平成25年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成25年11月25日(月)
1開会 午後1時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1参考人
  前山田町長    沼 崎 喜 一

  前沿岸広域振興局
  副局長      菊 池 正 佳
〇工藤勝子委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。
 熊谷泉委員は欠席とのことでありますので、御了承願います。
 及川あつし委員から、前山田町長の沼崎喜一氏への質疑に関して関連する資料を配付したい旨、あらかじめ申し出がありました。また、飯澤匡委員から、前沿岸広域振興局副局長菊池正佳氏への質疑に関して関連する資料を配付したい旨、あらかじめ申し出がありました。お二方からの申し出のありました資料は同じものでありますが、当職においてこれを許可の上、お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 〔参照〕 配布資料(PDF形式)
 これより議事に入ります。
 認定第1号平成24年度岩手県一般会計歳入歳出決算を議題といたします。
 本日は、岩手県の補助を受け、山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業について、参考人の出席を求め質疑を行います。
 参考人に対する質疑に関する議事運営上の留意点について申し上げます。
 まず、傍聴人の定員についてでありますが、傍聴人の見込み人数から判断し、10人とすることといたしましたので、御了承願います。
 次に、本日の参考人に対する質疑については、岩手県の補助を受け、山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業について慎重に審査を行うため、前山田町長である沼崎喜一氏、前沿岸広域振興局副局長である菊池正佳氏からお話をいただくよう御協力を願ったものでありますので、この趣旨を踏まえ、参考人への質疑につきましては十分御配慮なされますようお願いいたします。
 次に、参考人に対する質疑につきましては、お手元に配付してあります質疑通告に基づく議事進行表により順次発言を許しますので、御了承願います。
 また、各委員におかれましては効率的な質疑に努められ、議事進行に御協力をお願いいたします。
 それでは、参考人としてお招きしております前山田町長沼崎喜一さんを御紹介いたします。
〇沼崎喜一参考人 沼崎です。よろしくお願いします。
〇工藤勝子委員長 沼崎さんにおかれましては、お忙しいところ御出席くださいましてありがとうございます。審査に御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 これより質疑を行います。順次発言を許します。
〇嵯峨壱朗委員 自由民主クラブの嵯峨壱朗でございます。
 前山田町長の沼崎様には、御多忙の中、この岩手県議会の平成24年度一般会計決算特別委員会に参考人として御出席いただき、大変ありがとうございます。感謝申し上げます。
 また、前町長本人も被災され、現在でも応急仮設住宅に住まわれているということで、不自由な生活をされているわけでありまして、改めて心よりお見舞い申し上げます。
 御承知のとおり、平成24年度岩手県一般会計決算は、現在、継続審査中であります。県社協によります障がい福祉サービス復興支援事業業務委託の不適切な事業執行といった問題もありました。また、その継続の主な理由は、今回の対象となっておりますが、緊急雇用創出事業の山田町及びその委託先のNPO法人大雪りばぁねっと。の不適切な、極めてずさんな事業執行に係るものであります。
 県議会といたしましては、適切な決算審査に不可欠な本事業の事実の全容解明が必要とされるということで、今回、沼崎氏に参考人として御出席願ったわけであります。よろしくお願いいたします。
 順次質問させていただきます。
 初めに、NPO法人大雪りばぁねっと。を沼崎さんが知るきっかけとなったのは何だったのかお尋ねしたいと思います。この山田町議会の聞き取りの調査、また、第三者調査委員会の報告書等を見ますと、岡田氏によりますと、県に問い合わせして、国にも問い合わせしたようでありますが、そして県社協を紹介されて、その県社協から山田町を紹介されたということを申し述べておりますけれども、実際、知るきっかけはどうだったのかお尋ねしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 NPOが災害対策本部を訪問した際に、町の社協のほうに最初に訪問したようでございまして、災害対策本部のほうに御案内をお願いしますということで、私のもとに社協の事務局長が案内してまいりました。その際に、県と県社協からの紹介によって山田町に来たというお話だったと記憶しております。
〇嵯峨壱朗委員 県と県社協からの紹介という認識だということでありますけれども、直接、3月27日に初めてお会いしたのでしょうかね、そのときの印象はどうだったのかお尋ねしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 委員御指摘のとおり、3月27日でございます。その際、大雪りばぁねっと。のメンバーは3人だったわけですが、私のほうから、活動分野としてはあなたたちは何ができるんですかという御質問をしたところ、自分たちは、大雪りばぁねっと。という名前の由来もそうなんだけれども、水難救助が専門だというお話でございました。私どもとすれば、その時点で一番深刻な問題は行方不明者の捜索であります。したがって、ぜひお願いしたい、私とすれば即決に近い形で、この人たちの力をかりたい、そういう判断をしたわけでございます。
〇嵯峨壱朗委員 当時は、どの被災者もそうでしょうけれども、とにかく行方不明者を捜索しよう、そして避難所の運営も含めて、そういったことで混乱していたと思うんです。それは本当にそうだと思います。ですから、いろんな通常ではやらなければならないことができなかったのも事実だと思っております。
 そこで、5月2日でしたか、県と県社協と、あともう一人、NPO関係者の3者が出向いて、このNPO法人の事業運営について指摘があったという話を聞いておりますが、どのような指摘があって、どう対処されたのかということをお聞かせ願いたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 5月2日の話し合いの内容でございますが、発言のほとんどが、同行された県、NPOの方からでした。その指摘された内容は、大雪りばぁねっと。の活動経費もボランティアセンターの経費として請求されている、NPOの活動は自己資金でなされるべきである、このままでは町社協の活動補助費を渡すことはできないというのが一つ。それから、岡田氏がボランティアセンターの指揮をとっているのは町社協のルールから逸脱しているので町で指導してほしい。そのほかトラブル云々の話もあったと思いますが、柱とすれば、以上の2点だったと記憶しております。
 私からは、同行されたNPOの方の身分が確たるものとして理解できなかったものですから、あなたは何の立場で町を指導されているのですかと質問しました。これに対して、県内のNPOの活動を調整するコーディネーターとしての立場だとの回答だったので、同席していた県の課長に対して、これは県としての指導ですかと質問したように記憶しております。それに対する回答はございませんでした。申し入れに対して、町のほうからは、ボランティアセンター経費等運営のあり方については、御指摘については私も理解できましたので、御指摘を踏まえて山田町の社協と協議していきたい、つまり善処したいというお話をしております。
 それから、その際に、山田町のボランティアセンターについては、町の社会福祉協議会の役職員も多くが被災し、立ち上げることができなかったので、県の社協にお願いした。しかし、県の社協もやってはいただけなかったと聞いている。そこで、やむを得ず大雪りばぁねっと。に要請してようやく立ち上げた経過があるので、それについては理解していただきたいと申し上げました。その際、県の社協の方から、長期にわたる話なので、混乱期は仕方がないという趣旨の発言がなされたと私の記憶にございます。
〇嵯峨壱朗委員 その際、県の担当の方も聞かれたということですけれども、これは、当時の地域福祉課総括課長でしたかね、これについての発言等が何かあったのでしょうか、記憶にあればお聞かせ願いたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 ちょっと手元には資料がないんですが、多分、その際に全く無言ということではなくて、県の課長の立場でも大雪りばぁねっと。とは何回か会ってお話はしたという趣旨は聞いたようには記憶しておりますけれども、ただ、これこれで大雪りばぁねっと。に問題があるので、彼らを排除しなさいという趣旨のお話は一切なかったと記憶しております。
〇嵯峨壱朗委員 その後ですけれども、平成23年12月28日に宮古地域振興センターのほうから、一連の御蔵の湯とかの問題が出てきた以降だと思うんですけれども、NPOの運営の仕方に、例えば領収書もないとか、伝票の処理もうまくされていないとかという形の指摘があったと思うんですけれども、もし記憶にあればですけれども、指導内容とか、それを受けて山田町で何らかの対応をしたのかということもお尋ねしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 ちょっと経過がよくわからないんですが、それは県社協から山田町への指導という意味でしょうか。
〇嵯峨壱朗委員 我々に、きょうの資料でもって当時の宮古地域振興センターの担当の復命書の写しがあるんですけれども、それが12月18日と3月16日の2回されているんです。
 そこで、前町長は参集者になっておりませんので、恐らく、この場でどういうことがあったかということはわからないと思うんですけれども、報告があったのではないかと思ってお伺いしたわけであります。ここでは、12月18日の時点で、極めて不適切だという指摘を宮古地域振興センターの担当の方がしております。その後、2月に改めて補正が決められたわけですけれども、3月16日にも全く改善されてないという同様の指摘があって、どうなっているんだということで、我々もこの復命書を見て驚いたところでありました。こういったことの指導があったのであれば、山田町としても何らかのことをしていたのかなと思ってお伺いしているんです。ただ、前町長は実際はここに出ていないので、どういう形に伝わっているのかわかりませんけれども、もし記憶にあるのであれば、お聞かせ願いたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 今の点については、後で別の方の質問要旨にもあるようでございますが、私とすれば、県からの指導文書は見ておりませんし、県から町に対する文書として出たような経過はないのではないかと私は理解しております。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。
 それでは、次に入りますが、平成23年5月に県のほうから緊急雇用創出事業の委託の打診があったわけでありますけれども、その際、まだまだ混乱の中ですから、山田町としては対応は不可能だという趣旨のことを伝えたと述べておりましたけれども、どのような経緯で受託することになったのかお尋ねしたいと思います。また、御蔵の湯のような大規模設備事業が当該事業に該当すると、本当に前町長自身も当初から思われていたのかという点もお聞かせ願えればと思います。
〇沼崎喜一参考人 御指摘のとおり、あの当時、県のほうから、そのとき県で雇用していた人たちを、町のほうで新たに事業を起こして引き受けていただけないかという要請があったと聞いております。ただ、当時の状況というのは、町の職員はそれぞれ避難所に張りついたり、あるいは物資の輸送、受け入れ、もう戦力がほとんどない状況でございましたし、一方では、あのような状況の中で一日も早く日常業務を立ち上げなければならない。電力も来ていませんし、通信も途絶していますから、そういった状況の中でも頑張っています。ですから、緊急雇用創出事業があり、予算があるといっても、町の職員がその任に当たるわけにいかないというのが実情でございました。それで、一旦お断りはしたと聞いておりますけれども、やっぱりそれは県側の事情も多分あっただろうと思います。再三の要請によって、県がその事業をやっていたものを、県ではなくて山田町が新たに緊急雇用創出事業を起こして、そこで吸収したという経過だと私は理解しております。
〇嵯峨壱朗委員 了解しました。
 御蔵の湯ですけれども、これが、要綱等から見ると、50万円以上の物は買えないとか、そういった文書がある中で、私が見ると、どう見ても該当しそうにないんですけれども、沼崎さんも、ごらんのような大規模設備事業が出てきたときに、これが緊急雇用創出事業に該当すると本当に当初から思ったのかということもお伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 この点については、たしか、第三者調査委員会でも質問があり、お答えしたと思います。リースで仮設の公衆浴場ができるのかという部分については、最初私も、説明の際に、起案書ができて私の決裁が来たときに質問したわけです、大丈夫かと。例えば、つくるときはそれであるいはいいかもしれないけれども、じゃ、解体をどうするんだとか、そういうやりとりをした記憶がございますが、その際に、いわばこの仕組みについては事前に県と協議をしているといったことで、今の制度下でもそれは可能なんだという担当からの説明がありましたので、わかりましたということでこの事業がスタートしたという、私の理解はそういうことでございます。
〇嵯峨壱朗委員 恐らく、担当が県とそういった打ち合わせをした結果、可能だということであれば、そうかということだったのでしょう。実際にこんな立派な大きな施設ができるとは思わなかったという県の方々のお話もあるようですし、本当に当初から思っていたのかなというのは私もずっと疑問だったんです。
 ずっと経緯を受けて、これは本当に可能だと。我々が調べていると、宮古地域振興センターのほうで県の本庁に問い合わせた場合には、これは該当しないという結論を出したという話を聞いています。では、沿岸広域振興局でどうしたかというと、そうじゃないという。県のほうのそういった結論とか判断を記憶にございますか。どうでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 私どもから見れば、県の本庁であるのか、沿岸広域振興局であるのか、宮古地域振興センターであるのか、それは余り関係ない話なんですね。私たちが指導を受けるのは岩手県としての組織からの指導だと理解しているわけです。常にそうです。ですから、それは沿岸広域振興局でやったからとか、宮古地域振興センターでやったからとか、本庁は関係ないというのはあり得ないと思います。
〇嵯峨壱朗委員 そのとおりですね。了解しました。
 まだまだありますけれども、残り少ないんですけれども、この後、高橋孝眞委員に質問を譲りたいと思います。よろしくお願いします。
〇高橋孝眞委員 沼崎前町長には、おいでいただきまして大変ありがとうございます。
 嵯峨委員に引き続きまして質問させていただきます。自由民主クラブの高橋孝眞です。
 今回のこの委託事業につきましては大変大きな事業だと思うわけでありますけれども、最終的には役所内でどういう立場の方々で協議をされながら決定されたのかについて、最初にお聞きしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 緊急雇用創出事業については、町が予算化する前に全て県との協議が必要なわけです。ですから、県との協議を経てこの事業はオーケーだ、あるいはこの財政規模といいますか、予算規模でオーケーだということがあります。ですから、私のところに決裁で上がってくる事前のその段階でそれぞれ担当者同士が協議をして、この計画であればオーケーということを受けた上で町としては決裁文書をつくるという、私とすればそういう理解でございますから、特に問題はなかったのではないかと思っております。
〇高橋孝眞委員 今回の要領、要綱を見ますと、山田町に最終的に責任があると私は思うわけでありますけれども、その山田町ではなくて、県と協議を常に重ねなければいけないと最初から考えてこの事業を取り組んだということになるわけでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 町の立場とすれば、事業は町ひとりの意思だけで決められるものではないわけです、その仕組みが。ですから、私たちが進めた事業というのは、その事前協議の中で県も了解し、県のゴーサインがあって事業に着手したと。我々が案をつくって議案をまとめて、予算案をまとめて町議会に提案をして、そこで議決していただいて初めて成立するわけですから、そういう経過はちゃんとそれぞれの段階で経ていると思っております。
〇高橋孝眞委員 もう一つですけれども、山田町のボランティアセンターが開設されまして、B&G海洋センターが改修工事をされましたけれども、改修工事等につきましては、いつの時点で前町長は知ったのでしょうか、お願いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 改修工事の全容については、実はあの問題が発覚した後で報道を通じていろんなものが出てきたわけです。隠し部屋がどうだとか、いろんなものが出てきました。私の場合は、御指摘のように、どういう形で改修されたのか、その事業の全容というのは、その時点で、ああ、こういうものもあったのかというのは後で知るということになりました。
〇高橋孝眞委員 最初からはわからなかったということなんですかね。それはそれとしまして、もう一つ、第三者調査委員会の報告書の中身でありますけれども、平成23年度末に法人は破綻していたという項目がございます。破綻状態をなぜ県の完了検査で見抜けなかったのか。県の対応の甘さも問題である。平成23年度の未払い金を精算するための資金が預金口座に残っているかを調べなかったのか。この時点で破綻を見抜いていれば、平成24年度に傷口を深くすることを防げたはずであるとあります。この点について、県の対応についてどのように考えられるでしょうか、お願いします。
   〔「通告は」と呼ぶ者あり〕
〇高橋孝眞委員 してない。
   〔「してなきゃだめですよ」と呼ぶ者あり〕
〇高橋孝眞委員 済みません。
 それでは、今回の事業につきましての現時点での所感をお願いして、質問を終わります。
〇沼崎喜一参考人 それでは、申し上げたいと思います。
