平成26年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成26年3月7日(金)
1開会 午前10時3分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長     高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査     佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  知事    達 増 拓 也
  副知事      千 葉 茂 樹

  秘書広報室長   水 野 和 彦
  秘書広報室副室長
  兼首席調査監   保   和 衛

  政策地域部長   中 村 一 郎
  政策地域部副部長
  兼政策推進室長兼
  首席ILC推進監 大 平   尚
  政策地域部副部長
  兼地域振興室長  紺 野 由 夫
  政策監    菊 池   哲
  市町村課総括課長 五月女 有 良

  環境生活企画室
  企画課長    工 藤 啓一郎

  保健福祉企画室
  企画課長    伊 藤 信 一

  商工労働観光部長 橋 本 良 隆
  商工企画室
  企画課長     木 村   久
  商工企画室
  管理課長    千 葉 義 郎

  農林水産企画室
  企画課長    藤 代 克 彦

  県土整備企画室
  企画課長    佐 藤 隆 浩
  理事兼
  復興局副局長   佐々木 和 延
  復興局総務企画課
  総括課長    森   達 也

  教育企画室
  企画課長    蛇 口 秀 人
  議会事務局長   小 原 敏 文
  次長    新 屋 浩 二
  総務課総括課長  高 坂 一 彦
  政務調査課長   大 越   貢

  総務部長    小田島 智 弥
  副部長兼総務室長 杉 村   孝
  参事兼
  財政課総括課長  佐 藤   博
  総合防災室長   佐 藤   新
  総務室管理課長  及 川   忠
  入札課長    山 崎   隆
  放射線影響対策
  課長    渡 辺 英 浩
  人事課総括課長  大 槻 英 毅
  法務学事課
  総括課長    細 川 倫 史
  私学・情報
  公開課長    岡 崎 幸 治
  行政情報化
  推進課長    菅 野 義 克
  税務課総括課長  小 向   哲
  管財課総括課長  宮   卓 司
  防災危機管理監  會 川 雅 行
  防災消防課長   小 畑   真
  総務事務
  センター所長   佐 藤 応 子
〇樋下正信委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第2号から議案第22号まで、議案第36号から議案第44号まで、議案第46号から議案第57号まで、議案第62号、議案第63号、議案第67号、議案第68号、議案第70号から議案第77号まで、議案第79号、議案第82号、議案第84号、議案第86号から議案第94号まで、及び議案第166号の以上67件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いします。
 なお、質疑に入るに先立ち、昨日の質疑に対する答弁に関し、商工労働観光部長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇橋本商工労働観光部長 昨日、及川あつし委員から緊急雇用創出事業で行う委託事業に係る中間検査の実施状況について御質問があり、11月末82%と答弁しましたが、再確認したところ、正しくは10月末の実績でありました。おわびして訂正いたします。
 その実施状況についてでありますが、受託者513者に対し、1回以上実施したものが421者で82%、そのうち、2回実施したものは41者で全体の8%であり、現時点における3月末までの実施見込みは、調査中のため部局審査で御報告いたします。
〇樋下正信委員長 これより、昨日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。名須川晋委員。
   〔名須川晋委員質問者席に着く〕
〇名須川晋委員 思いもよらない水入りでございましたが、その分、御当局の御回答が練られているものと期待しております。
 代表質問、そして一般質問と、多くの方々がいろいろな課題につきまして御指摘をされていると思いますが、できるだけニッチな部分も取り上げてまいりたいと思っております。
 それでは、まず第1点目、質問させていただきます。
 まずは、ソチオリンピックでの県人の活躍への所感とパラリンピックへの期待、本県のスポーツ振興への意気込みについてお伺いいたします。
 18日間にわたって熱戦が繰り広げられたソチオリンピックには、本県から二戸市出身で女子カーリング選手の苫米地美智子さんと八幡平市出身でノルディックスキー複合選手の永井秀昭さんの県人お二人が出場されました。残念ながらお二人ともメダル獲得には至らなかったものの、我が郷土からオリンピック選手を輩出するとやはり競技を見る目にもより一層力がこもり、県民の皆さんも、深夜あるいは早朝まで関心を持ってその雄姿をごらんになっていたものと思います。
 オリンピックが閉幕いたしまして熱狂の後の虚無感に襲われておりましたが、いよいよあす未明からはソチパラリンピックも幕をあけ、盛岡南高校の阿部友里香さんがクロスカントリースキーとバイアスロン競技に出場する予定でございます。選手団唯一の被災者で山田町出身の彼女の活躍にもぜひとも期待したいものでございます。また、アルペンスキーには、岩手大学を御卒業されました狩野亮選手も出場されるということでございます。
 それでは、ソチオリンピックをごらんになっての県人選手活躍への所感と、パラリンピックでの阿部選手への期待などを込めながら、本県のスポーツ振興にかける知事の意気込みについてまずはお伺いいたします。
〇達増知事 さきに行われたソチオリンピックでの本県選手、苫米地美智子選手と永井秀昭選手のすばらしい活躍は、県民の皆さんに非常に明るい話題をもたらしてくれました。本県出身選手が日本を代表して堂々と競技するその姿は、復興に向かう県民の皆さんに大きな感動と希望を与えてくれたものと考えております。また、ソチパラリンピックに出場する阿部友里香選手は、大震災津波の被災などさまざまな困難を並々ならぬ努力と多くの支えで乗り越えて世界に挑みます。その姿は、必ずや被災地、そして県民の皆さんに勇気と大きな感動を与えるものと確信いたします。
 このように、被災者の方々や県民の皆さんに希望と活力を与えてくれるなど、復興においてもスポーツの力というものは非常に大きいものと考えております。来る希望郷いわて国体に向けた重点的な選手強化の取り組みを初め、オリンピックなど世界の舞台で活躍するアスリートの輩出を目指したジュニア世代からの早期の発掘、育成、スポーツ医・科学に基づくサポートの実施など、引き続き、本県の競技力向上、スポーツ振興に取り組んでまいります。
〇名須川晋委員 それでは、障がい者スポーツの強化体制についてお伺いいたします。
 まずは、障がい者スポーツを所管する協会等の体制整備についてでございます。
 昨年末にスポーツ振興等調査特別委員会視察調査で大分県を訪問する機会を得ました。大分県における障がい者スポーツへの取り組みは古く、大分県障がい者体育協会が設立されたのも昭和36年と50年以上の歴史を有し、アスリートと子供たちの触れ合い交流事業や優秀選手の活動経費を支援する事業、また、世界に誇る大分国際車いすマラソン大会を運営するなど、先進をいっております。
 一方、本県のこれに関する所管は岩手県障がい者社会参加推進センターにわずか事務局機能を有しているのみで、しっかりとした組織が確立されているわけではなく、大変心もとない状況が続いております。全国を見ますと、法人格があるなしにかかわらず、いわゆる障がい者スポーツ協会を設置している自治体が大部分であり、本県の取り組みの遅さや取り組みのなさに愕然とする思いでございます。障がい者スポーツ協会として、あるいは既存の県体育協会や社会福祉協議会、社会福祉事業団の一組織としてなのか、いずれにしましても早期の設置が求められるわけでございますが、その理念や設立の時期につきましてどのようにお考えでしょうか。
〇達増知事 障がい者スポーツは、障がい者の方々の社会参加推進の一つとして重要な位置づけにありますことから、本県におきましては岩手県障がい者社会参加推進センターが推進の中心的な役割を担っておりまして、同センターにおいては、これまで、県の障がい者スポーツ大会の開催などのほか、希望郷いわて大会に向けた選手やチームの育成に積極的に取り組んでおります。
 こうした中、県内の関係者からは、希望郷いわて大会を契機とした障がい者スポーツのさらなる推進には、同大会において本県選手が上位成績をおさめるなどの活躍が必要であり、そのためには、競技団体等との連携推進、さらに、協会の設立など大会後における組織体制の強化が必要との意見があったところであります。このため、障がい者の社会参加推進、障がい者スポーツの普及や選手の確保、育成強化を目標に、競技団体など関係機関、団体を構成員とする希望郷いわて大会選手育成強化推進委員会を設置しまして取り組みを強化することとしたほか、大会後の組織体制のあり方についても検討してまいります。
〇名須川晋委員 今、具体的な時期等には触れられなかったわけでございますが、いずれその取り組みのなさというのを県御当局としても御理解されて、いわて大会前に設置しても別にいいのではないかと私は思っていますが、いずれにしましても早期の設置を早く御検討していただきますようにお願いいたします。
 また、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業につきまして、障がい児も含めて育成を図るべきではないかという観点で御質問をいたします。
 このいわてスーパーキッズの事業の平成25年度の募集要項を見ますと、2020年東京オリンピックや2022年冬季オリンピックを目標に、世界で活躍するトップアスリートとなる人材の発掘、育成を一つの目標としております。秘められた子供たちの能力を開花させ、すばらしい成績をおさめている事業を大変評価はいたしますものの、残念ながら障がい児からの観点は見られないと思います。先天、後天を問わず障がいを持った子供にも運動能力に秀でた子は必ずいるでしょうから、ジュニアアスリートとして発掘、育成し、この岩手からいずれは世界に羽ばたくトップアスリートを輩出することを期待したいものでございます。ノーマライゼーションの観点からも、そうした子供たちにも門戸をあける必要があるのではないか。いわてスーパーキッズ発掘・育成事業について、障がい児も含めて育成を図るべきではないか。選手強化に係るさまざまな手法や知見も必然的に積み上がっていくものと思いますが、どのようにお考えでございましょうか。
〇千葉副知事 スーパーキッズの育成についてでございますけれども、今、委員からお話がありましたいわてスーパーキッズ発掘・育成事業におきましては、第1期生の小林陵侑選手がスキーノルディックジュニア世界選手権大会日本代表に選出されるなど、その成果が徐々にあらわれてきているところでございます。
 この事業は障がい児に門戸を閉ざした事業ではございませんけれども、実際の選手育成事業を進める体制あるいは環境につきましては、現在、障がい者スポーツに十分対応したものとはなっていないところでございます。したがいまして、現状において、健常者と障がい者を同じ事業で育成することはなかなか現実には困難な状況にあることは委員御指摘のとおりでございます。
 現在、県といたしましては、パラリンピックなどに向けた競技性の高い障がい者スポーツの育成強化に関する具体的な知見を有しておりませんことから、今後あるいは現在、国が行うこととしておりますパラリンピックに向けたジュニア育成に係る調査研究の動向などを踏まえながら、関係団体等と連携いたしまして、障がい者スポーツの育成強化について、そのあり方を検討していく必要があるものと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 来年度からスポーツ医科学センターも設置される予定でございますが、この辺につきましてもそのノーマライゼーションの観点と障がい児・者のスポーツの視点をぜひとも取り入れていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
〇千葉副知事 御案内のとおり、ノーマライゼーションの視点というのは各分野に共通するものでございまして、当然スポーツの分野でも進めていく必要があるものと考えております。そのような方向で進めていきたいと考えております。
〇名須川晋委員 希望郷いわて大会に向けての選手強化に係る年次計画はどうなっているか。ことしの国体、大会は長崎県、来年は和歌山県、その次に本県と続くわけでございますが、この2年間の選手強化が大事になってきますが、その年次計画はどうなっているか。スポーツ祭東京の場合、実施競技のほかに17種目のオープン競技がございました。ことしの長崎県は2種目、来年の和歌山県も2種目となっております。いわて大会の競技種目は何を予定しており、また、このオープン競技について本県はどのように臨むかもお知らせいただきたいと思います。
〇千葉副知事 まず、選手強化に係る年次計画についてでございますけれども、全国障害者スポーツ大会は、国民の障がいに対する理解を深め、障がい者の社会参加の推進に寄与することを目的とするとされておりまして、同大会の開催基準要綱におきましては、選手の選考の際は、大会出場未経験者の出場にも配慮することとされております一方、スポーツ振興の一環としまして、記録の更新や上位成績を目指した大会でもございます。このため、希望郷いわて大会に向けましては、出場未経験者も含む開催県として想定される約300人の選手の確保と選手の強化育成を並行して取り組む必要がございまして、このたび選手育成強化基本計画を策定したところでございます。
 具体的な育成強化の取り組みといたしましては、来年度、強化選手の指定を行いまして、長崎大会、和歌山大会への選手選考を行うほか、大会開催年度まで、定期的な強化練習や社会人選手を招聘した練習会の実施、他県チームとの強化試合などを実施していくこととしております。これらの実施に係る具体的計画につきましては、競技ごとに選手層の状況が異なりますことから、各競技別に計画を策定し、当該計画に基づいて取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。
 あわせて、オープン競技に係る対応についてでございますが、オープン競技につきましては、広く障がい者の間にスポーツを普及するという観点から正式競技以外に実施するものでございまして、希望郷いわて大会に向けて、障がい者スポーツ団体及び各市町村等に対する実施意向調査など所要の関係手続を経まして、最終的には、ビリヤード、卓球バレー、ゲートボール、ペタンクの4競技に決定したところでございます。これらオープン競技につきましては、県内に出場可能な選手、チームが存在することを選考要件の一つとしているところでございますけれども、オープン競技実施の趣旨を踏まえ、当該競技を主管する団体や障がい者団体等と連携し、一層の障がい者スポーツの振興を図っていきたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 パラリンピックに出場できる選手育成計画についてということでございますが、希望郷いわて大会、障害者スポーツ大会の種目は、個人競技―陸上とか水泳、アーチェリー、卓球等々ございます。パラリンピックと同一あるいは似たような能力から、参加できるような種目もかなりたくさんありますが、障がい者もパラリンピックだけでなくオリンピックのほうにも出られますけれども、これとリンクさせながら、選手を育成するような計画もぜひともおつくりいただきたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
〇千葉副知事 パラリンピックに出場できる選手育成計画についてでございますけれども、全国障害者スポーツ大会は、先ほども一部申し上げましたが、選手選考に際しまして出場未経験者にも配慮することとされており、また、当該成績がパラリンピックの選手選考に必ずしも反映されるものではございませんけれども、これも先ほど申しましたが、記録の更新あるいは上位成績を目指した選手育成に取り組むなど、同大会への出場は大変意義深いものがあると考えております。この大会への出場を契機としてさらに国際大会での活躍を志す選手があらわれることも今後当然想定されますし、また期待もしているところでございます。
 国におきましては、現在、平成24年3月に策定いたしましたスポーツ基本計画によりまして、競技性の高い障がい者スポーツについて、さらなるメダル獲得に向けたアスリートの発掘、育成強化や情報分野等における支援、競技用具等の開発、調査研究等を推進するとしているところでございます。県といたしましては、当面、希望郷いわて大会に向けた育成強化を行いますが、こうした国の動向を注視しながら、パラリンピックも視野に入れた育成のあり方について、これも競技関係者と議論を行い取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 スポーツ庁創設の動きがございますが、これをどう把握し、県の組織改編につなげていくかということでございます。
 国会議員超党派で組織するスポーツ議員連盟のプロジェクトチームは、スポーツ庁設置に向け、5月までに政府への提言をまとめ、秋の臨時国会で法案を成立させる見通しとのことでございます。現状では文部科学省の外局として位置づけ、来年4月に設置という方向で進められているようでございます。まだ議員連盟の意向でございますからその行方は不確かな部分も多いのですが、県ではこのような動向をどう把握しているのか。また、スポーツ庁設置を県の組織改編にどのようにつなげていくのか。私の理想としては、スポーツをする目的の多様性に配慮した専門の部局を設置するべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇達増知事 ソチオリンピックを改めて思い出しますと、そういう大きな大会を開く、もうすぐ岩手県も国体、スポーツ大会を開くということで、そういう思いもあって私もソチオリンピックをテレビで見ていましたけれども、開催地域の来し方行く末に思いをいたし、そして地域の底力を高めながら、またさまざまな外とのつながりの力を高めていくということで、これは岩手の復興にも資する大事なことだと改めて思いました。そして、パラリンピックがいよいよ始まりますけれども、障がいのある方のスポーツ参加、それをみんなで観戦して応援するということの意義、テレビでもパラリンピックは回を重ねるごとにどんどん放映されるようになってきたと思いますし、事前のさまざまな紹介、解説番組も盛り上がっていて、やはり、改めて障がいのある方のスポーツ参加、一つのスポーツという中で、ともにスポーツをやっていくことの重要性というのを改めて感じております。
 そういう中で、スポーツ庁創設に関してでありますけれども、これまで国などからの情報として県に提供されたものがなく、県としても報道レベルの情報として把握しているところであります。スポーツ庁の設置が県の組織改編にどのような影響を及ぼすかについては現時点で判断するのは難しいのでありますが、県としては、今後の国の動向を注視して、情報等を踏まえながら必要な検討を行っていかなければならないと考えております。
 希望郷いわて国体、いわて大会まではあと2年と迫った現状でありまして、その成功に向けては、現在の組織体制のもとで計画的な取り組みに全力を注いでいくことが必要と考えております。
〇名須川晋委員 ひとつ前向きな議論の進行をお願いしたいと思います。
 それでは、3番目でございますが、震災復興に係る建設業の諸課題について。
 震災復興に係る公共事業が増加しておりますが、予算や件数等、今後の推移についてどう分析しておりますでしょうか。
〇千葉副知事 震災復興に係る公共事業費についてでございますけれども、平成26年度当初予算におきましては約1、160億円計上しておりまして、平成25年度当初予算と比較し、約331億円、40%増加しているところでございます。
 今後の見通しについてでございますが、災害公営住宅の建設を初め、防潮堤や水門等の津波防災施設の復旧、整備、市町村のまちづくりと一体となった道路整備等が本格化いたします平成26年度から平成27年度までの2カ年を事業のピークとし、平成28年度以降、低減していくものと見込んでいるところでございます。
〇名須川晋委員 公共事業の減少によって長年低迷していた建設業でございますが、近年の経営状況はどのようになっておりますでしょうか。
〇千葉副知事 建設業の近年の経営状況についてでございますが、私どもの手元にございます東日本建設業保証株式会社がまとめました建設業の財務統計指標によりますと、県内の建設企業の収益性をあらわします総資本経常利益率は、平成18年度から平成22年度までマイナスで推移しておりましたが、震災に伴う復旧、復興事業が開始いたしました平成23年度以降はプラスに転じ、平成23年度はプラス1.85%、平成24年度はプラス5.42%まで回復しており、建設業の経営状況は一定の改善が図られているのではないかと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 従業員の増加や建設機械への投資など事業が拡大傾向にある建設会社も実際多いものと思います。ただいま、復興事業が平成28年度以降から減少するという予測を御答弁いただきましたが、その影響を最小限に食いとめるためにどのように県は対応していくのか。事業者や地域への影響を最小限に抑えるために、新規事業へと誘導するといったスキームも検討していくべきではないでしょうか。
〇千葉副知事 復興事業縮小後の対応についてでございますけれども、今申しましたとおり、現在、震災復興事業によりまして一時的に事業費が増大しておりますけれども、復興事業が進むにつれまして再び事業費が減少していくことは避けられず、その影響を最小限にとどめるためには、復興事業が継続しているうちに各企業が将来を見据えた経営改善に取り組み、経営基盤の強化を図っていく必要があると考えております。
 建設業は、申すまでもなく、地域の社会資本整備や維持管理の担い手として、また、災害時には地域の安全・安心の守り手として必要不可欠な存在であると認識しているところでございまして、県といたしましては、平成23年8月に策定いたしましたいわて建設業対策中期プランにおきまして、復興後を見据えた企業経営の進むべき方向として、例えば本業に特化する本業の経営強化、新分野への進出などの経営の副業化、企業連携などの事業の連携などを掲げまして、個々の企業の経営戦略に応じたきめ細やかな支援を行うこととしたところでございます。
 また、新分野への進出につきましては、すぐれた取り組みに対する助成や表彰を行いますとともに、一般社団法人岩手県建設業協会内に設置しております経営支援センターと連携し、指導、助言を行うなど、建設投資額が減少した後においても、技術と経営にすぐれた企業が評価され、存続できる環境づくりにつきまして、建設業の経営改善、技術力向上、人材育成等への支援を進めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 全国の建設業就業者数は、ピークだった平成9年の685万人から平成23年には500万人を割り込むまで減少しております。これは、最大で84兆円あった建設投資が同じく平成23年には43.2兆円までに半減、受注競争が激化し、そのあおりで、多くの若者が建設業には将来の希望が持てないとして、職業を選ぶ際、その選択肢から外れ、現場が高齢化してまいりました。建設生産を支える技能、技術の喪失が懸念されますが、いずれ公共事業が減ったとしても、建設技能を習得した従業員が数多いほど事業継続に有利な要素となります。建設業に携わる若者や優秀な技術者をどうやってふやしていくのか、県としても十分な関心を持って取り組むべきと思いますが、その対策についてお示しをお願いいたします。
〇千葉副知事 技術者の確保についてでございますけれども、若者の建設業への入職を促進するためには、賃金水準あるいは社会保険制度への加入など雇用環境の改善が不可欠でございまして、また、技術者の増加につきましては、必要な技術の習得支援などが必要であると認識しているところでございます。
 雇用環境の改善における賃金水準の向上は、設計労務単価が見直されたことによりまして震災前に比べ約4割上昇しておりまして、昨年4月には、国土交通大臣から建設業4団体に対し、労働者への適切な水準の賃金を支払うよう要望がなされたところでございます。
 また、社会保険の加入促進につきましては、必要な法定福利費の工事費への計上や、県の入札参加資格者への保険加入義務づけ、下請業者等への指導などに取り組んでいるところでございます。
 また、業界団体も、元請、下請間での契約におきまして、必要な法定福利費を明記する標準見積書の活用を昨年9月から行っておりまして、行政、元請企業、下請企業など関係者が一体となりまして社会保険の加入促進を進めているところでございます。
 さらに、必要な技術の習得を支援いたします建設業技術者育成支援事業や、建設業の魅力を積極的に広報するためのいわて建設業みらいフォーラムの開催などにも取り組んでいるところでございます。
 今後とも、さまざまな施策を組み合わせながら、建設業に携わる若者や技術者の増加に取り組んでまいります。
〇名須川晋委員 4点目でございます。県有未利用資産の活用、処分についてでございますが、総務省は、地方財政法を改正いたしまして、来年度より公共施設を撤去する費用を調達する地方債―仮称でございますが撤去債の発行を認める方針であり、その発行枠は、まず初年度300億円とのことでございます。高度経済成長期に人口増加を前提として建設された公共施設が老朽化し、人口減少や市町村合併の進展も相まって過剰となってきている状況が背景にあり、総務省の公共施設等の解体撤去事業に関する調査によれば、平成25年9月1日現在で、公営住宅を筆頭に、教育関係施設、職員宿舎など全国で約1万2、200件、平均築年数は41年、取り壊し費用は4、000億円余りに上るということでございます。
 撤去債の発行に当たっては自治体が公共施設等総合管理計画を策定する必要があり、施設数や面積、今後の人口や財政状況の見通しをまとめ、更新や長寿命化、統廃合など、公共施設に関する方針を明記する必要があります。本県にも県有未利用資産に記載されている行政財産、普通財産を合わせた建物の数は36カ所ございますが、これらが対象になるものと思います。県として、この政策に対しどのように対応していくのか。また、おのずと県有未利用資産等活用・処分方針の見直しも必要になってくるはずであり、その作業も並行して進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇小田島総務部長 まず、公共施設等総合管理計画の策定についてでございますが、総務省では、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設等の解体撤去について地方債の特例措置を創設する準備を進めておりますが、詳細についてはまだ明らかになっていないところでございます。
 県有未利用資産について申し上げれば、平成25年3月31日現在、委員御指摘のとおり、売却が見込まれる未利用地69件のうち36件に建物が建っており、この特例措置によりまして新たに起債の対象になり得ると考えられるところでございます。
 一方、この起債は交付税措置の対象とならないことや、起債を活用するためには公共施設等総合管理計画の策定を前提とすることから、今後、制度の詳細な情報を把握しながら、起債活用の有無などを含め総合的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、県有未利用資産等活用・処分方針の見直しについてでありますが、この方針におきましては、県有施設資産のうち、有効に利用されていない、県が直接利用していない、または利用が見込まれないと判断される資産について、まず、県が公用または公共用として利用することが適当と認められる資産については、全庁的に情報を共有しながら有効活用を図ること、また、県が利用する予定のない資産については、地域振興の観点から地元市町村による活用や民間等への売却等の処分を積極的に推進すること、さらに、貸し付け中の資産については、原則として貸付先に対して売却等の処分を進めることとし、再利用や売却等の処分の方向性を定めてその促進を図っているところでございます。
 一方、今般の制度改正におきましては、国は、この公共施設等総合管理計画の策定を通じ、各地方自治体が長期的な視点を持って老朽化が進む公共施設等の更新、統廃合、長寿命化などを計画的かつ総合的に推進することを求めているものと伺っております。
 県におきましては、県有施設の適切な維持管理、長寿命化の観点から、全庁的にどのように取り組んでいくべきか、庁内にワーキンググループを立ち上げ、検討を行っているところでございます。今後、さらに国の政策や方針との整合性を図りながら、県有未利用資産等活用・処分方針を含めた幅広い総合的な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 ちなみに、この未利用資産で、維持管理費―借地料とか警備、草刈り等、これらいろいろな管理費がかかっているのは県内にどの程度ございますでしょうか。
〇小田島総務部長 未利用資産の維持管理費についてでございますが、知事部局について申し上げますと、借地料でございますが、平成24年度では計2件ございまして7万1、000円となってございます。それから、維持管理費でございますが、5件の施設がございまして、平成24年度実績で132万3、000円となってございます。
〇名須川晋委員 たしか旧県立花巻厚生病院の警備費が130万円ほどだったと思いますが、今現在使っていないにもかかわらずいろいろな経費がかかっているところから優先的に公共施設等総合管理計画の中で対応していただきたいと思っております。
 次に、時間がございませんので一部はしょりまして、いわて花巻空港の活用について質問させていただきます。
 ことしは、いわて花巻空港が開港して50周年という節目の年でございます。先祖伝来の田畑の提供や騒音公害など、近隣住民の方々のさまざまな犠牲を伴いながらも、岩手の玄関口として多くの県民に活用されてきた軌跡を振り返りつつ、今後ますます愛される地元空港として利用促進が図られる内容となるよう期待するところでございますが、いわて花巻空港50周年記念式典内容についてどのように御検討されておりますでしょうか。
〇千葉副知事 いわて花巻空港開港50周年記念事業についてでございますけれども、いわて花巻空港は、50年にわたりまして本県と他地域との交流の拠点として本県の発展に大きく貢献してきたところでございます。また、東日本大震災津波の際には、人々の往来や物資輸送の拠点として、災害拠点空港としての機能も大いに発揮されたと思っております。
 当該記念事業におきましては、このような空港の役割を広く県民に理解していただきますとともに、今後の台湾国際定期便誘致に向けました取り組みやILC誘致など国際化の推進に資する重要な空港としての認識を高めるような取り組みを進め、記念事業を通じて空港の活用による地域活性化や本県の活力増大につなげていくものにしたいと考えているところでございます。
 詳細につきましては、現在、関係者と連携しながら検討を進めておりまして、記念式典や記念講演を初め、被災し、回復した松島に拠点を置きますブルーインパルスの招致の可能性も探りつつ、空の日イベントとしてのスカイフェスタ事業などさまざまな行事を展開していきながら、全県に波及するような取り組みにしていきたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 来年度予算案には、いわて花巻空港ターミナルビル機能向上事業費として11億円ほどの予算が計上されております。現ターミナルビルが供用開始された平成21年4月以降、国内定期便と国際チャーター便とを同一の時間帯でチェックインを可能とさせるための増改築を平成23年7月に実施、そして来年度は手荷物受取所、入管施設、待合室の拡張、チェックインカウンターの増設等、時を置かずに3度もの整備を行うことは理解しがたい状況にございます。これらの機能整備は、本来、移転新築時に行えば費用はむしろ削減でき、これまで乗降客にも迷惑がかからなかったはずでございます。社会資本整備に当たり、事業を厳密に精査し費用を削減することは当然としても、結果として空港需要の見通しや方向性を誤ったのは否めない事実ではないでしょうか。
〇千葉副知事 空港整備についてでございますけれども、現行施設は、当初、航空機2便ふくそうの想定で整備されまして、チャーター便受け入れ機能強化のために増改築をしたところでございます。その後、新規航空会社の参入などもありまして、国内定期便2便と国際チャーター便1便とが現在入っておりますけれども、御案内のとおり、利用者に不便を強いているなどの状況が発生しているところでございます。さらに、国際定期便誘致の取り組みの中で、CIQ―税関、出入国管理、検疫等の関係機関、利用者及び航空会社から国際線関係施設の混雑解消あるいは出入国手続の時間短縮など意見、要望が出されておりまして、現行施設で対応することが困難な状況になっているところでございます。このような状況等を解決するために空港ターミナルビルの機能向上が必要不可欠であり、国際チャーター便を着実に受け入れるための環境を整えることが官民挙げて現在取り組んでおります国際定期便の誘致活動への後押しとなり、その実現につながると考えているところでございます。
 この空港ターミナルビルの整備につきましては、当初の整備の際に想定した規模、機能につきまして財政的にもかなり厳しい状況の中で整備したという事情もございまして、その後これまで、その時々の社会情勢あるいは経済情勢を踏まえながら必要な機能を付加する方向で実施しておりまして、今回も同様の考え方で行おうとするものでございます。
〇名須川晋委員 考え方の相違なのか、ニーズができてきた段階で整備するということもいいのでございますが、ここ数年でのこうした時を置かずしての一連の工事というのは、やはりその方向性なり見通しを見誤ったというか見通せなかったというのが現実だと思いますので、ぜひともその辺はきっちりと、これからさまざまな政策を検討する中で胸にとどめていただきたいと思います。
 次に、空港の運用時間でございます。
 過日、県議会商工関係政策研究会の研修会ということで名古屋を訪問しました。その際、FDAの副社長から資料をいただきましたが、その中に、今、いわて花巻空港ができることとして一つの課題が載っておりましたので、それをもとに質問をさせていただくわけでございますが、今の空港運用時間は8時から19時30分までと定められております。航空会社からは、運航の制約となって経営を圧迫する要因となっているとの指摘がございました。これについて実情をどう認識しているのか、また、近隣住民の御理解、コスト等、延長にはどのような課題がありますでしょうか。
〇千葉副知事 いわて花巻空港の運用時間についてでございますけれども、いわて花巻空港は、空港周辺への騒音軽減等の観点から運用時間を定めているところでございます。一方、今、委員からお話がございましたけれども、航空会社からは、現行の空港運用時間を延長できれば運航ダイヤが組みやすくなるという話も伺っているところでございます。しかしながら、運用時間を延長することにつきましては、利用者のニーズの把握、あるいは空港周辺住民の皆様に延長による騒音の変化についての理解を得ること、空港関係機関の人員体制を含めた管理体制の見直しなど幾つかの課題もございまして、慎重に検討する必要があるものと考えているところでございます。利用者ニーズの調査を行いつつ、当面は、運用時間内で最良のダイヤを組んでいただき、航空会社と連携して利用促進に取り組んでまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、ニーズ調査を行いながら、また、地元の状況、県の空港に対する課題を確認しながら、運用時間の延長の可能性については研究していきたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 それでは、他国との経済連携についてでございます。
 平成22年4月に中国雲南省プーアル市と協力交流の強化に係る協定書が結ばれ、経済、文化、観光等多岐にわたる交流がうたわれておりますが、これまでどのような成果が発揮できましたでしょうか。中国における南部鉄瓶の普及のほかにも果実が得られるように交流を図っていただきたいものですが、現状はどうでございましょうか。
〇橋本商工労働観光部長 プーアル市との友好協定についてでありますが、この協定は、プーアル茶と南部鉄瓶の相互普及宣伝や地域間交流の強化などを柱としており、これまで、上海万博への共同出展のほか、上海でのプーアル茶まつりへの南部鉄器出展、プーアル市からの経済ミッション団の受け入れ等の交流を行ってまいりました。これらの取り組みや交流などによりまして南部鉄器の知名度や評価も高まり、平成24年には、協定締結前年の平成21年と比べ中国への輸出額が約10倍となるなど大きな成果につながっております。また、プーアル市との人的ネットワークを土台といたしまして、昨年11月、日本の自治体として初めてとなる雲南省との経済連携協定を締結するなど、中国との連携が広がっております。
 県といたしましては、プーアル市との協定を契機とした中国とのさまざまな経済交流、連携の動きを本県の経済活性化に結びつけていくため、南部鉄器、日本酒、特色ある加工食品といった重点県産品の販路開拓を引き続き行うほか、事業機会の拡大に向けて人的ネットワークを広げ、その積極的な活用を図るなど、一層の取り組みを進めてまいります。
〇名須川晋委員 ただいまは、雲南省との友好交流協力協定への締結にも触れられたような、私の1番目と2番目の質問にまとめて御答弁ではないですか。
 それでは引き続き、雲南省との友好交流協力協定についてということで、協定書には、積極的に両地域の経済、貿易、観光、食産業等の分野で交流と協力を進めるとございます。本県側としては、どうしても農産物の輸出や観光客の受け入れ等、経済発展に資する交流に期待するところでございますが、今後、具体的に交流と協力をどう図っていくのか、また、新年度事業にどう反映されているのか伺います。
〇橋本商工労働観光部長 雲南省との経済連携協定についてでありますが、雲南省は、近年、高い経済成長を続けているほか、政府の重点投資地域に位置づけられており、今後、所得水準の向上や人口の増加等が見込まれる有望な成長市場と捉えております。このことから、これまでの交流を踏まえ、経済ミッション団の派遣、受け入れを行い人的ネットワークの拡大を進めますとともに、日本の自治体として初めて結んだこの協定の先行利点を生かしまして幅広い経済交流を図ってまいります。
 平成26年度におきましては、雲南省からの経済ミッション団の受け入れや6月に雲南省で開催される南アジア博覧会への出展などを行うこととしておりまして、地方政府間の経済交流を深め、人的ネットワークや事業機会の拡大を図りますとともに、博覧会の場を活用しながら、県産品の販路拡大、観光情報の発信などを積極的に行い、本県経済の活性化につなげてまいります。
〇名須川晋委員 どうしても実効性のあるといいますか、目に見える、また、金額的にも効果のある経済交流をこちらとしても期待するわけでございますので、ぜひとも強力に推し進めていただきたいと思います。
 本県の外国人観光客数は、平成24年実績で震災前の約半数となっております。大震災津波や原発事故による風評被害の影響が大きな要因とされておりますが、これをどう払拭し、旅行需要の回復をされていますでしょうか。その対策につきましてお伺いいたします。
〇橋本商工労働観光部長 外国人観光客の需要回復についてでありますが、震災後、本県を訪れる外国人観光客は大きく落ち込みましたが、外国人観光客の約半数を占める台湾からの需要回復を最重点とし、連続チャーター便の運航再開や現地での広告宣伝などに取り組んできた結果、台湾につきましては、平成25年1月から9月期の宿泊者数は震災前の平成22年同期比で1割ほど上回る水準となっておりまして、外国人全体では7割強まで回復してきたところでございます。
 一方、原発事故に由来する懸念などによりまして、韓国や香港などいまだに回復がおくれている市場もあります。こうした風評被害の払拭は、東北全体でイメージアップを図ることが重要と考えております。このため、東北観光推進機構では、平成26年度からの第3期中期実施計画におきまして、東北ブランドの確立を柱の一つとし、統一ロゴの活用や商品造成を通じまして認知度や訪問率の向上を図っていくこととしております。
