平成28年9月定例会 決算特別委員会会議録

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決算特別委員会会議記録
(第2号)
平成28年11月15日(火)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 菊 池   満
議事管理担当課長 中 村 佳 和
主任主査 安 齊 和 男
主任主査 田 内 慎 也
主査 柳 原   悟
主査 上 野 公一郎
主査 小 原 亜季子
主査 菊 池   智
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 千 葉 茂 樹
企画理事 杉 村   孝
会計管理者 佐 藤   博
会計指導監 清 水 雅 典

政策地域部長 大 平   尚
理事兼政策地域部
副部長兼
地域振興室長兼
台風災害復旧復興
推進室長 宮 野 孝 志
政策地域部副部長
兼政策推進室長
兼首席ふるさと
振興監 南   敏 幸

環境生活企画室
企画課長 黒 田   農

保健福祉企画室
企画課長 小 川   修

商工企画室
企画課長 鈴 木 俊 昭

農林水産企画室
企画課長 中 村 善 光

県土整備企画室
企画課長 小 原 由 香

復興局長 木 村 卓 也
復興局副局長 内 宮 明 俊

国体・障がい者
スポーツ大会局
副局長兼
総務課総括課長 小 友 善 衛

経営管理課
総括課長 永 井 榮 一

教育企画室
特命参事兼
企画課長 菊 池 正 勝

議会事務局長 大 友 宏 司
次長 熊 谷 正 和
参事兼総務課
総括課長 及 川   忠
政策調査課長 高 橋 雅 彦

総務部長 風 早 正 毅
理事兼副部長兼
総務室長 大 槻 英 毅
総合防災室長 石 川 義 晃
総務室管理課長 藤 澤 良 志
入札課長 稲 葉   亘
放射線影響
対策課長 松 本   淳
人事課総括課長 佐 藤 隆 浩
財政課総括課長 小 原   勝
法務学事課
総括課長 佐 藤 一 男
私学・情報
公開課長 岡 部 春 美
税務課総括課長 小 畑   真
管財課総括課長 猪久保 健 一
防災危機管理監 會 川 雅 行
防災消防課長 山 田 壮 史
総務事務
センター所長 山 崎   隆

秘書広報室長 保   和 衛
副室長兼
首席調査監 高 橋 勝 重
総括調査監 千 葉 幸 也
調査監 小 國 大 作
秘書課総括課長 八重樫 浩 文
秘書課管理課長 佐 藤 法 之
特命参事兼
行幸啓課長 蛇 口 秀 人
広聴広報課
総括課長 上和野 里 美
報道監 藤 澤   修

