000人、平成27年度は3万6、000人、平成28年度は2月末現在で約3万5、000人と聞いております。
平泉町の文化遺産センターと新たに整備を計画しておりますガイダンス施設のすみ分けについてでございますけれども、新たなガイダンス施設に平泉の文化遺産の価値の紹介や総合的な情報発信機能を集約いたしまして、平泉町の文化遺産センターでは平泉町の郷土の歴史等を紹介する展示を行うことですみ分けしていくことを想定しており、現在、平泉町との協議を進めているところでございます。
加えて、ガイダンス施設の目的、展示内容についても御質問がございました。
ガイダンス施設の整備の目的についてでございますけれども、平泉の文化遺産の世界遺産としての理念や価値、そして学術情報を総合的に国内外に発信し、平泉文化遺産への理解を深めることを目的としております。
展示内容につきましては、柳之御所遺跡を初め、平泉の発掘調査で出土しております重要文化財などの貴重な出土品を展示するとともに、映像等を活用した歴史体験を通じて、平泉の価値を体感できるような場を提供することを想定しておりまして、今後、有識者や関係者の意見を踏まえながら、来年度策定する予定でございます展示計画の中で具体化していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 町が設置したガイダンス施設も、いろいろな経緯があってあそこに建てられ、既存施設を活用して設置されていると私も認識しております。今回のガイダンス施設の整備にあわせて、柳之御所遺跡の発掘調査や史跡公園の整備、あるいは周辺には道の駅等の整備もございますので、ぜひそういった全体の施設、公園整備も含めて、さらには拡張登録についてもしっかりと取り組んでいっていただきたいということでお願いしたいと思います。
次に、学校施設の整備についてお伺いいたしますが、私からは、トイレの整備についてお伺いいたします。
県内の公立小中学校及び高等学校のトイレの整備の現状をどのように評価されているのかお伺いいたします。
私が伺っている中では、県内の市町村別では、洋式トイレの整備率が10%から高いところでは80%と、市町村によって結構な格差があると見ておりますが、その状況についてどう評価されているのかお伺いいたします。
〇佐々木学校施設課長 学校施設のトイレ整備の状況とその評価でございます。
今のお話は公立学校のトイレの洋式化の話だと考えておりますが、生活様式の変化への対応という側面は当然あるわけでございますけれども、東日本大震災津波以降におきましては、特に学校が避難所としても活用されている。多様な方の利用にも配慮した整備が求められている状況なども踏まえますと、今後、優先的に改善を進めるべき課題の一つであろうと認識しております。
各市町村の状況につきましては、委員から御紹介があったとおり相当温度差があると考えておりまして、市町村に対しましては、国の助成制度もございますので、明確な方針や年次計画を持って取り組むよう助言しているところでございます。
〇臼澤勉委員 国の施設交付金、大規模改修のそういった部分、各市町村の財政事情もあろうかと思いますが、ぜひそこら辺に対してもいろいろとアドバイス等をいただければと思います。
全国調査では、和式より洋式を多く設置する方針の学校設置者が全体の85%という結果が出ております。県教育委員会として、トイレ整備に対する方針をどう考えているのかお伺いいたします。
〇佐々木学校施設課長 県立学校のトイレの整備につきましては、内規で原則、過半数を洋式とすると定めておりまして、大規模改修等に合わせて順次整備を進めている状況にございます。
〇臼澤勉委員 今後の学校の施設整備に合わせていろいろやっていくのだろうとは思いますが、私は、せんだって県内の特別支援学校を回らせていただいている中でトイレ環境の整備が非常におくれているような現場も見させていただきまして、特別支援学校におけるトイレ洋式化の現状に対する御認識と整備方針についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 特別支援学校のトイレにつきましても、方針とすれば、基本は内規に基づきということになるわけでございますけれども、御案内のとおり、児童生徒の状況によりまして必要とするトイレの仕様が異なる場合が当然ございます。一律の基準による整備はなじまないことも多くございます。さまざまな要望がございますので、個別の事情を聞きながら必要な整備や改修を行うことが必要と考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひよろしく御対応をお願いしたいと思います。
