平成27年6月定例会 第20回岩手県議会定例会会議録

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〇2番(清水恭一君) 一山会の清水恭一でございます。
登壇の機会をいただきました皆様に感謝し、通告に従い質問をさせていただきます。
まず、希望郷いわてについてお尋ねいたします。
安倍内閣の目玉施策である地方創生は、農山村の再生なくしてなし得ないと私は考えます。農山村は、食料や水資源の供給、環境保全など多面的機能を有し、日本古来の原風景として国の発展に大きく寄与してきたことは、紛れもない事実であります。
しかし、これまで農山村の持つこれらの機能は評価されることなく、このことが衰退に拍車をかけてきたと言っても過言ではありません。
今、地方創生なくして国の成長なしという議論が始まったことには心から期待するものであります。しかし、地方創生に向けた大きな課題は、何といっても長期的視野に立った息の長い施策でなければならないことです。地方の創生は一朝一夕にできるものではないわけで、国においては、一内閣の一過性の施策に終わるものではなく、長期的展望に立って施策が継続されることを強く要望し、今度こそ地方創生の原点に立ち返って、しっかりと取り組んでいただくことを願うものであります。
そして、自治体消滅の危機と警鐘される中、岩手県でも地方創生へ、さらに復旧、復興に総力戦で挑み、心が通い合う地域生活を取り戻さなければなりません。厳しい現状の中でも、基幹産業である農林水産業の振興と地場企業への支援体制の強化、それらを支える人材育成を基本にして、協働による地域づくりを進めることが重要だと考えます。
私たちの子や孫の世代が、ふるさと岩手に生まれ本当によかったと誇りと自信を持てる、そういう希望郷いわての実現に向け、岩手の先頭に立ち全力で取り組むという知事の決意を改めて伺います。
次に、平成の大合併についてお尋ねします。
平成の大合併での交付税の特例は、県内合併12市町に2013年度配分された加算額は192億円で、住民が変化を感じずに生活できるのは、特例の恩恵でもあります。しかし、合併10年の経過に伴い11市町が本年度限りで本格的に特例終了を迎え、5年間で段階的に削減されます。
総務省は、ことし1月、交付税特例の7割程度を維持する方針を示しましたが、本県では年57億円程度の減額が見込まれる厳しい状況であります。
県によると、当初懸念された過剰投資による財政難はこれまで見られず、堅実な財政運営がうかがえるとしておりますが、合併前より寂れたとする批判は町村に多く、中心部に住む人は目に見える変化を感じておりませんが、周辺部の住民は、悪くなったと感じています。役場が出先機関になり、地域を見守る力が弱くなり、また、地域の代表である議員数も激減して自治体の政治が遠い存在になりましたが、合併前に比べれば自治体当たりの職員規模は大きくなり、それによって専門性、企画能力、実務能力は高まっているということでありますが、今、改めて県としても、合併後の長所、短所を検証して、一緒に課題解決に向けて取り組むべきと考えますが、県の所見を伺います。
次に、人口減少対策と地方創生についてお尋ねします。
まず、岩手県立大学卒業生の県内定着についてお尋ねします。
総務省がまとめた2014年の人口移動報告によりますと、東京圏で転入超過が約11万人に達し、東京一極集中が加速している実態が浮き彫りになりました。
本県は、転出超過が3、200人で、前年から769人増加しており、人口流出に歯どめがかからず、首都圏との格差は広がるばかりであり、県における転出超過は30市町村であります。
岩手県立大学は、高等教育を受ける場が少なく、県外に出ていってしまう危機感から設置されました。2013年度の入学者を見ると、県立大の存在で18から19歳の人口490人の流出を防ぎ、県外から221人が流入しています。若者をふやす役割を果たしていますが、2014年度の就職者を見ると、県内に残っている学生は274人となって、就職時に多くの学生が県外へ出ており、今後の課題であります。
岩手は優秀な人材を外に出してしまっています。地域活性化のため地元に残す取り組みが必要ですが、県内就職を支援する取り組みについてお伺いいたします。
次に、移住、定住対策についてお尋ねします。
国の地方創生を受け、県は、U・Iターンなど移住、定住の取り組みに本腰を入れています。ことしに入り、専門職員の配置やウエブサイトの充実、相談、情報発信機能を強化し、受け入れ市町村を支援しています。ただ、全国的な自治体間競争は激しく、仕事や住宅、教育、福祉など関係機関の連携、戦略づくりなど、課題は山積している状況にあります。
移住、定住策は、安定した就労や生活が前提にあり、こんな人に来てほしいというターゲットの設定を含め、行政と住民が一緒になった活動が大切です。人口減に悩む各自治体にとって、都市部に流出した若者をどう呼び込むかは大きな課題であり、各地の魅力のPRに知恵を絞っておられますが、Uターン就職を検討する学生にとっては、仕事だけではなく、ふるさとの魅力や暮らしぶりを具体的にイメージできることが、より重要になっていると考えております。
県として移住、定住対策をどのように進めていくお考えなのか伺います。
次に、地域おこし協力隊についてお尋ねします。
