平成25年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成25年10月24日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  知事    達 増 拓 也
  副知事    千 葉 茂 樹

  県土整備部長   佐 藤   悟
  副部長兼
  県土整備企画室長 菅 原 伸 夫
  道路都市担当技監 蓮 見 有 敏
  河川港湾担当技監 及 川   隆
  県土整備企画室
  企画課長    佐 藤 隆 浩
  県土整備企画室
  管理課長    小笠原 隆 行
  建設技術振興課
  総括課長    金 田   学
  技術企画指導課長 桐 野   敬
  道路建設課
  総括課長    加 藤   裕
  道路環境課
  総括課長    細 川 健 次
  河川課総括課長  八重樫 弘 明
  河川開発課長   志 田   悟
  砂防災害課
  総括課長    加 藤 郁 郎
  都市計画課
  総括課長    横 山 俊 夫
  まちづくり課長  田 村 荘 弥
  下水環境課
  総括課長    伊 藤 茂 樹
  建築住宅課
  総括課長    澤 村 正 廣
  住宅課長    勝 又 賢 人
  営繕課長    伊 藤 勇 喜
  港湾課総括課長  藤 本 栄 二
  空港課総括課長  木 嶋   淳

  保健福祉部長   根 子 忠 美
  副部長兼
  保健福祉企画室長 浅 沼 康 揮
  保健福祉企画室
  企画課長    伊 藤 信 一
  保健福祉企画室
  管理課長    菊 池 達 也
  地域福祉課
  総括課長    齋 藤 昭 彦
  障がい保健福祉課
  総括課長     千 田   充

  会計管理者    熊 谷 俊 巳
  出納指導監    田 中 耕 平

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長    佐 藤 和 彦
  監査第二課
  総括課長    豊 岡 直 人

  参事兼財政課
  総括課長    佐 藤   博
〇工藤勝子委員長 これより本日の会議を開きます。
 初めに、10月23日、柳村岩見委員から申し出のありました山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業に関して、前山田町長の沼崎喜一君を参考人として出席を求めることについて慎重な検討を求めるとの件について、10月23日に開催いたしました世話人会での協議結果を報告いたします。
 この件につきましては、さきに御報告いたしましたとおり、参考人として出席を求めることとし、具体の日程、審査の方法等については、引き続き世話人会で協議することといたしますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで並びに議案第39号から議案第41号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、まず、県土整備部関係の質疑を行い、次に、障がい福祉サービス復興支援事業に関して質疑を行い、その後、決算15件及び議案3件について、意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。
〇佐藤県土整備部長 平成24年度決算の内容について御説明申し上げます前に、県土整備部所管事務事業に係る主な取り組みと成果につきまして御説明申し上げます。
 平成24年度につきましては、まず、岩手県東日本大震災津波復興計画の着実な推進を重点施策に位置づけ、取り組んできたところです。
 防災のまちづくりでは、沿岸被災地域において、湾口防波堤や海岸防潮堤などの津波対策施設の復旧、整備、円滑な津波避難のためのソフト施策として津波出前講座を開催するなど、多重防災型の復興まちづくりの推進に取り組んだところであります。この結果、津波対策施設については高田地区海岸など36カ所の整備に着手し、小本海岸など10カ所の整備が完了したところであります。
 また、交通ネットワークでは、災害に強く信頼性の高い道路ネットワークを構築するため復興道路等の整備に取り組んだほか、橋梁の耐震補強、道の駅の防災機能の強化等に取り組んだところであります。この結果、東北横断自動車道釜石秋田線宮守−東和間及び宮古盛岡横断道路・梁川道路が開通したほか、緊急輸送道路等における橋梁の耐震化が着実に進捗したところであります。
 暮らしの再建につきましては、災害公営住宅等の早期整備に取り組み、5団地218戸の工事を発注したほか、野田村門前小路第一地区において入居を開始したところであります。
 震災以外の分野につきましては、平泉の世界文化遺産登録を契機とした観光振興や地域経済の活性化に対する支援、県民誰もが安心して暮らすことができる地域の基盤づくりを重点施策に位置づけながら、いわて県民計画第2期アクションプランに掲げる社会資本の四つの政策項目の着実な推進に取り組んできたところであります。
 まず、産業を支える社会資本の整備では、物流の効率化や広域的な観光支援などを図るため、幹線道路ネットワークの構築、地域間交流、連携の基盤となる道路整備が着実に進捗しております。また、港湾の復旧、整備につきましては、港湾施設135カ所の復旧工事が完了したほか、港湾の利用の回復、拡大に向けた取り組み等により、港湾取扱貨物量は目標値を上回る実績となったところです。
 いわて花巻空港の航空機利用者数は、国内では平成24年3月からの福岡線の再開や名古屋線の増便など、海外では台湾プログラムチャーター便の運航再開等により、目標値を上回る実績となったところです。今後もさらに路線、便数の維持、拡充に向けた取り組みや、利用者数の増加に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、安全で安心な暮らしを支える社会資本の整備では、地震や洪水、土砂災害などから県民の生命、財産を守るため、河川改修などによる治水施設や砂防施設の整備、土砂災害警戒区域の指定、住宅の耐震改修支援などに取り組んだところであります。あわせて、日常生活を支える安全な道づくりのため、通学路の歩道整備などにも取り組んだところであります。
 この結果、砂防堰堤等の防災施設整備や、児童が安全に通学できる歩道整備等が着実に進捗したところであります。
 次に、豊かで快適な環境を創造する基盤づくりでは、豊かな自然環境と共生しながら快適で心地よさを感じる暮らしを創造していくため、道路、汚水処理施設などの都市基盤の整備、ユニバーサルデザインを取り入れた公共施設等の整備、長期優良住宅や多自然川づくりの推進、美しく魅力あるまちづくりなどに取り組んだところであります。
 この結果、汚水処理における水洗化人口の割合や、水辺空間の環境保全等に主体的に取り組む活動団体数は着実な増加が見られたところです。
 次に、社会資本の維持管理と担い手の育成、確保ですが、老朽化した社会資本の維持管理につきましては、予防保全による長寿命化を図るため施設の維持管理計画の策定を進めるとともに、道路や河川などの身近な社会資本について、草刈りや清掃など県民との協働による維持管理の推進に取り組んだところであります。
 この結果、道路の舗装、砂防施設、下水道のポンプ場の3分野において維持管理計画を策定したほか、点検の結果、予防保全的に早期の修繕が必要とされた橋梁の修繕や、社会資本の維持管理を行う協働の取り組みが着実に進捗しております。
 また、維持管理の直接の担い手である建設企業の育成、確保につきましては、技術者の育成や経営革新等に関する講習会の開催などを通じ、建設企業による経営基盤の強化や技術力向上に取り組んだところであります。
 以上が県土整備部における平成24年度の主な取り組みと成果の概要でありますが、発災以降、東日本大震災津波からの復旧、復興を最優先に総力を挙げて取り組んでまいりました。今後とも、震災からの一日も早い復旧、復興の実現と、ことし7月から9月にかけて内陸を中心に大きな被害をもたらした豪雨、台風被害からの早期復旧に向けて職員一丸となって取り組んでいきますとともに、いわて県民計画の七つの政策の一つでありますいわてを支える基盤の実現に向け、着実に施策を進めてまいります。
 それでは、平成24年度県土整備部関係の決算について御説明申し上げます。お手元の平成24年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きください。
 まず、一般会計についてでありますが、県土整備部関係は、6款農林水産業費3項農地費の一部、8款土木費、16ページの11款災害復旧費6項土木施設災害復旧費であります。これらの予算現額の合計は1、628億5、063万円余でありますが、これに対する支出済額の合計は1、024億5、975万円余となり、一般会計全体の支出済額に占める割合は9.3%となっております。また、翌年度繰越額の合計は545億8、951万円余となっております。これは、東日本大震災津波からの復旧、復興に向けた事業や国の緊急経済対策に対応した事業について、計画調整や設計、工法の検討に不測の日数を要したことが主な理由であります。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、便宜、平成24年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 歳入歳出決算事項別明細書の254ページをお開き願います。6款農林水産業費3項農地費2目土地改良費のうち、当部関係の主なものは、259ページ備考欄の農業集落排水事業費補助でありますが、これは、八幡平市松尾地区等の農業集落の汚水処理施設の整備改築に要した経費であります。
 次に、292ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費1目土木総務費は、職員の人件費など当部の管理運営に要した経費、国庫補助事業費の確定に伴う返還金、特別会計への繰出金などであります。2目建設業指導監督費は、建設業者の許可、指導監督並びに支援などに要した経費であります。次に、294ページをお開き願います。3目建築指導費は、建築確認事務、木造住宅の耐震診断の支援などに要した経費であります。4目空港費の主なものでありますが、備考欄1行目の管理運営費は、職員の人件費などいわて花巻空港の管理運営に要した経費であり、2行目の空港整備費は、いわて花巻空港の維持補修に要した経費であります。
 次に、296ページをお開き願います。2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、職員の人件費や、市町村道路事業の指導監督に要した経費であります。2目道路橋りょう維持費の主なものでありますが、備考欄2行目の道路環境改善事業費は、国の補助を受け、歩道の整備や道路、橋梁の補修など道路施設環境の改善に要した経費であり、3行目の除雪費は、県管理道路の除雪に要した経費であります。また、下から4行目の道路維持修繕費は、県管理道路施設の日常的、応急的な維持管理や舗装の補修などに要した経費であります。次に、298ページをお開き願います。3目道路橋りょう新設改良費の主なものでありますが、備考欄2行目の地域連携道路整備事業費は、国の補助を受け、現道の拡幅、線形の改良、バイパスの建設などの道路整備に要した経費であり、下から2行目の直轄道路事業費負担金は、国が行う復興道路などの整備に要した経費に対する県の負担金であります。
 3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、備考欄の一番下の河川海岸等維持修繕費は、河川、砂防、海岸施設の維持修繕に要した経費であります。次に、300ページをお開き願います。2目河川改良費の主なものでありますが、備考欄3行目の基幹河川改修事業費は、一級河川北上川など8河川の改良に要した経費であり、また、下から2行目の直轄河川事業費負担金は、国が行う北上川上流の改修などに要した経費に対する県の負担金であります。3目砂防費の主なものでありますが、303ページに参りまして、備考欄2行目の総合流域防災事業費は、砂防堰堤及び護岸工事並びに土砂災害警戒区域等の指定に必要な基礎調査に要した経費であり、また、下から2行目の直轄砂防事業費負担金は、一関市磐井川における国の特定緊急砂防事業などに要した経費に対する県の負担金であります。4目海岸保全費の主なものでありますが、備考欄2行目の津波危機管理対策緊急事業費は、普代村宇留部地区海岸の水門の改良などに要した経費であります。5目水防費は、水防警報施設の保守点検などに要した経費であります。次に、304ページをお開き願います。6目河川総合開発費は、簗川ダムなど2ダムの建設などに要した経費であります。
 4項港湾費でありますが、306ページに参りまして、1目港湾管理費は、大船渡港など6港の港湾施設の整備修繕などに要した経費であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、備考欄3行目の港湾改修事業費は、大船渡港など4港の施設整備に要した経費であります。また、下から3行目の直轄港湾事業費負担金は、国の久慈港湾口防波堤の改修などに要した経費に対する県の負担金であります。
 5項都市計画費でありますが、308ページに参りまして、1目都市計画総務費の主なものでありますが、備考欄4行目の都市計画調査費は、都市計画法第18条の規定に基づく都市計画決定に要した経費であり、下から4行目の広域公園管理費は、御所湖広域公園などの維持管理に要した経費であります。2目街路事業費の主なものでありますが、備考欄3行目の広域公園整備事業費は、御所湖広域公園の整備などに要した経費であり、4行目の緊急地方道路整備事業費は、盛岡市盛岡南新都市地区など9カ所の都市計画道路整備に要した経費であります。次に、310ページをお開き願います。3目下水道事業費の主なものでありますが、備考欄下から2行目の浄化槽設置整備事業費補助は、個人設置型の浄化槽の整備に要した経費であります。
 6項住宅費1目住宅管理費の主なものでありますが、備考欄3行目の公営住宅維持管理費は、県営住宅など5、198戸の維持管理などに要した経費であります。2目住宅建設費の主なものでありますが、313ページに参りまして、備考欄1行目の公営住宅建設事業費は、盛岡市、備後アパートの建てかえなどに要した経費であり、3行目の災害公営住宅整備事業費は、野田村門前小路地区など、災害公営住宅の整備に要した経費であります。
 次に、少し飛びまして、354ページをお開き願います。11款災害復旧費6項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄2行目の河川等災害復旧事業費は、東日本大震災関係で本格的な復旧工事を陸前高田市高田地区海岸や二級河川鵜住居川等で行うなど、河川、海岸施設等の復旧に要した経費であるほか、1月から3月までの異常な低温により内陸部等で、また、4月から5月の豪雨により県南部を中心に被災した河川、道路等の災害復旧に要した経費であります。2目港湾災害復旧費の主なものについてでありますが、備考欄1行目の港湾災害復旧事業費は、東日本大震災により大規模な被害を受けた大船渡港など6港の港湾施設の復旧に要した経費であり、3行目の港湾整備事業特別会計繰出金は、大船渡港など6港の埠頭用地復旧のための港湾整備事業特別会計に対する繰出金であります。次に、356ページをお開き願います。3目都市災害復旧費は、東日本大震災により被災した花巻広域公園等の復旧に要した経費であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成24年度岩手県歳入歳出決算書の42ページをお開き願います。平成24年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は131万円余であり、その主なものは、土地開発基金運用の利息収入であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は131万円余であり、その主なものは、土地開発基金の管理運営に要した経費であります。
 以上で岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、48ページをお開き願います。平成24年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額の合計は112億802万円余であり、その主なものは、流域下水道の維持管理費などに係る市町村負担金のほか、国庫補助金、前年度からの繰越金であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額の合計は98億1、002万円余であり、その内容は、流域下水道の各処理区の維持管理及び建設に要した経費や県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、52ページをお開き願います。平成24年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入の状況でありますが、収入済額合計は77億3、284万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金及び県債であります。
 次に、歳出の状況でありますが、支出済額合計は32億4、261万円余であり、その内容は、大船渡港など6港の施設整備に要した経費及び県債の元利償還金であります。
 以上で岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 以上をもって、県土整備部所管に係る平成24年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇工藤勝子委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、一人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇熊谷泉委員 私のほうからは大きく2点お伺いいたします。
 一つは、砂防ダムというものについてです。私もちょっと不勉強なんですが、先般の8月9日の大雨洪水で、うちのほうに東根山という大きな山があるんですが、そこの一番大きな沢から、例年といいますか、過去何回も土砂災害がありまして、その下の集落のところは、先ほど出ましたが、土砂災害警戒区域にもなっています。実は、平成14年7月の台風、平成19年の大雨洪水のときも、それぞれ治山ダムが設置されておりました。ただ、平成19年のときは、治山ダムはできてから3年ぐらいしかたっていなかったんですが、先般の大雨で一遍にもう全部埋まってしまいまして、そこがあふれて下のほうに土砂が出ました。ただ、集落に一部入り込んで、直撃したところはちょっと避けたんですが、今回も大きな土砂災害があったわけであります。過去においては、古いところでは森林管理署が設置した治山ダムがありまして、私が記憶する限りでは、過去にも治山ダムが4基ぐらい設置されてあったわけでありますが、今回、それらの大きな災害を受けて――最近の大雨洪水は、10年に1度というものが5年に1回ぐらいの頻度で来ます。今回も治山ダムの設置も一つ考えられて、それはそれなんですが、これだけ大きな沢で、再三、土砂災害がある場所で、最近、砂防ダムを要望する声が出てきました。そこで、どういう条件のときに砂防ダムの設置が認められているのか、それをお伺いしたいと思います。
〇加藤砂防災害課総括課長 ただいまの砂防ダム整備の条件ということでございますが、県では、流域の荒廃地域の保全及び土石流等の土砂災害から下流部に存在する人家や公共施設等を保全するための対策の一つとして、砂防ダム整備等の砂防事業を行っているところでございます。
 事業導入に当たりましては、保全対象となる保全人家5戸以上の箇所であることや、災害時要援護者関連施設、避難所、避難路、学校、病院などの公共施設等がある箇所などの採択要件を満足することが必要となります。これらの要件を満たす箇所の中から、過去の被災履歴や保全対象施設の状況等により県全体での優先度等を勘案いたしまして、具体的な事業化について検討していくことになります。
〇熊谷泉委員 大体人家が5戸以上ということで、それはある程度該当になるわけです。この事業は国の事業と聞いていましたが、県の持ち出し分もあると思います。それは国の認定を受けなければできないと思いますが、県内に砂防ダムというのはおおよそ幾らぐらいあって、先ほど、項目にもありましたが、維持管理といいますか、ふだん、そういうものにお金がかかるものかどうか、その辺を伺いたいと思います。
〇加藤砂防災害課総括課長 県内の砂防ダムの基数でございますが、私どもでこれまで設置してきた堰堤としましては全体で700基ほどございます。これは、当然のことながら、かなり山間部のほうに設置されているということもありまして、毎年の点検というのはなかなか難しいところがございますけれども、年度計画をつくりまして、ローテーションを組んで、堰堤のほうは順次点検パトロールをやっているという状況でございます。
 また、例えば大きな地震等がございますと、そういうダムへの影響等が懸念されますので、そういった場合には、随時、パトロール等を実施して確認しているという状況でございます。
〇熊谷泉委員 わかりました。学校、病院等があるわけではありませんが、下流には集落が、かなり戸数がまとまっている状況でありますので、また、これについては対応をお願いしたいと思います。
 もう一点、先般、総括質疑で、沿岸のほうの災害公営住宅のペット同伴についてということで前向きな答弁をいただいて、市町村が希望する場合にはペット同伴を認める方向とされているという流れになっております。市町村が希望する場合ということで、今回も災害公営住宅の発注の案件がもう既に3件ほど出ていますが、次々に住宅が建っている状況で、それらを市町村にいつ周知して、希望をいつまでにどういうふうに取りまとめられる予定になっているか、それを伺いたいと思います。
〇勝又住宅課長 災害公営住宅のペット飼育の意向把握についてですが、県の方針につきましては、ことし9月に市町村の担当者に通知しているところです。市町村では、そのことも踏まえながら、ペット飼育を認めるか否か。認める場合には、どの団地、住棟でペット飼育を認めるかなどについて検討しているものと考えます。
 また、被災者のペット飼育の希望については、市町村が行う意向調査等を通じて把握されていくものと考えており、例えば宮古市や大槌町では、災害公営住宅のアンケートの中で被災者の意向を確認しております。ペット飼育が可能な災害公営住宅の情報については、適切な時期に入居希望者に提供できるよう、市町村と調整してまいります。
〇熊谷泉委員 今までは公営住宅にはペット同伴は認められてなかったわけでありますが、今回新しく建設されるわけでありまして、当然、ペットを飼う場合は、いろんな部屋をある程度荒らされないようにといいますか、一つの工夫が必要でありまして、その辺のペット同伴の住宅の場合は、建設の場合に何か配慮されるものがあるかどうか、その辺も伺いたいと思います。
〇勝又住宅課長 災害公営住宅のペット飼育への配慮についてですが、県で管理する災害公営住宅でペット飼育を認める住棟については、補修を行いやすくするため内装仕上げを上下で分離すること、1階入り口付近にペット用の足洗い場を設けること、エレベーターホールや各戸の玄関前にリードをかけるためのフックを設けることといった対応を行っていきたいと考えております。
〇熊谷泉委員 被災者は心理的にペット同伴でないと非常に不安というか、そういう状況になっておりますので、これについても前向きに進めていただくようお願い申し上げまして、終わりにいたします。
〇高橋昌造委員 私からは大きく2点についてお伺いいたします。
 まず、決算事項別明細書の300ページの砂防費に関連してお伺いいたします。
 ことし7月から10月にかけての大雨洪水等によって崖崩れや土石流等の発生が相次いで、対策を講じなければならない状況下にあるわけでございます。
 そこで、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の取り組み状況についてお伺いいたします。
〇加藤砂防災害課総括課長 土砂災害防止のための施設整備の取り組みについてでございますが、急傾斜地や土石流危険渓流などの土砂災害が発生するおそれがある危険箇所といたしまして、県で抽出している箇所は1万4、348カ所ございますが、そのうち施設整備の対象としている人家5戸以上などの箇所は4、187カ所となっております。これまで、急傾斜地崩壊対策施設や砂防堰堤などの整備を進めておりまして、480カ所について完了いたしまして、その整備率は11.5%という状況でございます。
 このため、県としましては、事業効果をより高めていく必要があると考えておりまして、老人福祉施設などの災害時要援護者関連施設や学校、病院などの公共施設、市町村地域防災計画で指定する避難所がある箇所、さらには過去に災害履歴等のある箇所などを優先的に整備を進めまして、土砂災害防止に取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 そこで、整備率が11.5%ということで、これはもう一度総点検というか再点検をして、どうしても取り組まなければならないところは、順次取り組んでいかなければ大変なことになるのではないかと。そういった計画があるのかどうか、そして、目標を立てて着実に実行しているのかお伺いいたします。
〇加藤砂防災害課総括課長 先ほど申し上げましたように、1万4、000カ所を超える危険箇所があるということで、なかなかそういう整備も進まないという状況でございます。先ほど答弁申し上げましたが、どうしてもある程度の線を引いて優先度を決めて、まずは進めていかざるを得ないということでございますので、県内のそういう箇所につきましてピックアップいたしまして、着実に進めてまいりたいと考えております。
〇高橋昌造委員 ぜひ、そういった対策を講じていただくようにお願いいたしたいと思います。
 次に、土砂災害等の被害を最小限にするためには、事前に住民に安全に避難できるように周知することが非常に大事ではないのかと。そういったソフト対策面での取り組みも重要と考えるわけですが、そういったソフト対策面での県の取り組み状況についてお伺いいたします。
〇加藤砂防災害課総括課長 土砂災害防止のためのソフト対策面での取り組みについてでございますが、平成13年の土砂災害防止法の施行に基づきまして、市町村の協力を得ながら土砂災害警戒区域の指定というものを進めておりまして、住民への危険箇所の周知等に努めているところでございます。
 土砂災害警戒区域の指定状況は、先ほど申し上げました土砂災害危険箇所1万4、348カ所に対しまして、現時点では2、886カ所を指定済みでございまして、20%の指定率という状況でございます。土砂災害警戒区域の指定によりまして、市町村では警戒区域ごとに警戒避難体制の整備やハザードマップの整備を行いますことで、土砂災害の未然防止を図るというものでございます。
 さらには、大雨等による土砂災害の危険性が高まったときに、土砂災害警戒情報を県と盛岡地方気象台との共同で発表しまして、関係市町村に通知いたしまして、避難勧告等、警戒、避難の重要な判断材料の一つとしていただいているところでございます。
 なお、この土砂災害警戒情報は、気象台から専用回線で関係市町村のほうに通知されますとともに、当課からも関係市町村に対しましては別途ファクス送信し、電話連絡によります受信確認という手段をとりまして、確実な伝達に努めているところでございます。
〇高橋昌造委員 このことについては、県だけじゃなく市町村とも――市町村には地域防災計画があるわけです。今、御答弁の中にもハザードマップとか、そういったことの関係もあったわけでございますが、しっかり連携して、情報を共有しながら取り組んでいただきたいということを一つお願いいたしたいと思います。
 次に、8月9日の大雨洪水により、私の地元である矢巾町の一級河川岩崎川が氾濫して、甚大な被害が発生いたしたわけでございます。
 そこで、県当局には、災害復旧に向けての取り組み、それから、県庁職員の皆さん方が災害ボランティアに入っていただいて御協力いただいたということで、地元の皆さんが非常に感謝しておるところでございます。そういった中で、今後、県として総合的な治山治水対策を講ずるべきではないのかと思うわけでございますが、県としての対応についてお伺いいたします。
〇八重樫河川課総括課長 ただいま、総合的な治山治水対策の考え方ということで御質問がありましたけれども、河川流域につきましては、上流の森林から下流の海まで一体、一連となった大きなフィールドであるということを認識しておりまして、洪水対策、治水対策につきましても、治山、砂防、河川などが一体、一連となって取り組んでいくものかと考えております。
 県では、有識者の方々からなるいわての川づくりプラン懇談会を設けておりまして、山の専門家の方も入ってもらっておりますので、そういった懇談会などを通じまして、関係部局の連携を一層図ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 もう少し具体的な対応を考えておられるのかなと思ったんですが、今後、それぞれの関係機関、そういった団体等も含めて、治山治水対策については総合的にしっかり取り組んでいただきたいということを切にお願いするところでございます。
 次に、決算事項別明細書の302ページの水防費に関連してお伺いいたします。
 ことしは、それこそたび重なる豪雨災害で水防団による活動が非常に大きかったわけでございますが、水防団の役割、特にもどのような役割を果たされておるのか。また、水防団員数は年々減少しておるわけでございますが、水防団員の確保対策についてお伺いいたします。
〇八重樫河川課総括課長 水防団の活動、団員数についての御質問ですが、水防団の活動としましては、今年度のたび重なる豪雨では、洪水被害の発生、拡大の防止に大きく貢献されていると認識しております。具体の活動としましては、洪水被害の未然防止のためのパトロール、浸水防止のための土のう積み等の活動、ことしは浸水期における救難活動、内水被害防止のための排水ポンプの操作等々でございます。
 水防団員につきましては、今年度のデータでは県内で2万3、055名ということになっておりますが、5年前の平成21年度におきましては2万3、439名で、5年間に約400名、2%程度は減少しておりまして、やはり人口減少や若年層の方の減少に比して、そういう傾向にあるものと考えております。
 水防管理者であります市町村におきましては、団員を確保するために、広報誌での募集とか水防訓練、防災訓練のたびに勧誘を行っておりますし、町内会単位での行政区長などへの呼びかけなど取り組みを行っていると聞いておりますし、県におきましても、引き続き、国や市町村と共同して、さまざまな機会を通じまして水防活動の意義などを啓蒙し、周知に努めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 人口減少とか若年者の減少というのは当然わかっておることでございますので、できれば、県と市町村とで水防団のあり方というものの協議の場を設けて、ただこういうことを話しておきますということではない、今はもう切羽詰った段階だと思うんです。特にも今回の災害時における水防団の役割は大きかったわけです。だからこそ、抽象的なことじゃない、もっと具体的に、こういう取り組みをしてやるんだというところを示してもらわなければ、こういう災害時のときに対応できなくなってしまう。
 それから、土のうを積んだりすることもそうなんですが、今、河川で問題になっている流木の処理の問題で、これも増水してからでは遅いのですが、増水する前の未然防止というか、矢巾町でも岩崎川の橋が落ちたりしたんですが、いずれ未然に、やはり活動の一環としてそういうものも教育訓練とか何かの中で入れていくとか、役割を拡大していくということも検討してほしいということを一つお願いしておきたいということでございます。
 次に、8月9日の大雨洪水により岩崎川が広範囲にわたって浸水したわけでありますが、住民にはこの浸水情報が十分に伝わらなかったということで、今、いろいろ問題になっておるわけですが、洪水の水位情報を地域住民の皆さんに伝達するために、この間もいろいろ一般質問とか何かでも出ておったんですが、水位周知河川の指定を積極的に取り組むべきではないのか。
 そこで、県では、この指定の取り組みについてどのように考えているのか、まずお伺いいたします。
〇八重樫河川課総括課長 水位周知河川の指定への取り組みということでございます。
 まず、河川の水位情報について御説明いたしますが、県では、豪雨災害時に住民の迅速かつ安全な避難の一助とするために、雨量と水位という情報を、リアルタイムでインターネットやモバイルメールという手段を通じて提供しているところでございます。これについては、パンフレットを作成したり、一般に広報、周知を行ってきたところでございますが、今後とも、これらの情報の有効活用のために、その周知の強化には取り組んでまいりたいと思ってございます。
 それから、水位周知河川になりますと、報道を通じて住民へも避難判断水位という情報を提供するということになります。これは、具体的にはテレビ画面のテロップになりますが、これまでには、県では平成16年度から19河川の指定を行ってまいりました。今後も、人口、資産の集中する河川とか、ことしのように浸水被害が発生した河川におきまして優先的に指定を進めてまいりたいと考えてございます。いろいろと詳細な調査とか分析が必要になります。それぞれの指定につきましては費用、時間がかかりますので、そういった優先性を考慮して計画的に行ってまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 例えば、いろいろインターネットとか何かでの情報提供も大事なんですが、災害弱者という人たちがうまく利活用できる人たちであればいいんですが、だから、もう少し行き届いた配慮というか、私は、特にも災害弱者についてはそういう配慮があっていいのかなと。これも県土整備部だけの問題ではないわけですので、総合防災の一環としてひとつ前向きに検討していただきたいということと、それから、水位周知河川の設置基準がどうなっているか。今お聞きすると、災害が発生しなければ考えないということじゃなく、これは何のためにやるのかと。水位周知河川、ウオーターレベルを周知するのはいわゆる未然防止なんですよ。だから、例えば設置の基準みたいなものがあるか。そうでなければ、問題になっているところから積極的に順次やっていくかという前向きな考えはないのかお聞きいたします。
〇八重樫河川課総括課長 水位周知河川の指定基準というものは特に定められているものはございません。今、県が把握している水位計につきましてもかなり満遍なく設置されているとは思いますが、まだまだ全河川にあるというわけでもございません。予算、時間と先ほども申し上げましたが、そういったものが希薄なところとか必要と考えられるところをまたチェックしまして、これは可能な限り計画的に設置を検討してまいりたいと思いますし、水位周知河川につきましても、まずは被災実績のある河川を優先に、とにかくこれは進めていきたい。そしてまた、連続して雨がないという平穏な年も期待したいわけですが、そういった年も使って、順次、優先性を斟酌しながら進めてまいりたいと考えてございます。
