平成26年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成26年3月14日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査     佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  理事兼復興局
  副局長      佐々木 和 延
  副局長    岩 間   隆
  復興担当技監   小野寺 徳 雄
  総務企画課
  総括課長    森   達 也
  まちづくり再生課
  総括課長    遠 藤 昭 人
  産業再生課
  総括課長    石 田 享 一
  生活再建課
  総括課長     佐 野   淳

  労働委員会
  事務局長    浅 沼   浩
  審査調整課
  総括課長    中 居 哲 弥

  商工労働観光部長 橋 本 良 隆
  副部長兼
  商工企画室長   桐 田 教 男
  雇用対策・労働
  室長    寺 本 樹 生
  商工企画室
  企画課長    木 村   久
  商工企画室
  管理課長    千 葉 義 郎
  商工企画室
  自動車産業
  振興課長    佐 藤 一 男
  経営支援課
  総括課長    山 村   勉
  科学・ものづくり
  振興課総括課長  石 川 義 晃
  産業経済交流課
  総括課長    佐 藤   学
  観光課総括課長  岩 渕 雄 悦
  企業立地推進課
  総括課長    飛鳥川 和 彦
  特命参事兼
  雇用対策課長   高 橋 宏 弥
  労働課長    千 田 利 之

  参事兼
  財政課総括課長  佐 藤   博
〇樋下正信委員長 本日は延べ27人の質問者が予定されておりますので、進行に御協力をお願いします。
 これより本日の会議を開きます。
 初めに、昨日、いわて県民クラブから当職に対し、本日の当委員会の審査の順序を都合により商工労働観光部と労働委員会とを入れかえてはどうかとの申し入れがあり、その取り扱いについて、昨日、開催いたしました世話人会での協議結果を報告いたします。
 この件につきましては、申し入れのとおり、商工労働観光部と労働委員会の審査の順序を入れかえるとの結論に至りました。
 お諮りいたします。本日の当委員会の審査の順序について、ただいま申し上げたとおり入れかえることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 御異議なしと認めます。よって、本日の当委員会の審査の順序について、ただいま申し上げたとおり、入れかえることに決定いたしました。
 なお、本日の商工労働観光部審査の際に執行部から説明を求める山田町災害復興支援事業等検証委員会報告書及びその概要について、既に執行部から配付しているところですが、改めて同じものを皆様方のお手元に配付しておりますので、御了承願います。
   〔資料の登載省略〕
〇樋下正信委員長 これより、直ちに議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第46号から議案第57号まで、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、議案第86号から議案第94号まで、及び議案第166号の以上67件を一括議題といたします。
 本日は、復興局、労働委員会及び商工労働観光部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いします。
 最初に、理事兼復興局副局長に復興局関係の説明を求めます。
〇佐々木理事兼副局長 平成26年度岩手県一般会計予算のうち、復興局関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 復興局における平成26年度予算の編成に当たりましては、東日本大震災津波からの復興に向けて、以下、申し上げます五つの施策を柱として重点的に取り組んでいくこととしてございます。
 第1は、本格復興に向けた取り組みの推進でございます。
 第2期復興実施計画の初年度となる本年を本格復興推進年と位置づけ、復興を着実に推進するため、復興委員会等による調査審議、現地における意見交換、いわて復興インデックス、いわて復興ウォッチャー調査などによる復興の進みぐあいのモニタリングなど、重層的、多角的な進行管理を行います。
 第2に、市町村の復興まちづくりの促進でございます。
 復興事業の円滑かつ迅速な実施を支援し、早期の復興まちづくりを促進するため、用地確保に係る取り組みを進めるとともに、復興整備協議会の開催支援などを行います。また、被災者一人一人の生活再建に向けての参考となるよう、社会資本の復旧・復興ロードマップ等を適切に更新し、復旧、復興の見通しを情報発信してまいります。
 第3に、被災者に寄り添った暮らしの再建でございます。
 被災者一人一人の復興が地域の復興につながることから、市町村、関係機関、NPOなどと連携のもと、被災者の相談、支援を継続するとともに、住宅再建に向けた資金面での支援や、市町村における被災者の状況把握など、被災者の状況に応じたきめ細かな支援に取り組んでまいります。
 第4に、なりわいの再生による三陸創造でございます。
 被災地に新たな産業を創出し、雇用拡大と地域経済の活性化を図るため、被災者等の起業を支援するとともに、専門家による経営指導をきめ細かに行い、被災地域の起業を促進します。
 第5に、被災者を初めとする国内外への情報発信でございます。
 被災者、県民はもとより、国内外の方々との連携とつながり、被災住民の幅広い参画による復興の一層の加速化を目指し、復興フォーラムの開催やいわて復興だよりの発行など積極的な情報発信と交流の機会づくりを進めます。
 引き続きまして、復興局関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 復興局関係の一般会計歳出予算でございますが、お手元の議案その2の6ページをお開き願います。当局関係の一般会計歳出予算は、2款総務費のうち、2項企画費の一部5億2、830万円余と、3款民生費のうち、7ページに参りまして、5項災害救助費の一部68億2、820万円余と、9ページに参りまして、12款公債費の一部で1、455万円余でございます。合わせますと73億7、100万円余の予算額となっております。平成25年度当初予算額と比較いたしまして、金額にして7億9、200万円余、率にして9.7%の減となっておりますが、これは、主に災害弔慰金負担金や災害救助費など救助費の減によるものでございます。
 それでは、便宜、お手元の予算に関する説明書により、項目ごとに主な事業につきまして御説明申し上げます。
 予算に関する説明書88ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、説明欄に記載しております当局関係5億1、232万円余の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興局の管理運営費の次の復興情報発信事業費1、315万円余は、岩手の復興の現状やトピックスを被災者、県民はもとより国内外に広く伝え、復興に向けたつながりをさらに深いものにするため、多様な方法による情報発信、つながりづくりを推進しようとするものでございます。次に、一つ飛びまして、復興まちづくり支援事業費184万円余は、復興事業の円滑化、迅速化を図るため、用地確保に係る取り組みを進めるとともに、復興整備協議会の開催支援などにより市町村における復興事業の実施を促進するとともに、復興まちづくりトップセミナーを開催するなど、快適で魅力あるまちづくりを促進しようとするものでございます。次に、一つ飛びまして、さんりく未来産業起業促進費1億3、322万円余は、被災地に新たな産業を創出し、雇用拡大と地域経済の活性化を図るため、被災者等の起業を支援するとともに、専門家によるきめ細かな経営指導を実施しようとするものでございます。次に、89ページに参ります。2目計画調査費の説明欄に記載しております復興計画推進費1、218万円余は、本格復興実現のため、復興計画の重層的、多角的な進行管理を行い、第2期復興実施計画を着実に推進しようとするものでございます。3目広聴広報費の説明欄に記載しておりますいわてつながり強化事業費379万円余は、全国の岩手ファンへの情報発信やコミュニケーションの場となるアプリを開発し、あわせて、広く復興の現状や課題を共有するためのシンポジウムを開催しようとするものでございます。
 次に、少し飛びまして、121ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費のうち、説明欄に記載しております当局関係68億2、820万円余の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興局の管理運営費の次の救助費41億2、327万円余は、災害救助法に基づき、引き続き応急仮設住宅の維持管理やみなし仮設住宅の借り上げなどを行おうとするものでございます。次に、三つ飛びまして、総合的被災者相談支援事業費9、523万円は、沿岸各地に設置した被災者相談支援センターに相談員を配置するとともに、司法書士やファイナンシャルプランナー等の専門家を派遣し、被災者からの生活再建等に関する相談に対応しようとするものでございます。次に、被災者支援費1、089万円余は、被災者の生活再建を促進するため、暮らしの安心ガイドブックを作成、配布するとともに、地元を離れて暮らす被災者に対し、生活再建に向けた各種の情報提供を実施しようとするものでございます。次に、仮設住宅共益費支援事業費1億9、941万円余は、応急仮設住宅における共用設備などに係る水道料や電気料などの共益費を負担しようとするものでございます。次に、被災者住宅再建支援事業費補助10億2、389万円余は、持ち家による住宅再建を促進するため、住宅が全壊するなどの被害を受けた被災者に対し、住宅の建設、購入に要する経費を市町村と共同で補助しようとするものでございます。いわゆる100万円補助事業でございます。次に、被災者台帳システム運営費247万円余は、市町村における被災者の生活再建支援が円滑かつ効率的に実施できるよう整備した被災者台帳システムの保守管理などを行うとともに、市町村の運用を支援しようとするものでございます。
 次に、少し飛びまして、237ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち1、455万円が当局の所管でございますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございまして、ここに計上したものでございます。
 以上で復興局関係の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇樋下正信委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう、議事進行に御協力をお願いします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇工藤勝子委員 応急仮設住宅における課題と今後の対策についてお伺いいたします。
 大震災3年目を迎えたことによりまして、報道各社で前後していろいろな特集が組まれて報道されておりました。その中に、他県においてですけれども、応急仮設住宅において敷地問題を取り上げておられました。結局、地権者との契約が切れたことによりまして後の契約ができないということで、退去しなければならないということがありました。
 そこで、岩手県においては地権者との契約状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。また、平成26年度、契約が終了した団地があるのか、また、さらに更新契約が継続して進められているのか、その見通しについてもお伺いしたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 応急仮設住宅の敷地借り上げで民有地を借り上げている契約の延長についてのお尋ねでございますが、民有地を借りて建設されております応急仮設住宅は、全県で現在のところ1万4、941戸(後刻1万3、941戸と訂正)ございまして、そのうち敷地を借り上げて建設しておりますのが7、208戸、全体の51.7%となっております。
 国から昨年8月に応急仮設住宅の供与期間の延長が認められておりまして、建設後4年間ということで、つまり平成23年の半ばに建設された応急仮設住宅については平成27年の半ばまで供与が延長されております。それに合わせまして、各市町村で民有地の敷地の所有者との交渉を行ってまいりました。
 その結果、その中で地権者の方から契約延長に同意が得られなくて解体せざるを得なかったものは、平成25年度においては、現時点で釜石市の6戸、大槌町の4戸、合わせて10戸となっておりまして、それら10戸の応急仮設住宅に入居されておりました3世帯の方々については近隣の応急仮設住宅に転居していただいたところでございます。その他の圧倒的に残る7、208戸のうち10戸を除く分につきましては、平成27年の先ほど申し上げました4年間の供与期間終了まで契約が延長されておりまして、その間は心配がないという状況でございます。
 なお、今後、さらに供与期間の延長が必要とされた場合については、引き続き地権者に対して市町村においてきちんと交渉を行うなどしてまいりたいということで、被災された方の住居が困るということのないように努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 余り多くないということで、非常に安心したところであります。団地から団地に移らなければならないということで、そういうところが報道されておりましたので、非常に心配したところでもありました。平成27年度―来年度いっぱいというようなことでありますので、そのうちに災害公営住宅なり持ち家がどんどん再建されていけばいいと思っているところであります。
 ところが、例えば、今度はあくわけです。今年度、防災集団移転もあるでしょうし、持ち家の再建もあるでしょうし、災害公営住宅も徐々に建設されてくると思うんです。そうすると、歯が欠けたみたいに応急仮設住宅があき始めてくる。あいたところの活用というところも国―復興局からIターン者にある程度認められた部分もあるんですけれども、例えばそうなったとき、さらにまた平成27年度の契約が残っていても、ある程度1カ所とか、そういうところにまたコミュニティを新たに築かなきゃならないんですけれども、非常に少なく、例えば高齢者世帯だけが残ってしまったり、そうならないようにあるところに寄せていくような計画も考えていらっしゃるのかどうか、その辺のところをお聞きしたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 応急仮設住宅のいわゆる集約化、再編の問題でございます。
 これにつきましては、やはり安全性の確保ですとかコミュニティの問題、先ほど委員御指摘のような高齢化の問題等もございますので、そういった安全で、一定の居住環境を確保する必要があるということがございまして、各市町村に対しまして、昨年11月から12月にかけまして、被災者の住宅再建方法の把握の状況がどうか、あるいは集約の考え方がどうかということについて、沿岸市町村を訪れましてヒアリングを実施したところでございます。その結果、一部の市町村では集約方針を定めてきているところもございますが、まだまだ先が見えないという市町村もございまして、そういったところでは計画の策定に至っていないということでございました。そういったことから、本年度末を目途に、県として応急仮設住宅の解体、再編計画を市町村でできるだけ立てていただきたいと要請しているところでございます。
 今後は、市町村の作成した計画を踏まえまして、引き続き応急仮設住宅として供与していく住宅については、なお長期化が見込まれる場合には手を入れる必要もあろうかと思いますので、そういった住宅に係る大規模修繕等を計画的に行う、そういった参考資料としても県として活用してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 県の復興計画によりますと、たしか公営住宅の完成が平成30年度までということになっていると思っておりました。そうすると平成27年度で切れるというような契約の関係もあると思いますので、その辺のところは、いろいろな形、ただいまの集約化も進めながら、それからさらに地権者との契約をせっぱ詰まらないうちにちゃんと取り組んでいただければいいのではないかと思っております。
 それから、学校の敷地に建てられている部分、応急仮設住宅があります。被災者の方々と意見交換する中で、どうも子供たちが体力的に弱ってきているという話もされます。常に校庭に出て運動したり遊んだりができないわけでありまして、それがいろいろなところに子供たちのストレスになってきているという親御さんたちの話がありました。そして、それが逆に、発散する場が別なほうに向かっているというような話もされました。
 そこで、私は、今、多分8校の中に応急仮設住宅が建っていてただ1校が撤去されたのではないかと思っておりますが、その辺のところ、学校の校庭に建てられている仮設住宅の今後の見通し、それはどのように考えていらっしゃるのかお聞きいたします。
〇佐野生活再建課総括課長 現在、応急仮設住宅が学校グラウンドに建っている住宅は32団地2、298戸となっております。今年度、委員御指摘のような児童生徒の教育環境の整備の観点から、学校グラウンドにある応急仮設住宅の撤去の依頼があって撤去に着手しておりますのは、宮古市で4棟24戸、大船渡市で1棟4戸という状況でございます。
 今後の見通しでございますが、先ほど申し上げました各市町村にお願いしている今後の応急仮設住宅の集約の計画の中で、そういった被災者の住宅再建の意向等と合わせまして、市町村の学校グラウンドの一部返還など、まちづくり計画と合わせて、それを踏まえた解体、再編を計画的に進めるように、やはり市町村と協力して進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 復興局としてはこういう形を、建てられてあるものですから積極的に進められないという市町村の考えもあるでしょうけれども、多分大槌町とか陸前高田市は用地確保が大変なので非常に難しいんだろうと思っていますけれども、例えば1年生で入学した子供が全然校庭を使えないで卒業するということだって考えられるわけです。そういう部分において、もう少し学校の校庭を移すようなことは考えられないのか。どういう策があるのか、その辺のところの課題と対策について、もう一度県としてどう考えているのか。子供たちのことを考えればその辺のところをどう考えていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 確かに委員おっしゃるように、あるいは地域の方々が御心配になるように、お子さんたちの教育環境という部分での配慮は大切かと思いますが、一方で、市町村ではグラウンドに建てざるを得なかったと。土地がなかなか確保できなくて建てざるを得なかったという部分もございますので、今後のまちづくりとあわせて、市町村においてきちんと配慮いただくように県としても市町村とよく話し合っていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 最後にもう一度お聞きいたしますけれども、今後の応急仮設住宅のいろいろな課題、例えば大雪で壊れたところもあったんですけれども、これは県土整備部だという話で、ここでは答えられませんという話でした。だけど、さっき、説明によれば応急仮設住宅に対してのいろいろな部分もあるというような話があったんですけれども、これは県土整備部と応急仮設住宅の関係でどうすみ分けしているのかお聞きしたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 復興局においては、応急仮設住宅に入居しておられる方の見守りですとか、いわゆるソフト面の対応を重点的に行うこととしておりまして、一方で、応急仮設住宅で修理が必要だとか、そういったハード面の部分につきましては県土整備部で住宅管理センターに委託してきちんと修繕等に対応するというすみ分けで進めております。
〇工藤勝子委員 最後にいたします。
 そういう形の中でハードとソフトと分けていらっしゃるということでけれども、結局、被災されている人たちはそんなことは関係ないんですよ。ハードの部分がどこで、そしてソフトの部分はこっちだと。みんな復興だと思っているわけです。その辺のところで、入居されている人たちがいろいろな課題があったときに、我が担当ではありませんとか、それはそっちのほうですとかというようなことのないように、どこの窓口でもしっかりと対応は、多分お金の関係ですみ分けしているんでしょうけれども、そういう相談窓口についてはしっかりと聞いていただけるようにお願い申し上げます。
〇佐々木理事兼副局長 まさに委員おっしゃるとおり、我々は、被災者に寄り添って、何が問題なのかということを拾い上げにいきたいという姿勢で臨んでおりますし、これからもそういう意味で、内部の問題を外部に持ち出すのではなく、あくまでも何が問題でどうやって処理を合理的にできるかということに意を尽くしてやってまいりたいと思います。
〇及川幸子委員 大変御苦労さまです。
 私からは、ただいま話題になっております住宅とか復興に向けた取り組みについてお伺いしたいと思うんですが、まず最初に、本格復興に向けた取り組みということで、今後の復興の推進について復興加速化を掲げておりますが、どのように加速しようとしているのかお伺いいたします。
〇森総務企画課総括課長 第2期復興実施計画を迎えまして、ますます本格化する膨大な事業を迅速に処理していくためには、長期的な課題として、3点―人材、財源、用地の抜本的な解決が必要ということで取り組みたいと考えております。
 まず、人材の確保につきましては、これまでも任期付職員の採用ですとか再任用職員の採用、あと、一般の職員を前倒しで採用するというような形で人数を確保してございますが、それに加えまして、総務省の派遣スキームですとか、各スキームを使いまして各県等からの応援をいただいております。まだ足りない状況にはございますが、引き続きこちらもやっていきたいと考えております。
 また、財源でございますが、財源につきましても、国から特別交付税の追加措置ですとか災害遺構への充当などさまざまなことが認められてきてはおるんですが、まだ平成27年度を超えた財源フレームの問題もございます。自由度の問題もございます。こういう問題もございますので、1月に被災4県で会議をしまして、今後、どのような形で国に対して要望していくかということで相談しております。それに基づきまして、今、宮城県と岩手県が協力いたしまして費用額等の試算を進めていて、これに基づいて国に対してさらに要望していきたいと存じております。
 最後に用地の確保につきましては、これは国で加速化措置をいろいろしていただいているところではございますが、本県におきましては、相続未処理の土地等がまだまだございます。その加速化措置がなければ不十分と考えられますので、また特例措置の必要性については国に対して引き続き要望してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 大変努力をなさって、宮城県と連携して国に向けて財源の確保に頑張っていらっしゃるということですが、目に見えるところに復興の加速が余り感じられないというのが地元の方々の多くの意見なんです。ですから、やっぱり見えるところ、ああ、ここは変わったんだよと。瓦れきの撤去はなさったようですが、そのほか、この間も3年目を迎えましたけれども、なかなか変わった部分が余り見えなかったので、加速してやられるというのであればやっていただきたいと思います。
 それから、被災者住宅再建支援事業費補助について、その取り組み内容を伺いたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 被災者住宅再建支援事業費補助の内容でございますが、県では、国の制度でございます被災者生活再建支援制度による支援金に加えて、被災者の住宅再建を支援するため、限られた財源の中で平成24年度から被災者住宅再建支援事業を市町村と共同で実施しております。いわゆる100万円補助でございます。
 この実施状況でございますが、本年2月末現在でこの支援事業費補助の申請件数は、例えば宮古市では498件、陸前高田市では465件、大船渡市で421件など、全県で延べ3、142件となっております。
 今後、持ち家再建が本格化すると考えておりますが、土地区画整理事業などの面的整備の完了にはまだ時間を要すると見込まれますことから、今年度の予算に合わせまして、今般、実施期間を平成30年度まで2年間の延長を図ることとしたところでございます。
〇及川幸子委員 延べで3、142件ですから、本当に少ない率だと思っております。この中で、高台移転建設の希望者の状況はどうなっているんでしょうか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 高台移転など住宅の再建を希望される方の状況についてでございますが、昨年12月末に公表しました社会資本の復旧・復興ロードマップでは、被災者の方々の意向調査を踏まえ、市町村が実施しております面整備事業により、宅地の供給計画数といたしまして、防災集団移転促進事業2、633区画、土地区画整理事業5、451区画、漁業集落防災機能強化事業429区画、合わせまして8、513区画の計画となっております。このうち、2月末時点では、一部完成の地区を含めまして、防集事業で100区画、漁集事業で64区画など、合わせまして約170区画で造成工事等が完成しておりまして、順次、希望者に供給され、住宅の建設等が始まっている状況でございます。
〇及川幸子委員 平場よりも高台移転を望む方々が随分多いと思いますけれども、この場合も公営住宅の空き室が多いということは、やっぱり車の便が悪いとか、足の確保ですよね。その辺のところは高台移転など住宅を求める方々は大丈夫なんでしょうか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 高台移転の計画をする際におきましては、それにアクセスする道路の計画もあわせて市町村では計画し、実施しているところでございます。ただ、実際に車をお持ちでない方、あるいは高齢者の方などもおられると思いますので、それに至る公共交通機関等のこれからの計画につきましても、県関係部局と調整しながら、市町村と連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 その次に、さんりく未来産業起業促進費ですが、被災地に新たな産業を創出し、雇用拡大と地域経済の活性化を図るという副局長の御説明でしたけれども、この事業の取り組み内容をお知らせいただきたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 この事業は委員御発言のとおりの目的でありまして、被災地において起業を希望する方々を公募、それから審査の上、起業支援対象者を選定した後に起業支援員と経営コーディネーターが事業計画の策定段階から事業化までを密着して支援するという内容でございます。
 今年度から事業を実施させていただいておりまして、48の起業支援対象者を選定させていただいたところです。この内訳は、年齢別に見ますと20代から30代が4割、40代から50代が5割となっております。また、男女別では、女性が3割、男性が7割となっておりまして、中にはUターン、Iターン組の方が1割ございます。業種別に見ますと、農産物、水産物の加工、販売など地域資源を活用する事業や、工務店、飲食店など地域に根差したものが多く、これらは、地域コミュニティの担い手として育成していくべきものと考えております。
 来年度におきましても、今年度の起業支援者を継続して支援するとともに、新たにまた公募いたしまして起業支援対象者を募ることとしていまして、特にも、地域経済の担い手として期待される若者、女性の起業支援を重視しながら被災地の経済の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 これは希望に燃える部分なので、ぜひ加速してやっていただきたいと思います。人口流出の原因は、そこに働く場所がないからだと思います。若者、女性をターゲットということで、成果が出ていると思います。
 先日、釜石を通りましたら、イオン、きょうからですか。やっぱりああいうふうに地元の人たちが働く場所、そして地元の人たちが買い物に行ける場所、ああいうふうに海沿い、川沿いでもできるということ、そして、なおかつ2階には有事の際には逃げることができる、そういう部分ですごくいいなと思って見てきましたので、どうぞ加速して、手を休めずにやっていただきたいと思います。
 副局長に最後にお伺いいたします。大変御苦労さまでございます。こうした形で質問するのはこれで最後かと思います。大変残念でございますが、御苦労さまでございます。
 防潮堤建設に対する考え方をお聞きしたいのです。これは、国で今、見直しを始めているということを伺いました。というのは、宮城県から、防潮堤、防波堤の高さが余りに高くて、あれほど憎かった海が、今は景色が大変見えにくいということで、見直しを国でもかけているということ。そして、地元の方々に意見を聞きながらやっているということです。
 これについてお伺いしますし、もう一つ、復興事業のおくれについてはどのようにお考えになっているかお聞きしたいと思います。
〇佐々木理事兼副局長 防潮堤などの防災施設は、多重防災型まちづくりの根幹をなす施設でございます。したがいまして、市町村が進めている復興まちづくりは、防潮堤計画の高さとか配置とかを前提として、浸水の深さなどを考慮した土地利用計画がなされております。そのため、防潮堤計画は、区画整理事業によります土地のかさ上げとか高台移転など復興まちづくり計画と一体のものでございまして、防潮堤の高さだけを問題視することは、木を見て森を見ずという、全体の議論までしていない部分が取り上げられているのかなというふうな感じがしております。
 ですから、防潮堤の高さについては、これまでもいろいろ地域住民と相当議論してきたという話も伺ってございます。安全確保の観点からも、いずれ防潮堤を一刻も早く完成してほしいという声もございます。これは、女性との意見交換の場で漁協婦人部の方などからも、やはり住んでいない人と住んでいる人では全然違うのだと、住んでいる人は一刻も早く一定の高さで防潮堤が欲しいと、これをたまに来る人に言ってほしくないというふうなお話も実はございまして、私もそういうふうな部分では、地域でこれまで決めたことについてはやはり尊重していただければという思いでございます。
 それから、復興のおくれについてはさまざまございまして、課題として、財源なり人の問題なり土地の問題なりというものがあります。私が来て1年なわけですけれども、やはり一番の問題は土地だろうと思っております。それが解決されると市町村の支援職員の数も相当助かるということ。それから財源は、効果促進事業とか言いながら、やはり自由に使えない。
 一例を申し上げますと、観光事業は一大産業だということで、非常に当初から国と対峙してまいりました。効果促進事業は基幹事業と関係がないと認めないという国の方針がございまして、なぜ観光客を呼ぶのが防集事業なり漁集事業と関係があるのだという理屈の一点張りで、今も平行線をたどっておりますが、なかなか産業の振興に対する理解がないということ。この辺が先取りをして復興を進める我々にとって阻害要因となっている。これらが複合的におくれにつながっているのではないかという感じはしてございます。
 以上でよろしいでしょうか、所感でございます。
〇及川幸子委員 副局長にお伺いしますが、東京五輪の開催決定で、資材不足とか人手不足が強まったと今、世間では言われておりますが、この点についてはどうでしょうか。
〇佐々木理事兼副局長 私も実はそう思っております。先般、NHK討論で宮城県の知事と岩手県の知事といろいろありました。宮城県の知事は五輪と復興を同時並行的にというお話で、達増知事はまずは復興ありきというお話でしたが、私も、やはり五輪は五輪として、それに優先する課題として復興をまず位置づけて全国的な組織でもって対応していただいて、何としても早く成し遂げるという意識と決意が政府にあれば、ある程度は調達できるのではないかという思いはございます。また、ぜひそうしていただかないと復興地域の気持ちが伝わらないと。そこを全国に発信していかなければならないだろうと思っています。
〇及川幸子委員 そういう強い思いを引き続き持たれて、沿岸復興のために頑張っていただきたいと思います。
〇高橋元委員 私は、なりわいの再生について何点かお尋ねしたいと思います。
 まず、事業の再開であります。被災事業所の直近の再開状況と、前回の調査と比較してどういう状況になっているのか。全体及び産業分類等でわかればということでありますし、それから、もし地域ごとに何か特徴があるのであれば、その辺も含めてお尋ねしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 被災事業所の調査でございますけれども、県が昨年8月に実施した平成25年第2回の調査によりますと、再開と一部再開を合わせまして77.7%となっております。また、再開を検討中が2.5%、それから廃業、廃業予定というところが15.4%ございました。
 それから、再開の状況につきましては、平成24年2月に実施しました第1回の調査では事業所が38.1%の再開の状況でございましたけれども、今回、平成25年8月の調査では77.7%というところまで回復してございます。
 それから、事業所再開の地域別の状況でございますが、総体的に県北のほうが高く、県南のほうが低い状況となっております。
〇高橋元委員 今、新しい数値は2月に調査をされてまとめ中ということで、それがどういうふうに変化してきているのかというのは注目したいと思っていますが、前回の調査と比べて、再開あるいは一部再開というのがほぼ横ばいなのかなということで、ここに来て少し足踏み状態のような気もするわけです。
 そこで、さまざまな問題とか課題が内在しているのではないかという思いをしておるわけであります。この辺、再開予定あるいは再開検討と回答している事業所も、先ほど昨年8月の時点ということで資料をいただいておりましたけれども、これですと合わせて82事業所のようでありますが、この82事業所に対しましてどのような取り組み、あるいは支援を行っているのかお尋ねしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 一部再開済みというところの事業所でございますけれども、再開、一部再開を合わせて8割近い事業所が営業を開始しておるところですが、一部再開のところにつきましては、仮設店舗の方とか事業所が本格再開になっていない方々がいらっしゃいます。また、本格再開に向けて、これから再開しようという方々がまだおられまして、まちづくりの関係で―商店主が多いんですけれども、この方々はまちづくりの進捗と合わせて事業再開というところにありますので、このことが用地の確保とか、あわせて資金の確保などが課題となっておるところでございます。当局としましては、商工労働観光部とも連携しまして、引き続き事業所の再開に可能な支援制度を周知しながら、事業所の再開を支援してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 一部再開の内容についてはわかりました。もう一度、今度、再開を予定している、あるいは再開を検討しているという方々はどういうふうな思いというか準備をされているのか。あるいは、それに対して何かしらの支援策をアプローチしているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 再開を考えている方々は、我々、商工労働観光部と一緒に、市町村、それから商工会等を回らせていただきまして、多くの事業所は水産加工関係を含めてグループ補助金等で事業を再開されていらっしゃるんですけれども、そのほかの商工関係のほうがまだおくれている状況です。そこのお話を聞きますと、今、土地整備と合わせて本設に向けた施設、店舗の整備の計画を立てているところ。特に商工会が中心となって、用地と建てる場所、あるいは共同店舗方式にするのか住居一体にするのかというようなところを今、商工会が地元の商店主と協議をしているというような状況でございます。
 それに対する支援策としては、商工労働観光部が所管になりますけれども、例えばグループ補助金での再建とか、そういうものが制度上ございますので、それを活用して、どう再建していくのかということも含めて、現在、まちづくりとあわせて、商工会、市町村が中心になって検討しているところでございます。
〇高橋元委員 次に、被災事業所の抱える課題であります。今、一部いろいろなお話もあったんですが、課題についてアンケートをとったところでは三つ、選択の調査項目がありましたけれども、その中では、売上・利益率の低下、これが第1番目、それから2番目は、雇用、労働力の確保、そして次が取引先数の減少、次が施設整備資金不足、それから運転資金の不足、これらが上位の五つということのようでございます。それで、平成24年8月と平成25年8月を対比しますと、売上・利益率の低下については13.4%ふえているようでありますし、雇用、労働力の確保についても同じくらい、13%を超えるような増加になっていると。また、取引先数の減少についてはおよそ7%ぐらい、こういう状況で、なりわいの再生を掲げて取り組んでおりますけれども、その取り組みに反して少し別な方向に行っているんじゃないかというふうに見えますけれども、これをどのように現状を分析されているのかお尋ねしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 事業所が抱えている課題でございますけれども、平成25年2月に実施した段階では設備関係についての課題としての問題点が多くございました。前回、平成25年8月に調査した中では、委員御指摘のように売り上げの減少、雇用の問題、ここに集約されているということで、再開後の事業所の課題ということで考えますと、事業再開後の業績の回復が大きな課題となっていると認識しております。
 そこで、県としましては、当局は、商工労働観光部、農林水産部と連携しながら、商品開発や商談会あるいはフェアへの出展など販路開拓に向けた取り組みを支援するということで動いておりますし、また、商工労働観光部においては、労働力の確保ということで、工場の見学会、いわゆる労働者の確保に向けたマッチングなどをしながら、事業所の再建、経営の立て直しに支援してまいりたいと考えております。
〇高橋元委員 平成26年度の予算の中で、今言ったような問題、これに対して、例えば売り上げの問題は商工労働観光部ということになるんでしょうけれども、それをバックアップしていくような体制あるいは財源措置、これらについては復興局にもかなり関連してくるのではないかと思いますが、この辺は平成26年度予算編成の中でどう考えられたんですか。
〇石田産業再生課総括課長 当局の平成26年度予算の編成の中には産業再生推進費という事業費を盛り込ませていただいております。この事業費はいわゆる活動費でございまして、当局では、特に被害がひどかった水産加工業者の立て直しに向けて、水産復興連携会議ということで、沿岸4地区で年2回意見交換会をしながら、そこで課題を抽出しております。先ほど委員から御指摘いただきました調査の結果とあわせて、現場の事業者の方々が調査結果と同じような意識を持っているのか、あるいはもっと深い課題があるのか、そういうことも足で稼ぎながら調査をしているような状況でございます。
 このような調査結果は商工労働観光部、農林水産部とも情報共有しまして、直接には事業所管あるいは事業立てをするのは商工労働観光部、農林水産部になるかと思いますけれども、当局としては、情報共有、課題の共通認識ということで、ともに歩きながら、事業所の再建に向けて頑張っていく考えでございます。
〇高橋元委員 今、お話もありましたけれども、水産加工業のところ、これをどう早期に復興させていくかというのが目下の大きな課題ではないかと思います。建設業とか製造業とかはかなり回復の度合いが急ピッチで出てきておりますので、あとはこの水産加工業とのところがいまいちということだと思います。
 これもちょっと調べてみたら、被災前よりよいというのが4.3%、同じ程度というのが9.8%、合わせて14.1%。これは前回の調査よりもふえているということで多少いいような感じがしますけれども、比率的には非常に伸び悩んでいると。よく言われているのは、高台に避難されていてなかなか加工場まで行く足の手だてがないとか、あるいは、いろいろな面で加工の現場が変わってしまったとか、そういったようなことで、前、仕事をしていた人がちゅうちょされているとか、そんな話も聞こえるわけでありますが、やはり人を集めるには足を確保していかなければならないと私は思うんですけれども、それは加工業者みずからが例えば通勤バスを確保するとか巡回させるとか、そういったものも大事だと思いますけれども、やはり公共交通も含めて、あるいは市町村営も含めて、仮設と漁港とか加工場を巡回するような交通体系も考える必要があるのではないかと私は思うんですけれども、その辺は話題にはなっていないのかどうか、あるいは検討されていないのかどうか、その辺をお尋ねしたい。
〇石田産業再生課総括課長 私ども、2月に水産加工の関係の方々との意見交換をさせていただいた中では、委員おっしゃるように、従業員を確保するために、従業員の足として、各水産加工業者が自分のところでマイクロバスを仕立てて、朝7時とか早い段階から各家庭を回って、応急仮設住宅も回って従業員の方々を乗せて工場まで来るというようなことが一般的です。また、その中で、1社だけでは厳しいので、数社が協力してマイクロバスに複数の事業所の奥さんたちを乗せてくるというような形で運営しているのが今の実態でございます。
 公共交通機関を利用されている方もいるんですけれども、やはり時間が決まっていますので、業者のほうがマイクロバスの運営はある程度自由度がききますので、そういうところで、現在の加工事業所で働く方々の交通の足につきましては各事業所で確保しているのが大方だと認識しております。
〇高橋元委員 いずれ、このなりわいの再生のところを早期に、これから本格復興あるいは応急仮設住宅から個別の住宅に移られて本当の意味での生活の再建になるわけでありますので、なりわいのところをしっかりとつくっておかないと、住宅の移行後、生活が大変になるという思いをしております。大変でしょうが、ぜひ一刻も早くそういう考えられるさまざまな取り組みを進めていただきたいと思います。
〇福井せいじ委員 まず初めに、本格復興に向けた取り組みの推進という中で、各重層的、多角的な進行管理ということを先ほど佐々木理事もおっしゃいましたが、この重層的、多角的な進行管理というのはどういうものなのか示していただきたいと思います。
〇森総務企画課総括課長 復興実施計画の進行管理につきましては、通常であれば事業の進捗状況、これは各事業ごとに目標を立てて、いつまでに、どれぐらい完成するかという管理をするわけでございますけれども、それだけでは事業の進捗のみになってしまいますので、そのほか、復興に関する県民の地域の方々の意識がどう変わってくるのか、要は意識調査、あとは、それが短期的にどういうふうに移動していくのかということでウオッチャー調査というものを実施しております。ただ、これだと意識調査だけになりますので、さらには、社会経済全体がどう動いていっているかということでインデックス調査というもの、これは、代表的な経済の指標ですとか人口の指標ですとかを数値化して示すものでございます。こういうようなさまざまなツールを使いまして、現在の進捗状況がどうなっているのか、課題がどうなっているのかを点検しながら、ローリングして、毎年計画を見直していく、こういうことで進行管理をやっていこうということになってございます。
〇福井せいじ委員 本当に今おっしゃったとおり、事業の進捗だけを管理するのではなく、一方的に、一直線に進むのではなく、さまざま時間の経過とともに被災地の住民の方々の要望なり希望なりが変わってくると思います。そういった一直線に進むことも大事ですけれども、そこにさまざまな要素をつけ加えていくことが、進捗管理、そしてまた新たなまちづくりにつながると思うのでありますが、そこでお聞きしたいのは、その際の復興まちづくりの計画作成、このウオッチャー調査というものだけでなく、住民参画がどのようにまちづくりに対して行われているのかをお聞きしたいと思います。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 まちづくり計画への住民の参画についてでございますが、東日本大震災津波からの復興の取り組みに当たりましては、県、市町村とも初期の段階から、住民の参加を得ながら計画づくりに努めてきたところでございます。
 まちづくりということで、特に、土地区画整理事業や防災集団移転促進事業などの面的整備事業についてお話し申し上げますと、被災者の生活再建に直接かかわることでございますし、将来のまちの姿を形づくるものであることから、市町村では、それぞれ地域の実情に即した手法によりまして、地域の住民の参画を得ながら事業を進めてきたところです。
 例えば、市町村の中では、被災戸数が多い場合、住民の代表を構成メンバーとする検討会を立ち上げて、そして、地域が主体的に計画を取りまとめ市町村長に提言する形、それを受けて計画をつくっていく、また、被災戸数が少ない場合は、市町村がリードする形で、住民全員を対象として意見交換や意向確認を行いながら計画をつくり上げていく、そのような形で進めてきております。
 また、防災集団移転促進事業を計画する際に、各地区のコミュニティがある程度まとまっている、しっかりしているといった場合には、高台団地の候補地を決めたり、あるいは候補地の地権者の方への内諾を得ていただくことなどを、地域を主体とした形で計画策定を進めてきたという市町村もございます。
〇福井せいじ委員 たしかベースとなるまちづくり計画というのは、平成23年、震災が起きた年の年末までにつくったのではないかと思うのでありますが、それはその時期でよろしいでしょうか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 各市町村におきまして、その市町村の復興計画あるいは基本計画という形で、いろいろその市町村で時期のずれはございますが、平成23年度中に多くの市町村が計画を策定され、その中で、まちづくりとしてのエリア的なものとかレイアウト的なものとか、そういった基本的な部分を計画策定していただいているものと思っております。
〇福井せいじ委員 私は、そこでちょっとお聞きしたいんですが、やはりそれから時間がたっております。そういった時間の経過とともに、また、住民の要望あるいは周囲の環境が変わってきていると思うんでありますが、そういった環境の変化に対する、要望の変化に対するまちづくりの計画の変更であるとか反映であるとかは、どのような形でなされているのかお示しいただきたいと思います。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 被災された方々が、生活の再建あるいは住宅の再建をなされる場合、御自身の職場、仕事のこと、あるいは家族、学校のことなどもあるかと思います。そういったさまざまな背景を考えて、判断されて再建を考えられておると思います。当初計画した中で、住民からの意向を確認し、計画をする中では、自力再建を希望する方、あるいは災害公営住宅に入居される方など、いろいろな意識を持っていらっしゃった方も、やはり時間の経過とともに変化してきているかと思います。それが、市町村が行う意識調査の数字としてあらわれてきて、変化が見えてきているかと思います。
