平成25年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇8番(佐々木努君) 民主党の佐々木努です。今回が3度目の登壇になりますが、貴重な機会を与えてくださいました先輩、同僚議員に心より感謝を申し上げます。
 さて、沿岸地域の人々の生活を大きく変えてしまったあの大震災津波から間もなく2年がたとうとしています。大切な家族を失い、過酷な仮設住宅での暮らしを今もなお続けておられる被災者の方々にお見舞いを申し上げますとともに、生活の再建、地域の再生に向けて頑張っておられることに心より敬意を表します。また、国、県、市町村を初め復興に携わってきた関係機関、団体、企業、ボランティアの方々にも心より感謝を申し上げます。復興への道のりはまだまだ長く険しいものがありますが、ともに力を合わせ、岩手の再生のために頑張っていきたいと思っております。
 そのような思いを込め、八つの項目について順次質問させていただきます。
 初めに、知事の政治姿勢について伺います。このような質問は私にとってむなしく、不本意ではありますが、県勢の発展のために、知事と議会の良好な関係を築きたいという強い思い、そして、昨年の衆議院議員選挙以降、多くの県民の皆さんからいただいた知事の政治姿勢に対しての疑問の声に応えるため質問することにしました。知事には、私の質問が、多くの県民の思いであること、知事がよく使われる民意によるものであることを御理解いただき、県民に対してわかりやすい答弁をお願いいたします。
 知事は、昨年7月に民主党を離党。以降、国民の生活が第一、日本未来の党、生活の党と次々と支持政党を変えてこられました。特にも、日本未来の党の結党に際しては、知事みずから嘉田滋賀県知事と小沢一郎氏を引き合わせるなど、党の生みの親的な役割を果たし、昨年末の衆議院議員選挙においては、御夫人を日本未来の党から出馬までさせました。
 知事は、議会で政治姿勢を問われるたび、どの政党を支持するかは個人の自由と答弁しておられますが、果たして、それが知事という立場にある人の姿勢として正しいと言い切れるのでしょうか、私は疑問に思います。知事は、我々130万県民のいわば代表であり、知事の発言や行動は、県民を代表する発言、行動と受け取られます。それほど大きな影響力を持つ知事が、一つの政党の支持を明確にし、みずからが党勢拡大に動くということが、岩手県民の利益に本当につながるのでしょうか。
 議会においても、知事のそのような姿勢による負の影響が大きくなっていると感じています。これまでの1年半、知事と議会のさまざまなやりとりを見てきましたが、一体、誰のための議論なんだろうと思うことが何度もありました。そして、それが知事の政治姿勢や知事与党、野党という理解しがたい関係が原因であることを改めて感じました。私もその中にいた一人として深く反省していますが、知事も、議会との信頼関係を築くために、みずからの行動を振り返る必要があるのではないでしょうか。
 岩手が東日本大震災で危機的状況にある中、多くの県民は、知事には政党色を出さずに、どの政党とも協調し合って、岩手の復興と発展のために指導力を発揮してほしいと願っています。知事は、この県民の思いにどう応え、今後どのような政治スタンスをとられるのか伺います。
 次に、被災者の心のケアについて質問いたします。
 震災から間もなく2年がたちますが、復旧、復興は思うように進まず、被災した方々は将来に不安を抱えながら暮らしています。その心労の重さを思うとき、被災者を内面から支えていくことの大切さを感じます。
 先日、岩手県保険医協会から被災者に対する医療費負担についてのアンケート結果をいただきました。その中にはこのような記載がありました。震災で御迷惑をかけているのに、またも病気になって済みません。主人と一緒に津波で死ねばよかったと思います。このような心の叫びとも思われるものはほかにもあり、震災で心に深い傷を負い、思い悩んでいる方が数多くいらっしゃることを改めて思い知らされました。
 県は、昨年2月、岩手医科大学内に岩手県こころのケアセンターを設置、3月には地域こころのケアセンターを沿岸4地域に設置し、被災者の心のケアに当たってきましたが、阪神・淡路大震災では、発災から二、三年後に自殺が急増したことからも、今後、センターの持つ役割は大きくなることが予想され、さらなる機能の強化が必要と思われます。
 そこで伺います。県は、被災者の心のケアの現状と課題をどのように分析し、今後、ケアの充実にどのように取り組んでいかれるのか伺います。
 先日、この議場において、高田高校音楽部の生徒たちが私たちにすばらしい歌声を披露してくれました。彼女たちのほとんどが仮設住宅で暮らしており、部活動ができるようになるまではかなりの苦労があったと聞きました。彼女たちの心の中を見ることはできませんが、私には、悲しみをこらえ、歌で何かを伝えようとしているような気がしてなりませんでした。
 震災津波の影響で、沿岸被災地の子供たちは小さな体に大きなストレスを抱えて暮らしています。県は、震災ストレスを抱える子供たちをケアするため、宮古市、釜石市、大船渡市に子どものこころのケアセンターを設置し、法務省などから医師派遣の協力を受け、被災した子供たちの心のケアに当たってきました。仮設住宅暮らしの長期化などによって、今後、子供たちのストレスも大人と同様に大きくなることが懸念され、心のケアの必要性が一層高まってくるものと思います。
 そのような状況の中で、平成25年度、新たにいわてこどもケアセンターが岩手医科大学内に設置されることが決まりました。被災孤児や被災遺児が多い沿岸地域に設置するのが、より効果的ではないかとも思いますが、ストレスを抱えた子供たちを内面から支える重要な役割を担う機関として期待したいと思っています。
 そこで質問いたします。県は、いわてこどもケアセンターの新たな設置も含め、今後、どのように支援体制を構築し、子供の心のケアに取り組んでいかれるのか伺います。
 次に、放射能問題についての質問に移ります。
 福島第一原発事故による放射性物質の影響で、奥州市、一関市、平泉町が国の汚染状況重点調査地域に指定されました。3市町では、昨年、除染計画を策定し、学校など公共施設の除染を行ってきましたが、今後、雪解けを待って、比較的放射線量の高い側溝等の除染を行うことにしています。
 奥州市では、先日、側溝等の除染で発生する汚泥等を一時的に保管する共同仮置き場設置についての地元説明会が各区で行われました。私も何カ所か出席しましたが、どの会場も共同仮置き場の必要性については認めるものの、周辺環境への影響や風評被害を懸念する声が強く上がり、江刺区、胆沢区では、住民の反対によって候補地が白紙になるなど、理解が得られませんでした。市は、住民合意が図られなければ共同仮置き場は設置しない考えであり、仮置き場が設置されなければ除染作業も始まりません。このままでは地域の安全・安心が図られず、一刻も早く住民の合意を得て共同仮置き場を設置し、除染を進めなくてはなりません。