会計管理者兼
出納局長 佐 藤   博
会計指導監 清 水 雅 典
出納局管理課長 高 橋 一 志
審査課長 千 葉 達 也

人事委員会
事務局長 佐 藤   新
職員課総括課長 坊 良 英 樹

監査委員 吉 田 政 司
監査委員 工 藤 洋 子
監査委員事務局長 菊 池   寛
監査第一課
総括課長 小 倉   茂
監査第二課
総括課長 村 上 博 和
〇軽石義則委員長 これより本日の会議を開きます。
工藤勝博委員及び木村幸弘委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
これより議事に入ります。
認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
これより、昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。吉田敬子委員。
〔吉田敬子委員質問者席に着く〕(拍手)
〇吉田敬子委員 無所属の吉田敬子です。
周産期医療体制と妊産婦支援についてお伺いいたします。
県では、国の周産期医療体制整備指針に基づき、平成23年2月に岩手県周産期医療体制整備計画を策定し、計画に基づき対策を推進してきました。また、四つの周産期医療圏を設定し体制の整備に取り組んでおります。分娩可能施設は県内32施設となっていますが、施設のない市町村が22市町村であり、アクセス支援を行う市町村はふえてきたものの、その地域の妊産婦は域外への通院を余儀なくされています。日本医師会総合政策研究機構の妊婦向け調査によりますと、産科医療については90%が満足と回答しているものの、産科医不足のニュースから、お産に不安を感じる人は78%という結果になっています。
こうした状況がある中、これまでの県の周産期医療体制の整備に向けた取り組み状況と課題についてどのように認識し、今後の施策をどのように実施していくのか、産科医数、助産師数、分娩取扱施設数の状況とあわせて知事の考えを伺います。
〇達増知事 県内の産婦人科医師数及び就業助産師数については、平成22年と平成26年を比較しますと、産婦人科医師数は94名が100名に、就業助産師数は349名が370名にそれぞれ増加しています。一方、分娩取扱施設数は、平成22年の40カ所から平成28年は32カ所に減少しており、また、低出生体重児等のハイリスク出産の割合が増加傾向にあります。このため県では、これまで県内四つの周産期医療圏を設定し、医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の確保を図ってまいりましたほか、医療機関と市町村が妊産婦等の情報を共有する周産期医療情報ネットワークの運用や、超音波画像による連携診断体制の構築など、ICTを活用した医療連携を推進し、周産期医療体制の充実に努めてきたところであります。
今年度、新たな医療計画における周産期医療体制を検討するため、県医師会や関係大学、周産期母子医療センター等の医療関係者による検討組織を立ち上げたところであり、そこでの議論を踏まえて県の取り組みを進めてまいります。
〇吉田敬子委員 安心してお産のできる環境整備が少子化対策、女性活躍、若者の県内就職にもつながる基礎だと私は感じていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
医師数に占める女性の割合は年々増加していますが、中でも産科医に占める女性の割合は著しく増加しており、20代後半から30代前半において産科医に占める女性の割合が60%を超えています。
先日、県医師会主催の女性医師や医学生との懇談会に出席したところ、育児がしやすい環境が整いつつある一方、育児休暇取得のためのマンパワー不足の現状を挙げられ、女性医師への支援が急務との提言がありました。私は、地域偏在や医師不足の解消がなかなか困難な中、周産期ネットワークの構築や、医師、助産師の勤務環境の整備が重要と考えています。
そこで伺いますが、産科医や助産師の人材確保や育成の状況、勤務状況の現状をどのように把握し、改善などに取り組んできたのか、また、特にも女性の産科医や助産師に対してはどのように取り組んできたのかあわせて伺います。
〇千葉副知事 産科医や助産師の人材確保等についてでございますけれども、産科医や助産師は分娩対応を24時間体制で行う必要がございますが、産科医の不足やハイリスク出産の割合が増加するなど、産科医や助産師を取り巻く勤務環境は大変厳しい状況にございまして、安全な出産に必要な人材や医療の質を確保していくためには、勤務環境を整備していくことが重要であると考えております。
委員御指摘のとおり、近年、産科医を中心に女性医師の割合が増加してきており、医師確保に向けましては女性医師の就業支援も重要でありますことから、県では、夜勤時のベビーシッターの派遣や育児休業後の職場復帰研修、夜間保育や病児保育を行う院内保育所への補助を行っておりますほか、産科医や助産師も含めました医療従事者の勤務環境を改善するため、保健福祉部内に岩手県医療勤務環境改善支援センターを設置いたしまして、医療機関の課題に応じましたアドバイザーや研修講師を派遣いたしますとともに、勤務環境改善に係ります設備整備等に対する補助等の支援なども行っているところでございます。
また、助産師の人材確保や育成につきましても、看護職員修学資金の貸付枠を拡大し、その養成と県内定着に取り組んでおりますほか、新生児蘇生法やハイリスク妊産婦ケアなどの実践能力の向上に向けた研修も行っているところでございます。
国におきましては、本年10月に新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会を設置し、医療を取り巻く環境の変化を踏まえた望ましい働き方についての検討が始まったところでございまして、これらの議論等も踏まえながら、引き続き、医療機関における勤務環境の改善の取り組みを支援していく考えでございます。
〇吉田敬子委員 医学生の話だと、入学時に希望する科は決めていない方が半分で、希望した科がその後変わる学生が多く、特に女性だと結婚、子育てを視野に考え直すという現状ですので、ぜひ引き続きよろしくお願いいたします。
次に、核家族化、地域のつながりの希薄化等により地域で妊産婦やその家族を支える力が弱くなり、妊娠、出産、子育てに係る妊産婦等の不安や負担がふえています。こうした中、国では、各地域の特性に応じた妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目ない支援の充実を図ることを重点とし、県でも昨年から妊娠・出産包括支援事業を開始しました。
先日、平成20年に世田谷区が開設した全国初の医療機関でない産後ケアセンターを視察しました。また、山梨県では、都道府県では全国初の産後ケアセンターをことし2月に設置、本県では10月に民間団体が花巻市に産後ケア施設を開設しています。利用者の話などからニーズの高さがうかがわれます。
県の周産期医療を取り巻く環境の中で、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援には児童虐待防止にもつながる産前産後ケアの充実が必要と考えますが、妊娠・出産包括支援推進事業や産前産後ケアに対する取り組み状況の課題と今後の方向性について伺います。
〇達増知事 妊産婦に対する支援については、母子保健法上、市町村の事務とされており、県では、市町村相互間の連絡調整や、市町村に対する指導、助言、その他必要な技術的援助を行うこととされています。
市町村では、妊娠、出産に伴う健康診査や保健指導を実施しているところであり、これらに加えて、盛岡市と遠野市では妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する子育て世代包括支援センターを設置し、国の補助事業を活用して母子保健や育児に関する相談支援事業や妊婦教室、授乳、育児指導等を実施しています。
県では、母子保健事業に従事する市町村の保健師等を対象とした研修会や産後うつ事例検討会を開催するなど、妊産婦の支援を担う人材の資質向上に努めているところであります。
妊産婦の心身の安定や児童虐待防止には委員御指摘のとおり産前産後のケアが有効でありますことから、市町村の取り組みを一層拡大する必要があると認識しております。国においては、子育て世代包括支援センターを平成32年度末までに全国の市町村に設置する方針を示しており、これらの動きを踏まえて、県においては、先進事例の紹介や研修会を開催するなど、引き続き取り組みの拡大に向けて支援していく考えであります。
〇吉田敬子委員 盛岡市は独自に今後、ニーズ調査をする意向があるということも伺っていますので、県もぜひ引き続きニーズ調査、把握も含めてお願いいたします。
次に参ります。
体外受精で産まれる子の数は、2014年は過去最多の4万7、322人であることが日本産科婦人科学会のまとめでわかりました。約21人に1人が体外受精で産まれることになり、治療件数も過去最多を更新しています。不妊で悩む夫婦は増加傾向にあり、多くは母体の高齢化が原因と言われていますが、20代の不妊もふえており、また、不妊の原因の半分は男性にあるという状況です。当事者が声に出しにくく目には見えづらい妊活、不妊治療に対する社会や職場の理解が必要と感じています。本県は生殖医療の専門医や医療機関が少なく、専門医を養成する環境も不十分で、多くの患者が県外での治療を余儀なくされているのが現状ですが、本年度から岩手医科大学に生殖医療専門の先生を迎え、不妊治療に携わる医師、不妊カウンセラーの養成、卵子の老化など晩婚化による不妊リスクの啓発などが期待されています。
そこで伺いますが、県内の不妊治療の現状と課題についてどう認識しているか、平成27年度から開始した男性不妊治療の助成状況を各市町村独自の支援状況とあわせて伺います。
〇千葉副知事 不妊治療に対する支援についてでございますけれども、体外受精や顕微授精を行います特定不妊治療の助成件数は年々増加しておりまして、平成27年度の助成件数は1、052件でございまして、前年度比112件、11.9%増となっております。このうち約6割が県外医療機関を受診しております。
県内で特定不妊治療を行っております2カ所の医療機関のうち、岩手医科大学附属病院では、今年度、今、委員からも御紹介ございましたが、新たに生殖医療専門医の認定を受けました医師が着任いたしましたことにより生殖医療の機能強化が図られ、治療件数の増や人材育成の推進が期待されるところでございます。
特定不妊治療につきましては、長期の受診が必要な方もおり、仕事と治療の両立に関する社会的理解や、早期に治療を開始することが有効であることなどの普及啓発が必要だと考えております。このため、県におきましては、岩手医科大学に不妊専門相談センターを委託設置して不妊相談等を実施しておりますほか、県政番組などの広報媒体を活用し、特定不妊治療費助成の制度改正の周知や不妊の原因などに関する正しい知識の普及啓発を行っているところであり、引き続き、専門医等で構成いたしております不妊治療協議会の意見等も踏まえながら、不妊に悩む方々への支援を行ってまいります。
また、男性不妊治療への助成につきましては、昨年度、国の取り組みに先駆けまして本県独自に創設いたしました男性不妊治療費助成も含め、平成27年度は9件、平成28年度は、10月末現在でございますが3件の実績となっております。
なお、市町村独自の支援につきましては、県の助成に一定額を上乗せするなど、31市町村で実施しているところでございます。
〇吉田敬子委員 これは最近の雑誌ですけれども、こういった雑誌がありまして、ここに達増知事の大学の後輩である三重県の知事も対談で載っています。不妊治療の助成というのは、不妊治療の高度な助成を求めているのではなく、何で不妊に至っているのかという現状を意識していただきたいということです。ここで三重県知事は、小、中、高校、成人と、段階を分けて男女ともにライフプラン教育も始めているとお話しされていました。先ほど来からのお話で切れ目のない支援を国で言っているということは、切れ目があるからこういう支援をやっていかなければいけないという国の認識だと私は思っています。
今までの質問を通じて、なぜ不妊に至っているかの現状と課題について、これまでの医師確保も含めて改めて知事の御所見を伺いたいと思います。
〇達増知事 学校を卒業して、就職あるいは家庭でさまざま生活、そういったライフステージに応じて、ともすれば切れ目のようなものが出てくる。そこを切れ目のないように、体と、そして人生、命に関する必要な知識をきちっとわかった上で主体的な選択を女性、そして男性もできるようになっていくことが大事なのだと思います。
岩手県といたしましても、そういう情報を得て、主体的な判断、自由な判断、選択ができる機会をつくっていかなければと思いますし、特にニーズのあるところに対してはしっかり手当てをしていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 突然振って済みません。雑誌を後でお貸ししますので、見ていただければと思います。
次に参ります。
防災、減災対策についてお伺いいたします。
災害に強い森林や山の管理について、これまでの委員会等でも、山津波を防ぐには、土砂災害防止や洪水緩和等の機能を有する森林、山の管理、治山事業や地すべり防止事業などが重要であることを訴え続けております。県の山地災害防止機能の確保が必要な区域数は県全体で3、865区域あるとのことですが、それらの整備状況を含め、森林、山の管理等の事業について、今後の防災、減災対策の中で適切に位置づけて取り組んでいくべきと私は考えておりますが、県の認識をお伺いいたします。
〇達増知事 災害に強い森林や山の管理ということでありますが、森林は、土砂流出の防止や水源の涵養などの多面的な機能を有し、これらの機能が十分に発揮されることが重要でありますことから、これまでも防災、減災対策としての森林整備に取り組んでまいりました。
本県の山地災害防止機能の確保が必要な区域数は3、865区域でありますが、このうち平成27年度までに2、089区域で整備を進めており、その着手率は約54%となっています。たび重なる大雨災害などに見舞われる中、森林の整備と保全の重要性が一層高まっており、今後とも、森林所有者や林業関係者と一体となって災害に強い森林づくりを進めるとともに、治山事業や地すべり防止事業を計画的に推進するなど、山地災害防止機能の確保、強化に取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 林業振興のためでなくて、本当に私たちの命を守るものがこの山津波を防ぐ森林、山の管理だと思っておりますので、引き続き、ぜひ山の管理を重点的にこれからもやっていっていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
〇軽石義則委員長 次に、臼澤勉委員。
〔臼澤勉委員質問者席に着く〕(拍手)
〇臼澤勉委員 無所属の臼澤勉でございます。
平成27年度の決算審査に当たり、お尋ねいたします。
平成27年度予算は本格復興邁進予算でありますが、平成31年度までの5カ年計画である岩手県ふるさと振興総合戦略を策定した年でもあり、私は、総合戦略元年予算であると捉えているところであります。そこで、震災復興と総合戦略をベースに置き、平成27年度決算の総括的な質問を行います。
まず初めに、組織体制のあり方についてお伺いいたします。
歳出決算額が1兆円を超える中、本県の人件費の割合は17.4%と、東北6県平均の19%を下回っている状況にあります。県は、厳しい財政状況に鑑み総人件費の抑制を行っておりますが、限られた財源でふるさと振興総合戦略を初めとする効果的な施策を打ち出すには、人的資源の再分配、適正化を視野に、抜本的な組織体制の見直しが必要と考えますが、そこでお伺いいたします。
権限委譲を背景とした広域振興局体制の発足後、各組織の本局への集約化と組織のスリム化が行われましたが、従来の地方振興局や行政センター業務、例えば土木や農林普及、福祉などの現場業務への影響をどう総括し、今後の広域振興局体制のあり方をどのように位置づけていくのかお伺いします。
また、グループ制移行によって行政運営上もたらされたメリットと職場内における業務進捗や職員負担の影響をどのように評価し、今後どう組織パフォーマンスを高めていくお考えかお伺いいたします。
〇大平政策地域部長 私からは、広域振興局体制のあり方について御答弁申し上げます。
現在の広域振興局体制は、産業振興による地域経済の活性化を主眼として、地域ニーズに即した施策展開が可能となるよう、市町村優先の行政システムのもとで、市町村への支援、広域的、専門的サービスなどを提供していくことを目指し、平成22年4月に現在の体制となったものでございます。
広域振興局体制の整備に当たっては、広域振興圏全体における企画調整業務や高い専門性が必要な業務などについては本局に集約する一方、個人に対するサービス業務や即応性が求められる業務などについては、保健福祉環境センターや農林振興センターなど行政センターの役割として位置づけたところであります。
こうした役割分担に基づき、本局におきましては、広域的な視点に基づく圏域全体の産業、観光振興施策の立案や事業展開、市町村要望への対応や市町村との連絡調整などが行われているものであります。また、行政センターにおきましては、保健福祉環境センターにおける生活保護業務、農林振興センター、水産振興センターにおける普及指導業務、土木センターにおける道路等の維持管理業務や災害時における復旧業務など、その特性を生かした業務運営がなされているものと考えております。
今後も、本庁と広域振興局及び本局と行政センターの適切な役割分担や市町村との連携の強化に意を用いながら、各地域の特性にも応じた体制となるよう努めてまいります。
〇風早総務部長 続きまして、私からは、組織パフォーマンスの向上についてであります。
業務の繁閑や優先度に応じた柔軟な人事配置を可能とし、組織全体として業務執行能力の向上を図るため、従来の係制を廃止し─これは平成17年度からでありますが、大くくりな組織体制であるグループ制に移行いたしました。
グループ制への移行により、随時の事務分担の見直しなどによる繁閑調整が行いやすくなった一方で、グループ内での業務の確認や業務遂行を通じました職員育成機能が低下しているのではないかなどの課題が指摘されたことから、グループ内の職員の業務や決裁文書の確認、指導、スケジュール管理等の事務について、グループに置きます総括の役割として位置づけるなどの見直しを行ってまいりました。また、総括を対象としましたプレイング・マネージャー研修を実施いたしまして、みずからの担当業務を持ちながら、グループ内の職員及び業務をマネジメントする能力を養成しているところであります。
今後とも、このグループ制のメリットを生かしつつ、業務のチェック、指導体制の確保や職員育成に留意し、さまざまな県政課題に柔軟かつ適切に対応できる組織体制を構築してまいります。
〇臼澤勉委員 昨日も飯澤委員から広域振興局体制についての御質問がございました。私は、改めて首長や住民からの現在の広域地方振興局の評価を把握すべきと考えるんですが、御所見をお伺いいたします。
〇大平政策地域部長 各振興局におきましては、首長との首長懇談会や市町村要望等を通じ市町村の意見の把握に努めているほか、地域の住民の方々が参加いたします圏域懇談会などで県民の方々からの御意見もいただいてございます。そのほか、県政提言などでも住民の方から御意見をいただいております。その結果、首長懇談会、圏域懇談会などでは、産業振興や観光振興に関する局の取り組みを強化してほしいなどの御意見をいただいているところでございます。
県としては、これらの御意見─そのほかにも御意見をいただいているわけでありますが─を踏まえながら、施策の改善、あるいは局体制の運用などの改善の充実に努めてまいります。
〇臼澤勉委員 ぜひ、地域あるいは住民から─私が改めて言うこともないですけれども─頼られる県組織であってほしいと思っております。
次に行きます。
次に、岩手県国土強靱化地域計画に関連してお伺いいたします。
ふるさと振興総合戦略を進める上で、平成27年度に策定した国土強靭化地域計画との調和を図ることが重要であります。本計画は、東日本大震災津波の経験や人口減少問題などあらゆる側面から検討し、取り組むことを基本方針として、いかなる大規模自然災害が発生しようとも人命の保護を最大限図ることを第一の目標としています。その中で、起きてはならない最悪の事態として、情報伝達の不備、麻痺、長期停止や防災意識の低さ等による避難行動のおくれ等で多数の死傷者の発生と設定していたにもかかわらず、このたびの台風第10号によって甚大な被害が発生したことは、大変悔しく、残念なことであります。私は、5年前の大震災と今回の台風災害の教訓を、想定にとらわれないこと、情報伝達のあり方、率先避難の重要性と捉えております。
そこで、これまでの防災教育や情報通信利用環境整備、各種ハザードマップ等の整備に対する評価についてお伺いいたします。
また、私は、これらの整備も重要ですが、住民がみずから避難行動を行うための防災意識の涵養が特に重要と考えます。最悪の事態を避けるための重要なポイントをどのように捉え、今後どう対応する方針かお伺いいたします。
〇風早総務部長 国土強靭化地域計画に基づく防災対策についてであります。
まず、これまでの取り組みのうち、防災教育については、災害の種類別に作成しました防災教育教材を活用した授業や実践的な防災訓練を行っているほか、防災の専門家を学校へ派遣し、児童生徒への防災に関する講話、学校の防災管理に関する指導、助言に取り組んでおります。
また、災害時に多くの住民に情報伝達を行うための環境整備については、携帯電話や超高速ブロードバンド利用可能世帯数がほぼ100%となっているほか、民放ラジオの難聴地域の解消も進んでいるものの、中山間地域等の条件不利地域ではこうした環境が提供されていない地域も残っております。
また、ハザードマップの作成については、各市町村に働きかけを行い、これまで、土砂災害ハザードマップは26市町村、洪水ハザードマップは23市町村において作成されていたところであり、作成済みの久慈市では今回の台風災害の際に避難指示の範囲の決定に活用したと聞いておりますが、岩泉町では洪水ハザードマップが作成されていませんでした。
台風第10号災害においては、各市町村で避難準備情報や避難勧告、避難指示を発令したものの、必ずしも住民や社会福祉施設関係者の避難行動につながらなかった面があります。このため、県では、改めて県政番組、広報誌等の活用、地域で開催する防災関連研修会への地域防災サポーターの派遣、住民参加型の総合防災訓練の実施などにより、引き続き住民の防災に係る知識や情報への理解を深めるとともに、今般、岩手県防災会議幹事会議の下に設けた分科会において、避難情報に関する国の検討会などの状況や市町村の声も踏まえながら、被害を最小限にとどめるための情報伝達のあり方や住民の迅速な避難を促す方策について検討してまいります。
〇臼澤勉委員 ぜひ、平成27年度に策定した国土強靭化地域計画の第一の目標、まず一丁目一番地のところをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、食産業、観光産業等の生産性向上対策についてお伺いします。
食産業、観光産業等の第3次産業は、県内総生産に占める割合が直近の平成25年度で69.4%、就業者の割合は63.8%であり年々増加傾向にあるなど、経済規模で見ても大きなウエートを占める重要な産業であります。知事は演述の中で、地域資源を生かした取り組みは人口減少対策のかなめであり、地域内での経済循環が高まる内需拡大型の産業振興を積極的に推進すると述べられております。
そこで、県として、内需拡大型の産業である食産業、観光産業を初めとする第3次産業の生産性を高めるための取り組み実績と成果をどのように捉えているのかお伺いします。あわせて、地域活力を高めるために、県は今後どのように取り組むのかお伺いいたします。
〇達増知事 委員御指摘のとおり、第3次産業は本県の県民総生産に占める割合も高く、その中でも、いわゆる食にかかわる分野や観光等にかかわる分野は、内需の拡大や、いわゆる外貨獲得という点においても大変重要な分野であると認識しております。このため、県では、県民計画において、食や観光資源等の地域の多様な資源と知恵を生かした活力ある産業の展開を掲げて、特に、全国有数の食材を活用し、魅力ある商品の開発やブランド化等に向けた生産者や商工、観光事業者などが一体となった活動を支援し、地域ぐるみで6次産業化を推進しているところであります。
こうした中、最近の例として、食にかかわる分野では、例えば、食関係のプロデュース団体と水産加工業者等が連携して開発したサバのオリーブオイル漬けの缶詰サヴァ缶は、斬新なデザインと風味を工夫することで売り上げ自体も100万缶を超え、高級ブティックでも取り扱われるなど、小売、サービス分野でも幅広く展開されていることや、また、観光等の分野では、世界遺産と震災語り部、世界遺産と餅文化を結びつけた旅行商品の展開や、銀河のしずくを朝食提供し、さらなる誘客につなげるホテル、旅館の取り組みなどがあり、それぞれ好評を得ており、一定の成果が上がっているものと捉えています。
さらに、これらの分野においてもカイゼンの取り組みを普及、展開しており、経営の高度化、効率化や売り上げ拡大など、生産性の向上に積極的に取り組んでいるところであります。
今後も、地域の資源を最大限に活用し、市町村、関係機関と連携のもと、引き続き、高付加価値商品の開発や販路拡大、飲食店や小売店の経営指導等、さまざまな角度から食産業、観光産業の振興に取り組むことで地域産業の活力を高め、地域経済の活性化を力強く進めてまいります。
〇臼澤勉委員 沿岸被災地の被災商業者支援についてお伺いしたいのですけれども、まさに食産業、観光産業は、沿岸被災地の中でも重要な産業振興のポイントになると思います。総合戦略でも、早期の事業再開を図るとともに、販路拡大や労働力の確保等による収益性の回復を支援すると述べられております。
沿岸被災地では中心市街地の区画整理事業も進み、先月20日には陸前高田市のかさ上げ地において借地事業者の第2次募集説明会が開催され、いよいよ中心市街地の整備に向け動き出しております。なりわいの再生なくして住宅再建、地域への定着は進まないことから、中小企業等復旧・復興支援事業、いわゆるグループ補助等を活用して商店街の復旧、復興を力強く進めていくことが重要であります。
そこで、県として、本設移行に取り組む被災地の商業者が抱えている課題をどのように捉えているのか、そして、こうした課題を踏まえてどのような支援を行っていくのか御所見をお伺いします。
〇達増知事 これまで大規模な土地のかさ上げなどを行ってきた地域でも、市町が進めるまちづくり計画の進捗に伴い、仮設店舗から本設への移行が進んでいます。例えば山田町では中心部の核となる商業施設が今月、営業を開始したほか、大船渡市や陸前高田市でも大型商業施設が来年4月の開業に向けて建設中であり、さらに大槌町などで商業者によるグループ補助事業の採択も進むなど、沿岸各地で商店街や商業施設の整備が本格化しています。
商店街は、買い物をする場所のみならず、地域住民の憩いの場であるほか、イベント活動の主体となるなど、地域の暮らしを支える生活基盤として多様なコミュニティー機能を担っており、商店街の整備によるにぎわい回復は本格復興を進める上でも重要であります。
現在、本設移行に取り組んでいる商業者にあっては、仮設店舗での営業長期化による売り上げの伸び悩みや本設移行に向けた事業計画づくりが課題となっており、県では、事業者グループの事業計画策定支援、個別相談会等を行うとともに、専門家などと連携し、販売促進等の経営指導などの取り組みの強化を図ってきたところであります。今後とも、市町村や商工団体などと連携し、商店街等の整備、個別店舗の経営力向上など、ハード、ソフト両面にわたり支援し、事業者一人一人の円滑な本設移行と魅力ある商店街づくりに取り組んでまいります。
〇臼澤勉委員 知事は、ふるさとを消滅させない、やれることは何でもやると述べられておりますので、ぜひ県として踏み込んで、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
最後に、岩手国体、岩手大会が成功裏に終わり、復興への感謝の気持ちと感動を全国の皆様と享受できたと思います。私は、大会期間中、昭和45年に開催された岩手国体のメーン会場、県営運動公園を訪れた際、船越保武先生の青年像を改めて見ました。その台座に当時の知事の誠実、明朗、躍進の文字が揮毫されております。今回、国体の実行委員会の会長である知事は、これまでのスポーツ振興の取り組みをどう総括し、今後、スポーツ振興にどう生かしていくお考えか伺います。あわせて、次世代を担う若者にどのようなメッセージを伝えたいかお伺いして終わります。
〇達増知事 希望郷いわて国体、希望郷いわて大会においては、天皇杯、皇后杯順位などですばらしい成績を上げた各競技団体ごとのノウハウの蓄積や、チーム岩手として力を結集して取り組んだ経験などが国体、大会のレガシーとして残すことができました。
今後においては、このようなレガシーを継承し、本県の競技力向上やスポーツ振興に生かしていくことが重要と考えておりますが、県においては、現在、文化・スポーツ振興戦略の策定に取り組んでいるところであり、来年度からの文化・スポーツ行政の一元化や具体的な予算編成などに適切に反映させて本県のスポーツの発展を図ってまいります。
岩手の次世代を担う若い皆さんに対しては、東日本大震災津波からの復興と並行して国体、大会の準備を進め、直前には台風第10号災害にも見舞われた中、県民総参加のもとに国体、大会を成功させたことは岩手県民が自信と誇りにすべきことであり、やればできるという希望を持ち続けてほしいと思います。
〇臼澤勉委員 ぜひ若者たちにそういう思いを伝えて一緒に取り組んでいきたいと思います。
終わります。(拍手)
〇軽石義則委員長 以上で総括説明に対する総括質疑は終わります。
知事を初め、執行部の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。各委員は一旦退室していただき、控室でお待ち願います。
午前10時41分 休 憩
午前11時12分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
これより各部局別の審査を行います。
質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないことについて御協力をお願いいたします。
また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び執行部の答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
