平成27年6月定例会 第20回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
議案第1号から第3号、第5号から第7号、第9号、第14号について質問いたします。
議案第1号は、個人情報保護条例の一部を改正する条例であります。番号利用法、いわゆるマイナンバー制度の施行に伴い、条例の一部を改正しようとするものであります。
改正される内容は具体的にどうなっているでしょうか。マイナンバー制度の施行に県はどうかかわるのでしょうか。マイナンバー制度は、一人一人の社会保障の利用状況と保険料、税の納付状況を国が一体で把握する仕組みを整え、社会保障費の抑制、削減を効率的に進めることが狙いであります。国民にとっては何の利益もないどころか、プライバシー侵害と個人情報不正利用被害の心配が広がっています。
年金情報の流出、漏えい問題がありましたが、マイナンバー制度の実施見直しこそ必要と考えますが、県としてはどう受けとめているでしょうか。
議案第2号は、岩手県職員定数条例の一部を改正する条例であります。その内容は、人身安全関連事案対策の強化、特殊詐欺対策の強化等に対応するため、本県では8人の警察官の増員を図るものであります。
人身安全関連事案、特殊詐欺の実態と対策はどうなっているでしょうか。この増員は一時的なものなのか恒久的なものなのか、条例改正案では公布の日から施行となっていますが、いつ、どのように増員を図るのでしょうか。
議案第3号は、職員の退職手当に関する条例及び職員の再任用に関する条例の一部を改正するものであり、地方公務員の共済年金の厚生年金への一元化に対応しようとするものであります。
厚生年金への一元化によって、県職員の退職金、年金は具体的にどうなるのでしょうか、減額されることはないのでしょうか。この間、県職員の退職金が大幅に減額されていますが、どれだけの減額となっているでしょうか。
議案第5号は、岩手県県税条例の一部を改正する条例であります。その内容は、事業税では法人税の引き下げを進める一方で、外形標準課税の税率を引き上げようとするものであります。
外形標準課税は、改正前と比較し、どう引き上げられるのか、その影響額はどう試算されるか、法人税減税の影響はどうなるか、県内企業の赤字企業の実態はどうか、資本金1億円以上と以下で示されたい。外形標準課税の拡大は、中小企業へも拡大されるのではないか、与党・自民党税制調査会はどういう方向性を示しているか示していただきたい。
議案第6号は、生活福祉資金貸付事業の補助に関する条例の一部を改正するものであります。その内容は、対象となる障がい者世帯に、いわゆる難病患者を加えようとするものであります。
対象は、県内ではどれだけ拡大するのでしょうか。生活福祉資金の貸付実績はどうなっているでしょうか、増加しているのでしょうか。今回の改正で対象が拡大されますが、利用拡大による必要な予算措置はどうなるのでしょうか。
議案第7号は、住民基本台帳法施行条例の一部を改正するものであります。その中には、マイナンバー制度の施行に伴い所要の整備を行うとしております。
住民基本台帳ネットワークは、マイナンバー制度とどうかかわるのでしょうか。住基ネットの活用状況と維持管理費はどうなっているでしょうか。住基ネットは、県民にとってはどういうメリットがあるのか、県民に全くメリットがなく、高い維持管理費を考えるなら、経済効率性もないと言うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
議案第9号は、養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例を一部改正しようとするものであります。その内容は、指定特定施設入居者生活介護を行う事業者が、みずから特定施設入居者介護を行う場合、主任支援員の配置と職務を定めようとするものであります。
県内の養護老人ホームの箇所数、定員、入所者数、率はどうなっているでしょうか。特定施設入居者生活介護の指定状況はどうなっているでしょうか。一般型と外部サービス利用型のそれぞれのメリット、デメリットはどうなっているでしょうか。高齢者の貧困化が問題となっています。実態をどう把握しているでしょうか。養護老人ホームの需要はさらに高まると思いますが、今後の対応はどうなっているでしょうか。
