平成28年12月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(千田美津子君) 日本共産党の千田美津子でございます。
私は、議案第10号、請願陳情受理番号第30号及び第31号について、それぞれ委員長報告に反対の立場で会派を代表して討論をいたします。
まず、議案第10号は、岩手県県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、消費税10%への増税を再延期して2019年10月1日から増税を実施することに伴い、地方消費税の税率改正、自動車取得税の廃止や地方法人課税の偏在是正措置について、その実施時期を変更しようとするものであります。
安倍政権の経済政策アベノミクスが始まって以来、3年間で4兆円もの企業減税によって大企業は3年連続で史上最高益を更新し、大株主など富裕層にも巨額の富がもたらされました。一方、労働者の実質賃金は3年のうちに年額17万5、000円も減り、家計消費は実質13カ月連続で対前年比マイナスであります。さらに、2014年4月からの消費税8%への増税が低所得者、子育て世帯、高齢者世帯に重い負担を強いて、個人消費を大きく落ち込ませたことは政府の経済財政白書からも明白であります。また、地域経済の活性化の妨げとなっています。また、岩手県においては、特にも被災者の皆さんの住宅再建を初め生活となりわいにも容赦なく襲いかかっていることや、子供の貧困が社会問題となっている中で、8%への増税が学校給食を初め就学援助にも大きな影響を与えていることから、消費税10%への増税は、再延期ではなくてきっぱりと断念すべきと考えます。
また、自動車業界は消費税増税に合わせ自動車取得税の廃止を求めており、こうした車体課税の見直しには反対です。
消費税率の引き上げにより、その一部が国税として地方交付税の原資となっても、各自治体では、地方消費税の増税分は地方交付税が減ることになります。このような点からも、議案第10号岩手県県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例については反対をいたします。
次に、請願陳情受理番号第30号自衛隊への「駆けつけ警護」など新任務付与の閣議決定を撤回するよう政府に求める請願であります。
安倍政権は、戦争法、いわゆる安保法制に基づき、南スーダンPKO、UNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)に派遣されている自衛隊に駆けつけ警護などの新任務を付与し、新任務遂行のため武器使用を認めております。しかし、7月に南スーダンの首都ジュバで発生した大規模戦闘では民間人数百人が犠牲となり、政府軍の兵士80人から100人が国連職員やNGO職員の宿泊するホテルを襲撃し、殺人、暴行、略奪、レイプを行うなど、国連に対する政府軍の攻撃が繰り返されています。このような事態のもとで駆けつけ警護を行えば、自衛隊が南スーダン政府軍に対し武器を使用することになり、憲法が禁じた海外での武力行使になるのは明らかであります。
今月7日の党首討論において、日本共産党の志位和夫委員長のこれらの質問に対し安倍首相はまともに答弁できず、軍に準じる組織が登場する状況ではない、政府も反対派も自衛隊のPKO部隊を受け入れ、期待していることを明確にしているなどと述べて南スーダン政府の受け入れ同意があたかも存在するかのような答弁を行いました。しかし、11月15日の国連報告書では、南スーダン政府と軍による持続的、組織的な地位協定の違反が続いており、政府軍が恒常的にUNMISSの任務遂行を妨害しているとしております。
また、11月10日の国連事務総長報告では、8月から10月までの約2カ月で南スーダン政府と軍による地位協定違反が46件あったとしております。まさに南スーダンの現状は、受け入れ同意が安定的に持続しているなどとは到底言えない状況にあります。
そもそも今日のPKOは武力を行使しての住民保護を主任務とするものに変質しており、憲法9条を持つ日本が到底参加できないものになっています。南スーダンから自衛隊は撤退し、憲法の精神に立った紛争解決のための外交努力、非軍事の人道支援、民生支援の抜本的強化を行うことこそ求められています。
現在派遣されている陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊を中心に、岩手駐屯地からも約30名が派兵されております。彼らは、東日本大震災や台風第10号災害での人命救助や救援、復興に献身的に取り組んできた自衛隊員であり、若者であります。これらの方々の命の危険があるこのような戦争に派兵してはなりません。
以上の観点から、請願陳情受理番号第30号自衛隊への「駆けつけ警護」など新任務付与の閣議決定を撤回するよう政府に求める請願は採択すべきと考えます。
最後に、請願陳情受理番号第31号厚生労働省における受動喫煙防止対策強化措置について意見書提出を求める請願についてであります。
厚生労働省は、ことし10月に受動喫煙防止対策の強化についてのたたき台を発表しております。厳しい規制を打ち出した理由は、第1に、肺がんや乳幼児突然死症候群、虚血性心疾患等、健康に悪影響を与えることが科学的に明らかであること。第2に、たばこによる健康被害は国際的な問題として取り上げられるようになり、2003年のWHO―世界保健機構の総会でたばこ規制枠組条約が加盟国の全会一致で採択されたこと。受動喫煙防止対策については、国際的には公共施設や飲食店など屋内の公共の場では禁煙を義務づけるのが主流でありますが、我が国では受動喫煙対策は努力義務にとどまり、先進国に比べ規制の取り組みは大きくおくれていることから、防止対策を推進することが求められていること。第3は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、そして2019年にラグビーワールドカップの開催を控えており、招致の条件としてたばこ対策を進めることが求められているなどの背景があります。
塩崎厚生労働大臣は、今回の対策強化について、WHOの報告で日本の受動喫煙防止対策は世界でも最低レベルと言われている。オリンピックの開催国は全て罰則を伴う受動喫煙防止対策を行っており、そういう諸外国の常識を考えて、スモークフリー社会に向けて歴史的な一歩を日本も踏み出さないといけないという認識でこの規制を打ち出したと述べております。厚生労働省のたばこ白書では、受動喫煙が原因で死亡する人は国内で年間1万5、000人に達していると指摘しており、日本医師会なども立法化を働きかけています。たばこの健康被害の深刻さを考えれば、国として対策を強化することは当然の措置であり、たばこ関連事業者等の経営に影響が及ぶことを問題にして規制緩和を求めるのは筋違いと考えます。よって、請願陳情受理番号第31号の採択に反対をいたします。
以上で反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第30号自衛隊への「駆けつけ警護」など新任務付与の閣議決定を撤回するよう政府に求める請願を採決いたします。
なお、本請願に対する委員長の報告は不採択でありますが、本請願を採択することについて採決いたします。
