平成28年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第6号)
平成28年11月21日(月)
1開会 午前10時1分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 田 内 慎 也
主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
1説明員
教育長 高 橋 嘉 行
教育次長兼
学校教育室長 川 上 圭 一
教育次長兼
教育企画室長 菊 池   透
参事兼教職員課
総括課長 今 野 秀 一
教育企画室特命
参事兼企画課長 菊 池 正 勝
特命参事兼
予算財務課長 佐々木   亨
学校施設課長 佐々木   哲
首席指導主事兼学
力・復興教育課長 小野寺 哲 男
首席指導主事兼
義務教育課長 藤 岡 宏 章
首席指導主事兼
高校教育課長 岩 井   昭
高校改革課長 木 村   久
首席指導主事兼
特別支援教育課長 佐々木   徹
首席指導主事兼
生徒指導課長 菊 池 広 親
生涯学習文化課
総括課長 松 下 洋 介
文化財課長 斎 藤 邦 雄
首席指導主事兼
スポーツ健康課
総括課長 八 木 浩 之
首席経営指導主事
兼小中学校
人事課長 荒 川 享 司
首席経営指導主事
兼県立学校
人事課長 小田島 正 明

企業局長 菅 原 伸 夫
次長兼
経営総務室長 坂 本 誠 一
技師長 中屋敷   暢
経営総務室
管理課長 及 川 立 雄
経営企画課長 藤 原 清 人
業務課総括課長 細 川 普 基
電気課長 吉 田 悟 規

会計管理者 佐 藤   博
会計指導監 清 水 雅 典

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 小 原   勝
〇軽石義則委員長 これより本日の会議を開きます。
木村幸弘委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、教育委員会、企業局関係について、延べ14人の質問者を予定しており、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、教育委員会関係の質疑を行います。
なお、高橋学校企画課長は欠席となりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇高橋教育長 それでは、平成27年度の教育委員会関係の決算について御説明を申し上げます。
初めに、教育委員会が所管する事務事業の昨年度の総括的な取り組みと今後の取り組み方針等について御説明申し上げます。
教育委員会におきましては、東日本大震災津波からの教育の復興といわて県民計画の着実な推進の二つを大きな柱として、学びの場の復興といわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向けて、学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツの各分野において施策の重点化を図り、本県教育の振興に取り組んでまいりました。
第3期アクションプランにおける教育・文化のそれぞれの政策項目に沿ってその概要を申し上げますと、児童生徒の学力向上につきましては、全国学力・学習状況調査等の分析結果の十分な活用とともに、学校組織全体での授業改善などを推進してきておりますが、各学校においては、具体的な活動が広がりを見せ、学力向上の機運が高まってきております。
今後とも、県、市町村、学校との十分な連携のもとに、学力向上の取り組みを推進するとともに、産業界等からの御協力もいただきながら、キャリア教育の充実などにも取り組んでまいります。
豊かな心を育む教育の推進につきましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置などにより、東日本大震災津波で心に負担を負った子供たちへの心のサポートを進めてまいりました。
また、本県におけるいじめを一因とする重大事案などを本県の教育界全体で重く受けとめ、学校組織全体でのいじめ防止と早期発見、早期対応などに取り組むとともに、いじめ問題対策委員会等の第三者委員会を設置するなどの体制の整備を図ったところであります。
今後におきましても、児童生徒が相談しやすい環境づくりを推進するとともに、全児童生徒を対象に行っている心とからだの健康観察なども活用し、いじめや学校不適応の未然防止、早期発見、早期対応に取り組んでまいります。
健やかな体を育む教育の推進につきましては、希望郷いわて元気・体力アップ60運動をキャッチフレーズに、学校、家庭、地域が連携して、児童生徒が運動やスポーツに親しむことのできる環境づくりに取り組んできております。
今後におきましても、児童生徒の望ましい生活習慣の確立や肥満などの改善に向け、学校と家庭、関係機関と連携した健康教育を推進してまいります。
特別支援教育の充実につきましては、特別支援学校に昨年度からタブレット端末の配備を進め、ICT機器を活用した指導の充実に努めるとともに、就労サポーター制度の推進などに取り組んできております。
今後におきましては、配備した機材等を活用した授業実践を一層進めることなどにより、障がい者や児童生徒の実態に応じた指導や教育環境の充実を図ってまいります。
また、地域の小中学校との交流籍を活用した交流や共同学習の推進など、特別支援学校と地域の学校との相互理解の醸成にも引き続き取り組んでまいります。
家庭・地域との協働による学校経営の推進につきましては、学校行事等の教育活動に地域の皆様の力もお借りして、学力向上や体験活動等の充実を図るなど、地域との協働を推進してきております。
また、教育振興運動を通して、全県共通課題として設定している情報メディアとの上手なつき合い方をテーマとした取り組みを初め、それぞれの実践区においては、家庭学習や読書活動の充実、地域産業の体験活動などに取り組むなど、いわて型コミュニティ・スクールと連携した取り組みを推進しているところでございます。
今後におきましても、なお一層、家庭、地域との協働による学校経営を推進し、教育振興運動や実践的な防災教育を核とした、いわての復興教育の充実などに取り組んでまいります。
生涯を通じた学びの環境づくりにつきましては、生涯学習に関する情報を提供する生涯学習システムなどを活用して県民の皆様に先進事例などを紹介するとともに、各市町村や民間団体等と連携しながら、被災地域における学びを通じた地域コミュニティーの再生などに取り組んできております。
今後におきましても、生涯を通じた学びの環境づくりのため、社会教育の充実や、被災した社会教育施設の復旧、再開への支援、学習環境の整備などに取り組んでまいります。
文化芸術の振興につきましては、文化芸術活動への支援や、被災した文化財の復旧、郷土芸能団体の活動再開への支援に取り組むとともに、橋野鉄鉱山を含む明治日本の産業革命遺産と北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録、世界遺産平泉の拡張登録に向け、関係自治体と連携した取り組みを進めてきたところです。
縄文遺跡群については、本年度の国内推薦候補に選ばれませんでしたが、これまでの経験等を踏まえ、関係道県との十分な連携のもとに、世界遺産登録に向けた取り組みを進めてまいります。
豊かなスポーツライフの振興につきましては、希望郷いわて国体に向けて、各競技団体との連携、協力体制を強めながら、各種の強化事業やスポーツ医・科学を活用した競技力の向上などに取り組んできたところです。その結果、優勝はできませんでしたが、天皇杯、皇后杯ともに第2位を獲得し、第71回国民体育大会強化委員会における天皇杯順位8位以内の入賞という目標を、すばらしい成績でなし遂げることができました。改めて、競技団体、選手、指導者を初め、力強い応援、御協力をいただいた県議会議員の皆様、県民の皆様、企業、団体の皆様方に厚く御礼を申し上げます。
今後におきましては、今国体で得たスポーツ、文化面でのレガシーを継承しつつ、国体などの全国レベルの大会や、国際大会等で活躍するトップアスリートの輩出に向けた取り組みを推進するとともに、県民スポーツなどの一層の振興に努めてまいります。
以上、総括的な取り組みと今後の取り組み方針について御説明を申し上げました。
続きまして、決算額等について御説明申し上げます。
お手元の平成27年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。昨年度の教育委員会所管に係る一般会計の予算現額は、10款教育費1、502億9、551万円余のうち、総務部が所管している1項教育総務費の一部と、16ページに参りまして、8項大学費及び9項私立学校費を除いた1、405億8、083万円余と、次の11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費2、585万円を合わせた1、406億668万円余で、これに対する支出済額は、総額で1、397億5、781万円余、翌年度への繰越額は3億5、456万円余となっており、翌年度繰越額を除いた執行率は99.6%となったものでございます。この結果、県の一般会計決算額に占める教育委員会関係の決算額の割合は13.5%となるものでございます。
以下、個々の内容につきましては、便宜、お手元の平成27年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
事項別明細書の318ページをお開き願います。
なお、備考欄に記載している主な事業等について御説明いたしますが、事業ごとの金額については省略させていただきますので、御了承をお願いいたします。
10款教育費1項教育総務費でありますが、1目教育委員会費の支出済額1、505万円余は、委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額27億7、029万円余の主なものは、事務局職員人件費等の管理運営費のほか、東日本大震災津波により被災した幼児児童生徒の就園や就学機会を確保するため、市町村が行う被災幼児就園支援事業及び被災児童生徒就学援助事業に要した経費への補助、親御さんを亡くした児童生徒等に奨学金の給付を行ったいわての学び希望基金奨学金給付事業費などであり、繰越明許費4、818万円余は、幼稚園等の複合化、多機能化の推進に要する経費を繰り越したものであります。320ページをお開き願います。3目教職員人件費の支出済額110億8、795万円余は、教職員の健康診断等を実施した人事管理費、児童手当、退職手当の支給に要した経費などであります。4目教育指導費の支出済額10億1、575万円余のうち、教育委員会所管分10億1、568万円余の主なものは、震災で心に負担を負った幼児児童生徒や学校不適応の生徒等を支援するため、スクールカウンセラーの配置などを行った児童生徒健全育成推進費、県立学校等をICTで結ぶいわて教育情報ネットワーク運営費、特別な支援を必要とする児童生徒のため、支援員や看護師の配置などを行った特別支援教育推進事業費、322ページに参りまして、県立学校における進学対策講座の開催や、各学校の進学指導の取り組みを支援したいわて進学支援ネットワーク事業費、県立学校等における実践的な外国語指導を行った外国語教育推進事業費、沿岸部被災地域の県立学校生徒の進路実現や復興を担う人材の育成を支援した県立学校復興担い手育成支援事業費、小中学校の学力向上対策などを行った指導運営費であり、繰越明許費2、214万円は、障がい児の自立と社会参加の促進に要する経費を繰り越したものであります。5目教育センター費の支出済額4億3、942万円余は、総合教育センターの管理運営に要した経費であります。324ページをお開き願います。6目恩給及び退職年金費の支出済額1億578万円余は、恩給及び扶助料などの支給に要した経費であります。
次に、2項小学校費でありますが、1目教職員費の支出済額454億8、018万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費、多人数学級などに非常勤講師を配置したすこやかサポート推進事業に要した経費であります。
次に、3項中学校費でありますが、1目教職員費の支出済額279億419万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費であり、2目学校管理費の支出済額568万円余は、一関第一高校附属中学校の管理運営に要した経費であります。
326ページをお開き願います。4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額258億9、455万円余の主なものは、教職員の人件費、旅費、新たな県立高等学校再編計画の策定や生徒の通学支援に要した経費であります。2目全日制高等学校管理費の支出済額15億3、323万円余及び、328ページに参りまして、3目定時制高等学校管理費の支出済額5、575万円余は、県立高等学校の管理運営に要した経費であります。4目教育振興費の支出済額63億7、452万円余の主なものは、県立高等学校に係る産業教育設備、情報処理教育設備などの整備費、農業実習や共同実習船運航のための教育実験実習費、公益財団法人岩手育英奨学会に対する高校奨学事業費補助、被災した生徒へ教科書購入などに要する経費の一部を給付したいわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費、高校授業料相当分を支援する公立高等学校等就学支援金交付事業費、国の基金事業の終了に伴う高等学校生徒等修学等支援基金国庫返還金であります。330ページをお開き願います。5目学校建設費の支出済額7億9、049万円余の主なものは、盛岡農業高校の耐震改築を行った校舎建設事業費、千厩高校や盛岡北高校の校地整備を行った校地整備事業費であり、繰越明許費7、195万円余は、校舎や産業教育施設の耐震診断に要する経費を繰り越したものであります。6目通信教育費の支出済額556万円余は、通信教育の管理運営に要した経費であります。
次に、5項特別支援学校費でありますが、1目特別支援学校費の支出済額107億3、686万円余の主なものは、教職員の人件費等の管理運営費のほか、盛岡となん支援学校の移転整備などの施設整備費であります。
332ページをお開き願います。6項社会教育費でありますが、1目社会教育総務費の支出済額12億8、036万円余の主なものは、県立青少年の家の管理運営費、被災地の子供たちの放課後の安全・安心な居場所づくりや、学びの場の再生を支援した学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費、社会教育に係る職員人件費などの管理運営費であります。2目文化財保護費の支出済額6億876万円余の主なものは、指定文化財の保存、修理に対する補助や、大震災により被災した博物館所蔵文化財の修理等の支援を行った文化財保護推進費、被災地における埋蔵文化財調査の支援を行った遺跡調査事業費、334ページに参りまして、柳之御所遺跡の学術発掘調査や史跡整備を行った柳之御所遺跡整備調査事業費であり、繰越明許費355万円余は、明治日本の産業革命遺産の理解増進、情報発信に要する経費を繰り越したものであります。3目芸術文化振興費の支出済額2億6、700万円余の主なものは、青少年へのすぐれた芸術鑑賞機会の提供などを行った芸術文化振興事業費、県民会館の管理運営費であります。4目図書館費の支出済額3億7、347万円余は、県立図書館の管理運営に要した経費であります。336ページをお開き願います。5目博物館費の支出済額3億1、845万円余は、県立博物館の管理運営に、6目美術館費の支出済額4億4、931万円余は、県立美術館の管理運営に要した経費であります。
7項保健体育費でありますが、1目保健体育総務費の支出済額7億9、145万円余の主なものは、県立学校児童生徒の健康診断などの児童生徒保健管理費、学校管理下における生徒の災害に係る共済の掛金及び給付金、特別支援学校等の学校給食食材の放射性物質濃度測定を行った児童生徒放射線対策支援事業費、保健体育及びスポーツ振興に係る職員人件費などの指導運営費であります。338ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額8億1、465万円余の主なものは、被災地域の部活動支援のために移動用のバスの借り上げなどを行った児童の体力向上推進事業費、県民体育大会の開催事業費及び国体等への選手団派遣、岩手県体育協会等への選手強化補助及びスーパーキッズの発掘、育成を行った競技力向上対策事業費、第71回国民体育大会に向けた選手強化事業費、被災した生徒の運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助したいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援事業費であります。3目体育施設費の支出済額6億1、576万円余の主なものは、県営体育施設の管理運営及び施設設備整備、第71回国民体育大会で使用する施設の整備に要した経費であり、繰越明許費2億873万円余は、県営体育施設の改修に係る経費などを繰り越したものであります。
次に、ページを飛びまして、350ページをお開き願います。11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費でありますが、1目学校施設災害復旧費の支出済額1、995万円余の主なものは、大雨や台風被害による県立学校施設の災害復旧に要した経費であります。2目体育施設災害復旧費の支出済額332万円余でありますが、平成25年9月の大雨で被災した県立御所湖広域公園艇庫の災害復旧に要した経費であります。
以上が決算の概要についてであります。
最後になりますが、教育への信頼の確保に向け、教職員による不祥事の発生防止に全力で取り組むとともに、教職員一人一人が自信と気概を持って子供たちに向き合えるよう、教職員の一層の士気高揚、風通しのよい職場環境づくりなどに不断に取り組んでまいりますことを付言させていただき、私からの説明といたします。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 私から3点ほど質問させていただきたいと思います。
まず最初に、今、説明の後に教育長から、教職員の不祥事についての思いの発言がありましたけれども、その中で、教職員へのモラルの教育についてお伺いしたいと思います。
この間、平成27年度でありますけれども、飲酒運転等の交通法規違反につきましては、酒酔い運転2件を含む合計10件ほどの交通法規違反があると。平成28年につきましても、4件ほどの交通法規違反がもう生じているということでありますし、また、過日におきましては、薬物違反について、教育長から、対応策等を含めて、我々議会のほうにも話があったと認識しているところであります。
その中でですけれども、今後、飲酒運転等の交通法規違反につきまして、どのような形で防止策というか違反防止に向けて対応していくのか、お伺いさせていただきます。
〇今野参事兼教職員課総括課長 交通違反の防止等につきましては、春の行楽シーズン前ですとか、夏休み、年末年始等の節目節目でもって繰り返し通知を発出いたしておりまして、いわゆる職場研修等の取り組みを通じて、各学校現場段階での交通法規遵守の徹底、県民の模範となるような運転マナーの励行、交通三悪の根絶の徹底、特に飲酒運転があった場合の厳格な対処、自動車の適時適切な点検整備、こういったものを通知により周知徹底いたしておりまして、全ての教職員に対し注意喚起を図っているところでございます。
〇郷右近浩委員 やれることというのは、本当に限られているというか、先生方一人一人に、きちんといけないことだと、当たり前のことでありますけれども、理解していただくということが必要だと思いますし、それ以外は、逆に言うと、やりようがないといったような部分でもあるのかと思っております。
昨日、薬物違反について、教育長からは、事後研修であったり、さらにはコンプライアンスマニュアルの改定、そして所属長のコンプライアンス宣言ということでありましたけれども、そこの学校であったりそれぞれの所属での、横のつながりというか、先生方同士のふだんからのコミュニケーションで、そういったことはもちろんやってはいけないのだということであったり、お互いが気をつけ合うという醸成も必要だと思いますが、その点について御所見をお伺いしたいと思います。
〇今野参事兼教職員課総括課長 教員同士の横のつながりが大切だと考えておりますが、さらに各職場におきましては、管理職のリーダーシップといったものも非常に大切だと考えているところでございまして、日常、日々継続しての現場段階での法令遵守意識の徹底といったものを改めて徹底してまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 同じように、教職員による生徒への不適切な指導についてでありますけれども、これも平成27年は体罰として3件、またさらには、それを含む14件ほどのさまざまな問題が出ていると。平成28年につきましても、もう既に体罰が4件ということで、平成27年度を上回る数字になっているという中にあって、そうしたものもちゃんと教職員や学校の中で、お互いが、見張るわけではなくて、きちんとコミュニケーションをとりながら子供たちへの指導を進めていくことによって未然に防げるようなものも出てくると思うわけですけれども、この不適切な指導等への対応策はどのようにされているか、お伺いしたいと思います。
〇今野参事兼教職員課総括課長 特に今年度につきまして、高校の部活動に伴うものなど、既に4件の体罰事案が発生しておりまして、さらには、教員によります暴言等の不適切な行為についても確認されているところでございます。これらの対応につきましては、これまで、会議、研修、あらゆる機会を捉えた注意喚起、さらには事案発生の都度の注意喚起を行ってきておりますし、コンプライアンスマニュアルの配布ですとか、体罰防止のためのアンガーマネジメント研修といった職員啓発も実施しております。さらには、体罰があった場合の懲戒処分の基準の厳格化等によって取り組んできたところでございますが、今般、改めて、全県立学校長宛てに通知を発出しました。11月15日付で体罰による懲戒処分を実施したことを受けて体罰が禁止されている趣旨を全ての教職員に徹底し、さらには、いわゆる部活動を含めて、各学校の状況を改めて見直しをするよう強く指示したところでございます。
こういったことによりまして、改めて、体罰を初めとした、不適切な指導等の根絶に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 先生方もかなり多忙な中で、本当に昔よりもコミュニケーションというものはなかなかとりづらかったり、学校内でも大変な状況になっているのではないかと推測するわけでありますけれども、きちんとそこら辺はそれぞれが向き合いながら進めていっていただかなければならないと思います。平成26年度より、県立総合教育センターにおきまして、初年度研修制度が始まったということで、初年度そして2年度、3年度研修、さらには6年、10年、34歳、44歳、54歳研修を行っているということで理解をしておりますけれども、この中で、例えばコンプライアンスはどのような形で研修をしているのか、お伺いしたいと思います。
〇川上教育次長兼学校教育室長 県立総合教育センターでは、研修の狙いに応じまして、さまざまな研修を実施、企画しているところでございます。そのうち、今お話がありました基本研修ですけれども、教職の専門性の維持向上を図って、教員としての職能の成長を遂げる上で必要な能力や資質を高めることを目的として、初任者研修あるいは授業力向上研修などの研修講座を実施しております。
具体的に申し上げますと、初任者を研修対象とする初任者研修では、教職基礎の育成や、社会人及び教員としての基礎力の習得等を目的として、教科指導、生徒指導、コンプライアンスに係る研修、コミュニケーションに係る研修などを実施しておるところでございます。
また、該当者を指定して研修対象者とする授業力向上研修におきましては、研修者全員が受講する特別支援教育などの最新の教育課題に対応するための講義、あるいは教科指導に関する講義に加えまして、研修者が選択して受講する学校防災や危機管理、あるいは不登校への対応などの講義を実施しておるところでございます。
〇郷右近浩委員 今、不登校等は希望研修でということで御答弁ありましたけれども、確かに県立総合教育センターの役割は授業であり、そうした研修というのはもちろん大事だというのはわかりますけれども、コンプライアンスの部分であったりとか、またさらにはいじめ問題関係、そうしたものもきちんと研修を進めていくべきと考えるわけでありまして、例えばこれが初年度であったり2年度、そして3年研修、そして繰り返しになりますけれども、6年、10年、また、34歳、44歳、54歳のときの研修と、このさまざまな段階での研修をするという中で、希望研修ではなく、きちんとこれは本来の基本研修として入れていくべきと考えるものでありますが、その点についてどのようにお考えかお伺いします。
〇川上教育次長兼学校教育室長 ただいまの研修についてでございますけれども、いわゆる初任者研修及び授業力向上研修におきましては、例えば、生徒理解と教育相談、これからの生徒指導などという講義、演習の中で、いじめ問題等あるいはコンプライアンスに係る研修などを組み込んで実施しておるところでございます。
先ほど御指摘がありました希望研修ということですが、昨年等々のいじめ重大事件の発生を受けまして、今年度から新たに県内の全校種の教員を対象として、いじめ問題に特化した講座を開設したところでございまして、これまでも、基本研修の中でもコンプライアンス等の取り組みは行ってきたところでございます。
県教育委員会としましては、県立総合教育センターとも連携会議などを通じながら、今日的な教育課題等をどのように研修に取り入れるかということも検討しながら進めておりますので、今後とも、そのように努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇郷右近浩委員 平成27年度をいろいろ追っかけていたものですから、済みませんでした。ぜひ、そのように進めていただければと思います。
最後に、先ほど来のいじめ対策の県の取り組みについてお伺いしたいと思うわけでありますが、私は数字云々というより、考え方についてお伺いしたいと思います。
いわて県民計画実施状況報告書の108ページの中で、いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う児童生徒の割合の施策の実施評価につきましては、小学校D評価、中学校A評価と記載されておりますけれども、そもそも、いじめをなくすという意識を醸成していくためには、100%を目指すということを目標とすべきであって、この目標値の設定値自体が、ちょっと、本当にやる気があるのかといったふうに見えて仕方がないわけであります。また、さらに、不登校児童生徒についても、常に目標値についてはゼロを目指すと。もちろん、現場の学校のほうで1人減らす、2人減らす、実数で何とか頑張っていきたいという思いはわからなくはないわけでありますけれども、しかしながら、県教育委員会としてどのような方向に向かわせるかといったときは、やはり100%、もしくは生徒数はゼロにするというべきであると思いますが、その点についてお考えをお伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今御指摘がありましたいわて県民計画におけるいじめ問題に関する指標についてでございますけれども、知、徳、体を兼ね備えた調和のとれた人間形成という教育目的の実現のためには、児童生徒が安全で安心な教育環境で過ごすということが肝要であろうと考えております。
