平成25年9月定例会 決算特別委員会会議録

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平成25年10月17日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員  別紙出席簿のとおり
1事務局職員
  議事調査課
  総括課長    高 橋 勝 重
  議事管理担当課長 鈴 木 文 彦
  主任主査    佐々木   誠
  主任主査    清 川   勝
  主任主査    村 上   聡
  主任主査    藤 澤 壮 仁
  主査    引屋敷   努
  主査    藤 枝   修
1説明員
  政策地域部長   中 村 一 郎
  副部長兼
  政策推進室長兼
  首席ILC推進監 大 平   尚
  副部長兼
  地域振興室長   紺 野 由 夫
  参事兼NPO・
  文化国際課
  総括課長    松 川   章
  政策監    菊 池   哲
  評価課長    小 平   浩
  調整監    平 野   直
  分権推進課長   伊 勢   貴
  政策推進室
  管理課長    坂 本 誠 一
  市町村課総括課長 五月女 有 良
  調査統計課
  総括課長    小 原 一 信
  県北沿岸・定住
  交流課長    藤 田 芳 男
  交通課長    佐々木   隆
  地域情報化課長  古 舘 慶 之

  理事兼復興局
  副局長    佐々木 和 延
  副局長    岩 間   隆
  復興担当技監   小野寺 徳 雄
  参事    紺 野 由 夫
  総務企画課
  総括課長     森   達 也
  まちづくり
  再生課総括課長  遠 藤 昭 人
  産業再生課
  総括課長    石 田 享 一
  生活再建課
  総括課長    佐 野   淳

  国体・障がい者
  スポーツ大会局長 松 岡   博
  副局長    西 村   豊
  総務課総括課長  小 友 善 衛
  総務課特命参事  伊 藤   等
  施設課総括課長  安 部 光 一
  競技式典課
  総括課長    高 橋 一 夫

  警察本部長    田 中 俊 恵
  警務部長    安 岡 義 教
  生活安全部長   吉 田 尚 邦
  刑事部長    吉 田   修
  交通部長    田 鎖 俊 孝
  警備部長    今 野 秀 人
  警務部参事官兼
  首席監察官    西 野   悟
  警務部参事官兼
  警務課長    米 澤   崇
  警務部参事兼
  会計課長    佐 藤 設 男
  生活安全部
  参事官兼
  生活安全企画課長 高 橋 恵 市
  刑事部参事官兼
  刑事企画課長   昆   睦 夫
  交通部参事官兼
  交通企画課長   古 澤 美 幸
  警備部参事官兼
  公安課長    金 野 順 一
  総務課長    白 鳥   洵
  警務課給与調査官 後 藤   泉

  会計管理者    熊 谷 俊 巳
  出納指導監    田 中 耕 平

  監査委員    伊 藤 孝次郎
  監査委員    工 藤 洋 子
  監査委員事務局長 門 口 正 雄
  監査第一課
  総括課長    佐 藤 和 彦
  監査第二課
  総括課長    豊 岡 直 人

  参事兼財政課
  総括課長    佐 藤   博
〇工藤勝子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、並びに議案第39号から議案第41号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、政策地域部、復興局、国体・障がい者スポーツ大会局、警察本部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、政策地域部の審査に際し、千葉ILC推進監は、ILCの国際推進組織の現地視察に対応するため欠席となりますので、あらかじめ御了承願います。
 最初に、政策地域部長に政策地域部関係の説明を求めます。
〇中村政策地域部長 それでは、平成24年度の政策地域部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について説明いたします。
 まず、東日本大震災津波からの復旧、復興への取り組みにつきましては、当部では、三陸鉄道の早期復旧に向けた支援等の交通ネットワークの整備やNPO等の活動支援を通じた地域コミュニティの再生、活性化に取り組んだほか、被災市町村の行政機能回復に対する支援を行ってまいりました。
 また、いわて県民計画に掲げる取り組みにつきましては、国際リニアコライダーの東北誘致を見据え、関係団体と連携し、国際科学技術研究拠点等の形成に向けたグランドデザインの策定や各種情報発信による受け入れ機運の醸成、また、住民主体の自律的コミュニティ活動に対する支援等、多様な主体の連携による地域コミュニティの活性化、さらには、地域課題の解決に向けた官民協働のモデル事業に対する活動費助成など、新しい公共の拡大と定着に向けた普及啓発、仕組みづくりに取り組みました。
 次に、世界遺産平泉の理念の国内外への発信や郷土芸能の復興支援等を通じた文化芸術の振興、海外研修員等の招聘や県内在住の留学生に対する支援等により海外とのネットワーク形成を図ったほか、外国人県民等に対する生活支援等、多文化共生の推進に取り組みました。
 次に、鉄道、バス事業者の経営健全化の支援による公共交通の維持、確保や携帯電話不感地域の解消に対する支援等の情報通信基盤の整備やICTの利活用促進を図りました。
 さらに、分権型社会を構築するための市町村行財政基盤の強化に向けた支援、広域振興局体制による広域行政の推進、特に県北・沿岸圏域については、県北・沿岸振興本部を中心とした振興策の推進、また、政策評価システムの活用による効果的、効率的な施策の推進及び政策形成の基礎となる統計数値の把握、分析などにより政策形成支援機能の充実に努めてまいりました。
 今後におきましても、政策評価制度に基づくマネジメントシステムにより各施策の成果や課題等の検証を行い、その結果を次の施策に適切に反映させていくなど、より効果的な政策の推進に努めてまいります。
 また、東日本大震災津波からの復旧、復興の取り組みを加速し、いわて県民計画に掲げる希望郷いわての実現に向けて、地域資源を活用しながら地域の価値を高め、多様な主体の参画による協働の推進を図りながら、活力に満ちた地域社会の構築に努めてまいります。
 続きまして、決算の概要につきまして御説明します。
 なお、本年4月に国体・障がい者スポーツ大会局が設置されたことに伴い、同局に移管いたしました第71回国民体育大会開催準備費につきましては同局から説明申し上げますので、御了承願います。
 政策地域部関係の決算につきましては、岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページをお開き願いたいと思います。12ページ、13ページでございますが、2款総務費のうち、2項企画費の一部、4項地域振興費、5項選挙費、7項統計調査費、16ページと17ページの11款災害復旧費のうち、2項鉄道施設災害復旧費でありますが、これらの支出済総額は330億5、165万円余であり、翌年度への繰越額は34億4、147万円余、不用額は15億9、488万円余となっています。
 それでは、決算の内容につきまして、お手元に配付しております歳入歳出決算事項別明細書により御説明いたします。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略し、主な事業の内容を中心に御説明します。
 事項別明細書の166ページ、167ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、政策地域部関係の支出済額13億9、543万円余のうち、第71回国民体育大会開催準備費を除く3億2、226万円余の主なものについて説明いたします。まず、右側、備考欄の上から二つ目、プロジェクト研究調査事業費は、国際リニアコライダーの東北誘致に向けて、ILCへの理解を深めるための講演会の開催や調査研究、ILCを核とした東北の将来ビジョンの策定等に要した経費であります。次に、一つ飛びまして、いわて公募型復興企画推進事業費は、国内外から広く復興のアイデアや資金等を募り、被災地のニーズとのマッチング等に要した経費であります。次に、一つ飛びまして、ソフトパワーいわて戦略推進事業費は、漫画を通じて岩手の文化、暮らしなどの魅力を発信するとともに、鳥取県及び徳島県との連携による民俗文化をテーマといたしました地域間交流事業の実施に要した経費であります。
 なお、当部関係の繰越明許費1、000万円は、プロジェクト研究調査事業費の一部を繰り越したものであります。
 次に、2目計画調査費のうち、当部関係の支出済額2、155万円余でありますが、その主なものについて説明いたします。168ページ、169ページをお開き願います。右側一番上の政策形成推進費は、政策評価や施策の企画、立案に資する各種調査や統計資料の収集等を行うために要した経費であります。
 次に、170ページ、171ページをお願いいたします。4項地域振興費1目地域振興総務費の支出済額46億5、513万円余のうち、主なものについては、まず、上から四つ目の地域経営推進費は、広域振興局において、市町村やNPO、民間との協働のもと、圏域の活性化に向けた事業を行うために要した経費であります。次に、世界遺産平泉理念普及事業費は、復興の象徴である世界遺産平泉の理念を国内外へ広く発信するために要した経費であります。次に、二つ飛びまして、新しい公共支援事業費は、新しい公共の拡大と定着を図るため、NPO等の運営基盤確立に向けた支援事業の実施や官民協働による復旧、復興事業等をモデル的に行うNPO等に対する助成等に要した経費であります。次に、いわて文化芸術王国構築事業費は、文化芸術情報の発信や地域の文化芸術活動に対する支援等に要した経費であります。次に、172ページ、173ページをお願いいたします。上から二つ目の郷土芸能復興支援事業費補助は、被災した郷土芸能団体が活動を再開するための施設、設備等の再整備を支援する市町村に対し、経費の一部を助成したものであります。二つ飛びまして、県北・沿岸振興費は、三陸ジオパーク構想の推進や、県北地域の地域資源を生かした食の振興の取り組み等に要した経費であります。次に、いわてへの定住・交流促進事業費は、首都圏でのPRや支援体制の整備を図るとともに、被災地の復興や過疎地の活性化を担ういわて復興応援隊の受け入れ等に要した経費であります。次に、草の根コミュニティ再生支援事業費は、地域コミュニティの課題解決に向けた取り組みの先導的な事例の紹介やモデル的な取り組みに対する支援を行うとともに、復興を担う若手の人材を育成し、被災地域のコミュニティの再生、活性化を図るために要した経費であります。次に、二つ飛びまして、沿岸圏域海洋産業復興促進事業費から震災復興ミニコミ誌発行事業費までの三つの事業につきましては、広域振興局が企画、立案を行い、主体的に取り組みを行った広域振興事業であります。次に、携帯電話等エリア整備事業費補助は、携帯電話の利用可能地域の拡大を図るため、市町村が行う整備事業に対して助成したものであります。次に、行政情報バックアップ促進事業費補助は、市町村が保有する行政情報データを通信回線経由で遠隔バックアップするためのシステム構築に要した経費であります。
 なお、繰越明許費でありますが、170ページ、171ページにお戻りいただきまして、1目地域振興総務費の繰越明許費2、492万円余は、管理運営費、地域経営推進費、携帯電話等エリア整備事業費補助の一部を繰り越したものであります。
 172ページ、173ページをお願いいたします。次に、2目市町村振興費の支出済額225億6、320万円余のうち、主なものについては、まず、上から四つ目の合併市町村地域力向上支援交付金は、平成22年3月までの合併特例法下で合併した市町村に対し、地域における住民の自主的な活動を支援し、地域力の向上を図るために行う取り組みに対して交付金を交付したものであります。次に、住民基本台帳ネットワークシステム運営費は、全国をつないでいる住民基本台帳ネットワークシステムの運営費等に要した経費であります。二つ飛びまして、市町村振興宝くじ交付金は、市町村への貸し付けの原資や市町村への交付資金とするため、公益財団法人岩手県市町村振興協会に対して、市町村振興宝くじ等の販売収益金を交付したものであります。次に、東日本大震災津波復興基金市町村交付金は、東日本大震災津波からの復興に向けて、被災地域における安定的な住まいの形成に資する施策にきめ細やかに対処できるよう、市町村に交付金を交付したものであります。次に、3目交通対策費の支出済額17億3、067万円余のうち、主なものについては、まず、備考欄末尾の公共交通利用推進事業費につきましては、地域におけるバスや鉄道の活性化の取り組み等に対する支援に要した経費であります。次に、174ページ、175ページをお願いいたします。一番上の三陸鉄道運営支援事業費は、関係市町村と連携し、三陸鉄道の設備の整備、維持等に係る経費について助成するとともに、運転資金の貸し付け等を行ったものであります。一つ飛びまして、並行在来線対策事業費は、IGRいわて銀河鉄道株式会社による鉄道事業の経営の安定化を図るため、鉄道設備の更新等に要した経費を助成したものであります。次に、バス運行対策費は、地域住民の生活に欠くことのできない地域バス路線を維持するため、国庫補助制度に基づき、当該路線を運行するバス事業者に対して運行欠損額等を助成したものであります。次に、地域バス交通等支援事業費補助は、市町村が行う生活交通路線の確保に要する経費に対して助成したものであります。
 なお、繰越明許費でありますが、172ページ、173ページにお戻りいただきまして、3目交通対策費の繰越明許費10億9、654万円余は、また174ページ、175ページに戻っていただきまして、三陸鉄道運営支援事業費、並行在来線対策事業費の一部及び公共交通バリアフリー化設備等整備費補助の全額を繰り越したものであります。
 次に、4目国際交流推進費の支出済額1億570万円余のうち、主なものについては、国際交流推進費は、語学指導等を行う外国青年招致事業による国際交流員の招致や多言語サポーターの養成等、多文化共生の取り組みに要した経費であります。次に、グローバルネットワーク推進事業費は、海外ネットワークの維持、拡大を図るため、海外研修員の受け入れ等に要した経費であります。次に、東アジア留学生等人材ネットワーク形成事業費は、東アジアを中心とした各国から県内大学等への留学生に対する支援や海外自治体職員の受け入れ等、国際交流の推進に要した経費であります。
 次に、5項選挙費ですが、支出済額9億824万円余は、衆議院議員総選挙等の管理、執行等に要した経費であります。
 次に、180ページ、181ページをお願いいたします。7項統計調査費ですが、支出済額3億8、562万円余は、人件費、一般管理事務、県単独で実施した統計調査及び国の委託により実施した統計調査等に要した経費であります。
 次に、飛びまして、346ページ、347ページをお願いいたします。11款災害復旧費2項鉄道施設災害復旧費1目鉄道施設災害復旧費ですが、支出済額23億5、924万円余は、東日本大震災津波により大きな被害を受けた三陸鉄道の施設復旧に要した経費を助成したものであります。
 なお、これに係る繰越明許費は23億1、000万円であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。
〇工藤勝子委員長 これより質疑を行いますが、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、一人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇高橋孝眞委員 1点伺います。予算特別委員会の際に法人のあり方につきまして質問いたしましたので、重ならないように質問したいと思います。
 NPO法人の管理という点でありますけれども、また不祥事が発生したと。残念なことであります。NPO法人遠野まごころネットの平成23年度の緊急雇用創出事業で補助金の返還が発生したわけでありますけれども、その際理事長は、急速に事業展開する中で、経験不足から事務処理が追いつかなかったと言っておりますし、また、市議会全員協議会の資料からは、平成24年度事業で岩手県と連携して定期的に事務指導をしてきた。その中で、平成23年度分にさかのぼり見直しをしなければならなかったとあります。平成24年度分が正常な経理であれば見落としてしまったというようなことになるのではないかと思うわけでありますけれども、この点について、法人を管理する担当部署としてどのように考えているか伺います。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 まず、経緯からお話し申し上げますが、NPO法人の遠野まごころネットでありますけれども、遠野市から委託された平成23年度の緊急雇用創出事業に関しまして、事業の重複などがあるということを理由にいたしまして補助金の一部を返還したということでございます。これは、遠野市が平成24年度の事業を指導していく中で前年度の経理のミスというものが発見されて返還に至ったということでございます。
〇高橋孝眞委員 二重に人件費を計上した。まあ、それ以外もあるわけですけれども、人件費を計上したと。この法人そのものにつきましては、平成23年度の事業といいますか、委託料はそんなに多いわけではありません。12月から始まっているわけでありまして、二、三件しか受託事業がないのではないかと思われるわけであります。補助金申請で誤って申請を重複した、二重にしたというのはわかるわけでありますけれども、決算書の作成の際には判明してよかったのではないかと思うわけです。なぜなら、二重に人件費を支払ったということではないと思うんです。そういう意味では、意図的に計上して正味財産をふやしたといいますか、利益を隠したというかふやしたというか、そういうふうに思われても仕方がないのではないかと思うのですが、この点についてはどう考えますか。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 この法人は、平成23年7月に設立された法人であります。いわゆる復興の支援ということで設立された新しい団体だったということがございます。確かに委員御指摘のとおり、経理上のふなれなところが、結局、設立から日が浅くて、そのあたりはあったかと思います。
 私どもとしては、そういった団体もたくさん出てきているということもございますので、会計、労務、税務に関するセミナーを開催するとか、あるいは税理士、公認会計士など専門家を派遣いたしましてこういったいわば運営力の強化を図ってまいりまして、NPOの活動が信頼を損ねることがないように取り組んでいきたいと思っております。
〇高橋孝眞委員 十分管理していただきたいと思いますし、意図的にやったのではないかという質問には回答はもらえませんでしたけれども、別な機会にと思います。
 特定非営利活動促進法では、会計簿記は正規の簿記の原則に従って正しく記帳する、財産目録等は財政状態を真実の内容で明瞭にするとあります。平成23年度の事業報告書は、多分、定款で2名の監事がいることになっておりますので、内部監査をして十分監査をしたと。そして、その上で総会で承認して岩手県に提出され、それが公開されていると思います。しかし、誤った内容での公開ということでありますけれども、この誤った内容で公開されていることについてはどのように考えますか。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 まず、法律に基づきまして、所管庁に――この場合は県ですけれども、事業報告書あるいは会計書類を提出することになっておりまして、遠野まごころネットにつきましては、平成23年度の事業報告書を平成24年6月に県南広域振興局に提出して、受理しているということでございます。
 先ほど補助金の返還ということがあったわけですけれども、当然それに伴って恐らく収入の部分が変わってくることになると思います。現時点ではまだ提出された報告書の差しかえというようなことはないわけですが、これは恐らく平成23年度だけではなく平成24年度の収支にもかかわってくると思いますので、それらを含めて訂正されるものと思います。今時点では訂正されておりませんが、いずれそういう必要が出てくると思います。
〇高橋孝眞委員 平成23年度での間違った公開といいますか、そのことについてはどのように思うかということでありますので、その点についてひとつお願いしたいと思うんですけれども、平成24年度はマイナスをして決算を正常にやっていると私は思います。ただ、平成23年度分が誤った公開をされていることに対してどういうふうに考えるかということについてお願いしたいと思います。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 平成23年度の事業報告書そのもので、収支全体の中身についてはそれぞれのチェックに従って判断したものでありまして、その時点では誤りだったと私どものほうでは認識しておらなかったんですが、今となりますと、確かに収入の部分が恐らく変わってくるだろうと思っております。いずれそういったことで、法人のほうから修正していただくように指導していきたいと思っております。
   〔「答えになってないじゃないの」と呼ぶ者あり〕
〇高橋孝眞委員 後ろから言われますけれども、いずれ誤った内容を公開していることについてどう考えるかということです。このことについてです。ひとつもう一回お願いします。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 修正が必要なものが掲載されているということにつきましては、私どもとしては残念なことと思っております。
〇高橋孝眞委員 公開している以上は、先ほど言ったとおりきちっと整理されて、財産等についても明瞭性があるということで公開していると思うんですが、今回のように誤った内容で公開していることに対してどういうふうに思うかという意味でもう一度お願い申し上げます。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 私どもがホームページあるいは閲覧という格好で公開しているということでございますので、いずれは修正が必要なものを公開しているということについては遺憾ということになろうかと思います。
〇高橋孝眞委員 公開をしていること、公共であるNPO法人だから安心して委託するというような部分があるわけですので、こういう場合について、管理をする当局として今後もう少し考えていく必要があるのではないかと思います。
 前の質問の際に、NPOには、NPO法ないしは県条例に沿った指導監督に関する運用指針をつくって指導監督をしているということで回答をいただいたわけでありますけれども、まごころネットには具体的にどのような対応をとられてきたのか、また指導してきたのかについて伺いたいと思います。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 まごころネットだけではなくNPO全般にということにもなると思いますけれども、いずれ、コンプライアンスということについて徹底していくということを私どもとしては考えております。
 それから、まごころネットにつきましては、所管しているところが県南広域振興局ということでもございますので、県南広域振興局のほうから適宜指導しているということになります。
〇高橋孝眞委員 不祥事が発生したわけでありますので、多分、当然に相手先、まごころネットに行って指導していると思いますので、具体的にその点について教えていただきたいと思います。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 先ほど申し上げたとおり、この事業は遠野市が委託した事業ということですので、まず、遠野市が委託した者として、事業者として法人に指導されるということになると思います。それから、コンプライアンスということでは、県の方も、一般的なということになるかと思いますけれども指導していくことになると思います。
〇高橋孝眞委員 ということは、大体指導していないといいますか見ていないと捉えてよろしいんですよね。
 そういう意味合いでといいますか、今回のNPO法人まごころネットの不祥事を受けまして、前には大雪りばぁねっと。の補助金不正というものがあるわけですけれども、NPO法人は、公共ということで指導管理が曖昧にされているのではないかと思うわけであります。NPO法人を信頼して多くの人たちが資金を提供する、県、市町村が調査もせずにと言うとおかしいかもしれませんが、ずさんな調査で委託事業をする、そんなことから問題が起きてきているのではないかと思うわけであります。NPO法人を管轄する市なり県がきちんと管理する必要があると思うわけであります。
 そういう意味合いでは、指導監督強化ということで、他県での認証を受けた法人が県ないし市町村から補助を受けて事業を実施する際、県内に従たる事務所を設置することを義務づけてはどうか。このことによって、報告書がその管轄する市町村、県に出てくるものと思いますので、義務づけをしてはどうかと思いますし、NPO法人にも事業費で大きく違いがあるわけです。ほとんど資金ゼロの部分もあれば、また、今回のように、何十億円とまではいきませんけれども10億円近くの事業費のあるNPO法人もあります。そこで、一定の規模以上は県も定期的に行政指導としての監査をすることを今後考えてはどうか、指針に入れてはどうかと思うわけであります。社会福祉法人については当然これは行っているわけでありますので、NPO法人にしても県の指針の中に入れていく必要性があるのではないかと思いますが、この点についてお伺いしたいと思います。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 まず、従たる事務所の義務づけというお話でございますけれども、法律で申しますと、法人の事務所というのは主たる事務所の所在地ということになっています。その他の事務所については定款で定めることになっておりまして、法人がその設置をするかどうかを選択することになっています。
 設置については、その法人が必要性、事業実施の形態に応じて判断するわけですけれども、義務づけということでありますが、実は法律そのものの考え方が法人の自主性、そして自律性を尊重していくということで、極力、行政が関与しないように、あるいは、いわゆる行政指導で管理するというか、そういうことを想定していないというか、そこまで予定していないということです。ただ、当然のことながら法に基づいた監督権限というのがありますので、それこそ不祥事になるようなことがあれば、それは当然検査なり、あるいは改善命令はしていくことになると思います。
 それから、事業規模が一定規模以上になっている法人に対する監査ということも、先ほど申し上げたとおり、行政が関与してコントロールするということではなくて、できるだけ市民の活動がより積極的、自律的に行われるようにといった法の考え方からしますと、そこに踏み込むということはちょっとできないのかなと思っております。いずれ先ほども申し上げたとおり、法に基づくような適切な対応をしていきたいと思っております。
 それから、指針へ盛り込めないかということでございますけれども、現時点では考えておりません。
〇高橋孝眞委員 先ほど変更定款ということで従たる事務所について言いましたけれども、全部に対して従たる事務所を設けなさいという意味合いではなくて、市町村、県なりが補助事業を委託する際、その部分については、県外から来た場合については従たる事務所を設けなければできませんよというような指導、指針については盛り込むことは可能だと思うんです。そういう意味合いで考えていただきたいという意味であります。
 いずれ、大雪りばぁねっと。のような事件といいますか問題を防止するという観点からも重要なことだと思いますので、定款といいますか、その部分についての指導強化もひとつお願いしたいと思いますし、法律は、前に聞いたときも同じように回答されているのでそのとおりだとは思いますが、しからば、このように不祥事がどんどん出てきても、法律がそのとおりなんだからやむを得ないのだという考え方ではおかしいのではないかと思います。いずれ、そういう意味合いからは法律を変えていく必要性もあると思いますし、県としても、法律の中身の中でできることを対応していく、それは県の指針の中に入れていく必要性があると思うんです。そういう意味合いで考えていただきたいということを最後に聞いて質問を終わります。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 国では、共助に関する懇談会というものを設けまして検討を始めております。NPOの課題として、人材、それから資金、それから信頼性の向上ということが挙げられております。平成10年にこの法律ができて条例も平成10年につくっておりますけれども、いわば創成期から、今はいわば発展期にあるのかなと思います。法人の数ももう400を超えているということでございますので、確かにこういった時期に合わせて、ある程度その時代時代に合わせた考え方で対応していくことは必要なのかなと思っております。国のほうでも先ほど申し上げたとおり検討を始めているということですので、今の委員の意見も踏まえまして対応していきたいと思います。
〇飯澤匡委員 ILCの推進について1点のみお伺いします。
 去る8月27日に、国内候補地の一本化が、研究者グループのさまざまな検証によって北上高地が最もふさわしいということが発表されました。その後、国内、政府の国際プロジェクトとして受け入れるかどうかというのがこれからの大きな課題となります。きょうLCCのメンバーの方々が北上高地を視察して、この北上高地にフィットした設計をするという前提の第一歩となるような動きがあるようでございます。一方で、これをオールジャパンで進めていくためには、北上高地で我々が準備するのとともに、どちらに力点を置くかというのはもちろんこっちのほうなんですが、やはり日本国全体にも波及するような動きも本県はとっていく必要があると思います。
 そこで質問の第1点目は、どうも九州のほうであきらめ切れないような動きがまだあると。福岡県議会でも随分知事が突き上げられたような報道もあります。一方で、研究者のグループが、九州方面――佐賀、福岡にこういう結果で北上高地になりましたというような説明をして歩いたとも聞いておりまして、佐賀県の古川知事は、仄聞したところによると、こういう科学的見地に沿って決まったのならしようがないのではないかと言ったというような話も聞いております。そういう方面を、しっかりと情報を入れながら、時には佐賀県ともいろいろな意味で連携をしながら進めていく必要があると思います。
 そういうことで、これからオールジャパンで進めていくために、国内での機運の醸成、また、いろいろな情報を仕入れていくために、九州の方々ともいろいろ連携をするというような、これまでは敵だったわけですが、オールジャパンのために何とか一緒に協力する道を探っていくことも必要だと思うんですが、ちょっと前段長くなりましたけれども、九州に対して、両県に対して研究者がどのような説明をしてどのような反応があったのか。それから、本県として、オールジャパン体制で進んでいくためにどういう構えで進もうとしているのか、その構想、取り組みの考え方についてお聞きしたいと思います。
〇大平副部長兼政策推進室長兼首席ILC推進監 九州の動きとオールジャパンとのお尋ねでございます。
 まずもって、九州でまだ納得していないと。一部の方はそのとおりでございます。それについては、我々がというよりも、やはり立地評価会議の方が判断をしたわけでありますので、立地評価会議の方が、九州の方々が説明不足とか、あるいは全資料を公開しろとか、さまざまなことをおっしゃっておりますので、まずそれに対応していただくと。我々が直接対応するということは差し控えたいと思っております。
 ただ、立地評価会議が説明する際に必要な資料について、公表できるような必要な資料があれば、我々とすれば立地評価の提出資料などを差し支えない範囲で提供するということは行っておりますし、それらをもとに、きちんとした説明が今後さらになされるものと思っております。
 また、オールジャパンで進めるためということでありますけれども、本日行われているLCCと言われるリニアコライダー・コラボレーションという国際推進組織であります。今回、そのような組織は岩手にだけ来るわけではありません。そういう実績を積み重ねていくということがまず一つの考え方と思っております。
 さらに、オールジャパンの体制には日本学術会議がさまざまな提言をしております。そのことを受けて、文部科学省が今後、検証作業といいますか検討作業を行うと思いますので、それについて協力していくと。文部科学省なり文部科学大臣が適地はこちらだけだということを政府が判断するということの後押しをしていきたいと思っております。
 また、今回の、先ほどLCCの話もございましたが、事実上、世界唯一と言われている候補地でございますので、それを海外の研究者にアピールするということが大事な作業だと思っておりますので、そういう理解をいただく活動をしていきたいと思っております。
 さらには、これまでも行われておりますように、巨額の建設費ということで、国民の理解を得る、あるいは政府、経済界、国会議員の方々の理解を得る、そういう働きかけを行っていくということも大事だと思っております。
 また、研究者、研究所を受け入れるという準備についても、政府の動向等を見ながらきちんと対応してまいる、このことがオールジャパンという体制に大事だと思っております。
〇飯澤匡委員 8月23日までのアプローチについては、本県として私は非常に適切な行動をしたと思っております。あえて引っ張り合いではなくて、あくまでも科学者の皆さんが科学的見地に基づいて決定するのを後押しをした、これは本当にそういう形でいったのは正解だったのではないかと思います。ただ一方で、局面も変わってきたので、ある程度、佐賀県知事などは例の原発問題で非常に危機に瀕したときもありましたけれども、いずれそういうトータルで見る見地も持っている方だと思っておりますので、何らかの形でいろいろ懇談をしたりお話しする機会もとったらいいのではないかと思っております。
 北上高地が一本化になってから、県庁でもそれに呼応するようにワーキンググループをつくって、各部局でさまざまな観点からどういうグランドデザインをつくるのかという作業に入ったというのは評価したいと思います。
 これからの課題として、各分野で検討するのはいいんですが、県庁の部分と、それから一関市、奥州市、各自治体でもそれぞれの思いを持って、グランドデザインを既に骨格ではありますけれどもつくりつつあると。その辺の連携をどううまくやっていくのかと。ワーキンググループでつくったものを、どういうふうにしてうまくトータルで結びつけていくか。これは県内だけではなくて宮城県との連携も必要だと思うんですが、その辺についてのこれからの工程、スケジュール、そして構想の基本的な考え方、その点についてお伺いしたいと思います。
〇大平副部長兼政策推進室長兼首席ILC推進監 今後の作業でございますけれども、現在、県南広域振興局管内の市町村との連絡会議、それとあと、一関市と奥州市と県はその中で特に中核になりますので、別途、連絡会議のほかに定期的な会合を持ってございます。その中でお互いに情報共有と課題の共有化を図っております。ですから、県庁のワーキンググループが単独で動くということではなくて、その検討の中で情報も共有しながら、足並みが乱れることのないように行っていくということが基本的な考えとなります。
 その上で、宮城県あるいはそれ以外の東北各県とも必要な連絡調整を東北ILC推進協議会が核となって活動を行うこととしております。具体的には、我々、作業部会というかILCブレーンストーミング会議というのを東北の中で大体2週間に一遍、東北大学、東北の協議会、宮城県、仙台市、岩手県が中心となって、大体10名くらいのメンバーで定期的な集まりを持って、情報の共有と考え方のそごがないような活動に努めております。その中で、研究者の方々が何を望むかというのは、立地評価会議の方々が今、九州の説明に追われておりますので、立地評価会議の方々とまだきちんとしたお話し合いができていないと。2カ月近くたってまだできていないところがありますので、そちらのほうが落ち着いたら、早急に方向性も整えて、全体で情報共有を図りながらベクトルを合わせていきたいと思っております。その上で、どのような成果が出るか、スケジュール感もきちんと出していきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 それと同時に、県民、また、東北の地域の皆様に対する関心をさらに成熟化させていくためにも、情報発信のあり方にも留意していただきたいと思います。というのは、この間、総括質疑で言いましたけれども、やはりどうしてもサイエンス、科学という部分だけが先行して、私の地元でも、非常に関心のある方と、私たちには直接的には関係ないだろうというような方々も事実いらっしゃいますから、トータル、本当に総体的にこの地域がどのようになっていくのかと。科学という、今まではそういう切り口でこれはしようがなかったと思うんですが、その点を、これから先の話になるかと思いますが、行政の中でのお話になってしまうとどうしても内向きな話になっていきますので、これからいろいろな分野の方々、例えば農業、観光、次の段階の話になると思いますけれども、そういうものも段階的に話を進めていく。これが結果的に地域にとってもいろいろなノウハウの蓄積になるんだろうと思っていますが、その点に対しての御見解をお伺いしたいと思います。