 本県といたしましても、総体での震災前の水準への早期回復、さらには、成長軌道への回帰を目指し、台湾との国際定期便の就航に向けて年間を通じた誘客促進に取り組むほか、ASEANなど新規市場の開拓にも積極的に取り組んでまいります。
〇名須川晋委員 本県を訪れる今シーズンの外国人スキー客見込み数は、PR効果の影響もあって、台湾のほか、オーストラリア、まだ数は少ないものの中国、タイ、ロシアなどの伸びが顕著で、延べ8、000泊を超え、震災以前の水準を取り戻しております。おおむねこの数字をベースに、取り組みいかんで訪問客の増加や国籍の多様化が期待されます。岩手を訪れてみての率直な御意見を聞くアンケート調査等によりニーズや不満を的確に把握する必要があると思いますが、現状はどうなっておりますでしょうか。特にもオーストラリアの方々はスキーがお好きな方が多く、滞在日数も長い傾向にあるとのことでございます。オーストラリア人が多く訪れる北海道ニセコ町の取り組みにも学びながら注力していってはいかがでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 外国人スキー客に対する取り組みについてでありますが、オーストラリアからのスキー客はここ10年ほど北海道の人気が高まってきたところであり、本県といたしましても、こうした動きを好機と捉え、平成20年度から県内民間施設と協働いたしまして、シドニーにおけるスキー博覧会への出展など本格的な誘客に取り組んできたところ、この冬は過去最高の入り込みを記録しております。
 スキー客のニーズにつきましては、受け入れに当たる民間施設と情報共有を図りながら把握に努めているところですが、滞在日数が長いことから、スキーはもとより、アフタースキーの充実を求める声が強いと聞いております。このため、今シーズンは、ニセコの取り組み事例も参考といたしまして、台湾からのチャーター便を利用したスキー客のため、試験的に宿泊施設からショッピングセンターに買い物用のバスを運行したところ、非常に好評だったと聞いております。今後におきましては、民間施設と連携し、オーストラリアからスキー客の誘客、受け入れ態勢の充実についても検討してまいります。
〇名須川晋委員 ぜひとも先進地に学びながら、また、アイデアを出しながら、オーストラリアの方々やそのほかの国の方々に喜んでいただけるような取り組みをしていただきたいものと思います。
 県は、外国人観光客の半数を占める台湾からの入り込みを回復するため強力に誘致活動を促進する方向でございますが、親日家が多い台湾との人的、経済的交流を一層深めていくには、台湾事務所といった窓口機能を設け、人的交流を広げ積極的にPR活動を行っていく必要があるのではないでしょうかお伺いいたします。
〇千葉副知事 台湾での窓口機能の設置についてでございますけれども、台湾は所得水準も高く、一定の購買力を持つ有力な市場でもございまして、また、近年では中国との間で経済的な規制が緩和されるなど、中国への進出拠点として可能性を持つ地域でもあると認識しているところでございます。
 いわて花巻空港からのアクセスも見据え、本県事業者の台湾進出への関心も高まりつつあり、進出を検討する事業者に対しましては、昨年、本県に来訪いたしました台湾の有力経済団体であります台湾三三企業交流会とのつながりなどを生かし、現地企業とのマッチングを図るなどの支援を行っているところでございます。
 県といたしましては、引き続き、このような台湾側関係者との連携の拡大、強化を図りまして、このような関係を生かしながら、本県事業者への支援や台湾との人的、経済的交流を深めてまいりたいと考えているところでございます。
 台湾は、御案内のとおりでございますが、後藤新平先生を初めとして岩手の先人とのかかわりも深く、東日本大震災津波では多くの支援をいただくなど、特別なつながりがある地域であると考えております。このような認識も踏まえつつ、今後の台湾との経済交流の進展動向等を見据えながら、事務所設置の可能性などにつきましても探ってまいりたいと考えているところでございます。
〇名須川晋委員 ぜひとも積極的に御検討をいただきまして、やはり伸びる市場にはこういった窓口機能をぜひとも設置していただいて、人的、経済的交流を進めていただきますように強力に要望するところでございます。
 それでは、3Dプリンターについて伺います。
 製造、ファッション、医療、建築等ものづくりの概念が変わると言われる3Dプリンターによる生産が注目されております。データをサーバーに置き、これをダウンロードしてプリンターで自動で塑像するとすれば、まさに現代のテレポーテーションであると私は思います。本県のものづくり産業の強みである基盤技術、産業集積を生かし、三次元造形技術を活用した高付加価値製品の開発を促進するとともに、若い世代の人材育成を推進することにより、高付加価値製品の小ロット、短納期生産拠点の形成を目指すとの目的で新年度事業に3Dプリンタ等次世代ものづくり産業育成事業が挙げられております。まずはこの概要につきましてお知らせいただきます。
〇橋本商工労働観光部長 3Dプリンターにつきましては、中小企業や個人の知恵、感性を生かした新たな付加価値製品の創出など、広くものづくりを革新する画期的な技術と認識しております。国におきましては、日本再興戦略に基づき、国産の金属積層造形装置の開発に着手すると聞いておりまして、県といたしましては、こうした新技術をいち早く県内企業に導入し、新製品の開発や取引拡大などにつなげていきたいと考えております。このため、本事業により、3Dプリンターに関心の高い企業等による研究会を立ち上げ、若手技術者等の育成研修を行うこととしております。
〇名須川晋委員 3Dプリンターは、製造業に拘泥せずさまざまな業種と結びつけることで斬新なアイデアが生まれ、新たなビジネス機会が発生するものと思います。プリンターは年ごとに低廉化し、10万円台の普及価格として一般にも手が届きやすいタイプも出てきております。したがって、専門的なセミナーにとどまらず、まずはこういう技術がある、こういう使い方があるというような、3Dプリンターを余りよく御存じない県民の方にもあまねく知らしめる機会も設けるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 3Dプリンターの周知についてでございますけれども、関係する大学あるいは研修機関などによるネットワークを形成いたしまして、民間の活力を生かしながら、県民向けのセミナーなども開催し、広く理解を促進していきたいと考えております。
〇名須川晋委員 過日、私もそういうような勉強会に出席したんですが、例えば、七五三のフィギュアとかブライダル関係、新郎新婦がフィギュアとなって―5万円から10万円なそうですが、それが記念となってそういう時期にはつくられる、そういうビジネスも東京のほうでは出てきているようでございますので、御興味がある方はそういうことにもどんどん積極的にかかわってくると思いますので、それに詳しい方でないにしてもやってみたいという方は多く出てくるものと思いますので、そういった意味で、県民にあまねく知らしめる機会を設けてほしいという意図でございます。
 本県の産業振興のために、積極的にコンピューターによる設計CADを養成していこうということであれば、ある程度の目標数値を定めて進めていくべきではないでしょうか、伺います。
〇橋本商工労働観光部長 3Dプリンターの活用を支えるCAD人材の養成につきましては、いわてデジタルエンジニア育成センターなどにおきまして、自動車関連産業分野などで、主流のCADシステムを扱える人材育成を目標として進めているほか、学生や教職員等を対象とした研修も実施しているところでございます。
 今後におきましても、大学や研修機関等と連携しながら、3Dプリンターによる新しいものづくり産業の育成や、将来、それを支える人材育成を進めていく考えでございます。
〇名須川晋委員 次に、事業引き継ぎ支援について。
 中小企業経営者の高齢化や親族内における後継者の確保の困難さなどから、経済産業省は、事業引継ぎ支援センターを、需要が多い全国10カ所にこれまで設置、第三者への事業引き継ぎ支援を推奨しております。
 なお、ことし4月には、11カ所目として秋田県にも設置予定とのことでございます。
 ガイアの夜明けを見たんですが、それで蒲原屋という、静岡の乾物屋さんの後継者の公募の回を私見まして、昨年末に、静岡県事業引継ぎ支援センターを訪問し、勉強させていただきました。
 センターが取り扱うカテゴリーイメージとして、年商3、000万円から3億円を業務の主戦場として想定し、それ以下は、意欲ある企業家の創業を支援すると同時に地域に必要な事業の存続を図り、地域経済の活性化と成長に貢献するとして、静岡県後継者バンク事業を開始して対応したいとのことでございました。
 そこで、まず、本県の起業、廃業、企業の合併、買収、いわゆるM&Aの状況はどのようになっておりますでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 県内の起業等の状況についてでありますが、直近の調査である平成24年経済センサス活動調査によりますと、平成21年からの約3年間で、起業が4、034事業所、廃業が1万2、824事業所となっております。
 企業の合併につきましては、民間の調査によりますと、東北全体で平成24年に149件とされており、県ごとの件数は明らかにはなってはおりません。
〇名須川晋委員 本県では、岩手県産業復興相談センターに事業引き継ぎ相談窓口がありますが、相談実績はどのようになっているか。また、東北では、宮城県に事業引継ぎ支援センターがありますが、本県からの相談や成約実績はどうでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 これまで、本県の相談窓口であります岩手県産業復興相談センターに数件の相談があり、宮城県事業引継ぎ支援センターに引き継いだと聞いておりますが、相談件数やその結果につきましては、公表されておらないところです。
 また、本県を含む東北地区におきましては、事業引き継ぎが成立した事例はないと伺っております。
〇名須川晋委員 そこが非常に私は問題だと思っておりまして、なりわいの再生と県はおっしゃっておりますが、これは被災地のなりわいの再生でございますが、まさにM&Aや事業引き継ぎ支援というのは、なりわいの再生であると思うわけでございます。
 産業振興は重層的に行わなければならないのですが、県の政策として、そのなりわいを起こす起業支援はありますが、事業継続に当たっての企業の合併、買収や事業引き継ぎ支援については、目を向いていないのではないでしょうか。
 廃業を減らして次世代に経営を継承していくことは、本県の産業振興にかなうものであり、商工会議所や金融機関と連携をとりながら、情報収集やマッチング等、取り組みを図っていくべきではないでしょうか。
〇橋本商工労働観光部長 企業の事業引き継ぎに対する支援についてでございますが、復興相談センターや県内の商工団体が事業者の相談に対応しているところであり、具体的な支援が必要な場合は宮城県センターと連携して、事業引き継ぎに精通した弁護士や会計士などの専門家の支援を受けることができる体制を整えておりますので、このことについて事業者にさらに周知を図り、これまで以上に関係機関との連携を密にいたしまして、事業引き継ぎを支援していきたいと考えております。
〇名須川晋委員 さらに周知等をするとしておりますが、今まで県は周知をしていなかったものと私は思っておりますので、それとともに、合併、買収や事業引き継ぎ支援につきましても、県も目を向けていくことが産業の育成につながるものと思いますので、この辺の取り組みもぜひとも期待をするところでございますので、お願いをいたします。
 次に、ラジオの活用について。
 東日本大震災津波の際、停電の混乱の中の唯一の情報入手ツールとして、ラジオの有用性が改めて認識されたことは言うまでもございません。
 岩泉町、洋野町、普代村においても、ラジオ難聴地域の解消要望がございましたが、これらの要望を受け、県も、これまで、国に対して財政支援制度を創設するよう要望を行ってきたそうでございますが、そのかいあって、平成26年度予算において、民放ラジオ難聴解消支援事業費11.8億円が計上されたことは大変喜ばしいことでございます。
 災害対策の面からも、県も、本事業に関心を持って当該自治体に働きかけながら、早期にその解消を図っていくべきと考えますが、どのように取り組むか。
 なお、事業者負担が発生するとすれば、中継局設置や維持費等、事業者は投資に消極的となる懸念もあります。県として十分に配慮すべきでございますが、いかがでございましょうか。
〇中村政策地域部長 今、委員からお話がございましたように、このラジオ難聴解消を図るために、国にこれまで要望を行ってまいりましたが、国では、来年度予算におきまして、中継局整備費用に対する補助事業を計上いたしました。
 現在、岩泉町におきまして、ラジオの難聴解消の方策を検討しておりますことから、これまで、国、県、町及び放送事業者が参集いたしまして、今後の対応について打ち合わせを行うとともに、放送事業者等による現地調査が実施されてございます。
 県といたしましては、今後も、国や放送事業者と連携をいたしまして、県内の市町村の実情に応じて、国の補助制度を導入するための支援を行うなど、災害時において確実に情報収集手段を確保するため、このラジオの難聴の解消に向けて取り組んでまいりたいと思います。
 また、当該補助事業につきましては、現時点で補助対象等がはっきりと示されてございませんけれども、事業者負担も含めて、今後も情報収集に努めるとともに、事業者に過度な負担が生じる場合には、国に対してその解消を働きかけてまいります。
〇名須川晋委員 コミュニティFMについて。
 北上市もコミュニティFMの開局を目指しておりますが、急激に増加し、いよいよ県内8局体制となりますが、これまで増加してきた要因について、どのように分析されておりますでしょうか。
〇中村政策地域部長 このコミュニティFMにつきましては、東日本大震災津波発生時に、臨時災害FMとして地域住民への情報伝達の役割を担ったところでございます。
 今年度、沿岸地域に開局いたしました二つのコミュニティFMは臨時災害FMから移行したものでございまして、宮古市及び大船渡市が国の補助制度を活用して、設備を整備したものでございます。
 今回、北上市が公設民営で開設をいたします予定のコミュニティFMにつきましても、災害情報や防災情報の発信による安全・安心なまちづくりを目指したものと伺ってございます。
 大震災津波以降、ふだんは、地域の密着した情報提供をいたし、また、災害時には、防災情報を住民に伝達できるラジオの有用性に着目をいたしまして、コミュニティFMの設置に取り組む市が増加しているものと考えております。
〇名須川晋委員 そこで、今年度における県のコミュニティFMの活用実績はどうなっているか。新年度における、特にも、沿岸広域振興局での活用について、どのように考えておりますでしょうか。
〇中村政策地域部長 県北広域振興局におきましては、今年度、カシオペアFMを活用いたしまして、地域住民に対して、広域振興局からの定期的な情報発信のほか、二戸産ブランド果実などを初め、地域の魅力を紹介してございます。
 また、県南広域振興局におきましても、管内のコミュニティFM3局を活用し、広域振興局からの定期的な情報発信のほか、ILCに関する基礎的な知識を普及するための番組を放送してございます。
 また、沿岸広域振興局におきましても、復興の現場見学会の開催に当たり、今年度開局したみやこハーバーラジオを利用して周知を行っており、復興に関する広報にも活用され始めているところでございます。
 また、新年度における取り組みでございますが、沿岸広域振興局を初め、それぞれの広域振興局におきましては、現在、新年度におけるコミュニティFMに対しましての県政情報の提供や、地域の実情に応じた情報発信につきまして検討中の段階と聞いてございます。
〇名須川晋委員 特にも、振興局単位のきめ細やかな情報提供を戦略的に行うことは、ひいては経済的に脆弱な被災地でのメディアの自立に資する、また、有事の際に最も頼りになる身近なメディアの存立を確保する両得の手段であると考えます。ぜひとも、沿岸広域振興局でも活用をいただきたいと御要望を申し上げます。
 屋外広告物条例について伺います。
 平成23年4月施行の屋外広告物条例でございますが、その改正内容がいまだ十分に周知されていない、あるいは認識されていない事業者の方も多数いるものと懸念します。この改正では、県内を五つの区域に分類し、区域ごとの規制基準を設けたため、地元においては戸惑いや疑問も複数聞きます。
 そこで、まず伺いますが、県は、これまで、どのように周知活動をされてまいりましたでしょうか。
〇千葉副知事 屋外広告物条例の周知についてでございますけれども、屋外広告物条例につきましては、広告物の大型化、高層化への対応、良好な景観や風致の維持を図るため、平成22年の改正によりまして、規制対象地域の拡大や、岩手県景観計画に定めます地域区分ごとに広告物の高さや面積の許可基準を定めるなど、見直しを行ったところでございます。
 県といたしましては、このような改正された条例の概要を記載いたしましたリーフレットを関係団体に配布するなど、周知を図ってきたところでございます。
〇名須川晋委員 改正前の条例においては適合していた広告物が、改正に伴って適合しなくなった広告物もかなりあるものと思いますが、対象となる広告物件数は、何市町村にどの程度あると推測されますでしょうか。
〇千葉副知事 今回の条例改正によりまして、基準に適合しなくなった広告物についてでございますけれども、条例改正時の抽出調査で、県が許可している件数のおおむね2割となっておりますので、この結果から推計いたしますと、全県では約700件程度ではないかと見込んでいるところでございます。
〇名須川晋委員 急な県の指導に戸惑いを持たれる業者に対して、どう理解を得ていくのか。事業者の経営状況や広告物の更新時期に応じて、改善時期など柔軟な対応をするべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇千葉副知事 事業者等への対応についてでございますけれども、今回の条例改正によりまして、基準に適合しなくなりました広告物につきましては、当該広告物の改修等が必要となりますことから、設置者の負担をできるだけ軽減し、無理なく新たな基準に対応していただきますよう、10年間の経過措置期間を設けたところでございます。したがいまして、平成33年3月31日までの経過措置期間の間に基準に適合した広告物となるよう、設置者に対しまして、許可期間の更新時等に文書あるいは窓口で説明いたしますとともに、関係団体等との会議の場で周知を図るなど、さまざまな機会を捉えて、御理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 時間がないので飛ばし飛ばしで、NPO、ボランティア活動の振興について、いわて社会貢献・復興活動支援基金の設置について。
 NPO等多様な主体の協働により復興活動の促進に当たるとして、いわて社会貢献・復興活動支援基金の設置が示されました。復興支援に当たるNPO、ボランティア団体は大きく減ってきておりますが、日々を追って変化する被災者のニーズを的確に把握し、これに応えるという需要はまだまだ多いものと思います。
 いわてNPO基金が一旦その役割を終え、活動資金の確保に困難を来していた団体は数多いと思いますが、本基金がより多くの団体に有効に活用されることを望みます。
 本事業の期間や交付の額等、どの程度と想定されますでしょうか。
〇中村政策地域部長 この基金につきましては、NPO等の民間非営利の団体が行います東日本大震災津波からの復旧、復興を目的とした活動と、復興活動以外のさまざまな地域課題の解決に向けました活動に対して支援を行うために新たに設置をするものでございます。
 今回、県が新たに3億円を拠出いたしまして基金を造成し、この基金を原資といたしまして、今後10年間程度にわたりまして、NPO等の活動に対して支援を行おうということで予定をしてございます。
 また、市町村、県内外の民間企業、団体等にも広く拠出、寄附を募りまして、県民各層がNPO等を支える基金として運営をしてまいりたいと考えております。
 復興活動への助成につきましては、国庫補助の終了が想定されます平成27年度から開始をすることといたしまして、現行事業のスキームをおおむね踏襲いたしまして、数百万円規模の事業を支援してまいりたいと考えております。
 また、復興以外の活動につきましては、来年度から基金による支援を開始いたしまして、NPO等が市町村と協働して取り組みを行うもの、それから中間支援団体などの取り組み、小規模団体などを対象とした数十万円規模の比較的小規模な助成などといったようなメニューなども想定し、今後、その詳細につきましてはさらに詰めまして、来年度、早目の段階で事業活動の支援ができるように進めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 どうしてもこういう事業は、単年度になってしまうというのがこれまでずっと解決できない課題でございましたが、やはり複数年度活動できる基金にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇中村政策地域部長 今、委員からお話がございましたが、基本的には、各団体からの単年度ごとに申請といったものを出していただきまして、それを委員会等で審査をして決めるという形になりますが、それぞれ各団体が継続的に、例えば被災地に入って活動していただいているという実態もございますので、今委員からお話があったような点も、今後、その詳細の運用については詰めてまいる際に参考にさせていただきたいと考えております。
〇名須川晋委員 そもそも3億円の基金でございますが、この額で果たして間に合うのかということで、この条例は10年間でございます。来年度でもう既に1億円の予算がかかっているわけでございます。あっという間に消化していく額でございますが、この点についていかがお考えでしょうか。
〇中村政策地域部長 先ほどお話をいたしましたように、大きくは復興活動の支援の部分と、それ以外の部分とに分けた形で支援をしてまいりたいと考えておりますが、基本的には、今想定している中では、復興の部分にある程度金額的には重点的な配分をしながら、この金額で10年間、何とか助成をするような形で支援をしてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員 時間がないので、突っ込みたいこともあるんですが、いずれ、この額ではちょっとまだまだ足りないと思います。同じような事業をぜひともまた国から継続していただきますように、要望もしていただければと思います。
 最後になるかもしれませんが、JR山田線存続に係る諸課題について。
 JRより経営譲渡されるとされた区間の沿線自治体が、これまでJRから得てきた固定資産税等の収入が、経営分離して上下分離した場合、これがなくなるのに加え、負担があるとすれば沿線の財政状況は悪化すると考えますが、このような場合、交付税算定初め、国の支援策はありますでしょうか。
〇中村政策地域部長 国庫補助制度といたしましては、橋梁等の施設更新費用の3分の1を補助する制度がございますが、この支援につきましては、地元自治体が鉄道施設を所有し、国の認定を受けた場合には、補助率が2分の1にかさ上げされるという支援制度がございます。ただ、この場合にも、残り2分の1については、地元自治体が負担をしなければならないというものでございます。
〇名須川晋委員 三陸鉄道への移管となると、南北リアス線沿線自治体との意見調整が必要となりますが、現段階で、県は沿線自治体の意見をどう把握しているか。それぞれの復興を進める中、南北リアス線沿線の三陸鉄道への負担はどれくらいとなるか、今後の見通しはどうかについて伺います。
〇中村政策地域部長 2月11日の沿線首長会議の後に、南北リアス線沿線8市町村に対しまして、個別に訪問し説明を行ってございます。それぞれの首長等からは、これ以上負担がふえないようにしていただきたい、情報共有をしっかり図っていただき、南北リアス線関係市町村の了解を得ながら対応していただきたいといったような御意見をいただいてございます。そういった意見も踏まえまして、今後、自治体の負担がふえないような形の考え方につきまして、JRには提示をしたところでございます。
 それから、沿線市町村の三鉄への負担でございますが、南北リアス線沿線市町村は、三陸鉄道の施設更新費や維持修繕費に対しまして、被災前の平成22年度で、約1億7、000万円の負担をしてございます。
 現在、三鉄におきましては、沿線人口の減少、モータリゼーションの進行等を背景に利用者の減少が続いておりまして、引き続き、厳しい経営環境が続くと見込まれますことから、JR東日本からの提案が、三陸鉄道の経営はもとより、南北リアス線沿線市町村の負担増につながらないように努力をしてまいりたいと考えてございます。
〇名須川晋委員 そもそもJR山田線が三陸鉄道に移管されることによるメリットは果たしてあるのでございましょうか。あるとすればどのようなものか、お伺いをいたします。
〇中村政策地域部長 三陸鉄道が仮に山田線区間を運行するということになれば、これまでJR東日本の都合で決められておりましたダイヤが、地域の実情に応じて柔軟に組むことができるということ、また、ジオパークなど、地域の観光資源に合わせた企画列車を独自に運行できるといったようなさまざまなアイデアで活性化を図ることができ、それによって、利用者の増等も期待できるのではないかと考えております。
 また、三陸鉄道におきましては、現在、南北に分断されております路線が一体化されるということになりますので、例えば、これまで二つに分かれておりました指令所、こういったものも一つに統合ができるといったようなことで、運営の効率化も見込まれているところでございます。
〇名須川晋委員 それでは最後、また戻りまして、若者支援プロジェクトについてということで伺います。
 県では、今年度より、庁内若手職員による若者施策研究会、若手ゼミを設置いたしました。若者らしい新鮮で斬新な発想からアイデアを練り、七つのプロジェクトの展開の可能性を検討したと伺います。
 若者活躍支援事業費の概要につきましての詳細は結構でございます。若手ゼミを開催してみての率直な感想や、事業継続に当たっての課題について、最後にお知らせください。
〇達増知事 若手ゼミでありますけれども、日ごろの担当業務に捉われずに、主体的に若者の活躍を促進する施策を立案するために、庁内の若手職員で構成する若手ゼミを設置しました。
 この若手ゼミにおいては、関係者へのインタビューやグループ討議、提言をまとめるために合宿なども実施しまして、また、私を初め、県幹部職員や一般の方々との意見交換なども行って、七つのプロジェクトが提案されました。
 この七つのプロジェクトのうち、コミュニティサークルや交流ポータルサイトの提案については、新年度予算、いわて若者活躍支援事業費の中で議論、交流事業やポータルサイト構築事業として実施していくこととなっているわけであります。
 ということで、若手ゼミの活動を通じ、やる気を持って課題解決にチャレンジしていく職員の育成という効果があったと思います。プラス、広く岩手全体の岩手の未来を切り拓く若者を育てていく方法としても、有意義であると感じておりまして、七つのプロジェクトを提案した活動を直接見まして、県の若手職員の新たな可能性を発見し、また、頼もしく感じたところであります。
 若手ゼミ事業の今後に向けては、もっと実際の県民ニーズの詳細な把握でありますとか、また、事業を所管する部局との連携といったところを大事にしていってほしいと考えています。
〇樋下正信委員長 次に、軽石義則委員。
   〔軽石義則委員質問者席に着く〕
〇軽石義則委員 軽石義則でございます。
 会派の皆様の御配慮によりまして、初めて会派を代表しての総括質疑の機会をいただきましたことに感謝を申し上げ、これまでの質疑で重複することもありますけれども、確認の意味を含めて、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
 質問の前に、2月中旬に降りました大雪により、お亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。
 また、雪害復旧に当たられた皆様に敬意を表します。あわせて、東日本大震災津波から3年が過ぎようとしておりますが、今なお、復興に向けて努力されている皆様に敬意を表し感謝申し上げます。
 それでは質問に入ります。
 初めに、山田町災害復興支援事業等検証委員会からの検証結果の報告についてであります。
 今回の検証については、議会の中でも多くの議論が重ねられた上での委員会設置であり、報告された検証結果は、今後の予算執行において、県としての事業の適切な執行管理のあり方に大事な取り組みであると考えます。また、議会のみならず、県民からも理解をいただかなければならないと思いますが、委員会設置から検証結果が報告されるまでの経過と、検証結果の取り扱いを含めて知事の所感をお伺いいたします。
〇達増知事 検証委員会は計6回開催され、現地調査も行い、委員がそれぞれの知見をもとに、公開の場で議論をしたその結果を報告書として取りまとめたものであり、委員会の所期の目的は達成されたものと受けとめております。
 検証委員会は、設置要綱の趣旨に規定するとおり、補助事業者としての県の対応を検証するとともに、当該検証に基づく課題の抽出と事業の適切な執行管理のあり方の検討を行って、そして、今年度中に取りまとめることとしたものと聞いております。このため、検証委員会の委員は、庁内の職員6名のほかに、さきの決算特別委員会での議論も踏まえて、学識経験者お二方を外部委員として委嘱したものと承知をしております。
 報告書では、今後の事業の適切な執行のあり方にも具体的に言及されており、その内容は、緊急雇用創出事業のみならず、県の補助事業全般にかかわるものでありますことから、庁内関係部局において、しっかりと全庁的に取り組むようにしてまいります。
〇軽石義則委員 このような問題が再発しないためにも、さらにしっかり対応していただくことを要望しておきます。
 次に入ります。次に、最近発生した大雪などを踏まえての冬期自然災害への対応についてであります。
 1点目として、雪害発生状況の把握と国及び市町村との連携についてであります。
 全国的に発生した大雪、暴風雪、波浪により、岩手県は2月15日から16日にかけて、沿岸・県北部を中心とした被害が発生いたしました。このような気象状況の中で、具体的にどのように現地を確認し、危険度合いを判断されているのかをお伺いいたします。
 また、内陸部においては、不幸にも死亡者が出ている現実がありますけれども、県民の生命と財産を守る観点からも、市町村との連携を図る県の役割はかなり重要なものであると考えますが、今回はどのような形で連携を図られたのか、詳しくお示し願います。
 また、これまでのたび重なる自然災害における経験が、今回の現地における状況把握や、県と市町村との連携においてどのように生かされたのか、課題はなかったのかについてお伺いいたします。
〇達増知事 今回の災害対応に当たりましては、全国的に大雪災害が懸念されましたことから、県としても、あらかじめ盛岡地方気象台から情報を収集して、当該情報を市町村等に提供しながら、災害に警戒するよう呼びかけ、大雪、暴風雪等の気象警報発表と同時に、県災害警戒本部を設置して対応をいたしました。
 県災害警戒本部においては、県土整備部や市町村、消防本部、県警等から情報を収集し、現地の状況を確認しておりました。
 今般の災害では、岩泉町で孤立地区が発生しましたことから、広域振興局を通じて、救助、救援等のニーズについて確認をいたしましたが、幸い、他県で見られたような孤立者の救助、救援というような事案には至らなかったところであります。
 なお、当該孤立地区については、その解消に向けて、県と岩泉町が連携しながら、通行不能であった道路の除雪を行いました。
 今回の災害対応に当たりましては、市町村等と必要な連絡調整を行いながら、孤立集落の有無や応急食料の供給の必要性等について随時確認を行うとともに、交通規制や停電が県内各地で数多く発生しましたことから、庁内各部局間及び電力会社との連携を密に行って、市町村や報道機関に対し必要な情報を提供いたしました。
 また、今回の災害では、気象警報が発表されず、災害警戒本部等が設置されていない市町村において人的被害が発生しましたことから、除雪作業中の事故防止等に向けた注意喚起を行いました。
 今後におきましては、大雪が想定される際には、市町村と連携をして、早い段階で注意喚起を徹底していく必要があると考えております。
〇軽石義則委員 2点目として、避難を含めた通行どめなどの交通規制の住民への周知についてであります。
 今ほども答弁の中に一部含まれておりましたけれども、今回は1地区に避難勧告が出されたほか、積雪や視界不良、倒木などにより、一般国道、主要地方道、一般県道の全面通行どめ規制が17路線、21カ所あったとお聞きしております。状況を把握したにもかかわらず、対象地域の住民に避難勧告並びに交通規制情報や雪崩の危険箇所などを周知できなければ、危険の回避にはつながらないものと考えております。
 これまで幾度となく経験していることでありますが、今回、該当する地域において活用されている周知方法の現状や認識についてお伺いいたします。また、課題があるとすれば、今後の対策についてもお示し願います。
〇小田島総務部長 災害情報の住民への周知についてでございますが、今回、災害対策本部等を設置した市町村は26市町村でございます。これらの市町村で活用している情報伝達手段は、防災行政無線や有線放送、ホームページ、緊急速報メール、コミュニティFM、ツイッター、消防団等による広報などとなってございます。
 県といたしましては、住民等が避難勧告等の災害情報を確実に受け取ることができるよう、情報伝達手段の多重化、多様化を図ることが必要と認識しておりまして、昨年の大雨災害を踏まえ、市町村に対し、さらなる充実化に取り組むよう助言を行ってきたところでございます。引き続き、機会を捉えまして、市町村への助言等を行ってまいります。
〇軽石義則委員 3点目として、除雪及び排雪の状況についてであります。
 除雪機械の稼働状況は、2月15日から16日の2日間で、初期除雪のため802台稼働したとのことです。また、拡幅除雪や運搬排雪のため、2月15日から22日までの8日間で、初期除雪も含めて2、314台が稼働しております。このことは、生活道路の確保のために必要な台数が配備されている上での結果なのでしょうか。除雪や排雪に8日間を費やすことは妥当なのでしょうか。国や市町村との連携はどのように対応されたのかも含めて、現状と課題についてお伺いいたします。今後の対策についてもお示し願います。
〇千葉副知事 除雪及び排雪の状況についてでございますけれども、除雪機械の配備につきましては、これまで増強に努めてまいりまして、現在、県保有の除雪機械は430台、民間からの借り上げ機械は680台、計1、110台で運用している状況でございます。
 大雪となりました沿岸・県北部では、降り始めの2月15日から16日におきまして、早急に乗用車のすれ違いが可能となるような除雪に努めまして、その後、通常の交通を確保するため、拡幅除雪や運搬除雪などを行ったところでございます。
 除雪機械の稼働台数は、15日の439台が最大でございまして、5日目の19日以降、この冬の1日当たりの平均的な稼働台数の245台程度に減少いたしましたことから、今回の大雪に対する緊急的な除排雪作業は、4日程度で対応したものと考えているところでございます。
 国や市町村との連携につきましては、先ほど知事からも御答弁申し上げましたが、岩泉町において、県道及び町道の一部が通行不能となり、集落が孤立状態となったことから、県有機械による除雪支援を実施いたしましたほか、田野畑村におきましては、盛岡市や国土交通省から除雪機械の貸与を受けたと聞いておりまして、今後におきましては、道路管理者間の一層の連携や、除雪機械の機動的な運用などに、さらなる改善をしていく必要があるものと考えているところでございます。
 今後におきましても、市町村や国など関係機関から意見を聞いた上で、冬道でも安全かつ安心な走行ができるよう、より効果的な除雪の実施に向けて連携して進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 4点目として、除排雪に係る支援についてであります。
 個人の敷地については、個人の責任で除雪などをすることは理解をしておりますけれども、ひとり暮らしの高齢者や障がい者並びに自宅療養者など、災害時に自力で避難することが困難ないわゆる要援護者においては大きな負担を強いられております。このような気象状況においては、特にも、行政のサポートが必要ではないかと考えますが、現状と課題についてお伺いいたします。
 また、応急仮設住宅においても同様でありますが、2012年10月26日の決算特別委員会において私が質問した際、答弁として、応急仮設住宅に係る除排雪の対策については、応急仮設住宅団地へアクセスする道路の除排雪につきましては、それぞれの道路管理者が交通や生活に支障が生じないよう努めている。団地内の除排雪は、団地の維持管理は市町村に委託しているので、市町村において、自治会などと協議の上、適切に対応していただきたいと考えているとの答弁でしたけれども、今回はボランティアなどの御支援もいただいているようですけれども、現状と課題についてお伺いいたします。
〇千葉副知事 高齢者等要援護者への行政のサポートについてでございますが、委員御案内のとおり、本県におきましては、積雪の多い市町村や地域におきまして、ひとり暮らしの高齢者世帯などへの除雪ボランティアを行いますいわゆるスノーバスターズ等が組織され、活動を行っているところでございます。
 このたびの大雪のような気象状況にも対応するためには、こうした活動に加えまして、基礎的自治体でございます市町村におきまして、名簿の作成等を通じ要援護者を事前に把握し、民生委員あるいは自主防災組織等と連携して、要援護者個々の支援計画の策定などをさらに進めることが有効であると考えております。そのためには、平時から、行政、消防関係者、ボランティア等が一体となって支援する体制を構築しておくことが重要であると認識しております。
 このため、県といたしましては、各種研修等を通じ、市町村の名簿作成や支援計画策定の取り組みを促進してきたところでございますけれども、あわせて、災害時におけるボランティアの受け入れや円滑な活動を推進するため、近日、防災ボランティア活動推進指針を策定、公表することとしておりまして、当該指針に基づき、地域での要援護者に対する除雪等の支援の取り組みがより積極的に行われますよう、市町村や関係団体に働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
〇佐々木理事 応急仮設住宅の除排雪についてでございますが、原則としては、応急仮設住宅に入居されている方々が協力して実施することとしておりますが、今般の沿岸の大雪に際しましては、市町村では、それぞれの社会福祉協議会を通じて除雪ボランティアの協力をお願いしたところであります。特に、高齢者や障がい者など自力での除雪が困難な方々に対しては、今回の大雪と同様に、市町村とそれぞれの社会福祉協議会が連携しまして除雪ボランティアの協力を得るなど、適切に支援することが必要と考えております。
〇軽石義則委員 日ごろからの地域のコミュニティも大事だということでございますので、ぜひ、その点にもしっかりと対応いただきたいと思いますし、道路と個人の敷地の境の部分において、排雪というところが非常に大きな課題になっているのも多く寄せられておりますので、その点についても、ぜひ意を払っていただくように、よろしくお願いをいたします。
 5点目として、被害の復旧見通しと今後の対応についてであります。
 岩手県の被害総額がある程度示されております。2月28日現在の被害状況は、農業関係、林業関係、水産関係等で6億399万6、000円となっております。沿岸部においては、本格復興を進めなければならないとき、また、県北においては、ホウレンソウ、シイタケや畜産などの被害は影響が大きいと考えますが、今後の復旧見通しと対応策についてお示し願います。
 これらの対応は、遅くとも新年度予算に盛り込むべきではないかとも考えておりますが、このことに対する考え方などについてもお伺いいたします。
〇千葉副知事 被害の復旧見通しと今後の対応についてでございますけれども、今般の大雪災害によりまして、農業関係では、集乳車の通行不能等により生乳廃棄やパイプハウスの倒壊、破損、林業関係では、シイタケ用パイプハウスの破損、水産関係では、ワカメ、コンブの落下や漁港施設の損壊などの被害が確認されているところでございます。