 復興まちづくり事業は、計画から実現まで一定の期間を要するものとなります。事業を進める上で、住民の方々と、そういった意向を把握しながら、話し合いがなされ、そして柔軟に事業の内容あるいはその進め方を見直ししていくことが必要と思っております。
 時間の経過に伴う被災者の意向の変化に対して、住民の、あるいは被災者の方々の希望に沿ったまちづくりを進めていただけるよう、県としては市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 そのような柔軟な対応というものが非常に必要であると思います。
 そのような中で、時とともに大きな衝撃が、非常に被災地を揺れ動かすようなさまざまな事象が出てきます。例えばJR山田線の問題とか、あるいは先ほど及川幸子委員が話したように防潮堤の問題などが出てきておりますが、そういった際に、その住民の方々とは、随時話し合いを持つ場というものを市町村がつくられているか、つくるような状況にあるのかどうか教えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 市町村におかれましては、まちづくりを計画し、それを進めていく中で、今、委員御指摘のような状況になった場合には、多くは、その市町村から広報等で情報提供する場面等もあると思いますし、あるいは住民の方から直接意見を伺う場というものをセットできるかどうか、市町村によっていろいろあると思います。住民との懇談会とかいろいろな場面があろうと思います。
 そういった中で、市町村は、できるだけ地域にお住まいの方々、住民の皆さんの意見を吸い上げながら、そして、そのまちづくり計画に当たって、いろいろな障壁あるいは課題があることに対して、まちづくりの方針を、ぶれないでそのまま行くのか、あるいは必要な見直しを検討していくのか、それが必要であれば、そういったことに対してどういった形で対応していくのか、市町村のほうで検討していただいているものと思っております。
〇福井せいじ委員 そこでちょっとお聞きしたいんですが、先ほど及川委員も話したのですが、防潮堤の高さの問題が、被災地の中の何カ所かで議論になっていると私は伺っております。さらに、3月13日の新聞に出ましたように、首相がみずからそれに言及しております。そういったことに対して、従来もう既につくってある計画は計画で、私自身はそれを否定するものではないですが、そういった問題に対して、これから市町村としてどのように対応していくのか、そしてまた、県としてはどのような方針でいくのか、教えていただきたいと思います。
〇小野寺復興担当技監 防潮堤の高さにつきまして、さまざま議論というか新聞を中心に報道されているのは、そのとおりでございます。それで、岩手県内で見ますと、具体的に言いますと、大槌町とかでは、地元で現在の高さほどの高さが要らないとおっしゃっている方もおりますけれども、その件につきましては、私どもも、県土整備部もですが、大槌町の役場に伺いまして、町長、副町長とも直接の意見交換をしてございます。それで、大方の町民の皆さんは、現在の高さでの早期の安全の確保をお願いしたいと。
 復興計画の2期の実施計画を策定する際に大槌町での説明会を行いましたけれども、今の計画で丈夫なものを早くつくってくれというような意見が多うございました。
 そういった際に、私も地域の皆様に機会あるごとに申し上げておりますのは、大槌町でいいますと、今14.5メートルという高さなんですが、その高さでも今回の東日本大震災津波レベルの津波が来れば越えてくるんです。越えてくるので、そうした際にも浸水しない高さである2メートル程度のかさ上げをするという、さっき理事の答弁にもありましたけれども、セットもので考えておりまして、県とすれば、何かそういう議論が出た際には、首長を中心に意見交換をして、市町村の御意向に沿うような形で事業を進めている状況でございます。
〇福井せいじ委員 たくさんのいろいろな変化が出てくると思います。住民の要望あるいは外的な環境の変化が出てくると思いますが、そこで、私は、そこにやはり出向いていって、住民の方々とさまざまな話をしながら一つの方向性を見出していく、それこそ復興局の役割だと思いますので、ぜひともそういった姿勢で、これからもさまざまな変化に対応するぞという気概を持って臨んでいただきたいと思っております。
 次に移りますが、被災地におけるコミュニティづくりについてお話を伺いたいと思います。
 今、仮設住宅あるいは既存の今まで住んでおられた場所に住民の方が住んでおられますが、その中で町内会、自治会づくりの取り組みについてお知らせいただきたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 現在の応急仮設住宅団地での自治会の組織状況でございますが、県内の仮設団地全317団地のうち、本年2月25日現在、自治会が組織されておりますのが295団地、全体の93.1%となっております。内訳として見ますと、仮設団地単独で設立されているものが226、そして、地域の自治会に組み込む形のものが69、合わせて295団地となってございます。
〇福井せいじ委員 今の仮設住宅あるいは既存の住宅については、そういったことで自治会がつくられているということでありますが、今度は、新たな公営住宅に移ったとき、どういう形で町内会、自治会がつくられるのか、これを私は非常に心配しております。そのことについて復興局では何かお考えがあるんでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 福井委員が本会議で御質問になられた部分に対してお答えしたのと繰り返しになるかもしれませんが、まずは、その地域で暮らす人々が、自助から共助あるいは互助と進む段階で自発的に地域づくりを行う、そういった過程でコミュニティづくりを行うという自発的な取り組みが、まず一番重要だということを基本と考えております。そのために、基礎的自治体である市町村がそこのところに入っていって、きちんとコミュニティづくりを支援することが、まずは必要かと思います。
 ただ、そういった段階までなかなか市町村で手が足りないとかということもございますので、県としても、そういったコミュニティの維持、新たなコミュニティの形成に向けて、人的なアドバイザーの派遣ですとか、さまざまな財政支援制度の紹介ですとかという形で支援を進めているところでございます。
〇福井せいじ委員 人口流出の問題あるいは孤独死の問題、そしてまた、そこに住んでよかったと思えるような環境をつくるには、やはりコミュニティづくりが一番大事だと私は思っております。仏つくって魂入れずという言葉がありますが、その魂こそが、人と人との結びつきを基礎とする自治会や町内会のことだと思いますので、ぜひとも、ある意味で、今、復興支援員等の方々が活動していらっしゃいますが、私は、やはり本会議でも話したように、コミュニティづくりのパッケージをぜひとも復興局のほうでつくって、それをさまざまな市町村に提案していくことも必要ではないかと思っております。
 なかなか自然発生的にコミュニティはつくられないと思いますので、また、どのように動いたらいいか、新たなコミュニティをつくるわけですから、何十年、何百年かけてきたコミュニティをここで新しくつくっていくには、やはりそういった形を例えば提案するとか、ノウハウを提案しながら進めていっていただきたいと思っております。
〇小野共委員 応急仮設住宅の備えつけの設備について1点お聞きしたいと思います。
 今、県内に応急仮設住宅が1万3、984戸あります。この備えつけの設備でありますが、この応急仮設住宅と同じ数だけ、1万3、984セットあるということになりますが、災害公営住宅ができ始めておりまして、この1月末の段階で400世帯ほどが既に応急仮設住宅から災害公営住宅に入居が始まっているわけでございます。これに伴いまして、当然さまざまな問題、課題等が出てきているわけでございますが、応急仮設住宅に備えつけの設備、具体的には、エアコンでありますとか、温風ヒーター、照明具、ガステーブル、これらの設備なんですが、現段階では、これを応急仮設住宅から引っ越しする際に持っていってはだめだという規則になっております。
 県のほうに確認したところ、この設備というのは、応急仮設住宅の建物と一体のものである、備えつけのものであるから持っていってはいけないという答弁なのでありますが、実は、応急仮設住宅を出て自力再建、公営住宅に入る人とか賃貸の住宅に入る人とかが一式買うとすれば、やはり50万円ぐらいするそうなんです。これを何とか持ち出しを認めてほしいという話が被災地のほうから出ております。これへの答弁見解をお願いします。
〇佐野生活再建課総括課長 まず最初に、答弁の訂正をお願いしたいと思います。
 先ほど工藤勝子委員から、民間の借地の上に建っている応急仮設住宅とのお尋ねがあったことに関しまして、応急仮設住宅の戸数を私、1万4、941戸とお答えいたしましたが、実際は1万3、941戸でございます。今、小野委員のおっしゃった部分、戸数から解体済みの43戸が少なくなっておりまして、今、1万3、941戸となっております。
 それで、応急仮設住宅に備えつけのエアコン等につきましては、建設時に取りつけているという応急仮設住宅の施設の一部ということでありまして、入居後に、日本赤十字社から入居者に寄贈された冷蔵庫、洗濯機等のいわゆる家電6点セットのような備品とは違いまして、その住宅についているということでありまして、今後、県内外、内陸あるいは県外に住んでおられる方が、また入居することも見込まれるなど、応急仮設住宅としての活用の継続が見込まれるということで、現時点で、退去に当たって、そういったエアコン等について持ち出すことはできない扱いとしているところでございます。
〇小野共委員 1万3、984戸で、解体した戸数をおっしゃいましたけれども、まだ1万3、000戸を超える公営住宅と、その同じだけのセットがあるわけですよ。このまま方針を変えないで応急仮設住宅が終わるまで行くと、そのとおりのまま、1万三千何世帯分の応急仮設住宅とそのセットは残るわけですよ。このまま方針を変えていないとですね。これほど無駄な話はないのではないかと思うわけであります。
 しかも、50万円弱の新しいセットを買うとすれば、これは生活再建支援金の加算金で、賃貸の住宅に自力再建された人は50万円の加算金をもらえるんですが、これが災害公営住宅は対象になっていないんですね。これはひどい話だと思うんです。じゃ、そもそも自力再建で賃貸に入った人の加算金の50万円というのは何のための50万円なのかという話になったときに、この応急仮設住宅から賃貸に自力再建した人たちが、新しい暮らしを始めるに当たって家電を買うためのもろもろの費用に使われるためのものですよね。そうするのであれば、どうして同じ状況で災害公営住宅に入る人たちにも、この50万円の適用がないのかという話になってくるんだろうと私は思います。それについて何の動きもないというのもやっぱりおかしいと思います。
 じゃ、先ほどおっしゃいました新しい入居基準も緩和すると。確かに正月明け、1月25日に政府のほうでも入居基準を緩和するという話をしましたけれども、その運用は、緩和の基準は県に任せますという話をしております。じゃ、今答弁としておっしゃいました新たな入居者が見込まれるというのであれば、その応急仮設住宅の入居基準を緩和したと、どのように緩和したのか、どのように緩和するという方針なのか、今の時点でのその方針を聞かせてください。
〇佐野生活再建課総括課長 まず、入居基準の緩和という言い方ではなくて、用途としては、被災者用の住宅の供与という整理の中で目的外使用として許可を認めるという整理をすることが、復興庁から示された解釈でございます。
 その目的外使用という整理と入居基準の緩和という整理とはどこが違うかといいますと、入居基準の緩和というものを私どもは求めてまいりました。つまり、被災者と同様に、無償でそのまま住宅に入居いただけるという形のものを求めてまいりましたが、国としては、入居できる方々の範囲を拡大することはしないと。ただ、財産としてある応急仮設住宅の一部を期間を区切って使用させてもいいですよ、これを目的外使用許可という形で進めていいですよと。ですから、財産を所有している県において許可の仕方を定めてくださいという形で回答があったというものでございます。
 それを受けまして、県としては、現在、具体的に市町村に対する使用許可を行おうという進め方を考えておりまして、市町村とやりとりをしている段階でございます。市町村に対して目的外使用許可を行い、その市町村において、Uターンしたいけれども住居のない方、あるいはIターンでそちらで就労したいけれども住居のない方、それから、漁業集落防災機能強化事業などの面的整備の事業の推進の過程で、玉突きといいますか、一時的に住居をどこかに求めなければならない方を、それぞれ市町村の実情に応じて入居を認めるという2段構えで今考えております。
 目的外使用許可ということになりますと、行政財産の使用料条例等に照らして適正な対価の徴収というものが出てまいりますので、その使用料をきちんと市町村との間で定める必要があると。そして、市町村において、入居される方から使用料を徴収するという流れで今、事務を進めているところでございまして、おとといになりますが、具体的に大槌町と今、最終的な詰めを行っている段階でございます。
〇小野共委員 ちょっとしっくりこない答弁なんですが、入居基準を緩和すると、つまり目的外使用を今後認める方向で大槌町あるいは被災地と交渉に入っていると。先ほど答弁でもありましたとおり、使用料を今後、その目的外使用で取っていくという話だったんですが、まさにそれだと、実際に今入っている人たちは、罹災証明を持っている被災した方々なんですね。今回、目的外使用で入ってくる人たちで、賃貸料を取る、使用料を取る人たちというのは、厳密に言えば被災していなかった人たちなわけですよ。だから、それとどうして同じ扱いにしなければいけないのかという話になっていくんだろうと思います。目的外使用で入ってきた人たちにもエアコン、温風ヒーターでありますとかガステーブルでありますとか、そういったものを被災した罹災証明を持っている第1回目に入った人たちとどうして同じ扱いにする必要があるんだろうかと。だから、そういうものは、賃貸料を安くするなりして対応すればいいのではないのかと。そして、引っ越しして出ていく人たちには持っていってもらってもいいのではないかと思うわけですよ。
 一番おそれなければいけないのは、応急仮設住宅が壊されるときに、1万3、984セットの設備、施設を壊すということが、これ以上無駄な話はないだろうと、これだけは避けなくてはいけないと思うものであります。前回、震災の年でしたか、お風呂の追いだきの機能がありましたよね。あれも同じことだったわけですよ。あれをそのまま処分してしまったわけじゃないですか。あの教訓を我々は次に出ていくときにどう生かすのかといったような話になっていくんだろうと思うんですね。
 何とかこれ、そろそろ公営住宅に入居あるいは自力再建も始まっている中で、本当に被災地の人たちにしてみれば切実な問題なわけですよ。これを何とか、やり方とすればいろいろあるんでしょうけれども、一旦、自治体に譲渡するなりして、希望者に自治体から払い下げるといったような方法が、ある程度公共性なりが担保されるやり方なのかなという気もあるんですけれども、これは、このまま行くとかなり大きい話題というか無駄というか、大きい問題になっていくんだろうと思いますが、これは早急に何とかその対応を検討して、早急にその方針を明らかにすべきだと思いますが、理事、答弁をお願いします。
〇佐々木理事兼副局長 佐野総括課長が話したように、どういうふうに備えつけの部分を施設と一体のものとして取り扱うかという、一つは概念の問題だと思うんですが、あくまでも復興庁で認めた今回の措置というのは、財産としての一体の施設としてのいわゆる仮設住宅です。それは、建物のみならず、附帯の施設として温風ヒーターなりそういうものが入っているということで、不離一体なものなので、なかなかそこだけを取り外して出る人が持っていってもいいのではないかという理屈については、現在のところ、我々も国に対して、その根拠は何だと言われた際に、これこれ、しかじかだと言える段階にはないということでございます。
〇小野共委員 私は、自分の言っていることが合理的でないとはどうしても思えないんですけれども、当局の答弁のほうがすごく非合理的なように感じるわけですよ。今回、震災以降さまざまな場所で議論されていることですけれども、どうして今回の復興に当たって、被災地、被災者のほうが制度に合わせなければいけないのかと。被災地、被災者の自立に向けた再建に向けて制度のほうが変わっていくべきだという話は、何度も何度もされておるわけです。そういった意味で、私の話は全く合理的であるように思えるわけですが、もう一回答弁をお願いします。これを聞いて、終わります。
〇佐々木理事兼副局長 私も、言わんとする心情的な部分は非常に理解はできます。当然、実態に合わせて制度を変えるべきだという部分がそうですが、いかんせん、まず財源が全て国庫でやられているという部分において、いろいろ復興交付金も、それから震災遺構についても、要望して、要望して、国でいいよという形で認められた経緯についても、おわかりのとおり、全て100%国庫で措置している災害救助関係なものですから、そうでなくても土地の制度とかいろいろ国とやりとりしている状況の中で、余りそういう100%国庫の部分について申し述べる立場に現在ないと先ほど答えましたが、心情的には理解できますということで、実態については国のほうに訴えたいと思います。
〇小野寺好委員 今のエアコンなんですけれども、当初、プレハブ仮設にはエアコンがなくて、たしか後からつけたのではなかったかと思うんですが、そのときに、プレハブ仮設とともに、みなし仮設にもオーケーだよということでエアコンがつけられたと思うんです。こういったプレハブ仮設、みなし仮設に住んでいる方が災害公営住宅に移った場合に、大多数が集合住宅なんですけれども、そっちにはエアコンが標準装備になっているんでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 災害公営住宅にはエアコン等はついておりません。ただ、応急仮設住宅について申し上げますと、県で建設した部分につきましては、当初からエアコンはつけて建設してございます。
〇小野寺好委員 じゃ、災害公営住宅に入った方がエアコンをつけたいという場合に、壁とかに穴をあけるわけですが、それは許可になるんですか、ならないんですか。
〇佐野生活再建課総括課長 そういったものがつけられるように、ピットと電源、専用コンセントは設備してございます。
〇小野寺好委員 であれば、現在、プレハブ仮設とかについているものは、いずれ中古で誰か買うということはないと思うんです。全部廃棄物になるのではないかと。先ほど小野共委員が言ったとおり、大変な無駄になるわけですので、これについては、国の災害救助法で使途を決めていて仕方がないといった立場かもしれないですけれども、ぜひともこれは、国のほうで考え直すべきだといった交渉をする用意があるかどうかお尋ねします。
〇佐野生活再建課総括課長 まず、災害救助法の問題で、それで建っている応急仮設住宅ですので、その一部を撤去して持っていくという形はなかなか難しい整理かと思いますが、先ほど、例えば小野委員からお話のあった市町村への払い下げということであれば、棟単位での払い下げは可能です。棟単位で払い下げた後に、そこから取り外してさばくという解決法はあろうかと思います。
 ただ、問題となりますのはその後の問題でありまして、取り外して、運搬して、据えつける、そういった一連の部分については、やはりその入居される方の御負担になるということが一つ。もう一つは、エアコンあるいはFFファンヒーター等につきましては、特に製品安全の問題から、一定期間使用した後に取り外して新たなところに持っていったときに、安全性が保たれるかといった懸念があるという部分がございます。そういったことをちょっと懸念しておりますが、今後、市町村等からお話があれば、国に対して申し述べていきたいと考えております。
〇小野寺好委員 現実の目先の問題として、ことしいっぱい災害公営住宅ができてくるわけなんですが、そのときに、申請があった場合に、全部だめですよということになるんですか。今、現実の問題として。いや、ちょっと待ってくださいね。これは、御自分の費用負担で取り外して、自分で据えつけるについては、自己責任でやってもいいですよという選択の余地が出てくるのかどうか。
〇佐野生活再建課総括課長 先ほど申し上げましたように、くしの歯が抜けるようにといいますか、一戸一戸から出た段階では、用途廃止という形で払い下げの対象になりませんので、全戸があいて、解体するときになって初めて、そういったことが可能になるかどうかという判断ができるということでございます。
〇小野寺好委員 もう一回、最後ですけれども、住んでいる被災者のために、何とかお役に立てたいなということで汗を流す気持ちがあるかどうか、理事。
〇佐々木理事兼副局長 先ほど申し上げましたとおり、心情的には非常にわかります。ただ、災害救助法なり法律そのものが現にありますので、思いは伝えて、何とかそれが形になればいいなということで、汗を流すつもりはございます。
〇工藤大輔委員 先ほどの小野共委員の質問に関連するわけですが、これは非常に被災者の視点に立った質問だなと感じたところであり、答弁も、先ほどの小野共委員の答弁から、小野寺好委員の答弁には、少しずつ前向きになっていったなという感じもするわけなんですけれども、やっぱり生活が厳しい状況にある被災者が再建をするということに対して、恐らく国からすれば、わずかなお金なのか、わずかなことというぐらいにしか捉えていないような案件ではないのかなという感じもします。しかしながら、やはり生活を再建するのがどれだけ厳しいことかは、被災者であり、被災者をサポートしている復興局の皆さん方が何よりもわかっている案件だと思いますから、ぜひ国のほうと話を進めていただきたいと思います。
 これから、応急仮設住宅から被災者が新しい住宅あるいは個人で再建する住宅等に移っていく過程の中で、あいたところを貸し出すということなわけですが、やっぱりニーズ、あとは貸し出せる物件かどうかということもしっかり把握する必要があるんだと思います。以前、震災当初、みなし仮設ということで、県内のホテルであったり、あるいは旅館等、施設等に長期間そこに避難をしたというケースの中で、そういったところに、今度は事業者が本来のホテル事業、旅館事業を再開する際には、なかなかすぐ貸し出せる状況じゃなかったというのも事実であり、そこに対して改修等の費用も出したと思います。
 そういった中で、今回も応急仮設住宅から公営住宅であったり家を再建した際に移ったとしても、その物件がすぐ貸し出せるかどうかと。もし、当分これは貸し出せないような物件だとすれば、そういった物件についてはいいですよとか、あるいは残す物件なのか解体する物件とかの精査もするなど、その一件一件等を見ながら、そういった中で被災者が必要だというものについてはぜひ応えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 そういったさまざまな御希望が具体的にどういった形で出てくるかということにつきまして、市町村ともよく話をしてまいりたいと思います。
〇工藤大輔委員 ぜひ、そういったところの取り組みが、被災者の再建への気持ちも高まりますし、また、その後のことにも影響していくと思います。そして、何よりも、できる、できないという中で、被災者のニーズに沿って、とにかく全面的に国と協議をし、前向きに進めているんだというような姿勢を、被災者にも、そしてこの議会の答弁にもぜひ出していただきながらこの事業をなし遂げていただきたいと思いますが、最後に副局長、よろしくお願いします。
〇佐々木理事兼副局長 実は、私も地域振興室長のときに、今、工藤委員がおっしゃったとおり、被災者が旅館、ホテルに長期にいて、その損傷について、それまで制度になかったものを、折衝して、格別に補償していただいたという経験がございます。高橋但馬議員とか、いろいろお願い、一緒にお話をしたと。そういうこともありまして、できるだけ国と前向きに、被災者はこうなんだという実態を訴えて、内閣府なり厚生労働省なりに個別具体の案件として持ち込んで、ぜひともチャレンジしてみたいと思います。
〇城内愛彦委員 私からは1点お伺いします。
 今された議論は大事なので、ぜひ前向きに検討してください。
 私からは、三陸復興プロジェクトについて質問したいと思います。時間もないので。
 さんりく未来創造起業基金、先ほど及川幸子委員からも質問があったわけでありますけれども、具体的な内容を再度、支援体制はどうなっているのか、また、効果をどのように見ているか、とりあえず3点お伺いします。
〇石田産業再生課総括課長 さんりく未来産業起業促進事業の具体的な内容でございますが、起業支援の能力を有する団体に業務を委託しまして、まずは起業希望者を公募いたしまして、審査して、選定いたします。そこで起業支援対象者を決めます。その起業支援対象者には、起業に関する基礎講座を実施いたします。次に、団体の起業支援員が、具体的な事業計画の策定、それから起業までの準備に必要なことなどを支援し、起業の経営コーディネーターが、次に、その事業計画に基づいて商品開発から販路開拓などの事業化を支援する、このようなスキームで、起業者に密着しながら、起業から事業化までの一貫した支援をしているところです。
 また、起業するためには、ゼロからの起業でございますので、事業所の開設などの初期経費が必要となりますことから、この事業では200万円を上限に補助することとしておりまして、早期の起業を促進しているところでございます。
 今年度から事業を実施しておりまして、業務を担う団体を7月に選定し、起業希望者を公募した結果、76の応募がございまして、審査会を通して48の起業支援対象者を決定したところでございます。
 これらの起業支援対象者は、地域の復興に対する非常に強い思いがございますので、内容としましては、農産物の加工販売などの地域資源を利用した事業や、あと、工務店、飲食店などの地域のコミュニティに根差した事業など多様な起業がありますので、このような方々が地域の新たな力として頑張れるように、事業を進めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 今のところ76応募があって48受けたということですが、実際、もうその仕事というか営業というか、商売は始まっているんですか。
〇石田産業再生課総括課長 現在、業務を開始されている方はまだいらっしゃいません。今、事業計画のつくり込みが、それぞれ起業された方によって、難しいものから起業しやすいものまでいろいろありますので、それぞれの方々によって進捗度合いが違っているところでございます。ですので、その辺をきっちり今進めていると。
 起業支援の補助を進めている起業者もいらっしゃいますので、この方々は、起業に必要な初期の整備が整えば、年度を越えて来年度には起業できる体制になるかと思います。
〇城内愛彦委員 起業するというのは結構大変なことで、例えば、商売するならばお店も必要でしょうし、事務所、そういうスペースも必要になってくると思うんです。この200万円でしっかりと立ち上げられるのかなというのもありますし、体制とすれば、先ほど来話に出ている、例えば、限られた時間で応急仮設住宅の空きスペースをそういう事務所に利活用できるような方法を考えるべきだと思うんですが、実際その48の方々がどういう形で今後進めていくかという具体のものは、こちらのほうには届いているんでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 48の方が全部ではないんですけれども、先ほど申しましたように起業に動き出す進捗度合いがそれぞれ異なっていまして、動き出しの早い方々は、商店街に残っている空き店舗を活用して、そこを事務所にして立ち上がる方、あるいは事務所を持たずに流通に入られる方などいらっしゃいます。
 あとは、私ども市町村あるいは商工会ともいろいろお話をして、これからのまちづくりの中で、現在の仮設店舗がございますけれども、これが、本設に移ると残るわけですね。解体するんですが、解体はもったいないという地域もございまして、そこで、商工会とお話しする中での一つの案としては、いわゆる仮設店舗を別に残して、そこに起業する方とか外から来る方とか、いわゆるチャレンジショップみたいな形で運営したいという考えを持っていらっしゃるところもございますので、まちづくりの進捗と合わせて、今は起業しようとする芽出しの段階ですので、この方々が事業化する際に、こういう活用の仕方もあって、地域で起業できる環境が整うものと考えております。
〇城内愛彦委員 被災地沿岸ではおおむね8割が復旧、もとどおりに頑張っていこうという意思のもとに進んできているところなんですけれども、残り2割弱ぐらいの方々が、廃業も含めて、どうしようか、あと、これからまちづくりの中で場所がきちんと決まったらやろうという意思のもとにやっているわけですが、そういった方々との競合というのはないんでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 廃業されている方が2割ほど私どもの調査の中でもございまして、個別商工会等を回って伺いますと、やはり個人事業主の方、商店主の方が多い傾向にございます。
 この方々とのお話でもありましたけれども、廃業されたけれども、次のチャレンジとして新たな事業でやりたいという声も私ども聞いておりまして、こういう方々も新たに起業するということでチャレンジできる制度となっていますので、こういうことで応援していきたいと思っています。
〇城内愛彦委員 いずれ、しっかりと起業が定着して成り立つような仕組み、そこまで、定着するまで時間がかかると思うんです。ぜひ、これは息の長い支援が必要だと思うんですが、多分さっきからおっしゃっている商工会議所とか商工会というのは、どれぐらいのスパンで考えているのか、また、事業として皆さんどれぐらいのスパンで見ていらっしゃるのか。1年、2年、3年で予算が切れるから終わりですよということになると、これは、いささか復興倒産という話がにわかにまた出てくるようなことになりはしないかとちょっと心配するんですが、その辺はどうなんでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 この事業は、今年度平成25年度から、希望郷創造事業として県の中で一応3年間のスキームでまず事業を進めるということでございますので、当面3年間きっちりこれらの方々をフォローしていって、その上で、結果を見ながら、また次のことを考えていきたいと思っております。
〇城内愛彦委員 3年間では、多分被災地の中では大きく経済の波というのが、通常よりは激しく揺れ動くんだと思うんですよ。いざ商売はしたけれども、なかなかうまくいかないとか、それはもうお客さんの問題もあるでしょうし、そういうことも考えると、やっぱり息の長い支援というのが必要になると思うんです。ぜひ、その辺しっかりとやってほしいし、また、その事案がうまくいけば、第2、第3と、その公募に漏れた方々も、もうちょっと手を加えて新たな挑戦をしてみたいなという方々も出ると思うんです。そういったことに関しても門戸を広げてほしいし、3年という時限はいささか乱暴かなと思うんです。ぜひ、それをせめて5年ぐらい、新規でチャレンジした方々には5年ぐらいの支援ができるような体制をとってほしいと思うんですが、再度どうでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 これからのまちづくりの進捗とあわせて、また、商店街を中心に、委員御指摘のように、なりわいの再生が重要になってくると思いますので、まず、本事業で進めながら、次のスパンにつきましては、財源の問題もございますので、国とも協議しながら、結果を見て一つ一つ進めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 本年3月、沿岸部で瓦れき処理の仕事をしていた方々およそ1、000人の雇用が、あぶれるといいますか無職になるということであります。そういった方々にも、もしかしたらチャレンジしてみたいという方々もあるでしょうし、また、それが雇用の場として生まれてくる可能性としてはあるわけですので、実際この48の応募した団体は、どれぐらいの雇用の枠が見込まれるのか、また、一人親方で全部それで終わってしまうのか、その辺をちょっとわかっている範囲でお知らせください。
〇石田産業再生課総括課長 自分が就労する場合、起業するか、あるいは就職するかでかなり考え方が大きく違うわけですね。起業は、それなりの事業主としての大きな責任を持って起業することになりますので、改めて起業することの覚悟が必要でございます。そういう中で、特に今回の方々は、被災地として、自分がこの地域でやっていきたいという非常に強い思いがございます。ただ、思いがある一方では、思いだけで起業というのはなかなかできませんので、技術的なことも含めてしっかりサポートしていきたいと思いますし、瓦れき処理の方々については、また現在、水産加工も含めて雇用のミスマッチもございますので、なるべく労働移動がスムーズに進むように、商工労働観光部とも連携して対応してまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員長 この際、当職から報告いたします。本日、いわて県民クラブから当職に対して、平成25年度重点分野雇用創出事業中間検査実施状況一覧資料を請求するよう申し入れがありました。この件につきまして、後刻、世話人会を開催し、協議したいと思いますので、御了承願います。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時 休 憩
午後1時3分 再開
〇岩渕誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、御報告いたします。本日、いわて県民クラブから、平成25年度重点分野雇用創出事業等の中間検査実施状況一覧の資料の提出要求があった件につきまして、世話人会を開催し、協議いたしましたので、その結果について御報告いたします。
 この件につきましては、執行部に対して資料の提出を求めるとの結論に至りました。
 お諮りいたします。執行部に対して、平成25年度重点分野雇用創出事業等の中間検査実施状況一覧の資料提出を求めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠副委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、本日審査を予定している部局について、延べ21人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう改めてお願いいたします。
〇木村幸弘委員 私からは大きく二つの点について質問いたしますが、一つ目については午前中の審査で及川幸子委員、城内委員からも質疑のあったさんりく未来産業起業促進費についてでございます。重複する点もございますので、それを避けながら、先ほどの午前のやりとりの中で答弁いただいた内容を含めて確認の質問をさせていただきたいと思います。
 1点目は、この事業目的あるいは取り組みの内容についてはお示しいただいたわけでありますが、76の公募に対して48の決定があったということで、一つは、この48の決定された起業者について、被災地のそれぞれの地域別についてはどのような状況になっているのかも示していただきたい。
 それから、76から48に絞ったという理由。事業の内容として企画の中身が問題だったのか、あるいは予算的な問題から絞り込みをしたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
 それからもう一つ、この事業との関係性についてですが、三陸創造プロジェクトということで取り組みが進められている五つのプロジェクト事業の考え方があるんですけれども、これらの事業との関係性についてはどのようなものなのか。あるいは、このプロジェクトの中身から生かされる起業として取り組まれるものがあるのかどうか、そういった点についてお伺いしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 今年度、対象としました起業支援者48でございますけれども、76の応募から48への絞り込みですが、これは委託団体と連携しまして、民間の委員を中心とした審査会を開きました。その中で、応募された方皆さんに事業構想書を出してもらってそれぞれプレゼンテーションを行った次第です。その中身で、審査の方々の視点から、これは事業性があるとかないとか、あるいは継続性があるとか、そういうプロの目の視点で審査いただいて76から48に絞り込ませていただいたところでございます。
 それから、48人の方々の地域別ですけれども、振興局単位で申しますと、県北地区が2人、それから宮古地区が15人、それから釜石地区が15人、大船渡地区が16人の合計48人というような区分けになってございます。
 それから、三陸創造プロジェクトとの関連でございますけれども、起業ということで地域の人材育成という視点もございまして、一つは、三陸創造プロジェクトを構成しております産業振興プロジェクトが目指す、個性豊かで競争力のある産業の構築という分野、それから、地域づくりプロジェクトが目指します定住、交流人口の拡大、こういうものにつながるものと考えておりますので、起業された方も三陸の地域資源、いわゆる人的資源という観点から長期的な視点で支援してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 絞り込んだということですが、先ほどの城内委員の質疑の中で、3年間にわたってフォローしながら見ていくということで48事業もあるわけですが、そうすると、これから以降、新年度あるいは再来年度に向けては新たにまた公募したものに対しての事業化と、そこからまたスタートした3年間のスキームという形の考え方でその取り組みを進めていくことなのか。
 もう一つは、この事業自体が、トータルとしてはどういう到達点というか目標に向けているのか。事業所数とかそういった企業の数なのか、あるいは今後の展開の中で軌道に乗ったものを成果とて見ていく評価につなげていくのか、その辺の考え方はどうなんでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 この事業は、先ほど城内委員にも申し上げましたとおり、3年間のスキームで実施するということで平成25年度から実施しております。単年度単年度、平成25年度、平成26年度、事業目標としては、50人の起業支援対象者を選定していこうという目標値を持っていまして、平成25年度はそれに対して48人という結果でございます。平成26年度―来年度につきましては、新たに募集してこれも50人。3年間でトータル100人の起業目標を掲げて育成していくというような考え方で進めております。
 ただ、トータルの目標としては起業支援者を100選定いたしますけれども、それぞれの起業者が実際に事業化してひとり立ちしていくというところまで3年間で100人選定された方が全部いくかというと、今年度実施しておりますけれども、すぐにいかれる方とそうでない方の進捗度が違いますので、経営支援、密着支援しながら、起業に少し時間がかかる方もしっかり起業ができるようにサポートしていくような体制で、3年間でまず目標を達成したいと考えております。
〇木村幸弘委員 いずれしっかりと支えながら、せっかくの、志高いということで午前中の審査の中でも申されておりましたから、そういう方々をしっかりと支援していただきたいと思います。
 2点目ですが、計画調査費の復興計画推進費についてであります。
 これも福井せいじ委員から若干質問された部分があったんですけれども、改めて、今回の推進費について、重層的、多角的な進行管理を行い、着実な推進を図るということが目的としてあるわけですけれども、そのための各種計画の実態というものをまずどのように把握されているのかということ。
 まとめて聞きます。
 特に被災者のニーズが、時間の経過とともに生活再建を中心として考え方に変化があらわれてきているということが言われております。住まいの確保を含めたいわゆる暮らしをどう確保していくかということについて、さまざまな移転計画事業等に見直しが迫られているケースもあるやに聞いておりますけれども、こうした被災者のニーズの変化と、計画そのものに見直し等が生じるような状況というのはどうなっているのか県内の動向を示していただきたい。
 そして、最後になりますけれども、被災者のこうしたニーズと動向をやはりしっかり把握することが重要だと思いますけれども、こうしたいろいろ変化していく動向をどう把握し、適切なマッチングをしていくための対応を進めようとしているのか、そうした点についてもあわせて示していただきたいと思います。
〇森総務企画課総括課長 復興計画の重層的、多面的な進行管理についてでございますが、各事業の進捗状況を明らかにするという大前提のもとに、そのほかに客観的指標、人口ですとか経済指標を用いたインデックス調査、それから県民意識調査を5、000人規模で実施してございます。それから、各地点での復興の感覚の動きを捉えますウォッチャー調査、これらを使いまして進行管理を行っているところでございます。
 各事業の進捗につきましては、第1期実施計画の第1期末の各事業自体の目標値の8割以上はおおむね達成したわけではございますが、これは基盤づくりに向けた各事業の目的を達成したという意味でございます。また、安全の確保に係る事業については一部ではおくれが生じているところもございますし、県民意識調査、ウォッチャー調査などの結果を見ますと、復興の実感の改善にはまだつながっていないと考えているところでございます。
 県民の皆様から見て十分な復興の実感を得られるように、またこれらの調査を使いまして、毎年度ローリングして復興の加速化に努めていきたいと考えているところでございます。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 移転計画事業等の見直しについてでございますけれども、市町村では、被災者の方々から意向調査を複数回にわたって行っております。やはり時間の経過とともに、住宅再建されるに当たっても、自力再建を希望する方、あるいは災害公営住宅に入居を希望される方、意識の変化がございます。それが意向調査の結果、数として計画にあらわれ、市町村ではその計画に基づいて見直しなどをされております。
 やはり復興まちづくり事業は、計画から実現まで一定の期間を要します。事業を進める上で、住民の方々と話し合いをされて、柔軟に事業の内容や進め方を見直していただくことが必要と考えております。例えば大船渡市では、防集事業を予定していた甫嶺地区がございました。住民の方々の意向の変化がありまして、防集事業で実際に事業採択になるものから自力再建をされる予定の方がふえたと。防集事業で移転される方が減った形としまして、対応としては、計画を変更しまして、近くにあります浦浜東地区と計画を統合して、今、事業を進めさせていただいているという事例がございます。
 今後とも、時間の経過に伴う被災者の意向変化にマッチングするような形でまちづくり、住宅再建が実現できるように市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 被災者のさまざま置かれた立場によって、ケース・バイ・ケースでどんどんそのニーズというか考え方について変化を来すのはやむを得ないことだとは思います。問題は、やはりそこにいかに適切に、復興局の皆さんを含めて、佐々木理事兼副局長が午前中の審査の中でも、被災者にしっかり寄り添って、その心を拾い上げていきたいという御答弁をされておりますから、そういう意味で、しっかりとそういった被災者の立場に立った取り組みを進めていただきたいと思います。同時に、いろいろと被災者に対しての情報提供のあり方で、暮らしの安心ガイドブックという形の一つの冊子とか、いろいろな事業メニューを含めて情報提供はされているわけですけれども、暮らし再建に向けて動き出した被災者のいろいろなケースというか、例えば、こういう補助を生かしながら私の場合はこういうふうな形で暮らし再建の見通しを立てたとか、具体的に今もこういう形で持ち家に向けての動きをつくっているとか、あるいは私はこういうふうに考えて公営住宅に動くことを決めたんだとか、そういったいろいろなケース・バイ・ケースの被災者の思いとかそんなもの、個人の思いや考え方ですから、公にできる方とできない方とあるでしょうけれども、そういった一つの同じ被災者同士が共有する思いの中で、ああ、この人はこういうふうな考え方でこういう判断をしたんだなとか、ああ、こういうふうにしてやれば生活再建の形がとれるんだなとか、そういうものをひとつ情報として被災者同士で共有できるようなものを提供すべきじゃないかと思っているんです。
 きょう、宮城県のケースで、月間情報誌みたいなものを出して、県外とかに避難されている方々にはやはり情報が不足しているんじゃないかということで、そういうものを提供したいという記事が載っておりましたけれども、本県の場合にはそういったパターンというか、そういう情報提供の仕方としてどのようなものがあるのか。もし考え方として、今、私の申し上げたことも含めて、検討されるのであればぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 被災された方々への情報提供についてでございますが、委員御指摘のように、暮らしの安心ガイドブックというものを4万部毎年作成して配布しております。平成26年度においても作成、配布の予定でございます。その際、現状でも結構使いやすくつくっているつもりではございますが、さらにいろいろな意見を聞きながら使いやすいものとして提供したいと考えております。
 また、県外あるいは内陸に移動されている被災者の方々に対しましては定期的な情報提供を行っております。県外の方には毎月1回、内陸に避難されている方には奇数月に1回という形で直接郵送して情報提供を行っております。あわせまして、ホームページ等の広報媒体の活用といたしまして、いわて復興ネット―これはホームページでございます、それから全戸配布のいわてグラフ、それからテレビ、ラジオの県政広報枠等を活用して多角的に情報提供してまいります。
 委員御指摘のような点も踏まえまして、情報提供のあり方も工夫しながら支援してまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 最後にします。
 いろいろな必要な情報を提供することの中でいつも私思うのは、マスコミメディアも含めて、例えばどんどん心境が変化して計画が見直されるそうだとか、いろいろな形で先行的にいろいろな情報が被災者に届けられるわけですけれども、その中で、やはり心理的に、被災者がその情報を見て変に焦りを感じたりとか、ああ、やっぱり今までこう思っていたけれども、みんながそう思っているのであれば別な考え方にしなければならないんじゃないかというふうに、追い込まれるまではいかないかもしれませんけれども、やはりいろいろな確かな情報というか、マスコミの情報だけではない、選択の幅をきちんと被災者の皆さんにも十分提供できるような情報の提供の仕方というものをぜひ工夫していただければということを申し上げておきたいと思います。
〇斉藤信委員 大震災から3年が経過して、これから岩手県も第2期復興実施計画もつくって本格復興に取り組むという時期なので、私は、この3年間の間、岩手県が国や他県に先駆けて取り組んできた県単独事業はどういうものがあるのか示していただきたい。あわせて、復興基金事業で具体化した事業と今後の財源の見通しはどうなっているか。
〇森総務企画課総括課長 地域の被災状況に応じた復旧ですとか復興を急ぐために、本県におきましては、国の予算措置を待たないで補正予算をお認めいただきましてこれまで対応してきたところでございます。平成23年度におきましては12回の補正をお願いしたところでございます。
