平成25年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇9番(軽石義則君) 民主党の軽石義則でございます。
 先輩並びに同僚議員の皆様の御配慮によりまして、当選後1年6カ月の中で3度目の一般質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
 また、県内被災地を中心に、2度目の厳しい冬を越えようとしておりますが、遠い春のように感じながらもじっと耐えている被災者の皆様、早期の復興に向け一生懸命取り組みをされております皆様に敬意と感謝の意を表するものであります。
 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
 初めに、労働雇用対策と今後の取り組みについてであります。
 1点目として、平成24年度の雇用創出の現状は、本年1月31日現在におきまして、雇用創出においては、新規雇用の目標などが約1万9、700人に対して、実績は新規雇用など1万4、297人、進捗率72.6%と公表されております。私は、平成24年6月定例会の一般質問におきまして、平成23年度の成果と反省を踏まえ、平成24年度に生かした取り組みについて質問いたしました。その際、知事から、産業振興施策による雇用創出や事業復興型雇用創出助成金の対象事業を拡大して活用を促進するとともに、職業訓練コースの充実やきめ細かな生活、就業支援を行うなど、引き続き全力で取り組むとの答弁をいただきました。その後の実績として、平成23年度と平成24年度を比較しての成果と反省をどのように把握されているのかお示しください。
 加えて、そのことを踏まえ、平成25年度の予算案に反映された基本的考え方と重点事業のポイントを含めて今後の取り組みについてお示しください。
 次に、2点目として、就業支援についてであります。
 これまでの取り組み状況としては、各種事業の成果は雇用に結びついていると思われますが、国、県、市町村の連携が図られず、ワンストップとしての県民サービスになり得ていないような気がします。
 平成24年3月23日付で締結されました総合就業支援拠点における岩手県と国による一体的業務実施に関する協定書に基づき、平成24年4月2日より事業開始されている事業があります。この制度は、平成22年12月28日付で閣議決定されたアクションプラン、出先機関の原則廃止に向けてに基づき、地方自治体が特に移譲を要望している事務、権限について、厚生労働省が所管する公共職業安定所の権限の一部を知事会の協力を得て地方自治体に移管する、国の地域主権の柱である出先機関改革の第1弾であります。
 内容については、岩手県知事と岩手労働局長との間で、お互いの連携、協力により就業支援拠点における業務を一体的に実施をする協定であり、拠点として、盛岡市と奥州市となっております。就業支援の面だけでいえばこれまでと比較して前進した取り組みではありますが、就業できない背景には、家庭環境や経済事情など多くの課題を抱えている中で、市町村も含めた支援体制が理想的であると考えております。特にも、沿岸を中心とした被災地は厳しい雇用環境の中にあり、その現状は深刻なものであります。このような状況からして、沿岸、県北、内陸など被災地や厳しい環境下にある身近な地域を総合就業拠点とするべきであると考えますが、どのような経過で県内2カ所の拠点とされたのかお伺いいたします。
 加えて、寄り添った支援とするためにも、拠点を拡大するか拠点を変更するなどについて、行政だけではなく、地域の労使代表を交えた協議の場を設定するなど、今後の考えをお伺いいたします。
 また、全国東西2カ所に、モデル事業として埼玉県と佐賀県がハローワーク特区協定を締結しております。この指定に際しましては知事会において決定されたとお聞きしておりますが、岩手県としての考え方はどのように発言されたのかお伺いいたします。当時は東日本大震災津波の直後であり、復旧、復興が優先されてきたことは認識しております。今後、岩手県の復興を進める上で、現行の制度を超える特区とすることについて国への要望を積極的に働きかけていく必要性があると考えますが、このことについての考え方をお示し願います。
 次に、3点目として、就業支援にかかわる非常勤職員並びに委託事業における雇用形態についてであります。
 労働基準法によりますと、期間を定めた労働契約の契約期間の上限は、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは原則3年です。ただし、次の場合の契約期間の上限は5年となります。1、高度な専門的な知識、技術、経験がある人と期間を定めた労働契約を締結する場合、2、満60歳以上の労働者と労働契約を締結する場合とされております。県の就職支援にかかわる専門的資格を有した雇用に関しては、本来は期間の定めのない労働契約であるべき業務として、その知識、技術、経験などにより成果を生み出していただかなければなりません。しかし、岩手県の雇用実態は1年更新であり、賃金水準についてはどの業務についても同等に扱われております。このことについては、一定の期間、安定した労働環境においてこそ継続性がある就業支援となっていくと考えておりますが、現行の非常勤並びに委託事業における雇用実態に関する状況についてお伺いいたします。今後、一定の期間、延長した契約とする考えがあるのかについてもお示しください。
 次に、震災復興対策についてであります。
 1点目として、避難所指定されている公立学校の防災施設整備率についてであります。
 先般の新聞報道によりますと、国立教育政策研究所が昨年5月1日時点で調査した結果、県内の543校におきまして、1、備蓄倉庫の整備率は22%、高校と特別支援学校はゼロ、2、貯水槽やプールの浄水装置などの設置は25%、特別支援学校はゼロ、3、自家発電設備は38%、高校と特別支援学校は全て設置で、小中学校は33%とのことでした。東日本大震災津波を経験した本県において、これらの対策についてはスピードを持って対応しなければならない優先課題と考えます。現状を踏まえた上での対応経過についてお伺いいたします。
 また、最近は余震が頻発しておりますし、予想を超える自然災害がいつ発生するかもしれません。しかし計画的に進めなければならない現実もありますが、今後の取り組みについてお示し願います。
 次に、2点目として、沿岸被災地における労働力確保についてであります。
 今後、復興事業が加速されていくことにより、労働力確保の課題が浮き彫りになってくるものと考えております。港湾が復旧し、漁業が活発化することにより水産加工業も復活してまいります。そのことにより工場の再建が始まり、営業を再開したくても従業員の確保ができないとの報道がありました。加えて、復興事業現場に雇用されていることと、既に仕事を求めて転出している人口が増加傾向にあります。求人と求職が逆転し、人手不足の状況となっております。身近なところにおける職業訓練が大切であることはこれまでも指摘してまいりました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 加えて、賃金水準においても課題になっております。このような傾向をどのように受けとめているのかお伺いいたします。また、今後の対応策についてもお示し願います。
