平成27年6月定例会 第20回岩手県議会定例会会議録

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〇39番(及川幸子君) 希望みらいフォーラムの及川幸子でございます。このたび、同僚議員の御理解のもと一般質問の機会をいただき、心より感謝申し上げます。
4期目最後となる質問となります。17回目の登壇となりますが、抱える県政課題は山積しております。初心と同じく新たな疑問を抱き質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
まず最初に、知事の県政に対する今の思いをお伺いいたします。特にも、東日本大震災津波より4年余りがたち、沿岸被災地を訪れた今、何がどのように変わったのか、県民にわかりやすいように表現していただきたいと思います。また、復興を推進していく上で何が課題となっているのかもあわせて伺います。
このたび、政府は、2016年度から東日本大震災の復興事業の一部で被災自治体に1%から3%の負担を求める決定を発表いたしました。これによりますと、本県の負担額は、2020年度までの5年間で、県が約73億円、沿岸12市町村が約16億円で、計90億円程度とされておりますが、今後の復興推進への影響について知事のお考えをお伺いいたします。
また、社会資本整備総合交付金とされる事業負担額が29億円余りとなり、釜石市甲子川水門、国道340号立丸峠など一日も早い完成が待たれますが、負担分を考えると、予定どおり実施可能か疑問が残るのですが、このことについてもお考えをお示しいただきたいと思います。
復興半ばの今、被災自治体では一日も早い復興を望んでいるのに、このたびの政府のやり方に、全額国庫による整備を強く要望してきた二つの横断道路や湾口防波堤等が地方負担の対象とされたものの、苦渋の決断として受け入れざるを得ないとした達増知事、竹下復興大臣に、甘えや怠けは心配するに及ばないとおっしゃったそうですが、今後さらに強い気持ちで自分が被災地を守るんだという意気込みを持っていただきたいと思います。そこで、力強い知事の御所見をお伺いいたします。
南三陸町志津川の被災地にも何度も足を運びましたが、防災対策庁舎の被災状況を見るとき、4年前の津波のすごさが脳裏をかすめ、一日も早いこの地の復興を望んだ私です。
次に、福祉施策についてお伺いいたします。
まず最初に、生活保護の受給者についてお伺いいたします。
全国の受給世帯数は、本年3月には過去最多となる約162万世帯が対象となっており、県内における受給者も気になるところであります。本県における保護受給世帯の動向はどのようになっているのかお示しいただきたいと思います。また、県では、増加する保護受給者に対してどのような点に留意して支援されているのかお伺いいたします。
社会構造が著しく変化する中で、保護受給者から、生活保護制度に対する問題点や改善を求める声などが寄せられていると思いますが、どのように意見や要望に対応しているのかお伺いいたします。
次に、安心して暮らせる老後についてお伺いいたします。
今、地域を歩いてみますと、ひとり暮らしや二人暮らしの高齢者が多く、このような方々が歩行困難になった場合の施策をいち早く考えていかなければならないものだと感じております。そこでお伺いいたしますが、今、県内で施設の入所を希望している方々はどのぐらいおり、また、順番待ちをしておられる方々の状況をお示しいただきたいと思います。さらに、県内施設の整備状況はどうなのかお伺いいたします。
入所費用が高額でも入所できる方は問題ないのですが、所得が低い、特に年金収入だけの方々が入所できる状況はどうなのかお伺いいたします。月々3万円から4万円の年金受給者の方々は将来に大変な不安を抱いていらっしゃいます。地方自治体などと連絡を密にして、要望の多い低所得の方々の不安の払拭をお願いするものであります。
次に、障がいのある方々の日々の思いにどのように向き合っていらっしゃるのかお伺いいたします。
5年前、県において、障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例が制定されました。そこでお伺いいたしますが、条例制定から今までどんな意見が寄せられ、その結果、改善がどのようになされたのかお示しいただきたいと思います。
次に、障がい者の地域での自立及び就労支援についてお伺いいたします。地域で生活するグループホーム等利用者が、昨年度実績の速報値では1、685人であるのに対し、本年度目標値は1、792人となっております。一方、福祉施設からの一般就労障がい者数は、昨年度実績の速報値で138人、今年度の目標値で170人となっており、グループホーム等利用者数の10分の1にも満たない数値となっております。この点についてどのようにお考えなのかお伺いいたします。
次に、病児、病後児保育の実施施設数が、平成22年31カ所、平成26年は44カ所と大変低いものとなっております。病気をしても何日も休めない事情を知るとき、利用者への周知と整備の充実を望むものですが、お考えをお示しいただきたいと思います。
働く側にとって、勤め先の理解が一番に求められておりますが、子育てにやさしい企業認証を受けている数は大変低く、岩手県の施策がいかにおくれているかがうかがわれます。平成22年11社、平成26年は目標値の21社に対し実績値は23社であり、目標は達成されているものの、企業認証拡大に向けた取り組みとしてはまだまだ不十分であると言えます。毎年のことと思われますが、8月から12月、事業所訪問をされ、企業認証拡大のため努力をなさっていらっしゃるようですが、これまでの取り組み状況と今後の取り組みの方向性についてお示しいただきたいと思います。
次に、農業施策についてお伺いいたします。
安定した農業所得が確保できる経営体の育成でありますが、まず最初に、水田の整備率についてお伺いいたします。
県南広域振興局管内における水田整備率の平成26年度の目標値が53.3%に対し、実績値が54.2%と努力の成果がうかがえます。しかし、国における農業施策の大改革の中で、米価の下落、高齢による離農、耕作放棄地等、早急に手だてを講じないと日本の農業が廃れてしまう状況にあります。このような中、本県の水田の整備率についてどのようにお考えなのかお示しいただきたいと思います。
今、米価は大変な状況にあり、耕作放棄地も多い中で、地域農業の将来に展望を描けない現状にあります。ここで本県の農業振興の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
集落型の農業法人数などを見ると、その育成はされてきておりますが、若い人たちを雇用する状況にあるとは思えません。こうした状況から、地域の農村から若い人たちがどんどん離れております。このような若い人たちの農業離れを食いとめるとともに、新規就農者の確保、育成が重要と考えておりますが、その取り組みについてお伺いいたします。
次に、需要に応じた生産、供給力の強化でありますが、地域オリジナル米などの生産拡大として、県オリジナル水稲新品種岩手107号、岩手118号の取り組みをお示しいただきたいと思います。国においては、米づくりにストップをかけ飼料用米に力を入れるようですが、新品種開発と飼料用米拡大の結びつきはどうなのかお伺いいたします。