〇高橋昌造委員 最後にさせていただきますが、まず、土砂災害の防止対策も11.5%の整備率だとお聞きすると、ちょっと肌寒い思いをきょういたしたわけでございます。実は伊豆大島のことでございますが、私はこれは人ごとではないと思うんです。だから、県土整備部だけじゃなく関係部局が一体となって、また、市町村とか、ここであれば地方気象台とか、そういうところも巻き込んで、もう一度、防災のあり方について総点検をして、やはり防災の一番のキーワードは情報の共有だと思うんです。そのところにしっかり意を用いて対応していただくようにぜひお願いいたしたいということで、最後に、佐藤部長の必ずやるぞという決意のほどをお聞きして、終わります。
〇佐藤県土整備部長 自然災害への備えは極めて重要だということを私も強く認識しております。平成19年に河川課におりましたときに、北上川沿川で非常に甚大な浸水被害がありました。平成20年には岩手・宮城内陸地震がございました。沿岸広域振興局に勤務しておりましたときに東日本大震災津波に遭遇しております。そして、その後もまたさまざま洪水被害がありましたけれども、ことしは7月、8月、9月と一連の豪雨、台風災害がございます。このような災害に対して、我々県土整備部が、施設整備、ハードの整備を一生懸命予算確保しながら頑張るということは非常に重要だと思っております。ただ、今、御指摘がありましたように、一連の災害を見てもわかるように、ハード整備だけでは対応できない、あるいは県土整備部だけでは対応できないということも非常に身にしみて感じております。
 そういうことで、ソフト対策については、先ほど水位周知河川のお話を申し上げましたけれども、毎年、2河川から3河川、これは予算とか技術的なことでそのぐらいの数を指定してきているわけですが、必ずしも被災を受けたらやると待っているわけではなくて、我々は一応リストは持っています。こういうところは重要だというところを順次やってきた結果、今、19河川まで来たというところでございます。これらについては、被災を受けたところも当然やっていきますけれども、そういう優先順位を考えながら計画的に進めてまいります。
 また、市町村との連携は非常に重要でございまして、従前からもやってきているところですが、9月の台風18号のときの玉山区でうまく避難できなかったということを踏まえまして、まず総合防災室と調整しまして、市町村の担当者等に対しまして、情報の意義がどこにあるのかということについてわかってもらうということにも取り組んでおります。
 また、我々が一生懸命やっても、自助、共助、公助という言葉がございますが、最後は一人一人が危ないということを意識してどう行動するかというところが、本当に命を救うことにつながるのだろうということも感じておりまして、防災教育も重要だと考えておりまして、教育委員会のほうとも連携しながら、そういうことにも取り組んでまいることにしております。
〇伊藤勢至委員 私からは大きく道路と港湾活用という2点についてお伺いしたいと思います。
 まず、道路についてでありますが、大きな被害を受けました沿岸の道路は国が大きな手を打ってくるだろうという期待を実は持っておりました。当然、三陸縦貫自動車道路、宮古−盛岡間の106号、さらには、ずっと念願でありました340号立丸峠線、あるいはこの際、押し込めということで頑張ってきたつもりの県道41号、それらが――私は、106号は復興道路の位置づけに当たるものだと思っておりまして、つまり106号は3桁道路でありますけれども、国の財源で整備をしてきた。直接的には県を経由するわけですけれども。
 ところが、今回もらった冊子を見ますと、106号は復興支援道路ということになっております。340号あるいは41号等は復興支援道路のさらに下のといいますか――上下はないのかもしれません。あるいは企画が違うのか、予算づけが違うのか知りませんが、この際、その辺をはっきりと、どういうふうに認識されているのか、まず1点お伺いします。
〇加藤道路建設課総括課長 国道106号、340号立丸峠線、県道41号重茂半島線、それらの位置づけについてでございます。
 県では、災害に強い高規格道路等による幹線道路ネットワークの構築を被災地の復興に必要不可欠なものとして、平成23年8月に策定しました復興実施計画において、三陸沿岸道路、東北横断自動車道釜石秋田線、宮古盛岡横断道路の3路線を復興道路と位置づけております。
 一方、国では、その後、平成23年11月に成立しました第3次補正予算におきまして、三陸沿岸道路を復興道路として、また、宮古盛岡横断道路と東北横断自動車道釜石秋田線を復興支援道路として事業化しております。
 県と国では、横断軸の道路の呼称が異なっておりますけれども、復興に欠かせない道路であるとの認識は共通だと考えております。そのため、県としましても、国や関係機関と連携しながら整備を進めているところでございます。
 また、県の復興実施計画におきましては、内陸部と三陸沿岸各都市にアクセスする道路及び横断軸間を南北に連絡する道路などを復興支援道路、防災拠点等へのアクセス道路や水産業の復興を支援する道路などを復興関連道路と位置づけまして、交通隘路の解消や防災対策、橋梁の耐震化等を進めるとしたところでございます。
 国道340号につきましては、復興支援道路と位置づけまして、立丸峠のトンネル化を平成24年度の9月補正で新規事業化を図っておりますし、また、県道41号重茂半島線につきましては、復興関連道路と位置づけまして、防災集団移転等のまちづくり計画と連携し、また、大変な孤立が発生しましたので、孤立集落の解消を目的として計画しております。
 それぞれ事業を充てまして、復興に向け整備を加速してまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 簡単にお聞きしますが、復興道路、復興支援道路、復興関連道路、ウナギ定食で言う、いわゆる特上、特とか並とか、何かそういう差があるんですか。構造が違うんですか、予算が違うんですか、何が違うんですか。
〇加藤道路建設課総括課長 上中下があるようなものではございません。
 それぞれの意義を先ほど申し上げましたように、高規格の幹線道路、それからそのほか、それを補完する横断軸、また、地域の復興を支える関連道路、そういうような位置づけによる違いでございまして、上下のあるような区分ではございません。
〇伊藤勢至委員 この106号線は、振り返りまして、昭和45年の第1回岩手国体の際には、それ以前は宮古−盛岡間は3時間のコースでございました。3分の1ぐらいしか舗装道路がありませんで、それ以外は砂利道でありました。この際、国体を招致するということで、1回目の国体は、国全体の復興支援という大きな目的がありましたので、大きな予算づけができて106号線の大改修もできたものと思っております。
 今、おかげさまで達増部の第一、第二トンネル等も逐次やってもらっていまして、今で宮古−盛岡間が2時間20分ぐらいでしょうか、それが今回のこの道路が完成する暁には、恐らく70分台になると私は言っているんです。70分から79分59秒までが70分台ですよ。70分台になると言って、我々は、うそはいけませんが、少しぐらいのほらは許されています。希望を与えるということは許されているんです。そういう中で70分台になるよ、法定速度で。ちょっと急げば1時間を切るなんていう話もしたりしていますけれども、いずれそういう経過があった中で、ようやく三陸沿岸にも光が当たってくるかなと大変期待をしているところでございます。
 そういう中で、きのういただいたこの資料ですが、大改修が行われるわけでありますけれども、和井内の方に向かう340号が新しくショートカットしていくラインにタッチしていない。今までの道路をそのまま残した形で、随分新しい道路には接続がおくれてしまうのではないか。これは、新里地区、和井内地区、ひいては岩泉地区の皆さんから、何で真っすぐに最短でつないでくれなかったかということが多分出ると思います。これは初めて見たものですからね。じゃ、わかりました、そこはこうしましょうという、そういうものはまだ残っているんですか、もうこれは最終決定で、このまま行ってしまいますということなんでしょうか。
〇加藤道路建設課総括課長 これは、地元に逐次御説明してまいりました計画でございます。
 今の御指摘は茂市のところの国道106号と340号の分岐のところのお話だと思いますけれども、ここのところにはインターチェンジが設置される計画となってございます。インターチェンジをおりまして、一旦、現在の国道106号に出まして、そして340号和井内のほうに向かえるというような構造が現在用意されております。
〇伊藤勢至委員 わかりました。地域の皆さんに説明をして進めてきたと、それはそれで手順的にはいいと思いますが、宮古、下閉伊の人たちは、私のように内気な人が多くて、思っても、なかなかすぐしゃべらない人が多いんです。だから、言ってきかせて、してみせて、やらせてみせて、そこまで手をかけてやらないと本当の意見が出てきませんので、1回の説明で全部100%説明が終わったと思わないように、ぜひ手を尽くして説明をしていただきたいと思います。
 そこで、また一つ、これに関連して、実は30年以上前から、秋田県の横断道路46号とこの106号の3桁の道路を一体のものとして国の直轄で整備をしていただいたほうが、秋田県、岩手県にとっては得策だと、当時の宮古市長、前の県議会議員でありますけれども、その方が提唱いたしまして、この運動を30年前から続けてまいりました。
 そういう中で、今回の図面の中には、今まで懸案でありました、例えば茂市地区のアスファルトのプラントのあるところ、山田線が上を走っている、道路はセパレートに二つに分かれて走っている。左側は閉伊川ということで、上にも左にもどっちにも広げられないこの難所でしたが、これは現在、物流のほうで言いますと、20フィートコンテナなら何とか通る。だけれども、将来的に40フィートになると、ここにぶつかって通れないということから、宮古市は、ここの部分の解消をということで、湯ったり館の方面に思い切ってトンネルで抜いてもらいたい、そういう要望も随分出してきたところであります。それが今回、このトンネルでショートカットになっておりますので、その部分の隘路が解消するなと大変ありがたく思っているところであります。
 さらに、平津戸地区についてもショートカット、3本か4本のトンネル、そして区界の長大トンネル、これは松草あたりから潜るようでありますけれども、そして、現在供用開始になっている簗川道路につながる。
 そこで、これが完成した暁には、ようやく規格の高い道路になりますので、秋田県と一緒になって、完成した暁には、今こそこれを2桁道路、46号にして国の直轄にするというお願いをさらに馬力をかけていくときだと思いますが、いかがでしょうか。
〇加藤道路建設課総括課長 国道106号の国道46号等への昇格についてでございますけれども、県では、国道106号を復興道路と位置づけまして、早期整備の必要性を国に強く働きかけてまいりました。国では、これを受けまして直轄権限代行によりまして整備することとし、平成23年度の第3次補正予算において事業化を決定されたところでございます。三陸沿岸地域の一日も早い復興を図るためのリーディングプロジェクトとして、国においては、かつてないスピードで整備が進められております。
 国道106号は、国道46号とあわせて、岩手、秋田を結ぶ地域連携軸を形成する重要な路線であります。また、自動車専用道路としても整備される区間もあり高速交通が実現される道路でありますことから、供用後においては、高い維持管理水準が求められると考えております。
 このため、県では、これまでも指定区間編入について要望してきたところでありますけれども、今年度も、平成26年度政府予算提言・要望書などにおきまして、一般国道106号を指定区間に編入し、一般国道46号等とあわせ国で一体的に管理するよう要望しています。
 今後とも、国道106号の指定区間編入に向け、関係市と連携しながら、しっかり要望してまいりたいと思います。
〇伊藤勢至委員 ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それで、道路の最後に、県立宮古病院のアクセス道路、北部環状線とも言っておりますけれども、それについては、平成7年に私がこちらに来ましてからずっとお願いしてまいりまして、平成12年に県代行という言葉を初めて使っていただきまして、ようやくそのころから動き出してきたわけでありますが、おかげさまで、今度の日曜日が、その間にありますトンネルの着工式というところまで参りました。完成を平成28年度と置いているようでありますが、中身を見ますと、平成28年度は舗装だけ、こういうことになっております。
 実はこの道路は、今回の東日本大震災で、本当に宮古病院に市内から、特に西のほうから病院に通ずるただ1本の道路になり得るものだったわけでありますけれども、それを代行いたしましたのは、常安寺の坂を越えた市道とも言えないような本当に格の低い道路だったんですが、県外から応援に来た救急車は、全部このラインを通ってまいりました。しかし、病院には一般の人が市内から行けなかったんですね。
 ですから、市内から通ずるあと1本の道路ということで非常に市民の期待の高い道路でありますが、最後の舗装だけの1年というのはいかにももったいない。工程をやりくりすれば、お金さえどこかから見つけてくれば、1年での舗装というのは早くできそうな気がします。それだけ期待の高い道路だと思いますので、何とかこれを平成28年度、舗装だけにしないで、27年度中に舗装まで終わって早く通せるような、そういうお願いをしたいのでありますが、部長からお伺いして、まず道路についてはこれで。
〇佐藤県土整備部長 私ども、さまざまな施設の整備を進めておりますけれども、できるだけ早く完成させて効果を発揮させることは非常に大事だと思っております。
 今、御指摘のありました県代行で整備しております宮古市道でございますけれども、平成28年度完成予定ということでございますが、技術的なこと、あるいは予算的な課題、それらをちょっと検討いたしまして、前倒しができるかということについて検討してまいります。
〇伊藤勢至委員 次に、港湾の利活用についてお伺いしたいと思います。
 今回、県の四つの重要港湾がそれぞれ被災を受け、いろいろな手だてを講じながら復興に向けて進んでいるわけであります。そういう中で、全体的な状況の中でそれぞれの港湾が、言ってみれば新しい展開を迎える時間帯に入ってきている、このように思います。したがいまして、今まで県が決めてきたようなやり方、プラス新しい利活用の方法を目指してもいいんだと思っておりまして、私は、宮古港を海上自衛隊の補給基地化するべきだということを発災以来ずっと提唱してきているところであります。
 一本木には陸上自衛隊、そして山田町の十二神山には航空自衛隊のレーダーサイトがあります。海上自衛隊の基地あるいは補給基地等はありませんので、これをもし招致できれば、日本の3軍が岩手県にそろうことになりまして、もし、今後こういうような東日本大震災等があった場合のいろいろな意味での力添えもいただきやすくなるというのが、一つあると思っております。
 そして、海上自衛隊の訓練海域は三陸沿岸沖でありまして、乗組員あるいは幹部の人たちからは、やはり一番近い港としての、例えば水であるとか生鮮野菜であるとか、そういったものの補給をしたい、あるいは隊員を休養させるためには宮古港は全くいい場所である、こういうことも聞いております。
 そして今、国内では、長崎県の佐世保、広島県の呉、それから横須賀、京都府の舞鶴、そして横須賀から青森県まで飛んでしまいまして大湊ということで、横須賀と大湊の中間が抜けているのでありまして、ここに1カ所あれば非常に便利だ、ありがたいと自衛隊の方々も言っております。
 今から十二、三年前、宮古港開港385周年というイベント、3、8、5でミヤコということでやったわけですが、そのとき、当時の地連本部長の長谷川さん、この方は海上自衛隊の方でありましたが、イベントに花を添える協力を何とかお願いできませんかと言いましたところ、わかりました、大きな船を三つ入れましょうということで、当時8、500トンの補給艦ときわと、むらさめという護衛艦3、000トンクラスと、そして潜水艦を3艦一回に宮古港に入れてもらいました。乗組員が700人ぐらい、これが半舷上陸、2晩泊まって、1晩ずつ上陸をする。そうすると、夜の9時半ごろには宮古市内の寿司屋のネタが全部なくなった、そういった経済効果も第一義的にはあるわけであります。
 そして、3年後に宮古港は開港400周年を迎えるということで、今から自衛隊の航空母艦、ヘリ搭載空母、最大級は1万5、000トンでありますけれども、いせ、ひゅうがのどっちかを呼べということで宮古市を通じてお願いしていますが、そういう形をしながら宮古港の活用を図るということはあり得ると思います。前置きが長くなりましたが、感想を伺います。
〇藤本港湾課総括課長 宮古港の海上自衛隊の補給基地化の件でございますけれども、自衛隊では、新規の補給基地の設置は、現時点では難しいと聞いておりますが、委員の御指摘のように、訓練とか航海の途中で、水や食料の補給に立ち寄る、いわゆる立ち寄り港として本県港湾を利用することは可能であって、これまでも寄港実績があるところでございます。
 また、自衛艦の立ち寄りは、委員の御指摘のように、地元経済の活性化にも寄与するということで認識しておりますので、宮古港で今後、開港400周年イベントが予定されていますので、宮古市と連携を図りながら自衛隊へのPRを行いまして、宮古港への立ち寄り回数の増加について、まずもって取り組んでいきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 ありがとうございます。
 それから、もう一つ提案といいますかお伺いしますが、マリーナの整備をもっと進めていくべきだと思っています。湾内には一つ、かつて木材港と言われたところがありました。合板会社が南洋材を仕入れて合板のために使っていたのですが、今それがなくなりまして、あいた状態であります。もったいない。したがって、一部漁業者も使っているようでありますけれども、そこの調整を図りながら、国体の高い点数獲得有力種目のヨットはあそこで頑張っていますが、そういったものを広げながら、岩手県全体の海のレジャーでありますとか、そういう方々を海に誘う、今は、時間あるいは海水がぬるいということで盛岡の方々は秋田のほうに行っているようでありますが、宮古−盛岡間が時間的にも近くなります。そして、いいマリーナができれば、当然岩手県内に来るものだと思っていますので、ぜひ、そういう利活用を図りながら海の経済を元気よくさせていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
〇藤本港湾課総括課長 次に、マリーナの整備ということでございますけれども、委員から御指摘のように、宮古港にはディンギーヨット専用のリアスハーバー宮古というものが平成11年5月に開設されていまして、インターハイのヨット会場とか、またシーカヤック教室など、地域のイベント会場として多くの市民に利用されてきて、海に親しめる場所となっております。
 宮古港には、ディンギーヨットのほか、クルーザーヨットとかモーターボートといったものも係留されていますので、マリーナの整備についても、平成21年度に宮古市で宮古市港湾振興ビジョンを策定されましたので、こういったものを参考にして、神林地区の利用状況とかプレジャーボート数の変化も考慮しながら、対応を検討していきたいと思っております。
〇伊藤勢至委員 ありがとうございます。
 最後に、県道41号について伺います。
 この41号線は、御案内のように、山田町の大沢から始まって津軽石の稲荷橋まで来るラインでありますが、今回、県道でありながら冠水いたしました。そして、重茂の千鶏地区では、番屋の前で、ああでもない、こうでもないと二十数人が集まっているところに、突然38メートルの波が参りまして一回に持っていかれてしまったという、そして、その地区は重茂漁協を下がった里というところの橋が流れてしまって孤立しました。奇跡的に、1回持っていかれて、その波で打ち上げられた一人の方が、なすすべもなくて、みすみす命が終わるのを待つしかなかったという状況があったわけでありまして、県は、こういったことを受けて、安全第一というラインで仕事を進めるということを打ち出してくれましたが、聞くところによりますと、何かこれのスケールが小さくなってきたのではないか、お金が随分削られてしまっているのではないかという話をちょこっと聞いて心配しておりましたが、その点についてはいかがでしょうか。
〇加藤道路建設課総括課長 重茂半島線は、多数の工区でいろいろ計画してございます。そのため、路線全体としては大きな事業費になっております。
 今、復興交付金事業におきまして、第7次申請ということで国のほうにもまた申請しております。この間、やはり災害復興とはいえ、コスト縮減にきちんと努めながら進めるべきというような指導もありまして、私どもも種々検討しながら進めてまいりました。
 そういう中で、御心配のような、事業費そのものはコスト縮減の努力等によって多少下がってはおりますけれども、基本的な計画は維持してございます。御懸念のところは、熊の平−堀内のような工区かと思いますけれども、トンネル計画も維持してございますので、今後ともしっかり対応してまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 地域の皆さんは、道路に対する期待が非常に高いんです。そういう中で、期待が高いだけに、どこかからあらぬうわさで、何か絞られたらしいぞ、縮まったらしいぞとか、そういうことを聞くと、本当に口コミで変なふうに広がりやすいものです。この道路ラインを策定するに当たっても、振興局の皆さんは、毎夜、説明会に出かけて大変御苦労したわけでありますけれども、そういうことまでしなくても、そういう文書をつくって配布するとか、こういう形でどういうふうに進めるとか、そういうことはまめに報告していただいたほうが、仕事がやりやすくもなっていくものだと思っていますので、今後も頑張っていただきますようお願いして、終わります。
〇軽石義則委員 私からは、除排雪の現状について質問させていただきます。
 決算を見ますと、これまでの決算が年々増加傾向にありますし、出動台数も毎年増加しているようでございますけれども、除排雪の現状と課題についてお示し願いたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 除排雪における現状と課題でございますが、平成24年度の降雪状況は、過去5カ年の平均累加降雪深4メートル5センチと比較しますと1メートルほど多い4メートル94センチとなり、平成23年度に続いて大雪となったところであります。
 交通の面においては、降雪等による障害が発生しており、北上市和賀町においては、吹雪により2時間ほど通行どめになったほか、積雪が少ない地域でも路面凍結によるスリップ事故が発生している状況でございます。
 また、除雪体制においては、受注者による除雪機械やオペレーターの確保が困難になっているとともに、予算の面におきましても、降雪により大きく除雪費用が増減することから、その財源の安定的な確保が課題となっている状況でございます。
〇軽石義則委員 やはり雪もふえているということですし、これから気象状況もいろいろな形で変化しておりますので、予測するのも厳しいかもしれません。県だけで全てができるかと言えば、なかなか難しい状況もあると思います。国道、そして市町村道も県道にはつながっているわけでありますので、それぞれ連続した除排雪がやはり必要だと思いますが、国道、市町村道との連携についてはどのように対応されているのか、お示し願いたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 国、市町村との連携についてでございますが、県では、効率的に除雪を実施するため、県管理道路と市町村管理道路の除雪区間において、その一部を交換して除雪する取り組みを県内6市町で実施しているところでございます。
 このほか、国、県、市町村といった道路管理者間の連携につきましては、平成22年度の年末年始の大雪により発生しました交通障害を受けまして、国土交通省、岩手県、警察本部、それから東日本高速道路株式会社による岩手県道路防災情報連絡会議の中で、通行どめの措置に関する情報の共有や休日等における連絡体制の強化を図っているところでございます。
〇軽石義則委員 ありがとうございます。
 除排雪のみの対応よりは、通常の雪が降る前に道路の改良や歩道の改良など、そういう状況の際の対策も必要ではないかと思っておりますので、それらの関連した道路改良などは行っているのか、そして、凍雪害も、予算を見ますと年々増加しているような状況もございますけれども、道路、歩道などのこの凍雪害がどういう現状にあるのか、課題を含めてお示し願いたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 初めに、道路整備についてでございます。除雪により路側に寄せられた雪により車道の幅員が狭くなり、車のすれ違いが困難になる箇所については、車道幅員を確保するための堆雪帯というものを整備しているほか、吹雪などで吹きだまりが発生する箇所については防雪柵、また、雪崩の危険箇所については雪崩防止柵を整備し、冬期間における安全な交通の確保に努めているところでございます。
 また、流雪溝におきましては、地元の方々による雪の投入作業に困らないように、老朽化した側溝のふた、それから側溝の修繕工事などを実施しているところでございます。
 それから、凍雪害対策事業におきましては、この事業の中身ですけれども、今申し上げましたような堆雪帯の設置、それから防雪柵といった柵類の設置がございます。そのほかに、今、スノーシェルターとかといった感じの鋼材の腐食等が懸念されましたので、そういった面の補修費用といったものにも少し充当しているところでございます。
〇軽石義則委員 ありがとうございます。
 先ほどの課題の中に、業者、いわゆる請け負っていただけるところの車両、オペレーターの不足という課題がございますけれども、やはり、いざというときにはお願いしなければならないことが多くあると思います。しかし、そのときだけの対応では、業者の皆さんも年間を通じて維持したり確保したりということは大変だという声も聞こえているところでございます。やはり日ごろからの対応も大事かと思いますが、それら業者の確保対策はどのようにされているのか、今後、復興事業も大分進んできておりますし、先般の災害復旧にも、多くの業者の皆さんがそこに入っていることも予測されますが、それらも含めて今後の対応をどのようにされていくのかお示し願いたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 業者の確保対策についてでありますが、県では、オペレーターや除雪機械の確保など、除雪業務に係る受注環境の改善を図るため、業界団体との意見交換を踏まえ、平成21年度から、これまでの作業別の単価契約方式から、歩車道の除雪や凍結防止剤散布作業など、複数の作業を一括して委託する総価契約・公募方式による除排雪業務委託を導入し、現在、県内全14公所で試行しているところでございます。
 この業務委託によりまして、除雪の準備に係る費用ですとか待機に係る人件費などが計上できるようになり、実態に即した費用が計上できるようになったと考えております。
 また、前払い金制度の適用により、受注者の資金の円滑化が図られ、オペレーターや除雪機械を確保しやすくなるのではないかと考えております。
 今後も、受注業者へのアンケートや建設業界の方々との意見交換などを通しまして、この制度の改善を図りながら、より受注しやすい環境となるように努めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 各種対策をとっていただいていることは理解しましたけれども、これまでと違うのは、やはり復興、いわゆる震災復興の本格的な事業展開、そして、加えて今般の災害復旧、そこに多くの労働力が投入されていくわけでありますが、その部分を含めても、今の対策で十分だという認識でよろしいんでしょうか。
〇細川道路環境課総括課長 昨年度から除雪の関係の入札の公募を行っているわけですが、一部地域では、やはり人手が足りない、それから予算的にもそろばんが合わないといったお話がございまして、なかなかスムーズに契約に至らないところも出てきております。
 そういうことの一つの理由としまして、やはり、特に沿岸地域では、除雪の出動回数が少ない割には、そのためのオペレーターですとか機械を確保しなければならないといったことがありまして、どうしても除雪業務の受注がなかなか難しいような状況になっているのではないかと考えております。
〇軽石義則委員 なかなか難しい課題も多くあると思います。それぞれ県だけで全てが解決するところでもないと思いますけれども、除雪のほうは、今お話しされるように、何とか生活道の確保や通学路の確保等はやっていただいているんですが、やはり生活弱者、いわゆる高齢者や障がい者の皆さんは、自宅前に除雪されると、その後の排雪というところで非常に苦しんでいる声を多く聞いているわけであります。排雪の部分についてはどのようになっているか教えていただきたいと思います。
〇細川道路環境課総括課長 除雪により寄せられた玄関前等の雪の排雪でございます。県では、この路線は、朝、通勤通学バスが発車する前に急いでやるということをまず第一にしておりまして、住宅前の道路にたまった雪は、これまで地域の方々にお願いしていたところでございます。ただ、高齢化ですとか人口が減っているということもあって、なかなか難しいということは承知しております。
 一方で、市町村においては、排雪のためのトラックの貸し出しですとかといった仕組みもございますので、そういった取り組みなども視野に入れながら、道路管理者として、どのような対応ができるか研究してまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 研究しているうちに雪は降ってきますし、生活は毎日でありますので、事故が起きてからでは対応が遅くなると思いますので、できるだけ雪が降る前に結論を出していただくようにお願いしたいと思いますし、やはり地域との協働がなければ、この問題は最後は解決できないと思います。市町村を含めて、地域の皆さんともしっかり連携をとっていただくことをお願いしたいと思いますが、このことについて部長から所感をいただいて、終わります。
〇佐藤県土整備部長 除雪につきましてでございますけれども、今、委員から御指摘ありましたように、やらなければならない範囲が非常に広範囲であります。そして、幹線道路あるいは枝道、さらには個別の住宅の前の除雪、非常にさまざまな作業が必要になります。これらについては、県土整備部だけではもちろん困難なところがございますので、市町村あるいは地域コミュニティ等と連携しながら、どのようなことができるか考えてまいりたいと思います。
〇軽石義則委員 最後に。ありがとうございます。やはり県にお願いすることができるんだということも周知していただかないと、市町村にだけ苦情が集中しているような現状も見られますし、県でも対応していただいているのは承知しておりますので、さらに、それらをしっかりと県民にもアピールしていただきたいと思います。
〇神崎浩之委員 被災宅地復旧工事について、そして、河川の水門管理、改修等の2点についてお伺いしてまいります。
 1点目、東日本大震災津波被災者の生活再建支援被災宅地復旧工事について、これは国の基礎支援金加算金というメニューに追加して、県単独でこの宅地についても事業化されたありがたいメニューでありました。その実績はどうなっているのか、実施市町村、件数、金額についてお願いします。
〇田村まちづくり課長 東日本大震災津波の被害に対する支援の実績でございますけれども、この事業は、東日本大震災津波により被災した住宅の早期復興に資するため、市町村が行う被災宅地の復旧を目的とした補助事業に対して補助金を交付するもので、平成23年12月補正で初めて予算計上されたものでございます。
 この実績でございますけれども、平成23年度は、5市の225件に対しまして約2億円、平成24年度は、19市町村の516件に対しまして約4億6、400万円を補助しております。この2年間で19市町村の741件に対しまして約6億6、400万円を補助してございます。
 なお、今年度ですけれども、7月までの実績でございますが、14市町の155件に対しまして1億4、100万を補助してございます。
〇神崎浩之委員 この被災宅地の対象は、のり面の保護、地盤の補強、擁壁の設置等でありました。今般の7月、8月、9月の大雨被害において、やはり2年前の地震の宅地の崩壊のように、同様な被害が出ているわけであります。そこで、市町村によっては、2年前の本事業とほぼ同様の住民への補助を実施している自治体もあります。また、補助を検討している市町村もありますし、さらに、市町村からも県への補助の創設について要望が出されているようであります。
 そこで、大雨にかかわる宅地復旧工事補助金というようなメニューを実施している市町村もあるわけですが、県として、市町村が住民の生活の早期回復に向けて補助しているものについては、やはり県も市町村の補助をすべきだと思っているわけですが、その点についてお考えをお願いします。
 それから、こういうような補助制度について市町村から要望が出ているのかどうか。それから、あわせて、災害復旧にかかわる市町村への補助の考え方についてもお伺いいたします。
〇田村まちづくり課長 被災宅地の復旧に対する県の支援についてでございますが、東日本大震災津波では、復興基金を財源としました生活再建住宅支援事業により、住宅再建や被災宅地の復旧への支援を行ってきたところでございます。
 これは、この災害の規模が非常に大きくて、被災者の生活基盤が大きく損なわれた地域が広範囲にわたっておりましたので、被災者の住宅の自力再建を促すことが、地域の再生のために不可欠であるということから支援を行ったものでございます。
 今回の一連の大雨被害は、東日本大震災津波に比べて、その範囲とか規模が限定的でございますので、被災宅地の復旧に対する直接的な補助は予定しておりませんけれども、被災者の生活再建に主眼を置いた支援策として、県独自に被災者生活再建支援金支給補助を実施することとして、被災者生活再建支援法に準じた支援金を支給する市町村に対して補助を行うこととしてございます。
 また、法の対象とならない半壊や床上浸水の被害を受けた世帯に対しましても、補助の対象とすることとしてございます。
 この宅地の補助に対する市町村からの要請でございますけれども、今度の台風18号の災害におきまして、盛岡市と八幡平市の両市長から御要望をいただいております。
〇神崎浩之委員 今、お話にありました生活再建支援金の中で、今回、床上浸水にも、5万円ですが県独自で出るということは、これは非常にありがたいことだと思っております。そんなことで、やはり2年前の宅地には補助があった、でも、今回は何でないのかということを市町村の中で住民から言われるわけです。
 それから、やはりそのほかに、例えば井戸に補助している市町村もある。今回、水道がないところで、井戸しかないんですね。それに対して、今回の災害で井戸がかれたり、それから、水質が悪化したようなところには、井戸に対する補助をしているようなところもあります。そういう市町村には、いろいろなそれぞれの課題がありますので、ぜひそういうところに目配りもしていただいて、市町村がやっているところにやっぱり支援していただくように要望いたします。