続きまして、産業人材の育成とキャリア教育につきましても、先ほど来、軽石委員あるいは工藤勝子委員、菅野ひろのり委員からもありました。私からは、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール推進事業についてお伺いしたいんですが、来年度、文部科学省の指定を目指して農業、工業、商業などの専門学校が申請されているということで、先ほども農業高校が指定を目指しているという話は聞いておりますけれども、ほかに全体でどういう予定になっているのか。そして、この指定を通じて何を目指しているのかお伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 文部科学省が進めるスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール推進事業への申請についてでございますが、委員御案内のとおり、現在、花巻農業高校が農業分野に申請しております。あわせまして、種市高校が海洋開発科で工業分野に平成29年度の採択を目指して申請中でして、採択されるかどうかの結果が出るのは3月末の予定となっております。
続きまして、この事業で目指すものですが、この事業を通じて、社会の変化や産業の動向等に対応した高度な知識、技能を身につけ、社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成することを目指しております。
〇臼澤勉委員 ぜひ採択されることを願う一人でございますが、ほかにも県内には商業高校などもあるわけですけれども、農業、工業、商業といった部分での指定申請の予定というのは今後どのようにお考えになっているのかお伺いします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 現在、申請している2校以外の申請についてでありますが、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールにつきましては大変ハードルが高くて、全国で10校程度となっておりますので、正直申しまして大変厳しい採択になるのではないかと考えております。採択されましたなら、採択された高校の取り組みを県内に普及させて、先端的な取り組みにそれ以外の高校についても取り組んでいきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 全国10校の中の2校にとりあえず入っていただきたいと思うんですが、第一線で活躍できる専門的職業人の育成、これは3年程度取り組むと聞いているんですが、どのような人材を今後輩出していくか。先ほども県内就職率が非常に低いという御質問が工藤勝子委員あるいは菅野委員からもありましたけれども、そこら辺の出口というか、そういった部分にもしっかりと対応していくことがすごく大事なポイントになると思います。そこら辺のお考えについてお伺いいたします。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 人材を育てようとする分野といたしましては、花巻農業高校につきましては、農業経営のグローバル化や6次産業化に対応できる国際感覚と経営感覚を身につけ、地域で活躍する農業及び地域産業の担い手を念頭に置いております。また、種市高校につきましては、工業系の潜水士養成に対応する全国唯一の高校としての特色を生かして、港湾工事や海底資源開発等を担う潜水業界への人材輩出を念頭に置いております。
〇臼澤勉委員 ぜひそういった専門高校のさらなる高度な技術指導といいますか、産業人材の育成につなげるようお願いしたいと思います。
最後に、豊かな心を育む教育の推進について、魅力ある学校づくり調査研究事業についてお伺いいたします。
不登校になりにくい学校づくりのための調査研究を進めるとのことでございますが、具体的に何をどの程度の学校で行うのかお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 本県、それから全国におきましても、中学校1年生段階で不登校の生徒が増加する傾向にございます。この事業につきましては、新たな不登校児童生徒を生まない学校づくりをするというのが事業の趣旨でございます。
来年度、新規事業としまして、魅力ある学校づくり調査研究事業、これは国立教育政策研究所から2カ年の委嘱を受けて実施するものでございます。県内の1中学校区をモデル地域として指定しまして、不登校の未然防止、初期対応のための学校体制づくりのあり方について実践的な研究をしていただこうという事業でございます。
〇臼澤勉委員 一般質問でもお伺いしたんですが、特に未然防止の取り組みがやはり何よりも重要と思っておりますが、今回、具体的にどういう取り組みをなさるのか、そこら辺の基本的なお考えをお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 不登校にかかわる未然防止の取り組みでございますが、実際、不登校、特にも中学校、高校の不登校にかかわりましては、いじめを除く友人関係をめぐる問題、つまり人間関係の部分、それから学業不振の部分がございます。よって、この二つの部分で、人間関係づくり、つまり集団づくりの部分とわかる授業づくりが両輪になろうかと捉えております。