政府は、都市部の住民が過疎地などに移住し、地域の活性化を支援する地域おこし協力隊の隊員数を2020年までに4、000人に拡大する方針を固めています。
2014年度の隊員数は444自治体で1、511人になり、我が久慈市では、ありがたいことに、現在4名の地域おこし協力隊の皆さんが活動しております。任期後も、その地域に住み続け活動を続けるケースもふえていることなど、地方への移住、定住で一定の成果を上げています。
政府は、地方への新たな人の流れを生み出す重要施策の一つとして、今後5年間の総合戦略に盛り込むとして、協力隊の取り組みを強化し、農林水産省が実施している田舎で働き隊との統合、拡充も図り、隊員同士の相互交流を進めるということであります。
さらには、集落支援員の制度もあり、県内の市町村でも多くの若者たちに御活躍いただいていると認識しております。
岩手で頑張りたいと志を持っている若い人たちをしっかりと支え、定住していただくために、県としてどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、過疎集落の現状と対策についてお尋ねします。
私の住む県北沿岸地域では、残念ながら、限界集落と言われるエリアが多くなってきました。深刻な人口減少と高齢化、そして、何よりも若者と子育て世代の仕事がなく、仕方がなく市街地へ出ていくことで、子供の減少により小中学校が廃校になってしまう。バスもなく、まちへ行けないため、高齢者は病院や買い物もできない状況であります。そして、森林の荒廃と農地の耕作放棄地がますますふえております。
私は、廃校となった小学校、中学校を過疎集落の生活の拠点として整備してはいかがかと思います。廃校になっている小中学校は、もともと地域住民の拠点としての場であり、今、この学校跡の活用策が大きな課題となっていると認識しております。
それぞれの地域で知恵を出しているところもありますが、県として、過疎対策と廃校の活用など、どのように検討しているのか伺います。
次に、地域創生モデル久慈地域との連携についてお尋ねします。
この春、環境省は、「低炭素・循環・自然共生」地域創生実現プランを策定するためのモデル地域として、久慈地域を選定しました。久慈地域は東北唯一の選定であり、各地域が低炭素エネルギーの導入支援策を構築し、経済の好循環、地域活性化に結びつける道筋づくりを目的とした新規ソフト事業であります。
久慈地域では、電気エネルギーによる車社会の実現、間伐材利用や木質バイオマス発電などによる林業振興、三陸復興国立公園、みちのく潮風トレイルの休息施設整備、観光企画などのプランをつくるとしております。国から調査費などの補助を受けプランを策定する。そして、プラン策定により国の支援策が受け入れやすくなるメリットがあるとされております。
広域市町村連携のもとに取り組むとしておりますが、県として、久慈地域とどのように連携を強化して取り組みを進めるのか伺います。
次に、被災地経済の活性化についてお尋ねします。
まず、仮設店舗の入居者の自立に向けた支援策についてお尋ねします。
これまで国の支援で建てられた仮設商店街は被災3県に67カ所あり、約1、000店舗が営業し、震災直後からほぼ変わっておりませんが、今、仮設商店街の店舗は自立のときを迎えています。自治体の要望で設置期間は5年に延長されましたが、2016年から多くが期限を迎えます。まちづくりが進んでいれば移転する場所は見つかりますが、営業を続けるには、自己資金を調達して店舗を建てたり商業施設に入居したりする必要があります。その負担に耐えられるのでしょうか。人口減で消費が低迷し、廃業を選ぶ店主も少なくないだろうと考えます。
被災3県の沿岸部5、000社を対象にしたことし2月時点の調査では、3割に当たる約1、400社が震災後に休廃業し、また、売上高が減ったままの企業が全体の4割を占め、震災のダメージから今なお抜け出せない状況を物語っており、新たな支援策が求められていると認識しております。
震災から4年、緊急支援から中長期的な施策への転換が必要であります。地域経済は、補助金頼みから自立への道を歩めるのでしょうか。その岐路に立たされていると考えますが、仮設店舗の入居者の自立に向けた今後の県の支援策を伺います。
次に、企業の持続的な発展についてお尋ねします。
県が取り組む重点施策の中で、暮らしの再建に向けて、安定的な雇用を確保するため、産業振興施策と一体となった雇用の創出、職業訓練等の再就職支援や若者の定着向上、企業における人材育成支援、また、なりわいの再生に向けて、被災した中小企業の事業再生のため融資、助成制度を継続するとともに、まちづくりと連動した商店街の再構築への支援に取り組むとされておりますが、経営者の高齢化や後継者不足などが顕著になっており、このような状況の中で、企業の持続的発展を図るため、新商品の開発、販路の開拓、さらに、生産性の向上など企業の育成等が必要であると思いますが、どのような対応策を講じているのか伺います。
次に、中小企業振興についてお尋ねします。
本年4月に中小企業振興条例が施行しており、基本計画の策定を進めるとともに、計画策定を待たずに振興策を実施していくことも必要と思いますが、どのように考えているのか伺います。
国の小規模企業振興基本法、地方創生法、県の中小企業振興条例などの施策が積み上がり、支援機関の現場では戸惑いが生じているのではないかとも危惧されております。今後、諸施策を活用し、地域の振興に取り組んでいく上で、支援機関には人員不足を訴える声がありますが、どのように対応を考えているのか伺います。