委員御指摘のとおり、いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う児童生徒の割合は100%を目指すべきものでありますし、不登校児童生徒数につきましては、ゼロというのを目標としていくのが目指す姿であると思っております。
また、この目指す姿を実現するために、各学校におきましては、児童会、生徒会活動を通じていじめ問題を考える活動とか、児童生徒同士の人間関係、仲間づくりを行う取り組みを推進しております。このことによって、いじめ防止の取り組みの充実を図るとともに、学校の教育相談体制の強化を図るために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置に現在努めているところでございます。
また、この目指す姿を具現化するために、具体的な推進方策指標というものとして設定しておりますので、この目標、指標は、現実を踏まえた上で、確実な施策の推進にとって必要であるとも認識しております。
今後におきましても、さまざまな機会を捉えまして、いじめの未然防止に係る取り組みの推進、児童生徒一人一人の心のサインを見逃さない総合的な教育相談体制の整備、構築に努めて、目指す姿に一歩でも近づきたいと考えております。
〇郷右近浩委員 わかります。着実にやっていくということはわかりますけれども、何となくこの報告書だけをぱっと見ると、本当にやる気があるのかと見られても仕方ないというか、そうとも読み取れるようなものであるかと思います。やっぱりそうした中では、ゼロにするためにさまざまな施策をちゃんと講じる、そして、その達成度であったり、もちろん最終的にはゼロにすると、きちんと何らかの形で記述するなり、常にそうした目標というのをきちんと見えるように施策を実行していくという形が必要だと思いますが、その点について教育長から御所見を頂戴したいと思います。
〇高橋教育長 相手の気持ちを思いやる、そういうことを目標としてアクションプランで定めているところでございますけれども、これは全国学力・学習状況調査における調査結果で出てくるということで、それぞれが頭の中にあることを出していくということで、なかなか具体的に100%にするというのは、現実的にはかなりハードルが高いというように感じています。ただ、基本的に、目指す方向としては委員おっしゃるとおりでございまして、岩手の子供たちは相手を思いやる気持ち、それから、大震災の経験を踏まえて地域を思いやる、みんなの役に立ちたいという気持ちを持っている子供の割合が極めて高い状況にありますので、これをさらに高いレベルに上げるように、教育活動の中で重点的に取り組んでいきたいと思っています。
ただいまいただいた意見を十分に参考にさせていただきまして、今後、具体的な対応を図らせていただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 平成27年度監査審査意見書からお聞きいたします。
この報告書を受けまして教育委員会としてどのように受けとめ、どのように対応されているのかについて、まず最初にお聞きします。
〇佐々木特命参事兼予算財務課長 平成27年度の監査委員の審査報告書への対応等についてでございます。
平成27年度決算の監査結果におきます教育委員会の対象機関は、県立学校を含む92機関、この中で指摘のありました件数が31件となっておりまして、この結果については重く受けとめているところでございます。
監査結果を受けまして、県教育委員会では、指摘内容等について各学校に直ちに是正を行うよう要請をしたところでありまして、指摘のありました案件につきましては、全て是正措置済みということを確認しているところでございます。
また、今後の再発防止に向け、県立学校等に対し、監査結果の周知に加え、事務の適正化についての注意喚起を行っているところでありまして、特に指摘の多い諸手当等の事務につきまして、複数職員によるチェックを徹底するように指導しているところであります。
さらに、複数の指摘のありました学校には直接ヒアリングを行い、発生原因、再発防止策について確認を行っているところであります。
〇高橋孝眞委員 事務処理の部分が多いわけでありますけれども、同様な指摘が、平成24年度には30件、平成25年度は減って15件、平成26年度は30件、改善を要する事項として指摘があったわけであります。
それでは、過去には、この指摘に対してどういう対応をされたのかについてお聞きをいたします。
また、前年度、同様の指摘について注意したにもかかわらず改善が見られない、組織的なチェック体制を構築するなど有効な対策を講じられたいとありますけれども、この対応策についても教えていただきたいと思います。
〇佐々木特命参事兼予算財務課長 各年の監査指摘事項への対応等についてでございます。
指摘のございました指摘事項の主な内容につきましては、各年とも諸手当等の支給金額の誤り、それから備品台帳一覧表への記載漏れ、支払い時期のおくれなどとなっているところでございます。
各年の対応につきましては、毎年、指摘内容について是正措置を講じさせるとともに、監査結果の周知に加えて、事務の適正化について注意喚起を行ってきたところでございます。また、各所属におきましても、年4回、定期的に会計事務の自己点検というものを行っておりまして、事務処理ミスの確認作業を行ってきたところでございます。
組織的な対応というところのお尋ねもございましたけれども、今年度から複数の指摘のありました学校につきましては、直接ヒアリングを行っているところでございまして、先ほども御答弁申し上げましたけれども、発生原因や再発防止策を確認の上ミーティング、事務処理チェック表などを活用して、職員間の相互チェック体制や支援体制を強化するよう指導を行っているところでございます。
今後、さらに出納局と連携しながら、指摘の多い学校等に対しまして内部考査を実施し、改善措置がしっかりと講じられているかを確認してまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 ことしからということもありましたけれども、いずれ、同じ指摘を何回も受けて、そして同じように教育委員会として各学校の事務担当者にお話をする、改善を求める。毎年同じようなことをやっても直らないということになると、もう、根本的に何か考えなければいけないのではないかと思うわけであります。
監査の関係でありますけれども、特定テーマとしまして、県が所管する学校における徴収金について、平成27年度に監査を受けております。これも報告書にありますけれども、平成24年5月に文部科学省から、学校における会計処理の適正化についての留意事項等について通知がありまして、教育委員会として各学校に通知をしていると思います。その後、平成25年3月に、県立学校における私費会計ガイドラインを策定しております。ガイドラインでは、公費負担経費の例として、施設の建設維持補修に要する費用、備品の購入、修理に要する費用、教員の人件費等学校指導要領等に基づく教育を行うための必要な経費、生徒の心身の健康、健全に係る事業に要する費用としております。これらは公費負担ですと明確にガイドラインで示しているわけでありますが、今回、使途の不適正な事例が少なからず認められたとあります。急ぐ余り、公費の予算がないからということで、会計を父兄から集めた別なお金で対応したということになるわけでありますけれども、この指摘に対しましてどのように受けとめているのかについてお伺いをしたいと思います。
一方では、監査委員は優しくも指摘をしておりまして、本庁主管部からもガイドラインに相当する基準が示されていないとして、整備に向けて検討する必要がありますという指摘もあります。これは平成28年3月4日の指摘でございます。この指摘に対しまして、いつ、どのような対応をとられてきたのかについてお伺いをいたします。
〇佐々木特命参事兼予算財務課長 学校における徴収金に係る行政監査についてでございますが、この平成27年度の監査委員による行政監査につきましては、県が所管する学校における徴収金、いわゆる私費会計と言われているものでございますけれども、この徴収金は公費ではないのですけれども、教育活動に必要な経費として保護者から徴収するものであり、公費と同様に厳正な取り扱いを求められるということで、この徴収金についてのルールが明文化され、適切に運用されているかという視点から確認が行われたと認識しているところでございます。
委員御指摘があったようなことで、このガイドラインに沿った形での処理が不徹底であるというような部分も監査の意見としてございました。県教育委員会といたしましては、この意見を受けまして、平成27年度末に行政監査の周知、私費会計ガイドラインの趣旨の徹底ということで通知しておりまして、その後、県立学校長会議、副校長会議、事務長会議などにおいても、このガイドラインに沿った事務処理の徹底を要請しているところでございます。
さらに、ガイドラインの趣旨が一層徹底されるように、事務長会等と個別の事例についても取り扱いの検証を行っているところでございまして、今後、公費と徴収金の負担区分の事例なども追加しながら、ガイドラインの見直しに向けた検討も進めていきたいと考えております。
あと、委員から最後のほうで御指摘のありました部分については、多分、私立学校に対する部分かと思っておりますが、公立学校につきましては、この私費会計ガイドラインというものを示して、取り扱いを徹底するように指導しているところでございます。
〇高橋孝眞委員 具体の例から見ますと、修学旅行引率、教員の旅費2件がありますし、万一、事故が発生したらどうなるのかと感じるわけであります。そういう意味合いでは、回答があればですけれども、お聞きしたいと思います。
それから、校長、副校長の名刺作成というのが10校あるわけであります。これは公費負担なのでしょうか。公費負担ではないかというような指摘なのかと思うのですけれども、公費負担なのかどうかということもひとつ教えていただければと思います。
〇佐々木特命参事兼予算財務課長 監査のほうで指摘のございました中身につきまして、各団体からの徴収金に基づいて、各団体のほうの予算の承認を得て、また、決算報告を得て支出しているのでありますけれども、個別に検証しますと、委員御指摘のとおり、なかなかこれが適正であるかと言いがたいようなものもございますので、今後、それについては個別に検証しながら、適正な処理が行われるように徹底してまいりたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 PTAとしてお金を徴収されるということになると、これは学校としてどうしても必要ですとなりますと、校舎の補修も今やらないと大変なんだよねと言われると、父兄としては、やむを得ないねと言いますよね。それをやっぱりとめないとおかしいわけでありますから、きっちりと対応してほしいと思うのですが、同じように、校長、副校長の名刺をつくる、これは学校行事としていろんな場所で使うんだよね、だから私費会計といいますか、父兄負担でいいのではないかと言われると、反対をするのに度胸が要るわけです。そういう意味合いでは、きっちりと指示をしないとおかしいわけですし、校長、副校長みずからが公私混同しているのではないかというところがあるわけです。そういう公私混同している部分があることが、先ほど郷右近委員が言われましたように、不祥事が発生してくるし、そういう意味合いでは、もっともっとその辺一つ一つ注意をしていくというか、注意をされるような人が校長をやるというのもおかしいのでしょうけれども、いずれ、そんなふうに思います。
先ほど郷右近委員も質問しましたけれども、教職員の不祥事の今後の取り組みの件でありますけれども、余り重複しないようにお聞きしたいと思いますが、過去に、平成25年度に29件、平成26年度に23件、平成27年度21件、今回は10件ということでありますけれども、各年度で、発生の都度、どのように取り組まれてきたのかについてお伺いをいたします。
なお、今回のことについては先ほどお話をされましたのでよろしいです。
〇今野参事兼教職員課総括課長 委員が今おっしゃいましたように、平成25年度に29件の不祥事が発生しておりますが、実はこのとき体罰につきまして全国一斉調査が行われたといったことがありまして、体罰の件数が例年よりも多く発覚しているということでございます。平成25年につきましては、それらを踏まえまして、児童生徒や保護者が相談できる体制の整備でございますとか、体罰が発生した場合の対応の明確化、市町村教育委員会から県教育委員会への報告の徹底、明確化、それから、いわゆる体罰につきましては、教員が感情をコントロールできなくて発生するようなケースがあるということを踏まえて、そのための研修等を開催するといったようなことを実施しているところでございます。
それ以降の各年度につきましては、基本的には、各職場段階での取り組み、現場段階での取り組みの徹底が重要と考えておりまして、毎月のコンプライアンスの取り組みですとか、職場ごとの研修会等の粘り強い取り組みを進めてもらうといったことを基本にしつつ、所属長と職員との定期的な面談の実施、管理職のマネジメント能力向上のための研修の充実強化、そういったことに継続して取り組んできているところでございます。
〇高橋孝眞委員 今の回答からですと、平成25年からずっと同じように対応してきましたと。同じような対応をしてきたけれども、体罰は3件、3件、4件というように変わりませんよと。同じ対応だけしていてもどうしようもないのではないでしょうか。さっきの監査指摘も同じことでありまして、もうちょっと違う角度で対応していかないと、どうしようもないのではないかと思うわけであります。
今回の体罰による懲戒処分でありますけれども、調査によりますと、1年も繰り返された体罰に、どうして周りの人が気づかなかったのでしょうか。体罰は人権を侵害する行為であり、許すことができない行為だと言っているわけでありますけれども、先生も生徒も本当に体罰であるとの認識があったのでしょうか。運動部の顧問というのは1人なのでしょうか。複数だとすれば、別な顧問の先生にどうして相談しなかったのでしょうか。相談ができないというような学校の体質なのでしょうか。その辺をどう考えているか、お聞かせ願いたいと思います。
〇今野参事兼教職員課総括課長 いわゆる不祥事についての学校としての対応体制ということでございますが、委員から御指摘がありましたとおり、今年度、高校の部活動に伴う体罰につきましても既に3件発生しているということでございまして、個々の事情について確認をいたしますと、継続的に行われているようなケースもあるということでございます。そういった意味では、校長、副校長によりますふだんのマネジメント体制が不十分であったのではないか。さらには顧問が、複数充てられている場合もあるわけでございますが、そういった場合についての横の相談体制についても、必ずしも十分ではなかったという部分もあろうかと思うところでございます。
そういったことを踏まえまして、先ほども申し上げましたが、今回、改めて、体罰の根絶に向けた注意喚起の通知を発出させていただいたということで、周りの職員も含めた全ての教職員に対して体罰禁止の趣旨を徹底し、改めて各学校におきまして、現状を見直してほしいといった旨を強く指示をいたしたところでございます。
〇高橋孝眞委員 指示をしたということだけで本当に変わるのかなという感じがしますし、マネジメント研修をしました、したから直るでしょうというだけで終わっているのかなと、そんな気がしないわけではありません。
処分の内容を見まして、繰り返しやっているという項目の中で、足を蹴ろうとしたというところも、繰り返しやっている部分に入るのかなという感じもしましたし、聞いてみますと、突き指をしたといっても、病院に行くぐらいのことではなかったというような話もありましたので、受けたほうは体罰だとは思いますけれども、やったほうはそこまでの認識があったのかという感じがしたところであります。
今後の取り組みの中の一つですけれども、管理職のリーダーシップの向上、マネジメント意識の徹底を図るための研修内容の充実強化とあります。マネジメント能力のない人を管理職にしているということになるわけですけれども、それとも、当局の反省を込めての取り組みの一つに掲げたのでしょうか、教育長からお伺いします。
〇高橋教育長 マネジメント能力の向上というのは日々取り組んでいかなければならないということで、改めてそういうことを今回の方針として盛り込ませていただきました。
教職員の不祥事に関しましては、ただいま委員から厳しい御指摘を頂戴いたしておりますけれども、我々はそれを正面から十分受けとめて、今後、それを生かしていかなければならないと思っております。
ただ、一方で、体罰等、それ以外の不祥事もそうでございますけれども、いろいろな指導の強化だとか、心に響くような指導の徹底ということをやっている中で、それがなければどれだけのものが出てきたか、それを見ることができないという、我々もそういう取り組みをやっていて、むなしさといいますか、なかなかそこは厳しいなという面もありますけれども、教育は、これからの社会の形成者を育むというのが重要な仕事でございます。また、子供たち、保護者からの期待にしっかりと応えられるような行動を教育を通じながらやっていくということが極めて大事でございますので、ただいまいただいた御指摘等を十分踏まえながら、しっかりした対応を図っていきたいと思っております。
それから、マネジメント能力のない管理職を登用しているのかということでございますけれども、管理職任用に当たりましては、基礎的な知識、経験だけではなくて、自分の持っている教育に対する思いというようなことを含めて、面接等も含めて、できるだけ多面的な評価を行って登用しているということでございまして、今後、その精度をさらに高めていくということが我々に求められていると思っております。
〇高橋孝眞委員 マネジメント能力があるかというと、あると言えば、ある人を登用していますとは言うけれども、ないからこういうことが何回も繰り返して起きているのではないかと思います。
そういう意味合いでは、幾らコンプライアンスのマニュアルを作成しても、それをまた改訂しても、なかなか直らないのではないかと思います。研修も、先ほど言われましたとおり、何回も段階的にも開催しているということなのですけれども、さっきも言いましたが、父兄から集めたお金は、校長、副校長が名刺をつくるのがいいかどうかは別として、公私混同の部分をきっちりと直さないようであれば、何ぼ教育したって、指導したって、注意したって、直らないのかなと私は思います。それが根底にあって、あとは教育委員会として現場に任せてしまいましたというようなことにしかならない。そして、学校長が責められることにしかならない。それではいつまでたっても、体罰も、先ほどの監査指摘も変わらずに同じようにやっていくのではないかと思います。
私は牛を飼っていますけれども、風邪を引くと、同じ薬品だけ投与したって治らないわけです。牛と比べるとおかしいけれども、それは牛に耐性ができるからなのです。耐性ができるということは、絶対に治らないわけです。そういうことを変えていくような仕組みをつくらない限りは、私は、これらの指摘事項を改善する、体罰も、不祥事案も直っていかないのではないかと思うわけです。そういう意味合いでは、事務局と学校と一緒になって取り組んでいくということが大変重要だと思います。もう一度、角度を変えて物事を見ていくということをやっていただければと思うわけでありますけれども、教育長からお伺いして、終わります。
〇高橋教育長 ただいま、具体的な事例もお話しいただきまして、今までやったことの延長線上ではなくて、まさに心に響く、そして実効性のある取り組みをきちんとやっていけというような期待をお話しいただいたと思っております。ただいまのお話を十分踏まえまして、しっかりと対応していきたいと思います。
〇千葉絢子委員 去年の決算特別委員会でも、ことしの一般質問でも、私は、子供たちの学力向上について取り上げさせていただきました。
そこで、きょう、二つの観点から伺いたいと思います。
まずは児童生徒の読書習慣についてお伺いいたします。
県立学校の図書整備費については、県立学校の数字をいただきましたので、この御答弁はいただかなくて結構です。
教育長は、ただいま、これからの社会の形成者を育むのが教育だとおっしゃいまして、私もその考え方にとても共感、賛同するところであります。特に読書は教養や道徳観を培うのに大変有効だと考えております。
平成27年度主要施策の成果に関する説明書では、本県の子供たちの読書率は、小学5年生が99.1%、中学2年生は92.1%と大変高い数字となっています。ただ、県内には33市町村のうち七つの町と村に図書館がないということがわかりました。自分の住む町に書店がない自治体もあることが予想されますけれども、子供たちが本に触れる機会が余りないと考えられる自治体では、子供たちにとってどんな読書環境になっているのか、これは大変心配なところです。
そこで、学校の図書館などに配架する本というのは、誰がどんな基準で選んでいるのか、また、県教育委員会としてはどんな観点から、この目標にも掲げられているように読書を推進しているのか、その成果として期待しているところから伺いたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 ただいま御質問のありました学校図書館の蔵書について、本の選定方法についてということでございますけれども、各小中学校におきましては、購入前に、司書教諭、学校図書館担当教員が全職員から意見を聞いたり、要望を集めたりしながら本の選定に当たるというやり方と、加えて、児童生徒の委員会活動等で児童生徒アンケートを実施しておりますので、それを参考にしながら、児童生徒の実態や図書館整備の状況に応じて、また、授業での活用に必要な関連図書の整備ということも含めながら、豊かな人間性を育む一助となるような選書をしていくというような流れで購入しているところです。
最近、チーム学校という言葉も出てきておりますので、そういう考え方を踏まえますと、地域や保護者の方々がボランティアに入っている部分もうまく活用しながら、そういう方々の御意見等もいただいて選書を進めるということも考えられるのではないかということで、県教育委員会といたしましては、多様な視点を持ちながら、学校図書館がより豊かになるように指導しているところでございます。
また、読書習慣における目的、成果ということに関係した御質問かと思うのですけれども、さまざまな本に触れながら読書を重ねるということは、先ほど委員もお話しなさっていたように、豊かな心を育む上では大きな役割を果たしているということは、そのとおりでございます。
学習指導要領におきましては、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実することとされておりますので、言語活動が各教科等の大きな柱になっていることも踏まえ、全校読書または教科における読書の活用、本の活用ということも案内しながら、積極的に読書活動の充実に取り組むよう、県教育委員会としても支援や助言をしているところでございます。
その成果につきましては、生涯学習文化課の調査によりますと、小学校、中学校ともに、少しずつではありますけれども、1カ月における平均読書冊数も伸びてきておりますので、読書習慣、多読の取り組みというさまざまな取り組みを通して、一層の読書の意義、重要性ということを子供たち自身にも働きかけながら、保護者の方も巻き込んで進めていくことが大事と考えているところです。
〇千葉絢子委員 私もそのように考えております。ただ、私の子供が小学校に入学した際の最初の担任の先生なのですけれども、特に音読に力を入れている方でした。その理由は、音読をするということは、問題を読み解くための基礎となる読解力をも養うということで、これからの勉強の基礎となる大変重要なところだとお話しになり、私も納得したことがありました。
全国学力テストの際に実施する質問紙による調査に、読書に関する項目が設けられています。国立教育政策研究所では、この結果を都道府県ごとの読書率として発表していますけれども、これによりますと、昨年度の調査で、岩手県の小学生は全国平均を上回り、84.2%で全国3番目の高さなのです。そして、学力上位で知られるお隣の秋田県は82.6%と、全国13番目なのです。比べると1.6ポイント、岩手県のほうが高いということがわかりました。
では、中学生になるとどうなるかといいますと、岩手県は68.5%で、全国16番目になるのです。ただ、全国平均を上回っていて数字は悪くないのですけれども、ちょっと割合が下がる。お隣の秋田県は全国平均をおよそ10ポイント上回る74.8%、そして、ここで読書率が全国1位になっているということなのです。
私の考え方としては、もしかしたら中学生までの読解力を養う時期の読書量の差というのが学力にも影響してくる可能性があるのではないかと考えているのですけれども、そこで、次の質問です。
去年11月に実施された全市町村の中学数学担当教諭に対する研修の成果を今年度どのように捉えているか、また、ことしの全国学力テストの結果をどのように分析し、課題として認識しているかお聞きいたします。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 中学校数学教員の研修並びに全国学力・学習状況調査の結果についてのお尋ねでございますが、昨年11月に開催した中学校数学教員研修会は、本県として初めて全ての中学校から数学教員を一堂に集めて実施した研修会でありました。本県生徒の課題と指導の工夫、改善の方向性を共有することをテーマに実施いたしました。参加者からは、全国学力・学習状況調査の課題や分析結果を授業改善に具体的に生かす方法を学んだというような感想が多く出されるなど、全県で、授業改善の方向性確認など、一定のきっかけが得られたと考えております。
このことを受けまして、多くの学校では、全国学力・学習状況調査等の分析結果の活用や、各教科のテスト問題の改善が図られてきております。また、全国学力・学習状況調査における学校に対する質問紙調査で、例えば数学の指導として、定着のための補充的な学習指導の実施や、発展的な学習内容の指導の実施という質問項目において、積極的に肯定という回答が昨年度に比べて増加していることなど、数学についての質問6項目中5項目で肯定的回答がふえていることから、授業改善が進んでいると認識しております。
さらに、生徒対象の質問紙調査におきましては、数学に関する質問において、例えば授業で公式や決まりを習うとき、その根拠を理解するようにしていますかなど、11項目中9項目で肯定的回答が増加しておりまして、教師の授業改善が生徒の学習に反映されてきているものと認識しております。
次に、全国学力・学習状況調査結果の分析、課題認識についてでありますが、今年度の調査におきましては、中学校の数学は全国平均との差が縮まっておりますが、全国順位においては低位であります。
具体的には、知識を問うA問題では、四則計算、文字式などの基礎基本が十分ではないことや、知識を問うB問題では、自分の考えを、理由や根拠を示しながら数学的な表現を用いて説明する力などについて課題が見られます。
県教育委員会といたしましては、数学のことを数学科教員だけに任せるのではなく、諸調査結果を分析して、学校としてどのように取り組むことが教科の改善につながるのかという視点で、教科の枠を越えた学校組織全体での分析、改善に取り組んでいるところであります。
〇千葉絢子委員 私もその結果を拝見しておりまして、全国平均との差が縮まっているということで、これはいい傾向だと思っています。
順位が低いことを問題にしているわけではありません。問題点は、先ほど課長もおっしゃったとおり、子供たちの問題を読み解く力とか考える力が弱まっているのではないかというところなのです。やはりこれは、おっしゃったとおり、数学教諭だけの問題ではなくて、それまで、問題を読み解く、要は国語力のようなものをどのように磨いてきたかというところが全般的な成績にも伝播していくのではないかと思っているのですけれども、特に数学に関しては、関数や数と式についての問題につきましては無回答が多かったと。そして、XやYであらわされた文字式が苦手であるという傾向が見られているわけですけれども、数学の授業内容はよくわかるかという質問紙の調査で、当てはまらない、どちらかといえば当てはまらないという否定的な回答をした子供が33.4%もいたと。3人に1人は数学がわからないんだよと答えていることが質問紙の調査では明らかになっています。