次に、農村の地域資源の保全管理についてお伺いいたします。
農業、農村が有する多面的機能の維持、発揮を図るため、農地や農業用水路、農道などの地域資源の保全管理に係る地域の共同活動を支援する多面的機能支払制度が昨年度創設されました。本県でも制度が導入されており、その効果が期待されているところでありますが、県内における制度の活用状況をお示しいただきたいと思います。
また、圃場整備事業で整備された農道の維持管理は市町村が担っていると思いますが、砂利道に大きな水たまりができていたり舗装に穴があいているなど、路面補修等に手が回っていないように感じております。地域の生活道でもある農道の軽微な補修については、同制度を用いて、地域の共同活動も促しながら適切に対応していくことが必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、教育振興についてお伺いいたします。
まさに今の時代は目まぐるしく移り変わり、子供たちも思考より先に答えが頭に浮かぶ時代であります。本を読む習慣もなくなり、文章をつくること、字を書くことさえ薄れてしまいました。小学校の先生方が懸命に字を教えてくださいます。その国語の時間を大切に思うのは子を持つ親であります。文章を読み、それぞれの理解のもとに感想を書く。そこには子供たちの夢があり、無限に広がる想像の世界があるのです。そこでお伺いいたしますが、小学校低学年からの読書力についてどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
夏休み、冬休みの期間、新書をそれぞれ購入し感想文を書く。私は、それぞれが新書を購入するのではなく、1冊の本を与え、同じ本でクラス全体が感想を書く、そのことのほうが意義深いものと考えますが、いつから自由に本の選択をするようになったのかお伺いいたします。多くの対象の中より自分の好みを選び、内容よりも出来上がりの速さで競う、それが本当の読書なのか疑問であります。この点について御所見をお伺いいたします。
次に、少人数学級の実現についてでありますが、何年もかけて実現に踏み切った結果、岩手の教育も他県と同等のレベルになったと安堵したのもつかの間、国においては、予算の確保が難しいと少人数学級に踏み込むのをやめてしまいました。県において一定の効果は出たはずですが、国の示した方向性に何ら意見もなく従ったのでしょうか。先生方の悲鳴が聞こえてくるようです。多様化した社会の中で生きている子供たち、1教室に40人以上の子供たちは元気いっぱいで自分を主張し続けているのです。教育長の心のうちをお聞かせいただきたいと思います。
次に、豊かな人間性の育成についてお伺いいたします。
子供にとって、学校は、学びはもちろんのこと、友達との信頼関係、先生とのきずななど、豊かな人間関係を築いてくれます。しかし、一歩間違えば、不登校やいじめなど予期せぬ事態に発展することもあるのです。県内において、不登校、いじめの実態はどのようになっているのかお伺いいたします。そして、それらに対処するためどのような施策をとられているのかお伺いいたします。
学校において、学力の向上のためにいろいろと取り組んでいることは承知しておりますが、6月17日の報道で、授業改善・学力アップ、自ら学ぶ子への工夫という記事を知りました。盛岡市立仁王小学校の取り組みが紹介されたものです。一方的に教えるのではなく、学習の目的意識を持たせる工夫を重ねているとの内容でした。もちろん各種の学力調査の結果を分析し、弱点の克服を重ねて好成績を残しているとのことで、この取り組みは6月19日の公開研究会で報告されたようです。
そこでお伺いいたしますが、この報告に対する思いをお聞かせいただきたいと思います。どんな授業においても、一方的に教えるのではなく、目的意識を持たせる工夫、特に低学年には重要なことであります。秋田県においては、全国ハイレベルな学力の向上を目指し実現しておりますが、本県においても、学力向上のため、いろいろと施策をとりながら取り組んでいると思うのですが、その内容をお示しいただきたいと思います。
もちろん、同時に道徳教育の重要性も大きな位置を占めてまいります。最近になり、道徳教育の見直しを初めそれぞれ取り組んでいるようですが、岩手県教育委員会における道徳教育の取り組みについてお伺いいたします。
次に、安全・安心で住みよい地域社会の構築についてお伺いいたしますが、地球温暖化対策として立ち上げております地球温暖化対策地域協議会の取り組みについてお示しいただきたいと思います。国においては、2030年までに、2013年度比で温室効果ガスを26%削減するとしておりますが、県として、今の取り組みでその数値に近づけるのか危惧いたしております。
そこでお伺いいたしますが、特に地域住民への啓発はどうなっているのかお伺いいたします。いわて地球環境にやさしい事業所数は増加の傾向にあるようですが、一人一人がその方向に向かってなし遂げないとだめな取り組みではないかと思います。この点について御所見をお伺いいたします。
次に、産業廃棄物についてお伺いいたしますが、産業廃棄物の処分については環境に配慮した取り組みがなされるべきであります。常に事業者に対して徹底した監視、指導があることを望みますが、県は、不法投棄等の監視の実施についてどの程度の頻度で実施しているのか、また、監視の結果、事業者に対してどのように指導しているのかお伺いいたします。近年、建設しようとした土地から大量の不法投棄が見つかり、建設作業の中断などが目立ちます。県内におけるこうした状況についてお示しいただきたいと思います。
次に、生活排水対策の推進についてお伺いいたします。
水洗化人口割合についてでありますが、平成21年度末の現状値は61.9%と全体の6割強でありました。昨年度の目標値は、平成21年度末の9%増の70.9%でありましたが、実績値は現在集計中とのことであります。今年度は72.4%と目標値を上げておりますが、今年度の取り組みはどうなっているのかお伺いいたします。平成27年度の県予算は、浄化槽設置整備事業費補助などに2億6、048万円余、下水道整備促進対策費として1、961万円余りと予算の確保が難しい点など、施策の実施に大変苦慮しているものと考えますが、この点についてどうお考えなのでしょうか、御所見をお伺いいたします。
次に、岩手県競馬組合の運営状況についてお伺いいたします。
平成26年度の当期利益は8、800万円となる見込みのようであり、関係各位の皆様の御努力に一定の評価を示したいと思います。岩手競馬発売収入を見ますと、インターネット発売の状況が、前年度の平成25年度に比べ25億3、100万円ほど伸びており、時代の波を感じさせます。計画達成率が100%を超える今、少しずつでも借金の返済に充てるべきとの声が多いのですが、このことについてお考えをお示しいただきたいと思います。