次に、再生可能エネルギーについてお尋ねします。
風力発電国内大手会社では、2020年代前半までに国内の発電規模を倍増する計画で、北海道では発電所と送電網を一体で整備し開発を進めるとしており、東北でも発電所の新増設を計画していると聞いております。
国内の風力発電の総出力は2014年3月末時点では約270万キロワットで、これから発電の条件のよい北海道、東北を中心に発電所をふやし、今後5年から10年間で両地域における出力を約70万キロワット以上増強する計画で、三陸沿岸では、送電能力の不足が再生可能エネルギーの導入拡大の大きな壁になっております。
また、木質バイオマスは、2、000キロワット未満の小規模発電施設の買い取り価格が32円から40円に引き上げられ、林業関係者は歓迎して、中山間地域や林業の活性化のため、もっともっと普及させていきたいと意気込んでいると聞いております。
再生可能エネルギーの多様化が進み始めて、大きな潜在能力を有する岩手県としても、さらに送電網の整備など取り組みを強化する必要があると思いますが、今後の計画や方策についてお伺いします。
次に、介護保険制度についてお尋ねします。
4月からの介護報酬減額によって、事業者は大変厳しい事業運営を強いられることになりました。減額は、国全体の介護保険給付が10兆円規模となり、少しでも抑えたいという財政的な要請から進められたのであります。
〔副議長退席、議長着席〕
しかし、介護保険制度の報酬減額は、要介護者を抱える家族としては、目先の利用料が安くなる以上に、介護保険制度に不安を覚えることにつながります。在宅サービス事業を行っているのは地域に根差した小規模な事業者が多いため、もともと経済的な体力は乏しく、事業継続が難しくなり、事業者の撤退、吸収や合併、規模の再編が進むことも予想されます。
あわせて、4月施行の改正介護保険法では、事業者が提供してきたサービスのはざまを自治体が実施する新総合事業で埋め、NPOやボランティアの力によって乗り切るための取り組みも開始されようとしておりますが、事業者と同じ質のサービスを提供できるのか疑問の声も上がっております。
介護保険制度が、安心を提供できる制度として人々の信頼を得られなくなることが心配されますが、県としての支援や取り組みを伺います。
次に、在宅医療についてお尋ねします。
有識者が医療費適正化を議論する専門調査会を開き、2025年時点での望ましい病院ベッド数に関する報告書を発表しました。団塊の世代の人たちが全員75歳以上の後期高齢者となる2025年に必要となる入院ベッド数は全国で115万から119万、そんな推計結果を政府がまとめました。
国では、1割以上が不要になるだろうと計算して、本県は、最も削減目標が低い推計でも約1万700床とされ、2013年時点より約4、400床減となり、病床の地域格差を是正し、医療費の抑制を図り、入院先を減らし、介護施設や自宅などで在宅医療を受けられるように対応を強化するものですが、本県は、医療資源などから訪問診療の経営が難しい地域もあるのが実情であります。
今回の推計を反映させる地域医療構想について、県は、本年度内の策定を目指すこととしており、構想策定後は、9医療圏単位で具体的な作業を進められます。
在宅医療の強化は、訪問診療に対応できる医師や看護師などの確保のほか、経営の効率化も求められますが、介護職員も各地で足りず、待遇改善の必要性が指摘されております。このため、在宅医療を支える体制づくりが重要であると考えますが、県としての支援をどのように進めていくのかお伺いします。
次に、県北地域の農業振興についてお尋ねします。
2014年2月から3月にかけて、大雪、暴風により農業施設に甚大な被害が発生したことは、記憶に新しいところです。
久慈市においても、雨よけホウレンソウ用のハウスを初め、100棟を超える倒壊被害を受けたところであります。昨年度中に被災農業者向け経営体育成支援事業の導入などによりハウスの復旧に取り組んだところですが、復旧作業と栽培管理の同時進行となったため、ホウレンソウ農家の中には、1回しか収穫できず、十分な生産実績を得ることができなかった方もおられたと聞いております。
こうした中、ことし4月には、生産者、関係者が一堂に会し、ホウレンソウの責任供給基地として久慈地域の生産力の復興を図るため、久慈地方ほうれんそう振興大会を開催しております。
また、県北地域の首長やJA等の関係機関のトップの方々が、みずから生産現場に出向き、生産者を激励するなどの取り組みを通じ、平成27年度を完全復旧と生産拡大を進める年として、関係機関一体となって取り組んでいるところであります。
県北地域の振興上、農業は重要な位置を占めており、その気象条件や立地条件を踏まえると、特に園芸振興を図ることが一層重要であると考えますが、県北地域における野菜等の園芸産地の強化にどのように取り組むか伺います。
次に、県道野田長内線の整備についてお尋ねします。
NHK連続テレビ小説あまちゃんの主要ロケ地として全国の注目を集めた久慈市。あれから2年。ブームの下火が懸念される中、4月から再放送が始まり、関係者は絶好のタイミングと捉え、さらなる観光振興の追い風にしたい考えであります。
一方、道路整備のおくれ、二次交通や宿泊施設の不足など以前から指摘されている課題は残されたままで、誘客に向けた地元の取り組みは続いております。
