平成28年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第5号)
平成28年11月18日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 田 内 慎 也
主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
1説明員
環境生活部長 津軽石 昭 彦
副部長兼
環境生活企画室長 熊 谷 泰 樹
環境担当技監兼
廃棄物特別
対策室長 松 本   実
若者女性協働
推進室長 千 葉   彰
参事兼県民くらし
の安全課総括課長 田 中 耕 平
環境生活企画室
企画課長 黒 田   農
環境生活企画室
管理課長 谷 藤 親 史
温暖化・エネルギ
ー対策課長 小笠原   誠
環境保全課
総括課長 小野寺 宏 和
資源循環推進課
総括課長 田 村 輝 彦
自然保護課
総括課長 清 水 一 夫
食の安全安心課長 高 橋 孝 嗣
県民生活安全課長 後 藤 啓 之
消費生活課長 菊 池 光 洋
再生・整備課長 佐々木 健 司
青少年・男女共同
参画課長 中 里 裕 美
NPO・文化国際
課長 吉 田 真 二

労働委員会
事務局長 桐 田 教 男
参事兼審査調整課
総括課長 花 山 智 行

商工労働観光部長 菊 池   哲
副部長兼
商工企画室長 新 屋 浩 二
雇用対策・労働
室長 高 橋   徹
ものづくり自動車
産業振興室長 戸 舘 弘 幸
商工企画室
企画課長 鈴 木 俊 昭
商工企画室
管理課長 岩 渕 伸 也
経営支援課
総括課長 高 橋   毅
産業経済交流課
総括課長 押 切 拓 也
地域産業課長 高 橋 孝 政
観光課総括課長 平 井 省 三
雇用対策課長 高 橋 利 明
労働課長 工 藤 直 樹
特命参事兼
ものづくり産業
振興課長 高 橋 喜 勝
自動車産業振興
課長 瀬 川 浩 昭

会計管理者 佐 藤   博
会計指導監 清 水 雅 典

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和

財政課総括課長 小 原   勝
〇軽石義則委員長 これより本日の会議を開きます。
木村幸弘委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
この際、昨日の当委員会において、柳村岩見委員から、質疑の時間に関して決算特別委員長から重ねて注意を受けていることについて、及び斉藤信委員から、質疑のあり方について、世話人会において協議されるよう議事進行があったことを踏まえ、本日、世話人会を開催し、協議を行いましたので、その結果を御報告いたします。
決算特別委員会の質疑のあり方等については、さきの議会運営委員会において、他の委員と重複した内容の質疑は極力行わないこととし、どうしても必要な場合は、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑及び要望のみの発言は原則として行わないこと、発言時間については、審査の進行の状況に応じて委員長の判断により、30分に満たない場合でも議事進行への協力を求め、各質問者は委員長の要請を尊重すること、執行部において簡潔な答弁とすることについて改めて徹底を求めることの4点について決定しているところであり、また、申し合わせにより、決算の審査であるので、当該年度の決算に関する質疑とすることについて、委員の皆様にも周知徹底いただいているところであります。
このことを踏まえ、11月15日から行われている部局審査において、1日の質問者数が多い場合には、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いしているところであります。
今後の審査においても、先ほど説明しました質疑のあり方等について、改めて各委員に徹底していただくとともに、執行部の答弁も、質問の趣旨に沿った的確かつ簡潔な答弁をするよう改めて徹底すべきとの意見で一致したところでありますので、委員及び執行部には、円滑かつ迅速な議事の進行により一層の御協力をお願いいたします。
〇千葉伝委員 世話人会で御協議いただいたということで、それぞれ各委員は尊重すべきと思います。
それで、1日の各部局の審査の時間が長くなりそうというものについては、例えば、ある程度、委員長のほうで、イエローカードではないけれども、そういう注意は、これまでもやっていただいています。
それで、ちょっとお願いですけれども、各部局の質問者数を初めに委員長から、各部局では何人程度予定されているということを一言言えば、委員のほうもそれを頭に入れながら質問するのではないかと思いますので、御検討をお願いします。
〇軽石義則委員長 了解いたしました。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、環境生活部、労働委員会、商工労働観光部関係について、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
最初に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇津軽石環境生活部長 平成27年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部所管の主な事務事業の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方針について御説明申し上げます。
当部におきましては、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みを最優先課題といたしまして、あわせて、いわて県民計画の七つの政策分野のうち、環境王国いわての実現、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現、人材・文化芸術の宝庫いわての実現の3分野について取り組んでまいりました。
まず、東日本大震災津波からの復旧、復興についてでありますが、防災拠点や被災家屋への再生可能エネルギーの積極的な導入を進めてまいりました。
また、放射性物質の影響対策といたしまして、環境放射能のモニタリングを実施したほか、NPO等による復興支援活動を促進するため、NPO等の運営基盤強化に向けた取り組みを進めてまいりました。
さらに、復興の先にある希望郷いわての実現に向けて、いわて若者会議、いわて若者文化祭、いわて女性の活躍促進連携会議の開催など、若者や女性が活躍する地域づくりにも取り組んできたところでございます。
次に、環境王国いわての実現についてでございますが、地球温暖化対策の推進といたしまして、温室効果ガス排出量の削減に向け、家庭や地域、そして事業者へのさまざまな意識啓発を行うとともに、再生可能エネルギー導入促進のための補助、セミナーの開催などを行ってまいりました。
また、循環型地域社会の形成に向けまして、廃棄物の発生抑制のための3Rの推進、産業廃棄物の不適正処理の未然防止及び青森県境の産業廃棄物不法投棄事案の原状回復などに取り組んできたところでございます。
さらに、多様で豊かな環境の保全に向けまして、希少野生動植物の生息環境の保全や、鹿等の野生動物による被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、環境学習交流センターによる講座の開催などにより、県民の環境学習を推進してまいりました。
次に、安心して、心豊かに暮らせるいわての実現といたしまして、安全・安心なまちづくりの推進に向け、県民の防犯意識の高揚のための普及啓発や高齢者、子供の交通事故防止、消費生活相談体制の充実などの取り組みを実施したほか、食の安全・安心の確保に向けまして、事業者への監視指導、岩手版HACCPの導入などに取り組んできたところでございます。
また、青少年の健全育成に向けまして、次代を担う青少年の健全育成やニート等の若者の自立を支援したほか、男女共同参画の推進に向けて、男女共同参画センターを拠点といたしました県民活動の推進などに取り組んできたところでございます。
次に、人材・文化芸術の宝庫いわての実現についてでございますが、本県の文化芸術情報の発信や地域の文化芸術活動等の支援を行うとともに、海外とのネットワークの形成やグローバル人材の育成などに取り組んできたところでございます。
今後におきましても、災害にも対応できる自立・分散型エネルギー供給体制の構築に向けた再生可能エネルギーの導入の促進や、若者や女性が活躍する地域づくりに向けた若者、女性の活躍促進などに重点的に取り組むとともに、新たな産業廃棄物最終処分場の整備、多様な主体の連携を担うNPO等への支援、文化の振興、さらには、グローバル人材の育成などについても推進してまいります。
続きまして、平成27年度環境生活部関係の決算について御説明申し上げます。
お手元の平成27年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。環境生活部関係の決算は、3款民生費2項県民生活費と4款衛生費2項環境衛生費、16ページに参りまして、13款諸支出金3項公営企業負担金の一部であり、支出済総額は123億4、843万円余でございます。
なお、平成28年度への繰越額は、12ページにお戻りいただきまして、県民生活費の5、852万円余と環境衛生費の4億1、552万円余でございます。
それでは、決算の内容につきまして、便宜、平成27年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書の194ページをお開き願います。3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費でございますが、197ページをお開きいただきます。右側備考欄上から2行目の消費者行政活性化推進事業費は、県及び市町村の消費生活相談窓口の機能強化等に要した経費でございます。五つ飛びまして、ソフトパワーいわて戦略推進事業費は、岩手の文化、暮らしなどの魅力発信のため、漫画を通じた情報発信や人材育成等に要した経費でございます。一つ飛びまして、NPO等による復興支援事業費は、復興支援活動を行うNPO等への助成や運営基盤強化を図るための取り組みに要した経費でございます。二つ飛びまして、郷土芸能復興支援事業費補助は、被災した郷土芸能団体が活動を再開するための施設、設備の修復等を支援する市町村に対し、経費の一部を助成したものでございます。一つ飛びまして、若者文化支援事業費は、次代を担う若者に、文化芸術の発表の場を提供するとともに交流の場を創出するため、いわて若者文化祭の開催に要する経費を負担したものでございます。一つ飛びまして、いわて県民情報交流センター管理運営費でございますが、県民の交流や活動の拠点であるアイーナの管理、運営や施設の修繕等に要した経費でございます。
なお、繰越額がございます。195ページにお戻りいただきまして、繰越明許費5、852万円余は、いわて創生人材育成・魅力発信事業費におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
197ページをお開きいただきます。2目交通安全対策費でありますが、1行目、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の推進や、市町村交通指導員の設置に対する補助などに要した経費でございます。続きまして、3目青少年女性対策費でありますが、199ページをお開き願います。上から5行目、いわて青少年育成プラン推進事業費は、青少年活動交流センターが行ったいわて希望塾など、青少年の活動支援や交流促進などの事業の実施に要した経費でございます。一つ飛びまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、いわて男女共同参画センターが行った意識啓発や男女共同参画を推進するサポーターの養成などに要した経費でございます。一つ飛びまして、いわて若者活躍支援事業費は、若者の主体的な活動を促進するため、交流の輪を広げるネットワークの構築や、活動する意欲のある若者の支援に要した経費でございます。一つ飛びまして、いわて女性活躍支援事業費は、女性の活躍を支援し、周囲の理解と協力を推進するための各種セミナーの開催や意識啓発等に要した経費でございます。続きまして、4目国際交流推進費でありますが、1行目、国際交流推進費は、語学指導等を行う外国青年招致事業による国際交流員の招致等、多文化共生の取り組みに要した経費でございます。二つ飛びまして、グローバルいわて推進事業費は、世界と岩手をつなぐグローバル人材の育成や活動の支援に要した経費でございます。
次に、少し飛びまして、212ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費でございますが、215ページをお開きいただきまして、1行目、環境学習交流センター管理運営費は、環境学習交流センターが行った県民の環境に対する理解を深めるための情報提供や、地域で行われる環境学習などへの支援に要した経費でございます。二つ飛びまして、循環型地域社会形成推進事業費は、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等のための技術研究開発、製品製造に対する補助等に要した経費でございます。下から5行目、地球温暖化対策事業費は、いわて温暖化防止フェアの開催など、地球温暖化防止に向けた普及啓発などに要した経費でございます。続きまして、再生可能エネルギー導入促進事業費でございますが、被災家屋等への太陽光発電設備の設置に対する支援や、発電施設の立地を促進するための環境整備の取り組みに要した経費でございます。次に、再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金でございますが、省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備を導入する事業者への設置費用や運転資金の貸し付けに要した経費でございます。続きまして、防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費は、再生可能エネルギー設備導入等推進基金を活用いたしまして、防災拠点となる公共施設等への太陽光発電設備、木質バイオマスボイラーなどの再生可能エネルギー設備の導入等に要した経費でございます。
なお、繰越額がございます。213ページにお戻りいただきまして、繰越明許費2億6、003万円余は、産業・地域ゼロエミッション推進事業費補助におきまして、補助事業者の事業実施が遅延したこと、及び防災拠点等再生可能エネルギー導入事業費におきまして、建設資材等の調達に不測の日数を要したことによるものでございます。
次に、215ページをお開きいただきます。2目食品衛生指導費でございますが、上から2行目、乳肉衛生指導取締費でございますが、食肉の衛生確保を図るために必要な屠畜検査及び残留有害物質検査や屠畜場の衛生指導等に要した経費でございます。217ページをお開き願います。3目環境衛生指導費でございますが、上から10行目、廃棄物適正処理監視等推進費は、産廃Gメンの配置など廃棄物適正処理の指導、監視等に要した経費でございます。五つ飛びまして、県境不法投棄現場環境再生事業費でございますが、青森県境に不法投棄された廃棄物につきまして、代執行による汚染土壌の浄化及び原因者等の責任追及などに要した経費でございます。二つ飛びまして、産業廃棄物処理施設設置調査事業費でございますが、いわてクリーンセンターの後継となる産業廃棄物最終処分場の整備基本計画策定のための地形測量等に要した経費でございます。
なお、繰越額がございます。繰越明許費2、053万円余は、産業廃棄物処理モデル事業推進費におきまして、設計、工法の検討に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
続きまして、4目環境保全費でございますが、上から2行目、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山の坑廃水処理に要した経費でございます。次に、219ページをお開きいただきます。上から4行目、大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、事業場への立入検査及び各種の調査、測定に要した経費でございます。
なお、繰越額がございます。217ページにお戻りいただきまして、繰越明許費1億3、495万円余は、旧廃止鉱山鉱害防止事業費におきまして、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
219ページをお開き願います。5目自然保護費でございますが、上から3行目、自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置などに要した経費でございます。続きまして、国定公園等施設整備事業費及び自然公園施設整備事業費でございますが、これは、国定公園等の自然公園における登山道、標識などの整備に要した経費でございます。次に、6目鳥獣保護費でございますが、221ページをお開きいただきます。1行目、指定管理鳥獣捕獲等地域戦略事業費でございますが、これは、放射性物質の影響によるニホンジカの狩猟捕獲の減少に対応した個体数管理のための捕獲及び新規狩猟者の確保、定着を促進する取り組みに要した経費でございます。一つ飛びまして、希少野生動植物保護対策事業費でございますが、県内の希少野生動植物の生息状況調査等に要した経費でございます。次に、7目環境保健研究センター費でございますが、施設の管理運営及び試験研究に要した経費でございます。
次に、飛びまして、354ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でございますが、工業用水道事業会計負担金のうち、環境生活部所管分の88万円余、及び電気事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当の一部等につきまして、それぞれの会計に対し負担したものでございます。
以上で環境生活部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 これより質疑を行いますが、ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
柳村一委員を指名いたしますが、環境生活部の質問予定者は7名であります。
〇柳村一委員 先ほどの委員長報告を踏まえて、簡潔に質疑いたします。
まず、鳥獣保護、管理についてお伺いいたします。
平成27年度の指定管理鳥獣の個体数の管理状況についてお伺いいたします。
〇清水自然保護課総括課長 平成26年4月に環境省が公表いたしました都道府県別の鹿の個体数推計によりますと、本県におきましては、平成24年度末時点で約4万頭の鹿が生息していると推定されておりますことから、平成35年までに現行の鹿個体数を半減することを目標としているところであります。
この目標を達成するため、県では、指定管理鳥獣捕獲等事業を活用しまして、狩猟、市町村有害捕獲と合わせまして、当面約1万頭以上の鹿の捕獲を目標とした個体数管理に努めているところであります。
また、農林水産部では電気柵の整備などの取り組みを推進しており、県内の鹿による農業被害額等は、平成25年度の約2億9、100万円をピークに減少傾向に転じているところであります。
また、イノシシにつきましては、県内においても生息域が拡大しており、平成27年度の捕獲された頭数は40頭程度でございます。今年度より、指定管理鳥獣捕獲等事業を活用しまして、県による捕獲を始めたところでございます。
〇柳村一委員 指定鳥獣に関しては、環境生活部ではシカ特別対策費、指定管理鳥獣捕獲等地域戦略事業費がありますし、あと、教育委員会でもカモシカ特別対策費、あとは、農林水産部でも鳥獣被害防止総合対策事業費といろいろな部にまたがってあるわけですけれども、有害鳥獣に対して県ではどのような組織で対応なさっているのか、そこら辺をお伺いします。
〇清水自然保護課総括課長 有害捕獲につきましては、国では鹿、イノシシについては今後10年で半減させることを目標としています。
県では、農林水産部が市町村有害捕獲事業に主に取り組んでおりまして、環境生活部では、環境省の交付金事業を活用しまして個体数の調整に取り組んでいるところでございます。
教育委員会は、カモシカは天然記念物であることから、カモシカの保護の観点から、有害捕獲の際に許可等を与えているところでございます。
〇柳村一委員 第二種特定鳥獣管理計画では、県はツキノワグマ、ニホンジカ、カモシカの計画を策定し、平成28年度にイノシシの計画を策定しておりますけれども、今の答弁ですと、カモシカに関しては教育委員会が担当して、ほかは環境生活部と農林水産部がやっているという認識で間違いないでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 カモシカにつきましては、環境生活部で第二種特定鳥獣管理計画を立てまして、保護の観点から教育委員会と連携を図っているところでございます。
〇柳村一委員 それですと、第二種に関しては環境生活部が全部把握しているということで間違いないですね。
それでは、質問したいのですけれども、平成27年度の捕獲数と各個体の生息数がおわかりであれば、お伺いしたいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 手元にありますのは鹿とイノシシでございますが、平成27年度のニホンジカの捕獲数は、一般狩猟、有害捕獲、県の個体数調整を含めまして9、545頭になっております。
また、イノシシにつきましては、40頭ほどの捕獲となっております。
〇柳村一委員 では、ツキノワグマとカモシカについては把握していないということでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 後ほど答弁させていただきます。
〇柳村一委員 平成27年度のニホンジカの捕獲数の計画が1万頭に対し、捕獲数は、9、545頭ですけれども、平成28年度の計画になると、その捕獲数が7、000頭と減っております。平成35年度までに半減させるという、今いる4万頭を2万頭にするという形でしたけれども、1万頭は、ちょっと捕獲し過ぎたための下方修正なのかどうか。
あと、環境省から個体数とかが指示されているわけですけれども、現実に照らし合わせた場合に、実数はかなり変化しているような気はするのですね。ニホンジカだけでなくカモシカの被害もありますけれども、ニホンジカが多くなることによってカモシカが追いやれているという現象もありますが、そこら辺は、ニホンジカの被害なのかカモシカの被害なのかという区別も難しいと思うので、県として、やっぱり独自に生息数とかを把握していく必要があると思います。
それで、今後ですけれども、どのような形で生息数とかを捉えるおつもりなのかお伺いします。
〇清水自然保護課総括課長 まず、捕獲数の増減に関する考え方ですが、約1万頭といいますのは、有害捕獲、一般狩猟を含めての個体数の捕獲目標でございますので、今年度は、個体数調整の委託は約7、000頭としておりますが、有害捕獲が4、000から5、000頭程度ですので、合わせて1万頭程度は見込めるということでございます。
また、生息状況の把握ですが、国の推定で約4万頭と出ておりますが、その個体数調整を含めまして、鹿、イノシシについても捕獲をしながらモニタリング調査をしまして、数年かけて個体数がどれぐらい増減しているかを把握していく予定でございます。
〇柳村一委員 次に移ります。鹿やイノシシと比べて農作物の被害は余り多くないですけれども、逆に人間に対する被害が多いツキノワグマについてお伺いします。
熊類は行動範囲が広いので、なかなかどこでどう抑えるかが難しいということで、最近、人間と動物とのすんでいるところが、もう同じようなところになってきているので、環境省でゾーニング管理というものを打ち出してきました。
県は、そのゾーニング管理についてどのような考えをお持ちでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 委員御発言のとおり、環境省でゾーニング管理という考え方を出しております。県としましても、まず、本来熊が生息すべき森林等の区域ですとか、集落等の人間生活、人間活動を優先させる区域の適切な管理を行っていくべきと考えておりまして、また、熊と人間が接触する機会を減少させるために、やぶの刈り払い等を行って環境を整備する緩衝地帯を設けることが重要であると考えております。
県内でも、このような緩衝地帯を設けるような取り組みがされている事例がありますことから、市町村等にそういった優良事例として普及啓発を図っているところでございます。
〇柳村一委員 熊は姿を見られるのを嫌うらしいので、緩衝ゾーンはぜひつくってもらって、被害を少なくしてもらいたいと思います。
山菜とりとか渓流釣りというのは、逆に言えば、熊との餌の取り合いですので、そういう方々には、自己管理を徹底するような周知方法をとってもらいたいと思いますが、人里に近いところでの熊の出没というのは、やはり行政のほうもしっかりと手当てをしていかなければいけない部分だと思います。
あともう一つですけれども、仙台市では、仙台駅から2キロメートル地点ぐらいまで熊が出てきており、それはなぜかというと、河川を伝ってきているということで、河川の整備もやっぱり重要になってくると思いますけれども、それらを含めて、今後、熊のゾーン管理の考え、取り組み方法をお聞かせ願いたいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 緩衝地帯あるいは熊の住宅街へ侵入してくる経路の管理につきましては、やはり関係部局、河川を管理しているところですとか、農地等を管理している部局等と連携しながら、あるいは集落、自治会、市町村と連携しながら、それぞれ人身被害ですとか農作物被害がないような管理をすべきと考えておりまして、関係機関、部局と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇柳村一委員 次に移ります。希少野生動植物の保護についてですけれども、まずは、現状と課題についてお伺いいたします。
〇清水自然保護課総括課長 本県では、岩手県希少野生動植物の保護に関する条例に指定しておりますハヤチネウスユキソウなどの条例指定種16種を初め、保存すべき動植物が数多くあり、その適切な保護が課題となっているところであります。
自然公園などにおける開発行為の規制ですとか、自然公園保護管理員等による盗採監視及び特定希少野生動植物流通ボランティアによる流通の監視などに取り組んでいるところでございます。
また、本県が全国でも有数の生息地となっておりますイヌワシの保護を推進するため、イヌワシへの給餌ですとか、破損した営巣地の補修などの繁殖活動の支援などに取り組んでいるところでございます。
また、いわてレッドデータブック、これは平成13年に発刊したのですが、平成26年度に改訂したところであり、今後とも、動植物の生息状況の変化に応じまして、随時調査を行いまして、必要な場合は条例種への指定など、関係機関と連携しながら適切な保護対策に取り組みたいと考えているところでございます。
〇柳村一委員 今、いわてレッドデータブックの話が出ましたけれども、改訂のときに、掲載種が1、093種と増加していますし、情報不足種が163種から103種と減っているということは、それなりに県も一生懸命調査しているのだということで評価しております。生物多様性基本法が平成26年度にできましたけれども、それによりますと、国だけでなく、地方公共団体なども生物多様性地域戦略の策定の努力義務などが入っておりますが、岩手県として、この生物多様性基本法を策定されるおつもりはあるのかないのか。あと、この法に対する考えを聞いて、終わりにいたします。
〇清水自然保護課総括課長 生物多様性地域戦略については、都道府県に努力義務として課されているところでございますが、今年度は、環境基本計画の中に生物多様性地域戦略という形で章を設けまして、位置づけたところでございます。
また、先ほど答弁漏れがございましたツキノワグマの捕獲数ですが、平成27年11月から平成28年10月にかけましては、捕獲数は385頭となっております。また、カモシカですが、平成25年度から平成28年度は捕獲に関する申請は出ておりませんので、捕獲していない状況でございます。
〇城内よしひこ委員 それでは、私も柳村委員とちょっと質問がかぶりますので、違う点でお伺いしたいのですけれども、先ほど鹿の捕獲頭数が9、545頭ということでありましたが、猟友会の方々から、東日本大震災津波以前のように鹿の肉を食べられるような対策をとると、もっともっと駆除が進む、あるいは適切に処理されるというお話を伺っていますが、ジビエというんですか、そういうことに取り組みたいんだけれども、なかなか放射性物質の関係があって食べたり販売したりできないんだということでありましたが、その放射性物質の調査はされているでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 鹿の検体につきましては、全市町村に出荷制限がかかっておりますことから、検体の調査、放射性物質の測定を行っているところでございます。
〇城内よしひこ委員 行っているのは知っていますが、その結果として、いつごろをめどにジビエに解放できるのかと。それがないと、鹿はどんどん県内に拡散してしまいますし、駆除しても、駆除しても、なかなかこれはイタチごっこにならざるを得ない状況が今あるわけでありますので、その辺はしっかりと目標設定をしながら対応していかないといけないのではないかと考えていますが、その辺、どのようにお考えでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 出荷制限の解除に向けた取り組みでございますが、出荷制限の解除については、全市町村で1カ月以内に3検体以上を検査して、全て放射性物質が検出されないというところにならないと、県全体の解除に成らないという状況でございます。
なお、県北のほうで鹿の個体数を1カ月の間に3検体というのは非常に難しい話でございますので、環境省等に対しましては、出荷制限規制の解除の条件の緩和、現実的な対応について要望しているところであります。
また、他県の例でございますが、食肉加工施設を設けまして、全頭検査をすることによって、基準を超えた個体を排除するということでジビエ等の活用ができますので、一部解除という方法によるジビエの有効活用が可能かと考えているところでございます。
〇城内よしひこ委員 岩手県は広いわけでありますので、鹿の移動距離はそんなに広くないという話であります。いずれ、その個体の群れができると、ふえていくと次に分散していくということでありますので、ぜひその辺も検討していただいて、あわせてその処理施設も含めてつくっていただけるようなことも検討していかないと、岩手県全体あるいは、以前、一般質問でもお伺いした経緯がありますが、もう青森県のほうまで行っているという話であります。ぜひ岩手県の鹿は岩手県でとめるようにしてほしいのです。
そこで、先ほど希少野生動植物の保護ということで話がありました。早池峰山にあるハヤチネウスユキソウに対して、鹿の影響は今のところなかったのかあったのか、調査の結果を御報告願いたいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 早池峰山の鹿による食害ですが、現在、東北森林管理署とともに調査を行っているところでございます。一部、ハヤチネウスユキソウの食害が見られるという形跡もあるのですが、その状況について、現在、鹿によるものなのかどうか調査、検討しているところでございます。
〇城内よしひこ委員 鹿だけではないとは思いますが、人の盗掘というものも一方では考えられますけれども、やはりしっかりと対策を考えていかないといけないと思います。
そして、あわせて、先ほどイノシシの個体数40ということでありました。以前、私が委員会でお伺いしたときには岩手県ではまだ確認されていないという話でしたが、県南では結構な被害が出ているところであります。盛岡市でも定点カメラに写し出されたということも新聞等に報道された経緯があります。イノシシに関してもしっかりと対策を講じていってほしいと思いますが、今の状況だと個体数がもっともっとふえていくような気がするのですが、いかがでしょうか。
〇清水自然保護課総括課長 鹿の個体数ですけれども、環境省では、福島県、宮城県を中心に、本県も含めまして約11万頭いると言われておりますが─失礼しました。イノシシでございますが、約11万頭ということでございますが、本県では、個体数を推定するには、捕獲数が40頭程度と少ないものですから、統計上、ある程度の捕獲数が個体数推定には必要だということで、本県での推定は出ておりません。
ただ、平成23年度に一関市で有害捕獲がされてから、平成27年度に奥州市、平成28年度には雫石町でも捕獲の実績があるなど、広がりを見せているところでございます。
今年度、その指定管理鳥獣捕獲等事業によりまして、生息数の調査を行うとともに捕獲に努めて、県北に広がっていかないような取り組みを実施していきたいと考えております。まず、先端部分で捕獲をして抑えることと、生息状況調査を綿密に行って、地域での捕獲の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 いずれ間違った計画を立てないようにお願いします。
次に、交通安全指導についてお伺いしたいと思います。
交通指導員の昨年度の活動内容についてお伺いしたいと思います。
〇後藤県民生活安全課長 市町村の交通指導員の活動でございますが、交通事故防止のための安全指導、街頭指導など交通安全活動の中心的役割を担っていただいているところでございまして、交通事故件数が順調に連続して減少している中で大きな貢献をしていただいていると認識しているところでございます。
〇城内よしひこ委員 交通指導員の方々が、雨や雪の降る日も、晴れる日も一生懸命子供たちの交通安全あるいは地域の御高齢の方々に対する安全の確保のために、日夜頑張っていらっしゃいます。そこで、いつもお見かけする交通指導員の方々は、比較的御高齢の方が多いのかなと感じておりますが、平均年齢と若い年齢層がどれだけ参画しているのか、その状況についてお伺いしたいと思います。
〇後藤県民生活安全課長 委員御指摘のとおり、高齢化が進んでございます。それで、若者の参入状況についてでございますが、交通指導員の年齢を年代別に見たところ、20代の方が0.4%、30代の方が3.4%でございまして、若者という定義は明確ではございませんが、40歳未満ということで若者層を捉えますと3.8%という状況になってございます。
〇城内よしひこ委員 御高齢の方々だけに任せることなく、若い世代にもしっかりと地域の交通安全はみずからの手で守るという意識を伝えていってほしいと思います。
そこで、今日、御高齢の方々の交通事故、あるいは交通事故に遭われるケースが多数発生しているようであります。そういったことをしっかりと県とすれば対策はとっていられると思いますが、どのような形でとっているのかお伺いしたいと思います。
