平成26年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成26年3月13日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査     佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  保健福祉部長   根 子 忠 美
  副部長兼
  保健福祉企画室長 浅 沼 康 揮
  医務担当技監   菅 原   智
  医療政策室長   野 原   勝
  保健福祉企画室
  企画課長     伊 藤 信 一
  保健福祉企画室
  管理課長    菊 池 達 也
  健康国保課
  総括課長    藤 原 信 明
  地域福祉課
  総括課長    齋 藤 昭 彦
  長寿社会課
  総括課長    鈴 木   豊
  障がい保健福祉課
  総括課長    千 田   充
  児童家庭課
  総括課長    菅 野 啄 也
  医務課長    佐々木   亨
  地域医療推進課長 高 橋   進

  医療局長    佐々木   信
  次長    八重樫 幸 治
  参事兼
  職員課総括課長  菊 池   儀
  経営管理課
  総括課長    熊 谷 泰 樹
  医事企画課
  総括課長    佐 藤 敬 一
  業務支援課
  総括課長    菅 原 教 雄
  薬事指導監    松 川 幸 市
  看護指導監    青 山 節 子
  医師支援推進室長 野 原   勝
  医師支援推進監  千 葉 雅 弘

  参事兼
  財政課総括課長  佐 藤   博
〇樋下正信委員長 本日は延べ22人の質問者が予定されておりますので、進行に御協力願います。
 これより本日の会議を開きます。
 初めに、去る3月10日に、議長及び当職に対し、商工労働観光部長から、山田町災害復興支援事業等検証委員会報告書について商工労働観光部審査の場で説明させていただきたい旨の申し入れがあり、その取り扱いについて、3月10日及び昨日開催いたしました世話人会での協議結果を報告いたします。
 この件につきましては、3月14日、明日の商工労働観光部審査の場で説明を受けることとし、その方法は、初めに、予算及び予算関連議案の説明と質疑を行い、その後、当該報告書の説明を受け質疑を行うことといたしましたので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第46号から議案第57号まで、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、議案第86号から議案第94号まで、及び議案第166号の以上67件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いします。
 最初に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇根子保健福祉部長 平成26年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 最初に、平成26年度予算編成に当たっての当部の基本的な考え方でありますが、岩手県東日本大震災津波復興計画の本格復興への取り組みを進めるとともに、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けた施策を着実に推進する予算として編成したところであります。
 まず、復興計画の本格復興に向けた取り組みの推進であります。
 被災者の生活の安定と住環境の再建等への支援については、国民健康保険等における一部負担金及び利用料の免除に対する支援などに取り組んでまいります。
 災害に強く、質の高い保健・医療・福祉の提供体制の整備については、医療施設等の機能回復や移転、新築への補助、看護、介護人材や薬剤師の確保に向けた支援を初め、障がい児・者の福祉サービス等の利用支援、保育所等の利用者に対する支援、介護予防等の提供体制への支援、診療情報の共有や遠隔医療の推進を図るための情報通信システム整備への支援などに取り組んでまいります。
 健康の維持・増進、こころのケアの推進や要保護児童等への支援については、県こころのケアセンターや、いわてこどもケアセンターを運営するとともに、被災地での健康相談等の実施や、原発事故由来による内部被曝状況の把握や健康相談などに取り組んでまいります。
 地域コミュニティの再生・活性化については、生活支援相談員の配置に要する経費の補助を初め、災害公営住宅等における高齢者等の見守り、支援体制の整備などに取り組んでまいります。
 次に、いわて県民計画に掲げる医療・子育て・福祉、共に生きるいわての実現に向けた施策の着実な推進であります。
 政策項目の一つ目、地域の保健医療体制の確立については、奨学金等による計画的な医師の養成、臨床研修医の確保、定着の促進及び病院勤務医の負担軽減などの取り組みを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るほか、看護職員志望者の拡大などに取り組んでまいります。
 また、ドクターヘリの運航による救急医療体制の充実を図るとともに、周産期医療体制の整備を推進するほか、がん診療連携拠点病院の整備及び機能強化や、地域の実情に応じた在宅医療介護の提供体制の構築、大規模災害時等の医療を確保するための人材の育成などに取り組んでまいります。
 また、口腔保健支援センターの設置による普及啓発活動等の実施や、がんや脳卒中予防など、生活習慣病予防等の推進に取り組むほか、新型インフルエンザの感染拡大の防止など、感染症対策を推進してまいります。
 政策項目の二つ目、家庭や子育てに夢をもち安心して子どもを生み育てられる環境の整備については、保育所における延長保育などに要する経費の補助や放課後児童クラブ等の活動の支援など、子育てに優しい環境づくりを進めてまいります。
 また、若者の結婚支援に係る取り組みを推進するため、地域のニーズや課題を踏まえた広域的な視点に立った結婚支援のあり方を検討するなど、若者が家庭や子育てに夢を持てる環境の整備を進めてまいります。
 また、児童虐待の未然防止、早期発見のための体制強化など児童虐待防止対策の推進を初め、障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備などに取り組んでまいります。
 政策項目の三つ目、福祉コミュニティの確立については、地域福祉活動コーディネーターの育成などの住民参加による生活支援の仕組みづくりなどを推進してまいります。
 また、引き続き、認知症疾患医療センターによる専門的な医療の提供、本人、家族への相談支援、市町村が行う地域包括ケアシステムの構築の取り組みの支援などにより、高齢者が住みなれた地域で生活できる環境の構築に取り組むとともに、障がい者の地域生活の支援など、障がい者が必要な支援を受けながら安心した生活ができる環境の構築に取り組んでまいります。
 また、災害派遣福祉チームの設置運営や、同チームの派遣主体となる岩手県災害福祉広域支援推進機構の運営、市町村の要援護者避難支援体制の取り組みの支援を行うとともに、生活困窮者の自立を支援するための相談支援などに取り組んでまいります。
 また、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを総合的に推進してまいります。
 以上が、平成26年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第2号平成26年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その2の6ページをお開きいただきたいと思います。
 当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費908億2、412万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く819億1、289万円余と、次ページの4款衛生費301億281万円余のうち、2項環境衛生費を除く187億1、616万円余と、9ページに参りまして、11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費22億9、676万円余と、13款諸支出金1項公営企業貸付金から、3項公営企業負担金までのうち、3項公営企業負担金の一部を除く300億6、557万円余であり、合わせますと1、329億9、139万円余の予算額となっております。これを、平成25年度当初予算と比較しますと8、275万円余の増、率にいたしまして0.1%の増となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の107ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に御説明いたしますので、御了承願います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、説明欄の上から8番目、生活福祉資金貸付事業推進費補助は、岩手県社会福祉協議会が行う低所得世帯等に対する生活福祉資金貸付事業と、生活支援相談員等による相談援助の取り組みに対し補助しようとするものであります。108ページに参りまして、説明欄上から8番目、地域支え合い体制づくり事業費のうち、高齢者サポート拠点等設置運営費補助は、応急仮設住宅等における必要な介護サービス等の提供体制の確保を支援しようとするものであります。次の災害派遣福祉チーム設置事業費は、災害派遣福祉チームの設置、運営や、岩手県災害福祉広域支援推進機構の運営を行うとともに、市町村の災害時要援護者避難支援対策の取り組みを支援しようとするものであります。次の生活困窮者自立促進支援モデル事業費は、生活困窮者の自立を支援するため、相談支援等を実施しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、福祉コミュニティ復興支援事業費補助は、市町村等が実施する地域の見守り体制の構築や交流の場の提供等の事業を支援しようとするものであります。2目障がい福祉費に参りまして、109ページをお開き願います。説明欄下から5番目、第16回全国障害者スポーツ大会選手育成強化事業費は、本県で開催される希望郷いわて大会に向けて、選手の育成や強化などの取り組みを推進しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、被災地障がい福祉サービス事業所生産活動等支援事業費は、障がい福祉サービス事業所に対して、被災失業者の雇用を委託することにより、事業所における創作活動や生産活動を支援しようとするものであります。3目老人福祉費に参りまして、説明欄下から2番目、認知症対策等総合支援事業費は、認知症疾患医療センターを中核とした専門的な医療提供体制の充実を図るとともに、本人、家族への相談支援、かかりつけ医等を対象にした研修の実施など、総合的な支援体制の構築を推進しようとするものであります。110ページに参りまして、説明欄下から8番目、地域包括ケアシステム基盤確立事業費は、市町村が行う地域包括ケアシステム構築の取り組みへの支援等を行おうとするものであります。次に、説明欄下から3番目、介護保険サービス利用者負担特例措置支援事業費補助及び次の後期高齢者医療制度一部負担金特例措置支援事業費補助は、市町村等が、被災者の介護保険サービス等の利用に係る利用料または一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。次の介護人材就業促進事業費は、介護事業者が離職者等を雇用し、施設で働きながら資格を取得するよう支援しようとするものであります。111ページに参りまして、5目国民健康保険指導費のうち、説明欄一番下の国民健康保険一部負担金特例措置支援事業費補助は、市町村が、国民健康保険の一部負担金免除を継続できるよう、免除に要する経費を補助しようとするものであります。
 少しページを進んでいただきまして、116ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、説明欄上から10番目、保育対策等促進事業費補助は、保育所における延長保育などの保育対策に要する経費を補助しようとするものであります。次の地域子育て活動推進事業費は、市町村が行う放課後児童クラブ等の児童健全育成のための取り組みを支援しようとするものであります。次に、説明欄下から5番目、児童療育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の未然防止や早期発見などに取り組むとともに、被災児童の心の健康の回復を図るためいわてこどもケアセンターを運営し、継続して子供の心の専門的ケアを実施しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、子育て支援対策臨時特例事業費は、市町村が行う保育所等の整備や保育サービスの質の向上のための研修、子育て支援施策に係る電子システム化に要する経費を補助しようとするものであります。117ページに参りまして、説明欄の一番下、被災地発達障がい児支援体制整備事業費は、被災した発達障がい児・者のニーズ把握及び障がい福祉サービス等の利用支援を実施するため、沿岸地域に専門職員を配置しようとするものであります。
 なお、116ページに戻りまして、説明欄の上から8番目、児童福祉施設等整備費補助のうち、認定こども園等環境整備費補助及び認定こども園施設整備費補助については、平成26年度より総務部から移管される事業であり、総務部より御説明させていただいた事業でございます。
 118ページに参りまして、4目児童福祉施設費のうち、療育センター整備事業費は、障がい児療育の拠点となる県立療育センターの整備に係る基本設計、実施設計等を行おうとするものであります。
 119ページに参りまして、4項生活保護費1目生活保護総務費の説明欄上から2番目、生活保護給付事務費のうち、生活保護受給者就労支援事業費補助は、各市が実施する生活保護就労支援相談員の設置や、生活保護受給者の就労体験等の事業に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、被災者等自立支援事業費補助は、県社会福祉事業団が行う、被災による生活困難者の自立支援に係る事業に要する経費を補助しようとするものであります。2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 少しページを飛んでいただきまして、123ページをお開き願います。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費のうち、説明欄の上から2番目、母子保健対策費は、特定不妊治療費助成や小児慢性特定疾患児等に対する医療給付などを行うほか、周産期母子医療センターに対する経費の助成や、周産期医療情報ネットワークの運用等を行おうとするものであります。次に、説明欄下から10番目、イー歯トーブ8020運動推進事業費は、岩手県口腔保健支援センターを設置し、普及啓発活動等を体系的に実施しようとするものであります。次に、説明欄下から7番目の生活習慣病重症化予防推進事業費は、がんや脳卒中の罹患情報の登録、分析や、がん検診等の受診率向上のための県民への普及啓発等を実施しようとするものであります。次に、説明欄下から5番目、被災地健康維持増進費は、市町村の保健活動等の支援や住民の自主的な健康づくり活動の支援などを実施しようとするものであります。次に、説明欄下から2番目、放射線健康影響調査費は、原発事故由来による内部被曝状況を把握するため、尿中放射性物質の継続調査を行おうとするものであります。次の放射線健康相談等支援事業費補助は、原発事故由来による県民の健康不安を解消するため、市町村が行う個別健康相談等事業に要する経費を補助しようとするものであります。125ページに参りまして、4目精神保健費のうち、説明欄上から5番目、精神科救急医療体制整備事業費は、精神科救急医療施設を指定するとともに、精神科救急情報センターで24時間対応の相談等を行うことにより、精神科救急医療体制の充実を図ろうとするものであります。次に、説明欄下から2番目、自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策アクションプランに基づき、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発などを総合的に推進しようとするものであります。次の被災地こころのケア対策事業費は、県こころのケアセンター及び地域こころのケアセンターを運営し、長期にわたる継続した専門的ケアを実施しようとするものであります。126ページに参りまして、5目高齢者保健費のうち、地域リハビリテーション支援体制整備推進事業費は、脳卒中の既往のある者等に対し、住みなれた地域でさまざまな状況に応じたリハビリテーションが適切かつ円滑に提供される体制の整備を推進しようとするものであります。
 少しページを飛んでいただきまして、134ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費のうち、135ページに参りまして、説明欄上から4番目、医師確保対策費は、医学部進学者に対する修学資金の貸し付けや臨床研修医の確保、定着の促進、病院勤務医の勤務環境向上や処遇改善、中核病院に対して開業医が診療応援を行う取り組みなどを支援するとともに、県地域医療支援センターを活用し、地域医療に従事する医師の確保、定着を図るなど、総合的な医師確保対策を行おうとするものであります。次の救急医療対策費は、高度救命救急センターの運営費の助成、救急医療を行う病院の耐震化整備の支援、小児救急医療遠隔支援システムによる小児救急医療体制の充実を初め、ドクターヘリの運航による救急医療体制の充実を図るとともに、災害に伴う大規模停電等の診療機能を確保するため、災害拠点病院等の非常用発電設備等の整備を実施しようとするものであります。136ページに参りまして、説明欄の一番上、がん対策推進費は、がん診療連携拠点病院が行う医療従事者研修や相談などの取り組みを支援しようとするものであります。次に、説明欄の一番下、救助と医療をつなぐ災害時実践力強化事業費は、自然災害や大規模事故発生時における医療従事者、救助関係者及び行政職員の連携を強化するため、人材の育成などを実施しようとするものであります。137ページに参りまして、説明欄上から4番目、被災地医療施設復興支援事業費は、被災した民間医療施設の移転、新築等に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄下から6番目、県立病院再建支援事業費補助は、被災した県立高田病院、県立大槌病院及び県立山田病院の移転新築に要する経費を補助しようとするものであります。次に、説明欄下から3番目、医療情報連携推進事業費のうち、事業費補助は、岩手医科大学と沿岸地域の中核病院を結ぶ情報通信システムの整備等に要する経費を補助しようとするものであります。3目保健師等指導管理費のうち、説明欄上から2番目、看護職員確保対策費は、看護職員養成施設の在学生に対して修学資金の貸し付けを行うとともに、看護の質の向上や看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備などを総合的に実施しようとするものであります。次に、説明欄の下から2番目、看護師等養成所施設整備費は、県立宮古高等看護学院の定員拡充に必要な施設の改修や老朽化した設備の更新等を実施しようとするものであります。138ページに参りまして、4目薬務費のうち、被災地薬剤師確保事業費は、沿岸地域において調剤業務などを行う薬剤師を確保するための取り組みを実施しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、227ページをお開き願います。11款災害復旧費2項保健福祉施設災害復旧費1目社会福祉施設等災害復旧費は、被災した保育所及び児童厚生施設等の災害復旧事業に要する経費を補助しようとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、238ページをお開き願います。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 239ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
 240ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 次に、ページを戻っていただきまして、恐縮でございますが、説明書の131ページをお開き願います。平成26年度の組織見直しによりまして、岩手県環境保健研究センターが当部から環境生活部所管となることに伴い、移管する事業について御説明いたします。
 4款衛生費2項環境衛生費7目環境保健研究センター費は、岩手県環境保健研究センターの管理運営及び研究等に要する経費であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。議案その2に戻りまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、保健福祉部所管の事業は、2看護師等養成所施設整備であります。施設整備に係る工事等が翌年度にわたることから、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計についての説明を終わります。
 次に、議案第3号平成26年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。便宜、予算に関する説明書により説明いたします。
 295ページをお開き願います。歳入と、296ページの歳出の予算総額は、それぞれ3億115万円余であります。297ページから301ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入であります。次に、302ページから304ページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の介在的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する費用であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。議案その3の35ページをお開き願います。議案第39号社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の一部を改正する条例について御説明いたします。この条例は、社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例の有効期限を平成27年6月30日まで延期しようとするものであります。
 なお、37ページの議案第41号介護業務従事者処遇改善等臨時特例基金条例の一部を改正する条例、38ページの議案第42号介護サービス施設整備等臨時特例基金条例の一部を改正する条例、39ページの議案第43号自殺対策緊急強化基金条例の一部を改正する条例につきましても、同様にそれぞれの基金条例の有効期限を記載のとおり延期しようとするものであります。
 次に、36ページに戻りまして、議案第40号後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例についてでありますが、この条例は、後期高齢者医療広域連合から徴収する拠出金の算定に用いる拠出率を引き下げようとするものであります。
 次に、55ページの議案第51号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、保健福祉部関係の改正についてでありますが、57ページからの別表第4、保健福祉部関係手数料として規定している病院等の検査手数料、介護支援専門員実務研修受講手数料及び保育士手数料につきまして、手数料の設定、増額をしようとするものであります。また、83ページからの別表第4、保健福祉事務関係手数料は、薬事法の一部改正に伴い、別表第4において引用している条文の整理をしようとするものであります。
 次に、88ページからの議案第52号岩手県環境保健研究センター検査等手数料条例の一部を改正する条例についてでありますが、消費税の引き上げに伴いまして、岩手県環境保健研究センターにおいて行う検査及び試験の手数料の額を増額しようとするものであります。
 次に、96ページの議案第54号児童の身元保証事業による損失補助に関する条例を廃止する条例についてでありますが、保証内容及び対象者が拡充された新たな事業が創設されていること等を勘案し、同条例を廃止しようとするものであります。
 次に、97ページの議案第55号看護職員修学資金貸付条例の一部を改正する条例についてでありますが、地方税の延滞金等の利率が引き下げられたことを受け、看護職員修学資金の償還に係る遅延利息の額の計算に用いる利率の特例を改めようとするものであります。
 次に、114ページの議案第63号福祉の里センター条例の一部を改正する条例及び161ページの議案第67号いわて子どもの森条例の一部を改正する条例についてでありますが、いずれも消費税の引き上げに伴いまして、施設の利用料金の上限額を増額しようとするものであります。
 次に、議案その6の7ページをお開き願います。議案第166号リハビリテーションセンター条例の一部を改正する条例についてでありますが、リハビリテーションセンターが行う指定居宅サービス等に係る利用料金の額を定めるとともに、所要の改正をしようとするものであります。
 以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇樋下正信委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう、議事進行に御協力をお願いします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 障がい福祉サービス復興支援事業について1点伺います。
 平成24年度決算が不認定となりました。その理由の一つとして、県社協への委託で、高額な委託費の割に事業の内容が伴わない、災害対応のてびきなどが復興予算の浪費と批判され、配布の効果への疑問、職員の通勤費の不正受給、障がい者の実態調査で、該当者約1万6、000人に対し1、033人だけの調査ということ、またさらに、事業に問題がないとか、当該事業の瑕疵はないという、副知事を初め当局の認識の違いから不認定になったのではないかと私は思っております。このことに対して、今年度、この事業にどのように反映され、生かされながら計画されたのかについてお聞きしたいと思います。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 本年度の9月議会におきまして、平成24年度の障がい福祉サービス復興支援事業について、費用対効果などに関しさまざまな議論が行われたところであります。これを踏まえまして、平成25年度事業について、より実効性が高く適切な事業運営が行われるように、委託先に出向いて事業実施状況の確認等を行ってまいりました。
 平成26年度につきましては、平成25年度において、実態調査結果の市町村への情報提供あるいは新規事業所の立ち上げ支援、災害対応のてびきの配布が完了するなど、課題の解決に一定のめどが立った一方、復興需要等による県内全域における求人の増加等に伴いまして、障がい福祉サービス事業所では、やむを得ず経験の浅い職員を採用している状況にありますことから、障がい者支援に必要なスキルを有する職員の育成や、小規模事業所等が直面している経理事務処理能力の習得、就労支援事業所における商品開発などが課題となっているところでございます。こういったことから、平成26年度におきましては、職員の人材育成を支援する研修の実施によりまして経験の浅い職員のスキル向上を支援するとともに、平成25年度に支援し切れていなかった小規模事業所等が個別に抱える課題に対応するためのアドバイザー派遣による支援等を行うことによりまして、障がい者が安心して障がい福祉サービスを受けることができるよう努めていきたいと考えております。
 また、障がいがある方たちの災害対応のてびきについてでございますが、今年度、手帳所持者への配布はもとより、市町村や市町村社協、民生・児童委員等に対してきめ細やかな普及啓発に取り組んできたところでございますが、平成26年度はさらに障がい者団体、障がい福祉サービス事業所等を訪問しまして、おねがいカードの活用による地域と連携した避難訓練の実施などを促進するとともに、昨年12月に新たに民生・児童委員に任命された方々に対して周知を図るなど、当事者と支援者の双方に対して普及啓発に努めていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 今、委託先の人材育成をしなければいけないという内容でお話がありましたけれども、この事業そのものについては過去に単年度委託事業であったと思うわけですけれども、今回、新年度も県社協に対して委託になるのでしょうか。それとも、公募して実施していくということになるのでしょうか、その辺についてお伺いします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 平成26年度の事業実施に当たりましては、随意契約により契約締結することを想定しておりまして、また、その受託者としては県社協を想定しております。
 本事業で委託する業務を考えますと、まず、県内の障がい福祉サービス事業所が安定した運営ができるようにするために事業所等の活動支援を行う事業でありますことから、県内の障がい福祉サービス事業所の状況に精通する団体が中心となって事業を展開する必要がございますけれども、県社協の障がい者福祉協議会は、県内の障がい福祉サービス事業所158施設が会員となっておりまして、事業所の状況に精通しております当該団体以上に事業所支援を円滑に行うことができる団体はほかにないと思われます。
 また、本事業は、県内全域を対象に事業実施するために、県内の被災状況に精通しているとともに、県内全域で事業を展開している団体に限られますけれども、県社協は、県内の市町村社協と連携しまして県内全域を対象に事業展開している団体でありますとともに、災害に対応したこれまでのさまざまな取り組みによりまして、県内の被災状況に精通してございます。さらには、本委託業務は前年度から継続して行う事業でございまして、これまでに把握した被災地のニーズ、あるいはこれまでの支援活動によって築いた信頼関係を引き継いで活動していく必要がございます。こういったことから、特定の者でなければ実施することができないものとしまして、地方自治法施行令第167条の2に定める、その性質または目的が競争入札に適しない業務と判断いたしまして、県社協と随意契約を行いたいと考えるものでございます。
 平成26年度において、これまでの取り組みのノウハウを最大限に生かしながら、切れ目なく事業所支援や人材育成を実施していくとともに、災害対応のてびきの普及啓発に努めていきたいと考えております。
〇高橋孝眞委員 今の説明でありますと、平成23年度、平成24年度は、支援センターの立ち上げのために、県社協ないしは市町村の社協を委託先とするよりは、そういう立ち上げのためにやらなければいけないという回答だったわけです。それが、今回は、特に県社協としながら、市町村社協に十分協力をしていただいて事業実施するということになると、非常に変わってきているのではないかと感じます。そういう意味合いでも、私はこの内容から考えますと、あえて県社協じゃなくても、一般のNPO法人に広く公募しまして事業を実施していってもいいのではないか。そのほうが、事業効果はもっともっと図られるのではないかと思うわけですので、この部分についてはこれから契約だと思いますので、検討して対応してほしいと思います。
 今年度の管理費の算定についてお聞きしたいわけでありますけれども、予算算定の根拠で、平成23年度、平成24年度と同様な項目で積み上げたということなのでしょうか。資料提供を求めましたけれども、回答は大ざっぱな項目でした。昨年同様の資料を私は欲しかったわけですけれども、そういう意味で、今回、過去の事業と同様の算定をしたのかということであります。
 管理費ですが、この間総務部の審査の際でしたけれども、9%で今回は計上しましたという内容でございました。なぜ、今回9%で要求し、整理をされたのかについてお願いをしたいと思います。
 もし、そうだとすれば、平成23年度、平成24年度は、過大な積算、積み上げをしたということになると思うのですけれども、これは認めるということなのでしょうか、これも含めてお願いします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 一般管理費の算定率につきましては、国で示しているマニュアル等を参考としているところでございますが、厚生労働省からは特に示されておらないということで、環境省では15%、国土交通省では11.26%、経済産業省では10%などと示されてございます。
 本事業に係る一般管理費の算定率について、平成24年度、平成25年度においては、新たな拠点整備や職員採用等の人事管理など県社協に相当の負担が生じることを勘案しまして、これらのうち、11.26%を使用したところでございます。
 平成26年度におきましては、事業進捗に伴う職員体制の見直しや事業が安定してきたこと等を踏まえまして、10%を基本とすることとしたところでございますが、予算の積算に当たりまして、本事業を熟知している県社協から参考見積もりを徴しましたところ、10%よりも低い9%とされたことから、この率で予算の積算を行ったものでございます。
 それから、平成26年度事業に係る事業費の積算においては、平成25年度事業の実績を踏まえて積算するなど、適切な執行に努めることとしてございます。
〇高橋孝眞委員 前回使いましたのは11.26%ですけれども、これは建設関係での一般管理費の計上、その中には、本社経費とかそれから建物の減価償却、開発経費とかいろんな部分が入って11.26%なわけです。
 なぜ項目を見たかったかというと、提供を受けませんでしたからですけれども、ほとんどこれらの内容については、算定の中に事前にもう入っているものなので、9%も11.26%も必要性はないのだと、私はそう思うわけです。そういう意味合いでは、9%にした根拠は明白ではないと思いますので、もう一度その点も考えてこれから事業委託契約をする、公募すべきであると私は言いましたけれども、公募しながら委託をする場合についてもこの辺も再度考えて、検討して事業を進めるべきではないかとお願いをいたします。
 実は、この変えたことそのものが、国の会計検査上で対象になると思うんですけれども、こういう根拠で毎年毎年やる事業でありながら、果たして変更していいのだということについては私は疑問があるわけですけれども、これは、単年度事業であるけれども、毎年積算方法を変えてもいいのだということなんでしょうか。会計検査にも対応できる内容なんでしょうか、その点についてお伺いします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 一般管理費につきましては、国のマニュアル等でなかなか抽出、特定できないような経費について一定の率でもって算定、そのような経費がかかっているだろうから使うということでございまして、ただ、特定の率が、これというものが全てにおいて一律で決まっているわけではないということから、厚生労働省の補助事業なわけですけれども、厚生労働省から特に示されておらないために、他の省の例を参考にしたということでございまして、その範囲内で、当初は、先ほども申し上げましたが、事業立ち上げに係るいろいろな経費を考慮して高目の設定、それから平成26年度につきましては、事業が進捗してきた段階での内容を熟知している県社協からの見積もり等を参考にして、その状況に合わせて判断するということでございまして、これについては特にそうであってはならないという規定はないかと考えておりますので、会検への対応も特に問題はないのではないかと考えております。
〇高橋孝眞委員 単年度事業でありながら、変更する根拠が変わるということについて、私は会検上、絶対問題があると思います。断定されましたけれども、これは少し考えて対応すべきであって、過去の誤りは誤りとして、もう一回整理を私はするべきではないのかとお話を申し上げたいと思います。
 答弁されてもなかなか意味がわからないような部分がありますので、いずれにしろ、注意してやってほしいし、この事業以外、委託事業であって、部の中では9%なり一般管理費をきちっととって事業をやっている部分というのはなかったわけですので、特に社協に対しての委託事業ですけれども、この分だけ特出して管理費があったというような意味合いですので、特に今回契約する際はその辺も含めて、それから会検にも十分耐えられるのだということを含めて、契約をしながら事業を実施してほしいとお話を申し上げまして質問を終わります。
〇佐々木博委員 私は本委員会では、人口減少にかかわって各部局に関係することについて御質問していきたいと思っております。