地区では、春から一般観光客の車両の乗り入れを制限するマイカー規制を解除しました。小袖海女センター、小袖定置網組合番屋が本格オープンし、観光客の利便性が高まっています。市観光交流課によりますと、市内への観光客の入り込み数は、あまちゃん効果で、2013年度が前年比1.8倍の155万人の激増、2014年は125万人で、前年に劣るものの高水準で推移しておりますが、依然として道路整備は大きな課題であります。
特に久慈市の小袖海岸は、県道野田長内線を通って、テレビドラマですっかりおなじみとなった北限の海女に会いに行くとともに、つりがね洞やかぶと岩といった奇岩や岩礁の連なりが見られます。この県道野田長内線の整備には県としても大変に苦労しているのが現実であり、これ以上の改良は極めて困難な場所であります。
地域住民からは、観光客が多くなるのは大変にありがたいが、危険な場所が多くて心配だと、また、高潮などでも通行が怖い場所だからと、山沿いの道路の拡幅や改良を進めることにより地域も観光客も安心して往来できるのではと多くの要望があります。今後の整備について県のお考えをお伺いいたします。
最後に、私は、この場所に再び来られないかもしれませんので、お許しをいただきまして、まず、この4年間、御指導を賜り、お世話になりました先輩、同僚議員の皆様に、それぞれの友情に心から感謝を申し上げます。
そしてまた、未曾有の大震災津波から4年と4カ月、あの大惨事の中から、被災地、被災者と一緒になって、歯を食いしばり、誠心誠意、復旧、復興に取り組んでこられました知事を初め県職員の皆様に、本当に心から感謝を申し上げるものでございます。
まだまだ復旧、復興の途上、課題山積でありますが、引き続き県職員一丸となって郷土岩手の振興、発展に御活躍されますようエールを送り、そして、前向きな御答弁をいただきますようお願いし、終わります。
御清聴ありがとうございます。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 清水恭一議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、希望郷いわての実現に向けた決意についてでありますが、いわて県民計画では、県民一人一人が、共に支え合いながら、いきいきと働き、安心して暮らし、楽しく学んでいくことのできる希望あふれる社会を目指す姿とし、その実現に向けて取り組んできたところです。
東日本大震災津波の発災以降は、一日も早い復興を願う被災者の皆さんの思いに応えることを常に念頭に置いて取り組みを進めてきたところであり、東日本大震災津波復興計画を着実に推進していくことによって、いわて県民計画が描く目指す姿にも着実に近づいています。
また、豊かな地域資源に恵まれ、人々が生き生きと暮らす地域社会が受け継がれていくように、今年度策定するふるさと振興総合戦略においては、農林水産業の振興や商工業、観光産業の振興、地域コミュニティへの支援などの取り組みを、今後幅広く御意見をいただきながら具体化していくこととしています。
いまだ道半ばである復興をなし遂げるとともに、総合戦略に基づくふるさと振興を成功させることで、希望郷いわてが実現されるものと考えておりまして、将来の世代に誇りを持って引き継ぐことができるふるさとづくりに全力を尽くしていきたいと思います。
次に、移住、定住対策についてでありますが、本県が持つ魅力を広く発信し、交流人口の拡大を図りながら、岩手ならではの移住施策を推進するとともに、移住希望者のニーズに応じたきめ細かな取り組みを進めていくことが重要であります。
本県では、これまで、首都圏でのU・Iターンフェアの開催や移住イベントに出展するなど、本県への移住に関する各種情報提供や移住相談を実施してまいりました。
今年度におきましては、新たに、東京のふるさと回帰支援センターに移住相談員を配置し、岩手県Uターンセンターと連携を図りながら、移住相談に対応しているところであります。特に、若者、学生に対してはインターネットを活用し、本県への移住者インタビューの掲載や本県の多彩な魅力を紹介するPR動画による情報発信、首都圏や仙台の大学等への本県就職情報の提供の強化、県内中小企業の大手就職情報サイトの活用支援などの取り組みを強化しているところであります。
引き続き、市町村や関係機関と連携しながら、情報発信及び相談体制の強化を図り、若者の移住、定住の一層の促進に向けて取り組んでまいります。
次に、仮設店舗の入居者の自立に向けた支援策についてですが、商業者一人一人の本格的ななりわいの再生を進めるとともに、にぎわいの創出や活力ある地域づくりにつながる新たな商店街の構築などを進め、持続可能な地域経済の発展を図っていく上で、一日も早い本設店舗への移行が重要であります。そのため、県では、グループ補助金や個別事業所向けの県単補助金により復旧費用を助成してきたほか、津波立地補助金を活用して共同店舗を整備しようとするまちづくり会社等に対する計画策定支援を行うなど、グループ、単独を問わず、本設移行を支援してまいりました。
こうした取り組みにより、例えば釜石市では、まちづくり会社が管理運営する共同店舗が昨年12月に営業を開始しましたほか、大船渡市越喜来地区の商業者グループがまとまって本設移行を進めており、また、山田町では、まちなか再生計画が本県で初めて国から認定されるなど、沿岸各地で共同店舗や商店街の整備計画が具体化し、まちづくりの進捗に応じた本設移行の動きが本格化してきています。
