平成25年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇45番(樋下正信君) 自由民主クラブの樋下正信でございます。
 質問の機会を与えていただいたことに対しまして感謝を申し上げ、質問をさせていただきます。
 東日本大震災津波から間もなく2年を迎えようとしていますが、被災地の自治体とそこで暮らす住民の方々は、今、あらゆる困難に直面しながらも復興への道筋を歩もうとしています。この場をおかりしまして、被災された皆様並びに関係者の方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 それでは、通告に従い、順次質問させていただきます。
 初めに、東日本大震災津波からの復興についてお伺いします。
 県は、復興計画に基づき、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生を柱に、災害廃棄物の早期撤去、応急仮設住宅の整備などの緊急的な取り組みを進めるとともに、平成23年度から平成25年度を基盤復興期間として、防潮堤の整備、被災者向けの新たな住宅や宅地の供給、漁船、養殖施設などの復旧などの基盤復興に努めてこられました。 
 応急仮設住宅の整備まではスピーディーに対応できたが、住宅の高台移転、区画整理などの復興まちづくりについては、用地の確保、地権者の確定、土地関係法令の諸手続、住民合意、行政のマンパワー不足など、想定していなかった課題が次々とあらわれ、目に見える形で事業が進まなかったことから、生活再建の先が見えず、被災住民の不安が募っております。
 平成23年10月から平成24年9月の1年間において、本県沿岸部は1、734人の社会減となっており、依然減少が続いております。県が公表した県外及び内陸地区へ移動している被災者のアンケート調査によれば、もとの沿岸の市町村に戻りたい方が3分の1程度にとどまり、戻ることをまだ決めていない方の理由は、震災前の市町村で住宅確保ができないことや市町村の復興やまちづくりに時間がかかることが挙げられております。
 被災地の人口流出に歯どめをかけ、県外や内陸地区への移動者にもとの沿岸地区に戻ってもらうためにも、復興まちづくりの推進と住宅の確保が最大の課題であり、その加速化が求められていると認識しておりますが、知事の御所見をお願いします。
 防災集団移転促進事業では、発災後1年10カ月がたち、ようやく県内初の造成工事が野田村で始まりました。県内で予定されている土地区画整理事業や防災集団移転促進事業、津波復興拠点整備事業、漁業集落防災機能強化事業といった復興まちづくり事業の進捗状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、事業を進める上でさまざまな課題があると思いますが、どのような課題があり、その課題解決に向けてどのような対応策をとっているのかお聞かせ願います。
 さて、昨年12月に公表されました社会資本の復旧・復興ロードマップによれば、災害公営住宅については5、639戸の整備を進めることとしており、そのうち県が2、821戸、市町村が2、818戸を整備する計画となっております。
 そこでお伺いします。災害公営住宅整備事業の進捗状況について、県、市町村別の状況についてお答え願います。
 また、本定例会に提案する予算を踏まえ、今後の整備の見通しについてお伺いします。
 さらに、整備を進めるに当たっての諸課題とその対応についてもお示し願います。
 災害公営住宅の整備に当たっては、建設用地の不足や職人及び建設資材の不足が課題になっており、県は、災害公営住宅の整備を加速するための新たな整備手法として、ことし1月に設計施工一括選定方式及び敷地提案型買取制度の導入を公表いたしました。
 この2種類の整備手法のメリットは何でしょうか。どの程度の整備期間の短縮を見込んでいるのでしょうか。また、地元業者への配慮がどのようになされているのかお伺いします。
 次に、雇用対策についてお伺いします。
 県全体の平成24年12月の有効求人倍率は0.89倍と5カ月ぶりに前月を上回り、また、沿岸は大船渡の1.54倍を筆頭に、釜石、宮古、久慈とも1倍を上回り上昇が続いております。
 一方、沿岸の就職率は昨年3月以降高い水準が続いてきましたが、低下傾向にあり、12月は53.6%となっております。水産加工業などの食品製造業の12月の有効求人倍率が釜石2.95、宮古2.22など高倍率な一方、事務系の倍率が釜石0.53、大船渡0.37など求人不足が顕著であるなど、職種によって大きな格差が生じており、被災地の雇用情勢はミスマッチの状況と考えられます。
 私は、被災地の長期的な復興のためには、被災者が安定した希望する職を得ることが重要と考えております。被災地において、安定的な雇用の創出と被災者の希望する仕事へのマッチングをどのように進めていくのか、知事に基本的な方針をお伺いします。
 また、県は、被災地における安定雇用の柱として、事業復興型雇用創出事業により正規雇用の創出を図ろうとしておりますが、1月末時点での雇用実績は4、367人で、1万人の目標の44%弱にとどまっております。本事業のこれまでの実績や活用した企業の評価について、どのように認識しているのかお伺いします。
 また、食品製造業や建設業など、被災地における人手不足の業種の人材をどのように確保するのかお答え願います。
 さきに国が公表した経済センサスでは、震災前の2009年と比べ、2012年の県内事業所数は9.1%の減、特に沿岸被災地では大幅に減少しています。被災地の事業者の再建は、地域経済の早期の復興、雇用の場の確保のためにも緊急に取り組まなければなりません。
 こうした中で、有効な支援策として中小企業等復旧・復興支援事業費補助、いわゆるグループ補助金が被災事業者に活用されてきました。事業者からの要望も強いと思いますが、これまで国に対してどのように働きかけ、必要な予算を確保してきたのでしょうか。また、補助金の決定を受けた事業者数はこれまで882者となっていますが、それぞれの事業者が順調に事業を実施できているのか、実施状況をお伺いします。