では、そのわからないところをどう補充するかというところなのですけれども、そのわからないところを復習するのが家庭学習の基礎になってくると思うのです。ただ、本県の中学校における部活動のあり方、特に運動部を例に申し上げますけれども、年々指導に熱が入る傾向にあり、それが子供や教諭、そして保護者の時間を拘束しているということが指摘されています。これが学校現場の教諭や生徒の負担になって、学力向上を阻害している要因になっているのではないかと。この点について、県教育委員会としてはどのように考えるか、また、改善する必要があると認識しているかどうかもあわせてお伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 中学校における運動部活動のあり方についてでありますが、部活動は、スポーツや文化等に親しむ観点や、生徒の自主性や協調性など教育的側面から意義が高いものでありまして、学校教育活動の一環として重要な役割を果たしていると考えております。その中で、適切な休養を伴わない行き過ぎた活動が行われれば無理や弊害を生み、生徒、教職員ともに負担が大きくなるものと考えております。
運動部活動については、具体的な目安を示しながら、適切な休養日や活動時間について配慮すること、これらのことについて、教職員、保護者、外部指導者との共通理解や情報交換をする運動部活動連絡会を実施するよう各学校に指導し、市町村教育委員会と連携しながら改善を図っているところです。
現在は、教職員の勤務負担軽減に係る協議の場においても、外部関係者を交え、休養日の設定や部活動のあり方等について検討を行っているところです。今後は、本協議を踏まえながら、適切な休養日の設定を含む、よりよい部活動の推進に取り組んでまいります。
〇千葉絢子委員 今、その負担軽減に向けて前向きに取り組んでいるというような御答弁をいただきまして、本当にこれは保護者にとっても大きな問題になっていることであります。
子供たちは、平日は朝練、そして授業、放課後の部活動で、帰宅時間は6時を過ぎるのです。その後に塾や習い事に出かけ、9時過ぎに再度帰宅して、学校の宿題や家庭学習をします。翌日も朝7時には登校し、同じスケジュールです。土日になるともっと過酷な場合があり、朝5時半に学校集合、そして県外まで遠征し、夕方に学校に戻り、その後、夜練が待っている。これは部活を引退するまで続くのです。疲れて勉強に身が入らなくなり、日中眠ってしまう、そして成績が下がってまた塾の科目をふやし、ホームワークがふえていくというような悪循環に陥っているということが保護者からも寄せられています。こうした悪循環を県の教育委員会としてはどの程度把握していらっしゃるのか。
また、保護者にとっても、土日の試合などに張りつくのがほとんど義務化されていて、仕事や家庭の事情で、例えば1年生のときはまだレギュラーではないので行かなくてもいいかなというようなことで仕事や家庭の事情を優先すると、それが保護者間で、何で来ないのだと責められる要因にもなり、精神的にも負担になっているという声が聞かれています。この現状を変えなくては、中学生の学力向上というのは非常に難しくなってくるのではないかと思うのです。
そして、学力向上を掲げるのであれば、ぜひ実態調査というものを中学生に対してやっていただきたい。それは保護者も教員も含めてですけれども、本当に自由時間のない子供たちや、校務と家庭からの厳しい目の間で先生たちが精神的に、体力的にすり減っていくのを見るのは、保護者としても非常に切ないと感じています。まさに選択と集中の考え方を教育現場にも導入していただきたいと思います。みんながみんなオリンピアンになるわけではありません。なので、本当にそういった指導が日常的に必要かどうかというところを、実際現場を見ていただいて考えていただきたいと思っております。
最後の質問です。学力定着の基礎になるのは、冒頭に申し上げました読書や音読による読解力、つまりは言語活動ではないかというのが私の考え方です。言葉を知らないばかりに、ごめんと言うかわりに手が出たりとか、貸してを言わずにけんかになったりするのは、小さな子供も、大人も、そして国家間の争いも、きっと根っこは同じなのではないかと思います。だからこそ、コミュニケーションを図る能力が必要とされているのだと思うわけですけれども、そこで、本を読むことや言葉を知るということは、自分の感情を表現する方法を手に入れるということであり、そして、想像することを教えてくれる大切な手段だと思っています。
今年度、一関市は市内五つの幼稚園などで漢字学習を取り入れた絵本の音読に取り組み始めています。また、平泉町では中学生の英検費用の全額補助にかねてより取り組んでいて、卒業時には、中学生であっても英検の準2級などを取って卒業していく実績があらわれているところであります。
さらには、言語活動を奨励する取り組みで、盛岡第三高校では、アクティブラーニングという言語活動を重視した授業に力を入れているところです。言語活動を奨励する取り組みというのは、考える力やコミュニケーション能力を培っていくためには必要で、これからの流れはアクティブラーニングであるということは、前中央教育審議会の会長であった安西先生もおっしゃっているところでありますし、去年のいわて教育の日のつどいでも講演をお聞きしまして、ああ、本当にそうなんだ、東京大学でもそのように取り組んでいるのだなというのがわかった次第でありました。
県教育委員会として、学校での言語活動をどのように評価し、今後推進していくかを伺いたいと思います。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 ただいま御質問のありました言語活動についてでございますけれども、言語活動の取り組みというものについては従来から進められているわけですが、特に強調して出てきたのが現行の学習指導要領の改訂時ということになります。現行の学習指導要領が導入される段階におきまして、各教科等で、思考力、判断力、表現力等を育成する観点から、さまざまな学習活動の基盤として言語活動を重視していきましょうということが述べられたわけです。
先ほど委員もお話ししておりましたけれども、数式などを含む広い意味での言語ということについて、国語科を中心としながら言語環境を整えて言語活動の充実を図るということを重視しておりますので、全ての学校において、現在、あらゆる授業において言語活動に目を向けながら、そこを重視した展開を図っているということでございます。
県教育委員会といたしましては、子供たちに確かな学力を保証していくために、言語活動を各教科等の目標を実現する手だてとして位置づけ、論理的な思考や知的活動における言語、また、先ほどお話がありましたとおり、他者とのコミュニケーションということについても、現行の学習指導要領でなぜ言語活動なのかというところで述べられておりますので、そういう部分にかかわる言語、もう一つ、感性、情緒にかかわる言語という三つの側面をしっかりと果たす役割を踏まえた上で指導していくということで、各学校にはお願いしているところです。それぞれの関連性を踏まえながら総合的に育成するよう、現在、研修会、学校訪問等を通じながら、すぐれた事例等も集め普及するという中で、言語活動の質の向上を図っているところでございます。
アクティブラーニングのお話も出していただいたわけですけれども、次の学習指導要領の一つの重点として挙がってくるという方向性もございますので、そういうことも今後踏まえながら、学校が現在進めている言語活動の取り組みというものをより一層充実し、質の向上を図っていくということが大事かと思っておりますので、そういう部分で学校に指導、支援をしてまいりたいと考えているところです。
〇軽石義則委員長 質疑、答弁は簡潔にお願いします。
〇千葉絢子委員 見てくれているというようなうれしさですとか、自分の意見が尊重されるという意欲というか、そういう満足感みたいなものが学習意欲につながっていくのは子供たちにとっては当たり前だと思いますし、見てもらえていると思うとやる気になるというのは、大人も子供もきっと一緒だと思うのです。
皆さんは、学校現場をこの1年間に何カ所ぐらいごらんになったかなというのが私はちょっと疑問に思っているところなのです。もしかして庁舎内だけで、データとか要望とか、そういったものだけを見てお仕事をなさっていることはないだろうかと。実際に現場へ行くと、子供たちからも、大人からも、先生方からもいろいろな声が聞かれます。ぜひ、皆さんに現場を見ていただいて、そこから本当に必要な施策を見出していっていただきたいと願っています。子供たち、先生たちをもっと評価してあげていただきたいと思います。これは保護者としての私の反省でもあるのですけれども、どうしてもできない点、もっとこうだったらいいのにと思うところももちろんあるのですけれども、そこをもっと一人一人の方が県民の身近な課題に寄り添ってくれることを期待いたしまして、終わります。
〇五日市王委員 私からは、文化芸術部門、漆について1点のみお伺いいたします。
文化財建造物における漆の100%国産化についてお伺いいたします。
その前に、本日の岩手日報に載っておりましたが、厚生労働省の現代の名工に、漆器一筋の盛岡の勝又さんが選ばれたということで、大変喜ばしいと思いますし、心からお祝いを申し上げたいと存じます。
この漆なのですけれども、御案内のとおり、ちょっと古いデータなのですが、平成24年度、国内の漆の消費量がおよそ53トンでございます。そのうちの97%、52トンが外国産で、残りの3%の1.4トンが国産になっております。この1.4トンのうちの7割、約1トンですが、これが浄法寺の漆ということで、少ないのですが、日本一の座をキープしているところでございます。
この漆を、文化庁で、文化財建造物における漆の100%国産化ということで、上塗りと中塗りは平成27年度から原則として100%国産化、下地につきましては、長期需要予測調査、いわゆるどのぐらい需要があるのかということを調査しているようでございますが、この調査の内容といいますか、わかっているところ、あるいは必要量がどのぐらいあるのか、まずはお伺いいたします。
〇斎藤文化財課長 文化庁では、平成27年2月に、国庫補助事業として実施する国宝、重要文化財建造物の保存修理に使用する漆につきまして、原則として国産漆を使用すること、また、当面、上塗りと中塗りを国産漆として、平成30年度を目途に下地づけまで対象とすることを目指すという方針が示されているところでございます。
また、文化庁では、文化財建造物における漆の100%国産化に向けて、建造物の種別、規模、修理周期等から、漆の長期需要を予測する調査を平成27年度、平成28年度の2カ年にわたり実施しており、現時点では調査が継続中で、その取りまとめ結果については、まだ公表されていないという状況でございます。
〇五日市王委員 まだ公表されていないということですが、いずれ、平成27年度から上塗り、中塗りに関しては原則として100%国産化がなされているということで、地元からお聞きいたしましても、需要はふえていると。ここ2年ぐらいは650キログラムぐらいのようですが、通年は1トンぐらいとれているようですが、恐らく2トンぐらい必要になるのではないか。そして、10年後ぐらいには2.7トンぐらいをたしか目標にしていたと思うのですが、そのぐらいの量が必要になるということで、今進んでいるところなのです。
ところが、漆かきの方々、職人、あるいは浄法寺漆の問題点といいますか、木漆の需要はふえつつあるのですが、漆器等は需要低迷です。これは商工の分野だと思います。あとは漆かき職人の低収入、原木不足、この辺は農林水産部なので、あした質問しようと思っていますが、もう一つが後継者不足です。漆かき職人の後継者不足、高齢化といったものが挙げられるわけでございます。この辺の県としての対応策といいますか、今どのようになされているのかお伺いいたします。
〇斎藤文化財課長 漆かき技術の保存等についてでございますけれども、二戸市の日本うるし掻き技術保存会は、国の選定保存技術の保存団体に認定されております。文化庁の補助事業を活用いたしまして、現在、漆かき伝承者の養成や漆かき技術の錬磨事業、漆かきに必要とされる用具の確保等に努めているところでございます。漆とともに漆をかく技術や道具をつくる技術についても、文化財建造物の保存修理には欠くことのできない大変重要な要素と認識しているところでございます。
県教育委員会といたしましても、漆かき技術が適切に保存、伝承されるような施策につきまして、文化庁等と連携しながら、二戸市など関係自治体の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇五日市王委員 地元の二戸市でも、たしか、地域おこし協力隊で漆かき職人が来たと思うのですが、結構県外からも、興味のある方がその道を目指して、今、頑張っておりまして、そこに地元でも支援はしているはずなのです。
重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝なのですが、漆芸の人間国宝は日本に1人だけなのです。室瀬和美さんという方なのですが、先般、この方の講演を聞く機会がございましたし、その後、お話もさせていただく機会がございました。前の菅野教育長もいらしておりましたが。
今は何となくいい感じなのだけれども、これが一過性のものにならないでほしいと。そして、何よりも心配しているのは、漆かき職人とかの後継者不足だと、そのことをおっしゃっておりました。我々も全くそのとおりだと思っております。漆は、浄法寺の宝のみならず岩手の宝でもあります、日本一ですから。英語ではジャパンと呼ばれる日本の宝でございまして、日本文化の象徴でもございます。こういったものを有する本県で、こういった日本一をキープしているような産業にはもう少し全庁的な支援策を求めるものですけれども、その辺の見解については、教育長はどのようにお考えでしょうか。
〇高橋教育長 浄法寺塗につきましては、歴史と伝統があるということはもちろんですけれども、まさに漆器として、そのものの価値、耐用性、美的なものも含めて、非常に大事な岩手の伝統産業であると思っております。
ただいまいただいたお話に対しましては、教育委員会だけではなくて、各部局と十分連携しながら、そしてまた、一旦この技術が途絶えてしまうと、これは取り返しのつかないことになりますので、今回、文化庁のほうで文化財に活用の促進といういい流れが出てきていますので、教育委員会としても、しっかりそれを受けとめながら、連携して取り組んでいきたいと思っています。
〇五日市王委員 今、教育長がお話のように、教育委員会だけの話ではないと思います。あした、私は農林水産部の質疑でもお話しさせていただこうと思ったのですが、日本一は、木で言ったら木炭もそうですし、短角牛、あと、海のほうに何個かありますし、ホップなんかもそうです。特に木炭なども、さっき言ったような需要低迷とか低収入とか後継者不足、大体同じような課題を抱えているのです。だから、地元の自治体は結構頑張っているのですが、これはぜひとも、県としてももう少し日本一を盛り上げましょうというような気持ちになっていただいて、全庁的に議論を進めていただきたいと思います。以上です。
〇小野共委員 私のほうからは、平成27年度の中学生、高校生の英語教育の成果と進捗状況についてお伺いします。
平成25年度から平成29年度までの国の教育に関する基本計画、いわゆる第2期教育振興基本計画の中で、国を挙げて、小学生、中学生、高校生、大学生も含め、英語教育の向上というものを大きな柱の一つに挙げているわけでございまして、それをはかる座標軸として数値目標というものを挙げております。高校3年生は英検準2級、中学3年生は英検3級の数値目標が平成29年度末で50%という目標を挙げております。
これを受けて、それぞれの47都道府県で英語教育改善プランというものを作成することになっておりまして、平成25年度から平成29年度までのそれぞれの数値目標を年度ごとにステップ・バイ・ステップで掲げております。
平成27年度末の高校3年生、中学3年生の岩手県の英語教育改善プランの数値目標が、高校3年生の英検準2級が44%、中学3年生の英検3級が42%ということになっております。先日もらいました教育委員会からの資料によりますと、目標44%に対し、高校3年生が実績値34.4%、中学3年生の英検3級が目標42%に対し実績値32.8%で、目標に対してそれぞれ10ポイントほどの差が出ております。この10ポイントの差が大きいか少ないかはさておきまして、結局、最終的に平成29年度末の目標であります50%に届けばいいということなのだろうと思いますが、まず、この目標を高校3年生、中学3年生もそれぞれ10ポイントほど離れているということにつきまして、この結果の分析と、最終的に平成29年度末はあと2年ですが、50%を達成できますかというその見通しを聞かせていただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 英語力の目標についてでありますが、御指摘のとおり、県が設定した目標に対して、中学生、高校生それぞれ10ポイントほど離れておりまして、目標に到達していないという状況であります。
かなり大きい差がありますので、今後、さまざまな方面で努力していかなければならないと捉えております。全国平均と比べてみた場合には、高校の準2級は全国とほぼ同様でありまして、中学校が全国37%を4ポイントほど下回っているということです。全国と比べましてもなかなか難しい部分があると捉えておりますので、学校や市町村教育委員会、あるいは県教育委員会、さまざまな立場で努力をしてまいりたいと考えております。
〇小野共委員 それではお伺いしますが、この1年間、平成27年度の具体的な取り組み状況はどのようなものだったのか。英検というのは聞くと話す、リスニングとスピーキングの特殊なテスト項目があります。それについて、その目標を達成するスピーキングとリスニングの授業といったものも、通常の授業と並行してなのか、加えてなのか、そういった配慮も必要なのかという気がしております。それにつきまして、英語の授業というのはどのようなものだったのか、取り組み状況を聞かせていただきたいと思います。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 英語の授業改善への取り組み状況でありますが、高校において、学習指導要領によれば、英語の授業は英語で行うことを基本とするとされておりまして、英語での聞き取り、話す力、読む力、書く力という4技能を総合的にバランスよく指導するということが言われております。今の学習指導要領の改訂の動きからすると、今度は中学校にやってまいります。それとあわせまして英語検定の取得状況、ここで言うのは英語検定準2級あるいは3級相当以上であると教師が認めたもの及び実際に資格取得している生徒を足し算してのパーセントなのですが、英検資格だけを取るという指導については、行っている学校もあると思いますが、教育委員会といたしましては、英語力の4技能を総合的にバランスよく身につけていくために、例えば研修会を英語で実施し、英語で実際に授業を先生方にしてもらって、その授業だと、聞く、話す力が伸びますとか、それだとここは不足していますなどというような、理論とあわて演習的な要素を入れて授業改善の取り組みを進めております。
〇小野共委員 それでは、準2級と3級、高校3年生と中学3年生の取得割合、国の目標あるいは県の目標については、実際に英検の資格を取ったという子供たちの割合プラス先生の評価によって大きく変わる可能性があるということなのですか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 先生がそれぞれの資格について見取ることになっているので、もしかしたら若干のずれがあるかもしれませんが、教師は英語検定とはどういうものかを認識しておりますので、例えばこの子はさまざまな状況から受験までには至らないのだけれども、授業中の聞く、話すという実技テストやペーパーテスト等さまざまな観点でテストを行って、それらの力を見ながら総合的に判断しておりますので、適切な評価だと捉えております。
〇小野共委員 それでは、1点確認させていただきたいのですが、教育委員会の方針として、全体的に英検3級あるいは準2級の資格を取れるほどの能力を持てばいいのか、それとも、実際に英検の準2級と3級を取得させる方向なのか、どっちでやっていますか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 どちらの方向かと申されますと、教育委員会としては、さまざまな生徒、保護者の状況等もありますので、絶対に取らせなければならないということは今の段階では考えておりませんが、英検準2級、3級ぐらいの英語力を身につけさせるような授業をしてほしいと考えているところであります。
〇小野共委員 了解しました。
次に行きたいと思います。これも第2期教育振興基本計画の中で数値目標として挙げられております。中学生、高校生の英語能力の向上のためには教師の英語力の向上も不可欠であるということにしておりまして、これもまた数値目標を立てております。平成29年度末に高校の先生の準1級の取得割合は75%、同じく中学校の先生の平成29年度末の英検準1級の資格取得の割合を50%にするという話になっておりまして、同じように岩手県で立てている英語教育改善プランの中で、数字ばかり言って申しわけないですが、高校の先生の目標が56%に対して実績が平成27年度末で47%で、これもまた目標に対して10ポイントほど足りないという状況であります。中学校教師の英検準1級は平成27年度末の31%の目標に対して実績が15%と、これは半分ぐらいの割合なのです。
これも、さっきの中学生、高校生の英検の話と同じようになるのですが、最終的に高校の教師、中学校の教師の平成29年度末の目標に達すればいいという考え方もありますが、平成29年度末の先生の英検準1級の達成見込み、そして、今回、高校の先生は10ポイントほど目標に対して足りない、中学校の先生については半分ぐらいになっています。3割に対して15%ぐらい。この結果の分析はどうなっていますか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 平成29年度の目標として、委員御指摘のとおり、中学校教員の目標割合を、国においては50%、高校教員を75%としていることを受けて、岩手県では少しでも上回るとう目標を立てているわけなのですが、平成27年度の状況は、中学校教員15%、高校教員47%でありますので、目標値とは大きな開きがあります。
このことから、目標達成に向けては相当の努力が必要であると捉えております。
〇小野共委員 先ほど来申し上げておりますが、高校3年生、中学3年生の目標に対する実績につきましては全国平均ぐらいだと。確かに、その目標に対してはかなり差がありますが、全国平均と同じぐらいのレベルと。心配なのは、教員の英検準1級の目標に対する実績なのです。平成29年度末の目標50%に対して、平成27年度末で中学校が15%だと。先ほど来申し上げておりますが、中学校教師の準1級のレベルは全国最低だという話がマスコミ報道等で何度か取り上げられております。
これを十分に配慮していただくためにお聞きしたいのですが、平成27年度の先生方の英検準1級取得に向けた取り組みというのはどうなっていますか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 平成27年度の取り組みについて申し上げますと、先ほども生徒のための研修として申し上げましたが、基本的に生徒の英語力向上ということを重視しておりますので、指導力をいかに向上させていくのがいいのかということを前提に行っているものでありまして、あわせて、その際、英語で研修することによって教師の英語力向上についてもつながるものと考えております。
加えまして、何度か英語検定等の資格取得の助成についても周知いたしまして、研修のたびに、こういう助成機会があるから資格取得に挑戦してみるようにという呼びかけを行ってきたところであります。
〇小野共委員 最終的に中学生、高校生の英語力の向上につながればいいと。それは、確かにそのとおりなのです。でも、国の基準として、第2期教育振興基本計画の中に数値目標が出ました。それを受けて県のほうでも英語教育改善プランを数値目標として立てましたと。私は、そのとおりだと思うのです。最終的には子供たちの英語力の向上に結びつけばいいと。
片一方で、数値目標というものも出ているわけではないですか。果たして、その数値目標を達成することが目的なのか、それとも子供たちの英語力を向上させるのが目的なのかと。英検を受けたことがある先生方であればわかると思いますが、英検というのはかなり特殊な試験なのです。果たしてあれが英語力と直接─英検を持っていたからといって、では、アメリカに行って生活できますか。全くそれはわかりません。でも、目的として国の目標があって、それを受けて県の目標があって、それを達成するということは大切なのではないですか。どう思いますか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 国が立てた目標に対して県も目標を立てて、英語教育改善プランを立てている。その達成を目指していくというのは、もちろん、極めて重要なことであると捉えております。
本県といたしましても、英語教育推進リーダーという文部科学省の認定を受けた英語教員による研修をこれまで続けておりまして、今後とも続けていくつもりであります。加えて、平成27年度の採用試験以降は、英語検定準1級等の資格取得者に加点措置をしているところでありますので、向上を図っていると捉えております。
あわせまして、今後は、研修会や各学校への指導の際に、資格取得の奨励とともに、経費面も含めた資格取得のための環境整備等ほかの方策についても検討していって、目標達成を目指してまいりたいと考えております。
〇小野共委員 既に御承知のとおりでありますように、かなり進んでいる分野もあるのです。英語教育改善プランの中でも、国の方向と同じように、英語力向上のためのさまざまな数値目標の中で、中学校、高校で授業の半分以上を英語でやっている先生の割合は、岩手県の高校が85%で1番なのです。英語のさまざまな授業の中で、コミュニケーション英語Iという授業の半分以上を英語でやっている先生の割合は岩手県が1番なのです。では、これはどうやってやりましたか。
〇小野寺首席指導主事兼学力・復興教育課長 高校の教員が、英語の科目のうちコミュニケーション英語Iという授業において、授業中に教師の発話が半分以上を英語で行っている割合が85%で、全国平均の50%を上回っているのというのは事実でございます。
これは、平成25年度からの学習指導要領実施に先駆けて、全ての高校から参加する県教育委員会主催の研修会や、県内の全ての高校を訪問して、英語の授業は英語で行うことを基本とすると明示した学習指導要領の趣旨を周知してきたことなどによるものと考えております。
さらには、個別の学校訪問において授業を参観し、その後の授業研究会において授業における英語の使用を促し、教員がその趣旨を理解して授業実践しているためと考えております。
〇小野共委員 もう少ししっかりと分析されたほうがいいのではないかという気がいたしておりますが、わかりました。それはそれで、岩手県で一番のところがあるというのは、いい希望になったと思っているところであります。
いずれにいたしましても、今の中学2年生が受ける平成32年度のセンター試験から新しいセンター試験になると。これにスピーキングも入るということ、平成31年度から新しい中学3年生の英語のテストも始まるということを聞いております。国のほうも、中国、韓国、台湾などアジアの国々をかなり意識した国を挙げての英語能力の向上に並々ならぬ迫力みたいなものも感じておりますので、岩手県も負けないようにきっちりと取り組んでいただきたいと思います。終わります。