県といたしましては、今後も市町村や商工団体などと連携しながら、本設移行のための各種補助制度の活用に向けた支援を行うとともに、商業施設運営管理セミナーの開催や専門家による個店の経営指導、集客イベント等販売促進活動への助成など、ハード、ソフト両面にわたるさまざまな支援に積極的に取り組んでまいります。
次に、在宅医療についてでありますが、2025年に向けて、市町村において地域包括ケアシステムを構築していく上で、医療従事者はもとより、介護関係者も含めた多職種が適切な役割分担のもとで連携し、住みなれた地域において、その人らしい暮らしを最後まで支えていく在宅医療が推進されることが重要であります。このため、本年3月に策定したいわていきいきプラン2017においては、病院への入退院や病状の急変に見舞われたときでも、必要な医療と介護が切れ目なく提供される体制づくりを打ち出したところであります。
県では、地域における医療機関や介護事業所等の連携や役割分担をコーディネートする在宅医療連携拠点の設置運営、医療機関と介護事業所等をつなぐ地域医療情報連携ネットワークの構築などに取り組む市町村を引き続き支援してまいります。
また、多くの医療従事者の在宅医療への参画を働きかけるため、医療従事者を対象とした在宅医療の仕組みや在宅における診療の実務などを学ぶ研修を、対象者を広げながら実施することとしています。
今後は、医療及び介護の有識者などにより構成される岩手県在宅医療推進協議会の意見も踏まえながら、在宅医療の担い手の育成確保に努め、市町村による在宅医療の取り組みをさらに支援してまいります。
その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので御了承をお願いします。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) まず、平成の大合併についてでありますが、平成22年1月に県が行った合併市町の現状に関する調査では、行財政基盤の強化により、長年懸案となっていた施設整備が進んだほか専門職員の配置などにより、行政サービスの向上が図られたといった効果が上げられているところであります。
一方で、旧町村役場が支所になったことにより、合併以前のようなきめ細やかなサポートを享受できないことや、周辺の商店に活気がないことなどへの住民の不満や不安などの課題も挙げられているところであります。
合併後10年を迎え、普通交付税の合併算定がえの縮減が始まる中、支所経費が加算されるなど、合併後の実情に応じた地方交付税の算定方法の見直しが進められているところであります。また、今後、人口減少に伴う行財政規模の縮小や広域連携などの新たな課題への対応も必要になると考えているところであります。
このようなことから、県としては、今年度改めて合併市町と連携して調査を実施することとしており、調査結果については、合併市町と課題を共有しながら、今後の持続可能な行政サービス体制の構築に向けた取り組みに生かしていきたいと考えております。
次に、地域おこし協力隊についてでありますが、本県における地域おこし協力隊制度の活用状況は、平成26年度は6市町村、14名でありましたが、平成27年度は6月末現在で9市町村、26名と拡大してきており、都市部から移住してきた若者たちが、地域の観光振興や伝統文化の保全、農林水産業の支援活動などに精力的に取り組んでいるところであります。その中で、任期満了を迎えた隊員が引き続き地域に住み続けている事例もあることから、復興支援員制度も含めて、本制度は都市部から若者に移り住んでもらう有効な手段の一つであると考えております。
引き続き、これら支援制度の積極的な活用を促進し、県外から若者を地域に呼び込むとともに、隊員間の活動内容の情報交換、ネットワークづくりを目的とするセミナーの開催や、活動終了後を見据えたスキルアップのためのより実践的な研修会の実施、仕事や起業支援制度の情報提供など、市町村、関係機関と連携を図りながら、本県への定住につながるように支援してまいります。
次に、過疎集落の現状と課題についてでありますが、過疎化が進む地域においては、人口の減少や高齢化の進展により地域の活力が低下し、地域コミュニティの維持が困難になってきているなど、さまざまな課題に直面しているものと認識しております。
このような中、学校が集落の中心施設であった地域においては、市町村と地域住民が連携しながら、廃校舎を企業との協働による研修施設や専門学校として活用し、交流人口の拡大につなげている事例があります。
また、久慈市では、旧戸呂町小学校を分散していた保育園と集落センターの機能を集約し、新たに体験学習の場として活用しているほか、旧麦生小中学校を芸術活動の拠点施設として活用しております。
また、一関市では、旧京津畑小学校を京津畑交流館山がっことして改修し、集会施設と宿泊施設、地域住民が利用する加工施設として活用するなど、廃校舎が新たな地域住民の交流拠点となっているところであります。
県といたしましては、今年度、新たに過疎地域の課題解決に向けたモデル的な活動に対する支援制度を創設したところであり、こうした事業の活用を進めるとともに、地域づくりフォーラムの開催等を通じて、先導的な活動事例の紹介や国の各種補助制度の情報提供を行うなど、地域の主体的な取り組みを積極的に支援してまいります。
