平成26年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成26年3月17日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査     佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  教育委員会委員長 八重樫   勝
  教育長    菅 野 洋 樹
  教育次長兼
  教育企画室長   堀 江   淳
  教育次長兼
  学校教育室長   作 山 雅 宏
  教育企画室
  企画課長    蛇 口 秀 人
  予算財務課長   永 井 榮 一
  学校施設課長   宮 澤 寛 行
  学校企画課長   藤 澤 敦 子
  主任指導主事兼
  特命課長    松 葉   覚
  首席指導主事兼
  義務教育課長   佐 藤   進
  首席指導主事兼
  高校教育課長   川 上 圭 一
  首席指導主事兼
  特命課長    福 士 猛 夫
  首席指導主事兼
  特別支援教育課長 佐々木 政 義
  首席指導主事兼
  生徒指導課長   大 林 裕 明
  生涯学習文化課
  総括課長    西 村 文 彦
  特命参事兼
  文化財課長    佐々木 一 成
  首席指導主事兼
  スポーツ健康課
  総括課長    平 藤   淳
  教職員課総括課長 金 田   学
  首席経営指導主事
  兼小中学校人事
  課長    小 菅 正 晴
  首席経営指導主事
  兼県立学校人事
  課長    土 川   敦

  企業局長    佐々木 幸 弘
  次長兼
  経営総務室長   畠 山 智 禎
  技師長    丹 野 幸 矢
  経営総務室
  管理課長    菊 池   満
  経営企画課長   細 川 普 基
  業務課総括課長  中屋敷   暢
  電気課長    榎     充

  参事兼
  財政課総括課長  佐 藤   博
〇樋下正信委員長 これより本日の会議を開きます。
 佐々木努委員は欠席とのことであります。
 これより議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第46号から議案第57号まで、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、議案第86号から議案第94号まで、及び議案第166号の以上67件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び企業局関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をよろしくお願いします。
 最初に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇菅野教育長 教育委員会関係の平成26年度岩手県一般会計予算等について御説明を申し上げます。
 初めに、当初予算編成に当たっての基本的な考え方についてでありますが、東日本大震災津波からの学びの場の復興に向け、引き続き、復興計画の実現に全力で取り組むとともに、いわて県民計画に掲げる人材・文化芸術の宝庫いわての実現に向け、第2期アクションプランを着実に推進するための予算として編成したところでございます。
 まず、復興計画に掲げる取り組みについてでありますが、一つ目は、きめ細やかな学校教育の実践と教育環境の整備、充実であります。
 岩手の復興、発展を支える児童生徒を育成するため、いわての復興教育プログラムに基づく教育活動を充実してまいります。
 また、児童生徒があらゆる自然災害に対し、みずからの命を守り抜くことができるよう、各学校の防災体制の確立を図るほか、関係部局と連携した防災教育の充実に取り組んでまいります。
 さらに、被災した幼児、児童生徒の心のサポートを初め、いわての学び希望基金を活用した奨学金の給付などに継続的に取り組むほか、県立高田高等学校の新築復旧整備や、学校給食の放射性物質濃度測定の実施など、安全で安心な教育環境の整備、充実を図ってまいります。
 二つ目は、文化芸術環境の整備や伝統文化等の保存と継承であります。
 被災した沿岸市町村の早期の復興を図るため、開発事業に伴う埋蔵文化財調査を推進するとともに、被災地から救出した文化財等の修復や適切な保存、管理、文化芸術活動の再興を支援してまいります。
 また、被災した児童生徒が文化活動の大会等へ参加するための支援を継続してまいります。
 三つ目は、社会教育、生涯学習環境の整備であります。
 市町村の社会教育施設の復旧、再開を支援するとともに、地域人材の育成と活用により、子供を中心とした地域活動や地域住民の学習、交流機会を設けるなど、地域コミュニティの再生を支援してまいります。
 四つ目は、スポーツ・レクリエーション環境の整備であります。
 スポーツ・レクリエーション活動施設の復旧、再開を支援するとともに、被災地の実情に応じたスポーツ活動、健康づくりの取り組みを進めてまいります。また、被災した生徒が運動部活動の大会へ参加するための支援を継続してまいります。
 次に、いわて県民計画第2期アクションプランの着実な推進についてでありますが、一つ目は、学校教育の充実であります。
 子供たちが変化の激しい社会を生き抜くことができるよう、生きる力を一人一人に確実に身につけさせ、社会的自立の基礎を培うとともに、一人一人の適性、進路等に応じてその能力を最大限伸ばし、社会の形成者として必要な資質を養うため、家庭、地域との協働による学校経営の推進、児童生徒の学力向上、キャリア教育の充実、豊かな心を育む教育の推進、健やかな体を育む教育の推進、特別支援教育の充実に注力してまいります。特に、各種学力調査の位置づけを見直し、各学校における学力の実態把握を進めるとともに、取り組みの手だてを明確にするなど、学力向上に向けた取り組みを推進してまいります。
 また、いじめなどの問題行動や不登校などの学校不適応等の未然防止、早期発見、早期対応に関係機関と連携しながら取り組んでまいります。
 さらに、東日本大震災津波の影響や社会状況の変化等を踏まえ、今後の県立高等学校のあり方について検討を進めてまいります。
 二つ目は、生涯を通じた学びの環境づくりであります。
 県民一人一人が、その生涯にわたり、多様な機会を通じて学べる環境づくりに取り組むとともに、50周年の節目を迎える本県独自の教育振興運動の取り組みなどを通じ、学校、家庭、地域住民等の連携、協力による社会教育の取り組みを充実してまいります。
 三つ目は、文化芸術の振興であります。
 ユネスコに推薦書が提出された九州・山口の近代化産業遺産群に含まれる釜石市橋野鉄鉱山のイコモス調査への対応のほか、平泉の文化遺産の保存管理及び世界遺産追加登録に向けた取り組み、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた関係自治体と連携した取り組みを進めてまいります。
 また、文化芸術の鑑賞機会の充実を図るとともに、伝統芸能伝承のため、公演、観賞機会の提供や、関係団体と学校教育との連携を進めてまいります。
 四つ目は、豊かなスポーツライフの振興であります。
 希望郷いわて国体の開催に向けて、選手強化の取り組みや強化体制の充実に取り組むとともに、スポーツ健康科学サポート体制を充実してまいります。
 また、県民の誰もが生涯にわたってスポーツ活動に親しむことができる環境づくりに取り組むとともに、地域に根差した特色あるスポーツの振興を推進してまいります。
 続きまして、一般会計予算の歳出予算について御説明を申し上げます。
 お手元の議案その2の8ページをお開きいただきたいと思います。議案第2号平成26年度岩手県一般会計予算でありますが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は、10款教育費1項教育総務費から7項保健体育費までと、9ページの11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費のうち学校施設災害復旧事業費を合わせ、総額1、366億8、447万8、000円となります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと7億7、306万3、000円、率にして0.6%の増となっております。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げます。恐縮ですが、予算に関する説明書の204ページをお開きいただきたいと存じます。
 なお、事業費につきましては省略をさせていただき、主な事業を中心に御説明を申し上げますので、御了承いただきたいと存じます。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。204ページから205ページにかけての2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費のほか、説明欄六つ目の被災児童生徒就学援助事業費補助は、大震災津波により経済的理由から就学が困難となった小中学校の児童生徒を対象として、市町村が行う就学援助事業に対して補助しようとするものでございます。一つ飛びまして、いわての学び希望基金奨学金給付事業費は、大震災津波により親御さんを亡くされました児童生徒等に奨学金を給付するものであります。205ページをごらんいただきたいと存じます。3目教職員人事費は、教職員の健康診断など人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当などに要する経費であります。206ページをお開き願います。4目教育指導費は、被災した幼児、児童生徒の心のサポートや学校教育に係るソフト事業に要する経費であり、五つ目の児童生徒健全育成推進費は、震災により心にダメージを受けた幼児、児童生徒や不登校、いじめなどによる学校不適応の生徒に対応するため、スクールカウンセラーを全ての小中学校と県立高校で活用できるよう配置するとともに、沿岸部の公立学校を支援する巡回型スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを教育事務所に増員配置するなど、専門的な相談体制の充実強化に要する経費であります。二つ飛びまして、特別支援教育推進事業費は、いわて特別支援教育推進プランに基づき、障がいのある児童生徒が充実した学校生活を過ごすことができるよう支援員や看護師を配置するほか、職業指導支援員を沿岸部等の特別支援学校に配置し、県内企業との連携を強化するなど、特別支援教育の充実に要する経費であり、一つ飛びまして、学校・地域の協働によるキャリア教育推進事業費は、生徒たちの社会人、職業人として自立する能力を養うとともに、地域を担う人材を育成するなど、専門高校等において行う実践的な教育活動に要する経費であります。次のいわて未来創造人サポート事業費は、家庭、地域と協働して、岩手の特色のある産業、文化を支える人材を育成するため、生徒一人一人の進路実現に向けた各学校の取り組みに要する経費であり、次のいわて進学支援ネットワーク事業費は、生徒の進路希望の達成を支援し、将来の岩手を支える人材を育成するため、進学対策講座の開催や各学校の進学指導の取り組みに要する経費であります。一つ飛びまして、中高連携英語力向上推進事業費は、中学生を対象とした英語能力判定テストの実施や、指導改善研修会の開催など、生徒の英語力及び教員の授業力の向上に要する経費であり、次の高校数学活性化プロジェクト事業費は、高校における数学教育の課題を整理し、その解決に向けた取り組みの再構築を行うなど、数学の学力向上に要する経費であります。二つ飛びまして、いわての復興教育推進支援事業費及び県立学校復興担い手育成支援事業費は、岩手の復興、発展を支える児童生徒を育成するため、県内の学校が一体となって取り組むいわての復興教育の充実と推進に要する経費であり、次の防災教育推進事業費は、地域連携型の防災教育を推進するため、学校及び地域の関係機関との研修など、関係部局と連携した防災教育の取り組みに要する経費であります。一つ飛びまして、指導運営費は、学習定着度状況調査の実施に要する経費のほか、外国語によるコミュニケーション能力や問題解決力等の国際的素養を身につけたグローバル人材の育成など、文部科学省からの委託事業等の実施に要する経費であります。206ページから207ページにかけての5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であり、207ページ、6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 208ページをお開きいただきたいと存じます。2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等であり、二つ目のすこやかサポート推進事業費は、児童の基本的な生活習慣の定着と基礎学力の向上を図るため、非常勤講師の配置に要する経費であります。
 209ページに参りまして、3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費等の経費であり、一つ目の教職員費は、人件費、旅費等のほか、生徒指導や学習定着状況等で課題のある学校をサポートするため、非常勤講師等の配置に要する経費などであります。2目学校管理費は、併設型中高一貫教育校である県立一関第一高等学校附属中学校の管理運営に要する経費であります。
 211ページをお開き願います。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等の経費のほか、説明欄下の高等学校通学支援バス運行費は、被災した県立高田高等学校の仮校舎への通学バスの運行に要する経費であり、また、2目全日制高等学校管理費及び212ページに参りまして3目定時制高等学校管理費は、それぞれの学校の管理運営等に要する経費であります。213ページの4目教育振興費は、高等学校における教育用備品の整備や、農業及び水産業教育等の実験実習に要する経費のほか、中ほどの高校奨学事業費補助は、高校生向け奨学資金等を財団法人岩手育英奨学会に対し補助するものであり、三つ飛びまして、いわての学び希望基金教科書購入費等給付事業費は、大震災津波で被災し、生活基盤を失った高校生に対して、教科書、制服及び修学旅行に要する経費の全部または一部を給付するものであります。次の公立高等学校等就学支援金交付事業費及び奨学のための給付金支援事業費は、高校授業料無償制の見直しに伴う、高校生への新たな就学支援に要する経費であります。213ページから214ページにかけての5目学校建設費は、高等学校の建設等施設整備に要する経費であり、三つ目の校地整備事業費は、県立盛岡商業高等学校のグラウンド整備などに要する経費で、次の校舎大規模改造事業費は、県立沼宮内高等学校の校舎の耐震補強工事などに要する経費であります。このほか、校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費を計上しております。214ページをごらんいただきたいと存じます。6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
 215ページから216ページにかけての5項特別支援学校費1目特別支援学校費は、特別支援学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費及び各校の維持管理に要する経費のほか、三つ目の施設整備費は、県立療育センターと一体的に移転整備を進める県立盛岡となん支援学校の基本設計、実施設計に要する経費及び県立花巻清風支援学校の教室不足を解消するため、特別教室棟の新築整備などに要する経費であります。
 217ページをごらんいただきたいと存じます。6項社会教育費1目社会教育総務費は、社会教育関係職員の人件費のほか、子供の読書活動及び学校、家庭、住民等が総ぐるみで、地域の教育課題の解決に自主的に取り組む教育振興運動の推進に要する経費のほか、青少年の家の管理運営に要する経費などであります。また、説明欄下から二つ目の学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業費は、子供を中心とした地域活動及び地域住民の学習や交流の機会を通じた地域コミュニティの再生支援に要する経費であります。218ページをお開き願います。2目文化財保護費のうち、二つ目の文化財保護推進費は、指定文化財の保存、修理への補助や、民俗芸能の伝承促進事業などに要する経費であり、次の遺跡調査事業費は、沿岸地域の復興事業円滑かつ迅速に進めるための埋蔵文化財調査に要する経費であります。二つ飛びまして、世界遺産登録推進事業費は、平泉の文化遺産の保存管理及び構成資産の追加登録、九州・山口の近代化産業遺産群及び北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取り組みに要する経費であります。218ページから219ページにかけての3目芸術文化振興費は、青少年へのすぐれた芸術観賞機会の提供、中高校生の芸術文化活動への支援及び岩手芸術祭の開催経費等の芸術文化振興に要する経費のほか、県民会館の管理運営に要する経費などであります。また、説明欄下から二つ目のいわての学び希望基金被災地児童生徒文化活動支援費補助は、被災した児童生徒の文化活動の大会への参加に要する経費を補助するものであり、次の海外文化交流連携事業費は、震災復興を契機としたルーブル美術館との文化交流や連携を図り、海外で高校生の郷土芸能等の発表などに要する経費であります。219ページの4目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費であります。220ページをお開き願います。5目博物館費は、県立博物館の管理運営に要する経費であります。6目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費のほか、二つ目の震災復興支援あーとキャラバン実施事業費は、被災地域において美術と触れ合い体験する機会を提供するとともに、子供たちへの美術教育を支援するため、あーとキャラバンやワークショップ等の開催に要する経費であります。
 221ページの7項保健体育費1目保健体育総務費は、保健体育関係職員の人件費のほか、県立学校医や児童生徒の検診、その他保健管理に要する経費及び指導運営に要する経費であり、五つ目の児童生徒放射線対策支援事業費は、学校給食食材の測定のほか、学校環境放射能モニタリング検査に要する経費であります。221ページから222ページにかけての2目体育振興費は、国民体育大会への本県選手団の派遣経費、児童生徒の体力、運動能力の向上対策に要する経費、各種体育大会への選手派遣に要する経費への補助などであり、二つ目の生涯スポーツ推進費は、総合型地域スポーツクラブ及び指導者育成に要する経費であります。四つ目の児童の体力向上推進事業費は、小学校体育や中学、高校部活動等に地域のスポーツ指導者を派遣するほか、被災地域の中学、高校の運動部が体育施設に移動するためのバスの借り上げなどに要する経費であります。222ページに参りまして、説明欄中ほどの競技力向上対策事業費は、国民体育大会や全国規模の大会に出場する選手の強化対策及びジュニア選手の早期発掘と育成などに要する経費であり、一つ飛びまして、第71回国民体育大会選手強化事業費は、希望郷いわて国体に向け、組織の拡充強化、指導体制の確立、冬季大会を含む選手の育成強化を図り、効率的な選手強化と本県競技スポーツの普及、振興に要する経費であります。次のいわての学び希望基金被災地生徒運動部活動支援費補助は、文化活動支援と同様に運動部活動の県大会や東北大会等への参加に要する経費を補助するものであり、次のスポーツ健康科学サポート推進事業費は、スポーツ健康科学に基づくサポート体制の充実を図り、国体選手等の競技力向上や指導者の資質向上に要する経費であります。3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営及び施設整備に要する経費であります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、235ページをお開きいただきたいと存じます。11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費のうち、教育委員会関係は、被災した県立高田高等学校など県立学校施設の災害復旧に要する経費であり、次の2目体育施設災害復旧費は、県立御所湖広域公園艇庫の災害復旧に要する経費であります。
 次に、ページを戻っていただきまして、説明書の106ページをお開きいただきたいと存じます。国体・障がい者スポーツ大会局関係予算のうち、教育委員会から移管いたします事業について御説明を申し上げます。
 2款総務費10項国体・障がい者スポーツ大会費1目事務局費の二つ目の第71回国民体育大会・第16回全国障害者スポーツ大会開催準備費のうち、希望郷いわて国体の開催がいわゆる完全国体となりましたことから、冬季大会に係る実行組織による諸準備の推進及び競技開催市町村に対する施設整備費の補助を行おうとするものであり、平成28年の開催に向けて必要な準備を進めようとするものであります。
 以上で一般会計予算の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、予算に関連する議案について御説明を申し上げます。
 議案その3の51ページをお開きいただきたいと存じます。議案第50号県立学校授業料等条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、高校授業料無償制の見直しに伴い、本年4月1日から施行される高等学校等就学支援金の支給に関する法律により、原則として、県立高等学校に在学する者から授業料及び通信制受講料を徴収すること、また、一定の所得要件を満たす者に支給される高等学校等就学支援金の受給資格認定を受けた者については、授業料等の納付を要しないことなどを規定するとともに、現在県立高等学校に在学している生徒について、法律の施行日後も現行の不徴収制度の対象となる経過措置が講じられることなどから、所要の改正をしようとするものでございます。
 次に、ページを飛んでいただきまして、196ページをお開きいただきたいと存じます。196ページから217ページまでになりますが、これらは使用料等の改定に関するものでございます。議案第86号青少年の家条例の一部を改正する条例、200ページに参りまして、議案第87号県民会館条例の一部を改正する条例、206ページの議案第88号博物館条例の一部を改正する条例、207ページの議案第89号美術館条例の一部を改正する条例、208ページの議案第90号県立体育館条例の一部を改正する条例、210ページの議案第91号県立野球場条例の一部を改正する条例、212ページの議案第92号県立スケート場条例の一部を改正する条例、214ページの議案第93号スキージャンプ場条例の一部を改正する条例、及び215ページの議案第94号武道館条例の一部を改正する条例についてでございますが、これらは、平成26年4月1日から消費税率が改正されることに伴い、使用料や利用料金の上限額等を改定しようとするものでございます。
 以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇樋下正信委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう、議事進行に御協力をお願いします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇福井せいじ委員 3点についてお聞きしたいと思います。
 まず初めに、いわての学び希望基金についてお伺いします。
 現在までの積立総額、取崩総額、そして残高を示していただきたい。同時に、今後の給付内容の充実あるいは活用の取り組みについてお知らせいただきたいと思います。
〇蛇口教育企画室企画課長 いわての学び希望基金の積立総額等についてでございますが、積立総額は71億1、240万円余、取崩総額は8億2、593万円余、また、基金残高は62億8、646万円余となります。現在の事業をこのまま継続した場合、残余額は36億3、000万円となる見込みでございます。
 現在、想定している事業の資金につきましては十分資金が集まっておりますけれども、被災地の子供たちの健やかな成長のためには、今後も息の長い支援が必要でありまして、新たな事業の追加または現在の事業の充実につきましては、寄附者の御意向を尊重しつつ、今後もさまざまなニーズを踏まえて検討してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今後活用が期待されるわけでありますが、この給付を受けている方々からの要望等はございませんでしょうか。そういった声があればお聞かせいただきたいんですが、いかがでしょうか。
〇蛇口教育企画室企画課長 まず、いわての学び希望基金のさまざまな事業をやっているうちの、例えば希望基金奨学金給付事業についてでございますけれども、給付額等についての増額の要望とかについてはある状況でございます。
 あと、そのほかの運動部活動支援事業、文化活動支援事業等についても、現場の声ということで拡充の声等もあるかと思いますけれども、具体的な内容についてまでは、それぞれ担当課のほうで検討しているような状況でございます。
〇福井せいじ委員 これからもまだまだこの給付については継続される、続く事業であります。今後、給付の内容、取り組みの内容を充実させるために、ぜひともさまざまな方の意見を伺うような体制をとって、教育、学びの機会の平等というものをぜひ確保していただきたいと思っております。
 続きまして、高校再編計画についてお伺いをいたします。
 現在の取り組み状況と今後のスケジュールについてお示しいただきたいと思います。
〇福士首席指導主事兼特命課長 高校再編計画についてでありますが、平成23年度上半期を目途に、次期県立高校整備計画を策定する予定で進めておりましたが、平成23年3月の東日本大震災津波の影響を踏まえ、その計画策定を見送っているところでございます。
 一方、前計画の期間が平成21年度で終了後、計画がない期間におきましては、中学校卒業者数の状況や各高校の定員充足状況等を勘案しながら、必要に応じて、毎年度、学級数調整を行ってきているところでございます。
 今後、岩手の今後の高校教育のあり方について、改めて議論を行ってまいりたいと考えておりまして、来年度早い時期に、外部有識者によります検討委員会を立ち上げ、同年度に時間をかけて議論を行っていくとともに、地域の方々からも御意見、御提言をいただきながら、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、平成26年度からそのような取り組みを行うということでありますが、具体的に再編に取り組んでいく年度の目途等はありませんでしょうか。
〇福士首席指導主事兼特命課長 現在、来年度の検討委員会の立ち上げに向けて委員の選考等を行っているところでございまして、前回の検討委員会の際は、一応1年をめどに検討をお願いしたところでございますが、検討の中身が広くということで、時期も延びたということもございますので、今のところは、来年度1年かけて十分に検討してまいりたいと思っております。
〇福井せいじ委員 重ねての御説明ありがとうございました。再編するなら再編するといった、具体的な再編に取り組む目標年度というのがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
〇菅野教育長 先ほど課長から申し上げましたとおり、まず来年しっかりと、専門家の方また地域の方々の意見をお伺いし、本県のあるべき高校教育といいますか、それをまず議論してまいりたいと思ってございます。それが震災後、非常に状況が変わっておりますので、そこが非常に大事なのかなと思っています。したがいまして、そこでいろんな議論が出てくると思いますので、そこの経過を見ながら次のステップを考えるということになろうと思っていますので、まずは来年、少なくとも1年間かけて、しっかり県民の方々と議論を進めてまいりたいと思っております。
〇福井せいじ委員 御答弁いただいたように、高等教育のあり方はこれからまた非常に重要であると思います。それは、地域のあり方あるいは教育のあり方、少なくともこの二つの方向性、状況を踏まえた上での再編ということでありますから、時間をかけるのは重要だとは思うんですけれども、非常に生徒の数が少なくなっているやに私は捉えております。その中で、少なくなっていくと、高等教育に求められる切磋琢磨であるとかあるいは専門教育について、ちょっと弱くなるのではないかという気がしておりますが、そういった意味では、可及的速やかに取り組んでいただくことが望ましいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇菅野教育長 御指摘のとおり、いろんな本県の高校教育をめぐる課題がたくさんございます。今、委員からお話のあったとおりだと思ってございます。したがいまして、そういった多様な御意見を頂戴しながら、本県の将来の方向性を誤りなく議論していきたいと思っております。それについては、スピード感も必要だろうということでございます。そういった御意見も十分に踏まえながら、私どもとして対応してまいりたいと思っております。
〇福井せいじ委員 大事だというのはわかりました。ただ、専門教育、特に専門分野の教育について、偏りがないようにこれからも推進していただきたいと思います。
 次に、復興教育の推進についてお伺いいたします。
 復興教育について非常に熱心に取り組んでいただいているわけでありますが、この復興教育の意義、目的について改めてお示しいただきたいと思います。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 いわての復興教育の目的は、郷土を愛し、その復興、発展を支える人材の育成を目指しております。よって、各学校におきまして、それぞれ三つの教育的価値、いきる、かかわる、そなえる、これをテーマにいたしまして、それぞれの人材育成に努めているところでございます。
〇福井せいじ委員 そこで、平成26年度は、予算措置が昨年度と比べて非常に多くとられております。その内容を教えていただきたいというのが一つと、また、復興教育の県民への周知について、どのような取り組みをなさっているのかを教えていただきたいと思います。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 予算につきましては、今年度、県立学校で予算をつけておりました推進校の費用を、来年度、組み替えいたしまして、県立高校の分も今度のいわての復興教育推進支援事業費のほうに回しました。そこで、その分の県立高校分の予算が多くなっているところでございます。
