平成25年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 私は、日本共産党を代表して達増知事に質問いたします。
 東日本大震災から2年がたとうとしています。改めて、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災した皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 東日本大震災津波からの復興は、県政の最大の課題であり、国政にとっても最優先の課題であります。復興の最優先の課題は、被災者の命と暮らしを守ることであります。当面する三つの緊急課題について質問します。
 第1は、被災者の国保、後期高齢者医療、介護保険、障がい福祉サービスの一部負担の免除を継続することであります。
 来年度県予算に4億7、000万円余、国保の県特別調整交付金を含めると7億円余が盛り込まれ、免除措置が継続されることになったことを評価するものであります。それぞれの免除額はどうなるでしょうか。2011年度の国による免除措置による免除額を含め示されたい。
 岩手県保険医協会による被災者の医療費負担に関するアンケート調査結果によれば、免除措置が打ち切られた社会保険加入者の場合、通院回数を減らした36.4%、通院できなくなった10.0%と深刻な実態となっています。国の責任による免除措置の復活を強く求めるべきと考えますが、どう取り組んできたでしょうか。
 円安も相まって灯油代が急騰しています。被災地福祉灯油等特別助成事業費補助金の対象者はどうなっているでしょうか。内陸の被災者も対象となっているでしょうか。県内全域を対象に低所得者への福祉灯油補助を緊急に実施すべきではないでしょうか。
 第2は、住宅確保への抜本的な支援の課題であります。
 日本共産党が取り組んだ被災者アンケートでは、国、行政に要望したい施策の第1位は住宅再建のための支援66%、第2位は医療費支援、医療施設の再建45%でした。早く家を再建したい、仮設から葬式を出したくない、公営住宅に早く入りたいという住宅確保の願いは、被災者の最も切実な要求であります。
 住宅確保に当たっては、持ち家の再建を基本に抜本的な支援を強化すべきであります。住宅再建の最大の障害となっているのが資金の問題です。知事も知事演述で、持ち家住宅の再建を支援すると述べました。国の被災者生活再建支援金を300万円から500万円に引き上げることを求めるとともに、県独自にもさらに100万円以上の支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 被災地市町村も独自の住宅再建への支援を行っています。陸前高田市は、自力で高台に移転する場合、造成費や水道整備、取りつけ道路整備などに最大715万円の補助、大槌町は、住宅の新築、購入に150万円などの独自補助を行っています。被災市町村の独自補助の状況をどう把握しているでしょうか。
 政府の緊急経済対策で、津波被災地域の住民の定着促進のための震災復興特別交付税が1、047億円盛り込まれました。岩手県への配分は215億円ということであります。さらなる住宅支援に活用できると考えますが、どう活用されるのでしょうか。
 県産材を活用した地元業者による岩手型地域復興住宅の取り組みは重要であります。どれだけの業者が参加し、受注件数はどうなっているか、県としてどう支援しているか示していただきたい。
 持ち家の再建を図る上で住宅の二重ローンの問題の解決は急務であります。個人債務者の私的整理に関するガイドラインの運用も改善されてきています。これまでの県内の相談件数、債務整理申し出件数、債務整理の成立件数はどうなっているでしょうか。ガイドライン活用の周知徹底を求める請願が県議会でも採択されています。県としてどう周知徹底を図り、金融機関にも働きかけてきたかを示していただきたい。
 希望者が全員入居できる災害公営住宅の建設も緊急重要な課題であります。知事は、県が整備する災害公営住宅約2、800戸については、平成26年度までの完成を目指すと述べました。用地の確保、工事の着手、入居予定など、具体的な見通しを示していただきたい。
 先日、釜石市の野田市長にお会いしてきました。被災者住宅再建の希望調査では、1、641戸、40%が災害公営住宅の希望となっていました。釜石市では、当初1、046戸の計画を1、460戸に見直しするということでありました。
 県は、被災者の災害公営住宅の希望をどう把握されているでしょうか。希望者全員が入居できる災害公営住宅の建設を明言するとともに、この点でも持ち家の再建への支援を抜本的に強化すべきと考えます。災害公営住宅の1戸当たりの建設費、造成費を含めた建設費はどうなっているでしょうか。
 災害公営住宅の建設に当たっては、漁村集落にふさわしく、庭で作業ができる木造戸建て住宅を重視するとともに、木造長屋形式を含め木造の公営住宅を推進し、地元業者の積極的な活用を進めるべきと考えますが、実態を含めどうなっているでしょうか。
 第3の緊急課題は、漁業、事業者の再建と雇用の確保の問題であります。
 1月29日に発表された経済センサスの活動調査速報によれば、平成21年と平成24年の比較で、県内事業所数は6、025事業所、9.1%、従業員数は3万3、542人、6.1%の減少となっています。特に津波被害を受けた沿岸地区では、3、381事業所、28.2%、従業員数では1万6、466人、21.0%の減少となっています。この状況を知事はどう認識されているでしょうか。
 被災した事業所の早期の再建を図ることは、地域経済の再生にとっても、雇用の確保にとっても重要であります。グループ補助金は来年度県予算でも約80億円計上されています。予算額が縮小され、内陸の事業者が除外され、既に支出した事業費も対象とならないなど極めて不十分なものであります。改善点はあるのでしょうか。
 これまでのグループ補助金の実績、第5次後半部分、第6次公募の状況と採択の見通しはどうなっているでしょうか。グループ補助金の交付決定を受けた事業者の再建状況と課題、県の支援策はどうなっているでしょうか。また、グループ補助金の申請に至らない小規模事業者も少なくありません。こうした事業者に対する具体的な支援策はどうなっているでしょうか。
 事業者の二重ローンの解消も重要であります。2月末現在、岩手県産業復興相談センターによる債権買い取り支援決定件数は43件、東日本大震災事業者再生支援機構では45件となっています。相談件数はそれぞれどうなっているでしょうか。積極的な活用を進める上での課題、今後の方針を示していただきたい。
 県が昨年12月に実施した被災地のハローワーク前での求職者アンケートでは、地元での就職を希望するが約8割を占める一方で、希望する仕事がないが5割を占めています。このミスマッチを打開する課題と取り組みをお聞きします。再雇用者に1人当たり225万円補助できる事業復興型雇用創出事業は1万5、000人の目標で取り組んでいますが、1月末現在、1、023事業所、4、367人にとどまっています。課題と今後の推進方針をお聞きいたします。
 漁業、水産業の再生と復興は、地域経済再生の柱とも言うべき課題であります。漁船の確保、養殖施設の整備は、今年度末の整備見込み、来年度の整備数を示していただきたい。
 がんばる養殖業のグループ数と漁業者数はどうなっているでしょうか。漁業経営体の再建状況はどうなっているでしょうか。水産加工業の再建状況と経営の実態を示していただきたい。
 県の漁業と漁協経営の柱である秋サケが2年連続の大不漁となっています。その原因と対策について示していただきたい。
 被災した県立高田、大槌、山田の病院再建整備の事業費が15憶円余来年度予算に盛り込まれたことは、評価したいと思います。地域住民への説明会が1回だけ開かれました。どういう要望、意見が出されたのか、県医療局としてどう対応しようとしているのか。1回だけの説明会ではなく、丁寧に地域住民の合意と納得を得る努力をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 山田町の緊急雇用創出事業で、NPO法人大雪りばぁねっと。による事業費使い切り、従業員解雇問題が発生しました。県のチェックのあり方が問われる重大問題であります。平成23年度から不正支出の疑いがありますが、どういう経緯とやり取りで無料浴場施設の建設、リースが認められたのか。県は2011年12月と2012年3月に経理書類の不備の是正を指導していますが、いつ、どのような不備を把握したのか。なぜ完了検査で見逃し、2012年度7億9、000万円もの事業を認めたのか示していただきたい。
 次に、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染問題について質問します。 
 放射能に汚染された稲わら、牧草、シイタケのほだ木、堆肥は合計4万2、500トン、学校等の除染土壌は2万から3万立方メートルに及びます。この保管、処理の計画と実績、今後の見通しはどうなっているでしょうか。
 現時点における畜産、林産物、水産物の被害額、商工業、観光などの被害額、県市町村の被害額と損害賠償請求額、賠償額はどうなっているでしょうか。
 県は毎月、東京電力を呼び、全面賠償を求める交渉を詰めて行うとともに、東京電力本社に被害者とともに駆けつけて直談判すべきと考えますが、知事、いかがでしょうか。
 福島原発事故は、収束するどころか、放射能を放出し続け、原子炉冷却による汚染水がたまり続けています。事故原因も解明されていません。使用済み核燃料と放射性廃棄物の処理、処分のめどもない原発は、現在、大飯原発の2基以外全て停止しています。大飯原発、敦賀、東通原発の直下には活断層の可能性が指摘されており、原発の再稼働は中止し、このまま廃炉にすることが最も現実的な対策ではないでしょうか。知事の見解を求めます。
 再生可能エネルギーの爆発的な活用が求められています。岩手県内の風力、太陽光、地熱などの再生可能エネルギーの推定可能量はどうなっているでしょうか。大震災後、これまでに明らかになった再生可能エネルギーの開発計画はどうなっているでしょうか。
 次に、子供と高齢者に優しい県政の課題について質問いたします。
 2月6日、新日本婦人の会岩手県本部の皆さんが、1万1、000筆を超える署名を集め、達増知事宛てに、子どもの医療費助成制度の拡充を求める要望書を提出しました。今年度、被災地の大槌町が中学校卒業まで医療費助成を拡充し、陸前高田市も小学校3年生に拡充しました。大船渡市は来年度、小学校卒業まで拡充する予定です。大震災津波の大災害を受けたときだからこそ、岩手の将来と復興を担う子供たちを大事にする取り組みが求められているのではないでしょうか。
 岩手県は、平成14年度に就学前まで拡充して以来、11年間にわたって子どもの医療費助成は停滞したままとなっています。全国では既に6道府県が小学校卒業まで、さらに8都県が中学校卒業までを対象としています。小学校3年生まで拡充している県がさらに5県あります。
 県内では、一戸町が高校卒業まで、12市町村が中学校卒業まで、6市町が小学校卒業までを対象にしています。
 知事に質問します。私は、群馬県の取り組みに学び、日本一子育てに優しい岩手県を目指し、県としても、せめて支援を小学校6年生まで拡充するよう検討すべきと思いますが、知事の子育て支援に対する認識をお聞きします。
 また、窓口で現金払いとなる償還払いも父母にとっては厳しいものであります。全国で償還払いとしているのはわずか10県のみであります。国の理不尽なペナルティーという問題がありますけれども、現物給付への見直しを検討すべきではないでしょうか。