〇軽石義則委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時58分 休 憩
午後1時2分 再 開
〇中平均副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇城内よしひこ委員 それでは3点についてお伺いしたいと思います。
ことしから選挙制度が変わりました。先駆けて主権者教育というものに取り組んでいただいたところであります。その教育の成果を試す機会として、ことし選挙があったわけでありますが、その成果はどうだったでしょうか。あわせて、教育や実践も含めて、今後の課題はどのような点があったのか、お伺いしたいと思います。
〇岩井首席指導主事兼高校教育課長 主権者教育の成果と課題についてでありますが、昨年6月に公職選挙法が改正されまして、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。そのことを受けて、昨年、ことしと、全ての県立高校、特別支援学校において、新たに有権者となる生徒を中心に、主権者教育に取り組んでまいりました。
過日、総務省から、7月に行われた参議院議員選挙の18歳、19歳の都道府県別投票率が発表されましたが、それによりますと、本県の投票率は、18歳が47.97%、19歳が37.74%でございました。この数値は、全国平均をやや下回ったものの、前回、2013年の参院選における20代の投票率33.37%を18歳で15ポイント近く上回っております。これは、生徒の政治や選挙への関心が一定程度高まったものと捉えておりますので、これまで取り組んできた主権者教育の成果と評価しております。
一方、課題といたしましては、昨年、ことしと、卒業生を中心に、大変時間のないところで主権者教育に取り組んでまいりました。
今後は、各校が計画的かつ継続的に主権者教育を実施し、各校の実態に即した内容の充実を図ることが課題であると捉えております。
〇城内よしひこ委員 もうちょっと私は高い数字が出るのかと思っておりました。新聞等でもそのことが報道されているわけでありますけれども、我々先輩の年代の者がなかなか投票行動に結びつかない中にあっては、すごい数字だと一定の評価をするところであります。引き続き、しっかりと選挙に向けた主権者教育というものをしていってほしいし、これを継続することによって、日本の政治が少しずつ変わっていくのかと感じています。その明るい兆しと捉えていますので、ぜひ、今後ともしっかりと現場に即した形で教育を進めていっていただきたいと思います。
次に移ります。学校建設費についてであります。
昨今、小中学校あるいは高校も含めて統廃合が進んでおるわけでありますが、その中で、新たに学校を建てた、平成27年度の実績はどのようになっているでしょうか。また、そして、今後はどういう建設の見通しがあるのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 学校建設費についてでございますけれども、近年、統廃合に伴う建設は、基本的にはほとんど行われていない状況でございまして、主に学校に通っている児童生徒の安全・安心の確保を図るために、耐震性の低い施設の改築や補強等を中心に行っているというのが県の事業の主な内容となってございます。
近年5カ年における主な県の事業ということになりますと、例えば盛岡商業高校の耐震改築でありますとか、花巻農業高校の耐震補強、増築、それから昨年から今年度にかけては、盛岡農業高校の耐震改築といったものが主な事業となっておりまして、本年度も久慈高校の耐震改築に着手をしたところでございます。
引き続き、学校建築におきましては、当面、高校における再編に伴う建築というものが見込まれませんので、耐震改築ですとか補強の事業を最優先として取り組みを進めるということにしております。一方で、校舎の老朽化も進展しておりますことから、施設の長寿命化ですとかコストの平準化といった観点も踏まえまして、全庁的に取り組みを進めております県公共施設等総合管理計画の個別施設計画の策定を進めておるところでございます。策定した後におきましては、これらに基づきまして、計画的な施設の整備に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 もちろん老朽化した施設の耐震というのは大事ですし、建てかえというのも、子供の数は少なくなっていくにつけても、しっかりとした計画を持って対応をしていっていただきたいと思います。
そして、一方では、廃校になった学校がたくさんあるわけであります。この間、昭和29年生まれぐらいの方々が人口のピークで、生徒の数で言うと一番多かったのかと思っていますが、そのころに合わせた数で学校が建設されてきたわけですけれども、今は多分その4分の1ぐらいの児童生徒数になるわけでありますので、学校の廃校はやむなしでありますが、廃校になった学校の利活用というのはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 廃校となった県立学校施設の利活用ということでございます。県立学校の統廃合によりまして、平成12年度以降に廃校となった学校が21校ございます。このうち、他の県立学校ですとか、小中学校等として利用されているものが9校、応急仮設住宅用地等として、部分的ではありますけれども利活用されているのが8校、合わせて17校の校舎、学校用地が何らかの形で利用されているというような状況にございます。残る4校が、現在未利用という状況になっておりますけれども、これらにつきましては、地域において一時利用をしている学校もございます。そういった要望にも応えながら、現在、利活用ですとか処分に向け、所在市町村との協議を鋭意進めているところでございます。
廃校の校舎、土地につきましては、一部未利用となっているものにつきましても全部の利用がされればいいわけでございますので、できる限り、早期に売却ですとか効果的な利活用が図られますよう、引き続き所在市町村と調整を図りながら、必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 県立の学校がそういう状況でありますし、あわせて、市町村で持っている小中学校というのも相当数あるわけであります。その利用状況は、宮古地区で言うと、市で持っている書類の保管庫であったり、埋蔵文化財の保管庫になっているという状況であります。しっかりとした利用計画を持って、また、教育財産から一般財産に切りかえをして、適正な処理をするべきであると思っています。そういった計画もしっかりと持って対応してほしいと思います。
その中で、特別支援学校は結構古い建物がたくさんあるわけであります。以前の特別支援学校ができた背景からいくと、なるべく人の見えない山里にあったりするケースが多いわけでありますが、利便性を考えれば、再利用の一つの中で、県立あるいは市町村の持っている土地を、建てかえをする場合は、町場に近いというんですか、人里に近いところに建てる方向がよいのではないかと思っています。そういう計画というのはお持ちか、また、そういう考えがあるのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 今お話をいただいたことは、最もそのとおりでございまして、特別支援学校の狭隘化、特に知的障がい者を対象とした支援学校の狭隘化というのは、本県も含め全国的な課題でございまして、本県においても、今お話をいただいたことも十分に見据えた上で、今後、整備計画を立てていく準備をしているところでございます。
〇城内よしひこ委員 老朽化と狭隘化が進んでいるというのは、一般質問等でも私も取り上げさせていただきました。全庁的な連携あるいは各所在をする自治体間と調整をしながら、しっかりとした計画を立てて、生徒たちの教育の向上、環境の改善に努めてほしいと思います。
3点目の質問に移ります。第71回の国体が成功裏に終わったということで、皆さんともども、同じ思いで胸をなでおろしておるところであります。それも、まさに県民の皆さんのたくさんの応援、あるいは日本中の方々からの応援のたまものだったと思っています。特にも、選手諸君の頑張りは高く評価をするところであります。
そこで、私は、国体前にも質問したわけでありますが、今でも、なぜ目標が8位以内だったのかと思うわけであります。そのことも含めて、国体を終えて、改めて所感をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 希望郷いわて国体についてでありますが、目標は天皇杯順位8位以内としておりましたが、優勝も視野に入れながら岩手国体に臨んだところでございます。
岩手県選手団が天皇杯、皇后杯ともに第2位を獲得し、目標とした天皇杯順位8位以内の入賞をすばらしい成績でなし遂げることができたことは、県と競技団体など、関係者が一丸となって選手強化に取り組み、さらには、選手の学校や職場の協力、県民の皆さんの大きな応援など、オール岩手で取り組んだ輝かしい成果として誇らしく感じているところであります。特に、本県の選手や指導者の方々には、東日本大震災津波の発災により、十分な強化期間が確保できなかったという状況の中、日々の鍛錬と努力の積み重ねにより、今般の国体で大きな力を発揮し、県民に大きな感動を与えていただいたことに対し、改めて感謝を申し上げたいと思います。
〇城内よしひこ委員 優勝も視野に入れたという言葉を聞いて、ほっと胸をなでおろしておるところであります。もしかしたら、選手諸君の力を出させるために低い目標設定をしたのかなと、その辺はすばらしい配慮だったのかなと、一方では思ったりもしておるところであります。いずれ、成功裏に終わった国体を、次のステージに結びつけるというのが、知事のおっしゃるところのレガシーだと思いますが、これも県民全体で共有をしていかなければならないものと思っております。そういったことを県民の皆さんと共有する手段というのも、今後、いろんな機会を通じて、広報活動も含めてしていただければと思っております。そういったお考えはあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 国体後の選手強化ということかと思いますが、いわて県民計画第3期アクションプランにおいては、国体の目標は、天皇杯順位で、平成29年は10位台、平成30年は20位台としております。競技力向上に関しては、各競技団体にこの目標をしっかり浸透させ、共有のもとに強化を進めていきたいと考えております。
希望郷いわて国体では、強化事業を通じて培った各競技団体における選手強化のノウハウを生かし、今回の国体に出場した選手の競技力をさらに高めていくこと、それから、新たな選手の発掘、育成に取り組むなど、岩手国体のレガシーを生かしながら、競技力向上の取り組みを進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 これから育ってくるだろう子供たちに、しっかりとした夢を与えてほしいと思いますし、岩手に生まれても、何ら世界的レベルに到達しないわけではないので、その可能性を十二分に、これからも精神面も含めて、しっかりと支えていっていただければいいと思います。野球で言うところの大谷選手なんかはそうでありますし、岩手大学の競歩の選手もしっかりとオリンピック選手になっているわけでありますので、そういう部分をこれからも継続するようにお願いをして終わりたいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
〇高橋教育長 今回の国体の成績につきましては、本当に県民の皆さんの大きなバックアップがあって、それとともに、選手、指導者の頑張りが結実したということでございまして、この経験をこれからのスポーツ振興に十分生かしていくということが極めて大事だと思っております。
実は、一昨年の長崎国体では37位という順位になって、その前の東京大会が22位でございましたけれども、入賞を目標ということもどうなのかという状況でございましたけれども、本当に県民の皆さんの大きな応援によりまして、そしてまた、予算措置等もしっかりと平成27年から強化していただきまして、それに競技団体が応えたという形で、今回、そういう成績になったと思っております。
それで、このスポーツの活躍というのは、県民の皆さんに大きな希望と、それから今回の国体においては、特に県民の皆さんの大きな誇り、自信につながったと思います。このスポーツの力というものを、今後、県政の発展に十分生かしていくことが極めて大事だと思っております。
それで、国体の目標を来年度は10位台、それ以降も安定して20位台を獲得できるように、以前の成績というのは大体30位台後半から40位台近いところでございましたので、全国の中位レベル以上を目標にしながら頑張っていくということが、これからの次代を担う子供たちの夢にもつながっていくと思いますので、ただいまいただいた御意見等も十分踏まえながら、努力していきたいと思っています。
〇柳村岩見委員 ただいまの質疑で、天皇杯8位以内というのは、言葉のあやとしては優勝も目指していたのだと。言葉の文脈からいけば、8位以内には1位も2位も入ります。関連質疑ですから短くやりますが、いわゆる選手の技能評価、競技の能力ということを、国体におけるレベルではかることができなかったと思うのです。岩手県の選手の皆さんは、国体においてどのくらいの成績をおさめるのかという把握、理解について、強化の過程、結果においても、その把握に判断ミスがあると思います。その自覚は持った上で、8位以内は1位も目指していたのだと言わなければならないです。最初からそう言ってしまったら、これは余りにも行政的な目標の設定です。恐らく、民間やほかの団体では、そういう目標の立て方はしないのだと思います。いわゆる少し大変だ、頑張らなければ達成できない、それが目標だと思うのです。そこの間違い。
それから、私はもう一つ、岩手県の体育協会と、その傘下にあるそれぞれの種目別協会との戦力評価におけるキャッチボール、情報の共有、ここで間違っていると思うのです。いわゆる、余りにも赤裸々には申し上げませんが、ボールを投げる所管、ボールを受けて情報共有をしたら、同じじゃないですか。誰か、言った人の8位以内に決まってしまうと。恐ろしい、そういう岩手県の物事の決め方のハートの部分に、そういうのが存在しているのだと思う。だから、岩手県というのはいつも飛び立てなくなる。8位以内、1位もありの8位だと、こう言ってみてさらーっと流していく。1位を目指して1位をとれなかった。2位だった。2位を目指しても3位だった。でも、2位を目指すというのが目標だと思うのです。そうやっていかないと、いわゆる同規模、同人口、同予算ぐらいの他県に負けるのです。思想が、ハートが負けるの。所感を。
〇高橋教育長 今、柳村委員から頂戴した御意見については、真摯に受けとめさせていただきたいと思っています。
8位以内の入賞を目標にしたというのは、先ほども申し上げましたけれども、長崎国体の実績等も踏まえれば、それ自体を越えるというのが非常に厳しいというのが、当初、そういう状況でございました。それで、この2年間の選手強化の中で着実に力をつけてきて、国体開催直前になって、みんなで優勝も含めて目指すかと─先般の別の会議の場で、優勝を目指すのが遅いのだという御指摘を私頂戴しましたけれども、まさに委員がおっしゃいましたように、きちっと目標を立ててそれに向っていくというのが、今回の国体のレガシーとしても、将来に生かしていく極めて大きな財産それから経験だと思いますので、しっかりとただいまの意見を踏まえて取り組ませていただきたいと思います。
〇柳村岩見委員 答弁は要りませんが一言だけ。
8位に相当する点数というのは、国体の全種目にエントリーして、初戦を突破したのがちょうど8位の点数なそうですね。
〇高橋元委員 国体の評価、成績の評価はいろいろあると思います。私も一般質問で取り上げましたけれども、今回は大震災を受けて国体の開催そのものがどうなるのかと、そういう中での国体の開催決定でありましたし、また、震災復興に多額の予算、人的な力も集中しなければならない、そういう中での選手の強化、これにお金をどれだけ使えるのかという中で、いろんな方が一生懸命やって、最低は8位以内をクリアしようという当局の最初の目標は、設定として私は十分だったと思います。それに加えて、出場される選手の方々も、地元の代表として本当に努力したと、その結果がこういう成績になった、私は優勝と等しい、そういう成績だったと思っております。
ぜひ、そういう見方もあるということを御理解していただきながら、今後取り組んでいただきたいと思います。
〇柳村一委員 豊かな心を育む教育の推進についてお伺いしたいと思います。
午前中に郷右近委員、千葉委員もお話をしていましたが、この中の達成度がD評価である部分についてお伺いします。
目指す姿指標57の、人の気持ちが分かる人間になりたいと思っている児童生徒の割合というのと、具体的な推進方策指数223の、児童生徒の読書者率の向上、具体的な推進方策指数231の、いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う児童生徒の割合がD評価となっていますけれども、これについての分析の結果と対策についてお伺いいたします。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 豊かな心を育む教育の推進の指標についてでございますけれども、まず初めに、目指す姿指標の、人の気持ちが分かる人間になりたいと思っている児童生徒の割合につきましては、平成27年度の全国学力・学習状況調査の結果、小学校6年生が73.3%、中学校3年生が76.0%、小中学校合わせて74.7%となったものでございます。全国平均は、小学校6年生が72.1%、中学校3年生が75.4%となっており、いずれも全国よりも上回っているものの、目標といたしました76%に届かずD評価となったものでございます。
県教育委員会といたしましては、いじめ防止などの取り組みを一層進める必要があると考えまして、第3期アクションプランに本指標を新たに設定し、平成27年度より取り組みを始めたところですが、指標に係る調査時期が年度始めの4月だったこともあり、本指標の趣旨や取り組みの推進について、各学校に十分に浸透させることができなかったことがおくれの要因と捉えているところです。
対策といたしましては、校長研修や主任等研修を初めといたしましてさまざまな機会を捉え、改めて、昨年度の結果数値も示しながら、趣旨の徹底を図っているところでございます。
豊かな心を育む教育の推進につきまして、会議等による理解の促進と周知のほか、教育事務所ごとに開催しております道徳授業の改善のための教員研修等も通し、各学校の校内研修に役立てるとともに、子供たちの実際の授業等の取り組みの中でも充実を図るように進めてまいりたいと考えております。
〇松下生涯学習文化課総括課長 推進方策指標の児童生徒の読書者率の向上についてでございますけれども、平成27年度の小学生の目標値が99.4%に対しまして実績値が99.1%となり、達成度がD評価となったものでございます。
平成27年度の岩手県子どもの読書状況調査におきまして、本を読まなかった小学生にその理由を尋ねておりますけれども、その結果、読みたい本が見当たらないと答えた子供が41%、本を読まなくても不便はないと答えた児童が24%という結果になってございまして、本を読まないことの要因の一つとして、本に対する興味関心が低いということが挙げられると考えております。
このような課題を踏まえて、児童の読書に対する興味関心をさらに高めることを目的といたしまして、平成26年度に小学生向けのブックリストを作成し、県内の全児童に配布して、その活用を図ってきたところでございます。
本年度におきましては、ブックリストを活用したすぐれた実践事例の紹介ですとか、読書ボランティアとの連携によります読書活動の推進等に取り組んでいるところでございまして、今後におきましても、児童生徒の読書活動が一層充実するように取り組んでまいりたいと考えております。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 具体的な推進方策指標231、いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う児童生徒の割合についてでございますが、平成27年4月に行われました全国学力・学習状況調査の結果、小学6年生が83.6%、中学校3年生が76.0%となっております。全国平均は小学校6年生が81.8%、中学3年生が73.0%で、いずれも全国よりも上回っておりますが、小学校におきましては目標値に届かず、D評価となったものでございます。
本年の4月に行われました全国学力・学習状況調査の結果におきましては、小学校6年生が85.9%、中学校3年生が79.1%であり、前年度に比べて2ポイントから3ポイント伸びております。いずれも全国平均よりも上回っております。このことによりまして、本指標の趣旨、学校の取り組みの推進というのは、少なからず進んでいるものと捉えております。
今後におきましても、各学校におきまして、児童会、生徒会活動を通じたいじめの問題を考える活動や、児童生徒同士の人間関係や仲間づくりを行う取り組みを推進しまして、いじめ防止の取り組みの充実を図ってまいりたいと思っております。
〇柳村一委員 前後しますが、読書のほうからちょっとお伺いいたします。
読書以外の二つは全国学力・学習状況調査の指数だったのですけれども、この読書に関しては、県の子どもの読書状況調査というので行っているようです。この設問の内容、どういう問いかけで、例えば読書をするのが41%、本を読む必要がないというのが24%と出ているのか、設問の設定の仕方がどのような形になっているのか。
〇松下生涯学習文化課総括課長 平成27年度の岩手県子どもの読書状況調査でございますけれども、昨年度の10月の1カ月間に本を読んだかどうかということで、各学校から、小学校でいきますと、5年生の1学級を抽出して調査をしておりまして、その中で、1カ月で1冊以上本を読んだ児童生徒の割合というのが先ほど答弁させていただいたものでございます。その中で、本を読まなかった子供に対してその理由を聞いておりまして、五つの設問、選択肢を挙げております。
一つ目が、先ほど申しました読みたい本が見当たらないということ、もう一つが勉強が忙しい、もう一つがスポ少、部活が忙しい、もう一つが趣味等が忙しい、最後の設問が、本は読まなくても不便はないということで、五つ設問を掲げて聞いたところ、先ほど答弁したとおりの割合になっているという状況でございます。
〇柳村一委員 わかりました。全国学力・学習状況調査で、同じ読書の設問があるのです。その中では、読書は好きですかという設問であります。それによりますと、平成27年度は、児童で46.3%、生徒で44.9%、半数以下の子供たちしか読書は好きだと言っていないと。
読書者率の向上という形で指数を出して、1カ月に本を読んだか読まないかというので判断されるとなると、子供たちの読書をする環境とか、そういうものの方策に対する手だてがわからないですね。毎回数字だけ追って、向上したからいいのだ、悪いのだと。それに対する手だてというものにちょっと、どこに原因があるのだというところが見えなくなってくると思うのですが、例えば、全国調査の、読書は好きですかという部分で、読書になれ親しむような環境づくりをするためにはどうしたらいいのかとなれば、また新しい読書に対する県教育委員会の考え方も出てくると思うのですが、今後、この指数の考えというものを変えるお気持ちはないのかどうか、お伺いします。
〇松下生涯学習文化課総括課長 第3期のアクションプランにおきまして計画の最終年度は平成30年度ということにしておりまして、第3期のアクションプランについては今定めた目標でいきたいと考えてございますけれども、先ほど委員から御指摘いただきました、そのほかの手だての部分とか、また、我々の調査においても読書が大切かどうか、児童生徒の感じ方等も調査しておりますので、総合的にさまざまな指標を見ながら、読書活動に取り組める環境の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 先ほど千葉委員もおっしゃいましたけれども、読む力がないと学力はついていかないので、そこら辺は小学校の小さいころから習慣づけるというのが必要だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
次に、人の気持ちが分かる人間になりたいと思っているのと、いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思うと、これは道徳的な部分で、同じところが管轄しているのかと思ったら答弁が別々の方でしたので、お答えできる方にお答えしてもらいたいと思います。
まず、人の気持ちが分かる人間になりたいという部分で、これも全国学力・学習状況調査での数値になっていますけれども、平成28年度はこの指標がなくなっているのです。今後、これを平成30年までの目標としている場合、指標がないということは、もう、数字的に判断できなくなってくると思うのですけれども、今後のあり方についてどのようにお考えでしょうか。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 ただいま委員御指摘のとおり、全国学力・学習状況調査から質問項目が外れており、そのことを受け、県といたしましては、秋に県が行っている学習定着度状況調査の質問項目の中にこれを入れる形で実施したところでございます。
〇柳村一委員 では、この項目については困らないということで、独自で県が調査しているのであれば、全国の調査の数値に別に頼る必要もないと思うのです。そうすると、なくなったりとかしないと思いますので、今後は、アクションプランにおける評価は県独自のものにして、全国というと平均的な部分であって─そうか、全国の調査ができなくなるから県の調査を使うわけですね。はい、わかりました。
次に、いじめについてなのですけれども、児童が今回D評価になっているというのは、児童だけが下がっていて、生徒のほうは年々いじめは悪いと思っている割合が高くなっているという部分で、小学校に関しては下がってD評価になったのですけれども、ここの根本的な理由というのはわかりますでしょうか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 この調査とはまた別に、県独自に学校いじめ防止基本方針の取り組み状況における調査を実施しております。
それによりますと、児童会、生徒会活動を通じていじめの問題を考えさせたり、児童生徒同士の人間関係や仲間づくりを促進するという部分がございまして、これがおよそ7割の学校となっております。いずれ、小学校、中学校におきましても、どちらも取り組みは進んでおりますが、ここの部分については若干まだ弱い点があり、特に、小学校の児童会活動につきましては、その考えさせる部分の取り組みに、中学校と比べれば、若干そこにおくれがあるかと思っております。
〇柳村一委員 人の気持ちが分かる人間というのもいじめが悪いというのも、今度、特別の教育で道徳というのが取り上げられてくると思うのですけれども、そこにすごくかかわってくる問題ではないかと思います。教育長も最初の説明で、いじめに対しては教育界全体で未然防止、早期発見、早期対応というのが重要であるということで、そこを意識して進めているとおっしゃいましたけれども、いじめの早期発見、早期対応というのは、もう、いじめが始まっている状態であります。未然防止に力を入れない限り、いじめはなくならないわけでありまして、未然防止対策についてどのような考えでしょうか、お伺いします。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 今、委員御指摘のとおり、未然防止という考え方は非常に大事なことだと思っているのですが、何よりも、先ほど御紹介いただきましたように、特別な教科、道徳ということもスタートしてまいりますので、子供たちの心をいかに耕すかということが大事なのではないかと思っています。道徳の授業が形式的になるという面も見られたのではないかという反省もあったものですから、身近な話題も取り上げながら、子供たちが真剣に考え、真剣に自分自身を振り返るようなことを通していく、それを積み重ねていくということが、まずは未然防止に大きくかかわってくるところなのではないかと。