〔総務部長風早正毅君登壇〕
〇総務部長(風早正毅君) 岩手県立大学卒業生の県内定着についてでありますが、これまで、岩手県立大学では、県内就職率の向上に向けて、地元企業などへの訪問によるニーズ把握や就職先の開拓に努めるとともに、学生に対しては、企業見学会への参加奨励や県内他大学などとの大学間連携によるインターンシップへの参加促進に努めてきたところであります。
ことしの春に卒業した平成26年度4年制学部卒業生の県内就職率は44.5%と、大幅に減少した前年度の36.5%より8ポイント回復したところであります。
県立大学では、卒業生の県内就職を支援する取り組みとして、平成26年度から県中小企業団体中央会と連携して、県内中小企業の合同企業説明会を学内で開催しているほか、平成27年度からは、同中央会が主催する県内中小企業向けの採用活動研究会に参画するなど、学生の地元定着に向けた取り組みの強化を図っているところであります。
〔環境生活部長根子忠美君登壇〕
〇環境生活部長(根子忠美君) まず、地域創生モデル久慈地域との連携についてでありますが、県では、復興計画においてさんりくエコタウン形成プロジェクトを掲げ、自立・分散型のエネルギー供給体制の構築や、エネルギーの地産地消を推進し、将来にわたって豊かさを実現できる環境と共生した持続可能なまちづくりを目指しております。
今回、久慈地域が採択された環境省の事業は、地域の実情に応じた環境への取り組みを地方創生につなげることを目的に、各地域でのモデル的なプラン作成を支援し、その成果を今後策定する全国プランに反映していく予定と聞いております。
このような中で、久慈地域にあっては、4市町村の連携により、再生可能エネルギーによる非常用電源の確保、洋上風力や波力発電などの海洋エネルギー開発に向けた調査の実施などを通じた低炭素のまちづくりによる地域の活力創出を目指すなど、県の取り組みと軌を一にした取り組みを進めようとしているものと考えております。
県では、久慈地域の取り組みを支援するため、事業応募の検討段階から、県北広域振興局がオブザーバーとして市町村の検討会に参加しており、今後も具体的なプラン策定に向け、一層の連携を図っていきます。
次に、再生可能エネルギーについてでありますが、本県では、これまで、太陽光発電が204メガワット、水力発電が276メガワット、バイオマス発電が8メガワットなど、全体で658メガワットの導入が進んでおります。
現在、企業局が一戸町で風力発電、盛岡市で水力発電の計画を進めているほか、民間事業者においても、県北地域で木質や鶏ふんによるバイオマス発電施設の整備を進めているなど、導入拡大に向けた計画が各地で進められております。
一方、本県における再生可能エネルギーの導入においては、多くの地域で送電線への接続制約が生じていることから、今後の導入拡大に当たっては接続制約が隘路となる懸念があり、風力発電にあっては、風況調査などのために、導入までに一定程度時間が必要となっております。このため、国に対して送電線増強支援など、接続容量の拡大などについて継続して要望を行っていくとともに、本年3月に策定した風力発電導入構想の発電事業者への周知や、地域産業との連携も期待されるバイオマスや温泉熱についてもセミナーや勉強会を開催し、地域に根差した新たな事業の掘り起こしを行いながら、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していきます。
〔商工労働観光部長菅原和弘君登壇〕
〇商工労働観光部長(菅原和弘君) まず、企業の持続的発展についてでありますが、県内の企業は、東日本大震災津波や人口減少社会の進行などにより厳しい経営環境に直面しており、こうした中、企業が持続的に事業活動を展開していくためには、将来を見据えた新たな戦略を練り、環境の変化に柔軟に対応していくことが重要であり、県では、商工団体と連携して企業の経営革新の取り組みを支援しております。
また、自動車関連産業等のものづくり産業を中心に進めてきた専門アドバイザーによる工程改善、コスト削減等、生産性向上の取り組みを水産加工業にも拡大するとともに、工業技術センターとの共同研究等を通じた技術開発などの支援を行ってきたところです。
水産加工業を中心とした食産業の本格復興に向けては、三陸復興商品力向上プロジェクトによる専門家の助言、指導を初め、県内外での商談会の開催やいわて希望ファンドの助成などにより、商品開発や販路開拓の支援に努めております。
こうした取り組みに加え、将来の経営を担う人材や企業の発展を支える高度技術者の育成を図っているところです。
さらに今年度は、地方創生先行型交付金を活用して大型設備投資への補助事業を創設しており、これまでに増して、ハード、ソフト両面で企業の競争力を高めるための取り組みを推進していきたいと考えております。
次に、中小企業振興条例に基づく基本計画等についてでありますが、現在、中小企業者及び中小企業団体からの御意見を伺う基本計画検討委員会の立ち上げを進めているところであり、この委員会及び商工観光審議会での議論を踏まえながら、今年度内に基本計画を策定したいと考えております。