 次に、3点目として、復興事業に関連した公務災害の発生状況と対策についてであります。
 復興事業に対する全国からの業務応援については、これまで大きな成果をつくってきていただいております。このことは、日本全体で復興に取り組んでいただいているあかしであり、派遣していただいている自治体並びに仕事についていただいている皆様に心から敬意を表し、感謝申し上げます。そして、なれない土地での苛酷な労働条件の中、つらい思いを持ったままみずから命を絶った2名の方がいることを忘れてはなりません。心から御冥福をお祈り申し上げます。
 応援派遣者のみならず、県内におけるメンタルを含めた公務災害をなくし、このような悲しい出来事を二度と繰り返してはなりません。岩手県における公務災害の発生状況と審査請求の実態はどのような状況であるのかお伺いいたします。
 何にも増して優先されるべきは安全と健康であると考えておりますが、岩手県における応援者や任期付職員なども含めての安全、衛生対策について、これまでの取り組み状況と、課題や今後の対応についてお伺いいたします。
 次に、青少年の健全育成を図る上での地域におけるリーダーの育成についてであります。
 私は、30年前、第3回岩手県青年の船に参加した経験があります。あのころは、少年の船や婦人の船など、各世代におけるリーダー養成に力を入れていたものと考えております。先般、しばらくぶりに乗船30年を記念して同窓会を開催いたしました。集まった仲間は、30年という歳月を経ても、あのときの目的を見失わずに一生懸命それぞれの職域や地域で役割を持ち、活躍しておりました。しかし、それらの事業は時代の趨勢とともに終了し現在に至っておりますが、今回の同窓会は、あのときの研修の成果が今でも生きていることを証明するものでありました。その際、共通した意見として、各地域におけるリーダーの育成とそのネットワーク構築の必要性について熱く語り合いました。
 知事は、本定例会の知事演述の中で、大震災津波の経験を経て、県民の防災意識はかつてないほど高まっておりますが、こうした震災体験を風化せず、今後の行動につなげていくため、地域に根差した防災文化を醸成し、継承していく人材育成に取り組みますと述べられました。復興事業を早期に優先して進めなければならないときではありますが、本県は優しい海の豊かな恵みに育まれ、恐ろしい海から試練を与えられている今こそ、いわて希望塾は、次世代を担う青少年に希望を託す事業として海原にこぎ出していくことも必要であると考えます。このことに対する知事の所見をお伺いいたします。
 次に、スポーツ振興と国体開催についてであります。
 1点目として、スポーツ振興と、その現場に対する支援についてであります。
 日本のプロ野球に入団した大谷選手は、連日、報道をにぎやかに飾り、県民に希望の光を感じさせてくれております。これからがさらに厳しいプロの道でありますが、さらなる飛躍を多くの県民が期待し、念願しております。そして、菊池選手を初め各先輩選手の皆様にも同様の期待が寄せられております。ここまで来るには、本人のセンスや体格、そして努力があると思われますが、それを支えてきた幼少期からの環境も大切であると考えております。野球ならばリトルリーグやスポーツ少年団、ラグビーでいえばスクールなど、競技スポーツの基礎となる時期をしっかりと心身両面から支えている多くの指導者と支援者がいることを忘れてはなりません。みずからの時間や私財を投入し、子供たちの笑顔のために長年携わっている皆様に敬意を表し、感謝申し上げます。
 スポーツ振興は、選手強化だけではなくサポート体制の充実も必要と考えますが、このような努力に報いる制度はどのようになっているのかお伺いいたします。また、各種スポーツ団体が抱えている課題をどのように把握し、解決に向けた対応についてもお伺いいたします。
 次に、2点目として、国体及び全国障害者スポーツ大会の開催についてであります。
 両大会の開催に向けては、一体的な準備ができる局体制を設置したことにより、対外的にも業務推進においてもかなりの効果が期待できると考えております。これまでの前例にとらわれない、協働を基本としていくことは異論ありませんが、スポーツ関係者や福祉団体などに偏ることなく、臼澤みさきさんのように、本県出身で復興のために御尽力をいただいている皆様のお力をおかりしていくことも大切なことであります。これらを踏まえ、いよいよ3年後に迫りましたが、これまでの進捗状況と取り組みにおける課題並びに今後の対策におけるポイントについてお伺いいたします。
 次に、3点目として、2019ラグビーワールドカップ招致についてであります。
 2019年の日本での開催に当たり、復興のあかしとしての釜石招致をこれまで機会あるたびに県の取り組みについてもお願いや要請をしてまいりましたが、いよいよ国内における開催候補地を選考する時期が近づいてまいりました。復興スクラム議連といたしましては、日本ラグビー協会への要請行動や県内高校新人戦を通じてのチラシ配布の活動などを展開してまいりました。議連としての活動にはある程度の限界があると思っておりますが、これまでにおける県の取り組み経過と今後の対応についてお伺いいたします。また、課題があるとすればどのようなことなのか、解決し、結果を出すためには何をすればよいのかお示し願います。
 次に、エネルギー対策として、電気自動車─EVと急速充電器の普及への取り組みについてであります。
 最近は、海外における治安の悪さや円安などによりガソリン価格が高騰しております。加えて、地球温暖化防止の観点が最近は余り聞こえなくなってきております。そこで今注目されているのが、プラグインハイブリッドを含む電気自動車の普及であります。電気自動車を普及させるためには、電池の性能向上、価格低下に加え、充電インフラ整備が重要です。チャデモ協議会が推奨している最適な急速充電方式では、全ての電気自動車が急速充電できることにより、エネルギーの効率的な利用と合理的なインフラ投資に大きな貢献もされております。
 また、本協議会は、東日本大震災津波発災後に、さまざまな課題が生じる中、被災地にてガソリン供給が滞った際、交通手段の確保として電気自動車を活用いただくべく、支援活動を実施しております。本県には、本協議会の会員企業から電気自動車23台貸与と、大船渡地区合同庁舎に急速充電器1台を貸与する活動をされております。このことに対してどのように受けとめ活用されたのか、成果と課題はどのように把握されているのか。そのほかに、このような申し出はなかったのかお伺いをいたします。
 現状においては、災害時のガソリン確保対策も当然必要ではありますが、災害にも対応できる自立、分散型のエネルギー供給体制の構築の中に、非常用電源としての電気自動車の普及を考えるべきであります。特に、行政庁舎を含めて、公共施設や避難指定を受けている施設において、EVの配備と急速充電器の設置は復興事業においても必要不可欠であると考えます。このことを踏まえた上で、今後の対応についてお示しを願います。