また、冒頭でも申し上げましたけれども、本日は、議会、総務部、秘書広報室、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇大友議会事務局長 平成27年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、152ページをお開き願います。152ページから153ページにかけてですが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は12億9、935万円余でございます。内訳ですが、第1目議会費の支出済額は8億5、721万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費でございます。次に、第2目事務局費の支出済額は4億697万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費でございます。次に、152ページから155ページにかけてですが、第3目議員会館費の支出済額は3、517万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営に要した経費でございます。
以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 一つは、県議の海外視察について、都道府県議会の実施状況についてお聞きします。昨年度の実施状況はどうなのか、今年度はどうなっているか示してください。
〇大友議会事務局長 都道府県議会の海外行政視察の実施状況でございますが、平成27年度に実施しているのが24都道県、実施しなかったのが23府県となっております。平成28年度については、10月3日時点の数字でございますけれども、実施済みまたは実施予定が本県を含め28道県、実施せずが10府県、未定が9都県となってございます。
〇斉藤信委員 昨年度、そして今年度も実施していない議会があるわけですけれども、その実施していない理由は何でしょうか。
〇大友議会事務局長 平成27年度に海外行政視察を実施しなかった23府県の理由でございますが、財政難等による休止が本県を含め10府県、議員からの希望なしが11府県、視察目的に合致する案件なしが2県となっております。
平成28年度に実施しない予定である県につきましては、10月3日時点で10府県でございますが、その理由は、財政難等による休止が7府県、議員からの希望なしが3府県となっております。
〇斉藤信委員 昨年度は全国の約半分で実施しなかった、そして、その主な理由は財政難と。岩手県が東日本大震災から今月で5年8カ月、8月30日には台風10号により1、440億円を超えるような大災害を受けて大変な事態にあるときに、今年度から海外視察を再開したというのは、私は本当に県民の理解は得られないものだと思います。
全国都道府県議会議長会も海外視察を取りやめていますが、この取りやめた理由は何なのでしょうか。
〇大友議会事務局長 全国都道府県議会議長会主催の海外視察についてでございますけれども、参加県、参加者がいずれも減少したことから、平成18年度を最後に海外視察を実施しないこととしたものと聞いております。
〇斉藤信委員 平成18年から休止した理由は、参加者、希望者が少なかったと。私は、やっぱり全国の国民の世論なども反映してそういう状況になったんだと思います。
先日の議会運営委員会では、来年度、予算は計上しよう、中身は後で考えようと。県民の感覚から見たら本当に理解しがたい状況になっていると思うけれども、私は、東日本大震災津波からの復興、そして台風10号災害という異常な災害の中では、岩手県議会は海外視察を来年度はやるべきではないと多くの委員の皆さんに率直に訴えて次の質問に入ります。
政務活動費について次にお聞きします。
昨年度の政務活動費の活用状況はどうなっているでしょうか。執行率、返還額を含めて示していただきたい。
〇大友議会事務局長 平成27年度の政務活動費についてでありますが、平成27年9月10日任期満了議員11名を含む議員59名に1億7、112万円を交付し、そのうち1億4、195万円余が執行されております。交付額に対する執行額の割合は83.0%となっており、前年度より1.6ポイント減少しております。返還額が生じた議員数は39人、返還額は2、916万円余であり、交付対象議員59人に対する割合は66.1%となっております。
〇斉藤信委員 ことしは富山市議会で領収書の改ざんとか極めて重大な事態が発生して13人が辞職するという異常な事態があって、全国でも政務活動費に対して厳しい目が向けられていると私は思います。
そこで、政務活動費の情報公開についてお聞きしますが、岩手県は領収書添付を全国に先駆けてやったと。私はそういう点では情報公開の先進議会だったと思うけれども、収支報告書、会計帳簿、領収書等を県議会のホームページで全面的に公開すべきだと思います。全国の状況がどうなっているかを示していただきたい。
〇大友議会事務局長 政務活動費の情報公開について、本県の状況でございますが、平成20年度交付分から収支報告書をインターネットで公開しておりますけれども、領収書については公開しておりません。
全国の状況についてでありますが、収支報告書については、平成28年10月現在、28府県において議会のホームページで公開しており、平成29年度からは山形県も公開となる見込みでございます。また、領収書については、平成28年10月現在、大阪府など4府県において議会のホームページで公開しており、平成29年度からは富山県と奈良県、平成30年度からは宮城県で公開となる見込みでございます。
〇斉藤信委員 収支報告書は岩手県も公表していると。これは1枚ぴらぴらなんですね。しかし、それぞれの議員が何に政務活動費を使ったか、これでは全然わからない。そこで情報公開請求などもやられるんだけれども、やっぱり領収書まで公開すべきだと思うんです。今の答弁にあったように、既に4府県、さらにこれから3県が領収書を含めて公開するというんですから、本来なら岩手県が先駆けてこういう情報公開の取り組みを進めるべきだと思うけれども、何か事務的に問題がありますか。それともすぐできますか。
〇大友議会事務局長 領収書をインターネットで公開するということになりますと、作業につきましては、インターネット公開用のデータを作成する必要がありまして関係の職員の業務量が増加することは考えられますけれども、業務量自体はそれほど大きなものではないと考えております。いずれ、公開については議会の議員の判断で対応していただくことになるものと考えてございます。
〇斉藤信委員 大変大事な答弁でした。データ作成のために業務量は拡大するけれども、それは議会の判断だと。それはそのとおりですね。きょうは議長以外全部ここにいますので、既に全国で4府県、さらには3県が領収書を含めて情報公開するという方向になっていますので、岩手県議会もそこに踏み込むように私は皆さんに強く求めておきたい。そうすると、我々の政務活動費が何に使われて、それが適正かという、県民のいわば評価、県民のチェックに対応できるんですよ。そうすることによって、さらに適正、的確な政務活動費の活用になるのではないかと思います。
それでもう一つ、領収書まで情報公開するということになりますと、基本的にはデータで公開されますから、情報公開請求されたときにデータで提供できる。紙ベースですと大変な枚数になるわけです。料金もかかると。これは早く議会が決断すればすぐにでもデータによる情報公開に対応できると思いますが、インターネットによる公開が間に合わなかった場合に、電磁的記録、PDF等のデータによってこういう政務活動費の領収書を含めた情報公開には対応すべきだと思いますが、いかがですか。
〇大友議会事務局長 本県では、収支報告書、支出簿及び領収書の全てを公開としておりまして、閲覧に供しております。文書提供の依頼があった場合には、紙により提供しております。収支報告書等の開示に当たりまして、CDやDVDデータで提供しているのは今のところ愛知県など8府県となってございます。
先ほども御答弁申し上げましたけれども、領収書のホームページでの公開や電磁的記録媒体での提供については、全国的な状況などを踏まえて、今後、議員間で協議されていくべきものと考えております。
〇斉藤信委員 今、8府県で既にCD、PDF等の電磁的データで提供しているということですから、この点も議会で早く決断して、情報公開で岩手県が先陣を切ったわけだから、今後も積極的に私たちは情報公開に取り組むべきだと思います。
最後の質問です。
県議会の情報公開にとって、議会での論戦─本会議、そして予算特別委員会や決算特別委員会のインターネット中継はどのぐらい活用されているのかアクセス数を示していただきたい。あと、県議会へ県民からこの間どういう要望や提言や質問が出されて、どう対応されているか示してください。
〇大友議会事務局長 まず、県議会のインターネット中継についてでございますが、インターネット中継は、ライブ中継と後からいつでも視聴できる録画による中継がございますけれども、平成27年度の閲覧件数は、ライブ中継が1万5、419件、録画中継が4、247件となっております。
また、県議会への県民からの意見、提言等についてでありますけれども、平成27年度の受理件数が81件で、その8割が電子メールによるものとなっております。
主な内容は、いわて県議会だよりなど議会広報に関するもの、議員定数など議会や議員に関するもの、その他の提言などとなってございます。この県民の皆さんからの要望、意見、提言等につきましては、必要に応じまして提言者に回答するとともに、各議員に配付する情報別冊に掲載して情報共有をさせていただいているところでございます。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
議会事務局の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
入れかえのため、少々お待ちください。
次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇風早総務部長 平成27年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について御説明申し上げます。
まず、歳入の構造について御説明いたしますので、お手元の平成27年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
説明書の48ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行にありますように6、190億2、859万円余で、前年度に比べまして463億5、176万円余、率にして8.1%の増となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中段の行になりますが、5、287億6、837万円余で、前年度に比べ138億6、726万円余、2.7%の増となっております。
次に、これら歳入の内容について御説明申し上げます。便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
事項別明細書の6ページをお開き願います。まず、第1款県税の収入済額は1、279億269万円余であり、前年度に比べまして124億5、449万円余、率にして10.8%の増となっております。これは、税率改正の影響や復興関連需要等の影響により、地方消費税や事業税などが増加したことなどによるものであります。また、調定額に対する収入済額の割合であります徴収率は98.3%、前年度よりも0.3ポイントの増となっており、収入未済額は20億1、376万円余と、前年度と比較して6.9%の減少となっております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は、市町村民税と合わせて賦課徴収することとなっておりますので、関係市町村とより一層の連携を図りながら、その徴収に努めてまいります。
次に、飛びまして、18ページをごらん願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは、都道府県間の消費相当額に応じて清算を行うものであり、収入済額は478億756万円余と、前年度と比較して61.8%の増となっております。
次に、20ページをお開き願います。第3款地方譲与税の収入済額は250億777万円余であり、前年度と比較して7.2%の減となっております。これは、地方法人特別譲与税の減などによるものであります。
次に、22ページをお開き願います。第4款地方特例交付金の収入済額は2億9、464万円余であり、前年度と比較し4.9%の増となっております。
続いて、24ページでございます。第5款地方交付税の収入済額は2、987億1、920万円と、前年度と比較して7.7%の増となっております。
続いて、26ページでございます。第6款交通安全対策特別交付金の収入済額は4億2、675万円余と、前年度と比較して5.4%の増となっております。
続いて、28ページでございます。第7款分担金及び負担金の収入済額は35億2、493万円余と、前年度と比較して18.5%の増となっております。
少し飛びまして、32ページをお願いします。第8款使用料及び手数料の収入済額は68億2、302万円余で、前年度と比較して16.2%の増となっております。
次に、少しまた飛んでいただきまして、48ページでございます。第9款国庫支出金の収入済額は2、072億8、862万円余で、前年度と比較して1.6%の増でございます。これは、災害復旧費負担金の増などによるものであります。
次に、飛びまして、96ページでございます。第10款財産収入の収入済額は11億9、111万円余と、前年度と比較し22.7%の減となっております。
続いて、104ページをお願いします。第11款寄附金の収入済額は10億9、143万円余で、前年度と比較して8.7%の増となっております。
続いて、106ページをお願いします。第12款繰入金の収入済額は1、007億527万円余と、前年度と比較して1.8%の減となっております。これは、地域振興基金からの繰入額の減などによるものであります。
次に、110ページをお願いします。第13款でございます。繰越金の収入済額は1、046億37万円余と、前年度と比較して5.0%の増となっております。
112ページをお願いします。第14款諸収入の収入済額は1、483億5、832万円余と、前年度と比較して0.2%の増となっております。
次に、飛びまして、146ページをお願いします。第15款県債の収入済額は740億5、522万円余と、前年度と比較して2.9%の増となっております。
なお、平成27年度末の一般会計の県債残高は1兆3、436億7、643万円と、前年度と比較し2.9%の減となっております。
以上、款別に申し上げましたが、歳入の合計額は、150ページから151ページの歳入合計欄をごらんいただきますと、予算現額1兆2、911億4、648万円余、調定額1兆1、735億4、549万円余、収入済額1兆1、477億9、697万円余となっており、収入済額の前年度との比較では602億1、903万円余、5.5%の増となっております。
なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金の地方税法の規定に基づく納入義務の消滅や、補助金返還金の債権放棄などであります。
続きまして、歳出について御説明を申し上げます。恐縮でございますが、先ほどの歳入歳出決算説明書にお戻りをいただければと思います。
説明書の60ページに、第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当の状況がございます。そちらをごらんいただきます。
まず、歳出決算の性質別の状況であります。左側の区分のとおり、義務的経費の計は3、193億4、629万円余で、右のページに参りまして、決算総額に占める割合である決算額構成比は30.8%と、前年度より1.6ポイント減少し、決算額の対前年度増減率は0.2%の増となっております。
続いて、左のページの投資的経費の計の欄、2、866億8、861万円余と、同じように構成比は27.7%、これは前年度よりも0.4ポイント増加、決算額の対前年度増減率は7.0%の増となっております。
なお、今後の財政運営に当たりましては、東日本大震災津波からの復旧、復興に係る事業について引き続き優先的に実施するとともに、財源が限られる中、全ての事務事業を精査し、いわて県民計画に掲げる事業の着実な推進を行ってまいります。
次に、総務部関係の決算について御説明を申し上げます。
最初に、総務部所管の事務事業に係る総括的な評価と、これを踏まえました次年度以降の取り組み方針について御説明を申し上げます。
総務部におきましては、本格復興に向けて邁進するための取り組みや人口減少対策などを県の総力を挙げて展開するため、あらゆる手段を講じて財源確保、人的資源の確保を図るなど、施策を強力に推進する行財政運営に取り組み、また、本格復興と、その先にある希望郷いわての実現に向けて、地域防災力の強化、原発放射線影響対策の推進、岩手県立大学における教育、研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として、一層の取り組みを推進してまいりました。
地域防災力の強化に関しましては、東日本大震災津波や県内外で発生する各種災害の教訓を踏まえ、防災知識の普及啓発の取り組みを初め、自主防災組織の育成強化や消防団活動の活性化などを支援してまいりました。また、避難勧告など、災害時に県民が必要とする情報を迅速かつ的確に伝達し、県民の被害の最小化を図り、あわせて、地図情報を活用した被害状況の可視化などにより、災害対応力の充実を図るため、Lアラートや地図情報等と連携した新たな災害情報システムの整備を進めるとともに、航空消防防災体制を強化するため、防災ヘリコプターの更新整備を行ったところでございます。
原発放射線影響対策の推進に関しましては、子供の健康と食の安全・安心を重視し、放射線量の監視や消費者への情報発信による風評被害対策などの原発放射線影響対策を推進するとともに、東京電力に対する損害賠償請求の実施や、2回目となる原子力損害賠償紛争解決センターへの和解、仲介の申し立てにより、賠償の実現に取り組んでまいりました。
県立大学における教育、研究の充実に関しましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な運営を尊重し、大学の運営を支援することにより、地域の中核人材の育成、岩手の活力の創出の促進に取り組んでまいりました。
特色ある私立学校の支援に関しましては、私立学校の教育水準の維持、向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料などの負担軽減のための助成など、私学教育の振興に取り組んでまいりました。
これら以外におきましても、県税収入等の歳入確保に取り組むとともに、施策の優先度に応じた事業の重点化による限られた財源の重点的かつ効率的な活用、復旧、復興事務を迅速かつ強力に推進するための体制整備と人材確保など、各部局の取り組みが効果的かつ効率的に実施できるよう、後方支援を行いつつ、防災等の部の重点施策を推進しながら、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進と、いわて県民計画に掲げる事業の実現に貢献してまいりたいと考えております。
続きまして、平成27年度総務部関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
最初に、一般会計についてでございますが、総務部の一般会計における支出済額の総額は2、162億2、124万円余であり、その概要につきましては、歳入歳出決算事項別明細書の156ページからになりますので、順次御説明を申し上げます。
第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にありますとおり21億6、058万円余であり、その主なものは、総務室などの管理運営費や県営建設工事の入札関係費、外部監査費などであります。
なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明を申し上げますので、御了承をお願いします。
続く第2目人事管理費は、職員の研修や退職手当、公務災害補償などに要した経費であります。158ページに参ります。第3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進などに要した経費であります。次の第4目財政管理費は、予算編成事務等支援システムの運営経費や、財政調整基金、東日本大震災津波復興基金などへの積立金などであります。160ページをお開き願います。第6目財産管理費は、庁舎及び公舎の維持管理、県有資産所在市町村交付金の交付などに要した経費であります。162ページをお開き願います。第8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要した経費、第9目公会堂費は、岩手県公会堂の管理運営及び施設整備に要した経費であります。第10目恩給及び退職年金費は、恩給などの給付に要した経費であります。第11目諸費のうち総務部関係は、備考欄のとおり403万円余であり、これらは、宗教法人の設立認証事務、公益法人の事務調整などに要した経費であります。
少し飛んでいただきまして、168ページをお願いいたします。第3項徴税費第1目税務総務費は、税務担当職員に係る人件費や県税の還付などに要した経費であります。第2目賦課徴収費は、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金などに要した経費であります。
少し飛んでいただきまして、174ページをお願いいたします。第6項防災費第1目防災総務費は、176ページに参りまして、防災担当職員の人件費や防災ヘリコプターの更新整備、放射線影響対策などに要した経費であります。第2目消防指導費は、産業保安業務の指導や消防学校の管理運営などに要した経費であります。
次に、320ページまで飛んでいただきまして、第10款教育費第1項教育総務費第4目教育指導費のうち総務部関係は、備考欄のとおり7万円余で、いじめ防止対策に要した経費です。
少し飛びまして、340ページでございます。第8項大学費第1目大学費は、公立大学法人である岩手県立大学に対する運営費交付金であります。
次の第9項私立学校費第1目私立学校費は、私立学校等に係る就学支援金交付金、運営費補助、被災児童生徒等就学支援事業費補助などの私学の振興に要した経費であります。
続いて、342ページをお願いします。第11款災害復旧費第1項庁舎等施設災害復旧費第2目庁公舎等災害復旧費のうち、総務部関係の支出済額は、備考欄にありますとおり729万円余で、厚生福利施設の災害復旧に要した経費であります。
少し飛びまして、352ページでございます。第12款公債費のうち、総務部関係の支出済額は、第1項公債費第1目元金1、140億7、624万円余のうち1、138億2、243万円余、第2目利子は150億8、442万円余、第3目公債諸費は1億1、477万円余であり、これらは、県債償還のための公債管理特別会計への繰出金などであります。
354ページをお願いいたします。第13款諸支出金でありますが、第4項地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算に要した経費であり、第5項利子割交付金から、ページをおめくりいただいて、356ページの第10項自動車取得税交付金は、いずれも、市町村に対して交付をいたしました地方税関係、県税関係の交付金であります。
第11項利子割精算金は、都道府県間での県民税利子割の精算に要した経費であります。
358ページをお願いいたします。第14款予備費でございますが、これは、当初予算額3億円のうち、4、471万円余を充用したところでございます。
以上で一般会計の御説明を終わらせていただきます。
続きまして、総務部の所管する特別会計について御説明を申し上げます。決算事項別明細書410ページをお開き願います。
公債管理特別会計の収入済額は2、163億4、634万円余であり、その主なものは、一般会計繰入金、県債管理基金繰入金、借換債であります。412ページをお願いします。支出済額ですが、収入済額と同額となっており、その主なものは、県債償還元金・利子、県債管理基金積立金であります。
以上をもちまして、歳入歳出の構造、歳入全般そして平成27年度総務部関係の決算についての御説明を終わります。よろしく御審議を賜りますよう、お願いを申し上げます。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇関根敏伸委員 私からは、防災全般につきまして何点かお伺いをさせていただきます。
まず、地域防災力強化にさまざま取り組んでこられたと思いますけれども、地域防災力強化の進捗への評価、あわせて、自主防災の組織率50%以上の市町村数、これについてはD評価ということになっているわけでありますけれども、この理由等について御説明いただきたいと思います。
〇石川総合防災室長 地域防災力強化プロジェクト事業費でございますけれども、この事業は、防災のかなめとなる自助、共助、公助それぞれの取り組みにつきまして、市町村や防災関係機関と連携しながら、複合的に展開し、県全体として地域防災力の強化を図ろうとするものでございます。
具体的に申し上げますと、自助の分野では、防災教育教材を活用しまして、教員向けの研修会の開催、共助の分野では、自主防災組織の強化に向けた地域防災サポーターの派遣や研修会の開催、公助の分野では、火山防災協議会の開催、県、市町村の災害対応能力の向上を目的とした研修会、それから、自助、共助、公助の全てにかかわるものとして、住民参加型の総合防災訓練の実施に取り組んだところでございます。
地域防災力強化に係る進捗の評価でございますが、委員からもお話がございましたとおり、いわて県民計画第3期アクションプランに掲げる具体的な推進方策指標のうち、平成27年度の年度目標を達成したものがある一方、自主防災組織の組織率50%以上の市町村数については、前年度と同数にとどまる見込みということでございます。これは、特にも、沿岸それから県北地域の組織率が低迷しているといったようなことが原因になってございます。これは、一つは、県北地域におきましては、近年、大きな災害が比較的少なかったこと、それから、沿岸地域におきましては、仮設住宅からの移転によりまして、新たなコミュニティーを構築していることによるものと考えているところでございます。
県といたしましては、県北・沿岸地域も含めまして、自主防災組織が低い地域に対しまして、地元市町村と連携を図りながら、共助の重要性や自主防災組織の役割を丁寧に説明するなど、県全体としての底上げを図ってまいりたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 2点目でございます。災害情報システム整備費に8、100万円余が計上されております。これは、災害対策本部の機能強化と聞いておりますけれども、これが実態としてどのように強化が図られたのか、また、今回の台風第10号被害でこの強化対策がどのように生かされたのか、御説明をいただきたいと思います。
〇會川防災危機管理監 災害情報システム整備費と災害対策本部の機能強化の実態でありますが、災害情報システムは、県や市町村、防災関係機関による被害情報や対応状況の共有化、災害情報の地図表示、避難勧告等の情報をSNSによる住民への周知などの機能を備えたものであり、災害対策本部が災害の全体像を的確に把握しながら、応急対応を展開することができるようになりました。
次に、台風第10号における強化対策の活用実態についてでありますが、被災市町村や各防災関係機関のさまざまな情報が一元化されたことにより、被災状況の取りまとめを迅速に行うことができたほか、県、被災市町村、消防、警察、自衛隊等が緊密な連携をとりながら、人命救助や救援物資の輸送などを行うことができました。
〇関根敏伸委員 さまざま災害対策本部の機能強化の実態が示されたと思っております。今回の台風第10号における県の初動対応については私も評価をしているところでありますけれども、今後も、県全体の広域災害に対応するための機能強化を順次進めていただければと思います。
そのような中で、近年、さまざま大規模な災害が多発しているわけでありますけれども、先ほどの地域防災力強化の中でも、職員の資質向上ということに予算が割かれているようであります。私は、この危機管理に対応する専門的な人材の確保はどうしても急務だと思いますが、ただ、県職員の方の場合は人事異動ということがあります。災害が起きたときに、どの部署で、どの地域に勤務されていらっしゃるかわからないわけですが、ただ、やはり災害発生時、初動においては、県職員の方の果たす役割というのは非常に大きいと思います。そういった意味では、専門性の向上とあわせて、広く県職員が防災対応力を身につける仕組みということを、しっかりこれから考えていかなくてはならないと思います。
この両立に向けた対応策については、今どのように進められていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇會川防災危機管理監 職員の能力向上についてでありますが、県では、平常時における24時間危機管理体制、総合防災室職員による災害警戒本部、総務部職員全体による災害特別警戒本部、また、全庁を挙げて災害応急対策に当たる災害対策本部など、災害の状況に応じて幾つかの体制を設けております。
それぞれの体制におきまして、災害業務にかかわる職員に対しましては、年度当初から、業務の進め方に係る講習や災害情報システムの操作訓練、県と市町村が連携した図上訓練などを実施しております。
また、災害対応の中核となる総合防災室の職員については、国が実施する各種養成講座に参加させ、専門的な能力の向上を図るとともに、各広域振興局の防災担当職員についても、総合防災室職員や地域防災力強化アドバイザー等による研修等を行っているところでございます。
〇関根敏伸委員 ぜひ、専門性の向上とあわせて、広く岩手県職員の災害対応力の向上に努めていただきたいと思いますが、支出の中で、危機管理対策費というものが計上されております。改めて、これはどういった内容の費用なのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
〇會川防災危機管理監 危機管理対策費の主な内容についてでありますが、各種危機管理業務関係の庶務を担当します期限付臨時職員の賃金及び24時間危機管理体制を継続するためのリネンクリーニングなどの経費でございます。
〇軽石義則委員長 関根委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
関根委員、御了承をお願いします。
午前11時59分 休 憩
午後1時2分 再 開
〇中平均副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。
〇関根敏伸委員 それでは、午前に引き続き、暫時質疑させていただきたいと思います。
