平成29年2月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇予算特別委員長(名須川晋君) 去る3月6日に行われました予算特別委員会の正副委員長の互選の結果、委員長には私が、副委員長には高橋孝眞君が選任されましたので、私から、当委員会における審査の経過と結果につきまして御報告申し上げます。
予算特別委員会は、3月1日の本会議において設置され、同日、平成29年度の予算議案14件及びこれらに関連する議案11件、計25件につきまして審査の付託を受けたのでありますが、これら付託案件の審査に当たりましては、総括質疑に知事の出席を求めて質疑を行うとともに、部局等ごとに主管部局等の長から議案の説明を受け、質疑を行った後、3月16日の午後に、世話人会を開催し、意見の取りまとめをいたしました。
その結果を委員会に諮り、当委員会の結論といたした次第であります。
審査の経過につきましては、各位御承知のとおりでありますので省略させていただき、以下、各案件について、その結果を申し上げます。
まず、議案第1号平成29年度岩手県一般会計予算につきましては、次の意見、すなわち、多くのとうとい命と財産を奪った東日本大震災津波の発災から6年が経過し、復興道路等の整備や地域産業の再生などの復興事業が着実に進む一方、今なお1万3、000人以上の被災者が応急仮設住宅等での生活を余儀なくされている。
また、平成28年台風第10号の大雨等により、東日本大震災津波の被災地である宮古市、久慈市、岩泉町を中心に甚大な被害がもたらされ、たび重なる自然災害が多数の住民の生活に甚大かつ深刻な被害をもたらし、本県の社会経済は非常に大きな打撃を受けている。
このような状況を踏まえ、災害を風化させることなく、一層被災者一人一人に寄り添い、被災者が復旧、復興の実感をしっかり持てるよう、市町村とともに一日も早い復旧、復興を進めていくことが求められる。
このため、国に対しては、国費による特段の支援と復旧、復興財源の確保、早期復旧及び復興の加速化に向けた現行制度の柔軟かつ弾力的な運用や特例制度の創設等により、既存の枠組みを超える強力な復旧、復興対策等を講ずるよう継続した要請に努められたい。
また、いわて県民計画第3期アクションプラン及び岩手県ふるさと振興総合戦略に盛り込まれた人口減少対策、県民所得水準の向上、雇用環境の改善、地域医療の確保等、今後、県民の生活に大きく影響を及ぼすことが懸念される課題の克服に県の総力を結集して取り組まれたい。
特に、文化、スポーツの振興や戦略的な国際展開を力強く後押しするなど、組織再編の効果を確実に発揮するとともに、ラグビーワールドカップ2019釜石開催の成功や国際リニアコライダーの建設の実現は、大震災からの復興と再生及び世界に開かれた岩手の象徴となることから、万全を期されたい。
一方で、本県の財政状況は、県債の償還が依然として高い水準で推移する中、今後、社会保障関係費の増加や財源対策基金残高の減少により、引き続き厳しい局面が続くものと見込まれる。
こうした中、未来につなげる復興ふるさと振興予算として編成された平成29年度当初予算の執行に当たっては、本県が直面する喫緊の課題の克服に向けた取り組みを着実に推進するため、その効果の発現に向け早期執行を図るとともに、あわせて、適正な事務処理の執行に留意されたい。
今後の財政運営に当たっては、あらゆる手法により歳入を確保し、歳出の徹底した見直しや、より効果の高い施策、事業への一層の選択と集中を図るなど、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努め、県と市町村がより一層連携し、復旧、復興とふるさと振興の着実な推進に全力で取り組まれたい旨の意見を付し、原案を可とすることに決定いたしました。
次に、議案第2号から議案第19号まで、議案第21号、議案第27号から議案第30号まで、及び議案第32号につきましては、原案を可とすることに決定いたしました。
以上をもって報告を終わります。(拍手)
〇議長(田村誠君) これより、ただいまの委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、議案第1号から議案第19号まで、議案第21号、議案第27号から議案第30号まで及び議案第32号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第19号まで、議案第21号、議案第27号から議案第30号まで及び議案第32号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第66 発議案第1号核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書
〇議長(田村誠君) 次に、日程第66、発議案第1号核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書を議題といたします。
提出者の説明を求めます。小野総務委員長。
〔総務委員長小野共君登壇〕
〇総務委員長(小野共君) 発議案第1号につきまして、総務委員会提案でありますので、委員長であります私から、提案理由の説明を行います。
発議案第1号核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書でありますが、今期定例会において、請願陳情受理番号第41号日本政府に対し、核兵器禁止条約の交渉会議に参加し、条約実現に努力するよう求める請願が総務委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、昨年12月23日、国連総会において核兵器禁止条約の制定交渉を本年3月から開始する決議が賛成多数で採択されました。
核兵器を条約で禁止し、廃絶することについては、長年にわたって国際社会が強く求めてきたところでありますが、我が国は多くの核兵器保有国に同調し、この決議に対し反対票を投じました。
我が国は、核兵器の非人道性、残虐性をみずから体験した唯一の被爆国として、とりわけ核兵器廃絶への取り組みに積極的に貢献してきたところであり、政府は各国政府と協力して積極的にその役割を果たしていくことが求められている中、この決議に反対したことは、国民や被爆者に対して背を向ける態度と言わざるを得ません。
以上のことから、本意見書案において、核兵器により唯一国民が被爆した国として、核兵器廃絶の取り組みを推進するため、本年3月から国連本部で開始される核兵器禁止条約の交渉会議に参加し、条約の実現に努力するよう国に要望しようとするものであります。