〇後藤県民生活安全課長 委員御指摘のとおり、昨今テレビ報道でも出ておりますとおり、高齢者の交通事故が非常に目立つような形で出ております。県といたしましては、正しい交通ルールを守る県民運動、これは継続的に推進しているところでございまして、特にも昨月、10月17日から31日までを高齢者の交通事故防止県民運動と設定いたしまして、市町村の方々には、医療機関待合室での反射材の配布、それと、家庭訪問による啓発活動などに取り組んでいただいたところでございます。
また、現在、県におきましても、交通安全意識の高揚を図るため、高齢者等がチームを組んで自主的な目標に取り組むシルバー交通安全・マナーアップチャレンジ事業のほか、老人クラブと連携し、交通安全出前講座、反射材の普及促進活動を実施しているところでございます。
また今年度の新しい取り組みといたしまして、9月から10月にかけて毎週火曜日に10分程度のラジオミニ番組を放送いたしました。また、全戸配布のいわてグラフ10月号に特集記事も掲載いたしまして、高齢者の交通事故防止を呼びかけたところでございます。
〇城内よしひこ委員 子供たちの交通安全は、皆さんのいろいろな長年にわたる努力で減ってきているように思っていますが、一方で、御高齢の方々の事故はたくさんふえています。あっても悲劇ですし、自分がみずからそういうものに関与することも悲劇ですので、ぜひしっかりと対策を講じていただいて、未然に防ぐようにいろいろな方策を打ってほしいと思います。その辺、覚悟はいかがでしょうか。
〇後藤県民生活安全課長 交通指導員の方は、先ほど申し上げたとおり、中心的な役割を担っていただいております。それと県の交通安全対策協議会には、111の関係機関の方に出席いただいておりますが、いずれ県民運動ですので、県民お一人お一人の意識、それと、それぞれが所属する地域や職域の団体、そういったところの意識啓発を根底に、基礎的な活動を確保しながら、県民こぞって、確かに高齢者は死者を含み6割以上の割合となっておりますが、子供たちが少ないからといってないがしろにすることなく、全体的な交通安全を総合的に、皆さんのお力もおかりしながら対策を進めてまいりたいと思っております。
〇佐々木順一委員 城内委員のニホンジカの関係についてお伺いします。
県の政府予算統一要望で、当然ながら野生鳥獣対策の財源の確保の要請を行っておりますが、一つは、指定管理鳥獣捕獲等事業、これは環境生活部の所管だと思います。それからもう一つは、農林水産省の鳥獣被害防止対策の拡充という、この二つのテーマを要望しているわけでありますが、昨年度もそうでありましたし、今年度も同じことを要請しているわけであります。
この関連予算を県が政府に要請するということは、縮小傾向にあるのか、それとも、現在、この財源では足りないということなのか、その点ちょっと確認したいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 環境省における指定管理鳥獣捕獲等事業の予算については、県としては要望額どおり満額ついてございます。どちらかというと、他県でも使い切れないぐらいの状況にあると伺っております。
〇佐々木順一委員 それでは聞くけれども、これは何で要望しているわけですか。
〇清水自然保護課総括課長 鹿の被害、イノシシの被害が非常にふえておりますので、個体数管理が必要であるため、継続してこういった予算を確実にとっていただきたいということで、要望を続けているところでございます。
〇佐々木順一委員 それでは、狩猟免許の取得者数ですが、これは今後、将来を見通してどういう傾向にあるのか。予算を消化できる狩猟免許取得者を確保できる見通しにあるのか、その点をお聞かせいただきたいと思いますし、もう一つは、要請書の中に大量捕獲技術の開発、普及という表現がありますけれども、具体的にこれはどういうことを政府に要請しているのか、その点を、あわせてお伺いします。
〇清水自然保護課総括課長 狩猟免許取得者数ですが、県内の狩猟免許取得者は、延べですが、平成元年に5、400名ほどいらしたところですが、昭和28年現在で2、800名ほどになっております。人口の減少とともに高齢化が課題となっているところでございます。ただ、ここ二、三年の取り組みによりまして、新規免許取得者数が増加傾向にありまして、高齢化率も下がってきているということでございます。
引き続き、担い手の確保の観点から、研修会ですとか若者に取っていただくような取り組みを進めて、担い手の確保に努めたいと考えております。
あと、環境省等に要望しております大量捕獲技術でございますが、これは、草原等で大型の囲いわなをしまして、そこに誘導して大量捕獲をする、あるいはITを活用しまして、わなに入ったら、その柵を閉じるような技術の開発を要請しているところでございます。
〇飯澤匡委員 再生エネルギーの導入目標の達成度等についてお伺いします。
岩手県地球温暖化対策実行計画において、再生可能エネルギーの導入目標は、2020年までには電力需要の35%を再生可能エネルギーで賄う計画であります。今、平成27年度の決算ですから、平成27年度までの導入実績と電力自給率を示していただきたい。あわせて、この35%を達成するために、今後取り組む具体的な施策を示していただきたいと思います。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 再生可能エネルギーの導入実績についてでございますが、平成26年度に比べまして127メガワット、19.2%増加いたしまして、平成27年度末で787メガワットとなっております。その内訳につきましては、太陽光発電が330メガワット、水力発電が276メガワット、地熱発電が104メガワット等となっております。
また、再生可能エネルギーによる電力自給率についてでございますが、平成26年度に比べまして2.2ポイント増加いたしまして、平成27年度末で21.1%となっております。
それで、今後の取り組みについてでございますけれども、現在、県内で計画されている再生可能エネルギーの発電設備につきましては、予定どおり導入された場合には、平成32年度に再生可能エネルギーによる電力自給率35%という目標につきましては達成される見込みでございますけれども、この目標達成のためには、送電線の接続制約が隘路となる懸念があるところでございます。
このような中、送電線増強に要する工事費を再生可能エネルギーを導入しようとする発電事業者が共同で負担する新たな募集手続が開始されたところでありますので、県といたしましては、この募集手続が早期に完了するように、国に要望を行っているところでございます。
このほか、再生可能エネルギーのポテンシャル情報ですとか土地利用の情報を集約しました再生可能エネルギー導入支援マップなどによりまして、手続の迅速化を図るなどして導入を推進してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 大体計画どおりに進んでいるというような御答弁でありました。
そこで、私の質問の趣旨は、確かに電力をさまざまな再生可能エネルギーの選択肢を使って達成するのは、それはそれでいいのですけれども、問題は、その電力の質と、それに伴う付加価値をどうつけていくかということも同時に考えていったらいいのではないかと提案を込めて質問させていただきたいと思います。
岩手県も、この委員会でも、地熱発電等についてはもっと有効活用すべきだという話が出ていますが、どうも横ばい傾向にあると。これをもう少し、福島県の土湯温泉等、あの地域の方々が、エコタウン構想と称して、さまざまな事業も展開しながら情報発信をしていくというような取り組みも積極的にされて、非常に注目されている。注目されているがゆえに、たくさんの情報媒体の方々も食いついてくる。これは地域にとってもいいことだと思うわけです。
これは地域にとってもいいことだと思うわけです。
今、地熱がなかなか伸びない、伸び切れない理由は何なのか。それから、今、エネルギーの地産地消ということも叫ばれていますけれども、この点について当局は再生可能エネルギーについてどのように考えているのか、お知らせをいただきたいと思います。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 まず、地熱発電が伸びない理由でございますけれども、大規模なものについては掘削に時間を要するとか、環境アセスメントに時間を要するとか、そういったところで新たな計画がなかなか進んでいないということでございますけれども、県内では、現在、八幡平あるいは安比で開発が進められているところでございまして、今後、そういったものが導入されてくる見込みでございます。
また、大規模な地熱発電以外のバイナリー発電というものでございますけれども、こちらは従来の地熱発電よりも低い温度の温泉熱を利用した発電方式でありまして、新たな掘削が必要ないということもあり、比較的導入されやすい状況になってございます。現在は、盛岡市のつなぎ温泉におきまして源泉の余剰熱を利用したバイナリー発電を計画しており、今年度内の稼働を目指していると聞いているところでございます。
〇飯澤匡委員 土湯温泉の件を紹介しましたけれども、バイナリー発電なわけです。今、御紹介ありましたように、既に湧き出している温泉の余剰熱を使うということですから、まさに岩手県にとってもまだまだ開発の余地といいますか、そういう可能性は十分に秘めていると思います。
繰り返しになりますけれども、そこの中で地域の振興というものもプラスしていくということが非常にいいことだろうと思っております。この点においては、つなぎ温泉のお話も出ましたので、ぜひとも、当局でもいろいろな働きかけをしていただきたいと思います。
あわせて、ちょっと話が変わりますけれども、私の地域でも、太陽光のソーラーパネルがちょっとした小高い丘にも、いろいろな事業者が参入してきておるのですが、一つ心配としては、ある程度の年数が経過して非常にエネルギー効率が悪くなったときに、果たして、その会社がそこまで存続しているのか、恐らく廃棄という部分で、また経費の負担増が出でくるのだろうと。そういう意味で、バイナリー発電とか、そういうものを推奨したほうがいいのではないかという考えでいるのですけれども、さっき言ったソーラーパネルの問題についてはどのような問題意識を持っているのかお知らせ願いたいと思います。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電等に係る諸問題についてでございますけれども、太陽光パネル等につきましては、経年劣化による効率の低下、故障、事業終了後の適正な撤去などが懸念されているところでございます。
国におきましては、このような状況を受けまして、平成29年4月から、事業開始前の審査に加えまして、事業実施中の点検、保守、事業終了後の設備撤去等の遵守を求めまして、違反した場合には、改善命令、認定取り消しなどを行うこととしたと聞いております。
また、景観や安全上のトラブルが発生している状況に鑑みまして、発電所に事業者情報を記載した標識を掲示するなど、事業者の情報を公表する仕組みを設けたところでございます。このような措置によりまして、今後、太陽光パネル等の適正な管理が進むものと認識しております。
〇飯澤匡委員 それで、今の問題等も含めて、特に被災地などでは、これから産業をどうするかということが、まちづくりの次に出てくるクリアしなければならない大きな問題だと思っています。
私は、環境生活部だけで解決するということにはならない全庁的な問題だと思うのですが、再生可能エネルギー達成目標をクリアするだけではなくて、特に被災地自治体にエネルギーの地産地消という大きなテーマを与えて、それを政策誘導していく、全庁的な取り組みの中でやっていくというのは非常に価値のあることだと思うし、その延長上として国の研究機関等もぜひとも呼び込むような、迫力あるような政策というものが、これだけ大きなダメージを受けた被災地ですから、岩手県にとっては再生可能エネルギーを使うということについては非常に価値があることだと思うので、その点については庁内の中で、三陸創造プロジェクトの中にどうこうという話があって、この間の総括質疑で聞いたら、これから具体策を盛り込んでいくというように、もう既に遅いような感じもしないわけではないのですけれども、これから先、県庁全体の政策としてどういう方向性を打ち出していくのか、その点について御所見があればお知らせ願いたいと思います。
〇小笠原温暖化・エネルギー対策課長 被災自治体における地産地消についてでございますが、ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、三陸創造プロジェクトということでさんりくエコタウン形成プロジェクトを位置づけまして、現在、自立・分散型エネルギー供給体制の構築を目指しまして、市町村の計画策定に対する支援ですとか、セミナー等による普及啓発を進めているところでございます。
また、被災市町村におきましても、東日本大震災津波からの復興に向けまして、再生可能エネルギーを活用した災害に強いまちづくりを進めているところでございまして、例えば宮古市におきましては、民間を主体として、メガソーラーを活用した地域への電力供給ですとかカーシェアリングの導入、釜石市では、災害公営住宅等に再生可能エネルギーによるエネルギー供給設備の導入を行っているところでございます。
こうした地産地消の取り組みに加えまして、釜石沖海域が海洋エネルギー実証フィールドに選定されて次世代海洋エネルギー発電技術の研究開発が行われているほか、久慈市では、東京大学の研究グループによりまして日本初の波力発電所が先月完成するなど、研究機関による取り組みが行われているところでございます。
今後とも、全国的にも優位な本県の再生可能エネルギーの地域資源を有効活用するように、関係機関を巻き込みながら施策を推進してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 最後です。
ただいま御紹介がありましたが、県全体で系統的にどうやっているかという部分についてはいささか迫力がないように思います。ばらばら感があるとまでは言い切れませんけれども、岩手県としてどういう方針でやっているのか。地産地消をしっかりと進めるというようなテーマがあれば、もっと県全体での情報発信力がついてくるのだろうと。
あわせて、私のきょうの質問の意図は、岩手県がこれから再生可能エネルギーを使うに当たっては、地域振興という部分にもっと光を照らして政策誘導していく、このことを当局もしっかりやっていただきたいと思うのですが、最後に津軽石部長にその点の御所見を聞いて、終わります。
〇津軽石環境生活部長 今、エネルギーについて全庁的に取り組んではどうかというような御意見をいただきました。お話のとおり、エネルギーについては多面的な効果があるわけでして、お話がありました地域振興、あるいは環境面でも防災面でもありますし、現在、県内では風力発電の計画がかなり多ございますけれども、風力発電に関して申し上げると、1本の風車に約2万個の部品があると言われておりまして、これは将来的には産業振興にも有効なものではないのかと思っております。
そういったものを全庁的に進めるという観点で、県では、部局横断組織といたしまして岩手県再生可能エネルギー推進本部を全庁的な組織としてつくっておりまして、こういった中で、何といっても岩手県は全国第2位の再生可能エネルギーのポテンシャルがございますので、その立ち位置を有効に生かせるような施策を強力に推進していきたいと思っているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、DV相談員、配偶者暴力防止対策に関する御質問をさせていただきます。
平成27年度のDV相談員の活動の取り組み状況と、DVシェルターの県内の状況についてお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 DV相談員の活動内容とDVシェルターについてということでございますが、まず、現在、県内では福祉総合相談センターや男女共同参画センターなど12カ所が配偶者暴力相談支援センターということになってございまして、そちらのほうに相談員を配置いたしまして、DV相談や必要な相談機関の紹介、家庭裁判所が行う保護命令制度の利用、被害者の自立促進のための情報提供、緊急時における被害者等の安全の確保などの取り組みを行いまして、平成27年度は2、378件の相談を受け付けまして、必要に応じて一時保護等につないでいるということでございます。
次に、DVシェルターの県内の状況ということでございますが、DVシェルターは、被害者が配偶者の暴力から逃れるために被害者を一時保護する施設でございまして、本県におきましては、福祉総合相談センターにおいて一時保護を行って、被害者の安全を確保しているということでございます。
なお、平成27年度の一時保護の件数は27件になっております。
〇ハクセル美穂子委員 相談件数が2、378件ということで、DVの相談もふえているということが実績の中でもわかりますし、シェルターでの保護が27件だということで、ニーズがふえているということをすごく感じるのですが、その中で、相談員の仕事の中の役割で考えてほしいと思っていることがあるのです。それは、民法第766条第1項というのが平成24年4月1日施行で改正されて、DVを受けた場合でも─DVといっても、暴力のDVと精神的なDVとか、いろいろなDVがあるのですけれども、最近のはやりですけれども、いわゆるモラルハラスメントとか、モラルハラスメントでも、離婚協議をして離婚した後に、子供の権利として面会交流をするということが重視されてきている。家庭裁判所のほうでも、特に子供に対する暴力があった場合のDVではない限りは面会交流を推進するというような形で、面会交流を拒否できるかできないか、面会交流をさせるような方向に今なっているということをお聞きしております。そういった精神的なDV被害があった場合、被害に遭ったほうの親が加害者である親に会うということが、とても精神的にもまだつらい状況なんだけれども、子供を受け渡ししなくてはいけないというようなケースが県内でふえているということを弁護士の方々からお聞きしております。
そういった場所が、今のところ県内で、具体的にNPOなどでやっているところが盛岡には1カ所あるようなのです。県庁の裏のところで、安い費用でやっているNPOがあるのです。都内などでは、民間の業者の方がそういった面会交流の仲介をやるということも進んでいるそうなのですけれども、とてもお金というか、費用がかかると。離婚して片親になっている状態で、そういったことは県内ではなかなかできないということで、今は法テラスの弁護士が無料で面会交流の中間役をしてくださっているという現状があるようです。特にも沿岸部のほうではシェルターも足りない、面会交流の場所も確保できないような状態で、いろいろと綱渡り的に取り組みをしている。
その中で、県内12カ所に配偶者暴力相談支援センターがあるわけです。沿岸地域にもありますし、県北にもあります。結構いいぐあいに県内全域に配置がされていると感じているのですが、そういったセンターの中で、相談員の役割として、もし可能であれば、そういった面会交流の仲立ちというものもやってもいいのではないかと考えていますが、そういった現状をどのように分析というか、研究されているのかについてお聞きしたいと思います。
〇中里青少年・男女共同参画課長 面会交流についてということでございますが、県では、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に基づきまして、先ほど申し上げましたとおり、配偶者暴力相談支援センターを設置して、配偶者からの暴力の防止と被害者からの相談、被害者の保護、自立支援に取り組んでいるところでございます。
面会交流ですが、先ほど委員からもお話がありましたとおり、民法の改正がありまして、父母が協議上の離婚をするときは、父または母と子との面会及びその他の交流いわゆる面会交流、そして養育費の分担について協議の際に定めることとされています。さらに、この場合には、子の利益を最も優先して考慮しなければならないとされたということは認識しております。
DVにより離婚した場合の面会交流につきましては、いろいろとその後のまたDVにつながるおそれがないかというような懸念がある場合も想定されるのかということもございますが、当室としましては、元配偶者からの暴力の防止、被害者の保護、自立支援というような法律に基づく県の役割の観点から、県としてどのようなことができるのか、今後、研究してみたいと思っております。
〇軽石義則委員長 質疑、答弁は簡潔にお願いします。
〇ハクセル美穂子委員 前向きに考えてくださるというような御発言をいただいて、うれしいと思います。
そして、男女共同参画サポーターの男性の申し込みが少ないというのもあって、男女共同参画サポーターというのはDVに関してもいろいろとサポートできるような方々を養成しているようですので、DVの被害者も加害者も女性だけではなくて男性もいらっしゃいますし、例えば男性の加害者の方でも、実は男性同士であればお話ができて自分の心の中を話せたりするのかもしれませんので、そういった男性サポーターのあるべき姿というか、今だと女性の支援のようなイメージがあるのですけれども、男性がサポーターになることで男性の支援もできるのだというような観点をもうちょっと強目に打ち出してくださるのも、またいい結果が出てくるのではないかと思っていますので、ぜひ前向きに、どちらの面からも推進していってくださればと思います。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、盛岡広域のごみ処理計画についてお聞きします。これは、岩手県の広域処理計画に基づいて進められているのでありますけれども、盛岡広域のごみ処理計画は、今、どういう進捗状況にあるでしょうか。
あわせて、ごみ問題の一番の問題はごみの減量、リサイクル、リユースでありますけれども、この盛岡広域のごみ処理計画ではこうした点がどのように検討されているのか、されていないのか示していただきたい。
〇田村資源循環推進課総括課長 盛岡広域のごみ処理計画の進捗状況でございますけれども、新しいごみ処理施設の整備を行う候補地を検討するために、県央ブロックごみ処理施設整備候補地検討委員会が設置されまして、平成27年9月に第1回委員会が開催されて以降、昨日まで9回開催されたと聞いておるところでございます。
この中で、ごみの減量化、リサイクル、リユースの計画についてでございますけれども、これまでの基本構想等では、ごみの量につきましては記載されておりますけれども、減量化、リサイクルにつきましては、今後、平成32年に予定しております施設整備基本計画において、具体的な分別区分等に関する事項を決定すると聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 9回やられて、12月までに最終整備候補地を3カ所程度に決めるというスケジュールでやられているわけです。そして、1月に報告書を取りまとめるとなっているのですけれども、一番の心配は、今の盛岡市クリーンセンターの地域なのです。この15年間で、盛岡市クリーンセンターから排出された有害物質の排出量は、盛岡市議会でも明らかになっていますが、どのように把握していますか。
〇田村資源循環推進課総括課長 盛岡市におけるごみ焼却施設の有害物質の排出量でございますけれども、有害物質は、排出しておりません。排ガスの基準を遵守して適正に管理がなされているところでございます。
〇斉藤信委員 そんな不誠実な答弁はだめです。盛岡市議会でも、盛岡市自身が算出して、1、000トンの有害物質が排出されていると答えているのですから。15年間でこれだけの有害物質が排出されてきたと。さらに、このクリーンセンターは平成40年まで運転されて、平成41年以降は、日量500トン、今の倍以上の規模の新しい焼却施設を整備しようとしている。同じ場所に整備されたら、まさにその地域が有害物質の排出地域になってしまう。地域住民の方々が、こういう1カ所集中、とりわけ今と同じ場所に整備することには反対だと声を上げているのは、私は、道理のあることだと思います。
特に、焼却場付近の小学生のぜんそく罹患率がその他の小学校に比べて2倍、3倍高いのです。これも盛岡市は認めています。こういう問題については、市や県がみずからなぜ高いかを解明して、住民の不安を払拭するべきだと私は思いますけれども、いかがですか。
〇小野寺環境保全課総括課長 焼却施設周辺の小児のぜんそくの状況はどうかという御質問でございました。
3月の予算特別委員会でも同じような御質問をいただいて、その際もお答えをさせていただいておりますけれども、まず、学術的な研究のところでいきますと、厚生労働省によりますと、小児ぜんそくの原因といたしましては、70%から90%程度がダニをアレルゲンとするアトピー型だとされているところでございます。
また、PM2.5につきましては、今、発生源についての分析を国のほうでもいろいろと調査、研究をさせているところと伺っております。その過程の中で、例えば東京都の調査ですとか、あるいは名古屋市の調査ですとか、そういったところを私どもも見させていただいたのですけれども、PM2.5に対する廃棄物焼却施設のばいじんの寄与率というのが極めて少ないといったこともございますので、そういうところから鑑みまして、そういう認識をしております。
また、先ほど申し上げましたとおり、PM2.5の発生源につきましては、引き続き国が調査しておりますので、その動向を注視していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、現象として盛岡市内の焼却場施設付近の小学生のぜんそく罹患率がその他と比べて2倍、3倍高いという問題を、一般論ではなくて、やはり調査すべきだと思います。焼却場付近ということは、それに関連があるのではないかと考えるのは当然のことですから。そういう点で、盛岡広域のごみ処理計画の一番の問題は、ごみ問題の解決のかなめ中のかなめである減量、リサイクル、リユースの計画が全くない。
そこで、私はお聞きしたいのだけれども、焼却施設を持たない鹿児島県志布志市の取り組みについてですが、27品目の分別、資源化でリサイクル率は76.1%、全国1位です。最終処分場を30年以上延命化して、ごみ処理計画は全国平均の2分の1にしたと。私は、こういう方向で今の岩手県のごみ問題に当たるべきだと思いますけれども、津軽石部長にお聞きしましょう。ごみ問題の基本は何か、そういう方向でこの問題は対応すべきだと思いますが、いかがですか。
〇津軽石環境生活部長 御紹介のありました鹿児島県志布志市のお話については私どももお聞きしておりまして、ここは人口3万人程度と聞いておりますけれども、もともと焼却施設をお持ちでない。合併後も、全て焼かないで分別して、それで残ったものは最終処分場に持っていくというような仕組みと聞いております。
学ぶべき点が多々あるとは思いますけれども、これが全て、例えば盛岡広域にすぐ当てはまるかどうかという部分はいろいろあるかとは思いますけれども、いずれ、我々も、広域化とごみの減量化というのは同時にやるべきものでありまして、少なくして、その上でごみ処理経費等の効率化を考えれば、ある程度集約していくというような方向性について、やっていくべきものと思っておりまして、その辺については、市町村の方々にいろいろお話をお聞きしながら、場合によっては技術的支援をしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、地域住民の反対や不安を無視して、こういう大型焼却場の整備を進めるべきではないということを強調しておきます。
次に、いわて第2クリーンセンターのいわて県北クリーン株式会社のデータ改ざん問題が発生いたしました。このデータ改ざんの経緯はどうなっているか、どのようにしてこの改ざんが行われ、その原因と責任はどこにあるのか、公害防止協定、県の排出基準の内容と意味、県のチェック機能はなぜ機能しなかったのか示していただきたい。
〇田村資源循環推進課総括課長 いわて第2クリーンセンターはいわて県北クリーン株式会社で運営しているところでございますけれども、ことしの6月8日に、排ガス測定値を不正に操作したとの報告がありまして、県では、施設への立入検査を行った上で改善計画書の提出を求めたところでございます。7月1日には改善計画書が提出されまして、この内容を審査した上で、13日に受理しております。
いわて県北クリーン株式会社では、不正を行ったことを自主公表したところでございますけれども、7月14日に焼却炉を休止いたしまして、従業員の再教育を行い、22日には九戸村議会全員協議会あるいは住民説明会で経過を説明いたしまして、23日から再開したところでございます。
この原因でございますけれども、不正操作が発生いたしましたのは、データ集計システムがパスワード管理されていないでありますとか、職員のコンプライアンス意識の欠如、あるいは部署間の連携不足が起因しているものと思われます。
県のチェック体制でございますけれども、いわて県北クリーン株式会社が運営しておりますいわて第2クリーンセンターにつきましては、事業契約に基づいて、その事業契約に規定していますサービスを提供しているかを確認するために、県では、年4回、モニタリングを行っているところでございます。このモニタリングでは、業務の実施状況でありますとか、書類とかをヒアリング等で確認してきているところでございますけれども、結果としてチェックでは発見できなかったというのは事実でございまして、非常に重く受けとめているところでございます。
現在は、このようなことがないように月2回のモニタリングを実施いたしまして、今まで以上に厳しく監視、指導に努めているところでございます。公共関与施設の信頼回復に向けまして、二度と不正が起こらないように事業者を指導していく所存でございます。
〇斉藤信委員 このデータ改ざんは、最初に不正操作が行われたときは、運転操作をする部署の部長が指示したことがわかっています。まさに組織ぐるみ、7年間続いたのです。これは、いわて県北クリーン株式会社が創業した直後からということです。これは内部告発によってやっとわかったと。これは社長も承知していて、何度かやめようとしたけれども、やめられなかったと。私は、会社ぐるみのデータ改ざんであり、本当にこれは許されないことだと思います。
公害防止協定や岩手県のPFI事業の協定もあるわけです。私は、これに基づいて厳しい処分をしたのか、そのことをお聞きしたい。
〇田村資源循環推進課総括課長 先ほど答弁漏れがございました。
県の環境保全基準と公害防止協定の関係についてでございますけれども、事業契約に基づくものが環境保全基準値でございまして、九戸村と結んでいる公害防止協定と同じ値でございまして、これにつきましては法律よりも厳しい基準となってございます。
7年間、組織ぐるみでといいますか、社長も知っていたということでございますけれども、これは本当にあってはならないことでございまして、県といたしましては、その事業契約に基づきして改善勧告を行ったところでございます。社内的にも処分が行われたと聞いておりまして、今後、不正が二度と起こらないように、引き続き監視を継続してまいります。
〇斉藤信委員 次に、台風第10号の災害廃棄物の処理についてお聞きいたします。
台風第10号による災害廃棄物の今の処理の状況、今後の見通し、さらには財源対策はどうなっているか示してください。
〇田村資源循環推進課総括課長 台風第10号により発生いたしました災害廃棄物でございますけれども、局地激甚災害に指定されました市町村等を対象といたしまして連絡会議を開催し、平成28年台風第10号による災害廃棄物の処理指針を策定したところでございます。
今後、この指針に基づきまして、被災市町村等におきまして、生活環境の保全を図るとともに、再資源化、減量化に取り組みながら迅速かつ円滑な処理が進むよう、県といたしましても助言、支援を行うとともに、広域処理の調整を行っていきたいと考えておるところでございます。
財政支援についてでございますけれども、災害廃棄物処理につきましては、環境省所管の災害廃棄物等処理事業というものがございまして、これにつきましては、補助が2分の1、残りにつきまして地方負担の8割が特別地方交付税で措置されまして、実質負担が10%になるところでございます。
さらに、激甚災害に指定された場合につきましては、国庫による措置が最大で95.7%となり、市町村の実質負担が4.3%になるということでございますけれども、県といたしましては、東日本大震災津波からの復興の途中で受けた災害でございますので、手厚い支援、東日本大震災津波と同様の財政措置を行っていただくよう要望したところでございます。
〇斉藤信委員 災害廃棄物については、必要となる処理量、排出量が、今、どういう状況にあるのか。第1次、第2次の仮置き場、分別が今始まっていると思いますけれども、その処理状況を示してください。
次に、(仮称)宮古岩泉風力発電事業の問題についてお聞きします。
株式会社グリーンパワーインベストメントによって70基の風力発電が計画されていますが、この地域は、いわゆる絶滅危惧種のイヌワシが高密度に生息している国内最後のとりでと言われる地域で、四つのペアが生息していることも確認されています。豊かな自然環境に重大な影響を及ぼす風力発電事業ではないかと私は思いますが、今の状況、環境影響調査の結果、それに対する県、国の対応について示していただきたい。
〇小野寺環境保全課総括課長 宮古岩泉風力発電事業の環境影響評価手続の関係でございます。
現在、準備書段階ということで、最終段階の一つ手前の段階でございまして、それに対して知事の意見を出し、国からも経済産業大臣の勧告が事業者宛てに出ております。
その内容を簡単にでございますけれども、イヌワシにつきましては、重要な餌場への移動ルートを確保するために、一部の風力発電機について、設置の取りやめを含む抜本的な見直しを実施することなどとなっております。70基ほど予定されているようですけれども、その一部を見直ししたらどうかといったような勧告の内容と受けとめてございます。
事業者からは、こうした知事意見あるいは大臣勧告を踏まえまして、計画を修正した上で、最終の評価書が提出される予定でございます。
その後、事業認可となりますが、法律の規定によりまして国が認可権者になるわけですけれども、事業の実施に際して、この指摘事項、環境の保全について適正な配慮がなされているかどうかを審査して、それがなされていない場合には認可しないという仕組みに法律上はなってございます。そういうことでございますので、イヌワシへの対応を含め、環境保全措置が講じられるものと考えております。
県としても、評価書が提出された際には、審査会の委員がいらっしゃるわけですけれども、委員と情報共有しながら、必要に応じてさらに事業者に対する指導や、あるいは国に対して御意見をお伝えするといったようなことをして、認可の際の判断材料としてもらうなど、イヌワシの保護と再生可能エネルギーの導入促進が両立するように適切に取り組んでいきたいと考えております。
