平成25年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇14番(木村幸弘君) 社民党の木村幸弘でございます。
 議案第24号職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例について反対の討論をいたします。
 このたびの退職手当の削減については、国に準じた対応として、現行調整率100分の104を、新年度より3段階で引き下げし、2014年7月以降100分の87に減額しようとするものであります。この改正による退職手当の平均引き下げ額は、2013年度末退職者で約280万円、2014年度末退職者で約400万円と、大変大きな影響額であります。この間の労使協議を通じて、本県では今年度中の実施については回避されたものの、全国的には突然の労働条件の一方的とも言える改正に、年度途中での退職問題に発展するなど社会的に大きな問題となったように、労働条件の大幅な後退であるとともに、定年後のそれぞれの人生設計に深刻な影響を与えるものであります。
 労働組合では、この条例に対して、第1に、生涯賃金の確保、第2に、早期退職者増加の懸念と欠員補充を含めた適正な定員管理、第3に、勤務意欲と士気の向上、第4に、年金支給と連動させた継続雇用制度の構築など、以上の4点について、その影響と対策に関する意見が述べられています。
 また、こうした行政の労働条件にかかわる問題については、折しも、この時期、民間においては労使の賃金引き上げ交渉が行われているさなかで、ベア引き上げが厳しい状況のもと、諸手当の増額も含めて一定の成果を得ようと交渉が展開されています。ごく一部の大手企業の回答に好転の気配が見受けられる一方で、デフレ脱却へのターニングポイントとも言われる中堅企業と地方の中小企業の交渉はこれからが本番で、公的、社会的な動向を踏まえての労使協議が4月にかけて行われています。これらの地域、地方の民間の対応に、中央の情勢とは違う悪影響が出るのではないかと懸念の声が上がっています。
 これまでも、地方公務員を取り巻く労働条件、とりわけ賃金水準の低下は、この間の地域経済に負の連鎖をもたらしてきております。さらに、新年度の地方交付税の賃金引き下げを前提とした削減問題について、国がこのまま強硬な姿勢を貫き、その方針を本県でも準ずるということになれば、まさに泣き面に蜂となります。
 このような中、本県は、新年度に向けた復興対策の人材不足の問題を抱え、いまだに必要数の人材確保ができない事態にあって、逆に、貴重な人材の早期退職や流出が助長されかねません。その一方で、人材が足りないからと、今度は退職者に条件を下げて再任用を求めるなど、職員の処遇をその場その場の行政の一方的な都合で振り回すような仕打ちと対応は、到底、看過できないものであります。
 以上の点を指摘し、意見を申し上げまして反対の討論といたします。御清聴いただきありがとうございます。(拍手)
〇議長(佐々木博君) 次に、高田一郎君。
   〔1番高田一郎君登壇〕

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