平成28年12月定例会 第7回岩手県議会定例会会議録

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〇40番(渡辺幸貫君) いわて県民クラブの渡辺幸貫であります。
まず、規制改革推進会議の農業改革にかかわる提言について伺います。
政府は、11月29日、新たな農業改革方針農業競争力強化プログラムを正式に決定し、JA全農改革を含む生産資材価格の引き下げと流通加工の構造改革、人材力の強化、戦略的輸出体制の整備、土地改良制度の見直しなど、環太平洋経済連携協定―TPP発効を念頭に検討してきた中期対策に、指定生乳生産者団体制度の見直しを柱とする生乳の改革を加えた計13項目について、今後の発展方向として示した。
全農の自主改革の進行管理は農林水産省が行うという。いつの間にか農業改革が全農改革にすりかわったが、小泉政権時の郵政改革のように、誰かをいけにえにして改革を唱えている手法に思えるのだが、果たしてこの提言は、日本農業の実態に合っているのか疑問である。
規制改革推進会議の提言には、ワーキンググループにあった改革の期限を初め、信用事業を営む農協の半減など、県は、TPP問題以上に危機感を持つべきである。農村社会、大地を守るのは誰か、農家の経営意識が必要などと高飛車な政府の対応は、日本の自然環境や自給率向上とは相いれない部分と考える。
農協は、金融共済や農家への指導業務を行っており、単なる営利目的の組織ではない。利潤も農家還元されているし、農協のカントリーエレベーターやライスセンターは、農家組合員の営農近代化の根幹であり、国家備蓄を担う貯蔵保管をし、生産調整の根幹もなしてきた。つまり、手数料制度をやめ、個々の農協あるいは全農が買い取り制度を行えば、価格調整のため先物相場も必要となり主食が投機の対象になり得る。消費者としてもメリットにはなり得まい。
農産物のブランド化を推し進めるトップランナーは農協であった。農協の選果場やセールスの取り組みにより、初めて江刺リンゴは産地になり、その評価で贈答品ができた。個人だけでのブランド化には限界がある。レベルの高い均質なものをそろえなくてはならないからである。ブランド化には量が必要であり、農協がそれに貢献してきたのである。つまり産地を育てる根幹なのに、率で定めているわずかな手数料を得るために、全体金額を上げるため、肥料や農薬を農家は高く買わされているとの議論は論外である。
預貸率25%ほどの金融事業は、運用の苦労も多い。共済事業の実態は、高齢化の農村社会で新規加入者を得るのに四苦八苦している。農協数の半減で農家と農協が離れ弱体化することになれば、本県では限界だ。全農岩手県本部も存立の危機をはらむ。実態を知らずに議論するなどもってのほか。このことはTPPの比ではなく、県政の場で議論していかなければならない問題である。
県の経済規模を示す県内総生産において、1次産業は3.1%を占めるにすぎず、2次、3次産業が圧倒的に多いことから、私はTPPの批准については受け入れざるを得ないと認識しているが、アベノミクスが進めようとしている農協改革は、結果的に本県の零細な農業生産者を一層苦しめるものであると思う。
改めて、県は、この農協改革にかわる提言をどう受けとめるのか伺う。
次に、平成30年から始まる生産者による米の生産調整について伺う。
報じられたところによれば、全国の41道県では、関係機関が一体となって生産調整の検討が始まっている。麦、大豆などについて、国は水田転作における戦略作物として助成しているが、国が転作から身を引くことで政策的根拠を失うのではないかと農家は不安が増している。
農林水産省は飼料作物などの水田活用の直接支払交付金を今後も維持する方向のようだが、米の生産調整の見直しについては、県はどのような対応をとろうとしているのか。米産地として生き抜くための対応策を伺う。
次に、国が導入しようとしている収入保険制度について伺います。
価格下落を初めとする農家の収入減対策として収入保険制度が2019年度に創設されるそうだが、あらゆる作物を対象とし、米作農家を例にとれば、5%前後の主業農家など青色申告者だけを対象とした制度などが議論されているが、現在の農業共済予算のすりかえだとすれば、現在行われている自然災害時の農業共済は、自主加入として削減される。すなわち地域の農業共済の存立基盤を根底から揺るがし、70歳以上が半数を超え、国民年金に頼る米作農家の混乱を招き、農家の実態を理解しない政策がまかり通りかねないと危惧するが、県は収入保険制度についてどう考えるか、どう国に働きかけようとされているのか伺いたい。
次に、卸売市場の役割と今後のあり方について伺います。
豊洲の市場移転で話題になっている卸売市場についても、法の改正が論じられている。食材を一旦市場内に入荷させる原則の廃止が論じられているそうだ。確かに、大手スーパー等の市場外流通もふえているし、食材を卸売業者や仲卸業者との契約も省いて店頭に送れば、流通費や運送費も軽減できる。
しかし、我が江刺リンゴを初め、集荷を担う卸売市場とのタイアップで新しいブランドが生まれてきたが、産地側からのアピールという点では、インターネットの取引では出し切れない味、色、におい、かたさなど、微妙な差が伝わりにくくなるのではないか。卸売市場が直接集荷しなければならなくなり、上場数が減り卸売市場が相対で取引を始めるとなると、卸売市場の形成自体が不安定なものになる。
そこで、農協改革論も含め、集荷や経営に苦しむ卸売市場を抱える我が県は、卸売市場の役割と今後のあり方をどう考えるのか伺う。
次に、畜産経営体の支援についてお尋ねします。