文部科学省のほうでも、いじめ防止にかかわりまして、道徳の活用の呼びかけということを改めて今月になってからもしているところでございますので、そういう流れもしっかりと受けながら、学校の中で子供たちの気持ちを育てていくということに取り組んでまいりたいと思っております。
〇柳村一委員 学校の中で、子供たちが幾ら道徳の時間とかで教わってそういう気持ちがあったとしても、家に帰ったり地域に入ったりというところで、地域でそうでなければいけない部分もあるので、教育界全体でやるのではなく県全体でやるという、あらゆる方面に働きかけて、例えば小学校に上がる前からいけないことだという取り組みをしっかり行っていかなければ、根本的な部分がなくならないと思いますので、そこら辺の考え方をお伺いして終わります。
〇藤岡首席指導主事兼義務教育課長 今おっしゃるとおりで、学校だけというのには限界がありますので、地域、保護者の方と、いかに協働しながら、お互いに考えを共有していくかというこくことが重要かと思っております。
また、就学前にかかわりましては、しつけというようなこともあろうかと思いますので、現在、県の教育委員会としましては、小学校と幼稚園、保育所との連携の事業も展開しておりますので、そういうところでも話題としながら、特に学年や学齢が下がれば下がるほど、親御さんのお考えというものも大事になってまいりますので、今いただいた御意見を参考にしながら、さらに進めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 私からは大きく2点質問させていただきます。
まず1点目でございます。高校の専門学科、とりわけ1次産業、農林水産業についてのお考えをお伺いしたいと思います。
まず、事項別明細書の329ページの産業教育設備整備費についてですが、事前にいただいた資料では、これは専門学科への支出ということでございました。高校再編が今行われている状況でございますが、その中で、現状をお聞かせいただきたいのですけれども、専門学科の統合や減少というのは今あると理解しておりますが、その状況について、特に1次産業についての専門学科の設置状況、応募、募集状況等、簡潔で結構でございますのでお示しいただきたいと思います。
〇木村高校改革課長 1次産業に係ります専門学科の設置の状況、定員の状況ということでございます。
平成28年度入試におきましては、1次産業、農業科が14学級、560人、水産科が3学級、120人という設置になります。
入学者の状況でございますが、平成28年度の入学者は、農業科が472人、水産科が82人という状況になります。
専門学科の関係でございますけれども、平成12年から平成21年までは、前の県立高等学校新整備計画により再編を行い、それ以降、平成22年度から平成28年度までは、専門学科全体では77学級、募集定員が3、080人ということで、そのままの状況でございます。
この再編計画で1次産業がどのようになるのかというところでございますけれども、農業科が今14学級のところが1学級減の13学級、水産科が今3学級のところが平成32年までに2学級という再編計画になっているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 今、専門学科の減少傾向というのが改めて示されたわけですが、1次産業はどの産業もそうですけれども、高齢化と担い手不足というのが現状の課題となっています。ただ、地域産業の担い手確保という観点からは、地元の方からもそうだと思うのですが、今後、専門教育を維持していかなければいけないのだと、重要性というのは改めて声が上がっていると私は認識しておりますが、県ではどのようにその点をお考えでしょうか。
〇木村高校改革課長 現状の課題と今後の見通しということでございます。
再編計画では、平成28年の中学校卒業者が1万2、084人から、平成32年は1万775人ということで、1、309人の生徒の減少ということがございますので、そうした生徒減が進む中で教育の質を確保し、専門学科の専門性を維持していくことが重要な課題と考えております。
そして、今後の見通しについてでございますけれども、目指す教育の特色、その進路の状況、そして県の産業振興の方向性等を見据えて、関連する幅広い分野について学習できるよう、他の専門学科との連携等も進めながら、その充実を図ってまいりたいと考えております。
あと、専門学科のあるほとんどの学校で行われているインターシップなどを通じまして、地域の産業界との連携を密にしながら、地域産業を支えるスペシャリストといたしまして、人材育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 先ほど専門性の維持、進路の状況ということの重要性を述べられていたわけですけれども、私も本当にそのとおりだと思います。いかに高度な産業に対する経験、知識を有している人を輩出していくかということだと思うのですけれども、平成27年7月13日から31日、この県内公立中学校3年生への県の進路希望のアンケートでは、農業、水産業にかかわる進路に、どのくらい行きたいですかと、農業、水産関係に進みたいという希望が、4.6%の生徒さんしか示されていないわけです。非常に関心が低い状況です。そうしますと、先ほど言っていた専門性の維持、スペシャリストを輩出していく人材の育成や、そういった方々の中学校から高校への人材の確保というのが、ますます難しい現状になってきているのではないかと捉えておりますが、その点はいかがお考えでしょうか。
〇木村高校改革課長 アンケート結果を踏まえての御質問でございますが、確かに進路希望のアンケートということで、前の再編計画後の統計として、平成20年度に一度アンケートをとり、そして、平成27年にも進路希望のアンケートをとらせていただいたところでございます。
平成20年度と平成27年度の傾向を見てまいりますと、若干、普通科志望が上がり、専門学科の志望が若干下がる傾向が見受けられたと思っております。このことは、専門学科というところについて、高校に入る段階で選択するときに、自分のこれからの将来を考える上での身近なものということでの考えが、入学時点で十分動機づけというところが難しい部分もあったのではないかとも思っているところでございますので、小中学校におけるキャリア教育といったところも含めながら、各専門学科の特徴を十分PRしてまいらなければならないと考えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 まさに中学校でのキャリア教育というのが私も重要になると思います。進路を選択する上で、どこへ行ったらいいかわからないから、まず学力で普通科かなとか、そういう状況がもしかして続いているのかと思うのですが、今、1次産業における即戦力を求めた場合、高校に求めるというのは大変になってきているのではないかと私は推測しております。
例えば平成29年度、林業においては林業アカデミーというのを開設するわけでありますが、そういった特殊分野における高度技能を有するプロフェショナル、スペシャリストの育成というのは、新たな専門学科が必要になってくるのだろうと推測していますし、そのあらわれだと思います。そうなった場合に、では、今度は高校における専門学科はどういう意義を果たしていくのか、あり方はどうあるべきなのか、実際にスペシャリストを育成すると言っても、非常に限界がある社会になってきているのではないかと私は推測し、危惧するわけですが、そこら辺はどのようにお考えになっておりますでしょうか。
〇木村高校改革課長 専門学科におきますあるべき姿についてでございますが、いわゆる座学のみならず、実験、実習を通じて、専門分野の知識そして技術を身につけて、本県のそれぞれの地域における産業振興に寄与し、地域の活性化を担う人材を育成していくことが重要と考えております。
今後とも、基礎、基本の確実な定着を図る指導を進めていくとともに、地域産業を支える地域のスペシャリストを育成するなど、県の他の部局とも連携を図りながら、その充実に努めているところでございます。
具体的に、例えば高校での連携ということでまいりますと、農林水産部と協力いたしまして、農業農村指導士協会と連携して、そこで、その方に農業指導をしていただくという取り組みをしている事例もございますので、学校の教育だけではなく、地域の産業界とも十分連携して、求める人材の輩出につなげてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 通告していなかったのですが、確認で教えていただきたいのは、わかればで結構ですが、高校を卒業した方で、農業関係にそのまま就職する方、もしくは農業系の大学、そういった専門機関に進まれる方、もし、その統計があれば、なければ後で結構ですのでお示しいただきたいと思います。どのぐらいいらっしゃいますか。
〇木村高校改革課長 農業系でいきますと、先ほど入学者のほうでお示ししたとおり、500人弱の方々が入学しているという状況がありますので、その方々が農業そして農業大学校等、あるいは直接農業に関係のある産業に進まれているところを追ってみますと、大体1割程度の方が直接農業にかかわるような分野に進まれているという実態があると認識しております。
〇菅野ひろのり委員 やはり1割ということで、年間で、本県において農林水産業につかれる方が40人ぐらいしかいないんだと、まさにこれは担い手不足を象徴している事例だと思います。そうなったときに、先ほどお話をしましたが、改めて本県の後継者育成というのは、教育機関においてどのような方向でこれからつくっていかなければいけないのか、近々の課題であると私は認識しておりますので、ぜひ、その点を改めて考えていただきたいと思います。
次に移ります。先ほど城内委員からもありました統廃合後の施設の跡地利用についてでございます。重複しているところがありましたので、飛ばしながら質問させていただきますが、先ほど21校が統廃合して、4校が跡地をまだ利用していませんということでございました。この4校について、恐らく市町村あるいは元の高校が設備の管理運営を担っていると理解しておりますが、現状、その跡地利用もしくは維持管理について、市町村、高校からどういう要望が挙がっているか、お聞きしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 学校施設の利活用に関する取り組み、学校からの要望、市町村からの要望ということでございました。
学校施設の存在する市町村に対して、利活用については随時働きかけを行っておりますし、資産が、今どういう状況にあるのかということについて、都度、説明をするように心がけてございます。
現在、未利用の資産は4校と申し上げましたけれども、一部利用も8校ございます。この12校をどうするかということになってくるわけでございますけれども、現在、公式、非公式も含めまして、アイデア段階のものもございますのではっきりとは申し上げられない部分もありますが、数校について具体的な相談を受けて検討を進めているという状況がございます。何件かは民間からのアイデアもいただいております。それについても、あわせて検討を進めているという状況にございます。
それから、管理している学校の状況でございますけれども、廃校施設を抱えますと、自分の学校以外に廃校の施設の管理をしっかりしていかなければいけないという状況がございまして、定期巡回ですとか危険防止のための必要な修繕ですとか、そういった維持管理に結構大変な労力がかかっているという状況がございます。職員の負担になっているという状況もございますので、学校職員の負担軽減を図るというような意味からも、できるだけ早く処分を進めたいと考えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 本当に先ほどおっしゃるとおりで、学校の用務員等の負担につながっていると思っています。一方で、地域住民の方からは、景観、防犯上の問題等を危惧する声が私は挙がっているのではないかと思っています。
先ほど、合計で12校あるということをおっしゃっておりました。平成12年度以降であると聞いておりますが、その中で、実際に─先ほど適切な管理ということをおっしゃっておりましたが、もう少し管理してほしい、具体的には、年に何回、どういう状況に、例えば校舎の修繕管理をしてほしい、具体的な事例があったらちょっと細かくて申しわけないんですけれども、教えていただきたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 大規模な校舎の管理につきましては、機械警備を入れて管理をしているという状況がございます。それから、景観的な問題に関しましては、基本的には、草刈りのような管理が中心になってくるということになります。草刈りにつきましては頻繁にはできませんので、基本的には春の草が生い茂る時期、それから、夏が過ぎたぐらいのタイミングでもう一回やるというのが、大体一般的な草刈りのタイミングということでございまして、大体これぐらいが基本的な管理になろうかと思います。
それ以外にも、周辺の住民の皆さんからは、さまざま御意見ですとかおしかりを受けることもございますので、その都度、適切な対応をするように心がけているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 私がなぜこの課題をお聞きしたかといいますと、県教育委員会と市町村の管理に対する考えの乖離があるのではないかと私は感じています。といいますのも、地元の方からすると、草が伸びている状況、管理されていない状況、県はどうやっているのだと、管理していないのではないかと思っているところがあると思うのです。
具体的に言いますと、ある市町村では、年間116万円だったと記憶しておりますが、年6回の草地の管理を行っているというところがございます。先ほど年2回ということを示されました。どっちが多いか少ないかではなく、それほど地元の景観に対してこだわっている気持ちを持っている自治体がいる一方、年2回で十分だと考えられている背景もあるということ、これが市町村との対話に私はつながるのではないかと思っております。なかなか統廃合、では解体してくれと言っても難しい、非常に予算がかかる中でありますが、しっかりと地元の方、自治体の方と話をしていただいて、理解を相互に深め合うということが重要だと考えておりますが、その点の答弁をお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 ただいま委員から御意見をいただきましたとおり、各市町村と少しいろいろと景観的に配慮しなければいけない場所、多少配慮しなくてもいい場所と、それぞれあるのだろうと考えます。したがいまして、その辺は所在市町村と十分意見交換をさせていただいて、可能な限り適切な対応をさせていただきたいと思います。
〇高田一郎委員 私からまず最初に、教職員の体罰の実態と教育委員会の対応についてお聞きいたします。
午前にもこの問題の質疑が交わされましたが、改めて、その間の教職員による体罰の実態、5年間の推移はどうなっているのか、うち部活動での体罰はどうなっているのか、また、体罰が発覚に至った経過、これがどうなっているのか、まず、この現状を示してください。
〇今野参事兼教職員課総括課長 この5年間の体罰の実態、発覚に至った経緯ということでございます。
平成23年度から申し上げさせていただきますが、体罰の処分件数につきましては、平成23年度が4件、平成24年度はございません。平成25年度が10件、平成26年度が3件、平成27年度が3件、平成28年度につきましては、今現在ということでございますが、4件で、計24件でございます。
そのうち、部活動に伴って発生した件数でございますが、平成23年度につきましては2件、平成24年度はございません。平成25年度が5件、平成26年度が2件、平成27年度が2件、平成28年度が3件の計14件でございます。
あわせて、発覚に至った経緯につきましては、平成23年度以降の分につきまして、多かった順に申し上げます。
まず、平成25年度に全国の一斉調査が行われましたが、その調査に伴って発覚したのが7件、2番目が、いわゆる匿名の通報により発覚したのが5件でございます。それから、被害生徒の保護者からの申し出をいただきまして発覚したというのが4件、加害生徒(後刻「被害生徒」と訂正)からの申し出、他の保護者からの通報、同僚等からの指摘ということで、それぞれ2件、その他、加害教諭からの申し出、報道機関の取材を受けて発覚したというのがそれぞれ1件という状況でございます。
〇高田一郎委員 今、答弁がありましたように、この5年間をとってみますと、体罰に対する発覚に至っては、加害教諭からの申し出がわずか1件です。先ほどは中部教育事務所管内の体罰の問題も議論されましたけれども、私も事故報告書を見ました。1年間で体罰を受けた生徒が10人いるにもかかわらず、1年以上たってから、マスコミの情報提供で明らかになりました。平成25年については、大阪市立の高校で起きた体罰を原因とした自殺があって、一斉調査をした。そのアンケート結果でこのぐらいふえたということです。ですから、私は、体罰について、学校現場での隠蔽とか、あるいは被害生徒がなかなか報告できない、学校が把握し切れない環境にあるのではないかと。そしてまた、勝つためには体罰はある程度必要なのだといった意識が、まだ部活動の現場にはあるのではないかと私は思うのですが、その点についてはいかがですか。
〇今野参事兼教職員課総括課長 先日、処分を実施いたしました中部教育事務所管内の体罰の事案について御指摘がございましたが、継続して行われておりましたものがなかなか発覚しなかったという状況にあったことは確かでございます。
そういったことを受けまして、中部教育事務所管内の体罰事案につきまして、先日、15日に懲戒処分を実施しておりますが、その実施にあわせて、先ほども答弁させていただきましたが、全県立学校長あてに通知を発出いたしまして、全ての教職員に対して、体罰禁止の趣旨の徹底と、各学校の状況についての改めての見直しを強く指示したところでございます。管理職、校長、副校長のふだんからのマネジメントの重要性、同僚教職員がそういった事案を認識した場合についての情報の共有といったものを各学校に対して指示したところでございます。
〇高田一郎委員 私は、発覚の実態を踏まえれば、隠蔽とか被害生徒が報告できない学校の環境になっているのではないかとお聞きしたのですが、その点の答弁がなかったのですけれども、いずれ、教師による体罰というのは、先ほども議論があったとおり、やはり人権侵害であって、教育者としては絶対許されない行為だと思うのです。そして、子どもの権利条約、学校教育法からしても、暴力というのは禁止されているわけです。何といいますか、こういう体罰についての基本的な認識が欠けているのではないか。学校現場に対する指導についても一般的な対応に終わっているのではないかと思うのですけれども、改めてこの点についてお聞きしたいと思います。
〇今野参事兼教職員課総括課長 体罰につきましては、委員から御指摘がございましたとおり、学校教育法により明確に禁止されているもので、児童生徒の人権を侵害する行為でございます。児童生徒の心身に深刻な悪影響を及ぼし、教育全体への信頼を失墜させる行為として絶対に許されないものであると認識しているところでございまして、先ほど申し上げました、今般発出した通知によりまして、改めて、体罰が禁止されている趣旨を全教職員に徹底いたしたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 体罰が繰り返されるたびに、学校現場に対するさまざまな通知、あるいはさまざまな研修を行っているというような答弁をずっと繰り返してきましたけれども、かといって体罰が減っているわけではない。
いじめというのはなかなかなくならないというのはわかりますけれども、教師による体罰というのは絶対なくさなければならないし、なくすことができると思っているのです。でも、なかなかなくならない。なぜ、こういうことが岩手県の中で繰り返されてきたのか、本当に真剣に取り組んできたのかどうかということが問われると思うのですが、この点についていかがですか。
〇今野参事兼教職員課総括課長 今、るる申し上げましたとおり、これまで、さまざまな体罰防止の取り組みにもかかわらず、体罰が後を絶っていないということにつきましては、先ほども申し上げましたが、体罰が禁止されている趣旨というものが全ての教職員までは徹底されていないと考えざるを得ないところでございまして、体罰の事案が発生するたびに、その加害教諭に対して聞き取り等も行いますが、そういったところに共通しておりますのが、頭では体罰はいけないことであるということを理解しながらも、心の奥底には浸透していないと申しますか、わかっていながら、そういった行為に走ってしまうということであり、そういう意味で、体罰に対する認識の甘さというものがあろうかと認識しているところでございます。
いずれ、繰り返しになりますが、改めて体罰禁止の趣旨の徹底と、各学校の状況の改めての見直しというものを強く指示してまいりたいと思います。
それから、大変失礼いたしましたが、先ほどの体罰の発覚に至った経緯についてでございますが、間違って申し上げました。改めて申し上げますが、一斉調査により発覚したのが7件、2番目が匿名の通報により発覚いたしましたのが5件でございます。被害生徒の保護者からの申し出が4件、被害生徒からの申し出、他の保護者からの通報、同僚等からの指摘というものがそれぞれ2件、加害教諭からの申し出、報道機関からの取材を受けてというのがそれぞれ1件ということでございます。失礼いたしました。
〇高田一郎委員 今、答弁の中に、体罰に対する認識の甘さがあったという話がありました。やはり指導の厳罰化、体罰では何の問題も解決できないのだということだと思います。
私は、今大事なことは、生徒と先生との信頼関係をどうつくっていくかだと思います。そして、部活動においても、信頼関係の中で、目標を持って、それに向かってお互いに成果を上げるために頑張るということだと思います。行き過ぎた部活動の問題もありますけれども、部活動のあり方、体罰の問題について、生徒や学校現場、保護者と一体となって考えていく、そういう機会をもっとつくっていくべきだと私は思います。この点については、そういうことで対応していただきたいと思います。
次に、子供の学習支援についてお聞きいたします。とりわけ就学援助制度について質問したいと思います。
これは、経済的に生活に困っている生徒に対する支援ということで行われていますけれども、現在の就学援助費を低所得者の方々の実態に合ったものにしていくべきだと思うのですけれども、改めて、県教育委員会として、今、入学準備金を含めた保護者負担というのはどのようになっているのか、どう把握しているのか、この点についてまずお聞きいたします。
〇佐々木学校施設課長 子供の学習支援についてということで、就学援助の御質問がございました。
まず、保護者負担の実態ということでございます。文部科学省が子供の学習費調査というものを隔年でしております。公立小学校に在学している児童1人当たりの年間負担額は全国平均で約32万円という実態があるようでございます。しかしながら、お尋ねのありました入学準備金等を区分した取り扱いがなされていないほか、自治体ごとの状況が公表されておりません。残念ながらお答えできかねますので、御了承いただきたいと思います。
それから、低所得者の実態を踏まえて引き上げるべきではないかというお話でございました。委員御案内のとおり、準要保護者に対する就学支援というのが、各自治体でその裁量に応じて制度をコントロールできるという状況がございます。これについては市町村の単独事業として実施されているものでございまして、各市町村で認定等の基準を定めて運用している実態がございますので、その給付水準につきましては、各市町村において、その市町村内の保護者負担等の実態を的確に把握した上で、適切な水準とする必要があると考えております。
県教育委員会といたしましては、今後におきましても市町村に対して適切な運用が図られるように助言をする、県内各市町村や、必要に応じて他県の状況等を情報提供しながら、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 今お話があったように、就学援助制度というのは市町村の単独事業であります。それはわかっているのですけれども、余りにも低所得者の実態と乖離しているし、県内33市町村を見ても、その支給率や支給内容についてもかなり格差があって、これは実態に合ったものに是正して拡充していかなければならない、義務教育は無償だという見地から充実していかなければならない課題だと思います。
今、就学援助の国の基準単価を調べてみますと、入学準備金について、小学校では2万470円、中学校は2万3、550円なのです。これが本当に実態に合ったものかどうかということを考えるときに、実際、ランドセルを買っただけでも、これをはるかに上回る金額になっています。若いお母さんたちに聞きますと、実態は、国の基準単価の3倍とか、それを超えるような負担になっているということです。これは、市町村事業ですけれども、国の基準単価もあります。入学準備金を含めて、今の就学援助制度を実態に合ったものに変えていくために、国に対してしっかりと財政支援を求めていくべきだと思いますし、県内33市町村の支給額の内容に余りにも格差がありますので、こういった格差を是正していくための県としての指導、援助というものを当然やっていくべきだと思いますが、その点について改めてお聞きしたいと思います。
〇佐々木学校施設課長 各市町村の違いがあるというのは、委員御指摘のとおりでございます。実態に合ったものをというのが、いずれいたしましても、基本的な考え方ということになろうかと思います。今までも取り組みを続けてまいりましたけれども、引き続き、市町村の御意見を聞きながら、必要な助言、情報提供等を続けてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 この点で、もう一つ改善を求めてお願いしたいのは入学準備金についてですけれども、これは、2月、3月に支給することができないのかと。実際は4月以降になっているわけですけれども、全国の自治体の状況を見ると、入学前に支給している自治体もありますし、文部科学省でも、児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう通知も出されております。県ではまだまだそういう状況になってはおりませんけれども、こういった点でしっかりと取り組む必要があるのではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
〇佐々木学校施設課長 入学準備金の前倒し支給ということでございます。委員も御指摘のとおり、入学前の支給というのは現状において行われていないというのが実態でございます。ただ、現在、一部の市町村におきましては、他県に入学時前支給の事例がございますので、そういう状況等につきまして調査、研究を行っているということもお聞きしております。
御提案の趣旨も踏まえて、市町村に対する助言ですとか、他県の事例はインターネット等にも掲載されているようでございますので、そういったことも含めて適切な情報提供をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。
次に、県立高校についてお聞きいたします。
まず、県立花泉高校の教育実践についてお聞きいたします。