 町としては、緊急雇用創出事業を可能な限り拡大し、被災者の就労を一人でも多く実現させたいとの一念から職員には知恵出しを求めてきたものであります。国からは直接首長あてに文書が届き、県としても緊急雇用の拡大を各市町村に求めていたはずであります。そのような背景の中で本事業が進められ、150人にも及ぶ被災者が雇用されることとなりました。
 予算の策定に当たっては、当然県の査定を受け、了承いただいておりますから、私としては、本事業は県の指導のもと、県、町一体となって進められてきたと考えます。しかし、NPOの不正経理によって、結果として山田町民、岩手県民の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけすることになりました。当時の責任者として深くおわび申し上げたいと思います。まことに申しわけございませんでした。
〇高橋孝眞委員 大変ありがとうございました。終わります。
〇及川あつし委員 いわて県民クラブの及川あつしと申します。きょうは会派を代表して前町長に御質問させていただきます。御協力をよろしくお願い申し上げます。
 まず、沼崎前町長には、今回の世間の耳目を集めているこの事案についていろいろお聞きしたいわけでありますけれども、時間の制約上、県との協議の経過について特にお伺いしたいと思ってございます。
 私が今一番懸念しておりますのは、自治体同士の間で公金の返還について係争が起きても、審査機関に該当するものがありませんので、今の状況が続いていくと訴訟等が惹起される可能性も排除できないと思っておりまして、参考人には、ぜひ真実についてできるだけお知らせいただきたいと思っております。
 きょうの質問に当たりましては、山田町議会からやまだ議会だより号外が2回にわたって出されております。また、第三者調査委員会の報告書などさまざまな文献や、現地にもお邪魔しましていろいろ伺ってまいりまして、その中身について伺いたいと思います。
 まず、4月15日にやまだ議会だよりが発行されて、写真で大きく、問題の発端となった御蔵の湯が掲載されております。金額ベースでいっても、この事案が大雪りばぁねっと。の問題の過半を占めると思われることから、この点について伺いたいと思います。
 まず、参考人は町議会の調査特別委員会の中で、御蔵の湯の設置経過について、このように述べております。構想は町にあったが、町ではやれないので、その手法については、NPOと県と町で連絡をとり合いながら、結局NPOでやることになったと思っていると発言されております。御蔵の湯について、結局NPOでやることになったとはどういう意味なのでしょうか、具体的な事業の経過概要についてお知らせいただきたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 最初は、アイシン精機から、発電もできる、あるいは関連してお湯もつくることができるという装置があるので、ぜひこれを被災者のために使いたいという申し出がございました。他の自治体でなかなかそれは使えないということで受け入れてもらえなかったようでございますが、私どもとすれば、ちょうどその時期、公衆浴場も1軒も残っていない、それから、だんだんに仮設住宅が建設されて、避難所から仮設住宅のほうに移っていくということで、自衛隊が設置した仮設の浴場も撤去される、そういう状況の中で何としても公衆浴場が欲しい。そういうさなかにアイシン精機からの申し出があったので、大変ありがたい、これを生かしていこうということで、まずそれを決めたわけでございます。ただ、その手法、スキームについて、最初から今問題になっている御蔵の湯ということがあったのではなくて、それを進めるためにはどういう知恵があるか、お互いにみんなで勉強してみようということでございます。その後、それぞれ知恵を出した結果、再三申し上げているように、県のほうの判断も仰いだわけでございますが、これは緊急雇用創出事業の中でリースであれば実現できる、そういう判断があって、御指摘のような事業が進んでいったという理解をしております。
〇及川あつし委員 今、参考人から県の判断も仰いだというようなお話がございました。その点について少し深くお聞きしたいわけでありますが、同じく調査特別委員会の中で、NPOの所有にできないのでリースという形になることと、運営上の経理面、この二つに不安を持った。しかし、いずれも県と協議済みであり、疑問点は解消し、自分からはだめだということはなかったわけで、決裁の印をついたと発言されていると承知しております。
 また、きょう、各委員に、委員長の取り計らいもあり、山田町内の決裁文書を2通配付させていただいておりますけれども、これを見ると、今、沼崎参考人がおっしゃられたように、県と随分協議してスタートしたのかなと、外形的には私もそういうふうに見える。
 そこでお伺いしますが、県と協議済みということはどういう意味なのでしょうか、具体的な県との協議経過についてお知らせいただきたいと思います。また、決裁文書をきょう配付させていただいておりますけれども、それ以外にも、当時、町長として岩手県と直接協議された経過もあるのかなと類推するわけですが、そういう経過等もあれば具体的にお知らせいただきたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 答弁が逆になりますが、私が直接、県のどなたかを含めて協議したということはございません。それで、何回も申し上げますように、決裁文書が私のところに上がってきて最終決裁になるわけですが、その際に、当然、担当から、疑問があれば質問して答えを得るわけですけれども、その際に私のほうからの質問に対して、担当のほうから、この件についてはリースというものも含めて県と協議済みだと、そういう担当者からの回答を私が得たということでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。前町長としては県と直接やりとりはしなかったということで確認をさせていただきました。
 現地にお邪魔しまして、情報源はもちろん秘匿いたしますが、いろいろ聞きますと、この御蔵の湯というものは、そもそも当時の沿岸広域振興局副局長が誘導してつくったんじゃないかという証言をされた方もいらっしゃいます。この点については参考人はどのように認識されておりますでしょうか。事実かどうか。事実とすれば、どの程度関与したのか、知っている限りお知らせいただきたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 先ほども申し上げたように、私どもが県の指導ということを言ってきているわけですけれども、これは、どなたか一個人ということではなくて、あくまでも県の組織として検討し、私たちを指導していただいたという理解を持っております。
〇及川あつし委員 参考人のもとにもきょう配られているいわゆる山田町内の決裁文書が二つあるかと思うんですが、確認のため伺いますけれども、この決裁内容については十分認識されて、そして決裁の印をされたということでよろしいですか。
〇沼崎喜一参考人 4月19日付の文書の中に、完了検査の結果、県が、今までやってきたことはだめだと180度覆されているわけですよね。これを認めれば町の事業としては大変なことになるということで、危機感を抱きました。こんなことがあっていいはずがないと思うわけです。したがって、担当者が集まって、どうするということで、もう一回、これは県のほうの、何といいますか、判断を仰ぐ、そういうお願いをしようという協議をした経過がございます。そういう記憶がございます。
〇及川あつし委員 わかりました。今のは大変に大事なポイントだと思いますので、今後の質疑に生かさせていただきたいと思います。
 通告しておりました4番目でありますけれども、通常、委託契約する場合は、町が仕様書とか指示というのを出して、それによって事業実施の詳細が決まっていき、適宜、指導、指示が行われると思っているんですが、今回については適切な指示等がなかったのかなというような感想を持ったわけですけれども、前町長については、どのような所感をお持ちなのか伺いたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 御指摘のとおり、委託契約に基づいて受託者が粛々と作業を進めていれば、当然問題は起きないわけでございますが、今回、先ほど私のほうからもおわび申し上げたように、大変御迷惑をおかけする形になったわけです。では、もう少し町の職員が、例えば現地に張りついてでも指導をすればよかったのではないかという御意見もございます。しかし、当時の一連の状況の中で、職員はそれどころの余裕がなかった。やるべき指示はやったと思いますが、結果を見て、それでは足りなかったからこうなったのではないかとおっしゃる方が多いんですけれども、やるべきことはやったようだけれども、しかし、力及ばずというのが実態だと、私はこのように考えております。
〇及川あつし委員 これまでのお伺いした中身の総括的な問いになるかと思うわけですが、当時の副町長であった佐藤さんや、当時の総務課長であった佐々木さんも議会の調査特別委員会で証言されておりますけれども、町とNPOの協議の中で県の同意を得て行ったんだとか、県の検査の結果で工事に当たると言われ、県と協議してゴーサインが出てやったことで、後で手のひらを返したような解釈はあり得ないと思っていると前副町長はおっしゃっております。当時の総務課長については、御蔵の湯の開所式では、県の振興局副局長の代読の中で、この事業は緊急雇用事業でつくったものと言っている。非常に残念だと。補助対象外ということで本当に腹立たしい気持ちであるが、現執行部からもそうした気持ちを伝えてほしいなどの発言もされており、もちろん、山田町自身の問題も踏まえながらの発言で、県に対してはこういう発言をしていて、ここについては我々県議会議員としても看過できないわけでであります。その意味で、御蔵の湯の事業について、山田町の責任等については先ほども参考人からお話を伺いましたので、改めて、御蔵の湯事業を含めたこの事案について、県の責任についてどのような認識なのか、参考人に所感をお伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 先ほども述べておりますが、本事業の推進につきましては、一人でも多くの被災者の期待に応えるべく雇用の拡大を図ってきたものであり、県の指導、支援があってこその事業であったと理解しております。したがって、県にも責任の一端はあると考えますので、町にだけ責任を負わせることには納得がいきません。
〇及川あつし委員 わかりました。
 それでは、その他の問題について伺いたいと思います。
 論点になっておりますそのほかには、B&G体育館にあるヘリポートについても争点になっておりますが、どのような経過で整備をされたのでしょうか。誰がつくって、また、事業費はどの程度かかったのかもお伺いしたいと思います。これについても当時の沿岸広域振興局副局長が誘導したのではないかというような話をされる方もいらっしゃいました。この点についても事実かどうかお伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 この点につきましては私に記憶がありませんでしたので、当時の担当課に調べてもらいました。結果としては、NPOから提案があったけれども、町としては拒否をしております。そういう経過でございます。それ以上のことはわかりません。
〇及川あつし委員 わかりました。この点についてはこれ以上伺いません。
 あとは、NPO法人大雪りばぁねっと。また岡田代表のいろんな派手な日常生活等についてもさまざまなメディアを通じて我々も知ることになり、これは本当かなというようなことも多々ございます。直近においても、報道によればですが、大雪りばぁねっと。の当時の職員の証言として、山田町の職員と北海道に研修旅行に行って、飲食もともにしたというような報道もございましたし、いろんなどんちゃん騒ぎの報道もございました。
 ここで参考人にお伺いしたいのは、当時の町長として、町の職員が岡田代表などのNPO関係者と飲食をともにしたことはあるでしょうか。その場合、通常の形態、割り勘ですが、そういうものによらない接待等による飲食の提供はなかったか、また、その場に岩手県の職員が同席したことがあるのかどうかについて伺いたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 行方不明者の捜索のため全国から潜水士などのボランティアが来町しているので、町長を紹介したいとのNPOからの提案があり、会議室で懇談したことが2回程度あると記憶しております。その際、各自、つまみや酒を持ち寄っていたと思います。県の職員は入っておりません。その他の役場の職員について、ちょっと私が知る限りではございません。
〇及川あつし委員 わかりました。
 最後になりますが、特殊高速ボートの購入ついて伺いたいと思います。
 NPOが平成23年度に購入した高速ボートは、通常、災害対応等の特殊部隊用のボートでありまして、NPOが入手できるようなものではありません。遺体捜索に特殊高速ボートが必要だったのでしょうか。ボート購入の際に、山田町の役場名義で前金が振り込まれているというインターネットの書き込みがございましたけれども、これは事実なのでしょうか。町の災害対策費用と当該事業が混同されて実施されていたのではないかとこの投稿からは読み取れるわけですが、この点について御存じの部分があれば伺いたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 高速ボートの購入につきましては、当初から事業計画にもございません。したがって、町がオーケーを出すということはあり得ないと思っております。インターネットについては、ちょっと私の知るところでは、そういうものがあるかどうかわかりません。
〇及川あつし委員 確認ですが、前町長として、当時、山田町の役場名義でこのボート購入の振り込みが前金としてなされたという事実があったかどうかについては認知してないということでよろしいですか。
〇沼崎喜一参考人 おっしゃるとおりです。
〇及川あつし委員 それでは、時間が参りましたので私の質問は終わらせていただきますが、いずれ、私も、今回の事案については大変に残念なことであって、全国の皆さんから被災地のためにという思いもあって進んできたこういう事業が、こういう結果になったということを非常に遺憾に思っております。ただし、この件については、いずれ、何らかのしかるべき決着をつけなければいけない問題でもありますので、適宜、参考人におかれては、今後の質疑の中で感じるところがあれば、さまざまな機会を通じて御発言をいただきたいということもあわせてお願い申し上げ、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
〇伊藤勢至委員 沼崎山田前町長には、御出席をいただきましてありがとうございます。
 私は、希望・みらいフォーラムの伊藤勢至でございます。
 早速、質問に入ります。
 被災直後というものはさまざまな方々からさまざまな申し出があり、混乱した状況の中で善悪の判断というものはなかなかつきかねる状況にあったと思っております。そういった背景を踏まえまして、まず、幾つかお尋ねいたします。
 本日は、国の緊急雇用創出事業に関し、山田町が委託しましたNPO法人大雪りばぁねっと。の予算使い切り問題について、やまだ議会だより号外1、号外2及び第三者調査委員会報告書は拝見しておりますので、重複しないようにお伺いしたいと思います。
 まず第1点でありますが、これはNPOとは直接の関係はありませんが、当該案件の背景にも関係してくるものでありますので、お聞きしたいと思います。
 山田町の復旧、復興に欠かせないこととして、発災当初から心配していたことがございます。それは地籍調査、国土調査の進捗についてであります。発災の年、平成23年4月1日現在、一番低いのが山田町の31.9%、2番目が宮古市の36%、次が大槌町の43.4%、そして釜石市の43.5%となっております。復旧、復興あるいは新しいまちづくりのネックになるものと思って心配しておりましたが、山田町ではなぜこのようにおくれていたのでしょうか、まずお伺いします。
〇沼崎喜一参考人 国土調査のおくれについては、ただいま委員御指摘のとおりでございます。その原因、理由でございますが、予算の制約と職員不足に尽きると考えます。また、進捗率の高い市町村をまず優先して完了させるという県の方針等もあったようで、重点配分をしたという結果も担当のほうから聞いておりますので、御理解をいただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 いずれ、市町村から要望が出なければ予算配分もあり得なかったということでありまして、これは、確かに選挙を打つ人間にしては華々しい政策ではないんですが、治にいて乱を忘れずという目線を持つべきだったと思います。
 次に、大雪りばぁねっと。の件でお伺いします。
 やまだ議会だより号外の中で、法人が山田町に来た経緯についてやりとりが載っておりました。遺体捜索の経験があるということは、言葉は悪いかもしれませんが、まさに地獄に仏、渡りに船というような気持ちで受け入れたものと思います。実際に23体の遺体を収容しておったわけであります。
 一方、山田町の震災発災以前の一般会計の当初予算額は71億8、768万円で、財政調整基金は6億4、900万円余でありました。これに対し、平成23年度、宮古のセンターが事務処理を行った補助事業は、1、000万円未満を除いて、件数で60件、事業費ベースで87億1、300万円余、補助金ベースが69億1、200万円余となり、財政調整基金は27億9、600万円余となっております。交付金や補助金のほか、義援金や寄附金などをとりあえず財政調整基金に積んだということだと思いますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 お答えします。財政調整基金に積まれるのは災害復興特別交付税であります。町に対する支援金、寄附金は復興まちづくり基金に、義援金は会計外として、全額、被災者に配分することになっております。