議案第14号は、災害公営住宅(陸前高田市中田地区)新築(建築)(第2工区)工事の変更請負契約の締結に関し議決を求めるものであります。
変更契約となった具体的な理由を示していただきたい。これまでの災害公営住宅の建築費の推移はどうなっているでしょうか。災害公営住宅の完成戸数、入居戸数、空き室とその割合、その具体的要因はどうなっているでしょうか。災害公営住宅の集会室、支援員の事務室の整備状況と活用状況はどうなっているでしょうか。机、椅子等の設備の設置状況について示していただきたい。
以上でありますが、答弁によっては再質問いたします。
〇総務部長(風早正毅君) まず、個人情報保護条例の改正内容についてでありますが、今回の改正は、番号利用法の施行に伴い、個人番号を内容に含む個人情報である特定個人情報の保護の措置等を講ずるため、現行条例における個人情報の取り扱いとは異なる取り扱いを定める改正であり、具体的には、特定個人情報を県の実施機関内部で利用できる場合の要件の厳格化、開示請求権者等の範囲の拡大、利用停止請求できる場合の要件の拡大などについて、規定の追加などを行うものであります。
次に、岩手県職員定数条例の改正による警察官の増員についてでありますが、地方警察官の定数については、警察法の規定により、政令で定められる基準に従い条例で規定することとされております。現在提案しております条例の一部改正についても、本年4月10日に改正された政令に基づき、本県警察官の定数を8人増員しようとするものであります。震災復興対応に係る特例増員のような一時的な措置とは異なるものであります。
次に、年金制度の一元化による影響についてでありますが、県職員の退職手当については、年金制度の一元化による影響はないところであります。
また、年金については、これまで年金の一部として支給されていた職域部分が廃止され、これにかわり退職給付の一部として、民間の企業年金に相当する年金払い退職給付が創設されることとなったところであります。この制度は、従来の現役世代の保険料収入で受給者の給付を賄う世代間扶養ではなく、給付に必要な原資を積み立て、退職後に給付されるものとなっております。
次に、この年金制度の見直しは平成70年ごろの完成とされておりまして、一定の前提を置いて試算した場合、従来の職域部分に比して月額2、000円程度の減額になるとの結果が国から示されているところであります。
次に、退職手当の見直しによる影響額についてでありますが、平成24年度に職員の退職手当に関する条例の一部改正を行い、一定の経過措置を経て、平成26年7月から現行の支給水準となっているところでありますが、この見直しによる県職員1人当たりの影響額について、行政職5級の主任主査級で定年退職した場合をモデルに試算いたしますと、約390万円程度の減になると見込まれるところであります。
次に、外形標準課税についてでございます。
平成27年度から2年間で、法人事業税における外形標準課税の割合を4分の1から2分の1に段階的に拡大し、その分、所得割を4分の3から、逆に2分の1に縮小するものであります。したがいまして、この改正は税収中立で制度設計がなされております。
本県への影響額は、地方財政計画をもとに推計いたしますと、平年度ベースで、外形標準課税分は約50億円の増、所得割分は約50億円の減と見込まれるものであります。
また、今般の国の法人税を中心とする法人課税に係る税制改正につきましては、大法人に対する欠損金の繰越控除の縮小や租税特別措置の見直しなどにより、課税ベースを拡大しつつ法人実効税率の引き下げを行うものであります。こちらについても、税収中立で制度設計がなされているものであります。
次に、県内の企業の実態についてでありますが、外形標準課税の対象である資本金1億円を超える企業は、平成27年3月末現在、約1、600法人であり、このうち所得割額の税額が生じていない法人は約200法人となっております。また、資本金1億円以下の企業は約2万1、000法人であり、このうち所得割額の税額が生じていない法人は約1万2、000法人となっております。
