平成27年6月定例会 第20回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第1号、第3号、第5号、第7号に反対の討論を行います。
議案第1号と議案第7号は、番号利用法、いわゆるマイナンバー制度の施行に伴い、個人情報保護条例と住民基本台帳法施行条例の一部を改正しようとするものであります。
マイナンバー制度は、社会保障と税の一体改革の中で出されたもので、社会保障費の削減と増税を目的としたものであります。日本年金機構からの125万件の個人情報が流出した事件にも示されているように、マイナンバー制度には、解決できない四つの問題、危険性があります。第1に、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムを構築することは不可能なこと、第2に、意図的に情報を盗み得る人間がいること、第3に、一度漏れた情報は流通、売買され取り返しのつかない事態となること、第4に、情報は集積されるほど利用価値が高まり、攻撃しやすくなることであります。マイナンバー制度は、こうした根本的な欠陥を持つものであり、その実施の中止こそ必要であります。
また、住民基本台帳ネットワークシステムは、県税の賦課徴収に利用されているのが実態で、県民の利用は旅券の申請程度であり、年間の維持管理費が約8、700万円となっていることは、県民の立場から見て経済効率性の低いものだと言わなければなりません。住民基本台帳ネットワークシステムも、そのあり方が根本から問われています。
議案第3号は、職員の退職手当及び再任用に関する条例の一部改正であります。地方公務員の共済年金の厚生年金への一元化に対応するものであります。
この年金制度の見直しによって、県職員の場合、月額2、000円程度の減額になることが国から示されていることは問題であります。県職員の場合、平成24年度の退職手当の改正で約390万円の減額となっており、さらなる減額となることは問題であります。
議案第5号は、岩手県県税条例の一部を改正する条例であります。法人税の引き下げを行う一方で、赤字企業にも課税する外形標準課税の割合を4分の1から2分の1に段階的に拡大するものであります。
本来、税制は、所得に応じて課税する応能負担が原則であります。しかし、外形標準課税は、赤字の企業にも課税するとともに、人件費等も課税の対象となることから、正社員の派遣、請負への一層の置きかえが進むことは明らかであります。外形標準課税の拡大は、応能負担という戦後の民主的税制の原則を破壊し、一部のぼろもうけしている大企業の利益優先の税制と言わなければなりません。
さらに、与党税制調査会は、税制改正大綱で外形標準課税を中小企業まで拡大することを提起しており、中小企業への大増税になりかねません。県内の資本金1億円以上の企業の場合、所得割の税額が生じていない、いわゆる赤字企業は約200法人で12.5%となっていますが、資本金1億円以下の企業では、赤字法人は約1万2、000法人で57.1%となっています。消費税大増税の上に外形標準課税の増税が加われば、県内中小企業は倒産に追い込まれかねません。
以上申し上げ、私の各議案に対する反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(千葉伝君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより、請願陳情中、受理番号第148号から受理番号第150号までを一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第148号から受理番号第150号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、請願陳情中、受理番号第153号から受理番号第156号までを一括して採決いたします。
各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第153号から受理番号第156号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第1号、議案第3号、議案第5号及び議案第7号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第3号、議案第5号及び議案第7号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第21号及び議案第28号を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第21号及び議案第28号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
次に、議案第2号、議案第4号、議案第6号、議案第8号から議案第20号まで、議案第22号から議案第27号まで、議案第29号、議案第30号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
〇議長(千葉伝君) 起立全員であります。よって、議案第2号、議案第4号、議案第6号、議案第8号から議案第20号まで、議案第22号から議案第27号まで、議案第29号、議案第30号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第32 東日本大震災津波に係る復旧・復興等に関する調査の件から日程第36 2016希望郷いわて国体及び希望郷いわて大会に関する調査、県民の健康づくり等に関する調査の件まで
〇議長(千葉伝君) 次に、日程第32、東日本大震災津波に係る復旧・復興等に関する調査の件から日程第36、2016希望郷いわて国体及び希望郷いわて大会に関する調査、県民の健康づくり等に関する調査の件までを一括議題といたします。
各調査事件に関し、委員長の報告を求めます。佐々木東日本大震災津波復興特別委員長。
〔東日本大震災津波復興特別委員長佐々木大和君登壇〕

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