〇大平副部長兼政策推進室長兼首席ILC推進監 まさに我々、今まで誘致の活動ということで、一方で、委員御指摘のとおり、県民の皆様、各界各層の方が自分の問題として受けとめていただけるというところまでいっていないと思っております。したがいまして、どのような発信がいいかいろいろな方々からの御意見も伺いながら、わかりやすい発信などにも取り組んでまいりたいと思っております。委員御指摘のとおり、農業とか観光の方々あるいは外国人の方から直接お話を伺うとか、そのような機会も今後検討してまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 よろしくお願いします。
 実は9月1日に、国際経済調査会の主催で、地元の大東町で吉岡先生をお招きして勉強会が開催されました。これは国内候補地一本化後初めての講演会だったわけですが、その際吉岡先生は、その後も多くの会場で同じようなことを言っていると思うんですが、やはり人材の育成については今からでも準備しておかなければならないと。特に産学の連携について、今までは岩手県は岩手大学を中心にしてその成果は出していますが、今度はかなり器の大きい話ですので多方面にわたる部分がありますので、その分野ごとに、やはり行政としては、いろいろな分野をしっかりつなげていく、そして、さっきも言いましたけれども、発信という部分にも留意しながら、そういう人材をやはりつくっていくという作業も必要かと思うんですが、これは吉岡先生の指摘でもあるんですが、その点については今どういうことを考えているかお知らせ願いたいと思います。
〇大平副部長兼政策推進室長兼首席ILC推進監 まず、産学連携といいますか、産業との連携というのがこれから考える分野になってくると思っております。吉岡先生のお名前が出ましたが、吉岡先生は、まさに加速器関連技術と企業とその両方を御存じだということで、コーディネーターという役割にふさわしい方だと思っております。ただ、吉岡先生お一人というわけにはいきませんので、そのような方々、人材の育成ということでいいますと、岩手大学と協議を開始したところであります。その中で、やはり要素技術というか、どういう技術が使われているか、まだ御理解を十分にいただいていない、それは岩手大学も含めて企業も含めて。ということで、現在、吉岡先生のコーディネートにより、県内企業あるいは県内の研究者、大学の先生方も連れて、先進地のつくばあるいは東海村関係の企業の視察ということを企画しております。そのようなことを取りかかりといたしまして、産学連携のあり方とかコーディネーターの育成などを行いたいと思っております。
 他の分野につきましても、ワーキンググループなどで課題を抽出しながら、人材の育成についてもその課題の一つとして取り上げていきたいと思っております。
〇飯澤匡委員 最後にします。
 きょう、せっかく知事も奥州市内でLCCの幹部のメンバーと懇談をするようですが、いろいろなことを直接聞かれると思うんですけれども、岩手県として、何かこれはきっちり言うというような事前の打ち合わせみたいなものはあるんでしょうか。こういう機会というのはこれからもあるでしょうけれども、最初の訪問でありますので、岩手県としてのメッセージというのは非常に大事だと思いますし、これからのいろいろなものを積み上げていくにも今回は非常に大きなファーストステップだと思うんですが、きょうの懇談に当たってどのような準備をなさっているのか、それをお聞きしたいと思います。
〇大平副部長兼政策推進室長兼首席ILC推進監 まず、今回のLCCの視察というのは、今後、具体的な設計というか検討を行うに当たって、現場を見たいというLCCの行事でございます。したがいまして、我々とすれば、LCCの方々の望むようなところをアテンドするというか、それが主体となっている極めて学術的な科学的な見地で行われる視察であります。その中で知事との懇談を設けました趣旨は、知事からは、やれることは何でもやると。現場を見ていただいた上で、リン・エバンスさんなどからどういう課題が出るかわからないんだけれども、それを聞いた上で、自分とすればできることは何でもするという基本的な考えをお聞きしているところであります。具体的にシナリオというものを準備しているわけではありませんので、LCCのメンバーの方々の率直な感想を伺って、それについて対応していくというのが基本的な考えでございます。
〇及川幸子委員 私からは、広域振興局のあり方についてお伺いいたします。県南広域振興局と江刺総合支所の交換についてということでお伺いいたします。
 一つ目は、平成25年9月27日、この間ですが、地元新聞報道で、広域振興局を江刺総合支所にということで奥州市議会において請願が採択されたという記事が載っておりました。この件について事実を承知しているのかどうか伺います。また、これまでの市とのやりとり、今どういう段階であるのかもお伺いいたします。
〇平野調整監 奥州市議会での請願採択についてでございますけれども、この件については承知いたしております。ことし2月に市議会に提出されまして、3月、6月の議会では継続審査とされていたものでございまして、今回、請願が採択されましたことから、すぐに奥州市の担当者からこの件についていろいろお話を伺ったところでございます。
〇及川幸子委員 承知していたということで、私たち、この新聞を見てびっくりしたわけなんですが、当時は、市長がわざわざ県南広域振興局に係る水沢区、奥州市区の県議会議員の事務所を一人一人回って説明していたんですが、それからしばらくたったのでどうしたのかなと思っていたんですが、奥州市議会では、委員長報告に対し32人中20人が賛成し、採択となったわけであります。反対の立場の意見は、一時的な移転費用や日々の維持管理費等、市の負担が大きいという内容、そしてまた反対意見として、江刺総合支所の活用は、岩手国体やILC等を引き金としてさまざまな角度から検討すべきだという意見が出されております。このことについてはどのように県としての考えはあるのかお伺いいたします。
〇平野調整監 先ほど若干答弁漏れがございましたので、先ほどの答弁漏れも含めましてお答えいたしたいと思います。
 やりとりと現在の段階でございますけれども、事の発端は、平成24年1月に奥州市側から庁舎交換の協議の申し出がございまして、以降、私どもと庁舎交換をする場合の前提条件、双方のメリット、デメリット、あるいはこれをした場合の所要経費などにつきまして何度がお話し合いをいたしました。
 その際の市側から提示された前提条件でございますけれども、お互いに賃貸借で交換使用すること。それから、江刺総合支所につきましては、全て私どもが使うというのではなくて、1階は奥州市が引き続き支所として活用し、県南広域振興局は2階から4階までを活用するということでございました。
 これらの条件をもとに検討いたしてきましたけれども、市から提示を受けましたこの面積では、当初見込んでおりました合同庁舎本体と江刺分庁舎――これは農村整備室とか農業改良普及センターが入っておりますけれども、これらの合体ができないと。なおかつ、奥州市の合同庁舎の本体の入居すらも面積的にできないということがわかりました。加えまして、県が市に対しまして負担を申し入れておりました、庁舎交換を行う際に発生するイニシャルコストなどのかかり増し経費、これらの負担につきまして、市としては現在の財政状況では無理だというお話もございました。こうしたことから、協議が行き詰まりまして、平成24年11月20日でございますけれども、市側から協議を中断させてもらいたいと。ただ、今後、状況が変化した際は協議を再開したいという意向が示されましたので、私どもはこれを了承したといった段階でございます。
 そういった中で、市議会の中で、請願採択の際に、維持管理費等の負担が大きいという反対意見が出されたわけでありますけれども、これに対しましては、今申し上げましたとおり、今回の協議の発端は市からの申し入れでございましたので、県といたしましては、今しなければならない特段の必要性はございませんので、市に対しましては、仮に庁舎交換を行う際には、県の初期投資やランニングコスト等のかかり増し経費につきましては負担してほしい、県の負担が発生しないようにしていただきたいということをお伝えしておりました。
〇及川幸子委員 やっぱりこのように説明を聞いてみないと、地元の新聞だけを見ますと、地元の方々は、えっ、これが交換になるんだということで大きく捉えております。
 3点目ですけれども、32対20という数では押し切られたわけですが、その賛成討論の内容は江刺区民の総意であり、大きな視点で全体的に考えてほしい。また、ILC誘致や防災拠点として市と県の双方に利点があり、市の発展にもつながるという賛成意見が述べられております。それは、江刺の議員は全部賛成しているようでございますが、この防災拠点というところの引きずり方は、私はとても納得しないんですが、その点についてどうなのでしょうか。
〇平野調整監 奥州市議会におけます賛成意見につきましては、市側におきまして具体的な検討がなされていないようでございますので、私どもとしましても内容が判然としていないと思っております。
 いずれ、県といたしましては、県南広域振興圏全体の振興を図るという立場から判断していく必要があろうかと考えてございます。
〇及川幸子委員 そのとおりだと思うんですが、県南広域振興局と地元県議会議員のやりとりの中で私も発言したんですが、県南広域振興局の局長は、私どもよりも本庁においてこれは進められておりますと逃げられたわけですが、これは大変大きな問題だと思います。私たち地元県議会議員は、知らないところでひとり歩きをしている問題と捉えております。県南広域振興局に係る県議会議員というのは、北上、花巻、一関、それから、私ども、遠野も入っています。そういう方々も全然知らないんじゃないかと思うんですが、私ども県議会議員としても、もっともっと話し合った上で態度を明確にする必要があると思いますが、このことについてはいかがでしょうか。
〇平野調整監 この件に対する県の姿勢ということでございますけれども、この件は、奥州市からの申し入れで検討を開始したものでございますけれども、現時点で協議が中断されていまして、この庁舎交換の話は、現在振り出しに戻っているという状況でございますから、そういった意味で、今回の市議会での請願採択は、県といたしましても全く想定していなかったところでございます。
 このような状況でございますから、県で、今の段階で、例えばやるとか、やらないとか、そういった態度表明をするような段階にもまだ至ってはいないというのが認識でございます。そうしたことから、今回の請願採択を受けまして、まず、市側が協議を県と再開しようとするのか、しないのか、そこら辺の判断が先なのではないかと考えております。
〇及川幸子委員 請願が採択されたというのは大変大きいことでありますし、その説明的なところが全然ないままに、今、上げられております。
 最後になりますが、部長、今後においてこういう問題は時間をかけて慎重に行うべきと思うんですが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
〇中村政策地域部長 今、調整監からお話しいたしましたが、広域振興局の場所をどうするかというのは、やっぱりそこに住む住民の方々にとっても非常に大きな問題でございますので、我々としては非常に慎重な検討を要するのではないかと考えております。
 まずもって、第一義的には、市側がどう考えているのかといったところをしっかりと確認させていただいた上で、必要に応じて県議会の議員初め必要な方々とも、いろいろ御意見を伺いながら検討する必要があるものと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 私からは、第2款総務費のうちの4項地域振興費について伺いたいと思います。
 主要施策の成果に関する説明書、いわて県民計画実施状況報告書の政策項目のナンバー20、多様な主体の連携による地域コミュニティの活性化について、目指す姿指標において、元気なコミュニティ特選団体数を指標の目標としているところで、平成24年は目標値が110のところ117、また、ホームページで確認しますと、平成26年の目標130に対して、平成25年度の申請認定によって131団体ということで、こちらについても今後達成の見込みが立っているというところであると思います。しかしながら、認定そのものよりも、このように認定された団体についてフォローアップ、また、継続可能なように支援していくことが大事なのではないかという視点で質問をさせていただきたいと思います。
 まずは元気なコミュニティ特選団体について、この選定方法、基準、また、選定主体についてお伺いしたいと思います。できれば、どのぐらいの申し込みがあって決定されているのかについても、数がわかればお伺いしたいと思います。
〇藤田県北沿岸・定住交流課長 元気なコミュニティ特選団体についてのお尋ねでございます。この制度につきましては、平成24年度からの制度でございまして、県内の模範となるような地域住民の方々の自主的な活動を行っているモデル的な団体を、市町村からの推薦に基づきまして、学識経験者などを委員といたします地域コミュニティ活性化委員会で審査して、県が認定しているところでございます。
 その選定基準といたしましては、団体の自主性でありますとか活動の継続性、将来性、また、地域で抱えてございます課題解決をどのようにするかという、主に四つの視点で判断しているものでございます。平成25年度、今年度でございますけれども、14団体からの申請がございまして、11団体を認定しているところでございます。
〇佐々木朋和委員 ということは、131団体には届いていないということだと思いました。
 今、平成24年からの取り組みと言っていただきましたが、平成20年からの元気なコミュニティ100選をもとにして各市町村から推薦をいただいて、数をふやしているところであると思うんですが、これについて、継続性というのを選定基準に入れているという中にありまして、コミュニティに選定されたところからも、継続性に向けて、地域でも、少子高齢化であったり、担い手不足であったりということで、なかなか大変だという話も聞いているところでありますが、現在の認定されたこういう団体について、継続されて行われているのかお伺いしたいと思います。
〇藤田県北沿岸・定住交流課長 各団体の活動でございます。これにつきましては、県で認定後、市町村を通じて、活動がなされているかどうかを確認してございます。その結果、全ての団体で活動しているということでございます。
〇佐々木朋和委員 選定されたということで、ホームページ等々を見ても、認定を受けたところは、やはり県から認めていただいたということで大変意欲につながっていて、ホームページでも紹介したり、誇りとして捉えているというところは大変いい取り組みだと思います。
 しかしながら、選定されたところについて、継続していく、または次の発展をしていくという中にあって、コミュニティに選定されたんだけれども、補助とか支援が十分ではないのではないかというような声も聞いているところでありますが、現在、この補助、もしくは認定されたことによっての特典というものがあるかお伺いしたいと思います。
〇藤田県北沿岸・定住交流課長 まず初めの、先ほど、131団体では目標云々という話が委員からございましたけれども、今回、再認定と申しますか、活動をやめていて、活動を再開したというものが3件ございまして、それを含めて131件という認定になってございますので、まずそこを補足させてください。
 次に、いろんな活動をしている団体への補助と申しますか、特典でございますけれども、県といたしましては、まず、活動を継続していただくということが基本的な考え方だと思っております。そのために、活動されている団体のモチベーションというか、やる気を起こしていただくために、模範的活動事例ということに位置づけまして、広く紹介してございます。
 また、定期的に地域づくりのイベントでございますとか、各種コミュニティの活動に助成している事業がございます。そういう助成事業を、いつからそういう募集が始まりますよという形で、年5回ぐらい、今回を含めて131団体に文書でわかりやすく、見やすいような形で情報提供してございます。今後も、このような形で継続していただけるように支援を続けたいと考えてございます。
〇佐々木朋和委員 年5回、丁寧にそのような制度についてもお知らせをいただいているということで、大変ありがたく思います。
 しかしながら、例えば国の制度か何かによって、団体の募集というか申請が殺到して、なかなか回ってこないという話も聞いております。目指す姿指標で団体数をふやすということもいいと思うんですけれども、やはりもう少しフォローアップ、また継続していけるような助成ということも考えていただきながら進めていっていただきたいと思います。
 最後に御所見を伺って、終わりたいと思います。
〇藤田県北沿岸・定住交流課長 先ほど、各団体への支援ということでお話ししましたが、実はと申しますか、地域コミュニティ活動への助成をしている国の外郭団体等がございまして、そこへ県から進達する場合と申しますか、推薦する場合は、特選団体については、優遇措置と申しますか、順位を上げて推薦するような形で処理してございます。直接県がお金で支援するというよりも、国の外郭団体を通じた助成を得るために、県としてもその推薦順位を上げるとかして工夫して、継続した取り組みがされるような形で御支援をしているということでございます。
〇岩渕誠委員 私は、決算事項別明細書の第2款総務費第4項地域振興費1目地域振興総務費のうち、まず、地上デジタル化の未整備の対策等についてお尋ねいたします。
 この問題は私もずっとこの委員会等で取り上げてまいりましたけれども、平成24年度における地上デジタル化未整備の世帯解消に向けた取り組み、その結果についてお示しいただきたいと思います。
〇古舘地域情報化課長 地域デジタル化の整備の平成24年度の進捗状況でございますけれども、地上デジタル放送が視聴できず、対策を必要としている世帯は、平成24年度末時点で2、515世帯となっております。平成23年度末のアナログ放送終了時点と比較しますと、4、281世帯減少したということになっております。
〇岩渕誠委員 この問題につきましては何度も指摘しておりますが、期限が区切られておりまして、デジタル放送移行後、3年間のBSの暫定措置の終了をもってデジタル放送対策を終わると。つまり、そこまでには必ずやらないと解消しない、映らない世帯が出てしまうということでございます。
 岩手県では、再三の質疑の中で、本当は国の決めた年限よりも1年早く前倒しで終了するという当初の方針を示して、大変評価をしていたんですが、どうもそうじゃなくて、やっぱり国と同じような年限にしか終わらないというような方向になってきているのではないかとちょっと危惧しております。
 実は、ここで問題なのは、まだ数千世帯、1、000単位で解消できない、衛星の暫定対策を余儀なくされているところがあるということなんですが、ことしのように災害が頻発しているという状況の中での情報伝達は非常に心配なところがございます。いわゆる映らない地域、ホワイトリストに載っている地域というのは、ただでさえ田舎の中のさらに田舎のところですから、情報がなかなか伝わりにくい事態なんですが、この地上デジタル化未整備に対しての災害時の情報伝達については県はどのように把握しているのか。これは最終的には市町村の話になろうかと思いますけれども、そういう市町村は情報伝達をどのようにされているのかということについては把握されていますか。
〇古舘地域情報化課長 市町村が災害時に地上デジタル放送をどのように使用しているかということについては、当方では承知しておりません。
〇岩渕誠委員 これは衛星暫定ということになりますと、全国情報しか入りませんから、細かな情報というのは当然入ってこないわけであります。きのうのように相当スピードが速い台風などでは非常に限界があるというのが現実でありまして、だからこそ、一刻も早く当初の予定どおり1年前倒しを目指して対策を打たないと、実は、このデジタル放送を見れないところというのは災害弱者になる可能性を大いにはらんでいるところだということをまず認識していただきたいと思います。
 そこで、まだ2、000という数字が出ておりますけれども、まさにここから先が非常に手間暇とお金がかかるという部分ではありますけれども、未整備地区に対する今後の対応について、タイムスケジュール化も含めてお示しいただきたいと思います。
〇古舘地域情報化課長 今後の地上デジタル化整備の対策のスケジュールでございますけれども、まず、平成25年度の9月末時点までの対策の状況でございますが、この後、さらに1、319世帯の対策が完了いたしまして、現在、対策が必要となっておりますのは1、196世帯となっております。
 さらに、この1、196世帯のうち、共同受信施設、高性能アンテナ等で対策が決定している世帯が1、004世帯ほどございます。これらの世帯につきましては、実際には、県内の放送事業者で構成しております岩手県地上デジタル放送推進協議会が具体的な対策に当たっているわけでございますけれども、平成25年度末の完了を目指して取り組んでいるところでございます。
 残りの192世帯ということになりますが、この192世帯につきましては難視対策がまだ決定していないという状況にございまして、これを何とか平成27年3月のセーフティーネットが終了するまでに、国、放送事業者、市町村と連携して、早期に対策が完了するよう取り組んでまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 この192世帯の内訳を市町村ごとに示してください。
〇古舘地域情報化課長 手元にちょっと192世帯の内訳はございませんが、おおむね3分の1程度が一関市であると考えております。
〇岩渕誠委員 多分そうだと思います。私の地元は沢伝いの中山間地帯が大変多いわけでありまして、先ほども触れましたけれども、本当に災害対策の切実な声が出ております。
 ただ、一方で、192世帯の残ったところは検討中というのは、これまでいわゆる送信対策、これは放送業者側の送信上の関係、それから共聴施設、CATV、さらには高性能アンテナ、ギャップフィラー、大体やりますと、そういうような対策がメニューとしては出てくるんですが、技術的にも、こういった従来の技術対策では、192世帯をセーフティーネットの終了まできちっと手当てをするというのは非常に難しいだろうと。実際には、少なくとも今年度中に新たな技術対策を打たないと、セーフティーネット内の完了というのは難しいと私は認識しておるんですが、新技術の導入も含めて検討すべきと思いますが、いかがですか。
〇古舘地域情報化課長 今年度から、高性能アンテナ対策の手法の一つといたしましてワンセグ放送による対応が認められたところでございます。192世帯に関しましては、12月までに、国、放送事業者等が戸別訪問させていただきまして、実際、具体的にどのような対策がとれるか、それについて検討していくこととしているところでございます。
〇岩渕誠委員 今、話が出ましたワンセグ対応、移動体対応も含めてですけれども、新しい技術は、192世帯という、さまざまなところの改修には極めて有効であろうと思っておりますし、補助スキームも含めて、ついてきている制度だと思いますので、地上デジタル化の未整備の解消というのは、地域情報もさることながら、やはり一義的には防災対策と一体の関係だということを改めて認識していただいて、確実に進めていただきたいと思います。
 次に移ります。
 市町村財政につきましては、震災発生以来、さまざまな財政規模も膨らんでおりますし、その状況については非常に危惧している部分もございますが、市町村財政の平成24年度決算に対する県の認識はどのようなものか、お示しいただきたいと思います。
〇五月女市町村課総括課長 市町村の平成24年度決算の認識でございます。今回の決算につきましては、歳入決算額が1兆2、237億円、歳出決算額が1兆1、575億円と、いずれも過去最大の規模となってございます。こちらは、御案内のとおり、復旧、復興事業費の増によるものですけれども、国のほうから交付金ですとか震災復興特別交付税の措置などもございまして、例えば公債費といったものも減少傾向にございますし、実質公債費比率など健全化判断比率も早期健全化基準以上の市町村はないといった状況です。こちらについては、内陸市町村も含めて、行革への取り組みですとか、人件費削減の取り組みなどの結果ということもできると思いますし、現時点においては比較的良好な財政状況にあるのではないかと認識しておるところです。
〇岩渕誠委員 私も、市町村の財政につきましては、公債費の関係で言いますと、ピークアウトしてから10年近くたっているということで、県に比べれば、行政改革、財政改革といったものは前倒しで進んでおりますから、弾力性という部分からいうと、市町村は、今は、制度はありますけれども、比較的お金がないからできませんという言いわけはむしろできなくなってきているのかなという思いを持っております。
 ただ、一方で、今、総括課長のほうからも御指摘があったとおり、依然として依存財源がさらに大きくなってきているわけでありまして、問題は、その使い勝手をどうしていくかということが、市町村財政、これはひいては復興の話につながりますけれども、その辺が大きな課題になっていると思いますが、この使い勝手については、市町村一括交付金制度は、さまざま曲折がありまして、なくなったわけでありますけれども、財政の指数的な弾力性とは別に、市町村財政の使い勝手のよさというのは、県としては、今、どういう状況だと認識されていますか。
〇五月女市町村課総括課長 委員御指摘のとおり、市町村財政は依存財源の比率が非常に高まっておりまして、数値的には比較的良好な状況と申し上げましたけれども、やはり地方交付税の動向ですとか、そういったものに影響を大きく受けるような状況と認識しております。
 そういった中で、自由度の高い財源ということですけれども、今回の震災でも、例えば取り崩し型復興基金という形で、現場に近い市町村が、現場のニーズに応じて使えるお金を措置していただいたおかげで、非常にきめ細かな住民サービスができたという事例もございますので、国に対しては、できるだけ現場で適切な判断ができるように、そういった自由度の高い財源を確保できるように求めていきたいと思いますし、我々としても研究してまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 この問題につきましては、おととい、総括質疑で隣の郷右近浩委員が御指摘されておりましたけれども、やはり国の復興の集中期間と市町村の考える復興期間にずれがあって、どうしても財政フレーム的には平成27年度まで、そして基金も平成27年度で大体終わるようなものが制度上つくられている。ところが、市町村のこれからの例えば住宅政策の中で、今、陸前高田市とかいろんなところで持ち家再建のための独自の上乗せとかをやっていますけれども、この財源になっているのは自由度の高い財源でありまして、ところが、それが平成28年度以降全く見えないところにあるのが私は問題だと思っておりまして、だとすれば、市町村としても、平成28年度以降平成30年ぐらいまでの期間のところで、どれぐらいのものが本当は必要なんだと。そして、自由度の部分でいうと、こういうことなんだということを、震災3年ということを考えますと、一度整理して、私は、市町村として国に求めていくべきだろうと。額を明示して、ここを変えてくれということを情報発信すべきだと思っているんですが、その辺、県としてはどのようにお考えでしょうか。
〇五月女市町村課総括課長 確かに、国のほうの財源は、当面平成27年度までということになってございます。そちらのほうに当たりまして、今、岩手県全体で、県の試算では8兆円という数字がございますけれども、現時点でそれ以上の精査ができてない状況です。したがって、平成28年度以降、どのぐらいお金が必要になるかというのは具体的に精査できておりませんけれども、委員御指摘のとおり、国に対して求めていくに当たっては、当然、具体の数字を積み上げて求めていかなければならないと思いますので、平成26年度、27年度のあたりで一番事業量もピークを迎えると考えられますし、そういった中で、市町村に対しては先を見通した積算なり検討をしていただいて、できるだけ具体の数字をもって国に対して要請していけるように我々も研究してまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 市町村の予算というのは、まさに生活密着の部分の予算でありますので、これはやっぱりどうしても確保していかなければならない額だと思うんです。そういう意味では、市町村のほうの財政担当は、今、疲弊して、なかなか人材不足ということもありますので、これは、県が相当サポートしないと、その数字というのは上がってこないと思いますので、ぜひ御努力をいただきたいと思います。
 最後に1点、一方で、市町村としても襟を正さなきゃならない財政上の問題とすると、私は1度指摘しておりますけれども、市町村職員の退職金のかさ上げの問題というのは依然として残っているのだろうと思いますし、あとはラスパイレスの関係です。これは一概に、沿岸まで、ラスパイレスを今の状況の中で100より下げろという話はしませんけれども、今の状況についてはどうなっているかお示しいただきたいと思います。
〇五月女市町村課総括課長 まず、退職時特別昇給の状況でございますけれども、現在、勧奨退職時の特別昇給制度が残っている団体が14市町村ございます。その中で最大の号給数といいますか、4号給から12号給というような状況でございます。委員に御指摘いただきました後、指導などもいたしまして、平成23年度に比較して3団体ほど減ってはございますけれども、現在まだ14団体残っているという段階です。
 ラスパイレス指数につきましては、このたび、国家公務員の給与カットがございましたけれども、カットがなければ、基本的に全て100を下回っている状況でございまして、今回、国のカットを踏まえまして、各市町村でもいろいろ御対応いただいておりますので、現時点では平成25年度の指数はまだ把握しておりませんけれども、そういった状況だということでございます。
〇岩渕誠委員 最後にしますけれども、いずれ、頑張っている市町村職員は多いわけでありますから、いわゆる本給部分できちんとそれを手当てするということは、私はしかるべきものだと思いますので、ラスパイレスは100より下がっているという話でありますが、それは市町村の判断で、現在の仕事量に合わせてきちんと出すものは出す。一方で、国から指摘を受けて、国も県も多くの市町村もやめている退職金の問題については、これは震災だから残しましたといった理由にはならないわけでありまして、通常ベースで削るものは削る、きちんと出すものは出すものということにしないと、これはやはり市町村の財政健全化という観点からも問題があると思いますので、引き続き指導のほうをお願いして、終わります。
〇木村幸弘委員 それでは、私からも何点か質問させていただきますが、まず1点目は、この間も総括あるいはさまざまな議論の機会の中で論じられていることでありますが、被災地のJR線復旧にかかわる問題であります。
 まず、公共交通政策として、県のJR線に対する位置づけというのがどうなっているのかという点で、改めて、そもそも論的な部分ではありますけれども、確認したいと思います。
 成果に関する報告書の公共交通の維持確保あるいは利用促進の項、さらには本県の県民計画であるとか復興計画の中で、公共交通政策という位置づけとしてJR線をどう捉まえているのか、その対応をまずお伺いしたいと思います。
〇佐々木交通課長 今、JR線の公共交通政策上の位置づけということで御質問がございました。JR線につきましては、通学、通院など地域における重要な足であるとともに、観光振興でありますとか地域振興などの社会的基盤であるということでございますし、三陸沿岸の復興を下支えする重要な路線という認識をしているところでございます。
 このため、今、委員からお話もありましたとおり、県民計画の第2期アクションプランにおきましては、JR線の鉄道施設の復旧に係る取り組み、代替輸送の確保ということ、復興基本計画におきましては、まちづくりと一体となったJR線の復旧、整備ということ、平成24年度の主要施策の成果に関する説明書におきましても、沿岸地域の鉄道復旧というものをそれぞれきちんと位置づけているところでございます。
〇木村幸弘委員 そういう基本的な姿勢をしっかりと持った上での今日までの復旧に向けての県当局としての姿勢であろうと理解いたしますが、そういう中で、きのうの小野寺好委員の総括質疑の中にもあったんですけれども、今、いわゆるBRTの仮復旧等の動きが打ち出されてきております。昨日の部長の答弁の中にも、いわゆるBRTは地元の要望で新駅等も設置されて、利便性の上においても一定の評価をされているということで、当面の交通手段の確保上、BRTでの交通の確保、仮復旧による代替交通としての確保は一定の必要性を認めたという感じに受けとめられるわけでありますけれども、ただ、今後、いろいろと具体的に鉄路復旧についてしっかりと取り組み、訴えていくという過程、これからの動きの中で、地元のBRTの利便性が向上することによって、いわゆる既成事実化というものが心配されるのではないかと私自身は感じておりまして、基本の姿勢との関係の中で、仮復旧の位置づけ、あるいは受けとめ方を地域や地元市町村とも十分に意思疎通を図りながら、やはり基本はJR線の復旧なんだというところにしっかりともっていくという取り組みが必要だろうと思いますけれども、そうした点での認識等を含めて、改めて県の姿勢というものをお伺いしたいと思います。
〇佐々木交通課長 大船渡線におきますBRTの仮復旧ということでございますけれども、これは、そもそも本年3月2日に、仮復旧する前の状態が代替交通も確保されておらなかったということから、地元市としては、やむを得ずということで、JRから提案があったBRTの仮復旧を受け入れたということでございます。
 その後、委員からお話がありましたとおり、JR側としては利便性の向上を図る。例えば、先だっても碁石海岸の地域に新駅をつくったりとか、鉄道が走っていたときよりも本数をふやして運行しているといった形で、地域住民からすれば、利便性が向上した、本数も限られていた時間帯だったものが乗れる便がふえたということで、一定の評価を得ていると我々も認識しているところでございます。
 ただ、鉄道復旧ということにつきましては、沿線の両市においても、あくまでもBRTは仮復旧であって、求めるところは鉄道復旧なんだということで、県とも考え方が一致しているところでございますし、鉄道は今、山田線も含めてなんですけれども、三陸鉄道が分断された状態が続いているということでございます。これは、沿岸の鉄道が一本でつながることによってさまざまな相乗効果が期待できるということがありますので、県と沿線の両市が連携して、大船渡線についても、あくまで鉄道復旧を求めていくということで取り組んでまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 わかりました。ぜひ、そういう姿勢をしっかりと持ちながら、なおかつ、本当に復旧、復興に向けてJR線の位置づけというものをさらにしっかりとJRとの交渉協議の中で求めていただきたいということを意見として申し上げたいと思います。
 次に、移住、定住者が活躍できる環境の整備という取り組みのところでありますけれども、報告書の中で、予算の投資コストはゼロだという位置づけの中でこの事業が行われていると認識しているんですけれども、具体的に、推進方策の指標の中では、この取り組みの達成度はAという形に評価されております。県外からの移住、定住者数の実績に対してA達成のために、いわゆるゼロコスト事業ではありますけれども、どのようなアプローチや、あるいはこの達成に向けて事業が行われてきたのかという点についてお示しいただきたいと思いますし、さらに、意見交換という取り組みも行われているようですが、31人と意見交換を行ったということで、これも評価はAという形になっているんですけれども、具体的な県外からの移住、定住に向けて、こうした意見交換によってどのような成果を得ることができたのか、そういった点についても具体的にお聞かせ願いたいと思います。
 もう一点、あわせて、NPO法人の新しい公共の拡大と定着に向けた取り組みということについてでありますけれども、これも、目指す姿指標の中で、法人数が目標値を上回って評価はAという形になっているわけですけれども、この成果についても、具体的にはこの法人数が目標値を上回ったことで、今後、こうしたNPO法人に何を期待し、発展させていくのかという点について伺いたいと思います。
 また、先ほども、高橋孝眞委員のNPOにかかわるいろいろな運営等に係っての問題指摘も若干ありましたけれども、全体的に、NPO法人の運営等を含めて、いろんな問題、課題があるのではないかと思いますけれども、そうした問題、課題等についてどのような認識にあるのかお伺いしたいと思います。
〇藤田県北沿岸・定住交流課長 移住、定住者の活躍できる環境の整備についてでございますが、まず、委員からお話のありましたゼロ予算事業ということでの御指摘でございますが、成果報告書の表記上、再掲事業――ほかの事業にも出ている予算額は除いて集計している形で、成果報告書の88ページにゼロがずっとなっていると思うんですけれども、この下に米印で、再掲事業の予算額等は除いて集計していますということでございまして、実はこの事業は、右の89ページの一番下にございますいわてへの定住・交流促進事業費という形で所管する事業がありまして、この事業等に基づいて取り組みを進めたものでございますので、まずこの点について御説明させてください。