 次に、防災減災対策についてお伺いします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 政府は、インフラの老朽化対策や事前防災減災対策を抜本的に強化し、国土強靱化を推進する方針で、政府予算には、自治体の進める道路の点検、改修や建物の耐震化などが盛り込まれております。
 県では、管理する道路、橋梁、公営住宅等のインフラの老朽化対策にこれまでどのように取り組んでこられたのか、その現状と課題についてお伺いします。
 老朽化対策が進まない原因の一つとして、これまで施設の点検や維持管理に必要な予算が十分確保されてこなかったことが考えられます。国では、防災、安全分野に特化した新たな交付金を創設し、防災減災対策に重点的に取り組もうとしているが、これに呼応した県の予算措置についてもお伺いします。
 県全体の防災減災対策を考える上で、市町村が管理するインフラの老朽化対策も重要と考えますが、市町村との連携等について、どのように考えているのかお示し願います。
 本県においては、沿岸部の震災復興のため、内陸部と沿岸部を結ぶ国道106号など幹線道路において、峠部を中心に重点区間を設定し一層の凍結対策を推進していると伺っています。
 一方、市街地や周辺道路などにおいて、圧雪や路面凍結等により、車両や歩行者、自転車などの通行が危険な箇所も見られます。
 冬期におけるスリップ事故等の交通事故を防止するためには、消雪施設が効果的であると考えます。そこで、消雪施設等の整備の現状と課題、その対応はどうなっているのかお伺いします。
 昨年4月以降、全国各地で登下校中の児童等が犠牲になる痛ましい事故が多発しております。冬期には、除雪した雪が路肩に寄せられて歩行スペースが狭くなり、歩行者は車道を歩かざるを得ない状況も見られます。
 そこで、交通事故の防止や積雪時の安全歩行を確保するため、県内の歩道の整備状況、地域からの要望状況とその対応はどうなっているのでしょうか、県の取り組みについてお伺いします。
 次に、観光についてお伺いします。
 昨年、いわてデスティネーションキャンペーンが開催されました。DC期間中の県全体の観光入り込み客数は、平成22年の4月から6月までの3カ月間と比較して97.1%と、ほぼ震災前の水準まで回復しました。その中で平泉は平成22年同期の約1.6倍であり、盛岡地域や県南地域は震災前以上の入り込みがありました。
 しかしながら、県北地域は、平成22年同期比93%、そして沿岸地域は58%と震災前の6割にとどまり、地域間格差が目立つ結果となっております。
 観光庁の調べによると、平成24年度上半期の観光による宿泊者数が、全国は震災前の水準に戻っている中、東北6県は、震災前の8割弱にとどまっているとのことです。
 本県の今年度上半期の観光客入り込み数、観光による宿泊者数はどのようになっているのでしょうか。震災前の同時期との比較、広域別の状況についてお知らせ願います。
 原発事故の風評被害や日中、日韓の外交問題の影響で、外国人観光客や教育旅行客が減少するとともに、世界遺産平泉の登録による観光客の増加の反動など、今後の本県観光に影を差す要因が指摘されております。
 一方、4月からはNHK連続テレビ小説あまちゃんが放送されるとともに、三陸ジオパーク構想が、今秋、日本ジオパーク委員会の認定を目指し活動を展開するなど、震災や原発風評被害を乗り越える努力が懸命に続けられております。
 県のアフターDCの観光における基本方針と具体的な方策について知事にお尋ねいたします。
 また、何度か県議会で取り上げましたが、アメリカカリフォルニア州のパームスプリングスでは、約2、600メートルの山頂まで回転しながら登る世界最大の80人乗りの回転式ロープウエー、パームスプリングス・エアリアル・トラムウエーが整備されており、一大観光スポットとなっております。
 これらを手本にして、例えば、岩手山の麓から休憩所のある8合目付近までの回転式ロープウエー、展望レストランなどを整備することなど、障がいを持った方々も登山ができる、全国に例がないような観光資源を開発するなど画期的な施策を講ずるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
 次に、事業中止した一般県道雫石東八幡平線、通称奥産道についてですが、平成7年に工事の調査業者による樹木のなぎ倒し事件が発生し、これを契機に、県では、平成10年11月に車道としての工事再開を断念したところであります。
 奥産道については、今までに全体の8割に当たる延長約13キロが整備されており、残りの約3キロの整備区間について、車道として開通できない状態のまま15年が経過しております。
 地元市町村の議員有志により雫石東八幡平線道路促進議員連盟も立ち上がり、震災や原発事故の風評被害等で観光客が戻らない状況の中、工事を再開し、車道として活用すべきと考えますが、県の御所見はいかがでしょうか。
 盛岡は県内観光の玄関口で、平成22年には年間約444万人の観光客入り込み数を数えております。特に市中心部には、盛岡城跡公園、石割桜、中津川周辺の深沢紅子野の花美術館など観光スポットが集中しております。観光ピーク時には観光バスが集中し、その駐車場不足が長らく指摘されてきたところであり、岩手県全体の観光の印象にもかかわることから改善が必要と考えております。
 現在、県議会の向かいの国の盛岡合同庁舎1号棟で解体工事が行われておりますが、その跡地の活用は未定となっていると聞いております。石割桜の開花の時期には全国から訪れる観光バスに議会前の県庁駐車場の利用を一時的に許可しておりますが、せっかくその前に更地となる用地が出現するのですから、これを県または盛岡市において観光バス駐車場に整備することを提案したいと思いますが、県の力強い御所見をお伺いします。
 次に、教育問題についてお伺いします。
 昨年、大津市において学校内でのいじめが原因で中学生が自殺し、また、大阪府の市立高校において部活動での教師の体罰が背景と考えられる高校生が自殺する事件が発生するなど、いじめや体罰が社会問題となっております。
 私は、いじめの問題は、人間としての生き方、あり方にかかわる問題であり、子供たちの規範意識や豊かな人間性を育んでいくために何が必要かという視点で、道徳教育を充実していくことが大切であると考えますが、知事の御所見をお伺いします。