競馬振興議員クラブでは、昨年11月15日に、震災で失われた釜石テレトラックに視察に行ってまいりました。多くの競馬ファンで会場はいっぱいでした。これだけの人が震災からずっと岩手競馬を待っていたのだと、改めてテレトラックの完成に賛同した私です。昨年11月3日、盛岡競馬場で開催された地方競馬最高峰のレース、JBC競走。あの日、あのとき、どこから人が集まってきたのかと思うほど多くの人々で競馬場は埋め尽くされたのです。魅力あるレースには人が集まるのだという実感。この魅力あるレースについてどのような思いを寄せておられるのか御所見をお伺いいたします。また、震災で使用できなくなった箇所について、今後どのような手だてを考えているのか、今後の対応についてお伺いいたします。
次に、復興施策についてお伺いいたします。
平成23年3月11日、大切な思いが失われ、今なおその爪跡はつらく、悲しく人々に突き刺さってきます。5月28日から29日、福島県、宮城県の震災復興支援の概要等を調査してまいりました。両県の状況を見て回りますと、まだまだ復興道半ばであると実感いたしました。
そこでお伺いいたしますが、被災沿岸地域においていまだに応急仮設住宅にお住いの方は、災害公営住宅に移り住むまでの間は我慢を余儀なくされることになりますが、現在、応急仮設住宅にお住いの方も含め、災害公営住宅への入居を希望しながら、まだ入居できない方が県内にはどれだけおられるのかお伺いいたします。7市町村では、復興まちづくり支援事業において、完成、引き渡し済み、事業実施中と、それぞれの段階が示されておりますが、災害公営住宅の完成はおおむね何年を目途として見込まれているのかお伺いいたします。
次に、部活動ができずに、部員がそろって車で移動し他の場所で練習する、その不便さが早く何とかならないのかと聞かれますが、被災地域の学校のグラウンドの応急仮設住宅の撤去の見込みについてお示しいただきたいと思います。
今回の政府決定では、久慈港の湾口防波堤事業に県の負担が生じることとなり、完成のおくれが懸念されるようでありますが、地元からは、地方負担により事業がおくれないよう求める声が多く聞かれます。安全を考える面でも一日も早い復興が望まれますが、このことについてどのようにお考えなのかお伺いいたします。
最後の質問になりますが、当面する県政課題ということで、最初に、一般国道107号の土砂崩落に関する復旧工事の着手についてお伺いいたします。
3月29日発生した国道107号西和賀町杉名畑地区の土砂崩落から今まで、専門家による指導、助言を受けながら、早期復旧に向けた検討と工事を進めてきていると伺っております。現在、どのような進捗状況なのかお伺いいたします。また、女性や高齢者ドライバーから高速道路の利用に不安があると聞いておりますので、安全確保最優先の対応を進めるとともに、地元の方々への説明をしながら、一日も早い通行どめ解除を望むものでありますが、このことについてもあわせてお伺いいたします。
次に、再生可能エネルギーの構築についてお伺いいたします。
地球に負荷をかけないエネルギーとして、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどが期待されており、この普及拡大に向けて固定価格買取制度などの支援策が導入されてきました。しかしながら、水力発電は、場所の選定や水の使用権問題があり、容易に取り組みができるものではなく、準備に長い時間を要し、民間の参入は難しいものと思われます。手軽にできる太陽光発電は、経済産業省と電力会社が、挙げた手をおろさせている現況のようであります。これまでの再生可能エネルギー導入への取り組み状況と今後の課題等についてお示しいただきたいと思います。
次に、本県の自殺死亡率が全国最悪になったことについてお伺いいたします。
平成26年の人口動態統計では、岩手県は28年ぶりに全国ワーストとなりました。自殺者が多いのは、男性で50代、女性は70代、その原因は、50代男性では健康と経済、生活問題、女性では健康問題が多いと言われております。県として、1次予防、2次予防など総合的な対策に取り組んできたようですが、これまでの取り組みを見直し、新たな対策を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。なぜ今、県内の自殺死亡率が増加したのか、原因を追及するべきと考えますが、それらもあわせてお答えいただきたいと思います。
次に、特殊詐欺に関する事案についてお伺いいたします。
防止対策が打ち出されても、次々と新たな手口で卑劣な犯行に及ぶ詐欺グループとのイタチごっこに、決して被害はやむことなく続いております。そこでお伺いいたしますが、最近の被害状況と悪質な手口、手法をお伺いいたします。また、さまざまな防止対策にもかかわらず起きる被害に対し、今後どのように対処していこうとしているのかお伺いいたします。老人クラブ等に対して警察署員の方々が注意を呼びかけていることは知っておりますが、それ以外の方々には戸別に家庭を訪問しながら注意を促しているのでしょうか、その対応をお伺いいたします。
最後に、人口減少問題についてお伺いいたします。
県においては、5カ年計画の地域版総合戦略を策定し、定住人口の増加に向けた打開策を探るとしております。交付金は、県に34億円余、市町村に43億円余と聞いておりますが、県においては、小中高生を対象に未来の産業人材育成事業を実施するようですが、これらのことが岩手からの人口流出に歯どめをかけるというのでしょうか。市町村においては、人口減少対策や地方創生に向けた主な取り組みを挙げて頑張っているようです。
県議会の人口減少・少子化対策調査特別委員会では、全国各地から講師をお招きし、また、先日は富山、石川両県を訪ね、少子化対策に歯どめをかける動きを調査してまいりました。前岩手県知事の地方消滅の一節、それに対抗する山下祐介首都大学東京准教授の講義等を受け、それなりに答えを見出していく方法、毎日毎日、日々目まぐるしく移り変わる世の中、県として、人口減少対策に明るい日差しを求めて歩む、その方向性をぜひお聞かせいただきたいと思います。
沿岸復興に加速をかけ、このすばらしい岩手の県土づくりに達増知事とともに一緒に歩んでまいりたいと存じます。
これをもちまして私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 及川幸子議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、復興の推進についてでありますが、これまで、一日も早い復興の実現のため、県政史上空前の規模の事業に取り組み、基盤復興期間においては、全国の自治体の協力もいただき、災害廃棄物の処理を完了するとともに、三陸鉄道が全線運行を再開いたしました。
また、漁業協同組合を核とした漁船や養殖施設の一括整備により、産地魚市場の水揚げ量は震災前の約8割まで回復し、グループ補助金を活用した事業者の早期再開に取り組んだ結果、被災した事業所も、一部再開を含め約8割が再開しています。さらに、地域再生営漁計画の策定や水産加工業へのカイゼンの導入などにより、さらなる復興を目指した支援に取り組んでいます。
雇用については、発災当初は雇用不足による人口流出が懸念されましたが、平成24年7月以降、沿岸の有効求人倍率が1倍台を維持するなど、現在は、むしろ水産加工業など幅広い業種で、労働者の確保が課題となっています。
暮らしの基盤となる住まいについては、災害公営住宅が約7割で着工し、宅地供給予定のほとんどの区画で着工しています。
