平成24年9月定例会 第7回岩手県議会定例会 会議録

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〇27番(飯澤匡君) 地域政党いわての飯澤匡でございます。本日の知事の定例記者会見における花泉地域診療センターの民間移管の経過等に係る発言について、緊急質問を行います。
 花泉地域診療センターの民間移管の事案は、当初から不透明な経過をたどり、議会は適時適切に指摘をしてきたところですが、当局は、ほとんど議会の声を顧みず、達増知事は、地域医療のモデルとまで言い切り、当局は、医師が不足した場合は県立病院からも派遣するとまで支援策を公言しながら、伝家の宝刀を抜くことなく破綻への道に至ったのであります。
 今9月定例議会に設置された決算特別委員会では、議会は、みずからの権能を行使し、真実を明らかにするために、医療法人白光の橋本堯夫氏を参考人として招致し審査の徹底を図ってきたところであります。橋本参考人からは、今日まで医療局が提示をした最終報告書の内容、作成までの手続について明らかなる認識の違いの発言があり、ますますこの事案の不透明さと疑惑が深まったのであります。
 本日の達増知事の定例記者会見の発言の内容は、これまでの議会が積み上げてきた議会の経過と意思を軽んじる内容であり、今後の地域医療政策の根幹にかかわる問題であることから、以下、お尋ねいたします。
 第1に、昨日の橋本参考人の質疑が終了したのは午前11時であります。知事は、参考人が答弁した内容に関する医療局としての反論、説明については、昼過ぎの段階で既に検討が終わっている。今でも説明し、今までの答弁どおりです。報告書に書かれているとおりですとの発言がありましたが、短時間にどんな作業をしたのでしょうか。まともに議会の参考人招致の内容を精査し、検討したのでしょうか、お答え願います。
 第2に、知事が掲げた四つの危機の克服はいまだに達成されていません。政権交代がなされれば医師不足は一発解決との発言の責任はどう果たされるのでしょうか。
 今、大震災からの復興という課題の中で、地域医療の再生は、最大かつ重要課題であります。その課題の中で、知事の肝いりで始めた地域医療に係る県の施策が頓挫したことの反省が必要であります。ましてや、その施策事業が不明朗かつ不適切な経過があるとすれば、議会としてその事実を解明することは、二元代表制における議会の使命と責任であります。もって、県政運営をよりよくするものとしての営為として、決算特別委員会で全会一致の継続審査としたものであります。知事は、その重みをどのように受けとめるのかお答え願います。
 第3に、会見の発言は、時系列的に議会意思が伝えられていない段階で、首長の発言として不用意であり、議会軽視であり、そもそも二元代表制における関係を無視したものと断ぜざるを得ません。知事は無床化以後の議会対応を真摯に受けとめる必要があると思いますが、執行者としての議会が積み上げた議論に対する姿勢を問います。
 第4に、橋本氏が参考人としての発言の中で、まことに客観性の高い表現をもって知事との電話のやりとりを確信を持って発言しておりましたが、知事は本日の記者会見で、熟慮せず完全否定しておりますが、県民の目線からも不自然と思われますが、いまだにその事実を否定なさるのでしょうか、お答え願います。
 第5に、議会は、今回の参考人招致の結果を経て、さらに調査を深め、真実を究明する責任は重くなったと考えます。知事は、どのように議会に対応なさるのかお尋ねいたします。
 答弁によっては再質問をさせていただきます。御清聴ありがとうございます。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) きのうの動きにつきましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、医療局や保健福祉部との打ち合わせの中で、参考人の発言のみをもって、直ちに最終報告案を手直しする必要はないというようなやりとりをしたということでございまして、記者会見でもそういう趣旨で述べたところであります。
 また、全会一致という重みについてでございますけれども、これはもう全会一致であれ、多数決であれ、議会の議決というものは極めて重いと理解しております。
 無床化以降の議会対応を真摯に受けとめる必要があるがということについてでありますが、これももう無床化以降であれ、以前であれ、あるいはほかの分野に関する議論であれ、議会の対応については、これは真摯に受けとめてまいりましたし、これからもそのようにしてまいります。
 電話につきましては、これは、ないものはないということでございます。
 それから、議会の今後の対応についてでありますが、これは、もう議会の責任において、議会の自治として議会において決められることでございますので、それを尊重してまいります。
〇27番(飯澤匡君) まず、第1の質問についてでありますが、どういう作業をしたのかということについて、どういう精査をしたのか、検討したかについて、もう少し、これは答弁漏れでありますので、お答えを願いたいと思います。
 先ほど報告書の内容については変更をすることはない、報告書に書かれているとおりですという記者会見の内容と、ただいま前者の質問の中で、明らかに、これは議会の対応とともに、医療局長も申し上げておりましたが、これは対応を変更することは可能であるとの発言がありましたが、その真意について改めて、どちらが正しいのか、これは議会に対する対応の根幹をなしておりますので、お答え願いたいと思います。
 再質問の機会は1回ですので、今回の参考人を招致しての内容については、明らかに当局が言ってきたものと内容を異にするものが多い。これは、だからこそ、議会が全会一致をもって継続審査としたものと当局は受けとめなければなりません。ですから、これは、後刻、委員長から、その精査を求めるということで、議会の意思として当局にその申し入れをすると思いますけれども、きのうの委員会の経過を見ても明らかに事実が違うので、議会はもっともっと調査をしなければならないという意思が働いている中で、短時間で、これは変更の必要がないというのは、どうも我々に対する反応として、明らかにこれは軽視をしているのではないかと思うわけであります。