 主な例といたしましては、平成23年4月の段階で中小企業の方々の事業の再建をやるために、修繕費の半額の補助をさせていただくというものを単独で実施させていただいておりますし、同じ年の6月になりますと、水産業経営基盤復旧事業ということで、ワカメですとか昆布ですとかの養殖施設等の共同利用施設の復旧の支援を行わせていただきました。また、平成23年12月には、被災者住宅再建支援事業費補助ということで、さまざまな制度のすき間にあって応急修理の適用を受けられない方々の住宅の修理をお手伝いさせていただいたところでございます。平成24年度からは、いわゆる100万円補助という形でさらに住宅の再建を支援してまいったところでございます。
 それから、復興基金の関係でございますが、復興基金につきましては、これまで725億円積み立ててございます。そのうち425億円につきましては市町村に交付させていただいておりますので、残り300億円が県の部分ということになります。
 具体的には、これまで、既存の制度では手の届かない部分、例えば住宅再建費用の一部助成などに約70億円、中小企業の被災資産の復旧等に12億円、それから、三鉄の復旧支援に約20億円を初めといたしまして、国民健康保険、後期高齢者医療制度における一部負担金免除に関する経費ですとか私立学校の災害復旧支援などを行わせていただいたところでございます。
 今年度末の残高は約180億円と見込んでございますが、現在実施している各事業を維持するだけでも平成30年度にはなくなる見込みでございます。第2期計画に入りまして本格的復興が進んでまいりますと、産業のほうも生活のほうもさまざま新たなニーズが出てくると思いますが、それに対応するのはなかなか厳しいものがございますので、こういう点についても国に対して引き続き要望してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 震災の年の4月に中小企業被災資産修繕費補助をいち早く、中小企業に対しては今まで融資しかなかったんだけれども、岩手県が全国に先駆けてこういう取り組みをやってきた。6月には、養殖施設、あと漁船の確保も、国庫補助が決まらない段階で、国庫補助を獲得できるものという形で6月に措置しているんです。生活再建の住宅支援、そして100万円補助、被災者の医療費、介護保険利用料の支援など、私はこの3年間、岩手県の復興の取り組みは、そういう点で基本的に被災者、被災地に寄り添った前向きの取り組みだったと思います。
 その最大の財源になったのが実は復興基金なんですね、300億円の復興基金。それだけどんどん取り組んでいますから、今、答弁あったように、平成30年度には財源がなくなると。だから、今の取り組みを維持するためにも自治体が自由に使える財源確保が緊急の課題なので、国がやらないというんだったら、県や市町村が被災者に寄り添ったこういう取り組みができるような財源の要求を強くやっていただきたい。
 それと、基金の状況でもう一つお聞きしたいのは、分野別の構成比を示していただきたい。安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生にパーセンテージでどれだけの基金が具体化されたか。そして、今後の財源確保の決意も含めてお聞きしたい。
〇森総務企画課総括課長 各分野ごとの基金の使用状況でございますが、一番多いのが生活の再建、暮らし、住宅を含めた部分でございます。これが78%余り。その次に、中小企業を中心といたしましたなりわいの再生の分野に14%弱。あとは交通の関係で、安全の分野に1割弱ということになってございます。
 現在のままこの状況を続けていくだけでもなくなる。今、第2期計画の策定作業を進めているわけでございますが、この中でもさまざま被災地の方から新たなニーズ、要望等が来ております。そういうものに今後、毎年度ローリングしていく中で対応していくためには、この基金についてさらに十分な額を国から手当てされないと都道府県の計画もなかなかうまくできないというところもございますので、どのぐらい必要になるのかという全体の財源もあわせまして、他県と連携いたしまして要求してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 次に、私は、持ち家再建に対する支援の問題でお聞きしたいんですが、防災集団移転事業や区画整理事業、さらには漁業集落防災機能強化事業など、1年間で1万87戸の計画だったのが8、405戸に持ち家の宅地造成の計画が減少しているんです。これは1、682区画、16.6%の減少です。減少した主な要因をどのように県は分析、捉えているでしょうか。そして、持ち家再建を支援するためにどういう課題が必要なのか示していただきたい。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 まちづくりに係る持ち家再建の減少についてですけれども、今、委員から御指摘ありましたのは、国が公表しています住まいの復興工程表において、市町村が面的整備事業に供給を予定する宅地の区画数でございます。確かに、平成24年12月末時点で1万87区画、昨年12月末で8、405区画という状況となっております。この数値の変動は、市町村における意向調査の精度が高まったことに加えまして、当初の調査では高台移転等を希望していたものの、住宅用地の確保時期を考慮されながら、震災復興特別交付税を財源とした市町村における支援策などもあり、みずから土地を探し求めての住宅再建や、民間賃貸住宅への入居あるいは被災地を離れた場所での再建など、意向が変化した方がおられたことが主な要因ではないかと考えております。
〇佐野生活再建課総括課長 持ち家再建に係る課題でございますけれども、やはり用地取得の問題などから面的整備がなかなか進まないということで住宅用地の確保がおくれているということ。そして、この用地の確保とあわせて災害公営住宅の建設のおくれなどもございまして、被災されている方々がどういった形で再建するかという再建方法の意向が揺れているということが課題でございます。
 県としては、第2期実施計画期間において面的整備を加速していくことが重要、あわせて被災者住宅再建支援事業を着実に実施してまいりますが、いずれこの支援額の増額と震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援の拡大を引き続き国に対して強く要望していく必要があると考えております。
〇斉藤信委員 わずか1年間で1、682区画、16.6%も持ち家再建しようとしていたのが減ったわけです。それは、待ち切れずに、みずから土地を確保して再建した人、さらには、今あったように、待ち切れないで民間住宅に移った、さらには被災地から離れたと。私は、このまま放置したらこの傾向は続くと思います。8、000区画でとどまるということはないと思います。そして、ことしじゅうに全部まちづくりが整備されるどころか、来年、再来年ですよ、ピークは、まちづくりで宅地が完成するのは。あと1年、2年、下手すれば3年以上待たなければならない。そういう中で、やっぱり今、被災者の方々は本当に限界にきて、迷っています。だから、希望が欲しいんですよ。
 佐野課長の答弁で一つ足らなかったのは、用地取得の困難と、公営住宅にするかどうかという揺れと資金不足なんですね。やっぱり平均して2、000万円かかる。500万円、600万円、うまくいけば700万円ぐらいの支援策はかなり頑張ってつくりました。でも、2、000万円の家を建てるということになると、この支援策でも足りないのですよ。だから国に、300万円の被災者生活再建支援金、国がこの一大事で増額しないということは許されないことです。これは何としても500万円以上に引き上げるということを求めていってほしいけれども、待っていられないというのが被災者の状況です。だから私は、県や市町村がさらに100万円、200万円上乗せして被災者に希望を与えるということが本当に今の局面で求められているのではないかと思うが、副局長、どうですか。
〇佐々木理事兼副局長 お尋ねの件につきましては、本会議でも何度も答弁いたしましたが、財源が限りなくあればそれはもちろん上乗せするべきものでありますが、予算の限界と、それからやはり、国に寄り添うわけではないですが、今後予想される大災害のことを考えると、無尽蔵に国としても300万円を400万円、500万円にかさ上げすることについては相当覚悟が要る措置だとは現時点で思っております。
〇斉藤信委員 実は、国の被災者生活再建支援金についていえば、4年後にこれは見直すということになっていて、その見直しの時期は過ぎているんですよ。そして、震災直後には、私、本会議でも紹介したけれども、民主党も自民党も500万円引き上げと提言したんですよ。だから、ある意味でいくと、そういう合意が震災直後にあったけれども、それが財務省の圧力で冷えてしまった、これが真相だと思います。これだけの戦後最大の大災害のときに引き上げなかったらいつ引き上げるのか、こういうことなのでぜひそれをやってほしいし、必要な財源を確保しながら、これは時間との勝負なので、本当に持ち家再建が進まなかったら高台移転も見直しですよ。区画整理も穴だらけの区画整理になりますよ。そういう深刻さを持って、私は持ち家再建を思い切って支援すべきだと強調しておきます。
 次に、住宅の二重ローン問題についてお聞きいたします。
 直近で、住宅二重ローン、被災ローンの解消の申請はどうなっているか。そして、そのうち債務整理の見通しが立ったものはどうなっているか示していただきたい。
〇佐野生活再建課総括課長 直近で申し上げます。平成26年3月7日現在、本県分の状況を見ますと、個別の相談件数が998件、債務整理開始の申し出件数が112件、そして債務整理が成立した件数が216件となってございまして、時間の経過とともに一定程度の伸びが見られます。ちなみに、昨年の同時期であります3月15日の成立件数は68件でございまして、3倍になっているところでございます。
〇斉藤信委員 私は998件の申請そのものが少ないと思います。そして、998件申請したにもかかわらず328件しか債務整理成立の見通しが立たないと。これは3分の1ですよ。32%ですよ。申請が少ないのはなぜなのか、そして、申請したにもかかわらず3分の2以上が認められない、排除されている理由は何なのか示していただきたい。
〇佐野生活再建課総括課長 申請に至っている部分が少ないという部分につきましては、私どもあるいはガイドライン運営委員会とも連携しながら周知に努めてはいるとはいえ、被災者の方々に制度の内容が十分に伝わっていないという状況があるかと思います。
 そして、なかなか債務整理までいかないという部分につきましては、一定額の収入や資産があることで返済が可能ではないかと判断されるケース、そして、震災前から滞納があったということで、これは震災に起因する返済困難ではないということで制度利用の対象外と判断されるケースなどがあって、利用の要件が厳しいということをお聞きしているところでございます。
〇斉藤信委員 金融庁が2月に資料を出しているんですが、現段階で、返済一時停止している債務者、そして、既にもう払い続けている債務者、これは東北3県のデータが出ていると思いますけれども、どうなっているでしょうか。そして、岩手県はどれだけというふうに推計できますか。
〇佐野生活再建課総括課長 被災3県―岩手県、宮城県、福島県合計で申し上げますと、約定返済を一時停止している債務者数につきましては全体で361名、そのうち住宅ローンに係る部分が160件と公表されております。また、条件変更契約、いわゆるリスケジューリングを行って契約を締結した債務者数でございますが、東北3県全体で2万8、169件、そのうち住宅ローンについては8、867件となっております。これは3県全体の数字でございまして、被災者に係る部分については把握できない状況でございます。同様に、本県のみの部分の件数がどうなっているかについても把握できないところでございます。
〇斉藤信委員 今、被災3県で、被災者に限らないけれども約定返済一時停止しているのはたった160件ですよ。岩手県の比率は、4分の1だとすると40件。8、867件が返済し続けている。4分の1だとすれば2、200件です。圧倒的に被災者は、今、流された住宅のローンの返済をさせられているという実態ですね。金融庁、東北財務局、盛岡財務事務所、これは通知を出しています。去年の12月10日、被災者に徹底しなさいと。こういうガイドラインの制度があること、活用を徹底しなさいとなっている。ぜひ県内の金融機関に聞き取りをやっていただきたい。被災者のローンでどのぐらい扱いがあるのか、どうなっているのか。金融庁の通知は徹底されているのか。1、000万円、2、000万円の流失したローンを払い続けさせるというやり方というのは、被災地の金融機関としては問題だと思いますよ。金融庁の通知でこのガイドラインの徹底というのを私は求めるべきだと思いますけれども、どうですか。
〇佐野生活再建課総括課長 金融機関に対する通知の徹底についてでございますが、県としては、昨年11月25日に県主催で開催いたしました岩手県中小企業金融連絡会議にはほぼ全ての金融機関が参加してございますが、その参加金融機関に対しまして、ガイドラインの利用を積極的に勧めていただくよう要請しております。また、岩手弁護士会や東北財務局とも連携しまして、沿岸、内陸各地で延べ13回にわたって開催してきた無料相談会においても、金融機関から直接、債務者個々に対し周知を行っていただくなどの協力をいただいているところでございます。
 今後とも、県として、関係機関との緊密な連携のもとに、ガイドラインの利用促進に向けた周知とあわせ、国に対しても、あらゆる機会を捉え個人の二重債務解消に向けた支援を要望してまいります。
〇斉藤信委員 この二重ローンの解消が進まない原因は、個人版私的整理ガイドライン運用基準、これは10月30日に初めて成文化されたものです。そこには何が書いてあるかというと、こう書いているんですよ。事業性債務を負担する場合を除いて、震災後の年収が730万円以上の債務者については特段の事情がない限り支払い不能要件を満たさないものとすると。年収が730万円以上あったら、2、000万円借金があっても、あなたは支払い能力があるからだめですよと申請さえ閉ざされているんです。成文化されたのはいいんだけれども、共稼ぎで40代、50代の御夫婦が頑張っている場合、730万円超えると思うんです。今幾ら返しているかというと、月8万円返しているんですよ。月8万円返して、新しい家を建てようと思ったら月8万円のローンを組まなければならないんですよ。できるわけないんですよ、これだったら。そして、この年収というのは直近1年間の年収額。例えば、58歳で被災した。あと定年まで2年間だ。そうすると、再雇用になったとしても3年後には収入が半分に下がる。そういうのは考慮されないんですね。
 もっと柔軟に、1、000万円、2、000万円の流された住宅のローン、こういうものを救済しないと、復興の主力になる40代、50代の働き手が被災地で家も建てられない、被災地で生活もできないということになってしまうのではないか。そういう点で私は抜本的な改善、見直しを求めるべきだと思いますが、いかがですか。
〇佐野生活再建課総括課長 委員御指摘の基準については内規で定めたということは伺ってございます。私どもには開示していただいておりません。弁護士会等との打ち合わせの中で、そういったものの存在があるというふうにはお聞きしてございます。
 やはり被災者の債務整理を確実に進めるためには、委員おっしゃるように制度の弾力的な運用だけでは限界があろうと思います。制度の運用の見直しにとどまらず、法整備をも含む新たな仕組みを構築していくことが必要だということでございますので、昨年11月にも復興庁、金融庁への要望を含め、繰り返し要望してきたところでございます。今後とも、あらゆる機会を捉えまして、国に対してそういった制度の改善に向けて要望してまいります。
〇斉藤信委員 被災者の二重ローンというのは住宅再建の一つの大きな障害ですから、やっぱりこれを突破するような取り組みを強めていただきたい。運用基準を後で提供しますから、弁護士会も知っていると思うけれども、よく分析してやっていただきたい。
 次に、事業所は8割再建と復興局は言うんですけれども、経営支援課が2月1日現在、被災市町村における商工団体会員事業所の被害状況、4、341事業所被災して、営業継続、再開が3、229、74.4%。こういうデータが出ているんだから、トレンド調査で回収率6割の復興局の調査で8割再開なんていうああいう実態に合わない表現の仕方は見直したほうがいいと思います。
 そこで私は、地場産業の再建が安定した雇用の確保で一番大事だと思うけれども、水産加工を含めた地場産業の再建にどう取り組んできたか、これからどう取り組むのか、雇用はどこまで回復したか示していただきたい。
〇石田産業再生課総括課長 当局でまとめております被災事業所調査のデータでございますけれども、これは委員御指摘のとおり、商工関係者を対象にして当局から調査票を配りましてアンケート形式でまとめたものを使っております。したがいまして、事業所の再開状況以外にも、業績の状況や調査時点における課題も含めて事業者の方からアンケート形式でいただいているところであります。
 一方、商工労働観光部経営支援課が所管するものにつきましては、商工会議所、商工会の組織のラインを通じて対象にしておりますので、一部対象はかぶっておりますけれども、組織ラインで集約するか、それから事業者それぞれの意見で集約するか、方法論の違いがございます。また、一つの基準としましては、当方で2、500ほどの事業所を対象にしまして昨年8月に実施した調査では1、479の回答を得ておりますので、全体の状況を把握する数値としては統計上大きな問題はないものと思っています。ただ、我々としては、調査の考え方……(斉藤信委員「そんなこと聞いてないから」と呼ぶ)
〇岩渕誠副委員長 簡潔に願います。
   〔斉藤信委員「あなた方の数字としては間違っていますよと言っているんですよ。だめだよ、時間つぶして」と呼ぶ〕
〇佐野生活再建課総括課長(続) 申しわけございません。
 いずれ当局としては事業の再開状況をこのような調査で把握しまして、県の全庁的な施策の中で、情報共有しながら参考にしていくというような形でモニタリングしているという状況でございます。
 それから、地場産業の再開のところにつきましては、現在、商工関係、小売関係のほうで全体におくれている状況がございます。これは、まちづくりの関係の事業用地の確保とか、あとは資金繰りの問題が課題となっている状況と考えております。
 当局としましては、商工労働観光部とも連携しまして、被災事業所の再建に必要な支援制度、それから二重ローンの対策などを含めまして周知徹底して事業所それぞれの再建を支援してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠副委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力を願います。
〇斉藤信委員 わかりました。最後、まとめてお聞きします。
 用地確保について、市町村では約6、000件が権利者調整が進んでいない、こういうふうに指摘されていますが、防集や区画整理や災害公営住宅等の内訳をわかる範囲で示していただきたい。
 用地確保の特例制度について、県は、憲法上の懸念への補足説明、用地取得困難事例、学識者からの意見聴取を行っていると言っていますが、これは具体的に今の時点でどうなっているでしょうか。
 仮設住宅の目的外使用について、先ほど最後の詰めだと。私は本会議でも言ったんだけれども、これは年度末、3月というのは特別大事な時期なんですよ。3月に希望する人たちが入居できるように今週中にでもやらないと間に合わないんじゃないか。いいことは早くなんです。そこのめどを示していただきたいし、市町村にはどのぐらい希望が出ているか。もうそういう取り組みをする必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 用地の確保についてでございます。
 今、委員から御指摘ありました約6、000件の権利者調整が進んでいないというのは、これは市町村に昨年9月に調査をした段階で、土地所有者不明とか多数共有があるか、そういった形で調査したものでございます。そのため、各事業、防集あるいは漁集、災害公営、そういった事業ごとの区分けで調べたものではございませんので、今時点でそれに対しての内訳は持っておらないところでございます。
〇小野寺復興担当技監 用地確保についての特例制度についてでございます。
 まず、憲法上の懸念についてでございますが、昨年11月に制度を国に要望した際、復興大臣のほうから、憲法上の財産権、適正手続の規定に抵触するおそれがあるといった懸念を示されております。具体的には、岩手県の提案は告示をするだけで土地を取り上げようとする制度のようであり、憲法に抵触するとの懸念であったものでございますけれども、県が要望しております特例制度は、土地所有者などの早期の手続参加の保障、それから意見申し出の機会を確保するなど、憲法上の財産権の保障及び適正手続の保障に関しまして、岩手弁護士会との共同研究によって、その点について特に留意した制度設計となっているものでございます。
 この制度につきましては、現行の土地収用法では対象外となっております市町村が施行します防集あるいは漁集につきましても同様に取り扱おうとしているものでございますので、そういった観点もありまして、国に対して特例制度の内容を丁寧にこれからも説明をし、懸念の解消に努めてまいりたいと思っております。
 次に、困難事例の具体的なものということでございますが、相続手続の未処理とか多数共有地が県、市町村事業を合わせまして約1、900件ございます。現行制度内でこれらの用地を取得するには膨大な時間と労力を要しますので、復興事業推進上の大きな障害になっている状況でございます。
 事例としましては、土地登記簿名義人が明治になる前の文久年間の生まれの方のままになっておりまして、相続人が50人近くに及んでいるもの、それから、昭和の1桁の時代に20人以上の共有地として登記された後に、ほとんど相続手続が放置されたままで、現時点で相続人が270人以上に及んでいる、そういった事例もございます。
 それから、学識者からの意見聴取についてということでございますが、制度を設計する途中におきましても意見を学識者から聴取しております。制度設計後におきましても、国の復興推進委員会の委員を初めとする、大学教授など、今までに8人の学識者から意見を聴取いたしております。
〇岩渕誠副委員長 答弁は簡潔に願います。
〇小野寺復興担当技監(続) はい。
 御意見はさまざまございますが、南海トラフ地震に伴う津波や首都直下型地震の懸念される状況にもございますことから、総じて学識者の皆様からは県が提案する特例制度を支持する意見を多く頂戴しているところでございます。
〇佐野生活再建課総括課長 応急仮設住宅の目的外使用についてでございますけれども、午前中に小野共委員に御説明した方向で、今、具体の最終の詰めをしているところでございます。
 大槌町長が新聞のインタビューに答えて3月中にもというふうな御発言もございましたので、できる限り急ぎたいと考えております。なお、具体的にどういった方、どういった人数の方が希望するかについては、現在、市町村でまとめているところでございまして、こちらでは把握してございません。
〇岩渕誠副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠副委員長 質疑がないようでありますので、これで復興局関係の質疑を終わります。
 復興局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇浅沼労働委員会事務局長 審査の順序につきまして御配慮をいただき、ありがとうございます。
 それでは、労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、説明書の143ページをお開き願います。第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、213万円は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要する経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費8、846万6、000円は、事務局の管理運営に要する経費であり、事務局職員10名の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
 以上で労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇岩渕誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠副委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、商工労働観光部関係の審査に入るわけでありますが、審査の進め方については、昨日、御報告いたしましたとおり、初めに、予算及び予算関連議案の説明を求め質疑を行い、その後、山田町災害復興支援事業等検証委員会報告書の説明を求め、関連する質疑を行うことといたします。
 それでは、予算及び予算関連議案の説明を求めます。
〇橋本商工労働観光部長 平成26年度商工労働観光部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 初めに、予算編成に当たっての基本的な考え方でありますが、本県を取り巻く経済、雇用情勢は、総じて着実な回復が続いているところであり、第2期復興実施計画の初年度に当たる平成26年度は本格復興推進年と位置づけ、暮らしの再建やなりわいの再生に係る取り組みをさらに加速させるとともに、希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進し、産業の一層の振興と安定的な雇用を実現させるよう施策の重点化を図ったところであります。
 まず、暮らしの再建に向けた雇用の維持、創出については、産業振興施策と一体となった雇用対策や基金を活用した安定的な雇用の創出に努めるとともに、職業訓練等の再就職支援や若者の定着向上、企業における人材育成及び人材確保の取り組みを支援してまいります。
 次に、なりわいの再生に向けては、被災した中小企業の事業再生のため、融資、助成制度を継続し、経営と金融が一体となった支援を行うほか、創業の促進やまちづくりと連動した商店街の再構築と振興に取り組んでまいります。
 また、観光の振興については、昨年、大きな反響を呼んだあまちゃんを活用した各種宣伝、誘客事業や大型観光キャンペーンの実施など切れ目のない情報発信に積極的に取り組むほか、震災学習を中心とした教育旅行の誘致などによる県北・沿岸地域への誘客促進や台湾との国際定期便の就航を目指した取り組みを進めるなど、観光需要の創出と拡大に重点的に取り組んでまいります。
 さらに、県内経済を牽引するものづくり産業の振興については、地場企業強化と企業誘致の両面から総合的に取り組むこととしており、自動車関連産業を中心として半導体、医療機器関連産業の集積、創出を促進するほか、ILC実現を見据え、県内企業の加速器関連産業への参入に向けて取り組んでまいります。
 以上が予算編成の基本的考え方でありますが、これら施策の推進に当たっては、それぞれの地域が持つ特性や魅力、人材などの資源が最大限に活用されるよう、関係機関などとも連携しながら、東日本大震災津波からの復興の加速、さらには、その先にあるいわて県民計画と第2期アクションプランに掲げる希望郷いわての実現に向けて、全力を傾注してまいります。
 続きまして、当部関係の議案につきまして御説明申し上げます。
 まず、議案第2号平成26年度岩手県一般会計予算でありますが、議案その2の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、1項労政費及び2項職業訓練費を合わせた218億1、804万9、000円と7款商工費の1、336億5、041万5、000円、9ページに参りまして、11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費の67億2、568万円、合わせまして1、621億9、414万4、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これを前年度の当初予算と比較しますと10億2、644万4、000円の減、率にいたしまして0.6%の減となっております。減額となった主な内容としましては、緊急雇用創出事業費補助の32億1、589万円余、中小企業経営安定資金貸付金の60億899万円余の減などによるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 それでは、予算に関する説明書の139ページをお開き願います。まず、5款労働費1項労政費1目労政総務費でありますが、雇用対策部門の職員給与費や労働情報の把握及び労働組合調査などに要する経費であります。2目労働教育費は、労働環境の整備や労働紛争の未然防止等を図るための雇用・労働フォーラムの開催などに要する経費であります。140ページに参りまして、3目労働福祉費でありますが、労働者等生活安定支援資金貸付金などに要する経費であります。4目雇用促進費でありますが、緊急雇用創出事業費補助は、離職を余儀なくされた失業者に対し、次の雇用までの短期の雇用、就業機会を創出する緊急雇用創出事業を行う市町村に対して、必要な経費を補助しようとするものであります。次の事業復興型雇用創出事業費補助は、将来的に被災地の雇用創出の中核となることが期待される事業所が、被災者を雇用する場合に、雇い入れに係る費用に対する助成金を支給しようとするものであります。次の生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業費補助は、高齢者から若者への技術伝承、女性、障がい者等の積極的な活用、地域に根差した働き方など雇用面でのモデル性があり、将来的な事業の自立により雇用創出が期待される事業を行う市町村に対し、必要な経費を補助しようとするものであります。四つ下になりますが、地域人づくり事業費は、失業者等の就職に向けた支援や在職者に対する処遇改善に向けた支援を目的とした事業を行うほか、当該事業を行う市町村に対し、必要な経費を補助しようとするものであります。
 下のページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費でありますが、上から三つ目の認定職業訓練費は、技能労働者の養成及び技能水準の向上を図るため、認定職業訓練を実施する職業訓練団体に対し、運営費の一部を補助しようとするものであります。2目職業訓練校費でありますが、上から一つ目と二つ目の管理運営費及び公共職業能力開発費は、産業技術短期大学校等の職員給与費及び運営費であります。下から二つ目になりますが、就職支援能力開発費は、離職者等の再就職を促進するための職業訓練を職業訓練法人等に委託して実施しようとするものであります。
 次に、175ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、一つ目の管理運営費は、商工業部門の職員給与費や事務経費など、管理運営に要する経費であります。上から六つ目の商工・観光風評対策緊急事業費は、放射性物質の影響による風評被害対策として、事業者の損害賠償を円滑に行う支援体制を構築するとともに、本県の観光物産や復興に関する情報発信を行おうとするものであります。三つ下になりますが、革新的医療機器創出・開発促進事業費は、岩手医科大学が医療機器関連産業の創出、集積を促進するため、企業、医療機関及び大学と連携して行う革新的医療機器開発に対し、必要な経費を補助しようとするものであります。次の新素材・加工産業集積促進事業費は、コバルト合金を初めとする新素材の規格化や製品の事業化に向けた企業の取り組みを支援し、新たな産業の集積を図ろうとするものであります。次の3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業費は、3Dプリンターの活用による高付加価値製品の小ロット短納期生産拠点を形成するため、生産革新、新分野進出等の検討や人材育成を推進しようとするものであります。六つ下の岩手産業文化センター施設整備事業費は、開館後28年が経過した岩手産業文化センターの施設全体の劣化に対応するため、機能維持に必要な外壁等の改修工事を行おうとするものであります。次のページに参りまして、2目中小企業振興費の県単融資でありますが、貸付原資の一部を金融機関に預託して貸し付けを行おうとするものであり、上から四つ目の中小企業経営安定資金貸付金は、売り上げ不振等により事業活動に支障を来している中小企業の経営の安定を図るため、必要な資金を貸し付けしようとするものであります。次のいわて起業家育成資金貸付金は、県内で新たに事業を開始しようとする者に対して、必要な資金を貸し付けしようとするものであります。四つ下の中小企業東日本大震災復興資金貸付金は、被災した中小企業の再建を支援するため、事業活動に支障を来している中小企業に対して、必要な資金を貸し付けしようとするものであります。下から七つ目で、21節貸付金の横に記載しております商工業小規模事業経営支援事業費補助は、商工会、商工会議所及び岩手県商工会連合会が行う小規模事業者の経営改善普及事業等の実施に要する経費に対し、補助しようとするものであります。下から三つ目の岩手産業復興機構出資金は、被災した中小企業者等の二重債務問題の解決を図るために、岩手産業復興機構への出資を行う岩手中小事業者支援投資事業組合に出資しようとするものであります。次の中小企業被災資産復旧事業費補助は、沿岸市町村の産業復興を促進するため、市町村が行う被災中小企業の復旧に対する補助事業に要する経費を補助しようとするものであります。次の被災商店街にぎわい支援事業費は、被災した沿岸市町村の商業機能の復旧や新たな商店街の構築に向け、専門家による計画策定や経営の支援を行おうとするものであります。下のページに参りまして、上から一つ目の被災中小企業重層的支援事業費は、被災した中小企業者の再建を支援する施策を効果的に実施するため、産業支援機関が行う復旧、復興支援事業に要する経費に対して補助等を行おうとするものであります。四つ下になりますが、自動車関連産業創出推進事業費は、自動車関連産業の開発、生産拠点化に向けて、設備投資や研究開発の支援、工程改善の指導、展示商談会の開催などの取り組みを実施し、地場企業の参入や取引拡大を促進しようとするものであります。下から六つ目になりますが、いわてフードコミュニケーション推進事業費は、食の安全・安心を基本とした食産業の活性化を図るため、企業間連携や新ビジネスの創出を推進するとともに、アドバイザーによる訪問指導、商談会、フェアの開催等を行い、商品開発から販売まで総合的に支援しようとするものであります。次のいわてブランド再生推進事業費は、放射性物質の影響による風評被害対策として、消費者の信頼回復といわてブランド再生のため、県産品の魅力を消費者に直接届ける販売機会の拡大を実施しようとするものであります。次のページに参りまして、3目企業立地対策費でありますが、上から二つ目の企業立地促進資金貸付金は、県内に工場等を新設または増設する企業に対し、設備資金を貸し付けるための原資の一部を金融機関に預託し、企業立地の促進を図ろうとするものであります。次の企業立地促進奨励事業費補助は、工場等の立地を促進するため、市町村が行う補助事業に対し、その経費を補助しようとするものであります。4目中小企業経営指導費でありますが、二つ目の中小企業ベンチャー支援事業費は、中小企業やベンチャー企業の育成を図るため、公益財団法人いわて産業振興センターが行う新事業創出から経営革新、取引開拓などの事業に対し、補助しようとするものであります。5目貿易振興費は、日本貿易振興機構盛岡貿易情報センターの事業運営経費に対する負担金であります。下のページに参りまして、6目工業技術センター費は、地方独立行政法人岩手県工業技術センターに対する運営費交付金であります。
 次のページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、一つ目の管理運営費は、観光部門の職員給与費、家族旅行村等の管理運営に要する経費であります。下から七つ目、8節報償費の横に記載の三陸観光再生事業費は、被災地の観光復興を図るため、震災学習を中心とした教育旅行について、受け入れ態勢の整備や誘致活動を推進し、沿岸観光の柱として育成しようとするものであります。次のいわて台湾国際観光交流推進事業費は、交流人口の拡大による地域経済の活性化を図るため、台湾からの観光客の誘客を促進しようとするものであります。次の三陸地域資源活用観光振興事業費は、あまちゃん効果の継続と他地域への波及を図るため、三陸地域のさまざまな地域資源を活用した効果的な情報発信、誘客活動、観光人材の育成を行おうとするものであります。2目観光施設費は、岩洞湖家族旅行村等の県有観光施設に係る劣化箇所の修繕や、道路拡幅工事に伴う観光案内板の撤去等を行おうとするものであります。
 次に、232ページをお開き願います。11款災害復旧費4項商工労働観光施設災害復旧費1目商工観光施設災害復旧費でありますが、中小企業等復旧・復興支援事業費、いわゆるグループ補助は、被災地の事業者が一体となって復旧、復興を行う場合に、当該事業に不可欠な施設等の復旧整備に対して、国と県が連携して補助しようとするものであります。
 次に、組織再編に伴い、当部から政策地域部へ移管する主な事業について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、戻っていただきまして、90ページをお開き願います。2款総務費2項企画費4目科学技術振興費でありますが、上から三つ目のいわて戦略的研究開発推進事業費は、次世代産業の創出につながる有望な研究開発シーズの発掘、育成と、その事業化を図るため、研究開発課題を公募の上選定し、実用化までの一貫した支援を行おうとするものであります。三つ下の国際的研究拠点構築事業費は、三陸の地域資源を生かし、国際的研究拠点を構築するため、国の海洋再生可能エネルギー実証実験フィールドの整備に向けたシンポジウムや研究開発のプロジェクトの創出支援等を実施しようとするものであります。次の洋上ウィンドファーム事業化促進事業費は、県北沿岸海域における風力発電の事業化を目指し、いわて沿岸北部海洋再生エネルギー研究会を開催するとともに、事業化に必要な調査事業等を実施しようとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 議案その2にお戻りいただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄3から8までの6件であります。内訳は、損失補償に係るもの4件、保証料補給に係るもの1件、離職者等再就職訓練に係るもの1件であり、これらについて、それぞれの期間及び限度額を定めて、債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 34ページをお開き願います。議案第8号平成26年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額をそれぞれ36億7、270万4、000円とするものであります。
 下のページに参りまして、第1表歳入歳出予算の歳入でありますが、1款繰入金1項一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資及び貸付事務費に充てるため、一般会計から繰り入れするものであります。
 2款繰越金1項繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 3款諸収入1項貸付金元利収入は、設備資金貸付等の貸付償還金であり、2項預金利子は、歳計現金の利子、3項雑入は、中小企業高度化資金の延滞違約金収入等であります。
 4款県債1項県債は、被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付金の貸付原資として、独立行政法人中小企業基盤整備機構から借り入れしようとするものであります。
 次に、36ページに参りまして、歳出でありますが、1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費は、公益財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付、設備貸与及び被災中小企業施設・設備整備支援事業貸付に要する資金を貸し付けようとするもの、並びに独立行政法人中小企業基盤整備機構に対する償還金等であります。
 2項貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する事務経費及び公益財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付等に要する事務経費に対する補助であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇岩渕誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇福井せいじ委員 まず、観光についてお聞きします。
 いわて観光キャンペーン推進協議会負担金の中に、事業の目的として観光に関して五つの潮流、流れをつくろうという目的が掲げられております。この五つの流れというのは、平泉から北へ!、内陸から沿岸へ!、二戸を玄関に!、空路で岩手に!、東北を一つに!、この五つの流れを示しておりますが、特にお聞きしたいのは、平泉から北へ、内陸から沿岸へ、二戸を玄関に、これを達成するためにどのような具体策を持っていられるのかお示しいただきたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 五つの潮流創出の関係でございますが、来年度におきましても、引き続き五つの潮流の創出をして、全県への誘客拡大を図るため、オール岩手の体制によりまして、秋冬期の大型観光キャンペーンも含めまして取り組んでまいりたいと考えております。
 御指摘のありました平泉から北へ!の関係でございますが、本県の誘客の柱である世界遺産平泉を中心といたしまして、各地の観光地や食、さらにはSL銀河などの新しい素材を含めた平泉からの周遊を促進するための情報発信の強化、あるいはそのモデルコースの提案といったものに加えまして、平泉と県内の各観光地を組み合わせた、特に平泉から北へという大きな流れをつくるための旅行商品の造成促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、内陸から沿岸へ!につきましては、内陸から沿岸への二次交通といたしまして、いわて三陸観光応援バスツアーを来年度におきましても4コース運行する予定でございます。そこに加えまして、三陸ジオパーク、あるいはみちのく潮風トレイル、三陸鉄道、そしてSL銀河、こういった新しい誘客要因を組み合わせた内陸から沿岸への回遊ルートの提案、また、その旅行商品の造成促進などに取り組んで、回復がおくれております沿岸地域の観光の再生に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、二戸を玄関に!でございますが、あまちゃんによりまして、久慈地域への注目が高まっているわけでございますが、こちらにつきましても、二戸から久慈へのアクセスの利便性のPR、それから二戸地域の例えば食であるとか、あるいは伝統工芸品であるとか、さまざまな二戸地域における観光資源といったものもまた生かしながら、しっかりとあまちゃんと絡めた形で情報発信を強化してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 今のお話を聞きますと、非常に広い岩手をいろいろなアクセスを結びつけて、二次交通なり、バスなり、さまざまな旅行商品で結びつけて回遊性を高めていくということでありますが、その一つに、今、あまちゃんの効果を活用するというお話がありましたけれども、このあまちゃんをどのように活用していくのかお示しいただきたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 あまちゃんを活用した観光の誘客でございますが、全国で高まったあまちゃんへの関心、これをさらに一層次の展開につなげていくことを考えておりまして、具体的には、全国におりますあまちゃんのファンの方々に対する効果的な訴求のための雑誌等への情報発信ということも考えておりますし、また、首都圏でさまざまなPRのためのイベントということも考えているところでございます。そこに加えまして、先ほども申し上げましたが、三陸ジオパークであるとか、あるいはみちのく潮風トレイルとか、三陸鉄道も4月に全線開通する、あるいはSL銀河も4月に運行が始まるということで、そういったものを例えば旅行商品などにも含めまして、そして、魅力ある旅行商品を造成して回遊をさらに進めてまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 実は私ども、昨年、視察で境港を訪れました。境港は、ゲゲゲの女房、あるいは水木しげるを題材にしたまちおこし、観光客の誘客を行っているのでありますが、あの境港で感じたのは、決して境港1カ所で誘客をしないということでありまして、例えば、県をまたがって出雲大社あるいは鳥取砂丘と一緒になって商品企画をする、その中に境港を入れ込むということでありました。
 私は、あまちゃんに力がないとは言いませんけれども、やはり一つではなかなかお客さんに魅力を訴えられないということで、ジオパークもありますが、あるいはその中に、例えば八戸の魅力ある八食センターとか、そういった広域の形で、広域の観光商品をつくって売り込むことも必要だと思います。
 また、平泉から北へというのは、なかなか難しいことだと思います。お客さんにそういう意識づけをしても、なかなか上に上がってきてもらえない。であるとすれば、平泉まで来たら、県内の周遊フリー切符をつけてやるとか、そういった仕掛けを、仕組みをつくらなければ、なかなかお客さんは上に、北へ上ってこないと思うんであります。そういった形で、広域をいかにうまく使うか、お客さんをその気にさせるかという仕掛け、仕組みづくりが必要だと思います。
 また、例えば盛岡に泊まったら、あまちゃん、あるいは平泉を訪れるようなレンタカーをただで貸してあげるとか、そういった足をいかにくっつけてやるかが必要だと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇岩渕観光課総括課長 一つ、広域というようなお話がございました。基本的には、あまちゃんがあり、そして、岩手県の観光地としてのブランド力の高い平泉がある。この二つが岩手県にとって情報発信の柱になってくるだろうと考えておりまして、まずはこの二つを積極的にPRしながら回遊を進めていくという方向を考えておりますが、委員御指摘のとおり、八戸につきましても、岩手の北の玄関口として二戸があり、そして八戸があるということで、例えば県北広域振興局におきましては、八戸、二戸におきまして、合同で、例えば首都圏のほうでPRなどもしておりますので、お客様にとってみれば県域というのはないだろうと思いますので、そういった広域の目線でこれから取り組んでまいりたいと考えております。
 また、その周遊のフリー切符あるいはレンタカーのお話につきましては、そういったことも含めまして、いろいろと関係者の皆さんと検討してまいりたいと考えております。
〇福井せいじ委員 たまたまというか、北のほうのあまちゃん、そして南の平泉といって、非常に離れた場所にある二つの魅力ある観光資源ですが、これは、ある意味で、逆に考えるとプラスだと。そこを結びつけて、その間をぐるぐる回ってもらう、そういった前向きな姿勢でぜひ取り組んでいただきたいと思っています。ただ意識だけでは動かない、仕組み、仕掛けをつくらないとお客さんは動かないと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 次に、地域人づくり事業費7億2、500万円余についてお聞きします。