次に、法人事業税の外形標準課税に係る方向性についてでありますが、与党・自民党税制調査会においては、法人税改革に当たっての基本認識と論点として、インフラ整備や治安、社会保障など、行政サービスの多くは地方公共団体が直接の担い手となっていることに鑑みれば、地方法人課税については応益課税の考え方が重要とした上で、外形標準課税の適用法人のあり方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら、引き続き慎重に検討を行うとされたところであります。
〇政策地域部長(大平尚君) 個人情報保護条例の関連で、マイナンバー制度の施行における県のかかわりについてでありますが、いわゆる番号法では、社会保障、税、災害対策の事務のうち、生活保護の決定、地方税の賦課徴収に関する事務など40の事務について、県が実施する事務として規定されておりますが、平成28年1月からマイナンバーの利用が始まることから、必要となる個別の情報システムの整備、改修や事務手続の見直し等の準備を進めているところであります。
さらに、平成29年7月の情報提供ネットワークの本格運用に向けまして、庁内及び国、市町村との接続テストを実施することとしております。
また、国からの要請を受けまして、制度の円滑な導入を促進するため、県広報紙を活用した住民広報及び事業者向けの説明会の実施などを予定しております。
次に、マイナンバー制度の実施についてでありますが、マイナンバー制度におきましては、番号法に基づき、平成28年1月1日から、番号法に規定された事務において個人番号の利用を開始することとなっており、現時点では制度の見直しは示されておりません。
マイナンバー制度の実施に当たっては、個人情報の流出、漏えいは、あってはならないことであります。県といたしましては、マイナンバー制度に関係するシステムの整備、改修に当たっては、個人情報の安全性が保たれるよう確認しながら作業を進めているほか、情報セキュリティーの管理体制の明確化など、情報セキュリティー対策の厳格化を図り取り組んでいるところであります。
マイナンバー制度では、行政手続における所得証明書の添付書類の省略など住民の利便性向上の効果も期待されているものであり、個人情報の保護に取り組みながら、制度の運用開始に向けて準備を進めていくものであります。
次に、住民基本台帳施行条例の一部改正に関連いたしまして、住民基本台帳ネットワークシステムとマイナンバー制度の関係についてでありますが、住民基本台帳ネットワークシステムは、住民の方々の利便性の向上と国及び地方公共団体の行政の合理化に資するため、住民基本台帳をネットワーク化し、全国共通の本人確認ができるシステムとして構築されたものであります。
これに対して、マイナンバー制度は、行政分野における公正な給付と負担の確保に資するため、社会保障及び税分野等の複数の事務において、各機関が保有する個人の情報を同一人の情報として確認するシステムであります。
マイナンバー制度の個人番号は、住基ネットの住民票コードをもとに作成されるものでありまして、また、マイナンバー制度では、各行政機関が保有する個人情報をやりとりする際には、セキュリティー確保のため、個人ごとに暗号化した符号を用いることとされておりますが、この符号も住民票コードをもとに作成されるものであります。
次に、住基ネットの活用状況と維持管理費についてでありますが、本県における平成26年度の住基ネットの利用実績は、パスポートの交付事務や県税の賦課徴収など3万4、465件となっております。また、維持管理費については、平成26年度は、機器の保守業務やサーバーの管理運営、回線使用料等、合計で約8、700万円要したところであります。
次に、住基ネットのメリットについてでありますが、例えば、住基ネットが稼働する以前は、パスポートの発給申請などの際に住民票の写しを提出する必要がありましたが、住基ネットの利用により、この手続が省略されております。また、年金を受給されている方々にとって、毎年、現況確認の届け出を提出する必要がありましたが、住基ネットの活用により、この手続が省略されるなどのメリットがあります。
このほか、住基ネットの利用により、各種申請や届け出時における住民票の提出が省略されていることから、行政事務の効率化に資するとともに、住民の利便性の向上にも役立っているものと考えております。
次に、住基ネットの経済効率性についてでありますが、住基ネットは全国で利用されており、例えば、本県が利用するほかにも、国の機関が、各種申請や届け出に当たって、本県の住民の本人確認をする場合にも利用されており、県民にもメリットがあるものと考えております。
