平成16年12月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇33番(小野寺研一君) 自由民主クラブの小野寺研一でございます。
 議案第20号平成16年度岩手県一般会計補正予算(第5号)、岩手県競馬組合経営改善対策資金貸付金50億円の補正予算について、自由民主クラブを代表しまして反対の立場から討論させていただきます。
 この議案は、岩手県競馬組合が策定した同組合改革案実行計画の確実な遂行を支援するため短期貸し付けを行おうとするものであります。知事は、一般質問等の答弁の中で、地方自治体の財政に寄与するという財政競馬は終了したと述べておられます。私どもは、地域への貢献、馬事振興、馬事文化の継承、地域資源としての有効性、また、多くの従事者がいることなどから、岩手競馬が健全な経営を目指し、存続されることを強く望むものであります。議会では、出資法人等特別委員会を通じて、その存廃を含め、そのあるべき姿について種々調査、議論をし、本年8月、財政的支援は県民の理解を得ることは困難なこと、全般的な経費の削減を含め抜本的な合理化を進めること、競馬組合議会議員の増員の改善を図るなどを内容とする岩手競馬の振興に関する提言を管理者である増田知事に提出してきたところであります。しかしながら、まず、実行計画の精査も不十分なまま、唐突に50億円の融資案件を提出したこと自体に問題があると考えられます。その結果、案件に関する当局の場当たり的な説明、ずさんな資料の提供、情報公開の仕方など、内容の審議の前に、当局の不誠実な対応が実行計画そのものに対する不信感をもたらした感は否めません。
 以下、内容について指摘させていただきます。
 初めに、実行計画の実現性への疑問。中でも、競馬法改正に基づいて民間委託が容易になり、インターネット販売などの売上増により大幅収入増を見込んでいる内容になっているのでありますが、景気の低迷、娯楽の多様化、JRAへの顧客の流出など総体的な検証に不十分な部分が多く、その実現性は極めて疑わしいと思うのであります。また、委託料の見直し、組織の合理化などによって大幅なコストダウンを計画している点について、現在の委託先との契約の見直しが困難であると思われること、コストダウンと言いながら、赤字団体にもかかわらず期末手当などを盛り込むなど、みずからの痛みがいまだ不十分であり、現実に実行可能な計画とは思われないのであります。また、具体的な改革に向けての強い意思、真摯な姿勢が見えず、計画の実効性が極めて疑わしい、そのように思うところであります。
 さらに、返済の実効性への疑問について、上記2点の実現性に関連するわけでありますが、資金繰り計画、実際の資金使途の不明朗性、綱渡りの資金繰りが続くのみならず、さらに資金投入の可能性が大であることなど、返済そのものが疑わしいこと。さらに、民間金融機関との融資交渉さえ行われない状態で安易に県に融資を求める姿勢など、返済計画そのものに信頼性に欠けると言わざるを得ないのであります。
 また、岩手競馬は公営競馬であるとしても、本来、運営資金は民間金融機関から導入すべきものであり、構成団体であるとはいえ、安易に公的な資金を利用しての財政支援は県民の理解を得られないものと考えられます。
 知事及び当局の姿勢、実行計画の内容より管理者である知事を初めとする競馬組合関係者の責任意識が欠如していることは明確であり、私どもは、これまで述べた理由により本案に反対するものであります。
 改めて、こうした事態に至るまで放置した県あるいは盛岡市、水沢市を含めた管理者である知事及び競馬組合関係者の責任を明確にすることを求め、反対討論とさせていただきます。議員各位の御賛同をいただきますようにお願い申し上げます。(拍手)

〇議長(藤原良信君) 次に、小原宣良君。
   〔48番小原宣良君登壇〕


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