 少子化対策の関連で、子ども・子育て支援新制度が平成27年度から始まるわけでありますが、これが結構複雑なんです。まず、単純に、とりあえず幼稚園とか保育園がこれからどうなるのか、概略について説明をいただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 子ども・子育て支援新制度の概要についてでございますが、平成24年8月に成立いたしました子ども・子育て関連三法に基づく新たな制度であります子ども・子育て支援新制度は、消費税率引き上げによります増収分を財源として確保し、消費税率の引き上げの時期を踏まえまして、平成27年度から本格施行される予定となっております。
 新制度では、子ども・子育て支援関連の制度、財源、給付を一元化して新しい仕組みが構築されまして、質の高い教育、保育の総合的な提供、保育の量的拡大、確保、地域の子ども・子育て支援の充実を図ることとされております。
 具体的には、幼稚園と保育所のよさを合わせ持つ認定こども園の普及促進、子育て相談や一時預かりなど、地域のニーズに応じた多様な子育て支援の充実、市町村によります待機児童解消に向けた計画的な取り組みと支援、少人数保育への新たな財政支援、子供が減少傾向にあります地域における保育機能の確保と多様な保育ニーズへの支援などに取り組むこととしているところでございます。
〇佐々木博委員 私は単純に幼稚園と保育園がどうなっているかということをお聞きしたわけでありますが、随分ほかのことについても御説明いただきましたけれども、例えば、今のままで平成27年度いきますと、保育園型の認定こども園、幼稚園型の認定こども園、それから幼保連携型の認定こども園、それから認定こども園にはならないけれども施設給付型の幼稚園、それから、それを求めない今までどおりの幼稚園、それから、保育園については市町村から委託を受けて現行のままでいいとか、随分多岐に分かれるわけですけれども、こういったことが―もちろん、関係機関には説明会もなさっているようでありますが、一方の当事者である保護者は、なかなか難しくて理解できないと思うんですけれども、保護者に対する周知徹底はどのようになさっていこうと考えているのでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 保護者の方々に対する周知徹底についてでございますが、新制度におきましては、これまで保育所を利用できなかったパートで働いている方なども利用できるようになるなど、対象者が拡大されることや、施設利用に当たりまして保育の必要性の認定申請等市町村における手続が必要になるなど、これまでの幼稚園、保育所及び子育て支援に関する制度が大きく変わります。このため、事業者のみならず、保護者の方々にも十分な周知が必要と認識をしております。
 こうした制度の重要な変更事項につきましては、県では、これまで、新制度に関するリーフレットを市町村、保育所、幼稚園等に配布いたしますとともに、会議等で市町村にも広報、啓発への取り組みを要請してきたところでございます。
 国から制度の詳細が示され次第、速やかに市町村や事業者に対しまして周知を図る必要があると考えており、特にも保護者の方々に対しましては、市町村と連携をいたしまして、広報紙やホームページなどさまざまな媒体を利用いたしまして、広報や情報発信を行っていくこととしております。
〇佐々木博委員 保護者にとっては、できれば近くの施設に子供を預けたいと多分思うだろうと思うんです。だけれども、近くの施設がどういった形の認定こども園なのか、給付型の幼稚園なのか、あるいは保育所なのか、近くの幾つかある施設がどういったものであるかよくわからなければ、保護者としても本当に選択に困ると思うんです。ところが、平成27年度から始めるということになりますと、実質あと1年間。まだ具体的なものがほとんど何も出ていませんから、そういった点では、大変実は混乱するのではないかと思って非常に危惧しているところでもあります。
 具体的に伺いますけれども、それをやる作業として、子ども・子育て会議というものを設置しろということになっていますね。県では既に設置されていて、会議をやったのは2回ぐらいですか、市町村は全て設置が終わってもう進行しているのでしょうか。
 それからあわせて、これは市町村、それから県と両方ともに計画をつくれということになっていますが、これは市町村ごとにそれぞれ上がった計画を積み上げて県としての計画をまとめるということになるのでしょうか。そうすると、時間的にも大分タイトになってくるのではないかと思うんですが、その辺はどうなっているんでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 県内市町村におきます子ども・子育て会議の設置状況についてでございますが、2月末現在で、33市町村中設置済みが29市町村、その他の4町も3月中に設置する予定でありまして、年度内に県内全ての市町村に子ども・子育て会議が設置される見込みとなっております。
 また、いわゆる子ども・子育て支援事業、支援計画についてでございますが、委員から御指摘がございましたように、市町村におきましては、全ての市町村におきましてその計画を策定いたします。また、県におきましても、その市町村の計画等を踏まえまして、必要なサービス供給量等について積み上げをしていくということにしております。
 また、県独自に専門的な観点からの必要な施策であるとか、あるいは市町村をまたがる広域的な調整などに関する計画の策定などを進めるということで、来年度中に計画を策定する予定としております。
〇佐々木博委員 来年度中で間に合うんですか。要するに、例えば幼稚園の場合ですと11月から園児募集です。そうしますと、どちらの方向にいくか、その前に決めなければいけない。理事会等を開いてそして方向性を決めて、それから募集要項をつくって11月から募集ですね。そうすると、遅くとも9月ぐらいまでにはおおむねの市町村、例えば収容人員だとか定数だとか、そういったものが決まってなければ混乱するだけじゃないですか。そうすると、来年度中に子育て支援の事業支援計画、来年度中なんてとても間に合わなくて、恐らく私は来年度の前半ぐらいにまとめなければ大変ではないかと思うんですけれども、その辺の見通しはどうなんでしょう。
〇菅野児童家庭課総括課長 今御指摘のありました、例えば幼稚園等が認定こども園に移行するといったようなことにつきましては、新たに幼保連携型認定こども園の認可基準を県が策定することとなっております。この認可基準につきましては、今年度末までに国から政省令として示される見込みとなっております。県では、既に設置をしております子ども・子育て会議等での意見を幅広く伺いながら、認可等に係る条例を速やかに策定して、認可事務を進めてまいりたいということで考えております。
〇佐々木博委員 認可の基準はそれでいいでしょうけれども、定数も決めなければいけないでしょう。どのぐらい保育所の数が必要かとか、それは間に合わないのではないですか。
〇菅野児童家庭課総括課長 支援計画につきましては、9月中に中間取りまとめを行うこととしております。市町村からの計画、それから県としても中間取りまとめを行うということとしております。そういう中で、非常にタイトなスケジュールではありますけれども、事業者あるいはその保護者の方々が、できるだけ混乱しないような形で取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木博委員 平成27年度からの新しい子育て支援の制度ですけれども、国の方向としては、恐らく幼保連携型のこども園中心のものに持っていきたいというのが見え見えなわけでありますが、今、保育園の場合は、しばらく市区町村からの委託でそのまま続きますからいいんですが、幼稚園の場合は、非常に選択が迫られているわけであります。そういった中で一番困っているのは、公定価格がまだ全然示されていないということです。要するに、価格が、金額が示されていませんから、判断の基準がないわけです。それで、これを早く示していただかなければ、進むべき方向がなかなか決められないといった問題が出ているわけでありますけれども、これはいつごろ出されるのでしょうか。
 それから、あわせて、これは平成27年に消費税が10%に上がることを想定しての計画になっていますね。それで、7、000億円の金を準備すると。ほかから4、000億円持ってきて約1兆1、000億円ぐらいでやるということになっていますが、もし消費税の10%が先送りされた場合はどうなるでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 まず、公定価格の公表の見込みについてでございますが、国におきましては、公定価格の骨格、それから仮単価を平成26年度の早期に示しまして、施設への意向調査を行うということと聞いてございます。
 それから、消費税の税率の引き上げ等の関連でございますけれども、冒頭御説明をいたしましたように、新制度におきましては、消費税率の引き上げ時期を踏まえて、早ければ平成27年度から本格施行されるということで進めているところでございまして、その消費税の動向等については、今後、私どものほうではまだわかりませんけれども、今のスケジュール等を踏まえまして、必要な取り組みを進めてまいりたいということで考えております。
〇佐々木博委員 消費税についてはそのとおりだと思いますが、問題は、消費税が繰り延べになると公定価格にも変更が出てくるのではないですか。既に新聞等でも、二、三日前に日経新聞だとか朝日新聞に載っていますけれども、どうも1兆1、000億円確保できないので、その分のしわ寄せをどこに持っていくというような記事が既に出ています。ですから、そこが決まらないと公定価格も動くのではないかと思って、もし、公定価格が動くと、やはり判断するほうとしては大変なわけですけれども、お聞きしたいのはその辺の見通しなんです。
〇菅野児童家庭課総括課長 委員御指摘のとおり、新聞等で財源確保等に関しての報道がなされているところでございますけれども、県におきましては、そうした国の動向、また、子ども・子育て会議における議論を踏まえました政省令等で示される内容に基づきまして取り組みを進めていくところでございまして、現時点では、財源云々ということではお答えすることはちょっと難しいと考えております。
〇佐々木博委員 それでは伺いますが、幼稚園に意向調査をしなければいけないと思いますが、意向調査の時期はいつごろと考えていらっしゃるでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 先ほど申し上げましたように、公定価格等の公表については平成26年度の早期に行うということが示されておりますので、それが示され次第、施設への意向調査等を行うということで考えているところでございます。
〇佐々木博委員 それで、平成27年度からそういった制度に変わりますと、まず問題になるものの一つは、保育認定をしなければいけません。施設型給付も求めない、移行しない幼稚園以外については全て保育認定が必要になってくるのではないかと思うんですが、違いますか。
 もう一つ、施設型給付と言っていますが、具体的に施設型給付とはどういったものなのか、そこについてお知らせいただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 まず、施設型給付の内容についてでございますけれども、委員御指摘のように、いわゆる新しい制度におきましては、幼稚園、保育所、認定こども園に共通の給付を創設したということでございます。それがいわゆる施設型給付ということで各施設に給付がなされるということとなり、財源的にも拡充されることになっております。
 その内容でございますけれども、先ほど公定価格のお話がございましたけれども、例えば施設の規模ですとか、あるいは利用児童の年齢ですとか地域区分とか、そういったものがさまざま勘案されまして、それが公定価格という形で示されるということを聞いておりまして、それに応じて、各施設の利用人員等からそれぞれの施設に対して給付がされるということを考えているところでございます。
 それから、幼稚園等の認定の関係でございますけれども、これは、委員御指摘のとおり、各施設に対しましては意向調査等を行いまして、例えば認定こども園に移行するのか、あるいはそのままで行くのか、そういった意向をお聞きしながら、必要なそういう認定あるいは認可というものを進めることとしているところでございます。
〇佐々木博委員 保護者にとって関心があることの一つの問題が、この制度に移行することによって、要するに保育料の負担がふえるのか減るのか、どうなんだと。応能負担ということになっていますけれども、その辺の見通しというのはどうなんでしょうか、保護者の負担について言えば。
〇菅野児童家庭課総括課長 新制度におけます利用者の負担につきましては、現在、国の子ども・子育て会議で議論されておりまして、まだ詳細は示されていないところでございますが、委員御指摘のとおり、所得に応じた応能負担を基本といたしまして、国が定めます水準をベースに、地域の実情に応じて市町村が条例により設定することとされております。現在と大きく変わらない見通しであると聞いているところでございます。
〇佐々木博委員 最後にしますけれども、恐らく幼稚園は幼保連携型を目指すというところがふえてくるのではないかと。国もそれを求めていますし、そうではないかと思いますが、平成27年度からの新制度をやるということになりますと、まず、県で基準をつくらなければならないわけです。県でその基準をつくっていただいて、それから認可の作業に入るわけでありますが、その基準ができて、例えば幼稚園側は初めて申請できるわけです。そうしますと、県としても、認可するためにはさまざまな調査も必要でしょうし、時間的に切羽詰れば切羽詰ったほど大変ではないかと私は思う。しかも、それが決まらないと、今度は募集するほうだって大変なわけです。そういった全てに影響がありますので、もちろん、国がある程度公定価格等を示さなければ走り出せないわけではありますけれども、体制をきちんと整えていただいて、迅速に対応していただきたいと思います。
 それから、先ほど御答弁がありませんでしたけれども、いずれ施設型給付を受けるということになりますと、全て保育認定が必要になってくるんです。それがないと区分ができませんから。ということは、その市町村で全てその該当者に対してそういった作業も必要になってきます。いずれ、認定こども園の認可だけの問題ではなくて、さまざまな作業が生じてまいりますので、平成27年度にこの新制度がきちんとスタートできるような強力な体制をとっていただくことをお願いしまして、終わります。
〇及川幸子委員 関連。私もこの問題について大変興味深く思っておりまして、大変難しい問題だなと。大変勉強されての結果、お答えになっているなと思いますが、現場の声、子供を預かっている幼稚園側、保育園側のお声をどのように受けとめているのか伺いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 それぞれの現場のお声ということでございますが、これまで、県におきましては、この制度の内容ですとか概要等について説明を申し上げる機会を設けてまいりました。また、それぞれのその場におきましては、保育団体あるいは幼稚園等の関係団体等の方々からさまざまな御意見を頂戴してきたところでございます。そういったことを踏まえて、先ほど来お話をされておりますような、そういう現場からのさまざまな意見も承知しているところでございます。
〇及川幸子委員 さまざまな意見をいただいていると受けとめているようですが、実際、現場から届いているのは、いまだに不明であると。わけのわからない制度だということで、現場は大した不満なんです。そのようには感じてないですか。スムーズにこの制度がいくと思っていらっしゃいますか。
〇菅野児童家庭課総括課長 全く新しい制度だということで、また、制度の詳細等が国から示されないといった部分も多々ございまして、そういったことから各事業者、あるいは先ほどお話し申し上げました保護者の皆様等に十分な情報提供等が届いていないというところはあるかと思います。いずれ、今年度末あるいは来年度早期にかけましてさまざまな形で国から詳細が示されてまいりますので、それを、県としても速やかに各事業者そして保護者の皆様等に対しまして情報提供してまいりたいということで考えております。
〇及川幸子委員 国から示されるのを待っているようですが、その国自体がちょっとわけわからないような状況だと思います。私は資料を見たんですが、とても難しくて、見れば見るほどわけわからない内容でした。実際、そう思いませんか。国から示されているのがわけわからないような状況だということを、少しは国に対して不満も漏らしたことがありますか。
〇菅野児童家庭課総括課長 昨年、国がこちらに参りして、いわゆる被災等の影響もあるということで、被災市町村等の意見を聞く機会がございました。その際には県も同席したところでございまして、本県の被災等を受けたそういった事情ですとか、あるいは新制度の施行に当たってのさまざまな、例えば情報提供一つとりましても、できるだけ速やかにお願いしたいということで要望等を申し上げているところでございます。
〇及川幸子委員 最後です。部長、この問題は大変な問題だと思っております。私は幼稚園とか保育園にしょっちゅう行っていますけれども、物すごく意見が出ているんです。そういうことについて部長は今後どのように担当課の職員をまとめていこうとされているのか最後にお聞きして、終わります。
〇根子保健福祉部長 この問題については、制度の大きな改革といいますか、変換点だと私も認識しております。
 それで、先ほど申し上げましたのは、昨年の4月でしたか、国が主催の会議に私も出まして、本県は被災したということで、市町村も事務が相当厳しい状況だということなので、その施行時期も含めていろいろ考えてほしい、あるいは情報提供も含めて速やかにやってほしいというお話を申し上げましたが、今の状況が、ここに至ってまだ詳細がわかっていないような状況でございます。
 そういう状況ではありますが、市町村が中心になりながらも、県も一緒になって、平成27年度のスタートに間に合うべく一生懸命取り組まれておりますし、先ほど申し上げました公定価格を示す、あるいは認可基準の政省令が出るというところの情報を早くつかみながら、いろいろな関係のところに情報を出して、その準備ができるような取り組みを進めながら、できる限り間に合わせるような努力をしたいと思います。
〇喜多正敏委員 私からはがん対策と生活保護基準の見直しについてお伺いしたいと思います。
 まず、がん対策でありますけれども、今議会で、おかげさまでがんに関する条例が議員発議されております。また、対策のために県ではいろいろな施策を講じているところでありますが、患者あるいは患者家族たちをサポートする医療関係者や団体等が必要としている情報や各種施策が適切に伝わることや、簡単に情報にアクセスでき、入手しやすいことが大事だと思います。がん患者やがん患者団体などへのがんやがんに関する施策、支援の情報、提供体制の現状と課題を、平成26年度も含め、今後どのように充実を図ろうとしているかお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 がんに関する情報提供の関係でございますが、県では、がん患者とその家族の、適切な診療が受けられるとか、安心した療養生活が送れるといったことに資するよう、これまで、がんの相談支援や緩和ケアに関するパンフレットの作成、配布、ホームページによる情報発信といったことをやっておりますほか、がん拠点病院の相談支援センター等における相談支援や、がん患者・家族会を対象とする学習会あるいは情報交換会などを通じまして、がん医療や療養に関する情報を提供しているところでございます。
 しかしながら、患者や家族のニーズは多様化してきておりまして、特に療養に関する不安や悩みの軽減を図るための情報発信につきましては一層の充実が必要であると考えているところでございます。
 このため、県では平成26年度におきましてパンフレットの更新を行うとともに、相談窓口の情報あるいは患者会活動の紹介といったようなことを追加するなどして、ホームページの改善を図ることとしてございます。
 また、がん対策推進計画におきましては、がんの治療ガイドラインや副作用、がん医療を提供できる医療機関の情報など、がんの治療に関する情報を適切に発信していくこととしておりまして、今後とも、患者、家族会の意見を伺いながら、がん拠点病院とも連携し、効果的できめ細かな情報提供を行っていくよう努めてまいりたいと考えております。
〇喜多正敏委員 確かに、本県のホームページをがん対策というところで開きますと、がん対策推進計画の策定についてとか、がんの相談・支援・緩和ケアのご案内、あるいは岩手県緩和ケア医師研修会修了者の氏名公表についてなどということで7項目ほど上がっています。
 しかしながら、情報を欲している側からすると、このホームページでは非常に型どおりであると私は思うわけであります。また、これをさらに追っていきますと、関係資料の通知というところでは平成24年度までのデータしか上がっていない。もはや平成25年度も終わろうとしているわけで、全く即時性に欠ける。
 それから、がんのことに関しては、がん相談・支援・緩和ケアのご案内ということで、このパンフレットがそのままPDFで上がっているというレベルで、部のほうに、こういったことについて県で作成しているパンフレットはないかということをお話ししましたら、これだけが来た。
 私は、1月に広島県のがん対策課に行ってお話をお伺いしてきました。広島県は日本一のがん対策を目指すということで、私はホームページを拝見いたしました。そうすると、いいか悪いかは別として、一番重要ながん検診について、デーモン閣下を全面に出して、広島県民よ!いったい、いつ受けるのだ。「がん検診」、言い訳無用!一刻も早く「がん検診」を受けたまえ!!となっていて、極めて懇切丁寧なホームページが出ているんです。私は、このホームページを見るだけで、本県のがん対策に関する熱意というか、思い入れが非常に薄いと感じざるを得ない。もう少し患者側の立場に立った―ホームページの更新を平成26年度にやるそうですが、遅きに失したと感じます。広島県のがんネットにおいては、がんを知るがんの基礎知識とか、早期発見とか、がん医療とか緩和ケア、がん相談、非常に膨大なホームページが載っています。やっぱりこういうようなことはすぐできるわけでありますので、これはぜひ充実してもらいたい。
 もう一つ、広島県と広島県がん対策協議会においては、地域の療養情報とか、がんの種別ごとにわたしの手帳というものをつくって渡している。これは極めて丁寧な解説で、40ページぐらいある資料であります。これは、あなたの肺がんの治療情報とか、1カ月から6カ月の治療計画がつくられて配付されているんです。私は、こういうような命にかかわることについては、他県の先進事例も参考としながら迅速に充実を図っていただきたいと思うわけなので、ぜひ調べてやっていただきたいと思います。
 もう一つは、患者団体から本県のがんの条例についていろいろ御意見をお伺いしたところ、県のがんの担当課はどこですかという質問が出ました。一般の人からそういう話が出るのであればわかるのですが、がん患者の方が来られたときにそういう話をされた。どうも、十分浸透していないのではないか。広島県ではがん対策課というものを設置してやっている。どういう効果がありましたかというと、そのことだけを考えているので非常に機動性が出た、そして、県としてもこれは重大事項として取り組むということで非常によかったという、担当課長のお話ですから、もちろんそういう話になるだろうと思いますけれども、こうした情報提供一つとってみても、皆さん忙し過ぎるのではないか。がん対策課、もしくは、いろいろ審査の関係で人組みも大変ですけれども、例えば特命課長をつくるとか、こうしたがん対策の組織体制の充実を図る必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇菊池保健福祉企画室管理課長 がん対策の推進に当たりましては、がんの予防、検診、治療、さらにはがん登録など多岐にわたる取り組みが求められております。その実施に当たりまして必要となる関係機関等との調整につきましては、保健福祉部の担当部署が関係部署と連携を図りながら、それぞれきめ細かく適切に対応しているところでございます。
 また、委員からも御案内がございましたが、議員発議によりまして本定例会におきまして提案されております岩手県がん対策推進条例が本年4月に施行される予定となっておりまして、当該条例さらには昨年3月に策定されました第2次岩手県がん対策推進計画に基づきまして、がんの予防、がんの早期発見、がん医療の均てん化など、本県のがん対策の主要課題につきまして引き続き重点的に取り組むこととしております。
 がんの対策は、県民の身体、生命にかかわります重要な施策であると認識しておりまして、的確な対応を図るための組織、職員体制としていかにあるべきか、先ほど御案内のありました各都道府県の状況等も踏まえながら、新たな専門組織や職の設置も含めまして、庁内はもとより関係機関、団体と研究、議論を重ねてまいりたいと思います。
〇喜多正敏委員 よろしくお願いいたします。
 それから、高齢化や医療の高度化の中で複数の医療施設にかかる場合もふえてきて、同じような薬の重複使用や薬の飲み合わせから来る問題、期限切れの服用などが懸念されるということで、不適切な投薬による健康への影響、無駄な医療費の発生などが課題となっていると思っております。一方、東日本大震災で投薬やカルテなどの情報が喪失して治療や処方が困難となった経緯もあります。
 現在、薬剤師等が、おくすり手帳によって、薬がどの程度残っているかとか、そうしたことについて指導することにはなっておりますが、実際、現場では十分ではないと思っております。
 鹿児島県薬剤師会などではお薬袋を作成して、家庭にある患者の薬を全てこの袋に入れて持ってきてもらうと。こうした問題を改善して、さらに薬代も節約に成功したとなっております。昨年3月に策定された岩手県保健医療計画でも医療費の節減の項目はあるわけでありますが、投薬については触れられていないという状況であります。
 ちょっと御紹介いたしますと、袋というのは簡単なこういう袋でありました。パンフレットももらってきたので。これは鹿児島県の薬剤師会の袋であります。そして、残薬調整してみませんかというポスターも掲示をしているという状況であります。
 福岡市の薬剤師会のことを紹介いたしますと、飲み残した残薬を薬局に持参してもらい、医療費の負担を減らす節薬バッグを展開しているということでございました。これは昨年の6月から8月、薬局31軒の協力を得て患者2、000人に配付したということであります。試行期間に持ち込まれた残薬は83万9、655円で、そのうちの消費期限切れや変質分などを除いた分は実に70万円もあったと。一定の医療費の節減に効果があったということで、今回の残薬の有効活用率は83.7%で、これを全国規模の医療費に当てはめると、推定で約3、200億円の節減になると試算されているということがございました。
 こういったようなことで、適切な投薬推進や投薬情報のIT化、無駄な医療費の節減の取り組みについての御所見、今後の方向についてお伺いします。
〇藤原健康国保課総括課長 委員のほうから御紹介のございました鹿児島県薬剤師会等で実施しているお薬袋の活用による残薬の確認、ITによる患者の服薬状況等の情報共有につきましては、医療費の削減や医薬品の重複投与の防止など、医薬品の安全な使用に効果的な取り組みと考えてございます。現在、岩手県薬剤師会におきましても、このお薬袋の取り組みについて検討していると聞いているところでございます。
 それから、適切な投薬推進に係る今後の取り組みについてでございますが、平成26年度診療報酬改定のうち、調剤報酬におきまして、薬局が薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たりましては、調剤を行う前に残薬や服薬の状況を患者から確認することが義務づけられました。このことから、県といたしましては、国や薬剤師会と連携いたしまして、薬局への診療報酬改定の趣旨を徹底してまいりたいと考えてございます。
〇喜多正敏委員 国の方針とか、そういうことになったというお話ですが、それはそのとおりでありますが、実際、薬局に行くと、山のように薬をもらってくる人もいるわけですけれども、残薬を確認するといっても、答えられないのが実情であります。したがって、具体的なやり方をきちっと参考にしてやるように、ぜひ県のほうからも情報提供などして指導していただきたいと思います。
 次に、生活保護基準の見直しの影響と対策についてお伺いします。
 生活扶助相当CPIを根拠として生活保護基準が見直され、昨年8月から3回に分けて生活保護基準が大幅に引き下げられ、平均で6.5%、最大で10%、総額670億円の減額が実施されることとなり、ことし4月から第2段階の引き下げが実施されようとしているわけであります。
 そこでお伺いします。本県において、生活保護基準の見直しにより生活保護世帯にはどのような影響があるのか、また、過去3年間及び平成26年度も含め生活保護受給世帯数、人数、県予算の推移についてお伺いします。また、生活保護基準引き下げにより影響を受ける国の制度、地方単独事業としてはどのような制度があるか、制度名、生活保護基準との関係についてお伺いします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 生活保護基準の見直しの影響についてでありますが、本県においては、平成25年8月の生活扶助基準の改定時には、改定前後の7月と8月との比較で、生活扶助費に減額のあった世帯は全体の約70%に当たる7、454世帯となっているところでございます。平成26年4月には、段階的改定の2年目の実施を行うとともに、あわせて、消費税率引き上げ等を加味し、プラス2.9%の改定が行われることとされております。
 具体的には、夫婦と子供1人の標準的な世帯では、盛岡市においては若干の減額となりますが、その他の市と町村部では基準額は増額となり、また、60代以上の高齢層の世帯においては、いずれの地域においても増額改定となる見込みでございます。
 次に、生活保護基準引き下げによる影響を受ける制度といたしましては、国の制度では、徴収階層区分において生活保護受給世帯は徴収金が免除されております保育所の保育料や、費用徴収基準において生活保護受給世帯が免除されております養護老人ホーム入所者の扶養義務者の徴収金がございます。
 また、地方単独事業といたしましては、市町村の判断で要保護者に準ずる程度に困窮していると認められるいわゆる準要保護者に対して学用品等を支給する就学援助制度などがあります。この制度では、支給を判断する目安として、保護基準を準用して算出した額を使用しているものでございます。
〇喜多正敏委員 今回の生活扶助相当CPIは耐久消費財が入っているといったようなことで、中身について極めて疑義がある。加えて、政府の決め方について、今までの慣行で積み重ねてきた討論のところもすっ飛ばしているということで、その内容については極めて問題があると感じているわけであります。
 国では、さはさりながら、地方単独事業についてはできる限り生活保護基準引き下げの影響が及ばないよう対応するという趣旨を理解した上で、各地方自治体において判断していただくよう依頼するとしているわけであります。2013年8月、2014年4月の生活保護基準の引き下げの影響を受ける制度にこのまま連動させた場合、影響を受ける、これまで利用できていたが、利用できなくなる可能性のある世帯数及び人数、金額について、県や市町村が影響を及ぼさないよう対応策を把握しているかなどについてお伺いしたいと思います。
 また、生活保護世帯以外の低所得者についてもどのような影響が出るか、あわせてお伺いします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 生活保護基準の見直しに伴う低所得者への影響についてでありますが、地方単独事業である準要保護者を対象とする就学援助制度等については、市町村の対応状況については現段階では把握していないところであります。
 なお、就学援助制度につきましては、文部科学省において、平成25年8月に行われた生活扶助基準の見直しに伴う影響が及ばないよう各都道府県教育委員会あて通知がされ、平成26年度においても同様の取り扱いについて通知されているところでありまして、県教育委員会から市町村教育委員会に対し、その旨、通知していると聞いております。
 また、個人住民税に係る非課税限度額につきましては、平成26年度においても引き続き現行どおり据え置かれるものと承知しておりまして、平成26年4月からの生活保護基準の見直しの影響は及ばないと聞いているところでございます。
〇喜多正敏委員 いろいろ影響が出ているわけでありますけれども、子供の貧困とか貧困の連鎖ということで、特にも就学援助については非常に課題があるということであります。これらについては国庫補助が廃止されまして一般財源化されたことによって、その実施は完全に地方自治体に委ねられる。通知とかお願いのレベルであって、しからば、お願いした背景にその基礎となる交付税措置なり支援があるかというと、これは全くない。ただでさえ大変厳しい中で、こうしたことが結果として各自治体によってばらばらな基準になってしまうということが非常に懸念されますので、県においてもしっかりとその辺について情報を把握して、しかるべく対策を講じていただきたいと、これはお願いであります。
 最後であります。東日本大震災津波の被害を受け、今なお厳しい生活を余儀なくされている方、非正規雇用や高齢単独世帯、介護難民の増加の一方、物価上昇や社会負担の増加、年金引き下げの中で生活困窮者も増加していると思われるわけでありますが、県では、平成26年度予算案において生活困窮者自立促進支援モデル事業を計上しておりますが、どのような支援や自立のための施策を講じられようとしているかお伺いします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 生活困窮者自立促進支援モデル事業についてでありますが、この事業は、生活保護に至る前の段階で、生活困窮者の自立を支援する生活困窮者自立支援法の平成27年4月からの円滑な施行を図ることを目的といたしまして、福祉事務所を設置する県と市が実施主体となり、法に定められた各種の事業について、モデル的に実施しようとするものでございます。
 本モデル事業では、生活困窮者からの相談に対応する自立相談支援事業を中核といたしまして、一般就労に向けた訓練を行う就労準備支援事業、緊急一時的な宿泊場所を提供する一時生活支援事業、家計の再建を支援いたします家計相談支援事業、貧困の連鎖を防止するための子供の学習支援などの事業に取り組むこととされております。
 県では、平成26年度の県実施分の事業といたしまして、県南広域振興局と沿岸広域振興局の管内を一つの対象地域として自立相談事業などに取り組むほか、盛岡広域振興局管内の町村の一部におきまして事業を行う予定としております。
 また、モデル事業は、県のほか2カ所の市において実施を予定されておりまして、平成26年度予算では、これらの市に対する補助金もあわせて計上しているところでございます。
〇喜多正敏委員 いきなり生活困窮者に陥らないように、ぜひきめ細かな対策を講じていただきたいと思います。
 これで終わりますけれども、生活保護基準の検証と並行して社会保障審議会に設置された生活困窮者の支援のあり方に関する特別部会において、本年1月25日に報告書を取りまとめました。この報告書では、生活保護制度の見直しについては、3カ月から6カ月の期間を定めて集中的に就労支援を行うと。これは大変結構なことであります。しかしながら、希望の職種につけない者については、地域や職種を変えて就職することや、やや低額でも何とか就労しろと。しかしながら、就労できない者あるいは本人が希望しない就職先が他地域にあるから転居して就職活動をするよう指示し、これに従わないことを理由として、指導指示違反として保護を廃止するような形式的で厳格な適用がなされるのではないかという危惧があると。何しろ、450億円の保護費削減という数値目標が設定されたことによりまして、北九州市のように、最初に目標ありきということで、厚生労働省や会計検査院による監査強化の中で、現場ではそれに対応せざるを得ないというようなことも起こり得る可能性があるので、そうしたことがないように、ぜひ、生活困窮者に陥らないように、陥った方については自立支援をしていただきたいということであります。これは要望です。終わります。
〇小野共委員 がん診療連携拠点病院についてお伺いいたします。
 全国どこでも質の高いがん診療を受けることができるよう、全国の圏内の二次医療圏の中に、397カ所が厚生労働省のほうで指定している病院なわけでございますけれども、平成26年度から厚生労働省の方針が厳しくなりまして、新たながん診療提供体制として、御存じのとおり、今までの体制を見直すという動きになっております。
 県内の九つの二次医療圏の中で、がんの拠点病院がないのは釜石医療圏だけということになっておるわけでございますが、これは、釜石医療圏の中で、専門医の確保でありますとか、指定されれば医療体制が充実するのではないかといったようなことも考えられておりまして、これはすごく期待しておるわけでございますが、長年の懸案事項でありました。現時点での今後の釜石病院の連携拠点病院の指定に向けた考え方、そして課題を聞かせてください。
〇高橋地域医療推進課長 県立釜石病院のがん診療連携拠点病院指定の関係でございますが、県では、平成25年3月に策定いたしました岩手県がん対策推進計画におきまして、全ての二次保健医療圏にがん診療連携拠点病院を整備するということを目標に掲げておりまして、委員御指摘のまだ拠点病院が設置されていない釜石保健医療圏におきましても、県立釜石病院がその指定を受けられるよう、これまで放射線治療機能の整備などを進めてきたところでございます。