〇斉藤信委員 日本イヌワシ研究会の会長が岩手日報の論壇にも投稿していますけれども、まさに国内で最も絶滅が危ぶまれる種の一つで、北上高地はイヌワシが高密度に生息している国内最後のとりでで、四つのペアもここで生息していることを確認しているということですから、私は、こういうところに、森林も自然環境も破壊する大規模な風力発電が必要なのかと。根本問題も含めて、中止も含めて、県が強く対応するように求めたい。
最後です。高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題の国の動向と県の対応についてお聞きして、終わります。
〇小野寺環境保全課総括課長 高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題の関係でございます。
まず、施設選定に係る現在の動向でございますが、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく調査の前の段階といたしまして、科学的有望地を提示する方向で、現在、国が検討してございます。
この科学的有望地というものは、適性が低い地域、適性がある地域、適性が高い地域の三つの区分でマッピングするものでございますが、この段階では適性の低い地域を排除する程度の意味合いということでございます。よって、その適性がある地域は相当広範囲にこの段階では示されるものと見込んでございます。
また、科学的有望地の提示時期でございますけれども、当初、年内を目指していると聞いておりましたが、10月に開催されました国のワーキンググループにおきまして、有望地などの文言が最終処分場決定のゴールと受けとめられるおそれがあるといった意見が出されたことを受け、再検討していると聞いております。したがいまして、提示時期につきましても年明け以降にずれ込むのではないかといった報道もなされているところでございます。
このように現段階で動向がまだ不透明でございますけれども、科学的有望地の提示がいつになるか、また、その後の法に基づく調査場所の選定の動向を注視していきたいと考えてございます。
〇小西和子委員 私は、事項別明細書199ページの配偶者暴力防止対策推進事業、いわて女性活躍支援事業費にかかわって質問をさせていただきます。
まず、女性活躍支援についてですけれども、平成27年に内閣府の交付金を活用したいわて女性活躍支援事業を新規事業として実施しております。その事業に係る成果と課題、今後の対応や取り組みについて伺います。
また、女性活躍の推進のためには、企業経営者や管理職などの意識改革による働き方の見直しなどを図ることが課題とされていますが、その取り組み状況、対応についてあわせて伺います。
〇中里青少年・男女共同参画課長 いわて女性活躍支援事業についてでございますが、平成27年度はこの事業におきまして、男女双方にとって働きやすい環境整備に向けた意識啓発に取り組んでまいりました。これらの取り組みもありまして、今年度行われました企業・事業所行動調査結果におきまして、女性の積極的な採用、登用などに取り組んでいる企業の割合が41.1%となりまして、平成14年度の調査開始時点の29.3%に比べて11.8ポイント上昇したということが成果の一つとして挙げられるかと思っております。
また、男女共同参画センターへのワーク・ライフ・バランスに関する出前講座の要請も、昨年度に比べまして今年度はかなり多くなっておりますので、今後、さらに多くの企業に女性の活躍に向けて取り組んでいただくよう、県としても取り組みを進めていきたいと思っております。
次に、企業経営者の意識改革による働き方の見直しについてでございますが、今年度から、商工労働観光部が担当でございますが、いわて働き方改革推進運動への参加企業82社の中から、すぐれた取り組みを表彰するいわて働き方改革アワードというものを開始しまして、県内企業の取り組みの押し上げを図っているところでございます。引き続き、産業団体や経済団体と連携しながら、1月にはイクボスをテーマとした経営者研修、2月にはワーク・ライフ・バランスを推進するセミナーを開催する予定としておりますので、今後も引き続き企業の経営者や男性従業者に対する意識啓発を進めてまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 順調に進んでいるということでした。
女性活躍推進法では、市町村の推進計画の策定を努力義務としておりますが、市町村においても女性の活躍を推進するため計画策定が重要と見込まれることから、県としてさらに踏み込んだ対応が必要と思いますが、県の見解をお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 女性活躍に関する市町村の計画についてということでございますが、委員御指摘のとおり、女性活躍をさらに推進するためには、市町村においても法律に基づく計画の策定が必要と考えております。
市町村におきましては努力義務とされているところですが、これまで県では、市町村男女共同参画担当課長会議や市町村男女共同参画担当職員研修などさまざまな機会を捉えて、計画策定の意義ですとか策定方法のアドバイスをするということで説明をしてまいりました。
国では、地域における男女共同参画促進を支援するためのアドバイザー派遣事業というものもやっておりますので、そうしたものを活用して策定するということも進めながら、必要な情報提供や助言を今後とも行っていきたいと考えております。
〇小西和子委員 これは、人口減少社会に対応するため、女性がもっと活躍できる社会づくりを目玉政策の一つとして政府は掲げております。一握りの女性の活躍ではなくて、シングルマザーや貧困に苦しむ女性を含む全ての女性の底上げによる活躍推進が求められていると考えております。
先ほどもありましたけれども、そのためには、長時間労働の是正、性別、役割、分業意識の払拭、雇用における男女間格差の解消、保育環境の整備などに力を尽くすべきと考えております。他部局や民間の方々とも連携いたしまして、真に実効のある事業とすることをお願いして、この分については終わります。
次に、DV防止対策について、先ほど、ハクセル美穂子委員からもありましたので、答弁のときはその部分は割愛して結構でございます。
平成27年度はDV相談件数が何と前年比874件増と急増しております。DV被害者支援に向けてのさまざまな取り組みを行っていると思います。現状、成果と課題について、それから、平成28年度のDVの現状と取り組みについてお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 DVの相談件数がふえているということでございます。平成27年度の相談件数は2、378件ということで、前年度よりかなり増加しております。
ただ、平成27年度の一時保護、また保護命令の件数を見てみますと、前年度より減少しております。このことから考えますと、事案が深刻化する前に相談ですとか支援につなげることができたのかとも考えられると思っておりまして、そういったことにつきましては、普及啓発ですとか、警察とも連携いたしまして初動対応を重点的に行ってきた一つの成果であるかと思っております。
DVにつきましては、まずは相談していただくということが大事ですので、今後とも相談につながるような普及啓発に取り組んでまいりたいと思います。
平成28年度相談件数につきましては、6月末現在で737件となっておりまして、前年同期と比較すると、おおむね横ばいの状況となっております。
〇小西和子委員 横ばいということは、まだちょっと高どまりかと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、平成27年度の被災地の女性が置かれている環境と課題、平成28年度の現状と取り組みについてお伺いいたします。
あわせて、名称が変わったと教えていただきました、女性のための心のケアサポート事業に寄せられた相談件数、内容、取り組みについてもお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 被災地の女性が置かれている環境と課題、取り組みについてでございますが、平成26年度に実施いたしました岩手県復興委員会女性参画専門委員会による現地調査におきまして、女性の声がさまざまなことになかなか反映されないですとか、新規就労者を根づかせ、後継者を育てるには女性の関与が必要といった声が寄せられているところでございます。また、女性の心のケアホットライン・いわての相談状況からは、依然として被災地の女性がさまざまな悩みや不安を抱えていると認識しているところでございます。
平成28年度の取り組みとしましては、引き続き、面接による相談の実施や、寄せられた課題の解決に向けて、関係課と連携して一体となった取り組みを進めてまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 相談することが第一だというお話を先ほど伺いました。カードを配っていらっしゃると思うのですけれども、陸前高田市に行ったときだったと思いますが、トイレの個室のほうにさりげなく置いてありました。それだと、ほかの方に見られないでそのカードを持ち帰ることもできると思ったので、ほかの市町村でもぜひ取り組んでほしいと思ったところです。
最後に、女性参画による復興の取り組みについてお伺いいたします。
平成27年度の女性参画による復興の取り組みの成果と課題についてお伺いいたします。
あわせて、政策、方針決定の場に女性が参画すべきとの各方面からの提言がありますが、この提言を十分に盛り込んだ事業内容になっていたかお伺いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 女性参画による復興の取り組みの成果と課題についてでございますが、男女共同参画の視点からの防災・復興に関する普及啓発事業としまして、男女共同参画の視点でさまざまな復興が進むことを目的としましたワークショップを行っているところでございます。平成27年度は、陸前高田市と滝沢市において開催いたしました。やはり沿岸部と内陸部ではワークショップで出る意見が違うということを実感いたしました。そのような発表の中でも、政策、方針決定の場への女性の参画拡大の必要性ということについて、参加者からも気づきがあったという声が寄せられたところでございます。
また、復興局では、復興に女性の視点を反映させるために、県の委員会に女性参画推進専門委員会を設置して、復興過程に女性の参画を進めているということでございまして、今後も、復興局や国の復興庁など関係機関と連携を図りながら、女性の参画による復興が進むように取り組んでまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 今年度の事業の現状と取り組みについてもお願いいたします。
〇中里青少年・男女共同参画課長 今年度は、男女共同参画の視点からの防災・復興に関する普及啓発事業は、宮古市においてワークショップを開催する予定としております。当初、12月に開催する予定だったのですが、台風の影響がございまして延びております。宮古市からは、民生委員あるいは自治会で役割を持っている方たちを集める機会があるので、その機会を活用して男女共同参画のワークショップをやるのが効果的なのではないかという御意見もいただいておりまして、そのようなことで宮古市と調整をしながら進めてまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 どんどん拡大して取り組んでいらっしゃるということがわかりました。
男女共同参画というのがうんと重要だなと思うことが多々あるわけですけれども、例えば3.11のときに、まだ水道が復旧していない避難所に全自動の洗濯機が届けられたが、これは使えないわけです。ですから、避難所に行ったとき、全く使いものにならないものが届けられましたと避難所の方に言われました。先日の台風第10号の被災地から、ある団体に、御飯は自衛隊の方々が炊いてくださるのだけれども、まだライフラインが復旧していないのでおかずがつくれない。だから、お惣菜を届けてほしいと言ったときに、そのとき、どなたが返事したかわからないのですが、野菜を届けているから要らないと言われて、その日は届けられなかったのです。つまり煮炊きするのに何が必要かというのがわからなかったということのようです。次の日からはお惣菜を届けることができたということです。世の中には男性と女性しかいないわけですので、どうぞ、男女共同参画というものに力を入れていっていただきたいと思います。
最後に、突然でございますけれども、岩手県は7割の方が男性優位の県であるとアンケートで答えているわけです。そこで、岩手県を男女共同参画が実現するような県にするためにどうしていったらいいかというか、決意を部長にお伺いして、終わりたいと思います。
〇津軽石環境生活部長 男女共同参画社会を進めるためにということでございますけれども、男女共同参画を阻害する要因として、お話があったDVがございまして、今、DV防止運動の期間でございまして、我々も紫色のリボンを全員つけております。そういった意味では、女性だけではなくて男性の意識改革というのはやはり必要なわけでございまして、女性に直接的なものだけではなくて、そもそものワーク・ライフ・バランスでありますとか、そういった生活者としての感覚を男性も持つということが大切ではないかと思っておりまして、今後、まずは県庁が率先してということではありますけれども、我々も含めて、民間の方々と一緒になって、あるいは地域の方々と一緒になって、とにかく岩手県が男も女も住みやすいところだと思っていただけるように、我々も一生懸命頑張っていかなければいけないと思っております。
〇軽石義則委員長 お昼も近づいておりますが、あと1名の予定ですので、続行いたします。
〇吉田敬子委員 希少野生動植物保護対策事業については、先ほど柳村委員と城内委員から質問がありましたが、その中でイヌワシの繁殖について、まとめて簡潔にお伺いしたいと思います。
繁殖率が平成26年度6.3%から平成27年度14.3%と、皆さんが大変頑張られたおかげで伸びたということは大変評価しておりますが、どのような工夫でこのように伸びたと県では認識されているのか。
予算特別委員会のときには、農林水産部等との連携も必要だと私は思うということに対して、他部局との連携を含めて頑張っていきたいという部長からの御答弁はいただいたのですけれども、全国的なつがい数を含めて、今年度の分も含めて、県としての取り組み状況と課題をまとめてお伺いいたします。
〇清水自然保護課総括課長 繁殖率が向上した点でございますが、平成26年度には大雪の影響で、それが昨年度はなかったということが、大きな要因ではなかったかと思いますが、あわせまして、繁殖の見込みが高い営巣地でシカ肉の給餌活動や破損した巣の補修などの継続的な取り組みを行ったことが向上につながったものと考えております。
全国的な状況でございますが、イヌワシの個体数は、平成16年度時点の環境省の調査では650羽、つがい数は少なくとも200つがいが確認されているところでございます。
〇吉田敬子委員 先日、日本野鳥の会が盛岡にいらっしゃって、私も、盛岡の野鳥の会が盛岡地域で活動されている現場をちょっと見させていただきました。現場には、環境保全をやっている方だけではなくて、いわての森林づくり県民税を使って山仕事をしている方々と一緒になってやっている作業を視察させていただきました。そういった民間の方々も一緒になってやっていることをさらに高めていって、支援もしていっていただきながら、今後ますます頑張っていただきたいと思っています。
今回、目標値が平成27年度で14%のところを、14.3%で目標を達成されたのですけれども、今後は、もうちょっと伸ばしていくものであるのかを伺って、終わりたいと思います。
〇清水自然保護課総括課長 目標値でございますが、東北6県の繁殖率の平均値をめどとして頑張っているところでございます。
今後とも、鳥獣保護区におけるイヌワシの保護ですとか、そういったものに力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 では、目標値は変えないということですか。
〇清水自然保護課総括課長 目標値については、当面、それを踏まえまして、確実にふやすようにしたいとは思いますが、現状では維持なり向上を目指していきたいということで、変える予定ではございません。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、環境生活部関係の質疑はこれで終わります。
環境生活部の皆様方は退席されて結構です。お疲れさまです。
この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時3分 休 憩
午後1時2分 再 開
〇中平均副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この後、審査を予定している部局について12人の質問者が予定されておりますので、午前中に引き続き議事の進行に御協力願います。
次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇桐田労働委員会事務局長 それでは、労働委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書をお開き願います。ページは234ページと235ページでございます。第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算現額の計1億928万1、000円に対し、支出済額は1億789万6、000円余となっております。
支出済額の内訳といたしましては、1目委員会費3、149万9、000円余は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要した経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。次に、236ページと237ページをお開き願います。2目事務局費7、639万7、000円余は、事務局の管理運営に要した経費であり、事務局職員9名の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
以上で労働委員会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇中平均副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇中平均副委員長 質疑がないようでありますので、労働委員会関係の質疑をこれで終わります。
労働委員会の皆さんは退席されて結構です。
次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇工藤大輔委員 商工労働観光部の審査に当たって、席割でちょっと内容にミスがあるので、事務局のほうでは少し気をつけるようにしていただきたいと思います。
具体的に言うと、戸舘室長のところが、我々に配付されているものと実際の座席のところにちょっと違いがあったので、気をつけてください。
〇中平均副委員長 工藤大輔委員、事務局のほうで後刻、訂正させていただきます。審議は続行させていただきたいと思いますので。
〇菊池商工労働観光部長 平成27年度の商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
初めに、当部所管の取り組み状況及び今後の取り組みの方向等について総括的に御説明申し上げます。
平成27年度は、本格復興邁進年として、復興計画に掲げる暮らしの再建となりわいの再生に向けて、産業振興施策の展開と、それと一体的に進める雇用対策、被災事業者や商店街の再建、事業再生への支援、観光客の誘客拡大などに取り組んだところでございます。
さらに、いわて県民計画に掲げる産業創造県いわての実現に向け、八つの政策項目について復興計画と一体的に取り組んでまいりました。
そのまず1点目は、ものづくり産業の振興でございます。
ものづくり産業の中核である自動車、半導体関連産業については、地場企業の技術力、競争力を高めるとともに、いわゆるサプライチェーンの拡大や企業誘致による産業集積の促進、産業人材の育成など、産業基盤の強化に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、誘致企業等と地場企業との取引成約件数や企業の新規立地、増設件数などが増加したところでございます。
今後におきましても、一層の集積促進と競争力の強化、県内各地域のものづくり企業の成長や新産業の創出等を支援するとともに、すぐれたものづくり人材の育成と地元定着の促進に取り組んでまいります。
2点目は、食産業の振興でございます。
本県の重要産業の一つであります食産業につきましては、農商工連携や企業間連携を支援するとともに、売れる商品づくりや工程改善の支援に注力してまいりましたところ、支援企業の販路開拓や生産性向上などにつながってきております。
今後さらに、地域企業の新規事業の展開や連携の促進を図るとともに、引き続き水産加工業の復興に向け、きめ細かな支援に取り組んでまいります。
3点目は、観光産業の振興であります。
本県への観光客の誘客拡大につきましては、二つの世界遺産を初め、さまざまな観光資源を活用しながら、沿岸への二次交通の充実や市町村等が行う新たな観光資源の発掘、磨き上げへの支援、震災学習も含めた教育旅行の誘致などに取り組んでまいりました。
また、国際観光につきましては、東北観光推進機構等と連携し、旅行博等への出展、各種メディア、旅行エージェント等の招請による旅行商品の造成、販売促進などの取り組みに加え、多言語コールセンターの運営やWi−Fi環境整備等に対して支援を行うなど外国人受け入れ態勢の充実に努めてきたところであり、観光客入り込み数は年々回復してきているとともに、また、外国人の延べ宿泊数は、対前年度比30%を超える伸びとなっております。
今後におきましても、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の取り組みによるおもてなし意識の向上や来県者からの高評価など、国体レガシーを生かし、ラグビーワールドカップ2019日本大会開催を見据え、キャンペーンの展開や沿岸地域を初めとする教育旅行等の誘致、国の東北観光復興対策交付金を活用した外国人観光客の誘客促進に取り組んでまいります。
4点目は、地場産業の振興でございます。
伝統的工芸品を初めとした県産品については、その魅力を生かしたライフスタイル提案型の展示販売会の開催や、県外アンテナショップ等での情報発信等による新規需要開拓、新商品開発支援等に取り組んできたところであります。その結果、地場産業の販路拡大へとつながってまいりました。
今後も、伝統的工芸品を初めとした県産品の魅力を県内外に広く発信するとともに、新商品開発、販路拡大の支援に引き続き取り組んでまいります。
5点目の、新たな産業の育成でありますが、医療分野の関連技術や新素材加工技術の産業化に向けた取り組みを推進し、新製品の開発などを進めてまいりました。
今後も、産学官金の連携を図りながら、新産業の創出に向け取り組んでまいります。
6点目でございます。商業・サービス業の振興並びに中小企業の経営力の向上でございます。
被災した中小企業者への支援については、県単独融資制度やグループ補助金の活用促進、専門家派遣などに取り組んでまいりました。また、岩手県産業復興相談センターによる二重債務問題へのワンストップ対応を通じ、債権買い取り等の金融支援にも取り組んできており、沿岸地域における被災企業の事業再開が進んできているほか、創業や新規事業への取り組みも見られるようになってきたところでございます。
今後も、被災事業者の本設移行を含め、地域の商業機能の回復や商店街の再構築に向けた支援に取り組んでいくとともに、中小企業者の持続的発展のために、経営革新への取り組みや円滑な資金支援などを進めてまいります。
7点目は、海外市場への展開でございます。
加工食品や日本酒、工芸品等の県産品の販路拡大や県内企業の海外ビジネス展開への支援については、経済発展により購買力の高まっている東アジア地区を中心に、商談会や物産フェアを開催し、販路の開拓に取り組んでまいりました。これらの取り組みにより、東アジア地域への県産品輸出額は、東日本大震災津波直後の大幅な減少から着実に回復してきているほか、商談会等における取引成約件数も増加してきているところでございます。
今後とも、大連経済事務所やこれまでの取り組みにより培ったビジネスパートナーとの関係を強化、活用しながら、県産品輸出の一層の促進を初め、事業者の海外ビジネスの展開を積極的に支援してまいります。
8点目は、雇用・労働環境の整備であります。
これまで、産業振興施策の推進や雇用対策基金等を活用した事業の実施などのほか、震災等による離職者や若年者への継続的な就職支援、復旧、復興や成長分野に対応した職業訓練コースの設定や人材育成事業による就業支援に取り組んでまいりました。このようなこともあり、平成27年度の有効求人倍率は年平均で1.22倍と高い水準となっておりますが、中小企業を中心として人材確保が課題となってきております。
このため、いわてで働こう推進協議会を設置し、オール岩手の体制で県内産業の生産性向上と人材確保に向けた働き方改革の推進などの取り組みを展開し、雇用の創出と就業の支援を積極的に進めてまいります。
以上、平成27年度の総括的な取り組み状況と今後の方向等について御説明申し上げました。
続きまして、決算の概要について御説明させていただきます。
平成27年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。一般会計歳出における商工労働観光部の決算は、5款労働費のうち、1項労政費、2項職業訓練費、14ページに参りまして、7款商工費1項商工業費、2項観光費、また、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち、4項商工労働観光施設災害復旧費と13款諸支出金のうち、3項公営企業負担金の一部でございますが、これらの予算現額は1、690億5、610万円余、これに対する支出済額は1、524億9、175万円余、翌年度繰越額は115億3、895万円余、不用額は50億2、538万円余となっております。
以下、個々の内容につきましては、お手元の平成27年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
それでは、平成27年度歳入歳出決算事項別明細書の230ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁の雇用対策や労働部門の職員人件費及び、平成26年度で終了した緊急雇用創出事業臨時特例基金充当事業の精算等に伴う余剰金の国への返還等であります。2目労働教育費でありますが、備考欄の各種労働講座開設費は、企業の経営者や労働者などを対象としたワーク・ライフ・バランスに関するセミナーの開催などに要した経費でございます。3目労働福祉費でありますが、備考欄一番上の労働者等生活安定支援資金貸付金は、育児、介護休業を取得した者に対する休業期間の生活資金貸付などに要した経費であります。次に、232ページに参りまして、4目雇用促進費でありますが、備考欄上から九つ目の緊急雇用創出事業費補助は、離職者に対し、次の雇用までの就業機会等を創出し、生活の安定を図ることを目的とした事業を行う市町村に対する補助に要した経費であります。その下の事業復興型雇用創出事業費補助は、被災地の安定的な雇用を創出することを目的とし、被災者の雇い入れに係る費用に対し助成金を支給した経費であります。
なお、繰越明許費36億6、250万円余は、ただいま説明いたしました事業復興型雇用創出事業費補助及び国の経済対策による地方創生加速化交付金を活用し、2月補正予算で措置いたしましたプロフェッショナル人材還流促進事業費が、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、備考欄上から三つ目の認定職業訓練費は、職業訓練法人による認定職業訓練の実施に要する補助などに要した経費であります。次に、234ページに参りまして、2目職業訓練校費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、県立産業技術短期大学校を初めとする県立職業能力開発施設の職員人件費であります。備考欄下から二つ目の就職支援能力開発費は、離職者等の職業能力開発の実施による円滑な再就職の支援などに要した経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、280ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、本庁及び県外事務所等の商工部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。次に、283ページに参りまして、備考欄上から二つ目のいわてに泊まろう誘客促進事業費は、県内への誘客を促進するため、旅行券の発行など、県内への旅行喚起に要した経費であります。その下の地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業費補助は、地域産業の競争力強化や魅力ある雇用の受け皿づくりを推進するため、県内企業の設備投資に対する補助に要した経費であります。
なお、280ページ、281ページにお戻りいただきまして、繰越明許費2億6、510万円余は、国の経済対策による地方創生加速化交付金を活用し、2月補正予算で措置した地域産業重点強化加速化支援事業費が、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、282ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、備考欄上から二つ目の商工観光振興資金貸付金は、設備投資や事業の拡大を行う中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。備考欄上から九つ目の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、県内の被災中小企業者に対する設備及び運転資金の貸し付けに要した経費であります。次に、285ページに参りまして、備考欄上から三つ目の岩手産業復興機構出資金は、被災した事業者の二重債務問題に対処するため、岩手産業復興機構への出資に要した経費であります。その下の中小企業被災資産復旧事業費補助は、市町村が行う被災中小企業の復旧に対する補助事業への補助に要した経費であります。その七つ下の自動車関連産業創出推進事業費は、自動車関連産業の集積を促進するため、産学官協議会の運営、技術展示商談会の開催、アドバイザーによる技術力向上支援等に要した経費であります。
なお、282ページ、283ページにお戻りいただきまして、繰越明許費4、326万円余は、ただいま説明いたしました中小企業被災資産復旧事業費補助及び国の経済対策による地方創生加速化交付金を活用し、2月補正予算で措置したいわての県産品魅力拡大事業費が、関係機関等との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものあります。
次に、286ページに参ります。3目企業立地対策費でありますが、備考欄上から二つ目の企業立地促進資金貸付金は、立地企業が行う設備投資に対する貸し付けに要した経費であり、その下の企業立地促進奨励事業費補助は、市町村による誘致企業への助成事業に対する補助に要した経費であります。4目中小企業経営指導費でありますが、備考欄上から二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、公益財団法人いわて産業振興センターが実施した窓口相談や専門家派遣事業等への補助に要した経費であります。5目貿易振興費でありますが、備考欄の貿易振興団体助成費は、海外販路拡大の支援基盤整備のための独立行政法人日本貿易振興機構盛岡貿易情報センターへの負担金であります。6目工業技術センター費でありますが、備考欄一番上の地方独立行政法人岩手県工業技術センター運営費交付金は、同センターに対する運営費交付金であります。
次に、2項観光費1目観光総務費でありますが、備考欄一番上の管理運営費は、観光部門の職員人件費等、管理運営に要した経費であります。次に、289ページに参りまして、備考欄下から六つ目のいわてまるごと国際観光推進事業費は、外国人観光客の誘客を促進するため、受け入れ環境の整備を実施した観光事業者等への補助等に要した経費であります。次に、288ページの2目観光施設費でありますが、備考欄の観光施設機能強化事業費は、県が整備した観光施設の老朽化した設備の修繕に要した経費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、348ページをお開き願います。11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、備考欄の中小企業等復旧・復興支援事業費は、被災した中小企業等が一体となって復旧、復興を行った場合の施設、設備の復旧、整備の補助に要した経費であります。
なお、繰越明許費75億6、808万円余は、中小企業等復旧・復興支援事業費補助で、関係機関との調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものであります。
次に、またページを飛んでいただきまして、354ページをお開き願います。13款諸支出金3項公営企業負担金1目公営企業負担金でありますが、当部所管は、備考欄二つ目の工業用水道事業会計負担金のうち3、286万円余で、企業立地施策の推進等を図るため、第二北上中部工業用水道における金ケ崎ろ過施設第2期の維持に係る経費について、その一部を負担したものであります。
以上で一般会計決算の説明を終わらせていただきます。
次に、中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げます。
恐れ入りますが、400ページをお開き願います。この特別会計の予算現額は、402ページと404ページに記載しておりますが、歳入歳出それぞれ27億3、904万円余であります。
まず、歳入についてでありますが、403ページにお戻りいただきまして、収入済額が総額27億3、222万円余であり、その主なものは、貸付先企業等からの元利償還金等の諸収入及び貸付金の原資として借り入れた地方債であります。
次に、歳出につきましては、404ページから405ページに記載しておりますが、支出済額が総額17億9、814万円余であります。
1款小規模企業者等設備導入資金貸付金1項貸付費は、高度化資金貸付金の貸し付けなどに要した経費であります。
2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した事務経費であります。
以上、商工労働観光部の決算について御説明させていただきました。大変お聞き苦しくて申しわけございませんでした。どうかよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇中平均副委員長 議事進行のありました席割についてですが、修正いたしたものを今、事務局より配付させますので、少々お待ちください。