昨年から花泉高校は1クラスになりました。この間、私も花泉高校に足を運んでいろいろお聞きしましたけれども、1クラスであっても、クラスを二つに分けて少人数学級を行って、進学にも、就職にも応えられる学校運営に努力しているという現場の学校実践を見て、大変心強く思いました。地元のよさを再発見する地元学、地元の皆さんを講師に招いて地元のよさを学ぶということもやって、花泉高校は地元就職率も非常に高いし、最近、大学に行く生徒もどんどんふえているという実践を見てきました。
県教育委員会として、こういう花泉高校の教育実践についてどのような評価を持っているのか、この点についてお聞きいたします。
〇木村高校改革課長 県立花泉高校についてでございますけれども、委員の御指摘のとおり、平成27年度入学生から1学級募集としているところでございます。
英数IIの科目におきまして習熟度別にクラス編制し指導を行うなど、進学、就職のどちらにも対応できる教育課程で対応しているところでございます。このことから、小規模高校におきまして、生徒の基礎学力の向上と進路目標の実現につながる教育をしているものと捉えているところでございます。
〇高田一郎委員 それで、少人数学級にして大きな成果を上げていると思うのですが、少人数学級にしたからといって、花泉高校では教職員がふえているわけではないのです。教職員の数はふえないけれども、クラスはふえて、授業の数がふえているということで、先生方は大変な思いでやっています。でも、教職員会議の中で、授業はふえても、生徒のために、成長につながるのだということで一生懸命になって頑張っているとのことなのです。ただ、来年は、今の高校3年生が2クラスですけれども、1クラスになるということで、さらに2人減ってしまうという中で、同じようなことを延長するというのはなかなか困難だというお話を聞いてきました。
そこで、県内でも1クラスの学校でさまざまな努力を行っている学校がたくさんあると思うのですけれども、私は、1クラスの高校で頑張っている姿を見て、こういう小規模校にこそ加配などを行って、就職にも進学にも応えられるような学校教育を行っていくためには教員の増というものが当然必要だと思うのですけれども、教育委員会としての小規模校に対する支援策はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇小田島首席経営指導主事兼県立学校人事課長 小規模校への増員についてということでございますけれども、児童生徒の減少に伴う学級数の減少等によって、県全体の教職員定数は減少しているところでございます。小規模校におきましては、高等学校の教員定数を決める公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づいて定数を定めた上で、進学にも就職にも応えられる指導を実現できるように、特に手厚く加配を行っているところでございます。
〇高田一郎委員 私は具体的にお伺いしたのですけれども、例えば花泉高校では、来年、2クラスが1クラスになって、実際は2人の先生が減るわけです。現在、1年生、2年生は少人数学級をやって、先生はふえないけれども、授業はたくさんやらなければならないと。来年減ったら大変だ、この教育がなかなか延長できないという現場のお話を聞きました。そういったところにしっかりと支援を行っていくべきではないかということをお聞きしたので、一般論を聞いたわけではありませんので、具体的にお聞きしたいと思います。
〇小田島首席経営指導主事兼県立学校人事課長 計画的に学級数が減ってきている現状でございまして、当該花泉高校では、教職員が段階的に減ってくることを想定して教育課程を編成してきておるところでございます。ただ、そう言いましても、今、委員御指摘のとおり、2クラスに分けてというような実態もございます。
そういう状況の中で、先ほど申し上げましたとおり、小規模校につきましては手厚く加配を行っているところでございますし、来年度、委員御指摘のとおり、1クラス減に伴う教員定数は2名減るところではございますけれども、確実に加配を実施して、その加配数のあり方につきましては、学校教育目標等の状況を踏まえながら、全県的な視野で検討してまいりたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 小規模校に加配して、ちゃんと支援しているのだというお話がありましたけれども、現場の実態を踏まえれば、1クラスであるけれども、二つに分けて、生徒一人一人にきめ細かな教育を行っていろいろな成果を上げているのだと。それが逆行せざるを得ないというのが現場の声ですから、こういった小さい学校にもしっかりとした支援を行って、学校現場での教育実践が継続できるように行うべきではないかと思いますが、改めて教育長の見解をお聞きしたいと思います。
時間がないので、最後にもう一つ、小規模校の中でいろいろお話しされたのは講師の確保です。県内でも県立高校でたくさんの講師がいると思うのですが、現場で聞いて驚いたのですけれども、これは県教育委員会の採用ではなくて、学校現場で探しているという実態です。小規模校の中でこういったところまで対応するということになると、学校運営に大きな支障を来すのではないかと。誰だか経歴がわからない人を採用しなければならない、この苦労は大変なものだとお聞きしてきました。この点についても県教育委員会の責任で対応していくべきではないかと私は思うのですけれども、その点についてお聞きしたいと思います。
〇高橋教育長 小規模校に対する教員体制の充実という視点での質問だったと思いますけれども、花泉高校については、3月に策定いたしました新たな高校再編計画に基づく学級減ということではなくて、その前年度でございましたので、これも地域の皆さんと、経営資源の制約等の話も含めていろいろ話をさせていただいて、最終的に御理解をいただいたというものでございます。
高校再編の基本的な考え方といたしまして、学ぶ機会の保障と教育の質の保証という二つの視点を十分踏まえた上で対応するということにいたしておりまして、特に花泉高校におきましては、進学、就職ともに、これまでの小規模校においても実績を上げております。今後とも、学校の考える教育を教育委員会として十分に支えていきたいと思っています。
〇小田島首席経営指導主事兼県立学校人事課長 講師の任用についてということでございますので、お答えいたします。
まず、常勤の講師につきましては、県教育委員会におきまして一括して任用候補者を確保しているところでございますが、非常勤講師につきましては、地元の人材を活用することが多いというような理由で、各学校において募集、任用等の手続を行っているところでございます。
特にも、県北あるいは沿岸地区等においては、人材確保に苦労しているという声も多く聞かれておるところでございますので、県教育委員会が管理する人材バンクに登録された講師希望者から適任者の紹介等を引き続き行っていくほか、本務者の兼務による対応も進めているところでございます。
〇中平均副委員長 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇高田一郎委員 常勤の講師については県教育委員会が一括してやるけれども、非常勤については地元の学校を中心にやるというので、これは学校現場の実態を踏まえたものになっていないのではないかと思いますので、教育委員会でも、こういった採用のあり方が本当にいいのか再検討していただきたいということを要望申し上げて、終わります。
〇千田美津子委員 私は、いじめ問題と高校再編問題について、さきの委員からも質疑がありましたから、できるだけ重複しないように質疑いたしますので、よろしくお願いいたします。
昨年度のいじめの件数は、児童生徒問題行動等の調査結果をいただきましたが、小学校が2、302件、前年度が1、031件、中学校が765件、前年度が492件、高校が157件、前年度が162件、特別支援学校が50件、前年度が89件ということでございました。
この数ということではなくて、今、さまざま取り組みをされているわけですが、いじめの早期発見についての取り組み、あるいはそれぞれの学校で取り組まれているわけですが、組織的対応の現状が十分に行われていると考えているのか、その点についてまずお聞きいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの早期発見と学校の組織的対応ということについてでございますが、委員御指摘のとおり、いじめの認知件数につきましては、小学校、中学校においては増加、全体においても増加しているという現状にございます。あわせて、いじめの現在の状況につきましては、解消しているもの及び一定の解消が図られたものを合わせますと98.6%となっておりまして、これも昨年度より2.9ポイント上昇しているという現状でございます。
いじめの認知件数がふえた要因としましては、学校においていじめの早期発見の取り組みの充実が図られたこと、そして、いじめの認知が、初期段階のものも含めまして積極的に行われた結果であろうと肯定的に評価してございます。
また、学校の組織的対応につきましては、平成27年度末に実施しました学校いじめ防止基本方針の取り組み状況に係る調査によりますと、95.3%の学校において、いじめ防止等の対策のための組織の会議が開催されており、このような学校の組織的な対応が図られてきたものと認識しております。
〇千田美津子委員 私は、この数は、答弁があったように、早期発見に頑張っている、初期段階で認知しているということで、これは非常に大事な取り組みだと思いますし、そういう学校の組織的な取り組みが進んでいるということに安心しています。
ただ、いじめの発見のきっかけを見させていただきましたけれども、学校の教職員等が発見したというのが、例えば小学校では1、371件になっているのですけれども、その中で、アンケート調査で発見したのが1、123件ということで、9割近くがアンケートなのです。それが教職員等が発見したと区分されていること自体がちょっとおかしいなと私は思ったのです。早期段階で認知するというのは、アンケート調査であれば、かなりの回数で実施されているということなのかどうか、この点をお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの発見のきっかけとアンケートとの関係でございますが、アンケート調査など学校の取り組みにより発見されたのが全体の35.2%で最も多く、担任もしくは担任以外の者が発見したというのが12.9%ですから、アンケートに比べると、担任、担任以外の教職員が見つけたという数値は低い状況でございます。
ただ、いじめというのは大人の目につきにくい時間、場所、または遊びやふざけ合いを装って行われたりするということもございますし、大人が気づきにくくて判断しにくいという形で行われることが多い状況にもございます。よって、学校が実施するアンケート調査というのは、いじめを発見する上では非常に有効な手だてであると認識しておりますし、このアンケート調査による発見が最も多くなっている要因と認識しております。
そのアンケート調査の頻度につきましてですけれども、年に2回から3回、おおよそ学期に1遍行われている学校が全体で72.3%ございます。また、それ以上、年4回以上というのが全体で23.6%、合わせまして96%ぐらいの学校が、学期に1遍以上のアンケートを実施して、いじめの早期発見に努めているところでございます。
〇千田美津子委員 アンケートが有効な手だてというのは、それはそれでいいと思います。それを年1回やるのも大変だと思いますけれども、2回、3回、あるいは年4回実施してきたという点では、ことしの予算特別委員会のときにも、かなりの頻度でやるようにしたいという答弁があって、それが現実にやられているということに、本当に頑張っているなと思います。
ただ、重大事件の発生件数が、いろいろ見ますと、17件あったようなのですけれども、それらの重大事件がどのように解決されてきたのか。まず早期発見と、今度は解決、その点についてお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの重大事態にかかわる対処ということについてでございますけれども、平成27年度に発生しましたいじめ重大事態は確かに17件ございます。例えば命、財産等にかかわる1号に該当する事案というのが2件、いわゆる不登校に係る2号に該当する事案が14件、両方に該当するものが1件、合計17件でございます。
平成27年度の問題行動等調査、当該校における聞き取りによりますと、17件のうち16件につきましては学校調査等が終了しておりまして、学校は保護者に対しての説明責任を果たして、適切に対処されたと認識しております。
〇千田美津子委員 1号については大変な事態ということで、ただ、16件については適切に対処されているということで、それはそれでわかりました。
各学校でいじめ防止基本方針が策定されて、解決率も高いのでいいのかと思いますが、それの取り組み状況の定期的点検がどう行われているか。ほとんど頑張っているのかと思いますけれども、この点検が一つは大事になってくると思うので、その状況についてお聞きします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 学校のいじめ防止基本方針の取り組み状況の定期的な点検ということについてでございますが、県教育委員会におきましては、昨年7月末時点で緊急調査を実施しております。その緊急調査後におきまして、取り組みの不十分な点につきまして、それぞれ改善を働きかけてまいりました。平成27年度末になりますが、この追跡調査を次に実施しております。その結果を検証しましたところ、緊急調査と共通した質問の20項目全てにおいて改善が認められたという結果になっております。
これらの調査によりまして、学校におきますいじめ防止基本方針は指導体制も整備されてきたと認識しておりますし、今後は、やっている、やっていないというものではなくて、もう少し内容等も検討して、調査をしてまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 指導体制ができてきたという点ではいいかと思うのですが、先ほどの先生方がいじめを発見する率なのですが、実は、アンケートをかなり実施されて、高くはなっていると思うのですけれども、全国では66%が先生方が直接発見しているという数字があるのです。私は、先生方が頑張っているのはそのとおりだと思うのですが、なぜこういうことになるのか。総数におけるその数の違いとか、そういうものもあるとは思うのですけれども、この原因は何だと思いますか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの発見のきっかけという部分につきまして、学校の先生方の認知の部分のパーセントということでございますが、先ほどの基本方針の調査にもありますように、いじめの認知等にかかわっては、学校の理解は進んでいる状況でございます。そして、アンケートの実施回数が、少なくとも年に2回から3回以上行われている学校が、ほぼ100%に近い学校がある。つまりアンケートの回数が非常に多くなっていますので、その部分も含めますと、学校の先生方プラスアンケートといった場合、アンケートの割合が多くなっているのではないかと推察いたします。
〇千田美津子委員 アンケートの頻度を高めていただいて、早期発見につなげるというのは、これからもぜひやっていただきたいと思います。
ただ、私は、矢巾町の現状をお聞きしまして、自殺の件数があった、なかったにかかわらず、大変大事なことだと思ったのが、生徒指導個別カードを活用して、担任以外にもほかの先生方も見られるようにする、小学校から中学校にもそれが継続される、町の教育委員会に2人のいじめ相談員を配置しているとか、本当にきめ細かな対応がされています。今お聞きした点では、かなりの努力をされて早期発見につながっているというのは、それはそれでいいのですけれども、時間の経過によって、その感度が鈍くなってくるというのがすごく指摘されていますので、矢巾町とか滝沢市の例を絶対出さないためにも、私は、矢巾町のような取り組みもまねながらやっていく必要があるのではないかと思います。
いじめの最後、もう一つなのですが、きょうも、人の気持ちがわかる人間になりたいと思っている生徒の割合とか、いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う子供の割合についてお話がありました。
私は、そのことを踏まえて、岩手県において、いじめだけではない子供の権利に関する教育がもっと徹底される必要があるのではないかと思います。新たな道徳教育がなされるということもそのとおりなのですけれども、権利条約に沿った子供の権利、自分のやりたいこともそうだけれども、相手を思いやるという教育をもっと重要視すべきではないかと私は考えますので、その点をお伺いいたします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 子供の内面的な部分への働きかけについてでありますが、学校において、いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う児童生徒の割合というのは伸びてきておりますので、この部分の考え方は浸透してきているとは思っております。
あわせて、子供たちの心を育むという部分の教育におきましては、子どもの権利条約はもちろんでございますが、国におきましては、まず道徳を中心に据えて、喫緊におきましては、道徳の指導方法の部分で、いじめの部分にかかわる指導資料を国で作成するという情報もございます。よって、この道徳の部分も含めまして、加えて、子供たち同士のきずなづくりという観点で言いますと、児童会、生徒会活動をより一層育んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、高校再編についてお伺いいたします。
先ほども関連質疑がありました。平成27年度に再編方針が出されたわけですけれども、今年度の入学状況を踏まえて、この3月までにつくられた再編計画について、どう判断されているのか。やはり正しいと判断されているのかどうか、その点をお伺いいたします。
〇木村高校改革課長 まず、平成28年度の入学状況についてでございますが、県立高校全日制の入学者数は、募集定員1万200人に対しまして合格者8、989人ということで、およそ30学級分に相当する1、211人の欠員が生じているところでございます。
そして、新たな県立高等学校再編計画を本年3月29日に策定したところでございますが、本県の高校への入学者数の減少が見込まれる中で、望ましい学校規模の確保による教育の質の保証と、本県の地理的条件を踏まえた教育の機会の保障を大きな柱として策定したものでございます。
この再編計画を着実に実施していくことが、子供たちにとってよりよい教育環境を整備していくために重要なものと考えております。
〇千田美津子委員 この計画を着実に実施することが望ましいという答弁だったわけですが、そうしますと、高校再編を進めるに当たって地域での説明会を何回か繰り返してこられたわけですけれども、計画を策定しても、地域の理解を得られるように取り組んでいくというのが、この間の教育委員会の方針だったわけですが、そういう理解を深める話し合いなどはどの程度開催されてきたのかお聞きいたします。
〇木村高校改革課長 再編計画に係ります地域との話し合いについてでございます。
策定後、4月から6月にかけまして、県内全市町村の教育委員会、全公立高校を訪問し、再編計画の今後の進め方についての意見交換を行ってきたところでございます。また、小中学校の保護者で構成されます県PTA連合会からの要請によりまして、7月には高校再編をテーマとした説明を、約400人のPTAを対象に行ったところでございます。それぞれの地域にはさまざまな思いはあるものの、今般の計画に対しては、総体的に一定の理解をいただいていると認識しております。
現在、統合形態も含めました今後の高校のあり方、あるいは具体的な学科改編、コース見直しのあり方、地域と高校の連携などにつきまして、市町村や学校関係者等と意見交換を行っているところでございます。
〇千田美津子委員 今年度に入って、全市町村、全教育委員会、県PTA連合会等々との話し合いを進めてきたという点はよかったと思うのですけれども、先ほど、高田一郎委員がお話ししたように、地域に、特徴的で、しかも本当に有意義な活動をしている高校がすごくあるのです。そういった点では、機械的な作業ではなくて、地域との話し合いはもっと深めていただくということが必要でないかと私は思いますので、その点を教育長に最後にお伺いして、終わります。
〇高橋教育長 新たな高校再編計画の策定に当たりましては、地域検討会議などさまざまな機会を通じて、県民の皆さんとの意見交換をさせていただいたというような経緯がございます。
そしてまた、計画策定後においても、学科の改編、学校統合、学科のあり方等について、それぞれ対象市町村の地域の皆様とまた話し合いを進めていくというようなお約束をいたしておりますので、その経緯等を十分踏まえて、丁寧に対応していきたいと考えております。
〇中平均副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時50分 休 憩
午後3時12分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 私からは、まず初めに、県立野外活動センターについてお伺いいたします。
平成27年度に、災害復旧基本構想計画が策定されておりますが、これまでの取り組み状況、それから現在の検討状況についてまずお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県立野外活動センターの現在の検討状況についてでございますが、今年度においては、野外活動センターの移転復旧に係る基本構想計画の策定に向けて、教育委員会内で検討委員会を開催し、基本方針や導入施設などを検討したところであります。
検討に当たりましては、被災前の利用状況や陸前高田市における体育施設の整備及び計画を含む復興状況、また、将来の施設利用の見込み等を考慮するとともに、地元の陸前高田市と意見交換を行うなどしながら進めてまいりました。
〇臼澤勉委員 この野外活動センターは、陸前高田市の復興計画でも重点事業として位置づけられておりましたし、発災直後、当時の菅野教育長が、いち早く、岩手県の海洋型のスポーツレクリエーション施設を整備するという表明を当時していただきました。すごく地元も勇気づけられ、そして、一日も早く活動施設が再建、復興するようにということで、地元でも期待していた施設でございます。
今も御説明ありましたとおり、今年度、いよいよ事業用地、用地設計の測量といいますか、設計の説明会等も近々現地のほうで進められると伺ってございます。また、今現在、広田半島では、県土整備部でも道路整備事業とか関連復興事業が進められておりまして、各事業からも残土とかいろいろ出るかと思います。各部局との調整をしていただきながら、事業費のコスト縮減も図りながら進めていただければと思いますし、各部局が連携していただいて、例えば用地につきましても、いろいろと県土整備部の用地担当であり、沿岸広域振興局の土木部等も連携して進めていただければと思いますが、そこら辺の県内部あるいは市との調整状況を踏まえて、今後の対応についてお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今後の対応についてでございますけれども、陸前高田市とは、用地の確保や用地のかさ上げに伴う土砂の仮置き場の確保、応急仮設住宅の移転スケジュール等についても協議を行ってきたところであり、かさ上げに必要となる土砂の確保については、県大船渡土木センターと調整を行っております。現在も検討委員会において検討した内容を陸前高田市に情報提供の上、十分に協議しながら調整を図っており、今後は、県内部の連携を深めまして、導入施設の概略規模等を踏まえまして、用地造成に係る予備設計を行っていくところでございます。
〇臼澤勉委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
次に、長期入院者の小・中・高校生の学習指導についてお伺いいたします。
先日、不登校児童を対象にしました教育機会確保法案が衆議院の文部科学委員会で可決されたというニュースもお伺いしてございます。私もこれまで不登校や発達障がい児生徒への教育支援についてもお伺いしてきておりますが、今回は、長期入院されている小・中・高校生の教育支援についてまずお伺いしたいと思います。
数年前に文部科学省で実態調査が行われてございますが、この長期入院されている子供たちへの現状と学習指導の実態がどうなっているのか、今後の対応についてお伺いしたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 長期入院の児童生徒の現状と実態についてでありますが、今お話にありました、文部科学省が、平成25年度において実施しました、長期入院児童生徒に対する教育支援に関する実態調査によりますと、全国で病気やけがにより年間延べ30課業日以上の長期入院した児童生徒数は延べ6、300人で、うち約半数の児童生徒は、在籍校による学習指導が行われていない結果となっております。本県においては、長期入院した児童生徒数が67名で、40の在籍校で学習指導が行われていない状況でございました。全国調査では、治療に専念するためや病院からの指示、感染症対策のほか、指導教員、時間の確保が難しいことや、病院が遠方であることなどが主な理由とされております。本県においても同様ですが、特に本人の病状から、病院からの指示を優先し治療に専念することを最優先としたという理由が多く挙げられております。
〇臼澤勉委員 私も先般、ある精神科病院を訪れまして、そこで長期に治療されている子供たちがおりましたが、そこへの学習指導の状況についてもちょっとお話をお伺いしてまいりました。治療に専念するという理由であれば、例えば病院が遠方にあるとか、あるいは指導教員が時間の確保が難しくて、なかなか通学指導というか訪問教育みたいなことが受けられないということは、義務教育課程においては特に何らかの支援というものをすべきかと私は考えます。ぜひ、そういったところの支援を、今、多くはない現状ではありますけれども、ぜひ、そういったところにも光を当ててサポートをしていただければと思いますが、教育長のそこら辺の御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋教育長 長期入院をしている子供たちに対して、教育の機会を提供していくというのは極めて大事な視点だと思っています。ただ、先ほど申し上げましたように、治療に専念するというようなこともありまして、専門医でありますとか保護者の意向等にも十分配慮した対応が求められているというように思っています。
それで、教育の機会をぜひとも受けたいという子供たちに対しましては、病弱の特別支援学校のほうに、在籍がえして、そこから専門教員を派遣するという、病院内での分教室等も設置しておりますし、それから在籍校をかわらない場合でも、特別支援学校との連携等によって、できる限りその保護者、生徒の意向を踏まえて適切に対応していくことが求められると思っておりますので、そのように努力していきたいと思っています。
〇臼澤勉委員 ぜひ、そこら辺につきましても御配慮いただければと思います。
なぜそのようなことを聞くかというと、県民計画の実施状況報告書の112ページの特別支援教育の充実というところにも、達成度の部分においても、D評価が多く散見される部分もございますので、今回は長期入院の実態のところを少しお伺いいたしましたが、こういった特別支援教育につきましても、引き続き、お互いに高めていただきながら、基本的には合理的な教育の配慮、必要な支援を必要なだけ提供していくという配慮をして進めていただければと思います。
次に、岩手国体に絡めて、スーパーキッズを含めた対応についてお伺いいたします。