県内の肉用牛飼養農家の経営規模の割合はどのくらいか。県は、国の方向性に倣い、畜産クラスター事業を初め、大規模農家を対象とした施策ばかり展開しがちだが、大規模経営だけが畜産ではないだろう。本県の肉用牛飼養農家は10頭未満が7割を占めており、このような小規模農家を育てる施策が必要ではないか。小規模経営を切り捨てず、目を向けるべきである。畜産が好きだ、牛が好きだという意識の人たちが、安心して就業していけるような施策を考えるべきではないのか。
新規就農者が初めから100頭規模の経営ができるわけがない。施設整備、機械導入には莫大な経費がかかり、大きな負担になる。和牛経営では、若手農業者に一気に肥育経営を始めさせるよりも、繁殖経営からスタートし、その後、肥育にとりかかり、繁殖、肥育一貫経営へと発展させるように育てるべきと考えるがどうか。
次に、畜産レンダリング事業のあり方について伺います。
農林水産省によると、平成26年の岩手県の農業産出額は2、352億円で全国11位となっている。畜産産出額による全国の順位では、北海道、鹿児島県、宮崎県に次いで4位となっており、畜産は大変重要な基幹品目になっている。
県内での品目別農業産出額では、1位が鶏668億円、2位が米471億円、3位が豚270億円、4位が乳用牛246億円、5位が肉用牛218億円となっており、上位5品目の中に畜産酪農関係が4品目で、産出額は1、402億円となっている。これは、県内農業産出額の約60%を占めており、畜産部門は岩手の主要な品目であることがわかる。
この東北一を誇る岩手県の畜産事業を維持拡大していくためには、今後、資源の有効活用も含め、地域循環型の畜産事業の仕組みをつくり、行政を中心に、生産者、畜産業界一体となった事業をいかに具体的に進めていくかにかかっている。
畜産物最終処理の部分を担っているレンダリング事業は、異臭などの環境問題を抱えながら事業を進めていかなければならず、裏方の黒子役、すなわち畜産物のトイレとなって事業が行われてきている現状にある。
産地食肉センターで牛、豚を屠畜解体し食肉という商品にすると、1頭当たりの可食部分は35から40%となり、残り55から60%は畜産副産物としてレンダリング原料になる。これらは、餌、肥料、食品油脂等に加工されて資源の有効活用を図り地域に貢献している。
県内での畜産レンダリング業者はこれまで2社あったが、平成26年10月に1社が倒産した。現在稼働している1社は死亡牛処理の認可がないことから、岩手県は県内南部地区で死亡した牛の処理については、現在、群馬県内のレンダリング業者に処理を委ねているのが現実である。
委託されている群馬県のレンダリング業者によると、早期の岩手県内での処理を望んでおり、現在の処理はあくまでも緊急避難的に行っているだけだと話されているのが実態である。もし、現在委託している群馬県内のレンダリング業者が受託解消か何らかのトラブルを起こした場合、県南地域の死亡牛の処理が滞ることが予想される。
また、県内で口蹄疫が発生した場合、移動制限され、死亡牛は県境を越えて移動できなくなる上、通行する車両全ての消毒作業は、あらゆる人、物の往来をままならなくする。殺処分された牛は焼却処理ができないことから、土中に埋めるなどの対策をとる必要がある。これは、平成22年に宮崎県で口蹄疫が発生したときに、実際に大きな問題となりました。
現在、県内で進められている死亡牛の置き場設置だけでは何ら問題の解決にはなりません。生産者、消費者の安全・安心を確保し、県内の基幹部門を維持拡大していくためには、口蹄疫、BSE、鳥インフルエンザに対処できる仕組みを自県内にみずから備えておくことが早急に必要とされている。
このため、県内畜産事業で排出される畜産レンダリング原料や死亡牛処理について、処理施設確保、運営方法については、行政、地域の住民を初め、生産者、JAグループ、産地食肉センター、レンダリング業者の理解を得て、あるべき姿について議論し、オール岩手で新たな仕組みをつくり、進めていくことが必要とされているのではないか。
県は、畜産物レンダリングの現状についてどのように捉えているか、また、あるべき姿を示されたい。
〔議長退席、副議長着席〕
次に、岩手競馬の現状と今後の課題について伺います。
まず、融資にかかわる利息の支払いについて伺います。
今月2日付の新聞の1面に、岩手競馬存続330億円融資、組合、初の元金返済への大見出しが躍っていた。返済額は5、000万円の見込みという。この額が平成18年11月20日に制定された新しい岩手県競馬組合改革計画に照らして適切であったのか疑問がある。
この改革計画は、財政競馬としての役割を果たすことは難しいが、廃止に伴う財政負担と競馬関係者の雇用問題を初めとした影響を考慮し、民間金融機関等の借入金を構成団体融資に切りかえ、岩手競馬を存続させようというものであった。
年利0.3%程度と見込んだ構成団体融資により、6億円余りの支払い利息を1億円程度に低減させるとの計画であったが、この利息は県の運用金利と説明されて始まったものであるが、昨年度までは東日本大震災の関係で、極めて低い利率で運用されていたと聞くが、なぜ適用されたか伺う。
次に、元金返済ルールについて伺います。
最終利益が1億円以下の場合は内部留保、1億円を超えて5億円以下の場合は2分の1を構成団体に返済、5億円を超える場合は、それに加え5億円超過額を全額返済とされている。ただし、運営資金の累積額が10億円を超えた場合は、最終利益が5億円以下の場合は2分の1を、5億円を超える場合は超える金額を全額構成団体に返済するルールに定められている。
平成19年から平成20年には競馬組合の離職者も多く、退職手当基金は全額取り崩されていた。競馬組合職員は大幅に減り、運営上、現在、岩手県から8人、奥州市、盛岡市から計4人が派遣されている。
