平成27年6月定例会 第20回岩手県議会定例会会議録

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〇24番(小西和子君) 社民党の小西和子でございます。
発議案第1号安全保障関連法案の廃案を求める意見書について、賛成討論を行います。
安倍政権は、歴代政権がこれまで憲法上許されないとしてきた、集団的自衛権行使容認を柱とした2014年7月1日の閣議決定を具現化するための安全保障関連法案を5月15日に国会に提出しました。その内容は、自衛隊法など既存の10法を一括して改正する平和安全法制整備法案と新設の国際平和支援法案であります。
国会では、安全保障関連2法案をめぐる緊迫した論戦が続いています。法案には、平和安全、国際平和の名を冠していますが、その中身は、米国などとの集団的自衛権を可能にし、専守防衛に限定してきた自衛隊の活動を、米軍と一体化して世界の戦場に広げるものであることから、戦争法案そのものであります。
これは、憲法前文の政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し、第9条の戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を宣言して、政府による集団的自衛権行使を禁止した憲法に違反することは明らかです。
このことから、多くの憲法学者が相次いで反対、撤回の声明を発表し、6月4日に開催された衆議院憲法審査会において、与党推薦の参考人を含めて、憲法学者3人がそろって、集団的自衛権を可能にする安全保障関連法案について、憲法9条に違反すると表明しております。
各種世論調査でも、安全保障関連法案に反対が6割を占め、8割の国民が今国会での成立に反対しています。岩手県内でも、安全保障関連法案反対、撤回、慎重審議を含め、13の市町村議会で意見書が採択されています。全国では281議会、308件にも上ります。
しかし、安倍政権は、こうした憲法学者や国民の声にも耳をかさず、4月に米国議会で約束したとおり、2法案をこの夏までに成就させる構えです。国民主権を踏みつけにし、国権の最高機関である国会の審議をないがしろにするものであり、法の支配の理念そのものを破壊するものです。
また、国会を95日間も延長してまで強引に法制化を進めようとする姿勢は、政府に憲法遵守義務を課した憲法99条をも踏みにじる立憲主義破壊の暴挙、暴走であります。
日本国憲法の持つ主権在民、平和主義、基本的人権の尊重の理念は、国民一人一人の尊厳を守り、戦後の日本の発展と国民生活の向上を導いてきました。また、憲法9条の不戦の誓いは、他の諸国、とりわけアジア近隣諸国からの信頼を得る礎となってきました。
米国などとの集団的自衛権を可能にし、専守防衛に限定してきた自衛隊の活動を、米軍と一体化して世界の戦場に広げることで平和を守ることはできません。あくまでも平和憲法を生かし、着実な平和外交を積み重ねることが、日本のあるべき姿であり、多くの県民が求めるものであります。
以上を申し上げ、発議案第1号安全保障関連法案の廃案を求める意見書についての賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 次に、高田一郎君。
〔1番高田一郎君登壇〕

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