平成15年6月定例会 第3回岩手県議会定例会 会議録

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〇48番(小原宣良君) 社会民主党の小原宣良でございます。
 ただいま議題となっております発議案第1号岩手県議会会議規則の一部を改正する規則に反対の討論を行います。
 そもそも、この会議規則の一部を改正し、同規則第95条に覆面を加えるべしとの発議に至った根本の原因は一体何だったのでしょうか。思うにそれは、一般論や将来予測によるものではなく、紛れもなく本年4月に行われた岩手県議会議員選挙に起因しているものと私は思います。
 議会運営委員会での県選挙管理委員会書記長の証言によれば、立候補届け出前にザ・グレート・サスケ氏から、覆面のままで立候補することは可能か否かの問い合わせがあり、その問い合わせを受けて中央選挙管理委員会に照会するなど慎重を期したが、中央選挙管理委員会からは、公職選挙法上に定めがなく受け付けざるを得ないものとの見解が示され、これを受けて届け出を受理した旨の証言がありました。この限りにおいて、サスケ氏が覆面のままでの立候補届け出、選挙用ポスター、選挙行動において合法であったことは紛れもない事実であります。その上でサスケ氏は有権者の信任を得たのであり、何ら問題とするところはないものであります。
 さりながら、覆面姿はいかにも奇異、異状であり、本人において議場に入る際は覆面を取るべしとの声が多くあったことは、私も少なからず共感するものであります。願わくは、本会議場においては、素顔で県政課題の議論に臨まれることを期待いたします。
 もともと選挙は、審判を受ける側の候補者と審判をする有権者との関係は、厳しい緊張関係にあるものです。いわば審判を受ける側の候補者が、どれだけ自分自身の、あるいは時として家族の姿をもさらけ出して思いのたけを表現できるのかが問われ、一方有権者はそれをどう受けとめるか、お互いの関係が問われるものと言うことができます。
 しかし、どう見ても、この問題は本人において判断すべきことに変わりはなく、会議規則をもって規制することはできないものであります。なぜなら、前段申し述べましたとおり、サスケ氏は覆面のままの立候補が認められ、その姿を含め有権者の信任を得たのであり、その姿で議員活動を継続するか否かの判断は、有権者、支持者への説明責任を有する本人しかできないからであります。もし本人の意思以外の力で覆面姿を規制するとするならば、立候補届け出段階で規制すべきであります。
 私は、これまで、法規制の定めのない現状においては、本人の判断ないしは議場整理権を持つ議長が、本人確認の方法を含め、適切に判断すべきことを議会運営委員会の場で主張してまいりました。この主張が受け入れられず、本発議案が採決に付されることになったことを、まことに残念に思う次第であります。
 かかる経緯を持つこの問題は、会議規則をもって規制すべきでないことを重ねて申し上げたいと思います。
 同時に、私どもは、ザ・グレート・サスケ議員に申し上げたいのでありますが、みずからの意思によって、本会議場においては、素顔をもって県政議論に臨むことを期待するものであります。
 いずれ、この問題は、これから行われる本発議案採決をもって完結する問題ではありません。選挙のありようを含め、議員の品位の保持など、県議会がこれからどう県民に対して向かい合う姿勢を示すかが問われ続けるでありましょうし、県議会はこれらに真剣にこたえなければならないものであります。
 県民とともに歩み、信頼される県議会とするために、藤原議長の強いリーダーシップを期待して私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

〇議長(藤原良信君) 次に、斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕


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