また、震災からの本格復興や人口減少社会への対応が急務となる中、持続可能で活力ある地域経済の振興を図るため、基本計画の策定と並行して、若者、女性の創業支援や県内企業の大規模な設備投資に対する補助など、新たな事業を実施しているところであり、今後とも、機動的な取り組みを交えながら中小企業振興に取り組んでまいります。
次に、支援機関の人員不足についてでありますが、小規模企業振興基本法、地方創生法の制定に伴い、小規模事業者持続化補助金事業やプレミアム商品券発行事業など、支援機関の業務が増加しておりますことから、県では、震災以降配置しました相談対応の専門員の活用を図るとともに、国に対し、支援機関の組織体制強化のための支援措置を要望しているところでございます。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) 介護保険制度についてでありますが、今般の介護報酬改定は、地域包括ケアシステムの実現に向け、サービス量の増加に必要な経費を確保することを目的に、介護職員の処遇改善、物価の動向、介護事業者の経営状況等を踏まえ、全体ではマイナス2.27%の改定率となったところです。
県では、事業者が新たな報酬体系に対応できるよう、本年3月に説明会を開催し改定内容の周知に努めたほか、介護職員の賃金改善を進めるため、処遇改善加算の取得を事業者に働きかけています。
また、今年度新たに小規模事業所を対象として人材確保のための合同面接会や職員資質向上のための研修会を開催し、事業者が安定的にサービス提供することができるよう支援してまいります。
制度改正に伴い見直しが行われた新しい総合事業では、多様なサービス提供の担い手として、NPOやボランティアなど新たな主体の参画が期待されており、市町村では、新たなサービス提供のあり方を検討しているところですが、県といたしましても、元気な高齢者による介護予防活動を推進するため、シルバーリハビリ体操指導士の養成などに取り組んでいきます。
なお、適切な介護報酬水準の設定など、介護保険制度が円滑に運営されるための制度改善につきましては、県としても本年6月に国へ要望したところでありますが、今後とも、市町村や事業者団体との意見交換会を実施して実態把握に努め、国への提言などを行ってまいります。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) 県北地域の農業振興についてでありますが、県北地域では園芸の振興が重要であると考えており、夏季冷涼な気候や平場から高標高地に至る立地条件を生かしながら、ホウレンソウ、レタス等の葉菜類のほか、キュウリ、トマト等の果菜類などの園芸産地の形成を図ってきましたが、近年は高齢化の進行などにより生産者が減少してきており、産地を維持、発展させていくためには、生産性の向上と規模拡大、意欲ある担い手の確保、育成が必要であると捉えております。このため、これまで点滴かん水装置の導入や土壌消毒の実施、ヘルパーの共同利用など、生産性向上に向けた取り組みを支援するとともに、各種研修会の開催などに取り組んできており、県北地域の野菜出荷量は、キュウリやトマトなどを中心に増加基調にございます。
今後は、こうした取り組みに加えまして、出荷量が落ち込んでいるホウレンソウの播種から収穫、調製までの機械化の推進や、県北農業研究所が開発した春タマネギ、露地ホウレンソウなど、需要に応じた加工業務用野菜の生産拡大を図るとともに、経営の発展段階に応じた研修の実施等により、意欲ある担い手を継続的に確保、育成し、立地条件を生かした県北地域の園芸産地強化に取り組んでまいります。
〔県土整備部長蓮見有敏君登壇〕
〇県土整備部長(蓮見有敏君) 一般県道野田長内線の整備についてでありますが、本路線のうち、幅員が狭く急カーブで見通しが悪い小袖地区から大尻地区までの約3キロメートルの区間については、平成22年度に小袖海岸みちづくり懇談会を設立し、平成23年度までの2年間に6回の懇談会を開催しながら、1.5車線的道路整備を行うこととして地域との合意形成を図り、平成23年度から工事を進めています。
工事に当たりましては、事業区間を17の工区に分割し、車両すれ違いのための待避所の設置や拡幅、波浪によって越波が生じる箇所のかさ上げや落石危険箇所の対策を順次進めており、平成26年度までに計8工区の整備が完了したところです。
山沿いの道路の拡幅等による整備との御指摘でございますが、県としては、現在進めている現道の改良整備の早期完了が最も重要と考えており、これに全力で取り組んでまいります。
本路線は、小袖海女センターに至る観光ルートでもあることから、工事の実施期間や実施方法等については引き続き地元関係団体等と調整を図りながら、事業を推進してまいります。
〇議長(千葉伝君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
〇2番(清水恭一君) それぞれ前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。
二つほど再質問をさせていただきます。
まず、地域おこし協力隊と移住、定住の情報発信についてでありますが、私も県民と県議会との意見交換会、これは大船渡会場だったんですが出席をさせていただき、若者、女性による新たなまちづくりについて意見交換を行わせていただきました。その席上、隣に座った女性の方が花巻出身で、今現在、住田町の役場で働いている方でありますが、自分は東京で人材紹介の業務に携わり、インターネットを毎日使っておったと。そして、何とか田舎に、岩手に帰りたいということで情報を収集しておったそうですが、行政だけでなく民間企業も含めて、いわゆる岩手県の情報は少なかったと。帰りたくて帰りたくて、毎日一生懸命探し続けて、ようやく復興応援隊のことを知ったと言っておられました。