具体的な事業につきましては、指定しましたモデル地区の主体性もございますので、その部分につきましては今後協議をしながら詰めてまいりますが、基本的には人間関係づくりとわかる授業づくり、この2本が両輪と考えております。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますが、今回のこの調査研究について、今後、県内の各学校にどう展開してこの取り組みの成果を出していくのか、最後にそこをお伺いして終わりたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 この事業につきましては、実は他の都道府県でも実践した実績がございます。その結果を見ますと、不登校生徒の割合が減少した、または不登校生徒の割合が全国平均を下回ったという報告が出されております。本県におきましては2カ年の指定でございますので、1年目はモデル校を中心としました取り組みを行います。2年目につきましては、それをまとめてリーフレットを作成しまして、県内各学校に配布する予定となっております。
〇臼澤勉委員 今、リーフレットということだったんですけれども、ぜひそれにとどまらずに、そういった研究成果を共有できるよう、毎年行っている教育の研究大会といった場でも積極的に共有していただきたいと思います。
学校は我慢するところじゃない、わくわくするところだということをある先生からもお話しいただきまして、そういうわくわくする学校づくりを今後も県教育委員会、そして関係者ともども取り組んでいただくことを要望して終わります。
〇名須川晋委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 先ほどの関連質問に、2回、委員長から発言規制がありました。私の関連質問はわずか6分でした。わずか6分の間に2回の発言規制というのは、何を根拠に、何を基準にやったのか。ほかの委員の関連質問とも、私は公平性を欠いたと思います。議員にとって議会での質問というのは一番大事なんです。私は当該委員だから、通告をしないで、短時間でやるために関連でやったんです。それを6分の間に2回も規制するというのはやり過ぎだったのではないですか。そこのところをはっきり示していただきたい。
〇名須川晋委員長 2度目の御質問が長かったということで、早く簡潔に御質問いただければよかったと思って、2度目の注意させていただきました。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇柳村岩見委員 委員長は、ただいまの議事進行に対してそう答えられましたけれども、時間だけの問題ではありません。当該委員が、午前中に関連質問がございました。そして午後も関連質問でございます。ベテラン議員でございます。ましてや今、会派構成も勢力を増していますから、各分野にわたっての情報収集は十分できる会派になりつつあると思います。その中で、後輩議員がおやりになる以上のことを先輩議員がなさるということと、そもそも関連質問という性格、関連質問というのは、本来は、当初、質疑に参加する意思を示してから、そして私の質問と関連があることについてお話があったときに関連づけて関連質問させていただきますと言っておやりになるのが基本でございます。
今では、質疑に参加する意思は、質疑がありませんかと言ったとき示していないのに、それでも関連質疑で登場してくる。それなら、全く手を挙げないで、通告しないで、いつでも質疑に参入してこられるということです。
世話人会を開いて、整理整頓して委員会に報告を願います。
〇名須川晋委員長 後刻、世話人会を開催いたします。ほかに質疑はありませんか。
〇高橋元委員 5時になりますので、簡潔に行います。
花巻清風支援学校北上みなみ分教室の開室が新学期4月6日ということで御案内が届きました。これまで請願や陳情、あとはいろいろな署名、そういったものを大事にしていただきながら、分教室の開室まで進めていただいたことにまず御礼を申し上げたいと思います。
そこで、今回の開室に当たって、小学部、中学部に何人入学されるのか、その状況をお伺いしたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 現時点での状況でございますが、小学部に2名、中学部に3名ということで情報をいただいております。ただ、まだ最終的な学校指定が終わっているわけではございませんので、あくまで現時点でのということでお伝えいたします。
〇高橋元委員 花巻清風支援学校にはたしか北上から小・中・高校合わせて100名近い子供たちが通学しているわけでありますが、その数字からして、1桁、しかも2人、3人というのは非常に少ないような気がするんですが、これについては、現在、通学されている方々の中でみなみ分教室に通学される方はどれくらいあるものなんですか。
〇佐々木特別支援教育課長 現在、花巻清風支援学校に北上から通学している者のうち、その数につきましてはゼロでございます。
〇高橋元委員 2回目のショックを受けました。私も分教室をつくるために応援してきた者の一人としてちょっと残念だと思っているんですが、これは、分教室を開設すると決定された以降、保護者や生徒の方々とどういう話し合いや協議をして、開室に向けて、北上にできるから、皆さん方の要望もあるし、いかがですかとか、その辺はどんな話し合いが今までやられてきたんですか。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 関係する北上市教育委員会、花巻清風支援学校、それからあと、北上市ではないのですが、近隣である金ケ崎に関係する前沢明峰支援学校、それから県教育委員会として私ども、それぞれ直接保護者、本人を含めたところでそれぞれ説明を進めてまいりましたが、やはりまだ始めるということに対する不安感等々が解消できなかったというところも反省しているところであります。いずれ、スタートさせていただいたところの実践をどんどんお伝えするような形で今後も説明を続けなければならないと思っております。