今後、復興事業のピークを迎え、災害公営住宅や高台等の住宅団地が次々と完成しますことから、新たなコミュニティの形成に対する支援が課題となります。
また、被災した県立病院の移転新築工事を進めていますほか、県立高田高校の校舎が完成し、被災した県立学校の全ての復旧を終えたところであり、今後、引き続き、市町村立小中学校の早期復旧を支援してまいります。
国の直轄事業である復興道路や復興支援道路は、震災後に事業化された全区間で着工されたほか、順次供用区間の延長が進み、この4年間でも沿岸の移動が円滑になってきています。
今後、復興を加速させるためには、復興財源の確保とマンパワーの確保が引き続き重要でありますので、市町村や国との連携に努めながら、しっかり取り組んでまいります。
次に、地元負担の復興事業への影響についてでありますが、県及び市町村に今後5年間で新たに発生する地元負担として、現在試算されている約90億円という金額は決して小さな額ではありませんが、一方、このために、復興事業の進捗に影響が出るということはあってはならないものと考えております。
また、今回の地方負担については、国は、財政的に脆弱な市町村に特に配慮する方針を示しており、地方負担の対象とならない復興交付金の効果促進事業の一括配分を、今年度追加で配分することも予定しています。
今回、国において、被災自治体で新たに生じる負担額について、地方債の発行を認める方針が示されたところであり、こうした活用も含めて、今後しっかり検討し、復興に影響の出ることのないよう進めてまいります。
社会資本整備総合交付金の復興枠で実施している事業については、一部負担が生じることとなったものの、住民の安全にかかわる防潮堤や水門、河川、砂防のほか、被災地の復興まちづくりやなりわいの再生を支援する道路等の整備を実施しているものであり、被災地の復旧、復興をなし遂げるために、一日も早い完成が求められていますことから、おくれることのないようにしっかり取り組んでまいります。
次に、今後の復興についてでありますが、東日本大震災津波は、被災した区域が東日本沿岸一帯を中心として極めて広範な地域に及んでいること、また、被害規模においても、本県だけでも、沿岸地域を中心に、行方不明の方を含めて5、801人という多くの方が犠牲になられているなど、その規模の大きさや被害の深刻さにおいて未曾有の災害であるということを、改めて、地元はもとより、日本全体で共有しなければならないと考えています。
一方、これまでの4年間で、かつてないような岩手県民の努力と、全国さらには海外からの多くの御支援をいただきながら、県政史上空前の規模で復興事業を進めているところであり、その成果と課題は先ほど申し上げたとおりであります。
今年度の本格復興邁進年に当たり、復興事業のピークを迎え、私は、改めて、復興の量の確保と質の向上に努めなければならないと考えており、今後4年間、ますます岩手が一つになり、市町村、県、国の連携を密にしながら、また、行政と民間が力を合わせ、復興計画に掲げる、いのちを守り、海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造の実現に向けて邁進してまいります。
次に、本県農業の振興についてでありますが、本県の農業は、地域経済を支える基幹産業の一つとして持続的に発展を図っていくとともに、食料供給基地としての役割をしっかり果たしていくことが重要であります。このため、県では、地域みずからの話し合いにより、地域農業全体の展開方向を明確にした地域農業マスタープランを基本に据え、地域農業の中心となる担い手の経営力強化や、小規模農家も参画した産地づくり、地域の多彩な資源を活用した高付加価値化の取り組みなどを支援しています。
今後におきましても、こうした取り組みを県内各地でさらに進め、農業の担い手が意欲と展望を持つことができるような地域農業の実現を目指して、関係機関、団体と一体となって取り組んでまいります。
次に、県オリジナル水稲品種の取り組みについてでありますが、現在、主食用米の需給が緩和し、産地間競争が激化していますことから、県では、オリジナル品種の岩手107号、岩手118号を早期にデビューさせ、既存品種からの計画的な転換と、高価格での取引を実現していくことが重要であります。このことから、生産面では、全国トップクラスの品質と食味を実現する栽培管理の徹底、販売面では、認知度を高めるネーミングや効果的なプロモーションなどの活動を戦略的に展開していくため、先般、いわてオリジナル品種ブランド化戦略実践本部を設立し、生産、流通、消費などにかかわる県内外の関係機関、団体と一丸となって、新品種のブランド化に向けた取り組みを強力に推進してまいります。
また、飼料用米につきましても、国の政策に呼応して、需給動向を見ながら、これまで以上に生産拡大を進めてまいります。
次に、岩手県競馬組合に対する構成団体融資の返済についてでありますが、岩手県競馬組合は、東日本大震災津波により多くの施設が被災したことから、事業収支改善計画を策定して、農林水産大臣の同意を得て、地方競馬全国協会1号交付金の支払い猶予を受けながら、低コスト経営体質への構造転換や発売体制の充実強化等に取り組んでまいりました。
今年度は支払い猶予期間が終了し、1号交付金の支払いが再開することに加えまして、これまで猶予されていた分の追加支払いが生じてまいりますので、まずはこれらを確実に履行することが必要であり、引き続き経営体質の強化に取り組んで、安定的な事業運営を実現していくことが重要と認識しております。
その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので御了承をお願いします。
〔復興局長中村一郎君登壇〕
〇復興局長(中村一郎君) 学校グラウンドに建設された応急仮設住宅については、全体で32カ所、2、298戸ありましたが、これまで、田老第三小学校グラウンドでは全ての応急仮設住宅が、宮古市立第二中学校と大船渡北小学校のグラウンドでは一部の応急仮設住宅が解体撤去されております。今年度は、綾里中学校と田野畑中学校の2カ所のグラウンドの応急仮設住宅の解体撤去を行う予定となっております。
学校グラウンドにある応急仮設住宅を撤去し、早期に子供たちが使えるようにするため、市町村に対し、今年度内のできるだけ早い時期に応急仮設住宅の集約化計画を策定するよう要請をしているところであり、準備の整ったところから順次撤去してまいります。
〔保健福祉部長佐々木信君登壇〕
〇保健福祉部長(佐々木信君) まず、生活保護の受給者についてでありますが、本県の保護受給世帯は、本年3月時点で1万652世帯、対前年同月比0.8%増となっています。
支援上の留意点といたしましては、近年、就労に向けた支援を要する世帯の保護受給が増加していることから、福祉事務所において、対象者の意向を踏まえ、早期就職に向け、ハローワークと一体となった集中的な就労支援などに取り組んでいるところです。
また、単身高齢者が増加していることから、関係機関と連携した見守りや介護サービスの提供などを含め、その支援に努めております。