 現在、鋭意、被害状況の調査を進めているさなかでございまして、被害全体の復旧見通しを現時点で申し上げることは非常に難しいところでございますけれども、県といたしましては、農業共済や漁業共済、生乳運搬保険の円滑な支払いを支援いたしますほか、農林業用ハウスの再建助成等、国の支援対策の導入も図り、今後の生産活動に支障が生じないよう、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 予算化につきましては、今後、被害の全容の判明状況を見ながら、必要な対策の中身を精査し、随時、予算化を図っていきたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 被害を受けた皆様方はショックを受けていることも多くありますので、ぜひともそこをしっかりと対応していただくようお願いしたいと思います。
 次に移ります。安全確保に向けた取り組みについてであります。
 1点目として、災害にも対応できるまちづくりにおけるエネルギー自給率の向上対策についてであります。
 知事は演述の中で、風力及び地熱発電の掘り起こし、洋上風力発電の事業化促進、岩手の特徴を生かし、地域に根差した再生可能エネルギーの導入拡大に取り組むと述べておりますし、その後の質問においても同様のことを答弁いたしております。
 私は、2013年3月18日の予算特別委員会において、企業局の審査時に地熱発電の取り組みについて質問をした際、企業局では、従来から実績のある水力、風力に加え、太陽光発電に新たに着手するということで、第4次中期経営計画においても、この三つの新規開発を積極的に推進するとされております。
 そういう答弁をいただいておりますけれども、地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも安定した出力が確保できれば、コスト面を別にして、魅力あるエネルギーであることは間違いありません。
 平成25年度から平成27年度にかけての岩手県企業局第4次中期経営計画における新規電源開発には入っていない地熱発電を掘り起こす具体的なねらいをお伺いいたします。
〇達増知事 地熱発電でございますけれども、これは、賦存エネルギー量の把握から始まって、開発や運転に至るまで、極めて専門的な技術、知見の蓄積が必要とされ、また、10年以上の長期にわたる開発期間と多額の初期投資が必要ということで、企業局が取り組むことは極めて難しいというところがございます。
 一方、本県の地熱は、全国的にも優位で豊富に賦存している資源でありまして、安定した出力が得られます。民間事業者も関心を持っていて、技術、知見を有する事業者との意見交換を進めながら、有望地点での開発を推進していくこととしております。
 県としては、民間事業者の取り組みを支援しながら、企業局において、これまで実績のある水力、風力に加え、新たに着手した太陽光発電の新規開発に全力で取り組み、再生可能エネルギーによる電力自給率倍増の目標達成を図ってまいります。
〇軽石義則委員 それでは2点目として、自立・分散型エネルギー供給体制の構築についてであります。
 災害にも対応できる自立・分散型のエネルギー供給体制の構築の中に、非常用電源としての電気自動車の普及を考えるべきであります。特に、行政庁舎を含めて、公共施設や避難指定を受けている施設において、電気自動車の配備と急速充電器の設置は、復興事業においても必要不可欠であると考えます。
 電気自動車の普及につきましては、2013年の2月28日の私の一般質問において、電気自動車の再生可能エネルギーとの組み合わせにより、環境にも優しく、防災拠点などの非常用電源とての活用も可能であることから、今後、充電インフラの整備として、その普及を進めるよう努力していくという答弁もいただいておりますが、電気自動車の普及は、岩手県の次世代自動車産業の拡大と雇用の確保にもつながる大変重要なものであると考えておりますが、裾野の広い自動車産業の拡大を含めた電気自動車の普及について、これまでの取り組み経過と、来年度における予算への反映はあるのかお伺いいたします。また、同時に進めなければならない電気自動車の急速充電器の現状と課題についてお伺いいたします。
 これも、同様に質問した際に、国の次世代自動車充電インフラ整備促進事業というものが創設をされ、この活用を進めてまいりたいということで、平成25年度、平成26年度の両年度にわたり一気に整備を進めようという事業内容であることから、特に県の計画に基づいて設置される充電器に対しては3分の2の支援措置が講じられるので、今後、鋭意検討を進めてまいりたいという答弁もいただいております。
 広い県土である岩手県として、電気自動車の活用をモデル化することにより、全国への発信につながるものと考えておりますが、充電インフラ整備について、これまでの取り組み経過と来年度における予算反映の状況についてお示し願います。
〇達増知事 電気自動車は、環境に優しいのみならず、災害時においては、防災拠点などの非常用電源としての活用も可能であることから、その普及拡大が求められるところであります。広大な県土を誇る本県におきましては、電気自動車の普及促進には充電設備の整備が不可欠でありますことから、平成25年7月に、岩手県次世代自動車充電インフラ整備ビジョンを策定しまして、国の高率の補助制度や、国内自動車メーカー4社の共同による支援プロジェクトを活用できる環境を整えました。
 国及び自動車メーカーの支援は、当初、本年2月末までの事業期間でありましたが、整備促進に向けて、国の支援制度が1年間延長となったところでありまして、それに伴って、メーカーによる支援も本年9月まで延長となりました。県内では、これまでに、ビジョンに基づいて18基の整備計画が提出されたところでありますが、まずは、国やメーカーの支援を有効に活用しながら、主要幹線道路への整備や主要な観光地等への整備が一層促進され、電気自動車が導入しやすい環境が整うよう、今後とも、市町村とともに事業者への周知を進めてまいります。
 また、電気自動車を含めた次世代自動車の普及に向けて研究開発や人材育成を推進するため、平成24年度から導入している国の補助事業、地域イノベーション戦略支援プログラムの一環として、企業の技術者が電気自動車に係る知識や技術などを学ぶ講座を開催するとともに、電気自動車の駆動制御技術に関する研究開発も進めており、来年度も引き続き取り組んでまいります。
〇樋下正信委員長 軽石義則委員の質疑の途中でありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、昼食のため午後1時まで休憩したいと思います。
 軽石義則委員、御了承願います。
   午前11時55分 休 憩
午後1時2分 再開
〇樋下正信委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇軽石義則委員 次の質問に移ります。
 東日本大震災津波復興事業においての現状と課題などについてであります。
 1点目として、先般の大雪、暴風雪、波浪による東日本大震災津波復興事業への影響についてであります。
 今回の雪害において、工事のおくれや現場の条件悪化などについて現状をどのように把握しているのか。年度末を迎えて工事変更などの影響が出ないのかも含めてお伺いいたします。
 また、沿岸部は直接工事費の冬期補正が地域指定されていないとの情報もありますが、このような異常気象においては除雪などの作業員や機材の確保も難しい状況にあり、契約内容の変更などについて適切に対応しなければならないと考えますが、現場からの要望をどのように把握しているのかお伺いいたします。また、今後の対応についてもお示し願います。
〇千葉副知事 2月中旬の豪雪等に伴います工事への影響等についてでございますけれども、久慈市で70センチメートル、岩泉町で77センチメートルと2月の過去最大の積雪を観測するなど、沿岸部と県北部を中心に記録的な豪雪だったと思っております。
 この豪雪による工事への影響についてでございますけれども、復興事業としての道路改良工事等で岩泉地区1件、宮古地区5件、釜石地区1件で工期が延長となる見込みであります。これらの工事につきましては、仮に工期が延長される場合でありましても、おおむね4月末までには工事が完成するものと見込んでいるところでございます。
 また、波浪によりまして3カ所の漁港施設に損壊等の被害が生じておりまして、このうち大船渡地区で1件、宮古地区で1件の工事で工期が延長となる見込みであり、現在、詳細な被害調査を行っているところでございます。
 現場からの要望の把握についてでございますけれども、現在、今回の豪雪に係ります受注者からの要望については、現時点では工期の延伸と聞いているところでございます。工期の延長が必要な場合には変更協議で対応することとしておりまして、工期の延長により費用が生じた場合には適切に計上することとしております。
〇軽石義則委員 2点目といたしまして、当初の設計に基づき落札し契約された工事が現場の状況により発注者側の指示で設計変更された場合、指定された資材などの調達が困難であり、設計変更されたときよりもリースの延長や単価が高騰している場合の契約変更をどのように対応されているのかお伺いします。また、落札後に工法や金額が変更された場合はどのような対応となるのかあわせてお伺いいたします。
〇千葉副知事 設計変更された場合におけます契約変更についてでございますけれども、仮設鋼材などのリース期間の延長が必要となった場合、発注者から設計変更の指示を書面で行い、必要な期間を契約変更時に計上することとしているところでございます。また、単価につきましては、設計変更で新たな工種を追加する場合にはその時点の単価で設計計上しており、その後の単価の上昇につきましては、賃金または物価の変動に基づく請負代金額の変更、いわゆるスライド条項により対応することとしているところでございます。
 なお、落札後における工法変更等についても同様の取り扱いとするところでございます。
〇軽石義則委員 そのように適切に対応していただくことは大事なことだと思いますけれども、しかし、落札後の変更においても、追加した部分の金額にさらに落札率を掛けてプラスした支払い、契約変更になるとも聞いておりますが、その点はどのようになっているのでしょうか。
〇千葉副知事 今、手元に資料がございませんので、お時間をいただきまして報告させていただきます。
〇軽石義則委員 それでは、3点目に入りますが、復興事業に係る各業界団体からの要請等があると聞いておりますけれども、用地取得などの課題については、県としても国への要望を初め関係各団体との連携がされていると承知しております。関係各業界団体から、事業を進める上で県に対して各種要望、それらの対応をどのようになされているのか、対応結果についてお伺いいたします。岩手県として解決できたこと、国に対して要望していることなど具体的にお示し願いたいと思いますし、各種団体に対して、その要望の回答をどのようにされているのかもあわせてお伺いいたします。
〇千葉副知事 復興事業にかかわります関係各業界団体からの主な要望と対応についてでございますけれども、まず、設計価格と実勢価格に乖離が生じた場合の迅速な対応等に関する要望につきましては、単価が上昇した場合には速やかに積算に反映させますとともに、工事請負契約締結後に直近の単価に変更することやスライド条項の適用等によって対応しているところでございます。
 次に、工事着手後の条件変更によります工期変更の柔軟な対応等の要望についてでございますけれども、受発注者間で協議を行い、受注者が施工可能な工期を確保できるよう適切な工期変更を行っているところでございます。
 また、復興JV制度におけます構成員の要件緩和に関する要望等につきましては、水門等の工事につきましては県内企業と県外企業の組み合わせを可能とする緩和を昨年8月から、県内内陸企業が代表者になること、及び異なる等級の企業がJVを組むことを可能とする緩和を昨年11月から実施しているところでございます。
 そのほか、労務単価の適時適切な見直し、被災地の実態を反映できる復興係数の導入やスライド額算定事務の簡素化につきましては、国土交通省に要望を行ってきたところ、2月1日に開催されました復興加速化会議において要望どおり対応することが示され、県でも同様の措置に取り組んでいるところでございます。
 なお、各団体からの要望に対しましては、要望を受けた時点で対応状況や対応方針などを回答しておりますほか、後日、概要を書面で回答いたしますとともに、県のホームページで公開しているところでございます。
〇軽石義則委員 各種団体の要望にはやはりしっかりと応えていくことも事業推進に大事なことだと思いますのでよろしくお願いいたしますし、工法、金額などにつきましても、5億円の壁があると現場でも言われているような状況もあるようですから、そこの部分をしっかり把握した上で対応いただくようよろしくお願いいたします。
 次に移ります。
 雇用対策に関連した人材育成についてであります。
 先般、公立高校の入試における受験者数と競争率が発表になりまして、本日は試験日でもありますけれども、復興事業のみならず、今後の技術者を確保する上でも大事な時期の受験生であります。特にも、学科によっては専門高校における受験者数は年々減少傾向にあり、原因の分析と対策を早急に進めなければならないと考えております。工事現場では即戦力を求めておりますが、現場で指導する余力を持っている地場中小企業はほとんどと言っていいほどありません。また、技術を指導する先輩も、一気に定年を過ぎ、引退が近づいております。このような産業人材育成全般の状況を踏まえ、教育委員会並びに関係各部局はどのように連携を図り、対策されているのかお伺いいたします。連携されたものが具体的に予算としてあらわれているのがあればお示し願います。
〇千葉副知事 産業人材の育成についてでございますけれども、これまで、教育委員会と連携いたしまして、企業技術者を講師とする工業高校の技能講習会、小中学校のものづくり体験授業や職業講話講師派遣など、キャリア教育の支援の取り組みを行ってきているところでございます。また、広域振興局等に配置しております就業支援員が県立学校生徒の就職活動を支援するとともに、求人開拓のため、学校管理者とともに企業訪問を行うなどをしているところでございます。
 こうした活動と地元企業の求人増加によりまして、平成25年3月卒業の県内就職者は2、423人、県内就職率は64.4%でございまして、平成22年3月卒業時よりそれぞれ390人、7.7%増加しているところでございます。
 なお、平成26年度予算についてのお尋ねでございますが、先ほど申しましたキャリア教育とものづくり産業人材の育成経費として約2、200万円、就業支援員の配置、活動経費として約7、400万円などを計上しているところでございます。
 県内は高い有効求人倍率が続いておりますものの、企業が求める人材育成を一層進めていく必要がございますし、さらに丁寧なマッチングと新入社員の定着向上にも取り組んでいく必要があるものと考えております。
〇軽石義則委員 まさに専門高校の学科も、必要なところにしっかりと対応するためにはやはり求められているものに対応できる学科というものも必要であると思いますので、その部分についても今後の対応をお願いしたいと思います。
 次に移ります。
 福祉事業所における人材確保についてであります。
 福祉の現場においては、有資格者の不足と早期離職率の高まりが課題となっております。理由としては、希望を抱いて就職した後の現場における現実とのギャップではないかと推測されます。加えて、労働環境の厳しさの割には条件が低いところではないかと考えております。事業者においては、労働条件を改善する余裕がないとも聞いております。これらの実態をどのように把握されているのかお伺いします。また、それらの対策が来年度の予算にどのように反映されているのか具体的にお示し願います。
〇千葉副知事 福祉事業所におけます人材の確保についてでございますけれども、福祉、介護人材の不足状況につきましては、平成25年12月の県内の介護職の有効求人倍率は1.77となっておりまして、全産業の1.11よりも0.66ポイント高くなっている状況にございます。また、平成25年7月に全保育所を対象に県が実施いたしましたアンケート調査によりますと、保育士が不足していると回答した保育所が32カ所、不足している保育士は60人となっている状況でございます。
 福祉事業所で就労しない、あるいは離職する理由につきましては、公益財団法人介護労働安定センターが実施いたしました平成24年度介護労働実態調査や、あるいは平成25年5月に全国80カ所のハローワークが実施いたしました意識調査によりますと、職場の人間関係を含めた施設運営のあり方への不満や、人手不足により休みがとりづらい、収入が少ないなどということが挙げられたと承知しております。
 このような状況から、平成26年度当初予算におきましては、経営者等を対象とした労働環境整備・改善セミナーによります職場環境の改善支援、新規人材の確保や潜在有資格者の掘り起こしを行いますキャリア支援員の市社協等への配置、あるいは保育士等の処遇改善を図る事業などを盛り込んだところでございます。
 また、特に人材確保が困難でございます沿岸被災地におきましては、新たに離職者等に対する介護資格取得の支援や新規職員用の住宅確保の支援を行い、人材確保を強化することとしております。
〇軽石義則委員 やはり現場の生の声をしっかり聞いた上でそこに対応していくことが大事だと思いますので、引き続きそれらについても意を用いて取り組んでいただきたいと思います。
 次に移ります。
 青少年の健全育成などについてであります。
 盛岡市野球場の新設が発表になりました。現在の岩手県営野球場は、昭和45年、岩手国体時に建設されたものであります。大分老朽化が進み、移転新築の声が多く寄せられております。東北6県でも北東北3県でも、ドーム型スタジアムがないのは岩手県だけであります。雪国であり、梅雨時期を加えても、屋根つきのスタジアムがあるかないかでは稼働率がかなり違い、一流のゲームやイベントの誘致などではハンディが大き過ぎるのではないかと考えております。この際、盛岡市に県営と市営の二つの球場をつくるよりは共同でドーム型スタジアムを建設することはできないのでしょうか。そのことにより次世代を担う青少年が夢と希望を持ち、すばらしい人材育成に先行投資することや競技種目の強化につながることも大事だと思いますけれども、県営の競技施設について、今後のあり方など現段階でのお考えをお伺いいたします。
〇千葉副知事 盛岡市との共同によりますドーム型スタジアムの整備についてでございますけれども、盛岡市の新しい市営球場の整備構想では、高校野球の県大会やプロ野球の二軍戦などが開催できる、収容人員1万人規模の球場として盛岡南公園に移転新築する計画と伺っているところでございます。この新たな野球場の移転整備に当たりましては、盛岡市では、県営野球場を含めた市内の競技施設全体での適正配置を念頭に置いて検討した上で、野球場については、このように県規模大会以下の大会が開催可能な施設として構想されたものと伺っております。
 一方、県といたしましても、来る希望郷いわて国体におきましては、既存施設を最大限に有効活用する方針で準備を進めているところでございまして、現時点では県営野球場の新たな整備構想等は有していないところでございます。このように、盛岡市の整備構想あるいは県の現状から、市との共同によるドーム型スタジアムの整備につきましては、現実的には非常に困難なものがあるものと考えております。
 県といたしましては、しかしながら、今、御指摘もございましたが、非常にこの課題は大きいものがあると考えておりまして、現在、国体選手強化施設としては整備を断念しておりますドーム型の多目的屋内練習施設を含め、全体として老朽化しつつある県営体育施設の今後のあり方について、今後、復旧、復興の進展等も踏まえながら総合的に検討していく必要があるものと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 なかなか厳しい問題でもあるというふうには認識しておりますけれども、やはり期待されているところも大きいものがございますので、ぜひとも共同でというところも含めて県内全体の施設のあり方を考えていただきたいと思います。
 次に移ります。
 公契約条例への取り組み状況についてであります。
 1点目として、公契約の現状と課題についてであります。
 岩手県における官公需契約の状況は、平成20年度から平成23年度までは契約総件数、契約総金額とも中小企業向け比率はほぼ横ばいで、件数は94.1%から92.5%の範囲で、金額は79.2%から81.4%の範囲で推移してまいりましたが、平成24年度は契約総件数10万1、429件で、うち中小企業向け契約は9万2、362件となっており、中小企業向け比率は若干下がりぎみで91.1%であります。しかし、契約総金額は、平成23年度1、602億1、912万9、000円から平成24年度は3、459億4、085万5、000円であり、2倍以上の金額となりましたが、中小企業向け契約は80.9%から62.7%まで一気に下がりました。その内容を見ますと、物件の納入が総金額339億9、992万1、000円のうち中小企業向けが193億593万6、000円、56.8%、建設工事及び修繕が総金額2、435億3、572万7、000円のうち中小企業向けが1、770億8、407万5、000円、72.7%、労務、便益などのサービス提供が総金額684億520万7、000円のうち中小企業向けが206億7、957万4、000円、30.2%となっております。岩手県内のほとんどが中小企業である実態からすると、このような状況の大きな変化をどのように分析し、今後の予算執行において現場で努力されている県民に成果が実感できる対応をされるのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 中小企業向けの官公需契約の現状についてでございますが、岩手県におけます平成24年度の官公需契約金額につきましては、今、委員からもいろいろと御指摘がございましたけれども、県全体の契約金額が増加している中で、中小企業向けの増加額以上に大企業向けの金額がふえていることから、平成23年度以前に比べまして中小企業向けの比率が低下しているものと認識しております。
 その理由でございますが、震災からの復旧、復興に関する事業の中で、大規模な応急仮設住宅の取得や復旧工事が多くなったことや、震災により発生いたしました災害廃棄物を短期間に大量に処理する必要があったこと等、中小企業での対応が困難なものが多かったことが大きな要因となっているのではないかと認識しているところでございます。
 県といたしましては、これまでも中小企業組合の活用や分離・分割発注によりまして中小企業に対し配慮しておりますほか、市町村に対しても同様の要請をしており、今、委員御指摘のことも踏まえまして、今後ともこれらの取り組みを通じ、県内中小企業への受注の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひその実態をしっかりと把握した上で対応願いたいと思います。
 2点目としまして、労務、便益などのサービスの提供における契約の積算や品質管理をどのようにされているのかお伺いいたします。
 物品購入や建設工事及び修繕であれば目に見える基準で積算や品質管理ができますが、清掃や警備などの労務やサービスの提供などは客観的な積算、品質管理をすることは難しいと考えておりますので、具体的な手法があれば根拠も含めてお示し願います。
〇小田島総務部長 清掃及び警備の委託業務の積算や品質管理についてでございますが、県庁舎及び地区合同庁舎における積算につきましては、国土交通省が定める建築保全業務積算基準と同要領に基づきまして庁舎ごとの実情に応じた業務内容の調整を行い、積算しているところでございます。
 また、品質の管理につきましても同様に国土交通省が定める建築保全業務共通仕様書に基づき、庁舎の実情に応じた業務内容を示した仕様書により毎日の業務を実施させるとともに、日常清掃や警備の実施状況を完了後に報告を受け、必要に応じて実地の確認や指示を行い品質の確保に努めているところでございます。
〇軽石義則委員 1点目で質問をした内容も絡んでくるわけですが、やはり県内における現場の声がしっかり反映されていないような状況もございますので、その部分を、やはり国の基準だけではなく地域の実情というものもしっかり把握した上で対応していただきたいと思いますし、それをするためにも、3点目として、このような現状を踏まえて、岩手県議会においても採択されました公契約条例の早期制定を強く求める請願の趣旨に沿った取り組みが必要であると考えます。条例化に向けては事務局を設置して検討されておりますけれども、その状況と早期制定の見通しについてお伺いいたします。
〇千葉副知事 公契約条例の制定に向けました検討状況についてでございますけれども、昨年5月、庁内に検討チームを立ち上げまして論点整理に着手いたしますとともに、条例を制定しております自治体からの聞き取り調査を実施しているところでございます。また、県内の労使関係団体や岩手労働局と意見交換を行ってきたところでありまして、このような今年度の検討成果につきましては、年度内に報告書を取りまとめ、情報共有を図りたいと考えているところでございます。
 今後は、条例を制定いたしました自治体における賃金等の面での条例制定の効果や、使用者側の業務負担、自治体の予算等への影響などについて調査いたしますほか、県発注工事の建設労働者の就労実態についても調査を行うこととしております。また、引き続き労使関係団体等と意見交換を重ねていきますとともに、広く労使関係者や行政関係者などが公契約条例制度について議論を行う場を設けることの必要性も感じておりまして、それらの取り組みも進めながら、今、念頭にありますのは、来年の2月県議会定例会での御提案を一つのめどと考えておりまして、条例の制定に向けて準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇軽石義則委員 来年の2月ということでありますけれども、先ほども言っているとおり、県内の実態は徐々にいろいろな課題も出てきておりますので、県が示すことによって各市町村も含めてそういう方向に入ってくると思われますので、できるだけ早目の対応をしていただくように重ねてお願い申し上げます。
 次に、昨年の集中豪雨、台風などの災害復旧状況についてであります。
 大きな被害をもたらした災害でありましたが、現在の復旧と支援状況についてお伺いいたします。
 そろそろ春支度をする時期も近づいてまいりましたけれども、ことしの作付などには間に合う状況になっているのでしょうか。これを機会に離農や耕作放棄などに至っていることはないのでしょうか。それらの状況をどのように把握されているのかお伺いいたします。
 農業政策も大きく変化する中であり、営農意欲を継続することすら被災した皆さんはあきらめてはいないでしょうか。このような被災した状況にあっても農業者は農業政策に対応しなければなりませんけれども、農業政策の見直しに県はどのように対応するのかお伺いいたします。
〇千葉副知事 昨年の集中豪雨、台風などの災害復旧状況についてでございますけれども、昨年の大雨等で被災した農地約1、400ヘクタールのうち、今期の作付が間に合う見込みの農地は1、340ヘクタールでございますが、被災農家への意向確認では、全ての農家が営農再開の意向と聞いております。
 また、農地の復旧につきましては、発注予定件数のうち2月25日現在で約6割の工事が発注されておりまして、農業施設につきましては、被災農業者緊急支援事業により、盛岡市など5市町から要望がございました55件107施設全ての再整備が年度内に終了する予定と聞いております。
 国の農業政策への対応につきましては、関係機関、団体で構成いたします岩手県元気な地域農業推進本部におきまして、経営所得安定対策や農地中間管理事業、多面的機能支払い等についての取り組みのあり方を検討してございますけれども、米の規模拡大や園芸作物の導入、6次産業化などを推進することで農家の所得確保や農業・農村の持続的発展を図っていきたいと考えているところでございます。
 また、恐れ入りますが、先ほどの御質問の中で落札後の工法変更についてのお尋ねがございましたが、工法変更後の全体設計額に当初契約時点での落札率を掛けた金額が変更契約額となるものと報告を得たところでございます。
〇軽石義則委員 農家が農業をやめることのないようにぜひ支援をお願いしたいと思いますし、落札率の件については、時間がないので部局審査の中でやらせていただきますので、よろしくお願いします。
 次に、県有財産の有効活用についてであります。
 私の2013年2月28日の一般質問で知事から答弁をいただきました旧ポニースクール岩手の活用について、予想以上の結論を出していただきましたことは大きく評価できるものであります。このことは、千葉議長を初め先輩議員が継続して取り組んできた成果でもあると考えておりますが、当時の3市町村から要望された馬事文化の継承、馬産振興、そして観光振興の観点からも施設存続は要望以上の結果ではないかと思われます。これまでの検討経過と今後の具体的な進め方についてお伺いいたします。
〇千葉副知事 県有財産の有効活用についてでございますけれども、まず、検討の経過につきましては、昨年4月、庁内に設置いたしました旧ポニースクール岩手施設活用検討会議におきまして、3市町からの要望を踏まえ、これまでの経緯や施設の現状、土地利用規制等について情報を共有した上で、仮に存続するとする場合にどのような形での存続が可能か、関係団体によります有効活用も含め、検討会議を構成する関係部局に照会し、広く議論を行ったところでございます。
 その中で、隣接する県立大学が、今後、国際交流のためのゲストハウスの設置について強い要望を持っていることを把握いたしましたことから、活用方法や改修内容について詳細に検討、調整に入りました結果、今回御提案申し上げている予算案となったものでございます。
 次に、今後の具体的進め方についてでございますけれども、県立大学からのゲストハウス整備に係る要望を踏まえ、現在の宿泊施設を改築し県立大学において活用を図りますとともに、馬事関連施設につきましては、現在行っております地域への開放を実質的に継続することを基本とし、安全性に配慮して必要な工事等を実施する予定でございます。
〇軽石義則委員 引き続きよろしくお願いいたします。
 最後になります。
 交通政策基本法への対応についてであります。
 国会で平成25年12月4日に交通政策基本法として施行されましたが、今後、この法律が制定されたことによって、公共交通への自治体の役割、住民の意識が高まってくると考えますけれども、今後の県の施策のあり方をお伺いします。また、来年度の予算にどのように反映されているのか具体的にお示し願いたいと思います。
〇中村政策地域部長 交通政策基本法の成立によりまして、交通に関する施策に係る基本理念でありますとか関係者の責務が明確化されるとともに、政府におきまして、交通に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、交通政策基本計画を策定することとされてございます。
 また、まちづくりと一体となった地域公共交通の再編を進める枠組みを新たに盛り込んだ地域公共交通活性化再生法の改正案が今国会に提出されましたが、具体的な国の支援策等についてはまだ示されていない状況にございます。
 このため、県といたしましては、今後の国の動向の把握に努めますとともに、市町村と連携いたしまして、地域の実情を踏まえた持続可能な公共交通ネットワークが形成されるよう、必要な取り組みを検討してまいりたいと考えております。
 あわせて、県単独の補助制度でありますとか有識者の派遣による助言等を引き続き行いまして、市町村が現在実施しておりますコミュニティバスの運行など市町村の取り組みにつきまして支援をしてまいる考えでございます。
〇軽石義則委員 ありがとうございました。これをもちまして終わります。
〇樋下正信委員長 次に、小西和子委員。
   〔小西和子委員質問者席に着く〕
〇小西和子委員 社民党の小西和子でございます。早速質問に入らせていただきます。
 最初に、将来の県財政の見通し等について伺います。
 今回の当初予算編成を見て、心配になるのは将来の見通しについてです。2014年度末の県債残高見込みは約1兆4、000億円と2013年度末見込みよりも300億円縮小されますが、公債費は2013年度1、274億円、2014年度1、325億円と、ピークを迎えます。2016年に開催を予定している国民体育大会、全国障害者スポーツ大会、そして冬季国体と完全国体の準備に向けた経費など、多額の財政需要が見込まれます。厳しい財政で県は国体を乗り越えられるのか、この先の県財政が心配だとの県民の不安な声も聞こえてきます。
 2014年度当初予算編成に当たり、どの程度の収支ギャップが生じ、どのような財源対策を講じたのか。また、来年度以降も厳しい財政状況が続くと見込まれますが、国体開催に向けての財源対策や開催後の財政見通しについてお伺いいたします。
〇達増知事 まず、当初予算編成における収支ギャップについてでありますが、平成26年度当初予算編成における財源対策3基金からの取り崩しは159億円ということで、昨年度とほぼ同程度であります。その内訳は、県債管理基金が公債費の伸びに応じて50億円増加して100億円、財政調整基金が地方公務員に係る給与削減に伴う地方交付税の減額措置終了等によって56億円減少して54億円の活用となっています。また、今年度は、地域振興施策の財源として地域振興基金の5億円の活用などの財源対策を講じています。
 そして、国体開催に向けての財源対策とその後の財政見通しについてでありますが、大会運営に要する経費については、あらかじめ岩手県国民体育大会・全国障害者スポーツ大会運営基金に積み立てを行ってきています。平成20年度末時点までに52億円余の積み立てを行い、平成24年度、平成25年度にそれぞれ事業に一部充当し、今年度末残高は46億円余の見込みです。今後も引き続き大会運営に要する経費を精査しながら、計画的に積み立てを行う考えであります。
 また、国体開催後の財政見通しについては、今後、策定作業を進める中期財政見通しや公債費負担適正化計画のもとで、持続可能な財政構造の構築に努めてまいります。
〇小西和子委員 県民の不安を払拭するよう、情報発信をお願いいたします。
 続きまして、若者、女性の幅広い参画による復興の取り組みについてお伺いいたします。
 知事は演述で、復興を進め、岩手の未来を切り開いていくには、若者と女性の活躍が必要ですと述べ、若者女性協働推進室を設置し、若者施策等の推進体制を強化し、若者の交流の輪を構築し、若者の主体的な活動を活発化させるとしています。岩手の若者が置かれている実態をどのように捉えているのか、具体的にそれぞれの事業がどのように関連づけられていて最終的にはどこを目指すのかお示しください。
〇達増知事 東日本大震災津波の直後やその後の復興の中で、高校生、大学生や社会人など多くの若者が立ち上がり、まちづくり活動やNPO活動、ボランティア活動などで活躍している現状がございます。また、スポーツ面における若者の躍進も顕著でありますし、文化芸術面における若者の活躍も多く見られるところであります。また、県が行った青年に対する意識調査によりますと、震災前に比べて、社会貢献に対する意識や住んでいる地域に対する愛着が増加しているという状況も見られます。
 県においては、このような若者の実態を踏まえ、庁内一丸となって若者の活躍する地域づくりを進めるため、107事業で構成する若者支援プロジェクトの取り組み方針、施策体系を取りまとめました。具体的には、地域、学び・暮らし、仕事のそれぞれの分野において若者が活躍できるように県として若者を後押ししていくというものであります。この取り組みによりまして、全ての地域で若者が活躍し、全ての世代が力を合わせて復興を成功させ、そして希望郷いわてを実現させていきたいと思います。
〇小西和子委員 20代で見ますと、ここ10年間で正規雇用が72.8%から62.0%と10.8%減っております。給与も約24万円から約21万円と3万円も少なくなっています。若者が生きにくい社会の反映か、ひきこもりが大きな問題になっています。ひきこもりになったきっかけは仕事や就職に関するものが多いと言われています。このような状況に置かれている若者に活躍のステージを準備し、大きな力を発揮させる取り組みとなることを期待しております。
 次に、女性が社会的な活動の場などにより一層積極的に参加しやすい環境の整備などを図りながら、男女共同参画の取り組みを進めますとあります。知事は、岩手の女性が置かれている実態をどのように捉えているのでしょうか。目指す姿はどのようなものでしょうか。そのために2014年度にどのような事業を盛り込んだのか、それぞれの事業の関連性についてもお伺いいたします。
 また、知事は、2013年6月定例会の答弁の際、女性の視点での防災対策について、東日本大震災津波復興委員会の専門委員の東京大学大沢真理教授は、ある特定の分野を代表する女性というよりも、男女共同参画的な視点を復興に大いに盛り込んでいくために依頼したとの答弁でした。2014年度の復興実施計画に大沢教授の視点が盛り込まれていた事業があるのでしょうかお示しください。あわせて、その事業の狙いと取り組みについてもお伺いいたします。
〇達増知事 まず、岩手の女性参画の目指す姿と新年度事業についてでありますが、県が行った男女共同参画に関する意識調査によりますと、社会慣習の中で男女の不平等感を感じる人の割合は7割を超えておりまして、性別役割分担意識が根強く残っているという状況があります。また、総務省調査によりますと、正規職員、従業員の割合は男性72.0%に対し女性は43.9%と、男女間で大きな開きがあります。このことを踏まえて、新年度予算では、男女共同参画を推進する人材の育成や政策、方針決定過程への女性の参画拡大に取り組みますほか、産業団体、経済団体等との連携組織を立ち上げまして、ワーク・ライフ・バランス推進のための環境づくり、女性の再就業、起業に向けた支援、女性活躍のロールモデルを提供する事業などを連携して取り組んでいくこととしています。
 今後も、いわて男女共同参画プランに基づいて、それぞれの事業を計画的、継続的に実施し、男女が互いの人権を尊重し、家庭、地域、職場などさまざまな分野において対等なパートナーシップを発揮できる社会を目指してまいります。
 そして、大沢教授初め女性の視点の復興実施計画への反映についてでありますが、第2期復興実施計画においては、若者、女性を初めとした住民一人一人が復興の主役となる参画ということを重視する三つの視点の一つに位置づけておりまして、その意味では、第2期復興実施計画全体に大沢教授の視点が盛り込まれているものであります。
 具体的な事業で特徴のあるものとしましては、男女共同参画の視点からの防災、復興に関する普及啓発事業として、防災や復興に男女共同参画の視点を持って取り組む地域住民等をふやすため、県内各地で男女共同参画の視点からの防災、復興をテーマとした講演会及びワークショップ等を開催したいと考えております。
 また、浜のコミュニティ再生支援事業として、漁家女性等の活動を促すことにより、女性等の力により地域に人を呼び込み、浜のにぎわいやコミュニティの再生を図るため、いわての浜料理選手権の開催でありますとか浜料理のブラッシュアップを支援する取り組みを盛り込んだところであります。
〇小西和子委員 昨年7月に行われた女性との意見交換会で、誰も取り残されることのない復興の実現に向けた四つの提言が出席者の総意として示されました。県、市町村の復興に関する政策、方針決定の場への女性の参画率30%を確実に、県、市町村における復興担当職員への研修実施を、世帯ではなく一人一人の意向尊重を、相談等ニーズの高い事業継続のための予算化をです。これは再質問なので原稿はありませんので。
 次に、知事に伺いますが、大沢教授が2月の講演会で、被災は平等ではなく、年齢、性別、育児や介護の責任、障がいの有無、社会階層などによって偏る。女性、若者など多様な住民が参加する災害に強いまちづくりが地域の回復力を高め、持続可能な復興につながる。災害リスクを低減する上で、ふだんから女性が役割やコミュニティのネットワークを持っていることから、緊急時には多くの役割を担い、回復力を持っている。女性がその力を発揮するための制度づくりや意思決定機関における参画が必要と述べております。先ほどもお伺いしたんですが、このような考えが2014年度の事業には十分に反映されているのでしょうかお伺いいたします。
〇達増知事 今、引用いただいた大沢教授の御意見は本当に我が意を得たりでありまして、災害に強いまちづくり、安全の確保という視点からも、また、生活の再建やなりわいの再生という視点からも、多様な主体が参画して、偏りのない、特に弱者にしわ寄せがいったり、また弱者が取り残されたりするようなことがない、そういうまちづくりを復興の中でしていかなければならないと思います。
 特に多様な主体の参画というときに、今、御引用されたように女性という役割が非常に大事でありまして、まず、こうした視点を復興の全ての分野に及ぼしながら、具体的な事業も、先ほど紹介したようなものを初め、推進していきたいと思います。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 続きまして、本格復興予算に係る課題についてお伺いいたします。