 大津事件を受けて行われた県の緊急調査では、いじめ認知件数が2、004件で、前年度の認知件数331件の約6倍に急増しております。これまでは社会全体がいじめのない学校がよい学校という認識であったと考えられますが、そのことが学校現場でのいじめの認知、解決に向けた取り組みを消極的なものにした理由の一つと考えられます。
 集団生活である学校現場においては、嫌がらせやささいな人間関係のトラブルは、どの学校、どの児童生徒でも起こり得ることであり、いじめは一件でも多く発見し、早期に解決する学校こそが、子供や保護者に信頼されるよい学校という認識を社会全体で共有することが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いします。
 大津事件の調査結果報告では、いじめの表面化をおそれる学校、教師の意識の問題、解決を学校に丸投げした市教委の対応などが問題点として指摘されたところであります。これらを教訓にし、いじめの早期発見に積極的に取り組むとともに、いじめが深刻な事態に至る前に解決を図るなど、総合的ないじめ対策に取り組むべきと考えますが、基本的な考えと対応策をお示し願います。
 大阪市での高校生の自殺事案を受け、文部科学省は、体罰はいかなる理由であっても絶対許されない行為であり、体罰禁止の趣旨の徹底等を求めるとともに、体罰の実態について主体的に把握し、報告するよう、各都道府県教育委員会等に対し通知があったところです。
 本県においては、これに対応し、公立学校、私立学校にどのような指導を行ったでしょうか。また、体罰の実態把握はどのように行われているのでしょうか。児童生徒や保護者への調査、外部の第三者の参画を得た調査のほか、岩手県独自の調査は行われているのでしょうか。
 県教育委員会のまとめによると、平成19年度から平成23年度の5年間で体罰により懲戒処分を受けている公立学校の教諭は14人で、そのうち9人は部活動中の体罰であったとされております。
 これまで、県は、体罰防止のためどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。また、今般の緊急事態把握を踏まえて、どのような姿勢で体罰の撲滅に取り組むお考えなのかお伺いします。
 次に、2016岩手国体についてお伺いします。
 希望郷いわて国体は、復興のシンボルとして開催するとのことですが、どのように準備を進めていくお考えでしょうか。また、開催を3年後に控え、準備も本格化してくると思いますが、市町村の準備状況、とりわけ復興事業に人的、財政的資源を集中して投入している沿岸の市町村の準備状況はどうなっているのかお伺いします。
 各市町村等においては、国体開催に向け、競技会場となる施設整備だけではなく、競技力向上やスポーツ振興を図るための施設の整備として、例えば盛岡市では、繋地区のサッカー場整備などの計画があると聞いており、国体準備が本格化してきたと感じます。
 そこで、希望郷いわて国体の開催に向けた競技施設の整備状況と今後の見通し、及び市町村の施設整備に対する県の支援の状況をお伺いします。
 次に、交通規制に関する県民ニーズ等についてお伺いします。
 道路における交通の安全と円滑を確保するため、警察においては、信号機や道路標識等の交通安全施設を整備していますが、都市部を中心に、朝夕のラッシュ時に渋滞が発生している状況にあります。
 渋滞が発生する交差点については、道路構造上の問題もありますが、信号表示の時間の長さを変更することで解消できるのではないかという声も聞こえてくるところであります。
 このような交通規制に関する県民ニーズ、要望を警察ではどのようにして把握し、どのように捉えているのか、また、その対応についてお伺いします。
 次に、TPP参加交渉に関連して、国が打ち出した攻めの農林水産業についてお伺いします。
 時事通信社の世論調査結果によれば、TPP交渉に日本も参加すべきだと答えた人が58%で、参加すべきでないの22%を大きく上回ったと報道されております。
 安倍首相は、先週の日米首脳会談を踏まえ、TPP交渉参加を前提に動きを加速させています。私も一農家であり、甚大な影響に危惧する農業生産者の気持ちは痛いほど理解できます。高橋比奈子衆議院議員は、挨拶の中で、農は国の基と農業の大切さをいつも話されております。私も同感であります。
 私は、TPP交渉参加する、しないにかかわらず、国は、農業が将来にわたって持続的に発展できる施策を示すべきと思いますが、政府は、今月18日、産業競争力会議を開催し、農業を成長分野と位置づけ、攻めの農林水産業を推進することとし、農業の構造改革の加速化、農産品、食品の輸出拡大などについて具体的な施策を検討することとしました。これに対する県の所感をお伺いします。
 以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 樋下正信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、復興まちづくりの推進と住宅確保の加速化についてでありますが、震災後間もなく2年を迎えますが、今なお3万8、000人余りの被災者が応急仮設住宅等で不自由な暮らしを余儀なくされています。また、5、200人余りの方々が、ふるさとの沿岸を離れ、内陸や、あるいは県外で生活をされています。
 津波に対して安全なまちを整備し、住宅を再建することは、復興の最重要課題の一つであり、被災された方々に一日も早く生活を再建していただくために、また、沿岸を離れて生活されている方が、早期にふるさとへ戻り、暮らしを再建し、なりわいを再生していただくためにも、その加速が必要であると認識しております。
 現在、市町村では都市再生区画整理事業や防災集団移転促進事業などの面的整備事業を計画していますが、そのうち約9割が事業に着手しており、また、県と市町村合わせて5、600戸余りの災害公営住宅の建設予定のうち約4割が事業に着手し、今年度末にはその一部が完成する見込みとなっております。
 県といたしましても、まちづくり・住宅再建推進本部や、復旧、復興工事の円滑な施工確保のため新たに設置しました岩手県復旧復興工事施工確保対策連絡調整会議を活用しながら、国や市町村と連携して、復興まちづくりと住宅再建の取り組みをさらに加速してまいります。