 これまで、私ども県では、市町村とか関係団体と協議しながらこの取り組みを進めてきているところでございまして、首都圏でのふるさと回帰フェアでありますとか、移住・交流推進機構の移住・交流フェアという形の県外での移住イベントへの出展等、市町村と協働しながら参加してございます。また、パンフレットやホームページにおきまして情報発信を行った結果、県外からの移住者が1、021名という結果が出たものでございます。
 また、意見交換者の数のお話がございました。意見交換に出られた皆様というのは移住された方々でございますので、生の声をお伺いすることができます。移住の経緯でございますとか移住への支援策等について具体的な御提言を頂戴いたしまして、そこに住んでいる地域の魅力の再発見でございますとか、地域課題の再認識ということに有益な意見を頂戴したものでございまして、これら生の声で有益な意見は、今後、新しく移住される方々にとっては極めて重要な情報ということですから、パンフレットなどに盛り込んで、移住を希望されている方々に有益な情報として提供しているところでございます。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 多様な市民活動の促進ということで、NPOの活動の状況についてお話がございましたけれども、平成24年度末でNPOの法人数が428ということで、平成26年度の計画目標値の419を既に上回っているというペースです。これは、東日本大震災津波後に認証された法人が107ありまして、このうち52が震災対応を目的にした法人として設立されております。こういうことを考えていきますと、県民が、地域の復興をみずからがかかわる切実な課題なんだという気持ちで捉えておられるのかと思います。こういったことで、市民活動の機運が盛り上がっているのだと思っております。
 私どもとしては、NPOだけではなくて地縁団体もあると思います。いろんな民間の団体、あるいは県、市町村、企業など、その地域地域の多様な主体が協働することによって、復興を初め地域の課題を解決していく、それに取り組んでいくということを期待しているところでございます。
 それから、課題ということでございますが、国の懇談会は、先ほども申し上げたとおり、共助社会づくり懇談会という内閣府の懇談会がありますが、その中で、人材の問題・課題、資金、信頼性の向上という三つの課題を取り上げております。本県のNPOも同様の状況かと思っております。
 NPO法人設立のときには、熱意を持って頑張るという中核的な方たちが集まって設立されるわけですけれども、組織運営の面から考えますと、先ほどもちょっと話題になりましたけれども、会計とか労務とか税務といった専門知識を有する人材を確保していくとか、あるいは活動を続けていくための資金というものが十分に確保できないというような、運営が脆弱なといいますか、そういった法人も多いということでございます。
 それから、先ほど、多様な方たちとの連携ということを申し上げましたけれども、それも、地域によっては、あるいは分野によっては十分にできていないというところもあろうかと思います。いずれ、そういった状況を踏まえておりますので、ぜひ、そういう課題を解決できるように私どもも取り組んでまいりたいと思っております。
〇木村幸弘委員 定住促進の関係では、生の声を聞きながらということで、そういった声が、岩手に住んでよかった、あるいは岩手にもっと人を呼び込むという力になっていただきたいと思います。また、その中で、1、021人の方々が今回定住されたということですけれども、もっぱらその中身について言えば、例えば災害発生の影響が岩手に行こうという動機づけになったとか、あるいは復興やいろんなかかわりの中でこちらに定住という形に結びついたとか、そういう災害関連から来る定住の動きといいますか、県外からの移住者というものについてはどの程度のものになるのか。この1、021名という実績の中からどのようにそれを分析されているのかお伺いしたいと思います。
 それから、NPOの関係ですけれども、災害関連、震災対応にかかわるNPO団体が生まれてきたのは、それは一つの活動として非常に大事なことでありますけれども、新しい公共とか、いろんな意味で拡大と定着に向けて取り組む際には、一時的なものではなくて、しっかりとした自立性であるとか、あるいは事業をみずからの法人の中でしっかりと確立されていくというNPO法人が求められていくだろうと思うんですけれども、そういった意味で言うと、数はふえてきているけれども、NPOの実態から見たときに、自立性や将来的に安定的な法人としての活動がしっかりと見据えられるというか、そういった事業体というものがどの程度実際には県の中で掌握されておられるのか、そういった点の状況についてお伺いしたいと思います。
〇藤田県北沿岸・定住交流課長 県内に定住された方の市町村別と申しますか、分析状況ということのお尋ねでございます。この1、021名という数字につきましては、市町村への照会に基づいてそれを累計させていただいた結果でございます。中には、沿岸のほうの市町村、いわゆる被災市町村については、定住者数については回答が不明というところもございまして、結果的に、被災地活動で多くの方が沿岸に来ている状況にはございますが、これがどれだけ定住に結びついているかというのは市町村でもまだきちんと把握していないというのが実態でございます。
 ただ、今現在、外部人材と申しますか、外から被災地支援ということで、若者とか、そういう志のある方が結構いらっしゃって、また、いわて復興応援隊という制度もございまして、現地に入ってございますので、そういう方が定住につながるような形で、私どものほうも今後支援したいと考えております。ただ、分析等については、今言ったような状況でございます。
〇松川参事兼NPO・文化国際課総括課長 NPOの支援ということで申しますと、公益信託のいわてNPO基金というものを平成13年度に設立いたしまして、ほぼ10年、昨年度で大体終了ということでございますけれども、こういった資金を設立して支援しておりました。
 それから、平成23年度、平成24年度では、新しい公共支援事業ということで、これは国の補助も決まりまして、国、県でNPOを支援するという仕組みで支援をしてまいりました。そういったことで、NPOの活動の支援をしながら自立性を促し、運営の基盤を拡充していくということをしてきております。
 ただ、NPOもいろんな形態がございまして、復興に向けてのそういった活動をしている、あるいはいわば同好会的な、自分たちで集まってやるというような多様な活動をしているというのが実態でございます。
 先ほど、どれぐらい安定した活動をしているかということでございますけれども、それぞれのいわば目的に合わせて事業活動をしているということで、ある意味、それほど大きくない事業費でも運営できるところもあると思いますし、目標によっては、あるいは復興支援ということでは、ある程度大きな資金がないと動けないというところもあるかと思います。その辺は、先ほどの新しい公共支援事業とか、あるいは今年度もNPO等に復興支援事業ということで支援しておりますので、そういったものを活用していただきながら、運営を強化していくことにしております。
 あわせて、先ほども申し上げた会計とか、そういう面にも弱いところでございますので、それについては、県で、別途、復興支援事業を活用いたしまして、この中でNPOの経理とか会計のフォーラム、研修、専門家の派遣などを開催しているところでございます。
〇木村幸弘委員 最後にいたしますが、いずれ、定住促進の関係について言えば、先ほどの震災に絡む調査等分析は行われていないということですが、いろいろと意見交換をされている実態からも、その対象者となる方々も、そういった部分にもちょっと広げながら、いろいろと意見を聞いてみるというのは必要ではないかと思いますので、ぜひ検討いただければと思います。
 あと、NPOの関係ですが、特に私は、行政の側が、新しい公共という動きの中で、何というか、使い勝手のいい民間委託先のような発想になっている嫌いがあるのかなとも感じるんです。そういった部分が、先ほどの復興事業であるとか、いろんな面でも安易にNPO法人に仕事を委託する、あるいはその中で結果的に問題が起きたときには、管理主体、運営の人材がいないとか、何が問題だとかということでNPO法人自体に問題を投げかけるわけですけれども、全体として、行政の側も含めて、NPOの本来の目的趣旨、あるいはその活動の理念といったものを十分に踏まえた中での、お互いに共存できる考え方といいますか、そういうものをしっかりと構築していく必要があるんじゃないかと思います。
 最後に質問ですが、地域情報化推進費の関係ですけれども、情報通信基盤の整備と情報通信技術の利活用にかかわって、先ほど、岩渕委員からは、地上デジタル放送の不感の問題が指摘されましたけれども、きのうもちょうど台風26号で盛岡で避難勧告が発せられた、いわゆるエリアメールの問題ですけれども、これも災害時における県民、市民に対する情報発信の一つの重要なツールでありますけれども、携帯電話の不感地域があるという部分とエリアメールの普及との関係について、実態とあわせて、どのような取り組みが行われているのか、最後にお聞きしたいと思います。
〇古舘地域情報化課長 エリアメールの普及の実態と、緊急時に連動した携帯電話の不感地帯の解消対策についてでございますけれども、エリアメールは携帯電話事業者が提供する緊急速報メールということで、地方自治体の災害、避難情報を、回線の混雑の影響を受けないで受信できるサービスでございます。地方公共団体におきましては、各通信事業者とあらかじめ利用申し込みを行うことによりまして、利用料無料で利用できるものでございます。
 現在、県内の市町村の主要事業者への利用申し込み状況でございますが、NTTが全市町村、auが26市町村、ソフトバンクが25市町村となっている状況でございます。エリアメールが一応全市町村で使えることになっている状況でございますので、今後、市町村が要望する不感地域の解消が重要となってくると考えております。平成25年3月時点で、市町村が携帯電話不感地域を解消してほしいと要望している地域は61地区ございます。いずれも人口が少ない地域で、採算上の課題があって、基地局の整備が進みづらい状況となっている地域でございます。
 県としましては、まず、市町村からの要望があった地域につきましては、通信事業者3社に対しまして、基地局の整備を進めるよう継続的に要請を行っているところでございます。また、通信事業者が単独で整備が困難とされている場所につきましては、国庫事業を使いまして、市町村が行う基地局の整備を支援しているところでございます。今後も、引き続き、通信事業者に対する要請、市町村に対する基地局の整備の支援を通じまして、不感地域の解消を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時59分 休 憩
午後1時2分 再開
〇佐々木努副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ16人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇斉藤信委員 まず第1に、私は、JR山田線、大船渡線の早期復旧問題について質問します。
 JR山田線の早期復旧について、JR東日本は、震災直後は、社長が責任を持って復旧させると表明していました。なぜこれが変わったのか、いつ変わったのか。
 そして、その後、三つの言い分を言っていました。安全性の確保、そしてまちづくりとの整合性、費用負担。これについては、実は2月、3月の予算特別委員会のときに、知事は、大方解決しつつあると。私は甘いんじゃないかと指摘したんだけれども、この三つの課題はどうなっているのか。知事が言うように解決しつつあるのか、具体的に答えていただきたい。
〇佐々木交通課長 今お話がありました三つの課題でございます。具体的に申し上げますと、JRのほうで課題としておりますのが、津波からの安全性の確保、鉄道復旧とまちづくりとの整合性、費用負担の3点ということでございます。
 このうち、鉄道復旧とまちづくりとの整合性につきましては、駅の移設といったもので一部未調整の課題が残っていますが、おおむね課題は絞られつつある状況にあるということでございます。
 それから財源の問題、費用負担についてでございますけれども、国のほうでは、例えばまちづくりに伴う鉄道のかさ上げといったものについては、まちづくりの事業と一体的に実施するということで支援するという意向を示しているということでございますので、先ほど申し上げましたその三つの課題については、方向性としてはおおむね解決がつきつつある方向に来ていると認識しているところでございます。
 それから冒頭、なぜ、いつ変わったかということでございまして、おっしゃるとおり、震災後間もない時期にJRの社長から責任を持って復旧させるという言明があったということでございます。その後に、復興調整会議等の過程を経ている中で、課題の解決が必要というのがJRのほうから示されたところでございます。さらにつけ加えますと、昨年11月の山田線復興調整会議におきまして、今度は地元の利用促進の検討が必要だというような要請がなされたというような状況でございます。
〇斉藤信委員 震災直後にちゃんと復旧を言明した。そして、復興調整会議だったら本当は復興を前提にして復興調整会議をやらなくちゃならないのに、その復興調整会議をやったら復旧の言明がなくなったと。私はJRの背信行為だと思いますよ。これは私は部長にお聞きしたい。これは背信行為だったんじゃないかと。
 もう一つ、費用負担の問題で、太田大臣が来たときに確かにリップサービスしましたよ。しかし、正規の場でしゃべっていないんじゃないですか、国会の場で、また記者会見その他。やっぱり国交省の方針としてやるんだと。まちづくり、この負担については国がしっかり措置しますと言えば、私はJRの逃げ道はなくなるんだと思うんですよ。そのことを改めて確認したい。
 そして、昨年12月に今度は利用促進を持ち出したと。復旧前提で議論するならいいけれども、復旧も言明しないでこうした新たな課題を持ち出すというところに本当にJRの今の問題があるのではないか。2年7カ月経過しているんですよ。まちづくりの取り組みはもう始まっているんですよ。この点で、まず部長から答えをいただきたい。
〇中村政策地域部長 まず冒頭の、JRの社長が当初、復旧させるということを、その後、JRとしては事実上も変更しているということについてでございます。
 これについては我々も非常に遺憾なことであると思っております。当初、JRとして復旧を明言したにもかかわらず、その後の交渉の過程の中で、いろいろな課題を提起しながら事実上復旧宣言がずるずると引き延ばされているという現実、既に震災後2年7カ月以上経過しているという状況になってございます。
 我々としても何とかこの状況を打開したいということで、これまでもJRといろいろ協議を重ねてまいりました。先ほど交通課長からもお話し申し上げましたが、今時点で、JRから提起されている最大の課題が地元の利用促進ということと認識してございます。これについても、沿線の市町と連携しながら、地元から具体的な提案を出すべく、現在、鋭意検討を進めている状況でございます。
   〔斉藤信委員「まだ聞いたでしょう。正規の言明があるのかどうか」と呼ぶ〕
〇佐々木交通課長 財源負担につきまして国のほうから正式な言明があるかということでございますけれども、これにつきましては、個別の課題調整の過程の中で、具体的に財源は何を充てるかケースごとにやっていく中で、じゃ、それは国のほうの支援が入れられますねということを、復興庁の岩手復興局との話し合いの中で、これは入れることも可能だということで個別箇所ごとにその調整を進めていて、それがおおむね埋まりつつある状況だということでございます。
〇斉藤信委員 事務レベルの折衝でそういう議論になっているということは私、評価したいけれども、残念ながら、国会でも大臣の正式な方針として正式にはまだ言明されていないから。正式に言明することが大事なんですよ、それはちゃんと措置すると。そうすると、あとはJRだけなんですよ。ところが、国会の議論を見ても、お互いもたれ合っているんですよ、JRと国は。事務レベルでそういう話をしているといったって、これは保証がないんです、国交省の方針で示されていないから。ここをきちっと岩手県としても詰めていただきたい。
 JR東日本は、3月期の決算で利益剰余金1兆4、084億円、1年間で702億円ふやしたんですよ。いわゆる内部留保の中身です。702億円内部留保をふやしてこれだけの体力があるときに、2年7カ月たって復旧を言明しないと。私は、このことは厳しく追及されるべき課題だということを指摘しておきます。
 JR大船渡線について、やっと復興調整会議が最近開かれました。JRはどういう提案をしましたか。
〇佐々木交通課長 先月5日の大船渡線復興調整会議で一番のテーマといいますか議論になったところが、JRのほうから、現行ルートでの復旧は引き続き検討しながらも、陸前高田市の脇の沢地区から小友地区のルートについて、津波で浸水しない山側にルートを移設することも検討したいという提案があったところでございます。
〇斉藤信委員 陸前高田市の戸羽市長にもお会いしてきましたけれども、憤慨していました、今になって新たなルート変更と。これは用地交渉をしなければだめなんですよ、これから。これは全く先延ばし対策でしかないと。今までルート変更については2年7カ月たったって何も言ってこなかったのに、いざこれからというときに新たなルート変更を何の根拠もなく出すなんてことはどういうことなんだと。BRTも、これは先ほど議論があったように、代替交通を確保しないで、もう無理無理ですよ。代替交通として仮復旧したんですよ。今度は新たなルート変更というので用地交渉に何年かかるかわからないような提案をする。どう思いますか。おかしいと思いませんか。
〇佐々木交通課長 私もまさしく同じ認識を持ちました。この5日の復興調整会議の場で、私、それから陸前高田市のほうから申し上げたんですけれども、震災から2年半が過ぎるタイミングで、どうしてこの時期に新しいルートを提案してくるのかと。遅過ぎるというお話をまず申し上げました。それから、お話がありましたとおり、言ってみれば新しい線路を引くに等しい新ルートということになりますので、そうしますと、じゃ、その費用を誰が負担するんだという話に当然なってきます。その会議の場では、JRのほうから自社で負担するという話は当然されていないという状況であります。
 それから、お話ありましたとおり、用地の取得、そういった問題もあるということで、私も非常に憤慨して、ちょっと言葉が悪くて恐縮でございますけれども、今までの積み重ねてきた議論をぶん投げてそういう提案をするのかというのを強く申し上げたところです。JRの担当部長からは、ぶん投げるとは何事だと。ぶん投げるのではなくて、今までの案と並行してこういうのも検討対象に加えたいというお話があったところでございます。
〇斉藤信委員 もう2年7カ月余が経過しました。被災地は、新しい鉄道のルートと新しい駅舎を中心にまちづくりの事業を既に始めているんですよ。そして、三鉄も来年4月には全線開通すると。こうしたときに復旧も言明しないということがどれほど復旧に背を向ける障害になっているのか。私は、本当に毎月、JRに知事や部長、副知事が駆けつけるような取り組みをしなかったら復興はおくれると思います。部長、いかがですか。
〇中村政策地域部長 これまでも知事、副知事につきましてはJR本社にも何度か足を運び、そういったことは強く申し入れをしてございます。いずれ今後におきましても、詰めるべき点はしっかりと事務的にも詰めながら、JR、また国に対しても強く鉄路復旧は求めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 ぜひ緊迫感を持って、これは私が言ったように毎月足を運ぶぐらいの迫力でやらないとだめだと強く求めておきたいと思います。
 大きな二つ目に、被災地の交通確保についてお聞きします。
 被災地の交通確保対策の昨年度の実績はどうなっているか。そして、今年度は1市町村当たり4、500万円と枠が広がりました。今年度はどういう点で拡充されているのか示していただきたい。
〇佐々木交通課長 今、委員から御質問がございましたのは、国の特定被災地域公共交通調査事業についてということでございます。この事業につきましては、宮古市など8市町村がこの事業を活用しまして、路線バスや乗り合いタクシー等の実証運行でありますとか応急仮設住宅の住民等へのニーズ調査といったことを実施しているところでございます。成果といたしましては、本年2月1日に全応急仮設住宅団地へのアクセスが確保されたところでございます。(斉藤信委員「2番目も聞いたのよ」と呼ぶ)
 大変失礼いたしました。
 その拡充の内容でございますけれども、昨年度は1市町村当たりの補助上限額が3、500万円でございました。それが今年度からは、有償により実証運行を行う場合という条件がつくんですけれども4、500万円に引き上げられたということでございます。今年度は、拡充されたということも受けまして、市町村においては、路線バス等の実証運行に加えまして、例えば宮古市でありますとか山田町においては、実証運行を行っている路線の効果の検証でありますとか市町村の交通ネットワーク構築に向けた路線分析といったものを行っているところでございます。
〇斉藤信委員 被災地の復興の特徴は、かなりの規模で高台移転が行われるということなんですよ。そうすると、復興しても分散型のまちづくりにならざるを得ない。私は、その分散型の中でコンパクトシティーを目指すとなれば、やっぱり新しい交通ネットワークが形成される必要があると思うんです。だから、今、国の補助事業でやっていますけれども、ある意味でいけば恒常的なそういう新しい交通ネットワーク構築の補助制度なり新しい制度が必要になってくるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇佐々木交通課長 冒頭御説明しました国の調査事業でございますが、この調査事業は、平成23年度から平成25年度――本年度までの3カ年ということで国が事業化をしているということでございます。現状、その8市町村がこの事業を活用して住民の方の足の確保を図っているということでございますので、仮にこの事業が今年度で打ち切りということになりますと被災地としては非常に困るということは我々としても十分認識しているところでございまして、国のほうには、ぜひこの制度を存続してほしいということでお願いしているところでございます。
 国の概算要求の状況でございますけれども、この中には引き続き予算を措置するということで要求が出ているということでございますので、その方向で予算措置がされるということを我々としては強く願っているところでございます。
〇斉藤信委員 この事業の継続と、高台移転という形で新しいまちづくりが形成されるので、そこを展望しながら恒常的な対策も検討していただきたい。
 大きな三つ目ですが、TPP交渉について本会議でも議論がありました。河北新報は10月9日付で、聖域崩す二枚舌許されぬ、また二枚舌か、農産物の貿易自由化で何度も煮え湯を飲まされてきた農業関係者はそう受けとめたに違いない。岩手日報、10月8日付、方向転換は公約に背く、聖域をみずから切り崩す姿勢を示すことで交渉の主導権を確保するのが狙いというが、これでは公約違反と言わざるを得ないと、かなり厳しい指摘が地方紙の中から出されています。自民党のTPP対策の委員長が、重要5品目も検討対象だと。私は、こうしたことに対して、知事を先頭に、北海道、東北の知事が連携して、直ちに抗議するなり撤回を求めるなり、そういうことが必要だと思いますが、いかがですか。
〇菊池政策監 TPP交渉についてでございますが、重要5品目については、委員御指摘のとおり、自民党のTPP対策委員会ではもちろんですが、衆参両院の農林水産委員会においても関税撤廃を認めないという決議がされています。また、安倍総理も、この春のTPP交渉参加表明の際に当該決議を前提として交渉に向かっていくと言明されていますし、きのう、きょうの国会においても同様の発言をされているということから見て、必ず守っていただける、守られるべきものであると認識しております。特に重要5品目のうち、米、牛肉・豚肉等と乳製品ですが、本県にとっては関係する農業者も多いですし、農業生産額ベースでも相当のウエートを持っている非常に重要な品目であると思っております。そういったことから、関税撤廃ということになれば本県の農業には大きな影響が生まれますし、農村社会にとっても大きな影響になるということで、これまでもやってきたことではありますが、引き続き、まさに北海道・東北知事会や全国知事会等を通じてこれからも要請を続けていく必要性については認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 そういうことを聞いたんじゃないんですよ。河北でも、また二枚舌かと、何度も煮え湯を飲まされてきたと、こういう危機感ですよ。実は、これは西川TPP委員長だけじゃないんですよ。重要5品目を関税撤廃の例外から抜けるか抜けないか検討させてもらわなくちゃならないと、この発言については、自民党の石破幹事長、菅官房長官が直ちに追認ですよ。
 部長、私は本当に岩手の農林水産業、地域経済の死活にかかわる問題だと思うけれども、6月17日に影響数値の変更も行いました。この変更した結果はどうなっているのか。本当にこのTPPで5品目が崩されたら岩手の農林水産業、地域経済は守られると思うのか、いかがですか。
〇中村政策地域部長 本県の農林水産物への影響でございますが、県の試算によりますと、生産額は約3、000億円でございますけれども、仮に関税が撤廃されたといたしますれば、その約3分の1に当たる1、000億円程度が減少すると試算してございます。非常に本県の1次産業にとっては危機的な状況を迎えるということにつながると考えておりますので、先ほど委員のほうからお話にございました、これまでも北海道・東北知事会等と連携しながら国等にも申し入れはしてまいりましたが、今後ともそういった取り組みを速やかにやってまいりたいと考えてございます。
〇斉藤信委員 農林水産物の生産減少額で1、015億円、経済波及効果は1、438億円と、6月のときにわずかですけれども影響額の試算は増額で変更された。本当に危機感を持ってこれはやるべきですよ。
 次に、被災市町村への職員派遣についてお聞きします。
 昨年度、今年度の必要数と実績はどうなっているでしょうか。予算、決算額、事業費から見て、必要な職員数というのはどう試算されるのでしょうか。
〇五月女市町村課総括課長 被災地への職員派遣でございます。
 まず、昨年度の実績ですが、必要数366人に対して321人を派遣いたしました。今年度におきましては、10月1日現在ですが、必要数611人に対して573人という状況です。昨年度に対して252人ふえておりますけれども、依然として38人ほど足りていないという状況です。
 それから、予算額等から職員数をどう試算できるかということですが、予算額で震災前の平成22年度と平成25年度を比較いたしますと、例えば大槌町などですと11倍ほどふえてございます。その一方で、職員数を見てみますと、普通会計部門ですが、大槌町ですと平成22年度は111人でしたけれども、現在、応援職員を含めまして252人、2倍強という状況になっております。ただ、予算が大きくなっても、一部を外部委託してうまくやることによって必要職員数を減らすという面がある一方で、例えば用地取得とかになりますと人海戦術でやらなければいけないというところもありまして、予算の増以上に職員が必要となるという両面がございますので、なかなか予算額等から一律に試算をするというのは難しい面がございます。そのため、我々としましては、連絡会議等を開いて情報を集めるとともに、沿岸部に足を運んで緊密に連絡をとることによって随時必要な職員数の確保に努めているという状況でございます。
〇斉藤信委員 大槌町、陸前高田市に先日私、行ってきたんですけれども、昨年度の決算額は1、000億円、1、100億円でした。1、000億円ということになると盛岡市の規模なんですよね。2、000人働いている盛岡市の規模。公共事業の額はもっと比率的には大きい。そういう意味では、本当に来年、再来年さらにピークを迎えて、もっと必要数がふえるのではないか。そういう点で来年の見通しをどういうふうに見ているのかも含めてお示しいただきたいし、国土強靭化、オリンピックの影響、かなり危機感を持っていました。ゼネコンがもうビビっていると。オリンピックにも対応しなくちゃならないし、本当に腰がぶれて、これはかなり深刻な話ですよ。知事も推進委員会でかなり強調はしているけれども、本当に復興最優先ということでないと、これから事業を発注するときに、事業も発注できない、人も確保できないことになってしまうのではないか、その点についてお聞きしたい。
〇五月女市町村課総括課長 まず、来年度の見通しでございますけれども、やはり委員御指摘のとおり平成27年度あたりにピークを迎えそうだということで、来年度以降も引き続き今年度並みかそれ以上で必要数は推移するものと思っております。
 その対策ですけれども、まずは県内でできることをしっかりやるということで、県庁として、任期付職員を新たに再度追加で採用いたしましてそちらを派遣すると。また、県内の内陸市町村に対しましては、OB職員を新たに発掘していただいたりですとか、今も職員を派遣していただいているんですが、今度は新たに目標値を定めて、それに向かって協力していただこうというような取り組みをやりたいと思っております。また、全国の自治体から派遣をお願いするという意味では、今年度同様に全国を回りまして、御礼と、継続した支援をいただけるように努力したいと思います。また、民間企業、そういったところからの派遣もふえてきておりますので、総務省、復興庁などと協力して発掘していきたいと思います。
 なお、国土強靭化ですとかオリンピックの影響、確かに新聞報道等ございますけれども、建築資材の高騰ですとか技術職員の不足ということで非常に懸念する声が上がっておりまして、私どもとしましても大変不安な面があると思っております。そのため、我々としては、被災地の復旧、復興の状況をできるだけわかりやすくアピールするといいますか、見せるような形で情報発信に努めて、御理解いただけるように努めていきたいと思っております。
〇佐々木努副委員長 斉藤信委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、一人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇斉藤信委員 まだ25分ですよ。私は終わろうとしているんですよ、もう、あと最後の質問で。よく様子を見て、風を見てやってください。質問を邪魔するような運行はやらないでほしい。
 これは最後の質問ですよ。考えてやっているんだから。
 ILC誘致の取り組みについて私はお聞きしたいと思います。
 私は、日本学術会議の提言を深く受けとめる必要があると思います。どういうことを提起しているかというと、国家財政が逼迫している中で、長期にわたる巨額な財政負担の問題をいかにして解決していくのか、この点について示されていないと。ILCの資源配分によって国家的課題の取り組みに影響が及んだり、科学技術立国を支えるべき諸学術分野の停滞を招いたりするようなことがあってはならないと。国際的な分担も全く不明確だと。例えば経費の国際分担については現状では白紙状態だと。こういった中で、経済波及効果についてもこう言っているんですよ。ILCが担う高エネルギー素粒子物理学は基礎科学の中でも最も基礎的な分野であり、自然の根源的理解を目指した知のフロンティア開拓の営みであると。だから、高度に特殊化されたILC関連技術が直ちに一般民生用の技術に応用されたり製品開発に直結したりするとは考えにくいと。ILCの誘致に候補地を中心とした過大な期待があるようだが、ILC計画の誘致の是非に関して冷静な総合的判断が求められるという指摘です。私は、消費税増税でアベノミクスが破綻して経済が落ち込んだら、ILCどころじゃないと思います。私はこれが一番の心配だと思います。
 そういう中で、学術会議のこの提言の中身をどう受けとめて、私は、本当に慎重に、必要最小限の範囲で着実にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇大平副部長兼政策推進室長兼首席ILC推進監 学術会議の提言でございますけれども、委員御指摘のとおり、今後の課題というのを浮き彫りにしたかと思っております。知事も一般質問でお答えしておりますが、一部補足いたしますと、今回の提言は、政府に対して、必要な調査費を措置した上で、今、御指摘のような課題について検討することを提言したものであります。
 経済波及効果につきましてはさまざまなところで試算しておりまして、東北ILC推進協議会でも試算してございます。それはイノベーションというものを含んでおりませんので、あくまでも建設費ということで、ILCが建設されることによって産業にどのように影響するかということを数値化したものではございません。
 一方、学術会議の提言につきましては、先ほど申しましたようにILCを実現していくために検討していかなければならない事項でありますので、文部科学省では、それに対して概算要求で5、000万円要求したり、タスクフォースをつくって、今後、作業部会で検討して、その上で判断するとしております。
 さらには、国家財政については、現在は非常に厳しい財政状況でありますけれども、その中で巨額の経費を要するILC建設でありますから、東北の復興や日本再生に必要な投資であるということを、県としても、国民、東北のみならず、いろいろな方々に御理解を得ることが必要だと思っております。
 必要最小限にすべきということでありますけれども、震災からの復興が最優先ではございますが、長期的な視点から県の復興計画の三陸創造プロジェクトに位置づけております。そのことも踏まえまして、学術会議の提言を受けた政府の動き、あるいは国際的な研究者の動向などを注視しながら、適切に必要な取り組みを行ってまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 三陸鉄道運営支援事業費と復旧支援事業費についてお伺いいたします。
 これまでどのような支援を三陸鉄道にされてきたのか。また、震災後、特に復旧、復興に対してどのような新事業を行ってきたか、まずお伺いいたします。
〇佐々木交通課長 三陸鉄道の復旧に対する支援ということでございますが、一番大きいものとしては、やはり災害復旧事業として、今、不通区間でありますところを、復旧工事を一日でも早く進めて全線開通を進めるというところの支援が、災害復旧が一番大きいところでございます。
〇吉田敬子委員 その中で、三陸鉄道は来年4月に全面復旧する。先ほど斉藤信委員から話がありましたが、私は、三陸鉄道は、今回のテレビのあまちゃんでも有名になったくらい、大変岩手らしい鉄道というか、こたつ列車があったり畳の列車だったりと。私も何回か利用しているんですが、そういった本当に三陸鉄道を岩手だからこそのものにしてほしいと思っているんですが、復旧、復興にかかわる中で、今現在、小本の駅と島越の駅舎が建設中と建てかえ工事中ということであると思うんですけれども、この駅舎の設置主体は田野畑村と岩泉町ですが、県として三陸鉄道全体をまとめるというか運営支援をしているという観点から、岩手らしい、例えば県産材を利用してほしいだとか、そういった県の立場で再建に当たっての指導をどのようにされてきたかお伺いいたします。
〇佐々木交通課長 今、三陸鉄道の駅舎のお話がございました。小本駅のお話もございましたけれども、県のほうで駅舎の再建ということで補助により支援しておりますのが田野畑村の島越駅と、それから大船渡市の陸前赤崎駅ということでございます。この両駅につきましては、それぞれ両市村が事業主体となりまして、クウェートの支援(後刻「復興交付金」と訂正)を財源とする国の補助金を活用して駅舎の再建をするところになっております。
 県産材の利用というところでございますけれども、両市村に確認しましたところ、それぞれで県産材等木材利用推進に係る基本方針というものを定めているということでございまして、その趣旨に沿った形で県産材の利用に努めていただけるという意向を確認しているところでございます。
〇吉田敬子委員 事前にいただいた資料だとこれまでは木材利用がなかったということだったんですけれども、今後は利用していただけるということなんでしょうか。
〇佐々木交通課長 木材の利用ということでございますけれども、現時点で把握しておりますのは両市村がそういう意向を持っているということでございまして、補助金で県のほうで支援をすると申し上げたんですけれども、まだその交付申請前ということでございますので、その中身を拝見しながら、どのような形で考えておられるのかというのは確認していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 今、九州のほうで、これはJRですけれども、大変高額な旅行ではあるんですけれども、列車の旅というのがすごく有名というかはやっていまして、私は、高額ではなかったとしても、三陸鉄道というのは本当に岩手らしい、小さい列車で沿岸を走るということで、先ほどもお話ししましたが、こたつ列車があったりだとか畳の列車があったりということで、九州はJRが結構一生懸命木材利用を頑張っているみたいなんですが、木材でつくっている駅舎もたくさんあるそうなんですけれども、事業主体は市町村であると思うんですが、県のほうからぜひ全面的に、この三陸鉄道にかかわらず、そういった働きかけをしていただきたいと思っております。