決算特別委員会での答弁では、派遣に伴う県分の人件費が7、000万円余とのことだが、市分を合わせれば1億円程度は競馬組合の収支に反映されていないのではないか伺う。
さらに、県庁には競馬改革推進室があり、両市にも競馬にかかわる組織があり、事務を行っている。それらの職員にかかわる人件費も岩手競馬の事業運営に要しているのではないか。隠れている人件費は幾らか。
つまり、収支均衡は破れていたのではないか伺う。
第2点、施設等設備基金について、平成21年度の8、500万円、平成22年度の4、800万円の取り崩しの使途は何であったか。平成23年度には施設等整備基金1億2、000万円余、プラス財政調整基金8、300万円余、合計2億円を超える積み立てをしたにもかかわらず、なぜ元金返済ルールに基づき返済をしなかったのか。
同様に、施設整備資金への積立額は、平成24年度に5、600万円余、平成25年度には9、300万円余、平成26年度には3億6、000万円余、平成27年度には9、000万円余となっている。
同様に、財政調整基金は、平成23年度には8、300万円余、平成24年度には8、600万円余、平成25年度には約2億円、平成26年度には約3億円、平成27年度に9、000万円余となっており、合計すれば毎年度、億単位の内部留保が行われてきたが、なぜ元金返済ルールに抵触しないのか伺う。
次に、競馬組合の実態について伺います。
施設等整備資金を見ると、平成26年に約1億円、平成27年に1億8、000万円の取り崩しを行い、今年度は水沢競馬場への映像装置整備に2億2、500万円を積み立てると競馬組合議会で決定された。元金返済ルールでは、新たな設備投資が必要な場合、特別な事情が生じた場合等は、構成団体と個別に協議し、返済額を決定するとあり、元金返済ルールは既に破られており、決定に際し、私たち県議会がないがしろにされていると思わざるを得ない。
この件に関する知事のコメントは、コスト調整の要請、売り上げ拡大のための投資の要請、構成団体への借金の返済という三つの要素のバランスで提案しているとしている。元金返済ルールは、県民、盛岡市及び奥州市の両市民との約束事である。バランスの言葉自体が、返済第一を忘れがちな現在の岩手競馬の実態をあらわしていると感じるが、元金返済ルールの認識について、競馬組合の管理者である知事に明快な答弁を伺いたい。
次に、競馬の存続の意義について伺います。
今、いわゆるIR法案が審議されている。政府のレジャー白書によれば、競馬の愛好者は2%台にすぎず、今後やりたい人を含めても、北東北では3%に満たない。競馬組合への県の対応は競馬存続ありきの経営体質と私には映るのだが、ごく限られた少数のファンのために競馬を継続することについて知事はどう考えているか、改めて伺いたい。
次に、地方銀行の経営状況と地域経済への影響について伺います。
本年2月から実行された日銀のマイナス金利政策等により、この1年、長期金利はかつてない低水準となり、地方における人口減少と相まって、地方経済の根幹を担う地方銀行の業績、収益等に深刻な影響を及ぼしている。
9月に金融庁から公表された平成27事務年度金融レポートにおいては、地域金融機関について全国的な人口減少に伴う貸し出し規模の縮小が予想される中で、全ての地域銀行が貸し出しの量的拡大を目指すビジネスモデルは、全体としては中長期的に成り立たない可能性があるとしており、人口減少と地域銀行の貸し出し業務の将来について、融資及び手数料ビジネス等顧客向けサービスの利益を預金残高で割った顧客向けサービス業務利益利率という指標を用いて試算しているが、この試算結果によれば、平成27年3月期において地域銀行の4割がマイナスになり、さらに10年後の平成37年3月では、6割がマイナスになると予測されるなど深刻な状況である。
言うまでもなく、銀行は、地域の経済活動にお金という血液を送り込む心臓のような役割を担っており、県内の各地方銀行は、本県の経済活性化、地域振興の観点からも不可欠な存在であるが、地方銀行の再編も取り沙汰されており、県は、この実情をどのように受けとめ、地方銀行の今後についてどのような期待を持っているのか伺う。
次に、県債発行におけるマイナス金利の影響等について伺います。
また、県財政を運営する上で、金利の影響に最も左右されるのは、県債の発行であるものと思われる。もちろん、公共事業等を行うに当たり、必要となる財源を調達するための県債発行において低金利環境は歓迎すべきものと考えられるが、全体的には低金利基調にありつつも、先が見通しにくい金利環境の中では、難しい判断が求められる場面も少なくないものと推察する。
そこで伺うが、日銀のマイナス金利政策等の低金利環境によって、県債発行にどのような影響があったのかお示し願いたい。また、県では、今後、どのような方針で県債発行を行っていくのか、基本的考え方を伺いたい。
次に、本県財政の運営について伺います。
東日本大震災津波発災以降、震災の復旧、復興に要する多額の費用を盛り込んでいることから、本県の予算規模は震災前に比べ極めて大規模なものとなっている。震災分の予算の大部分が国等からの財源措置があるとはいえ、多額の震災予算を含んだ本県の予算は異質であることから、その健全性等について単純に他県比較等を行いにくく、非常にわかりにくいものとなっている。
このような中、先般、県は、平成28年度から3年間の岩手県中期財政見通しを公表したが、これによると、各年度の歳入歳出ギャップは150億円から200億円、財源対策基金の残高も、現行の450億円から160億円へと減少するとなっており、本県財政が本当に厳しいことを改めて実感させられる。この見通しどおり推移すれば、平成31年度以降は予算を編成するのも困難になるほど厳しい財政運営に直面することとなるが、県はどのように対処していくおつもりなのか、考え方をお示し願いたい。