次に、生活保護受給者の要望への対応についてでありますが、ケースワーカーが定期的な訪問活動の際に、制度の取り扱いや保護基準の見直しなどの意見や要望をお聞きすることもあり、これらの要望に対しては、制度の運用で対応できるものについては、状況に応じて所管する福祉事務所に適切な対応を指導するとともに、保護基準の見直しなど、国の権限にかかわるものについては、必要に応じて国に対して情報提供等を行っていきます。
次に、高齢者施設への入所状況等についてでありますが、県が毎年行っている特別養護老人ホーム入所待機者調査の結果では、平成26年3月末現在、在宅で早期入所が必要と判断される入所待機者は1、321人です。現在、本年4月1日時点での待機者を調査中であり、例年同様、9月ごろに公表する予定であります。
特別養護老人ホームは、昨年度までに7、987床開設されておりますが、第6期介護保険事業計画では、本年度からの3年間でさらに991床開設される見込みであり、このほかに介護老人保健施設285床、認知症グループホーム347床が新たに開設される見込みです。
所得が低い方の施設入所に関しましては、高額介護サービス費のほか、食費、居住費に係る補足給付により費用負担が軽減される制度があり、例えば老齢基礎年金のみの単身者が介護保険施設に入所した場合、入所に伴う負担上限額は、多床室利用で月3万8、000円程度で、低所得でも入所可能な水準となっています。
今後とも、所得が低い方が適切に介護サービスを受けられるよう、費用負担軽減制度の周知と利用の促進を図ってまいります。
次に、障がい者支援への取り組みについてでありますが、平成22年に制定した障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例に基づき、岩手県障害者施策推進協議会や障がい者団体との意見交換会の場などにおいて意見を伺い改善を図ってきたところです。具体的には、障がい児がともに学べる教育体制の充実を求める意見を踏まえ、特別支援学校と同じ地域の小中学校との間で交流、共同学習に取り組んでいること、障がい者が移動しやすい環境の整備が急務との意見を踏まえ、鉄道駅のエレベーター整備費用への補助を行ったことなどが挙げられます。県としては、今後とも、いただいた意見を踏まえ、施策の充実に努めてまいります。
次に、障がい者の地域での自立及び就労支援についてでありますが、第4期障がい福祉計画では、福祉施設からの一般就労障がい者数については、国の指針に基づき平成24年度の2倍以上となるよう、平成29年度の目標値を187人に設定したところです。
この目標の達成に向け、企業での作業や実習、職場探しを支援する就労移行支援事業の利用者を、平成25年度の234人から平成29年度には417人に拡充するなど、障がい者の自立と社会参加の実現のため、一般就労の促進に努めていきます。
次に、病児、病後児保育についてでありますが、市町村においては、制度の周知のため、広報誌やホームページへの掲載、病院等へのポスターの掲示、保育所等や乳幼児健診の場を通じたパンフレットの配布などを行っており、県においても、ホームページへの掲載のほか、今年度増刷する子育て応援マンガなどを活用し、周知を図っていくこととしております。
今年度の実施施設数は、病児対応型10カ所、病後児対応型10カ所、体調不良児対応型33カ所の計53カ所で、前年度と比べ9カ所増となっていますが、設置に当たっては、医療機関の協力や看護師等の確保が必要であることから、市町村によっては拡充を図ることが困難な状況もあるものと理解しております。しかしながら、今年度から病児、病後児保育は、子ども・子育て支援新制度において、地域子ども・子育て支援事業の一つに位置づけられておりますことから、県といたしましては、市町村が計画的に実施できるよう、引き続き、必要な情報提供や財政支援を行っていきたいと考えています。
次に、いわて子育てにやさしい企業等の認証拡大に向けた取り組みについてでありますが、平成19年度の制度創設以来、広域振興局が中心となっての企業訪問や、公益財団法人いきいき岩手支援財団が主催する企業経営者を対象としたセミナーでの周知などにより、普及啓発を図ってまいりました。
県では、本年4月に施行したいわての子どもを健やかに育む条例において、基本施策の一つに、職業生活と家庭生活との両立のための必要な職場環境の整備の促進を掲げています。また、今年度策定予定の岩手県ふるさと振興総合戦略でも、具体的な取り組み内容として、子育てに優しい環境づくりを盛り込むこととしております。このため、今年度は、これまでの取り組みに加え、企業認証の拡大を目的とした広報用リーフレットを新たに作成し、商工団体や岩手労働局と協力して、会員企業や一般事業主行動計画を策定した企業等に配布するとともに、いきいき岩手支援財団の子育てにやさしい職場環境づくり助成金の活用企業に重点的に働きかけるなど、取り組みの充実強化を図ってまいります。
次に、本県の自殺死亡率の増加と今後の取り組みについてでありますが、県では、官民一体となった総合的な自殺対策を推進するため、平成18年度に岩手県自殺対策推進協議会を設置し、ゲートキーパーの養成、住民への普及啓発、保健師等専門人材に対する研修などを行う、いわゆる久慈モデルと言われる包括的な自殺対策プログラムの普及に取り組んできたところです。しかしながら、本県の自殺死亡率は依然として全国的に高位にあり、その原因として、健康問題や経済、生活問題が挙げられておりますことから、本年3月に策定した岩手県自殺対策アクションプランに基づき、これまでの取り組みに加え、事業所訪問によるメンタルヘルス対策の要請や、介護予防事業と連携した高齢者支援に重点的に取り組んでいきます。
御提言のあった自殺死亡率の動向分析につきましては、自殺はさまざまな要因が複雑に絡み合い、原因を一つに特定できないと言われており、また、個々の状況を詳細に把握することは困難な面もありますが、関係機関等と協議して、可能な限りその手法などを研究していきたいと考えております。
〔農林水産部長小原敏文君登壇〕
〇農林水産部長(小原敏文君) まず、本県の水田の整備率についてでありますが、30アール区画以上の県平均の整備率は、平成26年度の概算値で51.6%と、東北平均に対して10ポイント以上も下回っております。この要因としては、本県では、10から20アール区画の水田の一次整備を進める一方で、農業用水の安定確保を図るため、国営かんがい排水事業等による基幹的な農業水利施設の整備に重点的に取り組んできたこと、また、大区画化が困難な中山間地域の農地が多いことなどによるものと捉えております。
県としましては、生産性の高い農業を実現するためには、大区画化や排水対策などの水田の整備を着実に進めていくことが必要でありますことから、国に対し十分な予算の措置を強く求めますとともに、急勾配、農地分散などの条件を有する中山間地域におきましては、農地中間管理機構とも連携したきめ細かな整備手法を導入し、引き続き水田整備に努めてまいります。
次に、新規就農者の確保、育成についてでありますが、本県農業、農村を持続的に発展させていくためには、意欲を持って農業に取り組む若い就農者を確保、育成していくことが重要であります。このため、これまで、確保対策として、県内外における就農相談会の開催や、研修受け入れ先のあっせん、青年就農給付金の給付のほか、農業法人への雇用就農の促進などに取り組むとともに、育成対策として、生産技術の習得や機械、施設の導入支援、販売戦略を含めた経営計画の作成支援などに取り組んできているところであります。