 一方、先ほどお話もございましたが、国におきましては、がん拠点病院のさらなる質の向上等を図るため、本年1月に拠点病院の整備指針を見直しまして、人材配置要件の強化などが行われたところでございます。
 県立釜石病院につきましては、今回示されました新しい整備指針に照らせば、申請基準日である本年1月1日時点では、緩和ケアチームに配置する看護師の資格要件を満たしていないところではございますが、来年度の前半にはクリアできる状況だと聞いておりまして、県といたしましては、今月中にも県立釜石病院が行う予定の指定申請に当たって推薦いたしますとともに、国に対してその指定を強く働きかけてまいりたいと考えております。
〇小野共委員 答弁を聞いて、看護師の要件がこれを満たして、ことし中に厚生労働省のほうに指定をお願いするという方向で話が進んでいるということで安心しているわけでございますけれども、既に御存じのとおり、二次医療圏の中で放射線治療ができなかったのはリニアック―放射線治療の器械が入ってなかったのは釜石医療圏だけだったと。それが平成24年6月から稼働し始めたと。これも指定要件の大きな欠点になっていたのだろうと思うわけでございますけれども、とにかく後手後手に回っておりましたものですから、これはできるだけ早く指定要件をクリアして、二次医療圏のがん拠点病院に指定していただきたいと思うところであります。
 今回の厚生労働省のほうの指定要件の強化あるいは見直しの中で気になったのが、指定要件を厳しくすることによって、がん診療連携拠点病院を厳しくして、それに適合できなかったところが地域がん診療病院―これは平成26年度からの新設ということになるわけでございますけれども、現行の九つの連携拠点病院の中で、指定要件をクリアできず地域がん診療病院になってしまうというような可能性というのはあるのですか。
〇高橋地域医療推進課長 がん診療連携拠点病院の新指針の影響についてでございますけれども、本年1月に国が示しました新たな整備指針におきましては、人材の配置や診療実績などの要件が強化されてございまして、拠点病院としてさらなる質の向上を求める内容となっております。このため、先ほど申し上げました県立釜石病院のほか、既に指定を受けている拠点病院におきましても、医療従事者の配置など一部の要件に残念ながら適合していない状況も見られるところでございますけれども、現在の拠点病院の指定期間につきましては、今回、この指針の見直しに当たっても全て平成27年3月末日までとされまして、体制の整備に向けて一定の配慮がなされたところでございます。つまり平成26年度中は連携拠点病院として存在するという形になります。
 また、今回の国の指針見直しにつきましては、拠点病院が設置されていない二次保健医療圏の解消も一つの目的とされておりまして、病院勤務医師数が少ない二次医療圏においては人材配置要件の緩和措置も設けられております。そうしたことから、県内の各拠点病院につきましては、現状のままでも、当分の間、その指定が継続されるものと考えております。つまり平成27年3月まで自動的に拠点病院として継続されるわけですが、その後の部分につきましても、引き続き、がん診療連携拠点病院として継続できるものと考えているところでございます。
 一方で、今回の指針の見直しが質の向上を求める内容でございますので、そういった策定の趣旨を踏まえまして、県としては、各拠点病院がその診療機能や相談支援機能の質を一層向上させるよう支援してまいりたいと考えております。
〇小野共委員 拠点病院の指定の目的というのは、それ自体が目的になるべきではないと思っております。二次医療圏のがん診療連携拠点病院に指定されたことによって、果たしてその病院が、具体的には釜石病院でありますけれども、どのようにがんの診療において発展なり進歩、こういうことができるようになりましたよとか、指定されることによってどういったメリットがあるのか、それも聞かせてください。
〇高橋地域医療推進課長 がん診療連携拠点病院の指定は一定の要件を満たして指定されるわけですが、指定された暁には、その要件を満たしつつ、地域にいらっしゃるがん患者の一定の方について診療を行うとともに、その地域の中で、例えば医療従事者の研修を行うとか、緩和ケアの研修を行うといったようなことで連携を進めながら、地域のがん診療を行う医療機関との連携なども行いながら活動していくということになりますので、そういった面でがん医療あるいは療養生活の質の向上といったような部分で質の向上が図られるものと考えております。
〇小野共委員 先ほども申し上げましたけれども、平成24年6月にリニアックが釜石病院に入ってから、放射線治療を受けるために盛岡の中央部の二次医療圏まで来なくてはいけなかったという人たちから、かなりあれはよかったよということが多く聞こえてきます。平成26年度中、できるだけ早い段階で連携拠点病院の指定になるようにさらに働きかけることをお願いして、終わります。
〇樋下正信委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時49分 休 憩
午後1時4分 再開
〇岩渕誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 なお、佐々木大和委員は欠席とのことであります。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇齋藤地域福祉課総括課長 午前中の喜多委員からの御質問中、過去3年間及び平成26年度も含め、生活保護需給世帯、人数、県予算の推移についての御質問に対しまして答弁が漏れておりました。答弁をさせていただきます。
 平成22年度以降の保護需給世帯、人数、県予算の推移についてでありますが、平成22年度は1万223世帯、1万4、499人、37億2、000万円余であります。平成23年度は1万511世帯、1万4、844人、35億5、000万円余であります。平成24年度は1万507世帯、1万4、630人、33億6、000万円余であります。平成25年度は、平成25年12月で、世帯で1万545世帯、人数で1万4、392人、予算額は2月補正後の予算で33億1、000万円余となっております。また、平成26年度当初予算では30億8、000万円余を計上しているところでございます。大変失礼いたしました。
〇岩渕誠副委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、本日審査を予定している部局について、延べ17人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行うとともに、他の委員と重複した内容の質疑は極力避けるよう、改めてお願いいたします。
〇城内愛彦委員 それでは、時間の関係でさくさくと質問してまいりますのでよろしくお願いします。
 ドクターヘリヘリポート整備事業についてであります。
 県内に何カ所あるのか、あわせて今後の計画はどうなっているか、また、課題はどのように考えているのかお伺いします。
〇高橋地域医療推進課長 ドクターヘリのヘリポートの関係でございますけれども、ドクターヘリのヘリポートといたしましては、ヘリの発進基地でございます岩手医科大学の矢巾キャンパスに1カ所ございますほか、主な搬送先となります災害拠点病院11病院に対しましては、病院敷地内にあるヘリポートが5カ所、病院の近傍にあるヘリポートを使用しているのが3カ所、このうち1カ所のヘリポートは2病院について使用している状況でございます。それから、2カ所につきましては、近傍のグラウンドを使用しているところでございます。
 なお、ドクターヘリと救急隊が合流するランデブーポイントにつきましては、県内全域で570カ所を確保しているところでございます。
 次に、今後のヘリポート整備の計画等についてでございますけれども、本県ドクターヘリは運航開始から間もなく2年となりますが、運航実績が積み重なってきているところでございます。こうした中で、搬送患者の6割を受け入れている盛岡地域におけるヘリポートは、盛岡東警察署の屋上のヘリポートを使っておりますけれども、降雪期に使用できないといった課題が出てきているところでございます。そのため、円滑な患者搬送の実施に向けまして、現在、改めて県内のヘリポート整備に関する調査を専門機関に委託して実施しているところでございます。
 今後のヘリポートの整備につきましては、ドクターヘリの運航実績や搬送先病院の周辺離着陸場の状況に加えまして、進入路等の空域条件や騒音、砂じんの影響など総合的に考慮する必要があり、今年度末までに報告される予定でございます調査結果を踏まえまして対応することとしているところでございます。
〇城内愛彦委員 議員会館に泊まっていますと、東警察署の屋上にヘリがおりるんですけれども、雪が降り出したらなかなか飛んでこなくなってまいりました。そういったことで、医大側の、東警察署側の受け入れ態勢はいいんだと思いますけれども、一方で、地域におけるヘリポートの管理も含めて、雪が降ったりして、あと立ち木の問題とか、いろいろ周りの問題というのはあると思うんです。そういったこともしっかりと加味しながら、今後計画を立ててやっていってもらいたいと思いますし、あわせて、要請があってヘリが飛ぶときに、受け入れる側で消防ポンプ車が待機したりしますね。そういう連携が多分あるんだと思いますけれども、何かあったときのためだということらしいんですけれども、そういったことも含めて大事な要素になってくると思います。
 待望久しいドクターヘリですので、ぜひ事故がないように運営をしてほしいと思いますが、何かありますか。
〇高橋地域医療推進課長 ありがとうございます。委員御指摘のとおり、運航に当たりましては、ヘリポートの確保とかあるいは救急隊との合流とか、搬送とか、そういった各場面で各機関と連携をし、いろんな配慮をしながら進めてまいりたいと考えております。これまでもそうしてきましたし、今後も引き続きそういったことで、適切な運航に努めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひそれはお願いします。
 次に移ります。感染症対策の推進についてであります。
 今シーズンのインフルエンザ流行の状況はどうだったのか。あわせて、対策と課題、今後の取り組みについてお伺いします。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 今シーズンのインフルエンザの流行状況につきましては、例年に比べて1カ月程度おくれておりまして、直近のデータであります3月3日から9日の週におきましても、1医療機関当たり患者数が37.86人と、警報値であります30人を超えており、依然として流行が続いているものと考えております。
 県内の流行の規模は、全国平均とほぼ同様の傾向となっております。まだ今シーズンは流行が終息しているわけではございませんが、近年では、一昨年の冬に次ぐ流行規模となっていると考えております。
 課題と今後の取り組みでございます。
 現在もまだ流行が続いていることから、蔓延、拡大の防止のため、県民や医療機関に対しまして適切な情報を提供することが重要と考えております。このため、毎年度、県で定めておりますインフルエンザ対策実施要領に基づきまして、手洗いやうがいといった予防法の普及啓発を行うとともに、学校等の施設の閉鎖や患者数等の発生動向の把握、そしてその公表、ワクチン接種実施医療機関の積極的な情報提供等について、市町村及び医療機関と連携した対策に取り組んでいきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 医療機関では、十分なだけのワクチンを持っていたのかということが1点あるんですけれども、あと、不足をするようなことはなかったのか、その点、押さえているのであればお伺いします。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 インフルエンザワクチンにつきましては、予防接種法上の2類感染症という形で、高齢者を対象に主に実施をしてございます。
 毎年毎年の流行をする予測を国で立てまして、それに適合したワクチンをメーカーのほうで製造するものでございます。例年、本年度の流行予測に合わせまして、流行する前の11月ぐらいから各医療機関に業者のほうからきちっと納入されているという状況で、本年度につきましても、こういった不足等なく、ワクチン接種については、まずは順調に行われているものと認識をしてございます。
〇城内愛彦委員 ぜひ医療機関とは連携をとって適正な処置を図ってほしいと思うんですが、実情から言うと、民間のお医者さんでは、生ワクチンというんですか、いつまでも置いていられないということで、いつ来るかわからない患者さんを待っているために、在庫は置けないというお医者さんが結構いるようでありまして、うちではやっていないという形で、お年寄りの方も、あるいは今おっしゃった受験生なんかも、受けたいときに受けたい場所で受けられなかったということがあるようであります。そういったことが果たしていいものかと私思うので、その辺のうまい誘導も含めて少し検討してほしいと思うんですが、その辺はどのように認識していらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 ワクチン接種に関しましては、委員御指摘のとおり、きちっと適切に対象者の方々に受診できるような環境を整えていく必要があると考えてございます。
 ワクチン接種を主に担当しております市町村におきましても、そこら辺は十分留意していると思うんですが、私どもも、流行予測でありますとかワクチンの流通等について、市町村がきちっとそういったワクチン接種が円滑にできるように、医療機関、医師会等とともに連携をしてきちっと対処し、住民の方々に周知をして円滑なワクチン接種ができるように努めてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 ぜひお願いしたいと思います。それが蔓延を防ぐ意味でも一番有効な手だてになると思いますので、よろしくお願いします。
 最後、3点目であります。介護人材確保事業についてであります。
 介護の現場も、医療従事者も含めて大変な状況であります。そこで、現場の人材の確保状況はどうなのか。あと、今年度の見通しはどうか。3点目ですけれども、問題点と課題点があればあわせてお伺いしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 介護現場の人材の状況についてでございますけれども、現在、介護サービスを提供しております介護事業所では、いわゆるサービス事業所の指定基準というものを満たしまして、必要な介護人材を確保して、適切なサービスに努めているところでございます。しかしながら、昨年度から新たに整備した施設の一部におきまして、当初予定した規模の事業実施に必要な介護人材の確保に時間を要するケースが出てきておりまして、開所時期の延期、あるいは開所から一定期間、当初予定した規模を縮小して運営する等の事例が散見されるようになってきておりまして、これまで以上に介護人材の確保が厳しい状況になっていると認識しております。
 今年度の見通しでございますが、岩手労働局が公表しております資料によりますと、平成26年1月の県内の介護関係の有効求人倍率は1.56となっておりまして、全産業の1.02と比較しましても高くなっておりまして、介護人材の確保については、依然、厳しい状況でございます。このため、今年度におきましても、平成21年度から引き続き実施しておる事業でございますが、働きながら介護の資格を取るという事業を実施しておりまして、この事業を実施してきた結果、新たに35名の介護職員の雇用に結びつけることができました。また、介護事業所の労働環境の改善を目的としましたセミナーの開催、あるいはテレビ、ラジオを通じて、介護の魅力発信という事業も実施してきておりまして、介護の仕事に対するイメージアップを図るなど、介護人材の育成、確保に取り組んできたところでございます。
 3点目のお尋ねでございますけれども、問題点と課題についてでございます。
 平成24年10月に、財団法人介護労働安定センターが実施しました介護労働実態調査というものがあります。この調査によりますと、仕事についての悩み、不安、不満等の項目で回答割合が高かったものは、仕事の内容の割に賃金が低いが55.3%、人手が足りない49.8%、有給休暇がとりにくい41.5%などとなっております。
 また、同センターが事業者側に行った調査では、早期の離職防止あるいは定着促進のための事業者側の取り組みとして、回答の割合が高かった項目は、職場内の仕事上のコミュニケーションの円滑化を図っている63.4%、賃金、労働時間等の労働条件、休暇をとりやすくすることも含めましてですけれども、こういったことを改善している63.4%となってはいるものの、結果として、介護従事者の不満、不安の解消には結びついていない状況となっております。
 介護人材の確保に係る問題、課題というのは、今御説明しましたようにさまざまございますけれども、この中でも、処遇改善が大きな課題であると認識しております。このため、県では、これまでも国に対して、介護職員だけではなくて、介護従事者全般に対する処遇改善が図られるように要望してきておりますほか、来年度におきましても、引き続き、職場環境の改善を促進するためのセミナーの開催を継続しますほか、被災地の介護人材確保として、応急仮設住宅で高齢者のサポート拠点の仕事をしている職員の方に介護の資格を取るための支援をする事業でありますとか、被災地はアパートの確保を含めまして住環境が厳しいですので、アパート代を支援する等の事業、また、県全体としても、引き続き、働きながら介護福祉士の資格を取る事業などへの支援を実施して、これまで以上に介護人材の確保に努めることとしております。
〇城内愛彦委員 せっかく苦労して資格を取っても、それに見合うような処遇でないというのが大きな課題であると思います。これは事業者側もそうですし、いろんな意味で、少し知恵を出し合わないといけない部分だと思います。知恵を出すというよりは金を出したほうが早いんですけれども、ただ、制度上、なかなかうまくいかないというのはそのとおりであります。
 そこで、ことし沿岸地区で震災瓦れきの処理が終わります。その中で、1、000人ほどの労働者があふれるという状況があるわけでありますが、そういった方々にも、積極的に働きながら資格を取れるような、また、介護の場に誘導するような考えというのは持ち合わせていないか、ちょっとお伺いしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 先ほど御説明申し上げましたのは、応急仮設住宅で対人援助の仕事をしていて、資格がない人に対して介護職に誘導しようということで考えている事業でございますが、県全体として、引き続き実施します介護人材就業支援事業につきましては、今委員がお話しになりました、例えば被災地で工事の仕事をしていた方が、次の仕事がないので介護の資格を取って仕事をしようという方も対象にしております。さらに、今度は、応急仮設住宅の見守りとして生活支援相談員という方が、市町村の社会福祉協議会のほうで面倒をいろいろ見ていただいていますけれども、こういった方々についても、希望するのであれば、介護の資格を取ることについて平成26年度事業で支援をしていこうということにしております。
〇城内愛彦委員 御高齢の方々はどんどんふえてきますし、介護のニーズというのはまだまだ高まっていく、そういった中で、しっかりとそれを支えるマンパワーが今不足しているわけですので、ぜひこれをうまく活用して事業展開していってほしいと思います。
 以上で終わります。
〇飯澤匡委員 大きく2点について伺います。
 最初に、地域包括ケア体制の充実についてお伺いします。
 国の医療制度も在宅医療へと、また、介護も訪問看護をかなり強化するという方向性になってきております。きょうは中山間地に位置する地域病院を一つの視点ととらえてお聞きをしたいと思うんですが、中山間地と言えば岩手県ではどこにでもあって、大変高齢化率が高くなってきている。これから、もう、どんどんそういう傾向になってきております。地域包括ケア体制についても、そして医療においても、地域のニーズに合致した医療、保健、介護サービスの提供というのが非常に大事であり、不可欠な政策であると考えます。
 そこで、質問の第1ですが、今日まで地域包括ケアと言われて久しいんですが、福祉介護事業を担う市町村行政と、そして地域病院、県立病院ということになるんですが、これらの間で、地域包括ケアに関して連携の状況、そして課題があるとすればそれらをどのように把握しておられるのか、まずそれをお聞きしたいと思います。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 委員から御指摘いただきましたとおり、高齢社会に対応していくためには、地域において、住民の生活の質の向上に資する在宅医療提供体制や医療と介護の連携体制を構築することが急務となっておりまして、県としても、地域包括ケアシステムの構築を担う市町村と地域病院との連携が重要と考えております。
 これらの連携の状況でありますが、例えば一関市におきましては、県が地域医療・介護連携モデル推進事業として支援する中で、市が事務局となり、県立病院を含む医療、介護の関係者を集めた会議を定期的に開催し、研修会の開催や患者情報の共有などの取り組みが進められてきたところでございます。
 ほかにも、釜石市や陸前高田市などにおきまして、行政と県立病院など関係者が参加する定期的な会議が開催されておりまして、患者が急変したときに、県立病院が受け入れる体制づくりが進められております。
 一方で、こうした取り組みが進んでいない地域におきましては、市町村と病院との連携が十分にコーディネートされておらず、いわゆる顔の見える関係がつくられていないことが課題となっておりまして、地域における医療、介護関係者の多職種協働や円滑な退院調整が進まない要因となっていると考えております。
〇飯澤匡委員 一関市においては、モデルケースとなる事業も入れていただきました。当時の齋藤昭彦部長にも大変にお世話になりました。非常にいい方向になりつつあると思っております。
 そこで、地域病院が介護の部分までしっかり踏み込んでいかなければならないというような、特に千厩病院などでは強い思いを持たれて、院長先生もその方針を明らかにされました。今後、市行政との取り組み、これは一関市だけにかかわらないんですが、さらにもっと一歩進んだシステムを構築して、県民の目に見えるような形で、これが地域包括ケアシステムのいい事例として出せるように、私は県にもう少し踏み込んでいただきたい。単なる会議を主催する、そしてまた先ほど答弁でもあったように、病院との連携、それだけではなくて、社会の中でどのようにして住民が意識を高めていくかというところまで、これは主に市行政が担うんですけれども、岩手県はせっかく県立病院という非常にいい財産、資産があるんですから、それを生かす工夫というのをしていくべきだと思うんですが、それについて御所見があればお願いいたします。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 県では、平成23年度から、今委員からも御紹介いただきました一関市におけるモデル事業を実施してきたほか、本年度から、在宅医療推進事業といたしまして、医療や行政、介護関係者の役割分担と顔の見える関係づくりを進めるために、地域において、医療と介護の連携をコーディネートする機関を設置する取り組みなどを支援しているところでございます。こういった中で、一関市や釜石といった県立病院が参画するモデルとなるような取り組みが始まってきたと考えてございます。
 また、来年度におきましては、二つの二次医療圏をモデルに、病院と居宅の介護支援専門員が情報共有をいたしまして、医療と介護の円滑なサービス提供に資するような取り組みを保健所がコーディネート、支援する事業を予定しておりまして、今後とも、これらの取り組みをモデルとして情報提供しながら、各地域の事情また各地域の県立病院としっかりと連携をして、医療と介護の提供体制を構築することができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 この医療と介護の連携によって成功事例となっている例を全国でも見てみますと、一関市でも藤沢病院なんかその例に当たると思うんですけれども、医療関係者がどこまで踏み込んでいくかということの事例がほとんどだと思っております。したがって、なぜ、きょう地域病院という話をしたかというと、せっかく院長先生並びにスタッフが外に出向いても、そして介護関係者ともしっかり話をして前に進めたいというような意思がしっかり示されたようなところには、県はもう少し医療関係者のどういうところに不足の点があるかということをしっかり聞き取って、そういう体制をつくっていただきたい。
 保健所を中心にというお話がありましたけれども、私はそれだけでは足りないと思います。医師の視点の中で、地域社会の地域医療をどうやっていくかという考え方を持っている医師の方もたくさんおられますので、それをやりやすい環境を整えてあげるということにも意を注いでいただきたいと思います。
 私の選挙区の一関、両磐医療圏は一つの二次医療圏になっていますが、やはり北上川を挟んで、1人当たりの医師数であるとか、非常に地域によって医療格差があって、そしてまた高齢化率も地域によって非常に進んでいるところとそうでもないところもあると。地域のニーズに合った施策展開をしていくということにもっと集中的に政策を特化していただきたいと、これは要望にとどめておきます。
 菅原技監にも大変大東病院でもお世話になって、よくよく事情はおわかりだと思いますので、部内でもよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは2番目の質問ですが、これは大分前にも一般質問等でお聞きをしたんですが、最近、宮城県における医大の新設に関して動向が随分急になってまいりました。仙台厚生病院と東北福祉大が連携をして、栗原市立栗原中央病院と、それから栗原市内にある宮城県立循環器呼吸器病センターを移譲して、定員100人の医学部を新設するという具体的な話が随分出てきております。
 前にもお聞きしたんですが、答弁の内容については、非常にいい方向というよりも、懸念される材料のほうが多いという内容でありましたが、現在、動きが急になったことを踏まえて、新設実現へのスケジュールについて、岩手県としてはどのように把握されているのか。
 まとめて聞きますが、本県の医師の確保、これは短期的、中長期的に、おのおの分析をしなければならないと思うんですけれども、それについてどのような分析をなさっているのか、お聞きをしたいと思います。
〇野原医療政策室長兼医師支援推進室長 医学部新設のスケジュールでございます。
 文部科学省が昨年11月に発表いたしました基本方針では、震災からの復興、東北地方における医師不足への対応等を目的といたしまして、これまで認められていなかった医学部新設について、東北地方に1校に限定して、一定の条件を満たす場合に認可申請が可能としているところであり、既存大学に医学部を設置し、最短だと認識をしてございますが平成27年4月に開学を行う場合として、平成26年5月までに新設構想を受け付け、6月中に1校の構想を採択し、8月までに設置認可申請、審議会の審査を経て、10月までに国の認可を行うスケジュールを示してございます。これを受けて、先ほど委員からも御紹介いただきましたが、仙台厚生病院等大学や医療機関が設置を検討し、そのほかにも東北薬科大学なども構想しているとうかがってございます。
 現時点では、まだ一本化の見通しは明らかになっていないものと認識をしてございます。
 次に、医師数の短期的、中長期的な分析でございます。
 まずは、本県の医師数の中長期的な見通しといたしましては、岩手医科大学の入学定員が、平成19年度に比較いたしまして現在50名増の130名となり、これに合わせて、県においても奨学金貸付枠を拡充し、これらの医学生の県内定着や養成医師の配置により、段階的に医師の充足状況の改善が図られていくものと考えております。
 また、医学部新設の影響でございますが、医学生が現在の医療の高度化を踏まえた医療ニーズに対応し、地域医療の第一線で医師として従事するためには、医学部6年間の後、長期臨床研修2年を含むさまざまな研修を経て10年前後の期間を要することから、長期的視点においては、県内医師数の増加が期待されるものと考えております。
 一方で、医学部定員増の効果が見込まれるまでのここ数年については、引き続き、厳しい医師不足の状況が続くと考えております。過去において、初期臨床研修制度の導入に伴い、全国的に地域の医療機関から大学病院への医師の移動が起こり、地域医療に深刻な影響を及ぼしたと指摘されております。今回の医学部新設に当たっても、短期的には大学教員を確保するため地域の医療機関から勤務医がいわゆる引き抜かれ、地域医療が崩壊するのではないかとの懸念の声が出されており、こうした点に十分配慮される必要があると考えております。
〇飯澤匡委員 後段の部分が一番、保健福祉部とまた医療局も同様の御懸念をされていると思います。確かに、短期的にはそのような分析にならざるを得ないと思いますけれども、この際、動向をしっかりと注視しながら、なおかつ、戦略的な人脈形成であるとか、情報収集というものをしっかりすべきだろうと。
 本県は、岩手医大とのつながりが非常に強いわけでありますけれども、この点については医師の相対的な確保ということを念頭に置いて、宮城県との連携、県の壁を取り払ってというような格好になると思います。県境に近い、もし栗原市ということになればですけれども、その点をしっかりとウオッチすることを御要望申し上げ、それから、単に懸念することを前面に押し出すと。知事答弁もそのようなことになっていましたが、それではちょっといかんと、片手落ちだと思いますので、状況をよく把握しながら、本県がマイナスにならないようにしていく、このようなことが絶対必要だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 何か所感があれば、これにて終わります。
〇根子保健福祉部長 東北への医学部の新設の話でございます。長期的には、そういった形で岩手県への医師の配置ということになるだろうということもありますので、そういった効果はあると思います。一方で、先ほど野原医療政策室長から申し上げましたとおり、地域医療に支障を来さない職員の確保方策を講じること、あるいは東北地方の医師の定着数が高じることなどが申請の際の要件になっておりますので、そういった状況も見きわめながら、県としては対応する必要があるだろうと思っております。
 それから、岩手医大の定員増についても、これも一応暫定的だという話になっておりますので、これがもし仮に、医学部新設でそれが暫定でもとに戻るとなれば非常にこれは県としても大きな問題ですので、それがそういうことにならないよう、これはもう要望しておりますので、引き続き要望してまいりたいと思っております。
〇高橋但馬委員 私は大きく2点について質問をさせていただきます。
 まず初めに、特定不妊治療費助成事業について質問させていただきます。
 不妊治療に関しては、お金がかかる、医者が少ない、年齢制限がある、時間の制約があると、四つの大きな壁があるわけですけれども、当局から資料をいただきまして、平成22年度と平成24年度の体外受精、顕微授精の特定不妊治療費の助成事業の申請件数の実人数というのを教えていただいたんですけれども、平成22年度は404件、平成23年度は591件、平成24年度は712件と実績が増加してきているのですけれども、県としてはこの数値をどのように分析しているのでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 不妊治療の事業実績についてでございますが、今委員御指摘のとおり、県内におきます不妊治療の受給者数は年々増加をしております。この要因につきまして、県といたしましては、近年の結婚年齢あるいは妊娠、出産年齢の上昇や医療技術の進歩に伴い、特定不妊治療を受ける方が増加しているものと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 結婚年齢の上昇、あとは子供を産むときの年齢の上昇というのが要因の一つだとは考えるんですけれども、それでは、先ほど私も申しましたけれども、医者が少ないということなんですけれども、県内の不妊治療が可能な病院はどれだけあるのかお知らせください。
〇菅野児童家庭課総括課長 県内におきます特定不妊治療をしている機関の数についてでございますが、特定治療支援事業の指定医療機関につきましては、国が定めます設備、人員等の指定要件に関する指針に基づいて指定されることとなっておりまして、県内におきましては現在2カ所となっているところでございます。
〇高橋但馬委員 済みません、その2カ所の所在地もお知らせ願えますか。
〇菅野児童家庭課総括課長 医療機関の所在地でございますが、いずれも盛岡市でございまして、岩手医科大学附属病院、それからさくらウィメンズクリニックの2カ所でございます。
〇高橋但馬委員 盛岡で2カ所という部分で、まず盛岡に住んでいる方であればそこに行けばいいという部分はあるんですけれども、県内全域に不妊治療を受けたいという患者さんがいらっしゃると思いますので、そこはしっかりと考えていかなければならない部分であると思っております。
 これは一つの例でありますけれども、金額が高いというものがありまして、例えば初診で男性が行った場合10万円、女性が25万円、あとは採卵してそれを凍結胚にすることによって5万円がかかったり、通算で治療費、盛岡の場合3年間で200万円であるとか、盛岡から仙台のクリニックに通った場合など、治療費が2年で250万円で、ほかに交通費が50万円かかっているという例を、いろいろお話を聞くと挙がっているんですけれども、正直、これだけお金がかかるということは、はなから、もうかかるものだからできないと思っている人もたくさんいるはずなんですね。
 先ほどの治療費の例から見ると、これは共働きでなければ非常に厳しい金額であると私は考えます。その際に、730万円という夫婦合算の所得制限を設けているんですけれども、これを設けないほうがいいと私は思うんですけれども、県の考えをお知らせください。
 また、妊娠する率なんですけれども、大体35歳で一回ぐっと下がって、その後42歳でさらにまたぐっと下がるんですよ。どんどんしづらくなるのが現状であって、結局、これというのは、正直、しづらくなる年齢があるということは年齢制限があるのと同じであって、そういうことを考えれば、助成額を上げることも一つの対応だと考えるんですけれども、考えをお知らせください。
〇菅野児童家庭課総括課長 不妊治療の助成額の引き上げ等についてでございますが、本事業につきましては、子育て支援の一環策といたしまして、平成16年度から実施されております。平成19年度には、所得制限が650万円から730万円に緩和されたところであり、また、平成21年度には、1回当たりの助成金額が10万円から15万円に増額されました。また、平成23年度には、初年度の回数が2回から3回に拡大されてきたという状況でございます。
 県では、これまで、国の助成制度の拡充に沿いましてこの事業に対応してきたところでございまして、委員御指摘のございました所得制限額の引き上げですとか助成額の増額などにつきましては、1件当たりの金額が15万円と高額であり、また、申請件数が年々増加しているといったようなことから、今後とも助成費の増加が見込まれることから、直ちに引き上げ等を実施することは難しいと考えているところでございます。
 なお、県の助成に上乗せをいたしまして独自に助成をしている市町村がございますが、22市町村で実施されている状況になっております。
〇高橋但馬委員 非常に子供を持つことを諦めざるを得ない方々がたくさんいると思いますし、これからどんどん少子化になっていくわけですから、そこの部分に、県としても何とか補助の拡大をお願いしたいというのが私の考えであります。
 もう一つ、こういう不妊の問題というのは夫婦間でその問題を抱えてしまって、例えば友達であるとかそういう人たちになかなか言えないのがこれは事実であると思うんですけれども、そういう場合の心のケア等に関するソフト面での対応というのが非常に必要だと思うんです。初診であれだけ、10万円であるとか25万円というお金がかかる場合、なかなかそこまで行きつくのも厳しいと思うんです。そういう部分を考えると、県として何かしら相談窓口をつくるのは大切だと思うんですけれども、その辺はどのように考えますか。
〇菅野児童家庭課総括課長 不妊治療等に関します心のケア、ソフト面での対応ということでございますが、県では、保健所におきまして、不妊相談を含めます女性の健康相談を実施しているほか、岩手医科大学に委託をしております不妊専門相談センターにおきまして、不妊に関します医学的、専門的な相談等による知識の普及啓発や相談体制の充実に努めているところであり、今後とも、関係機関と連携をしながら、対象者の方々の心のケア等を含めた支援を行ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 非常にそういう部分の周知というのも大切であると思いますし、話を伺いますと、婦人科に通う女性、それも若い女性で不妊治療、20代でも不妊治療をしている方も多いという話を聞いておりますので、まだまだ稼ぎも足りない方々でしょうから、その前のソフト面でのケアというのもしっかりと県のほうで考えていくべきだと思いますので、御対応をよろしくお願いいたします。