危機管理対策費の内容につきましては聞かせていただきましたけれども、いずれ今回のような風水害だけではなく、地震、火災対応を初め、テロでありますとか感染症でありますとか、さまざまな危機管理に関してはしっかりと意を用いて施策の推進に努めていただきたいと思っております。
次に移りますけれども、今回の台風第10号被害を受けて、県の防災会議に三つの分科会が設置され、今後の地域防災計画の見直しが図られる予定であります。これにつきましては通告しておりましたが質疑の中で触れられておりますので質問いたしませんけれども、この三つの分科会の中では触れられていないようですが、今回、岩泉町を中心に多くの孤立集落が発生したわけでありますけれども、この孤立化対策への評価をどのように捉えているのか聞かせていただきたいと思います。
〇石川総合防災室長 孤立化対策への支援についてでございます。
地域防災計画におきましては、孤立想定地域対策といたしまして、連絡手段の確保、あるいはヘリコプターによる救出を行うために場外離着陸場の確保などを定めているところでございます。
今回の台風第10号災害におきましては、県内各地に孤立地域が生じますとともに、台風第12号及び第13号が接近し孤立地域の危険が増大いたしましたことから、緊急消防援助隊や自衛隊の協力のもと、必ずしも場外離着陸場がない地域におきましても、避難を希望する167名を9月3日及び4日にヘリコプターにより空輸させていただいたところでございます。また、一部住民が避難しなかったことから、衛星携帯電話を孤立地域の避難所に配置いたしまして連絡手段の確保を図るとともに救援物資を届けたところでございます。
なお、当初、応急復旧まで約3カ月が必要と見込まれておりましたけれども、国や事業者などの御尽力もございまして、9月19日には全ての孤立地域を解消することができたところでございます。
〇関根敏伸委員 県の地域防災計画の中では、県内27市町村に331の孤立化が想定される地域があると書かれているわけであります。今、答弁があったように、ヘリポートの確保でありますとか通信手段の確保、あるいは集落ごとの備蓄の奨励でありますとか自主防災組織の強化といったことに触れられているわけでありますが、ただ、今回の災害の中では、やはり孤立集落は水や電気の復旧も一番最後になります。また、備蓄の物資につきましても、近隣までは届いてもそれから先の個々の住宅までは届いていないという現状が相当遅くまで見受けられたと承知しております。
幸い人的な被害はなかったようでありますが、いずれ、今後、少子高齢化の中で、孤立集落の問題というものは相当大きな問題になってくる可能性があると思っております。これらを踏まえて、今回、この三つの分科会の中でいろいろな見直しも含まれているわけでありますが、この孤立化対策も含め、あるいはまた支援物資のあり方でありますとか、一定の総括的なものをしていく必要が私はあるのではないかと思っております。
あわせて、県の地域防災計画の見直しとあわせ、各市町村でも今回の教訓を踏まえた防災計画の見直し等が行われていくと思うのですけれども、県として、人的にも非常に専門家が少ない市町村での防災計画の見直しも含めた総合防災力の強化に向けた支援のあり方をどのように考えているのか教えていただきたいと思います。
〇石川総合防災室長 先ほど委員からもお話がございました岩手県防災会議幹事会議のもとの三つの分科会におきまして、これからさまざまな検討が行われると考えてございます。これにつきましては、例えば、県、防災関係機関ももちろんでございますが、被災地であります久慈市、宮古市、岩泉町からも参加していただきまして、現地の生の声を聞きながら、しっかりとしたものをつくってまいりたいと考えてございます。
いずれ、来年3月の防災会議に向けまして地域防災計画の修正という形になるわけでございますが、修正した後につきましては、各市町村の地域防災計画につきましてもしっかり支援するような形で取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 よろしくお願いいたします。
平成22年に議員発議で県民みんなで取り組む防災活動促進条例というものがつくられました。先ほど来、質疑の中でも、公助だけではなくて自助と共助を育んでいく、こういった観点からいろいろ県としても取り組みがされているわけであります。県民の責務として、災害への備え、防災に関する知識の習得のため、防災に関する講習会、研修会等に積極的に参加するように努める、こういった文言も盛り込まれているわけでありますが、これは当然、県民に対してそういったことを促進するための県としての働きかけをやっていただかなくてはなりませんが、我々議員も一県民でありますし、また、住民の代表という立場でもあります。私は、個人的には、議員みずからが防災自助に向けた取り組みをしっかり進めていく時期に来ているのではないか、こんなふうに思っておりますし、進めて、組織体として、機関としての議会も、災害の発生時の対応、初動のあり方、こういったことはやっぱり吟味していかなくてはならない時期に来ているのかな、こんなふうに思っております。
それで、関連して、通告はしていないんですけれども、地方自治法の第96条第2項の議会の議決すべき事項を条例で定めることができるという流れの中で、平成15年に県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例が定められております。これでは、いわて県民計画を初め、環境でありますとか省エネ、新エネ、保健福祉あるいは商工、観光でありますとか、こういった14の分野の基本計画を議会で議決すべき事項と定められているわけでありますけれども、まさに地域防災計画というのは、県民の命、財産に直結する非常に大きな計画だと私は認識しております。
地域防災計画は災害対策基本法に基づいて県の防災会議が作成するものと書かれているわけでありますので、厳密に言うと県がつくるものとは違うのかもしれませんけれども、大きな流れとして、都道府県や市町村ではこの地域防災計画を議会の議決事項として定めようという流れが強まっていると聞いておりますし、私は、二元代表制の中での議会の役割の一つとして、積極的にこういった計画へ参画していく、議論をしていく、こういった必要性を感じているものであります。そういった中で、県当局として、例えばこの議決の条項の中に県の地域防災計画というものを─これは県の判断によると思いますけれども─定めていく必要性の議論を深める中でいろいろなメリットも出てくると思うのですが、突然で申しわけございませんけれども、お考えをお聞かせいただければと思います。
〇石川総合防災室長 防災会議を年に1回ないしは2回開催させていただきまして、地域防災計画の見直し、修正を行っているわけでございますが、それについて議会との関係をどのように進めたらいいのか、これから勉強させていただきたいと考えてございます。
〇関根敏伸委員 膨大な計画でありますし、これにどの程度議会がしっかりと議論を深めて関与できるか、これは議会にも大きな責任が及んでくるものと思いますが、まさに財産、命に直結する計画だと考えておりますので、これは議会の中での議論も必要だと思うのですけれども、ぜひ前向きの御検討をお願いしたいと思います。
最後になりますけれども、この間の一般質問の中で、阿部盛重議員がいわゆるタイムライン防災のあり方ということに触れて質問されております。知事は積極的にこの検討に向けて考えていきたいという旨の御答弁をされていたと思いますけれども、あわせて、このタイムライン防災の整備に向けた方向性あるいは課題、その対応策、そしてまたスケジュール等の現状での認識をお聞かせいただきたいと思います。
〇石川総合防災室長 タイムライン防災整備に向けた方向性、課題、対応策についてでございます。
タイムラインにつきましては、御案内のとおり、災害の発生を前提にいたしまして、防災関係機関が連携し、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し共有した上で、いつ、誰が、何をするかに着目いたしまして、防災行動とその実施主体を時系列で整理したものでございます。我が国では、主に洪水災害を対象に作成してきたものと認識してございます。
国土交通省におきましては、国が管理している河川を対象に、沿川の首長による避難勧告等の発令に着目した洪水対応のタイムラインの作成に取り組んでおり、本県におきましても、国が管理している北上川等におきまして、岩手河川国道事務所と沿川10市町が共同でタイムラインを作成し、運用を行っていると伺ってございます。
また、県管理河川につきましては、市町村の水防活動等が円滑に行われるよう雨量や水位などの河川情報を迅速に提供しているところでございますけれども、タイムラインを作成している河川はないところでございます。先ほど申し上げました、今般、岩手県防災会議幹事会議のもとに設けました河川・土木災害防災分科会におきましては、このタイムラインの作成についても検討することとしているところでございます。
〇佐々木努委員 私は、1点、総務管理費2目の人事管理費についてお伺いしたいと思います。
先ほど関根敏伸委員の質問の中でもありましたが、職員の能力向上は非常に大事なことでありまして、職員研修なども含めた能力向上策についても一生懸命取り組んでいただいておると思いますし、これからも取り組んでいただきたいと思いますが、もう一つ、職員の能力向上に必要なのが私は職員人事だと思っています。いつかは聞いてみたいと思っていたので、きょうお聞きしたいと思うんですが、まず、決算ですから、平成27年度の人事異動方針に沿って平成28年度はどのような人事が行われたのか、その成果についてお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 人事異動方針についてのお尋ねでございます。
平成27年度に策定いたしました平成28年度定期人事異動方針におきましては、本格復興の完遂、それからふるさと振興総合戦略の着実な実行といった観点から人的資源の重点配置を図ることとしたほか、女性職員につきましては、業績と意欲、それから能力等に基づいた上で、適材適所の視点を踏まえ、管理職等へ積極的に登用することとしたところでございます。
これに基づきまして、本格復興の完遂に関しましては、市町村のまちづくり計画等のさらなる推進を図るため復興局に部長級の技監を配置いたしまして、高田松原津波復興祈念公園内への震災津波伝承施設整備の本格化に伴いまして、復興局まちづくり再生課に特命課長を配置させていただきました。また、ふるさと振興総合戦略に関しましては、ふるさと振興監の配置を継続いたしましたほか、企業誘致、産業集積、人材育成等の施策を一体的に行うため、商工労働観光部にものづくり自動車産業振興室を新設いたしましたし、副部長級の室長を配置するとともに、TPP対策のための特命課長の配置を行ったところでございます。
女性職員に関しましては、副部長級に1名、総括課長級に4名、担当課長級に6名の新たな登用を図ったところでありまして、本県の政策課題や社会情勢に対応した人事異動方針に基づき、適材適所の人事異動を行ったと考えてございまして、今後とも適正な体制の構築を図ってまいりたいと考えてございます。
〇佐々木努委員 女性職員の登用については私も6月定例会の一般質問で指摘させていただいて、これから頑張ってやっていきたいという答弁をいただいておりますのできょうは触れませんけれども、もう一つ、そのときにいただいた資料で気になるものがありまして、確認させていただきたいと思います。
県職員の採用区分というのは、初級、中級、上級、昔はそう言っていたんですが、今は1種、2種、3種ということになりますが、その採用区分ごとの登用率を教えていただければと思います。
〇佐藤人事課総括課長 採用区分ごとの登用状況についてのお尋ねでございます。
平成28年4月1日現在、知事部局のほか、医療局、教育委員会、それから県警本部を除く各事務局を対象として見た場合、いわゆる管理職と位置づけられます担当課長級以上の職位にある職員数は855人となってございます。この855人のうち、大学卒業程度のいわゆる上級採用者が627人、それから短大卒業程度の中級採用者が10人、高校卒業程度の初級採用者が135人となってございまして、獣医師、薬剤師、保健師などの選考採用者は83人という状況になってございます。
〇佐々木努委員 この登用といいますか昇任について、明確な基準というのはおありなのでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 昇任の基準を明確に定めているところではございません。いずれ、個々の業務経験とか実績といったもの、それから将来性といったものを総合的に判断いたしましてそれぞれの登用を図っているところでございます。
〇佐々木努委員 ということはどの職員にも平等に昇任の機会が与えられているという認識でよろしいと思うんですが、先ほども採用区分ごとの登用の数字をお示しいただきましたが、初級、いわゆる3種の職員の登用率が低いと。特にも部長級は1名、副部長級も割合としては10%以下です。初級の方の職員全体に占める割合は3割近くのはずですから非常に低い状況になっていますが、そうなれば、その理由としては、将来性がないとか能力で劣るとか、そういう理由になるのですか。何か特別な理由とかはおありなのでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 将来性がないとか、それから能力的に劣るといったことではございませんで、いずれ、個々の職員の今までやってきました業務経験とか能力全体、こういったものを評価いたしまして登用しているところでございまして、結果的にそういう状況になっているというところはあろうかと思います。
〇佐々木努委員 答えにくい質問をしてしまって申しわけないんですが、なぜ私がこのような質問をしたかというと、私も5年間、議会で仕事をさせていただいていろいろな職員の方を見ているわけですけれども、私の同年代の職員の中で、非常に優秀で、しかも同僚から信頼が厚い方でもなかなか課長にならないという方がいらっしゃって、私も何でだろうと思ってある職員に聞いたら、多分初級採用だからだよと。初級採用は上級採用よりもおくれるということをおっしゃっていたわけです。私は、そういう考え方が県の職員にあれば、せっかく県庁に入って、初級、上級にかかわらず一生懸命頑張ろう、自分もいつかは上のほうに行って県のために頑張る人間になろうと思っていた方が、最初から、自分は3種─初級で入ったからどうせ偉くならないから定年まで給料をもらっていればいいと、そういうふうに思ってしまうこともあると思うんです。やっぱり職員のモチベーションを高めるためには平等にチャンスを与えるべきだし、仮に、初級だから庶務的なことをまずさせようとかではなく、同じようにさまざまな仕事を経験させてキャリアを積ませて、最終的に実力で上に上がっていく、そういう道を開いてやるのが人事のあるべき姿ではないかと思います。実際にそういう話を私も聞いたので、もしそういうことが事実であればちょっと残念だなと思いますので、そういうことはないとおっしゃると思いますけれども、それも含めた平成29年度─来年度の人事異動の方針についてお知らせいただきたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 初級採用者の方について、高校卒業後間もないこともございますことから、採用当初から一定期間、例えば出納とか経理とか窓口業務とか、こういった庶務的な業務を含めた基本的な業務を経験していただいて、その習得が図られるよう最初の配置のところで配慮しているところでございます。こうした業務経験を一定の期間積んで、中堅職員としてさらなる能力発揮を期待いたしまして、職員個々の希望を踏まえて、企画とか管理部門、事業部門といった幅広い部門に登用の配置を行っているところでございます。
お尋ねのありました平成29年度の人事異動方針についてでございますけれども、平成28年度に引き続きまして、本格復興の完遂、それからふるさと振興総合戦略の着実な実行等を重視することにしてございますし、ILCを初めとする科学振興、今後、策定が予定されております国際戦略、文化・スポーツ振興戦略の方向性を踏まえた取り組みなど、県政上の特に重点的、優先的に取り組むべき施策等について、その積極的な推進と的確な対応を図るため、必要とされる有為な人材を集中的に配置するとしているところでございます。
また、女性職員につきましても、昨年度と同様、適材適所の視点を踏まえながら管理職等への積極的な登用を図っていくことにしてございます。
〇名須川晋委員 私も1点、質問させていただきます。
公益法人の法人県民税でございますが、全国の減免状況、公益法人の都道府県民税均等割について減免がどのようになっておるか、把握されていればで結構でございますが、状況をお知らせください。
〇小畑税務課総括課長 公益法人の都道府県民税均等割の減免の状況でございますけれども、収益事業を行わないことを条件に減免している都道府県が32団体、それから、収益事業を行わないことのほか、地方税法の非課税規定に該当する法人に準ずる事業を行うことといった条件をさらに付して減免している都道府県が10団体と把握しているところでございます。
〇名須川晋委員 全国32団体ということでございました。それでは、同じく県内各市町村の状況も把握されていればそれもお願いいたします。
〇小畑税務課総括課長 県内の市町村、基本的には市町村税になろうかと思いますけれども、減免については措置している団体もあると伺ってございますけれども、具体的に各市町村の取り扱いについては把握しておらないところでございます。
〇名須川晋委員 私の手元には47都道府県のうち45都道府県が何らかの形で減免をしているというデータがあるんですが、それぞれのとり方かなと思いますので。
本県には減免規定があるのかないのかについてお知らせください。
〇小畑税務課総括課長 公益社団法人あるいは公益財団法人等の公益法人につきましては、収益事業を行わない限り所得については非課税とされているところでございます。また、仮に収益事業を行った場合の税率につきましても一定の軽減が図られているところでございまして、本県におきましては法人県民税均等割の減免規定を設けていないところでございます。
〇名須川晋委員 具体的に言いますと、シルバー人材センターは公益法人になっているところも県内であるわけでございますけれども、減免を要望している事例があるのですが、他都道府県の事例を見てもほとんどが何らかの減免規定を設けられているのに、具体的には岩手県と鹿児島県のみがないと。地縁団体、NPO法人は課税が免除されているという状況でございますけれども、全国でこの2県のみが規定がないということでございます。恐らく、平成20年の公益法人関係の制度改正の際、全国的に移行するような状況があったときになぜか岩手県と鹿児島県はその流れに乗らずに減免規定を設けないでしまったと思われるわけでございますけれども、この辺について、私はこの整備を進めていってもいいのではないかと思っております。シルバー人材センターの要望でございますが、経営的にも非常に厳しいということ、あるいは全国的にも減免がなされているということで、多少でも減免がなされると非常にありがたいという状況もございますが、この点につきましてのお考えをお知らせください。
〇小畑税務課総括課長 先ほども申し上げましたとおり、公益法人につきましては収益事業のみに課税されるといった税制上の優遇措置がされているところでございます。法人県民税均等割につきましては、いわば地域の会費というようなことで御負担いただいているものでございまして、シルバー人材センターの形態につきましては、公益社団法人であったり一般社団法人あるいは法人格を有しない組織もある状況でございますので、一部の組織の状況で減免適否を判断することは難しいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 全国的にシルバー人材センターの運営状況もそれぞれだと思うんですけれども、実際に公益法人が均等割を免除されている状況はどのようになっているか、もう一度お知らせください。
〇小畑税務課総括課長 公益法人等の課税免除、減免の関係でございますけれども、地方税法におきましては、地方独立行政法人等の公共法人のほか、日本赤十字社などの特定の法人について収益事業を行わない限り非課税とされているところでございまして、地方税法上の規定以外に減免を行う場合につきましては、各都道府県のそれぞれの判断になろうかと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 ですから、各都道府県の判断ということですが、その判断を岩手県はこれまでされていなかったがゆえに減免されていないということで、それがごく少数の事例に当たると思いまして、きょうは問題の提起だけに終わりますけれども、ここでどうこうとはなかなか言いかねると思いますので、全国的には少数の事例であるということを認識していただければと思います。
それとともに、例えば公益法人で自動車税の減免等もしている事例があるようですが、私、ちょっと読み込みが甘くて申しわけないんですけれども、岩手県ではそういうことはやっていますでしょうか。
〇小畑税務課総括課長 自動車税につきましては、身体障がい者の方が利用される自動車につきましては県で減免しているところでございます。
〇名須川晋委員 自動車税の減免についてもやっている事例がございまして、この辺も含めてこれから検討をしていただければと思います。地域の会費と言えばそのとおりでございますし、貴重な税金、財源であるということはわかりますけれども、どうも平成20年ころの段階でこの辺の検討がなされてこなかったのではないかということで、その辺の経緯もさかのぼりますといま一度議論の俎上にのせていただきたいと思いますが、部長、目が合いましたので、御所見等をお聞かせ願えればと思います。
〇風早総務部長 まず、法人住民税の均等割でございますが、税務課総括課長からも御答弁申し上げましたが、やはりこれは地域社会の会費的な性格を有するものでございます。地域社会の構成員の皆様、これは個人、法人を問わず皆様方に薄く広く負担いただいているものでありまして、大変これは地方税らしいものと言えると思っております。
本県においては、まさに─昨年延長を認めていただきましたが─いわての森林づくり県民税ですが、広く薄く負担をいただいている均等割の性格にも鑑みまして、いわての森林づくり県民税は個々に超過課税をさせていただくという形で御負担をいただいているところでございます。
こうした税の性格に着目しまして、地方税法におきましても、均等割の非課税措置というものは、極めて限定的に、先ほど御答弁申し上げましたとおり、地方独立行政法人ですとか市町村の組合といったものに限定されると考えられております。そして公益法人につきましては法人の類型ごとに税の体系もいろいろとなっておりますが、先ほど来申し上げておりますとおり、所得課税の分、法人本体の所得に課税する部分について収益事業を行わない限り非課税となっておりますし、それから軽減税率も適用されております。そういったところを踏まえまして、地域社会の会費的な形で納税をいただいている。そして、さまざまな税率区分がある中で、最も低い年額2万円、そして、それに本県においてはいわての森林づくり県民税を10%上乗せいただいて2万2、000円をいただいている状況にございますので、そこは御理解をいただきたいと考えてございます。
また、自動車税のお話もございましたが、自動車税はまさに道路損傷負担金的性格を持つ資産課税ということでございまして、やはり車にお乗りの皆様方には、県も大変これは多額の費用を道路の修繕等にかけておりますので、そういったものに対する対価的側面も含めた課税根拠を持って納税をいただいているものでございます。これについても、何か法人の性質に着目して課税、非課税ということはなかなかなじみにくいのかなと考えている次第でございます。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、総括質疑や関根委員からも質問がありましたけれども、職員研修と人材育成について1点、質問させていただきます。
総務部では、県民の期待と信頼に応える行政サービスの提供ということで職員の人材育成に取り組んでいますが、その中で、Gワンと呼ぶのかGアイと呼ぶのかどっちなのかなと思っていましたが、G・Iグランプリという取り組みをやっていらっしゃいまして、平成27年度は全庁で90件応募件数があるということですが、これの部局別の応募の状況、それから、このグランプリの中で、すばらしい取り組みということで全庁で共有された事例についてお知らせください。
〇佐藤人事課総括課長 G・Iグランプリは、県民本位の質の高い行政サービスを提供するという取り組み─本県では行政品質向上運動という言い方をしてございますけれども、こちらの頭文字のGと、それからIは、いいねとか岩手というところの二つの頭をとってG・Iグランプリという言い方をしてございます。
これは、個人、グループ、組織等におきまして、日々の業務の中で工夫して取り組んだ事例やアイデアを広く募集いたしまして、全庁で共有する取り組みとしてございます。平成24年度からこの取り組みを実施してございまして、職員の投票によりまして表彰を行っているところでございます。
平成27年度の応募総数は90件ございまして、部局別でありますと、一番多かったのが県北広域振興局で18件、それから県土整備部、県南広域振興局がそれぞれ13件という応募の状況になってございます。
全庁で共有された事例という質問でございました。
応募がありました取り組みにつきましては、各職場での業務改善などに活用してもらうため、全て庁内イントラネットに掲示しているものでございます。個人または組織において取り組んだもの、それから、他の自治体や民間企業等の優良事例などを全庁で共有してございまして、他の所属でも参考とすることができるものを自薦、他薦を問わずに広く募集しているところでございます。これによりまして、ほかのすぐれた取り組みを自分の所属でも取り入れるとか、あるいはもう一工夫アレンジして取り組んでもらうといったようなことも期待しているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 部局別の取り組み状況は、多いところは18、少ないところはゼロだったりするわけですが、部局ごとの取り組み事例にこれだけ差異があるということはどういった原因があると分析されているのか、それについてお知らせください。
〇佐藤人事課総括課長 応募についての部局間でのばらつきでございますけれども、G・Iグランプリは、先ほど申しましたが、個人やグループ、それから組織等の自由な取り組みやアイデアを募集いたしまして共有する取り組みとしてございますので部局単位で競争するといった性質のものではございませんけれども、一つ考えられることとすれば、各所属長の業務改善に対する取り組みや意識づけ、それから、各職場の業務改善に向けた環境や雰囲気、こういったものの温度差がもしかしたら影響していると考えているところでございます。こういったこともございますので、応募数が少ない部局につきましては、主管室を通じましてG・Iグランプリの周知や応募を促す等の取り組みを行っているところでございます。
現に、平成27年度の状況だけ申し上げましたけれども、例えば県土整備部は、基本、復旧、復興のところに総力を挙げているということがございまして、業務の開始以来、応募件数は実はゼロという状況でございましたが、昨年度は、こういう取り組みをさせていただいた結果、13件の応募があったという状況になってございます。
〇ハクセル美穂子委員 所属長の意識の問題もあるのではないかというようなお答えがありましたけれども、均等に皆さん同じような形で取り組んでもらうために、所属長、管理職に対してどういった研修をやられているのか、そこについて教えてください。
〇佐藤人事課総括課長 所属長への意識づけという質問でございましたけれども、新任総括課長研修において、組織活性化のマネジメントのカリキュラムといったものを設けまして業務改善の意識の向上を促しているところでございます。そのほか、新採用職員研修を初めとする若手職員の育成研修の段階におきましては、問題発見のカリキュラムを設けまして、問題解決手法の習得に向けた研修を実施しているところでございます。また、行政品質向上全体の研修ということで、自由濶達に議論できる風通しのよい組織風土を形成し、チームで働くことの意味を改めて認識して、メンバーとしてチームに貢献するための考え方、知識を習得するチーム力向上研修といったものも実施してきているところでございます。
各部局単位でもさまざまな研修をしてございますので、人事課でこういったものを取りまとめて、庁内イントラに掲示いたしまして情報共有を図ることで各部局の取り組みを促しているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 部局別の応募状況を見せていただくと、いわゆる事業課と言われるところはたくさん応募があるなと。そして、いわゆる市町村に事業をさせて管理するようなタイプの部局では応募が少ない。私がこの質問をさせていただいているのは、そういった市町村事業を管理するような役割の部署であっても、これからはやはり広域的な調整機能を県が発揮していかなくてはいけないのではないかと思っています。日々の業務が去年と同じだったり一昨年からずっと事業の内容に関しては変わらないとしても、その事業を推進するために、では、県職員として何ができるのかということを日々考えていれば、こういったG・Iグランプリへの件数も事業課並みに挙がってくるのではないかと感じています。そういった部分で、管理職の方の意識改善、それから、同じそういった管理するような事業に携わっている専門的な職員の皆さんの視点を少し変えていくという研修もあるべきではないかと思いますが、その点について、最後に部長の所感をお聞きしたいと思います。
〇風早総務部長 G・Iグランプリの応募状況ですけれども、委員御指摘の点も含め、やはり事業を具体に持っておられるところのほうが職員の皆さんが提案しやすい面もあろうかとは考えております。ただ、会計、補助金、許認可、予算、情報公開といったものについても、採用後の年数に応じて求められる業務遂行能力を習得させる研修を階層別に実施しております。そしてまた、地域の課題解決に向けた、県と市町村を初めとする多様な主体との連携、協働といったものについても地域連携推進研修というものを市町村と合同で、毎年、開催地域を変えて実施しております。地方分権が叫ばれて、ともすると県と市町村との関係が希薄になる面も一時期は全国的な流れとしてあったかもしれませんが、こういったところにも目配りをして丁寧な研修をしていきたいと考えております。
さまざまな行政課題に対応するために、さまざまな面で職員のやりがいを見出すために研修は非常に重要だと思っておりますので、引き続き、行政品質の向上、職員育成に取り組んでまいります。
〇佐々木朋和委員 私からは、ふるさと岩手応援寄付、いわゆるふるさと納税についてお聞きしたいと思います。