 そこで伺います。一関市や平泉町でも除染に伴う共同仮置き場の設置が検討されていますが、奥州市同様に難航することが予想されます。もはや市町だけでの解決は望めず、県のこれまで以上の支援が必要と考えますが、県はこの問題をどのように解決していこうとしているのか、現状を踏まえた県の取り組み方針をお示しください。
 次に、いじめ対策について伺います。
 大津市の中学2年生がいじめを苦に自殺するという事件を受け、文部科学省は昨年8月、全都道府県を対象にいじめの実態調査を行いました。その結果、岩手県でも2、000件を超えるいじめが発生していたことが明らかになりました。いじめ問題は過去にも何度か騒がれたことがありました。性格も考えも違う人間が一緒にいれば衝突は起き、けんかやいじめが発生するのは自然であり、私は、いじめがこの社会からなくなることはないと思っています。しかし、大津市の事件のように命にかかわるいじめ、子供たちの将来に影響を与えるようないじめだけは何としてでもなくしていかなければならないと強く思っています。その思いから何点か質問をいたします。
 昨年1年間で全国の警察が摘発、補導した少年事件のうち、いじめが原因のものは260件で、本県でも2件発生していたことがわかりましたが、このほかにも、県教育委員会の調査によって、傷害など8件の重大ないじめが発生していたことが明らかになっています。そのような重大ないじめが発生した場合に備えて、県立学校ごとに懲戒に関する規程が制定されていますが、この規程は広く一般に公開されているのでしょうか。また、いじめが発生した場合、PTAや地域に対してどのように説明されているのでしょうか、お伺いします。
 先般、国の法制審議会が少年法の改正を法務大臣に答申したところですが、いじめは、傷害、恐喝、威圧、誹謗中傷、占有離脱物横領などを含んだ犯罪行為であり、さらには重大な人権侵害であることは明白です。私は、加害者の更生という観点は大事にしながらも、起こってしまった問題には厳正に対処すべきだと考えます。全国的にいじめの問題が深刻化する中で、県立高校における懲戒に関する基準を見直す考えがあるのかどうかお伺いします。
 いじめ問題は、外傷などの決定的な証拠がないと学校が動いてくれないということをよく耳にします。いじめは長期にわたって陰湿に行われていることが多く、何かのきっかけでいじめが事件として認知されても、その案件のみを取り上げて学校が対処し、結果として事件が矮小化され、被害者が泣き寝入りする場合が多いとも言われています。
 そこで、いじめに対する県の政策上の位置づけや基本的な考え方をお伺いするとともに、いじめに対する懲戒を含めた厳正な対応のあり方についてどうお考えなのかお尋ねします。
 先ほども申し上げましたとおり、昨年、我が県においてもいじめに関する警察による2件の摘発、補導がありました。大津市の事件を受け、今後、いじめに対する警察の関与もふえてくるのではないかと思われますが、岩手県警としていじめの問題にどう対処していくのか、警察本部長に伺います。
 いじめの問題は、日ごろから生徒の変化に先生方が気づくかどうかが重要なポイントではないかと考えます。いじめが社会的な問題になっている今、改めて伺いたいのは、先生は本当に生徒たちのことをしっかりと見ているのかということです。
 そこで、教員経験者である教育委員会委員長に、今後、いじめ問題に対してどう取り組まれていくのか、教員の根本的な意識改革、いじめが起こった場合の学級経営、適切な情報開示などについて具体的にお伺いします。
 先日、中学校の教員をしている同級生からこんなことを話されました。いじめが起きるとすぐ学校のせいにされるが、教師はたくさんの児童生徒を預かり、学力アップと健全育成のために心の休まる暇もなく頑張っている。そんな仲間たちが、一部の保護者のせいで壊れていく姿を何度も見てきた。学校や教師をどうこう言う前に、親の教育も必要ではないのか。私も同じ思いであります。
 最後に、この現場の声に対する所感をお伺いして、この質問を終わります。
 次に、障がい者福祉政策について質問いたします。
 県は、東日本大震災津波の発生を受け、県内の障がい福祉サービス事業所が、震災からの復興期において安定した運営ができるよう障がい福祉サービス復興支援事業を導入し、県社会福祉協議会に委託する形で、障害者自立支援法と児童福祉法による新体系サービス移行への支援や就労支援事業所の活動支援等に取り組んできました。この事業においては、事業の中心的役割を果たすいわて障がい福祉復興支援センターを核とし、県内9カ所に圏域センターが設置され、障がい者の実態把握、障がい福祉サービス事業所の運営状況の把握、支援アドバイザーの派遣、障がいがある方たちの災害対応のてびきの策定など、大きく7項目の取り組みが行われてきたところです。
 各圏域センターでは、障がい者と関係機関、団体との懇談会や、障がい福祉サービス事業所のスタッフ研修会、防災シンポジウムなどを開催し、災害時における障がい者支援のネットワークづくりに取り組んできました。私は、この取り組みが、地域住民も巻き込んだ新たな障がい者支援システムの構築につながるものと高く評価しています。
 また、新たに形成されたこのネットワークは、間もなく策定される障がいがある方たちの災害対応のてびきの配布と活用促進、今後の見直しにおいて大きな役割を果たすことが期待され、その中心的役割を担う圏域センターの必要性は今後高まってくるものと思います。
 そのような中、来年度のいわて障がい福祉復興支援センターの継続設置は決まったものの、内陸部にある圏域センターは廃止の方向との話を耳にしました。設置から1年もたたないうちの廃止は、これまでの関係者の努力を無にするものであり、県と県社会福祉協議会は、関係者だけでなく、広く県民に対し説明責任を果たす必要があると考えます。
 いわて障がい福祉復興支援センターの今後の取り組みについては、先日、神崎浩之議員も質問されましたが、私からも、再度、県が考えるこの事業の意義と今後の取り組み、あわせて、障がいがある方たちの災害対応のてびきの効果的な活用方策について伺います。
 次に、医療政策のうち、ドクターヘリ事業について伺います。
 昨年5月、我が県においても全国で35番目となるドクターヘリの運航が始まりました。運航開始から約9カ月が経過しましたが、これまでに228回運航され、救急時の新たな搬送手段として、その役割は今後さらに期待されるものと思います。
 昨年8月、奥州市前沢区で起きた小学生の交通事故の際も、地元消防の的確な判断とドクターヘリの迅速な搬送により、かけがえのない命が救われました。