 続いて、もう1点のほうに質問を移らせていただきます。
 ボランティアセンター活動費補助についてお伺いいたします。
 9月の一般質問において、災害ボランティアについて質問させていただいた際、根子保健福祉部長より、地域でのボランティアの円滑な受け入れや関係団体等の連携促進などを目指し、災害ボランティア活動推進のための指針の策定について現在検討を進めているとの答弁をいただきました。その現状をお知らせください。
〇齋藤地域福祉課総括課長 災害ボランティア活動推進のための指針についてでありますが、東日本大震災津波や平成25年の大雨洪水災害でのボランティア活動の成果と課題を踏まえまして、今後の災害に備えた取り組みの方向性を示し、官民協働で、活発かつ効率的なボランティア活動が展開されるよう、岩手県防災ボランティア活動推進指針を策定することといたしまして、関係機関、団体から広く意見を聴取しながら取り組み、現在、年度内の策定を目指し、最終的な調整を行っているところでございます。
 本指針では、基本的な視点といたしまして、災害時に効果的な支援活動が行われるよう、平常時からボランティアの受け入れ体制を構築するなどし、地域の支援を受け入れる力、いわゆる受援力を高める取り組みを推進すること、二つ目といたしまして、発災時に関係機関、団体が速やかに連携、協力して活動できるよう、平常時からネットワークを構築していくことの二つを掲げまして、平常時、災害時における関係機関、団体の役割分担や取り組みの方向性を示すこととしております。
 平成26年度は、この指針の周知を図り、関係機関、団体の取り組みを促進するとともに、岩手県防災ボランティア支援ネットワークを創設いたしまして、関係団体が活動事例の共有や共同での訓練実施などを通じ、平常時から相互に顔の見える関係を構築できるよう、取り組んでいくこととしているところでございます。
〇高橋但馬委員 総務部の部局別審査でも質問させていただいたんですけれども、東日本大震災津波というのを本県は受けておりまして、全国的にも注目されている県の一つであると考えております。それを踏まえて、去年の8月9日の豪雨とか台風災害であるとかを踏まえて、県としての動き方というのも注目されている部分であると思いますので、しっかりと、今後、これから何か起きた場合ボランティアが集まってくると思いますけれども、そのときに迅速に対応して、適時適切に被災した場所にそういう方々を送れるような体制を構築していただくようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
〇神崎浩之委員 私は、災害派遣福祉チーム設置事業費、それから地域包括ケアシステム基盤確立事業費の2点についてお伺いをいたします。
 まず初めに、災害派遣福祉チームであります。これは阪神・淡路大震災の折に、初期医療体制がおくれて、避けられた災害死が約500名いたということで、災害派遣医療チーム―DMATの創設につながっているところであります。これを受けて、災害派遣の医療関係の派遣チームはできているわけですが、今般、東日本大震災を経験いたしまして、福祉チームの派遣の構築も必要ではないかということで、知事も知事演述等で述べておるとおり、全国に先駆ける形で岩手県が推進している事業でありまして、全国からも今注目されているようであります。
 そこでお聞きするわけですけれども、まず今年度は県が体制を整備して、特にチーム員確保とそれから研修についてまず体制を整備しているところと思われますが、その進捗状況と、あと、それを受けての課題についてまずお聞きをしたいと思います。
〇齋藤地域福祉課総括課長 災害派遣福祉チームの課題と今後の対応についてでございますけれども、昨年9月に岩手県災害福祉広域支援推進機構を設置いたしまして、大規模災害時に、避難所などで要援護者への福祉的な対応を行う災害派遣福祉チームの創設の取り組みを進めているところでありますが、今年度は、2月、3月に研修を行い、修了者197名をチーム員として登録し、年度内に30チーム程度を編成する見込みとなっております。
 今後の課題としては、一つには、チームが実際の災害時に円滑に活動できるよう、チームについて県民や関係事業者への周知を図ることや、チームの主な活動場所となります避難所を運営する市町村との連携体制の構築、また、同じく避難所等で活動を行う医療や保健分野などの支援チームとの連携のあり方について検討する必要があると認識をしているところでございます。
 これらの課題への対応といたしましては、平成26年度には、今年度に引き続き、市町村や福祉関係者に加え、医療、保健関係者等も対象として、災害派遣福祉チームの役割等についての周知を図るためのセミナーを開催いたしますほか、市町村の地域防災計画への位置づけなどを進めるための研修会を県内10カ所で実施することとしております。
 また、医療や保健との連携については、平成26年度は岩手医科大学や県医師会、県保健師協会等の助言、指導を受けまして、医療、保健、福祉関係者による検討会の開催のほか、チーム員の研修カリキュラムに医療や保健分野の支援の内容を盛り込むことを考えております。
〇神崎浩之委員 197名の登録があったということであります。私は、課題はさまざまあると思っておりますが、先ほどいろいろと他団体との連携という話もありましたけれども、福祉チームというのはまだまだ認知がありませんので、派遣先は市町村の避難所に出向くということであります。そういう中で、受け入れ側の市町村が―医療は分かるんですね。ドクターが来たと、ああ、看護師さんが来たということがわかるんですが、福祉チームが行って、さて、あなた方は何者なんだということで、行った先でのトラブルというか、そういうのを非常に心配しております。志を持って行くんですけれども、受け入れ側が理解されていなくてミスマッチにならなければいいなと思っております。そこで、市町村の防災担当、それから災害対策本部関係、それからDMATを含めた医療関係の方、あと、まして自衛隊、それから警察、消防の方々、そういう団体にも認識を持っていただかないとうまく機能しないのではないかと思っておりますが、その点について再度、その方々との了解、それから周知等についてお伺いをしたいと思います。
 それからもう一つ、財源の問題が大きいと思うんですね。そこで、今年度は630万円をかけて、来年度については547万円という予算でありますが、この程度の予算で大丈夫なのかなと。今年度はこれだけの、この財源だけで行ったのか、他の財源も入っているのか。それから来年度についてもこれだけで間に合うのかどうか。それから、この547万円というのは復興支援の財源等も入っているのかどうか、その辺についてお伺いをいたします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 まず、この避難チームが活動いたします避難所を運営する市町村についてでございますけれども、今年度は県内5カ所でセミナーを開催し、市町村担当者等に災害派遣福祉チームの役割などについての周知を図ったところでございます。平成26年度は、市町村地域防災計画への位置づけなどを進めるための研修会に、福祉と防災の両担当部局がともに出席するよう強く呼びかけをいたしまして、チームが効果的に活動できる体制の整備を進めるよう、働きかけを行っていくこととしてございます。
 また、さらに広い防災関係者などへの周知、または協力を求めるということでの御質問でございますけれども、県庁内部の防災との連携も極めて重要でございまして、災害派遣福祉チームにつきましては、新たに県地域防災計画に位置づけを行うことや、また、来年度以降の県総合防災訓練への災害派遣福祉チームの参加について、現在、調整を進めているところでございます。
 なお、先ほど財源の問題などございましたが、今、私の手元にある資料で即答しかねるところがございますので、少しお時間をいただければと思います。
〇神崎浩之委員 財源は日ごろのチーム員の養成、それから研修等の通常の財源も必要でありますし、それから、実際災害が起きて派遣となった場合に、日当、旅費等の手当を含めた財源も必要になっていくと思います。通常の訓練、養成について500万円程度ということなんですが、その内訳についてはいいんですが、国の制度化について働きかけをどういうふうになさっているかということをお聞きしたいと思います。
 いずれ、この事業については、国も興味を持っていただいているわけなんですけれども、国がこれを制度化していかないと、実際に災害があって派遣した場合に、これはボランティアではないですので、県知事の要請に基づいて派遣していくわけでありますので、そういった場合に、例えば災害救助法に位置づけていただいて、今は応急救助ということで、医療とか助産については救助法の対象になっているわけですが、この福祉介護の派遣についてはまだ対象になっていないと思っておりますので、ぜひ国に働きかけて制度化していただいて、そして救助法の中に入れていただかないと、今、他県からは岩手のチームがほかの県に派遣できるんですかということとか、あとは逆に、他県の方々が岩手のチームに入りたいといった場合にこういうのが制度化されていないと、岩手だけの災害のチームということになっておりますので、この点を含めて、国への働きかけについてはどうなっているのかお聞きをいたします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 国への制度化に向けての働きかけでございますけれども、平成24年度から要望を行っております。そのほか、北海道東北知事会や全国知事会への要望事項に盛り込むなど、さまざまな機会を捉えて要望を行っております。
 厚生労働省におきましても、会議などで岩手県の取り組みを紹介していただいたり、今年度は他県からも何県か岩手のほうに足を運んでいただき、さまざまな視察ということで県庁にもお見えになったり、事務局であります県社協を他県の方が訪ねておりまして、他県の方々も非常に関心が高いものだと改めて認識しているところでございます。
 国では、平成24年度からの都道府県単位での災害福祉広域ネットワーク構築について検討を行っております。国によりますと、今後は、仮称ではございますが、中央連絡会の設置などによりまして全国展開に向けた取り組みを進めるものと聞いてございます。
 また、委員から御指摘のございました災害救助法への位置づけについてでございますが、平成25年度の統一要望の際にも、このことにつきましては、医療と同様、福祉を災害救助法の対象にするよう要望しておりますし、今後ともさまざまな機会を捉え、このような要望も引き続き行ってまいりたいと考えております。
〇神崎浩之委員 災害救助法も今までは厚生労働省の管轄だったんですけれども、これが昨年から内閣府に移りまして、特にこの分野は民生関係なので、ちょっと働きかけが弱くなるのではないかという心配をしております。
 それから、全国から注目されている中で、197名の登録者が出そうだということは非常にすばらしい結果だと思っております。ただし、実際に災害が起こったときに何人行けるのかという、あくまでも登録者であります。DMATは3日間ということで、例えば職場から3日間休みをもらって派遣するというようなことなんですが、この災害派遣チームは5日間ということを考えて、果たして現場で働いている方が5日間も抜けて行けるのかということで、実際に事が起こったときに登録者が何人派遣できるかという危惧をしておりますので、その点については指摘だけとしておきます。
 それから、これは県がやっていることなんですが、県社協に委託している部分もありますので、障がい福祉サービス復興支援事業の委託事業の丸投げのようにならないように、ぜひ留意していただきたい。これは大変な事業でありますので、県社協ではできないので、知事をトップに、派遣する、これについて強く言っておきます。部長、この件についていかがでしょうか。
〇根子保健福祉部長 いわゆる派遣チームを派遣する推進機構につきましては、関係者、関係団体のたくさんの方々が集まってつくったものでございます。知事がその機構のトップということで支援しておりますので、県社協はその事務局としての機能は担っておりますが、県としても、当然、県社協とともに、あるいはその関係団体とともに一緒になってこれは取り組んでいく必要があると思っていますので、そういった取り組みを進めてまいりたいと思っております。
〇神崎浩之委員 次に、地域包括ケア体制についてお伺いいたしていきます。これについては、いろんな資料から、図から、もう何年も前から地域包括ケア体制はこういうふうに進めるんだというのが出ているんですが、なかなか進んでいないと思っております。特に小さい町村部については、それなりに先駆けで進んでいるところもあるわけなんですが、どうも、市町村の体制が進んでいないと感じておりますが、それについてはどう認識されているのか。
 また、県の働きかけが弱いのではないかと感じております。アンケートをやってロードマップを作成してということで、今年度、新規事業を行っておりますけれども、この点についてはいかが考えておられますか。
〇鈴木長寿社会課総括課長 委員御指摘のとおり、小さい町村で地域包括ケアを構築していこうということになると、なかなか大変な状況にあります。国のほうでは、そうしたことも踏まえて、あるいは広域的に複数市町村で取り組むこともどうかと、今後の提案、提言の中で考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、県では、昨年5月に県内の市町村の取り組み状況、あるいは地域包括ケアを担う地域包括支援センターの体制なり事業の状況がどうなっているのかということにつきまして調査を行いまして、その調査結果の分析に基づきまして、昨年10月に市町村に対しまして、平成37年、2025年―これは団塊の世代が後期高齢者となる年度でございますけれども―までの地域包括ケアシステム構築に向けたロードマップは、市町村が一体これからどういうことをやっていけばいいのか、それはいつまでにやるべきなのか、県としてそれにどういう支援をしてくのかということを内容にしたものでございます。このロードマップにつきましては、案段階でございますが、市町村会議を9月末に開催しまして説明してきましたほか、地域包括支援センター、在宅介護支援センター協議会の研修会の場、あるいは気仙地区、両磐地区でも要望がありまして、このロードマップの内容なり県のこれからの市町村に対する支援等についても説明してきたところでございます。
 市町村調査をした中で、市町村からの県に対する要望事項の中で一番多かったのが情報提供でございます。ほかの市町村、ほかの都道府県でどういう地域包括ケアシステムの取り組みをしているかということでございましたので、11月からは、ちいきで包むという地域包括ケアシステムを取り組む上での参考となる情報紙をつくりまして、ホームページに掲載したり、あるいは関係機関に配布したりということで対応しております。
 さらに、今後、市町村への支援を強化するといった観点から、平成26年度には、市町村による地域包括ケアシステムの構築がさらに進むように、首長を対象としたトップセミナー、あるいは実務を担当する方々に、実際の地域ケア会議を先進的にやっているところの人を呼んでのセミナー等の事業を実施して……
〇岩渕誠副委員長 答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇鈴木長寿社会課総括課長(続) 失礼しました。
 市町村への支援を強化していくこととしております。
〇岩渕誠副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇神崎浩之委員 現在でも地域包括ケア体制が進んでいない中で、来年度から介護保険の改正がありまして、今度、要支援者は介護保険から市町村が責任を持ってサービスを組み立てるということになります。ますます地域包括ケア体制を構築するのが大変難しいと思っておるわけなんですが、県として、それらも含めて、今後、介護保険改正の要支援対策についてどういうふうに市町村を支援していくのかお伺いしたいと思います。
 いずれ、新しい制度でありますので、市町村は非常に困難をきわめております。先ほど、首長を呼んだという話もあるんですが、ぜひ、財政当局も含めて、今回の法改正に対する市町村のマンパワーを含めた体制整備について県のほうも踏み込んでいただいて、御指導、助言をしていただきたいと思います。コメントを求めます。
〇鈴木長寿社会課総括課長 委員御指摘のとおり、介護保険制度のもろもろの改正の中で、市町村の業務がふえていきます。この中で予防給付の地域支援事業への移行につきましては、国では、さまざまな創意工夫の例とか、認知症の方への事業実施の留意点等をガイドラインとして示すということをうかがっております。
 いずれ、今後の介護保険制度の見直しで市町村に混乱が生じないよう、また、過度の負担とならないよう、知事会を通じまして、十分な準備期間の設定でありますとか、さまざまな地域の実情に対応可能な実施体制の構築支援の要望を行っておりますほか、今後も国の動向を見ながら必要な情報提供を行うなど、市町村への移行が円滑に進むように努めてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 予算に関する説明書109ページの認知症対策等総合支援事業費に関連して、成年後見制度の活用に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 本県の認知症高齢者は、平成21年3月には3万4、000人だったということですが、平成25年3月には約4万300人と増加傾向にあるとお聞きしております。また、知的障がい児・者は約1万1、000人で、平成21年度と比べ800人と、こちらも増加していることから、成年後見制度の役割も年々増加しているものと思いますが、まず、その実態と課題についてお伺いいたします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 成年後見制度の実態と課題についてでありますが、委員御指摘のとおり、成年後見制度の利用は増加傾向にありまして、最高裁判所資料によりますと、全国で年間の新規利用件数は、平成22年2万7、807件、平成23年2万9、143件、平成24年3万1、456件となっております。本県の状況は、盛岡地方裁判所によりますと、平成22年182件、平成23年186件、平成24年194件となっております。
 県では、これまで一般県民や福祉関係者等を対象に研修会を開催し、制度の普及啓発を図りますとともに、法人後見団体の立ち上げ支援を目的とした意見交換会を開催してきたところでございます。また、市町村では、市町村長申し立てなどによりまして制度の利用促進のための支援が行われております。
 今後の課題といたしましては、高齢者人口の増加等に伴い、さらに成年後見制度への需要が増大し、親族や専門職による後見だけでは対応が困難となることが懸念されますことから、制度の担い手として、専門職以外の第三者後見人である市民後見人や法人後見団体を養成していく必要があるものと認識しております。
 こうしたことから、県といたしましては、現在実施している制度の普及啓発のための研修会や関係機関との情報交換会の継続実施に加えまして、市町村が行う市民後見人の養成研修や、養成した後見人に対する支援体制のあり方などについて、弁護士会や社会福祉士会等の関係機関、団体と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 そこで、制度の担い手、成年後見人は、例えばどういう方々がなられているのか、具体的にもしわかればお示し願いたいと思います。
〇齋藤地域福祉課総括課長 これは平成24年度でございますけれども、成年後見人と本人との関係別件数をまとめた資料がございます。それによりますと、198人中110人が親族、残りの88人が弁護士でありますとか司法書士、社会福祉士などの第三者後見人ということになってございます。
〇高橋昌造委員 この後見人についてはいろいろトラブルなども発生しておるようでございますので、この制度の定着のために、県としてもこれから、今お話がございました制度の中身を周知徹底するほかに、何か支援の取り組みを考えておるのであれば、そのことについてお示し願いたいと思います。
〇齋藤地域福祉課総括課長 先ほども答弁いたしましたが、現在行っている事業以外に具体の事業の実施について案は持っていないところでございますが、さまざまな課題を抱えていることは確かでございますので、先ほどお話し申し上げましたとおり、これら課題の解決のために、専門職であります弁護士会、社会福祉士会または社会福祉協議会、そしてまた市町村の方々とも十分連携しながら、この課題解決に向けて一つずつ進んでまいりたいと考えているところでございます。
〇高橋昌造委員 この後見人制度の定着のために、今後ともしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、若年性認知症についてお伺いしますが、認知症高齢者は先ほども質問の中でお話ししたとおりでございますが、若年者の認知症の実態はどうなっているのか、また、県としてどのような支援策を考えているのか、あわせてお伺いいたします。
〇鈴木長寿社会課総括課長 若年性認知症についてでいすが、40歳以上65歳未満の介護保険における第2号被保険者の方が、要介護認定申請の際に添付する主治医意見書によりますと、平成25年3月末時点で765人が認知症があり、日常生活上、何らかの支障がある方となっております。
 県では、公益財団法人いきいき岩手支援財団に運営を委託しております高齢者総合支援センター事業の一つとして、認知症の方、家族の方に対する電話相談をしてございますが、この中で、若年性認知症の方からの電話相談にも対応しているところです。このほか、公益社団法人認知症の人と家族の会が、いきいき岩手支援財団のいわて保健福祉基金を活用して、若年性認知症本人と家族のつどいを開催しております。
 なお、国におきましては、平成24年6月に公表いたしました今後の認知症施策の方向性についての中で、若年性認知症の方御本人、関係者が交流できる居場所づくりの設置の促進を基本的な対応方針として示しております。
 先ほど申し上げましたように、県全体でも平成25年3月末時点で765人ということで、それほど多い人数ということでもないので、これは市町村で取り組むよりも、むしろ県で取り組んでいったほうが効率的であろうと考えておりますので、このため、今後、先進都府県であります東京都、神奈川県(後刻「東京都や兵庫県」と訂正)の取り組み事例なども参考にしながら、県としての若年性認知症への対応について検討していくこととしております。
〇高橋昌造委員 いずれ、しっかり取り組んでいただきますようお願いいたします。
 次に、予算に関する説明書の136ページのがん対策推進費に関連して、小児がんの実態や対策についてお伺いいたします。
 まず、第2次岩手県がん対策推進計画では小児がんに対する項目が新設されたわけでございますが、本県の小児がんの実態や対策がどのようになっているかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 小児がんについてでございますけれども、県内の15歳未満のがん患者数につきましては、がん診療連携拠点病院等が実施しております院内がん登録のデータによりますと、平成22年で26名、平成23年で23名など、年間二十数名程度が新規に登録されている状況でございまして、その9割ほどは岩手医科大学附属病院となっているところでございます。
 県としては、先ほど委員から御指摘がございましたとおり、がん対策推進計画において新たに取り上げたところでございまして、その方向性としましては、国が指定しています小児がん拠点病院と県内のがん診療連携拠点病院との役割分担や広域連携体制の検討などを進めていくこととしております。
 この小児がん拠点病院につきましては、小児がんが希少のがんであることから、国が医療資源の集約化を図るため、平成25年2月に全国で15の医療機関を指定しておりまして、東北地方では東北大学病院のみが指定されている状況でございます。指定からまだ1年余りと間もないことでもございますので、県としては、今後、この取り組みや活動あるいは連携の実態等々につきまして情報収集を行いながら、県内のがん診療連携拠点病院との役割分担や広域連携体制について検討してまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 次に、予算に関する説明書の135ページの救急医療対策費に関連し、ドクターカーの整備についてお伺いいたします。
 ドクターヘリのヘリポート整備予算が盛り込まれたわけでございますが、県内での救急搬送時間の短縮に向け大変有意義なことと考えますが、もしもドクターヘリが飛べない気象状況下においてドクターヘリの要請があった場合など、空がだめならば陸上輸送はどうなのかといったことも想定しなければならないと思いますが、医師が現場に駆けつけるドクターカー等の必要性について県はどのようにお考えなのかお伺いいたします。
〇高橋地域医療推進課長 ドクターカーについてでございますが、県内には、ドクターカーとして患者搬送に対応できる救急車型車両が岩手医科大学の高度救命救急センターに1台配備されており、特に配慮すべき患者を後方病院に搬送する場合など、年間180回程度活用されている状況でございます。
 ドクターカーにより救急現場に医師が駆けつけ対応するということにつきましては、傷病者の救命救急の可能性を高めるものと考えられますが、限られた医療資源の中で、医師を派遣する病院側の体制確保など課題も多いと考えているところでございます。
 現在、救急搬送の現場におきましては、消防機関が有する救急車の高規格化や、気管挿管、薬剤投与など高度な医療行為を行うことができる救急救命士の配置も進んだことから、高規格救急車と救急救命士による搬送が定着しているところでございまして、これは全国的にも本県と同様に消防機関による対応が多いと認識しているところでございます。
 県といたしましては、今後におきましても、消防、医療、行政の関係機関で構成される救急業務高度化推進協議会の場等におきまして関係者の意見も伺いながら、さらなる救急搬送の高度化を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 今、御答弁の中にもございましたように、限られた医療資源の中で、ドクターヘリそしてドクターカーということを今後の一つの検討課題にしていただければと。よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、予算に関する説明書の123ページのイー歯トーブ8020運動推進事業費に関連して、岩手県口腔保健支援センターについてお伺いいたします。
 岩手県口腔保健支援センターを設置して普及啓発活動等を体系的に実施するようでありますが、その具体的な取り組みについてお伺いいたします。
〇藤原健康国保課総括課長 昨年3月に制定されました岩手県口腔の健康づくり推進条例と、同条例に基づいて策定予定のイー歯トーブ8020プラン―岩手県口腔の健康づくり推進計画でございますけれども、これを総合的かつ計画的に推進するため、来年度、健康国保課内に岩手県口腔保健支援センターを設置することとしております。
 具体的な取り組みといたしましては、県民を対象とした口腔の健康づくりに関する普及啓発の実施、歯科保健医療従事者、保健福祉関係者を対象とした歯科保健に関する研修会を行うこととしております。また、保健所が実施いたします子供の虫歯や歯肉炎、成人の歯周病等の歯科疾患予防事業に関する専門的な支援を行うこととしてございます。
〇高橋昌造委員 歯科、口腔にしっかり取り組むことによって、ぼけ防止とか寝たきり防止にもつながるということでございますので、まず健康、長寿岩手のために、歯科、口腔にしっかり取り組んでいただきますことをお願いして、終わります。
〇軽石義則委員 私からは、大きく3点質問させていただきます。
 1点目は、ひとり親の現状についてでございます。
 県内におけるひとり親の実態をどのように把握されているのか。県のホームページにもひとり親家庭等支援というページがありまして、その内容を見ますと、母子家庭というのがほとんどの表現になっておりまして、父子という表現は、児童扶養手当の中のところに1カ所あると私は見ておりますけれども、それらの現状、実態をどのように把握しているのか。母子、父子別に、また、生活上の課題、所得などを含めてどのような実態であるか、また、被災地においてはどのような現状になっているのかお示し願いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 県内におけますひとり親世帯の実態についてでございますが、県では、5年ごとに実施しております母子世帯、父子世帯等のひとり親世帯の調査を現在実施しているところでございます。その調査の集計途中の数値ではございますが、県全体といたしまして、母子世帯は1万2、100世帯で、5年前の前回調査と比べまして175世帯、1.4%の減、また、父子世帯は1、436世帯で、312世帯、27.8%の増加となっております。
 就労等の状況についてでございますが、父子世帯、母子世帯とも前回調査よりも常勤で勤務されている方の割合が増加しているという傾向が見てとれるところでございます。また、就労収入の状況につきましては、母子世帯では月額10万円から15万円未満が約4割、父子世帯では月額15万円から20万円未満が同じく4割とそれぞれ最も多くなっておりまして、これは前回調査とほぼ同様の傾向となっております。
 それから、沿岸被災市町村の状況についてでございますが、母子世帯は2、746世帯で、151世帯、5.2%の減、父子世帯は411世帯で、118世帯、40.3%の増という状況なっております。
〇軽石義則委員 父子家庭のほうがふえているという実態が明らかになっているわけでありますけれども、調査中でもありますが、それらの現状を把握した上で、今後どのような課題を、そして対策をとっていくのか、今後の具体的な取り組みも含めまして、母子世帯についてはかなり手厚くこれまでもやってきておりますけれども、父子世帯にはどのような対策をとっていくという考えがあるのかお示し願いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 先ほども申し上げましたように、5年ごとにこの調査を行っておるところでございますが、その集計、分析を進めているところでございまして、その途中の状況でございますが、ひとり親家庭におきましては各種福祉制度の認知度が低いといったようなこと、また、就業状況につきましてはやはり厳しい状況にあるということ、さらには養育費の確保が進んでいないといったことなどが課題として上がってきているところでございます。
 こうした課題を踏まえまして、県におきましては、これまでも、ひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、ひとり親世帯の自立に向け、就業支援、子育て、生活支援、経済的支援などに取り組んできているところでございます。
 来年度におきましても、母子自立支援員等による相談機能の充実や、母子家庭等セルフサポート事業の実施によります就業支援の充実、さらには弁護士によります法律相談の機会を通じました養育費確保の推進などに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 父子家庭につきましても、母子世帯と同様にさまざまな福祉サービスが図られてきているところでございますので、そういったことに関しましても普及、広報等を図りまして支援に努めてまいりますとともに、現在調査を行っております実態調査の結果をさらに分析いたしまして、それらを含めて対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇岩渕誠副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇軽石義則委員 それでは、そのようにしっかりと周知が図られるようにお願いしたいと思います。ただ、表現として、母子という表現が集中しておりまして、父子家庭が具体的に相談に行く場所を探すのにも大変な状況ですから、ひとり親家庭であればひとり親家庭に統一するとか、相談しやすいような環境づくりもぜひあわせてしていただくようにお願いして、次の質問に移ります。
 児童養護の現状についてであります。
 県内における児童養護の施設はいろいろな課題を抱えていると思っておりますけれども、県としては、具体的にその実態をどのように把握されているのか。養護の事象、事由、地域別の傾向などについてお示し願いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 県内の児童養護施設の実態についてでございます。児童養護施設は6施設ございますが、定員は339人となっておりまして、平成26年2月現在の入所児童数は297人、入所率は87.6%となってございます。
 入所理由についてでございますが、直近3年間で見てみますと、身体的虐待及びネグレクト等を含む児童虐待の理由が最も多く、約4割を占めているという状況でございます。そのほか、父母の入院あるいは父母の就労等の要因での入所となっております。
 また、地域別でございますが、県内には児童相談所が3カ所ございますけれども、盛岡市にございます福祉総合相談センターによる措置が約半数を占めているという状況でございます。
〇軽石義則委員 そういう虐待がかなりふえているということでありますけれども、対応する職員の数、それらを具体的に示してほしいんですけれども、担当者が足りなくてしっかりとフォローできていないのではないかという声も聞こえるわけでありますが、その現状の課題などについてお示し願いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 児童養護施設におきます現状の課題ということでございますが、先ほど申し上げましたように、虐待を受けた子供が多く入所されているといったことから、施設の中で心のケアが必要な子供が多くいるということが課題でございます。こういったことから、子供一人一人の状況を踏まえました、より細やかな支援を行う必要があると考えております。
 こうした虐待を初めさまざまな要因で保護者から適切な養育を受けられない子供に対しまして、家庭的な環境での養育を進めることが重要であるということから、里親委託の推進ですとか、施設におきましても少人数で生活いたします小規模なグループケアの促進が課題と考えているところでございます。
 そういった職員の配置ということで、やはり心のケアの必要な児童への支援ということで、心理療法担当職員や医療的ケア担当職員の配置が必要でございますので、そういった専門職員の配置をしているところでございますが、今後とも各種施設にそういう職員が配置されるよう進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 その部分はしっかり対応していただくことが大事だと思います。これから岩手の次世代を担う子供たちでもありますので、環境が違うことによって、その育成過程が違ってくることも非常に危惧している状況でございますので、しっかりお願いしたいと思いますし、それらの対応について、市町村との関係、連携等はどのようになっているのかお示し願いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 いわゆる社会的養護が必要な児童を含めまして、要保護児童につきましては市町村に設置されております要保護児童対策地域協議会におきまして、関係者、関係機関がそれぞれのケースにつきまして情報共有を図るとともに、役割分担等を行いながら必要な支援等を行うということとしております。したがいまして、例えば施設の入所が必要な子供であったり、あるいは施設を退所されて地域に戻るといった子供に関しましては、そういった要保護児童対策地域協議会の場で、それぞれ関係者、関係機関が集まって情報共有を図りながら、連携した取り組みを進めていくこととしているところでございます。
〇軽石義則委員 要保護児童対策地域協議会のほうから上がってきている課題等があるとすれば、それらはしっかりと対応していただきたいと思いますし、それらもしっかり示してもらうことも必要だと思います。
 それら市町村からの要望なども含めて、今後、具体的な対策、そして子供たちが退所した後のフォローをどのようにされているのか、あわせてお示し願いたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 施設を退所された後の子供に対するフォローということでございますが、平成24年度から、全ての養護施設に家庭支援専門相談員が配置されます。この専門員によりまして子供を訪問いたしまして、生活や就労、悩みやトラブル等への相談、支援を行っているところでございます。
 また、児童養護施設等を退所された方を対象にサポートを行います自立援助ホームが盛岡市内に1カ所開設されておりますが、そこで生活上の援助や就業の支援等を行っているところでございます。そういった施設あるいは自立援助ホームでの支援とあわせまして、先ほど御説明いたしました市町村におけます要保護児童対策地域協議会などとも有機的に連携を図りながら、子供への支援に取り組んでいくということで考えているところでございます。
〇軽石義則委員 ぜひしっかりと対応をお願いしたいと思います。
 次に移ります。難病対策についてであります。
