平成16年12月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇30番(及川幸子君) 5番目でありますのでちょっとダブる点がありますが、私にも口を開かせてください。
 議案第20号平成16年度岩手県一般会計補正予算案に対して質疑いたします。
 改革案の中で基本方針が示されておりますが、盛岡、水沢の2場体制でいくとするならば、水沢の改修費用は計上されているのでしょうか。御承知のとおり、水沢競馬場のスタンドは大変古く、再三、取り壊しをして新築することが話題になってまいりました。しかしながら、まだ手つかずの状況であります。今回の改革基本方針は、平成29年3月末までに累積損失を解消と打ち出されておりますが、平成28年度までの計画実行書の中にはその費用が計上されているのかお伺いいたします。
 また、出資法人等特別委員会の調査の折、7月26日、27日と2日間にわたり佐賀競馬場と、廃止された山形上山競馬場を訪れ、存続も地獄、廃止も地獄である、そういう思いを知ったのであります。岩手の馬事文化を思うとき、また、2、800人余りの雇用を考え、同じ地獄であれば最大限の努力をし、存続させようという思いがこみ上げてまいりました。上山競馬場においては廃止を打ち出した結果、愛情込めて育ててきた馬数百頭の命さえ奪われてしまったのです。人間の身勝手さが招いた結果をこの岩手競馬では絶対繰り返してはいけないと、特別委員会では異例とも言える各委員の意見を提言し、その提言書を知事に提出したわけであります。ある一定の区切りを持ち、規模を縮小しても岩手競馬の健全な運営がなされていくことを確信したのは、つい先日のことであります。地元でも存続できるということで関係者は安堵したのが事実でございます。委員のだれ一人として、よもや50億円の融資が県に提示されると予想したでしょうか。
 そこで、お伺いいたしますが、50億円融資の案は余りにも唐突であり、果たして計画性があると言えるのか。また、競馬議会、出資法人等調査特別委員会を無視したやり方ではないのか、大変な腹立ちを覚えますが、増田知事、いかがでしょうか。一体私たちが立ち上げた委員会は何だったのでしょうか、まずお伺いいたします。

〇知事(増田寛也君) まず、水沢競馬場の改修費用でございますが、これにつきましては今回の計画の中では、この維持修繕の範囲で対応ということで、費用は計上してございますが、当面この水沢競馬場については、これまで同様の維持修繕の範囲で対応という計上の仕方をしております。
 それから、この50億円の融資計画でございますけれども、これは、今もいろいろ御質問ございましたけれども、収支の見通しですね、これが本当に確実に実行できるかどうかは、これを厳密にやはり見る必要がございまして、もちろんこれがもっと確実なものがいろいろ出てくれば当然この融資も必要ないということになるわけでございますけれども、こういう実行計画をつくるのにやはり相当な日数と慎重さを持ってやっておりまして、したがいまして、特別委員会の方から、9月だったかと思いますが、貴重な御提言をいただいたわけですけれども、その段階ではまだ関係者が計画について本当にそこの一番ポイントのところを策定している作業を行っていたところでございますので、まだそういったものがどのようになるか見通しがついていない段階であったということでございます。

〇30番(及川幸子君) どうぞマスコミが知る前に、せっかく私たちが真剣に取り上げた特別委員会でございます。その部分も提示していただきたかったというそういう強い思いがあります。
 次ですが、盛岡、水沢の2場を比較した場合、常に水沢競馬場は発売金額、入場人員とも盛岡競馬場を超えております。平成5年から平成15年の10年間を見ても、ただ1年盛岡が水沢より4億円ほど売り上げが伸びたことがあります。もちろんその1年は平成8年のオーロパーク完成の年でありました。つまり、幾ら新しい立派な設備を整えても、競馬ファンは建物を見に行くのではなく、緑の芝、植え込みを見に行くのではなく、飾られた絵画を見に行くのでもなく、交通アクセスのよさ、利便性、そしてまた、何よりも魅力あるレースに足を運ぶというのがうかがえるのであります。オーロパーク建設費230億円の予算が410億円になった過剰投資を大いに反省し、昔の岩手競馬を思い出し、また、検証し直して、小規模でもそれぞれの業種、業態がしっかりと意見を持ち、その意見が反映されるならば、再び元気で健全な岩手競馬を取り戻すことができるはずであります。増田知事の管理者としての岩手競馬に対するチェックの甘さを大いに反省し、管理者として岩手県に対する50億円の融資に至った経緯を改めてお聞かせいただきます。
 以上でございます。

〇知事(増田寛也君) まず、今、御指摘ございました管理者としてのチェックの甘さと言いましょうか、管理者としての経営責任は痛感をしてございまして、これについては、またいずれ皆様方に明らかにしなければいけないと考えております。
 それから、確かにオーロパークの建設費、この償還が大変なやはり毎年、毎年負担になっております。私が管理者に就任いたしましたときにその数字を見ましたけれども、まだそのころはよかったわけですが、すぐ一、二年たちましてから売り上げが急激に落ちてまいりまして、通常の、他の今、地方競馬でも黒字を細々ですが出しているところもございますけれども、そういったところに比べて、こちらはもう大変頭の上にとんでもないおもしを乗せられているようなものでございますので、そのことが大変重いという受けとめ方をしておりますが、ただ、これはもうそういう中で我々は健全経営を図っていかなければならないものですので、さらにそうした毎年の20億円、あるいは20億円を超えるような毎年、毎年の償還金を超える利益を必ず出していかなければいけないと考えております。それだからこそ余計、実施の収支の見通し、これからの売り上げの見通しが大事になるので、随分時間をかけて、また、新しく民間の副管理者が来ましたので、彼の見方、それから営業戦略なども十分に加味してそこを立てました。したがいまして、こうした、まだいろいろ甘いという見通しもございますが、これで必ずやれるというものでございますので、それで実行計画をつくろうとして、ほぼその収支の見通しが固まって、その上でしかしまだ融資をいただかないとこの実行計画の実現が非常に難しいというのがわかりましたのは11月の大体中旬、あるいはその少し前ぐらいの段階でございまして、もう少しこの将来の売り上げ等、あるいはコスト削減、特に売り上げがもっと見込まれるのであればここまでのことはなかったかもしれませんが、やはりそちらも安易に見込むわけにはいきませんので、今できるものということで見積もりますと、どうしても融資をお願いしなければいかぬ。したがって、そういったことがほぼわかりましてからまた早急に中でやり方をいろいろ検討したということもございまして、大変議員の皆様方には対応が、こちらもばたばたした対応でございまして説明不足の感が大変否めないわけでございますが、計画の売り上げのところに大変時間をかけてやったものでございまして、逆に言えばそれだけこちらも確実なものということで、ぜひ計画を実行して再建を果たしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

〇議長(藤原良信君) 次に、佐々木博君。


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