 次に、安定的な雇用創出と希望する仕事へのマッチングについてでありますが、県では、大震災津波の発災以来、雇用の維持、回復に全力で取り組んできたところでありますが、有効求人倍率は、これまで12カ月連続で全国平均を上回るなど高い水準を維持しておりますが、沿岸被災地においては、安定的な雇用の拡大が必要であることに加え、職種によっては労働力の確保が難しい状況が生じています。このような状況を踏まえまして、引き続き、被災事業所の事業再生を支援するとともに、事業復興型雇用創出助成金の活用などにより、沿岸被災地における長期、安定的な雇用の創出に取り組んでまいります。
 また、求職者に対して、職業選択の視野を広げ就職に結びつけるための支援を行うとともに、魅力ある職場環境の整備に向けた企業の取り組みを支援することにより、企業と求職者とのマッチングの促進に努めてまいります。
 次に、アフターDCの観光基本方針と具体的方策についてでありますが、いわて県民計画におきまして、地域資源の磨き上げによる魅力的な観光地づくりや人材育成などの受け入れ態勢の整備、効果的な情報発信により滞在型、交流型観光を推進するほか、沿岸地域の観光産業の早期復旧、復興と観光需要の回復を図ることなどを基本方針としております。
 この方針のもと、具体的な方策としまして、いわてDCに引き続き大型観光キャンペーンを実施し、二次交通の充実による沿岸への回遊促進や空路活用による誘客拡大に取り組んでまいります。特にも、県北地域につきましては、あまちゃん放映に合わせて二戸から久慈に向かう復興応援バスツアーを新設するなど、重点的な誘客に取り組んでまいります。
 さらに、三陸ジオパーク構想の具体化も踏まえまして、震災学習を中心とした教育旅行の誘致を沿岸観光の新たな柱とし、震災語り部ガイドのネットワーク化やスキルアップなどにより、沿岸の本格的な観光復興に取り組みます。
 また、回復のおくれています国際観光について、東アジア圏を重点地域としつつ、まずは台湾からの旅行需要の回復に強力に取り組むなど、オール岩手の観光復興に努めてまいります。
 次に、道徳教育の充実についてでありますが、生命を尊重する心、他者への思いやり等の豊かな人間性を育むことは非常に大事なことであり、道徳教育の充実を図ることは大切なことと考えております。県教育委員会においては、子供たちの発達段階や特性を考慮して道徳教育の充実を進めていると認識しております。
 次に、いじめ問題への認識についてでありますが、いじめは児童生徒の生命や人権にかかわる喫緊の教育課題であり、いじめは決して許されないとの認識のもと、学校のみならず社会全体で対応していかなければならないと考えております。したがいまして、いじめの解決のためには、学校、教育委員会と家庭、地域社会が連携して対処する必要があると考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いします。
   〔理事高前田寿幸君登壇〕
〇理事(高前田寿幸君) まず、復興まちづくりの4事業の進捗状況についてでございますが、2月21日現在で申し上げますと、都市再生区画整理事業につきましては7市町村18地区で事業が進められており、そのうち14地区が都市計画決定され、3地区が事業認可を受けております。津波復興拠点整備事業につきましては6市町10地区で事業が進められており、そのうち3地区が都市計画決定され、2地区が事業認可を受けております。また、防災集団移転促進事業いわゆる防集事業は7市町村55地区で事業が進められており、そのうち47地区で国土交通大臣から事業計画の同意を受けており、漁業集落防災機能強化事業いわゆる漁集事業は11市町村40地区で事業が進められております。これらの事業地区のうち、区画整理事業、防集事業でそれぞれ2地区、津波復興拠点事業で1地区、漁集事業で5地区については既に工事が着手されております。
 次に、復興まちづくり事業の課題と対策についてでございますが、事業を進める上での課題といたしましては、まちづくり事業の実施を担う専門的な人材の確保や、移転先となる高台等の用地取得、地権者への対応、契約手続に時間を要するといった事業用地の確保、さらには、今後多くの工事が本格化する中で、施工段階での各種の調整などが挙げられます。
 これらの課題へ対応するため、全国の地方公共団体、国等の関係機関による継続した被災地復興のための人的支援や、所有者不明土地の特別措置、土地収用手続の迅速化等といった事業用地の円滑な確保に向けた特例措置等を国に対し引き続き要望していくとともに、課題解決に向けた取り組みを強化するため、昨年10月に設置いたしましたまちづくり・住宅再建推進本部や沿岸各地域の復旧、復興工事の円滑な施工確保のための対策を検討、調整するため、新たに設置いたしました岩手県復旧復興工事施工確保対策連絡調整会議等を通じて、課題解決に向けて取り組んでまいります。
   〔県土整備部長若林治男君登壇〕
〇県土整備部長(若林治男君) まず、災害公営住宅の進捗状況についてでありますが、県が整備いたします予定の2、821戸のうち地権者の内諾を得ているものが2、124戸で75%、そのうち工事を行っているものが200戸で7%という進捗状況になっております。また、市町村を加えた県全体で整備いたします予定の5、639戸のうち地権者の内諾を得ているものが3、588戸で64%、そのうち工事を行っているものまたは完成したものが389戸で7%という進捗状況になっております。
 次に、整備の見通しと諸課題等についてでありますが、整備の見通しは、平成25年度当初予算において173億円を計上いたしまして約1、400戸の工事などを進め、平成26年度の全戸完成を目指し、全力で取り組んでまいります。
 当面の諸課題につきましては、何といっても用地の確保と整備の迅速化であります。引き続き、市町村や民間事業者などからの土地情報の収集に当たりますほか、敷地提案型買い取り方式や設計施工一括選定方式によりまして整備を加速させていきます。
 次に、整備の迅速化についてでありますが、設計施工一括選定方式のメリットにつきましては、設計と施工に係る手続が1回で済みますので、期間が約2カ月短縮されます。設計を行いながら資材や労働者の確保ができますので、確実かつ早期の整備が可能になります─などが挙げられます。