また、今後は徐々に震災事業もピークアウトし、被災地以外の事業にも尽力していかなければならない時期を迎えることとなるが、今後の予算構成における震災被災地とそれ以外の地域とのバランスについて、どのように考えていくのか伺いたい。
次に、自由貿易の危機について伺います。
イギリスのEU離脱後、既に御案内のとおり、アメリカ大統領選挙は多くの世論調査を翻し、ドナルド・トランプ氏が当選した。トランプ氏は、過激とも言えるさまざまな主張を選挙戦中から訴え、当選後は若干現実的なトーンに変わる期待もあるものの、特にも貿易の分野においては、就任初日にTPPの離脱を表明すると伝えられているほか、NAFTA―北米自由貿易協定の再交渉や中国製品への関税引き上げなど、極めて保護主義的なアメリカ第一主義を掲げている。
言うまでもなく、アメリカは世界最大の経済大国であり、トランプ氏が主張する貿易政策の実現をアメリカが目指すこととなれば、GATT―関税及び貿易に関する一般協定やWTO―世界貿易機関を通じて、世界がつくり上げてきた自由貿易体制が崩壊しかねない危機的状況になる。
そこで伺うが、知事は、TPPの離脱などトランプ氏が訴える貿易政策についてどのように受けとめているか、その認識をお示し願いたい。
また、トランプ氏の貿易政策が実現した場合、本県の経済や産業にどのような影響があると見通しているか、あわせて伺いたい。
最後に、人工知能社会に向けた姿勢と具対策について伺います。
人工知能―AIが第4次産業革命をもたらすのではないかと注目されている。この革命はビジネスモデルだけではなく、社会、政治、経済など、あらゆる分野の未来を書きかえるだろうと言われている。これまで人間だけが行ってきた認知や判断、推論などの頭脳労働を機械が支援したり代替したりすることである。
今話題の自動運転車の出現が5年後にも完成すると言われている。もちろん、工場もあらゆる面で自動化され、雇用の伴わない企業進出を確保しなければならない。しかし、不法移民等に雇用が奪われるのではなく、機械と人間が仕事をめぐって争うより、互いに価値を生み出す社会をつくり上げる以外に将来がないとすれば、花巻市で始まった農業用基地局設置のGPS作業効率化への取り組みのように、トラクターの位置情報の精度を高める取り組みなど、行政がAIに対処する姿勢が大切になるのではないだろうか。
道路などのインフラの点検、岩泉のような河川の氾濫予測、介護ロボット、医療データの蓄積と診断、治療法の選択などにまで発展すれば、自前主義でなく、他の企業や団体、研究機関と柔軟に連携するオープンイノベーションも欠かせない。
農業分野も、栽培ソフトとマニュアル、土壌診断技術の取り組みの早さが品種改良より均質生産技術体制確立で、産地間競争も人手不足も軽く乗り越えるであろうことは想像にかたくない。新しい時代の先取りこそ、地域が活力を持つ源泉である。
我が県も、おのおのの分野で先取りし、人口減少の日本こそ、人と機械が相まったソフトランディグの発展社会になるとの教示もあるが、将来のAIとの共存社会に向け、県はどのような対応をしていく考えか伺う。
宮沢賢治の農民芸術概論の序論の、世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ないという言葉を改めて思い出して、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 渡辺幸貫議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、農協改革に係る提言についてでありますが、農業従事者の減少や集落機能の低下など、農業、農村をめぐるさまざまな課題がある中、各農協は、それぞれの地域の実情に応じて必要なサービスを総合的に提供することで、地域農業の振興にとどまらず、農村地域の社会生活全般を支える重要な役割を果たしてきたと認識しております。
また、本年4月に施行された改正農協法に農協の経営目的などが明文化されたところであり、JAグループにおいても、組織体制や事業の見直しを含め、自己改革を積極的に進めることとしています。
本来、農協は、組合員の相互扶助の精神に基づく独立した組織であり、組合員の意思と責任により、自主的、自律的にみずからの手で組織、事業改革を進めていくことが基本であり、農協改革については、これまで農協が果たしてきた役割や、当事者である農業者、関係団体など現場の意見、地域の実情をしっかりと踏まえながら進める必要があると考えます。
県としても、農協の自己改革が、その目的である農家所得の向上と農業、農村の維持、発展に確実につながるよう、必要な支援を行ってまいります。
次に、岩手競馬の実態についてでありますが、岩手競馬では、これまで、平成18年度に策定した新しい岩手県競馬組合改革計画に基づいて、収支を均衡させ安定した事業経営を持続していくための取り組みを進め、構成団体融資については元金返済ルールに基づいて対応してきたところであります。
元金返済ルールに基づく融資元金の返済という使命、売り上げ拡大のためのさまざまな取り組みや経常経費削減等のコスト調整のあり方について真摯に検討し、持続可能な事業運営を行っていかなければならないと考えます。
次に、競馬存続の意義についてでありますが、岩手競馬は、収支均衡を条件に、県議会での議論も経て、構成団体から330億円の融資を受け、事業継続が認められたものであります。そのような背景のもとで、岩手競馬を存続させる意義については、競馬関係者の雇用を確保するとともに、地域経済に今後とも貢献していくこと、収益の確保を図り、構成団体に、利息に加え元金を返済していくことと考えております。