 次に、2点目でありますが、河川水門管理費、河川管理費、広域河川改修事業等についてであります。3点続けて聞きますから、お願いいたします。
 県が河川管理者として、責任者として水門を管理している河川の箇所はどのぐらいあるのか。
 2点目、それをどういう形で管理しているのか。直営か、委託か。
 3点目、委託であれば、委託業務の内容について、また、費用について、あわせてお伺いいたします。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの県が管理している河川水門についてのお尋ねでございます。
 県が管理している河川につきましては311河川ございます。管理延長にいたしますと2、830キロになります。それに付随しまして、平成24年度におきまして管理委託――また後ほど申し上げますが――している河川の水門の数は、およそ1、800カ所ということになってございます。
 それから、管理の方法につきましては、基本的に全水門については、市町村に委託している形になってございます。
 それから、委託の内容でございますけれども、もちろん出水時における水門の開閉操作、それから、平常時における巡視点検、電動施設等もございますので、こちらにつきましては、年3回程度の試運転を含んだ内容での委託ということになってございます。
 また、その委託に係る費用としましては、河川管理費ということで年間3、300万円程度ということになってございます。
〇神崎浩之委員 さて、7月、8月、9月の大雨被害でありますけれども、特に砂鉄川の洪水についてお聞きいたします。
 まず、原因はどういうふうに考えているのか。大雨が降ったとかという天候の話ではなくて、特に水門管理、それから排水ポンプについて、原因についてお伺いいたします。
〇八重樫河川課総括課長 7月26日の局地的な豪雨によりまして、砂鉄川流域、特に東山町の松川地区におきまして、家屋浸水、それから農地の浸水被害が発生したということでございます。
 雨の状況につきましても、近傍に位置しております千厩雨量観測所におきましては、連続3時間で114.5ミリを記録してございまして、これは、確率的にはかなりまれな部類に属する量の雨と認識しておりますが、短時間で非常に急激な降雨があったところでございます。
 氾濫の原因ということでございますけれども、現在も検証を継続しているところではございますが、この雨によります河川水位の急激な上昇に加えて、これまでの中小洪水による部分的な土砂の堆積、それから河道内の立ち木の繁茂なども影響したのではないかと考えているところでございます。
 また、水門の管理、それから排水ポンプの稼働につきましても、今回、夜間にかけて水位が急激に上昇している中で、想定した対応がなかなかとれなかったという状況もありまして、今後、検討すべき課題があるものと認識してございます。
〇神崎浩之委員 この砂鉄川は、9年前の平成14年に大きな水害になっているわけですね。そこで、地元の人は、お金をかけて、そして10年もたっていないのに、どうしてまた水がついたんだという話をされております。
 そこで、その後の、9年前の水害に対応した工事については適切だったのか、それから、その9年前の平成14年にも浸水したが、松川地区以外は、そのまま放置されていたという話も現地の方は言っております。その点についてはいかがでしょうか。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの御質問のとおり、砂鉄川におきましては、平成14年7月の台風6号でありましたが、これによりまして被害を受けているということでございます。その際に、抜本的な治水対策ということで、下流部は国、それから当該区域は県、そして自治体も連携しまして、上下流一貫した緊急的な治水対策を行ったところでございます。
 県の管理区間におきましては、およそ30年に1度の治水安全度に相当します毎秒1、380立方メートルの洪水流量に対応することとして、築堤、河道掘削拡幅、橋梁のかけかえ、護岸工などを実施したところでございます。
 今般の洪水につきましては、松川地区では氾濫の状況になりましたが、その上流の長坂地区などでは砂鉄川の氾濫が解消されておりまして、一定の効果を発揮しているものと考えております。
 それから、この改修区間以外にも被害を受けた箇所がございます。流矢地区とか里前地区、こちらのほうにつきましては、一連の改修ということではなくて、河道掘削ですとか河川の流況改善とかといった対策は行っておりましたが、今回、また同様の状況の被害も発生しているということでございます。今回の洪水における氾濫状況の調査、分析を今やっておりまして、再度災害を防止するように必要な対策は今回とってまいりたいと考えてございます。
〇神崎浩之委員 今お話のとおり、対応したところも、やはり堤防が崩れて水があふれています。それから、そのまま何もしないで放置していたところが、やはり今回もつかっているわけなので、住民の方からは、何でなんだと言われているわけです。
 そこで、重くそれは心にとめて行動に移していただきたいわけなんですが、今回いろいろと検証しますと、やはりいろいろと大きなものが重なってこういう被害に遭ったのかなと感じております。
 排水ポンプの件ですけれども、自動で運転するはずだったのが、自動運転されていないという内水の排水ポンプの状況もあるようであります。それから、一番大きい滝の沢内水排水ポンプでありますが、これは、ほかの規模よりも倍ぐらいの、この松川地区で一番大きい排水ポンプなんですが、6月26日に点検で作動不良が見つかった、県に報告済み。だけれども未処理の状態であったというようなことがあります。一番大きいポンプ、これが点検で動作不良と。県にも報告したんだけれども、未修理の状態のまま今回の被害に遭った。これについてはどういうふうに思っていますか。
〇八重樫河川課総括課長 今回の降雨の状況を受けまして、そういった、特に滝の沢のポンプ場も報告を受けていたということで準備はしていたところですが、修理は間に合わなかったということでございます。ただ、滝の沢につきましても、1基は手動で運転をしていただいたと報告は受けてございます。
〇神崎浩之委員 先ほど委託業務で保守点検、それから試運転という話がありました。そして、今のは、未修理という状況の中で修理の準備中だったという話があったんですが、これは確実に励行していただきたい。今、検証中だと思いますので、また次の機会にやります。排水ポンプ、ゲートポンプの効果はどうだったのかということについてもやりますが、いずれこの排水ポンプに関する、うまくないなというようなことがいっぱいありますので、やりたいと思います。
 そこで、そういうような中から、今後すぐ取り組んでいただきたいことを今お話しいたしますので、お願いいたします。
 まず一つは、水門操作場に照明の設置をということで、夜間だったので照明がなかった。それから、2番目に、水門操作場に待機場所をつくってほしいと。大雨の中、いつ上げればいいのかわからない中、待っていなければならないということがあります。それから、水門への安全な進入路。今回、近づけなかったということがあります。それから、水門に、誰が行っても操作できるようなマニュアル板の設置、それから排水ポンプ車の駐車スペースをということで、今回、排水ポンプ車も、国土交通省のものも来たわけですが近寄れなかったということで、水が引いてからやっと排水ポンプが行ったということもありまして、排水ポンプ車の駐車場について、それから進入路についてということであります。
 今回、事案の調査、検証をしていただいて、越流箇所については、かさ上げをしていただかなければならないし、それから、河道の改修、土砂、草木、倒木、河道掘削等、早急に取り組んでいただきたいということがありますので、まとめて答弁をお願いします。
〇八重樫河川課総括課長 ただいま早急に対応すべき事項ということでお話がありました。それで、水門操作場に関することとしては、まず、最初の照明設備、それから夜間操作のための進入路の確保、これについては今検討中というか整備を前提に進めてございます。当該地区は、一関市で堤防沿いに2車線の道路を今計画中でございますので、まず、これをいかに利用できるかということを調整して進めてございます。
 それから、水門操作の場合の待機場につきましても、現在のポンプの建屋がありますので、こちらを改築して活用するよう検討してございます。
 それから、マニュアル板の設置につきましても、これは設置いたします。
 それから、排水ポンプ車が到着したときに作業ができるようなスペースということも、今、市の道路整備とあわせて駐車スペースの確保を検討してございます。
 それから、調査に伴いまして、先ほども操作等のいろいろなふぐあい等も指摘されておりますが、これにつきましては、去る9月13日に、市と県と共同で、各水門の管理の担当者の方々に、現地での学習会といいますか勉強会を6カ所で開いておりまして、延べ50人の方々を対象に、早速そういった研修会を実施したところでございます。
 越流した箇所が数カ所ございますが、これはもうかさ上げを実施済みでございます。それから、河道の堆積土砂、立ち木の処理も現在着手してございまして、緊急性の高いところから改善をしてまいりますが、流況改善の土砂掘削量がかなり多うございますので、緊急的には、本年度中の完了を目指して、今、作業をしてございます。
〇工藤勝子委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午後0時00分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木努副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。本日は、この後、県土整備部関係の審査で延べ4人の質問者が予定されております。次に、障がい福祉サービス復興支援事業に関して質疑を行い、その後、決算15件及び議案3件について意見の取りまとめと採決を行うこととしております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇佐々木朋和委員 神崎委員の質問に関連して質問させていただきたいと思います。まとめて質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 先ほど、砂鉄川について神崎委員より質問していただきました。その関連で、水門、内水排水ポンプの操作の安全対策ということで、その道の確保であるとかライトの設置とか、そのような話をいただきました。その点については大変よいことでありますが、さらに進めて、処理施設の無人操作化または無線操作という話も出ておるところでありますけれども、その点の検討についてはどうなったのかお知らせいただきたいと思います。
 また、先ほどはポンプ車がとめられるように、その場所の設置という話もいただきました。しかしながら、私も総務部関係の審査で申し上げましたけれども、ポンプ車が来るまでにはゲリラ豪雨の速さには間に合わない。やはり後処理であるということで、内水排水ポンプ施設の強化が求められている中で、砂鉄川の松川地域においては、住民の皆さんのところに一番近い中通川の内水処理施設について、その能力、また角度について、住民の皆さんには、どうなんだというような話が出ておりました。この点についての検討がどうなっているのか伺いたいと思います。
 また、河道掘削について、立木の処理について着手したというお話をいただきました。その着手という内容がどうであるのか。土砂の撤去をした場所の確保がまだなかなかだという話も聞いていたものですから、その点も含めて着手となっているのかお知らせいただきたいと思います。
 最後に部長に質問させていただきます。私も総務部関係のところで、河道掘削、立木の処理について防災計画に入れて一定の基準を持って管理していただくことが、水害に遭う前に住民の皆さんを守る手だてであると訴えたわけでありますが、やはり基準が難しいということでありました。私も、県土整備委員会の中でも質問を出させていただきましたが、予算との兼ね合いでという話もいただきました。しかしながら、事前に水害から住民の皆さんを守る、生命、財産を守るということであるならば、河道掘削と立木の処理については新しく県としても方針転換をして、前もってやるような対策が必要である、方針が必要であると思いますが、お聞きして終わりたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの質問についてでございます。水門の管理につきまして、無人化、無線化の検討ということでございますけれども、実際は、今、津波対策に係る水門の操作につきましては、原則遠隔化ということで進めてございますが、河川洪水対策の水門につきましては、急激に河川の水位が上昇するといいましても、まずは、気象庁のほうから細かい雨量の情報が出ます。今、どれだけの雨雲がどの辺を動いているかというような情報はとれます。その後に、実際の我々が観測している雨量観測所のデータが係数を拾っていくというような流れになっていきます。津波に対しまして、河川のほうは準備する時間というものは実際には結構とれるということもありまして、無人、無線化ということは検討の俎上には今のところのせてはございません。
 それから、ポンプの能力等につきましての御質問ですが、東山松川地区には中通川の水門にゲートポンプが設置されております。この能力自体は計算されておりまして、想定のとおり、この区間の一連の水門等の閉鎖がなされますと、内水を床下までためないで排除できるという設計にはなってございます。ただ、砂鉄川の線形といいますか、非常に屈曲した箇所でございまして、屈曲した流れに対して水を押し出していると効率が悪いのではないかというような指摘を受けているところでありますが、これについても、今、流況を再現といいますか、検証しているところであります。その影響のありやなしや。ある場合には、やはり流況を是正する措置、工事を対策してまいりたいと考えております。
 それから、河道掘削に一部着手しておるということですが、これは、大量の残土を処分する場所を現地の事務所で模索しておりまして、こちらのほうは地元の大きな会社のほうで御理解いただきまして、このたび、残土を処分できる見通しが立ったものでございまして、それに伴う着手ということで申し上げました。
〇佐藤県土整備部長 河道掘削あるいは立木の処理を事前に計画的にやるべきではないかという御指摘でございます。これまでの答弁でも申し上げてまいりましたが、河道は絶えず変化しております。堆積場所も変わる、堆積の量も変わる、洪水の頻度によってそのスピードも変わるという状況がございます。そういう中で、私どもの定期的なパトロールに加え臨時的な洪水の後のパトロール、さらには住民の方々の情報等を参考にしながら河川の状況というものを把握しております。必ずしも十分な河道掘削の予算を確保しているわけではございませんが、この10年間で見ますと、ほぼ倍ぐらいの維持修繕費というものを確保してきているところでございます。今後とも、適切な河川管理ができますように、パトロールした後のデータをどういうふうに蓄積していくか、どの場所にどういう堆積傾向があるのかというようなことも考えながら、より効率的な河道掘削等、維持管理ができるように努めてまいります。
〇工藤勝博委員 県土整備部の皆さんは、たび重なる災害対応、大変御苦労さまです。
 そういう中で、河川改良費の部分に関して何点か質問させていただきます。
 まず最初に、県土整備部のホームページに大変すばらしい1ページがありました。いわての川づくりプランというものがありますけれども、この中で、人と自然との共生を求めて――いわての川の3つの理念――というのがあります。いのちを育む私たちの川、わが子と楽しむイーハトーブの水辺、てんの恵み溢れる水回廊と。その中でも特に清らかな水が流れる川、地域の活性化に貢献する川、そして、最も大事な災害に強い川というコンセプトがありますけれども、これらの理念の中で、今日まで取り組んだその成果、これからの課題というのがあれば、教えていただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの工藤委員の御質問ですが、御質問にあったとおり、いわての川づくりプランというのは三つの理念に基づいて行っているところでございます。今の三つの理念、いのちを育む私たちの川、わが子と楽しむイーハトーブの水辺、てんの恵み溢れる水回廊というのは、頭文字を取るといわてということで、三つの理念ということでゴロ合わせなんですが、そういったものをつくって、これは平成7年度に、環境を重視した河川法に変わるというようなことも踏まえて、いわての川づくりプラン懇談会を設立していろいろ御協議いただきまして、平成8年7月に策定したところであります。
 いのちを育む私たちの川はもちろん災害に強い川、わが子と楽しむイーハトーブの水辺は親水、川の利用ですとか人に優しい川、てんの恵み溢れる水回廊につきましては、生物との共生とか原風景との調和といったものを意図したものでございます。
 災害に強い川をつくっていくということにつきましては、通年必要な予算等を措置していただきまして、計画に基づきまして、河川工事を、いろいろ河道掘削とか用地の買収、住家の移転等もいただきながら、なかなか速く進まないという状況の中でありましたけれども、数十年のスパンで見ますと、やはり過去とは状況が一変してきているということでございます。
 河川整備率につきましては、ただいま、まだ50%には到達しておりませんけれども――平成24年度末で48.4%という状況になってございまして、あとはいろいろな治水対策ダムですとか、こういった県管理ダムも設置いたしまして、流域の治水安全のためにいろいろな成果を発揮してきているものと考えてございます。
〇工藤勝博委員 やっぱり人類の文明は川から始まっているわけですから、大変重要な河川だと思います。
 そういう中で、先ほど部長からお話がありましたが、県管理河川の整備状況、そしてまた、北上川水系の河川整備計画の策定の状況をお聞かせいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 県管理の整備状況につきましては、ただいま申し上げましたが、平成24年度末で48.4%ということになってございます。
 それから、北上川水系の河川整備計画でございますが、県管理河川を、県内で北上流域は8圏域に分割、分類しておりまして、それぞれに策定を進めているという状況でありますが、これまでに、盛岡東、盛岡西、北上、遠野、胆江の5圏域を策定しております。残る盛岡北、花巻、両磐につきましては、近年の災害の状況等を勘案しながら、国費を活用する河川事業が予定されるところに具体的にこの計画を入れていきたいということで進めておりまして、そういった方向で関係機関との調整や策定に向けた検討を進めてまいりたいと思ってございます。
〇工藤勝博委員 平成24年度で県の整備率が48.4%で、これで達成度はAということにもなっております。しかし、管理している311河川、そしてまた距離数にすると2、830キロメートルという相当な距離なわけですけれども、これは達成率から言わせると半分弱といいつつも、年間の整備の距離数というのはどの程度なものでしょうかお聞きします。
〇八重樫河川課総括課長 年間の整備距離数につきましては、ただいま手元に資料がございませんのでお答えできませんけれども、2、800キロメートルの河川延長は全て改修が必要な区間ということではありません。沿川に耕地、住家といったものがあるところを要改修区間と位置づけまして、分母は2、800キロメートルではなくて、もっと小さいものになっております。それに対して48%程度で、これは年間1%というオーダーでは進んではございません。0.何パーセントというオーダーで、亀がはうようなイメージなんですが、治水事業という投資額に比べてやはりグラウンドが大きいということで、まずは着実に予算を確保しながら、毎年毎年継続してやっていくというところで頑張っておりますので、そういったオーダーでございます。
〇工藤勝博委員 確かに、言われればそうかなという思いもしますけれども、延々と進まないわけですけれども、それにつけ加えて、北上川水系の上流部分がまだ策定ができていないということがあります。この北上川上流も一度豪雨に遭うと相当な勢いで水量がふえるという地域でもありますので、この策定がおくれている理由をお聞かせいただきたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 この圏域での整備計画につきましては、先ほども申しましたが、国費を導入した河川整備事業を進める上でこれは必要な計画となってございまして、具体的に計画的な国費を導入する、今では交付金事業になりますけれども、それの起点といいますか、スタートを想定したところでこの整備計画を行うということなので、盛岡北圏域ではそういった河川が今までなかったということでございます。今後、交付金事業を導入するということになりますれば、この計画を速やかに進めていきたいと考えております。
〇工藤勝博委員 これから本題に入りたいと思いますけれども、北上川上流の整備計画ができていないということ、あわせて災害が頻発しているということも含めて、この間の9月16日の台風18号の災害があったわけですけれども、北上川支流の松川の災害状況と今後の復旧の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。
〇加藤砂防災害課総括課長 台風18号によります一級河川松川の被害状況と復旧の取り組みについてでございますが、松川の現時点での被害箇所につきましては、支川の赤川、尻志田川を含む流域全体で33カ所、内訳としましては、盛岡市玉山区10カ所、八幡平市23カ所でございまして、被害額は約8億6、000万円余となっております。
 被災箇所のうち、盛岡市玉山区の5カ所、八幡平市の4カ所の計9カ所で大型土のう設置や河道確保等の応急工事を実施しておりまして、うち玉山区の2カ所、八幡平市の3カ所につきましては既に完了しているところでございます。残る箇所につきましても、暫定的な断面ではございますけれども、今週末には完了する見込みということになっております。
 また、本格的な復旧工事についてでございますが、工事の前段となる国の災害査定を12月9日から26日の3週間で実施する予定でございます。この査定が終了いたしました箇所から、順次、緊急性を考慮しながら工事発注いたしまして、早期の復旧に取り組んでまいります。
〇工藤勝博委員 松川はたびたび豪雨災害がありますけれども、その辺の今日までの災害の状況をどのように捉えておりますか、お聞きしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 松川につきましては、平成年代ですと、平成2年から3年、平成16年等々で耕地への浸水等の被害が大きく出ているという記録を承知してございます。特に平成3年の洪水の際には、今回に近いぐらいの河川等の土木施設災害も発生していると承知してございます。
〇工藤勝博委員 災害の履歴もいただきましたけれども、平成に入ってからことしで25年、その中で10回ほどの洪水被害が出ております。10回というと、2年ちょっとの間に必ず災害が起きていると。ここ数年はないわけですけれども、いずれ、松川そのもの自体が大変洪水の起きやすい河川になっているということを改めて感じたところでもあります。
 そういう中で、整備計画に入っていないというのは私はいささか腑に落ちないなと思います。以前は県でも、昭和の年代には松川の上流のほうは大分河川改修を行っております。平成に入ってからは、全くの一部のところで改修事業があった。それも今回の災害で流されたということですので、この辺の今後の取り組みというのはどのようになされるのかお聞きします。
〇八重樫河川課総括課長 実は私も担当者の時代には盛岡土木事務所でこの松川を担当しておりましたので、その辺の事情は承知しているつもりなんですが、御質問のとおり、松川の上流のほうには昔の中小河川改修事業というのが入りまして、ある区間は相当な流量に対応できるような状況にはなってございます。それから、盛岡市玉山区に入りました後に、河川の形状というのが、非常に蛇行した線形の両岸に田畑というか圃場が張りついておりまして、例えば、松川の今回のような流量に対応する河道をつくるとすると、この圃場のほとんどがなくなってしまうというような特殊な土地利用の形状にあります。
 それで、これまでしてきた対策は、国費の導入ではなくて、県単費による対応として田畑と川の間に堤防をつくってまいりました。ただ、先ほど申しましたように、今回の雨に対応するような堤防になりますと、耕地を全部川にして改修しなければならないというようなこともありますので、地元の方々と、ある程度の水は田んぼに入れないようにしましょうということで、ある規模での堤防ということになって、それが連続堤として対処はしてきておりました。ただ、こういった大規模な水が出ますと、やはりその堤防は超えることになります。超えた後に、今回の被害として見られるのが、堤防が破られて、そういった堤防に積んでいた土砂が田畑に入っていって田畑の被害があるというような状況も見受けられますので、そういったこともこれからまた勘案して、土地利用状況等も踏まえながら、どういったものが最適な改修になるのか、速やかに検討してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 今回の災害に遭った玉山区の箇所は、玉山区でも穀倉地帯と言われるぐらいの優良な農地なわけですけれども、それが、たびたびこういう災害に遭っているということですので、根本的に改良していただかなければならないと思います。
 実際、大変蛇行しながら線形があるわけですけれども、先ほどお話がありましたが、農地がなくなると言われれば、地権者の皆さんも、農家の人たちもなかなか納得できるものでもないだろうと思いますし、その中でも災害に遭わないような工夫もぜひとも必要だろうと思います。また、被害に遭った農地は、きのうの農林水産部のほうでは来年の春の作付までには何とかしたいという話もあります。根本的に河川がきちっと整備されないうちは、農地ができたとしても、安心して作付はできないだろうと思います。
 そういう中で、以前から松川の関係で盛岡市、八幡平市からの要望が上がっているはずなんです。それらの対応はどのように今後取り扱うのか、まずお伺いしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 まず、盛岡市からの要望につきましては、従来の要望は、先ほども申し上げましたように、暫定的にでも耕地を洪水から防御するような対策を進めてほしいということで、県単事業によってそれは対応してきたということでございます。
 それから、八幡平市からは、従来、上流の松内地区における河岸侵食に関しての要望をいただいております。ここは河岸侵食によってかなりの崖地になっておりまして、崖の上には八幡平市の市道が通っているという状況でございます。今回のような出水等でさらにその崖地が進行した場合には市道にも影響するということで、非常に重要な箇所であると認識してございますが、いろいろ対策につきましては、引き続き、八幡平市と連携しながら検討を進めさせていただいているという段階でございます。
〇工藤勝博委員 もう一つ、今年度の7月の水害、そしてまた8月の豪雨災害、あわせて台風の災害の中で、いわて県民クラブでも知事要望をいたしました。そういう一連の洪水の中で、根本的にこういうことも必要だろうと提案もしております。それらに関してどのような見解で今後取り組むかお聞きしたいと思います。
〇八重樫河川課総括課長 今回の松川等の被害の状況を受けまして、いわて県民クラブからの要望もいただいてございます。抜本的な河川改修ということも必要であろうという御提言をいただいておりますが、先ほど申しましたような状況もございますので、最適な対処方針といったものを鋭意検討いたしまして、あとはそれを事業化して進めていきたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 最後に、何といっても北上川流域の整備計画を早目につくっていただいて、それに伴って、支川といいますか、流域の河川があります。2年前、岩手町の横沢川もやっぱり集中豪雨によって大氾濫して、北上川にも甚大な被害を与えました。この松川もそうです。そういうことも含めて早期に整備計画を策定し、あるいはまた地域住民の皆さんにとっても、そういう目鼻をつけていただかなければ、いつまた豪雨が来るとも限りませんので、その辺もあわせて、部長からその方向を示していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〇佐藤県土整備部長 自然災害は毎年のように起こっておりますけれども、ことしは7月、8月、9月と毎月1回、県南、県央、県北というような形で非常に甚大な被害を受けております。そういう中で、私どもは今回の被害は非常に重く見て、各地域で実情を検証しているところでございます。
 そういう中で、緊急的な対応あるいは抜本的な対応を、どのようなことをやっていくかということについて、今後、具体的な検討をしてまいりますが、松川流域での住宅は非常に大きな被害を受けているところであります。まずはそういうところから優先してやっていくということを考えながら、予算にも限りがありますので、優先順位あるいは効率的なやり方を考えながら進めてまいります。
〇及川あつし委員 関連でありますので、二、三のやりとりで終えるように、よろしくお願いしたいと思います。
 内々通告しておりましたけれども、今の工藤委員に関連してなんですが、当委員会でも前から私も何度か要望等もしてまいったことでございます。9月の災害を経まして、私は実はすごく心苦しく感じましたし、北上川上流の被害を受けられた皆様からは、確かに天災だけれども、前から言ってたよねというような反応を示す方もかなりいらっしゃるんです。県土整備部の皆さんも逐次努力されていることもわかっていますし、これまでも八重樫総括課長からお話があったように、難しい環境の中でいろんな計画化もしてきていると思うんですけれども、工藤委員と同様なんですが、そろそろきちっとした計画をつくって、北上川上流の抜本的な治水対策について姿を示してほしいと思うんです。
 前回のときも、赤川の件も含めて、復旧工事はだめで、復旧じゃない抜本対策をある程度やらないと被害が出ますよというお話をしました。今回も、今、答弁で12月9日から災害復旧の査定があって、ある一定の復旧はされるんでしょうけれども、多分、地域の方々は復旧じゃ満足しないと思うんです。また出るよという心持ちでこれからも暮らしていくと思いますので、これまでの経過も踏まえて早急に計画をつくって、地域の方に説明をしてもらいたいんです。
 その中で、県がずっといろいろ計画を立てるときに、これまでも答弁で言及されてきた四十四田ダムの件も、何となく地域の皆さんに我々も努力して説明するようにはしていますけれども、その状況がしっかり理解されていないように思います。ですから、その件も含めて説明しつつ、計画をつくってもらいたいということであります。
 そこでお尋ねしたいのは、四十四田ダムの現状なんですが、これは国土交通省の管轄であると思うんですが、四十四田ダムの現状がどうなっているのか、県として国土交通省に何をお願いしているのか、国土交通省は今どのようにしようとしているのか、その点についても御答弁いただきたい。
〇八重樫河川課総括課長 ただいまの北上川上流の抜本改修に関しての四十四田ダムとの調整状況ということですが、今、具体的に四十四田ダムと調整しているという事項はございません。四十四田ダム自体は計画流入量というものを1、350立法メートル持っておりまして、今回の9月の台風ではそれを上回る1、468立法メートルの流入があったということで、想定外というか、計画以上のものを受けて、それを下流に影響しないように何とか操作してため切っていただいたということで、四十四田ダム下流の盛岡市街への洪水の影響は防御したということを聞いておりますし、公表もされております。
 そういった状況で、四十四田ダムが非常に大きな機能を果たしているのかとは承知しておりますが、直接上流の河川改修との調整ということは、今時点では行っておりません。これから、先ほども申し上げましたが、北上川あるいは松川下流の土地利用状況等を踏まえて、どういった改修の方法が最適であるか検討して、それに基づいて関係機関、市を初め国、ダムの管理者と調整しながら進めていきたいと考えてございます。
〇及川あつし委員 八重樫総括課長、今の答弁は極めて重大で、私は問題だと思いますよ。これまでの説明と全然違いますから。つまり、四十四田ダム以北の上流部について、堤防のかさ上げ工事をきちっとやってくれといったときに、これまで県土整備部の皆さんは、四十四田ダムの洪水調整能力が落ちているから、いたずらに堤防を上げると洪水調整が全体でできなくなるから計画化に困っているとずっと答弁してきたんですよ。今の答弁は四十四田ダムとは関係ないという話じゃないですか。そうじゃなくて、もう一度、四十四田ダムの洪水調整能力が落ちていることは事実なんですよね、公表されていますよね、であるがゆえに難しいと答弁してきたのに、今、関係ないと言いましたけれども、本当にそれでいいんですか。今まで地域にもずっとそうやって皆さんに説明してきたんですよ。私は、こういう質疑をするつもりはなかったんだけれども、今の答弁は重大な問題だと思うので、再度、確認のため答弁願います。
〇八重樫河川課総括課長 従来の私どもの答弁が、四十四田ダムの調整能力の低下により上流の河川改修が不能だというような内容のお話でしたけれども、一般的には私もそれを否定はしません。
   〔及川あつし委員「わかりやすくお願いします」と呼ぶ〕
〇八重樫河川課総括課長(続) はい。いずれ、上流の具体的な改修計画、何立方メートルが必要だとか、そういったものをこれから具体的に見据えていきますので、それをもって下流のダム管理者とは調整をする必要があると考えているということで、御理解いただきたいと思います。
〇及川あつし委員 二、三回のやりとりでやめようと思ったんですが、こんな答弁ではできないです。結局、今のような答弁をしてきて、地域にも説明してきているから、今回の洪水が起きても、単なる自然災害としか認識されていないんですよ。今の答弁で、地域住民の人たちで不安を持っている人たちは理解できると思いますか。私も全く違う理解でここまで来ましたので、そういう方向で説明もしてきましたけれども、全然違うじゃないですか。つまり、そういう認識であれば、国土交通省と四十四田ダムの抜本的な問題についてきちっと協議をしてこない、だから計画もおくれているという認識となりますけれども、それでよろしいんですか。
〇八重樫河川課総括課長 具体的な計画協議ということではなくて、上流河道は、先ほども申し上げましたが、頻繁な洪水被害があるということは認識していただいて、いろいろな協議の場、具体的な計画協議ではなくて、お互いに連携する河川管理者として調整会議の場がありますので、そういったところでは問題認識は共有していただいているということで、何もしてきていないということではございません。
〇及川あつし委員 部長、答弁を引き取ってほしいと思うんですけれども、今の八重樫総括課長の説明では、これまで当該地域で被災を受けてきた人、被災の可能性があって台風が来そうなときに心配に思われている方々にとっては、全く不安は解消しないと思うんです。何を今やっていて、これから何をやって、どうやって治水対策をやるのかときちっと示してくださいというのが私の質問の趣旨でありますので、その点についてしっかりと、私にではなくて、地域で不安に思っている皆さんに対しての答弁としてお答えを願って、私からは、関連質問ですので終わります。