 また、敷地提案型買い取り方式のメリットについてですが、民間事業者等から新たな候補地を提案していただくことにより、県がこれまで用地探しに要していた時間の短縮と労力の軽減に加え、設計施工一括選定方式と同様のメリットがあると考えております。
 地元業者への配慮につきましては、設計施工一括選定方式につきましては、応募するグループの施工業者は県内に主たる営業所を有することを要件としております。また、敷地提案型買い取り方式につきましては、県内に本店がある事業者から優先して採用するということにしております。
 次に、防災、減災対策に係るお尋ねでありますが、まず、県が管理いたしますインフラの老朽化対策についてですが、本県では、平成17年度から橋梁のアセットマネジメントを初めとする長寿命化対策、予防保全型維持管理によります維持管理コストの抑制等に取り組んできておりまして、これまで11の分野で維持管理計画、長寿命化計画の策定を進めてきております。このうち橋梁や県営住宅など8分野の計画策定を今年度末までに終え、残るトンネルや港湾などの3分野につきましても順次策定を進める予定であります。
 今後は、これらの計画を着実に進めるための予算の確保、さらには、新たな技術開発や省力化を初めといたしました効率的な点検手法によりますコスト縮減などが課題と認識しているところであります。
 次に、国の新たな交付金に呼応した県の予算措置についてでありますが、全国的な公共事業費縮減の中で、県の公共事業関係予算も平成9年度をピークといたしまして年々減少してきたところであります。その中にありましても、公共土木施設の安全性と信頼性を確保するため、毎年度100億円規模の維持管理費を確保してきたところであります。なお、国の緊急経済対策に伴う補正予算への対応といたしまして、防災、安全分野に係る道路補修や通学路対策などにつきまして、2月補正予算案に約50億円を計上する予定としております。今後とも、新交付金制度の積極的な活用も含めて、県民の安全で安心な暮らしを守るため、適切な予算の確保に努めてまいります。
 次に、市町村管理のインフラの老朽化対策についてでありますが、今般、国が創設いたしました新たな交付金制度では市町村も対象になりますことから、県では、去る2月22日に全市町村を対象に制度の勉強会を開催いたしまして、情報の共有化を図ったところであります。その中で、市町村から出された意見等を踏まえ、より使い勝手のよい制度とするために、制度の改善等を国に要望するとともに市町村と一体となって整備計画の策定を進め、インフラの老朽化対策に積極的に取り組んでまいります。
 次に、寒冷地の道路環境の整備についてでありますが、これまで、消雪施設は車道の急勾配の箇所や市街地の歩道などで整備を進めてきております。その整備状況は、車道部で34カ所、8.2キロメートル、歩道部で63カ所、延べ21.5キロメートル、合計29.7キロメートルとなっております。
 消雪施設の課題といたしましては、融雪パイプ等の放熱施設やボイラー等の給熱施設の整備費用が高価でありますこと、電気料や保守点検などの維持管理費用がかさみますこと、また、設置工事の際の通行制限により交通への影響が大きいことなどが挙げられます。このことから、消雪施設の整備に当たりましては、特に冬期における安全な交通の確保が必要と認められる箇所につきまして、交通への影響や経済性などを総合的に検討しながら進めてまいります。
 次に、歩道の整備についてでありますが、歩道の整備状況は、平成23年4月1日現在、県が管理いたします道路の延長4、193キロメートルのうち歩道の設置延長が1、627キロメートルで、設置率が38.8%となっております。平成24年度の事業実施状況は、40路線49カ所、約34キロメートルで事業を進めておりまして、そのうち11路線11カ所、約4.3キロメートルの整備が完了する見込みであります。
 また、地域からの要望につきましては、平成24年度に16市町村から歩道整備に係る要望が38カ所ございまして、その対応は、平成24年度に6カ所で事業を実施いたしまして、平成25年度には2カ所を新規箇所として事業を実施する予定であります。今後とも、交通量や地域の沿道状況等を踏まえ、通学路の歩道設置など安全な道路環境の確保に努めてまいります。
 次に、一般県道雫石東八幡平線、通称奥産道についてでありますが、県では、平成10年に道路工事の再開を断念した後、整備済み区間の道路の利用に伴う人為的影響の軽減や自然環境の保全を基本的な考え方とする活用計画を策定いたしまして、これに基づき連絡歩道などの整備を進め、平成19年6月から、整備済み車道、連絡歩道及び既設登山道を一連の歩道として供用したところであります。その後、平成21年度に活用検討委員会から、これまでの整備は保全面と利用面から妥当であるとの総合評価をいただきまして、また、三ツ石湿原とその周辺は保護すべき地域との提言を受けたところであります。今後につきましても、提言の趣旨を踏まえて、引き続き歩道としての利活用を図っていく考えであります。
   〔商工労働観光部長橋本良隆君登壇〕
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、事業復興型雇用創出事業の実績と企業の評価についてでありますが、事業復興型雇用創出事業については、被災事業所の再建に時間を要していることなどもあり、計画を下回っているところでありますが、今年度の後半からは申請数が大幅に増加してきており、雇用の回復や事業所に対する周知が進んできたものと認識しております。また、この事業に係る助成金を活用した企業からは、人材確保や人件費などの資金繰りの面で役立っていることや、安定的な条件での雇用が可能になったとの評価をいただいていることから、来年度も継続して事業を実施するとともに、その活用の促進に取り組んでまいります。
 次に、被災地における人材確保についてでありますが、人手不足の業種の人材を確保するためには、その業種で経験のある方はもとより、経験のない方も含めた新たな求職者の掘り起こしが必要と考えております。このことから、水産加工業などについては、機械化など労働環境の変化を実感できる工場見学会を積み重ねるなど、求職者に対し就職への動機づけを行っていくとともに、企業に対しては、求人条件や生産工程の見直しなど労働環境の改善に向けた取り組みを支援し、企業と求職者とのマッチングの促進に努めてまいります。