また、総務省では、住基ネットによる全国の行政事務の効率化と国民の利便性の向上に係る費用対効果につきまして、平成22年度の利用実績をもとに510億円と試算してございます。
これらを総合的に勘案いたしますと、住民サービスの向上及び行政事務の合理化に一定の効果があるものと考えております。
〇保健福祉部長(佐々木信君) まず、生活福祉資金貸付事業についてでありますが、今回の条例改正は、障害者総合支援法において、障害者の定義に難病患者が加えられたことに伴い、症状が固定していないため身体障害者手帳が取得できない難病患者のうち、障害福祉サービスの利用者など手帳保有者と同程度の状態にあると認められる方について、生活福祉資金の貸付対象に追加しようとするものです。
県内の難病患者数は、特定疾患医療受給者証所持者数で申し上げますと、平成26年12月末現在9、777人となっています。
生活福祉資金の貸付実績については、平成26年度は1、436件、8億9、812万円となっています。
東日本大震災津波の被災者を対象とする緊急小口資金特例貸付を実施した平成22、23年度は、いずれも約3、000件、13億円以上の貸付実績でしたが、平成24年度以降は約1、400件、9億円前後で推移しているところです。
今回の利用拡大に伴う予算措置についてですが、現在、貸付原資として39億4、000万円余を保有していることから、現保有額で対応可能と考えています。
次に、県内の養護老人ホームの状況等についてでありますが、本年4月1日現在、13市町に17施設あり、総定員は967人、入所者数は957人で、定員に対する入所率は99.0%となっています。
また、特定施設入居者生活介護の指定を受けている養護老人ホームは、17施設中10施設です。
一般型と外部サービス利用型のメリット、デメリットにつきましては、職員の配置状況や対象となる入居者の状況などが施設ごとに異なることから、一概に言えませんが、一般論としては、施設職員がみずから介護サービスを提供する一般型は、本来の施設運営と介護サービス提供等を一本化し、効率的に行うことが可能となり、経営上のメリットがあると推測される一方、施設経営が介護報酬の動向に影響を受けるという側面もあると考えています。
次に、高齢者の貧困等についてでありますが、昨日公表された平成26年国民生活基礎調査の結果によると、平成25年の全国の高齢者世帯1世帯当たりの平均所得金額は300万5、000円で、対前年比2.8%減となっています。
養護老人ホームは、環境上及び経済的理由により、居宅において養護を受けることが困難な高齢者が入所する施設であり、高齢化の進展により、高齢単身者や高齢者夫婦のみの世帯の一層の増加が見込まれますことから、養護老人ホームは、今後とも養護を必要とする低所得高齢者の住まいとして重要な役割を担うものと考えています。
市町村では、平成27年度から平成29年度までの高齢者福祉計画等に基づき、高齢者への福祉サービス及び介護サービスの充実を図っていくこととしており、県といたしましても、市町村が養護老人ホームへのニーズを的確に把握し、介護保険施設とのバランスをとりながら、必要なサービス提供を行うよう支援してまいります。
〇県土整備部長(蓮見有敏君) まず、災害公営住宅の変更契約理由についてですが、インフレスライドによる変更、労働者宿舎の設置費用及び労働者の宿泊費用の実績変更、外構工事における駐車場の地盤改良などの追加工事に伴う変更などにより増額を行うものです。
次に、災害公営住宅の建設費についてですが、県が整備した鉄筋コンクリート造の災害公営住宅では、外構工事及び造成工事を除いた建物の本体工事価格で算定しますと、1戸当たりでは、平成24年度、約1、420万円、平成25年度、約1、830万円、平成26年度、約1、950万円であり、これまでの平均では約1、850万円となっております。
次に、災害公営住宅の完成状況などについてですが、完成した災害公営住宅は、5月末現在で、県、市町村合わせて1、667戸であり、入居戸数は1、508戸、空き住戸は159戸、9.5%となっています。
その要因については、災害公営住宅の入居か持ち家再建とするか、いまだ決めかねている方がいること、応急仮設住宅から災害公営住宅に入居することにより新たに家賃負担が発生することなどにより、一部の団地では空き住戸が発生しているものと考えています。