 このように順調に運航を続けてきたドクターヘリですが、ここに来てさまざまな課題が見えてきています。
 その幾つかについては、先日、関根敏伸議員が取り上げられましたので、私からはヘリポートについての課題を提起させていただきます。
 現在、受け入れの中心となる県内11の搬送先病院のうち、敷地内にヘリポートがあるのが県立二戸病院、県立中部病院、県立磐井病院の3カ所、現在整備中が県立久慈病院、県立大船渡病院の2カ所で、最も搬送の多い岩手医科大学附属病院初め6病院には敷地内にヘリポートがありません。そのため、岩手医科大学附属病院は盛岡東警察署の屋上ヘリポートを使用していますが、ヘリポートから病院までは15分を要し、患者の容体によっては手おくれになる可能性がないとは言えません。また、冬期間は盛岡東警察署のヘリポートが使用できない場合もあり、12月からは県営野球場の駐車場をヘリポートとして使用していると聞いています。同様にヘリポートのない県立胆沢病院は水沢高等学校の校庭を使用しており、病院までは約10分を要します。たかが10分という見方もあるかもしれませんが、救急現場においては、この10分が生死を分けることもあると聞いています。
 去る1月30日に行われた胆江地域県立病院運営協議会においても、院長から、病院の敷地内にヘリポートがないことが一番の課題と話されたように、受け入れ側においても大きな問題点として捉えられています。また、ことしのように雪が多い年であれば、積雪で着陸できないという事態も発生しかねません。その意味から、可能な限り病院の敷地内にヘリポートを設置する必要があると考えます。
 そこでお聞きします。ドクターヘリの搬送先病院のうち、敷地内にヘリポートのない病院について、ヘリポート整備をどのように進めていくのか、今後の取り組みについて伺います。また、県西部など積雪の多い地域の冬場のランデブーポイントの確保について、現在の状況と今後の対策について伺います。
 次に、林業振興について伺います。
 長引く国産材需要の低迷で、我が県の林業生産額は昭和55年度の419億円をピークに年々減少し、加えて松くい虫被害の拡大や後継者不足などにより、林業を取り巻く環境は厳しさを増しています。そのような状況下で発生した大震災津波によって、大船渡市や宮古市の合板工場が被災し、間伐材の出荷ができなくなるなど、岩手の林業はこれまで以上に厳しい状況下に置かれています。
 そのような中、平成23年の森林法改正により森林計画制度が大きく見直され、その中心となる森林経営計画が今年度よりスタートしました。これを受け、県では、計画対象面積の目標を平成26年までの3年間で23万5、000ヘクタールと定め、森林所有者への計画策定の働きかけを強化するなど、新計画への移行を進めています。
 そこで、最初の質問です。
 厳しい森林経営にあって、新たな制度に対する理解を得ることは容易ではありませんが、岩手の森林を守り、林業を振興していくためには、県が指導体制を強化しながら、計画の早期策定と計画面積の拡大を図っていかなければならないと考えます。そのために、県は今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。
 私の地元奥州市にある生母生産森林組合では、樹齢200年を超えるナンブアカマツを松くい虫被害から守る活動を長年続け、また、県南で消滅した漆産業の再興を図るための漆の植栽、イロハモミジの森づくりなど独特な取り組みを行っています。その活動が高く評価され、昨年度、岩手県では初めてとなる林野庁長官賞を受賞しました。森林経営計画策定の取り組みにおいても全国で5番目、岩手県では最も早く認定されるなど、林業振興に積極的に取り組んでいます。私は、今の岩手の林業に必要なのは、この元気ではないかと思っています。県は、このような県内のやる気のある林業団体を積極的に支援するとともに、広く情報を発信し、岩手の林業全体に活力を与えていく必要があると思いますが、県の今後の取り組みについて伺います。
 岩手の林業を元気にするためには、当然ながら、県産材の活用が図られなければなりません。北上市に合板工場の立地の方向性が固まったことは明るいニュースであり、これを契機に県産材の需要拡大に取り組んでいかなければなりません。沿岸被災地では、今後、一般住宅の建設、県や市町村による災害公営住宅の建設も本格化してまいりますが、それらへの県産材の活用も大いに期待されるところです。
 そこで伺います。県は、岩手の林業が震災で打撃を受け、厳しい状況下に置かれていることを強く認識し、県産材の活用促進に力を入れていく必要があると考えますが、復興事業も含めた県産材の活用促進にどのように取り組んでいかれるのか伺います。
 最後に、少子化対策のうち結婚支援について質問をいたします。このことについては、過去2回の一般質問で取り上げ、県主体による茨城型結婚支援センター設置の必要性について訴えてまいりました。昨年6月の一般質問の際は、県から、結婚支援のあり方については秋ごろまでを目途に方針を出したいとの答弁があり、大いに期待したところでありましたが、9月の決算特別委員会で伺った回答は、私にとって失望以外何もない残念なものでした。
 そこで、三たびこの問題について質問をさせていただきます。
 まず初めに、県といきいき岩手支援財団が協力して行っているi・出会い応援事業について伺います。間もなく今年度の事業も終了しますが、平成24年度の開催実績と、結婚に結びついたケースがあったかどうか伺います。また、県内各地で街コンや出会いパーティーが開催されていますが、それと同内容の事業に助成を行う意義は何であるか伺います。
 2点目に、私が提案してきた茨城型の結婚支援センターを設置するに当たっての課題を県はどのように捉えているか伺います。あわせて、県の担当者あるいはいきいき岩手支援財団の担当者が実際に茨城県などの先進地に出向き、勉強されているのかどうか伺います。
 3点目に、県内市町村との連携について伺います。県内では、現在、22の市町村で36の結婚支援事業が行われています。また、民間においても奥州市のあいむすび隊、金ケ崎町の金が咲きお結び隊などの結婚支援団体が発足し、結婚支援に取り組み始めています。これらの取り組みは、それぞれの地域の未婚化、晩婚化、それによる少子化が深刻化していることを物語っており、県は、この状況をしっかりと把握し、市町村と連携を図りながら事業を進める必要があると考えます。
 そこで伺います。今後の結婚支援のあり方を考える上で、関係者が結婚支援策について情報を交換し、課題を共有する場が必要と考えますが、市町村と民間の結婚支援団体で構成する協議会を設置する考えはないか伺います。