それでは、ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 まず、中小企業の経営力向上につきまして、現状をお聞かせいただきたいと思います。
政策目標には産業分野における就業者1人当たりの県内総生産を掲げているわけでありますが、いただいた資料では平成27年度実績がまだ出ていない状況でありましたけれども、もし出ているのであれば、平成27年度の実績値と評価をお聞かせいただきたいと思います。
あわせて、目標設定のあり方、平成26年度の実績をもとに、毎年度1%これを向上させていくといった目標立てになっていると思いますが、この目標設定の考え方について、あわせてお聞きいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 まず最初の1人当たりの県内総生産でありますけれども、この数値は、いわて県民計画アクションプラン政策編のうち、中小企業の経営力の向上において、計画期間中の目指す姿指標として設定しております。平成27年度については、お話がありましたとおり、平成26年度の県内総生産と県内就業者数の確定値をもとに算出することとしております。県内総生産は公表されているのですけれども、就業者数が公表されておりませんので、まだ実績値としてお示しはできない状況であります。
なお、県内総生産の実数につきましては、平成26年度3兆8、052億円余となっておりまして、前年度と比べて2.5%の増となっております。
それから、目標設定の考え方ですけれども、平成26年度の実績値を基準として、直前の5年間の平均伸び率である1%ずつ増加させるということで設定しておりますが、この直前5年間というのが、リーマンショックがあったり、震災の需要があったりということで増減が非常に激しい状況にありまして、その平均値が0.96%となっております。そういう特殊な要因の影響が少ない平成21、22年度が0.4%から0.5%の伸びということでしたので、そういった状況をいろいろ勘案して1%ということで設定しております。
〇関根敏伸委員 何となく納得いたしました。
この目標達成に向けていろいろな諸施策が行われているわけであります。経営革新計画の承認件数等々は順調に推移しているようでありますけれども、こういったものを達成する上で、いわゆる商工会議所等の産業支援機関による伴走型の支援を掲げているわけでありますが、いただいた実績によりますと、巡回指導実績等の未達が目立つようでありますけれども、その理由と分析、どう捉えているかお聞かせいただきます。
〇高橋経営支援課総括課長 巡回指導の実績でありますけれども、県内の商工会、商工会議所、それから中小企業団体中央会の経営指導員等による巡回指導実施企業数ということで、お話のありましたとおり、平成27年度は1万847件と目標の1万3、700件を下回っておりまして、平成27年度の実績値は平成26年度の実績値も下回っております。この件数は、巡回指導に出向いた企業、組合の実数ということで、同じ事業者に複数回出向いた場合でも1件というカウントになっております。
震災復興に取り組む事業者に対して継続的に事業指導に当たっている団体等もありまして、そういう団体では、ちょっと実数としての件数が落ちているということで、巡回指導に行った回数を全部足し合わせた延べ件数では、平成26年度が3万7、439件、平成27年度は3万6、110件とほぼ横ばいという状況になっております。
〇関根敏伸委員 巡回指導の捉え方の差なのかと思いますが、理解いたしました。
いずれ、いわゆる伴走型の支援というものの中核になるのは、今お話のあったとおり、商工会議所や中小企業団体中央会の経営指導員を初めマンパワーが中心になると思うのですけれども、こういった産業支援機関の、特に県内の商工会議所におけるマンパワーの実態をどのように捉えているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 県内商工会議所等のマンパワーということですけれども、商工会議所、商工会の経営指導員は、これまでの小規模事業者の経営や技術の改善、向上を促進するため、経営改善普及事業を中心に相談、指導に対応してきております。また、各地域の産業まつりですとか、まちおこしに関する各種事業に中心的に参画するなど、地域振興の担い手としても非常に重要な役割を果たしてきていると認識しております。
こうした活動に加えて、東日本大震災津波や台風第10号における被災事業者の復旧、復興に対する支援、あるいは平成26年度に改正された小規模事業者支援法に基づく、お話がありました伴走型支援、小規模事業者による経営革新の取り組みに対する継続的な支援といったような機能も求められておりまして、現在、商工会議所、商工会あるいはその職員には、非常に多くの役割が求められていると認識しております。
〇関根敏伸委員 役割を評価していただいているようですが、このマンパワーを確保する上で欠かせないのが、小規模事業経営支援事業費に対しての補助だと思っております。この補助金は、いわゆる小規模事業者数を基礎に決められると理解しておりますけれども、伴走型支援の推進を図っていく上で、一律の事業者数を基礎にした考え方だけでは限界があるのではないかとちょっと考えるわけであります。商工会議所等によってマンパワーに相当差があったり、あるいは1人当たりの受け持ちの事業者数に差があったりという実態もあるようですけれども、この辺についてのお考えをお聞かせください。
〇高橋経営支援課総括課長 お話のありました商工業小規模事業経営支援事業費補助ですけれども、この補助金は、小規模事業者の経営改善、普及事業等の実施を目的としておりまして、従来より、各地域の小規模事業者数を基準に補助金額を算定してきております。
これに加えまして、県では、社会経済状況の変化に対応して、商工団体が円滑な事業運営を行う場合に要する経費の措置もしておりまして、東日本大震災津波からの早期復興を図るため、被災企業の事業再建や販路拡大など、さまざまな経営課題について相談対応や経営指導を行うために、被災地の商工団体等を中心に人員拡充等の経費についての補助などの支援も行っております。
また、伴走型支援ということで、経営革新の取り組みや経営力強化など、計画策定から実行まで一貫した支援を効果的に行うという目的のために、外部専門家を招聘する場合の派遣費用を助成するといったような経営指導の展開に対する支援も行っているところです。
〇関根敏伸委員 いずれ被災地の事業者のことにも触れられているようであります。先ごろ示されました復興の進捗状況の中では、被災地の事業者が販路拡大に大変苦労されているとか、売り上げ確保に苦労されているとか、残念ながら余り好ましくない数値が載っていたようでありますし、これは被災地に限らず、県内の中小企業者の生産性の向上は、まさに働き方改革も含め、いろいろな変革を実施していかなければならない時期だと思っております。
そういった意味では、今さまざまな評価もいただいているようでありますが、商工会議所等を含めたいわゆる産業支援機関の機能強化はどうしても必要だと思っております。商工会議所自体が、いわゆる会員企業からどの程度評価を受けているのか、これはやっぱりいろいろな厳しい見方があるのも事実だと思いますが、まだまだこういったところに対しての、いわゆる小規模事業者の期待は大きいと思いますけれども、機能強化に向けました県の考え方につきましては、部長にお聞かせいただければと思います。
〇菊池商工労働観光部長 御指摘いただきました商工会議所等の機能強化につきましては、先ほども委員から御指摘いただいて、答弁もさせていただいているとおり、商工会議所及び商工会は、地域経済のまさに持続的な発展を担っていく中核的な役割であると認識しております。伴走型支援あるいは創業の支援もありますし、跡継ぎ対策、いわゆる事業承継、そして、さらには地域振興、観光振興にも、各般にわたって御活躍いただいている、地域にとってはかけがえのない重要な担い手であると認識しております。
本格復興を進めていく上でも、中小企業振興基本計画を推進していく上でも、これら商工団体と密接な関係、パートナーシップを固めて進めていかなければならないと思っています。
また、先般、岩手県商工会議所連合会あるいは岩手県商工会連合会からも、いわゆる補助対象職員の人件費対策等についても御要望いただいております。これは、我々も実情は重々認識しておるところでございまして、今後に向けまして、当部でしっかりと検討して対応していきたいと思っております。
〇関根敏伸委員 よろしくお願いいたします。
次に移ります。ものづくり自動車産業振興室がことしの4月に設置されたわけであります。平成27年度と、この平成28年度途中でありますけれども、ものづくり自動車産業振興室が設置されたことによります企業誘致の実績、現状等についてお伺いしたいわけでありますが、企業誘致数の現状がどのように変化しているのか、自動車産業分野とそれ以外の分野に分けて状況をお知らせいただきたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 企業誘致等の状況についてでありますが、自動車関連産業につきましては、平成27年度は新規立地が1件、増設が2件でありましたが、本年度は、10月末時点で、新規立地が6件、増設が6件ということで、既に前年度を大きく上回っている状況でございます。
それから、自動車関連企業以外の状況ですけれども、平成27年度の新規立地が13件、増設が13件、平成28年度は、10月末現在でありますけれども、新規立地が5件、増設が4件といった状況になっております。
自動車関連産業について集積が非常に加速している状況にありますけれども、これは、トヨタ自動車東日本岩手工場におきまして、現在生産されております人気車種のアクアに加えまして、本年12月には新型車の生産が開始されるといったことで、生産車種及び台数が増加する見通しであることが、こういった企業の旺盛な進出意欲につながっているものと捉えております。
〇関根敏伸委員 ものづくり自動車産業振興室設置による成果が出ていると理解いたしますけれども、ちょっと通告していなかったんですが、この4広域振興局別の状況等について、今わかれば教えていただきたいと思います。もしなければ後からで結構ですが。
いずれ、ものづくり自動車産業振興室が設置される際に、私も方向性は大いに賛同するし、頑張ってほしいという旨の発言をさせていただきましたが、一方、いわゆる自動車関連以外の企業立地に、この企業立地課という冠が外れることに対しての若干の不安をお話しさせていただいた経緯があったわけであります。
そういった意味では、ものづくり自動車産業振興室の成果と課題、特に自動車関連以外の企業立地に、ものづくり自動車産業振興室という組織の衣がえがどのような影響があるのかも含め、成果と課題についてお知らせいただきたいと思いますし、もし市町村や企業側から声が届いているのであれば、ある、なしも含めて、あれば、どのような声が届いているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 ものづくり自動車産業振興室設置の成果と課題というお尋ねでありますけれども、自動車関連産業を初めといたします本県のものづくり産業のさらなる振興を図る、そして、競争力の高い産業集積を促進していくというのが私どものミッションであります。今年度から、そういった意味で、ものづくり自動車産業振興室を設置して、企業誘致、それから誘致企業のフォローアップ、誘致企業と地場企業の連携などを一体的、効果的に推進しているところでございます。
今年度におきましては、例えば金ケ崎町のデンソー岩手におきまして、これは自動車産業振興担当と企業立地担当が一体となって事業誘致に今まで取り組んでまいりました。そういった結果といたしまして、報道されたように、200人規模の採用を伴う増設、業容拡大につなげた、こういった成果も出ておりますし、幾つかの企業からは、企業の持つさまざまな複合的な課題について、ワンストップで対応して話を聞いてもらえるといったような評価もいただいているところでございます。
一方で、今後対応すべき課題といたしましては、本県の主要産業であります自動車関連産業、半導体関連産業におきまして、これまでの部品メーカーの進出に加えまして、設備とか金型といったような基盤技術系の企業が県内企業との取引拡大や協業を目的として進出する傾向が今強くなってきておりまして、県としては、このような企業の動きに一体的に対応することを求められていると思っております。
そういった意味で、このものづくり自動車産業振興室を設置した目的が、しっかりと達成されるように頑張っていきたいと思っております。
〇関根敏伸委員 最後になります。いずれ、これを設置した目的の一つには、いわゆる自動車やものづくりの産業集積を県南だけではなくて、県北・沿岸あるいは県央、この辺にも広く波及させるという目的もあったかと思っております。あわせて、私が申し上げたものづくり産業以外の沿岸・県北に合ったような企業立地が、逆に縮小傾向にならないように、これを強く御指摘させていただいた経緯もあるわけでありますけれども、この辺を踏まえて、最後に室長から御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 特に県北広域振興局管内を中心とした企業立地に関する課題というのは、私ども強く認識しております。
その地域における強み、地域資源を生かした企業への働きかけを中心にしまして、ぜひ新規立地が進むように精いっぱい努力してまいりたいと思います。
〇工藤勝子委員 私からは、企業誘致と雇用問題についてお伺いいたします。
今、関根敏伸委員からもいろいろ御質問がございました。県といたしまして、立地支援制度や企業訪問活動など非常に一生懸命重ねられまして、累計で252件ということになっております。さらには平成27年度は29件ということで、非常に成績が上がったなと高く評価したいと思っております。
そういう中において、やはり東日本大震災で被災された地域に対しての企業誘致というのは、今後非常に重要になってくるのではないかと思っております。若者に戻ってきてほしいという地域の思いがあれば、やはり働く場の確保は非常に大事な要素になってくると思っています。
この中で、被災沿岸地域に立地された状況についてお伺いいたします。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 特に震災後の被災沿岸地域の企業誘致等の状況についてでありますけれども、震災後、平成23年度から本年10月末までのデータで申し上げますが、全県における新規の立地、そして既立地企業の増設件数は、全部で176件となっておりますけれども、このうち沿岸の被災12市町村における件数は33件、18.8%となっております。
平成27年度の特徴的なところで申し上げますけれども、沿岸被災12市町村に新規に立地いたしました企業がちょっと少ないのですけれども、2件ありまして、これはいずれも運送業となっております。
それから、増設でありますけれども、被災12市町村合わせて5件ございまして、内訳が、食料品製造が2件、木材チップ製造1件、その他2件となっております。
この増設のほうは、食料品製造の企業、つまり地元の食材を生かした加工産業が増設したというところに特徴が見えるかと思っています。
委員御指摘のとおり、貴重な地元の雇用の受け皿でありますので、私どもとしては、今後ともこの働きかけを強めながら、新規の立地、増設に努めてまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 それでは、まだまだ沿岸地域は少ないのではないかと思っておりますけれども、誘致活動をしたり、企業訪問をする中で、岩手県に進出しようとする企業が、どんなことを課題と捉えていらっしゃるのかということをお聞きしたいと思います。例えば用地なのか、それとも人材なのか、結局働く人ですね、雇用問題なのか、それとも県なり市町村の支援体制なのか、その辺のところをどう捉えていらっしゃるんでしょうか。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 一般的なところで申し上げますと、企業が新たに立地する、進出してくる場合に、本社からの近接性ですとか、取引先の企業がどういったところにあるのか、あるいはその企業がお使いになる資源がどういったところにあるのかといったところが大きな立地の判断要素になると承っております。あわせて、ここ最近の課題で申し上げますと、人材がきちんと確保できるかどうかが大きな課題になっております。
これは、本県に立地する可能性のある企業への働きかけの際にもそういったお話をお伺いしますし、それから、フォローアップを通じて、地場企業、誘致企業ともに、そういった人材確保が最大の課題だという声を伺っております。
県といたしましては、人材の育成、確保につきましては、市町村、関係機関との連携によりまして、特に新規学卒者の地元への定着、そして県内就職、U・Iターンの促進といったものに今取り組んでいるところでございます。
〇工藤勝子委員 やはり岩手県は、さまざまな面で、資源もあるでしょうし、私の地元は遠野市ですけれども、結構広大な用地もいっぱいあるのですが、やはり働く人が本当にいるのかということが大きな問題になっていると思っていました。
でも、遠野市を歩いていますと、遠野市にももっと企業があったなら、息子たち、娘たちを呼び戻したいという声がいっぱい聞こえるわけであります。それぞれの市町村でも、若者にぜひそこで働いてもらって、地域の活性化を図るためにも大変苦労されているのではないかと思っておりまして、県といたしましても、人材の育成、特に高校を卒業した人たちが64%ぐらい残るようにもなりましたけれども、もっと地元で働くために、いわてで働こう推進協議会もありますが、そういうところに力を入れて、今後、岩手で働く人たちをどんどんふやしていただきたいと思っているところであります。
それでは、既存の企業が、今、大きな課題として人材不足もありますけれども、どういうことを捉えていらっしゃるんでしょうか。例えば商品開発であるとか、販路の拡大とか、沿岸地域にとっては、先ほど質問がありましたように、販売力が非常に落ちているという現状もあります。平成26年度より平成27年度のほうがさらに落ちているということになると、幾ら生産を向上させて、商品を開拓してつくられても、販売が伸びないと企業の実績が伸びてこないわけでありますので、その辺のところをどう捉えているのかお伺いします。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 企業が持続的に成長していくために、商品開発ですとか販路の開拓は常に行っていかなければならないものだと思っておりますし、先ほど申し上げました人材確保の意味でも、この賃金水準、給与水準を引き上げていくためには、こういったものを不断に行いつつ、さらに労働生産性、付加価値を高めていくといったような取り組みが必要になってくるものと存じております。
県といたしましては、工業技術センターあるいは産業振興センターといった支援機関と一体となりまして、また、大学、金融機関等とも連携強化を図りながら、こういった技術開発、販路開拓といったものに支援をしているところであり、これからも支援を強化してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 やはりお話がありましたように、いろいろな新しい商品ができたときは、それをもっと県が力を入れて情報発信をしてやると。全国にそういうものの力を発揮していただきたいものだと思っております。販路の拡大とか情報発信とか、私は岩手県の情報発信は全面的に足りないような気がしている、不足しているような気がしてならないのですよ。もっと岩手のよさというもの、岩手の素材の持つすばらしさを全国にどんどん情報発信してほしいと思っているのですけれども、その辺のところはどうなのでしょうか。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 委員御指摘のとおり、情報発信は非常に大事だと思いますし、私どもも、外に出向いて、県外においていろいろな企業誘致のための活動をする場面もありますので、そういった場面を活用しながら、県の持っているすばらしい資源、産品等についてPRに努めていきたいと思っております。
〇工藤勝子委員 どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、私は人口減少対策も質問いたしましたけれども、やはり今後、岩手県の人口減少は非常に大きな要素をはらんでいると思っています。もう危機的な状態になる可能性があるのではないかと思っております。
そういう面において、商工労働観光部の人たちが、子供たちが岩手で働くためにしっかりと取り組むことによって、岩手に若者や若い女性の人たちがたくさん残るということになるだろうと思っています。
今後の岩手県における企業誘致の方針等についてお伺いしたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 企業誘致の方針ということでありますけれども、県では、これまでも自動車関連産業、半導体関連産業など、本県の経済を牽引するものづくり産業や、食品、木材といった地域資源の活用につながる産業集積を図るための企業誘致に積極的に取り組んできたところでございます。
また、平成25年度以降は、国が創設しました津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金、いわゆる津波補助金でありますけれども、これを活用しながら、沿岸地域の復興に向けた企業誘致にも取り組んでいるところであります。
今後におきましても、企業誘致や既立地企業のフォローアップを通じまして、引き続き、本県経済を牽引するものづくり産業の一層の集積の促進と競争力の強化を図りまして、若者の地元への定着に結びつけていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 よろしくお願いいたします。
それで、県のほかにも、各市町村は、いろいろな形で、人口減少対策の中でも、企業誘致に向けて一生懸命頑張っていると私は思っております。
また、既存の企業が増設するような形もとりながら頑張っていると思いますけれども、市町村において、ある程度壁にぶつかっている部分もあるのではないかと思っております。それは、企業に来ていただくには、整理もしなければならないということもあるだろうと思います。用地の確保、さらには、農地であれば、利用制限を解除する方向というようなこともあります。
そういう部分において、多分県に対して、それぞれの市町村から要望もあるのではないかと思っているのですけれども、そういう市町村に対する支援対策について、どう考えているのかお伺いいたします。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 企業誘致等によりまして産業の集積を促進し、雇用、所得をふやしていくことが非常に大事なことだと思っております。
県としましては、これまでも、市町村と連携を図りながら企業の誘致ですとかフォローアップに努めているところでありますし、今後におきましても、そこは市町村と緊密に連携を図りながら、今、御指摘のありましたさまざまな法的な手続などもありますので、そこは一体となって取り組んでいきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 では、雇用のほうに入りたいと思います。
それでは、県内のそれぞれの企業、沿岸地域も含めてですけれども、人材はどの程度不足していると捉えていらっしゃるのでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 県内企業における人材不足についてでありますが、平成28年9月の県内の有効求人倍率は1.28倍で、41カ月連続で1倍台を維持しております。また、職業別の有効求人倍率を見ると、建設、介護、食料品製造等の職業で高くなっているなど、人手を確保することが難しい状況であることから、県内企業においては、人材確保が企業経営における重要な課題となっているものと捉えてございます。
〇工藤勝子委員 やはりいろいろな業績を伸ばす、建設、介護、食料品製造等とあるわけですけれども、いろいろな形の中で取り組まなければならないのではないかと思っております。
例えば高卒者が、卒業後に就職して、大変貴重な存在なわけですけれども、かなり離職する人もいると聞いています。それでも再就職の形で非常に高い確率が出ております。職業訓練等で78.1%、そして再就職している人たちもいらっしゃるわけですが、その再就職の状況を捉えていますか。
〇高橋雇用対策課長 再就職の状況につきましては、後ほど答弁させてください。
〇工藤勝子委員 人材確保に向けて、就職した人たちの動きというものもしっかりと捉えておく必要があるのではないか。県内に就職しても、残念ながらまた県外で出てしまうという方々もいらっしゃるのではないかと思われる部分がありますので、その辺のところもしっかり捉えていただきたいと思っております。
県内の企業において、女性の働きやすい職場というのは、今、非常に求められているところであります。特にも子育てをしている女性の方々にとっては、企業が子育て支援にどのぐらい協力してくれるかということも非常に大事な要素になっております。この子育て支援に取り組んでいる県内の企業の状況は捉えていらっしゃいますでしょうか。
〇工藤労働課長 県内企業の子育て支援の取り組み状況についてでございますけれども、今年度の企業・事業所行動調査によりますと、育児休業に関する規定があると答えた企業、事業所は87.1%、子供の看護休暇に関する規定があると答えた企業、事業所は65.4%、短時間勤務制度など従業員の子育てを支援するための制度を設けている企業、事業所は33.4%となっております。
また、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るために策定する一般事業主行動計画は県内690の事業主が策定しており、うち、同法に基づく子育てのサポート企業として厚生労働省大臣が認定する、いわゆるくるみん認証につきましては、県内28の企業が認証されております。
さらに、県では、仕事と子育ての両立支援などに取り組む企業等を対象としましたいわて子育てにやさしい企業等の認証を実施しており、これまでに32企業が認証されております。
〇工藤勝子委員 ただいまの数値に対して、担当者として、これは、高い数値と思っていますか、もっと伸ばさなければならない数値だと思っているか、その辺のところをお聞きいたします。
〇工藤労働課長 子育て支援の取り組みにつきましては、子育てと仕事を両立できるような雇用、労働環境は、まだまだ、さらに整備を進める必要があると考えてございまして、これまでも、県としまして、普及啓発活動ですとか労働局と連携した要請活動を行ってきたところでございます。
今年度は、新たに、いわて働き方改革推進運動の中でもこういった子育てと仕事の両立というところも含めて推進しているところでございまして、さらに力を入れて推進していく必要があると認識しております。
〇工藤勝子委員 主要施設の成果に関する説明書等も配付になっているわけですが、今後、企業のあり方、子育てにやさしい企業のとり方とか、こういうものを数値目標に掲げて取り組むという方針は考えていらっしゃいますか。
〇工藤労働課長 女性の働きやすさ等についての数値目標の設定についてということだと思いますけれども、まずは、私どもの業務に関しましては、現時点では、先ほどもお話がありましたが、特に女性の離職者訓練とか職業訓練の受講者数を高めていく、そして再就職をしやすいように進めていくということを今のところは目標に掲げて、その達成に向けて取り組んでいるという状況でございます。
〇工藤勝子委員 せめて、例えば従業員が50人とか100人以上いる企業をリストアップして、その企業が女性にやさしい環境づくりをしているのか、子育てにやさしい環境づくりを進めているのかと。先ほどいろいろ数値を述べられましたけれども、そういう部分をきちっと明確にしながら、それを数値で高めていく、上げていくということをしないと、若者は残るかもしれませんけれども、特にも若い女性の人たちが都会を目指して就職してしまうわけです。だけれども、企業説明の中で、きちっとそういう説明がなされれば、若い女性の人たちも、多分、残る人たちだってあるのだろうと思うのです。ですから、今後、今掲げた数値全てでなくても、そういうものを数値にちゃんと掲げながら目的を定めて、その成果というものをあらわすことをしないのですかという聞き方をしているのです。どうなんですか。
〇高橋雇用対策・労働室長 ただいまるる御指摘いただいた部分でございますけれども、まさに、そういった取り組みで企業の経営戦略としても人材不足に対応していくというようなことが必要になっていると。こういったことは、県でも、普及啓発活動、セミナー等を通じながら、企業の皆様と一緒にさまざま議論しているところでございます。
県として、具体の数値目標を、例えばこのお話ですと、企業における子育て支援の対応の取り組みの何割までというようなものを持つかどうかというのは、県が一方的にこう決めましたということにはなかなかいかない。対象が企業の皆様でございますので、やはりいろいろお話し合いをしながら、我々とすれば、ぜひ高いところにもっていけるように、今、大分そういうところに目が向いてきていると私は思っております。ですから、引き続きそういった努力を重ねてまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 最後といたします。
県内の企業並びに企業誘致に向けても、岩手県の有効求人倍率は高いわけですし、人材の確保というのは非常に大事な要素に今後なってくるのだろうと思っております。そうするためには、やはり働きやすい環境とか、そういうことも企業に求めていく必要もあるのではないかと思っていますが、今後、人材の不足に対してしっかり取り組んでほしいと思うわけですけれども、そういう取り組みや雇用の改善に向けて、取り組む方針について部長からお聞きして、終わりたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 委員からるる御指摘いただきましたとおり、これから若者、女性が働きやすい環境づくりを進めていくのは大きな政策テーマでございます。御指摘いただいた中に、まさに企業の状況を見える化するというのも非常に有効な手段だと思います。今どういう状況にあって、岩手はどうで、思っていたより魅力ある職場がいっぱいあるのだなとか、そういう訴求力も含めて情報発信も考えていきたいと思いますし、御指摘のとおり、企業と県、行政も一緒になってやっていかなければならないのに加えて、若者、女性の皆さんとさまざまな形で意見交換して、新しい働きやすい職場づくりに向けた取り組みを進めていこうと思っております。
〇中平均副委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 先ほど、関根委員から御質問いただきました広域圏ごとの新規、増設の件数でございますけれども、自動車の関係から申し上げたいと思います。
これはいずれも県南広域圏の中でありますけれども、平成27年度の新規が1件、平成28年度が6件、それから、増設でありますけれども、同様に平成27年度が2件、平成28年度が6件、これが自動車関係であります。
自動車関係以外でありますけれども、平成27年度の新規の件数でありますが、県央が6件、県南が5件、沿岸が1件、県北が1件、そして、平成28年度10月末現在でありますけれども、県央が2件、県南が2件、沿岸が1件となっております。
それから、増設件数ですけれども、平成27年度でありますが、県南が7件、沿岸が4件、県北が2件、平成28年度10月末現在ですが、県南が3件、沿岸が1件となっております。
〇千葉絢子委員 私からは2点お伺いしたいと思います。
初めに、外国人観光客への取り組みについて伺います。
観光庁が16日に発表したことし1月から10月に日本を訪れた外国人観光客の数ですけれども、過去最多だった去年1年間の1、974万人を上回り、推計で2、011万3、000人ということです。最終的にはことし12月末で2、400万人に達する見込みだと報道されています。
これに対しまして、県内を訪れた外国人観光客はおよそ10万人泊と、昨年1年間の2、000万人に占める割合を単純に計算すれば、これはおよそ5%と読むことができるのですけれども、県の計画では、昨年度の目標値は7.5万人泊であるために、達成度はAということです。確かに目標値はクリアしているのですけれども、その目標設定と10万人泊という事実について、まず、どのように認識なさっているかお伺いします。
〇平井観光課総括課長 平成27年の本県の従事者数10人以上の施設におきます外国人宿泊数につきましては、委員がおっしゃったとおり、10万人泊を超えておりまして、こちらはアクションプランの目標値を超えますとともに、震災前の水準を超えて過去最高となっております。ただし、震災前の平成22年からの伸びという点で比較いたしますと、全国につきましては、対平成22年比232%でございます。これに対しまして本県は119%、また、東北は約104%という状況でございますので、本県、そしてまた、これを含めた東北は早急に全国の伸びに追いつくということが課題と認識しているところでございます。
〇千葉絢子委員 国は、東京オリンピックが開催される2020年には訪日外国人の観光客数を4、000万人にするという目標を掲げています。
翻って、県は、その直前の2018年度の目標値は既に現況を下回っているわけです。仮に現状の維持でもいいと思っているとするのならば、4、000万人に対する10万人泊というのは、先ほどの計算に当てはめれば2.5%、去年の数字の半分となってしまいます。国の観光政策とか目標が変わったのであれば、目標値の修正や指標の変更などが必要かと思われますが、これについてはいかがでしょうか。
〇平井観光課総括課長 委員おっしゃいましたとおり、国におきましては、2020年の東京オリンピックまでに訪日外国人観光客を2倍にするという目標を掲げておりまして、その中で、さらに東北地方におきましては、先ほど申し上げましたとおり、訪日外国人観光客の伸びが低調であるということもありまして、2015年の3倍の数値にしたいという目標を掲げております。
アクションプランにつきましては、平成26年の基準値をもとに平成27年に改訂作業をしておるものでございまして、こちらにつきましては、改訂とか、そういう作業については予定しておりませんが、私どもといたしましては、特に訪日外国人観光客につきましては、先ほど申し上げましたとおり、国におきましては東北は3倍を目指すということでございますので、岩手県につきましても、同じようなペースで外国人観光客が増客されますように取り組みを進めていく考えでございます。
〇千葉絢子委員 それを具体的な指標、例えば県民計画によらなくても、そういった年度の目標というのは新たに立てたりする予定というのはあるのでしょうか。