今後とも、県民、市民の皆様の御理解を得ながら、競馬事業の目的実現に向けて最善の努力を傾注してまいりたいと思います。
次に、本県財政の運営についてでありますが、本年9月に公表した中期財政見通しにおいては、依然として多額の収支ギャップが生じるものと見込んでいますが、東日本大震災津波からの復旧、復興やふるさと振興を着実に推進していくため、必要とされる事業を確実に実施していく必要があります。そのため、歳出の徹底した見直しとあらゆる手法による歳入の確保に努めるとともに、国に対しては、地方創生の取り組みを一層強く進めるための地方創生推進交付金の拡充や一般財源総額の確保等について強く訴えてきたところであります。
こうした財源確保によりまして、岩手県ふるさと振興総合戦略の展開による産業振興や労働生産性向上の取り組みを推進し、税源涵養も図りながら、平成31年度以降の安定的な財政運営が可能となるよう努めてまいります。
また、今後の県の予算編成における地域バランスについてでありますが、県では、これまでも震災被災地の復興とともに、ふるさと振興を進めるため、全県で産業振興や子育て支援、医療、福祉の充実などに取り組んでまいりました。
昨年、地域ごとに策定したいわて県民計画第3期アクションプランに基づいて、今後とも、地域の実情に応じた施策の推進について、優先度を見きわめながら進めてまいります。
次に、自由貿易の危機についてでありますが、現在の自由貿易体制は、いち早く発展した先進工業国が先導し、ルールを定め、農業分野など各国の固有の事情に配慮しながら、合意を重ねて築き上げられてきたものと考えます。
トランプ氏が掲げるアメリカ第一主義の貿易政策については、その具体的な内容は明らかでなく、現時点で、本県の経済や産業にどのような影響が生じるかを見通すことは困難でありますが、アメリカの貿易政策がこれまで築き上げてきた国際貿易秩序を破壊するようなものである場合には、本県初め、日本全体に相当な影響があるものと考えております。
仮に、アメリカの貿易政策が現在の国際貿易秩序の範囲で行われる場合には、お互いの国内事情に配慮しながら、個別課題ごとに、相互に知恵と力を合わせながら解決策を探っていくことも可能と考えます。
なお、本県の直接の輸出先としては、アジア、中国、香港で全体の5割強を占めておりますことから、アメリカの貿易政策のみに捉われることなく、まずは、こうした地域への輸出のさらなる拡大に向けて、現在策定中の国際戦略なども踏まえながら、しっかりと取り組んでまいります。
その他お尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔農林水産部長紺野由夫君登壇〕
〇農林水産部長(紺野由夫君) まず、米の生産調整の見直しについてでありますが、県では、国による米の生産数量目標の配分が廃止される平成30年以降においても、引き続き、国の一定の関与のもとで、米の需給と価格の安定が図られることが重要と考えております。このため、これまで、国に対して、全国レベルでの需給安定推進組織の設置など、実効性のある需給調整の仕組みを構築するよう要望してきたところであります。
平成30年産以降の米政策に対応する取り組みについては、現在、関係機関、団体や県で構成する岩手県農業再生協議会において、需要に応じた生産を円滑に行える体制のあり方などの検討を進めており、年内に中間取りまとめを行うこととしております。
また、県産米の生産や販売対策の強化に向け、いわての美味しいお米生産・販売戦略に基づき、消費拡大の取り組みとあわせ、高値で取引されるよう、大消費地での販売促進活動の展開や、県オリジナル品種の早期ブランド化を力強く進め、全国の消費者や実需者から長く愛され続けるお米の産地としての地位が強固なものとなるよう取り組んでまいります。
次に、収入保険制度についてでありますが、政府が決定した農業競争力強化プログラムでは、13項目の一つとして収入保険制度の導入が位置づけられており、その対象者については、簡易方式を含め1年分の申告実績があれば加入できるとする特例を設けることとされたほか、今後の見直しも検討されているところであります。
農業共済制度については、農業者が、それぞれ経営形態に応じて、収入保険といずれかを選択できることとされ、また、農作物共済の任意加入制への移行が示されているほか、農業者へのサービスの向上及び農業者の負担軽減の観点から所要の見直しを行うこととされております。
県といたしましては、今般の収入保険制度の創設及び農業共済制度の見直しによって、農業経営を支えるセーフティーネット機能が後退することなく、さらに万全なものとなるよう法制化に向けた検討を注視するとともに、必要に応じ国に要望してまいります。
次に、卸売市場の役割と今後のあり方についてでありますが、卸売市場は、青果物や水産物等の流通拠点として、産地から生鮮食料品等を集荷し、消費者や実需者へ円滑かつ安定的に供給する役割を担うとともに、災害時においては、食料品の緊急調達拠点としての機能なども有しております。
卸売市場を経由する生鮮食料品等の出荷は、近年、取り扱い数量、取り扱い額は減少傾向にあるなど集荷力が低下傾向にありますが、平成25年度の市場経由率は、国産青果物で86%、花卉で78%となっており、引き続き卸売市場が生鮮食料品等の集荷と供給に中核的な役割を果たしていくことが期待されております。このため、県におきましては、本年8月に、第10次岩手県卸売市場整備計画を策定したところであり、今後とも、産地の集荷団体である農協等との連携強化を図るなど、卸売市場の取り扱い数量の拡大に向けた取り組みを支援してまいります。