〇佐藤県土整備部長 松川で今回の被害を受けて、今、何をやっているかについてでございますけれども、まず、どのぐらいの雨量があったか、どのぐらいの流量が発生したか、それは確率はどのぐらいかというようなことについて検討しているところでございます。
 今、四十四田ダムに対して何か制約があるのかというお話でございましたが、私どもが河川改修を進めるに当たりましては、いつの場合でもそうですけれども、下流の河道がどうなっているか、下流のダムも含めてどうなっているかということは当然考慮します。下流の流下能力を超えるような改修を上流でやってしまえば、下流のどこかにそれがあふれてしまうということがあり得ますので、実際に松川の具体的な改修を今後やっていくに当たりましては、改めて四十四田ダムの容量の話、あるいは盛岡市内も含めて北上川下流の状況等について国と協議しながら、具体的な計画を立てるに当たっては、そういう調整をしながら進めていくということになります。
〇工藤大輔委員 復旧、復興建設工事共同企業体、いわゆる復興JVについてお伺いしたいと思います。
 平成24年度、25年度の復興JVの構成数の現状はどうなっているのか、また、全事業者に占めるJV参加者数、その率について、まずお伺いしたいと思います。
〇金田建設技術振興課総括課長 まず、復興JVの構成数でございますが、本年5月まで適用しておりました平成23、24年度の県営建設工事競争入札参加資格者名簿から登録された復興JV数は24JVございます。それから、本年6月以降から適用しております平成25、26年度の同名簿から登録された復興JV数は14JVとなっております。
 次に、全事業者に占める復興JV参加者数の割合ということですが、平成23、24年度の名簿において、土木、建築のA級及びB級、管、電気、舗装のA級に登録されている全事業者数822者に対して復興JV参加者は38者でございまして、割合は4.6%、平成25、26年度の同名簿におきましては、同じく全事業者数が879者に対しまして復興JV参加者が23者で、割合は2.6%となっております。
〇工藤大輔委員 予想以上に少ないなという認識を持っております。業種についても、主要な五つの業種が復興JVの業種として資格者名簿に登録できるということなわけですが、その中で、通常、今、説明がございました土木、建築一式、電気設備、管設備、舗装ということのようですが、実際にはのり面処理と機械設備も入っていますけれども、これの主要5業種の位置づけの中に、これはまた別途入るものなのかどうか。細かい区分で言えば七つになると思いますが、その認識についてお伺いしたいのと、では、平成23、24年度の名簿からすれば24者、平成25、26年度の名簿からすると14者となりますが、実際の参加している共同企業数で言ったら何者なのかお伺いします。
〇金田建設技術振興課総括課長 先ほど、割合を出すときに主な業種ということで申し上げましたけれども、実はその他というのがございまして、その中にのり面とか機械とか、ほかにもございまして、実際には復興JVをつくっているところはないんですけれども、一応できるという形にはなってございます。
 それから、実際の参加者数でございますが、先ほど申し上げたのが実数でございます。平成23、24年度が38者、平成25、26年度が23者ということで、ダブっているというのもいろいろ調整いたしまして出した数値でございます。
〇工藤大輔委員 わかりました。いただいた資料には、主要5業種と書いてあったので、5業種に限定されたものなのかと思っていました。その他があるというのであれば、それはそのとおりだと思うので、結構です。
 私が先ほどお伺いしたのは、復興JVとしては、1回に1業者が2者まで構成することが可能だということなので、復興JV参加者数はそれぞれ38者、23者という数値かもしれませんけれども、実際の実数からしたら何者なんですかということをお伺いしたので、改めて答弁をいただきたいのと、あと、少なくなった要因もお答えいただきたいと思います。プラスして、受注した実績はそれぞれ年度的にどうだったのかお伺いします。
〇金田建設技術振興課総括課長 大変失礼いたしました。確かに、同じ建設業者が二つのJVをつくるということも可能になっておりまして、実際にございます。平成23、24年度の名簿では、実数とすれば21者、平成25、26年度の実数では12者でございます。
 少ない要因でございますけれども、建設業協会等と意見交換をする際にその辺をお伺いしているんですけれども、今回、復興JVの制度を立ち上げるときに、まず、大きな津波で被災を受けた沿岸地域の建設業者がきちっと仕事ができるようにということを考慮いたしまして、復興JVの代表者は、沿岸広域振興局、県北広域振興局の本局の久慈、そこに本社のある建設業者を代表者という設定をいたしました。それが、やはり業者数も多くないものですから、かなり影響したのかなと考えてございます。
 実際の受注件数でございます。平成24年度が10件、平成25年度は1件となってございます。
〇工藤大輔委員 恐らくJVを組む数が、半減とまでは言いませんけれども、減ったという要素は、先ほど述べられた理由と、やっぱり参加しづらかったり、受注実績もこのとおりですから、その受注において余りメリットとなっていないというのも一つあるのではないかと思います。県で議会承認で上がってくる工事の実績等を見ても、結局、単独で出ているところが単独で受注しているというところが非常に多いなと。私は、復興JVという制度ができて、いろんな枠組みの中で入ってくる、そして受注する機会というのがもう少し拡大したのかなと思ったら、意外と議会承認の5億円以上の事業においても余り見られないということで、逆に5億円以下であればあるのかなと思ったんですが、今の答弁であれば、それもきっと多くないのかなという感じを持ったところであります。
 そこで、これまで復興JVを導入するに当たって国のほうで制度を決めた際、宮城県のほうで先行して実施したと思います。その後、岩手県の反応はというと、宮城県の状況を見ながら考えていきたい、そして、先ほど金田総括課長が言われたように、沿岸の事業者が請け負えなくなったときには、県内同士の組み合わせによってより多く受注してもらい、その次に、それでも手に余ってしまう、請け負えないという状況になったら、大手も含めて、また他県も含めての構成で復旧事業をやっていただきたいというような認識であったと思います。
 それらを踏まえて、今日までの復興JVの取り組み、そして成果をどのように評価しているのかお伺いします。
〇金田建設技術振興課総括課長 これまでの復興JVの取り組みの成果ということでございますが、基本的には、技術者が大変不足しているという中で、内陸のほうの技術者も復興JVを組むことによって活用できるようになるというメリットを実は考えていたわけでございます。ただ、実際にふたをあけてみると、意外に、内陸と沿岸でJVを組むというのが、敬遠されるというほどではないにしても、なかなかうまく結びつきができていないなと考えております。
 9月に県の建設業協会と意見交換を行いましたけれども、やはり内陸のほうから沿岸に行くことに対するちゅうちょが実はあると。要するに、まだ沿岸のほうで仕事がある程度できる状態ではないか、それを内陸から行って、荒らすというんですか、迷惑をかけるのではないかというような意識も実はあるということもございました。そのときの要望として、もうちょっと緩和したほうがいいと。沿岸の企業の方々も実は手いっぱいになっているので、もっと内陸から応援を出すべきだし、行かなければいけないということで、その組み合わせをもっと柔軟にしてくれという要望を承りました。その一つが、代表者は県内に本社、本店があれば可とするということと、もう一点が、現在は等級区分の組み合わせですけれども、AとA、BとBというふうに同じ等級同士でJVを組みなさいという制度ですが、これを、異なる等級でもJVを組めるようにしてほしいという要望がございました。それを踏まえまして、現在、より自由な組み合わせになれるように、その要望に沿った方向で制度改正の準備を進めておりまして、できるだけ早期に実施して、復興JVがより活用しやすいようにしていきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 やはり入札不調も非常に多くなっていっているというような状況で、これからさらに本格復旧、復興という過程に進むにつれ、さらに不調によって被災地の真の復興がおくれていくということがあってはならないので、全県の力をかりるような体制をもって、整備だとかそれぞれの事業を進めていただくような、まず体制整備を早期につくっていただきたいと思います。
 そういった中で、やっぱり県北のほうの事業者がなかなか復興事業にタッチできない、かかわれないという声を非常に多く聞くわけでありますが、そういったものを改善する方策、これが一つであれば復興JVも一つなのかもしれませんけれども、そういったものをさらに強く準備していただきたいというような思いを持っておりますが、それについての所感と、何かあればお伺いしたいと思います。
〇金田建設技術振興課総括課長 県北の事業者が参加しやすい取り組みということでございます。これまでも、県営建設工事の入札におきましては地域の事業者に配慮するということで地域要件を定めておったわけでございますけれども、東日本大震災津波に伴い入札参加者が沿岸地区で減少しているということを踏まえまして、入札の適正な競争環境の確保と、入札不調対策といたしまして、平成24年10月15日以降の公告から、原則として狭い地域要件にさらに内陸を加えるという改正をして、県北も含めた内陸の事業者が入りやすいようにという取り組みもしております。
 それから、先ほどお話があったとおり、復興JVにつきましても、できるだけ活用できるようにしていきたいと考えております。
 県北に限って制度をつくるというのはなかなか難しいんですけれども、今後も入札不調の解消に向けまして県全体でいろいろな復興の取り組みができますよう、入札担当部局とも連携して検討を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 県北の事業者がどんどんとれるように優先してくれと言っているわけではございません。これからの復興事業の場所を見れば、地理的だとかさまざまな条件からすると、同じ土俵に立つと、どうしてもやっぱり不利な条件になっているというのが実態だなと思いますので、そういったものの中で、せめてスタートラインというか、同じ土俵に立ったら、同じような範囲で競争がやりやすいようにしてほしいということですので、県内の各企業のA級、B級、C級も含めて、それぞれ請け負っている実績、また企業数等の全体も見ていただきながら、よりよい発注、そして建設業の育成にも貢献していただきたい、また、役割を発揮していただきたいと思います。これからも注視してまいりますので、これについては強く要望したいと思います。
 あと、ちょっと確認で、先ほど、A級、B級の数が、822者から879者にふえたという認識でいいのかどうか。数がふえていましたけれども、実際、今回のA級の数がふえた要因というのは、復旧、復興事業を受注した影響によるものなのかどうか、このふえた要因がわかればお示しください。
〇金田建設技術振興課総括課長 ことし5月からの新しい名簿、平成25、26年度の資格者名簿をつくるに当たって、実は今回、復興事業がかなり多量に出ておりまして、なおかつ規模の大きいA級以上の工事量がふえるということを考慮いたしまして、若干A級をふやす対応をとらせていただいております。それでふえてきております。
〇八重樫河川課総括課長 先ほどの工藤勝博委員の御質問の河川改修の成果について、数値をお答えさせていただきます。
 要改修延長につきましては1、431.5キロとなってございます。平成23年から24年までの進捗は1.7キロでございます。率にして0.1%ということになってございます。
〇久保孝喜委員 平成24年度の災害公営住宅に関してお尋ねいたしますが、希望者に対する供給割合が目標値では20%でしたが、実績は2%ということで報告がなされております。その災害公営住宅の中でも、木造のものについて、県の実際に手がける建築戸数からするとかなり少ないわけですが、昨年度、野田村の2地区について手がけられたということでございますので、冒頭報告があったように、既に入居もされているということなそうです。
 この建築費について、建物本体の建設費用及び坪単価は幾らなのかということをまずお示しいただきたい。あわせて、県がこうして災害公営住宅を建設する際の設計の仕様というものが、一般的な民間の木造住宅などとどういうぐあいに違うものなのか、あるいはその建築基準なるものがどういう形で整えられて、民間とはこの点が違うんだよというようなことがあるのだとすれば、その概要についてお示しいただきたいと思います。
〇澤村建築住宅課総括課長 野田村2地区で木造の災害公営住宅を建設してございます。それの建設費と坪単価についてでございます。
 門前小路第1地区につきましては、木造2階建てで2戸を1棟としたタイプでございますけれども、これは1棟当たり建設費が1、510万円で、坪単価に直しますと約65万5、000円、それから、門前小路第2地区につきましては、これは平屋建てで2戸を1棟にしたもののタイプでございます。これを1戸当たりに直しますと、工事費が1、400万円、坪単価に直しますと約68万1、000円ということになります。
 それから、民間の仕様と災害公営住宅の仕様はどのように違うのかという御質問についてでございますけれども、まず、民間の住宅につきましては、建築基準法上を満たしていれば、どのような仕様でも建築可能でございますので、建築主の要望に合わせてつくられるものと認識してございます。
 一方、公営住宅につきましては、これまでも住宅政策上の観点から、また、入居者の良好な生活環境を保護するというようなことから、一定の省エネルギー性能、あるいはバリアフリー性能というものも確保してきたということがございます。あるいは県内の林業振興の観点から県産材の使用にも努めているというようなことでございまして、災害公営住宅においても同様の仕様で進めておりまして、特に大きいのは、省エネルギー性能がちょっと高いような仕様になっているということでございます。
〇久保孝喜委員 金額だけ聞くとぎょっとするような金額なわけですけれども、今の御説明の省エネ対策あるいはバリアフリーなどを含めた建築仕様についてちょっとお尋ねしますが、一般的な、平均的な住宅の場合と、この省エネ、バリアフリーなどを含めた公営住宅、公的な住宅としてのレベルといいますか、それは建築費に換算すると大体どれぐらいのものなのでしょうか。それがもしおわかりであれば、大体で結構ですので教えていただきたい。
 それから、この設計基準にかかわっては、あるいは仕様にかかわっては、県の例えばオリジナリティーというのが裁量としてあるのかどうか、その部分についてはいかがでしょうか、お示しをいただきたい。
〇澤村建築住宅課総括課長 省エネに関して、大体工事費でどれぐらい違うのかという御質問につきましてですけれども、現在、住宅性能基準で等級4という性能を確保することで今、設計してございますけれども、等級3から4に上げるには、坪単価で大体4万円から5万円かかるという報告があります。全くの試算でございますけれども、大体そんな程度かかると聞いてございます。
 それから、仕様等の県のオリジナリティーといいますか、どこまで県で決められるかという御質問でございますけれども、公営住宅の性能基準につきましては、県が規則で定めるというようなことになってございますので、市町村営であれば市町村で定めるということでございますので、基本的には県が独自に定められるものと考えております。ただ、国では参酌基準というものを出しておりますので、それからかけ離れるにはそれなりの理屈が必要ではございますけれども、基本的には県が定めるということになってございます。
〇久保孝喜委員 この木造住宅は、県の場合ですと全体からすると極めて少ない数でありますが、市町村でも、将来の払い下げなどを見越した形で、災害公営住宅を木造で、あるいは戸建てでつくるという例があるわけですね。その場合でも、例えば市町村の場合は、直接建設というよりは、民間が建てられたものを買い取り方式で取得するというような例があるようなんですが、先ほども御説明いただいた建築基準仕様は、そういう市町村の建築の際にも、県の仕様がこうだからという形で準用されているものなのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
〇澤村建築住宅課総括課長 先ほど申し上げたとおり、自治体で基準は定められるということでございますけれども、国が定めている参酌基準をもとに皆さん考えていらっしゃいますので、本来、独自に考えられるのですが、ある程度同じような基準にされているところが多いのかなと認識しております。
〇久保孝喜委員 全部調べることはできませんでしたが、市町村の建築費用なども、先ほど説明いただいた県の建築費とほぼ見合っているんですね。つまり、建築の建坪なんかが同じであれば、ほぼ同じぐらいの金額になっているようなんです。私の独自の調査ですけれども。そういうことから類推して、これから先の課題を考えた場合に、市町村なんかの場合は、建築して、入居していただく、それで、もちろん賃貸ということになって優遇的な家賃によって住んでいただく。それで、5年たつと、これを居住者に払い下げすることができる、あるいはそれを見越して建てる、あるいは取得することが多いわけですね。
 県の建築全体の中でも少ないこの木造住宅については、御説明をお聞きしましたが、市町村に移管することになっているようです。そうすると、市町村の段階では、まだ決定はしていないようですが、将来、払い下げになる場合もあり得るということですよね。そうすると、県がこの木造の公営住宅をつくる際に、市町村との間で将来の払い下げの可能性について協議をされたのかどうか。されたとすれば、その場合にこの長屋方式という2戸1棟という方式が、果たして被災者の側に立った手法だったのかどうかという検討、この点についてはどのようにお考えだったんでしょうかということです。
〇澤村建築住宅課総括課長 門前小路の団地の建設に際しましては、払い下げを前提というお話はせずに、県が村管理の住宅を建てて村に譲渡するというお約束で建設したものでございます。
〇久保孝喜委員 その協議は具体的にはなかったということですね。
 それで、この建設費用は、建てて住んでもらえば、県から移管されていますから市町村に移って県からは離れてしまうわけですが、一方で、さっき申し上げた払い下げの可能性になる場合に、この建設費が払い下げ時点にどういう影響を与えるかについて、その払い下げの際の計算式というものが恐らくあるんだろうと思いますが、どういう影響が想定されますでしょうか。
〇澤村建築住宅課総括課長 払い下げる場合には、払い下げる時点での市町村が行う不動産鑑定によるものと考えてございます。ただ、そのやり方はいろいろあるかとは思いますけれども、基本的な考え方といいますか、一定の性能が担保されている建物について評価するわけですから、ある程度その性能に見合ったような金額というものが査定の価格に反映されてくるかと思います。
 ただ、一時的に物価高騰等で金額が上がったとしても、それが落ちつけば、その時点で落ちついていれば、その分は反映されないこともあろうかとは思います。
〇久保孝喜委員 文字上では、今、御説明あったとおり、払い下げ時点の鑑定評価によって基本的には決まるということになっていますが、被災地の市町村が住宅をこれから考える方々に対する説明資料の中では、明確にその想定金額は、およそ建設したときの価格から7割程度ですとかなり限定的に、つまりそういうことでも言わない限り見通しがつかないわけですね。そういう意味で、こういう計算式まで出して実はやっている。そこから翻って考えると、当然建設費用が高ければ払い下げ時点の価格も高いという関係性が生まれてくるわけですね。
 そこで、私は総括質疑でもちょっと指摘させていただいたわけですが、自力再建に向けて、まさに今、住宅問題が復興の一里塚で、これからどんどんスピードアップもしていかなければならない、そして、よりよい住宅を供給しなければならないという県全体の役割からしても、この建設費用の民間の一般的相場との乖離という問題は、私はついて回るんだろうと懸念するわけなんですね。
 建築士会あるいは県内の住宅メーカーなどが復興に向けたさまざまな提案をしているわけですが、そういう方々が試算した一般的な沿岸市町村の平均の建設費は、坪当たり、現在で52万7、000円、震災前から4万8、000円、5万円近く上がっていると。これは、資材高騰、労働者不足ということもあるでしょう。そうすると、震災前は48万円ということになる。一方で、公営住宅は、払い下げになるかもしれない可能性を秘めた建築費が坪当たり67万円とか65万円。この大幅な乖離という問題は無視できないのではないかというのが私の問題意識なわけです。
 そこで、これは住宅政策、県がつくる木造住宅はこれからいっぱいあるわけじゃないでしょうから、これから先に生かせるのかどうかわかりませんけれども、しかし、その建設を担当する部局として、被災地の被災者の方々に対する説明責任として、やっぱりこの問題は無視できないポイントだと私は思いましてお尋ねするわけです。
 部長、県の先導的役割、ましてや、この木造住宅は、他の市町村がまだまだこれから先、建設するのに先駆けてできた住宅ですね。そうすると、当然のことながら、県がこれだけよりよい住宅を、これだけ安く、そして快適に住めるようにつくりましたという形で提示できるのが、本来のまさに復興を進める側の姿勢としてあっていいのではないかと思うんです。きょうは、切り口として坪単価という話をしましたが、その点で、まさにその先導的役割を県は果たしたとお思いでしょうか、あるいはこれから先、住宅政策を含めてどのように進めていこうとされるのかお尋ねしたいと思います。
〇佐藤県土整備部長 野田村に建設いたしました木造の公営住宅、県では、これが最初の公営住宅でございます。あのような形の公営住宅は県では初めて建築したものでございますが、一定の性能を備えたもので、なおかつ、非常にコンパクトな建物で、坪当たり単価にいたしますと比較的高いという御指摘をいただいておりますけれども、1戸の家で見れば1、400万円から1、500万円ぐらいというようなところになっております。そういう意味で、これから建っていく多くの民間住宅のモデルにこれがなり得るかということについては、私は断言できませんけれども、ああいう形の公営住宅といたしましては、一定の形はお示しできたのではないかと考えております。
 また、これからの住宅、主に我々がやっておりますのは災害公営住宅でございますけれども、災害公営住宅については、これからさまざまな方が住まわれる、特に県が整備するものにつきましてはですが、そういう意味では、やはり引き続き、一定の今までと同様の性能の確保は大事なんだろうと思っております。
 一方で、私ども住宅支援についても取り組ませていただいております。そういう意味では、持ち家の再建を希望される方には、引き続き、今までの制度を活用しながら、できるだけ早く住宅再建がなされるように私どもも努めてまいりたいと思っております。
〇久保孝喜委員 今の部長の答弁については重く受けとめたいと思いますし、これからの住宅政策の中でも、県がそういう先導的役割をきちんと果たしていくということをぜひ心していただきたいと思うんですよ。
 今お話のあった持ち家再建にかかわって、県が推奨している地域型復興住宅という立派な冊子があるわけですけれども、そこで示されている10のモデルは全て、一番高くても坪50万円ぐらいの、それこそコンパクトな、小さな家と言えば小さな家なんですよ。しかし、建築士会の皆さん方、住宅メーカーの皆さん方が集まって協議会をつくって、こういうモデルまで出しているときに、一方で、どんなに初めての住宅建設だったか知りませんけれども、坪単価で20万円近い差が出てきてしまうのは、いかにも説明はなかなかしにくいと、私はそう思うんですね。
 そうであればあるほど、やっぱりこれから先の住宅政策の中で、そういうことを払拭できるようなアピールなり、あるいは発信をやっていただきたい、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。
〇斉藤信委員 最初に、住宅再建に対する支援策についてお聞きします。
 県独自の生活再建住宅支援事業、この実績はどうなっているでしょうか。
〇澤村建築住宅課総括課長 生活再建住宅支援事業の実績についてでございます。
 4種類ばかりございまして、一つ、新築につきましては、制度開始当初から今月7月末までのデータでございますけれども、735件、約4億5、500万円、それから、補修、改修につきましては、同じく制度開始以降4、866件、約13億5、100万円、利子補給につきましては533件、約1億2、600万円、宅地復旧につきましては896件、約8億500万円となっております。
〇斉藤信委員 県独自の施策で、私は、これは大変有効な施策だったと思います。
 それで、新築については、これはバリアフリーも県産材も平成28年度までなんですね。ところが、補修の関係は平成25年度までとなっているので、これだけの実績、今年度もかなりの実績がありますので、私は、これは継続して来年度以降も実施すべきだと思いますが、いかがですか。
〇澤村建築住宅課総括課長 補修につきましても、かなり職人不足とかといったことで、まだまだ当初よりは終了するのに時間がかかっているという状況に鑑みまして、継続の方向で検討してまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 前向きの答弁ありがとうございました。
 もう一つ、新築の場合のバリアフリー、県産材活用件数、これ自身はどうなっているでしょうか。これは、被災者生活再建支援金の加算金受給者との比較でどうなっているのか、どのぐらいの比率で利用されているか示してください。
〇澤村建築住宅課総括課長 生活再建住宅支援事業の新築のバリアフリーと県産材の利用実績でございます。制度開始当初からことし7月末まででのバリアフリーにつきましては511件、県産材は224件、合計で735件の利用実績でございます。
 一方、被災者生活再建支援金加算支援金の建設及び購入につきましては、ことし7月末までの件数で言いますと3、238件となってございます。単純に比較しますと、おおむね2割程度、22.3%という数値になってございます。
〇斉藤信委員 大変いい制度なんだけれども、2割程度だと。これは、なぜもっと活用されないのか、その課題は何なのか、どういうふうに受けとめていますか。
〇澤村建築住宅課総括課長 この制度につきましては、被災者の方が住宅をできるだけ安くとか早くつくりたいと希望される方が多いと聞いております。そういった中で、補助対象になるような計画にする、あるいはそういう施工をする、そういう資材を納入するとか、今までの施工者にとって違うルートから納入しなければいけないとか、さまざまな手間とか時間とかがかかるところが弱点かなと認識してございます。
〇斉藤信委員 それで、岩手県地域型復興住宅は、私が総括質疑でお聞きしたときには390件ということでした。この岩手県地域型復興住宅の1件当たりの建築費、またその坪単価がわかるか、わかる場合は示していただきたい。
〇勝又住宅課長 地域型復興住宅の受注件数として報告されている390件の建築費と坪単価は不明です。
 なお、岩手県、宮城県、それから福島県の3県で地域型復興住宅推進協議会が行った調査結果によりますと、岩手県の住宅生産者グループの平均的な工事単価は、坪当たり51万7、000円となっております。
〇斉藤信委員 わかりました。
 それで、この間、被災者生活再建支援金の加算支援金が200万円、これに対して、県が市町村に協力して100万円、市町村がさらに100万円から300万円、住宅ローンの利子補給が250万円から最大700万円、こういう形で支援策が充実して、最近の新聞報道を見ると、野田村では平均して540万円の補助を受けていると。
 あと最近の、これは22日付ですけれども、釜石市では自立再建が増加してきたと。私は、これは大変前向きの方向だと思います。そういう形で、やっぱり住宅再建の基本は持ち家と。希望する方々が最大限持ち家再建できるように支援すると。その点でいけば、私は、このバリアフリーや県産材の活用をもっとやられる必要があるし、もう一つは、やっぱり県の支援も、100万円じゃなくて、さらにあと100万円、200万円と上乗せする必要があるのではないかと思いますが、これは部長にお聞きしましょう。
〇佐藤県土整備部長 被災者の方がどこに住まわれるかということでは、持ち家を建てられて住まわれるということは、私どもも非常に望ましいことだと考えております。
 加算支援金のお話でございますけれども、これは財源の問題がございますので、今ここでかさ上げしますと申し上げる状況にはございませんが、引き続きこういう支援がなされるよう努めてまいります。
〇斉藤信委員 じゃ、次に、災害公営住宅の建設問題についてお聞きします。
 この間、災害公営住宅の入札不調の状況はどうなっていますか。また、その対策はどうとられていますか。
〇澤村建築住宅課総括課長 災害公営住宅の入札不調の状況でございますけれども、今年度、入札を行いました建築工事について、これは8件ございます。そのうち3件、陸前高田市中田地区第2工区、陸前高田市柳沢前地区、大船渡市下欠地区におきまして入札不調が発生してございます。
 入札不調対策としましては、これまでも、積算単価の見直しの頻度をふやしてやる、それから、必要な宿泊費等を含める契約金額の変更を認めるなどの対策を行ってきておりましたけれども、入札不調が生じたことを踏まえまして、参加資格を県外業者まで拡大する、あるいは積算単価の考え方を見直して適切な工事金額を設定する、増額するということでございます。それから、現在の工事現場の状況を踏まえまして適切な工期を設定する。それから、入札不調があった場合、状況を見ながら随意契約の手続に移行するといった新しい対応も行っているところでございます。
 ちなみに、結果としまして、入札不調が生じました3件につきましては、随意契約の手続に移行しまして、既に工事業者と仮契約を締結してございます。
〇斉藤信委員 8件中3件が不調ということで、あした随意契約で契約されたものが提案されると思いますけれども、例えば、陸前高田市中田地区の場合は、6月に入札して不調、8月に再入札して不調、そして今度、随意契約と、少なくともこれで4カ月近く延びてしまうわけね。これは、被災者にとっては本当に切実な問題ですよ。災害公営住宅全体がおくれている中で、今すぐ建てられるものが、3カ月も4カ月もおくれるというね。今、対策もお聞きしましたので、私は、こういうことが本当に起こらないように万全の手だてで対応していただきたい。
 次に、災害公営住宅の年度別完成戸数と今後の見通し、懸念される課題は何か示してください。
〇勝又住宅課長 災害公営住宅の年度別完成戸数についてですが、9月末時点で既に251戸が完成しており、今年度中には546戸が完成する予定となっております。また、平成26年度には2、228戸、平成27年度には2、336戸、平成28年度には725戸が完成予定となっております。
 今後、完成時期が遅延する要因については、用地が確定していないものについては用地の確保等に時間を要すること、資機材や労働者の不足により設計や工事に時間を要することといった可能性が考えられます。
 県としては、建設業関係団体との意見交換や市町村との連携などを通じて、復旧・復興ロードマップに従って災害公営住宅の建設を進められるよう、鋭意取り組んでまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 本当に、これを合わせると、今年度中に797戸、6、086戸の計画に対して13%、来年度は累計で3、025戸まで行きますけれども、これは49.7%、やっと半分のところまで行くと。だから、半分以上の方々は、来年になっても、これはもう入居の見通しがないということになります。もう2年、3年仮設の生活が続くということになりますし、この計画は今のベストの計画ですから、うまくいってこういう計画で行くと。そういう点でも、必要な課題を早く手当てしてやっていただきたい。
 それで、せっかくつくったけれども、入居に満たない、定員に満たない住宅の状況と課題について示してください。
〇勝又住宅課長 災害公営住宅の入居状況についてですが、9月末現在で完成している災害公営住宅は9団地251戸あります。そのうち、空き住戸が発生している災害公営住宅は、具体的な入居の見込みがある住戸を除くと4団地21戸あります。
 最も多くの空き住戸が発生しているのは、雇用促進住宅を改修した大船渡市盛中央団地の16戸で、新しく建設される災害公営住宅への入居を希望する被災者が多いこと、5階建てながらエレベーターがないこと、東日本大震災津波により1階部分が浸水した場所にあることなどが原因と考えられます。
 また、その他の3団地5戸につきましては、より自分の希望に近い災害公営住宅の完成を待っていること、災害公営住宅の建設中に住宅再建へと意向が変わった被災者がいたことといった要因によって、現在は空き住戸が発生しておりますが、引き続き募集を続けることにより、いずれは入居希望者があるものと考えております。
〇斉藤信委員 被災者の方々が公営住宅を切望して、しかし、すぐに埋まらないという問題を、私は、よく分析して今後に生かす必要があるんだと思いますよ。
 例えば、今申請中の釜石の平田団地も、半分ぐらいしかまだ申請がない、再募集すると。だから、やっぱり本当に被災者の要望に立った災害公営住宅をつくることが大変大事な課題だと思いますので、その点をよく今後に生かしていただきたい。
 次に進みます。まちづくり事業について。
 防災集団移転促進事業、土地区画整理事業、津波復興拠点整備事業の進捗状況、そして、防災集団移転促進事業、土地区画整理事業による住宅宅地の年度別供給見通しを示していただきたい。
〇田村まちづくり課長 防災集団移転促進事業と土地区画整理事業、津波復興拠点整備事業の進捗状況でございますが、9月30日現在、防災集団移転事業は53地区で予定されており、全ての地区で大臣合意を得て、そのうち18地区で造成工事に着手してございます。そのうち3地区では、一部の宅地が完成してございます。
 次に、土地区画整理事業でございますが、18地区で予定しており、17地区が都市計画決定済みでございます。そのうち15地区で事業認可を得ております。現在、6地区で造成工事に着手しております。
 次に、津波復興拠点整備事業でございます。10地区で予定されておりまして、そのうち7地区が都市計画決定済みでございます。そのうち5地区で事業認可を得て、現在、1地区で造成工事が進んでございます。
 次に、宅地の供給についてでございますけれども、復興・復旧ロードマップでは、防災集団移転促進事業につきましては、約2、700戸分の宅地を整備する予定としております。既に3地区で造成工事の一部が完成しておりますが、年度内に約500戸が完成する見込みです。さらに、平成26年度までには約1、100戸、平成27年度までには約2、500戸、平成28年度までには約2、700戸、平成28年度までには全て完成する予定でございます。