 高過ぎる国保税は県民の最も切実な課題です。国保加入者の平均課税所得額は81万円、国保税は14万1、000円で、負担率17.4%となっています。滞納世帯は2万9、677世帯で14.2%、7世帯に1世帯が滞納となる異常な事態であります。
 ところが、こうした滞納者から保険証を取り上げる資格証明書の発行が2月1日現在、391世帯、短期保険証の発行が9、963世帯、うち未交付が1、764世帯となっています。
 盛岡市では既に基本的に保険証の取り上げはしない措置をとっています。直ちに是正すべきではないでしょうか。できないとすればどういう理由でしょうか。
 さらに、滞納者への資産の差し押さえが昨年度4、048件、7億1、868万円余となりました。実際に処分された件数、額はどうなったでしょうか。低所得者に対して余りにも冷たいやり方ではないでしょうか。
 介護保険の緊急の課題は特養ホームの待機者の解消であります。昨年3月末現在、待機者は6、226人、うち在宅待機者2、134人、早期入所が必要な人が1、164人となっています。毎年待機者が増加していく中で、今年度から3年間での特養ホームの整備計画はわずか887床にとどまっています。
   〔副議長退席、議長着席〕
 毎年新たに待機者はどう増加しているのでしょうか。待機者解消の見通しを持っているのでしょうか。また、被災地での待機者の解消は優先課題です。仮設住宅での待機者の状況を把握しているでしょうか。
 もう一つの課題は、昨年4月の介護報酬改定で、生活援助の時間が、従来の30分以上1時間未満と1時間以上の2区分から、20分以上45分未満と45分以上の2区分に変更、短縮されたことであります。その結果、買い物も調理も時間との競争となり、訪問介護も駆け足となって、お年寄りと話をする余裕がなくなった、お年寄りの状態を把握できなくなったという切実な声が寄せられています。
 県として、こうした状況の調査、実態把握はなされているでしょうか。改善を強く国に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。保険あって介護なしの介護保険の改善のためには、国の負担を引き上げる以外にありません。国に根本的な改善を求めるべきではないでしょうか。
 安倍自公政権は、軍事費は緊急経済対策の補正予算で2、124億円増額し、来年度予算でも400億円も増額しようとしています。一方で、本来改善すべき生活保護費を3年間で670億円も削減しようとしています。期末一時扶助の70億円の削減を含めると合わせて740億円の削減となります。これは本末転倒であります。健康で文化的な最低限度の生活を保障するとした憲法25条に反するものと言わなければなりません。
 貧困と格差を拡大し、低所得者の生活を脅かす生活保護費の削減の撤回を求めるべきと考えますが、知事の見解を求めます。また、生活保護世帯の生活実態をどう認識されているでしょうか。
 生活保護費削減の約9割は、物価下落を理由としたものであります。しかし、物価を下げているのはテレビやパソコンなどの電化製品で、生活保護世帯の暮らしには関係ないものであります。食料品などの日常の生活に関する消費者物価はどうなっているでしょうか。子育て中の生活保護世帯の削減額は月2万円に及びます。影響をどう把握しているでしょうか。
 生活保護基準の引き下げは、小中学生の就学援助や個人住民税の非課税限度額、保育料や医療、介護の保険料の減免、最低賃金にも影響を与えます。県、市町村はどう対応しようとしているのでしょうか。
 次に、大震災からの復興に逆行し、県民の暮らしと地域経済を破壊する消費税大増税とTPP交渉参加問題について、知事に質問いたします。
 どうやってデフレ不況から抜け出すかは、多くの国民が切望する国政上の大問題であります。問題は、デフレ不況が深刻化した原因と責任がどこにあるかであります。私は、働く人の所得が減り続けてきたことがデフレ不況の最大の原因だと考えますが、知事はどう考えているでしょうか。
 1997年を100として、企業の経常利益は163まで増えましたが、労働者の雇用者報酬は88に落ち込みました。県内の状況を見ても、雇用者報酬は平成13年度の2兆5、156億円から平成22年度には2兆1、177億円に、3、979億円、15.8%も減少しています。県内総生産は6、426億円、13.6%の減少であります。こうしたときに、県職員、公務員労働者の退職金を400万円余も削減し、来年度から7.8%もの賃金削減を行うことは、賃金引き下げの悪循環をさらに深刻にするものと言わなければなりません。政府のこうしたやり方について、知事はどう考えているでしょうか。
 こうしたときに消費税の10%もの大増税を強行することは、何よりも生活再建、住宅再建を目指す被災者にも大増税となり、復興に逆行するものであります。国民の負担を増大させ、デフレ不況をさらに深刻にするものと言わなければなりません。改めて知事の見解をお聞きいたします。
 安倍首相は、2月23日に行われた日米首脳会談を踏まえ、TPP交渉参加へ踏み出そうとしています。TPPについて安倍首相は聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったとしていますが、発表されたTPPに関する日米の共同声明では、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することが求められているものではないと書かれています。しかし、これは、交渉の場で例外を主張することは認めるという程度のもので、交渉の結果がどうなるかについて、何の保障を与えるものでもありません。
 それどころか、日米共同声明では、日本がTPP交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象とされること、及び日本が他の交渉参加国とともに、2011年11月12日にTPP首脳によって表明されたTPPのアウトラインにおいて示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認するとしています。これは、関税についても、非関税障壁についても撤廃の対象にならない、聖域など存在しないことを安倍首相も確認したことにほかなりません。言葉のごまかしで、自民党自身がさきの総選挙で国民に約束した政権公約を、わずか2カ月で破り捨てるものではないでしょうか。
 農業の再生にとっても、漁業、水産業の復興にとっても、地域経済にとっても、TPP交渉への参加は絶対に許されないと考えますが、知事の見解を求めます。北海道知事が直ちに政府に直訴しました。私は、知事も直ちに直訴すべきと求めますが、いかがでしょうか。
 いじめ、体罰の問題は、重大な教育問題であるとともに、大きな社会問題となっています。昨年8月から9月に実施された今年度前期のいじめ問題の緊急調査では、県内280校から2、004件のいじめが報告されました。昨年度の調査の6倍であります。学校として、児童生徒の生命または身体の安全が脅かされるような重大な事態に至るおそれがあると判断したいじめ件数は8件と報告されています。
 いじめの態様も、恐喝や暴行、危険なことをされたなど深刻なものが少なくありません。いじめは、いかなる形をとろうとも人権侵害であり、暴力であります。教育委員長は、このいじめの実態と本質をどう認識されているでしょうか。
 日本共産党は、全国的ないじめの実態と取り組みを調査し、いじめのない学校と社会を呼びかける提言を発表いたしました。菅野教育長にも紹介いたしました。
 私は、学校でいじめ問題に取り組む上で、第1に、子供の命最優先の原則を確立し、絶対に後回しにしないこと。第2に、ささいなことに見えても様子見せずに、教職員と保護者で情報を共有して対応すること。第3に、子供の自主的活動の比重を高め、いじめの起きにくい人間関係をつくること。第4に、被害者の安全確保を最優先に対応するとともに、加害者がいじめを反省し、人間的に立ち直るまで、徹底した対応を行うこと。第5に、被害者や遺族の真相を知る権利を尊重することを基本原則に、対策を抜本的に強化すべきと考えますが、教育委員長の答弁を求めます。
 また、いじめ問題で、県教育委員会議でどのように検討、協議が行われてきたのでしょうか。
 いじめ問題を解決する上で、教育行政として取り組むべき課題は、第1に、教師の多忙化を解消し、全ての学校でいじめ問題の研修を定着させること。第2に、学校と教師を数値目標で評価づけにし、教職員の協同を阻害する評価制度、市場原理に基づく目標達成型の学校経営を見直すこと。第3に、解決が困難なケースの相談、対応を行う専門家によるいじめ防止センターの設立、いじめから子供たちの安全と人権を保障し、学校、行政の安全配慮義務、被害者と家族の知る権利などを明確にした法整備の検討を国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 いじめ問題の解決にとっても、一人一人の子供たちに行き届いた教育を進めるためにも、35人学級を小学校、中学校の全学年で実施することは、教育行政にとっての責任であり、急務の課題です。県教育委員会が来年度から2カ年で35人学級を小学校3年生、4年生に拡充することを評価するものであります。
 教員は増員されるのでしょうか。中学校1年生で今年度から35人学級が本格実施されていますが、対象校で実施されていない学校もあります。どういう理由、課題があるのでしょうか。
 体罰問題も深刻です。この5年間で14人の教師が体罰事件で懲戒処分を受けていますが、氷山の一角ではないでしょうか。14人の体罰事件の概要を見ましたが、体罰が繰り返されているのが特徴です。4回も体罰を繰り返していた教師でも、処分は戒告と甘いものであります。体罰は暴力であり、人権侵害であります。学校教育法第11条でも明確に禁止されているものであります。
 記名式で体罰の実態調査を行おうとしていますが、なぜでしょうか。いじめ調査と同じように無記名で調査すべきではないでしょうか。今後の対策を含めて答弁を求めます。
 最後に、県公安委員長に質問します。
 東日本大震災津波の人命救助、遺体の捜索、安全の確保の取り組みに改めて敬意を表します。こうした活動に従事した警察官の心のケアの実態と取り組みはどうなっているでしょうか。全国からの応援の状況と宿舎の確保、来年度の見通しはどうなっているでしょうか。
 警察官の不祥事、犯罪が、残念ながら昨年は全国で逮捕者93人と過去最悪となりました。岩手県警察本部においても昨年は5件の不祥事が発生しています。この5年間では18件に及びます。氷山の一角ではないかと考えさせられますが、県公安委員長はどう考えているでしょうか。公安委員会で不祥事の背景、要因などについて徹底した協議と再発防止策は講じられているのでしょうか。
 多くの警察官は、県民の安全、生命と財産を守るという使命感を持って仕事に従事していると思います。この間、私は、こうした警察本部におけるサービス残業の根絶を強く求めてまいりました。
 今年度の1人当たりの超過勤務時間の見込みと超過勤務手当支給の見込み、支給率はどうなっているでしょうか。不払い残業分の手当はどうなっているでしょうか。この間、改善されつつありますが、サービス残業が根絶されるよう強く求めるものであります。公安委員会では協議されてきたのでありましょうか。
