平成16年12月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇32番(吉田昭彦君) 民主・県民会議の吉田昭彦でございます。
 議案第20号平成16年度岩手県一般会計補正予算(第5号)について反対の討論を行います。
 岩手競馬の存続方途を関係機関、関係者が一丸となって対処、検討すべきことを前提にいたしまして今議会に提案されている岩手県競馬組合経営改善対策資金貸付金に係る予算補正について、次の理由により反対するものであります。
 競馬組合への50億円の融資は年度内の短期貸し付けであり、本来、短期の借り入れは、当該年度の歳入歳出の時期のアンバランスを調整する目的で行われるべきものでありますが、執行部の説明におきましては、年度内の地方債の償還等に貸付金のほとんどが充てられるものであり、県への返済の財源となる収入は、公営企業金融公庫の還付金や、佐賀、荒尾両競馬の業務協力金などわずかな金額であることから、返済に当たっては民間金融機関からの借り入れをもって充てるほかはないものと思いますが、金融機関との協議による融資の確約が確認できないことから、年度内の返還の確実性が担保されているかについて疑問を呈するものであります。競馬組合においては、これまでも民間金融機関から融資を受けており、今後の融資は厳しいとの感触を持ったことから今回の競馬組合から県への融資依頼となったものと考えますが、競馬組合の再建に当たっては、組合のみならず、構成団体においても民間金融機関との密度の濃い協議を行うなど、その努力を十分に尽くしてから県に対する融資などの支援を仰ぐべきものと考えるものであります。
 競馬組合改革実行計画では、今回の50億円の融資を初めとして、将来10年間にわたり構成団体に資金貸し付けの要請をしたいとしておりますが、今回の融資の議案の議決は、将来の融資の継続を実質的に判断する重要な事項であると考えるものであります。
 次に、競馬組合改革実行計画の内容については、徹底したコスト削減と同時に、営業目標を定め、増収を図ることが競馬組合再建の柱でありますが、来年度の17億円のコスト削減目標については、情報関係等委託料において6億円の削減としておりますが、委託会社との協議状況も予断を許さない状況であることや、一方の増収策においては、営業活動による集客効果やインターネット販売などの民間委託等により、来年度は31億円、平成18年度は106億円の売り上げを見込んでおりますが、これが確実に実行できるか、いまだ不安をぬぐえない状況にあると考えざるを得ません。
 以上のように、岩手県競馬組合改革実行計画の確実性が疑問視されている状況にあっては、まず、地方財政への寄与、地域経済への貢献などの岩手競馬の存在意義を踏まえて、存続を願い、県民の方々並びに県議会が納得できる実行計画とすべく計画内容等の精査等を行う必要があると考えることから、今回の補正予算に対しては反対とするものであります。
 なお、今後の議案提案に当たっては、十分な説明責任と情報開示に配意され、対処されるよう県御当局に対して提起し、討論を終わります。(拍手)

〇議長(藤原良信君) 次に、小野寺研一君。
   〔33番小野寺研一君登壇〕


前へ 次へ