平成27年6月定例会 第20回岩手県議会定例会会議録

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〇6番(城内愛彦君) 自由民主クラブの城内愛彦です。今任期最後の質問の機会を与えていただいた先輩や同僚議員に対して感謝を申し上げます。
それでは、質問通告に従い質問いたします。知事を初め当局の明快な答弁を期待し、質問に入ります。
質問の第1点目は、東日本大震災津波からの復旧・復興についてであります。
東日本大震災津波から4年3カ月がたち、被災された方々も、ことし5月末時点で2万5、913人の方々が応急仮設住宅で5度目の厳しい夏を迎えようとしています。被災地は、一部復旧からの出口が見え始めた地区もあるものの、その多くが復旧工事の最盛期を迎えつつあり、工事車両がひっきりなしに行き交っているのが現状であります。集中復興期間の期限が今年度末に迫ってきてはいるものの、一般の被災者はいまだに復興の実感を感じられない方が多くいらっしゃいます。
県の復興計画は、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生を三つの柱に据え、その実行に努めてきたことに対しては一定の評価をし、感謝するところではありますが、そのおくれは全般にわたっていると言わざるを得ません。
安全の確保については、その工事量の多さと限られた時間の中での復旧工事の集中、資材の高騰、マンパワーの不足と地権者との合意形成など問題が山積しており、被災地の今後のまちづくりも含め、全ての復旧に影響を与えていると言っても過言ではありません。
暮らしの再建について、体力のある方々はいち早く自立再建されました。中には内陸部へ生活の拠点を移された方も少なくありません。特に高齢の方の多くはいまだに応急仮設住宅での生活を余儀なくされています。これは、自分のついの住みかがまだ見えてこないことも原因の一つであります。
なりわいの再生について、漁業は、基盤の復旧が進む中、漁獲が回復しつつありますが、その一方、水産加工業の方々の多くが仮設での営業であり、本設への道のりが見えてこないのも実情であります。また、仮設店舗での営業をされている方々は、いつまで商売を継続できるのか不安視する方も多くいます。
そこで質問いたします。
質問の1点目は、復興計画に対して、事業のおくれはどれぐらいなのか、復興の進捗状況と今後の見通しについて伺います。
2点目は、内陸部へ避難されている方について伺います。その数はいかほどで、うち、もとの地区へ戻らない方はどれぐらいになるのか伺います。あわせて、災害公営住宅の入居状況と課題、今後の建設予定と見通しについて伺います。
3点目は、水産業の基盤である漁港について、これまでの復旧状況と今後の見通しについて伺います。
質問の第2点目は知事の政治姿勢についてであります。
達増知事は、これまで、知事の多選は好ましくないと発言されておりますが、2期目折り返しを過ぎた昨年ぐらいから、県議会での質問に対し、多選が悪いと言っているわけではない、他都道府県の知事においても、多選の弊害に陥らずしっかりと仕事をしている方もいるので構わない旨の発言をされてきました。
そこで、1点目に伺うのは、なぜ最初から原則2期と限定され立候補されたのでしょうか、2期8年で岩手をどの方向へどのように引っ張っていくつもりだったのでしょうか、達増知事の思いのたけを伺うものであります。
2点目は、2期目に際し東日本大震災津波という未曽有の大災害に遭い、その復興計画を立て陣頭指揮をとってこられたとは思いますが、これまでの復興のおくれ、特にも集中復興期間が終わろうとしている今、振り返るにはまだ早いと思いますが、2期目の任期を満了するに当たっての知事の所感を伺うものであります。
また、知事は、1期目に立候補されるときは岩手を小沢王国にしたいと言い、2期目は東日本大震災津波からの復興を旗印に挙げられましたが、3期目の出馬に際し、政治家として何を旗印に、どのような政策を推し進めていくおつもりか、3点目に伺います。
4点目は、知事が開催に力を注がれている県政懇談会について伺います。
私はこれまで、御案内いただいた県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会にオブザーバーとしてできる限り参加させていただきました。被災地においては、復興で頑張っている若者や、団体の代表の方といった方々が対象と理解していますが、限られた時間と人数で、なかなか話ができなかったという方が何人かいらっしゃいました。現地に出向くという意味では評価いたしますが、これまで、参加者との意見交換で、その話の中から何を酌み取り、達増県政にどのように反映されたのか知事に伺うものであります。
質問の第3点目は子育て支援についてであります。
我が県において高齢化と少子化は大変な問題であり、少子化に歯どめをかけることは、人口減少問題に対応する上で喫緊の課題であります。特に我が県において22歳前後の女性人口の社会減が大きく、子供を産み育てる年齢層の方々が県外に流出する社会減の要素も問題を深刻化させています。県内在住の適齢期の方々が安心して出産し、子育てをし、さらには教育ができる環境が整っているのでしょうか。
私は、昨年6月定例会の一般質問において、広大な我が県における県内の小中学校の統廃合の状況について伺いましたが、少子化が進行する速度は尋常ではありません。まさに地域での格差が生じ始めています。我が宮古市川井地区では、ことしから小学校3校を1校に統合したものの、新1年生は2人と聞きました。今後どのようになるのか、考えるだけで寂しい思いがしてなりません。中には子供の病気について心配をお持ちの方がおられます。宮古市の中心部や盛岡市への通院にも時間がかかり、大変だとのことであります。
そのような中、今回は発達障がいについて質問いたします。