〇伊藤勢至委員 積み増すところは別にいたしましても、お金は相当入っていたということであります。大雪りばぁねっと。の件でありますけれども、平成23年5月20日、7人の雇用で1、500万円でスタートしたものが、6月10日、33人の雇用で9、100万円余、8月22日、90人雇用で2億1、150万円余、12月20日、148人雇用で2億6、150万円余、そして平成24年1月25日、148名の雇用で4億3、000万円余と、まさにホップ・ステップ・ジャンプの勢いでありました。雇用を確保し、町民の現金収入の道を招くのは特にリーダーとしての役目だと思いますが、その中で、御蔵の湯建設に当たっては、大雪りばぁねっと。の経理の問題について立ちどまって検証する機会だったのではないかと私は思っております。7月中に自衛隊が撤収し、仮設の風呂がなくなったので避難者のためにつくったということでありますが、7月といえば応急仮設住宅建設が最盛期、例えば宮古市では5月の連休明けには第1陣60世帯が入居し、8月末には全応急仮設住宅が完成し、入居が終わっております。山田町も同様のペースと考えますと、無料の銭湯をつくらなくてもよかったのではないかと私は思うのであります。金はある、どんどん行け行け、そういうつもりだったのではないでしょうか。しかし、ここで考えてほしいのは、金はあるといっても10分の10の補助事業で、これは当然国の会計検査院の対象となるものであります。そういうことはお考えにならなかったのでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 御指摘のとおり、被災者に収入の道を開きたいと思うのは町長として強く願っていたところでございます。しかし、何に使ってもいいはずはなく、当然、予算の策定に当たっては県との協議を経て議会の承認を得なければなりません。事業受託契約の内容を遵守していれば問題はなかったわけでありまして、NPOの責任が問われているわけであります。NPOの乱脈経理については、不祥事発覚後、初めてその全容を知ることになりました。
〇伊藤勢至委員 平成24年7月8日に町長選挙がありました。我々議員は引き継ぎというものはありませんが、首長の場合は、行政の継続性ということで重要なポイントと考えます。現町長にどのような引き継ぎをしたのでしょうか。そして、大雪りばぁねっと。の件についてはどうされましたか。
〇沼崎喜一参考人 私が退職する当時、今のような形でNPOの乱脈ぶりといいますか、不正経理ぶりが明らかにはなっていなかったわけなので、引き継ぎの中にはそのくだりについては触れておりません。ただ、緊急雇用創出事業のあり方については触れております。当時、緊急雇用創出事業によって多くの被災者を雇用してきたわけでありますが、一方では復興を目指す地場の企業等も出てまいりました。その方たちからは、求人を出しても人が確保できないとの声も聞こえるようになっておりました。したがって、次年度の雇用数について縮小、見直しが必要なことを次の町長に引き継いだところでございます。
〇伊藤勢至委員 山田町ではこの件に関しまして訴訟を起こしたようであります。今の町長になってからでありますから、直接はコメントは大変なのかもしれませんが、相手方も応訴してまいりました。つまり弁護士を雇うお金があったということでありまして、使途不明金をマネーロンダリングによって確保していたのではないかと私は思って見ているところであります。ちょっと聞くのは酷でありますけれども、当時はそのようなことはなかったということでしょうか、お伺いします。
〇沼崎喜一参考人 今の点につきましては、裁判中でありまして、私の私見は差し控えさせていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 やまだ議会だよりの中で、前町長は岡田代表のことを戦友と言っておられます。随分肩入れをした言い方ではないかと思っておりますが、私は、戦友と言うからには、戦いを一緒にしたんだという思いなのかどうか、ちょっと確認をしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 冒頭から申し上げておりますように、彼らが最初に来たときの状況というのは惨たんたるものでございました。そこに行方不明者の捜索をやっていただけるという部隊が入ったということで、実際に仕事をお願いし、それなりの成果といいますか、多くの遺体の発見はしていただきました。その後、ボランティアセンターを立ち上げられないで困っていたのを彼らが立ち上げてくれた。その次は物資センターも、役場の職員は疲労こんぱいして何ともならない。そこの部分についても引き受けてもらった。それの延長として、実は緊急雇用創出事業の受け入れを、県からの強い要請があって、町ではできないけれども、引き受けてもらった。そういう状況の中で、私とすれば、当時、そういう実績を評価したというのが実態でございます。本当にまさに戦場のような状況の中で、そういう取り組みを我々と一緒にやっていただいたということで戦友という表現を使っておりますが、信頼が深かったゆえに、裏切られたその悔しさというのは、それ以上に今は持っております。
〇伊藤勢至委員 まさに獅子奮迅の働きであったということは、発災当初からお邪魔をした際、自分の目で見て、お会いをしてわかっております。しかし、そのとき、余りにも肩入れをし過ぎてしまった。つまり公のお金を扱うというルールは、どんな場合にあってもこれは変えられないものでありまして、そこまでは思われなかったかもしれませんが、裁判を起こした岡田さんのほうでは、自分には責任がない、徹底的に闘うと言っているわけでありまして、まさに獅子奮迅の働きの中で獅子身中の虫を入れてしまったという残念な思いがおありかもしれませんが、ただ、問題は、闘いは首長として山田町民のための闘いなのであって、県当局とか、あるいは予算執行する国とか、そういうところが闘う相手ではなかったと思います。そういう意味からいきますと、私は、岩手県とか、あるいは国も、会計検査院も仲間で戦友なんだと。この非常、異常事態の中で予算をもらう仕事をするためには、戦友というのは岩手県であり、国であると思うべきだと私は思っております。
 そういう中で、県も、とにかくある程度まで被災地の要望は何でも聞こう、お応えをしようと思ってきたんだと思います。ただ、この大雪りばぁねっと。の余り行儀のいいとは言えないいろんな部分の流れを見た中で、岩手県では、ちょっとまずいぞ、これはいつか来た道だなと。森のトレーという問題があって、やはりいろんな使い方をされた経緯がありましたので、その時点で、岩手県がそういう判断に立って補助金を引き揚げをするというのは、私たち県議会議員としては正しい行為であったと。山田町には迷惑をかけたかもしれませんが、余りにものりを越えたやり方をやり過ぎた。それは山田町のダイレクトの注文によるものであって、岩手県は何ら言われる筋合いはない。もし、会計検査院が来るとすれば、当然岩手県に参ります。一緒に山田町に行きますので、そうなってからでは、県民世論がこれは許さないと思えるものだと私は思っております。
 確かに遺体捜索に頑張ってくれました。それから、支援センターについても人を派遣して受け付けてもらいましたし、それはそれで認めます。しかし、やはり幾ら非常時であっても、のりというものがあって、公のお金というものは必ず後でチェックが入るとこれは考えるべきだったと思いますと、大変残念なことではあるなと思います。
 それから、今後も、山田町が存在する限り岩手県もあって日本国もあるわけでありまして、今後の山田町と岩手県という関係については、こういうことに、何といいますか、変なことにとらわれずに、今後も相互発展関係を築いていくことが必要だと思っております。現町長ではないわけでありますけれども、後輩に送る言葉として、山田町の皆様に、県の対応についてお考えがあればお伺いして、終わります。
〇沼崎喜一参考人 後でどなたかの質問にも出てきたと思いますが、我々とすれば、県に対する評価は、決して何もしてくれなかったということではなくて、むしろ被災地の側に沿って、被災者のための施策をいろいろ知恵を出しながら町と一緒にやってきていただいたという思いがございます。ですから、一連の事業というのは県と町が一体となって行ってきたのではないですかという思いなんですよね。それが、たまたま会計処理上といいますか、予算上、委員の御指摘のとおり、こういう結果になって大変残念なんですが、そういう経過がありながら、それは町だけが悪いんですよと言われることについて、我々の立場からすれば、それはちょっと納得できませんなという、そこだけを申し上げているわけです。感謝している気持ちには変わりございません。
〇伊藤勢至委員 古事記の中にも、天照大御神が岩の中に隠れて大変だから、出てもらうために何とかが踊りを踊って出てきたという話がありますが、笑い話ではないんですが、いずれ、明るい話は欲しかったとは思うと思いますが、今後も岩手県と山田町の関係は前に向かって進んでいくように頑張りたいと思っておりますので、大所高所からの御意見をこれからもいただきますようにお願いして、終わります。
〇小野共委員 民主党の小野共であります。
 まず、前町長には、きょうは参考人質疑に出席いただきまして本当にありがとうございます。
 通告しておりました質問が多少ダブりまして、通告の順番を変えて質問させていただきますので、御配慮をお願いしたいと思います。
 まず、きょうの質疑でありますが、山田町を通じ、NPO法人大雪りばぁねっと。への委託金が含まれております岩手県の平成24年度一般会計決算を議会として認定するか、不認定するかの判断をするために必要な材料を情報収集することが第一義的な目的であります。発災当時の被災自治体の混乱状況を考えますと、基本的に私は、このような事件と申しますか、事態は、被害の大きかったほかの沿岸自治体でも起こり得る可能性があったのかもしれないと思っております。予算にしても、瓦れきにしても、仮設住宅にしても、とにかく早くやってくれという状態でした。当時、スピードなのか、あるいは安全性なのか、確実性なのかというバランスのどっちを取るかというと、明らかにスピードを優先してくれというような状況でありました。いい悪いを言っているわけではありません。震災から2年8カ月たった今でも、私はその状況にあると思っております。
 平成23年3月の発災直後、3月下旬に大雪りばぁねっと。が山田町に入ってきてボランティアを始めたと。当時、山田町の災害対策本部の会議に参加されていた方から岡田代表についての率直な認識というものを聞きました。泥だらけの作業着で会議に参加していた大勢の中の一人だったと。発災直後から山田町に入り、そして実績をつくり、結果的に町との信頼関係ができていったと。この非常時における、今まで再三話がありましたけれども、戦友のような町と大雪りばぁねっと。との信頼関係が、山田町が当該NPOの事業運営を監視する上で不必要な先入観となってしまったこと、結果として事態の発覚がおくれてしまったということは否めないと私は思っております。
 最初に、県の監査の体制について前町長の認識をお聞きしたいのですが、平成23年度分の事業の完了検査を県が通しております。当該NPOの事業に対する県の監査の体制あるいは監視体制、県のこの事業に対するかかわり方というのは、前町長の率直な認識をお聞きしたいんですが、県は適正で全く落ち度がなかったとお思いですか。
〇沼崎喜一参考人 県の取り組みがどうだったのかということについてはちょっと私の立場からは申し上げられませんけれども、完了検査については、先ほども申し上げたように、完了検査の中で、平成23年度事業の中でリースで銭湯をつくったことについては認められませんよという、その1点の指摘だったと理解しているんです。ですから、それで慌てて県のほうにお願いをさせて、その結果、それは撤回された。ですから、結果として平成23年度事業は認められたと。したがって、平成24年度の事業がスタートしました。
 私の理解はそういうことだったんです。ですから、完了検査の中で、NPOの経理状態がどうとか、事業のあれこれがだめだとかという指摘が具体的にあったのかというのは、ちょっと、私の記憶からはその点についてはわかりません。なかったのではないかと思っております。
〇小野共委員 わかりました。確認できました。ありがとうございます。
 次の質問ですが、震災後の大雪りばぁねっと。に関する一連の緊急雇用創出事業の町、県等とNPOとのやりとりの中で、それでは、この事態を防ぐために岩手県は具体的に何をすべきだったと町長はお思いですか。岩手県に対して、それでは、どのような役割を期待しましたか、それを聞かせてください。
〇沼崎喜一参考人 再三申し上げておりますように、県としては、私たちの期待に応じて、可能な限り被災地に寄り添い、被災者第一の諸施策を推進していただいたと思っております。その意味で、結果として、緊急雇用創出事業で可能な限りの被災者の雇用を実現することができた、そのように思っております。
 ただ、残念ながら、NPOの不祥事によって今のような問題を惹起させているわけでございますけれども、今回の事態に対して県の責任はどうかとか県が何をすればよかったのかということについては、今の私の立場からは、ちょっとお答えはできないと思っております。
〇小野共委員 事態がどう考えてもおかしいのではないかという状況になっていったのは、この御蔵の湯の所有を目的とした株式会社オール・ブリッジですか、この立ち上げと、これに基づく御蔵の湯の建設のとき、平成23年の夏ごろなんだろうと思っております。
 震災直後の5月2日の時点ですが、県と県社会福祉協議会が、当該NPOに不正な支出があると沼崎町長に指摘しております。これは通告しておりませんが、この5月2日の県社協と県の担当者の沼崎町長に対する不正な支出があるといったその指摘に対して、町長はそのときどう思ったか、そして、どういう対処をとられたかというのを聞かせていただきたいと思います。記憶の中で結構です。
〇沼崎喜一参考人 嵯峨委員の御質問の際にも触れておりますが、私どもとすれば、NPOに不正があったとか、あるいは不祥事があったとかという理解ではなかったんです。そのときに県から来たNPOの方に言われたのは、NPOが行方不明者の捜索もやっている、それらの経費もボランティアセンターの経費込み込みで上げていますよ、それは違うんですということを言われたんです。
 本来、行方不明者の捜索活動はNPOの独自経費で、自腹を切ってやるべきものだと。ところが、先ほど御説明したように、当時、山田町のボランティアセンターというのは、NPOに依頼をして立ち上げていたわけです。もう連日何十人という方が来て、それの諸世話、指揮命令系統があったし、NPOはNPOで、行方不明者の捜索もどちらもやっていたわけです。そのどちらの経費も込みにして社協経由で今上げていますから、それは間違いですよということを言われて、わかりました、それは整理しましょうということで、山田町の社協と協議しながら、指摘された点については改善するという方向性で確認しております。
〇小野共委員 それでは、その大雪りばぁねっと。が、さすがにこれは怪しいと思ったのは、11月28日に今の佐藤町長のところに来て、お金がなくなりましたと言った時点まで、前町長はお気づきにならなかったという認識でよろしいですか。
〇沼崎喜一参考人 私とすれば、あの際の報道で、一連の事件といいますか不祥事の内容というものは知ることになりました。
〇小野共委員 質問を続けます。
 当該NPOの大雪りばぁねっと。の震災前の事業規模は年間700万円前後だったということでございます。平成23年度の委託料4億3、000万円、平成24年度の委託料7億9、000万円ということでございますが、この規模の予算を事業運営するには、再三お話しされておりますけれども、余りにも経営体質がずさんだと。現金出納帳がなし、登記簿もなし、岡田代表の履歴書も出ていないのに、このような多額の事業費が予算化された。なぜこのような多額の事業費が現実的に予算化されたと思いますか。率直なその認識を聞かせてください。
〇沼崎喜一参考人 結果として、金額がこのような形で大きくなりましたけれども、私たちからすれば、一人でも多くの雇用をしたい、拡大したいと。結果的に150人の予算を組んで、大体それに近い数が雇用されているわけです。ですから、この金額は確かに多いけれども、150人を雇いたいという思いがあって、結局その150人を雇うための人件費が、総予算の半分を超えなくてはいけませんので、結果としてはこういう形にならざるを得なかった。
 ですから、何をやればよかったのかと言われるわけですが、そうだとすれば、もう総額を、これ以上だめだ、どんな事業でもこれ以上はだめだという制度であれば問題はなかったのではないか、このように思います。
 どの自治体の首長でも、当時の状況の中で、一人でも多くの雇用を拡大していきたいという思いは共通だったと思います。そのことについては、どなたも否定はなさらないと思いますが、まさに私は、そのことを一番肝に銘じて進めてきたわけですけれども、結果としては皆さんにおわびするしかない、このように考えております。
〇小野共委員 事業費にシーリングの制度が、委託費にそのシーリングの制度があればよかったという認識だったと思います。
 今、申し上げましたが、平成24年11月28日、岡田代表が役場に来て、お金がないと当時の町長に伝えて、この事態が発覚したわけですが、NPOの岡田代表が、平成24年度の事業費について、平成24年度当初から年間事業費が実は12億円は必要だった、これは山田町には平成24年度の当初から伝えておったと。これに対し町は、町の補正予算で対応すると言っていた、前もって補正予算で対応しますと言っていたと新聞社のインタビューで答えておりますが、町と当該NPOの間で、このような事前の補正予算の約束というのはあったんですか。
〇沼崎喜一参考人 私を含めて、役場の職員が補正で対応しますという発言をすることは考えられないわけです。当然、町の予算の決定の過程の中では、議会の議決ということがございますし、きちんとした理由があり、その根拠がなければ、議会の皆さんに提案しても説明ができないわけです。質問に答えることはできないわけです。私たちは、それを一番知っているわけですよ。ですから、そういうことはあり得るはずがない、私はもうそう信じています。
〇小野共委員 それでは、岡田代表は、なぜそのように思ったのですかね。平成24年12月定例会のときに、この補正予算を提案しようとしていると。でも、結局提案しなかったと。なぜこのように思ったのかと疑問があるところでございますが、最後にお聞きしたいと思います。
 再三質問いたしまして、きょうの私の質問のまとめとなる質問なのですが、当時の町の最高責任者として、この事態を防ぐために何をすべきだったか、どうすべきだったかという認識を聞かせてください。
〇沼崎喜一参考人 さきにも申し上げたわけでございますが、町が事業委託する際には、契約書の中で、当然予算の使途まで含めて決定し、それを委託するわけです。ですから、受託者からすれば、そのとおり事業をやるべき義務を負うわけですが、その計画の中にもない事業をやったり、後で聞いた話ですけれども、そういう乱脈ぶりがあったということで今の事態を来しているわけです。ですから、それは、一義的にはNPOが責任を負うべきだとは思いますけれども、しかし、私たちの立場からして、いや、全部NPOが悪いんですよということもまた言えないわけです。契約の当事者は私なわけですから、私は、当然それなりの責任を負っていますし、それなりの行動もしなければいけないと思っています。
 ですから、これも繰り返しになりますが、もっと、例えば町の職員が頻繁にNPOに入って、経理のチェックをして指導すべきだったと言う方もあります。そのとおりだと思いますが、あの当時の状況の中で、そういう人的な余裕がなかった、そのことについてもぜひ御理解をいただきたいと思います。