 あと、県民への周知でございますが、平成24年11月に、県政広報誌であるいわてグラフにおいて、いわての復興教育の特集を組み県民への周知を図りました。また、県政テレビ番組であるいわて希望の一歩においても、延べ6週にわたり、小中学校及び県立学校の取り組みの様子を放映し、周知を図っているところでございます。
〇福井せいじ委員 はい、わかりました。
 私は、この復興教育、非常に大事だなと。そしてまた、大変表現が悪いのかもしれませんが、岩手に与えられた大いなる教育のチャンスだと思っております。そこで、いわてグラフあるいはテレビといった媒体を使っての周知というよりは、私は参画をしていただくことが何よりも復興教育の目的に迫ることではないかと思うわけであります。そういった意味では、地域あるいは県の事業者、あるいは行政との連携による復興教育の推進というものが大事ではないかと思うのでありますが、そのような取り組みについてはいかがなものでしょうか、お示しいただきたいと思います。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 地域、事業者、行政との取り組みについてでございますが、例えば復興教育として郷土芸能に取り組んでいる学校では、地域の大人が指導者として子供たちにかかわるなど、学校と地域の連携が図られております。また、産学官が連携して事業を行っているいわて未来づくり機構は、県教育委員会の意見等を取り入れ、キャリア教育や人材育成についての専門的知識を持った社会人を講師として学校へ派遣するための人材リストを作成中であります。
 なお、各学校の取り組みを地域や家庭の側から協力、支援していただくよう、各市町村の社会教育担当及び県PTA連合会とも連携を図り、復興教育を推進しております。
〇福井せいじ委員 さまざまな方の参画と連携というのが重要だと私はお話をしましたが、そうすると、例えば内陸と被災地、被災地と離れた地域との連携ということで、例えば県内の各学校は被災地を訪れて、そのような被災地の子供たちとの交流というものはなさっているのでしょうか。そこら辺をお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 平成24年度より、県の校長会が中心となり、横軸連携ということで、沿岸部、内陸部の学校を横軸と考えての交流を進めております。これについては、今年度もそして来年度も継続して行うということで、今、予定しているところでございます。
〇福井せいじ委員 そうすると、県内の例えば中学校、高校の生徒は全員が被災地を訪れ、そしてまた被災地の子供たちと交流しているということでよろしいんでしょうか。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 はい。復興教育のプログラムでも示しておりますように、そのように交流というのを大事にしております。よって、直接、内陸から沿岸部へ訪問する場合もありますが、逆に、沿岸部での状況をわかっている方に内陸部に来ていただいて、説明もしくは映像等で示していただいたりして、何らかの形でそのような横軸での実態がわかるような交流をしているところでございます。
〇福井せいじ委員 私は、被災地以外の子供たちが被災地を訪れるという機会をぜひつくっていただきたいと思っております。
 私ごとになりますけれども、私の子供の友達が東京におりますけれども、行ってみたいという方が多いし、行ってさまざまな話を聞いて帰ってくると、非常に気持ちが変わってくると。命を大切にするあるいは地域を大切にする、日本を大切にする、未来を大切にするということを非常に感じて帰ってまいります。ぜひとも、県内の子供たちには必ず一度は被災地を訪れ、あるいは、さらに望むべくは、被災地の子供たちと何らかの交流を持って帰ってくるような仕組みをつくっていただきたいと思いますが、教育長、いかがでしょうか。
〇菅野教育長 先般も実際、復興教育を行っている小学校にお邪魔いたしました。その学校もやはり、今委員からお話のありましたとおり、宮古市内の被災した小学校との交流を続けていまして、子供たちだけではなくて、親御さんも一緒に学校を訪問して被災した子供たちといろいろ交流を行っている、そこでいろんな共同の学習をしたりいろいろ同じ取り組みをしたり、また、逆に来てもらったりもしています。非常にそういうことが大事だろうと思ってございますので、これからもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
〇福井せいじ委員 私は、復興というものは、もちろん地域の復旧、壊れたものをもとに戻すことも必要なのでありますけれども、さらにこの地域を創造していくエネルギーをそこに植えつけること、その環境を整備することが最も大事だと思っております。そのためにも、この復興教育が大事だと思っております。人を育てる、この復興を担う心をぜひともこの復興教育によって何とか植えつけて、そういった気概のある子供を育てていただきたいと思います。
 教育委員長から何かお話があれば、この復興教育についてお示しいただきたいと思います。
〇八重樫教育委員会委員長 全く福井委員のおっしゃるとおりで、先ほど以来答弁していますけれども、校長会が中心となって継続して支援していくと。それは必ずしもお金とか物だけではなくて、心の復興といいますか、心の交流ということですごく大事にしていますし、内陸にいる子供たちも、他人を思いやるとか物を大事にするとか、あるいは災害に備えるということを学ぶ絶好の機会であると。先ほどおっしゃられましたけれども、ピンチだったわけですけれども、それをチャンスにするということでも岩手の教育の中核に据えるいい材料―材料というのは失礼なんですけれども、いい課題でありますし、ぜひ強めていきたいと思っております。
〇佐々木博委員 私も今の福井委員と同様に、今後の県立高校のあり方について伺いたいと思います。
 人口減少に関連して伺いたいと思っていますが、本県における中学校の卒業者数というのは、ピークが平成元年の2万2、833人でありまして、あれ以後、ずっと減少に転じているわけでありますけれども、来年度の高校の入学者の見込み数がどのぐらいになっているか。それから、今、零歳児の数は押さえられるわけでありますから、10年後の中学校の卒業生、高校入学者の見込み数というのはある程度めどが立つと思うんですが、どのぐらいさらに減少すると捉えていらっしゃるか、まず最初にそのことについて伺いたいと思います。
〇福士首席指導主事兼特命課長 まず、ことし3月の中学校卒業者数の見込みでございますが、1万2、551人と見込んでございます。平成40年3月の中学校卒業者数につきましては、今のところ9、250人程度と見込んでございまして、それと比較いたしますと、およそ3、000人ぐらいの減少と見込まれてございます。
〇佐々木博委員 すごい減少がこれからますます進んでいくので大変だと思います。前の計画、県立高等学校の新整備計画、それから後期計画でも新しい学科の高校をつくって統合したり、あるいはクラス減をしたりして対応されてこられたわけでありますけれども、例えば計画期間の中の平成12年は359のクラスがあったんですね。それが平成20年には276クラスまで減じております。学校数も平成12年は83あったものが、平成20年には67まで減っているわけでありますけれども、今この数を聞きますと、これからまた15年間で3、300人ぐらい減じるということになりますと、1クラスがもし40人としますと、80クラスぐらいさらにまた減少になるといった見込みでよろしいわけでしょうか。
〇福士首席指導主事兼特命課長 3、300人ぐらいの減少ということでございますと、県立高校に入学する見込みということになりますと、およそ3、000人ぐらいかなと見込んでございますので、それが1学級40人定員ということで計算いたしますと、およそ70から80の間ぐらいかなと見込んでございます。
〇佐々木博委員 人口が減るということは、いろんな面で大変大きな影響が出てくるんだなと改めて思います。
 それで、今までの県立高校のあり方について言えば、基本的には、1学年のクラスが4から8クラスぐらいの学校の規模が適正だとか、あるいは少なくとも小規模校であっても、1学年2クラスが必要だとか、そういった基準があったかと思いますけれども、そして、それに基づいて10年間、高校の再編計画を進めてこられたわけでありますが、例えば盛岡市なんか随分学校の小規模化が進んでいますね、正直言いまして。それで、今盛岡地区あたりでは、クラス減で対応するのはもうやめてほしいという父兄の声も実はかなりあるんです。それから一方では、地域によっては2クラスの維持ができないところもあります。しかしながら、特に高校というのは、いわば地域の教育の中核みたいなところがありまして、高等学校がなくなると、例えばさまざまな伝統芸能みたいなものも、今伝承活動なんかも高校で担っている部分がありますが、そういったこともできなくなってしまうと。したがって、何としてでも高等学校は1クラスになっても残してほしいという声も非常にありまして、今まで一つの基準で進めてきましたけれども、これからこれだけまた人口が減っていくという中で、一律の基準で対応していくというのはなかなか私は難しいのではないかなと。個別にある程度考えながらやっていかなければ大変な、そういったことになるのではないかなと想定しているんですが、いかがでしょうか。
〇福士首席指導主事兼特命課長 学校統合あるいは学級減についてでございますが、今後の高等学校教育の基本的方向におきましては、望ましい学校規模を1学年4から6学級程度としてございます。一方で、3学級以下の学校につきましては、地域の意見を伺いながら、将来見込まれる生徒数や地域の産業構造、振興方向等の地域の実情を踏まえて検討していくということにしてございます。
 来年度設置予定であります外部有識者によります検討委員会におきまして、こうした点も含めて議論をしていただき、学校のあり方について改めて検討してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木博委員 本県の1校当たりの平均募集の学級数というのがありますね。本県の場合は、平成20年度の数値ですと4.12学級なんです。これは全国的に見ますと、平均でもかなり小規模化しておりまして、手元の資料によれば山口県、高知県、島根県、北海道に次いで5番目に低い数値になっています。それだけ高校全体の小規模化が進んでいるということでありまして、クラス減だけでの対応というのはもう限界がありますし、盛岡市内なんか、高等学校を統合させて数を減らすということを真剣に考えていかなければいけないのではないかなと。ただし、学校をつくることも大変ですけれども、それぞれ伝統のある学校を統合するにしても、なくすということになりますと、つくる以上にさまざまな面で反対もありますから、本当に実現していくのが大変だと思いますけれども、やはりそこに踏み込んでいかないと高校教育が成り立たないのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
〇菅野教育長 今、佐々木委員からお話のありましたとおり、非常に子供の数が減っていると。もう既に1学級校も、クラス一つという高校も現実にございます。したがいまして、それぞれどういう視点で岩手の子供たちを育てたらいいんだろうか、そういったところをやはり根本から議論をし直さないと、なかなか将来を見通すのは非常に難しいかなと思っています。したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、震災以降、個別の学級減対応でやってまいりましたが、それは既にもう限界に達しているだろうと思ってございまして、改めて震災後の高校教育のあり方について議論してまいりたいと思っております。
〇佐々木博委員 それと同時に、それぞれの地域での学校を残してほしいという要望も非常に強いわけでありますけれども、問題は、小規模校というのは、余り教育を財政で論じるべきではないかもしれませんが、現実の問題として、非常に財政的な負担が、荷重がかかりますね。高等学校の場合、それぞれの科目ごとの専任の教師がいなければならないわけでありますから、小規模になればなるほど、非常に財政的には負担がかかって、これもまた人口減少社会においては大変大きな問題だと私は考えます。
 それで、どうなんでしょう。例えばブロックで、一つの学校の先生が二つ見るとか、教員の交流みたいなものは考えられないものなんでしょうか、どうなんでしょうか。
〇土川首席指導主事兼県立学校人事課長 教員の他校へのかけ持ちといいますか、兼務についての御質問についてでございますが、現在、10年ほど前から、芸術を中心に、一人の教員が複数の学校を兼務する対応を行ってきており、限られた教員定数の中で、できるだけ幅広い科目開設ができるように配慮しているところでございます。今年度は21件の兼務対応を行っております。ただ、兼務対応には、学校間を移動することに伴う教員の負担が大きいと。特に学校が点在する地域では、移動距離が長く教員の負担がより大きいこと。兼務対応をしている教員は本籍校に常時勤務するわけではないため、その教員に対して担任業務、分掌業務や部活動指導を任せにくく、他の教員が肩代わりせざるを得ないという状況がございます。
 以上のことから、兼務対応する教員をふやすことは、教員の負担の増加、学校経営の難しさの増幅を招くことにつながりかねないため、兼務発令につきましては慎重に判断していく必要があると考えております。
〇佐々木博委員 学区制についても実は伺いたいと思っているんですが、私は過去2回ぐらい本会議で学区制は撤退すべきであるということを主張したことがありますが、今、全国的には、多分私は学区制をなくしているところがふえているのではないかと思いますが、どうなっているでしょうか。
〇福士首席指導主事兼特命課長 学区制におけます全国的な傾向についてでございますが、平成26年度の高校入試におきましては、47都道府県のうち23都府県が学区制をとらずに全県1区となってございまして、学区制をとらない都道府県が増加の傾向にあると把握してございます。
〇佐々木博委員 私は学区制というのは、学校を設置して運営するほうの立場の制度であって、高校に入ろうとしている受験生にとって、決してふさわしい制度ではないと思っているんです。ですから、本当は学区制はなくしたほうがいいのではないかなということをかねてから言っていましたけれども、実は今八つですか、高等学校の学区は。人口減少が進みますと、それぞれの学区ごと、ブロックごとといいますか、恐らく学校の適正配置ではなくなってきて、かなりそれも偏ってくるのではないかなと思うんですね。そうしますと、学区制をとっていますと、ますます高校受験者の選択の余地を広めることになるのではないかなと思っていまして、そういった観点からも、ほかにも学区制はいろいろ問題がありますけれども、もっともっと学区制を少なくする。私は全県一つにしたほうがいいと思っているんですが、そういったこともまた考えていかなければいけないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇福士首席指導主事兼特命課長 委員御指摘のとおり、学校数が減ってきた場合につきましては、各ブロックにおいて普通科の学校が複数配置できないというようなところも出てきた場合等も考えられますので、そういった点も含めて、今後、広く意見を伺いながら、学区制のあり方については検討してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木博委員 特にも学区制については、これは普通高校だけなんですね。それで前にも私は言いましたけれども、例えばサッカーをやりたいといって、盛岡商業高校には全県から来られるけれども、例えば遠野高校だと学区制があるとか、そういうのは不合理ではないかということを申し上げたことがありますが、やはり一番学区制で問題になっているのは通学上の関係だったと思うんですね、生徒に過剰な負担をかけるだとか。ところが、今、一関に県立中学というのがあるわけです。中学校であっても学区制をとっていないわけです。とっていませんよね。中学が学区制をとっていないのに、高校生に学区制をとっている。少なくとも通学に負担がかかるとか、そういった理由で学区制をとるということは、なかなか合理的な説明にはならないのではないかなと思っていますので、この学区制についても、高校教育のあり方とあわせまして御検討をいただきたいと思います。
 それから二つ目、実は通告していなかったのでさっき電話でお話だけしましたけれども、県北青少年の家のスケートリンクの改築の予定があると伺いましたけれども、予算並びに工期についてお伺いしたいと思います。
〇西村生涯学習文化課総括課長 県立県北青少年の家のスケートリンクの冷却設備改修工事でございますが、これは、来年度の予算におきまして、国体関連競技施設整備事業費の一部として約6、600万円余を計上しているところでございます。その改修工事につきましては、今現在は標準的な工期といたしまして、設計、入札手続、工事を合わせまして、おおむね10から12カ月程度かかると見込んでおります。
〇佐々木博委員 設計からかかって完了まで10から12カ月ということでしょうか。それで、御案内のとおり、平成28年には冬季国体があるわけですが、多分その冬季国体があるので今回の改修ということになっているんだと思いますけれども、困ったことは、今の日程ですと、大体県北青少年の家のスケートリンクというのは、オープンしているのが11月1日から3月31日までですね。その間が要するに使えない期間になるという、多分そういった工程になっているのではないでしょうか。
〇西村生涯学習文化課総括課長 委員御指摘のとおり、先ほど申し上げた工期は完成までということでございますので、来シーズンは、ほぼスケート場を使用できないというような状況になっているかと思います。
〇佐々木博委員 そこで、国体の前年度でもありますから、やはりリンクが使えないということになると、正直申し上げまして困るわけです。それで、早めろということは工程的に多分無理だと思うんですね。そこで、何とか通年、その期間、スケートリンクとして使える期間はリンクとして使用可能としながら、結局完成はおくれるわけですけれども、そういった形でこの工事に対応できないものかなと思いまして、お伺いしたいと思います。
〇西村生涯学習文化課総括課長 冬季国体が平成28年1月からということで間近に控えておりまして、県教育委員会といたしましては、あわせて選手力の強化を図っているところではございますけれども、この国体に万全を期するという観点から、スケジュールについては、後ろ倒しではなくて、極力前倒しして、早期に工事を完成させることが重要であろうと考えてございます。
 そういったことから、先ほど申し上げたのは現在想定している標準的な工期ということでございますので、極力、県教育委員会といたしましても、設計業者の選定を急ぐ等、できるだけ早期に完成させたいと思ってございます。
 もし早期に工事が完了いたしましたら、当然ながら、その青少年の家の研修利用者あるいは競技団体の方に、いま少しでも利用していただきたいと考えてございますし、工事の進捗状況については、随時情報提供していきたいと考えてございます。
〇佐々木博委員 早期にやっていただいて、幾らかでも縮まる可能性ってあるんでしょうか。
 万全を期すというのは、恐らく本番を控えて、これは製氷の改修工事ですね。例えば、ふぐあいがあったらうまくない、そういったことを心配されてのことだろうと思うんですが、私は、きちんとしたところが工事を請け負えば、そういった心配は余り要らないのではないかと思うんです。
 やはり国体の1年前でもありますから、できるだけリンクとして使える期間をとっていただくことを中心に考えていただきながら、かつ、もちろん間に合わなければいけませんから、国体に対応できるような工事をやっていただかなければいけないわけですが、そこをぜひとも考慮に入れていただきながらの工期の設定をしていただきたいということ、これは要望して、終わります。答弁は要りません。よろしくお願いします。
〇伊藤勢至委員 早いもので、東日本大震災から3周年が経過いたしました。今の議論でもいろいろありましたが、今後、子供たちをこういう目に遭わせてはいけないということから、子供教育に重点が置かれてきたようでありまして、大変いいことだと思います。
 太平洋の少し離れた日本海溝の底では、東日本大震災当初以上に鳴動が続いているという地域もあるようでありまして、決して今回のものが収束したとは言われないのではないかと思います。
 その後、今度は首都直下型も言われていますし、東海、東南海、南海があるであろうと言われているわけでありますが、今までの議論は子供たちを教育しようというお話でありましたが、私は、その前に、学校の先生方がそういうことをわかっていただかなければ命令系統が動かないという観点から、何点かお伺いしたいと思います。
 まず、タイムラグ的に行きますと、東日本大震災の5年前ですか、岩手・宮城内陸地震というものがありました。本県でも一関市を中心として大きな被害が出ました。祭畤大橋が落橋する、十数人が生き埋めになる、当然、自衛隊に出動要請をしたわけであります。
 出動するということは、当然宿営地が要るわけでありまして、そこでは場所がないので、ある学校の校庭を宿営地にすることにした。そうすると、金曜日の晩、夕方乗り込んできて設営が始まって、テントを張って、炊事、トイレ、あるいはお風呂、全部これはセットでやっていかなければいけないわけでありまして、そして、人員が乗り込んできて、そして月曜日の、例えばですよ、朝8時から活動開始になりますと、炊事担当班は、恐らく6時ごろから炊事の準備を始めるんだと思います。そして、8時に隊員を出してやって、片づけをして、洗濯をして、お風呂をやって、いろいろ忙しいわけですね。
 そうしたら、月曜日から自衛隊が活動開始をするという日に、そこの校長か副校長かわかりませんが、自衛隊のほうに出てきてお願いをしたと。私は、その言葉がちょっと逆なのではないかと思っているんですが、自衛隊の皆さん、きょうから授業が始まりますので静かにしてくださいと言ったと言うんです。それは逆なのではないか。校長先生あるいは副校長先生は、子供たちのほうに向かって、きょうから自衛隊の活動が始まります。我々の地域の皆さんと同胞、兄弟とか親戚が今、大変な状況になって、それの捜索やらいろいろな意味で応援に来てくれている自衛隊がいますので、1週間、10日、少しうるさくなるかもしれないけれども、校庭も使えなくなるかもしれないけれども、我慢しようねと生徒のほうに向かって言うのが、私は校長先生の役目だと思うんです。これについては答弁を求めませんので、ひとつ考えていただきたい。
 そして、今回の中で、他県とはいえ、少子高齢化、オール岩手で次の世代を私たちが守っていく責任が大人にありますけれども、その中で天国と地獄の事例があったと思います。3日、4日前にも報道されておりましたけれども、宮城県石巻市の大川小学校、生徒数が多分108名、そして犠牲になった子供たちが87名と―数字がちょっと間違っていたらごめんなさい、そういう事例がありました。
 発災後、子供たちを校庭に避難させて、40分間、何の指示、指令も出なかった。そして、津波が来る直前になって川の上流防潮堤脇に連れていきましたけれども、その堤防を乗り越えて87名だか78名が犠牲になったわけであります。学校の裏山もあったように思うんですけれども、何ら指示が出なかったという本当に残念な例があったわけでありまして、PTAから宮城県と石巻市に裁判が起こされたようでありますけれども、一つは、残念な例としてこういうことがありました。
 そしてもう一つ、本県には釜石の奇跡と言われる、いわゆる鵜住居の子供たちが大変立派な行動をしたと。小学生が、まず、危ないよ、中学校に逃げようと。中学校の校庭に行ったら、中学生たちが、ここも危ない、1週間前にできたばかりの三陸縦貫道釜石道路に乗ってもっと高いところに移動しようということで、子供たちは全部助かったという報道がありました。
 しかし、一方では、鵜住居では、残念なことに大人の皆さんは防災センターに集中して集まりまして、ここで200人近い方々が犠牲になったわけであります。
 この鵜住居小学校、中学校には、どこかの短大の防災の先生が来て防災教育をやっておられたようでありまして、それが子供たちにしみついていたと。そして、自分たちから自発的に逃げようということになった。
 この報道の中には、先生がどういう行動、どういう指揮命令をしたかというのが報じられておりませんが、子供たちが自主的にやったんだとすると最も立派だと思うんですが、この宮城県の石巻市の例と鵜住居の例を比べて、どういうふうにお考えになりますか。
〇菅野教育長 結果として、東日本大震災津波の際は、学校は子供たちを守ってくれたと思っています。そこは非常にありがたかった。ただ、詳細にお話を聞きますと、やっぱり間一髪だったというお話が結構各学校からあります。もう少し判断がおくれたら、子供たちをひょっとして亡くしていたかもしれない。やっぱりこういった教訓をしっかりつないでいかなければならないと思っています。
 今、委員からお話がございましたし、また、内陸では大雨災害もございました。たまたまあのときは日曜日だったので子供たちは学校にいなかったんですが、学校のグラウンドまで水が来た学校もあります。ですから、それぞれ一つ一つの学校が、みずからの置かれている状況と地域の状況を十分に把握して、しかも地域の方々と一緒になった防災をやっていかなければならない、これが大きな教訓だろうと思ってございます。
 発災以降、総務部総合防災室、それから県土整備部と一緒に、地域の防災組織の関係者、市町村の職員の関係者と一緒に教員の研修会をやっています。それは、やはり地域と一体となった防災を学校がやっていかなければならないのだ、とにかく顔の見える関係になろうということを重点的にやっておりますし、また、それぞれの学校が、それぞれの学校の危険を一つ一つ分析しながら対応を考えていこうという取り組みをやっています。
 したがいまして、そういった一つ一つの取り組みを積み重ねながら、今、委員からお話のありました、何とか地域と一体となった学校の防災力の強化を図ってまいりたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 今回の場合は、通信がだめということで、あるいは県庁からの指示、命令もなかったと。そうなりますと、その場の校長なり副校長なり、あるいは学年長なり、そういう方々が瞬時の決断をしなければならないんだと思います。したがいまして、学校の先生方は県内で転勤がありますから、俺は地震津波を経験したことがないということは言われないんだと思います。したがいまして、そういう地震が来たら必ず津波が来るぞと。それは、幾ら内陸にいる先生方であっても、ふだんから勉強しておいてもらわないと困るということだと思います。
 もう一つの事例をお話しします。前にも言ったかもしれませんが、ある学校で、個人の誰々を責めたいと思うものでないので固有名詞はできるだけ使わないようにしますが、ある高校には、近隣の人たちが自動車、軽トラックで校庭を目がけて避難して校舎に入ろうとした。校長先生は、さあ、危ないですからどんどん上がってください、入ってください。2階もだめなので3階まで上がってください。そうしたら、その2階の真ん中まで水が来たんですね。そして、その校庭のバックネットの一番上に、流されてきた人がつかまって、先生方が救急のボートをつくってそれを助けに行って助けたところもあります。当然、1晩越したわけで、ストーブもほとんどなかったわけですが、濡れない校舎内のカーテンを外して、これを毛布がわりに使ってくださいということをやった先生もおられました。
 一方、4階建ての地域で唯一の高い学校だったわけでありますが、近隣の方々は、やはり校庭ということもあり、そこに走って、あるいは歩いて避難をしようとしましたが、正面玄関に出てきた校長先生が、ここは避難場所ではありませんということで、当初受け入れなかったという話も聞いております。
 これはおかしいということで聞いてみましたが、それは、あくまで校長あるいは副校長の裁量権、つまり瞬時の判断でやっていいということになっているようでありますが、私は、いざ鎌倉という勉強をそういう方々がやっていていただかなければ、マニュアルにもないでしょうし、なかったことを、人間として、人間尊重として、人命尊重としてどう考えるかということもやはり考えておいていただかなければいけないなと。
 だから、子供たちを教育するのも大事ですけれども、やはり先生方が知見を有する、いろいろな今回の資料がいっぱいあるわけですから、そういうものも活用していただいて、次なる万一にぜひ備えて、今回のような轍は踏まないという強い思いを持っていただくべきだと思うんですが、八重樫教育委員長にもお聞きしたいですし、菅野教育長に、次なる人たちに残していく言葉として、ひとつ気持ちを吐露していただきたいと思います。
〇菅野教育長 やっぱり今回の東日本大震災津波は大きな教訓だと思っています。教員に対しましても、例えば被災した当時の大槌高校の校長から実際の体験を全ての校長に語ってもらう、こういうふうに対応したんだという取り組みを行ってございますし、いずれ、先ほど申し上げました、地域と一緒になった研修会をする。学校だけではなくて、地域と一緒になった研修会をして、防災関係者ととにかく顔の見える関係になっておこう。とにかく一つ一つ的確な判断をして子供たちを守っていくということに、引き続き全力を挙げてまいりたいと思っております。
〇八重樫教育委員会委員長 伊藤委員のお話のとおり、私は全く同感なのですけれども、実は釜石東中学校の校長とも話をしました。日ごろの掃除の時間、教室での勉強の時間でも、きちんと人の話を聞くとか、そういうこともやっていると。具体例はそれだけにします。
 釜石小学校の例も聞きました。校長に直接聞きました。クローズアップ現代で放送がありました。登下校時の避難場所といいますか逃げるところを常に考えていると。要は、校長、管理職の決断力がやっぱり必要だと思います。勉強していなければだめだということですし、校長がいなくても―釜石東中学校の場合は、校長がちょっと遅く行ったわけです。それでもきちんと守れたというのは、そういうところが副校長にも伝わっている、あるいは副校長もいない場合でも、その他の教員がやっぱりするべきだと。
 私も、大川小学校のことは何度もテレビ等で見ました。私も親ならば、どうして逃がしてくれなかったんだと言いたい気持ちでいっぱいです。調査委員会のいろいろな話はあるかもしれませんが、でも、純粋に、後ろに山があったんではないのかということで私は言いたいです。
 それから、私は固有名詞を言いますけれども、伊藤委員と違って名前を言って申しわけないですが、小本中学校の校長にも話を聞きました。地震が来た、津波が来るまで30分か40分ある。では、子供たちに防寒着を着せて逃がそうとしたと。それで、テレビが映らなくなったのでカーテレビで見たというようなこと。要は、そういうことを校長として知識を持っているということ。ですから、特に海岸地帯に勤める先生方は、そういう知識を持っていなければだめだし、県あるいは市町村、教育事務所の研修においても、そういうことをきちっと勉強し、それから―もう一つ申し上げていいでしょうか。