近年、小学校において、他の児童とコミュニケーションがとりにくいなど、発達障がいと診断される児童がふえていると伺いました。ADHD―注意欠陥多動性障がいなど発達障がいは生まれつきの脳機能障がいで、幼児期から症状があらわれ、通常の育児ではうまくいかないことがあり、成長するにつれて自分自身の持つ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることもあると言われています。しかし、発達障がいは先天的なハンディキャップではなく、一生発達しないのでもないと言われています。発達の仕方が通常の子供たちとは異なっていますが、支援のあり方によっては、ハンディキャップとなるかどうかが決まると言えます。人は家庭環境や教育環境などさまざまな外的要因に大きく影響を受け、一生発達していくと言われます。同様に発達障がいのある方も成長とともに改善されていかなければならない課題があると言えます。私が育った幼いころには、いろいろな配慮が受けられず、困難な環境で育った発達障がいの人も、今の時代のように周囲からの理解と適切なサポートがあればと考えたりもいたします。
そこで伺いますが、1点目は、現在、発達障がいと言われる方はどれぐらいいらっしゃるのか。また、早期に対応することが肝要であると言われますが、その対応はどのようになっているのでしょうか。
2点目は、一くくりに発達障がいといっても、その状態は一人一人異なるため、教育に関してもその子供に応じた支援が必要と思いますが、就学前、就学後、それぞれどのように対応しているのか伺います。
質問の第4点目は林業対策についてであります。
我が県は北海道に次ぐ森林県で、森林面積は117万2、000ヘクタール余りで県土の77%を占め、うち民有林約78万ヘクタールの人工林率は43%と、その有効活用がなされてきたものと考えていました。特にも平成18年から、森林を良好な状態で次の世代に引き継いでいくことを目的にいわての森林づくり県民税を導入し、その活動を展開してきたことは関係者においては周知のところであります。まだその理解が県民運動へと広がりを見せていないと、これまでも県議会で取り上げられてきました。
一方、我が県では古くから里山から多くの恵みをいただき、その恩恵を受けてきました。その最たるものが木炭であり、一大生産地としてその任を果たしてきたところではありますが、時代とともに石油資源へと取ってかわり、次第に山が荒れてきたのも事実であります。
〔議長退席、副議長着席〕
そこで、再び森林資源を有効に活用すべく、冒頭述べたいわての森林づくり県民税が県民の理解を得て導入されたものと理解するところであります。川上から川下までよどみなくつながってこそ、その意味が発揮されると思うところであります。
そんなやさき、国内で初めて木質ペレットの製造、販売に成功し、本県の木質バイオマス推進の旗印であった葛巻町内の企業の破産のニュースは県内の関係者に大きな衝撃を与えました。これまで県は、2004年度から2010年度までペレットストーブの普及促進事業として購入者に補助金を交付したほか、2011年度以降も、一部の市町村では再生可能エネルギーを推進する観点から独自の補助金を設けるなど、その普及を推進してきました。そんな地道な活動もあって、その導入は年々増加傾向にあったと聞きました。
そこで伺いますが、1点目は、東日本大震災津波以降、特にもクリーンで安全な再生可能エネルギーとして、被災された方々の中にもペレットストーブの導入に踏み切った方もいらっしゃいます。ペレットのユーザーへの対応をどのように考えているのか伺います。
2点目は、森林資源の循環についてであります。東日本大震災津波以降、安全でクリーンなエネルギーがにわかに注目を浴びています。FIT―再生可能エネルギーの固定価格買取制度の後押しもあり、森林資源を活用した木質バイオマス発電が注目を浴びています。県内では、宮古市川井地区に発電施設が2014年4月から操業を開始していますが、近々、県内に新たな発電施設もつくられると伺いました。これまで見向きもされなかった森林資源がにわかに脚光を浴び始めました。今後の木質バイオマス発電施設の動向はどのようになっているのか伺います。あわせて、発電に利用される資源が無秩序に伐採されるおそれはないのか伺います。また、再生可能にするための植林事業はどのように進めていくのでしょうか伺います。
3点目は林業人材の確保と育成についてであります。今、東日本大震災津波の復旧作業に、森林作業に従事されていた方が移動していると聞いていますが、現在の林業に影響はないのでしょうか。また、将来に向けた人材の育成はどのようになっているのか、あわせて伺います。
さて、今、岩手の林業はどうなっているのでしょうか。住田町の木材加工事業体の経営不振が報じられておりますが、このような状況では、他県に先駆けた取り組みを展開してきた森林県として、県内外に情報発信をするべきところ、岩手の林業に不安が広がりかねない事態は残念でなりません。森林の循環利用のためにも、素材生産者を初め林業関係者が安心して仕事ができることが必要と考えますが、4点目にその所見を伺います。
質問の第5点目は、再生可能エネルギーについて伺います。
我が県は古くから水力発電など自然由来の安全・安心な電力をつくってきたことは周知のところであります。また、地熱発電も全国に先駆け取り組んできたところであります。御承知のとおり、ライフラインの一つである電気は安定的な発電、送電が求められます。それに応えるべく、全国的には火力発電や原子力発電が導入され、安定した電力の供給がなされ、今日のものづくり日本を支えてきたものと考えます。
そんなやさき、東日本大震災津波の発生により、福島第一原発がこれまで経験したことのない甚大な被害を受け、原子力発電のあり方に一石を投じました。その貴重な経験を踏まえ、国では再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるFIT制度を創設し、太陽光発電など新規参入を奨励してきたところであります。そのような中、昨年の秋に電力会社5社は、太陽光発電の認定量が需要量を上回るとして、その買い取りを一時中断する旨を発表し、関係する方々に不安を与えたこともありました。