〇木村幸弘委員 社民党の木村幸弘でございます。沼崎前町長には、大変御苦労さまでございます。
 時間もありませんので、通告に基づいて質問させていただきます。
 まず最初は、第三者委員会の報告に対する意見を伺いたいということで、第三者委員会が取りまとめた報告書に対して、まずは率直な感想、意見をお伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 町が設置した第三者委員会であり、個人的な思いはございますけれども、公の場面での発言は控えさせていただきたいと思います。
〇木村幸弘委員 そうしますと、いろいろと第三者委員会のこの報告書の中で、報告書の提出の連絡もない、あるいは一方的に聞かれたことに答えただけ、もっとやりとりがあれば実態をわかってもらえたはずだということで不満も述べられております。不十分であったという点がもしあるんだとすれば、それはどういう点が不十分であり、自分としてこの報告書に意見を申し上げる思いがあるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 一例だけ申し上げますと、先ほど来発言しておりますように、5月2日に県と県社協とNPOの方が来て、お話をしたと。その内容がかなり違っております。
〇木村幸弘委員 その内容について先ほど来いろいろと質疑がありますし、後ほどちょっと質問を起こしておりましたけれども、まずは、予定した質問でもう一つ聞きますが、補助金管理に対して、いわゆる県のずさんな対応というものが、この報告書でも随分指摘されております。調査の過程で、県は正式に呼ばれていない、あるいは県庁で聞き取りしたとする委員会との見解のずれなどもこの報告書には記されておりますけれども、こうした県の責任回避ともとれるような姿勢がうかがえることについては、どのような意見をお持ちでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 これにつきましても、第三者委員会と県との関係でございますから、私からはコメントできません。
〇木村幸弘委員 わかりました。
 次に、大雪りばぁねっと。との関係についてであります。この点についても先ほど来の質疑の中で重複している点がございますけれども、改めて、前町長として、この大雪りばぁねっと。を非常に重用していたということで、その当時の町長の判断、それだけ全幅の信頼を置いた要因が一体どういう根拠であったのかということ、そしてまた、岡田氏が岩手県から紹介されてきたということで、その言動が、いわゆる町長の信頼を得るための重要なキーワードとして影響を与えたものであったのかどうか、その点についてはどうでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 再三申し上げておりますが、まず、行方不明者の捜索活動をやれる組織だということが第1にございました。町の社協や県社協で町のボランティアセンターを立ち上げることができない厳しい状況の中で、何とかボランティアセンターを立ち上げていただいたこと、さらには、町の物資センターの運営を支援されたこと、その後で緊急雇用創出事業を受託していただきました。そういうことなどがあって信頼をしたということでございます。
 なお、来た際の県と県社協からの紹介があるということについては、私自身に対して一定の影響はあったかとは思っております。
〇木村幸弘委員 そうした中で、一方では、大雪りばぁねっと。に対して一定の信頼を確保する意味での履歴等の不提出等を含めたその他の必要書類の確認に対しての対応が非常にまずかったのではないかと思われますけれども、そうした対応、あるいはその当時の不提出等が、今になって大変大きなキーポイントになっているとすれば、当時どのような認識であったのか、お伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 当時の修羅場の中で、多数の御遺体が収容され、なお多くの行方不明者が報告されていきます。どんどんそれが積み重なっていくわけですが、その際に、すぐにでも捜索活動に参加させたいと思いました。その判断については、私としては間違いではなかったと思います。翌日から行動に参加していただいたわけです。
 確かに、身元の確認をしなかったということは後から指摘をされておりますが、当時は通信回線が途絶し、インターネットでの検索も不可能で、その手段がなかったということでございます。
〇木村幸弘委員 それでは、時間がありませんのでちょっと1問飛ばしますが、御蔵の湯の設置事業の関係であります。報告書では、当事業が、岡田氏の申し立て書という形の中では、町長の特命であったという記述があります。町長自身が肝いりの事業として全面的に岡田氏にこの事業を委ねていたのか、そして、具体的な事業方法やその内容についてはどの程度町長として当時関与していたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 私から岡田氏に当該事業について指示したことはありません。担当課において事業内容について精査し、県との協議を経て、私が決裁したものでございます。
〇木村幸弘委員 直接の指示はないということでありますけれども、しかし、一方で、先ほど来の質疑の中で、あるいは町の特別委員会の事情聴取の中で、雇用の確保の実現のために、とにかくこの建設が必要であったと。県の了解もあり、企業の支援もあって、この機会を見逃す手はないのだという答弁をされています。また、構想は町にあったが、手法についてはNPO、県、町で連絡を取り合い、結局NPOでやることになったと。その際に、リースという形と運営上の経理面の二つに不安を持った。しかし、いずれも県と協議済みであり、疑問点は解消し、決裁の印をついたと答弁しておるわけであります。
 一方では、この事業の重要性、必要性を説きながら、しかし、手続的な問題を含めて、疑問点は解消したとか、いろいろなことの県との協議を述べておりますけれども、どうもその点の整合性がきちんととれていないのではないかと私は印象として持つのですが、いかがでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 事務方がいろいろな詰めをしたんだと思います。今のお話の記録というのは、案がまとまって、その起案の段階といいますか決裁の段階で私が最終的に判断する際に、これについてはどうなっているか、これについてはどうなっているかという質問の際のやりとりでございますから、最初から私が、この事業をやろう、NPOに委託しようということで事務方が動いたということでは決してございません。
〇木村幸弘委員 ちょっと時間がないので申しわけございませんが、工事の受注会社社長と町長が面会した際に、社長が、町の関与に信頼性の心証を得たと述べているわけであります。町長は、具体的に社長に何を語り事業の依頼を行ったのか、その際、事業内容についてどこまで建設会社との話し合いが行われたのか、お伺いしたいと思います。
〇沼崎喜一参考人 社長に対して私のほうからどのような話をしたのかということですが、定かな記憶ではないのですけれども、事業が始まった後だったと思いますから、多分、あの事業はどういう仕組みですかという質問があって、それに対しては、町が委託した緊急雇用創出事業でやっていますよという程度の話はしているかと思います。
〇斉藤信委員 日本共産党の斉藤信です。本題に入ります。
 当時の町長として、大雪りばぁねっと。に2年間で12億2、200万円の事業を委託し、6億7、000万円が不適正支出として返還が求められている事態となりましたが、その原因と責任についてどう認識されているでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 原因につきましては、事業委託契約を遵守しなかった法人及び代表にあると考えておりますが、契約の一方の当事者は私であり、政治的、道義的責任を負うべきものと考えております。
〇斉藤信委員 沼崎前町長は、大雪りばぁねっと。の岡田栄悟代表理事を履歴書もNPOの定款、事業実績も処理能力も経理能力も確かめずに、山田町入りした翌日3月28日には、町の災害対策本部の会議に参加させ、4月9日には災害ボランティアセンター副所長に、5月2日には災害対策本部員沿岸域捜索担当主幹、物資担当主幹に任命していますが、異常な重用、対応ではなかったですか。このことが今回の問題の出発点になったのではないですか。
〇沼崎喜一参考人 再三申し上げておりますが、行方不明者の捜索が喫緊の課題でありました。したがって、即戦力として期待したことから、災害対策本部会議に出席させたものであります。ボランティアセンター副所長は、町社協の任命であります。5月2日のそれぞれの辞令交付は、実際の活動に対して身分の根拠を付与するためのものであります。肩書が先にあって、やれということでは決してございません。
〇斉藤信委員 ボランティアセンター副所長の名刺は副町長がつくったと言っていますよ。知っていますか。
〇沼崎喜一参考人 ボランティアセンターは、基本的には町社協が設置すべきものでございましたけれども、それがなかなか社協の力及ばずということで、立ち上げの際にはNPOの力をかりたという経過でございます。
〇斉藤信委員 最後まで履歴書をとらなかった、免許証のコピーもとらなかった。なぜですか。
〇沼崎喜一参考人 その点については私も反省すべきところがあるわけですが、最初の辞令交付の際に、担当から、履歴書の提出がおくれているけれども、後日提出されることになっておりますという報告がございましたので、その場で辞令交付はいたしました。ただ、その後、まさに毎日毎日が戦場のような忙しさの中で、そのことについて再確認すべきだったと思いますが、再確認ができていなかったということでございます。
〇斉藤信委員 NPOの定款、事業実績を見たら、これが不適格な団体だとすぐわかったんですよ。旭川市に問い合わせればすぐわかったのですよ。なぜそれができなかったんですか。
〇沼崎喜一参考人 来た当時、先ほども申し上げたように、その確認すべき手段を私たちが持っていなかったということでございます。
〇斉藤信委員 緊急雇用創出事業では、失業者の履歴書まで出させているんですよ。最初に9、100万円の委託事業、平成23年度は4億3、000万円。最後まで履歴も実態も調べないでやったんですか。
〇沼崎喜一参考人 その履歴書の確認については、おっしゃるとおり、なかなか確認する機会をつくれなかった、そのことについては反省しております。
〇斉藤信委員 この問題の出発点は、第三者委員会の報告でもあるように、受託団体として不適格な団体に委託事業をしたということなんですよ。これが私は第1の問題だと思います。
 それで、5月2日に県社協が言ったのは、金の使い方だけじゃないんです。さまざまなボランティア団体と亀裂を起こして、ボランティア団体としてはこれは不適格だということで、北海道に帰ってもらったほうがいいと進言したのではないですか。違いますか。
〇沼崎喜一参考人 議事録を確認いたしましたが、そういうやりとりはなかったように記憶しております。
〇斉藤信委員 記憶だから仕方がないけれども、昨年の5月に総務課長がNPOに職員を派遣するように2度も進言しましたが、なぜそれを却下したんですか。
〇工藤勝子委員長 もう一度お願いいたします。
〇斉藤信委員 時間計測をとめてください。同じことを聞くんだから。いいですか。
 昨年の5月に新しい総務課長がNPOに職員を派遣するように2度も進言したけれども、町長はそれを却下した。なぜですか。
〇工藤勝子委員長 斉藤信委員に申し上げます。通告書に入っていないということでございますので。
〇斉藤信委員 入っていなくたって、当事者でしょう。当事者の話を聞いているんですよ、私は。その後、新町長のもとで職員が派遣されているのですよ。答えられないことはないでしょう。答えられなかったら、答えられないと答えてください。
〇工藤勝子委員長 通告によっての質疑ということでルールにしておりますので。
〇斉藤信委員 いやいや、答弁によって質疑があるのですよ。いいですか。昨年の4月になぜ総務課長がそう言ったかというと、完了検査が3月31日で終わらなかった、続いていたんです。余りにも異常で、これは大変だというので、町長に、職員を派遣してやるべきだと進言した、そういうことですよ。どういうふうに受けとめましたか。そこまで言っても答えられませんか。
〇工藤勝子委員長 斉藤信委員に申し上げます。本日お話をいただくよう御協力を願った趣旨を踏まえまして、十分に御配慮くださいますようお願いいたします。
〇斉藤信委員 都合の悪いことは答えられないということでね。
 じゃ、御蔵の湯の建設問題について。
 御蔵の湯の開所式、これは山田町の主催で開かれて、町長が主催者挨拶をしています。仮設公衆浴場を建設し、開所の運びになったと述べています。誰が建設したのか、誰の所有なのか確かめましたか。
〇沼崎喜一参考人 先ほどの議員の発言の中で、都合の悪いことには答えられませんかというお話があったんですが、私は、そういうつもりは全くございません。あくまでもルールに基づいて私は通告をいただいているわけです。通告に対して答弁しております。(斉藤信委員「いやいや、今の質問に答えて」と呼ぶ)じゃ、撤回してください、さっきの質問。
〇斉藤信委員 いやいや、そんなことはないでしょう。質疑応答というのは、答えに応じて聞くものでしょう。そんなの常識でしょう。答えられたら、それに応じて質問するでしょう。
 今の質問に答えてください。私は撤回なんかするつもりはありませんよ。そんな不当なことは一つも聞いていない。
〇工藤勝子委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会で、やはりきちっと質疑を、質問を申し受けて、それによって沼崎参考人に答弁をいただくようお願いして来ていただいておりますので、その趣旨を踏まえて質問していただきたいと思います。御協力をお願いいたします。
〇沼崎喜一参考人 ただいまの質問は、御蔵の湯の開所式は町が主催だったのか、町長が主催者挨拶をしているのではないかということでございます。誰が建設したのか、誰の所有なのかということでございます。
 開所式は、本来、NPOが実施すべきものでありますが、アイシン精機初め多くの協力者もいることから、感謝の意を伝えるために町からも挨拶を述べたものであります。建設はリース会社と聞いております。
〇斉藤信委員 挨拶では、町で建設したとなっていますよ。それを委託したと。所有者がオール・ブリッジというけれども、参加していませんね。なぜですか。所有者がなぜ参加しなかったんですか。
〇沼崎喜一参考人 記憶は定かでないんですが、そのときの挨拶は、主催者挨拶ではないんです。始まって、私が、ただ挨拶という項目がありまして、次第が、挨拶のときに、私と振興局と両者から挨拶をしているんですよ。ですから、それを主催者挨拶と捉えられているかもしれませんけれども、そういう趣旨ではございませんでした。
 それで、先ほど答弁したように、本来は、やっぱりNPOの主催ということを明確に出すべきだったと思いますけれども、例えば、アイシン精機とか、いろいろな物品を寄附された方がおりました。そういうことで、町を代表して、皆様方にやっぱりその場で感謝の意を伝えるべきだという判断の結果、あの場での挨拶になったわけでございます。
〇斉藤信委員 この御蔵の湯のパンフレットは総務課長がつくったんですよ。それで町が主催じゃないんですか。そうでしょう。所有者はオール・ブリッジと言うけれども、なぜ出なかったんですか。実態はなかったのではないですか。
〇沼崎喜一参考人 先ほど申し上げたように、確かに、町は全く関係ないということではなくて、町が事業を委託しているわけです。ですから、一切、やりなさいというのはなかなかいけない。そのお手伝いは、多分、事務方としてできる範囲の中でやっただろうと思います。
〇斉藤信委員 これは1億3、000万円余で株式会社カガヤが建設しましたが、カガヤとの建設工事の契約書を岡田氏は拒否したそうですが、聞いていますか。
〇沼崎喜一参考人 全く聞いておりません。
〇斉藤信委員 カガヤの社長と会っているようですが、何回ぐらい会って、どんな話をしましたか。
〇沼崎喜一参考人 会社社長と会った回数は定かではありませんが、最初に会ったのは、震災直後に義援金を届けに来ていただいたときと記憶しております。カガヤが組み立て作業を行っていることは、着工後に知りました。
〇斉藤信委員 リース、材料費なら開設できるという認識だったとするなら、リース会社を確かめるのは当然じゃないですか。
〇沼崎喜一参考人 制度上は、事業委託をして、NPOのほうでの契約になるわけです。ですから、町として、事前にリース会社を確認すべきだったということではございません。
〇斉藤信委員 1億3、000万円余のあんな立派な仮設浴場を町長は想定していましたか。
〇沼崎喜一参考人 最初から我々が御蔵山に建設された大規模な仮設の公衆浴場を想定していたということではなくて、先ほどお話ししたと思いますが、アイシン精機からいろいろな機材を提供され、いただくことになったわけです。それを生かすいろいろな仕組みなり計画なり、そういったものをみんなで知恵を出し合おうというところからスタートしたわけですが、いろいろな経過の中で、あのような形のものができたという経過だと理解しております。
〇斉藤信委員 緊急雇用創出事業では、重機を使えば建設土木工事でだめなんですよ。県のチェックが甘かったし、町もそれを全く無視してやってしまった。だから、4月19日付で、これは建設土木工事で認められないとなった。それに対してどう対応して、副町長はトップ会談をやったと言うのだけれども、誰と話をしたんですか。
〇沼崎喜一参考人 トップ会談をやったというお話はしておりません。我々とすれば、御指摘のとおり、この4月19日付の文書に指摘された内容については、今に至るまで、県と協議をしながら進めてきたはずであります。町からすれば、今さらはしごを外されるのは納得できません。そういうことで、再度、県のほうに協議をしましょうということを町の内部で話し合って、指示をした、そういう経過でございます。
〇斉藤信委員 4月23日に対策会議が開かれている。それに基づいて、誰が、誰に対応したんですか。
〇沼崎喜一参考人 今、資料も持ちませんし、ちょっとお答えできません。
〇斉藤信委員 私は、今の副町長に聞いてきました。トップ同士の話があって、この話がもとに戻ったと。数日後に了解になった、こういう話でした。本当にこれは極めて重大だ。
 最後に、私は、平成23年度からこの事業は破綻していたと思います。12月の契約変更、1月の契約変更は不足払いじゃなかったですか。
〇沼崎喜一参考人 大変申しわけないですが、事務処理のその詳細な内容については、私としては、そこまでの記憶がございません。
