平成28年6月定例会 第5回岩手県議会定例会会議録

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〇33番(岩崎友一君) 自由民主クラブの岩崎友一です。
発議案第1号東日本大震災津波の被災者の医療費窓口負担、介護保険サービス利用者負担等の免除を求める意見書に対し、自由民主クラブを代表し、反対の立場から討論をいたします。
この意見書は、東日本大震災津波により被災した国民健康保険及び後期高齢者医療制度における被保険者の医療費の一部負担金並びに介護保険及び障がい福祉サービス利用者負担の免除に係る費用の全額を補助すること、及び東日本大震災津波により被災した被用者保険における被保険者の医療費の一部負担金免除の制度を復活させることの二つの項目を国に対して要望するものであります。
一つ目の項目である国民健康保険及び後期高齢者医療制度における医療費の一部負担の免除等に係る費用の全額の補助を求めることについては、提案理由にもありますとおり、被災者の中にはいまだ収入が絶たれた方も多く、また、高齢の被災者を初めとして、長引く応急仮設住宅等での不自由な生活から健康不安が増大していることも事実であり、我が会派としても同様の懸念を抱いているところであります。さらに、医療機関から遠い場所に位置する応急仮設住宅も多く、被災前に比べ通院に要する費用が増加している方も少なくありません。
このような厳しい状況に置かれている方々が医療費窓口負担の発生により必要な受診の妨げとなることがないよう、安心して医療を受けられる配慮が必要であるとした現状の認識に対しましては同感するものであり、したがって、国民健康保険及び後期高齢者医療制度における被保険者の医療費の一部負担金並びに介護保険及び障がい福祉サービス利用者負担の免除に係る費用の全額の補助を求めることについては大いに賛同するところであります。
その一方で、要望項目の二つ目である被用者保険における被保険者の医療費の一部負担金免除の制度を復活させることについては、仕事を得ている方を対象とするものであり、収入が絶たれ、かつ高齢者が多くを占める国民健康保険や後期高齢者医療制度の被保険者、そして介護保険や障がい福祉サービスの利用者とは取り巻く環境が大きく異なるものと考えます。震災からの復興の本旨は、地域に生きる方々が日常を取り戻すことであります。失業等で収入が絶たれた方や、高齢者、障がい者の方々と同様に仕事をし収入を得ている方に対しても医療費の一部負担金免除の制度を復活させることは、復興の本旨に照らし合わせると賛同しかねるものであります。
以上の理由から、意見書の要望項目の一つ目である国民健康保険及び後期高齢者医療制度における被保険者の医療費の一部負担金並びに介護保険及び障がい福祉サービス利用者負担の免除に係る費用の全額の補助を求めることについては賛成するものの、要望項目の二つ目である被用者保険における被保険者の医療費の一部負担金免除の制度を復活させることについては反対をいたします。
よって、発議案第1号東日本大震災津波の被災者の医療費窓口負担、介護保険サービス利用者負担等の免除を求める意見書に反対をいたします。
以上でございます。(拍手)
〇議長(田村誠君) 次に、斉藤信君。
〔37番斉藤信君登壇〕

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