 この内容に、実は、これは国の平成25年度の補正予算1、020億円を活用した事業だと聞いておりますが、ここで、都道府県は、あらかじめ雇用拡大及び処遇改善に関する事業の到達目標を立て、その進捗を管理することが必要だと言われております。
 そこでお聞きします。雇用拡大のプロセス、そして処遇改善のプロセスに県はいかなる内容で取り組んでいくのか、お示しいただきたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 今、御質問のありました雇用拡大プロセス、これは、委託事業を受託した企業等が、OJTでありますとか、あとは職場実習のOFF−JTといったものを組み合わせて人材育成を行うものです。
 今後想定される内容としましては、まだ事業について事前準備の段階ではありますが、国からは、現在、人手不足が叫ばれている建設産業において、技術者の育成を行う事業といったものが例示されております。
 もう一つの処遇改善プロセスでございますが、これは、従来の人を雇っての緊急雇用事業ではなくて、在職者の処遇向上を行うための原資を獲得するために、例えば販路拡大事業であるとか経営効率化の取り組みに対して、この人づくり事業で支援するというものでございます。こちらもまだ具体的な内容は固まっておりませんけれども、想定される内容といたしましては、職場定着の向上のための取り組みでありますとか、あるいは、もし企業から手が上がれば、販路開拓のための展示会、あるいはさまざまなアドバイザーの招聘とかといった事業に活用していこうかと考えております。
〇福井せいじ委員 今お伺いしたのは、これまでも、やはり雇用拡大あるいは処遇改善の中で従来行ってきた事業なのかなということを私は感じました。また、ここで改めて今、地域経済を活性化する、拡大していくことに地域人づくり事業の目的があるのではないかと思うのでありますが、そういった新たな人づくり、雇用拡大あるいは処遇改善の取り組み事業というのは、特にまだ考えてはおられないということでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 全く新しい内容という形ではまだ考えていないというのが正直なところでございます。ただ、従来の幅広い対応というよりは、今回は予算額も限られておりますので、先ほど申しましたような特定の業種あるいはテーマに特化して取り組んでいければと考えています。
〇福井せいじ委員 先ほどの高橋課長のお話の中で、雇用拡大の中でミスマッチの話が出てきました。人手不足の業種があるということでありましたけれども、私は、今起こっているミスマッチについては、職種によるミスマッチではなく、求人側と求職側のミスマッチというのは、レベルのミスマッチにあるのではないかと思っております。
 特に、求人するほうが過剰な期待を抱いて人を求める場合がある。そこに求職してきた人が入ってくる、そこでずれが起きるというかギャップが出るような状況がある。実際、私どもの周囲でもそういうことがある。特に、やる気がある人を求めるなんていうことを書くと、逆に応募するほうは引いたりしてしまうと。
 そこで私がお願いしたいのは、企業側に、求人して入ってこられた方にしっかりと教育する環境を整えていただきたい。仕事になれるまでの間の試用期間とかといったものを設けながら、しっかりと、ゆっくりと人を育てる環境をつくっていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まさに今御指摘のように、企業に入った後にいかに人を育てていくか、いわゆる特定の熟練工というよりは、社会人としての人材育成のシステムが必要だと考えております。
 そのために別の事業で、一つには、若者が職場に定着できるように、若者に達成感を感じさせるような職場づくりといったものを企業側に意識改革させる研修を一つ計画しております。そのほかに、新入社員から入って間もなく1年、3から5年、そして中堅クラス、経営者と段階的な形でさまざまなメニューを提供していけるようなものを体系づけて、ほかの事業と組み合わせ、また、岩手労働局が行う事業とも連携して、トータルとして岩手県の中で開催するようにやっていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 そういった求人側と求職側の垣根を低く、低く持っていけるような雰囲気といった環境づくりと仕組みづくりを、ぜひやっていただきたいと思っております。
 続きまして、岩手産業文化センター施設整備事業費3億5、700万円余について、この施設整備の内容、そしてまた、今後のこの産業文化センターの利用促進策についてお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 岩手産業文化センターの施設整備の内容及び利用向上の促進策についてのお尋ねでございます。
 まず、施設整備の内容についてでございますが、岩手産業文化センターは、昭和60年の催事場建設後28年を経過しておりまして、また、平成4年に会議場を建設しておりまして、施設全体の劣化が進んできておりますので、これまでも計画的に修繕を行ってまいりましたけれども、先般の東日本大震災津波におきまして救援物資の集配拠点になったということもございまして、平成24年度には、県の地域防災計画の防災拠点として指定されたことも踏まえまして、平成26年度においても、施設の機能維持のために必要な修繕を実施しようとするものでございます。
 主な修繕内容につきましては、経年劣化による壁のタイル剥離による落下の事故防止のため、壁タイルを取り払い、防水塗装処理による壁面保護を図る外壁の防水塗装改修工事、また、館内の配管更新工事、また、分電盤や消防用設備の更新工事を主な修繕内容としております。
 また、今後の利用促進策についてでございますが、まずは、現在、これまで利用していただいております団体等のリピートを促進する策としまして、アンケート実施結果を運営、改善に反映させること等によりまして、顧客の満足度を高めていきたいと考えているところでございます。
 また、東日本大震災津波を契機にしまして、復興支援の目的で御利用いただいた団体への継続的に御利用していただきたいという働きかけを行っていきたいと考えております。
〇岩渕誠副委員長 答弁は簡潔に願います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長(続) はい。
 また、平成26年度事業として、観光課所管のみちのくコンベンション等誘致促進事業によるコンベンション開催のためのセールス事業などとも連動して、利用者の増加を図っていきたいと考えております。
〇福井せいじ委員 近年の利用者数を見ますと20万人前後の利用者数で推移しているということで、ここの目的は、文化あるいは催事、会議ということでありますが、私は、ここにスポーツというものもつけ加えて、さらに利用者の拡大を図ってもいいのではないかと考えます。本格的なスポーツではなくても、例えば屋内で青少年がスポーツ大会に利用するとか、そういった利用の範囲を広げることが、さらにこの施設を有効活用、そしてさらに利用者数をふやすことだと思いますが、そういった施設の利用目的を拡大していくことについていかがお考えでしょうか。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 この産業及び文化の普及振興を図るために設置された施設ということでございますけれども、県民の福祉の向上のために幅広く使うという、いずれ県として施設の中でいろいろと、現在の中で活用できるものについては幅広く考えてまいりたいと思います。
〇佐々木博委員 若干質問の順序を変えまして質問したいと思いますが、最初に、ちょっと通告していなかったんですが、いわて起業家育成資金の貸付金という制度があります。これの概要について、今までの実績も含めてお知らせいただきたいと思います。
 先ほど復興局の審査でも、さんりく未来産業起業促進費について議論が交わされたところでありますけれども、基本的に大変結構なことだと思っておりますが、とりあえずその概要についてお知らせいただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 起業家育成資金でございます。新たに起業する方向けの資金でございまして、今年度は融資枠10億円でございますが、利用は5億6、000万円ほどですが、昨年度同期に比べると120%程度ということで利用が拡大している状況です。
〇佐々木博委員 その貸し付けの限度額とか、期限とか、あるいは金利とか、まあ、金利はその状況によって若干変わるんでしょうけれども、その辺についてちょっと教えていただけますか。
〇山村経営支援課総括課長 期間は10年から15年、融資限度は、設備は4、000万円、運転資金は2、000万円、金利は期間によって変動いたします。
〇佐々木博委員 融資するかどうかの判断は金融機関任せですか。
〇山村経営支援課総括課長 金融機関と申込者との調整で決まります。
〇佐々木博委員 結局、起業のためのさまざまなノウハウがあります。いろいろなところで支援をしていただいているわけでありますけれども、実は、起業するときの一番の壁というのが、起業の資金なんですね。まあ、これも融資ですけれども、融資で金融機関が出すということでありますと、現実には結構厳しい審査があります。当然金融機関が貸し出すわけですから審査が厳しいわけでありますが、そこが一つの壁になってなかなか、特にも若い方々は担保が何もありませんから起業がしづらいという実態があるわけですね。
 それで、今、人口減少が私は本県の最大の課題だと思っていますけれども、本県にも、若い方で起業したいという意欲のある方は相当数いるんですよ。というのは、一つには、誘致企業はありますけれども、誘致企業は、今なかなか誘致できる状況じゃありませんし、それからもう一つは、誘致企業は、出てくるとき、大きいところは大概小会社をつくって入ってくるんですね。そうしますと、上のほうはみんな親会社から来ますし、それから、待遇も親会社と比べると格差があるということで、意欲のある方は、むしろそれよりは自分でチャレンジしたいという方々は相当数いるんです。だけれども、問題は、この返済義務のある金を借りれば、当然返さなければいけないし、担保もないというところで、そこが一つの壁になっている。
 ですから、私は、本当に岩手県で若い方々にもっともっと起業させるためには、返済義務のない、要するにファンドみたいなものをつくって、株式みたいな形で資金を投入してやるということを考えなければいけないのではないかと思っているんです。そういったことに対する部として検討されているようなことは、今は何もありませんか。
〇山村経営支援課総括課長 創業される方への資金の提供ということでございますけれども、県でもインキュベーションファンドをつくりまして投資等をしておりますし、また、盛岡市なども地域ファンドをつくっておられる、また、県内の金融機関も、そういった創業者向けのファンドを検討するという動きも聞いております。そのような形で、多様な、融資だけではない道はあるかと考えております。
〇佐々木博委員 今、インキュベーションファンドの話がありましたけれども、インキュベーションファンドは、始まったのが平成14年からですかね。残念ながら、今回清算をして、要するに回収できない部分が出てきたわけでありますけれども、私は、ただ、この第1号のインキュベーションファンドは、チャレンジして、非常に意義があったと思っておりますし、それから、続いて今、第2号ファンドもたしか運用中のはずでありますが、このそれぞれ、1号ファンドについては清算が終わったわけでありますが、どのようにこの1号ファンドについて評価しているか、そしてまた、2号ファンドも現在運用中でありますが、何社ぐらいにどういった形で投資しているのか、その中身について伺いたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 インキュベーションファンド1号については、委員のお話のとおり、終了しました。それで、結果として、県内の投資先企業の雇用については、従業員が300人程度はふえている。あと、県に納付される法人税についても、これは試算でございますが2億円程度ふえていると。あと、これをきっかけに、そういったベンチャーに投資する仕組みというものが岩手県で初めてできたということで、岩手県内の経済について一定の成果があったと認識しております。
 2号につきましては、6社に対して投資して、現在運用中でございます。
〇佐々木博委員 結局、インキュベーションファンドというのは、県で直接やるわけには参りませんし、フューチャーベンチャーキャピタルでしたか、たしか京都が本社だと思いましたが、あそこが基本的には中心になって運用しているわけでありますが、インキュベーションファンドというのは、配当だけでは全然採算が合わなくて、やはり最終的には株式を上場して、それで初めて資金が回収できる、そういう性格のものだと思います。
 それで、本県の場合の1号ファンドについて言えば、ワイズマンが上場できましたけれども、多分ワイズマン1社だけだったんだと思うんですね。それで、リーマンショックとかいろいろあって経済環境も悪くて、私も、ほかにも上場を目指して頑張っていたところで、途中で取りやめたところも知っていますけれども、そういった点では、ちょっと経済環境も悪かったけれども、しかし、私は、これにくじけないで、第3号、第4号とぜひやってもらいたいと思っているんですよ。
 第2号のインキュベーションファンドは、実は第1号と比べると額が3分の1ぐらいですね。第1号は15億円ぐらいでしたけれども、第2号はそれの3分の1ぐらい。これは、当時のことであれですけれども、やはり出資者が集まらなかったことが、ファンドが小さくなった理由なんでしょうか、どうなんでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 2号ファンドは、時期が平成18年度に組成されておりまして、その際に、県だけではなく、金融機関とかが集まってつくったものですので、そのときの協議でこういう額が設定されたものと考えております。
〇佐々木博委員 実は、こういうことを言っていいかどうか、フューチャーベンチャーキャピタル自体も、経済がこうでしたから、現在の経営上ではいろいろ大変なこともあるやには聞いております。ただ、やはり日本は、当然欧米諸国、特にアメリカと比べるとこういったベンチャーに対する投資が非常に少ない。ただ、それをやっぱりやっていかなければ、私は発展はないと思う。特にも若い方々に本県に残っていただいて、そしてやってもらうというためには、私は、例えば10社に投資して1社か2社だけでもいいと思っているんですよ。成功すれば、それだけでもやっぱり果実はあると思います。あるいは、投資した金は戻ってこないかもしれないけれども、雇用とかいろいろな面で絶対メリットがあるはずなんです。
 ですから、そういった意味では、ぜひとも新しい、特にも今までのインキュベーションファンドというのは、実は、インキュベーションとは言いながら、ある程度形ができてきたところに対して投資したインキュベーションファンドなんですね。そうじゃなくて、もっと本当に純粋に何かシーズを持っていて、これからやるぞというところに投資できるような、そんなファンドの創設というものを、ぜひとも民間の方々と連携をとってこれから取り組んでいただきたいと思うんですが、橋本部長いかがでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 創業支援というのは、本県にとって、この地域経済を活性化させていくために不可欠なものだと考えているところでございまして、現在、このインキュベーションファンド、それから2号ファンド、さらに、それに触発されるかのように金融機関で独自のファンドの動きもございます。このような動きもとらまえながら、今後とも、金融機関等ともしっかりと連携しながら、必要な手だて、こういった起業家育成、投資育成という観点での取り組みについて真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時51分 休 憩
午後3時17分 再開
〇岩渕誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 商工労働観光部長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇橋本商工労働観光部長 予算委員会に付託されております議案のうち、予算議案に関連する条例議案について説明漏れがございましたので、陳謝の上、改めて御説明を申し上げさせていただきます。
 岩手県議会定例会議案その3の40ページをお開き願います。一つ目は、議案第44号緊急雇用創出事業臨時特例基金条例の一部を改正する条例案であります。
 緊急雇用創出事業に要する経費の財源として緊急雇用創出事業臨時特例基金を設置しておりますが、国の補正予算成立に伴い緊急雇用創出事業が平成29年度まで実施可能となることから、条例の有効期限を、精算期間を含め平成30年度末まで延期しようとするものであり、公布の日から施行しようとするものであります。
 二つ目は、61ページをお開き願います。議案第51号岩手県手数料条例の一部を改正する条例案のうち、当部所管の技能検定手数料についてであります。
 改正の趣旨でありますが、平成26年4月からの消費税の引き上げ等による地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部改正に伴い、技能検定手数料の額を増額しようとするものであります。
 次に、条例案の内容でございますが、技能検定手数料のうち、等級及び職種ごとの実技試験手数料の額について、記載のとおり改定しようとするものであります。
 次に、施行期日でありますが、この条例は、平成26年4月1日から施行しようとするものであります。
 三つ目は、163ページをお開き願います。議案第68号産業文化センター条例の一部を改正する条例案であります。
 改正の趣旨であります。平成26年4月からの消費税の引き上げに伴い、岩手産業文化センターの利用料金の上限額を増額しようとするものであります。
 次に、条例案の内容でございます。岩手産業文化センターの利用の区分ごとに、利用料金の上限額を改定するものであります。
 次に、施行期日であります。施行期日は、平成26年4月1日から施行しようとするものであります。
 四つ目は、資料169ページをお開き願います。議案第70号勤労身体障がい者体育館条例の一部を改正する条例案であります。
 改正の趣旨でありますが、平成26年4月からの消費税の引き上げに伴い、勤労身体障がい者体育館の利用料金の上限額を増額しようとするものであります。
 次に、条例案の内容でございますが、勤労身体障がい者体育館の利用の区分ごとに、利用料金の上限額を改定するものであります。
 次に、施行期日でありますが、この条例は、平成26年4月1日から施行しようとするものであります。
 以上で条例関係の説明を終わります。改めまして心よりおわび申し上げ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇岩渕誠副委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、本日審査を予定している部局について、延べ17人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇及川幸子委員 部長の説明の中で安定的雇用というのがお話しされたと思います。本当に商工労働観光部においては予算書に雇用という文字が大分入っておりまして、大変大事なことだと思っております。
 そこでお伺いいたしますが、雇用維持、創出と就業支援事業について、これらの事業の取り組みを伺います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、安定的な雇用創出につきましては、企業誘致を初めとする産業振興施策や事業復興型雇用創出事業などに取り組んでまいります。そのほか、若年者に対する就業支援活動のサービス、障がい者の雇用促進をするジョブコーチの育成等支援機能の強化、加えて、被災地の支援といたしまして、建設関連など職業訓練コースの設定と、企業向けに人材育成の支援事業を行っていくこととしております。
〇及川幸子委員 御説明いただきましたけれども、これは若年層に視点を置いてやるべき事業なんですけれども、沿岸地域において人口の流出というのをどのように捉えているんでしょうか。大変大きな問題だと思っておりますが。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 震災以降、沿岸地域の事業所の再開が進んでまいりまして、それに伴いまして求人活動も非常に活発でございます。高校の新卒生徒の地元就職率は非常に高まっております。生徒数の減少にもかかわらず、その実数は震災前を上回る数になっております。そういう意味では、若者の地元への定着というのはある程度産業によって支えられていると考えております。
〇及川幸子委員 高校卒業者の地元への定着が高まっているということで、それについて、産業を育成する学校なんかにおいても育成していかなければならないと思っておりますが、その中で、さっき復興局で私伺ったんですが、さんりく未来産業起業促進費というのがありまして、これもやっぱり新しい事業者の育成ということで、ちょっと似ているのかなと思うんです、この雇用維持、創出と就業支援事業。似ているところで、復興局のこの事業と連携をとりながらやっているのか、それとも独自で、こちらでは復興局のこの事業は全然手をつけないでなさっているのかお聞きします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 申しわけございません。私のところでその事業を承知しておりませんでしたけれども、現地では、就業支援員の方々が高校の就職活動への支援を行っております。これは私どもの事業です。そういう形で、学校のほうで商工労働観光部の事業と復興局の事業がうまく合体して成果に結びつくように取り組まれていると考えております。
〇及川幸子委員 3月11日に釜石市、大槌町、山田町と通ってきたんですけれども、被災地の海沿い側に事業所とか大手企業がどのくらい建っているか大変関心深く見てきたんですけれども、もちろん釜石のイオンがきょう開店ということで人々はわーっと、さっきテレビで見ていましたけれども、そういうふうににぎわっておりましたが、今後、沿岸部に出店する計画の事業所の状況はどうなっているでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 沿岸部に出店する予定の店舗ということでお答えしますが、釜石市のほかに、イオンの陸前高田市、山田町にキクコーストアというお店、竹駒にマイヤが出店するという3店の情報を把握しております。
〇及川幸子委員 やっぱりこういうのを急がないと、平場のままでは、時々お邪魔して全然変わっていないなという気がいたします。そういう中で、地元の方々が使えるというのは、そういう大手企業とか竹駒のスーパーとか、そういうふうな事業所とかスーパーが多く出ていると、人々が、ああ、やっぱり変わったな、やっているんだなと思うわけです。その点について、加速させた出店計画というのはどうでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 それぞれの事業者の計画があるわけですけれども、まちづくりのほうも徐々に進んでまいりますと、事業者のほうで住宅の計画などに合わせてそういった計画をしていくものと考えております。
〇及川幸子委員 復興局でも申し上げたんですけれども、とにかく加速させないと、瓦れきがなくなった、はて、あと何がというと、やっぱり大型店の進出をしているのがすばらしい変わりばえだなと思って見えるわけです。どうぞ努力なさって、加速しながら手をつけていただきたいと思います。
 2点目です。
 観光資源の再生と新たな魅力の創造ということで挙がっておりますが、これらの事業の取り組みはいかがでしょうか。
〇岩渕観光課総括課長 観光資源の再生と新たな魅力創造の取り組みについてでありますが、県では、地域資源を生かした魅力ある観光地づくりを進めるため、観光コーディネーターを設置し、漁業関係者と連携した震災学習プログラムの造成、あるいは復興応援バスツアーのコース設定、ご当地グルメの掘り起こしによる誘客促進などに取り組んでいるところでございます。
 また、あまちゃんの放映によりまして注目を浴びましたさまざまな地域資源や三陸ジオパークなど、新たな誘客要因を生かした回遊ルート商品の造成促進にも取り組んでいるところでございます。
 加えまして、地域において、みずから観光地づくりを進めるに当たりましては中核となる人材も大変重要であると考えておりまして、特色のある地域資源の発掘、磨き上げのできる観光人材の育成にも現在取り組んでいるところでございます。
〇及川幸子委員 先ほど福井せいじ委員からのお話もありましたけれども、あまちゃん効果ですね。これは一般質問でも取り上げられたようですが、6割増ということで140万人。さっきの答弁ではあまちゃん効果の継続が必要であると。もっともだと思うんです。すぐ終わるのではなく、あまちゃんがあれほど全国から脚光を浴びたということ、これの効果をどのように、あまちゃんの久慈に行ってどこに寄るかとさっき福井せいじ委員もおっしゃっていましたが、やっぱりそれが必要だと思います。そういうあまちゃんの相乗効果というもの、あまちゃん効果はわかりましたけれども、相乗効果にはどのような考えがあるのでしょうか。
〇岩渕観光課総括課長 あまちゃん効果につきましては、あまちゃんを通して地域資源を発掘して磨き上げる。そういったものを通しての地域づくりといいますか、そういったものの大切さというものを改めて認識する場にもなったと考えておりまして、まずは魅力ある観光地というものをしっかりとつくり込んでいく。そのモデルになったのがあまちゃんだと考えておりますので、そういったものを各地域に広めていくという方向でまず考えております。
 次に、誘客の部分でございますけれども、やはりあまちゃんだけではなく、県内各地に魅力ある観光地がございますので、そこはセットで提案をしていく。回遊していただくということで、圏域を越えるケースもあるでしょうけれども、内陸と沿岸というような形でいろいろなコース提案をしながら魅力ある観光商品の造成にも力を入れてまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 先ほども答弁の中で触れておりましたが、この事業を進めるためには、宿泊、そして足の確保が大切だと思っておりますが、これらについての取り組みはどうなっているでしょうか。
〇岩渕観光課総括課長 宿泊の関係でございますが、沿岸地域の観光産業の早期再建を図るため、被災した宿泊施設に対して中小企業グループ補助金等を通しまして支援をしてきたわけでございますが、収容人員ベースで見ますと、震災後の新規開業も含めますと、平成26年1月1日現在で震災前の87.3%まで回復してきているという状況がございます。県としては、今後も引き続きそういった宿泊の関係、再開を支援してまいりたいと考えておりますし、また、観光振興を進める上では、やはり二次交通、足の確保ということが大変重要であると認識しておりまして、これは先ほど来申し上げておるんですが、内陸と沿岸を結ぶ復興応援バスツアーを来年度もまた継続して運行し、さらに定着を図ってまいりたいと考えております。
 宿泊の関係につきましては、例えば教育旅行の場合におきましても、これまではどちらかというとなかなか沿岸で宿泊できないわけですけれども、そういった宿泊が再開してきますと、教育旅行の部分でも宿泊できるような形になってくると考えております。
〇及川幸子委員 宿泊については87.3%なので、すごく努力をなさっているのだと思いますが、全国に向けての泊まれるよという部分、そして、足も大体確保できるよという部分についての発信はどうなっているんですか。
〇岩渕観光課総括課長 沿岸地域におきましては、特に教育旅行等の関係におきまして、全国において、首都圏あるいは北海道、それから大阪ですとか、旅行商品の関係につきましてはそのほかでもやっているんですけれども、エージェントの皆様方に対してのいろいろな説明であるとか、あるいはメディアの方々にも実際に来ていただいて、そしてまた見ていただいて、そして全国に発信すると。もちろんIT情報発信、ホームページ等を通してそういった発信も積極的に行っているところでございます。
〇及川幸子委員 そういうふうに頑張っていただきたいと思うんですが、最後に部長、あまちゃんのテレビは毎朝ごらんになって出勤されたと思うんですが、あまちゃんの音楽ですね。私のうちの2歳の孫が、始まると物すごく体を振って毎日ダンスを踊るんです。そういう中において、私は誕生祝にということで、嫁から言われてあまちゃんのCDを買ったんです。部長、CDをお買い求めですか。
〇橋本商工労働観光部長 あまちゃんのCDについては私自身としては買い求めてはおりませんけれども、ユーチューブとかさまざまなツールを使いまして時々その音楽を聞きながら、放映されていた当時の元気に毎朝を迎えたときを思い出しながら仕事に励んでいる状況でございます。
〇及川幸子委員 ありがとうございます。部長、笑顔で、大変な審査だとは思いますが、どうぞ乗り切っていただきたいと思います。
 やっぱりあまちゃんというのはすごく効果があったと思うんですよ。ですから全国でも注目しておりますので、どうぞCDも買い求められて、元気がなくなったときはあのCDをかけて自分で体を動かしてみてくださいよ。頭のほうにいい血が上るはずです。
 以上です。ありがとうございます。
〇斉藤信委員 関連。
 沿岸部への出店問題にかかわって、きょうオープンしたショッピングセンターイオンタウンについてお聞きしたいと思います。
 これは店舗面積が1万7、394平米、駐車場の使用台数が1、169台、開店時刻、閉店時刻は朝7時から23時、夜11時までです。私が一番心配するのは交通対策です。釜石の市内というのは、今でも平日で退勤時なんかは大渋滞です。1日1万人呼ぶというんですよ。祝日は2万人だと。年間500万人と。私は、交通対策が大丈夫なのか、大混乱に陥るのではないかと思いますが、交通対策はどのように検討されて対策がとられたのか。
 もう一つは、釜石の売り場面積を示していただきたい。地元の中小企業とこれが本当に共存共栄できるか、そうした点はどのような検討がなされたのかお聞きしたい。
〇山村経営支援課総括課長 イオンタウン釜石の立地の際には、大規模小売店舗立地法による手続をとっております。これは、関係する市町村あるいは警察、道路管理者に計画について意見を求め調整したものですが、交通渋滞についても当然審査項目に入っておりますけれども、警察、道路管理者とも特に意見はなしということでございました。イオンでは、交通誘導員の配置であったり、市内に案内板を設置したり、そういうふうな対策をとっていると聞いております。
 また、面積については4万6、000平米ほどと把握しております。
〇斉藤信委員 交通対策について警察からもどこからも特に意見がなかったというのは、私は異常なことだと思いますよ。例えば平日、1万人来店を予想していて、あそこは国道283号ですか、1本道しかないんですよね、幹線道路が。今でも渋滞しているのに、そこにどのぐらい平日、休日あふれるのか、そういう申請のときの中身はあるんですか、交通対策はこうとりますと。入るところの誘導員だけでは、私は交通対策にならないと思いますよ。そういう提案は全くないんですか。
 釜石市からは別なアクセス道路をつくるという話も聞くけれども、アクセス道路をつくらないで出店しているわけですよ。アクセス道路の話は聞いていますか。
〇山村経営支援課総括課長 大店立地法の手続に従って交通に関しても審査をして、警察、道路管理者とも意見はなかったところでございます。
 アクセス道路については、そういう計画があり、開店時ではないですけれども、市役所によれば平成27年度の開通を目指して対応するというお話も伺っておりますし、釜石市も渋滞対策本部というものを設置してこの問題に対応すると伺っております。
〇斉藤信委員 釜石市が渋滞対策本部をつくって、アクセス道路をつくるというんでしょう。何でそれが今度の申請のときに検討されないんですか。そのぐらい深刻さがあるからアクセス道路もつくる、渋滞対策本部もつくるとなっているんでしょう。これ、道路管理者は県ですか、国道283号だから。あとは県警本部ですね。県警本部はおとといで終わっちゃったからね。私は、市がそういう対策をとろうとしているときに、それが全く申請のときに議論されなかったとしたら、これは申請の審査そのものが形骸化していると言わざるを得ないですよ。いかがですか。
〇山村経営支援課総括課長 地元市にも意見を求めておりますし、警察、道路管理者とも所定の審査を行っているものと考えております。
〇高橋但馬委員 2点について伺いたいと思います。
 まず初めに、商工・観光風評対策緊急事業費についてお伺いいたします。
 東日本大震災津波に伴う福島第一原発事故による根強い風評被害によって県内の商工、観光業者はいまだに被害を受けております。原発事故に伴う風評被害等の損害賠償の現状についてお知らせください。
〇木村商工企画室企画課長 損害賠償の現状についてでございますが、平成26年2月末現在で東京電力に確認したところ、観光業の賠償請求額は144件20億6、200万円、支払い済み額が126件14億800万円となっております。そのほか、農林水産物を原料といたします食品加工、流通業の賠償請求額が68件21億7、200万円、賠償済み額が39件3億5、800万円となっております。
〇高橋但馬委員 商工・観光風評対策緊急事業費の資料をいただいたんですけれども、この対策として本庁内に専任の問い合わせ窓口を設けることによってどのような対応をなさるんでしょうか。
〇木村商工企画室企画課長 相談窓口での対応でございますが、損害賠償請求に係る支援をするため、商工企画室内に相談員として臨時職員1名を配置いたしまして、市町村とか商工団体等と連携いたしまして、事業者の相談への対応とともに請求に係る広報等を行っております。
 具体的には、今年度から配置しておりますが、21市町村で説明会をやりましたが、そこに出席いただいた77の事業者に対して、電話または訪問等によりまして現在の請求状況を伺うなど、必要に応じて岩手弁護士会と連携して定期的に開催する無料法律相談の活用を勧めるなど、引き続き専門家とも連携して周知を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 放射能の部分でありますので非常に専門的な部分もあると思いますので、円滑に進むように引き続き努めていただきたいと思います。
 また、風評被害は、被災地の商工、観光事業者にとってはどうにもならない問題であるのかもしれないです。つまり、被災地でお金を落とす消費者一人一人の認識によるところが大きいと思うんですけれども、そのためにも観光物産の情報発信というのはすごく重要であると考えます。これまでどのような情報発信をして、その状況、結果を踏まえ、今回、どのような読者の興味であるとか関心を喚起し、口コミによる情報拡散を図ろうとしているのかお知らせください。
〇木村商工企画室企画課長 情報発信に関してでございますが、平成25年度は広域振興局に7名の臨時職員をライターとして配置いたしまして、平成26年2月末現在で623記事を楽天イーハトーブログに投稿いたしまして、50万余のアクセスがあったところでございます。先月の月間アクセスは5万余りということで、楽天自治体ブログの中では全国2位となっているところでございます。
 その内容といたしましては、陸前高田市のホテルの再開とか三陸鉄道の震災学習列車など、震災復興に取り組む姿等を発信しているところでございます。
 平成26年度につきましては、同様に7名の職員を配置いたしまして、岩手の多様な観光物産資源の魅力に加えまして、震災復興に取り組む姿を直接取材しブログで発信するとともに、更新情報は、ツイッターも活用いたしましてその拡散に努めてまいります。また、流通課で行っておりますいわて食材サポーター通信、そして沿岸広域振興局のフェイスブックであります三陸復興とも連携いたしまして情報発信に取り組んでまいる所存でございます。
〇高橋但馬委員 その情報発信というのは本当に重要であると考えます。風評被害というものは目に見えないものであります。県内の商工、観光事業者は非常に苦しんでいる部分もありますので、しっかりとした対応をして風評の払拭に努めていただきたいと考えます。
 2点目であります。
 被災地の仮設店舗について伺います。
 被災地の仮設店舗は、現在、県内13市町村の35カ所に設置されて、撤去費用は900万円程度かかるという試算があって、それをこの35カ所に単純に掛けると31億円かかるとされていますけれども、昨年の決算特別委員会において、国では、仮設施設の移転、撤去費用について来年度の概算要求に計上されているところという答弁がありましたが、予算措置の現状についてお知らせください。
〇山村経営支援課総括課長 仮設施設の撤去費用については、国の来年度予算において、仮設施設を担当している中小企業基盤整備機構の運営交付金20億円余の中に盛り込まれております。
〇高橋但馬委員 20億円余の中に入っているということですけれども、基本的に、簡単な計算だと足りないという状況になるんですが、それはさらに予算要求されるのか、県でわかる範囲でお知らせいただければと思います。
〇山村経営支援課総括課長 この運営交付金の中身であるとか、あるいは仮設の具体的な運用とか条件とかについてはまだ詳細が明らかになっておりません。
〇高橋但馬委員 撤去費も相当の額に上ると思われますので、被災自治体の負担にならないように、引き続き、国に対する声かけ、そして県としての対応をよろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
〇五日市王委員 私のほうからは、職業訓練費に関連いたしまして、技能五輪の全国大会についてお伺いいたします。
 御案内のとおりでございますが、23歳以下の青年技術者の技術レベルを競うため、毎年技能五輪が開催されているわけでございます。昨年は11月23日、24日に幕張メッセで開催されたとのことでございますが、全国から1、120人余りの参加者がございまして、我が岩手県からは、県立産業技術短期大学校、農業大学校、二戸高等技術専門校を初め、民間の専門学校や民間企業から13職種の32人が出場したと聞いております。全部で40職種あるようでございますが、まさに岩手県代表として、スポーツでいえばものづくり界の国体と私は認識しているわけですが、この選手団に対して、遠征費、派遣費というんですか、その補助というものがあるのかないのかお伺いいたします。
〇千田労働課長 技能五輪に出場する選手の遠征費の補助でございますが、従前は岩手県職業能力開発協会で一部補助を行ってまいりましたが、大変拡充の御要望が多かったものですから、今年度におきましては、当該協会が国の新規事業を活用いたしまして、選手団に対する旅費については全額を、それから引率される方の旅費についても全額を、工具の運搬費については上限を設けての一部補助という格好で補助してございます。
〇五日市王委員 国の補助で遠征費も見られるということだからことしは補助が出たという状況だと思いますが、これまでは県単独で補助というのは行っていたんですか。
〇千田労働課長 県から当該協会に補助金を出しておりました。その補助金の中で旅費の一部補助も見ていたという格好でございます。
〇五日市王委員 他県の状況、これに対して県単できちんと補助しているところがあるのかどうか教えていただきたいんですが。
〇千田労働課長 東北各県におきましては、本県と同様、国の新規事業を活用した補助といいますか助成という形になっていると思いますが、宮城県はまだ一部補助にとどまっていると思います。ほかの県は本県と同様、全額補助に切りかえたと聞いてございます。
〇五日市王委員 それは、そういう形で国からの補助があってことしは全額補助したということなんですが、これはずっと続くんですか、それとも国の補助がどこかの段階で終わったりしたときにはなくなるのか、そこはどうなんでしょうか。
〇千田労働課長 本年度創設されました国の新規事業といいますのが若年技能者人材育成支援等事業というものでございますが、ある程度継続されるものと考えてございまして、平成26年度の遠征費の補助につきましても本年度と同様の形で補助を行っていきたいと協会も私どもも考えてございます。
〇五日市王委員 私が何を言いたいのかといいますと、ずばり、県単で遠征費補助を行うべきではないかという立場です。国の補助を使っても、それは県が単独で補助を行えば、その分、国からの補助はこれに振り向けなくてもいいということなのかどうかちょっとわかりませんが、ほかのことに使えることもあるのではないかと思っているんですが、いずれそこも含めて、県としての単独補助の考え方についてお伺いいたします。
〇千田労働課長 国の使える制度があるということで、まずはこれを十分使って手厚く補助していきたいという考えでございます。ただ、こういう制度が途中でなくなったりすれば、またそこは新たな手だてを考えていかなければならないと思ってございます。
〇五日市王委員 今、ものづくり県を標榜する我が県とすれば、若年者の人材育成は大変重要でございます。職種40種類全部あるようでございますが、建築、大工、電子機器組み立て、料理、ウエブデザイン等々、こういった人材を育てるということは私は非常に大切だと思うんです。冒頭にものづくりの国体と申し上げましたが、ちなみに、国体の選手団―選手、監督、本部役員の遠征費は教育委員会で全額補助です。去年は東京国体でしたから、総額5、324万円、これは全額補助が出ているんです。岩手県選手団は32人ですよね。東京で行ったとして、1人10万円としても320万円です。しかも、来年はたしか愛知県での開催だと思います。ですから、花巻空港から、チャーターとはいきませんがそういった便を使っていただいて往復していただくということもいいと思いますし、いずれ国の補助があるうちはいいんですが、国の補助がもしなくなったときに切れることがないように、そこはきちんと対応していただきたいと思うんですが、その辺の見解をお伺いして終わります。
〇千田労働課長 技能五輪に参加する選手の数でございますが、青森県とか秋田県は1桁台でございますけれども、本県は、先ほど委員から御紹介ありましたとおり13職種32名ということで、東北で一番多い数でございます。若年者の技能振興は、県としてもこれまでもこの技能五輪に限らずいろいろ力を入れてきている分野でございますので、今後もしっかりと対応していきたいと考えてございます。
〇工藤大輔委員 まず初めに、観光に関係してお伺いしたいと思います。
 これまでの審議の中で、福井委員、そして及川幸子委員からも質疑が交わされたところでありますけれども、私のほうからは、特にも県北・沿岸への観光施策についてということでお伺いしたいと思います。
 新年度の誘客に向けた強化策ということで先ほど来答弁もあったわけですが、あわせて、三陸復興国立公園の指定、また、三陸ジオパークの認定を受け、どのように観光振興に結びつけるかという観点で、特にも、イベントを実施するだけではなく、着地型旅行商品の開発だったり、また、八戸線あるいは三陸鉄道でめぐるルートということも含めて地域の資源をどんどん活用していく、そして、そこに向けた人材育成もぜひ必要な観点になってくるかと思いますが、来年度のそういった県北・沿岸への誘客に向けた特徴的な取り組みをお知らせください。
〇岩渕観光課総括課長 県北・沿岸への観光施策の関係でございますが、一つは、あまちゃんの放映によりまして、ロケ地である久慈地域を初め本県への関心が高まったほか、地域資源を掘り起こし、磨き上げていくことの大切さというものを再認識したところでございまして、この効果を持続させ、そして活用していくことが重要であると考えております。
 このため、あまちゃんへの関心を一層本県への興味、関心につなげていくための効果的な情報発信や首都圏でのPRイベントを開催するとともに、先ほど来御説明しておりますが、復興応援バスツアーでありますとか、それから、何といっても震災学習を中心に据えて、教育旅行の誘致、さらには、来年度、秋冬期の大型観光キャンペーンを展開して誘客の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、三陸復興国立公園、ジオパークを活用した観光振興でございますが、観光コーディネーターの設置でありますとか、それから地域の観光地づくりを担う人材の育成は大変重要な部分だと考えておりますが、そういったものを通して各地域の観光地づくりの取り組みを支援しながら、三陸ジオパークやみちのく潮風トレイルあるいは三陸鉄道、そういった県北・沿岸地域の特色ある観光資源を組み合わせたモニターツアーの実施でありますとか旅行商品の造成促進、そういったものを通して内陸と沿岸への観光周遊ルートを定着させてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 あまちゃん効果も一定には引き続いているという感じを持っているところでありますが、人の記憶というのはどんどん薄れていき、新しいものに興味を示していくという傾向は世の常だと思いますが、いずれ、あまちゃんで放送し切れなかったもっともっとある魅力を的確に伝えて観光メニューに取り入れるという視点が必要だと思いますので、ぜひお願いしたいのと、また、特にも県北広域振興局の今年度の事業からすれば、食と観光が大体二本立てのような形で取り上げられています。これは決して県北だけでの取り組みなんだということではなく、さらに協力して事業を進めていただきたいと思います。
 また、答弁の中であった教育旅行の最近の傾向、県内の状況と、特にも被災市町村においてどのぐらいの数の教育旅行が誘致されているのかお伺いします。
〇岩渕観光課総括課長 本県を訪れている教育旅行客数につきまして、平成25年に本県を訪れた教育旅行客の入り込みですが、児童生徒数が20万2、023人回で、震災前の平成22年比で見ますと5.3%増加しております。震災前を上回った状況になっております。
 それから、沿岸12市町村における教育旅行客数でございますが、平成25年に沿岸12市町村を訪れた教育旅行客の入り込みは、児童生徒数が1万5、604人回ということで、こちらは震災前の平成22年比で13%増加している状況でございます。震災語り部ガイドなどの震災学習を中心とした教育旅行の誘致に県としても積極的に取り組んできたわけでございますが、一定の成果があらわれてきていると認識しているところでございます。
〇工藤大輔委員 震災関係で教育旅行を実施される際は、やはり震災当初からつながり、またきずなを持った現地小・中・高校生等も含めて、ぜひ教育旅行の効果として、被災地を訪れて被災現場を見る、そしてまた、その当時の話を聞くだけではなく、実際に被害に遭った、そして当時から関係を持つ学校とも一体となるというか、教育委員会とも一体となって、さらに被災地を訪れる機会をつくっていくということは双方にとってもメリットになることだと思いますので、ぜひそういった観点も強めていただきたいと思います。
 次に、企業立地、誘致についてお伺いしたいと思います。
 新年度当初予算の中では企業立地対策費が減額となっておりますが、その要因と、大型企業の誘致も決まっているわけですけれども、今年度の誘致の実績、そして来年度の見通しを含めてお伺いします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 企業立地対策費の減額の要因でございます。
 主な要因は、企業立地促進奨励事業費補助の減額でございます。この補助は、市町村が企業に対して工場等を完成した後に補助して、県はその市町村に対して補助しているところでございますけれども、来年度、そういった完成する工場が少ない、こういったことから予算額が平成25年度と比べて減っているところでございます。