〇斉藤信委員 契約変更は全部町長の決裁でやっているんですよ。12月はきれいに5、000万円、1月は、本来ならもう事業を整理する時期に1億6、900万円の契約更改をやっているんですよ。だから、岡田代表理事は何と言ったか、不足だから補正予算を組んできた、簡単におりたよ、補正とうそぶいた。12月にはもう給料は払われていないんですよ。途端に賞与まで出た。こんなでたらめなことをやったのではないですか。
〇沼崎喜一参考人 今のような事務的な詳細な内容については、私は今、わからないというお話をしたわけでございます。
〇斉藤信委員 事務的と言うけれども、1月の契約変更は1億6、900万円ですよ。これが小さなことですか。なかった材料費が出てきた、休日手当が出てきた。浴場建設費、材料費もここで初めて出てきたんですよ。1月ですよ。気づいていましたか。
〇沼崎喜一参考人 決して小さなこととは申し上げておりません。私は決裁をして、最終的な責任は私にあるわけですが、その中にある数字の動きについて町長知っているかと問われて、そこまで私はわかりませんと、申し上げたように、率直なところです。
〇斉藤信委員 1月の契約更改は不足払いでした。破綻していました。
〇小野寺好委員 公明党、小野寺好です。
 県は、緊急雇用創出事業として山田町に補助金を交付し、山田町は、これに基づいて災害復興支援事業を行いましたが、NPO法人大雪りばぁねっと。以外にも委託契約した事業所があったと思いますが、従業員7人、1、500万円で委託した当該NPO法人に、5回の変更契約で4億3、000万円を預けるに至ったのはなぜでしょうか。この法人が捜索やパトロールといった労務提供から公衆浴場建設というハード事業に乗り出したとき、山田町は、緊急雇用創出事業の範囲を超えるものであるとし、やめるべきだったとの判断はなかったのでしょうか、お伺いします。
〇沼崎喜一参考人 被災者が避難所から仮設住宅等に入居できるようになり、次の最大の課題は被災者の雇用確保でありました。国、県とも認識は同じだったと思います。私は、一人でも多くの雇用を確保するために知恵を出そうと職員に呼びかけてまいりました。その知恵出しの結果が、一連の緊急雇用創出であったと思っております。
 公衆浴場についても、リースならば可能との県の指導をいただき、結果として150人もの被災者の雇用が実現したものであります。
〇小野寺好委員 次に、役職、肩書について伺います。
 公衆浴場を建設した会社や燃料提供したアイシン精機及び日本財団などは、素性のわからないNPO法人が相手ではなく、山田町役場本体を相手と考えての工事契約、燃料提供その他の支援だったと思いますが、参考人はいかがお考えでしょうか。その際に、山田町復興支援参与あるいは山田町復興支援アドバイザーの役職、肩書は大変な重みがあったようで、部外者は山田町役場の職員であると認識したのではないかと思いますが、参考人の御見解を伺います。
 山田町役場では、当該役職、肩書を与えることについて、人事を決定する基準、手続に合致したものであったかどうか伺います。
〇沼崎喜一参考人 事業の推進に当たっては、御支援いただいた皆様が、山田町の復興の一助にと考えて御支援くださったものと思っております。
 山田町参与についてですが、当初、主幹で発令しておりましたが、主幹では町の職員と誤解されかねないとの指摘があったことから、参与と変更しました。臨時的に付与したものであります。担当課が起案し、私が決裁いたしました。
 なお、当時、陸前高田市で民間の方に参与をお願いしたとの報道があったことから、参考にしたものであります。
 名刺の作成については、わかりません。
〇小野寺好委員 平成23年に4億3、000万円で事業を委託された当該NPO法人は、人件費以外に、頻繁な研修旅行、物品購入、修繕等の大盤振る舞い、野放図な公金の使い方をしたことが明白になっています。山田町は割と狭い地域で、派手なお金の使い方は住民の間では話題になっていたようですが、参考人や役場職員はどのように聞いていたのでしょうか。
 でたらめな経理の結果、NPO法人は、平成23年度で既に破綻状態に陥っていたようですが、参考人は、このことを認識していたのでしょうか。
 翌平成24年度も、このNPO法人に7億9、000万円余の公金を預けて委託契約をし、結局、前年の不足分の穴埋めに使われたわけですが、事業計画、財務状況については、参考人や役場幹部職員の皆さんはどのように判断していたのでしょうか。
〇沼崎喜一参考人 NPOの乱脈ぶりでございますが、不祥事発覚後、知ることとなりました。平成23年度事業が既に破綻していたことが明らかであれば、当然、平成24年度事業も認められるはずがなく、県との協議もまとまるはずはなかったと思っております。
〇工藤勝子委員長 これで、前山田町長の沼崎喜一さんに対する参考人質疑を終わります。
 沼崎参考人、大変どうもありがとうございました。
 これより、前沿岸広域振興局副局長の菊池正佳氏の参考人質疑に入るわけでありますが、この際、世話人会の申し合わせにより、10分間程度休憩いたします。3時再開といたします。
   午後2時45分 休 憩
午後3時2分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 それでは、参考人としてお招きしております前沿岸広域振興局副局長菊池正佳さんを御紹介いたします。
〇菊池正佳参考人 菊池でございます。よろしくお願いいたします。
〇工藤勝子委員長 菊池さんにおかれましては、お忙しいところ御出席くださいましてありがとうございます。審査に御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 これより質疑を行います。順次発言を許します。
〇高橋孝眞委員 自由民主クラブの高橋孝眞と言います。
 菊池さんには、本日御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 あらかじめお願いしておりました事項につきまして質問いたします。若干順番が変わることがあるかもしれませんけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最初に、本事業、緊急雇用創出事業について、大雪りばぁねっと。岡田代表から、これら事業を進めるに当たりまして直接相談を受けたことがあったのかどうかについてお伺いします。
〇菊池正佳参考人 緊急雇用創出事業の市町村事業というものは、実施主体はあくまでも市町村でございます。市町村に補助事業、補助金を交付する県が、直接受託団体等とやりとりすることはあってはならないと認識しております。事実、この件でも岡田代表から直接相談があったことはございません。
〇高橋孝眞委員 県の復命書を見ますと、平成23年12月28日は山田町、県、NPOの3者が、また、平成24年3月16日には、その際は山田町が入りませんで、県とNPO法人大雪りばぁねっと。が会議をしております。そういう復命がありますけれども、この点については前沿岸広域振興局副局長としてどのように考えておられますか、お願いいたします。
〇菊池正佳参考人 平成23年12月に、完了検査を受けるために必要な会計書類の整理等を注意喚起したという復命は見ております。それから、3月の復命書というのは見てございません。しかし、口頭で、書類の整理ができていないという報告を受けてございます。その際、町をしっかり指導するように指示した記憶がございます。その他については承知いたしておりません。
〇高橋孝眞委員 そのときでありますけれども、復命書の内容でありますが、御蔵の湯の建設ないしは海洋センターの設備改修につきましては、山田町に対し、改修に至った経緯や理由の整理を指示しております。整理をすることで、これら全ての事業は認めるというような内容とともに、県そのものが直接山田町ないしは大雪りばぁねっと。に指示をしているということは、県としてそれなりのかかわりがあったのではないかと思うわけでありますけれども、どのように考えますか。
〇菊池正佳参考人 この件に関してですけれども、私に報告があったのは先ほどの2件と、さらに決裁の6回のみであります。そういう意味では、この事業の趣旨にのっとって市町村事業として実施していた、そのように理解しておりますし、御蔵の湯という報告もございません。
〇高橋孝眞委員 県の担当者が町を飛び越して指導していると感じ取られますけれども、これは2回目の文書といいますか、平成24年3月16日になるわけですけれども、この点についてはどのように思いますか。
〇菊池正佳参考人 3月16日につきましては、日にちははっきり報告はありませんが、そういう指導をした書類ができていないという指導をしたということのみの報告を得ておりますので、担当者が町を飛び越したとか、そういう認識は持ってございません。
〇高橋孝眞委員 それでは、次に行きますけれども、平成23年6月15日に達増知事と岡田代表が意見交換の場を設けられております。参加者の選定は宮古地域振興センターが行ったことなのでしょうか、どうでしょうかお伺いします。
〇菊池正佳参考人 平成23年6月15日の達増知事との意見交換の場につきまして、参加者の選定は沿岸広域振興局のほうで行ってございます。これは、知事に復旧、復興に取り組む地域の実情を知っていただくという目的で開催したものでございまして、食料品販売の方、漁協の女性部の方、そういう方とともに、沿岸広域振興局で知り得る範囲の中から直接選定いたしております。したがいまして、市町村には相談をしてございません。
〇高橋孝眞委員 ということは、岡田代表の参加については山田町には相談をしなかったということですよね。
 岡田代表についてですが、山田町の宝だというようなことで、会合の際に同席者等に紹介されていると聞きましたけれども、菊池さんはどのような点で評価されておったのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 当日、私が司会をいたしましたが、そのような紹介はいたしておりません。遺体捜索を行っている団体の代表という紹介を行っております。また、岡田代表について、評価というお話をされておりますが、個人については特に評価ということはございません。団体の遺体捜索活動により、少しでも御遺族のもとにお返しができて助かっているということを町からも聞いておりまして、貴重な活動であると思ってございました。
〇高橋孝眞委員 先ほどの岡田代表は、達増知事との意見交換の際につきましては町への相談はなかったということですけれども、今のようなことになりますと、副局長として大変評価をしての知事との懇談会への参加の選定と感じるわけですけれども、どうでしょうか。
〇菊池正佳参考人 これは評価とか何かということではなくて、現地で当時、当初いろいろな動きがありました。混乱している状況がありました。その中で復旧に対して動いている方に、沿岸広域振興局でも全てに対してその時点で目が届いているというわけではありません。その中で、沿岸広域振興局の中で、貴重だなというところは知っていただく必要があるだろうということでやったものでございまして、特段評価したから呼んだとか、そういうことではございません。
〇高橋孝眞委員 とすれば、大雪りばぁねっと。の岡田代表を知るきっかけというのは、どういう時点だったのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 日にちとか時期はちょっと定かではありませんが、多分、4月過ぎ、入ってからではないかと思いますが、私は当時、できるだけ市町村のほうに足を向けるようにしてございました。その中で、たまたま山田町の役場に行ったときに紹介された、それで知ったということであります。
〇高橋孝眞委員 次に行きますけれども、平成23年度中に、平成24年度事業としまして7億9、000万円余りの計画書が提出され、認められております。内部での協議はどのような点であったのかということとともに、山田町からの申請であり、余り深く考えずに計画を承認したということなのでしょうか。また、金額的には、最終権限というのは、こういう事業の場合についてはどなたになるのでしょうか。また、大雪りばぁねっと。はその時点で3回目の変更をしております。平成23年10月には3回目の変更なわけですけれども、金額も2億1、150万円余りということでありまして、新たに平成24年度は金額が多額になるわけですけれども、そういう疑問というようなものは感じなかったのでしょうか、どうでしょうか。
〇菊池正佳参考人 この市町村事業の決裁は、個々の事業ごとではなくて、市町村ごとに、全事業何件、総額何億円という形で行ってございます。総額で1億5、000万円を超えた時点から副局長の決裁になります。
 ちなみに、山田町の全事業の副局長決裁というのは、平成23年度、都合6回となってございます。このうち、大雪りばぁねっと。への委託事業が2億1、150万円余に増加したというのは、この第3回ではなくて、7月29日決裁の第2回変更でございますが、このときの内容は、新規雇用にかかわる人件費割合が6割を超えておりました。したがいまして、緊急雇用創出事業としては新規の雇用を発生させているということで、問題はないと考えてございました。
〇高橋孝眞委員 1億5、000万円以上につきましては沿岸広域振興局副局長の権限ということになりますと、これら事業そのものについては、要領、要綱を見ると、山田町の責任であると私は思うのですけれども、県が最終的に決裁するというような意味合いになるのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 個々の事業の具体的な部分というのは、これは山田町の――今回の場合でありますが、あくまでも市町村の御判断で申請すると。そして、その補助事業として適正であるかどうか。ある意味、個々の具体論までは普通の場合やらないわけですけれども、ある程度の審査項目があって、そして、その結果、オーケーというものについては県として市町村に交付する。そのときの決裁がこの決裁に当たる、いわゆる補助金を市町村に出すという決裁を行っていたものだと認識いたしております。
〇高橋孝眞委員 補助事業そのものについてなんですけれども、要領、要綱では市町村の問題ですよと言いながらも、金額が多額の場合については県がやりますよ、県が審査をしますよということですけれども、2億円の時点から――新年度では7億9、000万円という多額になるわけですけれども、それらはほとんど疑問を持たないで審査をして通ったということになるわけでしょうか。
〇菊池正佳参考人 仕組み上、市町村がさまざまな工夫を凝らして新規の雇用を創出する。それが市町村によっては何事業、山田町の場合は最終的に30事業にわたっているわけですが、そういうものに対して、個々の一定の人件費割合がどうかということはありますけれども、そういうことを補助金としてまとめて市町村に交付することがいいのかどうかという決裁でございますので、実は1億5、000万円というのは県の内部の話でありまして、副局長の決裁はそうです。その前は地域振興センター所長の決裁になります。ですから、その中で全く疑問だという話ではなくて、制度にのっとった審査はやっているということでございました。
〇高橋孝眞委員 御蔵の湯についてでありますけれども、リース契約で進めることに県の同意があったと山田町は思っていますし、そういう内容で事業が進められてきたと思いますが、そのような指導を県ないしは菊池さんが行ったものなのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 まず、その指導ということでありますが、全くございません。当時の沼崎町長を初め役場幹部からの問い合わせ等もこの件ではございません。私に対してございません。
 また、市町村事業は当該市町村の主体性によるべきものである一方、市町村が事業を推進する上で障壁となる事項などについて、何かあればすぐ報告するように私は指示をしておりました。したがって、リース等に関するような報告は一切ございませんで、県の同意ということではなくて、副局長の判断を要するまでもなく、一般的な制度の可否について事務的にお答えしたものではないかと存じます。
 以上、私が指導したということはございません。
〇高橋孝眞委員 復命の中では、県が、事業の内容、要綱にきちっと整理することによって、御蔵の湯そのものについてもリース事業として認めるよというような内容になるわけですけれども、それは、担当者そのものが実施したのだというような意味合いで考えられるわけですか。
〇菊池正佳参考人 復命書には、そういうことがいいかどうかという復命ではないと思ってございます。12月の復命については、次年度の計画の要望額も大きいことから、完了検査に対しての注意喚起を行うために、それは中身を検査しているわけではなくて、そういうものはちゃんとやりなさいよという注意喚起と理解しております。
〇高橋孝眞委員 新聞報道の関係でありますけれども、盛岡広域振興局長として反論がございましたけれども、宮古地域振興センターのことでありまして、異例なことだと思うわけですけれども、どのような考えから出されたのかということと、個人の判断なのでしょうか、それとも宮古地域振興センターないしは広域振興局と相談の上で出されたのか、その点についてお願いいたします。
〇菊池正佳参考人 新聞報道につきましては、取材を受けましたので、かなり詳しくお話をいたしました。しかしながら、載った紙面が私の説明の趣旨と大分乖離していたなということで、これはいろいろ誤解を招いてもいけないと判断いたしまして、説明責任を果たすという趣旨で説明させていただきました。個人の判断ということではなくて、これは県の説明責任を果たすという意味で、ある意味、調整をした上で出してございます。
〇高橋孝眞委員 個人的な仕事というわけではなくて、沿岸広域振興局副局長としての仕事をしてきての経過だったと思いますが、それがどうして個人の判断でということになるのでしょうか、その点についてはどうなんですか。宮古地域振興センターとして反論してよかったのではないかという意味であります。
〇菊池正佳参考人 取材を受けたときに盛岡広域振興局長でありまして、載って紹介されているのも盛岡広域振興局の局長はという話でございましたので、盛岡広域振興局という形で出させていただいたということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 今の新聞の件ですけれども、4億3、000万円が小さいとは言わないが、気にしていなかったという話でしたが、それを受けての報道ですけれども、盛岡広域振興局の経営企画部長の阿部さんという方が担当と出ていますよね。こういう出し方というのはどうなんでしょう、異例かなと思って見たんですけれども。
〇菊池正佳参考人 異例かどうかあれなんですが、そういう形で盛岡広域振興局で出すことになりました。調整の結果そうなりましたので、どこかで出さなければならないということで、そうさせていただきました。
〇嵯峨壱朗委員 異例じゃないんですかと聞いているんですけれども、どうなんですか。私は役所のことはわからないんだけれども、どうなんでしょう。