〇平井観光課総括課長 目標数値についてでございますが、国におきましては、ことしを東北観光復興元年と定めまして、新たに東北観光復興対策交付金というものを創設しております。この交付金を受けるに当たりまして、県で訪日外国人観光客の増客に関する計画を作成しておりまして、そちらにおきましては、国の方針に基づきまして、2020年までに3倍にするという形にのっとった目標の設定の仕方をしております。
〇千葉絢子委員 それは私どもにも示していただけるものになるのでしょうか。
〇平井観光課総括課長 計画書につきましては、今、私の手元にはございませんが、これは公表できるものでございますので、お示しできます。
〇千葉絢子委員 私が今回、外国人観光客への取り組みについてお聞きしている目的は、県内では2019年のラグビーワールドカップ、日本としては2020年に東京オリンピックを控えておりまして、観光に関しても世界的なクローズアップのまたとないチャンスを迎えるからなのです。特に高い観光消費が期待されると述べている外国人観光客ですけれども、1人当たりの消費額、また県内経済への効果を現時点でどう分析しているか、また、観光客がどこから来てどんな消費行動をとっているか、ニーズの把握の仕組み、いわゆる観光客に対するマーケティングというのはどの程度やっているのかというところをお伺いします。
〇平井観光課総括課長 まず、外国人観光客1人当たりの消費額につきましては、県においてサンプル調査を実施しております。
例えば、平成27年のサンプル調査の結果でございますが、観光目的で本県で宿泊する外国人の場合は、1日1人当たりの消費額が4万3、250円、これが日帰りの場合には1万1、894円となっております。これらをもとに、外国人観光客が本県で平成27年に消費した総額を約36億5、300万円と試算しております。
また、国別の入り込みにつきましては、観光庁の宿泊旅行統計調査を用いておりまして、平成27年におきましては、本県では台湾からの宿泊客の占める割合が最も多く、全体の約51.4%を占めておりますが、中国からの観光客も震災前の水準を超えておりまして、また、タイからの観光客につきましても大きく増加していると捉えております。
また、消費行動の傾向につきましては、観光庁の訪日外国人消費動向調査に基づきまして、例えば、国別では中国からの観光客の消費額が高く、その内訳につきましては買い物が占める割合が多いということとか、オーストラリアからの旅行客は宿泊日数が非常に多く、宿泊の占める割合が高いという実態を把握しております。
また、ニーズにつきましては、各国の現地の旅行会社を初めとする関係者からニーズについて情報を収集しているものでございます。
さらに、本年度におきまして、本県独自に、県内に加えまして、岩手県に入ってくる広域ルート上重要と考えられます函館市、仙台市、東京都において、こちらを訪れた外国人観光客を対象に、どのような観光地を訪問しているか、どのような目的、理由でその観光地を訪問先として選んでいるかといったことについての調査を実施しているところでございます。
国が行っている調査に加えまして、県としてもこのような調査を行いまして、施策に反映していくという考えでございます。
〇千葉絢子委員 外国人観光客が日本、とりわけ岩手に何を求めてやってきているのか、こうした詳細なニーズ把握を施策に生かしていくというのが本県の観光振興に欠かせない視点であると思いますので、そこを御指摘申し上げたいと思いました。
その戦略的な観光施策によりまして、少しでも多くの外国人を岩手に呼び込む仕掛けをつくるべきと考えておりますが、岩手県の観光施策には現在何が不足していて、何を強化すべきか、これは部長の御認識をお伺いしたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 大変厳しい質問です。インバウンド客、特に外国人観光客の受け入れに当たっては、まず、観光地として岩手を選ばせる必要があります。選んでいただくには、いろいろ御指摘いただいているように、いろいろな情報を積極的に発信しなければならない、選択肢となるような情報を伝える必要がありますが、その情報の中身は、観光地としての総合力が裏づけられたものでなければならない。これは、交通の利便性もありますし、最近ですと安全・安心もあります。もちろん、より快適なもの、料金グレードによって楽しめるバリエーションがいっぱいあるといったエリア、例えば、中尊寺の金色堂あるいは橋野鉄鉱山のようなポイントとしての観光地の魅力と、そこを行き来し、滞在するエリアとしての魅力、総合力がないと、なかなか選んでいただくところまでは達しないかと。
いわゆるゴールデンルートと言われている東京都や大阪府のようなところは歴史もありまして、しかも日本を代表するような、今申し上げたような快適性だったり、利便性といったものに裏打ちされた都市もあり、近場に郊外もあり、高原もあり、海もありといったようなパッケージが容易に組める状況にあります。
それを岩手本体だけではなかなかすぐには充足できない状況ですので、総合力としての観光地の力をつけていくインフラ整備やWi−Fi、あるいはおもてなしの力もそうですが、今、中心軸として一つ考えているのは、東北広域をパッケージングした仙台市とどことどこと岩手県というようなルート化をして、その全体が快適で、クオリティーもさまざまな、それぞれ訴求できるようなバリエーションある観光をパッケージにしていくことが必要かと思っております。
そういったことから言いますと、観光政策はさまざまな分野で一斉に進めなければならないということで、国もそこら辺を気づいていただいていたようでしたので、今回の東北観光復興対策交付金を投入してもらって、早期に観光ポテンシャルを上げようということで出していただいているところもありますので、それをフルに活用して、単体としてはもちろん、広域としても世界にちゃんと訴求できるようなものをつくっていくことを短期間で進めていかなければならないと認識しております。
〇千葉絢子委員 私が必要だと思いますのは、まず人を呼ぶ地域、観光の拠点となるメーンコンテンツを核としてつくるということだと思います。
今、部長からは函館市、仙台市、東京都ということがありましたけれども、私は、岩手県の場合は平泉しかないと思うんです。世界遺産である平泉に匹敵する知名度、集客力のある観光コンテンツがほかにあると思われますか。
5年前、あれほど力を入れて世界遺産に登録がかなったのです。それによって、私たちは震災からの復興の一つのよりどころとしたのではなかったでしょうか。それが、今や、世界遺産平泉魅力向上・誘客拡大事業として平泉世界遺産の日制定記念イベントの開催が2回、旅行商品造成が4件というところにしか平泉の名前が出てこないんです。一体、この方法でどれぐらいの経済効果があったのか。世界遺産登録までの全県を巻き込んだあのブームアップとは一体何だったのでしょうか。これは、私は出身が平泉町で、愛して育っていますので、そこはやはり忘れていただきたくないと思いました。平泉が、1回、世界遺産の登録がかなわなかったときも、あの程度ではだめなんだよねという声が聞かれたのです。それではもったいない、余りにももったいないと思います。
まずは、メーンコンテンツとしての平泉を岩手の場合は観光の核にし、そこからの周遊プランで県内各地に人の流れをつくっていくこと。まさに点から面への拡大というものが観光施策にとって必要な観点ではないかと思うのですが、再度、部長に平泉を拠点とした観光施策のあり方についてお聞かせいただきたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 私も平泉を愛しておりまして、世界に誇る観光ポイント─観光ポイントと言ってしまうことが非常におこがましいぐらいのいいところだと思っていますし、確かに世界の人々にも伝わってきています。いろいろな口コミといいますか、ああいうものを見ても大分出るようにはなってきているということで、それなりに認知は高まってきていると思います。
これからは、まさにおっしゃるように、平泉を核として、どういうルートで、どういう滞在をさせてリピーターにつなげるような観光のすばらしい体験ができるかというものを仕立て上げていくということで、例えば、先ほど広域のお話もしましたけれども、東北広域の中に平泉を中心核として位置づけて、沿岸と結んでということでめり張りや訴求力も出ます。二次交通のほうも今いろいろ手当てを考えていますし、実際、補助事業も一部やっていますが、平泉を核とした、平泉を一つのポイントとした周遊コースも展開しているところでございます。
そういった旅行を快適にするサポートをしながら、また、そのコンテンツである資源を、観光分野だけではなく、文化、教育、その地域も─最近は地域も頑張っていますし、また、餅文化もせっかく出てきているので、そういった厚みのある、訴求力のあるものをコンテンツとして育てながら、よりPRしていきたいと思っております。
〇千葉絢子委員 私の実家は商店をやっているのですけれども、ただ店を広げただけでお客が来るというのは本当に大間違いなのです。いわゆる殿様商売と言われ、その店ははやらないのです。つまりお客様からお金をいただくには、自分のところの商品の強みを吟味して、それをどういうふうにPRしていくか、ターゲットをどこにするか、消費者のニーズはどうかということを考えた事業を展開しなくてはいけません。それは商売も観光も一緒だと私は思っております。
セールスポイントとニーズをどう組み合わせていくか、2年後の実績として4、000万人のうちの2.5%で満足されないよう求めて、この件については質問を終わりたいと思います。
次に、若者の県内就職等について伺います。
平成27年度主要施策の成果に関する説明書といわて県民計画実施状況報告書に基づいて伺いますが、平成28年県民意識調査によりますと、県民のニーズ度第1位は安定した就職環境が挙げられています。しかし、昨年度の実績を見てみますと、高卒者の県内就職率は64.1%、大卒者等に至っては45%、県立大学に限れば45.3%となっています。
岩手県議会の広聴広報会議では、ことし9月26日に初めて若者との意見交換会というものを実施いたしました。その際、学生たちからは、学生時代を過ごした岩手で勉強したことを生かして就職したい、また、ふるさとで働きたいと思っても、その受け皿がないという声が聞かれました。県では、そういった学生たちの声が上がる原因と地元企業の経営体力をどう捉え、学生たちのニーズにどう応えていきたいと考えているか。これは若者たちへの政策の方針を伺いたいということなのですけれども、どのように考えているかお聞かせください。
〇高橋雇用対策課長 委員御指摘のとおり、地元に受け皿がないという御意見、特にも大卒者にとって魅力ある企業が少ないという意見は、大学関係者、高校関係者の方からもいただいているところでございます。
その原因といたしましては、学生はもとより、保護者や教員の関係者がすぐれた県内の産業や企業を認知していない場合が多いことや、県内企業の情報発信力や採用力が首都圏に比べて弱いことが考えられております。
また、本県の給与、賃金水準がいずれも全国平均を下回っている低い状況でございまして、新卒者や保護者が期待する給与水準に達していないということなども原因として考えられるかと思います。
そういったことから、いわてで働こう推進協議会におきましては、ことし6月から、企業求人情報を初め、就職イベント情報や就職支援機関の紹介などによりまして一元的に発信する岩手の仕事・就職情報サイト、シゴトバクラシバいわてによりまして、魅力ある企業の情報発信の強化を行っているところでございます。
それに加えまして、先ほどの本県の給与関係でございますが、賃金、給与水準を引き上げるためには労働生産性を高めていくことが必要と思われます。
県といたしましては、企業における設備の高度化やカイゼンの導入への支援、付加価値向上のための新商品開発や販路開拓への支援を行うとともに、長時間労働の抑制など働き方改革の取り組みを推進することによりまして、総合的に生産性を高めていく取り組みを推進したいと考えております。
〇千葉絢子委員 私は、県が進めている産業集積のあり方、施策と、学生たちのニーズがもしかしたらかみ合っていないことが、若い人たちの県外流出を招いていると感じています。
皆さんもお子さんがいらっしゃると思いますけれども、岩手に残って就職できた、あるいは就職したというお子さんはどれぐらいいらっしゃるのでしょうか。また、岩手に就職を薦めた経緯がお父様としてあったかどうか、また、これから薦める予定かどうか、胸に手を当てて考えていただきたいと思うのです。
私は、去年とことし、花巻市の富士大学でキャリア教育の非常勤講師として講義を持たせていただいています。来年の講師の依頼も今週いただきました。その関係で、キャリア教育のあり方について、大学関係者また高校の就職担当の教職員、就労支援スタッフとも意見交換をする機会も大変多くございますけれども、県内企業に就職した場合の平均所得を見ますと、県内有名企業であっても大卒で230万円に満たないところがかなりの数があって、果たして彼らは働く喜びを感じられるのかということが大変疑問でございます。また、就職を担当する教員の間でも、果たして教え子をそういう企業に胸を張って送り出していいものか迷うとの声も実際聞かれているところなのです。
こうした中、大学との連携による若者定着のための取り組みはどうなっているのか伺いたいことと、もう一つ続けて聞きますが、大卒者などは数百万円という多額の奨学金の返済を抱えている場合もあり、返済が終わるまでは、いつまでたっても結婚できないというのが事実なのです。県内企業に比べて給与や福利厚生が整っている大企業を初めとした県外企業へ就職したいと思うのは、ある程度仕方がないことなのではないかと、これは生活をしていく上での実感として申し上げております。
けれども、震災以降ふえている岩手の復興に貢献したいという若者たち、そして中高生の思いにこれからどう応えていくか。応えていきたいと思っていただけないかと、私は切に願っていきます。これからどう取り組んでいくか、その方針をお伺いさせていただきます。
〇中平均副委員長 質疑、答弁ともに簡潔にお願いいたします。
〇高橋特命参事兼ものづくり産業振興課長 企業と大学との連携の取り組みでございますけれども、私どもの取り組みの中で御紹介させていただきたい思います。
実は、企業から、なかなか大学生をとれないと。その中で、なかなか学生に知ってもらえることがないというお話もいただいております。そのために、県では、岩手大学とか県立大学と連携いたしまして、学生への企業紹介とか、さらには工場見学会に取り組んでおりまして、平成27年度におきましては岩手大学に県内企業20社の紹介を行いまして、224名の参加もございました。また、今年度につきまして、岩手大学では授業のこまを活用いたしまして企業の紹介をする予定でございますし、また、県立大学では企業見学会を1月に予定しております。文系の学生も含めまして、そういう取り組みで、県内就職を促進するために大学と連携した取り組みを今後も進めていきたいと考えております。
〇高橋雇用対策課長 先ほどの学生のニーズがマッチしていない、岩手に残って就職した学生がいるかということにつきましては、私どもでは把握しておらない状況でございます。
次に、先ほど、大学との連携ということでの若者定着の促進というお話もあったかと思いますが、こちらにつきましては、今年度は、岩手大学と連携いたしまして、岩手県内での起業化を志望する大学生等を対象に、岩手大学内に実践的起業家を育成するための特別コースを設置し、地域の経営者の現場に触れるフィールドワークや、専門家による経営知識に関するレクチャーなどを実施するふるさといわて起業家人材育成道場プロジェクト事業として、いわてキボウスター開拓塾を実施しているところでございます。
その中では、県内4大学から26名の受講生が参加いたしまして、10月から2月までの5カ月間にわたりましてワークショップや県内の経営者と取り組むフィールドワークを実施いたしまして、経営に必要な基礎知識を学んでいるところでございます。
また、いわてで働こう推進協議会におきましては、現在、学生や企業、教育機関、行政などの担当者が、県内就業促進のための課題と方策につきまして意見を交わすいわてで働こう推進ミーティングを開催しているところでございまして、若者や女性の意見を取り入れながら、県内就業の促進と雇用の創出に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
〇千葉絢子委員 これで最後にいたします。
子供の数が減っている上に県内の就職者が伸びないということは、さらなる人口減少を招き、ひいては私たち、皆さん方の医療、介護、食、サービスの担い手も減り、今手にしている価格では手に入らなくなるという現実が待っているわけです。皆さんが教育現場や経済団体にも積極的に働きかけ、人も企業も育てていくなど、どうか熱意を持って、本当に自分の仕事としてこれをやるのだ、これは自分の仕事なのだという意欲をもって県民計画にあるような目指す姿を実現させていただきたい。これが、3人の子供を持つ母親の、私の本音でございます。それが我々県民にとっての希望でもあります。ぜひそこをお願いしたいと強く申し上げまして、質問を終わります。
〇工藤大輔委員 それでは、企業誘致について質問したいと思います。
先ほど、関根委員へ、全県の平成27年度等の企業誘致の実績、広域圏別という数値等も示されました。そういった中で、近年の状況をいただいた資料から見れば、沿岸部においては釜石市と大槌町に複数社の企業誘致が進み、一つの流れが出てきたという思いがします。あとは、自動車産業を中心に県南地域が順調にいっている。そしてまた、盛岡市、滝沢市を中心として情報系の企業が安定的に進出していると思います。
こういった企業の最近の動向もあろうと思いますが、誘致の実績の特徴についてお伺いしたいのと、誘致がなかなか進まない地域への対策をどのようにとっていき、どのような実績だったのかを改めてお伺いします。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 近年の企業誘致の実績の特徴についてでありますけれども、平成23年度から平成27年度まで、震災以降5年間ということになりますが、本県の企業誘致件数は113件となっております。特に県南広域を中心といたしまして、道路貨物運送業や倉庫業、物流センター等の物流関連企業の立地、自動車関連産業の立地が進んでおります。
物流関係の企業の誘致が進んでいる要因といたしましては、東日本大震災津波以降、各企業におきまして物流網の見直しが行われ、本県が北東北の結節点であること、いわゆる復興道路等も含めて道路網の整備によりまして物流の改善が進んだことが要因として挙げられるかと思います。
それから、増設件数はこの5年間で42件となっておりますけれども、特に県南広域を中心として自動車関連企業の、これは新規も含めて新増設が進んでおります。先ほども答弁させていただきましたが、トヨタ自動車によります増産、東北の拠点化の進行に伴いまして、サプライヤーの生産規模の拡大が求められてきたということが理由として挙げられるかと思います。
それから、委員から御指摘のありました釜石市、大槌町への立地も含めまして、県北・沿岸広域におきましては、国のいわゆる津波補助金を活用した新規誘致や立地企業の増設が進んでいると認識しております。
一方で、この誘致がなかなか思わしくない地域への対策についてでありますけれども、平成23年度以降の県全体の新増設件数176件に対しまして、県北広域振興局管内における新増設件数は14件、約8%となっております。平成27年度は新規立地が1件にとどまるなど、より一層のてこ入れが必要だと私どもも認識しているところでございます。
県北広域の企業誘致につきましては、近年、非常に厳しい状況が続いておりますけれども、三陸沿岸道路によるアクセス性の向上を見据えて久慈市に福山通運が立地したほか、地域資源を活用する二戸市の夢実耕望や十文字チキンカンパニーが久慈市に増設を図るといったような、その地域の強みを生かした規模拡大の動きも見られるところでございます。
県といたしましては、国のいわゆる津波補助金や、県央、県南広域と比較しまして高い補助率や有利な要件を設定しております企業立地促進奨励事業費補助金などの支援制度を積極的に活用しながら、引き続き、県北広域の豊富な地域資源を活用する優良な企業の誘致を推進してまいりたいと思っておりますし、既立地企業の業容拡大についても支援をしてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 北上市は北東北の物流の拠点ということで大いに成長し、また可能性のある地域だと思っております。また、その周辺もです。今回、先ほどの答弁にあったように、久慈市、釜石市においても福山通運が一定規模の形で進出していただきました。物流にかかわる企業が参入してくるということは、また新たな可能性も出てくると思いますし、高規格道路等の整備によって、今までなかなか進出できなかったところに大きな可能性が出てくるということも考えられます。そういった中で、これからの沿岸地域への企業誘致に向けた戦略をどのように描いているか。
また、企業の支援について、企業の設備投資に対する支援がどのような取り組みで、その内容と実績についてもお伺いしたいのですが、これについては地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業の取り組み等についてお伺いしたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 誘致がなかなか進まない地域への今後の戦略ということでありますけれども、これは繰り返しになりますが、地域資源でありますとか、物流の優位性でありますとか、そういった地域の強みを生かして、立地可能性のある企業に働きかけていくというのが王道だと思っております。
そういう中で、現在、中核的な企業として既に立地している企業との取引関係のある企業への働きかけ、誘致活動といったものも一つ考えられると思いますし、そういった働きかけ、企業との接触を進める中で、新しい分野への進出のチャンスもつかんでいきたいと考えております。
いずれ、若者にきちんと選ばれて、企業としてその地域に安定的に定着しているような企業をしっかりと見つけて誘致につなげていきたいと考えております。
〇瀬川自動車産業振興課長 地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業の実績でございますが、平成27年度に実施した地方創生・地域産業緊急重点強化支援事業につきましては、地方における安定した雇用の創出や地方への新しい人の流れをつくるために創設された国の地方創生先行型交付金を最大限活用し、県内企業の競争力強化や魅力ある雇用の受け皿づくりに資する設備投資に対する支援として実施したものでございます。
補助率は補助対象経費の2分の1以内とし、補助金の上限を1億円、下限を1、000万円として、これまでにない大型の補助金として実施したものでございます。実施の内容としましては、補助件数13件、補助総額が5億9、209万8、000円となっております。
成果ですが、雇用については約90名の雇用を創出したところでございまして、さらには、雇用創出のほか作業負担の軽減や効率化、安全機能の強化など労働環境の整備についても一定の成果があったものと考えております。
〇工藤大輔委員 企業が最も重要な進出の理由としているのは、アンケートによると、市場の近接性が15.4%、関連企業への近接性が13.5%、そして地価が安いということも含めて11.5%ということでありました。また、主な理由としては、自治体側の誠意、積極性、迅速性が15.8%、国の助成が11.4%、地価が9.2%ということで、このようなことを考えてみると、県北地域で見れば八戸市という大きなマーケットがあります。さまざまな企業が張りついているという中にあって、なぜ、そこの優位性を生かし切れないのかということを常日ごろ感じております。八戸市にも企業が進出、そしてまたIT関係の企業も、楽天を初め進出している企業がある中で、アプローチの仕方というものが少し弱いのではないのか。まさに企業側が最も重要な理由として選択する市場への近接性という中で、もう少し取り組みを重点的にそちらのほうにも持っていってもいいのではないかと思いますが、これまでのそういった取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 八戸圏域との近接性を生かした企業誘致の取り組みというお尋ねでございますけれども、これまでも八戸圏域との近接性を生かした企業誘致ということで、例えば北日本造船ですとか八戸缶詰といった八戸市を本拠とする企業の県北地域への誘致を実現してきたところでございます。
三陸沿岸道路の延伸に伴いまして、県北広域と八戸圏域との移動時間というのはより一層短縮されて、経済的な結びつきが強まることが見込まれます。
具体的には、八戸港へのアクセスの近接性を生かした物流関連企業の誘致でありますとか、八戸圏域に立地する企業の生産拡大あるいは建てかえといった機会を捉えて本県に誘致する、それから、県北広域に立地する企業と取引関係を有する八戸圏域の企業の誘致といった取り組みが考えられると思っておりますので、アプローチが弱いのではないかという御指摘をいただきましたが、八戸圏域との近接性を生かした企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
これはずっと十何年も言っていますが、県北地域の企業進出が非常に少ない─非常にというか、圧倒的に少ないと。これでは学卒者もなかなか定住できない、地域に若い人が帰ってこられない、そういった大きな理由が、やはり働く場というものが大きな要素でありますので、これまで、県北の地域に帰ってきたとしても、八戸市のほうで働けばいいのではないかというような思いも一方ではあるのではないか。ただ、地域からすれば、通いというよりも、できるだけ産業としてそこに定着してもらい、より近くのところで働けるような環境をつくることがベターだと私は思いますので、ぜひ、その取り組みを加速していただきたいと思います。
震災から5年8カ月が経過する中にあって、徐々に震災の復興需要というものも減っている。そしてまた、既にもうない地域もあります。ですので、ここをターニングポイントと考えて、県北や沿岸地域、特に被災地域において、このぐらいの雇用人数を確保するのだ、このぐらいの会社を誘致するのだ、そしてまた、今ある地域の産業においてはこのぐらいを伸ばしてもらわなければならない、そういったことを全体的に考えながら、被災地域の支援を全庁を挙げて行っていただきたいと思いますが、それらについては部長にお伺いしたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 委員御指摘のとおり、復興需要の一段落感といいますか、一息感が強まってきているという御指摘も耳に入っているところではございます。
そういった短期的な動向は経済の波ですので置いておくとしても、長年の県北・沿岸振興の進めなければならない理想形は、まさに委員がおっしゃったような形の、若者が定住して生き生きと働き暮らすという県北地域に近づけなければならないと思っておりますので、八戸市との近接性の関係でのアプローチの仕方等アドバイスもいただいたところでございまして、さまざまな角度から、産業集積あるいは地域産業の隆盛を図っていくといったことに取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
〇中平均副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後2時53分 休 憩
午後3時12分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 私からは、歳出第5款労働費1項労政費4目雇用促進費のうち、ジョブカフェいわて管理運営費、地域ジョブカフェ管理運営費について質問させていただきたいと思います。
それに関連しまして、先ほど来の議論で、高卒、大学卒の就職率についてのお話がありましたが、私からは、早期離職率について御質問させていただきたいと思います。
先ほど来、工藤勝子委員、千葉絢子委員からもお示しがありましたとおり、県民計画の目指す姿指標で、高卒者の県内離職率を掲げまして、平成27年度の目標65.0%に対しまして64.1%であったということでございます。これについてはD評価となっていますが、私は評価しているところでありますけれども、一方で、平成27年度の高卒3年離職率は43.1%ということでありまして、これは2、452名中、3年後にはその41.4%の1、095人が離職をしたという計算でございます。それを考えますと、私は、県は就職率だけではなくて、あわせて早期離職者減少の目標値を定めて施策を推進していくべきではないかと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 早期離職者減少の目標値と施策の推進についてでございますけれども、新規学卒者の3年以内離職率は依然として高どまりの状況でございまして、早期離職者の減少は、県としても課題であると捉えているところでございます。
離職率改善の取り組みを検討する上での参考とするため、いわてで働こう推進協議会の構成団体の協力のもと、岩手労働局におきまして、若年者の離職理由とその要因の把握を目的としたアンケート調査を実施する予定と聞いておりまして、早期離職対策につきましても、関係機関で共通の認識を持ち、全県的に取り組みたいと考えているところでございます。
今後は、岩手労働局で実施するアンケート調査の結果から、早期離職者の実態把握と現状確認を行いまして、早期離職者減少の目標値設定の是非も含めまして検討して、早期離職者減少対策のための取り組みにつなげていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 この早期離職者の数値の議論になりますと、データもいただいておりますけれども、平成16年3月卒では50%あったのが減少傾向にあるということで、これが低い、高いの議論になるときもあるのですけれども、今御答弁いただきましたように、就職率を上げても、2、500人中1、000人が3年後に離職をしてしまうということであれば、これは、表現は悪いですけれども、ざるで水をすくっているようなことですので、これは、ぜひとも取り組んでいただきたいと思っております。
そんな中ででも、近年の御努力によりまして、全国と比較すると、平成25年3月卒ということで、最新の数字では、県の離職率が41.4%、国が40.9%と国の水準に近づいてきている傾向にありますし、平成26年3月卒、これは2年後ということですけれども、県が31.6%、国が31%、そして、平成27年3月卒の生徒では、県の16.8%、国が18.1%と年々国の水準に近づいてきておりますし、直近では逆転しているということでございました。これは、どのような取り組みが功を奏したのかお聞かせいただきたいと思います。
また一方で、大卒については、平成25年3月卒で、県が38.4%の離職率、一方で国は31.9%ということで、高校と比して、やはり国とまだまだ大きな差があるということでございます。先ほど千葉絢子委員からも収入等々に御指摘があったわけでありますけれども、この点について県はどのように分析をしているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 新規高卒者の離職防止に係る取り組みについてでございますけれども、若年者の早期離職の防止と職場定着を支援するため、ジョブカフェいわてにおきましては、若年者のビジネスマナーなど社会人としての基礎力の向上を目指したセミナーの開催や、就職後の悩みに対応したキャリアカウンセラーによる個別支援を行っているところでございます。
企業に対しましても、採用力や人材育成力を強化する研修の開催、あるいは事業所に出向きまして、人材育成のカウンセリングなどによる支援を行っているところでございます。
また、県内8カ所に設置しております地域ジョブカフェにおきましても、各地域の実情に応じたセミナーの開催や相談対応を行っているところでございます。
さらに、県内11地域に39名の就業支援員を配置いたしまして、新規高卒者の就職を支援するとともに、就職後も企業訪問を行いまして、就職者と企業の双方の相談に対応することにより若年者の職場定着を支援しているところでございまして、断定的には申し上げられませんけれども、こうした取り組みが早期離職率の改善につながっているのではないかと感じているところでございます。
次に、新規大学卒業者の離職率の全国との乖離ということでございますけれども、先ほども申し上げましたが、若者の早期離職の要因につきましては、主にコミュニケーション能力や臨機応変な対応力の不足、企業や就職に対する理解の不足、忍耐力の不足等があると推測されているところでございますが、県独自の調査を行っていないところでございまして、先ほど来お話ししております岩手労働局におきまして、いわてで働こう推進協議会の構成団体の協力のもと、若年層の離職理由及びその要因等の把握を目的としたアンケート調査を実施する予定でございますので、その調査結果を分析して、施策に反映していきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 やはりそういった施策を打っていくにも、しっかりとしたデータ取得をしていただきたいと思うわけでありますけれども、これから御期待しますが、現在としては、業種別の離職率でありますとか、やはり気になるのが、離職をした若者が県内にとどまっているのか、また県外に出てしまうのか、もしくは、しっかりとした就職先につけているのか、なかなか就職先がなくてニート化してしまうのか、そういったことが心配されるわけですけれども、そういったデータの収集は行っているのでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 今後の施策につながるデータの収集についてでございますけれども、岩手労働局におきまして、今後実施予定の離職状況アンケート調査におきまして、業種別の離職率等も把握できるように依頼するなど、可能な限りデータの収集に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
先ほどのお答えの中にもジョブカフェいわて、地域ジョブカフェについての取り組みを御紹介いただきました。その中で、平成27年のジョブカフェいわてのサービス利用者が、2万3、000人目標のところ4万4、490人の利用があったということでありますし、また、地域ジョブカフェの利用者も目標を上回っております。その要因はどういったところにあるのか、また、企業、学校訪問件数、これは就職支援相談補助員の皆さんの取り組みだと思いますけれども、これについてはB評価にとどまっておりますが、その理由はどうなっているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 ジョブカフェ利用者の増加の要因でございますけれども、ジョブカフェいわてにつきましては、キャリアカウンセラーによる個別キャリアカウンセリングなど従来の来館型の支援に加えて、早期離職防止や定着支援のためのセミナー等の開催を積極的に行っているところでございます。セミナー等がきっかけで個別支援に移行する求職者がふえたこととか、認知度の向上によりまして、高等学校等からのキャリア講座あるいは出張セミナーの依頼がふえたことが、利用者増加の要因ではないかと考えられるところでございます。