今後は、こうした取り組みに加えまして、短期受け入れ研修の開催や、雇用の受け皿となる農業法人の経営多角化等の支援などに取り組むほか、所得向上に向け、個々の就農者の経営管理能力の向上と規模拡大、さらに他産業の人材とのネットワーク化を図るなど、地域の担い手として活躍できるよう支援してまいります。
次に、農村の地域資源の保全管理についてでありますが、多面的機能支払制度の平成26年度の導入実績は、活動組織数が864組織、交付金総額が45億600万円、導入面積は県内の農振農用地の40%に当たります約6万4、000ヘクタールとなっており、平成25年度の農地・水保全管理支払制度に比べ、導入面積は約1.5倍に拡大しております。
具体的な保全管理活動としては、農地周りや水路などの草刈りや泥上げ、軽微な補修、植栽による景観形成などが取り組まれており、市町村管理を含む農道等につきましても、制度を導入した地域内の約9、000キロメートルを対象に、路肩やのり面の草刈りのほか、砂利の補充、舗装路面や側溝の破損箇所の補修等が行われております。
今後も、農道等を含む地域資源の適切な保全管理に向けて、制度の周知とともに導入の拡大に取り組んでまいります。
次に、岩手競馬に係る魅力あるレースについてでありますが、昨年11月に開催したJBC競走は、県内外から多くのファンの皆様に御来場いただき、大盛況をおさめたところであります。今年度においては、南部杯を初め、ダートグレード3競走に加え、震災復興のメモリアルレースとして、JRAと地方競馬所属の騎手がチーム対抗戦を行うジャパンジョッキーズカップを施行する予定であり、今後も、より多くのファンに魅力あるレースを提供していくことが重要であると考えております。
次に、被災施設の今後の対応についてでありますが、岩手県競馬組合は、東日本大震災津波により多くの施設が被災しましたが、水沢競馬場のスタンド指定席やテレトラック水沢のゲストルームなどを除き、復旧が完了したところであります。
残された施設の復旧につきましては、今後の入場者数や財務状況への影響等を見ながら、優先順位や緊急性などを勘案し、検討されていくべきものと考えております。
〔環境生活部長根子忠美君登壇〕
〇環境生活部長(根子忠美君) まず、地球温暖化対策の取り組みについてでありますが、地球温暖化対策地域協議会は、これまで、県内で20の協議会が設立され、地域の実情に応じたセミナーの開催や情報誌の発行などの取り組みが行われていますが、震災の影響や人材の不足、資金確保が困難などの理由で活動を休止している協議会が見られます。
県では、活動の再開や活発化を促すため、各団体の現状と課題を聞き取るとともに、活動の中心となる人材に対する研修会の開催や地域協議会同士の課題の共有の場の設定、メーリングリストによる情報提供などの支援を行っております。
また、地域住民への普及啓発については、いわて温暖化防止フェアの開催、県民参加型キャンペーンによる省エネ、節電の呼びかけ、地域活動への地球温暖化防止活動推進員の派遣などにより、地球温暖化に関する総合的な情報発信を実施しております。
県では、県民、事業者、地域団体と一体となった温室効果ガス削減対策が一層進むよう、温暖化防止いわて県民会議を中心に、これまでの取り組みに加え、今年度新たに、地域におけるミニ温暖化防止フェアの開催や冬季における省エネ、節電対策などを通じて、地球温暖化対策へのさらなる理解促進に努めていきます。
次に、産業廃棄物不法投棄の監視指導についてでありますが、監視の頻度については、各広域振興局に産業廃棄物適正処理指導員、通称産廃Gメンを11名配置し、週4日程度行っており、平成26年度の実績は延べ2万1、552件となっております。
事業者に対する指導については、不法投棄を発見した場合は速やかに原因者を特定して報告を求め撤去するよう指導しているほか、特に生活環境の保全上の支障が生ずるおそれのある事案については、撤去を命令するなど厳正に対処しております。
建設工事現場から廃棄物が見つかった事案については、各広域振興局が把握しているものとしては、平成24年度から平成26年度までの3年間で6件となっており、いずれも発注者等により適正に処理されております。
今後とも、産廃Gメンによる監視活動のほか、ヘリコプターを使って上空から不法投棄を監視するスカイパトロールや、不法投棄が疑われる場所に監視カメラを設置するなど引き続き監視を強化し、産業廃棄物の適正処理を推進していきます。
次に、再生可能エネルギーの構築についてでありますが、これまでに全体で658メガワットの導入が進んでおり、岩手県地球温暖化対策実行計画に掲げる導入目標に対し、約6割の達成状況となっております。
エネルギー別に見ると、太陽光発電は目標を超える導入が進んでおり、水力発電についてはほぼ目標を達成している一方、風力発電及び地熱発電についてはさらなる導入の可能性があることから、今後、一層の取り組みの強化を図っていく必要があると考えております。
再生可能エネルギーの導入に係る課題については、本県では、多くの地域で送電線への接続制約が生じていることから、今後、大規模発電の立地を推進するためにはこの接続制約が隘路となる懸念があり、また、風力発電や地熱発電は風況や地質などの資源調査のため、導入までに一定程度時間が必要となっております。このため、県では、送電線増強支援など、接続容量の拡大等について継続して国への要望を行っていくとともに、風力、地熱については、ポテンシャル情報や土地利用の情報を集約した再生可能エネルギー導入支援マップや風力発電導入構想を発電事業者に周知することなどにより、一層の導入を促進していきます。
〔県土整備部長蓮見有敏君登壇〕
〇県土整備部長(蓮見有敏君) まず、水洗化人口割合の向上についてでありますが、平成23年2月に策定したいわて汚水処理ビジョン2010に基づき、下水道や集落排水、浄化槽などの汚水処理施設の整備を着実に進めるため、市町村などが行う汚水処理施設の整備に対し、国の補助制度を有効に活用するとともに、県では上乗せ補助などを行っています。
整備に当たっては、一層のコスト縮減が重要と考えているところであり、今年度においては、公共下水道から浄化槽への変更など、経済性や効率性の観点から整備手法の見直しを進めていくとともに、施工時のコスト縮減手法の情報共有などに取り組んでいます。
また、汚水処理施設の整備とあわせ下水道などへの接続率の向上を図るため、引き続き、市町村職員を対象とした勉強会等の開催、出前講座による普及啓発、市町村による支援制度の情報共有などの取り組みを進めています。今後とも、予算の確保に努めるとともに、市町村と連携した取り組みを進め、水洗化人口割合の向上に努めてまいります。
次に、災害公営住宅の入居希望についてでありますが、5月末現在、釜石市、陸前高田市など8市町村で合計4、254戸の災害公営住宅がまだ完成しておりません。これらの災害公営住宅へ入居を希望していながらいまだに入居できない方は、現時点で4、172世帯と見込んでいます。県では、災害公営住宅の完成を待つ方々が一日でも早く入居できるよう、早期整備に取り組んでいます。