これらの事案を踏まえ、本年5月に県土整備委員会の視察を行いました。福島県郡山布引高原風力発電所を視察してきたところであります。標高1、000メートルのなだらかな布引高地に33基の風力発電機が整然と立ち並び、あれだけの数がそろうと観光にも寄与するとのことでありました。2007年2月より営業運転を開始し、出力は6万5、980キロワットアワーで、年間発生電力量は実に1億2、500万キロワットアワー、約3万5、000世帯分の年間電力消費量に相当するとのことで、8年が経過し、その課題についても伺ってきたところであります。この発電所は年間を通して良好な風が吹いていて安定した発電がされているとのことで、冬場の降雪対策が大変であること、何より地域と常に連携して良好な関係づくりをしていることなど、詳細に伺ったところであります。これまで風力発電の弱点と言われた無風時はやはり発電できないとのことで、今後の課題と説明を受けました。
現在、我が県において企業局が主体となって事業を進めている一戸町の―仮称ではありますが―高森高原風力発電所は、最大出力2万5、300キロワットアワー、年間売電電力量は5、300万キロワットアワーの計画となっています。注目すべき点は蓄電池を併設する計画があることで、電力を安定し、送電できることであります。
過日、東北電力西仙台変電所を個人視察した際に、リチウムイオン電池による蓄電システムを調査してきました。思い描くものとは別次元のもので、一辺が15センチメートル、厚さ2センチメートルぐらいの電池を組み合わせたもので、市販のハイブリッドカーに搭載されているものを使用しているとのことには驚きました。長時間にわたり大容量を蓄電し、停電時などの非常用途ではなく、常に発電される電気のピーク時の対応をする、いわば発電量のぶれを調整する役割と理解したところであります。
そこで伺いますが、まず1点目は、既に設置が公表されている(仮称)高森高原風力発電所における安定的な電力供給の見通しについて、蓄電システムなど技術面を含め伺います。あわせて、運転開始が平成29年度と伺いましたが、工事費の高騰や人手不足など、東日本大震災津波からの復旧事業による影響は心配ないのか伺います。
また、2点目は、国において、電力の安定供給の確保や電気料金の最大限の抑制などを目的として、平成25年4月からいわゆる電力システム改革が進められており、先月17日、改革の総仕上げとなる改正電気事業法が成立しました。いよいよ来年4月からは小売の全面自由化などが実施される見込みですが、この改正に伴う企業局事業への影響をどのように考えているのか伺います。
質問の第6点目は、マイナンバー制度導入についてであります。
社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度がいよいよ開始され、今年10月以降に個人番号が記載された通知カードを市町村を通じて県民に送付されます。その役割は、テレビ、新聞、ニュース等で取り上げられていますが、静かに進められてきた感があり、県民の皆様は、その導入と内容について理解が進んでいるのか懸念するものであります。一般に、社会保障の分野における年金、労働、医療、福祉並びに税分野、災害時の対策への利用が挙げられます。行政機関においては、その運用に係るシステムの準備は万全か、また、多岐にわたる分野をどのように管理し活用していくのか、課せられた責任は極めて重大であります。
社会保障や税などの個人情報を扱う制度でありながら、私も含め、制度や手続などを理解できない方々がいらっしゃいます。一生物の番号を生まれ落ちてから灰になるまでと言われますが、亡くなってからの手続等はどうなるのでしょうか、素朴な疑問を持つ方も多くいらっしゃいます。また、身近な制度でありながら、顔写真入りカードをつくるには、その手続に煩雑を来すのではないでしょうか。特にも、私の住む宮古市でも、写真1枚撮るのに手間がかかる地域もあり、広い県土ではなおさらであります。発行初年度の混乱は起こらないのでしょうか。
来年1月から運用が始まることを控え、そこで伺いますが、1点目は、制度の広報や窓口における混乱防止について、これまでの準備状況と今後の対応をお示しください。
2点目は、国、市町村との連携を行うためのシステム整備の進捗、とりわけ個人情報流出が万が一にも生じないよう、情報セキュリティー管理を徹底するための取り組みについて伺います。
質問の第7点目は選挙権年齢18歳以上への引き下げについてであります。
先月19日に改正公職選挙法が公布され、いよいよ来年夏の参議院議員選挙から適用となる見込みとなりました。選挙権年齢の変更は70年ぶりの大転換と言えます。世界的には18歳以上が選挙権を有することが大多数で、これに追随する形となりました。
我が県においては約2万人の方々が有権者の仲間入りすることになりますが、これまでの投票率を顧みても、新有権者のお手本になるとはいえない状況と言えます。今回の改正が、若者を起爆剤として、もう一度政治に関心を持ってもらうよい機会と捉え、質問いたします。
1点目は、当面の課題として、来年の参議院議員選挙までに有権者になる方々への周知と啓発はどのように展開していくところでしょうか。投票制度を初め寄附の禁止、選挙違反など公職選挙法に定める基本的なルールをどのような形で周知するのか、慎重かつ丁寧に説明する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
2点目は、高等学校における主権者教育についてであります。
これまで、学校教育現場においては、選挙についての学習はあっても、その仕組みについては社会科で学習するぐらいで、社会に出てからの実践が全てであり、我が身を振り返っても、選挙に対する姿勢が受動的参加から能動的参加になるまで大分時間がかかったと記憶しております。今回の改正では、公職選挙法を遵守するための高校教育における指導は、今後の新有権者になるだろう18歳未満の生徒に対しても大きな課題であると考えます。主権者教育が十分に行き届かないことで、未成年者や18歳の高校生が選挙違反を犯してしまうような事態が生じることは決してあってはならないことと考えます。
今般の法改正により、我が県で選挙権を有することになる高校3年生は約1万2、000人に及ぶと聞きました。高等学校において今後どのような主権者教育に取り組んでいくのか、県教育委員会の考えを伺うものであります。
最後の質問になりますが、我が県の自殺対策についてであります。