 また、建設業などについては、車両系建設機械等の操作資格を取得する特別訓練コースなど、復旧、復興に対応した職業訓練コースの充実により人材の育成を図り、被災地における人材の確保に努めてまいります。
 次に、グループ補助金の国への働きかけについてでありますが、県では、東日本大震災津波により甚大な被害を受けた事業者の事業再建のため、発災当初から国に大型補助制度を創設するよう要望し、こうした動きを受けて国の平成23年度第1次補正予算においてグループ補助金が創設されたものと考えております。この補助金は、被災した事業者が再建していく上で効果的な制度として、商工団体などからも補助事業の拡充と継続を要望されてきたところです。これまで6次にわたる公募を実施してきたところ、多くのグループからの申請があり、それに対応するため、県では必要な財源の措置を国に要望しているところです。その結果、5次前半公募分までに採択した63グループ、882社に対する補助金約646億円を確保したところでございます。
 また、グループ補助金決定事業者の実施状況についてでありますが、補助金交付決定を受けた全事業者に、今月、事業の進捗状況を確認したところ、平成23年度に交付決定を受けた295事業者の約8割が既に完了または完了見込みであり、平成24年度に交付決定を受けた事業者については、この1月に交付決定を行った事業者も含め、約5割が既に完了または完了見込みであり、おおむね順調に実施されております。なお、平成25年度に繰り越すことが見込まれる事業者は、平成23年度決定者で50社ありますが、これは、工期の延長や土地利用の関係で建設用地が定まらないことなどの理由によるものです。今後とも、商工団体など支援機関と連携を図りながら進捗状況を把握し、円滑に事業が実施され、早期の復旧ができるよう支援してまいります。
 次に、県内観光の状況についてでありますが、延べ人数で申し上げますと、岩手県観光統計によれば、平成24年度上半期の観光客入り込み数は、平成22年度同期比5.8%減の約1、706万6、000人となっております。これを広域別に見ると、県央エリアは平成22年度同期比7.1%増の約574万人、県南エリアは5.3%増の約750万1、000人、沿岸エリアは44.2%減の約216万3、000人、県北エリアは5.5%減の約166万2、000人となっております。
 観光による宿泊者数につきましては、観光庁の宿泊旅行統計では、観光目的の宿泊者が50%以上を占める宿泊施設において、平成24年度上半期は、平成22年度同期比4.9%減の147万3、000人となっております。なお、広域別のデータは集計されておりませんが、沿岸エリアにおいては、宿泊施設のほとんどが復旧、復興関係の宿泊客の受け入れにより営業していると聞いており、観光による宿泊者は大きく減少しているものと推察されるところでございます。
 次に、画期的な観光施策についてでありますが、御提案のような大規模な施設整備による観光資源の開発も誘客を図る方策の一つではありますが、当面、沿岸地域における観光産業の早期復旧、復興と観光需要の回復に資するものが優先されるべきと考えており、現在、検討が進められております三陸復興国立公園や三陸ジオパーク、震災復興祈念公園などの構想の具体化を踏まえ、全国的にも特色ある観光地づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、盛岡市内の観光バス駐車場についてでありますが、現在、盛岡市内には市が管理する無料の観光バス駐車場が上ノ橋、下ノ橋に設置されているほか、盛岡城跡公園周辺には臨時駐車帯が設けられるなどしており、県としても、石割桜の開花時期には県庁敷地内の駐車を許可するなど協力しているところでございます。また、盛岡市からは、修学旅行シーズンなど観光バスが集中する時期には、駐車場マップの配布などにより、民間駐車場を含む周辺駐車場への誘導も行っており、現状では慢性的な駐車場不足の状況にはないと聞いておりますが、国の盛岡合同庁舎1号棟敷地の利活用を含め、今後とも必要に応じて市との情報交換等を行ってまいります。
   〔政策地域部長中村一郎君登壇〕
〇政策地域部長(中村一郎君) 希望郷いわて国体の準備状況についてでございますが、今度の国体につきましては、運営全般にわたり、県民の皆さんや企業、団体などがそれぞれの役割を主体的に果たしていただき、県民の総力を結集して、夢と感動を与え、復興のシンボルとなる国体を目指して、現在、準備を進めております。
 平成25年度は国体開催が正式に決定される予定であることから、国体開催を広く県民の皆さんに周知し、県民総参加の機運醸成を図るため、10月に、沿岸市町村からの多くの出展や来場等も含め、復興を加速する県民総参加型の国体開催決定イベントを予定しております。
 また、市町村の準備状況につきましては、例えば釜石市においては、本年度、ラグビー競技会場の整備を行い、来年度の早い時期に供用開始される予定であるなど、施設面の整備も進んできており、また、来年度は各市町村におきましても国体実行委員会が設置される予定となっており、各競技会の運営面においても準備が本格化することとなっております。
 次に、競技施設の整備についてでありますが、県では、本年度、第3次の競技施設整備計画を策定し、国体で使用予定の県内69の競技施設について、計画的に改修等の整備促進を図っているところであります。本年度は市町村競技施設整備費補助金交付要綱を新たに策定し、これに基づき、北上市の北上陸上競技場や花巻市の花巻球場など5市町村6施設への補助を行っているところであります。来年度は、遠野市の遠野市民サッカー場、奥州市の水沢弓道場、紫波町の紫波自転車競技場など5市町村10施設に対し補助を行うこととしており、今後も計画的に競技施設の整備に努めてまいります。
   〔農林水産部長東大野潤一君登壇〕