 私は、やはり県民に対しても、今回の事案は、あなた方が胸を張って行った事案でもありますし、県民に対する説明責任は重いと。したがって、皆さんがみずからの手で行った最終報告書は、やはり不公平だというような印象が拭えません。したがって、これから、議会が第三者機関の調査機関をつくるなり、いろいろな対応が考えられますけれども、今回の事案は、あなた方がモデルとまで言い切った事案ですから、しっかりとした検証をしなければ次につながらない、これは、どの事例を見ても明らかであります。
 したがって、今回の対応については非常に不誠実なものがあると知事の発言についても思いますし、これから議会の対応も、やはり議会としてその責任を全うしなければならないと思います。
 改めてその点について、知事は、一般論で議会との対応はしっかりやりますということですが、事が事で、明らかに相違点がある中、一般論でなく、この事案についての重みをしっかり受けとめながら我々に対する議会の対応を答えていただきたい。これが我々の議会としての意思であり、県民に対する説明責任に当たると思いますので、そこを踏まえて再度答弁を求めます。
〇知事(達増拓也君) きのうの動きについて重ねて御質問いただきましたけれども、それぞれ医療局の担当においては、先ほどの答弁で一部明示させていただきました。あの際、私が、詳細は医療局長から答弁させますというのを言い漏らしまして御迷惑をおかけいたしましたが、私との会議の中では、結論として、参考人の発言のみをもって、直ちに最終報告案を手直しする必要はないというようなやりとりをしたということでありまして、私の手元で精査をしたわけではございません。
 また、今定例会における県議会での御議論を踏まえた上で、必要な修正を加え、最終報告として取りまとめるということを記者会見において否定したわけではございませんし、今も否定せず、当初から医療局から申し上げているとおり、今定例会における県議会での御議論を踏まえた上で、必要な修正を加え、最終報告として取りまとめるということに変更はございません。
 今後、精査を求めることを申し入れるということで、これはもう申し入れをいただきましたら、その申し入れの内容をきちっと踏まえて適切に対応してまいります。
 そして、概括的な感想のようなことを最後、御質問いただいたと思いますけれども、深刻な医師不足という状況の中で、岩手の地域医療が、これはもうそれぞれの地域においても医師の不足、また診療科の停止など非常に深刻な事態にあり、また、岩手全体としても、そこを県立病院診療所ネットワークで医師派遣など助け合いをしながらやってきているわけでありますけれども、その全体がもうもたなくなってきているのではないかと言われるような深刻な状況の中で、医療局として、新しい経営計画を定め、それによって県民の命を守り、また健康を守る体制を確保していこうとしたわけであります。
 それに対し、いやベッドは残してほしいという切実な要望が花泉地域であり、また、その住民の皆さん、地域の皆さんが、これはもう官ならず民でもいいのでということでありましたので、この民間に委託という、民間と契約をして、民間の診療所とするというやり方を行ったわけであります。
 今、ベッドの一部は福祉施設として存続した格好にはなっておりますけれども、当初決定した有床診療所としての存続ができなくなったことについては、これは、私も申しわけなく思っておりますし、反省をしております。その反省の中から、しかし、この民間の力をかりて地域医療を守るという手法自体は、今後も模索していかなければならない。
 しかし、模索していくに当たっては、手続のさまざまな適正さとともに、その相手方の世評でありますとか実態についても、きちっとわかった上で契約を交わしていく必要があるといった教訓をこの報告書で取りまとめているところでございまして、医療局としても、県としても、岩手県民の命を守り、そして健康福祉を増進するために、今後とも力を尽くしてまいりたいという思いであります。
〇医療局長(遠藤達雄君) 具体的などういう作業をしたのかというお尋ねでございます。これは、私どものほうで作業しておりましたので、私からお答えさせていただきます。
 花泉の関係につきましては、昨年のちょうど決算特別委員会、それから12月の緊急質問等がございましたし、それから、医療法人の橋本理事のさまざまな発言等につきましては、私どもも把握しておりますし、それから、文書でことしの1月に質問状もいただいております。したがって、それらを精査した上で、昨日、参考人として参った発言等の内容をチェックして、事実関係に違いがないかという形の作業を同時並行で進めておりました。
 なぜ同時並行でやっていたかという点につきましては、これは、私どもの部審査、保健福祉部を入れた合同審査の中で議事進行が入りまして、たしか知事を呼んで集中審査というふうな御発言があって、それは世話人会で検討するという流れになっていたかと思います。
 したがいまして、参考人招致、これはあくまでも議会として参考人に話を聞くだけの話でございますので、その後、議会としての考えなり、あるいは質疑というものは、その後に予定される、俗に、今まで集中審査という言い方をさせていただいているのですが、そういった集中審査の中で、議会のお考えなりといったものが問いただされるだろうというのを想定しておりまして、当日、仮にそういった方向になった場合に、いやそれはわかりません、わかりませんという答弁はさすがにできませんので、可能な範囲で事実関係の精査をやっていたということでございます。そういった作業の結果を知事に御報告したということでございます。
〇議長(佐々木博君) 次に、斉藤信君。
   〔37番斉藤信君登壇〕

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