 2013年度は復興加速年と位置づけましたが、被災者一人一人が復興が加速したという実感が持てる取り組みであったでしょうか。復興事業の指標の達成値と直近のいわて復興ウォッチャー調査には乖離がありますが、これを知事はどのように捉えているのかお伺いいたします。
 さらに、現在の被災者支援の実態をどのように捉え、本格復興2014年度での被災者が復興を実感できる施策をどのように進めるのかお伺いいたします。
〇達増知事 第1期の復興実施計画においては、復興計画が掲げる安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生の三つの原則に基づく取り組みが進展して本格復興に向けた基盤づくりが進んだ一方で、いわて復興ウォッチャー調査等の結果を見ますと、被災者の復興の実感はいまだ十分に得られていない状況と認識しております。
 これは、防潮堤の整備や復興まちづくりなど、今後ピークを迎える本格復興の主要な取り組みについて、いまだ復興を実感できる程度まで事業が進捗していないことや、災害公営住宅への入居や自力での住宅再建などが進まず、被災者一人一人が暮らしの再建に至っていないということなどが背景にあると考えております。
 こうしたことから、新年度当初予算を本格復興推進予算と位置づけて、海岸保全施設や道路の復旧、整備などによる安全・安心なまちづくり、被災された方々の恒久的な住宅となる災害公営住宅の整備、住宅再建の支援による暮らしの再建、そして、復興まちづくりと連動した商店街の再構築などによるなりわいの再生、こうしたことを着実に進めて、被災者の方々に復興を実感していただけるよう、本格復興の実現に向けて全力を傾注してまいります。
〇小西和子委員 2014年度こそ、本格復興という名にふさわしい、被災者一人一人が復興を実感できる取り組みを要望いたします。
 先般の2014年度当初予算の公表資料を見ると、本格復興の推進に向けた3区分の事業、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生のうち、相対的に見るとなりわいの再生に係る事業の弱さがあるのではないかという声があります。緊急雇用創出事業の規模縮小や瓦れき処理業務の終了に伴う雇用の減に対し、受け皿としての被災地での一層の産業の振興が求められ、また、被災住民に寄り添う視点で当初予算編成がなされているかどうかの検証が必要と考えますが、来年度のなりわいの再生に係る事業の取りまとめに当たり、何を課題として捉えたのか、その上でどのような対策を講じたのか、民間の取り組みの把握と調整等は行われているのかお伺いいたします。
〇佐々木理事 なりわいの再生に係る事業についてでありますが、なりわいの再生に当たっては、第1期復興実施計画に基づき、壊滅的な被害を受けた水産業や製造業の再建に取り組むとともに、仮設商店街の整備、二重債務への対応などにより、一部再開を含め、おおむね8割の事業者が再開にこぎつけたところでございます。
 今後、産業の復興をさらに加速していくためには、再開した事業者の売り上げの回復や労働力の確保を支援しながら、漁港、復興道路など産業基盤の構築を進め、復興まちづくりと一体的に地域のなりわいを再生し、地域経済を回復していくことが重要であるものと認識しております。
 このため、現在、策定を進めている第2期復興実施計画の初年度となる来年度におきましては、漁業と水産加工業の一体的な振興による高付加価値化の推進、中小企業等の本格的な事業再建の促進、商店街の本設整備と経営力強化の支援などに重点的に取り組んでいくこととしています。さらに、三陸創造プロジェクトにおきましては、将来にわたって持続可能な三陸地域の創造を目指す観点から、産業振興の具体的な取り組みを掲げ、長期的な施策を展開していくこととしております。
〇小西和子委員 復興をなし遂げるためには、産業の再生と就業の回復が大きく影響します。さらに、地元が潤うことが不可欠です。最大限の取り組みを要望いたします。
 続きまして、地方交付税算定に係る課題についてお伺いいたします。
 2014年度政府予算案において、普通交付税について、通常の算定に加え、各地方公共団体の行革努力や地域経済活性化の成果指標を反映する地域の元気創造事業費が創設されました。この算定指標の一つとして2013年7月1日時点のラスパイレス指数が用いられる見込みですが、このような指標を採用した場合、今年度の国の給与の減額要請に従ったか否かにより算定額が増減することにつながるもので、政策誘導的な色合いが強く、行革努力をあらわす指標として適切か疑問です。今回の措置は、昨年度に続き、地方固有の財源である地方交付税を国の政策目的を達成する手段として用いようとする思惑が働いた面があるものと考えますが、真の地方自治を実現するための地方交付税制度の確立に向けて、県としてどのように取り組んでいくのか見解をお伺いいたします。
〇小田島総務部長 地方交付税算定に係る課題についてでありますが、地方交付税制度は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスが提供できるようその財源を保障する制度でありますことから、標準的な行政サービスの実施に要する経費について、客観的な基準に基づいて行われることが重要だと考えております。
 今後も、地方分権の進展によって自立的、主体的に地域の活性化を図っていくためには、地方単独事業などの財政需要が地方財政計画に適切に反映され、地方交付税を含む地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額が確保されることが不可欠であることから、全国知事会と一体となって、県として引き続き国に対して要望してまいります。
〇小西和子委員 国は、内向きの行政改革による地方の疲弊を誘発する政策を打ち出し、地方自治の根幹を揺るがす事態が続いております。国に毅然とした態度で臨むことを再度要望いたします。
 続きまして、被災者の心と体のケアについてお伺いいたします。ここはまとめてお伺いいたします。
 関係者の必死の努力にもかかわらず、被災地における孤立死や自殺が後を絶ちません。被災地における孤立死や自殺の現状と対策をお伺いいたします。それを受け、2014年度の取り組みについて伺います。
 被災者は、3年もの間、不自由な生活を強いられて、心にも体にも異変を来しています。保健師は被災世帯を訪問し、心と体のケアを行う重要な役割を担っています。沿岸部への保健師の増員を行ってはおりますが、今の体制で被災者の心と体のケアが十分と言えるか伺います。2014年度の配置と取り組みはどのようになっているか伺います。
 住民に対する支援のみならず、住民を支援する幼稚園、保育園、学校、社会福祉施設、行政機関等の対人サービスにかかわる全ての人々に対する支援が不可欠と思われます。現場では、支援する公務員自体が疲弊し、倒れそうになっている状況もあります。また、今後、長期的に住民に対する支援を継続していくためにはマンパワー不足も懸念されるところです。市町村などの行政機関における支援者支援に関し、心のケアなどについてどのような対策をとっていくのか、今後の取り組みの具体的拡充策についてお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、被災地におけます孤立死や自殺の現状等についてでございますけれども、沿岸被災地の応急仮設住宅でひとり暮らしをされ、自宅内で亡くなられた後に発見された方は、岩手県警の調査によりますと、発災から本年1月末までの間に18人となっているところでございます。
 また、沿岸5警察署管内における自殺者数は、平成23年は91人、平成24年は72人、平成25年は58人となっているところでございます。なお、震災関連の本県の自殺者につきましては、内閣府が平成23年6月以降行っております調査によりますと、平成23年は17人、平成24年は8人、平成25年は4人となっているところでございます。
 被災者の孤立あるいは孤立死を防ぐための取り組みといたしましては、民生委員や社会福祉協議会に配置しております生活支援相談員等が被災者宅等を戸別訪問し安否確認や相談、見守り活動など行いますとともに、保健医療、福祉サービス等への適切な橋渡しや、サロン活動など住民同士の交流の機会の提供などに現在取り組んでいるところでございます。
 さらに、被災地におけます自殺を防ぐための取り組みといたしましては、保健師等の戸別訪問による相談対応、心の健康教育やゲートキーパー等自殺対策を担う人材の育成に関係機関が連携して取り組んでおりますほか、被災地で傾聴、相談支援等を行う民間団体への支援を積極的に行っているところでございます。
 来年度におきましても、生活支援相談員を継続して配置し見守りや相談支援活動を行うほか、応急仮設住宅からの転居等による被災者の生活の変化、長引く応急仮設住宅生活からのストレス等により求められます相談支援内容が多様化いたしまして専門的な知識が必要な相談ケースが増加することも考えられますことから、引き続き相談員の資質向上のための研修などにも取り組んでまいります。
 また、被災地の自殺対策におきましても、地域の人材育成やネットワークづくりを重点的に行いまして、一人でも多くの方に支援が行き届く体制づくりを推進してまいりたいと考えております。
 次に、心と体のケアの実施体制についてでありますが、平成25年4月現在の保健師の配置状況は、県では沿岸4保健所に20名を、沿岸12市町村では154名を配置し、新規採用や他自治体からの派遣等により、震災前の平成22年4月に比べ、それぞれ5名と34名増員しているところであります。
 保健師は、応急仮設住宅入居者への訪問等による健康調査や集会所等での健康相談、心の問題や生活習慣病など、要支援者への訪問指導などを行っているところでございます。
 しかしながら、被災者は、先ほども申しましたが、応急仮設住宅等での生活の長期化などによりまして、将来への不安や不眠、生活不活発病や、高血圧、多量飲酒など心や体の健康状態の悪化が懸念される方もおります。引き続き、心と体の健康支援を実施していく必要がございますので、今後も、さらに保健師の確保が必要であると認識しております。
 来年度の保健師の配置につきましては、現在、まだ調整中でございますが、県では、沿岸保健所への保健師の増員を検討しておりますほか、一部の沿岸市町村では、新たに採用する予定とも聞いております。
 また、県におきましては、来年度も引き続き、沿岸4地域に設置しております地域こころのケアセンターに保健師などを配置し、心のケアに係る市町村の保健事業への支援を行いますほか、被災者への健康支援活動やそれに従事する保健師確保に係る経費支援、さらには、内陸市町村等の協力によります保健師の派遣あっせんや新人保健師の資質向上のための研修会など、さまざまな市町村支援を実施していきたいと考えております。
〇中村政策地域部長 市町村職員の心と体のケアについてでございます。
 被災市町村におきましては、地方公務員災害補償基金の助成事業などを活用いたしまして、メンタルヘルスチェックや産業医等による面談、カウンセリングなどに取り組んでいるところでございます。また、全国からの派遣職員に対しましては、県の職員が被災市町村を年3回訪問いたしまして、業務や生活状況に関する個別面談を実施しているほか、本年度から新たに派遣職員向けのメンタルヘルスケア研修会を開催するとともに、メール等による個別相談窓口を設置するなど、さまざまな手法によりまして、市町村におけるメンタルヘルスケアを支援しております。
 今後におきましても、総務省や地方公務員災害補償基金などの関係機関と連携をいたしまして、こうした取り組みを着実に継続し、被災市町村の職員の心身の健康を維持する取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 被災者の心と体のケアにつきましては、これからがまた大変になるかと思いますので、万全の取り組みをよろしくお願いいたします。
 また、被災した12市町村の職員の病気休暇などを見ますと、病気休職者数や、病気休職者及び病気休暇者の精神疾患の割合が高くなっております。市町村合併や行革に伴う職員削減で、災害対応力が弱まっているところに今回の東日本大震災に襲われました。
 そこで、保健、医療、福祉教育に携わる職員がもともと少ない実情ですから、復興にはマンパワーが不可欠であると、今後も国に要望し続けることが重要と考えますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、子供の心と体のケアについてお伺いいたします。
 2013年心とからだの健康観察の調査結果において、沿岸部の子供たちに限ると、震災のストレスなどから、支援を必要とする要サポートと判断された割合がわずかに増加しています。
 また、報道によると、震災当時、保育園児、幼稚園児だった子供のうち、暴力や引きこもりなどの問題行動があり、精神的問題に関する医療的なケアが必要な子供が4人に1人に達するとの厚生労働省研究班の調査もあります。学校現場では、以前から問題視されており、早期の対応が必要と専門家の声もありますが、子供の心のケアについての現状認識と今後の対応をお示しください。
〇達増知事 東日本大震災津波以降、継続して実施している心とからだの健康観察の結果によりますと、県全体として徐々に回復傾向を示してはおりますが、学校種や地域別に見ますと、サポートを要する児童生徒の割合が増加しているケースもございます。
 被災地における子供たちを取り巻く環境は、今なお、厳しい状況が続いているものと受けとめております。県としては、子供たちを取り巻く環境の変化に対応して、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを増員するとともに、いわてこどもケアセンターの機能とあわせて、子供たちの支援に全力で取り組んでいくこととしております。
〇小西和子委員 よろしくお願いいたします。
 応急仮設住宅から仮設校舎に通うというようなことから、子供たちには生活ストレス反応というのが蓄積されております。また、やっと自分の気持ちを話せるようになったという子供たちもふえておりまして、スクールカウンセラーの皆さんとの面談時間が長くなっているということもあります。学校と地域、医療が連携しながら見守っていくことが重要と考えます。今後、ますます心のケアの必要性が高まっていることが予想されますので、万全の対策をよろしくお願いいたします。
 放射性物質から子供を守るための内部被曝調査についてでありますが、福島県が行った18歳未満の甲状腺検査で、甲状腺がんの診断が確定した子供が既に33人、がんの疑いありが41人、計74人になりました。これまで言われていた自然発生率の数百倍にも当たると言われています。岩手の子供たちへの影響を最小限にとどめるため、学校施設の除染や給食の食材の放射性物質検査を行ってきたところです。県南部を中心に、4歳から15歳を対象に行った内部被曝調査では、健康影響は極めて小さいとの発表でしたが、継続して注視していかなければなりません。
 内部被曝調査は、不安が払拭されるまで継続すべきと考えますが、現状と、2014年度の取り組みと今後の見通しについて伺います。
〇達増知事 県では、平成23年度そして平成24年度に、主に県南部の子供を対象に、放射線内部被曝健康影響調査を実施しており、今年度も、これまでと同様の手法により、3回目の調査を実施いたしました。
 結果について、岩手県放射線内部被ばく健康影響調査有識者会議委員より、昨年度と同様に、放射性セシウムによる健康影響は極めて小さいと考えられるとの評価をいただいたところであります。また、平成24年度からは、一関市、奥州市、平泉町の県南3市町において、県補助事業を活用した内部被曝検査も行われております。
 県としましては、放射線の影響を受けやすいとされる子供の健康を重視するとの方針のもと、内部被曝状況の継続的な把握を行うため、これらの事業について、必要な経費を平成26年度当初予算に盛り込んだところです。
〇小西和子委員 チェルノブイリ原発事故から学ばなければならないと思うんですけれども、チェルノブイリ原発事故から5年目以降に、ベラルーシでは子供の甲状腺がんがうなぎ登りにふえております。幼い子供を抱える人たちの不安を払拭するためにも、甲状腺検査についての検討を行うことを要望して、私の質問を終わります。
〇樋下正信委員長 次に、高田一郎委員。
   〔高田一郎委員質問者席に着く〕
〇高田一郎委員 日本共産党の高田一郎でございます。
 私は、被災者にとって最も切実な要望である住宅再建について質問いたします。
 我が党は、これまで、希望する全ての被災者への災害公営住宅の建設と、持ち家再建へのさらなる支援を求めてきました。とりわけ、県の災害公営住宅は、1戸当たりの建設費用は、駐車場を含めてですけれども1、800万円であり、持ち家再建にさらなる支援を行うことは、費用対効果あるいは復興を加速する点でも合理的なことだと思っています。
 そこでお伺いしますが、災害公営住宅の完成後の維持管理費、県、市町村合わせてどのぐらいになると試算されているでしょうか。
〇千葉副知事 災害公営住宅の維持管理費用についてでございますが、一般的に、県営住宅の維持管理は指定管理者に行わせておりますけれども、平成24年度の指定管理費用は総額で約5億円、1戸当たり約9万6、000円でございました。
 災害公営住宅の当面の維持管理費用につきましては、建設されて間もないため修繕等がそれほど発生せず、これよりも低くなるものと考えており、県では、平成26年度の指定管理費用のうち、災害公営住宅に係る維持管理費用として、1戸当たり5万8、000円を見込んでおります。また、市町村におきましても、同程度の費用になるものと思われております。
〇高田一郎委員 既存の県営住宅の維持管理費が9万6、000円ということになりますと、これをベースに考えますと、将来的には、6億円程度の維持管理費がかかるのではないかと思います。一方では、国の家賃補助制度が将来的になくなりますと、自治体の負担が多額になってしまうというような懸念もあります。この辺はどう見ているんでしょうか。
 また、国に対する財政支援というものも当然求めていくべきだと思いますけれども、この点について答弁をお願いします。
〇千葉副知事 災害公営住宅につきましては、建設費用や管理費用につきましては、復興交付金によりまして通常の公営住宅と比較しまして手厚い国の支援がございまして、家賃補助につきましては、一定期間、市場家賃と入居者が支払う家賃との差額が全て国庫補助と特別交付税の対象となりますため、入居者がいれば、市場家賃相当額が地方公共団体収入として見込めることとなります。したがいまして、既に相当程度手厚い措置が行われておりますことから、さらなる支援を国に求めることは困難と考えられますが、県といたしましては、被災者の意向調査の結果を踏まえまして、災害公営住宅の整備戸数を適切に見直していきますとともに、将来、入居者が退去して発生した空き室については、通常の公営住宅と同様に低所得者の入居を認めるなど、災害公営住宅の空き室が発生しないように取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 入居者が減ってくると、なかなか維持管理費も大変になってくると思うんですけれども、住宅再建については、この間、資材の高騰などによって、建築単価が、もう坪50万円をはるかに超えている状況です。土地なども含めれば3、000万円にもなってしまう。こういう中で、今、本当に再建できるのか、我慢の限界に来ているという状況だと思いますし、同時に、持ち家再建にしたらいいのか、あるいは公営住宅か、非常に心が揺れているという状況です。私はだから、今、被災者に対して希望のメッセージを届けるべきだと思います。
 東日本大震災発災からもう3年になりますけれども、私はさらなる支援をやるべきだと。今それをやる時期じゃないかと思うんですけれども、知事、いかがでしょうか。
〇達増知事 住宅再建への支援の拡充ということでありますけれども、県としても、今般の大震災のような広域災害においては、本来、国において、住宅再建が十分に図られるよう制度設計を行うべきと考え、国に対して被災者生活再建支援制度の拡充を繰り返し要望してきたところでありますが、その見直しが進んでいない状況にあるため、限られた財源の中で、被災者住宅再建支援事業を県も市町村と共同で実施してきたというところであります。
 県としては、今後とも、被災者生活再建支援制度の支援額の増額と、震災復興特別交付税などの地方財政措置による支援の拡大を、引き続き、国に対して強く要望してまいります。
〇高田一郎委員 なかなか国が拡充しないという状況ですから、私は県が独自の支援をやるべきだと思っているんですが、やっぱり財源問題ですか。
〇達増知事 限られた財源の中で、市町村とともに被災者住宅再建支援事業を県としても行ってきたところではありますけれども、今は国に対して、被災者生活再建支援制度の支援額の増額等を要望していきたいと思います。
〇高田一郎委員 国に対する支援の拡充というのは当然だと思います。今、わずか300万円でありますけれども、国はあくまでも見舞金だと言っているんですね。今、復興がおくれている中で、人口がどんどん減少している中で、地域社会がもう成り立っていかないということで、私は住宅再建に対する支援というのは公共性が認められるものだと思っています。国に対して要望していくという点で、どういう視点、角度から要求していくのか、この点について知事の考えがあればお伺いしたいと思います。
〇達増知事 阪神・淡路大震災がきっかけとなったわけでありますけれども、また、鳥取県における地震の際の鳥取県の取り組みもありました。それまで、持ち家再建というのは基本的に個人の所有財産に関することだということで、公的な支援というのは基本的になかったわけでありますけれども、コミュニティの再生また市町村の持続的な発展、そういった個人資産ということ以外の公共性という観点からも、県としては国に要望してまいりましたし、特に津波被害ということで、住宅地のみならず、さまざま学校から病院、道路等のインフラも根こそぎ津波で被害を受けたような中で、地域を再生していかなければならないということで、特に公共性という点は、国としても、そこは重視すべきではないかということをさらに強調していきたいと思います。
〇高田一郎委員 そういう視点で、ぜひ引き続き全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、二重ローン問題についてお伺いいたします。
 そもそも、相談件数が991件と非常に少ないということです。条件変更とかあるいは債務免除できる条件にありながら、まじめに返済している被災者もいるのではないかと思っております。今、大事なことは、丁寧な相談活動が必要ではないかと思います。
 さらに、今、被災者の住宅ローン返済、二重ローンというのはどういう状態になっているのか、実態をつかんでいれば、その内容を示していただきたいと思います。
〇佐々木理事 二重ローン問題に係る相談活動についてでありますが、個人版私的整理ガイドライン運営委員会では、沿岸市町村において、週1回のペースで個別相談会を開催しているほか、1人でも多くの方の相談につながるよう、東北財務局などと連携し、さまざまな周知活動を行っているものと伺っております。
 また、県では、沿岸4地区に設置しております被災者相談支援センターの窓口に弁護士を配置し、被災者からの相談に応じてきたほか、岩手弁護士会や金融機関等と連携し、沿岸、内陸各地で、延べ13回にわたり無料相談会を開催してきたところでございます。
 今後とも、1人でも多くの被災者が個人版私的整理ガイドラインを活用できるよう、きめ細かな相談対応を行ってまいりたいと思います。
 なお、どれだけの被災者の方が二重ローンを抱えているかにつきましては、把握することができません。個人資産については、なかなか把握できないということでございます。
〇高田一郎委員 私、先月、被災地で、この二重ローン問題に取り組んでいる弁護士と懇談してきました。この方は、この間、74件の相談を受けておりますが、そのうち3分の1は、応急仮設住宅を1戸1戸回って個別に相談をして、そういう中でこういう相談になっているんです。
 今、いろいろ努力してきたというお話をされましたけれども、もっと市町村と連携して、相談会といってもなかなか来ないんです。そういうきめ細かな相談活動というのが非常に大事じゃないかと思うんですけれども、佐々木理事、いかがでしょうか。
〇佐々木理事 委員おっしゃるとおり、こちらから拾いに行くような形で相談もしてまいりたいと思いますし、できる限り、門戸をあけて、ぜひ相談に来てくださいということで、司法書士とか弁護士とか、かなり法テラスを通じて配置してございますので、そういう機会を活用していただくということが一番だと思いますので、さらに周知に努めてまいりたいと思います。
〇高田一郎委員 ぜひそういう努力をさらに強めてほしいと思います。
 同時に、もう一つ、私、被災地で感じたのは、相談する入口で排除されているんじゃないかと思っています。ガイドライン運営委員会に、電話で相談しますと、収入だけ聞いて、あなたはもうだめですよということで対応できない。ですから、私は、ガイドライン運営委員会とか金融機関での対応の改善が必要じゃないかと。
 昨年12月だったでしょうか、金融庁、復興庁が、被災者に対して丁寧な説明をしなさいと、被災者に寄り添った対応をしなさいと言っているにもかかわらず、こういう対応になっているわけです。こういう通知の徹底というものが不十分じゃないかと思います。
 もう一つは、今、佐々木理事から、実態が把握できないというお話がありましたけれども、金融庁の資料からしますと、現在、住宅ローンを払っている人たちは、恐らく推計で4分の1程度と見ますと、2、200件ぐらいになるんじゃないかと思います。金融機関というのはそんなに多くないわけですから、被災地の金融機関ですから、金融機関も被災者に寄り添って対応していくことも必要だと思います。金融機関を訪問したりして実態を教えてもらう、そういう実態をつかんだ対応というのが必要になってくるんじゃないかと思います。そういう努力も足りないんじゃないかと思いますが、この二つの点について答弁いただきたいと思います。
〇佐々木理事 金融庁が公表した資料によれば、発災後、平成25年11月末日までの間に条件変更契約、いわゆるリスケジュールを締結した被災3県の全債務者中、住宅ローンを抱える債務者は8、867件とされております。
 なお、この件数は、内陸部も含む3県全体の債務者のものでありまして、被災者であるかそうでないかというところについては不明でございます。
〇高田一郎委員 被災者も含めた数ではありますけれども、そういったことも含めて、実態調査をしっかりと金融機関と連携してやってほしいということなんです。
〇佐々木理事 できる限り寄り添って相談に乗りたいと思います。
〇高田一郎委員 実態調査をしてほしいということなので、その辺よろしくお願いしたいと思います。
 二重ローン問題でもう一つ大事なことは、債務整理のハードルが高いということなんです。債務整理の開始の申し出件数、成立を含めると313件でありますから、もう3分の2が排除されているということなんですね。
 被災地で頑張っている方々に聞きますと、この730万円というハードルが非常に高いということと、これでは復興で頑張っている世代が対象にならないという問題、あるいは運用があくまでもガイドラインになっているという、そして債権者が同意しないと成立できないというさまざまな問題があるわけです。これを根本的に解決しなければならないと思っています。
 知事も、この間、国に対して、その改善を求めてきたと思いますけれども、どういう中身で改善を求めていくのか、強く改善を求めていってほしいと思いますが、この点についての具体的な要請内容、改善要望などありましたら示していただきたいと思います。
〇達増知事 個人版私的整理ガイドラインについては、一定額の収入や資産があることによって返済が可能と判断されるケースや、震災前に滞納があったことによって制度利用対象外と判断されるケースなどがあり、利用要件が厳しいことが指摘をされています。
 県では、これまでも、国に対して、個人の二重債務解消に向けた支援を繰り返し要望してきたところでありますけれども、主務官庁である金融庁からは、被災者の生活再建を支援し、被災地の再活性化を進めるためにもガイドラインの利用促進は重要であり、引き続き、ガイドライン運営委員会を強力に支援するとともに、金融機関にもガイドラインの利用促進を要請していくという回答があったところであります。
 今後とも、個人の二重債務解消に向けた支援について、あらゆる機会を捉えて国に対して強く要望をしてまいります。
〇高田一郎委員 これから住宅再建が進む中で、この問題というのは大変大きな課題になってきますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っています。
 次に、事業所の債権問題についてお伺いいたします。
 時間がないのでまとめて質問いたしますけれども、先ほど8割の被災事業者が再建になったという答弁がありました。しかし、この問題でも、中小企業の二重ローン問題というのは、相談センター、機構合わせて820件ですから、うち、支援決定187件と、非常に少ないと思います。債務を抱えたまま再建した事業者が多いのではないかと思います。相談件数が少ない原因、債務整理に至らない要因は何なのか、この点についてお伺いいたします。
 さらに、グループ補助金ですけれども、今、申請件数、採択状況というのはどうなっているのでしょうか。
 採択を受けたものの、資材の高騰などによって事業費は見直しされている、あるいは高度化資金を、融資を受けなければならない、こういう中で、本当にグループ補助を受けてもしっかりと再建されているのか、この実態をどのように把握しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇千葉副知事 中小企業の二重ローンの相談件数等についてでございますけれども、岩手県産業復興相談センターへの相談は、平成23年度には255件ございましたが、平成24年度は157件、平成25年度は67件と減少している状況にございます。今後、仮設店舗から本設に移行する際に、再び相談件数がふえてくるのではないかと一応考えております。
 事業者の再建実態に関しましては、個別には把握できないところでございますが、多くは、グループ補助金など国や県の支援策を活用するとともに、自己資金が不足する場合には、債権買い取りなどの支援と合わせ、金融機関から融資を受けているものと考えております。
 相談件数に対する解決の割合につきましては、産業復興相談センター発足直後、各種支援策の説明で足りる相談が多かったことから、再建買い取りや返済猶予など、支援件数の割合は約3割となっております。これら再建買い取りや補助金など、さまざまな支援により、事業者に必要な資金手当てがなされているということで、債務整理までには至っていないものと考えているところでございます。
 次に、グループ補助金についてでございますけれども、申請件数と採択状況について申し上げますと、これまで9回の公募を行いまして、延べ255グループ、1、879者から1、745億円の申請がございました。これまで102グループ、1、193者に対し、765億円を交付決定しております。
 事業所の再建状況についてでございますけれども、復興事業に時間がかかっている事業者の中には、資材費高騰などによる事業費増に対応するため、自己負担の増額や事業内容の変更などを行っているケースも見られるところでございます。
 また、高度化資金につきましては、本年1月末現在で、165者に対し103億6、300万円の貸付決定を行っているところでございます。
 本年2月末現在で、これまでに交付決定を行いました1、193者のうち、635者が補助事業を完了している状況にございます。
 グループ補助金の支援についてでございますけれども、県では、商工団体を通じまして、申請を希望するグループに対しまして専門家を派遣し、復興事業計画の方向性について具体的なアドバイスを行いますとともに、できるだけ多くの事業者が補助金を活用できるように取り組んでいるところでございます。
 また、グループ化が難しいなどの理由によりましてグループ補助金の活用が困難な個別の事業者に対しましては、市町村と県の補助制度でございます中小企業被災資産復旧事業費補助を通じ、施設設備の復旧を支援しております。
 さらに、平成23年6月に、全県の被災中小企業者を対象としました、長期低利でございます中小企業東日本大震災復興資金を創設しておりまして、これらを通じて、被災事業者の事業再開を現在支援しているところでございます。
〇高田一郎委員 今、グループ補助金の数字を示されましたけれども、申請に対して7割程度の採択になっているんじゃないかと思います。これからますます必要になってくる事業でありますので、国に対してはしっかりと財源を求めていってほしいと思います。
 同時に、事業費が資材の高騰などで大きくなったのは、事業者の都合ではないわけですね。事業内容を修正しなければならない非常に困難を抱えている状況もあります。この点については知事も含めて、国に対して見直しを求めているわけですけれども、例えば、再交付になった事業所、これはさらに申請したときに4分の3補助ということで、事業費の修正というのができないものでしょうか。そういう工夫をしていくべきだと思いますけれども、この辺についていかがでしょうか。
〇千葉副知事 今、事業費増加のお話もございました。県では、1月に、そういう事業費増加分等を含めても相応の支援ができるよう、制度面での柔軟な対応を国に対して要望をしております。国では、どのような支援策が措置できるか、関係省庁とも相談して検討したいという回答も頂戴しております。
 いずれ、県といたしましては、国に対して、柔軟な対応について引き続き求めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 時間がないので最後に、障がい者の就労支援についてお伺いしたいと思います。
 県南の二つの特別支援学校のPTAが行った進路アンケートについて、就労継続支援事業、いわゆる福祉型就労ですけれども、ぜひ利用したいという父兄が8割近くになっています。しかし、最近、保護者から、就労支援にはなかなかあきがない、何とかしてほしいという要望が寄せられました。福祉型就労の現在の定員あるいは利用者数、また、事業所の必要な施設数というのはどの程度、県として見込んでいるでしょうか。
〇千葉副知事 障がい者の就労希望についてでございますが、岩手労働局によりますと、平成24年度におけます障がい者の新規求職申し込み件数は1、692件でございまして、就職件数は1、146件、就職率は67.7%となっております。おおむね3分の2程度でございます。
 次に、就労状況についてでございますが、一般就労につきましては、平成25年6月1日現在の50人規模以上の民間企業におきます就業者数は2、597名となっております。
 福祉的就労につきましては、平成25年3月におけます就労継続支援A型の利用者数は547人、就労継続支援B型の利用者数は3、222人となっております。
 なお、県立特別支援学校高等部卒業生の状況につきましては、平成24年度の卒業生216人のうち、一般企業への就職が55人、就労継続支援A型事業所の利用が11人、就労継続支援B型の利用が74人となっている現状にございます。
 次に、いわゆるA型、B型の事業の利用者数及び事業所設置の必要量等についてでございますけれども、障がい福祉サービスの年度ごとの利用見込み量を定めました第3期障がい福祉計画におきましては、平成25年度における利用見込み量を就労継続支援A型604人、就労継続支援B型3、348人としており、見込み量に応じた施設整備に努めているところでございます。これによりまして、事業所の利用定員の状況は、平成26年1月1日現在で、就労継続支援A型が671名、就労継続支援B型が3、160名となっておりまして、おおむね計画で見込んだサービスの提供を確保している次第でございます。
 いずれ、今後におきましても、市町村や事業者と連携し、サービス提供体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 私、就労継続支援型のことをお聞きたんですが、おおむね足りているという副知事のお話しでした。この数字を見ただけでは、就労継続支援B型で定員が3、160人に対して、現在3、222人と定数をオーバーしているんですね。今、とても足りているという状況ではないんです。今、特別支援学校でも、実は授業で実習に行くわけですけれども、なかなか対応できないという状況になっているんですね。私は施設整備そのものが足りないのではないかと思うんですけれども、施設整備に対する県の支援策というのはどうなっているんですか。
〇千葉副知事 今、計画と実績の対比について御説明申し上げましたが、今委員からも御指摘がございましたように、就労継続支援B型は、現在、利用の需要が供給を上回っているという状況でございまして、これに対する対応はしていく必要があろうと考えております。
 障がい福祉サービスの充実につきましては、地域自立支援協議会が地域に設置されておりまして、支給決定を行います市町村やサービスを提供する事業者、相談支援専門員などの関係者が、地域における障がい者のサービス利用希望や利用可能なサービスの状況等について議論を行いながら、サービス基盤の整備を図ってきたところでございます。
 現在、このB型について、利用定員を上回る利用者数の状況が、九つの圏域で見ますと、平成24年度3圏域で上回っているところでございまして、これらに対しましては、地域自立支援協議会におきます働きかけのほか、定員増を行う事業所に対し、施設整備の補助や経営相談などの必要な支援を行っていく必要があると思います。これについては、国庫補助制度がございますので、それらを当然活用していく必要があろうかと思っております。
 ただ、実は、これまでございました基金制度が終了になりましたので、現在、施設整備に対する国庫支援の枠が非常に狭まっているのではないかという御指摘も頂戴しております。私どもといたしましても、国に対して、さらなる制度の拡充についてお願いをしてまいりたいと思っております。
〇高田一郎委員 今、一般就労が困難な障がい者が、どこに住んでいても身近な地域で就労や生産活動をしたいと、どの障がい者、お母さん、お父さんも願っているんですね。ところが、先ほどお話をしたように、既に定員オーバーとなり、特別支援学校では、研修にも行けない状況が続いているんですね。福祉の中でも、私は障がい者問題というのが一番おくれた問題だと思っています。
 B型は対応していく必要があると副知事からお話がありましたが、具体的にどのような対応をしていくのでしょうか。
 私は、今、この問題で、現場に行ってお話を聞いて思っているのは二つの問題があると思うんです。
 一つは、施設整備が、法人、事業者任せになっているということ。そして、施設整備の支援策は非常に貧困だと、私はこの二つだと思っています。
 岩手県障がい者プランなど見ますと、平成24年から平成26年までの間に、B型ですけれども、35の事業所設置が望まれるとなっているんです。しかし、障がい者プランの中身を見ますと、施設整備に対する県や市町村の役割が全く明確ではなくて、事業者任せになっているんです。事業者が手を挙げないと進まないという問題があります。ここが問題だと思います。そして、施設整備も補助率が非常に低い。法人の持ち出しがたくさんあると。4分の3と言っても、半分以上は持ち出しになっているという問題があります。しかも、今、障がい者施設は7対1の配置基準になっていますが、障がいが重い人たちがどんどんふえている中で、1対1で対応しなければならない。したがって、国の基準の1.5倍の人員を配置して、とても施設整備どころではないという、この二つがあります。この点をクリアして対応しなければならないと思うのですが、B型に対する支援をしたいと言っておりますので、どのような中身なのか、具体的に示していただきたい。
〇千葉副知事 施設の整備計画及び施設整備の支援等についてのお話でございますけれども、まず、障がい福祉サービスの施設整備は、毎年度、施設の設置者でございます社会福祉法人等からの要望を受け、国庫補助事業を活用しながら実施しているという状況にございます。
 今、委員から御指摘がございましたように、いわゆる事業者任せではないかというような御指摘もございましたが、いずれ、これについては、県あるいは市町村においても十分、先ほど申し上げたような、いわゆる需給の状況等を踏まえて、より積極的な働きかけをしていく必要があろうかと思っております。いわゆる関与を強めていく必要があるのではないかと考えております。
 また、この補助事業につきましては、国庫補助と県補助がございまして、国が定める基準額を上限として、工事費などの4分の3を補助しているものでございまして、第3期障がい福祉計画のもと、平成24年度及び平成25年度におきましては、就労支援事業所4施設の整備を行ったところでございます。この4分の3補助についても、いわゆる国で定める基準が上限になっているということで、実質補助率が低いのではないかという御指摘もございました。これについては、国に対して要望していく必要があろうかと思っております。