 次に、医療、福祉対策における権利擁護の受け皿についてであります。
 高齢と少子の急激な進展により複雑化している社会となり、現場では、これまで想定していない事件や事故などが発生しております。
 私のところに相談に来た一例として、親が認知症で子供が精神疾患というケースであります。病状が安定しているときには、通常の生活を営んでいる子供が家計を含めて管理できている状態から、病状が急激に悪化し入院した後の問題であります。
 親は配偶者が他界し、認知症が進み通帳管理などはできる状態になく、金融機関からの料金振替不能の状況となったため、本人にヘルパーが同行し、窓口での入金をしようとした際に、本人である証明ができても、通帳や印鑑がなければ制度として振り込み扱いになり、手数料が発生するとの説明をされたものであります。本人が本人の口座に入金することに手数料が発生する矛盾が制度であるとすれば、法の改正を求めていかなければなりません。
 このような事例はほんの一部であり、隠れたものや諦めているものも多くあると予想されます。本人が解決できる状態にないことから、県として、実態を調査し改善に取り組んでいかなければならないと考えます。このことについて、具体的に取り組んでいる事例があればお示しを願います。
 また、現場の課題を吸い上げるシステムは確立しているとのことですが、その運用が第一線現場と連携していないように思われます。実態についてどのように把握し、課題としてあるものは何か、対策としての取り組みについてお伺いいたします。また、被災地においては、どのような現状であると把握されているのかについてもお示しを願います。
 次に、県有財産の管理運営などについてであります。
 1点目として、未利用資産の維持管理についてであります。
 昨年10月24日現在の調べで、平成23年度における県有未利用資産の全体件数は103件で、維持管理費が伴うものは26件、維持管理経費が2、203万5、000円となっております。経費には算入されておりませんが、職員による草刈りなどを含めると、さらに経費がかさんでいると思われます。全体の中に、売却のための条件整備を伴うものや、現状のままでの売却対象資産で維持管理費が伴うものは16件で、維持管理経費が1、680万1、000円であります。このまま毎年積み上げていけば、経費として生産性のない大きな負担になっていきます。しかし、有効に活用することができれば、その価値は高まります。経費削減だけのために売却するのではなく、地域の皆様が求めている活用に、できる限りの対応をすることが行政サービスではないかと考えております。復興事業を含めて、現段階におきまして、地域住民からの要請を受けているものがあればお示しを願い、その対応についてお伺いいたします。
 次に2点目として、県有財産の貸付状況についてであります。
 行政目的を終えた施設をNPO法人が借り受けて大切に有効活用している事例として、旧ポニースクール岩手の活用があります。貸付先である馬っこパークいわてについては、これまでも先輩議員が再三にわたり議会で取り上げ、質疑が交わされております。
 その経過を見ますと、庁内横断的検討を重ねた結果、2014年度末に貸し付けをやめ、廃止の方向を固めた上で滝沢村に取得を打診しましたが、財政上の理由から困難であるが、関係自治体と協議する意向が示されておりました。平成23年2月22日の千葉伝議員の質問に対して知事は、県としては今後の滝沢村における協議の結果などを踏まえて、引き続き検討してまいりますと答弁しております。その会期中である3月11日に東日本大震災津波が発災し、県を初め全市町村が復旧、復興に全力で取り組んでまいりました。震災後、NPO法人乗馬とアニマルセラピーを考える会は、復興支援活動として触れ合い訪問を積極的に行い、被災者のみならず、県民の皆様が癒やされております。これらの経過も踏まえて、平成25年2月19日に、盛岡市長、矢巾町長、滝沢村長連名で、知事に対して、活動拠点として引き続き提供を求める要望書を提出しております。
 先般、NHKBSで放送されたアテルイにおいても馬の重要性を表現しており、馬産県としての伝統ある歴史を踏まえた上で、引き続き県有施設として整備し、観光資源として復興の推進と馬事文化の風化をさせない事業としていくことが大切であると考えております。大震災津波を経て、なくしてはいけない価値あることとしていくべきと考えますが、知事はどのように受けとめ対応しようとしているのか、お伺いをいたします。
 以上、趣旨をお酌み取りいただき、前向きな御答弁をお願いいたします。
 なお、答弁の内容によっては再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 軽石義則議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、平成24年度の雇用創出の現状と今後の取り組みについてでありますが、産業振興施策の推進によるこれまでの雇用創出数は前年度を上回る実績となっており、有効求人倍率など、雇用状況は前年度に比べ着実に改善してきています。
 一方で、長期、安定的な雇用の確保を目指す事業復興型雇用創出事業については申請が増加しているものの、進捗におくれが見られること、水産加工業などにおいては、人材確保が難しいことなどが課題となっています。このため、平成25年度においては、緊急雇用創出事業は被災地のニーズに的確に対応しつつ、全体の規模を縮小し、長期、安定的な雇用の創出に向けては、事業復興型雇用創出事業の活用を促進していくこととしています。さらに、人材確保のため、工場見学会や企業向けセミナーを開催するとともに、復旧、復興や成長が見込まれる産業分野に対応した職業訓練を拡充強化するなど、雇用対策を一層推進してまいります。
 次に、ハローワーク特区についてでありますが、県といたしましては、かねてより、ハローワークの地方移管について賛成の意思表示をしていたところであります。その後、これを全国的に進めるため、平成23年12月の地域主権戦略会議において、特区制度を活用し、試行的に東西1カ所ずつで移管可能性を検証する、ハローワーク特区の設置の方針が了承されました。この実施に当たっては、それまでの検討の経緯等を踏まえて埼玉県と佐賀県で行うこととしたい旨、全国知事会地方分権推進特別委員会から提案があり、本県としてもこの提案について了承としたものであります。
 全国知事会では、今後、このハローワーク特区の検証結果をもとに、1都道府県1カ所以上のハローワーク移管について国と協議を行うということとしており、県としても、知事会と連携して検討を進めてまいりたいと思います。
 次に、地域におけるリーダーの育成についてでありますが、県では、昭和55年度から岩手青年の船や少年の船のほか、航空機を利用した交流体験セミナーなど、青少年を取り巻く環境の変化を踏まえながら、岩手の将来を担う人材の育成に努めてまいりました。平成20年度からは、心豊かで意欲に満ちた人材を育成するため、中学生等を対象として、いわて希望塾を開催しています。