次に、畜産経営体の支援についてでありますが、本県の肉用牛経営は全国に比べ小規模であり、生産者の約6割が60歳以上と高齢化が進んでおります。また、肉用牛経営への新規就農者はこの5年間で約90名となっており、就農者の約6割が、繁殖経営を平均15頭の飼養規模から開始しております。
県といたしましては、このような肉用牛経営を開始する若い担い手について経営の安定を図り、将来に向け、経営規模の拡大や肥育部門を取り入れた一貫経営へと育成していくことが重要と考えております。このため、新規就農者について、青年就農給付金などを活用しながら、基本となる飼養管理技術の習得等により経営の安定を図った上で、目指す経営形態に応じて、低コスト牛舎の整備や公共牧場と預託施設であるキャトルセンターの一体的活用の促進、優良繁殖雌牛や肥育素牛の導入を支援しております。
さらに、飼養管理技術や経営管理能力を高めていくため、県内10地域に組織する肉用牛サポートチームによる個別巡回指導や、若手生産者を対象とした研修会などを開催しており、このような取り組みを通じて、若い担い手が、本県の肉用牛生産の中核的な経営体へと成長していくよう進めてまいります。
次に、畜産物レンダリングのあり方についてでありますが、県内の食肉処理場で発生する屠畜残渣、死亡豚や鶏、県央、県北地域の死亡牛については、現在、県内及び青森県の化製場により適切に処理されているところであります。
また、BSEに関連する脊髄等の特定危険部位や、全県で発生する死亡牛の3割となる県南地域の死亡牛については、東北、関東合わせて7県の死亡牛を受け入れている群馬県の化製場に処理を依頼しているところであります。
群馬県の化製場からは、死亡牛について、県内での処理を検討してはどうかとの話があることは承知しているところであります。
また、死亡牛は産業廃棄物でありますことから、廃棄物処理法の趣旨を踏まえ、排出者である生産者や生産者団体みずからが対応を検討していくことが重要と考えておりますが、県といたしましては、畜産振興の観点から、検討に参加する必要があると考えております。このため、生産者の代表である農業団体と県におきまして、死亡牛の処理に関する検討チームを設置し、県南地域の死亡牛についてどのような対応が可能か、現在、検討を進めているところであります。
なお、口蹄疫などの家畜伝染病が県内で発生した場合でありましても、移動、搬出制限区域内の感染の疑いのない死亡牛は、国の特例措置を受けることにより、制限区域外への搬出と、区域外の化製場での処理が可能となるものであります。また、群馬県の化製場が仮に制限区域内に入った場合は、化製場を利用する東北、関東の7県で、死亡牛処理について国と調整していくこととなるものであります。
次に、岩手競馬における融資に係る利息の支払いについてでありますが、構成団体融資の貸付利率は、県におきましては、県の資金運用の利率と同水準になるよう知事が定めることとしております。また、両市におきましては、県の利率を基準にして市長が定めることとされております。
具体の利率については平成23年4月から年0.07%としておりましたが、同年5月、東日本大震災津波の被災に伴う特例措置として、年0.01%に引き下げたものであります。
次に、元金返済ルールについてでありますが、まず、収支均衡につきましては、競馬組合への構成団体職員の駐在は、競馬組合の持続可能な事業運営に必要な人員を配置しているものであり、また、県の競馬改革推進室職員は、県の本来業務として競馬組合の管理、指導や改革推進支援を行っているものであります。このような取り組みは、構成団体の役割として他の地方競馬でも行われており、構成団体の人員配置をもって、競馬組合の収支均衡には影響しないものと認識しているところであります。
次に、施設等整備基金の取り崩しの使途については、平成21年度は、自動発払機や大型映像装置など機械設備の修繕費等に、平成22年度は、競馬場走路整備や自動発売機の修繕費等に活用されたものであります。
次に、平成23年度の財政調整基金及び施設等整備基金への積み立てにつきましては、地方競馬全国協会から支払い猶予を受けた1号交付金の平成27年度から始まる支払いの原資に、また、翌年度以降に必要となる修繕費等にそれぞれ充てたものであり、その結果、最終利益は1億円を超えず、元金返済には至らなかったものであります。
次に、平成24年度以降の財政調整基金及び施設等整備基金への積み立てにつきましては、引き続き、地方競馬全国協会から支払い猶予を受けた1号交付金の支払いの原資に、また、翌年度以降に必要となる修繕費等にそれぞれ充てたものであり、その結果、各年度の最終利益は1億円を超えず、元金返済には至らなかったものであります。
なお、運営資金の累積額が10億円を超えた場合の元金返済ルールを定めておりますが、この運営資金につきましては、払い戻し準備金など一時的に必要となる資金需要に備えて内部留保しておく資金でありまして、具体的には、財政調整基金積立金のうち、競馬法に基づく支払い義務がある1号交付金に係る積立金を除いた額であり、平成24年度以降の各年度において10億円を超えないものでございます。
〔商工労働観光部長菊池哲君登壇〕
〇商工労働観光部長(菊池哲君) 地方銀行の経営状況と地域経済への影響等についてでありますが、平成28年3月期の公表されております決算資料によると、県内地方銀行3行とも当期純利益は黒字となっておりまして、経営の健全性を示す自己資本比率も基準である4%を大きく上回っております。本年9月の中間決算におきましても、県内3行とも、経常利益、貸出金残高とも減少しているものの、中間純利益は黒字となっており、堅調な経営が行われているものと認識しております。