 この質問の最後に、県の結婚支援に関する基本的な考え方について伺います。
 先日、久保孝喜議員が指摘したように、私も、県の人口減少問題に対する意識は低いような気がします。結婚支援にいま一つ積極さが感じられないのも、そのあらわれではないでしょうか。子供が少なくなり、地域経済の縮小や地域の活力が低下している現状を見ても、人口減少問題は国の最重要課題であると思っており、国、県、市町村が一体となってこの対策に取り組む必要があると考えます。その意味では、県が総合計画審議会に人口検討部会を設置したことは評価するものでありますが、これまでの議論では、結婚支援など具体的な対策に踏み込まれておらず、今後の議論の発展に期待したいと思っています。
 そこで伺います。県が人口減少問題に取り組むに当たり、この結婚問題を政策的課題として定住化対策と一体的に取り組む考えもあるのではないかと思います。そのことから、政策地域部の所管とする考えはないか伺います。
 今、この議会中継を多くの職員の方々が聞いていらっしゃると思います。岩手は、震災復興だけでなくさまざまな課題を抱えています。だれも解決できないことを自分が解決してやろう、そんな気概を持った職員が一人でも多く生まれることを期待し、私の質問を終わります。答弁によっては再質問をいたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木努議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、政党との関係についてでありますが、そもそも政党は、人類共通足り得る理念を掲げ、その時代の主要な課題を解決する政策をもって地域や国、さらに世界全体をよりよいものにしようとする存在なはずであります。私も、世界と日本、そして岩手をよりよいものにしたいという理想を抱き、17年前から政党政治にかかわるようになりました。現在、ますます政党政治を我が国にしっかりと根づかせ、民主的プロセスでよりよい社会を実現していかなければならないとの思いを強くしております。
 私は、ここにおいでの県議会議員の皆さんがそれぞれ属する政党については、理念や政策が異なってはいても、政党政治を通じて世の中をよりよいものにしたいという同じ政治的理想を共有する同志であると思っております。また、現在、所属すべき政党はないと判断し、無所属の形で理想を実現しようとしている議員の方々も、政治によって世の中をよりよいものにしようとするやはり同志であると思っております。今日、政党というものに対する日本国民、また、岩手県民の見方には大変厳しいものがありますが、磨き上げられた理念と政策、そして、人と人との連帯と運動によって、一方では困窮している個人を救い、そして一方では世界をより平和にすることができるのだという政党の存在意義は何としても守り抜きたいとの思いがあります。政党にかかわる皆さん、さらに、無所属で政治にかかわる皆さん、皆さんとぜひ力を合わせて、あるいは競い合い、切磋琢磨しながら、岩手を、そして日本や世界をよりよいものにする道をこれからも歩ませていただければと思います。
 次に、被災者の心のケアについてでありますが、県では、発災直後から、県内外の関係機関との連携のもと、震災こころの相談室の運営や個別訪問による支援を行うとともに、平成24年2月にこころのケアセンターを設置し、長期にわたる専門的な支援に向けて体制を強化し、被災者支援と保健師や相談員などの支援者の育成に取り組んできたところであります。これまで、市町村や関係機関と連携し、支援が必要な方の把握とその支援に努めてきたところでありますが、相談や支援につながっていない方などがまだおられることから、その対応が必要であると認識しております。このため、周りの方々が身近で悩んでいる方に気づき、話を伺いながら、適切な機関につなぐという誰でもできる支援について県民理解の促進とその担い手養成研修の充実を図るとともに、引き続き関係機関との連携体制の強化と支援者の資質向上を進めていくこととしております。
 また、これまでの取り組みに加え、内陸部への避難者に対する支援を充実させるとともに、支援者に対するメンタルヘルス対策を強化するなど、県内外の関係機関との連携のもと、被災者一人一人に寄り添った心のケア対策を推進してまいります。
 次に、子供の心のケアについてでありますが、県では、被災した子供の心の健康への影響が懸念されることから、県内外の児童精神科医の協力をいただき、平成23年6月以降、子どものこころのケアセンターを沿岸3地域に順次設置し、子供の心のケアに取り組んできたところであります。
 子供の心のケアについては、子供の成長に合わせ中長期的なケアが必要と認識しておりますが、本県では専門の医師、医療機関が少なく、その確保が課題であり、また、内陸に転居した子供へのケアも必要と認識しております。このため、中長期的にわたって子供の心のケアを担う拠点として、平成25年度にいわてこどもケアセンターを設置して、児童精神科医の養成、確保及び派遣を行うとともに、これまでの沿岸部に加え、内陸部の子供の心のケアも行うことができるような体制を構築することとしたところであります。さらに、子供の心のケアに取り組んでいる県医師会や学校、市町村、民間団体などの関係機関と緊密な連携も図りながら全県的な支援体制を構築してまいります。
 次に、放射能問題についてでありますが、汚染状況重点調査地域の除染については、本来、国が責任を負うべきものでありますが、市町村が国からの法定受託事務として実施しているものであります。しかしながら、国の対応がスピード感に欠け、具体的な処理方法等も示さないことなどから、県では、除染実施計画を策定する以前から県南3市町と一体となって取り組んできており、県独自のガイドラインの策定や部局横断的な支援チームの設置などを通じて支援を強化しているところであります。
 3市町では、学校、保育園、幼稚園など子供の生活空間の除染についてはおおむね終了しつつありますが、現場保管ができない道路側溝汚泥等の取り扱いが大きな課題となっています。3市町では、県のガイドラインに基づいて既存の最終処分場で埋め立てするにしても、住民理解に一定の期間を要すると見込まれることから、それまでの間、仮置き場に一時保管することとしており、県では、住民説明会に職員を派遣するなど、その確保に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
 今後、国の補助対象とならないコンクリート構造の一時保管施設整備への財政支援はもとより、最も重要となる最終処分に向けた住民理解の醸成に努めるなど、地域事情に応じた処理が進むよう、関係市町と連携を一層強化して対応してまいります。