 平成26年度につきましては、県補助事業として3施設の施設整備を予定しておりまして、うち、就労支援事業所は新設1カ所、大規模改修1カ所でございます。また中核市であります盛岡市におきましても、補助事業として2施設の施設整備を予定しておりまして、うち、就労支援事業所は新設1カ所でございます。
 施設整備につきましては、先ほどの繰り返しになって恐縮でございますが、国庫補助事業のほか、比較的小規模の増改築のための障害者自立支援対策臨時特例基金を活用した事業がございましたが、財源確保が確保されないまま、県としては継続を要望しておりましたが平成24年度をもって終了したところでございます。したがいまして、先ほど申しましたとおり、平成25年度以降、国の補助事業の採択状況が厳しくなっておりまして、県内の事業要望に対して、十分応えられるものでなくなってきたところだという認識は私どもも持っております。
 いずれ、県といたしましては、これまで申しましたような内容について国に引き続き要望を申し上げ、また、市町村とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員長 次に、小野寺好委員。
   〔小野寺好委員質問者席に着く〕
〇小野寺好委員 公明等、小野寺好です。総括質疑をさせていただきます。
 政府の新年度予算は、民需主導の経済成長と財政健全化目標の達成を目指したものとなっていて、各方面のゼロベースでの見直しが言われている一方、地方に対しては、平成25年度を下回らないよう、同水準の確保が約束されています。しかし、本県では、高齢化に伴う社会保障関係費の自然増や、国の経済対策に呼応して発行した県債の償還分により、苦しい財政運営になっているのではないかと思われますが、これらの圧縮できない歳出増の内容はどのようになっているか伺います。
 さらに、ILC誘致や国体への備えなど、今、最優先すべき課題への予算、将来のために育成すべき人材や産業への投資、高齢化対策としての民生費、老朽化したインフラへの手当て等々課題が山積していますが、どのような観点で優先順位を決めて予算化しているのか伺います。
〇小田島総務部長 社会保障関係経費や公債費の状況についてでございますが、まず、社会保障関係経費は、滝沢村の市制移行等に伴い、児童扶養手当事業など減少している事業があるものの、高齢者人口の増など自然増に伴い後期高齢者医療療養給付費負担金、介護保険給付費等負担金などが増加しており、社会保障費全体としては、前年度と比較し25億円余の増加となってございます。また、平成26年度からは、消費税率の引き上げに伴い、保育緊急確保事業費や子育て支援臨時特例事業費などの充実を図ったところでございます。
 次に、公債費についてでございますが、過去の経済対策等で発行した県債の償還が平成26年度、平成27年度にピークを迎え、平成26年度当初予算においては、前年度と比較して50億円余増の1、325億円となっているところでございます。
〇達増知事 次に、事業予算化の優先順位についてでありますが、平成26年度当初予算は、本格復興推進予算として、これまでの基盤復興の成果を土台にした本格復興の着実な推進を図るとともに、復興の先にある希望郷いわての実現をより確かなものとするために、必要な施策に留意し編成したものであります。
 予算編成に当たっては、限られた財源の中で、当面する課題解決に向け、今やるべき施策と中長期的な観点から、必要な施策について総合的に勘案の上、選択と集中に努めたところであり、具体的には、復興施策に加えて、ILC実現に向けた取り組み、国体の成功に向けた取り組み、平泉の文化遺産を核とした地域振興、地域資源を活用した地域づくり、地域医療体制づくり、再生可能エネルギーの導入とともに、若者や女性の活躍支援などの施策に配慮し、当所予算を編成したところであります。
〇小野寺好委員 次に、エネルギー問題、特に電力に関してですが、これまで、再生可能エネルギーは、地球温暖化防止対策の一環として扱われてきましたが、東日本大震災以降の原発に対する国民の認識の変化で、水や食料と同様に、生きていく上で必要なものとして、県や市町村としても、積極的に確保すべきものと捉えられているように思います。
 県企業局による発電は、電力会社に売るための電気事業というものだったと思いますが、最近は、地元での消費、地産地消というかけ声が強くなっています。今後、県はどちらの観点で進めていくのか伺います。
 また、風力の場合は、山間部や洋上といった人の住んでいない場所に立地し、送電網については、別途、対応が必要になります。電力会社任せでいいのか、地元の責任で考えていくべきか、日本版EMECの話もありますが、県はどのようにお考えでしょうか伺います。
〇千葉副知事 電力の地産地消についてでございますけれども、まず企業局におきましては、地方公営企業法に基づきまして、常に経済性を発揮しながら、産業経済の発展と県民生活向上等に向けまして、水力を中心とした地産によります電力開発を進め、電力の安定供給に寄与しているところでございます。
 平成24年度おきましては、県内消費電力量全体の約5%、約15万世帯分に相当する電力を供給しているところでございます。
 また、県全体といたしましては、委員御指摘のございましたように、東日本大震災津波の教訓を踏まえ、復興計画と、その後に策定いたしました岩手県地球温暖化対策実行計画におきまして、災害時にも対応できる自立・分散型のエネルギー供給体制の構築や、地域産業の振興などにも期待される地産地消のエネルギー自給率の向上を目指しているところでもございます。このため、防災拠点におけます再生可能エネルギー設備の導入を進めますとともに、太陽光発電等の導入促進に向けた普及・啓発セミナーの開催や、本年度内に完成予定の導入支援マップなども活用しながら、地域に根差した取り組みを推進し、再生可能エネルギーによる電力自給率の倍増に向けまして取り組みを進めております。
 いずれにおきましても、電気は現在の生活基盤を支えます社会インフラと認識しておりまして、企業局による電気事業も各地域の地産地消による発電の取り組みも、それぞれ県民の生活を支える意味で不可欠なものと考えております。
 次に、送電網についてでございますけれども、本県の風力や地熱など、恵まれた再生可能エネルギー資源を生かした大規模発電施設の立地を推進するに当たりましては、送電線への接続制約が隘路となる懸念がありますことから、これまでも、国に対しまして、送電線増強支援など、接続容量の拡大や電力システム開発に向けた要望を行ってきたところでございまして、今後とも、機会を捉えて、国に対して要望を行っていきたいと考えております。
 また、これまでも、市町村に対しましては、地元の開発案件につきまして、送配電網への接続に十分留意するよう注意喚起を行ってきたところであり、さらに、来年度におきましては、有望地点での開発推進に向けて事業者等と意見交換を進める中で、導入環境整備に係る課題への対応についても検討していく考えでございます。
〇小野寺好委員 次に、観光業の振興でありますが、かつて雪質のすぐれたスキー場であるからとか、有名な温泉地であるがゆえに集客に困らない、特に団体観光客でにぎわったよき時代もありました。最近は、新たな視点を加えた観光が広がりを見せていて、いわば知恵の競争の感を呈しています。ドラマのロケ地、和食、地域資源、観光ボランティアガイドなどがキーワードのようですが、沿岸被災地では、復興の一環として水産業と連動させて誘客を図っていますが、全県を挙げた永続的観光戦略はいかがでしょうか。
〇千葉副知事 観光業の振興についてでございますけれども、本県におきましては、御案内のとおり、みちのく岩手観光立県基本条例に基づきまして、観光施策を総合的かつ計画的に推進するために、同条例に基づきまして、みちのく岩手観光立県協議会を策定してきているところでございます。
 本定例会に提案中の第2期計画によりましては、10年後に実現すべき姿を展望しつつ、計画期間を5カ年と定め、被災地の観光産業の復興加速により沿岸地域経済の活性化を図り、観光による本県の復興を目指すこと、また、本県が有する多彩な観光資源を磨き上げ、来てよかったと思っていただけるような日本一のおもてなしにより、県内全体の地域経済の活性化を図ることを目指す姿として掲げているところでございます。
 こうした姿を実現していくためには、今、さまざまな地域資源についての切り口などについても御指摘ございましたが、県、市町村、観光事業者、県民が一体となって観光の振興に取り組み、観光産業を農林水産業、製造業などに幅広く波及効果をもたらす総合産業として育てていきたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 次に、農業について伺います。
 米の生産調整や直接支払交付金を見直すとともに、担い手への農地集積を促進する農地中間管理事業の推進に関する法律等が成立するとともに、農林水産業・地域の活力創造プランが昨年12月に発表されるなど、農業は大きな転換期を迎えております。
 全国的には、農業従事者の61%が65歳以上となり、また、県内で40万トンの米が生産されていたころ、1人当たり、年間120キロの米を消費していましたが、今はその半分になり、さらに消費する側の人口が減少する社会となります。しかしながら、米を中心とした農業生産だけに専念してきた皆さんに対し、みずからの経営判断に基づいて売れる作物を選択しなさいとか、自分で販売契約をとる努力をしなさいなどということはいたずらに混乱を招くばかりであり、丁寧な説明と対応が必要であります。
 まず、現状を伺いますが、専業農家及び第1種兼業農家はどれだけあって、農業就業者の平均年齢や農業による所得はいかほどでしょうか。このうち、いわゆる減反農家に支払われていた定額補助金は半分になります。飼料用米などへの転作補助金や農業用水路の泥上げ、草刈り作業などへの交付金が出るようになりますが、県ではどのように対応していくのか伺います。
〇千葉副知事 本県農業の振興についてでございますけれども、直近の平成22年農林業センサスによりますと、専業農家数は1万2、160戸、第1種兼業農家数は8、044戸、農業就業者の平均年齢は66.3歳となっております。また、1経営体当たりの農業所得につきましては、平成22年農林業センサスの経営体数と同年の生産農業所得から算出いたしますと、約143万円となるところでございます。
 また、経営所得安定対策等への見直しへの対応でございますけれども、多面的機能支払は、個人ではなく地域に支払うものでございまして、当該支払いを除いた試算では、県南、県央部の水稲中心の大規模経営の試算例では、所得が16%減少する等の影響が見込まれますことから、県といたしましては、農業者の所得が確保できるよう、農地集積等による規模拡大やコスト低減、園芸など収益性の高い作物の導入などに取り組みますとともに、多面的機能支払も活用しながら、本県農業、農村の持続的発展を進めてまいりたいと思っております。
〇小野寺好委員 農地中間管理機構によって担い手に農地が集積される手はずとなりますが、耕作が放棄された農地の面積は、どう推移しているか伺います。
 貸借等による耕作権の委譲に消極的であったり、所有権が明確でなかったりする場合等は、これは半ば強制的に進められるのかどうか伺います。
 国は、農林水産物食品の輸出戦略や学校給食での使用割合の拡大を打ち出していますが、シンガポールやソウル、大連等での本県の農産品販売等、これまでの県産農産物の輸出の取り組み実績と今後の展望はいかがでしょうか。
〇千葉副知事 農地の集積についてでございますけれども、本県の耕作放棄地面積は、農林業センサスによりますと、平成12年は1万1、275ヘクタール、平成17年は1万2、574ヘクタール、平成22年は1万3、933ヘクタールと、増加傾向で推移しているところでございます。
 また、農地中間管理事業は、所有者から貸したい旨の意思表示があった農地につきまして農地中間管理機構が借り受ける仕組みでありまして、また、所有者が明確でない農地につきましては、農業委員会が所有者が明らかでない旨を公示し、所有者等から申し出がない場合は、知事の裁定により、機構が利用権を取得し、借り受け希望者に貸し付けることとなります。
 なお、農地中間管理事業の実施に当たりましては、農地所有者や地域の意向を十分踏まえ、適切に対応していくことが重要であると考えているところでございます。
 次に、県産農産物の輸出拡大についてでありますが、県では、東南アジアを主な取り組み対象といたしまして、現地での物産フェアの開催やトップセールスなどに取り組んできておりまして、輸出額は、東日本大震災津波等の影響で、平成23年には約1億円まで落ち込みましたが、平成24年には約2億円まで回復してきているところでございます。
 今後とも、新たな輸出先の開拓に向けました販売チャネルの確保や品目の絞り込みのほか、既存取引の拡大に向けた現地の卸売業者、レストラン関係者等との結びつきの一層の強化によりまして、輸出のさらなる拡大を図ってまいりたいと考えております。
〇小野寺好委員 意欲ある農家のために農地を集積するとともに、新規就農者を確保して、リタイアする方の分を補充する必要があります。県は、農業公社や農業会議とともに、農業法人等への就業相談会や新農業人フェアを開催してきましたが、若い20代、30代に絞って、もっと積極的に行ってはいかがでしょうか。このイベントでは、毎回、何人かの感動的な成功事例を発表していますが、失敗する例、そこからまた立ち上がる方法等、新規就農者が孤立しないよう、しっかり支援すべきと考えますが、これまでの取り組みと今後の方針はいかがでしょうか。
〇千葉副知事 新規就農者の支援についてでございますけれども、本県では、県内外におけます就農相談会の開催や、先進農家での実践研修、就農計画の策定支援などに取り組んでおりまして、平成20年度以降は毎年200人以上が新規就農し、過去5年間の営農継続割合も85%と高い定着率となっておりますほか、40歳未満の新規就農者の割合も年々高まり、平成24年度には約8割を占めているところでございます。
 今後も、就農相談会での先輩就農者からの成功談あるいは失敗談の披露などで就農後のリスク等も伝えますとともに、農村青年クラブへの加入による仲間づくりや地域のベテラン農家による継続的な指導など、個別の新規就農者の状況にも十分配慮しながら支援を行い、より多くの就農希望者が地域の担い手として定着するよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇樋下正信委員長 3時となりますが、質疑を続けさせていただきたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
 この総括質疑の終了後に、質問席の移動の際に休憩をとりたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
〇小野寺好委員 被災者支援について伺います。
 災害対策基本法第90条の3に、市町村において、被災者台帳を作成することができると規定されています。大規模災害が発生した場合、住所、氏名、家屋の構造等、必要な項目が記載されたコンピューター管理の被災者支援システムなるものがあって、さらに災害時要援護者が明確になったり、罹災証明書が即座に発行されることを望みますが、市町村における被災者台帳の統一的な整備状況と県の支援についてはどのようにお考えでしょうか、伺います。
〇千葉副知事 被災者台帳の整備状況についてでございますが、被災者情報を管理いたします電子システムは、平成24年4月現在、全国で280市区町村が導入しておりますけれども、本県では、東日本大震災津波を機に、県において被災者台帳システムを構築し、平成26年、ことしの2月現在で7市町村が導入をしてきているところでございます。
 本来、被災者台帳は、今お話がございましたように、市町村が主体的に作成いたしまして活用されるべきものでございますが、県内市町村が統一的なシステムにすることによりまして、台帳の質が一定以上に保たれ、一定の被災者支援水準の確保が図られますほか、被災者が転居した場合の市町村間の情報共有が容易になるというメリットがございます。こうしたことから、県といたしましては、今後発生する災害にも対応できるよう、現在、運用中のシステムにはない罹災証明書の発給機能等を追加した新たな被災者台帳システムの構築について、全県的に活用可能なものとなるよう、市町村の意見も聴取しながら検討していきたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 今後、仮設住宅から恒久住宅へと移り住む方が多くなりますが、移転費用への支援について、公営住宅の場合と防集の場合とは同じ扱いになるのかどうか、また、公営住宅の敷金や連帯保証人は県営も市町村営も同じ扱いになるのかどうか伺います。
〇佐々木理事 恒久住宅への移転費用の支援についてでありますが、防災集団移転促進事業の場合、自力再建される方あるいは災害公営住宅に入居される方など、移転先にかかわらず、実際に移転に要した費用が補助対象となります。
 一方、防災集団移転促進事業によらずに移転する場合の引っ越し費用については、制度間の格差を埋めることを目的に、昨年、国が交付したところの震災復興特別交付税を財源として、各市町村がそれぞれの実情に応じて支援策を講じているところでございます。
〇千葉副知事 公営住宅の敷金等についてでございますけれども、敷金につきましては、既存の県営住宅では家賃の3カ月分を納める必要がございますが、県営の災害公営住宅では免除の取り扱いとしているところでございます。また、連帯保証人につきましては、原則として1名が必要となりますが、家族や親戚を震災で失ったなどの理由により、やむを得ず連帯保証人を確保できない方についてはそれを求めないことにしているところでございます。
 県では、市町村におきましてもできるだけ同様の扱いをしていただきたいと考え、市町村との協議をしてきているところでございますが、一部市町村では、県と異なり、原則的には既存の公営住宅と同様の取り扱いをするとしているところもございます。ただ、いずれにせよ原則としてということでございますので、個々の被災者の状況に応じてはそれぞれ個別の運用が図られるものと考えておりますし、そのような運用をお願いしていきたいと考えているところでございます。
〇小野寺好委員 個人住宅への再建支援についてでありますが、東日本大震災津波の後も台風等による風水害、暴風雪被害等々、災害が絶えません。阪神・淡路大震災以降、鳥取県における個人住宅再建への補助金支給や被災者生活再建支援法の成立、本県での市町村と共同出資による被災者生活再建支援金100万円の上乗せ等、従来考えられなかった個人資産への行政からの支援が行われています。さらに、住宅被害が10世帯に満たないため被災者生活再建支援法が適用されない場合等への対応についてはどのような対応が図られるか伺います。埼玉県は、竜巻被害の後、独自の支援制度をつくり来月から施行されますが、本県ではいかがでしょうか。
〇千葉副知事 個人住宅への再建支援についてでございますけれども、本県では、昨年7月、8月の大雨洪水及び台風18号災害におきまして、被災者生活再建支援法の適用とならなかった被災世帯の早期の生活再建のため、県独自に制度に準じた支援を行ったところでございます。平成26年度におきましては、今年度内に住宅の再建方法が決まらないなどの理由によりまして今年度の支援金の対象とならない世帯に対する支援を行う予定としているところでございます。
 ただいま委員から埼玉県の独自の支援制度について御紹介がございましたが、本県といたしましては、今後、災害が発生した場合における県独自の支援につきましては、自然災害は、大雨洪水、台風、地震、津波など、その種類、被害規模がそれぞれ異なりますことから、その状況に応じてその都度判断していきたいと考えているところでございます。
 なお、繰り返しになりますけれども、全国知事会において、国に対し、被災者生活再建支援制度の適用要件の緩和について要望を行っておりまして、県といたしましても、これに連動し、適用要件の緩和及び半壊世帯も対象とするなど支給対象の拡大について引き続き要望していくこととしております。
〇小野寺好委員 最後に、消費税税率引き上げにかかわる給付金について伺います。
 消費税の逆進性対策として、臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金が全国で約3、670万人に支給される見込みと伺っています。本県でのおよその対象者数、周知方法、手続の時期等はどのような予定でしょうか伺います。
〇千葉副知事 消費税増税にかかわる給付金についてでございますけれども、本県の給付対象者は、市町村によります本年2月現在の推計でございますが、臨時福祉給付金が約31万7、000人、子育て世帯臨時特例給付金が約15万2、000人と見込まれているところでございます。
 次に、給付対象者への周知につきましては、市町村では、福祉、住民基本台帳、税務などの関係部門等が連携し、その対象者を的確に把握した上で個別に申請書を送付いたしますほか、ホームページや広報誌への掲載、チラシの配布などにより周知を図ることとしております。
 また、手続の時期につきましては、多くの市町村では、市町村税が確定され、児童手当現況届が提出されます本年6月以降に申請書を受け付けし、順次、給付を開始する予定と伺っております。
 なお、県におきましては、給付金が支給されること等について広くお知らせするため、県ホームページやいわてグラフで周知を図りますとともに、国との連絡調整や県内市町村の実施状況の把握と情報提供を行うなど、円滑に給付がなされるよう市町村を支援してまいります。
〇小野寺好委員 終わります。ありがとうございました。
〇樋下正信委員長 次に、吉田敬子委員。
   〔吉田敬子委員質問者席へ着く〕
〇吉田敬子委員 無所属の吉田敬子です。
 若者、女性関連事業についてお伺いいたします。
 2月16日に行われましたいわて若者会議において、知事は、県民を挙げて若者の活躍を支援し、全ての世代が力を合わせて復興を成功させるといういわて若者活躍支援宣言を行いました。同会議の交流会会場における若者プレゼンブースでは、県立大学による漫画を用いた広報やご当地ヒーローのガンライザー検定、菜園調理師専門学校によるリンゴのポタージュの提供のほか、昨年12月、岩手のデザイナーによる岩手のさまざまなデザインに興味がある人の集いの場として初めて開催されたIWATE DESIGN DAYの紹介等があり、改めて若者、女性の発信力等を感じました。
 県では、具体的な取り組みの一つとしていわて若者活躍支援事業を予算案として提案しているところであり、この事業は、若者が議論や交流を行う場を提供するいわて若者会議や、若者の豊かな発想力や実行力を地域づくりにつなげるという助成事業等によって構成されていますが、事業実施による成果及び効果等を震災からの復興にどのように結びつけていくと考えているか、中長期的な視点を含めてお示し願います。
〇達増知事 東日本大震災津波の直後やその後の復興の中で、若者が地域づくりやまちづくりなどに大きな力を発揮しています。また、県が行った青年に対する意識調査によりますと、震災前に比べて、社会貢献に対する意識や住んでいる地域に対する愛着が増加している状況も見られます。2月16日のいわて若者会議でも、そのような若者の意欲と力を確認することができたと思います。
 このような若者の実態を踏まえて、庁内一丸となって若者の活躍する地域づくりを進めるために、107の事業から成ります若者支援プロジェクトの取り組み方針、施策体系を取りまとめました。この中で、いわて若者活躍支援事業費としましては、若者の視点からネットワーク基盤を構築すること、そして、既に活動している若者の交流の輪を広げるきっかけづくりを進めること、活動する意欲のある若者の支援を進めること等を実施してまいります。
 このような取り組みによりまして、岩手県内の各地域で若者の新しい力をさらに高めて、そして、全ての世代が力を合わせて復興を成功させ、そして希望郷いわてを実現させる、そのような岩手を目指してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 その中の一つに若者文化支援事業というものがありまして、本県においても、ゆかりのある漫画家との漫画単行本の発行や、SNSを通じたゲーム、私ちょっとゲームが得意ではないんですが、天下統一クロニクルというゲームとのコラボを通じて、県内の文化や資源について情報発信を県ではこれまで行ってまいりました。そのような素地がある中で、先ほどお話ししたいわて若者会議では、ファッション、漫画、アニメなどの若者文化についてトークセッションが行われまして、来年度においては、これは仮称になっていますけれども岩手若者文化祭を開催することとなっており、若者文化による岩手の魅力を内外に発信するとお聞きしております。
 ついては、その開催内容と期待される効果、そして今後の展開についてお聞かせ願います。
〇中村政策地域部長 ただいま知事からも申し上げましたが、まちづくり活動とかNPO活動、その他いろいろな分野で頑張っております多くの若者がおります。次の時代を担うこのような若者の活動と、岩手の持つ資源や特色といったものを結びつけた取り組みにしたいと考えておりまして、例えば、ステージでの発表でありますとか講演会、企画展示などいろいろな手法を組み合わせたものを想定しておりますが、具体の内容でありますとか実施の方法につきましては、若者を中心としたメンバーで今後具体的に検討していただくことにしてございます。また、事業実施に当たりましては、実行委員会を組織いたしまして、県内の主要な団体等にも協力をいただきながら進めていきたいと考えております。
 期待される効果といたしましては、若者の活動の支援によりまして、若者が自信を持ち、今後の活動への意欲を向上させるといったようなことでありますとか、若者同士のネットワークが拡大する、それから、岩手からの情報発信、交流人口の拡大といったようなことにつながることを期待してございます。
 また、その後の展開につきましては、若者の力が社会の中でできるだけ発揮され、生かせるような取り組みがしっかりと継続されていくように、平成26年度の取り組みも踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ぜひ知事にお伺いしたいんですが、私以上にサブカルチャーには詳しい知事であると思いますので、佐賀県で最近、ゲーム開発会社スクウェア・エニックスのサガという人気ゲームがあり、そことコラボして、若者の中ですごく佐賀県頑張っているねと話題になっているんですが、佐賀県は今月13日から16日の間、六本木ヒルズでイベントを開催して、ゲームだけでなく佐賀の有田焼の展示や県産品とのコラボ商品の企画もされており、知事の発信力というのは本当に力強いですので、そういった他県の知事のトップセールスも含めて知事の発信力に私は大変期待したいんですけれども、若者文化祭への知事の御所見を伺います。
〇達増知事 漫画、アニメ、ゲーム等のいわゆるサブカルチャーを県としても地域振興等に活用していくことについては、各都道府県が今、物すごい勢いでさまざま新しいことを始めたり、それから事業を展開しているところでありまして、岩手としても頑張っていきたいと思っております。
 岩手の場合、最近、県が取り組んでいる漫画でありますとかアプリケーション、コンテンツ、そういったところがまず核になっていくと思いますけれども、若者の自主的な活動の中で、ロックコンサートでありますとかファッションショーでありますとか、町なかでのさまざまなイベントでありますとか、今まで岩手の若者が積み上げてきた力、また、これは新し向きの都市型のカルチャーのみならず、地域に根差した郷土芸能のような全国に誇れるような文化もあります。そして、さかのぼれば宮澤賢治の童話世界とか遠野物語でありますとか、そういう全国に誇ることができる文化の層が岩手には非常に厚く蓄積しておりますので、そういった力を今の時代に今の若者によって花開かせる、そういう文化祭ができるように若者の背中をどんどん押していきたいと思っております。若者の背中を押して飛び込ませるだけでなく、私自身も一緒に飛び込んでいきたいと思います。
〇吉田敬子委員 これまで質問してきた事業以外にも、教育委員会で実施する日本の次世代リーダー養成塾や盛岡広域振興局で実施している盛岡広域IT産業育成事業等もあります。2月23日には、二戸市で県北広域振興局主催のじぇじぇじぇ!北いわて学生デザインファッションショーが県北地域に集積する28社の縫製工場と学生のコラボレーションで開催されまして、これは、二戸市の事業者だけでなく盛岡市からも北日本ヘアカレッジや盛岡カレッジオブビジネスの学生も参画しているということで、そしてまた縫製工場に携わっている方というのは年齢問わず女性が多いので、この事業こそ本当に若者と女性の活躍支援の一つの事例になっていたのではないかと私は現地に行って感じました。
 県では、あまちゃんをきっかけとした岩手の観光振興や復興支援、先ほどの縫製業だけでなく、岩手国体に向けて、スポーツ、文化芸術、伝統工芸―これは後継者が少ないので、これに携わる若者も含めて、そして、先ほど3Dプリンターの話もありましたし、そういったもの、そして、特に私は、知事も若者会議で御発言されていたんですけれども、岩手だからこそ活躍できる場というのが農林水産業だと思うんです。特にそういった農林水産業に携わる若者、女性の底上げというのもこの若者、女性プロジェクトの中の位置づけに入れていただいて取り組んでいただきたいと思っておりますが、その若者支援プロジェクトの取り組みを本県の未来にどのようにつなげていくか知事の御所見をお伺いいたします。
〇達増知事 二戸市で行われたファッションショーの例を御指摘いただきましたけれども、専門学校の生徒たちが大活躍し、岩手県は、過去からの文化の層の厚みに加えて、やはり北東北の拠点という機能から、青森や秋田からも若い人が集まってきて専門学校に通うというような地の利もありまして、そこのパワーも大いに生かしていきたいと思います。
 そして、地の利ということでいえば、農林水産業の全国有数の環境の中で、新しい農業をやりたいと思っていた若い人が、全国をあちこち見てきて岩手を選んだという事例もあります。
 また、今回、県庁内で若手のプロジェクトを起こして、そしてそれが来年度の若者文化関係の事業にもつながるんですけれども、その前段として、県庁の若手職員において、クリエーティブシティーというものが世界的に地域振興のやり方として期待されていて、文化の力を地域振興に利用していこうということなんですが、クリエーティブシティーだけではなく、田舎も含めてクリエーティブ岩手、岩手を丸ごとクリエーティブな空間にしていくということを県庁内の若手で検討した実績もあり、ぜひそうした蓄積も来年度のこの事業に生かしていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 大変その若手ゼミ、私もこれからも期待しているんですけれども、先ほど名須川委員からの若手ゼミへの所感の答弁として、やる気を持って課題解決しようとしている力を養うとか県民ニーズの把握を期待したいと知事は答弁されていました。その若手会議に実際にパネリストとして知事と一緒に参加された方にその後意見を伺ったんですが、若手ゼミは大変おもしろい試みでこれからも期待しているんですけれども、県庁内だけでなく、できれば外部のオブザーバーの意見も取り入れて一緒にやったほうがいいんじゃないかという声をいただきました。アドバイスだけだとアイデアの提供で終わってしまうので仕上がりや結果への責任が持てないケースが多いため、専門家派遣としてでも予算をつけていただけるとありがたいということをいただいたんですが、若手ゼミと若者支援というそれぞれの目的と役割分担とは違うと思っておりまして、行政が全部やってあげることが本当の支援ではないので、若者の自主性と主体性を阻害しないような形でこれからも進めていっていただきたいと思っております。
 次に参ります。
 森林、林業事業のことについてお伺いいたします。
 県産材の需要拡大についてまずはお伺いいたします。
 これまで県では、岩手県産材振興ビジョンに基づいて県産材の需要拡大に取り組んでまいりました。当初予算の内容を見ますと、岩手産業文化センターや、先ほど軽石委員からもありました旧ポニースクールの改修や、また、いわて花巻空港ターミナルビルなどの施設の大型改修を見込んでおりますが、岩手の玄関口と言われる空港施設や集客施設に使用すると岩手の森林、林業のPRになるのではないかと私は考えております。
 ついては、今般、作成した平成26年からの3カ年を予定する第4期岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画の内容を含めた県の取り組み姿勢についてお示し願います。
〇千葉副知事 第4期岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画についてでございますけれども、県におきましては、森林、林業、木材産業の活性化を図る観点から、平成15年度に岩手県公共施設・公共工事木材利用推進行動計画を策定し、県が発注いたします公共施設整備や公共事業で率先して木材利用を推進しておりまして、先月策定いたしました第4期行動計画では、平成26年度から3カ年の木材利用目標を2万1、000立方メートルとしたところでございます。
 この第4期行動計画を決定した際に、私、木材利用推進本部長も務めておりますので、関係部局に対しましては、この利用目標をさらに超えて、仕事をする中でこれは木材が使えるというような気づきを発揮するようにと改めて指示したところでございます。
 今後とも、地域の財産でございます森林資源が有効に活用され、地域経済の活性化にも寄与できるよう、率先して県産材の利用拡大に取り組んでまいります。
〇吉田敬子委員 日ごろから私、県の林務関係の職員の皆さんには森林、林業の活性化に頑張ってくださいと。その後、大変御尽力をいただいているんですが、お願いするばかりではいけないと思いまして、おとといの夜に県内のさまざまな森林、林業関係団体の方も集って岩手県森林・林業政策研究会が行われた際に、私はそこで改めて県森連の中崎会長を初め団体の皆さんに、ことしこそは岩手林業女子会の活動を始動して森林、林業業界を盛り上げますと宣言してきましたし、まきストーブもことしこそは自宅に設置すると決めました。
 その中で奈良県の知事は、トップセールスとしてこれまで奈良の木だとか、宮崎県でもそういった木のセールスをしておりましたし、先日、秋田空港に行ってきましたらロビーやスカイラウンジに秋田杉がアクセントとして使われていて、本当にデザイン性がある、格好いいおしゃれな空港だと思いました。開港50周年に当たるこの年のいわて花巻空港ターミナル改修に当たって、さまざまな技法を用いて県産材を使用してデザイン性のあるターミナルビル改修をするお考えはないか、知事の決意を伺いまして最後にいたします。
〇達増知事 これまでのいわて花巻空港ターミナルビルの整備に当たりましては、建物内の内装については不燃性が要求されるなど建築基準法の制限や、また、コスト縮減を基本として進めてきたことから県産材の活用の機会はなかったという状況であります。今回の施設改修に当たっても基本的には同様の考え方で整備を進めることとしておりますが、秋田空港のような他県の事例等も参考としながら県産材の活用の可能性を研究していきたいと思いますし、また、奈良県知事のように、県の木を宣伝していくというようなことを私も頑張っていきたいと思います。
〇吉田敬子委員 よろしくお願いします。
 以上です。ありがとうございました。
〇樋下正信委員長 次に、清水恭一委員。
   〔清水恭一委員質問者席に着く〕
〇清水恭一委員 無所属の清水恭一でございます。
 東日本大震災津波で岩手県の沿岸市町村では住宅2万3、872棟が全半壊し、震災から3年の今も2万7、000人近くが仮設住宅で暮らしております。一日も早く震災前の暮らしを取り戻したい、被災者の切なる願いであります。
 なりわいの再生等に向けた支援対策の強化についてお伺いいたします。
 今、県の人口減少問題は大変に大きな問題でありますが、急がれるのは、沿岸被災地からの流出対策と考えます。あの日から3年、被災市町村は、当然ながら震災前よりももっと安全ないいまちにしたい、そして、高台移転、中心市街地再生、安全・安心を求め多くのインフラ整備、それらは大変にありがたいことだと言いながら、被災者の厳しい意見もあります。県や国の仕事は、壊れたインフラをもとに戻すことだけを優先させる、人の復興にもっと有効なお金を使うべきではないかというような声であります。地域の先行きを悲観して、仕方なくふるさとに背を向け出て行く。結果として人口減少に向かってしまうことから、被災者にとっては、生活再建と、何よりもなりわいの再生ができればそこに残れるわけであります。このままだと沿岸市町村の将来に深刻な影響を与える憂慮すべき大問題であります。ふるさとを思い、地域で頑張ろうという人たちとしっかりと向かい合い、悩みや課題を一緒に考え、そしてそれを支えるような専門チームを設置するなど、実態に即した対応ができるよう支援対策を強化することが必要と考えますが、御所見を伺います。
〇佐々木理事 なりわいの再生等に向けた支援対策の強化についてであります。
 県ではこれまで、壊滅的な被害を受けた水産業や製造業の再建、仮設商店街の整備、二重債務への対応などに取り組みますとともに、産業創造アドバイザーによる被災企業訪問指導や仮設商店街の個別経営指導などにより、被災事業者個々の事業再生に向けまして、きめ細かく対応しながら地域のなりわいの再生を支援してきたところであります。
 一方で、本格復興に向けては、委員御指摘のとおり、一人一人の復興という視点がより重要でありますことから、第2期復興実施計画における参画、つながり、持続性を重視し、なりわいの再生を進める必要があるものと認識してございます。
 このため、引き続き、グループ補助金などによる本格的な事業再建や産業創造アドバイザーなど専門家による訪問指導を行うとともに、来年度から、国の事業を導入してよろず支援拠点を設置しまして、専門性の高い課題の解決からフォローアップまで一貫して支援できる体制を構築するほか、地域で頑張る若者や女性の起業を促進するため、専門家による密着支援を行うなど、個々の事業者と直接向き合いながら、それぞれの問題の解決に向け、専門性を生かした支援対策をより一層強化することとしております。このような取り組みにより、被災地経済を回復して地域の生活となりわいを一体的に再生してまいりたいと考えてございます。
〇清水恭一委員 何とか多くの人に沿岸地域に残っていただけるように、県の大きな役割を果たしていただきたいと思います。
 次に、木質バイオマス利活用施設の拡大について伺います。
 本県は全国2位の森林面積を持つわけですが、県の林業及び木材産業は、林業者の減少、高齢化、さらには採算性の悪化により大変厳しい状況にあります。再生産可能な資源である木材の利用拡大を一層推進する必要があり、林業、木材産業の活性化に向けて、木質バイオマス利活用施設の拡大による、いわゆるチップなどの消費需要をつくる努力が必要と考えます。
 例えば、製材所の乾燥機や漁業関係施設のボイラーなどの燃料はA重油や灯油がほとんどですが、チップボイラーの設置拡大を図ることができれば、需要の増加あるいは林業事業者等の体質強化や雇用にもつながっていくものと考えます。
 公共施設だけにとどまらず、地元の自前のエネルギーをもっと使えるように多くの施設で木質バイオマス利活用施設の拡大を図るべきと思いますが、御所見を伺います。
〇千葉副知事 木質バイオマス利活用施設の拡大についてでございますけれども、木質バイオマスボイラー等の導入は、これまで利用されておりませんでした間伐材などが燃料として有効に活用され、地域の林業、木材産業の活性化のみならず、里山資源の地域内循環によりますエネルギーの地産地消にもつながるものであり、豊富な森林資源を有する本県にとっては重要な取り組みであると考えているところでございます。
 このため、県におきましては、木質バイオマスボイラーの導入希望事業者等を対象といたします木質バイオマスコーディネーターによる技術的助言や普及啓発セミナーの開催、国の補助事業を活用した施設、設備の導入支援のほか、燃料需給のマッチング機会の提供などにも取り組んでおりまして、平成26年度におきましても福祉施設、地域熱供給施設の事業導入を予定しておりまして、今後とも木質バイオマス利用施設の拡大を図っていきたいと考えております。
〇清水恭一委員 いずれ、地域別といいますか、消費先をエリアごとに政策的にふやすように努めていただきたいと思います。
 次に、県北地域の磯漁といいますか、磯根漁業の回復に向けての取り組みについて伺います。
 県の中部以南に比べ、県北地域は漁業の回復が比較的早く進んでおります。しかし、震災により漁場の海底が乱されたことに加え、種苗生産施設の被災により種苗放流が数年にわたって休止あるいは規模を縮小していることから今後の資源状況に不安を抱く漁業者も多く、東日本大震災津波によりアワビ、ウニなどの資源への影響が懸念されております。