 そして、今年度の誘致実績と来年度の見通しでございます。
 2月末現在で新規立地が19社、増設が1社、合わせて20社ということで、いわて県民計画に掲げている年間目標が20社ということで、今年度も何とか達成できたのかなということでございます。
 来年度の見込みでございますけれども、今、沿岸の津波補助金とか新たな制度も出てきております。そういった意味で、むしろ内陸部より沿岸のほうへの立地が進んでいくと考えております。
〇工藤大輔委員 ということは、企業立地対策費は来年度は減るけれども再来年度はふえる見通しなのかどうか確認したいと思います。
 それと、被災地においては、復興特区制度と津波補助金を活用しての誘致を相当期待していますし、働く場の確保がこれまでも大きな課題でありました。そこで、今、実際に決まっている、あるいはこれから決まる案件について、実際に県内企業が立地するものと、あとは純粋に誘致ということからすると、比較するとその数はどのぐらいになっているのか、割合がどうなのかお伺いします。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 平成27年度の立地対策費の補助の見込みということでございますけれども、本年度立地した例えば大型の工場ということであれば、北上市にはセブンイレブンの食品加工工場が恐らく平成26年度を過ぎて完成すると思っております。こういった大型案件が平成27年度に出てくることから、平成26年度よりも補助額は予算的にも大きくなっていくのかなと考えております。
 制度の部分でございますけれども、今、津波補助金といったものについて、1次公募の中で12社採択されたところでございます。その12社の中で4社が県外企業、8社が県内に本社を置く企業ということでございます。この津波補助金の特徴といたしますと、地元の企業の増設も対象として、そして、そこから芽を出して産業集積を図っていきたい、そういったことでございます。
 そして、特徴的には、県外企業については、業種的な部分は物流、そして食品、情報サービス、こういったところで、どちらか傾向が決まってきているということではなく、やはり公募でございますので、幅広い業種からエントリーされているものと考えております。
〇工藤大輔委員 今のは1次の説明ですね。2次のほうはあるのかどうか、確認です。
〇飛鳥川企業立地推進課総括課長 2次の公募については2月24日で終了しておりますけれども、10社が応募しております。
〇工藤大輔委員 被災地のほうからはかなり期待の大きい思いを持っていますので、ぜひとも被災地、そして、特にもまた県内全体にもその効果を発揮していただきますように、この制度をどんどん活用していただきますようによろしくお願いしたいと思います。
 最後に、雇用関係についてお伺いしたいと思います。
 緊急雇用創出事業費が41億9、500万円と、今年度と比べて24億6、500万円減額されるわけであります。かなりの減額幅になるわけですけれども、市町村の希望に十分応え切れているのかどうか。減額の大きい市町村はどういったところが出てくるのかどうか、課題があるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、市町村の要望に対する対応状況ですけれども、来年度計上を予定しております額に市町村からの要望額は達しておりませんので、まだ若干余裕がある状況でございます。そういう意味では要望額には100%お応えできる状態ですし、今後、追加の事業をやりたいという希望があれば、条件が合うようなものであれば補正対応なりで追加してまいりたいと考えております。
 減額の大きな要因でございますけれども、一つには、やはり民間求人の活発化に伴う、いわゆる働く場の創設というところを抑制してきていることが一つあると思います。あと、沿岸部での特徴的なものでは、北上市が大船渡市と大槌町で支援していた仮設住宅支援ですが、これは総務省の復興支援員という新たな制度に乗りかえするということで、発展的な形で減少しているというものも聞いております。
〇工藤大輔委員 ということは、市町村に対しては一律このぐらい削減するだとか制限を加えていることではないと。市町村から希望の上がったものについては丸々事業化させるようにしているという認識でよろしいのかどうか確認したいと思います。
 この事業もあと2年ぐらいしか使えないような事業、そして補助率のいい事業ですので、ぜひこれも活用していただきたいと思いますが、その確認をしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 一応目安として全体枠は40%ほど減額します、そういうお知らせはしておりますが、あくまでも個別個別のニーズに対応しますということは再三申し上げております。そういうことで、市町村の要望には対応するということは伝えているつもりでございます。
〇工藤大輔委員 シーリングのように一定の制限をかけるとなかなか市町村も出しにくいようなこともあると思いますので、ぜひまだまだ使えるんだということは伝えていただきたいと思います。
〇軽石義則委員 大きく3点について質問させていただきます。
 1点目は、いわてブランド再生推進事業費についてでありますけれども、いわてブランド再生における取り組みとして、販路の拡大等を含めて首都圏等をターゲットに事業を展開する予定になっているようでありますけれども、現状、課題をまずはお示し願いたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 いわてブランド再生推進事業費におけます現状、課題等でございますけれども、本事業は、風評被害対策などのために、首都圏を中心に岩手のブランドの再生を図ろうというもので、今年度におきましては、首都圏の百貨店の物産展におきまして、ターゲットにしております小学生以下の子供のいる40歳以下の女性を主に見据えまして、岩手の文化や食を楽しく体験できるブース等を設置する、あるいは大手ネット事業者サイトに岩手県の特設ページを開設し、百貨店で開催しております物産展と連動させるなどの取り組みを行ってきたところで、一定の成果は上げておるものと考えてございますが、風評被害を訴えられる事業者の方はまだ相当数ございまして、今後とも引き続き、平成26年度につきましても、首都圏、県外でのこういった消費者の方々に直接岩手の県産品、食品等々のよさをお伝えする事業が必要と考えております。
〇軽石義則委員 取り組みをしてきた成果は出ていると思いますけれども、まだまだやらなければならないことも多くあるということだと思います。
 そういう中にあって、首都圏に行って宣伝することも大事ですけれども、やはり地元でもしっかりとその対応をしなければならないと思います。例えば県管理の施設もあるわけですし、そういう場所で、または、例えば県庁前の広場とか、そういうものを活用して、風評被害対策を含めて販路拡大なり誘客の推進なり、そういうことも含めて考えていかなければならないと思っておりますけれども、そういうことをこれまで市町村との連携も含めて取り組んだ経過があるかどうかお示し願いたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 観光客の方々に岩手の県産品をごらんになっていただく、県の管理施設等を活用した県産品の販売促進の事例等でございますけれども、平成22年度以前のことになりますが、食産業振興のために県が応援しているという位置づけで、地ビールの試飲販売や岩手町焼きうどんの試食販売を実施した経緯がございます。
〇軽石義則委員 過去にも経過があるとすれば、さらに今やっておかなければならないことも多くあると思います。盛岡には、六魂祭でもかなり好評だったさんさもあるわけでございますし、さんさに来たお客さんたちは、バスツアーのお客さんは特にですが、バスで来て観覧して、そのまま次のところに移動するとなれば、そういうところに接する機会がないという声を多く聞いているわけでありますから、そういう意味では県庁前の広場は有効に活用できるのではないかと思っておりますが、それらを活用してさらにその事業を展開したいというような考え方があればお示し願いたいと思います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 県庁前広場の活用についてでございますけれども、先ほど、平成22年度以前に実例があるということで答弁申し上げたところですが、その後、東日本大震災津波が発生しまして、それ以降、以前使っていたスペースにつきまして、沿岸の被災者を招待するさじき席が増設されたことに伴いまして、同スペースでのイベントは困難とされてきておるものでございます。また、そのほかの敷地内の場所につきましても、照明車等の運営車両の設置でございますとか、観客の方々の通行路を確保する必要があることなど、庁舎管理上の観点からもスペースの確保は困難であるとされてきております。
〇軽石義則委員 できない理由を聞いているのではなく、やろうとする意気込みを聞いていますので、このことについては部長もかなり前から研究を一緒にしてきたつもりなんですけれども、部長、ぜひそのことについて、できない理由ではなくて、やろうとする意気込みをお聞きして、まず、この質問は終わりたいと思いますけれども、どうでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 私も、県産品の販路拡大のために、その一環として、さまざまな祭り、とりわけさんさ踊りのときには、先ほども答弁あったとおり、何とか地元のものを味わっていただく、あるいはお買い求めいただく機会の創出ということでトライをして、県庁前広場でやった経験もございます。それなりの反響もございました。
 その後、状況変化があってできないでいるわけですけれども、さまざまな機会を捉えて、県庁前広場にこだわらずに、さまざまな県内各地域において、公共の施設等も活用して販売のチャンスをつくり出していく、そういう試みの取り組みをどんどん進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ実行するように、ブランド再生は、これまでやってきたことだけでは足りないと思いますので、引き続き努力をお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。雇用の安定と確保についてでありますが、閣議決定されました労働者派遣法改正案に対する岩手県としての受けとめと今後の予想される影響などについてお示し願いたいと思います。
〇千田労働課長 今般、閣議決定されました労働者派遣法の改正案につきましては、例えば、派遣労働者の待遇改善やキャリアアップを狙いとするものだとする意見ですとか、逆に、不安定な身分である派遣労働者の固定化につながる懸念があるといった御意見など、さまざまな御意見があったものと承知してございます。
 派遣労働のあり方をめぐりましては、国の関係審議会におきまして、これまでも何回も審議が重ねられてきたところでございますが、この一部改正案につきましては、この後、国会に審議の場を移すことになると思います。
 県といたしましては、その審議の中でさらに十分な審議が重ねられまして、不安ですとか懸念が払拭される、あるいは法改正の有効性が明らかにされることを期待してございます。
〇軽石義則委員 雇用する側とされる側の立場というのは、当然いろいろな関係では、力関係としても弱い立場にあるのが働く側のほうではないかと思っておりますので、そういう意味で、このことに対しては、やはりしっかりと注視をしていただいて、法律が改正されてからの対応では遅いと思いますので、そうなった際にどうするかということも含めて事前の対応をお願いしたいと思いますが、現在、県として労働問題に関する取り組みをどのようにされているのか、体制含めて現状の課題をお示し願いたいと思います。
〇千田労働課長 県としての労働問題への対応についてでございますけれども、一つには、県内各地に就業支援員39名を配置いたしまして、県民からの労働相談に対応してございます。
 平成24年におきましても、賃金や労働時間等の労働条件に関する御相談や職場の人間関係等に関する御相談などが寄せられてございます。こうした相談のうち、法違反が疑われるような事案につきましては、直ちに担当機関である国のほうに連絡することにしてございます。
 このような労働相談への対応を通じました連携だけではなく、労働行政全般の連携を図るということで、労働局、弁護士会、社会保険労務士会、労働委員会などから成ります岩手労働相談・個別労働紛争解決制度関係機関連絡協議会というものを設置してございまして、連携を密にしているところでございます。
 そのほか、労働問題関係の取り組みといたしましては、労働者、企業の方々を対象とするセミナーの開催、あるいは、これから働く場に出ていく若者の方々のための基本的な労働関係の知識を身につけていただくためのガイドブックの作成、配布など、そういった労働教育にも取り組んでいるところでございます。
〇軽石義則委員 これまでも取り組んでいただいておりますけれども、さらに労働環境が非常に厳しい状況になってくることも予測されますので、それらにしっかりと対応する体制づくりもお願いしたいと思います。
 新聞報道等によりますと、東北の企業においては、復興需要の影響で正社員が4割不足しているというアンケートの結果も出ているようでありますし、岩手県においては47%の人が足りないというアンケート結果が、その調査の中では出ております。さらに、環境が悪化して雇用条件が変われば、その流れも非常に非正規労働者のほうに傾くことが予想されることもありますし、そういう状況をしっかりと捉えていただければと思います。
 そういう意味で、労働条件が悪いがゆえに労働人口が流出しているということも言われているわけでありますけれども、その点について県としてはどのように受けとめているか、お示し願いたいと思います。
〇千田労働課長 賃金を初めとする労働条件が他と比べてよくないということを理由にしての人材の流出といいますか他分野への流れというものは、実際にあるのだと考えてございます。
〇軽石義則委員 あるという認識をいただいているということは、それにどう対策をとっていくかというのが大事だと思います。そのことについて、やはり現場の声をしっかり吸収して、その課題に一つずつ対策をとっていく方法をとっていかなければ、いい対策というものにはならないと思っていますので、これまでも取り組んできていただいているとは思いますけれども、例えば、国で言えば政労使会議、岩手県版の政労使会議的なものをして、同じ課題を、同じ立場で、労使、そして、そこに県が入って話をするような場面があれば、さらにその要因がしっかりと分析できるのではないかと思いますが、そのことについてはどのようにお考えか、お示し願いたいと思います。
〇千田労働課長 国の政労使協議のような場ではございませんけれども、県でも、岩手労働問題懇談会という、労、使、それから県の3者で労働問題について話し合う組織を持ってございます。ただ、震災が起きましてからはちょっと中断してございます。そろそろ復興関係の取り組みももちろんでございますけれども、こういったちょっと震災で中断していた取り組みも再開しなければいけないと思ってございまして、適宜のテーマを見つけて開催していきたいと考えてございます。
〇軽石義則委員 中断しているのであれば、早期に開催して、これまでも議論されておりますけれども、求人、求職のミスマッチ、そして労働環境の悪化を含めて、やはりそのことをしっかりと議論した上で、それぞれの立場で対策をとっていく、取り組んでいくというのが大事だと思いますので、機会を捉えてではなくて、できるだけ早急にその会議を再開していただくことをお願いしたいと思いますけれども、部長、このことについてはどのようにお考えか、所感をお願いします。
〇橋本商工労働観光部長 委員から御提言ありましたとおり、労働問題への対応に当たっては、岩手労働局等も含めて、さまざまな関係機関等との連携が大事だと思いますし、労使が、やはり率直に話し合える場を持つということが何よりも重要と思っておりますので、できるだけ早い時期にこの会議を再開する中で、さまざまな労使間の課題の解決に向けた取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ早急に進めていっていただきたいと思いますし、国が入ると、労働監督権を持っているところがいると話しづらいこともあると思うんですね。やはりそれは、県が入って、それぞれの立場を尊重した上で、いい案が出せるような会議は、やっぱり県にはそれができるものだと思いますので、そのことも含めてお願いしたいと思います。
 次に移ります。コンベンションの誘致促進についてでありますが、現在の誘致促進についての現状、課題についてお示し願いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 コンベンションの誘致の関係でございますが、まず、現状でございます。コンベンションにつきましては経済的な効果が非常に高いということで力を入れているわけでございますが、現状、平成24年度の開催の実績件数でございますが110件ということで、前年度比48.6%増、人数が7万9、405人、こちらは前年度比で7.6%の増になっております。震災前の平成22年度とおおむね同じ水準でありまして、平成25年度につきましても前年度並みの開催が見込まれております。
 課題でございますけれども、やはり一般観光客と同様でございますが、地域間競争が大変激しくなっておりまして、そういう中でいかにして誘致促進を図っていくかというところが課題であると認識しております。
〇軽石義則委員 課題、地域間競争というところをしっかり捉えていただいていることが確認できましたけれども、県と市町村、県内の連携はどのように図られているのかお示し願いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 コンベンションの誘致促進につきましては、誘致の主体となる市町村との連携が必要不可欠であると考えておりまして、関係市町村と意見交換を実施し、現状や、あるいはその課題について情報の共有を図るとともに、今後の取り組みにつきましても検討していくこととしております。そういう取り組みといいますか、定期的にそういった意見交換の場を設けまして、連携を強化し、誘致の促進をこれからどう進めていくのかというあたりにつきまして検討している段階でございます。
〇軽石義則委員 ぜひ、さらにそのことも進めていただきたいと思いますが、岩手県としては、ILCを含めまして国際化を図ることが主題となっておりますけれども、岩手県における国際会議場と検索すると産業文化センターが出てきますが、60席で4カ国対応では、国際会議というのは、そういうレベルの国際会議が岩手としては考える範囲の中なのか。仙台市を見ますと、既に1、000人規模の国際会議が実施できるように準備を進めているとも聞いております。そうなれば、やはりその会議に参加する、関連する多くのお客さんを含めて、流れがこちらのほうにはなかなか来ないのではないかと思いますけれども、その現状と課題をどのように捉えているかお示し願いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 国際会議場のあり方について、現状というところですが、県内におきましては、国際会議に対応して同時通訳ブースを設置している会議施設は、岩手産業文化センター―アピオとアイーナの2カ所ということでございます。ただし、同時通訳ブース等の関連機器を臨時的に対応することも可能でありまして、ホテルでありますとか大学の施設を利用した開催実績も多くございます。
 国際会議の誘致に当たって、施設面での支障があるということについては聞いておりませんけれども、ただ、かなり大規模なものになってきますと、それはどうなのかということについてまでは、ちょっと承知はしていないところでございます。
〇軽石義則委員 今は、復興、そして国体の準備を含めて非常に厳しい環境ではあると思いますけれども、やはり将来を見据えて、この国際会議場のあり方についてもしっかり検討していく時期であると思いますので、そのことも今後対応していただくことをお願いし、部長から所感を聞いて、終わります。
〇橋本商工労働観光部長 国際会議の誘致ということですが、コンベンションだけではなくて、インバウンド等の外国人観光客の誘客促進にも有効な手段の一つではないかと捉えているところでございまして、これからも、盛岡観光コンベンション協会などとも連携を図りながら、誘致に努めながら、本県のコンベンション、国際会議場のあり方等についても、じっくりと話し合いをしながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私からは1点だけお伺いしたいと思います。岩手県立産業技術短期大学校についてお伺いいたします。
 3月12日の奥州市の地元紙の1面に、釜石市出身で、この3月に産業技術短大を卒業するですか、したですか、堀川皓君の記事が載っていました。堀川君は、釜石商工高校を卒業して、地元の空圧機械製造会社に就職したいということで産業技術短期大学校に進学したそうですけれども、その夢がかなって就職が決まったということで、その彼のコメントが、産業振興に貢献することでふるさとを元気づけたいというものでした。被災地にもそういう志のある若者が育っているんだなと改めて感じました。
 そんなことで、彼の夢を実現させた産業技術短期大学校の役割、そして、岩手のものづくり産業の振興における学校の役割、これらについて改めて考えさせられたことから、質問に取り上げさせていただきました。
 初めに、学校の受験率、それから就職率、県内就職率、中途退学者の推移についてどうなっているのかお伺いします。
〇千田労働課長 まず、受験率でございますが、矢巾校は、出願倍率で見ますとおおむね2倍近くを保ってございます。受験倍率のほうで見ますと、平成24年度は1.63倍、平成25年度は1.39倍という状況になってございます。
 水沢校のほうは矢巾校に比べて若干低くなってございますが、出願倍率では、平成24年度は1.45倍、平成25年度は1.17倍、受験倍率で見ますと、平成24年度は1.30倍、平成25年度は1.09倍という状況になってございます。
 就職率につきましては、平成23年度は98.2%、平成24年度は100%で高い数値となってございます。県内就職率は、おおむね60%程度でございます。
 中途退校者は、矢巾校、水沢校合わせて、近年3年間では、年間平均で約8人、在校者の2.5%程度となってございます。
〇佐々木努委員 その数値の中で気になるのが県内就職率なんですけれども、かつては7割を超えていた年もあったと思うんですが、今年度は現時点では55%ほどと伺っています。学校の設立の基本理念には、ものづくり産業の高度化、高付加価値化に対応できる高度な知識及び技術を兼ね備えた実践技術者を育成し、就業を通して本県産業の振興に寄与するとなっています。この最後の本県産業の振興に寄与する、これが、この設立の一番の目的ではないかと思います。
 そういう中で県内就職率が目標の7割に達していないというのは非常に残念なことなんですが、この今後の向上策についてお伺いいたします。
〇千田労働課長 県内就職率を高めようという意識につきましては、常に現場で就職支援に当たっている指導員も含めて、職員で共有するように努めてございまして、実際の取り組みのほうとしましては、県内企業へのインターンシップの拡充ですとか、それから県内の優良企業の紹介などを行いまして、少数精鋭で訓練、指導を行っている強みを生かしまして、学生に対してきめ細かに、まずは県内情報の提供をしっかりやっていこうと考えてございます。
 それから、実際に県内就職率が低い理由を探ってまいりますと、県外からの求人票の出足のほうが早くて、県内が若干おくれるというのがございまして、早く就職を決めたい学生は、そっちのほうに飛びついてしまうというのもございますので、その辺も見ながら、マン・ツー・マンで生徒を指導していきたいと考えてございます。
 それから、先ほどの県内就職率でございますが、求人票を出してきた企業の所在地でカウントしてございまして、ずっと経年でそういう整理の仕方をしているのでございますが、例えば、仙台市の会社で採用して、就職が岩手県内になったものは県外に就職した格好になってしまうんですが、そういうものを含めまして1回整理し直しますと7割を超えるはずでございます。
〇佐々木努委員 私がこの問題を取り上げたのは、新聞を見たからじゃなくて、実は先日、学生を採用しているある企業から、学生の質がちょっと落ちているという指摘を受けました。どういうところがレベルダウンしているのかというのは、専門的なことなので私にはちょっとわからなかったんですけれども、学校としては、企業が必要とする人材を送り出すことが使命だと思いますから、そういう意味では、雇用者側からそういう不安の声が聞こえるというのは非常に心配しています。
 学校での指導内容が技術の進歩に追いついていないのか、あるいは学生と求人とのマッチングがうまくいっていないのか、その辺の理由もわかりませんけれども、そのことも含めた現状と課題をどのように分析して、それから、企業からの要請にどう応えていくのか、その辺をお示しください。
〇千田労働課長 委員のほうに企業からそのような声が寄せられたことにつきましては、私ども真摯に受けとめなければいけないと考えてございます。
 産業技術短期大学校の中に、人材育成のあり方ですとかカリキュラムの見直しですとか、そういったことを検討するために、現場の指導員の方を中心にあり方検討会を設置してございまして、その検討会で、いろいろ参考にしたいということで、卒業生を採っていただいた企業の方々にアンケート調査を行いまして、評価をしていただきました。そのときには、学生の専門分野の基本的なところの知識ですとか、技能ですとか、その辺はおおむね評価できるとか大体評価できるという声が多かったのでございますが、社会人としての素養といいますか、いわゆるコミュニケーション能力のところが若干低い評価をいただきまして、課題であると私ども認識してございます。
 また、今、委員からもそのような実際の企業からの声があるよというお話もいただきましたので、私どもとしては、そういう企業からの声を、指導員だけでなく、運営に当たる職員全体できちんと受けとめまして、今後の訓練、指導のあり方等に生かしてまいりたいと考えてございます。
〇佐々木努委員 ちなみに、就職した企業への定着率はどのようになっているかおわかりですか。
〇千田労働課長 就職後の定着率につきましては継続的な調査はちょっと行ってございませんが、これまでに卒業生が就職した企業を抽出しまして、そこの企業に産業技術短期大学校が送り込んだ生徒がどれだけまだ残っているかという調査をやったことがございまして、それですと、594人中449人が、就職したままその企業に在籍しているという状況になってございました。定着率75.6%という形になってございます。ただ、これが実態であるかどうかは、きちんとした調査をやらなければいけないと思ってございまして、その定着率調査はどういう方法がいいのかというのは、今、内部で検討しているところでございます。
〇佐々木努委員 最後です。この学校は職業能力開発促進法に基づいて設置されたもので、文部科学省の設置する大学とはちょっと異なるわけではありますけれども、ILCの国内候補地が北上高地に決まったということで、これから産業技術短期大学校に係る期待は非常に大きくなるのだと思います。
 そういう面で、レベルアップも含めて人材育成にはこれまで以上に取り組んでいただきたいと思いますが、最後に、社会に貢献できる優秀な人材育成のために、今後どのように取り組んでいかれるのかをお聞きして、終わります。
〇千田労働課長 産業技術短期大学校は、ものづくり産業の高度化、高付加価値化に対応できる高度な知識と技能を兼ね備えた実践技術者の育成を基本理念としてございます。このような実践技術者を育成して、就業をさせ、本県産業の振興に寄与するということも大事な理念と考えてございます。そのような職業人として自立できるものづくり人材をこれからも育成してまいりまして、本県の産業界に貢献していきたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 私からは2点お伺いします。
 県では、みちのく岩手観光立県条例に基づき、みちのく岩手観光立県基本計画を策定し観光振興に努めてきました。このみちのく岩手観光立県第1期基本計画を実施しての成果と課題をどう総括しているのか、また、これらが第2期基本計画や平成26年度予算にどう反映されたか、そして、地元旅行業界の意見はどう反映されたかお伺いします。
〇岩渕観光課総括課長 みちのく岩手観光立県第1期基本計画の成果と課題の総括でございますが、まず、平泉からの全県波及を目的とした各年にわたる大型観光キャンペーンによりまして、地域資源を活用したさまざまな取り組みや、おもてなし機運の醸成といったものが各地に根づいてきたほか、特に震災後のいわてDCにおきましては、県全体として、観光入り込み客数がほぼ震災前の水準に回復するなど、観光振興に向け確かな足がかりになったと考えておりますが、一方では、県北・沿岸地域への観光需要の回復のおくれが大きな課題であると考えております。
 それから、インバウンドの関係でございますが、震災後激減いたしました外国人観光客につきましては、最重点市場である台湾が回復傾向にはございますけれども、総体での回復、さらには成長軌道の回帰というものが課題になっていると考えております。
 第2期計画におきましては、これらを踏まえ策定したものでございまして、平成26年度予算では、県北・沿岸地域への誘客強化、また、三陸観光再生のためのプラットホームの機能強化、さらには、台湾からの年間を通じた誘客強化に取り組むこととしております。
 それから、もう一点、御指摘の地元旅行業界の意見はどう反映されたのかという点でございますけれども、この点につきましては、昨年1月に地元旅行業界との間で、着地型旅行商品造成に係る意見交換を実施したところでございます。この際、商品造成のノウハウの問題あるいはマンパワーの問題等もありまして、なかなか着地型商品に直ちに取り組むのは難しいというようなお話もありましたけれども、一方では、前向きに取り組みたいというような意向もございました。
 こういった経緯も踏まえまして、第2期計画におきましては、地元旅行業界ならではの商品造成を推進する意味からも、観光振興に関する施策の、これは地域独自の新たな観光の魅力づくりというところで……
〇岩渕誠副委員長 答弁は簡潔に願います。
〇岩渕観光課総括課長(続) 失礼しました。
 着地型ストーリー性を持った新たな旅行商品づくりを進めるという形で記述しておるところでございます。
〇喜多正敏委員 ぜひ着実に進めていっていただきたいと思います。
 通告はしておりませんでしたが、観光地、特にも沿岸被災地の被災した宿泊施設、ホテルの回復状況、宿泊定員数の状況がもしわかれば、現在どの程度まで回復してきたかについて、資料があればお知らせいただきたいのでありますが、わかるでしょうか。
〇岩渕観光課総括課長 沿岸宿泊施設の関係でございますが、震災前、沿岸地区ですが、全体で201の施設がございました。この中で、被害なしが75でございます。この中で被害ありというのが123ございます。被害ありのうち、再開済みが58、それから修繕中が8、営業再開の意向ありが5、意向不明が28、廃業につきましては24でございます。全体で見ますと、これは収容可能人数で見ますと、先ほども答弁いたしましたが、収容ベースでいきますと87.3%、それから、施設で見た場合には72.6%という回復の状況でございます。
〇喜多正敏委員 観光振興の目的は、誘客による地域経済の活性化ということは言うまでもないわけでありまして、観光振興のためには、旅館、ホテル、地元旅行業界など、こうした観光業界の経営力、経営体質の強化が必要であり、また、観光振興の結果として、こうした観光業界の経営体質の充実強化が図られなければならないと思うわけであります。
 こうした業界の経営内容や経営課題をどう捉えておられるか、そして、あわせて、販売なくして事業なし、売り上げの伸びは経営上の七難を隠すとも言われているわけで、観光振興には誘客が最も大事であるということは認識をしつつ、こうした誘客事業以外に、これらの業界の経営体質の強化にどう取り組んでいるのか、今後どのように取り組もうとしているのかお伺いします。
〇岩渕観光課総括課長 観光業界の経営体質の強化の部分でございますが、一般的な傾向として申し上げますと、宿泊業界におきましては、同族経営が多く、経営組織が未整備、あるいは経営者の手腕に左右されやすいということ、それから、旅行形態が団体から個人に移行するなどの事業環境の変化に対応し切れずに、売り上げ面で苦戦している場合が多いということ、さらには、宿泊業につきましては、装置産業ということで、投資負担が重いといったことが挙げられるかと考えております。
 そういった中で、県としては観光業に特化した経営支援策があるわけではないのですが、商工団体等を通じた各種相談への対応、あるいは専門家の派遣などによりまして経営力の向上を支援しているところでございます。
 また、本年度でございますが、県観光協会におきましては、観光事業者に対し、個別指導を含めたトヨタ生産方式によります改善セミナーを実施しており、これは大変評価をいただいておりまして、来年度以降も継続する方向で考えております。
〇喜多正敏委員 経営は全て人に帰するところが多いわけでありまして、また、装置産業ということで在庫ができないという業界体質もあります。非常に競争が激しくなっているこの観光業界において、やはり大事なことは、人の育成、経営力の強化だと思うわけであります。中小企業の経営指標とか財務の面といったこともきちんと把握されて、ぜひ業界の振興について目を向けて、東北の観光ホテルのみならず、地元の旅行業界への経営指導、そうした面について力を注いでいっていただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 私も、喜多委員に続いて観光面についてお聞きしたいと思います。
 まず、いわて観光キャンペーン推進協議会負担金などについてお聞きしたいと思いますが、いわて県民計画で、観光面については、平泉効果の全県への波及ということでうたっております。各委員からも質問があったところでありますが、まず、平泉そのものの平成25年度の入り込み状況はどうであったのか、前年と比較してお示しいただきたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 平泉の観光客入り込み状況でございます。平成25年4月から9月までの平泉町の入り込み客数でございますが、延べ124万2、000人回となっておりまして、こちらは前年同期比で77.9%でございます。世界遺産登録効果の落ちつきが見られますが、登録前の平成22年同期比で129.5%となっておりまして、この効果を維持、拡大し、全県に波及させていくことが課題であると認識しております。
〇佐々木朋和委員 平泉効果の全県波及ということで、平泉が重要なキーポイントとなっていると思います。全県波及をしていただきたいというのはそのとおりでありますが、ぜひ、キーとなる平泉も、世界遺産登録から3年目となっておりますので、その点の誘客支援策も必要であると思いますし、また、この秋、冬のキャンペーンの内容とともにお示しいただきたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 世界遺産平泉につきましては、本県への誘客を図る上で大変重要な柱の一つと考えておりまして、官民が一体となってオール岩手の体制で取り組む観光キャンペーンにおきまして、県外での誘客プロモーションや旅行商品説明会の開催、観光ガイドブックなどによりまして、平泉を核とした情報発信を行っているところでございます。
 また、平泉町、一関市、奥州市等と連携をいたしまして、平泉での誘客イベントの開催、さらには、平泉のユニバーサルデザイン化に向けた受け入れ態勢の整備、平泉の食と物産、他の観光地を組み合わせたさらなる魅力の発信強化に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、来年度の秋冬期の観光キャンペーンでございますが、平成27年1月から3月まで、JR東日本とのタイアップによる強力な宣伝力を生かし、首都圏を中心にいたしまして、平泉を初め、本県の多彩な魅力を発信していきたいと考えております。
 このキャンペーンにおきましては、課題であった冬期観光の底上げを図るチャンスと位置づけておりまして、各地域の観光素材の磨き上げや県民のおもてなしの向上など、受け入れ態勢の整備をしっかりと進めながら、全県での誘客拡大を図ってまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、関係市町村と連携して、県としても、あまちゃんを含めてですけれども、さまざまな効果の持続に向けた提案をしていっていただきたいと思います。
 次に、みちのく岩手観光立県第2期基本計画についてお伺いしたいと思います。
 この条例の基本理念の中で、観光業の総合産業化を図るとうたっております。その総合産業化に向けての現状と今後の課題について、まずお示しいただきたいと思いますし、その点について、平成26年度の予算に反映させているところがあればお示しいただきたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 観光業の総合産業化の関係でございますが、観光につきましては、いわゆる観光施設を初め、運輸業、宿泊業あるいは飲食、物販、製造業と、あるいは原材料供給としての1次産業に至るまで、いわば地域の総力が問われる分野であると考えております。
 現状、それぞれの主体における観光とのかかわりにおきまして、立場、立場で取り組みが進められているものと承知しております。
 総合産業化に向けましては、観光課としては、さまざまな主体に波及効果を及ぼす観光客を一人でも多く誘致することが、まずは第一義的な使命であると考えておりまして、平成26年度御提案している予算につきましても、そういった意味で予算化しているところでございます。
 さらに、立場の違いはあれ、観光に関係するさまざまな主体の意識や取り組みを、観光立県の実現に向けまして同じベクトルに向けていくことが大変重要であると考えております。いわてDCで築きましたオール岩手の体制を基盤として、総合産業化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 立場、立場でということ、また、承知していますという話でありましたけれども、私としては、もう一歩踏み込んで、この総合産業化というものに取り組んでいただきたいと思っております。
 要は、観光業者が、地元の商品なり地元の産品、食材などを使っていくことだと思うんですけれども、それにまたプラスして、やはり観光で来ていただいて、また再び訪れたい、そして、人もよかったし、地域もよかったし、また食もよかったということになれば、ぜひここに住みたいなという話になってくるわけで、私は、定住促進という面、また、この農林水産業、食産業、あとは、これまでも従来の観光業とまだ少し遠いところにあるグリーンツーリズムでありますとかスポーツツーリズムなどのニューツーリズムを含めて、統一的なイメージ戦略を持って情報発信していくことが大事ではないかと思っております。
 秋田県などでは、食・農・観ということで一体となって丸ごと売っていくんだというイメージ戦略を打っておりますし、福井県では、イメージ戦略課というものをつくって、県として恐竜をテーマにして売っていく、そのような動きも出ているところであります。そういった意味で、この統一的なイメージ戦略に関してどのように考えているのか、また、これらのことの今までの主体が、それぞれの立場ということがありましたけれども、やはりそこを、県にはそれぞれの推進主体の距離を縮めていく動きをしていただきたいと思っているところでありますけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 総合産業化のためのイメージ戦略でございますが、時代の変化によりまして、旅に出かけるきっかけも、その土地固有の観光地はもとより、食や人との出会い、スポーツを見る、あるいはみずからスポーツをする、そういう形で大きく変容してきていると考えております。
 広大な県土を有する本県は、地域ごとに多様な個性を持っていることから、多様性をキーワードとしてきたところでございますが、旅の形の変化といった情勢も踏まえ、今後どのようなイメージ戦略をしていくかについては、少し検討させていただきたいと考えております。
 それから、直接的にせよ、間接的にせよ、観光に関係する主体につきましては、今後も広がりを見せるものと認識しておりまして、ここは、庁内はもとより、いわてDCで築いたオール岩手の体制、先ほど立場、立場というような申し上げ方をしましたけれども、そこはしっかりと連携をつくって、強化をして、一体になった形で対応していくことが必要だと考えております。
〇佐々木朋和委員 他の県のホームページを見ますと、やはりそういうイメージ戦略については別建てでホームページを用意していて、タレントさんなどを使って大々的にやっているところがあります。あまちゃん効果という話もありました。ぜひ、能年さんなどを起用してイメージアップを図っていただきたいという思いであります。
 その中で、先ほど来申し上げております観光の総合産業化というところで、端的に言うと、やはり地場産品、6次産業化の取り組みによってつくられた商品、また、農商工連携でつくられた商品をどのぐらいこの観光業者が使っているのか、その現状と課題について、また、解決策もあればお示しいただきたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 地場産品、6次産業化の製品の関係でございますけれども、第2期基本計画におきまして、県産品や食の魅力を生かした観光の促進、この取り組みの中で6次産業化に向けた取り組みということを掲げておりまして、例えば、観光農園というものもございますけれども、海外の旅行会社に視察をいただいたところ、大変好評をいただいているところでございまして、こういった例もございますので、観光客の受け入れにおきましても、本県の多様な地場産品の活用が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、実際にどのような食材を用いるかにつきましては、ここはなかなか納入単価などの取引条件あるいはその施設個々の意向というものもございますので、観光振興の立場からは、関係者の意向などを踏まえた上で対応していきたい、利用促進をしていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 納入単価という話がございました。私も事前に資料をいただきまして、6次産業化の一つの製品の事業の規模が今年度どのぐらいかというのを教えていただいたら、やっぱり6、000万円ぐらいがトップだということでありました。そういうことだとロット数の関係でなかなか使っていきづらいのかなという気もしております。
 そういった面では、やはりそういうものを観光業者が使っていくような使用推進策であるとか、また、6次産業化の商品のロット数が上がるまで、もう少し継続的な支援策が必要ではないかということもありますし、私としては、このような単価が高くてもいいものを使っていけるようなハイクラス向けの観光施設の育成を、岩手としてもしていかなければいけないのではないかと思っております。
 これは、インバウンドでも、海外のハイクラスの皆さんをお迎えするといったような施設が各地域に一つずつでもあれば、地場のものを生かした最高級の料理なんかができて、外に向けてもとてもいいコマーシャルになるというのもあります。そういった面での御所見をお伺いしたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 6次産業化でできた商品についてのハイクラス施設への利用につきましては、ここは、確かにそれぞれのホテル、旅館の戦略にかかわってくる部分かとも考えております。ただ、県といたしましては、やはり6次産品だけではなくて、県産品であれば、岩手の商品であれば、そういったものをしっかりと利用していただく、それが観光客のおもてなしにもつながっていくと考えておりますので、そういった視点で、私どももホテル、旅館等に御紹介し、なるべく利用していただけるように考えてまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 私も、6次産業化の商品にこだわるのではなくて、やっぱり県産品を使っていただきたいと。そういったときでも、やはりなかなか単価の問題もあると聞いております。その点のハイクラス向けの観光施設というものが岩手の中にも必要だと思いますので、ぜひ育成していっていただきたいと思っております。
 次に、この第2期計画の中で日本一のおもてなしを目指すと掲げております。私は、岩手の県民性からしてもぴったりの目標だと思っていまして、大変評価をしているところであります。
 しかしながら、東京オリンピックで流行語になりましたおもてなしということで、各県、やはりこのおもてなしというものに力を入れてくるという予感がしているところでございます。
 そこで、岩手としては、岩手流のおもてなしをどのように定義をして、どのように現場に落とし込んでいくのか伺いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 日本一のおもてなしの関係でございます。
 おもてなしにつきましては、一概に定義することはなかなか難しいと考えておりまして、本県を訪問したお客様に、土地の人との触れ合いなどにおきまして、来てよかったと思っていただけることが大変重要だと考えております。
 例えば、八戸−久慈間で運行中の東北エモーションというものがございますが、そこを通過する列車に洋野町の住民が大漁旗を振るということが自発的に行われましたけれども、先般、JRから表彰を受けている事例がございます。
 おもてなしの様態につきましては、立場あるいは施設などによってさまざまでありますけれども、何といっても、来てよかったと思っていただける、そういった基本的な考え方を、先ほども答弁させていただきましたが、オール岩手の体制の中でしっかりと浸透させていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 おっしゃるとおりだと思います。しかしながら、標榜して、日本一のおもてなしと言うのであれば、やはり岩手カラーというものも必要かと思っておりまして、ぜひ、上からこうというのは難しいと思いますので、ボトムアップで各団体が協力いただけるような形でつくっていっていただきたいと。
 また、お話をされていた住民参加型のおもてなしというものも一番心に来るところだと思います。やはりそれには、観光産業が地域に根差していることがまず第一かと思っておりますので、ぜひその点も念頭に入れながら進めていただきたいと思います。
 次に、国体に向けた観光施策についてお伺いしたいと思います。
 政策地域部で質問させていただきましたが、今年度、スポーツツーリズムについて、国体の関係もあって検討していくということでありますが、観光課として、国体を観光の面からどのように捉えて、平成26年度はどのような動きをしていくのか、伺いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 観光面での国体の認識につきましてですが、平成28年に本県で開催される国体、そして全国障害者スポーツ大会は、本県の魅力を全国に発信する絶好のチャンスと捉えておりまして、来年度は、国体の過去の開催県の取り組み状況の調査を実施してまいりたいと考えておりますし、また、平成27年度に事前のリハーサル大会がありますが、そういったものを活用して、観光情報の発信を精力的に行ってまいりたいと考えております。