 盛岡市内の話をしてはまずいかもしれませんが、避難場所でなかった校長でも、もしかしておじいちゃん、おばあちゃんが来るかもしれないといって学校に待機していた。そして、電気が消えてしまったので、自分たちの車で明るくしながらやったという学校もありましたし、まさに同じように、玄関に避難場所ではありませんと紙を張って誰もいなかったというのもあって、私は腹を立てておりますけれども、たとえなっていなくても、非常時のときにそういう決断をするのが教育に携わる者の使命ではないかと私は思います。
〇伊藤勢至委員 いずれ大事な次を背負って立つ子供たちをそういうことで失うことがあってはいけないという思いから、ぜひ子供たちを教育すると同時に、各先生方も、そういうフィルムなりDVDなりを見ていただいて、万が一のときには、いざ鎌倉のときにはこういうことが必要だということを確認しておいていただきたいと思います。
〇軽石義則委員 私からは3点質問させていただきます。
 1点目でありますけれども、既に高校再編のお話はされておりますので、具体的内容の部分について少しお尋ねしたいと思います。
 高校の合格発表もされ、新しい希望に満ちた新入生となるべく、今、準備を進めていると思いますけれども、現在の県立、公立高校のいわゆる学系、コース、それぞれ合格者の発表が終わり、再募集もされているのが現状だと思いますが、そういう中において、再募集の現状の課題等があればお示し願いたいと思いますし、やはり学校に行って何を勉強するかというのが大事な選択の一つだと思うわけですね。そういう意味で、今、震災津波直後、いろいろな形で人材育成を要求されていることも多くあると思うんですが、そういう経済状況、社会情勢に合わせて学系やコースを見直す必要性もあるのではないかと考えておりますけれども、それらの部分について、お考えがあればお示し願いたいと思います。
〇福士首席指導主事兼特命課長 県立高校の学科、学系、コース等の現状と課題についてでございますが、平成21年度までの前整備計画終了後につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、学級数調整を行ってございます。定員割れとなりまして再募集を行う高校あるいは学科等が、年度によって多少増減はございますが、概して増加している傾向にあり、それが課題であると認識してございます。
 来年度から立ち上げます外部有識者によります検討委員会におきまして、改めて今後の高校教育のあり方について議論を行う予定でございますので、それも学科等のあり方も含めまして、地域の方々から御意見等を伺いながら議論してまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 現状をしっかりと捉えていただいているということでありますから、対策をするためには、さらに現場の状況をしっかりと受けとめた上でするべきと思っております。そういう意味で、県内の公立高校の卒業生の進学、就職の率を見ますと、大学進学がまず4割、就職が3割、専門学校が3割という大きなくくりになっているようでございます。3割就職しているということは、今の環境からいきますと、どの企業もやはり即戦力というものを求めていることが現実でございますので、そういう意味において、やはり在学中に必要な資格取得というものが大事だと思っております。
 現行、いろいろな学校において在学中における資格取得をされていると思いますけれども、現状と課題についてお示し願いたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 在学中におけます資格取得の現状と課題についてでございますが、現行の工業高校の学習指導要領におきましては、将来のスペシャリストの育成に必要な専門性の基礎、基本を重視し、専門分野に関する基礎的、基本的な知識、技術及び技能の定着を図るとともに、実践力を育成すること等の改善の視点が示されております。このことから、各学校におきましては、学習指導要領の趣旨にのっとりまして、基礎、基本を重視した教育を行いながら、将来の地域産業を担う人材を育成するというような観点から、地域の産業界の要望を踏まえた資格取得、技能検定への挑戦に取り組んでいるところでございます。
 課題につきましては、即戦力として貢献するには、資格取得、技能検定に合格するだけではなく、より実践的な技術、技能の習得が必要となります。その際、授業における実習あるいは課題研究だけでは、現場で必要とされる技術、技能を習得させることが難しいというようなことが考えられます。
 このような課題を解決するために、産業界の技術者等を招聘して実技講習や講習会を行ったり、あるいは生徒が実際に現場実習をすることなどによりまして、より実践的な技術あるいは技能を身につけることが必要であり、そのため、学校・地域の協働によるキャリア教育推進事業等の予算事業を行い課題の解決に努めているところでございます。
〇軽石義則委員 キャリア教育のお話もありましたけれども、やはり今求められている職種や資格取得、そういうものに今合わせていかないと、後から必要なものをつくっても、そのときには時代が変わってくる可能性があるというのが今の状況でございますので、やはり今必要なものに今対応できるような体制というものはぜひとっていただきたいと思います。
 そういう意味で、資料をいただきましたけれども、自動車産業に関連の深い資格取得については、かなりの数字も出ているようでありますけれども、その数字だけではなくて、内容、いわゆる受験して合格率がどのぐらいになっているのか、それはやはり成果としてあらわれているのか、加えて、今、求められている復興事業に職人が足りない、資格者が足りないと言われているわけです。その対応を具体的にどのように今やっているのか、お示し願いたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 まず最初に、資格取得の件でございますが、先ほどお話がございましたように、例えばということで自動車産業というお話がございましたが、平成19年以来、今日に至るまで、受験者、そして合格者数が年々増加しているところでございます。
 また、現在の取り組みということになりますけれども、先ほど申し上げました事業等を行っておりますが、東日本大震災以来、地元に就職して貢献しようというような子供たちがふえておりまして、平成25年3月高校卒業生の就職者のうち、県内就職者の割合は63%ということで、近来ない数字となっております。ただ、委員御指摘のように、そのマッチングということに関しましては、なかなか課題もあるものと認識しておりまして、今後、その辺も含めて、さらにキャリア教育を推進してまいりたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 キャリア教育の中でインターンシップも実施されているということでございますけれども、平成24年度は83.1%実施しているという数字もいただいております。これは、どのような職種を経験されているのが一番多いのか、その中で実際行った生徒からどういう反応があったのか、押さえているのであればお示し願いたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 細かいどういう産業に行ったかということはちょっと手元にデータがございませんけれども、基本的には、就職を希望している生徒の多い学校におきましては、その子たちを中心に、できるだけその希望に合った形の産業界へのインターンシップ等、あるいは公務員等を目指している子もおりますので、例えば県なんかでもそうですけれども、県職員を目指す者については、公務員として実地を踏んだりとかという形でやっているところでございます。
〇軽石義則委員 ぜひそういう形で、今求められているところにしっかりと力が出せるようなつくりにしていただきたいと思います。
 加えて、専門高校を卒業して、さらに技術を磨こうということで専攻科に進学をし、かなりいい結果が出ていると聞いておりますけれども、その実態をどのように把握されているのか、課題があればつけ加えていただきたいと思いますし、専攻科をさらに県内に広げていくことを含めて、拡大の方向性があるのであればぜひ示していただきたいと思います。やはり数に限りがあると、そこに入るための条件整備なり、それに加える負担、県内は広いわけでありますので、それらをどうしていくかということになれば、専攻科を拡大していくことも一つの選択肢になっていくのではないかと思っていますので、そのことについてお示し願いたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 最初に、私からは、黒沢尻工業高校の専攻科の件についてお話しさせていただきたいと思いますが、黒沢尻工業高校の専攻科におきましては、内定した就職先におきまして、1カ月以上に及ぶインターンシップを実施しておるところでございます。そこにおきましては、より実践的な技術、技能、問題解決の力など、地域の企業が求める即戦力を身につけていると判断しているところでございます。
 このような取り組みによりまして、黒沢尻工業高校専攻科の卒業生は全て県内企業に就職し、高い評価を得ていると捉えておるところでございます。
〇福士首席指導主事兼特命課長 工業高校の専攻科についてでございますが、工業系の専攻科は黒沢尻工業高校に設置してございます。岩手大学、一関工業高等専門学校等からも支援を受けまして、加えて、企業からも実務を含めて支援をいただきながら非常に高いレベルの育成を行っているものでございまして、同校の専攻科は、県内全工業高校の専攻科という基本的な位置づけで設置しているものでございます。
 こうした専攻科を他の工業高校に設置することにつきましては、企業との連携あるいは大学の支援を受けながら高度な教育を展開する必要があること、それに対応できる教員の確保等の課題もありますことから、まず、黒沢尻工業高校の専攻科を県内工業高校の専攻科としてより充実させていくことが第一と考えてございまして、産業界の需要等も踏まえ、関係部局等とも意見交換をしながら、今後の設置の必要性について検討してまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 工業系の専攻科については理解しておりますけれども、岩手の場合は、1次産業もこれから主力、今でも主力なんですけれども、さらにその後継者を育成していかなければならないという課題もあると思っています。農業、商業も、そういう意味ではそういう形のものを考えているのかどうかをお示し願いたいと思います。
〇福士首席指導主事兼特命課長 本県において専攻科を設置しております学校は、盛岡農業高校に特別専攻科というものがございます。先ほどの黒沢尻工業高校、さらに宮古水産高校に漁業科の専攻科を設置しているという状況にございます。
 今お話がございましたが、商業科につきましては、まだそこまでは検討していない状況にございますが、現在設置してあります三つの専攻科の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 ぜひ、それぞれの専攻する部分があれば、選択肢も広がりますし、技術者、また即戦力も出てくると思っております。加えて、やはり提供する側だけの考えではなくて、求めている側の、いわゆる各業界の声もしっかり受けとめていかなければならないと思いますので、それら関係業界からの要望などを具体的にどのように受けとめてこれらの政策に反映しているのか、お示し願いたいと思います。
〇菅野教育長 やっぱり子供たちの出口といいますか岩手の産業界の御意見を十分踏まえながら、こういったことをするのはすごく大事だろうと思ってございます。したがいまして、先ほど再三お話ししてございます来年度立ち上げを想定してございます組織においては、当然、産業界の方々からも十分そういった御意見を頂戴したいと思っておりますし、それから、もともと黒沢尻工業高校の専攻科は、商工労働観光部と一緒になりまして、将来的な岩手の産業人材の育成をどう考えるかというところを踏まえた結論でこういう専攻科をつくったという経緯もございます。したがいまして、今後そういったものの検討に当たりましては、商工労働観光部とも十分連携しながら、産業界の意向を踏まえ対応してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ時代に合った、必要なときに必要なものがあるような状況をつくっていただくようにお願いいたします。
 次に移ります。2点目は、再三聞いておりますが、ラグビーのワールドカップ招致について、現状、これまでの取り組み経過についてお示し願いたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 ラグビーワールドカップのこれまでの取り組み経過でございますが、県といたしましては、これまで、誘致に向けた釜石市の取り組み状況、また、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の招致方針、試合会場に係るガイドラインなどの必要な情報把握に努めてきたところでございます。
〇軽石義則委員 現状、取り組み、まさに来年度は、そういう意味では開催を含めて非常に重要な時期に来ているのが現実だと思っておりますので、その中で、先般、釜石市議会におきまして、野田市長から質問に対しての回答の中で、被災者の住まい、暮らしの再建のめどを立てなければならない。その上で財源確保と施設の維持管理について県の協力を得ることができるか、この二つが成り立つかどうかという答弁があったようでございますが、このことについてどのような状況を把握し、現状で今後の対応など考えているのであればお示し願いたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 釜石市からは、これまでも誘致に当たっては県の支援をお願いしたいという旨の意向は伺っている状況でございますが、現時点で具体的な支援の概要等がまだ示されていない状況でございます。
 施設整備あるいは施設の維持管理に対する支援につきましては、県の財政状況を鑑みて、さまざまな課題があるとは認識してございます。今後、市からの具体的な要望を踏まえて、県としてどのような支援ができるのかを検討していく必要があると認識してございます。
〇軽石義則委員 このワールドカップ招致におきましては、県議会においても議連があって、その活動として後押しをしっかりしていこうということで取り組みをしてきている現状もありますし、各関係する団体も、それぞれ一生懸命努力をしておりますので、県の姿勢として、釜石市から頼まれたらやるというのでは、なかなか理解し切れない点があるのではないかと思います。やはり岩手県としても、そういう状況を踏まえて対応する準備はあるというぐらいの思いがなければ次のステップには行けないと思うんですけれども、教育長、そこはどうお考えでしょうか。
〇菅野教育長 やっぱり釜石市長が議会で御答弁されましたとおり、まずは、釜石市としても復興に全力を挙げなければならない、それを大前提として、しかも、復興の一つの象徴としてワールドカップがあるだろうというお考えを示されているんだと思います。ただ、やはり非常に大きな大会でありますし、釜石市一つだけで担えるのか、当然、県も含め全県的な視点が必要であろうということから、ああいう議会の答弁になったんだろうと思ってございます。
 私どもとしても、岩手国体は復興の象徴として行うわけでございますが、ワールドカップにも同じような視点があろうと思ってございます。大きな問題でもありますし、当然、教育委員会一つということではなくて、全庁的にどう対応すべきかということを踏まえた上で、県を含め全県的な取り組みが必要だろうと思ってございます。そのために議連も設立されていると存じてございますので、そういった関係機関とも連携をしながら、今後、全庁的にどう考えるべきかということについて検討してまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 ぜひ、関係団体ともしっかりさらに連携を深めていただいて、今、教育長がお話しされたような内容が、きっちりと県民にも伝わるような取り組みを今後もしていただきたいと思いますし、東京オリンピックの前の年のワールドカップであります。復興を世界に発信するいい機会だと思いますので、それをぜひ県としても支えていただくようにお願いして、次の質問に移ります。
 来年度の事業の中で、日本の次世代リーダー養成塾について質問いたします。
 この事業は全国的な規模で行われるようでありますけれども、具体的な内容、そして、参画県として派遣をするということでありますが、この派遣された高校生の皆さんをその後どのように活用していこうとしているのか、また、選考基準というものがどういうところにあるのかお示し願いたいと思います。
〇蛇口教育企画室企画課長 日本の次世代リーダー養成塾についてでございます。
 この事業につきましては、日本のみならず世界に通用する人材の育成を目指しまして、全国各地の高校生約165名が参加して開催される2週間のサマースクールとなっているところでございます。内容といたしましては、日本や世界を代表する学者、経済人等による講義やディスカッションを通じまして、リーダーとして必要な多面的な思考力や分析力、決断力といったものを養うような場となっているところでございます。
 塾の趣旨に賛同する都道府県、企業、団体、各界の有識者等をもって構成されます日本の次世代リーダー養成塾が事務局を務めておりまして、予算措置をお願いしております100万円につきましては、全額主催者への負担金となっております。本県からは10名ほどの高校生がそれによって優先的に参加することができるほか、また、会場は福岡県でございますけれども、参加者のそこまでの交通運賃は全額、参加費については減免されるような仕組みとなっているところでございます。
 なお、選考基準についてでございますけれども、選考基準につきましては、全国では各高校から多数応募があった場合は選抜するような仕組みになっておりますけれども、本県では、できるだけ多く参加させたいということで、これまでは、手を上げていただいた方全員に(後刻訂正)参加いただくような形としておったところでございます。そういったことで、ほかの県と違いまして事前選考というものは行っていないところでございます。
 あと、今後の活用についてでございます。今後の活用につきましては、現在、多数の塾の卒業生が出ているところでございます。こういった方々につきましては、長期的な視点から、それぞれいろいろな場で活用を図っていくというところで、今まで、始まって10年ほどになりますけれども、地域貢献とかといったものに役立てるような形ということで、今後活用を図ってまいりたいと考えているところでございます。
〇樋下正信委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇軽石義則委員 選考基準は、希望した方は入れるというお話でしたけれども、そうすると参画県枠、一般公募枠、どっちでも大丈夫だということの理解でいいんでしょうか。
〇蛇口教育企画室企画課長 通常の場合ですと参画県枠で選考を行うという形になります。それに漏れた場合につきまして一般公募枠のほうに参加していただくという形になります。今までは、選考枠のほうで間に合っていたという状況でございます。
〇軽石義則委員 選考枠のほうで十分間に合っているということですけれども、仮に、外れて一般枠で選考された場合、参加条件に差が出るのではないかと思いますが、そういうことはないということでしょうか。
〇蛇口教育企画室企画課長 一般公募枠となりますと、それぞれ参加する方の参加費がございますけれども、参加費が2万5、000円ほど高くなるようなこととなります。
〇軽石義則委員 目的が一緒であれば、参画県枠も一般公募枠も、これから岩手をしっかりと担いたいという気持ちもあってのことだと思いますので、できればそういうところは余り差がなくなるような方法も考えるべきではないかと思いますけれども、それらについてはどうなんでしょうか。
〇蛇口教育企画室企画課長 そこの部分につきましては、事務局の日本の次世代リーダー養成塾のほうに今後相談してまいりたいと存じます。
〇軽石義則委員 ぜひ、そういう次世代リーダーですので、しっかりと勉強していただいて今後の岩手を支えていただきたいという気持ちが伝わるようにやっていただければと思いますので、お願いして、終わります。
〇及川あつし委員 時間の関係もありますので、最初に予算関連をお伺いして、次に、支援金制度、最後に県立高校における卒業式の知事のメッセージの問題、この順番で伺いたいと思います。
 まず最初に、平成26年度予算において、きょうも予算の説明がありましたが、部活動の設備整備費がどうなっているのか伺いたいと思います。
 決算のときにも私は伺ったわけでありますが、平成24年度の分については、学校が部活動の設備整備費8、170万円を要求していたにもかかわらず、平成24年度決算ベースでは1、142万円、14%の措置率ということでありましたが、平成26年度予算についてはどのような状況になっているのか、金額と措置率についてお示し願います。
〇宮澤学校施設課長 部活動整備費でございますけれども、平成26年度当初予算におきましては、平成25年度の1、183万2、000円に対しまして、平成26年度は1、760万7、000円、率にいたしまして14.5%の増となってございまして、要求に対します充足率は22.1%でございます。
 増の要因でございますが、宮古高校、宮古商業高校のヨットの更新、これはFJ級から420級への4隻の分でございますが、これが636万6、000円ございます。これを除きますと、平成26年度の予算につきましては1、124万1、000円でございまして、平成25年度の決算ベースと比較いたしますと59万1、000円余の減となっておるものでございます。
〇及川あつし委員 つまり宮古商業高校の特殊要因があったので額的にはふえているけれども、実質的には変わっていないということなんですが、やっぱり各学校かなりこの部分については、財源の確保、あとは保護者も含めて、子供たちに充実した部活動を送らせようという強い気持ちでいつも困っている内容でありまして、平成26年度、厳しい財政状況でありますけれども、何とかしてほしいと思ったんですが、何ともならなかったんでしょうか。予算編成の経過等について説明があるのであればしてほしいと思います。
〇菅野教育長 やっぱり子供たちのそういった部活動と施設整備というのが基本的なところでございます。確かに、学校からいろいろ要望いただいて、100%それに応じられない状況がございます。何とか私どもの中で、限られた予算枠の中で少しでもという思いはあったんですが、厳しい財政環境でシーリングがかかっているということもございまして、その中で、ただ、ほかを若干削ってもこの事業費については幾らかでもということで、何とか現状維持まで持っていった。
 それからまた、宮古の特殊要因もございましたので、総額では何とか少しでもふやせるようにということで努力した結果がこういう結果になったものでございますが、来年度以降、引き続き、一つ一つの学校の要望に丁寧に対応しながら、少しでも充実が図れるように取り組んでまいりたいと思っております。
〇及川あつし委員 財政課の総括課長もいらっしゃるのですけれども、全体にはめるのがシーリングだからしようがないと思うんですが、ぜひ各学校の現場の設備の状況を実際に見てほしいと思うんですね。かなり劣悪な環境であって、従前から、いわゆる管理が不徹底だったので、つり輪のベルトが切れた事故もありましたけれども、そういう事故がいつ起きてもおかしくない状況があるということで指摘してきた問題だと思うんですね。ですので、ぎりぎり頑張ったということは多としますが、抜本的に見直していただくように改めてお願いしておきたいと思います。
 次に、学校教材費の関係ですが、地方交付税には、御案内のとおり、学校教材費の分を基準財政需要額で算定しているところであります。4年前も伺いましたけれども、市町村ベースも入れていくと、本県の予算の措置率は全国で下から数えたほうが早い、4年前は46位だったと思います。
 平成26年度、これは市町村のほうを把握しているのであれば教えてほしいんですが、あとは、本県の予算の措置率についてはどうなっているのか、お示しいただきたいと思います。
〇永井予算財務課長 学校教材費についてでございます。本日は、県立高校分のみの状況を御紹介させていただきます。
 地方交付税の単位費用の算定基礎額といたしまして、教材費と特定した項目の計上はございませんで、いわゆる需用費等としての一括計上になってございます。その中で、備品購入費ですとか設備費といったものが例示されてございます。その金額は、平成26年度算定はまだでございますから、平成25年度では、いわゆる地方交付税の標準団体ベースで12億円強、12億476万円余の計上になってございます。
 これに対しまして、本県では、同様の管理運営費というような形での一括の配分になってございますが、予算額としては13億500万円余というような金額になってございます。
〇及川あつし委員 つまりどういうことですか。
〇永井予算財務課長 教材費という形での個別の措置状況については、数字として今はございませんけれども、いわゆる高校ごとの需用費の管理執行計画に応じて包括的に配分させていただいてございます。その金額として、トータルとしては、交付税措置額は一応上回った措置でさせていただいているところでございます。
〇及川あつし委員 ある一つの見方からするとそういう答弁になるんでしょうけれども、それが学校現場において十分な状況になっているでしょうか。その点についてもあわせて答えてください。
〇永井予算財務課長 委員御指摘のとおり、交付税措置の予算の額との比較は比較といたしまして、各学校の、特に事務室、先生方のいわゆる実感といたしましては、やはりまだまだ不足していると。それから、事あるごとに増額をしてくれというような要望も出てまいります。各学校ごと六十数校それぞれの事情がございますので、全てが網羅できるかどうかについては、なかなか検討を要するところもございますけれども、いずれ基礎的な経費はこれからもしっかりと確保してまいりたいと思いますし、そういった中で、各学校の状況に応じて、教材費等も含めた経費配分について、できるだけ応えるように今後とも頑張ってまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 つまり基礎的な経費については、実は十分じゃないんですね。私が見ていても。頑張っていらっしゃるのはわかるけれども、かなりいろいろな部分にしわ寄せが来ている状況でもあるので、さらに予算措置等については工夫をしてもらいたいと強くお願いしておきます。
 その一環で伺いますが、高等学校就学支援金制度ということで、これもきょう予算に一部計上されておりましたけれども、これについては、民主党政権のときに高校授業料無償化ということで始まって、政権が自民党にかわって、かなりの議論がありました。報道等によれば、政権与党内部にも、今さら所得制限することでどうなんだ、事務費のほうが膨らむのではないかとか、いろいろな議論があったと思うんですが、結果として、いわゆる所得制限が入って来年度の入学生から始まるということであります。
 私の所感は後で申し上げたいと思うんですが、いずれ、この制度が始まって所得制限を受ける方が一部出るわけですが、受給の資格者数の見込みはどうなんでしょうか、その点について伺いたいと思います。
〇永井予算財務課長 受給資格者数の見込みでございます。就業構造基本調査等々によります県内世帯の所得分布から推計いたしまして、県立高校にこの4月に入学する生徒のうち、予算上は、おおむね9、600人程度を対象と見込んでございます。ただし、3月13日時点での合格者数がこれよりも少のうございます。9、400人程度でございますので、実際はこれよりも少なくなるだろうと考えているところでございます。
〇及川あつし委員 これは、全体の入学者の保護者の大体何%が受給資格者になって、受給資格者でない方は何%なんですか。大体の所得分布とかで出ると思うんですけれども、どう見込んでいますか。
〇永井予算財務課長 就学支援金の対象になる受給資格者の見込みでございますが、おおむね全体の92%程度は対象になるのではないかと考えてございます。残り8%は、いわゆる対象外になると予算上は見込んでいるところでございます。
〇及川あつし委員 つまり92%の方は従来どおりの形になって、8%の所得者層をはじくための事務だと私には見えるんです。ですので、その8%の方を除外するための事務をどこが請け負うかというと、もちろん県教委も相当な事務負担だと思うんですけれども、各学校の事務負担は膨大なものだと思うんです。それぞれの入学者の保護者から、いわゆる所得証明をもらって、それを一定の様式にまとめて、手続をして、保護者とまたやりとりをしてという物すごい事務が発生すると思うんですね。
 ここまでやって所得制限をする必要がどこにあるのかなと。考え方としてはわかるわけですけれども、全体の事務のフローを見ての政策決定だとは私には思えないわけでありますが、これは国のほうで決まってしまったので対応せざるを得ないと思うんですが、そこで二つ伺います。
 ある意味、かなり複雑な制度でありますけれども、平成26年度入学者の保護者へ十分この制度について説明がされているのか、説明の状況について伺いたいと思いますし、そして、何より認定審査事務負担、これは物すごいと思うんですね。各学校の事務の経費も大分削られてきているというこれまでの経緯も実はあります。各学校においては、その足りない分、PTAのほうでいろいろな事務員を補充したりとかという部分も、ある意味あるわけであります。その中でまたこういう事務負担が出てきて、結果として、教育現場にいろいろ無駄な事務がふえたことによって子供たちへの十分な教育の機会が減るということが一番危惧されるわけですが、保護者への説明の状況と、あとは事務負担に対する対策、国がきちんと財政措置しているのかどうかも含めて伺いたいと思います。
〇永井予算財務課長 まず1点目、今年度新入生の保護者への説明という状況でございます。
 まず、これは国の法律改正に伴ったものでございますので、一義的に国が周知していただきたいと考えてございました。ことしの2月上旬に文部科学省が直接、全国の中学3年生向けに、リーフレットを中学校向けに直送したということで聞いてございます。
 また、県教育委員会といたしましては、国からの情報提供がなかなか遅くて十分な提供ができなかったところでございますが、市町村教育委員会、中学校長会等々を通じまして、その時々の手持ちの状況をお伝えして、できるだけ保護者に届けていただくようにという強いお願いはしてまいったところでございます。
 それから、2点目、学校の事務負担でございますが、就学支援金でございますが、初年度である4月から、来年度の事務量といたしましては、1校当たり、大規模校ですと、多いところで260件ぐらい、それから小規模校ですと30件強という事務量が4月と7月の2回発生すると考えてございまして、その対策といたしまして、学校の実際に事務をとるスタッフにも参画いただきながら、処理マニュアル等の作成等を進めてまいったところでございます。