 先般、県北広域振興局が開催した県北地域の磯根漁業を考えるシンポジウムはありがたい取り組みと思います。今後、県北地域の磯根漁業の回復に向けて、資源調査を通じ、現状と課題、さらにどう取り組んでいくかについてお伺いいたします。
 続いて、岩手の食、地域資源を生かした食産業の振興について伺います。
 久慈のまめぶ汁のまめぶ部屋や北上コロッケ、あるいは岩手町の焼きうどんなど、B級グルメと言われる地域食グループの活躍は大変目覚ましく、また、その波及効果によりほかにもさまざまな郷土食が注目されております。そして、豊かな県産食材も大いに見直されております。県としてもその取り組みを支援してきました。付加価値の高い商品開発など、課題に応じた専門家の派遣や販路開拓イベント、また、商談会への出展等を支援、そして農商工連携等の事業者連携を促進し、新たな事業展開などにも取り組まれましたが、それらの成果と課題、さらに今後の対策をお伺いいたします。
〇千葉副知事 まず、県北地域の磯根漁業の回復に向けての取り組みについてでございますが、県北地域は、アワビ、ウニ等を対象といたします磯根漁業への依存度が高く、種苗放流による資源造成や潜水漁法での効率的漁獲など、漁場をより有効に活用した所得確保に努めてまいりましたが、今後とも継続的な資源造成や効率的漁獲への取り組みが重要であると認識しているところでございます。
 しかしながら、東日本大震災津波発生後の県水産技術センターの漁場調査では、津波の影響は比較的小さいが、種苗放流中断によります資源量減少が想定されるとの状況でありましたことから、引き続き、漁場調査により資源状況を把握しながら、資源量に応じた漁獲管理や漁場への給餌など漁場にある資源の維持拡大を図りますとともに、復旧した種苗生産施設を活用し、種苗放流によります新たな資源の造成にも取り組み、県北地域の磯根漁業を回復させていきたいと考えているところでございます。
 次に、岩手の食、地域資源を生かした食産業の振興についてでございますが、県では、食品関連事業者の多様な支援ニーズに対応するため、産業創造アドバイザーの委嘱のほか、食品開発に特化しました巡回相談会の実施、商談会あるいはフェア等の出展機会の増加など、商品開発や販路拡大の支援に注力してまいりました。
 その結果、大手量販店による水産加工品の新商品開発、コンビニエンスストアによる県産食材を使用した弁当の全国販売、岩手県独自のプライベートブランドぺっこの販売など、新たな商品開発や販路の拡大につながったところであります。また、産業間連携による新たな事業の創出を促進するため、いわて農商工連携ファンドの活用支援に取り組み、平成25年6月には助成率の引き上げなどの制度改正を行い、採択となった農商工連携体数は、昨年度7件から今年度17件に大幅に増加したところでございます。
 今後、消費者の嗜好の変化や多様化する市場ニーズを的確に捉え、より付加価値の高い商品やサービスをいかに提供していくかが課題であると考えているところでございます。引き続き、これまでの成果を踏まえ、地域の持つ魅力ある資源を生かした商品開発や販路拡大の取り組みを進めますとともに、農商工連携を一層推進し、先進的なビジネスモデルの創出に努めてまいりたいと考えております。
〇清水恭一委員 岩手県は多彩な食のまさに宝庫であるわけでございますが、県の海産物、農産物の情報発信や商品開発に今後も引き続き積極的に取り組まれますように要望いたしまして終わります。ありがとうございました。
〇樋下正信委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 これより、各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
   午後3時41分 休 憩
午後4時8分 再開
〇岩渕誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑することとし、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として、短時間かつ簡潔に行うことを基本とするとともに、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないよう御協力をお願いいたします。
 また、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 本日は、議会、総務部関係を終わるよう進行したいと思いますので、重ねて御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇小原議会事務局長 平成26年度の議会関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、80ページをお開き願います。第1款議会費第1項議会費のうち、第1目議会費の8億8、410万円余は、議員45名分の報酬、旅費等の議会運営に要する経費であります。次に、80ページから81ページにかけてでありますが、第2目事務局費の4億476万円余は、議会事務局職員33名分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費であります。次に、81ページでありますが、第3目議員会館費の2、294万円余は、議員会館の管理運営に要する経費であります。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇岩渕誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、議会にかかわって、私は県議会棟における受動喫煙防止対策について質問したいと思います。
 まず第1に、全国都道府県議会棟における受動喫煙防止対策の実施状況はどうなっているでしょうか。
〇小原議会事務局長 都道府県議会の受動喫煙防止対策の状況でございますが、平成26年2月の青森県の調査によりますと、敷地内禁煙は大阪府のみ、建物内禁煙は福井県など8県、建物内分煙は、本県など38都道府県となってございます。
 なお、このうち、会派控室を喫煙可能としておりますのは、秋田県、福島県など、全国で23都府県となってございます。
〇斉藤信委員 私は、全国の議会棟は、庁舎棟の受動喫煙防止対策と比べればかなりおくれているのではないかと思います。国際条約でのたばこ規制枠組条約、ガイドラインも出ています。そして、国の厚生労働省による受動喫煙防止対策では、公共施設、議会棟については、どういう規制と対策を提起しているでしょうか。
〇小原議会事務局長 初めに、国際条約でありますたばこ規制枠組条約でございますが、この条約は、たばこの消費等が健康に及ぼす悪影響から、現在及び将来の世代を保護することを目的に、世界保健機関総会において採択されたものでありまして、我が国もこの条約に署名しておるものでございます。
 この条約の締結によりまして、国は、職場等の公共の場におけるたばこの煙にさらされることからの保護を求める効果的な措置をとることなどとされておるところでございます。
 次に、厚生労働省の通知でございますが、健康増進法第25条に規定されております受動喫煙の防止につきまして、平成22年2月25日付の通知で、少なくとも、官公庁や医療施設におきましては全面禁煙することが望ましいなどとし、受動喫煙防止の徹底を図るよう、各都道府県などに促しているものでございます。
〇斉藤信委員 少なくとも、官公庁、医療施設においては、全面禁煙とすることが望ましいと。この官公庁の中には、当然、議会棟も入るということですね。この少なくともというのは、もう本当にこれは率先してやらなければだめだという意味ですよね。
 厚生労働省の通知では、受動喫煙防止―受動喫煙というのはどう定義されていますか。
〇小原議会事務局長 受動喫煙の防止でございますが、平成15年の厚生労働省の通知によりますと、施設内の喫煙場所から非喫煙場所に、たばこの煙が流れ出ないように分割する措置とされてございます。
〇斉藤信委員 受動喫煙というのはこういうことなんですね。室内またはこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること。だから、そういうことがないようにきちんと対策をとりなさいと。
 県議会が、超党派でがん対策条例をかなり練り上げて、今度の議会で制定しようとしている。そのがん対策というのは、第1に、喫煙防止対策なんですよ、がん対策と言えば。がん対策条例を本当に岩手県議会が率先してやろうと、条例まで制定しようとしているときに、私は、議会棟の中で分煙がまだ徹底されていないとしたら、これは大きな問題だと。
 そこで、問題になっているのは、会派の室内での分煙という意見があるんです。会派の部屋では吸ってもいいんじゃないかと、そこで分煙措置をとればいいんじゃないかという意見があるけれども、客観的に見て、物理的に見て、会派の室内での分煙というのは不可能ではないかと思いますが、いかがですか。
〇小原議会事務局長 会派控室の分煙でございますけれども、厚生労働省の通知に基づきます受動喫煙防止の観点から申し上げますと、いわゆるエリア分煙なり個室による分煙などが考えられますけれども、非喫煙場所に漏れないようにするという観点からは、給気口なり排気口などの設置が必要と考えております。
〇斉藤信委員 それを会派の都合で、設備、整備することはできますか。公共の財産を、会派で喫煙するからそういう施設、設備を整備すると。これは自前であれ税金であれ、私はそういうことは不可能だと思うけれども、財政規律から言っていかがですか。
〇小原議会事務局長 議会棟の維持修繕でございますが、これにつきましては総務部管財課の分掌事務となっておりまして、維持修繕を行う場合には、通常、議会事務局から総務部管財課のほうに依頼する形となってございます。控室の改修を行う場合は、これまで、議会運営委員会の場で了承を得た上で改修を実施してきているという経緯がございます。
〇斉藤信委員 私は、会派の都合で、そういう会派室内の設備、整備というのは、これは財政規律から言ってあり得ないのではないか。会派の控室での分煙というのは、客観的、物理的、そして財政的に見ても不可能ではないかと思います。
 それで、現在の談話室に分煙施設がありますが、この分煙施設はどういう規模で、これは基本的には分煙施設として今後も使えるものなのかどうかお聞きします。
〇小原議会事務局長 現在、談話室にいわゆる旧喫煙室ということで、かつて談話室に喫煙室がございましたが、これにつきましては、県庁舎の庁舎内全面禁煙に合わせまして、平成23年8月31日に閉鎖した取り扱いとしてございます。ここの面積でございますが、5.7平米で、利用人数は、大体4名ほどという施設でございます。
〇斉藤信委員 これは今閉鎖しているということだけれども、使えれば分煙の施設としては使えるかどうか、私、聞いたんです。
〇小原議会事務局長 失礼いたしました。
 当該喫煙室でございますけれども、これにつきまして分煙施設として使用可能とは考えておりますが、ただ、しかしながら、排気能力が低下しておりますことから、換気扇等の改修を行う必要があると考えてございます。
〇斉藤信委員 議会運営委員会でもけんけんがくがく、これは熱心に議論していると言ったらそうなんですが、しかし、私は、がん対策条例の制定と軌を一にして、議会棟の受動喫煙防止対策ははっきり示すべきだと。
 全国を見ても、大阪府は敷地内禁煙、8県が建物内禁煙をやっているわけですね。そのほか、建物内分煙が38県なんですけれども、13県は控室の禁煙をやっていないんです。控室の禁煙を認めているのはたった23県ですから、こういうおくれた状況のまま、私はがん対策条例の制定になってはならないと。全ての議員の皆さんに、私はこのことを心から呼びかけて質問を終わります。
〇岩渕誠副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇小田島総務部長 それでは、総務部関係の議案につきまして説明を申し上げます。
 資料の説明に入ります前に、平成26年度予算の編成に当たりましての総務部の基本的な考え方を説明申し上げたいと思います。
 総務部といたしましては、本格復興推進年における取り組みを強力に推進していくための基盤の確立に向け、あらゆる手段を講じて財源確保や人的資源の確保を図るなど、本格復興を推進する行財政運営に継続して取り組むとともに、着実な復興と、その先にある希望郷いわての実現に向けて、地域防災力の強化、原発放射線影響対策の推進、県立大学における教育・研究の充実及び特色ある私立学校の支援を重点施策として一層の取り組みを推進いたします。
 地域防災力の強化に関しましては、東日本大震災津波や頻発する大雨洪水災害の教訓を踏まえ、防災知識の普及啓発に取り組むとともに、自主防災組織の育成強化や消防団活動の活性化などを支援してまいります。
 また、現在策定を進めている広域防災拠点配置計画に基づき、既存施設を活用した広域防災拠点への通信設備等の整備や運営マニュアルの作成を進めてまいります。
 原発放射線影響対策の推進に関しましては、子供の健康と食の安全・安心を重視し、放射線量監視の確実な実施や放射線量低減措置等に関する市町村への支援、消費者への情報発信による風評被害対策等により、原発放射線影響対策を推進してまいります。
 岩手県立大学における教育・研究の充実に関しましては、公立大学法人岩手県立大学の自主的、自律的な運営を尊重し、経営の効率化を促しながら交付金を交付し、大学の運営を支援することにより、地域の中核人材を育成し、岩手の活力を創出してまいります。
 特色ある私立学校の支援に関しましては、私立学校の教育水準の維持、向上を図り、特色ある教育を推進するため、私立学校の運営費補助や授業料等の負担軽減のための助成など、各種の施策を展開することにより、私学教育を振興してまいります。
 自主財源の大宗を占める県税につきましては、岩手県地方税特別滞納整理機構の取り組みや各広域振興局における市町村との連携を強化しながら、個人県民税の収入未済額の縮減に取り組んでまいります。また、課税捕捉調査に努めるほか、県有資産の有効活用など、さまざまな角度から歳入確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 あわせて、事業効果や効率性等を検証し、事務事業の見直しや行政の簡素効率化に取り組むとともに、政策の優先度に応じた事業の重点化を進め、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めてまいります。
 以上が平成26年度予算編成に当たりましての総務部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、議案第2号平成26年度岩手県一般会計予算の総務部関係の歳出予算について説明を申し上げます。
 なお、組織の見直しにより、現在当部で所管しております情報システム関係業務を政策地域部へ、認定こども園関係業務を保健福祉部へ移管することとなりますので、後ほど説明をさせていただきますが、あらかじめ御了承願います。
 また、説明におきましては、金額の読み上げは省略させていただき、主な内容について申し上げます。
 予算に関する説明書の82ページをお開き願いたいと思います。平成26年度当初予算一般会計の総務部関係の予算総額は、共通経費、予備費を含み1、875億円余となっており、前年度と比較し60億187万円余の増額となっております。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費につきましては、予算額25億2、067万円余のうち総務部関係は、説明欄のとおり20億8、665万円余となっており、その主なものは、職員の人件費や入札関係費、一般管理事務等の管理運営費でございます。
 なお、説明欄最後に記載の共通経費1億9、859万余は、人事異動に伴う赴任旅費などであります。
 2目人事管理費は、職員研修費や退職手当などが主なものであり、83ページに参りまして、3目文書費は、法規審査事務や文書の収受、発送及び保存に要する経費のほか、情報公開制度及び個人情報保護制度の推進に要する経費であります。84ページに参りまして、4目財政管理費は、財政調整基金などの積み立てが主なものでございます。85ページに参りまして、6目財産管理費は、県庁舎や地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理等のほか、平成23年度から整備を進めております消防救急無線デジタル化整備に要する経費であります。7目情報システム管理費は、情報システムの管理等に要する経費であり、平成26年度から政策地域部へ移管するものであります。86ページに参りまして、8目県外事務所費は、東京事務所の管理運営に要する経費であります。9目公会堂費は、県公会堂の管理に要する経費、10目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費、11目諸費は、宗教法人設立認証事務や公益法人関係事務等に要する経費及び共通経費であります。
 少し飛びまして、91ページをお開き願いたいと思います。3項徴税費1目税務総務費は、税務関係職員の人件費などの管理運営費及び県税の還付金に要する経費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
 また、少し飛びまして、98ページをお開き願います。6項防災費1目防災総務費は、防災関係職員の人件費などの管理運営費のほか、航空消防防災体制強化推進事業費が主なものであります。
 なお、老朽化の進んでいる防災ヘリコプターひめかみを更新整備する防災ヘリコプター更新整備費を新規で計上しておりますが、平成26年度は事務的経費のみの計上であります。
 99ページに参りまして、2目消防指導費は、危険物の規制や消防学校の運営に要する経費が主なものであります。
 少し飛びまして、116ページをお開き願います。3款民生費3項児童福祉費1目児童福祉総務費のうち、説明欄の上から9行目に記載の児童福祉施設等整備費補助4億2、515万円のうち、認定こども園等環境整備費補助1、257万円余及び認定こども園施設整備費補助3億5、049万円余が当部の予算であり、平成26年度から保健福祉部へ移管する事業であります。認定こども園の遊具等の環境整備または施設整備事業に要する経費に対し補助しようとするものであります。
 次に、大きく飛びまして、223ページをお開きいただきたいと思います。10款教育費8項大学費1目大学費は、公立大学法人岩手県立大学の運営に係る交付金を交付するものであります。
 224ページに参りまして、9項私立学校費1目私立学校費は、私立高等学校等就学支援金交付金や私立学校運営費補助などの私学教育の振興及び被災した私立学校生徒の支援等を図るための経費であります。
 225ページに参りまして、11款災害復旧費1項庁舎等施設災害復旧費1目庁公舎等災害復旧費のうち総務部関係は、説明欄のとおり525万円余となっており、昨年8月の大雨に伴う土砂災害で被害を受けた厚生福利施設に係る県有地の災害復旧に要する経費であります。
 また、少し飛びまして、235ページをお開き願います。11款災害復旧費6項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧のうち総務部関係は、説明欄のとおり3、624万円余となっており、被災した私立学校の災害復旧事業を行う場合に経費の一部を補助するものであります。
 237ページに参りまして、12款公債費1項公債費1目元金1、139億3、497万円余のうち総務部関係は、県土整備部の6、666万円余及び復興局の1、455万円余を除く1、138億5、375万円余となっており、2目利子とあわせ、公債管理特別会計へ繰り出した上で支出する内容となっております。3目公債諸費は、公債管理特別会計への繰出金及び銀行等引受債発行手数料が主なものであります。
 また、少し飛びまして、241ページをお開き願います。13款諸支出金4項地方消費税清算金1目地方消費税清算金は、都道府県間での地方消費税の清算を行う経費であります。
 次の242ページの5項利子割交付金1目利子割交付金から247ページの10項自動車取得税交付金1目自動車取得税交付金までにつきましては、いずれも市町村に交付する交付金であり、248ページ、11項利子割精算金1目利子割精算金は、都道府県間で精算を行う経費であります。
 250ページ、14款予備費は、前年度と同じ3億円を計上しております。
 以上で総務部関係の一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に、債務負担行為について説明を申し上げます。
 大変恐縮でございますが、冊子がかわりまして、議案その2の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち総務部関係は、1の防災ヘリコプター更新整備であり、ヘリコプターの購入に要する経費でありまして、期間は平成26年度から平成27年度、限度額は22億7、400万円であります。
 続きまして、議案第10号平成26年度岩手県公債管理特別会計予算について御説明申し上げます。
 大変恐縮でございますが、また冊子をお戻りいただきまして、予算に関する説明書の374ページをお開きいただきたいと思います。公債管理特別会計に関する予算の説明事項が374ページから掲載されておりますが、平成26年度の公債管理特別会計の歳入歳出のそれぞれ予算総額は2、433億8、193万円余で、前年度と比較して233億6、658万円余の増額となっております。
 376ページから379ページにかけてでありますが、公債管理特別会計の歳入となっており、その内容は、県債管理基金からの財産運用収入、一般会計及び県債管理基金からの繰入金及び県債が歳入となっているものでございます。
 続きまして、380ページをお開き願いたいと思います。公債管理特別会計の歳出となっております。公債管理特別会計の歳出は、県債の元金及び利子の償還、県債管理基金への積立金及び銀行等引受債発行手数料が主なものとなっております。
 続きまして、総務部の予算以外の議案について説明を申し上げたいと存じます。
 大変恐縮でございます。また冊子がかわりまして、議案のその3の1ページをお開きいただきたいと思います。議案第22号岩手県職員定数条例の一部を改正する条例でございます。これは、教育委員会の事務部局及び医療局における業務量の増加に応ずるため職員定数を増加し、並びに平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間における警察官の定数の特例を設けようとするものであります。
 続きまして、29ページをお開きいただきたいと思います。議案第36号公会堂条例の一部を改正する条例でございます。これは、平成26年4月から消費税が引き上げられることに伴い、公会堂の利用料金の上限額を引き上げようとするものであります。
 以上で総務部関係の議案につきまして説明を終わらせていただきます。よろしく御審議いただきますようにお願いを申し上げますます。
〇岩渕誠副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 3点質問をいたします。
 予算編成ということからでありますけれども、公債費負担適正化計画のもとで、平成26年度予算は大変厳しいと言いながら、選択と集中としての予算を提案したということでありますが、無駄のない予算執行をするべきであると思うところでもあります。
 昨年の決算特別委員会で議論をしたところでありますけれども、余りすっきりした回答でありませんでしたので少しお聞きしたいと思うんですけれども、保健福祉部の平成24年度の障がい福祉サービス復興支援事業、岩手県社協への委託の際の費用の算定であります。ことしも事業として9、925万2、000円の予算を計上しております。決算特別委員会で委託費の積算の際、管理費11.26%を計上している、県の建築工事発注の際の積算基準を採用しておりますという回答だったわけでありますけれども、この算定に対しまして、予算担当者としてはどのように考えているかについて伺いたいと思います。ことしはどのように算定して予算に計上されているのかも、あわせてお願いします。
 なお、支援事業だけなのか、また、他にはこのような管理費の計上ということはないのかどうかもあわせてお願い申し上げたいと思います。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 委託事業の管理費の算定根拠についてでございますが、初めに、総務部の予算の調整を行う場合の考え方を御説明させていただきます。
 まず、予算の調整をするに当たりましては、客観的かつ合理的なものを根拠として、その上で積算された内容で要求されているかどうかという観点で内容を見てございます。
 保健福祉部で、平成25年度のこの障がい福祉サービス復興支援事業、これに係ります委託事業の管理費の率でございますが、具体的に厚生労働省からこの事業に係る管理費等の率が示されていないということがございまして、実際に適用しているのは、国土交通省の公共建築工事共通積算基準に示されている11.26%を根拠として予算要求されたということでございます。
 一方、国の他の事例としましては、環境省における委託業務経費の算出等に関する基本方針、こちらのほうで15%という数値になってございますし、それから、経済産業省の委託事業事務処理マニュアルの場合ですと10%ということがございまして、これと比較しまして大きく乖離していないということから、保健福祉部の要求内容について了としていたということでございます。
 それから、平成26年度の当初予算の計上についてでございますが、保健福祉部では、昨年の決算特別委員会の審査内容等を踏まえまして、この管理費の率を9%として要求がされたところでございます。当部としましても、この調整の過程におきまして、11.26%から9%に率を下げることが可能であると見込まれたことから、保健福祉部の要求額どおりで了としたところでございます。
 それから、他のものということになりますが、こういった委託事業は個々の事業ごとに内容が違ってきておりますので、基本的には、そういった個々の事業内容に応じて、そして内容を見て、その要求内容について確認をしているところでございます。
〇高橋孝眞委員 公共建築工事の基準の際の一般管理費は、減価償却費なり租税効果、いろんな部分を含めての算定根拠だと、11.26%。今回9%で了としたという、その9%の根拠はどういうことなんでしょうか。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 昨年の特別委員会の中でも、今、委員が御指摘になった減価償却の部分も含まれているようなことと。例えば人件費の割合がこの事業の場合は高いということもございましたので、そういったことも踏まえまして、9%でもこれは対応可能であるということで、保健福祉部とのヒアリングの中でも確認をした上で判断したところでございます。
〇高橋孝眞委員 そうすると、人件費というのは、この事業の中身でいきますと、県の職員の平均給与の9掛けをして対応している事業積算だったはずですけれども、それも全て了として今回の9%を採用したということになるわけですか。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 今、私が話をした人件費の割合が高いという趣旨は、個々の職員の積算単価ではございませんで、この委託事業の総事業費に対する人件費の割合が高いという趣旨でございまして、そうなりますと、今、御指摘のありましたような減価償却等の費用は少ないということになりますから、管理費を下げることは可能だと判断したところです。
〇高橋孝眞委員 前の平成24年度なり平成23年度の部分を見ますと、あえて管理費を計上しなければいけないような内容にはなっていなくて、細かい部分で全て積算値を積み上げている事業なんですよ。そういう意味合いでは、管理費そのものを9%も必要ないのではないかと私は思うわけですし、部長は、こういう考え方ですよという、大変厳しい財政の中で今回予算編成をしましたということでありますので、再度、この点についてを執行する際に考えていただきたいとお願いをしておきます。
 予算編成の際、委託事業なり補助事業、それから指定管理者に対する補助金なり委託料金の算定についてですけれども、算定方法なり根拠を全庁的に統一するような指標を示しているのでしょうか。予算を編成する上で、基本的なことが大変大事なのではないか。厳しい中で、特にそういうことを考えてやらなければいけないのではないかと思うわけですけれども、どうでしょうか。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 今、お話があったとおり、統一的なルールといいますか、あるいは基準単価、そういったものを使用して予算の編成と。実際、そういった基準があって、それを用いて算定する手法もとってございます。例えば、物件費で報酬あるいは賃金、旅費、自動車購入費とか燃料費の単価、こういったものは単価を決めて、そして、その単価を設定して、統一的に、全庁的に決めて、その基準、ルールに基づいて要求をしていただくという形をとってございます。一方、政策的な経費となります委託事業であるとか補助事業、補助金であるとか、それから指定管理料といった事業内容あるいは規模、性質、期間とか、あるいはその事業の内容によっては1件ごとに異なっているところでございますので、そういったものまで統一的な基準でもって積算するということは、なかなか難しいと捉えてございます。
 この場合は、政策的な経費の場合は、事業目的であるとかあるいは費用対効果、こういったことを加味しまして、例えば補助金の場合は補助対象経費、補助率、それから委託事業の場合は仕様であるとか設計、それから成果品などの内容に応じて、また、指定管理業務の場合は施設の維持管理に要する経費、これは人件費であるとか物件費、維持修繕費とかかかりますが、それから利用料金という収入の見込みもございます。やはりそれぞれ個別の積算内容に応じて調整をしなければならないということになりますので、各部局のほうには、そういった積算内容をきちんと積み上げをしてもらい、そして精査をしていただいて要求をして、その内容に基づいて総務部のほうでは内容精査、確認をしているというのが、この予算編成の中での実態となっているところでございます。
〇高橋孝眞委員 厳しい予算の中でありますので、特に気をつけてといいますか、注意しながらやっていただければと思います。
 今回、人件費の部分ではどういうような基準なのかということですけれども、意外と、委託事業で委託先の公募をしていると言いながらも、委託先を考えて、その相手先に沿って人件費等を計上して積算をし、委託をしているような気がするわけですけれども、特にも社協なり事業団なりにそういう点があると思うんですけれども、人件費の算定の根拠といいますか、基準というのはどういう方法なんでしょうか。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 人件費の算定の際の根拠ということでございますが、これも種々事業の内容に応じて、どういった方々が従事しているかということで、それも単価といいますか、日額であったり月額であったり、そういった種々の前提となる条件によって、根拠となる単価とは違ってまいります。また、今回の事業のような場合は、他の類似の事業、あるいは他県の例、あるいは国の標準的な事業例、そういったものを参考にしながら、その内容について妥当かどうか判断しているところでございます。
〇高橋孝眞委員 委託事業は公募してやるわけですよね。公募してやる前に、他を参考にしてやりますとか、そういう算定をしてやりますよというのは、私は変ではないのかと思うわけです。今後、考えてもらえればと思います。
 次にですけれども、平成25年度の包括外部監査の報告書からですけれども、職員の監査に当たる体制の不備を指摘されておりますし、監査体制の一層の整備ということを求められております。人事担当部局としてどう考えているか、そして今後の対応について伺いたいと思います。
 それから、きのう総括質疑でもありましたけれども、緊急雇用創出事業を受託したNPO大雪りばぁねっと。の問題の再発防止策として、県の部局や市町村に年2回以上の中間の検査を求めているにもかかわらず、18%が未検査だということが話されたわけでありますが、これは、人的体制と考えられるのかあるいは検査をやれる人がいないということなのか、これらも含めて回答していただければと思います。
〇大槻人事課総括課長 包括外部監査の結果報告についてまずお答えをしたいと思います。
 本年度の包括外部監査につきましては、現在、保健福祉部において措置計画の検討を行っているところでございますが、委員御指摘のとおり、先月提出されました結果報告書におきましては、社会福祉法人等の監査に従事する職員について、研修の実施等による個々のスキルアップや後進の育成など、全庁的な視点で環境整備を進めていくことが不可欠だという御意見をいただいたところでございます。
 社会福祉法人等の監査に従事する職員につきましては、法令や会計などの専門知識、それから現場での経験を必要とすることから、これまでも中小企業診断士の資格を有していた者などを配置してきたところでございます。また、こうした法人の監査にとどまらず、公会計においても、企業会計的な視点が求められてきたという流れを踏まえまして、平成16年度からは、能力開発研修におきまして企業会計講座を実施し、スキルを有する職員を育成してきているところでございます。しかしながら、いわゆる法人の監査といった場合には、財務諸表を分析して経営診断に類するような法人指導を行うことが求められるという現実もございまして、こういったところも踏まえまして、今後、農協等の検査とか企業の経営支援業務などを通じて、財務諸表に接して、経営診断や経営指導の実務経験のある者を計画的に育成していく必要があろうかと思いまして、ジョブローテーション等により、計画的にこういった職員を育成して業務に配置していきたいと考えているところでございます。
 商工労働観光部の委託事業についての監査体制という部分については、私のほうでも承知していないところでございますので、これについては答弁ができかねるところでございます。
〇高橋孝眞委員 何といいますか、どの部署どの部署の検査というばかりではなくて、全体的な検査体制そのものが私は弱いのではないかと思うわけです、職員が担当していて。そういう意味合いで、何といいますか、監査する際のチェックリストもつくりながら、最初に回答してもらうといいますか、書面で回答してもらいながら対応するとか、そういうような方法を少し考えながら、合理的な方法を考えて進めればいいのではないかと思うところです。
 3点目でありますけれども、大雪りばぁねっと。での検証委員会に総務部から人事課の組織、岩渕行革担当課長、法務学事課からは菊池特命課長の2人が出席をしております。
 新聞報道からでありますけれども、弁護士であります法務学事課の菊池課長は、私の疑問を解消するには至らなかったと。私としては、審査は不十分だと思っていると、これは28日ですか、ありますし、それから岩渕課長からは、やるべきことをやらなかったのではなく、制度面で対応に限界があるというような主張をされたと出ております。
 これは部長に聞きたいと思うんですけれども、当然、復命されていると思うわけですが、その復命はどういう復命がされているのか。そして、このことについて、どのような対応をするように指示をしているのかについてお伺いしたいと思います。
〇小田島総務部長 委員御指摘のとおり、当部からは法務学事課の菊池特命課長、それから人事課の岩渕担当課長が検証委員会に入ってございます。それぞれいろいろ6回のこの検証委員会の中で発言をしておりますが、逐一の復命という形ではございませんが、その概要等については私のほうに話は上がってくる形になってございます。
 それで、まず法務学事課の菊池特命課長につきましては、今回の支援事業について、その内容や経費の内訳あるいは算出根拠、各業務とその経費の関連性や必要性について審査が十分ではなかったのではないかと考えて、そういう発言も行ったということについては聞いてございます。
 これまでも同様の趣旨については委員会の中でもいろいろやりとりをしつつ、最終的には報告書の中で、その特命課長の意見も踏まえて報告書案が取りまとめられた旨、話を受けたところでございます。
 それから、岩渕担当課長でございますが、事務局の説明あるいは当時の書類、それから他の委員の発言等から、県が行った事務処理に不適切な点があったとは認められないと認識したということで、発言をしたということは聞いてございます。
〇高橋孝眞委員 6回、会議を開いたということになっているんですけれども、今の回答は、それぞれ復命書というのはつくっていないと解釈してよろしいんですか。
〇小田島総務部長 今回の検証委員会の人員選定につきましては、これは商工労働観光部におきまして、それぞれの専門する者について、それぞれの観点から意見を出していただくと、そこの中で検証を行っていくという形をとっております。したがいまして、例えば総務部代表だからこういう立場で物を言うだとか、こういう形で行って、それについて私が例えば個人的なことなりあるいは組織的なことを背景に、こうだああだという形をとってはございません。したがいまして、復命について、例えば私のほうに報告をそういうふうな紙として上げ、それからそれに対して私が何か指示すると、そういう形はとってございません。
〇高橋孝眞委員 そうすると、今回任命されたのは誰が任命したんですか。どういう格好で任命されたんですか、この2人の職員は。
 それから、個人的に担当者が対応したということになるんですか、復命も何もないということは。どうでしょうか。
〇小田島総務部長 委員認定に当たりましては、商工労働観光部におきまして、検証を行うための人員を組織するということで行われたものでございまして、私が、例えば総務部からあなた行ってくださいよと、そういう形で任命したものではございません。いずれ、それぞれの会計なり法規なりに精通している職員について、人事課の担当課長は行政経営の観点から入っているわけでありますけれども、そういうことについての立場で意見を個人として述べるという形で入っておりますので、例えば総務部の組織の意見を反映するような形で参画しているものではないと理解していただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 そうすると、任命したのは、商工労働観光部長が任命をしたということですか。全体的には、部を越えて指名をする、任命をするということは本来あり得ることなんですか。
〇小田島総務部長 それはあり得ることであると理解をいたしております。
〇高橋孝眞委員 いや、あり得るって、あり得るとすれば、人の部下を勝手に指名して仕事をさせるということになってしまうわけですけれども、それを部長として見逃すということはおかしい話ですよね。部長に相談があって、こういうふうにお2人を委員として任命したいのだからぜひ入れてくださいと、任命させてくださいと、部長のほうから任命をするというのが当然だと私は思うわけですけれども、どうでしょうか。
〇小田島総務部長 手続的に、例えばこの2名がどういう形で入ったかということについて、今、定かに記憶があるわけではございませんけれども、検証委員会が組織化をされて、そしてそれに必要な人員が委員として選ばれると。それは他部局において検証委員会の所管において選ばれることについて、例えば私がそれについて意見をこう言ってほしいだとかああ言ってほしいというようなことは立場として申し述べるものではないと考えております。その任命の経過については定かに記憶はいたしておりませんが、いずれ、発言はそういう形で、専門的な分野に精通している者として委嘱をされたと考えております。
〇高橋孝眞委員 今のように言うと、勝手に職員が仕事をしているという内容になってしまうわけですけれども、そういう回答をしておくと組織としてはおかしいんじゃないですか。部長が協議を受けて任命をしたのだと。ですから、部長に対してはきちっと復命があるのだと、こういうことにならないと、この委員会そのものは勝手にやったような委員会みたいな気がするんですけれども、どうなんですか。
〇小田島総務部長 今回の検証委員会については、山田町の災害復興支援事業検証委員会設置要領というものを定めて、それで設置をしているものでございます。その所掌事務等については商工労働観光部で所管し、委員長は商工労働観光部副部長になってございます。そのメンバーとして、先ほど申し上げました当部からは2名が委嘱をされたということでございます。