 これまでいわてデスティネーションキャンペーンで、これはJRですけれども、観光客誘致のために平泉と関連してやってきたと思うんですが、今度はそこから沿岸のほうにもということで、観光客にいかに三陸鉄道も含めてもっと来ていただけるかということがこれから課題だと思うんですけれども、その辺に関してはいかがでしょうか。
〇佐々木交通課長 一つ訂正をさせていただきたいと思います。先ほどクウェート支援を財源というお話を申し上げましたが、復興交付金ということでございましたので、訂正させていただきます。
 今、デスティネーションキャンペーンとの絡みで、観光客誘致、沿岸へということでございます。あまちゃんは私も毎日家に帰ってから録画したのを半年間見続けて、今、あまロスという状態でございます。今回のあまちゃんを通しまして、特に県北、沿岸の知名度というのは飛躍的に向上したと考えているところでございます。
 三陸鉄道は来年4月に全線復旧ということで、その開業に当たっては全国からの注目度が再度集まることが期待されますので、そういった機会を活用して、例えば旅行エージェントに対して、今も行われているんですが商品造成を働きかけるとか、また、その場合にも、ただ単に通過されるのではなくて、地元の方の御協力もいただきながらお出迎えをするとか、物販の面でもいろいろ地元の特産品をお買い上げいただくというような形で、地元の観光振興、地域振興につながっていくような形を三陸鉄道とも連携しながら努めていきたいと考えてございます。
〇吉田敬子委員 あまロスということで、私もあまロスの一人として、今後ぜひ三陸鉄道を本当に岩手らしいものにしていただきたいと思っていますし、プラス、観光客は日本人だけでなく、これから岩手国体はもちろんですけれども、2020年の東京オリンピックまたはILC誘致というところを見据えて、国際的に、駅舎とかも最初から、グローバル対応と言ったら変ですけれども、何かそういったことも含めて初めからやるほうがコスト的にも後から追加するよりはいいのではないかと思っております。
 私、最近入手したこういう雑誌があるんですけれども、これは、東京に在住の外国人が発行した、日本に対しての観光のことを書いてあるんですけれども、これは最近すごく売り上げがアップしているそうで、例えば政策地域部は、県北・沿岸振興に関する方々とか国際交流の課もありますし、平泉文化もあって、政策地域部がやっぱり今後岩手をどういうふうにしていくかというところの部署だと思います。先ほどお話がありましたが、今、岩手に住んでいる外国の方々もおりますので、そういった方々がどういったものを好んでいるのか。この本にも、日本は世界一鉄道がすばらしいということですごく紹介されていますので、ぜひ三陸鉄道が岩手らしい鉄道、九州に負けないくらいの旅行客を集客できるような仕組みというか、これから取り組んでいただきたいと思っておりますが、所感があればお伺いいたします。
〇中村政策地域部長 今、委員のほうからお話がございましたが、我々としても、三陸鉄道というのは、三陸沿岸だけではなくて岩手にとっても大きな財産であると思っております。来年の春から晴れて三鉄については全線開通するということになるわけでございますが、今お話ございました、外国人の方にとっても利用しやすい駅舎であったり列車であったりといったようなことも非常に重要な視点であろうと考えております。どういったことができるのかといったところはこれからの具体的な検討になりますけれども、今、委員のほうからお話があった点も参考とさせていただきながら取り組みを進めてまいりたいと考えています。
〇嵯峨壱朗委員 並行在来線対策事業費についてお尋ねしたいと思います。
 事業内容を示していただきたいと思います。
〇佐々木交通課長 並行在来線対策費の事業内容でございまして、昨年度の決算ということで御説明させていただきたいと思います。
 この事業は、IGRによります鉄道事業の経営の安定化を図ることを目的とした事業でございまして、主なものとして二つございまして、一つは、いわて銀河鉄道経営安定化基金という県と沿線市町村が出資した基金がございます。これを原資といたしまして、昨年度の例で申し上げますと、列車無線基地局の装置等鉄道設備の更新に係る経費を補助しているものがございます。それからもう一つは、国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金を財源といたしまして、IGRに企画開発員3名を配置いたしまして、人口減少傾向にある盛岡以北の地域における公共交通機関を活用した観光型商品の造成といったことを行うことによりまして、域内、域外の交流を促進し、IGRの利用促進を図ろうといったような取り組みをしているところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 これは全体としてIGRに対する補助という理解でいいのかということと、きのうも台風被害があったかどうかわかりませんけれども、その前の18号でもかなり大きな被害を県内も受けました。中村部長のところも流されたという話を聞きましたけれども、本当にお見舞申し上げます。そうした中でIGRもかなりの被害を受けたと聞いておりますけれども、その実態はどうなっているのか。復旧の対策はどうかということをお尋ねしたいと思います。
〇佐々木交通課長 まず、補助かということでございますけれども、これは、県と沿線市町村でつくりました基金から支援しているということでございますので、実質的には補助をしているということでございます。
 それから、二つ目の台風18号の被害ということでございまして、被災実態ということでございます。これは、9月16日に台風18号が本県を通過したということでございまして、IGR線におけます主な被害としては、盛岡市玉山区内におけます変電関係施設の冠水――水をかぶったと。それから、線路盛り土の崩落でありますとか松川橋梁の護岸壁裏の土砂流出といったものがあったところでございます。
 それから、復旧ということでございますけれども、9月16日の台風通過がありまして、それから仮復旧まで4日かかったわけでございますけれども、その間に旅客と貨物を合わせて306本が運休を余儀なくされるといったような被害が出たところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 どこまで確認しているかですけれども、かなり金額的にも被害が出ているかと思うんですけれども、それと、今説明されたもの以外にも流木とかさまざまなものがまだ撤去されないままで残っている部分もある。これはわかればでいいんですけれども、大体被害総額はどれぐらいになっているかも教えていただきたいと思いますし、これに対して、県で何かの支出というのは、かかわるものがあるのかどうかもお伺いしたいと思います。
〇佐々木交通課長 台風18号の被害額ということでございます。これにつきましては、復旧事業費としては3億8、200万円をIGRでは見込んでいるところでございます。
 IGRでは土木構造物保険というものに入っておりまして、こちらのほうからおおむね50%得られると。それから、IGR線はJR貨物の列車が走行しているということで、今回の災害復旧費用につきましても貨物線路使用料収入のほうからおおむね43%が得られる見込みということでございます。残りがおよそ2、600万円余ということになるわけでございますが、これにつきましては、先般の9月補正でIGRに対する支援ということで補正予算をお認めいただいたところでございます。
〇嵯峨壱朗委員 要するに、私は、これはいつまでに全部どうなるかというのを聞きたかったんです。かなり不便を囲っているという話なので、それを教えていただきたいと思います。
 それと、IGRの危機管理の体制はどうなっているのか。こういった大災害が起きたときには社長以下がどんな対応をしているのかというのをお聞かせ願いたいと思います。
〇佐々木交通課長 現在は仮復旧という状態で車両の運行がされているところでございますが、本復旧につきましては、11月ごろから工事に取りかかるということで聞いているところでございます。
 それから、IGR社の危機管理ということでございますけれども、危機管理につきましては、例えば台風のような災害でありますとか事故等といった異常事が起きましたときには、あらかじめ伝達経路がきちっと定められておりまして、社内の関係部署、それから社員に速やかに通報されると。必要に応じて対策本部が設置されることになってございます。
 先般の台風18号災害時の同社の対応を確認したところでございますけれども、台風通過前日の15日の夕方から対策班を設置して災害に備える体制を構築していたと。台風が通過した後の16日の夕刻に河川の水位計が運転中止の値に到達したということを確認して、速やかに安全確保のために全面運休を決定し、同日中に巡回点検を開始したと。そして被災箇所の発見に至ったというところでございます。その後に河川増水によりまして巡視員に危険が生じたということで一旦その点検は中断を余儀なくされたところでございますが、翌17日の早朝から巡回点検を再開いたしまして、その点検終了後に速やかに仮復旧工事を開始して、被災の翌々日である18日中に全線運転再開を実現させたということでございます。
〇嵯峨壱朗委員 私の聞いたところによると、この災害対応のとき社長がいなかったんじゃないかという話があるんですよね、これだけの被害があったときに。それは事実でなければ事実でなくてもいいんですけれども、その辺お聞かせ願いたいと思います。
〇佐々木交通課長 この台風災害時の社長の対応ということでございますけれども、先ほどと若干ダブりますが、台風襲来の前日の9月15日の夕方から仮復旧工事を実施していた17日までの間は、社長が指揮をとって災害対応に当たっていたということでございます。その後、18日以降につきましては、今後のIGR社の安定経営に向けた国への要望活動につきまして協議をするために北陸地方の並行在来線会社を訪問していたと聞いております。
 出張した18日でございますけれども、この日につきましても、出発前に緊急対応、それから仮復旧の体制が整っていることを確認して、対策副本部長であります運輸部長にきちんと対応を指示して出張しているということでございますし、出張の期間中も、災害優先電話を常時携帯しておりますので、会社と連絡をとって逐次情報を確認し、必要な指示を行ったと聞いているところでございます。
〇佐々木努副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 TPP問題について1点だけお伺いいたします。
 政府に対しまして、TPPの反対、阻止あるいは参加交渉撤退などの要望を今まで何回やってこられたのか。また、同様な活動を国会議員に対してやってこられたのかどうかまずお伺いいたします。
〇菊池政策監 確かな数は今、手元にございませんが、十数回にわたりまして、全国知事会あるいは北海道・東北知事会等を通じて政府に対して提言、要望等を繰り返してきました。また、その都度だったかどうかは定かでありませんが、必要に応じてといいますか、時期を見て国会議員のほうにも御説明等をしてきたと記憶しております。
〇佐々木順一委員 それでは、その国会議員の各先生方の反応はどうだったんでしょうか。
〇菊池政策監 済みません。私、直接参っておりませんので、ちょっとコメントしかねるところでございます。
〇佐々木順一委員 部長、どうでしょう、同席されていなかったんでしょうか。もしいれば、そのいた範囲で構いませんので印象を聞かせていただきたいと思います。
〇中村政策地域部長 私は国会議員のところには、申しわけございませんが同席してございませんでした。
〇佐々木順一委員 今の状況では、政府は、3月15日の首相の表明以来、今まで国際交渉を重ねてきているわけでありますが、新聞報道では間違いなく合意の方向で今、進んでおります。そうなりますと、最後の攻防は国会、特にも衆議院と、こうなると思います。よって、政府に対して今まで何十回となく要請をしてきたわけでありますが、成果は上がらないということが今現在、事実だと思います。となれば、やっぱり条約の優先権は衆議院でありますから、特に衆議院議員の皆さんに知事を先頭に阻止活動をやるべきだと私は思います。ただ、岩手県だけでは少数なわけでありますから、できれば全国的な展開を全国知事会のところで協議をして、衆議院議員に対して、まあ、参議院軽視というわけではないんですが、条約という性格上やっぱり衆議院が優先されますので、衆議院議員に、この阻止活動といいますか、簡単に言えば反対行動をとってくれと、そういう取り組みを私は本気でやるべきだと思いますが、もう言葉では政府に何回やってもだめなわけでありますから、ぜひそういう取り組みを岩手県が主導的な立場で行動をとるべきだと思いますが、どうでしょうか、部長、御見解をお伺いいたします。
〇中村政策地域部長 今、委員のほうからお話ございました点は非常に重要な点かと存じております。全国知事会とも早速いろいろ協議いたしまして、対応につきましては検討してまいりたいというように考えております。
〇佐々木順一委員 よろしくお願いしたいと思いますが、最後に1点だけお伺いいたします。
 先般の7日の私の一般質問で、全国知事会の名において、あるいは有志でも構わないから請願を出すべきだと、こういう御提言を申し上げたところでありますが、知事のほうからは、参考にしたいと、こういうことでありました。以後、今日までどういう協議がなされたのかお伺いいたします。もしやっていなければ、この件について、もう一度きょうの決算特別委員会で本人からやってくれという要請があったことを部長は知事にお伝えしていただきたいと思っております。
〇中村政策地域部長 ただいま委員からの御発言の点を含めて知事にはきちんと報告をし、また、全国知事会等に対しても今後の対応については協議をしてまいりたいと考えております。
〇佐々木努副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木努副委員長 質疑がないようでありますので、政策地域部関係の質疑をこれで終わります。
 政策地域部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、理事兼復興局副局長に復興局関係の説明を求めます。
〇佐々木理事兼副局長 平成24年度の復興局関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、復興局所管の事務事業に係る取り組み状況とその成果等につきまして御説明申し上げます。
 復興局は、東日本大震災津波からの復興に向けて、次の四つを施策の柱として重点的に取り組んでまいりました。
 第1は、各部局と連携した復興計画の進行管理であります。
 計画の実効性を高め、迅速な復興を図るため、復興委員会の開催等による有識者との意見交換、復興特区の活用や三陸創造プロジェクト等の事業化に取り組んでまいりました。また、復興意識調査、いわて復興インデックス、いわて復興ウォッチャー調査の実施などによる重層的、多角的な復興計画の進行管理を行うとともに、平成24年8月に本県の復興の現状と課題を明らかにするいわて復興レポートを公表するなど、復興の取り組みの進捗状況をできる限りわかりやすくお伝えし、被災された方々が復興の歩みを実感できるように努めたところでございます。
 第2に、防災文化の継承とまちづくりが連動した防災まちづくりの推進であります。
 津波災害で犠牲となられた方々の故郷への思いや未曽有の大災害から得た経験を防災文化として確実に次世代に継承し本県の防災力を向上させるとともに、市街地の再生、創造に向け、地域住民が誇りや愛着を持ち、みずからが意欲を持ってつくり上げる魅力あるまちづくりを推進するために、津波伝承まちづくりガイドラインの作成、まちづくりに関するセミナーやフォーラムの開催、復興整備計画の作成及び復興整備協議会の運営支援などを行ってまいりました。
 第3に、復興特区制度等を活用した産業再生の推進であります。
 長期的な視点に立った新しい三陸地域の創造を目指した産業の振興を図るために、被災事業所の現状を的確に把握し、課題の抽出、解決を目的とした被災事業所復興状況調査の実施、東日本大震災復興特別区域法に基づき策定した岩手県産業再生復興推進計画による税制特例措置の活用を促進するための説明会の実施及び対象事業者の指定を行う一方、水産物流施設の誘致など、被災市町村と民間企業とのマッチングなどを行ってまいりました。
 第4に、被災者に寄り添った暮らしの再建であります。
 被災者の方々に対しましては、民間賃貸住宅の借り上げなどを継続する一方、応急仮設住宅への追いだき機能の追加、物置の設置などの設備の充実を図ったほか、生活の再建に向けて、久慈、宮古、釜石、大船渡の沿岸4地区に設置している被災者相談支援センターに相談員を配置するとともに、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の派遣などにより、被災者からの相談、問い合わせに一元的かつ柔軟に対応してまいりました。
 また、被災世帯の多くが希望している住みなれた地元での持ち家による住宅再建に向けた資金面での支援など、被災者の状況に応じたきめ細かい支援を関係機関と連携して取り組んでまいりました。
 今後におきましても、復興実施計画に基づき、安全で安心な防災のまちづくりによる安全の確保、住環境の整備や雇用の確保による暮らしの再建、水産業を初めとしたなりわいの再生などの取り組みを一層加速化させ、一日も早い復興を実現してまいります。
 引き続きまして、復興局関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 復興局関係の一般会計歳出決算は、お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページにございます。2款総務費のうち、2項企画費の一部で支出済額575億2、972万円余、3款民生費のうち、5項災害救助費の一部で支出済額297億1、001万円余、続きまして、16ページと17ページにございます12款公債費の一部で支出済額240万円でございます。当局関係の支出総額は872億4、214万円余で、不用額は25億6、804万円余となってございます。
 それでは、便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によりまして、項目ごとに主な事業につきまして御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書166ページ及び167ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の支出済額592億6、853万円余のうち、備考欄に記載しております当局関係575億2、274万円余の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興局の管理運営費の次の復興まちづくり支援事業費1、111万円余は、津波伝承まちづくりガイドラインの作成、復興まちづくりセミナーの開催及び復興整備計画の作成などに要した経費でございます。次に、一つ飛びまして、いわての学び希望基金積立金18億5、870万円余は、東日本大震災津波により著しい被害を受けた児童等の修学の支援、教育の充実等のための事業に要する経費の財源に充てるための基金の積み立てに要した経費でございます。次に、東日本大震災復興交付金基金積立金553億3、687万円余は、県または市町村が実施する東日本大震災復興特別区域法に規定する復興交付金事業に要する経費の財源に充てるための基金の積み立てに要した経費でございます。次に、復興ネットワークづくり推進費2、198万円余は、復興に関する情報や支援活動などを発信、情報共有できるウエブ情報システムの構築や、県内及び首都圏、関西圏で開催したフォーラムに要した経費でございます。次に、168ページ、169ページをお開き願います。2目計画調査費の備考欄に記載しております復興計画推進費698万円余は、復興委員会の開催や復興意識調査、いわて復興インデックス、いわて復興ウォッチャー調査などの計画に係る進行管理に要した経費でございます。
 少し飛びまして、206ページ、207ページをお開き願います。3款民生費5項災害救助費1目救助費の支出済額297億1、508万円余のうち、備考欄に記載しております当局関係297億1、001万円余の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、復興局の管理運営費の次の救助費90億255万円余は、民間賃貸住宅の借り上げや応急仮設住宅への追いだき機能の追加、物置の設置、本県の被災者に対する救助を行った他都道府県からの救助に要した経費の求償など、被災者への応急的な救助に要した経費でございます。次に、災害弔慰金負担金9億2、156万円余は、東日本大震災津波で亡くなられた方の遺族に対し支給する災害弔慰金の県負担金を市町村に交付したものでございます。次に、一つ飛びまして、災害援護資金貸付金5億5、784万円余は、東日本大震災津波により被災した世帯主の生活の立て直しに資するため、原則無利子で貸し付けるための原資を、市町村に貸し付けるために要した経費でございます。次に、二つ飛びまして、仮設住宅共益費支援事業費1億5、828万円余は、応急仮設住宅における集会所等に係る水道や電気料等の共益費を負担したものでございます。次に、被災者住宅再建支援事業費補助11億690万円は、持ち家による住宅再建を促進するため、全壊等の被害認定を受けて、被災者生活再建支援金の加算支援金を受給した世帯に対し市町村が補助する場合に、その費用の一部を補助したものでございます。
 次に、360ページ、361ページをお開き願います。少し飛びます。12款公債費1項公債費1目元金のうち240万円が当局の所管でございますが、これは、災害援護資金の借入金に係る償還元金でございます。
 以上で復興局関係の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇佐々木努副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇城内愛彦委員 それでは、1点お伺いしたいと思います。避難者の移動の状況についてであります。
 津波で持ち家等をなくされて、沿岸部からいろんな形でもとの住居から移動している方の数というのは押さえているのか、また、そういう方々に対して、もとの場所に戻れるような形での支援というのは先ほど伺いましたが、しっかりとそれが皆さんに届いているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 まず、沿岸被災地から県外や県内の内陸部に移動されている方の被災者数でございますが、本年9月30日現在で、まず、沿岸被災地から本県の内陸に移動している方は、内陸に21市町村ございますが、そのうち19市町村に移動されておりまして、全体で4、020人となっております。主な内訳を申し上げますと、盛岡市に1、222人、一関市に544人、北上市に448人となってございます。
 一方、本県の被災地から他県に移動されている方は42都道府県に及んでおりまして、1、685人となっております。その主な内訳は、東京都に295人、埼玉県に197人、神奈川県に174人ということで、これに千葉県を加えた関東4都県で805人と、全体の約半数が関東に移られているという状況でございます。
 次に、そういったふるさとを離れておられる方々に対してどういう支援をしているかということでございますが、まず、情報提供でございますが、いわて復興だよりですとかいわてグラフ、安心ガイドブックなどのほかロードマップ等の資料を、県外については毎月、これは約1、000件になります。それから、内陸地区については隔月約3、000件ということで、庁内の各課、関係します弁護士会や行政書士会等の情報提供についてまとめまして、被災された方にお送りしております。
 また、相談会の実施や交流会というものも開催してございまして、内陸では、内陸の市との連携によりまして、ファイナンシャルプランナーなどの専門家による生活設計支援のための相談会を4市で8回開催したところでございます。また、県外では、開催される交流会等の情報を、そちらの都道府県あるいは支援されている市町村から情報を得まして、そちらのほうに当局の職員が参加しまして、岩手県から他県に移られて、そういった交流会等に参加される方に直接お会いして、いろんな相談等を受けているという状況でございます。
〇城内愛彦委員 被災して、他県も含めて移動した方々が、今後、地元に戻るのかという意思確認というのは、アンケート等も大分とられたようですけれども、されているのでしょうか。また、されているとしたら、どういう反応があったのかお伺いしたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 今般、県外及び内陸地区へ移動している被災者のアンケート調査というものを行ってございます。300人ずつに調査しまして、回収率は若干低いのでございますが、おおむねの傾向はつかめるかということになってございます。
 その結果でございますが、今後の居住場所の意向につきまして、もとの市町村に戻りたいという方の割合は、県外で36.5%、内陸で33.8%となってございます。その一方で、今、移動している先である都道府県や市町村に定住したいという方の割合が、県外で37.5%、内陸で44.2%となっておりまして、避難先での定住を望んでいる方の割合が昨年度の調査結果より増加しているという状況になってございます。
 県としては、被災された方一人一人の意向やニーズに配慮しつつ、もとの市町村に戻りたい、あるいはまだ決めていないと回答された被災者に対しまして、就業の場の提供の情報ですとか、ふるさとに住んでいただくための支援を行っていくことが重要と認識してございまして、今後とも、必要とされる情報をわかりやすく丁寧にお伝えしてまいりたいと考えております。
〇城内愛彦委員 アンケートをとるたびに、もう帰らなくなるという、帰れないと言ったほうがいいんだと思いますけれども、そういう状況がどんどん出てきているというのは深刻な事態だと私は思います。
 あわせて、復興計画推進費で結構なお金をかけて推進計画をつくっているわけですが、いろんな計画にこの数字というのは影響してくるんじゃないかと私は心配しています。応急仮設住宅もそうですけれども、もともと被災した方々のいろんな数もあわせて計画をつくって提供しているわけですけれども、今後、県が進めようとするその計画に――結構な人数ですよね――その方々が戻ってこられないというのは、県全体としてもそうですけれども、皆さんがせっかくつくった復興計画にも、ある意味、大きな影響が出てくるのではないかと思うんですが、その辺、アンケートもとりながら考えたことというのはないのでしょうか。
〇森総務企画課総括課長 やむを得ず県外もしくは内陸に避難されていた方が、地元に定着していただく、戻ってきていただくためには、何よりも地元のほうで雇用、住宅を確保して、そこで帰ってきてもらうということを御決心いただくのが大切だと思っております。第2期計画においても、第1期計画においても、そこら辺を重点的にやっているところではございますが、ただ、被災者の方々においては、病院ですとか、さまざまな御事情もあるかと思いますけれども、県といたしましては、一人でも多くの方々が、そういう課題を解消されるような環境をつくりまして、戻ってこられるように各種支援事業を進めていきたいと考えてございます。
〇城内愛彦委員 今の森総括課長の答弁で、もう一つやっぱり聞かなければならないことがあると思うんですけれども、応急仮設住宅に住んでいる方で、この間、自立再建も含めて、そこから出ている人が結構います。自分で家を建てて、持ち家も持ったり、地元に住んだり、内陸に住んだりというのもありますけれども、結構若い人で、職場の関係もあって、途中で出られて内陸に移り住んでアパートを借りているという人もあるやに聞いています。そういった方々に対するアンケートも、なかなかアプローチもないと聞いていますけれども、最大限隅々まで――どこまで支援したらいいのかというのもあるかとは思いますが、そういう数字というのはつかんでいるのでしょうか。
〇森総務企画課総括課長 地元の状況を把握する短期間のアンケート調査といたしましてはウォッチャー調査を実施してございますけれども、これは定点調査でございます。各地域において、自治会の方ですとか、金融機関の方ですとか、学校の先生ですとか、そういう方々にお願いしましてやっている調査でございまして、仮設住宅から他の地域に就職なさったような方を対象のアンケートはしてございませんが、ウォッチャー調査の産業のところでも見受けられるように、さまざまな格差等が出てきております。こういうところを解決していくことによって、なるべく地元のほうに就職して、町の活性化になるような施策を展開していきたいと考えてございます。
〇城内愛彦委員 いずれ、被災地のなりわいというのがなかなか立ち行かない、ふえていかないという部分が、一気に募集をかけたからといって来ないし、一気に仕事をふやしたからといって来ないわけで、その辺のバランスもあるんだとは思いますが、ぜひ、うまく組み立てて、仕事ができるような環境、若い人たちが、特に働き盛りの方々が定住できるような環境をいち早くつくってほしいと思っています。そういうことをしないと、仏をつくってしまったけれども、そこに入る魂がなくなるのではないかという感があります。ぜひ、ジャッキを巻いてスピード感を持った復興をなし遂げてほしいと思います。
〇及川あつし委員 3点伺います。
 1点目、事項別明細書の167ページ、復興ネットワークづくり推進費について伺います。これは、昨年の一般会計補正予算(第3号)におきまして、当初、3、900万円余が予算措置され、その内容については、ウエブシステムの構築と、復興フォーラムは平成24年度については3回やるということで、最近、平成25年度のフォーラムの案内も来ていますけれども、これについては、そういう内容で当初提案されたところであります。
 総務委員会に付託されまして、いろいろな質疑が交わされたところでありますが、ただいま質疑をしました城内委員からも事業の概要の質疑がなされ、私も賛成しましたが、賛成した際に、1カ所当たりのフォーラムの開催費用が高いんじゃないの、ウエブの構築費用も常識から考えたら非常に高いんじゃないのという話をいたしました。当時の高前田理事からは、予算の内容を精査して効率的な執行に努めるというような答弁がございました。今回、決算額では2、100万円余になっておりますが、この事業について、予算計上時の事業予定と、その後の経過の詳細についてお示しいただきたいと思います。
〇森総務企画課総括課長 復興ネットワークづくりのうち、まず、復興フォーラムの関係でございますが、当初見込んだ予算額は3カ所でございます。大阪、東京と県内でございますが、予算額が2、061万7、000円でございました。これは企画競争方式でやってございますけれども、申し込みがあったのが7者、そのうちで企画審査した1者、これはテレビとか新聞ですとか、さまざまな媒体を用いて効果的にやるということで採択されまして、結局、ここと契約いたしました。契約額が1、057万3、000円、当初の予算額に比較いたしまして51.3%ということでやってございます。
 もう一つ、電算といいますか、ウエブシステムの関係でございますけれども、こちらのほうも企画競争方式でやっておりまして、公募した結果、3者から申し込みがあったところでございます。電算のシステムでございますので、要件が合っているかどうか、運営費、構築費の価格等の審査を行った結果、1者が決まっておりまして、当初の設計積算額1、586万7、000円に対しまして実質契約額が1、008万円、率にして63.5%で契約しているところでございます。
〇及川あつし委員 当時の総務委員会の質疑があったからこういうことになったのかどうかわかりませんけれども、やっぱり当初の予算計上額というのは大きかったんじゃないかと改めて思いましたし、あと、振り返りたいのは、なぜこの質問をしたかというと、その当時も申し上げましたけれども、こういう復興予算については、日本全国民の血と汗と涙の税金が復興のために投じられているわけですから、執行する皆さんも工夫をしなければいけないし、監視をする我々も、通常の予算以上に気を払わなきゃいけないということでこの問題を取り上げて、こういう結果になったということでありますので、今後につきましても、ぜひ、復興局全体でこういう姿勢で取り組んでいただきたいという趣旨であります。
 なお、今決算はまだ終わっておりませんけれども、全体的にそういう意識が希薄化しているのかという感じもいたしております。その観点でこの問題を取り上げましたので、引き続き、予算の効率的な執行については特段の御配慮をお願いしたいと思います。
 2点目、何度も申し上げておりますが、個人版私的整理ガイドラインについて伺います。斉藤信委員からも総括質疑で取り上げられましたけれども、直近のガイドライン運営委員会の発表によれば、本県の債務整理の成立件数はわずか154件であります。これは、議会からもいわゆる法的な枠組みをつくってください、仕組み全体を変えてくださいということで意見書を出しました。当初、復興局の皆さんは制度の周知に努めるということでしたが、制度の周知をしたってだめなんだよ、制度の改善を求めてくださいねということで何度も言って、県のほうも方針を変えていただいて、政府に法的枠組みを整備してもらうなどの要請活動をしてきていると理解しております。
 政府へ要望してきているという答弁はありましたけれども、具体的に何をやってきたのか示していただきたいと思いますし、私も、どうも政府の反応は極めて鈍いのじゃないかと。ハード整備には一生懸命だけれども、ハード整備と、個人の生活再建の基礎中の基礎になるこの私的債務整理ができない限り、復興などというのは全く達成の見込みがないと思っておりますので、政府の対応状況――いろいろ折衝の中で反応等もつかまれていると思うのですが、法制化の見込みについても含めて御答弁いただきたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 個人版私的整理ガイドラインの政府への要望活動についてでありますが、委員御指摘のように、県議会での意見書等も踏まえまして、本年6月26日に行った政府予算要望において、法整備を含む新たな仕組みの構築について、追加した文言で要望しております。具体的には、知事から直接相手に手渡したのが、復興庁の根本復興大臣に対して直接要望書を手渡してございます。その他、関係の内閣総理大臣等に対しましては郵送によりまして提言を送っております。
 また、全国知事会と北海道東北地方知事会に対しても、同様の趣旨を国への提言内容に盛り込むことを本県から提案いたしまして、それが反映されて、本年7月30日及び7月31日に、それぞれの知事会を通じて国への提言を行ってございます。
 国の反応、法制化の見込みでございますが、金融庁監督局総務課への聞き取りによれば、私的整理ガイドラインということで、破産法に準じる手続という位置づけの中で、金融機関に協力を求める仕組みであるという基本姿勢にはなかなか変わりがないということで、所管の金融庁では、法的整理という場合には、財産権や民法との関係、今回の震災以外の災害事案との公平性の観点等から、幅広い検討が必要という認識でございます。このようなことから、現行のスキームを支援していくことで進めたい、それが適当であると考えていると聞いているところで、なかなか法制化の見込みは見えてまいりません。
 しかしながら、本県における債務整理の成立件数が、先ほど委員が御指摘のとおり、154件にとどまっているということの状況を踏まえますと、現行制度の運用の見直しだけではなく、被災者の救済という観点から、法整備を含めた新たな仕組みの構築が必要だということで、そういった総合的な議論を行うことが極めて重要と認識しているところでありますので、今後とも、あらゆる機会を捉え、国に対し粘り強く、個人の二重債務解消に向けた支援を要望してまいります。
〇及川あつし委員 今、佐野総括課長から政府の反応等の御説明がありましたけれども、このままでは厳しいんだと思うんです。皆さん、いろいろとあらゆる機会を捉えて言っていると思うんですけれども、多分、このまま要請活動を重ねても厳しいんだと思うんです。本当に何か劇的な対応をしない限り、時間だけが経過して、だらだらと債務整理の件数は伸びない。そして、本当の生活再建をするための住宅再建をやろうと思っても、そもそもの家計がめちゃくちゃになっているわけですから、前に進まないという、一番あってはならないことが生ずる可能性が高いのだろうと私自身は思っています。