 いわて希望塾では、2泊3日の日程の中で、知事が塾長として講話や参加者との対話を行うほか、ワークショップ等を開催しており、特に昨年度と今年度は震災からの復興をテーマに実施したところ、郷土理解が深まった、震災復興に貢献したいといった声が多く寄せられるなど、地域づくりへの参加意欲が高まったものと考えております。
 今後とも、時代の要請に合った事業を工夫しながら、人材育成に努めてまいります。
 次に、旧ポニースクール岩手の活用についてでありますが、平成15年度末に閉鎖し、平成20年度からは未利用資産の有効活用の観点から、公益的活用を前提として、公募により貸し付けを行ってきたところであります。しかしながら、施設の老朽化が徐々に進んできており、厩舎など、主要な建物が平成26年度末に法定耐用年数に達するところであります。
 一方で、施設存続に関する要望もいただいていますことから、今後の施設のあり方については、庁内はもとより、関係方面からの意見も聞きながら検討していきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので御了承をお願いします。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、総合就業支援拠点の設置の考え方等についてでありますが、この拠点は、ハローワーク特区と同様に、ハローワークの地方移管を進める取り組みとして、国と県の就業支援拠点における業務を一体的に連携、協力して実施しようとするものであります。
 盛岡市、奥州市におきましては、国と県が共同で就業支援を行ってきた実績があることから、そこで構築した連携体制のさらなる強化を図るため、この2カ所に拠点を設置することとしたものです。また、他の地域におきましては、ハローワークと県、市町村の福祉部門が連携しながら、生活、福祉から就労まで、一体的な支援を行っているところであります。
 総合就業支援拠点の拡大や変更につきましては、当面、現在の取り組みを継続する中で、労使双方の御意見をお聞きしながら、その成果と課題について検討をしてまいります。
 次に、現行の非常勤並びに委託事業における雇用形態についてでありますが、県では、今年度、就業支援を行う非常勤専門職員を39人任用しているところであり、その任用条件は、県の要領に基づき、任期12カ月以内で更新は可能としているところです。就業支援員が積み重ねてきた知識、経験は貴重なものであり、そのため、約半数は5年以上継続して任用しているところであり、今後も同様の考え方で対応してまいります。
 また、民間企業に委託しております就業支援事業といたしましては、ジョブカフェいわての管理運営業務があり、キャリアカウンセラーや管理業務を行う職員14人が従事をしております。
 委託事業では、運営体制を含む企画提案の内容を審査し、その評価が最も高い者を受託者としており、提案内容の審査を通じて、事業遂行に当たり、必要な知識や経験を有するスタッフを確保しているところございます。
 次に、沿岸被災地における労働力確保についてでありますが、被災企業の再建や復興に向けた事業が進められている中にあって、職種によっては労働力の確保が難しい状況が生じているところであり、事業主へのアンケートでも雇用確保を課題とする回答が多くあったことからも、復興に取り組む企業の労働力確保が喫緊の課題と認識をしております。
 このことから、水産加工業については、新しい工場やそこで働く従業員の方の姿を収録したDVDを昨年12月に作成し、ジョブカフェやハローワークで放映するなど、求職者の就労意欲の喚起に努めているところでございます。
 今後、さらに工場見学会や面接会の積み重ねなどにより、求職者に対し就職に向けた意識啓発を行うとともに、企業に対しては求人条件の改善を働きかけるほか、労働環境の改善に向けた取り組みを支援し、企業と求職者とのマッチングの促進に努めてまいります。
 また、職業訓練においては、車両系建設機械等の操作資格を取得する特別訓練を沿岸部に加え内陸部にも拡大して実施するほか、宅地建物取引主任者の資格取得を目指す訓練の実施などにより、復旧、復興に対応する業種に関する人材の育成を図り、被災地における労働力の確保に努めてまいります。
   〔総務部長加藤主税君登壇〕
〇総務部長(加藤主税君) まず、復興事業に関連した公務災害の発生状況と対策についてでございます。
 本県で東日本大震災に関する公務災害として認定済みの事案は、現在、津波による死亡126件、応急復旧時におけるくぎ踏み等による負傷9件、計135件となっております。このほかに、災害発生時の心的外傷後ストレスなどによります6件の精神疾患事案の認定請求が出されており、うち1件は、公務外として認定判断を行ったところでございますが、審査請求は出されておりません。残り5件につきましては、認定の可否について調査中という状況にございます。
 次に、安全衛生対策についてでございますが、県では、長時間労働による疲労蓄積が認められる職員に対する産業医による保健指導や、定期健康診断結果に基づく健康指導の強化など、さまざまな対策をきめ細かく講じてきております。このうち、メンタルヘルス対策にありましては、派遣職員を含めた全職員を対象としたストレスチェック、高ストレスや抑鬱状態にあると認められる職員に対する精神科医による個別相談、管理監督者を対象といたします研修会の開催など、専門家の支援を得て、発災直後からさまざまな対策に取り組んでいるところでございます。また、メンタルヘルス対策関連情報の提供や県事業への被災市町村職員の参加など、被災市町村における安全衛生対策を推進するための対策も講じております。
 このように、発災当初から体系的かつ継続的に職員の安全衛生対策に取り組んでおりますが、復興業務は長期間にわたり、長時間労働や複雑で困難な業務による疲労の蓄積や高ストレスなどによります職員の疾病の発生やその増加が懸念されます。このため、復旧、復興の進捗や職員の置かれた状況に応じて対策を強化し、工夫を凝らしていく必要があると認識しております。引き続き、これまでの対策を着実に実施していくことに加えまして、地方公務員災害補償基金の支援事業を活用しまして、メンタルヘルス相談体制を充実するほか、自殺予防対策研修会を開催するなど、新たな対策にも取り組んでいく考えであります。
 次に、未利用資産に係る活用要請についてでございますが、売却対象の未利用資産のうち、現在、地域住民や市町村等に貸し付けているものは13件ございますが、このほかに市町村から新たに活用要請を受けているものが3件ございます。
 その要請内容でございますが、釜石市から旧釜石警察署敷地を企業誘致用地としてが1点、一関市から旧一関高等看護学院敷地を市の保健センター及び保育所用地の一部として活用というものが2件目、大船渡市から旧南部栽培漁業センター公舎敷地の一部を防災集団移転促進事業用地の一部としての要請というものが3件目ということで、それぞれ活用したいという要請がございます。釜石市の事案につきましては、財産処分に関する議決議案を提案しており、残りの2件につきましても、両市に対する譲渡に向けて調整を進めているところでございます。