 以上で壇上からの質問といたします。答弁によっては再質問をいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、被災者の国保、後期高齢者医療、介護保険、障がい福祉サービスの一部負担金等の免除額についてでありますが、平成25年度予算における一部負担金等の免除の見込み額は、国民健康保険については約25億9、000万円、後期高齢者医療については約9億9、000万円、介護保険については約7億1、000万円、障がい福祉サービスについては約100万円となっております。
 平成23年度の国の措置による免除額は、市町村等からの実績報告によりますと、国民健康保険については約24億7、000万円、後期高齢者医療については約10億3、000万円、介護保険については約5億6、000万円、障がい福祉サービスについては約100万円となっております。
 県としては、被災者に対する国民健康保険等の一部負担金の免除等について、1月には、平成25年度政府予算への要望として、2月には、来県した内閣総理大臣に対して直接要望してきたところでありますが、被災地の実態に合った財政支援が行われるよう、今後も引き続き国に対して要望してまいります。
 次に、持ち家の再建支援の強化についてでありますが、県では、被災者の住宅再建を支援するため、今年度から、住宅再建に際して最大100万円を市町村と共同で補助する事業を創設するとともに、バリアフリー化や県産材の活用を行う場合の補助などを実施しております。また、国に対しては、これまでも機会あるごとに、被災者生活再建支援金や復興基金の拡充を要望してきたところでありますが、今般、国においては、平成24年度補正予算の緊急経済対策として、被災地域の住宅再建を促進するため震災復興特別交付税を増額交付することとしたことから、県としては、2月補正予算案において、本県への配分見込み額215億円の全額を沿岸市町村に配分することとしたところであり、今後、今回の措置された財源を有効に活用し、被災地の状況に応じた市町村独自の住宅再建支援策の充実が図られるものと考えております。
 次に、災害公営住宅についてでありますが、現時点で、県が整備する予定の2、821戸のうち、地権者の内諾を得ている用地が2、124戸で75%、設計を行っているものが1、146戸で41%、工事を行っているものが200戸で7%という進捗状況となっています。
 また、今年度中に野田村門前小路地区で8戸が完成する予定であり、平成25年度末までに計435戸、平成26年度末までに全戸の完成を目指して進めております。
 建設戸数については、市町村が実施している被災者の意向調査等に基づいて決定しているところであります。
 自力での住宅再建が困難で災害公営住宅への入居を希望される被災者の方々には、確実に災害公営住宅を用意できるようにいたします。
 建設費については、これまで工事に着手した4地区200戸で、造成費も含め、1戸当たり約1、650万円となっております。
 また、木造の災害公営住宅については、県では、野田村で30戸建設するほか、市町村では、漁村集落等の比較的規模の小さな団地で、地域の個別のニーズを勘案して木造1戸建てを整備する予定であり、県全体で682戸の木造の災害公営住宅を建設することとしております。
 県としては、市町村とも十分に相談をしながら、災害公営住宅の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、経済センサスの調査結果についてでありますが、平成21年と比べますと、平成24年2月1日における事業所数、従業者数は全ての都道府県で減少しており、中でも本県を含む宮城、福島の被災3県にあっては減少率の上位を占めております。
 県内では、特に陸前高田市や大槌町、山田町において減少率が大きく、被害の深刻さをあらわしており、震災復興においては、なりわいの再生にしっかり取り組んでいかなければならないものと受けとめております。このため、今後もグループ補助金や県単の復旧費補助金など、被災事業所の復興支援を市町村や商工団体と一体となって続けていくとともに、再開された事業者に対する販路開拓や取引拡大などを総合的に支援してまいります。
 次に、原子力損害賠償に関する東京電力との交渉についてでありますが、原発事故に起因する損害については、当該事故の原因者である東京電力が一義的にその責任を負うべきものであり、県では、東京電力に対し、本県で発生している全ての損害について、被害の実態に即した賠償を速やかに行うよう、強く求めてきたところであります。
 昨年の7月と9月には、私みずから市町村の代表や宮城県知事とともに東京電力を訪ね、東京電力の会長、社長に対して、風評被害を含む全ての損害について賠償に応じるよう、直接要請を行いました。
 また、県及び市町村が要した費用に係る損害賠償請求の実施に当たっては、東京電力幹部職員に出席を求め、県幹部職員及び市町村長との直接交渉の場を設けるなど、機会を捉えて賠償の実施を働きかけています。
 事務的にも東京電力とは頻繁に交渉の機会を設け、賠償対象の拡大や迅速な賠償の実施、被害者の負担軽減など、粘り強く求めてまいりました。引き続き、市町村や関係団体さらには他県とも連携しながら、東京電力に対して賠償の完全実施を強く求めてまいります。
 次に、原発に対する見解についてでありますが、原発事故は広範囲に深刻な放射能汚染をもたらし、国民の安全性への信頼を大きく揺るがしたものと認識しております。現在、国の原子力規制委員会において、新たな原発の安全基準が検討されているところであり、こうした中での原発の再稼動は慎重であるべきと考えております。
 次に、子供の医療費助成の拡充についてでありますが、出生数の減少が続くなど少子化が進んでいる本県においては、岩手の未来を担う子供たちが健やかに育つ環境の整備を進める必要があります。いわて子どもプランに基づいて、若者、子育て支援、子供の健全育成の支援を施策の基本方向とし、県民のライフステージに沿って、切れ目のない支援を総合的に推進しております。しかしながら、子供の医療費助成について、現在の就学前までの対象を小学校卒業まで拡充するためには多額の県費負担が見込まれるところであり、近年の社会保障関係経費等の増嵩により、県予算における新たな政策的経費の確保は大変厳しい状況となっていることから、直ちに実施することは困難であると考えております。また、現物給付とした場合、市町村の国民健康保険に対する国庫支出金が減額されることから、市町村等と協議をした上で償還払いとしているところであり、県としては、引き続き、国に対してこの減額措置の撤廃を要望してまいります。
 次に、生活保護費の削減についてでありますが、国では、今回、本年1月の社会保障審議会生活保護基準部会による生活保護基準の5年に1度の定期的な検証結果等を踏まえ、年齢、世帯人員、地域差といった制度内のゆがみや平成20年以降の物価の動向を勘案し、平成16年度以降据え置かれてきた生活扶助基準の見直しが行われることとなったと承知しております。
 見直しに当たっては、激変緩和の観点から、本県8月以降3年間の経過措置を設け、段階的に見直しを行うこととされており、また、今般の基準見直しは、生活支援戦略としての生活困窮者を支える社会保障制度の改革の一環として行われているものでありますが、この制度は、最後のセーフティネットとしての役割を今後とも十分に果たしていく必要があると考えております。
 東日本大震災津波の被災地である本県においては、平成25年1月現在の生活保護世帯1万572世帯のうち、高齢者世帯の割合が42.5%、稼働能力を有すると考えられる世帯が21.5%と増加をしており、高齢者や雇用を必要とする世帯への支援が今後とも必要と考えております。こうした点に配慮した検討が行われるよう、全国知事会等を通じて国に対して働きかけてまいります。
 次に、デフレ不況の原因についてでありますが、我が国の経済がデフレに陥っている原因は、海外からの輸入品価格の動向や賃金の動向などさまざま考えられるところでありますが、基本的には、国内経済において供給に対して需要が不足している、すなわち需給ギャップの存在が大きな原因であると考えられます。
 次に、公務員給与の削減についてでありますが、国の平成25年度予算案において、地方公務員給与の減額を前提に地方交付税が削減されたことは、地方の行財政改革への理解が不十分な、地方自治の根幹にかかわる大きな問題と捉えております。本県としては、地方公務員給与は、地方公務員法に定める諸原則にのっとり、諸般の情勢を総合的に勘案して決定すべきものであることから、国や他県との均衡、本県の財政状況等を踏まえ、十分に検討した上で適切に対応してまいります。
 次に、消費税増税についてでありますが、消費税増税の実施時期は来年4月とされていますが、この時期は、本県の復興計画における本格復興期間のスタートの時期であり、ちょうど住宅再建などを初め、被災者が生活再建のためのさまざまな投資や消費を本格的に始める時期と重なることが想定されます。復興を本格的に推進していく時期に被災地に税負担がのしかかれば地域経済の低迷等を招くこととなり、暮らしの再建やなりわいの再生の妨げとなるのではないかと強い懸念を持っています。
 次に、TPP交渉への参加についてでありますが、さきの日米共同声明では、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことが確認されたものの、交渉の結果によっては、関税撤廃の例外がごく一部にしか認められない可能性があり、農林水産物の生産や食品製造業などの中小企業に大きな影響が生じる懸念があります。こうした産業は、地域の暮らしやコミュニティと密接にかかわっていることから、TPPへの参加が東日本大震災津波からの復旧、復興の妨げになるおそれもございます。このため、国において、交渉参加に向けての方針や優先事項、必要な国内対策をどう講じるかなどについて十分検討し、慎重に対応すべきと考えておりまして、それらが明確でない現時点において、安易に交渉に参加することには賛成しかねるものであります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので御了承をお願いします。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、被災地福祉灯油等特別助成事業費補助金についてでありますが、補助対象は沿岸の12市町村、助成対象世帯は高齢者世帯、障がい者世帯もしくはひとり親世帯であって、市町村民税の非課税世帯または生活保護世帯のうち、市町村長が助成を必要と認める世帯としており、被災により内陸に避難している世帯についても、市町村が助成する場合には、県の対象として取り扱うこととしております。
 過去に県内全域を対象として福祉灯油事業を実施した平成19年度、平成20年度は、早い段階から冬場にかけて灯油価格が高騰いたしましたが、今年度は被災地福祉灯油を実施した昨年度とほぼ同様に推移してきており、大きく変動したのは1月からとなっておりますこと、また、市町村への聞き取り調査によりますと、内陸部で福祉灯油を実施しようとする市町村もごく一部にとどまっていることなどに鑑みると、現在、制度化しております被災地福祉灯油という形で対応したいと考えておるところでございます。
 次に、国保税についてでありますが、資格証明書、短期被保険者証の発行は、市町村が滞納者と接触し、給付相談の機会を確保することを目的としているものであり、滞納者の生活実態など、状況をきめ細かく把握した上で交付しております。
 県におきましては、市町村に対し、滞納者個々の実態を十分把握した上で細やかな対応をするよう通知し、また、会議等の場でも、この基本的な考え方に沿って適切に運用するよう要請しているところであります。