 もっと要望に迫力を持たせるためには、もちろん、実態を皆さん聞いていると思うんですけれども、もう一度つまびらかに聞いてほしいんです。繰り返しこれも申し上げていますけれども、金融機関は貸したものを回収するのが仕事ですから、これが悪いと一概には言えない。しかし、本来は、この債務整理ができていれば、全国の、また世界各国からいただいた義援金や支援金が、個人の家庭に一定額残るはずが、かなりの額が、今、債務整理のところでどんどん過去のローンの決済に回っているという実態があるんです。そういう実態を統計的な数値にとって、そして、どういう困難な生活状況があるかというものを、もう少し臨場感を持って、迫力を持って政府に訴えていかないと、恐らく、既存の法律とか、これまでの救済措置との整合性というところで壁を乗り越えられないと思うんです。ですので、もう一度、今、被災を受けた皆さんの個々の家計が統計的にどういうことになっていて、実態としていかに深刻な状況にあるかというのを調べて、それをもとに膝詰め談判する必要があると思うんですけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 被災された方々がどのようなローンを今お持ちかという実態は、金融機関等に聞いても、要はあちらのほうの情報の壁というものがあってなかなか出てきませんが、本年7月に東北弁護士会連合会の大会が盛岡市であって、そこで決議がなされたわけですが、その中においては、例えば、被災3県における金融機関の債務者が少なくとも全体で2万3、271名いると。そのうち住宅ローンを抱える債務者が7、380名いると。これは住宅ローンですので、ほぼ個人だと思われるということで、こういった具体的な数も出てまいっておりますので、こういったことを背景に迫っていくことも必要かと考えます。
〇及川あつし委員 佐々木副局長はどう考えるんですか。
〇佐々木理事兼副局長 やはり金融機関がどうしても保守的になっているということなので、政府もさることながら、全国銀行協会とか、そういうまさに金融機関の協会のトップに対しても、被災地の実態を、こうなのだということでいろいろ訴えていくということも有効な手だてではないかということで、我々はさまざまなことを政府に要望しているんですが、なかなか突破できない。土地の問題についても、何についても非常に壁が厚い。特に復興庁の場合は、各省庁からの出向者で固まっているものですから、それをまともに受けとめていただけないという実態が実はございます。やはりさまざまな面からいろいろな工夫を凝らして、政党要望もその一つではございますけれども、要望に行かなければいけないと思うので、その辺は工夫しながら、効果的な部分を考えてまいりたいと思います。
〇及川あつし委員 金融機関への要望については有効だとは思いますけれども、本当は伊藤監査委員にお聞きしたいけれども、これは所管外だからお聞きできないのであれですけれども、回収するのも仕事ですから、今回のこのガイドラインの仕組みの中で、銀行のメリットが少ないんです。ですから、銀行も、何というんですか、道義的なところだけで仕事をしているわけじゃないので、やっぱりこれは、そもそもの枠組みづくりが失敗だったという前提に我々は立たなければいけないし、政府はそれを認めないと思うんですが、2年半経過しても、今、答弁があったように、七千数百件が住宅ローンを抱えているのに、150億円しか債務整理できてないという現状が、この制度が有効的に働かなかったという全ての結果だと思うわけです。ここで再度馬力をかけて頑張っていただきたいというのが質問の趣旨でありますので、復興局の皆さんに強い期待を再度示したいと思います。
 3点目は、小田島議員の一般質問、そして総括質問においては岩崎委員が質問されました、災害関連死認定について伺いたいと思います。
 今議会の質疑を聞いていて、確かに日弁連の意見書が起点になっての質疑だったと思うんですけれども、何か、論点がずれてしまっているなというのが実は私の率直な感想であります。一番の問題は、災害関連死については、前回、私も6月の一般質問で、質問の趣旨で申し上げましたけれども、あくまで災害弔慰金支給法が根拠になっていて、被災された皆さん、また、災害との関連で亡くなった方々に弔意を示すというものでありますし、そもそもの立法趣旨からいえば、国が個人補償ができないのであれば、見舞金なら支給できるんじゃないかという観点から、昭和48年に議員立法でこれは成立されたものであります。今回の天災によって亡くなられたのではないかと思われる方々に幅広く認めていくというのがこの制度の趣旨でありますので、私も経過も全部検証しましたけれども、でき得ることであれば、もう少し認定率が高くてもよかったんじゃないのか、今から見直すべきところは見直すべきじゃないかという趣旨の質問であります。
 しかし、今回の質疑の中では、申し出を受け入れている件数が多いから1件当たりが短いとか、長いとか、そういうところに争点が行っていますけれども、そうじゃない。今ここで立ちどまって考えなければいけないのは、特に佐々木理事にお願いしたいのは、佐々木理事の答弁は、我々に対しての答弁でもあると当時に、特に、申し出をしたけれども認定されなかった被災家族の皆さんに対する説明であるという観点を忘れないで、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
 佐々木理事が就任されて、質疑がいろいろあって、常任委員会の中で、今の審査会がどうなっているか見てみたいという答弁があったので、6月は私も引き下がりました。その後、改善されてなかったということで、この後、ちゃんと検証したいということだったんですが、まず、佐々木理事には、この問題の基本認識、どうたったのか、どうであるのか伺いたいと思います。
 あとは、審査会をごらんになったと思うんですけれども、どういう状況だったか、また、審査会を実際に見たことによって、改善が必要かどうか、そういう意思をお持ちになったかどうか、まず、具体策もあれば伺いたいと思います。
〇佐々木理事兼副局長 まず、災害関連死認定の支給審査会に出席した私の感想、基本認識でございます。
 まず、災害関連死につきましては、予想しないようなさまざまなケースについて申請または申告されているということで、当該案件の客観的な事実関係を公平かつ十分に審査することがまずもって重要だなと思っております。
 また、2回、審査会に出席いたしましたが、各審査員には、午後6時以降の非常に貴重な時間を審査のために費やしていただいて、専門的な見地からそれぞれに御意見をいただいているという実態でございましたので、非常に頭の下がる思いをしてございます。
 本県の審査会は、精神科と総合内科医の医師が2名、弁護士、大学教授、社会福祉協議会の役員で構成されておりまして、それぞれの立場から忌憚のないところで意見を申し述べていただいて、1件ずつ客観的な事実関係を明らかにして、私とすれば、総合的、多角的に審査が行われている実態だなということを確認いたしました。特にも、たまたま私が出た中で、9月24日ですけれども、継続審査の案件で新しい事実関係が発見されて、それが認定されたというケースもございましたので、そういう意味で、単に今までの結論を留保してそれを継続するだけではなくて、新たな証拠、事実に基づいて認定しているという柔軟な会の運営をやっていると私は思っております。
〇及川あつし委員 わかりました。現場も見ていただいて、審査会の実態を理解されてきたのだなと、今、私も受けとめさせていただきましたけれども、多分、ここで認定率が一般的に高い低いと言っても議論は始まらないと思いますので、繰り返し申し上げますけれども、事実として、他県の審査会、岩手県が請け負ってない、独自の市町村でやっている部分の審査会の認定率と比べて明らかな数字の違いがあるというところについては、いま一度意を払っていただきたいし、きょうの争点にはしませんけれども、前回の総括質疑の答弁の中で、本県は6カ月を経過した部分でも受け付けているから申し出が多くて云々くんぬんという話がありましたけれども、山田町の審査会だって受け付けていますよね。これは、申し出があれば、6カ月たっても受け付けているんですよ、実際は。6カ月だから申し出を却下しますとやった事例は多分ないと思います。どこからそういう実例を引っ張って答弁をつくったのかわかりませんけれども、余り本質的でない問題のところにまたロジックをつくってやっていっても、本質的な問題とかけ離れると思いますので、やっぱり最終的な出口でこういう実態になっているということを踏まえて改善してもらいたいと思います。
 改善点についてはいろいろあると思うんですけれども、認定基準――細かいところはきょうは申し上げません、調べましたけれども。
 そもそも今回、国が認定基準を示さなかった。だから、いわゆる長岡基準をもとにやって、審査会を重ねる中で岩手県独自の認定基準をつくって、そして、それを改定したりして見直してきているのもわかります。ただ、その経過の中で、不幸なのは、申し出をしようと思っている方々からすれば、これじゃ受け付けられないよねということで、申し出の自粛が実態として起きているのではないかという懸念、あとは、市町村のそれぞれの窓口で、過去の震災認定実態からこれは受け付けられないんじゃないですかという事実上の自粛を促しているような状況、これについては早急に改善する必要があると思うんです。
 三つ目は、何度も私は読みましたけれども、因果関係ですけれども、この因果関係があった場合は不存在にしますよという、認定しないという基準も、ちょっとこれは厳しいんじゃないのと思われる部分が私自身はあります。例えば、震災前に病気があって、そして悪化して、この申し出の期間までに改善して、そしてまた悪化して亡くなった場合は、1回改善があったということで、これは因果関係は認めないという事例になっているんです。これは審査の実例ではどうなっているかわかりませんけれども、これを見ると、いや、これは無理かもしれないなという人が出ると思うんです。確かに間違いじゃないかもしれないけれども、この基準というものも、立法の趣旨に立ち返ったから、もう少し見直す必要があるんじゃないかというのが私の趣旨ですし、それを結果として突き詰めていけばしかるべき認定率にもなるし、その中で認定されなかった人たちにも一定の御理解をいただけるんじゃないかというのが私の主張なのでありますけれども、それぞれ所感があれば伺いたいと思います。
〇佐野生活再建課総括課長 まず、6カ月でもって切っている、切っていないということにつきましては、本県内の審査会においては、そのような事実はないということは理解しております。私どもが引用しましたのは、朝日新聞のアピタルというサイトにおいてそういった記述があったということ、それから、宮城県の担当者に確認した結果、宮城県内においてそういった事例があるという話を聞いたということで申し上げたものでございます。
 また、細かに基準を示し、あるいはいわゆるチェックシートと呼ばれるものも示しておりますが、これは、市町村が主体的に調査していただきたいというのが趣旨でございまして、市町村が主体的に調査をする中で、事案の事実の客観的な整理を行う上で必要な部分という形でお示ししているものであって、申し出をなさる方に対して、これこれこういうものを全部あなたがそろえなければ申し出できませんよといった趣旨でお示ししているものではないつもりで示しているものでございます。
 そういったことで、市町村の窓口においてどういう対応がされているかということについては、私どもとしても、今後、きちんとフォローする必要があるかなと。市町村が主体的に調査する趣旨でお示ししているのに、そうでない受けとめ方をしているのであれば、それはちょっと違うよということですので、そこは市町村に対してフォローしてまいりたいと考えております。
 また、認定基準のあり方等につきまして、私どもがああいう形でホームページでも公表して皆さんに広く示していることが逆効果になる場合があるという御指摘かと思います。そういったことについても意を払いつつ、皆様にわかりやすく、本当は申し出される方はどんどん申し出ていただきたいという趣旨であるということが伝わるように工夫できればと考えます。
〇佐々木努副委員長 及川あつし委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、一人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事の進行に御協力をお願いします。
〇及川あつし委員 最後にします。失礼しました。
 それで、もう一点、答弁の中で、今、市町村から県が受けて審査会をやっていますけれども、市町村もまだまだ大変だと思うんですけれども、通常の福祉事務を再開したり、審査会もできるかもしれない市町村もあるかもしれない。そういった実態と、あとは、調べた人間と審査をする人間が同一のほうが、審査に実態があるのではないかという指摘もあります。そういう観点で、今、市町村から請け負っている審査会についても、いま一度見直す必要もあるんじゃないかと私も思うんですが、最後にこの点の見解を伺って、委員長の指導に従ってやめたいと思います。
〇佐々木理事兼副局長 震災後2年7カ月ということで、市町村も大分落ちついてきたということで、本来、まさに市町村でみずから行うべき事務なわけでして、そこを継続して委託するかどうかという受委託の関係については、今、照会中でございます。
 それから、私も12月6日に山田町の審査会に行って実際に見させてもらうことにしております。そして、沿岸の市町村だと山田町だけですので、実態を見ながら、参考にするところは参考にさせていただきながら進めてまいりたいと思っております。
〇嵯峨壱朗委員 関連。今の答弁で、震災のときより市町村が大分落ちついてきたという言い方をしましたね。当然、震災のときと比べればそうかもしれないけれども、人手不足でどうこうというときに、落ちついたという認識はいかがかなと思っているんですけれども、どういう意味でそういうふうに述べたのか説明してください。
〇佐々木理事兼副局長 今は災害関連死の審査会のお話でございまして、その審査会は、現に山田町が震災後からも継続して――岩泉町と山田町、盛岡市と、現在独自でやっている市町村がございます。そういう中で、もし、みずから審査会をやれるところがあればということで照会しているという意味でございまして、震災状況が一息ついたという意味ではございません。
〇嵯峨壱朗委員 了解というか、やっぱりもう少し慎重に言葉を使ったほうがいいと私は思います。今回だけじゃないけど、副局長の言葉の選び方というか、言い方は大ざっぱなんです。私もよく言われますけれども。それは、やっぱりそうしないと、えっと思うことが多いんです。その辺だけ指摘したいと思います。
〇木村幸弘委員 私からは1点です。
 先般の復興特別委員会の中で示された資料の中で、面的整備事業における宅地供給時期の見込みという参考資料として掲載された中身がございました。この具体的な中身として、土地区画整理事業等の今後の見通しにかかわる宅地供給時期の見込み数としてパーセンテージで示された数字なんですけれども、根拠になる区画数であるとか戸数の総見込み数が示されていないものですから、その点で、このパーセンテージだけでは全体の供給の数字というものを十分に読み切ることができないのではないかと思いました。したがって、これらの具体的なデータとして示された住まいの復興工程表の参考資料に対して具体的な数字というものはどうなっているのか、その数が示されないものなのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 6月末時点の数値として復興庁が取りまとめました住まいの復興工程表に基づく面整備事業による宅地の供給計画数でございますが、防災集団移転促進事業、土地区画整理事業及び漁業集落防災機能強化事業の三つの事業の合計で8、743区画となっております。
 年度ごとの宅地供給についてでございますが、平成24年度の実績は2区画ございました。平成25年度は373区画で4%、平成26年度は990区画で12%、平成27年度は3、854区画で44%であり、平成28年度以降といたしましては2、929区画で33%、現段階で供給時期がまだ確定していないという調整中のものがございますが、595区画で7%の見込みとなっております。
 なお、新たに建設が見込まれる戸数という形で捉えた場合、土地区画整理事業については、大きな1区画に共同住宅が建設されるケースなども想定されます。そのため、戸数でお示しというのはなかなか難しい状況でございます。
 なお、住まいの復興工程表のデータにつきましては、9月末時点の数値で現在取りまとめ作業を行っております。早ければ今月中にも公表される見込みと復興庁のほうからは聞いてございます。
〇木村幸弘委員 復興の取り組みについて、この間の一般質問やあるいは議論の中でも、被災者の復興に対する実感の問題が取り沙汰されてまいりましたけれども、災害公営住宅の整備等もかかわり、今聞いた防災集団移転促進事業あるいは区画整理事業等で具体的に供給されていくであろう見込みの区画等の数、あるいは戸数はなかなか想定できないということですけれども、被災者にとっては、こうした具体的な数字が見えてくることもやはり一つ重要な情報だろうと思っていまして、そういう点から、例えば、今お示しいただいたこの数字が、それぞれの当事者というか、被災地区の計画にかかわる被災者の皆さんに対して、具体的にそうした戸数の情報等も含めた提供というのは行われているのかどうか、その点についてはどうでしょうか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 今お示ししましたのは住まいの復興工程表の数値でございますが、この住まいの復興工程表とあわせまして、県のほうではロードマップについても作成してございます。これらにつきまして、県のホームページで公表するだけではなくて、市町村のホームページあるいは市町村の広報等に掲載していただきながら、被災者の方々にその情報が伝わるような形、どの時点でどの区画、どのぐらいの宅地が供給できるか、そういったものができるだけ情報提供できるように努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩
午後3時17分 再開
〇工藤勝子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ11人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇斉藤信委員 復興事業で県が自由に使える財源として東日本大震災津波復興基金がありますけれども、これは、これまでに具体的に、主なところでいいですけれども、どう使われているのか。今年度の残額、今後の見通しはどうなっているのか。今後さらに新規の事業を実施する財源、余裕はあるのか示していただきたい。
〇森総務企画課総括課長 東日本大震災津波復興基金でございますが、これまでに725億円を積み立てたところでございます。そのうち、市町村関係の財政需要に対応するため約425億円は市町村に交付してございますので、残り300億円が県の分ということになってございます。
 具体的に、安全の分野におきましては、三陸鉄道の駅舎の整備等に約20億円、暮らしの分野では、住宅再建費用の一部助成などに約66億円、なりわいの再生の分野では、中小企業の事業再開に向けた支援等で38億円を初めといたしまして、心のケア対策でございますとか私立学校の災害復旧支援など、幅広い経費に充てさせていただいているところでございます。
 先ほど御紹介いたしましたとおり、県の事業に活用できる復興基金は総額でこれまで使った部分も合わせて300億円でございますが、平成25年度末の残高は、このままでいきますと140億円程度が見込まれているところでございます。
 また、今後におきまして継続が見込まれている事業、あと、各部局において今後やりたいと検討しているものもございますので、それらも含めますと、現在の想定では、このまま推移した場合という仮定ではございますが、平成28年度中にも基金が枯渇するおそれが出てきております。このような状況を踏まえまして、被災地域の状況とニーズに的確に応じていくためには、このような自由度の高い資金、これらがぜひとも必要でございますので、国に対して、これまでもお願いしてきているところではございますが、新たな財源措置をぜひとも今後ともお願いしていきたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 県がこの間、住宅再建に100万円とか、改修、修理、宅地補修まで含めて取り組んできたと。中小企業に対する支援策も行われてきました。今の回答だと平成28年度で枯渇するということですから、私は、これからも新規の事業も必要だと思います。ぜひこれは強く国にこの拡充を求めていただきたい。
 次に、復興交付金と、県や市町村のいわば負担分を賄う復興特別交付税の状況についてお聞きしたいんですが、復興交付金は県や市町村の要望に基づいて出されていると思うけれども、取り組み状況はどうですか。それと、県、市町村の独自負担分というのは全額補填されていると見ていいのですか。
〇森総務企画課総括課長 交付金の関係でございますが、基幹事業で5省40事業ほどございます。これまで、県、市町村合わせましてさまざまな配分を受けているところでございますが、本県の配分は市町村分も合わせてみますと面的整備が一番認められておりまして、1、865億円余り、約4割を占めてございます。そのほかに災害公営住宅の整備事業、あとは水産業の共同施設利用などの順で交付されているところでございます。
 これらの事業につきましては、住民の合意形成ですとか、あと土地利用計画との整合性等を説明して、その都度国から認められるというような形で交付されてきております。ただ、これらの熟度の説明ですとか住民合意の説明、これはなかなか厳しいところもございますが、これまでのところ、計画が確定したものについては順次認められてきているところでございます。
〇斉藤信委員 陸前高田市の西地区の事業で、手続に11カ月もかかったと。これは首相にも直訴したということで、それで査定庁じゃないかと言われているんだけれども、そもそもその5省40事業ということが限定的で、さらに、作成した計画について手続で何カ月もかかると。私は、本当にこういうことをやっていたら何のための復興庁かというふうに思いますので、本当にそのことは強く改善を求めていただきたい。
 次に、大きな二つ目、復興事業のいわゆる三つの今の直面している課題。一つは、職員の確保、二つ目には、復興財源の自由度の高い財源措置、三つ目は、事業用地の円滑な確保に向けた特例措置、この三つの課題で、国の動向はどうでしょう。簡潔でいいですから述べてください。
〇岩間副局長 三つの課題に係る国の動向についての御質問でございます。
 一つ目、人材の確保でございます。
 国におきましては、全国の自治体からの職員派遣に加えまして、公務員OB、民間実務経験者等の活用、都市再生機構の現地の人員体制の強化などを行っているところでございます。しかしながら、今後、まちづくり事業の本格化に伴いまして、専門的知識を有する人材の不足がさらに深刻となってくることが懸念されてございます。県といたしましては、任期付職員あるいは再任用職員の採用のほか、総務省の派遣スキームに基づきます職員派遣要請を継続し、関係機関等への総合的な調整機能を強化するようにさらに求めてまいりたいと思います。
 二つ目でございます。復興に必要な財源の確保でございますが、ただいまの交付金の話も含めてでございますが、復興が実現するまでの間の確実な財源確保、さらには、自治体がみずからの考えと判断あるいは責任によって執行できます自由度の高い財源措置が必要であるということで、これまでも国に対しまして継続的に要望を行っているところでございます。その結果といたしまして、国の平成24年度の補正予算におきまして、被災地域の住宅再建を推進するため、復興特別交付税の増額などが措置されたところでございます。今後は、産業振興等に係る財源等も必要になってまいります。引き続き、交付税等による追加的な財源措置を国に対して強く要望してまいりたいと思います。
 最後でございますが、三つ目といたしまして、事業用地の円滑かつ迅速な確保についてでございます。
 ことし9月、権利者調査を行ったところによりますと、相続未処理あるいは多数共有等を理由といたしまして、事業用地の取得までに相応の時間あるいは労力がかかる土地が約3割あると判明してございます。現在、国におきましては、住宅再建・復興まちづくりの加速化措置によりまして、財産管理人制度の円滑な活用でございますとか、あるいは収用手続の効率化など一定の措置が講じられてございます。しかしながら、県としてもこれらの措置を積極的に活用してございますが、いまだ抜本的な対策にはなり得ていないという認識をしてございまして、さらにこの点につきましても国に強く要望してまいりたいと思います。
〇森総務企画課総括課長 先ほどの質問で答弁漏れがございましたので、申しわけございません。
 先ほど、交付金の関係で負担分はどうかという御質問がございました。まことに申しわけございません。
 基本的には全て交付税で認められますが、例外といたしまして、公営住宅の分、あれは家賃収入がございますので、それを除いた8分の7、残りの8分の1の部分については家賃収入でもって充てるという仕組みになってございます。
〇斉藤信委員 特に事業用地の確保の問題で、この間、復興特別委員会でも資料を出していただいて、所有者不明とか相続未処理とか、これは1、535件、34.4%、そういう状況だと。本当にこの状況だったら、今打ち出しているロードマップもそのとおりいかないということですよね、恐らく。
 陸前高田市の市長がこういうことを言っていました。用地確保の地権者が全国に散らばって、長崎の五島列島まで行ったと。本当に人材が少ない中でそういうことをやらざるを得ない、今そういう状況に直面しているんです。
 私は二つ問題があると思います。一つは、例えば区画整理事業をやるときに、起工承諾をとらないとかさ上げができないと。多数はいいんだけれども、区画整理というのは厳しくて、全体の承諾がないと進まないと。この点について、かさ上げをやりながら地権者の調整というのはできるわけだから、少なくともかさ上げがすぐに可能なところはできるような措置というのが必要なのではないかと。
 二つ目には、それこそ34.4%、なかなか用地交渉が難しい、こういう方々に対して、県もこれは政府に要望していますけれども、大震災特例、一般化しないで、今度の震災に限って、被災地に限って地方自治体にそういう所有権なり貸借権なりを与えるということをしないと、私は本当に今の計画自身そのまま進まないと思いますが、いかがですか。
〇遠藤まちづくり再生課総括課長 今、委員からお話がありました土地区画整理事業についてお答えしますと、7市町村18地区で現在計画されておりますが、そのうち15地区で事業認可を得ており、12地区で土地区画整理審議会を設置し、移転地の配置等を定める仮換地の手続を進めています。例としまして、最も早い野田村の城内地区では今月中にも仮換地の指定を行い、工事に着手できる見込みと聞いてございます。
 一方、事業認可後においては、仮換地指定前であっても、土地区画整理事業の工事実施に関する地権者からの同意をいただく、いわゆる起工承諾を得られた箇所から順次工事を実施することが可能となります。仮換地指定の手続と並行して起工承諾による手続を進め、現在、6地区で造成工事に着手しているところでございます。
 また、委員からお話ありましたとおり、今後、復旧、復興事業が本格化するに当たりまして、用地交渉を同時期に多数の箇所で行わなければなりません。相続未処理地や共有地など複数の権利者が存在する土地も相当数見込まれておりますし、権利調整などに膨大な労力と時間を要することが懸念されております。
 県では、復興の加速化には大震災特例とも言える抜本的な見直しが必要であると考え、これまで事務レベルで22回にわたり事業認定などの土地収用手続の迅速化や所有者不明土地等の市町村等による管理、処分について国への要望を重ねてきたところでありますが、いまだ抜本的な対策は講じられていないところであります。今後、用地取得の迅速化を進めるためにも、引き続き、委員からもお話ありましたとおり、さまざまな方策を検討した上で、国に対し強く要望してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 この問題が本当に今のネックで、この障害を取り除かない限り大変な職員と労力と時間を費やさざるを得ない。本当にこれに真剣に取り組んでいただきたい。
 この間、小泉政務官が来て、ニュースを見ると何か前向きな対応をしたやに聞いておりますが、どうでしたか、その対応は。
〇佐々木理事兼副局長 私もその場に知事と一緒に立ち会いましたが、復興庁のほうでは今、検討をさまざま重ねているというお話でした。非常に我々も期待しております、そのようになればいいなということで。なかなか事務レベルで何回ぶつかっても、我々も復興庁の担当参事官とはもう何時間もこれまでやってきたんです。ところが、憲法解釈で向こうも財産権は譲れないという内閣法制局なり法務省の見解があって、一旦国交省も同意して決めたので、国のメンツと申しますか、そういうところでひっかかっている部分が相当あるのかなという感じをしておりますので、ぜひ小泉政務官にはそこを突破していただきたいとひそかに期待してございます。
〇斉藤信委員 被災地の首長は、千年に一回の大災害なのに通常の法制度で対応することは無理なんだと。やっぱり千年に一回にふさわしい、そういう今までにない施策がなかったら、私はいかないと思いますね。陸前高田市ではこうした署名運動も全世帯に呼びかけるということもやっていましたので、ぜひそうした政治家への対応、政党への対応を強めていただきたい。
 次に、大きな三つ目ですが、仮設住宅の改善と活用の問題についてお聞きします。
 民有地に建設した仮設住宅の今後の活用は大丈夫なのか。仮設住宅は既にもう2年経過いたしまして、すき間が拡大した、床がぶよぶよになっている、こうした状況も寄せられていますが、こうした仮設住宅の改修にはどう取り組まれているでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 民有地に建設した仮設住宅の活用についてでありますが、全体で応急仮設住宅を1万3、984戸建設したわけですが、そのうち民有地に建設されたものが7、208戸、全体の51.5%となっております。国から応急仮設住宅の供用期間が建設後4年間まで延長が認められてございますので、現在、各市町村において、地権者への周知と借地契約延長の手続を進めているところでございます。今後とも引き続き地権者に対して借地契約延長の同意に向けた取り組みを市町村が進めていくこととしておりますが、仮に契約延長に同意が得られない場合であっても、他の応急仮設住宅への転居などによりまして、被災された方の住居については継続して確保してまいることにしております。
 仮設住宅の修繕、改修についての取り組みでございますが、これまで、応急仮設住宅の居住環境改善のために外壁の断熱補強や風除室の設置、敷地内通路の舗装等の追加工事を実施してきたほか、平成24年度には、風呂の追いだき機能の追加、物置の設置、敷地内の排水対策等の改修を行ってございます。
 また、日常の保守管理については、年2回、全団地の定期点検を行っているほか、応急仮設住宅保守管理センターにおいて、電話等の対応によりまして入居者からの建物や設備のふぐあい等の相談を受け付け、随時、修繕を行っております。
 ちなみに、平成24年度決算で申し上げますと、維持修繕業務の委託料といたしまして9億2、392万1、000円ほど、そして、追いだき、物置設置等の追加設備工事といたしまして51億5、707万8、000円ほど支出してございます。
〇斉藤信委員 仮設住宅が51%民有地ということで、これはきちんと、恐らく今は地代は払っていると思うけれども、そこに家を建てたら高く売れるという状況なんですよ、今。だから、本当に地権者には誠意を持って協力していただいているということなので、相応の地代をしっかり払って、これが継続されるようにひとつやっていただきたい。
 あと、みなし仮設も4年間延長ということでいいわけですね。このみなし仮設の場合でも、これは本当に家主の了解が必要なので、これもひとつ丁寧にやっていただきたい。
 もう一つ、仮設の問題で切実な要望は空き室の活用です。息子、娘がUターンして帰ってくると住むところがないんですよ。復興のために、仮設に入っている家族の息子、娘が帰ってくるというときに、私は、こういう方々もやっぱり仮設に入れるように、仮設住宅に住んでいる家族の場合だったら仮設に入居させることが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 応急仮設住宅の空き室の活用についてでございますが、応急仮設住宅は、災害救助法の規定によりまして県が設置し、市町村が管理する被災者のための住宅とされておりまして、原則として、被災者ではない親族や復旧工事の作業員等は応急仮設住宅を利用することはできないとされております。現在、空き室となっている住戸については、新規の入居希望者へ提供するための対応、また、多人数のために住戸が手狭になっている入居者の方の世帯分離等に対応するため一定数を確保しているものでございます。
 なお、今後の活用が見込まれない空き住戸については、市町村からの払い下げの要望を受けて、用途廃止した上で市町村に譲渡することは可能でございます。その上で、Uターンしてこられる親族あるいは復旧工事に携わる作業員の方の宿舎等として有効活用するかどうかについては、その市町村の判断に委ねられているところでございます。
 ただ、その際に、市町村が譲渡を受けたその段階で災害救助費の対象外となるということでございまして、維持に必要な借地料等の経費あるいは使わなくなったときの解体撤去費については全て譲渡先の市町村の負担となるものでございます。
〇斉藤信委員 仮設住宅は、例えば応援の職員、あとは市町村が要請したボランティアは活用できるんですよ。本当に被災地のために息子、娘が戻ってくるときに何で使えないのか。私は、今まで一定の解釈を拡充してやってきたわけだから、こういうこともやっぱり要望すべきじゃないかと。被災家族の娘、息子が帰ってきたときも被災家族として扱うということがあっていいのではないか。また、そのことはちゃんと要望すべきじゃないか。
 もう一つ、最悪の場合、息子、娘が帰ってきて仮設住宅で一緒に住むと。その後世帯分離する、私はこれは可能だと思うので、こういうことでもう少し柔軟な対応を考えるべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇佐野生活再建課総括課長 今、委員がおっしゃったような仮設住宅の用途の拡大につきましては、厚生労働省の通知に基づいて順次なされておるところでございますので、実態を踏まえて、いろいろお聞きした上で検討してまいりたいと思います。
 それから、戻ってきて、一旦一緒に住んだ上での世帯分離ということにつきましても、基本的には被災した時点での世帯が基本でございますので、その部分については私からは解釈どおりのお答えしかできないということでございます。
〇斉藤信委員 ぜひ市町村の柔軟な判断を尊重するような対応をひとつ目くじらを立てないでやっていただきたい。
 最後ですが、私も震災関連死の問題についてお聞きしたいと思います。
 一つは、直近の申請件数、認定件数、非認定、審査中の状況はどうなっているか。答弁でもありましたが、震災後6カ月以内の申請者数と6カ月を超えた方々の申請数はどうなっているか。
 認定された関連死の要因別状況、この中に震災関連の自殺が28人いるんですよ。私は、この28人の震災関連の自殺というのは当然認定されるべきものと考えますが、どうなっているでしょうか。
〇佐野生活再建課総括課長 まず、県全体の災害関連死の申し出件数は、県内市町村への申し出ですが、9月末現在で730件となっております。そのうち認定された件数は417件、認定されなかった件数は292件、審査中の件数は21件となっております。
 また、震災から死亡までの経過期間が6カ月以内の申請件数については363件、6カ月を超える申請件数については160件となっております。
 要因別の中で自殺された方につきまして、28人というのは内閣府の統計でございますが、そのうち審査会において認定された数については、御遺族等のことに配慮いたしまして数は公表していないところでございます。
〇斉藤信委員 これで本当の最後です。
 今、6カ月以内と6カ月経過した方の数が出ました。このうち、認定された数を示していただきたい。そして、申請が今の数を聞きますとまだ出ているようですから、申請を呼びかけると同時に、いわば再申請ですか、この状況もお聞きして終わります。
〇佐野生活再建課総括課長 累計で申し上げますと、6カ月以内の県全体の認定者数は372人、それから6カ月以上の認定が45人となっております。
 それから、再審査の関係ですが、現在、23件審査したところでございまして、そのうち3件について、以前の不認定から認定の審査結果となってございます。
〇久保孝喜委員 総括質問で質問しなかった分の中で質問をさせていただきたいと思います。
 商業特区の関係でお尋ねしたいと思います。
 昨年の年度末に、釜石の復興まちづくり計画が商業特区という形で県内第一号として認定されました。この認定については、震災復興特区の基本的な理念からしても県が相応の関与をしてきたんだろうと思いますので、その関与をどの程度されてきたのかということをお尋ねしたいと思います。あわせて、参考までに、今年度以降、この商業特区の申請準備をしている市町村があるのかどうかも含めてお尋ねしたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 商業特区の県の関与についてでございますけれども、商業特区にかかわる復興推進計画は、被災した地方公共団体が作成して国へ申請してやるもので、釜石市の場合は、今回、東地区復興まちづくり計画の中で、大型商業施設を核店舗に新たな商業空間をつくるというまちづくり計画をつくりまして、これに基づいて商業特区の申請を国に出して、ことし3月に認定されたところでございます。
 釜石市の商業特区の復興推進計画の中身でございますが、東地区を市の中心市街地と位置づけまして、被災前にあった点在している商店や既存の商店街をコンパクトにまとめて、拠点施設を整備することで利便性の高いまちづくりをするというような内容でありまして、また、これに伴いまして雇用の創出を図るというような計画になっております。