 これに係る経費の措置でございますが、これは、国から事務費交付金が来るということで連絡を受けております。金額については未詳でございますが、こういった国からの予算措置なども活用しながら、できる限り多くの臨時職員を学校現場に配置できるように、今後検討していきたいと考えております。
〇樋下正信委員長 及川あつし委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
 及川あつし委員、御了承願います。
   午前11時59分 休 憩
午後1時5分 再開
〇岩渕誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇蛇口教育企画室企画課長 先ほど軽石委員のほうから、日本の次世代リーダー塾の選考基準に関する御質問がございまして、応募者全員を派遣していると答弁申し上げたところでございますが、過去3カ年は応募者全員を派遣しているところでございますけれども、過去10年にさかのぼりますと、2回ほど応募者多数ということで作文等による選考を行ったこともございます。申しわけございませんが、訂正をお願いいたします。
〇岩渕誠副委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、本日審査を予定している部局について、延べ10人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう、改めてお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇及川あつし委員 知事の卒業式のメッセージについて伺いたいと思います。
 私も実は卒業生の保護者でございまして、ある高校で、知事のメッセージが突然5分程度読まれたのに立ち会いました。
 嵯峨壱朗委員が総括質疑の中で知事に聞いた質疑がありましたが、メッセージが全ての県立高校63校、特別支援学校13校、また、私立高校や盛岡市立高校にも送られているものと承知しているという答弁。メッセージの発出の指示については、知事の趣旨を踏まえて教育委員会に伝え、教育委員会が対応したという答弁もありました。
 そこで伺いますが、メッセージがほぼ全校に発出された、その経過について報告をしてください。特に、その中で、教育委員会が現場の学校に対してどういう指示をしたのか伺いたいと思います。その指示が、法令上、適切なものだったかどうかの見解もあわせてお示し願います。
〇菅野教育長 先ほどお話のありましたとおり、知事が総括質疑でお話し申し上げたとおりでございますが、知事からそういうお話が私どもにございまして、教育委員会といたしまして、各学校に対しまして、卒業生にメッセージを紹介することや、卒業生にメッセージを配紙すること等を依頼したところでございます。
 また、法的な議論でございますが、一つは、私どもは県立学校でございますので、教育委員会においてそれぞれの学校を管理しているわけでございますが、知事は設置者でございますので、知事が卒業式に出席し、ごあいさつを申し上げるなり卒業生にメッセージを送るということは他県でも行われておりますし、県内におきましては、他の市等においても類似の事案があると承知してございまして、法令上の問題は生じないものと考えてございます。
〇及川あつし委員 私は、学校現場の校長先生の学校管理者としての権限とか、もっと難しいことを言えば、教育の自治権というのがあると思うんです。それを、教育委員会からメッセージを読めとか配布をしろとか、事実上のこれは指示じゃないですか。人事権もあるわけだから。そういう問題にも私は生じかねないと思いましたし、何より、卒業式という厳粛な式典で、ずっと次第が進んでいるわけですよ。その中で、突然、知事からのメッセージですと言って、5分近いだらだらとした文書を読まれて、えっ、何なのっていう感じを持った保護者が相当いましたし、しかも、それは去年もおととしもやっていたわけではなくて、突然ことしやっているんですよ。どうも私は違和感を覚えたし、いろいろな声を聞くとそうでありましたし、恐らく学校現場の先生たちも、何で教育委員会からこんなこと言われなきゃいけないのと思っている部分も私はあるんだと思うんですね。そういうこともちゃんと踏まえてやっていただかないと、教育への不介入とかいろいろな問題が議論されていますね。どうも私はすたっと落ちないし、同じような手法で県教育委員会が各学校に指示するということは、私は抑制的であるべきだなと思うんですけれども、見解を改めて求めたいと思いますけれども、教育委員会委員長、どうですか。
〇八重樫教育委員会委員長 私は、3月1日の高田高校の卒業式に行きました。知事とともに同席しましたけれども、御存じのとおり高田高校は壊滅状態で、入学式も1カ月おくれで開催されて、その後、間借り生活を3年間送ったと。そこをよく乗り切ったなというような励ましというか、頑張ったねというような思い、そういう知事の純粋な思いと私は受けとめました。
 私は入学式にも行って、県の告辞を特にやることにしてやりました。その入学生が今回卒業したわけですので、一本松のようにたくましく生きなさいというようなことを言ったんですけれども、そういう思いがあったので卒業式にも行きましたけれども、感動的な卒業式になったと思いますし、私は、知事のそういう純粋な思いで……(及川あつし委員「高田の話とほかの高校は違うんだ」と呼ぶ)ええ。だから高田高校だけになってしまいますけれども、その他、高田以外でも、いろんな困難を乗り越えながら子供たちは卒業していったという意味では、全部の高校生に励ましとかお礼の言葉を言う知事の純粋な気持ちと私は受けとめました。
〇及川あつし委員 受けとめない人間もいるということですよ、私みたいに。本当に手続としていいんですか、これ。各学校の行事の中に、知事のメッセージを読めとか、あるいは配布しろなんていう、事実上の指示じゃないですか。これは本当に問題ないんですか。
〇菅野教育長 先ほど申し上げましたとおり、今回の卒業生は、特に震災直後に入学した子供たちであります。そういった中で3年間を過ごしてきた。それに対して学校の設置者である知事が、県民の思いを代表してというお言葉もございましたが、そういった思いを伝えたい、そして、それを受けて、教育委員会として各学校に必要な措置をお願いするということは、確かに卒業式についての全責任は校長が負っているわけでございますので、校長の思いというものは尊重しなければならないと思ってございますが、それをお願いすること自体については問題ないものと思っております。
〇及川あつし委員 最後にしますが、答弁の中身については、それはそれなりの考え方なんでしょうけれども、受けとめるほうとしては違う考えを持つ人間もいるし、やっぱり教育の自治権という問題もあるし、これから政治的に微妙な時期になってくるので、しっかりとそこは踏まえてもらいたいと思いますし、私、もう一言だけ言いたいのは、実は私が出た学校については、もちろんそのほとんどが3年前の震災のときに入学した子供だったけれども、病気になって留年をして、やっと卒業した子供もいたんです。ですから、もちろん東日本大震災からの3年間に触れるにしても、限定しないようにしようねと、かなり配慮して我々は卒業式に臨んだんですけれども、非常に配慮のない形で、全て今回の卒業生が3年前に入学したような前提のメッセージをだらだらと読まれたと。こういうところで気分を害している部分もあるので、やっぱり配慮はきちっとしないといけないということを重ねて申し上げて、質問を終わります。
〇神崎浩之委員 違う関連なので。
 及川あつし委員の4月からの高校授業料の関係に関連して質問させていただきます。
 これは、条例の一部改正にもあります。ということで、ここには平成25年度までに在学している生徒は旧制度を適用するということであります。その中にあって、恐らく4月から新2年生、新3年生になる生徒、保護者に対しては旧制度でいきますという整理だと思いますが、その中には実は不登校であったり、それから病気とか、それから成績不振等によって、2年生をもう一回やっていたとか3年生をもう一回やっていた生徒がいると思われます。そういう方について、新2年生、新3年生、この方に対する授業料の対応については、4月以降どうなるのかお聞きをいたします。
〇永井予算財務課長 お尋ねの現行の1年生、2年生につきましては、現行の県立学校等授業料条例が適用になるものでございます。この場合におきましても、原則の不徴収の期間は全日制で言うと36カ月、それから通信制等で言いますと48カ月というのが原則でございます。ただし、現行の施行規則におきまして、これらの36カ月、48カ月から除算される期間を設けてございます。
 具体的に申し上げますと、例えば一度高校に入ってまた再度入り直した者でありますとか、それから休学届を出している当該期間、それから負傷あるいは疾病の治療のために欠席をしている。ただし、これは医師の診断書をお出しいただくということになりますが、この証明書があった者については、先ほど申し上げた期間から除算をするということでございますので、当該2年生、3年生で再履修という形の生徒については、36カ月の期間から、そういったような事情に該当する場合においては期間が除かれるということでございます。
〇神崎浩之委員 そこで、何かしらの事情があって留年されるという方も対象になるということで理解してよろしいのかどうか、もう一回確認をしたいと思います。
 そういう中には、成績が悪くてということもあるし、それから、不登校―不登校については、いじめ等で、行きたいんだけれども行けない方もいるでしょうし、それから、もともと行きたくないという方もいるし、それから、病欠についても、行きたいんだけれども病気のために、入院のために所定の日数がかなわなくて留年ということもあって、そういう方については成績とかなんかは別として、やはり病気とか不登校については、この制度をそのまま適用していただきたいと思っております。
 そこで、こういう保護者に対して実は既にもう、あなたは4月から正規に授業料を納めなさいというような文書が行っているという話を聞きました。そこで、実は非該当なんだけれども非該当の説明をきちっとされていたのか、あとは、非該当であるということを精査せずに保護者に徴収の案内をしていたのか、その辺の説明、手続についてどうだったのか御質問いたしますし、かつ、そういうことがないように、今後についての説明をきちっとやっていただきたいということをまとめて質問いたします。
〇永井予算財務課長 委員御指摘の病欠のような場合には、現行の規則においても、診断書の提出があれば不徴収の期間から除算をされるということになってございます。また、御指摘の不登校のようなさまざまなケース、この標準年限を超えた場合にはさまざまな事情があるかと思います。そういった場合については、その生徒への周知等について、ちょっと各学校から個別にこういった事情を把握しているわけではございませんが、いずれ相応の事情があると思われる場合については、学校側においてもそれの事情に十分に配慮した、丁寧な対応を具体的に相談があった場合にはお願いしてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 教育委員会の皆さん、御苦労さまでございます。特に菅野教育長には、このたび本当に御苦労さまでございました。総務部長のときからお姿を拝見しておりまして、変わらず本当に低姿勢ですごいなと、私たちを出迎えてのあのおじぎの仕方、なかなかまねできるものではないので見習いたいなと思っておりました。ああいう形で子供たちに当たっていたなら、本当に子供たちも、いいふうに道を歩けるのではないかと思います。
 そこでお伺いするのですが、まずもって教育の基本であります学力向上に向けた取り組みで、県内ではどういうふうに小・中・高の取り組みを行っているのか、まずお伺いいたしたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 学力向上に向けた取り組みについてでございますが、小中学校におきましては、県による学習定着度状況調査や中学校3年生英語チャレンジテストなどの結果から明らかになった課題について、調査結果の分析を生かした事業改善を推進してございます。
 今年度の学習定着度状況調査の主な結果としては、基礎的、基本的な知識、技能に比べ、活用を図る問題に課題があると。また、家庭学習時間が以前よりはふえている状況にはございますが、まだ十分とは言えないことが挙げられております。これら明らかになった課題や改善の取り組みについては報告書としてまとめ、各学校に配布しているところでございます。
 また、学習定着度状況調査については、分析結果の概要版をリーフレットにまとめ、各校の主体的な取り組みに反映させたり、教員研修会や担当指導主事による学校訪問を通じまして、授業改善のポイントや効果的な家庭学習指導のあり方について指導、助言を行い、課題の解決に当たっているところでございます。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 次に、高等学校についてでございますけれども、毎年4月に1、2年生を対象としました学習課題を明確にし、授業改善に資するため、基礎力確認調査を実施しておるところでございます。その結果をもとに、効果的な指導法について研修を行うため、学力向上協議会を各地域で行っておりますが、あるいは高校教育担当訪問等を県内各地で実施しておるところでございます。特にも、数学と英語の学力向上につきましては、指導主事によります学校訪問指導あるいは授業公開を含めた教員セミナー等を実施し、教員の授業力向上に向けた取り組みを実施しておるところでございます。
〇及川幸子委員 高校に入学して初めて朝学習を行うのでという通知が来たわけですが、小学校低学年のうちに基礎学習というのは定着させなければならないと思うのですが、その辺のところはどうでしょう。小学校低学年の学習向上に向けた。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 学習の習慣化というのはまさに今御指摘のとおり、小学校の低学年から進めるべきものと思いますが、発達段階等もございますので、子供たちの状況を見ながら各学校で対応しているところであると思います。
 読書活動、朝学習等も学校によっては推進しているところもあると思いますが、全県の取り組みという状況にはなってございません。
〇及川幸子委員 執行部には言っていない部分もばーっと質問に入りますので、そのたびに、おっと構えて答えていただきたいと思います。
 それで、学校の教育なんですが、一般質問にもいっぱい取り沙汰されましたが、今週5日制をやっていますけれども、私、6日制が絶対必要であるということ、教育の成績がおくれているということで随分取り上げてきましたが、今、全国では土曜日を返上して授業にしている学校があると伺ったんですが、その動向はどうでしょうか。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 全国の状況につきましては、昨年4月に行った文部科学省の調査によりますと、公立高等学校3、712校中、土曜授業を実施した学校は142校、3.8%となっており、そのほとんどは、総合的な学習や、そのような学習に関連した授業となっていると調査報告がされております。
〇及川幸子委員 私もこうして子供たちを見ておりますと、土曜日に、親と一緒に何かで過ごしているということがほとんどないですね。親が勤めなければ、働かなければならない状況下の中で、子供は勉強しているかと言えば、家においてテレビを見たり、ゲームしているんですよ。ですから、岩手県でも成績が芳しくない科目などについては、土曜日を返上して、午前中、学校に行かせる考えはどうなんでしょう、菅野教育長。
〇菅野教育長 国において今いろんな議論がなされています。今、文部科学省がいろんな議論をしていますのは、先ほど高校教育課長もお話し申し上げましたとおり、土曜日を純粋に授業日とするというよりは、地域の方々のお力をお借りしながら、総合的な学習とか地域交流とか体験学習とか、そういったものをやったらどうかという、今、視点が出てございます。ただ、一方で、そういうことを行う場合については、当然地域の方々と一緒にやらなければならない。ただ、一方で、今委員から御指摘のございましたとおり、せっかくの土日が十分に活用できていないのではないかといういろんな御意見がございます。したがいまして、今後、子供たちを、地域と一体となってどう育てていくのかという視点から、いろんな方面から検討していかなければならない課題だろうと思っております。
〇及川幸子委員 最後です。いろんな方面から検討するということで、これはいい方向に向けて、子供たちを遊ばせているのはもったいないですから、どうぞ、学習に向けた取り組みをさせていただくようにお願いいたします。
 二つ目です。豊かな心を育む教育の推進ですが、その取り組みはどうなっているのか、まずお伺いいたします。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 豊かな心を育む教育の推進についてでございますが、社会状況が大きく変化する中にあって、児童生徒に、社会性や規範意識、善悪を判断する力、思いやりや弱者へのいたわりなど豊かな心を育むことが必要であり、道徳教育の充実が求められているものと捉えてございます。
 国においては、道徳の教科化等についても議論しているところでございますが、これまで活用してきた道徳の副教材である心のノートを全面改訂し、家庭や地域でも使うことができるよう私たちの道徳を作成し、来年度から活用を図ることとしているところでございます。
 本県においては、道徳教育の充実を図るために、国の研修会への教員派遣、授業研究会、研修講座の開催、先進校視察、研究推進校の指定等を行い指導力の向上を図るとともに、体験活動を大切にし、集団宿泊活動や職場体験活動、ボランティア活動、自然体験活動など、実際の活動の中で思いやりの心や規範意識、協調性、責任感、感性など、豊かな人間性を育成してまいりたいと考えてございます。
〇及川幸子委員 そういう取り組みの中で、いじめとか不登校の部分が絶対減っていかなければならないと思っているんですが、いじめ、不登校に対して今どういう取り組みをなさっているのか、お知らせください。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ、不登校への取り組みについてでございますが、いじめ問題につきましては、今年度も、小中学校は教育事務所単位、高等学校は地区別に研修会を開催し、全ての公立学校に対して参加を求めまして、いじめ問題についての研修を行っておりますし、これについては、来年度も継続して取り組みたいと思っております。
 また、全国共通いじめ相談ダイヤルを初めとする相談窓口を記載した紹介カードを県内全児童生徒に昨年、今年度も配布しておりますが、これは来年度も配布をしながら、子供たちの悩みに対応していきたいと考えております。
 不登校を初めとする学校不適応の問題については、スクールカウンセラー等を活用しながら、学校の教育相談体制を充実させるよう取り組んでまいりますし、また、県立総合教育センターの教育支援相談担当の機能を生かしながら、適切な指導や助言を行うなど、未然防止と早期対応に取り組んでまいりたいと考えております。
 加えまして、今後も市町村教育委員会で設置しております適応指導教室等とも連携をしながら、不登校の減少に取り組んでまいります。
〇及川幸子委員 そうしますと、そういう取り組みの中で、今までとはまた減っている動向なのか、ちょっとお伺いしたいんですが。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 いじめ、不登校の状況についてでありますけれども、平成24年度児童生徒の問題行動等調査の結果によりますと、公立学校におけるいじめの認知件数につきましては、小学校が1、468件、中学校が597件、高等学校が196件、特別支援学校が25件で、合計で2、286件。平成23年度に比較しますと、約6.9倍の増加ということになっておりました。
 また、同じく不登校の状況につきましては、小学校が134人、これは前年度に比較すると1名増、中学校が705人、前年度に比較しますと29人減、高等学校が401人、前年度に比較しますと43人減という状況になっております。
〇及川幸子委員 いじめと不登校をお聞きしたわけですが、いじめがすごく多いですね。やっぱり子供たちの生活が多様化しているという原因もあると思うんですが、これらについてもう真剣に取り組まないと大変だと思います。いじめが原因で不登校になるというケースが多いので、その辺のところを本当に真剣にみんなで取り組んでいかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、一応豊かな心を育む教育の推進については、読書というのが大変重要になると思うんですが、私、最近思います。長期の休みだけは読書に一生懸命なんですが、そのほか余り読書をさせていないのではないかと思うんです。ただ、この間、中学校から読書をやっている生徒の順位をがーっと書いてきたんですけれども、あれあれ読書していたのかなと思って見たんですが、小学校の低学年の間に親子読書というのが随分あったんです。そういう部分についてはもう実施されていないのか。小学校の低学年の読書についてお聞きしたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 ただいま御指摘の点でございますが、全国図書館協議会のほうの読書調査というのがございまして、それを見ると、お題目のように大人から子供に本を読みなさいというようなものではなくて、児童生徒の興味、関心を促すような取り組みが望ましいということが書かれておりました。
 幼少期の読み聞かせが読書習慣を育てることに非常に有効だと。そして、それが中学校、高校生と発展させることが有効だということで、各学校では、図書館ボランティア、読書ボランティア等を活用しながら推進しているところでありますし、家でというお話もありましたけれども、家読というそうですけれども、家庭読書ということもあって、家族のきずなを深めるために有効だと言われています。
 本県の調査によりますと、家庭における読書活動への支援ということで、小学校では71.3%、全国31.5%なので、家庭と一緒になった読書推進というのは本県は非常に推進されているのかなと。中学校におきましても、全国6.1%に対して、数字は低いのですが12.9%、これも2倍ということで、今後、家庭を巻き込みながら読書を推進していきたいと考えます。
〇及川幸子委員 小中と伺ったんですけれども、高校ではどうなんですか。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 高校におきましても、読書は大切だということはどの学校でも認識をしておるところだと思います。したがいまして、その環境づくりに取り組んでおるところですが、高校入学当初にオリエンテーション等を実施し、あるいは図書館だよりを使いまして、新着図書や推薦図書を紹介しておるところでございます。また、中には、学級に文庫をつくりましていつでも手にとれるようにしたり、あるいは先ほどお話がありました、朝学習の中に読書を取り入れている学校もあるものと考えております。
〇及川幸子委員 八重樫教育委員会委員長、この読書について私はとっても大事だと思うんです。涙したり笑いのある読書、そういうところの経験がだんだん薄れていくのではないかと思うんですが、親子読書について、もう一度すっかり見直していく必要性はいかがなものでしょうか。
〇八重樫教育委員会委員長 親子読書に限らず、今まで2人の課長も答えていますけれども、読書は人間形成の上ですごく大事だと私は思っています。特に幼少期、小さいころには親子読書と言いましたか、親による読み聞かせ、おじいちゃん、おばあちゃんの昔話をして聞かせるとか本を読んで聞かせるということがすごく大事だと思います。
 県の教育振興運動においても、朝読、家読、みんなで読書というようなスローガンでやっていますし、学校では10分間、あるいはテレビを消して読書するとか、そういうことを大人の世界でもやってほしいと思います。大人も読むということをやってみせれば、子供も読むようになるのではないかと。子供たちは余りにもやることが多過ぎますし、本はいいものだということを大人がやってみせるということも大事ではないかと思います。
〇及川幸子委員 それでは、次に移りたいと思います。
 食育についての考え方をお伺いしたいと思うんですが、このたび、国では、2014年よりですけれどもスーパー食育スクール、全国で小中学校より30校が指定されてやるということなんですが、この事業に対する考え方をまずお伺いしたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 スーパー食育スクール事業についてでございますが、これは、平成26年度の文部科学省の新規事業でございまして、学校が関係機関や団体との連携による食育の実践プログラムを構築し、全国の学校における食育の底上げを図る事業であると認識してございます。
〇及川幸子委員 考え方をお聞きしたわけですが、この食育というのは大変重要だと思うんですが、結果では小学6年生で11.3%、中学3年生では15.6%、大体朝御飯を食べない子供が多いということなんですが、そういう調査はなさっているのでしょうか。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 岩手県の環境保健研究センターで調査したデータがございますが、朝食欠食率、小学生では平成25年に2.3%、中学生では6.0%という岩手県の状況が示されております。
〇及川幸子委員 やっぱり朝御飯を抜くというのは、1日、とっても体力的にも、余り運動も勉強も発揮できないと思うので、どうぞその辺のところも注視しながら、いい子供たちを育てていくということで、親と一緒になって食育というのに重点を置いていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか、菅野教育長。
〇菅野教育長 子供たちの基礎は食べること、体ですので、その基礎は食べること、食育です。私も学校栄養教諭ですとか養護教諭の先生方といろんなお話をする機会があります。それぞれの学校でいろんな取り組みをしてございます。やはりいろんな機関と連携しながら、子供たちにまず食べることの大切さ、それはやっぱり家庭にも働きかけていかなければならないと思っていますので、いずれにしても、子供たちの健やかな体づくりのために学校と一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。突然の質問で本当に戸惑うかもしれませんけれども、ありがとうございます。
 先ほど伊藤勢至委員が質問したことなんですが、沿岸部において、3年目を迎えたああいう大震災の後で、避難場所というのが大変重要になってくると思うんですが、そういう避難について確認はどうなさっているのか、確認はとられているのか、お伺いしたいと思います。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 避難場所の確認については、しっかりと市町村のところで確保をきちっとしております。また、新聞等での報道でもございましたけれども、例えば大槌高校のように、現在避難場所としてそこしかございません。そういうところにつきましては、町と提携を組んで避難場所という形での取り組み並びに避難場所の確保に努めているところでございます。
〇及川幸子委員 訓練ということで、3年前のああいう大変な大震災を経験した中で、訓練を重ねて重ねて避難をさせて1名も死者を出さない、けが人を出さないということが一番だと思うんですが、宮古のそけい幼稚園の記事が出ておりましたが、ここは避難するということを徹底してやられたそうで、1名の被災者も出さないということで記事が載っておりましたが、こういうふうに防災訓練の実施ということ、そしてテレビでも放映していたんですが、防災訓練をするときに一緒に逃げる高齢者の方々も、小学校の生徒たちは目配りしながら一緒に手をつないで逃げるという訓練もしているということですが、沿岸のほうではそういうこともあるのでしょう。
〇松葉主任指導主事兼特命課長 学校では、災害の特徴や初期対応など知識や技能を学ぶ学習に加えて、状況に応じて児童生徒が命を優先した避難ができるように、授業中だけではなくて、掃除の時間、部活動中、下校中なども避難訓練が行われておりますし、保護者、町内会、スクールガード、消防、警察など、関係機関とも連携を図った避難訓練を多く行うようになっているのが現在でございます。
〇及川幸子委員 そこでお伺いするのですが、学校の高台移転という状況はどうなっているのでしょうか。高台に移転したという学校。
〇宮澤学校施設課長 被災した学校の高台等への移転の状況でございます。まず、県立の学校でございますが、被災いたしました県立高田高等学校につきましては、同学校の第2グラウンド北側の高台を建設地といたしまして、第1体育館が本年2月に完成したところでございます。現在、平成26年度末までの完成を目指しまして、校舎等、その他の主要な施設の建設を進めているところでございます。
 また、市町村立の小中学校につきましては、現在、7市町村17校において再建等に向けた取り組みや検討が進められてございます。そのうち、高台への移転整備に向けた具体的な取り組みが進められてございますのが、6市町村14校となってございます。その中の多くの学校につきましては、平成27年度内の完成を目指してそれぞれ取り組まれているものと承知してございます。
〇及川幸子委員 平成27年度までの完成ということで、大変急いでやっていただきたいと思います。
 最後の質問になります。被災地における小学校低学年の状況についてなんですが、小学校低学年の25%が大変な心の病に陥っているということで心配しております。被災地で小学校低学年の児童4人に1人が不安になりやすい、やる気が出ないなどの症状があらわれている、このことに対しての県の対応はどうなさっているのでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 被災地における小学校児童の状況についてでありますけれども、東日本大震災津波以降、県教育委員会では、公立学校の児童生徒を対象に心とからだの健康観察を継続して、ことしで3年目となっております。
 これによりますと、平成25年度の要サポートの児童生徒の割合は、県全体としては、これは小・中・高全部になりますけれども、徐々に回復傾向を示しておりますが、その一方で、沿岸部の小学校においては、平成23年度には18.1%が要サポートということだったんですけれども、平成24年度はそれが14.7%に下降しまして、ただ、今年度は、またそれが上昇傾向に転じまして15.6%ということで、やはり沿岸部の子供たちが県全体の傾向に反してまた増加しているというデータが出ております。