また、地域ジョブカフェにつきましては、セミナー等による認知度の向上に加えて、平成27年度から奥州市に新たに設置されたことによりまして、利用者が増加したことが要因ではないかと考えております。
次に、就業支援員による訪問件数でございますけれども、平成27年度の企業訪問につきましては、訪問の主たる目的が求人開拓から定着支援へと変化してきたこと等によりまして訪問件数が減ったことや、新任の就業支援員へのOJTも兼ねて企業訪問を行ったこともありまして、訪問件数が伸び悩んだものでございます。
また、平成27年度の学校訪問につきましては、例えば、就職が早目に決定したため訪問回数が減ったとか、あるいはそういったことでの生徒の就職決定状況が訪問件数に影響するため件数が目標に届かなかったなど、各高等学校等のニーズに応じた対応を行ってきたところでございます。
なお、平成28年度につきましては、教育委員会で配置しておりました就業支援相談補助員が廃止となったことから、就業支援員による学校訪問件数は、平成27年度と比較して増加しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ジョブカフェについては、そういった今までの就職支援から、離職対策の機能も兼ねるようになってきたと。また、プラス国の施策の中の働き方改革といった事業をやっていくというところで、私は、このジョブカフェに期待される機能を大変強化していかなければいけないと思っております。
その中で、二つまとめて聞いてしまいますけれども、ジョブカフェいわての業務の中における早期離職者対策の位置づけがどうなっているのかお聞かせいただきたいと思いますし、また、そういったジョブカフェのニーズの高まり、さまざまな役割の付与を受けて、人員体制は十分であるのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋雇用対策課長 ジョブカフェによる早期離職者対策についてでございますが、県では、本県の若年者の早期離職率が全国と比較して高い状況にあることから、早期離職者対策を進めることが重要であると考えております。ジョブカフェにおきましては、従来の来館相談型の支援に加えまして、早期離職の防止や人材定着支援のためのセミナーや、企業に対する人材育成支援などに取り組んでいるところでございます。
続いて、ジョブカフェの体制ということでございますが、ジョブカフェいわてにつきましては、今年度から働き方改革の改善に関する事業等の業務が増加したことに伴いまして、事業に見合った人員体制を整えるよう措置しているところでございます。
また、県内8カ所に設置してある地域ジョブカフェにおきましても、地域のニーズに合った就業支援を実施しているところでございますが、業務量の大きな変更はないことから、現行のままで継続していきたいと考えているところでございます。
なお、ジョブカフェいわてでは、地域ジョブカフェに対しまして、地域の要望を踏まえた必要な支援を行っておりまして、具体的には、地域ジョブカフェが実施するセミナー等の企画PRの支援であったり、ジョブカフェ職員のスキルアップのための研修の実施、あるいは地域ジョブカフェの新任職員への個別トレーニング等を行っているところでございます。
ジョブカフェいわてと地域ジョブカフェにつきましては、今後も、各地域で効果的な就業支援を行うことができるように体制を確保してまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 各市町村からも、人材の確保、また人口減少対策ということで、離職率の低下というのは声が上がっているところだと思っております。
その中で、ジョブカフェについて、しっかりと県の施策に入れ込んだ中で、早期離職者対策というところで、今までは企業訪問、新規開拓と、プラス離職対策ということで回っていただいているということでありますが、私は1年目、2年目、3年目ということで、確かに高卒者の1年目の離職率は下がってきているかと思いますが、これはやはりしっかりと見て、3年離職までどうだったかというところで評価されるべきだと思います。これは、しっかりと企業訪問も継続していただきたいし、強化もしていただきたいと思っているところでございます。
そういった県の本部の早期離職者対策について、最後に部長から思いを聞かせていただいて、終わりたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 いわゆる若年者の早期離職対策は、ある意味、社会的課題でございます。個人個人のいろいろな思いもあって、あるいはさまざまな事情があって離職の態様はそれぞれあると思いますが、何とか、一度選んで入られた企業ですので、しっかりと地に根を張ってやっていただけるように、委員も評価いただいているとおり、こういったジョブカフェのような相談しやすい場が大分定着してきていまして、若者にとって、ある意味よすがになってきているかと思っております。
今後もそういった地域の活動をしっかりと展開しながら、対策等には心がけていきたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、今言っていただいたような取り組みプラス、やはり1回離職しても、それは、合わなかったらいいと思うのですよ。その後に、やはりジョブカフェが寄り添って次の就職に向けてやっていくと。またそれが、できれば県内へという取り組みまでしっかりとやっていくというところで完成だと思いますから、ぜひともお願いしたいと思います。
〇福井せいじ委員 私は、まず、観光産業の振興からお聞きしたいと思います。
主要施策の成果に関する説明書の16ページで、観光宿泊者数について、これは減少しているわけでありますが、そしてまた、18ページに行きますと、割引旅行券発行数も減少しておりますが、これはどういった要因で減少したのでしょうか。
〇平井観光課総括課長 まず、この成果指標について御説明いたします。
こちらの成果指標につきましては、観光庁の宿泊統計調査のデータを用いておりますが、この宿泊者数をカウントいたします対象となる宿泊施設につきましては、その施設に宿泊する宿泊者の割合が、観光目的の宿泊者が50%以上を占めている施設の宿泊者をカウントするという指標となっております。
したがいまして、例えば全く同じ施設でありましても、ある時期は観光目的の宿泊者が多くなり50%以上となっている場合には、その時期の全宿泊者数がカウントされますが、ビジネスの客が多くなったり、観光目的の宿泊者の割合が50%未満となった場合には、全宿泊者がカウントされないなど、対象施設に変動が生じるということでございます。
平成27年度におきましては、県全体といたしまして、ビジネス目的の宿泊客及び観光目的の宿泊客双方とも増加しております。ただ、その中でビジネス目的の宿泊客につきましては約12.2%の増加、人数にいたしまして28万4、000人増加しております。これに比べまして、観光目的の宿泊者は約1.4%増、約3万7、000人増でございます。こちらの割合で、ビジネス目的の宿泊客が観光目的の宿泊客を大きく上回っております。
このことから、県内宿泊施設におきまして、ビジネス目的の宿泊者が占める割合が高まりまして、これに伴い、その施設におきまして観光目的の宿泊者が50%未満となってしまった施設が9.2%増加しております。これに連動する形で、指標の対象となります観光目的の宿泊者が50%以上の数が5.8%減少したということでございまして、こちらが、先ほど申し上げました宿泊者数の結果が平成26年度に比べて減少している主な原因と考えているところでございます。
割引旅行券につきましては、同じ指標を使っておりますので、全く同じ数値となっております。
〇福井せいじ委員 これだけ見ると観光宿泊者数が減っているのだなということを感じてしまったわけでありまして、そういった意味からすると、この目指す姿の指標としてはふさわしくないのではないかということを感じるのですが、いかがでしょうか。もっと的確に観光客の宿泊者の推移をあらわすような指標というものはないのでしょうか。
〇平井観光課総括課長 指標の数値を使っている理由でございますが、まず、こちらの数値につきましては、全国の従業員数10人以上の宿泊施設全てを対象として観光庁が全国統一で行っている悉皆調査でございます。都道府県比較もしくは市町村比較ができる指標でございますので、こちらを採用させていただいています。
それから、今、委員がおっしゃったのは、むしろタイプ別で考えるべきではないかというお話と理解しておりますが、例えば、現状ではシティーホテルとかビジネスホテルを観光客が宿泊に利用する状況がふえております。そういうことからも、旅館、ビジネスホテル、シティーホテル、リゾートホテルというようなタイプ別で、そういうものを超えた観光目的指標化されているかどうかという観点で、国はこういう分類をしていると理解しております。
〇福井せいじ委員 それは理解しましたけれども、例えばこの指標4番の観光入り込み客数は、純粋に観光客を見ているわけでありまして、そうすると、この宿泊というものがますますあやふやになってしまって、本来、観光収入を主に担っているのはやはり宿泊者数だと思うのですけれども、そういったところに対するアプローチが非常に曖昧になってしまうのではないかという危惧を抱くのですが、その辺はどうでしょうか。そしてまた、違った指標は見つけられないものなのですか。
〇平井観光課総括課長 今、委員御指摘のありましたとおり、私どもも当然そういう理解がされるだろうという思いでございます。今回の国の調査データにおきますと、観光目的もビジネス目的も両方ふえている状況にありまして、当県の場合、特にビジネス客が観光目的のお客様よりふえたためにその比率が変わってしまったという事情がございます。そういうところまで予想し得なかった状況でございましたので、改めて、この指標については、また研究させていただきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 観光施策、観光産業の振興がこれから大事になっていくことを踏まえれば、ぜひとも観光宿泊者数の把握をしっかりとできるようにしていただきたいと思います。
また、宿泊者、それから観光客の入り込みが、どの地方から、どれだけ来ているのかということ、例えば東北地方、九州地方、さまざま地方の分類があると思いますけれども、その分析についてはなさっているのでしょうか。
もしなかったら、後でいいです。
〇平井観光課総括課長 私ども県の観光統計調査におきまして、サンプル調査でございますが流入関係の調査をしております。ちょっと今、私の手元にはございませんが、主に東北地方、隣県からの流入が多くなっております。
〇福井せいじ委員 先ほど来、この観光産業の振興についてはインバウンドが注目されておりましたが、私は、インバウンドにしろ、国内の観光客にしろ、やはりこの観光資源の魅力アップとか、あるいはマーケティング、そしてまた受け入れ態勢の整備は、ある程度ベースは同じであると考えております。
そういった中で、観光資源の魅力について、どのような形で商品開発をなさっているのか。先ほど来、例えば観光の主な目的としては、先ほど千葉委員が話した歴史とか、文化、あるいは自然、そしてまた食というものもあると思いますけれども、そのような分類の中で、岩手県としてはどのようなところに魅力のブラッシュアップの重きをなしているのかをお聞かせいただきたいと思います。
〇平井観光課総括課長 観光地づくり、また魅力のブラッシュアップについてでございますが、特に、先ほども委員からお話がございましたが、外国人観光客の誘客という点も見据えまして、現在は食というものが非常に大きなテーマと捉えております。
また、特に東日本大震災津波で大きな被害を受けました三陸地域の観光再生を進める意味でも、食というのは非常に重要なキーワードとなっていると考えております。
したがいまして、県におきましては、県が観光コーディネーターというものを設置しておりまして、特に、こちらは沿岸地域を中心にその地域の観光地づくりに取り組んでおります。昨年におきましては、先ほど申しました食ということで、沿岸の個性ある食を紹介する駅−1グルメというものがございます。こういうものと三陸ジオパークの立ち寄りスポットをめぐる旅を造成しまして、そこにモニターツアーを実施するなど、こういう商品化に向けた取り組みを進めているところでございます。
〇福井せいじ委員 私も食というものは非常に大事だと思っております。再三再四、観光と食については私もお話をしておりますが、食は観光の切り札だと、ある意味、私はそのような思いを持っています。
三陸というお話が先ほど課長からも出ましたけれども、三陸の魚は、私は、岩手が世界に誇る一つの食材であると思っております。北陸新幹線が開業して北陸の魚も注目されましたが、それにまさるとも劣らない、それが三陸の魚資源、食資源だと思っておりまして、私は、これをブランド化していくことが必要ではないかと思っております。
例えば、盛岡における麺、冷麺、あるいはじゃじゃ麺、わんこそばといった形で、それぞればらばらにあったものを、三大麺という一つのブランドにした結果、さまざまなところに大きな波及効果があったように、この三陸の魚の食材をいかにブランド化していくかということが必要だと思っているのですけれども、そういったブランド戦略とか、あるいは食に関する戦略について、何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇平井観光課総括課長 食のブランド化についてでございますが、現在、特に外国人観光客に対しまして、食というものを、特に東北地方の食というものを売っていこうということで、今般、国の東北観光復興対策交付金を使いまして、岩手県、秋田県、青森県、3県の食材を有名シェフに料理していただきまして、それを今回は台湾のメディアとか旅行会社に売り込むというような事業を展開しております。
今後も、先ほど委員もおっしゃいましたが、特に三陸地域の海産物を中心に、特に高級志向に着眼いたしました外国人へのセールスを現在考えております。
〇福井せいじ委員 県産食材を売り込むときに、有名シェフとか有名料理店とかがよく出てくるのですけれども、私は余り好きではないんですね。どちらかというと、地元にあるものを、地元の料理方法で、地元のおいしさをいかに伝えるかということが、私は必要ではないかと思っております。
例えばすしを一つ例にとってみれば、江戸前ずしというものがあります。あるいは大阪ずしというものもあります。押しずしとか、すしについてもブランドというか名称があるわけでありますけれども、例えば三陸ずし、三陸の食材を盛り込んだすしの名称を一つのくくりにつくって、それを売り込んでもいいのかなと思っているんですね。
これは本当かどうかわからないですけれども、すし屋に行ったときに筋子巻きを食べたことがありますか、課長。実は、筋子巻きというのは東京にないそうなんですね。でも、あのおいしさはあると。例えばそういったものを、地元にある地元のつくり方、地元の食材をいかに発見し、それを発信していくかが一つのポイントだと思いますので、ぜひ私は、ブランド化に際しましても、我々の知恵を結集して、そういった一つのブランドをつくって、江戸前ずしに対抗した三陸ずしとか、そういったことで売り込んでいただければどうかと思うのですけれども、どうでしょうか。
〇平井観光課総括課長 先ほどの私の答弁でちょっと不足しているところがございまして、有名シェフの件でございますけれども、有名シェフがつくりましたメニューを、今度は地元のレストラン等で提供するというような、そこまで考えているものでございますので、そこは御了解いただきたいと思います。
おっしゃるとおりでございまして、特に観光という面で申しますと、ここに来なければ食べられないというものをつくらなければなりません。そのために、わざわざ旅行の動機として食べに来る、食べに来ていただくというものをつくらなければなりませんので、そこは、特にいろいろな業界の方々、飲食店の方々を含めてですけれども、そういう方々と一緒になって、そういうブランドをつくっていこうと考えております。
〇福井せいじ委員 いずれ、ないものをねだるより、あるものを磨いて誇っていこうというスタンスが私は観光には必要だと思いますので、ぜひ課長も、おいしいものをつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
続きまして、中小企業振興についてお聞きしたいと思います。
まず、今まで関根委員を初め、さまざまな形で中小企業振興については質問がありましたので、絞っていきたいと思っておりますが、主要施策の成果に関する説明書の32ページ、巡回指導、41番の商工会、商工会議所経営指導員、中小企業団体中央会指導員による巡回指導等実施企業・組合数というものがありますが、これは、伴走型という形でやっているということですが、どういった内容で巡回指導をしていらっしゃるのかということと、ここに達成度Cとなっておりますけれども、その原因として、企業数が全体的に減少傾向にあるということが書かれてありますが、この減少傾向にある理由というか、わかると思いますけれども、そこら辺を教えていただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 巡回指導の内容としましては、経営一般というのが一番多いのですが、具体的には、経営方針ですとか販売促進といったことの取り組みに対しての相談が多く、続きまして、税務関係、そして、雇用契約ですとか労働環境に関する相談が内容として多くなっております。
それから、企業数の推移ということですけれども、経済センサスで3年ごとの数字を把握しておりますが、平成21年から平成24年にかけて非常に減少しております。やっぱり震災を挟んだということで企業数が非常に減少しております。
中小企業に関してですけれども、平成21年が4万4、388者だったものが3万8、711者、それから、平成24年から平成26年にかけては3万8、665者とほぼ横ばいということで、やっぱり震災で休業というものも含まれますけれども、いずれそこの部分の減少が非常に大きくなっております。
〇福井せいじ委員 震災による事業所数の減少というものもあるのでしょうけれども、私がいただいた資料を見ますと、県内総生産あるいは事業者数、それから、卸売小売業の商品販売額も非常に減少傾向にあるという中で、この中小企業の振興というものは、振興というよりは維持、存続にかける施策が必要になってくると思うのでありますが、その中で、ここで経営力の向上がうたわれておりますが、この経営力向上のためにどのような施策を展開なさっているのかお聞かせいただきたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 中小企業の事業継続ということでは、平成26年度に小規模事業者の支援法も改正されていますけれども、そこの考え方も、まさに発展するのももちろん大事ですが、持続していく、継続していくことも大事だということが、この法律の考え方にもあります。そういう意味でも、安定的に維持、継続していく事業所支援ということで、小規模関係の法律も変わってきている状況です。
そうした法律の中で、具体的な施策の一つとして経営革新の取り組みというものがありまして、事業者が新しい販売ですとかサービスの方法に取り組む、あるいは新商品の開発に取り組んで企業の価値を高めていこう、生産性を上げていこうといったような取り組みを事業計画として組んだものを、国が示す一定の基準に基づいて審査をして、県が承認すれば、国の施策の優遇措置を受けることができます。そういう新しい事業計画、生産性を上げていくような経営革新に取り組む企業をふやしていこうといった取り組みを行っております。
〇福井せいじ委員 今、課長がお話ししたのは、恐らく30ページにあります経営革新計画承認件数にかかわる経営革新の立案、政策だと思いますけれども、これを見せていただいて、非常に重要であり、すごくわかりやすい経営革新のつくり方が書かれてあります。
私は、これをぜひとも活用する、あるいはもっともっと中小企業の経営者にこの経営革新計画をつくっていただいて、自分の会社の体力、そしてまた、維持、存続に関して取り組んでいただきたいと思うのでありますが、これをどのように普及拡大させていくか、あるいは、実際に今、経営革新計画の承認件数がありますけれども、これを今どのように展開しているのか教えていただきたいのですが、いかがですか。
〇高橋経営支援課総括課長 委員からお話がありましたとおり、県としましても非常に有用な取り組みと考えております。この承認の受け付けは、各広域振興局で実施しておりまして、PR等も行っておりますけれども、具体的に事業計画をつくるとなりますと、支援機関の働きかけが非常に重要でありまして、商工会議所、商工会の指導員などが社長の考えを聞きながら、新しい取り組みをうまく数字としても整理していくといったようなことを継続的に支援しております。また、商工会では、各団体の指導員が集まって研修会をしたり、先ほどの巡回指導の中でも、こういった取り組みをしませんかというようなことでの事業の普及、PRをしております。
それから、昨年度から、こういう経営革新に取り組んだ事業所の優良事例、これに取り組んだ会社と、その会社と一緒に取り組んだ指導員の発表会をやっております。そういう指導のノウハウをお互いに共有しましょうということで取り組んでおりまして、やっぱり実際に一緒に携わる指導員が熱意を持って取り組んでいける体制も必要ですので、商工団体等と連携しながら、さらに広めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員長 質疑、答弁は簡潔にお願いします。
〇福井せいじ委員 経営力の向上ということで、私は、ぜひとも一人一人の県内の経営者を磨いていかなければいけない。鍛えていくことが、これからこの地域の、岩手県の産業力を向上させるキーポイントだと思っておりますので、ぜひお願いしたいのですが、今、商工会議所、商工会等、産業支援機構の方々が中心にこの経営革新計画を普及させているというお話がありましたが、私は、もう一方で、金融機関であるとか、あるいは税理士、会計士、つまり商工会、産業支援機構というと、どちらかというと間接的になります。しかし、金融機関であるとか税理士というのは、直接その経営者とかかわっている方々でありまして、また、個々の経営の内容についても非常に知り得ている方々であります。そういった方々とともに、この経営革新計画を広めていったらいいのではないかと思っております。
今、実は地方金融機関も取引先がどんどんなくなっていく、そしてまた、税理士も顧客先がなくなっていく、非常に緊迫した状況にありますので、そういった危機感を持った方々と一緒になって個人個人の経営者を支援していく、磨き上げていくことが私は必要だと思いますので、ぜひとも、産業支援機構だけではなくて、民間のそういった事業者とも連携することが必要だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 お話のとおりと思っております。実際に今、非常に積極的に取り組んでいますのは商工団体ですけれども、金融機関とか会計事務所も、この制度上、認定支援機関ということで認定を受けて取り組むことが可能になっております。
県としても金融機関との連携も必要と考えておりまして、こういう取り組みを連携してできないかということで、事務方でちょっと打ち合わせといいますか働きかけもしているところです。来年度以降、具体的な形でどのように動かせるかも含めて相談等しておりますので、今、委員からのお話もあったとおり、受けとめて、この取り組みを進めていきたいと思います。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、みずからが生き抜く、みずからが存続する、みずからが自分の会社を維持、存続させていくという意思と技術、スキルがこれからも産業の基盤を支えると思いますので、そういった形で支援していただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
〇阿部盛重委員 私から、雇用促進費についてお伺いします。各委員及び佐々木朋和委員と重複している箇所がありますので、重複している箇所は質問しないように質問させていただきます。
まず、ジョブカフェいわてを利用した就職状況についてですけれども、事務所が盛岡市を含めて各9カ所ありますが、それぞれの地域の特色を生かしたサーチをされているという中で、就職セミナーに参加された人数が延べ7万3、636人と。その中で2万8、037人の就職が決まったという流れになっておりますけれども、その各地域の特色をどのように配慮されて活動されているのかお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 各地域のジョブカフェの特色についてでございますが、例えば、県南地域のジョブカフェにつきましては、管内に自動車関連産業など生産拡大を図る企業がございまして、有効求人倍率が1倍台を超え、就職者の確保が課題であることから、新卒者の就職支援、企業見学会等を進めているところでございます。
また、沿岸地域のジョブカフェにつきましては、水産加工業を中心に人手不足が課題ということでございますので、新社会人セミナーの実施等を進めまして、若者の人材確保に努めているところでございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。各地域の状況がそういう特色をお持ちになっているもので、各地域の就職率も上がってきているかとは思いますが、そうしますと、ただ、全てが就職率100%ということはないかと思うのですが、採用に至らなかった方の問題点及び、そこはその受け入れ企業の問題点なのか本人の問題なのか、その点どのような分析をされているかお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 採用に至らなかった問題点ということでございますけれども、採用に至らない方につきましては、本人の働くことに対する意識が不十分であることとか、例えば、企業においても受け入れに対するケアが十分でないという点などが考えられますが、一番大きな要因は、やはり求人と求職のミスマッチであると考えております。
〇阿部盛重委員 求人と求職のミスマッチ。本人はもちろん、企業は企業のいろいろな諸問題があるかと思うのですが、そのあたりの改善を図っていかないと要するに前に進まないという状況なのですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 企業に対しての改善ということでございますが、企業に対しましては、処遇改善に関するセミナーとか、採用力や人材育成力を強化する研修の開催、あるいは求職者に企業の魅力が伝わるようなプロモーションの支援を行っているところでございます。
〇阿部盛重委員 それは定期的にされているのか、それとも年何回かコースを決めてされているのか、そのあたりはどうなのでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 ジョブカフェいわてあるいは地域ジョブカフェで計画を立てて、それぞれセミナー等を開催しております。
〇阿部盛重委員 わかりました。
ジョブカフェとその他の支援機構、例えば、いわてパノラマ福祉館とかポランの広場とか、受託団体の相互協力関係等は、どのような流れで動いておるものでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 ジョブカフェとその他の支援機構との協力関係についてでございますが、ジョブカフェの利用者は幅広いため、専門的なケアを要する利用者につきましては、キャリアカウンセリングを行う過程におきまして、必要に応じて専門機関を紹介しているところでございます。
具体的には、先ほどお話のありましたいわてパノラマ福祉館が運営するジョブアシストモリオカ、ポランの広場、もりおか若者サポートステーション、あるいは盛岡市くらしの相談支援室などとも連携を図りながら、必要な支援を行っているところでございます。
〇阿部盛重委員 やっぱりそれも定期的な会合を設けながら協力体制をとられているということでよろしいでしょうか。
〇高橋雇用対策課長 例えば、盛岡地域においてはもりおか若者サポートステーションがございますけれども、こちらにつきましては定期的な会議を開催しておりまして、行政あるいは支援機関との情報交換を行いまして、求職者の横断的な支援を連携して実施しているところでございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。
離職のお話もいろいろ出ておりましたけれども、ジョブカフェを利用された方に対しては、就職が決まって、そこで一段落ではないはずなのですけれども、離職をしないようなフォロー体制の実施度はどのようになっているかお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 ジョブカフェによる支援ということでございますけれども、例えばジョブカフェいわてでは、若年者のビジネスマナーなど社会人としての基礎力向上を目指したセミナーとか、あるいは就職後の悩みに対応したキャリアカウンセラーによる個別支援を行っておりますので、そうした取り組みを通じて支援をしているところでございます。
〇阿部盛重委員 そこの仕組みは、あくまでも御本人からの、実はちょっとこういう問題が起きているというところから対応が始まるのか、それとも定期的な連絡でラインをつくっていらっしゃって離職率を上げないようにしているのか、その点だけちょっとお伺いします。
〇高橋雇用対策・労働室長 ジョブカフェにおける早期離職防止の取り組みでございますが、私たちの委託の中身として、定期に学校等と連絡を取り合って、学校訪問と、社会人になればこうなのだよというような心構えとか、要請に応じてでございますけれども、そういった活動を数多く実施していただいております。
また、それは生徒対象というものが主体ではありますが、たまには親御さん対象のセミナーであったり、その要望にも柔軟に対応するような形で実施しているところでございます。
あとは、ジョブカフェの対応としては、採用が内定した時点で、採用の前にジョブカフェに集まっていただいて、社会人としての基本的な部分をお話し申し上げるとか、それから採用直後、1年以内の部分では、同様にそういう悩みを聞くようなセミナーも定期に開催していただいております。
〇阿部盛重委員 私の質問があれだったのですが、学生ではなくてジョブカフェを利用された社会人に対してはどうなのかというのをお聞きします。
〇高橋雇用対策・労働室長 一般にジョブカフェは、35歳ぐらいの若年者の就業支援施設ということでございますが、なかなか定着できないというような悩みを持っている方々、職を探している方々に対しては、個別に、1回ではなかなか済まない、キャリアカウンセリングというような形で、基本的にどういう職業が向くのかとか、その方の職業に対する志向なり意識というものを、相談を何回も重ねまして、結局、登録していただきながら、専任のカウンセラーがついて就職まで持っていくというような取り組みになっております。
〇阿部盛重委員 それはそうで、そのとおりなのです。ですから、社会人だから、もう一本立ちになったから、あとは頑張れよというラインには今の時代はなっていないという、要するに勤務しても、またいろいろな諸問題がそこの企業で起きていると。そういったときに、自分の悩みだけだと、また、いずれジョブカフェに実はやめましたよと戻ってきてしまう。そうならないようにするために、どのようなフォローアップを社会人に対してはされているのかというところなのですけれども。
〇高橋雇用対策・労働室長 現在働いていながら悩みを抱えている方々への支援というようなお話かと思いますが、そういう方の把握は、なかなかまた難しい。本人の御相談によって個別に対応するのが一番効果もあることでございますし、そういう対応でございますが、現実に、現在職を持って働いている若い方々に集まっていただいたところでの、そういった女性だけを集めたようなセミナーとかといったことも実施していただいていると思っております。
〇阿部盛重委員 わかりました。いずれ社会人もいろいろな悩みのある方が多いですので、定期的に開催するかどうかは別として、離職率を下げるためにも、就職したから、後は頼むということではなくて、定期的なコミュニケーションをとる場を設けられてもよろしいかと思いますので、ひとつ御検討をよろしくお願いします。
あと、最後になりますけれども、シルバー人材センターに関してちょっとお伺いいたします。会員数とその契約企業数との数字の開きが結構あるかと思うのですが、まとめて質問しますけれども、シルバー人材センターに登録された方々は、やはり技術、能力とかいろいろな経験をされている方が多いものですから、何か仕事が欲しいという願いが非常に多いのですが、なかなか仕事が回ってこないというところで、どうなっているのだというような実話もありますので、そのあたりの仕組みと、熟練者を今後どのように生かしていくのかお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 シルバー人材センターの会員数と契約企業との数字の差でございますけれども、シルバー人材センターは31市町村に設置されておりますが、平成28年3月31日現在の総会員数は6、888人、平成27年度の仕事の総受注件数は3万7、374件となっております。会員数は近ごろ減少傾向ということでございまして、また、2市町村においては未設置という状況でございますので、会員の確保あるいは未設置市町村の解消が課題であると考えております。
仕事の依頼が来ない方への対応でございますけれども、先ほどお話ししました仕事の総受注件数が3万7、374件となっておりますが、会員登録数が6、888人に対して、就業の実人員が5、761人と1、127人、16.4%の方が未就業であるということでございます。それゆえ仕事の受注増が課題となっておりまして、岩手県シルバー人材センター連合会では、会員が新たな分野の仕事につくことができるように、技能講習会を開催しているところでございます。
あと、熟練技術を生かすための対策ということでございますけれども、先ほどの岩手県シルバー人材センター連合会あるいは市町村のシルバー人材センターでは、職業紹介事業と、一般労働者派遣事業を実施しているところでございまして、熟練技術を生かすための対策といたしまして、熟練技術を生かせるような各種の企業に対して要請活動を行っております。盛岡市では150社の企業へ要請している状況でございます。
また、就業分野の拡大あるいは受注件数の増加を図るために、県内の官公庁へも要請を行っているところでございます。
〇阿部盛重委員 わかりました。すごい能力の方々が結構多いものですから、ぜひよろしく御配慮いただければと思います。
〇城内よしひこ委員 私からは2点お伺いしたいと思います。