 県の関与でございますけれども、釜石市が復興庁へ復興推進計画を申請する際には、特区法に基づいて県への意見照会がございました。この内容を見ますと、県が現在進めております産業再生特区の推進計画との整合性に問題がないこと、また、この特区申請に当たって地元との調整も図られているということから、県としましては、復興に資する計画ということで釜石市の意思を尊重したものでございます。
〇久保孝喜委員 平成23年末に県の復興局企画課から出された復興特別区域法についての解説の我々に配付された文書があるんですが、その中で、特区申請に向けた取り組み方向というところで、県が市町村といわば合同で、共同計画としてこの特区申請を速やかに進めるんだと書いてあるんですが、これは、今の説明からすると、釜石市がやったことでございますという話でかなり腰の引けた話に聞こえたんですが、そういう意味での取り組み方向とは今回の商業特区は性格的に違うものだということでよろしいんでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 復興特区の申請につきましては、申請に当たって県も復興庁と鋭意協議してまいりまして、まず、製造業を中心にした形の復興特区の申請については、市町村の事務事業もかなりタイトな状況でございましたので、県がまず先頭に立ってこれを行うということで復興庁との協議を進めながら、産業再生関係については県のほうで一括して復興特区を進めているところでございます。
 また、商業特区につきましては、復興庁との協議の中で、まちづくりに合わせた状況でないと商業施設がどうつくられるかが見えないと。具体的な案件が生じた時点でそれぞれ特区申請するような形で指導を受けてきた経緯もございましたので、特区法の中ではそれぞれの地方公共団体が単独で申請できるという条件もございますので、まちづくりにつきましては、各市町村のまちづくりの進度に合わせて特区申請するという状況でございます。
〇久保孝喜委員 そこで商業特区ですが、伝えられているいわば核店舗、イオンタウン釜石、こういう名称になるようですが、この核店舗を中心にして、地元の商店主なども集約をして街区の形成を行う、こういうことのようですが、立地の釜石市、それから進出企業であるイオン、それから被災商業者、この場所そのものは従来の中心市街地のすぐ隣に当たるわけですよね。その3者それぞれは、この特区によってどういうメリットを得ることができるかという点についてざっと御説明をいただきたいと思います。
〇石田産業再生課総括課長 商業特区によりますメリットでございますけれども、これは、特区そのものが税制上の優遇措置になると思います。内容としましては、先ほど委員おっしゃいましたイオンタウンの形成、大型ショッピングモールができますので、その施設整備に対して、その整備したものに対しての償却に係る税制上、法人税の優遇措置、また、新たに既存の商店街が、移設店舗あるいはそれぞれ再建するに当たっても施設整備についての法人税の優遇措置が図られますので、新設整備に係る資産取得についての税制優遇ということでそれぞれの事業体についてメリットがあると考えております。被災商業者につきましても、これからまちづくりの進展と合わせてグループ補助金等を活用しまして施設整備を行ってまいりますので、その際には資産取得についての税制上の優遇がそれぞれ図られるということでございます。
〇久保孝喜委員 今回のこの特区によって、このエリア内に新規に立地する商業者については、これまで製造業などを中心とした誘致企業に行われていた助成制度、事業税や固定資産税の減免措置、これは5年間となるそうですが、この5年間の減免。さらには、本来、用途地域で指定されている以外の地域にも、実はこの特区によって工業地に商業施設を建てることができるというような、そういう規制緩和的な内容も含んでいると、こういうことですよね。
 問題なのは、こうやって釜石市が中心商店街ににぎわいをつくろうと、このこと自体を否定するものではもちろんありませんし、それから、将来にわたるまちづくり計画の中で、復興との関連でいえば、すぐ隣の中心市街地が今かさ上げをしなければならないという計画になっているわけですよね。そうすると、商店街の形成そのものがこの先3年、5年先の話になっていくということと、来年春に開業する大規模なショッピングセンターとの関係性、整合性をどうとるのかということは、まちづくりにとっても非常に大きな課題になると私は思います。
 加えて、この大規模商業施設は、釜石市の野田市長の説明によれば、商圏は大船渡から宮古までだと。こういうふうに規定された面積で建てるのですと、こういう説明をいただきました。そうすると、県の商業政策あるいは復興計画全体にとっても、この問題は、単に釜石が申請しましたというだけにとどまらない問題を含むということになるのではないかという点で、県の関与のあり方、考え方に非常に注目しなければいけない、こういうことになると思うんです。その中心市街地の再生とのタイムラグ、この問題を県としてはどのようにお考えでしょうか。
〇石田産業再生課総括課長 先ほど答弁漏れがございました。今後の商業特区の申請の状況でございますけれども、私どもでは現在把握してございません。
 あと、今後の商圏づくりとのタイムラグにつきましては、まちづくりがそれぞれの市町村で時間差があるのが実態でございます。そこで、できたところからつくっていくというのが今の実態でございまして、また、まちづくりに合わせて、地元商店街、商業組合、商工会議所、商工会も入りまして、どのような商店街をつくるかのお話し合いを何度も繰り返している状況で、繰り返してやってきた上でのまちづくり計画になっていると考えております。
 釜石市の今回のイオンタウンの形の東部地区のまちづくり計画についても、釜石市のほうで出されましたが、これは、地元商店街の関係者の方々との意見交換を何度も繰り返した上、また、近隣市町村にもお話をしたと当局では承っておりますので、その上で市の意思として特区申請をされてきたというところを尊重したいと考えております。
〇久保孝喜委員 岩手県にはこうした大規模集客施設に関する条例がありますよね、立地誘導条例というのがあります。この条例との関係については商工労働観光部で議論をさせていただきたいと思っていますが、問題は、こうした復興の名においてというか、言葉は悪いんですが、企業の側からすると、この特区になったことで、従来だったら数年以上かかる例えば立地場所の選定の問題や、あるいは既存の商店街との関係性の話で、必ずどこの市町村でももめるわけですよね。私の住んでいる北上市でもそうでした。裁判まで発展したというぐらいの、実に地域にとっては重大な、大型店の進出というのはそういう問題なわけです、通常の場合であれば。今現在では、釜石の中では、消費者側からすると買い物をする場所が欲しい、にぎわいが欲しい、当然好意的な感触で受けられているとは思うんです。ある商店主から私も話を聞きましたが、しかしそうはいっても、今はその声には反論できないと。つまり自分の商店がどうなるかをまだ描き切れない中で、大型店が来ることに反対だなんて口が裂けても言えないのだと、こういう話が一方ではあるわけです。しかも、将来にわたって商店街形成が果たして共存できる仕組みとして今度の復興計画の中に位置づけられているのかどうかということも、商店街の建設はこれからですから、果たしてそこに従来のまちの形成ができるかどうかも含めて全く不透明な状態になっている。しかし、大型店だけは来春開業すると。
 一部報道によれば、課税免除分だけでイオンタウン釜石全体で約20億円だという話もございます。先月でしたか、釜石市は、このイオンタウン釜石のイオンに対して、事実上の立地奨励金だという声もありますが、2億円を助成するという報道もございました。結局、この復興の、あるいは特区という枠の中で日本最大のスーパーがやすやすと立地して優遇される、そういう構図ができ上がっているということだけは、これはいい悪いは別にして事実なわけです。そことまちづくりの関係性というのは、広域の自治体としての県の考え方、あるいは誘導の仕方と言うと語弊がありますが、大きな問題点をはらんでいるのではないかという危惧を私は持つわけです。副局長、どのようにお考えでしょうか。
〇岩間副局長 委員御指摘の商業施設を核としたまちづくりとの整合性の御質問かと思います。
 先ほど来総括課長のほうで御答弁をさせていただいてございますが、これまで、市町村のまちづくり計画に対しまして、県といたしましてもさまざまな段階段階で御協力、御支援をさせていただいてございます。個々具体的な特区の計画の申請につきましては、やはり地元市町村の考え方、例えば、これからその店舗を核にしてまちづくりを形成して振興を図っていくものであるとか、地域振興に資する内容であるかどうか、あるいは県の産業特区の計画との整合性が保たれているかといった観点から、私どもといたしましては、特に意見がないという今回は判断をさせていただきました。
 ただ、やはり御指摘のように、これからさまざまな場面場面でまちづくりが進められていく中で、商業施設だけではなくさまざまな施設が形成されてくる中で、市全体、地域全体のまちづくりをどういうふうに考えていくか、あるいは県全体の中でそれをどう捉えていくかということは非常に大きな問題だろうと考えてございます。
 法的な解釈につきましてはなかなか難しいところがありますが、そういった事実上のしっかりとした沿岸の市町村の方々と連携をとりながら、今後まちづくりをしっかり進めていくような形で対応させていただければと考えております。
〇久保孝喜委員 最後に意見を申し上げたいと思うんです。阪神・淡路大震災の復興の際にも、今の段階で伝わってきているのは、結局まちづくりに関して言うと、発災当初から行政が主導的に進めないと事が前に進まなかったんだと。したがって、勢い行政主導のまちづくりがどんどん前のめりに進んでいくという経過の中で、結局、取り残された住民、そういうものがあるというのが今も言われているわけです。
 最近の復興計画あるいは具体の復興の事業の中でも言われ始めているのは、結局、住民不在ではないのかという点です。つまり、被災者は今、県内も含め散り散りになっている。本来、そこに住む人たちが決めるべきまちづくりの問題が行政主導の中でどんどん前のめりに進められていくと、結果、声も出せない。それをすくい取る機構も不十分だという中で今、事態が進んでいる。こういうことは、行政に身を置く者として、私は十分注意をしていかなくてはいけないだろうと思うわけです。
 本来であればそのために県の条例なんかがあって、具体的な協議や、あるいは関係市町村とのそういう連携というのが図られるべきなんですが、先ほど来お話があるように、これは申請するのは市町村であったと。釜石市の意向であるという形で、議論そのものがスルーされているということが私は問題なのではないかと思うわけです。
 そういう問題意識のもとでお尋ねしたところですので、これまでも一生懸命やっていただいているのはそのとおりで敬意を表したいと思うんですが、事まちづくりに関して、あくまで主役はそこに住む方々だというところを忘れないで事を進めていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
〇工藤勝子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 質疑がないようでありますので、復興局関係の質疑をこれで終わります。
 復興局の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでした。
 次に、国体・障がい者スポーツ大会局長に国体・障がい者スポーツ大会局関係の説明を求めます。
〇松岡国体・障がい者スポーツ大会局長 国体・障がい者スポーツ大会局関係の平成24年度の決算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、当局所管の事務事業の取り組み状況及び今後の取り組み方針について御説明申し上げます。
 平成28年に本県で開催される国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催に向け、これまで、市町村や競技団体、関係団体と協議、連携を図りながら大会運営の基本的な方針を定めるとともに、競技施設について、毎年度、整備計画の見直しを行いながら計画的に整備を進めてまいりました。この4月には、国体と全国障害者スポーツ大会の開催準備を一体的に進めるために、国体・障がい者スポーツ大会局を設置し、本格的な準備作業をスタートしたところであり、7月24日には、日本体育協会の理事会において本県での国体開催が正式に決定され、また、8月1日には、国体と全国障害者スポーツ大会の準備組織を一本化した実行委員会に移行したところでございます。
 今後の主な取り組みについてでありますが、今年度は、特に県民総参加で国体を盛り上げていくための機運の醸成を図っていくとともに、式典、競技、宿泊などの各準備業務の大枠をしっかりと固めてまいります。
 まず、県民総参加の機運の醸成につきましては、今週の土曜日、10月19日に北上市の総合運動公園において、本県の開催決定を記念いたしまして、トップアスリートの方々や市町村、競技団体の御協力をいただき、希望郷いわてスポーツフェスタを開催いたします。また、国体や全国障害者スポーツ大会を県民の皆様に広く知っていただくための広報活動を積極的に行いながら、花いっぱい運動やきれいなまちづくり、地域の魅力発信など、多くの県民の皆様の参加による県民運動を展開してまいります。
 競技施設の整備については、国体開催前のリハーサル大会までに施設改修が終了できるよう、引き続き、整備計画の見直しを行いながら整備を進めてまいります。
 さらに、市町村や関係団体と協議、調整を図りながら、今年度中に開会式、閉会式などの式典関係の基本計画を策定するとともに、ボランティアの養成や選手等の宿泊、輸送の確保対策、警備、消防対策、医療、救護対策などについて具体的な作業を進めてまいります。
 大会の開催まであと3年となりましたが、大震災からの復興の力となる国体、全国障害者スポーツ大会を目指し、県民の皆様、企業、団体、競技関係者、市町村とともに、オール岩手で万全の体制で大会を迎えることができるよう、開催の準備を進めてまいります。
 続きまして、当局関係の平成24年度の決算について御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算書の12ページ、13ページをお開き願います。12ページ、13ページでございますが、当局関係は、2款総務費のうち2項企画費の一部でございまして、支出総額は10億7、317万円余、翌年度繰越額は1億7、291万円余、不用額は231万円余となっております。
 次に、主な事業について、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 事項別明細書の166ページ、167ページをお開き願います。166ページ、167ページでございますが、当局関係の事業は、2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、右側167ページの備考欄の中ほどに記載しております第71回国民体育大会開催準備費10億7、317万円余であり、これは、平成28年に本県で開催する第71回国民体育大会の開催準備に要した経費でございます。
 主な内容でございますが、国民体育大会運営基金への積み立て10億593万円余のほか、国体の県準備委員会への負担金、市町村に対する競技施設整備への補助金、県内宿泊施設の実態調査に要した経費でございます。
 なお、繰越明許費は1億7、291万円余であり、市町村に対する競技施設整備の補助の一部について、計画調整に不測の日数を要したことにより繰り越したものでございます。
 以上で国体・障がい者スポーツ大会局関係の説明を終わります。御審査のほどよろしくお願いいたします。
〇工藤勝子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇福井せいじ委員 国体について、まず一つ、財源確保についてお聞きしたいと思います。この件につきましては総括質疑で郷右近委員がお聞きしましたから、その少し細かいところまで聞きたいと思います。
 先日の総括質疑では、開催費に約130億円を要すると。国体、障害者スポーツ大会、そして冬季国体開催費で約130億円が必要だということでありました。その中で、国、日体協から7億円、それから施設整備が国から3億3、000万円、それから募金、寄附で5億円というようなお話がありましたが、大会施設の整備費は総額で幾らかかるのか、そしてまた、運営費では幾ら要するのかということをお聞きしたいのと、また、今後、積み立てについてはどのような形で行われていくのかをお聞きしたいと思います。
〇小友総務課総括課長 国体の本大会に係る開催経費についてでございますが、先日、総括質疑において、国体の本大会については現時点で100億円程度ということで、そのほかに冬季国体、それから障害者スポーツ大会合わせて131億円ということでございますが、本大会に係る開催経費でいいますと、極めて大くくりではありますが、競技会場施設の整備がおよそ30億円程度、残り、運営費が70億円程度と見込んでいるところでございます。
 これらにつきましては、国体本大会に限って申し上げれば、国、日体協からの運営費補助であるとか競技施設の施設整備に対する国からの交付金、それから、委員からもお話がありました募金、企業協賛を除きますと一般財源により確保していくこととなります。これらの一般財源が開催年に集中しないように、総務部と相談をいたしながら基金に積み立てていく必要があると考えているところでございます。
〇福井せいじ委員 施設整備費で30億円ほどかかるということでありますが、これは国からの補助と、それから県から、そしてまた市町村といった形での予算の振り分けがあると思いますが、これの振り分けについてどのような形になっているのかも教えていただけますか。
〇小友総務課総括課長 ただいま説明を申し上げましたおよそ30億円でございますが、これは、県から支出する分ということでおよそ30億円と見込んでいるものでございます。施設の関係でいいますと、競技施設の施設整備に対する国からの2億円余の交付金等はございますが、入ってくるのはそれということで、あとは一般財源によることになるものでございます。
〇福井せいじ委員 この施設の整備でありますけれども、過日、体操競技の大会においてつり輪等の事故がありましたが、そういった事故が起きないような安全・安心の確保についてはどのような形で担保していくのかを教えていただけますか。
〇安部施設課総括課長 競技施設の安全性への配慮、確保についてでございますが、競技に参加する選手の安全確保につきましては、施設の整備や維持管理に当たりまして最も重視すべき事項と考えてございます。国体の施設基準、あるいは中央競技団体による指摘などに沿って必要な整備を進めているところでございます。特に今年度におきましては、市町村や県内競技団体と連携いたしまして、全ての競技施設及び現在ある競技用具につきまして、安全性の面から重点的に点検を行うこととしております。競技によっては中央団体による現状の点検が実施されておりますけれども、これらの点検の結果も踏まえまして、改修等が必要になる場合には整備計画に盛り込みまして、国体の競技施設としての水準が確保されるよう整備を進めてまいりたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 もう少し確認したいんですけれども、そうすると、点検する実施主体はどちらであるのかということと、競技の器具の安全性に対する責任はどちらが持つのかということもお聞かせいただけますか。
〇安部施設課総括課長 点検の実施主体と申しますと、基本的にはその施設の管理主体ということになりますので、市町村の施設であれば市町村、県の施設であれば県ということになります。いずれ競技団体等の協力を得ながら、そういう点検を進めてまいるよう、指導といいますかお願いしているところでございます。(福井せいじ委員「責任というのは」と呼ぶ)責任につきましても設置主体ということになろうかと思います。
〇福井せいじ委員 県の施設であれば県が実施し責任を持つ、市町村であれば市町村が実施し責任を持つということでありますが、ぜひとも市町村と連携して、安全・安心の確保については十分な配慮をお願いしたいと思っております。
 それから、寄附についてであります。
 寄附は約5億円を目標としているということでありますが、私は、5億円は大変な金額ではあると思うんですが、もう少し寄附を多くすることはできないかということを考えております。例えば国体というのは、従来こういった形で市町村主体で開催されてきたとは思うんですが、今、こういった復興の時期に当たっている岩手県、そしてまた、新しい岩手型の国体を目指すというのであれば、例えば企業のスポンサー制度の導入というのはいかがなものかと。例えば競技競技にスポンサーをつけるとか、そういった考え方は導入できないのかということなのでありますが、もし、そういったスポンサー制度の導入について、その可否であるとか、あるいは今、県が考えられる答えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
〇小友総務課総括課長 募金、企業協賛の関係でございますが、募金と企業協賛それぞれ5億円ずつの目標ということでやっております。今、委員から御提案がございましたスポンサーの関係でございますが、これはまさしく企業協賛制度がそれに該当すると考えております。競技ごとということではございませんが、オフィシャルスポンサーという名称であったり、オフィシャルサポーターであったりするんですが、企業から協賛金ということでお金をいただきまして、国体に賛同してお金を企業協賛として出していただくという制度になっております。これは、お金だけではなくて商品とか物品、物品の貸与ということでも可能ということになってございまして、そちらのほうも5億円、物品であれば金額換算になりますけれども、目標を立てて現在取り組んでいるところでございます。
〇福井せいじ委員 私は、そういったこともお話ししたかったんですけれども、例えば競技場に看板をつけるとか、あるいは選手のユニホームにそういった企業名を記するということも可能なのでしょうか。
〇小友総務課総括課長 選手のユニホームに企業名を入れるというところまでは国体ではなかなか難しいところではございますが、大口のスポンサーであれば、競技会場に、スポンサーであるということで看板を掲出するというようなことは可能でございます。それぞれのレベルに応じまして、冊子に協賛企業のお名前を入れるとか、県の国体の実行委員会のホームページでも協賛いただいた企業のお名前は掲出させていただいているところでございます。協賛企業のほうで商品化する際には、国体を応援していますということであったり、マスコットを使ったりすることは可能でございます。
 それから、先ほど、選手のユニホームのお話がございましたが、一部、冬の大会のスキーのゼッケンなどにはスポンサー名を入れる運用が実際になされているところでございます。
〇福井せいじ委員 ぜひとも、岩手県内にとどまらず、全国の企業に回って、多くの企業協賛をいただいてほしいと思っております。
 次に、宿泊調査費で882万5、000円が計上されております。これについてですけれども、実際に大会開催におきまして、宿泊場所の確保、そしてまた、出場選手が競技場に行くまでの交通手段の確保は今の段階でどのように捉えていらっしゃるかお聞きしたいと思います。
 また、特に開会式の対応でありますが、開会式における参加者というか、集客人数というか、出場選手、各県のスタッフ、運営スタッフ、そしてまた観客、こういった形でかなり多くの方が一つの競技場に集まる。その中で、宿泊施設はどう確保されるのか。その方々がどのような形で開会式の会場に来て、そしてまた、そこから帰っていくのか。これは非常に大変な運営が必要になると思うんですけれども、そこら辺のことをお聞かせいただきたいと思います。
〇安部施設課総括課長 まず、宿泊の対策について御答弁いたします。本年2月、宿泊基本計画を策定いたしまして、宿泊予定者数の把握、配宿計画の作成、宿泊本部の設置など基本的な取り組みを定めたところでございます。現在、先ほど実態調査のお話がありましたが、実態調査で大体見込んでいるところでございますけれども、宿泊見込み者数を競技別、宿泊日別に各宿泊施設に割り当てるシミュレーションを行っております。宿泊施設の不足に対しましては、本年6月に策定した宿泊施設充足対策要項で対策の柱を定めておりますが、例えば近隣の市町村の施設を利用するですとか、こういった確保対策を進めていくことにしております。
 輸送対策についてでございます。現在、県内の輸送力の現況、開閉会式会場等の道路、交通状況といった基礎的な調査を実施しております。この結果を踏まえして、本年度、輸送手段や輸送ルート、輸送力や駐車場の確保対策などを盛り込んだ基本計画を策定することにしてございます。
 主要な輸送手段として、やはり借り上げバスによる輸送が想定されるところでございます。これまでの開催県の例を参考にしますと、400台程度が必要かと見込んでございます。次年度以降になりますが、県内各バス事業者に対して、提供可能台数の調査ですとか、お願いをするとともに、隣県のバス協会などに協力要請を行うなど、県バス協会と連携して具体の確保対策を進めてまいりたいと考えてございます。
〇福井せいじ委員 私が特に心配するのは開会式であります。何年か前に私どもでシミュレーションしたんですけれども、北上会場の場合、宿泊施設が不足するのではないかということと、会場に行く交通アクセスが車によるものであって、非常に集中する場合、時間がかかるということが課題になっているのではないかと思われるんですけれども、その点についてはシミュレーションはなさっているのでしょうか。
〇安部施設課総括課長 福井委員の御指摘のとおりだと考えてございます。北上地域につきましては、競技者数の多い競技を実施されることもございまして、宿泊施設の不足ということは当然予想されるところでございまして、こういった場合には、隣接の花巻市ですとか、あるいは盛岡市になるのかもわかりませんけれども、そういった広域的な配宿で対応していくことになるのかと思ってございます。
 それから、輸送については、やはり先ほども申し上げましたとおり、バスによる輸送ということで、選手団も県内各地からバスで計画的に輸送していくことになろうかと思います。したがいまして、現地の道路の状況をよく把握いたしまして、交通規制といいますか、通行規制をかけながら、例えば一方通行の形で回して、できるだけ渋滞を起こさないようにするとか、そういった対策が必要と考えられますので、現在、北上市内の道路交通状況について詳細な調査を行って、対策に生かすことにしておるところでございます。
〇工藤勝博委員 まずもって、先般の東京スポーツ大会、東京国体では、岩手県選手団は大変な活躍をされたことに敬意を表したいと思います。そして、きのう、優勝された方々が知事に挨拶に行ったということも含めて、岩手県選手団の意気も大変上がっただろうと思いますし、残念ながら、2位、3位という種目もたくさんありました。来年は長崎県であります。ぜひとも東京の悔しさを長崎で晴らしてほしいと思います。
 そういうことで、国体に関して、あと3年という短い期間になっておるわけですけれども、平成22年から中央競技団体がそれぞれの開催地の視察といいますか、会場を見ながら、指導、助言をなされたということがあります。その後の取り組みについての現在までの進捗といいますか、取り組んだことを教えてもらいたいと思います。
〇高橋競技式典課総括課長 中央競技団体による正規視察の指導、助言に対する対応についてでありますが、中央競技団体の正規視察につきましては、正式競技37競技、特別競技1競技を対象に、競技会場施設等の整備状況、競技運営計画等についての指導、助言をいただき、開催準備の適切かつ円滑な推進を図ることを目的に実施されているものであります。対象の38競技のうち、既に37競技につきましては実施済みであります。残る1競技、クレー射撃を今月22日に実施いたしまして、中央競技団体による正規視察が終了する見込みです。
 正規視察では、競技会場施設の整備に関する指導、助言が多く、国体の施設基準や正規視察での指導、助言に沿って、国体開催の前年から予定しておりますリハーサル大会までに終えるよう、必要な整備を進めております。
 正規視察の指導、助言に沿って対応しました主な事例といたしましては、既に改修済みであります一関市のバスケットボール競技会場の床面の改修、現在施工中であります北上市の陸上競技場の走路改修、電光掲示板の改修、次年度に施工を計画しております盛岡市のテニスコートの砂入り人工芝の全面改修などがあります。
〇工藤勝博委員 競技数も大変多いわけですけれども、あとは残る1競技ということでありますが、今のお話にあった施設整備の状況、リハーサル大会も当然開かれると思います。逆算すると、実質あと1年ぐらいしかないのかなという感じもしますけれども、指摘された事項をどのような形で整備を間に合わせられるのかお伺いしたいと思います。
〇安部施設課総括課長 指摘された事項に対する対応でございますけれども、これまで正規視察で指摘された事項は、件数で言いますと、392件という膨大な数になります。このうち、競技団体等との協議の中で、例えば、ここまではしなくてもいいよですとか、そういった協議を経まして、実際に対応が必要とされた指摘事項は281件となってございます。このうち、今年度までにほぼ対応が可能という部分は137件でございまして、平成26年度まで対応する予定というのが75件となっております。そのほか、リハーサル大会や本大会に合わせまして仮設で整備する施設もございます。これについては57件となっておりまして、残り12件につきましては軽微な補修程度の改修でございますので、平成27年度までに間に合うといった形で、指摘にはしっかり対応していくという計画になってございます。
〇工藤勝博委員 その中で、特にも今回の国体でもすばらしい成績を上げましたホッケーの部分ですけれども、ホッケー会場は岩手町なわけですけれども、講評の中には、岩手県はさきの国体開催を契機にホッケー競技の普及、強化に努められ、輝かしい戦績を残している。この間、多くのナショナルチームプレーヤーを輩出し、人材も豊富である。全国大会、東北ブロック大会など多くの大会を開催されており、大会運営に関しては全く心配はしていないと。しかし、ホッケーのまち岩手町に相応した日本ホッケー協会公認の人工芝グラウンドが2面は欲しい、大会には2面必要だということがあります。新千葉議長も、事あるごとに、ホッケー会場にあと1面、人工芝が欲しいと。でないと国体は開けないということを強く言っております。この講評を見ても、これはやっぱり岩手のホッケー、長年続いたホッケーを絶やすことなくするためにも必要だろうと私も思います。というのは、岩手町のホッケー人口は、小学校から中学校、高校、青年まですごいチームがあるんです。その中での環境整備というのは絶対必要だろうと思います。1面のグラウンド、それを半分に分けて使ったり、大変苦労してやっています。そういう苦労が実際に実を結んで、北京のオリンピック、ロンドンのオリンピックの選手も輩出しているということもあります。何とかその辺も考慮いただきながら、芝を張るのはそんなに面倒なことはないと思いますので、ぜひその辺も考慮していただければと思いますが、松岡局長、その辺は長年要望があったと思うので、御配慮はあるでしょうか、お聞きしたいと思います。
〇松岡国体・障がい者スポーツ大会局長 このホッケー会場は私も見させていただきましたけれども、非常に立派なところでございました。ただ、そういうきちんとした芝でやるのが一番ベストだということもお聞きしてございます。いずれ、町のほうでもいろいろと整備を進めているということで、そこら辺は十分に町ともいろいろ御相談しながら、結果的に2面になるかどうかは別といたしまして、ホッケー場の整備、よりよい施設になるように、そこら辺は一緒になって取り組んでまいりたいと考えているものでございます。
〇工藤勝博委員 大いに期待しております。
 そういう中で、各市町村それぞれの会場地で、先ほどかなり指摘された事項も改修しながら改善するだろうと思いますけれども、それぞれの市町村でも持ち出し分は当然あるだろうと思います。先催県といいますか、前回開催した状況、あるいはまた今般の大会に向けての県としての支援のあり方はどういう形なのでしょうか、お聞きします。
〇安部施設課総括課長 市町村への施設整備等の支援の状況でございますけれども、市町村における施設整備に要する経費を軽減するため、昨年度、県で補助金を創設いたしました。昨年度は四つの施設の整備事業に補助を実施して、計4、637万4、000円の補助金を交付してございます。本年度は、昨年度からの繰越分も含めて11の施設の整備事業に補助を行っておりまして、繰越分については計1億7、291万円余、現年度分については計1億5、399万円余の補助金を見込んでおります。また、スポーツ振興くじ助成金など市町村が有利な財源を確保できますよう、優先的な採択について、県としても関係先に強く働きかけているところでございます。
 こうした財政的な支援に加えまして、施設課内に技術系の職員を配置いたしまして技術的な助言や相談などに対応し、技術面からも市町村をサポートするよう努めてございます。
 現在、来年度の施設整備費の補助につきまして、市町村から事業計画書の提出を受けまして協議を進めているところでございます。引き続き、市町村の施設整備が着実に進むよう支援を行ってまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝博委員 岩手国体は復興国体とも名づけられますけれども、それに恥じないような環境整備、施設整備を進めてほしいと思います。市町村に対しても相応の支援をするということでありますので、期間が限られている中で頑張ってほしいと思います。
 最後に、県民総参加の取り組みということで、冒頭、局長からもお話がありました。いろいろやりますよと。なかなか県民に周知が行かない部分はまだまだあるだろうと思います。何か、いいきっかけができるような、リハーサル大会もありますけれども、それ以前に、来年度に向けてはかなり積極的なPR活動――先ほど、福井委員からもお話がありました協賛金も含めて、いろんな形でやることによって意識が高まるだろうと思いますけれども、それらも含めて、改めてお聞きしたいと思います。
〇小友総務課総括課長 県民総参加に向けての取り組みでございますけれども、希望郷いわて国体は、復興の力となる国体を目指して、県民の総力を結集して開催することとしております。このため、県民、企業、団体の皆様には、県民運動への積極的な参画をいただくなど、それぞれの立場で国体を支えていくことで、県民総参加による国体を目指しているところでございます。
 具体的に、県民の皆様には、デモンストレーションスポーツへの参加、式典への出演、ボランティア活動への参加、募金、企業協賛などの国体への参加という切り口、来県する選手の皆さんを、たくさんの花ときれいなまちで歓迎するなどのおもてなしの心で歓迎といった切り口、手づくりの横断幕やのぼり旗で気持ちを伝えるなどの復興支援への感謝などの切り口で呼びかけることとしております。具体的には、ガイドブック、リーフレットを年内に作成いたしまして配布したいと考えております。あと、9月末には、希望郷いわて国体と希望郷いわて大会のホームページを全面的にリニューアルしたところでございます。
 このような県民運動の展開に当たっては、今後、県の実行委員会と市町村の実行委員会が十分に連携して取り組んでいくことが大切だと考えております。企業、団体の皆様に、それぞれができることを自発的、主体的に取り組んでいただけるように、市町村と一体になって、県民総参加による国体の実現に向けまして取り組んでいきたいと考えております。
〇城内愛彦委員 私からは1点お伺いします。隣の福井せいじ委員が踏み込んで宿泊の部分を聞いてしまったんですけれども。
 前回の国体が開催されたとき、昭和45年、私は10歳でありました。そのときに、県民総参加ということで、早くから学校の先生からプランターを渡されて、今思うと、赤いケイトウという花を植えさせられて、そういうものを育てたという記憶があります。当日は日の丸の旗を持たせられて、花輪橋に立って振ったということがあったんですけれども、多分、それは天皇陛下がいらしたということだと思っています。そういった意味で、今回、皇族方も多分いらっしゃるでしょうし、そういうことも含めて、前回は国体の宿泊施設が少なかったということで、民泊というんですか、そういうことでしのいだ――しのいだという言い方は変ですけれども、それも含めて岩手らしさだったと思うんですが、今回もまたそういった同じ形でもっていくのか。それと、今回は震災、津波に遭って大変な時期で、広く応援してくださった多くの国民の方々に、再度、岩手に訪れていただいて復興の状況を見てもらうという意味もあります。
 ただ、一方で、2016年は、復興計画の中では沿岸地区ではまだ道路工事等がされている状況があります。そういった中で、宿泊施設というのは復興の中でも大変問題になっております。特にも、沿岸地区の宿泊というのを私は心配しているんですが、どういった形で対応するのか、どれぐらいの人が訪れるのかというのをまずお伺いしたいと思います。
〇安部施設課総括課長 本県に来県する選手、監督等大会参加者の見込み者数でございますが、これまでの開催県の実績を参考といたしますと、国体で約3万5、000人、全国障害者スポーツ大会で約6、000人と見込まれます。宿泊の延べ人数で申しますと、国体で約13万5、000人、障害者スポーツ大会で約2万6、000人と想定してございます。