 また、差し押さえにより換価された件数及び金額につきましては、把握するデータがないためお示しすることはできませんが、市町村の行う滞納処分は、税負担に関する公平性や安定した国保財政を確保するため、担税能力がありながら納付していただけない方に対して、地方税法、国税徴収法等の法令に基づき十分な調査を行った上で実施され、低所得者にも配慮されているものと認識いたしております。
 次に、特別養護老人ホームの待機者の解消についてでありますが、市町村が早期の入所が必要と判断した在宅の待機者は、平成22年3月末で1、235人、平成23年7月末で1、253人、平成24年3月末で1、164人となっており、平成24年3月末において、在宅の待機者が初めて減少しているところであります。
 次に、待機者解消の見通しでありますが、各保険者が、待機者数の解消に向け3カ年ごとに作成する介護保険事業計画において必要な整備計画を定めており、県としても施設整備に係る補助を通じ、支援を行っているところであります。
 次に、仮設住宅における待機者についてでありますが、仮設住宅を対象とした調査は行っておりませんが、沿岸4圏域の市町村の平成24年3月末における早期入所が必要な在宅の待機者は247人となっております。沿岸4圏域の市町村におきまして、第4期計画分のうち、平成24年4月以降に開所する特養は244床あり、また、第5期計画期間中は179床を整備予定であり、待機者解消に向け、施設の整備が進められているところであります。
 次に、介護報酬改定による生活援助の時間区分の見直しについてでありますが、国では、次期介護報酬改定に向け、介護報酬改定検証・研究委員会等を設置し、今回の改定の効果検証や介護事業者の経営への影響等について、実態把握、分析を行うと聞いております。現時点で、県に対して、見直しの影響等について直接的な意見は寄せられておりませんが、国の調査、分析等の動向を注視しつつ、県内事業者の意見や利用者からの相談等を参考に課題を把握し、必要に応じて、制度の改正等について国に要望してまいります。
 また、国の負担の引き上げについてでありますが、介護保険制度に係る財政負担につきましては、国に対し、公費負担割合の見直しや財政調整のための交付金制度の創設など、地方公共団体や被保険者の負担が過大にならないよう、支援策を講ずることについて要望しており、今後とも、介護保険制度の円滑な運営のため、必要な措置について国に要望してまいります。
 次に、生活保護世帯に及ぼす影響についてでありますが、今回の生活保護基準の見直しに当たっては、国では、前回の見直しの平成20年以降の物価の動向を踏まえ、消費者物価指数から生活扶助以外の他の扶助で賄われる家賃、教育費、医療費や、生活保護受給世帯には通常生じない自動車関係費、NHK受信料などを除いた品目を用いて、生活扶助相当消費者物価指数を算出するものと聞いております。その結果、平成20年平均と平成23年平均とを比較し、4.78%程度の下落幅との説明を受けております。
 なお、消費者物価においては、光熱水費、諸雑費は、平成20年と比較し上昇しているものの、食料品や教養娯楽費等は下落をいたしております。
 現段階では、まだ生活扶助基準等の詳細の資料が示されておりませんが、国が示す町村部のモデルによれば、年齢40代夫婦と小中学生子供2人の世帯で、現行の最低生活費月額約20万9、000円が平成25年8月以降は段階的に引き下げられ、平成27年度には19万4、000円と、1万5、000円の減額と見込まれます。また、年齢60代の単身世帯では、現行7万4、000円が平成27年度には7万5、000円と、1、000円の増となると見込まれております。
 次に、生活保護基準の引き下げに伴う他制度への影響についてでありますが、国から、他制度への影響に係る取り扱いについてまだ正式な通知が出されているわけではありませんが、先般開催された厚生労働省主催の会議において、次の3点について、現時点における考え方が示されたところであります。
 第1に、個人住民税の非課税限度額等について平成25年度の影響はなく、平成26年度以降の税制改正の議論を踏まえて対応すること。第2に、就学援助や保育料の免除など、生活扶助基準の見直しに直接影響を受け得る国の制度については、生活保護と同様の給付を行っているような制度を除き、影響を受ける制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないよう対応すること。第3に、地方自治体で独自に実施している事業については、地方自治体に対して国の取り組みを説明の上、その趣旨を理解した上で、各自治体において判断するよう依頼することであります。
 今後、国におきまして、生活保護基準の見直しを行うとともに、これら生活保護基準の引き下げに伴う他制度の基準額設定等について詳細な取り扱いが示されることとされておりますが、早期に情報収集に努め、その取り扱いについて、関係部局等との協議や情報共有を図ってまいりたいと考えております。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) まず、市町村独自の補助の状況についてでありますが、県では、被災者支援のものも含めまして、各市町村の住宅の新築やリフォームに関する補助事業を把握いたしまして、県のホームページ等で公開しております。
 それによりますと、御指摘の陸前高田市や大槌町の補助のほか、住宅の新築等につきまして、宮古市と山田町では100万円、釜石市では50万円を補助するとともに、久慈市、大槌町では、住宅ローンを借り入れた際の利子について補助を、釜石市や陸前高田市では浄化槽設置補助など、合計12の市町村で、地域の実情や課題に対応するために独自の補助を行っております。
 次に、岩手型地域復興住宅についてでありますが、現在、135の生産グループが登録されておりまして、252戸の受注実績となっております。県では、完成写真を掲載いたしました新しいパンフレットを配布いたしますとともに、被災者との個別相談を行う住宅再建相談会、15回も沿岸市町村で開催しておりますが、その場に生産者グループの方々にもお越しいただきまして、御説明の上、地域型復興住宅の周知普及に努めてまいります。
 今後も、来年度も引き続き開催をしていきたいと考えております。
   〔理事高前田寿幸君登壇〕
〇理事(高前田寿幸君) まず、震災復興特別交付税の活用についてでございますが、今回の国の追加措置では、津波により被災した持ち家住宅のうち、防災集団移転促進事業、いわゆる防集事業等の対象とならない住宅を対象として、防集事業と同様の住宅再建支援を行うことを目的といたしまして、住宅建築に係る借り入れの利子相当額、宅地のかさ上げ経費及び移転経費を交付内容として積算されており、いわゆる制度の隙間を埋めるための措置を講じ住宅再建を支援するものでございますが、国の説明では、被災市町村での具体的な支援内容については、今回の増額交付の趣旨を踏まえつつ、市町村が地域の実情に応じて決定できることとされており、これにより、被災地の状況に応じた市町村独自の住宅再建支援策の充実が図られるものと考えております。
 次に、個人債務者の私的整理に関するガイドラインについてでございますが、2月22日現在で申し上げますと、本県における相談件数は771件、債務整理の申し出件数は127件、債務整理の成立件数は62件となっております。
 次に、ガイドラインの周知と金融機関への働きかけについてでございますが、これまで、県といたしましては、いわてグラフや被災全世帯に配布しております暮らしの安心ガイドブックを通じた制度の紹介、関係機関と連携した沿岸4地区での説明会の開催等により、ガイドラインの周知に努めてまいりました。また、県内金融機関に対しましては、銀行協会を初め金融機関を個別に訪問するとともに、昨年12月の岩手県復興に向けた金融関係機関連携支援会議におきましても、被災者に対する積極的な周知を要請したところでございます。
 本年2月から、沿岸各地で弁護士会と関係機関が共同して開催しております被災者相談会では、金融機関からダイレクトメール等により、被災者に直接、参加の御案内を行っていると伺っております。
 今後とも、関係機関と連携し、ガイドラインの積極的な周知を図るとともに、被災者への相談支援や情報提供を適切に行い、被災者一人一人の生活再建を支援してまいります。
〇議長(佐々木博君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、グループ補助金についてでありますが、来年度については、被災地域の商業機能回復のニーズに応えるため、共同店舗の新設や街区の再配置などを事業対象に加えております。
 これまでの実績につきましては、5次前半公募分までで63グループ、882社に対して約646億円を交付決定しております。また、5次後半公募には33グループ、6次公募には8グループから申請があり、3月中旬に決定する予定としております。
 補助金交付決定を受けた事業者の進捗状況につきましては、平成23年度の交付決定295事業者の約8割、平成24年度の交付決定587事業者の約5割が年度内に完了または完了見込みであり、おおむね順調に推移して実施されております。
 再開した事業者の主な課題といたしましては、売り上げや利益率の低下が挙げられ、これらについては商工団体などと連携しながら、専門家派遣による指導助言などにより、販路開拓や新商品の開発を支援しているところです。
 小規模事業者については、国に対して新たな補助制度の創設を要望しているほか、中小企業団体中央会などの商工団体において、グループの組成や復興事業計画の作成支援を行っているところです。
 次に、事業者の二重ローンについてでありますが、1月末現在における岩手県産業復興相談センターの相談件数は390件、東日本大震災事業者再生支援機構の相談件数は207件となっております。
 これらの活用を進める上での課題については、仮設施設で営業している事業者などは、本設再開に向け事業用地のめどが立たず資金需要がまだ本格化していないことから、相談段階にとどまっていることが多く見受けられ、本格再開を果たすまでには、資金調達面できめ細かく配慮していくことが必要と考えております。
 そのため、相談センターでは、昨年、仮設施設を個別訪問し各事業者のニーズを拾い上げており、その結果、最近の売り上げが減少、やや減少と回答し、資金繰りに不安を抱えている事業者も多いことから、既往債務の返済猶予や新規融資が行われるよう、事業計画の策定支援や金融機関との調整、交渉を進め、資金繰りの円滑化に取り組んでいるところであり、さらにその促進を図ってまいります。
 次に、雇用のミスマッチ等についてでありますが、求人企業と求職者のマッチングの促進に当たっては、求職者に職業選択の幅を広げていただくことや求人条件の緩和などが課題と認識しております。
 今後の取り組みとしては、工場見学会や面接会を開催するなど、求職者に対し就職に向けた意識啓発を行うとともに、労働環境の改善に向けた企業の取り組みを支援し、双方のギャップを少しでも少なくするほか、復旧、復興に対応した職業訓練の実施などにより、企業と求職者とのマッチングの促進に努めてまいります。
 また、事業復興型雇用創出事業についてでありますが、この事業の活用の課題としては、今年度の後半からは申請数は大幅に増加しているところであるものの、被災事業所の再建に時間を要していることなどもあり、計画を下回っていることなどが挙げられます。
 今後とも、グループ補助金などにより被災事業所の再建を支援するとともに、事業所に対する申請の支援を行うなど、より多くの事業所がこの事業を活用できるよう取り組みを進めてまいります。