新聞報道で取り上げられた我が県の自殺死亡率が全国1位という大変不名誉な事案であります。これまでも北東北3県は自殺者が多いことで問題にされてきたことであり、その対策については県議会でたびたび取り上げられてきました。厚生労働省の平成26年人口動態統計によると、28年ぶりに隣の秋田県を抜いて自殺死亡率が全国1位になりました。平成10年に500人を超えて大問題になって以来、翌年からは13年連続して400人超えが続いてきました。今般公表された資料によれば、都道府県別ワースト5は、岩手県、秋田県、宮崎県、新潟県、富山県で、うち人口10万人に対して25.0人を超えているのは岩手県と秋田県になっております。なお、平成26年の警察庁統計によると、本県の自殺原因の上位は、第1位に健康問題で、第2位は家庭問題、第3位は経済、生活問題であり、年代別状況では、男性は50代、女性は70代が最も多くなっています。県当局は、これまでの努力が否定された思いではないでしょうか。
まず1点目の質問は、我が県の対策の頑張りよりも他県の対策が功を奏したのか、他都道府県の取り組みの中ですぐれた点を本県の施策に取り入れ、県民と一体となった取り組みが加速されることで全国1位からの脱却を図るべきと考えますが、所見を伺います。
2点目は、自殺と東日本大震災津波との因果関係について、内閣府によれば、岩手県において平成23年6月から平成24年12月までの東日本大震災津波に関連する自殺は25人と公表されています。平成25年、平成26年の分析はされているのか伺います。
長引く大震災津波からの復興はますます長丁場の様相を見せてきたところであります。被災された方々も5度目の暑い夏を迎えようとしています。応急仮設住宅からの一日も早い自立が第一義でありますが、新たな環境でのコミュニティづくりは、これまで築いてきたきずなの再構築にも増して時間がかかります。高齢の方々は、その新たな生活になじめるよう、その支援は大切であります。どうか一日も早い復興と、自殺をされる方々が出ない岩手を願い、壇上からの質問を終わらせていただきます。答弁によっては再質問をさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 城内愛彦議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、知事の多選についてでありますが、私が最初に知事選に立候補した当時、多選の弊害が指摘されていたこともあり、知事の任期は、原則2期8年が適切と考えたものであります。一方、知事は、1期4年ごとに民意の負託を受けるものでありまして、この4年間で何をするのかということに集中して、1期目も2期目も知事職を務めてきたところであります。
1期目においては、人口流出、県民所得の低迷、雇用不足、地域医療の崩壊の危機という、四つの危機に代表される危機を希望に変えるということを中心に、2期目においては、東日本大震災津波への対応を第一にして進んできたところであります。
次に、2期目の任期満了に際しての所感についてでありますが、平成23年4月11日、県では、東日本大震災津波からの復興に向けた基本方針を策定し、被災者の人間らしい暮らし、学び、仕事を確保するため、一人一人の幸福追求権を保障すること、そして、犠牲者の方々のふるさとへの思いを継承することを復興に向けての二つの原則と位置づけて、その後策定した岩手県東日本大震災津波復興計画をもとに、各般の施策を推進してまいりました。
これまで、復興道路、災害公営住宅、また、地域資源を活用した6次産業化の取り組みなど、復興に向けた取り組みが進んできておりますが、そうした中、県全体の底力、また、国内外からのつながりの力による復興の推進に手応え、そして、今後の大きな可能性を感じているところであります。
一方、復興は、今年度が事業のピークを迎えるところであり、まさに今が正念場であり、そして、まだまだこれからというところであります。
今後とも、被災者イコール復興者の皆さんに寄り添い、オール岩手で、未来に追いつく復興、そして希望郷いわての実現に向けて邁進していく必要があると認識しております。
次に、3期目の出馬についてでありますが、1期目は希望王国いわてをスローガンに、2期目は復興を訴えて知事選に臨んだところであります。3期目の出馬に当たりましては、第1に復興、そしてふるさと振興、この二つを柱に、希望が持てる暮らし、希望が持てる仕事、希望が持てる地域である希望郷いわてを実現するため、必要な施策を推し進めていきたいと思います。
具体的には、1、本格復興の推進とその先の三陸振興、2、若者女性活躍支援と生きにくさの解消、3、地域医療の充実といきいき健康社会、4、学び、文化、スポーツの振興、5、地域資源を生かした産業の発展、6、環境保全と再生可能エネルギー振興、7、ILC―国際リニアコライダー建設の実現、そして、8、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功と、2019年ラグビーワールドカップ岩手県釜石市開催の成功であります。
次に、県政懇談会についてでありますが、東日本大震災津波発災後からは、県政懇談会がんばろう!岩手意見交換会として被災地を中心に訪問し、被災された方や、また、被災者の支援に取り組んでいる方々から御意見をいただく形で開催をしてまいりました。また、平成25年度からは、ILCやジオパークなどのテーマを設けたり、若者、女性を対象にした懇談会も実施しております。
県政懇談会を通じて、被災地を初め、県内各地にお住いの方々が、暮らしや仕事等でどのような状況に直面し、どういう課題を抱えているかなどについて具体的に伺うことで、現場の状況を肌で感じるとともに、考えを直接伝えることで、お互いの理解を深めることができたと考えております。
その場で出された提言については、例えば、JR山田線の代替バスの乗り継ぎ時間の改善や復興に係る人材の確保など、直近の平成25年度から平成26年度の2カ年でいただいた御意見等のうち、9割以上について、趣旨に沿って措置または実現に向けて努力しているところであります。