〇城内愛彦委員 そういう中にあって、宿泊施設が現在の数で足りるのかという部分です。そういう部分を、もちろん分散していろんなところに泊まってもらうわけですが、国体関係者だけでそれぐらいの数ですし、それを応援に来てくださる方々、あるいは国体だということでいろんなところから見に来る観光客も含めると、その倍以上になると私は思うんですが、その辺は宿泊計画の中でどういった予測を立てているのかお伺いしたいと思います。
〇安部施設課総括課長 宿泊計画におきましては、選手、監督、大会参加者について宿泊計画を立てます。ただ、現時点の見込みでは、北上市、奥州市、紫波町など県内13市町村で宿泊施設が不足するのではないかと予測してございます。これにつきましては、隣接の市町村に宿泊してもらう、あるいはさらにもっと旅館、ホテル等に国体への客室提供をしていただく、公民館等の公共施設を宿泊施設に転用する、もう一つの対策としては、先ほど申し上げた民泊という四つの対策で確保対策を進めていくこととしております。
 それから、大会参加者以外の一般の方が県外からもたくさんいらっしゃるだろうと思ってございます。ただ、県内の宿泊のキャパシティーを想定しますと、私どもの調査では大体5万人弱と考えてございます。国体の参加者のピーク時で1万8、000人ぐらいと見込んでおりますので、どの程度いらっしゃるかにはよりますけれども、ある程度確保はできるのかなと考えてございます。
〇城内愛彦委員 さっき、おもてなしという言葉を小友総括課長が言われましたけれども、ぜひ、しっかりと対応してほしいと思います。
 あわせて、今、岩手県の被災沿岸地区では復興視察ということもやっています。そういったことも絡めてほしいし、ジオパークも認定されましたし、平泉の文化遺産もあるわけです。岩手に国体では来たんだけれども、いろんな意味で、ついでという言葉はあれですけれども、しっかりと県内の視察も含めて見ていってほしいと思います。そういう仕組みもぜひ仕掛けてほしいと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
〇小友総務課総括課長 ジオパークであるとか平泉とか、あわせて観光というお話が委員のほうからございましたが、こちらにつきましては、まさに県民協働ということで、民間の方々、観光協会の方々などの御協力もいただきながら、観光案内であるとか、関係のリーフレットの作成等について御相談をして、できれば手を挙げてやっていただくような形になれば非常に望ましいかと考えているところでございます。
〇安部施設課総括課長 先ほど、委員から沿岸地域での宿泊施設のお話がございました。沿岸地域においては、やはり東日本大震災津波の復旧、復興工事関係者の宿泊との調整が必要と考えてございます。工事の進捗に影響を及ぼすことのないよう、発注機関と十分に調整を図りながら、沿岸における宿泊の確保対策を進めてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇工藤大輔委員 関連。ただいまの宿泊の関係なんですけれども、確かに競技が集中してくると宿泊施設等、また、観客等相当混み合うような状況になるわけですけれども、例えば一つの案として、競技日程を少し幅をとる、通常の開催日程を少し長くとってもらえることによってさらに翌週にわたって宿泊できるとか、そういうことも一つの対応としては考えられるのかと思いますけれども、実際にはそういったことが可能なのかどうかお伺いしたいと思います。
〇高橋競技式典課総括課長 競技日程につきましては、本年の12月までに競技別の日程を決定することにしております。今現在、各競技団体、市町村と協議いたしまして、日本体育協会のほうに県の案を提示しておりまして手続を進めております。その競技別の日程に基づいて、今、施設課総括課長が答弁したように、宿泊に関しても、それに基づいて対応していきたいと考えております。
〇工藤大輔委員 民泊とか公民館の活用という説明もございましたが、私は、できる限りそういうことのないような形で、できるのであれば、例えば開催日程を1週間広くとってもらうだとか等をしながら、選手団にもよりよい環境に宿泊してもらい、なお、よりよい状況で競技に挑んでもらうというような対策、そしてまた、無理のない開催を進めるべきだと思いますので、現状はそのような形になっていないとすれば、再度検討等をしていただきながら、岩手ででき得る、そして最高によりよい対応ができる国体、無理のない形で、来ていただいた方々に気持ちよく競技を終えて帰っていただく、そのような体制をぜひつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇高橋競技式典課総括課長 大変申しわけございません。会期のほうは平成28年10月1日から10月11日の11日間と決まっておりまして、その中で競技別に3日、4日と重ならないように調整した案で国と協議しているところでございますので、宿泊に関しては、それに基づいてしっかり対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
〇松岡国体・障がい者スポーツ大会局長 日程の関係については、今、総括課長が答弁したとおりで、なかなか難しいわけでございますが、同一の市町村で複数の場合には、前期と後期に分けて、できるだけ宿泊がかぶらないような配慮ということで、競技別の開催日程も一応県の案というものを設定してございます。
 あとは、宿泊の関係については、施設課総括課長が答弁したように、今、そのシミュレーションをやってございまして、どこの市町村でこれぐらいの不足が見込まれる、では、それをどのようにやってその隣の市町村にお願いするかということをしながら、とにかく、できるだけ選手の皆様方には、十分に能力というか、活躍してもらうような環境を整えなければいけないと。そのためには、そういう宿泊施設というものをきちんと整えるということが大変重要かと思いますので、委員のお話も踏まえながら、さらにそういう宿泊の対応の検討をしてまいりたいと考えてございます。
〇工藤勝子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 質疑がないようでありますので、国体・障がい者スポーツ大会局関係の質疑をこれで終わります。国体・障がい者スポーツ大会局の皆さんは退席されて結構です。大変御苦労さまでした。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇田中警察本部長 平成24年度の警察本部関係の決算について御審議をいただくに当たり、初めに、東日本大震災津波に伴う県警察の取り組みについて御説明申し上げます。
 東日本大震災津波により本県では4、673人のとうとい命が失われ、いまだ1、100人以上の方が行方不明となっております。県警察といたしましては、今後も、行方不明者の捜索、御遺体の身元確認等の活動を継続してまいります。
 また、震災の発生から2年7カ月が経過いたしましたが、被災地ではいまだ多くの住民が不安定な生活環境のもとで暮らしているほか、復興事業に伴う人や車の流入増加などによって、各種犯罪やトラブル、交通事故の発生等が懸念されるところであり、引き続き、被災者の方々の意見、要望等を踏まえ、情勢の変化に的確に対応した所要の活動を推進し、被災地における住民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、警察業務の推進状況について御説明申し上げます。
 県警察では、平成22年12月、平成25年までをめどに、緊急かつ重点的に取り組むべき各種施策を取りまとめ、1に、安全・安心なまちづくりの推進、2に、少年の非行防止と保護対策の推進、3に、悪質、重要犯罪の検挙対策の推進、4に、交通事故抑止対策の推進、5に、テロ対策の推進、6に、災害対策の推進、7に、治安基盤の強化という七つの項目を柱とした第2次岩手県警察総合治安対策プログラムを策定したところでありますが、平成24年は、東日本大震災津波に伴う災害警備活動を推進しつつ、県下全体の治安維持に必要なプログラムの施策についても重点的に推進したところでございます。
 それでは、まず、平成24年中の県内の治安情勢について御説明申し上げます。
 最初に、刑法犯の発生状況等についてでございますが、平成24年中における県内の刑法犯の認知件数は6、480件、対前年比で127件の増加となっておりますが、これは、戦後最少記録を更新した平成23年の6、353件に次いで低い件数となっております。
 一方、その内容を見ますと、当県では、侵入窃盗のうち、鍵をかけないで被害に遭っているいわゆる無施錠被害の割合が62.8%と全国ワースト1位となっております。無施錠被害は、被害の認知がおくれることから、侵入者との鉢合わせなどによって殺人や強盗等に発展するおそれもあり、極めて重要な課題と認識しておりますことから、鍵かけの励行による自主防犯行動の促進など、県民に対する防犯意識の浸透に努めております。
 次に、平成24年中の県内の交通事故の発生状況等についてでございますが、発生件数は3、408件、死者数は83人、負傷者数は4、269人となっており、発生件数と負傷者数は前年に比較して減少したものの、死者数は前年を17人上回り、過去5年間で最多となったことに加え、65歳以上の高齢者の占める割合が過去最高の66.3%を記録したこと、また、薄暮時間帯における死亡事故が増加するなど、交通事故情勢は予断を許さない状況にあります。
 県警察では、交通安全教育用資器材を活用した参加、体験型の交通安全教育などの防止活動を推進しているところでもあり、今後、これらの活動の評価、分析を行いつつ、関係機関、団体等と連携した交通事故防止対策をさらに充実、強化してまいりたいと考えております。
 こうした中、本年5月に公表されました県の施策に関する県民意識調査の結果によりますと、犯罪への不安の少ない社会づくり、交通事故の少ない社会づくりが重要度の上位にランクされており、県民は良好な治安の維持を強く望んでいるものと思われます。
 こうした県民の方々の意識や、先ほど御説明いたしました諸情勢を踏まえ、県警察といたしましては、今後も、東日本大震災津波への対応と安全・安心を実感できる地域社会の実現を活動の重点に、総力を挙げて各種施策に取り組んでまいります。
 続きまして、平成24年度の警察本部関係の決算について御説明申し上げます。お手元の平成24年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。第9款警察費の歳出予算現額は278億247万円余で、これに対する支出済額は273億7、949万円余、執行率は98.5%であります。支出済額は、前年度に比べますと21億4、055万円余、7.3%の減となっております。
 なお、翌年度繰越額の合計額は1億4、999万円となっております。これは、本年の県議会2月定例会で議決されました交通安全施設整備などの明許繰越に係る事業費が主なものでございます。
 不用額は2億7、299万円余となっており、その主なものは、運転免許関係の講習業務の委託実績が見込みを下回ったことなどによる委託料の残、地域活動、捜査活動、交通取締活動等に係る旅費の支出が見込みを下回ったことによる旅費の残、経費節減等による需用費の残などであります。
 次に、16ページをお開き願います。第11款災害復旧費第1項庁舎等施設災害復旧費に警察施設及び交通安全施設の災害復旧事業費も含まれておりますが、詳細につきましては、後ほど歳入歳出決算事項別明細書により御説明させていただきます。
 次に、一般会計決算の内容につきまして、平成24年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、第9款警察費の説明に際しましては金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 決算事項別明細書の314ページをお開き願います。第9款警察費第1項警察管理費第1目公安委員会費は、公安委員3名の委員報酬及び活動経費であります。第2目警察本部費は、警察職員の給料、職員手当などの給与費が主なものであります。警察費の決算額に占める給与費等人件費の割合は約82%となっております。
 なお、平成24年度における警察官の定員は、東日本大震災津波により壊滅的な被害を受けた沿岸市町村の良好な治安の確保及び円滑な道路交通を確保することを目的に130人の緊急増員を行ったことにより、2、245人となっております。
 第3目装備費は、犯罪捜査や災害対策などに対応するための警察装備の経費で、警察車両、警備船、県警ヘリなどの維持管理費が主なものでございます。次に、316ページをお開き願います。第4目警察施設費は、治安の基盤をなす警察署、交番、駐在所などの警察施設の整備や維持管理などに要した経費であります。第5目運転免許費は、自動車運転免許試験、免許更新、行政処分などに要した経費であります。次に、318ページをお開き願います。第6目は恩給及び退職年金の経費であります。
 第2項警察活動費第1目一般警察活動費は、110番通報を処理する通信指令システムなどの警察通信施設の維持管理などに要した経費であります。第2目刑事警察費は、少年非行の防止や子供の安全対策などの安全・安心なまちづくり推進事業、各種犯罪の捜査、取り締まりなどに要した経費であります。第3目交通指導取締費は、交通安全や指導取締活動、交通事故の防止と交通の円滑化を図るための交通信号機等の交通安全施設の整備及び維持管理などに要した経費であります。
 次に、346ページをお開き願います。警察施設及び交通安全施設の災害復旧事業に要しました経費につきまして御説明申し上げます。
 第11款災害復旧費第1項庁舎等施設災害復旧費第2目警察施設災害復旧費の歳出予算現額は5億1、880万円余で、これに対する支出済額は5、258万円余、執行率は10.1%であります。これにつきましては、東日本大震災津波で被災した信号機等の一部について、交通安全施設を復旧する交通環境が整っておらず、整備が不可能となったことによるものなどであり、事業費の残額4億6、622万円余について不用額としております。災害復旧事業といたしましては、釜石警察署唐丹駐在所の改修工事、交通信号機、道路標識等の交通安全施設の復旧などの事業を行っております。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
〇工藤勝子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇及川あつし委員 会派を代表しまして、警察の皆さんにお尋ねいたしたいと思います。
 お尋ねするのは3点であります。最初の2点は、今回の決算審査に当たりまして主要施策の成果に関する説明書が配られておりまして、警察に該当する部分で、不名誉な達成度Dの評価になっている部分について、あえて伺いたいと思います。
 先ほど、警察本部長のほうから諸般の報告がございました。犯罪認知件数は減ってきていると。ピークに比べて半分ぐらいになっているのでしょうか。これは非常に望ましいことでありますし、犯罪率についても秋田県に次いで全国で2番目に低いという状況で、これにつきましては警察の皆様の御努力の成果でもあるかと思っております。
 一方で、報告にありましたとおり、侵入窃盗のうち無施錠による被害件数、鍵をかけないで盗みに入られたという意味だと思うんですが、全国ワーストワンということでございまして、成果報告書においても達成度Dになっております。県警として、この現状認識とこれからの取り組み、改善策についてお示しいただきたいと思います。
〇吉田生活安全部長 侵入罪のうち無施錠による被害の件数についてでございますけれども、平成24年中には672件中422件が無施錠でございました。また、本年9月末現在では369件中237件でございます。また、住宅対象の侵入窃盗では、平成24年中は286件中212件、本年の9月末現在は、同じく住宅対象の侵入窃盗ですけれども、161件中126件ということで、ことしも高どまりの状態が続いている状況でございます。
 また、現状認識と今後の取り組み、改善等についてでございますけれども、侵入窃盗のうち、特に住宅対象の侵入窃盗については、貴重な財産を奪われるだけではなくて、犯人と家人等が鉢合わせした場合に、凶悪事件へと移行するおそれが極めて高い犯罪であるという認識をしております。そのために、県警察といたしましては、地域の犯罪情勢に応じて、鍵かけ推進モデル地区の指定、交番速報とかミニ広報紙、あるいは県警のホームページなどによって、子供から高齢者までの各世代に対する鍵かけの励行の呼びかけ、各種警察活動や各種対策を推進しているところでございます。今後も、引き続き、県民総ぐるみによる鍵かけの励行が促進されるよう広報啓発活動を推進してまいります。
〇及川あつし委員 犯罪率が低いから安心して鍵をかけないのか、そこの相関性があるかどうかはわかりませんけれども、岩手県の県民性の部分もあろうかと思います。
 自転車の無施錠については、随分長く警察の皆さんもいろんなところに行って声かけをされているのを私も見ておりますけれども、この鍵かけ運動についても特段の配慮が必要かと思っています。わかりやすいいろんな啓発活動というのも必要だと思うんですが、いろいろ回覧板等でも見たことがあるんですけれども、具体的にどんな鍵かけ運動をやっているのか、事例もあれば紹介してもらえればと思うんですが。
〇吉田生活安全部長 特に県内の17警察署で鍵かけモデル地区等を指定して、町内会ぐるみでそういう運動をやっていただいたり、あるいは建築業者などで、いわゆるリフォームの売り込みをする方々に、そういった鍵かけについての情報をこちらから提供させていただきまして、セールスのときにそういった情報も提供していただくということも含めて、いろんな形であらゆる広報媒体等も利用して、マスコミの方々にも御協力いただきながら、現在進めているという状況でございます。
 なお、自転車のお話がございましたけれども、自転車についても、高校生の生徒指導の担当、生徒会の方々に協力をいただきながら街頭活動等もやって進めているところでございます。
〇及川あつし委員 わかりました。また、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 二つ目のD評価の部分ですが、自主防犯団体のうち、犯罪が起こりにくい環境づくりに取り組んでいる団体の割合について伺いたいと思います。
 そもそもの指標の設定がこれでいいのかなという気も実は私もしておりますけれども、この件についてのD評価というのはちょっと意外であります。今、PTAも含めて、安全箇所の点検とか、私の周りはかなりやっているなという感じがするんですが、いずれ、指標によればD評価になっているということでありますので、これについては、何か、もう少しいろんな団体にサポートが必要なのかという感じもしておりますが、今後、どのような取り組みでこのD評価を改善していくことになっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
〇吉田生活安全部長 このD評価につきましては、いわて県民計画の第2期アクションプランにおいて、自主防犯団体による効果的な活動の実施を目指して、平成26年度までに、次の3点、一つ目は危険箇所点検の実施、二つ目が防犯指導とか防犯診断、三つ目が地域安全マップの作成という活動を行う団体の割合を60%とする目標を定めて推進していたところでございますけれども、平成24年度は前年よりもパトロール活動にとどまった団体が多くなり、今申し上げました三つの活動が若干低調であったということが結果として出てきて、D評価になったものでございます。そのために、各警察署においては、自主防犯団体が危険箇所点検等の実施を推進することは地域の安全・安心活動に極めて重要であるということから、自主防犯団体と警察とが協働しながら、積極的な活動を推進するように指示しているところでございます。
〇及川あつし委員 これは非常に効果があると思って私は見ていました。子供たちに、通学路の中でどこが危険かとか、ふだん遊ぶところでどこが危険かとか、地図にドッティングさせて、何が危険かということを書いて、毎年それを更新して、配って、説明して、一緒に歩いてということをやっていて、頑張っているんじゃないかと思ったんですけれども、全県的にはまだだということなので、ぜひ取り組みを進めてもらいたいと思います。
 あとは、パトロール中心ということですが、最近、青色回転灯の車がふえてきていて、これも子供の安全には非常に有効かと思いますので、あわせてお願いしたいと思います。
 次に、3点目、最後の論点でありますが、ちょっと気になる記事が何件かありましたので、その点について伺います。
 警察官の採用の関係であります。これについては、平成20年度以降については、公務員人気などもあって応募者が増加していたということでありますが、昨年度は一転して応募者が減少したという報道がございました。特に大卒の警察官の採用試験は男女とも大幅な減少。単に減少ではなく、大幅な減少ということであります。さまざまな社会的な背景もあろうかと思うんですが、私は、おもしろい警察のドラマ、刑事ドラマの減少も非常に原因かなと実は思ったりもしているんですが、いずれ、最近の応募倍率の推移の傾向、大卒、高卒それぞれの試験の状況について伺いたいと思います。
 また、これも、これまでも議論がたび重なってありましたけれども、いわゆる大量退職期を迎えている警察官の関係でありますけれども、本県の状況についてあわせてお伺いしたいと思います。
〇安岡警務部長 まず、退職者数の状況でございますけれども、県警察におきましては、平成25年度から平成34年度までの10年間で定数の約3分の1が入れかわるという大量退職、大量採用期を迎えておりまして、毎年100人前後の退職と採用が見込まれているところでございます。一方で、警察官採用試験の受験者数及び平均倍率は、平成16年度の1、588人、17.3倍をピークに減少を続けまして、平成24年度は820人、9.5倍、そして今年度は600人、5.5倍と、平成16年以降最低となったところでございます。
 これについて、採用区分別に平成16年度と今年度を比べますと、どの採用区分も大幅に低下しているところでございまして、大卒程度でございます警察官Aの男性が15倍から6.4倍、それから警察官A、大卒程度の女性が35.5倍から10.1倍、警察官B、これは高卒程度でございますが、男性が25.3倍から6.7倍、警察官B女性が37.0倍から7.5倍という状況になってございます。
 近年の申込者数の減少の原因につきましては、採用試験の実施権者である人事委員会の見解では景気回復に伴う民間志向の高まりが考えられるとのことでございますけれども、県警察といたしまして正確な原因の特定には至っておりません。
〇及川あつし委員 警務部長、もちろん人事委員会がそういう見解しか出していないので原因を完全に把握できるとは思わないんですけれども、やっぱり警察というのは一つの国民の安全の象徴ですから、目指している人にとっては応募倍率が高いことは厳しいことかもしれないけれども、もう少し一定の応募者数があってしかるべきだと思うんです。いろいろな原因があると思うんですけれども、これは中長期的な警察力の基礎体力の部分だと思いますので、応募者数が減った原因について、もう少しきちっと警察なりの視点で調べてもらうことも大事かなと思うんですが、何か所感はありますか。
〇安岡警務部長 応募者の減少につきましてはさまざまな要因があるかとは思います。今、景気回復による民間の採用者数の増加ですとか、そういうようなことを申し上げましたけれども、若者自体が減っているということもあるかもしれませんし、警察官という職業について、どのように今の若い方が考えているのかというようなこともあるかとは思います。
 いずれにいたしましても、今後、警察力をしっかり維持するためには、真に岩手県民の安全・安心確保のために働く意思を持つ優秀な人材を確保することが必要であると考えておりますので、御指摘の申込者数が少ない要因なんかも可能な限り分析いたしまして、採用活動についてしっかりと強力に推進してまいりたいと考えております。
〇及川あつし委員 そのようにぜひ採用に当たって分析をした上で、採用活動、募集活動に具体的に取り組んで、優秀な人材の確保に特段のお取り組みをいただきたいと思います。
 最後になりますが、先ほど御答弁いただいたいわゆるベテランの警察官の皆さんの大量退職期を迎えるということが片やあって、ベテランの警察官の皆さんがいなくなると、何となく、不安じゃないですけれども安心感が少し欠如してくるような感じがしております。いろいろな場面で、我が地域の交番にも交番相談員とかいてじっくりいろいろ地域の皆さんの話を聞いていただいたりしている場面も見ておりますけれども、あわせて、やめられる警察官の皆さんにしっかり次の警察官の育成にも取り組んでもらいたいということも強く願うところでありますけれども、若手警察官の育成について県警でどのように取り組んでいるのか伺って質問を終わりたいと思います。
〇安岡警務部長 御指摘のとおり、次代の警察官、若手警察官の育成というのは非常に大事な問題だと県警としても考えております。若手警察官の育成方策についてでございますけれども、若手警察官の育成につきましては、まず警察学校における教養と、あとは警察署における職場実習の二本立てで実施しているところでございます。職場実習については、中堅やベテランの警察官を実習の指導員といたしましてマンツーマンによる同行指導などを行っておりまして、地域警察官として必要な知識、技能の習得に努めさせているところでございます。
 それから、採用時の教養の修了後は、実務経験の少ない若手警察官を重点対象者といたしました職場教養の推進に取り組んでいるところでございまして、主な早期育成方策について申し上げますと、まず、ベテランの職員や専務係員による実戦塾や捜査実習、それから各種現場等を想定した現場対応措置訓練、それから職務質問活動が優秀な職員を技能指導員として指定いたしまして職務質問技能の同行指導、それから卓越した捜査技能を有する職員を技能指導官ということで任命いたしまして、取り調べ技能や鑑識技能などの伝承教養といったさまざまな方策を推進いたしまして、若手警察官の指導、育成に努めているところでございます。
〇及川幸子委員 まずもって、田中警察本部長、女性初の、全国初ですからすごくすばらしいことだと思っております。大阪からようこそいらっしゃいました。大歓迎いたします。男性の署員の方々は優しいですか。いじめられたら逮捕してください。
 田中警察本部長にぜひお伺いいたします。県内各署の署員が十分であるのかどうなのか。特に沿岸被災地の状況はどうなのか。130人の緊急署員ということですが、その状況をお知らせいただきたいと思います。
〇田中警察本部長 どうも応援ありがとうございます。優しくしていただいております。
 ただいま、県内各署の署員の関係でございます。本県の警察官定数につきましては、岩手県職員定数条例で2、197人と定められており、そのうち県内17警察署に、岩手県警察職員定数規則上、計1、502人、68.4%の警察官を配置しております。各警察署への警察官の配置につきましては、管内の人口や世帯数、犯罪発生状況等を勘案して適切な人員を配置することとしております。
 なお、沿岸被災地を管轄する警察署についてのお尋ねですけれども、本年度は緊急増員の警察官につきましては70人ということになっておりますが、大船渡警察署に97人、釜石警察署に93人、宮古警察署に101人の警察官をそれぞれ配置しておりまして、そのうち緊急増員の警察官は、大船渡及び釜石には各24人、宮古警察署には22人をそれぞれ配置しておりまして、特に被災地域における良好な治安を確保するための活動に従事していただいております。
〇及川幸子委員 良好な治安ということで大変張り切って頑張っていらっしゃるということで安心しております。
 それでは、犯罪の検挙状況、結局、私、日中よりも夜中から朝までの暗い時間帯、夜勤の方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう時間も含めて犯罪の検挙状況はどうだったのかお伺いしたいと思います。
〇田中警察本部長 済みません、夜間についてただいま手元に持っておりませんので、また後ほど。
 本県の全刑法犯の認知件数からまず御説明させていただきます。認知件数につきましては、平成13年の1万5、125件をピークに平成14年から連続6年減少し、平成19年には昭和58年以来24年ぶりに1万件を下回り、平成24年には6、480件まで減少しております。
 一方、検挙率につきましては、平成12年から平成14年までの3年間は20%台で推移しておりましたが、平成15年には30%台に回復し、ここ10年の平均は41%でありまして、平成24年の検挙率は42.7%でありました。また、本年もほぼ前年どおりの検挙率で推移しているところでございます。ただ、当県では、ことしに入り、殺人事件やコンビニ強盗などの凶悪事件のほか、子供に対する声かけ事案、女性に対する性犯罪、高齢者が被害に遭われる振り込め詐欺などの特殊詐欺被害が増加しておりまして、また、震災復興に便乗した犯罪の発生も懸念されるなど、いまだ県民の不安の解消、軽減は十分とは言えない状況にあると考えております。
〇及川幸子委員 私、なぜこれを聞いたかと申しますのは、ここ1週間ぐらい前に、孫たちが裏の道路に集団登校で集まっておりまして、朝7時半に出発するんですけれども、そこに軽自動車の鍵と220円落ちていて、走ってきて、ばばちゃん、これ大変だということで、軽自動車の鍵と220円預かったわけです。すぐさま水沢警察署に電話したんですが、そのときの署員のお答えが、大変犯罪が多くて、私ども署員が少なくて対応ができかねるので、もっと時間を置いてから窓口に来てくださいということだったので、文句も言わずに、県議会議員とも言わずに、はい、わかりましたということで8時半過ぎに訪れたということがありました。これは孫たちには言いませんでしたけれども、それほどお忙しく、朝方まで何人かの夜勤の方で対応しているのかなということで今までの質問をしたわけです。
 部長、やっぱり各署員の夜の仕事というのは大変なのではないかと思うんですけれども、どうなんでしょう。
〇田中警察本部長 具体的にその日どうだったのかとか、例えば水沢警察で毎晩どういうような状況であるのかというのはちょっと勉強不足でまだ把握していないところでありますけれども、私の今までの経験から申し上げますと、やはり夜の勤務というのは大変忙しくて、どうしても体制が少なくなりますので、その中で発生してくる事件や事故やあるいは相談とか、そういったものに全て対応しなければいけないというところがありまして、特に朝方の時間というのは一番体制的にも弱くなってくるところでございまして、この対応自体がどうだったのかという問題はちょっとあるのかなと私自身は思っているんですけれども、どういう体制であれば十分なのかということはまた今後見ていきたいと思っております。
〇及川幸子委員 適切にお答えいただいてうれしく思います。
 こういうことに対して、今後における課題と署員の教育について、特に本部長はいろいろ沿岸地とか県内各地の署を回っていらっしゃるということを伺っておりますが、署員の教育についてどのようにお考えになっているのかお伺いいたします。
〇田中警察本部長 まず、被災地を含めて、県全体の治安維持の確保のためには警察力の強化は必要であると考えておりまして、引き続き、緊急増員がなされるように関係当局と調整を進めてまいりたいと考えております。
 また、犯罪の検挙率を向上させて良好な治安を確保するために、今後とも自治体や地域住民の方々と連携して、社会全体の犯罪抑止機能を高めて犯罪の総量を抑制するとともに、犯罪発生時には、タイムリーな情報発信等を行って、関係機関や地域の住民の皆様などからの関連情報の提供や各種の協力を得て迅速に検挙してまいりたいと考えております。
 次に、職員の指導教養についてでございますけれども、先ほども警務部長から申し上げましたとおり、ベテランの警察官による実戦塾や同行指導といった多角的な指導教養を実施して、職務執行に必要な技能の伝承と若手職員の早期育成を図るほか、やはり職員個々の実務能力の向上といったものにも配意した教養を徹底してまいりたいと考えております。
〇及川幸子委員 田中本部長、ぜひ犯罪のない明るいまちづくり、岩手のまちづくりに努めていただきまして、優しい署員をまとめて、いい岩手をつくっていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございます。
〇岩渕誠委員 私は、平成24年度の交通事故関係についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 平成24年度の交通死亡事故につきましては、先ほど本部長から御報告いただきましたとおり、大変残念な結果ではなかったかと思います。当然、評価もD評価ということであります。県警察並びに交通指導員、地域の住民も挙げて交通安全対策に取り組んでいる中で非常に残念だったなという思いをしておるわけでありますけれども、この平成24年度の交通事故対策と実績、それから、特に重大案件であります死亡事故における原因分析をどのように行っておられるでしょうか。
〇田鎖交通部長 平成24年の交通事故対策につきまして最初に申し上げたいと思いますが、県警察といたしましては、セーフティ・ファイブ作戦と銘打ちまして、5項目、1に、高齢者の交通事故防止対策、2に、薄暮時、夜間の交通事故防止対策、3に、飲酒運転等悪質、危険性、迷惑性の高い違反取り締まり等の強化、4に、被害軽減対策、5に、自転車の安全利用対策、この5項目を重点に、自治体を初め関係機関、団体と一体となった活動を展開したところでございます。
 平成24年中の交通事故の発生状況等につきましては先ほど本部長から御説明がございましたが、件数、負傷者数につきましては9年連続で減少しておりますが、死者数につきましては、平成22年、平成23年は2年連続で60人台で推移しておりましたが、昨年につきましては3年ぶりに増加している等、残念な状況にございます。
 なお、死亡事故の主な原因についてでありますが、運転者側の原因といたしましては、前方不注視あるいは安全不確認によります対向車線にはみ出しての正面衝突事故、あるいは交差点での出会い頭事故が多いという状況がございます。また一方で、歩行者、自転車利用者の側につきましても、車両の直前横断、あるいは交差点での安全不確認等が事故の原因の一端として挙げられている、そのような状況がございます。
〇岩渕誠委員 交通安全対策では悪質ドライバーの取り締まり等について積極的に進めていただきたいわけでありますけれども、一方で、やはり交通事故の場合は、普通に生活をしていても、いつ何どき誰が加害者になるかもしれない、被害者になるかもしれないということで、一般県民に対する啓蒙というものが極めて大事だと。警察言うところの、全体をひっくるめて言いますと鬼手仏心の部分が必要だと思っているんですが、そういった重大死亡事故の原因分析を、例えば教習関係でどのようにフィードバックをされておられるのでしょうか。
〇田鎖交通部長 事故原因の分析結果につきましては、県の指定自動車教習所協会と連携を図りながら、県下の指定自動車教習所は30校ございますが、この協会のほうで6月から7月にかけまして例年職員講習を行っておりますので、その際、あるいは年6回、県指定自動車教習所協会の会議等がございます。その際に教習用資料としまして分析結果を提供しております。また、随時、交通事故情勢に応じてタイムリーな分析資料を提供しておりまして、教習所における運転者教育に活用していただいている状況にございます。
〇岩渕誠委員 実は、その原因のフィードバック、いろいろ教習所に対して警察本部からの通知の資料をいただきましたけれども、通り一遍の、例えば薄暮時に交通事故が多いですよ、出会い頭が多いですよ、高齢者が多いですよというような形では、やっぱりなかなか実にならないと思うんです。第1当事者、第2当事者の関係でいいますと、例えば車を運転していて、教習所で習うのは、飛び出しに対しての警戒というものを普通はやりますよね。ところが、岩手県内の交通死亡事故、特に横断中の死亡事故を見ますと、運転者から見て右から左に横断している場合の死亡事故が多い。こういった情報とかはかなり有益な情報になっているはずなんですが、これがきちんと教習段階の中で生かされているのかというと、私はちょっと違うんじゃないかと思っております。実は、この傾向はここ二、三年のものではなくて、20年前から変わらないと思います。私も20年ほど前は警察本部に詰めておりましたので、こういうデータを見たことがありますし物を書いたこともありますけれども、なかなかそういう具体のところが落とし込まれていない。そういうことに気づけば大分違ってくるんじゃないかと思っているんですが、そういう細部のところまで神経が行き届いていないんじゃないか、徹底されていないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
〇田鎖交通部長 今、委員からお話のありました内容につきましては、特に県警察といたしましても重点的に捉えております。提供の方法でございますが、具体的な事故事例などを含めておりますし、よりわかりやすい資料、わかりやすい内容ということで心がけております。その結果といたしまして、最近、指定自動車教習所等で行っていただいた内容でございますが、夜間における視認性の問題――確認状況、それから横断中に高齢者が死亡事故に遭うということが多いものですから、いわゆる歩行者保護の意識をしっかりと醸成していただくというような内容で資料提供いたしまして活用していただいているという状況にございます。