 難病相談・支援センターの現状と課題についてお伺いいたします。運営上、そして体制的に関係団体との連携などを含めてお示し願いたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 県では、地域で生活する難病患者の方々への日常生活における相談、支援、地域交流活動の促進、就労支援などを行うために、平成15年度に難病相談・支援センターを設置し、運営は、現在もそうですが、岩手県難病・疾病団体連絡協議会へ委託している状況でございます。
 現在、難病相談支援員3名の方々を配置いたしまして、平成25年12月末現在で2、345件の相談に対応していただいている状況でございます。そのほかに、各種研修の実施や地域交流活動を通じまして、患者団体等の関係団体への支援などを行っている状況でございます。
 今後、難病対策の法制化に伴いまして対象疾患が約300に拡大され、難病相談・支援センターにおける相談等のニーズが増加する見込みになっております。そのことから、その相談体制の充実について検討していく必要があると考えているところでございます。
〇軽石義則委員 多くの相談に乗っていただいて、努力をしていただいている現実は私も承知しておりますけれども、現行の体制で十分であるかどうかというところの状況はどのように把握されているか示していただきたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 現状につきましては、これまで、例えば難病患者の方々への就労支援というような要望も多くありましたことから、過去に就労支援相談員を配置するなど、適時適切にその体制をつくってまいっていると考えてございます。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、今後は、対象疾患が、医療費助成の部分で申し上げましても、現在の56疾患から約300疾患とふえてまいりますので、その体制について充実を図る必要があるとは認識してございます。
〇軽石義則委員 就労支援の部分も入っておりますけれども、昨年5月から全国では15カ所のハローワークに難病患者就職サポーターが配置されているということもありますけれども、それらについて岩手県としてはどのような働きかけなり取り組みをしてきたのかお示し願いたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 今お話がございましたハローワークのほうの人員につきましては、特にも、現在、難病相談・支援センターと連携しながら、例えば一緒に相談を受けるとか、緊密に連携がされているという形で聞いておりますし、関係する難病相談・支援センターが主催する就労支援に関する会議のほうにも当課の職員も派遣している状況でございます。
〇軽石義則委員 そういうところから現場の声が伝わっていると思いますので、しっかりその声に応えていただいて、現場が実感できるように、ぜひ引き続きしていただきたいと思います。
 体制の充実を検討されているということでございましたけれども、新しい制度がさらにできますと難病対策地域協議会というものも設置することになっていると聞いておりますけれども、それらの対応についてはどのようにされているのかお示し願いたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 今お話のございました難病対策地域協議会は、新しい難病対策に関する法律が、現在、国会に提出されておりまして、今回の通常国会の中で可決、成立される見込みという状況でございますから、我々も細かい情報を持ち合わせてございませんけれども、今お話のありました難病対策地域協議会は保健所のほうに設置いたしまして、その中には、地域の難病の方々、その家族はもとより、医療関係者、福祉関係者の方々に参加いただいて、その地域での難病対策についての課題や対策等を協議していただく場となるだろうとは考えてございます。
〇軽石義則委員 できてから対応ではなくて、できたときにはすぐ実施できるような準備も必要かと思いますので、そのことも加えてぜひお願いしたいと思います。
 自治体において、難病の対策については、その環境整備をすることが大事だと思っておりますので、ぜひそのことに引き続き力を入れていただくことをお願いし、最後に部長から所感をいただいて、終わります。
〇根子保健福祉部長 難病対策につきましては、新しい法制度ができるというのは非常に大きな前進ではないかと思っています。それによって対象疾患もふえるということで、難病患者にとっては非常に前進になっていると思いますが、一時、法案の成立過程では、負担増になるのではないかとかいろんなお話がありまして、それがある程度緩和されたとは思っておりますけれども、そういう状況もありながらも、法制化してある程度財源も確保する、恒久的に確保するのは非常に大きなことだと思いますので、県としても、いろんな業務は出てきますけれども、難病患者の支援にために努力してまいりたいと思っております。
〇齋藤地域福祉課総括課長 先ほど、神崎委員から災害派遣福祉チームの設置費用の財源のことで御質問いただきまして、答弁をいたしかねておりましたが、災害派遣福祉チームの設置、運営に係る費用については、国庫補助を活用する予定としてございます。なお、復興財源の充当はございません。また、派遣費用につきましては、事案発生時に別途措置をしたいと現時点では考えております。
〇鈴木長寿社会課総括課長 先ほどの高橋昌造委員からの若年性認知症に関するお問い合わせの中で、私からの答弁で、先進都県につきまして、東京都と神奈川県とお答えしましたけれども、東京都や兵庫県が正しい先進都県でございます。おわびして訂正します。
〇岩渕誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
  午後2時50分 休 憩
午後3時9分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、当職から御報告いたします。
 いわて県民クラブから当職に対し、あしたの当委員会の審査の順番を、都合により、商工労働観光部と労働委員会とを入れかえてはどうかとの申し入れがあり、その取り扱いについて、本日、当委員会散会後世話人会を開催し協議することとしたいと思いますので、御了承願います。
 委員各位及び執行部に申し上げます。これから質疑を続行いたしますが、この後、本日審査を予定している部局について、延べ11人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は、簡潔明瞭にお願いします。
〇小西和子委員 では、私からは大きく二つについてお伺いいたします。
 1点目、児童虐待についてですけれども、虐待を受けているとして全国の警察が先日発表した統計によりますと、昨年1年間に児童相談所に通告された18歳未満の子供は2万1、603人で、前年を32%上回って、過去最高を更新したと報道されております。岩手県の全体の平成25年の児童虐待対応件数は、4月から1月で337件でありますけれども、虐待種別はどうなっているのでしょうか。心理的虐待の推移、あわせてその影響についてお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 児童虐待の種別についでございますが、今年度4月から1月までの児童相談所の相談件数は、委員御指摘のとおり337件であります。その種別といたしましては、身体的虐待が137件、心理的虐待が132件、ネグレクトが57件、性的虐待が11件となっております。
 次に、心理的虐待の推移と影響についてでありますが、県全体の心理的虐待の件数の推移でございますが、平成23年度が117件、平成24年度が133件、今年度は1月末でございますが132件となっておりまして、増加の傾向にございます。
 虐待は、最も身近な存在であります保護者との間の基本的な信頼関係が損なわれるため、人格形成にも重大な影響が生じ、親になったときに子供を虐待してしまうという、世代間連鎖の問題も指摘されているところでございます。
〇小西和子委員 心理的虐待がふえていると。全国的にも49%ふえているという報告もございます。全国では、子供の心を傷つける心理的虐待の3分の2は、子供の目の前で配偶者や親族らに暴力を振るう、面前DVの被害でありまして、急増しているという報道がありました。DVも児童虐待も人権侵害であって、同じ考えから生まれていると言われております。
 そこで、児童虐待防止の取り組みの成果と課題についてお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 虐待防止への取り組みと課題についてでございますが、虐待防止に向けまして、11月の児童虐待防止推進月間におけるオレンジリボン街頭キャンペーンの実施や、駅構内でのポスターの掲示、虐待防止フォーラムの開催などを通じまして、県民への意識啓発を行ってきたところでございます。また、子育て中の親子を対象に、命をテーマといたしましたワークショップの開催や、医療機関と連携しながら、全市町村におきまして産後うつスクリーニングの実施などにも取り組んできたところでございます。
 これら取り組みを通じまして、児童虐待防止アクションプランにおける発生予防や早期発見などの項目におきまして充実が図られてきたと考えているところでございます。しかしながら、本年度1月末の虐待相談件数は337件で、昨年度の同時期336件と同程度でございまして、依然として高水準にあると考えてございます。
 こうしたことから、県といたしましては、関係機関と緊密に連携を図りながら、先ほど申し上げましたような取り組みを進めていくということが必要と考えているところでございます。
〇小西和子委員 高どまりではありますけれども、大きくふえてはいないということ、横ばいであるということは取り組みの成果だと捉えております。
 次、沿岸部の児童虐待についてですけれども、沿岸部の子供たちの状況ですけれども、不登校がふえてきたということとか、あとは運動不足による体力の低下、それから生活ストレスの蓄積といったことが報告されております。そんな中で、平成25年度の虐待件数は55件となっておりますけれども、この虐待種別はどのようになっているのでしょうか。あわせて、児童相談所の職員体制と、児童虐待防止の取り組みの成果と課題をお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 沿岸地域におきます虐待種別についてでございますが、本年度4月から1月までのところで、相談件数は委員御指摘のとおり55件でございますが、種別といたしましては、心理的虐待が25件、身体的虐待が20件、ネグレクトが8件、性的虐待が2件となっております。
 次に、児童相談所の職員体制と虐待防止の取り組みの成果と課題についてでございますが、児童相談所におきましては、相談件数の増加や相談内容の複雑、多様化に対応するため職員の増員を図ってきたところでございまして、特に児童福祉司につきましては順次増員を図り、平成25年度は28人となっております。
 また、県では、虐待防止に関します啓発活動や保育所などの職員を対象といたしました保護者支援の研修会、さらには、市町村に設置されております要保護児童対策地域協議会に児童相談所職員が参画するなど、市町村支援に取り組んできたところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、虐待通告の意識の高まり、市町村、学校、警察等の関係機関との連携の強化、地域における相談支援の充実が図られてきたものと認識をしております。
 沿岸地域におきましては、震災後の生活環境の変化に伴いまして、家庭へのさまざまなストレスが虐待につながるということが懸念されております。
 こうしたことが課題として認識しているところでございまして、今後とも、虐待の発生予防、早期発見、早期対応に向けまして幅広く情報収集に努めるとともに、いわゆる医療的なケアが必要な子供たちについては、例えばいわてこどもケアセンターなどと連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 沿岸部の虐待件数、対応件数につきましては、昨年同時期と比べまして14件も減っていると。率で言うと20.3%も減っているということで、本当に取り組みの成果だと思います。応援職員がかかわっているようですけれども、大阪と長崎と埼玉からでございましょうか、応援職員が引き揚げた後に体制がどうなるかということを心配しているわけですけれども、脆弱にならないように体制を整えることを要望いたします。
 それでは、次年度の重点事業について簡潔にお願いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 次年度の重点事業についてでございますが、児童虐待防止アクションプランに基づきまして、総合的な取り組みを推進するということとしております。その中でも、いわゆる虐待の発生予防ということに重点を置きまして、いわゆる暴力や暴言に寄らない子育て、そういったスキルを身につけて保護者に伝えるための研修、さらには母子保健と福祉担当者を対象にいたしまして、妊産婦の乳幼児虐待リスクの発見や虐待を予防するための支援、連携のあり方に関する研修を行うこととしております。
〇小西和子委員 虐待に遭っている子供たちは、幼児が大半を占めていると言われておりますので、生まれる前から子供を守るという意識を社会全体で共有していくということを進めていかなければならないと考えます。
 それでは二つ目、子供の貧困についてお伺いいたします。
 昨年6月、子どもの貧困対策法が成立いたしました。深刻な状況であるという認識が広まったことのあらわれと捉えております。日本の子供の相対的貧困率は2009年時点で既に15.7%、6人に1人が貧困状況にあります。その後は公表されておりませんけれども、東日本大震災などの影響を考えますと、貧困率は悪化していると思われます。
 そこでお伺いいたしますが、本県の子供の貧困についてどのように捉えているのでしょうか、お伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 本県の子供の貧困に対します認識についてということでございますが、本県におきまして、公的支援の対象となっている児童生徒の状況についてでございますが、例えば平成25年7月に実施されました厚生労働省の被保護者調査によりますと、本県で生活保護を受給している18歳未満の子供の数は1、679人であり、これは県内の子供の数のおおむね0.8%となっております。また、平成24年度の生活福祉資金のうち、教育支援資金の貸付件数は664件で、前年度より49件減少しておりますが、小中学校の学用品などを市町村が支給いたします就学援助の受給者数は9、904人、援助率にいたしますと9.55%と、前年度を0.07ポイント上回っております。
 子供期の貧困は、経済的な面だけではなく、精神的な面にも影響があるとされていることから、本年1月17日に施行されました子どもの貧困対策法に基づきまして、国が定めます子供の貧困に関する大綱における基本方針や施策等を注視しながら、県におきましても、関係部局が連携して取り組む課題と認識しているところでございます。
〇小西和子委員 夏休みとか冬休みの後に体重測定とか行うんですけれども、そのような子供たちは体重が減ってくるんですね。げっそり痩せてくるということが報告されていますし、あと体調が悪くても病院に連れていってもらえないという子供たちがおります。それなのに、昨年8月から生活保護費の引き下げで、最大で10%、平均で6.5%の減額となっておりますし、さらに追い打ちをかけるように、この4月から消費税が8%に引き上げられます。消費税増税に伴う生活保護世帯への影響について、どのように捉えているのかお伺いいたします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 消費税増税に伴います生活保護世帯への影響についてでありますが、平成26年4月からの生活扶助基準の改定につきましては、消費税の引き上げを含む平成26年度の民間最終消費支出の見通しを勘案いたしまして、プラス2.9%の改定が見込まれているところでございます。
〇小西和子委員 本当にそれで賄えるのか、疑問であります。
 子供の貧困への取り組みと成果と課題をお伺いいたします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 子供の貧困への取り組みについてでありますが、貧困の連鎖の防止の観点の取り組みといたしましては、盛岡広域振興局におきまして、生活保護世帯を対象といたしまして、子どもの健全育成支援事業に平成25年11月から着手をし、平成26年2月から学習の場の提供などを行っているところでございます。
 具体的には、滝沢市と矢巾町で学習の悩み相談等を行うとともに、学習等の場を提供することにより、学習習慣や進学に向けた学力等を身につけるための支援をしておりまして、参加者はまだ多くはないものの、子供たちは意欲を持って参加していると報告を受けているところでございます。
 また、盛岡市におきましては、平成24年5月から高等学校等就学支援プログラム事業を実施し、生活保護世帯の中高校生とその保護者に対し、生活相談、進路相談、就学支援等に関する助言を行っているところでございます。
〇小西和子委員 実はもう中学生とか高校生になってからでは遅過ぎるというか、そういうふうにも言われております。問題にぶつかったときに、粘り強くトライする力とか頑張ればきっと報われるという自信とか、わからなかったことがわかったときの喜びという力は、就学前、学校に入る前に家庭環境から育まれると言われておりますので、そちらのほうも重要視しなければならない。ただし、今まで行われていなかった学習の場の提供というのは、子供たちに大きな希望を与えると考えます。
 あと、先ほど各種福祉制度の認知が低いということを軽石委員の質問のときにお答えになっておりましたけれども、これは決算特別委員会でも御紹介したんですが、当事者目線で作成したインクルいわてのハンドブックに倣って、ぜひ当事者が使いたくなるような、開いてみたくなるようなハンドブックというものの作成に着手していただければと思います。
 では、最後に、次年度の重点事項についてお伺いいたします。
〇齋藤地域福祉課総括課長 来年度の取り組みといたしましては、盛岡広域振興局におきまして、平成26年度は、先ほどお話をしました事業の実施町村を拡大いたしまして、引き続き子どもの健全育成支援事業を実施することといたしまして、平成26年度当初予算に計上しているところでございます。また、市部におきましては、盛岡市に引き続きまして滝沢市で実施する予定と聞いており、その経費についても予算計上をしているところでございます。
 なお、この子供の学習支援は、平成27年4月から施行されます生活困窮者自立支援制度におきましては任意事業と位置づけられておりますが、県といたしましては、今後、現在実施している事業の成果と課題を明らかにしながら、各市とともに実施に向けた検討を進めていきたいと考えております。
〇小西和子委員 先ほどもお話をしましたけれども、乳幼児期の貧困が最も子供に長期に悪影響を与えることがわかったという報道がありました。貧困の連鎖をとめるためにも、子供の貧困対策が社会全体の最優先課題であると、皆で意識を共有しなければならないと考えますが、部長はどのようにお考えでしょうか、お伺いして終わります。
〇根子保健福祉部長 子供の貧困についてでございますが、昨年、子どもの貧困対策法が施行されたということでありまして、全国的にも、本県でも重要な課題だと認識しております。
 子供の貧困の対策については、経済的な支援それから教育の支援のほかに、心身の健康も含めた支援というのが必要かと考えておりまして、子どもの貧困対策法に基づく岩手県の計画を策定するということになりますので、それを策定した上で、さまざまな施策を展開して取り組んでまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 私は、最初に、岩手県総合計画審議会が2月13日に提言を出したことについてまず部長にお聞きをしたい。この提言では、日本一子育てしやすい岩手と、こういう具体的な提言がされています。部長として、これをどう受けとめ、どう具体化しようとしているか、お聞きします。
〇根子保健福祉部長 日本一子育てしやすい地域をつくるという、岩手県総合計画審議会の提言でございますが、出生数の減少が続くなど少子化が進んでいる本県におきましては、岩手の未来を担う子供たちが健やかに育つ環境の整備を進める必要があると考えておりまして、これまで、いわて子どもプランに基づきまして、若者、子育て家庭、子どもの健全育成の支援を施策の基本方向とし、県民のライフステージに沿って、切れ目のない支援を総合的に推進してきております。
 提言書に触れられております若者と女性の活躍、少子化対策などは、地域の力を最大限発揮し、地域の持続可能性を高める上で重要な視点であり、今後、提言の趣旨も参考にしながら取り組んでいきたいと考えております。
 来年度、岩手県子ども・子育て支援事業支援計画を策定することとしておりますので、その策定過程での岩手県子ども・子育て会議での関係者のさまざまな意見や、若者、女性の視点も取り入れて、結婚、妊娠、出産、育児の切れ目のない総合的な少子化対策を推進していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 残念なことに、今の部長の話の中には、具体的に提言されている子育て期間中の継続的経済支援の充実について一言も触れなかった。何なんでしょうか。義務教育終了まで、学費、医療費を無償化、子育て期間中、子育て経費の一定額助成を継続という、具体的に提案されているわけです。
 私は、それで、子供の医療費の助成の拡充についてお聞きをしますが、小学生以上に医療費助成を拡充している都道府県の状況はどうなっているでしょうか。現物給付となっている都道府県の状況は、併用を含めてどうなっているか。県内市町村の医療費拡充の実施状況は、高校卒まで、中学校卒まで、小学校卒まで、どうなっていますか。
〇藤原健康国保課総括課長 平成25年4月1日現在、小学校以上に拡充している都道府県の状況でございますけれども、入院医療費のみを対象としているのが9道県、入院、通院医療費とも対象としているのが14都府県となってございます。
 それから、現物給付の状況でございますが、平成25年4月1日現在の現物給付を採用しているのが23都県、それから対象年齢や入院、通院の別などによって現物給付と償還払いを分ける併用方式を採用しているのが14府県となってございます。
 それから、県内の状況についてでございますが、県内市町村の本年1月1日現在の子供の医療費助成の対象年齢を拡大しているのは25市町村でございます。その内訳は、高校卒業までが3町村、中学校卒業までが11市町村、小学校卒業までが9市。なお、小学校3年生までのところが1市、それから小学校1年生までとしているところが1町ございます。
〇斉藤信委員 日本一子育てしやすいということを目指そうという提言が出されているときに、子供の医療費助成は、岩手県の本当に停滞した、おくれた分野になっていると思います。もう全国的には、入院で見れば、小3も含めれば23都道府県ですよ、医療費拡充を助成しているのは。37都道府県が現物給付です。
 小児科の先生が2月25日の岩手日報に、論壇にこういう訴えをされています。償還払いのため、病院受診時は、かかった医療費の二、三割を一度支払わなければならない。この助成は月単位で1医療機関当たりの助成額なので、子供が小児科だけでなく、耳鼻科や皮膚科、または薬局で薬をもらえばそれぞれ医療費がかかる。若いお母さん方の声も紹介しています。子供の医療費が高く、病院での窓口が大変。子供を病院に連れていくときは、まず財布の中身を確かめる。ひとり親には子供の医療費がとてもきつい。
 私は本会議の質問でも取り上げましたけれども、他県から盛岡、岩手に来た人が一様に驚くのは窓口負担なんです。医療費が高いということです。私、医療費助成の対象年齢も拡充すべきだし、そして、せめて全国並みに、現物給付に見直すというのは全国の流れなのではないか。この改革なくして日本一の子育てなんて私は恥ずかしくて言えないんじゃないかと思うけれども、いかがですか。
〇藤原健康国保課総括課長 子供の医療費助成の改善ということでお話がございました。現在、就学前までの対象を拡充するためには多額の県費負担が見込まれるところでございますが、県単独政策において、県立病院等事業会計負担金が多額となっていることなどから、直ちに実施することは難しいと考えているところでございます。
 また、現物給付とした場合、市町村の国民健康保険に対する国庫支出金が減額されますことから、市町村等と協議をした上で償還払いとしているところでございまして、県としては、引き続き、国に対して、この減額措置の撤廃を要望していくところでございます。
〇斉藤信委員 日本一子育てしやすい県を目指すんですよ。そのときに、全国からおくれている。若いお母さん方はこれを一番苦にしているというときに、これを改革しないで、どうやって日本一子育てしやすい県をつくるんですか。
 小学校卒業まで医療費助成を拡充した場合の必要な経費、償還払いをやめた場合、現物給付にした場合に国から不当に行われるペナルティーの額を示してください。
〇藤原健康国保課総括課長 仮に小学校卒業まで対象を拡大した場合の県費負担額は、これは粗い試算でございますけれども、約4億円と見込んでございます。それから、ペナルティーの部分でございますけれども、申しわけございません、ちょっとお時間をいただきたいと思います。
〇斉藤信委員 県内の市町村では、対象年齢は23の市町村が小学校卒業、中学校卒業、高校卒業までやっていますよ。被災地でほとんどやっていますよ。一番大変なところの被災地で。それはなぜかというと、こういう一番厳しいときこそ子供を大切にする、子育てしやすい地域をつくりたいという思いなんですよ。私はこれをしっかり今、岩手の県政が受けとめるべきではないか。償還払いについてもぜひ市町村と協議をしてください。全国たった10県しかないんだから、償還払いやっているところは。こんな冷たいところは。ぜひそれを検討課題にしていただきたい。
 部長、ぜひ検討してください。どうですか。
〇根子保健福祉部長 医療費助成の拡充それから現物給付については、先ほど総括課長から申し上げたとおりでございますが、今後、いろいろ個別の事情を判断しながら、他の施策の優先順位などを総合的に勘案しながら、先ほどの提言については県政への反映を検討していくものだと考えております。
〇斉藤信委員 県内市町村は対象年齢は拡充しています。償還払いも個別の市議会で聞くと、検討したいというんですよ。岩手県と協議をすると、みんなが償還払いでいいということになると。全体で私はよく議論していただきたい。
 次に、国保税の課題についてお聞きをします。
 滞納による資格証明書の発行、短期保険証の発行と未交付の状況はどうなっているでしょうか。前年からどう改善をされているでしょうか。
 国保滞納処分の状況。先日の朝日新聞の一面では、この10年間で国保滞納者に対する差し押さえが倍にふえたという大変ショッキングな記事がありましたが、岩手の場合はどうなっているでしょうか。
〇藤原健康国保課総括課長 まず最初に、資格証明書、短期被保険者証の発行の状況でございますけれども、平成26年2月1日現在で、資格証明書発行世帯が247世帯、そのうち、本人と連絡がとれないなどの理由で未交付となっているのが3世帯、それから短期被保険者証発行世帯が9、443世帯、うち未交付が1、949世帯となってございます。平成25年2月に比べて資格証明書発行世帯数は144世帯減少、未交付は10世帯減少してございます。それから、短期証のほうでございますが、発行世帯が520世帯減少、未交付は185世帯増加しておる状況でございます。
 それから、滞納処分の状況でございますが、平成20年度から平成24年度までの過去5年間の状況についてお答えをさせていただきますが、差し押さえの件数、金額とも減少傾向にありましたが、平成24年度につきましては、件数が5、983件、金額が約9億6、000万円の増加となっております。
 申しわけございません、それから先ほど県単医療費の部分でお答えをできませんでした現物給付化を行った場合の国のペナルティーの試算でございますけれども、この県単医療費全体で試算しますと、当県の場合約6億3、000万円、国庫支出金の減額措置があると試算してございます。
〇斉藤信委員 現物給付にすればペナルティーという、これはぜひ国政のレベルでなくしていただきたい。群馬県は、中学校卒業まで現物給付で所得制限なしでやって、それで医療費がふえているかというと、そうじゃないんですよ。アレルギーなんかの子供たちが気軽に病院にかかって救急患者が減ったとも言われているんですね、ぜんそくその他。私はそういう意味で、全国の先進例からしっかりそれを学んでいただきたい。
 国保の問題で、資格証の発行というのは窓口全額払いです。私はこれはやるべきでないと思っています。短期保険証については9、443世帯、大変なことです。3カ月とか6カ月とか。もっと重大なのは、未交付世帯1、949。保険証が届いていないんですよ、これ。保険証取り上げなんていうことは命にかかわる問題で、私はあってはならないことだと思うけれども、1、949世帯、2、847人ですよ、この2月になって。こういうことを放置していていいんですか、お聞きしたい。
〇藤原健康国保課総括課長 短期被保険者証の未交付の理由ということで市町村のほうに聞きましたら、例えば本人が不在であるとか住所が不明ということで、御本人と連絡がとれなくて交付ができない、それから連絡をしてもなかなか受け取りに来ていただけないという理由でございます。
 県といたしましては、市町村に対して、電話連絡とか家庭訪問等による接触を試みていただきまして、速やかに手元に届けるよう、そのような対応をするよう要請をしているところでございます。
〇斉藤信委員 資格証とか短期保険証の未交付というのは保険証取り上げですから、命にかかわる問題ですから、そして、相談に来ないから未交付なんて許されますか、これ。滞納している人たちは、それだけでも役場に行くのが気が重いんですよ、敷居が高いんですよ。命綱である保険証を役場に来ないからということで未交付にしていいんですか。私はそういうことは直ちに改善すべきだと思いますけれども、改めてお聞きします。
〇藤原健康国保課総括課長 この短期被保険者証の交付の一つの意義というものでございますけれども、御本人と会って、そして納税に関する相談等の対応をきめ細やかに行うために、その面接する機会を設けるということが大きな目的となってございます。そのような目的を十分に果たすように、今後とも、会議等を通じて市町村のほうに助言してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 連絡がとれないとかなんとかというけれども、盛岡は、未交付はたった4世帯ですよ。そんなことないんですよ。そして盛岡の場合には、ほとんど資格証の発行もやめてきた。短期保険証もやめてきて何の弊害もないと言っていますよ。保険証を交付して協議すればいいんですよ。来ないから保険証を取り上げるっていう、悪代官のようなやり方はやめるべきだ。
 もう一つ、こういう滞納者から財産を差し押さえするというのが5、983件、9億6、000万円。私はこんな冷たいことないと思いますよ。
 それで、朝日新聞でも指摘しているんだけれども、給与の差し押さえまでやっているところが何市町村ありますか。
〇藤原健康国保課総括課長 平成24年度、給与の差し押さえを行ったのは23市町村となってございます。
〇斉藤信委員 実は、その給与の差し押さえの場合、生活費には手をつけてはならない。1人10万円、配偶者がいれば4万5、000円、子供がいればプラス9万円ですよ。国保税も払えない人が、19万円以上の所得があると思いますか。そういうときに給与を差し押さえたら、生活費がなくなるんですよ。私はそういう原則があるわけだから、給与の差し押さえっていうのは基本的にあってはならない。生活費をしっかり確保すべきだ。そういうことが徹底されていますか。私は23市町村が給与の差し押さえまでやっているというのは異常なことだと思いますよ。いかがですか。
〇藤原健康国保課総括課長 この給与の差し押さえにつきましては、県といたしましても、先ほど委員のほうからお話がございました国保税徴収法の規定にのっとりまして、市町村に対して国保税の納税が困難な被保険者の方々の状況をきめ細やかに把握し、その相談に応じ、分割納付や徴収猶予、それから減免を適切に行うよう、会議等を通じて要請を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 改めてぜひ徹底してください。実態でそうなっていないから、私が実情を聞いてもそうですよ。給与の差し押さえ、16万円入ると8万円差し押さえられるんです。あと、8万円で親子3人生活しなくちゃならない。とんでもない話ですよ、これは。改めてそういう命と生活を奪うような取り立てはやらないように徹底をしていただきたい。
 次に、後期高齢者医療制度についてお聞きしますが、年金が減額されてこれから消費税が増税されるときに、この後期高齢者の保険料を引き上げると。私はこれは大問題ではないのか。なぜ値上げなのか、その具体的理由を示していただきたい。そして、こういうときこそ、医療費の値上げを抑えるような対策を講じるべきではないのか、それができないのか、このことをお聞きします。
〇藤原健康国保課総括課長 後期高齢者医療制度の保険料率、これにつきましては2年ごとに改定の検討が行われているところでございますが、前回、これは平成24年度、25年度の保険料率の改定に当たりましては、東日本大震災津波の発生直後であったことを考慮して、保険料率を据え置いたその影響でございます。それから、医療給付費の増加、そして現役世代の負担軽減のための後期高齢者負担率の引き上げ等から約33億円の財源不足が生じると見込まれ、今回、保険料率の引き上げは避けられなくなったと聞いてございます。
 なお、県では、後期高齢者医療財政安定化基金を交付いたしまして、急激な保険料率の引き上げによる被保険者の負担増の抑制を図ることとしてございます。
〇斉藤信委員 お隣りの秋田県では、これは据え置きを決めたという報道もありました。例えば国保税だったら、今年度も10市町村が一般財源から投入してでも値上げを抑えるという取り組みをしているんですよ。後期高齢者医療制度だって県と市町村が―あれは市町村ということになりますかね、震災から3年目で一番生活が厳しい時期ですよ、今、本当は。私はそういうときの手だて、対策を、県も、知恵も金も出して対策をとるべきではなかったのか。
 時間がなくなりましたので最後、これだけお聞きします。
 被災者の命と健康を守る取り組みですが、私は何度か被災地に行って聞きますけれども、もう限界だと、こういう声が強いです。応急仮設住宅でのストレス、そして生活苦です。さらには、住宅再建の見通しが立たない。私は被災者の命と健康を守る取り組みは特別に重要だと思うけれども、被災者の健康状態をどう把握しているか。保健師の訪問などによる要見守り、医療的対応、専門的心のケアが必要な状況をどのように把握しているか。そして、来年度、被災者の命と健康を守る対策はどうなっているか、お答えいただきたい。
〇藤原健康国保課総括課長 まず最初に、被災者の健康状態について、これは、岩手医科大学が沿岸4市町村で実施してございます東日本大震災被災者の健康状態等に関する調査研究によりますと、平成24年において、健康状態がよくないと答えた方の割合が前年に比べて減少していますものの、応急仮設住宅の住民はそれ以外の住民と比較して、健康状態がよくないと答えた者の割合が高いという結果が出てございます。また、心の健康に関しましても、応急仮設住宅の住民の方は、それ以外の方々と比較しまして、睡眠障害のある方、それから心の健康に問題のある方の割合が高いという結果が出てございます。
 それから、保健師の家庭訪問等による要見守りの方々の状況でございますが、これは、全戸訪問等の集計がまとまってございます沿岸3市町からの聞き取りでございますけれども、応急仮設住宅入居者の約3%が、心のケアや生活習慣病等により保健師の個別訪問などによる継続的な支援を必要としているところでございます。
 県では、市町村が実施する応急仮設住宅入居者等の健康調査や、要支援者への保健指導、栄養指導を行う保健師、栄養士等の派遣、それから被災者の健康の維持、増進のために市町村が実施します健康づくりサポート事業に要する経費の補助などを、引き続き実施することとしているところでございます。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 続きまして、被災者の心のケアの面について特に申し上げます。
 地域こころのケアセンターに保健師など専門職を配置し、あるいは精神科医師への相談を行うことができるように、震災こころの相談室の運営を行ってきておるわけでございますけれども、そういった場で受けている相談の主訴といたしまして、身体症状や不眠等を訴える方が多いわけでございますけれども、避難生活の長期化や今後の生活に対する不安、大切な方を失った深い悲しみなどから、うつ等の症状を訴える方も多くなってきている現状がございます。そうしたことから、専門的な支援が必要な方には、専門職による個別支援を丁寧に行っていくことと合わせまして、被災地の状況の変化に応じた適切な対応を行えるように、地域の関係者と協議しながら連携体制を強化していきたいと考えております。また、長期的に被災者への支援を継続するためには、地域全体の健康力の向上を図ることも必要でありますことから、住民への健康教育やゲートキーパー研修を初めとした人材育成をきめ細かく実施していきたいと考えております。
〇久保孝喜委員 3点ほどお尋ねをいたします。