今後も、引き続き、テーマや場所等、震災からの復興の進捗状況などに対応した開催に留意しながら、内陸部も含めたオール岩手での復興と、県民一人一人が希望を持つことができる希望郷いわての実現を目指し、県民の皆様の生の声を県政に反映させていくよう努めてまいりたいと思います。
その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので御了承をお願いします。
〔復興局長中村一郎君登壇〕
〇復興局長(中村一郎君) 復興の進捗状況と今後の見通しについてでありますが、第2期復興実施計画に掲げる延べ341指標のうち、平成26年度の年間目標に対する進捗率が95%以上の指標は約7割となっている一方で、関係機関との協議や復興まちづくり計画との調整などにより、緊急避難道路の整備や漁港海岸防潮堤の復旧、整備など、約2割の指標において実質的おくれが生じております。
主な復興事業の進捗状況は、平成26年度末で、全体計画に対し災害公営住宅で約3割、海岸保全施設で約2割、防災集団移転事業などの復興まちづくりで約1割が完成という状況ですが、第2期復興実施計画が終わる平成28年度末では、災害公営住宅では約9割、海岸保全施設では約8割、復興まちづくりでは約6割が完成する予定となっております。
今年度は第2期復興実施計画の中間年であり、復興事業を過去最大規模で進めているところでありますが、今後とも、国や市町村、関係機関との連携を密にしながら、被災者の皆様の期待に応えられるよう、本格復興に邁進してまいります。
〔県土整備部長蓮見有敏君登壇〕
〇県土整備部長(蓮見有敏君) 内陸部への避難と災害公営住宅についてでありますが、ことし1月時点で、内陸市町村及び県外に避難している世帯は合計で2、416世帯であり、それらの方々に住宅再建の意向に関するアンケート調査を行ったところ、みなし仮設住宅などの仮の住まいで暮らしている世帯が1、374世帯あり、そのうち、もとの居住地に戻らないと回答した世帯が731世帯ありました。
次に、災害公営住宅の入居状況と課題についてでありますが、既に入居が始まっている災害公営住宅は、ことし5月末時点で60団地、1、667戸あり、そのうち入居世帯数は延べで1、527世帯となっています。
県においては、今年度から具体的な家賃算定等を行う災害公営住宅入居相談会を実施するなど、入居の促進に努めているところです。
また、災害公営住宅の今後の建設予定と見通しについてですが、県と市町村の合計で5、921戸を整備する計画となっており、今年度末には累計で3、554戸、60%、平成28年度末には同じく5、584戸、94.3%が完成し、平成30年度までに全ての整備を終える予定です。
今後も計画どおりに事業が進むよう、今年度から岩手県マッチングサポート制度を災害公営住宅の受注事業者にも利用可能とするなどの取り組みを行っており、引き続き必要な対応を行ってまいります。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、漁港の復旧状況と今後の見通しについてでありますが、被災した108漁港全てで本格的な復旧工事に着手しておりまして、このうち、重茂漁港など54の漁港におきましては、既に復旧が完了しております。
防波堤につきましては、被災した97漁港のうち、約8割の漁港で復旧が完了し、漁船の安全な係留が可能となっており、岸壁につきましても、被災した108漁港のほぼ全ての漁港でかさ上げ工事が完了し、潮位にかかわらず、水産物の陸揚げが可能となっております。
今後におきましても、関係市町村や漁協などと緊密に連携しながら復旧工事を進め、本年度末までに被災した全ての漁港の復旧完了を目指してまいります。
次に、ペレットユーザーへの対応についてでありますが、平成26年度末までに県内に導入されたペレットストーブは累計で1、827台、ペレットボイラーは57台と着実に増加してきており、県内で流通しているペレットでございますが、これは約6、000トン弱と推定されております。
平成27年5月の葛巻町の製造業者の破産に伴いまして、供給量の減少が懸念されるところとなったところでございます。このため、県では、県内のペレット製造業者や販売業者、ストーブメーカーなど関係者と今後の対応について協議した結果、冬の本格需要期に向け、ペレットの増産や販売業者による取引量の確保等によりまして、ペレットの必要量は十分確保される見通しとなっております。
今後も関係者と連携しながら、県内のユーザーが不安なく木質ペレットを調達できるように取り組んでまいります。
次に、木質バイオマス発電施設と利用資源についてでありますが、県内の主な木質バイオマス発電施設は、平成22年度から石炭との混焼を始めた釜石市内の発電所と、平成26年度から稼働を開始した宮古市内の発電所のほか、現在、一戸町、野田村、花巻市内において、平成28年の稼働に向けて施設整備が進められており、そのほかにも幾つかの立地構想があると承知しております。
木質バイオマス発電施設の立地に当たりましては、木質燃料の安定的かつ計画的な需給を促すために、木材の供給者と発電事業者による協定の締結を求めるなど、県では、地域の森林資源量に見合った規模の発電施設が整備されるよう指導してきているところでありまして、現在、稼働中及び建設中の施設につきましては、既に協定の締結がなされております。
加えて、再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、森林の適正な管理により間伐された木材や、森林経営計画を策定した森林から伐採された木材など、計画的に伐採された木材を利用した場合に限り電気の買い取り価格が優遇されることから、発電事業の採算性から見ましても、過度な伐採にはつながらないものと考えております。
次に、植林事業についてでありますが、県内の木材需要が増大している中、安定した森林資源を確保していくためには計画的な植林が必要であり、できるだけ植林コストを低減し、森林所有者の負担の軽減を図っていくことが重要と考えております。このため、県では、通常より植えつけ本数を減らす低密度植栽の促進、植えつけ効率が高く、植栽時期を選ばないコンテナ苗木の活用、伐採から植栽までの作業を連続して行う一貫作業システムの普及など、植林コストの低減に取り組んできたところであります。