〇岩渕誠委員 岩手県警察の優秀な交通巡視員と地域警察官の活躍によりまして私も運転免許センターで長く講習させていただいたんですけれども、残念ながらそういう具体のところというのはなかなかなかったわけであります。そういう意味において、やはりもう少し具体性を持って、私の年代であれば、少なくとも教習所に通ったころというのは飛び出しに気をつけなさいと。確かに飛び出しには気をつけなければいけないんだけれども、実際の交通死亡事故案件を見ますと、それは全く違うような案件になって死亡が発生していると。ここは、やっぱり刷り込みというのがありますから、きちんと提供するというようなことをしていかないと、とにかく1人でも2人でも死者を減らしていくというのは、やはり交通事故の現場、特に遺族を見ていらっしゃる警察官、それから、最近余りそういう報道はありませんけれども、報道の現場にいてそういうところに携われば、これはやっぱり何とかしなければいけないと思うのは当然なのでありまして、もう少し工夫が必要じゃないかと思うんですが、いかがですか。
〇田鎖交通部長 おっしゃるとおり、できるだけわかりやすく、しかも理解しやすくなるような内容で資料提供するとともに、教習の方法等についてもいろいろ協議しながらやっていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 せっかく分析しているわけですから、その分析結果をきちんと伝えるという方法をぜひとっていただきたいと思います。
 もう一つ、警察の交通事故対策で大きな部分というのは交通規制の分野であると理解しております。交通規制の中では、最近、道路が変わって、時々優先道路が変わるということがあります。例えば、平成24年度の最後のときですが、3月27日には主要地方道盛岡和賀線というところが花巻市の笹間地内で延伸され、そこは市道の桔梗田大久保線というところとこれまでと新設になってタッチが変わりまして、優先道路が変わって、主要地方道のほうが当然優先道路になったと。今までとまるきり優先道路が変わったところがあるんですが、実はそこで不幸なことに、4月2日になって開通からわずか5日後に死亡事故が発生しております。この状況について、交通規制の観点から問題はなかったのかどうかお示しいただきたいと思います。
〇田鎖交通部長 今、委員からお話のありました死亡事故につきましては、従来、丁字路交差点の形態であったものが新規の道路改良供用によりまして十字路形態となりまして、いわゆる優先関係が逆転した場所での交通事故ということで把握しております。このように、新規道路の供用あるいは交通流量が変化いたしまして交差点の優先関係が逆転する場合が当然ございますが、その際にはやはり今までと違った通行方向となりますので、出会い頭等の交通事故の発生が懸念されるところでございます。
 このため、県警察といたしましては、計画の段階から道路管理者の方と打ち合わせをしながら、事故防止対策といたしまして、供用開始前から地域住民に対しまして、そのように規制が変更になります、道路が供用になりますという説明会の開催、あるいは交番、駐在所のミニ広報紙、それから地元市町村等の広報紙等にその変更の内容を掲載していただきまして地域住民の周知に努めているというような状況がございます。
 また、現場におきましては、優先関係がこれまでと異なりますので、その変更後の優先関係が明確となるように、標識あるいは標示など、これを道路管理者と連携いたしまして明確な交通安全施設を設置するようにしておりますし、供用開始後一定の期間は、交通量の多い朝夕を中心に、交通監視あるいは交通指導を実施しているという状況にございます。
 当該交差点におきましても、管轄警察署であります花巻警察署においてそのような周知方策はとっておりますが、残念ながら事故が発生しているという状況でございます。
〇岩渕誠委員 大変御努力されたんだと思います。地域の皆さんに対しての説明もやったと思いますし、現場での部分もやったと思います。ただ、やはりどうしても警察活動の中では結果の重大性というのが問われるわけでありまして、今後も、道路がどんどんよくなった中で優先道路が変わってしまうというケースがあるはずであります。一番いいのは信号機をつけるということでありますけれども、そこで問題になってくるのは、予算が限られている。だけど、非常に優先関係が変わる道路が多いというときに、どういった基準でそれをつけているのか。
 それから、今も話がありましたけれども、道路整備の設置者、管理者、これとの協議がどうなっているのか。例えば、資料をいただきましたけれども、普通は2年前とか1年半前にやって、当該年度に予算を要求する余裕があって、そして開通と同時に設置ができるというような余裕があるわけでありますけれども、どうも状況を見ていますと、道路計画の中では信号はつけるんだけれども、公安委員会の予算がないからつけられませんというケースが散見されるわけです。やはりこれはもう少し工夫が必要ではないかと思っているんですが、部長、その辺はいかがですか。
〇田鎖交通部長 初めに、信号機の設置基準の問題でございますが、信号機の設置につきましては、信号機の設置によりまして防止できると認められる交通事故が現に発生し、あるいは発生するおそれがある場合を前提といたしまして、交通量あるいは道路状況、それから周辺の学校、公共施設等の沿道環境、これらを総合的に検討して、真に効果的な場所から優先して設置しているところでございます。
 このような内容で各警察署から警察本部のほうに上申されまして、優先道を検討して公安委員会に上申している状況にございます。委員おっしゃるとおり、限られた予算の中でございますので、要望全てには応えられないという状況にはございますが、道路改良等ある程度計画がはっきりしているものにつきましては、先行して対策ができるものについては先行対策を当然実施しておりますし、あとは開通後の交通量あるいは流れを確認してから設置するというような場合もございますので、そのような形で検討しながら設置しているというような状況にございます。
〇岩渕誠委員 今ありましたけれども、ある程度県が提供した交通予測、それから県警察独自で実態調査というのが行われるんだと思いますが、最後予算がなくなると、通してみて、やってみてからやりましょうという話になるんですが、これはそれぞれでありまして、今は交通量が少なくても、この線形でここに信号機をつけないと大変なことになるというのは、まさに交通警察をやっている皆さんも経験上わかるはずなんですよ。
 今の問題は、協議がもうちょっとあったらもう少し何とかできるという問題なのか、それとも根本的に予算がないという問題なのか、いずれにせよそういう交通施設をきちんと整備しないことによって起きるということは絶対にあってはならないですし、今回の花巻の死亡事故でも、死亡事故が起きてから、地元の皆さんがやっぱりこれはつくってくれという話になるわけですよ。それじゃやっぱりいかんと私は思うのであります。苦しい状況はよくわかるのですが、であれば、もっと住民に対しての啓蒙だったり道路管理者との協議を前倒ししてやるとか、そういうことをやっていかないと、特に県内の道路は今まで以上に大型車両の通行が多くなっていますから、質が変わっていると私は思っております。そういう観点において十分な配慮をしないとやはり重大事故が発生してしまうと思っておるんですが、最後に本部長、交通安全対策をどうお進めになるつもりかお聞きして終わります。
〇田中警察本部長 信号機の設置要望につきましては、先ほど交通部長から御説明申し上げたとおり、事故発生の危険性、交通量、道路状況、交通環境などを総合的に検討するとともに、全県的な見地から設置の必要性や緊急性を勘案し、真に効果的な場所から優先して設置しているところでございます。もちろん人命重視でございますし、交通事故防止というのは大変重要なことでございますので、今後も、地域の住民の皆様方などからの要望や意見も踏まえながら整備を進めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 いずれ優先道路、間に合わない状況の道路が出てきます。今年度もそういうところがあります。万全を期していただきたいということをお願いして終わります。
〇田中警察本部長 先ほどの及川幸子委員の2問目に夜間の犯罪の状況について御質問がございました。追加で答弁させていただきます。
 平成24年中、夜の8時から翌朝の4時の時間帯の刑法犯の認知件数は1、225件、全体で6、480件ですから、5分の1くらいであります。検挙の統計はないんですけれども、そういう発生状況でございまして、これは8時間ですから、1日の3分の1の時間帯で認知件数自体は5分の1ということなので、発生事態はそんなに多くはないのですけれども、何分警察の体制自体はこういう時間帯はちょっと薄くなるというところが正直ございます。
〇小西和子委員 私は、3点通告しておりましたけれども、そのうち2点は質疑が交わされたところでございますが、交通事故防止についてはちょっとだけお伺いしたいと思います。
 先ほど、平成24年の交通事故のことにつきまして、65歳以上の高齢者の死者が多いというお話がありました。さまざまな取り組みをされたわけですけれども、それであれば平成25年はどのような状況になっているのか、発生件数、死者数、負傷者数についてお伺いします。
 まとめてお伺いしますけれども、死亡事故の特徴として、先ほど何点かお話ありましたけれども、まだございましたならばお伺いしたいと思います。
 それと、交通安全メッセージカード事業と交通安全意識普及促進事業というのを行っておりますけれども、その進捗状況についてお伺いいたします。
〇田鎖交通部長 初めに、高齢者の交通死亡事故の状況でございますが、高齢者の交通死亡事故対策につきましては県警察としても喫緊の課題であると認識しておりまして、交通安全教育、それから各関係機関、団体と連携した在宅家庭訪問など個別指導、それから反射材の直接貼付活動などを実施しております。その結果、ことし8月末の状況でございますが、高齢者の関係する事故につきましては671件で6件減少、それから高齢者の死者数につきましても24人で3人減少という減少の数字が出ておりまして、一定の成果を上げているのではないかと認識しております。
 次に、交通死亡事故の特徴でございますが、そのほかには、年齢別では高齢者がそのとおり多いという状況を申し上げました。道路別では国道の事故が多いという状況がございます。国道4号、45号の状況です。それから事故類型別では車両相互の事故が多いです。それから時間帯別では、現在は昼間に多発しております。例年9月から12月にかけましてはいわゆる薄暮時間帯におけます事故が多発してございますが、総数でいいますと昼間の事故が多いというような状況がございます。
 次に、メッセージカード事業の関係でございますが、昨年、ことしと2年連続で実施しておりまして、県内の小学生に祖父母に対する安全のメッセージを書いてもらって手渡しで渡していただいているというような事業でございますが、高齢者の方からは、やはり孫から一言注意されると非常に身につくというようなお話もいただきますし、誰に言われるよりもやはり孫から言われることが一番効くというようなお話もございまして、学校の先生方にもその辺を指導していただいておりますので、カード事業としては成果がある程度出ているのかなというふうな認識をしております。
〇小西和子委員 高齢者の交通事故防止と、高齢者が安全に住める交通環境を確保するように今後もよろしくお願いいたします。
 では、2点目ですけれども、子供を犯罪から守る対策についてでございます。
 先ほど本部長からも不審者とか性犯罪というようなお話もありましたけれども、本当に心配なことでございます。まず、子供に対する声かけ事案等の平成24年、平成25年の認知件数をお伺いいたします。あわせて、特徴と要因、改善のための取り組みと子供を犯罪から守る対策についてまとめてお伺いいたします。
〇吉田生活安全部長 県内における子供に対する声かけ事案等の認知件数につきましては、平成24年中251件となっております。前年対比で33件の増加ということでございます。平成25年9月末現在では237件であり、前年同期比51件の増加となっており、年々増加傾向にございます。
 本年9月末現在における声かけ事案等の特徴についてでございますけれども、二つありますが、一つ目は発生場所についてです。路上が177件で全体の74.7%。二つ目、発生時間帯でございますけれども、午後4時から午後6時までの下校時間帯が72件で全体の30.4%を占めており、最も多くなっているという状況でございます。
 声かけ事案等の被害対象ですけれども、女子高校生が103件、これが一番多いです。それから次が女子小学生67件、次が女子中学生41件ということで、これを全部足しますと全体の89.1%ということになります。
 なお、男子については、中学生、高校生の被害が各1件、男子小学生が21件という状況でございます。
 次に、増加の要因とか背景についてでございますけれども、教育委員会や学校等の関係機関と連携しながら防犯指導等を推進した結果、声かけ事案等に対する児童生徒あるいは保護者、それから学校関係者等の意識が高まりまして、声かけ事案が潜在化することなく警察や学校への通報に結びついている側面もあるものと考えておりますけれども、県警といたしましては、この種事案は性犯罪等の重大事件に発展するおそれが高いということから、迅速、適切に対処して、県民の不安を払拭すべく諸対策を推進していきたいと考えております。
 次に、子供を犯罪から守るための対策についてでございますけれども、三つ挙げさせていただきます。
 一つ目は、声かけ事案等の行為者の早期の特定と事案に応じた検挙、指導、警告措置をする。二つ目が、教育委員会に対する声かけ事案等の情報発信をする。それから三つ目が、県警ホームページや携帯電話情報発信サイトを活用した防犯広報などを行うほか、発生時間帯、発生地域におけるパトロールの強化など、子供を犯罪から守る取り組みを強力に推進していきたいと考えております。
〇小西和子委員 特にも、被災した沿岸部の子供を取り巻く環境というのが心配であります。声かけ事案、それから不審者情報、通学路の安全等の現状をお伺いいたします。
 先ほど子供を犯罪から守る対策についてお伺いしましたが、被災地で特にということがございましたらお伺いしたいと思います。
〇吉田生活安全部長 被災した沿岸部の子供を取り巻く環境の現状についてお答えします。
 沿岸部を管轄する大船渡、釜石、宮古、岩泉、久慈の5警察署管内における子供に対する声かけ事案等の認知件数につきましては、平成24年中は32件でございまして、前年比4件減少しております。それから、ことしの9月末現在では47件でございまして、前年同期比、逆に23件の増加となっているということでございます。
 沿岸部における声かけ事案等の特徴についてでありますけれども、先ほど御説明しました県内の状況と同様の傾向となっております。
 増加の要因とか背景につきましては、震災後における人や交通の流れが大きく変わったことなどから学校関係者や保護者等の意識も敏感になっておりまして、積極的な通報につながっている側面もあるものと考えております。
 被災地においては、震災により学校や通学路の変更を余儀なくされた地域もありますことから、学校や行政、防犯ボランティアなどの方々と連携しながら、新しい通学路の安全点検や登下校時の見守り活動等を推進しているところであります。県警察といたしましては、繰り返しになりますけれども、関係機関、団体等と連携を密にして、不審者情報を含む地域安全情報の積極的な提供や子供の防犯意識を高める安全教育の充実に努めるとともに、引き続き、声かけ事案等に対する先制、予防的な活動を強力に推進していくこととしております。
〇斉藤信委員 それでは、まず最初に、被災地での交通対策、安全対策についてお聞きします。
 被災地での交通事情と交通事故の状況はどうなっているでしょうか。
〇田鎖交通部長 被災地での交通事情、事故情勢について報告いたします。
 被災地での交通事情についてでありますが、交通量につきましては、車両感知器で震災前の平成22年8月と本年8月の1カ月間計測いたしましてこれを比較いたしましたところ、国道45号を初めとした幹線道路におきまして、本年8月には震災前の1.1倍から1.9倍と増加しております。また、ダンプカーなど復興工事に関係する大型車両あるいは支援車両などの増加が顕著となっているという状況を把握しております。
 また、被災地の交通事故の状況についてでありますが、平成25年8月末の被災地3署、これは大船渡署、釜石署、宮古署となりますが、3署におけます交通事故発生状況につきましては、人身事故の発生件数が222件と前年比5件減少、死者数は6人で前年比2人減少、傷者数は301人で9人増加という状況で、発生件数、死者数は減少しておりますが、傷者数につきましては増加している、このような状況でございます。
〇斉藤信委員 特に陸前高田市のように市街地が壊滅したところは草ぼうぼう生えて、どこが交差点かわからない。そこにダンプカーが本当にすさまじい規模で今、復旧工事で走っているわけですね。そうした被災した市街地も、仮設の信号機というのか、そういうものが必要なのではないか。あと、道路標識、安全標識が一つもない。どこに何の方向があるのかという標識がないのですよ。私は、こうしたこれからさまざまな復旧工事が行われるところも、今の交通事情を考えたら、仮設の信号機とか道路標識、交通標識が必要だと思いますが、いかがですか。
〇田鎖交通部長 被災地におけます信号機あるいは標識の復旧につきましては、平成24年度までに必要な箇所につきましては既に完了しております。しかし、陸前高田市あるいは大槌町は、市街地が大きく被災したために復旧、復興に向けて現在工事が進められておりまして、いわゆる交通安全施設を復旧する交通環境にない場所については復旧がおくれている状況にございます。
 交通信号機につきましては、今、仮設信号機というお話がございましたが、基本的に、交通事故等で信号機が損壊した場合に応急的につける仮設の信号機はございますが、通常の場合は、全て性能の面、それから安全性の面を含めまして、仮設ではなくて通常のやり方で立てるというようなやり方になると思います。
 陸前高田市街地におけます信号機の設置あるいは標識の設置についてでございますが、交通事故の発生状況、それから交通量を勘案いたしまして、信号機につきましては、かさ上げ工事あるいは新規の道路整備など新たな交通環境に対応した段階で必要な時期に必要な整備を図りたいと考えておりますが、十字路交差点等、市街地の交差点につきましては、一時停止などの交通規制が必要という状況がありますので、それについては所轄署と検討しながら整備を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 復旧工事はこれからどんどんふえていくのですよ。今もかなりの規模ですけれども、これからはもっとですよ。私は本部長に聞きたいけれども、恐らく被災地を回ったと思います、陸前高田市とか大槌町とか山田町とか。どうですか、回ってどういう印象を持ちましたか。どういうことが必要だと交通対策、安全対策で感じましたか。
〇田中警察本部長 被災地については回らせていただきました。大変な状況だと感じております。安全対策も進めていかなければならないと考えております。
 今後、かさ上げ工事等がどんどん進んでいくだろうと考えておりますけれども、幹線道路においては、先ほど交通部長が申し上げましたとおり、交通事故防止対策上特に必要がある交差点等については、工事の進捗計画等にかかわらず信号機の設置を検討してまいります。また、幹線道路以外においては、信号機にかわる一時停止規制等の交通規制の実施も検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 ぜひ被災地の実態に合った、交通事情に合った早急な対策を強くお願いします。例えば陸前高田市の場合、市街地の3分の2は災害危険地域なんですよ。ここはかさ上げ対象じゃないんです。山側の3分の1なんですよ。そういう状況ですから、被災したといっても状況は変わらないそういう地域が多いわけだから、しっかりやっていただきたい。
 それと、被災地での犯罪件数、泥酔事案、DV等の状況はどうなっていますか。
〇吉田生活安全部長 被災地を管轄する大船渡、釜石、宮古、岩泉、久慈の5署管内の犯罪件数、泥酔事案、それからDVの状況についてお答えいたします。
 まず一つ目です。最初に、犯罪件数でありますけれども、被災地である沿岸5警察署の刑法犯認知件数は、平成24年中が938件で、震災前の平成22年の1、032件と比較して94件、率にして9.1%減少しております。また、平成25年には、9月末現在の件数でございますけれども、674件で、前年同期比5件、率にして0.7%減少してございます。
 次に、泥酔事案でございますけれども、沿岸5警察署で取り扱った泥酔者の保護件数は、平成24年中が327件で、震災前の平成22年と比較しまして126件、率にして27.8%減少しております。ちなみに、平成22年中は453件でございました。また、平成25年は9月末現在で283件となっておりまして、昨年まで減少傾向にあったものの、本年は逆に増加傾向にあると認識しております。
 三つ目でございます。被災地のDV、いわゆる配偶者暴力の状況でございますけれども、沿岸5署管内で受理したDV相談の件数でございますが、平成24年中が49件で、震災前の平成22年は47件でございましたけれども、比較して2件の増加という状況でございます。また、本年9月末現在では42件ということで、前年同期比で5件増加しております。
 震災後2年7カ月余りが経過しているわけですけれども、被災地では、数値的には一定の治安が保たれていると考えておりますけれども、一方で近隣トラブルなどの犯罪に至らない事案の発生もあり、県警察といたしましては、引き続き、被災地の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 人口減少の中で、こうした生活苦、先の見通しが見えない中で、こうした泥酔、DVがふえているというのが私の実感ですので、これからが問題なので、ぜひ注視して必要な対応をとっていただきたい。
 次に二つ目に、携帯、スマホなどによる少年少女が巻き込まれた事件はどうなっているか、どういう対策がとられているか示していただきたい。
〇吉田生活安全部長 本県においては、9月末現在、少年の福祉を害する事件を34件検挙しており、前年同期比で2件の増加でございます。この中で、携帯電話機やスマートフォンなどの利用に起因する事件については、性的被害となる事件を12件検挙、その他薬物事件を1件検挙しており、前年同期比で2件増加しているという状況でございます。
 それから対策でございますけれども、被害防止の取り組みについて、具体的には、県内各地の学校や地域からの要請を受けまして、児童生徒、それから保護者及び教育関係者等を対象に、身近な検挙事例をもとに、安全なインターネット利用教室としてサイバーセキュリティーカレッジを開催したり、一般の防犯教室においてもこの種の話題を取り上げるなど、あらゆる機会を利用してインターネットサイトに潜む危険性を重点的に指導して、正しい携帯電話、スマートフォン等の利用に関する啓発を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 高校生ではもう98%、中学校3年生でも5割以上、今はスマートフォンを持っていると。この情報モラル教育というのが今やっと始まった、こういう状況の中で、全国的にも深刻な事件、この間の殺人事件もそうした形を通じてつき合ったというケースでした。これは教育委員会ともよく連携して、スマホそのものが爆発的に普及しているので、その正しい利用の仕方をよくやっていただきたい、ここはこれだけにとどめます。
 次に三つ目に、警察本部における超過勤務の実態と対応についてお聞きいたします。
 昨年度の警察本部における超過勤務時間、超過勤務手当の額、率はどうなっているでしょうか。1人当たりの状況はどうでしょうか。改善はされているのでしょうか。
〇安岡警務部長 まず、平成24年度の警察職員の超過勤務の状況につきましては、超過勤務時間数が72万2、209時間、これを職員1人当たりにいたしますと、年間平均超過勤務時間数が約309.8時間、月平均に換算しますと約25.8時間になります。
 超過勤務手当につきましては、手当の総額が14億2、517万円余、支給時間数にしますと54万9、194時間、これを職員1人当たりにいたしますと、手当額が約61万円、年間平均支給時間数が約235.2時間、これを月平均に換算いたしますと約19.6時間でございます。
〇斉藤信委員 これは昨年から見て改善されているのかどうか。私は、県警察本部が超過勤務時間をきちっと把握しているということはいつも評価しているんです。ただ、全額払われていないと。今の答弁を聞くと、1人当たり年間74.4時間がサービス残業なんです。これ、支給率はどうなっていますか。そして、74.4時間というのは、1人当たり平均の警察官の賃金で幾らになりますか。
〇安岡警務部長 まず、超過勤務自体が改善されているのかどうかという御質問でございますけれども、平成23年度の一人1カ月当たりの平均の超過勤務時間数が35.5時間、これに対しまして、先ほど御説明いたしましたように、平成24年度の1人当たり平均超過勤務時間数が25.8時間ということでございます。
 それから、平成24年度について、職員1人当たりの平均超過勤務時間数に占める平均支給時間数の割合は約76%となりますけれども、この数字については、職員の超過勤務時間数及び1人当たりの時間単価には個々に差がありますことから、あくまで平均と平均を比較したものであるということを御承知おき願います。
〇斉藤信委員 平成24年度は76%支給されたと。24%は不払い労働だったということなんですよ。本部長、サービス残業というのは社会的犯罪で許されないことじゃないですか。
 あと、1人当たりの74.4時間というのは、1人当たり平均すると幾らになるか示したらいいじゃないですか、リアリズムで。
〇安岡警務部長 最後の御質問でございますけれども、お尋ねの件につきましては、職員の超過勤務時間数及び時間単価には個々に差がございますので、一概には算出しかねるところでございます。
 それから、超過勤務につきましては、まず縮減すること自体が大事だと考えておりまして、署長会議など各種幹部会議等において具体的な指導を行っているところでございます。(斉藤信委員「そこは本部長に聞いたんだ」と呼ぶ)
〇工藤勝子委員長 今、説明中ですので。
〇安岡警務部長(続) それから、幹部職員を初めとする職員全体の労働時間短縮に対する意識の向上を図っておりまして、また、毎週金曜日をリフレッシュデーと設定しておりまして、それによって定時退庁の促進をいたしましたり、週休日に超過勤務を命じた場合の振りかえを徹底するなど、縮減に向けた取り組みを行っているところでございます。
   〔斉藤信委員「本部長に聞いたんですよ、私、委員長」と呼ぶ〕
〇田中警察本部長 繰り返しになりますけれども、超過勤務につきましては、職員の健康保持、勤務環境の観点からもまずは縮減することが必要であるという認識でございまして、各種の幹部会議等において私からも具体的に指示をしておりますほか、縮減に向けたさまざまな取り組みを推進しているところでありまして、徐々に改善が図られていると考えております。
 今後におきましても、事務の合理化、効率化を推進し、超過勤務の縮減に向けた取り組みを引き続き継続するとともに、勤務実態の把握に努め、突発的な事案に対処する必要がある場合には、所要の措置を講じるなど適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 まともな答弁じゃない。私は、サービス残業が犯罪なのかと聞いたんですよ。いいですか、私は、支給率は今回は76%ですから、その前は70%でしたから、改善はされていると思います。これは評価したい。しかし、不払い労働というのは社会的犯罪行為なんです。違いますか。そこだけ答えてください。
〇田中警察本部長 まずは縮減してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 縮減を聞いたんじゃないんです。支給しなさいと聞いた。答えられないのでしょう。
 次に、警察官の不祥事の問題についてお聞きしたい。平成24年度、25年度、懲戒処分となった件数、内容を示していただきたい。
〇西野参事官兼首席監察官 本県警察における懲戒処分は、平成24年中が5人、平成25年中、現時点で6人と厳しい状況にあります。処分別では、平成24年中、停職が3人、減給1人、戒告1人の計5人。平成25年中、免職2人、停職1人、戒告3人の計6人となっております。
 その中身ということでございますけれども、これは業務上と私行上と分けて説明しますけれども、平成24年中は業務上が3人であります。その中身につきましては、情報セキュリティー違反、職務懈怠、捜査書類の紛失といった事案でございます。私行上につきましては2人。これは名誉棄損、不適切交際というもの、それから、セクハラでございます。
 平成25年中、業務上につきましては3人。その中身につきましては、警察手帳の紛失、著しい速度超過、交通違反、パワハラの3人でございます。それから、私行上につきましても3人。酒気帯び事故、強要未遂、酒気帯びの速度違反の3件となっております。
〇斉藤信委員 残念ながら、平成24年より平成25年のほうが免職も多い、懲戒事案も多いと。
 それで、ことしの7月に沿岸の署長が交通事故を起こしていますが、どういう事案でしょうか。
〇西野参事官兼首席監察官 当該職員による交通事故につきまして、本年7月の休日、私有車による事故として報告を受けております。当該事故は、職員が市道から駐車場に入ろうとした際、駐車場から出ようとした車両と鉢合わせになりまして、後退したところ、市道上の後続車両と接触事故を起こしたものであります。
〇斉藤信委員 この事故の発生した時間はいつですか。
〇西野参事官兼首席監察官 日時ということでございますが、7月13日午前11時ごろと報告を受けております。
〇斉藤信委員 私が調べたところは、この人はパチンコ業者から接待を受けて、酔ったままで自家用車をバック後退して車道に出ようとして市民の車とぶつかったと。違いますか。ぶつかったときにアルコール検査をやったんですか。
〇西野参事官兼首席監察官 委員のほうから飲酒運転というようなお話がございましたけれども、現在、そのような事案という認識はしておりません。そのような報告も受けておりません。したがって、この事案につきましては、管轄警察署において、物件交通事故として適正に事故処理をしているものであります。ですから、飲酒検知というものは、確認はしておりませんけれども、検知はされていないと認識しております。
〇斉藤信委員 2月8日に処分した酒気帯び運転、信号無視事故事案も飲酒運転だったんだけれども、それは検察庁が調べてわかったんです。そんな事故隠しを県警はしていた。それは私は3月の予算特別委員会でも厳しく指摘いたしました。署長のこの事故は、アルコール検査をしたかどうか、これはちゃんと調べてください。大体、警察官のときは調べもしない。そういうやり方はだめですよ。したか、しないか、わかりますか。
〇西野参事官兼首席監察官 通常の物損事故、これは人身事故でもそうでございますけれども、飲酒検知する、しないにつきましては、警察官であろうと、一般の事故であろうと同一でございます。その臨場警察官の判断によりまして、顔が赤いとか、あるいは酒臭いとか、そういう状況があって初めて飲酒検知をされるものと認識しております。この件につきましては、そういう状況がなかった。したがって、検知をしていないのではないかと認識しております。
〇斉藤信委員 この署長は署員に対してこう言ったそうです。誰でも間違いはある。他人の過ちを批判してはならない。警察官の事故は全てを秘匿しなければならない。署長の事故は署員全体の恥となる。だから、署長である私の事故を絶対に他言してはならないと箝口令をしいたと。ちょっと信じられないんだけれども、徹底した調査をしてください。
 終わります。
〇伊藤勢至委員 東日本大震災から2年7カ月余が経過いたしました。この間、警察におかれましては、毎月の月命日には行方不明の遺体捜索を継続してやっていただいておりまして、沿岸の被災地の人間の一人として、その遺族に思いをいたしますとき、本当にありがたい思いがいたしておりまして、お礼を申し上げる次第です。
 その中で、今回、県民の生命、財産を守るお立場にある警察官、消防職員あるいは消防団員が大変多く犠牲になられております。消防団員が116名、消防職員が9名、警察官が11名という大変大きな犠牲でございました。今でも宮古の鍬ヶ崎交番には花が手向けられております。鍬ヶ崎交番の警察官2人は、まさに避難誘導を先導されての途中で津波をかぶっての犠牲だったと思っておりまして、本当にその崇高な責任感に改めて感謝と敬意を表するものであります。
 そうした中で、消防職員、消防団員には消防賞じゅつ金制度がございます。この賞じゅつ金というのは随分古い字なんですけれども、例えば皇族の方が、勲一等何とか賞とか、勲章みたいなものを下げる際に使うのを賞じゅつと言うのだそうですが、言ってみれば、名誉ある弔慰金と訳したらいいんでしょうか、そういうものが警察にもあると聞きましたが、金額の多寡を調べたいのではありませんけれども、字が古いように、相当古くからの制度でありますので、今の世の中に合うぐらいの、つまり、仮に犠牲となった方がいれば、それを我々生きている者がお金であがなわなければならないわけでありますが、交通事故で死亡されても、一般の県民の場合でも今は2億円の時代でありますので、そういうところまで届いているのかどうか。もし、そういうふうになっていなければ、消防関係の方々の件については国会議員にお願いして待遇改善をするべきだということを言っておりますけれども、警察のほうについてはどのようになっているのか。金額はいいのでありますが、改善されていますよということかどうか、そのことについてまずお伺いしたいと思います。
〇西野参事官兼首席監察官 額はいいということでございますけれども、全国の賞じゅつ金を調べますと、殉職者の場合、最高額で6、000万円、最低額で3、000万円ということでございます。当県の規則によれば、最高で6、000万円ということで、今回の県の賞じゅつ金に基づく授与につきましては、県からは6、000万円、国の規則に基づいて3、000万円ということで、合わせてそれぞれ支給、授与されているところであります。
 全国的には、先ほど申し上げましたように3、000万円から6、000万円ということで規定がなっておりまして、これについて、特に改定を進めているという現状にはございません。
〇伊藤勢至委員 消防賞じゅつ金の場合も、金額はいいと言いましたけれども、大体そういう金額なんです。市町村が3、県が3、国が3ということですから、先ほども言いましたが、今どきの交通事故で仮に死亡すれば2億円が普通の相場の時代に、いかにも低過ぎると思っておりますから、私たちも機会を通じて国のほうに、あるいは国会議員等にそういう待遇改善というものについて働きかけをしておかなければならない。先ほど、どなたかからの質問にありましたけれども、若い方の警察官応募数が少なくなってきているということにも、そういうことが遠因となっているのかもしれませんので、やはり待遇改善ということは日ごろから注意をしておかなければ、全体の士気にもかかわると思っておりますので、遠慮せずに声を上げていただきたいと思います。
 それから、ずっとかたい話が続いておりますので、少し真面目にやわらかい話を、本部長歓迎の意味でお伺いしたいと思います。
 私は宮古の人間でありまして、宮古弁の中にいまだに上方の言葉が残っています。おおきに、さいなら、こういうのが残っているんですが、実は私は、交通信号機について本当に素朴に疑問に思っていたことがあります。なぜ、交通信号機というのは青、黄色、赤なんだろうかな、この色は固定的な色なのかな、どこの誰が考えた色なのかなといろいろ考えてきましたが、どんな文献にも載っていないんですが、あるとき、雑学のいろんな本を読みましたところ、これを考えたのは大阪人であると。なぜか。あおんだら、気つけな、あかんでと、こういうことなんだそうであります。そのことにつきまして、全くそのとおりだと思います。気をつけろという意味ですからね。そのことについて本部長の所感があればお伺いして、終わります。
〇田中警察本部長 大変不勉強で、大阪出身なんですけれども、今のお話は全然存じ上げませんでした。ただ、もし、委員が、それですばらしい、全くそのとおりだと思っていただけるのであれば、私も、今後会う人たちにそのように伝えていきたいと思います。
 余り女性はそうは言わないです。あおんだら、気をつけろ、あかんででしたか。特に最初の言葉は余り女性は使わないです。女子も使わないし、男性も余り最近は使わないかなと思うんですけれども、やっぱり日本ではこれで統一ということで、道路交通法ないしその下の規則で定められているものでありますし、恐らく赤は、少なくとも各国でも割と共通かなと思いまして、青はやっぱり、緑というか、気持ちをあれしますので、前に進めみたいなことで、黄色は気をつけろ、それは全国共通かなという気もいたしますけれども、ぜひ、皆さんも黄色のときには気をつけて、停止するということでお願いできればと思います。引き続き交通安全に御協力をよろしくお願いいたします。
〇工藤勝子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。警察本部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時31分 散 会

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