平成27年度の予算時点においては8、500万円を計上しておりましたが、減額補正によりまして決算時には6、337万4、016円となっております。このふるさと岩手応援寄付については、2011年の4億5、000万円から、2億3、000万円余、1億1、400万円余、7、500万円余と減少傾向にあります。課題として以前から手続の簡素化を挙げさせていただいておりましたが、寄附金税額控除に係るワンストップサービスの現状とクレジットカード決済に係るワンストップ手続の検討状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 ふるさと岩手応援寄付の利便性向上に向けたワンストップサービスについてでございますけれども、まず、ふるさと納税ワンストップ特例制度─寄附金控除の確定申告が不要になる制度でございますけれども、これは平成27年4月の寄附金から適用されてございます。ふるさと岩手応援寄付におきましては、当該制度の利用状況は69件、金額にして168万3、500円という状況になってございます。
また、寄附をいただく際のクレジットカード決済のワンストップ化でございますけれども、現在、取り扱い事業者と調整を行っているところでございまして、12月から受け付けを開始する予定で調整を進めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 早速やっていただいてありがたいと思っております。
その中で、手続の簡素化とともに、せっかく震災をきっかけに多くの方にふるさと納税をしていただいているわけですから、減少傾向に歯どめをかけて利用の拡大に努めていかなければならないと思っております。ほかの地域においてもこれを地方創生の予算に充てて事業を行っているところでありますので、ぜひともこれはやっていただきたいと思っているわけでありますけれども、平成27年度の活用状況を見ますと6、337万4、016円のうち、いわて学び希望基金が5、000万円余でありまして、その大半を占めております。次いで、寄附目的を分けて募集しているわけでありますけれども、それにこだわらないその他というのが727万1、000円、そのほかが目的別寄附ということで、その額は少額でございます。応援したい寄附目的を選べる現システムが十分に機能しているようには思われません。国体終了に合わせて、寄附者にとってイメージしやすい事業に振りかえたり、あるいは全体の事業モデルを変更するなど、事業の方向性を検討すべきと思いますが、所見を伺いたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 これまで、ふるさと岩手応援寄付の使途、寄附項目につきましては岩手国体等7項目を選定してございました。今般、国体が終了いたしましたこと、あるいは、今の寄附項目がおよそ8年と長期にわたっていることを踏まえまして、寄附をいただく方により共感いただけるような、また、県が力を入れる施策、事業に活用できるよう、11月から寄附項目を見直してございます。
見直しに当たりましては、寄附項目を具体的な事業への寄附と施策分野への寄附といたしまして、具体的な事業への寄附につきましては、現行のいわての学び希望基金等に加えまして、三陸沿岸振興とか国際リニアコライダーの実現といった5事業、また、分野への寄附につきましては、ふるさと振興総合戦略の施策分野等から魅力あるふるさとづくり、文化芸術・スポーツ振興、あるいは若者・女性の活躍支援といった5分野を選定してございます。いずれ、今後、関係部局等と連携いたしまして周知、広報いたしまして、県の事業、施策への一層の理解醸成、それから寄附金の獲得に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 私もホームページをコピーして持ってまいりました。早速取り組みをいただいて感謝申し上げたいと思いますし、いわての学び希望基金ももちろん重要でありますけれども、岩手県にとって大切な分野において各支援者の皆様方から応援をいただくようにこれからもブラッシュアップをしていっていただきたいと思います。
その中で、もう少しその部分を深くお聞きしたいんですけれども、平成27年度の活用状況を見ますと、決算額がありまして、その隣に私のいただいた資料で寄附金充当額というのがございます。これは、寄附金が高ければそれだけ決算額というか予算にプラスでお金が積まれていくということなんでしょうか。それとも、決算額は変わらないんだけれども、寄附金充当額の割合が上がっていく、そういったことなのでしょうか。この点について教えてください。
〇小畑税務課総括課長 平成27年度の寄附金の活用状況につきましては、決算額に対して財源としてその寄附金が充当されているといった決算となっております。
〇佐々木朋和委員 それでは、今新たに示している平成28年11月より寄附金の使途を充実しましたという中にあっては、これは同じですか、その使われ方というのは。
〇小畑税務課総括課長 今回、見直した寄附項目に寄附いただいたものにつきましては、その事業あるいはその分野の事業に活用するということにしてございます。
〇佐々木朋和委員 要は、新しく事業を五つ挙げましたよね。それについて寄附金が多く集まればその分野の予算が全体的に大きくなるということなのか、それとも、決算額、予算額は変わらないんだけれどもその財源が充当されていくということなのか、これはどっちなんでしょうか。
〇小畑税務課総括課長 基本的に、現行では財源に充当するということで考えてございます。
〇佐々木朋和委員 水を差すようで恐縮ですけれども、それだと納税していただいた方の思いが反映されないのではないでしょうか。やはりこの分野により多く予算をつけてほしいと思うから目的別に寄附するのであって、それによって予算額が変わらないのであれば、全体にどこにやっても同じじゃないでしょうか。これは指摘させていただきたいと思います。部長、どうでしょうか。
〇風早総務部長 あくまでも県が行います事業につきましては、予算案という形にいたしまして議会にお諮りして、その事業その事業ごとに必要最小限で最大の効果を得られるような形で精査をしていくのが一つの流れでございます。そして、ふるさと納税の仕組みについては、その上で事業として成り立ったものについて、これに幅広く県内外の皆様からの寄附を募る。そして、その年度、要は予算が決まった後に寄附等いただいたものについて充当させていただく、こういう流れになっております。委員の御指摘のところは、それぞれの自治体で今さまざま苦労されていますし、今回、我々が事業目的をはっきりした上で寄附をいただくという形にしたのは、納税者の皆様から、今までの分野ごとというのであればなかなか対応関係がわかりにくいというところをよりわかりやすくということでございますので、引き続き、寄附をいただく方々に、その具体の事業がどういう内容であって、どういったものに使われていくのかを丁寧に御説明する中で、寄附される方々の気持ちに少しでもオープンに寄り添っていければと考えております。
〇佐々木朋和委員 新たな事業分野ごとの寄附というのを出してこられたことに敬意を表して一歩引きたいと思いますけれども、私が思うのは、例えば5番に災害復旧等対策というのがあって、これだけ議員の皆さんが河道掘削に予算をつけたほうがいいんじゃないかと言っていて、それであれば、県民の皆さん、もしくはふるさとがこっちの皆さん、岩泉とか宮古に関係のある皆さんがこの災害復旧、河道掘削の部分に寄附してくれたらその分が積み上がっていくという格好であると、よりふるさと納税としての意味合いが強くなるのではないかと思って指摘させていただいたところでございました。よろしく検討をお願いしたいと思います。
その中で、本県では寄附者の善意を大事にするということで返礼品を扱わないわけでありますけれども、近年の各自治体の動向を見ると、自県の農林水産物の新たな販路、PRの場として大いにこのふるさと納税を活用していると思います。先日の東日本大震災津波復興特別委員会においても、沿岸被災地の大きな課題として販路の確保や新たな顧客の掘り起しがあったわけですけれども、私はそれにも資するのではないかと思っております。本県にとってもこの返礼品というのが有用ではないかと。返礼品をつけて我が県の農林水産物をアピールしていくこともよいのではないかと思うんですけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 ふるさと岩手応援寄付の返礼品の検討についてでございますけれども、本県におきましては、制度の趣旨を踏まえまして、できるだけ多くの寄附金を、寄附をいただいた方の意向に沿った事業に活用しているところでございます。御指摘のとおり、市町村中心とは認識してございますけれども、地域の特産品のPRを兼ねた返礼品制度を取り入れている自治体が多くなってきていることは承知してございます。寄附への謝意をあらわし、県の施策、事業への支援を拡大する一つの手段といたしまして、返礼品も一つの方法であろうと認識しているところでございます。
今回、11月の寄附項目の見直しにあわせまして、三陸鉄道の協力を得て、三陸鉄道への支援に対する寄附に対してお礼の品─返礼品を贈ることにしてございます。ほかの事業への寄附につきましても過度にならない程度の返礼品ということは考えてございますけれども、これから当初予算編成等も入ってきますので、あわせて検討してみたいと思っているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ありがとうございます。前回よりも前向きな答弁をいただいてありがたいと思っているところでございます。
確かにおっしゃったように市町村の邪魔をしてもいけないと思うんですけれども、一方で、岩手ブランドとしてアピールしていくべきものがあるのではないかと思います。いわて牛でありますとか、山形県ではつや姫をつけたりしているんですけれども、銀河のしずくでありますとか岩手118号でありますとか、タイムリーでありますので、ぜひとも御検討をいただければと思います。
最後になりますけれども、本年4月より企業版ふるさと納税─地方創生応援税制もスタートしております。今後、ふるさと岩手応援寄付の運用とあわせてどのように活用していくのか御所見を伺いたいと思います。
〇小畑税務課総括課長 企業版ふるさと納税と今後のふるさと岩手応援寄付をあわせた運用についてでございますけれども、企業版ふるさと納税─地方創生応援税制は、自治体が行う地方創生に関する事業に対して企業が寄附した場合、現行の損金算入に加えまして、新たに法人事業税ですとか法人住民税、法人税から税額控除する制度になってございます。この制度の適用を受けるためには、地域再生法に定める地域再生計画の認定を受ける必要がありまして、現在、制度の窓口となっております政策地域部を中心に各部局で検討しているところでございます。
企業版ふるさと納税とふるさと岩手応援寄付でございますけれども、寄附者が、基本的に企業版ふるさと納税は法人ですしふるさと岩手応援寄付は個人というふうに違いがございますので、例えば事業のPRなどを連携して行えるものがあるかどうか、できないかといったことにつきまして、今後、関係部局等と相談しながら対応していきたいと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 私は、職員体制についてお伺いしたいと思います。
今まで多くの委員が職員体制は大丈夫かということでさまざまな御指摘をしたり議論がされているわけですけれども、今も復興事業とか被災自治体の応援、それから国体ということもあって、本当に恒常的な人員不足が叫ばれております。監査の意見書でも、人員確保などの体制面の強化をとか内部管理体制の確立をとか、そういう意見もつけられておりますし、人事委員会からの報告、勧告の中にも、有為な人材確保とか両立支援とか長時間勤務の解消に取り組む必要性というものも記載されているところです。
そこで、平成27年度中の人員確保の取り組みはどうだったかお伺いしたいんですけれども、総務省のホームページを見ますと、都道府県職員数の増減状況というのがございまして、平成27年4月1日現在で岩手県の職員数は2万3、951人、これが前年比137人の減ということで、平成26年から平成27年にいくときに減少したと。一般行政、教育とか警察、公営企業もあるわけですけれども、教育のところがかなり減っておるようです。それから公営企業─病院を含み、病院のところではふえたようですけれども。では、平成27年度にどういう取り組みをして、平成28年4月1日現在の総職員数はどうなったのか。今現在、欠員数があると思いますけれども、欠員数のはっきりした人数をお知らせください。
それから、不足している職種というのもあると思います。私は土木関係は本当に大変だなと思って見ておりますけれども、どういう認識なのかお伺いいたします。
〇佐藤人事課総括課長 人員確保についてのお尋ねでございました。
東日本大震災津波からの復旧、復興を最優先課題としてございまして、これに対応するための対策といたしまして、本県では、新採用職員数の大幅な拡大、任期付職員や再任用職員の採用、他都道府県からの応援職員の受け入れといったものを推進してきたところでございます。
平成27年度におきましては、新採用職員の確保に当たりまして、人事委員会と協力しながら県内外の大学を訪問いたしまして、県職員の業務内容、やりがい、こういったものの魅力をアピールする説明会の開催等に取り組んでまいりました。
また、任期付職員の確保に当たりましては、東京都の協力を得まして、昨年度初めて、宮城県、福島県と共同で、東京都内における説明会を開催させていただきました。
それから、他都道府県等からの応援職員の確保につきましては、派遣元の都道府県等の訪問ということで、総務部が主体になりましたのは、延べ25の自治体、それから、各部局が主体になったところにつきましては、延べ20の自治体の訪問もさせていただきまして、本県の復興状況を十分に説明の上、応援職員の継続的な派遣に理解、協力を得るよう努めたところでございまして、今後におきましても、こうした人材確保の取り組みを推進いたしまして、必要な人員体制の構築に取り組んでまいりたいと思ってございます。
職員数の状況ということでございましたけれども、平成28年4月時点の職員数でございますが、正規職員のほか再任用職員、それから任期付職員、こちらには市町村の派遣も含んでございますが、そのほか、他県の応援職員を含めました知事部局の職員数は4、457名という状況になってございます。
それから、欠員の状況ということでのお尋ねでございますが、現時点における欠員数が158名という状況になってございます。
それから、不足している職種ということでお尋ねがございました。最も不足している職種は、一般行政職、次に総合土木職となってございまして、この二つの職種で、欠員の大部分を占めているという状況になってございます。
〇佐藤ケイ子委員 今、知事部局のところで4、457名ということでしたけれども、そうすると、ここの部分では大幅に増員したと解釈していいんですか。でも、またさらに、今回も欠員がふえているわけです。そうすると、私は計算がよくわからなくなってしまっているんですけれども、では、実際に平成27年4月1日と平成28年4月1日を比べたら、ふえたのか、減ったのでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 職員数ということで申しますと、平成27年度の年度当初は4、434人ということになってございまして、平成28年度は4、457人ですので、職員数自体は23名増加しているという状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。そういうことで、さまざまな努力をした結果だったということはわかりますが、実際的には、休職をしている方々もたくさんいるということもありで、現場の状況は大変だなと思っているところです。
実質的に、毎年、職員が減少しているという実感を現場の職員の方々は持っている、それから超過勤務が多い、振りかえ休日をとれと言われても、なかなか振りかえできないという状況が続いているということをお聞きしております。
それで、今後の方向性なんですけれども、任期付職員は5年が基本でしょうけれども、期間延長とか正職員化はどうなっていくのか。
それから、今度は、全国からの応援派遣職員の減少というのも心配されているところですけれども、そしてまた、県内各市町村からの応援というのも人員不足で大変心配なところなんですけれども、県職員が被災市町村に、また応援派遣でもっと多く出られるという状況になるのかどうか伺います。
〇佐藤人事課総括課長 さまざま御指摘をいただきました。まず、任期付職員の任用期間の関係でございますけれども、採用当初、採用された日から3年間ということにしてございまして、本人の希望を踏まえ、さらに、最大2年間の期間を延長しているところでありますが、これは、法律の規定に基づくものということになってございます。ですので、5年以降さらに延長ということになりますと、もう一度、例えば任期付職員の選考試験を受けていただくといったことが必要になってくるということがございます。
それから、他県からの応援職員の関係でございます。こちらも総務部主体、それから各部局で他県訪問をいっぱいやっているところではございますけれども、震災から5年が経過しているという状況もございまして、なかなか厳しいようなお話もいただいているところは事実でございます。ただ、本県の状況はまだ依然として厳しいということがございますので、この辺の事情はきちんと丁寧に説明をいたしまして、引き続きの協力支援をお願いしているところでございます。
それから、県から市町村への派遣応援というお尋ねがございました。本年度につきましては、割愛、派遣によりまして、19人の職員に被災市町村で勤務していただいているところでございますし、このほか、県で任期付職員を採用いたしまして、119名の職員を市町村に派遣をしているところでございます。
被災市町村に対しましては、要請があれば、引き続き職員の派遣等による支援が必要であると考えてございまして、現在、被災市町村において、来年度に向けました職員の必要数の精査を行っているところでありますので、これらを踏まえながら、具体的な派遣等の内容は検討してまいりたいと考えてございます。
〇佐藤ケイ子委員 そうすると、来年度の採用計画というのは、どの程度の規模になってくるんでしょうか。毎年、採用通知を出しても辞退されるとか、それから、年度途中で退職をする職員がいらっしゃるとか、年度末に駆け込みでやめたいということになってしまうとか、ぎりぎりの採用人数を出しているのかもしれないですけれども、不測の事態といいますか、人員不足の状態が起こり得るのではないかと思いますが、採用計画の方針はどうでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 採用方針の計画というお尋ねでございました。震災前、大体、職員数の採用は60人前後で推移したところでございますけれども、震災発生以降は、人員確保が必要だということで、新採用の職員を大幅に増加させてきてございます。
例えば平成24年度は86名、平成25年度は108名、平成26年度は133名、平成27年度は149名とふやしてきてございまして、今年度は166名の職員を採用したところでございます。
来年度につきましても、今年度の採用数とほぼ同程度ぐらいを採用したいということで、今、調整を進めているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 今年度と同様に166人程度ということですと、今、欠員158人、それからまた退職者が重なってくると、欠員解消になるのでしょうか。ならないのではないかと思います。それで、職員のモチベーションが下がらないようにどうぞ御検討いただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 新採用の職員の数は今申し上げたところでございますが、結局、先ほども申しましたが、任期付職員の関係とか、それから再任用に応募していただける職員の方とか、さまざま方策はございます。それから、復興事業等も進捗をして、まだピークが続いてございますが、徐々に事業自体が縮小していく状況にも向かっていると思ってございますし、本年度、国体も終了したということで事務局体制の縮小もございますので、この辺の状況を全部勘案して来年度の状況ということを考えることになりますけれども、いずれ、欠員解消というのは非常に私どもとしても大事な視点だと思ってございますので、欠員解消に努めるよう、全力を挙げてまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 それでは、平成27年度決算について、歳出総額に占める震災復興分の額、比率はどうなっているか。この間の推移を含めて示してください。
〇小原財政課総括課長 平成27年度決算におきます震災復旧、復興分の額は、普通会計決算ベースで3、638億円余となりまして、総額に対する割合は35.8%となっております。
なお、発災後、平成23年度からの推移でございますが、平成23年度が5、258億円で42.0%、平成24年度が4、543億円で40.9%、平成25年度が4、076億円で38.6%、平成26年度が3、321億円で34.1%という額、比率で推移してございます。
〇斉藤信委員 今、5年間の推移を答えていただきましたけれども、35%から40%、それぞれ年度で占めていたと。まさに復興に取り組んできたのがこの間の県行政の姿だったと。
5年間合計しますと、復興関係の決算額は2兆836億円。これは5年間で見ますと38.5%を占めるということになると思います。
そこで、目的別経費で見ますと、一番多いのはもちろん災害復旧費の6、185億円なんですが、その次に多いのが商工費の3、508億円、その次が総務費の2、929億円、そして土木費の2、677億円となるんですけれども、これは商工費が多いというのはかなりの支援策を行ったんではないかと。商工費、総務費がこういう大きな額になった主な中身は何でしょうか。
〇小原財政課総括課長 商工関係につきましては、被災中小事業者に対します貸付金などが相当程度計上されておりますし、グループ補助など、それから雇用関係、緊急雇用対策事業などが行われたことで額が大きくなっているものでございます。
総務費につきましては、人件費などの額が計上されていると考えております。
〇斉藤信委員 それで、これだけの大きな事業費ということになると、繰り越しの額も多いし、事故繰越というのもありましたが、これは昨年度で結構ですから、事故繰越はどういうものだったか示してください。
〇小原財政課総括課長 事故繰越の内容でございます……(斉藤信委員「内容と額、繰り越し、事故繰越」と呼ぶ)はい。平成27年度の繰越額は1、911億円となっております。このうち、繰越明許費は1、547億円、事故繰越額につきましては363億円となっているところでございまして、内容につきましては、後ほど御答弁させていただきます。
〇斉藤信委員 いずれ、震災復興が県政の最大の課題と。5年8カ月が経過していますけれども、まさにこれからが正念場ということなので、大いに知恵を出してやっていただきたい。
次に、2番目の質問ですけれども、災害情報伝達のシステムについて私もお聞きをしたいと思います。
避難準備情報、避難勧告、避難指示、この発令基準というのはどうなっているんでしょうか。
〇石川総合防災室長 避難準備情報、避難勧告、避難指示の発生基準についてでございますけれども、これらは、いずれも市町村長が必要と認める地域の居住者に対して発令するものでございます。
具体的に申し上げますと、避難準備情報につきましては、避難のための立ち退き準備を促す情報であるということと、それから災害時に要配慮者に立ち退き避難を促すもの、避難勧告につきましては、避難のための立ち退きを勧告するもの、それから避難指示は、急を要すると認めるときに、避難のための立ち退きを指示するものとなってございます。
実際の避難勧告等の発令におきましては、あらかじめ災害別に発令基準を定める必要がありますことから、県では、国が定めた避難勧告等の判断、伝達マニュアル作成ガイドラインを示しながら助言するなど、市町村における発令基準の作成を支援しているところでございます。
〇斉藤信委員 それで今回の台風第10号では、残念ながら多くの犠牲者を出したと、岩泉町に至っては避難勧告が出されなかったと、そういうことがあるわけで、市町村でこうした避難準備情報、避難勧告などのいわば発令基準をどれだけの市町村が決めているのか、決めていないのか、把握しているでしょうか。
〇石川総合防災室長 繰り返しになりますけれども、国のガイドラインにおきましては、洪水災害について、洪水予報河川それから水位周知河川で発令基準を定めることとしてございます。洪水災害のうち洪水予報河川では、対象となる10市町全てで基準を策定してございます。ただ、水位周知河川では、対象となる18市町村中14市町村が基準を策定しているところでございます。また、違う災害、土砂災害でございますが、33市町村中32市町村が基準を策定しているといった状況でございます。
〇斉藤信委員 水位周知河川では、主管課長会議のときの資料で見ると、16市町村が対象で、15市町村で策定済みとなっていましたが、今14市町村という話、これは課長答弁のほうが正確なんですか。
それと小河川、いわゆる今回葛巻町もそうだったんですけれども、33市町村のうち、全体では31市町村で選定、発令基準は定まっていたということですか。もう一回はっきり言ってください。
〇石川総合防災室長 策定状況でございますけれども、水位周知河川につきましては、お持ちの資料につきましては、今年度当初の会議でお示しさせていただきました資料でございまして、現在の状況は、18市町村中14市町村が策定しているといった状況でございます。(斉藤信委員「小河川」と呼ぶ)
国のガイドラインにおきましては、策定しなければいけないものとして、洪水予報河川それからち水位周知河川で発令基準を定めることとしてございます。中小河川については定めているところではございません。
〇斉藤信委員 ことしの4月15日に、主管課長会議をやられて、私はその資料をいただいたんだけれども、そこには、水位周知河川は16市町村対象で、15市町村で策定済みと。これが14市町村になったというのは、何ですか、この減った理由は。
それと、小河川については、過去の洪水の発生状況等地域の状況を踏まえて、適宜、基準の策定を行うなど、適正な対応をお願いしますとなっています。これは義務づけられていないけれども、小河川の場合でも、いわば適宜、基準の策定を行うというのが県の方針なんです。これについては把握していないということですか。策定されていないということですか。
〇石川総合防災室長 恐れ入ります。小河川につきましては、ガイドラインのほうでは基準の策定を求めていないものでございますが、過去の洪水の災害の発生状況等地域の状況を踏まえまして、適宜、基準の策定を行うなど、適切な対応をお願いしているところでございます。
ことし10月現在では、15市町村が策定しているところでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、小河川対応の市町村については、15市町村が独自に策定しているということでいいんですね。これには葛巻町は入っていなかったんですか。
〇石川総合防災室長 恐れ入ります。お時間をいただきたいと存じます。
〇斉藤信委員 全体とすれば小河川が多いわけで、水位周知河川の指定というのもまだまだほんの一部にとどまっているのが県内の実態です。今回氾濫した小河川を含めて、せっかく県がそういうふうに方針を示しているんだから、しっかり市町村を支援して、発令基準というのを持って、本当に県民の命と安全にかかわる問題ですから、これを教訓に私は進めていただきたいと思います。
それで、私は今回の台風災害を含めて感じるんですけれども、避難準備情報というのはかなり早く出ると。しかし、避難準備情報というのは、いわば災害弱者が避難を始めるという趣旨なんですね。行政が避難準備情報を出したら、そういう施設、そういう方々に避難を促さなくちゃならない。出しっ放しだったら意味がないんだと思うんです。私は今回、この避難準備情報を含めて、出す側も受け取る側も、全く正確に理解されていなかったのではないかと思いますが、いかがですか。
〇石川総合防災室長 今回の台風第10号におきましては、委員御指摘のとおり、避難準備情報は出されたけれども、実際に避難行動につながらなかった面があると考えてございます。こういったことから、県では、防災会議幹事会議のもとに三つの分科会を設けまして、そのあり方についても検討してまいりたいと思います。
災害発生後、実際に私も被災地に行ってお話も聞いてまいりましたが、やはりお話を聞きますと、避難準備情報が出ただけではなかなか移動しない。例えば民生委員の方ですとか、自主防災組織の方にお声がけをいただいて動き出すといったような声も聞いてございます。
今後のあり方について、分科会の中でまた検討してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 それで、私は災害弱者の避難を進める上で、避難行動要支援者名簿に基づく市町村の地域防災計画の策定というのが必要だと思うけれども、この策定状況はどうなっていますか。
〇石川総合防災室長 要支援者に対する避難計画という御質問だと考えてございます。
県内の状況については、詳細については、避難行動要支援者名簿を設けている市町村、策定済みが11市町村、それから作成中が22市町村という状況になってございます。
〇斉藤信委員 11市町村しかまだ策定していないと。問題は、この要支援者名簿が自主防災組織とか地域の方々に伝わらないと機能しないんですよ。だから、例えば避難準備情報が出たら、要支援者の名簿で避難を支援する行動に出なければだめなわけですね。この要支援者名簿がまだできていない。できても、この11市町村はどうでしょうか。地域の自主防災組織なり町内会なりにこの名簿がきちんと伝わっているのか、そこらは把握されていますか。
〇石川総合防災室長 避難行動要支援者の名簿につきましては、その名簿の作成状況については把握してございますけれども、それが、それぞれの市町村でどのような形で自主防災組織に伝わっているのかどうか、そこについては把握してございません。
〇斉藤信委員 こういう災害のときに、一番問われるのは災害弱者なんですよ。支援が必要な方々に避難準備情報を出す意味もそこにあるわけですね。しかし、避難準備情報を出したからといって、どこに要支援者がいるのかわからなかったら対応できないわけでしょう。私はこの問題を、本当に防災対策のかなめの問題としてしっかり把握をしてほしいし、指導もしてほしいと思います。
そこで、地域の防災のかなめになる自主防災組織の今の実態、活動状況はどうなっているでしょうか。
〇石川総合防災室長 自主防災組織につきましては、御案内のとおり、平常時におきましては、防災意識の高揚あるいは防災訓練にかかわっているところでございます。また、災害時におきましては、今委員からお話がありました要支援者への支援あるいは避難所運営、そういった地域の防災力を支える共助を担う大きな柱だと認識してございます。組織率の向上、それから活動内容の活性化が重要であると考えてございますが、活動内容につきましても、それぞればらつきがあると考えているところでございます。