国が策定しました森林・林業基本計画によりますと、森林資源を将来にわたって安定的に確保していくためには、伐採面積に対して6割程度の植林が必要とされておりますが、現在、本県では4割程度の植林にとどまっておりますことから、より一層、関係機関、団体と連携しまして、植林コストの低減などに取り組むなど、森林所有者が意欲を持って植林事業に取り組めるよう支援してまいります。
次に、林業人材の確保についてでありますが、被災地の支障木伐採作業に多くの作業員が従事したことによりまして、間伐実施面積が震災前の約6割に減少するなど、少なからず影響はあったものの、支障木の伐採作業はピークを過ぎまして、現在、作業員が林業現場に戻りつつあると承知しております。
また、林業人材の育成につきましては、これまで、林業技術センターにおいて、林業従事者等を対象とした林業機械研修や、森林組合等の職員を対象とした養成研修等を実施しますとともに、岩手県林業労働対策基金と連携して、新規就業者を対象とした研修等を実施してまいりました。
県内の木材生産量が増大している中、実践的な技術を身つけた人材が今後一層求められてきておりますことから、現在、有識者によります林業人材育成のあり方検討会を設け、実践的な研修を受けられる養成機関の設置など、さまざまな観点から検討を進めているところでありまして、今後、この検討会からの報告をも踏まえ、人材の育成に取り組んでまいります。
次に、木材加工事業体の経営不振問題についてでありますが、本県におきましては、豊富な森林資源を背景に大型木材加工施設が多数立地し、大手ハウスメーカー等に対して、品質の高い木材製品を大量かつ安定的に供給する体制が構築されております。
今回の住田町の事案は、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動による住宅着工戸数の急激な減少が主な要因とされておりまして、社会情勢の変化や需給動向を踏まえた生産調整の実施など、事業体の経営力の強化が必要と考えております。
県では、今後も、県内すべての事業体に対しまして引き続き経営改善などの支援をしっかりと行い、高品質な木材製品等の安定供給基地としての評価を高め、素材生産者を初め、林業関係者が安心して事業に取り組むことができるよう努めてまいります。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) まず、発達障がいへの早期対応についてでありますが、本県の発達障がいの方の成人を含めた総数は把握しておりませんが、県教育委員会が、昨年、県内の全小中学校を対象に実施した小中学校の通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒に関する実態調査の調査結果によりますと、学習面か行動面で特別な支援を必要とされた児童生徒の人数は5、521人で、その割合は5.7%となっています。
発達障がい児への早期対応につきましては、平成17年度に保護者等に専門的助言などを行う岩手県発達障がい者支援センターを設置するとともに、保育士等へのいわてこども発達支援サポートブック等の配布、発達障がい児の育児経験のある親が経験の少ない親に助言などを行うことを目的としたペアレントメンターの養成に取り組んできたところです。さらには、今年度、保育士等を対象に発達障がい児への接し方などに関する技法についての研修を実施することとしています。
今後とも、地域において、早期に相談を受け各種支援につなげられるよう、専門的知識を有する相談員を養成するなど、支援体制の強化に努めてまいります。
次に、県民一体となった自殺防止の取り組みの加速についてでありますが、県では、本年3月、官民47団体で構成する岩手県自殺対策推進協議会での議論を踏まえるとともに、他自治体の取り組みなども参考にして、岩手県自殺対策アクションプランを策定したところです。また、各保健医療圏においても、関係機関からなる協議会等での意見なども踏まえ、地域自殺対策アクションプランを策定いたしました。
これらのプランに基づき、事業所訪問によるメンタルヘルス対策の要請や介護予防事業と連携した高齢者支援に重点的に取り組むなど、保健、医療、福祉、教育、労働、産業等の関係機関、団体や、住民が一体となり、それぞれ役割を担いつつ、連携、協力して、自殺対策を総合的、効果的に推進してまいります。
次に、東日本大震災津波との因果関係についてでありますが、平成23年6月から内閣府が調査、公表している東日本大震災関連の自殺者数は、平成23年17人、平成24年8人、平成25年4人、平成26年3人の計32人であり、年々減少しています。
県では、平成24年2月に、岩手県こころのケアセンターを設置し、震災こころの相談室での専門相談のほか、市町村や関係機関と連携した訪問活動による個別支援や、悩みを抱えた被災者を支援するゲートキーパーの養成などにより、被災者に対する専門的なケアを継続して実施してきたところです。こうした取り組みも、震災関連の自殺者数の減少に寄与したのではないかと考えております。
〔企業局長菅原伸夫君登壇〕
〇企業局長(菅原伸夫君) (仮称)高森高原風力発電所についてでありますが、この発電所は、電力会社から示された送電網の安定化という技術要件を満たすため、風向きや風車の変化に対し11基の風車を個別に制御するとともに、長寿命型の蓄電池を併設して急激な出力変動を緩和する計画としております。さらに、標高700メートル前後の尾根に設置することから、稲庭高原風力発電所での経験を踏まえ、複雑に変化する風や落雷に耐え得る風力発電設備を選定するなど、安定的に電力供給ができるよう、さまざまな対策を進めております。
また、東日本大震災津波からの復旧事業による影響については、現在、風力発電システムの実施設計を行う中で、工事費やスケジュール等について精査しているところであり、平成29年度の運転開始を目指して、事業が円滑に進むよう努めてまいります。