 なお、市町村ということではなく、地域の住民の方々からということであれば、現在、県に対して具体的な活用要請は寄せられておりません。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) 国体及び全国障害者スポーツ大会の開催についてでありますが、国体につきましては、昨年7月に開催の内定を受け、広報関係では、愛称、スローガンやマスコットキャラクターの決定等を行うとともに、施設整備関係では、施設整備計画に基づく市町村への整備費補助や宿泊施設の実態調査等を行ってまいりました。
 全国障害者スポーツ大会につきましては、昨年6月に準備委員会を立ち上げ、競技運営主管団体を決定するなどの取り組みを行ってきており、加えて、両大会の募金を昨年10月から開催をしたところでございます。
 また、現時点での課題等につきましては、大きく2点挙げられます。
 1点目につきましては、一層の機運の醸成でございます。このため、今後、イメージソングやダンスの制定、さらに、これらを普及するキャラバン隊の結成、キャラクターなどのツールを用いた広報活動の展開を図ることとしており、さらには、本年10月に、両大会の開催を広く県民の皆さんに知っていただくため、開催決定イベントを予定しております。
 2点目は、開催に要する財源の確保等でございます。このため、引き続き、幅広く募金、企業協賛の推進を図るとともに、引き続き日本体育協会にさらなる財政支援、さらには、各競技の施設基準の緩和を要望してまいります。
 今後とも、スポーツ関係者や福祉団体のみならず、県民の皆さんや企業、団体などがそれぞれの役割を主体的に果たしていただき、県民の総力を結集して、夢と感動を与え、復興のシンボルとなる国体及び大会を目指して、両大会の連携を図りながら準備を進めてまいります。
   〔環境生活部長工藤孝男君登壇〕
〇環境生活部長(工藤孝男君) まず、貸与された電気自動車等の活用と成果等についてでありますが、発災当時、燃料不足に加え、沿岸地域では給油所そのものが流失した中にあって、貸与、御提供いただいた電気自動車は、主に沿岸被災地におきまして避難所の見回りや救援物資の配送、市町村との連絡調整など、震災からの復旧、復興に大いに威力を発揮したところであり、感謝しております。
 一方、走行距離が短いということから、充電インフラが整備されない中にあって、行動範囲が限定されるという課題もありました。また、大船渡地区合同庁舎に設置した急速充電器は、短時間充電に威力を発揮しましたが、沿岸地域での設置が1カ所であったため、電気自動車の遠距離運用を支援するという点では、十分ではなかった面もあったと考えております。
 なお、電気自動車の提供は、チャデモ協議会の会員企業以外にはなかったものと承知しております。
 次に、電気自動車及び急速充電器の普及への取り組みについてでありますが、電気自動車の普及には、まずは充電インフラの整備が不可欠であると考えており、国の今年度補正予算に盛り込まれております次世代自動車充電インフラ整備促進事業を活用して、今後、県において、全県を対象とした整備計画を策定し、充電インフラの整備が進むよう検討してまいります。
 また、電気自動車は再生可能エネルギーと組み合わせることにより、環境にも優しく、防災拠点などの非常用電源としての活用も可能であることから、今後、充電インフラの整備とあわせて、その普及が進むよう努めてまいります。
   〔保健福祉部長小田島智弥君登壇〕
〇保健福祉部長(小田島智弥君) まず、認知症高齢者等に係る相談支援の実態等についてでありますが、認知症高齢者や精神、知的障がい者などの生活課題の把握、改善につきましては、市町村において、地域包括支援センターや障がい福祉の担当課、障がい者相談支援事業所等がニーズの把握や相談支援に当たり、岩手県認知症疾患医療センター等の医療機関や岩手県福祉総合相談センター等の支援機関を紹介するなどして、適切な福祉サービス等の利用につなげているところであります。
 また、こうした方々が地域で自立した生活を送れるよう、県では、判断能力が低下している方々に対し、社会福祉協議会が行う日常的な金銭管理や福祉サービスの利用援助の取り組みである日常生活自立支援事業を支援するとともに、判断能力を欠くなど重篤な状態にある方々が利用する国の成年後見制度について、その周知や後見人の担い手の育成、法人後見団体の立ち上げの支援を目的とする研修会の開催等を行っているところであります。
 なお、個別のケースの課題等については、市町村においてそれぞれの相談機関が対応しておりますが、個々の機関のみでは改善が困難な課題等については、岩手県高齢者権利擁護ネットワーク会議や地域包括支援センター連絡会議などを開催し、市町村や権利擁護関係団体等と情報共有するなど、その解決に向けた取り組みを支援しているところであります。
 次に、認知症高齢者等の権利擁護についてでありますが、現在の相談支援のネットワークの中で把握されている課題としては、例えば成年後見については、制度が県民に十分浸透していないこと、担い手が不足しており、今後の認知症高齢者等の増加を考えると法人後見団体や市民後見人の養成が急がれること、また、市町村長申し立てや制度の利用経費の助成など、市町村による取り組みが低調であることなどが挙げられております。また、沿岸被災地におきましては、例えば日常生活自立支援事業の利用者数は被災前後でその割合に大きな変化は認められませんが、被災により支援体制が脆弱化していることも懸念されますことから、引き続ききめ細やかな状況把握が必要であると考えております。
 こうしたことから、事業の実施主体である市町村や社会福祉協議会等と十分連携しながら、被災地はもとより、全県的に権利擁護に係る制度の周知や成年後見の担い手の育成を図るとともに、制度的な課題については国に対して改善を働きかけてまいりたいと考えております。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) まず、避難所指定されている公立学校の防災施設の整備についてでありますが、県立学校におきましては、平成23年度に移動可能な発電機を全ての県立学校に配備するなど電源の確保に努めたほか、特別支援学校にはこれに加えLED投光機の配備を行ったところでございます。また、市町村立学校につきましては、多くの自治体において避難所としての防災機能のあり方等の検討が行われております。
 今後の具体的な取り組みといたしましては、県立高田高校におきまして、第2体育館に備蓄倉庫などを備えた防災対応施設を整備する計画といたしております。また、大船渡市では、赤崎小学校ほか2校におきまして非常用発電設備や飲料水確保のための設備などを導入する計画であり、移転復旧を進めるその他の市町村立学校につきましても、防災機能のあり方を含め、防災施設の整備を検討しているところでございます。