私たちはやっているつもりでも、まだまだPRは極めて弱いのかなと思っておりますが、そこで、そういった実際に現場で働きながら情報発信をしている地域おこし協力隊の人たちや復興支援員の方々からも、支援をいただいたらいかがでしょうかと思って帰ってまいりました。県が勉強会や交流会、あるいは親睦会などを開きながら、地域おこし協力隊の皆さんに一緒に考えていただければ、新たな情報発信のアイデアも出ると思いますが、いかがでしょうか。
もう一点でありますが、再生可能エネルギーに係る送電網の整備についてお伺いをいたします。
これは需要と供給のバランスで仕方がないことかもしれませんが、水道管でも電力でも、人の少ない地域にはインフラの全てが先のほうには細い線しか行っていないわけでございます。交通のネットワークもそのとおりです。しかし、今、地方創生のときであります。そして再生可能エネルギーの政策を考えれば、今までの政策を180度ひっくり返したような発想をするべきと私は思います。
大変大きな再生可能エネルギーに関しては、潜在能力を有する岩手県、県北・沿岸やそして広大な面積を有しながら人が少ない、そういったところから発電をして都市へ送電するためにも、今こそ、しっかりとした送電網を整備することが一番求められているのではないかと思うわけですが、岩手から、三陸から、都市への再生可能エネルギー供給に向けてしっかりと整備をしていくべきと思うわけですが、これは、当然県としては、どうしてもできない部分もあると思います。自前では難しいわけですので、例えば東京都とか大きな都市にも、さらには企業にも呼びかけたりするとか、県民の利益となるようなエネルギーの供給の新しい姿につながるような取り組みも必要と思います。これは難しいかもしれませんが、お考えがあればお伺いいたします。
〇政策地域部長(大平尚君) 地域おこし協力隊と移住、定住の情報発信についてでありますが、地域おこし協力隊の方々は、若者を中心に、地域おこしに対する高い志を持って県内に移住された方々であり、魅力ある地域づくりのためには、外部の視点と若者の視点が重要と言われていることもあり、協力隊を初め、実際に本県に移住した方々のアイデアを移住、定住施策に生かしていくことが有効と考えております。
県といたしましては、本年度、若者を中心とした移住者へのインタビューを実施しているほか、地域おこし協力隊や復興支援員を対象として、隊員間の情報交換や交流の促進を目的とした研修会を開催することとしております。
また、市町村やNPO団体においても、同様のセミナーや交流会を開催しており、このような機会を通じまして、隊員相互のネットワークづくりを進めるとともに、実際に移住し、活動されている方々の生の声もお聞きしながら、効果的な情報発信につなげてまいります。
〇環境生活部長(根子忠美君) 再生可能エネルギーに係る送電網の整備でございますけれども、送電線は、電気料金をもとに、原則として電力会社が整備するものでございますが、固定価格買取制度では、買い取り価格の算定の基礎に、再生可能エネルギー発電事業者側で負担すべき接続費用が含まれているということで、送電線容量に余裕がない地域においては、発電事業者が送電線増強に係る費用を負担すべきものという位置づけになっております。
ただ、一方、電力インフラが脆弱な地域においては、接続費用が買い取り価格算定で想定する費用を上回るなど地域間の格差が生じているのではないかと思っておりまして、本県の恵まれた再生可能エネルギー資源を生かした大規模な発電施設の立地を推進するためには、送電網の増強施策が必要であると認識しておりまして、これまで、県では、国に対して送電線の増強支援の要望を行ってまいりました。
このような中で、今般、電力システム改革の一環として、本年4月に全国規模での電力系統の運営調整を担う広域的運営推進機関が設立されまして、送変電設備の増強が必要な地域において、複数の事業者の共同での設備増強により費用負担の軽減が図られるよう、調整機能を果たすような機関が設立されました。
県では、このような新たな取り組みの状況を見ながら、事業者や市町村等との意見交換を通じながら、課題解決に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
〇議長(千葉伝君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
日程第2 議案第1号個人情報保護条例の一部を改正する条例から日程第31 議案第30号盛川筋塩場地区河川災害復旧ほか工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてまで
〇議長(千葉伝君) この際、日程第2、議案第1号から日程第31、議案第30号までを一括議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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