 ちょうどきょうの昼のニュースで、昨年の自殺率の報道がございました。残念ながら、本県はワーストツーということだったわけです。北東北3県が常にワーストスリーの中に入っていたというときもありましたが、今回は、青森、秋田がワーストスリーからはいなくなったということで、岩手だけが取り残されているのかなという感じもいたしますが、その自殺率の最大の要因として、きょうの報道の中には健康問題なんだという話がございました。県民の健康をまさに所管する保健福祉部にあっては、さまざまな事業の展開があるわけですが、健康いわて21プランなどで、データを中心にして県民に周知もしているわけですが、現在の県民の健康課題という点での認識をまずお尋をしたいと思います。ポイントで結構でございます。
〇藤原健康国保課総括課長 本年度が計画期間の最終年度となります健康いわて21プラン、この中で、主要な死因を占めるがん、心疾患、脳血管疾患の年齢調整死亡率について分析をしてございますが、実際に死亡率は年々低下しているものの、全国との差が拡大する傾向にございます。特にも、脳血管疾患では、男女とも全国で最も年齢調整死亡率が高い、このことから脳血管疾患死亡率の改善が本県の喫緊の健康課題と思っているところでございます。
 それから、そのほかにも肥満者の割合の増加、それから食塩の摂取量は改善傾向にあるものの、やはり全国に比べて高い。それから運動習慣については、平成11年度に比べて平均歩数が少なくなっているような状況ということも、21プランの評価の中でわかっていたところでございます。
〇久保孝喜委員 全国との格差が広がっているということは、かなり深刻な問題だと思うんですね。がんの問題にしろ、今お話のあったさまざまな健康課題。
 この健康課題を考える際に、これまでもいろいろ議論のあったところで、なおかつ、世間話にも登場する特定健診、いわゆるメタボ健診の話に移りたいと思うんですが、当事者だからやり玉に挙げるわけではありませんけれども、この特定健康診査と、それにひっかかって特定保健指導ということがやられているわけですけれども、これが県内はどういうことになっているのか、その実態をお尋ねしたいと思うんです。
 2008年からの特定健康診査、メタボ健診の問題について言えば、そもそも国がやらなければならないのを各保険者に義務づけたという背景もさることながら、さまざまにこの検査のありようを含めて問題視をされてまいりました。国が言っているのは、こうした検査を通じて肥満の数を縮小させる。結果、医療費の縮減に向うんだと、こういう話なんですが、厚生労働省が発表しているデータによっても、実は医療費は全く減っていないということが言われております。県内ではこの健診と医療費との関係をどのように見ているのか、この点もあわせてお尋ねをしたいと思います。
〇藤原健康国保課総括課長 まず最初に、県内の特定健康診査、特定健診と特定保健指導の実態でございますが、厚生労働省のデータによりますと、本県の状況、平成20年度は特定健康診査の受診率が37.4%、これが平成22年度は40.4%と増加の傾向にございます。それから、特定保健指導でございますけれども、実施率が平成20年は9.8%、平成22年には17.3%と、これも増加の傾向にあります。
 一方、医療費の関係でございますけれども、これも厚生労働省の統計でございますが、平成23年の県民1人当たりの医療費が29万7、000円。これを平成20年度に比べますと、平成20年度が27万4、000円ですので、約2万3、000円増加している状況。こういう状況を踏まえますと、現時点でこのような特定健診の受診率等々、それから県民の医療費との例えば相関という部分についてはなかなか明らかではないという状況であると認識してございます。
〇久保孝喜委員 国が言っていた、例えばメタボ健診で25%を減らせば医療費は2兆円減るんだと言い続けてきたんですが、現実は、具体的な相関は直接的な影響があるかどうかは別にしても、現実の問題として医療費が高くなっているという問題もございます。それから医療関係者から言わせると、この2008年から始まったメタボ健診によって医療費の増嵩というのが一つの問題点。それからもう一つの問題点が、中年期の低栄養化だと指摘をする方もいらっしゃるわけですね。痩せなさいということが度が過ぎたのか、あるいはその抑制効果なのかわかりませんけれども、中年期の低栄養化が進んで、これは日本の保健、健康の問題にとっても将来にわたる問題だと指摘をする方もいらっしゃいます。いずれにしても、世界的にいびつなこの特定健診のありようについては、一定の問題提起を地域からしていく必要があるんだと私は思っているんですが、部長はどのようにお考えでしょうか。
〇根子保健福祉部長 特定健康診査及び特定保健指導、実際実施しています市町村等からいろいろお話を伺いながら、県としてどう考えるかは少し私どももちょっと研究してみたいと思います。
〇久保孝喜委員 十分研究してください。
 それから2番目、これはあした議論が交わされる予定になっておりますが、例の山田町のNPO問題に起因した雇用関係の委託事業に関して保健福祉部所管の事業もあるわけでありまして、あしたの前段の質疑ということにはなるんですが、保健福祉部の雇用関係の委託事業で、県が指示をした、指導をした中間検査、この実態が事業によってはかなりばらつきがあるように見えるんですが、保健福祉部の中間検査の実態、あるいはばらつきの原因、事業効果の検証などを含めて、まずお話をいただきたいと思います。
〇伊藤保健福祉企画室企画課長 当部所管の雇用関係、委託事業の中間検査の実施状況についてでございますが、本年3月12日現在、36受託者中、1回実施が22受託者、2回実施が14受託者となっているところでございます。中間検査の2回目の実施につきましては、本年1月末に契約いたしました1受託者を除き、3月中に実施する予定となってございます。
 中間検査の実施につきましては、委託契約締結後、1回目の実施を10月から11月に、2回目の実施につきましては、2月から3月をめどに実施しているところでございます。
 中間検査につきましては、事業対象外経費の説明をするなど、受託者とのコミュニケーションの機会をつくり、状況を聞き取るなどして問題の発生などを知ることができることから、事業を適正に執行するために一定の効果があると考えているところでございます。
〇久保孝喜委員 昨年、県が出した中間検査2回という指導内容、これについてお尋ねするんですが、あらかじめ、その事業を所管する各部に対して、そういう方針を出すというようなことの打診はあったんでしょうか。
〇伊藤保健福祉企画室企画課長 中間検査の実施につきましては、平成26年3月10日付の通知をいただいておりまして、これに基づきまして実施しているところでございます。
 失礼しました。平成25年3月13日でございます。この通知によりまして実施しているところでございます。
〇久保孝喜委員 いや、それを出す際に、所管事業がある部に対してこういうふうに出すぞと、あるいは出すことについての相談を含めた打診があったかどうかということを聞いているんです。
〇伊藤保健福祉企画室企画課長 通知そのものにつきまして、打診があったかどうかにつきましてはちょっと承知しておらないところでございますが、いずれ、この通知をいただいた上で実施したということでございます。
〇久保孝喜委員 それでは、保健福祉部として、この年2回以上の中間検査ということに対する方針については、必要性も妥当性も認めた上でやったんだと、こういう理解でよろしいんですか。
〇伊藤保健福祉企画室企画課長 この検査の実施の妥当性につきましては、いずれ、この方針に沿いまして実施したものでございます。
〇久保孝喜委員 これについては、あす、ぎっちりやたいと思います。
 3点目、先ほどの高橋昌造議員のお話の中で一部出ましたが、ドクターカーの問題でございます。
 答弁の中で、いわゆる救急搬送などができるドクターカーは1台だけだという話だったんですが、実は県内にはドクターカーと称する車がまだあるわけですね。岩手県初の軽自動車のドクターカーは、震災以後、世界的な大企業であるGEの日本法人が設置した社会貢献団体から寄贈を受けた3台のドクターカーが沿岸被災地に配備されているところなわけですが、詳しくはこの後の医療局の中でもお聞きしますが、このドクターカーの配備とその運行による成果についてはどのように認識されているのかお尋ねしたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 御指摘がございましたドクターカーにつきましては、平成23年11月に医療局に対して、大きく被災した県立山田、大槌、高田の沿岸3病院用として寄贈されたものと承知してございます。その運行につきましては、訪問診療や往診等の実施に活用され、平成24年度は3病院全体で509件、平成25年度においては1月までの10カ月間で934件の使用実績となっており、また、仮設団地への戸別訪問を行って、医療が必要と思われる方への受診勧奨も行うなどしていると聞いており、被災地域における医療の確保や被災者の健康維持にも貢献しているものと考えております。
〇久保孝喜委員 このドクターカーについては、そういう被災地支援という形で大変ありがたいことだったわけですが、このドクターカーを、ちょうどきのうの夕方、たまたま山田町の在宅医療の関係の特集番組があって、使われているのかなと思って見たら普通の車だったという、ドクターカーではなかったんですが、たまたまだったのかもしれませんけれども。
 いずれ、地域の医療活動における重要な要素になり得るものだと私は思っていたわけですが、その使われ方はこの後聞くにしても、こうしたドクターカーを、これからの県内の医療や健康、福祉を含めたトータルとしての事業の中で有効に活用できるものだという前提で私はお聞きしたいわけなんですが、同様のドクターカーを仮に導入するとしたら、初期費用を含めた、あるいはランニングコストを含めてどの程度の予算がかかるものかというような試算がもしあれば、お示しいただければと思います。
〇高橋地域医療推進課長 ドクターカー導入にかかる費用についてでございますが、寄贈されたドクターカーにつきましてお尋ねしましたところ、車両と、車両に搭載されております超音波診断装置や心電計などの医療機器が整備されておりますが、1台当たり1、950万円程度の費用がかかったと聞いてございます。また、ランニングコストにつきましては、運用方法や使用回数により変動はするものと考えられますが、医療従事者等の人件費のほかに、車検代や燃料代として1台当たり年間12万円程度を要するものと聞いてございまして、同様の車両を配備する場合は同程度の費用を要するものと考えております。
〇久保孝喜委員 1台当たり1、950万円。きょうの議論にも、地域包括医療体制ということを考えたときに、医療の側が一歩踏み込むべきだという飯澤委員の指摘がございました。踏み込むための一つのツールとして、こういうドクターカーの導入とかあるいは拡大というのは大きな力になるのではないかとも思って私はお聞きしたところなわけです。在宅診療と介護や福祉の課題を一体的に進めていくという上で象徴的な存在になり得るとも私は思っておりますが、今後のこうしたドクターカー導入に向けた思い、考え方を含めて所感をお聞きしたいと思うんですが、どなたか。
〇高橋地域医療推進課長 今回、ただいま議論になっておりますドクターカーにつきましては、委員の御指摘もございましたとおり、訪問診療や往診等に活用されておりまして、地域医療の確保等に貢献しているということでございます。そういう観点からは、私どもも他の地域においても活用し得るものと考えているところでございまして、県としては、こうした取り組みの成果や課題を踏まえて、地域の実情によって導入が必要となる場合の支援について検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 まず最初に、子育て問題について幾つかお聞きいたします。
 子育て世代にとって厳しい生活実態がある中で、消費税増税というのはさらなる追い打ちをかけるものだと思います。この消費税増税に伴う子育て世帯への負担増をどのように見ているのか。あわせてもう一つ聞きますけれども、子育て世帯への臨時特例給付は、低所得者対策でありますけれども、わずか1年限りの支給となりますが、支給される世帯、金額、また市町村にとっても大変な事務量になると思いますけれども、この事務費がどの程度になるのか、まずこれを示してください。
〇伊藤保健福祉企画室企画課長 まず、消費増税に伴います子育て世代への影響について私のほうから御答弁させていただきます。
 世帯の収入や子供の数などが異なりますことから、影響額を試算することは困難でございまして、県としては把握していないところでございますが、例えば民間シンクタンクにおいて、可処分所得―これは税引き前の給与収入から所得税等の税を差し引いたもの―に児童手当収入を加え、さらに消費増税によります物価上昇分を考慮して実施した実質可処分所得を用いた試算によりますと、年収300万円、夫婦の一方が働く児童2人の4人世帯のケースでは、年額4万7、500円の影響があると見込まれております。なお、年収500万円では年額7万4、400円となってございます。
〇菅野児童家庭課総括課長 次に、子育て世帯への臨時特例給付金についてでございますが、給付金の対象者数は、基準日であります平成26年1月1日時点におきます平成26年1月分の児童手当の対象児童数でありまして、県内では15万2、382人が見込まれているところでございます。なお、世帯数により積算していないということから、対象世帯につきましては把握していないところでございます。
 金額でございますが、児童1人当たり1万円ということで、総額で15億2、382万円となっております。
 それから、事務費でございますが、給付事務に係る賃金、需用費、役務費等が対象となりまして、市町村、県を合わせまして1億4、091万6、000円が国から補助される見込みとなってございます。
〇高田一郎委員 いずれ、1年限りの臨時特例給付は1人1万円ですから、それを上回る消費税増税になってしまうと。しかも、ひとり親世帯に支給している児童扶養手当も連続削減されるという状況の中で、ますます子育て世帯に対する負担というのが大変なものになるのかなと思います。
 そこで、今、保育所に預けられない、そのために仕事をやめざるを得ない、したがって、生活が成り立たないという状況になっていると思います。そういう点では待機児童解消というのは本当に緊急の課題だと思います。
 待機児童解消加速化プランでは、1年後の新制度を待たずに解消を図るんだということを目的に、この間、取り組まれてきましたけれども、結果的に待機児童がふえているのではないかと思いますけれども、直近の数字はどうなっているのでしょうか。また、保育所の整備、保育士の処遇改善は具体的にどこまで進んでいるのか示してください。
〇樋下正信委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇菅野児童家庭課総括課長 待機児童解消加速化プランの関係でございますが、このプランにつきましては、必要といたします市町村が、平成27年4月施行予定の子ども・子育て支援新制度を待たずに、緊急的に保育の量の拡大と待機児童の解消を図ることを目的として策定しているところでございます。県内におきましては、今年度、盛岡市がプランを策定いたしまして、保育所の緊急整備あるいは保育士の処遇改善に取り組んでいるところでございます。また、3月6日には釜石市も採択されたところでございます。
 それから、待機児童数の状況でございますが、共働き世帯の増加等によりまして保育需要の増大、それに対します保育所側の入所の受け入れが進まないといったような状況がございます。平成25年4月1日現在、全県で168人となっていることから、県といたしましては、引き続き、加速化プランの事業を活用しながら、早期に待機児童の解消が図られるよう市町村を支援してまいりたいということとしております。
 それから、保育所の整備の関係でございますが、子育て支援対策臨時特例事業費を活用いたしまして、集中的、重点的に取り組んでいるところでございまして、今年度につきましては、8市町村12保育所、300人の定員増を計画しているということでございます。
 また、保育士の処遇改善の関係でございますが、今年度は、25市町村215カ所の保育所に対しまして資金を交付いたしまして処遇改善が実施される見込みでありまして、保育士の人材確保対策に一定の寄与をしているものと考えているところでございます。
〇高田一郎委員 待機児童の数ですけれども、168人という話でありましたが、これは、私も本会議の議案に対する質疑で質問したんですけれども、平成25年4月1日現在でしょう。これは資料をいただいたんですけれども、平成25年7月1日時点で326人になっているんです。なぜ正確に答えられないのかということなんです。そこは間違いないですね、そこをまず確認したいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 平成25年7月1日時点におきます待機児童につきましては、12市町村で326人という状況でございます。
〇高田一郎委員 正確に答えていただきたいと思うんです。
 今、さらにこれがふえていると思うんです。国のさまざまな対策に基づいて保育所整備、処遇改善をやってきたんですけれども、なかなか改善にならないという状況だと思うんです。ここは何が問題があるのかということだと思うんです。待機児童解消のためにはやはり保育所の確保が大事なんですけれども、今、保育資格を持っている人でもなかなか保育所で働けないという状況もあります。処遇改善なのか、そもそも保育士が足りないのか、その辺はどのように分析しているのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 待機児童の解消に向けまして、保育所の整備とあわせまして保育士の人材不足が喫緊の課題ということになっております。昨年6月から7月にかけまして県内の保育所にアンケート調査を実施いたしまして、保育士不足の実態が明らかになっているところでございます。このために、県といたしましては、先ほど申し上げました処遇改善に取り組むとともに、保育士・保育所支援センターを設置いたしまして、潜在保育士の掘り起こし、あるいは就職に向けましたマッチング、さらには就職に向けた研修などを実施しているという取り組みを進めているところでございます。
〇高田一郎委員 保育所の整備や保育士の処遇改善に取り組んできたけれども、実態としては待機者がどんどんふえている、施設の整備も追いつかない、こういう状況だと思うんです。
 そこで、1年後に始まる子ども・子育て支援新制度では、この点での量と質の改善を目指すということを目的に始めようとしております。先ほどの議論を聞いていますと、スケジュールが大変厳しいのかなという思いもしていますけれども、今度の支援新制度では、よく見てみますと、市町村の保育実施責任による保育所と、もう一つは、その他の施設と保護者の直接契約で行われる両方併存すると。介護保険制度のようなものが保育現場につくられていくと私は思っているんですけれども、そういう意味では非常に複雑な保育制度になるのではないかと思います。
 そこでお伺いしたいと思うんですけれども、新しい保育制度によって、保育を必要とする子供に本当に格差のない保育を提供すべきだと思います。今度、親の就労時間によって、この子供は2時間とか4時間とかとなってしまうわけです。そして、子供たちの生活あるいは発達の保障という点からすれば集団保育というのが必要なんですけれども、なかなかそういう状況にない。あるいは小規模保育施設についても、A型、B型、C型があるわけですけれども、C型については保育士の資格がなくても大丈夫だ、B型については半分いればいいんだという状況になっているわけです。私は、こういったことを振り返りますと、今度の子ども・子育て支援新制度で本当に量と質の改善が図れるのかと思うんですけれども、その点はどのように考えているでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 まず、格差のない保育の提供ということでございますが、新制度におきましては、市町村は、児童福祉法に規定されます保育の実施義務を担うこととされております。さらに、認定こども園や小規模保育など必要な保育の確保のための措置を図ることとされているところでございます。また、保育所やその他施設にかかわらず、保護者の方が市町村に保育の必要性の認定申請を行い、認定証の交付を受けた上で、希望する施設について市町村からの調整、あっせんを受け、利用できる仕組みとなることとされております。そうしたことから、保育を必要とする子供に格差が生じないように制度が進められていると理解しているところでございます。
〇樋下正信委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇高田一郎委員 協力しているつもりですけれども。
 格差にならないように努力したいというお話でありましたけれども、これは保育現場ではかなりの不安が広がっていると思うんです。小規模保育なんかについては保育士がいなくても対応できる。今、全国で事故が起きているのは、C型とかB型とか、保育士資格がなくても保育所をやっているところなんです。そういう意味では、恐らく今月内に厚生労働省から省令、政令が出て、それで全体像がこれから出てくると思うんですけれども、いずれ、どういう保育政策をするかというのは市町村条例なんです。そういう意味では、私は、小規模保育を安易に選択するのではなくて、やはり保育所の保育条件を改善して、無認可保育所の拡充、そして認可保育所を充実していくという方向で県も市町村も努力していくべきだと思うんですけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 失礼いたしました。先ほど、保育時間等についての御質問でございましたが、それについてまずお答えいたします。
 新制度におきましては、フルタイムのほか、パート、夜間など基本的には全ての就労が保育が必要な事由となるほか、保育必要時間といたしまして短時間保育の区分が設けられることとなっております。短時間保育の基準につきましては、現在、国の子ども・子育て会議で議論されておりますけれども、現在の案におきましては、原則的な保育時間を8時間と設定することとして検討していると聞いているところでございます。
 それから、小規模保育事業についてお尋ねがございましたけれども、委員御指摘のとおり、事業形態や規模によりまして、A型、B型、C型と区分することとされております。その実施基準等については、現在、国におきまして検討中ということでございますが、保育従事者につきましては、A型は原則保育士、B型は保育士が2分の1以上、C型は保育士または保育士と同等以上の知識及び経験を有し、かつ必要な研修を修了する者として検討されていると聞いております。
〇高田一郎委員 いずれ、今のお話を聞けば聞くほど、かなり不安が広がる中身になっていると思います。これからどこの自治体でも保育ニーズ調査を行って、そのニーズに即した計画がつくれられると思いますけれども、絶対保育格差が生まれないような、現在の保育水準を低下させないような立場で頑張っていただきたいと思います。
 この問題で最後にお聞きしたいのは、被災した保育所の再建状況です。非常に再建状況がおくれているのではないかと思います。これは通告はしていませんでしたけれども、資料請求していましたので、再建状況がどうなっているのか、その点についても答弁いただきたいと思います。
〇菅野児童家庭課総括課長 被災した保育所の復旧状況についてでございますが、被害状況は、全壊12カ所、半壊6カ所、その他損壊133カ所、計151カ所ということでございましたが、そのうち、現地で開所したのが137カ所、移転改築が5カ所、代替場所で再開したのが8カ所。この8カ所がいわゆる仮設園舎等で再開しているという状況でございます。それから、休止が1カ所という状況になってございます。
 復旧支援の状況でございますが、被災した施設に対しましては、災害復旧費補助等により復旧を支援しているという状況でございます。平成25年度までに、この補助金によりまして26施設が復旧完了し、今後、保育所8カ所、へき地保育所1カ所、子育て支援拠点1カ所、計10施設につきまして補助等による支援を予定しているところでございます。
〇高田一郎委員 151カ所の被災の中で、被災から3年たって、あと10カ所残っているということでありますので、ぜひ急いで再建に向けて努力していただきたいと思います。
 2つ目に、介護保険制度についてお聞きしたいと思います。
 今、政府が進めている介護保険制度改革というのは大変大きな問題をはらんでいると思います。要支援高齢者の通所訪問介護の保険外し、特養も軽度者を締め出す、あるいは利用者の負担も強化する、こういうさまざまな課題もあって、現場ではこの問題でも大変不安が広がっている状況です。
 岩手県への影響というのは具体的にどうなるのか、介護事業所あるいは高齢者にどのような影響が出るのか、この点についても示していただきたい。
〇鈴木長寿社会課総括課長 今回の制度改正での要支援の方の訪問介護と通所介護の地域支援事業への移行についてですけれども、昨年11月時点の要支援の利用人数でございますが、訪問介護3、022人、通所介護6、569人となっております。また、特別養護老人ホームへの入所を原則要介護3以上とする中重度者への重点化については、昨年11月時点の広域型特養入所者の状況ですが、要介護2以下の方は509人となっております。いずれも既にサービスを受けている方は、移行後も既存サービス相当のサービス利用が可能とされるなど、必要なサービスは継続されるものと考えております。
 それから、制度改正における事業者への影響ですけれども、改正の詳細につきましては、今後、政省令で詳細が示されることとなりますが、まだ詳細が示されておりませんので、事業者への影響ははかりかねているところでございます。
 県としては、今後の国の検討状況を注視しまして、県内の事業者団体の意見なども踏まえまして、必要な要望を行っていくこととしております。
〇高田一郎委員 現場の声をよく聞いて、その声を関係機関に届けるということはぜひお願いしたいと思います。
 今度の介護保険制度はさまざまな問題があるんですけれども、特に通所あるいは訪問介護は市町村事業になるわけですけれども、これは国がこれまで全国一律で決めていた基準がなくなるということで、恐らく市町村の格差が生まれてくるのではないかというのが一つです。
 もう一つは、財源措置も75歳以上の人口の伸び率で推計するということで、この点についても財政が厳しくなるのではないかと思います。そういう意味では、同じサービスをしていけば介護保険事業者の利益が減ってしまう、こういうふうに介護現場では大変な不安が広がっていますし、また、サービスを提供する人材も、国はボランティアを検討しているということも言われています。そうしますと、やはりサービスの質にも影響が出てくるのではないかと思います。ホームヘルパーなどというのは生活全般を支援しているわけでありますから、特に認知症などが多いわけです。そういう意味では質の低下にもつながってくるものだなと。介護事業所でも影響が出るし、サービスの質にも影響が出るのではないかと私は思うんです。そういう意味では、この制度そのものが本当にいいのかというのが一つと、現行制度を絶対後退させないという姿勢が、今、大事ではないかと私は思うんですけれども、その点についての考えがありましたら答弁いただきたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 今回の介護保険制度改正でございますけれども、大きく二つございまして、一つは、制度の持続可能性の確保と、もう一つは地域包括ケアシステムの構築を見直しの基本的な考え方としております。このため、生活支援の充実、強化などのサービスの充実、特養ホーム入所者の中重度者への重点化、要支援者の一部サービスの市町村事業への移行などを予定しているものでございます。
 これまでサービスを受けてきた方につきましては、先ほども御答弁しましたが、必要な既存サービス相当のサービス利用が可能になっておりますので、このこと等も市町村に周知していきたいと考えております。
 それから、ボランティア等の活用による生活支援サービスの拡充につきましては、特に今回の改正の趣旨、目的ですけれども、国の説明では、要支援、要介護度の比較的低い方につきましては、介護給付よりも、むしろごみ出しでありますとか見守りといった需要が多いので、そこら辺につきましてはボランティアの活用なども図りながら、要介護度の高い人につきましては、既存サービスも含めまして制度の持続性を維持しているものと考えております。
〇樋下正信委員長 高田委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力願います。
〇高田一郎委員 現在の制度、サービスを絶対後退させないという県の姿勢がやはり必要だと思うんです。現場の実態を踏まえて必要な対応をしていくということでありますから、ぜひ現場の声をしっかり聞いて対応していただきたいと思います。
 次に、特養ホームの問題ですけれども、特養ホームと限らず、今、275平方メートル以上の社会福祉施設にはスプリンクラー設置の義務づけがありましたけれども、これは全ての施設に対応していくということになります。社会福祉法人、民間施設の経営状況を考えてみますと、これは大変な負担になってくるのかと思うんですけれども、これに対する支援策というのがあるのがどうか。そういう支援策をしていくべきだという立場でお聞きしたいと思います。
〇鈴木長寿社会課総括課長 スプリンクラー設備につきましては、昨年12月に公布されました消防法施行令の一部改正によりまして、委員御指摘のとおり、延べ床面積275平方メートル以上のものが対象でしたけれども、平成27年4月から、原則として延べ床面積にかかわらず、全てに設置が義務づけられることになりました。
 県では、これまで、補助を希望する事業者の要望については全て対応してきております。今後も必要な支援が継続できるように努めていくこととしております。
〇高田一郎委員 最後にしたいと思います。
 スプリンクラーの設置はぜひよろしくお願いしたいと思います。
 医療施設の耐震化の問題についてもお聞きしたいと思います。
 今度の新年度予算には被災地医療施設耐震化支援事業ということで、被災地の民間施設の耐震化を支援するという予算措置もされています。これは大変いいことだと思いますが、民間病院の医療施設については、耐震化は被災地にかかわらず県内全域で対応していくべきだと思います。今の県内の病院の耐震改修あるいは耐震診断未実施の状況はどうなっているのでしょうか。
 時間ですので最後にしたいと思いますが、耐震診断をしても、来年ですか、公表義務というものがあります。現場をちょっと訪問してみますと、耐震診断実施はいいんだけれども、特に昭和56年以前の建物については改修しなければならない。診療報酬が低下している中で、病院の経営もあってとても大変だということで、耐震診断の支援もいいんだけれども、その後の支援もしてほしいというような強い声もあります。現場の声をよく聞いて、今の耐震診断、耐震改修の補助制度で本当にいいのかということも含めて、ぜひ現場の声を聞いて対応していただきたいと思いますが、まとめてお聞きしました。この点について答弁を求めて、終わりたいと思います。
〇高橋地域医療推進課長 民間病院の耐震化の状況等についてでございますが、県内の民間病院60病院のうち、30病院では全ての建物で耐震性を有していると確認しているところでございます。残りの30病院につきましては、病院の一部の建物にのみ耐震性を有しているという病院が11病院、耐震診断を実施していないために耐震性が不明であるという病院が19病院となっているところでございます。
 県では、耐震診断に係る補助及び病院の耐震改修等についての補助を実施しているところでございますが、特に耐震化の改修等の補助につきましては、事業によって、二次救急病院であるかどうかとか、あるいは診断結果の数値等の条件で対象になったりならなかったり、あるいは基金でやっている補助事業については期間が限られているといったようなことがございます。このため、県としては、耐震化に係る補助対象の拡大や制度の恒久化につきまして国に要望しているところでございまして、今後も引き続き要望していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 特定不妊治療費助成について伺います。先ほど、高橋但馬委員からも質問がありましたので、簡潔に質問いたしますので、簡潔に御答弁願えればと思います。
 受給者の推移と課題についてはどのように県で把握されているかは、先ほどの高橋但馬委員への答弁でわかりました。その中で、5年前と比べると、今現在、受給者の数は倍近くにふえているんですけれども、県内で受けられる機関が、先ほどの答弁にありましたとおり、盛岡市の病院二つだけになっていまして、ただ、この助成は県外の医療機関も、その自治体が指定していれば、その医療機関で受けたものに対しては助成されるものになっているんですけれども、前回の委員会で私の課題認識をお話しさせていただいた中で、県として、県内と県外の医療機関別での受給者の推移というのをどのように改めて把握しているかと、その具体的な取り組み、対応というのをどのように行ってきたかお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 不妊治療におきます県内、県外の受診状況についてでございますけれども、平成23年度におきましては、県内の医療機関の件数が191件、県外が251件、平成24年度におきましては、県内が218件、県外が309件ということで、県外での受診をされている方が多いという状況になってございます。
〇吉田敬子委員 それに対しての県としての把握と対応というのも質問させていただいたんですが、その答弁がなかったので。
 私は、なぜその話を前の委員会からも取り上げているかというと、県内で受けられるのが盛岡市の医療機関だけであるということで、高橋但馬委員からも指摘がありましたとおり、盛岡市でしか受けられないから県外に行っている受給者の方が多いのではないかという指摘です。医療者の確保という機関、受けられるところを、例えば本当に人口減少が進んでいる県北・沿岸でも受けられる施設を、何とかそういう機関をふやすという努力もできればしていっていただいたほうがいいのではないかということを私はこれまでの委員会でもお話しさせていただいたんですが、先ほどの答弁では、これまでの取り組みというのがちょっと見えてきませんでした。
 その中で、岩手県の状況ということで数、推移はいただいたんですが、盛岡市が中核市になってからは、盛岡市は別で、受給者に支給しております。盛岡市以外の方々は岩手県の助成金を受けているんですけれども、その盛岡市の数というのもきちんと把握されているのでしょうか。
 そしてまた、不妊専門相談センターというのを岩手医科大学の中に委託されているという先ほどの御答弁でもありましたが、どのような相談体制で、どのぐらいの件数、内容というのをきちんと把握されていますでしょうか。
〇菅野児童家庭課総括課長 失礼いたしました。医療機関の関係でございますけれども、医療機関の指定に当たりましては、先ほどこの委員会の中でも御説明をいたしましたように、施設設備に関する基準、配置すべき人員等の基準要件がございます。そういったことから、県内におきましては、現在のところ、指定を受けている医療機関が二つにとどまっているという状況になってございます。設備、人員等の要件を満たすためには、かなりの手当てといいますか、病院側のほうでも必要な要件を満たすことが必要になりますので、現時点ではなかなか難しい状況と考えております。
 それから、不妊治療におきます盛岡市の状況でございますけれども、盛岡市は中核市ということで、予算等については別で計上しておるところでございますけれども、この不妊治療を受けている方の受給者の状況等につきましては把握いたしておりまして、盛岡市におきましても年々増加していると理解しております。
 不妊専門相談センターの状況でございますが、県内におきましては岩手医科大学附属病院に設置してございます。平成10年から設置いたしまして、月曜日から金曜日、毎日開設を行っているところでございます。電話による相談ですとか面接による相談等を行っているところでございます。平成24年度におきましては163件の相談を受けておりまして、人員といたしましては、産婦人科の医師1名、臨床検査技師1名が担当しているという状況でございます。
〇吉田敬子委員 盛岡市の数もそうですし、先ほど、22自治体でも独自の助成をされているということで、盛岡市だけでなく、それぞれでどのような課題があるかも含めて、これからもぜひ把握していっていただきたいです。
 先ほどの不妊専門相談センターなんですが、月曜日から金曜日の時間というのは、私が認識していたのがちょっと違うんですが、2時から4時というので認識していたんですけれども、それは違いますでしょうか。というのは、仕事をされている方だと、なかなか平日に電話をしづらいということと、電話受け付けして、面接相談しかやっていないということで、簡単に電話だけで相談ができないそうなんです。わざわざ足を運んで面接相談をしなければいけないということで、やっぱり気軽にそういった電話相談も受けられる対応というのが必要なのかなと私は思いましたし、2016年からは年齢制限が決まりまして、ただ、その移行期間までには―2016年からは助成が10回から6回に減少するということで、当該の不妊を治療されている方はさまざまな不安とかを抱えられているんですけれども、ただ、来年度、再来年度においては、移行期間ということで移行措置をとられるそうなんですが、であれば、だからこそ、そういった相談というのがもっとふえてくると思うんです。なので、不妊専門相談センターは女性だけでなく男性も対象になっていまして、そういう話ができる場所というのが本当に限られていると私は思っておりますので、2016年からのものに対しても、県としては、来年度、再来年度の2年間の移行期間は何かしら考えていられるのか、まずはお伺いいたします。