 今後におきましても、地域の実情等を踏まえ、市町村防災担当部局等と一層連携を図りながら、避難所となる学校施設の防災機能の強化に取り組んでまいります。
 次に、スポーツ振興とその現場に対する支援についてでありますが、スポーツの振興、特にも競技スポーツのレベルアップには、スポーツ少年団を含めた幼少期の地域における環境や心身両面の基礎を固める指導者の存在が重要であります。このため、指導者研修等を実施しているほか、来年度からは、スポーツ健康科学サポート推進事業の中でも指導者の指導力向上や育成を図る研修会を実施する予定であります。さらに、国民体育大会等の監督に当たる指導者については、強化事業や大会への派遣旅費等を支援しているところでございます。さらに、県レベルのスポーツ活動の指導者として顕著な功労があった方、または他の団体の模範となる地域のスポーツ団体に対し、岩手県教育表彰制度により表彰を行っているところでございます。
 次に、各種スポーツ団体が抱える課題についてでありますが、県体育協会がさまざまな機会を捉え把握に努めておりますので、県といたしましても、県体育協会を通じて、その課題解決の一助となるよう支援してまいっているところでございます。さらに、希望郷いわて国体に向けた選手強化につきましては、各競技団体とのヒアリングを直接実施しており、強化に係る課題を把握し、その解決に向けた事業を実施しているところでございます。
 次に、2019ラグビーワールドカップ招致についてでありますが、ラグビーワールドカップ2019組織委員会は、昨年10月に競技会場に係るワークショップを実施し、釜石市を含め、招致を目指す約40の都市の参加があったところでございます。競技開催の招致に関しましては、招致を目指す各都市が主体的に取り組んでおられるところではございますが、県といたしましても、釜石市と連携し、これまで組織委員会の動向などの情報把握に努めているところでございます。
 今後の対応についてでありますが、現在、組織委員会から示されている試合開催会場選定方針は、例えば、日本に豊かなフットボール文化を醸成できるスタジアムや施設の整備、開催地のスポーツ文化をさらに普及発展させ盛り上げるなどといいました抽象的な方針にとどまっており、いまだ開催に向けての具体的な課題が明らかになっているとは言えない状況となってございます。このため、本年5月にも組織委員会から示される見込みとなっている具体的な試合開催会場に関するガイドライン等を注視しているところでございます。今後、こうしたガイドライン等を踏まえながら、釜石市とともに招致に向けた具体的な課題等の把握に努めていくことがまずは必要と考えております。
〇9番(軽石義則君) 知事を初め、御答弁いただきましてありがとうございます。
 確認の意味も込めまして再質問をさせていただきます。
 初めに、労働雇用対策と今後の取り組みについてであります。
 1点目、平成24年度の雇用創出の現状については知事から御答弁をいただきました。平成24年度の雇用創出においては新規雇用の目標などが約1万9、700人でしたが、平成25年度の見込みは、新規雇用約1万3、600人と公表されております。なぜ約6、000人も減らしたものになったのか具体的にお示しをお願いいたします。
 また、雇用関係予算におきまして、平成25年度、平成24年度を比較し、大きく減額した事業、または増額した事業の特徴的な内容について具体的にお示し願います。
 次に、2点目として、就業支援についてであります。
 総合就業支援拠点における岩手県と国による一体的業務実施に関するモデル事業に対しての特区決定については、決定する段階において意見を述べる機会がなかったことはわかりました。ハローワーク特区事業がモデル事業であれば、国や知事会としても検証するときがあるというふうに先ほどもお答えをいただきましたので、そのときまでに本県として現場の状況を把握した上で意見を取りまとめていくことが大切であると考えております。その取りまとめに当たっては、現場の労使代表や、国、県、市町村と公益側を含めた構成による協議の場などを設置した上で対応するべきと考えますが、このことに関してのお考えをお伺いいたします。
 また、最近、話題となっております孤立無業者の就業を含めた自立支援などの事業をもりおか・いわて若者サポートステーションなどに委託されております。若者を中心に自立支援から就業支援をし、就職に結びつける事業であれば一体的に事業運営されたほうが効率的と考えますが、同サポートステーション事業とジョブカフェいわて事業の役割をどのように整理しているのかをお伺いいたします。
 次に、3点目として、県における非常勤職員並びに委託事業における雇用形態についてであります。
 平成25年4月1日から改正労働契約法が施行されます。改正は、三つのルールとして、1、無期労働契約への転換、2、雇いどめ法理の法定化、3、不合理な労働条件の禁止となっております。まさに働く人が安心して働き続けることができる社会の実現をするためのものでありますが、この改正に対してどのように対応されるのかお伺いいたします。
 次に、青少年の健全育成を図る上での地域におけるリーダーの育成についてであります。
 志ある者が、共通する目的に向かい、一定の期間いろいろな体験をしながら共同生活することによりお互いのきずなが強固になり、郷土愛がさらに広がっていくことを実感しております。岩手県として、青少年による復興に関連する世界への発信など、あらゆる面において信頼関係がつながる機会を提供することにより、復興後の岩手を担うリーダーの育成はとても重要であると考えます。このことも含めて、船を活用しての青少年に希望を託す事業として実施することについて知事の所見をお伺いいたします。
 次に、エネルギー対策として、電気自動車と急速充電器の普及への取り組みについてであります。
 先般、岩手県科学技術振興議員懇談会主催の第10回調査研究会において、次世代自動車の技術向上と自動車産業の今後をテーマとして講演をいただきました。その中で、次世代自動車としての電気自動車は、新たなビジネスチャンスにつながる可能性がいろいろな面で期待できることを知りました。今後、取り組む岩手県自動車関連産業振興アクションプランにも取り入れていくべきであると考えます。このことを踏まえて、電気自動車の普及とインフラ整備についても同時に進める必要性があると思いますけれども、どのように考えておられるのかお伺いいたします。
 また、講師の田中先生は、持続的な次世代自動車産業の実現に向けての地域対応戦略として、次世代自動車産業への参入、集積には、トップの強烈なリーダーシップ、地域、学の新しい連携強化、企業のあらゆる分野のイノベーションを示されておりましたが、このことに関する所見をお伺いいたします。
 次に、社会福祉分野における権利擁護についてであります。