県内の各地方銀行は、地域産業の活力ある展開や地域振興にとって重要な役割を担っており、特に中小企業等の振興においては、被災企業の再建支援を初め、新分野進出や創業の支援など、積極的に取り組んでいただいているものと認識しております。
また、県では、知事と県内の地方銀行等の代表者が定期的に意見交換を行う岩手県金融懇談会を開催するなどし、連携を図っておりまして、制度融資の円滑な実施や、農林水産分野も含め地域産業の振興を図る各種ファンドへの出資など、県の関連施策の展開につきましてもさまざま御協力いただいているところでございます。
なお、金融庁では、事業内容や成長可能性等を評価した貸し出しや、コンサルティング等による顧客価値向上に向けた取り組みを促しているところでありまして、金融機関におかれましては、ならではの目きき力を発揮され、今後におきましても、本県産業の振興に御尽力いただけるよう期待しているところでございます。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) 県債発行におけるマイナス金利の影響などについてでありますが、平成22年8月に長期金利が1%を下回るなど、我が国における長期金利は、平成19年以降、下降局面にあり、長期にわたり低金利環境が続いております。
この低金利環境のもと、本県でも低利での調達が可能となっており、例えば10年満期一括償還の県債の利率について、平成23年度債が1.108%、平成28年度債は0.090%と低下しております。
これを受け、利払いについても、平成23年度の214億円から平成27年度は151億円に低下をしており、こうしたことも一因となり、公債費負担適正化計画の2年前倒しでの達成を現時点で見込んでいるものでございます。
引き続き、金利環境の動向について注視をし、調達時期を工夫するとともに、償還年限の長い超長期債を発行するなど償還年限の多様化も図りながら、将来の金利変動に備えた県債調達に努めてまいります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) 人工知能AI社会に向けた姿勢と具体策についてでありますが、AIについては、明確な定義がないものの、急速なコンピューター技術の革新により、ネットワーク化で大量のデータ取得や分析が可能となり、ビッグデータの分析と利活用、機械みずからが学習、多様かつ複雑な作業の自動化などが実現するものと言われております。
具体的には、自動運転技術を利用した無人タクシーなどによる交通手段の確保、農業機械の自動化や栽培管理の最適化、製造現場の機械装置の故障予測などのほか、行政分野においても、緻密なデータ分析が容易になることで、より効果の高い政策立案が可能となるなど、産業構造や雇用、生活に大きな変化をもたらすことから、的確に対応する必要があると考えております。
このようなことから、いわて半導体関連産業集積促進協議会では、今年度からIoTに関するセミナーを開催しているほか、農業研究センターにおいては、農作物の育成等の画像診断や施設内環境の可視化等の研究を、工業技術センターにおいては、農作業の自動化システム等の研究を行っているところです。
県においては、職員を最新の技術展示会等に派遣し、各種情報の収集に努めておりますが、今後もAIに関する技術動向の変化を注視するとともに、岩手大学、岩手県立大学を初めとする関係機関とも連携しながら、研究者からの情報収集など、最新技術の調査研究を進めていく考えであります。
〇40番(渡辺幸貫君) 質問しないつもりでしたけれども、ちょっと競馬について伺います。
地方競馬全国協会の原資としてお金を払っているということであるが、その結果はどうなのか。要するに、ちょっと滞納していたとか、いろいろなこともあると思うけれども、増資によってどういう効果があるから出したのか。その辺で、赤字というか1億円を超えなかったという結果だけお話しされたけれども、その効果を伺いたい。
2点目は、金利についてであるが、県での運用資金を準用するというのは、さきほどの答弁でも確認しました。その結果、県債などの金利は0.07%ぐらいですね。ところが、なぜ震災の0.01%を適用したかという質問ですから、それに対して答弁してもらいたい。心苦しいからまた戻したのだろうと思える答弁でしたけれども、それについて伺います。
3点目は、映像装置に関して、元金返済ルールについて話しました。新たな設備投資が必要な場合等、特別な事情というところに該当するのではないかと思いながら申し上げたのだけれども、これには明確な答弁がない。要するに、我々県議会が無視されているのではないかとはっきり申し上げたのだけれども、これについて、どういうふうにルールに抵触しないのかお答えいただきたい。
〇農林水産部長(紺野由夫君) まず、1号交付金の効果についてということでございますが、1号交付金につきましては、競馬法によって返済が義務づけられている交付金であることは御承知のことと思います。この交付金につきましては、震災のため支払い猶予を受けておりまして、それが、昨年度からその返済が開始され、分割納付が開始されまして、当然ながら、その原資に充てるものということで効果があったものと思っております。
また、金利につきましては、なぜ0.01%なのかというお尋ねかと思いますが、融資については、有利子で償還するという取り決めがありますので、それに基づきまして、最低限、震災で影響のあった競馬組合が存続するようにということで0.01%と設定いたしまして、御了解を得たものと承知しております。
さらには、現在0.05%という設定でありますが、これについては、県の資金融通の金利に合わせて0.05%と設定しているものと理解しております。