こうしたことから、県では、自主防災組織のリーダー研修会あるいは連絡会議の開催により、リーダーの能力を高める、それから、自主防災組織同士のネットワーク化を進める、それから、県職員や地域防災サポーターが県内の自主防災組織を訪問しまして、先進事例の紹介あるいは課題の共有化を図っているところでございます。
〇中平均副委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇小原財政課総括課長 先ほどの御質問にありました平成27年度の事故繰越の主な内容について申し上げます。
金額の上位3事業を申し上げます。漁港災害復旧事業180億円余、それから三陸高潮対策事業32億円余、海岸高潮対策事業18億円余が主な事業でございます。
〇斉藤信委員 自主防災組織の状況という資料を私もいただきました。全県で2、174組織、隊員数が68万3、454人、組織されている世帯数43万3、986世帯で、これは全体の世帯の83.8%を占めると。私はこの数はちょっと実態を反映していないんじゃないかと思いますよ。一度つくったということはあるかもしれない。だから2、174組織というのは大変な数ですし、この68万3、454人というのは、これは実態を反映していないんじゃないでしょうか。まず、ここから聞きましょうか。
〇石川総合防災室長 最初に、先ほど小河川の関係がございました。葛巻町におきましても、小河川の関係、平成26年7月に策定しているところでございます。
それから、ただいま頂戴しました自主防災組織についてでございますけれども、自主防災組織の組織率は全国統一の考え方でございまして、自主防災組織がカバーしている世帯をどのように、どれくらいの世帯をカバーしているのかで計算してございます。(斉藤信委員「世帯数じゃない、会員数だよ。素直に答えたら」と呼ぶ)
自主防災組織につきましては、各市町村からそのとおり報告していただいているものをまとめているものでございます。ただ、その活動内容、状況につきましてはばらつきがあるというのは先ほど申し上げたところでございます。
〇斉藤信委員 だから、私がさっき紹介をした自主防災組織の現況というのは、無視するつもりは私は全然ないんだけれども、やっぱり実態を反映していないと。今回の災害でもそうだったんじゃないかと思いますよ。だから、つくられているという自主防災組織を点検して、そして、しっかりした研修を、年間の研修を見ると30人とか40人ぐらいしか参加していないんですよ。やっぱり2、000あるというんだったら、2、000の自主防災組織が参加するようなきめ細かい研修をしなければだめですよ。そして、問題は、私がさっき言ったように、要援護者を自主防災組織が把握して、いざというときに機能するような自主防災組織とすること。訓練していないことはできないんですから。
盛岡市内の水害常襲地帯で、町内会が中心ですけれども、みずから河川水位情報を把握して、この高さになったらもう住民に避難を呼びかけようとやっている自主防災組織もあるんです。だから、つくられたというのは正しく評価しながら、この自主防災組織が、いざという災害のときに本当に機能できるように、私はしっかりした点検と研修をやっていただきたい。どうですか。
〇石川総合防災室長 私も盛岡市に住んでおりまして、自主防災組織で要支援者の名簿を市からいただいて、いざというときにどういう対応をとるのか、取り組んでいるという状況も承知してございますし、岩泉町におきましても、地域の防災に詳しい専門家の方が、地域の防災危険情報といったものを取りまとめまして、被災はしましたけれども人命は救われたといったような事例もございます。こういった方々をリーダー研修会に招くなど、県内の自主防災組織のレベルアップを図ってまいりたいと思います。
人数、回数につきましては、これからまた検討してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 次に、私も県の人事政策についてお聞きをします。
本庁の知事部局の正規職員数というのはさっきも問題になりました。聞くと時間がかかるので私が言いますが、平成24年度の正規職員は3、888人でした。平成28年度は3、877人で、11人減です。いわば仕事量が6、000億円の時代から今1兆円の時代になっているときに、正規職員が減っているという話は、私はないんだと思うんです。確かに新規採用は、平成24年の86人から平成28年は166人までふやしているけれども、ふやしても足りない。正規職員がまだマイナスになっているという、これは抜本的に正規職員をふやして、県庁の主体の力を強化する必要が私はあると思うけれども、いかがですか。
〇佐藤人事課総括課長 正規職員の人数のお話がございました。平成24年度との比較では、御指摘のとおり、11名の減という格好になってございます。
県職員全体の状況ということでお話をいたしますと、再任用のフルタイムの職員、これは希望する者は採用するということが義務づけられてございますので、こういったところの全体数で見ていく必要があろうかと思ってございます。
行財政改革を一生懸命進めてきた時分においては、職員の4、000人体制という形で、職員数自体を縮小というか減らす体制でずっとやってきたところがございますが、震災後は、そういう計画を今のところとってございませんので、必要な職員数の確保に努めてまいるということで考えてございます。
〇斉藤信委員 ぜひ、4、000人体制はすぐに回復してやってください。なぜかというと、例えば超過勤務で、過労死ラインと言われる80時間を超えている職員は何人いるでしょうか。
〇佐藤人事課総括課長 超過勤務が80時間を超えている実態ということでございますけれども、平成27年度におきましては、職員数延べ431人ということで、平成26年度と比較して1人多いという状況になってございます。
〇斉藤信委員 431人、大変なことですよ、4、000人体制でもないんだから。総務部が101人、県土整備部が104人、農林水産部が80人と。過労死ラインを超えているという、ここを緊急に解消するということが必要ではないか。
それと、年次有給休暇は、平成27年度は平均して10.8日でした。半分しかとれない、これが今の県職員の体制なんだと思うんです。
そこで、育児休業と、育児短時間勤務のことももう聞かないで言いますが、育児休業取得者は36人、育児短時間勤務取得者はたった1人。育児短時間勤務がとれないような職場になっているんじゃないでしょうか。ここだけ聞きましょう。
〇佐藤人事課総括課長 育児短時間勤務の関係でございますが、例えばいろんなパターンがあろうかと思ってございます。希望する職員は全部とれるような状況でございますので、例えば週に何日勤務するとか、いろんなパターンがございます。これは、御本人の希望、あるいは家族の状況、こういったものからそういう取得をしていると考えてございます。
アンケートをとった時代がございまして、この制度自体、ちょっと知られていないという状況もあったんですが、特定事業主行動計画をつくる際に、再度アンケートを実施いたしましたけれども、この制度自体は8割ぐらいの職員はもう既に認知しているということになってございます。
〇中平均副委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇斉藤信委員 ロスタイムがあって、まだ30分にもなっていないんだけれども、簡潔にやります。
では、残念だけれども簡潔にやります。
県庁内の保育施設の整備について、この間議論がありました。私は県職員の要望があれば大いに進めるべきだと思うけれども、その際、事業所内保育所だとか、規制緩和された保育施設をつくっちゃならないと。やるんだったら認可保育施設でやるべきだと。大体保育行政を県が指導しているときに、みずから規制緩和された人員体制でやるなんていうことが私はあってはならないと思うけれども、そのことをお聞きします。
それと、二つ目に、旧盛岡短期大学跡地の利活用問題について、現状と今後の方向について示していただきたい。
最後ですが、きょう、実は閣議決定で、自衛隊に対して駆けつけ警護の任務が付与されました。総合防災室は自衛隊の募集も任務になっているので、この間、自衛隊の入隊数がどう推移しているか、示していただきたい。
県議会は戦争法廃止の決議を上げたけれども、岩手県出身者も南スーダンに行きかねない。国連の報告書で停戦合意は崩壊したと言われている。私はこんなところに東北の部隊を送ってはならないと思うけれども、知事なり総務部長なり、きちっと物を言うことが必要だと思いますが、いかがですか。
〇山崎総務事務センター所長 県庁内保育施設の整備についてでございますけれども、現在、ニーズ調査の結果を集計中でございます。
今後におきましては、庁内の横断的なワーキンググループで調査結果を取りまとめ、庁内保育施設の設置の必要性や、仮に設置するとした場合のさまざまな課題を検討していきたいと考えております。
現時点では、まだ、設置する、しないという段階ではございませんけれども、設置する場合は、法定の基準等に十分配慮しながら進めてまいりたいと考えております。
〇藤澤総務室管理課長 旧盛岡短期大学跡地の利活用についてでございます。
盛短の校舎でございますが、現在も県の行政文書等の保管場所として活用しているほか、テニスコートにつきましては、盛岡第二高等学校のテニス部が練習場として使用してございます。
県による利用でございますが、これまで、総務部であるとか教育委員会等から利用希望がございましたけれども、その活用案の内容については、なお継続して検討を要するところでございます。
引き続き、庁内関係部局との協議、それから地元自治体であります盛岡市と情報交換を行いまして、その検討状況を踏まえながら、跡地の利用方針について引き続き検討してまいります。
〇風早総務部長 県の立場といたしましては、自衛隊法に基づきまして、法定受託事務として自衛隊員の募集期間の告示、受験票等の交付、宣伝等を実施しておりますが、あくまでも外交防衛に関する案件については国の専権事項でございますので、答弁は差し控えさせていただきます。(斉藤信委員「推移」と呼ぶ)
失礼。岩手県の県内から自衛隊への入隊状況でございますが、協力隊本部にお聞きしたところ、平成23年が94名、平成24年が170名、平成25年が151名、平成26年が135名、平成27年が106名とお聞きしてございます。
〇小西和子委員 それでは、私から大きく2点について伺います。
まず、職員給与等についてお伺いいたします。
高齢層職員の課題についてお話をしたいと思うのですけれども、退職手当というのが400万円削減されましたし、それから55歳昇給抑制が行われ、さらには給与制度改革によって現給保障が廃止され、さらには総合的見直しで現給保障となり、給与改定が行われても高齢層職員に対する実質的な改定は行われない。賃金抑制が立て続けに行われているのが、今いらっしゃる皆様方だと思いますけれども、高齢層職員の賃金抑制策がこのように近年立て続けに行われておりますけれども、2014年度からの影響額、総額と、1人当たりの影響額、それから2016年度の勤務意欲確保策について伺います。次年度についてもあわせて伺います。
〇佐藤人事課総括課長 平成26年度からの影響額ということでございますが、県職員1人当たりでは、行政職50歳担当課長級職員をモデルといたしまして試算した場合、平成26年度から平成27年度においては、年額9万円の増、それから平成27年度から平成28年度まで給与制度の総合的見直しというものを行いましたけれども、経過措置によりまして現給保障ということがございますので、これによって影響は生じないというところでございます。
普通会計の総額ということで申し上げますが、平成26年度から平成27年度では22億1、000万円程度の増、それから平成27年度から平成28年度までは、これは若年層の給料水準の引き上げによりまして、2億6、000万円程度の増と見込まれるところでございます。
職員の勤務意欲の維持、確保についてでございますけれども、これまでも諸手当それから休暇制度の見直しに取り組んできたところでございまして、平成28年度につきましては単身赴任手当の引き上げを実施したほか、先般行われました給料表及び勤勉手当の引き上げ等を内容といたしました人事委員会勧告の取り扱いについても、現在検討を行っているところでございます。
平成29年における勤務意欲の確保策ということでございますけれども、高齢層職員を初めといたします職員の勤務意欲の維持、確保に向けまして、能力や意欲の適正な評価のほか、処遇全般を通じまして、個々の職員の状況を勘案した対応に意を用いてまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 そういうことではちょっと改善に実感が持てないという声をいただいております。皆様方のことなので一番おわかりだと思いますけれども、現在の高齢層職員は、若年層のときは民間よりも低い賃金であったものが、改定が行われず、高齢層になりやっと賃金に余裕が出る年代でさらに抑制されております。こういう実態からも問題があると考えております。さらには、昨今の人員不足、震災復興、国体対応、台風災害対応についても先頭に立って業務を遂行し、責任を負う世代に対する処遇としてはこの程度ではいかがなものかと思います。
高齢層職員への処遇について、岩手県独自のさまざまな事業を抱えているわけですので、そういう事情を踏まえて検討する必要があると考えております。さらなる意欲改善となる措置を要望いたします。
次に、人員体制についてです。先ほどからいろいろお話がありましたけれども、私は昨年度の年度途中の退職者、病休者、うち精神疾患についてお伺いしたいと思います。
年度末退職者、先ほど数字が挙がっておりましたけれども、再度お願いします。
定年前退職者のうち、精神疾患の方も取り出して数字をお願いいたします。2016年度についてもお伺いしたいと思います。
それから、お話をしたくはないと思いますけれども、2015年度、2016年度の現職死亡についてもお伺いしたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 年度中途の退職者等の状況ということでございますが、知事部局における平成27年度のそれぞれの状況というものを申し上げます。
年度中途の退職者数は37名ということになってございます。病気により14日以上継続療養した者の数は124名でありまして、精神疾患を理由とする者は56人、45%という状況になってございます。年度末の退職者は152人ということになってございまして、このうち定年前に退職する者は31人、転職等の自己都合を理由として挙げる者が多くなってございます。
同じく平成28年度の状況ということでございますが、年度中途の退職者、10月末現在で22名ということになってございます。病気により14日以上継続療養した者の数、9月末現在で60名、うち精神疾患を理由とする者は29名という状況になってございます。
死亡による退職者というお話がございました。ちょっとそれについては、後ほど御回答したいと思います。
〇小西和子委員 定年前退職者のうち、精神疾患による退職者は何人かということも、済みませんがお願いします。
〇佐藤人事課総括課長 定年前退職者における精神疾患の状況ということでございますが、今、手元に資料を持ち合わせてございませんので、済みません、御了承願いたいと思います。
〇小西和子委員 では、後ほど資料をいただきたいと思います。
精神疾患にかかる方というのは非常にまじめな方で、とにかく自分の業務を遂行しなければならないといった方々だと聞いております。
次に、人員不足が与える影響と対策についてですが、人員不足が与える影響は何ですかと予算特別委員会で聞いたところ、人員不足の影響としては、職員一人一人が担う業務量がふえることが挙げられると。当たり前のことです。誰が考えたって、それは当たり前のことです。これを答弁とすること自体、おかしいと私は考えます。一人一人の業務がふえることによって、どんな影響があったのかということです。これは大きなことだと思います。どのように捉えているのかお伺いいたします。そして、対策についてはどんな対策をとっていらっしゃるのか、お伺いします。
〇佐藤人事課総括課長 人員不足により業務に与える影響ということでございます。
御指摘あったとおり、そのとおりだと思ってございます。あと、例えば締め切りのある仕事というのもございますので、人員不足があるということになれば、そちらの仕事に向けて、どうしても個々の職員に負担がかかるという状況は否めないと考えてございます。
これに対する対策ということでございますが、例えば、県はグループ制というものを導入してございまして、個々の職員あるいは係ごとに業務を固定的に充てるということではなくて、業務の繁閑に応じまして忙しい部署が応援に回るとか、必要があればそれは部内でも調整いたしますし、部内の中で調整し切れなければ、県庁全体の中で業務支援を行うといったような取り組みをしてございます。
こういったところをいろいろ考えながら、委員御指摘のありました職員、非常にまじめな方が多くてというお話もそのとおりでございますので、上司がこまめに職員の部下の状況を見る、声かけをする、こういったところで職員一人一人の状況というのをこまめに把握をして、精神疾患というような状況に陥らないような対策をしてまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 産業医との面接を行うようにという話をしても、いやいやあのときだけそのような状態だったのでと言って、面接をする方が少ないとも聞いております。そのくらい、業務が次から次と押し寄せてきている。産業医との面接をする時間さえも惜しむような体制だとも聞いておりますので、何としてもそこは改善をしていっていただきたいと思います。
さらに、新採用職員の育成を組織的に実施するのかということでございますが、前回にもお聞きしました。
なぜ私がこれを質問するかというと、各部署で新採用職員は要らないと、とても育成する余力がないから、うちの部署では要りませんといった声も聞こえると聞いております。それは問題なわけですね。だから組織的に育成をして、次の時代を、岩手をしょっていく幹部を育てなければならないのですから、余力がないというのは、全て欠員数の多さから来ているわけであります。
前回答弁いただいた新採用職員の育成についてということに、新たに何かプラスしていることがありましたならば、そのことをお聞きしたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 新採用職員の育成についてのお尋ねでございました。新採用職員に対しましては、業務の遂行に必要な知識、技能、態度、こういったものをできるだけ早期に身につけさせるため、各所属におきまして、指導責任者それから指導担当者というものを配置いたしまして、指導計画書を作成いたしながら、計画的に育成に取り組んでいるところでございます。
人事課が主催をいたします新採用研修がございまして、採用年度の4月、6月、11月の3期に実施をするということにしてございますが、今年度は、研修期間を総体では2.5日ほど延長するというカリキュラムにしてございますし、基礎的な執務能力や主体的に考える力を身につけさせますよう、毎年度、カリキュラムの見直しに取り組むということをしてございます。各所属に配置いたします指導担当者に対する研修を実施いたしまして、組織を挙げて育成する体制を整えてございます。
新採用職員研修それから指導担当者研修は、一部、外部に研修を委託してございますが、講師は同一の者を充てるということで、新採用職員それから指導する立場の両方の立場から状況がわかるようにという工夫もしているところでございます。
それから、職場のほうで新採用職員は要らないと、とても指導する力がないというお話もございました。みんな新採用の時分というのは当然あって、みんなそれぞれの職場で大事に育てられて今の状況があると思ってございます。今のようなお話が本当の状況だとすると、ちょっと組織的にも非常に問題だと思ってございますので、改善策等は考えていきたいと思ってございます。
〇小西和子委員 新採用職員の方が、本人は意欲を持って勤務しようと思っていらっしゃるんだけれども、同居している家族が、こんなに夜中まで働くんだったら別な仕事のほうがいいんじゃないかということまで言ってるということも伝え聞いておりますので、健全な働き方ができるような体制に持っていかなければならないと思います。
最後に、ワーク・ライフ・バランスの取り組みについてですけれども、女性リーダーを養成する研修とかメンター制度の導入とか、ダイバーシティマネジメント研修、それから19日を育児の日とする、年次休暇の取得促進ということを前回お伺いしましたけれども、さらにプラスしているものがありましたなら、お伺いしたいと思います。
〇佐藤人事課総括課長 ワーク・ライフ・バランスの取り組みについては、これも一般質問等で答弁させていただいたところでございますけれども、今お話のありました各種研修、それから育児の日といったことに加えまして、今年度、男女を問わず、子供が誕生する予定の職員につきましては、育児に関して配慮を望むような事項、こういったものを育児支援シートという形で記載をいたしまして、これを所属長に提出をしていただきまして、所属長と職員が面談をしながら、どういった配慮を求めているのか、どういった対応に所属のほうで注意をしていけばいいのか、両方で意思疎通を図るという、本人の希望を踏まえました職場環境の整備を図る制度を整備してきたところでございまして、今後とも、仕事と生活の両立を目指しました環境づくりに取り組んでまいりたいと考えてございます。
〇小西和子委員 厳しいことをお話ししましたけれども、本当に皆様方、御苦労されて人員確保に奔走されていることもお聞きしております。ぜひ、先ほど佐藤ケイ子委員に答弁したような取り組みを行って、158人の欠員数をできるだけゼロに近づけるような取り組みをしていただきたいと思います。それでこそ、ワーク・ライフ・バランスということも生きてくると思いますし、県職員を目指して若い方々も希望してくるのではないかと思います。それをお願いして終わります。
〇中平均副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後3時0分 休 憩
午後3時17分 再 開
〇軽石義則委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇佐藤人事課総括課長 先ほど、小西和子委員から現職死亡の状況というお尋ねがございました。
平成27年度は現職死亡7名でございます。メンタルで病気休暇中に亡くなられている方がお一人いらっしゃいます。平成28年度は現職死亡3名という状況になってございます。
〇軽石義則委員長 質疑を続行します。
〇高田一郎委員 それでは、まず最初に、原発事故による賠償請求の到達点についてお伺いいたします。
この間、県は第8次の請求を行ってきましたけれども、賠償請求額、支払い状況について、農林水産、商工、観光も含めてどんな状況になっているのか、まずお伺いします。
〇松本放射線影響対策課長 原発事故による賠償についてでありますが、県では、東京電力に対し、平成23年度から平成27年度までの損害として117億2、000万円余を請求しているところです。これに対して、東京電力からは平成28年10月末現在で100億7、000万円余が支払われており、請求に対する支払い率は85.9%となっております。
次に、農林水産業、観光業に関する賠償の状況でございますが、農林水産業関係の賠償の状況は、農林水産部の調べによりますと、JAグループ等を通じまして、平成28年8月末現在で請求額455億5、800万円余に対しまして支払い額は399億9、800万円余となっています。商工、観光業につきましては、商工労働観光部の調べによりますと、平成28年10月末で支払い件数368件、支払い額約38億8、600万円余となっているところであります。
〇高田一郎委員 岩手県が行った賠償請求の中の、この間、岩手県の判断で実施した放射線影響対策業務に対する経費については、東電は必要性や合理性がないと言って拒否してきたわけであります。こういったことも含めて岩手県の請求額に対する支払いはまだ85.9%程度となっていますけれども、この支払いがまだできない要因は何なのかというのが一つです。
もう一つは、賠償打ち切りの問題です。
福島では期限を切った賠償の打ち切りなどが提案されて大変大きな問題になっていますけれども、実は、この岩手にもそういう問題が発生しております。シイタケ生産農家については、原木ほだ木の価格が2倍以上に高騰しているんですけれども、今、現場では、東京電力は、この高騰については原発事故によるものではないのではないかと因果関係を否定している状況です。中には、平成30年度まで一応区切りたいので平成29年度に一括して支払いたい、こういう具体的な提案までされている状況です。これでは生産再開にはなかなか意欲がわいてこない、そういう状況です。
県として、こういう賠償打ち切りの実態についてどのような把握をされているのか。また、こういった問題に対して、東電に対する要請とか国に対する要請、しかるべき対応をしていくべきだと私は思うんですけれども、この点について県としての対応をお伺いしたいと思います。
〇松本放射線影響対策課長 東電の賠償につきまして支払いに応じない理由につきましては、東京電力は依然として、政府指示等によらず岩手県の判断で実施した放射線影響対策業務に要した経費などについては必要性、合理性がないものと判断して支払いに応じておりません。これにつきましては、ことしの3月30日に未払い分につきましてはADRセンターに2回目の提訴をしておりまして、現在、審理中でございます。
それから、2番目の賠償の打ち切り等のお話でございますけれども、私どものほうで東電から聞いておりますところでは、平成29年度で打ち切るということではなく、平成28年度、平成29年度の2カ年度分を一括して先にお支払いしたいと。その後の賠償については個別に相談に応じていくということを聞いておりまして、平成29年度の段階で打ち切るというお話は聞いていないところです。
〇高田一郎委員 生産現場と県の認識の食い違いがあるんですけれども、生産現場では東電の職員が来てはっきりと明言しているわけです。確かにシイタケの原木の確保については賠償あるいは融資など再生産できるようなスキームはあるんですけれども、実際かなり先行投資しなければならないということと高齢化の問題があって、今々こんなことになってしまったら生産再開なんて断念せざるを得ない、現場ではそういう実態になっています。ですから、県と現場の食い違いがありますので、そこはよく実態を把握して、賠償を打ち切ることが絶対にないように県としての対応をしっかりお願いしたいと思います。
次に、私学助成にかかわって幾つかお伺いしたいと思います。
現在の私学の就学支援金の支給状況はどの程度になっているのか。あわせて、支援金が支給されても私学に対する負担というものは物すごいと思います。今、保護者負担というのはどの程度になっているのか。
あわせて、私立学校生徒の方々の生活実態といいますか、経済的理由による退学とか、あるいはアルバイトを行っている状況とか、今、私学の関係者にお聞きしますと、私学就学支援金が支給されても、結局、家庭の経済状況もあって、修学旅行にも行けないと。同じクラスの中で修学旅行に行ける子と行けない子がある、こんな状況もあると伺っております。県として、私学の現場の実態をどの程度把握されているのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
〇岡部私学・情報公開課長 就学支援金の支給状況についてでございますが、平成28年度は、県内の私立高等学校生徒6、757人のうち86%に当たる5、813人を対象に、総額約10億8、000万円余の支援を予定してございます。
次に、保護者負担等の状況についてでありますが、入学時負担金を除いた平成28年度における年間納付金額は、生徒1人当たり平均37万8、200円となってございます。
次に、経済的な理由による私立高校の退学者数は平成27年度では2名でございまして、いずれの方も退学時において授業料が滞納状態にあったものでございます。
続きまして、アルバイトの状況につきましては、私立高校独自のデータはございませんが、平成24年度就業構造基本調査によりますと、本県公立、私立高校在学者の約1.9%に当たる800人が有業者となっております。
〇高田一郎委員 この就学支援金制度が始まってから3年、4年たつわけでありますけれども、さまざま課題も浮かび上がってきていると思います。今後、国においてもこの就学支援金制度のあり方の議論もされてくると思います。この間、取り組んできて県としての課題とかがあると思いますけれども、それについて、これからどのような形で国に反映していくかということで幾つか質問してみたいと思います。
一つは、学校現場での事務量の問題ですけれども、学校現場では、大変な事務負担で悲鳴が上がっているというのが現状です。特に、新入生から入学前と入学した後の課税証明書が提出されてそれに対応しなければならないとか、あるいは、低所得者や母子家庭については、対象外にならないように個別の声かけ、相談をしなければならないという対応とか、また、私学では、特に所得階層が4段階に分かれていてどれに該当するかとか、物すごく事務が複雑で、学校運営に大きな障害が生じているのではないかと思います。
そういった現場の状況をどう捉えているのか。また、事務量、事務負担の財政支援もあると思いますけれども、この辺が適当な財政支援になっているのかどうかも含めて、実態についてまずお伺いしたいと思います。
〇岡部私学・情報公開課長 まず初めに、就学支援金制度の課題等についてでありますが、就学支援金制度は、平成26年度から国において所得制限が導入されるとともに、公私間格差の是正のため、私立高校生に対する加算額の増額が図られたところでございます。これによりまして、平成28年度においては、世帯年収250万円未満程度の場合、就学支援金は年額、平均28万9、846円が交付され、年間納付金平均37万8、200円に対しまして8万8、354円の実質負担額が生じているところでございます。これは、授業料負担のない公立学校と比較しまして、依然格差が生じておるところでございます。
県といたしましては、国に対しまして、低所得者に対する加算支給限度額の増額等、さらなる制度の見直し、拡充についてさらに要望してまいりたいと思います。
次に、事務費負担等の状況についてでございますが、就学支援金に関する事務の円滑な実施に資するため、国の高等学校等就学支援金事務費交付金によりまして、学校での書類審査に要する臨時職員の人件費等、当該事務の所要額を交付しているところでございます。平成26年度からの新制度による所得区分の細分化等によりまして、これに係る事務が増加し、その事務費交付金も増加傾向にあるところでございます。
各私立高等学校等から事務費所要額としまして平成26年度は330万8、000円、平成27年度は381万1、000円が示されてございまして、その同額を学校に交付しております。平成28年度においては、平成27年度を上回る交付を見込んでいるところでございます。