〇高橋元委員 当初の請願では、小・中・高校の一貫した同じ建屋で授業をしたいという思いもあったんですが、緊急というか、過程の中で、北上市立南小学校、南中学校、そういう形で一応組んでいただいたんですけれども、あとは高校の部分も含めてとか、それから場所が違うというところも含めて、保護者や生徒とすれば、同級生と今まで一生懸命やってきたのが別れるのもつらいとか、そういう感情的なものもあるのかもしれません。
それらも含めて、今後、ではどうやっていくのかということなんでしょうけれども、例えば今の分教室のところに保護者、生徒に来ていただいて見学してもらうとか、その中で、どうやったら行けるのかとか。今まで問題となったのは通学のところで、まとまって行くから親としては楽だという話も前には言われたんですが、そのところの不安もあるのかなと思ったりもしています。
いずれ、さまざまな問題、課題を一つ一つ解決していかないと、せっかく分教室を設けても1桁ということでは余り意味もなくなってくるし、もちろん教員を含めて体制を今後どうしていくのかというところも大きな課題があるような気がするんですが、今後の取り組みについて1点。
それから、行く行くは高等部も欲しくなるということもあるし、すぐ近くには北上翔南高校もあり、こちらのほうは旧北上農業高校の旧校舎もありますから教室的には少し余裕があるのかなと私も見たりしておりますが、それらを含めて、通学しやすい環境づくりをしていく必要があるような気がするんですけれども、その辺はどうお考えですか。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 今後の進め方につきましては、今、委員から御案内のとおり、一貫した学校設置の要望からスタートした話ではございますけれども、このような小学校、中学校に一緒に入らせていただいて学習をするスタイルという分教室の位置づけ、価値、その辺は、今、世界的に、日本も進めようとしているインクルーシブ教育の大きな手だてであるということで、これまで、北上みなみ分教室以前から設置している分教室の実践を積んできております。ですので、当然そのような、自分たちが暮らす地域になるべく近いところでの学習環境を有効活用した実践、その魅力を花巻清風支援学校に北上市から通っていらっしゃる方たちにもお伝えできるような形で実践を伝えていく必要があると考えております。
2点目の高等部の設置につきましては、以前もお答えしておりますけれども、やはり小中の義務教育段階とは違いまして高校生ですので、支援学校の生徒であろうと、一般の高校生と同じようにそれぞれの目指す方向が変わってまいります。したがいまして、必ず地元ということへのこだわりは外れてくる部分もありますし、高校生としての専門的な学習をするための施設設備は、やはり一貫校があるところの高等部を活用していく。花巻清風支援学校の高等部も実習棟を改修したばかりでございますので、その辺の設備面や専門性のある教員も整っているところでございますので、それを活用していただく方向で考えていただいたほうが高等部段階としてはよろしいのではないかと現時点では考えております。
〇高橋元委員 最後にしますが、この件について教育長の所感をお伺いして終わりたいと思います。
〇高橋教育長 北上みなみ分教室の設置につきましては、委員御案内のとおり、北上市での特別支援学校の設置、もしかしてそれがなかなか難しいのであればということで、市からの要望を受けて、保護者の皆様方にできるだけ早い時期に、さまざまな特別支援学校の整備がある中で現実的に対応できるものとしてこの分教室ということで保護者の皆様方の理解もいただきながら踏み出したということでございます。
当初はもっと多い子供たちが来るのではないかということでございましたけれども、結果的にこういうようになったのは、我々としても残念だという気持ちも一方ではございます。ただ、より近くで学ばせたいという保護者の皆様の思いもございますので、新年度からのことは新たなスタートとしてこれを育てていきたいと思っております。
高等部につきましては、特別支援教育課長から申し上げましたとおり、社会に出る直前の段階といたしまして、どういう環境がいいのか、今後、引き続きそのあり方を検討していきたいと考えております。
〇名須川晋委員長 ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員長 質疑がないようでございますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
教育委員会の皆さんは御苦労さまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時6分 散 会

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