本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立少数であります。よって、請願陳情中、受理番号第30号自衛隊への「駆けつけ警護」など新任務付与の閣議決定を撤回するよう政府に求める請願は不採択とすることに決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第34号特定複合観光施設(IR)地域整備推進法(カジノ解禁法)に反対する請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第34号特定複合観光施設(IR)地域整備推進法(カジノ解禁法)に反対する請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第3号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例を採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、議案第3号岩手県部局等設置条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第31号厚生労働省における受動喫煙防止対策強化措置について意見書提出を求める請願を採決いたします。
本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第31号厚生労働省における受動喫煙防止対策強化措置について意見書提出を求める請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第10号岩手県県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例を採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、議案第10号岩手県県税条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第21号宮古港高浜地区海岸防潮堤ほか工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めることについてを採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第21号宮古港高浜地区海岸防潮堤ほか工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第1号、議案第2号、議案第4号から議案第9号まで、議案第11号から議案第20号まで、議案第22号から議案第34号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第1号、議案第2号、議案第4号から議案第9号まで、議案第11号から議案第20号まで、議案第22号から議案第34号まで及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第36 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(田村誠君) 次に、日程第36、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
各委員会の閉会中の継続審査及び継続調査事件
1 継続審査
環境福祉委員会 請願陳情受理番号第25号
早池峰国定公園の保護を更に強化していただきたい請願
2 継続調査
総務委員会 ・高齢者の交通事故防止対策について
環境福祉委員会 ・高病原性鳥インフルエンザ対策について
商工文教委員会 ・スポーツ医・科学について
農林水産委員会 ・岩手県における木質バイオマスエネルギー利用の取組について
・秋サケの漁獲状況について
県土整備委員会 ・台風第10号による災害への対応状況について
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、各委員長からお手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
日程第37議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(田村誠君) 次に、日程第37、議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
提出者の説明を求めます。千葉副知事。
〔副知事千葉茂樹君登壇〕
〇副知事(千葉茂樹君) ただいま議題とされました人事案件について御説明いたします。
議案第35号は、収用委員会の委員であります伊藤今子氏、吉田瑞彦氏のお二人の任期が12月24日で満了となりますので、伊藤今子氏を再任し、川上博基氏を新たに任命するとともに、同委員会の予備委員であります山田佳奈氏の任期が12月24日で満了となりますので、同氏を再任するため、議会の同意を求めようとするものであります。
収用委員会の委員及び予備委員は、土地収用法第52条第3項の規定により、法律、経済又は行政に関してすぐれた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者から任命することとされており、伊藤今子氏は、経済分野の委員として、これまでの在任において、税務や会計に係る専門知識に基づき的確な裁決を導くなど、税理士としてすぐれた経験、知識を有しており、収用委員会係属案件が増加する中にありまして、収用委員会の適切な運営に必要不可欠な方と存じております。
川上博基氏は、法律分野の委員として、民事訴訟等を幅広く手がける弁護士として訴訟実務に精通しているほか、岩手県土地利用審査会委員等を務めるなど、広範な分野の識見を有する方と存じております。
山田佳奈氏は、行政分野の予備委員として、岩手県立大学総合政策学部准教授としての専門知識に加え、岩手県都市計画審議会などの各種審議会等の委員を務めるなど、広範な分野の識見に基づく適正な職務遂行が期待できる方と存じております。
よろしく御審議の上、原案に御同意くださいますようお願いいたします。
〇議長(田村誠君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、これより、議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
ただいま議題となっております議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第35号収用委員会の委員及び予備委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
日程第38発議案第1号特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律に反対する意見書
〇議長(田村誠君) 次に、日程第38、発議案第1号特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律に反対する意見書を議題といたします。
提出者の説明を求めます。高橋商工文教委員長。
〔商工文教委員長高橋但馬君登壇〕

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