〇菊池正佳参考人 こういう例についてはちょっと承知はいたしておりませんが、今回はそのようにさせていただいたということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 承知してないということは異例だということですよね。これまでにないということは、あなたは長い経験の中での判断でしょうから、そうじゃないですか。
〇菊池正佳参考人 長い経験があるから全てわかっているということでもないかなとは思いますが、私は承知いたしておりませんでした。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。
 復命書ですけれども、決算特別委員会でも問題になったんですけれども、先ほど、3月16日の復命書は見てないということでしたね。12月に副局長のときの判こがついてあって、3月にはちょんとなっていると。質疑の中では、こういう復命書の処理の仕方もあるんだという説明だったんですけれども、そういうふうに理解していいんですかね。
〇菊池正佳参考人 この復命は事業の中の復命でありますので、基本的にはその事業を担当している部署、したがって、宮古地域振興センター所長が復命をする相手になります。ただ、異例のこととか何かについては、その上に上げるということもあります。12月のほうは、そういう大きいことがあるので注意喚起を行ったよということを副局長に知らせる必要があるということで、私に上がってきたものだと思います。その次のものについては、センター所長が大事な部分を口頭で報告しておりますので、こちらは趣旨に従って宮古地域振興センター所長のところで決裁をしたということだと。したがって、これは上げないという意味だと思います。
〇嵯峨壱朗委員 上げないという意味。
〇菊池正佳参考人 これは文書では上げないという意味で、口頭では要点報告を受けてございます。
〇嵯峨壱朗委員 これは結構問題になったというか、処理の仕方がわからないんですけれども、これだと、もっと重要な補助金が、補正が出る時期の3月16日なので、かなり重要な時期の復命書じゃないかと思って、それを見ないでいいのかなという疑問もあったんですけれども、見なかったということですか。
〇菊池正佳参考人 見ておりませんが、完了検査が近いのに書類がそろっていないという一番重要な事項については復命を受けてございます。したがって、そこではちゃんと町を指導するように話しております。
〇飯澤匡委員 それでは、質疑事項に従って質問させていただきます。よろしくお願いします。
 今回の質問の趣旨を最初に申し上げておきますが、今決算特別委員会の中で、山田町に係るNPO法人大雪りばぁねっと。の件が、多大な補助金または緊急雇用創出事業について適正であったかどうか、それについて県がどのようなかかわりがあったかと、今これが問われているわけでございます。そういうわけで、菊池参考人にはおいでをいただいたということになっております。
 これまで、決算特別委員会では、過去においても補助金の不適正な使途に関して会計検査院から指摘を受けた例というのがありました。森のトレー事案がそれに当たります。また、不適切な会計処理の事案等、県行政に重要かつ深刻な課題を有した事案が複数ありました。
 当該事案は、一義的には山田町が委託した事業ではありますが、山田町で開催された第三者調査委員会の報告によれば、御蔵の湯設置に関して、代表の岡田氏が、県の確認によって進めているとの発言を重視しております。さらに、あえて税金の効果的な使い方について、県と町が一体となって進むべきとの意見も付しております。本県が補助決定をする過程において説明責任に耐え得る根拠を有しているかどうかというのは、過去に起こった重大事案からも、これは議会として明らかにしなければならない問題であり、県行政は、それらの事案ごとに適切な反省と教訓を得て、初めて県民の信頼に応えられる行政体になるのだと、私はそう思っております。
 今回、私は、山田町が平成24年4月13日に町の年間予算の約半分を前払い金として交付したことが、後の問題の拡大につながっておると考えておりまして、前払い金の交付に至ったのは、県が年度末の完了検査において複数の疑念を呈しながら、町からの回答を簡単に認める形で完了検査を終了させていることに問題のいわゆる分岐点があったと思っております。
 以下、その経緯を確認し、県の関与について詳細に伺いたいと思います。
 まず、御蔵の湯についてですが、当初、完了検査において、県庁からの判断は補助対象外というようなことでありました。判断を覆した正当な県の根拠は何だったのか、誰が判断したのか、本庁なのか、宮古地域振興センターなのかお答えをお願いします。
〇菊池正佳参考人 私が沿岸広域振興局で勤務いたしておりましたのは平成24年3月31日まででございますので、4月あるいは5月のことについては全く承知いたしておりません。
〇飯澤匡委員 だとしたら、その申し送りの時点で恐らく何らかの判断というものがあったと思います。その時点での判断で、それでは、御蔵の湯については当初の予定どおりそのまま進んでいくのだろうと、菊池さんはそのような思いでおられたのかどうか確認をしたいと思います。
〇菊池正佳参考人 先ほど申しましたけれども、この山田町の緊急雇用に関して報告があったのは、先ほどの12月と3月、それから決裁の6回だけでございまして、御蔵の湯どうのこうのということは一切上がってございません。ちなみに決裁の書類にも御蔵の湯というような記載はございません。そういう中身になってございます。
〇飯澤匡委員 3月の復命書に御蔵の湯という単語がきちっと出てきて、県は町に対して、もう少し精査をしなさいという指導がありましたが、その時点では確かに御蔵の湯という単語は出ていたんじゃないですか。
〇菊池正佳参考人 先ほど申し上げましたとおり、3月16日は口頭復命でございまして、その内容は、検査を受けるに当たって書類の整理がなされていない、その入り口の話でございますので、そこについてはきちっと指導しておくようにという指示を出してございました。
〇飯澤匡委員 しっかりと整理をしていきたいと思うんですが、復命書によれば、この部分については、かなり特出しで御蔵の湯については書いてあったと。菊池さんがその稟議をしたかどうかという問題でなくて、県行政として、その問題についてどのように対処してきたのか、その後、完了検査がどのように行われたか、これは我々がしっかりと監視をしなければならない点だと思っております。
 その点を踏まえて、あなた自身がどういう判断を行ったかというのはよくわかりましたが、その後、県としてどういう判断をしたのか。では、菊池さんではなくて、県がどのような判断をしたのかという点について、どのような指導をしたかという点についてお知らせ願いたいと思います。
〇菊池正佳参考人 県がというお話でありますが、これについて私がお答えする立場ではないと思ってございますので、控えさせていただきます。
〇飯澤匡委員 平成24年3月31日まではあなたが緊急雇用創出事業の事務方の責任者として残っていたわけですから、それ以降についてはなかなか答えられないというような今のお話でありましたが、いずれ、きょうの午後1時の段階で沼崎前町長がおっしゃったのは、県の指導といいますか、県と一体の形で進んできた、県の強い要請があった、県の協議を経て進んできたと。要するに、これは平成23年度から県との協議が進んできた中で、御蔵の湯もそうですし、緊急雇用創出事業については一体となってきた部分があると思います。
 そこで、疑義があった部分を時系列に切った段階で進んでいくということは、私たちの審査にも今後なかなか耐えられない部分がありますので、県がどのような方向で進んできたのか。もちろん、菊池さんは担当者として県庁との行き来もあったでしょうし、御蔵の湯の中間の問題についても把握して当然だったと思いますけれども、県がどのような判断でこの部分について進んできたのか、これは把握して当然だと思いますが、その点について再度お伺いしたいと思います。
〇菊池正佳参考人 これは、町のほうも、県のほうも、決裁権者というのは、決裁をする段階にいろいろお話があって、大どころの部分をきちっと確認をした上でやるものだと思ってございますが、そういう中で主張が食い違っている部分がある。それは、私どもはあくまでも制度のことしかお答えできないことになっております。それが協議と捉えられているのかなというような気もいたしておりますが、これは、数ある緊急雇用創出事業の中で、全てに関してそのようになっているのかといえば、ほかの件についてもほとんど具体論については市町村の責任でやっておりますので、そこは市町村の主体性、自治体としての信憑性、そういうところに委ねているものだと思っておりまして、したがって、完了検査があり、そして最終的には国の会計検査院の検査があって担保されるものだと思ってございます。この平成23年度に関して、そこの御蔵の湯どうのこうのという話につきましては私どもは承知してございませんので、今、これは、あの制度の中では適切といいますか、落ち度のないやり方ではなかったのかなと私どもは思ってございます。ただ、こういう事件があっていいのかどうかというのは、また別問題だと思ってございますので、その辺は御了解をいただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 要するに国の補助金が交付されて、県が完了検査をして、中間の行政の責任として、そこで県の役割はあるんだと。それはおっしゃるとおりですね。そうかもしれません。ただ、市町村行政と県が一体化して、そしてこの非常時に当たって、当時の山田町の状況を見れば、県がお墨つきをしているんだから間違いないという判断のもとで進んできた部分というのはかなりしんしゃくされるわけでありまして、交付金の交付団体と、単なる事業主体団体ではない、まさに非常時の中で行っている。要は、県が復興に係る構えとして一緒になって行えるかどうかというような問題を今問うているわけであります。したがって、時系列で区切って、御蔵の湯についてわからない。ただ、3月16日の時点で問題点と指摘しているわけですから、恐らく県とのやりとりは菊池さんがいた3月31日までにあってもおかしくない話だったと。これは、完了検査も延びて4月までなったということになれば、継続の引き継ぎ事項として残っているはずだと思うんですが、その件については何もなかったんですか、本当に。
〇菊池正佳参考人 今のお話でありますが、当然ながら、全ての部分に関して基本は市町村とともに少しでも復旧、復興に立ち向かうというつもりで毎日過ごしておりました。その中である程度、言い方は悪いんですが、見えてきたものについては、それはそれぞれの普通のルールでいいのではないか。私は、この緊急雇用創出事業については、当初、山田町の前町長も一番最初に雇用を発生させたい、それを何とかお願いしたいということで、事あるごとにいろいろな、国の政府の方々、県の方々がいらっしゃったときに力説していたことであります。これが早晩実施できたということで、私は、このときに市町村の緊急雇用創出事業については基本的に県事業、市町村事業を通して被災地、とりわけ被災者の雇用をできるだけ発生させるんだということで臨ませていただきました。特に市町村事業については、市町村の体制が整っているというところについては、基本的に自主的なもとに行う。それだけ申請できるということは、それだけのものがあると見てございまして、むしろ市町村がニーズに即した事業が展開できるよう、つまり何かというと、被災者に行き渡らないとか、予算が足りないとか、そのようなことがあってはならないと考えておりまして、そういう状況については確実に雇用を生み出せるような十分な額を確保するなど、環境を整えるということで臨んでございました。したがいまして、全く制度的にこうだからと、今お話しして切り離しているのではなくて、全体的な流れの中で、少しずつ市町村がやれるものについては市町村がやっていただきたいし、できないものについては、相談の上、県がいろいろ支援をしたこともあります。本来、市町村がやるべきことを委託されて沿岸広域振興局が動いたことも多々ございます。その辺は市町村との関係の中だと思ってございます。
 今のことでお答えになっているかわかりませんが、当時、そのような思いでやっておりました。これは、そういう流れの中で大分できてきているものだと私は思っておりまして、緊急雇用創出事業も、最終局面のあたりに、平成23年度の途中あたりからは、むしろ産業そのものの再生がどうかというあたりで動いていたというのが沿岸広域振興局の実態でございます。
〇飯澤匡委員 それでは、ちょっと質問を変えます。
 御蔵の湯が補助対象外という県の判断があったわけですが、この点についてどのような認識をその時点でお持ちになったのか。職は違えども、継続事項として、ただいまの非常に熱意ある答弁の延長上で考えれば、これは関心を持たずにいられない問題だったと思いますけれども、どのような印象を持たれたでしょうか、お答え願います。
〇菊池正佳参考人 先ほども申し上げましたけれども、これは私が異動した後のことでございまして、お答えを差し控えさせていただきたいと思ってございます。これは、それぞれの担当のところできちっとその分野で検討した上で、制度的な回答をしたと聞いてございます。
〇飯澤匡委員 それではお聞きしますが、既に去った後だから、その部署部署ごとでやるという答えだと思うんですが、町としてはそういうふうに捉えてないわけですよね。そこが問題なんです。これは菊池さんの判断で結構ですから、このリースを導入するスキームというのは誰がどのように考えてやるんだろうかという点について、知っている範囲でいいですから、お答え願いたいと思います。
〇菊池正佳参考人 この件に関しましては、後日聞き及んだ話でありますが、担当レベルで、一般論として制度の原則に関してリース可能という回答をしたと聞いてございます。
〇飯澤匡委員 そうなると、別の判断の中で、御蔵の湯については補助金で所有は認められないという判断があったと。ということは、その以前、菊池さんが在務中は、これは所有してよろしい、この補助金でできるんだという判断のもとに進んでいたと。先ほど来、御蔵の湯の問題については何の問題も惹起しなかったというような答弁でありましたので、そうすると、補助金の対象外という判断は県の別の機関がしたんだろうけれども、当時の事務方の責任者としては、県が適正にこの補助金を使ってできるという判断のもとに進んだのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 そのようなお話までしているつもりはございません。要は、この時点では、先ほど申し上げましたけれども、計画自体に御蔵の湯ということ自体が出ていない。そういう中での補助金を交付しているわけですので、その事業の中で、先ほど申し上げましたけれども、それを県が、町の個々の事業に対して、あれこれこうしなさいという話はできないと思います。制度でできるかできないかの回答はできます。そのような仕組みだと思ってございます。
〇飯澤匡委員 繰り返しになりますけれども、3月16日の復命書で、施設改修の費用が多数あった、御蔵の湯建設費についても、これは復命書の指導事項の部分について県の職員が指摘しているわけですが、菊池さんは口頭で確認をしただけだと言っていますが、これはもう単語として出ているわけですが、それはちょっと矛盾しませんかね。
〇菊池正佳参考人 この補助金の支出に関して、最終的な検査については、町がそろえた書類に従って検査をするものだと理解いたしておりましたので、その辺については私は承知していないところであります。
〇飯澤匡委員 どうも、さっきの沼崎元町長の答弁と食い違いが、認識の違いが明らかになっていて、議会としての質問になかなか、私たちがしっかり理解できる、判断できるような状況ではないというように今の時点で私は判断せざるを得ないと思っております。いずれにいたしましても、県がかかわった部分については、当委員会もしくはまた別の機関で県がしっかりと明確にしなければならないということを印象に持ったということを最後に添えて、私の質問を終わります。
〇伊藤勢至委員 本日はありがとうございます。
 希望・みらいフォーラムの伊藤勢至です。
 早速、質問に入ります。
 宮古の広域振興局の管轄は宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村の1市2町1村でございます。本日は、山田町におけるNPO法人大雪りばぁねっと。の不明朗会計処理の問題について、当時の副局長においでいただきましたが、私は、地方自治にかかわる一県議会議員として、常にオール岩手の目を、そして各広域振興局を通してそれぞれの地域を見るという視点が必要だと思っておりますので、そういう観点から、まず、二、三、質問をさせてもらいたいと思います。
 まず第1番目でありますが、発災当日、副局長として何をどのようにしなければならないと考えられましたか。そして、どのような手段を講じ、どう実行したのでしょうか。
 もう一つ、当日夜から宮古合同庁舎への地域住民の避難が多数、当日夜は480人と聞いておりますが、その対応はどうされたのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 まず、この揺れはただごとではないと判断しまして、災害対応が必要になるなと判断いたしました。まだ揺れが完全におさまらないうちに、おさまったら副局長室にセンター所長を呼ぶように指示いたしました。そして、その中で職員の安否確認と同時に指揮命令系統の確認、情報共有体制の整備など体制を固めました。その際、なかなか電話も通じないという状況がございましたので、このようなときこそ広域振興局が地域住民にとって頼れる行政機関として存在することが必須と考えまして、職員一丸となってできることを確実にやっていくということとし、地域住民に庁舎を開放いたしました。
 対応は、若手職員を中心に、食料を含めて安心して過ごしてもらえるような環境を整えながら行いました。庁舎の隣が消防本部だったということもあり、連絡要員を出しながら随時情報収集をし、住民対応に当たる一方、医療機関との連絡、道路の開削、瓦れきの処理、漁協の復旧等々、市町村等との連絡体制を確立しながら、市町村ニーズに従った支援を行っていたと考えております。
 職員には、我々が地域に頼られる県の復旧、復興の拠点として機能するよう、地域住民、特に被災者の声をよく聞き、早計にできないという結論を出さず、どうすれば声に応えられるのかを考えながら行動するよう指示いたしました。このため内部の情報共有を行い、分担しながら確実に実行いたしました。職員もよく理解してくれて、誠心誠意、事に当たってくれたと思ってございます。
 また、当日の夜の話ですが、庁舎開放後、各部署からなる若手職員を中心に受け入れをさせました。そうしたところ、お年寄りや病人に配慮した避難場所を設置したり、水分補給や衛生面でも配慮した受け入れをすることができました。