〇菅野児童家庭課総括課長 新たにまた制度が改正されるということでございますので、その改正の周知につきまして、パンフレットなどによる広報、普及啓発に努めてまいりたいということで考えております。現在、国からのそういった資料等も届いておりますので、そういうことで広く周知を図ることとしております。
 先ほどの不妊専門相談センターにつきましてですけれども、電話相談は毎日行ってございますし、面接相談につきましては、月、水、金の週3回、これは午後2時から4時まで予約制ということでございますが、そういうふうに対応しております。この不妊専門相談センターにつきましても周知等に努めてまいりまして、相談しやすい体制に努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 不妊の当事者の方からすると、少子化のような社会的状況に左右されて、例えば本当に子供を欲しいとは思っているけれども、いつかは諦めなければいけないと思っているかもしれない状況のときに、必ず子供を授からなければいけないというようなことを言われてしまって、自分でもどうしたらいいかわからなくなったというようなことも聞いておりますし、不妊の専門の方はやっぱり大事だと思っております。当事者の方が本当に望むときにいつでも利用しやすい支援の環境というのをぜひこれからも整備していっていただきたいと思います。
 最後に、ふれあいランド岩手について、まとめて全部お伺いいたしたいと思います。
 これまでの利用状況の推移や実績というのをどのように把握されているか。ふれあいランド岩手は開館から20年という節目を今年度迎えたんですけれども、これからの課題、それに対する今後の取り組みについてお伺いいたします。
〇千田障がい保健福祉課総括課長 ふれあいランド岩手についてですけれども、このふれあいランド岩手は平成6年12月に開館した施設でございますが、施設の年間利用者数につきましては、平成7年度から14年度まではおおむね年間18万人から19万人で推移してきてございます。平成15年度以降は、東日本大震災津波で避難所に指定されました平成23年度を除きまして、年間20万人以上となっており、平成24年度の利用者数は開館以来最も多く、23万8、162人でございました。なお、今年度は2月末現在の利用者数が22万7、056人でございまして、3月までの年間利用者数は24万人を超える見込みとなっております。
 それから、開館から20年目という節目での課題等々でございますが、ふれあいランド岩手は、開館以来、多くの県民の方々に御利用いただいているところでございますけれども、障がい者や高齢者以外の方々にもさらに利用していただくために、利用者の視点に立った運営を図っていく必要があると考えております。このため、学校の部活動やサークルなどにも利用しやすいよう、平成25年度から体育館やプールの時間単位での貸し出しを開始したところでございますが、今後も、利用者アンケート等によりまして利用者の方々の御意見をいただきながら運営の改善を図っていくとともに、スポーツ教室あるいは文化教室などのふれあいランド岩手の主催事業につきましても、利用者のニーズに即したものとなるよう工夫をしてまいりたいと考えております。
 また、開館から20年経過するということから、今後も計画的に施設設備の点検あるいは必要な修繕を行って、施設の安全性を確保してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 震災直後というのは避難所となったので、周りの地域住民の方々が集まって炊き出しとかボランティア活動も一生懸命されたのを機に、何となくあの辺の地域の方はふれあいランド岩手にもまた足を運ぶということも実際にあるように見えていますので、県の施設として、災害時にも、また何かあったときに、あそこの地域では、せっかくふれあいランド岩手と地域の方との連携というのができたはずですので、ぜひ、それも含めて今後継続していっていただきながら、これからの利活用も利用者の方の要望にも応えつつ、いいふれあいランド岩手になっていってもらえればいいなと思っておりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。以上です。
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後4時58分 休 憩
午後5時12分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇佐々木医療局長 平成26年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、予算の説明に入ります前に、事業運営に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。
 御案内のとおり、ことし4月に行われる診療報酬改定において、消費税増税分を含む全体で0.1%の改定となる見込みですが、医療提供体制の中核であります医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が進むなど、医療を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
 本県の県立病院等事業におきましても例外ではなく、医師の定着支援として、医療クラークの充実などの取り組みにより、常勤医指数は若干増加傾向にあるものの、医師の絶対数の不足などにより、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれ、患者数は依然として減少傾向にあります。
 一方、病棟薬剤業務実施加算など、診療報酬の新たな施設基準の取得や基幹病院での診断群分類別包括支払方式、いわゆるDPCの効率的な運用などの取り組みにより、患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、安定した経営基盤の確立に向け、収支の改善が図られてきているところでございます。
 こうした状況のもと、平成26年度の事業運営に当たりましては、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた取り組みを本格化させるとともに、昨年12月に策定した平成26年度を初年度とする岩手県立病院等の経営計画を着実に推進することにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療を持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
 具体的な計画の推進に当たっては、医師の確保、定着に向けた取り組みとして、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招請活動、臨床研修医の受け入れ拡大に継続して取り組むとともに、県奨学金養成医師の効果的な配置に努めるほか、勤務環境や処遇の改善、女性医師に配慮した職場環境の整備などに引き続き取り組んでまいります。
 また、医師の業務負担の軽減に向け、引き続き医療クラークによる診療支援の強化や認定看護師、認定薬剤師等の専門資格職員の計画的な育成、臨床工学技士、臨床心理士等医療技術部門の充実強化を図るとともに、市町村等との連携、協働に重点的に取り組みながら、県立病院の現状や課題等に関する情報の共有にも努めてまいります。
 さらに、医療の質や患者サービスの向上を図るため、医療提供に必要な職種の人員増を行うとともに、職種間の連携を強化するなど、チーム医療を推進します。
 こうした取り組みを進めながら、県立病院間はもとより、他の医療機関との役割分担と連携をより一層図り、安定した経営基盤のもと、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めてまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その2の56ページをお開き願います。議案第14号平成26年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量ですが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を5、019床と定め、年間延べ患者数を、入院では132万3、000人、外来では204万3、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でありますが、病院建築工事は、高田、大槌、山田の沿岸3病院の新築工事に係る用地取得費及び基本実施設計料ほかを計上するものであり、このうち、大槌病院については、今月末に設計がまとまる予定であることから、来年度の早い時期に工事に着手したいと考えているものです。また、医療器械につきましては、中央病院及び久慈病院に整備いたします線形加速器システム―リニアックの購入が主なものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、次のページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 58ページをお開き願います。第5条の債務負担行為ですが、これは、期間が平成27年度にわたります大槌病院と山田病院の新築工事費等について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債は、病院建築工事や医療器械の整備の財源となる企業債の限度額を50億9、900万円とするとともに、その償還方法を定めようとするものです。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするもの、第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものであり、第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものです。
 次のページに参りまして、第10条、重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械を掲げているものでございます。
 それでは、次に、予算に関する説明書の423ページをお開き願います。平成26年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出につきまして、まず、収入ですが、第1款病院事業収益は1、003億9、700万円余で、平成25年度の最終予算と比較しますと、およそ0.2%の減少を見込んでいるものであります。
 第1項医業収益は870億8、600万円余で、1目入院収益は562億9、400万円余、2目外来収益は246億6、700万円余でございます。3目その他医業収益は61億2、400万円余で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰入金、健康診断等の公衆衛生活動の収益等であります。
 第2項医業外収益は133億1、100万円余で、その主なものといたしまして、2目補助金8億7、700万円余は、救命救急センター運営事業費等に係る補助金です。3目負担金交付金117億1、000万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金です。5目その他医業外収益7億600万円余は、不動産貸付料等であります。
 424ページをお開き願いまして、支出について、第1款病院事業費用は、国の地方公営企業会計基準の見直しにより義務化された引当金の計上等の費用や、ことし4月に行われる消費税率引き上げによる増加分を見込んだ結果、平成25年度の最終予算と比較しまして、およそ29.0%の増加となる1、267億8、100万円余を計上するものでございます。
 第1項医業費用は941億9、200万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費521億9、400万円余、2目材料費237億7、900万円余、3目経費137億9、700万円余、5目減価償却費36億3、300万円余等であります。
 第2項医業外費用は39億4、900万円余で、その主なものといたしましては、1目支払利息及び企業債取扱諸費24億9、200万円余、次のページに参りまして、4目雑損失7億7、900万円余等であります。
 第3項特別損失は、会計基準の見直しにより義務化された退職給付引当金の計上等によりまして、285億3、900万円余を見込んでおります。
 この結果、収入計と支出計の差し引きで、263億8、400万円余の純損失が見込まれますが、特別損失額を除いた経常損益では、21億5、400万円余の黒字を見込むものでございます。
 426ページをお開き願いまして、次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入ですが、その総額は144億2、200万円余で、その主なものといたしまして、第1款資本的収入第1項企業債は50億9、900万円で、これは、直流及び無停電電源装置等の更新や医療器械の整備等に充てるためのものであります。
 第3項負担金52億8、600万円余は、企業債償還金等に係る一般会計からの繰入金です。
 第4項補助金40億2、900万円余は、さきに業務の予定量で御説明申し上げました高田、大槌、山田の沿岸3病院の新築工事等に対する地域医療再生基金を活用した補助金でございます。
 次のページに参りまして、支出総額は236億1、000万円余で、その主なものといたしまして、第1款資本的支出の第1項建設改良費は112億1、700万円余で、その主な内訳は、1目土地費14億1、100万円余、2目建物費34億3、600万円余、3目医療器械費47億3、000万円余等であります。
 第2項企業債償還金は110億1、100万円余であり、第3項他会計からの長期借入金償還金10億円は、平成22年度に一般会計から借り入れた借入金の一部を償還するものでございます。
 次に、429ページをお開き願います。さきに申し上げた会計基準の見直しにより、予算に関する説明書の一部を変更することとされましたことから、429ページから430ページにかけて、従来の資金計画にかえて、会計期間における業務活動等のキャッシュフロー、いわゆる資金の増減と期末残高の予定を説明する予定キャッシュフロー計算書を添付いたしますとともに、少し飛びますが、447ページから450ページにかけては、財務諸表を作成するに当たっての会計処理基準等を記載した予算に関する説明書の注記を新たに添付したところであります。
 なお、これらを除く431ページから457ページまでの給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましてはこれまで御説明を申し上げた予算の明細等でありますので、説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇樋下正信委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇岩崎友一委員 私から2点お伺いしたいと思います。
 まず、冒頭、局長が基本的な方針を示されましたけれども、まさにそのとおりだと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。
 1点目が、被災した三つの県立病院についてでありますけれども、今、しっかりと予算を確保していただいてありがとうございます。
 当初、山田病院と大槌病院は平成28年度、高田病院は平成29年度開院というスケジュールで進んでいるかと思うんですが、今、かなり入札不調の率が上がってきている状況でありまして、現段階における設計や施工、あと開院の見通しについてまずお示しをいただきたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 被災した沿岸3病院の再建に係ります現在の進捗状況についてでございますが、過般、公表いたしました再建方針に基づき、大槌病院及び山田病院は平成28年度、高田病院につきましては平成29年度の開院を目指し、取り組みを進めているところでございます。
 大槌病院につきましては、本年度、用地整備を実施する大槌町と調整を図りながら、医療局において病院設計をまとめる予定であり、現在、設計業者及び病院とともにその作業を進めているところでございます。今後、入札準備期間を経て、来年度前半に建築工事に着手したいと考えております。
 それから、山田病院及び高田病院につきましては、本年度から来年度にかけて地元市町において用地整備を進め、これと並行して医療局において病院設計を行うこととしており、それに向けた検討を病院とともに進めているところでございます。
 現在のところ、被災市町における用地造成等を含め、3病院とも順調に進捗してございまして、早期再建に向けて、引き続き、各市町と緊密に連携しながら取り組みを進めてまいります。
〇岩崎友一委員 昨年、教育委員会もありましたけれども、建築関係の入札不調率が非常に高いということもありますので、1回入札にかけて不調になったりしますと、またかなり時期がずれ込むということも懸念されます。現在、県土整備部ですが、いろいろと不調対策等をやっているようでありますけれども、しっかりそういったところと連携をとりながら、ぜひ予定どおり開院していただけるようにお願いしたいと思います。
 開院すればさらにベッドがふえるということで、新たな看護師の確保も必要になってくると思いますけれども、実際、どのぐらいの看護師の増員を図らなければいけないのか、そしてまた、その増員に向けた現在の取り組みをお示しいただきたいと思います。
〇菊池参事兼職員課総括課長 被災病院再建に向けた看護師の確保についてでございますが、入院機能の再開に伴いまして、委員御指摘のとおり、増員が見込まれるところでございます。岩手県立病院等の経営計画に基づきまして、必要な看護師の確保を図りながら、通常の職員募集に上乗せした形で採用をして、県立病院全体の職員配置の中で体制をつくっていきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 済みません、何人くらいふやさなければいけないのか。夜勤も出てきますから、その辺どういった想定で動いているのか、その辺ちょっとお示しいただければと思うんですが。
〇菊池参事兼職員課総括課長 被災病院再建に係る看護職員の増員予定でございますけれども、大東病院も含めまして72名を予定しているところでございます。この72名を増員した上で配置をしていきたいと考えてございます。(岩崎友一委員「個別は」と呼ぶ)
 今年度の計画の数値でございますが、大東病院は来年度に向けまして25名を計画したところでございまして、平成27年度、大槌病院では21名、山田病院では25名という状況になってございます。
〇岩崎友一委員 なかなか正直見つけるのも大変だと。昨年は看護師を県立病院で募集しても、1回目は定員割れという事態もありましたので、しっかりと開院に向けて準備をしていただきたいと思います。
 2点目が、看護師全般の話なんですが、県内において、内陸部は看護師の状況が余っているとは言いませんが余裕があると。沿岸はもう久慈圏域、宮古圏域、釜石圏域、大船渡圏域、全てにおいて全く足りないという状況であるかと思います。(「余ってない」と呼ぶ者あり)
 医師におきましては、例えば沿岸部の県立病院に行く際に手当というものがあるかと思うんですが、現段階で看護師に関してはそういったものがないという状況であるかと思います。なかなかその偏在というものを解消するのも難しいと思うんですが、医師と同様に、例えば看護師に手当の支給とか、あるいは、昔は沿岸ですと大槌病院も託児所があったんですね。自分が小さいころ、覚えている限りは。震災前は、子供が少ないということで既に閉めたかもしれないですけれども、そういった看護師に対する環境の整備も必要になってくるかと思うんですが、その辺の取り組み、認識についてちょっとお尋ねをします。
〇菊池参事兼職員課総括課長 看護師確保のための手当についてでございますが、委員御指摘のとおり、看護師の確保につきましては、今年度の通常の職員採用試験におきまして、応募者数が定員に満たないなどの厳しい状況にございますけれども、看護師に対する勤務地に応じた手当の支給につきましては、同じ病院で勤務する他の職種の職員や、被災地に派遣されている知事部局等の他の任命権者の職員等との均衡を考慮いたしますと、現時点では難しいものと考えているところでございます。
 なお、看護師の確保に向けましては、今後、職員採用試験の実施方法や配属先の決定方法等も含めて、総合的に検討することにしているところでございます。
 次に、被災病院における院内保育所の設置についてでございますが、現在、県立病院の院内保育所は、職員の勤務状況や対象児童の状況等を踏まえ、沿岸4基幹病院を含む10病院に設置しており、女性医師や看護職員等の子育て環境の支援、職員の確保及び定着に貢献していると認識してございます。
 この院内保育所につきましては、他の県立病院に勤務する職員の利用も可能としているものでございます。
 院内保育所が未設置の病院は比較的小規模でありまして、保育対象児童数の見込みや設置に当たり、施設、設備の新設あるいは改修を要することなど、院内保育所の新設には課題が多いものと考えているところでございます。
〇岩崎友一委員 後ろ向きな答弁ありがとうございます。
 正直、沿岸部の看護師不足というのはこれまでもずっとあったわけでありまして、私、手当の件は一つの提案だったわけでありますけれども、では、今後総合的に検討していくと言いますけれども、ずっとこれだけ課題が―ほったらかしとは言わないですよ。ただ、改善をしていない中で、新たな何か取り組みを進めなればいけないと思うわけでありますけれども、具体的に何かやっていますか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 今年度の職員採用試験の特別募集におきましては、沿岸部の採用枠ということで、沿岸部の採用人数を設定いたしまして採用試験を実施し、採用に至っているということもございます。そういったことも含めて、今後の試験方法等も、先ほど申しましたように検討していくということでございます。
〇岩崎友一委員 試験方法もそうですけれども、環境改善も含めまして、いかにしたら偏在をなくせるかといった視点を大切にしていただきながら、しっかりとやっていただきたいと思います。
 この医療ですけれども、みなし仮設に、例えば盛岡ですね、被災地から来ている方々は毎週外科があると喜んでいるわけです。もともと外科なんかも大槌病院だと週1回、例えば形成外科は釜石病院でも週2回という感じです。盛岡がかなり医療体制は整っているということで、それはそれでいいんでありますけれども、今後、医療環境が整わないというのは、被災地の人口流出がなかなかとまらないと思いますので、そういった視点からも、被災地においてもしっかりと安心して医療を受けられる環境の整備に尽力していただきたいと思います。
 局長、何かありましたら。
〇佐々木医療局長 震災前から、医師の地域偏在等に起因いたしまして、どうしても、内陸部と沿岸部あるいは県北で、医療提供体制が違っているというのはそのとおりでありますし、また、震災によって、それが民間の医療機関が被災したこと等、県立関係も被災しましたけれども、そういうことで、より一層進んだ面もありますし、逆に―逆にといいますか、一部には全国から診療応援の招聘医師に来ていただいて、震災前よりも医師の数がふえたという説もありますけれども、これが永続的に続くかどうかは保障できないところであります。
 今回の医療局の経営計画におきましても、特に今までもやってはいたんですけれども、県立病院間のネットワークを活用して、まずは圏域の中での基幹病院から地域病院への応援、それからそうは言っても、沿岸のほうですと基幹病院自体が医師数の確保に厳しい状況といった場合は圏域を越えて、例えば中央病院はセンター病院として盛岡医療圏以外の県内各地のほうに診療応援でドクターを出していたり、1カ月交代で若手の医師を派遣したりということをやっております。こういった取り組みも今後継続して、県全体で医療提供が進むようにということを考えております。
〇高橋昌造委員 まず、私は最初に、未集金対策についてお伺いします。順次、簡潔にお伺いいたしますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、過去3年間の過年度分の個人未集金の年度末残高状況がどうなっているのか、お伺いいたします。
〇佐藤医事企画課総括課長 過去3年間の過年度個人未集金の年度末残高の状況でございます。
 平成22年度末につきましては6億1、035万9、000円、平成23年度末につきましては6億2、598万6、000円、平成24年度末につきましては6億1、295万3、000円となっております。
〇高橋昌造委員 それで6億円を超える未集金、それもここ過去3年間の推移を見ても余り減らない。そこで、この未集金はいつごろからなのか。そして、1人で多いのはどのぐらいの未集金があるのか、その実態がわかればお示しを願いたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 未集金は昔からあるといいますか、ただ、大きく伸びてきたのが平成13年度から平成18年度にかけて、毎年5、000万円余が増加している状況となってございます。
〇高橋昌造委員 いや、古くからあるというのはわかります。だから、今あるこの6億円何がしの未集金はいつごろからのが積み重なっているのかということをお聞きしているんです。
〇佐藤医事企画課総括課長 それで、先ほど申し上げましたとおり、平成13年度から平成23年度まで、11年ぐらいは毎年5、000万円ずつふえて、結果として今6億円余という状況になってございます。
〇高橋昌造委員 そこで、この未集金の発生しないような防止対策の具体的な取り組みはやっておられるのか、お伺いいたします。
〇佐藤医事企画課総括課長 その対策でございますけれども、現在では口座振替あるいはクレジットカードでの支払い、あとはコンビニエンスストア収納等による支払いやすい環境の整備に努めてございます。あるいは、患者さんまたその家族の方に対しましては、高額療養費あるいは公費負担制度等について情報提供を強化してございます。
 そういった状況で、病院全体として未収金防止対策に取り組んでいるという状況でございます。
〇高橋昌造委員 それで、今、各病院の医療費の自動支払機の設置状況はどうなっているんですか。
〇佐藤医事企画課総括課長 まず、センター病院―中央病院あるいは地域の基幹病院、9病院には全て入ってございます。さらに、地域病院では遠野病院、一戸病院……(高橋昌造委員「県立病院のうち何ぼ入っているって、それでいいから」と呼ぶ)20病院中11(後刻「14」と訂正)病院ですか、半数ちょっと入ってございます。
〇高橋昌造委員 未集金にならないように対策を講じていると。それから、逆に、回収のためどういう取り組みをなされているのか。
〇佐藤医事企画課総括課長 回収の取り組みでございますけれども、電話による督促あるいは職員の直接訪問による回収に取り組んでいるところでございますし、支払い困難な場合等につきましては、納入期限の延長や分割納入等を行うなど、患者さんの実情に応じて対応しているところでございます。
 また、平成24年8月からは、徴収困難債権の回収につきまして、ノウハウや実績を有する業者へ業務委託するなど、その回収、整理に努めているところでございます。
〇高橋昌造委員 それで、あと市町村との連携で、例えば出産一時金の、わかりやすく言えば一時金の受領委任払いとか、それから高額療養費の現物給付の関係なんか、これは市町村と連携して実際やっておられるのか。また、やっておられるのであれば、その実績がどうなっているのか、お示しを願いたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 その実績、数字はちょっと後でお話をしたいと思いますけれども、いずれ、高額療養費あるいは出産一時金等につきましては、病院のほうでも積極的に取り組んでございまして、産婦人科の未集金等も、今は減少傾向となっているところでございます。
〇高橋昌造委員 通告しておったんですが、未集金の発生の要因の分析はどのようにやっておるのかあれなんですが、それとあわせて、平成13年度からの未集金だということで、実際、不納欠損処理なんかやられておるのか。やられておるとすれば、各年度にどのぐらいの不納欠損の処理をしているか。それから、未収金回収のために債務者に対する法的な措置を講じておるのか、それもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
〇佐藤医事企画課総括課長 まず、発生要因の分析でございます。これにつきましては、老人保健法あるいは健康保険法等の制度改正によりまして、患者一部負担金が増加していることがまず最初にございます。さらに、医療技術の高度化あるいは新技術や新薬の導入等による手術、検査等の高額化により診療単価が増加し、それに伴って患者さんの負担額もふえてきてございます。あとは、景気低迷による経済的事情を理由とした分割支払いまたは支払い停滞の増加によるものでございます。
 不納欠損処理につきましては、今議会でも権利の放棄ということで御提案してございますけれども、これまでそういった手順がうちのほうでは確立できていませんでした。昨年度末にそういった権利債権、不納欠損処理のガイドラインを作成いたしまして、今回の議会に提案したところでございます。
 一応、件数は10件ですけれども、211万円余の権利の放棄ということで提案させていただいてございます。
〇高橋昌造委員 いずれ、未集金については各病院ごと、それから医療局としてこれはしっかりマニュアル等をつくって対応しなければ、6億円を超えるお金ということは大変な状況なわけです。だから、ここのところでしっかりメスを入れて対応していただきたい。
 それでは、次に、医療安全管理体制整備の強化策ということで、過去5年間ぐらいの医療事故の発生件数なり、また、発生の内容を、どういうあれで医療事故が起きているのかお示しを願いたいと思います。
〇菅原業務支援課総括課長 県立病院におきまして、過去5年間の医療事故の発生件数でございますけれども、平成21年度は3件、平成22年度、平成23年度は各8件、平成24年度は10件、平成25年度、12月末現在でございますが5件であります。計34件となっております。
 内容でありますけれども、大枠の区分で、手術に関するものが15件、薬剤投与に関するものが4件、内視鏡治療に関するものが1件、転倒転落に関するものが2件、その他が12件となっております。
〇高橋昌造委員 その他12件の内容は、具体的にお示しできない内容なんですか。
〇菅原業務支援課総括課長 お示しといいますか、いろんな区分からの、ほかの部分でありまして、例えば栄養チューブを間違って挿入したとか、あるいはカテーテルの誤挿入等々になります。
〇高橋昌造委員 いずれ、これから医療事故の防止対策にしっかり取り組んでいく、今言ったその他のそういう医療ミスによる事故の原因をしっかり究明して、それに対応する対策、これは具体的に安全対策の推進なり事故の防止対策、具体的にどのように取り組んでおるのか。そして、医療ミスによる事故には訴訟事案があるのかないのか。あるとすれば、どういう経過をたどっているのか、お示しを願いたいと思います。
〇菅原業務支援課総括課長 医療安全対策の推進、強化策でございます。医療事故防止対策の推進と安全な医療の提供に資することを目的として策定した医療局の医療安全対策指針がございます。これに基づきまして、医療局本庁に、医療局医療安全管理委員会を設置いたしまして、医療安全対策に係るガイドライン、マニュアルの策定及び見直し、医療安全情報等の病院への提供によりまして、統一的な医療安全の確保等に取り組んでおります。また、各病院におきましても、医療安全管理委員会を設置いたしまして、それぞれの病院の体制等に応じ医療安全対策を推進しております。あわせて、セーフティマネジメント部会を設置いたしまして、院内巡視による業務チェックや指導等の実施、インシデント事例の原因分析や再発防止策の検討等を行っております。
 それから、医療事故訴訟に関しての手順でございます。患者さんあるいはその家族から訴えがあった場合には、医療局の顧問弁護士がおります。顧問弁護士とも相談しながら、具体的に事例を検証して臨んでおると、対応しておるという状況になります。(高橋昌造委員「現在係争中のはあるのですか」と呼ぶ)
 現在、1件ございます。
〇高橋昌造委員 それでは、次に、病院機能評価の認定取得についてお伺いします。
 この病院機能評価の受審の状況、新規と更新あわせてどのような実態になっているか、お示しを願いたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 病院機能評価は、患者サービスの向上と医療の信頼を高めるとともに、職員の意識改革に役立つ有効な第三者機関による外部評価でございます。平成10年度に県立中央病院が取得して以降、これまで17病院が病院機能評価の認証を取得、または更新してきているところでございます。
 今後につきましてでございますが、昨年12月に策定いたしました岩手県立病院等の経営計画におきまして、引き続き病院機能評価の認証取得及び更新を行うとともに、病院の体制や状況等に応じて、病院職員による自己評価を行うこととしているところでございまして、現在、被災により受審を見送っている病院等を含め、平成28年度までに18病院、平成29年度までには20病院全てにおきまして病院機能評価を実施したいと考えているところでございます。
〇高橋昌造委員 それで、機能評価の認定取得後の、いわゆる家族を含めて患者の満足度はどうなっているのか、また、どのように評価されているのか、お伺いいたします。
〇佐藤医事企画課総括課長 患者満足度についてでございます。県立病院では、医療サービスの現状について把握し、患者中心の医療の提供により一層努めるため、平成16年度以降、毎年度、満足度調査を実施しているところでございます。
 平成16年度は、8病院が病院機能評価を受審しているところでございましたけれども、その時点と今年度の調査結果等を比較しますと、職員の接遇について、満足、やや満足の割合が40.2%から55.1%へ14.9%の上昇、患者さんへの病状説明、いわゆるインフォームドコンセントにつきましては、満足、やや満足の割合が40.3%から58.0%へ17.7%上昇しているところでございます。
 その要因といたしまして、病院機能評価の受審への取り組みを通じて、職員全体の改善への意欲が高まったことが挙げられ、病院機能評価の受審が患者満足度の向上に寄与したものと認識してございます。
〇高橋昌造委員 これはぜひやっていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、岩崎友一委員の御質問の中にもあったんですが、私は、認定看護師の確保についてお伺いいたします。
 認定看護師の今現在の配置状況と今後における未設置の県立病院に配置する考えがあればどのような形で配置してまいるのか、お伺いをいたします。
〇菅原業務支援課総務課長 認定看護師の状況についてでございます。皮膚・排泄ケア、感染管理、緩和ケアなどの分野で、基幹病院を中心に現在66名配置しております。
 未配置の県立病院についてでございますけれども、現在、基幹病院に配置されている認定看護師が圏域内の県立病院を巡回し、実施指導や研修会などを行い対応しているところでございます。
 今後の配置につきましては、それぞれの病院の役割あるいは機能に応じまして、圏域内の連携も考慮しながら、順次取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋昌造委員 いずれ、認定看護師については時代の要請でもあるわけでございますので、さっき岩崎委員の質問に対してあれなんですけれども、今現在、県立病院で法的に置かなければならない看護師が何人おって、今現在、実際配置されている看護師が何人で、そのうち認定看護師が何人で、いわゆる全体の看護師の中の認定看護師の割合がどうなっているのか。そしてこれが確実にふえていると思うんですが、ここ3年ぐらいの推移の状況がどうなっているのか、もしわかればお示しを願いたいと思います。
〇菅原業務支援課総括課長 認定看護師の推移でよろしいでしょうか。(高橋昌造委員「いいです」と呼ぶ)先ほど、今現在66名と話をしておりました。1年前はこれから50名台だったと思うんですけれども、来年度、平成26年度には73名、平成27年度、2年後におきましては85名を予定しております。
〇高橋昌造委員 それでは、最後に地域診療センターにおける施設等の空き利用の実態についてお伺いします。
 まず、県内における地域診療センターの施設設備、または医療器械等の利用実態がどうなっているのか、お伺いをいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 私のほうからは、地域診療センターの施設の利用状況、空きスペースの利用状況というところでお答えさせていただきたいと思います。