 次に、山田町の緊急雇用創出事業についてでありますが、無料浴場施設は、平成23年7月28日付で山田町から提出された変更計画書で事業内容に被災者生活支援事業に関することが追加され、その経費の積算資料には、公衆浴場のリース経費1、000万円が含まれていることを確認しており、この計画自体に問題はなかったため、町の申請を承認し、町と補助金交付契約を締結したものであります。
 指導につきましては、平成23年12月には完了検査を受けるため必要な会計書類の整理について指導し、平成24年3月には、そうした書類の整理ができていないことを指摘したところですが、完了検査の際は、この指摘については改善されていたものであります。
 また、平成24年度事業について、町から提出された事業計画の内容は、失業者の雇用や人件費割合など、事業の条件を満たしていたため、これを承認したところであります。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) 漁業、水産業の再生と復興についてでありますが、補助事業で整備される漁船は今年度末までに5、500隻ほどで、来年度は、今年度の繰り越し分と当初予算分を合わせて1、200隻規模を見込んでおります。養殖施設は、今年度末までに約1万7、000台で、来年度は、今年度の繰り越し分と当初予算分を合わせて約300台を見込んでおります。
 がんばる養殖復興支援事業については、2月末現在で、12漁協において34グループの計画が認定され、延べ424人の漁業者が参加する計画となっております。
 漁業経営体の再建状況について、漁協を対象として県が昨年9月に実施したアンケート調査では、再開した経営体は、養殖業主体で53%、漁船漁業主体で58%で、採海藻主体を合わせた全体では76%となっております。
 水産加工業については、被災した水産加工業者を対象に県が1月に実施したアンケート調査では、生産能力が被災前の5割以上に回復した事業者は73%、出荷額が被災前の5割以上に回復した事業者は64%となっております。
 秋サケの不漁原因につきましては、大きな気候変動によるものとも考えられますが、放流直後からオホーツク海に至るまでの稚魚の減耗も要因の一つとされており、今春から、国等の研究機関と連携して、稚魚の初期生残等に関する研究を実施するほか、ふ化場での適正な飼育管理などに取り組み、サケ資源の早期回復を図っていく考えであります。
   〔医療局長遠藤達雄君登壇〕
〇医療局長(遠藤達雄君) 被災した県立3病院の再建についてでありますが、去る1月19日、20日の2日間にわたりまして、各市町で開催した住民意見交換会におきましては、医療局からは、被災した県立病院の整備に係る基本的な考え方を、また、地元市町からは、建設場所の候補地選定の考え方を説明したところであります。
 いずれの住民意見交換会におきましても、一日も早い病院再建について強く要望をいただいたほか、病床規模を縮小せず現状で復旧することや、診療時間外の救急対応を望む意見等が出されたところであります。
 これらの意見等に対しまして、医療局としても早期の再建を目指しており、地元市町と連絡を密にして進めていくこと、被災前の入院施設の利用状況等を勘案し地域に必要な病床数を確保すること、医師の負担軽減のため診療時間外の救急は基幹病院で対応することなどを丁寧に説明したところであり、地域住民の皆様には、おおむね一定の御理解をいただいたものと考えております。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、放射能に汚染された農林業系副産物等についてでありますが、牧草、稲わら及び堆肥は、市町村において集中保管施設等で一時保管しております。また、ほだ木は、主に山林内で一時保管しております。
 これまでに生活系ごみとの混合焼却を実施した市町村は、試験焼却を含め24市町村中9市町となっております。既存施設を活用した混合焼却方式の安全性について総じて理解が進んでいることや、今般、国の補正予算において、本県が先鞭をつけた混合焼却方式に対し、実質的に市町村負担が生じない支援制度が創設されたこともあり、今後、実施市町村が拡大していくものと考えております。
 処理の見通しについては、市町村ごとに汚染レベルや保管量、焼却能力等が異なることなどから、一概に申し述べることは困難でありますが、市町村と一体となって、可能な限り早期に処理が完了するよう努めてまいります。
 学校など子供の生活空間の除染により発生する土壌につきましては、市町村等が国の基準に従い敷地内に埋却保管しており、この冬の積雪により若干のおくれはあるものの、年度内の除染完了を目指しております。
 次に、再生可能エネルギーの推定可能量と開発計画についてでありますが、推定可能量については、総務省の調査報告書によりますと、太陽光発電では6億8、700万キロワットアワー、風力発電では209億2、100万キロワットアワー、地熱発電では10億7、100万キロワットアワー、電力利用全体では230億6、800万キロワットアワーであり、全国第2位の量と推計されております。
 平成23年度以降これまでの導入見込み量についてでありますが、発電能力ベースで申し上げますと、メガソーラーが18カ所で4万5、800キロワット、風力発電が2カ所で計4万5、300キロワット、地熱発電は1カ所で7、000キロワットとそれぞれ計画が現在進められているところでございまして、防災拠点等への導入や住宅、事業所への太陽光発電の設置も合わせますと、現時点で約16万8、000キロワットと見込まれております。今後とも、市町村等と連携しながら積極的な導入に努めてまいります。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) 原発事故による本県の損害額等についてでございますが、原発事故による放射性物質の影響は広範囲に及んでおり、現時点で把握している民間の損害額だけでも、畜産関係の損害賠償請求が155億8、000万円余、林産関係が31億3、000万円余、水産関係が1億9、000万円余、農林水産業全体では190億8、000万円余に上るほか、商工業の被害が40億7、000万円余、観光業の被害が25億1、000万円余であり、全体では256億7、000万円を超える規模となっております。これに対しまして、東京電力からの支払いは130億4、000万円余にとどまっているところでございます。
 なお、本年1月30日に国の原子力損害賠償紛争審査会が中間指針第三次追補を策定いたしまして、本県産の農林水産物等の風評被害が幅広く賠償すべき対象と認められました。この認められた対象につきましては、まだ具体的な金額の把握に至っていないということでございますので、具体的な損害額は、この分、今後増加が見込まれるところでございます。
 また、県及び市町村の損害につきましては、先月、第3次請求を行いましたが、これまでのものを合わせまして16億6、000万円余の請求額となっております。このうち東京電力が支払いに応じたものは約3、800万円にとどまっているところでございます。
 東京電力に対しましては、これら全ての損害につきまして速やかに賠償を行うよう、市町村や関係団体と連携協力して、引き続き強く求めてまいります。
   〔教育委員会委員長八重樫勝君登壇〕
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) いじめの認識についてでありますが、いじめは、どの学校でも、どの学級でも起こり得る可能性があることを十分に認識した上で、学校が、家庭や地域社会と連携しながら対応していくべきものと考えております。
 国において、いじめは、子どもが、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものと定義されております。いじめられている子供の立場に立った適切かつ丁寧な対応が、何よりも重要であると認識しております。いじめは、決してあってはならないことであり、児童生徒の生命や人権に係る喫緊の課題と捉え、学校を初めとして社会全体で対応していかなければならないと考えております。
 次に、いじめの対策の抜本的強化についてでありますが、保護者から大切な子供を預かっている学校は、常に児童生徒の安全を守ることが重要であり、いじめによって児童生徒の安全が脅かされるようなことは、決してあってはならないと認識しており、その根絶に向けた取り組みを継続して推進する必要があると考えております。
 今後におきましては、新たに関係機関、団体の専門家で構成する連絡会議の設置や研究実践地域の指定などとともに、今年度、緊急に実施したいじめ根絶教員研修会をさらに充実させるなど、児童生徒が安全で安心な学校生活を送ることができるよう、学校、教育委員会と家庭、地域の連携した取り組みを推進してまいります。
 また、教育委員会議における、いじめ問題の検討あるいは協議の状況についてでありますが、教育委員会議におきましては、いじめ問題に関する緊急調査の結果や、いじめ根絶緊急研修会について質疑応答したほか、いじめの起きない学校づくりや、いじめ問題を解決する学校体制のあり方など、魅力ある学校づくりについて随時意見交換を行ってきたところでございます。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、多忙化の解消と学校におけるいじめ問題の研修の定着についてでありますが、多忙化解消の取り組みにつきましては、県、市町村教育委員会、各学校において、会議や研修会等の精選、時間の短縮などの取り組みを行っているところであります。また、いじめ問題の研修の実施に当たりましては、内容を精選するとともに、実施時期などを工夫しながら、その成果が各学校での取り組みに生かされるよう努めてまいります。
 次に、評価制度、目標達成型の学校経営についてでありますが、本県における新昇給制度は、学校が、教職員相互の協働や連携による取り組みによって成り立つ職場であることを踏まえ、教員個々の取り組みだけではなく、他の教職員との協働や連携による取り組みについても考慮して実施しているところであります。
 また、目標達成型の学校経営につきましては、知、徳、体のバランスのとれた児童生徒の育成を目指し、目標達成のみならず、取り組み過程を重視しながら実施しているところであります。
 次に、いじめ解決に向けた法整備の検討を国に求めることについてでありますが、国におきましては、教育再生実行会議の提言に基づき、現在、法制化の検討が行われているところであり、この動向について注視してまいります。
 次に、少人数学級の実施についてでありますが、まず、教員の増員につきましては、国の定数改善計画の実施が見送りになったことから、必要となる定数は、国からの基礎定数及び加配定数を活用することとしており、新たな増は見込んでおりません。
 また、対象校で実施していない理由についてでありますが、対象校には定数措置をしているところでありますが、当該学校において、当該定数を活用し、ティーム・ティーチングや習熟度別学習といった少人数指導などが、より効果的であると判断したことによるものであります。
 次に、体罰の実態調査についてでありますが、今般の調査は文部科学省の通知に沿って実施しているものであり、限られた期間の中で、発生年月日や被害の状況など具体な内容について事実関係を把握する必要があるため、記名式の調査とさせていただいたものであります。
 生徒児童や保護者へのアンケートに当たっては、提出しやすいような配慮を行っているとともに、県教育委員会などの相談窓口もお知らせしているところでありますが、御指摘の点につきましては、今後の取り組みの中で検討させていただきたいと存じております。