次に、災害公営住宅の集会室などについてですが、県が管理する災害公営住宅では、一般の公営住宅より広い集会所を整備するとともに、支援員が常駐することが可能な事務室を整備しています。これらの集会所については、自治会などにより定期的に利用されており、事務室については今のところ支援員が使用した実績はありませんが、市町村に活用を呼びかけているところです。
また、机、椅子等の設置については、設置する備品の数量等について各団地の管理人と協議を行っており、協議が調った団地から設置する予定であります。
〇警察本部長(堀誠司君) 最近の人身安全関連事案、特殊詐欺の実態と対策についてであります。
初めに、人身安全関連事案の実態でありますが、本年5月末現在で、ストーカー事案の相談件数は130件、前年比で5件の増加、また、配偶者暴力事案―いわゆるドメスティックバイオレンスでございますが―については165件、前年比8件の増加であります。
これらの対策についてでありますが、人身安全関連事案は、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが大きいことから、事案の危険性、切迫性を的確に見きわめ、認知の段階から、経過をきちんと確認しながら、検挙による加害行為の防止、関係機関と連携した被害者の避難など被害者の安全確保を最優先に考え、常に最悪の事態を想定して保護対策を徹底しているところであります。
次に、特殊詐欺の実態についてであります。
本年5月末現在で、被害件数39件、前年比2件の減少、被害金額は合計1億9、000万円余り、前年比約2、000万円の減少となっておりますが、依然高どまり傾向にございます。
対策でございますが、金融機関と連携した預金小切手プラン、岩手県警察特殊詐欺被害防止広報センターからの注意喚起、自動通話録音警告機の貸し出しなどにより被害の未然防止を図るほか、県警察の総力を挙げた取り締まりを行うこととしています。
次に、警察官の増員の進め方についてであります。
増員分の警察官については、本年度の警察官採用試験の合格者の中から、大学既卒者で本年10月採用に応じられる者がいる場合には、10月採用を検討することとしております。それが不可能であった場合には、来年4月に採用する予定であります。
〇37番(斉藤信君) 外形標準課税の問題で、4分の1から2分の1ということで応益課税を目指すと。私は、これは税制の民主的原則に反すると思うんですよ。税制の原則というのは応能負担だと思いますね。これは戦後の税制の原則だったと思うんですよ。赤字の企業から税金を分捕るということになったら、今、消費税負担でも大変なのに、さらに、赤字でもこれは負担せざるを得ないと。
この外形標準課税というのは、特に、与党・自民党税制調査会は中小企業にも広げる方向を示していますし、安倍首相は国会でも否定していないんです。これは大変重大な問題だと思うけれども、部長、これは税制の原則に反すると思いませんか。これが第1点です。
第2点は、マイナンバー制度の導入によって、個人情報保護条例と住民基本台帳の一部改正条例がかかっているのですが、マイナンバー制度の導入は今、大問題になっているんですよ。それは年金情報の120万件の流出ですよね。
マイナンバー制度で何が問題かというと、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能だ、意図的に情報を盗み取る人間がいると。一度漏れた情報は、流通、売買され、取り返しがつかない。情報は、集積されるほど利用価値が高まり、攻撃されやすくなるという根本的な欠陥を持っているんですね。諸外国でも、こういう事件がたくさん起きているわけですよ。年金情報が流出した段階で、10月実施、来年1月からの利用実施の見直し、延期を県としても求めていく必要があるのではないか。
住基ネットについては、利用状況を私も調べましたが、利用者にとってみれば、せいぜい旅券の申請のときに活用する程度です。これが8、392件、あとはほとんど利用されていない。しかし、旅券などというのは、1回やれば、毎年やるようなことでもないんですね。
一番使っているのは何かというと、これは、岩手県税条例による県税の賦課または徴収に関する事務1万9、500件。行政が税金を徴収するために使っているんですよ。それに、先ほど答弁があったように8、700万円の維持管理費を使っていると。私は、本当にこれは無駄遣いの典型ではないかと思いますが、改めてお聞きします。