次に、改正電気事業法の企業局事業への影響についてでありますが、現在、企業局では、電力会社と長期契約を結び、国が定める規則に基づいた総括原価方式による価格で売電しておりますが、小売及び発電の全面自由化に伴いこの規則が撤廃され、将来一般競争入札に移行した場合には売電価格は市場の動向の影響を受けるほか、契約期間も短期間となることから、長期的な収支の見通しを立てるのが難しくなるのではないかと考えております。
また、国では、電力の需給をバランスさせるため、発電事業者のグループ単位で発電量を調整させる仕組みを検討しており、今後参加するグループの構成及び規模によっては、これまで以上に発電量の正確な予測や精度の高い運転調整が求められるものと考えております。
企業局としては、国が検討中の制度設計や電力市場の動向を注視しつつ、県内への電力の安定供給と安定経営の観点に立って、さまざまな影響への対策について引き続き検討を進め、電力システム改革に的確に対応してまいります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) マイナンバー制度の準備状況等についてでありますが、今年10月から個人番号の通知、平成28年1月から個人番号の利用が開始されることから、県民の方々に周知を徹底していくことが重要と考えております。これまで、国においては、ホームページ、新聞広告、折り込みチラシ、テレビコマーシャル等を活用し、県、市町村においては、ポスターの掲示やホームページ等により広報してきたところです。
今後、国においては、今月から集中的に広報を実施することとしておりますが、県におきましても、8月に全戸配布するいわてグラフにおいて、制度の周知とその運用開始について特集記事を掲載することとしております。
また、個人番号のカードの交付に当たっては、交付を行う各市町村において申請者が具体的な手続において混乱しないよう、今後開催する市町村担当者研修等を通じて、円滑な対応について依頼してまいります。
次に、システム整備と情報セキュリティーについてでありますが、マイナンバー制度に係る情報システムは、個人情報の安全性が保たれるよう、確認しながら整備、改修を進めているところです。
今後、国が示しているスケジュールに基づき、平成28年1月の個人番号利用開始に向けて個別の業務システムの整備を完了し、平成29年7月の情報提供ネットワークの本格運用に向けて、庁内のシステムの接続テスト、その後、国、市町村等との接続テストを実施していくこととしております。
また、情報セキュリティーの管理についてでありますが、マイナンバー制度では、個別の業務システムごとに情報が分散管理され、業務システム間では必要なときに必要な情報だけがやりとりされることから、個人情報を一括して集めることができない仕組みとなっております。このことに加え、国が策定した特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドラインに基づき、県、市町村とも、個人情報の管理やなりすまし防止のための本人確認を厳格に行うこととしているものです。
さらに、県におきましても、マイナンバー制度の導入に伴い、本年4月に情報セキュリティポリシーを改正し、管理体制の明確化など対策の厳格化を図ったところであり、情報セキュリティーの管理には万全を尽くしてまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) 発達障がいのある子供への教育支援についてでありますが、県教育委員会におきましては、幼児期から継続して障がいのある子供一人一人に対するニーズを把握し適切な指導を行うため、就学前にあっては、市町村教育委員会を通じ、幼稚園、保育所が関係機関と連携して、子供の障がいの状況や教育的ニーズを記録する就学支援ファイルを作成し、就学前児童への支援に役立てていただいております。
就学後においては、各学校において、この就学支援ファイルを引き継ぎ、学校教育での障がいに応じた指導目標、指導内容等を定める個別の指導計画と、福祉、保健、医療機関等と連携し生活支援を行うため、療育状況等を記録する個別の教育支援計画を作成し、学校教育と生活の両面からの支援を行っております。今後におきましても、それぞれの発達段階に応じた切れ目のない指導、支援に努めてまいります。
次に、高等学校における主権者教育についてでありますが、高校生に対する主権者教育は、県立学校において、学習指導要領に基づき、日本国憲法の基本的な考え方や議会の仕組み、政治参加の重要性、選挙の意義などについて指導してきております。
今般の選挙権年齢の引き下げは、若者の声を直接政治に反映させる絶好の機会と捉えており、新たに有権者となる高校生の政治や選挙に対する関心を引き出し、主体的に社会生活を営む知識や実践力、態度を育むことは、学校教育の場においても重要であると考えております。
このような認識のもと、県教育委員会といたしましては、高等学校等に対して適時適切な情報を提供し、政治経済等の教科における指導内容の充実を図るとともに、県選挙管理委員会等と連携しながら、模擬投票を体験できる授業の実施などを通じて、適切な主権者教育が進められるよう継続した取り組みを進めてまいります。
〔選挙管理委員会委員長八木橋伸之君登壇〕
〇選挙管理委員会委員長(八木橋伸之君) 選挙権年齢引き下げに伴う有権者への周知と啓発についてでありますが、今般、選挙権年齢の引き下げが行われたことから、新たに有権者となる方々への周知、啓発が特に重要であると考えております。
県選挙管理委員会では、これまで、将来の有権者となる方々に早期に選挙の重要性などを学んでもらうため、明るい選挙推進協議会等と共同し、小中学校及びモデル高校に職員が出向いて、模擬投票や選挙制度について講義を行う出前授業を実施してまいりました。昨年度は、選挙権年齢引き下げの動きを踏まえ、県教育委員会等と連携し、初めて県立高校2校で、選挙運動に関するルールなども交えながら出前授業を実施したところでございます。今年度は、現時点で7校から出前授業実施の申し出が出ており、こうした取り組みを通じて若年層への周知、啓発に力を入れていくこととしております。
また、国においては、選挙の意義や重要性を学ぶため高校生向けの副教材の作成を進めているほか、若年層向けにインターネットを用いた啓発や、各地でシンポジウムを開催するなどの周知、啓発を検討していると伺っております。