   〔公安委員会委員長藤原博君登壇〕
〇公安委員会委員長(藤原博君) 警察官の心のケアと全国からの応援についてでありますが、警察本部では、今回の震災における惨事ストレスへの対策として、平成23年4月から3回にわたり、全職員を対象としてストレスチェック票を活用したPTSD等のリスク評価を実施し、その結果に基づき、心のケアが必要な職員に対して、医師、臨床心理士による個別面接や集団教養を実施するなど、職員の健康管理に取り組んでいるとの報告を受けております。
 その結果、1回目の調査では、リスクの高い可能性があると判断された者は全体の9.6%であったものが、3回目の調査では1.8%と改善されたところであります。
 次に、全国からの応援の状況についてでありますが、緊急増員により平成24年2月、1都15県から130人の特別出向をいただき、被災地の安全・安心を確保するための各種警察活動を推進しております。
 特別出向者の宿舎につきましては、当県出身者等、自宅等から通勤できる職員を除き、大船渡及び釜石警察署配置職員は釜石市内の仮設住宅を、宮古警察署配置職員は宮古市内の宿泊施設をそれぞれ借り受け、生活拠点としております。
 平成25年度につきましては、被災地対策のために3警察署に配置する警察官は70人を計画しております。宿舎については、大船渡及び釜石警察署配置の職員は、引き続き釜石市内の仮設住宅を借り受け、宮古警察署配置の職員は、宮古市内の仮設住宅を借り受ける予定であるとの報告を受けております。
 次に、警察不祥事についての認識とその対応についてでありますが、本県警察において、今回の飲酒運転事案を初め非違事案が発生していることは、まことに遺憾であり、深刻に受けとめております。また、非違事案等への対応につきましては、全国の公安委員会との情報共有に努めており、常に国民、県民の目線に立って、その管理に当たることを念頭に置いているところであります。
 非違事案発生に際しましては、都度、県警察から報告を受けており、その際には必ず、発生の経緯、背景等についても説明を求め、委員間の協議を徹底し、個別の事案に応じた再発防止等について指示しているところであります。
 先ごろの警察官による酒気帯び運転事案については、県警察からの報告がなされた際には、委員の総意として、極めて遺憾であり、県民の信頼を喪失せしめかねない事案であることを強い危機感を持って受けとめること、非違事案の発生は、職員の倫理観の欠如のあらわれであり絶無を期すべきものであること、組織全体が、警察は国民の奉仕者であるという原点に立ち返り、二度とかかる事案を惹起させないよう、綱紀粛正の徹底を図ることを強く要請したところであります。
 なお、県警察では、日ごろから当委員会の指示、要請の趣旨を踏まえ、全所属に対する特別監察を実施するなど、非違事案防止対策の浸透状況を検証するとともに、職員一人一人に対する職務倫理、つまり警察職員としての心得の浸透を図り、各種非違事案の絶無に努めているところであります。
 公安委員会といたしましては、これまでも、委員みずからが現場に足を運び、職員に直接訓示や講話を行うなど積極的に活動しているところであり、今後とも、みずからが先頭に立って、より厳格な管理に努めてまいりたいと考えております。
 次に、警察職員の今年度の1人当たりの超過勤務の状況についてでありますが、県警察より今年度4月から9月までの上半期の状況について報告を受けており、この間における1人当たり平均の超過勤務時間数が158.9時間、支給時間数が116.4時間となっております。これらを年間に換算しますと、今年度の1人当たりの平均超過勤務時間数としては317.8時間、支給時間数としては232.8時間が見込まれるものと考えられます。
 今年度の超過勤務手当支給の見込みにつきましては、2月の補正後の超過勤務手当予算額は14億2、703万円余であると承知しております。
 これらを単純に比較しますと、1人当たりの平均超過勤務時間数に占める支給時間数の割合は約7割となりますが、手当額としては、職員の超過勤務の支給時間数及び時間単価には個々に差がありますことから、一概には算出しかねるものと報告を受けております。
 また、警察の超過勤務につきましては、超過勤務が他の任命権者に比べて多い実態を受けて、超過勤務の事前命令と事後確認を徹底しており、縮減対策に積極的に取り組むよう関係機関から指導されているとの報告も受けております。
 公安委員会といたしましても、超過勤務の縮減に取り組むことが、職員の健康保持、人材の確保など、さまざまな面から重要であると認識しておりますから、県警察より、職員の超過勤務の実態や縮減の取り組み状況などの報告を受けて監督を行っておりますが、警察業務の特殊事情についても勘案しつつ、今後とも、職員に適正な処遇が図られるよう、引き続き督励してまいりたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) じゃ、再質問をやります。
 住宅再建への支援というのは、私は、まさに復興の土台であり、最も重要な課題になっていると思います。復興特別交付税215億円で、私は、市町村はかなりの支援をやれると思います。ただこれは、説明があったように、防災集団移転事業対象の方々は恐らく対象にならない形になることが多いのではないか。
 実は、この間、陸前高田市に行ってきましたけれども、陸前高田市のある防災集団移転事業では、133戸の予定が78戸に減っているんですよ。釜石市の防災集団移転事業についても、かなり参加戸数が減っています。結局、自立再建の見通しがないということなんです。
 釜石の復興新聞、これは1、000人以上のアンケート調査をやっていますが、住宅の再建、新築に当たっての不安、手持ち資金がない、これが41.7%で第1位。そして、これは岩手日報の県政世論調査でも、沿岸では住宅の再建が第1位の44.1%、こういうふうになっております。防災集団移転事業の対象者でも、さらなる支援がないと自立再建ができないというのが実態ではないのか。ここへの抜本的な支援なしには、被災者に展望、希望が見えない。そういう点で、さらなる100万円の補助が必要ではないかということを指摘しました。
 知事演述で、持ち家住宅の再建を支援すると。これは、ことしの話なのか、来年の話なのか。来年さらにこれを進めることが重要ではないか。改めて知事にお聞きします。
 災害公営住宅の費用が1、600万円余ということでした。公営住宅を1戸つくるのに1、600万円以上かかるんですよ。だったら自立再建にさらに100万円、200万円支援しても、維持管理はないのですから安上がりで、そして、地域に根づいて被災地復興の力になる、私は一石三鳥だと思いますよ。
 県土整備部長にお聞きしますが、来年、さらに再来年に住宅再建の計画が出てくるわけですね。今でさえ、大手ハウスメーカーは2年待ちですよ。だから、実際に住宅を再建しようというときに、やっぱりそれの受け皿がしっかりないと、つくろうと思っても、2年待ち、3年待ちになったんでは、さらに5年、6年と待たなくてはならない。岩手県内の大工さん、建築業者を総結集して、岩手型住宅の本格的な体制構築を進める必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 グループ補助について、2月補正で179億円措置されます。第5次、第6次の申請は、41グループ、508者で124億円ですよ。私は、ほとんどこれは対応できるのではないかと。5次後半、6次申請の分はどうでしょうか。
 それと、被災資産復旧費補助ですけれども、今年度、208件、7億900万円余の実績のようです。ちょっと少ないなという感じがしますがなぜでしょうか。修繕費補助を復活し、継続すべきだと思いますがいかがでしょうか。
 福祉灯油についてお聞きしますが、冬場の灯油価格としては、今過去最高です。18リットル1、864円、リッター103円を超えていました。ことしが今までで最高に灯油代がかかっているんですよ。私は、盛岡市に住む被災者の方々も対象になるような被災地等支援でなければ片手落ちだと。
 盛岡市の支援センターの調査によると、盛岡市に避難している方々の2割は困窮世帯、食料支援も必要だと言っていますよ。こういう方々に灯油支援がされないということはおかしいのではないでしょうか。私は、内陸の被災者に対する特別の灯油支援をきっちりとやるべきだ、やらなかったら差別になると思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 住宅再建支援についての御質問ですけれども、県といたしましては、これまでも復興基金を活用して、他県に先駆け独自の住宅再建支援策を講じてきたところでありますが、今回の震災復興特別交付税の増額措置によりまして、市町村を通じた住宅再建支援策の一層の充実が図られるものと考えておりまして、まずは、今回の財源を最大限に活用していただくことが重要と考えておりますが、今後とも、被災地の住宅再建の実情等を踏まえながら、必要に応じて国に要望してまいります。
〇県土整備部長(若林治男君) 住宅再建にかかわる整備というか建設についてどう対応するのだということであります。
 確かに、防災集団移転促進事業を長部で変更した経緯があります。どうしても事業の大臣同意をとるときに、大体何戸なんだという部分を決定しなければいけないのですけれども、きちっとコンプリートすることではなくて、一番最初に大体これぐらいと行かないとなかなか進まないだろうということで、まず、一応これぐらいという計画を立てるわけです。そうすると、被災者といろいろ相談しているうちに、俺はこっちに行きたいとかいろいろありまして、それを変更したのが長部で、113戸がスタートを切りましたけれども、これで進めていきます。
 今後、年度内に4地区スタートを切ります、着工します。まず、その防災集団移転促進事業を着工して、そして造成をして、その環境をまず整えるのが一番最初だろうと。
 そして、今まで週末のたびに各沿岸市町村で住宅相談会を開催しております。被災者の方々が、これぐらいの支援のスキームがあれば何とかいけそうだという希望を持っていただいている方々もいらっしゃいますので、これは引き続きやっていきます。
 住宅メーカーのほうを、さあ、どうやって結集するかということでありますが、岩手型住宅について、これを、とにかくこういう住宅があるということを周知、広めたいと思いますし、3月23、24日には、大船渡市でありますが、住宅メーカーが結集して、住まいの展示相談会in大船渡というものをリアスホールで開催することにいたしておりますので、そういう機会もあわせもって、被災者の方々、それから企業の方々も参画していただきながら、住宅再建に向けて力を結集していきたいと考えております。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、グループ補助金の関係でございますが、5次後半、6次の分の採択は3月の中旬ということで、今月の中旬になるわけですが、その状況によって所要額を見込み、計上させていただいているところでございます。