 一方で、余震が続き、大津波警報も解除されないことから、食料を調達するとともに、合同庁舎内食堂の協力も得ながら、栄養士を中心に女子職員による炊き出しを実施いたしました。住民1人に1個ずつではありますけれども、おにぎりを提供いたしました。その後、近隣の学校等にも多くの住民が避難しているということがわかりまして、近隣の小学校二つに約1、100個、その後、市内の至るところから食料の求めがありまして、調達したパンなどを届けて、当日、トータル2、000食ほど提供させていただきました。翌日も生協の協力を得まして食料を調達し、10日間、炊き出しを行いました。それから15日間、住民の受け入れを行いました。なお、合同庁舎から正式の避難所へ移行する場合には、住民意向を何度も確認して、不安を取り除くという形で行わせていただきました。
〇伊藤勢至委員 大変御苦労さまだったと思っております。
 それで、3月というのは年度末でございます。県営建設工事等の完成月でございまして、この大震災津波によって完成払いが延期されますと、県内全般に二次災害が起こりかねないということを心配いたしまして副局長に相談に行ったわけでありますが、そのときのアドバイスも含めて、対応をいま一度お伺いします。
〇菊池正佳参考人 私も、委員がおっしゃるとおりで、万が一、支払いが延期されると、協定に基づいていち早く復旧作業を行っている建設業者の方々の資金が回らない、あるいは復旧作業自体がおくれてはならないと思いました。このような場合、私は、事務的に通したのでは時間がかかり過ぎると思いまして、失礼とは思いましたが、委員に対して、緊急で即決する必要があるので、委員が直接副知事にお会いしてみて話をしてくださいと。それから、資金のこともありますので、会計管理者にもお会いしてみたらいかがでしょうかという失礼なお話をさせていただいた経緯がございます。
〇伊藤勢至委員 おかげさまで建設産業に二次被害を出さなくて済んだものと思っております。
 実は私の同級生で、ゼネコンの仙台支店長から電話が入りました。グリーンピア田老でお米が不足しているとの情報でございました。20トンから30トンの支援米の用意があるが、どうかということだったので、ありがたいと思い、宮古市長に電話を入れました。会議中ということで、秘書室を通じて伝えましたが、市長からは、間に合っていますので御心配なくということで断ってきたのであります。その旨、先方に伝えました。私はもったいないと思い、翌日電話を入れまして、宮古市は断ったが、沿岸地域で欲しいところは幾らでもある。私にくれたつもりで幾らか回してもらえないかと要望いたしましたところ、では、調べてみるということで、またすぐ電話が来まして、きのうの分は福島県に入れた、残りはお米が3トンとおかゆ5、000食があるけれども、それでもいいかということで、ありがたくいただくということで、実は遠野市が後方支援基地を立ち上げているのを知っておりましたので、遠野市長に電話を入れましたところ、遠野市長は、5キロでも10キロでもありがたく頂戴しますということで、遠野市に入れたわけであります。
 そこで、副局長にお伺いしますが、クリーンピア田老あるいはその他の被災市町村から沿岸広域振興局にそういった要請などはなかったんですか。
〇菊池正佳参考人 実は田老で家を被災した運転士が、被災後2日目だったと思いますが、夜を徹して田老の状況を調べに参りました。そこで、グリーンピア田老に多くの人が避難していて、グリーンピア田老にある食料を出しているが、あと1日しかもたないというお話がありました。そこで、センターのほうで相談いたしまして、沿岸広域振興局にある米を幾らかでも届けようということになりまして、農林部の職員で、米10キロ入り10袋でございますが、山間のほうを回って、岩泉を経由して届けたという経緯がございます。
〇伊藤勢至委員 震災、津波によって現金収入の道を絶たれた住民にその方策を示すのは国の責任であると思っております。いろんな交付金や補助金の制度が創設されました。緊急雇用創出事業もその一つでございます。宮古市は3月23日、12億7、000万円余、山田町は3月18日、10億7、000万円余、岩泉町は3月3日、8、900万円余、田野畑村は3月2日、6、400万円余の計画書を提出しております。内定通知はいずれも3月25日ということでございます。また、このほかにもふるさと雇用再生特別基金事業、国庫によるその他の補助事業、県単によるその他の補助事業などもあり、短期間、短時間のうちに取りまとめをするのは大変な作業であったと思います。このことについてどのような取り組みをされましたか。また、通信手段が途絶している中で調整は困難であったかと思いますが、いかがでございましたか。
〇菊池正佳参考人 当初、市町村の当面の必要額を把握する必要がございました。全体の配分額を市町村ごとの被災者の数で案分するということで、県が各市町村に出すものの総額を押さえて、その中で動いていこうと。被災者の数で案分しておけば、まず、大体総額を超えない限りは大丈夫だろうということで骨格を押さえまして、あとは具体的に市町村のニーズを聞くということでありますが、この時点では一応道路も通っておりましたので、沿岸広域振興局からの道路が通った時点で、最低1日1本、連絡便と称しまして職員を派遣させておりました。一つは、南のほうは山田町行き、北のほうは田老支所――これは宮古市なんですが、支所の分がちょっと離れておりますので――それから岩泉町、田野畑村をめぐって歩いて連絡をするというものでございますが、それらを使いながら市町村のニーズを把握したということでございます。
〇伊藤勢至委員 山田町の緊急雇用創出事業に関して伺います。事業計画が3月18日に提出され、わずか1週間後の3月25日に内定の通知を行ったということであります。事前打ち合わせなどはあったと思いますが、県として、国からの総枠を確保することが優先で、細部にわたっての精査が後回しになったというようなことはなかったのでしょうか。
〇菊池正佳参考人 緊急雇用創出事業では、細部の事業ごとに詳細な審査を行うというものではございませんで、新たな雇用が発生するかどうかということを中心とした書類審査でありますことから、精査が後回しになったということはございません。
〇伊藤勢至委員 それでは、今回のNPO法人大雪りばぁねっと。の不明朗な会計処理問題についてお伺いします。
 山田町議会復興やまだ応援事業調査特別委員会発行のやまだ議会だよりや山田町緊急雇用創出事業委託に関する第三者調査委員会の報告書によりますと、確かに一義的には大雪りばぁねっと。が悪いと思うがと言いながら、県の管理、監督に問題があったというような論調が見てとれますけれども、当時の沿岸広域振興局副局長としてどうお考えでしょうか。
〇菊池正佳参考人 現在の私が意見を述べる立場かどうか自信がありませんけれども、当時、私が責任者だったという意味で述べさせていただきます。
 県にも聞き取り調査をしたとありますけれども、県にも管理、監督に問題があったということを指摘するのであれば、もっと公の場で県職員の聞き取りを行うべきではなかったかと。その意味では、必ずしも適切だったとは言えないのかなという受けとめをしてございます。少なくとも、当時の決裁権者であった私を公開の場で聞き取り調査をするというのは最低必要ではなかったかと考えております。
〇伊藤勢至委員 平成24年7月に山田町長選挙がありまして、現在の新しい町長にかわられたわけでありますが、その新しい町長、そしてまた副町長のやまだ議会だよりの発言の中では、副町長が、委託先が適切に使用しなかったことで補助対象外となったのでという発言がありまして、体制が変わったところ、不適切使用だということを現体制は認めているわけでございます。そういう中で、大事に思いますのは、幾ら緊急、危機存亡のときであっても、やはりお役人という人方にとって大事なことは、公のお金、公金をどう処理するか。その上には会計検査院というものがあるわけでありまして、今回のこの事業、あなたの任期が終わった後でいきなりの報道でびっくりされたかもしれませんけれども、県職員としての安全ばねといいますか、これはちょっとひど過ぎるな、やり過ぎるなというのは、あなたの任期のときはそれは感じられませんでしたか。
〇菊池正佳参考人 私の聞き及んでいる限りは、そういうものはなかったと受けとめております。
〇伊藤勢至委員 最初は確かに、先ほどの前町長からもお伺いしまして、遺体捜索、そういうものが得意といいますか、実際、現地で実績も上げられたようであります。それが、いろんなことに手を広げていく中にあって、最後にはおかまショーというんですか、全国放送で流れてしまった。今は何だ、おかまでなくて片仮名で何と言うんだっけ、(「ゲイ」と呼ぶ者あり)ゲイでもないな、まあ、いいや、そういうショーをやって、これは会計検査院が絶対見逃すはずがない。10分の10の補助というのは、言ってみれば背中に会計検査院を背負っているようなものでありますから、そういう安全ばねが働くべきだったと思っておりましたけれども、裁判も起こしたようでありまして、これは裁判の経緯を見守るしかありませんけれども、言ってみれば、あなたの次の任期の方たちになったときに、山田町は手のひらを返されたと言っていますけれども、私は、返すべきだった、それが当たり前だったと思っています。つまり不適切な使用がわかった時点で手のひらを返して金を戻してもらう、これは県のやり方として当たり前の話で、私はそう思っているところであります。
 今までも、かつて森のトレーというような事案もありまして、補助金を使い切ってしまってから問題になったことがあるわけでありますが、今回はそうではなくて、そういうことが予測、予見できた時点でやったというのは、あなたの次の方だと思いますけれども、立派だったと思います。そして、大事なことは、今後も日本国があって岩手県が存在する限り山田町も存在し続けるわけでありますので、こういうことが、喉にひっかかった骨のように、将来的な関係を悪くすることというのは決してあってはならないことと思っております。
 そこで、あなたはもう退職をされた方でありますが、宮古の振興局副局長をやった経歴上、今後の県と山田町の関係についてどのようにお考えなのかを伺って、終わりたいと思います。
〇菊池正佳参考人 今回の震災に当たりまして、同じ宮古管内でも山田町というのは大変な状況でありました。そういう意味で、私自身、週に2回なり3回なり、できるだけ役場を訪問しまして、いろいろなお話を聞きながら、できるだけのことをやったつもりでございます。そういう意味では、まさに山田町と沿岸広域振興局は一体となりながらやってきたものと思っておりますし、今でもそうだと信じてございます。
 したがいまして、こういうことがございました。確かに、これはあってはならないことでありますし、先ほど来お話ししておりますけれども、これは、そういう制度の中ではこうだった、でも、これを何らかの検討はしていかなければならないのだと私も思ってございます。そういう意味で、震災を一緒に乗り越えて、あれだけ市町村と県が協力してやってこられたもの、その関係はこういうことで崩れてはいけないと思っていますし、それぞれ県と市町村が信頼して、情報共有をしっかりしながら、そして、市町村は県に頼ることなく、一緒にやっていても、やはりそれぞれの主体性をきっちりお互いにわかってやる必要があるだろうと思ってございます。
 今回のことは、我々としては、制度的に何らかの市町村の主体性を損なうことなくできる方法というものを考えていかなければならないのではないかと思ってございます。
〇小野共委員 民主党会派の小野共でございます。本日は、前副局長、出席ありがとうございます。
 通告しておりました順番を変えて質問いたしますので、御留意のほどお願いいたします。
 第一義的には、きょうの質疑の目的は、先ほど沼崎前町長のときにも申し上げましたが、平成24年度岩手県議会一般会計予算を認定するかどうか、これを判断するために必要な情報を収集することだと思っております。
 大雪りばぁねっと。にかかわる一連の全容解明の作業は、損害賠償請求事件として司法の場でも同時進行しておりますが、基本的に県議会、町議会が、予算を議論し、可決し、当該NPO法人に事業予算をつけているわけですから、予算の使われ方にこれほど不明な点がある以上、議会の自浄能力として、議会で責任を持って明らかにしなくてはいけないと思っておるところでございます。
 最初にお聞きいたしますが、平成23年度の完了検査でございます。この検査の時点で、大雪りばぁねっと。の現金出納帳、当該NPOの登記簿、岡田代表の履歴書、この3点が出ておらないわけですが、にもかかわらず、平成23年度の事業完了検査を通っておりますが、理由をどのようにお考えですか。
〇菊池正佳参考人 先ほど来お話ししているので、この具体的な中身については承知しておりませんけれども、一般的なお話とすれば、委託事業につきましては、発注者である市町村が、その事業実績について完了確認をしていることが前提だと思ってございまして、広域振興局は、市町村の決算が通ったことを前提に、緊急雇用創出事業の雇用要件やケースチェックをして確認すると理解いたしてございます。
〇小野共委員 商工労働観光部の部局審査のときでも再三話があったわけでございますが、それぞれの役割分担は、何かあった際に、その責任の所在をはっきりする上では、それぞれの県の役割、町の役割というものを前もってはっきりさせておく、原則的にはこのような役割分担であるというものは、責任の所在をはっきりする上では明らかにしておくべきものなんだと思います。
 しかし、有事の際には、有事の際というか、何かあったときには、町の役割あるいは県の役割を超えてでも、町が、例えば明らかに機能不全に陥っているわけですから、県が町の役割を補完することがあっても、私はそれでしかるべきなのではないかと思っているところでございます。
 野球の試合に例えると、私はセンターだけれども、レフトに来たボールはとらないよ。それで、私はセンターに来たボールは全部とったから、試合に負けても俺は関係ないよというような話なのではないかと。単純に、ぶっちゃけた話、そう思っているところなのでありますが、基本的に、それぞれの役割を補完することによってこの事態を防げたのではないのかと、この事件の背景を見るとき私はそう思うんですが、それに対して結果責任というものもあるんだと思います。どのようにお考えですか。
〇菊池正佳参考人 要は、有事だからということ、私も、有事だから常に連携していろいろなことをやっておりました。ただ、先ほどお話ししたとおり、できるだけ正常に行くものについては、それでやって、新たなことをどんどんやっていかないと復旧、復興は進まないと思ってございましたので、この市町村分の緊急雇用創出事業については、ある意味、ほかの市町村も含めて、スムーズに流れ出したものという認識のもとにおりました。
 それで、個々の担当がこうだ、こうだというお話をされますが、全て、そのほかに県の雇用創出事業も、直接雇用もたくさんありまして、それで、市町村の求めに応じまして、山田町にも、宮古市の田老支所、宮古市の新里支所、それから岩泉町、それから田野畑村にも、県の直接雇用もやっておりました。雇用者として管理監督責任がありますので、そういう担当を使いながら、随時回らせながら、市町村の求めに応じて直接雇用させたところもございます。そういう意味では、みんなしっかりやってくれていたと思ってございます。
この事業に関してお話をされているのでありますが、全て、全体的に、ここはうまくいっているよねという話で動いていまして、山田町でも、この中身について、おかしいぞとなって、いわゆる発覚というものですね、それは大分後の話でございまして、この時点では、それを発見したのではなくて、書類が入り口でそろっていないということでありました。だから整理をすると。つまり、町が県に出す書類がそろっていないという意味でございます。その前提となるものはそちらであったのかもしれませんが、そういうことだと理解しております。
〇小野共委員 その3点がそろっていないのに、県は、完了検査を通したということですよね。その時点ではそろっていなかったですよね。
〇菊池正佳参考人 これも後のことになるのでお答えしにくいわけですが、それがそろっていたから完了検査を通ったと思います。
〇小野共委員 確認いたしますが、平成24年3月の平成23年度の事業の完了検査の際に、その3点はそろっていたということですか。
〇菊池正佳参考人 今、お話し申し上げたとおり、ちょっと訂正させていただきますが、私が承知しないものでございますので、予断を与えてはいけませんので、控えさせていただきます。私はその当時、完了検査をするほうの宮古におったわけじゃございませんので、控えさせていただきたいと思います。
〇小野共委員 平成23年6月の知事との県政懇談会、3.11の直後の6月の知事との県政懇談会に岡田代表が出席しておりますが、結果的に、当該NPOの安全性を担保する役割を県が果たしてしまったという、結果的にそうなると思うんですが、この責任というものをどう考えていますか。
〇菊池正佳参考人 先ほどもお答え申し上げましたけれども、知事との懇談は、比較的早期における復旧の実情を知事に知っていただくという趣旨で実施いたしました。したがって、担保を与えるとか何かというレベルの話ではないと思ってございます。
〇小野共委員 やっぱり結果責任というものだと思うんですね。そのときには正しかったけれども、やることはやったと。副局長の今までの答弁を聞いていると、やることはやった、でも、その事態は起きてしまったと。じゃ、誰が責任をとるかという話になっていくんだろうと思います。みんな一生懸命それぞれの役割をやったと。でも、こういう事態は起きてしまったと。じゃ、誰がどのようにその責任をとるのかということになってくるんだろうと思います。
 じゃ、それだと結局、結果的には山田町に6億7、000万円ですか、全部その責任をとらせていいんですかという話になっていくんだろうと思うんですね。どのように考えますか。
〇菊池正佳参考人 先ほどのお話でございますが、知事に会ったことが、その方々の、ここで言えば、NPOの安全性と言っておりますが、地域ではその都度、いろいろな方々にお会いしていただいたりしているわけですが、その都度、それに対しての評価を与えたり、それが安全性を担保しているとかというのは、私は、ちょっと飛躍した理論ではないかと思っています。それが、結果とか何かの話ではない、ちょっと論理が飛び過ぎていると私は思ってございます。
〇小野共委員 論理が飛び過ぎているとは思っていないわけでありますが、最後にお聞きいたします。震災以後のNPO法人大雪りばぁねっと。に関する一連の県、町、当該NPOとのやりとりの中で、この事態を防ぐために、それでは、岩手県は何をすべきだったと思いますか。
〇菊池正佳参考人 何度も繰り返して申しわけございませんが、今回の事業は、やはり市町村の事業であって、事業市町は山田町である。その事業をNPO法人に依頼し、実施しているということから、NPO法人の事業執行は、全て山田町の管理下で行われるべきものと認識しています。