〇高橋孝眞委員 この要領についての決裁者は商工労働観光部長なんですよ。それはそれでいいと思いますが、この時点で総務部に協議がされて、お二人が入るという了解をもらって委員にならなければおかしいのではないですかと言っているだけです。組織としてそういうふうに整理されないとおかしいし、その部分についての部長の了解を得てきっちりと復命すると。復命されたことに対して疑問がありましたら、部長は指示をする、こういうことが普通なのではないかと思うわけですけれども、流れとしてといいますか、そういうふうに思うんですけれども、よろしいんでしょうか、どう思いますか。
〇小田島総務部長 今回の検証委員会は、今回の山田町の事業について、内部の専門的な委員と、それから外部の委員とで構成されております。それぞれの立場から精通した分野における見識について述べながら一定の検証をするということになっておりまして、商工労働観光部長が委嘱するということで要領上も定まっております。
 先ほどの委員の御懸念、恐らく懸念なさっているのは、そういうふうに委員になった場合、組織として、例えば私のほうに復命がその都度来て、私が、いや、これはこうじゃないのではないか、ああじゃないのではないかという指揮命令をすべきではないかという趣旨かと思うわけでありますが、もしそうであれば、それはそうではないというふうにお答えしているものでございます。
〇岩渕誠副委員長 高橋孝眞委員に申し上げます。委員の質疑に係る時間が長時間に及んでいます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇高橋孝眞委員 わかりました、というかわからないんですけれども、いずれ今のような内容で仕事をするということは私はあり得ないのだと。やはり上司である部長から決裁をもらって委員を受けるべきであると私は思いますし、そうでなければ人そのものが勝手に仕事をしていいということになってしまうのではないかと思いますので、これは今後考えていくべきであるとお話し申し上げて終わります。
〇飯澤匡委員 私は1点のみお伺いします。
 検証チームのあり方についてお聞きします。
 社会問題にもなって県民の耳目を集めた同様の事案として森のトレー事案というのがありました。これは農林水産部で所管した事案でありましたが、この検証チームにあっては、総務部の次長が先頭に立って、人事課長、そしてまた課長補佐がその下について平成16年にこの検証を務めたとなっています。これはある意味、他の部局ではない、総務部という県庁全体をオーソライズする部局がこの検証に当たって、第三者的な視点をかなり意識した検証チームが組織されたと思っていますが、今回に限っては、多くの委員から指摘があったように、県民に対する説明責任が果たしてなされたかという客観性がこの検証チームに問われていると思います。したがって、先ほど来議論がありましたが、今回、なぜ他の部局、特に総務部が前面に出てこういう検証チームをつくらなかったのか。昨日、総括質疑で副知事の答弁がありましたが、どうも早口でよくわからないし内容についても不明でしたので、その経過について、総務部ではどのような考え方で進んだのか。
 それからもう一つ、先ほど設置要領について説明がありましたが、この部分についても私は総務部のしかるべき関与というのがあるべきだと思うんですが、なぜ商工労働観光部になったのか、この2点についてお答え願いたいと思います。
〇小田島総務部長 2点、関連しますのであるいは一つの答弁になるかもしれませんけれども、今回の検証委員会につきましては、当該委員会の設置要領の趣旨に規定いたしますとおり、緊急雇用創出事業について補助事業者としての県の対応を検証するとともに、当該検証に基づく課題の抽出と事業の適切な執行管理のあり方の検討を行い、今年度中に取りまとめることを目的として商工労働観光部において設置したものと承知してございます。これにつきましては、商工労働観光部長が議会の場で、そういうものを設置し、そして検証するということを答弁等をいたした過程の中で出てきているということでございます。
 総務部の設置要領についての関与でありますが、そういう考え方から、商工労働観光部において委員会の設置要領を策定いたしまして検証委員会が発足したというものでございます。
〇飯澤匡委員 この案件は、決算特別委員会、9月定例会、12月定例会と大変議論になりました。議会からの指摘は、具体的に申しますと御蔵の湯ですね。この部分が、当初、県では、これはいかんよと。町のほうにも説明を求めていたんですが、急遽オーケーとなったと。これは皆さん、いろいろな議論がありますから記憶に新しいところだと思うんですが、そこのところについて非常に県の関与が不透明だということがまず中心でした。
 そこで、決算の不認定については、その疑義が晴らされていないと。決算特別委員会の中で、議会の検証をどのようにするんだという質問に対して、その時点では、ただいま総務部長がおっしゃった補助事業者としての責任ということについては一切言及はなされていません。どのような設置要領をするというのは、我々には権限もないし、それは執行部の権限の中にあるわけですけれども、結果として、それは県の都合で、補助事業者としての責任がどうだったかというのは、この検証の結果を見てみると、本当に県民に対して説明にたえ得るものになっているかと。これはなっていないからマスコミの皆さんも大変な関心を持って記事になさっていると思うわけです。なぜこのように前例がありながら、このように物事を我々が指摘した部分をあえて回避するような形に検証委員会の目的がなってしまったのか、そこのところもまた新しい疑問が出てくるわけなんです。
 総務部の中の委員の方々も、検証作業が終わってから、とにかく目的が限定されているのでそういう大胆な議論に踏み込む機会がないんだというような発言も新聞報道でありました。したがって、そもそもこの検証委員会の設置が、我々が不認定とした大きな要因となったものが、県庁全体の中で本当にその目的を明確にした中で行われてきたのかどうかというのが一つの問題だと思うんですが、その点について、再度、総務部長、森のトレー事案というものがあったにもかかわらず、いい前例があったにもかかわらずなぜこういうことになってしまったのか、もっとわかるように明確にお答え願いたいと思います。
〇小田島総務部長 いわて森のトレー事案は、検証は2度行われていると記憶しております。それは、平成15年度と平成22年度に行われてございます。平成15年度におきましては、委員御指摘のとおり総務部人事課で全庁的な調査を行ったということでございます。そういうことがあって、訴訟がその後ございまして、平成22年度に訴訟で負けまして、それについてもう一度きちっと検証すべきじゃないかということで2度目の検証を行ったわけでありますが、平成22年度におきましては、農林水産部で設置いたしております。そのときに、平成15年度の検証報告等を引き継ぐような形になりますが、全体的な経過、あるいは、そのときには入っておりませんでした再発防止策について詳細にまとめられたものでございまして、これは農林水産部の責任において取りまとめたものでございます。
 検証報告をどういう形で行うかということにつきましては、それぞれの事案の性格とか広がりとか、さまざまなことで決まってくるものだろうと考えております。森のトレーにおきましては、県から会検に多額の返還金を支払わなければならなかったと。県がかなり大きな負担をしたということが背景にあり、それはやっぱり全庁的な調査をきちっと行っていくべきだという判断から平成15年度に総務部において報告がされたと記憶しています。
 今回の事案についてでありますが、委員御指摘の御蔵の湯の関係については、確かにそういう議論が議会の場であったと思いますが、その検証委員会の設置について、設置の判断をし、発足させた形になっているのは商工労働観光部の責任において行うこととしたと理解いたしております。
〇岩渕誠副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇飯澤匡委員 簡潔にやっていますよ、私。まあ、協力します。
 かなり苦しい答弁だと聞きましたが、今回、森のトレー事案と比較してみますと、山田町が現在、森のトレー事案でいえば岩手県の状態になるわけです。そのような立場、いわゆる補助金を出す側、受け取る側、山田町も県民ですから、そして被災地の復興に当たる、世間の耳目を浴びている最大の社会問題―今の時点で、そこについて、なぜ補助金の適正化法に焦点を当ててなってしまったのかと。これは岩手県全体の問題として波及している問題で、議会側もこれについては疑義があることについて、県の責任をわざわざ回避するような方向づけをされた。そしてなおかつ、今度の委員長は商工労働観光部の副部長ということであれば、明らかにこれは客観性は担保されないですよね、どう見ても。その点については、県庁をオーソライズして、県民に対する説明責任という部分で総務部はどのような考え方であったのか。全くそれは関与しなかったのか、それはもう商工労働観光部に任せたのか、その点について経過を説明していただきたいと思います。
〇小田島総務部長 今回の報告書につきましては商工労働観光部の責任において作成したものでありまして、総務部からその内容について、こういうふうにしたほうがいいというようなことについて述べたことはございません。
〇飯澤匡委員 そうなれば、やはり我々議会が指摘した部分について、非常に自分たちの都合のいいようにこういう検証委員会を立ち上げてしまったのではないかという疑念がますます湧いてくるということになりました。これだけの問題について、なぜこういうことになってしまったのか。これはもっともっと議会としても、県庁に対する、その不認定の結果に対する説明責任というのは、公共団体として、これからの地方制度の中で自治体の独立性ということを考えていけば、なおさらもっと県民に対して説明責任を果たす責任が私はあると思います。
 この時点で総務部長からそういう関与はなかったということですので、この点は明確にしながら、あとは別の機会にいろいろ発言をさせていただきたいと思います。きょうはここで終わります。
〇伊藤勢至委員 1点、防災についてお伺いいたしたいと思います。
 早いもので、あと3日で3周年、犠牲を出した方々からいえば3回忌という日がやってまいります。その中で、まさに想定外のことの連続でありましたが、3年たったということで、ある程度落ち着いて初動のころからの振り返りができる時間帯にもなってきたと思います。
 そういう中で、いまだに地震が終息したとは思えない状況にあります。震度2とか3がたまたまあったりして、あるいはもうちょっと南のほうにあったりして、さらには東海、南海、東南海地震が次だという声もあったり、あるいは首都直下型地震があって大きな津波が来るのではないかという話もあったり、そういうことがどんどん言われているわけでありまして、仮に首都直下型が来た場合の瓦れきは、東日本大震災津波のとんでもない量―我々はとんでもないと量と思いましたが、それの恐らく10倍以上の、処理するのに20年もかかるような量が出るのではないかというおどろおどろしい話が出ているわけであります。
 そういう中で、当然県といたしましては、今後、そういったものがもしあった場合にはどのように対応していくかという訓練といいますか図上演習といいますか、そういうことはおやりになっていると思いますけれども、現状でどういう方向でどういうやり方でやっておられるのか教えていただきたいと思います。
〇佐藤総合防災室長 被災都道府県への応援ということでございますが、東日本大震災津波に際しましては、全国からお見舞いや激励あるいはさまざまな御支援をいただきまして、また多くの応援職員の方々には、なれない土地での勤務ということで、懸命に被災地の復興に御尽力をいただいているところでございます。
 委員御指摘のとおり、今後発生が懸念されます南海トラフ巨大地震や首都直下型地震を初めとする大規模災害の際には、被災県としての経験を生かした人的、物的支援を行うことが本県に期待されているものと考えております。
 このため、本県が応援を行う場合の体制を明確にしておく必要があるだろうと。今、訓練というお話もありました。そういうことも含めまして、現在、被災県の要請とか応援ニーズを把握するための組織の設置、あるいは応援が必要とされる業務、自己完結型を基本とした応援職員の心構えや心得などを規定しました応援計画といったものを策定しようと進めているところでございます。そういったことで本県での大震災の経験を生かし、被災県に対応できるように体制を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇伊藤勢至委員 この対応というものの第1番目の要点は、まず人命救助、人命尊重ということが当然大前提だと思います。そういう中で、発災の1週間目ぐらいだと思いましたけれども、国道45号が啓開ができたということで、釜石まで行って状況を見させてもらいました。そのとき、大槌町の、宮古市から釜石市に向かって、左がマスト、右が土坂峠に行く道路があるんですが、あそこに兵庫県から来た消防車が50台並んでおりました。人は乗っておりませんでしたが、多分宮城県を経由して、宮城県の火災に対応された後で来たのかどうか、いずれ50台の消防ポンプ車が東京を越えて現地に入ってきたというのは、これは恐らく阪神・淡路大震災の際の御恩返しという思いもあったりして―5人乗りのポンプ車ですが、4人ぐらいで来たんだとすれば恐らく200人が来たんだと思います。この人たちも本当にありがたかったと思います。それからもう一方では、全国の、岩手、宮城、福島以外のナンバーのついた警察のパトロールカーが北海道まで含めて多い数が入ってくれまして、電気がなくなったということで、交差点の信号を手動で回転させてくれたわけであります。
 ところが、考えておかなければならないのは、例えば自衛隊、海上あるいは陸上あるいは海上保安庁でもいいんですけれども、彼らの場合は、船で来て船に戻ればそれで衣食住あるいは排せつまで全部自己完結するわけでありますが、消防とか警察の場合は、とにかく行けと。早く行って人を助けろということで来てくれたらしくて、実は、後で警察あるいは消防関係の人に聞きましたけれども、本当に着のみ着のままで来られたと。ありがたいんだけれども、そうすると、まず寝るところ、それから食料、そして排せつの部分の手当てが大変だったと、こういう話を聞きました。特に、避難場所に想定外の、例えば田老のグリーンピアのインドアスポーツの体育館には700人が一時避難をしたわけでありますけれども、本当に大変だったのは排せつということです。それから、いろいろなところで炊き出しをしてくれますのは、恐らく翌日あるいは翌々日ぐらいから事の重大さが浸透してきまして、旧川井村とか旧新里村とか、そういう方々が部落単位、町内会単位でおにぎりの炊き出しをして、それがどんどん入ってくる。
 したがいまして、考えておかなければならないのは、仮に岩手県で次なる地震や津波が来て余り被害がなかったと。では、応援に行かなければならない。そういった場合には、少なくとも3日か4日分ぐらいの自己完結できるものを用意していかないとかえって御迷惑をかけるのではないか、そういうことも予測されると思いますが、そういうものについてはどのようにお考えでしょうか。
〇佐藤総合防災室長 今、検討を進めております応援計画の中では、県の応援職員の心得としまして、被災地の負担とならないように自己完結で活動することというのを明記しようと考えております。具体的には、今、委員から御指摘のあったことを踏まえまして、どういうものをどの程度持っていくかとか、それから、現地とどのような連絡をとりながら入っていくかとか、そういったものを今後詰めていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 我々の地域には、今は地震、津波にばかり目が向いておりますけれども、決してそれだけではありません。昭和20年代―古い話でありますが、キャサリン台風、アイオン台風で県の内陸あるいは閉伊川筋が大洪水の被害を受けました。また、昭和36年には三陸フェーン火災というのがあり、宮古、下閉伊が1週間ぐらい火が消えませんで、相当な山林の焼失を見たわけであります。この間にもチリ地震津波など、あるいは十勝沖地震津波など津波がしょっちゅう来ておったわけでありまして、決して津波のほうばかり向いてはいけないと。山もあれば川もあるということで、そういうことを見ながら、やはり全体の、人命救助を優先して考えた場合の演習といいますか図上演習といいますか、そして、それをどんどん公開していただいて、それに肉づけをしていくべきだと思います。そういうものは当然おやりになっていると思いますけれども、どんどん市町村にも開示していただいて、すり合わせをしていただいてさらに精度の高いものにしておく、そういう備えが必要だと思いますが、最後に小田島部長からその心構えを伺って終わります。
〇小田島総務部長 いずれ委員がお話しされましたように、東海、南海、それから東南海地震が近いと言われている中で、他県とのかかわり合い、応援もそうですし、それから、いろいろなことに対する備え、そういうこともきっちり行っていかなければならないと思います。今、策定いたしております応援、受援計画を完成させながら、他の都道府県、特に応援をしてくれた都道府県が困ることのないような形で、我々もその役に立つような形で取り組みを進めたいと考えております。
〇高橋但馬委員 3点について簡潔に質問させていただきます。
 まず初めに、電子県庁の運営費についてお伺いいたします。
 県としては、仮想化技術を使ってサーバーの統合化を図って、平成25年度までに現存の84台のサーバーを5台まで圧縮、統合する予定でしたが、その後どのようになっているでしょうか。
〇細川法務学事課総括課長 仮想化技術によるサーバーの統合化についてのお尋ねでございますが、本県では平成21年度にサーバーの統合化に取り組みまして、現在までに78台の物理的なサーバー―これは44のシステムの分でございますが、これを5台のサーバーに仮想化して運用しているところでございます。
 サーバーの統合によります効果としまして、機器の更新を迎える平成26年9月までに約2億2、000万円余の経費の縮減を見込んでいるところでございます。
〇高橋但馬委員 いずれ5台まで圧縮、統合することができて、そのサーバーの統合、そして電子申請システムのクラウド化によって、負担を軽減した上でクラウドサービスの提供に至ると思うんですけれども、その現状についてお知らせください。
〇細川法務学事課総括課長 電子申請システムを初めとしますクラウド化の現状についてでございますが、電子申請システムにつきましては、平成22年度に、それまでの庁舎内にサーバーを設置する方式から民間のクラウドサービスの利用に変更したことによりまして、平成22年度から平成27年度までに約1億9、000万円余の経費縮減が見込まれるところでございます。
 電子申請サービスにつきましては平成17年10月から開始してございますが、開始初年度であります平成17年度下期の申請件数は1、094件でございます。また、翌年度の平成18年度は2、247件でございましたが、平成22年にクラウドサービスの利用に切りかえた後、アンケートや講座の申し込みなどの利用も可能となったこともありまして、昨年度―平成24年度の県民の利用実績でいいますと6、967件となっており、約3倍以上、順調に推移してきているものと考えてございます。
 また、特徴的な利用といたしまして、昨年度―平成24年度の岩手県職員等の採用試験の申し込みにありましては、申し込み全体は2、420件でございましたが、このうち電子申請によるものが1、178件と、約半分、48.7%ほどになっているなど、着実に県民への利便性が増しているものと考えてございます。
〇高橋但馬委員 そのクラウドサービスの提供も結果を残していけるものだと考えております。県として電子県庁を平成12年度より取り組みされていると思うんですけれども、その成果と、その関連経費の推移についてもお知らせください。
〇細川法務学事課総括課長 電子県庁の成果と関連経費の推移についてお尋ねでございますが、初めに、電子県庁の成果につきましては、委員御指摘のとおり、本県では平成12年度より電子県庁対応が本格化いたしまして、グループウエア導入による電子メールの利用やライブラリー及び電子掲示板の全庁活用による情報データの公開とその再利用を図るなど、情報の共有化を図ってきたところでございます。
 また、職員1人1台端末の配置、あるいは県庁、広域振興局と出先機関を結びますネットワーク網の整備、それから、先ほど御答弁申し上げましたサーバーの統合や電子申請のクラウド化のほか、税務、財務会計などのオンラインシステムに係る運用についても経費の縮減を図りまして、これらの取り組みによって、行政事務の効率化ですとか、あるいは高度化、県民サービスの向上に寄与してきたものと考えてございます。
 次に、関連経費の推移でございますが、電子県庁運営費のおよそ9割を占めますオンラインシステム運営委託費、それから行政情報ネットワーク運営管理委託費というのがございますが、これについて申し上げますと、平成12年度当初予算ベースでは二つの費用を合わせて約16億4、900万円余となってございましたが、例えば平成21年度で見ますと9億800万円余、それから、来年度予算で計上させていただきますが、平成26年度でいいますと7億8、200万円余となってございまして、平成12年度と平成26年度を比較しますと、約半分、52.6%までの経費縮減が見込まれると考えてございます。
〇高橋但馬委員 電子県庁の運営に取り組んでいただいているわけですけれども、経費節減はもちろんのことですが、同時に、創造的、効率的な行政運営による県民の満足度の向上のために引き続き取り組んでいただければと思います。
 続きまして、地域防災力強化プロジェクト事業費についてお伺いいたします。
 この事業費の趣旨ですけれども、東日本大震災津波の教訓を踏まえ、災害等の発生に対して関係機関相互の連携のもとに迅速かつ適切な対策を実施し、県民の被害を最小限とする減災の考え方に基づき、県民が主体に避難と備えを身につける自助と、それを補完する共助、公助のそれぞれの分野におけるレベルアップを図り、地域防災力の強化を図るということになっておるんですけれども、この自助、共助、公助の考え方についてお知らせください。
〇佐藤総合防災室長 自助、共助、公助の考え方についてでございますが、大規模災害の発生時におきまして、県や市町村、それから国による公助、消防、警察などの公助だけでは限界があり、自分の身を自分の努力で守るという自助とともに、地域や近所がお互いに協力し合いながら防災活動に組織的に取り組む共助というものが必要であるということで、これらの自助、共助、公助が有機的につながることにより被害の軽減を図るというような考え方に基づいているものでございます。
〇高橋但馬委員 ハード面に加えて、そういうソフト面の防災に対する備えというのは大変重要であると思います。3.11の東日本大震災津波を踏まえ、どのような地域防災力の強化を図るのかお知らせください。
〇佐藤総合防災室長 3.11を踏まえた地域防災力の強化についてでございますが、大震災津波の検証結果では、発災当初、物資等の円滑な供給に課題があったとか、あるいは自主防災組織の活動が活発な地域では避難行動や避難所の運営が比較的スムーズに行われた例というものが検証結果で書かれておりまして、備蓄の推進や自主防災組織の育成強化を進めていく必要があるだろうと考えているところでございます。こうした課題を踏まえまして、県の地域防災計画を見直し、被災市町村の要請を待たずに物資の供給を行うことであるとか、県民に対して、家庭や事業所での3日分程度の物資の備蓄を勧める、そういうようなことを呼びかけているところでございます。
 また、共助につきましては、地域防災サポーターというものを今回認定しましたので、そのサポーターを派遣して、研修会の開催を市町村と連携しながら取り組んでいるところでございます。
 今後におきましても、こういった取り組みを進めまして、県全体としての防災力を高めていきたいと考えております。
〇高橋但馬委員 3.11が起きて、その後、昨年、内陸地方を豪雨災害、台風災害が襲ったわけですけれども、その被害を受けたときの地域防災力はどのように生かされたのかお知らせください。
〇佐藤総合防災室長 昨年の大雨災害での防災力についてでございますが、昨年の大雨災害では、被災者の救助、救援に消防、警察、自衛隊が連携して対応いたしました。そのほか、市町村の要請に基づきまして、毛布、応急食料の供給でありますとか広域振興局職員を被災市町村に派遣しまして情報収集をさせたり、あるいは防疫活動への支援などを行ったところでございます。
 また、地域住民、ボランティアの協力によって泥出しをやっていただいたり、地域等が一体となった被災地支援活動も大きな力を発揮したと捉えているところでございます。
〇高橋但馬委員 いずれにせよ、3.11の東日本大震災津波が起きて甚大なる被害を受けた我が県の復旧、復興に向けては、全国的に注目されていることでもありますし、被災した県がその後の災害でどのような迅速な対応をするかというのも同じく注目されていることだと思いますので、そこの部分を注視しながら引き続き取り組んでいただければと思います。
 最後に、平成25年度の建設工事の応札状況についてお伺いいたします。
 平成25年度1月末時点で、発注件数が1、154件に対して取りやめ件数が252件、発生率22%となっていますが、取りやめの理由の内訳をお知らせください。
〇山崎入札課長 取りやめ理由の内訳についてでございますけれども、平成25年度の県営建設工事における取りやめ件数は1月末現在で252件で、その内訳は、入札公告はしたが入札参加申請がなかったものが109件、入札参加申請はあったが入札者がなかったものが122件、その他―開札後、技術者の配置ができないなどで入札者の全てが無効となったもの等が21件となっております。
〇高橋但馬委員 東日本大震災津波が起きてから、非常に作業員であるとか物価の高騰など、いろいろその工事につけない面というのは多々あると思うんですけれども、平成22年度は1、443件中43件だったものが、平成23年度は1、567件中139件、平成24年度に至っては1、651件中203件と年々取りやめ件数が増加しているんですけれども、県としてはどのように分析しているのでしょうか。
〇山崎入札課長 取りやめ件数の増加に対する県の分析についてでありますが、取りやめ件数の増加の具体的な要因は、業界団体との意見交換では、復旧、復興工事が増加する中、技術者、作業員、資材の不足、工期内完成の見通しが立たない、予定価格が実勢価格と合わない、作業員の宿舎が確保できないことなどが挙げられております。
 また、今年度の1月末現在の取りやめ状況を工種別に見ると、土木工事で発生件数602件中153件、発生率25%となっており件数では一番多くなっておりますが、建築一式工事では発注件数85件中37件、発生率44%と発生率が高くなっております。これは、年度前半に耐震補強工事、災害公営住宅の建設などで取りやめが多く発生したことによるものです。また、金額別には、2、500万円未満の工事で発注件数467件中137件、発生率29%と、件数、発生率とも最も高くなっており、これは、道路、河川、治山、林道等の小規模な土木工事で取りやめが多く発生したことによるものでございます。
〇高橋但馬委員 非常に厳しい状況であると思います。これから東京オリンピック開催に向けてまた作業員がいなくなるんじゃないかという話も出ておりますし、ただ、東日本大震災津波から復興に向けて、例えば県土整備部では、地域の実情を踏まえて、労働宿舎の建設や適切な宿泊用の設計計上等に取り組みながら円滑な工事執行に努めるというのがこの前の佐藤県土整備部長の答弁でありました。
 入札をつかさどる総務部としても、目に見える復興を進めるためには県営建設工事というのは非常に重要であると考えます。円滑な入札執行に向けて一段と努力が必要だと思うんですけれども、最後に部長のそれに対する所感をお伺いして終わりたいと思います。
〇小田島総務部長 県としては今までもさまざまな形で入札の取りやめの増加に対応してきたところでございますが、やはり復旧、復興を早めるためには、入札にきっちり参加していただき、それを早めることが必要であると考えていますので、一層の努力をさせていただきたいと考えております。
〇五日市王委員 私からは、今、高橋但馬委員からもございましたけれども、公助であります自主防災組織についてのみ1点お伺いいたします。
 県内の自主防災組織率というのがございまして、県の平均が平成22年73.6%、平成24年4月1日現在で76.6%、平成25年4月1日現在で79.5%ということで、確実にその数はふえてきているということではあるんですが、平成24年の評価でいきますと、目標値が79.3%に対して76.6%でしたので、達成度はDとなっております。これを市町村別に見ますと、極めて沿岸部と県北部、特にも県北部が非常に低いということになっております。二戸市が40.2%、軽米町31.1%、九戸村が45.5%、一戸町が45.7%、この四つの平均で40.6%なんです。これは県平均の約半分。私も地元で、何ともお恥ずかしい話なんですが、この県北部が低い、沿岸部はわかるような気がするんですが、それぞれ理由をどのように分析しているのかまずお伺いいたします。
〇佐藤総合防災室長 県北・沿岸部で組織率が低い要因についてでございますが、県民意識調査というのがありまして、災害に備えている人の割合というものを調査したデータもあります。これを見ましても、県の平均が42%に対して県北が33%ということで、そういう意識の部分で県北は低いというような傾向がございます。また、活動を牽引するリーダーが少ないのではないか。また、自主防災組織というものの設立に向けた機運がまだ盛り上がっていないというようなことがあるのではないかと考えられます。
 一方で沿岸部につきましては、大震災津波によりまして組織や加入世帯が大幅に減少したというような市町村もございまして、そういったことから組織率が低くなっているというような状況も考えられると思っております。
〇五日市王委員 この意識の欠如、あるいはリーダーが少ない、機運がまだ盛り上がっていない、これは私自身も盛り上げていかなければいけないと思っておりますし、県民計画の平成26年度の目標が85.0%ですね。ここまで持っていくためには何としても県北部に頑張ってもらわないとなかなか難しいだろうということでありまして、私自身も、消防演習とか出初め式とか防災訓練とか、そういう折を見て、御挨拶の中でそういった現状を報告しながら盛り上げていこうと思っているんですが、いずれこの85%達成、あと1年しかないので、来年度の取り組み方針についてお伺いいたします。
〇佐藤総合防災室長 来年度の取り組みにつきましては、当課の担当職員が組織率の低い市町村―県北・沿岸部を重点的に訪問しまして、市町村の担当の方々を含め地区に入って重点的に働きかけを行うとともに、意識の醸成ということでは、地域防災サポーターに地域防災マップづくりなど専門家がおりますので、そういった取り組みを通じて意識の啓発を図っていくというようなことも考えておりまして、そういった県北、沿岸に重点を置いた組織率の向上あるいは組織の活動の活発化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩渕誠副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後5時55分 休 憩
午後6時11分 再開
〇岩渕誠副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これから質疑を続行いたしますが、この後、5人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁とも、簡潔明瞭にお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 それでは、私から大きく2点、御質問させていただきます。
 まず最初に、先ほど来議論がありましたが、防災費についてお伺いしたいと思います。
 本年度は、4月から9月にかけて、大雨、集中豪雨、ゲリラ豪雨の災害がありました。それを受けて、防災部局として、この災害、被害、また、対策をどのように総括をして平成26年度予算に反映させているのか、主にソフト面をお聞きしたいと思います。
〇佐藤総合防災室長 昨年来の大雨災害を踏まえまして、県では、昨年、被災市町村等との意見交換を実施するなど、県、市町村の双方の課題について整理をしたところでございます。その結果、県におきましては、情報収集、分析に対応する人員や機器の体制というものに課題があったと考えております。来年度予算におきまして、県の災害対策本部に、情報整理の効率化を図るためのパソコンの配備を整備したいと考えているところでございます。
 また、学校で活用する防災教育教材につきまして、これまでは、地震、津波といったような教材を主に作成しておりましたが、今回、大雨災害に関するものについて新たにDVDとして作成するよう、来年度予算に盛り込んだところでございます。
 一方、市町村におきましては、災害に十分対応できるような体制がなかったとか、あるいは必要とする知識、経験が少ないといったような課題も挙げられたところでございますので、県といたしましては、市町村職員を対象とした研修あるいは図上訓練といったものを実施したいと考えておりまして、そういった予算を計上しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 先ほど高橋但馬委員の議論の中で、自助、共助、公助を進めるという県の話がございました。私の地域も今回水害に遭いまして、感じていることは、今回のゲリラ豪雨、いつもより増水のスピードが速いという中で、これまでの対策が本当に機能するのか、こういうところを住民の皆さんが心配しておりますし、また、それとは別に、住民の皆さん自身、地域がどうやって守られているのか、防災のシステムというんですか、それを十分に使いこなせなかったのではないか。そういった意味では、私は、まだまだ自助、共助について、県にも積極的に動いていただきたいと思っておりますので、ぜひともこの点を検証して、また、もう水害から半年以上がたってしまって、半年後には、また水害の可能性のある時期が来るというところでありますので、しっかりと検証して、また、地域に落とす時間も考えて取り組んでいただきたいと思っています。
 そんな中で、地域からは、ゲリラ豪雨が、地域の防災、水害の説明会などでは、十数年に一度の雨量であったと、または、これまでに体験したことのない雨量であったと、そんな説明を受けているところでありますが、住民の皆さんにとっては、今回も大雪があったりということで、異常気象になってきているという中で、これが頻発をするのではないかといった心配がございます。
 そこで、県では、今回のこのようなゲリラ豪雨が頻発することを前提に防災対策をしていくのか、それとも、今までどおり十数年に一度の出来事だと捉えて防災対策をしていくのか、この大きな方向性を伺いたいと思います。
〇佐藤総合防災室長 今後の災害対応の方向性についてでございますけれども、住民の生命、財産を守るため、県としては、国、市町村、消防、警察、自衛隊等との関係機関と連携いたしまして、防災対策を実施していくことが重要だと考えております。
 ゲリラ豪雨とか、そういう頻発するものに常に対応するというのはなかなか難しいところではございますが、災害の種類や頻度、それから規模の大小にかかわらず、対応できるような取り組みをしていく必要があると認識しております。このため、今年度も、昨年度の大雨災害を踏まえまして、地域防災計画の修正や体制の見直しを行うこととしておりまして、今後においても、あらゆる災害に対応できるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 このゲリラ豪雨については、今回被災に遭った地域住民の皆さんが心配をしておりますので、取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど来、高橋但馬委員からも、沿岸地域の震災の経験を生かして減災の精神をぜひ内陸にも、今回の水害のところにも生かしていただきたいと思っております。そういった意味では、ソフト面で、早く今まで以上に情報を伝えるだとかそういったところで減災をするように、床上浸水になっても、早く情報を得られれば布団とか家具は助かるわけですから、そうやって減災というのは私も今回の経験ですごく切実なものなんだというのを実感しましたので、ぜひその辺の現場の気持ちも酌み取ってやっていただきたいと思います。
 そんな中で、今回、ICTを活用した防災情報の発信についてお伺いしたいと思うんですけれども、今般の水害を受けて、地域また市町村からは、携帯電話での雨量の情報を得たりとか、または川の情報を、動画を使って実際に浸水の危険性のある人が確認できるといったことを説明会などでも説明をされておりますし、また、住民の皆さんからも望む声があると理解をしております。しかしながら、一方で、インターネットの利用率は岩手県は70%を切っているという中でありますし、また、本当に動画が使える超高速ブロードバンドの利用者がどのぐらい地域にいるのかということも、なかなか調べるのが難しい状態だと聞いております。そんな中で、どのようにこのICTを利活用して防災情報を発信していくのか、伺いたいと思います。
〇佐藤総合防災室長 ICTを活用した情報発信についてということでございますが、避難勧告等を発令する市町村につきましては、防災行政無線や有線放送、それから消防団による広報活動のほか、ホームページ、緊急速報メール、ツイッターといったICTを活用した取り組みも行っているところでございます。
 一方、御指摘のありましたインターネット環境を有していない高齢者への情報伝達というのは、市町村からも課題であると挙げられているところでございます。そのため、一つの手段としまして、災害時の避難勧告等の災害情報をテレビ、ラジオといったものを通じて、一括して配信するといった公共情報コモンズというものがございまして、その導入に向けた環境整備について現在検討することとしておりまして、こうしたさまざまな情報基盤の活用によって、充実を図って減災につなげていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 情報はいろんなものを使って重層的に出していただいていると理解をしておりますけれども、とは言っても、リアルタイムで見られるということで、ニーズがあってICTという話も出てきているんだと思います。ですので、実際に使えるように、浸水が頻繁な地域などについては使い方を訓練したりとか、実際にそういうことも必要なのではないかと思います。防災に特化した端末などを入れることも必要なのではないかと思ったんですが、先ほど、もっといいものを提示していただきましたので、ぜひとも環境整備に努めていただきたいと思います。
 防災については計画を立てるだけではなくて、地域の皆さんたちにどうやって落とし込んでいくか。今回の豪雨水害を通じて、その点をぜひ改善をしていただきたいと思います。
 次に、2点目に移りたいと思います。
 私学の耐震化についてお伺いをしたいと思います。
 現在の私学の耐震診断の実施率が35.3%、また、その中でも幼稚園が17.4%と低くなっておりまして、耐震化率は直さなくてもいいところも含めて71.3%ということでありますけれども、公立と比較して進捗状況はどうなっているのか。
 また、平成26年度の私学学校耐震化支援事業費補助によってどのぐらい進むと見込んでいるのか、伺いたいと思います。
〇岡崎私学・情報公開課長 初めに、耐震化の進捗状況についてでございますが、平成25年4月1日現在の調査結果でございますが、耐震診断が必要となる昭和56年以前に建築された建物に対する耐震診断実施率については、私立学校が35.3%なのに対しまして、公立学校は97.0%となっております。また、耐震化率は、私立学校が71.3%なのに対しまして、公立学校全体の耐震化率は86.2%となっておりまして、私立学校については、耐震化率の向上が課題となっているところでございます。
 次に、来年度当初予算に計上しております私立学校耐震化支援事業による実施見込みについてでございますが、この補助事業を活用した耐震診断につきましては、幼稚園、高等学校等合わせて9棟、また、耐震改修については2棟を予定しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 県の計画では、平成27年度で82%を予定しているとお聞きをしておりまして、また、平成27年、それ以降もこの補助が継続していくのか。また、82%の残りの18%についてもどのようになっていくのか、心配なところでありますけれども、県としては、何年までにこの私学の耐震化を完了させようとしているのか、その計画も教えていただきたいと思います。
〇岡崎私学・情報公開課長 耐震化計画完了の時期と今後の補助の継続についてでございますが、平成18年度に県が策定いたしました岩手県耐震改修促進計画において、私立学校の耐震化率は、計画期間終了となる平成27年度までに82%の目標を掲げているところでございます。また、補助の継続につきましては、現在、国においては、私立学校施設の耐震化促進に力を入れておりまして、補助制度や低利融資制度の拡充を図ってきているところでございます。