 それから、修繕費補助の関係で、額が少ないのではないかという御質問ですが、これにつきましては、今年度の利用状況等を勘案いたしまして、来年度の所要見込みを試算したところでございます。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 先ほど盛岡市の福祉灯油の価格について関連してお話がありましたが、内陸に避難された方につきましては、私どものほうでは、市町村が助成する場合は県補助の対象とすると市町村にはお伝えしております。それは、現在、みずからの住民基本台帳に登録されている方、これは当然助成の前提になるわけですが、住民票を移さずに例えば内陸に避難されている方、これも助成の対象とすることで県は認めることにしております。したがって、それぞれの内陸の市町村での御判断によるものということでございまして、県としては、それを否定しているものではなく、むしろ、そういう方々についてもカバーしていただきたいと考えているところでございます。
〇37番(斉藤信君) 住宅再建の問題について知事にしっかり受けとめていただきたいのは、私は釜石市の事例を紹介しました。被災者アンケートをしたら、1、046戸が1、600戸に公営住宅がふえたのですよ。そして、防災集団移転事業の一つのケースもお話ししました。やっぱり資金不足が自力で住宅再建をする最大の障害になっていると。私は、この傾向がこのまま続いたら大変だと思いますよ。そういう意味で、防災集団移転事業というのは一番支援策が充実している、そういう対象の方でも、自力で住宅がつくれないという状況があることをしっかり受けとめていただきたい。
 最近の被災者の希望調査を各市町村はやっていますから、県としてもしっかり把握して、そういう状況に対応した、そして、やっぱり住宅再建が復興の土台です、一番の希望なんですよ。そこに応えることを知事、ぜひこれはしっかり受けとめてやっていただきたいし、知事は被災地にもっと行って、被災地の首長の話も聞いてやっていただきたい。
 それと、商工労働観光部長は私の質問をよく聞いていない。復旧費補助が十分に活用されていないのではないかという指摘と、もう一つは、修繕費補助を復活し、継続すべきと聞いたんです。それにしっかり答えていただきたい。
 福祉灯油については、あなたが難しい制度をつくるからだめなんですよ。県内全部の市町村を対象にして被災者支援灯油をやりますと言えばいいんですよ。陸前高田市が盛岡市にいる人の灯油までどうするなんていうことは、難しくてできませんよ。実際そう言っているんですよ。だから、もっとシンプルに、全ての被災者を対象にしたものにしたらいいじゃないですか。
 次に、県立病院の再建整備について、おおむね一定の理解が得られたなんていうのは唯我独尊ですよ。陸前高田市からきのう、ベッド数の2病棟80床の確保という要請が出たでしょう。
 私は先日、石木院長にも聞いてまいりました。高田病院は、仮設の現状でも二次救急に対応しています。地域住民も院長も、やらないわけにはいかないと言っていますよ。本設になったら、休日、夜間一次救急もやらないなんて、そんなことはできませんよ。私は、地域住民、病院関係者のこの努力と熱意にきっちり応えた病院再建をすべきではないかと思います。
 山田病院についても、私は、用地についていろいろな地域住民の意見が出たと思いますよ。地域病院というのは、まちづくりのかなめなんです。例えば、自力で病院をやっているところ、沢内、葛巻、藤沢は、役場の隣、一等地ですよね。まちづくりの中心なんです。そうして初めて支えられるんですよ。私は、やっぱりそういう位置づけもしっかりやって、10年、20年支えられるような病院再建をすべきではないのかと。
 教育委員長、私は、いじめ対策について具体的に学校でやるべきことの五つの課題を提起しました。具体的に。具体的な答えがないじゃないですか。
 いじめの根本的な対策が私は必要だと思います。なぜ今いじめがエスカレートし、広がっているのか。子供たちが置かれている苛酷な環境が、ストレス、いら立ちを募らせているからじゃないですか。そのストレス、いら立ちを募らせている最大の原因は何か、勉強、教育、競争的な教育です。
 そもそも高校受験のある国というのは、先進国では日本しかないんですよ。そういう意味では、これは国連子どもの権利委員会で3回にわたって異常な競争的な制度だと指摘された、この問題をしっかり受けとめる必要があるのではないか。そのために遊ぶ時間が減って孤独感を強めているというのが、ユニセフの調査で29.8%、日本は断トツなんですよ。
 子供のこうした苛酷な状況を教育委員長はどう受けとめていますか。そういう子供の状況に寄り添って、いじめの背景にある、根本にあるこういう問題を解決すべきではないのか。
 もう一つは、社会自身が弱肉強食で、いじめ社会になっているということですよ。これはもう社会自身を変えていかなければならないと思います。子供の声に耳を傾けて、子供の社会参加を保障し、いじめを許さない、こういう取り組みをすべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。
 次に、山田町のNPO問題。実は平成23年5月2日、これは震災の直後ですよ、県社協専務理事、県の地域福祉課総括課長、全国共同募金会のメンバー3人で山田町長に直訴しました。どういうことか。NPO大雪りばぁねっと。は、各ボランティア団体と亀裂を起こして、不要なものを購入して社協にそれを請求していると。ボランティアというのは自己完結ですから、こういうボランティアは北海道に帰ってもらったほうがいいのではないか、問題だ、5月2日の時点でこういう指摘がされています。これを無視したのが山田町長ですよ。
 しかし、その後、6月15日、知事が、この岡田代表と意見交換会をやっているんですよ。私は、6月15日に知事が会ったということは、これはNPOに社会的認知を与えたということになると思いますよ。これは全くのミスだったのではないか。知事の見解をお聞きします。なぜそういうことになったのか。私は、知事がもっと踏み込んで、県のかかわり、県の責任を明らかにすべきだと思います。
 無料浴場施設ですけれども、これは、9月に法人が建築確認申請をしています。宮古地域振興センターです、宮古地域振興センターがこれを認めているんですよ。NPOに建築確認申請ができるわけないじゃないですか。同じ9月に、盛岡市の建設会社に1億2、000万円余で発注しているんですよ。リース会社なんか関係ない。
 NPOが無料浴場施設を建設したというのは事実です。こういうことが、もう平成23年度から重大な逸脱があった、それを県は見逃してきたのではないか。見逃すどころか、リースにしたらいいんだ、そういう対応を町にしたのではないですか。私は、県の関与、責任というのは厳しく問われると思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) NPO代表の件について私に質問があったと理解いたしますけれども、沿岸で復興に携わるさまざまな方々に集まっていただいて知事と意見交換をするということを何回かやる中で、たしか山田町で何人かにお集まりいただいたとき、その中にその代表もいたと思います。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 平成23年5月2日に県の地域福祉課総括課長が山田町長を訪問したという、これは県社協の専務理事と一緒に行ったというのは事実であります。この事実関係については、私どものところで聞き取り等を行いましたので、若干御説明を差し上げたいと思います。
 経緯を申し上げますと、これは、大規模災害が発生したときに、県や市町村の社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを立ち上げることになっておりますけれども、今回の大震災では、市町村社協自体が被災した地域もあったということで、中央の共同募金会が設置する災害ボランティア活動支援プロジェクト会議や全国の社協の協力をいただきながら、順次センターが設置されてきたところです。
 設置が山田町においては難航しておりましたので、ここのところでNPO法人大雪りばぁねっと。に対して、町から海域の行方不明者の捜索あるいはボランティアセンターの設置運営を依頼し、事実上、法人が主導する形で、平成23年4月9日、沿岸市町村では最後にセンターが開設されたと聞いております。
 先ほど議員からもお話がありましたとおり、地元や県内外の社協あるいは災害ボランティア活動支援プロジェクトのスタッフで運営されているほかのセンターと運営形態が違ったり、いろいろなそごがあったということ、それから、ボランティア活動等の関係がなかなか明確でない購入等があったというようなことがあって、県社協が、県の団体ですから、町の社協に対してそういうことを指導するときに、町とのかかわり合いもあったので、町長にお会いして、いろいろ申し入れたと聞いております。
 県がというふうにお話をされておりますけれども、その申し入れするときに、町長にお会いするということで、県の地域福祉課がボランティア関係を担当していますので、同行してくれないかと話をされたと聞いています。いずれそういう申し入れに対して、混乱期にこの団体がいち早く駆けつけて支援してくれたということで信頼しているという趣旨から、直ちには対応していただけなかったという経緯は承知しているところでございます。
 このことについて、当部では、この時期というのは、災害ボランティアセンターを立ち上げながら、とにかくNPOなどの力もかりながら復興を進めなければならないという時期でありまして、いかにそれを円滑に進めるかということを念頭に作業しておったときであります。しかしながら、不明瞭な会計とかそういうものはまずいということで、県社協のほうでそれについて申し入れをして、筋を通したということであります。
 それらについては、よもや緊急雇用事業がそのときにあるとか、そういうことについては、当然部としては承知しておりませんし、山田町からもそういう話は一切なかったわけであります。したがって、当時の状況からすれば、議員の御指摘は御指摘として受けとめつつも、これについて、例えば庁内でそれを共有するとか、あるいは知事に報告を上げるとかということについては、考えておらなかったところでございます。
 福祉灯油のお尋ねでありましたけれども、議員御提案のような方法でやるということになりますと、制度設計が、被災者支援灯油から内陸まで全部、低所得者の方を対象とするようないわゆる福祉灯油に制度が変わるわけでありまして、そこは制度設計の違いになりますので、考え方が変わるということで御理解いただきたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 中小企業被災資産復旧事業費補助の関係ですが、これにつきましては、施設設備の取得経費のみを補助対象としておったところですけれども、今般の補正予算に、修繕経費についても遡及して補助対象とするということで盛り込ませていただいているものでございます。
 それから、NPOの無料入浴施設の浴場の関係でございますけれども、宮古地域振興センターでは、無料浴場の整備は、どのような場合に緊急雇用創出事業の対象となるのかとの照会を山田町から受けて、国の事業実施要領に基づいて、制度の原則、つまり建設、土木事業は対象外、50万円以上の財産取得は不可であるということ、リース、レンタルでの対応は可能であるという旨を回答したということでございます。したがいまして、緊急雇用創出事業の制度の原則を回答したということになっておりまして、具体的な整備内容に基づく相談は受けていなかったということを確認しております。
 また、宮古地域振興センターにおきましては、完了検査の際にも無料浴場に係る支出の関係の再確認等を行い、改めて、支出内容はリース物件の組み立て費用、そして仮設の建物であるということ、事業終了後は解体、返却するものであり財産取得には当たらない、あるいはまた雇用の場の創出の手段というようなことで、補助対象とすることを決定したという経緯があるものでございます。