 なお、その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、障がい福祉サービス復興支援事業についてでありますが、この事業は、復興期において、被災地の障がい者の方々が必要な障がい福祉サービスを受けながら地域において安心して暮らせるよう、障がい福祉復興支援センターによる障がい福祉サービス事業所への支援を主な目的としております。
 今年度は、アドバイザー派遣や研修による事業所の経営基盤の改善、強化や、沿岸圏域の障がい者の実態把握を通じたニーズの把握と必要なサービスの利用向上などの成果が得られたところであります。一方、沿岸圏域におきましては、被災の影響が著しく、相談支援や移動支援を初めとしたサービスニーズの高まりから引き続ききめ細やかな支援を行うとともに、内陸部につきましては、今年度築き上げた地域との関係を維持しつつ、センターの体制を見直しながら引き続き支援を行ってまいります。
 また、障がいがある方たちの災害対応のてびきは、災害時に障がいのある方が安全に避難するための日ごろの備えや、避難所で困らないようにするため作成したものであります。このてびきを、市町村や社会福祉協議会等との緊密な連携のもと、避難訓練や事業所等で実施する災害時対応の指導などに活用していただくよう働きかけ、障がいのある方の安全な避難と安心できる避難生活の確保、さらには、誰もが安全に避難できるまちづくりに生かしていくために取り組んでまいります。
 次に、ドクターヘリ事業についてであります。
 まず、ドクターヘリ搬送先病院へのヘリポート整備についてでありますが、現在、岩手医科大学附属病院や胆沢病院など一部の搬送先病院については、周囲に住宅が密集していることや、用地確保が困難であることなどの理由から敷地内にヘリポートが整備されていない状況にあります。そのため、現状では、警察署ヘリポートや高校のグラウンド等の近隣施設を利用しておりますが、議員御指摘のとおり、迅速な患者搬送体制の構築は重要な課題と認識しております。
 県といたしましては、安全かつ迅速な患者搬送の観点から、搬送先病院の敷地内にヘリポートを整備することが望ましいと考えておりますが、一方で、ヘリ離着陸時の騒音や粉じん等の周囲に与える影響、整備に要する費用等の諸課題もありますことから、離着陸に使用するグラウンドの芝生化や搬送経路の整備など、現時点で実施可能な代替措置も含め、より迅速な患者搬送の実現に向けて関係機関と協議してまいります。
 次に、冬場のランデブーポイントの確保についてでありますが、現在、県全体でのランデブーポイント数は合計570カ所でありますが、積雪の多い地域については、北上市で51カ所、八幡平市で21カ所、西和賀町で19カ所を確保しています。冬場は積雪の状況により全てのランデブーポイントが利用できるとは限らないことから、これらの中には、公共施設の駐車場や消防署など、除雪対応により確実に離着陸できる場所を準備しております。今後も、引き続き関係機関に対する除雪体制強化の要請などを通じて冬場でも離着陸可能なランデブーポイントを確保するとともに、現地での試験訓練運航の取り組み等により、積雪時でも迅速な患者搬送が実現されるように努めてまいります。
 次に、i・出会い応援事業についてでありますが、平成24年度につきましては12団体12事業に助成することとしており、このうち10事業が実施済みとなっています。事業実施年度ということもあり、現在のところ今年度の事業で結婚にまで結びついている事例はまだないと聞いておりますが、本事業がきっかけとなって交際が始まった事例は、報告があった5事業において17組あると伺っております。
 県では、いわて子どもプランにおいて若者が家庭や子育てに夢を持てる環境の整備を掲げ、いきいき岩手支援財団のいわて子ども希望基金を活用し、県内各地域の民間団体等が実施する未婚男女の出会いの場を創出する事業への助成を行ってまいりました。この助成の対象となる事業は、農業体験や軽スポーツなどのイベントやその後の飲食において、参加する未婚の男女が多くの相手と語り合うことができる工夫を取り入れて実施することを要件としております。したがいまして、地域活性化を目的とした、未婚男女に限定しないいわゆる街コンや、参加者の動機がさまざまで飲食を主とする出会いパーティーと本助成事業は違う形で開催されております。
 この事業が未婚男女の出会いの場として平成21年度に開催されてから成婚した事例は承知している範囲では8組となっておりますが、本事業を先駆けとして、各地において市町村や各団体の主催による結婚支援事業が展開されてきており、少子化の要因である未婚化、晩婚化が課題となっている本県におきましては、本事業は、これら事業と相まって、若い世代への支援策の一つとして意義があるものと考えております。
 次に、結婚支援センター設置に当たっての課題についてでありますが、昨年、全国や県内の結婚支援事業の実施状況を把握するとともに、特に、茨城県を含む先催県については、職員を派遣し、その取り組み状況を実地調査したところであります。
 先進県調査では、会員登録制によるお見合い仲介により成婚が相当数あること、市町村や支援団体等の連携による広域的な出会い、交流事業の実施がなされていること、県内の結婚支援情報の一元化による総合的な情報発信などが成果として挙げられましたが、一方、個人情報の徹底管理、専門スキルを有する人材の確保や財源の確保、登録会員の男女比率の偏りなど、運営に関する課題も挙げられているところでございます。
 御提案のありました会員登録制によるお見合い仲介などを行っている茨城型の結婚支援センターを設置するに際しては、こうした課題に加え、市町村や民間団体などにおいて行われている結婚支援事業とのすみ分け、連携方法などについて関係団体と協議、調整していく必要がありますことから、直ちにそうしたセンターの設立は難しいものと考え、県といたしましては、本センターの事業を初め全国の取り組み事例などを参考としながら、成果に結びつく事業のあり方について、いきいき岩手支援財団と協議を重ねてきたところであります。
 次に、結婚支援団体で組織する協議会の設置についてでありますが、県内では、議員御指摘のとおり、市町村を初め民間団体等によるさまざまな結婚支援事業が行われているところでありますが、市町村限りでは登録者が限定されるため出会いの機会に広がりが少ないため、市町村及び関係団体間のネットワーク化を図ることや、結婚支援に関する情報発信の不足などの課題があると考えております。このため、市町村及び関係団体とも連携を図りながら、平成25年度、新たに市町村や関係団体等との情報共有や意見交換の場を設け支援団体間のネットワークを構築するほか、事業実施団体のスキルアップのための支援者研修会の開催や、県内の結婚支援情報を一元的に発信するためのポータルサイトの開設、意識啓発のための結婚支援セミナーの開催などに取り組み、県全体の結婚支援に係る環境を整備することとしております。