 あわせて、県外からの多数のお客様が来県する機会となりますことから、県民のおもてなし機運の醸成による受け入れ環境の整備にも努めながら、期間中に県内各地の多彩な魅力に触れていただき、リピーターとして繰り返し来県していただけるよう、市町村や関係団体等と連携し、本県の観光情報の発信を強化してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、国体に来ていただいた方に、沿岸被災地も含めて周遊していただきたいという思いでございます。
 もう一点、やはりせっかくこんなにスポーツ関係者が全国から来ていただくので、岩手県がスポーツの大会、合宿等にも向いているのだというところも、スポーツツーリズムの営業の場というのでしょうか、そういうところでも使っていただきたいという思いでございます。ぜひ、観光協会、またスポーツ関係の団体とともに頑張っていただきたいと思います。
 最後に、障害者スポーツ大会を契機とした観光施設のバリアフリー化をどのように考えているのか伺いたいと思います。先日、国体・障がい者スポーツ大会局にもお聞きしたんですけれども、障がい者の方、障がい者の選手などについての宿数は足りているというお話でございました。しかしながら、それは、施設の整備だけではなくて、スタッフがお手伝いすれば大丈夫ですよという形であったとお聞きしております。その点も含めて、観光施設のバリアフリー化をどのように考えているのか伺いたいと思います。
〇岩渕観光課総括課長 県としても、今回の障害者スポーツ大会を通して施設のバリアフリー化が進むことを期待しているわけでございますが、一方では、施設改修に要するものとして経費負担があるということで、ここは、人的対応を主体に対応していく方向ということも聞いております。
 本県は、訪れる観光客などに対して受け入れ態勢整備の一環としてバリアフリー化を進めるということは、観光振興上も非常に重要なものであると考えておりまして、今後、関係部局等とも連携しながら、必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、国体に来た皆さんには、岩手を周遊してくださいと、それで、障害者スポーツ大会に来ていただいた方には、限定的ですよ、そういうのは、やはり岩手としては残念なコマーシャルだと思いますので、ぜひ障がい者向けの観光施設の整備についても頑張っていただきたいと思います。
 これで終わります。課長、お疲れさまでした。ありがとうございました。
〇岩渕誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後5時12分 休 憩
午後5時32分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、当職から報告いたします。先ほど執行部に対して提出を求めることとした資料につきましては、お手元に10月末現在及び3月13日現在の2種類を配付しておりますので、御了承願います。
   〔資料の登載省略〕
〇樋下正信委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、延べ9人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇久保孝喜委員 議事進行に協力するために、一部割愛しながら質問させていただきたいと思います。
 最初に、仮設商店街についてお尋ねいたします。
 仮設商店街は、復興まちづくり計画の進展に伴って、本設へ向かうまさにその入り口に入ってきているのかなと思いますが、これまでの経過を見ると、さまざまな報道もございますし、なかなか当初のにぎわいのようにはなっていないという現状もございます。こうした仮設商店街は、県内三十幾つあるんでしょうか、その商店街の現状についてどのように分析しているのかまずはお示しいただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 本年1月現在の工場とか事務所も含めた仮設施設の区画数、こま数ですけれども、約1、800となっております。
 状況ですけれども、昨年10月に県産業復興相談センターが行った調査で、480ほどの事業所から回答を得たんですが、約6割が震災前に比べて売り上げが減少しているというお答えでして、厳しい経営環境にあると認識しております。
〇久保孝喜委員 きょうの質疑の中でも、大規模なショッピングセンターなどのオープンで一部被災地ではにぎわいもできているということ自体は喜ばしいんですが、地場の商店街形成がこれから本格化していくときに、息の長い商業政策というものが支援策として必要になってくると。しかも、これからまちづくりの本丸に入っていくわけでして、その意味では、現在のただでさえ厳しい状況の中から次の大きなステップである本設に向けて、そのタイムラグの間をどうやって支えていくのかというところが非常に大きな要素になってくるんだろうと思います。
 その具体的な手だての問題についてお尋ねしたいんですが、そもそも仮設の商店街は設置期限があったわけですけれども、この2年3カ月という建築基準法上の設置期限の問題はどのように現在クリアされようとしているのか、その点をお尋ねします。
〇山村経営支援課総括課長 仮設施設については、応急仮設建築物の特区というものによりまして、市町村の希望によって平成28年度から平成32年度まで幅があるようでございますが、その市町村の希望する期間までの延長が認められています。
〇久保孝喜委員 そういうことにはなっているんですが、具体的に、延長を含めて仮設商店街のそうした申請はうまく進んでいるのかどうか。あるいはまた、期限を迎えて商店街を閉じるというところはないのかを含めてその現状をお示しいただきたいということです。
〇山村経営支援課総括課長 期間の延長につきましては、市町村からの要望を県、復興局が取りまとめて手続を行っておりますので、手続自体は進んでいると思います。
 特に廃止になったというお話は聞いておりませんけれども、土地の関係で民有地に建てている施設もございまして、期限が来ているようですけれども、それぞれ地権者の方と御相談して期間延長することができていると伺っております。
〇久保孝喜委員 復興にかかわる、しかも仮設の商店街については、今後の商業政策上においても、当部がきちんと掌握しておかなければならないと私は思うんです。その意味でお聞きしているわけで、復興局の話だと言ってしまえばそれまでなんですけれども、これから先、復興まちづくり計画の中で、例えば被災自治体によっては、まちづくり計画と商業者が望んでいる商業地の場所が離れていて、その調整をこれからしなければならないなんていう話も一部報道でありますよね。あるいはまた、仮設商店街の設置期限にかかわって、どこでしたか1カ所、設置期限をもって商店街そのものを本設に切りかえて、延長申請はしないというように言っているところもあるというふうにも伝えられております。そういう現状を、商業政策を所管する商工労働観光部がつかんでいないということですか。
〇山村経営支援課総括課長 仮設商店街の設置状況、例えば田老にたろちゃんハウスがあるとか、そこで補助事業を使ったとか、そういう形で、個別の事情は把握しながらやっているつもりでございます。
〇久保孝喜委員 やっぱり全体状況をつかみながら個別の支援ということにちゃんと向き合っていかなければならないと思うんですよ。商工労働観光部で行う新年度事業の中にも被災商店街にぎわい支援事業費というのがあります。これなんかも本来、仮設で商いをしている方々に対する支援の一環として設定された事業でしょうから、そうすると、これが今度、ほぼ4分の1近くに縮小されますよね。私は、仮設から本設に移る、まさに非常に重要な局面に今来ていると。しかも、まちづくり計画そのものとの間でまだまだタイムラグがあって、ここをしのがないと本当に地場の商店街形成というのはできていかないと。だから、今こそ支援は力を入れていかなきゃならないんじゃないのかという立場でお聞きしているわけで、その意味で、この予算の縮小の問題を含めてどのようにこれからそのタイムラグの間の支援をやっていこうとしているのか、そこをお示しいただきたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 仮設から本設への移行、一つは、本設への移行がきちんとできるように、本設への移行自体はグループ補助金等の活用になるわけですが、それの前提として商業の計画をきちっと立てなければなりませんので、いろいろな都市計画経営の専門家であったり入っているんですけれども、やはりそこは、商業であったり共同店舗に詳しい専門家の助言が得られるように来年度予算でとっております。そういった助言を活用して、円滑にグループ補助金等を活用して本設に移れるようにという支援が1本。
 もう一つ、といっても仮設の期間も一定期間ありますので、その期間の営業がよりうまくできるように個別に仮設店舗を指導する、専門家を派遣して店づくりの取り組みをしていただいて営業をモチベーションを持ってやっていただくように支援したいと考えております。
〇久保孝喜委員 まだまだ言いたいことはいっぱいあるんですが、きょうはここでやめますけれども、いずれ地域の商業政策あるいはまちづくりとリンクして、これからは本当に大きな課題になってくると思うんです。ですから、そういう意味で現地としっかり向き合って、担当部局とも緊密な連携をとりながらぜひ進めていただきたいと思います。
 2点目、被災地の雇用問題についてお尋ねいたします。
 先ほど休憩前、工藤大輔委員からも緊急雇用創出事業の予算額の縮小にかかわって幾つか質疑が交わされたところでございます。その縮小の背景については御説明がありましたから了解いたしましたけれども、ただ問題は、この縮小によって、地域の、特にも被災地沿岸の雇用環境にどういう影響なり、あるいは効果も含めてあるのか、その辺をどのように認識しているのかまずお聞きしたいと思います。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 緊急雇用創出事業の市町村補助金で見ますと、平成25年度当初比で約40%減で計上してございます。沿岸地域の今年度の雇用実績1、570人に対して、来年度は930人、年間でいいますと640人分の雇用減少となります。逆を言えば、これがハローワークへ求職登録に向かう方々と思われます。この人数を単純に沿岸部の求人倍率に反映させますと、1月の1.45倍が0.17ポイント引き下げ、企業にすれば雇用しやすい状況ということになりますが、反面、職業の場合、どうしても希望する仕事の種類というものがございます。ですから、現在、求人活動をやっている企業にストレートにその方々がうまくおさまるとは言えないということで、その辺は複雑な部分がございます。いずれにしても、求職者数の増加に貢献するということで、県としましては、そういったマッチングの支援を今後も続けてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 そもそも緊急雇用という事業名がそのとおりなわけで、緊急避難的な雇用創出ということを掲げている以上、これが復興の進展に伴って減っていくこと自体は、私は別に問題視すべきことではもちろんないわけです。ただ、今お話があったように、そのことによって、企業の側が求人数がふえるから雇用しやすくなるという側面はありつつも、一方では、では、沿岸の被災地の雇用の中身がどうなっているかということも注視しておかなければならないと思うんです。その中身とは一体何か。それは、やっぱり正規雇用なのかどうかということです。
 1月の有効求人倍率の資料が岩手労働局から出ていますけれども、そのうち、有効求人倍率を正社員の構成比で見た場合の数字というのが出ているわけです。それが1月の時点では就職件数に占める割合というのが35.4%、つまり全体の中で正社員の割合が35%ぐらいしかないということです。確かに昨年度―平成24年度はこれが30%ぐらいでしたから、それから比較するとやや好転しているということは言えても、まだまだ正社員化の流れというのはしっかり根づいていないということが言えるのだろうと思います。
 沿岸の釜石、宮古、大船渡で見ても、例えば釜石は38.5%、宮古は35.9%、大船渡は40.9%という正社員構成比になっていますから、こうした緊急雇用の枠が縮小になって、その分求職者がハローワークに向かう、その限りでは求職人数はふえるかもしれませんけれども、ふえたところで結果的に正社員の割合がふえるのかどうか、そこに手がかかっていないということになれば問題なわけです。
 商工労働観光部では正社員化した場合の補助だとかさまざまな施策もありますけれども、少なくとも今回、この緊急雇用を減らすのであれば、正社員化に向けた取り組みに対しての支援措置だとか、そういうものがセットになっていかないと、私は、沿岸の雇用環境を改善するということにはならないのではないかと思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 委員御指摘のとおりでございます。そのために、本県の来年度の施策の重要事項として長期、安定的な雇用の拡大ということを掲げております。具体的な県の事業といたしましては、産業振興施策、企業誘致でありますとか商工業振興の事業もありますし、あとは、雇用対策労働室が行っている事業復興型雇用創出助成金を活用しながら正社員化への誘導を図っていくということを考えております。そういったトータルの中で、来年度は、県全体で5、000人余の長期安定雇用を創出しようという目標を掲げておりますので、そういった中で極力雇用条件の改善に向けた取り組みをしてまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 ちなみに、今お話のあったような雇用の中身の質を高めていく、簡単に言えば正社員化、そういう事業は今年度に比べて来年度はふえるんですか、予算的には。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 県の予算額としましては若干減ります。減るというのは、事業復興型雇用創出助成金はその年度、年度の支給額で予算化していますが、来年度はまた3、500人分の新規募集を行うこととして予算を組んでおります。そのほか、正社員化に対する助成制度、金銭的な助成制度は労働局のほうで主に持っておりまして、その辺は国と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 そういうことであれば、ぜひそこに軸足をきっちり置いて取り組みを進めていただきたいと思います。
 先ほどの答弁の中でも、マッチングの問題が一つの懸念材料としてあるという話がございました。沿岸被災地での人手不足の話も、かなり偏った職種とか、あるいはそういう産業のところに特化して、今、減少としてあらわれているわけですよね。建築、土木、測量などの技術者は有効求人倍率が9.8ぐらいと、とんでもなく乖離が、ほかの業種と比べてもギャップがあるというような中での雇用政策ですから難しいわけですけれども、ぜひそこに意を用いていただきたい。
 今お話のあった正規社員の雇用拡大に向けた事業の中で、業種の偏りとかそういうものについては、特にこうした業種においてというような目標あるいは絞り込みみたいなものはあるんでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 そういった特定化はしておりません。
〇久保孝喜委員 ターゲットを一定程度絞り込むというのは、雇用政策を誘導する側としては私は持っていたほうがいいような気がするんですけれども、それが可能なのかどうかも含めてぜひそこは検討していただきたいと思います。
 いずれにしても、被災地のみならず、現在の雇用環境を短期の非正規から常用の正規社員という流れに誘導していく空気感をつくっていくというのは行政の大きな役割だと思いますので、ぜひ集中していただきたい。そのことを申し上げておきたいと思いますが、最後に部長、コメントをお願いしたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 被災地におけます雇用の問題、緊急雇用、さらには、それを長期安定雇用、いわゆる正規社員化に向けた取り組みというのは大変重要な時期に差しかかっていると思っております。ここにつきましては、民間の求人が実情としてなかなか充足しないという部分もございますので、ここは丁寧に就職支援というものに県としても取り組みながら、正社員化、就職をしていただく、そういう取り組みの促進を図ってまいりたい。そのためには、労働局、ハローワーク等ともより密接な連携を図ってまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 私も久保委員と通告が重複しますけれども、重複しないように簡潔に質問したいと思います。
 まず、仮設店舗の再建問題でありますけれども、岩手の仮設店舗は359カ所1、804区画ということで、被災3県でも一番多い区画数でありますし、そういう意味では商店の皆さんが本当に頑張っているということだと思います。
 先ほど、産業復興相談センターが調査した中身によりますと60%が売り上げ低下とあるんですが、私はやっぱり、この仮設店舗を本設に移行して商店街ににぎわいを創出する上で、本設再開というものが本当に大事な課題だと思っているんです。今、仮設商店街を回ると、もう仮設で終わりだとか、あるいは売り上げが減少しているとか、もうやめようかとか、そういう状況になっていますので、県としてもよく実態を調査して、商店街の皆さんは何を要求しているのか、そういうことをしっかりと調査する必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
〇山村経営支援課総括課長 事業者の方の意向については、私どもも直接お聞きする機会もありますし、あと、市町村、商工団体等と意見交換等も設けております。そういった機会を通じまして状況を把握しているところでございます。
〇高田一郎委員 復興局の議論でもありましたけれども、今、仮設で頑張っている方々のお話を聞くと、用地が確保できないという問題とか、あるいは共同店舗にしたらいいのか、あるいは自力で再建したらいいのかとか、今どうしたらいいかということを迷っている状態なんですね。そういう点では、そういった人たちに頑張れば再建できるんだという希望を届けることが必要だと思うんです。
 グループ補助金なども今年度から商店にも活用することができますし、また、外部から呼んできて、被災事業者でなくても一緒に参加して再建できるというふうに変わってきているんですね。そういった事業の内容をもっと被災事業者に、あるいはそれ以外の人たちにも徹底するという取り組みが必要ではないかと思いますし、同時に、グループ補助金についても、これから5年、10年と、再建のために必要なんですね。ところが、期限を決めて、要望があれば対応すると国は言っていますけれども、期限を切った支援策、財政措置になっているんですね。被災者の話を聞きますと、将来に向けて、再建したときにいつでも事業化できるように基金化してほしいとか、そういう要望も出ているわけですけれども、その点について国に対して強く要求していってほしいと思いますけれども、恐らく要求もしていると思うんですけれども、その辺はどのような国の対応になっているのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
〇山村経営支援課総括課長 グループ補助金等の支援については、いずれ必要な時期まで支援が受けられるようにということで機会あるごとに国には申し入れ、要望等をしております。国も基本的にはそういう姿勢であるというお話はいただいておりますが、予算制度等のこともあり、その都度検討ということで、来年度は、引き続きグループ補助金あるいは新規の事業もできます。それを活用することができます。
〇高田一郎委員 再建したいと願っている全ての商店の皆さんが再建できるような、そういう立場で頑張っていただきたいと思います。
 次に、いわてブランド再生推進事業及び商工・観光風評被害緊急事業について。
 これは高橋但馬委員も質問されましたが、先ほど、それぞれの観光風評被害及び農林水産物の加工、流通にかかわる損害賠償の請求状況を答弁いただきました。42億円の賠償請求に対して、両方合わせますと17億円。これは40%にしかなっていないんですよね。これは、見通しはあるんでしょうか。何が問題になってまだ40%なのか、この点についてが一つ。
 それから、観光とか農業に対する風評被害ですけれども、今の時点で具体的にどんな影響が出ているのか。
 それから、風評被害対策というのは、被災地の自治体だけの取り組みではないと思うんです。やっぱり国がしっかりと対応していく必要があると思います。何か被害者である被災自治体だけが頑張っているとしか見えないんですけれども、国の役割、対応が見えないと思うんですけれども、国の対応というのはどのようにしているんですか。
〇木村商工企画室企画課長 損害賠償請求の見通しの関係でございます。
 委員は観光と食品を一緒にされましたが、個々の関係で見ていきたいと思います。観光の場合については、観光業についての賠償というものは平成24年2月までという形で類型化している関係がございまして、件数としては、144件に対して126件という形でかなり近い部分にはなっておりますが、そういう差について、東電にもなぜこれが賠償されないのかという形での問い合わせ等をしているところでございます。
 特にも平成24年3月以降の賠償というものが直接請求した場合には賠償されていないという実態もございますので、それについての東電側の対応をきちんとしてほしいという形で求めているところでございます。
 東電のほうはそういう形ではありますけれども、現在、原子力損害賠償紛争解決センターでの和解案の調定ということもありますので、そういう制度も事業者の皆さんにはお知らせしながら進めているところでございます。
 もう一方の農林水産物の加工、流通業に係る賠償請求でございますが、昨年3月に東電から賠償しますということが示された上で昨年4月から説明会等でやってまいりましたが、東電としても、特に水産加工に関しては、津波による被害なのか原発による被害なのかという形での、請求したものに対しての対応が今、十分ではないということでかなりの乖離が出ているところでございますので、我々も、東電に対してその考え方についての対応を求めているというような形でございます。
 風評被害の影響等でございますが、観光に関しては、県全域という形で見ればおおむね震災前の水準に戻りつつございますけれども、教育旅行の関係だったり外国人観光客の戻りだったり、そういう部分がまだ不十分なところがございますので、そういう個別の事情については、東電に対しての賠償請求という部分での相談に乗っているところでございます。
 あと、水産等でいけばワカメの関係の風評で、特に関東だけではなく関西の卸になかなか対応していただけないというような影響があるということを聞いております。
 3番目といたしまして、国の対応でございますけれども、我々は、商工労働観光部だけでなく総務室も含めて、全庁的にこういう風評被害の対応についてきちんとやってほしいということで国に対して要望しているところでございますし、今後も続けてまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇高田一郎委員 風評被害の損害賠償の問題については息の長い粘り強い取り組みが必要だと思いますので、しっかりとこの問題に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、雇用対策についてお伺いしたいと思います。
 今、雇用対策にとって本当に大事なことは、正規雇用を拡大すること、あるいは被災地の復興を担う人材を確保する、これが大きな課題だと思います。私は、とりわけ被災地の復興を担う人材の確保の問題について幾つか質問したいと思います。
 一つは、沿岸自治体の業種別の雇用状況、これは今どのようになっているのか具体的に示していただきたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 沿岸4安定所分の雇用保険被保険者数を見ますと、平成23年2月と平成26年1月を比較いたしますと、建設業が2、715人、31.6%増加していますが、製造業が3、121人、15.5%減少、特に水産加工業を含む食料品製造業が1、638人、24.1%の減と大きく減少しております。全産業では震災前を上回っておりますので、データからも水産加工業の人手不足が裏づけられると理解しております。
〇高田一郎委員 今、全産業は震災前と比べて上回っているんだけれども、とりわけ製造業については大幅に下回っているということで、本当に水産加工業、製造業の人材不足をどう解決するかということが今求められていると思います。
 そこで、どの程度不足しているのかというのは具体的に数字がありますか。
 もう一つは、今とりわけ釜石ではイオンの出店がありまして、全体として労働市場が、建設業とか、あるいは釜石ではイオンに、時給1、000円という話も聞きまして、かなり労働市場が逼迫してますます水産加工業に対する人材不足が加速してくるんじゃないかと思っているんですけれども、その辺について県としてどのような見通しといいますか考えを持っているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 水産加工業の人材不足の数でございますけれども、有効求人倍率でいきますと1.83倍が水産加工業等の食料品製造業でございますけれども、沿岸で大体350人ぐらい、平成25年12月の現数値で新規求人数と求職者数の差が出ているということでございます。
 一つは、待遇の問題がございます。それで水産加工業に人が向いていかないということがございますので、これはかねてから御答弁申し上げていることでもございますけれども、やはり生産性を高めていく取り組みが必要ということで、トヨタ方式等々を活用しまして、ラインの効率化等々で賃金の向上に結びつくような取り組みを進めているものでございます。
〇高田一郎委員 待遇問題が一番大きな課題だと、私も同じ認識であります。県も水産加工業の労働力確保のためにさまざまな取り組みを行ってきたと思うんです。求職者と企業とのマッチングの支援の問題とか水産加工現場のイメージアップの問題とか、あるいは地域外から労働力を確保するとか、さまざまな取り組みを行ってきたと思うんですが、一番人材不足のネックになっている待遇の改善というのはどのようにこの間改善されてきているのか、その辺について県の認識を伺いたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 率直に申し上げまして、改善のデータを持ち合わせてございません。ただ、ハローワークから格差について聞きますと、沿岸の水産業と内陸の他の企業を比べると大体4万円ぐらいの差があるというふうには理解しております。
〇高田一郎委員 今度の新年度予算にも、緊急雇用基金ですか、新しい国の補正予算を活用して人づくり事業に7億2、000万円予算計上されております。先ほどの質疑をお聞きしますと、人材育成あるいは在職者の処遇改善ということで、建設業を対象にして対応するというようなお話でありました。私は、今、被災地で不足している水産加工業、製造業に対する、誘導するような具体的な支援策というのが必要じゃないかと。これまでの延長線にとらわれない具体的な対応が必要ではないかと思います。
 今度の予算でも、被災地で介護職員が不足するということで、介護職に誘導するような人材育成の予算措置もされております。そういう点では、水産加工業に働く労働者を誘導するような具体的な対策、取り組みがやっぱり私は必要だと思います。その点について考えを聞かせていただきたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 先ほど、地域人づくり事業につきましては雇用プロセスと処遇改善のプロセスがあるというお話を申し上げまして、建設業につきまして雇用プロセスを使用するという計画がもう既にあるということでございました。水産業につきましてはまだそういった取り組みは見られておりませんけれども、委員御指摘のように処遇改善プロセスに一つの可能性があると思いますので、そういったことも考えていきたいと思います。
 基金事業としまして、これまでは雇用を伴わないと基金事業としては使ってこなかったわけでございますけれども、新たな取り組みとしまして、処遇改善に結びつけるような事業の展開についても検討を進めてまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 水産加工の人材不足については一番のネックがそこにあると思いますので、具体的な対策をぜひお願いしたいと思います。
 最後に、緊急雇用創出事業についてお伺いしたいと思います。
 今月で瓦れき処理が終了することに伴いまして、緊急雇用創出事業で対応してきた千数百人の仕事がなくなるということで、こうした方々の新たな雇用の確保といいますか対策が具体的に今どのような展開をされているのか。
 あわせてお聞きしますが、緊急雇用創出事業で、この間、仮設住宅の見守りなどを行ってきました。被災者の要望に新年度も応える中身になっているのかどうか。先ほどは、内陸部―北上なんかでやっているものは総務省の予算を活用して財源振りかえでやっていくというお話がありましたけれども、総体として被災地の要望に応えるものになっているのかどうかということを確認して終わりたいと思います。
〇寺本雇用対策・労働室長 瓦れき処理の終了に伴う方々1、300人の雇用についてでございます。
 現在、岩手労働局が把握しております離職予定者数は昨年12月末で約580人となっておりまして、当該業務の中心になっております建設業も人手不足ということもありまして、1、300人がそのまま残っているというのではなく、だんだん減ってきて580名程度になってきているものと理解しております。
 対策でございますけれども、市町村やハローワークと連携いたしまして、災害廃棄物処理や緊急雇用創出事業に従事する方々に対するマッチングを丁寧に実施していくという形で進めていきたいと思います。かつ、先ほど御答弁申し上げましたけれども、雇用の場の確保につきましては、正規雇用に誘導していくということが当然必要でございますので、産業振興、事業復興型補助金を使った形での総合的な取り組みということで考えております。
 続きまして、緊急雇用創出事業は被災地の要望に応えるものかということでございますけれども、この事業を活用しましてこれまで応急仮設住宅の見守りとか被災者の生活支援事業を行っておりまして、昨年度の事業ベースでは12億円程度でございました。平成26年度の額が42億円ということで、かつ市町村が現在要望しているものにつきましてはおさまっている状況ということで、市町村が必要と認めている事業を平成26年度も継続できると考えておりますし、今後もこうした状況を踏まえながら、被災地の方々が望んでいるような事業が展開できるように対応してまいりたいと思います。
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、次に、山田町災害復興支援事業等検証委員会報告書の説明を求めます。
〇橋本商工労働観光部長 改めまして、このような説明の場を設けていただきまして心より感謝を申し上げます。本来であれば議案等説明会の際に御説明をするところでありましたが、検証報告書の作成に時間を要しましたことによりその場で説明ができなかったものであり、議会に対する配慮が欠けていたものと深く反省しております。この場をおかりしましておわび申し上げます。
 それでは、去る3月3日に山田町災害復興支援事業等検証委員会から受け取りました報告書について御説明申し上げます。
 便宜、お手元にお配りしております報告書の概要についてにより御説明させていただきたいと思います。
 1ページの項目の1、委員会の設置でございます。括弧の中のページは報告書の該当ページを記述しております。
 (1)は、検証委員会の設置要領を抜粋しておりますが、第1として、設置目的は、補助事業者としての県の対応を検証するとともに、事業の適切な執行管理のあり方を検討することであります。
 次に、第3として、委員会は、学識経験者2名以上及び別表に掲げる者をもって構成することとされております。別表に掲げる者とは、(2)の委員名簿に記載されている8人の委員のうち、上から3人目と4人目の学識経験者の2人を除く6人であります。学識経験者の上から3人目の田口則男岩手大学教授は経営学、4人目の西出順郎岩手県立大学准教授は行政学が御専門でございます。
 次に、2ページをお開き願います。(3)の委員会開催状況であります。
 昨年の12月10日に第1回を開催し、12月中に第2回と現地調査を行っております。1月に第3回、2月に第4回、5回、6回を開催しております。
 この委員会の取り組みにつきましては、現地調査における県宮古地域振興センター及び山田町役場からの聞き取りの場面を除いて全て公開で行い、開催結果につきましては、配付いたしました会議資料、協議内容の会議録などを県のホームページに掲載しているところでございます。
 2月19日の第5回と2月27日第6回の検証委員会に諮りました報告書(案)について文章表現や字句に対する修正意見をいただいたとのことであり、委員との調整が継続して行われ、3月3日に完成に至ったと報告を受けているものでございます。
 次に、3ページの2の委員会の取り組みと3の検証に用いた資料についてでございます。
 検証委員会において委員が必要とする検証に必要な情報を事務局が整理して提供し、内容を説明して協議を繰り返したとのことであります。また、現地における聞き取りと視察も検証に必要な情報を得るために行ったとのことです。
 資料の主なものを例示しますと、(1)の②の補助金交付事務、県の役割に関するものとして、アの平成23年度と平成24年度の補助金交付契約伺い起案文書など26点、約300ページ分、ウの北海道と東北5県から協力いただき整理いたしました各道県比較結果、約20ページ分、エの県、町、NPOの3者のそれぞれの役割と責任、約12ページ分などでございます。参考といたしまして、ウの各道県比較結果をまとめた部分の1枚、資料ナンバー3−1を末尾に添付させていただいております。
 次に、4ページをごらんいただきたいと思います。報告書のIV、補助事業者としての県の対応の検証です。
 1から5までの項目ごとに同じ箱囲いの表の書きぶりとなっておりますが、左側が県の対応について(1)委員会として確認した事実の主なポイントを記述し、右側には県の対応に関する(2)委員会の意見の主なポイントを記述しております。
 まず、1、平成23年度補助事業計画の審査です。
 事業計画の審査は、町から提出された個別事業計画書に記載されている内容が実施要領の規定に合致していることを確認している。この審査方式は、他県と比較しても標準的な方法と言い得るものである。一方で、事業計画書に記載されている内容だけでは明らかにならない内訳があるので、県はそれらを把握するようにするべきではないかという意見を報告書に明記するべきであるとまとめられているところです。
 次に、2、平成23年度補助事業の進捗管理です。
 今回の事案の事業は100人規模の多数の雇用創出であること、事業費が億円単位と大きいことから、県は、町が委託した事業者に対しては通常行っていない事業運営指導をりばぁねっとに行っている。しかし、町がりばぁねっとを指導して、りばぁねっとが町の指導どおり実施したことを町が確認したかということを県は町から聞き取って確認するなどのさらにもう一歩踏み込んだ取り組みがあれば異なる結果につながった可能性がある。ただし、県が行った関係者を参集するなどの対応は、他道県と比べて踏み込んだ方法で行っているとまとめられているところです。
 次に、5ページの3、平成23年度補助事業の完了確認です。
 県と町の役割として、町は、事業受託者が実施した委託事業完了の審査を行い、県は、町と締結した補助金交付契約の完了確認として、町の出納書類、その出納のために町が審査したことを前提にしながらも、町の委託事業者の支出経費の領収書も調査している。人件費は、雇用契約書及び出勤簿等勤務状況記録並びに賃金台帳により支払い事実、金額を確認している。人件費以外は、経費支出内訳に記載されている内容の根拠となる領収書等を確認している。
 県は、関係者を参集して、りばぁねっとに対して完了確認に必要な資料をまとめることを指導し、町にはりばぁねっとへの指導監督を徹底するよう指示しているのだから、完了確認においても、その指導を確実に実施しているかどうかまで、さらにもう一歩踏み込んだ取り組みがあれば異なる結果になった可能性がある。ただし、他県調査によると、金融機関の口座記録の確認を行っている団体はないなど、県の完了確認は他道県と同様の方法であり、標準的な方法で行っているとまとめられているところです。
 次に、同じ5ページの4、御蔵の湯です。
 平成23年8月の経費内訳資料には公衆浴場設備はリース料として計上され、財産取得に当たる経費はない。平成23年11月に御蔵山に入浴施設が整備されていると聞き、町に調査を依頼し、平成23年12月の開所式に町から確認した結果、鉄骨等リース、人件費及び光熱水費は、緊急雇用創出事業費で対応と復命書に記録している。県が御蔵の湯について初めて把握したのは整備途中に至ってからであり、事業計画に県の関与があったとうかがわせるものはない。
 県が町に示していた懸念事項は、御蔵の湯建築材料費の支出は建設土木事業に該当しないのかという点であり、補助対象であるとする理由を町がきちんと説明でき、県としても妥当と認め得るものであれば補助対象とするという方針のもと、町から提出された御蔵の湯に関する確認事項という文書で明確にされたので補助対象にしている。その文書の内容は補助制度に合致しないものであるとは断定しがたい内容であり、県の対応は、一概に不適切であるとまでは言いがたい。一方で、りばぁねっとの会計処理がずさんであることを指摘していたことから、県はさらに踏み込んで詳細な事情を確認することもできたのではないかという意見もあるとまとめられているところです。
 次に、6ページの5、平成24年度補助事業計画の審査です。
 町から提出された平成24年度に継続実施する事業計画書を実施要領及び交付要領で定める条件に合致しているかを確認するという通常の手続を経て、町に3月23日、内定通知している。その内定通知の直前の3月16日に、町に対してりばぁねっとへの指導の徹底を指示したと記録した復命書には平成24年度事業の中止の必要性については触れていないとまとめられているところです。
 また、次年度の事業計画の審査に当たって、実施要領及び交付要領等で定める条件に合致しているか確認する手続は他道県においても同様であり、県は標準的な方法で行っている。しかし、りばぁねっとの会計処理を指導していた事実から、他の事業と同じような審査方法のままであったことには今後に向けて検討の余地がある。県と町は情報を共有しながら役割に応じて取り組む必要があり、平成24年度事業計画審査に当たって何らかの指導を行うよう努める必要があったとまとめられているところです。
 次に、同じ6ページのV、緊急雇用創出事業の適切な執行のあり方です。
 これまでの委員会の意見の視点は、今回の事案は、通常の対応のみではなく、一歩踏み込んだ対応が必要ではなかったかというものです。その視点のもとでの委員会の意見のポイントといたしまして、関係者が役割と責任を明確にして、適正な事業実施の確保のため対応すべき、関係者が相談、情報共有して、適正な事業実施の確保に取り組むべきというものです。また、提言の実行に当たっては、現場の意見も聞き、実効性のある仕組みにしていくことが必要であるというものです。
 次の7ページは、4、新たな仕組みづくりの提言です。
 一つ目の項目は、県、市町村、事業受託者の接点についてです。
 通常の処理よりも一歩踏み込むためには、県と市町村は役割と責任を明確に認識した上で、それを全うするため、お互いの接点も認識する必要があるとし、県は、市町村が事業受託者に対して主体的な指導監督を行い、その結果を報告するよう求め、そうすることで県は市町村の取り組み状況を確認する。県は、市町村から協力要請を受けた場合は、市町村が行う指導監督を補完、強化するために、市町村の主体性を尊重して協力する。県は、市町村から情報収集して、市町村と事業受託者の間のコミュニケーションの確保に必要な取り組みの実現を市町村と相談して支援するというものです。
 二つ目の項目は、(1)通常の処理における新たな視点による取り組みです。①から⑤までの五つの提言です。
 まず、①は、市町村の緊急雇用創出事業の総括的な部署だけではなく、その補助制度を実際に活用する事業実施担当部署の職員向けの制度説明会を県が毎年行う。②は、事業実施主体の市町村は、事業計画の経費の内訳、支出額の必要性や妥当性について説明責任を果たすためにしっかりと確認する。③は、県は事業計画チェックリストを市町村に示し、市町村はチェックリストに沿ってみずから確認し、県は市町村と同一の項目を県の視点で確認する。④は、委託事業は年2回以上の中間検査を行うよう既に通知しているので、しっかりと取り組んで、不適切な事案を早期に発見して有効な対応を行うことを可能とする。⑤は、県は完了確認すべき書類と項目のチェックリストを市町村に提供することで県全体の精度を高めるというものです。
 三つ目の項目は、(2)特別なケースの場合の仕組みの例でございます。①から④までの四つの提言です。
 ①は、特別なケースの例として、事業規模が大きい、受託者の財務規模に比べて事業費が多額、人件費以外の経費が事業費の2分の1に近い、事業費が大幅に増加している、事業の管理、運営体制が不適切と認識した場合などです。②は、①のような特別なケースは、市町村みずからが説明責任を果たせるよう事業計画を精査する。県も、市町村の取り組みをヒアリングするなどして個別具体的な内容の根拠を確認する。③は、中間検査を完了確認に準じて行い、最終の完了確認の精度を高めることにより、事業受託者の会計処理能力のチェックと改善指導にも効果がある。④は、特別なケースの場合は、県は市町村の完了検査結果を再確認することで、不適切な内容がある場合は発見の可能性を高めるというものです。
 最後に、8ページのVI、総括です。この総括の記述は、委員からの意見を整理して、委員会の総括的な意見として取りまとめられたものです。
 35ページの記述は、震災津波による被災直後の町の人々の暮らしや生活の維持、改善を最優先事項として緊急雇用創出事業に県や町が取り組んだことは適切な判断であった。その緊急雇用創出事業に取り組む中、県が町の今回の事業に関して取り組んだ対応は、実施要領、Q&A、交付要領、交付契約書に基づき行っており、通常の処理としては適切であった。一方、県は、このような事案が発生したことについて重く受けとめるべきである。
 36ページの記述ですが、県は、緊急雇用創出事業の適切な執行管理のため、市町村委託事業の場合の県のかかわり方を見直す必要がある。県がそのかかわり方を見直すに当たって、市町村の主体性を尊重する、緊急雇用創出事業の柔軟な企画を尊重する、そういう考えのもとで、事業の円滑な執行を妨げるような過度の事務処理上の負担を課すことを避ける、市町村の自立性を損なうような過剰な関与を避ける、そのようなことに留意して補助事業の執行を適切に指導するという県の責務を果たすべきである。県、市町村、事業受託者の3者が情報共有し、相互の連携、協力を確保するべきである。
 最後の項目として、県は、補助事業制度の適切な運用に対して十分な注意を払い、補助事業の適切な実行に懸念が感じられる情報を得た場合の機会を生かすために、通常の対応とは異なる対応の仕組みを整理し、事業の適切な執行を確保することが県の役割と責任であるとまとめられているところです。
 以上で報告書の概要についての説明を終わります。
 次に、3月7日の総括質疑におきまして、部審査の際に御説明すると申し上げました緊急雇用創出事業で行う委託事業に係る中間検査の年度末における実施見込みは、2回以上は492者で96%、1回実施は、事業実施期間が短かったものなど21者、4%となっております。
 なお、今回の調査にあわせ、平成25年10月末現在の実績を精査したところ、一部誤りがありました。平成25年10月末の中間検査の実績は、受託者513者が506者、1回以上実施したもの421者が414者でございました。おわびして訂正させていただきます。
 よろしく御審議をお願いいたします。
〇樋下正信委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 今回の検証委員会の報告書は、あくまでも山田町が実施した事業ということからの検証でありまして、私は一定の評価をするところでありますが、若干、検証課題等に疑問がありますので、質問させていただきます。
 最初に、委員会構成でありますけれども、今回の事業実施先、補助金受領先が旭川市のNPO法人大雪りばぁねっと。であります。NPO法人の管理という立場からも、また、NPOのあり方、NPOに対する県のガイドラインからしましても、NPO・文化国際課を委員のメンバーに入れて協議をする必要があったと思いますけれども、委員会構成の考え方について最初にお聞きします。
〇千葉商工企画室管理課長 問題となりました事案の内容や検証委員会設置の趣旨及びその目的に鑑みまして、行政品質の向上などを所掌する人事課、法令解釈などを所掌する法務学事課、市町村に対する指導、助言などを所掌する市町村課、そして、会計事務の指導などを所掌する出納局の職員それぞれ1名を加えることとしたものでございます。
 当初は、NPO・文化国際課の職員を入れさせていただくことも検討の俎上には上げたのでございますが、検証委員会の設置の趣旨及び目的からいたしまして、県と町との関係が主だということを判断いたしまして、先ほど御説明いたしました4人を加えることとしたものでございます。
〇高橋孝眞委員 ぜひ入れてほしかったなと私は思うわけでありますし、今回の委員会は身内で検討したと言われているわけであります。委員会の委員長は商工労働観光部の副部長、副委員長は委員長の部下で、その上、委員会の所管の庶務を担当するという部署でもあります。そういう意味合いからも、身内同士での検討報告と言われても仕方がないと私は思うわけでありますけれども、任命者として、部長は現時点でどのように考えておられますか。
〇橋本商工労働観光部長 まず、委員長、副委員長等の関係でございますけれども、やはりこの事案の発生を把握した時点におきまして、議会でもさまざまな御議論がなされた経緯がございました。そうした中にあって、当部所管業務といたしまして、事業執行所管部として説明責任を果たしていく必要があるのではないかというような観点から、その作業をするに当たっては、実際に事務、補助事業を実施したその遂行状況を追体験していくというような手法をとることとしたため、法務、財務、会計などの分野で実務に精通した職員を選任したものでございます。
 また、経営学、行政学を専攻されている学識経験者でございます外部委員を含めまして、それぞれ委員の知見をもとに、会議は全て公開の上、議論がなされたものでございまして、その上での報告書の取りまとめでございますので、外部のチェックは受けているものと認識しているところでございます。
〇高橋孝眞委員 身内での検討報告だととられても仕方がないのだと私は今の回答で思うわけであります。
 今回の件ですけれども、平成23年度当初の契約が1、500万円から始まりまして、6回契約更改をして、変更して4億3、000万円余りになったわけであります。変更時には、事業の中間報告ないし事業の進捗状況の確認が必要であったのではないかと思うわけであります。普通、契約の変更は、現状を把握し、その上で再契約をするといいますか変更契約をすることになると思うのですけれども、そういう手続がとられていないと思うわけですが、今回このことについてどのように検証されたのでしょうか、お伺いいたします。
〇桐田副部長兼商工企画室長 事業の変更計画申請時においては、国と県を初め、この補助事業手続一般においては、通常行われることであるために、加えて検証としてはしていないところであります。