〇農林水産部長(東大野潤一君) 国が打ち出した攻めの農業政策についてでありますが、先般、国は、国内産業の競争力強化や国際展開に向けた成長戦略の具現化と推進のため産業競争力会議を開催し、その中で、農業分野は攻めの農業政策を構築すべく検討することとされ、これを受けて、農林水産省は、攻めの農林水産業推進本部を立ち上げ、担い手総合支援の具体化や国内外の市場開拓、農産物の高付加価値化等の具体的な施策の検討を開始いたしました。
 本県にとって、地域経済社会を支える基幹産業である農業が、将来にわたって持続的に発展していくことが重要と考えており、具体化される国の施策は、農業者が展望を持って生産活動できるものであることが必要と考えております。
 このため、今後におきましては、国の検討状況の情報収集に努めるとともに、必要に応じて地域の実情等を国に伝え、農業の持続的発展のために実効性のある施策が構築されるよう国に求めていきたいと考えております。
   〔教育長菅野洋樹君登壇〕
〇教育長(菅野洋樹君) いじめ対策に関する基本的な考え方と対応策についてでありますが、いじめ問題への対応については、早期発見、早期対応が重要でありますことから、学校におけるアンケート調査の確実な実施を求めていくとともに、児童生徒や保護者の声に耳を傾け、いじめの兆候を把握して迅速に対応する必要があると考えております。
 小中学校については、今年度実施したいじめ根絶研修会を引き続き教育事務所単位で開催するとともに、高等学校及び特別支援学校については、生徒指導主事連絡協議会等を通じて地域別の研修を行うなど、きめ細やかに研修会を開催し、教員のいじめ問題への対応力を高めてまいります。
 また、24時間いじめ相談ダイヤルを初めとした多様な相談チャンネルを周知するとともに、いじめ問題を含む問題行動や学校不適応に対応するため、新たに関係者による連携会議を開催し、専門的な見地からの意見をいただきながら、早期発見、早期対応、未然防止の取り組みを進めてまいります。
 次に、体罰防止についてでありますが、今般の文部科学省の通知を受け、改めて体罰禁止について通知を行うとともに、先ごろ開催した県立学校長会議や市町村教育長との意見交換会において、その徹底を図ったところであります。
 実態把握につきましては、文部科学省の通知に沿って、教員からの聞き取りに加え、児童生徒と保護者には、アンケートにより調査を実施しているところであります。
 また、私立学校についても、公立学校に準じて調査が行われております。
 次に、体罰防止のための取り組みについてでありますが、これまで、体罰を含めた不祥事の防止、コンプライアンスの徹底を図るため、コンプライアンスマニュアルを作成するとともに、全ての公立学校で研修会を実施していることに加え、平成23年12月には、体罰を起こした場合の懲戒処分の基準を見直して厳格化したところであります。
 今後においても、調査結果を踏まえ、体罰のない学校づくりに努めていきたいと考えております。
   〔警察本部長高木紳一郎君登壇〕
〇警察本部長(高木紳一郎君) 交通規制に関する県民ニーズ等の把握につきましては、交通規制を実施する上で非常に重要であると認識しており、県警ホームページに、交通信号機意見箱及び道路標識意見箱を設けて把握に努めているほか、自治体関係者等とともに行う交通安全施設の点検、交通安全を目的とした各種会議、通常の警察活動など、あらゆる機会を捉えてその把握に努めており、その内容を交通規制に反映させていくこととしております。
 実施に当たりましては、警察署において交通規制を取りまとめる段階において、道路利用者や市町村、教育関係者等を委員とし、各警察署単位に設置しております警察署交通規制対策協議会に対策案を諮問して検討をいただくことになりますが、議員御指摘の信号表示の長さの変更のように運用で対応可能な場合もございます。
 今後とも、県民のニーズ、要望の把握に努め、そのニーズに沿った交通規制の実施に努めていきたいと考えております。
〇45番(樋下正信君) 御答弁大変ありがとうございます。4点ほど再質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、雇用関係ですけれども、内陸の雇用情勢についてですが、先ほども質問しましたが、沿岸のほうでは求人倍率が上昇し人手不足が顕著になっているということです。内陸部の各地域の雇用情勢もどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。
 それから、長く続いている円高等により─今は円安になってきてもおりますけれども─輸出関係、電機とか自動車関係の内陸の基幹産業で不振が続いているわけでございますが、内陸の雇用の課題についてどのように認識しているのか、対応策もあわせてお示し願いたいと思います。
 次に、国土強靱化対策の具体的な対応についてですが、県では、中央自動車道の笹子トンネルの天井の崩落事故を受け、県内にもかなりのトンネルが存在していると思いますが、そのトンネルの緊急点検について、どのように対応して、その結果はどうだったのか。点検箇所や今後の対応も含めて詳しく教えていただければと思います。
 次に、これは国の合同庁舎の関係でございますが、跡地利用ということで先ほど答弁もいただいたところですが、今、解体が行われて、国のほうでは、その利活用については未定であると聞いております。国から県に対して何かそういう打診があったのかなかったのか。
 実は私、盛岡市のほうは、過去に打診があったというようなお話も聞いております。いずれ、その辺のところを、国から打診があったらどのような対応をするのかも含めて教えていただきたいと思います。
 それから、4点目でございます。ただいま交通規制に関する県民からのさまざまな形での受け答えといいますか、いただいているという中で、実は、盛岡市内の不来方橋という開運橋の一つ下流にかかっている橋でございます。具体的になりますけれども、不来方橋東側の、橋を大沢河原から駅のほうに向かって、あそこの橋の上が5車線になっております。その5車線のうちの真ん中の2車線が駅に行く直進の車線になっております。このラッシュ時には、直進する車が少ないんですね。私もあそこを通っているんですけれども。それで、逆に左に曲がる、左折というのでしょうか、南のほうに向かう車線が1車線になっております。そっちのほうが渋滞している状況でございます。
 このような場合、直進の2車線の一つのレーンを、二つのうちの一つを左折できるようなレーンに見直すなど、そういったことが考えられないのかどうかということでございます。