 なお、この支援団体間のネットワーク化により茨城県の結婚支援センターのようなセンター的機能が構築されますことから、より事業が効果的に推進することができるものと考えておりますが、あわせて、茨城県の結婚支援センターの会員登録制のような結婚支援事業を進めていくかどうかにつきましても、こうしたネットワーク会議の中で議論を重ねてまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) まず、森林経営計画の策定についてでありますが、今年度から開始された森林経営計画制度は、森林施業の集約化や計画的な木材生産に欠かせないものであり、これまで県の林業普及指導員等が中心となって計画の策定を指導してきており、比較的規模の大きい森林所有者等を中心に、既に約9万ヘクタールの計画が認定されております。一方で、計画認定には40ヘクタール程度以上の面的なまとまりが望ましいため、小規模な森林所有者は隣接の所有者と共同で計画を作成する必要があることから、森林組合では、説明会やダイレクトメールなどで共同での計画作成を働きかけております。
 このほか、計画作成の主体を担う森林組合等に対しては、県は、計画作成を担当する森林施業プランナーの養成や、森林調査や境界確認等に要する経費への助成、森林情報の収集、整理をサポートする人員の配置などの支援を行っておりますが、引き続き、森林経営計画の作成が県内全域で進むよう、市町村や森林組合等と連携して取り組んでまいります。
 次に、林業団体への支援についてでありますが、本県には、生母生産森林組合のように、木材生産や森林整備などの林業経営とあわせて、住民参加による森づくり活動など、県民の森林、林業に対する理解醸成に取り組んでいる団体があります。県は、このような団体の取り組みに対して、森づくり活動の企画、運営への助言や技術的指導、森林づくり県民税を活用した助成のほか、優良事例の発表や林業専門誌での紹介などによりその取り組みを県内外に広く情報発信しております。今後とも、林業経営とあわせて、森林、林業への理解醸成に取り組む団体への支援を通じて県内林業団体の活性化を図り、本県森林、林業の振興につなげていきたいと考えております。
 次に、県産材の活用促進についてでありますが、県では、庁内の関係部局で組織する公共施設・公共工事木材利用促進本部におきまして県産材の利用計画の策定や進捗管理を行うなど、関係部局が連携して、震災復興のための公共施設整備、公共工事での県産材の利用を進めております。
 また、県営建設工事では、請負契約書付記事項で受注者に県産材の使用を求めているところであり、災害公営住宅の建設におきましても同様の取り扱いとするほか、復興住宅等の建設に当たっては、被災者が住宅を新築、購入する場合や、被災住宅を補修、改修する場合、県産材の使用量に応じた補助を実施しているところであります。
 今後とも、震災からの復興とともに、地域の林業、山村の活性化にもつながる県産材の利用拡大の取り組みを進めていく考えであります。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) 結婚支援と定住化対策を一体的に取り組むことについてでありますが、人口減少問題に取り組んでいくに当たり、結婚支援や定住、交流の促進なども重要な視点と認識しております。県内の市町村におきましては、結婚支援のほか、若い夫婦世帯や子供のある世帯、また、新婚世帯の移住者を対象とする奨励金制度などにより、定住、交流を人口減少対策、少子化対策の一環として推進している事例もございます。
 人口減少問題への対応には、福祉、医療、教育を初め、産業振興など行政のあらゆる分野の取り組みが必要となることから、今後も関係部局が十分連携しながら各分野の取り組みを進めるとともに、市町村などの取り組みにつきましても支援をしてまいります。
   〔教育委員会委員長八重樫勝君登壇〕
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) いじめ問題に対する取り組みについてお答えいたします。
 まず、いじめは人間として絶対に許されないという意識を教員みずから自覚し、児童生徒一人一人に徹底させるとともに、保護者や地域社会に伝え、社会全体でいじめの根絶に取り組んでいくことが重要と認識しております。
 また、議員御指摘のように、教員は、児童生徒が発するどんな小さなサインも見逃すことのないよう、日ごろから丁寧に児童生徒の理解に努めるとともに、いじめが生じた場合には、いじめられている児童生徒の立場に立って、学校全体で組織的かつ機動的に迅速に対応することが重要であります。
 今後におきましても、いじめ問題に一義的に対応する教員の対応力を高めるための研修会の実施や、各学校における家庭と連携したアンケート調査、個別面談の実施などを通して、未然防止、早期発見、早期対応の取り組みを推進するとともに、学校、教育委員会、家庭、地域社会が連携して情報を共有し、いじめを許さない学校づくりに向け、全力を挙げて取り組んでまいります。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、県立学校の懲戒規程についてでありますが、学校における懲戒は、制裁としての性質を有するものの、十分な教育的配慮のもとに行う必要があると考えております。県教育委員会におきましては、各県立学校に対し、生徒の懲戒に関する内容及び運用に関する基準を明確化し、これを児童生徒や保護者等にお知らせするよう求めているところであり、今後もこの趣旨を徹底してまいりたいと考えております。
 また、PTA等に対しましては、それぞれの状況に応じて、関係者のプライバシーに十分配慮しつつ、事実関係や対応等について説明を行っているところでございます。
 次に、県立高等学校の懲戒に関する基準の見直し等についてでありますが、県教育委員会におきましては、各学校が定める懲戒に関する規程のガイドラインを示しているところでございます。今後、本県の状況等を踏まえ、ガイドラインの見直しの必要があるか検討してまいりたいと考えております。
 次に、いじめ問題に対する政策上の位置づけや基本的な考え方についてでありますが、いじめ問題は、どの学校でもどの学級でも起こり得る可能性があることを十分に認識した上で、学校、家庭、地域が総ぐるみで取り組むべき喫緊の課題であり、いわて県民計画第2期アクションプランにおける豊かな心を育む教育の推進において重点的に取り組むことといたしております。