〇高橋孝眞委員 していないと言えば、そのとおり何とも言いようがありません。ただ、報告書の18ページにかなりりばぁねっとに対して、さっきも報告がありましたけれども、通常行っていないような事業運営について指導しておりますと。それで、宮古地域振興センターが行っていますとありますし、平成23年12月28日に指導、打ち合わせを行っている。相互確認するように指導している。いずれ、随時問い合わせを受けながら対応しておりますとなっていますし、それを含めても指導監督を徹底するように指示をしたと。
 これは、山田町に対して指示をした、指導したということになるわけですけれども、山田町は、そういうことから言いますと、今回のようなことが起きたということは、県としては指導したんだけれども、山田町はそれをやれなかった、実施できなかったのだと。指導したんだけれども、受けられなかったのだ、そういうふうに考えてよろしいんでしょうか。そうすると、山田町がやっぱり悪いのだ、報告の内容から見ると、そういうふうに受け取ってよろしいんでしょうか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 先ほど部長が御説明いたしました報告書の内容において、3者が情報共有をしながら補助事業の適正な執行に努めるべきだったということにまとめておりますので、山田町だけが悪いとは報告書では記述しておりません。
〇高橋孝眞委員 じゃ、そういうことは、県も悪かったということをきっちりと認めるという意味になるんですか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 委員会における報告書のまとめにおきましては、3者の役割と責任を明確にした上で報告書をまとめるべきだという意見でございましたので、今のような記述、3者にかかわる役割と責任の記述がございました。
 県の取り組みの部分につきましては、重く受けとめるべきであるという記述がございます。
〇高橋孝眞委員 いずれにしろ、今の回答から見ますと、私は、県も悪かったのだと受け取ってよろしいと回答を受けたわけでありますので、次に行きます。(「攻めろ、そこ」と呼ぶ者あり)後の方にお任せします。
 契約の変更が6回ありまして、1回目は前払い金が90%だったわけですけれども、1回だけ90%から100%に変更しているわけでありますが、これは、この事業の要綱、要領の中で、前払い金についてはどういう規定があったのかということであります。
 規程にはなかったように思うわけであります。県の財務規程等に基づきますと、前払い金は40%、その他、進捗状況によって概算払いとして90%、残りの支払いは完了時払いとするのが一般的だと思うわけですけれども、この点についてはどのように考えたか、検証されたかについてお願いします。
〇桐田副部長兼商工企画室長 前金払いを100%にしたことにつきましては、山田町の判断で実施したことでありまして、山田町の役割と責任における取り組みであるため、検証はしておりません。
〇高橋孝眞委員 いずれ、先ほどの回答から見ますと、山田町も県も一体的に物事を指導しております、こういうふうにお話をしているわけですけれども、今のことから見ると、その分は山田町の問題だ、ここの分は県も一緒にやりましたよというような言い方になるわけですが、そういうふうに受け取ってよろしいんですか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 先ほど検証委員会での委員の発言などを御紹介いたしましたが、この委員会での検証において、各委員は、3者の役割と責任を明確にした上で記述すべきだということでありますので、県と町が一体となってやったということではなく、それぞれが与えられた権限の中でどう取り組んだかといことを検証したものでございます。
〇高橋孝眞委員 ということは、いずれにしろ間違いを認めながらも進めてきたというような感じがするわけであります。
 次に行きますけれども、そういうふうに別々に考えるということであればあれですが、県は、直接指導する立場にはなかったと私は思うわけです。にもかかわらず、平成24年3月16日に指導しています。この場所には山田町の担当者は入っておりません。山田町は、県も一体となって指導していると。そうすると当然情報も共有している。先ほどもそういうふうに思っているということでしたけれども、なぜ山田町抜きに直接事業者を指導したのか、指導することに至ったのか。ここに私は県に問題があったのではないかと思うわけです。
 県として、今回の事業は山田町の問題だと先ほど言いながらも、自分できちんとそういう指導も個別にしている。そういう意味では、私は県にかなりの責任があったのではないかと考えるわけですけれども、この辺の検証はどういうふうにいたしたのでしょうか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 3月16日に宮古地域振興センターの職員だけが大雪りばぁねっと。と会ったということはそのとおりでありますが、山田町にも同席してほしいと依頼した上で、都合がつかず、やむを得ず県の職員だけが同席したものであります。
〇高橋孝眞委員 山田町から県が同席してほしいというのであればわかるわけですけれども、県が山田町に同席してほしいというのは、主体はどちらになるかというと県になってしまうわけじゃないですか、そのことを言いますと。どうでしょうか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 県が行ったことは、先ほどの報告書の中でもありましたように、一歩踏み込んだ対応だったわけでありますけれども、山田町が行うことについて、県が支援をいたして、一緒になって指導しようということを申し述べたものと思っております。
   〔発言する者あり〕
〇高橋孝眞委員 次の方にお願いしますので。
 18ページ、19ページの報告書はなかなか難しくて理解するのに苦しいんですけれども、どんどん読んでいきますと、最初は一生懸命指導しましたよ、こういうふうに書いているけれども、最後には、お互い情報共有しながら、それぞれが責務を果たすことが必要であったとなっているんです。ここを考えますと、県は途中で指導から手を引いたような報告になるんですけれども、この点、何らかの問題があったから手を引かざるを得なかったと受け取られるわけですが、こういう報告書について、部長はどういうふうに思いますかね。この報告の内容につきまして。
〇橋本商工労働観光部長 報告書にも記載されております19ページのとおりで、適正な補助事業の実施の実現に努めようとしたということは認められるとした上で、事業主体である町を同席させるべきであるということも明記されております。そのことについて、さらにもう一歩踏み込んだ取り組みがあれば異なる結果になった可能性があるというような委員からの発言があったということを、そのとおり記載されているものと受けとめているところでございます。
〇高橋孝眞委員 部長はこの報告書を受けたわけですよ。依頼をして、委員会構成をして、検証してもらったと。その意見を受けて、部長は、この内容についてどのように思いますかということです。お願いします。
〇橋本商工労働観光部長 この報告書につきましては、まず、趣旨として、補助事業者としての県の対応の検証、さらには、事業の適切な執行管理のあり方を検討することを目的として設置しておりまして、それらに基づいて、事実関係をまず確認し、それに対して各委員がどのように感じるかをそれぞれの知見に基づいて発言をし、それを集約し、取りまとめていった報告書であると考えております。
〇高橋孝眞委員 そこはいいですけれども、18ページ、19ページをだんだん読んでいきますと、最後には、繰り返しになりますが、責務を果たす必要があったとなっているわけです。これは、途中で県は指導から手を引いたと考えられるわけですけれども、部長は、この点についてどういうふうに思いますかということです。もう一度お願いします。
〇橋本商工労働観光部長 この件については、実態として補助金事業がどのように行われているかをつまびらかにして、かつ、他県とも比較した上で報告書が書かれており、しっかりとしたものがつくられていると捉えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 部長の認識と我々とは全然違うのかもしれませんし、他の県につきまして、もう一度伺いますけれども、他県と比較をしましたということについてはわかりますが、1年間で5回も6回も契約変更する、1、500万円から30倍もの契約変更を1年間でするような事例も他県にはそんなにあったのでしょうか。どうでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ただいまの審査の対象となっている事案の変化の状況等については、確認しておりません。
〇高橋孝眞委員 わかりました。ということは、そんなに吟味して比較したという意味合いではないと受け取ったほうがいいんだと思います。
 山田町は、第三者による調査委員会を立ち上げ、一定の調査をし、報告書をまとめておりますけれども、その先はありません。山田町議会は調査委員会を持ったようですけれども、百条委員会を開催することには至らず今日に至っております。
 山田町と山田町議会が町の財政から約6億7、000万円も今回、返還として負担をしているわけですけれども、山田町みずからの問題として考えていないのではないか。本来であれば、町、議会ともに真相究明を図ることが一番大事だと私は思うわけですけれども、この点についてどのように考えるかお伺いします。部長にお願いします。
〇橋本商工労働観光部長 御質問の件については、山田町、山田町議会に関することでございますので、答弁は差し控えさせていただきます。
〇高橋孝眞委員 そうすると、ある部分については指導するけれども、ある部分については指導しないのだというような意味合いを含めて、実際は、真相究明は、県は県の部分だけで終わりにしてしまいましょうというような考え方に受け取らざるを得ないわけですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 繰り返しになりますけれども、本検証委員会の設置の目的に照らしまして、補助事業者としての県の対応を検証する、そして、事業の適切な執行管理のあり方を検討するということでございます。
〇高橋孝眞委員 いずれ、なかなか回答が難しいんだろうと思いますので、次に行きたいと思います。
 今回の検証結果報告書から、当局として何を学び、今後、事業執行するに当たりましてどのように生かしていくかにつきまして、部長から伺いまして、質問を終わりたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 検証委員会の報告書におきましては、県は重く受けとめるべきであるとされております。また、補助事業者の執行を適切に指導するという県の責務を果たすべきであるともされているところでございます。
 報告書における補助事業の適切な執行管理のあり方の提言を踏まえまして、仕組みを整理し、事業の適切な執行を確保することが、県の役割と責任であると考えているところでございます。
 通常の対応のみではなく、一歩踏み込んだ対応が必要ではなかったかと報告書において指摘されているところでありまして、県、市町村及び受託者の3者が相談、情報共有することが重要であると改めて認識したところであり、それらの指摘を踏まえ、今後の改善に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 私もこの報告書を何度か読ませていただきましたし、それから、さきの総括質疑のやりとりも聞いていまして、議会の役割の一つが行政のチェックだということであれば、その趣旨を踏まえれば、まだ、なかなかこの報告書だけでは了とはいかない、そのように思っております。
 そういった観点から何点か質問させていただきたいと思いますが、まず第1点、委員会の構成は、先ほど高橋委員も質問しましたけれども、通常こういった事案が出れば、公正な第三者に検証していただくのが普通の考え方だと思うんです。それを当事者である商工労働観光部が、しかも正副の委員長をやったと。私は、委員会の構成として大いに問題があるのではないかと思っていますが、この点について、まず、部長の所見を伺いたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 検証委員会の設置要領につきましては、直近の農林水産部における漁港海岸災害復旧事業関係入札等検証委員会の事例を参考にしたものでございます。
 構成員につきましては、問題となった事案の内容や検証委員会設置の趣旨及びその目的に鑑みまして、行政品質の向上などを所掌する人事課、県における法令解釈などを所掌する法務学事課、市町村に対する指導、助言などを所掌する市町村課及び会計検査及び会計事務の指導などを所掌する出納局の職員を選定することとしたものでございます。
 また、学識経験者につきましては、行政学や行政法、財政学や補助金適正化法等を中心に研究活動をされている方、また、今後の事業の適切な執行管理のあり方を検討するという目的もあったため、マネジメントを専門としておられる方を選任したものでございます。
〇佐々木博委員 あなたは先例を重んじるんですか、それとも、県民が公正な検証を求めていることに対して応えようと思わなかったんですか。
 よく、行司が相撲をとると言うけれども、今回は行司が相撲をとったのではなくて、行司を置かないで相撲取りが自分で勝敗の判断をしたような話じゃないですか。通常、検証と言えば公正な第三者を立ててやるのが普通じゃないですか。いかがですか。もう一度所見を伺います。
〇橋本商工労働観光部長 検証に当たっての考え方については、さまざまな事案によって対応が異なってくるものと考えておりまして、今回の緊急雇用創出事業にかかわる事案につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、所管部局としても一定の説明責任を負っているものであり、その構成メンバー等にも入る中で、その事業のあり方がどうであったかという部分について、委員会の中に説明をし、また意見も述べ、その中から意見をいただき、公正な形で合意を図っていくと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 説明責任は、公正な委員会をつくって、参考人で呼ばれたときにきちんと説明すれば、それで済むのですよ。要するにあなたは、その程度だと考えたんだ、この検証をね。まあ、そういうことだと思いますよ。
 それで、中身に入っていきますけれども、事案が適正だったかどうかということでいろいろ議論されています。私は、委員の皆さんは、構成には問題があるけれども、真剣に議論したということだけは認めていますよ。そこはきちんと評価していますから。
 ただ、他の道県のいろいろな事例も見た上で判断していると言っていますけれども、それは通常のときの話じゃないですか。これは本当に千年に一度の震災があっての話で、通常のときと比較して問題がなかったという検証は、いかにも問題があるのではないかと思いますが、どう考えますか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 検証報告書において、そのような環境とか、当時の状況についても十分に踏まえた上で検証すべきではないかという意見は出てまいりました。その際に、そういう千年に一度の大災害という状況において、県がどんな取り組みをしたかというふうに災害のせいにすることはどうかという御意見もありまして、適切な執行管理のあり方において、そういった記述のところを不適切な事業受託者による事例であると書くべきだという意見が多数を占めましたので、災害時における事例だったということを、不適切な事業受託者による事例であると書き直した経緯がございます。
〇佐々木博委員 そこが我々の認識と大分違うところですよ。そうでしょう。これは、他の道県でこういった進捗管理をやっているから、もう一歩踏み込めばよかったという意見もあったけれども、問題はなかったという書き方でしょう、この検証はね。だけれども、我々は、千年に一度の震災で、はっきり言えば、山田町も、町役場の職員だって、かなりの犠牲者も出して非常に混乱している中で、正常な業務ができる状態じゃないでしょう。だから、そういった背景を考えて、それでよかったかどうか、そこを検証してほしいというのが、議会としての検証を求めた意見じゃなかったんですか。
 それに対して、そのことについては一つも考えないで、入ってきたNPOが異常なところだったと言う、これは余りにも検証としておかしいと私は思いますけれども、どう思いますか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 今のその災害時において、山田町の状況を踏まえてどこまで県が立ち入るべきだったかということについては、委員の皆様方もそういった雰囲気をお持ちで意見が交わされたと思っております。
 今回の報告書を書くに当たって、先ほど一度申し上げましたが、役割と責任がどうであったかということをやはりきっちりと考えた上で記述すべきだという御意見が多々ありました。
 それから、山田町にどこまで手を差し伸べるかということについて、今後のこともあるのでという前提ではありますが、県が市町村に対してあれこれと手を差し伸べながら、箸の上げおろしまで、そういった方向に向かっての議論はやはりよくないのではないか。あくまでも主体性を尊重しながら、県がどこまで立ち入るべきかというような議論でありました。
 したがいまして、県が適切だったということの文章については、あくまでも標準的な場合においてはという前提条件がそれぞれの文章の前についておりまして、それでなく、今回のそういった災害とか、あるいは不適切な事業受託者という状況を考えれば、もう一歩踏み込むべきだった、そういった状況に陥った件は重く受けとめるべきであるというような記述になったと考えております。
〇佐々木博委員 誰も箸の上げおろしまで見ろなんて言っていませんよ。箸の上げおろしまでというのは、要するに余計なことに介入しているという話ですよ。今回は、山田町の職員というのは、はっきり言えば、あの当時の職員は、自分も被災者でありながら、被災者の方々からいろいろな注文があって、本当に板挟みでみんな大変な状況だったんですよ。
 それで、県は、被災者に、被災地に寄り添うと言っていたでしょう。寄り添うようなことをきちんとやってくれればよかったのですよ。箸の上げ下げの話じゃないでしょう。千年に一度のときに、通常の状態でこうだから、だから、これもよかったという議論になることのほうが私はおかしいと思いますけれども、そう思いませんか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 箸の上げおろしについては、被災で傷んでいる山田町に対して、その瞬間にという意味ではございませんので、将来に向かってそういった方向性に導くような検証の報告は書きづらかった、そういった意見が多数だったという意味の御紹介です。
 山田町に対して、県は、先ほど概要で御説明申し上げましたように、100名以上の雇用創出の事業だったこともありますので、県は、途中でしっかりとしたそういった経理が必要だよとか、あるいは書類はどこまで整ったのでしょうかということを、そういった手をかけたということはあります。ただ、検証委員会においては、せっかくそこまで手をかけたのであれば、さらにもう一歩きちんと手をかけると、また別な結果に至ったのではないかといった意味での県の取り組みについての検証の記述はあるところでございます。
〇佐々木博委員 現実に、宮古地域振興センターですけれども、12月28日と3月16日、大雪りばぁねっと。に直接指導監督していますね。1回は、3月ですか、山田町がいないところで県と大雪りばぁねっと。だけでやっていますね。やっぱりこういった状況が現実にあれば、山田町の第三者委員会でも出ているんだけれども、県だって多分情報を共有していたと思うほうが普通だと思いますよ。そうでなかったら、普通こんなことはやらないじゃないですか。少なくとも、県も問題があると思っているから指導監督したわけでしょう。どこに問題があったかということだって、ある程度把握しているじゃないですか。
 それを、補助金適正化法がどうだから、自立性を尊重してどうだとか、むしろ法律を責任回避の論理として使っているようにしか聞こえなくて、私は非常に納得いかないんですけれども、どうでしょうね。
〇桐田副部長兼商工企画室長 委員会においては、責任を回避するという関係におきましては、他道県の実例を踏まえて議論ばかりしていくと逃げているように思えるぞという外部委員の御意見もありました。そういったことも意見として出てまいりましたが、最終的に、委員の合意のもとでこのような文章になったところです。
 それから、3月に山田町を同席させずに大雪りばぁねっと。に直接入りましたが、指導した後に、山田町に、こういう指導をしてきたから、あなたもきちんと指導してくださいねと伝えておりまして、情報共有をしようとそれぞれが一生懸命取り組んだ状況であろうとは思います。
 ただ、結果がこのように出たということを踏まえて、検証委員会では、それぞれがさらに情報を共有しながら、県ももう一歩踏み込んで行えば別な結果に至ったんではないかというような評価になっているところでございます。
〇佐々木博委員 震災の直後、さまざまな問題があったわけですけれども、いろいろな法律があって、その法律が、いろいろなことをスムーズにやることの妨げになったことも随分ありました。例えば廃車の問題とか、ほかにもいろいろあった。病院の開設の問題とかいろいろあった。本当に、平時はうまく機能する法律も、緊急のときには、かえって足引っ張りになることもいっぱいあったんですよ。そんなことは我々もいっぱい経験しています。そういったことを、事後の今の段階になって、補助金適正化法の問題を持ち出して、自主性を尊重したとか、これは県民感情として絶対理解できない問題だと思いますよ。
 それで、話をちょっと前に進めますけれども、本県は補助金適正化法では痛い思いをしているわけですよ。森のトレーの問題があったでしょう。あのときの総括はどうですか、林野庁にも応分の負担を求めたいというのが総括だったんですよ。当時の増田知事は、議会でそのように答弁しているんです。あのときだって、いわば岩手県は山田町の立場ですよ。県の職員は、林野庁とさまざま協議しながらあれをやった。だけれども、事業がうまくいかなくて、全額返還命令でみんな悔しい思いをしたんです、納得いかない思いをしたんですよ。
 私は、岩手県は、この同じ補助金適正化法の問題でそういった経験をしていながら、立場が変わると、今度その問題を持ち出して、これは補助金には問題ないと言う、どうも理解ができないんですけれども、どうですか、橋本部長。あなただって森のトレーはわかっているでしょう。
〇橋本商工労働観光部長 森のトレーの事案との関係で申し上げますと、私の知り得る範囲では、森のトレーの事案については、本事案とは関係性が異なるものと考えております。
 一つには、森のトレーは、補助金を導入して、そして、県も受け、それをさらに久慈市に補助したというような一連の補助事業という中で流れていった事業でございますけれども、この緊急雇用創出事業は、御案内のとおり、町と県との間においては基金からの補助金という形で執行されておりますし、町が契約当事者としたNPOとは委託事業として実施されておりまして、そのかかわり合いにおきまして、関係の法令等の部分におきましても、県として立ち入ることができるものは、山田町と契約当事者との関係にとどまると理解しているところでございますので、本事案と森のトレーの事案を同一に取り扱うべきではないと考えているところでございます。
〇佐々木博委員 あなたと法律論争をするつもりはないけれども、当事者がどうだったかという問題じゃないでしょう。事案が似ているでしょうという話をしたんですよ。
 いずれ私は、どうしてもああいった状況の中で、しかも被災者に寄り添う、被災地に寄り添うと言いながら、法律だけ前面に出して、自主性を尊重しなければいけない、箸の上げおろしに口を出すようなことは言わないと言って全く関与しなかったような姿勢をとるということは、少なくとも県民の皆さんに対して、それを了とすることは、県議会としてそういう判断はなかなか難しいのではないかと私自身は考えています。あと、次の方に譲りますけれども、そのことだけ申し上げておきます。
〇佐々木順一委員 まず確認しますが、緊急雇用創出事業のこの資金でありますが、国から県には交付金でおりてくると思います。県におりた段階で、山田町に交付する段階で補助金に変化する、こういう理解でよろしいわけですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 御指摘のとおりでございます。国から県に来る際は、交付金という極めて拘束性が弱い形で参ります。しかし、国の要領で、県から支出する際は補助金でという規定になっておりまして、県は補助金で交付しております。
〇佐々木順一委員 そうすると、そこで補助金適正化法の適用がまず発生するわけでありますね。
 それで、その一方において、再三議論になっておりますが、18ページ、平成23年12月28日、県がりばぁねっとに対して改善指導したと。それから、3月16日も直接指導している、こういう記述がありますが、これは異例だと思いますが、制度上よろしいんでしょうか。そこだけちょっと確認します。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 一般には、これは委託事業でございますから、発注者である山田町とNPO法人の間で指導なり協議が行われるものでございますけれども、確かに、県からすれば、地方自治法の中に補助金交付先に対する指導や質問権はございますが、今回のこのケースにおきましては、そういった指導的見地からというよりは、山田町を支援するという立場から、助言なり、一緒に受託者であるNPO法人の指導に立ち会いましょうという形で行われた任意のものと考えております。
〇佐々木順一委員 わかりました。それで、一般事務の調査、行政調査権限を持ったものではない、こういう理解でよろしいわけですね。いや、立たなくていいです。はい、わかりました。
 それでは、検証委員会の設置目的について若干聞きます。補助事業者としての県の対応検証、事業の適切な執行管理のあり方を検討と明記されておりますが、極めて限定的であります。なぜこのような限定的な目的になったのでしょうか。
 また、問題の一つとなった御蔵の湯については、どのような検証が行われたのか。特に、当初、建設土木事業に該当するのではないかという懸念事項が、最終的にリース物件という位置づけとなり交付対象となったわけでありますが、このことについてどのような検証が行われたのか。また、特に2人の学識経験者が入っておりますが、この方々の御意見はどうであったのかお伺いいたします。
〇桐田副部長兼商工企画室長 限定したという御質問であります。検証委員会において、委員おっしゃられた補助事業者としての県の対応を検証するとともに、緊急雇用創出事業の適切な執行管理のあり方を検討するということでありますが、県と山田町との間の問題を検証するという意味で限定ということだと思っております。
 それから、御蔵の湯についてであります。県は、御蔵の湯の建築材料費の支出が建設土木事業に該当しないのかを町に確認したところ、補助対象であるとする理由を文書で明確に示してきたので、補助対象としたものです。
 このことについて、検証委員会では、この町から出された文書の説明が補助制度に合致しないものであるとは断定しがたい内容であるとし、それらが全く成立していないものではなかったことから、県の対応は一概に不適切であるとは言いがたいとまとめたものです。
 学識経験者のお2人の御意見も、不適切か適切かという判断は多分に難しく、一概には不適切とは言いがたいというのが、現段階での結論として妥当だろうという御意見でございました。
〇佐々木順一委員 現段階というのは、どういう根拠に基づいてなんでしょうか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 現段階と申し上げますのは、先ほど来申し上げておりますが、それぞれ3者の役割と責任を吟味しようとした際に、大雪りばぁねっと。は、調査に応じない、協力しないという状況でありますし、山田町と大雪りばぁねっと。の間においては裁判が行われており、山田町にとっても明らかにできない情報があるということでございましたので、現段階ではというのは、そういった意味でございます。
〇佐々木順一委員 わかりました。それじゃ、まず、係争中であるということね。
 それから、何よりも、この事案の一番中心的な存在である山田町が、今、裁判の当事者になっているということであります。よって、一番情報を持っている山田町が、こういう裁判の当事者であることから、検討委員会の調査活動も極めて限定的にならざるを得なかったということではないかと思います。しかも、NPOの大雪りばぁねっと。には、今のところは介入できない状況でありますから、全体的な真相解明には、もちろんほど遠いものであると理解します。
 一方において、森のトレーのとき、たしか総務部に検証委員会といいますかを設置したと思っております。これと比較すると、今回の検証委員会は、一部に学識経験者2人も入っておりますし、公開ということでありますから、森のトレーの事案よりは、比較すると、一歩―半歩かな、前進したものと思っておりますけれども、いずれ限定的な状況でありますから、全体の真相解明といいますか徹底究明にはほど遠いものにならざるを得ないことは、私も理解いたします。
 それで、個別の話の中よりも、この総括の文書の中でいろいろ書かれておりますが、新たな仕組みづくりの提言をさまざま書いております。それから、総括の中で、補助事業へのかかわり方を見直す必要があるとか、あるいは機会を生かすために、通常の対応とは異なる対応の仕組みを整理し、事業の適切な執行を確保することが県の役割と責任である、こう書かれておりますけれども、このことについて、今回のこの総括を踏まえてどのような取り組みをするのか、具体的にお示し願いたいと思います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 報告書の30ページから32ページにおいて、委員会としての新たな仕組みづくりの提言という記述がございます。その中において、市町村の緊急雇用創出事業制度の担当課だけではなく、直接の事業実施担当課が制度や事業の留意事項を正確に理解することが大事であり、県はそのための制度説明会を毎年行うことが望ましいという記述もあり、これについては、実施について部で検討してまいりたいと思います。
 それから、通常の処理以上の対応の取組みということで、事業費の規模が大きい場合や受託者の過去の財務規模に比べて事業費が多額の場合において、県は、チェックリストについては、通常の場合もチェックリストがありますけれども、特別な場合においても、そういったチェックリストを活用しながら、必要に応じて市町村とのヒアリングをすることで、より一歩進んだ事務処理をすることが具体的な取り組みだろうと考えております。
〇佐々木順一委員 よくわからないけれども、まあ、いいわ。
 じゃ、会計検査院の調査について聞きますが、会計検査院が今後調査に来ると思いますが、どこが対象になるわけでしょうか、改めて確認いたします。
 また、厚生労働省も行政調査の権限を持っていると思いますが、これまで厚生労働省から報告を求められたことがあるのかどうか、また、県は、今回のこのてんまつについて、厚生労働省にどのような報告をされたのか、それをお伺いいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず最初に、会計検査院の検査でございますけれども、対象は、県及び事業を実施した山田町となります。
 次に、厚生労働省への報告及び同省の調査でございますが、この事案につきましては、同省から求められるまでもなく、県のほうから厚生労働省には、可能な限り資料提供をし、また、あわせて県の考え方を直接説明にも行き、対応してきております。そのため、同省からこれまで、県及び山田町に対する補助金適正化法による調査等は行われておりません。
 また、厚生労働省に対する情報提供の状況でございますけれども、事案発生以降、県や町の対応状況を逐次報告するとともに、新聞報道の状況についても、地方紙等ございますので、情報提供しております。加えて、平成24年度末には、補助対象とする範囲についての県の考え方あるいは完了確認における資料についての提供も行っております。
〇佐々木順一委員 現段階で厚生労働省はどういう見解なんでしょうか。何も言っていないわけですか、何か言っているわけでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 これは、あくまでも事務的な御相談を申し上げて、ある程度、県の考え方については理解できるものと御意見をいただいております。
 あとは、国としてのスタンスは、今後、会計検査院も参りますので、必ずしも一致とは限らない、今後、何らかの変更も可能性としてはあるものと考えています。
〇佐々木順一委員 真相解明とか徹底究明は、裁判の結果、判決あるいは会計検査院の調査の結果を待つのが一つの見識かと思っております。
 それで、平成25年3月13日付の緊急雇用創出事業の実施に当たり留意すべき事項における中間検査の実施について、このことについてお伺いします。
 この文書は、今回の総括がまとまる前に、先行して文書が各市町村基金事業所管部等の長に通知されておりますが、なぜこれが先行されたわけなんでしょうか。まず、それをお伺いします。
 それから、2回以上の中間検査を実施することということが措置されておりますが、これはどういったものに基づいているわけでしょうか。それから、2回の根拠は一体何でしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず一つ、時期でございますけれども、平成25年3月13日に通知を出しましたが、その前、3月1日に担当者会議を開催しております。その趣旨は、それ以降、3月に入れば、当然当該年度の完了確認作業が始まりますし、翌年度の契約に向けた手続も順次進んでまいりますので、時期を失しないように、今わかっている範囲で注意喚起しておこうという趣旨で、ここで文書を発出いたしました。
 次に、この中間検査に係る、何に基づいて導入されたものかということですけれども、これにつきましては、あくまでも緊急雇用創出事業を所管する我々としての、この事業実施に当たってのガイドラインという趣旨で示しております。この事業実施に当たっては、注意すべき事項、守ってほしい事項として示したものでございます。
 2回という回数でございますけれども、これが一律に捉えられて、さまざまあちこちに不都合が逆に生じる可能性はあったんですが、やはり最初から曖昧な表現にしては、かえって別の意味の不都合のほうが大きいと思いまして、よく一般に行われる中間時点で1回は見よう、よりは強くやったほうがいいであろうということ、また、2回のやり方についても、軽重のやり方次第で負担なく効果を発揮することができるであろうという趣旨で2回としております。
〇佐々木順一委員 2回以上ということは何回でもできますね。要するに、無限にできるとも読めるわけです。このことは、受託者にとって過度の負担を強いることになりかねないかと心配します。
 また、何回もやれば、受託者のほうも、これはもう負担もさることながら、心証を害するおそれもあると思いますので、これは、運用面で工夫する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 御指摘のとおりでございます。事業をうまく進める上で一番必要なのは、発注者と受託者の信頼関係でございます。ですから、最初から疑って、何か問題がないかということを探すような検査は考えておりません。コミュニケーションを密にする機会としてほしいという趣旨でこの中間検査という名称を使っておりますし、事業を行う県あるいは市町村につきましては、やはり過度の業務負担にならないようにというバランスは考慮してほしいということを、今後も伝えてまいりたいと考えています。
〇佐々木順一委員 ここから財政課総括課長にお伺いします。
 年2回以上の中間検査の実施、これは緊急雇用創出事業に限ったものと私は思っておりますが、ただ、これは今後どこかで歯どめをかけないと、県が管理している全ての補助事業に適用すべきではないかという声も県民のほうから強まってくるおそれもなきにしもあらずだと私は思います。
 もし全ての補助事業にこの中間検査を適用した場合、受託者の負担もさることながら、県の事務負担も計り知れないものがあると思います。このことについて財政課総括課長はどう思っているのか、認識をお伺いいたします。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 県には多数の補助金制度、補助事業がございまして、平成26年度当初予算では1、066億円、1、000億円を超える補助金がございます。そういった予算規模の中で、間接補助まで含めますと、契約の本数は膨大な数になると思われます。
 こういったことで、中間検査の実施を拡大していくとなりますと、これは検査を受ける側、それから検査を行うほうにとっても、相当の事務負担の増大があると考えられますから、やはり全ての補助金にまで検査を行うというようなことは、現実的には困難と考えてございます。
〇佐々木順一委員 私もそう思うんですね。それで、あくまでも、中間検査というのはその事業の目的を達成するために行う手段であるわけでありますが、やはり運用の仕方によって、私みたいな気持ちの小さい者が事務担当者になってしまえば、何回も、3回もやって、それが仕事になる可能性もあるわけでありますから、ここは、県のほうも、財政課のほうで余りにもこれを野放しにしてしまうと、県の行政事務が停滞することになりかねないわけでありますので、やっぱり一定の制限をどこかで加える必要があると思います。
 例えば、今まで実績のある補助金交付を受けている団体、こういったところは対象外にするとか、あるいは新規のところでも、一定の評価のあるところは1回にするとか、あるいは、新規の全くつき合いのないところについては2回とか、いろいろ工夫の余地があると思いますし、それを今からどこかで線引きする必要があると思いますが、財政課総括課長はどういう見解を持っているのかお伺いいたします。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 今の委員の御指摘のとおりかと思います。先ほど予算の規模もお話ししましたけれども、復旧、復興事業等のために、県の予算規模も1.6倍とか多額になってございます。そういった中で、こういった補助事業の確認といいますか検査のあり方ということについては、今、御提案いただいたように、補助事業の実績のないような企業あるいは団体に対する補助のケースもふえてございます。それから、先ほどコミュニケーションを密にとか過度の業務負担につながらないようにということもありましたので、そういった場合には、実績のないところを対象にするというような、いわゆる指導なり、そういった観点で、検査という表現はどうかあれですが、やはりそういった事業をうまく推進していくような形で取り組んでいくということは、大事なことだと思っております。
〇樋下正信委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後7時30分 休 憩
午後7時42分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
〇及川あつし委員 橋本部長に冒頭伺いますが、今回の検証報告書、きょうも答弁で検証はしっかりなされていると捉えているという発言がありましたが、その認識を確認させていただきたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 検証報告書を受け取っての私の所感でございますけれども、各委員の方々には、地方自治法の趣旨あるいは補助金適正化法の趣旨を踏まえながら、特に補助金適正化法の関係で、実務上、実態として補助金事業がどのように行われているかをつまびらかにし、かつ他県とも比較した上で報告書が書かれており、しっかりとしたものがつくられたものと捉えているところでございます。
〇及川あつし委員 私はそう思いません。その立場から、以下、伺いたいと思います。
 検証の方法について佐々木博委員から質疑がありましたが、私も全く同じ認識で、そもそもの検証方法にも問題があったと思っておりますし、中身についても高橋孝眞委員の発言のとおり極めて不十分で、県民に理解を求める内容にはなっていないので、私は総括質疑のときに知事にも伺いましたけれども、橋本部長に言ってもこれはだめなんですが、知事が議会の質疑を聞いて、検証不十分であり、もう一度第三者のもとで検証するべきという答弁をぜひ引き出すのが我々の責務かなと思っております。その観点から、私は、この報告書に記載されている中間検査の関係についてを中心に伺いたいと思います。
 先ほどの佐々木順一委員の質疑でもありましたが、私も、大前提として、中間検査を2回以上やることが絶対の正義であるという立場ではありません。私がなぜこれを聞くかというと、報告書にきっちり今後の再発防止策、今回の検証委員会の趣旨はそこにも主眼があるということで書かれていて、私もいろいろ読んでいったら、去年の3月の段階で市町村などに通知を出して、事業開始後の進捗管理の徹底を図っているというように書かれていて、それがどうなっているのかと思ったら意外な結果が出てきた関係で、きょうも委員長にお取り計らいをお願いして中間検査の状況について伺ったところであります。
 きょう新しい資料も出てきましたので、確認を何点かあらかじめさせていただきますが、きょう、10月末現在の資料と3月13日現在の資料をいただきましたけれども、それぞれこれはいつ調査したんですか。基準日はわかりましたけれども、いつ調査をしたかお聞きいたします。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 まず、10月末現在ですが、昨年11月に調査いたしました。3月13日現在ですが、総括質疑終了後に本日までの間に調査したものです。
〇及川あつし委員 6日に私がお尋ねして、再度調査をしたら、きょう、2回以上がかなりふえているというような内容の報告があったというふうに理解しております。
 それでは伺いますが、総括質疑の前後だったと思うのですが、10月末の基準の調査において、2回以上実施していた数について把握していなかったというような報道がありましたけれども、これは事実ですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 当時の調査は単純に実施状況はどうですかという問い合わせで、回数までは問い合わせしておりませんでしたので、そういう意味では2回以上の数という集計は行っておりませんでした。
〇及川あつし委員 今の答弁は、検証報告書にある進捗管理の徹底を図っているということになりますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 報告書に書きました進捗管理の徹底を図るというのは、まず一つは、中間検査の実施を昨年3月の通知の中で明記し、事業実施者に対して進捗管理を求めたということ、そのことをもって趣旨徹底を図ったということであらわしたものでございます。
 また、その実施状況につきましては、昨年8月に最初の調査を行い、さらに、先ほど申しましたとおり11月にフォロー調査を行って、再度の調査を行うことで、各事業実施者、市町村に対してはやらなければならないんだなという意識づけをやったつもりでございます。それ以降につきましては、広域振興局等が市町村と日常的に連絡調整しておりますので、その中で対応しているものと考えております。
〇及川あつし委員 それが十分だったと私は思わないんです。もうちょっときちっと答弁があれば私もこういう質問をしなくてもいいと思うわけですけれども。
 では、次の質問に移りますが、きょう3月13日時点のをいただきました。10月末時点で一度も行っていない団体が、きょう訂正がありましたけれども85あったんですよね。その85のうち、今回、そのほとんどが2回以上ということになっているので、私の想定でいくと、この5カ月半でばたばたと2回中間検査を行ったということなのかと思いますが、そもそも意味があるのかなという気もします。
 そこで、商工労働観光部に関しては、10月末の時点で20の団体に対して委託をしているという内容かと思いますが、確認のため伺います。きょう配付されたそれぞれの事業、三陸観光復興支援事業費、いわて戦略的研究開発推進事業費、復興促進戦略的研究開発推進事業費、伝統的工芸品等次世代継承事業費、これは10月末のときには中間検査されていないとなっていましたけれども、今回2回以上やっているということになっていますが、この5カ月のうちに2回やったということでいいですか。何月何日にそれぞれ中間検査をやったか示してください。
〇木村商工企画室企画課長 お尋ねの事業の中間検査の実施日でございますが、三陸観光復興支援事業費、久慈広域観光協議会の関係ですが、1回目が11月20日、2回目が2月13日、いわて戦略的研究開発推進事業費、受託者が岩手産業振興センターですが、12月2日、2回目が2月10日、復興促進戦略的研究開発推進事業費、これも岩手産業振興センターですが、同じ12月2日、2月10日になっております。伝統的工芸品等次世代継承事業費でございますが、五つの事業者で受託されておりますが、岩鋳が1月31日、3月12日、及源鋳造が1月30日、2月20日、御釜屋が1月31日、3月12日、丸三漆器が1月30日、2月20日、藤里木工所が1月30日、2月20日という実施状況になっております。
〇及川あつし委員 市町村に2回以上中間検査をしろという趣旨は、おおむね2回以上、いつといつ中間検査するべきだという認識で通知したんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 その実施時期についてはケース・バイ・ケースであろうと考えておりました。実際、今年度やっている事業も上半期で終わった事業もありますし下半期からスタートしている事業もございますし、ケース・バイ・ケースで2回やると。通年で考えれば、一般的には、折り返し点を過ぎたあたりで1回―上半期1回、下半期1回という発想はあろうかと思います。
〇及川あつし委員 この中間検査の方法ですが、今、伝統的工芸品等次世代継承事業費については1月末にやって、3月12日という検査の日がありますけれども、これというのは、もしかすると、商工労働観光部として、市町村にも他の部局にも通知しているのに、2回やっていないからまずいからといって3月12日に急遽やったということではないですか、確認のため伺います。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 こちらのほうで中間検査を実施するべき、そういった通知もございましたので、それに適合するように実施しようとしたものでございます。
〇及川あつし委員 つまり、3月6日に質疑があって、また、いろいろな団体に調査状況を確認するためにやっているので、事業所管部として、その中の発注課としてこれはまずいということで中間検査を行ったということでよろしいですね。
〇桐田副部長兼商工企画室長 中間検査につきましては、部が通知を出しているということもございます。それから、年度末に向かって、いろいろな事務についてしっかりとやるということは我々常日ごろからみんなで確認し合っていることでありますので、2月、3月において、やっていないことをやるというのは通常の業務処理だと思っております。
〇及川あつし委員 そういう答弁があるから私は信じられないんですよ。
 じゃ、改めて伺いますが、10月末の時点で、商工労働観光部、あなたたちが委託元になって20事業があって、10月末の段階で20打数8安打、1回も中間検査していなかったんですよね、この資料によれば。この件については適正なんですか、今の答弁でいえば。
〇桐田副部長兼商工企画室長 業務の進め方につきましては、日々検証しながら、不足があればそれを補い、やるべきことをきっちりやるという姿勢で取り組んでいるところでございます。