 県の対応についてでありますけれども、このさまざまな要因としては、住環境や運動場、遊び場の減少等、被災地における子供たちを取り巻く環境が依然として厳しい状況が続いており、これらの影響を受けやすい小学生がさまざまな支援のニーズが高まっていると認識しております。これについては、子供たちのさまざまな環境の変化に対応するために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員するとともに、岩手医大にありますいわてこどもケアセンターの機能を活用するなど、保健福祉部とも連携をして、医療的ケアが必要な児童の専門機関へのつなぎ等、支援ニーズに応じた対応を行ってまいります。
〇及川幸子委員 医療的ケアが大事ということで、努力なさってカウンセラーとかソーシャルワーカー、そのことですが、一人一人に本当にどのように向き合っていくかが一番だと思っております。大変な作業だと思いますが、各学校において、そういう子供が1人でも少なくなるように。この数値を見ますと、決してうんと、がーっと減っているわけはないと思いますので、子供たちに目を向けて、どうぞ、今後においても皆さんで一体になって頑張っていただきたいと、そのように思います。ありがとうございました。
〇佐々木朋和委員 私からは大きく4点御質問させていただきたいと思います。
 まず、総合型地域スポーツクラブ創出・育成事業について伺いたいと思います。
 教育委員長演述の中で、この総合型地域スポーツクラブは生涯スポーツの振興の中で述べられておりましたが、私は今少子化が進んでいる中で、子供たちが部活動で選択をできる種目も少なくなっていると認識をしておりまして、それを補完する意味でも期待を持てますし、また、評価の高いいわてスーパーキッズ発掘・育成事業の目的も、子供たちに複数のスポーツを広く体験させるということが肝だと思っておりまして、それを民間の力で同趣旨のことができる可能性があると思っております。その点も踏まえて、県教育委員会の総合型地域スポーツクラブの位置づけはどうなっているのか、伺いたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 総合型地域スポーツクラブの位置づけについてでございますが、総合型地域スポーツクラブは、多種目そして多世代、多志向といった三つの多様性に対応して、地域において幅広い世代の方々がそれぞれの興味、関心、そして競技レベルに合わせ、さまざまなスポーツに触れる機会を提供するスポーツクラブであると位置づけてございまして、県民の生涯スポーツ推進のため、各市町村に少なくとも一つは欲しいということを目標として取り組んでいるところでございます。
 現在、県内30市町村に69のクラブが創設あるいは創設準備中で活動しておりますが、主にこうした生涯スポーツ振興の観点から設置されているものでございまして、現状においては、例えばスーパーキッズの発掘、育成、あるいは運動部活動など、競技性の高いレベルでの取り組みが可能と思われるクラブは多くはないという状況でございます。
〇佐々木朋和委員 それでは、今後、総合型地域スポーツクラブを育成していくに当たっては、そちらの競技性の高い部分、子供たちの部分というところも伸ばしていきたいという思いがあるのでしょうか、伺いたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 総合型地域スポーツクラブの状況を見てみますと、創設されて活動しているクラブにおきましても、あるいは一部では活動が十分でないところもございます。一層の活動の充実に向けまして、クラブ運営関係者の研修会あるいは巡回指導などを通じながら、多志向、生涯スポーツであるとか、競技スポーツの高いレベルであるとかという機能を十分果たせるように育成してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 了解しました。前に4特別委員会の視察で大分の先進地に行ってきたんですけれども、今後の話になると思いますが、学校と部活動の兼ね合いで、総合型地域スポーツクラブの活動が部活動に認められるかどうか、これによって大きく子供たちもやれる、やれないというのが決まってくるだとか、また、ほかの公共的な団体と同じように公共施設、運動場ですとか体育館とかが優遇して借りられるかどうか、こういうところも今後の発展について大きな課題であるという話も伺いました。その点についての認識をお伺いしたいと思います。
〇平藤首席指導主事兼スポーツ健康課総括課長 運動部活動の連携につきましては、一部、今、例えば滝沢市のクラブなどが学校で活動できない子供を集めて実施しております。ただ、委員御指摘のとおり、それについては学校の運動部活動ではないという位置づけになっている場合もございますので、そこのところは学校の設置者などとの協議を重ねてまいりたいと考えてございますし、公の施設の免除という観点から申し上げますと、市町村の条例などで決められている部分がございまして、これも運動部活動との関連などという観点から協議をしていかなければならないものだと認識してございます。その面での支援を考えていく必要はあると認識してございます。
〇佐々木朋和委員 同じくスポーツを頑張っていても、内申書に反映される、されないというのが、大変かわいそうなところがあるというようなことを言っていいのか、そんな話も先進地では聞いてきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、スーパーグローバルハイスクール事業についてお伺いをしたいと思います。
 政策地域部の審査において、ILCにおける具体策を検討するワーキンググループの中で、本県の英語教育については検討項目に入っていないという答弁をいただきました。ILCが実現すれば、多くの英語力を必要とする地域に雇用が生まれたり、また、沿岸地域においては震災復興の関連で海外ボランティアの方との交流とか、または全県的に観光案内などにも今後英語というのが必須になってくると思っているところでございます。今後、英語教育を地元定着のためのキャリア教育と位置づけて計画的に取り組んでいく必要があると思いますが、県教育委員会では、ILC誘致などとの関連した英語教育をどのように位置づけているのか、伺いたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 ILCの誘致と関連しました英語教育についてでございますけれども、高等学校におきましては、本年度から新学習指導要領に基づいて英語教育が実施されており、中学校における学習の基礎の上に、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことという四つの技能を総合的に育成する指導を充実するように改善が図られているところでございます。
 本県におけるILC誘致は言うまでもなく、社会の急速なグローバル化に対応できる児童生徒を育成するという観点から、英語教育の充実は重要であると認識しており、今後もより実践的なコミュニケーション能力を育成する英語教育の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 小中学校においてでございますが、これまでも英語コミュニケーションの手段として使用できる生徒の育成を目指し、インタビューやスピーチ発表、海外との文通やメール交換などの学習活動を研修会で取り上げ、英語学習への意欲を高める指導に取り組んできたところでございます。
 今後、ILCの誘致はもちろん、発展するグローバル社会への対応を見据えながら、英語学習の必要性、英語を通してコミュニケーションをすることの楽しさや大切さを一層感じられるよう、指導の工夫に努めてまいります。
 なお、関係市町村教育委員会の動きとしては、教育課程特例校を図るなどして、先進的な取り組みとして小学校低学年から英語教育を実施したり、外国語指導助手の一層の活用を図るなどについてもお聞きしているところでありますが、これらの地区の取り組みを参考として全県のものとしてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ですが、ILCの候補地である、または沿岸、震災の地域であるというような特別なところでやっているというよりも、一般論のような答弁で少し残念だなという思いでございます。
 その中で、政策地域部では、ILCについて各ワーキンググループを今後関係市町村と連携していくという方向性を打ち出しておりましたけれども、この英語教育についても、関係市では、このILCに向けて頑張っていきたいという決意も表明しているところでありますので、共同して何かそういった体制をとっていくことも必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 ILCの誘致と英語教育そのものは直接的に結びつくものではないかと思いますけれども、ただ、間接的には非常に重要な側面を持っておりますので、今後とも、他部局とも相談をしながら、やれることを検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 この英語教育、人材教育というのは時間がかかることですから、何よりも先に取り組んでいただきたいという思いがあるんですけれども、なかなか政策地域部に言っても、こちらの教育委員会に言っても、どこが部署なんだろうなという思いでありまして、そういう中で、ことしスーパーグローバルハイスクール事業というのが計上になっておりまして、私はこのようなことも、今まで述べたようなことも含めてこの事業に取り組んでいただきたいという思いがあったわけでありますけれども、県としては、このスーパーグローバルハイスクールを、今まで私が申し上げたことも踏まえてどのような位置づけをしているのか、また、申請の方式ですとか、採択までの流れなども含めてお示しいただければと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 スーパーグローバルハイスクール事業でございますが、この事業は、将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を目指した国費による研究開発事業でございます。本県におきましても、世界で活躍できるグローバルリーダーの育成や、グローバルな視点を持って地域社会の活性化を担う人材の育成を目的とした事業として重要なものと考えておるところでございます。
 本事業が、ILCの誘致と直結するかどうか明確ではございませんが、ILC誘致は本県にとっても重要な取り組みであるということは十分認識しておりますので、そのため、応募に当たりましては、ILCの誘致を視野に入れながら研究テーマを設定した学校もございます。
 なお、応募した学校の採択の可否につきましては、文部科学省の審査を経まして4月上旬に公表される予定となっております。
〇佐々木朋和委員 午前中に佐々木博委員からも御質問があったところですけれども、こういった全県的な意味合いのある、全国で50校ということですから、岩手県に1校か2校ということだと思うんですけれども、学区制というのはどうなるんでしょうか。もしわかれば。
〇菅野教育長 スーパーグローバルハイスクールにつきましては、それぞれ今県内におきましても応募しているところでございます。したがいまして、学校がどこに採択されるかというのは、採択に向けては私どもも最大限努力してまいりたいと思ってございますが、それは4月以降に文部科学省の審査を経て判明するわけでございますが、それはあくまでも学校が指定されるということでございますので、それによって例えば通学範囲が変わるとか、そういうことではなくて、現在、例えばSSH―スーパーサイエンスハイスクールが水沢高校とか盛岡三高、釜石高校が指定されておりますが、それと同様の取り扱いになるものと考えております。
〇佐々木朋和委員 すみません、理解が進んでなくて申しわけありませんでした。では、学校が指定されたら、そこの学区内の生徒たちということなんでしょうか。
〇菅野教育長 そこに今通っている子供たちがその事業の受益者といいますか、対象になるということだろうと思っております。
〇佐々木朋和委員 通告していないので申しわけありませんでした。了解いたしました。
 そういった私が今まで言ったようなことも含めてぜひ御検討いただきたいと思うのと、沿岸もしくは県南というところでやはり英語のニーズが高まっているということを認識いただいて、今後の授業に役立てていただきたいと思っております。
 次に、文化財保護推進費について伺いたいと思います。
 本県では、本事業によって民俗芸能フェスティバルの開催を支援しております。岩手県下の高校でも20部活動、437名の生徒が部活動で伝統芸能を行っておりまして、将来、子供たちが伝統文化、地域の伝統芸能をやっていると、それによって将来も続けていきたいという流れの中で、地域に子供たちが残っていく大きな動機づけにもなっているんだろうと思っているところでございます。
 そういった中で、学校教育の現場でこれからも郷土芸能の推進を行っていただきたいと思っているわけでありますけれども、県教育委員会では、学校の現場での郷土芸能の活動をどのように位置づけているのか、お伺いしたいと思います。
〇西村生涯学習文化課総括課長 県内の高校における郷土芸能の実施状況でございますけれども、ただいま委員から御説明があったとおり、20校、400名を超える多くの生徒が部活動として鬼剣舞やさんさ踊り、太鼓などの郷土芸能に取り組んでおりまして、県教育委員会といたしましては、県高等学校文化連盟と連携して、技術講習会である高校生セミナーサポートの実施でありますとか、あるいは地域の指導者による技術指導等を通じて、その保存と伝承、技術力の向上に努めているところでございますし、また、これも御指摘あったとおり、民俗芸能伝承促進事業を通じまして、民俗芸能フェスティバルというのを開催し、活動成果の発表の場というものを設けているところでございます。
 郷土芸能の伝承といいますのは、地域に古くから伝わる貴重な伝統文化の継承であるとともに、その活動を通じて、青少年の人材育成に資するものと認識しております。
 今後においても、各学校がそれぞれの特色を生かしながら、地域と連携して郷土芸能の保存、伝承を行い、人材の育成に取り組んでいくものと考えておりまして、県教育委員会といたしましても、それを支援してまいりたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 支援していきたいという力強いお言葉をいただきました。その中で、高校生の活動のつながりという意味で、小学校、中学校の活動というのがあると思うんですけれども、中学校では184校中今78校が、小学校ではもっと多い368校中207校が郷土芸能を学校の活動の中に実施しているというところでありまして、高校生のそういう活動には、小中と継続しているところで興味をつないでいくと。また、子供たちが一度はそういう学校教育の中で地域の伝統芸能に触れていくということはとてもいいことなんだろうと思っております。しかしながら、今、学校の統廃合が進む中で、伝統芸能をやってきて活動が停止してしまっているというところも例があるとお聞きしております。そういった中で、小学校、中学校における郷土芸能活動を県教育委員会ではどのように位置づけているのか、お示しをいただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 地域の伝統や文化に触れ、誇りや愛着につなげることなどを目的に、県内の多くの学校で取り組んでいるところでございます。また、現在、全県で取り組んでいるいわての復興教育においては、地域や人とのかかわりを重視しており、きずなの大切さ、地域づくり、社会参画に結びつくものでもあり、県教育委員会としても大切な活動であると捉えております。
 統合等により、新設校において伝統芸能をどのように取り扱うかということについてでありますが、複数の小学校が統合して一つになったとき、どれを継承していけばいいかということで、非常に地域によっては悩んでいるところもあると聞いているところでありますが、いずれ、各学校におきまして、保護者や地域の方々と学校が丁寧な話し合いにより検討していくものであると考えております。
〇佐々木朋和委員 では、考え方としては、今後、統合があったり、また、統合がなくても、これまで続いていたそういう伝統芸能を学校の行事の中でやっていく、やっていかないというのは、地域との話し合いの中で決まっていくことなのか。それとも、校長先生なり学校の中で決めていくことなのか、その考え方を教えていただきたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 学校のほうは当然地域の方々との話し合いの上で、校長先生または市町村の教育委員会も含まれるかもしれませんけれども、検討しながら、どういう形が一番子供たちにとって望ましいのかということになろうかと思います。幾つかの地区を隔年ごとにやるとか、学年で割り振りするとか、いずれ、具体的にどう進めていくことが一番適切であるかということは、PTA、地域、学校三者が一体となって検討していくことと捉えております。
〇佐々木朋和委員 学校そのもので決めるというのではなくて、地域で決めていくという考え方をお聞きしましたので安心をしました。ぜひ話し合いをしながら進めていっていただきたいと思いますし、多くの伝統芸能、子供たちが学校で学ぶ機会があるようにしていっていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、学校・地域の協働によるキャリア教育推進事業費について伺いたいと思います。
 事前通告で、県内の専門高校、学科の生徒が専門性を生かして進学、就学をしている割合とお聞きしたわけでありますが、ちょっと聞き方の範囲が広いということでデータがないということだったんですけれども、趣旨としては、こういう専門高校また学科のPTAの皆さんとかOBの皆さんに聞くと、岩手のものづくりに興味を持って、そういう専門高校、学科に入ってくる生徒が少なくなっているのではないか、その専門高校に進んでいても全く違う業種に進んでいく方もいるということで懸念を示されているところであります。そういった中で、この事業については、専門高校、学科の生徒たちに、よりスキルアップにつながる授業をするということでありますけれども、岩手のものづくりの人材をつくっていくということにあっては、小学校、中学校の早い段階でのキャリア教育の推進ということで、ものづくりへの興味を喚起するような取り組みをすべきではないかと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇佐藤首席指導主事兼義務教育課長 県といたしましては、平成22年度にいわてキャリア教育指針を策定し、児童生徒が社会人、職業人として自立するための能力を育むことを狙いとして、学校、地域が連携し推進しているところでございます。
 また、ただいま御指摘のあった児童生徒のものづくり離れへの対応でございますけれども、各学校におきましては、図画工作、理科、技術・家庭等の教科、または総合的な学習の時間において、工作、設計、加工など、ものづくりに関する教育を行っているところでございます。さらに、地元企業と連携し、工場見学や職場体験等を通して、ものづくりに対する興味、関心を高め、職業観の育成を図っているところでございます。
 一方で、指導に当たる小中学校の教員が、ものづくりに対して具体的なイメージを十分持つことができないでいるのではないかという指摘もあることから、本年度から、北上川流域ものづくりネットワークを初め、地元企業の協力を得て、教員みずからが工場を見学し、企業の経営者の講話を聞く機会を設けるなど、教員がものづくりの現場を認識し、実践的なキャリア教育が推進されるよう取り組んでいるところでございます。
 今後も、地元企業を初め、地域との連携を密接にしながら、児童生徒が将来、社会人、職業人として自立できるよう推進してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 一つ提案というか、私の地元に救急救命士の専門学校があるんですが、そこの先生というか生徒たちで、地元の小学校、中学校とか、またはイオンなんかに行って出前講座をよくやるんです。それで、救急救命についての人材のキャリア教育ということと、また、そういうことによって、教える立場に生徒が立つことによって、自分もやっぱりこの職業に対して意識が高まる、そういった効果があるということで積極的にやられていて、実は専門学校のPTAとかOBからも、そういう高校生に小学校、中学校に行って出前講座なんかをしたらどうだといった提案も受けているところでございます。両方にとっていいことではないかと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 最後になりますが、先ほど来、地域との連携という話も伺っている中で、この事業の目的が、地域産業を支える人材の育成と、そのために地域や地元企業とつながりをつくって、地場に定着を図るということが大きな目標だと思っているわけでありますけれども、その前提として、今のこの専門高校には限らないかもしれませんが、学校と地域と地元企業などがこの学校の方向性について協議をする場というのがあるんでしょうか。今後、高校再編の前提として、きょうの答弁でも地域の意見を聞くという話がありましたが、それ以前に、高校と地域の距離感というんですか、私は、それが小中学校よりも薄いような気がしております。そういった点で、そのような場があるのか、この点の御所見を伺いたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 ただいまの学校と地域あるいは地元企業等との協議の場についてのお話でございますが、産学官の連携による団体が幾つかございまして、その代表的なものとして、地域ものづくりネットワークと岩手県産業教育振興会等がございます。
 最初に、地域ものづくりネットワークについてでございますが、北上川流域ものづくりネットワーク等五つのネットワークがございます。このネットワークにおきましては、児童生徒、保護者による企業見学の受け入れや高校生のインターンシップの受け入れ、あるいは工業高校における技術・技能講習会への講師の派遣などの取り組みを行うとともに、運営委員会を定期的に開催しまして、その成果や改善を行うなど、学校と地域あるいは地元企業との協議の場となっているものと思われます。
 次に、岩手県産業教育振興会についてでございますが、地元の企業235社及び119名の個人、そして、学校40校ほどによって構成されておりまして、これも学校と地域あるいは地元企業との協議の場として機能しているものと考えております。
 今後とも、さまざまな場を使いまして、地元企業あるいは地域の意見を伺いたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 ただいまの佐々木朋和委員の質問、スーパーグローバルハイスクールにつきまして関連質問をさせていただきたいと思います。
 予算の総括質問の中では、グローバル人材の育成についてということで、本当はここでやりたかったんですが、できないということでしたので、今、関連で質問させていただきますが、これまでも一般質問等ではお話をさせていただいて、以前は、さまざまグローバル人材のこういうプログラムもあったというお話を頂戴しておりましたが、これにつきまして県内3校ということで、盛岡一高と黒沢尻北高校と盛岡中央高校が今、申請を行っているということでございます。これに対して5、780万円の予算ということでございますが、一方で、いろいろ検索してみますと、全国で246校が申請をしているということでございますから、もしかして、最悪、1校も指定されないということもあり得るわけでございます。こうした場合には、できないということでこのスーパーグローバルハイスクールは、来年度は諦めざるを得ないわけになるんでしょうが、それに準じたことを検討していくいとまがないのかもしれませんが、あるいはまた、次々年度以降もこの施策が続くのであれば、これに対してまた取り組むということになるのかどうか、その辺につきまして教えてください。
〇菅野教育長 現在、予算的には県立高校2校分を県の予算には計上してございます。私立高校については、文部科学省から直接ということになりますので、県予算を通さないということだと思いますので、現在は一応2校分を想定してございます。
 現時点におきましては、私どもとして最大限の努力をして、学校と一緒になって、全国的には非常に厳しい枠だと思いますが、とにかく何とか採択に向けて全力を尽くしてまいりたいと思ってございますし、万が一の場合におきましても、来年度以降もこの制度は続くということを承っておりますので、もし万が一だめな場合におきましても、今年度の教訓を糧として、とにかく何とかこの事業を本県に導入できるよう最大限努力していきたいと思っています。
 まずは、ことし、来年度採択されるように全力を尽くしてまいります。
〇名須川晋委員 私も、この3校がぜひとも選ばれるように心から祈るばかりでございます。
 とはいえ、この3月中旬にヒアリング審査と、2月下旬に書面審査が行われておったようでございますが、3月中旬のヒアリング審査に、まず通っているか、通っていないかというところですが、このヒアリング審査がいつだったのか、あるいはいつなのか、もう近々の話か終わっているのかなと思いますが、その辺、差し支えなければで結構でございますが、お知らせいただきたいと思います。
〇川上首席指導主事兼高校教育課長 ヒアリングですけれども、これから行われる予定となっておりまして、まだ実施されておりません。文部科学省では、最終的に4月上旬に学校名を発表するという段取りとなっております。
〇名須川晋委員 あと、この3校が手を上げたということでございますが、こちらにいる委員の皆さんは全県下から来ているわけで、できれば我が地域からもスーパーグローバルな人材を輩出したいと思われているものと思いますが、これについてはどうなんでしょうか、それぞれの学校の判断だったのか、あるいは教育委員会で、ここはどうなんですかと、ある程度この内容を示した上で、ここがふさわしいのではないかという御判断のもとに推薦をされたのか、その辺をお知らせください。
〇菅野教育長 結論的に申し上げますと、それぞれの学校の判断で、私どもとして推薦いたしました。特に類似の制度としてSSH―スーパーサイエンスハイスクールを現在実施している学校もございますし、それぞれの学校の状況に応じての判断だろうと思ってございます。
 ただ、この3校以外、県立高校においては2校以外の学校においても、それぞれの今やっていることを精査しながら、次の段階としてこの事業に応募したいという意欲を持っている学校は複数ございますので、今後、本県としては、この県立高校2校に限定することなく、さらに拡充が図られるよう努めてまいりたいと思っております。
〇五日市王委員 私からは、午前中に佐々木博委員からも御質問がありました県北青少年の家について、1点のみお伺いいたします。
 冬季国体に向けた施設改修は、先ほどの御質問の中でも、冷却設備の改修工事ということで中身はわかりましたので、私からも、やはり工期の問題でございます。今後のスケジュールとして、10月上旬に工事が始まって、4から6カ月の見込みということなので、半年かかるとすれば、来年度はスケートリンクが一切使えないということになると思います。
 恐らく地元の競技団体等にも御説明はされていると思うんですが、私からも、何とかここは避けていただきたいと思いますし、仮にこの時期ということであれば、工事を早くやっていただいて、後半の2カ月でも3カ月でも使える期間を確保していただきたいと思うんですが、改めてそこの御見解をお伺いいたします。
〇西村生涯学習文化課総括課長 県北青少年の家のスケート場の冷却設備改修工事については、来年度の予算にその改修に係る経費ということで計上しているところでございます。
 それから、工期につきましても、先ほど御答弁申し上げたとおり、4月早々に準備を進めたとしても、全体で10から12カ月かかるということでございますので、来シーズンは、ほぼスケート場を使用できない状況になるかと考えてございます。
 これに関しましては、競技団体等にも我々の担当者が直接説明に伺いまして、この事業内容及び工期の見込みについて御説明申し上げたところでございますし、また、競技団体の方からも、できるだけ早期に工事を終わらせて、少しでも使うことが可能となるようにしていただきたいというような要望も聞いているところでございます。
 我々といたしましても、国体に万全を期す観点から、できるだけ早期に完成させたいと考えてございますし、また、県を挙げて選手強化を図っている状況もあることからも、できるだけ前倒しに工事を終了し、利用できるようにしたいと考えてございますので、我々のほうでする準備作業については極力短くするようにしたいと考えてございます。今、実際に、工事請負業者にも、できるだけ早期にということで協力を要請したいと考えてございます。
 こういったものについては、極力、随時関係団体あるいは県内の学校等に情報提供していきたいと考えてございます。
〇五日市王委員 地元はカーリングで大変盛り上がっているときでございますので、ぜひ水を差すことのないように、その辺は御配慮のほうをお願いいたしたいと思います。
 それで、このスケートリンクの利用期間の問題ですけれども、地元の競技団体などからも、現在11月から3月ということで利用しているわけですが、この利用期間の延長ということで要望も出されていたと思いますし、教育委員会としてもこれまで検討してきたと思いますが、その検討状況あるいは課題等ありましたら、どのように捉えているのかお伺いいたしたいと思います。
〇西村生涯学習文化課総括課長 県北青少年の家のスケート場の開場期間は、現在、11月から翌年3月末までとなっておりますが、平成23年11月には、地元の二戸市等から、スケート競技者の競技力向上のために、この開場期間の延長について要望がなされたところでございます。この要望を受けまして、県教育委員会ではこれまでに、二戸市、競技関係者、施設関係者等が一堂に会する意見交換会を開催したほか、八戸市周辺の屋内スケート場を実地調査するなど、実現に向けた課題や可能性について検討してきたところでございます。
 今現在の課題といたしましては、建物の断熱性能の不足あるいはスケート場の冷却設備の老朽化など施設設備の課題、それから、スケート場の開場期間延長に伴います施設運営経費の負担の問題、あるいは延長した場合の施設運営を担う人材の確保の問題、それから、県北青少年の家の研修利用者が、スケート場でないときには、例えば雨が降った場合などにそこを活用するわけですが、そういった県北青少年の家の研修利用者との調整といったようなものが考えられるところでございます。
 来年度の予算におきまして冷却設備の改修費を今現在計上しているところでございますけれども、そのほかの課題につきましては、引き続き関係者による意見交換会を実施することとして、この課題の解決に向けた検討を進めてまいりたいと考えてございます。