次に、災害公営住宅の完成時期についてでありますが、現在、災害公営住宅は県と市町村の合計で5、921戸を整備する計画となっており、5月末現在で1、667戸、28.2%が完成しています。今年度末には累計で3、554戸、60%、平成28年度末には同じく5、584戸、94.3%が完成し、平成30年度末には全ての災害公営住宅の整備を終える予定です。
次に、湾口防波堤の整備についてでありますが、新たに自治体負担の対象となったものの、国から示された復興財源フレームにおいて必要な国費については全額が確保されたところです。久慈港の湾口防波堤は、多重防災型まちづくりを進める上で必要不可欠な施設であり、地域住民の安全で安心な暮らしを守るためにも、早期の完成が図られるよう国と連携して取り組んでまいります。
次に、一般国道107号の復旧工事についてですが、6月11日に工事に着手し、6月20日からは小型無人掘削機械により崩落斜面の最上部から不安定な土砂の除去作業を進めているところです。今後、土砂除去作業や被災したスノーシェッドの撤去作業の後、雪崩や落石対策として仮設防護施設を設置し、11月末までに片側交互通行を確保したいと考えており、工事を進める中でさらなる工期の短縮に努めてまいります。
これらの復旧工事の進捗状況や見通しについては、西和賀町を初めとする関係機関との情報共有などを目的に設置した一般国道107号通行止めに伴う連絡調整会議などを通じて地元の皆様方への説明に努めているところです。なお、全面復旧に向けた対策については、現在、国と協議しながら検討を進めており、一日も早い復旧に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。
〔政策地域部長大平尚君登壇〕
〇政策地域部長(大平尚君) 人口減少問題についてでありますが、県では、昨年6月に人口問題対策本部を設置し、人口問題に関し部局横断的に議論を行い、本年3月、人口問題に関する報告を取りまとめたところです。この報告書に基づき、平成27年度当初予算及び平成26年度2月補正予算においては、小、中、高生を対象としたものづくり体験授業や工場見学などの早期キャリア教育、県内企業の採用活動の支援、就職面接会等のマッチングを通じたU・Iターンの促進など、社会減を食いとめる施策に力を入れて取り組んでいるところです。加えて、結婚支援センターの設置、子供医療費助成の対象拡大や現物給付化など、自然減を食いとめる施策もあわせ、全庁を挙げて人口減少対策に取り組んでおります。
現在、地方版総合戦略の10月中の策定に向け検討を進めているところであり、先般、人口ビジョンの素案及び岩手県ふるさと振興総合戦略の骨子案を公表したところです。
この中では、岩手への新しい人の流れの創出を目指すこと、出生率の向上を目指すこと、地域の魅力向上を目指すことの三つの柱によるふるさと振興を積極的に展開することにより、2040年には100万人の人口を確保することを展望したものです。
子供からお年寄りまであらゆる世代が生き生きと暮らす岩手、県外とつながり、新しい発想にあふれる岩手の実現に向け、今後、この骨子案をたたき台に、県議会初め有識者会議や各種審議会、市町村など幅広く御意見をいただきながら、県民総参加で総合戦略をつくり上げてまいります。
〔教育長高橋嘉行君登壇〕
〇教育長(高橋嘉行君) まず、小学校における読書力についてでありますが、小学校低学年からの読書力の育成は、本の世界に触れて豊かな人間性を育むことや、本から得られる情報を収集し自分の考えをまとめていくことなど、社会の中で豊かな感性と創造性を持ち、自分で判断し行動する力を育むためにも重要であると認識いたしております。
国語科の授業においては、一つの物語を全員でじっくり読み合い感想を交流する学習とあわせ、学習内容に関連する本を読んだり、それぞれが読んだ本をお互いに紹介したりするなど、読書とかかわったさまざまな学習を行っております。
長期休業中の読書指導については、子供に同じ本を読ませたり、さまざまなジャンルの中から主体的に本を選んで読ませたりするなど、子供の発達段階や学校の実情に応じて取り組んでおります。いずれにいたしましても、子供たちに必要な1冊の本を全員で読むことと、個々の興味関心を大切にし、本を選んで読むこととを組み合わせながら、さまざまな本の世界から物の見方や考え方を広げ、豊かな人間性を育むよう、読書指導の充実に今後も取り組んでまいります。
次に、少人数学級の実現についてでありますが、教職員定数については、5月に財務省が、少子化に合わせた教職員定数の合理化に向け、加配定数の削減を含め、今後10年で4万2、000人の削減が可能との試算を示し、現在、国においてさまざまな議論が行われているものと承知いたしております。
県教育委員会といたしましては、本年度において財務省が示した考え方は、教育予算における総人件費の抑制を優先したものであり、多様化、複雑化する教育課題への対応が強く求められる現状を踏まえない、極めて一面的なものであると考えております。
本県では、これまで加配定数を活用して少人数学級の拡大や少人数指導の充実に取り組み、被災地を含めてきめ細かな教育の展開につながってきております。このため、5月中旬に、安定した加配定数の継続などについて文部科学省に要望し、一定の理解をいただいているところでありますが、今後におきましても、地域や学校の実情に応じて弾力的に運用できる安定的な教職員定数の改善を、さまざまな機会を通じて国に要望してまいります。
次に、不登校といじめの問題についてでありますが、直近のデータである平成25年度問題行動等調査の結果で申し上げますと、県内の公立学校における不登校児童生徒数は、小学校が153人、中学校が710人、高等学校が373人、合わせて1、236人となっており、いじめの認知件数は、小学校が467件、中学校が241件、高等学校が120件、特別支援学校が9件、合わせて837件となっております。
不登校への対策としては、各学校等に配置しているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも十分に活用しながら、各学校の組織的な教育相談体制及び児童生徒への個別支援体制の充実に取り組んでおります。
いじめの未然防止等については、本年3月までに、全ての公立学校において学校いじめ防止基本方針が策定されたことから、今後は、その実効性の向上に取り組むとともに、総合教育センターにおいて、本年5月に作成した「いじめ問題」防止・対応マニュアルの各学校における積極的な活用も進めてまいります。
次に、学力向上に向けた取り組みについてでありますが、まず、先般の仁王小学校の研究発表は、県教育委員会が市町村教育委員会に示している学校教育指導指針をも踏まえた取り組みであり、県内外から参加した多くの学校関係者からの評価も極めて高く、非常に有意義な報告会であったと捉えております。
また、全県的な学力向上についてでありますが、県教育委員会においては、本年4月に学力向上を担当する新たな組織を設置し、小、中、高の接続を一層重視した取り組みを進めているところであります。