 大迫地域診療センター、花泉地域診療センター、それから九戸地域診療センターにつきましては、それぞれ地元の社会福祉法人が空きスペースを特別養護老人ホームとして活用し、運営していただいているところでございます。
 沼宮内地域診療センターにつきましては、昨年4月に岩手町が民間運営主体と引き続き両者協力して取り組む旨の覚書確認書を取り交わし、地域の一般入院ベッドの確保に向けて、現在、協議を進めているところでございます。
 また、紫波地域診療センター及び住田地域診療センターにつきましては、地域医療の確保や福祉提供体制の充実につながるよう、地元町とその活用に向けて、情報交換や協議等を継続して行っているところでございます。
〇菅原業務支援課総括課長 地域診療センターの設備等の利用状況についてでございます。診断用エックス線テレビ装置やCT装置などの主要医療器械は、年間を通じまして検査等に使用しておりますほか、一部の地域診療センターでは、近隣の医療機関からの依頼により、設備開放を行っているところでございます。
 ちなみに、CT装置の件数でございます。6地域診療センターがございますが、平成24年度実績でございますが、少ない診療センターで90件台、多いところで400件台となっております。
 それと、地域での設備開放につきましては、花泉地域診療センターにおきましては、近隣の医療機関からの設備開放で、月に約10件ほど実績がございます。
〇高橋昌造委員 そこで、紫波地域診療センターも無床化の際は、地域住民の皆さん方に大変御心配をおかけしたわけでございますが、紫波地域診療センターにも設備なり医療器械等、またスペースがあるわけです、遊休スペース。これを地元の自治体とか医師会等と、また、もちろん地元の地域の皆さん方ともよく話し合いをして、活用できるような方策をぜひ見出していただきたいと思うんですが、そのお考えがあるのかないのか、お伺いをいたしたいと思います。
〇熊谷経営管理課総括課長 施設等の活用におきます地元自治体及び医師会等との連携についてでございますけれども、地域診療センターにおきます空きスペースの利活用に向けて、定期的に地元市町村と情報交換や協議等を行っており、今後もこれを継続するとともに、民間の医療機関や福祉関係の方々から、地域における病床の確保や福祉施設等としての活用の提案がある場合には、地域医療の確保や福祉提供体制の充実につながるよう、地元市町村と緊密に連携をしながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 また、地域における医療供給体制を維持するためには、地元医師会や開業医を初め、圏域内の医療機関との役割分担と連携を進める必要がありますことから、患者の紹介、逆紹介や医療機関への設備開放などによりまして、地域連携の一層の強化を図っていく考えでございます。
〇高橋昌造委員 最後に、局長にお伺いして終わりますが、いずれ局長、この県立病院は県民の期待が非常に大きいわけです。だから、きょうはちょっと強いことも言ったかもしれませんが、期待の余りちょっと言い過ぎた面もあるかもしれませんが、これからの県立病院の運営に当たっての局長の思いを聞いて、私の質問を終わります。
〇佐々木医療局長 委員からお話がありましたとおり、県立病院はいわば県民の財産とも言える施設であると考えております。そのために、皆県民の皆様、患者とその御家族の皆さんにいい病院だと、非常に県立病院で受診してよかったと思っていただける運営をしていくというのが我々の使命だと考えております。
 委員からの御指摘、御提言については真摯に受けとめて、改善あるいは今後取り組むべきものについてはぜひ取り入れて、そして県民の皆様から、より愛され信頼される県立病院にしていきたいと考えておりますので、今後ともいろいろ御指導賜ればと考えております。
〇高橋孝眞委員 県立病院の経営計画について、そして今年度の計画についてお伺いします。
 長期計画には、高度医療のための対応ということで高額な器具の導入、更新なり、病院の今後のあり方についてはもちろんでありますけれども、遊休資産の処分計画も当然計画に入れるべきであると思うわけです。長期計画、経営計画の中には、公舎等跡地について土地の分筆など、売却方法を工夫して進めるとなっております。今年度の計画は、具体的にどういうことを考えているのかについて教えていただきたいと思いますし、また、病院跡地の処分については計画に入っていないと思われるのですけれども、なぜ入れなかったのかについて、あわせてお伺いいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 まず、未利用公舎用地の処分に係る計画についてでございます。本年度、平成25年度は、年度当初に売り払い物件の選定を行い、計11件の未利用公舎用地につきまして7月及び11月に一般競争入札を実施し、2件の落札があり売却処分をしたところでございます。計4、300万円余の収益となったところでございます。
 来年度、平成26年度につきましては、例年どおり7月ごろを目途に一般競争入札を実施する予定でございます。年度当初に、売却物件の選定等を行うこととしてございます。
 また、これまで数度の入札によっても処分が進んでいない物件につきましては、委員御指摘ございましたとおり、例えば土地の分筆など、物件それぞれに係る売却方法を工夫しながら処分を進めていく考えでございます。
 次に、病院跡地の処分についてでございます。岩手県立病院等の経営計画におきまして、病院跡地の処分は、建物の解体等に多額の費用が見込まれることから、この財源の確保を図りつつ、市町村の意向等に十分配意しながら、適切に取り組むこととしているところでございます。
 なお、収支計画におきましては、今般の地方公営企業会計基準の見直しによる減損会計の考え方に基づく減損損失分、すなわち、帳簿価格を回収可能価格まで減額した分を特別損失として計上しているところでありますが、具体的な活用計画がない旧病院建物等に係る解体費等は見込んでいないところでございます。
〇高橋孝眞委員 では、減損処理を今回病院施設の中で、旧北上病院については計画をしたといいますか、今年度で処分をしますということになっているわけでありますけれども、この旧北上病院の部分について前に聞いた際は、北上市と十分協議をしながら進めてまいりたいと話をされておりましたけれども、北上市のほうから聞きますと、現状では、もう使えるような物件ではないと。そういう意味合いでは、県に更地にしてもらわないと次の検討に入られないと話しているわけでありますけれども、北上市との協議についてはどの程度まで今進んでいるのか、お願いいたします。
〇熊谷経営管理課総括課長 北上市との協議の状況でございます。
 旧北上病院跡地につきましては、これまで北上市と利活用についての協議を行ってきたところであり、今のところ、市からは、跡地活用の計画はないと伺っているところでございます。
 一方、市からは、施設の早期解体撤去につきまして要望が出されているところでございますが、旧北上病院につきましては、平成25年度末で、起債残高が7.2億円程度、建物の解体費用が3億円程度と試算されるなど多額の費用が見込まれ、経営に与える影響が大きいことから、具体的な活用計画がない中で、早急に建物の解体を行うことは困難と考えているところでございます。
 旧北上病院跡地につきましては、今後も民間への売却も視野に入れながら検討していく必要があると考えておりますが、そうした場合でも、まちづくりの観点から、市と連携して有効な活用策を検討していきたいと考えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 今回の新しい会計基準でありますけれども、これは、財務の状態なり経営の状態を正しく示すといいますか、あらわす内容なわけです。そういう意味合いからしますと、お金がかかりますよとかどうのこうのではなくて、きっちりと整理をする、それが長期計画なり経営計画の中身だと思うわけです。そういう意味合いでは使えるものではありませんので、病院施設等については5年も経過していると。それから、北上市にとっては中心地でもあるということを含めまして、まずは計画を早目に私は入れてほしいし、そこばかりでなくて、全体の遊休資産というものを早期に処分計画を組みまして整理をしていく、これが新しい会計基準に基づくものだと思いますので、よろしく検討していただきたいと思いますが、局長の考え方を聞きまして質問を終わります。
〇佐々木医療局長 委員御指摘のとおり、医療局といたしましても、前の病院の跡地、それから公舎の跡地、いわゆる遊休資産、未利用資産を抱えてございます。これについては、順次処分をしていきたいという考え方はございます。ただ、一方で、起債の残高の繰り上げ償還ですとか解体費用だとか、経営に及ぼす影響が大きい部分がございますので、これを一気にというのもなかなか厳しいところがございます。
 いずれ、活用する見込みがあるところについては優先的にやっていきたいということで、これはさきの9月定例会、12月定例会等でもお話がありましたけれども、旧花巻厚生病院跡地については、地元花巻市での活用計画が具体的なものが提案されたということを受けて、前向きに取り組んでいくこととしておりますので、こういった地元との協議を今後も続けながら、それから公舎跡地については、公売等での分筆等工夫しながら、その処分を図ってまいりたいと考えております。
〇佐藤医事企画課総括課長 先ほど高橋昌造委員からの御質問でお答えできなかったものでございます。
 未収金の関係で、平成24年度の高額療養費の利用件数と金額でございますけれども、件数が3万3、145件で、金額が43億7、000万円余となってございます。
 出産一時金につきましては、3、316件の利用金額が13億2、000万円余となってございます。
 あと、済みません、訂正させていただきます。自動入金機の設置病院でございますけれども、20病院中14病院となってございます。
〇久保孝喜委員 1点だけ、被災病院に配置をされておりますドクターカーについてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど保健福祉部の審査でもお尋ねをしましたので、一部割愛をしてお聞きいたしますが、被災地の病院に配置された非常にありがたい寄贈だったわけですが、その成果について医療局はどのように考えているのか、課題も含めてお示しをいただきたいと思います。
〇菅原業務支援課総括課長 ドクターカーについてでございます。
 保健福祉部との回答と重複いたしますが、現在はこの車両を活用いたしまして、訪問診療や往診、仮設団地への戸別訪問等を実施しておりまして、平成25年度、今年度は、4月から1月までの10カ月間で934件、1カ月当たり93件の使用状況となっております。これによりまして、医療機関に通院できない患者への医療提供が行われましたほか、医療が必要と思われる方への受診奨励を行うなど、被災地の健康維持に貢献していると考えております。
 課題といたしましては、このドクターカーは、本来、消防署からの要請を受けて救急現場まで医師を運ぶことを目的としております。ただ、現在配置されている3病院、山田病院、大槌病院、高田病院では、限られたスタッフにより運営せざるを得ないという状況から、ドクターカーとしての運行は、土曜日、日曜日、祝日を除く平日の日中に限定されているという制約がございます。
 今後においては、これまでの運用に加えて、保健、介護分野と連携した活用については、地元市町と連携した上で、協議の上、検討してまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 今お話がありましたが、本来、ドクターカーと言うぐらいですから、ドクターヘリと同様に緊急事態等を含めてドクターが現場へ赴くことを前提とした車だったろうと思いますが、実際の使われ方として、消防署の要請に伴って緊急自動車として活用されたという例はなかったのでしょうか。
〇菅原業務支援課総括課長 導入されてから現在まで1件ございました。
〇久保孝喜委員 なおかつ、この3病院の配備によって、使われ方には相当の差があるという感じをいたしております。運行状況についてのペーパーをいただいておりますが、例えば県立山田病院の車については月平均で66.4回、一方、大槌病院については月平均7.5回、高田病院については月平均19.5回というぐあいにばらつきもございます。もちろん、ドクターの配置の状況だとか、それぞれの使い方で違いが出てくるということはあるのだろうと思います。
 一方、運行体制の問題でも、大槌病院については看護師だけが今のところ使用しているということで、ドクターカーならぬナースカーになっているわけです。
 こうした問題点を含めて、有効にまだまだ活用できる余地はあるのだろうと思っておりますが、その点について、この稼働実態の差について新年度はこうしたいというようなことが、もし具体的に病院ごとにあればお示しいただきたい。
〇菅原業務支援課総括課長 委員御指摘のように、3病院での件数に相当開きがある、実態の運用の内容が違っているということであります。
 先ほどお話がありました大槌病院は看護師のナースカーになっているのではないかという、実態はそうなのでありますけれども、大槌病院の場合は、仮設団地のほうに包括支援センターの職員と一緒に訪問しております。健康状態を管理して、これはやっぱり病院にかかったほうがいいかなということでの、先ほど申し上げました受診を奨励するという形での使い方をしております。
 山田病院につきましては、医師独自で運転をしながら、休日、夜間も訪問診療に対応しているということで、件数の違いが出ているところであります。
 今後におきましては、先ほど申し上げましたが、地元市町とも連携しながら、有効に活用する方法について協議をしていまいりたいと考えております。
〇久保孝喜委員 装備品を含めて、素人見なんですが、かなり充実しているのだろうとは思います。超音波診断器、心電計、生体情報モニター、骨密度測定装置、こういうものが搭載されているということですから、利活用についても検討の余地は十分あるのだろうと思っております。
 そこで、新年度もこの3病院にそのまま配備するという考え方でよろしいかというのが確認の1点です。つまり、例えば大槌病院の場合は、場合によっては、今やっている仕事であれば、ドクターカーでなくても可能なような気がして聞いたわけですけれども、その点はどのように考えているか。例えば、もし仮に他の病院でこうしたドクターカーの活用の希望があれば、配備先を変更するということも場合によってはあるのかと思ったりしたものですから、その点、まずお示しいただきたいと思います。
 それから、今後の方針の中でお話がありましたけれども、これまで大槌病院がやっているように、仮設団地への戸別訪問などを含めてやっている地域の包括ケアの一環として活用できているという実態があるにもかかわらず、残念ながら、配備先の市町との協議というのが今までほとんど行われていなかったと思うのですが、その点は医療局としていかがなものかと思うのですけれども、どうでしょうか。
〇菅原業務支援課総括課長 最初のほうの、有効活用するために、もしくはほかの病院への補完転換といいますか、そういうことについては、大変申しわけありません、今時点ではそういう考えは持ち合わせておりません。件数が少ないといいながらも、スタッフの移動用だけに使っているということではあるにしても、やっぱり有効に活用しているのだと思っております。他の病院への新たな配置ということも、もしかして考えられるかもしれませんけれども、やはりドクターの配置等も考えていかなければならないのかと思っております。
 2点目の市町との連携ということでございます。実際に、訪問診療ということに限らず、各病院では地域包括ケア会議との連携は、訪問診療あるいは訪問看護をしない状態の中でも行っておりますから、そういう話し合いの中で一緒にやっていきましょうということがあるとすれば、今後、そういう展開になると考えております。
〇久保孝喜委員 最後に局長にお聞きいたします。
 保健福祉部でも聞いたんですけれども、こうしたドクターカーが、今お話のあった地域包括医療という体制の中できちんと位置づけられて、県立病院のネットワークの中で具体的に踏み出していくツールになり得ると私は思いますし、そのためには、当然のことながら、ドクターの問題、看護師の問題、いろんな体制整備はもちろん必要なわけです。しかし、ありがたいことに、こうやって寄贈されたことをきっかけに、今後の可能性という意味では示唆を与えてくれたと前向きに捉えたいと私は思うんですけれども、このドクターカーの今後の可能性についてどのように考えているかお聞きしたいと思います。
〇佐々木医療局長 ドクターカーの今後の可能性ということでございます。先ほど、保健福祉部の質疑の答弁の際にもありましたけれども、確かに、ドクターヘリとドクターカー、空と陸といった形での救急現場への迅速な対応というのは、県民の命を守るといった意味で非常に有効な手段であると感じております。
 ただ、委員からも御指摘がありましたとおり、ドクターカーは消防署からの要請によって救急現場まで医師を運ぶというのが本来の目的でございます。現在、医師不足が顕著である県立病院において、今の医療スタッフの体制のままドクターカーを導入できるかというと、これはかなり厳しいものがあると思っております。今後の医師を初めとするスタッフの確保といいますか、そういったものを見ながら、継続的に検討していく課題であると認識しております。
〇斉藤信委員 最初に、私は、岩手県立病院の経営計画についてお聞きしたいと思います。
 新しい経営計画の主な内容、新しい特徴は何か示してください。
〇熊谷経営管理課総括課長 岩手県立病院等の経営計画の主な内容等についてでございますけれども、20病院6地域診療センターでの現行体制を基本とし、県立病院間のみならず、福祉、介護施設との役割分担と連携を一層進めながら、県民に良質な医療を持続的に提供することとしているところでございます。
 また、医師不足解消に向けた取り組みを進めることはもとより、基幹病院に医師等を重点的に配置しながら、圏域内の地域病院への応援体制を強化するなど、県立病院間のネットワークを活用した円滑な医療提供体制を構築するほか、医師を初めとした医療従事者の負担を軽減し、医療の質や患者サービスの向上を図るため、医療提供に必要な職種の人員増を行うとともに職種間の連携を強化するなど、チーム医療を推進することとしてございます。
 こうした取り組みを進めるためには安定した経営基盤の構築が必要であり、収益の確保や効率的な費用の執行など経営の効率化に積極的に取り組むほか、診療報酬改定等の経営を取り巻く環境の変化に迅速に対応することとしているところでございます。
〇斉藤信委員 今回の経営計画を私も読んで、一つは、20病院6診療センター体制を維持すると。前回は余りにも乱暴な、住民の合意を経ない診療所化が行われて、花泉診療センターのああいう不祥事まで起きてしまった。そういうことを見直して、今回は、私は不十分だと思うけれども、医師、看護師等の322人の人員増を打ち出したということは基本的には評価したいと思います。
 それで、職員配置計画では322人の増となっていますが、今回、議会に提案されている定数条例では5、209名、今の定数より207名増ということなんです。この程度の増員で間に合うのか。皆さんの定数計画だと、平成30年には、正規と常勤臨時職員を含めると6、282人になるんです。この整合性はどういうことになるのか、この程度の定数増でいいのかということを示してください。
〇菊池参事兼職員課総括課長 職員配置計画と定数条例の改正についてでありますが、職員配置計画の職員数は正規職員と常勤臨時職員の合計数であり、一方、定数条例に規定する定数には臨時的任用職員は含まないものでございます。職員配置計画では、平成25年5月現在の現員数5、960人から322人増員し、6、282人とすることとしておりますが、このうち正規職員については4、882人から327人増員し、5、209人とする計画としているところでございます。現在の条例定数5、002人に対して、実際に不足する207人について、今回の条例改正により増員しようとするものでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、正規職員は327人ふやす、それで5、209人だと、これ以上ふやせないということになります。私は、定数条例というのであれば、これ以上ふやせないという条例になるから、もっと余裕を持った定数条例の改正にすべきではなかったかと思います。
 そうすると、平成25年度の現員は5、960人、そのうち正規職員が4、882人ということです。そして、6、282人が平成30年度の目標だとすると、これは5、209人というのが正規職員で、その差が約1、000人になりますけれども、これが常勤臨時職員ということになりますか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 お見込みのとおりでございます。
〇斉藤信委員 それで、看護部門の増員についてお聞きしたいんですが、5年間で130人ふやすと。しかし、内訳を見ますと、被災病院の再建で72人なんです。医療の質の向上はわずか68人。これも、20病院ある中で68人の増員だったら、病棟に1人もふえないということになってしまうのではないかと思います。68人で、医療の質の向上でどういう改善が図られるんですか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 医療の質の向上に向けての増員についてでございますが、職員の増員につきましては、今後の病院等の機能のあり方を踏まえまして、収支計画の推移等も勘案しながら、可能な限り職員体制の充実を図ることとした計画でございます。
 その中で、看護師につきましては、被災病院の再建に伴う看護体制の構築のほか、医療の質の向上に向け、地域医療福祉連携体制強化のための退院調整にかかわる看護師の配置や、人材育成のための教育担当看護師の配置、救急、がん、周産期医療の充実など看護師の増員を行い、県立病院に求められる課題に対応するため、計画的に体制強化を図っていくことにしたところでございます。
〇斉藤信委員 看護師の実態の問題は後でまたじっくりやりますが、計画の中で大東病院については来年度25人の看護師を配置すると。その大東病院の今の医師の体制は4月から―きょうの新聞報道では、新しい院長のお名前も紹介されているけれども、どういう医師の体制で、大東病院は40床の体制を維持するのですか。
〇千葉医師支援推進監 大東病院の医師の体制につきましては、現在、最終調整の段階でございまして、現時点ではまだ明言できない状況でございますが、必要な人員の配置や診療体制の整備を行っていく考えでございます。
〇斉藤信委員 私は、大東病院の院長先生にも聞いて、病棟を確保した場合にどのぐらい必要ですかと。5人ぐらいは必要ですねという話でした。今、大東病院は2人です。どのぐらい必要なんですか。必要だと思ってどういう調整をしているんですか。
〇千葉医師支援推進監 病棟再開に当たりまして3人ないし4人は必要だと考えて、それを目標に取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 それだけでは本当は不足だと私は思うけれども、本当に最大限―新しい院長先生を県外から呼ぶという人事のようだから、とんでもないところに新しい院長を呼ぶようなことのないように、一つきちんと医師、看護師の体制を確保してやっていただきたい。
 それと、被災病院の再建で来年度は25人なんですが、平成27年度は看護師を21人増員するということになっています。これは大槌病院のことでしょうか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 大槌病院を想定したものでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、先ほども、大槌病院の場合は来年度から建設に着手できるという話でした。恐らく1年ぐらいの建設工事で平成27年度中にはできるから、平成28年度オープンとなっているけれども、恐らく平成27年度から体制をとって、全面的には平成28年度と。平成27年度からそういう病棟を前提にした体制をつくるということですか。
〇菊池参事兼職員課総括課長 病院建築の進みぐあいとの関係につきまして職員体制の配置時期が変わってくるわけでございますけれども、その辺につきましては、これから建築の進みぐあい等を勘案しながら詰めていくことになると考えております。
〇斉藤信委員 平成27年度中には病棟を再開できると、私は院長先生にも聞いてきました。平成27年度中にはできるので、助走しながら平成28年度の全面的なオープンに向けることができるのではないか。少しでもこれは前倒しされれば大歓迎されるので、あなた方の計画は平成27年からそれを前提にした看護師の増員計画を立てているから、いいことはしっかりやっていただきたい。
 それと、この経営計画の中で、パブリックコメントの中身を見ますと調理業務の全面委託というのがあって、これは問題ではないかという意見も寄せられました。医療局の回答は対応困難ということだけれども、病院というのは、先ほどお話があったように、やっぱりチームワークです。調理業務を含めて、私は、患者のために意思疎通してやるべきではないのかと。この調理業務の委託というのは見直すべきではないかと私は思います。いかがでしょうか。そして、計画的にはどこの病院を業務委託しようとしているのかも明らかにしていただきたい。
〇菅原業務支援課総括課長 調理業務委託についてのお尋ねでございます。
 来年度からの5年間の計画の中で―委員の方々にも配付しております計画の中にも入っております。病院名は入っておりませんが―地域病院で導入するということで計画しております。
 委託することによってチーム医療が崩れるのではないか、あるいは質の低下等も懸念されるということも言われましたけれども、私たちもそこは懸念しているところであります―懸念といいますか、現在でも二つの病院に調理業務委託が入っております。これまでの契約形態といいますのは、指名競争入札、価格を一定程度基準にしながら、安い業者ということで決めておりましたけれども、来年度からの導入につきましてはプロポーザル方式、いわゆる業者からの提案による方式に改めたところでございます。価格だけではありません。質も担保しながら、今までよりも質が落ちないように、むしろ上がるように、そして、そのほかの医療スタッフとの連携も深めながら進めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 言葉はいいけれども、目的は何かというと経費削減なんです。だったら、どこにしわ寄せが行くかというと、そこで働く人たちの賃金が安くなるだけなんです。私は、もうそういうやり方は見直すべきだと思います。低賃金社会をつくってはだめだと。
 先ほど、地域病院は計画では10病院まで業務委託するとなっていますが、地域病院以外はやるつもりはないと。それとも、今回は地域病院をやって、次は大きい病院もと考えているんですか、そこを示してください。
〇菅原業務支援課総括課長 平成30年度までは地域病院ということで、それ以外の基幹病院につきましては改めて検討するということにしております。導入する、あるいはしないということでの考え方については、現時点ではございません。
〇斉藤信委員 いずれにしても、私は、全体として今回の経営計画は前向きだと思っています。しかし、やっぱりこの業務委託というのは従来型の発想なんです。民間委託して安くすると。それで、結局、質はよくならない。私は、そういう点ではこの点は問題だと思います。
 次に、看護師確保対策についてお聞きいたします。
 日本医労連が全国の看護師3万2、000人の調査を行いました。大変深刻な実態がここで示されていますが、医療局長、これは把握していますか。どういうふうに受けとめていますか。
〇佐々木医療局長 日本医労連による看護師実態調査でありますけれども、これにつきましては、岩手県医療局労働組合から、その調査報告書の提供を受けてございます。全部で84ページの資料でございますけれども、私も、調査実施の概要ですとか調査結果の特徴、あるいは自由記載欄の章を中心に目を通しました。
 感想としては、全国的にやはり看護職員の勤務実態が非常に厳しい状況に置かれているということを改めて認識いたしました。そういった中で、集計結果が全国の数字しかないものですから、それと比較して岩手県の県立病院の看護師の状況がより厳しいのか、それともまだ全国よりはそこまでではないのかといったあたりの比較ができないということではありますけれども、いずれ、今後の看護師の勤務環境の改善、あるいは看護師確保の施策を考えていく上での参考にしたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは3万2、000人の調査で、実は岩手県から2、100人のアンケートがここに集約されています。後で詳しくお話しします。
 この全体的特徴は、慢性疲労74%、健康に不安60%、強いストレス67%、危ぶまれる母性、3人に1人が切迫流産、そして流産も約1割と。本当に看護師の健康が危ぶまれているというのが全国的な調査ですが、大体これは同じなんですけれども、岩手県内の病院の2、100人、これもほとんど県立病院と岩手医科大学が八、九割を占めるので、岩手医科大学と県立病院の差はあるかもしれないけれども、県立病院の実態だと見て間違いないと思いますが、1年前と比べた仕事量の変化は、大幅にふえた30.6%、若干ふえた38%、合わせて68.6%が1年前と比べて仕事量がふえたと答えています。最近3年間のミスやニアミスの経験は、あるというのが88.5%。そして、医療、看護事故が起きる大きな原因は何か、慢性的な人手不足による医療の現場の忙しさ84.1%、交代制勤務による疲労の蓄積30.8%と、人手不足による現場の忙しさが圧倒的にその要因だと答えています。最近出ている健康状況の症状は、全身がだるい59.9%、眼が疲れる47.6%、いつも眠い45.9%。患者への十分な看護の提供はどうか。できていない62.4%です。そして、患者への十分な看護が提供できない主な理由は何か。人員が少なく業務が過密78.3%、看護業務以外のその他の業務が多過ぎる―これは研修、会議を除いてです―が46.2%です。
 私は、圧倒的な人員不足の中で看護師が命を削りながら仕事をしているという実態になるのではないかと思いますが、そこで私は具体的にお聞きしたい。年休が自由にとれる看護体制にすべきではないか。この取得状況はどうなっているのか。月9日夜勤などというのは今までなかった。今、月9日夜勤をやられているんです。県立病院の月9日夜勤の実態を示していただきたい。
〇菊池参事兼職員課総括課長 看護師の年次休暇取得状況についてでございます。平成25年の年次休暇の平均取得日数は8.1日となっており、平成23年と比較すると0.2日の増、平成24年と比較すると0.2日の減という状況でございます。
 それから、月9回夜勤の発生状況でございます。今年度におきまして、第3・四半期までの実績でございますが、13病院で延べ541回、率で2.7%の月9回夜勤が発生しているところでございます。
 その主な要因としましては、年度途中での看護師の退職、病気休暇等によるものと認識しておりまして、夜勤が発生した場合においては、翌月以降に夜勤回数を調整するなど、可能な限り年間を通して月8回以内となるように努めているところでございます。
〇斉藤信委員 看護師は平均して年次休暇が8.1日ですけれども、中央病院が6.6日、胆沢病院が5.9日で、20日間あるのに、本当にこれしかとれないんです。看護師の一番切実な要望は、自由に年休をとりたい。子供の授業参観とか、病気になっても休めない、これが実態です。それどころか、月8日夜勤が原則だった。今これが崩れているんです、回答にあったように。13病院で延べ541人です。改善するどころか、本当に命をすり減らすような状況なっている。今、看護師確保競争の時代に入って、看護師が病院を選ぶ時代です。経営計画の中にも、働きやすい環境をつくるとなっています。本気になってこれをやらなかったら、県立病院は見放されますよ。
 そういう点では、私がさっき紹介した130人、医療の質の向上68人の増員では、本当に微々たるものでしかないと思います。最も過酷な病院の一つでありますが、中央病院の看護師の増員はことしはどうなって、来年はどうなるのかお聞きしたい。
〇菊池参事兼職員課総括課長 中央病院の看護師の増員についてでございます。平成26年度の中央病院の体制につきましては、退院調整にかかわる看護師を1名増員する予定としているところでございます。産前産後休暇や育児休業等の取得者が、平成25年度と比較して13名少なく見込まれていることから、その代替職員として配置を減員したことなどにより、定数配分上は9人の正規看護師の減員を行うこととしているところでございます。
 なお、産休、育休取得者の代替職員の減員につきましては、その見合いの職員が産休、育休から復帰するものであり、実働人員が減るものではないと考えております。
〇斉藤信委員 今、驚くような答弁がありました。9人減員。私が言ったような過酷な、年休もとれない、月9日夜勤がふえている中で、中央病院は減らすんですか。信じがたいですね。局長に聞きたい。中央病院は減らすんですか。
〇佐々木医療局長 ただいま菊池総括課長が答弁申し上げましたとおり、定数の配分上は産休、育休の代替職員分の配置を減員いたしますけれども、これは、休んでいた職員が職場に復帰いたしますので、実働の人員として減るものではありません。あくまで定数の配分上の問題であります。数字の問題であります。
 中央病院につきましては、正規職員で見ますと、例えば平成23年度から平成24年度について定数を9名増員しました。平成24年度から平成25年度にかけては11名増員してきております。そういった中で、産休、育休を取得する職員の数に応じて、その代替職員は正規職員で埋めるという方針ですから、その産休、育休をとる人数の見込み数の増減によっては、配分上の定数というのは年によって増減があり得るということであります。
〇樋下正信委員長 斉藤委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 わかりました。時間内にしっかり終わりますから。
 ちょっとよくわからないけれども、途中で退職する看護師が多いのです。そして、今、ほとんどそれが補充できない。中央病院は厳しいということが伝わっているから、途中確保できないというのが実態ですから、そこも踏まえてひとつ対応していただきたい。
 残念ながら最後ですが、消費税増税の影響について、これまでの消費税の負担額の累計額はどうなるか、来年度の消費税負担額、そして来年度の収支の見通しは消費税も含めてどうなるのか示していただきたい。
〇熊谷経営管理課総括課長 まず、消費税増税の影響についてでございますが、消費税が導入されました平成元年度から、決算数値として確定している平成24年度までの間の消費税負担額ということでお答えさせていただきますが、総額が431億円余であるのに対しまして、過去の消費税に対応した診療報酬の引き上げ等によって補填されたと推定される額が約287億円であり、最終負担額は143億円余と試算しているところでございます。
 次に、来年度の消費税負担額についてでございます。これも、恐縮でございますが、数値が確定している平成24年度の決算数値を用いて試算させていただいた結果によりまして説明させていただきますが、税率改定によりまして9億6、000万円余の増加が見込まれるところでございます。
 こうした医療機関の負担につきましては、国では診療報酬で手当てするとし、先般、診療報酬改定に係る告示が発出されたところでございますが、当県立病院事業の入院収益のおよそ半数を占めるDPCに係る増税分の詳細が不明でございます。したがいまして、税率改定に係る診療報酬での措置額を正確に算定できない状況にございます。このため、便宜上、国が示しております診療報酬改定のうち、消費税改正に係る改定率、すなわち、医科分0.17%及び薬価分0.73%を用いて大まかに算定しますと、あくまでも大ざっぱな試算ということで御理解いただきたいと思いますが、医科分が5億6、000万円余、薬価分が5億8、000万円余となり、今回の税率改正分に限って見れば、所要の補填がなされるという試算結果となってございます。
 しかしながら、現行税率5%分でございますが、これの消費税の最終負担額は平成24年度決算で3億7、000万円余と試算しているところでございまして、今回の措置がこの負担分をカバーするまでには至らず、実質的な持ち出しが生ずる構造には変わりがないものと認識しているところでございます。
 次に、来年度の収支の見通しについてでございます。平成26年度当初予算におきましては、費用につきましては消費税率8%で積算し、収益につきましては診療報酬改定の影響を見込まず積算しているところでございます。これにより、会計制度の見直し等による特別損失を除いた経常収支では21億円余の黒字を見込んでいるところでございまして、先ほどの試算を踏まえますと、経常ベースでは一定程度の黒字が確保できるものと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 終わります。
〇樋下正信委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇樋下正信委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆様方は御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれをもって散会します。
   午後6時51分 散 会

前へ 次へ