 次に、土地区画整理事業でございます。全体で5、200戸分の宅地を整備する予定にしております。平成26年度に約50戸、平成27年度までには約2、000戸、平成28年度までには約2、200戸、平成29年度までには2、400戸が完成する予定となっております。
 なお完成時期が具体的になっていないものが約2、700戸ございます。
〇斉藤信委員 実は、住宅宅地の年度別供給見通しについて、8月のロードマップで9、722区画から8、446区画に1、276区画減少したんですね。大幅に減少した理由は何でしょうか。
〇田村まちづくり課長 予定宅地数の変化についてでございますけれども、市町村では、復興事業を進めるに当たりまして、住民の意向調査を行いながら、それに合わせて事業計画を変更しております。
 その変わった理由につきましては十分把握できているものではございませんけれども、災害公営住宅を希望される方が出たりとか、他の地域に移転される方がおられたということも考えられます。このほか、事業が具体化するに伴って、住民の意向を精査しまして、それが反映されたことなども考えられます。
〇斉藤信委員 これは10月16日付の新聞報道だけれども、大船渡市で防災集団移転促進事業の8団地が造成おくれ、最大4カ月おくれると。ここで指摘されているのは、やっぱり住民の合意形成に時間がかかっているということですね。それと、地権者との交渉に時間を要したということも指摘されています。
 私は、防災集団移転促進事業は、区画整理事業もそうだけれども、やっぱり住民が主体になって進める、その合意を本当に大事にするという取り組みが特別に重要だと思いますが、その手だてはどうなっているでしょうか。
〇田村まちづくり課長 委員おっしゃるとおり、防災集団移転促進事業は、特に住民合意が必要でございまして、集団で移転するという事業でございます。市町村では、その計画づくりにおきまして、合意を得るために頻繁に住民説明会とかをやられております。大船渡市の例で申しますと、大船渡市は住民主体でやられているということでございます。
 県としましては、住民のまちづくり検討会みたいな組織に専門家を派遣するということもやってございます。
〇斉藤信委員 まちづくりに専門家を派遣するというのは、一人だけなんですね。だから、せっかくそういう制度がありながら使われていない。こういうことも周知徹底して、やっぱり住民の話し合いを支援する、住民が主体となってまちづくりを進める、結果的にはこれが事業の推進の力になっていくので、その手だてを徹底してとっていただきたい。
 それで、もう一つ、被災地に行きますと、区画整理事業での住民の率直な疑問は、低いところで2メートル、高いところは8メートルとか10メートルかさ上げすると。本当にこんなにかさ上げして大丈夫なんだろうかと。宮城県の場合は、そういうかさ上げして盛り土して宅地造成したところに大きな被害が起きたということもありました。
 私は、わかりやすく住民に対して、これだけの今までやったことのないようなかさ上げ、盛り土をしても大丈夫なんだという技術的根拠、あとは実例、そういうものを示すべきではないのかと。あと、かさ上げしてすぐ住宅をつくったり公共施設をつくるわけですね。すぐにつくれるものなのか、こういう疑問もあるわけです。その点についてどうですか、きちんと説明できますか。
〇田村まちづくり課長 大規模な盛り土工事でございます。やはりこれまで県内で、特に沿岸で大規模な盛り土ということは少なかったかと思います。ですが、全国的に見ますと、東京都の多摩ニュータウンとか、千葉県の千葉ニュータウンというところでは、100ヘクタール規模の盛り土をやっております。
 盛り土を行うに当たっていろいろな検討をいたします。例えば、現地盤がどうかとか、盛り土材料が適切か、条件に合ったどういう工法がいいかということを全部検討した上で、対策をとって盛り土工事をするということで、所期の目的が達成できるような盛り土ができるのではないかと思っております。
〇斉藤信委員 ぜひ、こうしたかさ上げ、盛り土については、被災者の方々に、今、私が聞いたってよくわからない。わかりやすく、やっぱり不安も払拭しながらぜひやっていただきたい。また、そうしないと合意形成も進まない。
 次に、公契約条例の制定と建設業界の対応についてお聞きします。
 県議会の請願採択を受けて、今、公契約条例を県内でもチームをつくって検討しています。私は、これは建設業界にとって極めて重要だと思うんですよ。建設労働者の最低賃金を確保する、もう一つは、重層的下請構造、これも建設業界特殊で、私は、そういう無駄な構造の改革にもつながるのではないかと。今、建設労働者が、この間2割も減ったんですよ。若手がもっと減ったんですよ。私は、この公契約条例というものは、そういう意味で岩手県の建設業界にも重要な意義を持つものと思いますが、いかがですか。
〇金田建設技術振興課総括課長 公契約条例と、それから下請等に対する影響ということだと思いますけれども、いずれ、公契約条例につきましては、部局横断的組織ということで、関係課から成る公契約のあり方検討チームに当部でも参加いたしまして、現在、検討を進めているところでございます。その中で、建設業界の方の御意見も十分聞きながら進めていきたいと考えております。
 それで、下請の労働者の賃金等につきましては、実態というものがなかなか当方でも把握できておりません。ただ、毎年国と連携しまして下請取引等実態調査というものを実施しておりまして、抽出になりますけれども、下請取引が適正に行われるよう必要な指導を行っているところでございます。
 それから、建設業界の建設工事の際の重層的な下請ということにつきましては、実は、国土交通省の建設産業戦略会議が平成23年6月に取りまとめを行っております建設産業の再生と発展のための方策2011というものがございます。その中で、現在の重層下請構造は、個々の企業が経済的合理性に基づき原則自由に行動しているために、結果として、下請契約という形で形成されたと指摘しておりまして、重層下請構造は、間接経費の増加による生産性の低下、労務費へのしわ寄せ、施工責任の不明確化、品質の低下……
〇佐々木努副委員長 答弁は簡潔にお願いします。
〇金田建設技術振興課総括課長(続) など、やはり課題があるという指摘はしておりますが、その対応策といたしましては、やはり下請の次数の制限、つまり1次下請、2次下請、3次下請という次数の制限については、行政で一律に縛っていくということではなくて、契約当事者である建設企業、業界団体が自主的に取り組むべきという指摘をしております。それで、現在、一般社団法人日本建設業連合会がその取り組みを進めているところでございます。
〇斉藤信委員 ちょっと答弁が長過ぎてね。余りいい答弁じゃないのにさ。
 建設業で一番の問題は、建設労働者が激減したということですよ。その最大の原因は賃金が下がったということですよ。全産業の7割が年収400万円、それでもう若手の労働者がいないと。だから、本当に末端まで労働者の賃金を確保するのが、これは公契約条例で、公が発注するものでそれを保障しようということなので、ぜひ、県土整備部でも真剣になって取り組んでいただきたい。
 最後です。津付ダム、簗川ダムの建設事業の状況についてお聞きします。
 津付ダムについては、県が中止の方向を出して、大規模事業評価委員会に今かかっていると思いますが、これは当然だと思います。
 そこで、津付ダム、簗川ダムの事業費、進捗状況、これは関連道路も含めた事業費、進捗状況を示していただきたい。簗川ダムについては、本体工事費は幾らになるのか、本体工事についてはどこまで進んでいるのか、このことを示していただきたい。
〇志田河川開発課長 まず、簗川ダムについてでございますけれども、ダム事業の進捗状況については、平成25年度末の事業費の累計につきましては、全体で、関連工事も含めて484億円、進捗率は68%となってございます。
 うち、現在の状況につきましては、つけかえ道路は、国道につきましては終わりまして、県道のほうのつけかえ道路をやってございます。本体につきましては、現在、実施設計の最中でございます。うち、本体につきましては150億円程度と見込んでございます。
 次に、津付ダムでございます。津付ダムにつきましては、関連工事も含めまして、平成25年度末までに102億円、進捗率で59%となってございます。現在、つけかえ国道の工事を進めておるところでございます。津付ダムにつきましては、ダム本体の工事費は55億円と見込んでございます。
   〔「簗川は」と呼ぶ者あり〕
〇志田河川開発課長 簗川は150億円でございます。簗川ダムの本体の工事費は150億円となってございます。
〇佐々木努副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木努副委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 県土整備部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 それでは、執行部席を整理いたしますので、暫時休憩いたします。
 午後2時50分 休 憩
午後3時12分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより、障がい福祉サービス復興支援事業に関し質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、質疑の方法については、各会派及び会派に属さない議員に質疑時間を配分して行う方法とし、その配分の範囲内で会派内の複数の委員が質疑を行うことができることとしております。また、審査の中で、具体事案等に係る答弁については部長等が行うことといたしますので、御了承願います。
 これより質疑を行います。あらかじめ、嵯峨壱朗委員、高橋孝眞委員、飯澤匡委員、工藤大輔委員、佐々木朋和委員、木村幸弘委員、高田一郎委員から質疑の申し出がありました。
 質疑の順番については、自由民主クラブ、いわて県民クラブ、希望・みらいフォーラム、民主党、社民党、日本共産党の順にしたいと思いますが、これでよろしいでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 なお、質疑、答弁とも簡潔に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
〇嵯峨壱朗委員 お忙しい中、知事初め副知事、ありがとうございます。
 本委託事業の執行については、職員に満足な仕事がなく、人件費など復興予算3億2、000万円が有効活用されなかったとの批判が、受託した県社会福祉協議会内外から上がっているという新聞報道、そして、今回の決算特別委員会の質疑をまつまでもなく、常任委員会、本会議等で多くの議員の皆さんから、この執行の状況について疑問が投げかけられてまいりました。
 また、委託先の県社協の本事業の執行に係って、雇い入れ当初、本事業費から支出していた交通費を不正受給したにもかかわらず、最終的には、本人からの返還を受け、それをもって本事業とのかかわりはなかったとして県社協の内部の問題として理解し、追認したといった極めて非常識な見識には今でも驚いております。県は、これまでも同様の事件があった場合には常にこのような処理をしてきたのだろうなと、私の理解を超えております。
 さらには、当初から実現不可能な事業を想定し、その当初の見込みの事業が執行が不可能になったため大幅に変更したにもかかわらず、それを当初の想定のとおりであったと強弁する県当局の姿勢にも理解に苦しんでおります。
 その上で、これまで本事案に関する県の対応にかかわって、まず初めに達増知事にお尋ねしたいと思います。本事業の執行にかかわって、この議会での一連の質疑を受けて、知事はどのような所感を持っておられるかお尋ねしたいと思います。
〇達増知事 東日本大震災津波から約2年8カ月を経過しておりますが、沿岸被災地においては、いまだに多くの方々が応急仮設住宅等での生活を強いられるなど不自由な生活を余儀なくされており、被災者に寄り添った支援の継続が必要であります。
 こうした中、被災された障がい者の方々については、それぞれの障がい特性に応じた支援が求められており、障がい福祉サービスとあわせて地域の見守り活動などインフォーマルサービスが一体となった支援が重要であると認識しております。
 障がい福祉サービス復興支援事業におきましては、事業所支援などを通じてサービスの充実を図り、これに加え、被災障がい者の実態把握によって重度障がい者の所在等が把握され、民間活動も含めた支援の対象者を確認することによりサービスにつなげることができたということで、所期の目的を達成し、さらに県独自の取り組みにも意義があったと認識しております。
 また、県独自に実態調査を行ったことについては、障がいがある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例の趣旨に鑑み、他県では行われない調査を企画して、県社協がそれを受託実施したことは、本県としての意欲的な取り組みであったと考えております。
 一方、被災地に数多くの復旧、復興の課題がある中で、これまでにない新たな取り組みであり、事業の開始時期に、職員の確保など、一部想定どおりに進まなかった部分があったと認識しておりますが、これについては、県社協において、昨日理事会が開催され、本事業に係る成果と反省などについて理事会の承認を得て、事務レベルで報告があったところであり、今後、指導を強化してまいりたいと思います。
〇嵯峨壱朗委員 知事は、多分よく知らないんだと私は思うんです、当然、この事業にかかわって。ですから、そういった答えですか、所管の部がつくってきた答えだと思うんですけれども、本当にそうであれば、こういった議論になっていないわけですよね。今、知事は、なぜここに呼ばれていると思いますか、その辺をお聞かせください。
〇達増知事 委員会においてそのように決まったということで、知事、副知事を招いての質問という場が設定されたと伺っております。
〇嵯峨壱朗委員 そのとおりといえば、そのとおりです。当初、私は知事に質問する想定はなかったんですけれども、実は委員会の質疑の中で、新聞の報道に対して、先ほど述べたさまざまな批判について県が説明を公表したわけです。その公表は誰の指示だったのか。聞いているうちに、ああ、知事がやったのかとなってしまったんです。委員会の質疑の中で、報告、了解を得て知事の判断として公表したと述べていたわけですけれども、それは事実でしょうか。
〇達増知事 保健福祉部から、報道内容の一部に、県民に誤解を与えかねない内容も一部含まれていたことから、事業の目的、内容、取り組み状況などを県民の皆様に十分に理解していただく必要があるため、これらについてホームページに掲載するという報告があり、これまでも新聞報道に対する県の説明をホームページに掲載した事例もありますことから、報道内容について、県民の十分な理解を求めることが必要であれば、適切に対応するように指示をいたしました。
〇嵯峨壱朗委員 ということは、知事も十分理解した上で判断したと理解してよろしいでしょうか。
〇達増知事 情報は大変大事でありますし、また、ホームページという情報発信の手段もありますので、県政について明らかな事実誤認のような間違いが県民の間に広まらないようにするために、適時適切に措置をとるということについては、私のほうからも了としたものであります。
〇嵯峨壱朗委員 私は、知事は報告を受けて了解したと思うんですけれども、知事の判断で指示したとは実は思っていないんです。了としたということでね。ただ、曖昧な説明の中で、誰が指示したんですかという問いの中で、もちろん、組織ですから、最終的に知事というふうに行くのでしょうけれども、それを期待したわけではなかった。副知事が決算特別委員会の答弁でそういったことを述べていたのを受けて、説明するというのを受けて、本来であれば、所管の部として私どもでつくって報告しましたというのが答弁じゃないですか。そうしたくなかったですか。根子保健福祉部長、どうですか。
〇根子保健福祉部長 この判断については、私どものほうで判断して、知事にその報告をしてという流れでございます。
〇嵯峨壱朗委員 あのときもそう言えばよかったんだと私は思うんですがね。いずれ、10月23日、きのうですか、出された10月18日の決算部局審査に関しての報告というのを配付されたようですけれども、これはどういう意味があったのか。そして、誰の指示で誰が作成して報告しているのか。委員会での質疑とこの報告はどのようなかかわりがあるのかお尋ねしたいと思います。
〇根子保健福祉部長 障がい福祉サービス復興支援事業に係る資料の配付の関係でございますけれども、去る10月18日に行われました当保健福祉部関係の審査において障がい福祉サービス復興支援事業に関し質疑が交わされまして、その際、当職から、部として確認できていない点もあるので確認したいという旨を答弁したところでございます。このため、部審査の後に当部職員が統括センター、沿岸の4圏域センターを訪問し、職員との面談、実施結果書類により改めて確認したところでございます。確認事項も多数となったということもございまして、本日、当該事業に関する集中質疑が行われるということでございまして、全議員への速やかな情報提供が必要と当部として判断し、昨日、議員に配付したものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私が聞いていると、配付について決算特別委員長の許可も得ていないし、しかも、これを調べて確認するということは、この決算特別委員会での質疑というのは何だったんですか。確認しなかったことを答弁したわけですか。理解はそういうことでいいですか。
〇根子保健福祉部長 いろいろな質疑が交わされた中で、こういうことについてどうだということが確認できていない部分がありましたので、私のほうから、その点については確認いたしますというお話をしました。その上で、本日の集中審議ということがございますものですから、その確認事項について速やかに御説明する必要があるということで、きのう、配付したという状況でございます。
〇嵯峨壱朗委員 私はそういうことを言っているんじゃなくて、決算特別委員会での質疑、答弁があったわけですよ。とりあえずは、決算特別委員会での質疑というのはそれが全てですよね。これは何だということです。どういう意味を持つのかということです。どう思いますか。一口に言うと議会軽視なわけですよ。違いますか。議会でやったこと以外に、実は本当はこうでしたって、ありますか。俺はそういうのは経験ない。
〇根子保健福祉部長 決算特別委員会の質疑に対応するものでございますので、本日の集中審査に鑑みまして、少なくともその前に情報提供を行うべきという当部の判断によりまして行われたものでございますけれども、その趣旨に照らしまして、決して議会を軽視するということでなくて、議会における発言を最大限尊重するとの思いでございました。そういう判断でしたけれども、議会に相談せずに行ったということは深く反省しております。今後においては、議事運営に影響を与え得ることを留意して、慎重な対応に努めてまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 わかりました。
 次に移りますが、副知事は、決算特別委員会で飯澤委員の、今回の事業の執行は瑕疵はなかったということに対して、そのように考えていると。現時点でも同様に考えているかどうかお尋ねしたいと思います。
〇千葉副知事 その後におきましても、部局審査で保健福祉部長から同様の答弁もいたしているところでございますけれども、基本的にそのような認識でございます。
〇嵯峨壱朗委員 先ほども冒頭で述べましたけれども、これは常任委員会等でも、執行過程も含めていろいろずっと議論されてきている。そして、決算特別委員会でも。今こういった集中審査がなぜ行われていると思いますか。副知事、どうですか。
〇千葉副知事 なぜこのように行われているかということでございますけれども、一部報道で、県の委託の内容とかとあわせまして、県社協の内部マネジメントについての当時の関係者のコメントなるものが掲載されていたのではないかと思っております。その点につきまして、昨日、県社協から私どものほうでも報告を頂戴いたしましたが、コメントを発していなかったということで、さまざまな対応について御議論が出ているものと承知しているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 全然答えになっていないけれども、もう一度聞きます。なぜ、わざわざ集中審査をして、副知事がまたここに呼ばれて行われていると思いますか。
〇千葉副知事 ちょっと私の私見という話になろうかと思います。それをお許しいただければと思いますが、やはり金額的なものが多額であるということが一つの話かなと思っております。多額でないから重要ではないという話ではございませんけれども、一つはその話があろうと思っております。
 あと、県社会福祉協議会は社会福祉事業法で定められている組織でありまして、民間の社会福祉法人等を束ねる非常に重要な団体であります。私も、平成21年度、22年度に保健福祉部長として県社会福祉協議会のほうともいろんなお仕事を御一緒にさせていただいたところでありますが、そのような県社協のお仕事の中で、今回、内部的にこのような御批判が出たということについて、これが、今、被災地における事業サービスとして適切かどうかということについて、委員の方々から御理解が得られないということで、議論になっているのではないかと思っておるところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 委員の皆さんから理解を得られない。なぜ理解を得られないと思いますか。
〇千葉副知事 それぞれ委員の方々の内心について私が推察するわけにはまいりませんが、いずれ、今申し上げたようないわゆる外形といいますか、これまで、県社協のほうでも今の事業のコメントをしてこなかったと。そのような中で、当時の関係者と言われる方々から、いろんな当時の対応について御批判が出ているということも含めまして、それについての、何と申しますか、いわゆるその後の話が見えていないということが現在まで引き続いている状況ではないかと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 やっぱり瑕疵がないという認識をする人なんだなと思って聞きました。あなたは瑕疵がないと思っているんだろうけれども、多くの議員も、マスコミもそうだけれども、瑕疵かどうかわからぬけれども、疑問があるわけですよ。変だなと思っているわけですよ。それを、どこが変かというのをはっきりさせたいから、そしてあなたの答弁もあったので、その辺を確認したいから呼ばれているわけですよ。あなたの言うように全く瑕疵がなかったから、こういうふうにならないでしょう、違いますか、どうですか。それでも瑕疵がないですか。
〇千葉副知事 瑕疵という言葉の定義の話にもなってまいりますが、いわゆる行政手続的な意味での瑕疵という内容については、私はないと思っております。
 ただ、今まで議論の中で、当初につくった委託計画、あるいは平成23年度の中で、さまざま諸条件の中で変更になり、平成24年度のほうにもずれ込むという事実があったということについては、当時の実態等を含めれば、ある面、やむを得ないところもあったとは思っておりますが、まさにその辺のところが非常に見えにくいということで、その辺について瑕疵というお言葉を使っている方がいらっしゃるとするならば、私はそういう意味だと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 多分、あなたは、現場的に言うと、知事がいて、実際にマネジメントする立場にいるわけですけれども、そういった方が一連の、先ほども言いましたけれども、交通費の不正受給についても、これは、当初、この事業費から出費していたとちゃんと述べていますね。でも、返還されたので、それは内部の問題だということで社協で処理したと。そういった処理の仕方って、どうなんですか。それで問題はないんですか。そして、知ってから10カ月も放置したということも何の問題もないということをあなたは言っているんですよ。それでいいですか。
〇千葉副知事 県社協の対応については今時点で申し上げることは多々あろうかと思いますが、その時点の判断として県のほうに事後的に報告があったということ、あるいは当該団体が平成25年度以降対応を変更していること等を踏まえますと、今時点では対応しているのではないかと思っているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 いや、そうじゃなくて、いわゆる事務方のトップとして、結局、こういった処理を認めているということですね。国から事業費が来て、それを県の事業として委託して、そうした事業費からこういったことがあったと。内部でこういうふうにしたから、それを了としたというのはおかしくないですか。本当におかしいと思いませんか。どうですか。
〇千葉副知事 やはり委託内容の話と、県の一般的な指導の話と両方あるのかなと思っております。委託の話から申し上げる話ではなくて、まさに一般的な法人指導の観点からすれば、他の法人もそうでございますけれども、事前にきちんともうちょっと御相談いただいて対応する手法もあったのではないかと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 どうしゃべってもだめなような気がしましたけれども、手法の問題じゃないですよね。つまり、今回そういう処理をして、県は、あなたも含めて了としているということは、通常こういうことがあった場合には、常にこういった処理をしても問題ないと。問題なくやってきたという理解でいいんですね。
〇千葉副知事 基本的に私の立場でありますけれども、私のレベルで了としたということではございません。
   〔嵯峨壱朗委員「えっ」と呼ぶ〕
〇千葉副知事(続) 私のレベルで最終的に了としたということではございません。平たく言いますと、部局の判断で了としたものでございます。
〇嵯峨壱朗委員 それは違うでしょう。瑕疵がないというのは、あなたはその上の責任者でしょう。それを部局で判断したということは、じゃ、あなたはどう思っているんですか。
〇千葉副知事 この不正支出の話については事後的にお聞きしましたので、その時点で、今後の対応についてこれでいいのかということも含めて申したところでございます。特に、この件について事前に協議があって私から指示をしたという話ではないということをちょっと申し上げたかったわけですが、ただ、こういう法人指導に対してのマネジメント全体については、当然、私が責任を持つものと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 そうですよね。だから、何回も聞いているのは、そういったことをあなたがそのときにその判断をしないにしても、こういった形で処理したことについてを含めて瑕疵がないと言っているわけですよ。本当にそれでいいんですかと何度も聞いているんです。部局が判断したとかそういう話じゃなくて、今言った、あなたに責任があるわけです。そういった立場としてどう思うかと。本当はこのことだけ聞くんじゃなかったけれども、どうですか。
〇千葉副知事 ちょっと私の答弁が足りなかったのかもしれませんが、委託内容について、手続等について瑕疵がないかというお尋ねに対して、適切に終了したと申し上げた話でありまして、一般的な法人指導の立場で、こういう事案についてどのように評価すべきかということについては、やはり本来的にもう少し考えるべきものがあったのではないかと。それについては私も責任があろうかと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 別に瑕疵にこだわっているからだめなんですよ。じゃ、瑕疵という言葉を除きましょう。こういった処理の仕方は適切だったと思いますか。どうだったのでしょう。事業執行、そして、そういった不正支出の問題も含めて、県社協の処理の仕方は、内部といえば、そうかもしれません。そして、県の対応、処理、これは適切だったと思いますか。
〇千葉副知事 委託に伴う事業内容については、私は適切だったと思っております。ただ、今申し上げたように法人指導、いわゆる公表しなかったことについてはどうかということについては、その後、法人のほうが見直したという経緯からすると、やはり私どものほうで、その時点でもう少し適当な指導があったのではないかと考えているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 副知事とかは頭がいいから、そうやって問題をすりかえているけれども、そういった報告が遅かったのか、どうこうという話をしているんじゃないんですよ。そういった処理をしたのがよかったのかどうか、適切だったかどうかというのを聞いているわけですよ。これは、結局この事業全体にも係ってくる話なわけでしょう。マスコミ等の報道はどうなっているか、詳細は、この後、高橋孝眞委員等の質問であるかと思いますけれども、そういうことが問われているわけですよね。瑕疵がどうこうというよりも、事業の中の話だから、それを不適切じゃない、適切だったと言われると、じゃ、何が不適切なのかとなってくるわけですよ。私は、あなたの認識が違うと思います。甘いというか、僕からすると、狂っている、異常だと思います。
 これでやめます。
〇高橋孝眞委員 知事に伺います。復興予算が無駄に使用されていたとしたら、どのように思いますか。
〇達増知事 復興事業については、県では、被災者のニーズや市町村、関係団体の考え方を十分に把握した上で実施することが重要と認識しております。また、県復興実施計画に基づいて被災地の復興を着実に実現するため、国に対し、復興交付金等による確実な予算措置や地方負担に対する財源措置等を要望し、復興に必要な財源の確保に努めてきたところであります。
 そして、このような国の交付金等を財源とする事業、国のいわゆる復興予算――復興庁の資料では復興関連予算とか、そういう言葉を使っているようでありますけれども、そうした財源を用いた事業の実施に当たっては、被災者ニーズ等を踏まえ、国の定める要綱等に基づいて、事業の趣旨に沿って適正に執行しなければならないものと認識しております。
〇高橋孝眞委員 今の説明からいいますと、遺憾に思うということでよろしいのですか。
〇達増知事 基本的には、あってはならないということでございます。
〇高橋孝眞委員 通勤費の不正受給でありますけれども、職員が解雇されております。公表しなかった社協の判断についてどのように思いますか。
〇達増知事 県社会福祉協議会は、その団体のルールに従って団体の役員を選出し、その指導のもとに、県とは別の自立した組織として運営されているわけでありまして、県社協の人事や業務規則的な内容について県がどこまで言うべきかということについて、これは、ここ10年とかという、私が知事になる前からの流れを振り返ってみて、より自立性を尊重し、県として余り手足を縛らないようなやり方で任せるというような流れが強まってきていたのかなと思います。そういう流れの中で、今回の事案もあったと感じているところでありますが、今回の議会の議論を伺っておりますと、やはり県として厳しく指導するというようなことも必要なのかなと今は思っているところであります。
〇高橋孝眞委員 今回の分につきましては復興事業費の中から支出されたわけでありますので、それでも県社協の問題だということで済むのだという考え方でよろしいのですか。
〇達増知事 国からの補助金、そして県としての予算の執行、その予算に穴があいたということにはなっておらず、議会で決めていただいたとおりの執行が県社協においても行われたという意味では、先ほどから瑕疵がないとか、適正に行われたとかという話でございますが、行政の事業の執行としては、そこはきちっと行われたと認識しております。
〇高橋孝眞委員 知事に伺いますけれども、通勤費の今回のような不正受給といいますか、このことが知事部局でも発生したとしましたら、職員を解雇し、また、県民に公表するというになるのでしょうか。
〇達増知事 事案、個別具体的にそこは機微な判断をしなければならないと思いますけれども、県としては、県民の皆さんの県に対する負託に応えるような対応をしなければならないと思います。
〇高橋孝眞委員 ということは、具体的に今回の部分については公表しなければいけないといいますか、公表しますよと捉えてよろしいのでしょうか。
〇達増知事 県として、県社協の内部の事項に関してこうすべきと決定する立場にはないということを一貫してこの議会で答弁をさせていただいているわけでございますけれども、一方で、適切に県社協の事務が行われるような形を確保するような、そうした指導というのはきちんと行っていかなければならないと思います。
〇高橋孝眞委員 今回のような事例が知事部局で発生した場合はどうかということでありますので、その点で答えていただきたいと思います。
〇根子保健福祉部長 県職員が同様の事例があった場合は、四半期ごとの公表ということになります。
〇高橋孝眞委員 ということは、通常公表するということになりますよね。そして、かかわっている事業費の中身から見ましても、公表しなければいけないということは十分認識しているのではないかと思うわけであります。
 次に行きますけれども、今回の事業につきましては国の会計検査の対象ですか。
〇根子保健福祉部長 今は会計検査のお話でございました。障がい福祉サービス復興支援事業でございますけれども、国庫予算を財源とする事業でございまして、会計検査の対象となるものと考えております。
〇高橋孝眞委員 完了検査等につきましては、どのようにして実施されましたか。
〇根子保健福祉部長 完了確認でございますけれども、本事業のような委託事業の場合の完了確認は、指名を受けた完了確認者が、業務委託契約書や、その内容となった業務仕様書などに従って執行され、確実に完了しているかについて、業務実績報告書、成果品等に基づいて確認するものでございまして、具体的には個別の委託事業の目的、内容に応じて行われるということになっております。
 本事業の場合でございますけれども、業務仕様書に基づきまして、各種調査、アドバイザーの派遣、研修等を実施するものでありまして、完了確認においては、実績報告書、成果品等により、これら事業が仕様書に定めたとおり適切に実施されているか確認することとなります。県では、年度末に受託者から実績報告書を受理しまして、契約書、仕様書に基づき事業が実施されたか否かについて当該書類を審査しまして、事業所の運営状況の把握やアドバイザーの派遣、就労支援事業所の活動支援等について適切に実施されていることを確認したところでございます。
〇高橋孝眞委員 そうしますと、領収証での確認はしないということになりますか。
〇根子保健福祉部長 先ほど申し上げましたとおり、実績報告書、成果品に基づいた確認ということになります。
〇高橋孝眞委員 平成24年度の県社協の決算書を見ますと、印刷製本費、事務所等借り上げ料、人件費、消費税に大幅な違いがあります。この違いについてはどのように考えますか。また、4項目ありますけれども、この金額の相違、これらはどういう理由から発生しているのかについてお願いいたします。
〇根子保健福祉部長 先ほど申し上げましたように、業務委託の完了確認でございますけれども、実績報告、成果品等により、仕様書に定めたとおりであるかということで確認しますが、業務委託のそもそも委託者の積算でございますけれども、予定価格を定める際の積算ということになっておりまして、受託者が委託業務を行うに当たって支出した額が必ずしも一致しなければならないというものではございません。その中で、今回の事業について、それぞれ印刷製本費、借り上げ料等々について、そういった支出になったということでございます。