具体的な取り組みといたしましては、先進実践校の指定などを通じて、全国学力・学習状況調査等の結果をもとに授業改善を推進するほか、岩手県学力定着度状況調査など各種調査結果において、小、中、高の接続の観点での分析を加え、授業改善を通した学力の向上に努めてまいります。
次に、道徳教育の取り組みについてでありますが、県教育委員会におきましては、道徳教育の趣旨を踏まえた道徳授業の工夫、改善に向けて、全ての教育事務所単位での教員研修や授業研究会を実施するとともに、研究推進校による先進事例の研究と、その成果の普及を進めながら道徳教育の充実に努めてきているところであります。さらに、学習指導要領の改訂に基づく平成30年度からの道徳の教科化に当たっては、多様な活動を通じて考えを深め、実践的な態度を養う道徳教育の推進も求められますので、ボランティア活動や自然体験活動などの体験的な活動、表現活動等との関連も図り、実際の経験や体験も生かしながら、思いやりの心や規範意識、協調性、責任感、感性など、豊かな人間性の一層の育成に取り組んでまいります。
〔警察本部長堀誠司君登壇〕
〇警察本部長(堀誠司君) 特殊詐欺の被害状況と対策についてでございますが、県内における被害状況は、本年5月末現在で被害件数は39件、被害金額は合計1億9、000万円余りと、昨年同期と比べますと、被害件数は2件、被害金額は約2、000万円の減少となっておりますが、依然高どまり傾向にございます。
また、悪質な手口といたしましては、劇場型と言われるものがございます。これは、初めは息子などに成り済まして、会社のお金を落としたので会社を首になるなどと家族の情を逆手にとって被害者を心配させるような文言を申し向けます。その後、勤務先の上司など、その他関係者に成り済ました複数の者が入れかわり立ちかわり被害者に接触いたしまして、その平常心を失わせるというものでございます。
次に、今後の対処でございますが、幾つか御紹介したいと思います。
ことしの3月から金融機関と連携して行っております多額現金の引き出しの際に預金小切手の利用を勧める、いわゆる預金小切手プランというものを行っております。また、6月からは、岩手県警察特殊詐欺被害防止広報センターからの注意喚起というものを実施しております。加えまして、自動通話録音警告機の貸し出しでありますとか、スーパー、量販店内におけるスポット放送などを通じて被害の未然防止を図っております。加えまして、県警察の総力を挙げた取り締まりを行うこととしております。
なお、個々の家庭訪問に関する取り組みについてでございますが、巡回連絡などを通じて直接注意喚起を行うほか、県の担当部局等との連携により、民生委員やケアマネジャーの皆様に、高齢者への訪問活動あるいは介護支援活動を通じた啓発活動をお願いすることとしております。
〇39番(及川幸子君) ありがとうございます。
達増知事に、再生可能エネルギーについて、1点だけ再質問をさせていただきます。
5月28日、29日と福島、宮城両県へ調査に行ってまいりました。福島県では平成17年に建設が開始された風力発電所を調査しましたが、同県では、被災を受ける以前から風力発電に目を向けて取り組んでおりました。国内最大級のその整備状況を見るとき、民営化の運営機能を大事と捉えたのは私だけでしょうか。まさに再生可能エネルギーの推進が求められている今、本県の取り組みをどう加速させるべきとお考えでしょうか。知事は、次期知事選のマニフェストにおいて、再生可能エネルギーを10年間で倍増させるとしておりますが、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 地球温暖化防止や地域振興など多面的な効果が期待される再生可能エネルギーについてでありますが、本県のポテンシャルを有効活用することが重要と認識しておりまして、岩手県地球温暖化対策実行計画において、再生可能エネルギーによる電力自給率の倍増を目標としております。
本県では、全国的にポテンシャルが高い風力と地熱を重点的に進めていく必要がありますが、風況などの資源調査のため導入までに一定程度時間を要する風力については、開発可能性が高いと見込まれる四つの地域を選定した風力発電導入構想を本年3月に策定し、関係市町村と連携を図りながら、さらなる導入拡大を目指しております。
今後、県内で検討が進められている開発計画の着実な実現に向け支援を行ってまいりますとともに、地域産業との連携も期待されますバイオマスや温泉熱についても、セミナーや勉強会を開催して、地域に根差した新たな事業の掘り起しを行うなど、倍増目標に向けて積極的に取り組みを進めてまいります。
〇議長(千葉伝君) この際、暫時休憩いたします。
午後2時21分 休 憩
出席議員(44名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 清 水 恭 一 君
3  番 名須川   晋 君
5  番 神 崎 浩 之 君
6  番 城 内 愛 彦 君
7  番 福 井 せいじ 君
8  番 佐々木 茂 光 君
9  番 佐々木   努 君
10  番 佐々木 朋 和 君
11  番 軽 石 義 則 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 後 藤   完 君
15  番 岩 渕   誠 君
16  番 郷右近   浩 君
17  番 高 橋 孝 眞 君
18  番 岩 崎 友 一 君
19  番 高 橋 但 馬 君
20  番 小 野   共 君
21  番 高 橋   元 君
22  番 木 村 幸 弘 君
23  番 久 保 孝 喜 君
24  番 小 西 和 子 君
26  番 五日市   王 君
27  番 喜 多 正 敏 君
28  番 工 藤 大 輔 君
29  番 嵯 峨 壱 朗 君
30  番 工 藤 勝 子 君
31  番 工 藤 勝 博 君
32  番 及 川 あつし 君
33  番 小田島 峰 雄 君
34  番 大 宮 惇 幸 君
35  番 飯 澤   匡 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 佐々木 順 一 君
39  番 及 川 幸 子 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 樋 下 正 信 君
42  番 柳 村 岩 見 君
43  番 千 葉   伝 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 佐々木   博 君
46  番 渡 辺 幸 貫 君
47  番 田 村   誠 君
48  番 小野寺   好 君
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後2時43分 再 開
〇議長(千葉伝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第1、一般質問を継続いたします。城内愛彦君。
〔6番城内愛彦君登壇〕(拍手)

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