〇五日市王委員 青森市のスポーツ会館というところがございまして、こちらのほうは、今、カーリングのまち青森の復活に向けて、現在10月から4月までの利用期間なんですが、これを9月と5月もあけて、9月から5月までに延長するということでございます。これは、地元のみちのく銀行と命名権を結んで、みちのく銀行が年間使用料200万円を出すというような方法がとられるようでございます。もちろんお金だけの問題ではないということは理解しているわけですが、こういった例もございますし、いろいろ知恵を出していただいて、まずは1カ月でも2カ月でも延長ができるように、ぜひ今後ともいろいろ研究をお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、今回、ソチオリンピックでの苫米地選手の活躍もございまして、地元では大変またカーリングの熱が高まってございまして、苫米地選手の壮行会のときには、御本人から知事に対して、後継者の育成のためにも、ぜひとも専用リンクをつくってもらえないかというようなお話が飛び出た一幕もあったやにお聞きしてございます。
 そこで、カーリング専用リンクについてこれまでも要望してきたんですが、けんもほろろの状況でございましたが、状況が大分今は変わっておりますので、その辺の見解をまずお伺いいたします。
〇西村生涯学習文化課総括課長 県北青少年の家にカーリングの専用リンクを新設することにつきましては、やはりこれは多額の経費を要することから、現在の財政状況を踏まえると非常に困難であろうと考えてございます。
 そのため、先ほど答弁申し上げたとおり、利用期間延長について関係者の協議を進めていくなど、まずは既存施設の有効活用を図ることとしたいと考えてございます。
〇五日市王委員 西村総括課長も国からおいでいただいているようでございますので、ぜひとも国のほうで何か使えるメニューなどを探していただきながら、今度、御案内のとおり、盛岡市には通年型のスケートリンクができます。八戸市も計画中でございますね。まさにオリンピック選手を生んだ県北青少年の家に専用リンクがないというのは、これは、やっぱり教育長、どうなんでしょうか。どのぐらいお金がかかるかわかりませんが、今であれば議員方の理解も大方得られると思いますし、その辺を教育長はどのように考えているのかお伺いして、終わります。
〇菅野教育長 教育委員会にとって大変ありがたい御支援のお言葉をいただいたと思ってございます。専用リンクの新設ということになりますので、当然、県全体の中でいろいろ考えていかなければならない大きな課題だろうと思ってございます。
 大変恐縮なんですが、やはり県営体育施設は、委員御案内のとおり、全て十分でない状況にございます。そういった課題意識は私どもとしても強く持っているところでございますので、今後、全体的に本県の体育施設をどう維持もしくは整備していったらいいのかということについては、ぜひとも検討させていただきたいと思っております。
〇木村幸弘委員 私からは2点質問したいと思いますが、1点目は、午前中の審査でも重複しておりました高校再編にかかわる今後の考え方についての議論がありましたけれども、その点について若干質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、改めて検討委員会の設置等を表明されて、新年度において1年間かけてじっくり検討したいという答弁をいただきました。そういう意味で、この外部有識者による検討委員会の構成というのは、どのような考え方で設置しようとしているか、あるいは各界からの有識者のバランスというか、いろいろな構成の考え方があるんでしょうけれども、過去の検討委員会とも、ある意味では比較検討した場合には、何か特徴的な考え方を持っているのかどうかも含めてお答えください。
〇福士首席指導主事兼特命課長 まず、検討委員会の構成と各界のバランス等についてでございますが、学識経験者及び市町村長、市町村教育長、産業関係団体、教育関係団体等の代表者等の各界のバランスに配慮しながら、20名程度の構成となるように考えているところでございます。
 次に、過去の検討と検証等についてでございますが、前回、平成20年4月から平成21年9月の期間の検討委員会におきましては、前計画の評価、検証を行いまして、その報告を受けて、県教育委員会といたしまして平成22年3月に、今後の高等学校教育の基本的方向を策定いたしたところでございます。
 基本的方向につきまして策定後4年経過してございますので、その取り組みについて、来年度立ち上げる検討委員会においても評価、検証を行ってまいりたいと考えてございます。
〇木村幸弘委員 検討委員会の構成というかイメージ、開催ですけれども、各界のバランスを漠然とはお聞きしましたが、もう一つは、やはり地域性というか、今回の震災以後の影響を含めて、沿岸部の状況にどう配慮していくのか、あるいはこれまでの過去の高校再編に係る検討の中で、やはりどうしても都市部と周辺部を含めた農村地帯とか、そういった部分での地域性にかかわって、児童生徒数の動向もありますけれども、そういったところの関係性をどのように考えていくかというのも、過去のいろいろな議論や協議の過程を踏むとすれば、一定程度考慮していく必要があるのではないかと思っていますが、その点はいかがでしょうか。
〇菅野教育長 確かに、今、委員からお話がありましたし、午前中もいろいろな御指摘をいただきました。本県の教育をめぐる環境は、いろいろ困難な状況を迎えていると思います。そういったことから、改めて、この外部検討委員会を立ち上げ、しっかり議論して、地域の方々との意見交換も行いたいと考えてございますので、その中で、今、委員からいただいたお話も含めて、総合的な見地から検討もしくは御意見を伺ってまいりたいと思っております。
〇木村幸弘委員 ぜひ、いろいろな角度から本当に重層的にしっかりと議論できるような体制にしていただきたいと思います。
 そこで、あと、午前中の審議の中で佐々木博委員の質問に対して、いわゆるこれまでの再編にかかわる一律の基準の考え方、クラスの対応を含めた考え方についてのやりとりがございました。そこで、教育長は、根本から議論し直したいということでの答弁であったと思いますし、これまでのいわゆる基準の考え方、対応には限界が来たのだという認識を示されたと思っております。
 そうしますと、旧来からのこの高校再編に対する基準の考え方が、地域の県民あるいは住民の中では、実はまだ生きているんですね。まだこの辺の考え方がどうしても頭の中にあって、そういう状況の中で、一体どうなるんだろうというところにまだまだ県民の部分が向いているということを含めて考えると、例えば、子供の進路の相談であるとか、あるいは地域における学校の存在の行く末であるとか、いろいろなことが実はもうひとり歩きしてしまって、そこに本来は残したいんだけれども、あるいは残ってほしいんだけれども、その基準がまだ残っている、頭の中にある、そういう流れの中で、半ば諦めてしまったり、あるいは、もうこの学校では無理なのではないかという風潮、空気感がつくられてしまっている部分もなきにしもあらずと思うんです。
 そういうことを考えますと、新たに今の状況の中でさまざまな情勢を踏まえて、基本的に、根本から、あるいは白紙からしっかりと見直し議論をしていくんだということであるとすれば、そのことを改めて県教育委員会として、県民に対してまずはしっかりと示していくことが重要ではないかと。そういう今までの考え方、先入観を、まずは一旦、これはなしですよという形にしながら、これまでの状況は確かにあるけれども、しかし、新しい展望というか、そういったものを、方向をしっかりと議論するために、県民の皆さんにも頭を白くしてもらって、そこでいろいろな意見を出してほしいという形の発信というか、そういうものをぜひやるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
〇菅野教育長 確かに、今までの高校の整備計画の中で一定の基準を設けてやってきたということはございます。それは、やはりある面で地域とのバランスといいますか、この地域はダブルスタンダードにするわけにはいかないわけですから、それはそれで意味のあることだと思っています。
 ただ、やはり今回改めてこういう外部委員会を立ち上げようというのは、まずその前に、それぞれの状況下に応じて、それぞれの地域で子供たちをどういった教育環境で育てていくのがこれから最も望ましいのかという議論をしっかりやった上で、次のステップに行かなければならないと思ってございます。
 現在のいわゆる整備の基準というものは、一旦これは、もう期限が過ぎたわけですので、そこはもう一度そういった前提に立った上で議論をしなければならない。ただ、やはり一方で、前回も出たんですが、ある程度の規模が必要だというのは、逆に言うと、現行の教員配置基準から行きますと、ある一定の規模がないと、どうしても高校教育の場合は、教員配置等で制約が出るということでああいった状況になったものと思っていますので、そういうプラスの面とか課題等も御提示しながら、それぞれの地域でしっかり議論していただく必要があるのではないかと思っております。
〇木村幸弘委員 いろいろとぜひ議論を深めていただくようにお願いしたいと思います。
 二つ目は、教職員のいわゆる正規、非正規の実態ということについてお尋ねしたいと思っております。
 本県の現在の状況について、どのような実態になっているのか、正規教職員あるいは臨時講師であるとかといった非正規の状況について、そして、一定のこの間の割合と何年間かの推移、バランスというか、その割合がどういうふうに動いているものなのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
〇金田教職員課総括課長 教職員の正規職員、それから臨時非常勤講師等の割合でございますけれども、昨年5月1日現在でございます。正規職員が小中学校では91.7%、高等学校では88.9%、特別支援学校では79.8%となっておりまして、公立学校全体では90.2%が正規職員でございます。
 推移でございますが、公立学校全体で申し上げたいと思いますが、昨年度平成24年度が90.7%、一昨年度平成23年度が91.4%という数値になっております。
〇木村幸弘委員 わかりました。いずれ、非正規、正規の関係についての状況について言えば、平均的には1割が非正規ということになるのだろうと思いますが、全国的な動向と比べた場合にはどうなっていますか。
 あともう一つは、やはり県内での地域を大きく、例えば広域振興局なり、あるいは内陸、沿岸、どういうくくり方が適切かどうかあれですけれども、そういった地域的な事情によって、その偏在性というか、やっぱり正規、非正規の関係がどのようなバランスになっているものなのか、その辺のところをつかんでおれば示していただきたいのですが。
〇金田教職員課総括課長 まず、全国との比較でございます。昨年5月1日現在で、文部科学省で調べた小中学校だけ全国のデータがございますので、それとの比較で申し上げます。先ほど申し上げたとおり、本県の正規職員の割合が91.7%でございましたが、全国平均が91.8%ということで、ほぼ全国平均並みというところが本県の状況であると考えております。
 それから、県内の地域での違いというか偏在のようなものがあるかということですが、大きく県北・沿岸部とその他地域というデータで申し上げたいと思います。これは、公立学校の合計で申し上げますと、県北・沿岸部でいわゆる非正規、臨時講師の割合が11.6%、それに対してその他地域では7.5%ということで、県北と沿岸地域の臨時講師の割合が高くなっております。これは、現在、緊急措置で、実は沿岸地域に復興加配が多くついておりまして、この定数はずっと続くものではありませんので、これに全て正規を充てることがちょっと難しいと考えております。その状況がこの結果にあらわれているということでございます。
〇木村幸弘委員 わかりました。いろいろと沿岸の場合にはまた、被災後の復興にかかわる生徒、児童への特別な支援というか教育上の環境を十分に整えるという意味での加配分にかかわって率が高いというのはある程度理解はできますが、全体を通して、いずれ教職員の正規職員化ということについては、この間もずっと問題視されておりましたし、非正規が1割近くいるという状況については、決して好ましい事態ではないと思っているんですね。
 例えば、そういう状況の中で、非正規の教職員が学級担任とか、そういうものを持たざるを得ないといった状況等はどのようにつかんでいるかお示しいただければいいのですが。
〇金田教職員課総括課長 非正規の教員が学級担任を持つ割合でございますが、残念ながら具体的な数字としてはつかんでおりません。現場の状況を聞いておりますけれども、本務教員の担任が産休、育休、病休等により長期間休む場合がございます。そういう場合には、臨時教員が学級担任を持つという形をとらざるを得ない状況にあると認識しております。
〇木村幸弘委員 そうすると、本当にあくまでも臨時的、緊急的な措置でのケースはあるけれども、恒常的に1年間持たせるとかといった実態はないということでいいのでしょうか。
〇金田教職員課総括課長 基本的にはそういう認識でおります。
〇木村幸弘委員 私も過去長く、地元ではPTAの役員なども10年近くやっていまして、いろいろとこの年度末になると、児童生徒の転出入の関係とクラス編制の問題と、4月1日基準で校長先生と一緒に頭を悩ませておったものでございます。そういう中で、どうしても講師先生を配属せざるを得ないという状況が、4月以降の動きの中で出たりということがありました。
 そういう経験の中で、実は、その能力云々ではなくて、講師先生が担任を持つというケースも私の中では記憶にありまして、結局1年で一旦切れると。そして、そこで、3月で子供たちとさようならするのですけれども、4月になるとまた、こんにちはとやってくるんですね。この形が、私は、親の立場だけではなくて、やっぱり子供の立場からしてもどうなのかなということをずっと思っております。
 やっぱり児童生徒、子供たちとの関係を含めて、信頼関係というのは、担任の教師には大変重要だと思っていまして、そういう人間としてのきずな、つながりをクラスの中でつくり上げていく役目も担任の先生にはあるのだろうと思うんです。
 そういったところを考えたときに、非常勤の教職員が多いという実態の中でそういったケースも心配しておりますし、それからまた、そういう日々の、担任でなくても、やはり先生は先生という関係性の中で接していく子供たちの思いから言えば、どうしてこういう、1年でさようならして、また出てくるのかみたいな関係があるのかなと。子供の年代によって理解度が違うのでしょうけれども、そういった部分で、教育上というか、そういった点で、こういう先生の一つの身分についても、いろいろな意味で子供たちの教育の中できちんと説明されるべき点もあるでしょうし、教育上の問題からどのように考えるべきなのかということを私自身思っているんです。そういったことについては、特に現場サイドから含めていろいろな意見なども出ているとは思うんですが、教育委員会とすればどのように捉えているでしょうか、その点についてお聞きしたいと思います。
〇菅野教育長 率直に申し上げて、現場の校長先生方といろいろな意見交換をすると、やはり子供たちと長期間向き合えるように正規職員で配置してほしいという御要望は、極めて強いものがございます。私どもも、できる限りそうしたいと思ってございます。
 ただ、一方で、子供の数が大幅に減少してくる中、特に小中学校においては学校統合も進む中、しかも、今後、いわゆる再任用制度が始まるという問題もございます。こういった中で、正直言って大幅な定数改善が難しい中、なかなか思い切った教員採用ができていないという課題もございます。
 根本的には教職員定数の改善が必要だろうと思ってございまして、それは、いろいろな機会を捉えて国に要望しているところでございますが、まだ、残念ながら実現に至ってございません。したがいまして、現在は、何とか長期的な教職員の配置状況を見ながら、少しでも採用をふやしていく努力を地道に続けざるを得ないと思ってございます。
〇木村幸弘委員 いろいろと現場からの思い、考え方も随分寄せられていることだとは思います。いずれ、やはりしっかりとした身分を安定的に確保させた上で子供たちと向き合ってもらい、そこで本当に人間関係がうまく構築されて、互いに信頼を得ながらすばらしい人材が育成される環境になるように、ぜひ今後とも教育委員会の御努力をお願いして、終わります。
〇高田一郎委員 私は、高等学校就学支援金についてお伺いしたいと思いますが、私が通告した内容と及川あつし委員の質問が全く同じでありますので、あえて同じ質問はしませんけれども、先ほどの説明を聞きますと、対象外になるのは8%、そして事務量も、4月と7月というお話がありましたが、物すごい事務量になるのではないかと思います。そして、一つのクラスに支援を受ける子と受けない子がいる、こういった教育上の問題も含めて、私は、この高校授業料に所得制限を導入するということはいろいろな問題があるのではないかと思うんですが、午前、午後の質疑を聞いて、教育委員会としてこの問題に対してどういう考えを持っているのか、改めてお聞きしたいと思います。
〇菅野教育長 この制度が構築されるに当たって、私どもとして、全国の協議会等を通じて、特に、被災地でありますので、現行の制度を維持していただけるように要望したところでございます。結果的には残念ながらそうはならなかったわけでございますが、一方で、これは国において、国会において法律案としてもう成立している制度でございますので、ここに至りますと、私どもとしては、先ほど委員からもお話がありましたとおり、いかに混乱なく現場で対応できるかに、まず全力を注がなければならないと考えてございます。
〇高田一郎委員 所得制限導入というのは、教育を、権利ではなく支援の対象にするということで、やはり高等教育は無償だという世界の流れにも逆行するようなものだと思いますし、繰り返すようですけれども、同じクラスに支援を受ける子と受けない子がいるなんていうことは、やはり教育上も大きな問題だと思います。
 いずれ4月以降、申請主義なので、対象にありながら漏れてくる、そういうことも起こると思いますし、支援の対象外になっていても、年度途中で家計の急変で支援しなければならないという子が出てくるわけですから、本当に漏れないように、きめ細かな対応、相談を展開していただきたいと思います。
 次に、岩手県育英奨学金の問題についてお聞きしたいと思います。
 現在のこの奨学金制度の滞納状況とその要因はどうなっているのか、その点について答弁いただきたいと思います。
〇蛇口教育企画室企画課長 財団法人岩手育英奨学会における奨学金事業、県で補助しておりますタイプAの状況についてでございますけれども、滞納状況は、平成25年3月1日現在で、金額ベースで3.09%となっておるところでございます。滞納者数につきましては、現在817名となっているところでございます。
 滞納の要因等につきましては、本県の岩手育英奨学会の滞納状況を調べたものはございませんので、大学生等に対しまして奨学金事業を行っています日本学生支援機構が実施しております平成23年度奨学金の延滞者に関する属性調査結果に基づきますと、経済的理由によるものが大多数を占めているものと推察されるところでございます。
〇高田一郎委員 この制度は給付制ではなくて、無利子でありますけれども返済する奨学金制度ですね。私は、今の滞納状況をお聞きしましたけれども、本県で817人、3.09%でありますが、やはりある程度、一定額以下の収入であれば返済を免除する、そういう制度に変えていくべきではないかと思います。
 私も資料をいただきましたけれども、独立行政法人日本学生支援機構の滞納者に対する調査でも39.7%、4割近い方々が、職業は非正規あるいは失業、休職と。そして、4割に近い方々が収入100万円以下なんですね。返済期間は6カ月猶予で14年ということですから、返済期間というのは20代、青年時代なんですね。重い負担を持って青年時代、青春時代を過ごすということは、やっぱり青年の成長にとっても問題だと思います。好きで非正規社員になったわけではありませんので、一定程度の収入を超えない場合は、やはり返済を免除するとかという制度に変えていくために県教育委員会としても改善を求めていくべきじゃないかと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
〇蛇口教育企画室企画課長 一定収入以下の生徒に対する支援についてでございます。そういったものにつきましては、返済されたお金が財源に回って次の貸与者に回っていくという構造になっておりまして、そういったところから、財政的になかなか厳しい面もございまして、県といたしましては、まず、国に対して、返済不要な低所得者に対する給付型の奨学金制度といったものを創設するよう要望しているところでございます。
 また、平成24年度には、所得連動型の返済猶予といたしまして、学校卒業後に、これは大学に進学したり専門学校に進学した場合は、現行制度でもその間は猶予になります。それに加えまして、さらに大学とか専門学校を卒業した後も、一定の収入が、給与所得年収300万円以下、もしくは給与所得以外であれば、必要経費を控除した後の額が200万円以下であれば、当分の間返済を猶予するといった出世払い制度といったものを導入し、低所得者等に対する支援を行っているところでございます。
 いずれ、これについては、そういった厳しい状況もございますので、国に対して引き続き要望を行ってまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 ぜひ国にしっかりと要望していただきたいと思います。
 次に、被災した学校の再建問題についてお聞きしたいと思います。
 先ほど質問に対する答弁の中で、本県では17校が再建に取り組んでいるということでありましたけれども、先ほどの答弁では、多くの学校が平成27年度までとなっています。もう少し具体的に、平成27年度に多くの学校ということは、それ以降になる学校もあるとは思うんですが、それの具体的な再建の見通し、特に、最近、資材の高騰とか、あるいは用地の確保の問題などで、なかなか簡単にいかないというような面がありますけれども、目標どおり本当に再建になるのかという見通しと、それから、今、被災地で問題になっています被災校舎の復旧単価がどう改善されているのでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。
〇宮澤学校施設課長 被災した学校の再建状況でございます。
 先ほどお尋ねに対して答弁申し上げましたとおり、現在7市町17校において再建等に向けた取り組みが進められておるところでございます。
 その内訳でございますが、まず、県立高田高校でございますが、これは平成26年末までの完成ということでございます。
 市町村のほうでございます。7市町17校の中で、高台への移転が最も早く進んでございますのが山田町の船越小学校でございまして、これが、平成25年度内に校舎、体育館等の施設が完成いたしまして、平成26年4月から新校舎で再開できる見通しでございます。
 その他の学校につきましては、平成27年度の完成を目指してということで先ほど御答弁申し上げたところでございますが、その中でも一つだけ、陸前高田市の気仙小学校でございますが、これは、災害復旧の移転を伴うということでございますが、都市計画の関係がございまして、事業の着手までにちょっと時間を要してございます。これらにつきましてはまだ確定ではございませんが、平成29年度以降の校舎完成になるものと見込まれております。
 それから、復旧単価の関係でございます。
 県教育委員会では、国土交通省の公共建築工事積算基準に準拠いたしまして、県土整備部が定める積算単価を使いまして建設工事の積算を行っているところでございます。最近の入札不調の関係がございますので、施工確保対策が進められてございまして、設計等の段階で実勢価格が反映されるように、順次単価の改善が図られてきておるところでございます。
 また、市町村につきましては、県土整備部におきまして、入札不調対策に関してさまざま情報提供していると承知しているのでございますが、それぞれの市町村におきましては、復旧単価の改善も含めました施工確保の対策に取り組まれているものと承知してございます。
〇高田一郎委員 学校の再建については、気仙小学校以外は平成27年度までということであります。いずれ、さまざまな復旧、復興をしなければいけないですが、やっぱり被災された学校の再建は最優先で取り組むという姿勢で、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 次に、肥満傾向へ要サポートの児童が増加傾向にあり、また、学びの環境悪化など、さまざまな課題も抱えています。先ほど教育長の予算説明の中でも、新年度スクールカウンセラーなどの職員配置を増員していくということでありましたけれども、いわゆるこの問題で、新年度はどういうような取り組みがされるのか、具体的に示していただきたいと思います。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 被災地の子供のケアにかかわる新年度の取り組みについてでありますけれども、東日本大震災津波以降、継続して実施してまいりました心とからだの健康観察につきましては、来年度も実施する予定でありまして、子供たちの実態を把握しながら、そのニーズに応じた的確な支援を行ってまいりたいと思います。
 また、各学校においては、スクールカウンセラーの増員ということも含めて、沿岸部の市町村につきましては全部の小学校、中学校に対応できるような体制も整えておりますので、保護者を含めたカウンセリングや教員へのコンサルテーションなど、ニーズに対応できるよう今後も適切な配置に努めているところです。
 また、医療的ケアを要する児童生徒については、いわてこどもケアセンターを初めとする医療機関につなぐなどしながら、支援を行ってまいります。
〇高田一郎委員 先月、私は陸前高田市にちょっと行ってきまして、教育長と懇談してきましたけれども、陸前高田の小中学生は、今でも仮設暮らしが30%、就学援助を支給している児童は41%、通学バス37%と。通学バスについては1時間にもなる、そういう状況にもなっているということ、本当に東日本大震災から3年過ぎてこういう状況になっているんだということで、改めて大変な状況に心を痛めてきました。
 先ほど心のケアの問題では、今、心のケア問題では回復する子供とそうでない子供の二極化が進んでいるということと、そして、最近になって顕在化する、こういう子供たちがふえて、スクールカウンセラーとか、人的支援が今本当に大事だということを改めて強調されました。
 陸前高田市ではスクールカウンセラーが2人だと聞いておりますが、被災地の現場の状況を見てみて、やっぱり実態に即した体制になっているのかなということでちょっと疑問を持ってきましたけれども、これは実態に即した体制になっているのかということと、それから、通学時間に1時間もかかっているという状況、これは毎日1時間バスに揺られて、帰りも1時間と。これは何とか改善にならないものかという思いをして、懇談して帰ってきたんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
〇大林首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラーの配置につきましては、巡回型カウンセラーと呼んでおりまして、全国から臨床心理士の資格を持つ方を新年度は12名配置する予定になっております。そのうち沿岸南部教育事務所に6名の配置ということで、陸前高田市と大船渡市と釜石市に2名ずつというところで、プラス、いわゆる配置型のカウンセラーも配置しておりますので、そういう中で子供たち、もしくは保護者のさまざまなケアに当たっているという状況でございます。
〇菅野教育長 先ほど申し上げましたとおり、なかなかスクールカウンセラーの数、専門家の数が限定されているというのがございますので、全国にお願いして、少しでも増員をして何とかやっていきたいと思っています。
 それからあとは、通学時間というのは、確かにおっしゃるとおり大きな課題であります。3年間たってもなかなか解消できていないというのは、私も陸前高田市の山田教育長から重々伺っています。これは、町の整備と一体として学校の整備を進めなければならないという非常につらい環境がございますので、教育委員会単独ではなかなか取り組めないところもございますが、私どもとしてやれることとすれば、その子供たちの心のケア、それから、いろいろな面での支援を強めて、何とか少しでも、子供たちが幾らかでもいい環境の中で毎日を過ごせるように努めてまいりたいと思っております。
〇岩渕誠副委員長 高田一郎委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、10分間ほど休憩いたします。
 高田一郎委員、御了承願います。
   午後3時1分 休 憩
午後3時23分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高田一郎委員 次に、特別支援学校についてお聞きします。
 新年度予算には1億3、900万円余が予算措置されていますが、教室不足はどう改善されているのでしょうか。
 あわせてお聞きしますが、特別支援学校における学校給食の実態はどうなっているでしょうか。
〇宮澤学校施設課長 教室不足がどのように改善されるかについてでございますが、平成26年度おきましては、教室不足の解消におきまして、県立花巻清風支援学校の特別教室等4室でございますが、これを新築整備する計画でございます。これによりまして、教室の兼用が解消されますほか、あわせて行います校舎の内部改修により教室一つをふやしますことから、高等部において新たに5教室が確保される計画でございます。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 特別支援学校の学校給食の実施状況についてでございますが、13本分校、6分教室において完全給食を実施しております。
 内訳は、自校調理が8校、外部調理委託が3校、市町村営共同調理場からの供給が2校、6分教室となっております。その他として、多くの児童生徒が、隣接する施設や病院に戻り昼食をとっているところが1校、その部分はミルク給食となっているところでございます。
〇高田一郎委員 特別支援学校の教室不足については、新年度、花巻清風支援学校と盛岡となん支援学校の設計委託が計上されておりますが、いただいた資料を見ますと、盛岡みたけ支援学校は16教室が不足している。前沢明峰支援学校は21教室が不足している。これは前年度調査と比べるとふえているわけですね。全体として、教室不足というのは解消されているんでしょうか。
 今、特別支援学校に入学する生徒がどんどんふえている中で、逆にふえているんじゃないかなという思いをしているんですけれども、そういう意味では、計画をつくって、年次計画でしっかり解消できるような計画をつくるべきだと改めて思うんですが、その点についてお伺いしたいと思います。
 学校給食については13校、本校、分校を含めて、完全に実施されているという答弁だったんですが、全ての学校で学校給食が提供されていると。特に小中学校は義務教育ですけれども、きちっとやられているのかどうか、また改めて確認の意味で質問したいと思います。