〇及川あつし委員 納得できません。市町村には2回以上やれと通知を出していて、その時点で18%やっていなかった。商工労働観光部の皆さんの発注したものについては40%中間検査をやっていなかったという報道があるじゃないですか。この点については何か反論があるんですか、今の答弁だったら。確認のためもう一度伺います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 数字は正しいものと思っております。
〇及川あつし委員 部長に伺います。数字ではなく、そういう姿勢で本当にこれからの再発防止とかできるんでしょうか。どうも何か私は答弁が不十分だし、しっかりと説明しようとしているようには思えませんが、一連の対応、報告書の記述についてはどのような認識なのか、確認を含めて再度伺います。
〇橋本商工労働観光部長 まず、中間検査については、それぞれ県及び市町村に通知を出しているところでございますので、それに基づいて、それぞれの事業、ケース・バイ・ケースで事業中間検査を実施しているものと認識しておりますけれども、商工労働観光部の件についても、同様の受けとめのもとに、日々の業務の一環として適切性を確保するために実施してきているものと認識しているところでございます。
〇及川あつし委員 それでは全くだめだと思います、私は。年2回以上中間検査をやってくださいという趣旨は、再発防止も含めて進捗管理をやってくださいねという趣旨で出したんだと理解します、私は。そこは正しいと思う。けれども、皆さんが、自分たちが委託元になっている事業については、さっき答弁がありましたけれども、11月に1回やって2月に1回やったりとか、ひどいものは1月末にやって今回ばたばたと3月の十何日にやる。これが、そもそも皆さんが再発防止のために市町村にまで徹底させた中間検査を2回以上やるという趣旨と合致していますかどうですかということを聞いているんです。日々の業務の一環でやっているとかという答弁ではなくて、皆さんが市町村にも指導、助言の立場で出したことが、実際皆さんはそういう日時で実行している。これが標準になって市町村もやっていいということですか。そういう趣旨で年2回以上の中間検査を求めたのでしょうか。まじめに答弁してください、お願いします。
〇橋本商工労働観光部長 先ほども御答弁申し上げましたけれども、本中間検査の実施につきましては、それぞれの事業主体の判断のもとにその通知を受けとめ、適切に実施してきていると認識しているところでございます。
〇及川あつし委員 事業主体はあなたたち商工労働観光部じゃないんですか。そのことを聞いているんです、私。20あるでしょう。そのことを聞いているんです。もう一度答弁してください。
〇橋本商工労働観光部長 当部所管の事業についてもこの通知については徹底されているものと思っておりますし、その実施時期等については、それぞれの所管する部署において適切な時期に実施しているものと認識しております。
〇及川あつし委員 それでは伺います。所管課の判断だということですが、では、伝統的工芸品等次世代継承事業費を所管している課に伺います。
 1月末、3月11日、この2回中間検査をやるという月日の設定については、中間検査として正しいですか。どういう判断でこういう2回の月日を設定したのか、明確に答弁してください。
〇佐藤産業経済交流課総括課長 伝統的工芸品等次世代継承事業の中間検査の時期の関係でございますけれども、実際に行いました内容につきましては、被雇用者の育成状況の把握ですとか雇用関係書類あるいは支出状況の内容の確認等を行ったものでございますが、その時期につきましては、年度末が近づいてまいりますので、年度の終盤に向けて適正な処理を確認したいという趣旨がございます。
〇及川あつし委員 年2回やるというのは、年度末にばたばたやるという意味でいいんですか。答弁できる方、答弁してください。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 先ほど佐々木順一委員の質問にもお答えしましたけれども、この中間検査の趣旨は、受託者と発注者のコミュニケーションを密にするということでありまして、どうも中間検査という言葉がひとり歩きしてしまっておりますけれども、商工の受託者は、商工会議所連合会でありますとか中小企業団体中央会、公益的な団体、その他たくさんありますけれども、そういった常日ごろ日常的に業務のやりとりをしている団体でございます。たまたまここに拾った日にちは1月であり10月に入ってからの日付でございますけれども、日常的にそういう交流をすることこそが大事なのであり、言いかえれば、それを中間検査として拾うこともあるいはあり得るかもしれません。そういう意味では、たまたまここに出た数字が1月ということで、これを不可とする理由はないと考えております。
〇及川あつし委員 検証報告書と全く同じロジックですよね。不可とする理由はないけれども、これが適正だとも言わないけれども、ああだこうだという理屈づけだと思うんだけれども、普通は理解しないでしょう、そういうふうには。やっぱり皆さんは、去年の3月の段階で市町村にまで通知をして2回以上やってくださいと言っておきながら、自分のところで20分の8、40%、10月の時点で1回も中間検査をやっていなかったでしょう。これは重大な私は瑕疵だと思うし、今回の検証において、今後の再発防止について云々する資格はないと思います。橋本部長、所感を改めて求めます。
〇橋本商工労働観光部長 本来、補助事業というものはそれぞれの信頼関係のもとに事業計画を承認し、業務を適切に遂行してきている。それをさらに実効性、適正性を保つために行うべきものとして位置づけをしたところでございますので、それぞれの事業主体の契約関係者当事者間における関係性のもとに、年度内に2回以上、それぞれコミュニケーション、事業実施状況あるいは進捗状況等について把握していくべきものと考えております。
〇及川あつし委員 堂々めぐりになりますからこの論点についてはこれ以上言いませんけれども、私はめちゃくちゃだと思います。その私の所感だけ申し上げておきます。
 通告していた1の⑥、伺います、関連しますけれども。
 検証委員会の目的の一つに、事業の適切な執行管理のあり方を検討するとあります。再発を防ぐためには、本年度、先行して実施している再発防止策の効果と反省点についても検証しなければならないと思いますが、そういう検証はされたのでしょうか。されなかったとしたらその理由も伺います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 御指摘のありました報告書の記述につきましては、検証委員会としての考え、そして幾つかの具体的な取り組み事例を提言としてまとめることとして、提言の一つとして④事業開始後の進捗管理を挙げて、それは万が一、不適切なことがある場合でも、これを早期発見することで有効な対応を行うことが可能となるという提言でありました。中間検査につきましては、県が既に通知しているという事例を記述したものであり、検証委員会において検証するものではございません。
〇及川あつし委員 それであれば、検証委員会の目的の一つである、今後の再発防止という観点をきちっと、今現実に事業は進んでいるわけですよね。そこのあり方も含めて検証していかなければ次につながらないんじゃないですか。じゃ、そこの検証をしていなかったということでいいですね。
〇桐田副部長兼商工企画室長 検証するものではございません。
〇及川あつし委員 一連の質疑のやりとりで感じましたのは、誠実に答弁をするつもりがないなということと、あとは、みずからのいわば過ちを認めようとしない不誠実な態度と、それが検証を行ってこういう検証報告書を出したということがきょう改めて確認ができました。
 私、検証報告書を読んだ後、ドイツの第6代大統領ワイツゼッカーの言葉を思い出しまして、過去に目を閉ざす者は未来に対してもやはり盲目となる。過去の検証をきちっとやっていないから今のこともやっていない。次の再発防止も私はできないと思いますよ。この検証は不十分でありますし、もう一度きちっとやり直すべきだと再度私は思いますが、これ以上質疑をやっても無駄だとわかりましたので、所感を部長に改めて求めて私の質問は終わります。
〇橋本商工労働観光部長 本検証委員会の設置目的に照らし、公開の上でそれぞれの委員が意見を知見に基づいて述べ、報告書として取りまとめられたもの、そういう意味においてしっかり検証された報告書だと受けとめております。
〇木村幸弘委員 それぞれに質疑が行われておりまして、私も通告をしているんですが、非常に答弁を聞いておりまして悲しい気持ちになっております。法律、制度というよろいをまとって、それ以上、それ以下でもないというふうな答弁しか出てこないことに非常に無力感を感じるんですが、ただ、これまでの質疑の中でしてきた我々議員の側のいろいろな指摘、特に、佐々木博委員も含めて、今、及川あつし委員も指摘しましたけれども、本当に今回の事案の状況と背景ということを考えたときに、このような報告書でいいのだろうかということをつくづく感じております。
 一つは、簡単に項目だけの通告にしておりましたけれども、改めて、報告書に示された五つの検証課題に対する認識の捉え方、それから背景ということを、確認の意味でも、同じ答弁しか出ないと思いますが、聞いていきたいと思います。
 委員会の五つの検証課題に対して意見を大別すると、二つの意味合いを両論併記というふうな形で並べたなと捉えることができると思うんですが、一つは、自治法上の問題や手続等を含めた、あるいは他県等の例を踏まえての県としての対応は標準的で通常の方法であったということをなおさら強調している点。
 片やもう一つは、そうは言いながら、本事業のこれまでに至る結果について、県がもう一歩踏み込んでおればこのような事態と異なる結果の可能性があったということを表記する捉え方であります。
 改めて、この委員会の大別した両論、この意見として示された捉え方を、検証委員会のまとめ役を務めた副部長と、それからその報告を受けた部長それぞれの立場で改めて御所見をお伺いしたいと思います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 五つの検証課題につきましては委員の間でもさまざまな意見をいただきまして、検証報告をまとめるに当たっても、どういう表現がふさわしいのかということでさまざまな意見をいただいて何度も推敲し直したところでございます。そういったことで、何度もくどくて申しわけございませんが、委員の間では、今回の検証は、それぞれ3者の役割と責任というものをしっかりと理解しながらどう記述すべきかということでございました。したがいまして、通常の場合において県がなし得るべきことについては確かにやったと。ほかの県のベンチマーク等を行った結果においても、一部はむしろ岩手のほうが一歩踏み込んだ事務処理をしている部分もあったと。しかしながら、委員がおっしゃいますように、今回の件においては、県はそういった行うべきことを行ったからといってそれでよしではなくて、さらにもう一歩踏み込むべき余地があった。そうすると別な結果に至ったのではないかということで、委員は、そういう報告書で適切だということで皆さんにまとめていただいたと認識しております。
〇橋本商工労働観光部長 基本的にただいま桐田副部長が答弁したことに尽きるわけでございますけれども、私も、第1回からの全ての議事録、公開されているもの等について通読いたしました。その内容を読んでみますと、それぞれ自由にそれぞれの知見に基づいて所見を述べ合い、まとめていったという経過が赤裸々に語られているものがネット上に公開されております。そうしたやりとりの中で、さまざま意見がございました。特に学識経験者等からは、やはり他県の補助事業の執行のあり方について、岩手県のみをもって判断するというのはやっぱり比較対象としてのベンチマーキングが必要だと。そういうことから、北海道、東北他県を比較検討することも必要だというようなことも取り入れながら進められてきた経緯があると承知しておりますし、その五つの課題の部分につきましては、さまざまな法令等に照らしますと、県の対応した手続等については必ずしもそれが不適切とは言い切れないという一方において、この事案の最後の総括でまとめられておりますけれども、重大と受けとめるべきという総括に至るまでの間に、やはり委員として何か報告書に記載していただきたいという思いがそういうふうな形になってあらわれているものと理解したところでございます。
〇木村幸弘委員 そのような答弁しか出てこないんですけれども、いずれこの間の議論の中でも、私もポイントというところでいろいろと見ていくと、やっぱり通常であるとか常識的な範囲内というか、そういったものの解釈でそれを正当化してしまうというか、そういった考え方に立っているところの視点を変えてほしいと思うんです。報告書では28ページに委員会の意見の視点及びポイントいうのが示されたわけでありますけれども、今回の事案、通常の対応のみではなく、一歩踏み込んだ対応が必要ではなかったかという視点の捉え方です。つまり私は、ここに検証すべき中身が実はきっちりと包含されていくべきものがあると思っていまして、改めてそういう意味で、委員会の意見の視点として、通常の対応のみではないというふうなことを枕言葉に据えたその思い、考え方、それが検証委員会の中の議論として、あるいは協議としてどういうふうな思いがそこに示されてきたのか、改めてその経緯を示していただきたいと思います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 委員会としての視点という表記でありますけれども、これは、委員の間で議論を深めていく中で、ベンチマークをしたのは、1回目の御意見で2回目以降にそういった情報を整理して比較検討したわけですが、確かに国の制度でもあり、ほかの県と同じような事務処理をしているということはわかったと。だけれども、今回の事案というのはそれで済む話ではないと。そういうふうに委員の間では断言されて、そうすると、通常の対応のみではなく一歩踏み込んだ対応が必要ではなかったか、そういった視点が大事だということで、先ほど来繰り返し申し上げて大変申しわけありませんが、役割と責任という視点と、もう一歩踏み込んだ対応が必要だという視点で報告書がまとめられたと考えております。
〇木村幸弘委員 そういう議論の経過の中で、通常の対応ではなかったのではないかという断言の言葉、そういうふうな強い言葉も委員会の中ではあったということだろうと思うんですけれども、やはりそういうところに重きを置いた整理の仕方というのが重要だったと私は思っていますし、その一歩踏み込むという対応の必要性のポイントの中で、28ページの中には、先ほどの答弁では、関係者が役割と責任を明確にし、3者が相談、情報共有してというところを一生懸命強調して答弁されるんですけれども、一方では不適切な執行が懸念される兆候があった場合であるとか、そういった点についてが前段に記載されております。ただ、私は、もう一つ、佐々木博委員が言ったように、このポイントのところには、実はやっぱり通常の対応ではない背景、つまり災害を含めた非常事態の状況下の中でこの事業が行われている、あるいはそれを受けて対応しなければならなかった町の体制というか状況、こうしたものも含めてきちんと捉えた中で、このポイントの中では、ただ、不適切な執行が懸念される兆候があった場合というのは、これは後から見えてきた話の状況で、それを実は前段の中では、厳しい環境下で仕事を請け負っている町の立場からいえば、その気づきさえもなかなかできなかったというもう一方の背景が確かにあったと思うんです。そういう意味で、一方踏み込むべき対応の考え方のところで、こういう兆候があったこととか、あるいは第三者の相談、情報共有を通じて取り組むべきだというポイントだけの捉え方ではない部分としての位置づけをやはりきちんと示すべきではなかったのかというふうに思うんですけれども、繰り返しの答弁になるかもしれませんが、改めてお伺いしたいと思います。
〇桐田副部長兼商工企画室長 ここまで述べることは委員も求めていないのかもしれませんが、当時、県が山田町に対して、あなた方の役割なんだから県は知らないよというような態度ではなく、必要に応じた照会などについては担当者の間では相談に乗っていたということはあります。ただ、この場合、先ほど来繰り返しているだけで申しわけございませんが、山田町はここまでやる役割があった、県もここまでやる役割があったとそれぞれわかりながら、ただ、大雪りばぁねっと。に状況を確認したところ、いろいろ書類の整備などが不十分であったということに気づいて、県はそのときに、県が大雪りばぁねっと。を指導できないということはわかっておりましたので、権限としてないということがわかっておりましたので、山田町に対してしっかり指導してくださいねとお願いしたということでございます。
〇木村幸弘委員 そういう連携の事実経過が確かにあるんだとすれば、やはりそこの中で、いわゆる通常の対応ではない、まさにお互いに補完し合うところを補完し合って、そして何とかこの事業をしっかりとしたものにさせていく、あるいは受託者に対しても適切な指導を行っていくような対応をお互いにさらに情報を共有しながら取り組むべきであったと思うんです。ところが、その部分が、この検証のまとめの中では、ある時点でそこをとめて、そこから踏み込むと県の責任が問われかねない、そんな感覚の中で表現を抑え込んでしまっているというふうにしか見えないんです。
 そういう部分で、例えば先ほどの佐々木博委員とのやりとりの中で、災害のせいにしたくなかったと。不適切な受託者にやはり問題があるんだというところにとどめる表現を桐田副部長からはお話しいただきましたけれども、しかし、このまとめの中では、非常事態の中で起きた事案だということは誰しもがわかっているわけですよ。そういう意味でいうと、後にこの問題がどのように整理されようとも、この当時の状況や事態、その背景は誰もがわかっている中でこういう問題が起きたんだねという意味では、一定のきちんとしたまとめ方さえすれば、そこに対しては私は理解も得られたんじゃないか。県が踏み込み過ぎたとか市町村に介入し過ぎたとか、確かに法律や制度の問題の中ではそういう指摘もあるかもしれない。しかし、この時点のこの事態の状況下の中では、明らかに誰もが非常事態の中でこういう状況下の中で何とかしようという思い、あるいは考え方がそういう行動をさせたというふうにしっかりとまとめられるとすれば、私はそれである意味では評価にもなり、ある意味では次への教訓ともなる、そういうような部分をしっかりと示していくべきだったんじゃないですかね。その点、どうでしょうか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 このようにお答えするのはちょっとよくないのかもしれませんが、今、委員がおっしゃったようなそういう状況下において、県は何々をするべきだったという委員の認識はあったろうと思います。そういった中で、県は、もう一歩踏み込むと別な結果に至ったのではないかというような文言を書き加えるべきだという御意見がありましたので、そのような整理に至ったということでございます。
〇木村幸弘委員 いろいろとその辺のところの認識というか思いの違いがこういった検証結果、報告書の中にも出てしまっているなということでありますが、私もやはり今まで質問してきたように、県の対応、責任ついては一定の責任があったし、そういう中でこの検証報告書の中でまとめられた方向性というのは改めるべきだと思うわけであります。
 時間もあれですけれども、ちょっと確認させていただきたい。中間検査状況の関係のところですが、直近の資料をいただきました。ちょっと視点を変えてというか、今回の商工労働観光部の中で、例えば久慈広域観光協議会に対して2回の中間検査が行われたということで今回報告されました。同じ久慈観光広域協議会ですね、政策地域部で10月の時点の資料では1回実施されていて今回2回目に丸がついています。それから、久慈市が、同じく久慈広域観光協議会、久慈市は10月の時点ではゼロ回でした。今回、2回実施されたというふうに丸がついておりまして、これは参考までですが、政策地域部、それから久慈市も商工労働観光部と同時期、同じ日に同じような形でやったんですか、事業のそれぞれの中間検査を。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 それぞれの発注者においていつやったかということは、今、手元に資料がないのでわかりません。どうしても地域の担い手が限られる中で、この緊急雇用創出事業をやっていく中では特定の事業者にその業務が集中することは起こり得ることで、当然そうなれば発注者単位の検査を行わざるを得ないことになると思います。
〇木村幸弘委員 参考までにということでしたが、ただ、今回の資料を提出いただいて、余りにもきれいにそろって中間検査が行われたという形だけが示されているものですから、それぞれの事業あるいは所管の違いはあっても、かなり意図的に時期を合わせて相当無理をしてやったのではないかというふうに推察するわけであります。
 それからあと、2回やったほかに、さらに今後予定があるというのが71受託者に丸がついているんですけれども、これは3回目をやるということですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 そういう趣旨でございます。先日、環境生活部の答弁で4回という話がありました。先ほど来申し上げていますとおり、中間検査という4文字が、今、それぞれ皆さん違うものをイメージしながら中間検査、中間検査と申しております。前金払いをする際に、それまでの実施状況を見る、そうすれば、四半期ごとに前金払いをすれば年4回見ることになります。年1回の支払いのところは、随時そこの事業所を訪問して見ることにもなります。その検査の方法も、書類検査の方法あり、事業所を訪問してヒアリングする方法もあり、それはさまざまでございますので、2回以上あっても不思議はないと考えております。
〇木村幸弘委員 先ほど高橋課長からは、この中間検査の時期設定というか、及川あつし委員の質問に対して、通念で考えれば上期1回、下期1回が通念のやり方かなというふうな答弁がありました。報告書は通念で押し通しているんですけれども、中間検査は通念ではない、ケース・バイ・ケースがあるんだというふうな考え方ですよね。ここもやっぱり当局側の都合というか、実にその時々で都合のいい使い分けの仕方をこの通念という考え方についても出しているんじゃないかというふうな印象を持ったところでございます。
 最後になりますが、いずれ報告書の総括に記載されている内容を見まして、総じてその事業に関する各要領等に基づき、あるいは通常の処理として適切であったというふうにまとめようとしているわけでありますが、しかし、それ以上に、この事業そのものの評価が、資金を使い果たし、あるいはその結果において年度途中で事業は取りやめ、従業員は解雇となる、あるいは不払い賃金は出る、そして何よりも多額の補助金返還を当該自治体が負担する、結果的には県民、住民の復興に対する取り組みへの大幅なイメージダウンにもつながる、こうした大きな影響を与えていた本事案について、通常の処理として適切であったというふうな考え方でまとめてしまうということ自体は非常に問題があると指摘させていただきたいと思います。その上で、改めて、この報告書のまとめ方も含めて、やはり県はより謙虚であってほしいと思いますし、この問題を真摯に受けとめる姿勢をより一層しっかりと示して、報告書の修正も求めたいと思います。さらに、指摘されている課題に対する考え方、今後の再発防止対策、こうしたものについても具体的に明確に県として県民に対して説明責任を果たすようなしっかりとした反省すべき点を強調した姿勢を謝罪とあわせて示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 検証報告書の修正をという御意見を委員からいただきましたけれども、本委員会の設置の目的の趣旨に照らし、修正すべき必要はないものと考えているところでございます。
 また、再発防止策等につきましては、この報告書に示されておりますとおり、総括のところでも記載があります。県としては、適切な執行管理のあり方における検討を踏まえて仕組みを整理し、事業の適切な執行を確保することが県の役割と責任であると記載されておりますので、その部分をしっかりと受けとめて、今後の再発防止策にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 疲労感とともに、重い雰囲気の中でやるのは大変厳しいんですけれども、前段の質問者とは質問の内容を変えるように留意したいと思います。
 さて、今回、検証委員会の報告書が出たわけですが、なぜ検証委員会を設置したかというのは、9月、そして継続審査となった12月定例会で、議会から、このNPO法人大雪りばぁねっと。の問題については、特に御蔵の湯について、非常に県の関与の仕方について疑義があると。この点について、今後の県の政策上の判断と、県の政策の推進について議会としては指摘をせざるを得ないということで、これは不認定となったわけです。したがって、この検証委員会については、決算特別委員会で部長が設置すると言ったことについて、非常に期待したわけであったのですが、その構成メンバーについてまで我々議会は関与することができない。したがって、今回でき上がったものについて、結果云々というのは、構成メンバーと趣旨、目的が、そもそも我々が要求していたものにはほど遠いような状況の中で設置された。結果は、やはりこの報告、そして質問の中にあるように納得できないものになってしまった、私はこういうことだと思います。
 総務部でも今回の問題について、森のトレー事案も含めて、よく今回の震災対応についてはオール県庁だとかオール岩手というように話をしますが、なぜ県議会が不認定という重要な判断をしたにもかかわらず、オール県庁でやらなかったのかという点については非常に不満が残ります。
 総務部では全く関知しませんでしたというような部長の答弁がありました。したがって、この結果については予想を超えたものは出てこなかったと、こう言わざるを得ないわけでありまして、改めて聞きますが、県議会の判断を受けて、なぜオール県庁の中で検証委員会を立ち上げなかったのか、この点は非常に疑義が残るところでありますので、その経過について、知事も交えた庁議の内容について、どういう判断がされたのか、それをお示しいただきたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 この検証委員会の設置につきましては、委員御指摘のとおり議会でのさまざまな議論があったところでございまして、私どもといたしましては、それらを踏まえ、商工労働観光部が検証委員会の設置について答弁をさせていただき、商工労働観光部の責任において検証を行ったものでございます。
 実際、県の対応を検証するために行われた補助事業の執行をいわば追体験していく手法ということを想定いたしましたので、法務などの分野の事務に精通した職員を選任して行ったことは適切であったと考えております。
〇飯澤匡委員 設置要綱、設置目的というのが、私は非常にその時点から曖昧だったということだと思います。
 では、もう一つ指摘させていただきますと、県の検証委員会を設置する以前に山田町では第三者委員会の中で検証が既に終わっておりました。これには、県の関与についても、なかったとは言い切れないと、県の関与についても厳しい指摘がございます。県はそれを受けて、どこの部分が県の責任として大事だったのか、もう一歩踏み込むべきだったら、もう一歩踏み込んで検証したらよかったんじゃないですか、いかがですか。
〇桐田副部長兼商工企画室長 山田町第三者調査委員会の報告書につきましては、今回の検証委員会の委員にお配りして、内容を理解した上で県の取り組みを検証していただいております。そういった中での報告書の取りまとめと理解しております。
〇飯澤匡委員 私は、スタート時点で、非常に我々議会としての思いというか、不認定に至ったというその経過内容についてよく理解していなかったんじゃないかと。そしてその証拠に、私は、知事が、読みかけたんだか読んでないんだか読み始めたんだかよくわかりませんけれども、その中にあって、その問題をきちっと捉えようとする意思がなかったと。普通の民間の会社であれば、しっかりと上司に報告、それから連絡、相談、それをしっかりしながら事を進めていくと。知事の発言を見ると非常に人ごとのように感じて、ある意味、何か商工労働観光部に押しつけたような格好になって、非常に皆さん方も、まじめに検証したというような内容については私は一生懸命やったと思いますが、その目的がそれてしまったと。結果として、本当に検証たる検証になっていないというふうに私は思います。
 したがって、これは、県民の、これほど社会的問題になって刑事事件にもなった問題が、復興に対する非常にダーティーなイメージを岩手県の中に与えてしまった。それを全体で捉えて、岩手県がどういう関与をしてというのをやっぱりフォーカスしてちゃんと答えを導き出す、そして、それを次のいろいろな施策に生かしていく、これが本当の検証じゃないでしょうか。部長、そう思いませんか。
〇橋本商工労働観光部長 検証報告そのものが、スタートの時点から目的等がそれていたのではないかという御指摘をいただきました。私の記憶によりますと、さまざまな議会の質疑の中で、考え方を踏まえたものとしてこの検証委員会の設置の必要性も認め、そして、県のかかわりはどのようなものであったかということを明らかにしていく必要があるということに立って検証委員会を設置し、スタートし、この報告書が取りまとめられたものだと理解しているものでございます。
〇飯澤匡委員 堂々めぐりなので最後にしますけれども、検証委員の中にも、やはり今回の検証委員会の進め方が限定的だったということは認めていて、その責任の範囲、検証の限界を感じているというような、特に有識者のお二方はそう言っています。そういう限界を感じていない中でしっかりとした検証をすべきだと、こういうふうに問うたところで同じ答えが返ってくるんでしょうけれども、やっぱり我々は二元代表制の中で県民目線で考えた場合、県民からの批判は免れないと思いますよ。そこの中でどう応えていくのか、これがいわゆる県行政への信頼ということになると思うんです。その覚悟の上で、これをよしとしますか。これからも補助金行政はあるでしょう。それから、被災地の対応があるでしょう。これでよしとしますか。皆さんの良心に問うて答弁をいただきたいと思います。
〇橋本商工労働観光部長 この検証委員会は公開の場で議論をし、会議資料を県のホームページ等で公開するなど、県民の皆様への説明責任を果たすために真摯に取り組んだものであると考えております。
〇斉藤信委員 私は、今度の検証報告書というのは、県の言いわけに終始して、責任回避、とても県議会の理解も県民の理解も得られないものだと思いますよ。私は、その中身でどこがずさんなのか、このことを具体的に問いただしたいと思います。
 一つは、御蔵の湯の建設事業をなぜチェックできなかったか、このことについてお聞きしますが、この御蔵の湯というのは7月28日の事業計画書で被災者支援事業ということで盛り込まれた。8月31日の経費内訳で、これはリース料という形で1、000万円。まあ、これは自衛隊の仮設風呂程度のものですよ。そういう形で盛り込まれたんですよ。そして、10月1日に工事が着手されて、12月26日に開所式になった。つくられたものを見たらとんでもないものができた。県は11月15日、担当者がびっくりして、これは緊急雇用対策事業じゃないでしょうねと確認したんですよ。翌日、写真も撮った。しかし、山田町がリースだからということで認めてしまった。私は、ここに最初のチェックミスがあったと思うけれども、いいですか、1、000万円で始まった事業が、あの建物を見て1、000万円のものだと思ったんですか。当初の計画と全く違ったものがつくられたと受けとめたんじゃないんですか、担当者は。まずここからお聞きしたい。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 その事実関係につきましては、報告書23ページ以降に報告しております。23ページの一番下のポツのところに、11月に担当者は疑問を感じ、24ページに参りますが、12月に町に確認の結果、緊急雇用の対象はリース料等であるとの説明を受け、そのこと自体は事業として認められるものでありました。建物全体の判断というよりは、その一部についてリース料として入っているという説明を受けたものでございます。
〇斉藤信委員 12月26日に開所式がされています。この開所式で町長は、町では復興支援事業の一環として、旧町立図書館跡地、通称御蔵山に建設し、このたび開所の運びとなったと。いわば無料入浴施設は建設したと言っているんですよ。そして、この出席者名簿には、請け負った建設会社カガヤの社長が来ています。いいですか、ここにはこれを所有しているというオール・ブリッジなんて一言もない。これは総事業費2億円だと翌日の新聞に書かれています。なぜ2億円かというと、アイシン精機から支援額1億2、700万円入っているんですよ。いいですか、この2億円の建物はオール・ブリッジの建物だったんですか、お答えください。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 平成23年度の完了検査の時点で、その点について県から山田町に確認した山田町の回答は、所有者はオール・ブリッジであるというものでございました。
〇斉藤信委員 材料費、リース料を払ったのはNPOですよ。6、600万円。オール・ブリッジはどこに金をかけたんですか。2億円を誰が出したのですか。オール・ブリッジは1円も出していないんですよ。開所式に一言もないんですよ、出席もしていないんですよ。こんなリースは存在しないじゃないですか。リースだと言いながら、これは所有者が最初から不明なんですよ。あなた方の目は節穴だったのではないですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 ただいま委員から御指摘いただいた事項は、我々も平成24年12月11日に、この事業が破綻して以降の調査の中で初めて認識したものでございます。
〇斉藤信委員 だからずさんと言っているんですよ。11月15日に1、000万円というのは考えられないような建物がつくられて、担当者はびっくりして問い合わせしたんですよ。そうしたらリース物件だと。これは2億円のリース物件なんですよ。しかし、いいですか、リースと言いながら、材料費とリース料の6、600万円はNPO大雪りばぁねっと。が払っているんですよ。これはおかしいでしょう。おかしくないですか。
〇寺本雇用対策・労働室長 今の御質問のところを少し整理したいと思います。(斉藤信委員「短くやれ」と呼ぶ)はい。話し始めたところなので。
 8月に事業計画の提出がありまして、11月15日におかしいということに気づきました。その後、2回目の契約がありまして2、000万円だとなりました。その後、12月26日に開所式がありまして、その際の県の認識は、2、000万円のリースだということで復命書を出しております。その後、3月の契約の時点で、材料費ということで4、000万円がありまして、そういうことで、その当時の認識としましては、リース費そのものについては、オール・ブリッジというものがあって、それは実体があるものだと認識していましたので、もう6、000万円という数字があって、それをオール・ブリッジが払っていないという認識は、平成24年12月まで理解できなかったということでございます。
〇斉藤信委員 だから、あなた方の目は節穴だったということでしょう。リース物件だと言いながら、リース物件の所有者を確認しない。そして、そもそも所有者が開所式に出ていないんですよ。所有者が出ない開所式なんていうのはおかしいでしょう。実体がなかったということ、いなかったということなんですよ。あなたはそのときいなかったかもしれないけれどもね。そう思いませんか、所有者が出ない開所式なんて、普通ありますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 リース物件の所有者とすれば、式典への出席はないこともあるかと思います。
〇斉藤信委員 そういうのは答弁にならないということだよ。借りている所有者が出ない式典なんてありますか。一番の主役でしょう。実体がないから出なかったんですよ。いいですか。
 それと、緊急雇用事業というのは、建設工事はだめだった。重機を使う事業は建設事業なんですよ。重機を使った工事がやられていたんですよ。そんなのは見たらすぐわかる。担当者が現場を見たというのならわかったはずだ。それもあなた方は見過ごしたのではないですか。違いますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 あくまでも県の最終的な判断は、山田町の説明に基づいて行ったものでございます。
〇斉藤信委員 山田町の説明がでたらめだから、あなた方は、結局それをうのみにしてしまった。うのみにしたどころか、あなた方は、町と一緒になってできないものを認めたんですよ。町と一緒になって。
 これは余りにもひどいから、完了検査のときにまた問題になったんですよ。完了検査のときに、これは建築工事だと、あなた方は一回山田町に連絡をして、山田町は4月19日にこう書いているんです。先日完了検査を行った。3日間では検査し切れなかった。大雪りばぁねっと。については持ち帰り精査を行った。これは県の話ですよ。それで、県庁から回答があったので連絡する。それは建設土木事業に該当するから補助対象外となると。町は、検査の結果については了解した。こう聞いているんですよ、一般財源で返すということになるのか、こういうやりとりまでやっているんですよ。
 それが、5月7日に、4月23日、建設土木事業に該当するため補助対象外とするという岩手県の判断について協議したところですが、このほど交付契約に沿った形での処理を進めようと宮古地域振興センターで詰めている旨、回答がありました。いいですか、県のほうから認めましょうと、そのための確認事項を県が出したんですよ、こういう確認事項でどうだと。それについて回答したのが、この5月7日の4項目なんですよ。この4項目の内容で町が回答すれば認めます。認める手を差し伸べたのはあなた方なんですよ。違いますか。
〇樋下正信委員長 斉藤委員に申し上げますけれども、当該委員ですので、それを踏まえてお願いしたいと思います。
〇斉藤信委員 だから、すごく大事なところ。ぱっぱっとやるから。
〇樋下正信委員長 お願いします。当該委員ですので。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 先ほど委員からお話のありました内容は、町と宮古地域振興センターの間で口頭でやりとりされたものを、記憶に基づいて町で起票した内容と認識しております。その内容につきましては、材料費という勘定費目と申したらいいでしょうか経費費目の中に、支払い先が建設会社であったので疑問を感じ持ち帰ったと認識しております。
 町に伝えた内容は、これまでも再三、常任委員会を初め説明してまいりましたけれども、県における検討途中の内容が担当者から町の担当者に伝わったものであり、あくまでも県としての見解は、5月9日に伝えた、町からの回答に基づいて最終的に判断した補助事業として認めますというものでございます。
〇斉藤信委員 5月7日です。5月7日の文書になっている。
 それで、県と町が合作したごまかしの4項目。一つは、御蔵の湯はリース物件であり、その組み立てには専門性を要することから、業者に依頼して組み立て作業を行ったもので、その特殊性から、組み立て及び完了までがリース経費の範疇に入る。二つ目、御蔵の湯はリース契約に基づく借用物件であり、一定の期間が経過すればオール・ブリッジに返還する。三つ目、本件材料費は単にリース物件の組み立て費用の負担であり、リース費用に含まれるべき性質の経費である。四つ目、将来には解体し返却することとしており、補助金交付契約で禁じられている財産取得に当たらない。これは全くのでたらめ。
 いいですか、御蔵の湯はリース物件、組み立て及び解体完了までがリース経費の範疇に入る。このお金をNPOが出していて、何でリース物件になるんですか。いいですか、オール・ブリッジが払ったのならリースになるかもしれない。払っていないのだから。
 もう一つは、御蔵の湯はリース契約に基づく借用物件、一定の期間が経過すればオール・ブリッジに返還する。どういう借用契約があったんですか。実際には中身はないでしょう。
 私は、この4項目というのは、全く実態を無視した、できないことをできることにした町と県の合作だと思いますよ。違いますか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 現在、我々も承知している事実からすれば、ここに書かれた内容は非常に偽りの多い内容でございます。当時は、その実態がわからないので、その疑問点について問い合わせをし、それに対して町から回答を受けて、それに基づいて県が判断し、この確認事項の書面について、今回の検証委員会の中で委員の方々からも、この内容については否定し切れる内容ではないので、県の補助対象とした判断も不適切とは言い切れない、そういう判断もあるいは考えられるという検証をいただいたものでございます。
〇樋下正信委員長 斉藤委員に申し上げます。斉藤委員は当該委員でありますので、世話人会の申し合わせの趣旨を踏まえ、簡潔に質疑されるよう御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 まだ13分だよ。
〇樋下正信委員長 当該委員ですから。
〇斉藤信委員 わかりました。すごく大事なことなんですよ。検証経緯は、これだけ特別に集中審議しているんだから。
 いいですか、この確認事項というのは、県から委託契約に関する質問を出して、町に答えさせたんですよ。だから、こういう中身について答えなさい、そういうやり方ですよ。リース料、材料費をNPOが負担していて、そして、オール・ブリッジが所有者だと。完了検査でやっているのだから、オール・ブリッジを確認するのは当たり前じゃないでしょうか。11月時点と違うんですよ。そのときもオール・ブリッジを確認しなかったんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 確認しておりません。
〇斉藤信委員 だから、徹底してずさんでしょう。これは適正だったなんて言えないですよ。
 私は、その完了検査がどんなにずさんだったかということを次にお聞きしたい。
 完了検査は3月31日土曜日だけれども、やられたんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 この事業の中心目的が雇用の創出ということでございますので、3月31日に雇用が完了したということでは確認しましたけれども、種々詳細については、補足的に4月に入ってから確認しております。
〇斉藤信委員 報告書では、4月11日から13日までやったけれども、終わらなかった。私は、山田町から聞いてきました。5月までかかった。だから、ずさんで、領収書も伝票もないから、山田町自身が5月の連休過ぎまでかかったと言っているんですよ。当時の総務課長は、だから、町長に対して、職員を派遣しなければこれはだめだと提言したけれども、町長から却下されたと。これは、私は前の参考人質疑で言いました。これはそういう中身ですよ。実際には5月過ぎまで完了検査ができなかったんです。そういうどさくさの中で、あなた方は御蔵の湯を認めてしまった。
 それで、私はもう一つ聞きたい。実は、先ほども議論があったけれども、5回の契約変更が行われた。4回目、5回目は不足払いの契約変更だった。これは私が言っているのではないですよ、山田町の担当者が言っているんですよ。
 特に悪質なのは5回目です。これは、実は5回目というのはこういうことなんです。1月15日に町とNPOで1億6、900万円の契約変更をやったんですよ。1月15日ですよ。そして、すぐ払った。県と町が協議したのは3月15日ですよ。こんなことがありますか。1月15日という事業が終わる時期に1億6、900万円、雇用人員は一人も変わっていないのに、人件費も材料費も何もかも、1億6、900万円の増額なんていう契約変更は全くごまかしじゃないですか。これがなぜチェックできなかったんですか。
〇高橋特命参事兼雇用対策課長 当時、山田町からは、時間経過とともに事業拡大に伴う雇用増加―これは最終回ではなくて、それ以前の変更分ですけれども―あるいは、それまでの実績をもとに年間事業費を精査した結果による所要額に基づく変更という説明を受け、事業の要件に照らして問題ないと判断したものでございます。
 今の我々が把握している内容から振り返れば、確かに、委員おっしゃるとおり、当時疑問を持てばという思いは私も持っております。
 なお、先ほどの山田町とNPOが契約した日付1月15日の当該内容について、県と山田町が変更契約した日付3月15日につきましては、常任委員会の場でも説明しましたけれども、1月10日に山田町から県に対して変更契約の相談を受け、県の担当者の思い違いと申しますか、そういうミスがございまして、3月末の他事業と一括した事業整理の中で処理したものでございます。
〇斉藤信委員 最後にしますから。
 いいですか、1月15日の契約変更というのは本当に異常だったんですよ。雇用人員は148人で変わらず、それなのに人件費は7、146万円増ですよ。そして、このときに初めて休日手当が出てきた。そして、材料費が3、566万円もふやされた。不足払いなんですよ。常識的に、1月にこんな増額補正はあり得ないですよ。
 そして、いいですか、このさなかに、平成24年度の7億9、000万円という次年度の事業の内定通知を出しているわけですよ。そして、その不足払いのやり方が平成24年度に拡大された。そういうことが徹底してなぜ検証されなかったのか。そのことが平成24年度の5億円の不正に結びついたんですよ。
 最後ですから部長にお聞きしたい。私は、今指摘したように検証の中身がずさんではないかと。そして、責任逃れ。県議会も県民も、これじゃ理解できないと思いますけれども、最後ですからしっかり答えてください。
〇橋本商工労働観光部長 検証委員会は、学識経験者、県庁内の専門的な知見を持つ職員によりまして、公開の場で真摯な協議を行い、外部のチェックを受け、取りまとめたものであり、検証報告書がずさんであるとは考えておらないところでございます。
 検証報告書において提言されている事業の適切な執行管理のあり方について検討いたしまして、その仕組みを整理して、適切な執行を管理し、責任を果たしていくことにより、県議会、県民の方々からの信頼を得られるよう努めてまいりたいと思います。
   〔斉藤信委員「答弁になっていない、委員長。私が聞いたことを答えてないじゃないか」と呼ぶ〕
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部の皆様方は御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
   〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇柳村岩見委員 ただいま、報告書の報告を受けて質疑がありました。このことについてのてんまつがあればいいのか、ないほうがいいのか、あることがむしろ都合が悪いのか、議会としてあるべきなのか、どうぞ委員長の計らいのもとに検討されることを望みます。
〇樋下正信委員長 もう一度趣旨を。ちょっと理解に苦しみましたので。
〇柳村岩見委員 きょうの報告と質疑という経過を経て、議会として、このことについてどう対応されるべきか、対応がないほうがいいのか、あったほうがいいのか、委員長のもとで、後日、世話人会を開いて検討されることを望みます。
〇樋下正信委員長 ただいまの件につきましては、後日、世話人会を開き、協議したいと思いますので、御了承願います。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会します。
   午後9時1分 散 会

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