 それから、消費税の話がございましたけれども、消費税につきましては、積算上は全体の5%ということで算定しておりますけれども、実際の県社協の会計では、人件費の分は消費税が別に出ますけれども、それ以外の分は消費税が一緒になって支出になっておりますので、そういう違いになっているのかと思います。
   〔高橋孝眞委員「4項目の違いは」と呼ぶ〕
〇根子保健福祉部長 4項目というお話で、まず印刷製本費でございますけれども、県が予算計上していましたのは手引きの作成等々でございますけれども、その他一般管理費がございますので、その中で、県社協としては印刷製本費のほうで支出したと理解しております。
 それから、事務所の借り上げ料でございますが、これについては厚生労働省の積算がございまして、それに基づいて積算しておりますが、それについては実際の支出額との差が出たということと考えております。
 それから、人件費でございますけれども、人件費につきましては、当方では、再任用者の給与ということを基礎としまして、27万8、900円という月額で積算しております。それと、実際に県社協のほうで支出した額の差となりますが、二戸の圏域センターについては二戸のNPOカシオペア障連に運営委託しておりまして、それについては人件費から委託料に振りかえているという状況になっています。
〇高橋孝眞委員 済みませんが、印刷費の部分についてもう少し詳しくお願いいたします。
〇根子保健福祉部長 印刷費でございますけれども、印刷費が県社協のほうで1、500万円ほどということで支出しておりますけれども、手引きの作成費が900万円程度、その他の印刷費ということで、それ以外と聞いております。
 県としては、印刷費として160万円ということで計上しておりますので、先ほどの支出については、その他の一般管理費のほうからの支出だったと思われます。
〇高橋孝眞委員 思われますとか、そのように考えますと言いますけれども、先ほど、きちっと業務内容について整理して完了検査したということですけれども、そのような回答しかできないのですか。
〇根子保健福祉部長 先ほど申し上げましたとおり、業務委託の完了確認ということでございますので、実績報告書、成果品等に基づきまして、仕様書等と整合しているかということで完了確認をしております。
〇高橋孝眞委員 第3回の策定委員会が平成24年12月13日に開催されまして、12月25日に変更契約をしております。これによりまして反映されたものが人件費なわけでありますけれども、先ほどの回答から見ますと、人員がどうのこうのという人数の問題ではなくて、事業の内容で整理をしたというのであれば、人員の変更等の関係で委託契約の変更性はなかったのではないですか。
〇根子保健福祉部長 委託契約でございますけれども、先ほど申し上げましたような形で整理しておりまして、その中で業務を執行しているわけですけれども、例えば人員を変更した、あるいは新しい事業が追加されたというものについては、それは変更契約の対象になると考えております。
〇高橋孝眞委員 それでは、その時点でどういう内容で変更されたのですか。
〇根子保健福祉部長 主な変更点といたしましては、いわてセンターの人件費2名分、圏域センター9名分を減額積算しまして、期限付臨時職員を増員したと。その分、常勤で想定していたアドバイザーを謝金対応にするといったようなことで整理しております。
 それから、印刷製本費についても、この時点で変更しております。
   〔「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 ただいま、答弁中に発言残時間が約8秒移っておりますので、計算の上、指揮をされるように、委員長、よろしくお願いします。
〇工藤勝子委員長 議事進行の及川あつし委員に申し上げます。調整できないそうですので、8秒おくらせるそうでありますので、御了承願います。
〇及川あつし委員 了解。
〇高橋孝眞委員 先ほどは人員云々の問題ではなくて業務の内容で変更されたということですので、業務の内容は、どういう内容がどのように変更されたかについてお願いします。
〇根子保健福祉部長 先ほど人員の話をしましたのは、その人員を配置して事業所支援なりの業務を行うということで積算しておったものが、人員が配置できないということで、その辺については変更契約したということでございますし、さらに、アドバイザーを常勤で雇うということで考えていたものが非常勤という形になりましたので、その辺を常勤の給与を減額し、非常勤の報償費に振りかえたということでございますので、内容というよりは、そういった形で変更があったと考えております。
〇高橋孝眞委員 事業所がどうのこうのというのは仕様書には一切ないわけでありますので、そういう意味合いからは、何人の人員をかけなさいよということも当初は一切ありません。そのことから見ますと、人員を変更するという理由はないのではないですか。
〇根子保健福祉部長 実際配置した人員というのがございますし、その中で事業を進めるということで考えておったものが、その数が配置できないという状況になったので、それについてはやっぱり変更するということになります。
 それから、先ほど申し上げましたように、予定として常勤のアドバイザーを雇用したいということで考えておったものでございますけれども、それが配置できないということであれば、非常勤でそれをカバーしなければいけないということになりますので、それで報償費のほうに振りかえたということでございます。
〇高橋孝眞委員 いずれ、仕様書にないことで、もしそうだとすれば、仕様書できちっと人員と開設場所等を明示する必要があると私は思うわけでありまして、その辺はおかしいと指摘をしておきます。
 職員の新規採用が28人ありましたけれども、元県職員は何人おられましたか。
〇根子保健福祉部長 本事業で平成24年度に新規に採用した職員28人のうち、元県職員は3人でございます。
〇高橋孝眞委員 先ほどの人件費のことに戻りますけれども、2億円から1億幾らというふうにかなり大幅に減ったわけでありますけれども、県社協が人件費を安く抑えることによりまして利益になるのではないかと。営業利益となるような気がしますけれども、県の委託事業としてはそれでよろしいのでしょうか。
〇根子保健福祉部長 人件費の差という話でございますけれども、一つは、先ほど申し上げましたように、二戸の圏域センターで委託したということがございますものですから、人件費から委託料に変わっている分がございます。そのほかに、その差というのがあることはありますが、それは、先ほど申し上げましたように、その数に対して委託料の範囲内での事業執行と考えております。
〇高橋孝眞委員 また印刷費に戻りますけれども、当初、こちらのほうで積算したのは160万円なわけですが、1、567万4、000円も支出されておりますけれども、この点は、仕様書等を含めましてどういう変更があったのですか。
〇根子保健福祉部長 当初は、県で印刷するという考え方でございましたけれども、その後、変更したということがございます。その中で、復興支援センターのほうでどういう形で印刷するかということで、先ほど申し上げました手引きと、それ以外の分を含めてこういった金額で支出したと聞いております。
〇高橋孝眞委員 変更で手引きをつくりますよと整理したのかもしれませんけれども、その手引き代金としては900万円ほど。そうしますと、あと600万円、700万円あるわけですけれども、この印刷費は何だったんでしょうかね。
〇根子保健福祉部長 大きなものがこの手引きということでございまして、その他、コピー代等々含めて、そういった額になっているところでございます。
〇高橋孝眞委員 高額に思いますけれども、委託するほうとしてはそれでよろしいんですか。
 委託費の積算からですけれども、管理費11.26%の理由につきましては、細かい内容については承知してないということですけれども、現在はどうなんですか。
〇根子保健福祉部長 一般管理費の関係でございますけれども、一般管理費は委託料積算時に計上する経費ということでございますけれども、この事業以外にかかわっている職員の、例えば県社協の総務関係の職員等々の人件費、事務用品費、通信交通費、光熱水費等々ございます。
 そういった中で、県では一般管理費に対する基準を統一的に決めているものはございませんので、今回の場合は国土交通省の例を基準に一般管理費を算定してきたところでございます。
 それで、積算に当たりましては、一般管理費率の11.26%ということを使用しておりますが、これについては、500万円を超える区分であればこれより下回るという状況でございますけれども、今回の新規事業ということもございまして、県内の10カ所にセンターを設けるということ、一定規模の職員を任用して管理運営するということ、各種調査事業が予定されて通信交通費等にも一定の費用を要するということで用いたものでございますが、他の省庁の例としては、例えば経済産業省においては10%、環境省においては15%といった例がございまして、いろいろな例がある中で、この数値を採用したということでございます。
〇高橋孝眞委員 他の例をということですけれども、よくわからなくなりますね。
 次に行きますが、また戻るかもしれませんが、決算書を見ますと、先ほど、消費税の関係で話がありましたけれども、1、500万円ほど積算しておりますが、実際は820万3、000円しかかかっておりません。この部分につきましては、人件費まで過剰に積算しているということになりますが、この点についてはどうですか。
〇根子保健福祉部長 委託事業については、事業費全体が消費税の課税対象になるということでございまして、その積算については、消費税が含まれていない人件費はその額に対して、消耗品費等その他、消費税が含まれているものはそれを除いて、積算上は、全体で5%を積算しているということになります。
 ただ、先ほど申し上げました県社協の支出の結果では、人件費の分の消費税というのは別途計上しておりますが、それ以外の支出については消費税も含まれているという状況なので、こういう整理になっていると理解しております。
〇高橋孝眞委員 ということは、消費税分から見ますと、700万円はもう県社協に上げますよということで考えていいのですか。
〇根子保健福祉部長 実際支出されたものに対して消費税が含まれているということで、最終的にはそういう整理、人件費の消費税と、そのほかに、それ以外のものの消費税が入っていると考えています。
〇高橋孝眞委員 積算上は消費税がかかるもの、かからないものを分離して計算をすべきではないですか。どうですか。
〇根子保健福祉部長 先ほど申しました委託料の消費税の積算については、全体に消費税をかけるということでございますが、人件費については、先ほど申し上げましたように、人件費そのものに対して5%、それ以外についてはその分が含まれているので、それを除いた額に対して消費税をかけているという状況でございます。
〇高橋孝眞委員 もう一回聞きます。人件費にどうして消費税をプラスして契約をしなければいけないかということです。除いて契約していいのではないですか。
〇根子保健福祉部長 委託事業についての消費税の加算については、こういう形での計上ということになっております。
〇高橋孝眞委員 積算上は変更していいのではないですか。
〇根子保健福祉部長 これまで委託事業に対する消費税の加算の仕方ということの例によって、こういう形でやっております。
〇高橋孝眞委員 今、県社協のほうに19事業、30億円の事業をやっていますけれども、これは積算方法は同じなんですか。
〇根子保健福祉部長 全体、同様な形で積算しております。
〇高橋孝眞委員 といいますと、30億円の大体3分の2が人件費に当たっておりますが、1億円近くについては、もう、県社協に上げているということになるんですけれども、その理解でよろしいんですか。
〇根子保健福祉部長 全体として、いずれ消費税をかけておりますので、社協のほうでは租税公課費については人件費分の租税公課費ということで整理されていると思っております。
   〔「答弁になってない」と呼ぶ者あり〕
〇高橋孝眞委員 答弁になってないという話がありますが、私もそう思います。そうすると、今度は消費税が8%、10%に上がると、社協も得をすると考えられるんですかね。どうですか。
〇根子保健福祉部長 これまでの取り扱いを踏まえて、こういう整理をしております。そういう形での消費税の積算と考えております。
〇高橋孝眞委員 今回のことを含めまして、積算方法について変更する考えはありませんか。
〇根子保健福祉部長 委託事業の積算のお話でございます。その考え方について、今、今回のケースをお話ししておりましたけれども、実際、支出と違うというようなお話がありますので、その辺はどういう形でやればいいのかについてはちょっと考えたいと思います。
〇高橋孝眞委員 変更するということでいいのですか。
〇根子保健福祉部長 変更するというのは、いつの時点のお話かはあれですけれども、いずれ、今のいろいろな御指摘を踏まえまして、どういう形になるか、その辺は考えてみたいと思います。
〇高橋孝眞委員 保健福祉部長としては疑問に感じておりませんか。
〇根子保健福祉部長 これまでの取り扱いを踏まえてこういう形で来たということでございますので、今年度はそういうことでございますが、いろいろ御指摘がございますので、その辺は考えさせていただきたいと思います。
〇高橋孝眞委員 考えるとすれば、今回、平成25年度委託事業から考えるということでよろしいですか。
〇根子保健福祉部長 平成25年度はこういう形で委託契約しておりますので、今後ということで考えたいと思います。
〇高橋孝眞委員 変更契約は当然できるわけですし、平成23年度は3月に変更しているわけですので、今回だって十分できるわけですから、なぜそれができませんか。
〇根子保健福祉部長 消費税の取り扱いについては、私どもも十分理解するということで考えなければいけませんので、現時点ではどうするかということはお答えは差し控えさせていただきます。
〇高橋孝眞委員 その回答ですと、消費税については理解してなかったということになりますが、それでいいのですか。
〇根子保健福祉部長 私どもとしては、これまでの取り扱いということでやってきましたが、そういうお話があるので、その辺は、改めてどういう状況かというのを確認する必要があるかと今は感じております。
〇高橋孝眞委員 副知事に聞きます。行政上、瑕疵がないという先ほどの回答でありましたけれども、これら私が質問しましたこと等を含めまして聞いた後といいますか、今はどのように考えておりますか。これでも適切であったと思いますか。どうですか。
〇千葉副知事 今、消費税の関係で税法の話が出ておりまして、人件費を含む委託料の話は、多分、保健福祉部以外の各部にも共通の課題であると思いますので、それについてはもう一度精査をさせていただいて、税法関係は私自身もちょっとふなれでございますけれども、きちんと専門の方々の意見も聞いて御説明する必要があるものと考えております。もし改善ができるのであれば、それは図っていく必要があろうかと思っております。
 あと、瑕疵という話でございますけれども、先ほど、瑕疵の話でなくてもいいという話もありまして、今、どう御説明していいか、ちょっと私も困っておりますが、委託料の平成23年度の12月計上から平成24年度の執行までにつきまして、その具体的な内容について瑕疵があるのかと言われると、私としては、適正に行われたものと考えているところでございます。
〇高橋孝眞委員 保健福祉部長に伺いますけれども、平成24年度の委託事業としてどのように評価し、成果がどのように上がっていると思っておりますか。
〇根子保健福祉部長 平成24年度事業の評価、成果ということでございます。
 本県では主に事業所の支援、人材育成、被災障がい者の実態調査、災害対応のてびきの四つの取り組みを中心にやってまいりました。こういったものにつきましては、この間、再度、事業所といいますか、圏域センターなり統括センターを回った中で、その取り組みについて成果がそれぞれ見られるということはお話も伺ってまいりましたし、そして、実施結果についても確認してまいりました。
 こういった中で、障がい者に対するサービスの質の向上、必要なサービスを受けられる機会の充実といったものというのが、県全体の障がい者福祉の向上の一助となっているのではないかと思っております。
 ただ、圏域センター全てが十分にその機能が発揮されるまで時間を要したということがありまして、いろんな業務スケジュールがおくれたということについては反省すべき点であったと思っております。
〇飯澤匡委員 今事業がこれだけ問題になっているというのは、まず一つ、復興事業であるということ、障がい者を対象にした事業であること、そして、その事業自体の金額が通常よりかなり多いということであります。でありますから、この内容自体が本当に障がい者の方々にとって有効に使われたかどうか、これは議会がしっかり調べる責務もあると私は思っていますし、これは、この事業にかかわらず県全体の基金事業であるとか、いろんな復興事業にもかかわる問題だと思っていますので、そういう観点から質問させていただきます。
 委託事業、特に県社協に対しては、その業務の特殊上から、さまざまな事業が、随意契約であり、また公募であり、委託者、そして受託者という形で行ってまいりました。今回の部分も極めてその特殊性があることから、県社協が公募者として手を上げて受託をしたわけであります。しかし、その内容について、部局別審査、また、その前に私も総括質疑で副知事にただしましたが、何かまだ判然としない部分があるし、これからの復興事業にかかわる問題だと思っていますので、これからその質問をさせていただきたいと思います。
 まず第1に、これだけの巨額な、大体普通の事業であれば3、000万円クラスの事業が受託事業として、県も頑張って県単事業などでもやっている事例があります。今回は、国のいわゆる基金事業としてスタートしたわけですが、この事業全体をパッケージとして企画、立案したその発端となった部分については、誰が企画をして、そして実行に移したのか。その事業全体、アマウントがどのような形で形成されてきたのかという点について、基本的なことについて、まず、副知事に聞きたいと思います。
〇千葉副知事 保健福祉部がこの事業のスタート時点についても確認したところでございますけれども、いずれ、この時点、平成23年度後半となりますと、いわゆる避難所生活から応急仮設住宅へのまさに移転等が基本的に行われたところでございます。
 そのような時点におきまして、確かに被災世帯の方々からすると、応急仮設住宅ということでいろいろな御不便もあるところでございますけれども、まず、避難所から移っていただいたということは、一つの前進であったかと思っております。
 ただ、その時点で、やはり、逆に申しますと、これはマネジメント的な話で、庶務的なお話としては非常に言いにくい話もございますが、いわゆる中にいた方々を避難所でマネジメントさせていただいた状況に比べると、応急仮設住宅に移転されたということで、個々の住宅のほうにお住まいになりますので、そのマネジメントが非常にしにくくなるというような課題もあったところだと思います。
 そのような中、市町村である程度、いわゆる行政機能も回復してきていれば、まだ状況も違っていたかもしれませんが、あの平成23年後半という時期ですと、市町村においても行政機能の回復はまだなかなかおぼつかないと。それであと、やっぱり事業者についても、かなりの沿岸の事業所が被災したということで、いわゆる、特にそういうふうな障がい者の方についての実態把握がなかなか困難だということで、できるだけ早く、応急仮設住宅等にお住まいの方について、そういう現状把握をしたいと。今回、いわゆる事業所サービスを適正にやるための事業を国のほうで事業として設定したということで、あわせて行ったということで、そういう面で保健福祉部で企画したと理解しております。
〇飯澤匡委員 では、同じ質問を部長に聞きます。
〇根子保健福祉部長 副知事から今、申し上げましたが、やっぱり国としてもこういう事業をつくったということもございまして、県としても、被災した障がい者の皆さんのために、あるいは、そのためには、被災した障がい福祉事業所が、体制が整備されて円滑に運営されなければいけないということがございますので、その国の事業の趣旨にのっとった事業を展開するとともに、やっぱり被災した障がい者の皆さんが、今どこにいるかということがなかなか把握できない。そして、その方々が、本当にどういうニーズを持って、それから、どういうサービスにつながっているかということ、やはりそれは把握しなければいけないというようなことがありまして、県としては、独自にそういった被災障がい者の現状把握というものをこの事業の中に取り込んだということでございます。
〇飯澤匡委員 4億何がしという最初の金額がありましたが、それにきちっと対応できる体制は整っていたと考えてよろしいですか。
〇根子保健福祉部長 この事業そのものは国の事業でございますので、基本的に国の事業を使ってやるということでございます。国の事業のメーンは、やはりその事業所の支援だということでございますので、その中で、私ども県としても独自の分をやるというような流れでございますので、そういった形のスタートだと考えております。
〇飯澤匡委員 1億6、000万円返還していますね。それはなぜ返還したんでしょうか。
〇根子保健福祉部長 結果、実績として、先ほど申し上げましたように、職員の確保ができなかった等々ございますものですから、それで変更契約を行って、結果的に実績で精算したということになります。
〇飯澤匡委員 それでは、その質問に関連した部分については後で聞きますので、よろしくお願いします。
 最初に、公募の妥当性についてお伺いします。
 こういう障がい者の方々を対象にした復興支援事業としてふさわしい公募のあり方であったか、時期、期間、これについてお伺いします。
〇千葉副知事 この支援事業の公募についてでありますけれども、本事業は、復興関連事業ということで、12月定例会で最初に予算の議決をいただいたものだということで、その時点で、当該年度は3カ月余りしかないと。あわせて、翌年度の12カ月ということで、全体15カ月の中での一つ事業の完了を目指さなければならないということで、できるだけ早期に開始する必要があったという認識でございます。
 公募の時期については、平成23年12月26日から平成24年1月5日までで、県のホームページに公告したと報告を受けております。期間につきましては、これは、公募手続を定めている出納局通知がございますけれども、いわゆる相手方が1者と見込まれる状況であり、随意契約による相手方の選定方法として、参加者の有無を確認する公募手続を定めた手続にのっとって実施したと理解しております。
〇飯澤匡委員 NPOを対象者に含む事業委託の手続の適正化に関するガイドラインを平成22年12月に政策地域部で策定しました。たび重なるNPOの事案に基づいて、これは平成15年、19年、そして22年に改定されたものです。その中には、これはNPOだけが対象ではなくて、なくてですよ、その公募に当たっては、こういうことを書いています。募集に関する情報をホームページや広報誌への掲載、応募説明会などの開催により、できるだけ広く広報し、多くの団体が応募できるように努める。募集期間は原則1カ月以上とし、十分な周知期間を設ける。これは、県庁の内部でNPOを対象に含むという事業委託の手続の適正化に関するガイドラインで定めてありますが、これについて、今回の公募は適正であったかどうか、所感を求めます。
〇根子保健福祉部長 今回の事業でございますけれども、いわゆる国の事業ということもありますが、いずれ県全体で実施する事業でございますので、県全体を対象とする県内の大規模な社会福祉法人ということで応募の可能性について確認いたしまして、その結果、県が承知している範囲において、相手方は県社協1者と見込まれる状況だったことから、いわゆる随意契約による相手方の選定方法として、参加者の有無を確認する公募手続を定めた出納局の通知に基づき、県のホームページを通じて公募を行ったものでございます。
〇飯澤匡委員 通常、年末年始のほとんど皆さんがお休みの中でやるという公募のあり方、随意契約の基本的なものに基づいてと言っていますけれども、こういうことが随時、随時まかり通っていくと、とんでもないガイドラインに外れたことになっていきはしないかと思うんですが、その件についての認識はどうですか、副知事。
〇千葉副知事 基本的に、さまざまな広報活動、例えば施設の業務委託とか、あるいはいろいろな広報関係の業務とか、いずれ広範な対象者から選択する、あるいは、その選択することがNPOの育成につながるという場面もございますので、そういう場面の契約を行うような業務については、やはりこのガイドラインに沿って行う必要があろうと思っております。
 しかしながら、今、根子部長から答弁したところでございますけれども、今回の業務につきましては、やはり全県一区という形で一つの統括した形で進める必要があると。こうなりますと、やはり私ども県内においては、多分考えられるのが、事業団とか、あるいは県社協、私も部長をやりましたので、この対象には直接かかわっておりませんが、イメージとしてはそれが芯になろうかと思います。
 ただ、事業団については、市町村とかと直接おつき合いのあるところとないところとございます。施設の関係で運営しておりますので。そうなりますと、最終的に選択肢として、私ども県内で、関係者として全県一区でやる話になれば、やっぱりこういうケースについては県社協を想定するということは、あり得る話かなと思っております。
 基本的なガイドラインの考え方というのは、広く一般的なお話としては、これは進めていく必要があろうかと思っていますが、今回のこのような業務については、実際、ある意味、例外的かもしれませんが、今回行ったような形で進めるということになろうかと思っております。
〇飯澤匡委員 例外規定を自分たちで別の規定を設けてやるというのは何となく違和感がありますけれども、結果として不祥事が起きたわけですね。県民に迷惑をかけたわけです。それの追及については先ほど来ありましたから、いずれ、委託者、受託者としての関係が本当に適切なものであったかどうか、これは、これからその点について質問させていただきたいと思います。
 先ほど、15カ月を基本としてこの事業が始まった、平成24年度にもかかわる、平成23年度、24年度ということで年度をまたがる事業ということで始められた事業であります。平成23年度の実績と評価についてどのような評価を得たのか、そして、平成24年度にどのようにつなげていったのか、その状況についてお伺いします。
〇千葉副知事 平成23年度の実績と評価についてでありますが、最終的に当該平成23年度に県が示した仕様書では、事業内容として、障がい福祉復興支援センターの開設準備を行い、平成24年度から同センターが円滑に実施できるように整備を行ったと考えております。
 これにおきまして、県社協では、その事業全体を統括するセンターに使用する事務所を盛岡市内に確保し、専任の職員を配置して4月からの開設に向けた準備行為を全て行ったと考えております。
 また、岩手県社会福祉協議会障がい福祉協議会の各ブロック単位での説明会の開催、あるいは160カ所ございます県社協障がい者協会員事業所に対します職員の派遣、あるいは事務所の確保についての要請等の協議を行っているところでございまして、年度内に宮古及び釜石の圏域センターに使用する事務所を確保しているところでございます。
 このような取り組みを平成23年度に行いまして、平成24年度からの本格実施につなげたものと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 事実の確認ですけれども、実際に設置したのは盛岡市の本部1カ所でいいんですね。それでいいんですか。
〇根子保健福祉部長 盛岡市の統括センター1カ所でございます。
〇飯澤匡委員 決算議会で必ず主要政策に関する説明書というものが出ますが、平成23年度で、この障がい福祉サービス事業については、この障がい福祉復興支援センターの開設準備ということで、計画9に対して、実績9、達成度Aとなっています。これはどういうことなんでしょうか。
〇根子保健福祉部長 開設準備ということでございますので、それの準備に向けて進めたということでございます。
〇飯澤匡委員 これは、政策評価としてそんなものが認められるんですか。知事、どうなんですか、これ。実質問題、達成していないのではないですか。1カ所だけだと副知事は言っていますよ。
〇達増知事 まだ、東日本大震災発災から1年たっていない状態、避難所からようやく仮設住宅団地に障がい者の皆さんも入り、並行してこの障がい福祉サービス事業所というものも、この復旧、復興の途上にあって、いかにその時点でこの障がい福祉サービス事業所がきちんと障がい者の皆さんに対するサービスを提供できるようにするかということで、これは、さすがにもう国も県も現場も、そのサービス事業所を支援する事業を立ち上げなければならないということで、平成23年度中に事業化をし、ただ、その平成23年度中に最後のところまで形をつくるのは難しいから、平成24年度も含めたような形で、しかし、とにかく、それこそ雪が降る前、寒くなる前に早く立ち上げようという形で取り組んだという中で、まず、平成23年度に、その立ち上げの初期段階をきちっとやって、平成24年度にこの事業所支援や、また、岩手県の場合は、事業所支援に加えて、直接、重度障がい者の皆さんに対する実態調査や手引きの作成までやったということだったんだと思います。
〇飯澤匡委員 あのね、政策評価というのは実績に基づいてやるわけでしょう。それがなければ次の評価につながらないわけです。1でCでよかったじゃないですか。じゃ、これは何でAだったんですか。政策評価にならないでしょう。見たって、ちゃんと書いてあるから。僕、ちゃんとコピーを持っているんだから。なぜそうなったか、なぜそういう判断になったかという、多分あなた方が評価をしたと思うし、県全体でも評価したと思うんだから、その根拠についてしっかり述べてください。実績は1だとさっき言ったじゃないですか。
〇根子保健福祉部長 その活動内容について、開設準備ということでここでお示ししておりましたのでそういう評価でございますけれども、そういうお話については、十分じゃなかったという部分もあるかもしれません。
〇飯澤匡委員 これは全体の評価にかかわる問題ですよ。この事業だけじゃないですよ。そうしたら、県の政策評価はこんなものだったのかという話ですよ。
 時間がないから次に進みます。これは後の場面で、これは予算議会でたっぷりやりましょう。
 次に、被災地支援事業。この仕様書に基づいて、先ほどありましたように、これは平成23年度、24年度で完成する事業ということで、基金事業で始まったわけです。それで、公募の仕様書を見ますと、先ほど来皆さん方が随分力強く言っている事業所へのアドバイザーとかサービスニーズの把握等については随分おっしゃっていますが、被災地の支援事業にかかわる障がい者の実態把握、これが大きな今回の事業の肝だったわけですよ。岩手県は、これを独自事業でやってきた。そしてなおかつ、及びデータベース、障がい者版被災者カルテの作成となっている。これは、実際問題どういう成果を上げられたか教えてください。
〇根子保健福祉部長 実態調査の関係でございますけれども、その実態調査につきましては、当初、いわゆる応急仮設住宅にいる障がい者ということで、被災障がい者を対象に進めるということにしておりました。それにつきましては、平成24年6月の推進委員会の中でいろいろ議論の末、被災障がい者について進めるためには、重度の障がい者ということで、委員会の中でいろいろな議論を経てそういった結果になっております。その上で、障がい者の実態把握をした結果につきまして、それをニーズ把握の上でサービスにつなげたということがございますし、さらに、そういった声を踏まえまして、手引きの作成とか、そういった形でいろいろ進めているという状況でございます。
〇飯澤匡委員 それでは、仕様書に基づいてまた聞きますが、仮設住宅、みなし仮設にいる障がい者の現状把握、これは委託されているわけですね。結果として重度に絞ったという話ですが、実際、重度、軽度も含め、仮設及びみなし仮設に住む3障がいの手帳交付者は何人いるのでしょうか。
〇根子保健福祉部長 手帳交付者につきましては、被災地で約1万6、000人という状況になっております。
〇飯澤匡委員 それで、この間も聞きましたけれども、だから1万6、000人のデータベースを社協に渡したと。平成24年6月24日の推進会議によって、これは重度の方々に絞りましょうという話になったわけですね。これは、当初の仕様契約に全く反していませんか。多くの障がい者の方々が対象の事業じゃないですか。それで、そのために4億何がし、決算額で合わせて4億1、000万円ですね。これは重度の方々にとっては非常によかったかもしれませんが、ほかの人たちに対して、これだけの多くの金額のアマウントでこの事業がしっかり実行されたと言えるでしょうかね。副知事、どうですか。
〇千葉副知事 四つの事業を実施するということで、それに対してどの程度のマンパワーをその4事業の中で充当するのかということでありますので、個々の事業、四つの事業ごとに、具体的に、じゃ、この事業についてはこのくらいのマンパワーが充当されて、このくらい金を使ったということは、なかなか整理できない状況であります。
 基本的に、全体で確保した人数の中で、平成24年度の期間の中で可能な限り対応したという理解を私はさせていただいております。
〇飯澤匡委員 可能な限り対応したと、それはいいでしょう。いいけれども、私が問うているのは、予算の金額に値する事業をやったかどうかということなんですね。
 じゃ、ちょっと時系列にもう一回、常任委員会で議論した部分も振り返って質問させていただきますが、6月24日の推進会議で重度の方々にフォーカスするというような部分で決まったと言っていますが、平成24年7月5日の常任委員会で、この点について委員である神崎委員が質問しています。このときの課長答弁は、震災による障がい者の諸課題に対応するため、応急仮設住宅等にいる障がい者の現状確認をする。そして、まず実態把握をして、個別の障がい者のニーズに合わせた必要なサービスを提供する。こういう答弁をしています。
 6月24日、そして常任委員会は7月5日です。県庁内のお話と社会福祉協議会の推進会議の話と全然合っていないじゃないですか。これはどういうことですか。
〇根子保健福祉部長 推進委員会では、いわゆる全体調査として、被災した障がい者をまずセレクトしましょうと。その上で、個別調査として具体の現状把握をするということになりますが、その際に、いわゆる重度の障がい者を、いずれ優先的に基本として進めましょうということになっております。そういう形の中で、個別の調査の現状把握については、その推進委員会で決められたことについては、県としてもそういう考え方でございます。
〇飯澤匡委員 内容が違っているのではないですかということですよ。どういう違いがあるんですか。ちょっと今のじゃわかりません。
〇根子保健福祉部長 第1で、全体調査として、名簿から、いずれ被災した障がい者をまずセレクトするというのが全体調査で、それから、その対象者を個別に訪問して進めるというような流れでございますので、そういった考え方であると考えています。
〇飯澤匡委員 余り繰り返さないでください。いいですか。個別の障がい者のニーズに合わせた必要なサービスを提供すると課長が答弁しているんですよ。重度の人と限定していないじゃないですか。この後、8月にも常任委員会をやって、また神崎委員が質問していますけれども、一切、重度の障がい者を対象にしてなんて、課長は一言も言っていないですよ。これは、全然意思統一されていない証拠じゃないですか。
