平成29年2月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(千田美津子君) 日本共産党の千田美津子でございます。
私は、議案第22号、請願陳情第25号、同じく第38号及び請願陳情第43号について、それぞれ委員長報告に反対の立場で討論いたします。
まず、議案第22号でありますが、本議案は、国民健康保険法の改正に伴い、岩手県国民健康保険運営協議会を設置するための条例を制定しようとするものであります。私は、新たな国民健康保険法に反対するものであります。
その理由は、高過ぎる国民健康保険税のさらなる負担増を招き、医療費削減の新たな仕組みを導入することになりかねないからであります。また、2018年度から国保が県単位化されることになりますが、それによって進められる県による国保財政の管理、標準保険料率の提示、保険料平準化の推進などは、市町村を保険税引き上げに駆り立て、無慈悲な取り立ての強化につながりかねません。さらに、県が策定する医療費適正化計画に医療給付費の目標総額を明記し、それを地域医療構想による病床削減とリンクさせ、県国保運営方針も適正化計画と整合させるように義務づけられております。まさしく、県を司令塔にした強力な医療費削減の仕組みづくりにほかならないものであります。
以上のことから、私は、議案第22号岩手県国民健康保険運営協議会条例については反対をいたします。
次に、請願陳情第25号は、早池峰国定公園の保護をさらに強化していただきたいという請願であります。私は、環境福祉委員会で不採択としたことに反対いたします。
早池峰山とその周辺地域は、北上山地の代表的な山岳風景を形づくり、ハヤチネウスユキソウを初めとする高山植物の宝庫となっており、昭和57年に国定公園に指定されました。
指定の際に答申した自然環境保全審議会は、今後における公園計画の再検討に当たっては、固有種、稀産種を含む高山植物が多いこと、植生の垂直分布が特徴的であることなどに鑑みて、将来当該地域の保護がさらに強化されるよう配慮されたい、また、今後の国定公園の保護、管理が適切に行われるよう、管理者たる岩手県当局を十分指導されたいとの意見を付したものであります。
現在、早池峰国定公園の保護のため、自然公園保護管理員を設置し、日常的に公園管理に努めるとともに、関係機関による早池峰地域保全対策事業推進協議会を設置して各種の保全活動にも取り組んでおられますが、高山植物の保護という点でさまざまな課題も見受けられます。
現在、国定公園計画の見直しは、地方分権一括法により県の判断で適宜行うこととされており、国定公園の保護の強化を求めることは当然のことであります。
よって、請願陳情第25号の不採択に反対いたします。
次に、請願陳情第38号は、南スーダンへ派遣している自衛隊を即時撤収させることを求める請願であります。総務委員会で不採択としたことに反対するものであります。
安倍政権は、3月10日、南スーダンPKOの陸上自衛隊施設部隊の撤収を表明しました。このことは、南スーダンへの憲法違反の派兵の破綻を示すものであります。政府は、昨年9月から撤退の検討をしてきたと言いながら、駆けつけ警護の戦争法に基づく新任務を付与したことは極めて重大であります。安倍政権は、道路建設が終わったから撤収すると説明していますが、ごまかしであります。
陸上自衛隊の隠された日報では、戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘が繰り広げられていたことが明らかになりました。PKO5原則が現地で崩壊している事態を認めようとしない安倍政権の態度は許されません。南スーダンからの自衛隊撤収は5月末ではなく、直ちに行うべきです。安倍政権のごまかしに追随してこの請願に反対することは、自衛隊員の命をないがしろにするものであります。
よって、請願陳情第38号の不採択に反対いたします。
最後に、請願陳情第43号実効性ある残業上限規制とインターバル規制の実現を求める請願でありますが、商工文教委員会の不採択に反対いたします。
この請願は、労働者が健康で安心して働ける職場環境を実現するために、残業代ゼロを目指す労働基準法改正案、裁量労働制の拡大、フレックスタイム制度の清算期間の延長等に反対し、撤回を求めるものであります。
また、過労死の要因となっている長時間労働を規制するために、時間外労働時間を週15時間、月45時間、年360時間とする厚生労働省の大臣告示の法制化を求めるものであります。また、勤務と勤務の間の休息時間、いわゆるインターバル規制を11時間以上とするよう求めるものであります。これらの請願項目は、2015年の年間189人に及ぶ過労死、過労自殺が発生している異常な長時間労働を解消するために必要なものであります。
ところが、安倍政権は、長時間労働の規制で、特例で繁忙期は月100時間未満まで認めるとしています。これでは過労死ラインを超え、長時間労働が合法化されてしまいます。過労死、過労自殺遺族の願いにも、また、労働者の切実な声にも背を向けるものであります。
こうしたもとで、この請願を不採択とすることは、過労死と長時間労働の解消に背を向けるものだと言わなければなりません。
よって、請願陳情第43号の不採択に反対をいたします。
以上で反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第38号南スーダンへ派遣している自衛隊を即時撤収させることを求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第38号南スーダンへ派遣している自衛隊を即時撤収させることを求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第37号、受理番号第41号及び受理番号第42号を一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第37号、受理番号第41号及び受理番号第42号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第43号実効性ある残業上限規制とインターバル規制の実現を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第43号実効性ある残業上限規制とインターバル規制の実現を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第25号早池峰国定公園の保護を更に強化していただきたい請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第25号早池峰国定公園の保護を更に強化していただきたい請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第22号岩手県国民健康保険運営協議会条例を採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、議案第22号岩手県国民健康保険運営協議会条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第20号、議案第23号から議案第26号まで、議案第31号、議案第33号から議案第50号まで、議案第94号から議案第106号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第20号、議案第23号から議案第26号まで、議案第31号、議案第33号から議案第50号まで、議案第94号から議案第106号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第40 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(田村誠君) 次に、日程第40、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
総務委員会 請願陳情受理番号第39号
共謀罪(テロ等準備罪)を創設しないことを求める請願
請願陳情受理番号第40号
いわゆる「共謀罪」法案の今国会への提出見送りと憲法の遵守を求める請願
2 継続調査
総務委員会 ・台風第10号災害を踏まえた県の防災体制の整備について
環境福祉委員会 ・岩手県福祉総合相談センターの取組について
商工文教委員会 ・県立図書館の運営状況等について
農林水産委員会 ・第11回全国和牛能力共進会
(宮城大会)に向けた取組について
県土整備委員会 ・簗川ダム建設事業について
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
日程第41 議案第1号平成29年度岩手県一般会計予算から日程第65 議案第32号獣医師修学資金貸付条例の一部を改正する条例まで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第41、議案第1号から日程第65、議案第32号までを一括議題といたします。
各案件に関し、委員長の報告を求めます。名須川予算特別委員長。
〔予算特別委員長名須川晋君登壇〕

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