県といたしましては、学校事務の負担軽減が図られますよう、引き続き事務手続に関する説明会を開催しますほか、疑義照会等に対して迅速かつ丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 いろいろと事務負担の簡素化の問題とか、さまざまな問題がこの間、浮き彫りになったと思います。学校現場では、授業料だけではなくて施設整備に対する支援も対象にしてほしいとか、また、所得制限そのものを撤廃してほしいとか、さまざまな要望、意見が出されています。県としてもこうした問題にしっかりと取り組んで、高等教育は無償というのが世界の流れになっておりますので、一層の拡充を求めて取り組んでいただきたいと思います。
私立学校をめぐる問題では、以前も取り上げたことがあるんですけれども、耐震診断の実施状況はどうなっているのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
〇岡部私学・情報公開課長 私立学校の耐震診断実施状況についてでありますが、最新の文部科学省の私立学校施設の耐震改修状況調査によりますと、平成27年4月1日現在、県内の私立小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校については、耐震診断が必要となる昭和56年以前に建設された建物28棟のうち耐震診断実施済みの建物が18棟であり、耐震診断実施率は64.3%となってございます。
また、私立幼稚園及び幼保連携型認定こども園につきましては、同じく昭和56年以前に建設された建物22棟のうち耐震診断実施済みの建物は8棟であり、耐震診断実施率は36.4%となってございます。
〇高田一郎委員 わかりました。以前質問したときよりも若干進んでいるのかなという思いをいたしました。しかし、100%ではないわけでありますから、学校は子供たちが1日の大半を過ごす場であって、耐震診断を速やかにやるのは当然だと思います。
公立学校については地震防災対策特別措置法によって耐震診断の実施と公表を義務づけられていますけれども、私立学校については努力義務となっています。しかし、平成25年の建築物の耐震改修の促進に関する法律では、一定程度の規模以上については耐震診断の実施と公表の義務が課せられていると思います。3年前に改正されたもので、実施と公表の義務ということになっていますけれども、これは全体で小中学校、特別支援学校では64%、幼稚園等で36%という数字なんですけれども、これが進まない要因は何なのかということもお伺いしたいと思います。実施、公表が義務づけられていますけれども、これが進まない理由についてお伺いいたします。
〇岡部私学・情報公開課長 私立学校の場合は、学校設置者の財政状況も考慮する必要があるということでございます。県といたしましては、引き続き、委員がおっしゃったように、学校の施設の安全確保について理解を進めていきたいと考えてございます。
〇高田一郎委員 公立学校については、市町村や県などの支援もいただいて問題なく耐震診断、改修ができるわけですけれども、私立学校の問題では、補助制度などを見ても余りにも貧弱な補助制度になっております。国としっかりと力を合わせて、支援制度を抜本的に見直して、一日も早く耐震診断、改修ができるように県としても一層の努力をお願いしたいと思います。
最後に、消防団や消防職員の処遇改善についてお聞きしたいと思います。
一昨年だったでしょうか、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行され、関係者から大変な期待を受けています。この法律に基づいて、消防庁からはそれを具体化するための通知なども市町村に出されております。簡単に言えば、消防団の充実強化に対してそれぞれ市町村が努力しなさいということでありますけれども、この法律を受けて、県として消防団の強化にどのように取り組んでいるのか。
あわせて、消防団の処遇改善についても一括してお聞きしたいと思います。
消防団の処遇改善について、今、岩手県内のそれぞれ消防団の現状はどうなっているのか。地方交付税措置でそれぞれ団員報酬は3万7、000円あるいは出動手当は7、000円とされていますけれども、この基準に対してそれぞれ県内の状況はどうなっているのか示していただきたいと思います。
〇山田防災消防課長 消防団充実強化法に基づく県の取り組み状況についてでございますけれども、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律は、平成25年12月に公布、施行されております。同法では、消防団を将来にわたり地域防災力の中核として欠くことのできない代替性のない存在と規定いたしまして、国及び地方公共団体が消防団の抜本的な強化を図るため必要な措置を講ずるものとされているところでございます。この法律におきましては、基本的施策として消防団の強化と地域における防災体制の強化の二つが柱となっておりまして、消防団への加入促進や消防団活動の充実強化のための施策などを進めることが求められております。
お尋ねの平成27年度における県の取り組み状況でございますけれども、まず、消防団員の加入促進のために、県消防協会と連携いたしまして県の広報媒体等を活用したPRを行ったり、消防団協力事業所表示制度の市町村への導入の働きかけを行っております。また、消防団員の処遇の改善あるいは装備の充実のため、市町村に対しまして、団員報酬の見直しや装備の充実の働きかけを行っているところでございます。
それから、2点目、実際、処遇改善の状況はどうかというお尋ねでございます。
消防団員の報酬あるいは出動手当につきましては、市町村の条例において階級ごとに定められているところでございますけれども、現状といたしましては、役付を除く一般団員の報酬及び出動手当については、全ての市町村において交付税算入額を下回っている状況でございます。
そういう中にありましても、順次、徐々に引き上げを行っていると承知しておりまして、例えば報酬については平成28年度から4市町が引き上げを行っておりますし、出動手当については、同じく平成28年度から6市町村が引き上げを行っているところでございます。
県といたしましても、消防団充実強化法の趣旨などを踏まえまして、交付税措置単価などを参考に見直しを行うように、引き続き、市町村に対して働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 四、五年前に消防団の報酬を取り上げたとき、出動手当について少なくない自治体がゼロ円だったというときがありまして、そのときの消防団の報酬から見れば、若干引き上げて市町村間の格差が狭まったのかなという思いもしております。しかし、せめて地方交付税措置並みの団員の報酬であるべきではないかと思います。
消防団は、地域を守りたいという使命感でボランティア精神で成り立っていますけれども、待遇改善も大事な課題であります。これについては、地方財政措置といっても、実際、団員の数分の措置をしているわけではありませんので、やはり国に対してもここはしっかりと要求をして、団員の処遇改善に県としてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
最後になります。
消防職員委員会の設置、運営、開催状況についてお聞きしたいと思います。
ILOから消防職員にも団結権を認めるように勧告されているんですけれども、国内では消防職員に団結権が認められておりません。このILO勧告とも関連して、消防組織法の改正によって、消防本部に消防職員委員会を設置して消防職員の労働条件の改善などに取り組むことが定められております。
そこで、県内の消防職員委員会の設置状況と、しっかりとした運営が行われているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 消防職員委員会の運営状況についてのお尋ねでございます。
消防職員委員会は、今、委員からもお話がありましたように、消防組織法に基づきまして、消防職員の勤務条件あるいは厚生福利、装備品の充実等に関しまして、消防職員から出された意見を審議し、消防事務の円滑な運営に資するために消防本部に設置されているものでございます。県内では12の消防本部全てに設置されておりまして、平成27年度は各消防本部ともそれぞれ1回開催されております。
平成27年度、実際の審議の中身でございますが、12の消防本部全体で実施が適当と判断された意見は全体の約4割でございまして、さらに、その前の年度に実施が妥当とされた意見のうち、7割が実施されていると伺っております。
〇軽石義則委員長 高田委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇高田一郎委員 最後にいたします。
県内全ての消防本部に消防職員委員会が設置されているということはお聞きいたしました。しかし、その内容について、本当に風通しのいい委員会が開催されて、職場の労働者の皆さんの意見をしっかりと酌み取って対応しているかどうかと。先ほど四つの区分についてお話がありましたけれども、これは消防庁に報告することになっていますけれども、数でしか報告にならないんですよね。本当にどういう意見が出て、どう改善されているのかということも、やはり開催されているだけではなく、中身もしっかりと県が把握して対応していくべきだと思うんですけれども、その点についてはやられているのかどうかも含めて答弁をお願いしたいと思います。
〇山田防災消防課長 消防職員委員会で実際に出されている意見等の中身の話でございますが、私ども、消防本部の各消防長とは定例的に打ち合わせあるいは会合等を持っておりまして、その中で、数字のみではなく、実際の職員の皆さんの意見の反映についてもお聞きしながら、引き続き、消防職員の処遇改善に関しまして、県としても市町村の消防本部と一緒に取り組んでまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 今、消防の件が出ましたので、それに関連して一つお伺いいたしたいと思います。
自治体にそれぞれそろっています消防署、これは総務省消防庁からの流れなわけでありますが、例えば、岩手県消防協会というものがありまして、消防団はそこに列しているわけですね。
前回、大勢の議員に入っていただいて消防防災議員連盟をつくりましたが、これの根底の狙いは、消防協会の財源が全くこのごろ少なくなってきている。つまり、平成の大合併ということで市町村がどんどん合併して、市町村ごとに頂戴していた会費が集まってこない、こういうことが一番のネックということでありました。したがいまして、県と岩手県消防協会の間には相互のやりとりがあってしかるべきだと思っておりますので、相互補助の関係からもそういう財政面からの支援もぜひお考えいただいて、万が一のときに一緒に行動ができるように取り組みをしていただきたい。
消防防災議員連盟の狙いをここで代弁させていただいた次第ですが、考え方があれば聞いて終わります。
〇山田防災消防課長 岩手県消防協会との連携についてのお尋ねでございます。
県からも消防協会に対しましては、例えば初任消防団員の皆さんの訓練の事務委託でありますとか、実際にそういった財政的なつながりもございます。やはり県消防協会は、県内の消防団を束ねるといいますか、全体を統括しながら、県とともに消防行政、常備消防とあわせて進めていく大事な団体でございますので、今、委員のお話にございましたように、消防議連の皆様方ともいろいろ力を合わせながら、地域の消防団の取り組みの後押しをしてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 県立大学の運営の取り組みについてお伺いいたします。
平成27年度の運営の取り組みの評価と課題の認識についてお伺いいたします。
これまで、長期欠席等、配慮を必要とする学生が多いということが業務実績等の評価のほうでもあったんですけれども、その対応として、県とのワークショップの報告書に沿って学生サポートサロン(アイプラス)を整備されたことについては大変評価しております。そのアイプラスの現状と、この中では特別支援コーディネーター以外に学生相談員が常駐されているということですけれども、そのメリット等も含めてお伺いいたします。
〇藤澤総務室管理課長 県立大学の平成27年度の取り組み実績の評価と課題、それから学生サポートサロンのことでございますけれども、まず、取り組み実績でございますが、今議会にも報告事項としてございます地方独立行政法人評価委員会の評価によりますと、地域創造プログラムの充実であるとか東日本大震災津波被災学生への経済的支援など高い評価を得ておりまして、年度計画に掲げております50項目のうち全てがB評価以上─これはおおむね計画どおりということでございます、それから、A評価以上が82%、41項目でありまして、県としてもおおむね計画どおりに事業が進められたものと考えております。
一方で、学生サポートサロン(アイプラス)ですが、これは、学生生活上の悩みを抱える学生、それから不適応傾向のある学生の相談や学習、それから対人へのなれを経験するためのスペース、また、障がいや病気を抱える学生の支援拠点となるスペースとして、本年4月からメディアセンター棟に設置してございます。
県立大学では、従来から心理相談専門員1名、特別支援コーディネーター1名の2名の専門員を本部棟に配置してございましたけれども、学生サポートサロンにおいて落ち着いた雰囲気での相談対応を実現するための相談スペースなどを設置してございまして、これまでよりもより丁寧な相談対応ができていると考えております。
4月の利用開始から利用件数も順調に伸びておりまして、本部棟にあります健康サポートセンターとの連携強化によりまして、さらに学生への支援強化、充実が図られていくものと考えております。
〇吉田敬子委員 アイプラスの利用者もふえているということですけれども、引き続き学生のそういった教育現場での対応を強化していただきたいと思います。
次期中期目標の策定に向けてパブリックコメント等も先月行ったと思うんですけれども、開学から20年の節目にある年であると認識しているんですけれども、この間をどのように総括された上で、この策定を通じて今後の県立大学にどのような期待を持っているのか県の認識をお伺いいたします。
〇藤澤総務室管理課長 次期中期目標等の策定を通じた今後の県立大学への期待についてでございますけれども、目標策定に当たりましては、地方独立行政法人評価委員会によります今年度までの期間の暫定評価であるとか第3期の目標(案)についての意見聴取を行っております。こうした意見聴取の中には、県立大学によります地域の中核人材の育成であるとか、地域ニーズを踏まえた研究、地(知)の拠点としての地域貢献の取り組みが順調に進んでいる。それから、震災後、復旧、復興への支援、岩手のふるさと振興への貢献といったところが成果を上げているという評価でございます。
それから、第3期の中期目標─来年度からでございますが、その策定に向けては、7月下旬から8月上旬にかけて県内4カ所で地域説明会を開催しておりますし、また、9月中旬から10月中旬にかけてパブリックコメントを実施したところであります。こうした機会におきまして、県民の皆様からは、卒業生の県内就職であるとか産学連携をもっと強化してほしいといった御意見を頂戴してございます。
県立大学に対しましては、これまでの実績、県民等の要望を踏まえまして、今後とも、地域に根差した高等教育機関として、地域の未来を担う人材の育成や地域貢献の充実に期待しているところであります。特にも、昨年度から県内5大学と連携しましてCOC+という事業に取り組んでおります。県内の企業や業界団体と連携しながら、学生にとって魅力ある就職先を創出、開拓するとともに、地域が求める人材を養成し、地方創生に貢献していきたいと期待して考えております。
〇吉田敬子委員 県立大学はすばらしい学生も多く輩出しているという認識ではあるんですけれども、次期中期目標、計画の中で、前回、説明をいただいたときにも、基盤の教育の中に国際交流という部分が今回なくなったということで指摘させていただきました。前回、予算特別委員会のときに、それについて、県としても国際的なコミュニケーション能力の向上に努めていくというようなお話をされているんですけれども、今回、その国際交流という部分が大きな三つのところには触れられていない中で、私は、鈴木学長というILCのすばらしい方をお迎えしているし、今後、ILCに向けてもやっぱり国際という分野は特に重要だと思っておりますし、岩手らしさというのをもっと強く前面に出してもいいんじゃないかという思いで前回の説明会のときにはお話しさせていただきました。コミュニケーション能力の向上という部分についてはぜひもっと取り組んでいっていただきたいと思っているんですが、最後に部長の御所見を伺って終わりたいと思います。
〇風早総務部長 ILCにも取り組んでおります本県、しかも2019年にはラグビーワールドカップの開催もあり、さまざま国際的な面での県を挙げての人材の取り組みについては非常に重要でございまして、そういう人材育成については、一昨年度になりましょうか、県としても方針を定めて力を入れているところでございます。また、県立大学におきましては、昨年度になりましたでしょうか、馬っこパーク・いわての敷地内に国際交流も視野に入れたゲストハウスの整備等を行うなど、そういったところに力を入れていっております。
県立大学は県が設置した大学でございますので、地域に貢献をしていただく、そして、今まさにその地域が世界に羽ばたこうとしている状況下においては、世界に視野を向けた学生も成長していっていただきたいと願っておるところでございます。
〇臼澤勉委員 私のほうからは、何点か絞ってお伺いしたいと思います。
まず、復興邁進と財政の健全化についてお尋ねいたします。
国の集中復興期間は平成27年度まででございましたが、震災から5年間の復興事業に係る県財政への影響をどう総括されて、これからの平成32年度までの国の復興・創生期間における県財政への影響をどう見込んでおられるのかお伺いいたします。
〇小原財政課総括課長 平成23年度から平成27年度の国の集中復興期間における東日本大震災津波からの復旧、復興事業の決算額は、本県では累計で2兆837億円に上っております。財源といたしましては、復興交付金や震災復興特別交付税など国の財源措置を初めといたしまして、東日本大震災津波復興基金やいわての学び希望基金の有効活用、東京電力からの賠償金の確実な請求などによりまして、県財政への影響が最小限となるように財政運営に努めてきたところでございます。
平成28年度から平成32年度の復興・創生期間におきましても、復興交付金や震災復興特別交付税などの措置は継続されるものの、新たに導入された地方負担による本県財政への影響額を、負担額となりますが、73億円程度と見込んでいるところでございまして、この負担につきましては、資金手当債の発行などによりまして、平準化を図りながら対応していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 県財政も、経常収支比率が97.4、そして基金も年々減少しておりまして、健全化は非常に待ったなしの課題でございます。さらに、先般の台風第10号等の二重被害も発生してございまして、復興におくれが生じないように、しっかりとそこの財源確保を行いながら一日も早い復興に取り組んでいただきたいと思います。
次に、地域防災力強化プロジェクト事業費について、私のほうからも防災教育についてお尋ねいたします。
防災教育につきましては、私は、知識の偏重というか、知識を覚えるといったことに偏ることなく、津波とか災害が怖いという恐怖心を植え込む、そういうリスクコミュニケーションのような対策というのはちょっと限界があるのかなと思ってございまして、みずから逃げる、あくまでも内発的な自発的な避難意識を育てていくことが重要ではないかと考えております。
そこで、そういった内発的な避難意識を育てるための防災教育にどう取り組んでおられるのか、防災教育推進方針についてお伺いいたします。
〇石川総合防災室長 内発的避難意識を育てる防災教育についてでございます。
委員お話しのとおり、災害発生時におきましては、住民一人一人がみずから考え、みずから避難を含め、個々の状況に対応できるよう、防災に関する知識の習得、それから、実際に行動するための訓練が必要であると考えてございます。このため、県内の児童生徒に対する防災教育につきましては、教育委員会との連携のもと、平成25年、平成26年に作成しました防災教育教材を活用しながら子供たちに防災についての基本的な知識を身につけさせるとともに、実践的な避難訓練などに取り組んでいるところでございます。
また、地域住民につきましては、県政テレビ番組、広報誌による啓発、それから、地域における研修会への地域防災サポーターの派遣などによる防災知識の普及、さらには自主防災組織の活性化を図りますとともに、住民参加型の総合防災訓練などを行っておりまして、今後においても効果的な方策を検討してまいりたいと考えてございます。
〇臼澤勉委員 そういった取り組み、そして実効ある取り組み、特に教育が重要なポイントになろうかと思います。教育委員会とも連携して取り組んでいただきたいと思いますし、先ほど来各委員からも御指摘がありました、いわゆる社会的弱者といいますか、みずから避難したくてもできない方々も実際にいらっしゃいますので、そういった部分の体制づくりについてもぜひ御指導賜ればと思います。
次に、広域的な防災体制についてお伺いいたします。
御案内のとおり、大雨洪水というものは、行政区域をまたいでといいますか、越えて実際に被害が発生してくるところがございます。そういったことからも、行政区域、市町村の区域を越えた広域的な避難対策を検討することが重要と考えますが、地域の防災計画の見直しにどのように反映してまいるのかお伺いいたします。
〇石川総合防災室長 市町村区域を越えました広域的な防災体制についてでございます。
国におきましても、東日本大震災津波におきまして市町村や都道府県の区域を越えて大規模な住民の避難がなされたことを踏まえまして、平成24年度、災害対策基本法を改正しまして広域避難の手続について定めたところでございまして、本県におきましても平成25年度にマニュアルを作成したところでございます。また、今般の台風第10号災害におきましても、岩泉町の避難者の皆様が田野畑村の避難所に現在避難しているところでございます。
県といたしましては、来年度、盛岡市、紫波町、矢巾町と共同で実施する県総合防災訓練におきまして、市町村の区域を越えた広域避難訓練を行いたいと考えてございます。また、この訓練結果を検証いたしまして、必要に応じまして地域防災計画を見直すなど、広域的な防災体制の機能強化に努めてまいりたいと考えてございます。
〇臼澤勉委員 平時からそういう避難者の受け入れ態勢、あるいは安否情報の確認なり提供体制についても広域的な取り組みをぜひ推進していただければと思います。
次に、消防学校の運営費につきましてお尋ねいたします。
広域防災拠点の観点から、県消防学校の位置づけと果たす役割をどう位置づけているのか、まず、この点についてお伺いいたします。
〇山田防災消防課長 岩手県消防学校の広域防災拠点としての位置づけのお尋ねでございます。
広域防災拠点は、東日本大震災津波の災害対応検証を踏まえまして、平成25年度に策定されました岩手県広域防災拠点配置計画の中で広域支援拠点12施設と後方支援拠点22施設が定められておりますけれども、この中で消防学校は、隣接する岩手医科大学の災害時地域医療支援教育センターとともに、県央部における広域支援拠点の一つに位置づけられておるところでございます。さきの台風第10号災害におきましても、岩泉町内の入院患者を内陸部の病院に搬送する際の拠点として機能を発揮したところでございますし、また、備蓄庫としても位置づけられておりまして、こちらに保管しておりました毛布を岩泉町に運んでおります。加えて、ヘリの搬送拠点として使用するに当たりましては、学校の初任科学生も実際にこちらの活動に協力したということで、生きた授業ができたと学校から報告を受けてございます。
〇臼澤勉委員 ただいま答弁ありましたとおり、先般の台風第10号災害のときにも、被災地から防災へリによって透析患者等を、あそこの消防学校を拠点に県内の救急車等が集積しておりまして、そこに日赤の方々とか配置いたしまして、内陸への搬送拠点というような形で機能を果たしておりました。
今後の消防学校の施設の整備強化等についても、どのようにお考えになっているのか参考までにお伺いしたいと思います。なぜならば、今後、岩手医科大学も移転してまいります。そして、スマートインターチェンジも整備されて、まさに内陸部のハード整備、命の道路も整備されてきます。広域的な連携拠点の役割も期待されますので、そこら辺の今後の整備方針についてもお伺いいたします。
〇山田防災消防課長 岩手県消防学校の今後の整備方針でございます。
岩手県消防学校は、昭和49年の建設以来42年を経過しているところでございまして、まずは、この施設の状況、あるいは消防学校に求められている機能等につきまして現状を把握してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ検討していただきまして、広域的な拠点施設でございますので、しっかりと取り組んでいただければと思います。
次に、県立大学の運営費交付金につきまして私のほうからもお伺いいたします。
今回の業務の実績に関する評価結果によりますと、各事業がおおむね計画どおり進められているとなっております。特にも、県内就職率あるいは公務員等への就職者数が昨年度よりもふえていることは評価できます。一方で、ことし1月、暫定版ですけれども業務実績評価結果が示されておりまして、そこの中には、改善を要する事項として幾つか、語学教育の充実あるいは総合政策学部の取り組み、大学院の定員充足が挙げられておりましたが、まず、この改善に向けた取り組みについてお伺いいたします。
〇藤澤総務室管理課長 県立大学の中期目標期間の業務実績評価結果の改善に向けた取り組みでございます。
県立大学では、まず、基盤教育改革につきましては、平成26年度に教養科目、平成27年度には英語科目及び情報処理科目について大幅なカリキュラム改正を行ったところでございます。現在、授業に関する学生アンケート調査等の各種アンケート調査を行いまして、その成果について検証しているところでございます。今後、検証結果に応じて必要な改善策の検討を行っていくと聞いております。
それから、総合政策学部については、課題解決能力を育成するための具体的な改善策を講じる必要があるという御指摘でございました。これにつきましては、グループワークによって地域企業の課題分析等を行い、その課題解決方法を考察する地場産業、企業研究に取り組むなど、アクティブラーニングを取り入れた主体的学習を進めているところでございます。
それから、大学院の定員充足についてでございますが、対策としまして、看護学研究科が県内各地に出向き、看護職や養護教諭を対象とした説明会を開催するなど、各研究科で志願者確保の取り組みを進めております。それから、進学相談会の開催、大学院入学料免除制度─これは学部卒業生等でございますが、そういった制度の活用により学内進学者をふやす取り組みについても進めているところでございます。
県では、現在、県立大学の第3期中期目標の策定に取り組んでおりますが、こうした課題の解決の方向性を盛り込むということで、大学と連携しながら改善に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますが、高大接続システム改革の検討状況についてお伺いしたいと思います。
先般、東北大学にお邪魔いたしまして、高大接続システム改革への取り組み状況についてお話を伺ってまいりました。県立大学における高校と大学の入学者選抜改革の一体的なあり方について、現在どのような検討が進められているのかお伺いいたします。
また、県内からの大学入学者選抜における評価のあり方をどう捉え、どのような選抜方法を検討されているのかお伺いいたします。
〇藤澤総務室管理課長 高大接続システム改革への検討状況についてでございます。
県立大学におきましては、平成26年9月に高校教員と大学教員から成る高大接続委員会を設置しまして、双方が共有すべき課題について検討を行い、これまで、例えば出願書類の見直しや推薦入試合格者等に対する入学前教育の充実等の取り組みを行ってまいりました。
現在、文部科学省が進めております高大接続システム改革は、学力の3要素を基盤とする一貫した理念のもと、高等学校教育と大学教育及び大学入学者選抜の三つをシステムとして一体的に行う改革でございますけれども、各大学が行う入試改革とあわせまして、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の導入が一つの柱になっていると聞いております。この学力評価テストについてはまだ詳細が示されていない状況でございます。
県立大学におきましては、18歳人口の減少、高校生の進路選択の多様化など、大学入試を取り巻く環境が大きく変化していることなどから、県立大学で学ぶにふさわしい資質と能力を備えた多様な入学者を確保するということで、今年度、各学部の教員等で構成するワーキンググループを設置しております。
新たな入試改革に向けた課題でございますが、今後、文部科学省の高大接続システム改革の動向や県立大学の高大接続委員会の意見などを踏まえながら、現行入試制度の課題、今後の取り組みについて検討を進めているところでございます。
〇臼澤勉委員 地域で必要な人材をこの岩手、この地域で育て育むということで、ぜひ県内の高校と大学と一体となってこの高大接続システム改革についても検討していただければと思います。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
総務部の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
入れかえのため、少々お待ちください。
次に、秘書広報室長に秘書広報室関係の説明を求めます。
〇保秘書広報室長 平成27年度の秘書広報室関係の決算につきまして御説明申し上げます。
初めに、秘書広報室所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
当室におきましては、いわて県民計画に基づく県の重要施策や岩手県東日本大震災津波復興計画に基づきます復興の取り組みなどを県民の皆様に適時的確にわかりやすく伝え、県民の御理解、それから積極的な参加と協働を促進し、オール岩手で復興が進められるよう、沿岸地域と内陸地域をつなげる広報、そして、県民の安心と希望につながる広報に取り組んでまいりました。
また、国内外からの復興支援に対する感謝や復興に取り組む岩手の姿、また、震災を経ても変わらない岩手の魅力を発信し、震災の記憶の風化防止、復興への継続的な支援や岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につなげるための広報に取り組んでまいりました。