岩手県立宮古高等技術専門校についてでありますが、学生の就職状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇工藤労働課長 宮古高等技術専門校の就職率でございますけれども、平成27年度の就職率は100%となっております。
〇城内よしひこ委員 昨年、一般質問等でもお伺いしたのですけれども、この学校は、地域に根差した技術者を育てるということで、これまでも地域に貢献してまいりました。事業主の方々からは大変要望が多い職種、自動車の整備であったり金型コネクターの技術の向上を図る学校であります。
そういったことから今後も生徒の確保は必要だと思っておりますが、学校にお伺いした際に話をすると、なかなか生徒が集まってこないという話がありました。何とかPRも含めて生徒を確保していくことが、この地域の自動車産業であったり岩手県全体の就職、あるいは地方創生にも寄与すると思いますが、現場は人も少ないし、なかなかそういったことを積極的にできないという話もありました。また、中学校等を訪問したり、いろいろな学校を訪問して営業するようなことができないということでありましたが、そういった活動も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇工藤労働課長 委員御指摘のとおり、科によりますけれども、宮古高等技術専門校の入校定員充足が十分でないというような状況もございまして、学校でも毎年度応募者が増加するように、高校訪問や進路ガイダンスへの参加ですとか、積極的に高校にPRするという活動を展開しております。一生懸命やっているところでございまして、引き続きさらに強化してやっていくということが必要と認識してございますし、学校ともそういうことで進めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 なかなか地味な職種であって、認知度が低いということがありますので、ぜひ、その辺はお願いしたいと思います。
この学校は老朽化が著しくて、前にも指摘させていただきましたが、耐震対応ができていなかったということで、耐震工事も、1度入札にかけたけれども、応札者がなかったということでありますが、耐震補強、耐震診断はされたのでしょうか。
〇工藤労働課長 宮古高等技術専門校の耐震の対応についてでございます。今年度、耐震改修の設計を進めているところでございます。
〇城内よしひこ委員 改修の設計を進めているということですね。ぜひ、それは早くやっていただきたいと思います。
そういったやさきに台風第10号の被害が甚大でありました。学校に1メートル60センチぐらいの水が入ってしまい、学校の器具機材、教材が水没してしまいました。私も次の日に行って見てきたのですけれども、その間、生徒が復旧、泥上げ作業をしておったのですが、このままであれば、限られた時間で単位を修得して即戦力になる生徒たちに不備が生じるのではないか、単位をうまく修得できるのかという心配があります。早期に復旧していただくべき学校施設だと思っていますが、その被害状況と、学校の生徒に対する影響はどうなのかお伺いしたいと思います。
〇工藤労働課長 宮古高等技術専門校の被害状況につきましてですけれども、まず、建物が約170センチメートル床上浸水ということで汚損しまして、受電設備、消防設備などの電気設備が被害を受けましたほか、コピー機とか電話機などの事務機器、教材車や金属工作機械などの実習機器が使用できなくなるなどの被害が生じたところでございます。
なお、浸水時に建物におりました職員、学生は2階に避難して、人的被害はなかったところでございます。
大きい被害ではございましたが、被災後、一時期、訓練を休止しまして施設の泥出しや復旧作業などを行いまして、学科と、使用できる機器、工具などを使用した実習の訓練を9月下旬から再開しているところでございます。
学生への訓練の影響が懸念されたところでございますけれども、9月中の復旧作業の間に訓練を休止した分につきましては、冬休みの一部を振りかえるなどして必要な訓練時間を確保するなど、卒業や就職への影響はないように訓練を取り進めているところでございます。
復旧の見通しということでございますけれども、施設設備は、被災後、多くの方々に応援に来ていただきまして泥出し等の復旧作業を進めておりまして、現在は、建物、設備についてはおおむね復旧しております。そのほか、使用できなくなりました実習機器の整備などを進めまして、今年度内に復旧させることとしております。
〇城内よしひこ委員 先ほど、冒頭お伺いしたとおり、就職率100%であります。特に自動車科は県内の自動車関連業者には引く手あまたであります。そういったこともありますので、来年度以降、入学を志す方々が安心して入学してこられるような体制を早期にとっていただきたいと思います。
次に移ります。グループ補助金活用の状況についてお伺いしたいと思います。
東日本大震災で、皆さんに頑張っていただいて、グループ補助金で沿岸部の中小企業の方々は本当に息を吹き返したということであります。復旧、復興が行われましたその実績と、これまで事業の過程で問題があったのかどうか、あせてお伺いしたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 グループ補助金の実績等ですけれども、平成23年度から県では16回にわたって公募を行っておりまして、これまで148グループ、1、396事業者に対して、補助金額として828億円を交付決定しております。
その問題点ということですけれども、挙げるとすれば、震災直後ですが、交付決定を受けて実際に事業着工するまでに時間があくという場合があって、その間に資材の値段が上がって、交付決定時の事業費では工事が完了できないといったことがあって、着工が進まないといった事態がありました。そういう事例が幾つかありましたので、平成26年7月から、その上がった場合についての追加交付を認めるといった制度改正をして対応してきております。現在、資材価格の乱高下というのはなくなってきておりまして、そういう資材高騰での契約ができない、着工ができないといった事例は今のところは改善されてきております。
〇城内よしひこ委員 まだまだ復興は道半ばであります。いろいろな意味で工事のおくれ、かさ上げであったり、防潮堤の工事がおくれたりしているということで、早晩、グループを組んで補助採択がされたけれども、先ほどおっしゃられたとおり、なかなか工事ができない状況があったと。その間に資材が上がってしまって何ともできない、どうしたものかという話もされてきたところであります。今後も、引き続き、復旧に向けて皆さんとともに頑張らなければならない部分ではあると思っていますが、今後、例えばこの事業をまだ希望する方があるやに聞いていますが、16次以降というものはあるのでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 まず、今年度、2回目の公募を現在行っていまして、事業計画の審査を行っております。
平成29年度以降につきましても、グループ補助金は、平成28年度以降の5年間における国の復興財源フレームにおいて復興の基幹的事業と位置づけられております。平成29年度の国の概算要求においても予算要求されておりまして、引き続き事業継続ということで考えております。
〇城内よしひこ委員 そこで、また台風第10号の話になるのですけれども、宮古市においては、台風第10号で、グループ補助を採択された方々、あるいは中心市街地の商店も含めて大変な被害がありました。このグループ補助も含めて、二重に被災された方々の状況というのは把握していると思いますが、どのような状況になっているでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 グループ補助金の交付決定を受けた事業者のうち、今回の台風で被災した事業者は154者となっておりまして、うち局地激甚指定を受けた3市町に所在する事業者は151者で、ほとんどがこの3市町です。3市町の内訳としましては、宮古市が138者、久慈市で9者、岩泉町で4者となっております。
〇城内よしひこ委員 被災した事業主の方々は、工事のおくれで、つい最近、事業を復活して、その復活したやさきにまた台風第10号でだめになったという人もあるし、早晩、グループ補助を採択されて復旧したけれども、そろそろうまく事業が回ってきて借入金返済の時期に差しかかってきている。そういったやさきに台風第10号で被災ということなので、県では、そういった被災した方々を応援するという意思をいち早く表していただいて、現場の方々、被災した方々は大変心強く思ってはいるのですが、なかなか事業の全容が見えてこないということでありましたので、しっかりと支援してほしいと思っております。
地域の雇用を守る上でも必要な業種、業態でありますし、企業であります。ここで1年とか半年、また人が離れてしまうと、労働力が不足している中にあって、再度、離職した方々に戻ってきてくれという話も大変なようでありますので、しっかりと切れ目のない支援をしてほしいと思いますが、その辺の対応はいかがでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 お話がありましたとおり、今回の台風第10号で被災した事業者に対しましては、交付金事業ということで、激甚の3市町の被災事業者の支援を行うこととしておりまして、先般議決いただきまして、この交付金の取り扱いに関する要綱等を、今週に市町にもお示ししております。市町でも、事業者説明会を開催したいということで、11月下旬から12月上旬にかけて各市町で説明会を開催する予定を考えておりますので、県としても一緒に説明会に対応したいと考えております。
また、この交付金事業は遡及適用できるということで枠組みを考えていますので、早期に復旧に取り組んだ方でも対象にするということで、復旧の支援を後押ししたいと思っております。引き続き、市町等と連携して取り組んでまいりたいと思います。
〇城内よしひこ委員 今回の台風第10号は、台風第10号単体で被災した方と、東日本大震災と二重に被災した方と、あるいは業種によってもケース・バイ・ケースで、大きい会社もあれば中小企業もありますので、ぜひ、微に入り細に入りといいますか、しっかりと支援策を講じてほしいと思います。部長に決意を聞いて、終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇菊池商工労働観光部長 委員おっしゃるとおり、今回の台風第10号災害というのは、大震災津波の復興過程の途上において被災した状況になっているということは大きな問題で、その影響も大きいと思っております。
そういったことから、先ほど、担当の総括課長も言いましたが、県では、早期にまずは立ち上げに向けて支援策を緊急的に打ち出すということで、事業者の再開に向けた意欲をかき立て、前を向いて行けるようにということとともに、県として、地方としてやれる限りの策はもう打ち始めましたということで、国にも引き続き手厚い支援について考えてくださいという要望をしていくような仕組みなどを考えたものもありまして、早期に議決等をお願いしたところでございます。
今後も、国に対してさまざまな形で働きかけをしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に、被災地における商店街の再生について質問いたします。
東日本大震災でも多くの商店主が被災いたしまして、576の仮設店舗でスタートいたしました。現在、その再建状況はどうなっているのか。本設再開あるいは現在仮設で営業されている店舗、廃業等々、具体的な数字をまず示してください。
〇高橋経営支援課総括課長 仮設で営業を再開した商業者の現在の再建状況ということですけれども、ことしの6月30日現在で本設再開の事業者が117となっております。休廃業という形が26事業者、仮設から退去しているものの、理由が不明という事業者も5事業者あります。この数字は、仮設が設置されてからの延べ数になっております。
一方、先ほど委員からお話のあった576というのは、ことし3月時点での数字ですので、今申し上げた数字を576に足しても、今、営業している方とぴったり一致はいたしませんで、市町村のほうに確認したところでは、平成26年3月の最大時で648事業者が仮設で営業しておりました。ことしの6月現在で仮設で営業している方というのは575事業者ということになっております。
〇高田一郎委員 昨年、仮設店舗の方に再建状況の希望についてアンケート調査をした経過があります。そのときには71%が本設で再開したいという状況でありましたが、今の状況をお聞きしますと、既に本設再開しているのが117事業者ということで、多くの被災事業者が再建するかどうかということを悩んでいるという状況になっているのではないかと思います。
それで、こうした被災された事業者の現状をどのように分析しているのか。あわせて、仮設店舗の撤去費用について、国に対してしっかりと対応してほしいということも要望申し上げてきた経過がありますけれども、この状況について現在どうなっているのか、まず示してください。
〇高橋経営支援課総括課長 ことし8月、復興局が実施した被災事業所復興状況調査で、本設再開を予定しない理由という項目に対して、仮設で継続という回答が43.8%、年齢の問題、後継者不足という回答が22.9%、資金不足ですとか用地確保が困難といった回答が続いており、仮設で継続という回答が一番多くなっております。
それから、解体撤去に要する費用ですけれども、施設規模や場所によって異なりますので、一概には言えませんけれども、既に幾つか撤去した市町村から聞いたところでは、1平方メートル当たりに換算して約1万5、000円から2万円程度と聞いております。
〇高田一郎委員 仮設再開が一番多いという実態になっております。今後、被災地のまちづくりにとって、これからの商店街をいかに再生させるかということが大きな課題になっています。私も、この間、陸前高田市とか幾つかの被災地を訪れて再建状況をお聞きしてきました。共同の店舗のテナント料が高いとか、これからグループ補助の補助金を活用して対応しなければならないけれども、さまざまな課題があるとか、いろいろな話をお聞きしてきました。
今の被災事業者の状況からしまして、県が抜本的な支援をしないと、商店街の再生というのはかなり大変な状況になるのではないかと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
〇高橋経営支援課総括課長 商店街の再生というのは、地域のにぎわいを取り戻すという意味で非常に重要でありまして、各市町村とも、まちなか再生計画ですとか、まちづくりの全体の計画をつくって、その中で商店街等の、あるいは大型の商業施設の整備といったものを位置づけてまちづくりに取り組んでいるところです。
県としましても、そういう施設整備の部分の費用の補助ですとか、あるいは商業施設に入るといった方々の事業計画づくりについての支援を行うなどしてまいりました。
実際、山田町で今月オープンした場所でも、周りに戸建てで、さらにこれからグループ補助金等を使って商店街を整備していくという方々もいらっしゃいます。かさ上げに伴ってこれから取り組んでいくというエリアもありますので、引き続き、そういった方々の事業計画づくり、あるいはハード整備に対する支援に取り組んでまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 被災された事業者の皆さん、商店の皆さんの再建に対する意欲というのは、この1年間で大きく変化しているという実態だと思います。中心商店街というのはまさにまちの顔であって、商店街の再生なくして地域の復興はないという立場で、きめ細かな支援を今後ともお願いしたいと思います。
次に、雇用対策についてお伺いしたいと思います。
まず、岩手の雇用状況はどうなっているのか。特に、非正規雇用から雇用の転換というのは雇用対策の大きな柱だと思うのですけれども、正規雇用率の推移はどうなっているのか。改善されているのかどうか、この雇用の実態についてまずお聞きいたします。
〇高橋雇用対策課長 本県の雇用状況についてでございますが、平成28年9月の県内の有効求人倍率は1.28倍ということで、前月を0.04ポイント上回っておりまして、有効求人数は2万8、902人、有効求職者数は2万2、502人となっております。
次に、正規雇用率の推移でございますが、岩手労働局の一般職業紹介状況によりますと、就職件数に占める正社員の割合は、平成26年度は32.8%、平成27年度は34.6%、平成28年度は9月分で36.3%と推移しており、微増となっております。
引き続き、岩手労働局と連携しながら、正規雇用の拡大に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 きのうも人材確保をめぐって、介護も、保育も、看護師もとにかく人材不足だという議論もありました。今の正規雇用率も、改善されているとはいえ、まだ36%、37%の正規雇用率だという状況です。今、政府は雇用が改善されているというような認識に立っていますけれども、岩手の雇用の実態というのは改善されているという状況にないのではないかと思いますけれども、県として岩手の雇用状況をどのように評価しているか、その認識をまずお伺いしたいと思います。
また、被災地では、特に水産加工業の分野では厳しい雇用状況になっております。こういう問題についてはどのように改善されているのか、被災地の水産加工業も含めた雇用の実態についてもお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 雇用情勢の現状でございますが、県内経済は、全国同様、緩やかな回復が継続しておりますが、職業別の有効求人倍率でも、建設業等かなり高い職種がありまして、根強い人手不足感が顕著となっている状況かと考えております。
続きまして、被災地の雇用状況についてでございますが、沿岸地区の水産物加工工の有効求人倍率の推移を見ますと、平成26年度は3.6倍、平成27年度は3.37倍、平成28年度は9月末で3.58倍と高い水準となっておりまして、水産加工業においては特に人材確保が厳しい状況となっております。
〇高田一郎委員 東日本大震災から5年8カ月たっても、特に水産加工業の雇用の問題というのは大変深刻になっていると思います。特に最近、サケとかサンマも含めて水揚げ量が物すごく落ち込んでいて、原材料も価格が高騰しているという状況で、水産加工をめぐる経営状況というのは一層深刻になっているのではないかと私は思います。
そこで、こういう水産加工業における県としての支援も、従来の延長線上のような支援ではいけないと思いますけれども、県としての対応についてお伺いいたします。
〇押切産業経済交流課総括課長 水産加工業への支援についてでございますが、県では、これまで、水産加工業が抱えるさまざまな問題に対しまして、業者がつくる商品力の向上、ブラッシュアップでありますとか、商談会の開催などによる県産品のPR、販路の拡大を促進してきたところであります。
さらには、沿岸の商工会議所等に配置した販路拡大アドバイザー等による取引支援でありますとか、原材料調達等に対する国の補助事業の活用、労働生産性を高めるためのカイゼンの導入等を行ってきたところでございます。
委員御指摘のとおり、近年の漁獲の低迷等によりまして原材料が高騰して、経営に及ぼす影響が大きいということでございまして、産学官金のネットワークを活用しました異業種連携の推進でありますとか水産加工業の協働化、外部専門家を有効に活用して、マーケットニーズに合わせた売れる商品づくりから販路拡大までを一体的に推進するなど付加価値や生産性を高めまして、さらには経営力を強化するような取り組みを進めながら水産加工業の収益確保に努め、それによりまして給与なり賃金等を改善して魅力ある職場として、雇用にもよい影響が与えられるようにしたいと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 水産加工業の支援というのは、今、販路が喪失したり原材料価格が高騰して、経営の向上は簡単なことではないと思うのです。しかし、粘り強く支援していくことが非常に大事だと思います。水産加工業の皆さんが、採算を度外視して売ることのないよう、今、需要が高まる時期でもありますので、ぜひ、そういった事業者に寄り添ってきめ細かな支援をお願いしたいと思います。
次に、中小企業振興条例についてお聞きいたします。
昨年度は中小企業振興条例が制定された初年度であります。昨年は、この制定を受けてどのような取り組みを行ったのかというのが一つです。
もう一つは、中小企業の振興にとって大事な経営上の課題というのは、中小企業振興条例を策定する過程でもアンケートにもありましたけれども、人材の確保とか販売力の向上、後継者育成、こういう対策ではないかと思います。
従来でもこういう対策をやってきたと思うのですけれども、改めて、中小企業振興条例を受けて、こうした経営力の向上に向けた具体的な対応をどのような形で行ったのかということについても、あわせてお聞きいたします。
〇高橋経営支援課総括課長 中小企業振興条例制定初年度の取り組み状況でありますけれども、まず、この条例の中で、中小企業の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、その基本的な計画を策定することとされておりまして、中小企業者及び関係団体で構成する計画に関する検討委員会を設けまして種々検討を重ねて、本年3月に岩手県中小企業振興基本計画を策定したところです。
また、この条例の周知を図るということで、商工業者を初め県民に広く知っていただくために、県のホームページへの掲載に加えまして、各商工団体の広報誌への記事の掲載ですとか、商工団体の総会等に出向いて条例の内容の説明などを実施しております。
人材確保ですとか営業販売力の向上対策ということについてですけれども、まず、中小企業の人材確保に向けた取り組みとして、沿岸地域高校生に対する地元企業見学会の開催、企業の採用プロモーションへの支援を行っているほか、県内への人材定着、職場定着を図るため、企業へのキャリアカウンセラーの派遣や、若手職員向けセミナーの開催などの取り組みを行っております。
県外からのU・Iターンの促進のため、ポータルサイトによる情報発信やサポートデスクにおける相談対応など、中小企業の人材確保に対するさまざまな支援を行っております。
営業販売力の向上に向けた取り組みとしては、中小企業が新たな商品の開発、生産、販売、新たなサービスの提供など新事業活動に取り組むための経営革新計画の策定に向けて、商工団体が継続的に支援するといったものに対する補助、あるいはそういったものの取り組みに対する支援ということで、中小企業の営業販売力向上に向けた支援を行っております。
さらに、東日本大震災津波の被災企業に対しては、先ほど答弁もありましたけれども、販路拡大に取り組む必要があるということで、商工団体に販路拡大アドバイザーを配置して、被災企業の商品開発や営業強化の取り組みに対する支援などを行っております。
〇高田一郎委員 中小企業振興条例で大事なことは、1年間の中小企業振興条例に基づいた実施状況を明らかにして、課題を明確にして、中小業者の声も反映して、新しい年度での計画、それを裏づける予算をつくっていくという流れが大事だと思いますし、策定した中小企業振興条例もそういう性格を持った条例だと思います。具体的にこの点ではどのような進捗状況になっているのかというのが一つです。
もう一つは、人材確保の点です。
先ほども県内就職の問題が出されました。高卒は64%とか、大卒は45%という数字が出ました。
私は、県内就職率を高める上で、岩手県立大学も含めて、大学への地元説明会の取り組みがまだまだ弱いのではないかと思うのですけれども、その点についてのお考えをお願いしたいと思います。
実は、月曜日に私もNHKのニュースの特集番組を見たのですけれども、高校卒業者の県内就職率は、富山県、石川県が94%で、宮崎県が50%前後ということで、やはり高い自治体に学ぶべきではないかと思います。中学校あたりからもう職場体験をやっているとか、あるいは高校に入っても長期間の職場体験をやって、地元にも魅力ある中小企業がたくさんあるのだよということを学ばせる取り組みをやっている自治体があります。そういう先進の自治体に学んで、岩手県の地元就職率を高める目標も明らかにして取り組んでいく必要があるのではないかと思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 まずはその取り組み状況についてですけれども、条例の中でも計画を定めて、その実施状況を公表することとなっておりまして、本年9月に外部委員会を開催しました。委員会の構成としましては、計画づくりのときにお願いした委員の方を基本として、経過をわかっている方ということで、その方々に9月に集まっていただきまして、取り組み状況、どういった形で公表するのがいいのかという素案に対する御意見等をもらっております。そういったものも踏まえて、これから公表の内容についてさらに詰めて、公表を進めていきたいと考えております。
〇高橋雇用対策課長 就職率向上に向けた取り組みということでございましたけれども、高校生に対しましては、各広域振興局に就業支援員を配置しておりまして、高校との連携を強化して県内就業の支援に取り組んでおります。
また、キャリア教育支援セミナーの開催あるいは就職支援情報の提供、就職後のフォローアップセミナーなどを展開しているところでございます。
また、大学等に対しましては、お盆など帰省時期に合わせまして各地域で就職面接会を開催しているほか、就職ガイダンス、面接会を県内外で開催いたしまして、県内企業とのマッチングを図っているところでございます。
なお、岩手県立大学、岩手大学におかれましては、県内外の教育機関や経済団体等と連携いたしまして、インターンシップ、企業見学会、産官学連携によります共同研究の促進などの取り組みを展開しておりまして、卒業生の地元定着や雇用創出についても取り組んでいただいているところでございます。
〇高田一郎委員 全国の進んでいる経験に学ぶということが大事だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
中小企業振興条例の中で大事なことは、商工会議所や商工会の果たす役割が大変大きいということだと思います。先ほどの議論もありましたけれども、特に、今回、台風第10号で大変な被害を受けた岩泉町の商工会に10月にお邪魔したときに、大変な被害を受けて、これからさまざまな国や県の補助事業を導入して再建する上で、とても人手が足りないというようなお話もされました。この点で、県としてどういう人的な支援が行われているのかということをまずお伺いしたいと思います。
公契約条例の問題についても質問通告しておりましたので、これで最後にしたいと思います。
〇軽石義則委員長 簡潔にお願いします。
〇高田一郎委員(続) これも昨年制定されましたけれども、この条例を制定して、具体的な取り組み、そしてこの条例がどういう役割を果たしてきたのか、条例の効果についてお伺いして、終わりたいと思います。
〇高橋経営支援課総括課長 台風で被災した地区の商工団体に対する支援ですけれども、お話があったとおり、人的支援が必要ということで、今回の補正予算で被災した商工団体への人的配置に対する経費を補助するということで、久慈市、宮古市、岩泉町で配置する分と、岩泉町につきましては、特に県の商工会連合会と連携して被災事業者の調査とか支援を行っていますので、商工会連合会に対しても人材を置くということの分で支援をしております。
また、県の直接支援ではないのですけれども、全国の商工会議所等の団体からも、被災した商工会議所に人的応援を行っているという話も聞いております。
〇工藤労働課長 県が締結する契約に関する条例の効果ということでございますけれども、昨年度は、ことし4月からの条例の施行に向けまして、契約審議会を設置して、条例施行規則の制定あるいは県が取り組むべき項目を取りまとめて公表したところでございます。
そして、施行に向けまして、昨年度、条例説明会を県内各地で開催し、1、000人を超える多くの参加者を得るなど条例の周知徹底を図ったところでございまして、そうした条例の趣旨であります労働条件の確保についての意識啓発がかなり図られたものと考えております。
労働条件の改善状況につきましては、条例による最低賃金の遵守状況などの報告制度を来年4月から施行することとしているところでございますが、県では、それに先立ちまして、条例による取り組みの一つとしまして県内の労働実態調査を実施するなど、賃金を含めまして労働条件の状況を把握する予定としております。
それから、県が取り組む107項目をことし4月に公表したと申し上げましたが、全庁的に取り組んでいるところでございまして、例えば、今年度から庁舎管理業務の入札に最低制限価格制度を導入してダンピングの防止を図るなど、公共サービスの質の向上にもつなげているところでございます。
〇軽石義則委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇高橋雇用対策課長 工藤勝子委員から御質問があった離職者の再就職の状況についてでございますけれども、県内の再就職の状況につきまして、全ての離職者のうち、具体的にどのような方がどれぐらいの期間で再就職しているかのデータは把握できておりませんが、平成24年就業構造基本調査によりますと、本県における転職者比率、これは15歳以上の有業者のうち1年以内に転職、再就職をした者の割合は5.3%─全国は5.0%でございますが─3万4、500人となっているところでございます。
〇千田美津子委員 何点か質問いたします。
まず最初に、トヨタ自動車関連でお聞きしたいと思います。
トヨタ自動車東日本岩手工場の正社員、期間社員、派遣社員数のここ数年間の推移はどうなっているでしょうか。そして、この間、どれだけの期間社員が正社員に登用されたのか、その状況についてもお聞きします。また、平成28年度の状況がわかればお聞きしたいと思いますし、この間の新規採用数についてもお聞きします。
〇瀬川自動車産業振興課長 まず、3年ぐらいさかのぼってお話をしたいと思います。
平成25年4月1日で正社員は1、701名、比率にして59.7%、期間社員が828名、29%、派遣社員が322名、11.3%ということで、合計が2、851人でございました。
続きまして、時期が多少ずれますが、平成26年5月31日で、正社員が1、865名、72.8%、期間社員が576名、22.5%、派遣社員が122名、4.8%で、合計が2、563名でございます。
平成27年5月31日でございますが、正社員が1、914名、68.9%、期間社員が589名、21.2%、派遣社員が276名、9.9%で、合計が2、779人でございます。
平成28年5月31日でございますが、正社員が2、015人、71.5%、期間社員が460名、16.3%、派遣社員が344名、12.2%で、合計が2、819名ということでございます。
昨年の期間社員の正社員化が99人、今年度は、7月1日付と11月1日付で合計101人が正社員に登用されております。その結果、11月1日時点で正社員が2、086名、比率が68.4%、期間社員が460名、15.1%、派遣社員が504名、16.5%で、岩手工場としましては、初めて3、000人を超える、合計3、050人という人数になってございます。
〇千田美津子委員 新規採用数が漏れていたので、後でお願いします。
今、答弁いただいて、正社員数が300人ふえている。正社員の率とすれば、全体がふえているのでちょっと下がってはいるようですけれども、全体が3、050人のうち2、086人ですから、68.4%の正社員率になっているということ、期間社員から正規社員への登用数が2年間でちょうど200人です。これは、地域にとっても、また、労働者にとっても大変意義のあることだと思います。
こういう雇用の状況をつくり出したトヨタ自動車東日本本体の会社の取り組みも本当にすばらしいと思いますが、この間、担当部がいかに努力してきたか、私は、その結果だと思います。引き続き取り組みをお願いしたいと。
ただ、ちょっと気になるのが、派遣社員が随分ふえているのです。ことしが504人で、この大幅にふえている状況をどのように見ているか、この点と、先ほどの新規採用についてお答えいただきたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 まずは新規採用の部分でございます。平成25年度は22名、平成26年度が22名、平成27年度が18名、今年度は34名と伺っております。
それから、派遣社員の増加でございますが、聞き取りをしているところでございますけれども、まずは期間社員として、5月の新聞報道にもありますとおり、200人以上の募集をかけているのですが、これは、当然ながら、トヨタ自動車東日本としても、ある意味、正社員候補というような形も含めて募集しているのですが、そこはなかなか集まりがたいということもあって、やむなく派遣社員をお願いしているというところも聞いておりますし、もう一つは、12月に新しい車の生産が立ち上がるということで、そちらの生産増に対応するために、一時的な雇用として繁忙期の短期の派遣社員ということで伺っております。
〇千田美津子委員 本当にすばらしい状況だと思うのですが、ただ、トヨタ自動車東日本のひとり勝ちではなくて、関連産業に対してどのように波及しているのか。部品メーカーが多々あるわけですけれども、その状況について何かつかんでおられるのかお聞きしたいと思います。
〇瀬川自動車産業振興課長 まず、主要部品メーカーなど自動車関連企業にも正社員を採用しようという動きが強まってきていると思います。先ほどのお話のとおり、増産に伴いそういった動きが出ていると認識しているところであります。
〇千田美津子委員 トヨタ自動車東日本が県内のものづくり産業の牽引車になるように、雇用の状況を変える牽引車にぜひなっていただきたいと思いますので、引き続きの取り組みをお願いいたします。
次に、2016いわて統計白書をことしの3月にいただきました。私は、これを見ていて、さまざまな企業誘致や雇用の状況、あるいはきょう議論のあった賃金水準がどのような状況にあるかというのがすごく明確にわかったので、これから質問させていただきたいと思います。
この統計白書によれば、過去10年間の岩手県における工場の立地件数は196件で、全国で33位なのです。東北では、宮城県、福島県、山形県に次いで4番目になっているという指摘があります。私は、さまざまな事業をやっていらっしゃって頑張っているなと思っていたのですけれども、この統計を見て現状をどのように受けとめているか、この点をお聞きしたいと思います。
〇戸舘ものづくり自動車産業振興室長 いわて統計白書に基づきます工場立地の現状認識というお尋ねであります。この件数ですけれども、経済産業省が毎年行っております工場立地動向調査に基づく数値であります。この調査の対象企業ですけれども、1、000平方メートル以上の用地を取得した製造業、電気業等の件数でありまして、これは誘致企業、地場企業を問わないものとなっております。
この統計によりますと、平成17年から平成26年までの10年間で工場用地を取得した件数が196件、順位についても、委員御指摘のとおりであります。