〇医療局長(遠藤達雄君) 県立病院の再建の住民意見交換会の関係でございますけれども、1月に2日間にわたって地域の方々と直接意見交換させていただきまして、さまざま、病床規模を現状どおりとか、さらに大きくしていただきたいとか、いろいろな御要望をいただきましたけれども、私どもの基本的な考え方については丁寧に説明申し上げたところでございまして、一定の御理解をいただいたと考えているところでございますし、また、再度の開催が必要だという状況には至らなかったものと考えております。
 それから、昨日、県議会のほうに出されました請願のお話がございましたけれども、昨日私のほうにも、請願ではなく、同様の内容の要請書という形で頂戴しておりまして、限られた時間ではございましたが、来られた方と、いろいろ医療局の考え方等は説明して、若干の意見交換をさせていただいたところでございます。
 請願につきましては、これは県議会の御判断されることでございますので、その審査の状況を見ながら適切に対応していきたいと考えております。
 それから、高田病院の二次救急のお話がございましたけれども、再建後というよりも、地域病院、これは大槌、山田も含めてそうでございますが、やっぱり医師不足というのはなかなか深刻な状況でございまして、休日、夜間の救急対応もやるとなりますと医師の負担が非常に過剰になると考えておりまして、基本的には、休日、夜間につきましては基幹病院で対応していくとしたいと考えております。
 それから、山田病院の立地場所についてでございますけれども、確かに議員言われたように、旧山田病院を活用してはどうかという地元の声があるのは事実でございます。それにつきましても意見交換会で伺いましたし、また、地元の方から直接お手紙も頂戴しております。
 しかしながら、旧山田病院跡地のところにつきましては、直接的な被害は受けておりませんけれども、山田町役場に近接する八幡地区にございまして、隣接する道路まで津波が到達した、あるいは周辺の道路が寸断されたといった状況もございまして、病院の安全性とか、あるいは孤立化が懸念されるところでございます。
 山田病院の候補地につきましては、地元の町のほうから御推薦をいただいています折笠3地区がございますけれども、これにつきましては、町のほうでも、議会に説明した上で、候補地として適地として御推薦いただいているところでございまして、私どもといたしましては、町の御意向を尊重した上で、基本的にその3カ所の中で調整を進めてまいりたいと考えております。
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) 議員指摘の子供たちが大変忙しいというような話、私も学校訪問しながら知っていますけれども、あるいは競争がいじめというお話もありましたが、必ずしも忙しいから、競争があるから、いじめにつながるとは考えられないのではないかと私は考えています。詳しく分析しないとわかりませんけれども。
 ただ、いじめの防止については、第一義的には、校長を初め、学校の職員が一体となって、いじめは絶対だめだよということをやっぱりやるべきだと私は思っています。そのため、子供のいろいろな微妙な変化に気がつくことも大事ですし、それから、二つ目は、ただ、いじめはだめだ、だめだを言うのではなくて、子供たちの優しい気持ちとか、仲よくするということを育てることも一方では大事ではないかと。
 例えば、具体的に申しますと、小屋瀬小学校でありますけれども、復興教育の一環で、野田村の仮設住宅に、おじいちゃん、おばあちゃんのお世話に行っています。そうすると、おじいちゃん、おばあちゃんの肩たたきをして、おじいちゃん、おばあちゃんに感謝されて、ありがとうと言われて、手紙をもらって、役に立っているという気持ちを子供たちは持って帰ってきている、それで、お手紙を返したりしている、そういう交流が続いています。そういう経験を通して、子供たちは思いやりとか優しさを育てているという例があります。
 それから、固有名詞を出していいかどうかわかりませんが、好摩小学校ってありますが、そこの学校では、帰りの会、学校ではホームルームというんですけれども、その会の折に、毎日1人ずつ順番で、1人の少年をあるいは少女を、きょう、誰それ君に算数を教えてもらってうれしかったと、掃除を手伝ってもらってうれしかったという、彼のいいところをみんなで褒めると。欠点は一つも言わないと。そうすると、彼は最後に、僕はもっともっと頑張って親切にしますという感謝の気持ちを言うと。そのようにして、子供のいいところを褒めて学級全体が仲良くなる、あるいは優しくなると。一方ではそういうことも必要ではないかなと、学校においてはそういうことが必要ではないかなと思っています。
 三つ目は、家庭の中において、母親や父親が、事あるたびに、友達をいじめるなよと、弟をいじめるなよと、人の物を盗むなよと、うそをつくなよというようなことをきちんと言うべきだと。親の哲学として、価値観としてあるべきだと。
 そして、最後は、大人社会が他を思いやるとか、人の揚げ足を取らないような人間社会をつくるということが大事ではないかなと私は思います。以上です。
〇37番(斉藤信君) 住宅確保について知事に聞いたけれども、答弁がありませんでした。ぜひ被災者の希望調査をしっかりやって、どんどん自立再建が減るような状況だったら、私は機敏に新たな住宅支援策を考えると、検討すると。それを改めて知事に、ぜひそういう実態を把握した上で対応していただきたい。
 それと、山田町のNPO問題なんだけれども、あの年の6月15日に岡田代表と会ったことは、私は結果としてはミスだったんじゃないか、そういうことを指摘しているんですよ。それで、一般的な指導をしたなんていうんじゃないんですよ。
 これは山田町の復命書です。平成24年5月7日につくられた、いわゆる言い訳書ですよ。このときに、どうやったら御蔵の湯が補助対象になるかというので県とやりとりをして、模範解答がここに書いているんですよ。御蔵の湯はリース物件だと。組み立て及び解体完了までがリース経費の範疇に入るものと考えると。よって、委託事業の範囲であり、県の補助事業の範囲でありますと。一定の期間が経過すれば、オール・ブリッジに返還することから、現時点での所有者はオール・ブリッジになりますと。しかし、オール・ブリッジなんていうのは実体がなかったんですよ。トンネル会社ですよ。そして、実際にさっき私が指摘したように、建築確認申請も、この建築の発注も法人がやったんですよ。私は、全くこれはうそで固めるような対応を県がやったんではないかと思いますよ。
 それと教育委員長、具体的実践例を私は否定しません。そういう頑張っている学校も、先生もいること、私はそういう実践を本当は生かすべきだと。ただ、なぜ今全国で、岩手でいじめがこれだけ広がり、深刻になっているか。子供を取り巻く状況をしっかり受けとめなければ、10年前、20年前の話じゃだめなんです。
 国連子どもの権利委員会は、こういう指摘をしたんです。高度に競争的な学校環境が就学年齢にある子どもの間で、いじめ、精神障害、不登校、中途退学、自殺を助長している可能性があることを懸念すると。これが日本政府に対する勧告なんですよ。3回行われているんですよ。子どもの生きる世界を見渡せば、能力主義で覆われた、確実に、深刻に広がる閉塞感が漂っている。それが子供たちを苛酷な環境、ストレスを高めているから孤独感があんなに強くなるんですよ。私はそういう点で、子供に寄り添って、そういう意味で五つの具体的な対策の提案をしましたから、しっかり受けとめてやっていただきたい。
 教育長に最後体罰問題。実は14件、5年間で体罰を処分したと。ことしは報告はないと。しかし、最近、幾つかの議会で体罰がありましたと。結局、隠蔽していたんじゃないかということになるんですね。そういう学校の体質。今度の徹底した調査で隠蔽しない、そしてみんなの問題にして、本当に今度こそ解決していくと。処分甘いですよ。
〇知事(達増拓也君) 持ち家再建支援については、質問ではなく御意見かと思って答えをしないでいたのでありますけれども、質問ということでお答えを申し上げますが、これは3月11日のその日からと言っていいと思います。県としては、大きな津波で流された家屋の再建ということが、これはもう阪神・淡路大震災のような津波を伴わないような大災害以上に深刻な問題になるということで、阪神・淡路大震災以降、国の住宅再建支援というのはさまざま進んできてはいるわけでありますけれども、それだけでは足りないということで、国への要望また県独自の施策などを重ねてきたところであります。この持ち家再建支援というのが非常に重要であるという認識は現在も変わっておりません。
 それから、沿岸のさまざまな方々の御意見を伺う中で、当該NPOの代表にも会っていたということについてでありますけれども、当時はまだ県の災害対策本部も解散されず、私も終日、防災服を着ながらできるだけ沿岸にも入るようにし、また、復興に携わる現場の生の声を聞く機会をなるべくとるべきと考えておりました。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 先ほどもリース物件にかかわるお答えを申し上げたわけですが、県としては山田町から出された書類、あるいは説明、あるいは照会ということに対して、定められている要領等に基づく回答をしたものであって、県が決してどうこうしたというような、対応したということではございません。照会に対して、定められている原則について回答したということでございます。
〇教育委員会委員長(八重樫勝君) 議員から教育長にいただきました紹介の資料、それから本日いただきました提言も含めて、いろいろな人たちの意見を参考にしながら、いじめの未然防止、根絶に向けて全力で頑張ってまいります。
〇教育長(菅野洋樹君) 御指摘のとおり、それぞれの市町村におきまして、市町村議会に報告されたという事案は承知してございます。いずれ、それぞれの市町村教育委員会におきましては、改めて体罰の禁止の徹底と、その学校に対しまして報告の徹底を求めたということでございますので、私どもも、今回の調査を非常に注目しているところでございます。
 なお、処分につきましては、これまでの経緯を踏まえ、平成23年に処分基準を改定いたしまして厳格化を図ったところでございますので、これ以降につきましては、その基準に基づきまして厳正に対応してまいりたいと考えております。
   日程第2 議案第92号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについて
〇議長(佐々木博君) 次に、日程第2、議案第92号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。加藤総務部長。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) ただいま議題とされました案件につきまして説明申し上げます。
 議案第92号は、釜石地区合同庁舎敷地内の廃棄予定の物品が強風により飛ばされ、相手方の車両を破損させた事案について、損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。
〇議長(佐々木博君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
 午後6時3分 散 会
第9回岩手県議会定例会会議録(第6号)

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