議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。(拍手)
〇議長(田村誠君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております発議案第1号核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、発議案第1号核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書を採決いたします。
本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、発議案第1号核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
日程第67 発議案第2号最低賃金改正等に関する意見書及び日程第68 発議案第3号平成29年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書
〇議長(田村誠君) 次に、日程第67、発議案第2号及び日程第68、発議案第3号を一括議題といたします。
提出者の説明を求めます。高橋商工文教委員長。
〔商工文教委員長高橋但馬君登壇〕
〇商工文教委員長(高橋但馬君) 発議案第2号及び発議案第3号につきまして、商工文教委員会提案でありますので、委員長であります私から、提案理由の説明を行います。
発議案第2号最低賃金改正等に関する意見書及び発議案第3号平成29年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書でありますが、これらの発議案は、今期定例会において、請願陳情受理番号第37号平成29年度岩手地方最低賃金改正等についての請願及び受理番号第42号2017年度最低賃金引き上げに関する請願が商工文教委員会に付託され、受理番号第37号については採択、受理番号第42号については一部採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
その趣旨を御説明いたしますと、本県では、東日本大震災津波からの復旧、復興に懸命に取り組んでいるところでありますが、一定水準の賃金の保障を初めとした雇用環境が確保されなければ人材確保が厳しくなり、被災者の生活再建や地域の復興への影響が懸念されています。
このような中、労働基準法第2条は、労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において決定すべきものと定めていますが、最低賃金の影響を受ける多くの非正規労働者やパートタイム労働者は、労働条件の決定にほとんど関与することができない状況にあります。
一方、政府においては、平成20年の成長力底上げ戦略推進円卓会議において、最低賃金の中長期的な引き上げに向けた基本方向について合意し、平成22年の雇用戦略対話第4回会合において数値目標が初めて示されたところでありますが、あるべき水準への引き上げがなされていない現状にあります。
また、県内においても同様であり、岩手県最低賃金は、ここ10年間で97円引き上げられているものの、県内勤労者の有効なセーフティーネットとして十分に機能しているとは言えない現状にあります。
最低賃金制度を有効に機能させるためには、地域間の賃金格差の是正、賃金水準の大幅な引き上げや中小企業の生産性向上が極めて重要な課題であります。
以上のことから、これらの意見書案において、最低賃金の引き上げや中小企業に対する支援の充実等を実現するため、国や関係機関に要望しようとするものであります。
議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
〇議長(田村誠君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
ただいま議題となっております各案件は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
これより、発議案第2号及び発議案第3号を一括して採決いたします。
各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、発議案第2号及び発議案第3号は、原案のとおり可決されました。
日程第69 発議案第4号東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の延長及び日本司法支援センター出張所の存続に関する意見書から日程第80 発議案第15号若者のひきこもり対策の充実を求める意見書まで
〇議長(田村誠君) 次に、日程第69、発議案第4号から日程第80、発議案第15号までを一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各交渉団体会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより、発議案第4号から発議案第15号までを一括して採決いたします。
各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、発議案第4号から発議案第15号までは、原案のとおり可決されました。
日程第81 議員派遣の件
〇議長(田村誠君) 次に、日程第81、議員派遣の件を議題といたします。
〔参照〕
議事日程第8号中 日程第81 議員派遣の件の議員派遣一覧
派遣の目的派遣場所期間派遣議員
平成29年度「県民と県議会との意見交換会」盛岡市平成29年
4月25日
高橋  元 議員
高橋 但馬 議員
阿部 盛重 議員
福井 せいじ 議員
佐々木 宣和 議員
ハクセル美穂子議員
田村 勝則 議員
吉田 敬子 議員
平成29年度「県民と県議会との意見交換会」久慈市平成29年
4月27日
軽石 義則 議員
柳村  一 議員
嵯峨 壱朗 議員
城内 よしひこ 議員
千葉 絢子 議員
中平  均 議員
千田 美津子 議員
小西 和子 議員

〇議長(田村誠君) お諮りいたします。本件は、お手元に配付いたしました1件についてでありますが、会議規則第116条第1項の規定により議員を派遣いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
閉 会
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
これをもって本日の会議を閉じ、第8回県議会定例会を閉会いたします。(拍手)
午後4時13分 閉 会

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