 ただ、今、県は何をすべきだったのかというお話でありますが、そのような制度のもとで、個々の市町村事業に県がどこまで関与すべきものかということは、場合によっては市町村の自主性を侵しかねない、損ねかねない、そういう可能性がありますので、これは一方で慎重に考えるべきという御意見もあろうかと思います。
 しかしながら、こういうことは二度と起こしてはいけませんので、県とだけではなくて、全体としてこの制度はどうあるべきなのか、何らかの検討は必要なものと考えております。
〇木村幸弘委員 それでは、私も質問の順番をちょっと変えますが、先ほど来、質疑が繰り返されておりますいわゆる完了検査にかかわる当時のかかわり方ですけれども、私の質問も2点それについて準備はしました。しかし、先ほど来の質疑のやりとりを聞いていれば、私のこの2点の質問についても、当時の、もう任務にはついていないという答弁で終わってしまうことになるわけであります。
 したがって、先ほど飯澤委員が、そもそもこの3月16日の問題が指摘されていることを含めて、いわゆるその終える任務から次の職場に移る前に、これらの一連の課題について、引き継ぎとしてどう捉え、そして、課題として次に対策を講じるよう何らかの手だてをしてきたのかどうかというところを先ほどの答弁ではしっかりお答えになっていないんですね。したがって、改めて、この3月16日にかかわる復命書に係っての課題、問題点の指摘、そして、それをどういう形で県として認識をし、引き継ぎを行ってその対策が講じられたのか、確認をさせていただきたい。
〇菊池正佳参考人 端的に申し上げますと、引き継ぎ事項の特別な事項には入ってございません。要は、山田町において完了検査が受けられない状態だから、きちんとやるようにという指示を出しておりましたけれども、それはそれでしっかり成るものと考えておりましたし、全体の被災地の中での取り組むべきことの大きな部分には、御批判もあろうかと思いますが、入ってございませんでした。
〇木村幸弘委員 引き継ぎ事項に入っていないということですけれども、しかし、この時点で、やはり完了検査を控えておりまして、非常に大きな事業が次の平成24年度事業としてかかわってくるタイミングの中で、いろいろな問題点がNPO法人に対して指摘されている、こうしたところを認識していくことは大変重要ではないかと思うんですね。
 150人近い雇用という問題も含めてかかわる事業を展開していくときに、こうした法人の体質というか経営の方向がずさんであるということを、なぜ重要視しなかったのでしょうか、改めて確認したいと思います。
〇菊池正佳参考人 先ほども申し上げましたけれども、口頭ですが復命を受けているのは、入り口の書類が整理されていないという意味でございますので、そうすると、中身というのはその後に具体的についてくるものだと思っていますけれども、要は、それに対しての、まず、山田町がきちっと書類を整理しないと先に進むことができないわけですので、具体的な中身はその時点では承知しておりません。
〇木村幸弘委員 非常に対応としては、やはりちょっと残念な対応ではないのかということを指摘させてもらいます。
 それから1点目に、質問の項目を変えますが、いずれ、第三者委員会等が、さまざまな県に対しての対応を含めて、やはり県の対応が十分でなかったのではないかという指摘も随所にあるわけであります。こうしたことも捉えまして、今回の事案について、問題の背景、あるいは本質的な原因というものを、本当に当時の現場の責任者として振り返ったときにどう見ているのか、その点についてお伺いしたいわけです。
〇菊池正佳参考人 何度も申し上げておりますけれども、この事業は、山田町がNPOに委託して行っているというところ、そこを、やはり契約の当事者として、履行を確保するためには、常に業務処理の状況把握などを山田町がNPO法人に対してやるべきものではなかったかと思ってございます。
 先ほど来申し上げておりますように、県が、その事業執行の途中で市町村に入る、そういうことはいかがなものかと思ってございます。
〇木村幸弘委員 それでは、先ほどの伊藤勢至委員の質問とちょっと重複するのですけれども、第三者委員会の調査に対して、県の、いわゆるこれは本庁が正式に呼ばれていないと反論をし、委員会のほうでは、県庁に出向いてしっかり聞き取りをしたのだということを記述しております。
 そこに対して今、前副局長は、公の場で、当時の現場の職員あるいは当時の私に対しても聞き取りをすべきではないのかというお答えをされましたが、そうだとすれば、改めて、委員会が当時聞き取った考え方や、あるいはその意見に対して、今、どうお答えになりますか。
〇菊池正佳参考人 中身についてのお話と承ったのですが、私は県を退職していて、これが県の直接の見解というお話になると大変困るわけでありますが、もし述べていいというのであれば簡潔に述べさせていただきます。
 基本的に、先ほどお話がありましたように、第一義的に大雪りばぁねっと。、それはそれで、そのように書いてございますが、あの中で、その次に前山田町の執行部は責任があるのだと。そして、県にも監督管理責任があるのではないか。それで、さらに山田町は、これから乗り越えていくために、現執行部のままで体制をきちっと、要は、これを乗り越えるべきだというふうな、トータルそんなふうに私は受けとめております。
 少なくとも私がお話ししたとおり、関係者、山田町の前町長なり前副町長なりの調査は克明にやられたと思いますが、やはり私としては、当時の県の、下の者はあれですけれども、特に責任者である私を呼んで聞き取っていただきたかったなと。いわゆるその制度の趣旨と責任の部分とこれからどうあるべきかというのは、やっぱりそれぞれあるので、県もあるのではないかということであれば、聞いていただきたかったなというのが率直な意見でございます。
〇木村幸弘委員 最後になりますけれども、いわゆる現場に携わる当時の責任者と、それから本庁における担当所管部との意思疎通というか、いろいろなこれの一連の問題の共有というものが、当時どこまでしっかりとされていたのだろうかということを考えたときに、一番最初の段階で、いわゆる山田町に対して県社協と県の総括課長が、このNPO法人はちょっと問題があるのではないかということで、委員会報告書によれば、撤退の助言という形で訪問されて、当時の沼崎町長に進言をしてきたという部分があるわけです。そういった本庁対応の総括課長の当時の認識と、そして、現場における菊池副局長としてのそこの意思疎通がどこまでどういうふうに図られていたのか、その点についてはどうだったでしょうか。
〇菊池正佳参考人 その件については、振興局にこれこれ、こういうという話はございませんでした。承知いたしておりません。
〇斉藤信委員 県が完了検査をしたにもかかわらず、山田町がNPO法人大雪りばぁねっと。に委託した山田町災害復興支援事業が破綻し、6億7、000万円の不適正支出と返還が求められる事態になりましたが、県の当時の責任者として、その原因と責任についてどう認識しているでしょうか。
〇菊池正佳参考人 補助金交付申請、交付決定の手続は、適正に行われたと認識してございます。
 平成23年12月には、事業の完了確認等に向けて必要な書類等について注意喚起をしたものでございますし、3月については、口頭で書類が整理されていないことの報告を受けましたので、山田町をきっちり指導するように指示した記憶がございます。その後の状況については承知してございませんので、御了承願います。
〇斉藤信委員 完了検査は3月31日、あなたの任期中ですよ。あなたが決裁したのではないですか。
〇菊池正佳参考人 3月31日の決裁というのは、いたしてございません。
〇斉藤信委員 決裁はするものじゃないですか、しなくていいんですか。誰がするんですか。
〇菊池正佳参考人 完了検査については3月31日までに実施するのが正しいやり方でありますが、これについては、3月31日に完了検査を行ったという報告はございませんでしたので、特別な場合、若干延ばすこともできますので、それでやられたのではないかと推測いたしております。
〇斉藤信委員 この完了検査の問題は極めて重大で、後でしっかりやりますが、やられなかったんですよ。文書は3月31日付なんですよ。とんでもない話です。まあ、それは後でじっくりやります。
 緊急雇用創出事業の実施要領では、委託事業を的確に遂行するに足る能力を有する者とありますが、NPO法人、岡田代表理事の実態をなぜ県として把握しなかったんですか。
〇菊池正佳参考人 山田町が、みずから事業を企画して、町が実施すべき業務をNPO法人に委託して行わせているものでございまして、山田町の監督のもとで行われているものでございまして、山田町に補助金を交付するという県が、委託先等の実態を把握する立場にはなかったと思ってございます。
〇斉藤信委員 この実施要領について、県はチェックしないんですか。
〇菊池正佳参考人 そのような認識のもとでチェックはいたしてございません。
〇斉藤信委員 災害復興支援隊のヘリコプターに、副局長は何回乗っていますか、いつ乗っていますか。
〇菊池正佳参考人 ヘリコプターには2回乗ってございます。1回目は7月14日、これは、山田町から乗ってくれという依頼があって乗ってございます。それから、2回目が8月4日、これは、副知事が現地を調査している中で、山田町のボランティアセンターに参りました。それで、遺体捜索の状況について聞き取ったということがございました。このときに、たまたまヘリコプターがあるからどうかということで勧められて、スケジュール的にもあいていたので、副知事が、じゃ、乗ってみるかということで乗りました。それで、私も御一緒いたしました。そういうことでございます。
〇斉藤信委員 6月15日の知事の懇談に岡田代表を紹介し、8月4日には副知事をこのヘリコプターに同乗させたと。岡田さんとはどれぐらいのつき合いだったんですか、何回会っているんですか、あなたは。
〇菊池正佳参考人 私の記憶では、これらも含めて数回でございます。
〇斉藤信委員 その御蔵の湯の事業について、これは、いつ、どのような形で提起され、どういう条件で実施することになったんですか。
〇菊池正佳参考人 先ほどお話し申し上げましたように、この山田町の事業で、私に協議、報告というものがあったのは、報告2回、決裁7回でございまして、この中に御蔵の湯の詳細については、計画書自体にもありませんし、報告の中にもございませんでしたので、個々の事業の細部は承知いたしておりません。
〇斉藤信委員 では、入浴施設はリース、材料費、組み立て費でできると、誰が責任を持って一般論を答えたんですか。
〇菊池正佳参考人 責任を持ってお答えしたかという話でありますが、これは仕組みの中の制度で、これこれ、こういうものであれば可能というお話をした、そういうふうに聞いてございます。
〇斉藤信委員 12月26日の開所式で副局長の祝辞が代読で紹介されています。ここでは、この仮設浴場の建設に尽力した山田町災害復興支援隊云々、今後の活躍に期待すると。あなたは、御蔵の湯についてこういう認識でやったのではないですか。
〇菊池正佳参考人 この表現については一般的に御理解いただきたいんですが、整備というのが正しかったかもしれませんが、一般的に、お祝いの席上でもあるし、建設という言葉を使わせていただきました。
 なお、この時点で建設工事であるかどうかということについては、承知いたしておりません。
〇斉藤信委員 あれだけの建物を見て、あれがまともなリースだとあなたは認識したんですか。
〇菊池正佳参考人 それにつきましては、その後もそのような、これがリースだったかどうかという話はございません。要は、先ほども申し上げましたけれども、私のところに上がってくる書類には、入浴施設ということの記載すらございませんので、そういうことを承知していなかったものであります。
 山田町に対する担当職員の回答というのは、あくまでも制度上の可否について事務的に述べたものだと私は理解いたしております。
〇斉藤信委員 契約変更のたびに県はチェックしているのですよ。それで、これだけ立派なパンフレットがあって、あなたに案内があって、あなたの挨拶をセンター長が代読したんですよ。知らないで書いたんですか、決裁したんですか、これ。
 いいですか、復命書にはこう書いているんですよ。仮設浴場の開場、緊急雇用創出事業における災害復興支援では県内で最も先進的な取り組み。とんでもない話じゃないですか。復命書には、あなたの印鑑も押されているぞ。
〇菊池正佳参考人 済みません、私はその件は承知しておりませんが、その復命なるものを私自身、今、強く認識はいたしておりません。
〇斉藤信委員 12月26日付の復命書で、あなたの印鑑も押されている。
 それで、御蔵の湯のリース、これは建設土木事業ではないかということは何度もやりとりしているんですよ。緊急雇用創出事業では、重機を使ったらだめとなっているんですよ。あれは重機を使った工事なんですよ。現場を見たら、これはだめだと。県はそれをチェックできなかったのではないですか。どうですか。
〇菊池正佳参考人 済みません、先ほどの12月26日の復命書ということでございますね。それについては、ですから……(斉藤信委員「開所式のとき」と呼ぶ)開所式。(斉藤信委員「開所式に代理で出席させたものの復命書です」と呼ぶ)はい、わかりました。
 いずれにしろ、この件については、振興局自体がそこまでの認識はしていなかったというのが事実であります。御蔵の湯という大規模なものができるのかどうかということは、これは後日の話でありますが、担当者自体も、それは行ってわかったという、それとこれが結びついていないのが現地の実情であったと思っています。
〇斉藤信委員 あなたのお祝いの言葉が紹介されて、物ができた段階でこうなっているんですよ。認めてはならないものが認められたんですよ。
 それで、私は、決定的なのは県の完了検査だと思うんですよ。ずさんな経理の実態が3月16日に指摘されておきながら、そして、これは、いいですか、厳しくチェックを行う必要があるというのが3月16日の復命ですよ。そして、3月31日には実際に完了検査ができなかったの。5月までずれ込んだんですよ。伝票がない、収支が合わない、現金出納帳もない、これが平成23年度の実態ですよ。こんな事業をあなたは認めてきたのではないですか。違いますか。
〇菊池正佳参考人 その実態を認めてやったかどうかということでございますけれども、それについては、この事業は、山田町の監督下で適正にやられているものと理解してございました。その時点ではそういうふうに思ってございます。
〇斉藤信委員 大変厳しい復命書が出ているんですよ、もうでたらめだというのが。だから、厳しくチェックしなくてはならないと。ところが、一方であなた方はどんなことをやったか。一つは、3月15日の契約変更、これは、県との関係では3月15日なんです。1億6、900万円の補正が出されているんですよ。なかった休日手当が4、635万円、防災センターの建物なんていうのもなかったのが1、100万円、公衆浴場建物が2、300万円、材料費がゼロなのが3、566万円。何で1月に突然こんな契約変更ができるのですか。でたらめじゃないですか。チェックしましたか、これ。1億6、700万円ですよ。
〇菊池正佳参考人 1月というお話でございますが……(斉藤信委員「町とNPOとの関係は1月なんです。県との関係は3月なんだ。それがでたらめなんです」と呼ぶ)はい。
 県に出てくる書類の中身をお話しいたしますと、そのような細かい部分が出てこないのであります。(斉藤信委員「違います。あります」と呼ぶ)かなり細い部分についての詳細についてのものは添付されておりませんので、どうだということで。ただ、だからどうのこうのという話ではありませんけれども、事実として、そういうものはなかったということでございます。
〇斉藤信委員 3月15日の契約変更を前副局長は決裁していないんですか。1億6、700万円の増額補正。それで、その付随資料とあって、大体1月というのは全部減額補正なんです。このNPOだけなんですよ、1億6、900万円も補正したのは。でたらめじゃないですか。
 もう一つ言いますと、こういうずさんな実態が明らかになっているときに、3月23日に平成24年度の7億9、141万円の来年度事業費が内定通知されているんですよ。あなたの時代に二重に問題を大きくしたのではないですか。
〇菊池正佳参考人 まず、内定通知の話でありますけれども、これについては、予算の関係もありまして、内示は1億円ちょっとだったと記憶いたしてございます。
 それから、もう一つですが、この中で、先ほど来お話ししておりますけれども、全体事業費はそれほど変わっていなくて中身で変わったという話ではないかと思っておりますが、これにつきましては、この計画書上、人件費割合も66%にふえてございますし、大丈夫ではないかという認識を持ってございました。
〇斉藤信委員 1月の契約変更というのは完全な不足払いなんです。でたらめなんです。1億6、900万円も不足払いしたんですよ。そして、そういうずさんな中で、あなたは、平成24年度の7億9、000万円の事業費を内定通知したんですよ。7億9、000万円ですよ。だから、12億2、000万円のとんでもないことになってしまった。私は、これは極めて重大だと思いますよ。
 終わります。
〇工藤勝子委員長 答弁はよろしいですか。
〇斉藤信委員 答弁してください。
〇菊池正佳参考人 先ほどの平成24年度の事業の内示は、一部金額を内示したように記憶してございますけれども、これは後で調べてみたいと思ってございますが、いずれ今回のところに関しては、私ども、そごがないようにやったつもりではございます。
〇工藤勝子委員長 これで、前沿岸広域振興局副局長の菊池正佳さんに対する参考人質疑を終わります。
 菊池参考人、どうもありがとうございました。
 次に、今後の審査方法等について、11月18日に開催した世話人会の協議結果を御報告いたします。
 今後の審査方法等につきましては、本日行いました参考人質疑の内容も踏まえて、11月29日に、当該案件の審査を行うための委員会を開催することとし、決算に対する意見の取りまとめと採決につきましては、12月6日に、委員会を開催し、行うこととしたいところでございますので、御報告いたします。
 お諮りいたします。さきの9月定例会において継続審査とされた認定第1号平成24年度岩手県一般会計歳入歳出決算についての今後の審査の方法についてでありますが、11月29日に、山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業に係る商工労働観光部の審査を行うこととし、決算に対する意見の取りまとめと採決につきましては、12月6日に、委員会を開催し、行うこととしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 なお、11月29日の委員会は午前10時から開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時45分 散 会

前へ 次へ