〇宮澤学校施設課長 まず、教室の不足の状況でございます。平成25年10月1日現在の文部科学省調査によりますと、不足する教室数でございますが68となってございまして、前年度調査の75よりも減少しておるところでございます。
 また、計画的な教室不足の整備の件につきましてでございますが、今後におきましても、在籍する子供たちの必要な施設、設備の内容でございますとか、各学校の敷地、それから既存施設の状況など諸条件も勘案いたしまして、現下の財政状況の非常に厳しい折でございますけれども、学校とよく相談しながら、なかなか長期にわたる計画というのはまだまだ困難な部分もございますが、学校とよく相談いたしながら、教室の不足に向けて必要な整備を進めてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 県内の県立特別支援学校は、本分校合わせて14校でございます。本校が13校、分校が1校となっております。その中で、先ほど申し上げましたけれども、13本分校と、それから一関地区、遠野地区、そして二戸地区に設置されております分教室、小学部、中学部の六つの分教室で完全給食ということで実施しているところでございます。
〇高田一郎委員 どういうのが完全給食かというのはちょっとわかりませんけれども、先月、私は自閉症を持つ子のお母さんと懇談をした経過がありまして、前沢明峰支援学校と一関清明支援学校に通う子供たちのお母さんです。そこで出されたのは、子供が高校に行ったときにちゃんとした教室で勉強できるかどうかという不安、そして高校を卒業した後の受け皿ですね、行き場が見えないと。もう一つは、学校給食をせめてやってほしいと。給食と言っても、仕出し弁当になっている学校はないんですか。私はそういう実態を聞いて非常にびっくりしたんです。ほかの小中学校では温かい給食を提供しているのに、なぜ特別支援学校の私たちの子供たちだけが仕出し弁当なのだと。生徒によっては、その仕出し弁当をミキサーにかけて食べさせるという学校もあると聞きました。私は、例えば一関清明支援学校であれば、近くに一関市西部学校給食センターがあるわけですから、そういったところと連携して、何とか温かい給食を提供できないものかということを含めて、給食というのは学校給食法に基づいて教育の一環としてやられているわけでありまして、特別支援学校に通っている子供たちはそういう弁当でいいのかと思いますし、親もそういう思いを持っているわけですから、その点についての改善、検討というのをできないものかということを改めてお伺いしたいと思います。
〇佐々木首席指導主事兼特別支援教育課長 完全給食というものについてでございますが、先ほど自校調理というものと、それから外部調理委託というものがございまして、後者のほうがいわゆる弁当デリバリー方式による給食というようなことでよろしいかと思います。
 今、委員御指摘いただきました一関清明支援学校のほかにも、釜石祥雲支援学校そして盛岡みたけ支援学校と、この3校については弁当デリバリーによる完全給食ということになっております。いずれも、この3校は児童福祉施設や病院に隣接して設置されている学校でございまして、学校に寄宿舎がなく調理施設も持たなかったことから、かつてはミルク給食だけの対応となってきたところでございます。ただ、現在、自宅通学生の増加という部分に伴いまして、盛岡みたけ支援学校では平成17年度、一関清明支援学校では平成20年度、そして釜石祥雲支援学校では、平成25年度からデリバリー方式による完全給食というものを実施しているところでございます。
 なお、もう1校、宮古恵風支援学校についても隣接する施設等々の関係からミルク給食ということでこれまで来たわけですが、このたび、宮古市の田老給食センターからの給食のほうを供給できることとなりまして、今年度から給食センターからとなっているところでございます。したがいまして、ほかの3校につきましても、関係する市町村教育委員会と引き続き市町村営共同調理場から供給いただけないか、今後も検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 障がい児を持つお母さん、お父さんというのは、本当に将来に対する不安と今に対する不安と、さまざまな不安を抱えながら子供を育てるために頑張っているんですね。同じ義務教育でありながら、特別支援学校だけが仕出し弁当という状況は一刻も早く改善していただきたいと思いますし、今、答弁ありましたように、市町村と連携しながら検討していきたいということでありますので、実現できるような対応をぜひお願いしたいと思います。
 次に、教職員の多忙化の解消についてお聞きします。これは何度もお聞きしているところですけれども、現在の学校現場での多忙化の状況について県教育委員会も実態調査、聞き取り調査も行っているという状況ですけれども、その実態についてお伺いしたい。
 それから、県教育委員会としてさらに多忙化の解消に向けた取り組み、具体的に現在どのような状況になっているのか、あわせて示していただきたいと思います。
〇金田教職員課総括課長 教員の多忙化解消に向けた取り組みでございますが、今年度、県立学校の学校訪問の際に、各学校の業務多忙の状況、それから勤務負担軽減の取り組み状況などについて、管理職にまず聞き取りを全ての学校で行ったほかに、県立学校4校とそれから一つの地域で、教職員に対する直接の聞き取り調査を行っております。
 その状況でございますが、部活動の指導それから課外授業の対応、それからさまざまな事務的業務もかなりまだあるということで、その辺の対応については軽減がなかなか難しいという教職員からのお話を伺っております。一方では、私費会計を担当する非常勤職員の配置、部活動休養日の設定、校務分掌の統廃合など、勤務負担軽減に一定の効果があらわれている学校もお伺いしたところでございます。
 いずれ、来年度もより幅広く学校現場の実態を把握するため、聞き取り等を行ってまいりたいと思っております。
 それで取り組みでございますが、平成21年3月に多忙化解消検討ワーキンググループの提言がございました。その中での取り組みとして、調査、照会文書、会議、研修の精選、それから市町村教育委員会のほうですけれども、着任届等の作成、提出の廃止、校長承認の職専免の整理簿による承認など、それから学校行事等の見直し、職員会議の時間短縮、開催回数の縮減など行ってまいりました。
 今後でございますが、いずれ先ほど申し上げた聞き取り調査の結果も踏まえ、各種調査、会議、研修の見直しなどを全体で取り組む事項は引き続き事務改善に取り組んでまいります。
 また、先ほどの学校現場の中で優良な取り組みがございますので、それをほかの学校にも広める取り組み、それから学校に衛生委員会がございますので、まとめてやるというよりは個別対応、学校ごとの対応が必要ですので、その辺の活性化にも取り組んでまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
 高田一郎委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。休憩も挟んでおりますけれども、御了承願いたいと思います。
〇高田一郎委員 現場の実態調査についてはもう少し詳しい数字が示されるのかなと思ったんですけれども、県高等学校教職員組合の調査では、昨年行われましたけれども、月80時間以上残業をしている職員が2割となっております。この80時間というのは、厚生労働省が示す過労死の危険ラインになっているんですね。こういう状況というのは一刻も早く改善しなければいけないと思いますが、この傾向というのは、県教育委員会が調査した内容と大体同じような状況だという認識なのでしょうか。その辺ちょっとお伺いしたいと思いますし、さまざまな改善をしているというお話がありましたけれども、その改善がされているのかどうかという、その辺についてもお伺いしたいと思います。
〇金田教職員課総括課長 先ほど高教組のデータというのは当方で調べたものでございますので、基本的にそういうことでございます。(後刻訂正あり)(発言する者あり)はい。
 それで、先ほど現場での聞き取りを行ったということで、部活動指導を土日も含めて頑張りたいという気持ちも先生方にはあるわけでございまして、どうしてもその辺は一概にやめろというわけにはいきませんので、そのあたり、先生方のお考えも十分聞きながら、長時間の超過勤務にならないような工夫をこれから考えていきたいと思っております。
〇高田一郎委員 最後にしますけれども、何といっても多忙化解消については教職員をふやすということに尽きると思うんですね。それで今、新年度の国の動向を見ますと、実際は、新年度は史上初めて自然減以上に教職員を減らす状況になっているんですね。ですから、学校現場で起きているこういった問題をしっかりと国に伝えて、職員をふやす取り組みが本当に強く求められていると思うんですけれども、この点について菅野教育長のお考えをお聞きしたいと思いますし、もう一つは、今、教職員組合の調査でも超過勤務で一番といいますか、理由の大きな一つに部活動というのがあるんですね。今、子供たちの状況を見てみますと、土日もあるいは春休みも、冬休み、夏休みも家に帰ってくるのが寝るだけだというような学校もあるわけです。これは教育委員会としてなかなか規制することはできないんだというお話がありますけれども、しかし、長く部活をしていれば競技力が本当に向上するのかとか、そういうことを真剣に考えていかなければならないんじゃないかと私は思うんです。子供たちには休憩、休息というのも大事でありますし、そういったことも考えて部活のあり方というのを検討していかなければならないと私は思うんですが、その辺のことも含めて教育長にお伺いして終わりたいと思います。
〇菅野教育長 教職員定数改善は私どもも非常に大事なことだと思ってございまして、毎年毎年国に対しましてはいろんな機会を通じ教職員定数、いわゆる計画をつくって、計画的な定数改善をしてほしいという御要望を続けているところでございますし、今後とも、そういった努力をしてまいりたいと思ってございます。
 それから部活動につきましては、これは部活動休養日を設けようということで、当時、教育長からそれぞれの学校に通知を出してございます。そういった取り組みをしてございますので、今後とも、部活動の適正な―一方で選手力強化の問題もございますが、おっしゃったとおり、休養日は大事でございますので、そういった取り組みを学校のほうと一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 教育委員長に質問する機会はここしかないので、私は教育委員長に、学力テストの弊害と公表の問題点についてお聞きをします。
 学力テストの結果が示す課題は何なのか。成績低階層の増加と世界トップクラスの勉強嫌いの増加ではないのか。学力テストによって学力という見方がゆがみ、点数を上げるための学力向上が最大の目標に学校の現場ではなっているのではないか。小学校でも、朝学習で学力テストに向けたことが行われるとか、6時間授業も行われるとか、私はこの実態も指摘しましたけれども、こういう状況について教育委員長はどう受けとめているでしょうか。
〇八重樫教育委員会委員長 学力テストの問題でございますけれども、このテストの目的は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、調査結果をもとに教育施策の成果と課題を検証しその改善に役立てるとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることとされております。本調査を効果的に活用することで、子供たちの学力保障につなげていくことができると考えております。
 次に、点数を上げるための学力向上ではないかという御指摘でございますけれども、国は、調査により測定できるのは学力の特定の一部分であるということを明確にしていますし、本県においても同様の考えに立っております。
 本県における学力向上の取り組みは、基礎的、基本的な知識、技能や思考力、判断力、表現力及び学習意欲を子供たちに保障する取り組みであり、各学校における取り組みを全ての子供たちに、こうした基礎的な学力を保障するために実施されていると認識しております。
 調査は、あくまでも明らかになった課題をもとに指導改善を行い、児童生徒の学力保障につなげるために実施するものでありますから、もし、一部の学校にいわゆるテスト対策、委員指摘の朝学習あるいは6時間目、このことについては本会議でも申し上げましたけれども、調査はしておりません。多忙化につながるという指摘もありますのでしておりませんが、ただ、何人かの校長から聞いた範囲では、そのためにやっているのではないという意見も聞いてはおります。状況もあります。全部に聞いたわけではありませんが。ですから、ただ、御指摘にありましたように、テスト対策を主眼とした取り組みにもし偏重しているという実態が認められた場合は、これを是正するように指導してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 学力テストが毎年やられることによってどういうことが起きているか。テスト対策で確かにPISAの結果はよくなったと。世界トップクラスだと。一方で、勉強嫌いが世界トップなんです。例えば数学嫌い、日本は61%、国際平均は35%です。理科嫌いというのが41%、これは国際平均がOECDで23%。もう一つ、日本の子供の3分の1が孤独感を訴えている。これはOECDの場合8%ですよ。そういう点数主義の、点数のための教育によって、こういうゆがみが生まれているのではないかというのが私が提起した問題であります。
 それで、本物の学力を保障するための課題は何か。全ての子供たちに基礎学力を保障すると、これを基本にしなくちゃならない。そうした場合に、点数主義の学力向上ではなくて、30人学級の実施だとか、教員の多忙化解消など、教育条件を整備するということが教育行政では最大の課題ではないのか。学力テストの点数だけに短絡させる風潮を解きほぐす国民的議論も必要だし、学習指導要領も一部の文部科学省の官僚が勝手につくるのではなくて、本当に今必要な学力は何かという、国民的な専門家を結集したものに私はしなければならないと思います。
 そこで、教育委員長、学力テストの結果の公表というのは、学校間競争、市町村間、都道府県間競争を激化させるだけではないかと思いますが、60年代に実施してなぜ中止になったのか。恐らく教育委員長はその体験者でもあると思うけれども、その教訓も踏まえてお答えいただきたい。
〇八重樫教育委員会委員長 学力調査の公表についてでありますけれども、御指摘のように、過去の全国学力テストの実施についてはさまざまな課題があったことは承知しております。私が多分学生時代だったのではないかと思いますけれども、現場で阻止とか処分とかいろんな混乱がありました。テスト問題を事前に練習するとか、あるいはトップになったのでお祝いをしたとか、さまざま非教育的なことがあったのは勉強して知っております。そういういろいろな子供のための学力向上ではなくて、大人のいがみ合いみたいなのとか、そういうようなこともあったように記憶しておりますが、そのような反省から、順位づけとかそういうことが今回しないようにということで序列化あるいは過度な競争にいかないようにということで国からもそういう指示が出されたのでございますので、目的に沿って各市町村教育委員会が活用するように、学校が活用するように私も願っております。
 今回の国による実施要領の改訂、こうした配慮事項を踏まえて、一方で、保護者や地域住民に対して説明責任も果たさなければならないということもありますので、そういうことが重要であると判断した結果、教育委員会及び学校のそれぞれの判断において調査結果の公表を行うことが可能であるとしたものであって、間違っても序列とかあるいは過度の競争が生じないようにということは、くれぐれも守っていただきたいと思っております。
 私としては、今回、国が示した調査の実施要領を受けて、それぞれの市町村において、学校の状況や地域の実情を踏まえた上で適切に運用されるものと願っておりますし、やってくれると期待しております。
 それから、指導要領の改訂につきましては、これは学校教育法に基づいて国がやるものでありますし、おおむね10年に1回ぐらいされておりますし、いろいろな教育団体等からもヒアリングを受けながら、今の教育の課題を踏まえながら改訂している状況でありますので、今後とも、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで最後にしますが、60年代の学力テストがなぜ中止になったのか。それは、過度なカンニングを含めた競争が起きたからですよ。だから、今回学力テストをやるときも公表しないということを前提にやった。ところが、やっている間に、これがもう公表できるようになる。私は、これは学力テストの変質だと思いますよ。幸い、今の段階で、市町村で公表するというところはないという教育長の答弁がありましたので、私はこの立場を岩手県は貫くべきだと。
 それで、日本の教育の異常性は、実は国連子どもの権利委員会の3回にわたる勧告で提起をされています。91項目にわたる大変具体的な勧告で、例えば70項目には、高度に競争主義的な学校環境が就学年齢にある子供の間のいじめ、精神的障害、不登校、登校拒否、中退及び自殺に寄与することを懸念する、こう指摘しています。60項目のところはこうなんです。本委員会は驚くべき数の子供が情緒的幸福度の低さを訴えていることを示すデータ、並びにその決定的要因が子供と親及び子供と教師との間の関係の貧困さにあることを示すデータに留意すると。これは政府・文部科学省の報告書、NGO等の報告書を踏まえてこういう勧告が出されている。私は国内法に、いわば上位の法律に基づく勧告ですから、県の教育委員会議として、こういう子ども権利条約の勧告をしっかり議論して岩手の教育に生かすべきだと思うけれども、そういう議論がされたことがあるのか。されたとすれば、どんな議論になったのか示していただきたい。これで終わります。
〇八重樫教育委員会委員長 子どもの権利委員会の勧告等につきましては、これまでも斉藤委員から、るる御指導や御指摘があって、私もそれなりの勉強をしております。私は、国の見解などやっぱり尊重しなければならないと。学習指導要領やさまざまなもとで教育をしているものですから。ただ、私一人が勉強してもだめなので、県の教育委員メンバーとも、しっかりと情報を共有してまいりたいと思います。(斉藤信委員「やっていないということだ」と呼ぶ)はっきりはやっていないということですけれども、私はやっていますけれども、5人での協議はしていません、正直に言いますと。やっていませんが、ただ、子どもの権利条約ということを取り上げてではないですけれども、いじめとか不登校とか、そういう問題については、個々の問題については十分に協議しておりますので、今後とも情報共有しながら勉強してまいります。
〇樋下正信委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇金田教職員課総括課長 先ほど高田委員の質問のところで、高教組の発表した超過勤務80時間以上が約2割というものは高教組の調査でございまして、当方で現場から調査した80時間以上の割合は10%、1割ということで、ちょうど1割ほどずれが生じてきております。
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇佐々木企業局長 企業局関係の予算について御説明申し上げます。
 まず、お手元の議案の説明に入る前に、平成26年度の事業運営に当たっての基本的な考え方について申し上げます。
 平成26年度の事業運営に当たりましては、平成25年度から平成27年度までを計画期間とする第4次中期経営計画の中間の年度として、公営企業の経営の基本原則である経済性の発揮と公共の福祉の増進を基本とし、中期経営計画で掲げる課題に積極的に対応してまいります。
 また、東日本大震災津波からの本格復興を支え、次世代への発展を図るため、電力と工業用水の最大限の安定供給に引き続き取り組んでまいります。
 電気事業では、施設や設備の修繕、改良及び点検等を計画的に実施し、長寿命化を図りながら引き続き安定供給に努めてまいります。また、今後の電力システム改革の進展を見据えながら、業務効率化によるコストの削減等に取り組み、健全で安定的な経営基盤の維持に努めてまいります。
 新規開発では、胆沢第三発電所及び(仮称)北上大規模太陽光発電所の工事を着実に進め、平成26年度に運転開始するほか、一戸町において(仮称)高森高原風力発電所の平成29年度の運転開始に向け、環境影響評価、詳細設計などを進めてまいります。また、県内全域を対象に複数の河川で開発候補地点の調査を継続的に実施するなど、再生可能エネルギーの新規開発に率先して取り組んでまいります。
 地域貢献では、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金の活用額を増額し、一般会計及び市町村等のクリーンエネルギー導入事業の支援を、被災地域等の復興に向けたニーズを把握しながら拡充してまいります。
 工業用水道事業では、配管の耐震化に積極的に取り組むなど、信頼性の一層の向上を図り、県内経済等を牽引する役割を担う立地企業の生産活動を支えてまいります。また、ユーザー企業の経営廃止と新規契約等があり、全体の契約水量が減少していることを踏まえ、より一層の業務効率化によるコストの削減等に取り組んでまいります。
 それでは、議案につきまして御説明申し上げます。
 議案その2の60ページをお開き願いたいと思います。議案第15号平成26年度岩手県電気事業会計予算についてであります。
 第2条は、業務の予定量でありますが、第1号の年間販売目標電力量は、胆沢第二発電所ほか15発電所の目標電力量の合計を、61ページをごらんいただきまして、4億9、910万1、000キロワットアワーと定めようとするものであります。第2号の主要建設事業は、胆沢第三発電所建設工事及び(仮称)北上大規模太陽光発電所建設工事を実施しようとするものであります。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款電気事業収益は50億4、444万円で、その内訳でありますが、第1項の営業収益45億7、995万円余は、水力発電所14カ所の電力料収入などであり、第2項の附帯事業収益1億197万円余は、稲庭高原風力発電所及び(仮称)北上大規模太陽光発電所の電力料収入であります。第3項の財務収益6、186万円は株式配当金などで、第4項の事業外収益6、066万円余は、地方公営企業会計基準の見直しにより新規計上する長期前受金戻入などであります。第5項の特別利益2億3、997万円余は、地方公営企業会計基準の見直しに伴い、引当金として計上できなくなった渇水準備引当金を全額取り崩すものであります。
 次に、支出の第1款電気事業費用は43億6、710万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用41億791万円余は、修繕費、減価償却費及び職員給与費などであり、第2項の附帯事業費用8、665万円余は、稲庭高原風力発電所及び(仮称)北上大規模太陽光発電所の運転管理費用であります。第3項の財務費用9、954万円余は、企業債の支払い利息などであり、第5項の特別損失6、725万円余は、地方公営企業会計基準の見直しに伴い計上するものであり、平成26年度6月支給の期末・勤勉手当及び法定福利費のうち、平成25年度の在職期間等に応じた支給相当額であります。
 この結果、収入と支出を差し引きまして、利益は税込みで6億7、733万円余が見込まれるものであります。
 なお、経常利益は税込みで5億461万円余と見込んでおります。
 62ページをお願いいたします。第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は15億7、562万円余で、その内訳でありますが、第1項の補助金5、098万円は、(仮称)北上大規模太陽光発電所の建設事業に対する国庫補助金であり、第2項の負担金3、152万円余は、仙人発電所共有施設工事負担金であります。第3項の長期貸付金償還金9億9、826万円余は、一般会計などからの貸付金償還金であり、第4項の投資償還収入4億9、485万円は、資金運用のため購入した利付国債の満期償還収入などであります。
 次に、支出の第1款資本的支出は54億9、975万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の建設費8億3、318万円余は、胆沢第三発電所及び(仮称)北上大規模太陽光発電所の工事費などであり、第2項の改良費19億4、367万円余は、各発電所の設備の改良及び更新に要する経費であります。第3項の電源開発費3億8、042万円余は、(仮称)高森高原風力発電所建設に係る開発費及び新規水力発電の調査費などであり、第4項の企業債償還金2億9、987万円は、企業債元金の償還金で、第5項の投資20億760万円は、資金運用に当たって利付国債を購入するものであります。第6項の繰出金3、000万円は、知事部局が実施するいわて戦略的研究開発推進事業などに充てることとして、環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金から一般会計へ繰り出すものであります。
 次に、第5条の債務負担行為でありますが、これは、柏台発電所水車発電機分解点検補修工事のほか、63ページに続く(仮称)高森高原風力発電所風況調査ほか、業務委託について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
 以上で電気事業会計の予算の説明を終わります。
 次に、64ページをお開き願います。議案第16号平成26年度岩手県工業用水道事業会計予算について御説明申し上げます。
 第2条は、業務の予定量であります。北上工業団地及び岩手中部工業団地に立地する18事業所に対する給水量について、年間総給水量を1、410万3、235立方メートルに、1日平均給水量を3万8、639立方メートルにそれぞれ定めようとするものであります。
 第3条は、収益的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款工業用水道事業収益は9億5、674万円余で、その主な内訳でありますが、第1項の営業収益9億93万円余は給水収益などであり、第3項の事業外収益5、527万円余は、地方公営企業会計基準の見直しにより新規計上する長期前受金戻入などであります。
 次に、支出の第1款工業用水道事業費用は9億5、704万円で、その主な内訳でありますが、第1項の営業費用8億3、098万円余は、委託費、減価償却費及び職員給与費などであり、第2項の財務費用7、037万円余は、企業債などの支払い利息であります。65ページをごらん願います。第3項の事業外費用1、455万円余は、消費税及び地方消費税納付予定額などであり、第4項の特別損失4、063万円余は、地方公営企業会計基準の見直しに伴い計上するものであり、退職給付引当金繰入額などであります。
 この結果、収入と支出を差し引きまして、税込みで29万円余の損失が見込まれるものであります。
 なお、経常利益は税込みで4、033万円余を見込んでおります。
 第4条は、資本的収入及び支出の予定額であります。収入の第1款資本的収入は3億694万円で、その内訳でありますが、第1項の企業債2億1、190万円は、各工業用水道施設の建設改良資金を借り入れようとするものであり、第2項の固定資産売却代金9、504万円は、入畑ダム共同施設の一部を譲渡する資産の売却代金で、改良工事の未完了部分の完了による譲渡であります。
 次に、支出の第1款資本的支出は8億8、787万円余で、その内訳でありますが、第1項の改良費2億3、251万円余は、各工業用水道施設の改良及び更新に要する経費であり、第2項の企業償還金3億7、347万円余は、企業債元金の償還金であります。第3項の他会計からの長期借入金償還金2億6、560万円余は、一般会計などへの償還金であり、第4項の国庫補助金返還金1、628万円余は、入畑ダム共同施設の一部有償譲渡に伴う国庫補助金返還金であります。
 第6条は、一時借入金の借り入れ限度額を2億1、200万円と定めようとするものであります。
 66ページをお開き願います。第8条は、議会の議決を経なければ流用することができない経費と、その金額を定めようとするものであります。
 第9条は、重要な資産の処分についてであります。内容につきましては、入畑ダム共同施設の一部譲渡に係るものであり、改良工事の未完了部分の完了により、ダム堰堤の持ち分の一部を東北農政局に譲渡しようとするものであります。
 以上で工業用水道事業会計の予算の説明を終わります。
 なお、予算に関する説明書でございますけれども、こちらの458ページから518ページにかけて、これらの予算に係る実施計画、予定キャッシュフロー計算書、給与費明細書、債務負担行為に関する調書及び財務諸表を記載しておりますが、このうち予定キャッシュフロー計算書については、地方公営企業会計基準の見直しにより、予算に関する説明書の一部が変更され、従来の資金計画にかえて、会計期間における業務活動等のキャッシュフローと資金期末残高の予定を説明する予定キャッシュフロー計算書を、電気事業会計においては、464ページから465ページにかけて、それから工業用水道事業会計においては、496ページから497ページにかけて新たに記載したところでございます。
 また、財務諸表を作成するに当たりましての会計処理基準等を記載した予算に関する説明書の注記を、電気事業会計におきましては、481ページから484ページにかけて、それから工業水道事業会計においては、511ページから513ページにかけて新たに記載したところでございます。
 このほかの実施計画等につきましては、これまで御説明申し上げました予算の明細等でありますので、説明を省略させていただきます。
 引き続きまして、県営工業用水道料金徴収条例の一部を改正する条例について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その3の193ページをお開き願います。議案第84号県営工業用水道料金徴収条例の一部を改正する条例でありますが、これは、平成26年4月1日から消費税率及び地方消費税率が引き上げられ8%に改定されることから、改定分を工業用水道料金に転嫁するため相当額を値上げしようとするものであり、条例の施行期日は、平成26年4月1日から施行しようとするものであります。
 また、この条例の施行前から継続している工業用水の供給で、平成26年4月30日までに料金の支払いを受ける権利が確定されるものに係る料金の額については、なお従前の例によるものとしようとするものであります。
 以上で企業局関係の議案の説明終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇樋下正信委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇福井せいじ委員 まず、新地方公営企業会計基準への対応についてお伺いいたします。