 また、懲戒を含めた厳正な対応のあり方についてでありますが、いじめ等問題行動への生徒指導につきましては、規範意識を涵養する指導等、各学校の児童生徒の実態に応じ、健全育成を目的として適切に行われるべきものと考えております。したがいまして、深刻な問題行動事案につきましては、警察等関係機関との緊密な連携のもと、児童生徒の発達段階に応じ、各学校において厳正かつ適切に指導していかなければならないものと考えております。
 次に、家庭教育等についてでありますが、いじめ問題は、学校、教育委員会が中心となり、家庭や地域社会の支援をいただきながら対応していくことが重要と考えております。御家庭との連携につきましては、これまでもコミュニティ・スクールや教育振興運動などを通じ取り組んできたところでございますが、いじめ問題への対応につきましても一層の強化に努めてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長高木紳一郎君登壇〕
〇警察本部長(高木紳一郎君) 県警のいじめ問題への対応についてでありますが、教育上の配慮等の観点から、一義的には教育現場における対応を尊重することとしておりますが、触法行為を含む犯罪行為がある場合には、被害少年や保護者等の意向や学校における対応状況等を踏まえながら、警察として必要な対応をとることとしております。特に、被害少年の生命、身体の安全が脅かされているような事案の場合には、捜査、補導等の措置を積極的に講じていくこととしております。
〇8番(佐々木努君) 何点か再質問させていただきます。
 まず、知事の政治姿勢についてでありますが、私が意図していた質問とは別の回答をいただいたというふうな気がしますが、多分それ以上の答えは知事からは返ってこないんだろうなということも想定はしていました。私からは、知事には、先ほど、確かに政党政治に対する強い意気込みが感じられましたが、それはそれとして、政党に属してこの国を変えていくということよりも、まず、県政をしっかりやっていただいて、そしてこの岩手から国を変えていく、そういう発信をしていってほしい、そういう行動をとっていただくのが、県民にとって一番いい知事の姿勢のあり方ではないかと思っています。何とか、知事と議会が力を合わせて一体となって、この岩手の危機的状況を乗り越えていけるようにしていきたいと私は思いますので、ぜひ、知事にはそのことを強く心に置いて行動していただきたいと思います。これは回答は要りません。
 次に、障がい者福祉の関係です。先ほど保健福祉部長から、センターの体制を見直すという答弁をいただきました。先ほど私が、圏域センターはなくなる方向だということを聞いたとお話ししましたが、現状は、センターのあり方はどのような検討がされているのでしょうか、それをお伺いします。
 それから、聞くところによりますと、この9カ所の圏域センターはそれぞれ活動内容に開きがあるといいますか、担当する関係者、職員の方の意識にも大きな差があると聞いています。頑張っているところもあれば、そうでないところもある。そのために、頑張っていないからこのセンターをなくしたほうがいいんだという議論にもなっていると聞きますが、私は、それは逆だと思います。やはり頑張っているほうに合わせるべきだと思いますが、保健福祉部長の御見解をお伺いします。
 それから、結婚支援に対してでございます。これも前向きな答弁をいただいたと受けとめたいと思います。できれば、早急に市町村、関係団体の方々と集まる機会を持っていただいて、現場の方々がどういう思いを持って取り組んでいるのかというのをしっかりと吸い上げていただきたい。そして、県がそれをまとめて、ネットワークの中心としての役割を担ってほしいと思っています。そのことについてもう一度お伺いしたいと思います。
 それから、児童家庭課の事務分掌を見せていただきましたが、思ったとおりといいますか、結婚支援のけの字も見つからなかったわけでありまして、できればその事務分掌の中にしっかりと結婚支援に関することを入れていただいて、そして、積極的に取り組むということをアピールしていただきたいと思いますが、それについての御見解をお願いしたいと思います。
 それから、いじめ問題についてお伺いします。先ほどの質問でも─私は同級生の教員からいろいろお話を聞く機会がありましたが、やはり親の教育というのは非常に大事で、できれば保護者を対象とした、そういう教室みたいなものを定期的に学校で行うべきじゃないか。それが学校と家庭とのコミュニケーションにつながる、連携につながるんじゃないかと逆にお願いをされたということもありました。そういうものに取り組むお考えはないかお伺いします。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 大きく2点、お尋ねがございました。
 まず、障がい福祉サービス復興支援事業の関係でございます。そのうちのまず第1点でありますが、今年度の復興支援事業と来年度の中で見直すということだけれども、どういう見直しが行われているかということでございました。障がい福祉サービスの復興支援センターというのは、大きく傘を申し上げますと、障がい福祉サービス復興支援事業という傘の中に、一つは障がい福祉復興支援センターというものが位置づけられております。もう一つは、障がい者就労支援振興センターというものがございます。これは、震災に先駆けて既に動いているものでございまして、大きくこの二つになっておりますが、このうち、障がい福祉復興支援センターについては、いわてセンターを盛岡市津志田に設置いたしまして、そのほか9圏域センターでいろんな活動をやってきたというのが平成24年度の活動内容でございまして、活動内容の中で、例えば障がい者の実態調査だとかあるいは事業所の運営調査、ニーズ把握というものを、アドバイザー派遣ですとか、あるいは先ほどお話があったてびき、いわゆるマニュアルと呼んでおりますけれども、そちらのほうに結実した状況でございます。したがいまして、業務量だとか、そういうことを勘案いたしまして、体制を縮小するということで見直しをしております。障がい福祉復興支援センターの本センターは残しますけれども、それは障がい者就労支援振興センター、別のセンターと同じ形でふれあいランド岩手の中に入りながら、連携しながら進めるということ。
 それから、県央部におきましては、先ほどのいわて障がい福祉復興支援センター、中央でやるところのセンターに機能を集約しまして、さまざまなアドバイザー派遣ですとか、あるいは事業所の支援ですとか、そういうことをやっていきたいと考えていますし、沿岸圏域につきましては、4圏域は、まだまだ災害の関係がありまして復興支援が必要でございますので、基本的には現在のとおり残しつつ、障がい者就労支援振興センターのサブセンターというのが別にあったんですが、これを気仙については集約化するというような形で見直しを行うことで、当初予算について計上させていただいているところでございます。