県選挙管理委員会としても、国や関係機関と連携し、従来から取り組んでいるツイッター、フェイスブックなどを活用し、若年層に対する情報発信を行うとともに、出前授業の拡充などを図りながら、選挙制度の周知を図っていきたいと考えております。
〇6番(城内愛彦君) それぞれの答弁ありがとうございます。
それでは、再質問させていただきます。
先ほど、東日本大震災津波からの復旧・復興の進捗状況及び漁港の復旧状況について全般的な状況をお伺いしました。それぞれ復興局長と農林水産部長からの答弁をいただいたところであります。個別の事業に関する進捗状況は時間の都合で割愛しましたが、宮古市の地域住民の方々から特に要望の強い道路事業と漁港事業に絞り、2点についてお伺いします。
1点目は、復興に関連してでありますが、県道41号重茂半島線についてであります。この路線については、私が議席をいただいてすぐの平成23年12月の定例会において、東日本大震災津波時に数日間孤立状態であったことを訴えて、その改良を約束いただいた復興関連道路であります。重茂地区の方々にとって、命を守る道路として、また地域の産業である水産業の安定した物流を支える道路として期待される悲願の道路であります。今般、その工事のおくれは地域の方々に大きな不安を抱かせています。
そこで伺いますが、この県道41号重茂半島線の工事の進捗状況と今後の整備の予定について伺います。
2点目は、宮古市音部漁港の掘り込み式漁港の進捗状況についてであります。新たな漁港整備の考え方として音部地区に掘り込み式漁港の設置計画が示され、2年余りがたちました。音部漁港の復旧はほぼ完成したものの、掘り込み式漁港の予定地は依然として大震災津波時と変わらぬ状況にあります。漁業関係者からいら立ちの声が上がっています。
そこで伺います。この掘り込み式漁港事業の進捗状況と今後の整備予定についてお願いしたいと思います。
〇県土整備部長(蓮見有敏君) 主要地方道重茂半島線についてでありますが、現在、復興関連道路2工区、まちづくり連携道路7工区の合計9工区で改良事業を行っております。このうち、白浜―堀内工区が本年3月に供用開始したほか、大沢―浜川目工区において工事を推進してきたところであり、残る7工区についても、用地取得や埋蔵文化財調査、関係機関調整などを進めており、平成26年度末の事業進捗率は全体で18%となっています。今年度は、熊の平―堀内工区のトンネル工事を初めとして、準備が整った工区から順次工事に着手する予定であり、早期完成に向けて取り組んでまいります。
〇農林水産部長(小原敏文君) 宮古市音部漁港の整備についてでありますが、県では、宮古市音部漁港において、漁船の安全確保や高台移転跡地の有効活用を図るため、地元の要望を踏まえ、移転跡地を掘り込んで漁港を整備する計画を平成25年度に策定しました。これまで、必要な護岸等の整備を進めておりますが、掘り込み部の測量、設計等につきましては、市道計画との調整などに時間を要し、おくれが生じているところでございます。
今後、用地買収を進め、年度内に本格的な工事に着手することとしておりますが、共有地が多いことなどから、宮古市や地元漁協等と連携しながら円滑な用地買収に努め、早期完成に向け取り組んでまいります。
〇6番(城内愛彦君) 音部の掘り込み漁港に関しては、漁協の方々が全面的に協力すると。だからこそ早期に整備をお願いしたいという話でしたので、ぜひ、しっかりと仕事をしていただきたいと思います。
終わります。
〇副議長(大宮惇幸君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時51分 休 憩
出席議員(44名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 清 水 恭 一 君
3  番 名須川   晋 君
5  番 神 崎 浩 之 君
6  番 城 内 愛 彦 君
7  番 福 井 せいじ 君
8  番 佐々木 茂 光 君
9  番 佐々木   努 君
10  番 佐々木 朋 和 君
11  番 軽 石 義 則 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 後 藤   完 君
15  番 岩 渕   誠 君
16  番 郷右近   浩 君
17  番 高 橋 孝 眞 君
18  番 岩 崎 友 一 君
19  番 高 橋 但 馬 君
20  番 小 野   共 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 木 村 幸 弘 君
23  番 久 保 孝 喜 君
24  番 小 西 和 子 君
26  番 五日市   王 君
27  番 喜 多 正 敏 君
28  番 工 藤 大 輔 君
29  番 嵯 峨 壱 朗 君
30  番 工 藤 勝 子 君
31  番 工 藤 勝 博 君
32  番 及 川 あつし 君
33  番 小田島 峰 雄 君
34  番 大 宮 惇 幸 君
35  番 飯 澤   匡 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 佐々木 順 一 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 樋 下 正 信 君
42  番 柳 村 岩 見 君
43  番 千 葉   伝 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 佐々木   博 君
46  番 渡 辺 幸 貫 君
47  番 田 村   誠 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時13分 再 開
〇副議長(大宮惇幸君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。渡辺幸貫君。
〔46番渡辺幸貫君登壇〕(拍手)

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