 今も御説明いただいたんですが、企業局における新地方公営企業会計基準へ、平成23年5月にこの企業法が改正となりました。地方公営企業会計基準も抜本的に見直されて、今回の平成26年当初予算から適用されておりますが、重ねてになると思いますけれども、この見直しの背景としては、まず、民間の企業会計基準においては国際基準を踏まえた見直しが進んでいると。事業の財政状態をより適切に表示し得るものとなっている一方で、地方公営企業会計基準は昭和41年以来、大きな改正が行われておりません。民間企業会計基準との整合を図る必要性が生じていることと、同時に、事業サービスの拡充の時代から人口減少時代、インフラ強靭化、さらには更新、縮小の時代に転換する中で経営判断に必要な損益の認識、資産、負債の正しい把握が必要にあることからのものだと思っております。
 そこで提案されている電気事業会計及び工業用水道事業会計におけるこの新地方公営企業会計基準への主な対応状況、重ねてになるかと思いますけれども、その部分をお示しいただきたいと思っております。
〇畠山次長兼経営総務室長 公営企業の会計基準の見直しによりまして、資産、負債、資本、さまざま見直しが行われたところでございますけれども、ここにおきましては、主な項目として3項目御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、資産の関係でございますが、補助金等により取得しました固定資産の償却制度が変わりました。これまで当該固定資産の取得に要しました価格から補助金等の金額を控除した金額を帳簿原価とみなしまして減価償却を行いまして、補助金等につきましては、除却時、最終的な処分のときに一括して償却をするという、いわゆるみなし償却制度というものが可能ということになってきたところでございました。私どもそういうやり方をとっておったところですが、今回、この新会計基準の適用後におきましては、みなし償却は原則廃止ということになりましたので、補助金等を控除せずに、全額を帳簿価格とみなしまして減価償却を行っているところでございます。
 次に、負債の関係でございますが、引当金の関係でございます。企業局における主な引当金といたしましては、退職給付引当金というのがございまして、これが仮に期末時点で全職員が自己都合により退職した場合に不足する金額を毎年原則一括引き当てするということに変わったところでございまして、そのように対応しているところでございますが、ただ、電気事業会計におきましては、電気料金の単価に織り込む関係がございまして、平成26年度から6年分割で引き当てておるところでございます。
 工業用水道事業会計におきましては、原則どおり、26年度の当初予算におきまして一括で引き当てをしているところでございます。
 最後になりますが、資本の関係でございます。借入資本金制度の廃止ということがございます。建設改良の目的のために発行した企業債につきましては、これまで貸借対照表の資本の部に計上されておったところでございますけれども、新会計基準適用後におきましては、これを負債の部に計上されることになりましたので、そのように計上しているところでございます。
 以上が主な変更点でございます。
〇福井せいじ委員 新しい制度の導入ということで大変な御苦労をなされていると思うんですけれども、次に、新地方公営企業会計基準を適用したことによって、この二つの会計の主な影響についてをお示しいただきたいんですが、いかがでしょうか。
〇畠山次長兼経営総務室長 主な影響ということでございます。新会計基準の適用後におきましては、企業債や償却資産に係る国庫補助金等の資本剰余金を資本から負債のほうに移行させますので、貸借対照表の項目に係る財務指標では後退をする項目がございます。例えば自己資本構成比率、これにつきましては、電気事業会計におきましては87.1%から84.3%になります。工業用水道事業会計におきましても、54.3%から31.9%に下がるというものでございます。また、流動比率につきましては、電気事業会計におきましては3、592.5%から1、999.2%に、工業用水道事業会計におきましては1、828.0%から126.9%に下がるものでございます。
 これらの指標の後退、下がることにつきましては、いずれの地方公営企業におきましても同様に生じるものでございまして、これは経営が悪化したことに起因するものではございませんで、私ども、経営自体に影響はないと考えておりますけれども、今後、企業局といたしましては、委員から御指摘いただきましたように、御説明あったとおり、民間企業に準拠するような、整合するような新会計基準適用後の経営実態をより正確に示した指標に大いに留意しながら、さらなる経営改善に努力をしてまいりたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 この改定により、より企業的な側面においては把握をしやすくなったと思いますので、今後とも、健全な経営に心がけていただきたいんですが、先ほどちょっと電気料金による今後の見通しというものも変わってくるのではないかというお話がありましたので、電気料金の改定の状況についてお伺いします。
 平成26年度及び平成27年度の電気料金については、今年度末が2年に一度の改定時期に当たるということで、売電先である東北電力との協議が今進んでいるのではないかと思っております。
 昨年9月に東北電力は電気料金を値上げしました。その際に、国の審査過程においては、人件費や燃料費など、経費について大変厳しい査定を受けたと聞いております。このような中にあって、今後2年間の収支に大きな影響を及ぼすであろう東北電力との料金改定の状況はどうなっているのかをお示しいただきたいと思います。
〇榎電気課長 東北電力との電気料金の改定状況でございますが、東北電力とは、胆沢第四発電所をあわせた15水力発電所の料金改定について、当局から昨年の12月に1次提案を行って以来、計3回の協議を進めてきております。昨年9月に電気料金を値上げしました東北電力は、本県の提案に対する大幅な経費削減を求めてきたものの、電力の安定供給に欠かせない修繕工事等の必要性や協議途中で金額が明らかになりました平成27年度の追加費用等を丁寧に説明し、その結果、現契約から78銭高い1キロワットアワー当たり7円88銭として、3月10日付で電力受給契約を締結しております。
〇福井せいじ委員 さまざまな協議の結果、そういった7円88銭、約10%以上の値上げということに締結しそうだということでありますが、この電気料金が決まる前に、先ほどもお話があったように編成した平成26年度当初予算ですけれども、それへの影響というのはどのような形になるのか、教えていただきたいと思います。
〇榎電気課長 平成26年度の当初予算への料金単価への影響についてですけれども、料金については、当初予算案においては7円31銭で考えておりまして、これを上回ったことによって、収入において約3億3、000万円の増額が見込まれるところでございます。しかしながら、支出面では、今後、東日本大震災の復旧、復興事業の本格化に伴う労務単価等の引き上げ等によりまして、工事費が当初予算を上回ることが見込まれることから、3億3、000万円の増額分全てが利益になるものではないと考えられております。ですので、さらなる経費削減を図りながら安定供給に努めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 どれだけ工事費が高くなるのかわからないということでありますが、ぜひそういった工事費の削減などにも努めて、地域貢献への協力もお願いしていきたいと思っております。
 最後に、工業用水道事業について伺いたいと思います。
 この事業は平成24年度の入畑ダムの共同施設の一部有償譲渡により特別損失を計上したため、1億1、800万円余の繰越欠損金が発生しましたが、この欠損金は一時的なものであって、3年度でこれを解消する、そしてまた同時に、入畑ダムの譲渡対価を有効に活用するということでありました。そのために、他会計からの支援を要しない自立経営を目指すと伺っておりました。こうしたことから、工業用水道事業の経営は今後順調に進むものと理解しておりましたが、この平成26年度当初予算案では、前年度比で、1日一般水の契約水量が日量3、600立方メートル、ろ過水の契約水量が日量4、000立方メートルも減少しております。この減少した経緯について、まずその原因についてお示しいただきたいと思います。
〇中屋敷業務課総括課長 契約水量が減少した経緯でございますけれども、平成25年度内に契約の廃止、新規の契約及び増量契約がありまして、その結果、一般水とろ過水の契約水量が減少したものでございまして、この主なものは、富士通ファシリティーズ・エンジニアリングとの契約を廃止しまして、デンソー岩手との新規契約を結んだことによるものでございます。
 工業用水の供給に当たりましては、供給を受ける者が、工業用水の配管に接続する受水槽等の受水施設を整備し管理することとされてございます。
 この受水施設をデンソー岩手が平成25年9月に富士通ファシリティーズ・エンジニアリングから取得したため、廃止と新規の契約手続を行ったものでありまして、デンソー岩手では、当面の事業展開では、従来の富士通よりも少ない水量で間に合うとされてきたことから、契約水量が結果として減少したものでございます。
〇福井せいじ委員 そういった事情があるということで大幅に減少したということでありますけれども、給水収益についても前年度比で1億1、500万円減少しております。そこで、こういった状態が続くと工業用水道事業の経営は非常に厳しくなるのではないかと心配しますが、今後の経営見通しについて教えていただきたいということと、経営見通しが厳しくなると見込んでいる場合は、どのような対応が必要なのかということをお示しいただきたいと思います。
〇佐々木企業局長 今後の経営見通しでございますけれども、非常に大きな影響が出てくると考えてございます。まず、収益的な収支につきましては、先ほどお話がありましたとおり、現在発生しております繰越欠損金1億1、800万円、これは何とか一旦は解消したいと思っておりますけれども、収益全体の1割以上を占める今回の減収、これが続きますと数年後には赤字となる見込みでございます。
 また、資本的収支につきましては、これまで以上に企業債の残高をふやさないということをするために、入畑ダムの共同施設の一部有償譲渡の対価を活用しておりますけれども、収益的収支からの補填が減少した場合には、こちらの資本的収支も近い将来資金不足が生ずる、資金ショートする可能性がございます。
 したがいまして、今後の対応についてでございますが、今後におきましても契約水量の増加が見込まれず、この状態が続く場合には、ユーザーへのサービス水準を低下させることなく経費を削減するため、一部施設設備の休止、廃止を検討せざるを得ないとなります。
 しかし、一旦施設設備の休止、廃止を行った場合には、その後、新規の契約とか増量というような申し出があった場合には、一時的にまとまった多大な再稼働費用が発生することに加えて、再稼働までに相当の期間を要するということで、本県の今後の企業誘致に大きな影響を与えることが懸念されます。
 このため、公営企業の経営という観点のみならず、県全体の産業施策として捉えた対応を検討する必要があると考えておりまして、今後、知事部局、関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今、局長のお話にあったように、使ってくれる人がいなければ売ることができないというこの工業用水でありますから、やはり企業誘致との連携が非常に大事であると思いますし、また、用水の価格とか、あるいはサービスの提供を充実させることが、企業に対する使っていただく上での満足度の向上につながると思いますので、ぜひ企業誘致との連携、そしてまた、これが売りだというものをこれからもつくっていっていただきたいと思います。
 電気事業があって、そちらが利益を生んでいる間はいいと思うんですけれども、そちらもだんだんその利益が縮小していくと、工業用水もだめになっていくということで非常に心配しますので、ぜひともそういった工業用水についても、利益を維持する、あるいは上がるように努力していっていただきたいと思います。
〇高橋昌造委員 まず、平成26年度は第4次中期経営計画の中間年に当たるわけでございますが、それで私は、電気事業に関連して、あらかじめ通告した項目を減らして、なおかつ順番を変えて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、電気事業の経営の根幹をなす電力の安定供給の取り組みについてお伺いします。
 県内では、昨年7月から9月にかけて大雨洪水等、いわゆる風水害の甚大な被害があったんですが、水力発電なり風力発電所において、この風水害による被害はなかったのかどうか、まずお伺いいたします。
〇榎電気課長 昨年度、出水によりまして北ノ又発電所において土砂崩れがありまして、主要変圧器室の壁が壊れる事故がございました。そのほか、北ノ又発電所系統の管理用道路の一部が崩れるような事故がございました。
 あと、松川発電所においては、河川の土砂が放水路を塞ぐというような事故がございました。
〇高橋昌造委員 そこで、いろいろな自然災害があるわけでございますが、災害等の発生時における危機管理体制は、企業局は、どうなっているのかお示し願いたいと思います。
〇畠山次長兼経営総務室長 災害発生時におきましては、それぞれの所管の事業所で被害の状況をいち早く把握するように努めるとともに、局長を初めとします内部の対応体制を速やかに整えまして、局長の指示のもとに素早く対応するようにしております。
〇高橋昌造委員 そこでお伺いするんですが、この危機管理体制、いわゆるマニュアルとか局長の指示ということですが、やはり災害を想定した訓練もやっていらっしゃると思うんですが、この水力、風力発電は、私は、一時も猶予がなされない状況下にあったときに、局長の指示を仰いで現場での初動態勢が非常に大事だと思うんですが、そういう体制整備はなされていないのですか。
〇菊池経営総務室管理課長 現場における訓練でございますけれども、各事業所におきまして災害があった際にはどのような動きをするかという、今、委員の御指摘があったような形の初動の対応につきましては、訓練をしているところでございます。
 あと、本局におきましても、今年度は、事務職員に対しまして、初動時の対応はどうするかということの図上訓練も実施したところでございます。
 あと、先ほど次長からも話がございましたが、企業局独自の災害対応マニュアルをつくっておりまして、地震の際、または風水害の際、あとは火山の際というそれぞれの災害に分けまして、それぞれに対応しているところでございます。
〇高橋昌造委員 あと、気象情報とか河川の水量調査とか、いわゆる関係機関との連絡、連携というか、そういう体制はどういうふうになっているでしょうか。
〇菊池経営総務室管理課長 関係機関との連携でございますけれども、災害時の応援協定を企業局としても結んでおりまして、主に水力関係でございますと、保守をしている企業、または、最近としましては、今回の台風被害におきまして、先ほど話があったように、発電所まで行く管理用道路がかなり被害を受けました。その関係で、建設業協会と協定を結ぶということで今事務を進めておりまして、関係機関と連携をとりながら、速やかな応急対策を行うというようなことに努めております。
〇高橋昌造委員 それから、電力の安定供給では、やはり組織の力が大きいと思うんですが、特にもこの人材育成ですね。例えば技術者の養成なんか、または法的に決められたものがきちっと充足されておるのかどうか、その辺のところをお聞きいたしたいと思います。
〇菊池経営総務室管理課長 人材育成に関しましては、企業局におきまして専門研修体系をつくっておりまして、それぞれ必要なカリキュラムにのっとりまして、技術職員また事務職員が研修を受けられるような形の体系をつくっておりまして、人材育成を図っております。
 また、その資格者に関しましては、知事部局と定期的な人事交流を行いまして、体制的に事業がきちっと行われるような形での対応をしているところでございます。
 ただ、近年、土木職に関しまして、知事部局のほうも災害応急対応または復興に関しまして職員を要するということで、企業局としましては若干不足している状況にはございますが、そこは電気職、機械職でカバーしながらということで、いろいろと対応しているところでございます。
〇高橋昌造委員 いずれ、特にも企業局の場合、人材育成に局長、しっかり力を入れてやっていただくようにお願いいたします。
 それでは次に、平成22年度から平成24年度までの過去3年間の、今まで例えば電力供給に支障があった件数、それで、その支障の原因は何なのか、そして解決はどのようにしてなされたのか、その辺のところがもしおわかりになればお示し願いたいと思います。
〇榎電気課長 平成22年度から平成24年度までの供給支障件数ですけれども、平成22年度は、発生件数で4件、停電電力量が2万1、800キロワットアワーでございます。平成23年度は1件で3、500キロワットアワー、平成24年度は2件で6万895キロワットアワーとなってございます。
 これらの原因なんですけれども、ほとんどが設備不良による事故ということでございまして、設備不良については、今後とも定期的な保守や計画的な修繕、改良工事を行いつつ、なおかつ、事故時には、できるだけ迅速に現場に駆けつけて復旧活動を行うことに努めまして、安定供給に向けていきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 今の整備不良ということですが、いずれそれぞれの発電所における老朽化対策、特にも、今度の予算でも大規模改修工事として予算計上されておるわけでございますが、この施設、設備、機器の、いわゆる電気の発電をとめることのないような解体補修工事とかといったオーバーホールの工事には計画的に取り組んでもらいたいと思うんですが、その解体補修工事のオーバーホールの計画的な取り組みはやっていらっしゃるのかお伺いいたします。
〇榎電気課長 オーバーホールについては、今年度は仙人、御所、北ノ又発電所で実施してございます。来年度は、四十四田発電所、その次には柏台発電所等でオーバーホールを計画的に行うこととしております。
〇高橋昌造委員 ありがとうございます。それでは、次に進みます。
 佐々木局長から、先ほどの議案説明の中でも御説明があったわけでございますが、まず最初に、この大規模太陽光発電事業化のための取り組み状況についてお伺いいたします。
〇榎電気課長 大規模太陽光発電所でございますけれども、現在、北上市相去地区においてメガソーラーの建設を計画してございます。東日本大震災の交付金、補助金を受けまして、この交付決定が6月にございまして、その後、プロポーザル競技を実施しまして提案者を決定してございます。現在、施設の実施設計を行ってございます。
 また、国の再生可能エネルギーの発電設備の認定をことし2月に取得してございます。その後、東北電力へ系統連系の申し込みをしておりまして、固定価格買取制度の発電単価が決まったところでございます。
 今後は、4月から現地工事に着手しまして、運転開始時期については、当初夏ごろと予定しておりましたけれども、補助金の活用に伴って工事発注がちょっとおくれたということもございまして、あと、太陽光パネルなどの確保に時間を要するということで、現在、ことしの11月ごろに運転開始を予定してございます。
〇高橋昌造委員 それから、平成29年度という計画のようでございますが、新規風力発電の開発状況について、もし現段階でわかるのであれば、わかる範囲内で結構でございますので、開発の状況をお示し願いたいと思います。
〇榎電気課長 風力開発の状況ですけれども、現在、企業局では、一戸町の高森高原におきまして2万5、300キロワットの大規模な(仮称)高森高原風力発電所の計画をしてございます。
 今年度は、8月に環境アセスメントに係る方法書が確定しまして、その方法書に基づいて動物や景観等の現地調査を順次実施してきております。
 高森高原に導入します風力発電システムについては、プロポーザル競技を行いまして、技術提案の公募を行い、局内外のメンバーで構成される選定委員会を開きまして、12月に提案者を決定しております。その提案者に風力発電システムの詳細設計の業務委託を発注してございまして、電力会社への系統接続に必要な書類の作成を現在しております。
 そのほか、地上高約60メートル地点での風況観測と送電線や変電所の概略設計、それらの関連する取り組みなども現在進めているところでございます。
 現在はそうですけれども、来年度は、引き続き環境影響調査を続けるのと風況観測を引き続き行うとともに、風車や変電所の配置、あと送電線や管理用道路に係るルート等の詳細設計を行いまして、再度、経済性の精査や用地協議などを進めていきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 それからあと、新規の水力開発で、いわゆる有望な地点の確保のためにいろいろ調査をなされておるということなんですが、現時点で新しく水力開発に取り組んでいる状況がもしわかれば、これもあわせてお示し願いたいと思います。何かお聞きすると、簗川地点も新規に取り組むということのようですが、実態はどうなっているでしょうか。
〇中屋敷業務課総括課長 簗川地点の発電計画についてでございますけれども、昨年度に概略設計を行っておりまして、経済的に有望地点という評価が出ておりましたので、今年度は、さらに調査の精度を高めまして、関係機関との協議等に使用するレベルの基本設計に取り組みまして、さらに、同様に経済性にすぐれた地点であるという結果を得てございます。
 今後は、ダム事業の進捗状況を見ながら、必要な準備を進めてまいりたいと思っております。
〇高橋昌造委員 新規開発の推進の状況についてお伺いしたんですが、いずれ平成26年度からは胆沢第三発電所、そして今御説明あった、仮称のようですが、北上大規模太陽光発電所、そして、高森高原風力発電所、これらがもうフル稼働した場合、年間の販売目標電力量が幾らになるのか、そして、今現在のいわゆる目標電力量の何割ぐらいを占めるのか、それがもしわかればお示し願いたいと思います。
〇榎電気課長 今、計画しています発電所、これらが運転開始した後の発電電力量ですけれども、まず、平成26年度に胆沢第三発電所と北上太陽光発電所、平成29年度に高森高原風力発電所がそれぞれ運転を開始しますと、年間供給電力量が、この三つの発電所を合わせまして6、600万キロワットアワーふえる計画となってございます。
 これを、現在、過去5年間の平均の供給電力量が約5億5、300万キロワットアワーですので、これと比較しますと約12%発電量がふえることになります。その結果、12%ふえまして、全発電所で約6億1、900万キロワットアワーの電力が供給できるものと試算してございます。
〇高橋昌造委員 最後ですが、企業局の電気事業の関連で、クリーンエネルギーの関係で市町村等に導入支援をなされているということですが、この事業の実態、どういう支援をなされているか、その支援策をお示し願いたいと思います。
〇細川経営企画課長 市町村等へのクリーンエネルギー導入支援事業についてでございますけれども、平成18年度に制度を開始いたしております。平成25年度までの8年間で延べ78団体に対して1億1、000万円余の補助をしてきたところでございます。これは、避難誘導灯、防犯灯、地域の集会所の電源の設置などに活用されております。
 特に、東日本大震災津波発災後の平成23年度からは、震災復興に資する事業については補助率を10分の9に引き上げ、また、発電施設を伴わない、例えばLED照明の導入も対象とするなど、補助要件を緩和して実施しております。
 復興関連では、3年間で延べ12団体に対して2、200万円余の補助を行い、応急仮設住宅や集会場、移転新築した学校施設の周辺などでの太陽光、風力を活用した防犯灯や非常用電源システムのほか、避難階段、通学路の照明などに活用されております。
 なお、平成26年度当初予算案では前年度から500万円増額した2、000万円を予算計上して、4月から市町村等に対して募集を行う予定としております。
〇高橋昌造委員 それで、佐々木局長、こんなすばらしい取り組みをしているのに、私は、少しPRが足りないのではないかなと。ちょっと遠慮がちではないのかなと。今、一つの導入事例を示していただいたんですが、やはりこういうことはもう少し積極的に、いわてグラフでもいいし何でもいいから、どんどんPRをして企業局の存在感を示してもらいたいと。
 それで、あともう一つ、知事部局では、平成26年度の予算で戦略的な再生可能エネルギーの推進事業と再生可能エネルギー導入促進事業に対する支援事業があるんですが、この知事部局との、それぞれの事業との整合性は何か図っていらっしゃるのか。私は、企業局と知事部局が一体となってさらに進めると、相乗効果でもう一ついい形ができるのではないかと思うんですが、最後に局長の熱き思いをお聞きして、終わります。
〇佐々木企業局長 委員の励ましのお言葉ありがとうございます。企業局といたしましても、平成27年度に創立60周年を迎えるという形になります。昭和32年に胆沢第二発電所運転開始以来、先達がつくったそういった資産を継承して次代につなげていこうと思っております。いろいろPRを考えて、県民の方々に理解いただくように努めてまいりたいと思います。
 それから、県の知事部局の戦略的な事業との関連でございますけれども、我々も各部局のほうでの要求段階から、環境生活部を通して、事業の中身についていろいろ協議をさせていただいております。我々企業局とすれば、再生可能エネルギーの地産地消というようなことを使命としておりますので、そうしたものに合致するような事業については、また積極的に支援してまいりたいと思います。
〇工藤勝博委員 高橋昌造委員の電気事業に関連して質問させていただきます。
 企業局では高森高原風力発電所を平成26年、27年度にかけて風況調査等で1億2、000万円の予算があります。既にこの調査をする以前に、東北電力と事前容量の契約をされていると伺っております。その経緯についてお聞きしたいと思います。
〇榎電気課長 もともと3.11以降、東北電力で平成24年度に自治体風力というものを募集しました。これ自体は、東北電力の思いとしては、何か震災復興の関係で自治体に協力できることはないのかということで、そういう計画をしたものでございますが、平成24年度でしたか、固定価格買取制度が始まった段階で、その自治体風力自体はなくなりましたけれども、例えば蓄電池を併設した大規模な案件については、自治体が関与している計画については、優先的に接続を受け付けるということを発表してございます。
 私ども県企業局としては、東北電力が自治体風力という計画を発表した段階から、高森地区について事業化ができないかどうかいろいろ検討してまいりました。
 固定価格買取制度が始まって以降、東北電力が、自治体が関与している蓄電池を併設した大規模な風力発電所については、優先的に接続を受け付けると発表したものでございますので、私どもは募集に応じたものでございます。
〇工藤勝博委員 積極的なそういう事業計画の中での契約といいますか、事前に枠を確保したと解釈いたしますけれども、実は、風力以外に、岩手県の場合は地熱も大変賦存力があるということでありますが、せんだっての環境生活部の中でも質問させてもらいましたが、現に地熱発電の事業者が試掘をやって、有望な状況があるわけです。ところが、この受電施設で大変苦慮しているということがあります。というのも、同じ系統の中で企業局が確保しているということで、なかなか前に進めないという状況もあります。
 やはり民間の事業者がそこまでやっている中で、県として、また企業局として、少なくともある程度融通できるような方策がないのかということをまず伺いたいと思います。
〇榎電気課長 県北部の送電線、高森高原の計画が接続する部分については、私どもの計画が発表されまして以降の平成25年6月に東北電力が公表しています系統連系制約マッピングによりまして、制約が生じていることは承知してございます。
 しかしながら、東北電力への系統接続に当たっては、公平性の観点から、申し込みの受け付け順に契約がなされると聞いておりますし、他の事業者の申し込み状況や契約状況、それから接続制約の状況については、公表されておりませんので、私どもの計画が他の事業者の接続に影響を与えているかどうかというのは、把握できない状況であります。
〇工藤勝博委員 その把握できないというのは、東北電力が公表していないというのは伺っております。しかし、やっぱりそういう事業が進んでいるということでありますので、把握できないというのはちょっと私は納得できないんです。やっぱり安定的な電力を供給するというのは、地熱が最たる本当に有望なエネルギー源です。風力、太陽光も確かにそれはいいと思いますけれども、初期投資が高いですが、地熱は、岩手県の場合、もう長年の実績もあります。そういう中で、今始まっている事業者が、このままだともう事業はやれないよ、岩手県からもうやめますよということになるんですよ。そういうことも考えれば、一歩引いて、企業局では大きな目で見てもらえればと思います。
 というのも、平成29年からの事業化ですよ。平成26、27年に風況調査をして、果たして風況調査の中で採算が合うような状況になるかというのも、これもまた定かではないだろうと思います。そういう中で、安定した電力が得られる地熱を優先的に考えるべきだろうと私は思いますけれども、その辺、局長、いかがでしょうか。
〇佐々木企業局長 確かに、岩手県にとりましては、再生可能エネルギーで地熱というのは有望でございまして、私も、地熱も風力も全部やりたいという気持ちではございます。
 また、地熱もそうですし、風力もそうですが、開発までに非常に期間がかかる、リードタイムがかかる事業を、例えば東北電力が受け付けるときに、先着順ですよというのもまた、ちょっといかがなものかというのは、個人的には思っております。
 また、私どもだけでなくて、全国の公営電気事業者で計画をしているところでも、やはりそういった連系の制約で事業について非常に困難になった事例もございますので、私どもといたしましては、そうした事例などを踏まえて、国に対して、公営電気事業経営者会議という同業の組織体がございますので、そうした組織体を通じて、国または関係機関に対して、送電網の増強というような形についても要望してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 岩手県でも35%の再生可能エネルギーの電力需給を目指しております。岩手ならではのそういう資源を活用するために、県としてのそういう取り組みを示すべきだろうと思いますので、その辺も含めてよろしくお願いしたいと思います。
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
 企業局の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時57分 散 会

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