 県では、これまでも耐震診断に対する補助を行ってまいりましたが、平成26年度に新たに私立学校耐震化支援事業を実施し、国の補助事業に県でかさ増し補助を行うことによりまして、私立学校の耐震化をさらに促進することとしております。
〇佐々木朋和委員 今のお話では、平成27年度以降に残った18%がどうなっていくのか、また、計画どおりに平成26年度は耐震化するのが9校ですか、それでちゃんと進んでいくのか心配なところがあるんですけれども、もう一回、その点についてはどうなっているんでしょうか。
〇岡崎私学・情報公開課長 私学の場合、耐震化の計画につきましては、学校設置法人の財政状況等もございまして、いついつまでにということはなかなか言えないところでございますけれども、国の補助制度等が充実してきておりますので、それらを総合的に活用していただきまして、耐震化に取り組んでいただくということで御理解をいただきたいと思います。
〇佐々木朋和委員 ぜひ漏れのないように見ていっていただきたいと思います。
 国の制度が充実をしていっているというところで、平成26年から平成28年の時限措置として、新たに耐震改築事業を国では予定しているところでありますけれども、これについてはどのぐらいの学校が活用しようとしているのか。また、これは幼稚園は含んでいないと思ったんですけれども、その点について県に対して要望はないのか伺いたいと思います。
〇岡崎私学・情報公開課長 国が予定しております耐震改築事業について県内の活用見込みについてでございますが、文部科学省からの照会に基づきまして現在調査中でございますが、現時点においては、2校程度を見込んでいるところでございます。
 また、幼稚園からの要望についてでございますが、幼稚園については、従来から国の私立幼稚園施設整備費補助や安心こども基金による幼稚園耐震化促進事業において耐震改築に対する補助制度が設けられているところでございます。
 平成26年度におきましては、幼稚園耐震化促進事業を活用いたしまして、二つの幼稚園で耐震改築が行われる見込みとなってございます。
〇佐々木朋和委員 了解いたしました。
 最後にします。この事業について、私の地元では、被災後に安全のために体育館を取り壊してしまったというところがありまして、この制度の対象外となってしまうということも聞いております。この事業については、移転も含めて制度の対象外となってしまうところも出てくるのではないかと懸念をするところでありますが、そういうときに、ぜひ国に対して拡充を求めていくなど、県としては声を上げていっていただきたいと思うわけでありますけれども、所感を聞いて終わりたいと思います。
〇岡崎私学・情報公開課長 国の新規事業につきましては、私立学校施設の耐震化の一層の加速を目的といたしまして、3年間の時限措置でございまして、移転や老朽化等の耐震化以外の理由によるものや、既に取り壊しているものは対象とはならないとされているところでございます。
 耐震化に対する国庫補助制度の拡充につきましては、これまでも国に対して要望してきておりますが、私立学校の耐震改築事業補助制度が創設されたことは一定の成果でございまして、県としても、引き続き、国に対して制度の拡充を求めてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 私は予算に関する説明書、歳入のうち、県税に関連して大きく2点についてお伺いいたします。
 東日本大震災津波に関連してお伺いいたしますが、第1点目は、被災された3県の平成24年度の県税徴収率を調べてみたところ、宮城県は96.8%、福島県は97.1%、そして本県は97.5%ということで、厳しい社会経済情勢の中で、本県は税収確保のためにしっかり取り組んでいるなと。それで、東日本大震災津波発災以降の本県の徴収率はどのように推移しているのか。
 また、個人県民税については市町村との連携が重要なわけでございますが、これまでの個人県民税の税収確保に向けた対策の内容と、平成26年度の歳入確保に向けた取り組みの内容についてお伺いいたします。
〇小向税務課総括課長 本県、宮城県、福島県の震災以降の徴収率でございます。平成23年度決算では、本県96.9%、宮城県95.9%、福島県96.3%と、平成24年度と、先ほど委員おっしゃられた数字と同様、本県が上位で来ております。
 なお、本県は、平成24年度で全国第5位まで浮上してございまして、これの向上の理由としては、震災以後、県民の皆さんの納税に対する意識の高まり、これが私はすごいと思いました。
 実は釜石におりました時点に、今まで数年滞納していた大口の方々が、現金を持ち込んで全部納めるということで駆け込んできたというのは、これは実際にありました。それから、大船渡も宮古もそうです。こういうことがありまして高まったと。これは納期内納付率がかなり向上しております。
 それから、これまでの滞納整理をきちんとやってきたという、現場の職員の努力が一緒になってあらわれてきたと思ってございます。
 それから、個人県民税の徴収対策でございます。委員御指摘のとおり、これは非常に県税収入の未済額のうちの7割を占めております。県税収入未済額は25億9、000万円ですが、そのうちの18億8、000万円が個人県民税ということでございます。それで、この部分を、これは市町村税の部分もあるものですから、それで市町村と相談しまして、平成18年から、県、市町村の共同による岩手県地方税特別滞納整理機構というものを創設しまして、市町村からの派遣職員を受けて、一緒になって市町村とともにその課題を考えて滞納整理に取り組んだ結果、個人県民税のピークが平成22年度だったんですが、平成24年度では5億7、000万円の縮減が図られたところでございます。
 個人県民税以外の自動車、どんどんとこれも縮小されてきておりまして、1件1件が見えるようになりましたので滞納整理がしやすいということで、平成26年度も引き続き滞納整理機構の取り組み、それから被災地、被災者への方々に対しては十分な配慮をしつつ、悪質な滞納ケースに対しては毅然とした滞納処分を行うなど、粛々と税収確保に進んでいきたいと思います。
〇高橋昌造委員 大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 それで、税収の確保の基本は滞納の整理、これにしっかりまずは取り組んでいただきたい。
 それから2点目については、建物の評価については、木造は市町村、それから非木造は県で行うのが基本なわけでございますが、被災地の建物再建が進む中で、建物評価業務等に対してどのような対策を講じておるのかお伺いいたします。
〇小向税務課総括課長 被災地における建物評価業務への対応でございますが、おっしゃるとおり、県と市町村で分担評価をしておりまして資料交換をします。これは、県では不動産取得税のもととなります、市町村においては固定資産税の課税のもととなる数値になるものでございますが、沿岸広域振興局管内の建物評価棟数ですが、被災前の平成22年度では大体150棟前後だったわけでございます。それが平成25年度では600棟、4倍の量となりまして、平成26年度以降も700棟を超える棟数が見込まれているところでございます。これに対しまして、内陸に勤務する税務職員を動員し評価に歩いたり、それから一番は他県の自治体から応援職員をいただきまして、今年度は延べ7人をいただいております。それによって構成しました家屋評価チームという専門チームをつくりまして、沿岸広域振興局に配置して対応してきたところでございます。
 今後とも、復興に伴う建物再建の進捗状況に合わせまして、他の自治体からの応援職員の増員など、あらゆる方策をとって、しっかりと建物評価業務を行っていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 私からは大きく2点ですが、一つずつまとめて聞いて時間の協力をしたいと思います。
 まず1点目は、広域防災拠点設備等の整備費についてでありますが、御案内のように、今、この配置計画素案がパブリックコメントに付され、あるいはこの素案そのものも、3月末には配置計画として正式に策定する予定だと我々にも資料が示されているわけですが、改めて今回のこの素案に基づいてですが、広域拠点及び後方拠点のエリア選定について、関係施設の管理者あるいは当該自治体との協議あるいは確認の手続等はどのように行われてきたのかということが1点です。
 それから、選定された29の構成施設、広域、後方両方の施設ですが、これらの機能及び役割とその整備方針の具体的内容はどのように検討されているのか、あるいはそのための財政的な負担の考え方がどのようになっているのか、これが2点目です。
 3点目には、平成28年度に運用開始をするという予定になっておりますが、その間には備蓄等の物資の購入等の計画も簡単に紹介されているわけですけれども、この物資、資機材の備蓄機能の中で、各構成施設において、いわゆる電源の確保であるとか燃料の問題、この備蓄対策などについてはどのように検討するのか。今後の整備方針として、これらの問題点については東日本大震災津波の教訓を踏まえると、しっかりと整備方針として明確にしておく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇佐藤総合防災室長 広域防災拠点配置計画につきましては、計画素案の作成に当たりまして、広域防災拠点として活用する既存施設を所管する市町村等の管理者に直接訪問いたしまして、それで内容を説明し、所管施設の広域防災拠点への活用について協議を行ったところでございます。その結果、管理者からは、その活用について了解をいただいているところでございます。
 二つ目の構成施設の機能についてでございますが、広域防災拠点、広域支援拠点のほうにつきましては、県庁を中心としたアピオ、花巻空港、消防学校など、それぞれ災害に対応する機能が集約された全県的な拠点という位置づけになっているところでございます。また、後方支援拠点というのは、警察、消防、自衛隊の支援部隊が集結する前進基地としての中継基地といったような位置づけになっておりますことから、それぞれの拠点につきましては、近接する既存施設の各施設が連携しながら、有する施設を最大限に活用して、そして展開していくという考え方に基づいております。それで、一部の施設につきましては、備蓄に当たって、市町村では賄い切れない分の不足する分、それを補完する食料、生活必需品の物資の備蓄を行うこととしておりますし、災害時において途絶しないような通信手段として衛星携帯電話の配備も検討しておりまして、それらについては、来年度予算から順次整備を進めてまいりたいということで、県が負担してやっていくものでございます。
 また、電源確保等につきましては、計画案では、活用可能な施設の調査を行っておりまして、非常用電源設備を確保している施設を有するエリアを拠点として選定したところでございますが、今後、市町村の意向も確認しながら、さらに電源施設の強化が必要な場合には、さまざまな補助制度の利用なども検討していきたいと考えております。
 また、燃料の備蓄対策につきましては、委員御指摘のとおり、さまざまな部隊の活動にとって支障を来さないように確保することが重要であるということで、まず、県の石油商業協同組合や石油連盟との間で締結している協定に基づいて確保するほか、国への要請というものについても、やれるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 関係する市町村等の施設もあるわけですから、十分に連携をとって万難を配して、せっかくの防災拠点としての位置づけですので、その取り組み準備を十分進めていただきたいし、あと、例えば電源確保も、電源車であるとか非常用電源のいろんな確保の仕方があるんでしょうが、この間の災害以降、再生可能エネルギー等の活用などもいろいろ議論されている経過があり、そういったいろんな必要な検討を、ぜひこれらの構成施設に適用できるものは適用していくべきではないかと思っておりましたので、御意見として申し上げます。
 2点目は、消防救急無線デジタル化整備事業でありますが、県と県内の各消防本部とのネットワーク化を推進するということなんですけれども、この事業によって具体的にどのようなネットワークの構築が図られるのか、そのメリットをお伺いしたい。
 それから、今、お伺いした広域防災拠点の構成施設との関係において、この広域防災拠点施設には衛星携帯電話を配備するという話なんですけれども、各消防本部とか肝心のこういった実働部隊とのやりとり、情報の共有化というか、そういったものの構築に対する考え方、通信設備の整備等は十分に関連性ができているのかどうか、その点についてお伺いします。
〇小畑防災消防課長 まず、県と県内各消防本部とのネットワーク化でございますけれども、今回のデジタル化の工事に伴いまして、県では、県と県消防本部、あるいは消防本部間のネットワーク化を図ることとしてございます。具体的には、県庁と防災航空センターでございますけれども、こちらと、あと県内の消防本部、あとは各消防本部間、これを有線と衛星回線、こういうもので接続をいたしましてネットワークを構築するということにしてございます。このネットワークの構築によりまして、いわゆるデジタル化のメリットでございますデータ伝送による確実かつ効率的な消防救急活動の支援といったものに加えまして、現在、個別で行っております県と消防本部間あるいは各消防本部間での一斉配信というのが可能になります。
 ということでございまして、情報伝達の迅速化あるいはより詳細な情報の共有化というものが図られ、大規模災害時等において、広域的な消防防災活動に効果があると考えているところでございます。
 それから、2点目の広域防災拠点配置計画との関連性でございますけれども、今般のこのデジタル化につきましては、消防救急の出場の指令あるいは消防の各種活動の連絡に用いられる無線というものを、アナログ方式からデジタル方式にかえるものでございます。一方、広域防災拠点の配置計画における通信設備は、先ほどお話がありましたとおり、衛星携帯電話を配置するということでございます。大規模な災害が発生した場合には、消防本部だけでなく、防災機関がそれぞれ連携をする必要がございますので、こういった通信設備を多重的に整備をいたしまして、有効に活用していくということで考えているところでございます。
 なお、現在、計画の中で想定されている施設におきましては、県庁と防災航空センター及び消防学校の無線を、デジタル化して整備するということで考えているところでございます。
〇木村幸弘委員 消防は、消防の連携の中で効率化を図るというのは大事なことですが、災害時にはお互いのそれぞれの持っている能力を存分に発揮しなければなりませんし、情報が何よりもそれぞれにしっかりと伝わっていくと。その上でのいろんな活動、行動に入っていくわけですので、そういう意味で言うと、広域防災拠点との関係も含めて、今後の情報通信の整備の確立に向けた取り組みというのはさらに充実されていくべきではないかということを申し上げておきたいと思います。
 あと、この事業によって県内の各消防本部の広域化対応との関係というのは、一体どうなっているのかというのをちょっとお伺いしたい。
 それから、もう一つ最後に、災害時における、先ほど佐々木朋和委員からもいろんな映像等も含めた情報の確保が必要だというお話でしたけれども、映像情報等についての対応がどうなっているのか。先般、NHKの放送でも、新たな航空からの情報などで、ヘリのやりくりの問題とか、いろんな課題が報じられておりましたけれども、そういった点を含めていろいろな情報をどう生かしていくか、そしてビジュアルによる映像というのは非常に大きな影響力を持っていますので、そういった点についての考え方があればお聞かせください。
〇小畑防災消防課長 まず、この事業と各県内消防本部の広域化対応の関係でございますけれども、国では、消防本部の規模拡大によりまして、消防の体制整備を図るために市町村消防の広域化というものを推進しているところでございます。一方、今回このデジタル化の推進に当たりましては、国では、大規模災害時の広域的な通信網の確保の必要性ですとか、整備費用の節減といったことを目的といたしまして、無線の広域化あるいは共同化といったものを要請しているところでございます。
 本県におきましては、先ほど申しました県と各消防本部とのネットワーク化ですとか、あるいは盛岡など3消防本部による消防指令業務の共同運用の実施といったことで、これに対応してきているところでございます。
 このような本県のデジタル化に伴います取り組みが直ちに市町村の広域化と関連してくるものとは、現時点で認識をしておらないところでございますけれども、今般の3消防本部での指令業務の共同運用の成果等、これが今後の広域化ですとか共同化の検討というものに生きてくると考えてございますので、引き続き、関係市町村あるいは消防本部と連携して対応していきたいと考えているところでございます。
 それから、災害時、災害現場あるいは上空からの映像の関係でございますけれども、消防救急無線、先ほど申し上げましたとおり、消防の出場指令ですとかあるいは各種の連絡に主に用いられますので、ネットワークへの接続環境ですとか、あるいは送受信できるデータの容量が限られてございます。今回、デジタル化に伴いまして、比較的データ量の少ない写真ですとか映像の送受信は可能であろうと考えられてはいるんですけれども、災害現場からの映像をそのまま消防無線で送受信するというのはちょっと困難であろうと考えております。このため、災害現場あるいは上空からの映像等につきましては、市町村あるいは消防本部、広域振興局に整備しております県の衛星通信による防災行政情報通信ネットワークですとか、あるいは行政情報ネットワーク、こういうものを活用して情報共有に努めていきたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私は最初に、消費税と県税の問題についてまとめてお聞きします。
 一つは、消費税8%増税による県民の負担はどうなるのか。
 二つ目、法人県民税、これが8億9、200万円余の減額、自動車取得税が10億8、000万減額となっていますが、減少する理由は何でしょうか。
 三つ目、地方消費税の引き上げ分24億9、500万円は、社会福祉に8億4、500万円、社会保険に14億4、400万円、保健衛生に2億600万円配分されるという答弁がありましたが、これは純増となるのか。その結果、一般財源の支出が減るということはないのか、お聞きします。
〇小向税務課総括課長 まず、消費税8%増税時による県民の負担はどうかということでございます。
 平成24年度の地方消費税の実績額から推計した国、地方を合わせた消費税額のうちの家計負担分を平成26年2月1日現在の岩手県の世帯数で割った方法で推計しますと、1世帯当たり、年間、約6万3、000円の負担増と見込まれるところでございます。
 次に、法人県民税の、これは平成26年度当初でございますが、それが減るということでございますが、これは、平成25年度の収入見込みといいますか、当初の額が過大であったということ。当時、ちょっと経済動向等を見ながら、見込みを立てるときにはいろんな増要素、あるいはリスク、下がる要素というのを勘案しながらやるわけですけれども……(斉藤信委員「短目に答えて」と呼ぶ)はい、そういうことです。いずれ過大であって、その比較によって下がるということでございます。
 ちなみに、平成25年度の決算見込み額というのを今出しておりますけれども、それとの比較では、2.4%伸びている数値になってございます。
 次に、自動車取得税につきましてですが、消費税率引き上げに伴って実施されます自動車取得税率の引き下げというものがございまして、これによる減ということで43.7%下がるということでございます。
 それから、消費税率引き上げによって自動車取得税の影響ということがありますけれども、駆け込みとそれからそれの反動減というものがあるわけですが、平成25年度は、駆け込み需要による増分が約4、000万円と見てございまして、それから平成26年度の部分ですが、自動車取得税の税率引き下げ分、反動減でございますが、実は税率が引き下がっておりまして、この減のほうは3、000万円と見ての減でございます。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 消費税増税の引き上げ分の社会保障4経費に充てた内容でございますけれども、社会福祉関係8億4、500万円につきましては、障害者自立支援医療費あるいは児童保護措置費、それから少子化対策では保育対策等促進事業費、地域子育て活動推進事業費等に充てられてございます。
 それから、社会保険の14億4、400万円ほどでございますが、これは、医療では国民健康保険事業安定化推進費、それから後期高齢者医療療養給付費負担金等でございます。それから、介護の関係では介護保険給付費等負担金等に充てられてございます。それから、保健衛生の2億500万円ほどでございますが、これは、医療関係では救急医療対策費あるいは看護職員確保対策費、医師確保対策費、母子保健対策費に充てているところでございます。
 なお、純増となっているものではございません。
〇斉藤信委員 消費税で、家計負担分は世帯当たり6万3、000円ということでした。これは岩手県全体で総額幾らになるのか。
 実は、消費税というのは、消費税を導入以来、増税額が236兆円なんですよ。そして法人税の減税が208兆円。これは財務大臣がそう答えている。消費税増税したけれども、ほとんどが法人税減税でまともな増収にならなかった。現実に増収になっていません。私はそういう意味で、この消費税の増税というのは全く大義がないのではないか。
 それで財政課長、最後、大事なことをあっさり言ったけれども、純増とならないと。それは一般財源の支出が減るということですか。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 充実分等もございますし、それから例えば社会福祉関係でございますが、少子化で保育対策等促進事業費3億円ほど県で事業がありますが、これは皆増で事業がふえているところに充ててございます。(斉藤信委員「税務課総括課長、答えて、全体総額」と呼ぶ)
〇岩渕誠副委員長 税務課総括課長、答えられますか。
〇小向税務課総括課長 324億1、000万円ほどでございます。
〇斉藤信委員 ちょっと財政課総括課長の答弁もかみ合わないんだけれども、時間がないので進みます。
 地域の元気臨時交付金は108億6、300万円余が交付されますが、私は県の医療、福祉、教育などに積極的に使われるべきだと思いますが、どういう活用状況になっているでしょうか。主なもの、全体の配分額も簡潔に示していただきたい。
〇佐藤参事兼財政課総括課長 地域の元気臨時交付金でございますが、平成26年度当初予算におきましては52億9、000万円活用してございます。
 その主な活用充当先でございますが、医療関係には16億1、900万円余ということで、主な内容は、医療機器整備15億2、000万円、いわてリハビリテーションセンターの機器整備等に9、900万円ほど入れてございます。それから、福祉関係では8、300万円弱ということで、これは療育センターの整備の財源に3、800万円ほど充ててございます。それから、教育関係では4億2、300万円余ということで、これは施設整備費として花巻清風支援学校特別教育棟の整備であるとか、それから、特別支援学校のトイレ改修、こういったところにも活用させていただいてございます。その他でございますが31億6、400万円余ということで、いわて花巻空港ターミナルビル機能向上事業ということで10億9、500万円、それから、交通安全施設整備事業ということで11億円等となってございます。それから、108億6、300万円ほど交付されてございますが、平成25年度にも36億円弱を充当してございまして、これまでに88億円余が充当されてございます。今後、活用可能額につきましては19億7、700万円余となってございまして、これらは広く県民に還元されるような施設整備に充てたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 次に、防災対策についてお聞きをします。
 釜石市や陸前高田市、大槌町などで、犠牲者の多かった地域でそれぞれの事情、目的が違いますけれども、検証作業、検証報告書案などが出されています。やっと被災地もそういう検証に取り組むことができたということですが、私は県の防災対策に生かすべきと考えますが、どういう課題、教訓が提起されているのか。
 二つ目、広域防災拠点整備事業について、全体の計画と来年度の整備事業の中身について示していただきたい。
 三つ目、地域防災強化プロジェクト事業の成果と今後の取り組みはどうなっているでしょうか。
〇佐藤総合防災室長 まず、市町村における検証作業についてでございますが、沿岸の市町村では、今、検証作業途中であったり、パブリックコメントをやったりというところもございます。結果がまとまったところもありますが、まだ未公表というところもございます。そうしたところを今情報収集しているところでございまして、被災市町村の検証作業では、事前の対応から災害発生後の対応まで多岐にわたる項目を設定して、アンケートなどを実施していると聞いております。
 今後、被災市町村における報告書が示された段階で、県として防災対策に反映すべき事項を精査しまして、県の地域防災計画等の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、広域防災拠点についてでありますが、この素案では、県内で発生する全ての災害に対応できるよう、全県拠点としての広域支援拠点を盛岡・花巻エリアに、それから警察、消防、自衛隊等の支援部隊が集結する後方支援拠点を二戸、葛巻、遠野、北上と、四つのエリアに配置する案を提示したところでございます。現在、この内容についてパブリックコメントを実施し、年度末にかけて配置計画を策定しようとしているところでございます。
 来年度の事業内容につきましては、衛星携帯電話を2台配備したいと考えております。また、米、水、毛布、簡易トイレ等、それらの備蓄を進めたいと考えているところでございます。
 次に、地域防災力強化プロジェクト事業の成果等につきましては、今年度、県教育委員会と連携いたしまして防災教育教材を作成したほか、防災サポーター制度を活用しまして35名の防災サポーターを登録し、研修会に9回派遣しております。そういったことで、住民の防災意識の高揚、自主防災組織の育成に成果があったと考えております。
 また、昨年度から実践的な訓練としております総合防災訓練につきましては、今年度初めて久慈市を中心としました複数市町村で広域的な訓練を実施し、1万人が参加したというところでございます。こうした取り組みによりまして、自主防災組織の組織率が上昇するなど、一定の成果があったところでございますが、一方で、県民の防災意識というものが時間の経過とともに低下するという傾向もございますので、引き続き、取り組みを進めていく必要があると考えております。
 こうしたことから、来年度は、自主防災組織の育成や訓練の実施など、さらに強化して取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、原発放射能汚染対策について質問します。
 一つは、損害賠償請求の取り組みは直近でどうなっているのか。どの請求額にどれだけの賠償額となっているでしょうか。
 県、市町村、一部事務組合はADR―原子力損害賠償紛争解決センターに訴えを起こしましたが、その取り組みはどうなっているでしょうか。
 来年度の予算にもありますが、放射性物質除去・低減技術実証事業費880万円、これは今年度もやられていますが、これまでどういう実績があって成果があったのか、示していただきたい。
〇渡辺放射線影響対策課長 まず、原発事故に係る損害賠償請求の取り組みでございますが、原子力発電所事故に係る損害につきましては、一義的に東京電力が責任を負い、被害の発生に即した損害賠償を行うべきものとして、これまで、市町村や関係団体と密接に連携して対応してきたところでございます。
 民間賠償につきましては一定の進展が認められますが、風評被害など十分な賠償が実現していない点もあり、積極的に今後支援してまいりたいと思ってございます。
 次に、自治体損害についてですが、東京電力は、原則として政府指示などに基づいた負担を余儀なくされた費用などのみを賠償対象としてございますので、賠償金の支払いが一部にとどまってございます。その合意に至っていない平成24年度までの損害について、平成26年1月23日に原発ADRに和解仲介の申し立てをしたところでございます。
 具体的な支払いの状況でございますけれども……(斉藤信委員「簡単でいいぞ」と呼ぶ)
 損害賠償の実績でございますけれども、県が今まで支払い実績といたしまして、1月末現在で27億2、500万円余となってございます。市町村、広域連合それぞれ今動いてございますけれども、市町村が1、780万円余、広域連合が100万円余ということになってございまして、まだ市区町村と広域連合などにつきましてはなかなか進んでいない状況にございます。
 次に、ADRの申し立ての状況でございますが、先ほど申しましたとおり、1月23日に県は6億3、200万円余につきまして、これ以上、直接交渉だけでは具体的な進展は困難との判断に至り、24の市町村と協調して申し立てを実施したところでございます。
 年度内にさらに11団体が申し立てを行う予定でございまして、今後、県と35市町村などの一体的な審理が行われる見込みとなってございます。
 県といたしましては、これまで、県及び市町村が自主的に取り組んできた放射線影響対策についても、県民の安全・安心など確保するために、必要かつ合理的なものとして賠償すべきものであるということを主張してまいりたいと思ってございます。
〇岩渕誠副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇渡辺放射線影響対策課長(続) 申しわけございません。
 次に、放射性物質除去・低減技術実証事業でございますが、当該事業は、市町村の課題に対応して具体的な技術の収集、試験に取り組んできたものでございまして、現在、市町村で大きな問題となっておりますのは、放射性物質に汚染された廃棄物の除去でございます。今年度につきましては、道路側溝汚泥などについて重点的に取り組んできたところでございますが、現在の動きといたしまして、県南の汚染状況重点調査地域の市におきまして、御努力によって、実際に道路側溝汚泥を引き上げる段階になってございます。その際に、試験研究機関に持ち込んで、濃度の測定していたのではとても効率的にできないということで、現地で簡易的な測定方法によってセシウム濃度の推定する方法を開発いたしました。また、一時置き場に減容化して持ち込むことによって効果的に保管ができますので、セシウムを含んだ汚泥の減容化、セシウムをそこにとどめたまま水を絞り出すことのできる土のうの実証もいたしまて、この二つの技術については、実際に今両市で活用を検討していただいているところでございます。
 また、来年度以降といたしましては、今年度、原木シイタケのほだ場の環境改善に取り組もうという動きがございますので、落葉草の除去の技術も収集してございます。来年度につきましては、その分の技術について実証してまいりたいと思ってございました。
〇斉藤信委員 質問通告しているのだからきちっとやってほしいんだけれども、JAや森林組合、漁協等の請求額は298億円、それに対して支払い額は今239億円で80.2%と。私が変わって答えて……。
 次に、旧盛岡短期大学跡地の問題についてお聞きをします。
 庁内での利用希望調査の結果と利用案はどうなっているか。地域住民の要望、盛岡市の対応はどうなっているか。今後の県の検討と対応についてどうなっているか示していただきたい。
〇及川総務室管理課長 旧盛岡短期大学跡地に係ります庁内の利用希望についてでございますが、昨年1月に、県による公共的な利用につきまして庁内の利用希望調査を行った結果、総務部、保健福祉部、教育委員会の三つの部局から利用希望が出されたところでありますが、その活用案の内容につきましては、各部局における事務レベルの構想段階の内容でありまして、今後、内部検討に時間を要する状況にございます。
 次に、地域住民からの要望等についてでございますが、昨年6月に、旧盛短跡地利用促進期成同盟会から盛岡市に対しまして、旧盛短跡地は、城南地区の防災あるいは地域活動の拠点として活用できる最適地であることから、市が敷地を確保して地域活動の拠点施設を順次整備してほしいという要望がありまして、現在、市におきまして、市として何ができるのか、引き続き検討している状況と伺っております。
 今後におきましては、県や盛岡市による公共的な利用につきまして、庁内関係部局との協議、そして期成同盟会から要望を受けました盛岡市と引き続き情報交換を行いまして、そして、市の検討状況等も踏まえながら、跡地の利用方針について検討してまいります。
〇斉藤信委員 旧盛岡短大跡地というのは、中心部に残された本当に貴重な土地なんですね。地元からも大変強い要望があって、私だけではなく、福井委員も軽石委員も、地元に3人の県議会議員もいますので、ぜひ慎重な検討をしていただきたい。
 最後です。55歳昇給停止による賃金引き下げが今回提案をされています。1人当たりでは平均どのぐらいの減収になるのか。総額ではどのぐらいの減額か。この間の賃金引き下げ総額と地域経済への波及効果についても示していただきたい。
 県職員の賃金は、1人当たりで、この10年余でどれだけ減額されてきたか。
 二つ目。今、復興事業で大変予算もそして事業もふえていますが、この5年間、県職員1人当たりの超過勤務手当はふえているのかどうか、その推移を簡潔に示していただきたい。
 最後ですが、私は、大震災津波の復興に献身的に取り組んでいる県職員のこういう賃下げというのは復興に逆行すると、待遇改善こそ必要だと。これは今、岩手県に例えば任期つきで派遣されている人たちの待遇を含めて私はきっちり対応すべきだと思うが、いかがでしょうか。
〇大槻人事課総括課長 昇給制度の見直しの関係についてでございますが、昇給制度の見直しに伴う1人当たりの影響額でございますが、55歳ということで総括課長級の職員をモデルに、良好な成績で勤務した場合の昇給等なかった場合のものとして試算、比較させていただきますと、給料月額で1、600円、期末・勤勉手当を含めた年間の合計で、平成26年においては2万6、000円程度となると見込んでございます。なお、同様のモデルで、御質問のあった退職までの5年間で試算させていただきますと、退職手当を含めて76万円程度の減と試算されるところでございます。
 それから、この間のというお話でございましたが、平成15年以降の話でよろしゅうございますでしょうか。(斉藤信委員「はい」と呼ぶ)
 平成15年以降における給与改定及び給与の減額措置による各年度の減少額について単純に累積させた場合のお話でございますが、この間で約224億円と試算されます。この金額をもとに地域経済に対する波及効果として産業連関表を用いて試算いたしますと、これもこの間の累計になりますけれども、352億円程度になるものと見込まれてございます。
 また、平成15年度の年収額と今年度の7月からの給与減額を反映した年収額について、当時の40歳、主査級の職員と現在の40歳の主査級の職員をモデルに比較させていただきますと、約69万円の差があるものでございます。
 それから、2点目でございます。超過勤務手当の関係でございました。
 平成20年度から平成24年度の過去5年間の超過勤務手当額につきましては、各年度の決算額で申し上げますと、平成20年度は10億5、700万円、平成21年度は9億6、800万円、平成22年度は13億2、800万円でございまして、この平成22年度の最後の1カ月のところが大震災があったところでございます。それから、平成23年度は15億3、500万円、平成24年度は13億2、300万円となってございます。また、今年度―平成25年度につきましては、2月補正現計予算額でございますが、14億5、800万円となっているところでございます。震災以降、若干の増になっております。
 最後に、職員の待遇改善というふうなお話でございました。
 特にも沿岸部に勤務する職員にあっては、内陸部での勤務とは異なって、住環境も含めさまざまな負担があるものと認識しております。仮設公舎の新築や職員互助会を活用した職員公舎への備品の整備をこれまで行ってきたところでございます。
 また、単身赴任に伴う経済的負担の軽減の観点から、人事委員会規則の改正をお願いいたしまして、単身赴任手当の加算額の改善も措置させていただいたところでございます。
 加えて、職員が心身ともに健康であることが何よりも大事でありますので、発災以来、メンタルヘルス対策には力を入れているところでございまして、地方公務員災害補償基金の事業を活用して、臨床心理士によるカウンセリング事業、それからメンタルヘルスセミナーなど、特にことしにつきましては拡充して取り組んだところでございます。引き続き、職員の負担軽減、勤務意欲の確保に向けましてさまざまな視点から取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで本当に終わりますが、55歳の昇給停止で5年間で76万円減収すると。総括課長級は調整手当も減額になっているんですよ。この復興のさなか、本当に減額に減額を重ねている。私は、こういう賃下げの悪循環というのは見直すべきではないのかと。
 この10年間だけ県職員の平均的な給与の減額を聞きました。69万円と。15年以上賃下げが続いていますから、さかのぼればもっと減収していると私は思うけれども、本当にこういう賃下げの悪循環というものに歯どめをかけておかないと、地域経済波及効果も352億円というんだから、この10年間で。本当にそういうことは今、見直すべきだと。
 超過勤務手当は、1人当たりでも確実にこれはふえていますね。そのことだけ聞いて終わります。
〇大槻人事課総括課長 端的に申し上げますと、今年度につきましては、2月補正現計予算額を用いて1人当たりの超過勤務の試算してみますと大体42万9、000円となるところでございまして、平成24年度は、これは決算数値でございますが40万5、000円ということで、アップしてございます。
〇小野寺好委員 防災ヘリコプター更新整備費50万円について伺います。
 現在のひめかみなんですけれども、老朽化が進んでいるという記述なんですが、このひめかみは、いつ、幾らで、どこのメーカーから買ったんでしたかお示しいただきたいと思います。
〇小畑防災消防課長 現在の防災ヘリコプターでございますけれども、平成8年3月、米国社製のベル412という型式のヘリコプターを購入してございます。購入費用は6億3、746万7、000円でございます。
〇小野寺好委員 今、6億3、000万円と聞きましたけれども、さっきの債務負担行為のところで22億円と書いてありましたが、この違いは何でしょうか。
〇小畑防災消防課長 明確な差というのはございません。ございませんというのはあれですけれども、最近の他県の同様の機種の購入実績、あるいは想定している機種のメーカー等の見積もり等で現在そのような価格になっているところでございます。
〇小野寺好委員 矢巾町に配備されていますドクターヘリの場合は、機体本体と操縦士、整備士、リースのために、定期点検のときは別なものが来ると。そういったことで、ああ、なるほどなと思うんですが、購入するのとリースとの比較はなかったんでしょうか。
〇小畑防災消防課長 今回の防災ヘリコプターの更新につきましては、現在のひめかみと同様、他県の防災ヘリコプターもそうですけれども、県が購入するということにしてございます。これは、交付税措置が有利な緊急防災・減災事業債ですか、交付税算入70%になっていましたけれども、こちらを導入するということでございまして、リースですとこの事業債が活用できないということですから購入としているところでございます。
〇小野寺好委員 購入費用だけではなく、今言ったように点検のときには別なものが宛てがわれるメリットとか、そういったところまでは比較しなかったんですか。
〇小畑防災消防課長 現行ひめかみのこれまでの修繕費が7億円ぐらいとなってございます。そういうことを考えますと購入したほうが現在は有利だというふうに考えたものでございます。
〇小野寺好委員 だから、お金のことだけではなくて、ロスみたいな、そういったブランクのところを埋め合わせるような、そういったことも考えなかったんですかという質問です。
〇小畑防災消防課長 申しわけございません。現行のひめかみにつきましても定期点検等で運航を休止する場合がございますけれども、その場合は、基本的には関係8道県等で応援協定を結んでいまして、そちらのほうで対応いただくというようなことが1点と、長期にわたるときは代替機を借り上げしまして対応しているところでございます。
〇岩渕誠副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後7時21分 散 会

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