〇根子保健福祉部長 推進委員会の議論については県も承知しておりますので、いずれ、重度を優先してやる、基本とするということについては、県としてもそういう考え方でございます。
〇飯澤匡委員 だから、質問に答えてください。推進会議の内容と結果と課長の答弁が違うということはどういうことかということですよ。
〇根子保健福祉部長 県としては、いずれこの推進委員会にも出ておりますので、そういった形で進めるということについては、県としても了解しております。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 我々は与えられた時間が限られております。お尋ねしなければいけないことは多岐にわたります。今、飯澤委員からは、繰り返し、当時の常任委員会の課長の正確に述べられた答弁内容と事実経過の違いの説明を求めていますが、答弁が先ほどから繰り返しされていますけれども、全く説明になっておりませんので、当時の委員会における議事録をもう一度保健福祉部の皆さんに見ていただいて、今の飯澤委員の質問もかみ砕いて理解していただいて再度答弁されるように、しかるべき時間をとるのであれば、休憩も含めてしっかり答弁してもらうように、委員長においてはお取り計らい願います。
〇工藤勝子委員長 執行部はこの件について答弁できますか。常任委員会の答弁と、今、根子部長のされた答弁との違いをきっちり説明できますか。
〇根子保健福祉部長 先ほど申し上げましたとおり、いずれ、県としては、そういう内容で進めるということは了解しています。
〇工藤勝子委員長 暫時休憩いたします。
   午後4時39分 休 憩
午後5時51分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇根子保健福祉部長 先ほどの飯澤委員からの御質問の件でございますけれども、環境福祉委員会の記録を確認いたしまして、7月5日の会議でございますが、そのときの障がい保健福祉課総括課長の答弁でございますが、それぞれの圏域ごとにやり方が違っていいのではないかという御質問に対しまして、基本的にこの事業の進め方といたしまして、地域地域の障がい者の実態把握も実施させていただきます。障がい福祉サービスのあり方等としてまず基本的には個別の障がい者のニーズに合わせた必要なサービスを提供するというお答えをしております。
 これにつきましては、事業の進め方の流れの中で障がい者の実態把握ということで答弁させていただきましたが、これについては、対象者をどうするかというようなことではなくて、そういった実態把握を行いますということでございましたので、その全体として受けとめられたということであれば、私どもの言葉足らずの説明だったということで、おわび申し上げたいと思います。
〇飯澤匡委員 わかりました。それは了とします。
 それでは、次の質問に移りますが、その障がい者の実態調査、私は、この点をやっぱり重く見たいと思います。というのは、岩手県、宮城県、福島県、被災県おのおの同種の事業があるわけですが、福島県はハード事業もあるので事業量のボリュームも多いんですけれども、宮城県は7、700万円、去年はそういう実績です。平成24年度の実績が。それだけの額に対する事業量というものをしっかり、これはあくまで推測ですが、そこをきちっと合わせていたんだろうと思います。
 それで、岩手県が独自で行った実態調査、1万6、000人、この被災地域に住んでいる人は1万6、000人ですが、実際、仮設住宅もしくはみなし仮設に住んでいる方々、これは、もう一回聞きますけれども、全体で何人いらしたんでしょうか、お答え願います。
〇根子保健福祉部長 いわゆる被災した障がい者ということでございますけれども、全体の数として約8、000人という数字でございます。
〇飯澤匡委員 それで、8、000人の中で重度に絞った理由。8、000人ぐらいでしたら4億円ぐらいの事業でできると思うんですけれども、なぜそこまでできなかったか。そして、その変更を行ったのは、まだ6月の時点ですよね。そして、さっきの答弁を見ていても、15カ月間という2年間に及ぶ事業であったので、当初は、初動としては時間がなかったと。評価については、さっきの答弁ででたらめだとなりましたけれども、15カ月の6カ月たった時点でですよ、トータルの中で中間点よりちょっと前の時点でまた見直しを図っていると。当初からそういうこの事業に対する構えというのはどうだったんでしょうかね。なぜ、じゃ、6月の時点で重度障がい者に絞ったんでしょうか、8、000人が。
〇根子保健福祉部長 まずは、この事業の主たる目的は、先ほど申し上げましたが、国の事業所支援だということがございます。ですから、まず、これをきちっとやるということが一つあります。その上で、県としては、独自の取り組みの中でこの実態把握に取り組んだということがまずございます。
 その上で、先ほどの8、000人というのは、結果的に8、000人という数字になりましたけれども、実際は、どこに障がい者の方が居住しているかの把握は非常に困難でございました。そういう中で、いずれ事業を進めていく上で、重度の障がい者ということを基本に進めるということでそういった進め方をしてきたということでございますので、全体の人数がフルにこの調査にということではなくて、国の事業の事業所支援というものを進めながら実態把握も進めたという状況でございます。
〇飯澤匡委員 いや、復興庁の政務調査官が、岩手県だけは、独自の調査を行うために予算規模が多くなったという証言があります。なおかつ、やはりこの仕様書に目的とされたものと明らかに違うのではないですか。その認識はどうなんでしょうか。今でも、1、033人に絞られた格好でこの調査事業はよしとしますか。
〇根子保健福祉部長 先ほど答弁しましたけれども、いずれ、基本的な事業というのが事業所の支援だということでございまして、私どもとしては、やはり県としても、被災した障がい者がどういう状況かというのを把握したかったということがございます。その中でやれるところ、限られた年数の中でやれるところ、いろいろなスケジュールを見ながらやるということを考えた場合に、どういった形で進めるのがいいかということをその推進委員会の中の障がい者団体の委員等々からも御意見をいただきながら、どう進めればいいかというのを議論した上でのこういった進め方と考えております。
〇飯澤匡委員 当時の県社協の議事録を見ますと、これはこれだけれども、拡大もあり得るみたいな、いわゆる包括的な部分で了承してくださいという証言もあります。
 最後に聞きますが、知事は、自治体管理上、この事業推進に当たり、住民から見て、職員にずれのない、職員から見て無駄のない質の高い事業だったと言えるでしょうか、知事に伺います。
〇達増知事 本事業は、被災地の障害福祉サービス事業所が円滑にサービスを提供できる体制整備を目的として国において予算化したものでありますが、県では、基本的な取り組み事項である事業所支援に加えて、国の了解を得て、本県独自の取り組みとして被災障がい者の現状把握を行い、具体的な障がい者のニーズも把握しながら事業所支援に生かすこととしたわけであります。
 また、事業実施に当たっては、より被災地の実態を反映させるために、県の障がい者団体等で構成する障がい福祉復興支援推進委員会を設置して、委員の意見を聞きながら事業を進め、また、障がい者団体からの支援によって、事業所から職員の派遣をいただくなど、関係団体等との連携、協力のもとで取り組んでまいりました。
 東日本大震災津波からまだ1年たっていない段階で、被災地に数多くの復旧、復興の課題がある中、これまでにない新たな取り組みであったことから、事業の開始時期に、職員の確保など、一部想定どおりに進まなかった部分がありましたが、事業所支援など所期の目的を達成し、さらに県独自の取り組みにも意義があったところであり、障がい者福祉の向上の一助ともなっていると認識しております。
〇工藤勝子委員長 この際、根子保健福祉部長から発言を求められておりますので、これを許します。
〇根子保健福祉部長 先ほどの高橋孝眞委員の消費税の関係についてお答え申し上げたいと思います。
 委託事業につきましては、消費税法上の役務の提供に相当し、事業費全体が課税対象となると。このため、人件費については、消費税相当額が上乗せされた形で委託料として県社協に支払われる。事業実施の中では、課税物品については消費税込みで支払いがなされ、非課税である人件費分についての消費税相当額が最終的に租税効果として税当局に納められるということになりますので、先ほどの公租公課が出ている分が払われるので、県社協にはもうけとして残るということではないということでございます。
 それから、もう一点、先ほどの飯澤委員の御質問で、いわゆる被災した障がい者が何人かというお話でございましたけれども、結果的に、被災した障がい者が何人いるかについては実はわかっておりません。先ほどの8、000人は、いわゆる重度の障がい者が8、000人だということで訂正させていただきます。
〇工藤大輔委員 それでは、私からもお伺いしたいと思います。
 これからの質疑をどなたに行うのかということの確認をしたいと思いますので、知事、副知事は、この事業に関しどの程度のかかわりがあったのか、そして、担当部としてはどのように報告をしてきたのか、初めにお伺いしたいと思います。
〇達増知事 今回の件につきましては、新聞報道がなされたときに、あるいは議会で取り上げられた際に、保健福祉部から報告を受けたところでございます。
〇千葉副知事 私についても同様でございます。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠委員 済みません、発言時間ですが、我が会派に与えられた時間は12分と聞いておったのでありますが、11分からスタートしたと思いますが、確認をお願いします。
〇工藤勝子委員長 事務局、確認をお願いいたします。
 世話人会の申し合わせで、希望・みらいフォーラムは11分となっております。御了承願います。
〇岩渕誠委員 私どもでいただいている資料では12分でありますが、11分でいいということですか。
〇工藤勝子委員長 訂正いたします。時計を直すということでございますので、しばらく御了承願います。
 では、質疑を続行いたします。
〇根子保健福祉部長 知事、副知事への報告でございますけれども、本事業については、基本的に当部として判断して対応しております。新聞報道がなされたとき、議会で取り上げられた際に、知事、副知事に必要な報告をしているところでございます。
〇工藤大輔委員 わかりました。
 それでは、中身についてお伺いしたいと思いますが、決算審査等において、新たに委員から質疑されたことに対し、事実関係の確認の結果ということで資料等もいただいており、新たな実績がこうだったのかということも読めばわかるわけですが、事業目的に合致した内容で実際に実施できたのかどうか、改めて確認をしたいと思います。
〇根子保健福祉部長 事業目的との合致ということでございますけれども、本事業でございますが、甚大な被害を受けた被災地の障がい福祉サービス事業所が、安定した運営ができるように支援することによりまして、障がい者の方々に対するサービスが円滑に提供できる体制の整備を目的としております。
 本県では、国から示された事業項目に基づきまして、県内9カ所に設置した障がい福祉復興支援センターにコーディネーターを配置しまして、事業所の運営状況を把握しながら、支援をしようとする事業所に対し、専門アドバイザーの派遣などの支援を行ったほか、国の了解を得まして、本県独自の取り組みとして、被災障がい者の実態調査、災害時に障がい者の安全を確保し、大切な命を守るための手引きの作成をしたものであり、事業目的に沿った事業内容であったと認識しております。
〇工藤大輔委員 これは事業の中身は、甚大な被害を受けた被災地の事業所が復興期において安定した運営ができるようにするため、被災障がい福祉圏域ごとに障がい福祉サービス復興支援拠点(仮称)を設置し、新体系サービス移行への支援や就労支援事業所の活動支援等を行うことにより、被災地における障害児・者に対する福祉サービスが円滑に提供できる体制を整備するために、障害者自立支援対策臨時特例交付金として積み増しを行うこととされています。
 そこで、先ほど四つの事業、県とすれば4本柱の事業項目として事業を行ったと思いますが、事業全体に占めるそれぞれのウエートはどうだったのでしょうか。また、なぜ県独自の取り組みを実施することとしたのかお伺いします。
〇根子保健福祉部長 それぞれの項目に沿った業務量でございますけれども、正確に示すことはちょっと困難でございます。それで、それぞれの取り組みに係る活動件数等から推測いたしますと、いわゆる圏域センターでは、災害対応のてびきについては作業を行っておりませんので、それ以外のアドバイザー派遣、それから人材育成などの事業所支援が、圏域センター全体としてはおおむね7割、被災障がい者の実態調査が3割程度のウエートであったと考えております。
 それから、県独自の取り組みでございますけれども、やはり被災障がい者の実態調査というのは、被災された障がい者がどこにいるかということがまずわからないということがありまして、さらに、その方が、例えば応急仮設住宅に行った場合に、どういうニーズがあって、その近辺でサービスを受けられる事業所があるかとか、そういったサービスにつながっているかといったようなところがやはり必要ではないかということで独自の取り組みをしておりますし、さらに、この手引きについても、障がい者が災害時に備えた日ごろの備えが必要だということで、そういった取り組みを進めているということでございます。
〇工藤大輔委員 復興支援推進委員会において、委員からどのような意見が出されて、先ほど来質疑も交わされてきました被災障がい者の実態調査の範囲を決めたのでしょうか。
 1万6、000人の手帳を持っている方がいるということのようだったので、実際にこの方々をやったとすれば、期間、人員、予算額はどのくらいに上ると推測されていたのかお伺いします。
〇根子保健福祉部長 平成24年6月の第2回の推進委員会でございますが、この際に、いわゆる年間スケジュール等を考慮しまして、調査が年度内に終了するよう、まずは全体調査で障害者手帳所持者の中から被災障がい者を抽出しまして、現状把握を行う個別調査の対象を、より優先度の高い重度の障がい者を基本とする案を提示しまして、その中で、その委員会の中では、例えば視覚障がい、聴覚障がいを最優先にしてほしいという意見、あるいは発達障がい、行動障がいを含めてほしいといった意見がありました。さらには、やはり全部やるのは不可能に近いということ、あるいは今回の調査ではこの調査要領案に示した範囲でいいと思う、そういったいろいろな御意見がありました。その中で、原案どおり、調査対象は、被災した障がい者のうち、災害時の要援護者の対象となる重度の障がい者を基本とすることとしたものでございます。
 それからあと、この調査でございますけれども、結果的に被災した重度の障がい者が1、867人ということで、そのうち、その方々を対象に、それから了解を得た方をやったわけでございますけれども、なお、約1万6、000人の実態調査を平成24年度の調査期間内でということを考えた場合には、さらに50人以上の調査人員が必要かと、推測でございますけれども、そう思っております。
 そういうことでございますので、事業費増、調査ごとに、障がい者に対して調査する方も、障がい者への対面スキルといったものも必要でございますので、そういった職員の確保が非常に難しいと考えております。
〇工藤大輔委員 そうなると、実際にあのときの状況からすれば、全体の調査が可能かどうかということは、恐らく各団体や推進委員会の中でもいろいろな議論がきっと交わされたんだと思います。恐らく難しいのではないかということは、大体皆さんわかっていたのかなというような思いもするわけでありますけれども、実際に、この被災した重度の障がい者の方々の実態調査をすることによって、この事業の本質的なところにどこまで生かされるのかどうかをお伺いしたいと思います。
 また、手引きと今言った被災した障がい者の実態調査は、国のほうから示されている事業内容で①から⑨までの事項があると思いますが、どこに分類するのかお伺いします。
〇根子保健福祉部長 この調査は、いわゆる重度の障がい者を基本としてやったわけですけれども、そこで得られたニーズというものがございます。そういったニーズに対しまして、215件のサービスにつなげたということがございます。そういったことが一つ、この調査のことですし、さらに、やはりその1、867名という方々が、今どこにいらっしゃるのかということが把握できたのは、非常に大きいことかと思っております。
 それからあと、国の事業でどこに入っているかということでございますけれども、⑨のその他障害福祉サービス等の利用促進に資する事業、ここのところで国とは調整したと思っております。
〇工藤大輔委員 そもそもこの事業は、事業所再建に向けた取り組みニーズを把握して、ニーズに応じた支援を実施するのが最大の目的だったと思います。そういった中で、単年度の事業ですから、立ち上げから、そして成果を出すまで、事業を実施するにおいて、どこに誰が住んでいるかわからないというような状況の中で、調査から始めることに私はちょっと無理があったのかと思うんです。その実態のニーズを把握するとすれば、例えば市町村、あるいは市町村がわからなければ、特別支援学校とか事業所とか保育所、あるいは親の会等、そういったところからのニーズとか情報を集約した結果、このようなニーズがあるのだということだけで私はよかったかと思うんです。それを踏まえて事業所支援にどう充てるかというのがそもそもの事業の目的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇根子保健福祉部長 今回の事業の目的自体が事業所の支援だということでございますので、そういった目的にかなうような形であれば、今、委員がおっしゃられた形の調査の仕方というものもあるかと思います。
 一方では、やはり私どもとしては、先ほど申し上げましたように、本当に被災した方は今どうしているのだろうという、被災されない方はもとのところにおいでになっているということがあるかもしれませんが、被災された方がどこかに転居しているということであれば、その方々が、やはりどういう形で、これまで受けられたサービスが受けられているかとか、そういったことを把握する必要があるのではないかと思っております。
 それが、そもそも無理があるのではないかというお話がございましたが、そういう中で、どこにそもそもお住まいかというのがなかなかわからないという状況の中で進めてきたこともございましたので、そういった意味で、やっぱり非常に難しい面があったかと思っております。
〇工藤大輔委員 ですから、私は、これが複数年にわたる事業であれば、先にそういった調査もしながらという期間もあったと思うのですけれども、調査というのは、事業所ではなくて実態調査のほうですね。直接の障がい者の実態調査、そして、さらに対象を広げていって、より広い形でニーズが何かということを把握する時間があればいいんですが、単年度だったということも踏まえれば、やっぱり当初の目的からすれば、実現できなかったものを、頑張って含めてやってあげたいという思いから事業化させたのではないかと思いますが、改めてお伺いしたいと思います。
〇根子保健福祉部長 いわゆるどこにお住まいかということでございますけれども、これは、やはり市町村が一番情報を持っていると思います。ただ、その市町村も、あの状況の中で、復旧に向けた取り組み、いろいろな業務が錯綜している状況の中で、市町村に対してそういったところまでなかなか強くお話できないということもございましたものですから、そういう中で進めてきたということでございます。
 ただ、思いとしては、先ほど申し上げたように、やはり被災した障がい者の方がどうしているのだろうかというような思いが私どもにあったということでございますので、その対象者がちょっと手を広げ過ぎたのではないかということについては、結果論としては、そういうこともあったのかなと思っています。
〇工藤大輔委員 障がい者の被災の実態がどうかというのは、私は、どちらかというと市町村の果たす役割のほうが大きいかと思います。ただ、実際に被災地における市町村の機能を考えれば、そうしてあげたいというのもあると思いますが、現実問題、陸前高田市の事例なども聞いているわけですけれども、陸前高田市では、JDFに依頼して1、200人の実態調査をしようとしても、実際、数名で組んでやってもかなりの時間を要している、1日の件数も本当に限られた数しかできていないのが実態で、なかなか苦労されているという話は聞いたことがあります。
 そういった中で、陸前高田市だけでない、県全体に枠を広げてそれをやるというのも、私は実際にそう思いますので、これは指摘にしたいと思います。
 それで、実際に事業の中身がどうだったかということをお伺いしたいわけでありますが、先ほどの業務の中では、⑦のほうを実際に支援事業に充てていたということのようです。障がい者福祉サービスの事業数の内陸と沿岸との比率は実際にどのぐらいあったのか、事業数とともに示していただきたいのと、特にも被害が大きかった、最も支援が必要だとしていた沿岸の事業所に対しての支援をどの程度実施できたのかお伺いします。
〇根子保健福祉部長 障がい福祉サービス事業所の内陸と沿岸の比率のお尋ねでございますが、本事業で調査した事業所運営状況調査によりますと、障がい福祉サービス事業所数が、平成24年7月1日時点で534事業所ありまして、実施しているサービスの比率は、約8割が内陸、それから約2割が沿岸となっております。
 それで、本事業で行った支援でございますけれども、アドバイザー派遣や研修がございますが、その比率は、沿岸が4割、それから内陸が6割となっております。
〇工藤大輔委員 それでは、実際の事業はそうであったと思いますが、効果として、成果として具体にどういうものがあったのかお示し願います。
〇根子保健福祉部長 圏域センターからは、事業所からの相談窓口の役割を果たしているのだというお話を伺っておりますし、それから、事業の実施によりまして経営見直しのきっかけとなった、あるいは職員の意識改善につながったといったような評価もございます。
 それからあと、職員の支援力向上によりまして、障がい者へのサービスの質の向上あるいは工賃の向上、そういったものにつながっているというようなことを伺っております。
〇工藤大輔委員 もう少し具体に、こういう成果があったんだと、この事業をやってこうだったんだという事例を挙げて答弁をいただきたかったと思います。すぐ出るのであれば。
〇根子保健福祉部長 申しわけありません。個別の事業ごとにちょっとお話し申し上げます。
 アドバイザー派遣でございますけれども、障がい福祉サービス事業所の調査を実施しまして、中小企業診断員など専門知識を有するアドバイザーを118回派遣したと。それから、それによりまして、経営基盤の強化を図り、就労支援事業所の自主製品の開発、大型店舗への販路確保などに結びつけたということがございます。
 それから、事業所研修でございますけれども、事業所職員を対象とした援助技術向上研修などを実施しまして、事業所に赴いての現地研修を中心に61回実施して、サービス提供に携わる人材の育成を行ったということがございます。
 それから、先ほど来の被災障がい者の実態調査でございますけれども、これにつきましては、障がいサービスを必要としている市町村等と連携したサービス提供につなげたということと、それから、災害対応へのてびきに反映させているというような状況でございます。
 それから、災害対応の手引きにつきましては、障がいのある方が、災害時に大切な命を守るための日ごろの備え、それから、安全に避難するための手引きを作成しております。今年度は、障害者手帳所持者、それから関係団体等に配布しておりまして、一部の地域では、手引きを普及するためのサポーター連絡会議等が組織されておりますので、こういったものについての普及を進めてまいりたいと思っております。
〇工藤大輔委員 今、手引きの話がありました。以前、飯澤委員が質問した際にちょっと聞いていた質疑、答弁の中で私も感じたのですけれども、この手引きですが、本来であれば別事業でやるべき内容のものではなかったのかという思いを持っております。要は、事業所復旧にかかわる支援に直接つながる事業だったかというと、やっぱり内容を見れば、これからの災害が発生した際にどう対応するかということのほうが主目的に置かれた内容ではないかと感じたところでもありますので、その手引きの普及ということになると、私もちょっと違和感があるんです。もう一度答弁をいただきたいと思います。
〇根子保健福祉部長 やっぱりこういった災害があったときにどう対応すればいいかというのが、まとまったものが今までなかったということだと思います。その中で、こういったまとまったものについてどういうふうに活用していくかということが大事かと思っております。
 この中で、ここに、特に手引きの日ごろの備えといったようなところとか、要はお願いカードといったような特徴的なものも盛り込んでおりますので、そういったものをどういうふうに活用するかということで、日ごろからそういう備えをどうするかということを障がい者の方々に感じていただくことも必要かと思って、そういう意味で普及を進めているという状況でございます。
〇工藤大輔委員 これまで、障がいのある方の災害対応マニュアルというものも作成してきたと思いますが、そういった中では、広く災害時の対応ということで、マニュアルは、各事業所であったり障がい者の方々に伝わるような仕組みにはなってなかったのでしょうか。
〇根子保健福祉部長 その辺のところが、今回の災害を踏まえてさらに徹底するということが必要ではないかと思っておりますし、今回のマニュアルについては、策定委員会の中でいろんな委員の方から御意見を伺いました。ただ、障がいの特性がいろいろございますので、それぞれの御意見というのはたくさんあります。その中で相対的にどうするかという議論もありますので、なかなか取りまとめにも苦労したとは伺っております。そういう状況の中で、今回の大規模な災害を受けて、障がい者の方々が、次にもしそういった場面が来た場合に、そういう対応がすぐとれる、あるいは周りの方々も支援できるということを徹底するということが必要だと思っております。そういう中で、そういった普及について進めているという状況です。
〇工藤大輔委員 選考過程における公募の関係だとかそれぞれの事業の中身については、やはり一定の問題もあったなと私は思うところでもあります。そういった中で、これから改めるべきは改めていっていただきたいわけです。冒頭、昨日理事会があったとの答弁がありましたが、県と委託先である岩手県社会福祉協議会において、反省点は実際何だったのかということをお伺いしたいと思います。
〇根子保健福祉部長 反省点というお話でございます。県としては、当初、平成24年3月までに、事業全体を統括するセンターのほかに沿岸に四つの圏域センターを設置したいということで考えておりましたが、職員や事務所の確保といったものに時間を要しまして、平成23年度は統括センターの設置にとどまりました。平成24年度についても、全てのセンターへの職員配置の完了に6月まで要したということが一つございます。
 それから、被災障がい者の実態調査に当たりましても、そういった状況もあって開始がおくれたということについては、やはり委託者である県においても反省すべき点があったのではないかと思っております。
 それから、県社協からは、事業が大規模だったということで、当初考えていた以上に人員確保、事務所設置に時間を要するということになった、そういった見通しの甘さがあったということ。事業の執行体制の整備を優先させたということで、順次採用した個々の職員に対する体系的な研修が十分ではなかった面もある、あるいはそれによって指揮命令系統が機能するまで時間を要したということ。あと、圏域センターが広大な県土に9カ所ということもございますので、業務管理に目が行き届かなかった面がある、あるいは推進委員会で整理した方針というのが全ての職員に徹底できなかったといったような点で、組織管理や業務管理の点で反省すべき点があったという報告は受けております。
〇工藤大輔委員 平成25年度は1億9、150万円が交付金事業から補助事業と変わって実施されております。これまでの事業結果を踏まえ、今年度、どのような形で事業をつなげているのかお伺いします。
〇根子保健福祉部長 これまでの事業結果の今年度への反映ということでございますけれども、事業所実態調査を行いました。その結果、震災の影響によりまして収入が減少した事業所があるほか、サービスの向上や充実が必要といった課題を抱えている事業所がございます。また、被災障がい者の実態調査では移動支援などのサービス利用希望が増加しているという結果も出ておりますので、サービス量の不足も懸念されているという状況にあると考えております。
 このため、既存の障がい福祉サービスの充実、新規事業所の立ち上げ支援のため、引き続き、事業所支援アドバイザーの派遣、事業所の人材育成のための研修の実施に取り組んでおります。
 また、先ほど申し上げましたけれども、昨年度策定しました障がいがある方たちへの災害対応のてびきの普及促進によりまして、日頃の備え、安全を確保するための避難訓練への参加など、こういった実践的な取り組みが行われますよう、市町村や関係団体へ働きかけていきたいと思っております。
〇工藤大輔委員 わかりました。特にも被災地においてこれから立ち上がる事業所等もあり、またさらに支援をしなければならない事業所も多いと私は思います。あるいは県全体で見ても、事業所支援というのは継続して実施しなければならないと思うわけですけれども、所期の目的を達成するために事業継続を目指すべきだと私は思いますが、今後の財源確保においてどのような所感を持っているのか、必要性を感じているのかお伺いします。
〇根子保健福祉部長 これまでのこの事業の大きな目的は被災した事業所の支援ということでございますけれども、その財源確保のお話がございました。被災地における障がい福祉サービス事業所を安定して運営していくといったことの支援に向けては、中長期的な取り組みが必要ではないかと思っております。それで、国に対して補助制度の継続は要望しているところでございます。
 今後の事業継続でございますけれども、今般、いろいろ御指摘もいただいておりますので、課題を整理した上で対応は検討したいと思っております。
〇工藤大輔委員 今回の事業を見ると、全体とすれば4億円を超える事業費となっており、復興支援推進委員会、特にもそのメンバーに入った方々というのは、これまで本当にやってほしいことがなかなかやられてこなかった。委員会に入って、どういった事業をするかという話をした際に、自分たちの意見もやっと通るんだ、やっとやれるんだというような非常に期待の大きい事業だったのではないかと思います。それだからこそ、あれもやりたい、これもやりたいという思いも強かったのではないかと思うわけであります。私は、そのようにこの事業を見て、また、推進委員会の中の議論等はそのような形で推移したのだろうと感じるところですが、知事は、これまでの経緯や議会での審議を踏まえてどのような所感を持ち、これから対応していくのかお伺いしたいと思います。
〇達増知事 東日本大震災津波で被災された障がい者の方々については、被災者に寄り添った支援、それぞれの障がい特性に応じた支援が求められており、障がい福祉サービスとあわせて地域の見守り活動などインフォーマルサービスが一体となった支援が重要であります。
 本事業におきましては、事業所支援などを通じてサービスの充実が図られたほか、これに加えて被災障がい者の実態把握により重度障がい者の所在等が把握され、民間活動も含めた支援の対象者を確認することによってサービスにつなげることができたなど、所期の目的を達成し、さらに県独自の取り組みにも意義があったところであります。
 また、県独自に実態調査を行ったことについては、障がいがある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例の趣旨に鑑み、他県では行わない調査を企画し、県社協がそれを受託実施したことは、本県としての意欲的な取り組みであったと考えております。
 一方で、被災地に数多くの復旧、復興の課題がある中で、これまでにない新たな取り組みでありましたことから、事業の開始時期に、職員の確保など一部想定どおりに進まなかった部分があったと認識しておりますが、これについては、県社協で昨日理事会が開催され、本事業に係る成果と反省などについて理事会の承認を得て、事務レベルで報告があったところでありますので、今後、指導を強化してまいりたいと思います。
〇工藤大輔委員 事業がより効果的に実施されるよう、これから精査をしていきながら進めていただきたいと思います。
 また、障がい者が日常的な生活において弱者となってはいけないわけであります。まして、災害時において弱者であってはならないわけであります。東日本大震災を経験し、障がい者の方々は、避難所においても、応急仮設住宅においても非常に苦労されたという話を多く聞きます。また、障がい者の死亡率も一般の方よりも高かったという声もあります。ですから、障がいといっても身体、療育、精神など、また、その3区分の中でもさらに広い区分に分かれる。そして、それぞれに対して支援を強化していかなければならない分野だと思います。そこになかなか光が当たらないというのが、障がい者、また親御さん方の思いだと思いますので、それらの思いをぜひかなえて、こういった機会に多くのものを改善しながら、よりよい事業を執行するように努めていただきますよう要望して、質問を終えたいと思います。
〇佐々木朋和委員 会派を代表して質問させていただきます。
 まず最初に確認なんですけれども、先ほど部長より8、000人という数字を出していただきました。被災地の障がい者の方が1万6、000人で、調査の対象者が1、867人、うち協力を得られたのが1、033人ということでしたが、その正確な並び順を言っていただきたいと思います。
〇根子保健福祉部長 被災地の身体障害者手帳所持者が1万6、650人、そのうち被災していない人も含めて重度が8、612人、その重度の障がい者のうち被災した方が1、867人、そのうち協力を得られて調査をしたという方が1、033人でございます。
〇佐々木朋和委員 それでは質問させていただきたいと思います。
 まず、被災障がい者実態調査の費用対効果についてお聞きしたいと思います。これまでも議論があったところでありますが、確認の意味を込めて聞かせていただきます。
 今回の障がい福祉サービス復興支援事業について3億2、000万円余でありますけれども、この中で、県では、中心となる事業が国の事業項目にあったアドバイザー派遣や人材育成のための研修であって、実態調査をメーン作業とする新聞報道とは事実が異なる旨をホームページで発表されております。
 そこで、質問でありますけれども、実態調査そのものの事業の費用はどのぐらいであるのか、人件費も含めてお示しいただきたいのと、また、他の三つの事業があります。アドバイザー派遣、事業所研修、手引きの作成、それぞれの事業費の内訳をお示しいただきたいと思います。
〇根子保健福祉部長 各圏域センターに配置しておりますコーディネーターが、アドバイザー派遣、人材育成、事業所研修、実態調査等一連の業務を担っておりまして、各事業ごとに人件費を含めた諸経費を切り分けて算定するというのは非常に難しい状況でございます。
