平成16年12月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇18番(新居田弘文君) 私も議案第20号補正予算(第5号)について質問いたします。
 既に皆さんから質疑がありますが、若干重複するところもありますけれども、よろしくお願いします。
 まず、本議案は、このたびの岩手県競馬組合が組合再生のために策定した実行計画を実現ならしめ、そして、資金繰り対策の一環として、県が組合の要請に基づき、組合に50億円の貸し付けを実行しようとするものであります。私は、この組合が策定した実行計画の是非もさることながら、一時的にせよ県民の血税を競馬事業に貸し付けするものであることから、慎重でなければならないと思っております。また、そのこと以上に、なぜ今まで組合が自己改革を怠ってきたのかが厳しく問われるべきであると思います。知事は、平成7年就任以来、岩手競馬組合の最高責任者として組合運営にかかわってまいりました。しかし、この10年間、改善の兆しはなく、毎年経営悪化が進んでおり、今日に至っております。
 そこで、今回50億円の血税を組合に対し貸し付けするには、知事として、そして組合管理者として、県民に対して、今までの総括、反省を含めしかるべきメッセージを行うべきだと思いますが、その点について、今までの質問の中でもありましたけれども、改めてお伺いします。
 次に、岩手競馬の入場者あるいは売上状況については、先ほど及川幸子議員からも御指摘のありますように、盛岡競馬場よりも水沢の方が上回っております。レースの編成状況でも、G1、G3と言われる高額賞金のほとんどは盛岡でのレースでありますが、それでも結果的には先ほど申し上げたような状況であります。県は、この状況をどのように分析され、今後の改善計画に反映させようとしているのか、その点をお示しいただきたいと思います。
 次に、馬の資源確保についてであります。芝居に例えるのであれば、立派な舞台、観覧席はまさに競馬場でありますし、それを演出する監督、その他は競馬組合とか振興公社、それにかかわるものであります。しかし、そこで演ずる役者、競走馬が一流でないと見物人、いわゆる馬券を買う方が満足しないと思いますし、入場しないと考えられます。今般示された行動計画によりますと、経費節減のためさらに賞金の引き下げも予定されており、また一方では2歳馬を中心にして若干の出走手当の引き上げが予定されているようであります。しかし今、馬の所有者、馬主会の中で言われていることは、今の賞金や出走手当ではこれ以上馬の所有は厳しいとさえささやかれておりまして、今回の行動計画はこの点について十分配慮されているとは思えないのでございますが、その点についての所見をお伺いします。
 馬がいなければ、どんな立派な計画があっても、まさに絵にかいたもちだと思いますが、その辺についての今後の進め方についてお伺いいたします。

〇知事(増田寛也君) まず、今回の融資に至る中で、組合の管理者としてそうした経営についての責任が非常に重大である、このように受けとめております。そして、この再建計画をつくって必ず岩手競馬を再建させていかなければならないということが最大の責務でありますから、それに全力を挙げていくということでありますが、今までこうした営業努力が大変不十分なところがございましたけれども、そうしたことを精いっぱいやってまいりましたが、今回は、新しい競馬法の改正で、今までのこうした競馬のやり方ではない新しいチャンスが出てきたと受けとめておりますので、そうした競馬法改正の趣旨を最大限入れるということが再建につながると思っております。今回の計画はそうなっておりますので、そうした計画を必ず実行させて、そして再建に結びつける、まず、その御理解を得ることが大事でございます。それに全力を挙げた上で、私も経営者でございますので、当然そうした責任を明確化させていきたいと考えております。
 次に、盛岡と水沢の関係がございました。水沢の方が売り上げが多いわけですが、最近は大分縮まってきておりますけれども、水沢の方が売り上げが多いので、来年度の開催も水沢の方を多くして開催をするということで計画を立てておりますが、詳細は部長の方から申し上げます。
 それから出走手当の関係でお話がございましたけれども、賞金の方はこの実行計画の中では若干引き下げているんですが、馬資源の確保ということが今後の岩手競馬で大事でございますので、出走手当の増額や若い年齢の馬の賞金については今回むしろ増額をしてございまして、将来の馬資源の確保を図っております。来年は、開催日をことしの当初計画に比べれば6日間増加ということでやっていますので、全体として馬主を含めた厩舎関係者の皆さん方の収入が増加するように、そういう意味では、そこの部分は全体としては収入が増加するように配慮した計画として策定をしたところでございます。

〇農林水産部長(今泉敏朗君) 水沢と盛岡の開催した場合の限界利益の問題でございますけれども、確かにこれまでのトレンドではずっと盛岡よりは水沢の方が限界利益が上がっているという傾向が出てございます。来年度は6開催ふやすことにやっておりますけれども、1開催は水沢の方でやってみて、その効果というものをもう少し図っていきたいということを今競馬組合の方では考えております。
 先ほどの佐々木博議員の質問に対する答弁で、私、勘違いしてございまして、建物の減価償却、これは、来年度から企業会計方式をとるということで減価償却するということになっていたんですが、私それをそのまま勘違いいたしまして、なっているものと思っておりましたが、減価償却はしてございません。申しわけございませんでした。

〇議長(藤原良信君) 次に、伊沢昌弘君。


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