また、映像装置につきましては、必要な設備といたしまして提案申し上げたと承知しております。一時的に大きな設備になるものにつきましては、例えば競馬場のスタンド改修などが当たるものと理解してございます。
〇40番(渡辺幸貫君) では、まず最後のところから聞きますけれども、その映像装置は、着順とかを映像で大きく見せれば競馬を好きになるかもしれないという思いも込めて、ほかの競馬場にもあるから我々のところにも欲しいのだという思いだろうと思います。けれども、それは新たな設備であるというところを聞いているのですよ。それがスタンドであれば新たな設備で、映像はそうではないという答弁では、この元金返済ルールの適用外だというところは、どうやって判断するのかと思います。
今、0.01%に決めたとおっしゃった。それは県議会に諮っていますか。諮っていないでしょう。だから、そう決めた、被害があったからとおっしゃったけれども、私たちがそこに出資している基準のことについては、融資したときに議決した議員がここにたくさんおられますが、そのときには県の運用金利でやることによって安くなりますと、はっきりと県の運用金利だと、今の答弁でもそうおっしゃったではないですか。だから、その辺はなぜそうなったのかということと、震災だということは質問するときからわかっていて、そういうふうに表現したわけです。我々に諮って、競馬も震災と同じだというのだったらいいのですよ。ただ、競馬議会かどこかわからないけれども、決めたのだとおっしゃったとしても、330億円の重みはやっぱり感じてもらわなければ、我々もなかなか納得できない。
最後には、地全協に原資としてためていたお金を去年から払いましたということですが、その前の年、その前の年はどうしたのですかとまた聞きたいですので、お答えいただければと思います。
〇農林水産部長(紺野由夫君) まず、水沢競馬場における映像装置につきましては、整備されることによって、ファンサービスの向上が図られ入場者の増加などの効果が期待できると考えて提案し、競馬議会におきまして補正予算案を提案し、可決いただいたものということで承知しております。
また、貸付利率につきましては、先ほど申し上げたとおり、東日本大震災の特例的な扱いとして設定したものでありますが、その設定につきましては、県、両市の岩手競馬再生推進基金条例施行規則の附則で特例的に定めたものでございます。新計画におきましては、融資は有利子と定められておりますので、小数点第2位までとする場合において最低の率とすることとして0.01%としたものと理解してございます。
特例措置の期間につきましては5年間としたものでありまして、先ほども御説明したとおり、平成28年4月から本来の取り扱いに戻り……(渡辺幸貫議員「どこで決めたのかと言っている」と呼ぶ)これは、競馬組合で定めて、当時、県議会の各会派、議長、副議長に御説明申し上げて、御理解を得たものと承知しております。
〇副議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時14分 休 憩
出席議員(46名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 臼 澤   勉 君
3  番 千 葉 絢 子 君
4  番 ハクセル美穂子 君
5  番 菅野 ひろのり 君
6  番 柳 村   一 君
7  番 阿 部 盛 重 君
8  番 佐 藤 ケイ子 君
9  番 佐々木 宣 和 君
10  番 川 村 伸 浩 君
11  番 田 村 勝 則 君
12  番 工 藤   誠 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 吉 田 敬 子 君
15  番 佐々木   努 君
16  番 千 葉   進 君
17  番 佐々木 朋 和 君
18  番 名須川   晋 君
19  番 軽 石 義 則 君
20  番 神 崎 浩 之 君
21  番 城内 よしひこ 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 佐々木 茂 光 君
24  番 高 橋 孝 眞 君
26  番 小 西 和 子 君
27  番 工 藤 勝 博 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 小 野   共 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 高 橋   元 君
32  番 関 根 敏 伸 君
33  番 岩 崎 友 一 君
34  番 嵯 峨 壱 朗 君
35  番 中 平   均 君
36  番 五日市   王 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 飯 澤   匡 君
40  番 渡 辺 幸 貫 君
41  番 佐々木 順 一 君
42  番 田 村   誠 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 工 藤 大 輔 君
欠席議員(2名)
25  番 木 村 幸 弘 君
44  番 工 藤 勝 子 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時33分 再開
〇副議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。樋下正信君。
〔45番樋下正信君登壇〕(拍手)

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