この内訳を詳細に見ていきますと、本社が岩手県外にある、いわゆる県外企業の件数で見た場合に、本県は81件ありまして、全国では26位、東北では3位ということになります。全体に占める県外企業の割合は41.3%で全国17位、東北では2位といった数字になっておりまして、県外からの誘致に関しましては一定の成果を上げているのではないかと考えております。
県では、これまで、自動車関連産業や半導体関連産業などを柱とする本県経済を牽引するものづくり産業あるいは食品、木材など地域資源の活用につながる産業等の企業誘致に取り組んできた結果といたしまして、平成22年度以降、県民計画に掲げる年20件以上という目標を上回る状況が続いているところでありまして、今後とも、引き続きこういった取り組みをさらに強化してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 この白書からもう一つ、岩手の賃金、労働の実態について質問したいと思います。
きょうも質疑がありましたけれども、岩手の賃金水準はやはり低いと。全国平均を大きく下回っている。都道府県では30番目の水準になっているという状況があります。この現状についてどのように捉えているか。
あわせて聞きます。男女間の給与格差も拡大しているということの指摘があります。岩手の男女間の給与格差は13万4、859円とこの白書では述べておりまして、前年より格差が拡大している実態があると指摘されています。この現状と、原因はどこにあるとお考えなのか、この点をお伺いいたします。
もう一つ、労働の実態です。労働時間の長さですけれども、全国平均の145.1時間に比べて岩手は12.9時間も長く、都道府県では一番長い労働時間となっています。これは、労働者の働く環境としても早急に改善するように取り組みが必要ではないかと私は思いますので、この現状を、どう改善していくためにこれから何が必要と考えているか、この点、三つあわせてお聞きします。
〇工藤労働課長 本県の賃金水準の現状等ですけれども、その後の毎月勤労統計調査地方調査によりましても、本県の常用労働者5人以上の規模の事業所における平成27年の1人平均月額現金給与総額は28万3、000円余と、前年に比べて400円以上上昇はしておりますけれども、依然として全国平均を下回る水準となっております。
男女間の給与格差ですけれども、先ほどのお話のとおり、男女の給与差は平成26年度で13万円余という調査結果が出ております。このような男女間の給与格差につきましてはさまざまな要因が指摘されておりますけれども、女性の職業生活における活躍が、長時間労働につながる職場意識や労働慣行によって阻害されていることが大きな要因とされておりまして、そのような意識や労働慣行を改めてワーク・ライフ・バランスを実現するなど、全ての人が働きやすい労働環境づくりを進めることが重要であると認識しております。加えて、女性が多くを占めます非正規雇用者と正社員との賃金格差が大きいということも要因と考えられますので、正社員への転換や処遇改善を促進する必要があると考えております。
それから、長時間労働の御指摘ですけれども、本県は全国平均よりも労働時間がかなり長いとの調査結果が出ております。長時間労働の是正を図るには、先ほども申し上げましたが、その要因とされております長時間労働につながる職場の意識、労働慣行を変えていくことが重要と認識しておりまして、ワーク・ライフ・バランスなど企業の優良な取り組み事例の紹介を含めたセミナーの開催などの普及啓発ですとか、労働時間短縮に取り組む事業主への国の助成制度の活用の促進などに取り組んできたところでございます。
さらに、今年度からはいわて働き方改革推進運動を開始するとともに、運動参加企業の中からすぐれた取り組みの企業を表彰するいわて働き方改革アワードを実施するなど、県内の企業等の働き方改革の取り組みを推進しているところでございまして、今後も、こうした取り組みを通じて、長時間労働の是正など労働環境の改善を図っていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 今、御答弁がありましたように、働き方の改革をしていかなければ、これらの現状は改善できないということは明らかです。ただ、それは一つの企業がやればいいというものではなくて、本当に県民の大きな運動が必要ですし、そういった点で、県が今取り組んでいるところをもっとプッシュするような形で、ぜひ前向きにお願いしたいと。
ただ、一つ、男女間の賃金格差が非常に広がっており、正社員への転換が必要だというのはそのとおりなのですけれども、やはり男女差別を撤廃していくという意識を、事業者にも、そして働く側にも持たせ、その差別を撤廃していくような取り組みをもっと県民に周知していかなければならないことだと思いますので、その点をもう一度お伺いいたします。
〇工藤労働課長 委員御指摘のとおり、男女の給与格差の背景には、そういった男女の雇用機会均等がきちんと確保されていないおそれもあるということも指摘がございますので、もちろん、それにつきましても普及啓発に力を入れて進めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 最後の質問になりますけれども、今、過労死をなくすために、残業時間の問題とか、労働者の働き方、働かせ方が大きな社会問題になっています。岩手でも、先ほど来お話があったように、働き方改革をしていくというような状況にあります。
そのような中で、過労死防止対策推進法が制定されて、過労死等防止対策白書が先月の10月7日に公表されております。この過労死等防止対策白書を見ましたけれども、県が何をするとか、そういうことではなくて、国の実態調査に伴う漠然とした出し方をしているので、これからどう変わるというところはなかなかつかみにくいのですが、ただ、昨年度の岩手県における脳疾患、心臓疾患での過労死の認定が、死亡した方4名のうち2名いらっしゃる。全国では246名の方が認定されているという大変な実態にあるわけであります。ですから、過労死をなくす取り組みを一緒にやっていかなければならないと思うのですけれども、県は、発表された白書から今の岩手の労働環境の現状について、こうあるべきと考えている部分があると思いますが、現状から見ての課題をどう捉えて、これから強化していくべき点は何だと考えていらっしゃるか、その点をお伺いいたします。
〇工藤労働課長 委員御指摘のとおり、過労死防止対策推進法の制定、国によります大綱の制定を受けて、国におきまして、10月7日、過労死等防止対策白書を閣議決定、公表しておりまして、当方としてもそれを把握しているところでございます。
この白書にもありますし、国は毎年、過労死等の労災補償状況を公表しておりまして、平成27年度の状況ですと、過労死の認定件数は全国で189件、うち本県で2件ということで、本県にも過労死と認定されているものがあることから、県としましても、過労死防止、特にその要因とされています長時間労働の是正に力を入れていくべきと認識しております。
取り組みにつきましては、過労死の防止、長時間労働の是正につきまして、国において法制定、大綱の策定を受けまして監督、指導を強化しているところでございます。報道等にもありますが、東京、大阪にいわゆるかとく─過重労働撲滅特別対策班を設置しましたり、岩手も含めて全国の労働局に過重労働特別監督管理官を配置するなど、監督、指導を強化しているところでございます。
県としましては、労働基準関係法令に違反した事案を把握した場合には、岩手労働局に連絡するなど緊密な連携を図っておりますほか、協力して相談対応をしておりますし、労働関係法令のガイドブックの作成配布や、セミナーを開催するなど、長時間労働の是正を含めた啓発活動を行ってきているところでございます。
また、国に対して、長時間労働の抑制を図るよう法整備や、雇用ルールを確保するための岩手労働局の労働基準監督官の増員など、監督体制の一層の強化を要望しているところでございます。今後も岩手労働局とも連携しながら、過労死防止、長時間労働の是正が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後5時15分 休 憩
午後5時32分 再 開
〇中平均副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇吉田敬子委員 まず、ワーク・ライフ・バランスの取り組みについてお伺いいたします。
先ほどは工藤勝子委員へ、子育て支援の取り組み等の企業についての御答弁等はいただきましたけれども、県は、県全体としてどのぐらい働きやすい環境が整ったという認識なのか、また、ワーク・ライフ・バランスが整うとどのようになるという認識で取り組んできたのか、まずはお伺いいたします。
〇工藤労働課長 県内企業の働きやすい環境ということでございますが、働きやすい環境の前提であります長時間労働の是正の状況につきましては、本県の平成27年の1人当たり年間の総労働時間は1、888時間と前年よりやや減少しておりますし、近年で最も長かった平成18年と比べますと、約70時間短くなってはおります。
しかしながら、本県の総労働時間は依然として全国平均を大きく上回っている状況にございますので、今後も長時間労働の是正など働きやすい労働環境づくりに取り組んでいく必要があると認識しております。
それから、ワーク・ライフ・バランスが整うとどういう効果があるのかについてでございますが、その実現を図ることにより、全ての人が健康で安心して働き続けることができ、働きたいと思える雇用、労働環境の実現につながるものと認識して取り組んでおります。
〇吉田敬子委員 今、長時間労働の是正が少しは図られたということで御答弁をいただいたのですけれども、それによって実際に本当に県民の皆さんが働きやすい環境になったという認識なのかが、私は、先ほどの御答弁ではいまいち理解ができなかったのです。具体的に、例えば数値としてというのは難しいと思うのですけれども、では、県としては、長時間労働の是正の数値だけで、働きやすいか、働きにくいかということをはかっているのでしょうか。
〇工藤労働課長 働きやすい労働環境の要素は多岐にわたると認識しております。ただ、その前提になりますのが、先ほどの御質問でも話題になりましたが、過労死の大きな原因として長時間労働が指摘されているということもありますので、先ほどは言葉足らずで恐縮ですが、働きやすい環境の前提となっている要因の一例ということで長時間労働の是正の状況ということで答弁したところでございます。働きやすい労働環境ということにつきましては、もちろん、本日も取り上げられております子育てと仕事の両立ですとか、そのほか介護との両立、あるいはそういった子育て、介護の状況にない方についても生活と仕事のバランスがとれるような、一人一人が働きやすいいろいろな要素を持った労働環境づくりが必要と考えております。
〇吉田敬子委員 答えていただきたいところを言っていただいたのでよかったと思うのですが、先ほど、子育てと仕事の両立、介護との両立だけではなく、私生活も含めてというお話を課長からしていただいたのですけれども、先日、保健福祉部の審査で、不妊治療をしている方々がなかなか会社を休みづらいので環境の整備をお願いしますという質疑もさせていただいております。私としては、子育てとか介護だけでない、そういった方々もいらっしゃるという意味で、県は、企業に対して、ワーク・ライフ・バランスの取り組みについて、仕事と生活というところ、子育てだけではないというところをぜひ力を入れていただきたいのです。
先日も県の主催で、東京都の株式会社ワーク・ライフ・バランスの方が講師を務める講義に私も参加させていただいたのですけれども、その講義を聞いて、改めてそうだなと思いましたので、その部分については、ぜひ引き続き強く訴えたいと思います。
もう一つ、ことしになりまして、知事はイクボス宣言をされていますけれども、具体的に目に見える何かあったのか、ないのか教えていただきたいと思います。
〇高橋雇用対策・労働室長 ただいま、知事のイクボス宣言についてのお尋ねがございました。私の認識でございますが、庁内各部長も全員イクボス宣言をしたということですから、当部においてもイクボスを宣言しております。それぞれ3課の室課長も、課内運営に当たっては、当然、その意を体して配慮してやるように訓示もいただきましたし、それぞれの課の中でそういう対応をとっているということでございます。
〇吉田敬子委員 済みません、突然振りましたけれども、ただ、宣言しただけでなくて、実際に目に見える形でやっていっていただきたいので、そこは強く要望したいと思います。
次に参ります。県外就学者に対する県内就職の取り組みについてお伺いいたします。
先ほど来、雇用についての人材確保の部分で、県内就職の取り組みについてはさまざま議論がありましたけれども、その中で、平成27年度はどのような取り組みによって具体的に県外就学者に対する県内の就職がふえたという認識があるのか、実績をお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 県外就学者に対する県内就職の取り組みについてでございますけれども、平成27年度の取り組みといたしましては、ふるさといわて定住財団におきまして、就職活動時期を迎えた学生を対象に、県内企業の求人情報をインターネットを通じて提供するとともに、4月と6月に就職ガイダンスを県内で開催したところであり、県内外の学生1、110人が参加したところでございます。
また、大学卒業予定者等を対象といたしまして、8月、10月、12月に就職面接会を県内で開催しており、参加者605人のうち、県内外合わせた新卒者97人が県内企業に採用されたところでございます。
さらに、8月と3月、東京都内におきましてU・Iターンフェアを開催しており、187人の参加者のうち、県内外合わせた新卒者11人が県内企業に採用されたところでございます。
なお、この新卒者の県内企業の採用数につきましては、これらの事業に参加した企業へのアンケート結果の回答を集計したものでございまして、県外就学者の県内就業につきましては、学生個人の就職活動と結果を全て調査することは困難でございまして、県外学生の県内就職の実態は把握できていないところでございます。
〇吉田敬子委員 これまでも、県外就学者に対する県内の就職は、さまざまなところで就職相談会をやられているとは思うんですけれども、それ以外にインターンシップの取り組みは有効だということをさまざまな機会で私はお話しさせていただきました。民間のNPO等が、国の補助金を活用してインターンシップの取り組みをされているのですけれども、そういったことに対してどのように認識されていて、評価されているか、まずお伺いいたします。
〇高橋雇用対策課長 民間団体による企業へのインターンシップの取り組みについてでございますけれども、NPO法人を含む民間団体による学生インターンシップにつきましては、市町村、地元企業、団体との連携により、活動エリアも沿岸部に加え内陸部にまで広がりを見せるなど、県といたしましても、その取り組みの効果を期待しているところでございます。
あるNPO法人では、1年間の長期インターンシップや1カ月から3カ月の短期インターンシップによりまして、地元企業や地域の課題解決に取り組む、いわゆる実践型インターンシップを行っておりまして、10名を超える県内外の学生等が参加して、大きな成果を上げていると聞いているところでございます。
また、学生インターンシップのみならず、U・Iターン促進のための首都圏等でのイベント活動、県内の若者ネットワークの構築等、岩手にかかわる学生にとって岩手が将来的な就職先の選択肢になる環境づくりに取り組んでおりまして、県外就学者を含めた若者の県内就職の促進につながる活動として評価しているところでございます。
〇吉田敬子委員 答弁をいただいた民間団体は復興庁のものを使っていると思うのですけれども、国では、今後、まち・ひと・しごと創生本部でインターンシップにも力を入れていくということを伺っていまして、それは大学や自治体向けのポータルサイトの試験運用をしていくということだったり、復興庁も実践型インターンシップをやっていたり、総務省はふるさとワーキングホリデーといった、さまざまなところがそういったインターンシップの事業をやっています。私も、インターンシップをやった学生の報告会に参加させていただいたのですけれども、参加されている学生の中では、岩手県出身の都内の学生で、もともとは岩手に全然興味がなかったのだけれども、たまたまそれを機会に、今、釜石市のほうで仕事をしていて、自分もそのまま釜石市で仕事をやっていきたいという思いを聞いておりまして、実際にそういった実践型のインターンシップをすることで、岩手の魅力をもっと発信できると思います。
先ほど、質疑の中で、受け皿がないとか、魅力のある企業がないというお話がありましたけれども、私は、受け皿がないのではなくて、学生にそれが届いていないだけであって、魅力のある企業も、中小企業であっても、今、いろいろなところで一生懸命頑張っている企業がいっぱいあることを私は知っているので、ただ、知らない学生がいるということだと思うのです。それをやっているのが、そういった民間のNPOの取り組みだと思っています。その団体がおっしゃるには、給与水準の話も先ほど出ていますけれども、これを上げていくことはなかなか大変な中で、実際に3週間だとか1カ月というのを体験すると、お金だけではない岩手の価値を学生が何か感じるらしいのです。そういったところを一つ一つ丁寧にやっていくことで、今は学生がそれを自分で発信して、そこから拡散していくということがあるので、1日、2日ではなくて、実践型インターンシップというものを1週間以上とか、ここは3週間やっていたりするのですけれども、そういった民間の取り組みを支援しながら、もしくは連携しながら、ぜひ、岩手のたくさんの魅力ある企業をもっとPRしていっていただきたいと思いますけれども、御所見を伺います。
〇高橋雇用対策課長 今後の取り組みということでございますけれども、県といたしましては、首都圏在住の本県出身学生等のU・Iターンの促進を図るため、地方創生交付金を活用いたしまして、本県企業でのインターンシップの実施等を支援する取り組みを産官学で推進するために必要な補正予算を措置したところでございます。
今後、いわてで働こう推進協議会の中にワーキンググループを設置いたしまして、インターンシップの促進に向けた検討を行い、インターンシップの推進体制の構築やUターン情報発信の強化に取り組んでいくこととしております。
また、この春、卒業を迎える高校3年生や県外就学者に対しまして、U・Iターンシステムへの登録を促進することにより、インターンシップ情報を初め県内企業の情報を継続的に発信いたしまして、Uターン就職の動機づけによって、本県への人材の還流、地元定着の促進を図っていきたいと考えているところでございます。
〇吉田敬子委員 私は、実は久慈市のある企業の北いわてアパレルでつくっていただいたジャケットをきょうは着させていただいているのですけれども、県北だけではなく、ことしから岩手県としてアパレル産業の振興に取り組んでいただいていて、その機運醸成に大変貢献されているのはすごく評価しております。今後も続けていただきたいのですが、ただ、その中で、私が若い方に話をすると、そういう会社があるというのは知らなかったという学生が本当に多いのです。そういう意味では、岩手の県北だけでなく、もちろんアパレルだけでない、そういった頑張っている企業のPRがもっとできるはずだと私は思っておりますけれども、最後に部長の御答弁をいただきたいと思います。
〇菊池商工労働観光部長 県内の地元企業がいろいろな場面で活躍しているのはそのとおりでございまして、光る企業がたくさんあります。誇りを持ってものづくりやいろいろなサービス業をやられている企業はたくさんあって、その企業が130万人の県民につまびらかに知られているかというと、そこは残念なところもあるということを認識しております。
そういったことで、働く場としてどうでしょうかという紹介は何社かしかできませんけれども、代表的な企業を紹介する、しかもそこに働く若い人も含めた紹介の形で、岩手で働くといいものだよという情報が出るような冊子、パンフレット等もつくることなど工夫しております。
そして、先ほどおっしゃったように、いわばNPOと民間レベルでインターンシップ等々に積極的に取り組んでいただくことも、これまた広がる輪が大きい。そういう世界で企業が光っていくような取り組みを、まさに産官学全部一緒になって取り組んでいけるような状態になればいいと思いますし、アパレルの情報発信も一つのいい例で、これもある意味、ショーウインドー化して、アパレルは結構受けるというか、浸透しますよということにもつながればいいと思います。
そういったダイレクトに、だから就職しろというよりも、まず知ってもらうということが大事なので、そういった形でできるだけ県民に触れるように、そして、親御さんにも、あるいはどこか県外で就学されている方々にも伝わるような方法をいろいろ考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
〇臼澤勉委員 私からは簡潔にお尋ねいたします。
まず初めに、国際観光についてお伺いいたします。
先ほど、千葉絢子委員、福井せいじ委員からもお話がありました。総括的な現状とか経済波及効果についても答弁がありましたので、ここは飛ばしたいと思います。
このたび北海道新幹線も開通しておりまして、まず初めにお伺いしたいのは、広域観光周遊ルートをどのように形成して誘客しているのか、平成27年度に開発したルートがあれば、実績と効果についてお伺いいたします。
〇平井観光課総括課長 広域観光周遊ルートについてでございますが、まず、国におきましては、複数の都道府県にまたがりまして、テーマ性、ストーリー性を持った一連の魅力ある観光地を、交通アクセスも含めてネットワーク化して、外国人の訪日を強く動機づける広域観光周遊ルートの形成を促進し、海外に積極的に発信することとしているところでございます。
これを受けまして、我が県も含めて、東北におきましては、東北観光推進機構が中心となり東北各県が連携しまして、日本の奥の院・東北探訪ルートの形成計画を策定いたしまして、平成27年6月に国の認定を受けているところでございます。
また、本年4月に、このルートに基づく主要6ルートを代表する六つのモデルコースを設定いたしまして、このうち三つのコースが、国の世界に誇れる広域観光周遊ルートに選定されたところでございます。
この三つのモデルコースのうち、二つのコースにつきましては、本県の内陸を縦断するコースと、本県の内陸と沿岸をつなぎながら沿岸地域を縦断するコースが組み込まれているところでございます。
このコースの売り込みにつきましては、国の東北観光復興対策交付金を活用し、東北各県が連携いたしまして、コース内の観光コンテンツのブラッシュアップや受け入れ態勢の充実、プロモーションの強化に本年度取り組んでいるところでございます。
また、国によるこれらコースの海外への情報発信も強化されるということになっておりますので、国や東北各県と連携しながら、これらのコースを海外に売り込んでいく考えでございます。
〇臼澤勉委員 先ほど、千葉絢子委員のほうからも平泉というお話がありました。広域観光を岩手というよりは東北全体を考えたときに、平泉が東北の中心地に、みちのくの中央にある、とうとい寺、中尊寺という名前のあるとおり、まさに中央にある、ここを核とした広域的な動きといった部分を大事にしていくべきだと私も認識しております。
その上で、マーケティングのお話もありました。観光ビッグデータとかを活用した来訪者の観光行動、動態を把握していくことが何より重要だと私は考えております。
そこで、県でそこら辺の把握をどうされているのか。要は、どのゾーンからお客さんが入ってきてどこのゾーンに出ていくのか、そこら辺の特徴がどうなっているのかについてお伺いします。
〇平井観光課総括課長 ビッグデータの活用でございますけれども、ビッグデータと呼ばれている地域経済分析システム、これは通称リーサスと呼ばれておりますが、こちらを県でも活用しておりまして、この中で、例えば平成27年1月から6月までの間において、本県を訪れました外国人旅行者約2万人のデータがこちらにございます。これによりますと、約61%が東京国際空港や成田空港から出入国している。16%が仙台空港から出入国している。また、その約51%が宮城県、約23%が青森県を経由して本県に来県している。また、本県への来県後につきましては、約54%が宮城県、約22%が青森県に移動しているということで、本県を訪れる外国人観光客の広域移動で周遊している旅行形態というものをこれで把握しているものでございます。
このことを踏まえまして、東北観光推進機構や北東北3県で連携して広域周遊ルートの策定、またはこの売り込みに努めているところでございます。
〇臼澤勉委員 この動態の中で、さらに国別といった形で押さえられているのかどうかちょっとあれなのですけれども、まさにそれぞれの国において、興味ある関心事、あるいは食であったり、魅力の違いがあるかと思います。そこら辺を丁寧に分析する必要があろうかと私は思います。そこはぜひお願いしたいと思います。
それで、情報発信、情報基盤の整備というのが一方で大事になろうかと思います。無料公衆無線LANの整備状況はどのようになっているのか、今後の対応についてお伺いします。
〇平井観光課総括課長 無料公衆無線LANの整備でございますが、昨年度、当県で新たに外国人観光客等受入促進環境整備事業補助金を設立いたしまして、その中で33件に対しまして無料公衆無線LANの整備に対して補助を行っているものでございます。
〇臼澤勉委員 海外のお客というのは、よくスマートフォンとかを活用しながら国内を移動されたり、あるいは情報発信のツールとしてもユーチューブだとかにアップロードしながら発信されている。私は、ここがポイントだと思うのです。限られた予算で情報発信していく上では限界があります。一人一人が情報発信者である環境が実は整ってきているということがポイントになろうかと思っております。
今はやっているPPAPなども、結局はユーチューブなどを使いながら発信している。この前は、スーパーマリオの格好をして東京都内を回っているような取り組みというか、あれも、八幡平アスピーテラインとか、ああいったところに、例えばマリオの格好なんかをさせて、インターネットから、このぐらい魅力ある自然環境豊かなところだと、そういうユニークな活動などもするような仕掛けとか、それによる、あら、おもしろいな、行ってみたいなという発信の仕方も、少し遊び心もあっていいのではないかと私は考えます。今後、そこら辺はいろいろ考えていただければと思います。
GPSの位置情報を使って一人一人の観光動向、どういうふうに動かれているのか、ここら辺をある自治体では分析されているところもあると伺っております。そこら辺の分析について、最後に御所見をお伺いしたいと思います。
〇平井観光課総括課長 GPS─位置情報機能の活用でございますけれども、GPS機能を活用することによりまして、これまで非常に把握が困難であった個人個人の移動ルートとか前後の立ち寄り先など詳細なデータ、または観光動向を収集、分析して、これをもとに戦略を立てていくということは非常に重要なことだと思っています。
このため、先ほども御紹介いたしましたが、いわゆるビッグデータもGPSを活用したデータでございます。こういうものを活用しておりますし、また、現在、国におきまして、モデル地域を決めながら、GPSデータを含むビッグデータを活用した調査、研究を進めているところでございまして、こういう動向も見ながら、県のほうでも研究してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に、岩手からの輸出拡大に対する取り組みについてお伺いいたします。
平成27年度、約5、000万円弱の予算で4、500万円の決算額ということでございますし、約1億円を使って海外市場への展開の支援をされている。
まず、平成27年の本県企業による輸出の状況をどう捉えて施策を展開されているのか、そこの状況についてお伺いいたします。
〇押切産業経済交流課総括課長 平成27年の本県企業による輸出額の現状についてということでございます。
ジェトロの岩手の貿易2015によりますと、県産品の輸出ということで、地場産品に係る輸出額について申し上げますが、全体では32億円弱となっておりまして、品目別で言いますと、農林水産物と食品の合計が25億9、000万円余となっておりまして、このうち、水産物が14億円余と半分以上の額を占めているほか、日本酒が1億5、000万円余となっているところでございます。
もう一つのくくりとして工芸品等でございますが、5億9、000万円余となっておりまして、このうち、南部鉄器が5億7、000万円余と、その大半を占めているところでございます。
さらに、地域別の輸出額でございますが、全体の32億円弱のうち、東南アジアには13億2、000万円余、中国、香港には10億円余、北米には4億6、000万円余、欧州には1億7、000万円余となっており、東南アジアと中国、香港への輸出額が7割以上を占めているところでございまして、大きいところは伸ばしながら、小さいところも底上げしていくという形にしたいと考えているところでございます。
〇臼澤勉委員 岩手の貿易の状況全体を申しますと、ジェトロ調べでは、輸出総額約1、021億円レベルでございますが、特に大きな輸出のエリアはアジアであったり中国、香港で半分以上、6割ぐらいを占めております。
こういった中で、私もデータを見させていただいておりますが、日本酒の伸びも、全体の量は少ないですけれども、前年比33.6%ということで大きく伸ばしております。陸前高田市のある酒造メーカーだとか、盛岡市の会社等も頑張っておりますし、もちろん久慈市の酒造会社もありました。私も、ジェトロ・ニューヨークに行ったときに、初めてオールジャパンで日本酒輸出の取り組みということで、グランド・セントラル・ステーションのところでオイスターバーを展開して、あれからもう何十年かたっておりますけれども、着実に伸ばしております。そういう先駆的な取り組みなどがほかの企業に勇気を与えますし、そういう仲間がどんどんふえてくると私は思います。
そういったところから、先般もジェトロにお邪魔して、新輸出大国コンシェルジュの方とかにお話を聞いてきたのですけれども、県では、まず、今後のこの動向をどう分析しながら輸出拡大に向けて取り組むお考えか、そこら辺をお伺いいたします。
〇押切産業経済交流課総括課長 現状を踏まえて、今後の県産品輸出拡大に向けての課題と取り組みということでございますが、県では、これまで、中国を初めとした東アジア地域を県産品の販路拡大を図る重点地域といたしまして、県産品の輸出拡大に向けて取り組んできたところでございます。
その結果、味や価格でありますとか、現地のニーズに合わせた商品開発の必要性でありますとか、現地に輸送するための物流、現地における岩手の認知度がまだ低いというあたりの課題が見えてきたところでございます。
県では、これらの課題の解決を図りながら、引き続き、経済発展によって購買力が高まっている東アジア地域を重点地域として県産品の販路拡大を図っていくこととしているところでございます。
さらに、和食文化等の日本の伝統文化が世界的に関心を集めている中で、今後は欧州が有望な市場になると認識しているところでございまして、そういった考えのもとで、和食文化にまつわる日本酒でありますとか、酒器である漆器等を足がかりに欧州への進出を強めまして、県産品の販路を拡大していきたいと考えておりまして、ミラノ博覧会等を初めとする出展を通じて、現地キーパーソン等との関係を構築しているところでございます。
〇臼澤勉委員 限られた予算でございます。そういった中で、私は、平成27年度に経済産業省のJAPANブランド育成支援事業の採択結果を見まして、これでは、ブランドコンセプト、基本戦略を策定する事業支援だとか、あるいは長期的にブランドを確立していく具体的な事業支援2、000万円以内というような、3分の2補助ですけれども、そういった事業があります。
そういった中で、平成27年度に岩手県の取り組みも採択されております。例えば、一つには例の浄法寺漆と地酒を組み合わせたニューヨークでの販路拡大の取り組みであったり、あるいは2年目、3年目継続している岩手の企業の取り組みというものがございます。ぜひ、こういった国の支援事業なども活用するような形にどんどん導いていただければと思います。
ジェトロに行った際に、岩手の企業の中でも、興味、関心はある、輸出を手がけていかなければいけない。これからは市場も小さくなってくるという中で、国内というよりは、もう少し俯瞰して、アジア、東アジアを特に意識しながらも拡大していきたいというような企業もあるようでございますので、ぜひ、県の予算以外も活用し、そして、何よりも県の持っている工業技術センター、産業振興センターだとか、金融機関もさまざまな情報を持っていますから、そういうコンソーシアムを組んでしっかり支援していただきたいと思います。
最後に、部長にそこら辺の所感を聞いて、終わります。
〇菊池商工労働観光部長 委員御指摘のとおり、さまざまな地域産業が実際に海外に飛び出していって、それぞれに活躍されているということで、非常に有望な市場を見越しての戦略的な取り組みということで、応援しているところでございます。
我々も、さまざまな情報発信、あるいは商談会等にも一緒に来てもらって、県主催のみならず団体主催のものについても、あるいは行った先の国の主催のもの等にも積極的に参加いただくようにお話ししていますし、実際、そこで商談等を展開されている企業もあります。
おっしゃるとおりで、海外に出ていくにはそれなりの目算が必要でございまして、皆さんのお持ちになっている自社製品をどうやって磨き上げるかということもそうですし、コスト面で戦えるかとか、あるいは認証制度とかいろいろな問題があって、それらについて、おっしゃるコンシェルジュとか、あるいは県の関係機関、工業技術センター等も含め、さまざまなそういった手続や煩瑣なことについても指導、助言しながら障壁をクリアして、出られるような手伝いもしております。
最終的には、そういったプロセスを経ながら、その企業が本気で海外と渡り合う、飛び出していくというときの応援体制として、コンソーシアムのようなものを、今のところはFCP岩手ブランチ等でやっているのですけれども、そういったものを、輸出に向けて今も産学官金でいろいろな検討をしているところですが、具体的なプロジェクトを戦略化できるのであれば、早いうちにしていきたいと思いますし、企業とのコラボレーションをこれから一生懸命取り組んでいきたいと思っております。
〇中平均副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇中平均副委員長 質疑がないようでありますので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わります。
商工労働観光部の皆さんはお疲れさまでございました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後6時9分 散 会

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