 県内にある市町村地域包括支援センターでは、毎年多くの相談件数に対応されております。また、業務内容は、包括的支援事業として、1、介護予防ケアマネジメント、2、総合相談支援、3、権利擁護、4、包括的、継続的ケアマネジメント支援、加えて、介護予防支援業務である指定介護予防支援事業所としての要支援者のケアマネジメントを実施しております。複雑化した課題が多い中で、包括支援センターは設置箇所や構成人員などにおいて現在の体制で十分機能しているのかをお伺いいたします。
 そこに過大な負荷がかかっているために権利擁護を含めた福祉サービスが浸透できていないとすれば、実態を明らかにした上で早急に対応が必要であります。県高齢者総合支援センターの支援体制も含めて、現状と課題についてお伺いいたします。
 次に、県有財産の管理運営などについてであります。
 1点目として、未利用資産の維持管理についてであります。
 地域の皆様が求めている活用のためには、関係市町村との十分な連携も必要であります。そのためには、県と関係市町村、そして地域代表との協議の場を持つことも必要ではないかと考えております。既に活用の意思表示をしている市町村は先ほど御答弁をいただきましたけれども、まだその具体的なものは意思表示していなくても、活用したいという旨の意思を示しているものが盛岡市にもあるはずですので─県立短大跡地の関係ですけれども─、その部分はどのように受けとめておられるのか、具体的にそれらも含めてお示し願いたい。そして、その対応についてお伺いいたします。
 次に、2点目として、県有財産の貸付状況についてであります。
 旧ポニースクール岩手の活用については、盛岡広域の中心的な中核市である盛岡市と、発展著しい矢巾町、そして、来年から市制施行される滝沢村が連名により要望する意義を踏まえた対応をすべきと考えますが、さらに踏み込んだ考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 復興後の岩手を担うリーダーの育成についてでありますが、これまでも、青少年を取り巻く環境の変化を踏まえながら実施してまいりました。青少年や女性などを対象とした洋上研修事業につきましては、研修期間が長期にわたり参加団員の負担が大きいことや、海外旅行の一般化等により海外渡航の意味が希薄になったことなどの理由により終了したものでございます。このため、少年を対象とした人材育成事業については、平成15年度からは空路を活用した研修事業として、そして平成20年度からは県内においていわて希望塾として実施してきたものであります。
 復興後の岩手を担うリーダーを育成するため、今後どのような方法、内容が望ましいかということにつきましては、御提案の趣旨や、これまでの経緯、成果、さらにはトモダチ構想など、復興関係で寄せられているさまざまな支援との連携なども踏まえながら多面的に検討してまいります。
 次に、旧ポニースクール岩手の活用についてでありますが、3市町村からは、馬事文化の継承、馬産振興、そして観光振興の観点から施設存続の御要望をいただいております。この要望の趣旨も踏まえながら、関係方面からの意見を伺い、どのような活用方法があるのか引き続き検討していきたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 労働雇用対策関係で3点、次世代自動車に関する戦略について1点、合わせて4点の御質問をいただきました。
 まず、平成25年度における雇用創出についてでありますけれども、減少の主な内訳ですが、緊急雇用創出事業で4、300人、事業復興型雇用創出事業で1、600人それぞれ減となっているものでございます。
 この理由といたしましては、緊急雇用創出事業は、民間企業の求人が活発で一部求人難の状況も見られることと、長期安定雇用に対する求職者のニーズから、短期臨時的な雇用創出はその規模を縮小し、長期安定的な雇用の確保に重点的に取り組むこととしたものでございます。
 事業復興型雇用創出事業では、今年度の雇用創出目標1万人に対し実績は約5、300人となる見込みでありますが、年度後半は申請が増加してきておりますことから引き続きその活用を促進することとし、来年度におきましては、今年度見込みを上回る8、400人と目標設定したところでございます。
 また、雇用関係予算の増減についてでありますけれども、先ほどの雇用創出目標数との対応のため、便宜、平成24年度6月現計予算との比較でお答え申し上げます。
 増減の主なものは、緊急雇用創出事業が県事業と市町村補助の総額で106億3、000万円の減、事業復興型雇用創出事業費は、平成25年度新規認定分に平成24年度認定分の継続助成が加わり、15億8、000万円の増となっております。
 平成25年度予算の考え方といたしましては、雇用創出目標の設定と同様に、臨時的雇用創出の規模縮小と長期安定的な雇用の創出に重点的に取り組むこととしたものでございます。
 次に、ハローワーク地方移管に係る意見の取りまとめについてでございますが、本県における一体的業務実施の成果と課題の検証に当たりましては、さまざまな機会を利用いたしまして、労使代表や関係機関から御意見をお聞きしながら、地方移管に向けた国と全国知事会の協議に対応してまいりたいと考えております。
 また、自立支援、就業支援事業の一体的運営についてでありますが、ジョブカフェいわては、みずから就職活動を行うおおむね35歳未満の若年者を対象に、カウンセリングから面接会の実施まで実践的な就職支援を行っております。一方、若者サポートステーションは、社会的自立支援を主として支援を行っております。それぞれの専門性を生かしながら相談者のニーズに合った支援を行っておりますので、相互に情報交換や相談者の状況に合わせて施設間の誘導を行うなど、連携を図っているところであります。
 次に、次世代自動車産業の実現に向けた地域対応戦略についてでありますが、本県では、知事がとうほく自動車産業集積連携会議及びいわて自動車関連産業集積促進協議会の代表幹事として自動車産業の振興を積極的に推進しております。
 また、県では、次世代自動車の開発拠点の形成に向けまして、今年度から国の地域イノベーション戦略支援プログラムを導入し、次世代自動車の材料や車載通信技術などの研究開発の促進、人材育成に産学官金が共通の目標のもと強く連携し、取り組みを進めております。あわせて、本プログラムにより、大学のシーズと企業ニーズのマッチングや新技術の企業へのコーディネートなど、企業のイノベーションを誘導する体制整備とその活動を開始しているところであります。今後も、こうした活動を継続しながら、次世代自動車産業の振興に戦略的に取り組んでまいります。
 答弁で一つ、改正労働契約法への対応についてのお尋ねについてでございますけれども、県の非常勤職員につきましては、労働契約法は地方公務員について適用されないこととなっており、今後も、地方公務員法等各法令に基づき、適正に任用していくことになります。
 なお、県の非常勤職員につきましては、各事務事業の必要により任用しているものでありますが、単年度予算主義による予算上の制約によりまして年度単位の任用となっているところでございます。ただし、更新を妨げているものではございません。
