平成25年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇20番(高橋但馬君) 民主党の高橋但馬でございます。
 発議案第11号一括交付金制度廃止に反対する意見書の提案理由を御説明申し上げます。
 地域から日本を元気にしていくためには、地域の実情等に応じ、地域が抱えるさまざまな課題に対し、地域が自主的、自立的に取り組むことができる財源の裏づけが重要であります。一括交付金である地域自主戦略交付金は、ご案内のとおり、国から地方へのひもつき補助金を廃止し、基本的に地方が自由に使える交付金にするとの方針のもと、平成23年度に創設されたところであります。地方向けの投資補助金を所管する8府省から拠出を受け、従来の補助事業の一部について内閣府に一括して予算を計上し、各省庁の所管にとらわれず、地方自治体が自主的に選択した事業に対して交付金を交付するものであります。一括交付金は、道路改修、農地整備など対象事業が限られるものの、地域事情に応じて自治体が事業を選択できることから、不必要な公費支出の防止につながり、また、地域の自立を促す効果も期待される制度でもあります。
 全国知事会など自治体側は、本来は国庫補助金を縮小、廃止して地方への税財源移譲を進めるべきと主張しているものでありますが、昨年7月、全国知事会の一括交付金プロジェクトチームがまとめた提言によりますと、都道府県が必要とする総額が確保できず継続事業の実施に支障を来したことや事務手続が煩雑であることなどを課題として挙げておりますが、一方で、第1に、対象事業の範囲内で各省庁の枠にとらわれず一定のテーマを設定し、横断的に事業を選択できるようになったこと、第2に、年度途中の環境変化や事業の執行状況に応じ、地方の裁量で所管省庁を超えて流用することが可能となったこと、第3に、平成24年度において、対象事業が拡大されるなど一定の進化が見られたことを評価し、全国知事会として、国に対して総額の確保や運用面等での改善を求めていたところであります。また、東日本大震災津波で本県に配分される復興交付金も、地方の自由度を高めた点でその延長線上にあります。
 しかし、政府の平成25年度予算案では一括交付金制度が廃止され、いわゆるひもつき補助金として復活しております。ひもつき補助金は、交付先も省庁が差配する箇所づけの方法が陳情する自治体との間に上下関係を生むなど多くの問題を抱えていたものであります。自治体の要望や事業計画を受けて国が補助金を細かく配分する旧来のやり方が復活すれば、国の統制がより強まり、地方からの陳情合戦が繰り返されるでしょう。政権交代に伴う政策の変更はあるにせよ、地方分権を後退させることはあってはならないはずです。霞が関主導の中央集権政治に逆戻りし、地域の創意工夫や自由裁量が失われれば、地方はさらに疲弊しかねないこととなります。
 よって、岩手県議会として、国に対し、一括交付金制度の廃止を撤回するよう意思を伝える必要があると考え、会派同僚議員等の賛同を得て提案を行うものであります。
 以上でございます。議員各位の御理解と御賛同を心からお願い申し上げます。(拍手)
〇議長(佐々木博君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第11号一括交付金制度廃止に反対する意見書は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(佐々木博君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第11号一括交付金制度廃止に反対する意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。及川あつし君。
   〔26番及川あつし君登壇〕

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