養護老人ホームについて、99%の入所率ですね。これは措置制度ですから、恐らく待機者があるのではないか。待機者の状況は把握されているでしょうか。
きのうのニュースで、これは国民生活調査結果ですけれども、高齢者の貧困率が19.7%と出ました。子供の貧困率が16.7%で、これが大問題になったんだけれども、子供以上に貧困なのが、今は高齢者なんですよ。
私は、こういう中で、養護老人ホームの必要性はますます高まっているのではないかと。待機者の状況も把握して、きちんとこういう貧困な高齢者の命と生活を守る対策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇総務部長(風早正毅君) 地方税制につきましては、地方公共団体が住民に身近なサービスの提供主体であることに鑑み、地域の偏在性が少なく、安定的な地方税体系となるよう、地域経済の実態も踏まえながら制度の構築がなされるべきと考えております。
そういう意味でも、地方法人課税については応益課税の考え方が重要であると認識しておりますが、外形標準課税の対象範囲の検討については、地域経済への影響も踏まえて、引き続き中小法人への配慮を適切に行い、慎重に行われるべきものと考えております。
〇政策地域部長(大平尚君) マイナンバー制度のセキュリティー管理についてでありますが、マイナンバー制度では、個人情報が同じところで管理されることはなく、分散管理されるなどの手段がとられますが、先ほど答弁で申しましたように、万が一にも情報漏えいがあってはならないものと考えておりますので、国においては、まずは、しっかりとした対策を講じることが大事かと思っております。それについては、こちらからも声を上げていきたいと思っております。
また、住基ネットでございますが、住基ネットは、先ほども申しましたように、マイナンバーに情報提供する基幹となるものでありますので、住基ネットとマイナンバーは、切り離すことができないようなシステムになってございます。したがいまして、この住基ネットについて、費用対効果のお話がございましたけれども、これは必要なシステムでありますので、これについては、適切に運用管理していきたいと考えております。
〇保健福祉部長(佐々木信君) 養護老人ホームについてでありますが、平成27年度から平成29年度までの高齢者福祉計画等を市町村が策定した際において、養護老人ホームの新規整備を予定している市町村はございませんでした。そういうことで、待機者等については特に把握してございません。
今後、福祉サービス及び介護サービスを提供していく中で、ニーズがあるのが養護老人ホームなのか、特別養護老人ホームなのか、あるいはグループホームなのか、そういったことを市町村でいろいろ検討していく中で、県としても、市町村の意見を聞きながら対応してまいりたいと思っております。
〇議長(千葉伝君) これをもって質疑を終結いたします。
次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第30号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第20回県議会定例会 平成27年7月3日)
総務委員会
1 議案第1号
2 議案第2号
3 議案第3号
4 議案第4号
5 議案第5号
6 議案第7号
7 議案第23号
8 議案第24号
9 議案第25号
環境福祉委員会
1 議案第6号
2 議案第8号
3 議案第9号
4 議案第10号
農林水産委員会
1 議案第15号
2 議案第16号
3 議案第17号
4 議案第18号
5 議案第19号
6 議案第20号
県土整備委員会
1 議案第11号
2 議案第12号
3 議案第13号
4 議案第14号
5 議案第21号
6 議案第22号
7 議案第26号
8 議案第27号
9 議案第28号
10 議案第29号
11 議案第30号
〇議長(千葉伝君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時24分 散 会

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