 また、委託事業についてでありますけれども、事業の受託者となる事業主が法律の趣旨及び内容を十分理解し、適正な雇用が行われるよう周知、指導してまいりたいと考えております。
〇環境生活部長(工藤孝男君) 電気自動車の普及とインフラの整備についてでありますが、これは同時に進めていくということが重要であると考えております。
 特に課題となっておりますのは、充電インフラの整備ということになります。これにつきましては、今般、国の次世代自動車充電インフラ整備促進事業というものが創設されましたので、これの活用を進めてまいりたいと考えてございます。全国枠で1、005億円を基金化いたしまして、来年度─平成25年度と平成26年度の両年度にわたり一気に整備を進めようというふうな事業内容であると伺っておりまして、特に県の計画に基づいて設置される充電器に対しましては3分の2の支援措置が講じられるものと伺っているところでございます。3月上旬にも本事業の内容につきまして説明会が開催されるということになっておりますことから、その説明会を踏まえて、今後、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
〇保健福祉部長(小田島智弥君) 地域包括支援センターの機能充実についてでありますけれども、県内の地域包括支援センターは平成25年1月現在で54カ所となっており、その運営形態は、市町村直営が30カ所、社会福祉法人や市町村社協への委託が24カ所となっております。
 センターに置くべき専門職員の充足率は、保健師が92.5%、社会福祉士が72.5%、主任介護支援専門員が65.9%となっており、専門職種の配置が全て満たされているセンターは14カ所にとどまっております。昨年9月に厚生労働省が行いました地域包括支援センター運営状況調査の結果では、業務量に対する職員数の不足や、業務量が過大、専門職種の確保がセンターが抱える課題として挙げられております。
 県では、市町村に対し、必要な職員の配置、充足について会議等の場で働きかけておりますほか、平成21年度から岩手県高齢者総合支援センターをいきいき岩手支援財団に委託、設置し、権利擁護に関する研修を開催するなどその支援を行っているところでありますが、全ての市町村で早急に地域包括ケアシステムが構築されますよう、その中核となる地域包括支援センターの運営状況についてさらに詳細を調査し、課題を把握した上で機能充実に向けた支援に努めてまいります。
〇総務部長(加藤主税君) 未利用資産の有効活用に向けた取り組み方についてのお尋ねでございますが、県が公用または公共用として利用する予定のない未利用資産につきましては、地域振興の観点から地元市町村における有効活用を最優先することとし、情報提供や意向確認を実施しているところでございます。個別の財産の特質や経過を踏まえる必要はありますが、地域においてどう活用すべきかに関しましては、地元市町村と地域住民が十分議論した上で方向性を見出していくべきものと考えておりまして、旧県立盛岡短期大学跡地についてもこれに当たるものと考えております。
 こうした段階で、現在の所有者、そして、最終的には資産の提供者になる可能性もあるとはいえ、県が直接乗り出していくことにつきましては、むしろ当事者間の調整協議を難しくしかねない面もあるかと考えておりまして、そういった情報収集ということでお話をお聞きするということはあってもよいかと思いますが、協議という形で同等の立場で臨むということにつきましては慎重にならざるを得ないと考えております。
〇9番(軽石義則君) 再確認ですけれども、県の非常勤職員並びに委託事業による雇用の労働契約法に職員は適用にならない、委託事業については、その委託先の会社が責任を持ってするようにしろというようにお聞きしたんですけれども、その受けとめでよろしいんでしょうか。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 県については、先ほども御答弁申し上げましたとおり地方公務員法等の各法令に基づく対応ということになりますし、委託事業におきましては、改正労働契約法の法律の趣旨、内容を十分御理解をいただいた上で適正な任用がなされるというような形になるものと考えておりますので、その周知、指導対応をしていただくという方針でございます。
〇9番(軽石義則君) 同じ仕事をしている立場であって、雇用形態が違うだけで身分が不安定になるというのは、私は、それは県の事業としてはやはり適切なものにはなっていかないのではないかと思いますし、民間の普通の皆さんに対してもなかなかそれが示しにならないような気がするわけでありますけれども、それらに与える影響というものについて、今の段階でお考えがあればお示し願いたいと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) 非常勤職員という形あるいは委託事業との関係については、その法律の趣旨にのっとって運用していくということになりますので、そういう具体的な個別課題等については、事案等も勘案しながら具体的に対応してまいりたいと思います。
〇副議長(柳村岩見君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時49分 休 憩
出席議員(47名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 名須川   晋 君
6  番 後 藤   完 君
7  番 佐々木 朋 和 君
8  番 佐々木   努 君
9  番 軽 石 義 則 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 岩 渕   誠 君
18  番 郷右近   浩 君
19  番 喜 多 正 敏 君
20  番 高 橋 但 馬 君
21  番 小 野   共 君
22  番 高 橋   元 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 関 根 敏 伸 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 高 橋 昌 造 君
31  番 五日市   王 君
32  番 小田島 峰 雄 君
33  番 大 宮 惇 幸 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 佐々木   博 君
43  番 田 村   誠 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(1名)
12  番 福 井 せいじ 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後4時7分 再開
〇副議長(柳村岩見君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。神崎浩之君。
   〔10番神崎浩之君登壇〕(拍手)

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