 そして、このような例は、私は盛岡市ですので盛岡市のお話をしたわけでございますが、よそといいますか、県内でそんなところがあるのか、その辺のことについて、対応策も含めて教えていただければと思います。
〇商工労働観光部長(橋本良隆君) まず、内陸部の雇用情勢についてでありますが、昨年12月の内陸部の有効求人倍率は、平均0.93倍と経済危機以前と比べても非常に高い数字にありますものの、地域別では、盛岡を除き1倍を下回っており、二戸は、前月より上昇したとはいえ県内では最も低い状況となっております。
 内陸部においては、自動車、半導体関連産業など、ものづくり産業の集積が進んでおりますが、世界経済の動向によっては、輸出関連企業を中心に雇用環境への影響も懸念されますことから、今後の景気動向や雇用情勢を注視しながら、地場企業の技術力の向上と企業誘致の両面から、国際競争力の高いものづくり産業のさらなる集積を促進し、安定的な雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、国の盛岡合同庁舎の跡地の利活用についてのお尋ねでございますが、当該地については、以前、事務的に国から相談があった、そういう経緯があったとは聞いております。国が直接使用する部分の確定にはいましばらく時間を要すると聞いており、その後において国から打診があった場合には、さまざまなニーズの確認を含め、関係者との間で検討がなされるものと考えております。
〇県土整備部長(若林治男君) 中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を受けた、まず、県内のトンネルの緊急点検の状況ですが、県が管理いたしますトンネルは149ございます。その笹子トンネルと同様なタイプの天井板を持ったタイプはございませんが、換気施設にジェットファンを有するトンネルが5カ所ありましたので、事故の12月2日の翌日でありますが、緊急的に目視点検をさせまして、それは12月6日まで打音検査等により詳細点検を実施いたしました。異常はございませんでした。
 その他トンネルにつきまして、冬期閉鎖により点検が実施できない7カ所を除く137カ所につきまして、何か異常がないかということで目視により緊急点検を12月7日までに実施したところ、異常は確認されませんでした。
 段階的な点検といたしまして、現在は、照明とか、それからケーブル、それから道路標識等で、アンカーボルト、ボルトでとめている部分があるのですけれども、これについて現在、点検を実施しておりまして、これまでに支障があるような異常は報告されておりません。
 それから、引き続きまして、平成25年度には、コンクリートの巻き建て部分の詳細点検を行いまして、剥離の状況とか、そういうものを調査いたしまして、点検で異常が発見された場合は、緊急度を勘案しながら順次対策を行ってまいります。
〇警察本部長(高木紳一郎君) 左折車線の2車線化についてでございますが、県内の交差点では、交通流量及び交差点形状等を勘案し、左折車線を2車線としている交通規制が3カ所ございます。
 議員から御指摘のございました不来方橋西交差点の渋滞解消方策として、左折車線を2車線にふやすことにつきましては、交差点手前の短区間で2車線から5車線になる車線形状の処理方法、それから、2車線で左折させた場合、左折後、車線が減少となる形状の処理方法など、交通流の安全確保と他の車線に与える影響の観点から問題がございまして、道路管理者と協議していく必要があると考えております。
〇副議長(柳村岩見君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時17分 休 憩
出席議員(47名)
1  番 高 田 一 郎 君
2  番 佐々木 茂 光 君
3  番 小 泉 光 男 君
4  番 清 水 恭 一 君
5  番 名須川   晋 君
6  番 後 藤   完 君
7  番 佐々木 朋 和 君
8  番 佐々木   努 君
9  番 軽 石 義 則 君
10  番 神 崎 浩 之 君
11  番 城 内 愛 彦 君
13  番 吉 田 敬 子 君
14  番 木 村 幸 弘 君
15  番 久 保 孝 喜 君
16  番 小 西 和 子 君
17  番 岩 渕   誠 君
18  番 郷右近   浩 君
19  番 喜 多 正 敏 君
20  番 高 橋 但 馬 君
21  番 小 野   共 君
22  番 高 橋   元 君
23  番 高 橋 孝 眞 君
24  番 岩 崎 友 一 君
25  番 工 藤 勝 博 君
26  番 及 川 あつし 君
27  番 飯 澤   匡 君
28  番 関 根 敏 伸 君
29  番 工 藤 大 輔 君
30  番 高 橋 昌 造 君
31  番 五日市   王 君
32  番 小田島 峰 雄 君
33  番 大 宮 惇 幸 君
34  番 熊 谷   泉 君
35  番 嵯 峨 壱 朗 君
36  番 工 藤 勝 子 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 小野寺   好 君
39  番 佐々木 順 一 君
40  番 及 川 幸 子 君
41  番 伊 藤 勢 至 君
42  番 佐々木   博 君
43  番 田 村   誠 君
44  番 渡 辺 幸 貫 君
45  番 樋 下 正 信 君
46  番 柳 村 岩 見 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 佐々木 大 和 君
欠席議員(1名)
12  番 福 井 せいじ 君
説明のため出席した者
休憩前に同じ
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
午後3時38分 再開
〇副議長(柳村岩見君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。関根敏伸君。
   〔28番関根敏伸君登壇〕(拍手)

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