先般も新聞報道等にも出ておりましたが、今回の大会の成功の一つには、早い段階からスーパーキッズの発掘、育成の取り組みをされてきておりました。私もいろいろと子供たちを見ている中で、今回早い段階から種目変更したり、専門的なトレーニングをして岩手大学の体育館とかでも指導されたり、あるいは講習会などをやってさまざまな活動がされてきておりましたが、まず、これまでのスーパーキッズ発掘の取り組みの成果なり、総括についてお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 スーパーキッズの取り組み、成果でございますけれども、まず、希望郷いわて国体での成果につきましては、いわてスーパーキッズの修了生徒22名が出場し、自転車競技、スケート競技などで入賞者10名を輩出し、岩手県勢の天皇杯順位第2位という成績に貢献してくれました。また、ここ数年は、国際大会に出場する修了生も出ており、スキージャンプのワールドカップ出場を初め、陸上競技やバレーボール、ハンドボール競技などにおいて、年代別の日本代表として大会に参加している修了生も出ております。
〇臼澤勉委員 野球とか団体競技をやっている子供たちが多い中で、早い段階から種目変更とか、あるいはボクシングであったりスケートであったり、あらゆるスポーツに触れて、また体験していくという取り組みは非常に意義あることだと私も見ておりました。そういった中で、個々の持っている能力を高めていくためには、根性論とかそういった部分ではなくて、科学的なトレーニングであったり、栄養指導とかが重要でございます。これまでもそういったところは取り組まれておりましたし、今回、スポーツ医・科学サポート体制が構築されて全面的に支援してきたといったところも、大きな成功の要因であると認識しております。
さらには、メンタルトレーニングについても、特に幼少期とか小・中・高、これから能力を高めていく上では、こういったところの指導というのもすごく意義あることだと思ってございますが、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 今後の取り組みについてでございますけれども、現在、スポーツ医・科学理論に基づくサポートなど、事業内容の一層の充実を図っているところでございます。その中では、強化選手のトレーニングや心理サポートなどを実施し、競技力向上に取り組んでおりますし、具体的には、選手を対象としたカウンセリング、それからメンタルサポートなどを実施するほか、栄養士による講習会なども実施しているところでございます。この中で、現在、また国との一体的なジュニア育成にも取り組んでいるところであり、国が進める新たなタレント発掘・育成事業と有機的に結びつけながら、岩手から日本、世界で活躍するトップアスリートの輩出を目指してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、今後もそういった有望な選手の育成に力を入れていただきたいと思います。ある特定の選手に限らず、広く小・中・高生に機会を与えるような場みたいなところも、育成の裾野を広げるような取り組みについても、今後、御検討していただければと思います。
育成をする上で、私は指導者育成のここのポイントをぜひお伺いしたいと思います。スポーツに携わる指導者の育成というのが、私は極めて重要なポイントになろうかと思います。先ほど来、少し体罰の絡みでいろいろな議論はありましたが、まず基本的に、指導者育成の現状と課題をどう捉えていらっしゃるのかお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 国体に向けた指導者育成についてでございますけれども、希望郷いわて国体に向けては、これまで、監督、コーチなど40競技、370名の指導者を指定し、選手強化に取り組んできたところでございます。
これらの指導者の育成に当たっては、日本を代表するトップコーチを招聘して研修会を行う指導者スキルアップ事業や、中央競技団体が開催する講習会や指導者を派遣するコーチ派遣事業などを通じ、指導技術の習得と向上を図ったところでございます。これらの事業を通しまして、岩手の指導者がよりレベルアップして、全国トップの選手を育てていくという形に今後つなげていければと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、指導者のスキルアップを高めていただきながら、学校現場でのスポーツ指導であったり、部活動指導のほうにも、さらにそういった能力を高めていっていただきたいと思います。
私もスポーツを通じて育てていただいた一人の人間として、これまでの経験の中では、恐怖による指導というか、そういった部分では、自分の持っている主体的な能力というのもなかなか伸びない面はあるのかなと私は印象を持っております。心理学の世界でもリスクコミュニケーションの部分でも、恐怖心で、これをやると罰があるとか、そういう印象で、やらされ感の練習ではなかなか伸びないのかなと思ってございます。スポーツはやっぱり明るく爽やかに、そして気持ちがいいものだと私は思いますし、そこら辺の基本的なところをしっかりと、当然持っているとは思いますけれども、改めて確認していただきながら、個々のスポーツを通じた人間育成、スポーツ競技人口を伸ばすという部分的なことではなくて、知、徳、体の人間教育の上でも重要なポイントになってくると思いますので、今後、国体を契機として、ぜひ、こういったスポーツに携わる指導者の育成についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
最後に、県営運動施設の維持管理の状況についてお伺いいたします。
大会期間中、運動公園とかも歩いてみたのですけれども、私が小・中・高と育ったあそこの運動公園陸上競技場、大分傷んできたかなという印象を持ってございます。いろいろとこれまでも議論があったのも重々承知してございますが、まず、今の維持管理の状況についてお伺いいたします。
〇八木首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 県営運動施設についてでありますけれども、委員御案内のとおり、昭和45年の岩手国体の時期を中心に整備された県営施設でございまして、全体的に老朽化していることから、現在、これまで安全対策の実施や定期点検を行いつつ、財政面等も考慮しながら、計画的な維持、修繕に努めているところでございます。
〇臼澤勉委員 あの施設はちょうど50年近くたつんでございますが、今後どのようにするお考えか。議会の中でも震災後、いろんな議論があったことは私も重々承知してございますが、50年もたちます。今回は、それぞれ各市町村の施設を有効活用しながらやっていくということについては私も賛成いたしますし、そのとおりだと思います。今回、国体が終わりまして、今後の未来に向かって岩手県からスポーツを通じたふるさとづくりを進めていく上で、県が所有しているあの施設をどういうふうに考えていくのかというのは、今後いろいろとさまざまな御議論があろうかと思います。
きょうは決算特別委員会でございますので、あえてそこについては余り触れないで、ここぐらいにしたいとは思いますが、ただ、一方で、未来を見据えたときに、森林王国である岩手県であり、環境王国とうたわれた岩手でもございます。例えば木造づくりの屋内施設みたいな部分も含めて、今後、県営体育館も含めてどう考えていくのかというようなところは大きな課題であり、今後、未来に向けて目に見える形のレガシーみたいなものも検討していくことが必要になってくる部分もあろうかと思います。財政難ではございますが、いろいろとさまざまな知恵を使いながら検討する必要があろうかと思います。教育長、何か御所見があればお伺いして終わります。
〇高橋教育長 県営体育施設の総合的なあり方につきましては、今年度、来年度と2カ年の期間で一定の方向づけをしたいということで、これまでも議会の場でお答えさせていただいてきているところでございます。
今、委員からお話がございましたように、財政的な制約があるということも事実でございますし、一方では、岩手インターハイの際に、県が支援しながら市町村の体育施設を整備したというようなこともございます。それから、あわせて、老朽化がどんどん進んでいるという中で、さまざまな面を、具体的な課題等、また、東日本大震災津波で凍結されたドーム施設のあり方等についても、今後、具体的な検討を進める必要があるというように思っていまして、全体的なあり方を検討していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 それでは、沿岸県北の県立高校におけるいじめによる不登校という重大事態について、保護者からも相談がありましたので質問したいと思います。
このいじめによる不登校事件でありますが、いつから、なぜ不登校に陥ったのか、確認されたいじめの実態を示していただきたい。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今ありましたいじめの実態についてでございますけれども、本事案につきましては、平成26年4月23日、当時2年生でありました被害生徒のロッカーの扉が外されるということが起こりまして、当該生徒は、その翌日から不登校になったという事案でございます。
このことにつきまして学校で調査をした結果、被害生徒は、1年生のときから複数の同級生に日常的にたたかれる等の行為や、被害生徒の所有物等に対してのいたずらがなされるといった行為を受けているということが判明しており、個々それぞれが、被害生徒に対していじめ行為を行っていたということでございます。
被害生徒が不登校に陥った要因としましては、これらのいじめがきっかけになったものと捉えてございます。
〇斉藤信委員 これは、平成26年4月23日の事件を契機に翌日から不登校になったのだけれども、これは今でも未解決なのです。なぜ未解決になったのか。学校の対応が極めて問題で、このいじめそして暴力について早期発見ができなかった。そして、事故報告書を出したけれども、3回にわたって保護者の訴えに基づいて修正せざるを得なかったという中身でありました。
学校の対応がなぜこういう形になったのか、学校の対応の問題点は何か、具体的に示してください。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 学校の対応の問題点についてでございますけれども、被害生徒が登校できる環境を整えることができなかったことが、不登校の継続した要因と捉えてございます。
被害生徒は、当該校を卒業することを希望しておりまして、それを受けて、当該校は、保護者に本人の意思確認をしてもらった上で、具体的なカリキュラムを提示しまして、課題を提供するなど、学校復帰に向けて取り組みました。当該生徒は登校するには至りませんでしたが、本年、当該校を卒業してございます。
また、学校の初期対応としましては、いじめの通報と調査の依頼を受けながら、学校がいじめを十分に認知できず、加えて、迅速な調査が行われなかったということ。それから、保護者から事実の解明のための調査を依頼されたにもかかわらず、学校が事実解明をできたものとしてその対応について時間を要したこと、そして、保護者に説明のため家庭訪問に学校が伺ったわけですが、その説明の中に、推量を含む報告があった等、学校への保護者の信頼を損なったということにかかわって問題があったと認識してございます。
〇斉藤信委員 本当に極めて重大でありました。実は4月23日にロッカーを倒される、水を入れられるという事件があったのだけれども、翌日から不登校になって、5月2日に、担任と2人の生徒指導担当ですか、家庭訪問をしているのです。そのときに生徒は、泣きながら、たたかれていると、暴力を受けていると訴えたにもかかわらず、これをいじめとして認知せず放置したのが一番の問題でした。そのことを本当に深く反省しているのでしょうか。そして、いじめによる不登校というのは、その時点でも重大事態になりかねない事件ですよね。学校は、いつ、どの時点でいじめとしてこれを認知したのか。いじめとして認知して、どういう調査をしたのか、保護者にはきちんと伝えたのか示してください。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 学校がいじめの重大事態と認知しましたのは、平成26年6月4日、当方に連絡がございまして、いじめ重大事態の疑いありとして調査を実施するよう指示をしたところでございます。この件にかかわりまして、通算ですが、調査とすれば6回ほど行っておりまして、その結果につきましては、平成27年11月30日の報告に記載されてございます。
〇斉藤信委員 6月4日に、いじめの重大事態の疑いありとされた。しかし、その前に、5月20日、21日です、船員で海外に行っていたお父さんが心配をして、1時間半にわたって電話をかけたが、その電話、通告があっても、いじめとして受けとめていなかったのではないですか。何でそういうことが起こるのですか。いじめの法律ができて、県がいじめの基本方針を出しての後ですよ、この問題は。何でこういうことになるのですか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 おっしゃるとおりでございます。当該校については、5月20日、21日、両日にかかわりまして、保護者の方から、長時間にわたりまして、このようなことがあるという訴えを聞いてございます。その中で、学校とすれば、その部分につきましては、当該生徒同士のじゃれ合いという認識でございまして、いじめという認知がそこでされなかった。その部分につきまして、先ほど申し上げた6月4日のところで当方にありましたので、これは認知の部分につきましては異なるということをお示しし、重大事態として調査を実施するように指示をしたというところでございます。
〇斉藤信委員 県教育委員会は、6月4日に学校からの通報を受けて、いじめ重大事態の疑いがありと、こう指導したとのことですが、それ以前に報告はなかったということですか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 当方の記録によりますと、それ以前に学校からの報告は受けてはございません。
〇斉藤信委員 5月2日に、生徒が泣きながらいじめを訴えて、暴力を訴えて、しかし、それをいじめとして、暴力として受けとめられずに放置をしてきた、これがこの問題を解決できない深刻な事態に陥った最大の問題だと私は思います。教育長もそう受けとめていますか。
〇高橋教育長 今まで生徒指導課長のほうからお話をいたしておりますとおり、初動の対応に大きな問題があったと捉えております。そういう中で、初動にすぐ動いて、解決の方向、保護者の方と学校側が十分に話をしていればまた違う展開もあったかと、我々自身反省しておりますけれども、この保護者と学校側で意思疎通を最初の段階で欠いたということが、この課題解決を難しくしたと、我々はそういう考えを持っております。
〇斉藤信委員 教育長、それは全然違いますよ。生徒が泣きながら、いじめ、暴力を訴えたにもかかわらず、学校がそれを受けとめなかったということが一番の問題なのですよ。意思疎通の問題じゃないのですよ。今の答弁、そんな答弁じゃだめだ。あなた方が決めた学校のいじめ対策方針にも反する答弁ですよ。そうじゃないでしょう。意思疎通じゃないでしょう。いじめの訴えを受けとめられなかった、学校の対応が一番の問題だったのでしょう。保護者からも訴えがあったのでしょう。それも無視したじゃないですか。二重に無視しているのですよ。もう一度答弁してください。
〇高橋教育長 私が意思疎通を欠いたと申し上げましたのは、ただいま御指摘いただいたように、保護者それから生徒の思いを酌むことができなかったということで先ほど申し上げましたので、御了解いただきたいと思います。
〇軽石義則委員長 斉藤委員、当該委員でありますので、できるだけ簡潔に発言を願います。
〇斉藤信委員 極めて重大なことなので、私は、県教育委員会の対応もまずかったと思うのです。6月4日にいじめ重大事態の疑いありと言いながら、県教育委員会にもこの保護者は再調査の訴えをしました。そしたら県教育委員会は何と対応をしたか。生徒本人の訴えでなければ対応できないと、再調査しないと、こう対応したのですよ。再調査はいつになりましたか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 当該の保護者から当方が受けましたのは、平成27年2月13日に詳細調査の依頼を受けてございます。その後、同年2月25日に当該保護者と県教育委員会が面談をしまして、そして2月28日に詳細調査をして、第1回目として教職員へのアンケート等を実施し、この部分につきまして、調査結果を平成27年4月2日に取りまとめているところでございました。
〇斉藤信委員 私が今指摘したことについて答えなかったけれども、生徒本人でなければ対応しないと、こういうふうに対応したのは事実ですね。大体ね、いじめで不登校になっている生徒の訴えしか聞かなかったら、何も聞かないということじゃないですか。学校の先生にも会えないで、不登校に陥っているんだから、代弁するのは保護者しかないじゃないですか。そんな対応したこと自体に問題を感じませんか。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 この前のところまででありますけれども、委員おっしゃるとおり、当該生徒と学校の職員というのは、面談をできていない状況にございました。ただ、一つ申し添えますと、平成26年7月22日から24日につきましては、当該校で体育祭がございまして、その3日間については、当該生徒は出席をしておる状況でございました。その後、ずっと休みの状況に入ってございます。
県教育委員会のほうで、当該生徒の訴えということを言ったかどうかという部分につきましてなんですが、保護者からの再調査の依頼もありました。そこで、加えて、その当該生徒からも事情を聞けるのであれば、その部分の訴えをお聞きして、あわせてやりたいという意図でお話ししたものと捉えてございます。
〇斉藤信委員 今、7月22日から24日、体育祭があってそのときに登校したのですが、このときに、ある生徒から胸ぐらをつかまれて、なぜおまえが学校に来たんだと、こういう暴力まで受けているのですよ。ますます来られなくなってしまった。私は学校がそして県教育委員会が、みずから決めたいじめ対策方針、法律でいけばいじめ防止対策推進法、これに基づいてなぜ早期発見ができなかったのか、そして徹底した調査ができなかったのか。徹底した調査ができなかったから、保護者から何度も問題を指摘されて、3回も事故報告書を書き直すようなことになっているわけでしょう。信頼関係を失っているわけですよ。私は本当に真摯に、早期発見と、そしていじめの訴えがあったら徹底した調査をすると、事実の解明が問題解決の一歩なのですよ。私は、二重に学校、県教育委員会の対応がまずかったと、問題があったと思いますが、教育長、この点について、学校、教育委員会の責任、そして保護者、本人に対する謝罪、私は、それだけでは足りない、償いもしなければだめだと思うけれども、いかがですか。
〇高橋教育長 これまで、保護者の方と教育委員会、それから学校の間で、いろいろな話し合いを続けてまいりました。その中で、この保護者の意向等を十分に踏まえた初動ができなかったというのは、今回の大きな反省点だと思っております。そういうことで、これからの話し合い等を求められるという機会があると思いますので、その辺は丁寧に対応してまいりますけれども、当該生徒が既に卒業したということもありまして、なかなか直接的な話をお聞きできないということもございます。いずれ、この問題については、我々の対応といたしましても反省すべき点があったというように思っておりまして、これを今後十分に生かしていきたいと思いますし、それからまた、保護者からもさまざまな御意見をお伺いしながら対応していきたいと思っています。
〇工藤大輔委員 今の斉藤信委員の質問に関連をして質問したいと思いますが、先ほど、教育長からもまた菊池生徒指導課長からも初動の問題があったということで、私もまさにそのとおりだったなと思います。ただ、決して初動だけではなくて、やっと久しぶりに学校に行こうかと気持ちが前に向いたときに、今斉藤信委員からもあったように、胸ぐらをつかまれたと、何しに来たんだということを言う生徒がいたということは、学校の中で起きているいじめという大きな課題について、学校全体として共有していなかった、問題意識が低かったのではないか。1人の生徒がやっと前に向いたときに、全校を挙げてでも、よく来てくれたと、もう一回学校で学ぼうと、学び直そうというような気持ちがあれば、そういう指導ができていれば、その対象者となっている子供も学校に行けたかもしれない。しかしながら、それらが全く共有されていなかったということにおいても、初動だけの責任ではないような思いを持っています。当時、どのように学校を指導されていたのか、どのような形で先生方がその問題を共有し対処していたのか、改めてお伺いします。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 今、委員御指摘のように、初動のみではないというのは、そのとおりと認識してございます。例えば、いじめの認知にかかわること、調査の方法または記録、そして情報共有、または保護者への情報提供とか説明責任のあり方という部分、さまざまな課題があったと捉えてございます。
学校の対応としましては、初動の部分につきましてはいじめと認知しなかったこと、それが最大の部分だと思います。その後、調査はするのですけれども、計6回の調査をしてございますが、保護者からの要望等を勘案した形の調査、つまり、学校としての主体的な部分というのがなかなか見えなかったことがございますし、それにかかわっての県教育委員会としての指導、支援というのが不足してあったという部分は否めないところと思ってございます。
この部分を踏まえまして、当該校におきましては、再発防止について考えておりまして、職員研修等によりまして、いじめの定義、基本方針に基づく対応の共通理解を図って、年4回のアンケートを実施するなど情報共有に努め、組織的な対応をすると。加えまして、子供たちに対しても、生徒会活動を通じまして、標語コンクールを学期ごとに実施して、いじめをテーマにした優秀作品を校内掲示するなど、子供たちも含めて、そのいじめに対しての認知の部分を高めてまいっているという状況でございます。
〇工藤大輔委員 まさにきょうの午前中でも、行き過ぎた指導であったり、また、いじめの問題とか、多く議論されたところであります。そういった中、かかわった先生の、当時、調査のときに話していた内容、そして、その後の話す内容とかにやっぱり差が出てくるということは、当時は全く知らなかったり、他の事例も挙げればそうなんですが、調査した段階では、はっきり何もなかった、あとはわからなかったと言っていながら、そのことが1年、2年たった後には、実際にこうだった、ああだったと。そしてまた、父兄等が持っているテープレコーダー等に録音された内容を提示されれば、今度は、全くその内容を変えて、事実関係はこうであったということを認めざるを得ないというような後手に回るような形であっては、最初の調査が何だったのか、また、県教育委員会の調査が何なのかという、全くもって信頼性に欠ける調査しかやっていないということにしかない。それは組織として大きな問題でもあると思います。その改善に向けて、今後どのような対応をとっていくのかということと、また、当該にかかわった先生、指導が足りなかった先生等へはどういった処分等がなされたのか。そして最後に、今現在において、その家族、子供、あとは県教育委員会の今後解決に向けた取り組みがどのように進んでいるのか、お伺いしたいと思います。
〇菊池首席指導主事兼生徒指導課長 3点ございましたが、まず改善に向けてということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、学校におきましては、本事案を受けまして検証し直し、再発防止に努めてございますし、県教育委員会といたしましては、この事案も含め、いじめにかかわる部分の研修、具体的に言いますといじめの認知、情報共有、組織的な対応というのが全県的にも課題でありましたので、その部分にかかわっての研修、各会議等での周知等に努めてまいってきたところでございます。
それから、現在、お子さん、家族につきましては個人的な部分になってきますので、ここにおいては差し控えさせていただきたいと思います。
先生への処分ということでございますが、事実確認等の部分で誤認があったというのは承知してございますので、その部分にかかわっての当該校内での指導については行われたと承知してございます。
〇工藤大輔委員 一人の子供が学校に来られなくなった、その後の人生において大きな損失を被った。そしてまた、当時、順調に高校を卒業していれば、次のまた学びの機会であったり次の人生があったわけですが、そこからなかなか立ち直れないでいるということの現実をやはり重く受けとめるべきだと思います。そしてまた、先生方にとっては、長い教員人生の1年、2年なのかもしれませんが、その子においては一生にかかわる大きな傷です。そのことも踏まえて、しっかりと処分等もしていかなければこういう問題はなかなか解決しないし、また、先生方も細かく見つけることができないのではないかと思います。
いずれ、子供のためを思う学校現場でこのようなことが再発しないようにしっかりと取り組んでいただきますよう、再度、教育長から答弁をもらって質問を終えます。
〇高橋教育長 今回のこの事案につきましては、教職員の見えない部分でこの事件が起きたという中で、その事実関係を確認するまでに相当の時間を要した、初動対応に大きな課題があったということでございますし、その後の対応についても、後手後手に回ったというようなことについては、我々十分反省すべきだと思っております。
そして、具体的な処分につきましては、これについては今後、この問題がまだ解決しておりませんので、その状況等を見きわめた上で、処分のあり方等についてもどういう対応が必要なのか、それは改めて検討させていただきたいと思います。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
教育委員会の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇菅原企業局長 平成27年度の企業局関係の決算等について御説明を申し上げます。
初めに、企業局の事業の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向について御説明いたします。
平成27年度の事業運営に当たりましては、公営企業の経営理念である経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本としながら、平成25年度からの第4次中期経営計画の最終年度として、クリーンな電力と良質な工業用水の安定供給に取り組むとともに、施設の計画的な改良、修繕や業務コストの節減を図るなど、効率的な経営に努めてまいりました。
電気事業については、高森高原風力発電所及び簗川発電所の建設に向けた取り組みを進めたほか、既設の発電所の大規模修繕などに取り組みました。また、出水率が平年を上回ったことなどにより、供給電力量は目標を達成するとともに、純利益も平成10年度以降17年ぶりに10億円台となりました。
一方、工業用水道事業については、施設の改良、修繕を行いながら安定供給に努めたほか、老朽化が進んでいる配管の更新や耐震化を進めました。
営業収益は、超過水量の減少により前年度より減少したものの、経費の効率的な執行に努めたことなどにより、純利益を確保することができました。
このほか、地域貢献の施策として、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金を活用し、平成18年度から、市町村等が行う再生可能エネルギー導入の取り組みを支援しており、特に沿岸地域については、平成23年度から補助率を引き上げるとともに、岩手国体関連事業についても昨年度から補助率を引き上げるなど、支援の充実を図りました。