さらに、平成27年度におきましては、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の開催に当たり、御来県される天皇、皇后両陛下を初め、多くの皇族の皆様方を万全の態勢でお迎えできるよう、行幸啓本部を設置するなど、関係市町村などと連携し、その準備を進めたところでございます。
今後におきましても、主に、県内に向けましては、いわて県民計画や復興計画、ふるさと振興総合戦略に基づく県の重要な施策の周知とともに、さまざまな未来に向けた岩手の可能性が見える情報発信に取り組んでまいります。
また、県外に向けましては、震災の記憶の風化防止、復興への継続的な支援につなげるため、復興のゴールに向かって取り組む岩手の姿あるいは岩手の魅力といったものを発信し、岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につなげるための広報を展開してまいります。
それでは、当室関係の決算につきまして御説明申し上げます。
歳入歳出決算書の12ページをお開きくださるようお願いいたします。秘書広報室に係る決算は、2款総務費2項企画費の支出済額は合計で206億5、729万円余となってございますけれども、その内数で、金額の明示はございませんけれども5億6、295万円余でございます。また、不用額は823万円余となりました。
それでは、以下、決算の内容につきまして、お手元の別冊になっております歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
歳入歳出決算事項別明細書の164ページから165ページにかけましてのところをお開きくださるようお願いいたします。金額の読み上げにつきましては、恐れ入りますが省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明を申し上げたいと思います。御了承いただきたいと思います。
2款総務費2項企画費1目企画総務費でありますが、165ページのほうにお移りいただきまして、備考欄秘書広報室の管理運営費は、人件費、一般管理事務費、そして御来県になる皇族方をお迎えする態勢を構築するための経費でございます。次に、おめくりいただきまして、166ページから167ページでございますけれども、3目広聴広報費でございます。主なものでございますけれども、167ページの2行目、県政広報事業費は、県の重要な施策等につきまして、いわてグラフなどさまざまな広報媒体を通じまして、広く県民の皆様に周知する県内向けの広報に要した経費でございます。次の3行目、海外向け情報発信事業費でございますけれども、復興の現状を伝え、復興支援などを通じて育まれた海外とのつながりをさらに深め、あるいは岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大ということにつなげるためのものでございまして、主として、台湾において実施した復興報告会に要した経費でございます。次の4行目、県外向け情報発信事業費は、復興に取り組む岩手の姿を県外に発信し、震災の記憶の風化防止、あるいは復興への継続的な支援につなげるため、ポスターや動画制作等に要した経費でございます。
以上で秘書広報室関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 では、簡潔にしますので。
一つは、知事のトップマネジメントの発揮で、特に留意された点は何か、示していただきたい。
〇保秘書広報室長 平成27年度は、ちょうどいわて県民計画第3期アクションプランの策定期に当たっております。また、開催を1年後に控えての希望郷いわて国体・希望郷いわて大会に向けたさまざまな体制づくりの準備といったこともございまして、そういったものに対しまして、知事が先頭に立って推進をしてきたということでございます。このような状況下で、秘書広報室といたしましては、各部局に対しまして知事の意図を的確に伝え、その意思形成のサポートを行うというようなことですとか、指示を受けての調査や分析、さまざまな情報の収集、そして政策的な優先度や日程上の効率性等を考慮して、知事の行動の日程調整をすることなどによりまして、知事の政策判断や政策の推進が円滑に進められるよう、サポートに努めたところでございます。
〇斉藤信委員 知事、副知事と被災市町村との懇談についてでありますけれども、これは毎回私は取り上げていますが、昨年度の実績、そして今年度の取り組み状況、大変短時間の懇談が多いという指摘をしてきましたが、どう改善をされているでしょうか。
〇八重樫秘書課総括課長 知事、副知事と沿岸被災自治体の市町村長との懇談の実績でございます。
まず、知事におきましては、平成27年度、昨年度は秘書課で把握している分で12回の懇談を行っておりまして、委員から昨年度も御指摘いただきましたが、まとまった時間ということで、例えば30分以上の懇談ということであれば5回やってございます。今年度、平成28年度につきましては、これまでの実績で12回懇談しておりまして、うち30分以上という懇談は9回になっております。
次に、副知事でございますけれども、平成27年度、昨年度は10回懇談を行って、30分以上は4回でございます。今年度は、これまでに14回行っておりまして、30分以上は8回ということで、それぞれ現時点で増加してございます。
〇斉藤信委員 昨年度と比べると、今年度はわずかながら時間をとって懇談をされているというふうには見受けられました。
私も、例えば今度の台風第10号の関係でも、3市町の首長とは大体2回ぐらいお会いしました。私は1回1時間ぐらいの懇談をしているんだけれども、やっぱり重要な課題が発生したとき、特に被災地の場合には、本当に首長が矢面に立っていろんな課題で苦労されているわけですから、しっかり時間をとって懇談もし、ぜひ県政にも生かしていただきたい。
次に、県政懇談会が昨年度も今年度も開催をされていますが、どういうテーマで開催をしているか。そこで出されたさまざまな提言の特徴的な内容と、それをどう県政に反映しているのかを示していただきたい。
〇上和野広聴広報課総括課長 県政懇談会のテーマについてでございますが、平成27年度は、震災からの本格復興、地域振興、岩手の未来を切り開く取り組みを主要テーマに、対象を一般、若者、女性、大学生等に分けて、沿岸、内陸、それぞれ5回、計10回開催をいたしました。
平成28年度につきましては、震災からの本格復興、ふるさと振興、未来を切り開く取り組みを主要テーマとして、これまでに沿岸で5回、内陸で2回、合わせて7回開催しているところでございます。
県政懇談会で寄せられた提言の内容とその対応についてでございますが、平成27年度に寄せられた提言の主なものは、復興、U・Iターン対策、地元雇用などでございまして、受理した87件の提言のうち、提言に沿って措置したもの、実現に向けて努力しているものは、合わせて83件、95.4%となっております。
平成28年度につきましては、取りまとめが終了しております7月末現在のものについて、提言の主なものは、復興関連、観光などが挙げられ、受理した32件全てが提言に沿って措置したもの、または実現に向けて努力しているものとなっております。
〇斉藤信委員 県政懇談会の資料を私もいただいて見ました。昨年度も今年度も大体同じパターンなんですけれども、大体所要時間が、午前中の場合には10時30分から11時43分、参加者6名ですね。そうすると、1時間15分程度です。6人集めて意見を聞いて、やりとりもするわけでしょう、懇談ですから。私はちょっと短か過ぎるんではないかと思います。せっかく、それぞれのテーマで頑張っている人たちをお呼びしているのに、1時間15分ぐらいで懇談を終わらせるというなら、せめて2時間とか2時間半とか、懇談をやったというような感じで、意見交換ができるというものでないと、懇談会としては充実しないのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
〇上和野広聴広報課総括課長 御指摘のとおり、開催時間につきましては1時間15分をめどとして予定をしておりますが、平成26年度から15分時間を延長して開催をしているところでございます。また、活発な意見交換が行われますよう、事前にオリエンテーションの時間を設けたり、工夫をして開催をしてきているところでございます。
今後も進行を初め、運営方法については工夫をしてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 15分延長して、1時間15分というのでびっくりしました。知事と懇談をするという機会は、県民にとっては余りないわけです。だから、そういう意味では、懇談の場で意見も言えるし、知事の回答や意見交換もできると。せめて私は2時間ぐらい必要だと思いますよ。それはぜひ今後の改善の課題として検討していただきたい。
最後です。県の広聴広報課には、インターネットや電話やファクスなどを通じてさまざまな県民の意見、提言などが寄せられていると思いますが、どれだけの意見、提言が寄せられ、それがどう処理されているのか。平成27年分でいいですから示してください。
〇上和野広聴広報課総括課長 平成27年に受理いたしました県政提言は、全体で286件となっております。
提言の内容につきましては、震災関連、岩手国体・岩手大会やスポーツ振興、県施設等の管理、三陸ジオパーク、職員に対する苦情が合わせて112件で、全体の39%を占めております。これらの寄せられた提言のうち239件、84%につきましては、提言の趣旨に沿って措置または実現に向けて努力をしておりまして、県政への反映を図っているところでございます。
〇斉藤信委員 これで終わりますが、今の答弁の中で職員に対する苦情というのがありました。これが比較的多いと。この苦情処理は、基本的には各部局というか、人事課で解決するというふうになりますか。この点に限って解決状況を示してくれますか。どういう苦情が寄せられたのか、どう解決されたのか、このことだけ最後に聞いて終わります。
〇上和野広聴広報課総括課長 職員苦情につきましてはさまざまなものがございますけれども、提言者が来訪された際の職員の対応が非常に横柄であったというもの、あるいは電話の対応が乱暴であったというようなものもございます。所属がわかるものにつきましては、当該所属において検討していただきまして改善を図っていただいておりますし、一般的事項につきましては、人事課等で検討して改善に取り組んでいただいているところでございます。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、秘書広報室関係の質疑をこれで終わります。
秘書広報室の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
入れかえのため、少々お待ちください。
次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇佐藤会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
最初に、156ページをお開き願います。第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、157ページの備考欄の中ほどに記載のとおり、出納局の管理運営費2億1、062万円余でございます。これは、職員29名分の人件費であります。続きまして、158ページをお開き願います。第5目会計管理費の支出済額は、159ページに記載しておりますとおり3億3、007万円余でございます。これは、備考欄に記載の一時借入金の支払い利息などの管理運営費と、161ページの備考欄に記載の収入証紙売りさばき手数料、電子収納システム運営費及び財務会計システム改修事業費であります。
次に、ページを飛んでいただきまして、414ページでございます。証紙収入整理特別会計の決算についてでありますが、収入済額の合計は、415ページに記載しておりますとおり36億1、648万円余でございます。次の416ページをごらん願います。支出済額の合計は、417ページに記載しておりますとおり35億8、000万円余でございます。これは、一般会計への繰出金でございまして、その内訳は、県税並びに使用料及び手数料に係るものとなっております。
次に、ページを飛んでいただきまして、442ページでございます。実質収支に関する調書でございますが、証紙収入整理特別会計の実質収支についてでありますが、5の実質収支額に記載のとおり3、647万円余でございまして、これは、翌年度に繰り越しをしているものでございます。
以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑をこれで終わります。
出納局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
入れかえのため、少々お待ちください。
次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、180ページと181ページのところをお開き願います。第2款総務費のうち、8項人事委員会費でございます。予算総額1億4、799万1、000円に対しまして、支出総額は1億4、644万円余でございます。
内訳でございますが、1目委員会費の支出済額の682万4、000円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億3、961万6、000円余でございますが、これは、職員15名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
以上で人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 それではお伺いいたします。人事委員会の取り組みについてお伺いいたします。
近年、人事院は、国家公務員に対する勧告で政策的な内容が非常に多くなっていると考えられます。昨年の給与制度の総合的見直し、それから今年度の扶養手当の見直し等につきまして、極めて政策的で恣意的な動きが人事院では行われているものと推察されました。こういった政策の押しつけが行われている状況について、第三者機関として中立の立場での判断を行っていくことが求められるものと考えられます。
そこで、昨年度の勧告についてお伺いします。高齢層職員についての勤務環境の改善についてお伺いいたします。
〇坊良職員課総括課長 昨年の人事委員会報告及び勧告についてでありますけれども、本委員会では、毎年4月時点の民間事業所従業員の給与と職員の給与の較差を算出するとともに、人事院による給与等の勧告の状況や他の地方公共団体の職員の給与などを総合的に考慮いたしまして、議会及び知事に職員の給与の調査結果等について報告し、あわせて、給与の改定について勧告しているところでございます。
昨年の報告及び勧告の概要でございますけれども、月例給を0.21%、期末手当、勤勉手当を0.2月引き上げるとともに、平成28年度から給料表の水準を平均1%引き下げ、諸手当を引き上げる給与制度の総合的見直しを勧告したところであります。
また、公務運営につきましては、長時間勤務の解消やメンタルヘルス対策の継続、ハラスメント対策などにつきまして報告したところでございます。
こういった中、給与制度の総合的な見直しを行ったところでございますけれども、この中で、単身赴任手当の引き上げ、給料表の号級増設、そして給料の引き下げとならないよう3年間の現給保障、こういったことを実施したところであります。これらにつきましては、高齢層職員にも一定の配慮をした内容としたところであります。
〇小西和子委員 3年間の現給保障ということですけれども、それだけではもとには戻らないわけでございます。
続きまして、今年度の勧告について伺います。特にも先ほど総務部では、高齢層職員の賃金抑制について言及いたしましたので、そこの部分は割愛いたしますけれども、昨今の人員不足、震災復興、国体対応、台風災害対応についても、先頭に立って業務を遂行し責任を負う世代に対する処遇としてはいかがなものかと考えております。
今年度の勧告についてお伺いします。高齢層職員についての勤務環境の改善についてもお伺いいたします。
〇坊良職員課総括課長 本年の報告と勧告についてでありますけれども、その概要でございますが、月例給0.15%、期末・勤勉手当0.15月分の引き上げとともに、扶養手当の見直しなどについて勧告したところでございます。
公務運営に関しましては、能率的で活力ある公務組織を維持していくために取り組むべき課題といたしまして、人材確保、仕事と家庭の両立支援の推進、長時間勤務の解消などについて報告いたしました。
職員の給与につきましては、地域民間給与水準との均衡を図るとともに、国、他県の職員の給与についても総合的に勘案することとされておりまして、高齢層職員についても、民間給与と役職段階、年齢などの比較を踏まえ、較差に基づく給与改定を行っているところでございます。その結果、本年は、高齢層職員も含め、3年連続となる給料表の引き上げ改定を勧告したところでございます。
また、高齢層職員の勤務環境の改善につきましては、介護休暇の分割取得や介護時間の新設、休暇制度の拡充など、両立支援の推進については、高齢層職員の勤務環境の改善にもつながるものと考えているところでございます。
〇小西和子委員 高齢層職員への処遇についてですけれども、岩手県というのはいろいろ特殊な事情があるわけですので、岩手県職員としての独自の事情を踏まえて検討する必要があると考えます。今後とも、意欲改善となる措置を要望いたします。ただ、この間、県人事委員会では、給与制度の総合的見直しでは県独自の給料表の水準調整を行い、扶養手当の見直しでは特例期間を1年間延長するなどの対応を行っていて、独自性を確保する努力をしていることは、まだ他県よりは健全な判断をしていただいているものと考えております。
今後とも、第三者機関としての独自性の確保に努めていただき、公平な目で判断するようお願いして終わります。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
人事委員会の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇菊池監査委員事務局長 それでは、監査委員関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げます。182ページをお開き願います。182ページと183ページで御説明を申し上げます。第2款総務費のうち、9項監査委員費でありますが、1目委員費の支出済額は、183ページにあります1、955万円余であります。これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。2目事務局費でありますが、支出済額は1億8、320万円余であります。これは、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇軽石義則委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 平成27年度の岩手県歳入歳出決算の審査意見書についてお聞きをいたします。
内部管理体制についてでありますけれども、前年度の監査の結果、指摘事項であったにもかかわらず、改善が認められなかったものが全体の2割弱に当たる13件あったとのことであります。私は監査の都度、改善策を求めていると思うわけでありますけれども、それでも改善されていないのだということになると、これでは、何回指摘しても、指摘だけで終わってしまっているのではないかと思うわけですが、その点についてお伺いいたします。
〇村上監査第二課総括課長 ただいまの前年度の監査の結果、指摘事項であったにもかかわらず、改善が認められなかったというものについての質問でございますが、13件の内訳についてまず先に話をしますと、本庁が3件、振興局が4件、県立学校を含む出先公所が6件となっているところでございます。
改善が認められなかったことの原因につきましては、公所において、真の原因の追及や再発防止策の徹底等の組織的な改善努力を怠ったことに起因すると認めざるを得ないものであったことから、改めて所属長の関与を促すなど、組織的なチェック体制を構築するよう、強く求めたところでございます。
〇高橋孝眞委員 改善を求めるということまではいいわけですけれども、改善されるかどうかまでを確認する、そうしなければ、監査をした意味が私はないのではないかと思うわけですけれども、どうでしょうか。
〇菊池監査委員事務局長 当該年に監査を行って、指摘あるいは注意という事例が発生した場合には、その監査の指摘を受けて、改善措置をした事項について報告をいただくこととしております。それを受けまして、私どもが、翌年、当該公所に監査に行った際には、そのことを監査の場で話題にした上で、改善状況について質疑、応答、意見交換を行っているわけでありますが、それを継続して、繰り返していくということを私たちは続けているというのが現状であります。
加えまして、それぞれの部局分を集約した形で、監査委員と部局長との意見交換の場があります。その場で、監査委員からそういった状況をお伝えするとともに、そのことに対する対応策について、監査委員と部局長の間での意見交換を重ねているという状況を今は行っているところであります。
〇高橋孝眞委員 平成27年度の監査の基本方針があるわけですけれども、内部統制や改善のプロセスを確認すると、こうあるわけでして、そういう意味合いからも、ただ指摘するだけではなく、きちっと改善するまで見届けるといいますか、そう私はやっていただきたいと思うわけであります。
もう一つですけれども、物品発注をあえて分割し、条例等に定める購入方法によらなかったものなど、コンプライアンスの観点から、好ましくないと思われる事例も幾つか認められたとありますけれども、監査で、思われるというような指摘はないのではないかと私は思います。あやふやな指摘でありまして、適正であるか適正でないかというどちらかの監査をすべきであって、好ましくないと思われるという表現はないのだと思うのですけれども、どのようにお考えでしょうか。
なお、これは、監査指摘の中には今までは出ていなかったんです。こういうあやふやなことはなかったんですけれども、あえて今回、指摘事項に入れているということについてもお伺いいたします。
〇吉田監査委員 あえて記載させていただきました。それで、委員御案内のとおり、会計法規も、コンプライアンスとして遵守すべき法令等の一つであると考えております。したがいまして、アリの一穴から堤が崩れるといった例えもありますことから、あえて記載して注意を喚起させていただいたものでございます。
委員からは貴重なお話をいただき、ありがとうございました。御指摘の点については、御意見として承っておきます。
〇高橋孝眞委員 よろしくお願いします。
では、この指摘の内容についてひとつお願いしたいと思いますし、最終的には、監査対象機関というふうになるんでしょうか、部署ということになるんでしょうか、どの部署なのかもあわせてお伺いしたいと思います。
〇村上監査第二課総括課長 決算審査意見書に記載したものは、振興局の事案でございます。
〇高橋孝眞委員 具体的に、条例等に定める購入方法によらなかったものの内容について教えていただきたいと思います。
〇村上監査第二課総括課長 具体的には、本県では、物品の購入について、用品調達基金条例により用品の集中調達を実施しているところでございます。原則、物品の購入は、同基金を通じて行うこととされております。一方、業務執行上、急を要すると認められる合理的理由があり、かつ、予定価格が3万円を超えないものについては、通知により、各所属で購入することができることとされているものでございます。
今回の事例は、コンプライアンスの観点から、すなわち、条例等に違反するという観点から好ましくない事例としたものでございまして、合理的理由がないという状況のもと、同一のものを同時期に、あえて1件当たりの金額が3万円を超えないように、2件の購入に分割したものでございます。
〇高橋孝眞委員 この内容は、実際上、適正でないと指摘すべき事項ではないかと思うんですけれども、それはどうなんですか。先ほどのような意味合いから見ると、あやふやだということの整理だけで済ませるわけですか、どうでしょうか。
〇菊池監査委員事務局長 当該事務において、購入を分割するということの合理的な理由があるとは認められないということが監査委員の判断でありまして、それを表現として、好ましくないと思われるということを意見書にそのまま記述させていただいたということでありまして、思われるというところに特別な意味を込めているわけではありません。
〇高橋孝眞委員 さっき監査委員から、あえて記載をさせていただいたという答弁があったことからしますと、今の答弁は変なのではないかと思うんですけれども、それはそれとしまして、こういう指摘を知事ないしは議会に報告しているわけでありますが、支出するということから考えますと、出納局では、今回の指摘を受けまして、このような指摘に対しましてどのように考えているのか、出納局長にお伺いいたします。
〇佐藤会計管理者兼出納局長 監査指摘事項に対しましては、関係部局の当該組織で処理をして改善措置が講じられていると、委員会冒頭、私も説明してございます。そして、出納局といたしましては、まず、今回のコンプライアンスの件もございましたので、事務処理の適正化等を初めとする職員の綱紀の保持についてということで、ことし10月21日付けで総務部長と会計管理者兼出納局長の連名で注意喚起を行ったところでございます。
それから、先ほど、前年度監査での指摘13件、改善が認められない公所等があったということで説明があったわけでございますけれども、昨年度から実施しております内部考査において、今回指摘のありました13公所プラス、コンプライアンス上問題のあった1公所の14公所に対しまして、この後、内部考査に入るということを考えてございます。当該部局の主管室課のほうと一緒に入って、そしてきちんと改善措置が講じられているかどうか、それをしっかり確認していきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 わかりました。では、そういう方向でひとつしっかりと管理していただきたいとお願いをいたします。
〇斉藤信委員 私も今の高橋孝眞委員が取り上げたことについての質問でありました。これは監査委員の審査意見書でありますから代表監査委員にお聞きします。
平成27年度の監査結果では、指摘事項は前年度と同数の72件と。そして内部管理体制についてという指摘の中で、前年度の監査の結果、指摘事項等であったにもかかわらず、改善が認められないものが全体の2割弱に当たる13件が含まれていたと。これは監査委員が悪いというんじゃなくて、指摘されたにもかかわらず、改善しなかったというところが悪いんだと思うけれども、これは指摘事項ですから文書で指摘するわけですね。そして先ほどの答弁だと、報告を求めると。報告はこう改善しますという報告でしょう。改善しましたというのは、もう監査しかないんですか。報告を求めたら、報告に基づいてどうなったのか。それは監査をやったらまた同じ過ちだったと、こういう形になっているんでしょうか。
〇吉田監査委員 若干詳しくお話をさせていただいてよろしいですか。
ちょっと角度が異なるんですけれども、指摘監査か指導監査かといった区分けがございます。それで、私自身は指摘で終わるのではなくて、指導ということを標榜しているつもりであります。そうしますと、ちょっと具体的に二つ申し上げたいと思います。
一つは、仮にミスが起こったという場合に、そのミスを起こした事務処理というのは、通常どのように運んでいるのだと、どのように行っているのだと。そこから真の原因追及、要するに、ハード面が悪いのか、ソフト面が悪いのか、運用が悪かったのか。ハード面だと、組織とか体制ということになると思いますけれども、そのいずれに原因があったのか。そして解決策はどうなんだと。そのときに、委員御指摘のとおり、原因追及が十分でないとあやふやな対応策をとってしまう。したがって、次の年も同じ間違いが出てくると。あるいは、ハード面については手当てしたんだけれども、ソフト面がちょっとですということで、次の年もまたミスが出るといったことが考えられます。
それからもう一つは、これも具体的に申し上げますと、ミスが発生した場合、私が見るのは、その発生した事務について、ルールがあるのかないのか。ルールがあるとすれば、それは明文化されているのか、暗黙の了解でされているのか。あるいはルールがないのか。ルールがなければ、まずルールをつくってくださいというところから始まります。ルールがあった場合に、明文化されている、それでも間違いが出たとして、それはルールを守らなかったからか、あるいはルールは遵守していたんだけれども、間違いが起きたのか。それならば、そのルールがまずいですということになると。それから、暗黙の了解だけでやっているのであれば、明文化をしなさいといったことを突き詰めてやっていく、これが現在いろいろ話題になっております内部統制の整備、これにつながっていくものではないかと考えておりまして、この当たり、公所現場でも所属長の方とやりとりしたり、あるいは事務局職員にも指導しているところでございます。
〇斉藤信委員 今、立ち入って答弁をいただきました。私は2点お聞きをしたい。一つは、指摘事項に対してそれに対する改善策、いわゆる報告書が出されると。この妥当性を、一つはどういうふうに監査委員として判断したのか。あと二つ目は、この指摘事項にあったにもかかわらず、改善が認められなかった13公所をよく見ますと、支払いのおくれが半分です。そんな複雑な事務じゃない気がします、支払いの事務というのは。だから、私は報告書まで出して担当者が再び間違うとか、管理職がそれをチェックできないというのは、極めてゆゆしき事態だと思うけれども、その点についてどう受けとめていますか。
〇吉田監査委員 まず、後段についてでありますけれども、委員おっしゃるとおりでございます。したがいまして、そこについて、今回改めて所属長の関与ということを加えまして、担保をとろうと考えたところでございます。
それから、前段の部分でございますけれども、これまでのやり方の中では、監査委員がそこまでチェックするということではなくて、本来的には恐らく執行部のミドル部門と呼ばれる部門が担当するのが適切ではないかと思っておりますし、それが先ほど述べました内部統制の整備につながっていくのではないかと考えております。
〇軽石義則委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇軽石義則委員長 質疑がないようでありますので、監査委員関係の質疑をこれで終わります。
監査委員事務局の皆様、お疲れさまでした。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時6分 散 会

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