 それで、アドバイザー派遣や人材育成、事業所研修を含めた全体の訪問とか電話件数等に占める実態調査の件数とか割合から判断すれば、推測になりますけれども、圏域センター全体を含めて、おおむね3割程度の事業量が被災障がい者の実態調査ではなかったかと考えております。
〇佐々木朋和委員 では、被災者の方の実態調査を行う用の人ということで確保していた部分はないということでありますか。みんな一緒に業務をしていたということでありましょうか。
〇根子保健福祉部長 職員の配置に当たりましては、内陸部と沿岸部については、沿岸部のほうには1名増員はしておりますが、それは、その調査もあるということなので、そういう手厚い配置をしたということでございますので、全体の中でこの事業に取り組んできたということでございます。
〇佐々木朋和委員 10月23日に示していただいた資料の中にも、まず国の職員配置の考え方を参考として、県独自の実態調査については、その範囲の中で実施するという制度設計だったということもありまして、調査するということに対して人員確保ということをちゃんと考えていたのか大変疑問であるなと思いますし、また、このように大きなお金をかけてやる事業について四つ大きな事業があると。この中で、県としては、メーンはこれだ、こっちはサブというわけじゃないですが、そういう話をしているのに、実際に県としてはそのようにお願いをしていても、現場ではどのような仕事の割合でやっていたのか、この件についてしっかり把握できないということは、このようにソフト事業を行っていく中でチェックのしようがないという状態ではないかと思います。この点については指摘をさせていただきたいと思います。
 その中で、災害対応のてびきのクオリティーについてお伺いしたいと思います。
 業務委託の仕様書の中の4事業内容の(7)②が災害対応のてびきの作成に当たる部分の事業内容だと思いますが、新しい災害対応のマニュアル作成(障がい団体等の意見を反映することにより、避難先や被災時の対応等を明確化し、障がい者が安全に避難することを支援するための実践的なマニュアルの作成)となっております。これまでの議論の中で、実践的と言えるのか、また、調査の結果が反映されているのかという指摘があったわけでありますが、県はホームページで、本手引きが好評の反響をいただいていると言っておりますし、また、調査結果を反映していると聞いておりますが、その好評いただいている点、また、調査結果を反映している点をお示しいただきたいと思います。
〇根子保健福祉部長 災害対応のてびきでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、災害対応のてびきの策定委員会をつくっておりまして、その中でいろんな関係者の方々から御意見をいただきながら進めてきたということでございます。先ほど申し上げましたが、障がい者ごとにそれぞれの特性がございますので、こういった形のものをという御意見はたくさんございました。その中で全体的にまとめたということがございます。
 それで、反響のお話がございましたけれども、例えばですけれども、県自閉症協会から、災害対策が前進したという評価をいただいておりますし、身体障害者福祉協会からは、いいものをつくってもらった、ぜひこの手引きを広めたいというようなお話もいただいております。それから、岩手県手をつなぐ育成会からは、全会員に配付したいという御要望をいただいたほか、みたけの園保護者会からは、子を守るのは親の務めだ、保護者が手引きを常に見える場所に置き、おねがいカードは外出時にも携帯し、地域の防災訓練にも積極的に参加しなければならないと考えているといった御意見もいただいております。
 それから、実態調査結果の反映でございますが、調査結果の災害時の避難誘導支援ということがございますが、これにおいて、今後、近隣住民や地域防災組織からの支援が必要であるなどの結果を踏まえまして、手引きの日頃の備えに避難時の協力者の確保について記載するとともに、おねがいカードを添付しております。
 それから、調査結果における避難所で困ったことについての回答の中で、手引きの、東日本大震災の時、避難所で困ったこととして、次のようなことがありましたといったようなところで、ここに反映しているということでございます。
 その他、調査結果における避難生活におけるニーズについては、手引きの日頃の備えに反映したところでございます。
〇佐々木朋和委員 私も読ませていただいて、私自身も勉強になるところがありました。調査というか、福祉避難所のところでありますとか、また、地域の防災訓練に参加しようとか、そういうところは私も大変評価させていただきます。ただ、これの目的が実践的なマニュアルということでありますから、やはり被災障がい者の方が行動に移せるようなものでなければならないと。それについては、もう少しまとめて要点を絞ったり、困っていることを載せるだけではなくて、それについてどのように解消していくのか方法論をしっかりとまとめて、完成したマニュアルとして発行していくということが大事であるのではないかと私は思いました。
 そこでなんですが、平成25年度に向けての改善点についてお伺いしたいと思います。これまでの答弁の中で、部長を初め瑕疵はないという見解は行政手続の中でという話がありました。私は、これは継続している、平成25年度もやっている事業でありますから、やはり平成24年度を勇気を持って反省し、総括し、その上で本当に被災障がい者の方にとってよい支援制度になっていただきたいという思いで申し上げますけれども、その中で、やはり今までも問題になっております被災地の被災軽度障がい者の方の調査をしなくてもいいのか。また、これまでの調査結果の生かし方として、一旦はマニュアルはできたと。でも、これは本当に完成しているものではないと私は思いますので、ぜひこれのブラッシュアップもしたほうがいいのではないか。また、このような本にしなくても、おねがいカードというものをしっかりと防災の中に位置づけをしていくとか、周りの方に理解をいただいていくとかいろいろな角度でもう少し――マニュアルというのは、本にするだけでなくて全体の整理だと思いますから、その点についてもしっかりとやっていくべきではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇根子保健福祉部長 平成25年度、現段階の改善点についてということでございますが、今回の審議等を通じまして、各委員から、特にも被災障がい者の実態調査についていろんな御指摘をいただいております。今回対象外となった重度以外の被災障がい者への対応ということでございますけれども、今、市町村あるいは障がい者の相談支援事業者とか生活支援員など応急仮設住宅等で障がい者の見守り活動を行っている方々やあるいは支援を行っている関係者と連携しながら、特に応急仮設住宅にお住いの方が障がい者かどうかというのをわかっていない部分もありますので、そういったことも市町村と連携しながら、その中での実態把握を行いながら必要なサービスにつなげていきたいと考えているところでございます。
 あと、実態調査の結果によりますと、震災により地域の障がい福祉サービスへのニーズが高まっているということで、具体的な動きとしましては、今年度、釜石市において生活介護等を行う事業所が設立されたり、久慈市において就労継続支援B型事業所の設立に向け準備しているという事業所などがありますので、こういった事業所支援についても引き続き取り組んでいく必要があるかと思っております。
 それから、マニュアルのブラッシュアップでございます。つくっただけでは、当然それではうまくないことですので、その普及を進めるとともに、改善すべき点があれば、そういうものを集めながら、改定の時期というのはいつになるかそれはありますけれども、そういう中でそれを生かすということは考えていく必要があると思いますし、おねがいカードについても、そういったものを単独でも普及させるというのはそのとおりだと思いますので、そういったことにも努めていくとともに、市町村の地域防災計画との連携も必要なのかなと思っておりますので、そういった点も含めて、障がい者の災害への備えについても取り組んでまいりたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 今のは県の保健福祉部としての御答弁だったと思うんですが、受託者に対して委託者として、平成25年度の事業として途中でも要望、指示を出して改善していくべきではないかと思いますが、この点をもう一度お願いいたします。
〇根子保健福祉部長 今年度の事業というのは委託している中身がございますので、それをどういうふうにするかということはございますが、いずれ、課題を整理した上で対応は考えてまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 最後に知事に御質問させていただきます。
 県の委託事業の委託者としてのチェック機能について伺いたいと思います。震災関連で県庁の中でも人員不足の中にあって、今後も復興関連で事業について委託する機会も多々あると思います。その中で、どのように事業の適正化を図って費用対効果をチェックしていくのか、御所見を伺いたいと思います。
〇達増知事 復興関連事業の実施については、被災地のニーズや市町村、関係団体等の考え方等を把握し、必要な事業を迅速かつ適正に実施する必要がございます。このため、事業の検討過程から事業完了確認まで、法令等に照らした適正化、費用対効果などの事業内容の確認を行っていますほか、事業実施に関する委員会等の設置や必要な助言等の実施、事業の中間報告を求めることなどによって委託先との連携を図りながら、想定した事業効果が発揮されるよう取り組んでいるところであります。
 復興については、予算が、被災地、被災者のニーズにしっかり応えるために、より効果的に使われることが重要でありますので、今後とも被災地、被災者の要望にしっかり応えられるように進めてまいりたいと思います。
〇佐々木朋和委員 先ほど、最初の質問で述べましたが、このようにソフト事業において、人件費についても、どこにどのぐらい配分されたかというのはわからないというのはやはり問題だと思います。今回のように3億2、000万円という大きい事業にあって、アドバイザー派遣、事業所研修、実態調査、手引きの作成と四つあるんですから、四つの事業規模がどのぐらいかチェックできるようにしていただきたいと思いますし、今、民間でも、岩手日報などで、それぞれの社員がどのようなところに力を注入しているか、そういうものもつけてやったりしておりますので、ぜひ、そういう民間のところも取り入れながら、後から事業のチェックがこういう場でもしっかりできるように行っていただきたいと思います。
〇木村幸弘委員 質疑のこれまでの経過を踏まえて何点か質問いたします。
 まず最初に、実態調査の対象者の議論が随分行われてまいりましたが、改めて確認したいのですが、第2回復興支援推進委員会において、より優先度の高い災害時要援護者となる重度の障がい者を基本にという対象者が1、867人ということでよろしいでしょうか。
〇根子保健福祉部長 いわゆる被災した重度の障がい者については1、867人ということでございます。
〇木村幸弘委員 いわゆる被災したということで、災害時要援護者であるという位置づけでよろしいですね。
〇根子保健福祉部長 そういうことで結構でございます。
〇木村幸弘委員 そこで、数字がいろいろと出るんですけれども、ことしの2月20日に保健福祉課から、いわて障がい福祉復興支援センターと圏域センターの取り組み状況についてということで、12月末現在、去年の数字で我々のほうに出された説明資料では、災害時要援護者となり得る重度の障がい者は7、400人という数字が出ています。そして、この方々を対象に訪問件数が2、700件行われているということで報告があるんですが、この数字との整合性はどうなんでしょうか。
〇根子保健福祉部長 調査の途中段階で、いわゆる被災を含めた重度の障がい者の数字ということでこれをお出ししたものでございますので、これについてはちょっと訂正ということになりまして、重度の障がい者全体が8、612人ということでございます。
〇木村幸弘委員 そうすると、改めて、災害時要援護者という表現で記載したこの人数は間違いであるということで、訂正ですね。
〇根子保健福祉部長 重度の障がい者については8、612人、それから、被災した障がい者については1、867人ということです。
〇木村幸弘委員 そうすると、この報告では訪問件数が2、700件、沿岸で2、560回訪問調査しているという件数が出ているんですけれども、この訪問調査件数はどういう中身なんですか。
〇根子保健福祉部長 重度の障がい者以外に、例えば大船渡市あるいは陸前高田市が行った調査にも同行しているというものもございますので、そういった数も含めながらの件数になっております。
〇木村幸弘委員 調査対象を絞り込んだという議論がある中で、実際にはこうして障がい者を対象にして訪問実績を上げている途中経過で事業を推進しているわけです。そういった動きが一方にありながら、片や、そういった事業にブレーキをかけてしまうような、むしろ絞り込んで、そういう事業そのもののねらいを小さくしてしまうような取り組みが行われていたのではないですか。
〇根子保健福祉部長 前からお話ししているように、この事業そのものといいますのは、事業所支援というのが国で最初にあった上での事業、実態調査でございますので、この中で重度の被災した障がい者を基本としながら進めるということで進めてきたものでございます。
〇木村幸弘委員 気仙の取り組みは3、400人を3月初旬までに完了したという報告があります。一方で、他の地区ではなぜできなかったのか、そして、気仙ではどれだけの体制でこの調査が3月初旬までに完了できたのか、その内容については承知していますか。
〇根子保健福祉部長 気仙については、陸前高田市が委託した団体が実施しております。その上で、それは大船渡市の協力が得られたものですから、実態調査については、気仙についてはそういう調査を行ったと聞いております。
 大船渡市の体制は、コーディネーターは4人です。そのほかに、必要に応じ内陸からの応援も行っております。
〇木村幸弘委員 他地区ではなぜできなかったんですか。
〇根子保健福祉部長 先ほどから申し上げておりますように、基本的には事業所支援ということが中心でございますので、その中で進めてきたと理解しております。
〇木村幸弘委員 事業の内容そのものも非常に問題ありと指摘しておきたいと思います。
 それから、時間がないのですが、今回の社会福祉協議会に委託した届け出の内容について、きのう、ペーパーを寄こされましたけれども、実施希望届を提出してその手続を踏んだということですが、それでよろしいですか。
〇根子保健福祉部長 その手続に基づきまして実施希望届の提出があったということでございます。
〇木村幸弘委員 その届け出は、いつ、どのような形で行われましたか。
〇根子保健福祉部長 平成24年1月4日に届け出があります。
〇木村幸弘委員 応募要領では、実施希望届のほかに同時に事業計画書の提出も求めておりますけれども、この事業計画書は提出されているんですか。
〇根子保健福祉部長 同日付で事業計画書も提出されております。
〇木村幸弘委員 なぜ、きのうのペーパーにはそれがきちんと記載されていないんですか。希望届だけの提出という形で記載されていますけれども。
〇根子保健福祉部長 希望届というものの添付書類が事業計画書だということで、希望届の提出ということで書かせていただいたということでございます。
〇木村幸弘委員 事業計画書の中身を見れば、非常に重要なんですよね。圏域としてどのような体制を組むのか、そして、人材確保についても項目が掲げられております。具体的にどのような中身の届け出がこの時点で出されたんですか。
〇根子保健福祉部長 事業実施に当たっての事業マネジメントということで、各保健福祉圏域における拠点サービスを均一化するとともに全体を統括する本部を設置する。それから、9保健福祉圏域に設置する就労支援振興センターについて業務を行うといったようなことが書かれておりまして、復興支援拠点整備の予定場所、コーディネーター支援のアドバイザーの人材確保の方法等が記載されております。
〇木村幸弘委員 今回の議論で人材確保の問題が議論されているわけです。最初の申し出の段階で、公募に対して計画書が示されて、人材確保の考え方もあるということであれば、なぜ人材確保ができなかったんですか。
〇根子保健福祉部長 今回の事業でございますけれども、コーディネーターとなる方は、やはり障がい者の特性を知った方で、そういった支援に携わる方を中心に確保する必要があると考えておりました。県社協については、障がい者の福祉関係団体が会員でございますので、そういった事業所からの派遣が見込まれるということもあり、そういう形で計画されてきたものだと考えております。
〇木村幸弘委員 この事業も、最初からそうやって県社会福祉協議会との事前の打ち合わせを含めて行っていながら、こうした申し出について、その段階でとりあえず書いておけみたいな、そんなやり方でとにかく決めてしまったのではないかと、私は非常にそういう印象を持つわけであります。いずれ、この事業については問題が多々あるということだけ指摘しておきたいと思います。
〇高田一郎委員 今回は被災障がい者の実態調査から始まったわけですけれども、重度の障がい者に縮小したと。この決定的な政策変更の理由は何ですか。
〇根子保健福祉部長 当初、仮設住宅等に居住する被災した障がい者ということでございましたけれども、調査のもととなる障害者手帳交付リスト等々がなかなか精査されていないと。それから、市町村から、どこに居住されているかもわからないといったような声もありまして、その中で、障がい者団体からの御意見も踏まえるということで設置しました障がい福祉復興支援推進委員において委員の皆様からの御意見をいただきながら、こういった形で重度の被災障がい者を基本とするとしたものでございます。
〇高田一郎委員 陸前高田市ではJDFが1、300人全員を対象にして調査を行いました。民間でできて、なぜ県社協にはできなかったのでしょうか。今、木村委員のお話にも気仙では3月にこの調査が終わったということもありますけれども、本当にできた調査ではなかったのでしょうか。
〇根子保健福祉部長 JDFの調査でございますけれども、陸前高田市の依頼により調査を行ったということでございますが、現地スタッフが5人程度と伺っています。そのほか全国から相当数の応援が来たと聞いています。私どもは、先ほど申し上げたとおり、この事業そのものもは、まずは国の事業支援というのが先にあります。そういう事業もこなしながらということでございますので、どうすればやれるかという中で、先ほどの委員会の中で議論して決めたということでございます。
〇高田一郎委員 いずれ、2時間近く議論してきたわけですけれども、これは、対象者を絞ったということは明らかに契約違反だと思うんです。知事、いかがでしょうか。
〇達増知事 そのようには思いません。
〇高田一郎委員 これは見解の違いではないんです。被災者全員を調査するということから始まったんですけれども、結局、1、867人ということで対象を絞ったわけですから、契約違反だったと私は思うんです。
 そこで、そういう政策変更するのであれば、私は、県と県社協が協議して政策変更するとか契約変更するというのが本来のあり方だと思うんです。事務手続上に問題はなかったんですか。
〇根子保健福祉部長 先ほどの障がい福祉復興支援推進委員会でございますけれども、ここには県も参画しながら進めておりますので、こういった障がい者の関係者の皆さんの御議論をいただいたということは県としても認識した上で、こういう形で進めているということでございます。
〇高田一郎委員 この事業を進める上では実態調査というのは決定的な問題だと思うんです。これを見直すということは、しっかりと県と県社協が協議して契約を変更するとか、そういう事務手続をやっぱりやるべきだと思うんです。
 時間がないので次に移りたいと思いますけれども、事業の実績についてお伺いしますが、県内9カ所に設置された各圏域センターの事務所開設日、開設期間はどうなっているでしょうか。
〇根子保健福祉部長 各圏域センターの状況がちょっと違いますけれども、平成24年4月に二戸の圏域センターが開設されまして、最終的に5月29日に岩手中部圏域センターが開設されたという状況でございます。
〇高田一郎委員 今お話があったように、年度途中から立ち上げたという圏域センターもあります。事務所等借り上げ料は契約時点では2、591万円になっていますけれども、決算書では4、366万円になっています。この違いというのは具体的にどういう理由からでしょうか。
〇根子保健福祉部長 それぞれ時期が違いますが、事務所を開設しておりますけれども、結果的に、設置した場所によっていわゆる借り上げ料が違ってきたと考えております。
〇高田一郎委員 ちょっとよくわからないんですけれども、もう一つ、消耗品も108万円から383万円に決算では変わっていますし、委託料についても、契約時にはゼロだったものが2、689万円になっているんです。この違いというものは何ですか。
〇根子保健福祉部長 委託料の話でございますけれども、委託料につきましては、当初、二戸の圏域センターに職員を雇用してということで積算はしましたが、NPO団体に委託するということで、委託料に振りかえたということでございます。
〇高田一郎委員 もう一つ聞きますが、手引きの問題ですけれども、県は当初、直接県が印刷するということで始まったんですが、途中で契約変更してこの事業でやるということになっていました。しかし、契約変更の中身を見ますと、印刷製本費には160万円しか計上されておりません。なぜ、こういう数字になっているのでしょうか。
〇根子保健福祉部長 変更した分については、県で措置していた分の見合いといいますか、それの関係で変更しましたけれども、印刷料全体としては、一般管理費の中から県社協の中ではいろいろ調整した結果と考えております。
〇高田一郎委員 契約変更の中身を見ますと、やっぱり印刷製本費が160万円としかなっていないんですよ。そうであれば、それにふさわしい契約変更の中身にすべきだったと私は思います。これは指摘だけにとどめておきます。
 今度の問題は、復興予算を使って復興にふさわしい事業になったかということなんです。この事業で被災地の事業所はどう変わったのでしょうか。私は、アドバイザー派遣とか研修とか自立再建支援法への移行支援とか、これは通常の事業で県社協も県もやってきたわけです。改めてこの事業をやることによって被災された事業所というのはどう変わったんですか、具体的に示していただきたい。
〇根子保健福祉部長 国のこの事業は、被災した事業所というのは通常のところよりもサービス提供の基盤が弱まっているということで、ハード面では別の制度がありますけれども、ソフト面でやっぱりそういう支援をしなければいかぬということでございます。その上で、アドバイザー派遣によって経営基盤の強化だとか就労支援事業所の自主製品開発、販路確保等が見られたということでございますし、研修につきましても、盛岡ではなくて現地に行って研修するということがありまして、これについては、事業所のほうからも非常によかったという声もいただいておりますので、その中で援助技術の向上などの研修ということが行われたということで、成果が得られたものと理解しております。
〇工藤勝子委員長 以上で障がい福祉サービス復興支援事業に関しての質疑を終わります。知事、副知事及び保健福祉部並びに監査委員関係の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでございました。
 次に、お諮りいたします。当委員会に付託されました決算15件及び議案3件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、この後、議会運営委員会室において各交渉団体会派の代表の方々で御協議を願い、その結果を待って委員会を開き、結論を出すことにしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため暫時休憩いたします。
   午後7時11分 休 憩
午後10時27分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 初めに、決算15件及び議案3件に対する各会派の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 議案第39号から議案第41号までの3件は、それぞれ原案を可とすることとした次第であります。
 次に、認定第1号平成24年度岩手県一般会計歳入歳出決算については、岩手県の補助を受け、山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業に関して、本日まで行った質疑等を踏まえ、参考人の出席を求めて意見を聞くなど、さらに慎重に審査を行う必要があると認められたことから、継続審査とすることで意見が一致したところであります。
 次に、認定第13号平成24年度岩手県立病院等事業会計決算については、次の意見、すなわち、医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
 平成24年度の経営収支は、急性期対応や地域の医療機関との役割分担による在院日数の短縮、薬剤処方日数の伸びなどによる通院回数の減少などにより、入院、外来患者数が減少したものの、診療報酬改定による増収や7対1看護体制等上位施設基準の維持、がん化学療法件数の増加などにより、経常損益において3年連続して黒字を計上したほか、純損益も13億2、000万円余の黒字となり、累積欠損金が191億円余に減少するなど、経営努力が認められる。
 一方、平成26年度には新地方公営企業会計基準が適用されることにより、退職給付引当金計上の義務化や減損会計が導入されることなどから、多額の損失計上が見込まれる。
 このような状況においても、引き続き医師、看護師等の確保及び定着支援策を推進し、良質な医療を提供できる環境を整備するとともに、地域の医療機関との連携促進など地域医療を支える体制をさらに強化することが期待されており、特に、被災沿岸3病院の再建については、早急な開院に向けた着実な取り組みが望まれている。
 これらのことから、今後の事業運営に当たっては、安定した経営基盤の確立に向け、医業収益の確保はもとより、病床の適正管理や薬品などの材料費の効率的な執行、医療費個人未収金の回収、施設、設備等の有効活用など、経営体質の強化に向けた取り組みをなお一層積極的に推進するとともに、国に対し、医療機関に対する消費税制度の改善など、自治体病院が地域において真に必要とされる良質な医療を安全に、かつ継続して提供できる支援などについて積極的に要請されたい。
 なお、平成26年度からの次期経営計画については、今期経営計画の成果と課題を十分検証し策定するとともに、計画の基本方針や県立病院の担うべき役割、経営に対する新地方公営企業会計基準の影響などについて、県民に対し十分説明されたい旨の意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第12号まで、認定第14号及び認定第15号までの13件は、認定することとした次第であります。
 次に、10月21日の部局別審査におきまして、岩手県の補助を受け、山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業に関して、嵯峨壱朗委員及び及川あつし委員から申し出のありました当該事業に関し、改めて審査を行うことを求める件について、及川あつし委員から申し出のありました当該事業に関し、改めて審査を行う際には、経過報告書、平成24年3月16日付の復命書、支出調査一覧表等の提出を求める件について、嵯峨壱朗委員及び伊藤勢至委員から申し出のありました当該事業に関し、参考人の出席を求める件について、10月21日、22日、23日及び本日開催いたしました世話人会の協議結果を報告いたします。
 まず、嵯峨壱朗委員及び及川あつし委員から申し出のありました、当該事業に関し、改めて審査を行うことを求める件については、改めて審査を行うべきとする結論に至りました。
 次に、及川あつし委員から申し出のありました、当該事業に関し、改めて審査を行う際には、経過報告書、平成24年3月16日付の復命書、事業費の精査結果、支出調査一覧表等の提出を求める件については、提出を求めるとの結論に至りました。
 次に、嵯峨壱朗委員及び伊藤勢至委員から申し出のありました、当該事業の審査を行うに当たり、参考人の出席を求める件につきましては、参考人の出席を求めるとの結論に至りました。
 これより採決いたします。
 お諮りいたします。
   〔「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇嵯峨壱朗委員 確認ですけれども、一般会計歳入歳出決算のこの継続審査の理由について、大雪りばぁねっと。の継続審査があるからという説明だったように聞きましたけれども、それだけが理由という捉え方になるのではないでしょうかと思って。そこまで限定していいのかなと思って聞きましたけれども。
〇工藤勝子委員長 ちょっと休憩いたします。
   午後10時35分 休 憩
午後10時45分 再開
〇工藤勝子委員長 再開いたします。
〇嵯峨壱朗委員 継続審査に異議があるわけではなくて、継続は継続でいいんですが、その理由については、大雪りばぁねっと。の審査が――という話がありましたけれども、できれば、などとか、社会福祉協議会の部分も、あれは審査がこの分で終わっているのでしょうが、その分も私自身は決して納得しているわけではない。ですから、そういったものを含める意味で、などとかというのをつけ加えてもらえばいいかと思って聞きました。
〇工藤勝子委員長 それでは、委員会の中で議事進行がかかりました。世話人会で本日審査いたしました保健福祉部の関係の雇用創出事業に関しての継続審査の話が出ませんでしたので、結局、今、この非営利特定法人大雪りばぁねっと。の分だけで、などはついておりませんでしたので、改めて世話人会を開いて、そして、もう一度その件について、保健福祉部の関係の審査をするかしないかをまた協議しなければならなくなりましたので、御了承願います。
   〔「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇及川あつし委員 継続審査をする際に継続審査理由というのが絶対必要ですか。継続審査は継続審査の判断じゃないんですか。そういう取り扱いを全てにおいてやっていませんか。どうなんですか。
 よって、継続審査と決するのが当委員会の意思なのであって、そこに理由がどうであれ、継続審査中にいろいろな事案が発生すれば、またそこでできるわけでしょう。だから、私は、さっきの委員長の報告も若干問題があるかもしれないけれども、継続審査は継続審査だから、そこで決めてしまって、当然、大雪りばぁねっと。の件もやるし、新たな事案も発生すれば、また継続審査中にやらなければならないので、そういう理解のもとで、さっきの委員長報告で私は了とします。
   〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
〇斉藤信委員 決算特別委員会の取りまとめを今やっているわけですよ。基本的に審議は終わったのです。継続されたのは参考人質疑だけですよ。先ほど集中審議をやって、その場で継続審議なんか出ていないんですよ。知事、副知事を呼んでやって、疑問があったら、その場で問題提起しなければだめですよ。そういう審議は終わっているのです。継続されたのは山田町のNPO問題だけですよ。それが今までの議会運営ですよ。理由がなしに継続審査なんかできないのですよ。そういうことできちっとやってください。
〇工藤勝子委員長 それでは、複数の委員から議事進行がかかっておりますので、やはりここで世話人会を開きます。
 暫時休憩いたします。
   午後10時48分 休 憩
午後11時11分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 嵯峨壱朗委員、及川あつし委員から申し出のありました件につきましては、先ほどの当職の報告のとおりとすることの結論に至りましたので、御了承願います。
 これより採決いたします。
 お諮りいたします。議案第39号から議案第41号までの以上3件について一括して採決いたします。
 各案件は原案を可とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇工藤勝子委員長 起立全員であります。よって、議案第39号から議案第41号までの3件については、原案を可とすることに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第1号岩手県一般会計歳入歳出決算については、継続審査とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇工藤勝子委員長 起立全員であります。よって、認定第1号岩手県一般会計歳入歳出決算については、継続審査とすることに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第13号岩手県立病院等事業会計決算については、先ほど読み上げました意見を付し、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇工藤勝子委員長 起立多数であります。よって、岩手県立病院等事業会計決算については、先ほど読み上げました意見を付し、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。認定第2号から認定第12号まで、認定第14号及び認定第15号の13件について賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇工藤勝子委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第12号まで、認定第14号及び認定第15号の13件につきましては、認定することに決定いたしました。
 次に、及川あつし委員から申し出のありました、当該事業に関し、改めて審査を行う際には、経過報告書、平成24年3月16日付の復命書、事業費の精査結果、支出調査一覧表等の提出を求める件について、提出を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、資料については、今定例会中に配付することといたしますので、御了承願います。
 次に、嵯峨壱朗委員及び伊藤勢至委員から申し出のありました、当該事業の審査に関し参考人の出席を求める件について、地方自治法第190条第5項において準用する同法第115条の2第2項の規定に基づき、前沿岸広域振興局副局長の菊池正佳氏、及び前山田町長の沼崎喜一氏を参考人として出席を求め、意見を聞くことで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、委員会条例第27条の2の規定に基づき、参考人の出席を求める日時は、平成25年11月25日月曜日、午後1時から前山田町長沼崎喜一氏を、また、同日午後3時から前沿岸広域振興局副局長の菊池正佳氏とし、場所は、当特別委員会室、意見を聞こうとする案件は、岩手県の補助を受けて山田町が特定非営利活動法人大雪りばぁねっと。に委託した緊急雇用創出事業についてとしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
   午後11時15分 散 会

前へ 次へ