平成28年2月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇13番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
議案第121号について反対討論を行います。
議案第121号は、閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。
今回の変更内容は、インフラスライド条項、詳細設計及び地盤調査の結果、水門本体工や基礎構造そのものを変更するもので、当初契約70億3、652万円から178億8、500万円と、180億4、353万円、154.1%の増となっております。
閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事は、当時の宮古市議会で、設計変更や工期延伸の内容、水門建設による生態系への影響、船舶航路の問題、津波来襲時の閉伊川洪水の水門の遠隔操作など、宮古市民に対する詳細な説明が十分とは言い切れないと指摘し、詳細な説明を求める決議を全会一致で採択されておりました。
閉伊川の津波対策について、宮古市と市議会が堤防のかさ上げを検討しており、県の説明でも、10.4メートルの防潮堤が整備されても、水門整備と堤防かさ上げをした場合のシミュレーションでも浸水地域には大差がない、こう説明されておりました。しかし、県は、災害査定の段階で、水門整備のほうが経済性、事業費と、L2時の浸水区域が狭くなるとして、十分な宮古市における検討もなく押しつけ、宮古市長が市議会との協議もなく独断で決めたことから、市議会と市民に疑問が広がった問題でもありました。
2013年6月県議会に、請負契約の議決を求める議案が提案されたとき、県議会で、当時の県土整備部長は、宮古市議会の決議を踏まえ、宮古市と調整を図りながら来月にも住民説明会を開催すると述べるなど、宮古市議会と市民に理解が十分得られない中での議会への提案となりました。
反対する第1の理由は、当初契約が2.5倍にもなる変更請負契約を県議会が認めていいのか、現地調査などを行って慎重に対応すべき議案であるからであります。
震災直後、復興を加速するために入札を優先せざるを得ず、設計変更による契約金額の変更はやむを得ない対応でもありました。しかし、今回の議案は、当初契約を2.5倍の178億円になるものであります。岩手県の大規模公共事業で十分な調査もなく、議会が承認するような前例をつくってはなりません。
第2に、県は、これまで、経済性、事業費からも、水門整備が妥当であると説明をしてきましたが、178億8、500万円余にもなっていたら水門整備にはなりませんでした。今回は水門本体工を変更するために、基礎構造や仮設工を変更するとなりましたが、当初契約に問題があったと言わざるを得ません。
以上が反対する理由であります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(田村誠君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、議案第121号閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めることについてを採決いたします。
本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立多数であります。よって、議案第121号閉伊川筋藤原地区水門災害復旧工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第84号から議案第120号まで及び議案第122号から議案第137号までを一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(田村誠君) 起立全員であります。よって、議案第84号から議案第120号まで及び議案第122号から議案第137号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、お諮りいたします。ただいま議案第84号、議案第87号、議案第94号及び議案第96号から議案第98号までが議決されましたが、緊急に措置する必要があるため、先に提出されておりました議案第1号から議案第6号までに先立って議決いたしましたので、それぞれの議案の数字の整理を要するものにつきましては、その整理を議長に一任されたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(田村誠君) 御異議なしと認めます。よって、数字の整理は、議長に一任することに決定いたしました。
〇議長(田村誠君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
これをもって本日は散会いたします。
午後1時59分 散 会

前へ 次へ