 2点目、圏域ごとにいろんな活動がばらばらだと。一生懸命やっているところと、そうでないところがあるので、見直すのではないかというような趣旨の御質問だったと理解しておりますけれども、そういう趣旨ではございませんで、いずれ、トータルとしての業務量─先ほど申し上げましたとおり、今年度、実態調査だとか実態把握だとか、そういうことについてはかなり労力が割かれていた部分がございまして、そういうことについてある程度のめどがついたということがございまして、集約化を図るということにしたものでございまして、当然のことながら、障がい福祉サービスを県全体として振興していかなければならない、支援していかなければならないという業務が残りますので、各圏域で今まで取り組んできた成果を生かすような形で、本センターのほうで連携をしながら、例えばマニュアルの普及ですとか、あるいは地域の自立支援協議会との連携を図りながら振興を図っていくということで、集約させていただいたところでございます。それぞれの取り組みの中で、今まで出てきた成果については、次のセンターの運営の中でも十分生かしてまいりたいと考えているところでございます。
 それから、2点目の結婚支援でございますが、このネットワークにつきましては、市町村、関係団体等と連携をしながら、できるだけ早い機会に立ち上げをするような形で進めていきたいと考えております。事務局としては財団のほうになろうかと思いますが、当然のことながら、県として、その立ち上げについては、一体的に今までもいろんな検討をやってきましたし、これからもやってまいりたいと考えております。
 児童家庭課の事務分掌に結婚支援を明記すべきではないかという御提言でございますが、今のプランの中では、県の役割としては、いろんな団体についての取り組みを支援するという位置づけになっております。そういうことから、いわゆる県直接事業として結婚支援事業をやるという位置づけにはなってございませんが、実質的には、先ほど申し上げましたとおり、財団の基金等も活用しながら、結婚支援について一体的に取り組んでいるところでございまして、これを事務分掌の中に明記するということになりますと、結婚支援について、直接県がいろんな形でやっていくというような形にもなりますので、一生懸命県が引かないでやっていくということは先ほど御答弁申し上げたとおりでありますが、それを明記するかどうかについては、なお検討させていただきたいと思います。
〇教育長(菅野洋樹君) 学校と御家庭、地域との連携というのは非常に大事だろうと思ってございます。それが実は本県の教育の一番の強みでもあろうかと思っております。特にいじめのような問題が発生した場合に、御家庭、地域との連携ができているかどうかというのは、それ以後の対応に非常に大きな要素になるだろうと思ってございます。したがいまして、どういったことをすることで一番効果があるのかということを私どもとしてもよく勉強させていただいた上で、それぞれの学校の実情にも配慮しながら、今後のあり方を検討させていただきたいと考えております。
〇8番(佐々木努君) 1点だけ、保健福祉部長にお伺いします。
 今の圏域センター廃止の関係ですが、県の中央のセンター、内陸のセンター一つでこれからカバーしていくというお話だと思いますが、私は、それはかなり乱暴なやり方だと思います。今度、てびきが間もなく策定されるということで、その配布方法についても、圏域センターの方々は非常に心配しています。市町村にただ数量だけ渡して、皆さんに配ってくださいよとか、あるいは社会福祉協議会に配るとか、そういう方法で本当に障がい者の方々の手元に届くのかどうか、それを不安視していますし、さらに、ただそれをもらっただけで障がい者の方々は本当に理解できるのかという心配もされていて、それをカバーするのが、これからは圏域センターの仕事でもあるんじゃないかという提言もされているところであります。それが、今度は圏域センターが廃止になることでできなくなる。中央の一つのセンターだけでそういうことまで手が回るのかというのは、私は非常に疑問を感じます。もし、これからこの方針を変えることができるのであれば、ぜひ残してもらいたいし、そうでなければ、しっかりと障がい者を支援できる体制、これだけは検討していっていただきたいと思います。
 それから、こういう事業全てそうなんですが、県がその方針を決めるのか、あるいは委託先の県社会福祉協議会が決めるのか、その辺はどっちなのかなと私はいつも疑問に思うんですが、今回の件は、県が主導的に圏域センターを廃止しようという考えにもっていったのか、それとも現場から上がってきたことなのか、それはどちらなのでしょうか。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 今回、障がい福祉復興支援センターの設置に当たりましては、最初は単年度としてまず取り組もうということで取り組んできた経緯がございます。事業を行っていく中で、やはり単年度では十分な、例えばつくったマニュアル─先ほど議員から御指摘がございましたとおり、そういう結実した成果について十分普及することが難しいのではないかですとか、あるいは業務として沿岸被災地のほうではまだまだ支援が必要ではないかというようなことについて、実施に当たってのいろんな運営委員会の中で議論を重ねながら事業の検証もしてまいりましたし、協議もしてきたところでございます。したがって、県のほうから一方的にこういうやり方と決めたものではございませんで、実際に運営している社会福祉協議会とのすり合わせの中で、どういう形態が本当に効率的で、予算的な制約の中で実施できるものになるのかということを議論を重ねてきたところです。
 議員からもう一点、前段のほうでございましたいわゆるてびきの関係でありますけれども、今回のてびきをつくるに当たっては、とにかく使えるもの、本当に役に立つてびきをつくろうということで、実態調査は非常に手間がかかったんですが、そういうものを踏まえた形でつくったてびきになっていると思っています。まだ、今、策定途中ではあるんですけれども、ですから、それが本当に障がい者の方々の手に届き、理解をしていただき、あるいは周りでフォローする方々が使える形にしなければならないと思っていまして、例えば市町村、あるいは社会福祉協議会、あるいは自立支援協議会との連携のもとに、本センターと一体となって、普及ができるような取り組みをぜひやっていきたいと考えております。
〇議長(佐々木博君) 次に、小野寺好君。
   〔38番小野寺好君登壇〕(拍手)

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