次に、今後の取り組み方向については、平成28年度から平成31年度までの4年間を対象とする第5次中期経営計画に基づき、一層の安定供給と安定経営に努めてまいりたいと考えております。
電気事業では、新規発電所の建設を進め、本県の電力自給率の向上に努めるほか、電力システム改革や固定価格買取制度などの動向に適切に対応してまいります。
工業用水道事業では、老朽化した配管の更新や耐震化を進めるとともに、契約水量の減少等により厳しい環境にありますことから、引き続き安定経営に向けた取り組みを進めてまいります。
それでは、企業局の平成27年度決算等について御説明を申し上げます。
まず、認定第14号平成27年度岩手県電気事業会計決算の概要について御説明します。
資料の1ページをお開き願います。
なお、この決算報告書は、予算に対する決算という性格上、消費税を含めた金額で作成しておりますが、損益計算書及びその他の財務諸表は消費税抜きの金額で作成することとなっており、金額に相違がありますので、あらかじめ御承知願います。
それでは、1の決算報告書でありますが、(1)収益的収入及び支出のうち、収入の第1款電気事業収益は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は54億429万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業収益50億7、127万円余は、平成27年度から通年運転となった胆沢第三発電所など、16カ所の水力発電所に係る電力料収入等であり、第2項附帯事業収益1億5、653万円余は、稲庭高原風力発電所及び相去太陽光発電所に係る電力料収入であります。
次に、支出の第1款電気事業費用は、表の右から4列目に記載のとおり、決算額は42億6、770万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業費用38億762万円余は、水力発電所の運転及び管理運営に要した経費であり、第2項附帯事業費用1億723万円余は、稲庭高原風力発電所及び相去太陽光発電所の運転並びに管理運営に要した経費であります。
次に、2ページをお開き願います。(2)資本的収入及び支出のうち、収入の第1款資本的収入は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は11億9、280万円余であります。
主な内訳でありますが、第2項長期貸付金償還金7億6、361万円余は、一般会計等からの長期貸付金に係る償還金であり、第3項投資償還収入4億890万円余は、資金運用のために購入した国債の満期償還収入等であります。
次に、支出の第1款資本的支出は、表の右から6列目に記載のとおり、決算額は9億2、353万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項改良費3億9、933万円余は、発電所と管理施設、設備の改良や更新に要した経費であります。
第2項電源開発費2億2、181万円余は、高森高原風力発電所の発電システム等の設計業務委託費などであります。
なお、資本的収入額が資本的支出額に対し不足しておりますが、欄外に記載しておりますとおり、減債積立金等で補填しております。
次に、3ページの損益計算書でありますが、営業利益につきましては、一番右側の中ほどに記載のとおり、10億3、216万円余となっております。経常利益は右側の下から4行目でございますが、10億9、274万円余となっております。
なお、8の事業外費用には、相去太陽光発電所の売電料金に係る貸倒引当金の繰入費用1、100万円余を計上しております。
当年度純利益は、経常利益と同額の10億9、274万円余であります。
また、当年度未処分利益剰余金は、純利益にその他未処分利益剰余金変動額を加えたものであり、二重下線を付しました11億6、331万円余であります。
次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書でありますが、主な項目の当年度変動額及び当年度末残高について説明します。
表の左から6列目に記載されております利益剰余金のうち、減債積立金は、企業債の償還財源として7、056万円余を取り崩したため、当年度末残高は5億1、134万円余となっております。また、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金は3、607万円を取り崩したため、当年度末残高は1億651万円余となっております。
さらに、未処分利益剰余金は、当年度末残高が11億6、331万円余となり、利益剰余金の合計は、当年度末残高で65億2、911万円余となっております。
表の右から2列目の評価差額等は、株式の時価評価差額で40億5、917万円余であり、資本金、剰余金を合わせた資本合計の当年度末残高は、記載のとおり390億9、759万円余となっております。
なお、5ページにあります剰余金処分計算書は、未処分利益剰余金の処分案と重複しますので、説明を省略させていただきます。
また、6ページ以降の貸借対照表、事業報告書、附属書類につきましても、説明は省略させていただきます。
次に、議案第28号平成27年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明を申し上げます。
恐れ入りますが、議案その3の資料により御説明をさせていただきます。議案その3の1ページをお開き願います。
平成27年度岩手県電気事業会計の未処分利益剰余金は11億6、331万8、502円でありますが、このうち7、056万9、926円につきましては資本金に組み入れるものであります。
また、5億1、737万4、288円を企業債の償還財源に充てるための減債積立金に、5億1、737万4、288円を建設改良事業等の財源に充てるための建設改良積立金に、それから、5、800万円を環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金に、それぞれ積み立てしようとするものであります。
電気事業会計に関する説明は以上でございます。
続きまして、恐れ入ります、また、認定第15号平成27年度岩手県工業用水道事業会計決算の概要について御説明を申し上げます。
工業用水道事業会計決算の資料の1ページをお開き願います。(1)収益的収入及び支出のうち、収入の第1款工業用水道事業収益は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は10億770万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業収益9億1、240万円余は、工業用水の給水料金収入等であります。
次に、支出の第1款工業用水道事業費用は、表の右から4列目に記載のとおり、決算額が8億3、178万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項営業費用7億5、175万円余は、工業用水道施設の給水業務及び管理運営に要した経費であります。
次に、2ページをお開き願います。(2)資本的収入及び支出のうち、収入の第1款資本的収入は、表の右から3列目に記載のとおり、決算額は5億6、514万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項企業債4億6、300万円余は、工業用水道施設の改良工事に係る企業債の借り入れであり、第2項固定資産売却代金1億188万円余は、入畑ダム共同施設の一部を国に譲渡したことなどによるものであります。
次に、支出の第1款資本的支出は、表の右から6列目に記載のとおり、決算額は10億667万円余であります。
主な内訳でありますが、第1項改良費4億8、925万円余は、工業用水道施設の改良や更新に要した経費であり、第2項企業債償還金3億2、973万円余は、工業用水道施設の建設改良事業のため過年度に借り入れた企業債等に係る償還金であります。
第3項他会計からの長期借入金償還金1億8、661万円余は、一般会計等からの借入金の償還金であります。
なお、資本的収入額が資本的支出額に対し不足しておりますが、欄外に記載しておりますとおり、減債積立金及び減価償却費などの過年度分損益勘定留保資金等で補填しております。
次に、3ページの損益計算書でありますが、電気事業会計と同様に、営業利益は、一番右側の中ほどに記載しておりますが、1億1、455万円余となっております。経常利益は、右側の下から5行目に記載のとおり、1億3、959万円余となっております。
当年度純利益は、右側の下から3行目に記載のとおり、1億4、674万円余となっております。
また、当年度未処分利益剰余金は、純利益にその他未処分利益剰余金変動額を加えたものであり、二重下線を付した2億5、699万円余であります。
次に、4ページをお開き願います。剰余金計算書でありますが、電気事業会計と同様に、主な項目の当年度変動額及び当年度末残高について説明します。
表の左から3列目に記載されております資本剰余金のうち、その他資本剰余金は国庫補助金106万円余を返還したため、当年度末残高は4、719万円余となり、資本剰余金合計の当年度末残高も、その他資本剰余金と同額の4、719万円余となっております。
また、減債積立金は、企業債の償還財源として1億1、025万円余を取り崩したため、当年度末残高はございません。
さらに、未処分利益剰余金は、当年度末残高が2億5、699万円余となり、利益剰余金の合計は、当年度末残高で未処分利益剰余金と同額となっております。
資本合計の当年度末残高は、表の一番右側に記載のとおり、資本金、剰余金を合わせた34億832万円余となっております。
なお、5ページにあります剰余金処分計算書は、未処分利益剰余金の処分案と重複しますので、説明を省略させていただきます。
また、6ページ以降の貸借対照表、事業報告書、附属書類につきましても、説明は省略させていただきます。
次に、議案第29号平成27年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて御説明を申し上げます。
恐れ入ります。議案その3にお戻りいただきまして御説明させていただきます。
議案その3の2ページをお開き願います。平成27年度岩手県工業用水道事業会計の未処分利益剰余金は2億5、699万8、523円でありますが、このうち1億1、025万7、992円につきましては、資本金に組み入れるものであります。
また、1億4、674万531円につきましては、企業債の償還財源に充てるための減災積立金に積み立てようとするものであります。
以上で企業局関係の決算書等について説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願いいたします。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、電気事業会計について、まずお聞きします。
太陽光発電の電力料が1、483万円の未収となっていますが、この理由は何でしょうか。日本ロジテック協同組合の関係だと思いますけれども、その後の対応状況はどうなっているか示してください。
また、その後の売電先、売電単価はどうなっているでしょうか。
〇吉田電気課長 相去太陽光発電所の売電料金の未収についてでございます。平成27年11月分の一部から平成28年2月分までの未納額は1、483万円余でありますが、損害保険会社から本年4月20日に履行保証保険金348万円余が入金となっており、延滞利息を含めた未納額から保険金を控除した1、143万円余について、5月19日に破産管財人に対して債権届出書を提出したところでございます。
次に、日本ロジテック協同組合との関係でございますが、平成28年2月26日付で同組合から事業撤退の通知があり、2月29日に売電契約を解約しております。その後、4月15日に組合の破産手続開始決定を受けて、破産管財人が破産手続を進めていくことになり、5月19日に債権届出書を破産管財人に提出しております。また、9月26日に開催された債権者集会では、破産管財人から、現時点では組合の資産と負債は未確定の状況にあり、引き続き調査を行う必要があるとの説明がございました。今後とも、債権者集会を通じて組合の資産と負債の状況を把握し、法的手続にのっとり債権の回収に努めてまいりたいと思います。
その後の売電先、売電単価でございますが、日本ロジテック協同組合とは本年2月29日に解約して、3月分につきましては、同日、東北電力と売電契約を締結しております。売電単価につきましては、国の固定価格買取制度─FITの調達価格である1キロワットアワー当たり税抜き36円で売電しております。また、平成28年度分につきましては、本年2月8日に東北電力と売電契約しており、売電単価につきましても、FITの調達価格である1キロワットアワー当たり税抜き36円で売電しております。
〇斉藤信委員 わかりました。結局破産してしまったということで、どのように売電先を検討したのか、その反省点は何か、そのことを示してください。
あわせて、クリーンエネルギー導入支援事業の地域貢献というのが監査意見でも評価されていましたが、その実績も示してください。
〇細川業務課総括課長 今回の問題の教訓をどのように捉えているかということでございます。
今回の事案につきましては、国に届け出た小売電気事業者が一般競争入札に参加いたしまして契約したものでありますが、取引の急速な拡大に伴って資金繰りが悪化し、事業撤退に至ったことから、売電先の選定及び債権管理に当たって、競争入札のあり方も含めて、事業リスクを意識した対策が一層重要であると考えております。
今回の事案を踏まえまして、平成28年度の入札に当たっては、解約条項の明確化や契約保証金の引き上げなど見直しを行っておりますが、今後、売電先の選定に当たっては、事業遂行能力の高い事業者のみが参加できるような仕組みとなるよう、入札方法や契約条項等についてさらに検討を進めるとともに、支払い遅延があった場合には、他の電気事業者や専門家から情報を収集して、契約先の経営状況を的確に把握できるように努めてまいりたいと考えております。
〇藤原経営企画課長 クリーンエネルギー導入支援事業等の主な地域貢献活動についてでありますが、まず、市町村等が行う公共施設への太陽光や風力などのクリーンエネルギーを活用した発電設備等の導入について平成18年度から支援を行っており、平成27年度は7件の事案に対して合計2、013万円余を交付しております。このうち、震災関連については3件、岩手国体関連については1件、補助率を通常の4分の3のところを10分の9に引き上げて交付しております。
主な事例としましては、公立病院敷地内へ小型風力と太陽電池を組み合わせたハイブリッド発電式の防犯灯の設置であるとか、震災関連では、魚市場駐車場へのLED街路灯の設置、岩手国体関連では、屋内運動場へのLED照明の設置などとなっております。
また、県内で開催される植樹活動に対しまして平成16年度から苗木等の提供を行っておりまして、平成27年度は、11地区に対して合計で約3、400本の苗木を提供しております。なお、このうち、6地区で延べ70名を超える企業局職員が植樹活動に参加しております。
今後とも、積極的にクリーンエネルギーの導入促進を初めとして環境保全活動の支援等に努めてまいります。
〇斉藤信委員 次に、高森高原風力発電、簗川水力発電の電源開発調査の状況と今後の見通しを示してください。
〇細川業務課総括課長 まず、高森高原風力発電所の建設状況についてでございますが、平成29年11月の運転開始に向けて、平成27年度には風車発電機及び蓄電池等の製作据えつけ工事を発注し、平成28年4月からは現地で風車の基礎工事を開始しました。8月からは、久慈港に陸揚げした風車の基礎部材を現地に輸送しておりましたが、台風第10号による国道281号の被災のため輸送が遅延し、風車基礎の施工数は、当初9基を予定しておりましたが、7基にとどまっております。
今後の見通しについてでございますが、発電機やブレード、タワーなどの風車本体については平成29年4月から現地工事を実施する予定でありますが、台風第10号の影響により基礎工事がおくれたことなどにより、全体の工程については今後調整することとしております。
次に、簗川発電所の建設状況についてでございます。平成27年度は、固定価格買取制度の設備認定を受けたほか、関係機関と簗川ダム建設事業に関する基本協定を締結し、発電所の実施設計等を進めてきたところです。平成28年度は、河川法や電気事業法に基づく手続を進めており、今後は、発電所の基礎工事や水圧管路、水車発電機の製作据えつけ工事を発注した後、ダム本体の建設工事にあわせてこれらの工事を進め、平成33年度の運転を目指していきます。
〇斉藤信委員 この風力発電と簗川の水力発電ですけれども、事業費がいわゆる投資額となると思いますけれども、この投資額が回収される見込みというのは何年後になるのか、この事業費を含めて示してください。
〇細川業務課総括課長 まず、高森高原風力発電所でございますが、全体で127億円の事業費を見込んでおります。これにつきましては、営業運転開始後約15年間で投資した資金を回収できると考えております。
簗川発電所についてでございますけれども、全体の事業費は約17億3、000万円を予定しております。これにつきましては、運転開始後約9年で回収できると見込んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 最後ですけれども、3月末に、説明にもあった企業局の第5次中期経営計画というものが策定されました。4次計画の実績、そして、今度の第5次中期経営計画で新しい取り組みはあるのか、あるのなら示していただきたい。
〇藤原経営企画課長 まず、第4次中期経営計画の実績についてでありますが、電気事業では、供給電力量につきましては、各年度の出水率、川の水量ですが、それが好調であったこともあり、目標を達成しております。経常収支比率につきましても、供給電力量が目標を大きく上回ったこととか、新規発電所の運転開始等によりまして、平成27年度は目標の116に対して128となるなど、各年度とも目標を達成しております。
新規開発につきましては、平成26年度に胆沢第三、相去太陽光発電所の運転を開始したところでありまして、本県の電力自給率の向上に貢献してきたほか、将来に向けた経営基盤の強化を図るため、高森高原風力発電所や簗川発電所を建設する運びとなっております。
工業用水道事業につきましては、契約水量は、平成25年度に生じました大口ユーザーの契約廃止の影響等により料金収入は減少しましたが、入畑ダムの水源転用による減価償却費や、企業債の繰り上げ償還による支払い利息の軽減などさまざまな経費の節減に努めた結果、経常収支比率は、平成27年度は目標の102に対して118となるなど、各年度とも目標を達成しております。
老朽化した配管の更新に合わせて耐震化を進め、配管耐震化率は、平成24年度末の44%から平成27年度末には57%まで向上したほか、累積欠損金につきましては、目標より1年早く、平成25年度に解消しております。第4次の実績については、おおむね目標を達成しているところでございます。
続きまして、第5次の新たな取り組みということでございますが、基本的には第4次の計画を引き継いで第5次もやっていくということで、計画の特徴につきまして申し上げますと、まず、電気事業につきましては、電力システム改革に伴いまして、より細やかな運転調整が必要だということで、集中監視制御システムの改修であるとか、老朽化が進んでいる発電所の耐震化対策を行うこととしております。新規開発につきましては、高森高原風力発電所が平成29年度に運転開始、簗川発電所は平成33年度の運転開始に向けた取り組みを進めるほか、既設の稲庭高原風力発電所につきましては、固定価格買取制度の適用期間が平成33年度になりますので、それ以降の再開発等について検討を行うこととしております。
工業用水道事業につきましては、送配水管の老朽化が進んでおりますので、それの強靭化対策であるとか耐震化を重点的に進めることとしております。
そのほか、クリーンエネルギー導入支援事業を引き続き行うこととしておりますし、さまざまな課題に機敏に対応する組織力の向上を図るため、人材の育成であるとか技術の継承等の取り組みを充実することとしております。
〇千田美津子委員 工業用水に関連して、2点お尋ねいたします。
一つは、工業用水の安定供給ということで、監査意見書の2ページには、今後の経営に当たっては企業誘致担当部局との連携を図りながら新たな需要を開拓するなど契約水量の増加に取り組み、引き続き良質な工業用水の安定供給を通じて地域社会の発展に寄与することを期待するとあります。
この意見書に応える取り組みが重要かと思いますけれども、今後、需要の開拓などについてはどう検討されているのかお聞きいたします。
〇細川業務課総括課長 工業用水の需要の開拓についてでございますけれども、企業局では、企業誘致担当部局が主催いたします企業ネットワークいわてに参加して工業用水を積極的にPRするとともに、既存のユーザーに対しては、年数回、戸別に訪問して企業の生産の予定などをお伺いしながら、増量の働きかけを行っているところでございます。また、毎年度、岩手県工業用水利用促進等関係連絡会議を開催いたしまして、企業誘致担当部局、県南広域振興局、関係市町と企業の立地動向やユーザーの増産等に関する情報交換を行いながら、工業用水の需要の把握に努めているところでございます。
〇千田美津子委員 企業誘致の担当と一緒になって増水するというか、それを働きかけるということはすごく大事だと思います。
それに関連しますけれども、今、工業用水は北上の北上工業団地、金ケ崎の岩手中部工業団地に給水されているわけですけれども、近隣の─私は奥州市ですけれども─江刺の工業団地には工業用水が通水されていないために、金ケ崎、北上の工業団地と企業の獲得を頑張っているわけですが、企業誘致の一環として、この間、市独自で工業用水並みの低廉な価格で支援してきた経過があります。ただ、合併前は4、000万円ぐらいだったのですけれども、合併後、今は年間1億円ぐらいにその額がなっていまして、布設に対しては大変大きな額がかかるとは思うのですけれども、先ほどの増水計画等を含めて、特に江刺の工業団地に拡大することができないのか、その点をお伺いいたします。
〇細川業務課総括課長 奥州市の工業団地への工業用水の供給についてでございますけれども、企業局では、北上工業団地、岩手中部工業団地に立地しているユーザーに対して工業用水を供給しております。現在、工業用水の需要の大幅な減少や、老朽化が進む施設の更新等も抱えております。こうした課題に優先的に対応する必要があることに加えまして、多額の投資を伴う新たな事業展開については、採算性などについて慎重に検討を要する必要があり、極めて厳しいものと考えております。
〇千田美津子委員 布設にかかる事業費はと聞きたいところでしたけれども、相当な事業費がかかるということはわかります。
ただ、今、企業が継続して操業していくためには条件整備が大変重要なので、いろいろな支援策が必要だと思いますので、これは企業局だけでなくて、政策地域部とか商工労働観光部の担当部との連携のもとで、市町村のつながった地域の工業団地ですので、そういう対応をぜひ検討していただきたいと思いますが、その点を伺って、終わります。
〇菅原企業局長 工業用水道につきましては、企業の生産活動を支える重要な役割を果たしておりまして、そういう意味では、地域の雇用でありますとか県民所得の向上を図る上で重要なインフラであるという認識はしております。
ただ、これにつきまして、具体的にどのような支援が可能であるかということにつきましては、先ほど、企業局では難しいというお話を差し上げましたが、関係部局において、どのような方法があるかについていろいろと意見交換をしていきたいと思っております。
〇郷右近浩委員 今の工業用水道の部分に関連して、1点だけ質問させていただきます。
この件に関しては私もかねがね求めてきた部分があります。といいますのは、県の工業団地、その中でも今の自動車産業の集積ということで、中部工業団地だったり北上工業団地は工業用水道を利用しながら拡大しているところであると認識しております。
ただ、県南にトヨタ自動車を中心とした自動車産業の中核施設を地域としてつくっていきたいという思いの中で、では、これから、例えば金ケ崎の工業団地を大きくしていくのか、北上工業団地をさらに大きくしていくのか、また、周辺を巻き込んでやっていくのかといったときに、この工業用水の部分について、今現在も全体としては利用が少なくなってきている中で、それをきちんと県の工業の発展につなげていくという観点から考えれば、設備投資との見合いであったり、そうしたものが果たしてどうなのかという部分は慎重に検討しなければいけないかもしれませんけれども、県の考え方として、一体どっちにもっていこうとしているのか。例えば金ケ崎の中部工業団地であったり、北上工業団地であったり、とりあえず工業用水に関しては、ほかに回すと設備投資がかかるから、それだけでいいのだとしたら、金ケ崎なり北上工業団地を大きくしていこうとしているのか、それとも県南地区全体に波及させていくのか。そのためにも、今後延伸することもきちんと考えて、安価なというか、使える水を供給していくという方法も含めて考えていくのか、その点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
〇菅原企業局長 今後の工業振興施策とかなり密接な関連のある御質問ではないかと思いまして、工業用水道だけの視点ではなかなか申し上げにくいところもございますが、ただ、1点言えますのは、県全体の産業振興を図っていくためには、今あります工業団地を中心としながら、その効果を波及させていくということが重要であると思っております。
ただ、一方で、先ほど申し上げておりますように、工業用水道施設といいますのは一種の装置産業でございます。一定の水を使うという需要が長期にわたって継続していくということを前提として多額の投資を行いますので、これを長期的に料金で回収していくという難しさがございます。
そういった意味で、県の施策としては全面的に展開するということが重要だと思っておりますけれども、工業用水道施設に限定しますと、ただいま非常に厳しい経営環境にあるということにつきましては、御理解いただければと思っております。
〇郷右近浩委員 関連なので余りしませんが、とはいえ、今、これからどうしていくか長期的に考えなければいけないという答弁がありましたけれども、岩手のそうした企業の集積といったものをどうしていくか、これ自体がそもそもが長期的に考えていかなければならないことであって、そうしたものを、もちろん企業局だけではなくて、各担当部署や各部局といろいろなことを一緒になって考えながらということはそのとおりだと思いますので、その部分については、ぜひ、どのような方向にもっていくかというものをきちんと考えて進めていっていただきたいと思いますので、御所見があればお願いして、終わります。
〇菅原企業局長 委員からお話がありましたとおり、これは企業局だけの問題ではなくて関係知事部局とも密接な関係がございますので、機会を捉えまして、いろいろと協議していきたいと思っております。
私どもの事業を進めていくミッションは、経済性を発揮することはもちろんでございますけれども、公共福祉を増進するという意味で、県民所得の向上なり雇用を促進することが狙いでございますので、その趣旨に沿って検討を進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、企業局関係の質疑をこれで終わります。
企業局の皆さんはお疲れさまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後4時43分 散 会

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